JP2022542890A - 抗il13抗原結合タンパク質 - Google Patents
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Abstract
本発明は、IL-13を対象とする抗体及びそのような抗体の使用に関する。例えば、本発明によれば、IL-13を対象とするヒトモノクローナル抗体が提供される。重鎖及び軽鎖免疫グロブリン分子をコードする単離されたポリヌクレオチド配列、並びにそれを含むアミノ酸配列、特にフレームワーク領域(FR)及び/又は相補性決定領域(CDR)にまたがる連続した重鎖配列及び軽鎖配列に対応する配列が提供される。更に、これらの抗体を使用して患者を処置する方法も提供される。
Description
関連出願の相互参照
本出願は、2019年7月26日に出願された米国仮特許出願第62/879,335号明細書に対する優先権及び利益を主張するものであり、この仮特許出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、2019年7月26日に出願された米国仮特許出願第62/879,335号明細書に対する優先権及び利益を主張するものであり、この仮特許出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
配列表の参照
本出願は、コンピュータ可読形式の配列表を含む。配列表は、2020年7月24日に作成されたA-2421-WO-PCT_SeqList_ST25.txtという名称のテキストファイルとして提供され、サイズが205,493バイトである。本配列表の電子フォーマットにおける情報は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、コンピュータ可読形式の配列表を含む。配列表は、2020年7月24日に作成されたA-2421-WO-PCT_SeqList_ST25.txtという名称のテキストファイルとして提供され、サイズが205,493バイトである。本配列表の電子フォーマットにおける情報は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、バイオ医薬品の分野に関する。特に、本発明は、ヒトIL-13に特異的に結合する抗体及びIL-13結合断片並びにそれらの誘導体に関する。本発明はまた、炎症性疾患を処置するための抗IL-13を含む医薬組成物、及びそのような抗体の作製方法に関する。
IL-13は、B細胞及び単球に対する作用が最初に認識されたサイトカインであり、クラスIIの発現を上方制御し、IgEクラススイッチを促進し、炎症性サイトカインの産生を阻害する。IL-13受容体は、IL-4受容体アルファ鎖をIL-4受容体と共有する。その結果、IL-13は、IL-4と多くの類似した生物学的活性を有する。
IL-13は、インビボで炎症性サイトカイン放出を阻害し、抗炎症作用を有する。IL-13は、IgE媒介性のアレルギー反応において役割を果たしており、アレルギー性喘息の中心的なメディエーターである(Wills-Karp M.,Curr.Opin.Pulm.Med.,2003;9:21-27)。肺では、IL-13は好酸球性炎症、粘液分泌、及び気道過敏性を調節する。喘息に加えて、IL-13は、多数の疾患の病因に関与している(Wynn TA.Annu.Rev.Immunol.2003.21:425-456)。
ヒト抗体Ab731は、ヒトIL-13に高い親和性で結合する。しかしながら、この抗体は、カニクイザル(カニクイザル(macaca fascicularis)、「cyno」IL-13(「cyIL-13」)とも称される)に比較的低い親和性で結合する。カニクイザルは、抗体の前臨床安全性を評価するために一般的に使用されることから、カニクイザルIL-13にも高い親和性で結合する抗ヒトIL-13抗体を有することが望ましい。
Wills-Karp M.,Curr.Opin.Pulm.Med.,2003;9:21-27
Wynn TA.Annu.Rev.Immunol.2003.21:425-456
治療用抗体は、治療標的のヒトオルソログ及びカニクイザルオルソログの両方に対して高い親和性結合を示すことが望ましい。親和性ギャップは、毒物学的試験を可能にするために10倍の親和性ウィンドウ内であることが必要とされる。XenoMouse(登録商標)でのインビボ免疫に由来するAMGN12抗体は、標的タンパク質のヒトオルソログに対する一桁pMの親和性などの多くの好ましい性質を実証した。しかしながら、その抗体は、カニクイザルに存在するオルソログに対して200倍弱い結合を示した。この研究の目的は、ヒト標的に対する結合親和性を損なうことなく親和性ギャップを「閉じる」こと、及びカニクイザルオルソログに対する親和性が100倍超改善され、機能に関する生物学的アッセイにおいて効力が10倍改善された変異体の同定を導くことであった。標的と複合体化した最終変異体抗体の高分解能結晶構造を分解したところ、HuTARGプラットフォームによって得られた親和性の改善をもたらす突然変異は、インシリコで演繹的に設計することが困難であることが示された。
本発明は、バイオ医薬品の分野に関する。特に、本発明は、ヒトIL-13及びcyno IL-13に特異的に結合する抗体並びにIL-13結合断片並びにそれらの誘導体に関する。本発明はまた、炎症性疾患を処置するための抗IL-13を含む医薬組成物、及びそのような抗体の作製方法に関する。
実施形態では、抗IL-13抗体、抗原(IL-13)結合断片、及び誘導体(まとめて「抗原結合タンパク質」と称される)は、バイオ医薬品の分野に関する。本発明は、ヒトIL-13に特異的に結合する抗IL-13抗体及び他のIL-13結合タンパク質に関する。本発明はまた、炎症性疾患を処置するための抗IL-13抗原結合タンパク質を含む医薬組成物、及びそのような抗体の作製方法に関する。
本発明の一実施形態では、Ab731のCDRに対するわずかなアミノ酸配列の変化が、カニクイザルIL-13への結合を増加させる。
本発明は、以下の実施形態を含む:
1.軽鎖免疫グロブリン可変領域(VL1)及び重鎖免疫グロブリン可変領域(VH)を含む、ヒトIL-13に特異的に結合する抗原結合タンパク質であって、
VL1が、(i)配列番号11のアミノ酸配列を含むCDRL1、(ii)配列番号12のアミノ酸配列を含むCDRL2、及び(iii)配列番号13のアミノ酸配列を含むCDRL3を含み、
VHが、(i)配列番号8のアミノ酸配列を含むCDRH1、(ii)配列番号9のアミノ酸配列を含むCDRH2、(iii)配列番号10のアミノ酸配列を含むCDRH3のアミノ酸配列を含む、抗原結合タンパク質。
1.軽鎖免疫グロブリン可変領域(VL1)及び重鎖免疫グロブリン可変領域(VH)を含む、ヒトIL-13に特異的に結合する抗原結合タンパク質であって、
VL1が、(i)配列番号11のアミノ酸配列を含むCDRL1、(ii)配列番号12のアミノ酸配列を含むCDRL2、及び(iii)配列番号13のアミノ酸配列を含むCDRL3を含み、
VHが、(i)配列番号8のアミノ酸配列を含むCDRH1、(ii)配列番号9のアミノ酸配列を含むCDRH2、(iii)配列番号10のアミノ酸配列を含むCDRH3のアミノ酸配列を含む、抗原結合タンパク質。
2.軽鎖免疫グロブリン可変領域(VL1)及び重鎖免疫グロブリン可変領域(VH)を含む、ヒトIL-13に特異的に結合する抗原結合タンパク質であって、
VLが、細胞623によって発現される抗体のCDRを含み、
VHが、細胞623によって発現される抗体のCDRを含む、抗原結合タンパク質。
VLが、細胞623によって発現される抗体のCDRを含み、
VHが、細胞623によって発現される抗体のCDRを含む、抗原結合タンパク質。
3.細胞623によって発現される抗体と同様のフレームワーク領域を更に含む、実施形態1に記載の抗原結合タンパク質。
4.抗原結合タンパク質が、抗体である、実施形態1~3のいずれか1つに記載の抗原結合タンパク質。
5.抗原結合タンパク質が、抗体断片である、実施形態1~3のいずれか1つに記載の抗原結合タンパク質。
6.抗原結合タンパク質が、二重特異性抗体、融合タンパク質を含む抗体誘導体である、実施形態1~3のいずれか1つに記載の抗原結合タンパク質。
7.抗原結合タンパク質が、ヒト配列を有する、実施形態1~6のいずれか1つに記載の抗原結合タンパク質。
8.抗原結合タンパク質が、モノクローナル抗体である、実施形態1~6のいずれか1つに記載の抗原結合タンパク質。
9.2cM~50pMのKDでIL-13に結合する、IL-13に結合するヒト抗体。
10.2cM~40pMのKDでIL-13に結合する、IL-13に結合するヒト抗体。
11.ヒトIL-13に結合するヒト抗体又はその抗原結合断片であって、アミノ酸配列が、
(a)配列番号11のLCDR1、配列番号12のLCDR2、及び配列番号13のLCDR3を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列;並びに配列番号8のHCDR1、配列番号106のHCDR2、及び配列番号10のHCDR3を含む可変抗体重鎖アミノ酸配列;
(b)配列番号11のLCDR1、配列番号12のLCDR2、及び配列番号13のLCDR3を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列;並びに配列番号8のHCDR1、配列番号83のHCDR2、及び配列番号10のHCDR3を含む可変抗体重鎖アミノ酸配列;
(c)配列番号11のLCDR1、配列番号12のLCDR2、及び配列番号13のLCDR3を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列;並びに配列番号8のHCDR1、配列番号83のHCDR2、及び配列番号10のHCDR3を含む可変抗体重鎖アミノ酸配列;
(d)配列番号74のLCDR1、配列番号12のLCDR2、及び配列番号76のLCDR3を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列;並びに配列番号107のHCDR1、配列番号85のHCDR2、及び配列番号10のHCDR3を含む可変抗体重鎖アミノ酸配列;
(e)配列番号77のLCDR1、配列番号12のLCDR2、及び配列番号76のLCDR3を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列;並びに配列番号107のHCDR1、配列番号85のHCDR2、及び配列番号10のHCDR3を含む可変抗体重鎖アミノ酸配列;
(f)配列番号79のLCDR1、配列番号12のLCDR2、及び配列番号78のLCDR3を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列;並びに配列番号107のHCDR1、配列番号85のHCDR2、及び配列番号10のHCDR3を含む可変抗体重鎖アミノ酸配列;
(g)配列番号79のLCDR1、配列番号80のLCDR2、及び配列番号78のLCDR3を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列;並びに配列番号107のHCDR1、配列番号85のHCDR2、及び配列番号10のHCDR3を含む可変抗体重鎖アミノ酸配列;
(h)配列番号81のLCDR1、配列番号80のLCDR2、及び配列番号78のLCDR3を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列;並びに配列番号107のHCDR1、配列番号85のHCDR2、及び配列番号10のHCDR3を含む可変抗体重鎖アミノ酸配列;並びに
(i)配列番号82のLCDR1、配列番号80のLCDR2、及び配列番号78のLCDR3を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列;並びに配列番号107のHCDR1、配列番号85のHCDR2、及び配列番号10のHCDR3を含む抗体可変重鎖アミノ酸配列、を含む群から選択される、ヒト抗体又はその抗原結合断片。
(a)配列番号11のLCDR1、配列番号12のLCDR2、及び配列番号13のLCDR3を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列;並びに配列番号8のHCDR1、配列番号106のHCDR2、及び配列番号10のHCDR3を含む可変抗体重鎖アミノ酸配列;
(b)配列番号11のLCDR1、配列番号12のLCDR2、及び配列番号13のLCDR3を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列;並びに配列番号8のHCDR1、配列番号83のHCDR2、及び配列番号10のHCDR3を含む可変抗体重鎖アミノ酸配列;
(c)配列番号11のLCDR1、配列番号12のLCDR2、及び配列番号13のLCDR3を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列;並びに配列番号8のHCDR1、配列番号83のHCDR2、及び配列番号10のHCDR3を含む可変抗体重鎖アミノ酸配列;
(d)配列番号74のLCDR1、配列番号12のLCDR2、及び配列番号76のLCDR3を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列;並びに配列番号107のHCDR1、配列番号85のHCDR2、及び配列番号10のHCDR3を含む可変抗体重鎖アミノ酸配列;
(e)配列番号77のLCDR1、配列番号12のLCDR2、及び配列番号76のLCDR3を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列;並びに配列番号107のHCDR1、配列番号85のHCDR2、及び配列番号10のHCDR3を含む可変抗体重鎖アミノ酸配列;
(f)配列番号79のLCDR1、配列番号12のLCDR2、及び配列番号78のLCDR3を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列;並びに配列番号107のHCDR1、配列番号85のHCDR2、及び配列番号10のHCDR3を含む可変抗体重鎖アミノ酸配列;
(g)配列番号79のLCDR1、配列番号80のLCDR2、及び配列番号78のLCDR3を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列;並びに配列番号107のHCDR1、配列番号85のHCDR2、及び配列番号10のHCDR3を含む可変抗体重鎖アミノ酸配列;
(h)配列番号81のLCDR1、配列番号80のLCDR2、及び配列番号78のLCDR3を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列;並びに配列番号107のHCDR1、配列番号85のHCDR2、及び配列番号10のHCDR3を含む可変抗体重鎖アミノ酸配列;並びに
(i)配列番号82のLCDR1、配列番号80のLCDR2、及び配列番号78のLCDR3を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列;並びに配列番号107のHCDR1、配列番号85のHCDR2、及び配列番号10のHCDR3を含む抗体可変重鎖アミノ酸配列、を含む群から選択される、ヒト抗体又はその抗原結合断片。
12.ヒトIL-13に結合するヒト抗体又はその抗原結合断片であって、アミノ酸配列が、
(a)配列番号86を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列及び配列番号87を含む抗体可変重鎖アミノ酸配列;
(b)配列番号88を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列及び配列番号89を含む抗体可変重鎖アミノ酸配列;
(c)配列番号90を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列及び配列番号91を含む抗体可変重鎖アミノ酸配列;
(d)配列番号92を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列及び配列番号93を含む抗体可変重鎖アミノ酸配列;
(e)配列番号94を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列及び配列番号95を含む抗体可変重鎖アミノ酸配列;
(f)配列番号96を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列及び配列番号97を含む抗体可変重鎖アミノ酸配列;
(g)配列番号98を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列及び配列番号99を含む抗体可変重鎖アミノ酸配列;
(h)配列番号100を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列及び配列番号101を含む抗体可変重鎖アミノ酸配列;
(i)配列番号102を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列及び配列番号103を含む抗体可変重鎖アミノ酸配列;並びに
(j)配列番号104を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列及び配列番号105を含む抗体可変重鎖アミノ酸配列、を含む群から選択される可変軽鎖領域及び可変重鎖領域を含む、ヒト抗体又はその抗原結合断片。
(a)配列番号86を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列及び配列番号87を含む抗体可変重鎖アミノ酸配列;
(b)配列番号88を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列及び配列番号89を含む抗体可変重鎖アミノ酸配列;
(c)配列番号90を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列及び配列番号91を含む抗体可変重鎖アミノ酸配列;
(d)配列番号92を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列及び配列番号93を含む抗体可変重鎖アミノ酸配列;
(e)配列番号94を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列及び配列番号95を含む抗体可変重鎖アミノ酸配列;
(f)配列番号96を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列及び配列番号97を含む抗体可変重鎖アミノ酸配列;
(g)配列番号98を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列及び配列番号99を含む抗体可変重鎖アミノ酸配列;
(h)配列番号100を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列及び配列番号101を含む抗体可変重鎖アミノ酸配列;
(i)配列番号102を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列及び配列番号103を含む抗体可変重鎖アミノ酸配列;並びに
(j)配列番号104を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列及び配列番号105を含む抗体可変重鎖アミノ酸配列、を含む群から選択される可変軽鎖領域及び可変重鎖領域を含む、ヒト抗体又はその抗原結合断片。
13.ヒトIL-13に結合するヒト抗体又はその抗原結合断片であって、アミノ酸配列が、
(a)配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号33、配列番号35、配列番号37;配列番号39、配列番号41;配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、及び配列番号73を含む群から選択される軽鎖、並びに
(b)配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号32、配列番号34、配列番号36;配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、及び配列番号72を含む群から選択される重鎖を含む、ヒト抗体又はその抗原結合断片。
(a)配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号33、配列番号35、配列番号37;配列番号39、配列番号41;配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、及び配列番号73を含む群から選択される軽鎖、並びに
(b)配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号32、配列番号34、配列番号36;配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、及び配列番号72を含む群から選択される重鎖を含む、ヒト抗体又はその抗原結合断片。
14.実施形態1~14、20、25~27のいずれか1つに記載のアミノ酸配列を有する軽鎖及び重鎖を含む、抗体。
15.実施形態1~14のいずれか1つに記載の抗体又はその抗体断片をコードする、核酸配列。
16.実施形態15、20、25~27のいずれか1つに記載の抗体又はその抗体断片をコードする核酸配列を含む、ベクター。
17.実施形態16に記載のベクターを含む、宿主細胞。
18.宿主細胞が、CHO細胞又はSp2/0細胞である、実施形態17に記載の宿主細胞。
19.宿主細胞が、CHO細胞である、実施形態18に記載の宿主細胞。
20.実施形態18~19のいずれか1つに記載の宿主細胞によって産生される、抗体又は抗体断片。
21.実施形態20に記載の抗体又は抗体断片を含む、医薬組成物。
22.実施形態17~19のいずれか1つに記載の宿主細胞を培養することにより、抗体又はその断片を生成する方法。
23.COPD、肺気腫、喘息、又はアトピー性皮膚炎に罹患している患者を、有効量の実施形態20に記載の抗体又はその断片をその患者に投与することにより処置する方法。
24.COPD、肺気腫、喘息、又はアトピー性皮膚炎に罹患している患者を、有効量の実施形態21に記載の医薬組成物をその患者に投与することにより処置する方法。
25.半減期延長突然変異が存在する、実施形態20に記載の抗体。
26.半減期延長突然変異が、Fc内のEu位置M252Y、S254T、及びT256Eにおける突然変異である、実施形態25に記載の抗体。
27.半減期延長突然変異が、Fc内のEu位置S583Kにおける補体六量体妨害突然変異である、実施形態25に記載の抗体。
本発明は、発明を実施するための形態及び添付図面からより良く理解されるであろうが、これらは本発明を例示することを意味するものであって、本発明を制限することを意味するものではない。
図1は、各ウェルの中和データに対する相対抗体濃度のプロットを示す。データを使用して、最も高い効力の抗体を有するウェルを同定した。
図2は、抗原コーティングの関係を示すプロットではなく、これは、抗体の濃度に対する31ng/mLのAgコーティングでの各抗体試料のELISA ODのプロットである。
図3は、アイソタイプが一致した対照と比較した、組換え抗体643及び731によるIL-13誘導性エオタキシン放出の阻害率を示すグラフである。
図4は、731又は623のIL-13コーティングELISAプレートへの結合を阻害する、IL-13又はIL-13Q110Rの能力を比較する棒グラフである。
図5Aは、抗体643とアイソタイプ対照との細胞受容体競合を比較する棒グラフである。恐らくこれを5Bにする
図5Bは、抗体731とアイソタイプ対照との細胞受容体競合を比較する棒グラフである。これを5Dにする
図5Cは、図5Aのプロトコル及び種々の予測結果を示す模式図である。これを5Aにする
図5Dは、図5Bのプロトコル及び種々の予測結果を示す模式図である。これを5Cにする。これらの変更により追跡が容易になり得る。
図6Aは、抗体693によって認識されるファージディスプレイ由来ペプチドとIL-13配列の一部とのアラインメントを示す。
図6Bは、IL-13の二次構造を示すチャートであり、キメラタンパク質の構築のためにヒトIL-13のどの領域がマウスIL-13で置換されたかを示している。
図7は、種々の抗体を分類することができる種々のビンを示すチャートである。
図8A及び図8Bは、ヒト化IL-13マウス由来のCD4+ T細胞が、ヒトIL-13を産生するがマウスIL-13を産生しないことを示す棒グラフである。
図8A及び図8Bは、ヒト化IL-13マウス由来のCD4+ T細胞が、ヒトIL-13を産生するがマウスIL-13を産生しないことを示す棒グラフである。
図9は、抗IL-13抗体731及び623が気道過敏性を阻害することを示すグラフである。
図10は、731及び623が粘液産生を阻害することを示す棒グラフである。
図11は、親和性成熟抗IL-13抗体とIL-13との間の相互作用の結晶構造を示す。
図12Aは、親和性成熟抗IL-13抗体とIL-13との間の相互作用の結晶構造の詳細を示す。
図12Bは、親和性成熟抗IL-13抗体とIL-13との間の相互作用の結晶構造の詳細を示す。
図13は、親和性成熟抗IL-13抗体とIL-13との間の相互作用の結晶構造の詳細を示す。
図14は、半減期延長突然変異を有する高親和性抗IL13抗体のアミノ酸配列を示すチャートである。
本発明の実施形態は、IL-13に結合する単離された抗体、及びヒトにおける疾患を処置するためにそれらの抗体を使用する方法に関する。好ましくは、抗体は、高い親和性、高い効力、又はその両方でIL-13に結合する完全ヒト中和モノクローナル抗体である。一実施形態では、抗体又は抗体断片は、IL-13分子の領域に特異的に結合し、この分子のIL-13受容体複合体を通じたシグナル伝達を防止する。
更に、本発明の実施形態は、これらの抗IL-13抗体を疾患の診断用薬剤又は処置として使用する方法を含む。例えば、抗体は、喘息(アレルギー性(アトピー性)及び非アレルギー性(非アトピー性)の両方を含む)、気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、枯草熱、鼻炎、蕁麻疹、血管性浮腫、アレルギー性皮膚炎(接触皮膚炎を含む)、スティーブンス-ジョンソン症候群、アナフィラキシーショック、食物アレルギー、角膜炎、結膜炎、ステロイド抵抗性腎炎症候群、肥満細胞症、線維性疾患(例えば、特発性肺線維症を含む肺線維症、嚢胞性線維症、ブレオマイシン誘導性線維症、肝線維症、及び全身性硬化症)、癌、例えば、ホジキン病、B細胞増殖性障害(例えば、B細胞リンパ腫、特に縦隔大細胞型B細胞リンパ腫)、B細胞白血病、卵巣癌、非悪性B細胞増殖を特徴とする疾患、例えば、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、慢性活動性肝炎、及びクリオグロブリン血症、高レベルの自己抗体を特徴とする疾患、例えば、溶血性貧血、血小板減少症、リン脂質症候群及び天疱瘡、炎症性腸疾患及び移植片対宿主病の処置に有用である。
そのような処置に関連して、本発明の実施形態は、抗体を含む製品を含む。本発明の一実施形態は、IL-13活性に関連する疾患又は障害をスクリーニングするために使用されるIL-13抗体を含むアッセイキットである。
本明細書に記載の核酸、並びにその断片及び変異体は、非限定的な例として、(a)組換え又は異種遺伝子産物として、対応するコードされたタンパク質、ポリペプチド、断片、及び変異体の生合成を指示するために、(b)本明細書に開示される核酸の検出及び定量化のためのプローブとして、(c)アンチセンス分子を調製するための配列鋳型として、などに使用され得る。そのような使用は、以下に更に十分に説明される。
一態様では、これらの抗体を同定する方法が提供される。一実施形態では、この方法は、エオタキシン放出アッセイを含む。
一態様では、IL-13の変異体に結合する抗体も提供される。特に関連するのは、内在性IL-13ポリペプチドの110位にグルタミンを有するIL-13変異体に結合する抗体である。
一実施形態では、ヒトIL-13についてヒト化されたマウスが提供される。このマウスは、気道過敏性及び粘液産生阻害に関する試験対象を提供するのに有用である。
定義:
別段の定義がない限り、本発明と関連して使用される科学用語及び技術用語は、当業者によって一般に理解される意味を有するものとする。更に、文脈上異なる解釈を要する場合を除き、単数形の用語は複数形を含むものとし、複数形の用語は単数形を含むものとする。
別段の定義がない限り、本発明と関連して使用される科学用語及び技術用語は、当業者によって一般に理解される意味を有するものとする。更に、文脈上異なる解釈を要する場合を除き、単数形の用語は複数形を含むものとし、複数形の用語は単数形を含むものとする。
一般的に、本明細書に記載される細胞及び組織培養、分子生物学、並びにタンパク質及びオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチド化学作用、並びにハイブリダイゼーションとの関連で使用される命名法、及びその手法は、本明細書を通して引用され議論されるものなどの種々の一般的な及びより具体的な参照文献に記載されるように、当該技術分野において周知であり、一般的に使用されるものである。例えば、Singleton et al.,Dictionary of Microbiology and Molecular Biology 2nd ed.,J.Wiley & Sons(New York,NY 1994);Sambrook et al.Molecular Cloning:A Laboratory Manual(2d ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(1989))(参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。組換えDNA、オリゴヌクレオチド合成、並びに組織培養及び形質転換に関しては、標準的な手法(例えば、エレクトロポレーション、リポフェクション)が使用される。酵素反応及び精製手法は、製造業者の説明に従って、又は当該技術分野において一般に達成されるように、又は本明細書に記載の通りに実施される。化学合成、化学分析、医薬調製、製剤化及び送達、並びに患者の処置にも、標準的な手法を使用することができる。
本開示に従って利用される場合、以下の用語は、特に断りのない限り、以下の意味を有するものとして理解される。
「ポリメラーゼ連鎖反応」又は「PCR」は、1987年7月28日に発行された米国特許第4,683,195号明細書に記載されるように、微量の核酸、RNA及び/又はDNAの特定の小片が増幅される手順又は手法を指す。一般に、オリゴヌクレオチドプライマーを設計することができるように、目的領域の末端又はそれ以降の配列情報が利用可能でなければならず、これらのプライマーは、増幅される鋳型の反対鎖と配列が同一であるか又は類似している。2つのプライマーの5’末端ヌクレオチドは、増幅された物質の末端と一致し得る。PCRは、特定のRNA配列、全ゲノムDNAからの特定のDNA配列、及び全細胞RNA、バクテリオファージ、又はプラスミド配列などから転写されたcDNAを増幅するために使用され得る。概して、Mullis et al.,Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol.51:263(1987);Erlich,ed.,PCR Technology(Stockton Pres,NY,1989)を参照されたい。本明細書で使用される場合、PCRは、核酸の特定の小片を増幅又は生成するためのプライマーとしての既知の核酸及び核酸ポリメラーゼの使用を含む、核酸試験試料を増幅するための核酸ポリメラーゼ反応法の一例であると考えられるが、唯一の例ではない。
「抗体」(Ab)及び「免疫グロブリン」(Ig)は、同じ構造特性を有する糖タンパク質である。抗体は特異的抗原に対し結合特異性を示すが、免疫グロブリンは抗体及び抗原特異性を欠く他の抗体様分子の両方を含む。後者の種類のポリペプチドは、例えば、リンパ系によって低いレベルで産生され、骨髄腫によって高いレベルで産生される。
抗体は、約150,000ダルトンのヘテロ四量体糖タンパク質であり、2つの同一且つ実質的に完全長の軽(L)鎖及び2つの同一且つ実質的に完全長の重(H)鎖から構成される。各軽鎖は1つの共有ジスルフィド結合によって重鎖と連結しているが、ジスルフィド結合の数は、免疫グロブリンのアイソタイプが異なる重鎖の間で異なる。各重鎖及び軽鎖はまた、規則的に間隔を空けた鎖内ジスルフィドブリッジも有する。各重鎖は、一端に可変ドメイン(VH)を有し、続いていくつかの定常ドメインを有する。各軽鎖は、一端に可変ドメイン(VL)を有し、その他方の端に定常ドメインを有しており、軽鎖の定常ドメインは、重鎖の第1の定常ドメインと整列し、軽鎖可変ドメインは、重鎖の可変ドメインと整列している。特定のアミノ酸残基が軽鎖可変ドメインと重鎖可変ドメインとの間に界面を形成すると考えられている(Chothia et al.J.Mol.Biol.186:651(1985);Novotny and Haber,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.82:4592(1985);Chothia et al.,Nature 342:877-883(1989))。
「抗体断片」には、標的抗原に結合する抗体の断片が含まれる。抗体断片の例としては、Fab断片、Fab’断片、F(ab’)2断片、及びFv断片が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「抗原結合タンパク質」は、抗体に由来する特定の抗原と特異的に結合するタンパク質を意味する。抗原結合タンパク質の例としては、抗体、抗体断片、抗体コンストラクト、融合タンパク質、二重特異性抗体、及びscFvタンパク質が挙げられるが、これらに限定されない。
抗原結合タンパク質が、表面プラズマ共鳴手法(例えば、BIACore,GE-Healthcare Uppsala,Sweden)又は結合平衡除外法(KinExA,Sapidyne,Boise,Idaho)によって測定される解離定数(KD)が≦10-7Mでその抗原に結合するとき、抗原結合タンパク質がその抗原に「特異的に結合する」と言う。
本発明の抗原結合タンパク質は、IL-13受容体アルファ-1(IL-13Rα1)などのシグナル伝達受容体へのIL-13の結合を、少なくとも60%又は80%、より一般的には約85%超、中和及び阻害することができる(インビトロ競合結合アッセイで測定した場合)。一実施形態では、抗体は、デコイ受容体IL-13Rα2への結合も阻害するが、他の実施形態では、IL-13Rα2に結合するIL-13の能力は、IL-13への抗体の結合時に維持される。
重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に応じて、インタクト抗体を異なる「クラス」に割り当てることができる。インタクト抗体には5つの主要なクラス、即ちIgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMがあり、これらのうちのいくつかは、更に「サブクラス」(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、及びIgA2に分けることができる。様々なクラスの抗体に対応する重鎖定常ドメインは、それぞれ、α、δ、ε、γ、及びμと呼ばれる。様々なクラスの免疫グロブリンのサブユニット構造及び三次元配置は周知である。
本明細書で使用される場合、「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に均一な抗体の集団から得られる抗体を指し、即ち、集団を構成する個々の抗体は、わずかに存在し得る可能性のある天然に存在する突然変異を除いて同一である。モノクローナル抗体は極めて特異性が高く、単一の抗原部位を対象とする。更に、異なる決定基(エピトープ)を対象とする異なる抗体を含むポリクローナル抗体調製物とは対照的に、各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基を対象とする。それらの特異性に加えて、モノクローナル抗体は、他の抗体による混入がなく合成され得るという点で有利である。「モノクローナル」という修飾語は、実質的に均一な抗体集団から得られるという抗体の特性を示し、何らかの特定の方法による抗体の産生を必要とすると解釈されるべきではない。例えば、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体は、Kohler et al.,Nature,256:495(1975)によって最初に記載されたハイブリドーマ法によって作製されてもよく、又は組換えDNA法(例えば、米国特許第4,816,567号明細書を参照されたい)によって作製されてもよい。「モノクローナル抗体」はまた、例えば、Clackson et al.,Nature,352:624-628(1991)及びMarks et al.,J.Mol.Biol.,222:581-597(1991)に記載される手法を使用して、ファージ抗体ライブラリーから単離されてもよい。
「単離された」抗体は、その天然環境の成分から同定され、分離され及び/又は回収されたものである。その天然環境の混入成分は、抗体の診断的又は治療的使用を妨害し得る物質であり、酵素、ホルモン、及び他のタンパク質性又は非タンパク質性溶質が含まれ得る。好ましい実施形態では、抗体は、(1)ローリー法による決定、及びスピニングカップ配列決定装置の使用による末端若しくは内部アミノ酸配列による決定で、抗体が95重量%を超えるまで、又は(2)クマシーブルー、若しくは好ましくは銀染色を用い、還元条件下若しくは非還元条件下でSDS-PAGEによって均質になるまで、精製される。単離された抗体には、その抗体の天然環境の少なくとも1つの成分は存在しないため、組換え細胞内にインサイチュで存在する抗体が含まれる。しかし、通常は、単離された抗体は少なくとも1つの精製工程によって調製される。
「中和抗体」は、それが結合する標的抗原のエフェクター機能をなくすか又は著しく低減させることができる抗体分子である。したがって、「中和」IL-13抗体は、IL-13受容体を介したIL-13シグナル伝達活性などのエフェクター機能をなくすか又は著しく低減させることができる。一実施形態では、中和抗体は、エフェクター機能を1~10%、10~20%、20~30%、30~50%、50~70%、70~80%、80~90%、90~95%、95~99%、99~100%低減させる。
「抗体依存性細胞媒介性細胞傷害」及び「ADCC」は、Ig Fc受容体(FcR)(例えば、ナチュラルキラー(NK)細胞、好中球、及びマクロファージ)を発現する非特異的細胞傷害性細胞が、標的細胞上で結合した抗体を認識し、続いて標的細胞の溶解を引き起こす細胞媒介性応答を指す。ADCCを媒介するための主要な細胞であるNK細胞は、FcγRIIIのみを発現する一方で、単球はFcγRI、FcγRII及びFcγRIIIを発現する。造血細胞上でのFcR発現は、Ravetch and Kinet,Annu.Rev.Immunol.9:457-492(1991)の464頁の表3に要約されている。目的の分子のADCC活性を評価するために、インビトロADCCアッセイ(例えば、米国特許第5,500,362号明細書又は同第5,821,337号明細書に記載されているもの)を実施することができる。このようなアッセイに有用なエフェクター細胞としては、末梢血単核細胞(PBMC)及びナチュラルキラー(NK)細胞が挙げられる。或いは、又は更に、目的の分子のADCC活性は、例えば、Clynes et al.PNAS(USA)95:652-656(1988)に開示されているような動物モデルにおいて、インビボで評価することができる。
「可変」という用語は、可変ドメインの特定の部分が抗体間の配列において大幅に異なり、それが各特定の抗体のその特定の抗原に対する結合及び特異性において用いられるという事実を指す。しかしながら、可変性は、抗体の可変ドメイン全体にわたり均等に分布しているわけではない。可変性は、Ig軽鎖及び重鎖可変ドメインの両方において、相補性決定領域(CDR)又は超可変領域と呼ばれる3つのセグメントに集中している。可変ドメインのより高度に保存された部分は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれる。天然の重鎖及び軽鎖の可変ドメインは、大部分がβシート配置をとる4つのFR領域をそれぞれ含み、これらは、ループ接続を形成し場合によりβシート構造の一部を形成する、3つのCDRによって接続される。各鎖のCDRは、FR領域によって近接して一体に保持されており、他の鎖のCDRとともに、抗体の抗原結合部位の形成に寄与する(Kabat et al.(1991)を参照されたい)。定常ドメインは、抗体の抗原への結合には直接関わらないが、抗体依存性細胞毒性における抗体の関与などの種々のエフェクター機能を示す。
酵素パパインによる抗体の消化により、「Fab」断片としても知られる2つの同一の抗原結合断片、及び抗原結合活性はないが結晶化能を有する「Fc」断片が生じる。酵素ペプシンによる抗体の消化により、抗体分子の2つのアームが連結したままであり2つの抗原結合部位を含む、F(ab’)2断片が生じる。F(ab’)2断片は、抗原架橋能を有する。
「Fv」は、本明細書で使用される場合、抗原認識部位及び抗原結合部位の両方を保持する抗体の最小断片を指す。
「Fab」は、本明細書で使用される場合、軽鎖の定常ドメインと重鎖のCH1ドメインとを含む抗体の断片を指す。
「Fv」は、完全な抗原認識部位及び抗原結合部位を含有する最小の抗体断片である。二本鎖Fv種では、この領域は、密接に非共有結合している1つの重鎖可変ドメイン及び1つの軽鎖可変ドメインの二量体からなる。一本鎖Fv種では、1つの重鎖可変ドメイン及び1つの軽鎖可変ドメインは、軽鎖及び重鎖が二本鎖Fv種におけるものと類似の「二量体」構造で会合し得るように、柔軟なペプチドリンカーによって共有結合され得る。この配置において、個々の可変ドメインの3つのCDRが相互作用して、VH-VL二量体の表面に抗原結合部位を画定する。まとめると、6つのCDRによって抗体に抗原結合特異性が付与される。しかしながら、単一の可変ドメイン(又は抗原に特異的なCDRを3つしか含まないFvの半分)でさえも、結合部位全体よりも低い親和性ではあるが、抗原を認識し、それに結合する能力を有する。
「融合タンパク質」は、別のタンパク質に結合した抗体断片を含むタンパク質を指す。
「超可変領域」という用語は、本明細書で使用される場合、抗原結合を担う抗体のアミノ酸残基を指す。超可変領域は、一般に、「相補性決定領域」又は「CDR」に由来するアミノ酸残基(例えば、軽鎖可変ドメインの残基24~34(L1)、50~62(L2)、及び89~97(L3)、並びに重鎖可変ドメインの31~55(H1)、50~65(H2)、及び95~102(H3);Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD.(1991))、並びに/又は「超可変ループ」に由来する残基(例えば、軽鎖可変ドメインの残基26~32(L1)、50~52(L2)及び91~96(L3)、並びに重鎖可変ドメインの26~32(H1)、53~55(H2)及び96~101(H3);Chothia and Lesk J.Mol.Biol.196:901-917(1987))を含む。「フレームワーク領域」又は「FR」残基は、本明細書で定義される超可変領域残基以外の可変ドメイン残基である。
「相補性決定領域」又は「CDR」という用語は、本明細書で使用される場合、特定のリガンドと接触し、その特異性を決定する免疫受容体の部分を指す。免疫受容体のCDRは、受容体タンパク質の最も可変性が高い部分であり、受容体に多様性を与え、受容体の可変ドメインの遠位端にある6つのループ上で保有され、3つのループが受容体の2つの可変ドメインのそれぞれに由来する。
「エピトープ」という用語は、タンパク質抗原上の抗体の結合部位を指すために使用される。エピトープ決定基は通常、アミノ酸又は糖側鎖などの化学的に活性な分子の表面基からなり、通常、特定の三次元構造特性及び特定の電荷特性を有する。解離定数が≦1μM、好ましくは≦100nM、最も好ましくは≦10nMである場合、抗体が抗原に結合すると言う。増加した又はより大きな平衡定数(「KD」)は、エピトープと抗体との間の親和性がより小さいことを意味する。換言すれば、抗体及びエピトープは、一緒に結合するか又は結合したままであることがそれほど好適ではない。減少した又はより低い平衡定数は、エピトープと抗体との間の親和性がより大きいことを意味する。換言すれば、抗体及びエピトープは、一緒に結合しようとするか又は結合したままであろうとする。ある程度「以下」のKDを有する抗体は、抗体が所与の親和性で、又はより強く(若しくはより密接に)、エピトープに結合することを意味する。
KDがエピトープ及び抗体の結合特性を説明する一方で、「効力」は抗体の機能に関する抗体自体の有効性を説明する。比較的低いKDが、必然的に高い効力を意味するわけではない。したがって、抗体は、比較的低いKD及び高い効力(例えば、それらは十分に結合し、強力に機能を変化させる)、比較的高いKD及び高い効力(例えば、それらは十分に結合しないが、機能に強力に影響を及ぼす)、比較的低いKD及び低い効力(例えば、それらは十分に結合するが、特定の機能を変化させるのに効果的な形ではない)、又は比較的高いKD及び低い効力(例えば、それらは単に標的に十分に結合しない)を有し得る。一実施形態では、高い効力は、低濃度の抗体で高レベルの阻害があることを意味する。一実施形態では、抗体は、そのIC50が小さな数値、例えば、130~110、110~90、90~60、60~30、30~25、25~20、20~15、又はそれ未満のpMである場合、強力であるか、又は高い効力を有する。
「実質的に」とは、別の用語に関連して別途明記されない限り、実施形態の創出又は実施中に生じ得る測定の誤差に寄与し得る任意の量内で値が変動し得ることを意味する。「有意な」とは、特許請求された発明がその意図された使用のために機能することを可能にするのに十分である限り、値が変動し得ることを意味する。
「アミノ酸」又は「アミノ酸残基」という用語は、本明細書で使用される場合、天然に存在するLアミノ酸、又は変異体に関して以下に更に記載されるDアミノ酸を指す。アミノ酸について一般的に使用される1文字及び3文字の略称が本明細書中で使用される(Bruce Alberts et al.,Molecular Biology of the Cell,Garland Publishing,Inc.,New York(3d ed.1994))。
「mAb」という用語は、モノクローナル抗体を指す。
「ヒト抗体」という用語は、抗体配列の大部分(少なくとも95%)がヒトゲノムに由来する抗体を指す。
「XENOMOUSE(登録商標)」という用語は、Green et al.Nature Genetics 7:13-21(1994)(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているように、ヒト重鎖遺伝子座及びカッパ軽鎖遺伝子座の245kb及び190kbのサイズの生殖系列構成断片を含むように操作されたマウス系統を指す。XENOMOUSE(登録商標)系統は、Abgenix,Inc.(Fremont,CA)から入手可能である。
「XENOMAX(登録商標)」という用語は、XENOMOUSE(登録商標)動物とともに使用される場合、「選択的リンパ球抗体法(Selected Lymphocyte Antibody Method)」(Babcook et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,93:7843-7848(1996))の使用を指す。
「SLAM(登録商標)」という用語は、「選択的リンパ球抗体法」(Babcook et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,93:7843-7848(1996)、及びSchraderの米国特許第5,627,052号明細書(これらはいずれも、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる))を指す。
「疾患」、「疾患状態」、及び「障害」という用語は、細胞若しくは身体の機能、系、又は器官の中断、停止、又は障害が生じた細胞又は哺乳動物全体の生理的状態を指す。
「症状」という用語は、障害のあらゆる身体的又は観察可能な徴候(一般的にその障害に特徴的であるか否かにかかわらない)を意味する。「症状」という用語は、全てのそのような徴候又はその任意の一部分を意味し得る。
「処置する」又は「処置」という用語は、治療的処置及び予防的又は防止的措置の両方を指し、その目的は、望ましくない生理的変化又は障害、例えば、癌の発症又は拡散を予防するか又は鈍化(減弱)させることである。本発明の目的上、有益な又は望ましい臨床的結果には、検出可能であるか検出不能であるかを問わず、症状の軽減、疾患の程度の縮小、疾患の状態の安定化(即ち、悪化させない)、疾患の進行の遅延又は鈍化、疾患状態の改善又は緩和、及び寛解(部分的であるか全体的であるかを問わない)が含まれるが、これらに限定されない。「処置」はまた、処置を受けない場合に予期される生存期間と比較して生存期間を延長させることも意味する。処置を必要とする者には、状態若しくは障害を既に有する者、及び状態若しくは障害を有する傾向がある者、又は状態若しくは障害を予防すべき者が含まれる。「抑制する」という用語は、疾患又は症状と組み合わせて使用される場合、抗体が疾患又は症状を低減させ得る又はなくし得ることを意味し得る。
「患者」という用語は、ヒト及び動物対象を含む。
処置の目的で「投与する」とは、患者に送達することを意味する。例えば、限定されないが、そのような送達は、静脈内、腹腔内、吸入によるもの、筋肉内、皮下、経口、局所、経皮、又は外科的であり得る。
処置の目的のための「治療有効量」とは、患者の状態及び/又は症状における観察可能な変化が、単独で又は他の処置との組み合わせのいずれかでその投与から生じ得るような量を意味する。
処置の目的のための「薬学的に許容されるビヒクル」は、患者に投与され得る物理的な具体物である。薬学的に許容されるビヒクルは、丸剤、カプセル剤、カプレット剤、錠剤、経口投与流体、注射用流体、スプレー剤、エアロゾル剤、ロゼンジ剤、栄養補助食品、クリーム剤、ローション剤、油剤、液剤、ペースト剤、散剤、吸入薬、又は液体であり得るが、これらに限定されない。薬学的に許容されるビヒクルの一例は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)などの緩衝等張溶液である。
処置の目的のための「中和する」とは、化学的及び/又は生物学的活性を部分的又は完全に抑制することを意味する。
処置の目的のための「下方制御」とは、特定の標的組成物のレベルを低下させることを意味する。
処置の目的のための「哺乳動物」とは、ヒト、飼育動物及び家畜、並びに動物園の動物、競技用動物、又は愛玩動物、例えば、サル、イヌ、ウマ、ネコ、雌ウシなどを含む、哺乳動物として分類される任意の動物を指す。
「ポリヌクレオチド」という用語は、本明細書で言及される場合、リボヌクレオチド若しくはデオキシヌクレオチドのいずれかの、又はいずれかのタイプのヌクレオチドの修飾形態の、少なくとも10塩基長のヌクレオチドのポリマー形態を意味する。この用語には、DNAの一本鎖形態及び二本鎖形態が含まれる。
本明細書で使用される場合、「単離されたポリヌクレオチド」という用語は、ゲノムポリヌクレオチド、cDNAポリヌクレオチド、若しくは合成起源のポリヌクレオチド、又はこれらのいくつかの組み合わせを意味するものとし、その起源により、「単離されたポリヌクレオチド」は、(1)「単離されたポリヌクレオチド」が天然に見出されるポリヌクレオチドの全部若しくは一部と会合していないか、(2)天然では連結されていないポリヌクレオチドに作動可能に連結されているか、又は(3)比較的大きな配列の一部として天然には存在しない。
本明細書で言及される「オリゴヌクレオチド」という用語は、天然に存在するオリゴヌクレオチド結合及び天然に存在しないオリゴヌクレオチド結合によって一緒に連結された、天然に存在するヌクレオチド及び修飾されたヌクレオチドを含む。オリゴヌクレオチドは、一般に200塩基以下の長さを含むポリヌクレオチドの一部分である。好ましくは、オリゴヌクレオチドは、10~60塩基長であり、最も好ましくは、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20~40塩基長である。オリゴヌクレオチドは通常、例えばプローブ用に一本鎖であるが、オリゴヌクレオチドは、例えば遺伝子突然変異体の構築における使用のために二本鎖であってもよい。オリゴヌクレオチドは、センスオリゴヌクレオチド又はアンチセンスオリゴヌクレオチドのいずれかであり得る。
本明細書で使用される場合、「天然に存在するヌクレオチド」という用語は、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドを含む。本明細書で言及される「修飾ヌクレオチド」という用語は、修飾又は置換された糖基などを有するヌクレオチドを含む。本明細書で言及される「オリゴヌクレオチド結合」という用語は、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロセレノエート、ホスホロジセレノエート、ホスホロアニロチオエート(phosphoroanilothioate)、ホスホラニラデート(phosphoraniladate)、ホスホロアミデートなどのオリゴヌクレオチド結合を含む。例えば、LaPlanche et al.Nucl.Acids Res.14:9081(1986);Stec et al.J.Am.Chem.Soc.106:6077(1984);Stein et al.Nucl.Acids Res.16:3209(1988);Zon et al.Anti-Cancer Drug Design 6:539(1991);Zon et al.Oligonucleotides and Analogues:A Practical Approach,pp.87-108(F.Eckstein,Ed.,Oxford University Press,Oxford England(1991));Stec et al.米国特許第5,151,510号明細書;Uhlmann and Peyman Chemical Reviews 90:543(1990)(これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。オリゴヌクレオチドは、所望により検出用の標識を含み得る。
本明細書で言及される「選択的にハイブリダイズする」という用語は、検出可能且つ特異的に結合することを意味する。ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、及びその断片は、非特異的核酸への検出可能な結合の感知可能な量を最小限にするハイブリダイゼーション及び洗浄条件下で、核酸鎖に選択的にハイブリダイズする。高ストリンジェンシー条件を使用して、当該技術分野で公知であり、本明細書で論じられるような選択的ハイブリダイゼーション条件を達成することができる。一般に、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、又は抗体断片と目的の核酸配列との間の核酸配列相同性は、少なくとも80%であり、より典型的には、相同性は少なくとも85%、90%、95%、99%、及び100%に増加させることが好ましい。
本明細書で使用される場合、「制御配列」という用語は、ポリヌクレオチド配列であって、それらが連結されるコード配列の発現及びプロセシングを実現するために必要なポリヌクレオチド配列を指す。このような制御配列の性質は宿主生物によって異なり、原核生物では、このような制御配列は、一般にプロモーター、リボソーム結合部位、及び転写終結配列を含み、真核生物では、一般にこのような制御配列は、プロモーター及び転写終結配列を含む。「制御配列」という用語は、その存在が発現及びプロセシングに不可欠である全ての構成要素を最低限含むことが意図され、その存在が有利である追加の構成要素、例えば、リーダー配列及び融合パートナー配列もまた含み得る。
本明細書で使用される場合、「作動可能に連結された」という用語は、構成要素が意図された形で機能することを可能にする関係にあると説明された、構成要素の位置を指す。例えば、コード配列に「作動可能に連結された」制御配列は、制御配列と適合する条件下でコード配列の発現が達成されるように連結される。
本明細書で言及される「単離されたタンパク質」という用語は、cDNAのタンパク質、組換えRNAのタンパク質、若しくは合成起源のタンパク質、又はこれらのいくつかの組み合わせを意味し、その起源又は誘導源によって、「単離されたタンパク質」は、(1)天然に見出されるタンパク質と会合していないか、(2)同一起源由来の他のタンパク質を含まない(例えば、ネズミタンパク質を含まない)か、(3)異なる種に由来する細胞によって発現されるか、又は(4)天然に存在しない。
「ポリペプチド」という用語は、本明細書では、ポリペプチド配列の天然タンパク質、断片、又は類似体を指すための一般的用語として使用される。したがって、天然タンパク質、断片、及び類似体は、ポリペプチド属の種である。本発明によるポリペプチドは、例えば、配列番号2、6、10、14、18、22、26、30、34、38、42、46、50、54、58、及び83~105によって表及び21で表されるヒト重鎖免疫グロブリン分子、並びに例えば配列番号4、8、12、16、20、24、28、32、36、40、44、48、52、56、60、及び106~126によって表されるヒトカッパ軽鎖免疫グロブリン分子に加えて、重鎖免疫グロブリン分子とカッパ軽鎖免疫グロブリン分子などの軽鎖免疫グロブリン分子とを含む組み合わせ(及びその逆)によって形成される抗体分子、並びにその断片及び類似体を含む。
特に明記しない限り、一本鎖ポリヌクレオチド配列の左側末端は5’末端であり、二本鎖ポリヌクレオチド配列の左側方向は5’方向と称される。新生RNA転写物が5’から3’へと付加される方向は、転写方向と称される。RNAと同一の配列を有するDNA鎖に存在し、RNA転写物の5’末端に対して5’側に位置する配列領域は、「上流配列」と称される。RNAと同一の配列を有するDNA鎖に存在し、RNA転写物の3’末端に対して3’側に位置する配列領域は、「下流配列」と称される。
本明細書で使用される場合、20種の従来のアミノ酸及びそれらの略称は、慣例的な用法に従う。参照により本明細書に組み込まれる、Immunology--A Synthesis(2nd Edition,E.S.Golub and D.R.Gren,Eds.,Sinauer Associates,Sunderland,Mass.(1991))を参照されたい。20種の従来のアミノ酸の立体異性体(例えば、D-アミノ酸)、アルファ,アルファ二置換アミノ酸、N-アルキルアミノ酸などの非天然アミノ酸、乳酸、及び他の非従来型アミノ酸も本発明のポリペプチドに好適な成分であり得る。非従来型アミノ酸の例としては、4-ヒドロキシプロリン、γ-カルボキシグルタミン酸、ε-N,N,N-トリメチルリジン、ε-N-アセチルリジン、O-ホスホセリン、N-アセチルセリン、N-ホルミルメチオニン、3-メチルヒスチジン、5-ヒドロキシリジン、σ-N-メチルアルギニン、並びに他の類似のアミノ酸及びイミノ酸(例えば、4-ヒドロキシプロリン)が挙げられる。本明細書で使用されるポリペプチド表記法では、標準的な用法及び慣例に従い、左側方向はアミノ末端方向であり、右側方向はカルボキシ末端方向である。
「~に対応する」という用語は、本明細書では、ポリヌクレオチド配列が参照ポリヌクレオチド配列の全部又は一部と相同である(即ち、同一であるが、進化的に厳密に関連していない)こと、又はポリペプチド配列が参照ポリペプチド配列と同一であることを意味するために使用される。
対照的に、「~に相補的」という用語は、本明細書では、相補配列が参照ポリヌクレオチド配列の全部又は一部と相同であることを意味するために使用される。例示のために、ヌクレオチド配列「TATAC」は、参照配列「TATAC」に対応し、参照配列「GTATA」に相補的である。
以下の用語:「参照配列」、「比較ウィンドウ」、「配列同一性」、「配列同一性のパーセンテージ」、「実質的同一性」、及び「相同性」は、2つ以上のポリヌクレオチド又はアミノ酸配列間の配列関係を説明するために使用される用語である。「参照配列」は、配列比較の基礎として使用される所定の配列である。参照配列はより大きな配列の一部分であってもよく、例えば、配列表に示される完全長cDNA又は遺伝子配列のセグメントであってもよく、又は完全なcDNA又は遺伝子配列を含んでもよい。一般に、参照配列は、少なくとも18ヌクレオチド長又は6アミノ酸長であり、少なくとも24ヌクレオチド長又は8アミノ酸長であることが多く、しばしば少なくとも48ヌクレオチド長又は16アミノ酸長である。2つのポリヌクレオチド配列又はアミノ酸配列はそれぞれ、(1)2つの分子間で類似する配列(即ち、完全なポリヌクレオチド配列又はアミノ酸配列の一部)を含み、且つ(2)2つのポリヌクレオチド配列又はアミノ酸配列間で異なる配列を更に含み得る場合があることから、2つの(又はそれ以上の)分子間の配列比較は、通常は配列類似性の局所領域を同定及び比較するために、「比較ウィンドウ」にわたって2つの分子の配列を比較することによって実施される。
本明細書で使用される場合、「比較ウィンドウ」は、少なくとも約18個の連続したヌクレオチド位置又は約6個のアミノ酸の概念的セグメントを指し、ここで、このポリヌクレオチド配列又はアミノ酸配列は、少なくとも18個の連続したヌクレオチド配列又は6個のアミノ酸配列の参照配列と比較され、比較ウィンドウにおけるポリヌクレオチド配列の部分は、2つの配列の最適なアラインメントのために参照配列(付加又は欠失を含まない)と比較した場合に20パーセント以下の付加、欠失、置換など(即ち、ギャップ)を含み得る。比較ウィンドウをアラインメントするための配列の最適なアラインメントは、Smith and Waterman Adv.Appl.Math.2:482(1981)の局所相同性アルゴリズム、Needleman and Wunsch J.Mol.Biol.48:443(1970)の相同性アラインメントアルゴリズム、Pearson and Lipman Proc.Natl.Acad.Sci.(U.S.A.)85:2444(1988)の類似性検索法、これらのアルゴリズムのコンピュータ実装(Wisconsin Genetics Software Package,Release 7.0(Genetics Computer Group,575 Science Dr.,Madison,Wis.)におけるGAP、BESTFIT、FASTA、及びTFASTA、GENEWORKS(商標)、若しくはMACVECTOR(登録商標)ソフトウェアパッケージ)、又は検査によって行うことができ、種々の方法によって生成された最良のアラインメント(即ち、比較ウィンドウにわたって相同性の最も高いパーセンテージをもたらす)が選択される。
「配列同一性」という用語は、2つのポリヌクレオチド配列又はアミノ酸配列が、比較ウィンドウにわたり同一(即ち、ヌクレオチド毎又は残基毎に同一)であることを意味する。「配列同一性のパーセンテージ」という用語は、最適にアラインメントされた2つの配列を比較ウィンドウにわたって比較し、両方の配列において、核酸塩基(例えば、A、T、C、G、U、若しくはI)又はアミノ酸残基が同一である位置の数を決定して、一致した位置の数を求め、その一致した位置の数を、比較ウィンドウ内の位置の総数(即ちウィンドウサイズ)で除し、その結果に100を乗じて、配列同一性のパーセンテージを求めることによって算出され得る。本明細書で使用される場合、「実質的同一性」という用語は、ポリヌクレオチド又はアミノ酸が、少なくとも18ヌクレオチド(6アミノ酸)の位置の比較ウィンドウ(多くの場合少なくとも24~48ヌクレオチド(8~16アミノ酸)の位置の比較ウィンドウ)にわたり参照配列と比較した場合に、少なくとも85パーセントの配列同一性、好ましくは少なくとも90~95パーセントの配列同一性、より好ましくは少なくとも99パーセントの配列同一性を有する配列を含むという、ポリヌクレオチド配列又はアミノ酸配列の特性を意味し、ここで配列同一性のパーセンテージは、比較ウィンドウにわたり、参照配列を、この参照配列の合計20パーセント以下である欠失又は付加を含み得る配列と比較することによって算出される。参照配列は、より大きな配列の一部分であってもよい。
2つのアミノ酸配列又はポリヌクレオチド配列は、それらの配列間に部分的又は完全な同一性が存在する場合、「相同」である。例えば、85%の相同性は、2つの配列が最大に一致するようにアラインメントしたときに、アミノ酸の85%が同一であることを意味する。一致を最大化させる際にギャップ(一致させる2つの配列のいずれかにおけるもの)が許容され、5以下のギャップ長が好ましく、2以下がより好ましい。或いは、及び好ましくは、2つのタンパク質配列(又は少なくとも約30アミノ酸長であるそれらに由来するポリペプチド配列)は、突然変異データマトリックス及び6以上のギャップペナルティーを用いたプログラムALIGNを使用して、5(標準偏差単位)を超えるアラインメントスコアを有する場合、この用語が本明細書で使用される通りに相同である。Dayhoff,M.O.,in Atlas of Protein Sequence and Structure,pp.101-110(Volume 5,National Biomedical Research Foundation(1972))及びこの巻の補遺2、1~10頁を参照されたい。2つの配列又はその部分は、ALIGNプログラムを使用して最適にアラインメントされた場合にそれらのアミノ酸が50%以上同一である場合、より好ましく相同である。
ポリペプチドに適用される場合、「実質的同一性」という用語は、2つのペプチド配列が、デフォルトのギャップ加重を使用するGAP又はBESTFITのプログラムなどによって最適にアラインメントされた場合、少なくとも80パーセントの配列同一性、好ましくは少なくとも90パーセントの配列同一性、より好ましくは少なくとも95パーセントの配列同一性、最も好ましくは少なくとも99パーセントの配列同一性を共有することを意味する。好ましくは、同一ではない残基位置は、保存的アミノ酸置換によって異なる。保存的アミノ酸置換は、類似の側鎖を有する残基の互換性を指す。例えば、脂肪族側鎖を有するアミノ酸群は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、及びイソロイシンであり;脂肪族-ヒドロキシル側鎖を有するアミノ酸群は、セリン及びトレオニンであり;アミド含有側鎖を有するアミノ酸群は、アスパラギン及びグルタミンであり;芳香族側鎖を有するアミノ酸群は、フェニルアラニン、チロシン、及びトリプトファンであり;塩基性側鎖を有するアミノ酸群は、リジン、アルギニン、及びヒスチジンであり;硫黄含有側鎖を有するアミノ酸群は、システイン及びメチオニンである。好ましい保存的アミノ酸置換の群は、バリン-ロイシン-イソロイシン、フェニルアラニン-チロシン、リジン-アルギニン、アラニン-バリン、グルタミン酸-アスパラギン酸、及びアスパラギン-グルタミンである。
本明細書で論じられるように、抗体又は免疫グロブリン分子のアミノ酸配列のわずかな変動は、アミノ酸配列における変動が、少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、90%、95%、及び最も好ましくは99%維持されることを条件として、本発明に包含されるものとして企図される。特に、保存的アミノ酸置換が企図される。保存的置換は、アミノ酸のファミリー内で起こる、それらの側鎖に関連する置換である。遺伝的にコードされたアミノ酸は一般に、(1)酸性=アスパラギン酸、グルタミン酸;(2)塩基性=リジン、アルギニン、ヒスチジン;(3)非極性=アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン;及び(4)非荷電極性=グリシン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セリン、トレオニン、チロシン、のファミリーに分けられる。より好ましいファミリーは、セリン及びトレオニンが脂肪族ヒドロキシファミリーであり;アスパラギン及びグルタミンがアミド含有ファミリーであり;アラニン、バリン、ロイシン及びイソロイシンが脂肪族ファミリーであり;フェニルアラニン、トリプトファン及びチロシンが芳香族ファミリーである。
例えば、ロイシンのイソロイシン若しくはバリンへの単独の置換、アスパラギン酸のグルタミン酸への単独の置換、トレオニンのセリンへの単独の置換、又はあるアミノ酸の構造的に関連するアミノ酸への同様の置換が、特に置換がフレームワーク部位内のアミノ酸を含まない場合、得られる分子の結合又は性質に重大な影響を及ぼさないと予想することは妥当である。アミノ酸変化が機能的ペプチドをもたらすか否かは、ポリペプチド誘導体の比活性をアッセイすることによって容易に決定され得る。アッセイは、本明細書中に詳述されている。
抗体又は免疫グロブリン分子の断片又は類似体は、当業者によって容易に調製され得る。断片又は類似体の好ましいアミノ末端又はカルボキシ末端は、機能的ドメインの境界付近に存在する。構造的ドメイン及び機能的ドメインは、ヌクレオチド配列及び/又はアミノ酸配列のデータを公共又は独自の配列データベースと比較することによって同定され得る。好ましくは、コンピュータ化された比較方法を使用して、既知の構造及び/又は機能の他のタンパク質に存在する配列モチーフ又は予測されたタンパク質コンフォメーションドメインを同定する。既知の三次元構造にフォールディングするタンパク質配列を同定する方法は公知である(Bowie et al.Science 253:164(1991))。前述の例は、当業者が、本発明に従って構造的ドメイン及び機能的ドメインを定義するために使用することができる配列モチーフ及び構造的コンフォメーションを認識し得ることを実証する。
好ましいアミノ酸置換は、(1)タンパク質分解に対する感受性を低減させるもの、(2)酸化に対する感受性を低減させるもの、(3)タンパク質複合体を形成するための結合親和性を変化させるもの、(4)結合親和性を変化させるもの、及び(5)そのような類似体の他の物理化学的又は機能的性質を付与又は改変するものである。類似体は、天然に存在するペプチド配列以外の配列の種々の突然変異タンパク質を含み得る。例えば、単一又は複数のアミノ酸置換(好ましくは、保存的アミノ酸置換)は、天然に存在する配列(好ましくは、分子間接触を形成するドメインの外側のポリペプチドの部分)で行われてもよい。保存的アミノ酸置換は、親配列の構造特性を実質的に変化させることはないはずである(例えば、置換アミノ酸は、親配列中に存在するヘリックスを破壊したり、又は親配列を特徴付ける他のタイプの二次構造を破壊したりする傾向はないはずである)。当該技術分野で認識されているポリペプチドの二次及び三次構造の例は、Proteins,Structures and Molecular Principles(Creighton,Ed.,W.H.Freeman and Company,New York(1984));Introduction to Protein Structure(C.Branden and J.Tooze,eds.,Garland Publishing,New York,N.Y.(1991));及びThornton et al.Nature 354:105(1991)に記載されており、これらはそれぞれ参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書で使用される場合、「ポリペプチド断片」という用語は、アミノ末端及び/又はカルボキシ末端の欠失を有するが、残りのアミノ酸配列が、例えば完全長cDNA配列から推定される天然に存在する配列中の対応する位置と同一であるポリペプチドを指す。断片は通常、少なくとも5、6、8、又は10アミノ酸長であり、好ましくは少なくとも14アミノ酸長であり、より好ましくは少なくとも20アミノ酸長である。他の実施形態では、ポリペプチド断片は、少なくとも25アミノ酸長であり、より好ましくは少なくとも50アミノ酸長であり、更により好ましくは少なくとも70アミノ酸長である。
ペプチド類似体は、鋳型ペプチドの性質に類似した性質を有する非ペプチド薬として製薬業界で一般的に使用されている。これらのタイプの非ペプチド化合物は、「ペプチド模倣物」又は「ペプチドミメティック」と呼ばれる。Fauchere,J.Adv.Drug Res.15:29(1986);Veber and Freidinger TINS p.392(1985);及びEvans et al.J.Med.Chem.30:1229(1987)(これらは参照により本明細書に組み込まれる)。そのような化合物は、コンピュータ化分子モデリングの支援を得て開発されることが多い。治療的に有用なペプチドと構造的に類似したペプチド模倣物を、同等の治療効果又は予防効果を得るために使用することができる。一般に、ペプチドミメティックは、ヒト抗体などのパラダイムポリペプチド(即ち、生化学的性質又は薬理学的活性を有するポリペプチド)と構造的に類似しているが、当該技術分野で周知の方法により、-CH2NH-、-CH2S-、-CH2-CH2-、-CH=CH-(シス及びトランス)、-COCH2-、-CH(OH)CH2-、並びに-CH2SO-からなる群から選択される結合によって任意選択的に置換された1つ以上のペプチド結合を有する。より安定したペプチドを生成するために、同一タイプのD-アミノ酸(例えば、L-リジンの代わりにD-リジン)で、コンセンサス配列の1つ以上のアミノ酸を系統的に置換することができる。更に、コンセンサス配列又は実質的に同一のコンセンサス配列変異を含む拘束性ペプチドは、例えば、ペプチドを環化させる分子内ジスルフィドブリッジを形成することができる内部システイン残基を付加することによって、当該技術分野において公知の方法(参照により本明細書に組み込まれる、Rizo and Gierasch Ann.Rev.Biochem.61:387(1992))により生成することができる。
本明細書で使用される場合、「標識」又は「標識される」という用語は、例えば、放射標識されたアミノ酸の組み込みによるか、又はマーカーを付されたアビジン(例えば、光学法若しくは比色分析法によって検出することができる蛍光マーカー若しくは酵素活性を含有するストレプトアビジン)によって検出され得るビオチニル部分のポリペプチドへの付着による、検出可能なマーカーの組み込みを指す。特定の状況では、標識又はマーカーは、治療のためのものでもあり得る。ポリペプチド及び糖タンパク質を標識する種々の方法が、当該技術分野で公知であり、使用され得る。ポリペプチドに対する標識の例としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:放射性同位体又は放射性核種(例えば、3H、14C、15N、35S、90Y、99Tc、111In、125I、131I)、蛍光標識(例えば、FITC、ローダミン、ランタニド蛍光体)、酵素標識(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ)、化学発光、ビオチニル基、二次レポーターによって認識される所定のポリペプチドエピトープ(例えば、ロイシンジッパー対配列、二次抗体の結合部位、金属結合ドメイン、エピトープタグ)。いくつかの実施形態では、標識は、潜在的な立体障害を低減させるために様々な長さのスペーサーアームによって付着される。
本明細書で使用される場合、「医薬品又は薬物」という用語は、患者に適切に投与された場合、所望の治療効果を誘導することができる化学的化合物又は組成物を指す。本明細書中の他の化学用語は、参照により本明細書に組み込まれる、The McGraw-Hill Dictionary of Chemical Terms(Parker,S.,Ed.,McGraw-Hill,San Francisco(1985))によって例示されるように、当該技術分野における慣例的な使用法に従って使用される。
本明細書で使用される場合、「実質的に純粋」とは、対象種が、存在する主な種であることを意味し(即ち、その種がモル基準で組成物中のあらゆる他の個々の種よりも豊富である)、好ましくは、実質的に精製された画分は、対象種が、存在する全ての高分子種の少なくとも約50パーセント(モル基準)を構成する組成物である。一般に、実質的に純粋な組成物は、組成物中に存在する全ての高分子種の約80%超、より好ましくは約85%超、90%超、95%超、及び99%超を構成する。最も好ましくは、対象種は、実質的な均一性を有する(通常の検出方法によって組成物中に混入種を検出することが不可能である)まで精製され、組成物は、単一の高分子種から本質的になる。
抗体の構造
基本的な抗体構造単位は四量体を含むことが知られている。各四量体は、各対が1つの「軽」鎖(約25kDa)及び1つの「重」鎖(約50~70kDa)を有する、2つの同一の対のポリペプチド鎖から構成される。各鎖のアミノ末端部分は、抗原認識を主に担う約100~110個以上のアミノ酸の可変領域を含む。各鎖のカルボキシ末端部分は、エフェクター機能を主に担う定常領域を画定する。ヒト軽鎖は、カッパ軽鎖及びラムダ軽鎖に分類される。重鎖は、ミュー、デルタ、ガンマ、アルファ、又はイプシロンに分類され、抗体のアイソタイプをそれぞれIgM、IgD、IgA、及びIgEと定義する。軽鎖及び重鎖内で、可変領域及び定常領域は、約12個以上のアミノ酸の「J」領域によって連結され、重鎖はまた、約10個以上のアミノ酸の「D」領域を含む。(概して、Fundamental Immunology Ch.7(Paul,W.,ed.,2nd ed.Raven Press,N.Y.(1989))(あらゆる目的でその全体が参照により組み込まれる)を参照されたい)。各軽鎖/重鎖対の可変領域は、抗原結合部位を形成する。
基本的な抗体構造単位は四量体を含むことが知られている。各四量体は、各対が1つの「軽」鎖(約25kDa)及び1つの「重」鎖(約50~70kDa)を有する、2つの同一の対のポリペプチド鎖から構成される。各鎖のアミノ末端部分は、抗原認識を主に担う約100~110個以上のアミノ酸の可変領域を含む。各鎖のカルボキシ末端部分は、エフェクター機能を主に担う定常領域を画定する。ヒト軽鎖は、カッパ軽鎖及びラムダ軽鎖に分類される。重鎖は、ミュー、デルタ、ガンマ、アルファ、又はイプシロンに分類され、抗体のアイソタイプをそれぞれIgM、IgD、IgA、及びIgEと定義する。軽鎖及び重鎖内で、可変領域及び定常領域は、約12個以上のアミノ酸の「J」領域によって連結され、重鎖はまた、約10個以上のアミノ酸の「D」領域を含む。(概して、Fundamental Immunology Ch.7(Paul,W.,ed.,2nd ed.Raven Press,N.Y.(1989))(あらゆる目的でその全体が参照により組み込まれる)を参照されたい)。各軽鎖/重鎖対の可変領域は、抗原結合部位を形成する。
したがって、インタクト抗体は2つの結合部位を有する。二機能性又は二重特異性抗体を除いて、2つの結合部位は同じである。
鎖は全て、相補性決定領域又はCDRとも呼ばれる3つの超可変領域によって連結された比較的保存されたフレームワーク領域(FR)の同じ一般構造を示す。各対の2本の鎖に由来するCDRはフレームワーク領域によって整列され、これにより特定のエピトープへの結合が可能になる。N末端からC末端へ、軽鎖及び重鎖の両方が、ドメインFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3及びFR4を含む。各ドメインに対するアミノ酸の割り当ては、Kabat Sequences of Proteins of Immunological Interest(National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1987 and 1991))、又はChothia & Lesk J.Mol.Biol.196:901-917(1987);Chothia et al.Nature 342:878-883(1989)の定義に従う。
二重特異性又は二機能性抗体は、2つの異なる重/軽鎖対及び2つの異なる結合部位を有する人工ハイブリッド抗体である。二重特異性抗体は、ハイブリドーマの融合又はFab’断片の連結を含む様々な方法によって生成することができる。(例えば、Songsivilai & Lachmann,Clin.Exp.Immunol.79:315-321(1990)、Kostelny et al.J.Immunol.148:1547-1553(1992))を参照されたい)。二重特異性抗体の生成は、従来の抗体の生成と比較して比較的労働集約型のプロセスである場合があり、一般に二重特異性抗体の収率及び純度はより低い。二重特異性抗体は、単一の結合部位を有する断片の形態(例えば、Fab、Fab’、及びFv)では存在しない。
ヒト抗体及び抗体のヒト化
ヒト抗体は、マウス又はラットの可変領域及び/又は定常領域を有する抗体に関連する問題のいくつかを回避する。このようなマウス又はラット由来タンパク質が存在すると、抗体の迅速なクリアランスを招く可能性があるか、又は患者による抗体に対する免疫応答を発生させる可能性がある。マウス又はラット由来抗体の利用を回避するために、齧歯類が完全ヒト抗体を産生するようにヒト抗体機能を齧歯類に導入することにより、完全ヒト抗体を作製することができる。
ヒト抗体は、マウス又はラットの可変領域及び/又は定常領域を有する抗体に関連する問題のいくつかを回避する。このようなマウス又はラット由来タンパク質が存在すると、抗体の迅速なクリアランスを招く可能性があるか、又は患者による抗体に対する免疫応答を発生させる可能性がある。マウス又はラット由来抗体の利用を回避するために、齧歯類が完全ヒト抗体を産生するようにヒト抗体機能を齧歯類に導入することにより、完全ヒト抗体を作製することができる。
完全ヒト抗体を作製するための1つの方法は、ヒト重鎖遺伝子座及びカッパ軽鎖遺伝子座の245kb及び190kbのサイズの生殖系列構成断片を含むように操作されたマウスのXENOMOUSE(登録商標)系統の使用によるものである。Green et al.Nature Genetics 7:13-21(1994)を参照されたい。XENOMOUSE(登録商標)系統は、Abgenix,Inc.(Fremont,CA)から入手可能である。
XENOMOUSE(登録商標)の生成は、1990年1月12日出願の米国特許出願第07/466,008号明細書、1990年11月8日出願の同第07/610,515号明細書、1992年7月24日出願の同第07/919,297号明細書、1992年7月30日出願の同第07/922,649号明細書、1993年3月15日出願の同第08/031,801号明細書、1993年8月27日出願の同第08/112,848号明細書、1994年4月28日出願の同第08/234,145号明細書、1995年1月20日出願の同第08/376,279号明細書、1995年4月27日出願の同第08/430,938号明細書、1995年6月5日出願の同第08/464,584号明細書、1995年6月5日出願の同第08/464,582号明細書、1995年6月5日出願の同第08/463,191号明細書、1995年6月5日出願の同第08/462,837号明細書、1995年6月5日出願の同第08/486,853号明細書、1995年6月5日出願の同第08/486,857号明細書、1995年6月5日出願の同第08/486,859号明細書、1995年6月5日出願の同第08/462,513号明細書、1996年10月2日出願の同第08/724,752号明細書、及び1996年12月3日出願の同第08/759,620号明細書、並びに米国特許第6,162,963号明細書、同第6,150,584号明細書、同第6,114,598号明細書、同第6,075,181号明細書、及び同第5,939,598号明細書、並びに日本特許第3068180号公報、同第3068506号公報、及び同第3068507号公報に更に議論され、記述されている。Mendez et al.Nature Genetics 15:146-156(1997)及びGreen and Jakobovits J.Exp.Med.188:483-495(1998)も参照されたい。また、1996年6月12日付与公開の欧州特許第0463151B1号明細書、1994年2月3日公開の国際公開第94/02602号パンフレット、1996年10月31日公開の同第96/34096号パンフレット、1998年6月11日公開の同第98/24893号パンフレット、2000年12月21日公開の同第00/76310号パンフレットも参照されたい。上記に引用した特許、出願、及び参照文献の各々の開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
別のアプローチでは、GenPharm International,Inc.を含む他社が「ミニ遺伝子座」アプローチを利用している。このミニ遺伝子座アプローチでは、外来性Ig遺伝子座は、このIg遺伝子座由来の小片(個々の遺伝子)を含めることにより模倣される。したがって、1つ以上のVH遺伝子、1つ以上のDH遺伝子、1つ以上のJH遺伝子、ミュー定常領域、及び第2の定常領域(好ましくはガンマ定常領域)は、動物に挿入されるコンストラクトを形成する。このアプローチは、Surani et alによる米国特許第5,545,807号明細書、及びそれぞれがLonberg and Kayによる、米国特許5,545,806号明細書、同第5,625,825号明細書、同第5,625,126号明細書、同第5,633,425号明細書、同第5,661,016号明細書、同第5,770,429号明細書、同第5,789,650号明細書、同第5,814,318号明細書、同第5,877,397号明細書、同第5,874,299号明細書、及び同第6,255,458号明細書、Krimpenfort and Bernsによる米国特許第5,591,669号明細書及び同第6,023,010号明細書、Berns et al.による米国特許第5,612,205号明細書、同第5,721,367号明細書、及び同第5,789,215号明細書、Choi and Dunnによる米国特許第5,643,763号明細書、並びにGenPharm Internationalによる、1990年8月29日出願の米国特許出願第07/574,748号明細書、1990年8月31日出願の同第07/575,962号明細書、1991年12月17日出願の同第07/810,279号明細書、1992年3月18日出願の同第07/853,408号明細書、1992年6月23日出願の同第07/904,068号明細書、1992年12月16日出願の同第07/990,860号明細書、1993年4月26日出願の同第08/053,131号明細書、1993年7月22日出願の同第08/096,762号明細書、1993年11月18日出願の同第08/155,301号明細書、1993年12月3日出願の同第08/161,739号明細書、1993年12月10日出願の同第08/165,699号明細書、1994年3月9日出願の同第08/209,741号明細書(これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。欧州特許第0546073B1号明細書、国際公開第92/03918号パンフレット、同第92/22645号パンフレット、同第92/22647号パンフレット、同第92/22670号パンフレット、同第93/12227号パンフレット、同第94/00569号パンフレット、同第94/25585号パンフレット、同第96/14436号パンフレット、同第97/13852号パンフレット、及び同第98/24884号パンフレット、並びに米国特許第5,981,175号明細書(これらの開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)も参照されたい。更に、Taylor et al.,1992、Chen et al.,1993、Tuaillon et al.,1993、Choi et al.,1993、Lonberg et al.,(1994)、Taylor et al.,(1994)、及びTuaillon et al.,(1995)、Fishwild et al.,(1996)(これらの開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
Kirinも、マイクロセル融合によって大型の染色体片又は染色体全体が導入された、マウスからのヒト抗体の産生を実証した。欧州特許出願第773288号明細書及び同第843961号明細書(これらの開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
ヒト抗マウス抗体(HAMA)応答はまた、産業界がキメラ又は別の方法でヒト化された抗体を調製する要因となった。キメラ抗体はヒト定常領域及びマウス可変領域を有するが、特定のヒト抗キメラ抗体(HACA)応答が、特に抗体の長期にわたる又は複数回用量の利用において観察されることが予想される。したがって、HAMA又はHACA応答の懸念及び/又は影響を低下させるために、多量体酵素に対する完全ヒト抗体を提供することが望ましい。
抗体の調製
本明細書に記載の抗体は、以下に記載されるように、XENOMOUSE(登録商標)技術を使用して調製された。このようなマウスはヒト免疫グロブリン分子及び抗体を産生することができ、マウス免疫グロブリン分子及び抗体の産生が欠損している。同じことを達成するために利用される技術は、本明細書で言及される特許、出願、及び参照文献に開示されている。しかしながら、特に、マウスのトランスジェニック産生及びそれに由来する抗体の好ましい実施形態は、1996年12月3日出願の米国特許出願第08/759,620号明細書、並びに1998年6月11日公開の国際公開第98/24893号パンフレット、及び2000年12月21日公開の国際公開第00/76310号パンフレット(これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている。Mendez et al.Nature Genetics 15:146-156(1997)(この開示は参照により本明細書に組み込まれる)も参照されたい。
本明細書に記載の抗体は、以下に記載されるように、XENOMOUSE(登録商標)技術を使用して調製された。このようなマウスはヒト免疫グロブリン分子及び抗体を産生することができ、マウス免疫グロブリン分子及び抗体の産生が欠損している。同じことを達成するために利用される技術は、本明細書で言及される特許、出願、及び参照文献に開示されている。しかしながら、特に、マウスのトランスジェニック産生及びそれに由来する抗体の好ましい実施形態は、1996年12月3日出願の米国特許出願第08/759,620号明細書、並びに1998年6月11日公開の国際公開第98/24893号パンフレット、及び2000年12月21日公開の国際公開第00/76310号パンフレット(これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている。Mendez et al.Nature Genetics 15:146-156(1997)(この開示は参照により本明細書に組み込まれる)も参照されたい。
このような技術の使用により、以下に詳述されるように、IL-13に対する完全ヒトモノクローナル抗体が生成された。基本的に、マウスのXENOMOUSE(登録商標)系統をヒトIL-13で免疫し、抗体を発現するマウスからリンパ細胞(B細胞など)を回収し、回収した細胞株を骨髄系細胞株と融合させて不死ハイブリドーマ細胞株を調製した。これらのハイブリドーマ細胞株をスクリーニングし、選択して、IL-13に特異的な抗体を産生するハイブリドーマ細胞株を同定した。更に、このような抗体の重鎖及び軽鎖のヌクレオチド及びアミノ酸配列分析を含む、このような細胞株によって産生される抗体の特徴付けが、本明細書に提供される。
或いは、ハイブリドーマを作製するために骨髄腫細胞に融合させる代わりに、免疫したマウスのXENOMOUSE(登録商標)系統から単離した回収細胞を、初期抗原、好ましくはヒトIL-13に対する反応性について更にスクリーニングすることができる。そのようなスクリーニングには、所望のIL-13タンパク質を用いたELISA、及びIL-13誘導性エオタキシン-1の産生などの機能的アッセイが含まれる。次に、IL-13に特異的に結合する抗体を分泌する単一B細胞を、所望のIL-13特異的溶血プラークアッセイを使用して単離することができる(Babcook et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,i93:7843-7848(1996))。溶解の標的となる細胞は、好ましくはIL-13でコーティングされたヒツジ赤血球(SRBC)である。目的の免疫グロブリン及び補体を分泌するB細胞培養物の存在下において、プラークの形成は、標的細胞の特異的なIL-13媒介性の溶解を示す。
プラークの中心にある単一の抗原特異的形質細胞を単離することができ、抗体の特異性をコードする遺伝情報をその単一の形質細胞から単離することができる。逆転写酵素PCRを使用して、分泌される抗体の可変領域をコードするDNAをクローニングすることができる。次に、このようなクローニングしたDNAを適切な発現ベクター、好ましくはpcDNA(Invitrogen,Carlsbad,CA)などのベクターカセット、より好ましくは免疫グロブリン重鎖及び軽鎖の定常ドメインを含有するそのようなpcDNAベクターに更に挿入することができる。次に、作製したベクターを、宿主細胞、好ましくはCHO細胞にトランスフェクトし、プロモーターの誘導、形質転換体の選択、又は所望の配列をコードする遺伝子の増幅に適するように改変した従来の栄養培地中で培養することができる。
本明細書では、IL-13に特異的な抗体を産生する複数の単一形質細胞の単離について記載する。更に、IL-13に特異的に結合する抗体をコードする遺伝物質を単離し、その物質を適切な発現ベクターに導入した後、宿主細胞にトランスフェクトした。
一般に、上述の細胞株によって産生された抗体は、ヒトカッパ軽鎖を有する完全ヒトIgG1重鎖又はIgG2重鎖を有していた。抗体は、固相及び液相のいずれかによって測定した場合、典型的には約10-9~約10-13MのKDを有する高親和性を有していた。
前述の通り、抗IL-13抗体は、ハイブリドーマ細胞株以外の細胞株において発現され得る。特定の抗体をコードする配列を、CHO細胞などの適切な哺乳動物宿主細胞の形質転換に使用することができる。形質転換は、例えば、ポリヌクレオチドをウイルス(又はウイルスベクター)にパッケージングし、宿主細胞をそのウイルス(又はベクター)で形質導入することを含む、ポリヌクレオチドを宿主細胞に導入するための任意の公知の方法によるものであってよく、又は米国特許第4,399,216号明細書、同第4,912,040号明細書、同第4,740,461号明細書、及び同第4,959,455号明細書(これらの特許は参照により本明細書に組み込まれる)により例示されているような当該技術分野において公知のトランスフェクション手順によるものであってもよい。使用されるトランスフェクション手順は、形質転換される宿主に依存する。哺乳動物細胞への異種ポリヌクレオチドの導入方法は当該技術分野において周知であり、こうした導入方法としては、デキストラン媒介型トランスフェクション、リン酸カルシウム沈殿、ポリブレン媒介型トランスフェクション、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、リポソームへのポリヌクレオチドの封入、及び核へのDNAの直接マイクロインジェクションが挙げられる。
発現用の宿主として利用可能な哺乳動物細胞株は、当該技術分野において周知であり、American Type Culture Collection(ATCC)から利用可能な多数の不死化細胞株(限定はされないが、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、Sp2/0細胞、HeLa細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、サル腎臓細胞(COS)、ヒト肝細胞癌細胞(例えば、Hep G2)、及び多くの他の細胞株を含む)が含まれる。特に好ましい細胞株は、どの細胞株が高い発現レベルを有し、且つIL-13結合性質を有する抗体を産生するかを判定することによって選択される。
抗体配列
代表的なヒト抗IL-13抗体の重鎖及び軽鎖可変領域のヌクレオチド配列及びアミノ酸配列を配列表に示し、その内容を以下の表1に要約する。
代表的なヒト抗IL-13抗体の重鎖及び軽鎖可変領域のヌクレオチド配列及びアミノ酸配列を配列表に示し、その内容を以下の表1に要約する。
抗体治療薬
抗IL-13抗体は、IL-13活性に関連する症状及び状態を処置するための治療的価値を有する。IL-13は、炎症性疾患、癌、線維性疾患、及び非悪性細胞増殖を特徴とする疾患を含む、多種多様な疾患及び障害に関与している。特定の実施形態では、本明細書で開示される抗IL-13抗体は、炎症性疾患又は障害、例えば、喘息(アレルギー性(アトピー性)及び非アレルギー性(非アトピー性)の両方を含む)、気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、枯草熱、鼻炎、蕁麻疹、血管性浮腫、アレルギー性皮膚炎(接触皮膚炎を含む)、スティーブンス-ジョンソン症候群、アナフィラキシーショック、食物アレルギー、角膜炎、結膜炎、ステロイド抵抗性腎炎症候群の処置に使用される。他の実施形態では、抗IL-13抗体は、肥満細胞症を処置するために使用される。更に他の実施形態では、抗IL-13抗体は、特発性肺線維症を含む肺線維症、嚢胞性線維症、ブレオマイシン誘導性線維症、肝線維症、及び全身性硬化症などの線維性疾患を処置するために使用される。更なる実施形態では、抗IL-13抗体は、癌、例えば、ホジキン病、B細胞増殖性障害(例えば、B細胞リンパ腫、特に縦隔大細胞型B細胞リンパ腫)、B細胞白血病、卵巣癌を処置するために使用される。
抗IL-13抗体は、IL-13活性に関連する症状及び状態を処置するための治療的価値を有する。IL-13は、炎症性疾患、癌、線維性疾患、及び非悪性細胞増殖を特徴とする疾患を含む、多種多様な疾患及び障害に関与している。特定の実施形態では、本明細書で開示される抗IL-13抗体は、炎症性疾患又は障害、例えば、喘息(アレルギー性(アトピー性)及び非アレルギー性(非アトピー性)の両方を含む)、気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、枯草熱、鼻炎、蕁麻疹、血管性浮腫、アレルギー性皮膚炎(接触皮膚炎を含む)、スティーブンス-ジョンソン症候群、アナフィラキシーショック、食物アレルギー、角膜炎、結膜炎、ステロイド抵抗性腎炎症候群の処置に使用される。他の実施形態では、抗IL-13抗体は、肥満細胞症を処置するために使用される。更に他の実施形態では、抗IL-13抗体は、特発性肺線維症を含む肺線維症、嚢胞性線維症、ブレオマイシン誘導性線維症、肝線維症、及び全身性硬化症などの線維性疾患を処置するために使用される。更なる実施形態では、抗IL-13抗体は、癌、例えば、ホジキン病、B細胞増殖性障害(例えば、B細胞リンパ腫、特に縦隔大細胞型B細胞リンパ腫)、B細胞白血病、卵巣癌を処置するために使用される。
更に別の実施形態では、抗IL-13抗体は、非悪性B細胞増殖を特徴とする疾患、例えば、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、慢性活動性肝炎、及びクリオグロブリン血症;高レベルの自己抗体を特徴とする疾患、例えば、溶血性貧血、血小板減少症、リン脂質症候群及び天疱瘡;炎症性腸疾患;及び移植片対宿主病を処置するために使用される。
所望により、例えば異なるアイソタイプの生物学的性質を利用するために、抗IL-13抗体のアイソタイプを切り替えることができる。例えば、一部の状況においては、IL-13に対する治療用抗体が、補体を固定し、補体依存性細胞傷害(CDC)に関与することができることが望ましい場合がある。同じことが可能である抗体の多数のアイソタイプが存在し、これらとしては、以下のもの:マウスIgM、マウスIgG2a、マウスIgG2b、マウスIgG3、ヒトIgM、ヒトIgG1、及びヒトIgG3が挙げられるが、これらに限定されない。作製される抗体は最初にそのようなアイソタイプを有する必要はなく、むしろ、作製される抗体は任意のアイソタイプを有することができ、その抗体はその後、当該技術分野で周知の従来手法を使用してアイソタイプスイッチされ得ることが理解される。そのような手法はとりわけ、直接組換え手法(例えば、米国特許第4,816,397号明細書を参照されたい)、細胞-細胞融合手法(例えば、米国特許第5,916,771号明細書、及び同第6,207,418号明細書を参照されたい)の使用を含む。
例として、本明細書で論じられる抗IL-13抗体は、ヒト抗体である。抗体がIL-13への所望の結合を有する場合、抗体はヒトIgM、ヒトIgG1、又はヒトIgG3アイソタイプを作製するために容易にアイソタイプスイッチされ得るが、一方で同じ可変領域(抗体の特異性及びその親和性の一部を規定する)を依然として有する。次に、そのような分子は、補体を固定してCDCに関与することができる。
細胞-細胞融合手法では、任意の所望のアイソタイプを有する重鎖を有する骨髄腫細胞株又は他の細胞株が調製され、軽鎖を有する別の骨髄腫細胞株又は他の細胞株が調製される。このような細胞は、その後、融合され、インタクト抗体を発現する細胞株が単離され得る。
したがって、前述の通りに所望の「構造的」特質を満たす抗体候補が作製されると、それらは一般に、アイソタイプスイッチングを介して、少なくともある程度の所望の「機能的」特質が付与され得る。
IL-13に結合する生物学的に活性な抗体は、好ましくは、IL-13の活性を低減させるために無菌医薬調製物又は製剤中で使用される。抗IL-13抗体は、好ましくは標的治療範囲内でIL-13活性を強力に抑制するのに適切な親和性を有する。抑制は、好ましくは、IL-13Ra1(IL-13Rα1、Rα1、IL-13Rアルファ1、IL-13受容体アルファ1、又は他の類似の用語としても知られる)などのシグナル伝達受容体へのIL-13の結合を妨害する抗体の能力に起因する。他の実施形態では、抗体は、受容体を介してシグナル伝達するIL-13の能力を妨害することによって、IL-13が結合できる場合であっても、IL-13活性を抑制し得る。例えば、抗体は、IL-13Ra1と、IL-4受容体アルファ鎖などのシグナル伝達に必要な補助受容体との相互作用を防止し得る。いくつかの実施形態では、抗体はIL-13がIL-13Ra2などのデコイ受容体に結合することを可能にすると同時に、シグナル伝達受容体を介したIL-13活性を防止することができる。この場合、デコイ受容体への結合は、結合したIL-13のクリアランスを可能にし、IL-13活性を抑制する抗体の能力を増強し得る。
インビボ投与用に使用される場合、抗体製剤は、好ましくは無菌である。これは、当該技術分野で公知の任意の方法、例えば、滅菌濾過膜に通した濾過により容易に達成される。抗体は、通常、凍結乾燥形態で又は溶液中で保存される。滅菌濾過は、凍結乾燥及び再構成の前又は後に実施され得る。
治療用抗体組成物は、一般に、無菌のアクセスポートを有する容器、例えば、静脈注射用溶液バッグ又は製剤の回収を可能にするアダプター(例えば、皮下注射針によって穿刺可能なストッパー)を有するバイアルに充填される。
抗体の投与様式は、公知の方法、例えば、皮下、静脈内、腹腔内、脳内、皮内、筋肉内、眼内、動脈内、髄腔内、又は病巣内経路による注射若しくは注入によるものであるか、又は吸入によるものであるか、又は以下に記載されるような徐放系によるものである。一部の状況では、抗体は、好ましくは注入又はボーラス注射によって投与される。他の状況では、抗体を含む治療組成物は、鼻又は肺を介して、好ましくは液状又は粉末状エアロゾル(凍結乾燥されたもの)として投与され得る。組成物はまた、所望により、静脈内投与、非経口投与、又は皮下投与され得る。全身投与される場合、治療組成物は、無菌でパイロジェンフリーであり、且つpH、等張性、及び安定性を十分に考慮した非経口的に許容される溶液中のものでなければならない。これらの条件は当業者に公知である。
本明細書に記載される治療的使用のための抗体は、通常、適切な担体、賦形剤、及び移行、送達、耐容性などを向上させるために製剤に組み込まれる他の薬剤を用いて調製される。簡潔に述べると、本明細書に記載の抗体の投与製剤は、所望の純度を有する抗体を、1つ以上の生理学的に許容される担体、賦形剤、又は安定剤と混合することにより、保管又は投与のために調製される。これらの製剤には、例えば、散剤、ペースト剤、軟膏、ゼリー剤、ワックス、油剤、脂質、脂質(カチオン性又はアニオン性)含有小胞(例えば、Lipofectin(商標))、DNAコンジュゲート、無水吸収ペースト剤、水中油型及び油中水型エマルション、カーボワックス(種々の分子量のポリエチレングリコール)、半固体ゲル、並びにカーボワックスを含有する半固体混合物が含まれ得る。製剤は、TRIS HCl、リン酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、及び他の有機酸塩などの緩衝液;アスコルビン酸などの抗酸化剤;ポリアルギニンなどの低分子量(約10残基未満)ペプチド、血清アルブミンなどのタンパク質、ゼラチン、若しくは免疫グロブリン;ポリビニルピロリジノンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン酸、アスパラギン酸、若しくはアルギニンなどのアミノ酸;セルロース若しくはその誘導体、グルコース、マンノース、若しくはデキストリンを含む単糖類、二糖類、及び他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤;マンニトール若しくはソルビトールなどの糖アルコール;ナトリウムなどの対イオン、並びに/又はTWEEN、PLURONICS、若しくはポリエチレングリコールなどの非イオン性界面活性剤を含み得る。
他の許容される担体、賦形剤、及び安定剤は、当業者に周知である。製剤中の活性成分が製剤化によって不活化されず、製剤が投与経路と生理学的に適合性があり、且つ耐容性である限り、前述の混合物のいずれも、本発明による処置及び治療において適切であり得る。更なる情報に関しては、Baldrick P.“Pharmaceutical excipient development:the need for preclinical guidance.”Regul.Toxicol.Pharmacol.32(2):210-8(2000)、Wang W.“Lyophilization and development of solid protein pharmaceuticals.”Int.J.Pharm.203(1-2):1-60(2000)、Charman WN “Lipids,lipophilic drugs,and oral drug delivery-some emerging concepts.”J.Pharm.Sci.89(8):967-78(2000)、Powell et al.“Compendium of excipients for parenteral formulations” PDA J.Pharm.Sci.Technol.52:238-311(1998)、及びこれらに引用されたものも参照されたい。
注射用の無菌組成物は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(20th ed,Lippincott Williams & Wilkens Publishers(2003))に記載されているように、従来の薬務に従って製剤化することができる。例えば、ビヒクル、例えば、水、又はゴマ油、ピーナッツ油、若しくは綿実油などの天然植物油、又はオレイン酸エチルなどの合成脂肪ビヒクルなどへの活性化合物の溶解又は懸濁が望ましい場合がある。緩衝液、防腐剤、抗酸化剤などを、許容される薬務に従って取り入れることができる。
抗体はまた、徐放性調製物で投与することができ、徐放性調製物から経時的に放出させることができる。徐放性調製物の好適な例としては、ポリペプチドを含有する固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスが挙げられる。このマトリックスは、成形品、フィルム、又はマイクロカプセルの形態であってもよい。徐放性マトリックスの例としては、ポリエステル、ハイドロゲル(例えば、Langer et al.,J.Biomed Mater.Res.,(1981)15:167-277及びLanger,Chem.Tech.,(1982)12:98-105によって記載されているようなポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリレート)又はポリ(ビニルアルコール))、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号明細書、欧州特許第58,481号明細書)、L-グルタミン酸及びガンマエチル-L-グルタミン酸のコポリマー(Sidman et al.,Biopolymers,(1983)22:547-556)、非分解性エチレン-酢酸ビニル(Langer et al.,上掲)、分解性乳酸-グリコール酸コポリマー、例えば、LUPRON Depot(商標)(乳酸-グリコール酸コポリマー及び酢酸ロイプロリドから構成される注射用ミクロスフェア)、並びにポリ-D-(-)-3-ヒドロキシ酪酸(欧州特許第133,988号明細書)が挙げられる。
エチレン酢酸ビニル及び乳酸-グリコール酸などのポリマーは100日以上にわたり分子を放出可能であるが、ある種のハイドロゲルはより短い期間、タンパク質を放出する。封入されたタンパク質が長時間体内に残存する場合、それらは37℃の水分に曝露される結果、変性又は凝集する場合があり、生物学的活性の喪失及び免疫原性が変化する可能性が生じる。関与している機構に応じたタンパク質安定化のための合理的な戦略が考案され得る。例えば、凝集機構がジスルフィド交換による分子間のS-S結合の形成であると明らかになった場合、スルフヒドリル残基の修飾、酸性溶液の凍結乾燥、含水量の制御、適切な添加剤の使用、及び特定のポリマーマトリックス組成物の開発によって安定化を達成することができる。
徐放性組成物はまた、結晶を懸濁液中に維持することができる適切な製剤中に懸濁された、抗体の結晶の調製物を含む。これらの調製物は、皮下又は腹腔内に注射される場合、徐放効果を生じ得る。他の組成物には、リポソームに捕捉された抗体も含まれる。そのような抗体を含有するリポソームは、自体公知の方法により調製される:DE3,218,121号明細書;Epstein et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,(1985)82:3688-3692;Hwang et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,(1980)77:4030-4034;欧州特許第52,322号明細書;同第36,676号明細書;同第88,046号明細書;同第143,949号明細書;同第142,641号明細書;特願昭58-118008号公報;米国特許4,485,045号明細書及び同第4,544,545号明細書;並びに欧州特許第102,324号明細書。
所与の患者に対する抗体製剤の投与量は、主治医により決定され得る。適切な投与量を決定する際に、医師は、例えば、疾患の重症度及びタイプ、体重、性別、食事、投与時間及び投与経路、他の薬物治療及び他の関連する臨床因子を含む、治療薬の作用を変化させることが知られている種々の因子を考慮することができる。治療有効投与量は、インビトロ法又はインビボ法のいずれかにより決定され得る。
治療用に使用される本明細書に記載の抗体の有効量は、例えば、治療目的、投与経路、及び患者の状態に依存することになる。したがって、療法士は、最適な治療効果を得るために必要に応じて投与量を力価測定し、投与経路を変更することが好ましい。典型的な1日投与量は、上記の因子に依存して約0.001mg/kg~最大100mg/kg以上の範囲であり得る。典型的には、臨床医は、所望の効果を達成する投与量に達するまで治療用抗体を投与することになる。この治療の経過は、従来のアッセイにより容易にモニタリングされる。
本明細書に記載の抗体は、IL-13の活性に起因するか又はそれに関連する症状及び状態の処置において治療効果を有することが予想される。
他の治療薬の設計及び作製
本発明に従って、またIL-13に関して本明細書中で生成され、特徴付けられる抗体の活性に基づいて、特定の疾患を処置するために先進的な抗体治療薬が使用され得る。これらの先進的な治療薬には、二重特異性抗体、免疫毒素、放射標識治療薬、ペプチド治療薬、遺伝子治療薬、特に細胞内抗体、アンチセンス治療薬、及び小分子が含まれ得る。
本発明に従って、またIL-13に関して本明細書中で生成され、特徴付けられる抗体の活性に基づいて、特定の疾患を処置するために先進的な抗体治療薬が使用され得る。これらの先進的な治療薬には、二重特異性抗体、免疫毒素、放射標識治療薬、ペプチド治療薬、遺伝子治療薬、特に細胞内抗体、アンチセンス治療薬、及び小分子が含まれ得る。
補体固定が望ましい特質である先進的な抗体治療薬の作製に関連して、例えば、二重特異性抗体(bispecifics)、免疫毒素、又は放射性標識の使用を介して、細胞殺傷のための補体への依存を回避することが可能となる場合がある。
例えば、(i)2つの抗体であって、一方はIL-13に対して特異性を有し、他方は第2の分子に対して特異性を有しており、それらが一緒にコンジュゲートされている2つの抗体、(ii)IL-13に対して特異的である1本の鎖と第2の分子に対して特異的である第2の鎖とを有する1つの抗体、又は(iii)IL-13及び他の分子の両方に対して特異的である一本鎖抗体、を含む二重特異性抗体を作製することができる。このような二重特異性抗体は、例えば、(i)及び(ii)に関連した周知の手法(例えば、Fanger et al.Immunol Methods 4:72-81(1994)及びWright and Harris、上掲を参照されたい)並びに(iii)に関連した周知の手法(例えば、Traunecker et al.Int.J.Cancer(Suppl.)7:51-52(1992)を参照されたい)を使用して作製され得る。いずれの場合にも、第2の特異性は、所望により作り出すことができる。例えば、第2の特異性は、CD16又はCD64(例えば、Deo et al.18:127(1997)を参照されたい)又はCD89(例えば、Valerius et al.Blood 90:4485-4492(1997)を参照されたい)を含むがこれらに限定されない、重鎖活性化受容体に対して作り出すことができる。
いくつかの実施形態では、抗IL-13抗体を含有する組成物と、組成物がIL-13によって媒介される疾患を処置するために使用され得ることを示す添付文書又はラベルとを含む容器を含む製品が提供される。好ましくは、哺乳動物、より好ましくはヒトが抗IL-13抗体を与えられる。好ましい実施形態では、処置される疾患は、喘息(アレルギー性(アトピー性)及び非アレルギー性(非アトピー性)の両方を含む)、気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、枯草熱、鼻炎、蕁麻疹、血管性浮腫、アレルギー性皮膚炎(接触皮膚炎を含む)、スティーブンス-ジョンソン症候群、アナフィラキシーショック、食物アレルギー、角膜炎、結膜炎、ステロイド抵抗性腎炎症候群、肥満細胞症、線維性疾患(例えば、特発性肺線維症を含む肺線維症、嚢胞性線維症、ブレオマイシン誘導性線維症、肝線維症、及び全身性硬化症)、癌、例えば、ホジキン病、B細胞増殖性障害(例えば、B細胞リンパ腫、特に縦隔大細胞型B細胞リンパ腫)、B細胞白血病、卵巣癌、非悪性B細胞増殖を特徴とする疾患、例えば、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、慢性活動性肝炎、及びクリオグロブリン血症、高レベルの自己抗体を特徴とする疾患、例えば、溶血性貧血、血小板減少症、リン脂質症候群及び天疱瘡、炎症性腸疾患及び移植片対宿主病からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、抗IL-13抗体は、喘息を処置するために使用される。特定の実施形態では、抗体は、本明細書に記載の623抗体又はその変異体である。別の特定の実施形態では、抗体は、本明細書に記載の731抗体又はその変異体である。
実施された実験及び達成された結果を含む以下の実施例は、例示の目的のみのために提供されるものであり、本明細書の教示を限定するものとして解釈されるべきではない。
実施例1:抗体の作製
IL-13及びIL-13抗原の調製
以下のIL-13ペプチドを下記の実験に使用した。
IL-13及びIL-13抗原の調製
以下のIL-13ペプチドを下記の実験に使用した。
組換えヒトIL-13(R&D 213-IL-005;配列番号1):
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組換えヒトIL-13(Peprotech 200-13;配列番号2):
SPGPVPPSTALRELIEELVNITQNQKAPLCNGSMVWSINLTAGMYCAALESLINVSGCSAIEKTQRMLSGFCPHKVSAGQFSSLHVRDTKIEVAQFVKDLLLHLKKLFREGRFN
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組換えヒトIL-13(Peprotech 200-13A;配列番号3):
MSPGPVPPSTALRELIEELVNITQNQKAPLCNGSMVWSINLTAGMYCAALESLINVSGCSAIEKTQRMLSGFCPHKVSAGQFSSLHVRDTKIEVAQFVKDLLLHLKKLFREGQFN
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当業者によって理解されるように、上記残基の一部分のみが、エピトープの形成に実際に関与し得る。例えば、上記の配列番号66~69では、エピトープは、実際には各ペプチドのヘリックス部分(下線の区域)であり得る。
動物の免疫
IL-13に対するモノクローナル抗体を、XenoMouse(登録商標)マウス(XenoMouse(登録商標)XMG2L3及びXenoMouse(登録商標)XMG2、Abgenix,Inc.Fremont,CA)を免疫することにより発生させた。ヒトIL-13-ヒトFc融合タンパク質(配列番号64)又はヒトIL-13-ウサギFc融合タンパク質(配列番号65)を、抗体作製のための免疫原として使用した。各マウスを足蹠投与経路により免疫した。0日目、4日目、7日目、11日目、14日目、18日目、21日目、及び25日目に動物を免疫した。初回免疫は、マウス1匹当たりCpG/ミョウバン中の抗原10ugを用いた。後続の追加免疫は、マウス1匹当たりCpG/ミョウバン中の抗原5ugを用いた。25日目の最終追加免疫は、アジュバントを含まないPBS中の抗原5ugをマウス1匹当たりに用いた。動物を20日目に採血して、下記の通り力価を測定するための血清を得た。
IL-13に対するモノクローナル抗体を、XenoMouse(登録商標)マウス(XenoMouse(登録商標)XMG2L3及びXenoMouse(登録商標)XMG2、Abgenix,Inc.Fremont,CA)を免疫することにより発生させた。ヒトIL-13-ヒトFc融合タンパク質(配列番号64)又はヒトIL-13-ウサギFc融合タンパク質(配列番号65)を、抗体作製のための免疫原として使用した。各マウスを足蹠投与経路により免疫した。0日目、4日目、7日目、11日目、14日目、18日目、21日目、及び25日目に動物を免疫した。初回免疫は、マウス1匹当たりCpG/ミョウバン中の抗原10ugを用いた。後続の追加免疫は、マウス1匹当たりCpG/ミョウバン中の抗原5ugを用いた。25日目の最終追加免疫は、アジュバントを含まないPBS中の抗原5ugをマウス1匹当たりに用いた。動物を20日目に採血して、下記の通り力価を測定するための血清を得た。
力価分析
力価を標準的プロトコルを使用して決定した。簡潔に述べると、Costar3368プレートを、IL-13ウサギFc融合タンパク質(配列番号65)又は完全長ウサギ抗体のいずれかにて4℃で一晩コーティングした。プレートを、Titertek Program ADG9を用いて洗浄し、乾燥させ、250μlの1%無脂肪脱脂乳/1×PBSでブロッキングした。ブロッキング後、プレートをTitertek Program ADGPを用いて再び洗浄し、乾燥させた。試験対象の血清を、1:100の初回希釈から段階的に1:2に2回滴定した。試料を1%無脂肪脱脂乳/1×PBS中で50ul/ウェルに入れ、室温で1時間インキュベートした。
力価を標準的プロトコルを使用して決定した。簡潔に述べると、Costar3368プレートを、IL-13ウサギFc融合タンパク質(配列番号65)又は完全長ウサギ抗体のいずれかにて4℃で一晩コーティングした。プレートを、Titertek Program ADG9を用いて洗浄し、乾燥させ、250μlの1%無脂肪脱脂乳/1×PBSでブロッキングした。ブロッキング後、プレートをTitertek Program ADGPを用いて再び洗浄し、乾燥させた。試験対象の血清を、1:100の初回希釈から段階的に1:2に2回滴定した。試料を1%無脂肪脱脂乳/1×PBS中で50ul/ウェルに入れ、室温で1時間インキュベートした。
Titertek Program ADG9を用いて洗浄し、乾燥させた後、1%無脂肪脱脂乳/1×PBS中の、ウサギFcに対して最小限の交差反応性を有する、PODにコンジュゲートしたウサギ抗ヒトFc二次抗体(1:8000希釈;50μL/ウェル)とともにプレートを室温で1時間インキュベートした。次に、Titertek Program ADG9を用いてプレートを最後に洗浄し、乾燥させた。POD基質ワンステップTMB溶液(50μl/ウェル)を添加して、室温で30分間発色させた。反応を1N HCL(50μl/ウェル)で停止させ、光学密度をTitertek Plateリーダーで直ちに読み取った。
表2に示す通り、IL-13免疫原に対して高い力価を有する3匹の動物を回収のために選択した。
一次スクリーニング
高度に免疫された動物を回収し、CD19+ B細胞を後続のB細胞培養用に単離した。増殖して形質細胞に最終分化するように細胞を誘導した。これらの形質細胞からの上清をELISAによりスクリーニングして、抗IL-13特異的抗体を含有する一次ウェルを同定した。モノクローナル抗原特異的B細胞培養物の同定を可能にするために、ウェル当たり50~500個のCD19+ B細胞を用いて通例の培養を行った。
高度に免疫された動物を回収し、CD19+ B細胞を後続のB細胞培養用に単離した。増殖して形質細胞に最終分化するように細胞を誘導した。これらの形質細胞からの上清をELISAによりスクリーニングして、抗IL-13特異的抗体を含有する一次ウェルを同定した。モノクローナル抗原特異的B細胞培養物の同定を可能にするために、ウェル当たり50~500個のCD19+ B細胞を用いて通例の培養を行った。
簡潔に述べると、IL-13-RbFcを、Costar3368 96ウェルプレート上に1ug/mLで一晩コーティングした。各プレートをdH2Oで5回洗浄し、PBS中の1%乳汁40μLをプレートに添加した。続いて、B細胞上清10μLを各ウェルに添加した。室温で1時間後、プレートを再度dH2Oで5回洗浄した。最小限の抗ウサギ交差反応性を有する50μLのウサギ抗ヒトFc-HRPを、各ウェルに添加した(Jackson Laboratories;1:8000希釈)。室温で1時間後、プレートを再度dH2Oで5回洗浄し、TMB基質50μL(Neogen)を各ウェルに添加した。30分後、50μLの1N塩酸を各ウェルに添加することにより反応を停止させ、プレートを波長450nmで読み取った。
一次スクリーニングから得た代表的なデータを以下の表3に示す。対照ウェルのシグナルの少なくとも3倍のシグナルを有することが判明したものを、陽性ウェルとして同定した。合計968個の陽性の抗原特異的B細胞のウェルを一次スクリーニングで同定した。これらのウェルを全て、以下に記載する機能的アッセイにおけるスクリーニングに進めた。
IL-13誘導性エオタキシン-1産生アッセイ
968個のELISA陽性ウェルを全て、IL-13誘導性エオタキシン-1放出アッセイで2回スクリーニングした。高濃度の抗体を含有するウェル又は高親和性抗体を含有するウェルのみが中和性であると同定されるように、アッセイを実施した。合計78個の中和抗体を、本アッセイにおいて中和性であると同定した。関心対象のいくつかのウェルからの特定のデータもまた、説明を目的として表4に示す。
968個のELISA陽性ウェルを全て、IL-13誘導性エオタキシン-1放出アッセイで2回スクリーニングした。高濃度の抗体を含有するウェル又は高親和性抗体を含有するウェルのみが中和性であると同定されるように、アッセイを実施した。合計78個の中和抗体を、本アッセイにおいて中和性であると同定した。関心対象のいくつかのウェルからの特定のデータもまた、説明を目的として表4に示す。
アッセイ用に、96ウェルアッセイプレートの面積の半分に、低血清増殖サプリメント(Cascade)を補充した50μLの培地106中のHDFa細胞を4000細胞/ウェルで播種した。次に、プレートを5%CO2中にて37℃で一晩インキュベートした。別のプレートで、12.5μLの試料抗体、陰性対照、又は陽性対照を、滅菌96ウェルアッセイプレートに等分した。約600pMのIL-13を培地106(最終濃度の4倍)中で調製し、約100ng/mLのTNF-アルファを培地106(最終濃度の2倍)中で調製した。
アッセイを開始するために、12.5μLのIL-13又は培地単独を各ウェルに添加し、5%CO2中にて37℃で1時間インキュベートした。1時間のインキュベーション後、HDFa細胞の培地を、マルチチャネルピペットを使用して注意深く除去した。25μLのTNF-アルファを各ウェルに添加した。25μLの試料/IL-13をHDFa/TNF-アルファウェルに移し、細胞を5%CO2中にて37℃で48時間インキュベートした。
48時間のインキュベーション後、HFDaアッセイウェルの上清を96ウェルV底プレートに採取した。試料を1500rpmで5分間遠心分離した。
標準的プロトコル(以下の改変を含む)に従って、試料30μLをアッセイキット(R&D systems)でエオタキシン-1放出についてアッセイした。(1)50μLの捕捉Abを2μg/mLでコーティングした;(2)50μLの試料又は標準物質を使用した(最終容量50μLに対して試料30μL+培地20μL);(3)50μLの検出Abを0.1μg/mLで使用した;(4)50μLのストレプトアビジン-HRPを0.5μg/mLで使用した;及び(5)50μLの基質溶液を使用した。
抗IL-13特異的B細胞培養ウェルの高抗原(HA)分析
ELISA法を使用して、抗原特異的抗体の濃度用の上清を正規化した。並行して滴定した既知濃度の抗標的(IL-13)抗体を使用して、標準曲線を作成し、上清中の抗原特異的抗体の量を標準物質と比較し、その濃度を求めた(下記の表5を参照されたい)。
ELISA法を使用して、抗原特異的抗体の濃度用の上清を正規化した。並行して滴定した既知濃度の抗標的(IL-13)抗体を使用して、標準曲線を作成し、上清中の抗原特異的抗体の量を標準物質と比較し、その濃度を求めた(下記の表5を参照されたい)。
各ウェル中の抗原特異的抗体の量を定量し、そのウェルの中和データに対してプロットして、効力が最も高いウェルを同定した(図1)。最も高い効力の抗体を含有するウェルは、最低濃度の抗体で最良に阻害するウェルである(グラフの左上象限)。
抗IL-13特異的B細胞培養ウェルの制限抗原(LA)分析
制限抗原分析は、B細胞培養上清中に調製した抗原特異的抗体を、他の全ての抗原特異的抗体と比較して親和性によりランク付けする方法である。抗原のコーティングが極めて少ない場合では、親和性が最も高い抗体のみが、平衡状態において任意の検出可能なレベルで結合することができるはずである。(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第03/048730A2号パンフレットを参照されたい)。
制限抗原分析は、B細胞培養上清中に調製した抗原特異的抗体を、他の全ての抗原特異的抗体と比較して親和性によりランク付けする方法である。抗原のコーティングが極めて少ない場合では、親和性が最も高い抗体のみが、平衡状態において任意の検出可能なレベルで結合することができるはずである。(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第03/048730A2号パンフレットを参照されたい)。
ここでは、ビオチン化IL-13を、96ウェル培養プレート上で室温で1時間、4種の濃度(250ng/mL;125ng/mL;62ng/mL;及び31ng/mL)でストレプトアビジンプレートに結合させた。各プレートをdH2Oで5回洗浄し、0.05%アジ化ナトリウムを含むPBS中の1%乳汁45μLをプレートに添加した。続いて、B細胞上清5μLを各ウェルに添加した。室温で18時間振盪器にかけた後、プレートを再度dH2Oで5回洗浄した。50μLのGt抗ヒト(Fc)-HRPを1μg/mLで各ウェルに添加した。室温で1時間後、プレートを再度dH2Oで5回洗浄し、TMB基質50μLを各ウェルに添加した。50μLの1Mリン酸を各ウェルに添加することにより反応を停止させ、プレートを波長450nmで読み取った。
しかしながら、2388A10及び2357G11を含むいくつかのウェルは、図2に示すように、最も少ない抗原コーティングでODによって測定した場合に、明らかに優れていた。図2に示す結果は、低濃度の抗原コーティングで結合する異なる抗体の能力を実証する。最も高いODシグナルを与える抗体は、本アッセイの条件下で最も高い親和性を有する。残りのクローンを、特異的抗体濃度及び制限抗原産出量を測定する高抗原データを組み合わせることにより更に分析した。このようにして、B細胞培養上清における異なる濃度の抗体の親和性を比較することが可能であった。親和性が最も高い抗体を含有するウェルは、Ag特異的抗体が最低濃度である状況において最も高いELISA ODを有するウェルである。
スクリーニングデータの全てに基づいて、表6に記載のウェルを、更なる分析(プラークアッセイ及び顕微操作、単一細胞PCR及び組換え発現)のために同定した。効力(阻害/特異的Abの合計)に基づいて、2372B8、2383H5、2398C5、2401G12、及び2413G11の5つのウェルを選択した。親和性及び阻害に基づいて、2357G11、2361G5、及び2384G12の3つのウェルを選択し、中和データのみに基づいて、2388A10及び2407G11の2つのウェルを選択した。
IL-13特異的溶血プラークアッセイ
目的のIL-13特異的抗体を分泌する細胞を、Babcook et al.(参照により本明細書に組み込まれる、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,93:7843-7848(1996))に一般的に記載されるようなIL-13特異的溶血プラークアッセイを利用して単離した。単離した細胞を以下の表7中で識別する。
目的のIL-13特異的抗体を分泌する細胞を、Babcook et al.(参照により本明細書に組み込まれる、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,93:7843-7848(1996))に一般的に記載されるようなIL-13特異的溶血プラークアッセイを利用して単離した。単離した細胞を以下の表7中で識別する。
ヒツジ赤血球(SRBC)のビオチン化
SRBCを25%ストックとしてRPMI培地中に保存した。ストック1.0mlをエッペンドルフチューブに等分し、細胞をスピンダウンし(微量遠心管中8000rpm(6800rcf)でのパルススピン)、上清を除去することにより、250μlのSRBC濃縮細胞ペレットを得た。次に、細胞を1mlのPBS(pH8.6)で2回洗浄した。次いで、細胞ペレットを15mlチューブ中の4.75mlのPBS(pH8.6)に再懸濁させた。別の50mlチューブで、2.5mgのスルホ-NHSビオチンを45mlのPBS(pH8.6)に添加した。ビオチンが完全に溶解したら、5mlのSRBCを添加し、チューブを室温で1時間回転させた。SRBCを3000gで5分間遠心分離し、上清を取り除き、SRBCをエッペンドルフチューブ中の1mlのPBS(pH7.4)に再懸濁させた。SRBCを1mlのPBS(pH7.4)で3回洗浄した。次に、SRBCを、15mlチューブ(5% B-SRBCストック)中の免疫細胞培地(10%FCSを含有するRPMI 1640)4.75mlに再懸濁させた。必要となるまで、ストックを4℃で保存した。
SRBCを25%ストックとしてRPMI培地中に保存した。ストック1.0mlをエッペンドルフチューブに等分し、細胞をスピンダウンし(微量遠心管中8000rpm(6800rcf)でのパルススピン)、上清を除去することにより、250μlのSRBC濃縮細胞ペレットを得た。次に、細胞を1mlのPBS(pH8.6)で2回洗浄した。次いで、細胞ペレットを15mlチューブ中の4.75mlのPBS(pH8.6)に再懸濁させた。別の50mlチューブで、2.5mgのスルホ-NHSビオチンを45mlのPBS(pH8.6)に添加した。ビオチンが完全に溶解したら、5mlのSRBCを添加し、チューブを室温で1時間回転させた。SRBCを3000gで5分間遠心分離し、上清を取り除き、SRBCをエッペンドルフチューブ中の1mlのPBS(pH7.4)に再懸濁させた。SRBCを1mlのPBS(pH7.4)で3回洗浄した。次に、SRBCを、15mlチューブ(5% B-SRBCストック)中の免疫細胞培地(10%FCSを含有するRPMI 1640)4.75mlに再懸濁させた。必要となるまで、ストックを4℃で保存した。
B-SRBCのストレプトアビジン(SA)コーティング
5% B-SRBCストック1mlを、新しいエッペンドルフチューブに移した。B-SRBCをペレット化し、上清を取り除き、ペレットを1.0mlのPBS(pH7.4)に再懸濁させて、遠心分離を繰り返した。洗浄サイクルを2回繰り返し、次いでB-SRBCペレットを1.0mlのPBS(pH7.4)に再懸濁させ、5%(体積/体積)の最終濃度を得た。10mg/mlストレプトアビジン(CalBiochem,San Diego,CA)ストック溶液10μlを添加し、チューブを混合して、室温で20分間回転させた。洗浄工程を繰り返し、SA-SRBCを1mlのPBS(pH7.4)(5%(体積/体積))に再懸濁させた。
5% B-SRBCストック1mlを、新しいエッペンドルフチューブに移した。B-SRBCをペレット化し、上清を取り除き、ペレットを1.0mlのPBS(pH7.4)に再懸濁させて、遠心分離を繰り返した。洗浄サイクルを2回繰り返し、次いでB-SRBCペレットを1.0mlのPBS(pH7.4)に再懸濁させ、5%(体積/体積)の最終濃度を得た。10mg/mlストレプトアビジン(CalBiochem,San Diego,CA)ストック溶液10μlを添加し、チューブを混合して、室温で20分間回転させた。洗浄工程を繰り返し、SA-SRBCを1mlのPBS(pH7.4)(5%(体積/体積))に再懸濁させた。
SA-SRBCのヒトIL-13コーティング
SA-SRBCを、100ug/mlで光ビオチン化ヒトIL-13-RbFc融合体でコーティングし、次いで混合して、室温で20分間回転させた。SRBCを上記の通り1.0mlのPBS(pH7.4)で2回洗浄した。IL-13をコーティングしたSRBCを、RPMI(+10% FCS)中に5%(体積/体積)の最終濃度まで再懸濁させた。
SA-SRBCを、100ug/mlで光ビオチン化ヒトIL-13-RbFc融合体でコーティングし、次いで混合して、室温で20分間回転させた。SRBCを上記の通り1.0mlのPBS(pH7.4)で2回洗浄した。IL-13をコーティングしたSRBCを、RPMI(+10% FCS)中に5%(体積/体積)の最終濃度まで再懸濁させた。
免疫蛍光法(IF)によるIL-13-SRBCの品質判定
約10μlの5% SA-SRBC及び5%のIL-13をコーティングしたSRBC 10μlを、40μlのPBSを含有する別々の新しい1.5mlエッペンドルフチューブにそれぞれ添加した。対照ヒト抗IL-13抗体を、45μg/mlでSRBCの各試料に添加した。チューブを室温で20分間回転させ、次いで細胞を100ulのPBSで3回洗浄した。細胞を50μlのPBSに再懸濁させ、Alexa488(Molecular Probes,Eugene,OR)にコンジュゲートしたGt抗ヒトIgG Fc抗体20μg/mLとともにインキュベートした。チューブを室温で20分間回転させ、次いでPBS 100μlで洗浄し、細胞をPBS 10μlに再懸濁させた。染色した細胞10μlを清潔なガラス顕微鏡スライド上にスポットしてガラスカバースリップで覆い、蛍光下で観察し、0~4の任意の尺度でスコア化した。
約10μlの5% SA-SRBC及び5%のIL-13をコーティングしたSRBC 10μlを、40μlのPBSを含有する別々の新しい1.5mlエッペンドルフチューブにそれぞれ添加した。対照ヒト抗IL-13抗体を、45μg/mlでSRBCの各試料に添加した。チューブを室温で20分間回転させ、次いで細胞を100ulのPBSで3回洗浄した。細胞を50μlのPBSに再懸濁させ、Alexa488(Molecular Probes,Eugene,OR)にコンジュゲートしたGt抗ヒトIgG Fc抗体20μg/mLとともにインキュベートした。チューブを室温で20分間回転させ、次いでPBS 100μlで洗浄し、細胞をPBS 10μlに再懸濁させた。染色した細胞10μlを清潔なガラス顕微鏡スライド上にスポットしてガラスカバースリップで覆い、蛍光下で観察し、0~4の任意の尺度でスコア化した。
形質細胞の調製
目的の免疫グロブリンを分泌するB細胞クローンを含有するものとして上記の種々のアッセイによって既に同定した、単一B細胞培養ウェルの内容物を回収した。100~1000μLのピペットマンを使用して、37C RPMI(+10% FCS)を添加することにより、ウェルの内容物を回収した。細胞をピペット操作により再懸濁させ、次いで新しい1.5mlエッペンドルフチューブ(最終容量約700~1000μl)に移した。細胞を2500rpmで室温にて1分間、微量遠心管中で遠心分離した。次に、チューブを180度回転させ、2500rpmで1分間再びスピンさせた。凍結培地を取り除き、免疫細胞を100μL RPMI(10% FCS)に再懸濁させ、次いで遠心分離した。このRPMI(+10% FCS)での洗浄を繰り返し、細胞をRPMI(+10% FCS)75μlに再懸濁させ、使用できる状態になるまで氷上で保存した。
目的の免疫グロブリンを分泌するB細胞クローンを含有するものとして上記の種々のアッセイによって既に同定した、単一B細胞培養ウェルの内容物を回収した。100~1000μLのピペットマンを使用して、37C RPMI(+10% FCS)を添加することにより、ウェルの内容物を回収した。細胞をピペット操作により再懸濁させ、次いで新しい1.5mlエッペンドルフチューブ(最終容量約700~1000μl)に移した。細胞を2500rpmで室温にて1分間、微量遠心管中で遠心分離した。次に、チューブを180度回転させ、2500rpmで1分間再びスピンさせた。凍結培地を取り除き、免疫細胞を100μL RPMI(10% FCS)に再懸濁させ、次いで遠心分離した。このRPMI(+10% FCS)での洗浄を繰り返し、細胞をRPMI(+10% FCS)75μlに再懸濁させ、使用できる状態になるまで氷上で保存した。
プラークアッセイ
75μLの細胞試料に、IL-13をコーティングしたSRBC(5%(体積/体積)ストック、SRBC菌叢が濃すぎる場合には必要に応じて希釈)、RPMI(+10% FCS)中で調製した4×モルモット補体(Sigma,Oakville,ON)ストック、及び4×強化血清(enhancing sera)ストック(RPMI(+10% FCS)中1:900)(それぞれ75uL)を添加した。混合物(3~5μL)をTCプレートリッド(BD Biosciences,San Jose,CA)上にスポットし、スポットを未希釈パラフィン油で覆った。スライドを37℃で最低1時間インキュベートした。
75μLの細胞試料に、IL-13をコーティングしたSRBC(5%(体積/体積)ストック、SRBC菌叢が濃すぎる場合には必要に応じて希釈)、RPMI(+10% FCS)中で調製した4×モルモット補体(Sigma,Oakville,ON)ストック、及び4×強化血清(enhancing sera)ストック(RPMI(+10% FCS)中1:900)(それぞれ75uL)を添加した。混合物(3~5μL)をTCプレートリッド(BD Biosciences,San Jose,CA)上にスポットし、スポットを未希釈パラフィン油で覆った。スライドを37℃で最低1時間インキュベートした。
クローニング及び発現
単一形質細胞の単離後、mRNAを抽出し、逆転写酵素PCRを行い、各細胞により分泌される抗体の可変重鎖及び可変軽鎖をコードするcDNAを生成した。ヒト可変重鎖領域をIgG2発現ベクターにクローニングした。ヒトIgG2の定常ドメインをpcDNA3.1+/Hygro(Invitrogen,Burlington,ON)のマルチクローニングサイトにクローニングすることにより、このベクターを作製した。ヒト可変軽鎖領域をIgK又はIgL発現ベクターにクローニングした。ヒトIgK又はヒトIgLの定常ドメインをpcDNA3.1+/Neo(Invitrogen,Burlington,ON)のマルチクローニングサイトにクローニングすることにより、これらのベクターを作製した。
単一形質細胞の単離後、mRNAを抽出し、逆転写酵素PCRを行い、各細胞により分泌される抗体の可変重鎖及び可変軽鎖をコードするcDNAを生成した。ヒト可変重鎖領域をIgG2発現ベクターにクローニングした。ヒトIgG2の定常ドメインをpcDNA3.1+/Hygro(Invitrogen,Burlington,ON)のマルチクローニングサイトにクローニングすることにより、このベクターを作製した。ヒト可変軽鎖領域をIgK又はIgL発現ベクターにクローニングした。ヒトIgK又はヒトIgLの定常ドメインをpcDNA3.1+/Neo(Invitrogen,Burlington,ON)のマルチクローニングサイトにクローニングすることにより、これらのベクターを作製した。
次に、重鎖発現ベクター及び軽鎖発現ベクターを、リポフェクタミンを使用して、70%コンフルエントヒト胚性腎臓(HEK)293細胞の60mm皿にコトランスフェクトした。トランスフェクトされた細胞は、24~72時間にわたり、元の形質細胞と同一の特異性を有する組換え抗体を分泌した。3mLの上清をHEK293細胞から回収し、サンドイッチELISAを用いてインタクト抗体の分泌を実証し、ヒトIgGを特異的に検出した。ELISAを用いて、組換え抗体のIL-13への結合を通じて特異性を確認した。
分泌ELISA試験を以下の通り実施した。対照プレートを、結合プレートと同様に2mg/mLのヤギ抗ヒトIgG H+Lで一晩コーティングし、Costar Labcoat Universal Binding Polystyrene96ウェルプレート上にIL-13をコーティングし、4℃で一晩保持した。プレートをdH2Oで5回洗浄した。組換え抗体を、未希釈のリポフェクション上清からの7ウェルについて1:2に滴定した。プレートをdH2Oで5回洗浄した。ヤギ抗ヒトIgG Fc特異的HRPコンジュゲート抗体を、分泌アッセイ及び2つの結合アッセイ用に、最終濃度1μg/mLで室温にて1時間添加した。プレートをdH2Oで5回洗浄した。TMBを30分間添加してプレートを発色させ、1Mリン酸を添加することによりELISAを停止させた。各ELISAプレートを分析して、450nmでの各ウェルの光学密度を求めた。
組換え抗IL-13抗体の精製
より大きなスケールでの生成のために、重鎖及び軽鎖発現ベクター(各鎖/皿2.5μg)を、70%コンフルエントである100mmディッシュ10枚のHEK293細胞にリポフェクションした。トランスフェクトした細胞を37℃で4日間インキュベートし、その時点で上清(6mL)を回収し、6mLの新鮮培地と交換した。7日目に、上清を除去して最初の回収物(10枚のプレートから合計120mL)とともにプールした。
より大きなスケールでの生成のために、重鎖及び軽鎖発現ベクター(各鎖/皿2.5μg)を、70%コンフルエントである100mmディッシュ10枚のHEK293細胞にリポフェクションした。トランスフェクトした細胞を37℃で4日間インキュベートし、その時点で上清(6mL)を回収し、6mLの新鮮培地と交換した。7日目に、上清を除去して最初の回収物(10枚のプレートから合計120mL)とともにプールした。
Protein-A Sepharose(Amersham Biosciences,Piscataway,NJ)アフィニティークロマトグラフィー(1mL)を使用して、各抗体を上清から精製した。500mLの0.1Mグリシン(pH2.5)を用いて、Protein-Aカラムから抗体を溶出させた。溶出液をPBS(pH7.4)中で透析し、濾過滅菌した。抗体を非還元SDS-PAGEにより分析し、純度及び収率を評価した。濃度もまた、OD280でのUV分析により測定した。
実施例2:組換え抗体の特徴付け
上記のように、組換え抗体をエオタキシン-1アッセイで効力について分析した。結果を以下の表8に表す。マウスIL-13受容体α2/FC及びヒトIL-13受容体α2/Fcに関してこのアッセイで測定されたIC50も含まれる。図3は、アイソタイプが一致した対照、例えば無関係なIgG2モノクローナル抗体と比較した、組換え抗体643及び731によるIL-13誘導性エオタキシン放出の阻害率を示す。
上記のように、組換え抗体をエオタキシン-1アッセイで効力について分析した。結果を以下の表8に表す。マウスIL-13受容体α2/FC及びヒトIL-13受容体α2/Fcに関してこのアッセイで測定されたIC50も含まれる。図3は、アイソタイプが一致した対照、例えば無関係なIgG2モノクローナル抗体と比較した、組換え抗体643及び731によるIL-13誘導性エオタキシン放出の阻害率を示す。
Biacore親和性
抗体のうちの6つ(602、623、643、693rep1、693rep2、及び731)について、ヒトIL-13(R&D)に対する親和性をBiaCoreアッセイにより調査した。最初に、一度に3つのmAbを捕捉するために、2つの高密度ヤギ抗ヒト抗体表面を、通例のアミンカップリングを使用してCM5 Biacoreチップ上で調製した。全てのmAbを、100μg/mlのBSAを含有するHBS-P泳動緩衝液を使用して約5μg/Mlに希釈した。Biacore2000装置を使用して、各精製mAbをIL-13注入サイクル毎に異なるフローセル表面上に1分間捕捉させた。
抗体のうちの6つ(602、623、643、693rep1、693rep2、及び731)について、ヒトIL-13(R&D)に対する親和性をBiaCoreアッセイにより調査した。最初に、一度に3つのmAbを捕捉するために、2つの高密度ヤギ抗ヒト抗体表面を、通例のアミンカップリングを使用してCM5 Biacoreチップ上で調製した。全てのmAbを、100μg/mlのBSAを含有するHBS-P泳動緩衝液を使用して約5μg/Mlに希釈した。Biacore2000装置を使用して、各精製mAbをIL-13注入サイクル毎に異なるフローセル表面上に1分間捕捉させた。
KINJECTコマンドを使用して、mAb693、713、及び731には100.9nM、50.4nM、25.2nM、12.6nM、6.30nM、3.15nM、1.58nM、及び0.788nMの濃度で、並びにmAb602、623、及び643には25.2nM、12.6nM、6.30nM、3.15nM、1.58nM、0.788nM、及び0.394nMの濃度で、IL-13(R&D)を全ての表面に1.5分間注入し、続いて20分間解離させた。IL-13試料を、100μg/mlのBSAを含有するHBS-P泳動緩衝液中で調製した。全ての試料を、二重参照のために挿入した数回のmAb捕捉/緩衝KINJECTサイクルを用いて、無作為に2回注入した。
各サイクル後、高密度ヤギ抗ヒト抗体表面を1/100希釈濃リン酸(146mM、pH1.5)の12秒間のパルスで再生させた。mAb693は、最後の一連の中分解能実験の際に装置に利用可能な余剰のフローセルがあったため、2回実行した。
CLAMPを使用して、質量輸送の期間を含む1:1相互作用モデルにデータをフィットさせた。6つの抗体のデータを表9に示す。
動力学的解析
いくつかの抗体の動力学的測定を、KinExA(登録商標)法を使用して評価した。この方法は、平衡状態での正式な親和性測定の溶液ベースの決定を含む。
いくつかの抗体の動力学的測定を、KinExA(登録商標)法を使用して評価した。この方法は、平衡状態での正式な親和性測定の溶液ベースの決定を含む。
100μgの各mAbをCNBr活性化セファロース4B又はアズラクトンビーズに結合させた。ビーズ上の残りの活性基を、製造業者の推奨の通りにブロッキングした。次に、ビーズを1Mトリス中のBSA 10mg/mlでブロッキングし、ブロッキング溶液中に保存した。いくつかの実験用に、製造業者の推奨の通りにmAbを直接PMMAビーズに吸収コーティングし、PBS中のBSA 10mg/mlでブロッキングして、ブロッキング溶液中に保存した。
関連mAbと結合したビーズが固相として作用する自動フローイムノアッセイシステムであるKinExA3000を使用して、KinExA実験を実施した。簡潔に述べると、標準プロトコルに従ってPBMCを精製及び刺激することにより調製した一定量の天然ヒトIL-13又はマカクザルIL-13(10~650pM)を、試料緩衝液(非特異的結合を低減させるために0.1%のBSAを含むPBS)中で、25nMから開始する滴定濃度の抗ヒトIL-13 mAbとともにインキュベートした。抗原/抗体複合体を室温で48時間~168時間インキュベートして、平衡状態に到達させた。混合物を対応する抗体結合ビーズにより回収し、未結合抗原を蓄積させた。混合物の体積及び流速は、それぞれの実験で得た特異的シグナルに応じて変動させた。
二次Ab(ポリクローナル抗IL-13 Ab又は別のエピトープと結合するモノクローナルAbのいずれか)、及び試料緩衝液中の二次抗体に対するCy5コンジュゲート抗種Igを含有する溶液を使用して、捕捉したIL-13を検出した。場合によっては、SA-Cy5と、ビーズ固定化Abが結合するエピトープ以外のエピトープと結合するビオチン化抗体との混合物を使用して、ビーズに結合したIL-13を検出した。
二次抗体溶液の濃度、体積、及び流速を変化させて、各実験におけるシグナル対ノイズ比を最適化した。結合シグナルを、hIL-13の不在下での対照の割合として相対値に変換した。各試料の3つの複製を、全ての平衡実験用に測定した。平衡解離定数(KD)を、KinExAソフトウェアに含まれる一部位相同結合モデルを使用して、データの非線形回帰分析から得た。このソフトウェアは、データポイントを理論上のKD曲線にフィッティングさせることにより、KDを算出し、95%信頼区間を決定する。95%信頼区間は、低KD及び高KDとして得られる。天然ヒトIL-13に対する親和性を表10に、天然マカクIL-13に対する親和性を表11に要約する。
2つの抗体623及び731に関して、会合速度定数をKinExAを使用して調査した。同じIL-13結合ビーズをプローブとして使用し、「直接」又は「注入」法を使用した。これらの方法は、抗原捕捉、抗原濃度、及び抗原検出に関してKinExA平衡アッセイと同一である。直接法では、抗原と抗体を予め混合して、次いでKinExAにかける。注入法では、抗体と滴定抗原を読み取り前に一定時間一緒に混合する。簡潔に述べると、平衡実験に基づいて約80%の抗原と結合すると思われる量のmAbとhIL-13とを混合した。試料中に存在する遊離抗原を、平衡前に繰り返しプローブした。結合シグナルは溶液中の遊離抗原の濃度に比例するため、溶液が平衡状態に達するまでシグナルは経時的に低下した。抗原-mAb混合物及びCy5標識二次抗体の体積及び流速は、試験したmAbに応じて変動させた。KinExA分析ソフトウェアを利用してデータを分析した。このソフトウェアは経時的な結合シグナルの低下を図式的に表し、採取したデータポイントを結合に関する動力学的微分方程式の厳密解にフィッティングさせる。この曲線から、Konの最適解を求めた(表12)。KoffはKon及びKDの解から間接的に算出した。
IL-13変異体タンパク質との結合
野生型アルギニン110をグルタミンで置換したIL-13変異体タンパク質(IL-13Q110R)と結合する、抗体623及び731の能力を調査した。
野生型アルギニン110をグルタミンで置換したIL-13変異体タンパク質(IL-13Q110R)と結合する、抗体623及び731の能力を調査した。
簡潔に述べると、1×PBS(pH7.4)及び0.05%アジド中、4℃で一晩インキュベートすることにより、プレートをIL-13RbFc(2.5μg/mL、50μl)でコーティングした。次に、プレートを1×PBSで洗浄し、室温にて100μLの1%無脂肪脱脂乳/1×PBSで30分間ブロッキングした。
IL-13又はIL-13Q110Rを、抗IL-13抗体とともに室温で1時間プレインキュベートした。IL-13を2000ng/mlから段階的に滴定し、30μl/ウェルの最終体積とした。30μlのmAbを、40ng/ml(sc731、623)及び80ng/ml(sc693)でウェル毎に添加し、1000ng/mlの滴定の第1段階でのIL-13の最終濃度、20ng/mlの滴定の第1段階での抗体623及び731の最終濃度、及び40ng/mlの滴定の第1段階での抗体693の最終濃度を得た。
プレインキュベーション後、50μl/ウェルをプレインキュベーション溶液からIL-13RbFcでプレコーティングしたプレートに移し、室温で30分間インキュベートした。プレートを洗浄し、ウサギ抗Hu IgG Fc HRPを200ng/mlの濃度で添加した。更に30分間インキュベートし、続いて洗浄した後、TMBを添加して更に30分間インキュベートした。1N HCLで反応を停止させ、Powerwave X340 96ウェルマイクロプレートリーダー(Biotek)でプレートを可能な限り速やかに読み取った。
図4に見られるように、IL-13とのプレインキュベーションは抗体623及び731の両方のIL-13コーティングELISAプレートとの結合を阻害したが、一方でIL-13変異体IL-13Q110Rとのプレインキュベーションは、731の結合を623の結合よりもはるかに高い程度で阻害した。
受容体鎖の競合
受容体IL-13Rα1及びIL-13Rα2へのIL-13の結合を遮断する、抗IL-13抗体の能力を調査した。フローサイトメーターを使用して試料を分析した。結果を図5A及び図5Bに表す。データにより、IL-13及び結合プロセスに関与する受容体と結合するAb643(図5A)及びAb731(図5B)又はアイソタイプ対照抗体の能力が実証された。IL-13と結合し、抗体が細胞と相互作用するのを可能にする特定の受容体(例えば、IL-13Ra2、IL-13Ra1、又はIL-4R)を、HDFa細胞上に発現する全ての考えられるIL-13受容体に対する中和抗体を使用して決定した。種々の実験及び予測した結果の概要を、図5C及び図5Dに示す(この変更が許容される場合、図面の説明を調整する)。
受容体IL-13Rα1及びIL-13Rα2へのIL-13の結合を遮断する、抗IL-13抗体の能力を調査した。フローサイトメーターを使用して試料を分析した。結果を図5A及び図5Bに表す。データにより、IL-13及び結合プロセスに関与する受容体と結合するAb643(図5A)及びAb731(図5B)又はアイソタイプ対照抗体の能力が実証された。IL-13と結合し、抗体が細胞と相互作用するのを可能にする特定の受容体(例えば、IL-13Ra2、IL-13Ra1、又はIL-4R)を、HDFa細胞上に発現する全ての考えられるIL-13受容体に対する中和抗体を使用して決定した。種々の実験及び予測した結果の概要を、図5C及び図5Dに示す(この変更が許容される場合、図面の説明を調整する)。
簡潔に述べると、HDFa細胞をFACS緩衝液に再懸濁させて約200000細胞/ウェル/100μLを得て、100μLの細胞を96ウェルV底プレートに等分した。中和抗受容体抗体(抗ヒトIL-13Ra1(R&D Systems)、抗ヒトIL-13Ra2(R&D Systems)、又は抗ヒトIL-4R(R&D Systems))を、FACS緩衝液で最終濃度(最終10μg/mL)の2倍に希釈した。抗IL-13及び対照Abもまた、IL-13(human R&D;最終10ng/mL)と同様に、FACS緩衝液で最終濃度(1μg/mL)の2倍に希釈した。
HDFa細胞のV底プレートを180×gで7分間遠心分離して、反転させることにより上清を除去した(プレート#1)。細胞を50μLのFACS緩衝液に再懸濁させ、追加の50μLの抗ヒトIL-13Ra1、抗ヒトIL-13Ra2、抗ヒトIL-4R、又はFACS緩衝液(受容体Ab対照なし)を、適切なウェルに添加した。次に、細胞及び抗体を氷上で約1.5時間インキュベートした。
Ab/IL-13のプレインキュベーション用に、第2のV底プレートを使用した(プレート#2)。60μLの試験抗体をV底プレートに等分した。60μLのIL-13を適切なウェルに添加し、混合物を氷上で約1.5時間インキュベートした。
インキュベーション後、HDFa細胞を180×gで7分間遠心分離して、反転させることにより上清を除去した。プレート#1中の細胞を100μLのFACS緩衝液又は100μLのAb/IL-13に再懸濁させ、更に1.5時間インキュベートした。
2回目のインキュベーション後、細胞を遠心分離し、FACS緩衝液で1回洗浄し、100μLのFACS緩衝液、7AAD、又は2μg/mLのヤギ抗Hu IgG-Fc-Cy5を適切なウェルに添加した。
細胞及び二次抗体を氷上で20分間インキュベートし、続いてFACS緩衝液で洗浄した。次に、細胞を100μLのFACS緩衝液に再懸濁させ、300μLの冷FACS緩衝液を含有する予め標識したFACSチューブに等分した。
フローサイトメーターを使用して試料を分析した。結果を図5A及び図5Bに表す。各々の抗体に関する前述のプロトコル及び予測した結果の概要を、図5C及び図5Dに示す。図5Aにより示されるように、IL-13はAb643の存在下ではHDFa細胞と結合しない。図5Cの各パネルに示すように、Ab643は、IL-13がHDFa細胞上でその受容体と結合するのを防止するように思われる。図5Bに見られるように、Ab731の場合はそうではない。IL-13はAb731をHDFa細胞と結合させる。図5Dに示すように、この結合はIL-13Rアルファ1又はIL-4Rに対するAbによっては遮断されないが、IL-13Rアルファ2に対する抗体によって遮断され、このことは、Ab731はIL-13がIL-13Rアルファ1又はIL-4Rと結合するのを防止するが、IL-13Rアルファ2と結合するのは防止しないことを示している。
HDFa細胞上でのIL-13Ra1、IL-13Ra2、及びIL-4Rの表面発現量を、抗受容体抗体を使用したFACS分析によって求めた。上記のように調製したHDFa細胞を、濃度5μg/mLの抗受容体抗体とともに氷上で1時間インキュベートした。細胞をFACS緩衝液で洗浄し、2μg/mLのCy5二次(抗ヒト)抗体とともに氷上で30分間インキュベートした。洗浄後、フローサイトメトリーにより試料を分析した。結果を以下の表13に表す。
エピトープマッピング
抗体-IL-13複合体のエピトープを、1)SELDI、2)ランダムペプチドファージディスプレイライブラリーのスクリーニング、及び3)キメラヒト/マウスIL-13分子の発現の3つの方法により分析した。IL-13の構造の知見と組み合わせたこれら3つの手法により、これらのmAbの相対的な結合部位及び抗原領域の一貫した見解を得た。これにより、機能的エピトープ、特にシグナル伝達受容体との結合に関与する領域の同定が可能となった。
抗体-IL-13複合体のエピトープを、1)SELDI、2)ランダムペプチドファージディスプレイライブラリーのスクリーニング、及び3)キメラヒト/マウスIL-13分子の発現の3つの方法により分析した。IL-13の構造の知見と組み合わせたこれら3つの手法により、これらのmAbの相対的な結合部位及び抗原領域の一貫した見解を得た。これにより、機能的エピトープ、特にシグナル伝達受容体との結合に関与する領域の同定が可能となった。
最初の実験として、IL-13精製タンパク質へのmAbの結合のドットブロット分析により、どの抗体がどの形態(線状又はコンフォメーション)のエピトープと結合したかが明らかとなった。mAb693及び785は、還元型変性抗原、線状エピトープと結合した。mAb602、623、643、及び713は非還元型(コンフォメーションエピトープ)IL-13に結合したが、還元型変性抗原には結合しなかった。mAb763は結合を示さなかった。この後、ランダムペプチドファージディスプレイライブラリーを使用して線状エピトープをマッピングした。ファージ上で発現した12量体のランダムペプチドライブラリーに対するmAb693の2ラウンドのパニング後、単一の特異的結合物質を配列決定し、IL-13の残基109~120(ヘリックスD)に対してアラインメントした(図6A)。IL-13抗体を3つの異なるビンに分類したが、ビンは他の手段により判定したエピトープと常に相関するわけではなかった。SELDIによるマッピング用に、各ビンから抗体1つを選んだ。表14は、IL-13抗体のビニング結果を示す。
SELDIを使用したエピトープのマッピング
抗体-抗原複合体を、高濃度のLys-C及びAsp-Nで消化した。次に、エピトープをSELDIにより判定し、断片の質量により同定した。表15は、エンドプロテイナーゼLys-Cで消化したペプチドの予測質量を示す。
抗体-抗原複合体を、高濃度のLys-C及びAsp-Nで消化した。次に、エピトープをSELDIにより判定し、断片の質量により同定した。表15は、エンドプロテイナーゼLys-Cで消化したペプチドの予測質量を示す。
切断後に同定した質量は、6842.8(ペプチド断片45~108について)、7733.7(ペプチド断片45~116について)、及び9461.4(ペプチド断片21~108について)であった。したがって、mAb713の結合部位は、IL-13の残基45~108内に存在すると判定した。
コンフォメーションエピトープをマッピングするためのペプチドアレイ
IL-13配列の残基21~132に及ぶ、12量体ペプチドの101のペプチドアレイを作製した(SIGMA-Genosys)。それぞれの連続したペプチドは、1つ前のアミノ酸から1アミノ酸分ずれており、入れ子状の重複したライブラリーが得られた。アレイをmAb713でプローブし、PVDF膜をHRPコンジュゲート二次抗体とともにインキュベートし、続いて増強化学発光を行うことにより、mAb713のペプチドへの結合を検出した。IL-13のアミノ酸70~80に対応する2つの連続したスポット、及びIL-13のアミノ酸83~92に対応する3つの連続したスポットが観察された。
IL-13配列の残基21~132に及ぶ、12量体ペプチドの101のペプチドアレイを作製した(SIGMA-Genosys)。それぞれの連続したペプチドは、1つ前のアミノ酸から1アミノ酸分ずれており、入れ子状の重複したライブラリーが得られた。アレイをmAb713でプローブし、PVDF膜をHRPコンジュゲート二次抗体とともにインキュベートし、続いて増強化学発光を行うことにより、mAb713のペプチドへの結合を検出した。IL-13のアミノ酸70~80に対応する2つの連続したスポット、及びIL-13のアミノ酸83~92に対応する3つの連続したスポットが観察された。
マウスIL-13キメラ分子を使用したエピトープマッピング
ヘリックスA、ヘリックスB、ヘリックスC、及びヘリックスDのマウス配列をヒト配列とシャッフリングして、4つの新たなマウスキメラを作製した。ヘリックスの位置の表示を図6Bに示す。どのmAbもマウスIL-13に結合しなかった。4つのキメラは以下の通りである:
ヘリックスA、ヘリックスB、ヘリックスC、及びヘリックスDのマウス配列をヒト配列とシャッフリングして、4つの新たなマウスキメラを作製した。ヘリックスの位置の表示を図6Bに示す。どのmAbもマウスIL-13に結合しなかった。4つのキメラは以下の通りである:
次に、キメラを発現させ、分泌されたIL-13キメラタンパク質をELISAアッセイで検出した。結果を表16に要約する。「*」はサンドイッチELISAにおいて結合が弱かったことを示す。
IL-13のエピトープの上記3試験の結果を、表17に要約する。
したがって、いくつかの異なる考えられるエピトープ位置が、本明細書で開示する種々の抗体によって使用されるように思われる。
抗体ビニング分析
同時に抗原に結合する2つの抗体の能力を測定することによって、抗IL-13抗体を3つの異なるビンに分類した(一方の抗体はビーズ上の抗原を捕捉し、他方の抗体は検出用に使用した)。抗原の不在下でのビーズ上のシグナルを、抗原の存在下で得たシグナルから差し引いた。各検出抗体のシグナルを捕捉抗体のシグナルで除し、図7に示すように結合の増加倍数を求めた。次に、捕捉抗体の類似の結合パターンに基づいて抗体をビニングした。データにより、試験した9つの検出抗体に関する、抗体結合の3つのビンの存在が確認された(図7)。
同時に抗原に結合する2つの抗体の能力を測定することによって、抗IL-13抗体を3つの異なるビンに分類した(一方の抗体はビーズ上の抗原を捕捉し、他方の抗体は検出用に使用した)。抗原の不在下でのビーズ上のシグナルを、抗原の存在下で得たシグナルから差し引いた。各検出抗体のシグナルを捕捉抗体のシグナルで除し、図7に示すように結合の増加倍数を求めた。次に、捕捉抗体の類似の結合パターンに基づいて抗体をビニングした。データにより、試験した9つの検出抗体に関する、抗体結合の3つのビンの存在が確認された(図7)。
簡潔に述べると、マウス抗ヒトIgG1、2、3、4(BD Pharmingen 555784)コンジュゲートビーズを、個々の暗色のエッペンドルフチューブ中の捕捉抗体に添加した(353&11.18;5ug/mL)。4℃で一晩、暗所でチューブを回転させた。ビーズをフィルタープレートの各ウェルに等分し(それぞれ2500ビーズ/ウェル)、洗浄した。
IL-13-RbIg(5μg/ml)及び対照(培地のみ)を60μl/ウェルでフィルタープレートに添加し、次いでシェーカー上で室温にて1時間暗所でインキュベートし、その後2回洗浄した。
60μl/ウェル(ウェル当たり1つの抗体)で培地中に希釈した二次抗体を添加した。抗体を以下の濃度で使用した(353B-5g/ml;11.18.31-5μg/ml;713-0.56μg/ml;731-1.28μg/ml;693-2.7μg/ml;623-5.7μg/ml;602-11μg/ml;643-4.3μg/ml;785-5.5μg/ml;763-5.7μg/ml;G2対照-5μg/ml)。次に、プレートを室温で2時間インキュベートし、洗浄した。
5μg/mlで培地中に希釈したビオチン化Mo抗HuIg G1、2、3、4(BD Pharmingen#555785)を各ウェルに添加し(60μl/ウェル)、プレートをシェーカー上で室温にて1時間暗所でインキュベートした。洗浄後、培地中に希釈した60μl/ウェルのストレプトアビジン-PE(5ug/mL;Pharm#554061)を添加した。プレートを、シェーカー上で室温にて20分間暗所でインキュベートし、2回洗浄した。
各ウェルを、注意深く数回上下にピペット操作することにより80μlの保存/ブロッキング緩衝液(PBS、10mg/mlのBSA、0.05重量/体積%のアジ化ナトリウム)に再懸濁させて、ビーズを再懸濁させた。各ウェルを、8,400~14,500に設定したゲートを用いてLuminexで読み取ることにより分析した。
Luminexプラットフォームは、一度に複数のアッセイを行うことを可能にする蛍光ビーズに基づく技術である。Luminexリーダーは、異なるコード化ミクロスフェアにおける陽性シグナル事象を確認することができる。これにより各ビーズを別々にコーティングし、次いで異なるコーティングをしたミクロスフェアを一緒に混合し、次いで1段階のアッセイにおいて、抗体を異なるミクロスフェアのそれぞれと結合させることができる。抗体のアイソタイピング用に、各ビーズが特定の重鎖又は軽鎖のアイソタイプと特異的に結合することができるような形でミクロスフェアをコーティングした。次に、ミクロスフェアを一緒に混合し、各抗体のハイブリドーマ上清を添加した。20分のインキュベーション後、ミクロスフェアを洗浄し、結合した抗体を蛍光標識した二次抗体を使用して検出した。次に、Luminexリーダーを使用してミクロスフェアを読み取った。
実施例3:前臨床インビボデータ
ヒト化IL-13マウス
マウスIL-13をコードする遺伝子がヒトIL-13をコードするcDNAの挿入によって破壊された、ヒト化IL-13マウスをLexicon(The Woodlands,Texas)において作製した。マウスをA/J系統に戻し交配して、以前に記載されたように(Ewert et al.,(2000)Am.J.Respir.Cell.Mol.Biol.)、マウスがアレルゲン誘発性気道過敏性に確実に罹患しやすくした。
ヒト化IL-13マウス
マウスIL-13をコードする遺伝子がヒトIL-13をコードするcDNAの挿入によって破壊された、ヒト化IL-13マウスをLexicon(The Woodlands,Texas)において作製した。マウスをA/J系統に戻し交配して、以前に記載されたように(Ewert et al.,(2000)Am.J.Respir.Cell.Mol.Biol.)、マウスがアレルゲン誘発性気道過敏性に確実に罹患しやすくした。
ヒト化IL-13マウスがヒトIL-13のみを産生し、マウスIL-13は産生しないことを実証するために、ヒト化IL-13マウス(6~8週齢)由来のOVA特異的CD4+T細胞からのサイトカイン産生を、野生型マウス由来のCD4+T細胞と比較した。0.9%滅菌生理食塩水中のOVA 50μg/Imject Alum(Pierce,Rockford,IL)1mg又はPBSの腹腔内注射により、マウスを感作させた(1処置当たり3匹のマウス)。感作の7日後にマウスを屠殺して、脾臓の単細胞懸濁液を調製した。赤血球を溶解させ、10%熱不活化FCS、L-グルタミン2mM、及び50mg/Lの硫酸ネオマイシンを含むHL-1(BioWhittaker,Walkersville,MD)からなる完全培地中に、洗浄した脾細胞を5×106細胞/mlで再懸濁させた。次に、脾細胞を200μg/mlのOVAの存在下にて37℃で4日間培養し、Ag反応性CD4+T細胞を作製した。CD4+T細胞(5×105細胞/ウェル)を単離し、次いで野生型マウス由来のマイトマイシンC(25μg/ml)で処理した新たに単離した脾細胞(5×105細胞/ウェル)とともに、96時間、96ウェルプレート(250μl/ウェル)中で200μg/mlのOVAの存在下で完全培地においてインキュベートした。
無細胞培養上清を採取し、サイトカイン産生について試験した。ヒト及びマウスIL-13(DuoSet,R&D Systems,Minneapolis,MN)濃度を、製造業者のプロトコルに従ってELISAにより測定した。予想通り、インビトロでのOVA再刺激後のヒト化IL-13マウス由来のCD4+T細胞は、ヒトIL-13を産生し、マウスIL-13は産生しなかった(図8、パネルA)。対照的に、野生型マウス由来のCD4+T細胞は、マウスIL-13を産生し、ヒトIL-13は産生しなかった(図8、パネルB)。
気道過敏性
抗IL-13抗体731及び623を、上記のヒト化IL-13マウスを使用してOVA誘発性喘息モデルにおいて試験した。アセチルコリンの静脈内投与に対する気道反応性を測定するために、24日間のプロトコルを使用した。簡潔に述べると、PBS(0.2ml)中のOVA(10μg;粗製グレードIV;Sigma)の腹腔内注射によりマウスを免疫した。PBS単独を対照として使用した。免疫から14日後に、ケタミンとキシラジンの混合物[それぞれ体重1キログラム当たり45mg及び8mg(mg/kg)]を用いてマウスを麻酔し、50μlの1.5%OVA溶液又は対照としての等体積のPBSを気管内に曝露させた。
抗IL-13抗体731及び623を、上記のヒト化IL-13マウスを使用してOVA誘発性喘息モデルにおいて試験した。アセチルコリンの静脈内投与に対する気道反応性を測定するために、24日間のプロトコルを使用した。簡潔に述べると、PBS(0.2ml)中のOVA(10μg;粗製グレードIV;Sigma)の腹腔内注射によりマウスを免疫した。PBS単独を対照として使用した。免疫から14日後に、ケタミンとキシラジンの混合物[それぞれ体重1キログラム当たり45mg及び8mg(mg/kg)]を用いてマウスを麻酔し、50μlの1.5%OVA溶液又は対照としての等体積のPBSを気管内に曝露させた。
初回抗原曝露の7日後に、マウスの気管内にOVA又はPBSのいずれかを再度曝露させた。各曝露の前日(13日目及び20日目)に、731及び623抗体を100μg/マウスの用量で腹腔内投与した。対照マウスには、PBS又はアイソタイプ対照として無関係なIgG2を投与した。最終気管内曝露の3日後、ペントバルビタールナトリウム(90mg/kg)でマウスを麻酔し、挿管し、120呼吸/1分間の速度で一定の一回換気量の空気(0.2ml)を人工呼吸させ、臭化デカメトニウム(25mg/kg)で麻痺させた。安定した気道圧を確保した後、アセチルコリンを静脈内注射し(50μg/kg)、動的気道圧を5分間測定した。アセチルコリン曝露に対する気道過敏性(AHR)を測定した。アセチルコリン曝露に対する気道過敏性は、ピーク気道圧の時間積分的上昇[気道圧時間指標(APTI)、H2O(センチメートル)×秒]によって定義される。OVA+IgG2対照群と比較して*P<0.05[一元配置分散分析(ANOVA)、その後の多重比較に関するフィッシャーの最小有意差検定]。731又は623を用いた処置は、OVA誘発性AHRの完全な回復をもたらした(図9)。本実施例では、完全な回復とは、OVAを伴う抗体の添加が、OVAが存在せず抗体のみ(例えばIgG2)を添加する場合の作用と類似した作用をもたらすことを意味する。
OVA誘発性粘液産生
OVA誘発性粘液産生の測定に、18日間のプロトコルを使用した。0日目及び7日目に2mgのImject Alum中の卵白アルブミン(OVA、25μg;粗製グレードIV)(Sigma)で皮下にプライミングした後、マウスをイソフルランで麻酔し、14日目、15日目、及び17日目にPBS中の1.5%OVA溶液50μlを鼻腔内に曝露させた。対照マウスにはプライミングとしてミョウバンを、又は曝露としてPBSを投与した。
OVA誘発性粘液産生の測定に、18日間のプロトコルを使用した。0日目及び7日目に2mgのImject Alum中の卵白アルブミン(OVA、25μg;粗製グレードIV)(Sigma)で皮下にプライミングした後、マウスをイソフルランで麻酔し、14日目、15日目、及び17日目にPBS中の1.5%OVA溶液50μlを鼻腔内に曝露させた。対照マウスにはプライミングとしてミョウバンを、又は曝露としてPBSを投与した。
13日目、15日目、及び17日目に、731及び623抗体を100μg/マウスの用量で腹腔内投与した。対照マウスにはPBSを投与した。18日目にマウスを屠殺して、肺を灌流後に採取した。中枢気道及び末梢気道を含む肺組織を10%ホルマリンに固定し、70%エタノール中で洗浄して脱水し、グリコールメタクリレートに包埋し、4μM切片に切断してスライド上に載せ、ヘマトキシリン及びエオシン、加えて過ヨウ素酸-シッフ(PAS)で染色した。肺切片(動物一匹当たり一切片)を倍率20倍で検査した。5つの領域をランダムに選択し、各切片について各領域内の気管支の数を数えた。切片を0~4の尺度でスコア化した(0:<5%PAS+杯状細胞;1:5~25%;2:25~50%;3:50~75%;4:>75%)。組織学的な杯状細胞のスコア(任意の単位;Uとして表す)を得るために、各肺の気道のスコアの合計を、検査した気管支の数で除した。OVA処置群では8匹のマウス中5匹が死んだ。他の群に死んだマウスはいなかった。731及び623の投与によって、気道中の粘液含有細胞のOVA誘発性の増加が効果的に回復した(図10)。データは平均±SEである。OVA/OVA/PBS群(当初n=8)についてはn=3;OVA/OVA/731群についてはn=8、OVA/OVA/623群についてはn=4;OVA/PBS/PBS群についてはn=4、ミョウバン/OVA/PBS、及びミョウバン/PBS/PBS群についてはn=5。対応のないスチューデントt検定により、OVA/OVA/PBS群に対して*p<0.01。
実施例4:抗体の構造分析
表1に示す抗体の可変重鎖及び可変軽鎖を配列決定し、それらのDNA配列を決定した。全ての抗IL-13抗体の完全な配列情報は、ヌクレオチド配列及びアミノ酸配列を含めて、本明細書とともに提出する配列表に示す。
表1に示す抗体の可変重鎖及び可変軽鎖を配列決定し、それらのDNA配列を決定した。全ての抗IL-13抗体の完全な配列情報は、ヌクレオチド配列及びアミノ酸配列を含めて、本明細書とともに提出する配列表に示す。
表18は、本明細書に記載の様々なIL-13抗体の重鎖遺伝子のアミノ酸配列を示す。表18はまた、各抗体のCDR及びフレームワーク領域に対応するアミノ酸配列、並びにその生殖系列配列との比較を示す。
表19は、本明細書に記載の様々なIL-13抗体のカッパ軽鎖遺伝子のアミノ酸配列を示す。表19はまた、各抗体のCDR及びフレームワーク領域に対応するアミノ酸配列、並びにその生殖系列配列との比較を示す。
表20は、本明細書に記載の様々なIL-13抗体のラムダ軽鎖遺伝子のアミノ酸配列を示す。表20はまた、各抗体のCDR及びフレームワーク領域に対応するアミノ酸配列、並びにその生殖系列配列との比較を示す。
実施例5:親和性成熟抗IL-13抗体の作製
Xenomouse(登録商標)由来の抗体からの配列に基づく、相補性決定領域(CDR)標的化タンパク質工学のための哺乳動物組換えシグナル配列(RSS)特異的組換えの新規使用により、抗体731(Ab731)の種親和性ギャップが閉じる。
Xenomouse(登録商標)由来の抗体からの配列に基づく、相補性決定領域(CDR)標的化タンパク質工学のための哺乳動物組換えシグナル配列(RSS)特異的組換えの新規使用により、抗体731(Ab731)の種親和性ギャップが閉じる。
この非仮説駆動型の親和性成熟法を使用して、本発明者らは、cyno IL-13に対する高い交差反応性を有しながらヒトIL-13に対してこれまでに報告された最も高い親和性である抗体を含む、IL-13親和性が向上した複数の抗体変異体を作製した。
HuTARG技術は、哺乳動物細胞培養系における細胞表面ディスプレイに連結された、新規のRSS組換えベースのタンパク質工学プラットフォームである。簡潔に述べると、Ab731の重鎖及び軽鎖の相補性決定領域(CDR)をコードするDNAを、標準的な分子生物学的方法によりRSS部位を含むように操作した。得られたプラスミドプールは、RSS組み込みの標的であった個々のCDRをコードしており、各CDRへのRSSシグナルの組み込みの成功を、末端制限断片長多型(T-RFLP)により確認した。Cre-Lox系を使用して、得られた構築物をプールとしてHuTARG細胞株に安定的に組み込んだ。HuTARG細胞は組換えコンピテント哺乳動物細胞であり、この細胞では、RAG-1媒介性リコンビナーゼ活性がテトラサイクリン処理下で誘導される。組換えが誘導されると、各細胞にRSSカセットの除去を伴う独特の再編成が生じることになり、ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)の存在下では二本鎖切断修復が生じ、組換えられたセグメントの不完全な連結及びヒトIgG抗体の配列変動がもたらされる。この抗体はその後、lox P部位への規定の遺伝子組み込みにより細胞の表面上で発現され、各細胞は、独特で単一の特異性の抗体を発現する。重鎖配列及び軽鎖配列を別々に標的化したため、ベクターの2つの個々のプールを作製し、これを使用して、多様化した重鎖及び軽鎖の抗体細胞表面ディスプレイライブラリーを創出した。組換えは細胞内で直接起こり、形質転換工程を必要としないため、ライブラリーの複雑性の限界は細胞数によって決定される。この場合、本発明者らは、多様化した重鎖については342E6細胞の複雑性を、多様化した軽鎖については320E6細胞の複雑性を利用した。向上した親和性変異体(親抗体の結合よりも高い結合により決定した)を、36pMの組換え型可溶性cyno IL-13の表面染色による3ラウンドのFACSソーティングにより単離した。向上した親和性を有するように選択された変異体抗体配列は、RSS組み込みの頻度と一致して、濃縮した軽鎖にわたり比較的均一に分布した挿入及び置換を含むことが判明した。しかし、CDR-H3は最も変化が少ないが、これはCDR-H3が骨髄を離れたB細胞のエピトープ認識の主要な決定因子であるため、驚くべきことではないであろう。挿入及び欠失は、親和性に富むFACS選別細胞において観察された優性型の突然変異であった。
PCRレスキュー抗体配列をクローン化し、HEK293T細胞の表面上で一過性に発現させ、FACS解析により可溶性ヒトIL-13及びcyno IL-13へのその結合をランク付けした。標的タンパク質への結合に関する蛍光の幾何平均値を、細胞表面IgG発現に基づいて3つのゲートで比較した。cyno IL-13の結合の向上を示した重鎖変異体のうちの2つ、即ち重鎖1(HC1)及びHC2は、それらの親抗体より高い親和性を有することをKinExAにより確認した(図1C、補足表20(a))。同様の分析を軽鎖変異体について行い、親抗体の結合よりも高い3つの軽鎖配列(LC1、LC2、及びLC3)を同定した。続いて、全ての考えられる順列で、これらの軽鎖変異体を最良の重鎖変異体とチェッカーボード状に対にすることにより組み合わせた。これにより、cyno IL-13及びヒトIL-13の両方に対して親和性が向上しており、軽鎖又は重鎖に個々の突然変異を有する抗体よりも強い結合を示した、3つの抗体(MMAb3、MMAb5、及びMMAb7)を同定した。これらの生物学的効力を、ヒトIL-13又はcyno IL-13で刺激した正常ヒト皮膚線維芽細胞(NHDF)細胞からのエオタキシン1放出の中和について評価した。全ての抗体は両方のリガンドに対して強力な阻害剤であることが判明し、EC50はアッセイにおけるIL-13の濃度によって制限された。対照的に、親Ab731はcyno IL13に対して活性を示さなかった。
KinExAベースの親和性決定を使用して、新たに作製した抗体変異体のヒト及びcyno IL13標的に対する正式な親和性を決定したところ、MMAb3はcyno IL-13に対して5.1pMの親和性を有し、ヒトIL-13に対して34fMの親和性を有しており、したがって、それぞれ700倍の向上及び56倍の向上を示したことが実証された。本発明者らの知る限り、ヒトIL-13タンパク質に対するMMAb7(及び142fMでのMMAb5)の親和性は、文献に記載されている最も高いもののうちの1つである。本発明者らは以前に、KinExA技術により測定したピコモル以下(610fM)の親和性を有するインビボで作製した抗IL8抗体について報告した。非常に高い親和性の抗体の他の例には、マウス抗IL1b抗体であるXMA005の部位特異的突然変異誘発による親和性成熟、及びそれに続くそのヒト化のXOMA 052が含まれ、これらはKinExA技術により同様に測定されるピコモル以下の抗体(それぞれ240fM及び300fM)を生じさせる(Owyang,A.M.et al.XOMA 052,a potent,high-affinity monoclonal antibody for the treatment of IL-1beta-mediated diseases.mAbs 3,49-60(2011))。操作した抗フルオレセイン一本鎖抗体もまた、小分子ハプテンであるフルオレセインに対して、平衡結合法により同様に測定した270fMのKdを有することが報告された(Boder,E.T.,Midelfort,K.S.& Wittrup,K.D.Directed evolution of antibody fragments with monovalent femtomolar antigen-binding affinity.Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 97,10701-10705(2000);Midelfort,K.S.et al.Substantial energetic improvement with minimal structural perturbation in a high affinity mutant antibody.Journal of molecular biology 343,685-701(2004))。
実施例6:エピトープ及び共結晶化
新規抗体とカニクイザルIL-13及びヒトIL-13との共結晶構造。MMAb3抗体とcyno IL-13及びヒトIL-13との非常に高い親和性相互作用の分子決定因子を理解するために、2.1Aの分解能でのMMAb3断片抗原結合(Fab)との複合体におけるcyno IL-13の結晶構造(図2A)を作製し、続いて同じリガンドに結合したMMAb1及びMMAb2の相同モデルを作製した。MMAb3 Fabとの複合体におけるcyno IL-13の結晶構造により、IL-13のヘリックスCがFabの間隙と平行に配向しており、Fab重鎖と軽鎖との間に介在していることが明らかとなった。1784.8Å2の全埋没溶媒接触可能表面積(SASA)は、平均的な抗体-抗原界面で観察されるもの(1500~1600A2)よりも大きい25。0.714の総合形状相補性スコア(Sc)は、IL-13-Fab界面の相補性の程度が平均(0.64~0.68)26より更に高いことを示唆しており、2つの分子の広範囲且つ適合した界面を示している。
新規抗体とカニクイザルIL-13及びヒトIL-13との共結晶構造。MMAb3抗体とcyno IL-13及びヒトIL-13との非常に高い親和性相互作用の分子決定因子を理解するために、2.1Aの分解能でのMMAb3断片抗原結合(Fab)との複合体におけるcyno IL-13の結晶構造(図2A)を作製し、続いて同じリガンドに結合したMMAb1及びMMAb2の相同モデルを作製した。MMAb3 Fabとの複合体におけるcyno IL-13の結晶構造により、IL-13のヘリックスCがFabの間隙と平行に配向しており、Fab重鎖と軽鎖との間に介在していることが明らかとなった。1784.8Å2の全埋没溶媒接触可能表面積(SASA)は、平均的な抗体-抗原界面で観察されるもの(1500~1600A2)よりも大きい25。0.714の総合形状相補性スコア(Sc)は、IL-13-Fab界面の相補性の程度が平均(0.64~0.68)26より更に高いことを示唆しており、2つの分子の広範囲且つ適合した界面を示している。
結晶構造により、cyno IL-13及びヒトIL-13に対するMMAb3の高い親和性が説明された。MMAb3は、CDR-H2中の3つの連続残基(Trp54/Asp55/Val56対Ser54/Gly55/Gly56)及びCDR-L1上の2つの連続残基(Ser32/Phe33対Thr32/Cys33)によって、親Ab731と相違する(図11)。第1の組の残基はπ-πスタッキングチャネルの形成を誘導し、ここでCDR-H2に由来する操作した残基Trp54は、CDR-H2のPro103とのπ-πスタッキング相互作用を持ち上げ、更にチャネルに沿って、主としてファンデルワールス接触に関与する、CDR-H2のTyr104とIL-13の残基Pro72及びHis73との同様の接触をもたらす(図13)。また、親Gly55及びGly56の代わりにAsp55及びVal56が存在することはCDR-H2ループの骨格を更に安定化させる役割を果たす可能性もあるが、このことは2つの後続のGly残基の存在に関連するコンフォメーションの変動性に起因してエネルギー的に評価することが困難であった。結合界面に対するTrp54の中心的な役割は、全SASAのほぼ10%を構成する170.1A2の埋没表面積によっても立証される。したがって、構造上の証拠は、Trp54は親和性又は特異性の直接的決定因子ではなく、安定化を担うことを示唆しており、本発明者らは、2つの性質はCDR-L1からの相互作用によって推進される可能性がより高いと考える(図12A及びB)。MMAb3及びAb731のCDR-L1パラトープは2つの残基(Ser32/Phe33対Thr32/Cys33)に関して異なるため、本発明者らは、この領域において、cyno IL-13とヒトIL-13との間により大きな交差反応性を付与する結合相互作用の変化を同定することを試みた。結晶構造において、cyno IL13由来のAsn68は、Tyr31と残基73~76に由来するIL13骨格カルボキシルとの間に位置する。この構造は、これらの接触によって作り出された狭い空間が、Tyr31との最適以下の水素結合を介してではあるが、結合を可能にするコンフォメーションでAsn68を固定することを示唆する(図12A及びB)。ヒトIL-13において、Ser残基はAsn68に置き換わる(図13)。Ser68は、そのより小さいサイズ及び周囲のIL-13骨格残基からより離れていることを考慮すると、コンフォメーション的にそれほど制限されておらず、Tyr31のヒドロキシル基とのより強い水素結合を確立するためにより良好に配置されており、結果としてより密接な結合が生じる(実験データと一致する)。いずれの場合も、演繹的に予測することは非常に困難であるが、Tyr31のコンフォメーションは、Cys33(図13)及び周囲の空洞を有する親抗体とは対照的に、嵩高い芳香環が空洞を占有し、回転異性体のフリッピングを防止する、下流の操作された残基Phe33によって安定化される可能性がある。ヒトIL-13との複合体における親抗体の状況では、Ser68:Tyr31相互作用のより高い親和性は、Cys33を取り囲む空洞の存在にもかかわらず、Tyr31の外向きのコンフォメーションに有利である。これは、Asn68:Tyr31相互作用のより低い親和性が、チロシンを元に戻らせ、Cys33を取り囲む空洞を占有させ、これにより内部エネルギーを最小値に到達させる、cyno IL-13と対照的である。しかしながら、このことはcyno IL-13に対する親抗体の親和性を著しく低下させる。
実施例7:高親和性抗IL-13抗体
安定性及び粘性のために、Mmab7軽鎖及び重鎖に対していくつかの変異体を作製した。これらの高親和性抗IL13アミノ酸配列を、以下の表21~22に記載する。
安定性及び粘性のために、Mmab7軽鎖及び重鎖に対していくつかの変異体を作製した。これらの高親和性抗IL13アミノ酸配列を、以下の表21~22に記載する。
実施例8:試料中のIL-13を検出するための診断用薬剤としての抗IL-13抗体の使用
試料中のIL-13を検出するための酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)を開発することができる。このアッセイでは、数ウェルのマイクロタイタープレート、例えば、96ウェルマイクロタイタープレート又は384ウェルマイクロタイタープレートに、IL-13を対象とする第1の完全ヒトモノクローナル抗体を数時間吸着させる。固定化抗体は、試験試料に存在する可能性があるIL-13の捕捉抗体として機能する。ウェルをすすぎ、乳タンパク質又はアルブミンなどのブロッキング剤で処理し、分析物の非特異的吸着を防止する。
試料中のIL-13を検出するための酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)を開発することができる。このアッセイでは、数ウェルのマイクロタイタープレート、例えば、96ウェルマイクロタイタープレート又は384ウェルマイクロタイタープレートに、IL-13を対象とする第1の完全ヒトモノクローナル抗体を数時間吸着させる。固定化抗体は、試験試料に存在する可能性があるIL-13の捕捉抗体として機能する。ウェルをすすぎ、乳タンパク質又はアルブミンなどのブロッキング剤で処理し、分析物の非特異的吸着を防止する。
続いて、IL-13を含有すると思われる試験試料、又は標準量の抗原を含有する溶液でウェルを処理する。
試験試料又は標準物質をすすぎ落とした後、ビオチンとのコンジュゲーションにより標識した第2の完全ヒトモノクローナル抗IL-13抗体でウェルを処理する。標識した抗IL-13抗体は、検出用抗体として機能する。過剰な第2の抗体をすすぎ落とした後、ウェルをアビジンコンジュゲート西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)及び適切な発色基質で処理する。試験試料中の抗原の濃度を、標準試料から展開した標準曲線との比較により判定する。
実施例9:ヒトにおけるCOPDの処置
COPDに罹患している患者を同定する。患者に、患者への静脈内又は皮下注射により投与した有効量の上記に開示された抗IL-13抗体を与える。追加免疫の投与を3週間後に行い、その後は3週間毎に行う。抗IL-13抗体は、粘液産生、気管支上皮過形成の発生、及び気管支平滑筋の痙攣の阻害を引き起こす。この粘液産生及び平滑筋収縮の阻害によって気道の遮断が低減され、通気が改善される。
COPDに罹患している患者を同定する。患者に、患者への静脈内又は皮下注射により投与した有効量の上記に開示された抗IL-13抗体を与える。追加免疫の投与を3週間後に行い、その後は3週間毎に行う。抗IL-13抗体は、粘液産生、気管支上皮過形成の発生、及び気管支平滑筋の痙攣の阻害を引き起こす。この粘液産生及び平滑筋収縮の阻害によって気道の遮断が低減され、通気が改善される。
実施例10:ヒトにおける慢性気管支炎の処置
慢性気管支炎を特徴とする慢性閉塞性肺疾患(「COPD」)に罹患している患者を同定する。患者に、患者への静脈内又は皮下注射により有効量の本明細書に開示される抗IL-13抗体を投与する。処置は、毎週、又は2週間毎、又は3週間毎、又は4週間毎、又は毎月、又は隔月に繰り返すことができる。抗IL-13抗体は、炎症性呼吸組織における粘液産生及び気管支平滑筋の収縮の部分的又は完全な阻害を引き起こす。この粘液産生及び平滑筋収縮の阻害によって気道の遮断が低減され、通気が改善される。
慢性気管支炎を特徴とする慢性閉塞性肺疾患(「COPD」)に罹患している患者を同定する。患者に、患者への静脈内又は皮下注射により有効量の本明細書に開示される抗IL-13抗体を投与する。処置は、毎週、又は2週間毎、又は3週間毎、又は4週間毎、又は毎月、又は隔月に繰り返すことができる。抗IL-13抗体は、炎症性呼吸組織における粘液産生及び気管支平滑筋の収縮の部分的又は完全な阻害を引き起こす。この粘液産生及び平滑筋収縮の阻害によって気道の遮断が低減され、通気が改善される。
実施例11:ヒトにおける肺気腫の処置
肺気腫に罹患している患者を同定する。患者に、患者への静脈内又は皮下注射により有効量のIL-13抗体を投与する。処置は、毎週、又は2週間毎、又は3週間毎、又は4週間毎、又は毎月、又は隔月に繰り返すことができる。IL-13抗体は、炎症性呼吸組織における好中球走化性の部分的又は完全な阻害を引き起こす。好中球走化性の阻害は、患者の免疫応答によって引き起こされる肺及び気道に対する組織損傷の重症度を低減させる。肺気腫において肺組織の破壊をもたらすプロテアーゼの誘導には、IL-13の直接作用がある(少なくともそのように仮定されている)。
肺気腫に罹患している患者を同定する。患者に、患者への静脈内又は皮下注射により有効量のIL-13抗体を投与する。処置は、毎週、又は2週間毎、又は3週間毎、又は4週間毎、又は毎月、又は隔月に繰り返すことができる。IL-13抗体は、炎症性呼吸組織における好中球走化性の部分的又は完全な阻害を引き起こす。好中球走化性の阻害は、患者の免疫応答によって引き起こされる肺及び気道に対する組織損傷の重症度を低減させる。肺気腫において肺組織の破壊をもたらすプロテアーゼの誘導には、IL-13の直接作用がある(少なくともそのように仮定されている)。
実施例12:ヒトにおける喘息の処置
喘息に罹患している患者を同定する。患者に、患者への静脈内又は皮下注射により有効量のIL-13抗体を投与する。
喘息に罹患している患者を同定する。患者に、患者への静脈内又は皮下注射により有効量のIL-13抗体を投与する。
処置は、毎週、又は2週間毎、又は3週間毎、又は4週間毎、又は毎月、又は隔月に繰り返すことができる。抗IL-13抗体は、患者の免疫応答によって引き起こされる肺及び気道に対する組織損傷の重症度を低減させる。
実施例13:ヒトにおけるアトピー性皮膚炎の処置
アトピー性皮膚炎に罹患している患者を同定する。患者に、患者への静脈内又は皮下注射により有効量のIL-13抗体を投与する。処置は、毎週、又は2週間毎、又は3週間毎、又は4週間毎、又は毎月、又は隔月に繰り返すことができる。
アトピー性皮膚炎に罹患している患者を同定する。患者に、患者への静脈内又は皮下注射により有効量のIL-13抗体を投与する。処置は、毎週、又は2週間毎、又は3週間毎、又は4週間毎、又は毎月、又は隔月に繰り返すことができる。
実施例14:高親和性抗IL-13抗体のための最適化配列
MmAb5/MmAb7ホットスポットの操作を、化学的傾向及び生殖系列配列からのコンセンサス逸脱についての内部ソフトウェアを用いたインシリコスキャンから開始した。結果により、CDR中の4つの潜在的な異性化部位(Asp Ser及びAsp Gly)、1つのコンセンサス逸脱、及びCDR中の1つの潜在的なTrp酸化部位が明らかとなった。潜在的な突然変異を評価してリスクを軽減させるために、MmAb7及びIL-13の内部由来共結晶構造を、ホットスポット残基の露出及び相互作用について分析した。この構造から、LC:DS 67-68上で、Asp残基が抗原上の正に荷電した残基と直接相互作用することが観察された。その相互作用を保持するために、調整をSer残基の変化に限定し、Ala置換を内部経験に基づいて選択した。LC:DS 110-111において、Aspが隣接するCDR上の正に荷電した残基と相互作用し、構造を与えることが観察された。分子中にその機能を保持するために、Aspをそのままにし、DSをDAに変更した。HC:DS 72-73において、異性化部位が分子の表面に露出し、非相互作用性であることが判明した。均質性を向上させるために、DSをDAに変更した。HC:DG 109-110部位は構造内に埋没しており、異性化を受けないことが観察された。G110A変異体を個別にのみ試験し、これらが活性を失っていることが判明した。HC:Q108において、残基を生殖系列に変更した。種々の部位でのホットスポットの調整を、合理的な設計を用いて、個別に、及び組み合わせて試験した。リード変異体の選択は、産生収率、Tm、並びにTARC及びエオタキシンアッセイを使用した機能的活性に基づくものであった。
MmAb5/MmAb7ホットスポットの操作を、化学的傾向及び生殖系列配列からのコンセンサス逸脱についての内部ソフトウェアを用いたインシリコスキャンから開始した。結果により、CDR中の4つの潜在的な異性化部位(Asp Ser及びAsp Gly)、1つのコンセンサス逸脱、及びCDR中の1つの潜在的なTrp酸化部位が明らかとなった。潜在的な突然変異を評価してリスクを軽減させるために、MmAb7及びIL-13の内部由来共結晶構造を、ホットスポット残基の露出及び相互作用について分析した。この構造から、LC:DS 67-68上で、Asp残基が抗原上の正に荷電した残基と直接相互作用することが観察された。その相互作用を保持するために、調整をSer残基の変化に限定し、Ala置換を内部経験に基づいて選択した。LC:DS 110-111において、Aspが隣接するCDR上の正に荷電した残基と相互作用し、構造を与えることが観察された。分子中にその機能を保持するために、Aspをそのままにし、DSをDAに変更した。HC:DS 72-73において、異性化部位が分子の表面に露出し、非相互作用性であることが判明した。均質性を向上させるために、DSをDAに変更した。HC:DG 109-110部位は構造内に埋没しており、異性化を受けないことが観察された。G110A変異体を個別にのみ試験し、これらが活性を失っていることが判明した。HC:Q108において、残基を生殖系列に変更した。種々の部位でのホットスポットの調整を、合理的な設計を用いて、個別に、及び組み合わせて試験した。リード変異体の選択は、産生収率、Tm、並びにTARC及びエオタキシンアッセイを使用した機能的活性に基づくものであった。
MmAb5及びMmAb7の粘性の操作は、電荷パッチ及び寄与残基を同定したBioLuminate Schrodingerソフトウェアを使用した、MmAb7/IL-13共結晶構造のインシリコ表面分析から開始した。潜在的な抗原結合及び構造的影響について、最も顕著な電荷パッチから、重要な寄与残基を分析した。LC:D3残基を、別の生殖系列由来のValで置換した。LC:D87残基を、別の生殖系列由来のAsnで置換した。最適なパッチ破壊のために、L:D26、L:D33、及びL:D110の残基をLysで置換した。種々の部位での粘性の調整を、合理的な設計を用いて、個別に、及び組み合わせて試験した。リード変異体の選択は、産生収率、コーンプレート法により測定した粘性、Tm、及びTARCアッセイを使用した機能的活性に基づくものであった。
TARCアッセイは、IL-13の存在下でIL-13感受性前駆細胞によって生成される阻害性TARCを測定する。TARC阻害について測定する抗IL-13 mAbを、段階希釈してから設定量のIL-13(3ng/mL)に添加し、室温で20分間インキュベートする。インキュベーション後、mAb及びIL-13溶液を96ウェル組織培養プレート中の2e5細胞に添加し、37℃及び5%CO2で48時間インキュベートする。インキュベーション後、試料を採取し、MSDの検出キットからの抗TARC mAbを使用してTARCを測定する。MSD 6000を使用してプレートを読み取る。用量反応データを分析し、用量反応曲線を作成して、Graph Pad Prismソフトウェアを使用してIC50レベルを算出する。
抗IL-13モノクローナル抗体の変異体はまた、YTE突然変異として一般に知られる、Fc内のEu位置M252Y、S254T、及びT256Eにおける半減期延長突然変異を含む。これらの改変は、エフェクター機能細胞によるエンドサイトーシス後に循環中に再循環される抗体の作用により、FcRn結合を向上させる。これらの改変は、PKを延長すること、並びに必要用量及び/又は投与頻度を減少させることを意図して使用されている。図14を参照されたい。
抗IL-13モノクローナル抗体の変異体はまた、Fc内のEu位置S583Kにおける補体六量体妨害突然変異を含む。複合エフェクター機能機構の一部としてmAb六量体の形成を妨げることによって、その改変は、所与の配合及び濃度において抗体の粘性を減少させることが観察されている。
参照による組み込み
特許、特許出願、論文、テキストブックなどを含む、本明細書に引用されている全ての参照文献及びその中に引用されている参照文献は、それらが既に組み込まれていない限り、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
特許、特許出願、論文、テキストブックなどを含む、本明細書に引用されている全ての参照文献及びその中に引用されている参照文献は、それらが既に組み込まれていない限り、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
等価物
前述の本明細書は、当業者が本発明を実施するのに十分であると考えられる。前述の説明及び実施例は、本発明の特定の好ましい実施形態を詳細に説明し、本発明者らによって企図された最良の形態を記載するものである。しかしながら、前述の内容がいかに詳細に説明されていたとしても、本発明は、多くの方法で実施することができ、また添付の特許請求の範囲及びそのあらゆる等価物に従って本発明が解釈されるべきであることが理解されるであろう。
前述の本明細書は、当業者が本発明を実施するのに十分であると考えられる。前述の説明及び実施例は、本発明の特定の好ましい実施形態を詳細に説明し、本発明者らによって企図された最良の形態を記載するものである。しかしながら、前述の内容がいかに詳細に説明されていたとしても、本発明は、多くの方法で実施することができ、また添付の特許請求の範囲及びそのあらゆる等価物に従って本発明が解釈されるべきであることが理解されるであろう。
Claims (27)
- 軽鎖免疫グロブリン可変領域(VL1)及び重鎖免疫グロブリン可変領域(VH)を含む、ヒトIL-13に特異的に結合する抗原結合タンパク質であって、
前記VL1が、(i)配列番号11のアミノ酸配列を含むCDRL1、(ii)配列番号12のアミノ酸配列を含むCDRL2、及び(iii)配列番号13のアミノ酸配列を含むCDRL3を含み、
前記VHが、(i)配列番号8のアミノ酸配列を含むCDRH1、(ii)配列番号9のアミノ酸配列を含むCDRH2、及び(iii)配列番号10のアミノ酸配列を含むCDRH3のアミノ酸配列を含む、抗原結合タンパク質。 - 軽鎖免疫グロブリン可変領域(VL1)及び重鎖免疫グロブリン可変領域(VH)を含む、ヒトIL-13に特異的に結合する抗原結合タンパク質であって、
前記VL1が、細胞623によって発現される抗体のCDRを含み、
前記VHが、細胞623によって発現される抗体のCDRを含む、抗原結合タンパク質。 - 細胞623によって発現される抗体と同様のフレームワーク領域を更に含む、請求項1に記載の抗原結合タンパク質。
- 前記抗原結合タンパク質が、抗体である、請求項1~3のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質。
- 前記抗原結合タンパク質が、抗体断片である、請求項1~3のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質。
- 前記抗原結合タンパク質が、二重特異性抗体、融合タンパク質を含む抗体誘導体である、請求項1~3のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質。
- 前記抗原結合タンパク質が、ヒト配列を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質。
- 前記抗原結合タンパク質が、モノクローナル抗体である、請求項1~6のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質。
- 2cM~50pMのKDでIL-13に結合する、IL-13に結合するヒト抗体。
- 2cM~40pMのKDでIL-13に結合する、IL-13に結合するヒト抗体。
- ヒトIL-13に結合するヒト抗体又はその抗原結合断片であって、アミノ酸配列が、
(a)配列番号11のLCDR1、配列番号12のLCDR2、及び配列番号13のLCDR3を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列;並びに配列番号8のHCDR1、配列番号106のHCDR2、及び配列番号10のHCDR3を含む可変抗体重鎖アミノ酸配列;
(b)配列番号11のLCDR1、配列番号12のLCDR2、及び配列番号13のLCDR3を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列;並びに配列番号8のHCDR1、配列番号83のHCDR2、及び配列番号10のHCDR3を含む可変抗体重鎖アミノ酸配列;
(c)配列番号11のLCDR1、配列番号12のLCDR2、及び配列番号13のLCDR3を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列;並びに配列番号8のHCDR1、配列番号83のHCDR2、及び配列番号10のHCDR3を含む可変抗体重鎖アミノ酸配列;
(d)配列番号74のLCDR1、配列番号12のLCDR2、及び配列番号76のLCDR3を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列;並びに配列番号107のHCDR1、配列番号85のHCDR2、及び配列番号10のHCDR3を含む可変抗体重鎖アミノ酸配列;
(e)配列番号77のLCDR1、配列番号12のLCDR2、及び配列番号76のLCDR3を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列;並びに配列番号107のHCDR1、配列番号85のHCDR2、及び配列番号10のHCDR3を含む可変抗体重鎖アミノ酸配列;
(f)配列番号79のLCDR1、配列番号12のLCDR2、及び配列番号78のLCDR3を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列;並びに配列番号107のHCDR1、配列番号85のHCDR2、及び配列番号10のHCDR3を含む可変抗体重鎖アミノ酸配列;
(g)配列番号79のLCDR1、配列番号80のLCDR2、及び配列番号78のLCDR3を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列;並びに配列番号107のHCDR1、配列番号85のHCDR2、及び配列番号10のHCDR3を含む可変抗体重鎖アミノ酸配列;
(h)配列番号81のLCDR1、配列番号80のLCDR2、及び配列番号78のLCDR3を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列;並びに配列番号107のHCDR1、配列番号85のHCDR2、及び配列番号10のHCDR3を含む可変抗体重鎖アミノ酸配列;並びに
(i)配列番号82のLCDR1、配列番号80のLCDR2、及び配列番号78のLCDR3を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列;並びに配列番号107のHCDR1、配列番号85のHCDR2、及び配列番号10のHCDR3を含む抗体可変重鎖アミノ酸配列、を含む群から選択される、ヒト抗体又はその抗原結合断片。 - ヒトIL-13に結合するヒト抗体又はその抗原結合断片であって、アミノ酸配列が、
(a)配列番号86を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列及び配列番号87を含む抗体可変重鎖アミノ酸配列;
(b)配列番号88を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列及び配列番号89を含む抗体可変重鎖アミノ酸配列;
(c)配列番号90を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列及び配列番号91を含む抗体可変重鎖アミノ酸配列;
(d)配列番号92を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列及び配列番号93を含む抗体可変重鎖アミノ酸配列;
(e)配列番号94を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列及び配列番号95を含む抗体可変重鎖アミノ酸配列;
(f)配列番号96を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列及び配列番号97を含む抗体可変重鎖アミノ酸配列;
(g)配列番号98を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列及び配列番号99を含む抗体可変重鎖アミノ酸配列;
(h)配列番号100を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列及び配列番号101を含む抗体可変重鎖アミノ酸配列;
(i)配列番号102を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列及び配列番号103を含む抗体可変重鎖アミノ酸配列;並びに
(j)配列番号104を含む抗体可変軽鎖アミノ酸配列及び配列番号105を含む抗体可変重鎖アミノ酸配列、を含む群から選択される可変軽鎖領域及び可変重鎖領域を含む、ヒト抗体又はその抗原結合断片。 - ヒトIL-13に結合するヒト抗体又はその抗原結合断片であって、アミノ酸配列が、
(a)配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号33、配列番号35、配列番号37;配列番号39、配列番号41;配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、及び配列番号73を含む群から選択される軽鎖、並びに
(b)配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号32、配列番号34、配列番号36;配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、及び配列番号72を含む群から選択される重鎖を含む、ヒト抗体又はその抗原結合断片。 - 請求項1~14、20、25~27のいずれか一項に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖及び重鎖を含む、抗体。
- 請求項1~14のいずれか一項に記載の抗体又はその抗体断片をコードする、核酸配列。
- 請求項15、20、25~27のいずれか一項に記載の抗体又はその抗体断片をコードする核酸配列を含む、ベクター。
- 請求項16に記載のベクターを含む、宿主細胞。
- 前記宿主細胞が、CHO細胞又はSp2/0細胞である、請求項17に記載の宿主細胞。
- 前記宿主細胞が、CHO細胞である、請求項18に記載の宿主細胞。
- 請求項18~19のいずれか一項に記載の宿主細胞によって産生される、抗体又は抗体断片。
- 請求項20に記載の抗体又は抗体断片を含む、医薬組成物。
- 請求項17~19のいずれか一項に記載の宿主細胞を培養することにより、抗体又はその断片を生成する方法。
- COPD、肺気腫、喘息、又はアトピー性皮膚炎に罹患している患者を、有効量の請求項20に記載の抗体又はその断片を前記患者に投与することにより処置する方法。
- COPD、肺気腫、喘息、又はアトピー性皮膚炎に罹患している患者を、有効量の請求項21に記載の医薬組成物を前記患者に投与することにより処置する方法。
- 半減期延長突然変異が存在する、請求項20に記載の抗体。
- 前記半減期延長突然変異が、Fc内のEu位置M252Y、S254T、及びT256Eにおける突然変異である、請求項25に記載の抗体。
- 前記半減期延長突然変異が、Fc内のEu位置S583Kにおける補体六量体妨害突然変異である、請求項25に記載の抗体。
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