JP2022543924A - Rhoキナーゼ阻害剤としてのベンゾピラゾール化合物の塩形、結晶形及びその製造方法 - Google Patents

Rhoキナーゼ阻害剤としてのベンゾピラゾール化合物の塩形、結晶形及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

RHOキナーゼ阻害剤としてのベンゾピラゾール化合物の塩形、結晶形及びその製造方法であって、具体的に式(I)の化合物の塩酸塩及び酢酸塩及びそれらの結晶形を開示し、更に、RHO阻害剤の医薬の製造における前記塩形及び結晶形の使用に関する。【化1】JPEG2022543924000042.jpg2172

Description

本出願は以下の優先権を主張する:
CN201910993446.1、出願日は2019年10月18日。
本発明はRHOキナーゼ阻害剤としてのベンゾピラゾール化合物の塩形、結晶形及びその製造方法に関し、具体的に式(I)で表される化合物の塩酸塩及び酢酸塩及びそれらの結晶形に関し、更にRHO阻害剤医薬の製造における前記塩形及び結晶形の使用を含む。
RHO関連プロテインキナーゼ(Rho associated kinase、略してROCK)は、セリン/スレオニンプロテインキナーゼに属し、RHOの下流の標的エフェクター分子であり、人体で広く発現されている。RHO関連プロテインキナーゼ(ROCK)はミオシン軽鎖(MLC)の調節に関与し、血管拡張の治療に適しており、新しい研究はROCKキナーゼがTH17細胞の免疫反応の制御や線維芽細胞の活性化に関与することを支持し、肺線維症や喘息などの肺疾患への適応拡大、更に自己免疫疾患への適応も期待されている。ROCKキナーゼファミリーには、ROCK1とROCK2の2つのアイソフォームが含まれ、ROCK2キナーゼは炎症と線維症に関連し、選択的ROCK2阻害剤は、体外血管拡張実験において高濃度でも血管拡張を起こさず、心血管系の副作用を軽減することができる。ROCK1ノックアウトマウスは胚死亡率は高くないが、MLCリン酸化の低下による細胞骨格の変異による出生後に死亡することが多く、ROCK2ノックアウトマウスは90%が胚で死亡するが、生存マウスと野生型マウスは区別がなく、ROCK2活性を選択的に阻害することでより高い安全性を有する可能性がある。したがって、選択的ROCK2プロテインキナーゼ阻害剤は、薬剤の心血管系の副作用を回避することができる。
KD025(WO2006105081A1、WO2008054599A1、WO2010104851A1及びWO2014055996A1)は、Kadmon社によって開発された経口ROCK2キナーゼ選択的阻害剤である。研究によると、KD025は、RHOキナーゼなどの線維症調節タンパク質を阻害することにより、特発性肺線維症(IPF)を治療するための新しいメカニズムの代表的なものであることが示されている。特発性肺線維症(IPF)は、身体的損傷によって引き起こされる可能性がある。損傷に対する身体の応答には、様々な細胞(上皮細胞、線維芽細胞、内皮細胞及びマクロファージなど)のアクチン細胞骨格の再編成を伴い、アクチンフィラメント(actin filament)の集合とアクトミオシン(actomyosin)の収縮は、RHOキナーゼファミリータンパク質(ROCK1及びROCK2を含む)によって誘導及び調節される。以前の研究では、RHOキナーゼファミリータンパク質がIPF患者の肺や疾患の動物モデルで活性化され、RHOキナーゼ阻害剤がこれらのモデルの組織線維化過程を予防し、確立された線維症の退行を誘発することが示されている。現在、中等度から重度の乾癬の治療のための第II相臨床試験を完了し、特発性肺線維症(IPF)の治療のための第II相臨床試験段階にある。
Figure 2022543924000002
WO2014134388A1及びWO2016028971A1には、更に構造一般式が式(a)及び式(b)で表される一群の化合物が開示されており、これらはの化合物は、心臓血管疾患、神経病理学的疾患、腫瘍、自己免疫疾患、肺線維症、炎症性疾患などの治療に使用することも可能である。
Figure 2022543924000003
本発明は、式(I’)で表される構造を有する、式(I)で表される化合物の塩酸塩を提供し、
Figure 2022543924000004
ここで、nは1.6~2.4であり、「*」の付いた炭素原子はキラル炭素原子であり、(R)又は(S)単一エナンチオマー形態又は(R)又は(S)単一エナンチオマーを豊かに含む形態で存在する。
本発明の幾つかの実施の態様において、前記nは1.9、2.0又は2.1である。
本発明の幾つかの実施の態様において、前記塩酸塩は、式(I-1)で表される構造を有し、
Figure 2022543924000005
ここで、「*」の付いた炭素原子はキラル炭素原子であり、(R)又は(S)単一エナンチオマー形態又は(R)又は(S)単一エナンチオマーを豊かに含む形態で存在する。
本発明の幾つかの実施の態様において、前記塩酸塩は、式(II-1)で表される構造を有し、
Figure 2022543924000006
本発明の幾つかの実施の態様において、前記塩酸塩の結晶形AのCu Kα放射線の粉末X線回折(XRPD)スペクトルは以下の2θ角:14.77±0.20°、20.50±0.20°、22.38±0.20°及び24.15±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
本発明の幾つかの実施の態様において、前記塩酸塩の結晶形AのCu Kα放射線の粉末X線回折スペクトルは以下の2θ角:10.22±0.20°、13.36±0.20°、14.77±0.20°、18.69±0.20°、20.50±0.20°、22.38±0.20°、24.15±0.20°及び25.03±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
本発明の幾つかの実施の態様において、前記塩酸塩の結晶形AのCu Kα放射線の粉末X線回折スペクトルは以下の2θ角:7.38°、9.32°、10.22°、13.36°、14.77°、15.21°、18.69°、20.50°、21.69°、22.08°、22.38°、24.15°、24.58°、25.03°、26.28°、27.13°、28.15°、29.44°、30.15°、31.49°、32.1°、32.69°、35.17°及び38.51°において特徴的な回折ピークを有する。
本発明の幾つかの実施の態様において、前記塩酸塩の結晶形AのXRPDスペクトルが図1に示された通りである。
本発明の幾つかの実施の態様において、前記塩酸塩の結晶形AのCu Kα放射線のXRPDスペクトルにおいて、回折ピークのピーク位置及び相対強度が表1に示された通りである。
Figure 2022543924000007
本発明の幾つかの実施の態様において、前記塩酸塩の結晶形Aの示差走査熱量(DSC)曲線の吸熱ピークの開始点は245.2℃3℃である。
本発明の幾つかの実施の態様において、前記塩酸塩の結晶形AのDSCスペクトルが図2に示された通りである。
本発明の幾つかの実施の態様において、前記塩酸塩の結晶形Aの熱重量分析(TGA)曲線は190.0℃±3℃の際に重量が3.14%減少する。
本発明の幾つかの実施の態様において、前記塩酸塩の結晶形AのTGAスペクトルが図3に示された通りである。
本発明はまた、前記塩酸塩の結晶形Aの製造方法を提供し、当該方法は以下の工程を含む。
1)式(I-1)で表される化合物を有機溶媒に添加し、適切な温度で撹拌する;
2)吸引濾過し、ケーキを収集する;
3)ケーキを真空乾燥する。
本発明の幾つかの実施の態様において、前記塩酸塩の結晶形Aの製造方法において、前記有機溶媒はエタノールである。
本発明の幾つかの実施の態様において、前記塩酸塩の結晶形Aの製造方法において、前記適切な温度は25℃である。
本発明の幾つかの実施の態様において、前記塩酸塩の結晶形Aの製造方法において、前記攪拌時間は10~12時間である。
本発明は、更に、式(I)で表される化合物の酢酸塩を提供し、
Figure 2022543924000008
ここで、「*」の付いた炭素原子はキラル炭素原子であり、(R)又は(S)単一エナンチオマー形態又は(R)又は(S)単一エナンチオマーを豊かに含む形態で存在する。
本発明の幾つかの実施の態様において、前記酢酸塩は、式(I-2)で表される構造を有し、
Figure 2022543924000009
ここで、「*」の付いた炭素原子はキラル炭素原子であり、(R)又は(S)単一エナンチオマー形態又は(R)又は(S)単一エナンチオマーを豊かに含む形態で存在する。
本発明の幾つかの実施の態様において、前記酢酸塩は式(II-2)で表される構造を有し、
Figure 2022543924000010
本発明の幾つかの実施の態様において、前記酢酸塩の結晶形BのCu Kα放射線の粉末X線回折スペクトルは以下の2θ角:6.18±0.20°、12.37±0.20°、17.08±0.20°、21.22±0.20°及び24.88±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
本発明の幾つかの実施の態様において、前記酢酸塩の結晶形BのCu Kα放射線の粉末X線回折スペクトルは以下の2θ角:6.18±0.20°、11.94±0.20°、12.37±0.20°、17.08±0.20°、20.76±0.20°、21.22±0.20°、22.01±0.20°及び24.88±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
本発明の幾つかの実施の態様において、前記酢酸塩の結晶形BのCu Kα放射線の粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:6.18°、10.57°、11.94°、12.37°、12.94°、13.93°、16.22°、17.08°、17.93°、18.30°、19.47°、20.34°、20.76°、21.22°、21.58°、22.01°、22.25°、23.06°、24.07°、24.46°、24.88°、25.28°、25.69°、25.99°、26.66°、27.03°、28.85°、29.54°、31.14°、31.88°、32.48°、33.70°、34.43°、35.54°、36.33°、37.89°及び39.67°において特徴的な回折ピークを有する。
本発明の幾つかの実施の態様において、前記酢酸塩の結晶形Bの粉末X線スペクトルが図4に示された通りである。
本発明の幾つかの実施の態様において、前記酢酸塩の結晶形BのCu Kα放射線のXRPDスペクトルにおいて、回折ピークのピーク位置及び相対強度は表2に示された通りである。
Figure 2022543924000011

Figure 2022543924000012

本発明の幾つかの実施の態様において、前記酢酸塩の結晶形Bの示差走査熱量(DSC)曲線の吸熱ピークの開始点は157.9℃である。
本発明の幾つかの実施の態様において、前記酢酸塩の結晶形BのDSCスペクトルが図5に示された通りである。
本発明の幾つかの実施の態様において、前記酢酸塩の結晶形Bの熱重量分析(TGA)曲線は120.0℃±3℃の際に重量が2.00%減少する。
本発明の幾つかの実施の態様において、前記酢酸塩の結晶形BのTGAスペクトルが図6に示された通りである。
本発明はまた、前記酢酸塩の結晶形Bの製造方法を提供し、当該方法は以下の工程を含む。
1)式(I)で表される化合物を有機溶媒に溶解し、酢酸を添加し攪拌する;
2)吸引濾過し、ケーキを収集する;
3)ケーキを真空乾燥する;
本発明の幾つかの実施の態様において、前記酢酸塩の結晶形Bの製造方法において、前記有機溶媒は酢酸エチルである。
本発明はまた、RHO阻害剤の製造における上記の塩酸塩、上記の塩酸塩の結晶形A、上記の酢酸塩及び上記の酢酸塩の結晶形Bの使用を提供する。
本発明はまた、肺線維症及び放射線肺線維症の治療のための医薬の製造における上記の塩酸塩、上記の塩酸塩の結晶形A、上記の酢酸塩及び上記の酢酸塩の結晶形Bの使用を提供する。
本発明の結晶形の製造工程は簡単であり、また前記結晶形は安定しており、熱や光照射の影響が小さく、薬になりやすい。
[定義及び説明]
別途に説明しない限り、本明細書で用いられる以下の用語及び連語は以下の意味を含む。一つの特定の連語又は用語は、特別に定義されない場合、不確定又は不明瞭ではなく、普通の定義として理解されるべきである。本明細書で商品名が出た場合、相応の商品又はその活性成分を指す。
本発明の中間体化合物は当業者に熟知の様々な合成方法によって製造することができ、以下に挙げられた具体的な実施形態、他の化学合成方法と合わせた実施形態及び当業者に熟知の同等の代替方法を含み、好適な実施形態は本発明の実施例を含むが、これらに限定されない。
本発明の具体的な実施形態の化学反応は適切な溶媒で完成され、前記の溶媒は本発明の化学変化及びそれに必要な試薬と材料に適するべきである。本発明の化合物を得るため、当業者が既存の実施形態に基づいて合成工程又は反応スキームを変更又は選択することが必要であることもある。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は本発明の何らの制限にもならない。
本発明に使用されたすべての溶媒は市販品で、更に精製せずにそのままで使用してもよい。
本発明に使用されたすべての溶媒は市販品から得ることができる。
本発明は下記の略語を用いる:
ACNはアセトニトリルを表し;Bis-Trisはビス(2-ヒドロキシエチル)アミノートリス(ヒドロキシメチル)メタンを表し;DMSOはジメチルスルホキシドを表す。
本発明の化合物は本分野の通常の命名規則又はChemDraw(登録商標)ソフトによって名付けられ、市販化合物はメーカーのカタログの名称が使用される。
本発明の計器分析方法
1.1粉末X線回折(X-ray powder diffractometer、 XRPD)方法
計器モデル:PANalytical社のX’pert3X-線回折計
測定方法:約10mgの試料をXRPDの検出に用いる
詳細なXRPDパラメータは以下の通りである:
X線発生機:Cu,Kα1=1.540598Å、Cu,Kα2=1.544426Å
管電圧:45kV、管電流:40mA
走査範囲:3~40deg
ステップ幅:46.665秒
1.2 差熱分析(Differential Scanning Calorimeter、DSC)
計器モデル:TA 2500示差走査熱量計
測定方法:試料(1~5mg)をDSCアルミニウムパンに取って測定を行い、アルミニウムパンを蓋をし穴を開けず、50mL/min Nの条件で、10℃/minの昇温速度で、試料を25℃(室温)から試料の分解まで加熱する。
1.3 熱重量分析(Thermal Gravimetric Analyzer、TGA)
計器モデル:TA 5500熱重量分析計
測定方法:試料(1~5mg)を取りTGAアルミニウムパンに置いて、開口で測定を行い、10~25mL/min N条件で、10℃/minの昇温速度で、試料を室温から350℃まで加熱する。
1.4 塩素元素の分析試験
1.4.1計器及び設備
Figure 2022543924000013
1.4.2計器試薬
Figure 2022543924000014
1.4.3溶液の調製
Figure 2022543924000015
1.4.4方法情報
Figure 2022543924000016
1.5 単結晶X線回折法
計器モデル:Bruker D8 Venture PhotonII回折計
光源:CuKα放射線
走査方法:φ/ω走査
収集された回折点の総数は16827個、独立した回折点の数は5091個、観測可能な点の数(I/sigma≧2)は2177個であった。
試験方法:直接法(Shelxs97)を使用して結晶構造を分析し、39個の全ての非水素原子位置を取得し、最小二乗法を使用して構造パラメーターを修正し、原子種を識別し、幾何計算法と差分Fourier法を使用し全ての水素原子位置を取得し、改良後R=0.0783、wR=0.2735(w=1/σ|F|)、S=0.957。
式(II-1)で表される化合物の結晶形AのXRPDスペクトルである。 式(II-1)で表される化合物の結晶形AのDSCスペクトルである。 式(II-1)で表される化合物の結晶形AのTGAスペクトルである。 式(II-2)で表される化合物の結晶形BのXRPDスペクトルである。 式(II-2)で表される化合物の結晶形BのDSCスペクトルである。 式(II-2)で表される化合物の結晶形BのTGAスペクトルである。 式(II-1)で表される化合物の結晶形Aが高温、高湿及び光照射条件下でのXRPDスペクトルの比較である。 式(II-1)で表される化合物の結晶形Aが92.5%の高湿条件でのXRPDスペクトルの比較である。 式(II-2)で表される化合物の結晶形Bが高温、高湿及び光照射条件下でのXRPDスペクトルの比較である。 化合物8の単結晶X線回折スペクトルである。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明の不利な制限を意味するものではない。本発明は本明細書で詳細に説明されており、その特定の実施形態も開示されており、当業者にとって、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明の特定の実施形態において様々な変更及び修正を行うことができることは明らかである。
製造の実施例
実施例1:化合物2の製造
Figure 2022543924000017
合成ルート:
Figure 2022543924000018
エタノール(12.5L)を反応ケトルに添加した後、化合物1(2.5kg、11.8mol)、テトラヒドロキシジボロン(1.06kg、11.8mol)及び酢酸カリウム(1.75kg、17.8mol)を順次に添加し、25~30℃で撹拌を開始した。反応ケトルを密閉し、窒素ガスでを3回置換した。次に、ジクロロビス[ジtert-ブチル-(4-ジメチルアミノフェニル)ホスフィン]パラジウム(41.3g、59.2mmol)を反応ケトルに添加し、反応ケトルを密閉し、窒素ガスで3回置換し、内部温度を50℃に制御し、23時間撹拌した。反応終了後、内部温度50℃で、減圧蒸留(約4Lの溶剤を蒸発させ)を続け、加熱を終了した。濃縮した反応溶液に30Lの水を添加して希釈し、酢酸エチル(10L×2、5L×1)で抽出し、合わせた有機相を減圧濃縮した。得られた粗生成物を2.8Mの水酸化ナトリウム水溶液(10L)に添加し、30分間撹拌し、濾過し、ケーキを水で洗浄し(1L)、得られた濾液(15L)を更に水で希釈し(45L)、12Mの塩酸で溶液をpHが6~7に中和し、撹拌し、固体を析出させ、濾過し、ケーキを水に添加し、25℃で2.5時間撹拌し、濾過し、ケーキを真空乾燥させ、化合物2を得た。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ12.60(s,1H),8.22(s,1H),7.94(s,2H),7.76(dd,J=0.8Hz,J=8.4Hz,1H),7.40-7.38(m,1H),2.51-2.52(s,3H)。MS-ESI計算値[M+H]177、実測値177。
実施例2:式(I-1)で表される化合物の製造
Figure 2022543924000019
合成ルート:
Figure 2022543924000020
工程1
反応ケトルにN、N-ジメチルホルムアミド(15L)を添加し、撹拌を開始し、化合物3(1.50kg、5.63mol、化合物3における“*”の付いた炭素原子はキラル炭素原子であり、(R)又は(S)単一エナンチオマー形態又は(R)又は(S)単一エナンチオマーが豊かに含んだ形態で存在する)及び化合物4(1.19kg、5.91mol)を添加し、内部温度を10~30℃に制御し、更にN、N-ジイソプロピルエチルアミン(1.96L)を添加し、内部温度-5~5℃でバッチでゆっくりとトリ-n-プロピルホスホン酸無水物の50%酢酸エチル溶液(5.02L)を添加し、反応溶液を25℃で19時間撹拌した。反応終了後、反応溶液に水(30L)を添加し、固体を析出させ、30分間撹拌し、減圧濾過し、ケーキを真空乾燥させ、化合物5(化合物5における「*」の付いた炭素原子はキラル炭素原子であり、(R)又は(S)単一エナンチオマー形態又は(R)又は(S)単一エナンチオマーを豊かに含んだ形態で存在する)を得た。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ9.19(d,J=8.4Hz,1H),8.57(d,J=5.2Hz,1H),8.14(d,J=1.6Hz,1H),7.86-7.96(m,1H),7.26-7.22(m,1H),7.03-7.06(m,1H),6.88-6.98(m,2H),6.78-6.87(m,1H),5.03-5.19(m,1H),3.74(s,3H),3.39-3.51(m,1H),3.24-3.34(m,1H),1.32(s,9H)。
MS-ESI計算値[M+H-t-Bu]393、396実測値393、396。
工程2
反応ケトルにジオキサン(4.00L)及び水(1.00L)を添加し、撹拌しながら化合物5(1.00kg、2.22mol)、化合物2(0.41kg、2.33mol)及びリン酸カリウム(0.71kg、3.33mol)を順次に添加し、内部温度を30℃未満に制御し、窒素ガスで3回置換した後、トリフェニルホスフィン(28.8g、110mmol)及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(50.3g、54.9mmol)を添加した後、窒素ガスで3回置換し、85℃で12時間撹拌した。反応終了後、反応溶液の温度を室温まで冷却し、反応溶液に水(2.50L)及び酢酸エチル(2.50L)を添加し、30分間撹拌した。珪藻土で濾過し、ケーキを酢酸エチル洗浄した(1.00L×3)。濾液を静置して分液し、水相を更に酢酸エチルで抽出し(1.50L×3)、有機相を合わせ、飽和食塩水(5.00L)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム(1.00kg)で乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物にtert-ブチルメチルエーテル(10.0L)を添加し、25℃で16時間撹拌した。反応溶液を減圧濾過し、ケーキをtert-ブチルメチルエーテルで洗浄し(1.00L×3)、ケーキを収集し、減圧濃縮した。得られた粗生成物をエタノール(10.0L)に溶解させ、粗生成物と等質量のチオ尿素樹脂を添加し、90℃で16時間撹拌した。熱い間に濾過し、ケーキをエタノール(1.00L)で1回洗浄した。濾液を反応ケトルに戻し、撹拌しながら粗生成物と等質量のチオ尿素樹脂を添加し、90℃で3時間撹拌した。熱い間に濾過し、ケーキをエタノール(1.00L)で1回洗浄した。濾液を反応ケトルに戻し、撹拌しながら更に粗生成物の半分のチオ尿素樹脂を添加し、90℃で3時間撹拌した。更に反応溶液を熱い間に濾過し、ケーキをエタノール(1.00L)で1回洗浄した。得られた濾液を反応ケトルに戻し、窒素ガスで置換し、粗生成物10分の1の質量の活性炭を添加し、更に窒素ガスで置換し、90℃で1時間撹拌した。反応溶液を熱い間に珪藻土で減圧濾過し、ケーキをエタノール(2.00L×2)で洗浄し、収集した濾液を減圧濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物にtert-ブチルメチルエーテル(3.50L)を添加し、室温で2時間撹拌した。減圧吸引濾過し、ケーキ、tert-ブチルメチルエーテル(500mL×2)で洗浄し、ケーキを収集し、ケーキを真空乾燥させて、化合物6(化合物6における「*」の付いた炭素原子はキラル炭素原子であり、(R)または(S)単一エナンチオマーの形態又は(R)又は(S)単一エナンチオマーが豊かに含んだ形態で存在する)を得た。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ12.85(s,1H),9.24-9.11(m,1H),8.70(d,J=5.2Hz,1H),8.37-8.32(m,1H),8.27(s,1H),8.01-7.09(m,1H),7.81-7.79(m,1H),7.60(d,J=8.4Hz,1H),7.31-7.20(m,1H),7.10-7.07(m,1H),7.01-6.93(m,2H),6.89-6.78(m,1H),5.25-5.05(m,1H),3.75(s,3H),3.53-3.38(m,2H),2.57(s,3H),1.33(s,9H)。MS-ESIの計算値[M+H]502、実測値502。
工程3
化合物6(451g、879mmol)を酢酸エチル(2.30L)に溶解させ、撹拌を開始し、酢酸エチルの塩化水素溶液(4M、2.30L)をゆっくりとバッチで添加し、25℃で16時間撹拌して反応させた。反応終了後、反応溶液を減圧濃縮し、減圧濃縮した式(I-1)で表される化合物を水(1.30L)及びアセトニトリル(900mL)に溶解させ、撹拌し、溶解し澄清した後減圧濾過し、濾液を30Lのバレルに移し、アセトニトリル(12L)を添加し、25℃で30分間撹拌した。減圧濾過し、ケーキをアセトニトリル(500mL×2)で洗浄し、ケーキを収集し、ケーキを真空乾燥させ(45℃、圧力<-0.1MPa)式(I-1)で表される化合物(式(I-1)で表される化合物「*」の付いた炭素原子はキラル炭素原子であり、(R)または(S)単一エナンチオマーの形態又は(R)又は(S)単一エナンチオマーを豊かに含んだ形態で存在する)の粗生成物を得た。
MS-ESI計算値[M+H]402、実測値402。
実施例3:式(I-1)で表される化合物の絶対配置の確定
式(I-1)で表される化合物誘導体8の合成:
Figure 2022543924000021
式(I-1)で表される化合物(1.78g、4.43mmol)及び4-ブロモ安息香酸(化合物7、0.98g、4.88mmol)を秤量し、DMF(15mL)に溶解させ、ジイソプロピルエチルアミン(2.31mL、13.3mmol)及びプロピルホスホン酸無水物(50%の酢酸エチル溶液)(3.95mL、6.64mmol)を添加し、反応溶液を15℃で18h撹拌した。LCMSで式(I-1)で表される化合物の残量をモニターし、ジイソプロピルエチルアミン(2.31mL、13.3mmol)及びプロピルホスホン酸無水物(50%の酢酸エチル溶液)(2.63mL、4.43mmol)を添加し、15℃で4h撹拌を続け反応させた。LCMSで反応終了をモニターし、反応を停止させた。飽和重炭酸ナトリウム溶液(20mL)を添加してクエンチし、混合物を酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、有机相を飽和塩化ナトリウム溶液(40mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮した。得られた粗生成物を高速液体クロマトグラフィーで分離して、化合物8(化合物8における「*」の付いた炭素原子はキラル炭素原子であり、(R)または(S)単一エナンチオマーの形態又は(R)又は(S)単一エナンチオマーを豊かに含んだ形態で存在する)を得た。
化合物8の単結晶培養過程:化合物8(10.66mg、18.2μmol)を秤量し、0.5mLのメタノールを添加して溶解させ、有機相ニードルフィルターで濾過し、2mLの無色透明ガラスバイアルに移した。15~25℃で静置し揮発させ、針状結晶を得た。
図10に示されたように、化合物8の単結晶回折結果により、(S)単一エナンチオマーの形又は(S)単一エナンチオマーを豊かに含んだ形で存在することが確定され、その絶対配置は以下の通りである:
Figure 2022543924000022
化合物8の絶対配置から式(I-1)で表される化合物の絶対配置を決定することができ、その構造は以下の通りである:
Figure 2022543924000023
実施例4:式(II-1)で表される化合物の結晶形Aの製造
Figure 2022543924000024
乾燥させた式(II-1)で表される化合物(401g、0.85mol)を反応フラスコに入れ、エタノール(4L)を添加し、25℃で12時間撹拌した。混合物を減圧濾過し、ケーキをエタノール(200mL×2)で洗浄し、ケーキを収集し、ケーキを真空乾燥させ(50℃、圧力<-0.1Mp)、XRPDで検出し、式(II-1)で表される化合物の結晶形Aを得た。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ10.34-10.13(m,1H),8.99(s,1H),8.79(d,J=5.6Hz,1H),8.66(s,1H),8.41(s,3H),8.32-8.25(m,1H),8.02(dd,J=1.2,8.8Hz,1H),7.64(d,J=8.8Hz,1H),7.37-7.25(m,1H),7.18(s,1H),7.10(d,J=8.0Hz,1H),6.89(dd,J=2.0,8.0Hz,1H),5.52-5.40(m,1H),3.77(s,3H),3.70-3.58(m,1H),3.29-3.17(m,1H),2.61(s,3H);MS-ESI計算値[M+H]402、実測値402;塩素イオン含有量の試験で塩素イオンの含有量が15.7%であり、2つの塩素原子を含むことを示した。
実施例5:式(II-2)で表される化合物の結晶形Bの製造
Figure 2022543924000025
合成ルート:
Figure 2022543924000026

工程1
減圧濃縮した式(II-1)で表される化合物(25.0g、52.7mmol)を水(100mL)で希釈した後、飽和重炭酸ナトリウム水溶液でpHを約8に調整し、水相を注い、更にエタノール(100mL)で化合物を溶解し、減圧濃縮した。水相を酢酸エチル(200mL×3)で抽出し、合わせた有機相を飽和食塩水(150mL×1)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、上記すべての有機相を減圧濃縮した。得られた粗生成物をHPLCカラム(塩基性)で分離して精製し、式(I)で表される化合物を得、MS-ESI計算値[M+H]402、実測値402であり、式(I-1)で表される化合物の絶対配置は、式(II-1)で表される化合物の絶対配置から決定することができ、その構造は以下の式(II)で示された通りである:
Figure 2022543924000027
式(II)で表される化合物(1.05g、2.62mmol)を酢酸エチル(30mL)に溶解させ、室温で酢酸(310μL)を添加して、24.5時間撹拌した。減圧濾過し、ケーキをオイルポンプ45℃で減圧下でスピン乾燥させた。XRPDで検出し、式(II-2)で表される化合物の結晶形Bを得た。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ9.21(d,J=8.4Hz,1H),8.80-8.64(m,1H),8.34(d,J=1.6Hz,1H),8.26(s,1H),8.01-7.997(m,1H),7.80(dd,J=1.6,8.8Hz,1H),7.60(d,J=8.4Hz,1H),7.26-7.22(m,1H),7.01-6.92(m,2H),6.86-6.76(m,1H),5.10-4.93(m,1H),3.73(s,3H),3.08-3.03(m,1H),2.99-2.90(m,1H),2.56(m,3H),1.88(s,3H)。MS-ESIの計算値[M+H]402、実測値402。
特性評価の実施例
実施例1:式(II-1)で表される化合物の結晶形Aの固体安定性試験
『原薬と製剤の安定性試験の指導原則』(中国薬典2015版四部通則9001)により、式(II-1)で表される化合物の結晶形Aは高温(60℃、開口)、高湿(室温/相対湿度(RH))92.5%、開口)及び光照射(総照度=1.2×10Lux・hr/近紫外線=200w・hr/m、開口)条件での安定性を調査した。
乾燥した清潔なガラス瓶に、10mgの当該結晶形を秤量し、薄く広げ、アルミニウムホイルで覆い、小さな穴を開け、影響因子試験条件及び加速条件に置いた。光照射(可視光1200000Lux、紫外線200W)の条件に置いた試料は、透明なガラス瓶で、完全に暴露されるようにし、XRPD検出用の試料は別々に置いた。
時間になると試料を取り出し、蓋を覆い、パラフィルムで密封し、-20℃の冷蔵庫に保管した。試料を調製する際に、試料を冷蔵庫から取り出し、室温に戻し、10mLの80%ACNを添加し、試料を2分間超音波処理して溶解し、約1mg/mLの濃度の溶液を得、液相を使用し注入分析し、検出結果を0日目の最初の検出結果と比較し、試験の結果は以下の表3に示された通りである。
0日標準液の調製:10mLのメスフラスコに約10mgの結晶形を秤量し、80%のACNで溶解し、容量をスケーリングするようにした。
Figure 2022543924000028
結論:図7に示されたように、式(II-1)で表される化合物の結晶形Aは高温、75%の湿度及び強い光照射条件で良好な安定性を有するが、図8に示されたように、92.5%の高湿条件で結晶化が発生した。
実施例2:式(II-1)で表される化合物の結晶形Aの影響因子及び加速安定性試験
影響因子試験における、式(II-1)で表される化合物の結晶形Aの安定性研究:
高湿(25℃/92.5%RH):1gの各試料を秤量し、25℃/92.5%RHの条件で試料を開口平らな計量ボトル(70×35mm)に入れ、総合的な薬剤安定性試験ボックス(25℃/92.5%RH)で調査した。
高温(60℃):1gの各試料を秤量し、60℃の条件で試料を開口平らな計量ボトルに入れ、ブラスト乾燥オーブン(60℃)で調査した。
光照射:1gの各試料を秤量し、光照射条件で試料を清潔な定盤に入れ、薄く広げ、5000±500lux(可視光)及び90μw/cm(紫外線)の条件で照射した。
実験結果は表4に示された通りである:
Figure 2022543924000029
結果:式(II-1)で表される化合物の結晶形Aは光照射、高温及び高湿の条件下で比較的安定しており、主な不純物と総不純物に明らかな変化がなかった。
加速試験における、式(II-1)で表される化合物の結晶形Aの安定性研究:
加速安定性試験:各試料を0.8g(加速1ヶ月、加速2ヶ月)または1.2g(加速3ヶ月、加速6ヶ月)に秤量し、2重の低密度ポリエチレン(LDPE)袋に入れ、密封した後、LDPE袋をアルミニウム箔袋に入れて熱シールし、それぞれ40℃/75%RH条件に置き調査した。実験結果は表5に示された通りである:
Figure 2022543924000030
結果:式(II-1)の化合物で表される結晶形Aは長期保存条件下で安定であった。
実施例3:式(II-2)で表される化合物の結晶形Bの固体安定性試験
『原薬と製剤の安定性試験の指導原則』(中国薬典2015版四部通則9001)により、式(II-2)で表される化合物の結晶形Aは高温(60℃、開口)、高湿(室温/相対湿度(RH)92.5%、開口)及び光照射(総照度=1.2×10Lux・hr/近紫外線=200w・hr/m、開口)条件での安定性を調査した。
乾燥した清潔なガラス瓶に、10mgの結晶形Aを秤量し、薄く広げ、アルミニウムホイルで覆い、小さな穴を開け、影響因子試験条件及び加速条件に置いた。光照射(可視光1200000Lux、紫外線200W)の条件に置いた試料は、透明なガラス瓶で、完全に暴露されるようにし、XRPD検出用の試料は別に置いた。
時間になると試料を取り出し、蓋を覆い、パラフィルムで密封し、-20℃の冷蔵庫に保管した。試料を調製する際に、試料を冷蔵庫から取り出し、室温に戻し、80%ACN(10mL)を添加し、試料を2分間超音波処理して溶解し、約1mg/mLの濃度の溶液を得、液相を注入分析に使用し、検出結果を0日目の最初の検出結果と比較し、試験の結果を以下の表6に示した。
0日標準液の調製:10mLのメスフラスコに約10mgの結晶形を秤量し、80%のACNで溶解し、容量をスケーリングするようにした。
Figure 2022543924000031
結論:図9に示されたように、式(II-2)で表される化合物の結晶形Bは高温、高湿、強い光照射条件で良好な安定性を有した。
活性試験
1.体外でのROCKプロテインキナーゼ阻害活性の評価
実験目的:化合物のROCKプロテインキナーゼ阻害のIC50値を検出することである。
実験材料:緩衝液を測定する:20mMの4-ヒドロキシエチルピペラジンエタンスルホン酸(pH7.5)、10mMの塩化マグネシウム、1mMのエチレングリコールジエチルエーテルジアミン四酢酸、0.02%のポリオキシエチレンラウリルエーテル、0.02mg/mlのウシ血清アルブミン、0.1mMのバナジン酸ナトリウム、2mMのジチオスレイトール、1%のDMSO。
実験操作:新たに調製した緩衝液に、ROCKプロテインキナーゼ基質Long S6 Kinase substrate peptideを添加し、20Mの濃度にし、次に、1nMのROCKプロテインキナーゼを添加して、均一に混合した。Echo550を使用し、試験化合物が溶解されたDMSO希釈液を添加し(10μMから開始し、3倍勾配で希釈)、室温で20分間インキュベーションし、33P-ATPを添加し、(放射線強度10Ci/L)で反応を開始し、室温で2時間反応させた。次に、P81イオン交換紙(Whatman#3698-915)を使用して濾過し、0.75%リン酸で洗浄した。Filter-Binding法で放射強度を検出した。
化合物のプロテインキナーゼ阻害活性の発現は、ブランク基質(単純DMSO)と比較した残留プロテインキナーゼ活性である。Prismソフトウェア(GraphPad Software、San Diego California、USA)を使用し、IC50値及び曲線を計算した。
実験結果:
Figure 2022543924000032
CK2に対して一定の選択性を示した。
2.薬物動態評価
2.1 SDラット体内における式(I)で表される化合物のラセミ体の薬物動態研究
実験目的:SDラットにおける化合物の薬物動態を研究する
実験材料:SDラット(オス、7~10週齢、WTLH/SLAC)
実験操作:化合物の静脈内(IV)及び経口(PO)投与後のげっ歯類の薬物動態特性を標準プロトコルで試験し、実験では、候補化合物は、0.2mg/mLの透明な溶液に調製し、その後ラットに単回静脈内及び経口投与した。静脈内投与と経口投与の両方の溶媒は、5%DMSO/95%(10%ヒドロキシプロピルβ-シクロデキストリン)水溶液を使用した。このプロジェクトでは4匹のオスSDラットを使用し、2匹のラットを1mg/kgの用量で静脈内投与し、投与後0.0833、0.25、0.5、1、2、4、6、8、24時間後に血漿試料を採取し、他の2匹のラットは2mg/kgの用量で経口胃内投与し、血漿試料は投与後0.25、0.5、1、2、3、4、6、8、24時間後に採取した。24時間以内に全血試料を収集し、3000gで15分間遠心分離し、上清を分離して血漿試料を得、内部標準物質を含むアセトニトリル溶液を添加してタンパク質を沈殿させ、完全に混合及び遠心分離して得られた上清を注入し、LC-MS/MS分析法による血中薬物濃度の定量分析し、ピークに達する濃度(Cmax)、クリアランス(CL)、半減期(T1/2)、組織分布(Vdss)、薬物-時間曲線下の面積(AUC0-last)、バイオアベイラビリティ(F)などの薬物動態パラメーターを計算した。
ラット体内における本発明の実施例の薬物動態関連パラメータは下記の表8に示された通りである。
Figure 2022543924000033
結論:式(I)で表される化合物のラセミ体は、良好な経口投与バイオアベイラビリティ、経口曝露量、半減期及びクリアランス率などを含む、優れた薬物動態特性を示した。
2.2 SDラット体内における式(II-1)で表される化合物の結晶形Aの薬物動態研究
実験目的:SDラット体内における化合物の薬物動態を研究する。
実験材料:SDラット(12匹、オスとメス半分ずつ)
実験操作:化合物の静脈内(IV)及び経口(PO)投与後のげっ歯類の薬物動態特性を標準プロトコルで試験し、実験では、候補化合物は、0.5mg/mL及び1mg/mL透明な溶液に調製し、その後ラットに単回静脈内及び経口投与した。静脈内投与と経口投与の両方の溶媒は、5%DMSO/95%(10%のヒドロキシプロピルβ-シクロデキストリン)水溶液を使用した。このプロジェクトでは12匹のSDラットを使用し、6匹のラット(オスとメス半分ずつ)を1mg/kgの用量で静脈内投与し、投与後0.0833、0.25、0.5、1、2、4、8、12、24時間後に血漿試料を採取し、他の6匹のラット(オスとメス半分ずつ)は10mg/kgの用量で経口胃内投与し、血漿試料は投与後0.25、0.5、1、2、4、8、12、24時間後に採取した。15μLの血漿試料を96ウェルプレートに添加し、300μLの内部標準作業溶液(1.00ng/mL Verapamilと0.1%ギ酸(FA)のMeOH:ACN(v:v、50:50)溶液を含み)タンパク質を沈殿させ、96ウェルプレートを15分間振とうした後、4℃、3220gの条件で15分間遠心分離した。150μLの上澄を取り、新しい96ウェルプレートに入れ、150μLの0.1%ギ酸(FA)を含む水溶液を添加し、10分間振とうした後、4℃、3220gの条件で5分間遠心分離し、試料を直接注入し、LC-MS/MS分析法による血中薬物濃度の定量分析し、ピークに達する濃度(Cmax)、クリアランス(CL)、半減期(T1/2)、組織分布(Vdss)、薬物-時間曲線下の面積(AUC0-last)、バイオアベイラビリティ(F)などの薬物動態パラメーターを計算した。
ラットにおける本発明の式(II-1)で表される化合物の結晶形Aの薬物動態関連パラメータは以下の表9に示された通りである。
Figure 2022543924000034
結論:式(II-1)で表される化合物の結晶形Aは、ラットにおいて、良好な経口バイオアベイラビリティ、経口曝露量、半減期及びクリアランス率を含む、優れた薬物動態特性を示した。
2.3 ビーグル犬における式(II-1)で表される化合物の結晶形Aの薬物動態研究
実験目的:ビーグル犬における化合物の薬物動態を研究する。
実験材料:SDラット(12匹、オスとメス半分ずつ)
実験操作:化合物の静脈内(IV)及び経口(PO)投与後のビーグル犬の薬物動態特性を標準プロトコルで試験し、実験では、候補化合物は、0.5mg/mL及び1.5mg/mL透明な溶液に調製し、その後ビーグル犬に単回静脈内及び経口投与した。静脈内投与と経口投与の両方の溶媒は、5%DMSO/95%(10%のヒドロキシプロピルβ-シクロデキストリン)水溶液を使用した。このプロジェクトでは12匹のビーグル犬を使用し、6匹のビーグル犬(オスとメス半分ずつ)を1mg/kgの用量で静脈内投与し、投与後0.083、0.25、0.5、1、2、4、8、12、24、36、48及び72時間後に血漿試料を採取し、他の6匹のビーグル犬(オスとメス半分ずつ)は7.5mg/kgの用量で経口胃内投与し、血漿試料は投与後0.25、0.5、1、2、4、8、12、24、36、48及び72時間後に採取した。15μLの血漿試料を96ウェルプレートに添加し、300μLの内部標準作業溶液(1.00ng/mL Verapamilと0.1%ギ酸(FA)のMeOH:ACN(v:v、50:50)溶液を含み)タンパク質を沈殿させ、96ウェルプレートを15分間振とうした後、4℃、3220gの条件で15分間遠心分離した。150μLの上澄を取り、新しい96ウェルプレートに入れ、150μLの0.1%ギ酸(FA)を含む水溶液を添加し、10分間振とうした後、4℃、3220gの条件で5分間遠心分離し、試料を注入し、LC-MS/MS分析法による血中薬物濃度の定量分析し、ピークに達する濃度(Cmax)、クリアランス(CL)、半減期(T1/2)、組織分布(Vdss)、薬物-時間曲線下の面積(AUC0-last)、バイオアベイラビリティ(F)などの薬物動態パラメーターを計算した。
ラット体内における本発明の式(II-1)で表される化合物の結晶形Aの薬物動態関連パラメータは以下の表10に示された通りである。
Figure 2022543924000035
結論:式(II-1)で表される化合物の結晶形Aは、ビーグル犬において、良好な経口バイオアベイラビリティ、経口曝露量、半減期及びクリアランス率を含む、優れた薬物動態特性を示した。
Figure 2022543924000059
2.3 ビーグル犬における式(II-1)で表される化合物の結晶形Aの薬物動態研究
実験目的:ビーグル犬における化合物の薬物動態を研究する。
実験材料:ビーグル犬(12匹、オスとメス半分ずつ)
実験操作:化合物の静脈内(IV)及び経口(PO)投与後のビーグル犬の薬物動態特性を標準プロトコルで試験し、実験では、候補化合物は、0.5mg/mL及び1.5mg/mL透明な溶液に調製し、その後ビーグル犬に単回静脈内及び経口投与した。静脈内投与と経口投与の両方の溶媒は、5%DMSO/95%(10%のヒドロキシプロピルβ-シクロデキストリン)水溶液を使用した。このプロジェクトでは12匹のビーグル犬を使用し、6匹のビーグル犬(オスとメス半分ずつ)を1mg/kgの用量で静脈内投与し、投与後0.083、0.25、0.5、1、2、4、8、12、24、36、48及び72時間後に血漿試料を採取し、他の6匹のビーグル犬(オスとメス半分ずつ)は7.5mg/kgの用量で経口胃内投与し、血漿試料は投与後0.25、0.5、1、2、4、8、12、24、36、48及び72時間後に採取した。15μLの血漿試料を96ウェルプレートに添加し、300μLの内部標準作業溶液(1.00ng/mL Verapamilと0.1%ギ酸(FA)のMeOH:ACN(v:v、50:50)溶液を含み)タンパク質を沈殿させ、96ウェルプレートを15分間振とうした後、4℃、3220gの条件で15分間遠心分離した。150μLの上澄を取り、新しい96ウェルプレートに入れ、150μLの0.1%ギ酸(FA)を含む水溶液を添加し、10分間振とうした後、4℃、3220gの条件で5分間遠心分離し、試料を注入し、LC-MS/MS分析法による血中薬物濃度の定量分析し、ピークに達する濃度(Cmax)、クリアランス(CL)、半減期(T1/2)、組織分布(Vdss)、薬物-時間曲線下の面積(AUC0-last)、バイオアベイラビリティ(F)などの薬物動態パラメーターを計算した。
ビーグル犬体内における本発明の式(II-1)で表される化合物の結晶形Aの薬物動態関連パラメータは以下の表10に示された通りである。
結論:式(II-1)で表される化合物の結晶形Aは、ビーグル犬において、良好な経口バイオアベイラビリティ、経口曝露量、半減期及びクリアランス率を含む、優れた薬物動態特性を示した。
なお、本発明は以下の態様を含む。
<1>式(I’)で表される構造を有する、式(I)で表される化合物の塩酸塩。
Figure 2022543924000060

(ここで、nは1.6~2.4であり、「*」の付いた炭素原子はキラル炭素原子であり、(R)又は(S)単一エナンチオマー形態又は(R)又は(S)単一エナンチオマーを豊かに含んだ形態で存在する。)
<2>nは1.9、2.0又は2.1である、前記<1>に記載の塩酸塩。
<3>式(I-1)で表される構造を有する塩酸塩であって、
Figure 2022543924000061

ここで、「*」の付いた炭素原子はキラル炭素原子であり、(R)又は(S)単一エナンチオマー形態又は(R)又は(S)単一エナンチオマーを豊かに含んだ形態で存在する、前記<2>に記載の塩酸塩。
<4>式(II-1)で表される構造を有する、前記<3>に記載の塩酸塩。
Figure 2022543924000062
<5>Cu Kα放射線の粉末X線回折スペクトルは以下の2θ角:14.77±0.20°、20.50±0.20°、22.38±0.20°及び24.15±0.20°において特徴的な回折ピークを有する、前記<4>に記載の塩酸塩の結晶形A。
<6>Cu Kα放射線の粉末X線回折スペクトルは以下の2θ角:10.22±0.20°、13.36±0.20°、14.77±0.20°、18.69±0.20°、20.50±0.20°、22.38±0.20°、24.15±0.20°及び25.03±0.20°において特徴的な回折ピークを有する、前記<5>に記載の結晶形A。
<7>Cu Kα放射線の粉末X線回折スペクトルは以下の2θ角:7.38°、9.32°、10.22°、13.36°、14.77°、15.21°、18.69°、20.50°、21.69°、22.08°、22.38°、24.15°、24.58°、25.03°、26.28°、27.13°、28.15°、29.44°、30.15°、31.49°、32.1°、32.69°、35.17°及び38.51°において特徴的な回折ピークを有する、前記<6>に記載の結晶形A。
<8>XRPDスペクトルが図1で示される通りである、前記<6>又は<7>に記載の結晶形A。
<9>示差走査熱量曲線の吸熱ピークの開始点が245.2℃±3℃である、前記<8>に記載の結晶形A。
<10>DSC曲線スペクトルが図2で示される通りである、前記<9>に記載の結晶形A。
<11>前記<5>~<10>のいずれか1つに記載の結晶形Aの製造方法であって、
1)式(I-1)で表される化合物を有機溶媒に添加し、適切な温度で撹拌する工程;
2)吸引濾過し、ケーキを収集する工程;
3)ケーキを真空乾燥する工程;
を含む製造方法。
<12>前記有機溶媒はエタノールである、前記<11>に記載の製造方法。
<13>前記適切な温度は25℃である、前記<11>に記載の製造方法。
<14>前記攪拌時間は10~12時間である、前記<11>に記載の製造方法。
<15>式(I)で表される化合物の酢酸塩。
Figure 2022543924000063

(ここで、「*」の付いた炭素原子はキラル炭素原子であり、(R)又は(S)単一エナンチオマー形態又は(R)又は(S)単一エナンチオマーを豊かに含んだ形態で存在する。)
<16>式(I-2)で表される構造を有する酢酸塩であって、
Figure 2022543924000064

ここで、「*」の付いた炭素原子はキラル炭素原子であり、(R)又は(S)単一エナンチオマー形態又は(R)又は(S)単一エナンチオマーを豊かに含んだ形態で存在する、前記<15>に記載の酢酸塩。
<17>式(II-2)で表される構造を有する、前記<16>に記載の塩酸塩。
Figure 2022543924000065
<18>Cu Kα放射線の粉末X線回折スペクトルは以下の2θ角:6.18±0.20°、12.37±0.20°、17.08±0.20°、21.22±0.20°及び24.88±0.20°において特徴的な回折ピークを有する、前記<17>に記載の酢酸塩の結晶形B。
<19>Cu Kα放射線の粉末X線回折スペクトルは以下の2θ角:6.18±0.20°、11.94±0.20°、12.37±0.20°、17.08±0.20°、20.76±0.20°、21.22±0.20°、22.01±0.20°及び24.88±0.20°において特徴的な回折ピークを有する、前記<18>に記載の酢酸塩の結晶形B。
<20>Cu Kα放射線の粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:6.18°、10.57°、11.94°、12.37°、12.94°、13.93°、16.22°、17.08°、17.93°、18.30°、19.47°、20.34°、20.76°、21.22°、21.58°、22.01°、22.25°、23.06°、24.07°、24.46°、24.88°、25.28°、25.69°、25.99°、26.66°、27.03°、28.85°、29.54°、31.14°、31.88°、32.48°、33.70°、34.43°、35.54°、36.33°、37.89°及び39.67°において特徴的な回折ピークを有する、前記<19>に記載の結晶形B。
<21>粉末X線回折スペクトルが図4で示される通りである、前記<19>又は<20>に記載の結晶形B。
<22>前記<18>~<21>のいずれか1つに記載の結晶形Bの製造方法であって、
1)式(I)で表される化合物を有機溶媒に溶解し、酢酸を添加し攪拌する工程;
2)吸引濾過し、ケーキを収集する工程;
3)ケーキを真空乾燥する工程;
を含む製造方法。
<23>前記有機溶媒は酢酸エチルである、前記<22>に記載の製造方法。
<24>RHO阻害剤の製造における、前記<1>~<4>のいずれか1つに記載の塩酸塩、前記<5>~<10>のいずれか1つに記載の結晶形A、前記<11>~<14>のいずれか1つに記載の製造方法で得られた結晶形A、前記<15>~<17>のいずれか1つに記載の酢酸塩、前記<18>~<21>のいずれか1つに記載の結晶形B又は前記<22>又は<23>に記載の製造方法で得られた結晶形Bの使用。
<25>肺線維症及び放射線肺線維症の治療のための医薬の製造における、前記<1>~<4>のいずれか1つに記載の塩酸塩、前記<5>~<10>のいずれか1つに記載の結晶形A、前記<11>~<14>のいずれか1つに記載の製造方法で得られた結晶形A、前記<15>~<17>のいずれか1つに記載の酢酸塩、前記<18>~<21>のいずれか1つに記載の結晶形B又は前記<22>又は<23>に記載の製造方法で得られた結晶形Bの使用。

Claims (25)

  1. 式(I’)で表される構造を有する、式(I)で表される化合物の塩酸塩。
    Figure 2022543924000036

    (ここで、nは1.6~2.4であり、「*」の付いた炭素原子はキラル炭素原子であり、(R)又は(S)単一エナンチオマー形態又は(R)又は(S)単一エナンチオマーを豊かに含んだ形態で存在する。)
  2. nは1.9、2.0又は2.1である、請求項1に記載の塩酸塩。
  3. 式(I-1)で表される構造を有する塩酸塩であって、
    Figure 2022543924000037
    ここで、「*」の付いた炭素原子はキラル炭素原子であり、(R)又は(S)単一エナンチオマー形態又は(R)又は(S)単一エナンチオマーを豊かに含んだ形態で存在する、請求項2に記載の塩酸塩。
  4. 式(II-1)で表される構造を有する、請求項3に記載の塩酸塩。
    Figure 2022543924000038
  5. Cu Kα放射線の粉末X線回折スペクトルは以下の2θ角:14.77±0.20°、20.50±0.20°、22.38±0.20°及び24.15±0.20°において特徴的な回折ピークを有する、請求項4に記載の塩酸塩の結晶形A。
  6. Cu Kα放射線の粉末X線回折スペクトルは以下の2θ角:10.22±0.20°、13.36±0.20°、14.77±0.20°、18.69±0.20°、20.50±0.20°、22.38±0.20°、24.15±0.20°及び25.03±0.20°において特徴的な回折ピークを有する、請求項5に記載の結晶形A。
  7. Cu Kα放射線の粉末X線回折スペクトルは以下の2θ角:7.38°、9.32°、10.22°、13.36°、14.77°、15.21°、18.69°、20.50°、21.69°、22.08°、22.38°、24.15°、24.58°、25.03°、26.28°、27.13°、28.15°、29.44°、30.15°、31.49°、32.1°、32.69°、35.17°及び38.51°において特徴的な回折ピークを有する、請求項6に記載の結晶形A。
  8. XRPDスペクトルが図1で示される通りである、請求項6又は7に記載の結晶形A。
  9. 示差走査熱量曲線の吸熱ピークの開始点が245.2℃±3℃である、請求項8に記載の結晶形A。
  10. DSC曲線スペクトルが図2で示される通りである、請求項9に記載の結晶形A。
  11. 請求項5~10のいずれか1項に記載の結晶形Aの製造方法であって、
    1)式(I-1)で表される化合物を有機溶媒に添加し、適切な温度で撹拌する工程;
    2)吸引濾過し、ケーキを収集する工程;
    3)ケーキを真空乾燥する工程;
    を含む製造方法。
  12. 前記有機溶媒はエタノールである、請求項11に記載の製造方法。
  13. 前記適切な温度は25℃である、請求項11に記載の製造方法。
  14. 前記攪拌時間は10~12時間である、請求項11に記載の製造方法。
  15. 式(I)で表される化合物の酢酸塩。
    Figure 2022543924000039

    (ここで、「*」の付いた炭素原子はキラル炭素原子であり、(R)又は(S)単一エナンチオマー形態又は(R)又は(S)単一エナンチオマーを豊かに含んだ形態で存在する。)
  16. 式(I-2)で表される構造を有する酢酸塩であって、
    Figure 2022543924000040

    ここで、「*」の付いた炭素原子はキラル炭素原子であり、(R)又は(S)単一エナンチオマー形態又は(R)又は(S)単一エナンチオマーを豊かに含んだ形態で存在する、請求項15に記載の酢酸塩。
  17. 式(II-2)で表される構造を有する、請求項16に記載の塩酸塩。
    Figure 2022543924000041
  18. Cu Kα放射線の粉末X線回折スペクトルは以下の2θ角:6.18±0.20°、12.37±0.20°、17.08±0.20°、21.22±0.20°及び24.88±0.20°において特徴的な回折ピークを有する、請求項17に記載の酢酸塩の結晶形B。
  19. Cu Kα放射線の粉末X線回折スペクトルは以下の2θ角:6.18±0.20°、11.94±0.20°、12.37±0.20°、17.08±0.20°、20.76±0.20°、21.22±0.20°、22.01±0.20°及び24.88±0.20°において特徴的な回折ピークを有する、請求項18に記載の酢酸塩の結晶形B。
  20. Cu Kα放射線の粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:6.18°、10.57°、11.94°、12.37°、12.94°、13.93°、16.22°、17.08°、17.93°、18.30°、19.47°、20.34°、20.76°、21.22°、21.58°、22.01°、22.25°、23.06°、24.07°、24.46°、24.88°、25.28°、25.69°、25.99°、26.66°、27.03°、28.85°、29.54°、31.14°、31.88°、32.48°、33.70°、34.43°、35.54°、36.33°、37.89°及び39.67°において特徴的な回折ピークを有する、請求項19に記載の結晶形B。
  21. 粉末X線回折スペクトルが図4で示される通りである、請求項19又は20に記載の結晶形B。
  22. 請求項18~21のいずれか1項に記載の結晶形Bの製造方法であって、
    1)式(I)で表される化合物を有機溶媒に溶解し、酢酸を添加し攪拌する工程;
    2)吸引濾過し、ケーキを収集する工程;
    3)ケーキを真空乾燥する工程;
    を含む製造方法。
  23. 前記有機溶媒は酢酸エチルである、請求項22に記載の製造方法。
  24. RHO阻害剤の製造における、請求項1~4のいずれか1項に記載の塩酸塩、請求項5~10のいずれか1項に記載の結晶形A、請求項11~14のいずれか1項に記載の製造方法で得られた結晶形A、請求項15~17のいずれか1項に記載の酢酸塩、請求項18~21のいずれか1項に記載の結晶形B又は請求項22又は23に記載の製造方法で得られた結晶形Bの使用。
  25. 肺線維症及び放射線肺線維症の治療のための医薬の製造における、請求項1~4のいずれか1項に記載の塩酸塩、請求項5~10のいずれか1項に記載の結晶形A、請求項11~14のいずれか1項に記載の製造方法で得られた結晶形A、請求項15~17のいずれか1項に記載の酢酸塩、請求項18~21のいずれか1項に記載の結晶形B又は請求項22又は23に記載の製造方法で得られた結晶形Bの使用。
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