JP2023502692A - Mcl-1阻害剤としての大環状スルホニル誘導体 - Google Patents

Mcl-1阻害剤としての大環状スルホニル誘導体 Download PDF

Info

Publication number
JP2023502692A
JP2023502692A JP2022529462A JP2022529462A JP2023502692A JP 2023502692 A JP2023502692 A JP 2023502692A JP 2022529462 A JP2022529462 A JP 2022529462A JP 2022529462 A JP2022529462 A JP 2022529462A JP 2023502692 A JP2023502692 A JP 2023502692A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
cancer
compound
compounds
cell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022529462A
Other languages
English (en)
Inventor
ロンボウツ、フレデリック,ジャン,リタ
ボエック,ベノイト,クリスチャン,アルベルト,ギスラン デ
Original Assignee
ヤンセン ファーマシューティカ エヌ.ベー.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ヤンセン ファーマシューティカ エヌ.ベー. filed Critical ヤンセン ファーマシューティカ エヌ.ベー.
Publication of JP2023502692A publication Critical patent/JP2023502692A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/41Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having five-membered rings with two or more ring hetero atoms, at least one of which being nitrogen, e.g. tetrazole
    • A61K31/4151,2-Diazoles
    • A61K31/41621,2-Diazoles condensed with heterocyclic ring systems
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D497/00Heterocyclic compounds containing in the condensed system at least one hetero ring having oxygen and sulfur atoms as the only ring hetero atoms
    • C07D497/22Heterocyclic compounds containing in the condensed system at least one hetero ring having oxygen and sulfur atoms as the only ring hetero atoms in which the condensed system contains four or more hetero rings
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D515/00Heterocyclic compounds containing in the condensed system at least one hetero ring having nitrogen, oxygen, and sulfur atoms as the only ring hetero atoms, not provided for in groups C07D463/00, C07D477/00 or C07D499/00 - C07D507/00
    • C07D515/22Heterocyclic compounds containing in the condensed system at least one hetero ring having nitrogen, oxygen, and sulfur atoms as the only ring hetero atoms, not provided for in groups C07D463/00, C07D477/00 or C07D499/00 - C07D507/00 in which the condensed system contains four or more hetero rings

Abstract

本発明は、対象における治療及び/又は予防に有用な医薬品、そのような化合物を含む医薬組成物並びに癌などの疾患を治療するのに有用なMCL-1阻害剤としてのそれらの使用に関する。

Description

本発明は、対象における治療及び/又は予防に有用な医薬品、そのような化合物を含む医薬組成物並びに癌などの疾患を治療又は予防するのに有用なMCL-1阻害剤としてのそれらの使用に関する。
細胞アポトーシス又はプログラム細胞死は、造血細胞系を含む多数の器官の発達及び恒常性にとって極めて重要である。アポトーシスは、細胞死受容体によって媒介される外因性経路を介して又はタンパク質のB細胞性リンパ腫(BCL-2)ファミリーによる内因性経路によって開始され得る。骨髄細胞白血病-1(MCL-1)は、細胞生存調節因子のBCL-2ファミリーのメンバーであり、内因性アポトーシス経路の極めて重要なメディエーターである。MCL-1は、細胞生存の維持に関与する主要な5種の抗アポトーシス性BCL-2タンパク質(MCL-1、BCL-2、BCL-XL、BCL-w及びBFL1/A1)の1種である。MCL-1は、アポトーシス促進性のBCL-2ファミリータンパク質であるBak及びBaxの活性を継続的且つ直接的に抑制し、Bim及びNoxaなどのBH3オンリーであるアポトーシス増感タンパク質を隔離することによってアポトーシスを間接的に遮断する。様々なタイプの細胞ストレス後にBak/Baxが活性化すると、ミトコンドリア外膜に凝集がもたらされ、この凝集により、孔形成、ミトコンドリア外膜電位の消失及びその後の細胞質ゾルへのシトクロムCの放出が促進される。細胞質ゾルのシトクロムCは、Apaf-1に結合し、プロカスパーゼ9の動員を開始してアポトソーム構造を形成する(Cheng et al.eLife 2016;5:e17755)。アポトソームの会合体は、実行型システインプロテアーゼ3/7を活性化し、次いでこれらのエフェクターカスパーゼが様々な細胞質タンパク質及び核タンパク質を開裂して、細胞死を誘導する(Julian et al.Cell Death and Differentiation 2017;24,1380-1389)。
アポトーシスの回避は、癌発生の確立された顕著な特徴であり、アポトーシスを回避しなければ、発癌性ストレス、成長因子喪失又はDNA損傷に起因して排除されるであろう腫瘍細胞の生存を亢進する(Hanahan and Weinberg.Cell 2011;1-44)。従って、当然のことながら、MCL-1は、正常な非癌化組織のものと比較して、多数の固形癌及び血液癌で高度にアップレギュレートされている。MCL-1の過剰発現は、不良な転帰、再発及び進行性疾患と相関する、数種の癌の病因に関係付けられてきた。加えて、MCL-1の過剰発現は、以下の癌:前立腺癌、肺癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、黒色腫、B細胞性慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)及び急性リンパ芽球性白血病(ALL)の病因に関連付けられてきた。ヒトMCL-1遺伝子座(1q21)は、腫瘍内で頻繁に増幅され、総MCL-1タンパク質レベルを定量的に増加させる(Beroukhim et al.Nature 2010;463(7283)899-905)。MCL-1は、従来の癌治療薬への抵抗性も媒介し、BCL-2機能の阻害に応答して転写的にアップレギュレートされる(Yecies et al.Blood,2010;115(16)3304-3313)。
BCL-2の小分子BH3阻害剤は、慢性リンパ球性白血病患者における臨床的有効性が証明されており、CLL又はAML患者に対してFDAの認可を受けている(Roberts et al.NEJM 2016;374:311-322)。BCL-2拮抗作用の臨床的成功は、血液学的悪性腫瘍及び固形腫瘍の両方の前臨床モデルにおいて有効性を示す数種のMCL-1 BH3模擬薬の開発をもたらした(Kotschy et al.Nature 2016;538 477-486,Merino et al.Sci.Transl.Med;2017(9))。
MCL-1は、DNA損傷後のミトコンドリア完全性及び非相同末端結合を含む細胞生存を媒介することにおけるその標準的な役割に加えて、数種の細胞プロセスを制御する(Chen et al.JCI 2018;128(1):500-516)。MCL-1の遺伝的欠損は、発生タイミング及び組織欠失に応じて様々な表現型を示す。MCL-1には、複数の役割があり、機能の消失が広範囲の表現型に大きい影響を及ぼしていることがMCL-1ノックアウトモデルによって明らかとなっている。網羅的MCL-1欠損マウスは、胚性致死性を示し、条件付き遺伝子欠失による試験では、ミトコンドリア機能障害、自食作用の活性障害、Bリンパ球及びTリンパ球の低減、B細胞及びT細胞のアポトーシスの増加並びに心不全/心筋症の発症が報告されている(Wang et al.Genes and Dev 2013;27 1351-1364,Steimer et al.Blood 2009;(113)2805-2815)。
国際公開第2018178226号パンフレットには、MCL-1阻害剤及びその使用方法が開示されている。
国際公開第2017182625号パンフレットには、癌を治療するための大環状MCL-1阻害剤が開示されている。
国際公開第2018178227号パンフレットには、MCL-1阻害剤の合成が開示されている。
国際公開第2007008627号パンフレットには、抗アポトーシス性MCL-1タンパク質の活性化の阻害剤として置換フェニル誘導体が開示されている。
国際公開第2008130970号パンフレットには、7-非置換インドールMCL-1阻害剤が開示されている。
国際公開第2008131000号パンフレットには、7-置換インドールMCL-1阻害剤が開示されている。
国際公開第2020063792号パンフレットには、インドール大環状誘導体が開示されている。
CN110845520には、MCL-1阻害剤として大環状インドールが開示されている。
国際公開第2020103864号パンフレットには、MCL-1阻害剤として大環状インドールが開示されている。
国際公開第2020151738号パンフレットには、MCL-1阻害剤として大環状縮合ピラゾールが開示されている。
国際公開第2020185606号パンフレットには、MCL-1阻害剤として大環状化合物が開示されている。
前立腺癌、肺癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、黒色腫、B細胞性慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)及び急性リンパ芽球性白血病(ALL)等の癌の治療又は予防に有用なMCL-1阻害剤に対する必要性が依然として存在している。
本発明は、式(I):
Figure 2023502692000001
(式中、
1は、
Figure 2023502692000002
(式中、「a」及び「b」は、変数X1が分子の残部にどのように結合されているかを示す)
を表し;
2は、両方の方向で分子の残部に結合され得る、
Figure 2023502692000003
を表し;
1及びR2は、メチルを表し;
1は、-S(=O)2-又は-N(Rx)-を表し;
xは、水素、メチル、C26アルキル、-C(=O)-C16アルキル、-S(=O)2-C16アルキル、C36シクロアルキル、-C(=O)-C36シクロアルキル又は-S(=O)2-C36シクロアルキルを表し、ここで、C26アルキル、-C(=O)-C16アルキル、-S(=O)2-C16アルキル、C36シクロアルキル、-C(=O)-C36シクロアルキル及び-S(=O)2-C36シクロアルキルは、ハロ、C14アルキル及び1、2又は3個のハロ原子で置換されたC14アルキルからなる群から選択される1、2又は3個の置換基で任意選択的に置換されており;
2は、-S-又は-S(=O)2-を表し;
但し、Y1及びY2の少なくとも一方は、-S(=O)2-を表す)
の新規化合物、並びにその互変異性体及び立体異性体形態、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。
本発明は、治療的有効量の式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩又は溶媒和物と、薬学的に許容される担体又は賦形剤とを含む医薬組成物にも関する。
加えて、本発明は、薬剤として使用するための式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩又は溶媒和物及び癌の治療又は予防に使用するための式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩又は溶媒和物に関する。
特定の実施形態では、本発明は、癌の治療又は予防に使用するための式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩又は溶媒和物に関する。
本発明は、癌の治療又は予防に使用するための追加の治療薬と組み合わせた式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩又は溶媒和物の使用にも関する。
更に、本発明は、本発明による医薬組成物を調製するためのプロセスにおいて、薬学的に許容される担体は、治療的有効量の式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩又は溶媒和物と均質に混合されることを特徴とするプロセスに関する。
本発明は、癌の治療又は予防において同時に、個別に又は逐次的に使用するための組み合わせ製剤として、式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩又は溶媒和物及び追加の医薬品を含む製品にも関する。
加えて、本発明は、対象の細胞増殖性疾患を治療又は予防する方法であって、前記対象に、有効量の、本明細書で定義されるような式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物又は本明細書で定義されるような医薬組成物或いはその組み合わせを投与することを含む方法に関する。
本明細書で使用する「ハロ」又は「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを表す。
本明細書で使用する「Cxy」(式中、x及びyは、整数である)という接頭語は、所与の基中の炭素原子数を指す。従って、C16アルキル基は、1~6個の炭素原子等を含む。
本明細書で基又は基の一部として使用する「C14アルキル」という用語は、1~4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖の完全飽和炭化水素基、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基等を表す。
本明細書で基又は基の一部として使用する「C16アルキル」という用語は、1~6個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖の完全飽和炭化水素基、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基等を表す。
本明細書で基又は基の一部として使用する「C26アルキル」という用語は、2~6個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖の完全飽和炭化水素基、例えばエチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基等を表す。
本明細書で基又は基の一部として使用する「C36シクロアルキル」という用語は、3~6個の炭素原子を有する完全飽和環状炭化水素基、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基を定義する。
S(=O)2又はSO2がスルホニル部分を表すことは、当業者に明らかであろう。
CO又はC(=O)がカルボニル部分を表すことは、当業者に明らかであろう。
一般に、本発明において「置換された」という用語を使用する場合には常に、別途指示されていないか又は文脈から明らかでない限り、「置換された」を使用する表現に示される原子又は基上の1個以上の水素、詳細には1~4個の水素、より詳細には1~3個の水素、好ましくは1又は2個の水素、より好ましくは1つの水素が、指示された群から選択されるもので置き換えられていることを示すが、但し、通常の原子価を超えず、置換により化学的に安定な化合物、即ち反応混合物から有用な程度の純度までの単離に十分に耐え得る堅牢な化合物が得られるものであることを意味する。
置換基及び/又は可変要素の組み合わせは、そのような組み合わせにより化学的に安定な化合物が生成される場合のみ許容される。「安定な化合物」は、反応混合物からの有用な程度の純度までの単離に十分に耐える堅牢な化合物を示すことを意味する。
当業者は、「任意選択的に置換された」という用語が、「任意選択的に置換された」を使用する表現に示される原子又は基が置換されていても又は置換されていなくてもよい(これは、それぞれ置換又は非置換を意味する)ことを理解するであろう。
ある部分に2個以上の置換基が存在する場合、これらの置換基は、可能であり且つ別途指示されていないか又は文脈から明らかでない限り、同一原子上の水素を置き換え得るか、又はこの部分の異なる原子上の水素原子を置き換え得る。
別途指示されていないか又は文脈から明らかでない限り、ヘテロシクリル基上の置換基が、環炭素原子上又は環ヘテロ原子上の任意の水素原子を置換し得る(例えば、窒素原子上の水素が置換基で置換され得る)ことは、当業者に明らかであろう。
別途明記されていないか又は文脈から明らかでない限り、芳香環及びヘテロシクリル基は、任意の利用可能な環炭素原子を介して(C結合)又は環窒素原子を介して(N結合)、式(I)の分子の残部に結合され得る。
Figure 2023502692000004
が、
Figure 2023502692000005
の代替的な表記であることは、当業者に明らかであろう。
Figure 2023502692000006
が、
Figure 2023502692000007
の代替的な表記であることは、当業者に明らかであろう。
式(I)の化合物が、式(I-x)及び(I-y)の化合物(X2の両方の方向が、
Figure 2023502692000008
である)
Figure 2023502692000009
を含むことは、明らかであろう。
任意の変数が任意の構成要素中に2回以上出現する場合、各定義は独立したものである。
本明細書で使用する「対象」という用語は、治療、観察若しくは実験の対象であるか、又は治療、観察若しくは実験の対象となっている動物、好ましくは哺乳動物(例えば、ネコ、イヌ、霊長類若しくはヒト)、より好ましくはヒトを指す。
本明細書で使用する「治療的有効量」という用語は、研究者、獣医、医学博士又は他の臨床医によって求められる、組織系又は対象(例えば、ヒト)における生物学的又は医学的応答(治療対象の疾患又は障害の症状の改善又は回復を含む)を誘発する活性化合物又は医薬品の量を意味する。
「組成物」という用語は、特定の成分を特定の量で含む生成物と同様、特定の成分の特定の量での組み合わせから直接的又は間接的に生じる任意の生成物を含むことが意図される。
本明細書で使用する「治療」という用語は、疾患の進行を遅延、妨害、阻止又は停止させる可能性のある全てのプロセスを指すことが意図されるが、必ずしも全ての症状の完全な排除を示すものではない。
本明細書で使用する「(本)発明の化合物」又は「(本)発明による化合物」という用語は、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を含むことを意味する。
本明細書で使用する、実線のくさび形結合若しくは破線のくさび形結合としてではなく、実線としてのみ示される結合を有する任意の化学式又は他に1つ以上の原子の周りに特定の配置(例えば、R、S)を有するように示されている任意の化学式は、それぞれ可能な立体異性体であるか、又は2つ以上の立体異性体の混合物であることが想定される。
上記及び下記において、「式(I)の化合物」という用語は、その互変異性体及びその立体異性体形態を含むことを意味する。
「立体異性体」、「立体異性体形態」又は「立体化学的異性体形態」という用語は、上記又は下記において互換的に用いられる。
本発明は、純粋な立体異性体として又は2つ以上の立体異性体の混合物としての何れかで本発明の化合物の全ての立体異性体を含む。
エナンチオマーは、互いに重ね合わせることができない鏡像である立体異性体である。エナンチオマーの対の1:1混合物は、ラセミ体又はラセミ混合物である。
アトロプ異性体(又はアトロポ異性体)は、大きい立体障害に起因する単結合の周りの束縛回転から生じる特定の空間配置を有する立体異性体である。式(I)の化合物の全てのアトロプ異性体形態が、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
詳細には、本明細書に開示した化合物は、ビアリール結合の周りの束縛回転による軸性キラリティーを有しており、従ってアトロプ異性体の混合物として存在し得る。化合物が純粋なアトロプ異性体である場合、各キラル中心での立体化学は、Ra又はSaの何れかで明記することができる。そのような表記は、一方のアトロプ異性体が豊富な混合物に対しても使用することができる。アトロプ異性及び軸性キラリティーについての詳細な説明並びに立体配置を指定するための規則は、Eliel,E.L.&Wilen,S.H.‘Stereochemistry of Organic Compounds’John Wiley and Sons,Inc.1994に見出すことができる。
ジアステレオマー(又はジアステレオ異性体)は、エナンチオマーではない、即ち鏡像の関係にない立体異性体である。化合物が二重結合を含有する場合、置換基は、E配置又はZ配置となり得る。
二価の環状飽和基又は部分的飽和基上の置換基は、シス配置又はトランス配置を有し得る。例えば、化合物が二置換のシクロアルキル基を含有する場合、その置換基は、シス配置又はトランス配置であり得る。
従って、本発明は、化学的に可能な場合には常に、エナンチオマー、アトロプ異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、E異性体、Z異性体、シス異性体、トランス異性体及びそれらの混合物を含む。
これらの全ての用語、即ちエナンチオマー、アトロプ異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、E異性体、Z異性体、シス異性体、トランス異性体及びそれらの混合物の意味は、当業者に公知である。
絶対配置は、カーン・インゴルド・プレローグ順位則に従って明記される。不斉原子における配置は、R又はSの何れかで明記される。絶対配置が不明の分割された立体異性体は、それらが平面偏光を回転させる方向に応じて、(+)又は(-)で示すことができる。例えば、絶対配置が不明な、分割されたエナンチオマーは、それらが平面偏光を回転させる方向に応じて(+)又は(-)で示すことができる。光学的に活性な(Ra)-アトロプ異性体及び(Sa)-アトロプ異性体は、キラルシントン、キラル試薬若しくはキラル触媒を用いて調製され得るか、又はキラルHPLCなどの当技術分野において周知の従来技術を用いて分割され得る。
特定の立体異性体が同定される場合、これは、前記立体異性体が他の異性体を実質的に含まず、即ち他の異性体の50%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは10%未満、更により好ましくは5%未満、特に2%未満、最も好ましくは1%未満と関連することを意味する。従って、式(I)の化合物が、例えば(R)と明記される場合、これは、その化合物が(S)異性体を実質的に含まないことを意味し、式(I)の化合物が、例えばEと明記される場合、これは、その化合物がZ異性体を実質的に含まないことを意味し、式(I)の化合物が、例えばシスと明記される場合、これは、その化合物がトランス異性体を実質的に含まないことを意味し、式(I)の化合物が、例えばRaと明記される場合、これは、化合物が実質的にSaアトロプ異性体を実質的に含まないことを意味する。
薬学的に許容される塩、特に薬学的に許容される付加塩としては、酸付加塩及び塩基付加塩が挙げられる。そのような塩は、従来の手段により、例えば、任意選択により溶媒中又は塩が溶解しない媒体中で、遊離酸又は遊離塩基形態を、1つ以上の当量の適切な塩基又は酸と反応させ、その後、標準的な手法によって(例えば、真空中で、凍結乾燥又は濾過によって)前記溶媒又は前記媒体を除去することによって生成することができる。塩は、塩の形態の本発明の化合物の対イオンを、例えば好適なイオン交換樹脂を使用して別の対イオンと交換することによって調製することもできる。
上記又は下記に言及されるような薬学的に許容される塩は、式(I)の化合物及びその溶媒和物を形成させることができる、治療上有効な非毒性の酸性塩及び塩基性塩の形態を含むことを意味する。
適切な酸は、例えば、無機酸、例えば塩酸若しくは臭化水素酸等のハロゲン化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の酸;又は有機酸、例えば酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸(即ちエタン二酸)、マロン酸、コハク酸(即ちブタン二酸)、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p-アミノサリチル酸、パモ酸等の酸を含む。逆に言えば、前記塩形態は、適切な塩基で処理することによって遊離塩基形態に変換することができる。
酸性プロトンを含有する式(I)の化合物及びその溶媒和物は、適切な有機塩基及び無機塩基で処理することにより、それらの非毒性の金属塩又はアミン塩の形態に変換することもできる。
適切な塩基性塩の形態は、例えば、アンモニウム塩、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、例えばリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等、有機塩基との塩、例えばメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、4種のブチルアミン異性体、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ-n-ブチルアミン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、キヌクリジン、ピリジン、キノリン及びイソキノリンの一級、二級及び三級脂肪族アミン及び芳香族アミンとの塩;ベンザチン塩、N-メチル-D-グルカミン塩、ヒドラバミン塩並びに例えばアルギニン及びリシン等のアミノ酸との塩を含む。逆に言えば、塩形態は、酸により処理すると遊離酸形態に変換することができる。
溶媒和物という用語は、式(I)の化合物が形成することのできる溶媒付加形態及びその塩を含む。このような溶媒付加形態の例は、例えば、水和物、アルコラート等がある。
下記に記載されるプロセスで調製される本発明の化合物は、エナンチオマーの混合物、特にエナンチオマーのラセミ混合物の形態で合成することができ、それらは、当技術分野で公知の分割手順に従って相互に分離することができる。式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩、N-オキシド及び溶媒和物のエナンチオマー形態の分離方法には、キラル固定相を用いる液体クロマトグラフィーが含まれる。この純粋な立体化学的異性体形態は、適切な出発物質の対応する純粋な立体化学的異性体形態から誘導することもできるが、但し、この反応は、立体特異的に生じることが前提となる。好ましくは、特定の立体異性体を所望する場合、前記化合物は、立体特異的な調製方法で合成されることになる。これらの方法では、有利には、エナンチオマー的に純粋な出発物質が用いられる。
本明細書で使用する「エナンチオマー的に純粋な」という用語は、生成物が一方のエナンチオマーを少なくとも80重量%含有し、他方のエナンチオマーを20重量%以下で含有することを意味する。生成物が一方のエナンチオマーを少なくとも90重量%含有し、他方のエナンチオマーを10重量%以下で含有することが好ましい。最も好ましい実施形態では、「エナンチオマー的に純粋な」という用語は、組成物が一方のエナンチオマーを少なくとも99重量%含有し、他方のエナンチオマーを1%以下で含有することを意味する。
本発明は、自然界で通常見られる原子質量又は質量数(又は自然界で見られる最も豊富なもの)と異なる原子質量又は質量数を有する原子により1つ以上の原子が置換されていること以外、本明細書に記載の化合物と同一である、同位体標識された本発明の化合物も包含する。
本明細書において特定される任意の特定の原子又は元素の全ての同位体及び同位体混合物は、天然に存在するものも、合成的に生成されたものも、天然に豊富であるものも、同位体的に豊富な形態のものも、本発明の化合物の範囲内と考えられる。本発明の化合物に組み込むことができる例示的な同位体は、2H、3H、11C、13C、14C、13N、15O、17O、18O、32P、33P、35S、18F、36Cl、122I、123I、125I、131I、75Br、76Br、77Br及び82Brなどの水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素及びヨウ素の同位体を含む。好ましくは、同位体は、2H、3H、11C及び18Fの群から選択される。より好ましくは、同位体は、2Hである。特に、重水素化化合物は、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
本発明の特定の同位体標識化合物(例えば、3H及び14Cで標識されたもの)は、例えば基質組織分布アッセイに有用であり得る。トリチウム化同位体(3H)及び炭素14(14C)同位体は、その調製及び検出の容易さから有用である。更に、重水素(即ち2H)等のより重い同位体による置換は、より大きい代謝安定性の結果としてもたらされる特定の治療上の利点(例えば、インビボ半減期の増加又は必要用量の減少)をもたらす可能性があるため、ある状況では好ましい場合がある。15O、13N、11C及び18F等の陽電子放出同位体は、陽電子放出断層撮影(PET)の研究に有用である。癌におけるPETイメージング法は、腫瘍の位置を突き止め、同定し、疾患の病期を判定し、適切な治療を決定することを促進することに有用性が見出される。ヒト癌細胞は、潜在的な疾患特異的分子標的である多くの受容体又はタンパク質を過剰発現する。腫瘍細胞上のこのような受容体又はタンパク質に高い親和性及び特異性で結合する放射性標識トレーサーは、画像診断及び標的放射性核種療法に大きい可能性を有する(Charron,Carlie L.et al.Tetrahedron Lett.2016,57(37),4119-4127)。加えて、標的特異的PET放射性トレーサーは、例えば、標的発現及び治療応答を測定することにより、病理を検査及び評価するためのバイオマーカーとして使用され得る(Austin R.et al.Cancer Letters(2016)、doi:10.1016/j.canlet.2016.05.008)。
本発明は、詳細には、本明細書で定義される式(I)の化合物、並びにその互変異性体及び立体異性体形態であって、式中、
1は、
Figure 2023502692000010
(式中、「a」及び「b」は、変数X1が分子の残部にどのように結合されているかを示す)
を表し;
2は、両方の方向で分子の残部に結合され得る、
Figure 2023502692000011
を表し;
1及びR2は、メチルを表し;
1は、-S(=O)2-又は-N(Rx)-を表し;
xは、水素、メチル、C26アルキル、-C(=O)-C16アルキル、-S(=O)2-C16アルキル、C36シクロアルキル、-C(=O)-C36シクロアルキル又は-S(=O)2-C36シクロアルキルを表し、ここで、C26アルキル、-C(=O)-C16アルキル、-S(=O)2-C16アルキル、C36シクロアルキル、-C(=O)-C36シクロアルキル及び-S(=O)2-C36シクロアルキルは、ハロ、C14アルキル及び1、2又は3個のハロ原子で置換されたC14アルキルからなる群から選択される1、2又は3個の置換基で任意選択的に置換されており;
2は、-S-又は-S(=O)2-を表し;
但し、Y1及びY2の少なくとも一方は、-S(=O)2-を表す、化合物、並びにその互変異性体及び立体異性体形態、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。
本発明は、詳細には、本明細書で定義される式(I)の化合物、並びにその互変異性体及び立体異性体形態であって、式中、
1は、
Figure 2023502692000012
(式中、「a」及び「b」は、変数X1が分子の残部にどのように結合されているかを示す)
を表し;
2は、両方の方向で分子の残部に結合され得る、
Figure 2023502692000013
を表し;
1及びR2は、メチルを表し;
1は、-S(=O)2-又は-N(Rx)-を表し;
Xは、水素を表し;
2は、-S-又は-S(=O)2-を表し;
但し、Y1及びY2の少なくとも一方は、-S(=O)2-を表す、化合物、並びにその互変異性体及び立体異性体形態、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。
本発明は、詳細には、本明細書で定義される式(I)の化合物、並びにその互変異性体及び立体異性体形態であって、式中、
1は、
Figure 2023502692000014
(式中、「a」及び「b」は、変数X1が分子の残部にどのように結合されているかを示す)
を表し;
2は、両方の方向で分子の残部に結合され得る、
Figure 2023502692000015
を表し;
1及びR2は、メチルを表し;
1は、-S(=O)2-又は-N(Rx)-を表し;
Xは、メチルを表し;
2は、-S-又は-S(=O)2-を表し;
但し、Y1及びY2の少なくとも一方は、-S(=O)2-を表す、化合物、並びにその互変異性体及び立体異性体形態、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。
本発明は、詳細には、本明細書で定義される式(I)の化合物、並びにその互変異性体及び立体異性体形態であって、式中、
1は、
Figure 2023502692000016
(式中、「a」及び「b」は、変数X1が分子の残部にどのように結合されているかを示す)
を表し;
2は、両方の方向で分子の残部に結合され得る、
Figure 2023502692000017
を表し;
1及びR2は、メチルを表し;
1は、-S(=O)2-又は-N(Rx)-を表し;
xは、メチルを表し;
2は、-S-又は-S(=O)2-を表し;
但し、Y1及びY2の少なくとも一方は、-S(=O)2-を表す、化合物、並びにその互変異性体及び立体異性体形態、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。
一実施形態では、本発明は、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物又は他の実施形態の何れかに言及されるこれらの任意のサブグループに関し、ここで、Y1は、-N(Rx)-を示し;Y2は、-S(=O)2-を示す。
一実施形態では、本発明は、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物又は他の実施形態の何れかに言及されるこれらの任意のサブグループに関し、ここで、Y2は、-S(=O)2-を表す。
一実施形態では、本発明は、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物又は他の実施形態の何れかに言及されるこれらの任意のサブグループに関し、ここで、Y1は、-N(Rx)-を表し;Rxは、メチルを表し;Y2は、-S(=O)2-を表す。
一実施形態では、本発明は、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物又は他の実施形態の何れかに言及されるこれらの任意のサブグループに関し、ここで、Y1は、-S(=O)2-を表す。
一実施形態では、本発明は、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物又は他の実施形態の何れかに言及されるこれらの任意のサブグループに関し、ここで、Y1は、-S(=O)2-を表し;Y2は、-S(=O)2-を表す。
一実施形態では、本発明は、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物又は他の実施形態の何れかに言及されるこれらの任意のサブグループに関し、ここで、Y1は、-S(=O)2-を表し;Y2は、-S-を表す。
一実施形態では、本発明は、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物又は他の実施形態の何れかに言及されるこれらの任意のサブグループに関し、ここで、Rxは、メチルを表す。
一実施形態では、本発明は、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物又は他の実施形態の何れかに言及されるこれらの任意のサブグループに関し、ここで、X1は、
Figure 2023502692000018
を示す。
一実施形態では、本発明は、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物又は他の実施形態の何れかに言及されるこれらの任意のサブグループに関し、ここで、X1は、
Figure 2023502692000019
を示す。
一実施形態では、本発明は、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物又は他の実施形態の何れかに言及されるこれらの任意のサブグループに関し、ここで、式(I)の化合物は、式(I-x):
Figure 2023502692000020
の化合物に限定される。
式(I-x)の構造における全ての変数は、式(I)の化合物又は他の実施形態の何れかに言及されるこれらの任意のサブグループについて定義されているように定義されることが明らかであろう。
一実施形態では、本発明は、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物又は他の実施形態の何れかに言及されるこれらの任意のサブグループに関し、ここで、式(I)の化合物は、式(I-xx):
Figure 2023502692000021
の化合物に限定される。
式(I-xx)の構造における全ての変数は、式(I)の化合物又は他の実施形態の何れかに言及されるこれらの任意のサブグループについて定義されているように定義されることが明らかであろう。
一実施形態では、本発明は、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物又は他の実施形態の何れかに言及されるこれらの任意のサブグループに関し、ここで、式(I)の化合物は、式(I-y):
Figure 2023502692000022
の化合物に限定される。
式(I-y)の構造における全ての変数は、式(I)の化合物又は他の実施形態の何れかに言及されるこれらの任意のサブグループについて定義されているように定義されることが明らかであろう。
一実施形態では、本発明は、一般反応スキームに定義した式(I)のサブグループに関する。
一実施形態では、式(I)の化合物は、例示した化合物の何れか、その互変異性体及び立体異性体形態、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物からなる群から選択される。
上記に示した実施形態の全ての可能な組み合わせは、本発明の範囲内に包含されるものと見なされる。
化合物を調製するための方法
この項では、全ての他の項と同様に、文脈上別段の指示がある場合を除き、式(I)への言及には、本明細書に定義される全ての他のサブグループ及びこれらの例も含まれる。
式(I)の化合物の幾つかの典型例の一般的な調製は、下記及び具体例で説明されており、市販されているか又は有機化学の当業者が一般的に使用する標準的な合成方法により調製された出発物質から一般的に調製される。下記のスキームは、本発明の例を示すことを単に意図したものであり、決して本発明を限定することを意図したものではない。
代わりに、本発明の化合物は、当業者が一般に使用する標準的な合成方法と組み合わせた、下記の一般的スキームに記載したものと類似した反応手順で調製することもできる。
当業者は、スキームに記載した反応において、必ずしも明示的に示されているわけではないが、反応性官能基(例えば、ヒドロキシ基、アミノ基又はカルボキシ基)が最終生成物で所望される場合、これらが不必要に反応に関与することを回避するために、これらを保護する必要があり得ることを理解するであろう。一般に、従来の保護基を標準的技法に従って使用することができる。保護基は、当技術分野において公知の方法を用いて、その後の都合のよい段階で除去され得る。
当業者は、スキームに記載した反応において、例えばN2ガス雰囲気下などの不活性雰囲気下で反応を行うことが望ましいか又は必要である場合があることを理解するであろう。
反応後処理(化学反応の生成物の単離及び精製に必要とされる一連の操作、例えばクエンチ、カラムクロマトグラフィー、抽出などを指す)前に反応混合物を冷却することが必要な場合があることは、当業者に明らかであろう。
撹拌下で反応混合物を加熱することによって反応結果が向上する場合があることを、当業者は理解するであろう。一部の反応には、従来の加熱の代わりにマイクロ波加熱を使用して全反応時間を短縮し得る。
当業者は、式(I)の所望の化合物を、下記のスキームで示した化学反応の別の順序によって得ることも可能であることを理解するであろう。
当業者は、下記のスキームで示した中間体及び最終化合物を、当業者に周知の方法に従って更に官能化し得ることを理解するであろう。本明細書に記載される中間体及び化合物は、その遊離形態において又は塩若しくは溶媒和物として単離することができる。本明細書に記載される中間体及び化合物を、当技術分野で公知の分割手順に従い、互いに分離することが可能な互変異性体及び立体異性体形態の混合物の形態で合成し得る。
式(I)の化合物(式中、X1、X2、Y1及びY2は、一般的範囲内で定義される通りである)は、スキーム1に従って調製することができる。本特許出願の文脈では、P1はメチルに限定される。
Figure 2023502692000023
- 式(II)の中間体を、例えばLiOH又はNaOHなどの好適な塩基と、水又は水混合物及びジオキサン若しくはTHF(テトラヒドロフラン)などの好適な有機溶媒又はMeOH及びTHFの混合物などの好適な溶媒中で、室温又は60℃などの好適な温度で反応させることによって調製する。
- 式(II)の中間体は、式(III)の中間体を、例えばハロゲン化アルキルなどの好適なアルキル化剤R2L(式中、Lは、好適な脱離基である)と、例えばCs2CO3などの好適な塩基の存在下、例えばDMFなどの好適な溶媒中で、例えば室温又は60℃などの好適な温度で反応させることによって調製することができる。
- 式(III)の中間体は、式(IV)の中間体を、例えばHClなどの好適な脱保護剤と、例えばMeOH、THF又はそれらの混合物などの好適な溶媒中で、例えば室温などの好適な温度で反応させることによって調製することができる。
式(II)の中間体は、R1位置において、例えばテトラヒドロピラニルなどの保護基を有し得る。このような場合、式(II)の中間体を、例えばpTsOH(p-トルエンスルホン酸)又はHClなどの好適な脱保護剤と、例えばiPrOH(2-プロパノール)などの好適な溶媒中において例えば室温などの温度で反応させる。次の工程では、得られた脱保護した中間体を、例えばハロゲン化メチルなどの好適なメチル化剤R1L(式中、Lは、好適な脱離基である)と、例えばCs2CO3などの好適な塩基の存在下、例えばDMF(N,N-ジメチルホルムアミド)などの好適な溶媒中で、例えば室温又は60℃などの好適な温度で反応させることができる。
代わりに、式(II)の中間体(式中、Y1=Y2=SO2である)は、式(II)の中間体(式中、Y1=Y2=Sである)を、例えばmCPBA(メタクロロ過安息香酸)などの好適な酸化剤と、例えばDCM(ジクロロメタン)などの好適な溶媒中で、例えば室温などの好適な温度で反応させることによって調製することもできる。
式(IV)の中間体(式中、X1は、式(I)で定義される通りであり、Y2はSであり、P1はメチルである)を、スキーム2に従って調製することができ、
Figure 2023502692000024
- 式(VI)の中間体を、例えばジエチルアゾジカルボキシレート(DEAD)又はジ-tert-ブチルアゾジカルボキシレート(DTBAD)などの好適な試薬と、例えばPPh3などの好適なホスフィンの存在下、例えばTHF、トルエン又はそれらの混合物などの好適な溶媒中で、例えば室温又は70℃などの好適な温度で反応させることによって調製することができる。
- 式(VI)の中間体は、式(VII)の中間体(式中、Y3はC=Oであり、R’はMeである)を、例えばBH3.DMS(ボランジメチルスルフィド)などの好適な還元剤と、例えばTHFなどの好適な溶媒中で、例えば室温又は50℃などの好適な温度で反応させることによって調製することができる。
- 代わりに、式(VI)の中間体は、式(VII)の中間体(式中、Y3はCH2であり、R’はTBDMSなどの好適な保護基である)を、例えばテトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)などの好適な脱保護剤と、例えばTHFなどの好適な溶媒中で、例えば室温などの好適な温度で反応させることによって調製することができる。
- 式(VII)の中間体は、式(VIII)の中間体(式中、Lは、例えばメシレート(MsO)又はClなどの好適な脱離基である)を、3-(アセチルチオ)ナフタレン-1-イルアセテートと、例えばK2CO3などの好適な塩基の存在下、例えばメタノールなどの好適な溶媒中で、例えば室温などの好適な温度で反応させることによって調製することができる。
- 式(VIII)の中間体は、式(IX)の中間体を、例えばメシルクロリド(MsCl)又はSOCl2などの好適な活性化剤と、DCMなどの好適な溶媒中で、例えば室温などの好適な温度で反応させることによって調製することができる。
- 式(IX)の中間体は、以下のようにして調製することができる。
a)Y3がC=Oであり、R’がMeであり、P2がTBDMSなどの保護基である場合、式(X)の中間体を、例えばTBAFなどの好適な脱保護剤と、例えばTHFなどの好適な溶媒中で、例えば室温などの好適な温度で反応させるか、又は
b)Y3がCH2であり、R’がTBDMSなどの保護基であり、P2がテトラヒドロピラニル(THP)などの保護基である場合、式(X)の中間体を、例えばMgBr2などの好適な脱保護剤と、例えばEt2Oなどの好適な溶媒中で、例えば室温などの好適な温度で反応させる。
- 式(X)の中間体(式中、P2は、例えばtert-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)などの好適な保護基である)は、式(XI)の中間体を、式(XII)の中間体と、例えばK2CO3などの好適な塩基の存在下、例えばMeOH、THF又はそれらの混合物などの好適な溶媒中で、例えば室温などの好適な温度で反応させることによって調製することができる。Lは、例えばMsO又はClなどの好適な脱離基として定義される。
代わりに、式(VI)の中間体(式中、X1及びRxは式(I)で定義される通りであり、Y2はSであり、P1はメチルである)は、スキーム3に従って調製することができ、
Figure 2023502692000025
- 式(XXXIV)の中間体(式中、Y3はC=Oであり、R’はMeである)を、例えばBH3.DMS(ボランジメチルスルフィド)などの好適な還元剤と、例えばTHFなどの好適な溶媒中で、例えば室温又は50℃などの好適な温度で反応させることによって調製することができる。
- 代わりに、中間体(VI)は、2段階で調製することができ、まず、式(XXXIV)の中間体(式中、Y3はCH2であり、R’はTBDMSなどの好適な保護基である)を、例えばBH3.DMS(ボランジメチルスルフィド)などの好適な還元剤と、例えばTHFなどの好適な溶媒中で、例えば室温又は50℃などの好適な温度で反応させ、その後、例えばTBAFなどの好適な脱保護剤と、例えばTHFなどの好適な溶媒中で、例えば室温などの好適な温度で反応させることによって調製することができる。
- 式(XXXIV)の中間体は、式(XIII)の中間体(式中、Lは、例えばMsO又はClなどの好適な脱離基である)を、3-(アセチルチオ)ナフタレン-1-イルアセテートと、例えばK2CO3などの好適な塩基の存在下、例えばメタノールなどの好適な溶媒中で、例えば室温などの好適な温度で反応させることによって調製することができる。
- 式(XIII)の中間体は、式(XIV)の中間体を、例えばMsCl又はSOCl2などの好適な活性化剤と、DCMなどの好適な溶媒中で、例えば室温などの好適な温度で反応させることによって調製することができる。
- 式(XIV)の中間体は、式(XV)の中間体を、例えばテトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)などの好適な脱保護剤と、例えばTHFなどの好適な溶媒中で、例えば室温などの好適な温度で反応させることによって調製することができる。
- 式(XV)の中間体は、式(XVI)の中間体を、式(XVII)の中間体と、例えばO-(ベンゾトリアゾル-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)などの好適なカップリング試薬の存在下、例えばDIPEAなどの好適な塩基の存在下、例えばDMFなどの好適な溶媒中で、例えば室温などの好適な温度で反応させることによって調製することができる。
- 式(XVI)の中間体は、式(XI)の中間体を、例えばメチルアミンなどの好適な一級アミンと、例えばTHFなどの好適な溶媒中で、例えば40℃などの好適な温度で反応させることによって調製することができる。
式(XVII)の中間体(式中、P1は、(VII)で定義される通りであり、P2は、例えばtert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)などの好適な保護基である)は、スキーム4に従って調製することができ、
Figure 2023502692000026
式(XIX)の中間体を、例えばNaOHなどの好適な塩基の存在下、例えばMeOH及び水の混合物などの好適な溶媒中で、例えば室温などの好適な温度で反応させることによって調製することができる。
式(XIX)の中間体(式中、P2は、例えばTHPなどの保護基である)は、式(XX)の中間体を、例えばジヒドロピランなどの好適な保護基前駆体と、例えばパラトルエンスルホン酸(pTosOH)などの好適な酸の存在下、例えばDCMなどの好適な溶媒中で、例えば室温などの好適な温度で反応させることにより、スキーム4に従って調製することができる。式(XIX)の中間体(式中、P2は、例えばTBDMSなどの保護基である)は、式(XX)の中間体を、例えばtert-ブチルジメチルクロロシラン(TBDMSCl)などの好適な保護基前駆体と、例えばEt3N若しくは4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)又はそれらの混合物などの好適な塩基の存在下、例えばTHFなどの好適な溶媒中で、例えば室温などの好適な温度で反応させることにより、スキーム4に従って調製することができる。式(XX)の中間体は、当業者に公知の方法又は国際公開第2005018557号パンフレットの教示を類推することによって調製することができる。
式(XII)の中間体は、スキーム4に従って調製することができ、
- 式(XVIII)の中間体を、2段階の手順で反応させることによって調製することができ、まず、例えばMsClなどの好適な活性化剤の存在下、例えばEt3Nなどの好適な塩基の存在下、例えばTHFなどの好適な溶媒中で、例えば室温などの好適な温度で反応させ、次いで、チオ酢酸カリウム(AcSK)と、例えばDMFなどの好適な溶媒中で、例えば室温などの好適な温度で反応させることによって調製することができる。
- 式(XVIII)の中間体は、式(XIX)の中間体を、例えばLiAlH4などの好適な還元剤と、例えばTHFなどの好適な溶媒中で、例えば0℃などの好適な温度で反応させることによって調製することができる。
代わりに、式(IV)の中間体(式中、Y1は、N(Rx)として定義される)は、スキーム5に従って調製することができ、
Figure 2023502692000027
- 式(XXI)の中間体を、例えばホルムアルデヒドなどの好適なアルデヒドと、例えばAcOHなどの好適な酸の存在下、例えばNaBH(OAc)3などの好適な還元剤の存在下、例えばDCMなどの好適な溶媒中で、例えば室温などの好適な温度で反応させることによって調製することができる。
- 式(XXI)の中間体は、式(XXII)の中間体を、例えばチオフェノールなどの好適な脱保護剤と、例えばK2CO3などの好適な塩基の存在下、例えばアセトニトリルなどの好適な溶媒中で、例えば室温などの好適な温度で反応させることによって調製することができる。
- 式(XXII)の中間体は、式(XXIII)の中間体を、例えばジ-tert-ブチルアゾジカルボキシレート(DTBAD)などの好適な試薬と、例えばトリフェニルホスフィン(PPh3)などの好適なホスフィンの存在下、例えばTHF、トルエン又はそれらの混合物などの好適な溶媒中で、例えば室温又は70℃などの好適な温度で反応させることによって調製することができる。
- 式(XXIII)の中間体は、式(XXIV)の中間体(式中、Y3はC=Oであり、R’はMeである)を、例えばBH3.DMSなどの好適な還元剤と、例えばTHFなどの好適な溶媒中で、例えば室温又は50℃などの好適な温度で反応させることによって調製することができる。
- 代わりに、式(XXIII)の中間体は、式(XXXIII)の中間体(式中、Y3はCH2であり、R’はTBDMSなどの好適な保護基である)を、例えばTBAFなどの好適な脱保護剤と、例えばTHFなどの好適な溶媒中で、例えば室温などの好適な温度で反応させることによって調製することもできる。
- 式(XXIV)の中間体は、式(XXXIII)の中間体(式中、Y3はC=Oであり、R’はMeである)を、例えばTBAFなどの好適な脱保護剤と、例えばTHFなどの好適な溶媒中で、例えば室温などの好適な温度で反応させることによって調製することができる。
- 式(XXXIII)の中間体は、2段階の手順で調製することができ、まず、式(XXV)の中間体を、例えば2-ニトロフェニルスルホンアミドなどの好適な保護された窒素と、例えばDEAD又はDTBADなどの好適な試薬の存在下、例えばPPh3などの好適なホスフィンの存在下、例えばDCMなどの好適な溶媒中で、例えば室温などの好適な温度で反応させ、続いて、式(XXVI)の中間体と、例えばDEAD又はDTBADなどの好適な試薬の存在下、例えばPPh3などの好適なホスフィンの存在下、例えばDCMなどの好適な溶媒中で、例えば室温などの好適な温度で反応させることによって調製することができる。(Nsは、ノシル又はオルト-ニトロベンゼンスルホニルを意味する)
- 代わりに、式(XXXIII)の中間体は、例えば、式(XXXIII)の中間体(式中、Y2=S)をmCPBAなどの好適な酸化剤と、例えばDCMなどの好適な溶媒中において例えば室温などの好適な温度で反応させることにより、酸化型(式中、Y2=SO2)に変換され得る。
式(XI)の中間体(式中、X1は、式(I)で定義される通りであり、Y3/R’はC=O/Meであるか、又はY3/R’はCH2/TBDMSである)は、スキーム6に従って調製することができ、
Figure 2023502692000028
- 式(XXV)の中間体を、例えばMsCl又はSOCl2などの好適な活性化剤と、DCMなどの好適な溶媒中で、例えば室温などの好適な温度で反応させることによって調製することができる。
- 式(XXV)の中間体は、式(XXVII)の中間体を、例えばTFAなどの好適な脱保護剤と、例えばDCMなどの好適な溶媒中で、例えば室温などの好適な温度で反応させることによって調製することができる。
- 式(XXVII)の中間体は、式(XXVIII)の中間体を、例えばMeI(ヨウ化メチル)などの好適なアルキル化試薬と、例えばCs2CO3などの好適な塩基の存在下、例えばDMFなどの好適な溶媒中で、例えば室温などの好適な温度で反応させることによって調製することができる。
- 式(XXVIII)の中間体(式中、P3は、例えばTHPなどの好適な保護基であり、Y3はC=Oであり、R’はMeである)は、メチル7-ブロモ-6-クロロ-3-(3-メトキシ-3-オキソプロピル)-1H-インドール-2-カルボキシレート(CAS[2143010-85-7]を、式(XXIX)の中間体と、例えば[1,1’-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(Pd(dtbpf)Cl2)などの好適な触媒の存在下、例えばCs2CO3などの好適な塩基の存在下、例えばTHF及び水の混合物などの好適な溶媒中で、例えば100℃などの好適な温度で反応させることによって調製することができる。
- 代わりに、この全合成系は、メチル7-ブロモ-6-クロロ-3-(3-ヒドロキシプロピル)-1H-インドール-2-カルボキシレート(CAS[2245716-18-9])から出発し得、これを、例えばTBDMSClなどの好適な保護基試薬で、例えばトリエチルアミン(Et3N)若しくはDMAP又はそれらの混合物などの好適な塩基の存在下、例えばTHFなどの好適な溶媒中において、例えば室温などの好適な温度で保護した後、中間体(式中、Y3は、CH2であり、R’は、TBDMSなどの好適な保護基である)が導かれる。
式(XXIX)の中間体(式中、R1は、式(I)で定義される通りであるか、又は代わりに、R1は、例えば、THPなどの好適な保護基であり得、P3は、例えば、TBDMSなどの好適な保護基であり、B(OR)2は、ボロン酸又は好適なボロン酸誘導体を示す)は、スキーム7に従って調製することができ、
Figure 2023502692000029
- 式(XXX)の中間体を、例えばイソプロポキシボロン酸ピナコールエステルなどの好適なボロナートと、例えばBuLiなどの好適な塩基の存在下、例えばTHFなどの好適な溶媒中で、例えば-78℃などの好適な温度で反応させることによって調製することができる。
- 式(XXX)の中間体は、式(XXXI)の中間体を、例えばTBDMSClなどの好適な保護基前駆体と、例えばEt3N若しくはDMAP又はそれらの混合物などの好適な塩基存在下、例えばTHFなどの好適な溶媒中で、例えば室温などの好適な温度で反応させることによって調製することができる。
- 式(XXXI)の中間体は、式(XXXII)の中間体を、例えばLiBH4などの好適な還元剤と、例えば2-メチルテトラヒドロフラン(2-MeTHF)などの好適な溶媒中で、例えば室温などの好適な温度で反応させることによって調製することができる。
式(XXVI)の中間体は、スキーム8に従って調製することができ、
Figure 2023502692000030
- 式(XXXV)の中間体を、例えばDIBALHなどの好適な還元剤と、例えばTHFなどの好適な溶媒中で、例えば0℃又は室温などの好適な温度で反応させることによって調製することができる。
- 式(XXXV)の中間体は、式(XXXVI)の中間体を、例えばTBDMSCl(tert-ブチルジメチルシリルクロリド)又はTBDPSCl(tert-ブチルジフェニルシリルクロリド)などの好適な三置換シリルクロリドと、例えばイミダゾールなどの好適な塩基存在下、例えばDMFなどの好適な溶媒中で、例えば室温などの好適な温度で反応させることによって調製することができる。
- 式(XXXVI)の中間体は、式(XXXVII)の中間体(式中、Lは、例えばクロリド又はメシレートなどの好適な脱離基である)を、3-(アセチルチオ)ナフタレン-1-イルアセテートと、例えばK2CO3などの好適な塩基の存在下、例えばメタノールなどの好適な溶媒中で、例えば室温などの好適な温度で反応させることによって調製することができる。
- 式(XXXVII)の中間体は、式(XXXVIII)の中間体を、例えばメシルクロリド又は塩化チオニルなどの好適な試薬と、必要に応じて例えばトリエチルアミンなどの好適な塩基の存在下、例えばCH2Cl2などの好適な溶媒中、例えば0℃又は室温などの好適な温度で反応させることによって調製することができる。
- 式(XXXVIII)の中間体は、式(XXXIX)の中間体を、例えばTBAFなどの脱保護剤と、例えばTHFなどの好適な溶媒中で、例えば室温などの好適な温度で反応させることによって調製することができる。
- 式(XXXIX)の中間体は、エチル5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシレートを、ヨウ化メチルと、例えばナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドなどの好適な塩基の存在下、例えばTHFなどの好適な溶媒中、例えば0℃又は室温などの好適な温度で反応させることによって調製することができる。
適切な官能基が存在する場合、様々な式の化合物又はその調製に使用されるあらゆる中間体は、縮合反応、置換反応、酸化反応、還元反応又は開裂反応を用いる1種以上の標準的な合成法により更に誘導体化され得ることが理解されるであろう。具体的な置換方法としては、アルキル化、アリール化、ヘテロアリール化、アシル化、スルホニル化、ハロゲン化、ニトロ化、ホルミル化及びカップリング法が挙げられる。
式(I)の化合物は、当技術分野で公知の分割手順に従って互いに分離することができる、アトロポ異性体のラセミ混合物の形態で合成され得る。塩基性窒素原子を含む式(I)のアトロポ異性体混合物を、好適なキラル酸と反応させることにより、対応するジアステレオマー塩の形態に変換し得る。その後、前記ジアステレオマー塩形態を例えば選択的結晶化又は分別結晶化によって分離させ、そこからアルカリによってアトロポ異性体を遊離させる。式(I)の化合物のキラル形態を分離する代替方法としては、キラル固定相を使用する液体クロマトグラフィーが挙げられる。この純粋な立体化学的異性体形態は、適切な出発物質の対応する純粋な立体化学的異性体形態から誘導することもできるが、但し、この反応は、立体特異的に生じることが前提となる。
本発明の化合物の調製において、中間体の離れた官能基(例えば、第一級アミン又は第二級アミン)を保護することが必要な場合がある。そのような保護の必要性は、離れた官能基の性質と、調製方法の条件とに応じて変わってくる。好適なアミノ保護基(NH-Pg)としては、アセチル基、トリフルオロアセチル基、t-ブトキシカルボニル(Boc)基、ベンジルオキシカルボニル(CBz)基及び9-フルオレニルメチレンオキシカルボニル(Fmoc)基が挙げられる。そのような保護の必要性は、当業者によって容易に判断される。保護基及びそれらの使用の概要に関しては、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,4th ed.,Wiley,Hoboken,New Jersey,2007を参照されたい。
化合物の薬理学
本発明の化合物は、MCL-1抗アポトーシス活性などの1つ以上のMCL-1活性を阻害することが見出された。
MCL-1阻害剤は、1つ以上のMCL-1の機能、例えばアポトーシス促進性エフェクターであるBak及びBax又はBim、Noxa若しくはPumaなどのBH3オンリー増感剤に結合して、それらを抑制する能力を遮断する化合物である。
本発明の化合物により、MCL-1の生存促進機能を阻害することができる。従って、本発明の化合物は、癌などの免疫系の影響を受けやすい疾患を治療及び/又は予防(特に治療)するのに有用であり得る。
本発明の別の実施形態では、本発明の化合物は、例えば、免疫調節を介した抗腫瘍特性を示す。
一実施形態では、本発明は、癌を治療及び/又は予防するための方法であって、癌は、本明細書に記載される癌から選択され、それを必要とする対象(好ましくはヒト)に、治療的有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を投与することを含む方法に関する。
一実施形態では、本発明は、癌を治療及び/又は予防するための方法であって、それを必要とする対象、好ましくはヒトに、治療的有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を投与することを含み、癌は、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、B細胞性急性リンパ芽球性白血病、B細胞性慢性リンパ球性白血病(CLL)、膀胱癌、乳癌、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、結腸腺癌、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、食道癌、濾胞性リンパ腫、胃癌、頭頸部癌(頭頸部扁平上皮癌を含むが、それには限定されない)、造血器癌、肝細胞癌、ホジキンリンパ腫、肝臓癌、肺癌(肺腺癌を含むが、それには限定されない)、リンパ腫、髄芽細胞腫、黒色腫、有意性が未知の単クローン性免疫グロブリン血症、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、骨髄線維症、骨髄増殖性腫瘍、卵巣癌、卵巣明細胞癌、卵巣漿液性嚢胞腺腫、膵臓癌、真性赤血球増加症、前立腺癌、直腸腺癌、腎細胞癌、くすぶり型多発性骨髄腫、T細胞性急性リンパ芽球性白血病、T細胞性リンパ腫及びワルデンストレームマクログロブリン血症からなる群から選択される方法に関する。
別の実施形態では、本発明は、癌を治療及び/又は予防するための方法であって、それを必要とする対象、好ましくはヒトに、治療的有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を投与することを含み、癌は、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、B細胞性急性リンパ芽球性白血病、B細胞性慢性リンパ球性白血病(CLL)、乳癌、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、濾胞性リンパ腫、造血器癌、ホジキンリンパ腫、肺癌(肺腺癌を含むが、それには限定されない)、リンパ腫、有意性が未知の単クローン性免疫グロブリン血症、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、骨髄線維症、骨髄増殖性腫瘍、くすぶり型多発性骨髄腫、T細胞性急性リンパ芽球性白血病、T細胞性リンパ腫及びワルデンストレームマクログロブリン血症からなる群から好ましくは選択される方法に関する。
別の実施形態では、本発明は、癌を治療及び/又は予防するための方法であって、それを必要とする対象、好ましくはヒトに、治療的有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を投与することを含み、癌は、腺癌、良性単クローン性免疫グロブリン血症、胆道癌(胆管細胞癌を含むが、それには限定されない)、膀胱癌、乳癌(乳房の腺癌、乳房の乳頭状癌、乳癌、乳房の髄様癌を含むが、それらに限定されない)、脳腫瘍(髄膜腫を含むが、それには限定されない)、神経膠腫(星状細胞腫、乏突起細胞腫;髄芽細胞腫を含むが、それらに限定されない)、気管支癌、子宮頸癌(子宮頚部腺癌を含むが、それには限定されない)、脊索腫、絨毛性腫瘍、結腸直腸癌(結腸癌、直腸癌、結腸直腸腺癌を含むが、それらに限定されない)、上皮癌、内皮肉腫(カポジ肉腫、多発性特発性出血性肉腫を含むが、それらに限定されない)、子宮内膜癌(子宮癌、子宮肉腫を含むが、それらに限定されない)、食道癌(食道の腺癌、バレット腺癌を含むが、それらに限定されない)、ユーイング肉腫、胃癌(胃腺癌を含むが、それには限定されない)、消化管間質腫瘍(GIST)、頭頸部癌(頭頸部扁平上皮癌を含むが、それには限定されない)、造血器癌(急性リンパ球性白血病(ALL)などの白血病を含むがそれらに限定されない)(B細胞性ALL、T細胞性ALLを含むが、それらに限定されない)、急性骨髄性白血病(AML)(例えば、B細胞性AML、T細胞性AML)、慢性骨髄細胞性白血病(CML)(例えば、B細胞性CML、T細胞性CML)及び慢性リンパ球性白血病(CLL)(例えば、B細胞性CLL、T細胞性CLL)、ホジキンリンパ腫(HL)などのリンパ腫(B細胞性HL、T細胞性HLを含むが、それらに限定されない)及び非ホジキンリンパ腫(NHL)(例えば、びまん性大細胞型リンパ腫(DLCL)などのB細胞性NHL(例えば、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL))、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、辺縁帯B細胞性リンパ腫(粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、節性辺縁帯B細胞性リンパ腫、脾性辺縁帯B細胞性リンパ腫を含むが、それらに限定されない)、縦隔原発B細胞性リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(ワルデンストレームマクログロブリン血症を含むが、それには限定されない)、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、ヘアリー細胞白血病(HCL)、前駆B細胞リンパ芽球性リンパ腫及び原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、前駆T細胞リンパ芽球性リンパ腫/白血病、辺縁性T細胞性リンパ腫(PTCL)などのT細胞性NHL(例えば、皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)(菌状息肉腫、セザリー症候群を含むが、それらに限定されない))、血管免疫芽球性T細胞性リンパ腫、節外性ナチュラルキラーT細胞性リンパ腫、腸症型T細胞性リンパ腫、皮下脂肪織炎様T細胞性リンパ腫、未分化大細胞型リンパ腫、上記に記載した1種以上の白血病/リンパ腫の混合、多発性骨髄腫(MM)、重鎖病(α鎖病、γ鎖病、μ鎖病を含むが、それらに限定されない)、免疫球性アミロイドーシス、腎臓癌(別名がウィルムス腫瘍である腎芽細胞腫症、腎細胞癌を含むが、それらに限定されない)、肝臓癌(肝細胞癌(HCC)、悪性肝癌を含むが、それらに限定されない)、肺癌(気管支原性癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、扁平上皮肺癌(SLC)、肺の腺癌、ルイス肺癌、肺神経内分泌腫瘍、定型カルチノイド、非定型カルチノイド、小細胞肺癌(SCLC)及び大細胞型神経内分泌癌を含むが、それらに限定されない)、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性疾患(MPD)、真性赤血球増加症(PV)、本態性血小板血症(ET)、別名が骨髄線維症(MF)である原発性骨髄線維症(AMM)、慢性特発性骨髄線維症、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好中球性白血病(CNL)、好酸球増加症候群(HES)、卵巣癌(嚢胞腺癌、卵巣胎生期癌、卵巣腺癌を含むが、それらに限定されない)、膵臓癌(膵臓腺癌、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、島細胞腫を含むが、それらに限定されない)、前立腺癌(前立腺腺癌を含むが、それには限定されない)、皮膚癌(扁平上皮癌(SCC)、角化棘細胞腫(KA)、黒色腫、基底細胞癌(BCC)を含むが、それらに限定されない)及び軟部組織肉腫(例えば、悪性線維性組織球腫(MFH)、脂肪肉腫、悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)、軟骨肉腫、線維肉腫、粘液肉腫)からなる群から選択される方法に関する。
別の実施形態では、本発明は、癌を治療及び/又は予防するための方法であって、それを必要とする対象、好ましくはヒトに、治療的有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を投与することを含み、癌は、良性単クローン性免疫グロブリン血症、乳癌(乳房の腺癌、乳房の乳頭状癌、乳癌、乳房の髄様癌を含むが、それらに限定されない)、造血器癌(例えば、急性リンパ球性白血病(ALL)(B細胞性ALL、T細胞性ALLを含むが、それらに限定されない)、急性骨髄性白血病(AML)(例えば、B細胞性AML、T細胞性AML)、慢性骨髄性白血病(CML)(例えば、B細胞性CML、T細胞性CML)及び慢性リンパ球性白血病(CLL)(例えば、B細胞性CLL、T細胞性CLL)、ホジキンリンパ腫(HL)などのリンパ腫(B細胞性HL、T細胞性HLを含むが、それらに限定されない)及び非ホジキンリンパ腫(NHL)(例えば、びまん性大細胞型リンパ腫(DLCL)などのB細胞性NHL(例えば、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)などの白血病を含むが、それらに限定されない)、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、辺縁帯B細胞性リンパ腫(粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、節性辺縁帯B細胞性リンパ腫、脾性辺縁帯B細胞性リンパ腫を含むが、それらに限定されない)、縦隔原発B細胞性リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(ワルデンストレームマクログロブリン血症を含むが、それには限定されない)、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、ヘアリー細胞白血病(HCL)、前駆B細胞リンパ芽球性リンパ腫及び原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、前駆T細胞リンパ芽球性リンパ腫/白血病、辺縁性T細胞性リンパ腫(PTCL)などのT細胞性NHL(例えば、皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)(菌状息肉腫、セザリー症候群を含むが、それらに限定されない)、血管免疫芽球性T細胞性リンパ腫、節外性ナチュラルキラーT細胞性リンパ腫、腸症型T細胞性リンパ腫、皮下脂肪織炎様T細胞性リンパ腫、未分化大細胞型リンパ腫、上記に記載した1種以上の白血病/リンパ腫の混合、多発性骨髄腫(MM)、重鎖病(α鎖病、γ鎖病、μ鎖病を含むが、それらに限定されない)、免疫球性アミロイドーシス、肝臓癌(肝細胞癌(HCC)、悪性肝癌を含むが、それらに限定されない)、肺癌(気管支原性癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、扁平上皮肺癌(SLC)、肺の腺癌、ルイス肺癌、肺神経内分泌腫瘍、定型カルチノイド、非定型カルチノイド、小細胞肺癌(SCLC)及び大細胞型神経内分泌癌を含むが、それらに限定されない)、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性疾患(MPD)及び前立腺癌(前立腺腺癌を含むが、それには限定されない)からなる群から選択される方法に関する。
別の実施形態では、本発明は、癌を治療及び/又は予防するための方法であって、それを必要とする対象、好ましくはヒトに、治療的有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を投与することを含み、癌は、前立腺癌、肺癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、黒色腫、B細胞性慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)及び急性リンパ芽球性白血病(ALL)からなる群から選択される方法に関する。
別の実施形態では、本発明は、癌を治療及び/又は予防するための方法であって、それを必要とする対象、好ましくはヒトに、治療的有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を投与することを含み、癌は、多発性骨髄腫である方法に関する。
本発明による化合物又は前記化合物を含む医薬組成物は、PD1/PDL1免疫チェックポイント軸の阻害剤、例えばPD-1若しくはPD-L1及び/若しくはCTLA-4又は腫瘍関連抗原を標的とする遺伝子組み換えキメラ抗原受容体T細胞(CART)に結合し、且つ/又はその活性を阻害する抗体(又はペプチド)などの免疫調節剤と組み合わせた治療適用も有し得る。
本発明による化合物又は前記化合物を含む医薬組成物は、癌を有する対象に、前記対象の癌を治療するか、又は前記対象の癌の治療に関連する副作用を治療若しくは予防するために施される放射線療法若しくは化学療法薬(抗癌剤を含むが、それらに限定されない)又は任意の他の医薬品とも組み合わされ得る。
本発明による化合物又は前記化合物を含む医薬組成物は、ワクチンなどの免疫応答を刺激又は増強する他の作用物質とも組み合わされ得る。
一実施形態では、本発明は、癌(癌は、本明細書に記載される癌から選択される)を治療及び/又は予防するための方法であって、それを必要とする対象(好ましくはヒト)に、治療的有効量の連携療法又は組み合わせ療法を施すことを含み;連携療法又は組み合わせ療法は、本発明の式(I)の化合物及び(a)免疫調節剤(PD1/PDL1免疫チェックポイント軸の阻害剤、例えばPD-1若しくはPD-L1及び/若しくはCTLA-4に結合し、且つ/又はその活性を阻害する抗体(又はペプチド)など);(b)腫瘍関連抗原を標的とする遺伝子組み換えキメラ抗原受容体T細胞(CART);(c)放射線療法;(d)化学療法;及び(e)ワクチンなどの免疫応答を刺激又は増強する作用物質からなる群から選択される1種以上の抗癌剤を含む方法に関する。
本発明は、薬剤として使用するための、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。
本発明は、MCL-1活性を阻害するために使用するための、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。
別途明記しない限り、本発明で使用する「抗癌剤」という用語は、「抗腫瘍細胞増殖剤」及び「抗悪性腫瘍剤」を含むものとする。
本発明は、上述した疾患(好ましくは癌)を治療及び/又は予防するのに使用するための、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及びその溶媒和物に関する。
本発明は、上述した疾患(好ましくは癌)を治療及び/又は予防するための、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。
本発明は、本明細書に記載した疾患、好ましくは癌(例えば、多発性骨髄腫)を治療及び/又は予防するための、特に治療するための、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。
本発明は、本明細書に記載した疾患、好ましくは癌(例えば、多発性骨髄腫)を治療及び/又は予防するのに使用するための、特に治療するのに使用するための、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。
本発明は、MCL-1媒介性疾患又は症状、好ましくは癌、より好ましくは本明細書に記載した癌(例えば、多発性骨髄腫)を治療及び/又は予防するための、特に治療するための、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。
本発明は、MCL-1媒介性疾患又は症状、好ましくは癌、より好ましくは本明細書に記載した癌(例えば、多発性骨髄腫)を治療及び/又は予防するのに使用するための、特に治療するのに使用するための、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。
本発明は、薬剤を製造するための、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。
本発明は、MCL-1を阻害するための薬剤を製造するための、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。
本発明は、癌、好ましくは本明細書に記載した癌を治療及び/又は予防するための、特に治療するための薬剤を製造するための、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。より詳細には、癌は、MCL-1の阻害に応答する癌(例えば、多発性骨髄腫)である。
本発明は、上述した病状の何れか1つを治療及び/又は予防するための、特に治療するための薬剤を製造するための、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。
本発明は、上述した病状の何れか1つを治療及び/又は予防するための薬剤を製造するための、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。
式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物は、上述した疾患の何れか1つを治療及び/又は予防するために、対象、好ましくはヒトに投与することができる。
式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物の有用性の観点から、上述した疾患の何れかに罹患している対象、好ましくはヒトなどの哺乳動物を治療する方法;又は対象、ヒトにおける上述した疾患の何れかの進行を緩徐化させる方法;又は対象、好ましくはヒトなどの哺乳動物が上述の疾患の何れか1つに罹患することを予防する方法が提供される。
前記方法は、ヒトなどの対象に、有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の投与、即ち全身投与又は局所投与、好ましくは経口又は静脈内投与、より好ましくは経口投与を含む。
当業者であれば、本発明の化合物の治療的有効量は、治療活性を有するのに十分な量であり、この量は、特に疾患の種類、治療製剤中の化合物の濃度及び患者の症状に応じて変動することを認識するであろう。一実施形態では、治療上有効な1日量は、約0.005mg/kg~100mg/kgであり得る。
治療効果を得るために必要とされる、本明細書において有効成分とも称される本発明による化合物の量は、個別に、例えば特定の化合物、投与経路、レシピエントの年齢及び症状並びに治療する特定の障害又は疾患に応じて変動させ得る。本発明の方法は、有効成分を1日に1~4回摂取させる投薬計画で投与することも含み得る。本発明のこれらの方法では、本発明による化合物は、投与前に処方されることが好ましい。
本発明は、本明細書で言及した障害(好ましくは本明細書に記載される癌)を治療及び/又は予防するための組成物も提供する。前記組成物は、治療的有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物及び薬学的に許容される担体又は希釈剤を含む。
有効成分(例えば、本発明の化合物)は、単独で投与することができるが、医薬組成物として投与することが好ましい。従って、本発明は更に、本発明による化合物を、薬学的に許容される担体又は希釈剤と共に含む医薬組成物を提供する。担体又は希釈剤は、組成物の他の成分と適合し、そのレシピエントに有害でないという意味で「容認できる」ものでなければならない。
本発明の医薬組成物は、薬学の技術分野において公知の何れかの方法により、例えばGennaro et al.Remington’s Pharmaceutical Sciences(18th ed.,Mack Publishing Company,1990、特にPart8:Pharmaceutical preparations and their Manufactureを参照されたい)に記載されているような方法を使用して調製され得る。
本発明の化合物は、単独で又は1種以上の追加の治療薬と組み合わせて投与され得る。組み合わせ療法としては、本発明による化合物及び1種以上の追加の治療薬を含む単一医薬製剤の投与並びに本発明の化合物及び各追加の治療薬のそれぞれ個別の医薬製剤による投与が挙げられる。
従って、一実施形態では、本発明は、癌に罹患した患者を治療するのに、同時に、個別に又は逐次的に使用するための組み合わせ製剤としての第1有効成分としての本発明による化合物及び更なる追加の有効成分としての1種以上の抗癌剤を含む生成物に関する。
1種以上の他の抗癌剤及び本発明による化合物は、同時に(例えば、別個の組成物又は単一の組成物で)又は逐次的にいかなる順序でも投与され得る。一実施形態では、2種以上の化合物は、有利な効果又は相乗効果が確実に得られるのに十分な期間及び/又は量及び/又は方法で投与される。好ましい投与方法及び投与順序並びに組み合わせる各成分のそれぞれの投与量及び投薬計画は、投与を受けている特定の他の抗癌剤及び本発明の化合物、それらの投与経路、治療を受けている特定の症状(特に腫瘍)並びに治療を受けている宿主によって異なることが理解されるであろう。
以下の実施例で本発明を更に説明する。
本発明の化合物を調製するための幾つかの方法を、以下の実施例で説明する。他に特に明記しない限り、出発物質の全ては、市販業者から入手して更に精製することなく使用するか、又は代わりに周知の方法を使用することによって当業者が合成し得る。
Figure 2023502692000031
Figure 2023502692000032
当業者に理解されるように、示されたプロトコルを使用して合成される化合物は、残留溶媒又は少量の不純物を含み得る。
当業者であれば、以下の実験プロトコルに明示的に言及されていなくても、通常は、カラムクロマトグラフィー精製後に所望の画分を回収し、溶媒を蒸発させていることを理解するであろう。
立体化学が示されていない場合、別途指示されないか又は文脈から明らかでない限り、立体異性体の混合物であることを意味する。
中間体の調製
粗製又は部分的に精製された中間体として次の反応工程で使用される中間体について、ある場合には、次の反応工程でそのような中間体のモル量が言及されず、代わりに次の反応工程でそのような中間体の推定モル量又は理論モル量が下記に記載する反応プロトコルに示される。
中間体1
Figure 2023502692000033
イミダゾール(258mg、1.4当量)を、メチル5-(((4-ヒドロキシナフタレン-2-イル)チオ)メチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボキシレート[2245716-34-9](890mg、2.71mmol)及びTBDMSCl(511mg、1.25当量)の無水DMF(18mL)溶液に添加した。反応混合物を室温で48時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(100mL)及び水(50mL)で希釈した。有機層を分離し、塩水(2×50mL)で洗浄した。合わせた水層をEtOAc(50mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSO4上で乾燥させ、濾過して蒸発させた。残渣をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(40g、勾配:ヘプタン100%からヘプタン/EtOAc 6/4まで)によって精製し、中間体1(1.24g、定量)を得た。
中間体2
Figure 2023502692000034
DIBALH(ヘプタン中1M、5.82mL、2.5当量)を、中間体1(1.03g、2.33mmol)のTHF(40mL)溶液に、窒素雰囲気下、0℃で滴加し、反応混合物を0℃で30分間撹拌した。追加のDIBALH(ヘプタン中1M、2.32mL、1当量)を添加し、0℃で10分間撹拌を続けた。反応混合物を湿式THF(40mL)で処理し、その後、数分間、水(10mL、最初に滴加する)で撹拌した。混合物を室温まで温め、次いでセライトを加えた。撹拌して5分後、混合物を濾過した。固形物をEtOAcで洗浄した。濾液をMgSO4で処理し、濾過して蒸発させると、静置すると固化する無色のペーストとして中間体2(892mg、92%)が得られ、これを更に精製することなく使用した。
中間体3
Figure 2023502692000035
メチル6-クロロ-7-[3-(ヒドロキシメチル)-1,5-ジメチル-ピラゾール-4-イル]-3-(3-メトキシ-3-オキソ-プロピル)-1-メチル-インドール-2-カルボキシレート[2143010-99-3](1g、2.25mmol)、2-ニトロベンゼンスルホンアミド(500mg、1.1当量)及びトリフェニルホスフィン(1181mg、2当量)のDCM(30mL)懸濁液に、DTBAD(1037mg、2当量)のDCM(7.5mL)溶液を添加した。得られた反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:EtOAc-1:0~4:6)によって精製して、トリフェニルホスフィンオキシドがまだ混入している黄色いガムとして中間体3(1.87g、収率93%)を得た。
中間体4
Figure 2023502692000036
中間体3(1.4g、1.58mmol)、中間体2(664mg、1当量)及びトリフェニルホスフィン(832mg、2当量)のDCM(24mL)懸濁液に、DTBAD(730mg、2当量)のDCM(7mL)溶液を添加した。得られた反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:EtOAc-1:0~1:1)によって精製して、黄色のガムとして中間体4(1.7g、収率79%)を得た。
中間体5
Figure 2023502692000037
氷浴で冷却したDCM(25mL、1.326g/mL、390.311mmol)中の中間体4(1.7g、1.26mmol)に、mCPBA(6072.1当量)を添加した。0℃で15分後、反応物を室温まで温め、一晩撹拌した。反応混合物をDCM(50mL)で希釈し、NaHCO3飽和水溶液(2×50mL)及び塩水(50mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させて濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:EtOAc-3:1~1:3)によって精製して、透明な油状物として中間体5(575mg、収率30%)を得た。
中間体6
Figure 2023502692000038
2-Me-THF(20mL)中の中間体5(600mg、0.40mmol)に、TBAF(THF中1M、0.5mL、1.25当量)を室温でゆっくりと添加した。室温で1.5時間撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮し、暗褐色の油状物を得た。この残渣をDCM(20mL)とNH4Cl飽和水溶液(20mL)との間で分配し、水層をDCM(25mL)で抽出した。合わせた有機層を、MgSO4上で乾燥させて濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:EtOAc-3:1~0:1)によって精製し、淡黄色の固形物として中間体6(387mg、収率98%)を得た。
中間体7
Figure 2023502692000039
THF(10mL)中の中間体6(375mg、0.38mmol)に、ボランジメチルスルフィド錯体(THF中2M、0.955mL、5当量)を0℃で添加した。一旦添加が完了したら、反応混合物を室温まで温め、26時間撹拌した。追加のボランジメチルスルフィド錯体(THF中2M、0.573mL、3当量)を添加し、反応混合物を更に室温で28時間撹拌した。再度、追加のボランジメチルスルフィド錯体(THF中2M、0.955mL、5当量)を添加し、反応混合物を更に室温で44時間撹拌した。反応が依然として完了しなかったため、追加のボランジメチルスルフィド錯体(THF中2M、0.955mL、5当量)を添加し、反応混合物を更に室温で68時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、MeOH(3mL)を滴加した。0℃で1時間撹拌した後、1MのHCl水溶液(3mL)を添加し、反応混合物を室温で4時間撹拌を続けた。水層をEtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層を塩水(40mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させて濾過し、減圧下で濃縮してオフホワイト色の固形物を得、これをシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:EtOAc-1:0~1:1)によって精製して、淡黄色の固形物として中間体7(280mg、収率73%)を得た。
中間体8
Figure 2023502692000040
中間体7(270mg、0.27mmol)及びDTBAD(247mg、4当量)のトルエン(8mL)及びTHF(1mL)の混合溶液を、トリフェニルホスフィン(282mg、4当量)のトルエン(8mL)溶液に、シリンジポンプ(0.1mL/分)で70℃において滴加した。反応混合物を減圧下で濃縮して黄色の油状物を得、これをシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH-1:0~97:0)によって精製して、静置すると固化し、トリフェニルホスフィンオキシドがまだ混入している淡黄色の油状物として中間体8(414mg、収率69%)を得た。
中間体9
Figure 2023502692000041
中間体8(400mg、0.18mmol)及びK2CO3(249mg、10当量)の無水アセトニトリル(5mL)懸濁液に、チオフェノール(0.185mL、10当量)を滴加した。反応混合物を室温で一晩撹拌し続け、次いでダイカライトのパッド上で濾過した。濾液を減圧下で濃縮して黄色の油状物を得、これをシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH-1:0~95:5)によって精製し、淡黄色の固形物として中間体9(110mg、収率78%)を得た。
中間体10及び中間体11
Figure 2023502692000042
中間体10:Sa又はRa;一方のアトロプ異性体であるが、絶対立体化学は未確定
中間体11:Ra又はSa;一方のアトロプ異性体であるが、絶対立体化学は未確定
ホルムアルデヒド(37%水溶液、28μL、3当量)を、中間体9(100mg、0.13mmol)及びAcOH(22μL、3当量)のDCM(1.5mL)溶液に室温で添加した。次いで、NaBH(OAc)3(81mg、3当量)を添加し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。NaHCO3飽和水溶液(2.5mL)を添加することによって反応をクエンチし、水(2.5mL)及びDCM(10mL)で希釈した。有機層を分離し、水層をDCM(2×10mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSO4上で乾燥させて濾過し、無色の油状物となるまで蒸発させた。アトロポ異性体を分取SFC(固定相:Chiralpak Daicel IC 20×250mm、移動相:CO2、iPrOH+0.4% iPrNH2)によって分離し、どちらも透明な油状物として中間体10(33mg、収率34%)及び中間体11(31mg、収率32%)を得た。
中間体12
Figure 2023502692000043
メチル7-(3-((((5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)メチル)チオ)メチル)-1,5-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)-6-クロロ-3-(3-メトキシ-3-オキソプロピル)-1-メチル-1H-インドール-2-カルボキシレート[2143011-02-1](1.9g、2.34mmol)を、DCM(29mL)中に溶解させた。混合物を0℃に冷却し、mCPBA(1.57g、3当量)をゆっくりと添加した。反応混合物を0℃で10分間撹拌し、その後、室温で3時間撹拌した。反応混合物をNaHCO3飽和水溶液に注ぎ入れ、10分間撹拌した。混合物をDCMで抽出した(3×)。合わせた有機層をMgSO4上で乾燥させて濾過し、溶媒を蒸発させた。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;DCM/EtOAc 100:0~80:20)によって精製した。所望の画分を合わせ、溶媒を蒸発させて、中間体12(1.2g、収率57%)を得た。
中間体13
Figure 2023502692000044
中間体12(1.2g、1.42mmol)を、THF(4mL)中に溶解させた。混合物を0℃に冷却し、TBAF(371mg、1当量)を添加した。混合物を室温で5時間撹拌した。反応をNaHCO3飽和水溶液でクエンチした。混合物をEtOAcで抽出した(×3)。合わせた有機層をMgSO4上で乾燥させて濾過し、溶媒を蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;DCM/MeOH 100:0~99:1)によって精製した。所望の画分を合わせ、溶媒を蒸発させて、白色固形物として中間体13(781mg、収率90%)を得た。
中間体14
Figure 2023502692000045
中間体13(780mg、1.28mmol)をDCM(7mL)中に溶解させ、この溶液を0℃に冷却した。0℃で撹拌しながら、混合物に塩化チオニル(113μL、1.2当量)を非常にゆっくりと添加した。次いで、反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を、撹拌しながらNaHCO3飽和水溶液にゆっくりと注入した。泡立ちが止まるまで二相混合物を撹拌した。混合物をDCMで抽出した(×3)。有機層を蒸発させると、透明な油状物として中間体14が得られ、これを更に精製することなく使用した。
中間体15
Figure 2023502692000046
3-(アセチルチオ)ナフタレン-1-イルアセテート[2143010-96-0](38mg、1.1当量)及びK2CO3(44mg、2.4当量)を、中間体14(147mg、0.13mmol)の予め脱気したMeOH(1.3mL)溶液に添加した。得られた混合物を、再度5分間窒素で脱気し、室温で1.5時間撹拌した。水及びEtOAcを添加し、混合物をEtOAcで抽出した(×3)。合わせた有機層をMgSO4上で乾燥させて濾過し、溶媒を蒸発させた。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;DCM/MeOH 100:0~90:10)によって精製した。所望の分画を合わせ、溶媒を蒸発させて、中間体15(100mg、収率99%)を得た。
中間体16
Figure 2023502692000047
中間体15(385mg、0.50mmol)を無水THF(10mL)中に溶解させ、この溶液を0℃まで冷却した。ボランジメチルスルフィド錯体(1mL、4当量)を滴加した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。追加のボランジメチルスルフィド錯体(0.5mL、2当量)を添加し、反応混合物を更に16時間撹拌した。反応をMeOH(4mL)及び1MのHCl水溶液(18.5mL)を添加することによってクエンチした。NaHCO3飽和水溶液を混合物に添加した。混合物をDCMで抽出した(×3)。合わせた有機層をMgSO4上で乾燥させて濾過し、溶媒を蒸発させた。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;DCM/MeOH 100:0~97:03)によって精製した。所望の画分を合わせ、溶媒を蒸発させて、白色固形物として中間体16(265mg、収率71%)を得た。
中間体17、中間体18及び中間体19
Figure 2023502692000048
中間体17:両方のアトロプ異性体の混合物
中間体18:Ra又はSa;一方のアトロプ異性体であるが、絶対立体化学は未確定
中間体19:Sa又はRa;一方のアトロプ異性体であるが、絶対立体化学は未確定
中間体16(260mg、0.35mmol)の無水THF(8mL)溶液及びDTBAD(244mg、3当量)の無水トルエン(8mL)溶液を、トリフェニルホスフィン(278mg、3当量)の無水トルエン(28mL)溶液に、同時に滴加した。反応混合物を室温で1.5時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、得られた残渣を酢酸エチルで取り出し、水及び塩水で洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥させて濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;ヘプタン/EtOAc勾配)によって精製した。所望の画分を合わせ、溶媒を蒸発させ、淡黄色の固形物として中間体17(80mg、31%)を得た。
Lux Amylose-1 150×21.2mm 5μm(Phenomenex)上のキラルクロマトグラフィーにより、溶出液としてヘプタン/EtOH 50:50~0:100を使用して中間体17をそのアトロプ異性体に分離した。所望の分画を合わせ、溶媒を蒸発させて中間体18(22mg、27%)及び中間体19(16mg、20%)を得た。
中間体20
Figure 2023502692000049
メチル(Z)-16-クロロ-11,21,25,61-テトラメチル-11H,21H,61H-10-オキサ-4,8-ジチア-1(7,3)-インドラ-2(4,3),6(3,5)-ジピラゾラ-9(3,1)-ナフタレンアシクロトリデカファン-12-カルボキシレート[2143010-84-6](145mg、0.21mmol)をDCM(4mL)中に溶解させ、溶液を0℃に冷却した。mCPBA(189mg、4当量)のDCM(4mL)溶液を滴加した。添加完了後、反応物を0℃で10分間、次いで室温で16時間撹拌した。混合物をNaHCO3飽和水溶液に注ぎ入れ、10分間撹拌した。混合物をDCMで抽出した(×3)。合わせた有機層をMgSO4上で乾燥させて濾過し、溶媒を蒸発させた。溶出液としてヘプタン/EtOAcを使用するシリカゲル上のクロマトグラフィーによって残渣を精製した。所望の画分を回収して濃縮し、白色固形物として中間体20(70mg、収率44%)を得た。
化合物の調製
化合物1
Figure 2023502692000050
a又はSaアトロプ異性体(一方のアトロプ異性体であるが、絶対立体化学は未確定)
中間体10(31mg、0.04mmol)のMeOH(1mL)、THF(1mL)及び水(0.5mL)の混合溶液に、LiOH(14.8mg、15当量)を添加した。得られた反応混合物を60℃で3時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、白色固形物を得た。固形物を水(5mL)中に溶解させ、1MのHCl水溶液によってpH4~5に酸性化すると、白色の沈殿物が形成された。水層をCHCl3:MeOH(8:2)(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮すると白色固形物が得られ、これをシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH-1:0~9:1)によって精製し、白色固形物として化合物1(26mg、収率85%)を得た。
LC-MS:RT(分):1.61,MW 700.2,[MH]+ 701.4,[MH]- 699.5(方法:5)
SFC:RT(分):4.53,MW700.2,[MH]+ 701,[MH]- 699(方法:2)
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 1.59-1.81(m,3H),1.97(s,3H),2.14-2.26(m,1H),2.30-2.44(m,2H),2.85(s,2H),3.02-3.13(m,2H),3.37-3.50(m,5H),3.72(s,3H),3.77(s,3H),3.92-4.04(m,1H),4.09-4.29(m,1H),4.52-4.76(m,1H),4.88-4.97(m,1H),5.08(d,J=15.5Hz,1H),6.97(br s,1H),7.05(d,J=8.6Hz,1H),7.63-7.74(m,2H),7.87(d,J=8.6Hz,1H),7.91(s,1H),8.07(d,J=7.9Hz,1H),8.21(d,J=8.1Hz,1H)
化合物2
Figure 2023502692000051
a又はRaアトロプ異性体(一方のアトロプ異性体であるが、絶対立体化学は未確定)
化合物1を合成するのに用いられたものと類似の手法を用いて、化合物2(26mg、収率85%)を、中間体11から白色固形物として得た。
LC-MS:Rt(分)1.61,MW 700.2,[MH]+ 701.4,[MH]- 699.5(方法:5)
SFC:RT(分):4.73,MW700.2,[MH]+ 701,[MH]- 699(方法:2)
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 1.59-1.81(m,3H),1.97(s,3H),2.14-2.26(m,1H),2.30-2.44(m,2H),2.85(s,2H),3.02-3.13(m,2H),3.37-3.50(m,5H),3.72(s,3H),3.77(s,3H),3.92-4.04(m,1H),4.09-4.29(m,1H),4.52-4.76(m,1H),4.88-4.97(m,1H),5.08(d,J=15.5Hz,1H),6.97(br s,1H),7.05(d,J=8.6Hz,1H),7.63-7.74(m,2H),7.87(d,J=8.6Hz,1H),7.91(s,1H),8.07(d,J=7.9Hz,1H),8.21(d,J=8.1Hz,1H)
化合物3
Figure 2023502692000052
a又はSaアトロプ異性体(一方のアトロプ異性体であるが、絶対立体化学は未確定)
中間体18(23mg、0.03mmol)をMeOH(0.9mL)及びTHF(0.9mL)中に懸濁させた。LiOH(17mg、13当量)を水(0.2mL)中に溶解させ、混合物に添加した。反応混合物を窒素で脱気し、80℃で2.5時間撹拌した。室温に冷却した後、HCl水溶液(2M、0.35mL)を添加し、混合物を乾燥するまで濃縮した。水(0.9mL)を残渣に添加し、白色懸濁物を得た。白色固形物を濾過し、水(2×0.175mL)で洗浄した。この固形物をDCM(2.61mL)中10%のMeOH中に再び溶解させ、MgSO4上で乾燥させて濾過し、乾燥するまで濃縮した。溶出液として59%[25mM NH4HCO3]-41%[ACN:MeOH 1:1]~17%[25mM NH4HCO3]-83%[ACN:MeOH 1:1]を使用する逆相カラムクロマトグラフィーによって残渣を精製した。所望の分画を合わせ、淡褐色の固形物として化合物3(7mg、収率31%)を得た。
LC-MS:RT(分):4.15,[MH]+ 704.2(方法:1)
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 2.10(s,3H),2.30-2.44(m,2H),3.18-3.31(m,2H),3.34(s,3H),3.39-3.62(m,4H),3.69(s,3H),3.84(d,J=15.0Hz,1H),3.92(s,3H),3.95(d,J=15.0Hz,1H),),4.07(d,J=15.0Hz,1H),4.45(d,J=15.0Hz,1H),5.65(s,1H),5.93(s,1H),7.07(d,J=8.6Hz,1H),7.49-7.58(m,2H),7.61(d,J=8.6Hz,1H),7.66(s,1H),7.70-7.80(m,1H),8.26-8.39(m,1H)
旋光度:+3.0750°(c0.1333w/v,CDCl3,23℃)
化合物4
Figure 2023502692000053
a又はRaアトロプ異性体(一方のアトロプ異性体であるが、絶対立体化学は未確定)
中間体19(17mg、0.02mmol)をMeOH(0.7mL)及びTHF(0.7mL)中に懸濁させた。LiOH(13mg、13当量)を水(0.16mL)中に溶解させ、混合物に添加した。反応混合物を窒素で脱気し、80℃で2.5時間撹拌した。室温に冷却した後、HCl水溶液(2M、0.35mL)を添加し、混合物を乾燥するまで濃縮した。水(0.9mL)を残渣に添加し、白色懸濁物を得た。白色固形物を濾過し、水(2×0.175mL)で洗浄した。この固形物をDCM(2.61mL)中10%のMeOH中に再び溶解させ、MgSO4上で乾燥させて濾過し、乾燥するまで濃縮した。溶出液として59%[25mM NH4HCO3]-41%[ACN:MeOH 1:1]~17%[25mM NH4HCO3]-83%[ACN:MeOH 1:1]を使用する逆相カラムクロマトグラフィーによって残渣を精製した。所望の分画を合わせ、淡褐色の固形物として化合物4(6mg、収率36%)を得た。
LC-MS:RT(分):4.15,[MH]+ 704(方法:1)
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 2.09(s,3H),2.28-2.37(m,2H),3.14-3.28(m,2H),3.37(s,3H),3.40-3.63(m,4H),3.68(s,3H),3.83(d,J=15.0Hz,1H),3.91(s,3H),3.94(d,J=15.0Hz,1H),4.05(d,J=15.0Hz,1H),4.46(d,J=15.0Hz,1H),5.60(s,1H),5.93(s,1H),7.04(d,J=8.5Hz,1H),7.46-7.62(m,3H),7.66(s,1H),769-7.81(m,1H),8.27-8.40(m,1H)
旋光度:-7.0750°(c0.1333w/v,CDCl3,23℃)
化合物5、化合物6及び化合物7
Figure 2023502692000054
化合物6:Sa又はRaアトロプ異性体(一方のアトロプ異性体であり、絶対立体化学は未確定)
化合物7:Ra又はSaアトロプ異性体(一方のアトロプ異性体であり、絶対立体化学は未確定)
LiOH(87mg、13当量)の水溶液を、中間体20(120mg、0.16mmol)のTHF(4.8mL)及びMeOH(4.8mL)混合溶液に添加した。懸濁液を窒素で脱気し、反応混合物を80℃で2.5時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、1MのHCl水溶液を用いてpHをpH=4~5に調整した。DCM/MeOHの9:1混合物で水相を数回抽出し、合わせた有機層をMgSO4上で乾燥して濾過し、蒸発させた。溶出液としてDCM/MeOH 4:1を使用するシリカゲル上のクロマトグラフィーによって残渣を精製した。所望の画分を回収して濃縮し、白色固形物として化合物5(97mg、81%)を得た。
化合物5のアトロポ異性体を、分取SFC(固定相:Chiralpak Diacel AD 20×250mm、移動相:CO2、EtOH-iPrOH(50-50)+0.4% iPrNH2)によって分離した。微量のiPrNH2を除去するため、SFC後に得られた2分画の各々をCH2Cl2中に溶解させ、各溶液をHCl水溶液0.5Nで洗浄した。各有機層をExtrelut NT3上で濾過することによって乾燥させ、蒸発させると、化合物6(21mg、収率27%)及び化合物7(23mg、収率30%)をどちらも白色固形物としてそれぞれ得た。
化合物5
LC-MS:RT(分):3.90,[MH]+ 736(方法:2)
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 2.11(s,3H),2.33-2.44(m,2H),3.00(s,3H),3.14(d,J=14.1Hz,1H),3.21-3.39(m,2H),3.44-3.53(m,1H),3.53-3.67(m,2H),3.74(s,3H),3.93(s,3H),4.01(d,J=15.0Hz,1H),4.31(d,J=15.0Hz,1H),4.39(d,J=15.0Hz,1H),4.71(d,J=15.0Hz,1H),6.02(s,1H),6.09(s,1H),7.02(d,J=8.6Hz,1H),7.60(d,J=8.6Hz,1H),7.70(t,J=7.4Hz,1H),7.77(t,J=7.4Hz,1H),7.98(d,J=8.0Hz,1H),8.14(s,1H),8.48(d,J=8.0Hz,1H)
化合物6
LC-MS:RT(分):0.82,W:735.0,[MH]+ 736,[MH]-734(方法:3)
1H NMR(400MHz,DMSO-d6,27℃)δ ppm 2.03(s,3H),2.15-2.35(m,2H),3.06-3.12(m,4H),3.14-3.23(m,2H),3.58(s,3H),3.62-3.76(m,3H),3.80-3.89(m,4H),4.63(d,J=15.0Hz,1H),4.82-4.95(m,2H),5.75(s,1H),5.77(s,1H),6.09-6.13(m,1H),6.96(d,J=8.6Hz,1H),7.63(d,J=8.6Hz,1H),7.72-7.85(m,2H),8.16-8.21(m,2H),8.41(d,J=8.1Hz,1H)
SFC(最終抽出前に実行した):Rt(分)6.20,MW:735.16,[MH+iPrNH2+ 795[MH]-734(方法:1)
化合物7
LC-MS:RT(分):1.58,MW:735.00,[MH]+ 736,[MH]-734 BPM2:736(方法:4)
1H NMR(400MHz,DMSO-d6,27℃)δ ppm 2.03(s,3H),2.16-2.35(m,2H),3.05-3.13(m,4H),3.13-3.23(m,2H),3.58(s,3H),3.62-3.69(m,1H),3.72(br d,J=14.5Hz,1H),3.80-3.89(m,4H),4.64(d,J=14.7Hz,1H),4.82-4.96(m,2H),5.77(s,1H),6.11(s,1H),6.95(d,J=8.6Hz,1H),7.62(d,J=8.8Hz,1H),7.72-7.78(m,1H),7.78-7.84(m,1H),8.16-8.21(m,2H),8.41(d,J=8.1Hz,1H)
SFC(最終抽出前に実行した):RT(分):6.81,MW:735.16,[MH+iPrNH2+ 795,[MH]- 734(方法:1)
分析的解析
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)測定を、LCポンプ、ダイオードアレイ(DAD)又はUV検出器及びそれぞれの方法で指定されるようなカラムを使用して実施した。必要に応じて、追加の検出器が含まれた(下記の方法の表を参照されたい)。
カラムからの流れを、大気圧イオン源で構成された質量分析計(MS)に導入した。化合物の公称モノアイソトピック分子量(MW)を同定することが可能なイオンを得るために、調整パラメーター(例えば、走査範囲、滞留時間など)を設定することは、当業者の知識の範囲内に含まれる。データ収集は、適切なソフトウェアを用いて実施した。
化合物は、それらの実験保持時間(Rt)及びイオンによって記載される。データの表に別途明記されていなければ、報告された分子イオンは、[M+H]+(プロトン化分子)及び/又は[M-H]-(脱プロトン化分子)に対応する。化合物を直接イオン化できなかった場合、付加物の種類を明記した(即ち[M+NH4+、[M+HCOO]-等)。複数の同位体パターンを有する分子(Br、Cl)の場合、報告値は、最も低い同位体質量で得られた値である。全ての結果は、用いられる方法に一般的に付随する実験上の不確実性を含むものであった。
以下、「SQD」は、シングル四重極検出器を意味し、「MSD」は、質量選択検出器を意味し、「RT」は、室温を意味し、「BEH」は、架橋エチルシロキサン/シリカハイブリッドを意味し、「DAD」は、ダイオードアレイ検出器を意味し、「HSS」は、高強度シリカを意味する。
LCMS法コード(流速をmL/分で表し、カラム温度(T)を℃で表し、分析時間を分で表す)。
Figure 2023502692000055
Figure 2023502692000056
SFC-MS法
SFC測定は、二酸化炭素(CO2)及びモディファイヤーを送達するためのバイナリーポンプ、オートサンプラー、カラムオーブン、400barまでの高圧に耐える高圧フローセルを備えたダイオードアレイ検出器によって構成される分析的超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)システムを使用して行った。質量分析計(MS)で構成されている場合、カラムからの流れを(MS)に導入した。化合物の公称モノアイソトピック分子量(MW)を同定することが可能なイオンを得るために、調整パラメーター(例えば、走査範囲、滞留時間など)を設定することは、当業者の知識の範囲内に含まれる。データ収集は、好適なソフトウェアで実施した。分析SFC-MS法(流速をmL/分で表し、カラム温度(Col T)を℃で表し、分析時間を分で表し、背圧(BPR)をbarで表す。
「iPrNH2」は、イソプロピルアミンを意味し、「iPrOH」は、2-プロパノールを意味し、「EtOH」は、エタノールを意味し、「min」は、分を意味する。
Figure 2023502692000057
NMR
1H NMRスペクトルは、Bruker Avance III 400HMz及びAvance NEO 400HMz分光計で記録した。別途言及しない限り、CDCl3を溶媒として使用した。化学シフトは、テトラメチルシランと比較してppmで表示した。
薬理学的分析
生物学的実施例1
骨髄細胞白血病1(Mcl-1)の結合パートナーとしてBIM BH3ペプチド(H2N-(C/Cy5Mal)WIAQELRRIGDEFN-OH)を利用する、テルビウム標識Mcl-1の均一時間分解蛍光(HTRF)結合アッセイ。
アポトーシス、即ちプログラム細胞死は、正常組織の恒常性を確保するものであり、その調節不全は、癌を含む幾つかの病態をヒトにもたらす可能性がある。外因性アポトーシス経路は、細胞表面受容体の活性化によって開始するが、内因性アポトーシス経路は、ミトコンドリア外膜で起こり、Mcl-1を含むアポトーシス促進性のBcl-2ファミリータンパク質と抗アポトーシス性のBcl-2ファミリータンパク質との間の結合相互作用によって制御されている。多くの癌では、Mcl-1などの抗アポトーシス性のBcl-2タンパク質が上方制御されており、このようにして癌細胞がアポトーシスを回避することが可能となる。従って、Mcl-1などのBcl-2タンパク質を阻害することにより、癌細胞のアポトーシスを生じさせることができ、前記癌の治療方法を提供することができる。
本アッセイでは、HTRFアッセイ形式でCy5標識BIM BH3ペプチド(H2N-(C/Cy5Mal)WIAQELRRIGDEFN-OH)の置き換えを測定することにより、BH3ドメイン:Mcl-1相互作用の阻害を評価した。
アッセイ手順
アッセイで使用するため、以下のアッセイ緩衝液とストック緩衝液とを調製した:(a)ストック緩衝液:濾過、滅菌し、4℃で保存した10mM Tris-HCl、pH=7.5+150mM NaCl;及び(b)1×アッセイ緩衝液であって、ストック緩衝液に以下の成分:2mM ジチオスレイトール(DTT)、0.0025% Tween-20、0.1mg/mL ウシ血清アルブミン(BSA)を新たに添加したもの。25pM Tb-Mcl-1及び8nM Cy5 Bimペプチドに、1×アッセイ緩衝液(b)を用いてタンパク質ストック溶液を希釈することにより、1×Tb-Mcl-1+Cy5 Bimペプチド溶液を調製した。
Acoustic ECHOを使用して、1×の最終化合物濃度及び1%の最終DMSO濃度で、白色384ウェルPerkin Elmer Proxiplateの個々のウェルに100×試験化合物 100nLを分注した。阻害剤コントロール及び中性コントロール(NC、100% DMSO 100nL)を、アッセイプレートの23列目及び24列目にスタンプした。次いで、このプレートの各ウェルに、1×Tb-Mcl-1+Cy5 Bimペプチド溶液10μLを分注した。このプレートを、カバープレートと共に1000rpmで1分間遠心分離し、次いでプレートを覆った状態で室温において60分間インキュベートした。
TR-FRETシグナルを、HTRF光学モジュール(HTRF:励起:337nm、光源:レーザー、発光A:665nm、発光B:620nm、積分開始:60μs、積分時間:400μs)を使用して、室温でBMG PHERAStar FSXマイクロプレートリーダーで読み取った。
データ分析
BMG PHERAStar FSXマイクロプレートリーダーを使用して、665nm及び620nmの2つの発光波長で蛍光強度を測定し、両方の発光の相対蛍光単位(RFU)及び発光比率(665nm/620nm)×10,000を報告した。RFU値を、以下のように阻害率に正規化した:
阻害%=(((NC-IC)-(化合物-IC))/(NC-IC))×100
(式中、IC(阻害剤コントロール、低シグナル)=1×Tb-MCl-1+Cy5 Bimペプチド+阻害剤コントロールの平均シグナル又はMcl-1の100%阻害;NC(中性コントロール、高シグナル)=DMSOのみを含む1×Tb-MCl-1+Cy5 Bimペプチドの平均シグナル又は0%阻害)。
以下の方程式に基づき、11点用量反応曲線を作成してIC50値を求めた(GenDataを使用した):
Y=Bottom+(Top-Bottom)/(1+10^((log IC50-X)×HillSlope))
(式中、Y=X阻害剤濃度の存在下での阻害%;Top=IC(Mcl-1+阻害剤コントロールの平均シグナル)から導出された100%阻害;Bottom=NC(Mcl-1+DMSOの平均シグナル)から導出された0%阻害;Hillslope=Hill係数;及びIC50=最高/中性コントロール(NC)に対する50%阻害の化合物の濃度)。
Ki=IC50/(1+[L]/Kd)
本アッセイでは[L]=8nM及びKd=10nMである。
本発明の代表的な化合物を、上記で説明した手順に従って試験し、結果を下記の表に列挙した(n.d.は未決定を意味する)。下記の表で報告される値は、使用したアッセイ及び機器と関連する許容誤差の影響を受けている。
Figure 2023502692000058
本発明の代表的な化合物を、上記で説明した手順に従って試験し、結果を下記の表に列挙した。下記の表に記録される値は、機器の再較正後に取得したものである。この値は許容誤差の影響を受けており、特定の化合物の数回の実行にわたる平均値である。
Figure 2023502692000059
生物学的実施例2
MCL-1は、アポトーシスの調節因子であり、細胞死を免れる腫瘍細胞で高度に過剰発現する。アッセイでは、アポトーシス経路の調節因子、主にMCL-1、Bfl-1、Bcl-2及びBcl-2ファミリーの他のタンパク質を標的とする小分子化合物の細胞効力を評価する。抗アポトーシス性の調節因子とBH3ドメインタンパク質との相互作用を妨害するタンパク質間阻害剤により、アポトーシスが開始する。
アポトーシス経路の活性化は、CellEvent(商標)Caspase-3/7 Green ReadyProbes(商標)試薬(Thermo Fisher C10423、C10723)を用いて測定した。本アッセイにより、アポトーシス経路に入る細胞に緑色蛍光染色が生じる。CellEvent(登録商標)Caspase-3/7 Green試薬は、DNAに結合していないときには非蛍光性の核酸結合色素にコンジュゲートされた4アミノ酸ペプチド(DEVD)である。CellEvent(登録商標)Caspase-3/7 Green試薬は、DEVDペプチドがDNAへの色素の結合を阻害するため、本質的に非蛍光性である。アポトーシス細胞でカスパーゼ-3/7が活性化すると、DEVDペプチドが開裂して遊離色素がDNAに結合することが可能となり、これによって鮮やかな緑色蛍光が発生する。カスパーゼ-3及びカスパーゼ-7の活性化は、MCL-1の阻害又はそれらに依存する細胞系内のタンパク質を阻害する他のアポトーシスの下流にある。
IncuCyteで生細胞を読み出すことにより、カスパーゼ活性を経時的に追跡することができる。動的読み出しは、(a)アポトーシス誘導の機序の差異に関連付けることができる発症時間の差異(即ちこれがより直接的であるか又は間接的であるか)を明らかにするため;及び(b)自家蛍光又は沈殿化合物から生じるアーチファクトを認識することができるために有用であった。IncuCyteの読み出しは、懸濁細胞を均一に分布させることが困難であるため、細胞数に対して正規化することもできる。
22時間の間で2時間毎にシグナルを測定した。生データとして1画像当たりのカスパーゼマスクとコンフルエンスマスクの比率を計算し、分析のために各ウェルの動的トレースをGenedata Screenerにエクスポートした。
Genedata Screenerで、動的トレースから6時間後、12時間後及び22時間後の数値を抽出した。数値を陰性コントロール(未処理細胞)に対して正規化した。正規化データに標準用量反応分析を行った。
以下のデータを、上述した3つの時点毎に記録した:(a)用量反応曲線、(b)qAC50及びqAC50モード、及び(c)最大活性。
アッセイで使用した材料を、下記の表に列挙した。
Figure 2023502692000060
10% 熱不活性化(HI)FBS、2mM L-グルタミン及び50μg/mL ゲンタマイシンを含有するフェノールレッド不含RPMI-1640培養培地で細胞を維持した。細胞を、週2回、40万/mLで分割した。
1日目、プレートの個々のウェルに、試験化合物を1ウェル当たり150nL、濃度10mMで含有させた。最終濃度を100μM~10pMの化合物(化合物コントロールなし)の範囲とし、化合物を室温で1時間解凍した。25μLの予備加温した培地をマルチドロップによって各ウェルに添加し(1列目、3~22列目、24列目)、続いて2列目にDMSOコントロール(0.6% DMSO)を添加した。プレートをBreathe-Easy(登録商標)シーリング膜を用いて密閉し、室温で30分間震盪して培地中に試験化合物を溶解させた。次いで、プレートをインキュベーター内で37℃、5% CO2で1時間保持した。
培地中の40000個/25μl(アッセイでは20000個/50μl最終)のMOLP8細胞を、4μM(アッセイでは2μM最終)のCellEvent(商標)Caspase-3/7 Green検出試薬により調製した。調製したら、細胞を20000個の量で試験化合物プレートに加え、このプレートを直ちにIncuCyteに置き、以下の設定を用いてイメージングを開始した:10倍対物レンズ、緑色チャンネルでの2秒間の露光時間、2時間のインターバル、22時間後に取得を停止。
IncuCyteにおける分析のため、Basic Analysisプロトコルを定義し、下記のように「相」及び「緑色」画像から「コンフルエンス」及び「カスパーゼ」面積をそれぞれ算出した:(a)コンフルエンス:セグメンテーション調整1、ホールフィル0、調製サイズ-2、フィルターなし(b)カスパーゼ:トップハットセグメンテーション、半径10、閾値0.3GCU、感度0でのエッジスプリットオン(Edge Split On)、ホールフィル0、調整サイズ1及び最小面積20μm2のフィルター。十分な数の陽性及び陰性コントロールウェル並びに化合物処理ウェルで分析器を訓練し、「コンフルエンス」層が生細胞及び死(凝縮)細胞の両方を検出することを検証した。「カスパーゼ面積/コンフルエンス面積」は、カスパーゼ3/7染色陽性細胞の割合を概算したものであり、「1画像当たり」で算出される。
予め定義したテンプレートを使用するGenedata Screenerでアッセイ分析を完了した。より詳細には、実験を分析するためのアッセイ特有の設定は下記の通りであった:(a)プレートレイアウト:陰性コントロールウェルは化合物ではなくDMSOを含み、「中性コントロール」と定義された、(b)トレースチャンネル:タイプ「測定」の「測定チャンネル」という名称の1つのトレースチャンネルが存在する必要がある。これはIncuCyteからの生データであった;及び(c)層:「平均6時間」、「平均12時間」及び「平均22時間」という名称の、タイプ「凝集:時系列」の3つの層。これらには、それぞれ5.5~6.5時間、11.5~12.5時間及び21.5~22.5時間の値からの測定の平均が含まれた。
正規化及び補正:3層のそれぞれをコントロール率に正規化し、中性コントロールを中央参照値とし、刺激剤コントロールをスケール参照値とした。又は、μCRが中央参照値の平均であり、μSCがスケール参照値の平均であった場合、正規化値を以下のように計算した。
Figure 2023502692000061
層化合物の結果:Sinf、IC50及びhを自由パラメーターとし、S0を0に固定した、下記のような標準適合モデルを使用した。
Figure 2023502692000062
堅牢なZ’因子又は「RZ’因子」をScreenerで計算した。コントロールウェルの異常値の動的トレースを除外した後(下記を参照されたい)、RZ’値は、任意のFBS濃度で試験したMOLP8細胞に対し、任意の時点(6時間後、12時間後、22時間後)でRZ≧0.5でなければならない。
「グローバルSD」を、正規化後の陽性又は陰性コントロール(何れか大きい方)の堅牢な標準偏差としてScreenerで計算した。コントロールウェルの異常値の動的トレースを除外した後(下記を参照されたい)、グローバルSD値は、任意のFBS濃度で試験したMOLP8細胞に対し、任意の時点(6時間後、12時間後、22時間後)でグローバルSD値≦10でなければならない。
本発明の式(I)の代表的化合物を、生物学的実施例2に記載した手順に従って試験し、結果を下記の表に列挙した。下記の表に記録された値は、使用したアッセイ及び機器に関連する許容誤差の影響を受けている。
Figure 2023502692000063
生物学的実施例3
MCL-1は、アポトーシスの調節因子であり、細胞死を免れる腫瘍細胞で高度に過剰発現する。アッセイでは、アポトーシス経路の調節因子、主にMCL-1、Bfl-1、Bcl-2及びBcl-2ファミリーの他のタンパク質を標的とする小分子化合物の細胞効力を評価する。抗アポトーシス性の調節因子とBH3ドメインタンパク質との相互作用を妨害するタンパク質間阻害剤により、アポトーシスが開始する。
Caspase-Glo(登録商標)3/7アッセイは、精製酵素製剤又は粘着細胞若しくは浮遊細胞の培養物中のカスパーゼ-3及びカスパーゼ-7活性を測定する発光アッセイである。このアッセイでは、テトラペプチド配列のDEVDを含有する、発光促進性カスパーゼ-3/7基質が提供されている。この基質が開裂すると、光の生成に使用されるルシフェラーゼの基質であるアミノルシフェリンが放出される。「添加-混合-測定」形式の単一のCaspase-Glo(登録商標)3/7試薬を添加することによって細胞溶解が生じ、続いて基質のカスパーゼの切断が起こり、「グロータイプ」の発光シグナルが発生する。
本アッセイは、MCL-1阻害に感受性のMOLP-8ヒト多発性骨髄腫細胞系を使用する。
材料:
・Perkin Elmer Envision
・Multidrop 384及び小容量分注カセット
・遠心分離機
・Countess全自動セルカウンター
・Countessカウンティングチャンバースライド
・アッセイプレート:ProxiPlate-384 Plus、白色384-浅底ウェルマイクロプレート
・シーリングテープ:Topseal A plus
・T175培養フラスコ
Figure 2023502692000064
細胞培養培地:
Figure 2023502692000065
細胞培養物:
細胞培養物を、0.2~2.0×106細胞/mLで維持した。細胞を50mLのコニカルチューブに収集することで採取した。次いで、細胞を5分間にわたり500gでペレット化し、その後、上清を除去し、新鮮な予備加温した培養培地に再懸濁した。細胞を計数し、必要に応じて希釈した。
Caspase-Glo試薬:
バッファー溶液を基質バイアルに移し、これを混合することによってアッセイ試薬を調製した。この溶液は、4℃で最大1週間まで保存することができるが、シグナルの喪失はごくわずかであった。
アッセイ手順:
化合物は、assay-readyプレート(Proxiplate)で納品され、これを-20℃で保管した。
アッセイには通常、参照化合物を含有する1枚の参照化合物プレートが含まれている。このプレートを、40nLの化合物でスポットした(細胞中に0.5% DMSO最終;段階希釈;30μM最高濃度、1/3希釈、10回用量、2回)。この化合物を室温で使用し、2列目及び23列目を除く全てのウェルに、予備加温した培地4μLを添加した。培地に1% DMSOを添加することにより、陰性コントロールを調製した。培地に60μMの最終濃度で好適な陽性コントロール化合物を添加することにより、陽性コントロールを調製した。23列目に陰性コントロール4μLを添加し、2列目に陽性コントロール4μLを添加し、プレート内の全てのウェルに細胞懸濁液4μLを添加することによってプレートを調製した。次いで、細胞を含むプレートを、37℃で2時間インキュベートした。アッセイシグナル試薬は、上記で説明したCaspase-Glo溶液であり、全てのウェルに8μLを添加した。次いで、このプレートを密封し、30分後に測定した。
試験化合物の活性を、下記のようにアポトーシス誘導における変化率として算出した:
LC=低コントロール値の中央値
=Screener内の中央参照値
=DMSO
=0%
HC=高コントロール値の中央値
=Screener内のスケール参照値
=30μMの陽性コントロール
=100%のアポトーシス誘導
%効果(AC50)=100-(サンプル-LC)/(HC-LC)*100
%コントロール=(サンプル/HC)*100
%コントロール最小=(サンプル-LC)/(HC-LC)*100
表:測定された式(I)の代表的な化合物のAC50。特定の化合物の全てのバッチにおける全ての実行にわたる平均値が記録されている。
Figure 2023502692000066

Claims (11)

  1. 式(I)
    Figure 2023502692000067
    (式中、
    1は、
    Figure 2023502692000068
    (式中、「a」及び「b」は、変数X1が分子の残部にどのように結合されているかを示す)
    を表し;
    2は、両方の方向で分子の残部に結合され得る、
    Figure 2023502692000069
    を表し;
    1及びR2は、メチルを表し;
    1は、-S(=O)2-又は-N(Rx)-を表し;
    xは、水素、メチル、C26アルキル、-C(=O)-C16アルキル、-S(=O)2-C16アルキル、C36シクロアルキル、-C(=O)-C36シクロアルキル又は-S(=O)2-C36シクロアルキルを表し、ここで、C26アルキル、-C(=O)-C16アルキル、-S(=O)2-C16アルキル、C36シクロアルキル、-C(=O)-C36シクロアルキル及び-S(=O)2-C36シクロアルキルは、ハロ、C14アルキル及び1、2又は3個のハロ原子で置換されたC14アルキルからなる群から選択される1、2又は3個の置換基で任意選択的に置換されており;
    2は、-S-又は-S(=O)2-を表し;
    但し、Y1及びY2の少なくとも一方は、-S(=O)2-を表す)
    の化合物、又はその互変異性体若しくは立体異性体形態、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
  2. 1は、-S(=O)2-を表す、請求項1に記載の化合物。
  3. 2は、-S(=O)2-を表す、請求項1に記載の化合物。
  4. 1は、
    Figure 2023502692000070
    を表す、請求項1に記載の化合物。
  5. xは、メチルを表す、請求項4に記載の化合物。
  6. 請求項1~5の何れか一項に記載の化合物と、薬学的に許容される担体又は希釈剤とを含む医薬組成物。
  7. 請求項5に記載の医薬組成物を調製するプロセスであって、薬学的に許容される担体を、治療的有効量の、請求項1~5の何れか一項に記載の化合物と混合することを含むプロセス。
  8. 薬剤として使用するための、請求項1~5の何れか一項に記載の化合物又は請求項6に記載の医薬組成物。
  9. 癌の予防又は治療に使用するための、請求項1~5の何れか一項に記載の化合物又は請求項6に記載の医薬組成物。
  10. 癌は、前立腺癌、肺癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、黒色腫、B細胞性慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)及び急性リンパ芽球性白血病(ALL)から選択される、請求項9に記載の使用のための化合物又は医薬組成物。
  11. 癌を治療又は予防する方法であって、それを必要とする対象に、治療的有効量の、請求項1~5の何れか一項に記載の化合物又は請求項6に記載の医薬組成物を投与することを含む方法。
JP2022529462A 2019-11-21 2020-11-20 Mcl-1阻害剤としての大環状スルホニル誘導体 Pending JP2023502692A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP19210714.2 2019-11-21
EP19210714 2019-11-21
PCT/EP2020/082902 WO2021099580A1 (en) 2019-11-21 2020-11-20 Macrocyclic sulfonyl derivatives as mcl-1 inhibitors

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023502692A true JP2023502692A (ja) 2023-01-25

Family

ID=68653383

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022529462A Pending JP2023502692A (ja) 2019-11-21 2020-11-20 Mcl-1阻害剤としての大環状スルホニル誘導体

Country Status (10)

Country Link
US (1) US20230029194A1 (ja)
EP (1) EP4061820A1 (ja)
JP (1) JP2023502692A (ja)
KR (1) KR20220103985A (ja)
CN (1) CN114728986A (ja)
AU (1) AU2020388974A1 (ja)
BR (1) BR112022009754A2 (ja)
CA (1) CA3157590A1 (ja)
MX (1) MX2022006180A (ja)
WO (1) WO2021099580A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022251247A1 (en) * 2021-05-28 2022-12-01 Zeno Management, Inc. Macrocyclic compounds

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL1026826C2 (nl) 2003-08-13 2007-01-04 Pharmacia Corp Gesubstitueerde pyridinonen.
ES2400371T3 (es) 2005-07-07 2013-04-09 Abbott Laboratories Promotores de la apoptosis
CA2951295C (en) 2007-04-16 2020-04-28 Abbvie Inc. 7-nonsubstituted indole mcl-1 inhibitors
KR101511074B1 (ko) 2007-04-16 2015-04-13 애브비 인코포레이티드 7-치환된 인돌 Mcl-1 억제제
CA3020378A1 (en) 2016-04-22 2017-10-26 Astrazeneca Ab Macrocyclic mcl1 inhibitors for treating cancer
TW201904976A (zh) 2017-03-31 2019-02-01 瑞典商阿斯特捷利康公司 Mcl-1抑制劑及其使用方法
TWI781996B (zh) 2017-03-31 2022-11-01 瑞典商阿斯特捷利康公司 合成mcl-1抑制劑之方法
KR20210070312A (ko) 2018-09-30 2021-06-14 지앙수 헨그루이 메디슨 컴퍼니 리미티드 인돌 거대 고리 유도체, 이의 제조 방법, 및 의약에서 이의 응용
EP3781570A4 (en) 2018-11-22 2021-06-02 Ascentage Pharma (Suzhou) Co., Ltd. MACROCYCLIC INDOLES AS MCL-1 INHIBITORS
US20220396587A1 (en) 2019-01-23 2022-12-15 Ascentage Pharma (Suzhou) Co., Ltd. Macrocyclic fused pyrrazoles as mcl-1 inhibitors
SG11202109367WA (en) 2019-03-08 2021-09-29 Zeno Management Inc Macrocyclic compounds

Also Published As

Publication number Publication date
KR20220103985A (ko) 2022-07-25
CA3157590A1 (en) 2021-05-27
MX2022006180A (es) 2022-06-14
EP4061820A1 (en) 2022-09-28
CN114728986A (zh) 2022-07-08
WO2021099580A1 (en) 2021-05-27
BR112022009754A2 (pt) 2022-08-09
US20230029194A1 (en) 2023-01-26
AU2020388974A1 (en) 2022-07-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3986902B1 (en) Macrocyclic inhibitors of mcl-1
JP2022540825A (ja) Mcl-1阻害剤としての大環状スピロ環誘導体
EP4178677A1 (en) Macrocyclic ether containing indole derivatives as inhibitors of mcl-1
JP2023528965A (ja) Mcl-1の阻害剤としての大環状2-アミノ-3-フルオロ-ブタ-3-エナミド
JP2023502692A (ja) Mcl-1阻害剤としての大環状スルホニル誘導体
JP2023502699A (ja) Mcl-1阻害剤としての大環状インドール誘導体
KR20230027153A (ko) Mcl-1의 억제제로서의 n-연결된 마크로사이클릭 4-(피라졸-5-일)-인돌 유도체
WO2021255257A1 (en) N-linked macrocyclic 7-(pyrazol-5-yl)-indole derivatives as inhibitors of mcl-1
AU2022220818A1 (en) Macrocyclic 1,3-bridged 6-chloro-7-pyrazol-4-yl-1h-indole-2-carboxylate and 6-chloro-7-pyrimidin-5-yl-1h-indole-2-carboxylate derivatives as mcl-1 inhibitors for the treatment of cancer
WO2021165370A1 (en) Macrocyclic indole derivatives as inhibitors of mcl-1
AU2021403616A1 (en) Branched macrocyclic 4-(pyrazol-5-yl)-indole derivatives as inhibitors of mcl-1

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20231117