JP2022540825A - Mcl-1阻害剤としての大環状スピロ環誘導体 - Google Patents

Mcl-1阻害剤としての大環状スピロ環誘導体 Download PDF

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Abstract

本発明は、対象における治療及び/又は予防に有用な式(I)の医薬品、そのような化合物を含む医薬組成物、及び癌等の疾患の処置に有用な、MCL-1阻害剤としてのこれらの使用に関する。【化1】TIFF2022540825000125.tif60170

Description

本発明は、対象における治療及び/又は予防に有用な医薬品、そのような化合物を含む医薬組成物、及び癌等の疾患の処置又は予防に有用な、MCL-1阻害剤としてのこれらの使用に関する。
細胞アポトーシス又はプログラム細胞死は、造血系を含む多くの臓器の発達及び恒常性に不可欠である。アポトーシスは、死受容体により媒介される外因性経路を介して開始され得るか、又はB細胞リンパ腫(BCL-2)ファミリのタンパク質を使用する内因性経路により開始され得る。骨髄細胞白血病-1(MCL-1)は、細胞生存制御因子のBCL-2ファミリのメンバーであり、内在性アポトーシス経路の重要なメディエーターである。MCL-1は、細胞の生存の維持に関与する5種の主要な抗アポトーシスBCL-2タンパク質(MCL-1、BCL-2、BCL-XL、BCL-w、及びBFL1/A1)の内の1つである。MCL-1は、アポトーシス促進性BCL-2ファミリタンパク質Bak及びBaxの活性を継続的に及び直接的に抑制し、且つBim及びNoxa等のBH3単独アポトーシス増感タンパク質(BH3 only apoptotic sensitizer protein)を隔離することにより、アポトーシスを間接的にブロックする。様々な種類の細胞ストレス後のBak/Baxの活性化により、ミトコンドリア外膜上での凝集が起こり、この凝集により孔の形成が促進されてミトコンドリア外膜の電位が失われ、その後にシトクロムCが細胞質ゾル中に放出される。細胞質ゾルのシトクロムCはApaf-1に結合し、プロカスパーゼ9の動員を開始してアポトソーム構造を形成する(Cheng et al.eLife 2016;5:e17755)。アポトソームの構築により、実行者であるシステインプロテアーゼ3/7が活性化され、次いで、これらのエフェクターカスパーゼが様々な細胞質タンパク質及び核タンパク質を開裂して細胞死を誘発する(Julian et al.Cell Death and Differentiation 2017;24,1380-1389)。
アポトーシスの回避は、癌発症の確立された特徴であり、発癌性ストレス、成長因子の欠乏、又はDNA損傷に起因して、本来ならば除去されるはずの腫瘍細胞の生存を促進する(Hanahan and Weinberg.Cell 2011;1-44)。そのため、当然のことながら、MCL-1は、癌化していない正常な組織対応物と比較して、多くの固形癌及び血液癌で高度に上方制御されている。MCL-1の過剰発現は、いくつかの癌の病因に関与しており、予後不良、再発、及び侵攻性疾患と相関している。加えて、MCL-1の過剰発現は、下記の癌の病因に関与している:前立腺癌、肺癌、膵癌、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、メラノーマ、B細胞性慢性リンパ性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)、及び急性リンパ芽球性白血病(ALL)。ヒトMCL-1遺伝子座(1q21)は、腫瘍中で頻繁に増幅され、総MCL-1タンパク質レベルを定量的に上昇させる(Beroukhim et al.Nature 2010;463(7283)899-905)。MCL-1はまた、従来の癌治療薬に対する抵抗性も媒介し、BCL-2機能の阻害に反応して転写的に上方制御される(Yecies et al.Blood 2010;115(16)3304-3313)。
BCL-2の低分子BH3阻害剤は、慢性リンパ球性白血病の患者における臨床的有効性が実証されており、CLL又はAMLの患者に対してFDAにより承認されている(Roberts et al.NEJM 2016;374:311-322)。BCL-2拮抗作用の臨床的成功により、血液悪性腫瘍及び固形腫瘍の両方の前臨床モデルにおいて有効性を示すいくつかのMCL-1 BH3模倣物が開発されている(Kotschy et al.Nature 2016;538 477-486、Merino et al.Sci.Transl.Med;2017(9))。
MCL-1は、ミトコンドリアの完全性及びDNA損傷後の非相同末端結合等の細胞の生存の媒介での標準的な役割に加えて、いくつかの細胞プロセスを制御する(Chen et al.JCI 2018;128(1):500-516)。MCL-1の遺伝的喪失は、発生時期及び組織欠失に応じて様々な表現型を示す。MCL-1ノックアウトモデルにより、MCL-1には複数の役割が存在すること、及び機能喪失が多種多様な表現型に影響を及ぼすことが明らかになっている。包括的MCL-1欠損マウスは胚性致死を示し、条件付き遺伝子欠損を使用する研究により、ミトコンドリア機能障害、オートファジーの活性化障害、Bリンパ球及びTリンパ球の減少、B細胞アポトーシス及びT細胞アポトーシスの増加、並びに心不全/心筋症の発症が報告されている(Wang et al.Genes and Dev 2013;27 1351-1364、Steimer et al.Blood 2009;(113)2805-2815)。
国際公開第2018178226号パンフレットでは、MCL-1阻害剤及びその使用方法が開示されている。
国際公開第2017182625号パンフレットでは、癌を処置するための大環状MCL-1阻害剤が開示されている。
国際公開第2018178227号パンフレットでは、MCL-1阻害剤の合成が開示されている。
国際公開第2019046150号パンフレットでは、mcl-1タンパク質を阻害する大環状化合物が開示されている。
国際公開第2016033486号パンフレットでは、mcl-1タンパク質を阻害するテトラヒドロナフタレン誘導体が開示されている。
国際公開第2019036575号パンフレット、同第2017147410号パンフレット、及び同第2018183418号パンフレットでは、mcl-1タンパク質を阻害する化合物が開示されている。
国際公開第2019222112号パンフレットでは、癌を処置するためのMCL-1阻害剤が開示されている。
国際公開第2019046150号パンフレットでは、mcl-1タンパク質を阻害する大環状化合物が開示されている。
国際公開第2019036575号パンフレット、同第2017147410号パンフレット、及び同第2018183418号パンフレットでは、mcl-1タンパク質を阻害する化合物が開示されている。
国際公開第2020097577号パンフレットでは、骨髄細胞白血病-1(MCL-1)タンパク質の阻害剤としてのスピロ-スルホンアミド誘導体が開示されている。
前立腺癌、肺癌、膵癌、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、メラノーマ、B細胞性慢性リンパ性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)、及び急性リンパ芽球性白血病(ALL)等の癌の処置又は予防に有用なMCL-1阻害剤が依然として必要とされている。
本発明は、式(I):
Figure 2022540825000002

(式中、
は、水素;-CHOR;-CHF;又は-CHNRを表し;
1aは、水素;-CHOR;-CHF;又は-CHNRを表し;
は、水素;C1~4アルキル;Het;C1~4アルキルであって、-C(=O)-NR、-C(=O)-OR、C3~6シクロアルキル、Het、及びHetからなる群から選択される1個の置換基で置換されているC1~4アルキル;並びに
2~4アルキルであって、-(OCHCH-OCH、Het、及び-NRからなる群から選択される1個の置換基で置換されているC2~4アルキルからなる群から選択され;
及びRは、それぞれ独立して、水素、C1~4アルキル、及びC2~4アルキルであって、1個のHetで置換されているC2~4アルキルからなる群から選択されるか;
又はR及びRは、共に、これらが付着するN原子と一緒に、単環式の4~7員の完全飽和ヘテロシクリルであって、少なくとも1個のN原子を含み、任意選択的に、O、S、及びNから選択される1個の追加のヘテロ原子を含み、ここで、前記S原子は、S(=O)若しくはS(=O)を形成するために置換されている可能性がある、単環式の4~7員の完全飽和ヘテロシクリル;又は縮合二環式の6~11員の完全飽和ヘテロシクリルであって、少なくとも1個のN原子を含み、任意選択的に、O、S、及びNからそれぞれ独立して選択される1個若しくは2個の追加のヘテロ原子を含み、ここで、前記S原子は、S(=O)若しくはS(=O)を形成するために置換されている可能性がある、縮合二環式の6~11員の完全飽和ヘテロシクリルを形成し;
ここで、前記単環式又は縮合二環式のヘテロシクリルは、1個の窒素上において、1個のC1~4アルキルで任意選択的に置換され;
ここで、前記単環式又は縮合二環式のヘテロシクリルは、1個の炭素原子上において、1個又は2個の置換基であって、それぞれ独立して、C1~4アルキル、オキソ、及びハロからなる群から選択される置換基で任意選択的に置換され;
及びRは、それぞれ独立して、水素、C1~4アルキル、及びC2~4アルキルであって、1個のHetで置換されているC2~4アルキルからなる群から選択されるか、
又はR及びRは、共に、これらが付着するN原子と一緒に、単環式の4~7員の完全飽和ヘテロシクリルであって、少なくとも1個のN原子を含み、任意選択的に、O、S、及びNから選択される1個の追加のヘテロ原子を含み、ここで、前記S原子は、S(=O)若しくはS(=O)を形成するために置換されている可能性がある、単環式の4~7員の完全飽和ヘテロシクリル;又は縮合二環式の6~11員の完全飽和ヘテロシクリルであって、少なくとも1個のN原子を含み、任意選択的に、O、S、及びNからそれぞれ独立して選択される1個若しくは2個の追加のヘテロ原子を含み、ここで、前記S原子は、S(=O)若しくはS(=O)を形成するために置換されている可能性がある、縮合二環式の6~11員の完全飽和ヘテロシクリルを形成し;
ここで、前記単環式又は縮合二環式のヘテロシクリルは、1個の窒素上において、1個のC1~4アルキルで任意選択的に置換され;
ここで、前記単環式又は縮合二環式のヘテロシクリルは、1個の炭素原子上において、1個又は2個の置換基であって、それぞれ独立して、C1~4アルキル、オキソ、及びハロからなる群から選択される置換基で任意選択的に置換され;
は、水又はC1~4アルキルを表し;
は、水又はフルオロを表し;
Hetは、C結合型の5員又は6員の単環式芳香族ヘテロシクリルであって、O、S、及びNからそれぞれ独立して選択される1個、2個、又は3個のヘテロ原子を含むC結合型の5員又は6員の単環式芳香族ヘテロシクリルを表し、ここで、1個の炭素原子は、1個のC1~4アルキルで任意選択的に置換され;
Hetは、C結合型の4~7員の単環式完全飽和ヘテロシクリルであって、O、S、及びNからそれぞれ独立して選択される1個又は2個のヘテロ原子を含むC結合型の4~7員の単環式完全飽和ヘテロシクリルを表し;ここで、前記S原子は、S(=O)又はS(=O)を形成するために置換されている可能性があり;
Hetは、C結合型の5又は6員の単環式芳香族ヘテロシクリルであって、O、S、及びNからそれぞれ独立して選択される1個、2個、又は3個のヘテロ原子を含むC結合型の5員又は6員の単環式芳香族ヘテロシクリルを表し;ここで、1個の炭素原子は、1個のC1~4アルキルで任意選択的に置換され;
Hetは、N結合型の5員の単環式芳香族ヘテロシクリルであって、1個、2個、又は3個のN原子を含むN結合型の5員の単環式芳香族ヘテロシクリルを表し;ここで、1個の炭素原子は、1個のC1~4アルキルで任意選択的に置換され;
Hetは、4~7員の単環式完全飽和ヘテロシクリルであって、O、S、及びNからそれぞれ独立して選択される1個若しくは2個のヘテロ原子を含む4~7員の単環式完全飽和ヘテロシクリルを表し;ここで、前記S原子は、S(=O)又はS(=O)を形成するために置換されている可能性があり;
nは、1又は2であり;
mは、0、1、又は2であり;
Yは、O又はCHを表し;
は、CHを表し;
は、CHを表し;
は、CHを表す)
の新規の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。
本発明はまた、式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩又は溶媒和物の治療上有効な量と、薬学的に許容される担体又は希釈剤とを含む医薬組成物にも関する。
加えて、本発明は、薬剤としての使用のための式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩又は溶媒和物と、癌の処置又は予防での使用のための式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩又は溶媒和物とに関する。
特定の実施形態では、本発明は、癌の処置又は予防での使用のための式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩又は溶媒和物に関する。
本発明はまた、癌の処置又は予防での使用のための追加の治療薬との組み合わせでの式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩又は溶媒和物の使用にも関する。
さらに、本発明は、本発明に係る医薬組成物を調製する方法であって、薬学的に許容される担体と、式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩又は溶媒和物の治療上有効な量とを密接に混合することを特徴とする方法に関する。
本発明はまた、癌の処置又は予防での同時の、個別の、又は逐次の使用のための組み合わせ調製物としての、式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩又は溶媒和物と、追加の治療薬とを含む製品にも関する。
加えて、本発明は、対象における細胞増殖性疾患を処置するか又は予防する方法であって、前記対象に、本明細書で定義されている式(I)の化合物、その薬学的に許容される担体若しくは溶媒和物、又は本明細書で定義されている医薬組成物若しくは組み合わせの有効な量を投与することを含む方法に関する。
「ハロ」又は「ハロゲン」という用語は、本明細書で使用される場合、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素を表す。
「Cx~y」(式中、x及びyは整数である)という接頭辞は、本明細書で使用される場合、所与の基中の炭素原子の数を指す。そのため、C1~6アルキル基は、1~6個の炭素原子を含み、以下同様である。
「C1~4アルキル」という用語は、基としてか又は基の一部として本明細書で使用される場合、1~4個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の完全飽和炭化水素ラジカル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、及び同類のもの)を表す。
「C2~4アルキル」という用語は、基としてか又は基の一部として本明細書で使用される場合、2~4個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の完全飽和炭化水素ラジカル(例えば、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、s-ブチル、及びt-ブチル)を表す。
「C3~6シクロアルキル」という用語は、基としてか又は基の一部として本明細書で使用される場合、3~6個の炭素原子を有する飽和環状炭化水素ラジカル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシル)を定義する。
2個のR基であって、共に、これらが付着するN原子と一緒に、単環式の4~7員の完全飽和ヘテロシクリルであり、少なくとも1個のN原子を含み、任意選択的に、O、S、及びNから選択される1個の追加のヘテロ原子を含む単環式の4~7員の完全飽和ヘテロシクリルを形成する2個のR基の非限定的な例として、アゼチジニル、ピロリジニル、モルホリニル、及びピペリジニルが挙げられるが、これらに限定されない。当業者は、これらの例がN連結されることと理解するだろう。
縮合二環式基とは、2個の原子と、これらの原子間の結合とを共有する2個の環のことである。
2個のR基であって、共に、これらが付着するN原子と一緒に、縮合二環式の6~11員の完全飽和ヘテロシクリルであり、少なくとも1個のN原子を含み、任意選択的に、O、S、及びNからそれぞれ独立して選択される1個又は2個の追加のヘテロ原子を含む縮合二環式の6~11員の完全飽和ヘテロシクリルを形成する2個のR基の非限定的な例として、
Figure 2022540825000003

が挙げられるが、これらに限定されない。
「O、S、及びNからそれぞれ独立して選択される1個、2個、又は3個のヘテロ原子を含むC結合型の5員又は6員の単環式芳香族ヘテロシクリル」の非限定的な例として下記が挙げられるが、これらに限定されない:C結合型ピラゾリル、C結合型イミダゾリル、C結合型ピリジニル、C結合型トリアゾリル、C結合型ピリダジニル、C結合型ピリミジニル、C結合型オキサゾリル、C結合型フラニル、C結合型イソチアゾリル、C結合型1,2,4-オキサジアゾリル、及びC結合型ピラジニル。
「1個、2個、又は3個のN原子を含むN結合型の5員の単環式芳香族ヘテロシクリル」の例として、N結合型ピラゾリル、N結合型イミダゾリル、及びN結合型トリアゾリルが挙げられる。
「O、S、及びNからそれぞれ独立して選択される1個又は2個のヘテロ原子を含むC結合型の4~7員の単環式完全飽和ヘテロシクリル」という用語は、任意の利用可能な環炭素原子を介して式(I)の分子の残余に付着する(C結合型)、4~7個の環員を有し且つO、S、及びNからそれぞれ独立して選択される1個又は2個のヘテロ原子を含む完全飽和の環状炭化水素ラジカルを定義する(例えば、C結合型アゼチジニル、C結合型ピロリジニル、C結合型モルホリニル、C結合型テトラヒドロピラニル、及びC結合型ピペリジニル)。
「O、S、及びNからそれぞれ独立して選択される1個又は2個のヘテロ原子を含む4~7員の単環式完全飽和ヘテロシクリル」という用語は、4~7個の環員を有し且つO、S、及びNからそれぞれ独立して選択される1個又は2個のヘテロ原子を含む完全飽和の環状炭化水素ラジカルを定義する(例えば、アゼチジニル、ピロリジニル、モルホリニル、及びピペリジニル)。
別途明記されないか又は文脈から明らかでない限り、ヘテロシクリル基は、任意の利用可能な環炭素原子を介して(C結合型)か又は環窒素原子を介して(N結合型)、式(I)の分子の残余に付着され得る。
一般に、本発明において「置換された」という用語が使用される場合は常に、別途指示されていないか又は文脈から明らかでない限り、「置換された」を使用する表現で示される原子上又はラジカル上の1個又は複数個の水素が、具体的には1~4個の水素が、より具体的には1~3個の水素が、好ましくは1個又は2個の水素が、より好ましくは1個の水素が、示されている群から選択されるもので置き換えられていることを示すことが意図されており、但し、通常の原子価を超えず、この置換により化学的に安定な化合物(即ち、反応混合物からの有用な程度の純度までの単離に十分に耐える堅牢な化合物)が得られることを条件とする。
置換基及び/又は可変要素の組み合わせは、そのような組み合わせにより化学的に安定な化合物が生成される場合のみ許容される。「安定な化合物」は、反応混合物からの有用な程度の純度までの単離に十分に耐える堅牢な化合物を示すことが意図されている。
当業者は、「任意選択的に置換された」という用語が、「任意選択的に置換された」を使用する表現で示される原子又はラジカルが置換されていてもよいし置換されていなくてもよい(このことは、それぞれ、置換又は非置換を意味する)ことを意味することを理解するだろう。
ある部分に2個以上の置換基が存在する場合には、これらの置換基は、可能であり且つ別途指示されていないか又は文脈から明らかでない限り、同一原子上の水素を置き換えてもよいし、この部分中の異なる原子上の水素原子を置き換えてもよい。
任意の可変要素が任意の構成要素中に複数回出現する場合には、各定義は独立している。
「対象(subject)」という用語は、本明細書で使用される場合、処置、観察、又は実験の目的物(object)となるか又は目的物となった動物(好ましくは哺乳動物(例えば、ネコ、イヌ、霊長類、又はヒト))を指し、より好ましくはヒトを指す。
「治療上有効な量」という用語は、本明細書で使用される場合、研究者、獣医、医学博士、又は他の臨床医により求められている組織系又は対象(例えばヒト)における生物学的反応又は医学的反応(処置する疾患又は障害の症状の軽減又は逆転を含む)を誘発する活性化合物又は医薬品の量を意味する。
「組成物」という用語は、特定の成分を特定の量で含む製品と、特定の量の特定の成分の組み合わせから直接的に又は間接的に得られる任意の製品とを包含することが意図されている。
「処置」という用語は、本明細書で使用される場合、疾患の進行が遅延され得るか、中断され得るか、抑止され得るか、又は停止され得る全てのプロセスを指すことが意図されているが、必ずしも全症状の完全な排除を示すものではない。
「(本)発明の化合物」又は「(本)発明に係る化合物」という用語は、本明細書で使用される場合、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を含むことが意図されている。
本明細書で使用される場合、結合が実線のみで示されており、実線のくさび形結合若しくは破線のくさび形結合で示されていないあらゆる化学式、又は1個若しくは複数個の原子の周りに特定の立体配置(例えば、R、S)を有するものとして別の方法で示されているあらゆる化学式は、それぞれの可能な立体異性体又は2種以上の立体異性体の混合物を企図している。任意の特定のキラル原子の立体化学が、本明細書中で示された構造において特定されていない場合には、全ての立体異性体が、純粋な立体異性体として、又は2種以上の立体異性体の混合物として、本発明の化合物として企図されており且つ包含される。
上記及び下記において、「式(I)の化合物」という用語は、その立体異性体及びその互変異性形態を含むことが意図されている。しかしながら、前の段落で述べたように、立体化学が、実線のくさび形結合若しくは破線のくさび形結合として示されている結合により特定されているか、又は特定の立体配置(例えば、R、S)を有するものとして別の方法で示されている場合には、又は(例えば、式(I)において)二重結合の周りの立体化学が示されている場合には、この立体異性体は、そのように特定され且つ定義される。このことが式(I)のサブグループにも適用されることは、明らかであるだろう。
従って、単一の化合物が、可能であれば、立体異性形態及び互変異性形態の両方の形態で存在し得るということになる。
「立体異性体」、「立体異性形態」、又は「立体化学的異性形態」という用語は、上記又は下記において、互換的に使用される。
本発明は、純粋な立体異性体としてか又は2種以上の立体異性体の混合物として、本発明の化合物の全ての立体異性体を含む。
エナンチオマーとは、互いの重ね合わせることができない鏡像である立体異性体のことである。エナンチオマーの対の1:1混合物は、ラセミ体又はラセミ混合物である。
ジアステレオマー(又はジアステレオ異性体)は、エナンチオマーではない立体異性体であり、即ち、これらは鏡像の関係にない。化合物が二重結合を含む場合には、置換基は、E立体配置又はZ立体配置であり得る。
二価の環状飽和ラジカル上又は部分的飽和ラジカル上の置換基は、cis立体配置又はtrans立体配置を有し得、例えば、化合物が二置換のシクロアルキル基を含む場合には、置換基はcis立体配置又はtrans立体配置であり得る。
従って、本発明は、別途文脈が指示しない限り且つ化学的に可能な場合は常に、エナンチオマー、アトロプ異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、E異性体、Z異性体、cis異性体、trans異性体、及びこれらの混合物を含む。
全てのこれらの用語(即ち、エナンチオマー、アトロプ異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、E異性体、Z異性体、cis異性体、trans異性体、及びこれらの混合物)の意味は、当業者に既知である。
絶対配置は、カーン・インゴルド・プレローグ順位則に従って特定される。不斉原子における立体配置は、R又はSにより特定される。絶対配置が不明の分割された立体異性体は、この立体異性体が平面偏光を回転させる方向に応じて、(+)又は(-)で示され得る。例えば、絶対配置が不明の分割されたエナンチオマーは、このエナンチオマーが平面偏光を回転させる方向に応じて、(+)又は(-)により示され得る。
特定の立体異性体が同定される場合には、このことは、前記立体異性体が他の異性体を実質的に含まないことを意味しており、即ち、50%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは10%未満、さらにより好ましくは5%未満、具体的には2%未満、最も好ましくは1%未満の他の異性体を伴うことを意味する。そのため、式(I)の化合物が例えば(R)として特定されている場合には、このことは、この化合物が(S)異性体を実質的に含まないことを意味しており;式(I)の化合物が例えばEとして特定されている場合には、このことは、この化合物がZ異性体を実質的に含まないことを意味しており;式(I)の化合物が例えばcisとして特定されている場合には、このことは、この化合物がtrans異性体を実質的に含まないことを意味している。
薬学的に許容される塩(具体的には、薬学的に許容される付加塩)として、酸付加塩及び塩基付加塩が挙げられる。そのような塩を、従来の手段により形成し得、例えば、任意選択的に溶媒中での又はこの塩が不溶性の媒体中での、遊離酸又は遊離塩基の形態と、適切な塩基又は酸の内の1つ又は複数の等価物との反応、続いて標準的な技術を使用する(例えば、真空下での、凍結乾燥による、又はろ過による)前記溶媒又は前記媒体の除去により形成し得る。塩を、塩の形態の本発明の化合物の対イオンを、例えば好適なイオン交換樹脂を使用して別の対イオンと交換することによっても調製し得る。
上記又は下記で述べる薬学的に許容される塩は、式(I)の化合物及びその溶媒和物が生し得る、治療上有効な非毒性の酸性塩及び塩基性塩の形態を含むことが意図されている。
適切な酸には、例えば下記が含まれる:無機酸、例えばハロゲン化水素酸、例えば塩酸若しくは臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、及び同様の酸;又は有機酸、例えば酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸(即ちエタン二酸)、マロン酸、コハク酸(即ちブタン二酸)、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p-アミノサリチル酸、パモ酸、及び同様の酸。逆に、前記塩形態を、適切な塩基による処理により、遊離塩基形態に変換させ得る。
酸性プロトンを含む式(I)の化合物及びその溶媒和物を、適切な有機塩基及び無機塩基による処理により、それらの非毒性の金属塩形態又はアミン塩形態にも変換させ得る。
適切な塩基性塩の形態には、例えば下記が含まれる:アンモニウム塩、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、及び同様の塩、有機塩基との塩、例えば、第一級、第二級、及び第三級の脂肪族及び芳香族のアミンとの塩、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、4種のブチルアミン異性体、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ-n-ブチルアミン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、キヌクリジン、ピリジン、キノリン、及びイソキノリンとの塩;ベンザチン塩、N-メチル-D-グルカミン塩、ヒドラバミン塩、並びに、例えば、アルギニン、リシン及び同類のもの等のアミノ酸との塩。逆に、塩形態を、酸による処理により、遊離酸形態に変換させ得る。
溶媒和物という用語は、式(I)の化合物が生じ得る溶媒付加形態及びその塩を含む。そのような溶媒付加形態の例は、例えば、水和物、アルコラート、及び同類のものである。
下記で説明する方法で調製される本発明の化合物を、エナンチオマーの混合物の形態で合成し得、具体的には、当該技術分野で既知の分割手順に従って互いから分離され得るエナンチオマーのラセミ混合物の形態で合成し得る。式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩、N-オキシド、及び溶媒和物のエナンチオマー形態の分離方法は、キラル固定相を使用する液体クロマトグラフィーを含む。前記純粋な立体化学異性形態を、適切な出発物質の対応する純粋な立体化学異性形態からも誘導し得、但し、この反応は立体特異的に起こることを条件とする。好ましくは、特定の立体異性体が所望される場合には、前記化合物は、立体特異的な調製方法により合成されるだろう。この方法は、エナンチオマー的に純粋な出発物質を有利に用いる。
「エナンチオマー的に純粋な」という用語は、本明細書で使用される場合、生成物が一方のエナンチオマーを少なくとも80重量%含み、且つ他方のエナンチオマーを20重量%以下含むことを意味する。好ましくは、生成物は、一方のエナンチオマーを少なくとも90重量%含み、且つ他方のエナンチオマーを10重量%以下含む。最も好ましい実施形態では、「エナンチオマー的に純粋な」という用語は、組成物が一方のエナンチオマーを少なくとも99重量%含み、且つ他方のエナンチオマーを1%以下含むことを意味する。
本発明はまた、自然界で通常見られる原子質量又は質量数(又は自然界で見られる最も豊富なもの)とは異なる原子質量又は質量数を有する原子により1個又は複数個の原子が置き換えられている以外は、本明細書で列挙されている化合物と同一の、本発明の同位体標識された化合物も包含する。
本明細書において特定される任意の特定の原子又は元素の全ての同位体及び同位体混合物は、天然に存在するものも、合成的に生成されたものも、天然に豊富であるものも、同位体的に豊富な形態のものも、本発明の化合物の範囲内と考えられる。本発明の化合物に組み込まれ得る同位体の例として、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、及びヨウ素の同位体が挙げられ、例えば下記が挙げられる:H、H、11C、13C、14C、13N、15O、17O、18O、32P、33P、35S、18F、36Cl、122I、123I、125I、131I、75Br、76Br、77Br、及び82Br。好ましくは、同位体は、H、H、11C、及び18Fの群から選択される。より好ましくは、同位体は、Hである。特に、重水素化化合物は、本発明の範囲内に含まれることが意図されている。
本発明の特定の同位体標識化合物(例えば、H及び14Cで標識されたもの)は、例えば基質組織分布アッセイに有用であり得る。トリチウム化同位体(H)及び炭素14(14C)同位体は、それらの調製容易性及び検出可能性に有用である。さらに、重水素(即ち、H)等のより重い同位体による置換は、より大きな代謝安定性の結果としてもたらされる特定の治療上の利点(例えば、インビボ半減期の増加又は投薬必要量の減少)をもたらし得、従って、好ましい場合があり得る。15O、13N、11C、及び18F等の陽電子放出同位体は、陽電子放出断層撮影(PET)研究に有用である。癌におけるPET画像法は、腫瘍の位置を突き止め、同定し、疾患の病期を判定し、且つ適切な処置を決定するのを助けることに有用である。ヒト癌細胞は、潜在的な疾患特異的分子標的である多くの受容体又はタンパク質を過剰発現する。腫瘍細胞上のそのような受容体又はタンパク質に高い親和性及び特異性で結合する放射性標識トレーサーは、画像診断法及び標的放射性核種療法に大きな可能性を有する(Charron,Carlie L.et al.Tetrahedron Lett.2016,57(37),4119-4127)。加えて、標的特異的PET放射性トレーサーを、例えば、標的発現及び処置応答を測定することにより病理を検査するための及び評価するためのバイオマーカーとして使用し得る(Austin R.et al.Cancer Letters(2016)、doi:10.1016/j.canlet.2016.05.008)。
ある実施形態では、本発明は、式(I)(式中、
は、水素;-CHOR;-CHF;又は-CHNRを表し;
1aは、水素又は-CHORを表し;
は、水素;C1~4アルキル;Het;C1~4アルキルであって、-C(=O)-NR、-C(=O)-OR、C3~6シクロアルキル、Het、及びHetからなる群から選択される1個の置換基で置換されているC1~4アルキル;並びに
2~4アルキルであって、-(OCHCH-OCH、及び-NRからなる群から選択される1個の置換基で置換されているC2~4アルキルからなる群から選択され;
及びRは、共に、これらが付着するN原子と一緒に、単環式の4~7員の完全飽和ヘテロシクリルであって、少なくとも1個のN原子を含み、任意選択的に、O、S、及びNから選択される1個の追加のヘテロ原子を含み、ここで、前記S原子は、S(=O)若しくはS(=O)を形成するために置換されている可能性がある、単環式の4~7員の完全飽和ヘテロシクリル;又は縮合二環式の6~11員の完全飽和ヘテロシクリルであって、少なくとも1個のN原子を含み、任意選択的に、O、S、及びNからそれぞれ独立して選択される1個若しくは2個の追加のヘテロ原子を含み、ここで、前記S原子は、S(=O)若しくはS(=O)を形成するために置換されている可能性がある、縮合二環式の6~11員の完全飽和ヘテロシクリルを形成し;
ここで、前記単環式又は縮合二環式のヘテロシクリルは、1個の窒素上において、1個のC1~4アルキルで任意選択的に置換され;
及びRは、共に、これらが付着するN原子と一緒に、単環式の4~7員の完全飽和ヘテロシクリルであって、少なくとも1個のN原子を含み、任意選択的に、O、S、及びNから選択される1個の追加のヘテロ原子を含み、ここで、前記S原子は、S(=O)若しくはS(=O)を形成するために置換されている可能性がある、単環式の4~7員の完全飽和ヘテロシクリルを形成し;
ここで、前記単環式のヘテロシクリルは、1個の炭素原子上において、1個又は2個のハロ置換基で任意選択的に置換され;
は、水素を表し;
は、水素又はフルオロを表し、
Hetは、C結合型の5員又は6員の単環式芳香族ヘテロシクリルであって、O、S、及びNからそれぞれ独立して選択される1個、2個、又は3個のヘテロ原子を含むC結合型の5員又は6員の単環式芳香族ヘテロシクリルを表し;
Hetは、C結合型の4~7員の単環式完全飽和ヘテロシクリルであって、O、S、及びNからそれぞれ独立して選択される1個又は2個のヘテロ原子を含むC結合型の4~7員の単環式完全飽和ヘテロシクリルを表し;ここで、前記S原子は、S(=O)又はS(=O)を形成するために置換されている可能性があり;
Hetは、C結合型の5員又は6員の単環式芳香族ヘテロシクリルであって、O、S、及びNからそれぞれ独立して選択される1個、2個、又は3個のヘテロ原子を含むC結合型の5員又は6員の単環式芳香族ヘテロシクリルを表し;ここで、1個の炭素原子は、1個のC1~4アルキルで任意選択的に置換され;
nは、1又は2であり;
mは、0又は1であり;
Yは、O又はCHを表し;
は、CHを表し;
は、CHを表し;
は、CHを表す)
の新規の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。
ある実施形態では、本発明は、式(I)(式中、
は、水素;-CHOR;-CH2F;又は-CHNRを表し;
1aは、水素を表し;
は、水素;C1~4アルキル;Het;C1~4アルキルであって、-C(=O)-NR、-C(=O)-OR、C3~6クロアルキル、Het、及びHetからなる群から選択される1個の置換基で置換されているC1~4アルキル;並びに
2~4アルキルであって、-(OCHCH-OCH、及び-NRからなる群から選択される1個の置換基で置換されているC2~4アルキルからなる群から選択され;
及びRは、それぞれ独立して、水素、C1~4アルキル、及びC2~4アルキルであって、1個のHetで置換されているC2~4アルキルからなる群から選択されるか;
又はR及びRは、共に、これらが付着するN原子と一緒に、単環式の4~7員の完全飽和ヘテロシクリルであって、少なくとも1個のN原子を含み、任意選択的に、O、S、及びNから選択される1個の追加のヘテロ原子を含み、ここで、前記S原子は、S(=O)若しくはS(=O)を形成するために置換されている可能性がある、単環式の4~7員の完全飽和ヘテロシクリル;又は縮合二環式の6~11員の完全飽和ヘテロシクリルであって、少なくとも1個のN原子を含み、任意選択的に、O、S、及びNからそれぞれ独立して選択される1個若しくは2個の追加のヘテロ原子を含み、ここで、前記S原子は、S(=O)若しくはS(=O)を形成するために置換されている可能性がある、縮合二環式の6~11員の完全飽和ヘテロシクリルを形成し;
ここで、前記単環式又は縮合二環式のヘテロシクリルは、1個の窒素上において、1個のC1~4アルキルで任意選択的に置換され;
ここで、前記単環式又は縮合二環式のヘテロシクリルは、1個の炭素原子上において、1個又は2個の置換基であって、それぞれ独立して、C1~4アルキル、オキソ、及びハロからなる群から選択される置換基で任意選択的に置換され;
及びRは、それぞれ独立して、水素、C1~4アルキル、及びC2~4アルキルであって、1個のHetで置換されているC2~4アルキルからなる群から選択されるか、
又はR及びRは、共に、これらが付着するN原子と一緒に、単環式の4~7員の完全飽和ヘテロシクリルであって、少なくとも1個のN原子を含み、任意選択的に、O、S、及びNから選択される1個の追加のヘテロ原子を含み、ここで、前記S原子は、S(=O)若しくはS(=O)を形成するために置換されている可能性がある、単環式の4~7員の完全飽和ヘテロシクリル;又は縮合二環式の6~11員の完全飽和ヘテロシクリルであって、少なくとも1個のN原子を含み、任意選択的に、O、S、及びNからそれぞれ独立して選択される1個若しくは2個の追加のヘテロ原子を含み、ここで、前記S原子は、S(=O)若しくはS(=O)を形成するために置換されている可能性がある、縮合二環式の6~11員の完全飽和ヘテロシクリルを形成し;
ここで、前記単環式又は縮合二環式のヘテロシクリルは、1個の窒素上において、1個のC1~4アルキルで任意選択的に置換され;
ここで、前記単環式又は縮合二環式のヘテロシクリルは、1個の炭素原子上において、1個又は2個の置換基であって、それぞれ独立して、C1~4アルキル、オキソ、及びハロからなる群から選択される置換基で任意選択的に置換され;
は、水素又はC1~4アルキルを表し;
は、水素又はフルオロを表し;
Hetは、C結合型の5員又は6員の単環式芳香族ヘテロシクリルであって、O、S、及びNからそれぞれ独立して選択される1個、2個、又は3個のヘテロ原子を含むC結合型の5員又は6員の単環式芳香族ヘテロシクリルを表し、ここで、1個の炭素原子は、1個のC1~4アルキルで任意選択的に置換され;
Hetは、C結合型の4~7員の単環式完全飽和ヘテロシクリルであって、O、S、及びNからそれぞれ独立して選択される1個又は2個のヘテロ原子を含むC結合型の4~7員の単環式完全飽和ヘテロシクリルを表し;ここで、前記S原子は、S(=O)又はS(=O)を形成するために置換されている可能性があり;
Hetは、C結合型の5員又は6員の単環式芳香族ヘテロシクリルであって、O、S、及びNからそれぞれ独立して選択される1個、2個、又は3個のヘテロ原子を含むC結合型の5員若しくは6員の単環式芳香族ヘテロシクリルを表し;ここで、1個の炭素原子は、1個のC1~4アルキルで任意選択的に置換され;
Hetは、4~7員の単環式完全飽和ヘテロシクリルであって、O、S、及びNからそれぞれ独立して選択される1個若しくは2個のヘテロ原子を含む4~7員の単環式完全飽和ヘテロシクリルを表し;ここで、前記S原子は、S(=O)若しくはS(=O)を形成するために置換されている可能性があり;
nは、1又は2であり;
mは、0、1、又は2であり;
Yは、O又はCHを表し;
は、CHを表し;
は、CHを表し;
は、CHを表す)
の新規の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。
ある実施形態では、本発明は、式(I)(式中、
は、水素又は-CHORを表し;
1aは、水素を表し;
は、水素;C1~4アルキル;Het;C1~4アルキルであって、-C(=O)-NR、-C(=O)-OR、C3~6シクロアルキル、Het、及びHetからなる群から選択される1個の置換基で置換されているC1~4アルキル;並びに
2~4アルキルであって、-(OCHCH-OCH及び-NRからなる群から選択される1個の置換基で置換されているC2~4アルキルからなる群から選択され;
及びRは、共に、これらが付着するN原子と一緒に、単環式の4~7員の完全飽和ヘテロシクリルであって、少なくとも1個のN原子を含み、任意選択的に、O、S、及びNから選択される1個の追加のヘテロ原子を含み、ここで、前記S原子は、S(=O)又はS(=O)を形成するために置換されている可能性がある、単環式の4~7員の完全飽和ヘテロシクリルを形成し;
ここで、前記単環式のヘテロシクリルは、1個の炭素原子上において、1個又は2個のハロ置換基で任意選択的に置換され;
は、水素を表し;
は、水素又はフルオロを表し;
Hetは、C結合型の5員又は6員の単環式芳香族ヘテロシクリルであって、O、S、及びNからそれぞれ独立して選択される1個、2個、又は3個のヘテロ原子を含むC結合型の5員又は6員の単環式芳香族ヘテロシクリルを表し;
Hetは、C結合型の4~7員の単環式完全飽和ヘテロシクリルであって、O、S、及びNからそれぞれ独立して選択される1個又は2個のヘテロ原子を含むC結合型の4~7員の単環式完全飽和ヘテロシクリルを表し;ここで、前記S原子は、S(=O)若しくはS(=O)を形成するために置換されている可能性があり;
Hetは、C結合型の5員又は6員の単環式芳香族ヘテロシクリルであって、O、S、及びNからそれぞれ独立して選択される1個、2個、又は3個のヘテロ原子を含むC結合型の5員又は6員の単環式芳香族ヘテロシクリルを表し;ここで、1個の炭素原子は、1個のC1~4アルキルで任意選択的に置換され;
nは、1又は2であり;
mは、0又は1であり;
Yは、O又はCHを表し;
は、CHを表し;
は、CHを表し;
は、CHを表す)
の新規の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。
ある実施形態では、本発明は、式(I)(式中、
は、水素;-CHOR;又は-CHNRを表し;
1aは、水素を表し;
、R、及びRは、それぞれ独立して、水素及びC1~4アルキルからなる群から選択され;
は、水素又はフルオロを表し;
nは、1又は2であり;
Yは、O又はCHを表し;
は、CHを表し;
は、CHを表し;
は、CHを表す)
の新規の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。
ある実施形態では、本発明は、式(I)(式中、
は、水素;-CHOR;又は-CHNRを表し;
1aは、水素を表し;
、R、及びRは、それぞれ独立して、水素及びC1~4アルキルからなる群から選択され;
は、水素又はフルオロを表し;
nは、1であり;
Yは、O又はCHを表し;
は、CHを表し;
は、CHを表し;
は、CHを表す)
の新規の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。
ある実施形態では、本発明は、式(I)(式中、
は、水素又は-CHORを表し;
1aは、水素を表し;
は、C1~4アルキルを表し;
は、水素又はフルオロを表し;
nは、1であり;
Yは、O又はCHを表し;
は、CHを表し;
は、CHを表し;
は、CHを表す)
の新規の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。
ある実施形態では、本発明は、式(I)(式中、
は、水素;-CHOR;又は-CHNRを表し;
1aは、水素を表し;
、R、及びRは、それぞれ独立して、水素及びC1~4アルキルからなる群から選択され;
は、水素を表し;
nは、1又は2であり;
Yは、O又はCHを表し;
は、CHを表し;
は、CHを表し;
は、CHを表す)
の新規の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。
ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又は他の実施形態のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、但し、R1aは、水素を表す。
ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又は他の実施形態のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、但し、
Yは、Oを表す。
ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又は他の実施形態のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、但し、
Yは、CHを表す。
ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又は他の実施形態のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、但し、nは1である。
ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又は他の実施形態のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、但し、nは2である。
ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又は他の実施形態のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、但し、mは、0又は1である。
ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又は他の実施形態のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、但し、Rは、水素を表す。
ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又は他の実施形態のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、但し、Rは、フルオロを表す。
ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又は他の実施形態のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、但し、Rは、水素を表す。
ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又は他の実施形態のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、但し、Rは、-CHORを表し、Rは、C1~4アルキルを表す。
ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又は他の実施形態のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、但し、Rは、-CHORを表す。
ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又は他の実施形態のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、但し、Rは、-CHNRを表す。
ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又は他の実施形態のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、但し、R、R、及びRは、水素を表す。
ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又は他の実施形態のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、但し、R、R、及びRは、
1~4アルキルを表す。
ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又は他の実施形態のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、但し、Rは、C1~4アルキルを表し、特にメチルを表す。
ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又は他の実施形態のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、但し、Rは、水素を表す。
ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又は他の実施形態のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、但し、Rは、水素;C1~4アルキル;Het;C1~4アルキルであって、-C(=O)-NR、-C(=O)-OR、C3~6シクロアルキル、Het、及びHetからなる群から選択される1個の置換基で置換されているC1~4アルキル;並びに
2~4アルキルであって、-(OCHCH-OCH及び-NRからなる群から選択される1個の置換基で置換されているC2~4アルキルからなる群から選択される。
ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又は他の実施形態のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、但し、R1aは、-CHOR;-CHF;又は-CHNRを表す。
ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又は他の実施形態のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、但し、R1aは、水素を表す。
ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又は他の実施形態のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、但し、Rは、-CHOR;-CHF;又は-CHNRを表し;R1aは、-CHOR;-CHF;又は-CHNRを表す。
ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又は他の実施形態のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、但し、R及びR1aの少なくとも一方は、水素以外である。ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又は他の実施形態のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、但し、少なくとも1個のN原子を含み、任意選択的に、O、S、及びNから選択される1個の追加のヘテロ原子を含むヘテロシクリルは、1個又は2個のN原子を含むか、1個のN原子と1個のO原子とを含むか、又は1個のN原子と1個のS原子とを含むヘテロシクリルである。
ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又は他の実施形態のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、但し、少なくとも1個のN原子を含み、任意選択的に、O、S、及びNからそれぞれ独立して選択される1個又は2個の追加のヘテロ原子を含むヘテロシクリルは、1個、2個、又は3個のN原子を含むか、1個のN原子と1個又は2個のO原子とを含むか、1個のN原子と1個又は2個のS原子とを含むか、1個のN原子と1個のO原子と1個のS原子とを含むか、2個のN原子と1個のO原子とを含むか、又は2個のN原子と1個のS原子とを含むヘテロシクリルである。
ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又は他の実施形態のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、但し、式(I)の化合物は、式(I-a):
Figure 2022540825000004

の化合物に限定されている。
式(I-a)の構造における全ての可変要素が、式(I)の化合物、又は他の実施形態のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関して定義されているように定義されていることは明らかであるだろう。
ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又は他の実施形態のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、但し、式(I)の化合物は、式(I-x):
Figure 2022540825000005

の化合物に限定されている。
式(I-x)の構造における全ての可変要素が、式(I)の化合物、又は他の実施形態のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関して定義されているように定義されていることは明らかであるだろう。
ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又は他の実施形態のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、但し、式(I)の化合物は、式(I-y):
Figure 2022540825000006

の化合物に限定されている。
式(I-y)の構造における全ての可変要素が、式(I)の化合物、又は他の実施形態のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関して定義されているように定義されていることは明らかであるだろう。
特定の実施形態では、R及びR、又はR及びRが、共に、これらが付着するN原子と一緒に、単環式の4~7員の完全飽和ヘテロシクリル又は縮合二環式の6~11員の完全飽和ヘテロシクリルを形成している場合には、前記単環式又は縮合二環式のヘテロシクリルは、N原子の2位での炭素原子上においてオキソで置換されて、N原子と一緒にアミド基を形成しており、且つ任意選択的に、他の実施形態のいずれかで定義されているようにさらに置換されている。
ある実施形態では、本発明は、一般反応スキームで定義されている式(I)の部分群に関する。
ある実施形態では、式(I)の化合物は、例示された化合物、
その遊離塩基、薬学的に許容される塩、及び溶媒和物の内のいずれかからなる群から選択される。
上記に示された実施形態の全ての可能な組み合わせは、本発明の範囲に包含されると見なされる。
化合物の調製方法
この項では、全ての他の項と同様に、別途文脈が示さない限り、式(I)への言及はまた、本明細書で定義されている全ての他の部分群及びその例も含む。
式(I)の化合物の幾つかの典型的な例の一般的な調製は、下記及び具体的な実施例で説明されており、且つ市販されているか又は公開された方法により調製され得る出発物質から概して調製される。下記のスキームは、本発明の例を表すことのみが意図されており、本発明を限定することは決して意図されていない。
或いは、本発明の化合物を、国際公開第2016033486号パンフレット、同第2017147410号パンフレット、及び同第2018183418号パンフレットで説明されているのと類似の反応プロトコル等の、当業者により一般に使用される標準的な合成プロセスと組み合わせて、下記の一般スキームで説明されているものと類似の反応プロトコルによっても調製し得る。
このスキームで説明されている反応において、必ずしも明示的に示されているわけではないが、反応性官能基(例えば、ヒドロキシ基、アミノ基、又はカルボキシ基)が最終生成物で所望される場合には、これらが不必要に反応に関与するのを回避するために、これらを保護することが必要な場合があることを、当業者は理解するだろう。一般に、従来の保護基を、標準的な実践に従って使用し得る。この保護基を、当該技術分野で既知の方法を使用して、その後の簡便な段階で除去し得る。
このスキームで説明されている反応において、反応を例えばNガス雰囲気下等の不活性雰囲気下で実施することが望ましいか又は必要な場合があることを、当業者は理解するだろう。
反応後処理(化学反応の生成物の単離及び精製に必要とされる一連の操作、例えば、クエンチ、カラムクロマトグラフィー、抽出等を指す)の前に、反応混合物を冷却することが必要な場合があることは、当業者に明らかであるだろう。
撹拌下で反応混合物を加熱することにより反応結果が向上される場合があることを、当業者は理解するだろう。全反応時間を短縮するために、一部の反応では、従来の加熱の代わりにマイクロ波加熱を使用する場合がある。
下記のスキームで示される化学反応の別の順序によっても、式(I)の所望の化合物を得ることができることを、当業者は理解するだろう。
下記のスキームで示される中間体及び最終化合物を、当業者に公知の方法に従ってさらに官能化し得ることを、当業者は理解するだろう。本明細書で説明されている中間体及び化合物を、遊離形態でか又はその塩若しくは溶媒和物として単離し得る。本明細書で説明されている中間体及び化合物を、公知の分割手順に従って互いに分離し得る互変異性体及び立体異性形態の混合物の形態で合成し得る。
下記のスキームで使用される化学略語の意味は、表1で定義された通りである。
式(I)(式中、R1aは、H(水素)と定義される)の化合物(これにより式(I-a)の化合物と称される)を、下記によりスキーム1に従って調製し得る:
Figure 2022540825000007

(式中、X、X、X、Y、n、R、及びRは、式(I)で定義された通りである)
- 好適な温度(例えば、室温又は60℃)で、好適な溶媒(例えばジクロロメタン)中において、好適な閉環メタセシス触媒(例えば、Grubbs-Hoveyda第2世代触媒)の存在下で、式(II)の中間体を反応させる。
- 式(II)の中間体を、好適な温度(例えば室温)で、好適な溶媒(例えばDCM)中において、好適な塩基(例えばDMAP)の存在下で、及び好適なカップリング剤(例えばEDC.HCl)の存在下で、式(III)(式中、X、X、X、Y、n、R、及びRは、式(I)で定義された通りである)の中間体と、(2R,3S)-3-メチルヘキサ-5-エン-2-スルホンアミドとを反応させることにより調製し得る。
- 式(III)の中間体を、好適な温度(例えば、室温又は60℃)で、好適な溶媒(例えば水)、又は溶媒の好適な混合物(例えば、水及びMeOH)、又は水、MeOH、及びTHFの混合物中において、式(IV)(式中、X、X、X、Y、n、R、及びRは、式(I)で定義された通りである)の中間体と好適な塩基(例えば、LiOH又はNaOH)とを反応させることにより調製し得る。
- 式(IV)の中間体を、好適な温度(例えば室温)で、好適な溶媒(例えばDCM)中において、好適な塩基(例えばCsCO)の存在下で、式(V)(式中、X、X、X、Y、及びnは、式(I)で定義された通りである)の中間体と、式(VI)(式中、R及びRは、式(I)で定義された通りであり、Lは、好適な脱離基(例えば、Br又はMsO)である)の中間体とを反応させることにより調製し得る。
- 式(V)の中間体を、好適な温度(例えば室温)で、好適な溶媒(例えば、DCM又はジオキサン)中において、式(VII)(式中、X、X、X、Y、及びnは、式(I)で定義された通りであり、Pは、好適な保護基(例えばBoc)である)の中間体と、好適な脱保護剤(例えば、TFA、又はHClのジオキサン溶液)とを反応させることにより調製し得る。
- 式(VII)の中間体を、好適な温度(例えば、0℃又は室温)で、好適な溶媒(例えばDCM)中において、好適な酸(例えばAcOH)の存在下で、及び好適な還元剤(例えばNaBH(OAc))の存在下で、式(VIII)(式中、X、X、X、Y、及びnは、式(I)で定義された通りである)の中間体と、式(IX)の好適な中間体又はこの中間体の好適な活性化形態(例えば、式(X)の化合物)とを反応させることにより調製し得る。
- 式(X)の中間体を、好適な温度(例えば室温)で、好適な溶媒(例えばメチルtertブチルエーテル)中において、式(IX)の中間体とベンゾトリアゾールとを反応させることにより調製し得る。
或いは、式(I)(式中、R1aは、H(水素)と定義される)の化合物(これにより式(I-a)の化合物と命名される)を、下記によりスキーム2に従って調製し得る:
Figure 2022540825000008

- 好適な温度(例えば室温)で、好適な溶媒(例えばDMF)中において、好適な塩基(例えばDBU)の存在下で、式(XI)(式中、X、X、X、Y、n、R、及びRは、式(I)で定義された通りである)の中間体と、好適なカップリング剤(例えばDECP)とを反応させる。
- 式(XI)の中間体を、好適な温度(例えば、室温又は50℃)で、好適な溶媒(例えば水)、又は溶媒の好適な混合物(例えば、水及びTHF)、又は水、MeOH、及びTHFの混合物中において、式(XII)(式中、X、X、X、Y、n、R、及びRは、式(I)で定義された通りである)の中間体と、好適な塩基(例えば、LiOH又はNaOH)とを反応させることにより調製し得る。
- 式(XII)の中間体を、好適な温度(例えば室温)で、好適な溶媒(例えばDCM)中において、式(XIII)(式中、X、X、X、Y、n、R及びRは、式(I)で定義された通りであり、Pは、好適な保護基(例えばp-メトキシベンジル)である)の中間体と、好適な脱保護剤(例えばTFA)とを反応させることにより調製し得る。
- 式(XIII)の中間体を、好適な温度(例えば、-20℃又は室温)で、好適な溶媒(例えばTHF)中において、好適な塩基(例えばtBuOK)の存在下で、式(XIV)(式中、X、X、X、Y、n、R、及びRは、式(I)で定義された通りである)の中間体と、式(XV)(式中、Pは、好適な保護基(例えばp-メトキシベンジル)である)の中間体とを反応させることにより調製し得る。
- 式(XIV)の中間体を、好適な温度(例えば室温)で、好適な溶媒(例えばDCM)中において、式(V)の中間体と、式(XVI)(式中、R及びRは、式(I)で定義された通りである)の中間体とを反応させることにより調製し得る。
式(VIII)の中間体は文献で説明されているが、下記によりスキーム3に従っても調製し得る:
Figure 2022540825000009

- 好適な温度(例えば100℃)で、好適な触媒(例えば[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(PdCl(dppf)))の存在下にて、COの好適な圧力(例えば50atm)の存在下で、式(XVII)(式中、X、X、X、及びYは、式(I)で定義された通りであり、Halは、ハロゲン(例えば、I又はBr、特にI)と定義されている)の中間体とMeOHとを反応させる。
或いは、Rが-CHNRと定義されており、且つR1aがH(水素)と定義されている場合には、式(I)の化合物を、下記によりスキーム4に従って調製し得る:
Figure 2022540825000010

- 好適な温度(例えば、室温~80℃)で、好適な溶媒(例えばACN)中において、式(XX)(式中、X、X、X、Y、R、及びnは、式(I)で定義された通りであり、R1aは、H(水素)と定義されており、且つLは、好適な脱離基(例えばメシレート)である)の中間体と、過剰な式HNRの好適なアミン(例えば、3当量)とを反応させる。
- 或いは、好適な温度(例えば、室温~-78℃)で、好適な溶媒(例えばDCM)中において、式(I-b)(式中、X、X、X、Y、R、及びnは、式(I)で定義された通りであり、且つR1aは、H(水素)と定義されている)の中間体と、好適な活性化剤(例えばトリフリン酸無水物)とを反応させ、得られたトリフレートを、インサイチュで、過剰な式HNRの好適なアミン(例えば4当量)と反応させる。
- 式(XX)の中間体を、好適な温度(例えば室温)で、好適な溶媒(例えばDCM)中において、好適な塩基(例えばEtN)の存在下で、好適な脱離基(L)(例えばメシレート)へのアルコール基の変換により、式(I-b)(式中、X、X、X、Y、R、及びnは、式(I)のように定義されている)の化合物を反応させることにより調製し得る。
或いは、Rが-CHORと定義されるか又はR及びR1aの両方が
-CHORと定義されている場合には、式(I)の化合物を、下記によりスキーム4に従っても調製し得る:
- 好適な温度(例えば、室温~80℃)で、好適な溶媒(例えばDMF)中において、及び好適な塩基(例えばNaH)の存在下にて、式(I-b)(式中、X、X、X、Y、n、Rは、式(I)のように定義されており、且つR1aは、CHOH又はH(水素)と定義されている)の化合物と、好適なハロゲン化アルキル(例えば2-ブロモエチルメチルエーテル)とを反応させる。
- 或いは、好適な温度(例えば、室温~50℃)で、好適な溶媒(例えばTHF)中において、及び好適な塩基(例えばNaH)の存在下で、式(I-b)(式中、X、X、X、Y、n、Rは、式(I)のように定義されており、且つR1aは、CHOH又はH(水素)と定義されている)の化合物と、好適なハロゲン化アリール(例えば2-フルオロピリジン)とを反応させる。
或いは、R及び/又はR1aが-CHFと定義されている場合には、式(I)の化合物を、好適な温度(例えば-10℃)で、好適な溶媒(例えばTHF)中において、式(I-b)(式中、R及び/又はR1aは、-CHOHと定義されている)の中間体と、好適なフッ素化剤(例えばジエチルアミノ硫黄三酸化物)とを反応させることにより、スキーム4に従って調製し得る。
1aが式CHORである場合には、これは、スキーム4において式CHORを有するRに関して示されたのと同様の変換を受け得ることを、当業者は理解するだろう。R1aが式CHORである場合には、Rは、水素又は式CHORの可能性がある。R及びR1aの両方が式CHORである場合には、試薬の化学量論及び/又は保護基戦略に応じて、両方のCHOR基の別々の又は同時の変換が可能であることも、当業者は理解するだろう。
式(I-b)(式中、R基は水素であり、且つX、X、X、Y、R、及びnは、式(I)で定義された通りである)の化合物を、好適な温度(例えば室温)で、好適な溶媒(例えばTHF)中において、式(I-b)の化合物/中間体(化合物又は中間体は、R基の定義に依存する)(式中、Rは、好適な保護基(例えばTBDMS)である)と、好適な脱保護剤(例えばTBAF)とを反応させることにより調製し得る。
式(I-b)(式中、X、X、X、Y、及びnは、式(I)のように定義されており、RはH(水素)であり、R1aはH(水素)であり、且つRはCHORと定義されている)の化合物/中間体を、下記によりスキーム5に従って調製し得る:
Figure 2022540825000011

- 好適な温度(例えば50℃)で、好適な溶媒(例えばDCE)中において、好適な触媒(例えばGrubbs-Hoveyda第2世代触媒)の存在下で、式(XXII)(式中、X、X、X、Y、R、及びnは、式(I)で定義された通りであり、且つRは、好適な保護基(例えばTBDMS)と定義されている)の中間体を反応させる。
- 式(XXII)の中間体を、好適な温度(例えば100℃)で、好適な触媒(例えばPdCl(dppf))の存在下で、好適な溶媒(例えばTHF)中において、好適な塩基(例えばDBU)の存在下で、及び好適な圧力(例えば50バール)でのCOガスの存在下で、式(XXIII)(式中、X、X、X、Y、R、及びnは、式(I)で定義された通りであり、且つRは、好適な保護基(例えばTBDMS)と定義されている)の中間体と、(2R,3S)-3-メチルヘキサ-5-エン-2-スルホンアミドとを反応させることにより調製し得る。
- 式(XXIII)の中間体を、好適な温度(例えば0℃~室温)で、好適な塩基(例えばKOtBu)の存在下にて、好適な溶媒(例えばTHF)中において、式(XXV)(式中、X、X、X、Y、及びnは、式(I)で定義された通りであり、且つRは、好適な保護基(例えばTBDMS)と定義されているか、又はRは、アルキル基(例えばMe)と定義されている)の中間体と、好適なアルキルトリフェニルホスホニウムハロゲン化物(例えばメチルトリフェニルホスホニウムブロミド)とを反応させることにより調製し得る。
- 式(XXV)の中間体を、好適な温度(例えば-70℃~室温)で、好適な塩基(例えばTEA)の存在下にて、好適な溶媒(例えばDCM)中において、式(XXVI)(式中、X、X、X、Y、及びnは、式(I)で定義された通りであり、且つRは、好適な保護基(例えばTBDMS)と定義されているか、又はRは、アルキル基(例えばMe)と定義されている)の中間体と、好適な酸化剤(例えば、DMSOと塩化オキサリルとの混合物)とを反応させることにより調製し得る。
- 式(XXVI)の中間体を、好適な温度(例えば-78℃~室温)で、好適な溶媒(例えばTHF)中において、式(XXVII)(式中、X、X、X、Y、及びnは、式(I)で定義された通りであり、且つRは、好適な保護基(例えばTBDMS)と定義されているか、又はRは、アルキル基(例えばMe)と定義されており、且つR’は、アルキル基(例えば、Me又はEt)と定義されている)の中間体と、好適な還元剤(例えばDIBAH)とを反応させることにより調製し得る。
- 式(XXVII)の中間体を、好適な温度(例えば室温)で、好適な塩基(例えばDIPEA)の存在下にて、好適な溶媒(例えばDMF)中において、式(XXIV)(式中、X、X、X、Y、及びnは、式(I)で定義された通りである)の中間体と、好適なハロアルキルプロパノエート(例えば2-ブロモ-3-メトキシプロパノエート)とを反応させることにより調製し得る。
- 或いは、式(XXVII)の中間体を、第1の工程では、好適な温度(例えば室温)で、好適な塩基(例えばDIPEA)の存在下で、好適な溶媒(例えばDMF)中において、好適なハロアルキルプロパノエート(例えばメチル2-ブロモ-3-ヒドロキシプロパノエート)の存在下で、及び第2の工程では、好適な温度(例えば室温)で、好適な溶媒(例えばDMF)中において、好適な塩基(例えばイミダゾール)の存在下で、好適な保護基(例えば、tert.ブチルジメチルシリルクロリド)の存在下で、式(XXIV)(式中、X、X、X、Y、及びnは、式(I)で定義された通りである)の中間体を反応させることにより、2工程で調製し得る。
式(XXIV)(式中、X、X、X、Y、及びnは、式(I)で定義された通りである)の中間体を、下記によりスキーム6に従って調製し得る:
Figure 2022540825000012

- 好適な温度(例えば室温)で、好適な溶媒(例えばDCM)中において、式(XXVIII)(式中、Pは、好適な保護基(例えばBoc)と定義されている)の中間体と、好適な脱保護剤(例えばTFA)とを反応させる。
- 式(XXVIII)の中間体を、式(VII)の中間体の調製に関するものと同様の方法で、式(XVII)(式中、X、X、X、及びYは、式(I)で定義された通りである)の中間体を反応させることにより調製し得る。
或いは、式(I)(式中、R及び/又はR1aは、CHOHである)の化合物を、下記によりスキーム7に従って調製し得る。
Figure 2022540825000013

- 好適な温度(例えば100℃)で、好適な溶媒(例えばTHF)中において、好適な触媒(例えばPdCl(dppf))の存在下で、好適な塩基(例えばDBU)の存在下にて、好適な圧力(例えば50バール)でのCO雰囲気下で、式(XXIX)の中間体を反応させる。
- 式(XXIX)の中間体を、好適な温度(例えば室温)で、好適な溶媒(例えばDCM)中において、式(XXX)(式中、X、X、X、Y、n、及びRは、式(I)で定義された通りであり、R及び/又はR1aは、CHOHであり、且つPは、好適な保護基(例えばp-メトキシベンジル)である)の中間体と、好適な脱保護剤(例えばTFA)とを反応させることにより調製し得る。
- 式(XXX)の中間体を、好適な温度(例えば50℃)で、好適な溶媒(例えばDCM)中において、式(XXIV)の中間体と、式(XXXI)の中間体、及び好適なアルデヒド又は好適なアルデヒド前駆体(例えば1,4-ジオキサン-2,5-ジオール(CAS[23147-58-2]))とを反応させることにより調製し得る。
- 或いは、式(XXX)の中間体を、好適な温度(例えば室温)で、好適な溶媒(例えばDCM)中において、好適な塩基(例えばEtN)の存在下で、式(XXIV)の中間体と、式(XXXI)の中間体及び好適なケトン(例えば1,3-ジヒドロキシアセトン)とを反応させることにより調製し得る。
式(XXXI)(式中、Rは、F(フッ素)と定義されている)の中間体を、下記によりスキーム8に従って調製し得る:
Figure 2022540825000014

- 好適な温度(例えば95℃)で、好適な溶媒(例えば1,4-ジオキサン)中において、好適な触媒(例えばPdCl(dppf).CHCl)の存在下で、好適な塩基(例えば酢酸カリウム)の存在下にて、式(XXXII)の中間体とビス(ピナコラト)ジボロンとを反応させる。
- 式(XXXII)の中間体を、好適な温度(例えば0℃)で、好適な溶媒(例えばTHF)中において、式(XXXIII)の中間体と好適な塩基(例えばLiHMDS)とを反応させることにより調製し得る。
- 式(XXXIII)の中間体を、好適な温度(例えば室温)で、好適な溶媒(例えばTHF)中において、好適なジアルキル亜鉛誘導体(例えばジエチル亜鉛)の存在下で、式(XV)の中間体と、フルオロトリブロモメタン及びトリフェニルホスフィンとを反応させることにより調製し得る。
- 式(XV)の中間体を、好適な温度(例えば-78℃)で、好適な溶媒(例えば、DCM若しくはMeOH、又はこれらの混合物)中において、好適な還元剤(例えばトリフェニルホスフィン)の存在下で、式(XXXVIII)の中間体とオゾンとを反応させることにより調製し得る。
- 式(XXXVIII)の中間体は、文献で説明されているか、又はこの中間体を、当業者に既知の公開された手順と同様に調製し得る。
或いは、式(XXXI)(式中、Rは、H(水素)と定義されている)の中間体を、下記によりスキーム8に従って調製し得る:
- 好適な温度(例えば室温)で、好適な溶媒(例えばMeOH)中において、好適な塩基(例えばKHPO)の存在下で、好適なホスフィン(例えばトリフェニルホスフィン)の存在下にて、好適な触媒(例えば酸化銅(I))の存在下で、式(XXXIX)の中間体と、好適なホウ素化剤(例えばビス(ピナコラト)ジボロン)とを反応させる。
- 式(XXXIX)の中間体を、好適な温度(例えば室温)で、好適な溶媒(例えばMeOH)中において、好適な塩基(例えばKCO)の存在下で、式(XV)の中間体と、アルキル化剤(例えばジメチル(1-ジアゾ-2-オキソプロピル)ホスホネート)とを反応させることにより調製し得る。
式(XXXIV)の中間体を、好適な温度(例えば室温)で、好適な溶媒(例えばDCM)中において、式(XXXI)の中間体と、好適な脱保護剤(例えばTFA)とを反応させることにより、スキーム8に従って調製し得る。
或いは、式(I)(式中、R及び/又はR1aは、CHOHである)の化合物を、下記によりスキーム9に従って調製し得る:
Figure 2022540825000015

- 好適な温度(例えば室温)で、好適な溶媒(例えばDCM)中において、好適な塩基(例えばEtN)の存在下で、式(XXXV)の中間体と、好適なアルデヒド又は好適なアルデヒド前駆体(例えば1,4-ジオキサン-2,5-ジオール(CAS[23147-58-2]))とを反応させる。
- 或いは、好適な温度(例えば室温)で、好適な溶媒(例えばDCM)中において、好適な塩基(例えばEtN)の存在下で、式(XXXV)の中間体と、好適なケトン(例えば1,3-ジヒドロキシアセトン)とを反応させる。
- 式(XXXV)の中間体を、好適な温度(例えば室温)で、好適な溶媒(例えばDCM)中において、式(XXXVI)の中間体と、好適な脱保護剤(例えばTFA)とを反応させることにより調製し得る。
- 式(XXXVI)の中間体を、好適な温度(例えば室温)で、好適な溶媒(例えばDCM)中において、好適な塩基(例えば、EtN若しくはDMAP、又はこれらの混合物)の存在下で、好適なカップリング剤(例えばEDCI)の存在下にて、式(XXXVII)の中間体と、式(XXXIV)の中間体とを反応させることにより調製し得る。
- 式(XXXVII)の中間体を、好適な温度(例えば50℃)で、好適な溶媒(例えば、水、THF、若しくはMeOH、又はこれらの混合物)中において、式(VII)の中間体と、好適な加水分解剤(例えばLiOH)とを反応させることにより調製し得る。
適切な官能基が存在する場合には、様々な式の化合物、又はその調製で使用されるあらゆる中間体は、縮合、置換、酸化、還元、又は開裂反応を用いる1つ又は複数の標準的な合成方法によりさらに誘導体化され得ることが、理解されるだろう。具体的な置換方法として、従来のアルキル化、アリール化、ヘテロアリール化、アシル化、スルホニル化、ハロゲン化、ニトロ化、ホルミル化、及びカップリング手順が挙げられる。
式(I)の化合物を、当該技術分野で既知の分割手順に従って互いに分離され得るエナンチオマーのラセミ混合物の形態で合成し得る。塩基性窒素原子を含む式(I)のラセミ化合物を、好適なキラル酸との反応により、対応するジアステレオマー塩の形態に変換し得る。その後、前記ジアステレオマー塩形態を、例えば、選択的結晶化又は分別結晶化により分離し、エナンチオマーは、アルカリによってそれから遊離される。式(I)の化合物のエナンチオマーの形態を分離する代替的な方法として、キラル固定相を使用する液体クロマトグラフィーが挙げられる。前記純粋な立体化学的異性形態を、適切な出発原料の対応する純粋な立体化学異性形態からも誘導し得るが、但し、この反応は立体特異的に起こることを条件とする。
本発明の化合物の調製では、中間体の離れた官能基(例えば、第一級アミン又は第二級アミン)を保護することが必要な場合がある。そのような保護に対する要求は、離れた官能基の性質と、調製法の条件とに応じて変わるだろう。好適なアミノ保護基(NH-Pg)として、アセチル、トリフルオロアセチル、t-ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(CBz)、及び9-フルオレニルメチレンオキシカルボニル(Fmoc)が挙げられる。そのような保護の必要性は、当業者により容易に決定される。保護基とその使用との概要に関して、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,4th ed.,Wiley,Hoboken,New Jersey,2007を参照されたい。
化合物の薬理
本発明の化合物が複数のMCL-1活性(例えば、MCL-1アポトーシス活性)の内の1つを阻害することが発見されている。
MCL-1阻害剤は、1種又は複数種のMCL-1機能(例えば、アポトーシス促進性のエフェクタであるBak及びBax、又はBH3単一感作物質(例えば、Bim、Noxa、若しくはPuma)に結合して抑制する能力)をブロックする化合物である。
本発明の化合物は、MCL-1生存促進性機能を阻害し得る。従って、本発明の化合物は、癌等の免疫系の影響を受けやすい疾患の処置及び/又は予防(特に処置)で有用であり得る。
本発明の別の実施形態では、本発明の化合物は、例えば免疫調節を介して、抗腫瘍特性を示す。
ある実施形態では、本発明は、癌(この癌は、本明細書で説明されているものから選択される)を処置する及び/又は予防する方法であって、必要な対象(好ましくはヒト)に、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の治療上有効な量を投与することを含む方法を対象とする。
ある実施形態では、本発明は、癌を処置する及び/又は予防する方法であって、必要な対象(好ましくはヒト)に、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の治療上有効な量を投与することを含み、この癌は、下記からなる群から選択される、方法を対象とする:急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、B細胞急性リンパ芽球性白血病、B細胞慢性リンパ芽球性白血病(CLL)、膀胱癌、乳癌、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、結腸腺癌、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、食道癌、濾胞性リンパ腫、胃癌、頭頸部癌(例えば、限定されないが、頭頸部扁平上皮癌)、造血癌、肝細胞癌、ホジキンリンパ腫、肝癌、肺癌(例えば、限定されないが、肺腺癌)、リンパ腫、髄芽腫、黒色腫、意義不明の単クローン性免疫グロブリン血症、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、骨髄線維症、骨髄増殖性疾患、卵巣癌、卵巣明細胞癌、卵巣漿液性嚢胞腺腫、膵癌、真性赤血球増加症、前立腺癌、直腸腺癌、腎細胞癌、くすぶり型多発性骨髄腫、T細胞急性リンパ芽球性白血病、T細胞リンパ腫、及びワルデンストレーム高ガンマグロブリン血症。
別の実施形態では、本発明は、癌を処置する及び/又は予防する方法であって、必要な対象(好ましくはヒト)に、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の治療上有効な量を投与することを含み、この癌は、好ましくは、下記からなる群から選択される、方法を対象とする:急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、B細胞急性リンパ芽球性白血病、B細胞慢性リンパ芽球性白血病(CLL)、乳癌、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、造血癌、ホジキンリンパ腫、肺癌(例えば、限定されないが、肺腺癌)、リンパ腫、意義不明の単クローン性免疫グロブリン血症、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、骨髄線維症、骨髄増殖性疾患、くすぶり型多発性骨髄腫、T細胞急性リンパ芽球性白血病、T細胞リンパ腫、及びワルデンストレーム高ガンマグロブリン血症。
別の実施形態では、本発明は、癌を処置する及び/又は予防する方法であって、必要な対象(好ましくはヒト)に、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の治療上有効な量を投与することを含み、この癌は、下記からなる群から選択される、方法を対象とする:腺癌、良性単クローン免疫グロブリン症、胆道癌(例えば、限定されないが、胆管癌)、膀胱癌、乳癌(breast cancer)(例えば、限定されないが、乳房の腺癌、乳房の乳頭癌、乳癌(mammary cancer)、乳房の髄様癌)、脳癌(例えば、限定されないが、髄膜腫)、神経膠腫(例えば、限定されないが、星細胞腫、乏突起膠腫;髄芽腫)、気管支癌、子宮頸癌(例えば、限定されないが、子宮頸部腺癌)、脊索腫、絨毛癌、結腸直腸癌(例えば、限定されないが、結腸癌、直腸癌、結腸直腸腺癌)、上皮性癌、内皮肉腫(例えば、限定されないが、カポジ肉腫、多発性特発性出血性肉腫)、子宮内膜癌(例えば、限定されないが、子宮癌、子宮肉腫)、食道癌(例えば、限定されないが、食道の腺癌、バレット腺癌)、ユーイング肉腫、胃癌(例えば、限定されないが、胃腺癌)、消化管間質腫瘍(GIST)、頭頸部癌(例えば、限定されないが、頭頸部扁平上皮癌)、造血癌(例えば、限定されないが、白血病、例えば、急性リンパ性白血病(ALL)(例えば、限定されないが、B細胞ALL、T細胞ALL)、急性骨髄性白血病(AML)(例えば、B細胞AML、T細胞AML)、慢性骨髄性白血病(CML)(例えば、B細胞CML、T細胞CML)、及び慢性リンパ球性白血病(CLL)(例えば、B細胞CLL、T細胞CLL)、リンパ腫、例えば、ホジキンリンパ腫(HL)(例えば、限定されないが、B細胞HL、T細胞HL)、及び非ホジキンリンパ腫(NHL)(例えば、B細胞NHL、例えば、びまん性大細胞型リンパ腫(DLCL)(例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL))、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、辺縁帯B細胞リンパ腫(例えば、限定されないが、粘膜内リンパ組織(MALT)、リンパ腫、結節性の辺縁帯B細胞リンパ腫、脾臓の辺縁帯B細胞リンパ腫)、縦隔原発B細胞性リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(例えば、限定されないが、ワルデンストレーム高ガンマグロブリン血症)、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、有毛細胞白血病、(HCL)、前駆体Bリンパ芽球性リンパ腫及び中枢神経系原発(CNS)リンパ腫、T細胞NHL、例えば、前駆体Tリンパ芽球性リンパ腫/白血病、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)(例えば、皮膚性のT細胞リンパ腫(CTCL)(例えば、限定されないが、菌状息肉腫、セザリー症候群)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、節外性のナチュラルキラーT細胞リンパ腫、腸疾患型T細胞リンパ腫、皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫、未分化大細胞型リンパ腫、上記で説明した1種又は複数種の白血病/リンパ腫の混合物、多発性骨髄腫(MM)、重鎖病(例えば、限定されないが、アルファ鎖病、ガンマ鎖病、ミュー鎖病)、免疫細胞アミロイドーシス、腎癌(例えば、限定されないが、腎芽腫、別名ウィルムス腫瘍、腎細胞癌)、肝癌(例えば、限定されないが、肝細胞癌(HCC)、悪性肝癌)、肺癌(例えば、限定されないが、気管支原性癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、扁平上皮肺癌(SLC)、肺の腺癌、ルイス肺癌、肺神経内分泌腫瘍、典型的なカルチノイド、非定型カルチノイド、小細胞肺癌(SCLC)、及び大細胞神経内分泌癌)、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性疾患(MPD)、真性赤血球増加症(PV)、本態性血小板増加症(ET)、特発性骨髄化生(AMM)、別名骨髄線維症(MF)、慢性特発性骨髄線維症、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好中球性白血病(CNL)、好酸球増加症候群(HES)、卵巣癌(例えば、限定されないが、嚢胞腺癌、卵巣胎児性癌、卵巣腺癌)、膵癌(例えば、限定されないが、膵臓腺癌、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、膵島細胞腫瘍)、前立腺癌(例えば、限定されないが、前立腺腺癌)、皮膚癌(例えば、限定されないが、扁平上皮癌(SCC)、角化棘細胞腫(KA)、黒色腫、基底細胞癌(BCC))、及び軟部肉腫(例えば、悪性線維性組織球腫(MFH)、脂肪肉腫、悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)、軟骨肉腫、繊維肉腫、粘液肉腫)。
別の実施形態では、本発明は、癌を処置する及び/又は予防する方法であって、必要な対象(好ましくはヒト)に、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の治療上有効な量を投与することを含み、この癌は、下記からなる群から選択される、方法を対象とする:良性単クローン免疫グロブリン症、乳癌(breast cancer)(例えば、限定されないが、乳房の腺癌、乳房の乳頭癌、乳癌(mammary cancer)、乳房の髄様癌)、造血癌(例えば、限定されないが、白血病、例えば、急性リンパ性白血病(ALL)(例えば、限定されないが、B細胞ALL、T細胞ALL)、急性骨髄性白血病(AML)(例えば、B細胞AML、T細胞AML)、慢性骨髄性白血病(CML)(例えば、B細胞CML、T細胞CML)、及び慢性リンパ球性白血病(CLL)(例えば、B細胞CLL、T細胞CLL)、リンパ腫、例えば、ホジキンリンパ腫(HL)(例えば、限定されないが、B細胞HL、T細胞HL)、及び非ホジキンリンパ腫(NHL)(例えば、B細胞NHL、例えば、びまん性大細胞型リンパ腫(DLCL)(例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL))、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、辺縁帯B細胞リンパ腫(例えば、限定されないが、粘膜内リンパ組織(MALT)、リンパ腫、結節性の辺縁帯B細胞リンパ腫、脾臓の辺縁帯B細胞リンパ腫)、縦隔原発B細胞性リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(例えば、限定されないが、ワルデンストレーム高ガンマグロブリン血症)、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、有毛細胞白血病、(HCL)、前駆体Bリンパ芽球性リンパ腫及び中枢神経系原発(CNS)リンパ腫、T細胞NHL、例えば、前駆体Tリンパ芽球性リンパ腫/白血病、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)(例えば、皮膚性のT細胞リンパ腫(CTCL)(例えば、限定されないが、菌状息肉腫、セザリー症候群)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、節外性のナチュラルキラーT細胞リンパ腫、腸疾患型T細胞リンパ腫、皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫、未分化大細胞型リンパ腫、上記で説明した1種又は複数種の白血病/リンパ腫の混合物、多発性骨髄腫(MM)、重鎖病(例えば、限定されないが、アルファ鎖病、ガンマ鎖病、ミュー鎖病)、免疫細胞アミロイドーシス、肝癌(例えば、限定されないが、肝細胞癌(HCC)、悪性肝癌)、肺癌(例えば、限定されないが、気管支原性癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、扁平上皮肺癌(SLC)、肺の腺癌、ルイス肺癌、肺神経内分泌腫瘍、典型的なカルチノイド、非定型カルチノイド、小細胞肺癌(SCLC)、及び大細胞神経内分泌癌)、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性疾患(MPD)、及び前立腺癌(例えば、限定されないが、前立腺腺癌)。
別の実施形態では、本発明は、癌を処置する及び/又は予防する方法であって、必要な対象(好ましくはヒト)に、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の治療上有効な量を投与することを含み、この癌は、前立腺癌、肺癌、膵癌、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、メラノーマ、B細胞性慢性リンパ性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)、及び急性リンパ芽球性白血病(ALL)からなる群から選択される、方法を対象とする。
別の実施形態では、本発明は、癌を処置する及び/又は予防する方法であって、必要な対象(好ましくはヒト)に、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の治療上有効な量を投与することを含み、この癌は、多発性骨髄腫である、方法を対象とする。
本発明に係る化合物、又は前記化合物を含む医薬組成物はまた、免疫調節剤(例えば、PD1/PDL1免疫チェックポイント軸の阻害剤、例えば、PD-1又はPD-L1及び若しくはCTLA-4に結合する及び/又はPD-1又はPD-L1及び若しくはCTLA-4の活性を阻害する抗体(又はペプチド)、又は腫瘍関連抗原を標的とする操作されたキメラ抗原受容体T細胞(CART))との組み合わせでの治療用途も有し得る。
本発明に係る化合物、又は前記化合物を含む医薬組成物はまた、放射線療法若しくは化学療法剤(例えば、限定されないが、抗癌剤)、又は癌を有する対象に、前記対象の癌の処置のためにか又は前記対照の癌の処置と関連する副作用の処置若しくは予防のために投与される任意の他の薬剤とも組み合わされ得る。
本発明に係る化合物、又は前記化合物を含む医薬組成物はまた、免疫反応を刺激するか又は増強する他の薬剤(例えばワクチン)とも組み合わされ得る。
ある実施形態では、本発明は、癌(この癌は、本明細書で説明されているものから選択される)を処置する及び/又は予防する方法であって、必要な対象(好ましくはヒト)に、共治療又は組み合わせ治療の治療上有効な量を投与することを含み、この共治療又は組み合わせ治療は、本発明の式(I)の化合物と、(a)免疫調節剤(例えば、PD1/PDL1免疫チェックポイント軸の阻害剤、例えば、PD-1又はPD-L1及び若しくはCTLA-4に結合する及び/又はPD-1又はPD-L1及び若しくはCTLA-4の活性を阻害する抗体(又はペプチド));(b)腫瘍関連抗原を標的とする操作されたキメラ抗原受容体T細胞(CART);(c)放射線療法;(d)化学療法;並びに(e)免疫反応を刺激するか又は増強する薬剤(例えばワクチン)からなる群から選択される1種又は複数種の抗癌剤とを含む、方法を対象とする。
本発明は、薬剤としての使用のための、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を対象とする。
本発明は、MCL-1活性の阻害での使用のための、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を対象とする。
本明細書で使用される場合、別途特記しない限り、「抗癌剤」という用語は、「抗腫瘍細胞増殖剤」及び「抗新生物剤」も包含するものとする。
本発明は、上述した疾患(好ましくは癌)の処置及び/又は予防での使用のための、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を対象とする。
本発明は、上述した疾患(好ましくは癌)の処置及び/又は予防のための、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を対象とする。
本発明は、本明細書で説明されている疾患(好ましくは癌、例えば多発性骨髄腫)の処置及び/又は予防のための、特に処置のための、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を対象とする。
本発明は、本明細書で説明されている疾患(好ましくは癌、例えば多発性骨髄腫)の処置及び/又は予防での使用のための、特に処置のための、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を対象とする。
本発明は、MCL-1により媒介される疾患又は状態(好ましくは癌、より好ましくは、本明細書で説明されている癌(例えば多発性骨髄腫))の処置及び/又は予防のための、特に処置のための、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を対象とする。
本発明は、MCL-1により媒介される疾患又は状態(好ましくは癌、より好ましくは、本明細書で説明されている癌(例えば多発性骨髄腫))の処置及び/又は予防での使用のための、特に処置での使用のための、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を対象とする。
本発明は、薬剤の製造のための、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。
本発明は、MCL-1の阻害のための薬剤の製造のための、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。
本発明は、癌(好ましくは、本明細書で説明されている癌)の処置及び/又は予防(特に処置)のための薬剤の製造のための、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。より具体的には、この癌は、MCL-1の阻害に反応する癌(例えば多発性骨髄腫)である。
本発明は、前述した疾患状態の内のいずれか1つの処置及び/又は予防(特に処置)のための薬剤の製造のための、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を対象とする。
本発明は、前述した疾患状態の内のいずれか1つの処置及び/又は予防のための薬剤の製造のための、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を対象とする。
式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を、前述した疾患の内のいずれか1つの処置及び/又は予防のために、対象(好ましくはヒト)に投与し得る。
式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物の有用性を考慮して、前述した疾患の内のいずれかに罹患している対象(好ましくは、ヒト等の哺乳動物)を処置する方法;又は対象(ヒト)の前述した疾患の内のいずれかの進行を遅延させる方法、又は前述した疾患の内のいずれか1つに罹患している対象(好ましくは、ヒト等の哺乳動物)を予防する方法が提供される。
前記方法は、ヒト等の対象への、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物の有効な量の投与(即ち、全身投与又は局所投与、好ましくは経口投与又は静脈内投与、より好ましくは経口投与)を含む。
本発明の化合物の治療上有効な量は、治療活性を有するのに十分な量であること、並びにこの量は、とりわけ、疾患の種類、治療用製剤中のこの化合物の濃度、及び患者の状態に応じて変動することを、当業者は理解するだろう。ある実施形態では、治療上有効な1日当たりの量は、約0.005mg/kg~100mg/kgであり得る。
治療効果を得るのに必要な、本発明に係る化合物(本明細書では有効成分とも称される)の量は、個別的に、例えば、特定の化合物、投与経路、レシピエントの年齢及び状態、並びに処置する特定の障害又は疾患と共に変動し得る。本発明の方法はまた、1日当たり1~4回の服用の投薬計画で有効成分を投与することも含み得る。本発明のこの方法では、本発明に係る化合物は、好ましくは、投与前に製剤化されている。
本発明はまた、本明細書で言及されている障害(好ましくは、本明細書で説明されている癌)の処置及び/又は予防のための組成物も提供する。前記組成物は、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の治療上有効な量と、薬学的に許容される担体又は希釈剤とを含む。
有効成分(例えば、本発明の化合物)を単独で投与することが可能であるが、医薬組成物として投与することが好ましい。従って、本発明は、本発明に係る化合物を、薬学的に許容される担体又は希釈剤と共に含む医薬組成物をさらに提供する。この担体又は希釈剤は、この組成物の他の成分と適合し且つそのレシピエントに有害でないという意味で「許容される」ものでなければならない。
本発明の医薬組成物を、薬学の分野で公知の任意の方法により調製し得、例えば、例えばGennaro et al.Remington’s Pharmaceutical Sciences(18thed.,Mack Publishing Company,1990(特に、Part8:Pharmaceutical preparations and their Manufactureを参照されたい))で説明されているもの等の方法を使用して調製し得る。
本発明の化合物を、単独で投与してもよいし、1種又は複数種の追加の治療薬と組み合わせて投与してもよい。組み合わせ療法として、本発明に係る化合物と1種又は複数種の追加の治療薬とを含む単一医薬製剤の投与、及び本発明に係る化合物と追加の各治療薬とのそれぞれ個別の医薬製剤による投与が挙げられる。
従って、ある実施形態では、本発明は、癌に罹患している患者の処置での同時の、個別の、又は逐次の使用のための組み合わせ調製物としての、第1の有効成分として本発明に係る化合物を含み、さらに追加の有効成分として1種又は複数種の抗癌剤を含む製品を対象とする。
1種又は複数種の他の抗癌剤と、本発明に係る化合物とを、同時に(例えば、別個の組成物又は単位組成物で)投与してもよいし、いずれかの順序で逐次的に投与してもよい。ある実施形態では、2種以上の化合物を、有利な効果又は相乗効果が確実に得られるのに十分な期間内に、及び/又は量で、及び/又は方法で投与する。好ましい投与方法及び投与順序、並びに組み合わせた各成分のそれぞれの投薬量及び投薬計画が、投与されている個々の他の抗癌剤及び本発明の化合物、これらの投与経路、処置されている個々の状態(特に腫瘍)、並びに処置されている個々の宿主に依存することが理解されるだろう。
下記の実施例は、本発明をさらに説明するものである。
本発明の化合物を調製するためのいくつかの方法を、下記の実施例で説明する。別途特記しない限り、全ての出発物質を、市販業者から入手してさらに精製することなく使用したか、或いは、公開されている方法を使用することによって熟練者により合成し得る。
Figure 2022540825000016
Figure 2022540825000017
Figure 2022540825000018
当業者に理解されるように、示されたプロトコルを使用して合成された化合物は、残留溶媒又は少量の不純物を含み得る。
下記の実験プロトコルにおいて明示的に言及されていない場合であっても、典型的にはカラムクロマトグラフィー精製後に所望の画分を回収して溶媒を蒸発させたことを当業者は理解するだろう。
立体化学が示されていない場合には、別途指示されないか又は文脈から明らかでない限り、このことは、立体異性体の混合物であることを意味する。
中間体の調製
粗中間体か又は部分的に精製された中間体として次の反応工程で使用した中間体に関して、そのような場合では、次の反応工程において、そのような中間体のmol量が言及されていないか、或いは次の反応工程において、そのような中間体の推定mol量又は理論mol量が、下記で説明する反応プロトコルで示されている。
A1)
tert-ブチル(S)-2-ホルミルアゼチジン-1-カルボキシレート(中間体1)
Figure 2022540825000019

DCM(250mL)中の(S)-1-Boc-2-アゼチジンメタノール[161511-85-9](10g、53.4mmol)の撹拌溶液に、0℃で、Dess-Martinペリオジナン[87413-09-0](30g、1.3eq.)を添加した。この反応混合物を、2時間にわたり室温で撹拌した。この反応混合物を、飽和水性NaHCO溶液中のチオ硫酸ナトリウムの溶液の添加によりクエンチした。得られた混合物を、15分にわたり激しく撹拌した。得られた懸濁液を、Celite(登録商標)のパッドでろ過した。このフィルタパッドを、ジクロロメタンで洗浄した。まとめたろ液を分離し、水層をDCMで抽出した(2×)。まとめた有機層を飽和水性NaHCOで2回洗浄し、MgSOで脱水し、ろ過した。ろ液の溶媒を蒸発させて、中間体1 10.17g(定量的)を油状物として得、さらに精製することなく使用した。
tert-ブチル(S)-2-((1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-1-イル)(ヒドロキシ)メチル)アゼチジン-1-カルボキシレート(中間体2)
Figure 2022540825000020

中間体1(9g、48.59mmol)に、tert-ブチルメチルエーテル(40mL)を添加した。得られた懸濁液を、室温で10分にわたり撹拌し、次いでろ過した。固体を、tert-ブチルメチルエーテルですすいだ。ろ液を丸底フラスコに移し、0℃まで冷却した。この溶液に、1H-ベンゾトリアゾール(5.79g、1eq.)を添加し、この反応混合物を、18時間にわたり室温で撹拌した。溶媒を蒸発させて中間体2(14.79g、定量的)を得、さらに精製することなく使用した。
2-(((2R,3S)-3-メチルヘキサ-5-エン-2-イル)チオ)ピリミジン(中間体3)
Figure 2022540825000021

脱気THF(300mL)中のPBu(36.09mL、1.5eq.)に、0℃での窒素雰囲気下にて、DEAD(25.79mL、1.7eq.)のTHF(100mL)溶液を滴下した。この混合物に、0℃で、(2S,3S)-3-メチルヘキサ-5-エン-2-オール[125225-80-1](11g、1eq.)のTHF(200mL)溶液を滴下した。この混合物を、30分にわたり0℃で撹拌した(この溶液は、薄いオレンジ色になった)。この混合物に、ピリミジン-2-チオール[131242-36-9](30.79g、2.85eq.)を徐々に添加した。この反応混合液を1時間にわたり0℃で撹拌し、次いで一晩室温で撹拌した。この反応混合物をろ過した。ろ液に、EtOAc 500mLを添加した。この溶液を1N KCO(300mL)で2回洗浄し、次いでブライン(300mL)で2回洗浄した。水層をEtOAc 400mLで逆抽出した。まとめた有機相をNaSOで脱水し、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/EtOAc 100/0~0/100)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮乾固させて、中間体3(35.4g、68%収率)を得た。
2-(((2R,3S)-3-メチルヘキサ-5-エン-2-イル)スルホニル)ピリミジン(中間体4)
Figure 2022540825000022

NaWO[10213-10-2](1.075g、0.1eq.)、フェニルホスホン酸[157171-33-1](0.515g、0.1eq.)、及びテトラブチルアンモニウム硫酸塩(3.75mL、0.1eq.)の混合物に、室温で、H(9.24g、2.5eq.)を一度に添加した。この混合物を5分にわたり室温で寝かせた後、中間体3(10g、1eq.)のトルエン(150mL)溶液を一度に添加した。この二相性反応混合物を、激しく撹拌しつつ50℃まで加熱した。60分後、この反応物を室温まで冷却した。この反応混合物を水(150mL)に注いだ。層を分離し、水層をEtOAc(300mL×3回)で抽出した。まとめた有機層をNaの飽和水溶液(200mL×2回)で洗浄し、MgSOで脱水し、ろ過し、濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/EtOAc 100/0~0/100)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮して、中間体4(5.6mg、68%)を黄色油状物として得た。
ナトリウム(2R,3S)-3-メチルヘキサ-5-エン-2-スルホネート(中間体5)
Figure 2022540825000023

中間体4(5.6g、1eq.)のMeOH(30mL)溶液を0℃まで冷却し、NaOMe(4.794g、1eq.)で処理した。この混合物を、20分にわたり室温まで昇温させた。溶媒を真空下で除去した。この混合物に水(10mL)を添加し、EtOAc(10mL×3回)で抽出した。まとめた有機相を減圧下で濃縮して、中間体5(6.3g、定量的)を黄色固体として得た。この生成物を、さらに精製することなく次の工程に使用した。
(2R,3S)-3-メチルヘキサ-5-エン-2-スルホンアミド(中間体6)
Figure 2022540825000024

中間体5(33.2g、1eq.)を、MeOH(200mL)に溶解させ、NaOAc(18.48g、1.25eq.)で処理し、続いてヒドロキシルアミンO-スルホン酸(25.48g、1.25eq.)の水(15mL)溶液で処理した。この反応物を室温で一晩撹拌した。この混合物を固体のNaHCOで中和し、EtOAc(400mL×3回)で抽出した。まとめた有機層をMgSOで脱水し、ろ過し、濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/EtOA 100/0~0/100)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮して、中間体6(18.1mg、56%)を透明油状物として得た。
(2R,3S)-3-メチルヘキサ-5-エン-2-スルホンアミド(中間体7)
Figure 2022540825000025

中間体6(5g、28.2mmol)のDMF(50mL)溶液に、KCO(15.593g、4eq.)を添加し、続いて4-メトキシベンジルクロリド(11.474mL、3eq)を緩やかに添加した。この添加が完了すると、この反応物を70℃まで加熱し、この温度で一晩撹拌した。この反応物をdicalite(登録商標)のパッドに通してろ過して無機物を除去し、減圧下で濃縮して淡黄色油状物を得た。この油状物をEtOAc(150mL)に溶解させ、ブライン(2回×100mL)で洗浄した。有機層をMgSOで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮して、淡黄色油状物を得た。この粗生成物を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:EtOAc-1:0~8:2)により精製した。生成物を含む画分の蒸発後、残渣を、分取HPLC(固定相:RP XBridge Prep C18 OBD-10μm、50×150mm、移動相:0.25% NHHCO水溶液、CHCN)により精製して、中間体7(5.98g、収率48%)を白色固体として得た。
(2R,3S)-N,N-ビス(4-メトキシベンジル)-3-メチル-5-オキソペンタン-2-スルホンアミド(中間体8)
Figure 2022540825000026

中間体7(1g、2.275mmol)をDCM(12.5mL)及びMeOH(12.5mL)の混合物に溶解させ、得られた混合物を-78℃まで冷却した。その後、青色の持続的な色が観察される(5分)まで、この反応混合物にオゾン(109.199mg、1eq.)をバブリングした。次いで、この溶液に(-78℃のままで)窒素をバブリングして青色を除去し、続いてPPh(2.984g、5eq)を添加した。添加が完了すると、この反応物を1時間にわたり-78℃で撹拌した。次いで、この反応混合物を室温まで緩やかに昇温させ、1時間にわたり撹拌した。この不均一混合物を、dicalite(登録商標)のパッドに通してろ過した。このパッドを、DCMで完全に洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮して緑色油状物を得、この油状物を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:EtOAc-1:0~3:1)により精製して、中間体8(920mg、収率87%)を無色油状物として得た。
(2R,3S)-N,N-ビス[(4-メトキシフェニル)メチル]-3-メチル-ヘキサ-5-イン-2-スルホンアミド(中間体37)
Figure 2022540825000027

MeOH(5mL)中の中間体8(800mg、1.9mmol)及びKCO(527mg、2eq.)の懸濁液に、0℃で、ジメチル(1-ジアゾ-2-オキソプロピル)ホスホネート(0.3mL、1eq.)を添加した。0℃での30分後、この反応混合物を室温まで放置し、4時間にわたり撹拌し続けた。この反応混合物をDCM 10mLで希釈し、ろ過し、ろ液を蒸発させた。残渣を、分取HPLC(固定相:RP XBridge Prep C18 OBD-10μm、50×150mm、移動相:0.25% NHHCO水溶液、CHCN)により精製して、中間体37(500mg、収率:63%)を得た。
(2R,3S,E)-N,N-ビス(4-メトキシベンジル)-3-メチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ヘキサ-5-エン-2-スルホンアミド(中間体38)
Figure 2022540825000028

ビス(ピナコラト)ジボロン(187mg、1.5eq.)、酸化銅(I)(19.4mg、0.27eq.)、PPh(49mg、0.38eq.)、第二リン酸カリウム(171mg、2eq.)、及びMeOH(1.6mL)の混合物を、チューブ中で撹拌した。このチューブを閉じ、10分にわたり窒素でパージした。MeOH(1.6mL)に溶解させた中間体37(200mg、0.48mmol)を添加した。この反応混合物を、3時間にわたり室温で撹拌した。ETOAc(6mL)を添加した。この反応混合物を5分にわたり撹拌し、ろ過した。ろ液を蒸発させ、残渣をDIPE中で撹拌し、固体をろ過し、ろ液を蒸発させて、中間体38(243mg、収率:93%)を得、さらに精製することなく使用した。
中間体51
Figure 2022540825000029

乾燥THF(150mL)中の中間体8(8g、19.07mmol)、フルオロトリボロモメタン[353-54-8](2.8mL、1.5eq.)、及びトリフェニルホスフィン[603-35-0](7.5g、1.5eq.)の撹拌溶液に、室温で、シリンジポンプにより4時間かけて、ジエチル亜鉛[557-20-0](27mL、ヘプタン中に1M、1.4eq.)を添加した。添加直後、黄色溶液をMeOH(20mL)でクエンチし、減圧下で蒸発させた。残渣を、ヘプタン/EtOAc(1:0~4:1)によるシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、中間体51(8.4g、収率:86%)を透明油状物(Z/E異性体の48/52混合物)として得た。
中間体52
Figure 2022540825000030

乾燥THF(350mL)中の中間体51(28.0g、54.42mmol)の冷(0℃)撹拌溶液に、シリンジポンプにより14時間かけて、LiHMDS[4039-32-1](60mL、THF中に1M、1.1eq.)を添加した。添加後、この混合物を0℃で30分にわたりさらに撹拌した後、水(100mL)でクエンチした。EtOAc(150mL)を添加した。有機層を抽出し、ブライン(100mL)で洗浄し、脱水し(MgSO4)、ろ過し、減圧下で蒸発させた。残渣を、ヘプタン/EtOAc(1:0~4:1)を使用するシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、中間体52(13.72g、収率:49%)を、>99:1 E/Z比の透明油状物として得た。
中間体53
Figure 2022540825000031

中間体52(1.55g、3.013mmol)を、乾燥1,4-ジオキサン(15mL)に溶解させた。この溶液を、密閉容器中において、95℃で、乾燥1,4-ジオキサン(45mL)中のビス(ピナコラト)ジボロン[73183-34-3](3.1g、4eq.)、酢酸カリウム(900mg、3eq.)、及び1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン複合体[95464-05-4](250mg、0.1eq.)の脱気溶液に、30分かけて滴下した。添加後、この反応混合物を5時間にわたり95℃で撹拌し、次いで25℃で一晩撹拌した。この反応混合物にジカライト(Dicalite)を添加し、ろ過した。ろ液を濃縮し、残渣をヘプタン中に取り、5分にわたり撹拌し、次いでろ過した。ろ液をヘプタンで洗浄した。まとめたろ液を濃縮し、溶離液としてヘプタン/EtOAc(100:0~70:30)を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、中間体53(1.4g、収率:83%)を得た。
メチル(S)-5-(((S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)アゼチジン-2-イル)メチル)-6’-クロロ-3’,4,4’,5-テトラヒドロ-2H,2’H-スピロ[ベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3,1’-ナフタレン]-7-カルボキシレート(中間体9)
Figure 2022540825000032

乾燥DCM(50mL)中のメチル(S)-6’-クロロ-3’,4,4’,5-テトラヒドロ-2H,2’H-スピロ[ベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3,1’-ナフタレン]-7-カルボキシレート[1883726-85-9](3g、8.384mmol)及び中間体2(7.82g、3eq.)の溶液に、室温で、AcOH(12mL、25eq.)を添加した。室温で1時間にわたり撹拌した後、この反応混合物を0℃まで冷却した。次いで、30分毎に9回に分けて、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(890mg、0.5eq.)を添加した。この反応混合物を、飽和NaHCOの溶液でクエンチし、EtOAcで希釈した。層を分離し、有機層をブラインで洗浄し、MgSOで脱水し、ろ過し、溶媒を減圧下で除去した。残渣を、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:EtOAc/ヘプタン:0/100~30/70)により精製して、中間体9(3.6g、収率73%)を白色粉末として得た。
メチル(S)-5-(((S)-アゼチジン-2-イル)メチル)-6’-クロロ-3’,4,4’,5-テトラヒドロ-2H,2’H-スピロ[ベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3,1’-ナフタレン]-7-カルボキシレート(中間体10)
Figure 2022540825000033

中間体9(1.98g、3.494mmol)のDCM(20mL)溶液に、TFA(9.5mL、35.5eq.)を緩やかに添加した。この反応混合物を、4時間にわたり室温で撹拌した。この反応混合物をDCMで希釈し、NaHCO/氷/DCMの飽和溶液に滴下した。層を分離し、水層をDCMで2回抽出した。まとめた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで脱水し、ろ過し、減圧下で溶媒を除去して、中間体10(1.23g、収率76%)を白色粉末として得た。
メチル(3S)-5-(((2S)-1-(2-(ベンゾ[d]チアゾール-2-イルスルホニル)-2-フルオロエチル)アゼチジン-2-イル)メチル)-6’-クロロ-3’,4,4’,5-テトラヒドロ-2H,2’H-スピロ[ベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3,1’-ナフタレン]-7-カルボキシレート(中間体11)
Figure 2022540825000034

中間体10(500mg、1.113mmol)及び2-((1-フルオロビニル)スルホニル)ベンゾ[d]チアゾール[1200123-14-3](324.8mg、1.2eq.)を、室温で一晩、乾燥DCM(20mL)中で撹拌した。この反応混合物をNHClでクエンチし、DCMで3回抽出した。まとめた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで脱水し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣を、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:EtOAc/ヘプタン:0/100~40/60)により精製して、中間体11(491mg、66%)を得た。
メチル(S)-5-(((S)-1-((5S,6R)-6-(N,N-ビス(4-メトキシベンジル)スルファモイル)-2-フルオロ-5-メチルヘプタ-2-エン-1-イル)アゼチジン-2-イル)メチル)-6’-クロロ-3’,4,4’,5-テトラヒドロ-2H,2’H-スピロ[ベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3,1’-ナフタレン]-7-カルボキシレート(E/Z混合物)(中間体12)
Figure 2022540825000035

THF(10mL)中の中間体11(381mg、0.568mmol)及び中間体8(397.49mg、1.5eq)の溶液に、窒素雰囲気下にて-21℃で、30分かけて、tBuOK(70.17mg、1.1eq)のTHF(5mL)溶液を緩やかに添加した。-21℃で15分間撹拌した後、この反応混合物を室温まで温め、15分にわたり撹拌した。追加の中間体8(0.5eq.)及びtBuOK(0.5eq.)を添加し、この反応混合物をさらに30分にわたり撹拌した。次いで、この反応混合物を-21℃まで冷却し、追加のtBuOK(1.1eq.)を30分かけて添加した。この反応混合物を、NHClでクエンチした。DCMを添加した。層を分離し、水層をDCMで抽出した。まとめた有機相をブラインで洗浄し、MgSOで脱水し、ろ過し、溶媒を減圧下で除去した。残渣を、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:EtOAc/ヘプタン:0/100~40/60)により精製して、中間体12(226.5g、42%)を白色粉末として得た。
メチル(S)-6’-クロロ-5-(((S)-1-((5S,6R)-2-フルオロ-5-メチル-6-スルファモイルヘプタ-2-エン-1-イル)アゼチジン-2-イル)メチル)-3’,4,4’,5-テトラヒドロ-2H,2’H-スピロ[ベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3,1’-ナフタレン]-7-カルボキシレート(E/Z混合物)(中間体13)
Figure 2022540825000036

中間体12(226.5mg、0.241mmol)のDCM(7mL)溶液に、窒素雰囲気下で、TFA(1.84mL、100eq.)を滴下した。この反応混合物を、21時間にわたり室温で撹拌した。この反応混合物を飽和水性NaHCOでクエンチし、DCMで希釈した。水層を、DCMで3回抽出した。まとめた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで脱水し、ろ過し、溶媒を減圧下で除去して、中間体13(131.9mg、57%)を得た。
(S)-6’-クロロ-5-(((S)-1-((5S,6R)-2-フルオロ-5-メチル-6-スルファモイルヘプタ-2-エン-1-イル)アゼチジン-2-イル)メチル)-3’,4,4’,5-テトラヒドロ-2H,2’H-スピロ[ベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3,1’-ナフタレン]-7-カルボン酸(E/Z混合物)(中間体14)
Figure 2022540825000037

THF(4mL)及び水(1mL)中の中間体13(131.9mg、0.15mmol)の溶液に、LiOH(14.34mg、4eq.)を添加した。この反応混合物を16時間にわたり室温で撹拌し、続いて50℃で2時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を、分取HPLC(固定相:RP XBridge Prep C18 OBD-10μm、30×150mm、移動相:0.25% NHHCO水溶液、CHCN)により精製して、中間体14(16mg、17%)を得た。
A2)
メチル(S)-5-(((S)-1-アリルアゼチジン-2-イル)メチル)-6’-クロロ-3’,4,4’,5-テトラヒドロ-2H,2’H-スピロ[ベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3,1’-ナフタレン]-7-カルボキシレート(中間体15)
Figure 2022540825000038

乾燥CHCN(40mL)中の中間体10(333mg、0.686mmol)及びCsCO(1.12g、5eq.)の懸濁液に、室温で、臭化アリル(65.3μL、1.1eq.)を添加した。この反応混合物を、24時間にわたり室温で撹拌した。溶媒を蒸発させた。残渣を水とEtOAcとの間で分配し、層を分離した。水層を、EtOAcで再度抽出した。まとめた有機層をMgSOで脱水し、ろ過し、蒸発させた。残渣を、カラムクロマトグラフィー(SNAP Ultra 25g;溶離液:AcOEt/EtOH 3/1:ヘプタン 0:100→60:40)により精製して、中間体15(212mg、51%)を無色固体として得、45℃にて真空下で乾燥させた。
(S)-5-(((S)-1-アリルアゼチジン-2-イル)メチル)-6’-クロロ-3’,4,4’,5-テトラヒドロ-2H,2’H-スピロ[ベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3,1’-ナフタレン]-7-カルボン酸(中間体16)
Figure 2022540825000039

水、蒸留(5mL)、及びTHF(15mL)中の中間体15(212mg、0.35mmol)の溶液に、LiOH(25.11mg、3eq.)を添加した。この混合物を、一晩室温で撹拌し、次いで24時間にわたり60℃で撹拌した。溶媒を、減圧下で蒸発させた。精製を、分取HPLC(固定相:RP XBridge Prep C18 OBD-10μm、50×150mm、移動相:0.25% NHHCO水溶液、CHCN)により実施し、溶媒の蒸発後に中間体16(104mg、66%)を白色固体として得た。
(S)-5-(((S)-1-アリルアゼチジン-2-イル)メチル)-6’-クロロ-N-(((2R,3S)-3-メチルヘキサ-5-エン-2-イル)スルホニル)-3’,4,4’,5-テトラヒドロ-2H,2’H-スピロ[ベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3,1’-ナフタレン]-7-カルボキサミド(中間体17)
Figure 2022540825000040

乾燥DCM(5mL)中の中間体16(104mg、0.23mmol)及び中間体6(101.75mg、2.5eq.)の溶液に、室温で、DMAP(47.68mg、1.7eq.)を添加し、続いてEDC.HCl(88.03mg、2eq.)を添加した。この反応混合物を一晩室温で撹拌した。この反応混合物に飽和水性NHCl 3mLを添加し、この混合物を数分にわたり撹拌した。層を分離し、水層をDCMで再度抽出した。まとめた有機層を、Extrelut NT3によるろ過により脱水し、蒸発させた。精製を、分取HPLC(固定相:RP XBridge Prep C18 OBD-10μm、50×150mm、移動相:0.25% NHHCO水溶液、CHCN)により実施して、60℃での溶媒の蒸発後に中間体17(88mg、54%)をオフホワイトの固体として得た。
A3)
(6-クロロ-1-((4-ヨード-2-ニトロフェノキシ)メチル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)メタノール(中間体18)
Figure 2022540825000041

この反応を、2つのバッチで実施した。各バッチに関して、(6-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1,1-ジイル)ジメタノール[1883726-74-6](300g、1.32mol)及び1-フルオロ-4-ヨード-2-ニトロベンゼン(353g、1.32mol)を、アセトニトリル(1.4L)に溶解させた。この反応混合物に、KCO(549g、3.97mol)を添加し、16時間にわたり50℃で撹拌した。この反応混合物をろ過し、ろ液を蒸発させた。次いで、2つのバッチをまとめ、残渣を、カラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル:ジクロロメタン=3/1から石油エーテル/EtOAc1;1)により精製した。中間体18を、黄色油状物(600g、48%収率)として得た。
6-クロロ-1-((4-ヨード-2-ニトロフェノキシ)メチル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-カルバルデヒド(中間体19)
Figure 2022540825000042

この反応を、3つのバッチで実施した。各バッチに関して、(COCl)(161g、1.27mol)のDCM(2.4L)溶液に、-78℃で、DMSO(99.0g、1.27mol)を添加した。この反応混合物を、15分にわたり-78℃で撹拌した。次いで、-78℃で、DCM(0.90L)中の中間体18(200g、422mmol)を添加し、-78℃で30分にわたり撹拌し続けた。-78℃で、EtN(214g、2.11mol)を添加し、この反応混合物を室温まで昇温させた。1.5時間にわたり、室温で撹拌し続けた。水性NaHCO(1L)を添加し、この混合物をDCM(0.5L×2回)で抽出した。次いで、3つのバッチをまとめ、蒸発させて、中間体19(560g)を黄色固体として得、さらに精製することなく使用した。
(S)-6’-クロロ-7-ヨード-3’,4,4’,5-テトラヒドロ-2H,2’H-スピロ[ベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3,1’-ナフタレン](中間体20)(及びそのエナンチオマー)
Figure 2022540825000043

この反応を、3つのバッチで実施した。中間体19(185g、392mmol)のAcOH(2.5L)溶液に、70℃で、鉄(153g、2.75mol)を添加し、この反応混合物を3時間にわたり70℃で撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣にDCE(1.9L)を添加した。次いで、0℃で、NaBH(OAc)(333g、1.57mol)を少しずつ添加した。1時間にわたり、室温で撹拌し続けた。3つのバッチをまとめた。クエン酸(10%水溶液、5.L)を添加し、この混合物をDCM(2L×2回)で抽出した。まとめた有機層を蒸発させた。残渣を、SFC(カラム:DAICEL CHIRALPAK AD(250mm×50mm、10μm);移動相:[EtOH中の0.1% NHO];B%:50%-50%、8.5分)により精製して、中間体20(95.2g、40%収率)及びそのエナンチオマー(105.1g、44%収率)を両方とも黄色固体として得た。
tert-ブチル(S)-2-(((S)-6’-クロロ-7-ヨード-3’,4’-ジヒドロ-2H,2’H-スピロ[ベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3,1’-ナフタレン]-5(4H)-イル)メチル)アゼチジン-1-カルボキシレート(中間体21)
Figure 2022540825000044

中間体20(7.58g、17.8mmol)及び中間体2(16.25g、53.4mmol)の混合物をDCM(75mL)に溶解させ、AcOH(25mL)を添加した。この混合物を室温で30分にわたり撹拌し、次いで0℃まで冷却した。ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(11.3g、53.4mmol)を、少しずつ添加した。添加後、この反応混合物を16時間にわたり室温で撹拌した。この反応混合物を、水300mL中のNaOH(21.3g、53.4mmol)の冷(0℃)溶液に少しずつ注いだ。添加後、混合物をDCM及び水で希釈した。有機相を分離し、水で洗浄し、MgSOで脱水し、ろ過し、ろ液の溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をDCMに溶解させ、シリカのフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン)により精製した。生成物を含む画分をまとめ、溶媒を蒸発させて、中間体21(9.8g、収率92%)を得た。
tert-ブチル(2S)-2-[[(3S)-6’-クロロ-7-ヨード-スピロ[2,4-ジヒドロ-1,5-ベンゾキサゼピン-3,1’-テトラリン]-5-イル]メチル]ピロリジン-1-カルボキシレート(中間体39)
Figure 2022540825000045

中間体20(13.197g、31mmol)及びN-Boc-L-プロリナール(18.53g、3eq.)を、CHCl(150mL)に溶解させ、次いでAcOH(35.5mL、20eq.)を添加した。この混合物を室温で30分にわたり撹拌し、次いで0℃まで冷却した。次いで、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(19.711g、3eq.)を少しずつ添加した。添加後、この反応混合物を18時間にわたり室温で撹拌した。この反応混合物を、水620mL中のNaOH(31g)の冷(0℃)溶液に少しずつ注いだ。添加後、この混合物を、CHCl及び水で希釈した。有機層を分離し、水で洗浄し、MgSOで脱水し、ろ過し、ろ液の溶剤を蒸発させた。残渣を、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:CHCl)で精製した。生成物を含む画分をまとめ、溶剤を蒸発させた。この残渣を、HPLC(勾配 酢酸エチル/ヘキサン)により再度精製して、中間体39(12.2g、収率:64%)を得た。
(S)-5-(((S)-アゼチジン-2-イル)メチル)-6’-クロロ-7-ヨード-3’,4,4’,5-テトラヒドロ-2H,2’H-スピロ[ベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3,1’-ナフタレン](中間体22)
Figure 2022540825000046

中間体21(9.8g、16.5mmol)及びDCM(125mL)の混合物を、室温で撹拌した。TFA(125ml)を滴下した。この反応混合物を3時間にわたり室温で撹拌し、次いで温度を30℃未満に維持して蒸発乾固させた。残渣をDCM中に取り、NaHCO水溶液に注いだ。層を分離し、有機層をDCMで抽出した。まとめた有機画分を水で洗浄し、MgSOで脱水し、蒸発させた。残渣を、シリカのフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:DCM-MeOH/NH 勾配100%/0%~95%/5%)により精製した。純粋な画分を回収し、蒸発させた。残渣の油状物を、沈殿が起こるまでCHCN中で撹拌した。沈殿物をろ過し、乾燥させて、中間体22(5.1g、収率63%)を得た。
適切な出発物質を使用して、中間体22と類似の反応プロトコルにより中間体40を調製した。
Figure 2022540825000047
メチル 2-((S)-2-(((S)-6’-クロロ-7-ヨード-3’,4’-ジヒドロ-2H,2’H-スピロ[ベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3,1’-ナフタレン]-5(4H)-イル)メチル)アゼチジン-1-イル)-3-メトキシプロパノエート(中間体23)
Figure 2022540825000048

中間体22(2.47g、5mmol)、メチル 2-ブロモ-3-メトキシプロパノエート(1.08g、5.5mmol)、DIPEA(1.29g、10mmol)、及びDMF(29mL)の混合物を、72時間にわたり室温で撹拌した。再び、メチル 2-ブロモ-3-メトキシプロパノエート 1.25mmolを添加した。この反応混合物を、さらに48時間にわたり室温で撹拌した。この反応混合物を、NaCO(1.1g、10mmol)の水(100mL)溶液に注ぎ、この混合物をEtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄し、MgSOで脱水し、蒸発させた。残渣を、シリカのフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:99% DCM/1% MeOH)により精製し、中間体23(3.1g、収率100%)を得た。
適切な出発物質を使用して、中間体23と類似の反応プロトコルにより中間体41を調製した。
Figure 2022540825000049
2-((S)-2-(((S)-6’-クロロ-7-ヨード-3’,4’-ジヒドロ-2H,2’H-スピロ[ベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3,1’-ナフタレン]-5(4H)-イル)メチル)アゼチジン-1-イル)-3-メトキシプロパン-1-オール(中間体24)
Figure 2022540825000050

中間体23(3.05g、5mmol)を乾燥THF(50mL)に溶解させ、-78℃まで冷却した。この溶液を、窒素流下で撹拌した。次いで、-78℃にて、THF中のDIBAH 1M(20mL、20mmol)を滴下した。次いで、この反応混合物を、3時間にわたり室温で撹拌した。この反応混合物を氷浴上で冷却し、MeOH 25mLを滴下し、温度を10℃未満に維持した。この反応混合物を、30分にわたり撹拌した。次いで、水を添加し、この反応混合物をDCMで3回抽出した。有機層をMgSOで脱水し、蒸発させて中間体24(2.6g、収率89%)を得、さらに精製することなく使用した。
適切な出発物質を使用して、中間体24と類似の反応プロトコルにより中間体42を調製した。
Figure 2022540825000051
2-((S)-2-(((S)-6’-クロロ-7-ヨード-3’,4’-ジヒドロ-2H,2’H-スピロ[ベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3,1’-ナフタレン]-5(4H)-イル)メチル)アゼチジン-1-イル)-3-メトキシプロパナール(中間体25)
Figure 2022540825000052

乾燥DCM(15mL)中の乾燥DMSO(0.479mL、6.69mmol)を、窒素流下で-70℃にて撹拌した。-70℃で、塩化オキサリル(1.67mL、3.34mmol)を滴下した。この反応混合物を、-70℃で30分にわたり撹拌した。次いで、-70℃で、DCM 10mL中の中間体24(1.3g、2.23mmol)を滴下した。この反応混合物を、-70℃で2時間にわたり撹拌した。次いで、-70℃で、DCM中のEtN(1.86mL、13.38mmol)を滴下した。この反応混合物を、1時間にわたり-70℃で撹拌した。次いで、-20℃で、水を滴下した。この反応混合物を室温まで温め、水(20mL)中のNaHCO(562mg、6.69mmol)を添加した。この反応混合物を、DCMで抽出した。有機層を水で洗浄し、MgSOで脱水し、蒸発させて、中間体25(1.29g、定量的)を得、さらに精製することなく使用した。
適切な出発物質を使用して、中間体25と類似の反応プロトコルにより中間体43を調製した。
Figure 2022540825000053
中間体26及び中間体27
Figure 2022540825000054

乾燥THF(50mL)中のPhPCHBr(2.63g、7.36mmol)の混合物に、窒素雰囲気下で0℃にて、THF中のKOtBu 1M(6.69mL、6.69mmol)を滴下した。この混合物を、1時間にわたり0℃で撹拌した。
中間体25(1.29g、2.23mmol)を乾燥THF 25mLに溶解させ、次いで滴下した。乾燥THFの別の25mLを添加し、この反応混合物を16時間にわたり室温で撹拌した。飽和水性NHCl溶液を添加し、この反応混合物を10分にわたり撹拌した後、EtOAcで抽出した。有機層をMgSOで脱水し、蒸発乾固させた。残渣を、シリカのフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:DCM 99%/MeOH 1%)により精製して、中間体26及び27のラセミ混合物を得た。この混合物を、分取SFC(固定相:Chiralpak Daicel IG 20×250mm、移動相:CO、EtOH+0.4% iPrNH)により精製して、中間体26(383mg、収率30%)及び中間体27(230mg、収率18%)を得た。
適切な出発物質を使用して、中間体26及び27と類似の反応プロトコルにより中間体44を調製した。
Figure 2022540825000055
中間体29
Figure 2022540825000056

ステンレス鋼製の反応器に、乾燥THF(20mL)中の中間体26(326mg、0.563mmol)、中間体6(150mg、1.5eq.)、PdCl(dppf)(41mg、0.1eq.)、DBU(171mg、2eq.)を充填した。この反応器を密封し、50バールのCOで加圧した。この混合物を、16時間にわたり100℃で撹拌した。この反応混合物を冷却し、溶媒を蒸発させた。残渣を水に注ぎ、DCMで抽出した。有機層をMgSOで脱水し、蒸発させた。残渣を、分取HPLC(固定相:RP XBridge Prep C18 OBD-10μm、50×150mm、移動相:0.25% NHHCO水溶液、CHCN)により精製して、中間体29(110mg、収率30%)を得た。
適切な出発物質を使用して、中間体29と類似の反応プロトコルにより中間体45及び46を調製した。
Figure 2022540825000057
A4)
Tert-ブチル 4-((7-クロロ-4-(ヒドロキシメチル)クロマン-4-イル)メトキシ)-3-ニトロベンゾエート(中間体30)
Figure 2022540825000058

乾燥THF(60mL)中の(7-クロロクロマン-4,4-ジイル)ジメタノール[2130069-84-8](600mg、2.62mmol)の撹拌溶液に、tert-ブチル 4-フルオロ-3-ニトロベンゾエート(470mg、0.9eq)を添加した。5分後、室温で、2時間かけてLiHMDS(THF中に1.06M)(2.228mL、0.9eq)を滴下し、次いでさらに30分にわたり撹拌した。この反応混合物を0℃まで冷却し、水性NHClでクエンチし、EtOAcで抽出した。まとめた有機層を、水性NHCl及びブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、真空下で濃縮した。残渣を、シリカのフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン中に0~40% EtOAc)で精製して、中間体30(630mg、収率54%)を得た。
tert-ブチル 4-((7-クロロ-4-ホルミルクロマン-4-イル)メトキシ)-3-ニトロベンゾエート(中間体31)
Figure 2022540825000059

中間体30(680mg、1.667mmol)及びDess-Martinペリオジナン[87413-09-0](1g、1.41eq)を、室温で30分にわたり、乾燥DCM(20mL)中で撹拌した。この反応物を、水性飽和NaHCOの添加によりクエンチした。層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。まとめた有機相を、水性NaHCO及びブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、真空下で濃縮して中間体31(676mg、定量的)を得、さらに精製することなく使用した。
メチル 7’-クロロ-4,5-ジヒドロ-2H-スピロ[ベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3,4’-クロマン]-7-カルボキシレート(中間体32)
Figure 2022540825000060

中間体31(676mg、1.66mmol)のAcOH(20mL)溶液を、70℃まで加熱した。鉄粉(605mg、6.5eq)を添加し、この混合物を70℃で6時間にわたり撹拌した。次いで、溶媒を真空下で除去した。残渣をDCE(15mL)に溶解させ、0℃で、NaBH(25mg、0.4eq)を0.1eqずつ添加した。この反応混合物を、1時間にわたり室温で撹拌した。この反応混合物を水でクエンチし、DCMで抽出した。まとめた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカのフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン中に0~30%)により精製して、中間体32(420mg、収率64%)を得た。
メチル 5-(((S)-アゼチジン-2-イル)メチル)-7’-クロロ-4,5-ジヒドロ-2H-スピロ[ベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3,4’-クロマン]-7-カルボキシレート(中間体33)
Figure 2022540825000061

中間体32(700mg、1.79mmol)及び中間体1(1.658g、5eq)を、1時間にわたり室温にて、DCE(23mL)及びAcOH(11mL)中で撹拌した。この反応混合物を0℃まで冷却し、1時間にわたりこの温度で撹拌した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(49mg、0.4eq)を添加し、この反応混合物を15分にわたり0℃で撹拌した。この反応の完了まで、追加のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを少しずつ添加した。この反応物を、飽和水性NaHCOの添加によりクエンチし、DCMを添加した。層を分離し、水層をDCMで2回抽出した。まとめた有機層をNaHCOで洗浄し、MgSOで脱水し、ろ過し、蒸発させた。残渣をTFA(5mL)及びDCM(5mL)に溶解させ、完全な脱保護まで室温で撹拌した。次いで、この反応混合物を、冷水性NaHCO/DCM混合物に緩やかに注ぎ、一晩撹拌した。層を分離し、水層をDCMで抽出した。まとめた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濃縮した。残渣を、シリカのフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:DCM中に0~10% MeOH)により精製して、中間体33(540mg、収率70%)を得た。
メチル 5-(((S)-1-アリルアゼチジン-2-イル)メチル)-7’-クロロ-4,5-ジヒドロ-2H-スピロ[ベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3,4’-クロマン]-7-カルボキシレート(中間体34)
Figure 2022540825000062

乾燥アセトニトリル(3.75mL)中の中間体33(250mg、0.58mmol)及びCsCO(949mg、5eq)の懸濁液に、室温で、臭化アリル(101μL、2eq)を添加した。この反応混合物を、1時間にわたり室温で撹拌した。この反応混合物をろ過し、残渣をEtOAcですすいだ。ろ液の溶媒を蒸発させて、中間体34(303mg、定量的)を得、さらに精製することなく使用した。
5-(((S)-1-アリルアゼチジン-2-イル)メチル)-7’-クロロ-4,5-ジヒドロ-2H-スピロ[ベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3,4’-クロマン]-7-カルボン酸(中間体35)
Figure 2022540825000063

水(1.5mL)及びTHF(5ml)中の中間体34(300mg、0.64mmol)の溶液に、LiOH(50mg、3.2eq)を添加した。この反応混合物を、18時間にわたり70℃で撹拌した。溶媒を真空下で蒸発させて中間体35(330mg、収率79%、70%純度)を得、さらに精製することなく使用した。
5-(((S)-1-アリルアゼチジン-2-イル)メチル)-7’-クロロ-N-(((2R,3S)-3-メチルヘキサ-5-エン-2-イル)スルホニル)-4,5-ジヒドロ-2H-スピロ[ベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3,4’-クロマン]-7-カルボキサミド(中間体36)
Figure 2022540825000064

乾燥DCM(5ml)中の中間体35(330mg、508mmol、70%純度)及び中間体6(225mg、2.5eq)の溶液に、室温で、DMAP(105mg、1.7eq)及び1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(194mg、2eq)を添加した。この反応混合物を、一晩室温で撹拌した。この反応混合物に飽和水性NHCl(3mL)を添加し、数分にわたり撹拌した。層を分離し、水層をDCMで再度抽出した。まとめた有機層を、NaSOで脱水し、ろ過し、蒸発させた。残渣を、シリカのフラッシュクロマトグラフィー(DCM中に0~4% MeOH)により精製して、中間体36(110mg、収率35%)を得た。
中間体47及びそのジアステレオ異性体である中間体47b
Figure 2022540825000065

中間体22(1.14g、2.31mmol)、中間体53(1.3g、1eq.)、及び1,4-ジオキサン-2,5-ジオール[23147-58-2](595mg、2.1eq.)を、MeOH(50mL)及びDCM(5mL)に溶解させた。得られた混合物を、3時間にわたり50℃で加熱した。室温まで冷却した後、溶媒を減圧下で除去した。粗物質を、ヘプタン/EtOAc(1:0~9:1)を使用するシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、中間体47(1.69g、収率:75%)及びそのジアステレオ異性体である中間体47b(150mg、収率:7%)をオフホワイトの泡状物として得た。
適切な出発物質を使用して、中間体47と類似の反応プロトコルにより中間体48及び中間体54を調製した。
Figure 2022540825000066
中間体49
Figure 2022540825000067

乾燥DCM(90mL)中の中間体47(389mg、0.4mmol)及び粉砕された3Åモレキュラーシーブの撹拌溶液に、0℃で、TFA(10mL、326eq.)を滴下した。この混合物を室温まで昇温させ、10時間にわたり撹拌した。TFAのほとんどを、室温にて減圧下で除去した。DCMを添加した。この混合物をセライトでろ過した。フィルタパッドをDCMで洗浄し、まとめたろ液を飽和水性NaHCO溶液(50mL)に注いだ。有機層を抽出し、水層をDCMで逆抽出した。まとめた有機層を脱水し(MgSO)、ろ過し、減圧下で蒸発した。残渣を、ヘプタン/EtOAc(1:4)を使用するシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、中間体49(241mg、収率:82%)をオフホワイトの泡状物として得た。
適切な出発物質を使用して、中間体49と類似の反応プロトコルにより下記の中間体を調製した。
Figure 2022540825000068
中間体56
Figure 2022540825000069

0℃まで冷却した乾燥DCM(10mL)中の化合物9(76mg、0.090mmol)及びEtN(39μL、0.279mmol)の溶液に、MsCl(13μL、0.167mmol、1.85eq.)を添加した。得られた混合物を、2時間にわたり室温で撹拌した。この反応混合物を、DCM(10mL)及び飽和水性NaHCO(20mL)で希釈した。有機層を分離し、ブライン(10mL)で洗浄し、脱水し(MgSO)、ろ過し、蒸発させて、中間体56(74mg、収率:定量的)を黄色油状物として得、さらに精製することなく使用した。
中間体57
Figure 2022540825000070

乾燥DCM(140mL)及びモレキュラーシーブ(15g)中の中間体53(15.5g、27.6mmol)の撹拌溶液に、TFA(60mL、784mmol、28.4eq.)を滴下した。得られた混合物を、一晩室温で撹拌した。この反応混合物をセライトでろ過し、フィルタパッドをDCMで洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮し、トルエン(10mL)と5回共蒸発させて、中間体57(9.1g、収率:82%)を黄色固体として得、さらに精製することなく使用した。
中間体58
Figure 2022540825000071

オートクレーブに、中間体39(6.7g、0.011mol)、MeOH(940mL)、EtN(4.87mL、0.0351mol、3.2eq.)、及びTHF(174mL)を充填した。次いで、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(CAS[72287-26-4])(1.183g、0.00162mol、0.15eq.)を添加し、この装置を密閉した。これを一酸化炭素で一度フラッシュし、次いで一酸化炭(308mg、0.011mol、1eq.、30bar)で加圧した。この反応混合物を、20時間にわたり100℃で加熱した。この反応混合物を濃縮し、残渣を、シリカゲルのクロマトグラフィー(溶離液:DCM/MeOH 100:0~98:2)により2回精製して、中間体58(5.25g、収率:88%)を得た。
中間体59
Figure 2022540825000072

THF(158mL)、水(158mL)、及びMeOH(30mL)中の中間体58(5.25g、9.703mmol)の溶液に、LiOH(1.125g、46.98mmol、4.8eq.)を添加した。この反応混合物を、16時間にわたり50℃で撹拌した。この反応混合物を10℃まで冷却し、1N 水性HClでpH3~4まで酸性化し、DCMで抽出した。有機層をMgSOで脱水し、ろ過し、蒸発させて、中間体59(5.34g、収率:定量的)をオフホワイトの泡状物として得た。
中間体60
Figure 2022540825000073

中間体58の代わりに中間体9から出発して、中間体59と類似の反応プロトコルにより中間体60を調製した。
中間体61
Figure 2022540825000074

DCM(15mL)中の中間体59(670mg、1.27mmol)、中間体57(480mg、1.49mmol、1.17eq.)、DMAP(350mg、2.87mmol、2.25eq.)、及びEtN(1.25mL、8.99mmol、7.1eq.)の混合物に、室温で、EDCI(600mg、3.13mmol、2.46eq.)を添加した。この反応混合物を、24時間にわたり室温で撹拌した。AcOH(1mL、17.468mmol、13.74eq.)を添加した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン/EtOAc 100/0~0/100)で精製して中間体61(820mg、67%純度)を得、さらに精製することなく使用した。
中間体62
Figure 2022540825000075

中間体59の代わりに中間体60から出発して、中間体61と類似の反応プロトコルにより中間体62を調製した。
中間体63
Figure 2022540825000076

DCM(30mL)中の中間体61(2000mg、2.409mmol)の溶液に、室温で、TFA(15mL、196mmol、81eq.)を添加した。この反応混合物を、20時間にわたり室温で撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮し、トルエンと共蒸発させた。残渣をDIPE中で粉砕した。固体をろ別し、洗浄し、35℃で真空下にて乾燥させて、中間体63(TFA塩、1.9g、収率:93%)を得、さらに精製することなく使用した。
中間体64
Figure 2022540825000077

中間体61の代わりに中間体62から出発して、中間体63と類似の反応プロトコルにより中間体64を調製した。
化合物の調製
化合物1及び化合物2
Figure 2022540825000078

DMF(2mL)中の中間体14(16mg、0.026mmol)及びDBU(15.4μL、4eq.)の出発混合物に、ジエチルシアノホスホネート(17.16μL、4eq.)を添加した。この反応混合物を、30分にわたり撹拌した。この反応混合物を水で希釈し、DCMで3回抽出した。まとめた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで脱水し、ろ過し、溶媒を減圧下で除去した。残渣を、分取HPLC(固定相:RP XBridge Prep C18 OBD-10μm、30×150mm、移動相:0.25% NHHCO水溶液、CHCN)により精製して、化合物1(2.4mg、収率15%、実例)及び化合物2(5.2mg、収率33%)を得た。
H NMR 化合物 1(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 1.05(d,J=6.6Hz,3H),1.37-1.43(m,3H),1.43-1.53(m,1H),1.87-2.31(m,8H),2.57-2.68(m,1H),2.72-2.87(m,2H),3.28(br s,1H),3.35(br d,J=9.2Hz,2H),3.48-3.60(m,2H),3.71-4.04(m,5H),4.07-4.13(m,1H),5.45(d,J=21.7Hz,1H),6.87(d,J=8.1Hz,1H),7.08-7.20(m,3H),7.26(s,1H),7.74(d,J=8.4Hz,1H)
H NMR 化合物 2(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 1.05(d,J=6.8Hz,3H),1.34(d,J=7.3Hz,3H),1.57-1.77(m,1H),1.80-2.27(m,8H),2.68-2.95(m,5H),3.07-3.15(m,1H),3.36-3.77(m,5H),3.91-4.13(m,4H),4.79(d,J=37.6Hz,1H),6.84(d,J=8.1Hz,1H),7.03-7.21(m,3H),7.72-7.79(m,1H),8.10(br s,1H)
化合物3
Figure 2022540825000079

中間体17(30mg、0.049mmol)を、DCE(4.2mL)に溶解させた(溶液A)。これを超音波処理し、窒素を流した。[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン](([2-(プロパン-2-イルオキシ)フェニル]メチリデン))ルテニウムビス(イリウム)ジクロリド[301224-40-8](6.14mg、0.2eq)をDCE(30mL)に溶解させ、超音波処理し、窒素を流した(溶液B)。溶液Aを、シリンジポンプ(0.175mL/h)により溶液Bに添加した。反応容器を、窒素流下で55℃に保持した。室温まで冷却した後、この反応混合物に活性炭を添加し、一晩激しく撹拌した。この反応混合物をdicalite(登録商標)のプラグに通してろ過し、フィルタパッドをDCMですすぎ、続いてMeOHですすいだ。ろ液を、室温で真空下にて蒸発させた。残渣を、分取HPLC(固定相:RP XBridge Prep C18 OBD-10μm、30×150mm、移動相:0.25% NHHCO水溶液、CHCN)により精製して、化合物3(4mg、収率:14%)を得た。
H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 1.02(d,J=6.8Hz,3H),1.29-1.35(m,3H),1.39-1.50(m,1H),1.84-2.25(m,9H),2.70-2.84(m,2H),3.03-3.13(m,1H),3.17-3.30(m,4H),3.47-3.57(m,1H),3.69(d,J=14.1Hz,1H),3.88-3.98(m,2H),3.98-4.10(m,3H),5.53(d,J=15.2Hz,1H),5.74(d,J=15.6Hz,1H),6.83(d,J=8.1Hz,1H),7.09(d,J=2.2Hz,1H),7.15-7.22(m,2H),7.58(br s,1H),7.74(d,J=8.4Hz,1H)
化合物4
Figure 2022540825000080

Easymax(商標)反応容器に、5分にわたり超音波浴で脱気した乾燥DCE(120mL)を入れた。次いで、[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン](([2-(プロパン-2-イルオキシ)フェニル]メチリデン))ルテニウムビス(イリウム)ジクロリド[301224-40-8](87mg、0.14mmol)を添加し、得られた溶液に、5分にわたり窒素ガスを流した。次いで、窒素雰囲気下で50℃にて、シリンジポンプを使用して、乾燥DCE(20mL)中の中間体29(302mg、0.46mmol)の脱気溶液(超音波浴)を、40時間かけて滴下した(0.5mL/h)。添加後、この反応混合物を、2日にわたり50℃で撹拌した。反応を完了させるために、追加の量の[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン](([2-(プロパン-2-イルオキシ)フェニル]メチリデン))ルテニウムビス(イリウム)ジクロリド(33mg、0.053mmol)を添加し、この反応混合物を18時間にわたり50℃で撹拌した。この反応を、エチルビニルエーテル(0.44mL、4.6mmol)の添加により50℃でクエンチした。この反応混合物を、1時間にわたり50℃で撹拌した。次いで、0.62gの金属捕捉剤Silicycle SiliaMetS(登録商標)(0.62g、ローディング量0.61mmol/g)を添加して、ルテニウム触媒を捕捉した。得られた懸濁液を、1時間にわたり室温で撹拌した。この混合物を、Dicalite(登録商標)でろ過した。ろ液を、EtOAc及びメタノールで徹底的に洗浄した。ろ液の溶媒を、45℃で減圧下にて蒸発させた。残渣をDCMに溶解させ、分取HPLC(固定相:RP XBridge Prep C18 OBD-10μm、50×150mm、移動相:0.25% NHHCO水溶液、CHCN)により精製した。溶媒を蒸発させ、45℃で減圧下にて、メタノールと共蒸発させた。残渣を、分取SFC(固定相:Chiralpak Diacel AS 20×250mm、移動相:CO、EtOH+0.4% iPrNH)により精製して、化合物4(18.5mg、6%収率)を得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 1.01(d,J=5.85Hz,3H)1.29-1.35(m,1H)1.41(d,J=7.21Hz,3H)1.70-1.91(m,2H)2.03-2.11(m,6H)2.66-2.81(m,2H)3.15-3.29(m,4H)3.32(s,3H)3.32-3.38(m,2H)3.40-3.49(m,1H)3.66-3.72(m,2H)3.86(br d,J=15.05Hz,1H)4.02(d,J=12.12Hz,1H)4.06(d,J=12.12Hz,1H)4.19(q,J=7.04Hz,1H)5.70(dd,J=15.26,8.78Hz,1H)5.75-5.85(m,1H)6.87(d,J=8.05Hz,1H)6.98(dd,J=8.05,1.46Hz,1H)7.01(s,1H)7.06(d,J=2.19Hz,1H)7.15(dd,J=8.47,2.30Hz,1H)7.67(d,J=8.57Hz,1H)
化合物4の代替の合成方法
反応を、窒素雰囲気下で実施した。Easymax反応容器に、5分にわたり脱気した乾燥トルエン(56mL)を入れた。この反応混合物を、80℃で撹拌した。次いで、[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン](([2-(プロパン-2-イルオキシ)フェニル]メチリデン))ルテニウムビス(イリウム)ジクロリド[301224-40-8](25.8mg、0.3eq.)を添加し、得られた溶液に、5分にわたり窒素ガスを流した。次いで、窒素雰囲気下で80℃にて、シリンジポンプを使用して、トルエン(8mL)に溶解させた中間体29(90mg、0.137mmol)の脱気溶液を、4時間(2mL/h)の期間をかけて滴下した。添加後、この反応混合物を、16時間にわたり80℃で撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、エチルビニルエーテル(0.132mL、10eq.)で処理し、1時間にわたり撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:勾配DCM 90 MeOH/NH 10~MeOH 100%)により精製した。生成物画分を、分取SFC(固定相:Chiralpak Diacel AS 20×250mm、移動相:CO、EtOH+0.4% iPrNH)により再度精製して、化合物4(36mg、収率:38%)を得た。
適切な出発物質を使用して、化合物4と類似の反応プロトコルにより化合物7及び8を調製した。
Figure 2022540825000081
分析データ
化合物8
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 0.79-0.95(m,2H)1.03(br d,J=5.6Hz,3H)1.45(d,J=7.2Hz,4H)1.52-1.62(m,1H)1.65-1.73(m,1H)1.74-1.84(m,2H)1.85-1.94(m,2H)2.02(br s,3H)2.68-2.80(m,2H)2.84-3.04(m,2H)3.21-3.37(m,3H)3.40(s,3H)3.51(br t,J=9.2Hz,1H)3.81(br s,1H)3.89-4.04(m,3H)4.14(d,J=12.2Hz,1H)4.22-4.34(m,1H)5.45-5.59(m,1H)5.75-5.90(m,1H)6.90(s,2H)6.98-7.10(m,2H)7.19(dd,J=8.5,2.2Hz,1H)7.69(d,J=8.5Hz,1H)
化合物5及び化合物6
Figure 2022540825000082

[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン](([2-(プロパン-2-イルオキシ)フェニル]メチリデン))ルテニウムビス(イリウム)ジクロリド[301224-40-8](45mg、0.4eq)をDCE(180mL)に溶解させ、この溶液に窒素を流した(溶液A)。中間体36(110g、0.18mmol)をDCM(20mL)に溶解させ、窒素を流した(溶液B)。溶液Bを、16時間かけて、55℃にて、シリンジポンプにより溶液Aに添加した。添加後、5時間にわたり55℃で撹拌し続けた。エチルビニルエーテル(200μL)を添加し、室温まで冷却した後、金属捕捉剤Silicycle SiliaMetS(登録商標)を添加してルテニウム触媒を捕捉した。1時間激しく撹拌した後、この混合物をCelite(登録商標)でろ過した。固体を、DCM及びMeOHで完全にすすいだ。ろ液の溶媒を、減圧下で蒸発させた。残渣を、シリカのフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン中に0~40% EtOAc)により精製した。生成物のラセミ混合物を含む画分をまとめて蒸発させた。残渣を、分取SFC(固定相:Chiralpak Diacel AD 20×250mm、移動相:CO、EtOH+0.4% iPrNH)により精製して、化合物5(13mg、13%収率)及び化合物6(16mg、15%収率)を得た。
化合物5
1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 1.03(d,J=6.9Hz,3H),1.33(d,J=7.3Hz,3H),1.75-1.86(m,1H),1.93-2.01(m,2H),2.07(dt,J=14.3,2.9Hz,1H),2.15-2.27(m,3H),3.04(br dd,J=14.5,6.3Hz,1H),3.22(br dd,J=15.7,4.7Hz,1H),3.43(d,J=14.3Hz,1H),3.61-3.69(m,1H),3.78(d,J=14.3Hz,1H),3.86-3.92(m,1H),3.94-4.05(m,1H),4.13(q,J=1.0Hz,3H),4.20-4.32(m,2H),5.43-5.51(m,1H),5.63(br dt,J=15.1,6.9Hz,1H),6.80(d,J=2.2Hz,1H),6.89(d,J=8.2Hz,1H),6.92(dd,J=8.6,2.0Hz,1H),7.24(dd,J=8.2,1.9Hz,1H),7.66(d,J=8.5Hz,1H),7.69-7.73(m,1H)
化合物6
1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 1.03(d,J=6.8Hz,3H),1.33(d,J=7.3Hz,3H),1.99-2.09(m,4H),2.16-2.31(m,3H),3.06(br dd,J=14.6,6.5Hz,1H),3.18(br dd,J=15.2,6.2Hz,1H),3.37-3.46(m,2H),3.49(s,2H),3.51-3.57(m,1H),3.69-3.78(m,1H),3.86(br d,J=7.5Hz,1H),4.11-4.17(m,1H),4.21-4.29(m,3H),5.48-5.56(m,1H),5.67-5.75(m,1H),6.82(d,J=2.2Hz,1H),6.88-6.91(m,1H),6.92(d,J=8.1Hz,1H),7.37(d,J=8.4Hz,1H),7.53-7.57(m,1H),7.58-7.63(m,1H)
化合物9
Figure 2022540825000083

ステンレス鋼製の容器中で、中間体49(241mg、0.329mmol)を乾燥THF(30mL)に溶解させた。DBU[6674-22-2](250μL、5eq.)を添加し、この混合物を窒素でパージした。次に、PdCl(dppf)[72287-26-4](25mg、0.1eq.)を添加した。この反応器をCOでパージし、この容器を密封した。この反応混合物を、20時間にわたりCO圧(50bar)下にて100℃で加熱した。室温までの冷却後、この混合物をEtOAcで希釈し、セライトに通してろ過し、フィルタをEtOAcで洗浄した。ろ液を減圧下で蒸発させ、残渣を、ヘプタン/EtOAc(1:0~0:1)を使用するシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物9(58mg、収率:28%)を淡黄色固体として得、不純画分を逆相クロマトグラフィー(固定相:RP XBridge Prep C18 OBD-5μm、50×250mm、移動相:0.25% NHHCO水溶液、CHCN)により精製して、化合物9(90mg、収率:43%)の第2のバッチを白色固体として得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 1.06(d,J=6.6Hz,3H)1.36-1.49(m,5H)1.77-2.17(m,8H)2.32(br dd,J=16.3,7.3Hz,1H)2.70-2.86(m,3H)3.09-3.45(m,6H)3.58(d,J=7.5Hz,2H)3.71-3.90(m,3H)4.02-4.16(m,3H)4.79-5.07(m,1H)5.47(br s,1H)6.91(d,J=7.9Hz,1H)6.97-7.08(m,2H)7.10(d,J=2.0Hz,1H)7.18(dd,J=8.6,2.2Hz,1H)7.70(d,J=8.6Hz,1H)
適切な出発物質を使用して、中間体9と類似の反応プロトコルにより、下記の表中の化合物を調製した。
Figure 2022540825000084
化合物11
Figure 2022540825000085

無水THF 1mL中の化合物9(25mg、0.0395mmol)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下で室温にて、NaH(鉱物油中60%分散液)(7.9mg、5eq.)を注意深く添加した。得られた混合物を室温で30分にわたり撹拌し、続いて2-フルオロピリジン(19.2mg、5eq.)を滴下した。この反応混合物を、3時間にわたり50℃で撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、反応を飽和水性NHCl溶液でクエンチした。この混合物をAcOEtで抽出した。有機層をMgSOで脱水し、ろ過し、蒸発させた。残渣を、分取HPLC(固定相:RP XBridge Prep C18 OBD-10μm、50×150mm;移動相:0.25% NHHCO水溶液、MeOH)により精製して、化合物11(13mg、収率:46%)を得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 1.04-1.16(m,3H)1.39(br d,J=7.0Hz,6H)1.91-2.17(m,6H)2.22(br s,1H)2.28-2.43(m,1H)2.56-2.70(m,5H)2.76-2.93(m,2H)3.22(br s,1H)3.32(br d,J=14.3Hz,1H)3.42(s,3H)3.75(br d,J=14.1Hz,1H)3.94-4.29(m,6H)4.81-5.13(m,1H)6.84(br d,J=0.9Hz,1H)6.98(br d,J=7.9Hz,1H)7.04-7.19(m,2H)7.35(br d,J=8.4Hz,2H)7.64-7.84(m,2H)8.24(br d,J=3.7Hz,1H)11.90-12.14(m,1H)
化合物13
Figure 2022540825000086

無水THF(10mL)に溶解させた化合物9(58mg、0.091mmol)の撹拌溶液に、NaH(鉱物油中60%分散液、11mg、3eq.)を添加した。30分後、MeI(50μL、8.75eq.)を一度に添加し、このピンク色混合物を2時間にわたり室温で撹拌した。水(10mL)及びEtOAc(20mL)を添加した。有機層を抽出し、ブライン(2回×10mL)で洗浄し、脱水し(NaSO)、ろ過し、蒸発させた。残渣を、分取HPLC(固定相:RP XBridge Prep C18 OBD-5μm、50×250mm、移動相:0.25% NHHCO水溶液、CHCN)により精製して、化合物13(35.8mg、収率:60%)を淡褐色粉末として得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 1.06(br d,J=6.2Hz,3H)1.39-1.51(m,3H)1.70-2.18(m,8H)2.36(br dd,J=14.6,7.8Hz,1H)2.67-2.85(m,2H)3.13-3.57(m,10H)3.69-3.82(m,2H)3.88(br d,J=15.2Hz,1H)4.01-4.15(m,2H)4.15-4.25(m,1H)4.76-4.97(m,1H)6.95(q,J=8.1Hz,2H)7.09(br d,J=1.8Hz,2H)7.18(dd,J=8.5,1.9Hz,1H)7.69(d,J=8.6Hz,1H)
化合物14
Figure 2022540825000087

無水THF(2mL)中の化合物9(30mg、0.047mmol)の撹拌溶液に、室温で、NaH(鉱物油中60%分散液、8mg、4.2eq.)を注意深く添加した。得られた混合物を室温で20分にわたり撹拌し、続いて1-ブロモ-2-(2-メトキシエトキシ)エタン(CAS[54149-17-6])(32μL、5eq.)を滴下した。次いで、この混合物を、1.5時間にわたり50℃で加熱し且つ撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、EtOAc(10mL)で希釈し、水で洗浄した。有機層をブライン(10mL)で洗浄し、MgSOで脱水し、ろ過し、蒸発させた。残渣をDIPE中で撹拌し、沈殿物をろ別し、DIPEで洗浄し、真空中で乾燥させて、化合物14(27mg、収率:77%)を白色固体として得た。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 0.88(d,J=6.8Hz,3H)1.13(br d,J=7.0Hz,3H)1.31-1.43(m,1H)1.76-2.05(m,7H)2.13(br dd,J=16.5,7.0Hz,1H)2.63-2.83(m,2H)3.00(br dd,J=15.1,9.4Hz,1H)3.06-3.19(m,3H)3.25(s,3H)3.34-3.40(m,3H)3.41-3.45(m,2H)3.46-3.56(m,6H)3.57-3.69(m,2H)3.80(br d,J=14.1Hz,2H)3.91-3.96(m,1H)3.99-4.05(m,1H)4.93-5.30(m,1H)6.78(d,J=8.1Hz,1H)6.99-7.05(m,1H)7.05-7.13(m,1H)7.16(d,J=2.2Hz,1H)7.26(dd,J=8.5,2.3Hz,1H)7.67(d,J=8.6Hz,1H).
化合物15
Figure 2022540825000088

1-ブロモ-2-(2-メトキシエトキシ)エタンの代わりに1-ブロモ-2-メチルプロパンを使用して、化合物14と類似の手順に従って化合物15を調製した。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 0.89(dd,J=6.6,3.5Hz,6H)1.07(d,J=6.6Hz,3H)1.33-1.48(m,5H)1.85(dt,J=13.4,6.7Hz,2H)1.89-2.16(m,7H)2.37(br dd,J=15.7,8.0Hz,1H)2.69-2.86(m,2H)3.10-3.34(m,5H)3.37(br d,J=6.8Hz,1H)3.45(s,2H)3.71-3.81(m,2H)3.88(br d,J=15.2Hz,1H)4.04-4.15(m,2H)4.21(q,J=7.2Hz,1H)4.76-4.92(m,1H)6.94(s,2H)7.09(d,J=2.2Hz,2H)7.19(dd,J=8.6,2.2Hz,1H)7.70(d,J=8.6Hz,1H).
化合物16
Figure 2022540825000089

1-ブロモ-2-(2-メトキシエトキシ)エタンの代わりにヨウ化エチルを使用して、化合物14と類似の手順に従って化合物16を調製した。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 0.88(d,J=6.8Hz,3H)1.05-1.16(m,6H)1.35-1.45(m,1H)1.76-1.94(m,4H)1.95-2.06(m,3H)2.14(br dd,J=16.5,6.8Hz,1H)2.65-2.84(m,2H)3.02(dd,J=15.2,9.5Hz,1H)3.13-3.30(m,7H)3.39-3.49(m,2H)3.58-3.70(m,2H)3.72-3.84(m,2H)3.90-3.97(m,1H)4.00-4.06(m,1H)5.10-5.32(m,1H)6.75(d,J=8.1Hz,1H)7.05(dd,J=8.1,1.5Hz,1H)7.10-7.17(m,2H)7.25(dd,J=8.5,2.3Hz,1H)7.68(d,J=8.4Hz,1H).
化合物17
Figure 2022540825000090

無水THF(3mL)中の化合物9(60mg、0.095mmol)の撹拌溶液に、NaH(鉱物油中60%分散液)(40mg、10eq.)を少しずつ添加した。得られた混合物を、室温で、15分にわたり撹拌した。0℃まで冷却した後、ブロモ酢酸(77mg、5.8eq.)を少しずつ添加し、得られた混合物を5日にわたり50℃で撹拌した。室温まで冷却し、この混合物を水で注意深くクエンチし、pHが5~6に達するまで1M HCl水溶液で酸性化した。DCM(10mL)を添加し、層を分離した。水層を、DCM(3回×5mL)で再度抽出した。まとめた有機層をブライン(2回×20mL)で洗浄し、MgSOで脱水し、ろ過し、減圧下で蒸発させた。残渣を、最少量のDCMに溶解させ、続いてDIPEを添加した。沈殿物をろ別し、DIPEで洗浄し、真空中で乾燥させて、化合物17(57mg、収率87%)を白色固体として得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 1.09(d,J=6.4Hz,3H)1.47(d,J=7.3Hz,4H)1.76-1.90(m,1H)1.93-2.10(m,4H)2.13-2.25(m,2H)2.29-2.38(m,1H)2.70-2.86(m,2H)3.21(d,J=14.3Hz,1H)3.36(dd,J=15.6,10.3Hz,1H)3.44-3.56(m,3H)3.62-3.70(m,1H)3.77(d,J=14.1Hz,1H)3.91-4.03(m,3H)4.06-4.21(m,4H)4.23-4.31(m,1H)4.94-5.09(m,1H)6.93-7.07(m,3H)7.11(d,J=2.2Hz,1H)7.18(dd,J=8.5,2.3Hz,1H)7.67(d,J=8.6Hz,1H).
化合物18
Figure 2022540825000091

DCM(1mL)中の化合物17(25mg、0.036mmol)、モルホリン(15mg、4.75eq.)、及びEtN(50μL、10eq.)の撹拌溶液に、室温で、1-プロパンホスホン酸無水物(CAS[68957-94-8])(100μL、2.3eq.)を滴下した。添加後、この反応混合物を、2時間にわたり室温で混合した。この反応混合物をDCMで希釈し、飽和水性NaHCO溶液で洗浄した。有機層をアイソルート(isolute)フィルタで脱水し、ろ液の溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣を、溶離液としてDCM/MeOH(100:0から95:5へ)を使用するシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。生成物画分を回収し、蒸発させ、化合物18を白色固体(16mg、収率:58%)として得るまでDIPEと共蒸発させた。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 1.08(d,J=6.6Hz,3H)1.46(d,J=7.2Hz,3H)1.56-1.74(m,3H)1.77-1.83(m,1H)1.90-1.99(m,3H)2.01-2.06(m,1H)2.08-2.15(m,1H)2.36(br dd,J=15.6,8.1Hz,1H)2.78(br d,J=4.4Hz,2H)3.19(s,1H)3.24(br d,J=14.3Hz,1H)3.29-3.40(m,2H)3.53(br s,4H)3.60-3.63(m,2H)3.69(br d,J=3.9Hz,7H)3.83-3.93(m,1H)4.03-4.15(m,3H)4.15-4.24(m,2H)4.70-4.97(m,1H)6.82-7.07(m,3H)7.09(d,J=2.1Hz,1H)7.19(dd,J=8.5,2.1Hz,1H)7.69(d,J=8.6Hz,1H).
化合物19
Figure 2022540825000092

モルホリンの代わりに3,3-ジフルオロアゼチジン塩酸塩を使用して、化合物18と類似の手順に従って化合物19を調製した。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 1.09(br d,J=6.5Hz,3H)1.46(br d,J=7.1Hz,4H)1.75-1.86(m,1H)1.88-2.18(m,6H)2.37(br dd,J=16.5,7.8Hz,1H)2.79(br d,J=3.3Hz,2H)3.23(br d,J=14.2Hz,5H)3.49(br s,2H)3.75(br d,J=14.7Hz,2H)3.87(br d,J=14.8Hz,1H)4.04-4.24(m,5H)4.38(br t,J=12.0Hz,2H)4.47-4.72(m,2H)4.77-4.97(m,1H)6.94(br d,J=4.8Hz,2H)7.00-7.07(m,1H)7.10(s,1H)7.17-7.22(m,1H)7.69(d,J=8.6Hz,1H)7.98-8.22(m,1H).
化合物20
Figure 2022540825000093

中間体22の代わりに中間体40から出発して、化合物13と類似の手順に従って化合物20を調製した。
化合物22
Figure 2022540825000094

THF(1.5mL)中の化合物9(25mg、0.0395mmol)の撹拌溶液に、室温で、NaH(鉱物油中60%分散液)(14mg、8.8eq.)を注意深く添加した。得られた混合物を、室温で30分にわたり撹拌した。次いで、1-ヨード-3-メトキシプロパン[61542-10-7](100mg、12.6eq.)を滴下し、この反応混合物を24時間にわたり50℃で撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、DCM(10mL)及び水で希釈し、(pHが5に達するまで)AcOHを添加した。層を分離し、有機層を、アイソルートフィルタによるろ過により脱水した。ろ液を濃縮し、残渣を、分取HPLC(固定相:RP XBridge Prep C18 OBD-5μm、50×250mm、移動相:0.25% NHHCO水溶液、CHCN)により精製して、化合物22(6mg、収率:21%)を得た。
1-ヨード-3-メトキシプロパンの代わりに示した試薬を使用して、化合物22の場合と類似の手順を使用して化合物9から下記の化合物を調製した。
Figure 2022540825000095
Figure 2022540825000096
化合物28
Figure 2022540825000097

10mLの予め乾燥させたキャップ付チューブ中で、化合物9(47mg、0.074mmol)及び乾燥DCM(2.4mL)を撹拌した。この反応混合物に10分にわたり窒素をバブリングした後、EtN(23μL、0.169mmol、2.3eq.)を添加した。この反応混合物を-78℃まで冷却し、-78℃で、トリフリン酸無水物(18μL、0.107mmol、1.4eq.)を滴下した。得られた混合物を、4時間にわたり-78℃で撹拌した。-78℃で、乾燥DCM(0.5mL)中の(S)-オクタヒドロピラジノ[2,1-c][1,4]オキサジン[1089759-42-1](42mg、0.297mmol、4eq.)を滴下した。この反応混合物を30分にわたり-78℃で撹拌し、次いで1時間にわたり室温で撹拌した。この反応混合物を水に注ぎ、DCMで抽出した。有機層をMgSOで脱水し、ろ過し、蒸発させた。残渣を、分取SFC(固定相:Chiralpak Daicel IG 20×250mm、移動相:CO、EtOH+0.4% iPrNH)により精製して、化合物28をそのiPrNH塩(4mg、収率:6%)として得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 0.80-0.94(m,2H)1.04(br d,J=6.6Hz,3H)1.15-1.30(m,3H)1.32-1.49(m,5H)1.74-2.13(m,8H)2.14-2.24(m,1H)2.30-2.61(m,6H)2.65(br d,J=11.4Hz,2H)2.75(br d,J=10.1Hz,4H)3.08(br dd,J=8.7,3.4Hz,2H)3.18-3.34(m,4H)3.59-3.94(m,8H)4.02(br s,2H)4.81-5.23(m,1H)6.78-6.91(m,1H)6.98(br s,1H)7.03-7.03(m,1H)7.07(br d,J=1.8Hz,2H)7.16(br dd,J=8.6,1.8Hz,1H)7.56-7.56(m,1H)7.69(d,J=8.6Hz,1H)
化合物29
Figure 2022540825000098

1-ブロモ-2-(2-メトキシエトキシ)エタンの代わりに2-ブロモエチルメチルエーテルを使用して、化合物14の場合と類似の手順に従って化合物29を調製した。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 0.91-1.01(m,3H)1.22-1.32(m,4H)1.76-2.37(m,12H)2.66-2.83(m,2H)3.11-3.27(m,4H)3.27 -3.34(m,3H)3.40-3.66(m,6H)3.66-3.88(m,3H)3.99(s,2H)5.03-5.26(m,1H)6.52-6.76(m,1H)7.02-7.24(m,3H)7.70(br d,J=8.5Hz,1H).
化合物30
Figure 2022540825000099

乾燥THF(10mL)中の化合物9(80mg、0.127mmol)の撹拌溶液に、NaH(鉱物油中60%分散液、13mg、0.325mmol、2.6eq)を添加した。30分後、4-(2-クロロエチル)モルホリン(CAS[3240-94-6])(50μL、0.364mmol、2.9eq.)を一度に添加し、得られた混合物を48時間にわたり室温で撹拌した。水(10mL)及びEtOAc(10mL)を添加した。有機層を分離し、ブライン(3回×5mL)で洗浄し、脱水し(MgSO)、ろ過し、蒸発させた。残渣を、逆相クロマトグラフィー(溶離液:CHCN/NHHCO)により精製し、続いて分取SFC(固定相:Chiralpak Diacel AD 20×250mm、移動相:CO、EtOH)により精製して、化合物30(2mg、収率:2%)をオフホワイトの固体として得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 1.06-1.10(m,3H)1.43-1.47(m,3H)1.96-2.10(m,10H)2.34-2.42(m,1H)2.50-2.55(m,3H)2.55-2.64(m,2H)2.73-2.83(m,2H)3.14-3.40(m,5H)3.43-3.51(m,2H)3.54-3.79(m,8H)3.82-3.92(m,1H)4.02-4.18(m,3H)4.82-4.97(m,1H)6.85-7.01(m,2H)7.02-7.14(m,2H)7.16-7.23(m,1H)7.66-7.73(m,1H).
化合物31
Figure 2022540825000100

乾燥THF(3mL)中の化合物9(50mg、0.059mmol)の撹拌溶液に、-10℃で、ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(CAS[38078-09-0])(15μL、0.119mmol、2eq.)を添加した。この反応混合物を室温まで緩やかに昇温させ、3日にわたり撹拌した。出発物質の完全な変換時に、この混合物を0℃まで冷却し、この反応を、飽和水性NaHCOで注意深くクエンチした。この反応混合物を、EtOAc(10mL)及び飽和水性NaHCO(10mL)で希釈した。有機層を分離し、ブライン(10mL)で洗浄し、脱水し(MgSO)、ろ過し、減圧下で蒸発させた。残渣を、分取HPLC(固定相:RP XBridge Prep C18 OBD-10μm、30×150mm、移動相:0.5% NHOAc水溶液+10% CHCN、CHCN)により精製して、化合物31(5mg、収率:12%)をオフホワイトの固体として得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 1.07-1.14(m,3H)1.47(d,J=7.3Hz,3H)1.75-1.86(m,2H)1.87-2.09(m,7H)2.13-2.20(m,1H)2.33-2.43(m,1H)2.73-2.82(m,2H)3.14-3.26(m,2H)3.27-3.41(m,2H)3.44-3.61(m,1H)3.72-3.87(m,2H)3.88-3.98(m,1H)4.05-4.17(m,2H)4.21(q,J=7.0Hz,2H)4.81-5.01(m,1H)6.84-7.01(m,2H)7.06-7.25(m,3H)7.66-7.73(m,1H).
化合物32
Figure 2022540825000101

ACN(5mL)中の中間体56(69mg、0.0971mmol)及び2-メチルオクタヒドロ-2H-ピラジノ[1,2-a]ピラジン(CAS[63285-62-1])(50mg、0.322mmol、3.3eq.)の溶液を、18時間にわたり80℃で撹拌した。出発物質の完全な変換時に、この反応混合物を、分取HPLC(固定相:RP XBridge Prep C18 OBD-10μm、30×150mm、移動相:0.5% NHOAc水溶液+10% CHCN、CHCN)により直接精製して、化合物32(4mg、収率:5%)を黄色固体として得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 1.05-1.08(m,3H)1.42(s,3H)1.55-1.64(m,2H)1.79-1.87(m,2H)1.91-2.11(m,12H)2.16-2.54(m,24H)2.69-2.86(m,9H)2.90-2.95(m,1H)2.98-3.07(m,1H)3.12-3.18(m,1H)3.21-3.27(m,2H)3.32-3.38(m,1H)3.42-3.47(m,1H)3.59-3.75(m,4H)3.75-3.90(m,2H)3.97-4.17(m,4H)4.75-4.96(m,1H)5.26-5.43(m,1H)6.91(d,J=8.1Hz,1H)6.95-7.05(m,2H)7.09(d,J=2.0Hz,1H)7.18(dd,J=8.5,2.3Hz,1H)7.65-7.75(m,1H).
化合物33
Figure 2022540825000102

2-メチルオクタヒドロ-2H-ピラジノ[1,2-a]ピラジンの代わりにモルホリンを使用して、化合物32の場合と類似の手順に従って化合物33を調製した。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 1.06-1.11(m,3H)1.45(br d,J=6.4Hz,3H)1.90-2.12(m,8H)2.26-2.55(m,6H)2.57-2.63(m,1H)2.67-2.73(m,1H)2.75-2.83(m,2H)3.04-3.52(m,6H)3.61-3.85(m,8H)4.01-4.22(m,3H)4.72-4.95(m,1H)5.04-5.47(m,1H)6.84-6.99(m,2H)7.07(br d,J=2.4Hz,1H)7.09(d,J=2.0Hz,1H)7.15-7.22(m,1H)7.69(d,J=8.6Hz,1H).
化合物34
Figure 2022540825000103

乾燥THF(1mL)中の化合物27(25mg、0.0387mmol)の撹拌溶液に、室温で、NaH(鉱物油中60%分散液、10mg、0.25mmol、6.5eq.)を注意深く添加した。10分後、4-(3-ブロモプロピル)モルホリン(CAS[125422-83-5])(50mg、0.173mmol、4.5eq.)を添加し、この反応混合物を3時間にわたり50℃で撹拌した。この反応の完了時に、この混合物を室温まで冷却し、DCM(10mL)で希釈し、水を添加した。水層がpH約5に達するまで、酢酸を添加した。有機層を分離し、脱水し(MgSO)、ろ過し、減圧下で蒸発させた。残渣を、分取HPLC(固定相:RP XBridge Prep C18 OBD-10μm、30×150mm、移動相:0.5% NHAc水溶液+10% CHCN、CHCN)により精製して、化合物34(24mg、収率:79%)をオフホワイトの固体として得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 1.06(d,J=6.8Hz,3H)1.41-1.46(m,4H)1.61-1.71(m,3H)1.78-1.86(m,1H)1.90-2.03(m,5H)2.04-2.11(m,2H)2.15-2.24(m,1H)2.68-2.80(m,8H)2.81-2.94(m,4H)3.12(q,J=7.4Hz,1H)3.33(br d,J=14.3Hz,2H)3.55-3.66(m,3H)3.70-3.74(m,1H)3.87(br t,J=4.5Hz,4H)3.90-4.02(m,3H)4.09(q,J=7.4Hz,1H)4.18(d,J=12.3Hz,1H)4.62-4.78(m,1H)6.94(s,2H)7.06-7.13(m,2H)7.21(dd,J=8.6,2.2Hz,1H)7.70(d,J=8.6Hz,1H).
化合物35
Figure 2022540825000104

DCM(12mL)中の中間体63(100mg、0.118mmol)、1,3-ジヒドロキシアセトン(53mg、0.592mmol、5eq.)、及びEtN(0.1mL、0.719mmol、6eq.)の混合物を、室温で撹拌した。モレキュラーシーブ4Å(200mg)を添加し、この混合物を一晩室温で撹拌した。この混合物をdicaliteでろ過し、ろ液を水で洗浄し、MgSOで脱水し、ろ過し、蒸発させた。残渣を、分取HPLC(固定相:RP XBridge Prep C18 OBD-10μm、30×150mm、移動相:0.5% NHAc水溶液+10% CHCN、CHCN)により精製して、化合物35(13mg、収率:16%)を得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 1.03-1.07(m,3H)1.43-1.49(m,4H)1.51-1.67(m,8H)1.77-1.89(m,4H)1.91-2.07(m,3H)2.38-2.48(m,1H)2.73-2.81(m,2H)2.88-2.99(m,1H)3.13-3.19(m,2H)3.21-3.28(m,1H)3.64-3.82(m,3H)3.99-4.06(m,1H)4.12-4.19(m,1H)4.20-4.31(m,2H)4.68-4.85(m,1H)6.81-6.87(m,1H)6.90-6.95(m,1H)7.08-7.11(m,1H)7.16-7.23(m,2H)7.64-7.70(m,1H).
化合物36
Figure 2022540825000105

中間体63の代わりに中間体64を使用して、化合物35の場合と類似の手順に従って化合物36を調製した。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 1.03-1.08(m,3H)1.44-1.50(m,3H)1.81-2.08(m,8H)2.18-2.27(m,2H)2.41-2.51(m,1H)2.69-2.81(m,2H)3.21-3.33(m,2H)3.35-3.42(m,1H)3.66-3.74(m,3H)3.77(s,2H)3.96(br s,4H)4.02-4.15(m,2H)4.20-4.30(m,1H)4.83-5.03(m,1H)6.89-6.95(m,2H)7.07-7.12(m,2H)7.16-7.21(m,1H)7.65-7.70(m,1H).
化合物37
Figure 2022540825000106

化合物36(8mg、0.0121mmol)のTHF(1mL)溶液に、窒素雰囲気下で室温にて、NaH(鉱物油中60%分散液、2mg、0.0483mmol、4eq.)を添加した。この反応混合物を、室温で30分にわたり撹拌した。ヨードメタン(8mg、0.0604mmol、5eq.)を添加し、この混合物を60℃で1時間にわたり撹拌した。この反応を水でクエンチし、THFを蒸発させた。この水性混合物を、水性HCl 1Nで(pH=6まで)中和した。DCMを添加し、この混合物をExtrelut NT3によるろ過により脱水した。ろ液を蒸発させ、残渣を、分取SFC(固定相:Chiralpak Diacel AD 20×250mm、移動相:CO、EtOH+0.4% iPrNH)により精製して、化合物37(4mg、収率:46%)を得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 1.02-1.09(m,3H)1.15-1.21(m,2H)1.25-1.33(m,5H)1.39-1.45(m,3H)1.89-2.14(m,6H)2.35-2.45(m,1H)2.65-2.84(m,2H)3.21-3.34(m,3H)3.43-3.50(m,4H)3.50-3.66(m,3H)3.75-3.97(m,3H)3.97-4.13(m,3H)4.96-5.19(m,1H)6.81-6.92(m,1H)6.94-7.02(m,1H)7.05-7.10(m,1H)7.14-7.20(m,1H)7.22-7.25(m,1H)7.66-7.72(m,1H).
化合物37、化合物38、及び化合物39
Figure 2022540825000107

化合物36(115mg、0.174mmol)のTHF(14mL)溶液に、窒素雰囲気下で室温にて、NaH(鉱物油中60%分散液、28mg、0.695mmol、6eq.)を添加し、この混合物を室温で30分にわたり撹拌した。ヨードメタン(18mg、0.13mmol、0.75eq.)を添加し、この混合物を80℃で2時間にわたり撹拌した。この反応を水でクエンチし、THFを蒸発させた。水溶液をDCMで抽出した。有機層をExtrelut NT3によるろ過により脱水し、蒸発させた。残渣を、分取SFC(固定相:Chiralpak Diacel AD 20×250mm、移動相:CO、EtOH+0.4% iPrNH)により精製して、化合物37(40mg、収率:33%)、化合物38(4mg、収率:4%)、及び化合物39(13mg、収率:11%)を得た。
化合物38
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 1.07-1.13(m,3H)1.46-1.52(m,3H)1.95-2.07(m,3H)2.08-2.17(m,1H)2.18-2.26(m,1H)2.34-2.42(m,1H)2.46-2.57(m,2H)2.74-2.84(m,2H)3.08-3.20(m,1H)3.30-3.50(m,2H)3.60-3.71(m,4H)3.75-3.89(m,2H)3.92-4.09(m,3H)4.13-4.29(m,4H)4.30-4.39(m,1H)4.56-4.77(m,1H)5.32-5.56(m,1H)5.59-5.86(m,1H)6.90-7.00(m,2H)7.07-7.12(m,1H)7.15-7.20(m,1H)7.28-7.32(m,1H)7.61-7.68(m,1H)7.78-7.93(m,1H).
化合物39
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 1.01-1.08(m,3H)1.37-1.42(m,1H)1.45-1.49(m,3H)1.55-1.71(m,1H)1.74-2.10(m,7H)2.17(s,3H)2.21-2.29(m,1H)2.42-2.52(m,1H)2.68-2.86(m,2H)3.26-3.34(m,1H)3.37(s,3H)3.71-3.86(m,3H)3.89-4.16(m,5H)4.18-4.47(m,1H)4.82-5.13(m,1H)5.19-5.56(m,1H)6.89-6.97(m,2H)7.07-7.23(m,3H)7.65-7.71(m,1H).
化合物40、化合物41、及び化合物42
Figure 2022540825000108

化合物36(160mg、0.24mmol)の乾燥DMF(5mL)溶液に、NaH(鉱物油中60%分散液、19mg、0.48mmol、2eq.)を添加し、この混合物を5分にわたり室温で撹拌した。2-ブロモエチルメチルエーテル(67mg、0.48mmol、2eq.)を添加し、この反応混合物を80℃まで直ちに加熱し、1時間にわたりこの温度で撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、水(100mL)を添加した。この混合物をEtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、MgSOで脱水し、ろ過し、蒸発させ、メチルイソプロピルケトンと2回共蒸発させた。残渣を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 100/0~95/5)により精製し、続いて分取HPLC(固定相:RP XBridge Prep C18 OBD-10μm、50×150mm、移動相:0.25% NHHCO水溶液、CHCN)、及び分取SFC(固定相:Chiralpak Diacel AD 20×250mm、移動相:CO、EtOH+0.4% iPrNH)により連続的に精製して、化合物40(11mg、収率:7%)、化合物41(10mg、収率:5%)、及び化合物42(29mg、収率:17%)を得た。
化合物40
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 0.83-0.96(m,1H)1.02-1.08(m,3H)1.24-1.41(m,5H)1.42-1.49(m,3H)1.75-1.90(m,1H)1.90-2.01(m,3H)2.03-2.15(m,3H)2.35-2.48(m,1H)2.68-2.81(m,2H)3.24-3.34(m,2H)3.54-3.62(m,2H)3.64-3.69(m,1H)3.71-3.79(m,4H)3.80-3.93(m,5H)3.98-4.12(m,2H)4.13-4.22(m,1H)4.90-5.09(m,1H)6.87-6.98(m,2H)7.05-7.12(m,2H)7.14-7.20(m,1H)7.63-7.71(m,1H).
化合物41
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 1.01-1.11(m,3H)1.41-1.48(m,3H)1.52-1.72(m,1H)1.76-2.13(m,8H)2.35-2.48(m,1H)2.69-2.83(m,2H)3.26-3.29(m,3H)3.34(s,5H)3.48-3.60(m,5H)3.61-3.73(m,5H)3.74-3.83(m,4H)3.86-3.96(m,1H)3.97-4.05(m,2H)4.07-4.13(m,2H)4.89-5.16(m,1H)6.85-6.91(m,1H)6.92-6.99(m,1H)7.04-7.09(m,1H)7.12-7.21(m,2H)7.61-7.74(m,1H).
化合物42
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 1.00-1.10(m,3H)1.26-1.42(m,3H)1.41-1.48(m,3H)1.77-2.10(m,7H)2.13-2.23(m,1H)2.40-2.51(m,1H)2.69-2.84(m,2H)3.21-3.36(m,4H)3.51-3.55(m,2H)3.56-3.61(m,2H)3.61-3.69(m,3H)3.70-3.83(m,2H)3.83-3.91(m,2H)3.92-4.04(m,2H)4.07-4.13(m,1H)4.14-4.26(m,1H)4.83-5.05(m,1H)6.89-6.98(m,2H)7.06-7.13(m,2H)7.15-7.21(m,1H)7.59-7.75(m,1H).
分析的解析
LCMS
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)測定を、それぞれの方法において指定されているLCポンプ、ダイオードアレイ(DAD)検出器又はUV検出器、及びカラムを使用して実施した。必要に応じて、追加の検出器が含まれた(下記の方法の表を参照されたい)。
カラムからの流れを、大気圧イオン源と共に構成された質量分析計(MS)に導入した。化合物の公称モノアイソトピック分子量(MW)の特定を可能にするイオンを得るために調整パラメータ(例えば、走査範囲、ドウェル時間等)を設定することは、当業者の知識の範囲内である。データ収集を、適当なソフトウェアで実施した。
化合物は、それらの実験保持時間(R)及びイオンにより説明されている。データの表に別段記載されていない場合には、報告された分子イオンは、[M+H](プロトン化分子)及び/又は[M-H](脱プロトン化分子)に対応する。化合物を直接イオン化できなかった場合には、付加物の種類を記載する(即ち、[M+NH、[M+HCOO]等)。複数の同位体パターンを有する分子(Br、Cl)の場合には、報告された値は、最も低い同位体質量について得られた値である。全ての結果は、使用される方法に通常付随する実験的不確実性を伴って得られた。
これ以降、「SQD」はシングル四重極検出器を意味しており、「MSD」は質量選択検出器を意味しており、「RT」は室温を意味しており、「BEH」は架橋エチルシロキサン/シリカハイブリッドを意味しており、「DAD」はダイオードアレイ検出器を意味しており、「HSS」は高強度シリカを意味している。
LCMS法コード(流速をmL/分で表し、カラム温度(T)を℃で表し、分析時間を分で表す)。
Figure 2022540825000109
Figure 2022540825000110
Figure 2022540825000111
Figure 2022540825000112
SFC-MS法
SFC測定を、二酸化炭素(CO)及びモディファイアを送達するバイナリポンプ、オートサンプラー、カラムオーブン、400バールまで耐える高圧フローセルを備えたダイオードアレイ検出器で構成されている分析超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)システムを使用して実施した。質量分析計(MS)が配置されている場合には、カラムからの流れを(MS)に導入した。化合物の公称モノアイソトピック分子量(MW)の特定を可能にするイオンを得るために調整パラメータ(例えば、走査範囲、ドウェル時間等)を設定することは、当業者の知識の範囲内である。データ収集を、適当なソフトウェアで実施した。分析SFC-MS法(流速をmL/分で表し、カラム温度(T)を℃で表し、分析時間を分で表し、背圧(BPR)をbarで表す。「iPrNH」はイソプロピルアミンを意味し、「EtOH」はエタノールを意味し、「min」は分を意味する。
Figure 2022540825000113
表:分析的SFCデータ-Rは、保持時間(分)を意味しており、[M+H]は、化合物のプロトン化質量を意味しており、方法は、エナンチオマー的に純粋な化合物の(SFC)MS分析に使用した方法を指す。No.は、番号を意味している。
Figure 2022540825000114
NMR
H NMRスペクトルを、Bruker Avance III分光計及びAvance NEO分光計で記録した。別途言及しない限り、溶媒としてCDClを使用した。化学シフトを、テトラメチルシランに対するppmで表す。
薬理学的解析
生物学的実施例1
Mcl-1の結合パートナーとしてBIM BH3ペプチド(H2N-(C/Cy5Mal)WIAQELRRIGDEFN-OH)を利用するテルビウム標識骨髄細胞白血病1(Mcl-1)均一時間分解蛍光(HTRF)結合アッセイ。
アポトーシス又はプログラム細胞死は、正常な組織恒常性を確保し、この調節不全は、癌等のいくつかのヒト病理を引き起こす可能性がある。外因性アポトーシス経路は、細胞表面の受容体の活性化を介して開始されるが、内因性アポトーシス経路は、ミトコンドリア外膜で起こり、且つMcl-1等のアポトーシス促進Bcl-2ファミリタンパク質と抗アポトーシスBcl-2ファミリタンパク質との間の結合相互作用に支配されている。多くの癌では、Mcl-1等の抗アポトーシスBcl-2タンパク質は上方制御されており、このようにして、癌細胞はアポトーシスを回避し得る。そのため、Mcl-1等のBcl-2タンパク質の阻害により癌細胞のアポトーシスを引き起こし得、前記癌の処置方法が提供される。このアッセイでは、HTRFアッセイフォーマットでCy5標識BIM BH3ペプチド(HN-(C/Cy5Mal)WIAQELRRIGDEFN-OH)の置き換えを測定することにより、BH3ドメイン:Mcl-1相互作用の阻害を評価した。
アッセイ手順:
このアッセイで使用するために、下記のアッセイ緩衝液及びストック緩衝液を調製した:(a)ストック緩衝液:10mM Tris-HCl、pH=7.5+150mM NaCl、ろ過し、滅菌し、4℃で保管した;及び(b)1×アッセイ緩衝液、下記の成分を、ストック緩衝液に新たに添加した:2mM ジチオスレイトール(DTT)、0.0025% Tween-20、0.1mg/mL ウシ血清アルブミン(BSA)。1×アッセイ緩衝液(b)を使用してタンパク質ストック溶液を25pM Tb-Mcl-1及び8nM Cy5 Bimペプチドまで希釈することにより、1×Tb-Mcl-1+Cy5 Bimペプチド溶液を調製した。
Acoustic ECHOを使用して、1×の最終化合物濃度、及び1%の最終DMSO濃度で、白色384ウェルPerkin Elmer Proxiplateの個々のウェルに100×試験化合物 100nLを分注した。阻害剤コントロール及び中性対照(NC、100% DMSO 100nL)を、アッセイプレートの23列目及び24列目にスタンプした。次いで、このプレートの各ウェルに、1×Tb-Mcl-1+Cy5 Bimペプチド溶液10μLを分注した。このプレートを、1分にわたり1000rpmでカバープレートと共に遠心分離し、次いで、プレートを覆いつつ室温で60分にわたりインキュベートした。TR-FRETシグナルを、HTRF光学モジュール(HTRF:励起:337nm、光源:レーザー、発光A:665nm、発光B:620nm、積分開始:60μs、積分時間:400μs)を使用して、室温にて、BMG PHERAStar FSX MicroPlate Readerで読み取った。
データ分析
BMG PHERAStar FSX MicroPlate Readerを使用して、665nm及び620nmの2つの発光波長での蛍光強度を測定し、両方の発光に関する相対蛍光単位(RFU)、及び発光の比率(665nm/620nm)×10,000を報告した。RFU値を、下記のように阻害パーセントに正規化した:
阻害%=((NC-IC)-(化合物-IC))/(NC-IC))×100
(式中、IC(阻害剤コントロール、低シグナル)=1×Tb-MCl-1+Cy5 Bimペプチド+阻害剤コントロール又はMcl-1の100%阻害の平均シグナル;NC(中性コントロール、高シグナル)=DMSOのみによる1×Tb-MCl-1+Cy5 Bimペプチド又は0%阻害の平均シグナル)。
下記の方程式に基づいて、(GenDataを使用して)11点用量反応曲線を作成してIC50値を決定した:
Y=Bottom+(Top-Bottom)/(1+10^((log IC50-X)×HillSlope))
(式中、Y=X阻害剤濃度の存在下での阻害%;Top=IC(Mcl-1+阻害剤コントロールの平均シグナル)から導かれる100%阻害;Bottom=NC(Mcl-1+DMSOの平均シグナル)から導かれる0%阻害;Hillslope=Hill係数;及びIC50=最高/中性コントロール(NC)に対する50%阻害での化合物の濃度)。
Ki=IC50/(1+[L]/Kd)
このアッセイでは、[L]=8nM、及びKd=10nM。
本発明の代表的な化合物を、上記で説明した手順に従って試験し、下記の表で列挙する結果が得られた(n.d.は未決定を意味する)。下記の表で報告する値は、使用したアッセイ及び機器と関連する許容誤差の影響を受けている。
Figure 2022540825000115
本発明の代表的な化合物を、上記で説明した手順に従って試験し、下記の表で列挙する結果が得られた(n.d.は未決定を意味する)。下記の表で報告する値を、機器の再較正後に得た。この値は、典型的な許容誤差の影響を受けており、且つ特定の化合物の数回の実行にわたる平均値である。
Figure 2022540825000116
生物学的実施例2
MCL-1は、アポトーシスの制御因子であり、細胞死を回避する腫瘍細胞中で高度に過剰発現されている。このアッセイでは、アポトーシス経路の制御因子(主に、MCL-1、Bfl-1、Bcl-2、及びBcl-2ファミリの他のタンパク質)を標的とする低分子化合物の細胞内での効力を評価する。抗アポトーシス制御因子とBH3ドメインタンパク質との相互作用を破壊するタンパク質-タンパク質阻害剤は、アポトーシスを引き起こす。
CellEvent(商標)Caspase-3/7 Green ReadyProbes(商標)Reagent(Thermo Fisher C10423,C10723)を使用して、アポトーシス経路の活性化を測定した。このアッセイでは、アポトーシス経路に入る細胞中において緑色蛍光色素が生じる。CellEvent(登録商標)Caspase-3/7 Green試薬は、DNAに結合していない場合には非蛍光性である核酸結合色素にコンジュゲートした4アミノ酸ペプチド(DEVD)である。CellEvent(登録商標) Caspase-3/7 Green試薬は、本質的に非蛍光性であり、なぜならば、DEVDペプチドが色素のDNAへの結合を阻害するからである。アポトーシス細胞中でカスパーゼ-3/7が活性化されると、DEVDペプチドが開裂されて遊離色素がDNAに結合し得、明るい緑色の蛍光が生じる。カスパーゼ-3及びカスパーゼ-7の活性化は、MCL-1阻害タンパク質又は他のアポトーシス阻害タンパク質に依存している細胞系統でのこれらのタンパク質の阻害の下流である。
IncuCyteによる生細胞の読み取りにより、Caspase活性化の経時的な追跡が可能になる。速度論的読み取りは、(a)アポトーシス誘導の機序の差違に関連し得る発症時間の差違(即ち、これがより直接的であるか又は間接的であるか)を明らかにするのに;及び(b)自家発光又は沈殿化合物から生じるアーティファクトの認識を可能にするのに有用であった。IncuCyte読み取りからも細胞数の正規化が可能となり、なぜならば、懸濁液中の細胞を均一に分散させることが困難だからである。
シグナルを、22時間の持続時間にわたり2時間毎に測定した。生データとして画像毎にCaspaseマスクとConfluenceマスクとの比率を算出し、全てのウェルに関する速度論的トレースを、分析のためにGenedata Screenerにエクスポートした。
Genedata Screenerでは、速度論的トレースから6時間、12時間、及び22時間の値を抽出した。これらの値を、陰性コントロール(未処理細胞)に対して正規化した。この正規化データに対して、標準的な用量反応分析を実施した。
下記のデータを、下記の3つの前述した時点のそれぞれで報告した:(a)用量反応曲線、(b)qAC50及びqAC50モード、並びに(c)最大活性。
このアッセイで使用した材料は、下記の表に列挙された通りであった。
Figure 2022540825000117
細胞を、10%加熱不活性化(HI)FBS、2mM L-グルタミン、及び50μg/mLゲンタマイシンフェノールレッドフリーRPMI-1640を含む培養培地中で維持した。細胞を、1週間に2回、40万個/mLで分割した。
1日目、1つのウェル当たり150nLで、10mM濃度で試験化合物が入った個々のウェルを含むプレート。最終濃度は、100μM~10pM化合物(及び化合物なしコントロール)の範囲であり、化合物を1時間にわたり室温で解凍した。マルチドロップ(1列目、3~22列目、24列目)により、予め温めた培地25μlを各ウェルに添加し、続いて2列目にDMSOコントロール(0.6% DMSO)を添加した。このプレートを、Breathe-Easy(登録商標)密封膜を使用して密封し、室温で30分にわたり振盪して、試験化合物を培地に溶解させた。次いで、このプレートを、37℃、5% COで1時間にわたりインキュベーター中に収容した。
40000個/25μl(アッセイでは20000個/50μl最終)での培地中のMOLP8細胞を、4μM(アッセイでは2μM最終)でのCellEvent(商標)Caspase-3/7 Green Detection Reagentにより調製した。調製すると、この細胞を、20000個の量で試験化合物プレートに添加し、このプレートをIncuCyteに直ちに入れ、下記の設定を使用して撮像を開始した:10×対物レンズ、グリーンチャンネルでの2秒露光時間、2時間の間隔、22時間後に取得停止。
IncuCyteでの分析のために、Basic Analysisプロトコルを定義して、下記のように、「相」及び「グリーン」画像から「コンフルエンス」及び「カスパーゼ」面積をそれぞれ算出した:(a)コンフルエンス:分割調整1、ホールフィル(Hole Fill)0、調整サイズ-2、フィルタなし(b)カスパーゼ:Top-Hat分割、半径10、閾値0.3GCU、感度0でのエッジスプリットオン(Edge Split On)、ホールフィル0、調整サイズ1、及び最小面積20μmでのフィルタ。十分な数の陽性コントロール及び陰性コントロールのウェル並びに化合物処理ウェルで分析器を訓練し、「コンフルエンス」層が生細胞及び死(凝縮)細胞との両方を検出することを検証した。「カスパーゼ面積/コンフルエンス面積」は、Caspase3/7染色に対して陽性である細胞の割合を近似しており、「画像毎」に算出される。
アッセイ分析を、予め定義されているテンプレートを使用してGenedata Screenerで完了した。より具体的には、実験分析用のアッセイ特異的設定は、下記の通りであった:(a)プレートレイアウト:陰性コントロールウェルは化合物を含まないがDMSOを含み、「中性コントロール」であると定義された、(b)トレースチャンネル:「測定チャンネル」という名称の、タイプ「測定」の1つのトレースチャンネルが存在すべきである。これは、IncuCyteからの生データであった;及び(c)層:「平均6時間」、「平均12時間」、及び「平均22時間」という名称の、タイプ「凝集:時系列」の3つの層。これらは、それぞれ、5.5~6.5時間、11.5~12.5時間、及び21.5~22.5時間の値からの測定の平均を含んだ。
正規化及び補正:3つの層のそれぞれを、中心基準としての中性コントロール、及びスケール基準としての刺激剤コントロール(Stimulator Control)で、Percent-of-Controlに対して正規化した。又は、μCRが中心基準の平均であり、且つμSCがスケール基準の平均であった場合には、正規化値を下記のように算出した:
Figure 2022540825000118
層化合物の結果:Sinf、IC50、及びhをフリーパラメータとし、且つSを0に固定して、標準的なフィットモデルを下記の様に使用した:
Figure 2022540825000119
頑強なZ’因子又は「RZ’因子」を、Screenerで算出した。コントロールウェルでの異常値の速度論的トレースを除外した後(下記を参照されたい)、RZ’値は、任意のFBS濃度で及び任意の時点(6時間、12時間、22時間)にわたり試験したMOLP8細胞に関してRZ≧0.5であるべきである。
「包括的SD」を、正規化後の陽性コントロール又は陰性コントロールの頑強な標準偏差(いずれか大きい方)として、Screenerで算出した。コントロールウェルでの異常値の速度論的トレースを除外した後(下記を参照されたい)、包括的SDは、任意のFBS濃度で及び任意の時点(6時間、12時間、22時間)にわたり試験したMOLP8細胞に関して包括的SD≦10であるべきである。
本発明の式(I)の代表的な化合物を、生物学的実施例で説明した手順に従って試験し、結果を下記の表に列挙する。「NT」は、未試験を意味する。下記の表で報告する値は、使用したアッセイ及び機器と関連する許容誤差の影響を受けている。
Figure 2022540825000120
生物学的実施例3
MCL-1は、アポトーシスの制御因子であり、細胞死を回避する腫瘍細胞中で高度に過剰発現されている。このアッセイでは、アポトーシス経路の制御因子(主に、MCL-1、Bfl-1、Bcl-2、及びBcl-2ファミリの他のタンパク質)を標的とする低分子化合物の細胞内での効力を評価する。抗アポトーシス制御因子とBH3ドメインタンパク質との相互作用を破壊するタンパク質-タンパク質阻害剤は、アポトーシスを引き起こす。
Caspase-Glo(登録商標)3/7 Assayは、精製された酵素調製物又は付着細胞若しくは浮遊細胞の培養物中でのカスパーゼ-3及び-7の活性を測定する発光アッセイである。このアッセイは、テトラペプチド配列DEVDを含む発光促進性カスパーゼ-3/7基質を提供する。この基質が開裂されて、光の生成で使用されるルシフェラーゼの基質であるアミノルシフェリンが放出される。「添加-混合-測定(add-mix-measure)」方式での単一Caspase-Glo(登録商標)3/7 Reagentの添加により、細胞が溶解し、続いて基質のカスパーゼ開裂が起こり、「グロー型」の発光シグナルが生成される。
このアッセイは、MCL-1阻害に対して感受性であるMOLP-8ヒト多発性骨髄腫細胞系統を使用する。
材料:
・ Perkin Elmer Envision
・ Multidrop 384及び少量分注カセット
・ 遠心分離器
・ Countess自動細胞計数器
・ Countess計数チャンバースライド
・ アッセイプレート:ProxiPlate-384 Plus、白色384-浅井戸マイクロプレート
・ 密封テープ:Topseal A plus
・ T175培養フラスコ
Figure 2022540825000121
細胞培養培地:
Figure 2022540825000122
細胞培養:
細胞培養物を、0.2~2.0×10個の細胞/mLで維持した。細胞を、50mLのコニカルチューブへの回収により収集した。次いで、細胞を5分にわたり500gでペレット化した後、上清を除去し、予め温めた新鮮な培養培地に再懸濁させた。細胞を計数し、必要に応じて希釈した。
Caspase-Glo試薬:
このアッセイ試薬を、緩衝溶液を基質バイアルに移して混合することにより調製した。この溶液を、4℃で最高1週間にわたり保存し得、シグナルの喪失はごくわずかであった。
アッセイ手順:
化合物を、アッセイレディプレート(Proxiplate)に入れて-20℃で保存した。アッセイは、基準化合物が入った1個の基準化合物プレートを常に含む。このプレートに、化合物(細胞中に0.5% DMSO最終;連続希釈;30μM最高濃度、1/3希釈、10回用量、重複)40nLでスポットした。この化合物を室温で使用し、2列目及び23列目を除く全てのウェルに、予め温めた培地4μLを添加した。培地に1% DMSOを添加することにより、陰性コントロールを調製した。培地に60μMの最終濃度で好適な陽性コントロール化合物を添加することにより、陽性コントロールを調製した。プレートを、23列目に陰性コントロール4μLを添加し、2列目に陽性コントロール4μLを添加し、且つこのプレート中の全てのウェルに細胞懸濁液4μLを添加することにより調製した。次いで、プレートを細胞と共に、2時間にわたり37℃でインキュベートした。アッセイシグナル試薬は、上記で説明したCaspase-Glo溶液であり、全てのウェルに8μLを添加した。次いで、このプレートを密封し、30分後に測定した。
試験化合物の活性を、下記のように、アポトーシス誘導での変化率として算出した:
LC=低コントロール値の中央値
=Screenerでの中心基準
=DMSO
=0%
HC=高コントロール値の中央値
=Screenerでのスケール基準
=30μMの陽性コントロール
100%アポトーシス誘導
効果%(AC50)=100-(試料-LC)/(HC-LC)×100
%コントロール=(試料/HC)×100
%コントロール 分=(試料-LC)/(HC-LC)×100
表:式(I)の代表的な化合物に関して測定されたAC50。特定の化合物の全てのバッチに対する全ての実行に関して、平均値を報告する。「NT」は、未試験を意味する。
Figure 2022540825000123

Claims (13)

  1. 式(I)
    Figure 2022540825000124

    (式中、
    は、水素;-CHOR;-CHF;若しくは-CHNRを表し;
    1aは、水素;-CHOR;-CHF;若しくは-CHNRを表し;
    は、水素;C1~4アルキル;Het;C1~4アルキルであって、-C(=O)-NR、-C(=O)-OR、C3~6シクロアルキル、Het、及びHetからなる群から選択される1個の置換基で置換されているC1~4アルキル;並びに
    2~4アルキルであって、-(OCHCH-OCH、Het、及び-NRからなる群から選択される1個の置換基で置換されているC2~4アルキルからなる群から選択され;
    及びRは、それぞれ独立して、水素、C1~4アルキル、及びC2~4アルキルであって、1個のHetで置換されているC2~4アルキルからなる群から選択されるか;
    又はR及びRは、共に、これらが付着するN原子と一緒に、単環式の4~7員の完全飽和ヘテロシクリルであって、少なくとも1個のN原子を含み、任意選択的に、O、S、及びNから選択される1個の追加のヘテロ原子を含み、前記S原子は、S(=O)若しくはS(=O)を形成するために置換されている可能性がある、単環式の4~7員の完全飽和ヘテロシクリル;又は縮合二環式の6~11員の完全飽和ヘテロシクリルであって、少なくとも1個のN原子を含み、任意選択的に、O、S、及びNからそれぞれ独立して選択される1個若しくは2個の追加のヘテロ原子を含み、前記S原子は、S(=O)若しくはS(=O)を形成するために置換されている可能性がある、縮合二環式の6~11員の完全飽和ヘテロシクリルを形成し;
    前記単環式若しくは縮合二環式のヘテロシクリルは、1個の窒素上において、1個のC1~4アルキルで任意選択的に置換され;
    前記単環式若しくは縮合二環式のヘテロシクリルは、1個の炭素原子上において、1個又は2個の置換基であって、それぞれ独立して、C1~4アルキル、オキソ、及びハロからなる群から選択される置換基で任意選択的に置換され;
    及びRは、それぞれ独立して、水素、C1~4アルキル、及びC2~4アルキルであって、1個のHetで置換されているC2~4アルキルからなる群から選択されるか、
    又はR及びRは、共に、これらが付着するN原子と一緒に、単環式の4~7員の完全飽和ヘテロシクリルであって、少なくとも1個のN原子を含み、任意選択的に、O、S、及びNから選択される1個の追加のヘテロ原子を含み、前記S原子は、S(=O)若しくはS(=O)を形成するために置換されている可能性がある、単環式の4~7員の完全飽和ヘテロシクリル;又は縮合二環式の6~11員の完全飽和ヘテロシクリルであって、少なくとも1個のN原子を含み、任意選択的に、O、S、及びNからそれぞれ独立して選択される1個若しくは2個の追加のヘテロ原子を含み、前記S原子は、S(=O)若しくはS(=O)を形成するために置換されている可能性がある、縮合二環式の6~11員の完全飽和ヘテロシクリルを形成し;
    前記単環式若しくは縮合二環式のヘテロシクリルは、1個の窒素上において、1個のC1~4アルキルで任意選択的に置換され;
    前記単環式若しくは縮合二環式のヘテロシクリルは、1個の炭素原子上において、1個又は2個の置換基であって、それぞれ独立して、C1~4アルキル、オキソ、及びハロからなる群から選択される置換基で任意選択的に置換され;
    は、水素若しくはC1~4アルキルを表し;
    は、水素若しくはフルオロを表し;
    Hetは、C結合型の5員若しくは6員の単環式芳香族ヘテロシクリルであって、O、S、及びNからそれぞれ独立して選択される1個、2個、若しくは3個のヘテロ原子を含むC結合型の5員若しくは6員の単環式芳香族ヘテロシクリルを表し、1個の炭素原子は、1個のC1~4アルキルで任意選択的に置換され;
    Hetは、C結合型の4~7員の単環式完全飽和ヘテロシクリルであって、O、S、及びNからそれぞれ独立して選択される1個若しくは2個のヘテロ原子を含むC結合型の4~7員の単環式完全飽和ヘテロシクリルを表し;前記S原子は、S(=O)若しくはS(=O)を形成するために置換されている可能性があり;
    Hetは、C結合型の5員若しくは6員の単環式芳香族ヘテロシクリルであって、O、S、及びNからそれぞれ独立して選択される1個、2個、若しくは3個のヘテロ原子を含むC結合型の5員若しくは6員の単環式芳香族ヘテロシクリルを表し;1個の炭素原子は、1個のC1~4アルキルで任意選択的に置換され;
    Hetは、N結合型の5員の単環式芳香族ヘテロシクリルであって、1個、2個、若しくは3個のN原子を含むN結合型の5員の単環式芳香族ヘテロシクリルを表し;1個の炭素原子は、1個のC1~4アルキルで任意選択的に置換され;
    Hetは、4~7員の単環式完全飽和ヘテロシクリルであって、O、S、及びNからそれぞれ独立して選択される1個若しくは2個のヘテロ原子を含む4~7員の単環式完全飽和ヘテロシクリルを表し;前記S原子は、S(=O)若しくはS(=O)を形成するために置換されている可能性があり;
    nは、1若しくは2であり;
    mは、0、1、若しくは2であり;
    Yは、O若しくはCHを表し;
    は、CHを表し;
    は、CHを表し;
    は、CHを表す)
    の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
  2. 1aは、水素又は-CHORを表し;
    及びRは、共に、これらが付着するN原子と一緒に、単環式の4~7員の完全飽和ヘテロシクリルであって、少なくとも1個のN原子を含み、任意選択的に、O、S、及びNから選択される1個の追加のヘテロ原子を含み、前記S原子は、S(=O)若しくはS(=O)を形成するために置換されている可能性がある、単環式の4~7員の完全飽和ヘテロシクリル;又は縮合二環式の6~11員の完全飽和ヘテロシクリルであって、少なくとも1個のN原子を含み、任意選択的に、O、S、及びNからそれぞれ独立して選択される1個若しくは2個の追加のヘテロ原子を含み、前記S原子は、S(=O)若しくはS(=O)を形成するために置換されている可能性がある、縮合二環式の6~11員の完全飽和ヘテロシクリルを形成し;
    前記単環式又は縮合二環式のヘテロシクリルは、1個の窒素上において、1個のC1~4アルキルで任意選択的に置換され;
    及びRは、共に、これらが付着するN原子と一緒に、単環式の4~7員の完全飽和ヘテロシクリルであって、少なくとも1個のN原子を含み、任意選択的に、O、S、及びNから選択される1個の追加のヘテロ原子を含み、前記S原子は、S(=O)又はS(=O)を形成するために置換されている可能性がある、単環式の4~7員の完全飽和ヘテロシクリルを形成し;
    前記単環式のヘテロシクリルは、1個の炭素原子上において、1個又は2個のハロ置換基で任意選択的に置換され;
    は、水素を表し;
    Hetは、C結合型の5員又は6員の単環式芳香族ヘテロシクリルであって、O、S、及びNからそれぞれ独立して選択される1個、2個、又は3個のヘテロ原子を含むC結合型の5員又は6員の単環式芳香族ヘテロシクリルを表し;
    mは、0又は1である、
    請求項1に記載の化合物。
  3. は、水素;-CHOR;又は-CHNRを表し;
    、R、及びRは、それぞれ独立して、水素及びC1~4アルキルからなる群から選択され;
    Yは、O又はCHを表す、
    請求項1に記載の化合物。
  4. は、水素又は-CHORを表し;
    は、C1~4アルキルを表し;
    nは、1である、
    請求項1又は2に記載の化合物。
  5. Yは、Oを表す、請求項1、2、又は3に記載の化合物。
  6. Yは、CHを表す、請求項1、2、又は3に記載の化合物。
  7. 1aは、水素を表す、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物と、薬学的に許容される担体又は希釈剤とを含む医薬組成物。
  9. 請求項7に記載の医薬組成物を調製する方法であって、薬学的に許容される担体と、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物の治療上有効な量とを混合することを含む方法。
  10. 薬剤としての使用のための、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物又は請求項8に記載の医薬組成物。
  11. 癌の予防又は処置での使用のための、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物又は請求項8に記載の医薬組成物。
  12. 癌は、前立腺癌、肺癌、膵癌、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、メラノーマ、B細胞性慢性リンパ性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)、及び急性リンパ芽球性白血病(ALL)から選択される、請求項11に記載の使用のための化合物又は医薬組成物。
  13. 癌を処置するか又は予防する方法であって、必要な対象に、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物又は請求項8に記載の医薬組成物の治療上有効な量を投与することを含む方法。
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