JP2022541630A - 7-クロロ-2-(4-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)シクロヘキシル)-2,4-ジメチル-N-((6-メチル-4-(メチルチオ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-カルボキサミドの結晶形態 - Google Patents

7-クロロ-2-(4-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)シクロヘキシル)-2,4-ジメチル-N-((6-メチル-4-(メチルチオ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-カルボキサミドの結晶形態 Download PDF

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Abstract

本開示は、ヒストンメチル修飾酵素の活性の調節物質として有用な、7-クロロ-2-(4-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)シクロヘキシル)-2,4-ジメチル-N-((6-メチル-4-(メチルチオ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-カルボキサミドの結晶形態1に関する。本開示はまた、この結晶形態を含む薬学的に許容される組成物、およびその組成物を様々な障害の治療に使用する方法を提供する。【選択図】なし

Description

関連出願
本出願は、2019年7月24日に出願された米国仮出願第62/878,012号に対する優先権を主張し、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
真核生物のクロマチンは、ヌクレオソームと呼ばれる高分子複合体で構成されている。ヌクレオソームは、ヒストンタンパク質H2A、H2B、H3、およびH4の各々の2つのサブユニットを有するタンパク質八量体の周りを包む147個の塩基対のDNAを有する。ヒストンタンパク質は翻訳後修飾を受け、次にクロマチン構造および遺伝子発現に影響を与える。ヒストンに見られる翻訳後修飾の1つの種類は、リジンおよびアルギニン残基のメチル化である。ヒストンのメチル化は、真核生物の遺伝子発現の制御に重要な役割を果たしている。メチル化はクロマチン構造に影響を与え、転写の活性化と抑制との両方に関連している(Zhang and Reinberg,Genes Dev.15:2343-2360,2001)。ヒストンからのメチル基の結合および除去を触媒する酵素は、遺伝子サイレンシング、胚出現、細胞増殖、および他のプロセスに関与している。
ヒストンメチラーゼの1つの種類は、約130個のアミノ酸を含むSuppressor of Variegation Enhancer of Zeste Trithorax(SET)ドメインの存在を特徴とする。Enhancer of Zeste Homolog 2(EZH2)は、ヒトSETドメインを含有するメチラーゼの一例である。EZH2は、EED(Embryonic Ectoderm Development)およびSUZ12(suppressor of zeste 12 homolog)と会合して、リジン27でヒストンH3をトリメチル化する能力を有するPRC2(Polycomb GroupRepressive Complex 2)として知られる複合体を形成する(Cao and Zhang,Mol.Cell 15:57-67,2004)。PRC2複合体はまた、RBAP46サブユニットおよびRBAP48サブユニットを含み得る。別の例は、関連するメチラーゼEZH1である。
多くの研究によって、EZH2の発がん活性が示されている。細胞株実験では、EZH2の過剰発現は、細胞浸潤、軟寒天での成長、および運動性を誘発し、一方で、EZH2のノックダウンは、細胞増殖および細胞浸潤を阻害する(Kleer et al.,2003,Proc.Nat.Acad.Sci.USA 100:11606-11611、Varambally et al.,(2002),“The polycomb group protein EZH2 is involved in progression of prostate cancer,”Nature 419,624-629)。EZH2は、とりわけE-カドヘリン、DAB2IP、およびRUNX3を含むいくつかの腫瘍抑制因子の発現を抑制することが示されている。異種移植モデルでは、EZH2のノックダウンは、腫瘍成長および転移を抑制する。近年、マウスモデルにおけるEZH2の下方調節が、前立腺がんの転移を阻止することが示されている(Min et al.,“An oncogene-tumor suppressor cascade drives metastatic prostate cancer by coordinately activating Ras and nuclear factor-kappaB,”Nat Med.2010 Mar;16(3):286-94)。EZH2の過剰発現は、乳がんなどの特定のがんの攻撃性に関連する(Kleer et al.,Proc.Nat.Acad.Sci.USA 100:11606-11611,2003)。最近の研究はまた、前立腺がん特異的発がん性融合遺伝子TMPRSS2-ERGが、EZH2の直接的な活性化を介して抑制的なエピジェネティクス的プログラムを誘発することを示唆している(Yu et al.,“An Integrated Network of Androgen Receptor,Polycomb,and TMPRSS2-ERG Gene Fusions in Prostate Cancer Progression,”Cancer Cell.2010 May 18;17(5):443-454)。
化合物1である7-クロロ-2-(4-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)シクロヘキシル)-2,4-ジメチル-N-((6-メチル-4-(メチルチオ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-カルボキサミドは、例えば、がんなどの増殖性障害の治療において、メチル修飾酵素に関連する様々な状態を治療するための大きな治療的可能性を示す、EZH2の小分子阻害剤である。化合物1は、米国仮出願第62/659,408号に例示されており、その内容は参照により本明細書に組み込まれ、以下の構造を有する:
Figure 2022541630000001
化合物1の代替形態の開発は、EZH2の阻害に応答する疾患または障害の治療をさらに行うための魅力的な領域を表す。
本明細書では、化合物1の結晶形態が提供される。
開示される化合物1の結晶形態のうちの1つ以上を含む薬学的組成物も本明細書で提供される。
EZH2の阻害に応答する疾患または障害、例えば、がんの治療における、開示される化合物1の結晶形態のうちの1つ以上の使用がさらに提供される。
化合物1の結晶形態1についてのX線粉末回折パターン(XRPD)を示す。 化合物1の形態1についての例示的な示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示す。 化合物1の結晶形態2についてのX線粉末回折パターン(XRPD)を示す。 化合物1の形態2についての熱重量分析(TGA)サーモグラムおよび示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムの組み合わせを示す。 化合物1の結晶形態3についてのX線粉末回折パターン(XRPD)を示す。 化合物1の形態3についての熱重量分析(TGA)サーモグラムおよび示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムの組み合わせを示す。 米国仮出願第62/659,408号の実施例17に示される手順から調製されるような、化合物1の非晶質形態についてのX線粉末回折パターン(XRPD)を示す。
定義
本明細書で使用される場合、「結晶」は、原子の位置に長い範囲の原子秩序が存在する化合物の固体形態を指す。固体の結晶性質は、例えば、X線粉末回折パターンの検査によって確認することができる。
特に明記しない限り、化合物1の結晶形態(形態1、形態2、および形態3)は、各々が単結晶形態である。「単結晶形態」とは、列挙されている化合物、すなわち、化合物1が、単結晶または各結晶が同じ結晶形(例えば、形態1、2、または3)を有する複数の結晶として存在することを意味する。特定の結晶形態の重量パーセントは、特定の結晶形態の重量を、特定の結晶の合計重量と、存在する他の結晶形態の重量と、存在する非晶質形態の重量とを足したもので割り算し、これに100%を掛け算することによって計算される。
「形態1」、「結晶形態1」、または「単結晶形態1」は、互換的に使用される。「形態2」、「結晶形態2」、または「単結晶形態2」は、互換的に使用される。「形態3」、「結晶形態3」、または「単結晶形態3」は、互換的に使用される。
化学純度とは、開示される形態が異なる化学構造を有する物質を含まない程度を指す。開示される結晶形態中の化合物の化学純度は、その化合物の重量を、その化合物と異なる化学構造を有する物質/不純物との重量の合計で割り算し、これに100%(すなわち、重量パーセント)を掛け算することを意味する。
「非晶質」という用語は、非結晶状態または非結晶形態で存在する固体を指す。非晶質固体は、分子の無秩序な配置であり、したがって、区別可能な結晶格子または単位セルを有さず、したがって、定義可能な長い範囲の秩序を有していない。固体の固体状態の秩序は、当技術分野で既知の標準的な技術、例えば、X線粉末回折(XRPD)または示差走査熱量測定(DSC)によって決定され得る。
「無水」および「無水物」という用語は、互換的に使用され、参照される結晶形態が結晶格子内に実質的に水を有しないことを意味し、例えば、カール・フィッシャー分析によって決定される場合、1重量%未満である。
本明細書に記載の結晶形態についてのX線粉末回折パターンの2θ値は、温度変動、試料の変位、および内部標準の有無などの因子に起因する試料調製中の変動およびバッチごとの変動にも応じて、機器によってわずかに変動し得る。したがって、別段定義されない限り、本明細書に列挙されるXRPDパターン/割り当ては、絶対的であると解釈されるべきではなく、±0.2度ほど変動し得る。この変動性が、結晶形態の明確な識別を妨げることなく、上述の因子を説明することは、当技術分野で周知である。特に明記しない限り、本明細書で提供される2θ値は、Cu Kα1放射線を用いて得られた。
例えば、本明細書におけるDSCピークの温度値は、機器ごとに、また試料調製中の変動、バッチごとの変動、および環境因子にも応じて、わずかに変化し得る。したがって、別段定義されない限り、本明細書に列挙される温度値は、絶対値として解釈されるべきではなく、±5度または±2度ほど変動し得る。
「実質的に同一のXRPDパターン」または定義された図「に実質的に類似するX線粉末回折パターン」は、比較目的のために、示されるピークの少なくとも90%が存在することを意味する。比較目的のために、±0.2度など、示されているものからのピーク強度のある程度の変動が許容されることをさらに理解されたい。
試料中の別の結晶形態に対する1つの結晶形態の量は、既知の重量比で2つの結晶形態の一連の混合物を調製し、各々についてXRPDスペクトルを得ることによって評価することができる。例えば、試料中の結晶形態1および形態2の相対量は、図1および図3にそれぞれ示される結晶形態1および形態2の1つ以上の特徴的なピークを選択し、試料XRPD中のそれらの相対強度を混合物XRPD中のそれらの相対強度に相関させることによって評価することができる。
本明細書で使用される場合、「対象」および「患者」という用語は、互換的に使用されてもよく、治療を必要とする哺乳動物、例えば、コンパニオンアニマル(例えば、イヌ、ネコなど)、家畜(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギなど)、および実験動物(例えば、ラット、マウス、モルモットなど)を意味する。典型的には、対象は、治療を必要とするヒトである。
「薬学的に許容される担体」という用語は、担体ともに配合される化合物の薬理学的活性に悪影響を与えず、ヒトへの使用にも安全である、非毒性の担体、アジュバント、またはビヒクルを指す。本開示の組成物で使用され得る薬学的に許容される担体、アジュバント、またはビヒクルとしては、限定されないが、イオン交換剤、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、レシチン、ヒト血清アルブミンなどの血清タンパク質、リン酸塩などの緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩もしくは電解質、例えば、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二カルシウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン-酢酸ビニル、セルロース系物質(例えば、微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート)、デンプン、ラクトース一水和物、マンニトール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびクロスカルメロースナトリウム、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が挙げられる。
「治療」、「治療する」、および「治療すること」という用語は、本明細書に記載されるように、ある疾患もしくは障害、またはそれらの1つ以上の症状を回復させるか、緩和するか、その発生の可能性を減らすか、またはその進行を抑制することを指す。いくつかの実施形態において、治療は、1つ以上の症状が発生した後に行われてもよい(すなわち、治療的治療)。他の実施形態において、治療は、症状が存在しない状態で行われてもよい。例えば、治療は、症状の発症前に(例えば、症状の既往に照らして、および/または遺伝的もしくは他の感受性因子に照らして)、感受性のある個体に行われてもよい(すなわち、予防的治療)。症状が解消した後、例えば、その再発を予防するか、または遅らせるために、治療を継続することもできる。
「有効量」または「治療有効量」という用語は、対象の生物学的または医学的応答を誘導するであろう本明細書に記載の化合物の量、例えば、化合物1の0.001~100mg/体重kg/日の投薬量を含む。
例示的な形態
第1の態様において、本明細書では、以下の構造式を有する化合物の結晶形態1が提供される:
Figure 2022541630000002
第2の態様において、結晶形態1は、10.0°、13.3°、14.9°、20.2°、20.8°、22.2°、および22.5°から選択される2θ角での少なくとも3個のX線粉末回折ピークを特徴とする。代替的に、第2の態様の一部として、結晶形態1は、10.0°、13.3°、14.9°、20.2°、20.8°、22.2°、および22.5°から選択される2θ角での少なくとも4個のX線粉末回折ピークを特徴とする。別の代替例において、第2の態様の一部として、結晶形態1は、10.0°、13.3°、14.9°、20.2°、20.8°、22.2°、および22.5°から選択される2θ角での少なくとも5個のX線粉末回折ピークを特徴とする。別の代替例において、第2の態様の一部として、結晶形態1は、10.0°、13.3°、14.9°、20.2°、20.8°、22.2°、および22.5°から選択される2θ角での少なくとも6個のX線粉末回折ピークを特徴とする。別の代替例において、第2の態様の一部として、結晶形態1は、10.0°、13.3°、14.9°、20.2°、20.8°、22.2°、および22.5°から選択される2θ角でのX線粉末回折ピークを特徴とする。別の代替例において、第2の態様の一部として、結晶形態1は、10.0°、10.2°、12.3°、12.7°、13.3°、14.9°、15.3°、20.2°、20.8°、21.3°、22.2°、22.5°、および23.8°から選択される2θ角でのX線粉末回折ピークを特徴とする。別の代替例において、第2の態様の一部として、結晶形態1は、10.0°、10.2°、11.0°、11.4°、11.8°、12.3°、12.7°、13.3°、14.9°、15.3°、16.1°、17.4°、20.2°、20.8°、21.3°、22.2°、22.5°、および23.8°から選択される2θ角でのX線粉末回折ピークを特徴とする。別の代替例において、第2の態様の一部として、結晶形態1は、14.9°、20.2°、および20.8°から選択される2θ角でのX線粉末回折ピークを特徴とする。別の代替例において、第2の態様の一部として、結晶形態1は、10.0°、14.9°、20.2°、および20.8°から選択される2θ角でのX線粉末回折ピークを特徴とする。別の代替例において、第2の態様の一部として、結晶形態1は、10.0°、14.9°、20.2°、20.8°、および22.2°から選択される2θ角でのX線粉末回折ピークを特徴とする。別の代替例において、第2の態様の一部として、結晶形態1は、10.0°、13.3°、14.9°、20.2°、20.8°、および22.2°から選択される2θ角でのX線粉末回折ピークを特徴とする。別の代替例において、第2の態様の一部として、結晶形態1は、図1に実質的に類似するXRPD(X線粉末回折)を特徴とする。
第3の態様において、結晶形態1は、179.5℃(開始温度)に鋭い吸熱を有する示差走査熱量測定(DSC)、または36℃~179℃で1.0%の重量減少の熱重量分析(TGA)、またはその両方を特徴とし、結晶形態1は、第2の態様に記載されるもののいずれかから選択される2θ角でのXRPDピークも含んでいてもよい。他の態様において、結晶形態1は、図2に実質的に類似する示差走査熱量測定(DSC)を特徴とし、結晶形態1は、第2の態様に記載されるもののいずれかから選択される2θ角でのXRPDピークも含んでいてもよい。
第4の態様において、結晶形態1は、無水であり、結晶形態1は、第2の態様に記載されるもののいずれかから選択される2θ角でのXRPDピーク、および/または第3の態様で引用されるTGAもしくはDSC値または図も含んでいてもよい。
第5の態様において、本明細書に記載の結晶形態1(例えば、第1、第2、第3、または第4の態様のような)は、少なくとも60重量%が単結晶形態、少なくとも70重量%が単結晶形態、少なくとも80重量%が単結晶形態、少なくとも90重量%が単結晶形態、少なくとも95重量%が単結晶形態、または少なくとも99重量%が単結晶形態である。
第6の態様において、本明細書に記載の結晶形態1(例えば、第1、第2、第3、第4、または第5の態様のような)は、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、または少なくとも99重量%の化学純度を有する。
第7の態様において、以下の構造式を有する化合物の結晶形態2が提供される:
Figure 2022541630000003
第8の態様において、結晶形態2は、図3に実質的に類似するXRPD(X線粉末回折)を特徴とする。
第9の態様において、結晶形態2は、46℃~114℃で3.48%の重量減少および114℃~156℃で0.97%の重量減少の熱重量分析(TGA)、または34.2℃および122.6℃(開始温度)に2つの吸熱を有する示差走査熱量測定(DSC)、またはその両方を特徴とし、結晶形態2は、図3に実質的に類似する2θ角でのXRPDピークも含んでいてもよい。代替的に、第9の態様の一部として、結晶形態2は、図4に実質的に類似する熱重量分析(TGA)または示差走査熱量測定(DSC)を特徴とし、結晶形態2は、図3に実質的に類似する2θ角でのXRPDピークも含んでいてもよい。
第10の態様において、本明細書に記載の結晶形態2(例えば、第7、第8、または第9の態様のような)は、少なくとも60重量%が単結晶形態、少なくとも70重量%が単結晶形態、少なくとも80重量%が単結晶形態、少なくとも90重量%が単結晶形態、少なくとも95重量%が単結晶形態、または少なくとも99重量%が単結晶形態である。
第11の態様において、本明細書に記載の結晶形態2(例えば、第7、第8、第9、または第10の態様のような)は、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、または少なくとも99重量%の化学純度を有する。
第12の態様において、以下の構造式を有する化合物の結晶形態3が提供される:
Figure 2022541630000004
第13の態様において、結晶形態3は、図5に実質的に類似するXRPD(X線粉末回折)を特徴とする。
第14の態様において、結晶形態3は、43℃~143℃で5.93%の重量減少の熱重量分析(TGA)、または34.5℃および107.0℃(開始温度)に2つの吸熱と249.0℃(開始温度)に1つの発熱を有する示差走査熱量測定(DSC)、またはその両方を特徴とし、結晶形態3は、図5に実質的に類似する2θ角でのXRPDピークも含んでいてもよい。代替的に、第14の態様の一部として、結晶形態3は、図6に実質的に類似する熱重量分析(TGA)または示差走査熱量測定(DSC)を特徴とし、結晶形態3は、図5に実質的に類似する2θ角でのXRPDピークも含んでいてもよい。
第15の態様において、本明細書に記載の結晶形態3(例えば、第12、第13、または第14の態様のような)は、少なくとも60重量%が単結晶形態、少なくとも70重量%が単結晶形態、少なくとも80重量%が単結晶形態、少なくとも90重量%が単結晶形態、少なくとも95重量%が単結晶形態、または少なくとも99重量%が単結晶形態である。
第16の態様において、本明細書に記載の結晶形態3(例えば、第12、第13、第14、または第15の態様のような)は、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、または少なくとも99重量%の化学純度を有する。
第17の態様において、本明細書に記載の結晶形態1(例えば、第1、第2、第3、第4、もしくは第5の態様のような)、本明細書に記載の結晶形態2(例えば、第7、第8、第9、第10、もしくは第11の態様のような)、または結晶形態3(例えば、第12、第13、第14、第15、もしくは第16の態様のような)は、以下の構造式によって表される:
Figure 2022541630000005
代替的に、第17の態様の一部として、本明細書に記載の結晶形態1(例えば、第1、第2、第3、第4、または第5の態様のような)、本明細書に記載の結晶形態2(例えば、第7、第8、第9、第10、もしくは第11の態様のような)、または結晶形態3(例えば、第12、第13、第14、第15、または第16の態様のような)は、以下の構造式によって表される:
Figure 2022541630000006
代替的に、第17の態様の一部として、本明細書に記載の結晶形態1(例えば、第1、第2、第3、第4、または第5の態様のような)、本明細書に記載の結晶形態2(例えば、第7、第8、第9、第10、もしくは第11の態様のような)、または結晶形態3(例えば、第12、第13、第14、第15、または第16の態様のような)は、以下の構造式によって表され、
Figure 2022541630000007
(2R)-7-クロロ-2-(trans-4-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)シクロヘキシル)-2,4-ジメチル-N-((6-メチル-4-(メチルチオ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-カルボキサミドの化学名を有する。
使用、製剤化、および投与
本明細書に記載の結晶形態およびその組成物は、EZH2の阻害に応答する疾患または障害の治療に有用である。かかる疾患および障害には、細胞増殖に関連するものが含まれる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の結晶形態およびその組成物は、細胞周期またはDNA修復の誤制御に関連する疾患および/または障害の治療に有用である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の結晶形態およびその組成物は、がんの治療に有用である。がんの例示的な種類としては、例えば、副腎がん、腺房細胞がん腫、聴神経腫、末端性黒子性黒色腫、先端汗腺腫、急性好酸球性白血病、急性赤白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性巨核芽球性白血病、急性単球性白血病、急性前骨髄球性白血病、腺がん、腺様嚢胞がん、腺腫、腺腫様歯原性腫瘍、腺扁平上皮がん腫、脂肪組織新生物、副腎皮質がん腫、成人T細胞白血病/リンパ腫、アグレッシブNK細胞白血病、AIDS関連リンパ腫、肺胞横紋筋肉腫、胞巣状軟部肉腫、エナメル上皮線維腫、未分化大細胞型リンパ腫、未分化甲状腺がん、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、血管筋脂肪腫、血管肉腫、星細胞腫、非定型奇形腫様ラブドイド腫瘍、B細胞慢性リンパ性白血病、B細胞前リンパ球性白血病、B細胞リンパ腫、基底細胞がん腫、胆道がん、膀胱がん、芽細胞腫、骨がん、ブレンナー腫瘍、ブラウン腫瘍、バーキットリンパ腫、乳がん、脳がん、がん腫、非浸潤性がん腫、がん肉腫、軟骨腫瘍、セメントーマ、骨髄肉腫、軟骨腫、コルドーマ、絨毛がん腫、脈絡叢乳頭腫、腎臓の明細胞肉腫、頭蓋咽頭腫、皮膚T細胞性リンパ腫、子宮頸がん、結腸直腸がん、デゴス病、線維形成性小円形細胞腫瘍、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、胚芽異形成性神経上皮腫瘍、未分化胚細胞腫、胎児性がん腫、内分泌腺新生物、内胚葉洞腫瘍、腸疾患関連T細胞リンパ腫、食道がん、封入胎児、線維腫、線維肉腫、濾胞性リンパ腫、甲状腺濾胞がん、神経節細胞腫、胃腸がん、胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛がん腫、巨細胞線維芽腫、骨の巨細胞腫瘍、グリア腫瘍、多形性膠芽細胞腫、グリオーマ、大脳神経膠腫症、グルカゴノーマ、性腺芽細胞腫、顆粒膜細胞腫瘍、男性胚細胞腫、胆嚢がん、胃がん、有毛細胞白血病、血管芽腫、頭頸部がん、血管周皮腫、血液悪性腫瘍、肝芽腫、肝脾T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、浸潤性小葉がん腫、腸がん、腎臓がん、喉頭がん、悪性黒子、致死性正中がん腫、白血病、ライディッヒ細胞腫瘍、脂肪肉腫、肺がん、リンパ管腫、リンパ管肉腫、リンパ上皮腫、リンパ腫、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、肝臓がん、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、MALTリンパ腫、悪性線維性組織球腫、悪性末梢神経鞘腫瘍、悪性トリトン腫瘍、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯B細胞リンパ腫、マスト細胞白血病、縦隔胚細胞腫瘍、乳房の髄様がん腫、甲状腺髄様がん、髄芽腫、黒色腫、髄膜腫、メルケル細胞がん、中皮腫、転移性尿路上皮がん腫、ミュラー管混合腫瘍、粘液性腫瘍、多発性骨髄腫、筋肉組織新生物、菌状息肉症、粘液型脂肪肉腫、粘液腫、粘液肉腫、鼻咽腔がん腫、神経鞘腫、神経芽腫、神経線維腫、神経腫、結節型黒色腫、眼がん、乏突起星細胞腫、乏突起膠腫、オンコサイトーマ、視神経鞘髄膜腫、視神経腫瘍、口腔がん、骨肉腫、卵巣がん、パンコースト腫瘍、甲状腺乳頭がん、傍神経節腫、松果体芽腫、松果体細胞腫、下垂体細胞腫、下垂体腺腫、下垂体腫瘍、形質細胞腫、多胚腫、前駆Tリンパ芽球性リンパ腫、原発性中枢神経系リンパ腫、原発性滲出性リンパ腫、原発性腹膜がん、前立腺がん、膵臓がん、咽頭がん、腹膜偽粘液腫、腎臓細胞がん腫、腎髄様がん腫、網膜芽腫、横紋筋腫、横紋筋肉腫、リヒタートランスフォーメーション、直腸がん、肉腫、神経鞘腫症、セミノーマ、セルトリ細胞腫瘍、性索性腺間質腫瘍、印環細胞がん腫、皮膚がん、スモールブルーラウンドセル腫瘍、小細胞がん腫、軟部肉腫、ソマトスタチノーマ、煤煙性イボ、脊髄腫瘍、脾辺縁帯リンパ腫、扁平上皮がん腫、滑膜肉腫、セザリー病、小腸がん、扁平上皮腫、胃がん、T細胞リンパ腫、精巣がん、莢膜細胞種、甲状腺がん、移行上皮がん腫、喉頭がん、尿膜管がん、泌尿生殖器がん、尿路上皮がん腫、ブドウ膜黒色腫、子宮がん、疣状がん腫、視覚路神経膠腫、外陰がん、膣がん、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、ワルチン腫瘍、およびウィルムス腫瘍が挙げられる。
一態様において、本明細書に記載の結晶形態およびその組成物によって治療されるがんは、乳がん、前立腺がん、結腸がん、腎細胞がん腫、多形性膠芽腫がん、膀胱がん、黒色腫、気管支がん、リンパ腫、肝臓がん、多発性骨髄腫、リンパ腫、卵巣がん、NSCL、膵臓がん、悪性ラブドイド腫瘍、滑膜肉腫、およびグリオーマから選択される。
本開示の別の態様は、本明細書の障害または疾患の治療に使用するための医薬の製造における本明細書に記載の結晶形態のうちの1つ以上の使用である。本開示の別の目的は、本明細書の障害または疾患の治療に使用するための本明細書に記載の結晶形態または組成物のうちの1つ以上である。
開示される結晶形態のうちの1つ以上と、薬学的に許容される担体と、を含む、薬学的組成物も提供される。
本明細書に記載の組成物は、経口的に、非経口的に、吸入スプレーにより、局所的に、直腸的に、経鼻的に、口腔的に、経膣的に、またはインプラントリザーバを介して投与することができる。本明細書で使用される「非経口」という用語は、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑膜内、胸骨内、くも膜下腔内、肝内、病巣内、および頭蓋内注射または注入技術を含む。
単一の剤形で組成物を生成するために担体材料と組み合わせてもよい提供される結晶形態の量は、治療される患者および特定の投与様式に応じて変化するであろう。提供される組成物は、阻害剤の0.001~100mg/kg体重/日の投薬量を、これらの組成物を受ける患者に投与することができるように製剤化してもよい。
任意の特定の患者用の特定の投薬量および治療計画は、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事、投与時間、排泄速度、薬物の組み合わせ、治療する医師の判断、および治療される特定の疾患の重症度を含む、多様な因子に依存することも理解されたい。組成物中の提供される結晶形態の量は、組成物中の特定の化合物にも依存するであろう。
例示
以下の実施例に示すように、結晶形態を、以下の一般的な手順に従って調製した。
非晶質化合物1の調製
化合物1の非晶質形態を、以下の手順を使用して、単一エナンチオマー、単一幾何異性体として調製した。この手順による非晶質生成物のXRPDパターンを図7に示す。
中間体1:7-クロロ-2,4-ジメチル-2-(4-オキソシクロヘキシル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-カルボン酸メチル
Figure 2022541630000008
ステップ1:5-クロロ-3,4-ジヒドロキシ-2-メチル安息香酸メチルの合成
3,4-ジヒドロキシ-2-メチル安息香酸メチル(5.11g、27.9mmol)のテトラヒドロフラン(199mL)溶液に、-20℃で塩化スルフリル(2.45mL、30.6mmol)を滴加した。反応混合物を-20℃で3時間撹拌し、次いで塩化アンモニウムの飽和水溶液(50mL)でクエンチした。所望の生成物を酢酸エチル(25mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(25mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮乾固させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン中0%~60%の勾配の酢酸エチル)によって精製して、表題化合物(4.117g、収率68%)をベージュ色の固体として得た。LCMS[M+H]m/z:計算値217.0、実測値217.1(Cl同位体パターン)。
ステップ2:7-クロロ-2,4-ジメチル-2-(4-オキソシクロヘキシル)-2H-1,3-ベンゾジオキソール-5-カルボン酸メチルの合成
5-クロロ-3,4-ジヒドロキシ-2-メチル安息香酸メチル(1.2g、5.53mmol)、トリルテニウムドデカカルボニル(176mg、276μmol)、およびトリフェニルホスフィン(145mg、553μmol)の混合物を真空下で脱気し、窒素でパージした(3サイクル)。トルエン(8.1mL)を添加し、反応混合物を加熱して30分間環流させた。次いで、4-エチニルシクロヘキサン-1-オン(1.34g、11.0mmol)のトルエン(17mL)溶液を滴加し、反応物を還流状態で23時間撹拌した。最後に、反応混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮乾固させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン中0~60%の勾配の酢酸エチル)によって精製して、表題化合物(1.327g、収率70%)を黄色の油状物として得た。LCMS[M+Na]m/z:計算値361.1、実測値361.1(Cl同位体パターン)。
ステップ3:(R)-7-クロロ-2,4-ジメチル-2-(4-オキソシクロヘキシル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-カルボン酸メチルと(S)-7-クロロ-2,4-ジメチル-2-(4-オキソシクロヘキシル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-カルボン酸メチルとの分離
7-クロロ-2,4-ジメチル-2-(4-オキソシクロヘキシル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-カルボン酸メチル(4.4g、13mmol)のラセミ混合物を分取SFC[カラム:Daicel chemical industriesのChiralPak AY(内径250mm×50mm、10μm)によって分割した。移動相A:CO/移動相B:メタノール中0.1%のNHOH。無勾配(85%の移動相Aおよび15%の移動相B)。流速:80mL/分。カラム温度:40℃]。中間体1(ピーク1)(不要なエナンチオマー/ディストマー):保持時間=6.2分。回収=1.4g、4.05mmol、収率31%、90%ee、純度98%(黄色の固体)。H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.48(s,1H),3.78(s,3H),2.44-2.36(m,2H),2.35-2.25(m,6H),2.19(tdd,J=2.8,5.6,13.1Hz,2H),1.70-1.57(m,5H)。中間体1(ピーク2)(所望のエナンチオマー/ユートマー):保持時間=7.0分。回収=1.1g、3.08mmol、収率23.75%、99%ee、純度95%(黄色の固体)。H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.49(s,1H),3.78(s,3H),2.44-2.36(m,2H),2.36-2.25(m,6H),2.20(tdd,J=2.8,5.6,13.1Hz,2H),1.72-1.59(m,5H)。SFC分析方法:[カラム:ChiralPak AY-3(内径150×4.6mm、3μm)。移動相A:CO/移動相B:iPrOH中0.05%のEtNH。勾配:5%から40%の移動相B(5.5分より長い)。流速:2.5mL/分。カラム温度:40℃]。中間体1(ピーク1-不要なエナンチオマー/ディストマー):保持時間=2.853分。中間体1(ピーク2-所望のエナンチオマー/ユートマー):保持時間=2.979分。
中間体2:7-クロロ-2-(4-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)シクロヘキシル)-2,4-ジメチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-カルボン酸
Figure 2022541630000009
ステップ1:7-クロロ-2-(4-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)シクロヘキシル)-2,4-ジメチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-カルボン酸メチルの合成
3-メトキシアゼチジン塩酸塩(8g、64.75mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(12mL、68.9mmol)のメタノール(30mL)溶液を室温で30分間撹拌した後、7-クロロ-2,4-ジメチル-2-(4-オキソシクロヘキシル)-1,3-ベンゾジオキソール-5-カルボン酸メチル(中間体1-ピーク2)(4.1g、12.10mmol)の別のテトラヒドロフラン(30mL)の溶液の溶液を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次に-70℃まで冷却した。水素化ホウ素リチウム(500mg、22.96mmol)を添加し、反応物を-70℃で30分間[または出発物質の完全な消費がTLC、酢酸エチル/メタノール5:1によって観察されるまで]撹拌した。次に、反応物の2つのバッチを合わせ、0℃の塩化アンモニウムの飽和水溶液(120mL)でクエンチし、所望の生成物をジクロロメタン(200mL×3)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮乾固させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン中0%から14%の勾配のメタノール)によって精製して、表題化合物(8.05g、67%収率、83%純度)を淡黄色の油状物として得た。分取薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:メタノール15:1)によって、試料(50mg)をさらに精製した。LCMS[M+H]m/z:計算値410.2、実測値410.1。H NMR(400MHz,メタノール-d)δ7.39(s,1H),3.95-3.91(m,1H),3.73(s,3H),3.59-3.51(m,2H),3.16(s,3H),2.97(br dd,J=6.4,8.0Hz,2H),2.26(s,3H),2.11-2.02(m,1H),1.91-1.73(m,5H),1.54(s,3H),1.22-1.12(m,2H),0.98-0.86(m,2H)。
ステップ2:7-クロロ-2-(4-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)シクロヘキシル)-2,4-ジメチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-カルボン酸の合成
7-クロロ-2-(4-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)シクロヘキシル)-2,4-ジメチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-カルボン酸メチル(4g、9.75mmol)のメタノール(48mL)溶液に、水酸化リチウム水和物(4.03g、96.06mmol)の水(12mL)溶液を添加した。反応物を70℃で2時間撹拌し、次いで2つのバッチを合わせ、減圧下で濃縮した。水(50mL)を添加し、0℃のクエン酸飽和水溶液でpHを6に調整した。所望の生成物を、ジクロロメタンとイソプロパノールとの3:1混合物(300mL×5)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮乾固させて、表題化合物(6.1g、粗生成物)をオフホワイト色の固体として得て、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。LCMS[M+H]m/z:計算値396.2、実測値396.1。H NMR(400MHz,メタノール-d)δ7.07(s,1H),4.05-4.10(m,2H),3.76-3.88(m,1H),3.67(br dd,J=10,3.6Hz,2H),3.22(s,3H),2.71-2.81(m,1H),2.19(s,3H),1.91-1.99(m,4H),1.75-1.85(m,1H),1.52(s,3H),1.18-1.28(m,2H),1.06-1.14(m,2H)。
非晶質化合物1
Figure 2022541630000010
7-クロロ-2-(4-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)シクロヘキシル)-2,4-ジメチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-カルボン酸(中間体2-単一エナンチオマーおよび幾何異性体)(5g、12.63mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(50mL)溶液に、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(5.7g、14.99mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(11mL、63.15mmol)を添加した。混合物を20℃で30分間撹拌した後、3-(アミノメチル)-6-メチル-4-(メチルチオ)ピリジン-2(1H)-オン塩酸塩(中間体1)(4.2g、19.03mmol)を添加した。反応混合物を室温でさらに1.5時間撹拌し、次いで濾過した。濾液を分取HPLC[カラム:Phenomenex Gemini C18(250mm×50mm、10μm)、移動相A:水(0.04%の水酸化アンモニウム v/vおよび10mMの炭酸水素アンモニウム)/移動相B:アセトニトリル。勾配(75%から44%の移動相A/25%から56%の移動相B、23分より長い)。カラム温度:30℃]によって精製して、表題化合物(4.4g、収率60%、純度96%)を白色の固体として得た。LCMS[M+H]m/z:計算値562.2、実測値562.2。H NMR(400MHz,メタノール-d)δ6.91(s,1H),6.29(s,1H),4.50(s,2H),4.01(六重線,J=6Hz,1H),3.58(dd,J=8.8,6.4Hz,2H),3.26(s,3H),2.92-3.02(m,2H),2.54(s,3H),2.31(s,3H),2.21(s,3H),2.01-2.11(m,1H),1.79-2.00(m,5H),1.62(s,3H),1.19-1.34(m,2H),0.91-1.08(m,2H)。この手順による非晶質生成物のXRPDパターンを図7に示す。
略語の一覧
Figure 2022541630000011
Figure 2022541630000012
1.機器および方法論の詳細
X線粉末回折(XRPD):
XRPDディフラクトグラムを、以下に詳述するように、Bruker AXS C2 GADDS、Bruker AXS D8 Advance、またはPANalytical Empyreanで収集した。
Bruker AXS C2 GADDS
Bruker AXS C2 GADDS回折計を使用したXRPDは、Cu Kα放射線(40kV、40mA)、自動XYZステージ、自動試料位置決め用レーザービデオ顕微鏡、およびVantec-500 2次元面積検出器を使用して実施した。X線光学装置は、0.3mmのピンホールコリメータと結合した単一のGobel多層ミラーで構成されていた。ビーム発散、すなわち試料上のX線ビームの有効サイズは、およそ4mmであった。θ-θ連続スキャンモードを、試料-検出器間距離20cmで使用し、有効な2θ範囲を1.5°~32.5°とした。典型的には、試料をX線ビームに120秒間曝露した。データ収集および分析に使用したソフトウェアは、それぞれWin7/XPのためのGADDSおよびDiffrac Plus EVAであった。周囲条件下で実施した試料を、粉砕せずに受け取ったままの粉末を使用して、平板標本として調製した。試料を調製し、スライドガラスまたはガラスフリットのいずれかで分析した。試料をスライドガラス上に軽く押し付け、分析のための平坦な表面を得た。ガラスフリットフィルターブロックを使用して、光真空下で濾過する前に少量の懸濁液をガラスフリットに直接添加することによって、懸濁液から固体を単離し、分析した。温度可変(VT)実験のために、試料を周囲条件下でAnton Paar DHS 900ホットステージに取り付けた。次いで、試料を10℃/分で適切な温度に加熱し、その後、データ収集を開始する前に1分間等温保持した。熱伝導性化合物を使用して、ホットステージに取り付けられたシリコンウェハ上で試料を調製し、分析した。
Bruker AXS D8 Advance
Bruker D8回折計を使用したXRPDを、Cu Kα放射線(40kV、40mA)およびGeモノクロメータを装着したθ-2θゴニオメータを使用して行った。入射ビームは、2.0mmの発散スリット、続いて0.2mmの散乱防止スリットおよびナイフエッジを通過する。回折ビームは、2.5°Sollerスリットを備えた8.0mmの受信スリットを通過し、続いてLynxeye検出器を通過する。データ収集および分析に使用したソフトウェアは、それぞれDiffrac Plus XRD CommanderおよびDiffrac Plus EVAであった。受け取ったままの粉末を用いて、試料を平板標本として周囲条件下で実行した。試料を、平坦な表面に穏やかに押し付けることによって、研磨されたゼロバックグラウンド(510)シリコンウェハ上で調製したか、または切断した空洞に詰めた。試料を、試料自体の平面内で回転させた。
PANalytical Empyrean
PANalytical Empyrean回折計を使用したXRPDを、透過幾何学的にCu Kα放射線(45kV、40mA)を使用して実施した。入射ビームには、0.5°スリット、4mmマスク、および集束鏡を備えた0.04radのSollerスリットを使用した。回折ビーム上に配置されたPIXcel3D検出器には、受信スリットと0.04radのSollerスリットが取り付けられた。データ収集に使用されたソフトウェアは、X’Pert Operatorインターフェースを使用したX’Pert Data Collectorであった。Diffrac Plus EVAまたはHighScore Plusを使用して、データを分析し、提示した。試料を調製し、透過モードで金属またはMillipore 96ウェルプレートのいずれかで分析した。X線透過性フィルムを金属ウェルプレート上の金属シートの間で使用し、粉末(およそ1~2mg)を受け取ったまま使用した。Milliporeプレートを使用して、光真空下で濾過する前に少量の懸濁液をプレートに直接添加することによって、懸濁液から固体を単離し、分析した。
示差走査熱量測定(DSC):
DSCデータを、50個の位置のオートサンプラーを備えたTA Instruments Q2000で収集した。典型的には、ピンホール付きのアルミニウムパン中の0.5~3mgの各試料を、10℃/分で25℃から300℃まで加熱した。試料の上に、50ml/分の乾燥窒素をパージし続けた。温度調節DSCを、60秒(期間)ごとに、基礎となる2℃/分の加熱速度および±0.318℃(振幅)の温度調節パラメータを用いて実施した。機器制御ソフトウェアは、Advantage for Q SeriesおよびThermal Advantageであり、Universal AnalysisまたはTRIOSを使用してデータを分析した。
また、DSCデータを、50個の位置のオートサンプラーを備えたTA Instruments Discovery DSCで収集した。典型的には、ピンホール付きのアルミニウムパン中の0.5~3mgの各試料を、10℃/分で25℃から300℃まで加熱した。試料の上に、50ml/分の乾燥窒素をパージし続けた。機器制御ソフトウェアはTRIOSであり、TRIOSまたはUniversal Analysisを使用してデータを分析した。
熱重量分析(TGA)
TGAデータを、16個の位置のオートサンプラーを備えたTA Instruments Q500 TGAで収集した。典型的には、5~10mgの各試料を、あらかじめ風袋を計測したアルミニウムDSCパンに載せ、10℃/分で周囲温度から300℃まで加熱した。試料の上に、60ml/分の窒素をパージし続けた。機器制御ソフトウェアは、Advantage for Q SeriesおよびThermal Advantageであり、Universal AnalysisまたはTRIOSを使用してデータを分析した。
また、TGAデータを、25個の位置のオートサンプラーを備えたTA Instruments Discovery TGAで収集した。典型的には、5~10mgの各試料を、あらかじめ風袋を計測したアルミニウムDSCパンに載せ、10℃/分で周囲温度から300℃まで加熱した。試料の上に、25ml/分の窒素をパージし続けた。機器制御ソフトウェアはTRIOSであり、TRIOSまたはUniversal Analysisを使用してデータを分析した。
2.一般的な結晶化方法
結晶化のためのスクリーニング方法を、以下に記載する方法で概説する。
熟成/スラリー熟成
熟成チャンバにおいて:熟成のための懸濁液を、プラットフォームシェーカーインキュベーター(Heidolph Titramax/Incubator 1000、図2)に入れ、周囲温度からおよそ50℃までの一連の加熱-冷却サイクルを行った。このサイクルは、4時間ごとに加熱のオンオフを切り替えることによって達成された。全体を通じて、振とうを維持した。
Polar Bearにおいて:懸濁液を、Polar Bear(Cambridge Reactor Design)中で、50℃で様々な長さの時間撹拌した(500rpm)。次いで、試料を0.1℃/分で25℃に冷却し、さらに4時間撹拌した。この後、試料を再び0.1℃/分で50℃に加熱した。次いで、サイクルを繰り返した。
冷却結晶化
Polar Bearで溶液を0.1℃/分で5℃まで冷却し、この温度で様々な長さの時間撹拌した。すべての固体を濾過し、吸引下で10分間乾燥させ、最初にXRPDによって分析した。溶液を16時間かけて-20℃にさらに冷却し、次いで、任意の新しい固体を既に示したように処理した。残りの溶液を蒸発させた(以下の方法3を参照されたい)。
制御された蒸発
バイアルに入れられた溶液を、バイアルの蓋を取り外すか、またはバイアルのセプタムキャップに針を挿入することによって、周囲条件で蒸発させた。試料を、乾燥するまで、または固体が周囲条件で出現するまでゆっくりと蒸発させた。
貧溶媒添加による沈殿/結晶化
溶液を、濁りが出るまで、50℃で貧溶媒を滴加して処理した。次いで、試料を0.1℃/分で5℃に冷却し、等温に維持した。必要に応じて、追加の貧溶媒を懸濁液に添加した。固体を濾過し、吸引下で10分間乾燥させ、残渣を最初にXRPDによって分析した。
3.スクリーニング方法
95.2%の純度を有するもの(30mg)と、97.6%の純度を有するもの(20mg)の異なる純度を有する化合物1の試料の非晶質形態を、各々RTで、10~30体積の所与の溶媒に懸濁させるか、または溶解した。RTで5分間平衡化した後、すべての試料(溶液および懸濁液)を10分間で50℃になるまで加熱し、得られた試料を以下のように処理した。懸濁液を、60℃~5℃で72時間(各温度で4時間)熟成させた。溶液を、0.1℃/分で50℃から5℃まで冷却し、5℃で72時間維持した。固体が得られなかった場合、溶液をRTで蒸発させた。回収された固体はすべて、XRPD、続いて適切な技術によって分析された。スクリーニング手順と分析結果については、表1~3を参照のこと。
XRPD分析に基づいて、95.2%の純度を有する化合物1の非晶質形態を使用した多形スクリーニングにより、本明細書では形態1、形態2、および形態3として示される3つの結晶形態が得られた(表1および2)。形態1は、複数の溶媒系から得られた、最も量の多い形態であった。形態3は、溶媒2-ブタノールから一度だけ観察された。97.6%の純度を有する化合物1の非晶質形態を使用した多形スクリーニングにより、形態1および形態2が得られたが、形態3は得られなかった(表3)。形態1は、形態2よりも量が多かった。形態1~3の特性決定を以下に提示する。
Figure 2022541630000013
Figure 2022541630000014
Figure 2022541630000015
Figure 2022541630000016
4.新しい結晶形態の選択
形態3についてのXRPDが、結晶相が不十分であることがわかったため、形態1および2をさらなる分析のために選択した。形態1について、アセトンから得られた試料は、最も高い純度(97.4%)を有しており、微量の溶媒のみが含まれていた。形態1のスケールアップ実験を、以下に記載されるように従って実施した。形態2について、MEKから得られた試料は、より高い純度(97.2%)を有しており、少量の残留MEKのみが含まれていた。形態1のスケールアップ実験を、以下に記載されるように従って実施した。
結晶形態1および形態2のスケールアップ
アセトン中の形態1およびMEK中の形態2についてのスケールアップ実験を、各々以下の手順に従って行った。U.S.62/659,408の方法に従って調製した化合物1の非晶質形態(1g)を、2個の20mlのシンチレーション用バイアルに秤量し、撹拌しながら50℃で、20体積(20ml)のアセトンまたは20体積(20ml)のMEKのいずれかに溶解した。次いで、溶液を0.1℃/分で5℃まで冷却し、この温度で20時間保持した。両方の試料は、白色の懸濁液を形成し、これを濾過し、真空下でブフナー漏斗で乾燥させた。固体を1時間風乾させた後、多種多様な技術を使用して、両方のパターンの特性決定を行った(表4および5、ならびに図1~4にまとめている)。回収した固体から、収率も計算した。
形態1のスケールアップについて、固体試料は、XRPDによって結晶形態1であると確認された(表4および図1)。純度は、HPLCによって96.6%であることが決定された。この試料は、H NMRによれば、化合物1の参照物質の非晶質形態と一致し、試料中に少量の残留アセトン(0.04当量)が残っていた。熱分析は、1.0重量/重量%の小さな重量減少(0.32当量の水に相当する)を示しており、KFデータと一致していた。DSC分析は、179.5℃(開始)に鋭い吸熱を示した(図2)。GVS分析から、その物質がわずかに吸湿性であることがわかり、0% RH~90% RHで1.7重量/重量%の水が取り込まれた。試料は、GVS分析後に、または高RH条件で5日間保存した後、形態1のままであった。PLMおよびSEMによる形態1の形態は、小さな結晶性粒子の凝集体であった。これらの凝集体は、サイズおよび形状が変動してもよく(20~650μm)、結晶性粒子は、小さく、不規則である(最大20μm)。概して、形態1は、無水であると判定された。形態1の特性のまとめについては、表5も参照されたい。
形態2のスケールアップについて、固体試料は、XRPDによって結晶形態2であると確認された(図3)。しかしながら、さらなる特性決定により、形態2が、形態1よりも安定性の低い結晶形態であることが示唆された。例えば、その元々の結晶形態を保持する形態1とは異なり、XRPD分析から、形態2が、GVS分析後に、または高RH条件で5日間保存した後、非晶質になったことが示された。鋭い吸熱を示す形態1(図2)とは異なり、形態2は、DSC分析において、2つの吸熱事象を示した(図4)。形態2は、TGA分析において、形態1よりも高い全重量減少も示した。多形スクリーニング中、および競合スラリー実験の両方において、形態1は、形態2よりも頻繁に観察され、このことは、形態1が、形態2よりも安定であることをさらに裏付けている。
Figure 2022541630000017
Figure 2022541630000018
本開示のいくつかの実施形態を説明してきたが、本開示の化合物および方法を利用する他の実施形態を提供するために、本願発明者らの基本的な実施例が変更され得ることは明らかである。したがって、本開示の範囲は、例によって表された特定の実施形態によってではなく、添付の特許請求の範囲によって定義されることを理解されたい。
本出願全体で引用されるすべての参考文献(参考文献、発行された特許、公開特許出願、および同時係属中の特許出願を含む)の内容は、それらの全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。別段定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語には、当業者に一般的に知られる意味が付与される。

Claims (24)

  1. 以下の構造式を有する化合物の結晶形態1:
    Figure 2022541630000019
  2. 前記結晶形態が、10.0°、13.3°、14.9°、20.2°、20.8°、22.2°、および22.5°から選択される2θ角での少なくとも3個のX線粉末回折ピークを特徴とする、請求項1に記載の結晶形態1。
  3. 前記結晶形態が、10.0°、13.3°、14.9°、20.2°、20.8°、22.2°、および22.5°から選択される2θ角での少なくとも4個のX線粉末回折ピークを特徴とする、請求項1または2に記載の結晶形態1。
  4. 前記結晶形態が、10.0°、13.3°、14.9°、20.2°、20.8°、22.2°、および22.5°から選択される2θ角での少なくとも5個のX線粉末回折ピークを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の結晶形態1。
  5. 前記結晶形態が、10.0°、13.3°、14.9°、20.2°、20.8°、22.2°、および22.5°から選択される2θ角での少なくとも6個のX線粉末回折ピークを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の結晶形態1。
  6. 前記結晶形態が、10.0°、13.3°、14.9°、20.2°、20.8°、22.2°、および22.5°から選択される2θ角でのX線粉末回折ピークを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の結晶形態1。
  7. 前記結晶形態が、10.0°、10.2°、12.3°、12.7°、13.3°、14.9°、15.3°、20.2°、20.8°、21.3°、22.2°、22.5°、および23.8°から選択される2θ角でのX線粉末回折ピークを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の結晶形態1。
  8. 前記結晶形態が、10.0°、10.2°、11.0°、11.4°、11.8°、12.3°、12.7°、13.3°、14.9°、15.3°、16.1°、17.4°、20.2°、20.8°、21.3°、22.2°、22.5°、および23.8°から選択される2θ角でのX線粉末回折ピークを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の結晶形態1。
  9. 前記結晶形態が、図1に実質的に類似するXRPDを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の結晶形態1。
  10. 前記結晶形態が、14.9°、20.2°、および20.8°から選択される2θ角でのX線粉末回折ピークを特徴とする、請求項1に記載の結晶形態1。
  11. 前記結晶形態が、10.0°、14.9°、20.2°、および20.8°から選択される2θ角でのX線粉末回折ピークを特徴とする、請求項1または10に記載の結晶形態1。
  12. 前記結晶形態が、10.0°、14.9°、20.2°、20.8°、および22.2°から選択される2θ角でのX線粉末回折ピークを特徴とする、請求項1、10または11のいずれか一項に記載の結晶形態1。
  13. 前記結晶形態が、10.0°、13.3°、14.9°、20.2°、20.8°、および22.2°から選択される2θ角でのX線粉末回折ピークを特徴とする、請求項1または10~12のいずれか一項に記載の結晶形態1。
  14. 前記結晶形態が、無水である、請求項1~13のいずれか一項に記載の結晶形態1。
  15. 前記結晶形態1が、少なくとも90重量%が単結晶形態である、請求項1~14のいずれか一項に記載の結晶形態1。
  16. 前記結晶形態1が、少なくとも95重量%が単結晶形態である、請求項1~15のいずれか一項に記載の結晶形態1。
  17. 前記化合物が、少なくとも90重量%の化学純度を有する、請求項1~16のいずれか一項に記載の結晶形態1。
  18. 前記化合物が、少なくとも95重量%の化学純度を有する、請求項1~17のいずれか一項に記載の結晶形態1。
  19. 前記化合物が、少なくとも99重量%の化学純度を有する、請求項1~18のいずれか一項に記載の結晶形態1。
  20. 前記化合物が、以下の構造式を有する、請求項1~19のいずれか一項に記載の結晶形態1:
    Figure 2022541630000020
  21. 請求項1~20のいずれか一項に記載の結晶形態と、薬学的に許容される担体または希釈剤と、を含む、薬学的組成物。
  22. 細胞増殖に関連する疾患または障害を治療することを必要とする患者においてそれを行う方法であって、請求項1~20のいずれか一項に記載の結晶形態、または請求項21に記載の組成物を前記患者に投与するステップを含む、方法。
  23. 前記疾患が、がんである、請求項22に記載の方法。
  24. 前記がんが、乳がん、前立腺がん、結腸がん、腎細胞がん腫、多形性膠芽腫がん、膀胱がん、黒色腫、気管支がん、リンパ腫、肝臓がん、多発性骨髄腫、リンパ腫、卵巣がん、NSCL、膵臓がん、悪性ラブドイド腫瘍、滑膜肉腫、グリオーマから選択される、請求項23に記載の方法。
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