JP2022537393A - Mcl-1の大環状阻害剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、対象における療法及び/又は予防のために有用な医薬品、そのような化合物を含む医薬組成物並びに癌等の疾患を治療するために有用なMCL-1阻害剤としてのそれらの使用に関する。【化1】TIFF2022537393000148.tif95170

Description

本発明は、対象における療法及び/又は予防のために有用な医薬品、そのような化合物を含む医薬組成物並びに癌等の疾患を治療又は予防するために有用なMCL-1阻害剤としてのそれらの使用に関する。
細胞アポトーシス又はプログラム細胞死は、造血細胞系を含む多数の器官の発達及びホメオスタシスにとって極めて重要である。アポトーシスは、死受容体によって媒介される外因経路を介して又はタンパク質のB細胞性リンパ腫(BCL-2)ファミリーを用いる内因性経路によって開始され得る。骨髄細胞白血病-1(MCL-1)は、細胞生存調節因子のBCL-2ファミリーのメンバーであり、内因性アポトーシス経路の極めて重要なメディエーターである。MCL-1は、細胞生存を維持することを担当する5種の主要抗アポトーシスBCL-2タンパク質(MCL-1、BCL-2、BCL-XL、BCL-w及びBFL1/A1)の1種である。MCL-1は、プロアポトーシス性BCL-2ファミリータンパク質であるBak及びBaxの活性を継続的且つ直接的に抑制し、Bim及びNoxa等のBH3オンリーアポトーシス増感剤タンパク質を分離することによってアポトーシスを間接的に遮断する。様々なタイプの細胞ストレス後のBak/Baxの活性化は、ミトコンドリア外膜上の凝集をもたらし、この凝集は、孔形成、ミトコンドリア外膜電位の消失及びその後の細胞質ゾルへのシトクロムCの放出を加速する。細胞質シトクロムCは、Apaf-1に結合し、プロカスパーゼ9の動員を開始してアポトソーム構造を形成する(Cheng et al.eLife 2016;5:e17755)。アポトソームの組立体は、実行型システインプロテアーゼ3/7を活性化し、これらのエフェクターカスパーゼは、次に、様々な細胞質タンパク質及び核タンパク質を開裂して細胞死を誘導する(Julian et al.Cell Death and Differentiation 2017;24,1380-1389)。
アポトーシスの回避は、癌発生の確立された顕著な特徴であり、回避されなければ発癌性ストレス、成長因子喪失又はDNA損傷に起因して排除されるであろう腫瘍細胞の生存を促進する(Hanahan and Weinberg.(1,2011)1-44)。従って、当然のことながら、MCL-1は、正常な形質転換されていない組織対応物と比較して、多数の充実性癌及び血液癌において高度にアップレギュレートされる。MCL-1の過剰発現は、それが不良な転帰、再発及び侵攻性疾患と相関する数種の癌の病因に関与してきた。更に、MCL-1の過剰発現は、以下の癌:前立腺癌、肺癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、黒色腫、B細胞性慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)及び急性リンパ芽球性白血病(ALL)の病因に関連付けられてきた。ヒトMCL-1遺伝子座(1q21)は、腫瘍中で頻回に増幅され、総MCL-1タンパク質レベルを定量的に増加させる(Beroukhim et al.Nature 2010;463(7283)899-905)。MCL-1は、従来の癌治療薬への抵抗性も媒介し、BCL-2機能の阻害に応答して転写的にアップレギュレートされる(Yecies et al.Blood,2010;115(16):3304-3313)。
BCL-2の小分子BH3阻害剤は、慢性リンパ球性白血病を有する患者における臨床的有効性を証明しており、CLL又はAMLの患者に対してFDAの認可を受けている(Roberts et al.NEJM 2016;374:311-322)。BCL-2拮抗作用の臨床的成功は、血液学的悪性腫瘍及び充実性腫瘍両方の前臨床モデルにおいて有効性を示す数種のMCL-1 BH3模擬薬の開発をもたらした(Kotschy et al.Nature 2016;538 477-486,Merino et al.Sci.Transl.Med;2017(9))。
MCL-1は、DNA損傷後のミトコンドリア完全性及び非相同末端結合を含む細胞生存を媒介することにおけるその標準的な役割に加えて、数種の細胞プロセスを制御する(Chen et al.JCI 2018;128(1):500-516)。MCL-1の遺伝的消失は、発達のタイミング及び組織欠失に依存したある範囲の表現型を示している。MCL-1ノックアウトモデルは、MCL-1についての複数の役割があることを解明し、機能の消失は、広範囲の表現型に大きい影響を及ぼす。包括的なMCL-1欠損性マウスは、胚性致死性を示し、及び条件付き遺伝子欠失を用いた試験は、ミトコンドリア機能障害、自食作用の活性障害、Bリンパ球及びTリンパ球の低減、B細胞及びT細胞アポトーシスの増加並びに心不全/心筋症の発生を報告している(Wang et al.Genes and Dev 2013;27 1351-1364,Steimer et al.Blood 2009;(113)2805-2815)。国際公開第2018178226号パンフレットは、MCL-1阻害剤及びその使用方法を開示している。国際公開第2017182625号パンフレットは、癌を治療するための大環状MCL-1阻害剤を開示している。国際公開第2018178227号パンフレットは、MCL-1阻害剤の合成を開示している。国際公開第2020063792号パンフレットは、インドール大環状誘導体を開示している。中国特許出願公開第110845520号明細書及び国際公開第2020103864号パンフレットは、MCL-1阻害剤としての大環状インドールを開示している。中国特許出願公開第20191114551号明細書は、MCL-1阻害剤について開示している。
前立腺癌、肺癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、黒色腫、B細胞性慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)及び急性リンパ芽球性白血病(ALL)等の癌の治療又は予防のために有用であるMCL-1阻害剤が依然として必要とされている。
本発明は、式(I):
Figure 2022537393000002

(式中、
は、
Figure 2022537393000003

(式中、「a」及び「b」は、変数Xが分子の残りに結合される方法を示す)
を表し;
は、水素又はC1~6アルキルを表し;
は、両方の方向で分子の残りに結合され得る、
Figure 2022537393000004

を表し;
は、水素又はC1~6アルキルを表し;
Xは、-S-又は-N(R)-を表し;
は、水素、メチルC2~6アルキル、-C(=O)-C1-6アルキル、-S(=O)-C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、-C(=O)-C3~6シクロアルキル又は-S(=O)-C3~6シクロアルキルを表し、ここで、C2~6アルキル、-C(=O)-C1~6アルキル、-S(=O)-C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、-C(=O)-C3~6シクロアルキル及び-S(=O)-C3~6シクロアルキルは、任意選択的に、ハロ、C1~4アルキル及び1、2又は3つのハロ原子で置換されたC1~4アルキルからなる群から選択される1、2又は3つの置換基で置換されている)
の新規な化合物、並びにその互変異性体及び立体異性体形態、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。
本発明は、治療有効量の式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩又は溶媒和物及び薬学的に許容される担体又は賦形剤を含む医薬組成物にも関する。
更に、本発明は、薬剤として使用するための式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩又は溶媒和物及び癌の治療又は予防において使用するための式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩又は溶媒和物に関する。
特定の実施形態では、本発明は、癌の治療又は予防に使用するための式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩又は溶媒和物に関する。
本発明は、癌の治療又は予防に使用するための、追加の医薬品と組み合わせた式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩又は溶媒和物の使用にも関する。
更に、本発明は、薬学的に許容される担体が治療有効量の式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩又は溶媒和物と緊密に混合されることを特徴とする、本発明による医薬組成物を調製するためのプロセスに関する。
本発明は、癌の治療又は予防における同時の、別々の又は連続した使用のための組み合わせ製剤としての、式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩又は溶媒和物及び追加の医薬品を含む製品にも関する。
更に、本発明は、対象における細胞増殖性疾患を治療又は予防する方法であって、有効量の、本明細書で定義される式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物又は本明細書で定義される医薬組成物若しくは組み合わせを前記対象に投与する工程を含む方法に関する。
本明細書で使用する用語「ハロ」又は「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを表す。
本明細書で使用する接頭語「Cx~y」(式中、x及びyは、整数である)は、所与の基中の炭素原子数を指す。従って、C1~6アルキル基は、1~6つの炭素原子を含有する等である。
本明細書で基又は基の一部として使用する用語「C1~4アルキル」は、1~4つの炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の完全飽和炭化水素基、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基等を表す。
本明細書で基又は基の一部として使用する用語「C1~6アルキル」は、1~6つの炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖の完全飽和炭化水素基、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基等を表す。
本明細書で基又は基の一部として使用する用語「C2~6アルキル」は、2~6つの炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖の完全飽和炭化水素基、例えばエチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基等を表す。
本明細書で基又は基の一部として使用する用語「C3~6シクロアルキル」は、3~6つの炭素原子を有する完全飽和環状炭化水素基、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基を定義する。
S(=O)又はSOがスルホニル部分を表すことは、当業者に明らかであろう。
CO又はC(=O)がカルボニル部分を表すことは、当業者に明らかであろう。
一般に、本発明において用語「置換された」を使用する場合には常に、特記しない限り又は文脈から明らかでない限り、「置換された」を使用する表現で示した原子又は基上の1つ以上の水素、詳細には1~4つの水素、より詳細には1~3つの水素、好ましくは1又は2つの水素、より好ましくは1つの水素が、指示された群から選択されるもので置き換えられていることを示すものであるが、但し、通常の原子価を超えず、置換により化学的に安定な化合物、即ち反応混合物から有用な程度の純度への単離に十分に耐え得る堅牢な化合物が得られるものとする。
置換基及び/又は変数の組み合わせは、そのような組み合わせによって化学的に安定な化合物が生成される場合にのみ許容される。「安定な化合物」は、反応混合物からの有用な純度への単離に十分に耐え得る堅牢な化合物を示すものとする。
当業者は、用語「任意選択的に置換された」が、「任意選択的に置換された」を使用した表現で示した原子又は基が置換されていても又はいなくてもよいことを意味する(これは、それぞれ置換又は非置換を意味する)ことを理解するであろう。
2つ以上の置換基がある部分上に存在する場合、可能な場合及び特記しない限り又は文脈から明らかでない限り、それらは、同じ原子上の水素を置換することも、その部分中の異なる原子上の水素原子を置換することもある。
特記しない限り又は文脈から明らかでない限り、ヘテロシクリル基上の置換基が環炭素原子上又は環ヘテロ原子上の任意の水素原子を置換し得る(例えば、窒素原子上の水素が置換基で置換され得る)ことは、当業者に明らかであろう。
式(I)の化合物が式(I-a)及び(I-b)(Xの両方の方向は、
Figure 2022537393000005

である)
Figure 2022537393000006

を含むことは、明らかであろう。
任意の変数が任意の構成要素中に2回以上出現する場合、各定義は、独立している。
本明細書で使用する用語「対象」は、治療、観察若しくは実験の対象であるか、又は治療、観察若しくは実験の対象となっている動物、好ましくは哺乳動物(例えば、ネコ、イヌ、霊長類若しくはヒト)、より好ましくはヒトを指す。
本明細書で使用する用語「治療有効量」は、研究者、獣医、医学博士又は他の臨床医によって求められる、組織系又は対象(例えば、ヒト)における生物学的又は医学的応答(治療対象の疾患又は障害の症状の改善又は逆転を含む)を誘発する活性化合物又は医薬品の量を意味する。
用語「組成物」は、特定の成分を特定の量で含む生成物及び特定の成分の特定の量での組み合わせから直接的又は間接的に生じる任意の生成物を含むことが意図されている。
本明細書で使用する用語「治療」は、疾患の進行を遅延、妨害、阻止又は停止させ得る全てのプロセスを指すことが意図されるが、必ずしも全ての症状の完全な排除を示すものではない。
本明細書で使用する用語「(本)発明の化合物」又は「(本)発明による化合物」は、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を含むものとする。
本明細書で使用する、実線のくさび形結合としてでも、破線のくさび形結合としてでもなく、実線としてのみ示される結合を有する化学式又は1つ以上の原子の周りに特定の配置(例えば、R、S)を有するものとして別の方法で示されている化学式の何れも、それぞれ可能な立体異性体又は2つ以上の立体異性体の混合物を企図するものである。
本明細書の上記及び下記において、用語「式(I)の化合物」は、その互変異性体及び立体異性体形態を含むものとする。
用語「立体異性体」、「立体異性体形態」又は「立体化学的異性体形態」は、本明細書の上記又は下記において互換的に用いられる。
本発明は、純粋な立体異性体として又は2つ以上の立体異性体の混合物としての何れかで本発明の化合物の全ての立体異性体を含む。
エナンチオマーは、重ね合わせることができない互いの鏡像である立体異性体である。エナンチオマーの対の1:1混合物は、ラセミ体又はラセミ混合物である。
アトロプ異性体(又はアトロポ異性体)は、大きい立体障害が原因で単結合の周りの回転が制限されることによって生じる特定の空間配置を有する立体異性体である。式(I)の化合物のアトロプ異性体形態は、全て本発明の範囲内に含まれるものとする。
詳細には、本明細書に開示した化合物は、ビアリール結合の周囲での束縛回転によって軸性キラリティーを有し、そのような意味でアトロプ異性体の混合物として存在し得る。化合物が純粋なアトロプ異性体である場合、各キラル中心での立体化学は、R又はSの何れかによって特定され得る。そのような名称は、1つのアトロプ異性体において豊富である混合物に対しても使用され得る。アトロプ異性及び軸キラリティーについての詳細な説明並びに立体配置を割り当てるための規則は、Eliel,E.L.&Wilen,S.H.‘Stereochemistry of Organic Compounds’John Wiley and Sons,Inc.1994に見出すことができる。
ジアステレオマー(又はジアステレオ異性体)は、エナンチオマーではない立体異性体であり、即ち、それらは、鏡像の関係にはない。化合物が二重結合を含有する場合、置換基は、E配置又はZ配置となり得る。
二価の環状飽和基又は部分的飽和基上の置換基は、シス配置又はトランス配置を有し得る。例えば、化合物が二置換のシクロアルキル基を含有する場合、その置換基は、シス配置又はトランス配置にあり得る。
従って、本発明は、化学的に可能な場合には常に、エナンチオマー、アトロプ異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、E異性体、Z異性体、シス異性体、トランス異性体及びこれらの混合物を含む。
これらの全ての用語、即ちエナンチオマー、アトロプ異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、E異性体、Z異性体、シス異性体、トランス異性体及びそれらの混合物の意味は、当業者に知られている。
絶対配置は、カーン・インゴールド・プレローグ系に従って特定される。不斉原子における配置は、R又はSによって指定される。絶対配置が不明である分割立体異性体は、それらが平面偏光を回転させる方向に応じて(+)又は(-)によって指定することができる。例えば、絶対配置が不明の分割エナンチオマーは、それらが平面偏光を回転させる方向に応じて(+)又は(-)によって指定することができる。光学的に活性な(R)-アトロプ異性体及び(S)-アトロプ異性体は、キラルシントン、キラル試薬若しくはキラル触媒を用いて調製され得るか、又はキラルHPLC等に当技術分野において周知の従来型技術を用いて分割され得る。
特定の立体異性体が同定される場合、これは、前記立体異性体が他の異性体を実質的に含まないこと、即ち他の異性体の50%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは10%未満、より一層好ましくは5%未満、特に2%未満、最も好ましくは1%未満に関連することを意味する。従って、式(I)の化合物が例えば(R)として特定される場合、これは、その化合物が(S)異性体を実質的に含まないことを意味し、式(I)の化合物が例えばEとして特定される場合、これは、その化合物がZ異性体を実質的に含まないことを意味し、式(I)の化合物が例えばシスとして特定される場合、これは、その化合物がトランス異性体を実質的に含まないことを意味し、式(I)の化合物が例えばRと特定される場合、これは、化合物が実質的にSアトロプ異性体を実質的に含まないことを意味する。
薬学的に許容される塩、特に薬学的に許容される付加塩としては、酸付加塩及び塩基付加塩が挙げられる。そのような塩は、従来型の手段により、例えば適切な塩基又は酸の1つ以上の均等物を有する遊離酸形態又は遊離塩基形態との、任意選択により溶媒中又は塩が溶解しない媒体中での反応、それに続く標準的な手法による(例えば、真空中での、凍結乾燥による又は濾過による)前記溶媒又は前記媒体の除去によって生成され得る。塩は、例えば、好適なイオン交換樹脂を用いて、塩の形態の本発明の化合物の対イオンを別の対イオンと交換することによっても調製され得る。
上記又は下記の薬学的に許容される塩は、式(I)の化合物及びその溶媒和物が生じることができる、治療上有効な非毒性の酸性塩及び塩基塩の形態を含むものとする。
適切な酸は、例えば、無機酸、例えば塩酸若しくは臭化水素酸等のハロゲン化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の酸;又は有機酸、例えば酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸(即ちエタン二酸)、マロン酸、コハク酸(即ちブタン二酸)、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p-アミノサリチル酸、パモ酸等の酸を含む。逆に、前記塩形態は、適切な塩基で処理することによって遊離塩基形態に変換することができる。
酸性プロトンを含有する式(I)の化合物及びその溶媒和物は、適切な有機塩基及び無機塩基で処理することにより、それらの非毒性の金属塩又はアミン塩の形態に変換することもできる。
適切な塩基塩の形態は、例えば、アンモニウム塩、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、例えばリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、マグネシウム塩及びカルシウム塩等、有機塩基との塩、例えばメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、4種のブチルアミン異性体、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ-n-ブチルアミン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、キヌクリジン、ピリジン、キノリン及びイソキノリン等の一級、二級及び三級脂肪族アミン及び芳香族アミンとの塩;ベンザチン塩、N-メチル-D-グルカミン塩、ヒドラバミン塩並びに例えばアルギニン及びリシン等のアミノ酸との塩を含む。逆に、塩形態は、酸により処理すると遊離酸形態に変換することができる。
溶媒和物という用語は、式(I)の化合物が形成し得る溶媒付加形態及びその塩を含む。このような溶媒付加形態の例は、例えば、水和物、アルコラート等がある。
下記の方法で調製される本発明の化合物は、エナンチオマーの混合物、特にエナンチオマーのラセミ混合物の形態で合成することができ、それらは、当技術分野で知られる分割手順に従って相互に分離することができる。式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩、N-オキシド及び溶媒和物のエナンチオマー形態の分離方法には、キラル固定相を用いる液体クロマトグラフィーが含まれる。前記純粋な立体化学的異性体形態は、適切な出発物質の対応する純粋な立体化学的異性体形態からも誘導され得るが、但し、この反応は、立体特異的に起こることを前提とする。好ましくは、特定の立体異性体が所望される場合、前記化合物は、立体特異的な調製方法で合成されるであろう。これらの方法は、有利には、エナンチオマー的に純粋な出発物質を用いるであろう。
本明細書で使用する用語「エナンチオマー的に純粋な」は、生成物が一方のエナンチオマーを少なくとも80重量%含有し、他方のエナンチオマーを20重量%以下含有することを意味する。生成物が一方のエナンチオマーを少なくとも90重量%含有し、他方のエナンチオマーを10重量%以下含有することが好ましい。最も好ましい実施形態では、用語「エナンチオマー的に純粋な」は、化合物が一方のエナンチオマーを少なくとも99重量%含有し、他方のエナンチオマーを1%以下含有することを意味する。
本発明は、自然界で通常見られる原子質量又は質量数(又は自然界で見られる最も豊富なもの)と異なる原子質量又は質量数を有する原子により1つ以上の原子が置換されているという事実以外、本明細書に記載の化合物と同一の同位体標識された本発明の化合物も包含する。
本明細書において特定される任意の特定の原子又は元素の全ての同位体及び同位体混合物は、天然に存在するもの又は合成的に生成されたものの何れか、天然に豊富であるもの又は同位体的に豊富な形態のものの何れかで本発明の化合物の範囲内に含まれることが企図されている。本発明の化合物に組み込むことができる例示的な同位体は、H、H、11C、13C、14C、13N、15O、17O、18O、32P、33P、35S、18F、36Cl、122I、123I、125I、131I、75Br、76Br、77Br及び82Br等の水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素及びヨウ素の同位体を含む。好ましくは、放射性同位体は、H、H、11C及び18Fの群から選択される。より好ましくは、放射性同位体は、Hである。詳細には、重水素化化合物は、本発明の範囲内に含まれることが意図されている。
本発明の特定の同位体標識化合物(例えば、H及び14Cで標識されたもの)は、例えば、基質組織分布のアッセイにおいて有用であり得る。三重水素化(H)及び炭素-l4(14C)同位体は、それらの調製及び検出性の容易さから有用である。更に、重水素(即ちH)等のより重い同位体による置換は、より大きい代謝安定性の結果としてもたらされる所定の治療上の利点(例えば、インビボ半減期の増加又は投薬必要量の減少)をもたらし得、従って好ましい場合があり得る。15O、13N、11C及び18F等の陽電子放出同位体は、陽電子放出断層撮影(PET)の研究に有用である。癌におけるPETイメージング法は、腫瘍の位置を突き止め、同定し、疾患の病期を判定し、適切な治療を決定することを促進することに有用である。ヒト癌細胞は、潜在的な疾患特異的分子標的である多くの受容体又はタンパク質を過剰発現する。腫瘍細胞上のこのような受容体又はタンパク質に高い親和性及び特異性で結合する放射性標識トレーサーは、画像診断法及び標的放射性核種療法のために大きい可能性を有する(Charron,Carlie L.et al.Tetrahedron Lett.2016,57(37),4119-4127)。更に、標的特異的PET放射性トレーサーは、例えば、標的発現及び治療応答を測定することにより、病理を検査及び評価するためのバイオマーカーとして使用され得る(Austin R.et al.Cancer Letters(2016)、doi:10.1016/j.canlet.2016.05.008)。
本発明は、詳細には、本明細書で定義される式(I)(式中、
は、
Figure 2022537393000007

(式中、「a」及び「b」は、変数Xが分子の残りに結合される方法を示す)
を表し;
は、水素又はC1~6アルキルを表し;
は、両方の方向で分子の残りに結合され得る、
Figure 2022537393000008

を表し;
は、水素又はC1~6アルキルを表し;
Xは、-S-又は-N(R)-を表し;
は、水素、メチル、C2~6アルキル、-C(=O)-C1~6アルキル、-S(=O)-C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、-C(=O)-C3~6シクロアルキル又は-S(=O)-C3~6シクロアルキルを表し、ここで、C2~6アルキル、-C(=O)-C1~6アルキル、-S(=O)-C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、-C(=O)-C3~6シクロアルキル及び-S(=O)-C3~6シクロアルキルは、任意選択的に、ハロ、C1~4アルキル及び1、2又は3つのハロ原子で置換されたC1~4アルキルからなる群から選択される1、2又は3つの置換基で置換されている)
の化合物、並びにその互変異性体及び立体異性体形態、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関するが、但し、以下のもの並びにその互変異性体及び立体異性体形態は、除外される。
Figure 2022537393000009
本発明は、詳細には、本明細書で定義される式(I)(式中、
は、
Figure 2022537393000010

(式中、「a」及び「b」は、変数Xが分子の残りに結合される方法を示す)
を表し;
は、水素又はC1~6アルキルを表し;
は、両方の方向で分子の残りに結合され得る、
Figure 2022537393000011

を表し;
は、水素又はC1~6アルキルを表し;
Xは、-S-又は-N(R)-を表し;
は、水素、メチル又はC2~6アルキル基を表す)
の化合物、並びにその互変異性体及び立体異性体形態、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。
本発明は、詳細には、本明細書で定義される式(I)(式中、
は、
Figure 2022537393000012

(式中、「a」及び「b」は、変数Xが分子の残りに結合される方法を示す)
を表し;
は、C1~4アルキルを表し;
は、両方の方向で分子の残りに結合され得る、
Figure 2022537393000013

を表し;
は、C1~4アルキルを表し;
Xは、-S-又は-N(R)-を表し;
は、水素又はメチルを表す)
の化合物、並びにその互変異性体及び立体異性体形態、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。
本発明は、詳細には、本明細書で定義される式(I)(式中、
は、
Figure 2022537393000014

(式中、「a」及び「b」は、変数Xが分子の残りに結合される方法を示す)
を表し;
は、メチルを表し;
は、両方の方向で分子の残りに結合され得る、
Figure 2022537393000015

を表し;
は、メチルを表し;
Xは、-S-又は-N(R)-を表し;
は、水素又はメチルを表す)
の化合物、並びにその互変異性体及び立体異性体形態、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。
一実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Xは、-N(R)-を表す)のそれらの化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物又は他の実施形態の何れかに記載されているその任意の部分群に関する。
一実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Xは、-N(R)-を表し;及びRは、水素を表す)のそれらの化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物又は他の実施形態の何れかに記載されているその任意の部分群に関する。
一実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Xは、-N(R)-を表し;及びRは、メチルを表す)のそれらの化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物又は他の実施形態の何れかに記載されているその任意の部分群に関する。
一実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Xは、
Figure 2022537393000016

を表す)のそれらの化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物又は他の実施形態の何れかに記載されているその任意の部分群に関する。
一実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Xは、
Figure 2022537393000017

を表す)のそれらの化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物又は他の実施形態の何れかに記載されているその任意の部分群に関する。
一実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、水素を表す)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物又は他の実施形態の何れかで言及されているその任意の部分群に関する。
一実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、C1~6アルキルを表す)のそれらの化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物又は他の実施形態の何れかに記載されているその任意の部分群に関する。
一実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、C2~4アルキルを表す)のそれらの化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物又は他の実施形態の何れかに記載されているその任意の部分群に関する。
一実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、メチルを表す)のそれらの化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物又は他の実施形態の何れかに記載されているその任意の部分群に関する。
一実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、水素を表す)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物又は他の実施形態の何れかで言及されているその任意の部分群に関する。
一実施形態では、本発明は、式(I)(式中、R及びRの少なくとも一方は、水素又はC2~6アルキルを表す)のそれらの化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物又は他の実施形態の何れかに記載されているその任意の部分群に関する。
一実施形態では、本発明は、式(I)(式中、R及びRの少なくとも一方は、メチル以外である)のそれらの化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物又は他の実施形態の何れかに記載されているその任意の部分群に関する。
一実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、C1~6アルキルを表す)のそれらの化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物又は他の実施形態の何れかに記載されているその任意の部分群に関する。
一実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、C2~6アルキルを表す)のそれらの化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物又は他の実施形態の何れかに記載されているその任意の部分群に関する。
一実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、水素C2~6アルキルを表す)のそれらの化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物又は他の実施形態の何れかに記載されているその任意の部分群に関する。
一実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、メチルを表す)のそれらの化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物又は他の実施形態の何れかに記載されているその何れかの部分群に関する。
一実施形態では、本発明は、式(I)(式中、
i)R及びRの少なくとも一方は、メチル以外であるか;又は
ii)Rは、メチル又は-S(=O)-C1~6アルキル以外である)
のそれらの化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物又は他の実施形態の何れかに記載されているその任意の部分群に関する。
一実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、水素、C2~6アルキル、-C(=O)-C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、-C(=O)-C3~6シクロアルキル又は-S(=O)-C3~6シクロアルキルを表し;ここで、C2~6アルキル、-C(=O)-C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、-C(=O)-C3~6シクロアルキル及び-S(=O)-C3~6シクロアルキルは、任意選択的に、ハロ、C1~4アルキル及び1、2又は3つのハロ原子で置換されたC1~4アルキルからなる群から選択された1、2又は3つの置換基で置換されている)のそれらの化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物又は他の実施形態の何れかに記載されているその任意の部分群に関する。
一実施形態では、本発明は、式(I)(式中、Rは、水素又はC2~6アルキルを表す)のそれらの化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物又は他の実施形態の何れかに記載されているその任意の部分群に関する。
一実施形態では、本発明は、式(I)のそれらの化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物又は他の実施形態の何れかに記載されているその任意の部分群に関し、ここで、式(I)の化合物は、式(I-x):
Figure 2022537393000018

の化合物に限定される。
式(I-x)の構造における全ての変数は、式(I)の化合物又は他の実施形態の何れかに記載されているその任意の部分群について定義されているように定義されることが明らかであろう。
一実施形態では、本発明は、式(I)のそれらの化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物又は他の実施形態の何れかに記載されているその任意の部分群に関し、ここで、式(I)の化合物は、式(I-y):
Figure 2022537393000019

の化合物に限定される。
式(I-y)の構造における全ての変数は、式(I)の化合物又は他の実施形態の何れかに記載されているその任意の部分群について定義されているように定義されることが明らかであろう。
一実施形態では、本発明は、式(I)のそれらの化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物又は他の実施形態の何れかに記載されているその任意の部分群に関し、ここで、以下の化合物並びにその互変異性体及び立体異性体形態は、除外される。
Figure 2022537393000020
一実施形態では、本発明の範囲は、前記除外された化合物及びその薬学的に許容される塩を含まない。一実施形態では、本発明の範囲は、前記除外された化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を含まない。
一実施形態では、本発明は、一般反応スキームに定義した式(I)の部分群に関する。
一実施形態では、式(I)の化合物は、例示した化合物の何れか、その互変異性体及び立体異性体形態並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物からなる群から選択される。
上記に示した実施形態の全ての可能な組み合わせは、本発明の範囲内に包含されると見なされる。
化合物を調製するための方法
このセクションでは、全ての他のセクションと同様に、文脈が他のことを示さない限り、式(I)への言及は、本明細書で定義される全ての他の部分群及びその例も含む。
式(I)の化合物の幾つかの典型例の一般的な調製は、下記及び具体例で説明されており、市販されているか又は有機化学の当業者が一般的に使用する標準的な合成方法により調製されている出発物質から一般的に調製される。下記のスキームは、本発明の例を示すことを単に意図したものであり、決して本発明を限定することを意図したものではない。
代わりに、本発明の化合物は、当業者が一般に使用する標準的な合成方法と組み合わせた、下記の一般的スキームに記載したものと類似の反応プロトコルで製造することもできる。
当業者は、スキームで説明した反応において、必ずしも明示的に示されているわけではないが、反応性官能基(例えば、ヒドロキシ基、アミノ基又はカルボキシ基)が最終生成物で所望される場合、これらが不必要に反応に関与することを回避するために、これらを保護する必要があり得ることを理解するであろう。一般に、従来型の保護基は、標準的な実践に従って使用することができる。保護基は、当技術分野から公知の方法を使用して、便宜的なその後の段階で除去することができる。
当業者は、スキームに記載した反応において、反応物を例えばNガス雰囲気下等の不活性雰囲気下で行うことが望ましいか又は必要であり得ることを理解するであろう。
反応後処理(化学反応の生成物の単離及び精製に必要とされる一連の操作、例えばクエンチング、カラムクロマトグラフィー、抽出等を指す)前に反応混合物を冷却することが必要であり得ることは、当業者に明らかであろう。
当業者は、撹拌下で反応混合物を加熱することで反応結果が向上され得ることを理解するであろう。幾つかの反応では、全反応時間を短縮するために、従来の加熱の代わりにマイクロ波加熱を使用することができる。
当業者は、下記のスキームで示した化学反応の別の順序によっても式(I)の所望の化合物が得られることを理解するであろう。
当業者は、下記のスキームで示した中間体及び最終化合物を、当業者に公知の方法に従って更に官能化し得ることを理解するであろう。本明細書で説明した中間体及び化合物は、その遊離形態において又は塩若しくは溶媒和物として単離され得る。本明細書で説明した中間体及び化合物は、当技術分野で公知の分割手順に従って互いに分離され得る互変異性体及び立体異性体形態の混合物の形態で合成され得る。
Figure 2022537393000021

式(I-a)及び(I-b)の化合物では、全変数は、本発明の範囲内の式(I)について規定された通りである。
当業者は、類似の反応プロトコルを、Xが、
Figure 2022537393000022

を表す、本発明の化合物を調製するためにも使用できることを理解するであろう。
そのような化合物を得るために、式(XVIII)の中間体から式(XVII)の中間体への変換工程中、代替のピラゾール-ボロン酸塩が使用されなければならない。下記の合成反応工程は、化合物(I-a)及び(I-b)について記載した反応工程と類似している。
下記のスキームでは、Meは、メチルを意味し、Etは、エチルを意味し、及びAcは、アセチルを意味する。
式(I-a)の化合物は、式(III)
Figure 2022537393000023

(式中、X、R及びRは、式(I-a)に規定された通りである)
の中間体を水又は水の混合物等の好適な溶媒中及びジオキサン又はTHF若しくはMeOH及びTHFの混合物等の好適な有機溶媒中、例えばLiOH又はNaOH等の好適な塩基の存在下、室温又は60℃等の好適な温度で反応させる工程によって調製され得る。
同様に、式(I-b)の化合物は、式(IV)
Figure 2022537393000024

(式中、X、R及びRは、式(I-b)に規定された通りである)
の化合物を水又は水の混合物等の好適な溶媒中及びジオキサン又はTHF若しくはMeOH及びTHFの混合物等の好適な有機溶媒中、例えばLiOH又はNaOH等の好適な塩基の存在下、室温又は60℃等の好適な温度で反応させる工程によって調製され得る。
式(III)の中間体及び式(IV)の中間体は、式(V)
Figure 2022537393000025
(式中、X及びRは、式(I-a)又は式(I-b)に規定された通りである)
の中間体を、例えばハロゲン化アルキル等の好適なアルキル化剤と、例えばDMF又はアセトニトリル等の好適な溶媒中、例えばトリエチルアミン(EtN)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(iPrEtN)又は1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク-7-エン(DBU)等の好適な塩基の存在下、例えば室温又は60℃等の好適な温度で反応させる工程、その後、異性体(III)及び(IV)のクロマトグラフィー分離等の好適な分離によって調製することができる。
XがS(硫黄)と規定される場合、式(V)の中間体は、式(VI)
Figure 2022537393000026

(式中、Pは、例えば、パラメトキシベンジル(PMB)、ジメトキシベンジル(DMB)又はテトラヒドロピラニル(THP)等の好適な保護基であると規定され、Xは、この化学的プロトコルではS(硫黄)であると規定される)
の中間体を、例えばHCl若しくはトリフルオロ酢酸(TFA)又は2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン(DDQ)等の好適な脱保護剤と、例えば1,4-ジオキサン、CHCl又はトルエン等の好適な溶媒中、例えば室温又は80℃等の好適な温度で反応させる工程によって調製することができる。
XがNR(式中、Rは、式(I)で規定された通りである)と規定される場合、式(V)の中間体は、式(VII)
Figure 2022537393000027

(式中、Pは、例えば、パラメトキシベンジル(PMB)、ジメトキシベンジル(DMB)又はテトラヒドロピラニル(THP)等の好適な保護基である)
の化合物を、例えばHCl若しくはTFA又はDDQ等の好適な脱保護剤と、例えば1,4-ジオキサン、CHCl又はトルエン等の好適な溶媒中、例えば室温又は80℃等の好適な温度で反応させる工程によって調製することができる。
式(VII)の中間体は、式(VIII)
Figure 2022537393000028

(式中、Pは、式(VII)で規定された通りである)
の中間体、例えばハロゲン化アルキル等の好適なアルキル化剤と、例えばDMF又はアセトニトリル等の好適な溶媒中、例えばEtN、iPrEtN又はDBU等の好適な塩基の存在下、例えば室温又は60℃等の好適な温度で反応させる工程によって調製することができる。
代わりに、式(VII)の中間体は、式(VIII)の中間体を、例えばホルムアルデヒド等の好適なアルデヒド及び例えばNaBHCN等の好適な還元剤と、例えばCHCl等の好適な溶媒中、例えば室温等の好適な温度で反応させる工程によって調製することができる。
式(VIII)の中間体は、式(VI)(式中、Pは、式(VII)に規定された通りであり、及びXは、例えば、2-ニトロフェニルスルホニル等の保護基によって保護された窒素であると規定されている)の中間体を、例えばチオフェノール等の好適な脱保護剤と、例えばKCO等の好適な塩基の存在下、例えばアセトニトリル又はDMF等の好適な溶媒中、例えば室温又は80℃等の好適な温度で反応させる工程によって調製することができる。
式(VI)の中間体は、式(IX)
Figure 2022537393000029

(式中、Xは、式(I-a)で規定された通りであり、及びPは、例えば、パラメトキシベンジル(PMB)、ジメトキシベンジル(DMB)若しくはテトラヒドロピラニル(THP)等の好適な保護基であるか、又は例えばメチル等の好適なアルキル置換基であり得る)
の中間体を、例えばジエチルアゾジカルボキシレート(DEAD)又はジ-tert-ブチルアゾジカルボキシレート(DBAD)等の好適な試薬と、例えばPPh等の好適なホスフィンの存在下、例えばTHF、トルエン又はそれらの混合物等の好適な溶媒中、例えば室温又は60℃等の好適な温度で反応させる工程によって調製することができる。
式(IX)の中間体は、式(X)
Figure 2022537393000030

(式中、X及びPは、式(IX)で規定された通りであり、及びSiPは、例えばtert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)又はtert-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)等の好適な保護基である)
の中間体を、例えばフッ化テトラブチルアンモニウム(TBAF)等の脱保護試薬と、例えばTHF等の好適な溶媒中、例えば室温又は60℃等の好適な温度で反応させる工程によって調製することができる。
XがS(硫黄)と規定される場合、式(V)の中間体は、式(XI)
Figure 2022537393000031

(式中、SiPは、式(X)に規定された通りであり、及びLは、例えばハロゲン又はアルキルスルホン酸塩等の好適な離脱基である)
の中間体を、式(XII)
Figure 2022537393000032

(式中、SiP及びPは、式(X)に規定された通りである)
の中間体と、例えばKCO等の好適な塩基の存在下、例えばMeOH等の好適な溶媒中、例えば室温又は60℃等の好適な温度で反応させる工程によって調製することができる。
Xが、例えば、2-ニトロフェニルスルホニル等の保護基によって保護された窒素であると規定されている場合、式(X)の中間体は、式(XIII)
Figure 2022537393000033

(式中、SiPは、式(X)に規定された通りである)
の中間体を、式(XIV)
Figure 2022537393000034

(式中、SiP及びPは、式(X)に規定された通りである)
の中間体と、例えばDEAD又はDBAD等の好適な試薬と、例えばトリフェニルホスフィン(PPh)等の好適なホスフィンの存在下、例えばTHF、トルエン又はそれらの混合物等の好適な溶媒中、例えば室温又は60℃等の好適な温度で反応させる工程によって調製することができる。
式(XIII)の中間体は、式(XV)
Figure 2022537393000035

(式中、SiPは、式(X)に規定された通りである)
の中間体を、例えば2-ニトロフェニルスルホンアミド等の好適な保護窒素と、例えばDEAD又はDBAD等の好適な試薬の存在下、例えばPPh等の好適なホスフィンの存在下、例えばTHF、トルエン又はそれらの混合物等の好適な溶媒中、例えば室温又は60℃等の好適な温度で反応させる工程によって調製することができる。
式(XI)の中間体は、式(XV)の中間体を、例えば塩化メシル等の好適な塩化アルキルスルホニルと、例えばトリエチルアミン等の好適な塩基の存在下、例えばCHCl等の好適な溶媒中、例えば室温等の好適な温度で反応させる工程によって調製することができる。
代わりに、式(XI)の中間体は、2つの工程で、式(XV)の中間体を、例えば塩化メシル等の好適な塩化アルキルスルホニルと、例えばトリエチルアミン等の好適な塩基の存在下、例えばCHCl等の好適な溶媒中、例えば室温等の好適な温度で反応させる工程により、その後、例えばヨウ化カリウム等の好適なハロゲン化金属との、例えばアセトニトリル等の好適な溶媒中、例えば室温又は60℃等の好適な温度での反応によって調製することができる。
式(XV)の中間体は、式(XVI)
Figure 2022537393000036

の中間体を、例えば(3-ブロモプロポキシ)(tert-ブチル)ジメチルシラン等の好適なO-保護ハロゲン化プロピル又はアルキルスルホン酸塩と、例えばCsCO等の好適な塩基の存在下、例えばDMF等の好適な溶媒中、例えば室温等の好適な温度で反応させる工程によって調製することができる。
式(XVI)の中間体は、式(XVII)
Figure 2022537393000037

の中間体を、例えばトリフルオロメタンスルホン酸又はTFA等の好適な脱保護剤と、例えばCHCl等の好適な溶媒中、例えば室温等の好適な温度で反応させる工程によって調製することができる。
式(XVII)の中間体は、式(XVIII)
Figure 2022537393000038

の中間体を、例えば3-(((4-メトキシベンジル)オキシ)メチル)-1,5-ジメチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール等の好適な置換ピラゾール誘導体と、例えばPd(dba)等の好適な触媒の存在下、例えばS-Phos等の好適なホスフィンリガンドの存在下、例えば重炭酸ナトリウム等の好適な塩基の存在下、例えばジオキサン、水又はそれらの混合物等の好適な溶媒中、例えば100℃等の好適な温度で反応させる工程によって調製することができる。
式(XVIII)の中間体は、式(XIX)
Figure 2022537393000039

の中間体を、例えば硫酸等の好適な酸と、例えば酢酸等の好適な溶媒中、例えば70℃等の好適な温度で反応させる工程によって調製することができる。
式(XIX)の中間体は、(3-ブロモ-4-クロロフェニル)ヒドラジンを、メチル2-オキソブタン酸塩と、例えば塩酸等の好適な酸の存在下、例えばメタノール等の好適な溶媒中、例えば65℃等の好適な温度で反応させる工程によって調製することができる。
式(XII)の中間体は、式(XX)
Figure 2022537393000040

(式中、SiP及びPは、式(X)で規定された通りであり、及びLは、好適な離脱基である)
の中間体を、チオ酢酸カリウムと、例えばDMF等の好適な溶媒中、例えば室温等の好適な温度で反応させる工程によって調製することができる。
式(XX)の中間体は、式(XIV)の中間体を、例えば塩化メシル又は塩化チオニル等の好適な試薬と、必要に応じて例えばトリエチルアミン等の好適な塩基の存在下、例えばCHCl等の好適な溶媒中、例えば0℃又は室温等の好適な温度で反応させる工程によって調製することができる。
式(XIV)の中間体は、式(XXII)
Figure 2022537393000041

(式中、SiP及びPは、式(X)で規定された通りである)
の中間体を、例えばDIBALH等の好適な還元剤と、例えばTHF等の好適な溶媒中、例えば0℃又は室温等の好適な温度で反応させる工程によって調製することができる。
式(XXII)の中間体は、式(XXIII)
Figure 2022537393000042

(式中、Pは、式(X)で規定された通りである)
の中間体を、例えばTBDMSCl(tert-塩化ブチルジメチルシリル)又はTBDPSCl(tert-塩化ブチルジフェニルシリル)等の好適な三置換塩化シリルと、例えばイミダゾール等の好適な塩基の存在下、例えばDMF等の好適な溶媒中、例えば室温等の好適な温度で反応させる工程によって調製することができる。
式(XXIII)の中間体は、式(XXIV)
Figure 2022537393000043

(式中、Pは、式(X)で規定された通りであり、及びLは、例えば塩化物又はメシル酸塩等の好適な離脱基である)
の中間体を、3-(アセチルチオ)ナフタレン-1-イル酢酸塩と、例えばKCO等の好適な塩基の存在下、例えばメタノール等の好適な溶媒中、例えば室温等の好適な温度で反応させる工程によって調製することができる。
式(XXIV)の中間体は、式(XXV)
Figure 2022537393000044

(式中、Pは、式(X)で規定された通りである)
の中間体を、例えば塩化メシル又は塩化チオニル等の好適な試薬と、必要に応じて例えばトリエチルアミン等の好適な塩基の存在下、例えばCHCl等の好適な溶媒中、例えば0℃又は室温等の好適な温度で反応させる工程によって調製することができる。
式(XXV)の中間体は、式(XXVI)
Figure 2022537393000045

(式中、Pは、式(X)で規定された通りである)
の中間体を、例えばTBAF等の好適な脱保護剤と、例えばTHF等の好適な溶媒中、例えば室温等の好適な温度で反応させる工程によって調製することができる。
式(XXVI)の中間体は、エチル5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシレートを、例えば塩化パラメトキシベンジル、塩化ジメトキシベンジル等の好適な保護基前駆体又は同様に例えばヨウ化メチル等の好適なハロゲン化アルキルと、例えばナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド等の好適な塩基の存在下、例えばTHF等の好適な溶媒中、例えば0℃又は室温等の好適な温度で反応させる工程によって調製することができる。
代わりに、式(XXVI)の中間体は、エチル5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシレートを、例えば3,4-ジヒドロ-2H-ピラン等の好適な保護基前駆体と、例えばp-トルエンスルホン酸(PTSA)等の好適な触媒の存在下、例えばテトラヒドロフラン(THF)又はCHCl等の好適な溶媒中、例えば0℃又は室温等の好適な温度で反応させる工程によって調製することができる。
代わりに、式(VI)の中間体は、式(XXVII)
Figure 2022537393000046

(式中、Xは、式(I-a)で規定された通りであり、及びPは、例えば、テトラヒドロピラニル(THP)等の好適な保護基であるか、又は例えばメチル等の好適なアルキル置換基であり得、及びLは、例えば、メシル酸塩等の好適な離脱基である)
の中間体を、例えばKCO等の好適な塩基の存在下、例えばアセトニトリル等の好適な溶媒中て、例えば80℃等の好適な温度で反応させる工程によって調製することができる。
式(XXVII)の中間体は、式(XXVIII)
Figure 2022537393000047

(式中、Lは、例えば、ヨウ化物等の好適な離脱基である)
の中間体を、3-(アセチルチオ)ナフタレン-1-イル酢酸塩と、例えばKCO等の好適な塩基の存在下、例えばPPh等の好適な触媒の存在下、例えばメタノール若しくはTHF又はそれらの混合物等の好適な溶媒中、例えば0℃又は室温等の好適な温度で反応させる工程によって調製することができる。
式(XXVIII)の中間体は、式(XXIX)
Figure 2022537393000048

の中間体を、最初に、例えばメシル無水物等の好適な活性化剤と、例えばDIPEA等の好適な塩基の存在下、例えばTHF等の好適な溶媒中、例えば0℃又は室温等の好適な温度で反応させる工程により;次に、得られた中間体であるビス-メシル酸塩を、例えばヨウ化ナトリウム等の好適なハロゲン化物と、例えばTHF等の好適な溶媒中、例えば室温等の好適な温度で反応させる工程により調製することができる。
式(XXIX)の中間体は、式(XXX)
Figure 2022537393000049

(式中、P及びPは、例えば、TBDMS又はTBDPS等の好適な保護基である)
の中間体を、例えばTBAF等の好適な脱保護剤と、例えばTHF等の好適な溶媒中、例えば室温等の好適な温度で反応させる工程によって調製することができる。
式(XXX)の中間体は、式(XXXI)
Figure 2022537393000050

(式中、X’は、例えば、チオ酢酸塩等のXの好適な活性化形態/保護形態である)
の中間体を、式(XI)の中間体と、例えばKCO等の好適な塩基の存在下、例えばMeOH等の好適な溶媒中、例えば室温等の好適な温度で反応させる工程によって調製することができる。
代わりに、式(XXX)の中間体は、式(XXXI)(式中、X’は、例えば、2-ニトロフェニルスルホンアミド等のXの好適な活性化形態/保護形態である)の中間体を、式(XV)の中間体と、例えばDEAD又はDBAD等の好適な試薬の存在下及び例えばトリフェニルホスフィン(PPh)等の好適なホスフィンの存在下、例えばTHF、トルエン又はそれらの混合物等の好適な溶媒中、室温又は60℃等の好適な温度で反応させる工程によって調製することができる。
式(XXXI)(式中、X’は、S(硫黄)の前駆体である)は、式(XXXII)
Figure 2022537393000051

の中間体を、最初に、例えばMsCl等の好適な活性化剤と、例えばEtN等の好適な塩基の存在下、例えばTHF等の好適な溶媒中、例えば室温等の好適な温度で反応させる工程により;次に、得られた活性化中間体を、例えばチオ酢酸カリウム等のX’の好適な起源と、例えばDMF若しくはTHF又はそれらの混合物等の好適な溶媒中、例えば室温等の好適な温度で反応させる工程により調製することができる。
代わりに、式(XXXI)(式中、X’は、NRの前駆体である)の中間体は、式(XXXII)の中間体を、例えば2-ニトロフェニルスルホンアミド等の好適なX’前駆体と、例えばDEAD又はDBAD等の好適な試薬の存在下及び例えばトリフェニルホスフィン(PPh)等の好適なホスフィンの存在下、例えばTHF、トルエン又はそれらの混合物等の好適な溶媒中、例えば室温又は60℃等の好適な温度で反応させる工程によって調製することができる。
式(XXXII)の中間体は、式(XXVI)の中間体を、例えばDIBAL-H等の好適な還元剤と、例えばTHF等の好適な溶媒中、例えば0℃等の好適な温度で反応させる工程によって調製することができる。
式(XXVII)の中間体が他のピラゾール窒素上に保護基Pを担持し得ることは、当業者に明らかであろう。その場合、中間体(XXVI)の対応する異性体から出発して、類似する合成経路を使用することができる。
適切な官能基が存在する場合、様々な式の化合物又はその調製で使用されるあらゆる中間体は、縮合反応、置換反応、酸化反応、還元反応又は開裂反応を用いる1種又は複数の標準的な合成法により更に誘導体化され得ることが理解されるであろう。特定の置換アプローチとしては、従来型のアルキル化、アリール化、ヘテロアリール化、アシル化、スルホニル化、ハロゲン化、ニトロ化、ホルミル化及びカップリングの手順が挙げられる。
式(I)の化合物は、当技術分野で公知の分解手順に従って互いに分離され得るエナンチオマーのラセミ混合物の形態で合成され得る。塩基性窒素原子を含む式(I)のラセミ化合物は、好適なキラル酸との反応により、対応するジアステレオマー塩形態に変換され得る。その後、前記ジアステレオマー塩形態は、例えば、選択的結晶化又は分別結晶化により分離され、それからアルカリによりエナンチオマーが遊離される。式(I)の化合物のエナンチオマー形態を分離する代替方法としては、キラル固定相を使用する液体クロマトグラフィーが挙げられる。前記純粋な立体化学的異性体形態は、適切な出発物質の対応する純粋な立体化学的異性体形態からも誘導され得るが、但し、この反応は、立体特異的に起こることを前提とする。
本発明の化合物の調製では、中間体の離れた官能基(例えば、第一級アミン又は第二級アミン)を保護することが必要な場合がある。そのような保護に対する要求は、離れた官能基の性質と、調製方法の条件とに応じて変化するであろう。好適なアミノ保護基(NH-Pg)としては、アセチル基、トリフルオロアセチル基、t-ブトキシカルボニル(Boc)基、ベンジルオキシカルボニルCBz)基及び9-フルオレニルメチレンオキシカルボニル(Fmoc)基が挙げられる。そのような保護の必要性は、当業者によって容易に決定される。保護基及びそれらの使用の概要に関しては、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,4th ed.,Wiley,Hoboken,New Jersey,2007を参照されたい。
化合物の薬理学
本発明の化合物は、MCL-1抗アポトーシス活性等の多くのMCL-1活性の1つを阻害することが見出されている。
MCL-1阻害剤は、プロアポトーシス性エフェクターであるBak及びBax又はBim、Noxa若しくはPuma等のBH3オンリー増感剤に結合し、且つそれらを抑制する能力等の1種以上のMCL-1機能を遮断する化合物である。
本発明の化合物は、MCL-1の生存促進機能を阻害し得る。従って、本発明の化合物は、癌等の免疫系の作用の影響を受け易い疾患を治療及び/又は予防する際、特に治療する際に有用であり得る。
本発明の別の実施形態では、本発明の化合物は、例えば、免疫調節を通して抗腫瘍特性を示す。
一実施形態では、本発明は、癌を治療及び/又は予防するための方法であって、癌は、本明細書に記載される癌から選択され、それを必要とする対象(好ましくはヒト)に、治療有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を投与する工程を含む方法に向けられる。
一実施形態では、本発明は、癌を治療及び/又は予防するための方法であって、それを必要とする対象、好ましくはヒトに、治療有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を投与する工程を含み、癌は、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、B細胞性急性リンパ芽球性白血病、B細胞性慢性リンパ球性白血病(CLL)、膀胱癌、乳癌、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、結腸腺癌、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、食道癌、濾胞性リンパ腫、胃癌、頭頸部癌(頭頸部扁平上皮癌を含むが、それには限定されない)、造血器癌、肝細胞癌、ホジキンリンパ腫、肝臓癌、肺癌(肺腺癌を含むが、それには限定されない)、リンパ腫、髄芽細胞腫、黒色腫、有意性が未知の単クローン性免疫グロブリン血症、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、骨髄線維症、骨髄増殖性腫瘍、卵巣癌、卵巣明細胞癌、卵巣精上皮嚢胞腺腫、膵臓癌、真性赤血球増加症、前立腺癌、直腸腺癌、腎細胞癌、くすぶり型多発性骨髄腫、T細胞性急性リンパ芽球性白血病、T細胞性リンパ腫及びワルデンストレームマクログロブリン血症からなる群から選択される、方法に向けられる。
別の実施形態では、本発明は、癌を治療及び/又は予防するための方法であって、それを必要とする対象、好ましくはヒトに、治療有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を投与する工程を含み、癌は、好ましくは、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、B細胞性急性リンパ芽球性白血病、B細胞性慢性リンパ球性白血病(CLL)、乳癌、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、濾胞性リンパ腫、造血器癌、ホジキンリンパ腫、肺癌(肺腺癌を含むが、それには限定されない)、リンパ腫、有意性が未知の単クローン性免疫グロブリン血症、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、骨髄線維症、骨髄増殖性腫瘍、くすぶり型多発性骨髄腫、T細胞性急性リンパ芽球性白血病、T細胞性リンパ腫及びワルデンストレームマクログロブリン血症からなる群から選択される、方法に向けられる。
別の実施形態では、本発明は、癌を治療及び/又は予防するための方法であって、それを必要とする対象、好ましくはヒトに、治療有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を投与する工程を含み、癌は、腺癌、良性単クローン性免疫グロブリン血症、胆管癌(biliary cancer)(胆管癌(cholangiocarcinoma)を含むが、それには限定されない)、膀胱癌、乳癌(乳房の腺癌、乳房の乳頭状癌、乳癌、乳房の髄様癌を含むが、それらに限定されない)、脳腫瘍(髄膜腫を含むが、それには限定されない)、神経膠腫(星状細胞腫、某突起細胞腫;髄芽細胞腫を含むが、それらに限定されない)、気管支癌、子宮頸癌(子宮頚部腺癌を含むが、それには限定されない)、脊索腫、絨毛性腫瘍、結腸直腸癌(結腸癌、直腸癌、結腸直腸腺癌を含むが、それらに限定されない)、上皮癌、内皮肉腫(カポジ肉腫、多発性特発性出血性肉腫を含むが、それらに限定されない)、子宮内膜癌(子宮癌、子宮肉腫を含むが、それらに限定されない)、食道癌(食道の腺癌、バレット腺癌を含むが、それらに限定されない)、ユーイング肉腫、胃癌(胃腺癌を含むが、それには限定されない)、消化管間質腫瘍(GIST)、頭頸部癌(頭頸部扁平上皮癌を含むが、それには限定されない)、造血器癌(例えば急性リンパ球性白血病(ALL)(B細胞性ALL、T細胞性ALLを含むが、それらに限定されない)、急性骨髄性白血病(AML)(例えば、B細胞性AML、T細胞性AML)、慢性骨髄細胞性白血病(CML)(例えば、B細胞性CML、T細胞性CML)及び慢性リンパ球性白血病(CLL)(例えば、B細胞性CLL、T細胞性CLL)、ホジキンリンパ腫(HL)等のリンパ腫(B細胞性HL、T細胞性HLを含むが、それらに限定されない)及び非ホジキンリンパ腫(NHL)(例えば、びまん性大細胞型リンパ腫(DLCL)等のB細胞性NHL(例えば、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL))、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、辺縁帯B細胞性リンパ腫(粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、節性辺縁帯B細胞性リンパ腫、脾性辺縁帯B細胞性リンパ腫を含むが、それらに限定されない)、縦隔原発B細胞性リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(ワルデンストレームマクログロブリン血症を含むが、それには限定されない)、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、ヘアリー細胞白血病(HCL)、前駆B細胞リンパ芽球性リンパ腫及び原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、前駆T細胞リンパ芽球性リンパ腫/白血病、辺縁性T細胞性リンパ腫(PTCL)等のT細胞性NHL(例えば、皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)(菌状息肉腫、セザリー症候群を含むが、それらに限定されない))、血管免疫芽球性T細胞性リンパ腫、節外性ナチュラルキラーT細胞性リンパ腫、腸症型T細胞性リンパ腫、皮下脂肪織炎様T細胞性リンパ腫、未分化大細胞型リンパ腫、上記に記載した1種以上の白血病/リンパ腫の混合、多発性骨髄腫(MM)、重鎖病(α鎖病、γ鎖病、μ鎖病を含むが、それらに限定されない)、免疫球性アミロイドーシス、腎臓癌(別名がウィルムス腫瘍である腎芽細胞腫症、腎細胞癌を含むが、それらに限定されない)、肝臓癌(肝細胞癌(HCC)、悪性肝癌を含むが、それらに限定されない)、肺癌(気管支原性癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、扁平上皮肺癌(SLC)、肺の腺癌、ルイス肺癌、肺神経内分泌腫瘍、定型カルチノイド、非定型カルチノイド、小細胞肺癌(SCLC)及び大細胞型神経内分泌癌を含むが、それらに限定されない)、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性疾患(MPD)、真性赤血球増加症(PV)、本態性血小板血症(ET)、別名が骨髄線維症(MF)である原発性骨髄線維症(AMM)、慢性特発性骨髄線維症、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好中球性白血病(CNL)、好酸球増加症候群(HES)、卵巣癌(嚢胞腺癌、卵巣胎生期癌、卵巣腺癌を含むが、それらに限定されない)、膵臓癌(膵臓腺癌、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、島細胞腫を含むが、それらに限定されない)、前立腺癌(前立腺腺癌を含むが、それには限定されない)、皮膚癌(扁平上皮癌(SCC)、角化棘細胞腫(KA)、黒色腫、基底細胞癌(BCC)を含むが、それらに限定されない)及び軟部組織肉腫(例えば、悪性線維性組織球腫(MFH)、脂肪肉腫、悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)、軟骨肉腫、線維肉腫、粘液肉腫)からなる群から選択される、方法に向けられる。
別の実施形態では、本発明は、癌を治療及び/又は予防するための方法であって、それを必要とする対象、好ましくはヒトに、治療有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を投与する工程を含み、癌は、良性単クローン性免疫グロブリン血症、乳癌(乳房の腺癌、乳房の乳頭状癌、乳癌、乳房の髄様癌を含むが、それらに限定されない)、造血器癌(例えば、急性リンパ球性白血病(ALL)(B細胞性ALL、T細胞性ALLを含むが、それらに限定されない)、急性骨髄性白血病(AML)(例えば、B細胞性AML、T細胞性AML)、慢性骨髄性白血病(CML)(例えば、B細胞性CML、T細胞性CML)及び慢性リンパ球性白血病(CLL)(例えば、B細胞性CLL、T細胞性CLL)、ホジキンリンパ腫(HL)等のリンパ腫(B細胞性HL、T細胞性HL)及び非ホジキンリンパ腫(NHL)(例えば、びまん性大細胞型リンパ腫(DLCL)等のB細胞性NHL(例えば、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL))、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、辺縁帯B細胞性リンパ腫(粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、節性辺縁帯B細胞性リンパ腫、脾性辺縁帯B細胞性リンパ腫を含むが、それらに限定されない)、縦隔原発B細胞性リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞リンパ腫(ワルデンストレームマクログロブリン血症を含むが、それには限定されない)、免疫芽細胞性大細胞型リンパ腫、ヘアリー細胞白血病(HCL)、前駆B細胞リンパ芽球性リンパ腫及び原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、前駆T細胞リンパ芽球性リンパ腫/白血病、辺縁性T細胞性リンパ腫(PTCL)等のT細胞性NHL(例えば、皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)(菌状息肉腫、セザリー症候群を含むが、それらに限定されない)、血管免疫芽球性T細胞性リンパ腫、節外性ナチュラルキラーT細胞性リンパ腫、腸症型T細胞性リンパ腫、皮下脂肪織炎様T細胞性リンパ腫、未分化大細胞型リンパ腫、上記に記載した1種以上の白血病/リンパ腫の混合、多発性骨髄腫(MM)、重鎖病(α鎖病、γ鎖病、μ鎖病を含むが、それらに限定されない)、免疫球性アミロイドーシス、肝臓癌(肝細胞癌(HCC)、悪性肝癌を含むが、それらに限定されない)、肺癌(気管支原性癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、扁平上皮肺癌(SLC)、肺の腺癌、ルイス肺癌、肺神経内分泌腫瘍、定型カルチノイド、非定型カルチノイド、小細胞肺癌(SCLC)及び大細胞型神経内分泌癌)、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性疾患(MPD)、前立腺癌(前立腺腺癌を含むが、それには限定されない)からなる群から選択される、方法に向けられる。
別の実施形態では、本発明は、癌を治療及び/又は予防するための方法であって、それを必要とする対象、好ましくはヒトに、治療有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を投与する工程を含み、癌は、前立腺癌、肺癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、黒色腫、B細胞性慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)及び急性リンパ芽球性白血病(ALL)からなる群から選択される、方法に向けられる。
別の実施形態では、本発明は、癌を治療及び/又は予防するための方法であって、それを必要とする対象、好ましくはヒトに、治療有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を投与する工程を含み、癌は、多発性骨髄腫である、方法に向けられる。
本発明による化合物又は前記化合物を含む医薬組成物は、PD1/PDL1免疫チェックポイント軸の阻害剤、例えばPD-1の活性或いはPD-L1及び/若しくはCTLA-4又は腫瘍関連抗原を標的とする遺伝子組み換えキメラ抗原受容体T細胞(CART)の活性に結合し、且つ/又はその活性を阻害する抗体(又はペプチド)の免疫調節剤と組み合わせた治療適用も有し得る。
本発明による化合物又は前記化合物を含む医薬組成物は、癌を有する対象に、前記対象の癌を治療するか、又は前記対象の癌の治療に結び付いた副作用を治療若しくは予防するために投与される放射線療法若しくは化学療法薬(抗癌剤を含むが、それらに限定されない)又は任意の他の医薬品とも組み合わされ得る。
本発明による化合物又は前記化合物を含む医薬組成物は、例えばワクチン等の免疫応答を刺激又は増強する他の作用物質とも組み合わされ得る。
一実施形態では、本発明は、癌(癌は、本明細書に記載される癌から選択される)を治療及び/又は予防するための方法であって、それを必要とする対象(好ましくはヒト)に、治療有効量の連携療法又は組み合わせ療法を投与する工程を含み;連携療法又は組み合わせ療法は、本発明の式(I)の化合物及び(a)免疫調節剤(PD1/PDL1免疫チェックポイント軸の阻害剤、例えばPD-1の活性又はPD-L1及び/又はCTLA-4の活性に結合及び/又はそれらを阻害する抗体(又はペプチド);(b)腫瘍関連抗原を標的とする遺伝子組み換えキメラ抗原受容体T細胞(CART);(c)放射線療法;(d)化学療法;及び(e)ワクチン等の免疫応答を刺激又は増強する作用物質からなる群から選択される1種以上の抗癌剤を含む、方法に向けられる。
本発明は、薬剤として使用するための、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。
本発明は、MCL-1活性の阻害に使用するための、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に向けられる。
他に明記しない限り、本発明で使用する用語「抗癌剤」は、「抗腫瘍細胞増殖剤」及び「抗新生物剤」を含むものとする。
本発明は、上記に記載した疾患(好ましくは癌)を治療及び/又は予防する際に使用するための、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及びその溶媒和物に向けられる。
本発明は、上記に記載した疾患(好ましくは癌)を治療及び/又は予防するための、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に向けられる。
本発明は、本明細書に記載した疾患、好ましくは癌(例えば、多発性骨髄腫)を治療及び/又は予防するための、特に治療するための、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に向けられる。
本発明は、本明細書に記載した疾患、好ましくは癌(例えば、多発性骨髄腫)の治療及び/又は予防において使用するための、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に向けられる。
本発明は、MCL-1媒介性疾患又は状態、好ましくは癌、より好ましくは上記に記載した癌(例えば、多発性骨髄腫)を治療及び/又は予防するための、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に向けられる。
本発明は、MCL-1媒介性疾患又は状態、好ましくは癌、より好ましくは上記に記載した癌(例えば、多発性骨髄腫)の治療及び/又は予防において使用するための、特に治療において使用するための、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に向けられる。
本発明は、薬剤を製造するための、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。
本発明は、MCL-1を阻害するための薬剤を製造するための、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。
本発明は、癌、好ましくは本明細書に記載される癌を治療及び/又は予防するため、特に治療するための薬剤を製造するための、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。より詳細には、癌は、MCL-1の阻害に応答する癌(例えば、多発性骨髄腫)である。
本発明は、上述の疾患状態の何れか1つを治療及び/又は予防するための、特に治療するための薬剤を製造するための、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に向けられる。
本発明は、上述の疾患状態の何れか1つを治療及び/又は予防するための薬剤を製造するための、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に向けられる。
式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物は、上述の疾患の何れか1つを治療及び/又は予防するために、対象、好ましくはヒトに投与することができる。
式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物の有用性を考慮すると、上述の疾患の何れかに罹患している対象、好ましくはヒト等の哺乳動物を治療する方法又は対象、ヒトにおける上述の疾患の何れかの進行を緩徐化させる方法;又は対象、好ましくはヒト等の哺乳動物が上述の疾患の何れかに罹患することを予防する方法が提供される。
前記方法は、ヒト等の対象への、有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の投与、即ち全身投与又は局所投与、好ましくは経口又は静脈内投与、より好ましくは経口投与を含む。
当業者であれば、本発明の化合物の治療有効量は、十分な治療活性を有する量であることと、この量は、特に疾患のタイプ、治療製剤中の化合物の濃度及び患者の状態に応じて変動することとを認識するであろう。一実施形態では、治療有効1日量は、約0.005mg/kg~100mg/kg(体重)であり得る。
治療効果を達成するために必要とされる、本明細書において有効成分とも称される本発明による化合物の量は、個別に、例えば特定の化合物、投与経路、レシピエントの年齢及び状態並びに治療する特定の障害又は疾患に応じて変化し得る。本発明の方法は、1日に1~4回摂取する投薬計画で有効成分を投与することも含み得る。本発明のこれらの方法では、本発明による化合物は、投与前に製剤化されることが好ましい。
本発明は、本明細書で言及した障害(好ましくは本明細書に記載される癌)を治療及び/又は予防するための組成物も提供する。前記組成物は、治療有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物及び薬学的に許容される担体又は希釈剤を含む。
有効成分(例えば、本発明の化合物)は、単独で投与することが可能であるが、それを医薬組成物として投与することが好ましい。従って、本発明は、本発明による化合物を、薬学的に許容される担体又は希釈剤と一緒に含む医薬組成物を更に提供する。担体又は希釈剤は、組成物の他の成分と適合し、そのレシピエントに有害でないという意味で「許容される」ものでなければならない。
本発明の医薬組成物は、薬学の技術分野において周知の何れかの方法により、例えばGennaro et al.Remington’s Pharmaceutical Sciences(18thed.,Mack Publishing Company,1990、詳細にはPart 8:Pharmaceutical preparations and their Manufactureを参照されたい)に記載されている方法等の方法を使用して調製され得る。
本発明の化合物は、単独で又は1種以上の追加の治療薬と組み合わせて投与され得る。組み合わせ療法としては、本発明の化合物と、1種以上の追加の治療薬とを含む単一医薬製剤の投与及び本発明の化合物と、各追加治療薬とのそれぞれ個別の医薬製剤による投与が挙げられる。
従って、一実施形態では、本発明は、癌に罹患した患者の治療において同時に、個別に又は逐次的に使用するための組み合わせ製剤としての、更に第1有効成分として本発明による化合物及び更なる追加の有効成分として1種以上の抗癌剤を含む生成物に向けられる。
1種又は複数の他の抗癌剤及び本発明による化合物は、同時に(例えば、別個の組成物又は単位組成物で)又は何れかの順序で逐次的に投与され得る。一実施形態では、2種以上の化合物は、有利な効果又は相乗効果が確実に得られるのに十分な期間内、及び/又は量、及び/又は方法で投与される。好ましい投与方法及び投与順序並びに組み合わせた各成分のそれぞれの投与量及び投与計画は、投与されている個々の他の薬剤及び本発明の化合物、それらの投与経路、治療されている個々の病態、特に腫瘍並びに治療されている個々の宿主によって異なることが理解されるであろう。
以下の実施例では、本発明を更に説明する。
本発明の化合物を調製するための幾つかの方法を以下の実施例において説明する。他に特に明記しない限り、出発物質の全ては、市販業者から入手し、それ以上精製することなく使用したか、又は周知の方法を使用することによって当業者により合成され得る。
Figure 2022537393000052
Figure 2022537393000053
当業者に理解されるように、示されたプロトコルを使用して合成される化合物は、残留溶媒又は少量の不純物を含有し得る。
当業者であれば、以下の実験プロトコルにおいて明示的に言及されていない場合でも、通常、カラムクロマトグラフィー精製後、所望の画分が回収され、溶媒が蒸発されることを理解するであろう。
立体化学が示されていない場合、特に示さない限り又は文脈から明らかでない限り、これは、それが立体異性体の混合物であることを意味する。
中間体の調製
次の反応工程において粗物質又は部分精製中間体として使用した中間体について、幾つかの場合、次の反応工程においてそのような中間体についてのモル量に言及しないか、又は代わりに次の反応工程におけるそのような中間体についての推定モル量又は理論モル量を下記に記載する反応プロトコルにおいて示す。
メチル(E)-2-(2-(3-ブロモ-4-クロロフェニル)ヒドラゾノ)ブタノエート(中間体1)
Figure 2022537393000054

HCl(93mL、MeOH中で1.25M)中の(3-ブロモ-4-クロロフェニル)ヒドラジン(4.655g、18.047mmol)及びメチル2-オキソブタノエート(1.02当量)の溶液を90分間、還流させた。反応物を室温に冷却させて揮発性物質を減圧下で除去すると、褐色の油性残渣として5.768gの中間体1が得られたが、これは、数分間以内で固化した。粗物質は、次の工程でそのまま使用した。
メチル4-ブロモ-5-クロロ-3-メチル-1H-インドール-2-カルボキシレート(中間体2)
Figure 2022537393000055

酢酸(37mL)中の中間体1(5.768g、粗)の懸濁液を70℃に加熱した。硫酸(4.81mL、5当量)を10分間かけて滴加した(発熱が発生して沈殿物が形成された)。更に15分後、反応物を室温に冷却し、次いで氷を加えることで0℃にした。固形沈殿物を濾過し、濾液が中性pHとなるまで水で洗浄した。固体を低温ヘプタン/ジイソプロピルエーテル(8/2、50mL)で粉砕すると、オフホワイトの固体が得られた。この固体を分取的SFC(固定相:Chiralpak Daicel IG 20×250mm、移動相:CO、EtOH+0.4%のi-PrNH)で精製すると、中間体2(1.745g、32%)が得られた。
メチル5-クロロ-4-(3-(((4-メトキシベンジル)オキシ)メチル)-1,5-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-メチル-1H-インドール-2-カルボキシレート(中間体3)
Figure 2022537393000056

中間体2(500mg)、3-(((4-メトキシベンジル)オキシ)メチル)-1,5-ジメチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(800mg、1.3当量)、Pd(dba)(76mg、0.05当量)及びS-Phos(68mg、0.1当量)をN下の圧力管内で計量した。ジオキサン(10.5mL)及び飽和NaHCO水溶液(4.5mL)を加え、混合液を2時間にわたり100℃で加熱した。反応物を室温に冷却し、EtOAc(40mL)及び水(40mL)で希釈した。有機層を分離し、水相をEtOAc(40mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOの上方に通して乾燥させ、濾過して蒸発させた。粗混合物をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(40g、勾配:ヘプタン100%からヘプタン/EtOAc 4/6まで)により精製した。中間体3(790mg、89%)が黄色がかった油として得られ、これは、放置すると固化した。中間体3は、そのまま次の反応工程で使用した。
メチル5-クロロ-4-(3-(ヒドロキシメチル)-1,5-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-メチル-1H-インドール-2-カルボキシレート(中間体4)
Figure 2022537393000057

トリフルオロメタンスルホン酸(0.888mL、5当量)をDCM(25mL)中の中間体3(1080mg)の溶液に加えた。反応物を室温で1時間撹拌した。この反応物をDCM(100mL)で希釈し、飽和NaHCO(30mL)を用いて処理した。有機相を分離し、水相をDCM(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層をMgSOの上方に通して乾燥させ、濾過して蒸発させた。中間体4(625mg、89%)が黄色がかった固体として得られ、これをそのまま次の工程で使用した。
メチル1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)-5-クロロ-4-(3-(ヒドロキシメチル)-1,5-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-メチル-1H-インドール-2-カルボキシレート(中間体5)
Figure 2022537393000058

炭酸セシウム(732mg、1.25当量)を窒素雰囲気下でDMF(10mL)中の中間体4(625mg)の溶液に添加した。(3-ブロモプロポキシ)(tert-ブチル)ジメチルシラン(0.458mL、1.1当量)を滴加し、反応物を室温で一晩撹拌した。反応物をEtOAc(100mL)及び水(50mL)で希釈した。有機層を分離し、塩水(2×30mL)で洗浄した。合わせた水層は、EtOAc(50mL)を用いて抽出した。合わせた有機層をMgSOの上方に通して乾燥させ、濾過して蒸発させた。粗混合物をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(40g、勾配:ヘプタン100%からEtOAc 100%まで)により精製すると、白色の固体として中間体5(360mg、38%)が得られた。
メチル1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)-5-クロロ-4-(1,5-ジメチル-3-(((メチルスルホニル)オキシ)メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-メチル-1H-インドール-2-カルボキシレート(中間体6)
Figure 2022537393000059

塩化メシル(0.12mL、2.5当量)を窒素下の0℃で撹拌しながらDCM(10mL)中の中間体5(320mg)及びトリエチルアミン(0.256mL、3当量)の溶液に滴加した。反応物を次に室温に昇温させ、室温で攪拌した。追加のトリエチルアミン(3当量)及び塩化メシル(2.5当量)を添加し、室温で1時間にわたり撹拌を継続した。反応混合物をDCM(10mL)で希釈し、飽和NaHCO水溶液(5mL)で処理した。有機相を分離し、水層をDCM(10mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOの上方に通して乾燥させ、濾過して蒸発させると、中間体6(368mg、定量的)が得られ、これを次の工程でそのまま使用した。
メチル1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)-5-クロロ-4-(3-(ヨードメチル)-1,5-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-メチル-1H-インドール-2-カルボキシレート(中間体7)
Figure 2022537393000060

ヨウ化カリウム(1.021g、10当量)をアセトニトリル(5mL)中の中間体6(368mg)の溶液に加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。反応混合物をEtOAc(50mL)で希釈し、Dicalite(登録商標)に通して濾過した。濾液に水(25mL)を添加し、幾らか撹拌した後、有機層を分離した。水層をEtOAc(25mL)により逆抽出した。合わせた有機層をMgSOの上方に通して乾燥させ、濾過して蒸発させると、中間体7が得られ、これを次の工程でそのまま使用した。
メチル5-(((4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ナフタレン-2-イル)チオ)メチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボキシレート(中間体8)
Figure 2022537393000061

イミダゾール(258mg、1.4当量)をDMF(17.8mL)中のメチル5-(((4-ヒドロキシナフタレン-2-イル)チオ)メチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボキシレート(890mg)及びTBDMSCl(511mg、1.25当量)の溶液に添加した。反応物を室温で48時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(100mL)及び水(50mL)で希釈した。有機層を分離し、塩水(2×50mL)で洗浄した。合わせた水層は、EtOAc(50mL)を用いて抽出した。合わせた有機層をMgSOの上方に通して乾燥させ、濾過して蒸発させた。粗混合物をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(40g、勾配:ヘプタン100%からヘプタン/EtOAc 6/4まで)によって精製すると、中間体8(1.24g、定量的)が得られた。
5-(((4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ナフタレン-2-イル)チオ)メチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)メタノール(中間体9)
Figure 2022537393000062

DIBALH(ヘプタン中で1M、5.82mL、2.5当量)を窒素雰囲気下の0℃でTHF(40mL)中の中間体8の溶液に滴加し、反応物を0℃で30分間撹拌した。追加のDIBALH(1当量)を添加し、反応混合物を更に10分間撹拌した。反応物を湿性THF(40mL)により処理し、数分後、水(10mL、初期の滴加)で撹拌した。この混合物を室温まで昇温させ、次いでCelite(登録商標)を添加した。5分間撹拌した後、混合物を濾過し、EtOAcにより洗浄した。濾液をMgSOにより処理し、濾過して蒸発させると、無色のペーストとして粗中間体9(892mg、92%)が得られ、これを放置すると固化した。中間体9は、そのまま次の工程で使用した。
5-(((4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ナフタレン-2-イル)チオ)メチル)-3-(クロロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール(中間体10)
Figure 2022537393000063

塩化チオニル(0.187mL、1.2当量)をDCM(20mL)中の中間体9(892mg)の溶液に窒素雰囲気下の0℃で撹拌しながら滴加した。次に、反応物を室温に昇温させ、1時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、DCM(20mL)で希釈し、NaHCOの飽和水溶液(20mL)でクエンチした。有機層を分離し、水層をDCM(20mL)により抽出した。合わせた有機層をMgSOの上方に通して乾燥させ、濾過して蒸発させた。中間体10(931mg、定量的)が無色の油として得られ、これをそれ以上精製することなく使用した。
S-((5-(((4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ナフタレン-2-イル)チオ)メチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)メチル)エタンチオエート(中間体11)
Figure 2022537393000064

チオ酢酸カリウム(295mg、1.2当量)を窒素雰囲気下でDMF(10mL)中の中間体10(931mg)の溶液に添加した。反応物を室温で1時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(50mL)及び水(30mL)で希釈した。水層を分離し、有機層を塩水(2×30mL)で洗浄した。合わせた水層は、EtOAc(50mL)を用いて逆抽出した。合わせた有機層をMgSOの上方に通して乾燥させ、濾過して蒸発させた。粗混合物をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(40g、勾配:ヘプタン100%からヘプタン/EtOAc 6/4まで)によって精製すると、無色のペーストとして中間体11(900mg、2工程を経て88%)が得られた。
メチル1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)-5-クロロ-4-(3-((((5-(((4-ヒドロキシナフタレン-2-イル)チオ)メチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)メチル)チオ)メチル)-1,5-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-メチル-1H-インドール-2-カルボキシレート(中間体12)
Figure 2022537393000065

炭酸カリウム(170mg、2当量)を窒素脱気MeOH(7mL)中の中間体7(387mg、粗)及び中間体11(407mg、1.4当量)の溶液に添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。揮発性物質を減圧下で除去し、残渣をEtOAc(20mL)と水(10mL)との間で分配した。有機層を分離し、水層をEtOAc(10mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOの上方に通して乾燥させ、濾過して蒸発させた。粗混合物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(12g、勾配:ヘプタン100%からEtOAc 100%まで)により精製すると、2バッチの中間体12(290mg、不純物を含有;及び135mgが純粋)が得られた。
メチル5-クロロ-4-(3-((((5-(((4-ヒドロキシナフタレン-2-イル)チオ)メチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)メチル)チオ)メチル)-1,5-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1-(3-ヒドロキシプロピル)-3-メチル-1H-インドール-2-カルボキシレート(中間体13)
Figure 2022537393000066

TBAF(THF中で1M、0.247mL、1.5当量)を窒素雰囲気下のTHF(5mL)中の中間体12(135mg)の溶液に滴加した。反応物を室温で16時間撹拌した。揮発性物質は、減圧下で除去した。残渣をEtOAc(20mL)中に溶解させ、水(10mL)及び塩水(10mL)で洗浄し、MgSOの上方に通して乾燥させ、濾過して蒸発させた。粗混合物をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると(12g、勾配:DCM 100%からDCM/MeOH 95/5まで)、白色の泡状の固体として中間体13(96mg、収率83%)が得られた。
メチル1-クロロ-1,2,2,6-テトラメチル-1H,2H,6H-10-オキサ-4,8-ジチア-1(4,1)-インドラ-2(4,3),6(3,5)-ジピラゾラ-9(3,1)-ナフタレンアシクロトリデカファン-1-カルボキシレート
(中間体14:S又はR;1つのアトロプ異性体であるが、絶対立体化学は未確定)
(中間体15:R又はS;1つのアトロプ異性体であるが、絶対立体化学は未確定)
Figure 2022537393000067

トルエン(6mL)及びTHF(0.4mL)中の中間体13(100mg)及びジ-tert-ブチルアゾジカルボキシレート(65mg、2当量)の溶液を、シリンジポンプ(0.075mL/分)を用いてトルエン(4mL)中のトリフェニルホスフィン(75mg、2当量)の溶液に添加した。この反応混合物を室温で一晩撹拌した。揮発性物質は、減圧下で除去した。残渣をEtOAc(40mL)中に溶解させ、水(20mL)及び塩水(20mL)で洗浄した。有機層をMgSOの上方に通して乾燥させ、濾過して蒸発させた。粗生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(40g、勾配:DCM 100%からDCM/MeOH 95/5まで)により精製した。生成物は、依然として酸化トリフェニルホスフィンで汚染されていたため、アトロプ異性体を分離するために、生成物は、分取的SFC(固定相:Chiralcel Diacel OJ 20×250mm、移動相:CO、EtOH+0.4%のi-PrNH)により精製すると、中間体14(S又はRアトロプ異性体、27mg、28%)及び中間体15(R又はSアトロプ異性体、29mg、30%)が得られた。
メチル1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)-5-クロロ-4-(1,5-ジメチル-3-(((2-ニトロフェニル)スルホンアミド)メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-メチル-1H-インドール-2-カルボキシレート(中間体16)
Figure 2022537393000068

DCM(1mL)中のジ-tert-ブチルアゾジカルボキシレート(78mg、2当量)の溶液をDCM(2.5mL)中の中間体5(88mg)、2-ニトロベンゼンスルホンアミド(38mg、1.1当量)及びトリフェニルホスフィン(89mg、2当量)の懸濁液に窒素雰囲気下の室温で撹拌しながら滴加した。15分後、反応混合物をシリカゲルカラム(12g)上に直接的に装填し、生成物は、ヘプタン100%からヘプタン/EtOAc 1/1までの勾配で溶出させて精製した。中間体16(120mg、定量的)が黄色の固体として得られた。
3-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-5-(クロロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール(中間体17)
Figure 2022537393000069

塩化チオニル(270μL、1.2当量)を窒素雰囲気下の0℃で撹拌しながらDCM中の(3-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)メタノール(1.18g、3.1mmol)の溶液に滴加した。次いで、この反応物を室温に昇温させ、45分間撹拌した。この反応物を0℃に冷却し、DCM(30mL)で希釈し、飽和NaHCO水溶液(20mL)でクエンチした。有機層を分離し、水層をDCM(30mL)により抽出した。合わせた有機層をMgSOの上方に通して乾燥させ、濾過して蒸発させると、中間体17(1.17g)が無色の油として得られ、これを更に精製することなく使用した。
3-(((3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)メチル)チオ)ナフタレン-1-オール(中間体18)
Figure 2022537393000070

COをMeOH中の中間体17(820mg、2.05mmol)及び3-(アセチルチオ)ナフタレン-1-イル酢酸塩(588mg、2.26mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を真空中で濃縮した。残渣をEtOAc(40mL)及び水(25mL)中に溶解した。有機層を分離し、水(15mL)及び塩水(15mL)で洗浄した。合わせた水層は、EtOAc(30mL)で逆抽出した。合わせた有機層をMgSOの上方に通して乾燥させ、濾過して蒸発させた。この残渣をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製した(24g、勾配:ヘプタン100%からヘプタン/EtOAc 6/4まで)。収率:ピンク色の固体としての中間体18(825mg;収率74%)。
3-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-5-(((4-((4-メトキシベンジル)オキシ)ナフタレン-2-イル)チオ)メチル)-1-メチル-1H-ピラゾール(中間体19)
Figure 2022537393000071

CO(423mg、2当量)を窒素雰囲気下でDMF(8mL)中の中間体18(825mg、1.53mmol)及び4-塩化メトキシベンジル(260μL、1.25当量)の溶液に少しずつ添加した。反応物を室温で3時間撹拌した。次に、より多くの4-塩化メトキシベンジル(207μL、1当量)を添加し、室温で2時間にわたり撹拌を継続した。反応物をEtOAc(50mL)及び水(20mL)で希釈した。有機層を分離し、塩水(2×20mL)で洗浄した。合わせた水層は、EtOAc(30mL)で逆抽出した。合わせた有機層をMgSOの上方に通して乾燥させ、濾過して蒸発させた。この残渣をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(40g、勾配:ヘプタン100%からヘプタン/EtOAc 6/4まで)によって精製した。中間体19(950mg)が褐色がかったペーストとして得られ、これを更に精製せずに使用した。
5-(((4-((4-メトキシベンジル)オキシ)ナフタレン-2-イル)チオ)メチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)メタノール(中間体20)
Figure 2022537393000072

TBAF(2.16mL、1.5当量、THF中で1M)を窒素雰囲気下で無水THF中の中間体19(950mg)の溶液に滴加した。反応物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣は、EtOAc(60mL)と飽和NHCl水溶液(30mL)との間に分配した。有機層を分離し、水層は、EtOAc(30mL)を用いて抽出した。合わせた有機層をMgSOの上方に通して乾燥させ、濾過して蒸発させた。残渣は、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(40g、ヘプタン100%からEtOAc 100%までの勾配)によって精製した。シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(120g、勾配:DCM 100%からDCM/MeOH 96/4まで)により第2回精製を実施すると、白色の固体として中間体20(362mg、60%)が得られた。
メチル1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)-5-クロロ-4-(3-(((N-((5-(((4-((4-メトキシベンジル)オキシ)ナフタレン-2-イル)チオ)メチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)メチル)-2-ニトロフェニル)スルホンアミド)メチル)-1,5-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-メチル-1H-インドール-2-カルボキシレート(中間体21)
Figure 2022537393000073

DCM(2mL)中のジ-tert-ブチルアゾジカルボキシレート(81mg、1.5当量)の溶液を15分間かけて室温の窒素雰囲気下で撹拌しながらDCM(2mL)中の中間体16(165mg)、中間体20(108mg、1.1当量)及びトリフェニルホスフィン(92mg、1.5当量)の懸濁液に滴加した。15分後、追加のDCM(0.5mL)中のトリフェニルホスフィン(18mg、0.3当量)及びジ-tert-ブチルアゾジカルボキシレート(16mg、0.3当量)を滴加した。溶媒を蒸発させ、この残渣をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製すると(40g、勾配:ヘプタン100%からヘプタン/EtOAc 2/8まで)、中間体21が得られた。他のバッチと組み合わせた後、計480mgの中間体21が得られ、これを次の反応工程においてそのまま使用した。
メチル5-クロロ-1-(3-ヒドロキシプロピル)-4-(3-(((N-((5-(((4-((4-メトキシベンジル)オキシ)ナフタレン-2-イル)チオ)メチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)メチル)-2-ニトロフェニル)スルホンアミド)メチル)-1,5-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-メチル-1H-インドール-2-カルボキシレート(中間体22)
Figure 2022537393000074

TBAF(452μL、1.1当量、THF中で1M)を室温の窒素雰囲気下で無水THF中の中間体21(455mg)の溶液に滴加した。15分間にわたり撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をEtOAc(50mL)中に溶解させ、水(25mL)及び塩水(25mL)で洗浄した。有機層をMgSOの上方に通して乾燥させ、濾過して蒸発させた。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(24g、勾配:DCM 100%からDCM/MeOH 95/5まで)により精製すると、泡状の固体として中間体22(418mg、定量的)が得られた。
メチル5-クロロ-4-(3-(((N-((5-(((4-ヒドロキシナフタレン-2-イル)チオ)メチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)メチル)-2-ニトロフェニル)スルホンアミド)メチル)-1,5-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1-(3-ヒドロキシプロピル)-3-メチル-1H-インドール-2-カルボキシレート(中間体23)
Figure 2022537393000075

トリフルオロメタンスルホン酸(156μL、5当量)をアニソール(10mL)中の中間体22(350mg)の溶液に滴加し、0℃で撹拌した。反応物を0℃で15分間撹拌した。反応混合物をDCM(30mL)で希釈し、飽和NaHCO水溶液(20mL)で処理した。有機相を分離し、水層をDCM(10mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOの上方に通して乾燥させ、濾過して蒸発させた。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(40g、勾配:DCM 100%からDCM/MeOH 95:5まで)により精製すると、泡状の白色の固体としての中間体23(175mg)が得られた。
メチル15-クロロ-13,21,25,61-テトラメチル-4-((2-ニトロフェニル)スルホニル)-11H,21H,61H-10-オキサ-8-チア-4-アザ-1(4,1)-インドラ-2(4,3),6(3,5)-ジピラゾラ-9(3,1)-ナフタレンアシクロトリデカファン-12-カルボキシレート(中間体24)
Figure 2022537393000076

トルエン(6mL)及びTHF(0.6mL)中の中間体23及びジ-tert-ブチルアゾジカルボキシレート(185mg、4当量)の溶液を、シリンジポンプ(0.1mL/分)を用いてトルエン(6mL)中のトリフェニルホスフィン(210mg、4当量)の溶液に70℃で撹拌しながら添加した。添加が完了したら、反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(40g、勾配:DCM 100%からDCM/MeOH 98/2まで)によって精製すると、中間体24(95mg、55%)が得られた。
メチル15-クロロ-13,21,25,61-テトラメチル-11H,21H,61H-10-オキサ-8-チア-4-アザ-1(4,1)-インドラ-2(4,3),6(3,5)-ジピラゾラ-9(3,1)-ナフタレンアシクロトリデカファン-12-カルボキシレート(中間体25)
Figure 2022537393000077

チオフェノール(57μL、5当量)を窒素雰囲気下でアセトニトリル中の中間体24及びKCO(77mg、5当量)の懸濁液に滴加した。反応物を室温で一晩撹拌した。更にチオフェノール(57μL、5当量)及びKCO(77mg、5当量)を反応混合物に添加し、これを室温で30分間撹拌した。追加のチオフェノール(28μL、2.5当量)及びKCO(39mg、2.5当量)を添加し、この反応混合物を室温で30分間撹拌した。反応混合物をDCM(20mL)で希釈し、Celite(登録商標)を加えた。混合物をCelite(登録商標)の上方に通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(24g、勾配:DCM 100%からDCM/MeOH 90/10まで)により精製すると、中間体25(48g、64%)が得られた。
メチル15-クロロ-13,21,25,61,4-ペンタメチル-11H,21H,61H-10-オキサ-8-チア-4-アザ-1(4,1)-インドラ-2(4,3),6(3,5)-ジピラゾラ-9(3,1)-ナフタレンアシクロトリデカファン-12-カルボキシレート
Figure 2022537393000078

ホルムアルデヒド(16μL、3当量、水中で37%)を室温でDCM(0.7mL)中の中間体25(48mg)及び酢酸(12μL、3当量)の溶液に添加した。次いで、トリアセトキシホウ化水素ナトリウム(45mg、3当量)を添加し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。この反応物を飽和NaHCO水溶液(2.5、mL)でクエンチし、水、(2.5、mL)及びDCM(10、mL)で希釈した。有機相を分離し、水層をDCM(2×10mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOの上方に通して乾燥させ、濾過して蒸発させた。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(24g、勾配:DCM 100%からDCM/MeOH 93/7まで)により精製すると、白色の固体(30mg、収率61%)として中間体26(アトロプ異性体の混合物)が得られた。
別のバッチの中間体26を同じ方法で調製し、引き続いて分取的SFC(固定相:Chiralpak Daicel IG 20×250mm、移動相:CO、iPrOH+0.4%のi-PrNH)によってそのアトロプ異性体に分離すると、中間体27(R又はSアトロプ異性体)及び中間体28(S又はRアトロプ異性体)が得られた。
中間体29
Figure 2022537393000079

3-(ヒドロキシメチル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸エチルエステル[847139-28-0](5.2g、20.45mmol)を窒素雰囲気下の無水DMF(60mL)中に溶解させた。イミダゾール(2.088g、1.5当量)及びDMAP(0.25g、0.1当量)を添加した。TBDPSCl(6.91mL、1.3当量)を緩徐に添加し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物をEtOAc(250mL)及び水(200mL)で希釈した。有機層を分離し、塩水(3×100mL)で洗浄した。合わせた水層は、EtOAc(150mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOの上方に通して乾燥させ、濾過して蒸発させた。粗生成物をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(120g、勾配:ヘプタン100%からヘプタン/EtOAc 8/2)によって精製すると、無色のペーストとして中間体29(11.56g、収率:97%)が得られた。
中間体30
Figure 2022537393000080

LiAlH(THF中で2M、10.97mL、1.1当量)を窒素雰囲気下の0℃で撹拌しながらTHF(80mL)中の中間体29(9.826g、19.94mmol)の溶液に滴加した。15分後、反応混合物を湿性THF(25mL)、次に水(5mL、滴加した)により処理し、次に室温に昇温させた。Celite、次にMgSO及びEtOAcを添加した。5分間撹拌した後、懸濁液を濾過し、EtOAcにより洗浄した。濾液を減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(120g、勾配:ヘプタン100%からヘプタン/EtOAc 1/1)によって精製すると、無色のペーストとして中間体30(8.54g、収率:95%)が得られた。
中間体31
Figure 2022537393000081

MsCl(1.84mL、1.25当量)を0℃の窒素雰囲気下で撹拌しながらTHF(85mL)中の中間体30(8.54g、18.95mmol)及びEtN(3.95mL、1.5当量)の溶液に滴加した。反応混合物を次に室温に昇温させ、室温で1時間攪拌した。DMF(85mL)中のKSAcの溶液(3.246g、1.5当量)を添加し、室温で3時間攪拌し続けた。反応混合物をEtOAc(250mL)及び水(200mL)で希釈した。水層を分離し、有機層を塩水(3×150mL)で洗浄した。合わせた水層は、EtOAc(200mL)を用いて逆抽出した。合わせた有機層をMgSOの上方に通して乾燥させ、濾過して蒸発させた。粗生成物をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(120g、勾配:ヘプタン100%~ヘプタン/EtOAc 8/2)によって精製すると、黄色のペーストとして中間体31(8.78g、91%)が得られた。
中間体32
Figure 2022537393000082

無水MeOH(86mL)中の中間体7(5.34g、1.2当量)及び中間体31(3.593g、7.06mmol)の溶液を丸底フラスコ内に配置した。この溶液を脱気させ、窒素を3回、再充填した。次いで、反応混合物を0℃に冷却し、KCO(1.952g、2当量)を添加した。生じた混合物を脱気させ、窒素を2回再充填し、次いで室温に昇温させ、窒素流下で3時間撹拌した。この反応混合物を真空中で濃縮した。EtOAc及び水を生じた残渣に添加した。層を分離し、水層をEtOAcにより2回抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、MgSOの上方に通して乾燥させ、濾過して蒸発させると、橙色の粘着性の泡として中間体32(7.47g、98%)が得られ、これをそれ以上精製せずに使用した。
中間体33
Figure 2022537393000083

TBAF(THF中で1M、11.1mL、1.6当量)を窒素雰囲気下の無水THF(130mL)中の中間体32(7.47g、6.94mmol)の撹拌溶液に添加した。反応混合物を室温で2.5時間撹拌し、その後、追加のTBAF(THF中で1M、8mL、1.15当量)を添加した。1時間攪拌した後、溶媒を蒸発させた。残渣をEtOAc中に溶解させ、水、その後、塩水で洗浄し、MgSOの上方に通して乾燥させ、濾過して蒸発させた。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、DCM中のMeOH 0/100~5/95)により精製すると、淡黄色の固体として中間体33(3.51g、収率:82%)が得られた。
中間体34
Figure 2022537393000084

DIPEA(282μL、4当量)、次にMsO(283mg、4当量)をTHF(14mL)中の中間体33(250mg、0.406mmol)の溶液に添加し、0℃に冷却した。添加が完了したら、反応混合物を室温で1時間撹拌した。次いで反応混合物を0℃に冷却し、その後、NaI(304mg、5当量)を添加した。30分後、反応物を室温に昇温させ、この温度で4時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(30mL)で希釈し、飽和含水チオ硫酸ナトリウム(25mL)、飽和NHCl(25mL)及び塩水(25mL)を用いて洗浄し、MgSOの上方に通して乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮すると(浴温度:分解を防止するために30℃)、無色の油として中間体34(380mg、収率66%)が得られ、それ以上精製せずに使用した。
中間体35
Figure 2022537393000085

中間体34(380mg、0.378mmol)をMeOH(17mL)及びTHF(5mL)の混合物に溶解させた。反応混合物を脱気させ、窒素を2回、再充填した。エタンチオール酸、S-[4-(アセチルオキシ)-2-ナフタレニル]エステル[2143010-96-0](98mg、1当量)及びPPh(10mg、0.1当量)をこの混合物に加え、脱気させ、窒素を2回、再充填した。全部の試薬が溶液中に含まれたら、混合物を0℃に冷却し、その後、KCO(130mg、2.5当量)を添加した。次に、反応混合物を脱気させ、窒素を2回、再充填した。反応混合物を0℃で1時間にわたり攪拌した。この反応混合物をDCM(30mL)及び水(20mL)で希釈した。層を分離し、水層をDCM(30mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和NHCl水溶液(20mL)で洗浄し、MgSOの上方に通して乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:EtOAc - 3:1~1:3)により精製すると、黄色の泡として中間体35(160mg、収率:44%)が得られた。
中間体36
Figure 2022537393000086

中間体35(156mg、0.164mmol)をACN(3mL)中に溶解させた。生じた溶液を、シリンジポンプ(0.02mL/分)を介してACN(3mL)中のKCO(45mg、2当量)の溶液に82℃で添加した。この添加が完了した後、反応混合物を減圧下で濃縮すると、黄色の油が得られた。この油をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:EtOAc - 1:0~1:1)によって精製すると、中間体36(107mg、収率:82%)が透明な油として得られ、これを放置すると固化した。
中間体37及び中間体38
Figure 2022537393000087

MeOH中のHCl(1.25M、5mL、50当量)をTHF(5mL)中の中間体36(100mg、0.126mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮すると、白色の固体が得られた。白色の固体を分取的SFC(固定相:Chiralpak Diacel AD 20×250mm、移動相:CO、EtOH+0.4%のi-PrNH)により精製すると、透明な油として中間体37(35mg、収率:39%)及び中間体38(34mg、収率:38%)が得られ、これを放置すると固化した。
中間体39
Figure 2022537393000088

ACN(300mL)中の中間体2(37.4g、123.6mmol)、(3-ブロモプロポキシ)-tert-ブチルジメチルシラン[89031-84-5](37.56g、1.2当量)及びKCO(51.25g、3当量)の混合物を80℃で一晩撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、濾過した。濾過ケーキをEtOAc(100mL)で洗浄した。濾液を濃縮し、残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/EtOAc 100/0~10/90)により精製すると、赤色のガムとして中間体39(42g、71%)が得られた。
中間体40
Figure 2022537393000089

アセトン(37μL、4当量)及びAcOH(14μL、2当量)を密閉管中のDCE(2mL)中の中間体25(83mg、0.124mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で20分間撹拌した。NaBH(OAc)(53mg、2当量)を添加し、反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物をDCMで希釈し、NaCOの飽和水溶液で洗浄した。有機層をMgSOの上方に通して乾燥させ、濾過して蒸発させると、油として中間体40(61mg、収率:69%)が得られた。
中間体41及び中間体42
Figure 2022537393000090

窒素雰囲気下において、ヨードエタン(40μL、2.51当量)を密閉管中のDMF(3mL)中の中間体38(140mg、0.197mmol)及びCsCO(193.3mg、3当量)の懸濁液に添加した。この反応混合物を室温で4.5時間にわたり撹拌した。水(10mL)を添加し、混合物をEtOAc(20mL)で抽出した。層を分離し、水層を更にEtOAc(10mL)で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、MgSOの上方に通して乾燥させ、濾過して蒸発させた。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH - 100/0~95/5)で精製した。得られた混合物を分取的SFC(固定相:Chiralcel Diacel OJ 20×250mm、移動相:CO、EtOH+0.4%のi-PrNH)により精製すると、中間体41(49.1mg、収率35%)及び中間体42(62mg、収率45%)が得られた。
中間体43及び中間体44
Figure 2022537393000091

窒素雰囲気下において、2-ブロモプロパン(67μL、2.63当量)を密閉管中のDMF(4.4mL)中の中間体38(200mg、0.28mmol)及びCsCO(278.7mg、3当量)の懸濁液に添加した。この反応混合物を16時間にわたり室温で撹拌した。水(15mL)を添加し、混合物をEtOAc(30mL)で抽出した。層を分離し、水層を更にEtOAc(15mL)で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、MgSOの上方に通して乾燥させ、濾過して蒸発させた。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH - 100/0~95/5)によって精製すると、何れも無色の油として中間体43(93mg、収率:46%)及び中間体44(116mg、収率:58%)が得られた。
中間体45
Figure 2022537393000092

水素化ホウ素リチウム(32.2g、4当量)を0℃で2-Me-THF(1L)中の1H-ピラゾール-3-カルボン酸、4-ブロモ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-、エチルエステル[2246368-58-9](130g、369.7mmol)の溶液に緩徐に添加した。反応混合物を室温まで昇温させ、室温で一晩撹拌し続けた。反応物は、水(800mL)の添加によりクエンチした。混合物をEtOAc(800mL×2)で抽出した。合わせた有機層を塩水(500mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過して蒸発させると、白色の固体として中間体45(105mg、収率:94%)が得られた。
中間体46
Figure 2022537393000093

DMAP(16.28g、0.4当量)及びEtN(92.38mL、2当量)をTHF(1L)中の中間体45(100g、333.2mmol)の溶液に添加した。TBDMSCl(75.3g、1.5当量)を室温で添加し、反応混合物を16時間撹拌した。反応物を飽和NaHCO水溶液(800mL)の添加によりクエンチし、混合物をEtOAc(1L×2)で抽出した。合わせた有機層を塩水(800mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過して蒸発させた。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc、100/0~30/70)により精製すると、無色の油として中間体46(130g、収率:94%)が得られた。
中間体47
Figure 2022537393000094

BuLi(104.55mL、1当量)を-78℃の窒素雰囲気下でTHF(1L)中の中間体46(108g、261.4mmol)の溶液に緩徐に添加し、反応混合物を-78℃で1時間撹拌した。次に、2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(97.2g、2当量)を緩徐に加え、反応混合物を室温で2時間にわたり撹拌した。反応物をクエンチするために飽和NHCl水溶液(800mL)を緩徐に添加した。混合物をEtOAc(1L×2)で抽出した。合わせた有機層を塩水(800mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過して蒸発させると、黄色の油として中間体47(140g、推定定量的)が得られた。
中間体48
Figure 2022537393000095

TBAF(THF中で1M、192.4mL、1.2当量)をDCM(700mL)中の中間体47(70g、160mmol)の溶液に室温の窒素雰囲気下で滴加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を飽和NaHCOの撹拌水溶液(500mL)に加え、この混合物をEtOAc(700mL×2)で抽出した。合わせた有機層を塩水(500mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過して蒸発させた。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより精製すると(石油エーテル/EtOAc、100/0~50/50)、白色の固体として中間体48(35g、収率:62%)が得られた。
中間体49
Figure 2022537393000096

CO(6.9g、2当量)を水(40mL)及びジオキサン(200mL)中の中間体39(12g、24.9mmol)及び中間体48(9.6g、1.2当量)の溶液に添加した。Pd(amphos)Cl[887919-35-9](0.8g、0.05当量)を窒素雰囲気下で添加し、反応混合物を60℃で2時間撹拌した。この混合物に水(40mL)を加え、EtOAc(60mL×2)で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過して蒸発させた。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc、100/0~60/40)により精製すると、黄色の固体として中間体49(15g、収率:99%)が得られた。
中間体50
Figure 2022537393000097

中間体49(23g、37.8mmol)及び2-ニトロベンゼンスルホンアミド(11.48g、1.5当量)の溶液を窒素雰囲気下のDCM(150mL)中で調製し、0℃に冷却した。この溶液にDTBAD(13.1g、1.5当量)及びPPh(14.9g、1.5当量)を添加した。この反応混合物を室温で3時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc 100/0~50/50)によって精製すると、黄色の液体として中間体50(24.6g、収率:83%)が得られた。
中間体51
Figure 2022537393000098

イミダゾール(6.64g、3当量)をDCM(75mL)中の5-[[(4-ヒドロキシ-2-ナフタレニル)チオ]メチル]-1-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸メチルエステル[2245716-34-9](11g、32.5mmol)及びTBDMSCl(9.8g、2当量)の溶液に添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。飽和NHCl水溶液(20mL)の添加により反応物をクエンチし、混合物をDCM(30mL×2)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過して蒸発させた。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc、100/0~30/70)により精製すると、白色の固体として中間体51(14g、収率:97%)が得られた。
中間体52
Figure 2022537393000099

DIBAL-H(トルエン中で1M溶液、28.5mL、1.8当量)をTHF(100mL)中の中間体51(7g、15.8mmol)の溶液に緩徐に添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応物は、0℃で水(10mL)の添加によりクエンチし、その後、10%のNaOH水溶液(10mL)を添加した。MgSO(30g)を添加し、混合物を室温で15分間撹拌した。固体を濾過し、EtOAc(100mL)で洗浄した。濾液は、蒸発させた。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc、100/0~20/80)により精製すると、白色の固体として中間体52(5.8g、収率:88%)が得られた。
中間体53
Figure 2022537393000100

DCM(250mL)中の中間体50(24.6g、31.5mmol)及び中間体52(15.6g、1.2当量)を窒素雰囲気下で調製し、0℃に冷却した。次に、DTBAD(10.8g、1.5当量)及びPPh(12.4g、1.5当量)を添加し、この反応混合物を室温で16時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc100/0~60/40)によって精製すると、黄色の液体として中間体53(32g、収率:76%)が得られた。
中間体54
Figure 2022537393000101

TBAF(THE中で1M、27.1mL、3当量)をTHF(80mL)中の中間体53(12g、9mmol)の溶液に添加した。この反応混合物を16時間にわたり室温で撹拌した。EtOAc(100mL)を添加し、混合物を水(50mL×2)で洗浄した。有機層を塩水(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過して蒸発させた。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc、100/0~0/100)により精製すると、黄色の液体として中間体54(11.7g、収率:87%)が得られた。
中間体55
Figure 2022537393000102

DTBAD(0.9g、3当量)を0℃の窒素雰囲気下でDCM(80mL)中の中間体54(2g、1.35mmol)及びPPh(1g、3当量)の溶液に添加した。この反応混合物を室温で16時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc 100/0~20/80)によって精製すると、黄色の液体として中間体55(2g、収率:66%)が得られた。
中間体56
Figure 2022537393000103

チオフェノール(10g、6.7当量)をACN(150mL)中の中間体55(20.7g、13.6mmol)及びKCO(5.6g、3当量)の溶液に添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌した。更にチオフェノール(6.5g、4.4当量)を加え、反応混合物を室温で更に48時間撹拌した。水(40mL)を添加し、混合物をEtOAc(80×2mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過して蒸発させた。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH、100/0~90/10)により精製すると、白色の固体として中間体56(5.4g、収率:44%)が得られた。
中間体57
Figure 2022537393000104

NaBHCN(100mg、3当量)をMeOH(8mL)中の中間体56(470mg、0.528mmol)及びパラホルムアルデヒド(238mg、5当量)の溶液に添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。水(20mL)の添加により反応物をクエンチし、混合物をEtOAc(20mL×2)で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過して蒸発させた。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH、100/0~DCM/MeOH 90/10)により精製すると、黄色の固体として中間体57(400mg、収率:80%)が得られた。
中間体58及び中間体59
Figure 2022537393000105

HCl(ジオキサン中で4M、935μL、10当量)をジオキサン(3mL)中の中間体57(350mg、0.374mmol)の溶液に添加した。この反応混合物を3時間にわたり室温で撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をSFC(カラム:Daicel Chiralpak AD(250mm×30mm、10μm);移動相:A:CO、B:(0.1%のNH.HO)iPrOH、A:B=60:40)によって精製すると、中間体58(85mg、収率:34%)及び中間体59(80mg、収率:32%)が得られた。
中間体60
Figure 2022537393000106

MsO(2.775g、2当量)を0℃でTHF(80mL)中の中間体49(4.8g、7.966mmol)及びDIPEA(3g、3当量)の溶液に緩徐に添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌した。LiI(3.2g、3当量)を次に0℃で反応混合物に添加し、室温で24時間撹拌を継続した。反応物を水(40mL)の添加によってクエンチし、混合物をDCM(80mL×2)で抽出した。合わせた有機層を蒸発させると、中間体60(5.7g、収率:73%)が得られ、それ以上精製せずに使用した。
中間体61
Figure 2022537393000107

CO(2.435g、3当量)及びPPh(154mg、0.1当量)をMeOH(100mL)中の中間体60(5.7g、5.873mmol)及びエタンチオール酸、S-[[5-[[[4-(アセチルオキシ)-2-ナフタレニル]チオ]メチル]-1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル]メチル]エステル[2245716-36-1](3.835g、1.5当量)の溶液に添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を水(40mL)及びEtOAcの間に分配した。層を分離し、水層をEtOAc(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過して蒸発させると、中間体61(8g、収率:63%)が得られ、それ以上精製せずに使用した。
中間体62
Figure 2022537393000108

TBAF(THF中で1M、11.2mL、3当量)をTHF(50mL)中の中間体61(8g、純度41%、3.731mmol)の溶液に添加し、反応混合物を室温で16時間撹拌した。混合物にEtOAc(60mL)を添加し、溶液を水(40mL×2)及び塩水(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過して蒸発させた。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc 100/0~0/100)によって精製した。単離生成物を分取的HPLC(カラム:YMC-Triart Prep C18 150×40mm×7μm、勾配:水(0.04%のNH.HO+10mMのNH.HCO)/ACN 40/60~30/70)によって再度精製すると、白色の固体として中間体62(2.5g、収率:84%)が得られた。
中間体63
Figure 2022537393000109

DIBAD(2.42g、3当量)を0℃の窒素雰囲気下でDCM(150mL)中の中間体62(2.5g、3.196mmol)及びPBu(2.37mL、3当量)の溶液に添加した。この反応混合物を室温で16時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc 100/0~30/70)によって精製すると、白色の固体として中間体63(2.4g、収率:79%)が得られた。
中間体64及び中間体65
Figure 2022537393000110

HCl(ジオキサン中で4M、6.33mL、10当量)をジオキサン(30mL)中の中間体63(2.4g、2.534mmol)の溶液に添加し、反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物は、飽和NaHCO水溶液を徐々に添加することによってpH8に調整し、次にDCM(30mL×2)で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過して蒸発させた。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc、100/0~0/100)により精製すると、中間体64及び中間体65のラセミ混合物が得られた。この混合物をSFC(カラム:Daicel Chiralpak AD(250mm×30mm、10μm);移動相:A:CO、B:EtOH中の0.1%のNH.HO、A:B=55:45)によって1.8gまでそのアトロプ異性体に分離すると、中間体64(630mg、収率:48%)及び中間体65(620mg、収率:47%)が得られた。
化合物の調製
-クロロ-1,2,2,6-テトラメチル-1H,2H,6H-10-オキサ-4,8-ジチア-1(4,1)-インドラ-2(4,3),6(3,5)-ジピラゾラ-9(3,1)-ナフタレンアシクロトリデカファン-1-カルボン酸、S又はRアトロプ異性体(1つのアトロプ異性体であるが、絶対立体化学は未確定)(化合物1)
Figure 2022537393000111

又はRアトロプ異性体(1つのアトロプ異性体であるが、絶対立体化学は未確定)
水(0.6mL)中の水酸化リチウム(15mg、10当量)の溶液をTHF(1.8mL)/MeOH(1.8mL)中の中間体14(42mg)の溶液に添加した。反応混合物を60℃で2時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、HCl(1mL、水中で1M)を加え、揮発性物質を真空中で除去した。残渣を分取的HPLC(固定相:RP XBridge Prep C18 OBD-10μm、30×150mm、移動相:0.25%のNHHCO水溶液、CHCN)により精製した。次に、生成物をDIPE中で粉砕し、濾過し、60℃の真空中で乾燥させると、化合物1(30mg、73%)が得られた。
LC-MS m/z 672[M+H]+(LCMS法コード2)
H NMR(400MHz,DMSO-d,27°C)δ ppm 1.90(s,3H)1.98(s,3H)2.30-2.43(m,2H)2.91(d,J=14.0Hz,1H)3.10(d,J=14.0Hz,1H)3.15(d,J=13.2Hz,1H)3.25-3.28(m,1H)3.68(s,3H)3.74(s,3H)3.79-3.99(m,2H)4.18(d,J=15.5Hz,1H)4.30(d,J=15.5Hz,1H)4.51-4.63(m,1H)4.89(s,1H)5.00-5.10(m,1H)6.64(s,1H)7.19(d,J=8.9Hz,1H)7.38(s,1H)7.43-7.53(m,2H)7.66(d,J=9.0Hz,1H)7.69-7.75(m,1H)8.10-8.17(m,1H).
-クロロ-1,2,2,6-テトラメチル-1H,2H,6H-10-オキサ-4,8-ジチア-1(4,1)-インドラ-2(4,3),6(3,5)-ジピラゾラ-9(3,1)-ナフタレンアシクロトリデカファン-1-カルボン酸、R又はSアトロプ異性体(1つのアトロプ異性体であるが、絶対立体化学は未確定)(化合物2)
Figure 2022537393000112

又はSアトロプ異性体(1つのアトロプ異性体であるが、絶対立体化学は未確定)
水(0.6mL)中の水酸化リチウム(15mg、10当量)の溶液をTHF(1.8mL)/MeOH(1.8mL)中の中間体15(43mg)の溶液に添加した。反応混合物を60℃で2時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、HCl(1mL、水中で1M)を加え、揮発性物質を真空中で除去した。残渣を分取的HPLC(固定相:RP XBridge Prep C18 OBD-10μm、30×150mm、移動相:0.25%のNHHCO水溶液、CHCN)により精製した。次に、生成物をDIPE中で粉砕し、濾過し、60℃の真空中で乾燥させると、化合物2(30mg、71%)が得られた。
LC-MS m/z 672[M+H]+(LCMS法コード2)
H NMR(400MHz,DMSO-d,27°C)δ ppm 1.90(s,3H)1.98(s,3H)2.30-2.42(m,2H)2.91(d,J=14.0Hz,1H)3.10(d,J=14.0Hz,1H)3.15(d,J=13.2Hz,1H)3.25-3.28(m,1H)3.68(s,3H)3.74(s,3H)3.81-3.97(m,2H)4.17(d,J=15.5Hz,1H)4.30(d,J=15.5Hz,1H)4.51-4.63(m,1H)4.89(s,1H)5.00-5.10(m,1H)6.64(s,1H)7.19(d,J=8.9Hz,1H)7.38(s,1H)7.43-7.53(m,2H)7.66(d,J=9.0Hz,1H)7.69-7.75(m,1H)8.09-8.17(m,1H).
15-クロロ-13,21,25,61,4-ペンタメチル-11H,21H,61H-10-オキサ-8-チア-4-アザ-1(4,1)-インドラ-2(4,3),6(3,5)-ジピラゾラ-9(3,1)-ナフタレンアシクロトリデカファン-12-カルボン酸
(S及びRアトロプ異性体の混合物)(化合物3)
Figure 2022537393000113

水(1mL)中の水酸化リチウム(21mg、20当量)の溶液をTHF(2.5mL)及びMeOH(2.5mL)中の中間体26(30mg)の溶液に添加した。混合物を60℃で4時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、この溶液を分取的HPLC(固定相:RP XBridge Prep C18 OBD-5μm、50×250mm、移動相:0.25%のNHHCO水溶液、CHCN)により精製すると、白色の固体として化合物3(22mg、75%)が得られた(S及びRアトロプ異性体の混合物)。
LC-MS m/z 669[M+H]+(LCMS法コード1)
H NMR(400MHz,DMSO-d,27°C)δ ppm 1.76(s,3H),1.90(s,3H),1.98(s,3H),2.35-2.48(m,2H),2.74(d,J=12.2Hz,1H),2.77(d,J=13.3Hz,1H),3.04(d,J=13.3Hz,1H),3.30(d,J=12.2Hz,1H),3.75(s,3H),3.76(s,3H),3.77-3.83(m,1H),4.23-4.39(m,3H),4.43-4.54(m,1H),4.70(s,1H),5.05-5.14(m,1H),6.86(d,J=1.1Hz,1H),7.29(s,1H),7.34(d,J=9.0Hz,1H),7.38-7.48(m,2H),7.64-7.69(m,1H),7.78(d,J=9.0Hz,1H),7.99-8.05(m,1H).
15-クロロ-13,21,25,61-テトラメチル-11H,21H,61H-10-オキサ-8-チア-4-アザ-1(4,1)-インドラ-2(4,3),6(3,5)-ジピラゾラ-9(3,1)-ナフタレンアシクロトリデカファン-12-カルボン酸(S及びRアトロプ異性体の混合物)(化合物4)
Figure 2022537393000114

水(0.5mL)中の水酸化リチウム(12mg、15当量)の溶液をTHF(0.8mL)及びMeOH(0.8mL)中の中間体25(22mg)の溶液に添加した。混合物を60℃で4時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、この溶液を分取的HPLC(固定相:RP XBridge Prep C18 OBD-5μm、50×250mm、移動相:0.25%のNHHCO水溶液、CHCN)により精製すると、白色の固体として化合物4(17mg、79%)が得られた(S及びRアトロプ異性体の混合物)。
LC-MS m/z 655[M+H]+(LCMS法コード2)
H NMR(400MHz,DMSO-d6,27°C)δ ppm 1.92(s,3H),1.93(s,3H),2.35-2.44(m,2H),3.22-3.30(m,2H),3.33(d,J=13.0Hz,1H),3.39(d,J=13.0Hz,1H),3.74(s,3H),3.77(s,3H),3.82-3.92(m,1H),3.93-4.04(m,1H),4.26(d,J=15.7Hz,1H),4.43(d,J=15.7Hz,1H),4.47-4.56(m,1H),5.03(s,1H),5.07-5.17(m,1H),6.79(d,J=0.8Hz,1H),7.23(d,J=8.9Hz,1H),7.32(br s,1H),7.38-7.49(m,2H),7.65-7.71(m,2H),8.03-8.08(m,1H).
化合物5
Figure 2022537393000115

又はSアトロプ異性体(1つのアトロプ異性体であるが、絶対立体化学は未確定)
化合物5は、中間体26の代わりに中間体27から出発して、化合物3と類似の手順に従って調製した。
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 1.76(s,3H),1.88(s,3H),1.97(s,3H),2.36-2.46(m,2H),2.70(d,J=12.2Hz,1H),2.75(d,J=13.3Hz,1H),3.04(d,J=13.3Hz,1H),3.32(d,J=12.2Hz,1H),3.72-3.80(m,7H),4.25-4.34(m,2H),4.37(d,J=15.5Hz,1H),4.41-4.52(m,1H),4.64(s,1H),5.04-5.13(m,1H),6.86(d,J=1.6Hz,1H),7.28(s,1H),7.34(d,J=9.0Hz,1H),7.37-7.42(m,1H),7.42-7.47(m,1H),7.63-7.68(m,1H),7.79(d,J=9.0Hz,1H),7.98-8.03(m,1H)
化合物6
Figure 2022537393000116

又はRアトロプ異性体(1つのアトロプ異性体であるが、絶対立体化学は未確定)
化合物6は、中間体27の代わりに中間体28から出発して、化合物5と類似の手順に従って調製した。
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 1.76(s,3H),1.88(s,3H),1.96(s,3H),2.35-2.46(m,2H),2.70(d,J=12.3Hz,1H),2.75(d,J=13.3Hz,1H),3.04(d,J=13.3Hz,1H),3.32(d,J=12.2Hz,1H),3.71-3.80(m,7H),4.25-4.34(m,2H),4.37(d,J=15.5Hz,1H),4.41-4.51(m,1H),4.64(s,1H),5.09(dt,J=14.6,4.5Hz,1H),6.86(d,J=1.6Hz,1H),7.28(s,1H),7.34(d,J=8.9Hz,1H),7.37-7.42(m,1H),7.42-7.47(m,1H),7.64-7.68(m,1H),7.79(d,J=9.0Hz,1H),7.98-8.03(m,1H)
化合物7
Figure 2022537393000117

又はRアトロプ異性体(1つのアトロプ異性体であるが、絶対立体化学は未確定)
LiOH(14mg、15当量)をMeOH(1mL)、THF(1mL)及び水(0.5mL)の混合物中の中間体37(27mg、0.04mmol)の溶液に添加した。生じた反応混合物を60℃で4時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮すると、白色の固体が得られた。固体を水(5mL)中に溶解させ、1MのHCl水溶液によりpH4~5に酸性化すると、酸性化後に形成する白色の沈殿物が得られた。水層をDCM(3×20mL)で抽出した。合わせた有機相をMgSOの上方に通して乾燥させ、減圧下で濃縮すると白色の固体が得られた。この粗生成物は、シリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH - 1:0~9:1)によって精製すると、白色の固体が得られ、これをDIPEで粉砕して濾過すると、白色の固体として化合物7(24mg、収率:86%)が得られた。
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 1.90(s,3H),1.99(s,3H),2.31-2.42(m,2H),3.02(d,J=14.3Hz,1H),3.20(br dd,J=13.9,3.7Hz,2H),3.75(s,3H),3.79-3.93(m,3H),4.05-4.16(m,2H),4.57(ddd,J=14.1,9.1,4.6Hz,1H),4.90(s,1H),4.97-5.08(m,1H),6.66(d,J=1.6Hz,1H),7.11(d,J=8.9Hz,1H),7.38(s,1H),7.43-7.54(m,3H),7.56-7.65(m,2H),7.71-7.77(m,1H),8.17(d,J=8.0Hz,1H)
化合物8
Figure 2022537393000118

又はSアトロプ異性体(1つのアトロプ異性体であるが、絶対立体化学は未確定)
化合物8は、中間体37の代わりに中間体38から出発して、化合物7と類似の手順に従って調製した。
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 1.90(s,3H),1.99(s,3H),2.30-2.42(m,2H),3.02(d,J=14.3Hz,1H),3.20(dd,J=13.9,3.9Hz,3H),3.35(s,1H),3.75(s,3H),3.86(dq,J=17.0,8.6Hz,2H),4.06-4.16(m,2H),4.57(ddd,J=14.2,9.1,4.5Hz,1H),4.90(s,1H),5.03(dt,J=14.6,4.8Hz,1H),6.66(d,J=1.6Hz,1H),7.11(d,J=8.9Hz,1H),7.38(s,1H),7.44-7.54(m,2H),7.56-7.62(m,1H),7.71-7.78(m,1H),8.17(d,J=8.0Hz,1H)
化合物9
Figure 2022537393000119


LiOH(水中で1M、607μL、4当量)をTHF(1.5mL)中の中間体40(108mg、0.152mmol)の溶液に添加し、この反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応を完了まで推進するために、追加のLiOH(水中で1M、607μL、4当量)を添加し、この反応混合物を室温で48時間撹拌した。反応混合物をDCM(2mL)で希釈し、Amberlite(登録商標)IR-120(H+)樹脂を用いてpH3まで酸性化した。この混合物を濾過して樹脂を除去し、樹脂をACN及びMeOHで洗浄した。溶媒を蒸発させた。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(RPC18、ACN:MeOH 1:1/25mMのNHHCO、41/59~83/17)によって精製した。収集した画分から有機溶媒を蒸発させ、生じた水性懸濁液は1MのHCl溶液を用いてpH3まで酸性化し、EtOAc(×3)により抽出した。合わせた有機層をMgSOの上方に通して乾燥させ、濾過して蒸発させると、白色の固体として中間体9(69mg、収率:64%)が得られた。
H NMR(400MHz,373K,DMSO-d6)δ ppm:8.05(d,J=7.4Hz,1H),7.68(d,J=7.8Hz,1H),7.63(d,J=9.0Hz,1H),7.50-7.38(m,2H),7.35(s,1H),7.27(d,J=8.7Hz,1H),6.64(s,1H),5.28(s,1H),5.15-5.02(m,1H),4.68-4.55(m,1H),4.30(d,J=15.5Hz,1H),4.16(d,J=15.5Hz,1H),4.01-3.92(m,1H),3.81(s,3H),3.73(s,3H),2.40-2.29(m,2H),2.01(s,3H),1.97(s,3H),1.04-0.12(br m,6H).
化合物10
Figure 2022537393000120

又はSアトロプ異性体(1つのアトロプ異性体であるが、絶対立体化学は未確定)
LiOH(25mg、15当量)をMeOH(1.6mL)、THF(1.6mL)及び水(0.8mL)の混合物中の中間体41(49mg、0.07mmol)の溶液に添加した。生じた反応混合物を60℃で4時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮すると、白色の固体が得られた。この固体を水(15mL)中に溶解させ、1MのHCl水溶液によりpH4~5に酸性化すると、酸性化後に白色の沈殿物が形成された。水層をDCM(2×20mL)で抽出し、合わせた有機層をMgSOの上方に通して乾燥させ、減圧下で濃縮した。この粗生成物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH - 100:0~95:5)によって精製すると、固体が得られ、これをEtOで粉砕して濾過すると、オフホワイトの固体として化合物10(34.5mg、収率:72%)が得られた。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 1.35(t,J=7.2Hz,3H),2.03(s,3H),2.22(s,3H),2.33-2.47(m,2H),2.82(d,J=14.4Hz,1H),3.18(d,J=13.3Hz,1H),3.27(d,J=14.6Hz,1H),3.46-3.53(m,3H),3.64-3.75(m,1H),3.81-3.97(m,7H),4.59(ddd,J=14.5,8.2,3.9Hz,1H)5.14-5.24(m,2H),6.10(d,J=1.3Hz,1H),7.08(d,J=8.9Hz,1H),7.33(d,J=9.1Hz,1H),7.49-7.59(m,2H),7.60(s,1H),7.69-7.77(m,1H),8.34(dd,J=8.1,0.89Hz,1H).
化合物11
Figure 2022537393000121

又はSアトロプ異性体(1つのアトロプ異性体であるが、絶対立体化学は未確定)
化合物11は、中間体41の代わりに中間体42から出発して、化合物10と類似の手順に従って調製した。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 1.27(t,J=7.21Hz,3H),1.99(s,3H),2.20(s,3H),2.33-2.54(m,2H),3.04(d,J=14.74Hz,1H),3.24(d,J=14.74Hz,1H),3.28(d,J=14.32Hz,1H),3.45(d,J=14.32Hz,1H),3.58(td,J=9.48,3.50Hz,1H),3.82-3.98(m,7H),4.09(d,J=15.15Hz,1H),4.57-4.68(m,1H),5.11(s,1H),5.16(dt,J=14.55,4.27Hz,1H),6.58(d,J=1.36Hz,1H),6.89(d,J=8.99Hz,1H),7.24(d,J=9.09Hz,1H),7.46-7.52(m,2H),7.53(s,1H),7.68-7.73(m,1H),8.34(dd,J=8.31,1.31Hz,1H).
化合物12
Figure 2022537393000122

又はSアトロプ異性体(1つのアトロプ異性体であるが、絶対立体化学は未確定)
LiOH(45mg、15当量)をMeOH(2.8mL)、THF(2.8mL)及び水(1.5mL)の混合物中の中間体43(90mg、0.13mmol)の溶液に添加した。生じた反応混合物を50℃で3時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(DCM:MeOH - 100:0~95:5)により精製すると、化合物12(66mg、収率:75%)がオフホワイトの固体として得られた。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 1.34-1.54(m,1H),1.42(d,J=6.60Hz,3H),1.49(d,J=6.38Hz,2H),2.00(s,3H),2.21(s,3H),2.37-2.49(m,2H),2.79(d,J=13.86Hz,1H),3.20(d,J=13.64Hz,1H),3.29-3.36(m,1H),3.38-3.45(m,1H),3.46-3.56(m,1H),3.76-3.95(m,6H),4.48(spt,J=6.60Hz,1H),4.54-4.64(m,1H),5.02(s,1H),5.16(dt,J=14.58,4.15Hz,1H),6.22(d,J=1.32Hz,1H),7.00(d,J=8.80Hz,1H),7.30(d,J=9.02Hz,1H),7.45-7.57(m,3H),7.66-7.72(m,1H),8.28-8.36(m,1H).
化合物13
Figure 2022537393000123

又はSアトロプ異性体(1つのアトロプ異性体であるが、絶対立体化学は未確定)
LiOH(57mg、15当量)をMeOH(3.6mL)、THF(3.6mL)及び水(1.8mL)の混合物中の中間体44(114mg、0.16mmol)の溶液に添加した。反応混合物を60℃で3時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、水(15mL)で希釈し、1MのHCl水溶液でpH4~5まで酸性化した。水層はDCM(2×10mL)、次にEtOAc:THFの1:1混合物(10mL)を用いて抽出した。合わせた有機層をMgSOの上方に通して乾燥させ、濾過して蒸発させた。残渣をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(DCM:MeOH - 100:0~95:5)により精製すると、化合物13(91mg、収率:81%)がオフホワイトの固体として得られた。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 1.24(d,J=6.58Hz,3H),1.31(d,J=6.58Hz,3H),1.98(s,3H)2.17(s,3H),2.31-2.52(m,2H),3.09(d,J=14.74Hz,1H),3.28(dd,J=14.27,9.56Hz,2H),3.43(d,J=13.90Hz,1H),3.47-3.56(m,1H),3.83-3.92(m,5H),4.10(d,J=15.15Hz,1H),4.29(spt,J=6.55Hz,1H),4.55-4.69(m,1H),5.15(dt,J=14.58,4.36Hz,1H),5.21(s,1H),6.55(d,J=1.36Hz,1H),6.82(d,J=8.99Hz,1H),7.21(d,J=9.09Hz,1H),7.44-7.52(m,3H),7.65-7.73(m,1H),8.29-8.36(m,1H).
化合物14
Figure 2022537393000124

又はSアトロプ異性体(1つのアトロプ異性体であるが、絶対立体化学は未確定)
水(0.5mL)中のLiOH.HO(27mg、5当量)の溶液をTHF(3mL)中の中間体58(85mg、0.127mmol)の溶液に添加した。この反応混合物を45℃で16時間撹拌した。HCl(水中で0.5M)をpH6に達するまで添加した。溶媒を蒸発させ、残渣を分取的HPLC(カラム:Phenomenex Gemini-NX 150×30mm×5μm;勾配:水(0.05%のHCl)/ACN、77/23から47/53)により精製すると、白色の固体として化合物14(35mg、収率:41%)が得られた。
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 1.89(br d,J=7.28Hz,8H)2.39(br s,2H)3.20-3.27(m,2H)3.40-3.48(m,3H)3.73(s,5H)4.24(br s,2H)4.54(br s,2H)5.00-5.13(m,1H)6.69(br s,1H)7.28(br d,J=8.82Hz,2H)7.35-7.48(m,2H)7.64(br d,J=8.16Hz,1H)7.80(d,J=9.04Hz,1H)7.98(br d,J=6.61Hz,1H)13.22(br s,1H)
化合物15
Figure 2022537393000125

又はRアトロプ異性体(1つのアトロプ異性体であるが、絶対立体化学は未確定)
化合物15は、中間体58の代わりに中間体59から出発して、化合物14と類似の手順に従って調製した。
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 1.83(s,5H)1.93(s,3H)2.27-2.41(m,2H)3.08(br s,2H)3.17-3.28(m,3H)3.73(s,4H)4.17-4.34(m,3H)4.40-4.62(m,2H)4.99-5.10(m,1H)6.77(s,1H)7.23(s,1H)7.30-7.46(m,3H)7.62(d,J=7.94Hz,1H)7.79(d,J=9.04Hz,1H)7.97(br d,J=7.94Hz,1H)12.86(br s,1H)
化合物16
Figure 2022537393000126

又はSアトロプ異性体(1つのアトロプ異性体であるが、絶対立体化学は未確定)
化合物16は、中間体58の代わりに中間体64から出発して、化合物14と類似の手順に従って調製した。
H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 1.92(s,3H)2.01(s,3H)2.45(br s,2H)2.58-2.70(m,2H)2.84-2.92(m,1H)3.08(d,J=14.33Hz,1H)3.76(s,3H)3.78-3.89(m,2H)3.96-4.06(m,2H)4.61-4.69(m,2H)5.14-5.23(m,1H)6.43(s,1H)7.06(d,J=8.82Hz,1H)7.19(s,1H)7.41-7.49(m,2H)7.53(d,J=9.04Hz,1H)7.63(br dd,J=6.50,2.76Hz,1H)8.09-8.16(m,1H)
化合物17
Figure 2022537393000127

又はRアトロプ異性体(1つのアトロプ異性体であるが、絶対立体化学は未確定)
化合物17は、中間体58の代わりに中間体65から出発して、化合物14と類似の手順に従って調製した。
1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 1.92(s,3H)2.01(s,3H)2.44(br dd,J=9.59,4.30Hz,2H)2.57-2.69(m,2H)2.84-2.92(m,1H)3.08(d,J=14.33Hz,1H)3.75(s,3H)3.76-3.90(m,2H)3.94-4.03(m,2H)4.58-4.70(m,2H)5.12-5.22(m,1H)6.42(s,1H)7.06(d,J=9.04Hz,1H)7.18(s,1H)7.40-7.47(m,2H)7.52(d,J=9.04Hz,1H)7.62(br dd,J=6.62,2.65Hz,1H)8.07-8.16(m,1H)
分析的解析
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)測定は、各方法において明記したように、LCポンプ、ダイオードアレイ(DAD)検出器又はUV検出器及びカラムを使用して実施した。必要に応じて、追加の検出器を含めた(下記の方法の表を参照されたい)。
カラムからの流れは、大気圧イオン源と共に構成された質量分析計(MS)に導入された。化合物の公称モノアイソトピック分子量(MW)の特定を可能にするイオンを得るために、調整パラメーター(例えば、スキャン範囲、ドウェル時間等)を設定することは、当業者の知識の範囲内に含まれる。データ収集は、適切なソフトウェアを用いて実施した。
化合物については、それらの実験で得た保持時間(R)及びイオンによって記載した。データの表に別段明記されていない場合、報告された分子イオンは、[M+H](プロトン化分子)及び/又は[M-H](脱プロトン化分子)に対応する。化合物を直接的にイオン化できなかった場合、付加物の種類を明記した(即ち[M+NH、[M+HCOO]等)。複数の同位体パターンを有する分子(Br、Cl)では、報告値は、最も低い同位体質量について得られた値である。全ての結果は、使用される方法に通常付随する実験的不確実性を含んでいた。
以下では、「SQD」は、シングル四重極検出器を意味し、「MSD」は、質量選択検出器を意味し、「RT」は、室温を意味し、「BEH」は、架橋エチルシロキサン/シリカハイブリッドを意味し、「DAD」は、ダイオードアレイ検出器を意味し、「HSS」は、高強度シリカを意味する。
Figure 2022537393000128
Figure 2022537393000129
Figure 2022537393000130
Figure 2022537393000131
SFC-MS法
SFC測定は、二酸化炭素(CO2)及びモディファイヤーを送達するためのバイナリーポンプ、オートサンプラー、カラムオーブン、400barまでの高圧に耐える高圧フローセルを備えたダイオードアレイ検出器によって構成される分析的超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)システムを使用して行った。質量分析計(MS)を備えて構成された場合、カラムからの流れは、(MS)に導入された。化合物の公称モノアイソトピック質量(MW)の特定を可能にするイオンを得るために、調整パラメーター(例えば、走査範囲、データ取り込み時間等)を設定することは、当業者の知識の範囲内である。データ収集は、適切なソフトウェアを用いて実施した。分析的SFC/MS法(mL/分で表示した流速;カラム温度(T)(℃);分析時間(分間)、背圧(BPR)(バール)。「i-PrNH」は、イソプロピルアミンを意味し、「EtOH」は、エタノールを意味し、「min」は、分を意味し、「DEA」は、ジエチルアミンを意味する。
Figure 2022537393000132
Figure 2022537393000133
NMR
H NMRスペクトルは、Bruker Avance III及びAvance NEO分光計上で記録した。他に言及しない限り、CDClを溶媒として使用した。化学シフトは、テトラメチルシランと比較したppmで表示した。
薬理学的分析
生物学的実施例1
アネキシンV及び7AADを使用したMolp8多発性骨髄腫細胞系の細胞生存率アッセイ
アネキシンV/7AADの原理は、原形質膜中のホスファチジルセリンの所在場所及び膜障壁の完全性に基づく。初期アポトーシス中、ホスファチジルセリンは、原形質膜の内部小葉内の正常な分布パターンを消失し、原形質膜の外部上に出現する。アネキシンタンパク質は、カルシウム依存性リン脂質結合タンパク質であり、細胞死中に外膜上のホスファチジルセリンに結合し得る。生存率測定用染料7AADは、無傷の原形質膜を備える進入する細胞から排除されるが、膜完全性を消失している細胞内で蓄積する。アネキシンFitcは、このアッセイを任意のマルチカラーフローサイトメーター上で完了することを可能にする、7AAD(励起:488nm、蛍光:650nm)と同様に、488nmレーザー(最大励起:490nm、最大蛍光:525nm)によって励起される。
アッセイ条件は、次の1×反応バッファー:5mMのHEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)、70mMのNaCl、1.25mMのCaCl、pH7.4を用いて最適化した。本アッセイで使用した試薬/物質は、下記の表に列挙した。
Figure 2022537393000134
Molp 8細胞は、懸濁液中のヒト多発性骨髄腫であった(細胞は、1週間当たり2回計数し、培養密度は、1mL当たり細胞0.5~1.5×10個で維持した)。
アッセイ手順
第1日に、1ウェル当たり5×10個の生細胞を96ウェルのU底プレート内にプレーティングし、細胞は、100μLのRPMI+10%のFBS中に配置した。11ポイント化合物希釈プレートは、3回の折りたたみ工程(最終濃度範囲:10μM~0.1nM)で調製し、1ウェル当たり1μLの濃度で添加した。プレートは、その後、37℃及び5%のCOで3日間インキュベートした。
第4日に、細胞をペレット化し、培地を廃棄した。次に、細胞を50μLのAnnexinV-Fitc(1:40の希釈)及びアネキシン結合バッファー中の7AAD(1:100の希釈)中に再懸濁させ、次に室温の暗所で30分間インキュベートした。次いで、50μLの結合バッファー(総量100μL)を細胞に添加した。洗浄工程は、必要とされなかった。
2時間以内に、PeCy5(7AAD)チャンネル及びFitc(アネキシン)チャンネルをBD Cantoを用いて、10,000イベントの一重項当たり最小値を収集して記録した。
分析
試験化合物の活性は、生細胞のパーセンテージに基づいて計算した。
LC=低コントロール値の中央値
=低コントロール:処理を受けていない細胞(生存は100%以下)
HC=高コントロール値の中央値
=高コントロール:10μMの薬物で処理された細胞(生存は0%以上)
最良適合曲線は、最小二乗和法によって生細胞パーセント対化合物濃度のプロットに適合させた。これから、IC50値(50%阻害を引き起こす阻害濃度)を得た。ヒル係数に関するプロットの傾斜の推定値も得た。
本発明の式(I)の代表的化合物を、生物学的実施例1に記載した手順に従って試験すると、下記の表に列挙した結果が得られた。化合物は、2回以上試験し、各測定結果は、個別に列挙した。
下記の表で報告したIC50値は、使用したアッセイ及び装置に関連する許容誤差の影響を受ける。
Figure 2022537393000135
生物学的実施例2
MCL-1は、アポトーシスの調節因子であり、細胞死を免れる腫瘍細胞中では高度に過剰発現する。本アッセイは、アポトーシス経路の調節因子、主にMCL-1、Bfl-1、Bcl-2及びBcl-2ファミリーの他のタンパク質を標的とする少分子化合物の細胞効力を評価する。抗アポトーシス調節因子とBH3-ドメインタンパク質との相互作用を妨害するタンパク質-タンパク質阻害剤は、アポトーシスを開始する。
アポトーシス経路の活性化は、CellEvent(商標)カスパーゼ-3/7 Green ReadyProbes(商標)試薬(Thermo Fisher C10423、C10723)を用いて測定した。本アッセイは、アポトーシス経路に進入する細胞中で緑色蛍光染色を生成する。CellEvent(登録商標)カスパーゼ-3/7緑色試薬は、DNAに結合しない場合には非蛍光性である、核酸結合染料にコンジュゲート化した4アミノ酸ペプチド(DEVD)である。CellEvent(登録商標)カスパーゼ-3/7緑色試薬は、DEVDペプチドがDNAへの染料の結合を阻害するため、本質的に非蛍光性である。アポトーシス細胞中でカスパーゼ-3/7が活性化すると、DEVDペプチドは、開裂され、遊離染料は、DNAに結合することができ、明るい緑色蛍光を生成する。カスパーゼ-3及びカスパーゼ-7の活性化は、MCL-1の阻害又はそれらに依存する細胞系内のタンパク質を阻害する他のアポトーシスの下流である。
IncuCyte上での生細胞の読み出しは、カスパーゼ活性化を経時的に追跡することを許容する。動力学的読み出しは、(a)それがアポトーシス誘導の機序における差と関連付けることができる開始時間における差を解明し、即ち、これは、より直接的又は間接的であるため;及び(b)自己誘導蛍光又は沈殿化合物から生じるアーチファクトの認識を可能にするため、有用であった。IncuCyteの読み出しは、懸濁細胞が均一に分布するのが困難であるため、細胞数について正規化することも許容する。
シグナルは、22時間にわたり、2時間毎に測定した。1画像当たりの生データとしてのカスパーゼマスク対Confluenceマスクの比率を計算し、各ウェルについての動的トレースを分析のためにGenedata Screenerにエクスポートした。
Genedata Screenerにおいて、動的トレースからの6時間後、12時間後及び22時間後についての数値を抽出した。数値は、陰性コントロール(未処理細胞)に対して正規化した。標準用量反応分析は、正規化データを対象に実施した。
下記のデータは、下記の3つの上述した時点の各々で報告された:(a)用量反応曲線、(b)qAC50及びqAC50モード、及び(c)最大活性。
本アッセイで使用した物質を下記の表に列挙した。
Figure 2022537393000136
細胞は、10%の熱不活化(HI)FBS、2mMのL-グルタミン及び50μg/mLのゲンタマイシンフェノールレッドフリーRPMI-1640を含有する培養培地中で維持した。細胞は、週2回、40万/mLで分裂した。
第1日に、1ウェル当たり150nLで、濃度10mMで試験化合物を備える個々のウェルを含有するプレートである。最終濃度は、100μM~10pMの化合物(化合物コントロールなし)の範囲であり、化合物を1時間、室温で解凍させた。各ウェルにマルチドロップによって25μLの予備加温した培地を添加し(カラム1、3~22、24)、更にカラム2ではDMSOコントロール(0.6%のDMSO)を添加した。プレートは、Breathe-Easy(登録商標)シーリング膜を用いて密閉し、室温で30分間振とうして培地中に試験化合物を溶解させた。次に、プレートを37℃、5%のCOで1時間、インキュベーター内で維持した。
40000/25μL(アッセイ中で最終20000/50μL)で培地中に含まれるMOLP8細胞は、4μM(アッセイ中で最終2μM)でCellEvent(商標)カスパーゼ-3/7緑色検出試薬を用いて調製した。調製されたら、細胞は、20000の量で試験化合物プレートに添加し、このプレートを直ちにIncuCyte内に配置し、次の設定を用いてイメージングを開始した:10倍の対物レンズ、緑色チャンネル内の2秒間の露光時間、2時間のインターバル、22時間後に捕捉を停止。
IncuCyteにおける分析のために、基礎分析プロトコルは、下記のように、各々「期」及び「緑色」画像から「コンフルエンス」及び「カスパーゼ」領域を計算するために規定した:(a)コンフルエンス:セグメンテーション調整1、ホールフィル0、アジャストサイズ-2、フィルターなし(b)カスパーゼ:Top-Hatセグメンテーション、半径10、閾値0.3GCU、感受性0、ホールフィル0、アジャストサイズ1及び20μmの最小面積上のフィルターを備えるEdge Split On(辺分離)。分析者は、「コンフルエンス」層が生細胞及び死(凝縮)細胞の両方を検出することを検証する、十分な数の陽性コントロールウェル及び陰性コントロールウェル並びに化合物処理ウェルについてトレーニングを受けている。「カスパーゼ領域/コンフルエンス領域」は、「画像によって」計算された、カスパーゼ3/7染料に対して陽性である細胞画分に近似する。
アッセイ分析は、事前に規定したテンプレートを用いて、Genedata Screenerにおいて完了した。より詳細には、実験分析のためのアッセイ特異的設定は、下記の通りであった:(a)プレートの配置:陰性コントロールウェルは、化合物を含有していないが、DMSOを含有し、「中性コントロール」と規定した、(b)トレースチャンネル:タイプ「測定」の名称「測定チャンネル」の1つのトレースチャンネルがなければならない。これは、IncuCyteからの生データであった;及び(c)層:タイプ「凝集:時系列」の、名称「平均6時間」、「平均12時間」及び「平均22時間」を備える3つの層。それらは、それぞれ5.5~6.5時間、11.5~12.5時間及び21.5~22.5時間の数値からの測定値の平均値を含有していた。
正規化及び補正:3層の各々は、中性コントロールを中央参照値及び刺激装置コントロールをスケール参照値として、コントロール率に正規化した。又は、μCRが中央参照値の平均値であり、μSCがスケール参照値の平均値であった場合、正規化値は、
Figure 2022537393000137

として計算した。
層状化合物の試験結果:下記のような標準適合モデルを使用し、ここで、Sinf、IC50及びhは、自由パラメーターであり、Sは、0であるように固定した。
Figure 2022537393000138
堅牢なZ’因子又は「RZ’因子」は、Screenerで計算した。コントロールウェル内の外れ値の動的トレースを排除した後(下記を参照されたい)、任意のFBS濃度で試験したMOLP8細胞に対して及び時点(6時間後、12時間後、22時間後)の何れかについて、RZ’値は、RZ≧0.5でなければならない。
「グローバルSD」は、正規化後に陽性又は陰性コントロール(何れか大きい方)の堅牢な標準偏差としてScreenerにおいて計算した。コントロールウェル内の外れ値の動的トレースを排除した後(下記を参照されたい)、任意のFBS濃度で試験したMOLP8細胞に対して及び時点(6時間後、12時間後、22時間後)の何れかについて、グローバルSDは、グローバルSD≦10でなければならない。
本発明の式(I)の代表的化合物は、生物学的実施例2に記載した手順に従って試験し、下記の表に列挙した結果が得られた。下記の表で報告したAC50値は、使用したアッセイ及び装置に関連する許容誤差の影響を受ける。
Figure 2022537393000139
生物学的実施例3
MCL-1は、アポトーシスの調節因子であり、細胞死を免れる腫瘍細胞中で高度に過剰発現する。本アッセイは、アポトーシス経路の調節因子、主にMCL-1、Bfl-1、Bcl-2及びBcl-2ファミリーの他のタンパク質を標的とする少分子化合物の細胞効力を評価する。抗アポトーシス調節因子とBH3-ドメインタンパク質との相互作用を妨害するタンパク質-タンパク質阻害剤は、アポトーシスを開始する。
Caspase-Glo(登録商標)3/7アッセイは、精製酵素製剤又は粘着性細胞若しくは懸濁細胞の培養中においてカスパーゼ-3及びカスパーゼ-7活性を測定する発光アッセイである。本アッセイは、テトラペプチド配列DEVDを含有する、発光促進性カスパーゼ-3/7基質を提供する。この基質が開裂されると、光の生成に使用されるルシフェラーゼの基質であるアミノルシフェリンを放出する。「add-mix-measure」フォーマットにおける単一Caspase-Glo(登録商標)3/7試薬の添加は、細胞溶解を生じさせ、その後、基質のカスパーゼ開裂及び「グロータイプ」の発光シグナルの生成を生じさせる。
本アッセイは、MCL-1阻害に対して感受性である、MOLP-8ヒト多発性骨髄腫細胞系を使用する。
材料:
・Perkin Elmer製Envision
・Multidrop 384及び小容量分注カセット
・遠心分離機
・Countess全自動セルカウンター
・Countessカウンティングチャンバースライド
・アッセイプレート:ProxiPlate-384 Plus、White 384-浅底ウェルマイクロプレート
・シーリングテープ:Topseal A plus
・T175培養フラスコ
Figure 2022537393000140
Figure 2022537393000141
細胞培養:
細胞培養は、細胞0.2~2.0×10個/mLで維持した。細胞は、50mLの円錐管中への収集によって採取した。次に、細胞は、5分間にわたり500gでペレット化し、その後、上清を除去し、新鮮な予備加温した培養培地中で再懸濁させた。細胞を計数し、必要に応じて希釈した。
Caspase-Glo試薬:
アッセイ試薬は、バッファー溶液を基質バイアルに移して混合することによって調製した。溶液は、極めて僅かなシグナルの消失を伴って、1週間まで4℃で保存することができた。
アッセイ手順:
化合物は、assay-readyプレート(Proxiplate)で納品され、-20℃で保管した。アッセイには、常に、参照化合物を含有する1枚の参照化合物プレートが含まれる。プレートには、40nLの化合物(細胞中で最終0.5%のDMSO;連続希釈;最高濃度30μM、1/3希釈、10用量、2回ずつ)をスポッティングした。化合物は、室温で使用し、カラム2及び23を除く全部のウェルに4μLの予備加温した培地を添加した。陰性コントロールは、培地中に1%のDMSOを加えることによって調製した。陽性コントロールは、培地中に60μMの最終濃度で適切な陽性コントロール化合物を加えることによって調製した。プレートは、カラム23に4μLの陰性コントロール、カラム2に4μLの陽性コントロール及びプレート内の全ウェルに4μLの細胞懸濁液を加えることによって調製した。次いで、細胞を含むプレートを2時間にわたり37℃でインキュベートした。アッセイシグナル試薬は、上述したCaspase-Glo溶液であり、全ウェルに8μLを添加した。次に、プレートを密閉し、30分後に測定した。
試験化合物の活性は、下記のようにアポトーシス誘導の変化率(%)として計算した。
LC=低コントロール値の中央値
=Screener内の中央参照値
=DMSO
=0%
HC=高コントロール値の中央値
=Screener内のスケール参照値
=30μMの陽性コントロール
=100%のアポトーシス誘導
%効果(AC50)=100-(サンプル-LC)/(HC-LC)100
%コントロール=(サンプル/HC)100
%コントロール最小=(サンプル-LC)/(HC-LC)100
Figure 2022537393000142

Claims (10)

  1. 式(I)
    Figure 2022537393000143

    (式中、
    は、
    Figure 2022537393000144

    (式中、「a」及び「b」は、変数Xが分子の残りに結合される方法を示す)
    を表し;
    は、水素又はC1~6アルキルを表し;
    は、両方の方向で分子の残りに結合され得る、
    Figure 2022537393000145

    を表し;
    は、水素又はC1~6アルキルを表し;
    Xは、-S-又は-N(R)-を表し;
    は、水素、メチル、C2~6アルキル、-C(=O)-C1~6アルキル、-S(=O)-C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、-C(=O)-C3~6シクロアルキル又は-S(=O)-C3~6シクロアルキルを表し、ここで、C2~6アルキル、-C(=O)-C1~6アルキル、-S(=O)-C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、-C(=O)-C3~6シクロアルキル及び-S(=O)-C3~6シクロアルキルは、任意選択的に、ハロ、C1~4アルキル及び1、2又は3つのハロ原子で置換されたC1~4アルキルからなる群から選択される1、2又は3つの置換基で置換されている)
    の化合物又はその互変異性体若しくは立体異性体形態或いはその薬学的に許容される塩又は溶媒和物。
  2. は、
    Figure 2022537393000146

    (式中、「a」及び「b」は、変数Xが分子の残りに結合される方法を示す)
    を表し;
    は、C1~6アルキルを表し;
    は、C1~6アルキルを表し;
    は、水素又はメチルを表す、請求項1に記載の化合物。
  3. Xは、-N(R)-を表す、請求項1又は2に記載の化合物。
  4. は、
    Figure 2022537393000147

    を表す、請求項1に記載の化合物。
  5. 請求項1~4の何れか一項に記載の化合物及び薬学的に許容される担体又は希釈剤を含む医薬組成物。
  6. 請求項5に記載の医薬組成物を調製するプロセスであって、薬学的に許容される担体を、治療有効量の、請求項1~4の何れか一項に記載の化合物と混合する工程を含むプロセス。
  7. 薬剤として使用するための、請求項1~4の何れか一項に記載の化合物又は請求項5に記載の医薬組成物。
  8. 癌の予防又は治療に使用するための、請求項1~4の何れか一項に記載の化合物又は請求項5に記載の医薬組成物。
  9. 癌は、前立腺癌、肺癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、黒色腫、B細胞性慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)及び急性リンパ芽球性白血病(ALL)から選択される、請求項8に記載の使用のための化合物又は医薬組成物。
  10. 癌を治療又は予防する方法であって、それを必要とする対象に、治療有効量の、請求項1~4の何れか一項に記載の化合物又は請求項5に記載の医薬組成物を投与する工程を含む方法。
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