図1は、一実施形態に従う、例示的なカテーテル・ベース(カテーテルに基づく)処置システム10の斜視図である。カテーテル・ベースの医療処置を行うためにカテーテル・ベースの処置システム10が用いられているが、例えば、経皮的冠状介入(PCI:percutaneous coronary intervention)(例えば、STEMIを処置する)、神経血管介入処置(NVI:neurovascular interventional procedure)(例えば、救急の大型な血管閉塞(ELVO:emergent large vessel occlusion)を処置する)、周辺血管介入処置(PVI:peripheral vascular intervention procedure)(例えば、重症下肢虚血(CLI:critical limb ischemia)の処置)等)を行うことができる。カテーテル・ベースの医療処置は、診断カテーテル処置を含むことができ、その間に、患者の病気の診断を補助するために、1つ又は複数のカテーテル又は他の細長い医療デバイス(EMD:elongated medical device(s))が使用される。例えば、カテーテルに基づく診断処置の一実施形態では、その間、カテーテルを通して1つ又は複数の動脈内に造影剤(contrast)が注入されて、患者の血管構造の画像が撮影される。カテーテルを用いた医療処置には、カテーテルを用いた治療処置(例えば、血管形成術、ステントの装着、周辺血管病変の治療、血塊の除去、動脈静脈形成療法、動脈りゅうの治療等)も含まれ得るが、その間、病変を治療するためにカテーテル(又は他のEMD)が用いられる。治療処置は、例えば、血管内超音波(IVUS:intravascular ultrasound)、光コヒーレンス断層撮影(OCT:optical coherence tomography)、フラクショナル・フロー・リザーブ(FFR:fractional flow reserve)等、追加デバイス54(図2参照)を含めることで強化されてもよい。ただし、当業者であれば、実施される処置の種類に基づいて、特定の経皮介入装置又は構成要素(例えば、ガイド・ワイヤの種類、カテーテルの種類等)を選択できることを理解されたい。カテーテル・ベースの処置システム10は、その処置で用いられる特定の経皮介入装置に適応するために、マイナーな調整を行って、カテーテル・ベースの医療処置を任意の回数で実施することができる。
カテーテル・ベースの処置システム10は、とりわけ、ベッドサイド装置(ベッドサイドユニット)20及び制御ステーション26を含む。ベッドサイド装置20は、患者12の近くに配置されるロボット駆動部24及び位置決めシステム22を含む。患者12は、患者用の台(テーブル)18上で支持される。位置決めシステム22は、ロボット駆動部24の位置決め及び支持のために用いられる。位置決めシステム22は、例えば、ロボットアーム、多関節アーム、ホルダ等でもよい。位置決めシステム22は、その一端部を、例えば患者用の台18上のレール、ベース、又はカートに対して取り付けることができる。位置決めシステム22の他端部は、ロボット駆動部24に対して取り付けられる。位置決めシステム22は、患者用の台18上に患者12が置かれることを可能にするために、(ロボット駆動部24と共に)邪魔にならないように外に移動することができる。患者用の台18上に患者12が配置されると、位置決めシステム22を使用して、処置を行うために、患者12に対してロボット駆動部24を位置決め又は配置することができる。一実施形態に従うと、患者用の台18は、床及び/又は地面に固定された台座17によって動作可能に支持される。患者用の台18は、台座17に対して多自由度(例えばロール、ピッチ、ヨー)を有するように移動することができる。また、ベッドサイド装置20は、制御装置及びディスプレイ(表示装置)46(図2に示される)を含むことができる。例えば、制御装置及びディスプレイは、ロボット駆動部24のハウジング上に配置することができる。
一般に、ロボット駆動部24は、適当な経皮介入装置及び付属品(アクセサリ)48(図2参照)(例えば、ガイド・ワイヤ、バルーン・カテーテル、ステント配送システム、ステント・レトリーバ、塞栓用コイル、液体塞栓、吸引ポンプ、造影剤配送装置、医薬品、止血弁アダプタ、注射器、活栓、膨張装置等)を備えて、様々な制御(制御ステーション26に配置された制御及び入力等)を行うことで、使用者又は操作者11がロボット・システムを介してカテーテル・ベースの医療処置を実行できるようにする。ベッドサイド装置20、特にロボット駆動部24は、本明細書に記載の機能をベッドサイド装置20に対して提供するために、任意の数及び/又は組合せで構成要素(部品)を含むことができる。制御ステーション26での使用者又は操作者11は、制御ステーションの使用者又は制御ステーションの操作者として呼ばれ得るが、本明細書では、使用者又は操作者として参照する。ベッドサイド装置20の使用者又は操作者は、また、ベッドサイド装置での使用者又はベッドサイド装置の操作者と呼ばれ得る。ロボット駆動部24は、レール又は線形部材(線形メンバともいう)60(図3に示す)に対して取り付けられた複数のデバイス・モジュール32a-dを含む。レール又は線形部材60は、デバイス・モジュールを案内して、支持する。デバイス・モジュール32a-dの各々は、カテーテル又はガイド・ワイヤ等のEMDを駆動するために用いることができる。例えば、ロボット駆動部24を用いて、診断カテーテル内と、患者12の動脈内のガイド・カテーテル内とに、ガイド・ワイヤを自動的に供給することができる。EMD等の1つ又は複数のデバイス(装置)は、例えば導入器(イントロデューサ)シース(鞘)を介して、挿入点16にて、患者12の体内(例えば導管)に入る。
ベッドサイド装置20は、制御ステーション26と通信しており、制御ステーション26の使用者入力により生じた信号を、無線又は有線で、ベッドサイド装置20に対して送信して、ベッドサイド装置20の様々な機能を制御できるようにする。後述のように、制御ステーション26は、制御コンピューター・システム34(図2参照)を含んでいてもよく、又は制御コンピューター・システム34を介してベッドサイド装置20と結合されていてもよい。また、ベッドサイド装置20は、フィードバック信号(例えば、装填、速度、動作条件、警告信号、エラーコード等)を、制御ステーション26、制御コンピューター・システム34(図2参照)、又はその双方に提供してもよい。制御コンピューター・システム34とカテーテル・ベースの処置システム10の様々な構成要素との間の通信は、通信リンクを介して提供できるが、例えば、無線接続、ケーブル(有線)接続、又は他の任意の手段であって、構成要素間の通信を可能にするものを用いる。制御ステーション26又は他の類似の制御システムは、ローカルサイト(例えば、図2に示すローカル制御ステーション38)又はリモートサイト(例えば、図2に示すリモート(遠隔)制御ステーション及びコンピューター・システム42)のいずれかに配置されてもよい。カテーテル処置システム10は、ローカルサイトの制御ステーション、リモートサイトの制御ステーション、又はローカル制御ステーションとリモート制御ステーションの双方によって同時に操作されてもよい。ローカルサイトでは、患者12及びベッドサイド装置20と同じ部屋又は隣接する部屋に、使用者又は操作者11及び制御ステーション26が配置される。本明細書の使用例では、ローカルサイトはベッドサイド装置20と患者12又は被験者(例えば、動物又は解剖用死体)の位置に相当し、かつ、リモートサイトは、ベッドサイド装置20をリモート制御するために用いられる使用者又は操作者11及び制御ステーション26の位置に相当する。ローカルサイトでの制御コンピューター・システム及び/又はリモートサイトでの制御ステーション26(及び制御コンピューター・システム)及びベッドサイド装置20は、例えば、インターネットを介して、通信システム及びサービス36(図2参照)を用いて通信することができる。一実施形態に従うと、リモートサイトとローカル(患者)サイトとは互いに離れており、例えば、同じビル内の複数の部屋、同じ都市内の複数の建物、複数の都市内の複数の建物、又は他の複数の場所であって、ローカルサイトでのベッドサイド装置20及び/又は患者12に対してリモートサイトが物理的なアクセスを有していない場所でもよい。
制御ステーション26は、一般に、カテーテル・ベースの処置システム10の様々な構成要素又はシステムを作動させる使用者入力を受け取るように構成された1つ又は複数の入力モジュール28を含む。例示した実施形態では、制御ステーション26は、使用者又は操作者11が、カテーテル・ベースの医療処置を実行するように、ベッドサイド装置20を制御できるようにしている。例えば、入力モジュール28は、ロボット駆動部24とインターフェース接続された経皮介入装置(例えば、EMD)を用いて、様々なタスクをベッドサイド装置20に実行させるように構成されていてもよい(例えば、ガイド・ワイヤを前進、後退、又は回転させ、カテーテルを前進、後退又は回転させ、カテーテル上に位置するバルーンを膨張又は収縮させ、ステントを位置決め及び/又は展開させ、ステント・レトリーバーを位置決め及び/又は展開させ、コイルを位置決め及び/又は展開させ、カテーテルに造影剤を注入し、カテーテルに液体塞栓(エンボリック)を注入し、医薬品又は塩水をカテーテル内に注入し、カテーテルで吸引し、又はカテーテル・ベースの医療処置の一部として実行され得る他の任意の機能を実行する)。ロボット駆動部24は、経皮介入装置を含むベッドサイド装置20の部品の移動(例えば、軸方向の移動や、回転方向の移動)を生じさせるために、様々な駆動機構を含む。
一実施形態では、入力モジュール28は、1つ又は複数のタッチスクリーン、ジョイスティック、スクロールホイール、及び/又はボタンを含んでいてもよい。入力モジュール28に加えて、制御ステーション26は、音声コマンド等のために、フットスイッチやマイクロホン等の追加のユーザー制御部44(図2参照)を使用することができる。入力モジュール28は、様々な構成要素及び経皮介入装置(例えばガイド・ワイヤ、及び1つ又は複数のカテーテル又はマイクロ・カテーテル等)を前進、後退、又は回転させるように構成されていてもよい。ボタンは、例えば、非常停止ボタン、乗算ボタン、装置選択ボタン及び自動移動ボタンを含んでいてもよい。非常停止ボタンが押されると、電源(例えば、電力)が遮断されたり、ベッドサイド装置20に取り外される。速度制御モードでは、乗算ボタンは、入力モジュール28の操作に応じて関連する構成要素が移動する速度を増減させるように作用する。位置制御モードでは、乗算ボタンは、入力距離と出力指令距離との間でのマッピングを変更する。デバイス選択ボタンにより、使用者又は操作者11は、ロボット駆動デバイス24に装填された経皮介入デバイスのどれが、入力モジュール28によって制御されるのかを選択することができる。自動移動ボタンは、使用者又は操作者11からの直接の指令なしに、カテーテル・ベースの処置システム10が、経皮介入装置上で実行できるアルゴリズム動作を可能にするために使用される。一実施形態では、入力モジュール28は、タッチスクリーン(ディスプレイ30の一部でもよく、そうでなくてもよい)上に表示される1つ又は複数の制御装置又はアイコン(図示略)を含んでいてもよく、これは、作動されると、カテーテル・ベースの処置システム10の構成要素の動作を引き起こす。また、入力モジュール28は、バルーンを膨張又は収縮させ、及び/又はステントを展開するように構成されたバルーン又はステント制御部を含んでいてもよい。入力モジュール28の各々は、1つ以上のボタン、スクロールホイール、ジョイスティック、タッチスクリーン等を含み、これらを用いて、専用の制御が割り当てられた特定の構成要素又は構成要素を制御することを可能にする。さらに、1つ以上のタッチスクリーンは、入力モジュール28の様々な部分に関連する1つ以上のアイコン(図示略)又はカテーテル・ベースの処置システム10の様々な構成要素に関連する1つ以上のアイコン(図示略)を表示することができる。
制御ステーション26は、ディスプレイ30を含んでもよい。他の実施形態では、制御ステーション26は、2つ以上のディスプレイ30を含んでもよい。ディスプレイ30は、制御ステーション26に配置された使用者又は操作者11に情報又は患者固有データを表示するように構成することができる。例えば、ディスプレイ30は、画像データ(例えば、X線画像、MRI画像、CT画像、超音波画像等)、血力学的データ(例えば、血圧、心拍数等)、患者記録情報(例えば、医療履歴、年齢、体重等)、病変又は治療評価データ(例えば、IVUS、OCT、FFR等)を表示するように構成されていてもよい。さらに、ディスプレイ30は、処置固有の情報(例えば、処置チェックリスト、勧告、処置の持続時間、カテーテル又はガイド・ワイヤの位置、送られた医薬品又は造影剤の容積等)を表示するように構成されていてもよい。さらに、ディスプレイ30は、制御コンピューター・システム34(図2参照)と関連する機能を提供するための情報を表示してもよい。ディスプレイ30は、システムの使用者入力の機能の一部を提供するために、タッチスクリーン機能を含んでいてもよい。
カテーテル・ベースの処置システム10はまた、撮像(イメージング)システム14を含む。撮像システム14は、カテーテルに基づく医療処置(例えば、非デジタルX線、デジタルX線、CT、MRI、超音波等)と関連して使用され得る任意の医療撮像システムであってもよい。例示的な実施形態では、撮像システム14は、制御ステーション26と通信しているデジタルX線撮像装置である。一実施形態では、撮像システム14は、撮像システム14が患者12の周囲を部分的又は完全に回転することが可能なC字形状アーム(図1参照)を含むことができ、それによって、患者12に対する異なる角度位置(例えば、サジタルビュー、尾側ビュー、前後方向ビュー等)での画像を得てもよい。一実施形態では、撮像システム14は、イメージ増強器(インテンシファイア)としても知られる検出器15とX線源13とを有するC字形状アームを含む透視装置システムである。
撮像システム14は、処置中に患者12の適切な領域のX線画像を撮影するように構成されていてもよい。例えば、撮像システム14は、神経血管状態を診断するために頭部の1つ又は複数のX線画像を撮像するように構成されていてもよい。また、撮像システム14は、カテーテル・ベースの医療処置中に1つ又は複数のX線画像(例えば、リアルタイム画像)を撮影して、ガイド・ワイヤ、ガイド・カテーテル、マイクロ・カテーテル、ステント・レトリーバー、コイル、ステント、バルーン等を処置中に適切に位置決めするために、制御ステーション26の使用者又は操作者11を補助するように構成されていてもよい。1つの画像又は複数の画像をディスプレイ30上に表示することができる。例えば、使用者又は操作者11がガイド・カテーテル又はガイド・ワイヤを適切な位置に正確に移動させることを可能にするために、ディスプレイ30上に画像を表示してもよい。
方向を明確にするために、X軸、Y軸及びZ軸を持つ直交座標系が導入されている。正のX軸は、長手方向(軸方向)遠位方向、即ち、近位端から遠位端までの方向に配向されており、近位方向から遠位方向への別の方法が記載される。Y軸とZ軸は、X軸に対して垂直面上にあり、正のZ軸は上向き、つまり重力の反対方向に配向しており、かつY軸は右手の法則によって自動的に決定されるものとする。
図2は、例示的な実施形態によるカテーテル・ベースの処置システム10のブロック図である。カテーテル処置システム10は、制御コンピューター・システム34を含んでいてもよい。制御コンピューター・システム34は、物理的には、例えば、制御ステーション26(図1参照)の一部であってもよい。制御コンピューター・システム34は、一般に、本明細書に記載される様々な機能を有するカテーテル・ベースの処置システム10を提供するのに適した電子制御ユニットであり得る。例えば、制御コンピューター・システム34は、埋込みシステム、専用回路、本明細書に記載の機能を備えるようにプログラムされた汎用システム等であってもよい。制御コンピューター・システム34は、ベッドサイド装置20、通信システム及びサービス36(例えば、インターネット、ファイアウォール、クラウドサービス、セッション・マネージャー、病院ネットワーク等)、ローカル制御ステーション38、追加の通信システム40(例えば、テレプレゼンス・システム)、リモート制御ステーション及びコンピューター・システム42、及び患者センサ56(例えば、心電図(ECG)装置、脳電図(EEG)装置、血圧モニタ、温度モニタ、心拍数モニタ、呼吸モニタ等)と通信している。また、制御コンピューター・システムは、撮像システム14、患者用の台18、追加の医療システム50、造影剤(コントラスト)注入システム52及び追加デバイス54(例えば、IVUS、OCT、FFR等)と通信している。ベッドサイド装置20は、ロボット駆動部24、位置決めシステム22を含み、かつ更なる制御装置及びディスプレイ46を含んでいてもよい。上述のように、追加の制御装置及び表示装置は、ロボット駆動部24のハウジング上に配置することができる。介入(インターベンショナル)デバイス及び付属品48(例えば、ガイド・ワイヤ、カテーテル等)は、ベッドサイドシステム20とインターフェースする。一実施形態に従うと、介在デバイス及び付属品48は、それぞれの追加デバイス54、即ち、IVUSシステム、OCTシステム、及びFFRシステム等とインターフェースする、専用装置(例えば、IVUSカテーテル、OCTカテーテル、FFRワイヤ、コントラスト用診断カテーテル等)を含んでいてもよい。
様々な実施形態では、制御コンピューター・システム34は、制御信号を生成するように構成されており、その信号は、入力モジュール28(例えば、ローカル制御ステーション38又はリモート制御ステーション42等の制御ステーション26(図1参照))との使用者の相互作用、及び/又は、制御コンピューター・システム34にアクセス可能な情報に基づき、カテーテル・ベースの処置システム10を用いて医療処置が実行できるようにする。ローカル制御ステーション38は、1つ又は複数のディスプレイ30、1つ又は複数の入力モジュール28、及び追加のユーザー制御部44を含む。リモート制御ステーション及びコンピューター・システム42は、ローカル制御ステーション38と同様の構成要素を含むことができる。リモート制御ステーション42とローカル制御ステーション38とは、必要な機能に応じて異なるように調整することができる。追加の使用者制御装置44は、例えば、1つ又は複数のフット(足)入力制御装置を含んでもよい。フット入力制御は、使用者が撮像システム14の機能を選択することができるように構成されており、例えば、X線をオン及びオフにして撮像したり、様々な保存画像をスクロールすること等を可能にしてもよい。別の実施形態では、フット入力装置は、入力モジュール28に含まれるスクロールホイールに対してどのデバイスがマッピングされるのかを使用者が選択できるように構成されていてもよい。追加の通信システム40(例えば、オーディオ会議、ビデオ会議、テレプレゼンス等)を用いて、操作者が患者、医療スタッフ(例えば、血管撮影所のスタッフ)、及び/又はベッドサイドの近くの機器と相互作用するのを助けることは可能である。
カテーテル・ベースの処置システム10は、ここでは明示的に示されていない任意の他のシステム及び/又はデバイスを含むように接続又は構成されていてもよい。例えば、カテーテル・ベースの処置システム10は、画像処理エンジン、データ蓄積及びアーカイブシステム、自動バルーン及び/又はステント膨張システム、医薬品注入システム、医薬品追跡及び/又はログシステム、使用者ログ、暗号化システム、カテーテル・ベースの処置システム10へのアクセス又は使用を制限するシステム等を含んでいてもよい。
上述のように、制御コンピューター・システム34は、ロボット駆動部24、位置決めシステム22を含み、追加の制御装置及びディスプレイ46を含むことができるベッドサイド装置20と通信しており、経皮介入装置(例えば、ガイド・ワイヤ、カテーテル等)を駆動するために使用されるモーター及び駆動機構の動作を制御するために制御信号をベッドサイド装置20に供給し得る。様々な駆動機構は、ロボット駆動部24の一部として設けることができる。図3は、一実施形態に従うカテーテル・ベースの処置システム10用のロボット駆動部(ロボット駆動装置)の斜視図である。図3では、ロボット駆動部24は、線形部材60に連結された複数のデバイス・モジュール32a-dを含む。各デバイス・モジュール32a-dは、線形部材60に対して移動可能に取り付けられたステージ62aを介して、線形部材60と結合されている。デバイス・モジュール32a-dは、オフセットブラケット78a-d等のコネクタを用いて、ステージ62a-dと接続されていてもよい。別の実施形態では、デバイス・モジュール32a-dは、ステージ62a-dに直接取り付けられてもよい。各ステージ62a-dは、線形部材60に沿って直線的に移動するように独立して作動することができる。従って、各ステージ62a-d(及びステージ62a-dに結合された対応するデバイス・モジュール32a-d)は、互いに対して、かつ線形部材60に対して、独立して移動することができる。各ステージ62a-dを作動させるために、駆動機構が使用されている。図3に示す実施形態では、駆動機構は、各ステージ62a-dに連結された独立したステージ移動モーター64a-dと、ステージ駆動機構76とを含み、後者は、例えば、回転ナットを介したリード・スクリュー、ピニオンを介したラック、ピニオン又はプーリを介したベルト、スプロケットを介したチェーンであり、又はステージ移動モーター64a-dは、リニアモーターであってもよい。幾つかの実施形態では、ステージ駆動機構76は、これらの機構の組合せであってもよく、例えば、各ステージ62a-dは、異なる種類のステージ駆動機構を用いることができる。ステージ駆動機構がリード・スクリュー及び回転ナットである実施形態では、リード・スクリューを回転させて、各ステージ62a-dをリード・スクリューと係合解除させて、例えば前進又は後退させてもよい。図3に示した実施形態では、ステージ62a-d及びデバイス・モジュール32a-dは、直列的(シリアル)駆動構成である。
各デバイス・モジュール32a-dは、駆動モジュール68a-dと、カセット66a-dとを含み、後者は、駆動モジュール68a-dに対して取り付けられて、結合されている。図3に示した実施形態では、各カセット66a-dは、垂直方向に駆動モジュール68a-dに対して取り付けられている。他の実施形態では、各カセット66a-dは、他の取り付け方向で駆動モジュール68a-dに対して取り付けられていてもよい。各カセット66a-dは、EMD(図示略)の近位部分とインターフェースし、これを支持するように構成されている。加えて、各カセット66a-dは、直線部材60に沿って直線的に移動することができる、対応するステージ62a-dの作動にからもたらされる直線運動に加えて、1つ又は複数の自由度をもたらす構成要素を含むことができる。例えば、カセット66a-dは、カセットが駆動モジュール68a-dに結合されるときにEMDを回転させるために使用可能な構成要素を含んでいてもよい。各駆動モジュール68a-dは、少なくとも1つの連結器(カプラ)を含み、それによって、追加の自由度を提供するように、各カセット66a-d内の機構に対して駆動インターフェースを提供する。また、各カセット66a-dは、デバイス支持体79a-dがその中に位置決めされるチャンネルを含み、各デバイス支持体79a-dは、EMDにねじれ(座屈)が生じないように使用される。支持アーム77a、77b、及び77cは、それぞれ、各デバイス・モジュール32a、32b、及び32cに対して取り付けられ、それぞれ、デバイス支持体79b、79c、及び79dの近位端を支持するための固定点を提供する。また、ロボット駆動部24は、デバイス支持体79に接続されたデバイス支持接続部72、遠位支持アーム70及び支持アーム77oを含むことができる。支持アーム77oは、最も遠位のデバイス・モジュール32a内に収容された最も遠位のデバイス支持体79aの近位端を支持するための固定点を提供するために使用される。加えて、イントロデューサ(導入器)インターフェース支持体(リダイレクタ)74が、デバイス支持接続部72とEMD(例えば、導入器シース又は鞘)と接続されていてもよい。単一の線形部材上のアクチュエータを使用することによって、このロボット駆動部24の構成には、駆動ロボット駆動部24の体積及び重量を減少させるという利点がある。
医療スタッフは、ベッドサイド装置20及び患者12又は被験者(図1に示される)を収容する部屋では、無菌技術を使用して、患者が病原体に汚染されるのを防ぐようにする。ベッドサイド装置20及び患者12を収容する部屋は、例えば、陰極検査室又は血管撮影所であってもよい。無菌技術には、無菌バリア、無菌装置の使用、患者の適切な準備、環境管理及び接触ガイドラインが含まれる。従って、全てのEMD及び介在付属品は滅菌されていて、滅菌バリア又は滅菌器具のいずれかとのみ接触することが許されている。一実施形態では、非滅菌ロボット駆動部24の上に滅菌ドレープ(図示略)が配置される。各カセット66a-dは滅菌されていて、ドレープされたロボット駆動部24と少なくとも1つのEMDとの間で滅菌インターフェースとして作用する。各カセット66a-dは、単一使用のために滅菌するように構成されていてもよく、又は、カセット66a-dやその構成要素を複数の手順で使用できるように、全体又は部分的に再滅菌するように設計されていてもよい。
「遠位及び近位」
遠位及び近位という用語は、2つの異なる特徴の相対的位置を定めている。ロボット駆動部に関して、遠位及び近位という用語は、患者に対するその意図された使用でのロボット駆動部の位置によって定められる。相対位置を定めるために使用される場合、遠位特徴とは、ロボット駆動部がその意図された使用位置にあるときに、近位特徴より患者に近いロボット駆動部の特徴のことである。患者内では、アクセスポイントから経路に沿ってさらに離れた任意の血管造影ランドマークは、アクセスポイントに近いランドマークよりも遠位にあるとみなされる。ここで、アクセスポイントとは、EMDが患者内に入るポイント(場所)のことである。同様に、近位特徴とは、ロボット駆動部がその意図された使用位置にあるときに、遠位特徴よりも患者から遠い特徴のことである。方向を定めるために使用される場合、遠位方向とは、ロボット駆動部がその意図された使用中の位置にあるときに、近位特徴から遠位特徴又は患者に向って、何かが移動している経路、何かが移動することが意図されている経路、それに沿って何かが配向又は面している経路のことである。近位方向は、遠位方向の反対方向である。例として、図1を参照すると、患者に向いている操作者の視点からロボット装置(デバイス)が示されている。この配置では、遠位方向は正のX座標軸に沿っており、近位方向は負のX座標軸に沿っている。図3を参照すると、EMDは、導入器インターフェース支持体74を通って患者に向かう経路上の遠位方向移動されており、導入器インターフェース支持体74は、ロボット駆動部24の遠位端を定めている。ロボット駆動部24の近位端は、負のX軸に沿った遠位端から最も遠い点である。図3を参照すると、最も遠位の駆動モジュールは、ロボット駆動部24の遠位端に最も近い駆動モジュール32aのことである。最も近位の駆動モジュールは、負のX軸に沿ってロボット駆動部24の遠位端から最も遠くに位置決めされた駆動モジュール32dのことである。駆動モジュールの相対位置は、ロボット駆動部の遠位端に対するそれらの相対位置によって決定することができる。例えば、駆動モジュール32bは、駆動モジュール32cの遠位側にある。図3を参照すると、カセット66a及び駆動モジュール68aの部分は、ロボット駆動部の遠位端に対するそれらの位置によって定められる。例えば、カセットが駆動モジュール68a上の使用位置にあるときに、カセット66aの遠位端は、ロボット駆動部の遠位端に最も近いカセットの部分であり、カセット66aの近位端は、負のX軸に沿ってロボット駆動部の遠位端から最も遠いカセットの部分である。換言すれば、カセット66aの遠位端は、EMDが使用中の位置にある患者に至る経路に最も近いカセットの部分である。
「縦軸(長手方向軸)」
部材(メンバ)(例えば、カテーテル・ベースの処置システム中のEMD又は他の要素)の縦軸又は長手方向軸という用語は、部材の近位部分から部材の遠位部分までの方向において、部材の横断面の中心を通る部材の長さに沿った線又は軸のことである。例えば、ガイド・ワイヤの縦軸は、ガイド・ワイヤが関連部分において非線形であったとしても、ガイド・ワイヤの近位部分からガイド・ワイヤの遠位部分に向かう方向の中心軸のことである。
「軸方向移動」
部材の軸方向移動という用語は、部材の縦軸に沿った部材の移動(並進)を指す。EMDの遠位端が、その長手方向軸に沿って患者内に進入、又はさらに患者内に進入するように遠位方向に軸方向に移動すると、EMDは進行する。EMDの遠位端が、患者から出て、又はさらに患者から出て、その縦軸に沿って近位方向に軸方向に動かされるとき、EMDは引き抜かれる。
「回転運動」
部材の回転運動という用語は、部材の局所的な縦軸を中心とした部材の角度方向の変化を指す。EMDの回転運動は、加えられたトルクによって、EMDの縦軸を中心とした時計回り又は反時計回りの回転に相当する。
「軸方向の挿入及び横方向の挿入」
軸方向の挿入という用語は、第2の部材の縦軸に沿って第2の部材内に第1の部材を挿入することを言う。コレット内に軸方向に負荷されたEMDは、コレット内に軸方向に挿入される。軸方向の挿入の例は、ガイド・ワイヤの近位端にカテーテルをバック・ローディング(逆装填)することと称され得る。横方向の挿入という用語は、第2の部材の縦軸に対して垂直な面上の方向に沿って第2の部材内に第1部材を挿入することを指す。これは、ラジアル・ロード又はサイド・ロード(側方装填)とも呼ばれる。換言すれば、横方向の挿入とは、第1部材を第2の部材の半径と平行な方向及び縦軸に垂直な方向に沿って第2の部材に挿入することを言う。
「ピンチ/アンピンチ」
ピンチ(つまみ)という用語は、部材が移動するときに、EMDが部材と一体に移動するように、EMDを部材に対して解除可能(取り外し可能)に固定することを指す。ピンチ解除(つまみ解除)という用語は、部材が移動するときに、EMDと部材とが独立して移動するように、部材からEMDを解除することを指す。
「クランプ/アンクランプ」
クランプ(挟む)という用語は、EMDの動きが部材に対して拘束されるように、EMDを部材に対して解除可能(取り外し可能)に固定することを意味する。グローバル座標系に関して、又はローカル座標系に関して、部材を固定することができる。アンクランプ(挟みの解除)という用語は、EMDが独立して移動できるように、EMDを部材から解除することを指す。
「グリップ/グリップ解除」
グリップ(把持)という用語は、少なくとも1つの自由度で滑る(スリップする)ことなく、EMDの動きを引き起こすように、駆動機構からEMDに対して力又はトルクを適用することを指す。アングリップ(把持の解除)という用語は、EMDの位置がもはや制約されないように、駆動機構からEMDに対する力又はトルクの適用の解除を意味する。1つの例では、タイヤが互いに対して長手方向に移動するときに、2つのタイヤのその長手方向軸に関する回転の間でEMDがグリップされる。EMDの回転運動は、2つのタイヤの運動とは相違する。グリップされるEMDの位置は、駆動機構によって制約される。
「ねじれ」
ねじれ(座屈/バックリング)という用語は、可撓性EMDが軸方向圧縮を受けるときに、それが移動している縦軸又は意図された経路から離れて、可撓性EMDが曲がるときの傾向を指す。一実施形態では、軸方向圧縮は、血管系内で案内されるときの抵抗に応じて生じる。EMDがねじれる前に、EMDが支持されることなく、その縦軸に沿って移動する距離のことを、本明細書では、デバイス座屈距離と呼ぶことができる。デバイス座屈距離は、デバイスの剛性、形状(直径を含むがこれに限定されない)、及びEMDに加えられる力の関数である。座屈は、EMDが、意図された経路とは異なる弓状の部分を形成する原因となり得る。EMDが非弾性的に変形して、その結果が永久的になる場合には、その座屈のことをキンク(よじれ)と呼ぶ。
「ホーミング」
ホーミング(homing)という用語は、定められた位置まで部材を移動することを指す。定められた位置の例として、基準位置がある。定められた位置の別の例として、初期位置がある。原点という用語は、定められた位置を指す。これは、通常、後続の直線位置又は回転位置の基準として使用される。
「上方/下方、前方/後方、内側/外側」
頂部、上方、上側という用語は、重力方向とは逆の一般的な方向を指す。底部、下方、下側という用語は、一般的な重力方向を指す。前方という用語は、ベッドサイドの使用者に面するロボット駆動部の側部を指し、その際、関節アーム等の位置決めシステムからは離れる。後方という用語は、関節アーム等の位置決めシステムに最も近いロボット駆動部の側部を指す。内側という用語は、特徴の内側部分を指す。外側という用語は、特徴の外側部分を指す。
「ステージ」
ステージという用語は、デバイス・モジュールをロボット駆動部に結合するために使用される部材、特徴、又はデバイス(装置)を指す。例えば、ステージを使用して、デバイス・モジュールをロボット駆動部のレール又は線形部材に結合することができる。
「駆動モジュール」
駆動モジュールという用語は、一般に、ロボット駆動システムの部分(例えば、主要部分)を指すが、通常、1つ又は複数のモーターと、カセットとインターフェースする駆動連結器を含む。
「デバイス・モジュール」
デバイス・モジュールという用語は、駆動モジュールとカセットとの組合せを指す。
「カセット」
カセットという用語は、一般に、ロボット駆動システムのブブン(非主要部分であって、消耗品又は殺菌可能なユニット)を指すが、通常、駆動モジュールと少なくとも1つのEMDとの間で(直接的)無菌インターフェースし、又は装置アダプタを介して(間接的に)無菌インターフェースする。
「コレット」
コレット(collet)という用語は、EMDの一部を解除可能に固定できるデバイスを指す。ここで固定されるとは、操作中、コレットとEMDとの間で意図された相対的な動きがないことを意味する。一実施形態では、コレットは、互いに対して回転移動する少なくとも2つの部材を含み、それら2つの部材のうちの少なくとも1つに対してEMDを解除可能に固定する。一実施形態では、コレットは、互いに対して軸方向に(縦軸に沿って)移動する少なくとも2つの部材を含む、それら2つの部材のうちの少なくとも1つに対してEMDを解除可能に固定する。一実施形態では、コレットは、互いに対して回転方向で移動すると共に軸方向に移動する少なくとも2つの部材を含み、それら2つの部材のうちの少なくとも1つに対してEMDを解除可能に固定する。
「固定」
固定という用語は、操作中に、第2の部材に対して、第1の部材には、意図的な相対的な移動がないことを意味する。
「オン・デバイス・アダプタ」
オン・デバイス・アダプタ(On-Device Adapter)という用語は、EMDを解除可能にピンチして、駆動インターフェースを提供することができる滅菌装置を指す。オン・デバイス・アダプタは、エンド・エフェクタ又はEMDキャプチャ(捕獲)デバイスとも呼ばれ得る。非限定的な一例を挙げると、オン・デバイス・アダプタは、動作上ロボット制御されるコレットであって、EMDをその縦軸の周りに回転させて、EMDをコレットに対してピンチ及び/又はアンピンチさせて、及び/又は、EMDをその縦軸に沿って移動させる。一実施形態では、オン・デバイス・アダプタは、ハブ駆動機構であって、例えば、EMDのハブ上に位置する従動歯車を含む。
「タンデム・ドライブ」
タンデム・ドライブという用語は、1つ又は複数のEMDを操作することができる、2つ又は複数のEMD駆動モジュールを含む、ロボット駆動部内の駆動装置(ドライブユニット)又はサブシステムを指す。
「EMD」
細長い医療デバイス(EMD:elongated medical device)という用語は、カテーテル(例えば、ガイド・カテーテル、マイクロ・カテーテル、バルーン/ステント・カテーテル)、ワイヤベースの装置(例えば、ガイド・ワイヤ、塞栓用コイル、ステント・レトリーバー等)、及びこれらの任意の組合せを含む医療デバイスを指すが、これらに限定されない。1つの例では、ワイヤベースのEMDは、ガイド・ワイヤ、マイクロ・ワイヤ、塞栓用ココイル用の近位押込器、ステント・レトリーバー、自己膨張ステント、及びフロー・ダイバータを含むが、これらに限定されない。典型的には、ワイヤベースのEMDは、その近位端子の端部にハブ又はハンドルを有しない。一実施形態では、EMDはカテーテルの近位端にハブを有し、ハブからカテーテルの遠位端に向かって延在する可撓性シャフトを有するカテーテルであり、シャフトはハブよりも可撓性が高い。一実施形態では、カテーテルは、ハブとシャフトとの間を遷移する中間部分を含み、その可撓性は双方の中間であって、その剛性はハブよりも低いが、シャフトよりも高い。一実施形態では、中間部分は、ストレインリリーフである。
「ハブ(近位)駆動」
ハブ駆動又は近位駆動という用語は、近位位置(例えば、カテーテル・ハブ上のギヤ付きアダプタ)からEMDを保持し、操作することを指す。一実施形態では、ハブ駆動とは、カテーテルのハブに力又はトルクを付与して、カテーテルを移動及び/又は回転させることを言う。ハブ駆動では、EMDを座屈(バックル)させる虞があるため、ハブ駆動には、しばしば、座屈防止機能が必要とされる。ハブ又は他のインターフェース(例えば、ガイド・ワイヤ)を有さないデバイスの場合、そのデバイスにデバイス・アダプタを加えて、デバイス・モジュールのインターフェースとして作用させてもよい。一実施形態では、EMDは、カテーテルの遠位端を偏向させるためにハンドルからカテーテルの遠位端まで延出するワイヤ等の、カテーテル内の特徴を操作するための機構を含まない。
「シャフト(遠位)駆動」
シャフト(遠位)駆動という用語は、EMDをシャフトに沿って保持して、操作することを指す。一例では、オン・デバイス・アダプタは、通常、デバイスが挿入されるY-コネクタ又はハブのすぐ近くに配置される。オン・デバイス・アダプタの位置が(本体又は他のカテーテル又はバルブの)挿入点の近くにある場合、シャフト駆動は、通常、座屈防止機能を必要としない。(駆動能力を向上させるために、座屈防止機能を含む場合がある。)
「滅菌可能装置」
滅菌可能装置とは、滅菌可能(病原性微生物を含まない)な装置をいう。これには、カセット、消耗品装置、ドレープ、装置アダプタ、及び滅菌可能な駆動モジュール/装置(電気機械部品を含むことができる)が含まれるが、これらに限定されない。滅菌可能装置は、患者、他の滅菌装置、又は医療処置の無菌技術中に配置された他のものと接触する可能性がある。
「滅菌インターフェース」
滅菌インターフェースという用語は、滅菌装置と非滅菌装置との間のインターフェース又は境界を指す。例えば、カセットは、ロボット駆動部と少なくとも1つのEMDとの間の無菌インターフェースであってもよい。
「リセット」
リセットという用語は、駆動機構を第1の位置から第2の位置に再配置して、それによってEMDの継続的な回転及び/又は軸方向の移動を可能にすることを意味する。リセット中、EMD はドライブ機構によってアクティブに移動されない。一実施形態では、EMDは、駆動機構を再配置する前に、駆動機構によって解放される。一実施形態では、駆動機構の再配置中に、クランプは、EMDの位置を固定する。
「連続移動」
連続移動(モーション)という用語は、リセットを必要とせず、途切れることのない移動を指す。
「離散移動」
離散移動(モーション)という用語は、リセットが必要とされて、中断される移動を指す。
「消耗品」
消耗品という用語は、通常、医療処置で一度だけ使用される滅菌可能な装置(ユニット)を指す。この装置は、別の医療処置で使用するために、再度、滅菌プロセスを行って、再使用可能な消耗品であってもよい。
「デバイス支持体」
デバイス支持体という用語は、EMDの座屈(ねじれ)を防止する部材、機能、又はデバイスを指す。
「ダブルギヤ」
ダブルギヤ(二重歯車、ダブルギアともいう)という用語は、デバイスの2つの異なる部分に動作可能に接続された2つの独立駆動ギヤを指す。2つの歯車の各々は、同一又は複数の設計であってもよい。用語ギヤは、ベベルギヤ、スパイラル・ベベルギヤ、平歯車、斜め(マイタ)ギヤ、ウォームギヤ、ヘリカルギヤ(はすば歯車)、ラック・アンド・ピンオン、スクリューギヤ(ねじ歯車)、太陽歯車等の内歯車、インボリュート・スプライン・シャフト及びブッシング、又は当技術分野で公知の任意の他の種類の歯車であってもよい。1つの例では、ダブルギヤは、デバイスの2つの異なる部分によって駆動接続が維持されるようにデバイスを含み、それは、例えば、ベルト、摩擦係合、又は当技術分野で公知の他の連結器を含むが、それらに限定されない。
図3及び図4Aを参照すると、EMD駆動システムは、オン・デバイス・アダプタ112を含み、後者は、一実施形態では、EMD102に対して解除可能に固定されたコレットを含む。コレット112は、それに対して、EMD102の軸部(シャフト部)を解除可能に固定するデバイスである。本明細書で詳述されるように、コレット112は、EMD102のシャフトをピンチし(つまみ)、その結果、コレット112全体のその縦軸に関する回転及び/又は移動が、ピンチされたEMD102のシャフト部分と同じ回転及び/又は移動になるようにする。一実施形態では、コレット112は、単一の成形部品であって、その本体内に内部経路を画定して、それを通ってEMD102のシャフトの一部を固定できるようにしてもよい。本明細書に記載のように、EMD102のシャフトは、コレットの内部経路内に配置されて、そこにピンチされる。EMD102のシャフトは、コレットの内部経路内で半径方向に装填されてもよく、又は軸方向に装填(ロード)されてもよい。半径方向の装填は、側部装填又は横方向装填と呼ぶことができるが、その理由は、EMDのシャフトは、コレット本体の長手方向側部を通して(即ち、コレット本体の近位端部から遠位端部まで延在するコレット本体の側部)コレット112に装填されるからである。半径方向装填、側部装填、又は横方向装填は、軸方向荷重とは対照的であって、後者では、コレットの内部経路内の近位又は遠位の開口部内にシャフトの自由端を最初に挿入することにより、シャフト部分が内部経路内に装荷される。
一実施形態では、コレット112は、互いに対して移動する少なくとも2つの部材(メンバ)を含み、それによって、それら2つの部材のうちの少なくとも1つに対して、EMDのシャフト部分を解除可能に固定させる。一実施形態では、一体に動作する2つの部材には機械的利点があるが、それは、EMDのシャフトがコレット本体に対して移動することなく、コレット本体からEMDのシャフトまでに伝達され得るトルク及び/又は力を増大させることができるからである。コレットを使用したEMDへのピンチ力は、ピンチを作動させるのに要する力よりも大きくすることができる。EMDのシャフトがピンチされると、EMD処置の許容可能な動作パラメータの間、コレットとEMDの相対的な移動があるように、固定される。
EMD102は、コレット112に対して固定されて、ロボット駆動部内に半径方向に装填されるが、本明細書では、後者は、EMD駆動部等のデバイス・モジュール32とも呼ばれるる。EMD支持体79は、非軸方向から、EMD102に対して解除可能に適用される。ロボット駆動部32は、コレット112及びEMD102を移動及び/又は回転させるために、コレット112に対して操作自在に連結されている。一実施形態では、EMD102は、ロボット駆動部32内に、移動可能又は解除可能に装填される。
一実施形態では、EMD102がロボット駆動部32内に半径方向に装填されるとき、コレット112は、ロボット駆動部32内にある。一実施形態では、コレット112に固定されたEMD102と共に、コレット112は、ロボット駆動部32内に解除可能に挿入される。
一実施形態では、EMD102が移動及び/又は回転されるとき、EMD支持体79は、EMD102のその長さに沿った座屈を制限すると共に、キンク(もつれ)を防止する。
一実施形態では、ロボット・システムは、ロボット駆動部32又はデバイス・モジュールを含むが、それは、駆動結合器130を有する駆動モジュール68又はベースと、駆動モジュール68に対して解除可能に固定されたカセット66とを含む。カセット66内のコレット112は、EMD102に対して解除可能に固定されている。コレット112は、駆動結合器(ドライブ・カップラ)130に対して操作自在に結合された従動部材(ドリブン・メンバ)136を有する。ロボット駆動部32は、モーター又はアクチュエータを含むが、それは、コレット112に対して操作自在に連結されて、コレット112を移動させる。一実施形態では、ベース68に対して直接的にカセット66を接続することで、カセット66はベース68に対して解除可能に固定される。一実施形態では、カセット66はベース68に対して間接的に解除可能に固定されるが、その際、カセット66とベース68との間には中間部材が配置される。
コレット112がカセット66内に位置決めされる前に、EMD102は、コレット112内で、半径方向又は軸方向に装填することができ、それによって、EMD102とコレット112が共にカセット66内に装填されるようにしてもよい。コレット112がカセット66内に既に配置されているときに、EMD102は、コレット112内に半径方向又は軸方向に装填されてもよい。
一実施形態では、EMD102は、コレット112内で半径方向に解除可能に受け入れられ、コレット112は、カセット66内で解除可能に受け入れられて、配置される。本明細書に記載のように、コレット112は、コレット本体の外周から、その内部経路まで延在するスロットを有していてもよい。シャフト部分等のEMD102の一部は、半径方向に、そのスロットを通る経路内に挿入されてもよい。EMD102のシャフト部分は、EMD102の一部であって、EMD102の近位端とEMD102の遠位端との中間にある。EMD102の近位端及びEMD102の遠位端がコレット及び経路の外側にとどまる間に、EMD102のシャフト部分のコレットへの半径方向の装填が行われる。他の方法では、コレット112の縦軸に対して略垂直な方向で、EMD102のシャフト部分が装填されてもよい。
一実施形態では、EMD102は、コレット112内で軸方向に解除可能に受け入れられて、コレット112は、カセット66内に解除可能に受け入れられる。この実施形態では、EMD102の遠位端又は近位端の1つは、コレット112の遠位開口部又は近位開口部に挿入されて、EMDの遠位端又は近位端がコレットの遠位端又は近位端の他方から出るまで、コレット112の長手方向軸に沿って移動する。
一実施形態では、EMD102は、コレット112内で半径方向に解除可能に受け入れられ、コレット112は、カセット66内に取り外し(解除)不可能に位置決めされる。一実施形態では、EMD102は、コレット112内で軸方向に解除可能に受け入れられ、コレット112は、カセット66内に取り外し不可能に位置決めされる。一実施形態では、コレット112は、カセット66内に位置する位置決め特徴部408を含み、位置決め特徴部133は、カセット66内のコレットの半径方向の装填ならびに回転を可能にする。一実施形態では、コレット112は、カセット66内の位置決め機構内に位置する遠位端も含む。
一実施形態に係る図4Fを参照すると、モーター124は、駆動結合器130に対して動作可能に結合されたベース(基部)68内に位置決めされる。ベース68に対してカセット66が固定されると、駆動結合器130はカセット66内で延在する。一実施形態では、カセット66内にモーターが配置される。一実施形態では、モーターは、ベース68の外側に位置するが、ベース68内の駆動結合器130に動作可能に接続される。
一実施形態では、ロボット・システムは、コレットとは独立してEMDのシャフト部分を解除可能に挟持させるクランプを含む。一実施形態では、クランプは、少なくとも1つのタイヤを含む。
本明細書で詳述されるように、一実施形態では、移動するコレット112は、コレット及びEMDを回転させる。一実施形態では、EMD102は、EMD102の長手方向軸を中心として、時計回り及び反時計回り方向に選択的に回転させられる。
本明細書で詳述されるように、一実施形態では、移動するコレット112は、コレット内でEMDを選択的にピンチ及びピンチ解除を行う。本明細書で詳述される一実施形態では、移動するコレット112は、EMDをピンチ及びピンチ解除するために、コレット全体ではなく、コレット112の1つ又は複数の部分のみを移動することを含む。
本明細書で詳述されるように、一実施形態では、移動するコレット112は、EMDの長手方向軸に沿って第1の方向及び反対の第2の方向にコレット及びEMDを選択的に移動させる。
本明細書で詳述されるように、一実施形態では、移動するコレット112は、コレット及びEMDを回転させて、コレット及びEMDを移動させて、そして、コレット内のEMDを選択的にピンチ及びピンチ解除する。
図3、図4G及び図4Hを参照すると、ロボット・システム24は、複数のデバイス・モジュール32a-32dを含む。一実施形態では、2つ又は複数の別個のデバイス・モジュールが存在する。図3は、4つのデバイス・モジュール32を有するシステムが例示されている。一実施形態では、複数のモジュールは同じである。一実施形態では、各デバイス・モジュールは相違する。一実施形態では、幾つかのモジュールは同じだが、幾つかのモジュールは相違する。上述の図3では、4つのデバイス・モジュール32を有するシステムが例示されている。各EMDデバイス支持体79a-79dは、遠位コネクタ80内で終端する遠位端と近位端とを含む。例として、図4Hを参照すると、デバイス・モジュール32cは、近位端79c.1と、それと対向する遠位端コネクタ79c.2とを有するEMDデバイス支持体79cを有する。EMDデバイス支持体79cの近位端79c.1は、アーム77bの近位端77b.1に固定されるてい。アーム77bは、デバイス・モジュール32cの遠位側にあるデバイス・モジュール32bに固定されている遠位端77b.2を有する。EMD駆動支持デバイス77bの端子端部(ターミナル・エンド)77b.2は、デバイス・モジュール32bの近位端に固定されており、それによって、端末端部77b.2がデバイス・モジュール32bの遠位端まで遠位に移動できないようにしている。動作時には、遠位端コネクタ80cは、デバイス・モジュール32b上の近位端コネクタ88bに対して解除可能に接続される。一実施形態では、EMD支持体79a-79dは、可撓性管(フレキシブル・チューブ)を含み、後者は長手方向のスリットを有して、EMDが、それぞれのEMDデバイス支持体79a-79dに対して挿入されたり、そこから取り外すことを可能にしている。一実施形態では、EMD支持体79a-79dは、米国公開出願第2016/0271368号に記載されている可撓性トラックとして動作するが、これは、本出願人と同一出願人によるものであって、その名称は、「ガイド・カテーテル制御の可撓性トラック(Guide Catheter Control Flexible Track)」である。アーム77bは、駆動モジュール32bと共に直線的に移動し、従って、1つのモードでは、近位端77c.1及び遠位端77c.2は、駆動モジュール32bと共に駆動モジュール32cに対して移動する。EMDデバイス支持体79cは、デバイス・モジュール32cによって非軸方向に操作されるEMD102に対して解除可能に適用される。デバイス・モジュール32cによって操作されるEMD102は、支持体79cに出入りするが、その際、EMDデバイス支持体の外周からEMD支持体の内部空洞まで延在する縦方向スリットを介する。一実施形態では、EMDデバイス支持体は、本明細書で後述される伸縮部材(テレスコープ部材)であって、その際、座屈防止支持体を提供するために、EMDデバイス支持体内でEMDに対して軸方向又は非軸方向に負荷が及ぼされて、図3を参照すると、各駆動モジュール32a-32dは、異なるデバイスを独立して操作する。各EMDデバイス支持体79a-79dによって、各デバイスは、EMD支持体なしで移動する場合と比べて、2つの隣接するデバイスの間の距離をより大きくして移動することができる。EMDデバイス支持体がない場合、デバイスが移動できる距離は、デバイスの座屈長さより短くなり得る。従って、EMDが座屈長さで移動するたびに、システムは、駆動部をリセットする必要が起こり得る。EMD支持体により、所定のデバイスを互いに関係して、及び/又は処置と関係して使用する間、リセットを不要にできる。換言すれば、EMDデバイス支持体は、所定のデバイスを使用する際、コレットのリセットを不要にする。一実施形態では、EMD支持体は、EMD支持体が用いられない場合と比べて、コレットのリセットをより少なくすることを可能にする。図4Gを参照すると、デバイス支持体79は、カセット66cを通って案内され、その際、チャネル138と近位支持部材82とを介し、後者では、そこを通って延在するチャネル84を介する。
EMD102は、コレット112を手動で操作することで、オン・デバイス・アダプタ及び/又はコレット112によってピンチされて、次いで、コレット及びEMDはロボット式に回転及び移動される。一実施形態では、EMD102は、コレット112によってロボット式に、ピンチ及びピンチ解除がされ、かつコレット112を回転及び移動させることで、ロボット式に回転、移動させられる。
本明細書では、複数のロボット式EMD駆動システムが例示されている。更に、複数のコレット構成も例示されている。本明細書に記載される特定のコレット構成だけでなく、当該技術分野で公知のコレット構成も、本明細書に記載の様々なEMD駆動システム中に使用することができる。本明細書に記載されるコレットは、ピン・バイス(pin vise)、チャック、ブッシング、又はガイド・ワイヤ・トルカ(guidewire torquer)とも呼ばれる。
図1、図4A及び図4Dを参照すると、デバイス・モジュール32は、駆動モジュールベース部品116及び負荷(ロード)感知部品118とを含む駆動モジュール68を含む。EMD102は、分離部品(分離部品)106に対して解除可能に結合されている。分離部品106は、EMD102上に作用する実際の負荷(ロード)以外に、外部負荷から分離されている。分離部品106は、ロード感知部品118に対して解除可能に結合される。負荷(ロード)センサ120は、駆動モジュールベース部品116に対して固定され、ロード感知部品118は、EMD102上に作用する実際の負荷を検知する。
一実施形態では、負荷センサ120は、負荷測定時の少なくとも1つの方向で、ロード感知部品118の唯一の支持体である。一実施形態では、カセット・ハウジング104と分離部品106とは、内部的に接続されて、それらが1つの部品を形成するようにする。一実施形態では、可撓性膜108によって、カセット・ハウジング104と分離部品106とを接続して、その際、可撓性膜108は、分離部品106に対して、X方向(デバイス方向)に無視できる力を及ぼす。一実施形態では、可撓性膜108は、物理的膜ではなく、カセット相互作用を表す。
一実施形態に係る図4A及び図4Bを参照すると、装置は、カセット66を含むが、後者は、カセット・カバー105及び駆動モジュールベース部品116に対し解除可能に取り付けられたカセット・ハウジング104から構成される。
一実施形態に係る図5C-図5Eを参照すると、駆動モジュールベース部品116は、ロード感知部品118及び負荷センサ120を含む。駆動モジュール68は、駆動モジュールベース部品116とロード感知部品118とを別々の部品として含み、それらは、駆動モジュールベース部品116とロード感知部品118との間に配置された負荷センサ120によって接続される。ロード感知部品118のベアリング128は、少なくとも1つの軸外(非測定)方向で、ロード感知部品を支持する。
図8A及び図8Bを参照すると、一実施形態では、EMDオン・デバイス・アダプタ112は、カテーテル140に対して接続されている。オン・デバイス・アダプタ112は、一体に接続された従動かさ歯車(ベベルギヤ)136を含むが、それは、ハブ142と共に示されたY-コネクタに対して解除可能に接続されており、そのハブは、近位端上の止血弁に対して解除可能に接続することができる。EMDオン・デバイス・アダプタ112の一実施形態では、従動かさ歯車136に対して解除可能に接続されたカテーテル140を含む。カテーテル140は、カテーテル・ハブ139と、それと一体的に接続されたカテーテル・シャフト141とを含む。一実施形態では、カテーテル・ハブ139は、カテーテルの特徴又は一部を操作する機構を含むハンドルではない。一実施形態では、EMDは、カテーテル内の特徴を操作するように機構を備えたハンドルを含み、例えば、カテーテルの遠位端部を操作又は偏向するように、ハンドルからカテーテルの遠位端部まで延出するワイヤ等を操作してもよい。対照的に、ハブは、カテーテル内の特徴を操作する機構を含まない、近位端におけるEMDの剛性部分である。
図4B及び図4Cを参照すると、カセット・ハウジング104内に配置された分離部品106、カセット・ハウジング104とは離れて配置された分離部品106とが例示されており、分離部品106がロード感知部品118に接続される場合の、少なくとも1つの方向に沿って離れている。分離部品106は、第1の部品106aと、それに取り付けられた第2の部品106bとを含む。図4A~図4Cを参照すると、第1の部品106aは、カセット・ハウジング104の凹部143内に配置されており、その際、カセット66が駆動モジュール68に固定された使用位置の駆動モジュール68に向かう方向として定められる第1の方向で配置されている。第2の部品106bは、凹部143内に配置されているが、その際、ロード感知部品118から第1の部品106aに向かう離れる方向で配置されている。図4Cを参照すると、別の方法では、第1の部品106aは、カセット・ハウジング104の上方から-z軸方向で、凹部143内に配置されており、かつ第2の部品106bは、カセット・ハウジング104の下方から+z軸方向で凹部143内に配置されている。
図4C及び図4Fを参照すると、第1の部品106aと第2の部品106bとは互いに対して固定されている。カセット・ハウジング104は、凹部143内に位置する2つの長手方向に配向されて間隔を置いて平行のレール107を含む。これらレール107は、本明細書では、線形ガイドとも呼ばれる。これらレール107は、互いに対して実質的に平行であり、互いに対して離間している。第1の部品106aは、カセット・ハウジング104の上面に最も近いレール107の上面に位置し、かつ、第2の部品106bは、ロード感知部品118に最も近いレール107の底面に位置する。なお、分離部品106の第1の部品106aと第2の部品106bとの組立て方向は、使用中の位置に関連して説明されているが、分離部品106の第1の部品と第2の部品とは、駆動モジュール68から離れて設置されることに留意されたい。換言すると、分離部品106の第1の部品106aは、カセット66の上面からカセット66の底面に向かう方向で、カセット・ハウジング104の縦軸に略垂直な方向で凹部143内に挿入される。
一実施形態では、1つの機械的ファスナ又は複数のファスナによって、分離部品106の第2の部品106bに対して第1の部品106aを固定する。一実施形態では、第1の部品106a及び第2の部品106bは、磁石を用いて一体に固定される。一実施形態では、分離部品106の第1の部品106a及び第2の部品106bは、接着剤で固定される。一実施形態では、第1の部品106a及び第2の部品106bは、道具(ツール)を使用せずに互いに対して解除可能に固定される。一実施形態では、第1の部品106a及び第2の部品106bは、互いに取り外し不能に固定される。
図4Fを参照すると、分離部品106の第2の部品106bがロード感知部品118に対して解除可能に固定される使用位置では、第1の部品106a及び第2の部品106bは、カセット・ハウジング104のレール107から離間しており、そのため、第1の部品106a及び第2の部品106bは、カセット・ハウジング104とは非接触の関係にある。
一実施形態では、オン・デバイス・アダプタ112がロード感知部品118に対して結合されているとき、オン・デバイス・アダプタ112は、カセット・ハウジング104から離間して、それとは非接触になる。一実施形態では、分離部品106は、カセット・ハウジング104から全方向で分離される。一実施形態では、分離部品106は、カセット・ハウジング104とは別個であり、非接触の関係にある。
図4B及び図4Cを参照すると、一実施形態では、カセット66は、カセット・カバー105を含むが、それは、カセット・ハウジング104と分離され、非接触である分離部品106に対して、ヒンジ103によって回動(旋回)可能に結合される。一実施形態では、カセット・カバー105は、ヒンジ103によって、分離部品106の第1の部品106aと回動可能に結合される。一実施形態では、カセット・カバー105は、スナップ嵌めのような他の手段を用いて、分離部品106の第1の部品106aに接続される。
図1及び図4Cを参照すると、一実施形態では、駆動モジュール68は、EMD102を第1の方向に移動させ、分離部品106は、カセット・ハウジング104から第1の方向に分離される。一実施形態では、駆動モジュール68は、EMD102を第2の方向に移動させ、分離部品106は、カセット・ハウジング104から第1の方向及び第2の方向に分離される。
一実施形態に係る図4Dを参照すると、分離部品106の第2の部品106bは、ファスナ(締結部)を用いてロード感知部品118に対して解除可能に固定される。一実施形態では、ファスナは、分離部品106の第2の部品106bをロード感知部品118に対して解除可能に固定できるクイック・リリース(急速解除)機構を含む。一実施形態では、ファスナは磁石である。
図5A-図5Eを参照すると、ロード感知部品118は、駆動モジュールベース部品116内に配置されていて、負荷センサ120と共に駆動モジュールベース部品116に対して固定されている。一実施形態では、負荷センサ120は、第1のファスナ115を用いて駆動モジュールベース部品116に対して固定された第1の部分と、第2のファスナ119を用いてロード感知部品118に対して固定された第2の部分とを含む。一実施形態では、負荷センサ120の第1の部分は、負荷センサ120の第2の部分とは異なり、分けられる。一実施形態では、第1のファスナ115及び第2のファスナ119はボルトである。一実施形態では、第1のファスナ115及び第2のファスナ119は、機械的接続を行う当技術分野で公知の機械的締結部品である。一実施形態では、第1のファスナ115及び第2のファスナ119は、機械的接続を確実にする接着手段と換えられてもよい。一実施形態では、第1のファスナ115及び第2のファスナ119は、磁石である。
一実施形態に係る図5Aを参照すると、駆動モジュールベース部品116は、ロード感知部品118を受け入れる凹部を含む。一実施形態では、駆動モジュールベース部品116は、さらに、負荷センサ120の一部を受け入れるように、凹部から延在する空洞を画定する。
一実施形態に係る図4B及び図4Dを参照すると、カセット・ハウジング104は、クイック・リリース機構121を介して駆動モジュールベース部品116に解除可能に接続されている。一実施形態では、クイック・リリース機構121は、カセット・ハウジング104内でスプリング(ばね)付勢された部材を含み、該部材は、駆動モジュールベース部品116に固定されたクイック・リリースのロックピン(係止ピン)117aと解除可能に係合するラッチリリース123によって作動される。一実施形態では、駆動モジュールベース部品116に対して固定された位置合わせピン117bによって、駆動モジュールベース部品116に対してカセット・ハウジング104を位置合わせする。
図4C及び図4Fを参照すると、カセット・ハウジング104内のレール107の周りで分離部品106の第1の部品106aを第2の部品106bに対して取り付けることによって、分離部品106は、カセット・ハウジング104の内側に収容されている。使用位置では、分離部品106は、レール107と接触しない。このため、EMD102上に作用する外力及び/又は外部トルクに起因する負荷の相互作用が、カセット66内の1つの構成要素(部品)で発生する。
カセット・ハウジング104は、EMD102と共にEMDオン・デバイス・アダプタ112を受け取るように構成されたクレードル(受け台)132を含む。カセット・ハウジング104内のカセット・ベベルギヤ134は、駆動モジュール68の連結器130が回転する連結器軸131と並んだ軸を中心にして、カセット・ハウジング104に対して自由に回転することができる。組み立てられたデバイス・モジュール32内では、カセット66は、駆動モジュール68の取り付け面上に配置されており、カセット・ベベルギヤ134が連結器軸131に沿って連結器130を受け入れて、連結器軸131に沿って自由に係合及び係合解除されて、連結器軸131の周りに一体的に(非自由に)接続されていて、連結器130の回転がカセット・ベベルギヤ134の回転と等しく対応するようにしている。換言すれば、連結器130が所与の速度で時計回りに回転すると、カセット・ベベルギヤ134は同じ所与の速度で時計回りに回転し、また、連結器130が所与の速度で反時計回りに回転すると、カセット・ベベルギヤ134は同じ所与の速度で反時計回りに回転する。
図1、図3、及び図4を参照すると、EMD駆動システムは、EMD102のシャフトに解除可能に固定されたオン・デバイス・アダプタ112を含む。オン・デバイス・アダプタ112は、駆動モジュール68に対して解除可能に固定されたカセット66内に受け入れられる。駆動モジュール68は、オン・デバイス・アダプタ112に対して動作可能に結合されて、オン・デバイス・アダプタ112とEMD102とを一体に移動させる。
一実施形態では、オン・デバイス・アダプタ112は、並進又は移動される。図3を参照すると、駆動モジュール68は、カセット68、オン・デバイス・アダプタ112及びEMD102を一体に移動させるためにX軸に沿って移動される。一実施形態では、X軸に沿った移動は、オン・デバイス・アダプタ112の長手方向軸、カセットの長手方向軸、及びEMD102の長手方向軸と同軸である。図20Aを参照すると、駆動モジュールは、オン・デバイス・アダプタ及びEMDを移動させるリセット機能を含む。並進又は移動すると、上記構成要素がカセット及びオン・デバイス・アダプタの長手方向の軸に沿って遠位方向及び近位方向に移動する。
一実施形態では、オン・デバイス・アダプタは、オン・デバイス・アダプタの縦軸の周りに回転して移動する。
一実施形態では、オン・デバイス・アダプタ112は、コレット(collet)を含む。コレットは、本明細書に記載されるコレットに限定されず、様々なコレット構成を含むことができる。図6A、図6B、図9A-図9I、及び図10A-図11Eを参照されたい。
一実施形態に係る図6A及び図6Bを参照すると、コレット400は、第2の部材404の縦軸406に沿って、及び/又は、その周りを移動する第1部材402を含み、それによって、第3部材405内でEMD102のシャフトをピンチする。一実施形態では、第2の部材404は、略円筒形状を有する。しかしながら、第2の部材404は、他の幾何学的形状を有することができ、例えば、円錐台状(frustoconical)であって、第1の部分は係合部分136により近く、断面を有し、第2の部分は第1の部材402により近く、より大きな断面を有していてもよい。一実施形態では、第1の部材402は、ナットと呼ばれ、第2の部材404は、コレット本体又はスリーブと呼ばれ、第3の部材405は、チャックと呼ばれる。ナット402は、チャック405を開閉して、EMD102をピンチしたり、ピンチ解除するために、本体404に固定されている。一実施形態では、ナット402は、本体404と螺合(スレッド状に係合)する。
オン・デバイス・アダプタ112は、カセット66内の駆動部材134と係合して、駆動される係合部分136を含み、それによってオン・デバイス・アダプタ112を回転させる。一実施形態では、係合部分136はギヤである。しかしながら、駆動部材によって駆動される他の係合部分も考えられる。
一実施形態では、オン・デバイス・アダプタ112は、カセット内のベアリング部材によって支持される表面408を含む。
一実施形態では、オン・デバイス・アダプタ112は、カセット66の部分に対する移動を防止するスラスト軸受(ベアリング)面410を含む。一実施形態では、スラスト軸受面410は、遠位方向への移動を防ぐ第1の部分412と、近位方向への移動を防ぐ第2の部分414とを含む。一実施形態では、第1の部分412と第2の部分414とは、カセット66内のベアリング部材133によって支持される表面408を画定する間に溝を形成する。
一実施形態では、オン・デバイス・アダプタ112はルアー・コネクタ416を含む。一実施形態では、ルアー・コネクタ416は、本明細書で参照されるISO80369-7規格によってカバーされる。一実施形態では、ルアー・コネクタ416は、オン・デバイス・アダプタ112を洗浄液で洗浄できるように構成される。ルアー・コネクタは通路を有し、それを介して、オン・デバイス・アダプタ112内の通路と接続される。一実施形態では、通路はルアー・コネクタ416内にあり、オン・デバイス・アダプタ内の通路と同軸で流通される。一実施形態では、オン・デバイス・アダプタ112内の通路は、EMD102のシャフトを受け入れる通路である。一実施形態では、ルアー・コネクタ41は、一般的なコネクタであって、一実施形態では、ISO80369-7規格でカバーされるコネクタである。一実施形態では、ルアー・コネクタはルアー・ロックである。
図6C及び図6Dを参照すると、オン・デバイス・アダプタ112はホルダ418を含み、後者は、それに形成又は取り付けられた係合面又は歯車136を有する。ホルダ418は、その遠位部分に複数のスリット420を有するが、それらは、複数のフィンガ422を形成するホルダ418の遠位端まで延在する。ホルダ418は、コレット424の近位部分を受け入れるチャネルを有する。一実施形態では、コレット424は、メリット(Merit)(商標)から、ピンバイス(PinVise)(商標)として入手することができる、トルク・デバイスであってもよい。コレット424の本体近位部426は、ホルダ418のチャネルの遠位端における内径よりも大きい外径を有する。本体426の近位端部は、ホルダ418のチャネル内に配置され、それによって、フィンガ422が外側に移動して、ホルダ418内のコレット424をキャプチャして、ホルダ418の移動及び/又は回転がコレット424の移動及び/又は回転となるようにする。分割部材部(スプリット・メンバ部)428内でEMDのシャフトをピンチすることによって、第2の部材430は、コレット本体部分426のねじ部分432の周りを回転する。複数の分割部材部428は、互いに向かって移動して、第2の部材430の内側円錐部としてEMD102をピンチすることにより、本体部分426に向かって移動して、そのため、複数の分割部材部428は、互いに対して係合して、互いに向かって移動する。
図7A及び7Bを参照すると、オン・デバイス・アダプタ112は、上述のように、コレット424を係合するクイック・クランプ450を含む組立体である。しかしながら、クイック・クランプ450が他のコレット構成と係合することは想定されている。一実施形態では、クイック・クランプ450は、コレット424を急速に接続及び/又は解放する。図7E及び図7Fを参照すると、レバー452は、コレットをクランプするために、第1のアンクランプ位置から第2のクランプ位置まで移動する。一実施形態では、クイック・クランプをコレット上に解除可能に係合させるための追加のツールは必要とされない。図7A及び7Bを参照すると、クイック・クランプ450は、その中にチャネルを画定するクランプ本体454を含み、上述のトルカ(torquer)等、コレット424を受け入れる。一実施形態では、トルカ424は、チャネル431の遠位開口429に挿入される近位端427を含む。本体426に対して回転するトルカの第2の部分430は、本体及び第2の部分によって画定されるチャネル内で、EMDをピンチしたり、ピンチ解除するように作用する。図7E及び7Fを参照すると、クランプ本体454に枢着されたレバー452は、第1の開位置から第2の閉位置に移動するが、後者では、クランプ本体がクランプ解除位置からクランプ位置まで移動する。レバー452は、カム本体454上の部分459と相互作用するカム部分457を含む。第1の開(オープン)位置では、コレット本体454の外面とクランプ・チャネルの表面との間にギャップ(隙間)461が存在する。ギャップ461は、クイック・クランプ450が、様々な市販のコレットを固定することを可能にし、それらは、様々な外本体直径を有し得る。レバーが開位置から閉(クローズ)位置まで枢動されると、コレット本体をクイック・クランプに対してクランプすることでギャップ461が排除され、その結果、クイック・クランプの移動及び/又は回転が、コレットにピンチされるコレット及びEMDの移動及び/又は回転をもたらす。カム部分457が表面459と相互作用して、ギャップ461を排除するように本体454に強制的に作用するため、ギャップ461は、排除される。図7Bを参照すると、ピン453に接続されたネジ455は、レバー452が係合される前に、ギャップ461(図7E参照)内の変化を可能にする。これにより、様々な外径を有するコレットを係合させるように、クイック・クランプの更なる調整が可能になる(クランプ力のための変位を微調整するためにレバーハンドルを調整してもよく、スクリューハンドルは、サイズの変化に基づいて、大きな変位を行ってもよい)。
図7Bを参照すると、ルアー・コネクタ456は、コネクタ464と共にクランプ本体454に対して動作可能に結合されて、一実施形態では、ルアー・コネクタ456は、クランプ本体454の部分と一体化される。一実施形態では、係合部分458は、歯車460と、表面462とを含むが、後者は、カセット内のベアリングによって支持されるカセット内に受け入れられる。
一実施形態では、EMD102は、コレット112内で半径方向に解除可能に受け入れられ、コレット112は、カセット内に解除可能に受け入れられて、配置される。一実施形態では、EMD102は、コレット112内で軸方向に解除可能に受け入れられて、コレットは、カセット内に解除可能に受け入れられる。一実施形態では、EMDは、コレット112内で半径方向に解除可能に受け入れられて、コレット112は、カセット内で取り外し不可能に位置決めされる。一実施形態では、EMD102は、コレット112内で軸方向に解除可能に受け入れられて、コレット112は、カセット内に取り外し不可能に位置決めされる。
図4Fを参照すると、駆動モジュールは、駆動結合器(ドライブ・カップラ)に対して動作可能に結合されるアクチュエータを含む。これは、カセット内の駆動部材に対して動作可能に結合される。駆動モジュールは、レール又は線形支持体に対して動作可能に結合されて、第2のアクチュエータは、レール又はリニア支持体に沿って駆動モジュールを移動させる。
一実施形態では、EMDは、ガイド・ワイヤである。一実施形態では、EMDは、カテーテルであって、そのカテーテルの近位端にハブを有し、かつハブからカテーテルの遠位端に向かって延在する可撓性シャフトを有する。そのシャフトは、ハブよりも可撓性が高い。一実施形態では、カテーテルは、ハブとシャフトとの間に中間部分を含むが、その剛性は、ハブより低く、かつシャフトよりも高い。
図8A及び図8Bを参照すると、オン・デバイス・アダプタ510は、EMD512を保持し、一実施形態では、それはカテーテルである。カテーテル512は、ハブ514及びシャフト516を含む。オン・デバイス・アダプタ510は、本体518を含み、それは、ハブ514を受け入れるために、本体518の近位端部から内側で延在する空洞(キャビティ)520を有する。カテーテル512及びシャフト516の近位端部又はそれに隣接するカテーテル・ハブ514は、ハブ514に近接する領域からカテーテル512の遠位端部に近接する領域まで延在する。一実施形態では、ハブ514は、圧入(プレス・フィット)又は他の係合の仕方によって空洞520内に受け入れられて、カテーテル516がオン・デバイス・アダプタ510から独立して移動及び/又は回転することを防止する。オン・デバイス・アダプタ510は、カセット66内の駆動部材134と係合する係合特徴522を含む。一実施形態では、係合特徴522とは、歯車(ギヤ)である。その歯車522は、本明細書で記載されたギヤ136と同様であってもよい。オン・デバイス・アダプタ510及びカテーテル512は、カセット66及び/又は駆動モジュール68と共に移動される。アクチュエータが動作可能に歯車134を回転させて、それによって歯車522とオン・デバイス・アダプタ510とカテーテル512とを回転させることによって、オン・デバイス・アダプタ510及びカテーテル512は、オン・デバイス・アダプタ510及びカテーテル512の縦軸を中心に回転される。
カテーテル・ハブ514は、ハブ本体524を含み、一実施形態では、それは、ハブ本体524から半径方向外側に延びる一対の翼部(ウイング)526を含む。図8A及び図8Bを参照すると、翼部562は、オン・デバイス・アダプタ510の空洞520内に受け入れられる。一実施形態では、カテーテル512は、その近位端にコネクタ528を含む。一実施形態では、カテーテル510は、ハブ514とシャフト516との間にひずみ解放部(ストレイン・リリーフ部)532を含み、それは、ハブ514とシャフト516との間で遷移する。一実施形態では、ひずみ解放部532は、近位直径を有する近位部分と、遠位直径を有する遠位部分とを有し、後者は、シャフト516の近位直径と等しいか、又はそれより小さいものとする。
一実施形態では、ハブ514は、第1のポートを含むが、それは、直接的に、又はハブ・シャフト・ルーメン(空洞部)534を通して、カテーテル・シャフト516の内部ルーメン534へのアクセスを提供する。一実施形態では、ハブ514は、カテーテルのルーメンと流通する付加的なポートを含むが、それは、例えば、バルーンの膨張に使用され得る。
シャフト516は、ハブ・ルーメン536と流通するルーメン(空洞部)534を含む。コネクタ528は、ハブ・ルーメン536及び/又はシャフト・ルーメン534と流通する空洞部を含む。ガイド・ワイヤ等の別のEMDは、コネクタ528の開口部に入り、そこを通ってシャフトの空洞部534とハブの空洞部536との内部に延びてもよい。一実施形態では、ひずみ解放部は、シャフト・ルーメン534の近位部分を囲む。また、コネクタ528は、その中で流体を流して、ハブ・ルーメン536とシャフト空洞部534内に流体が導入されることを可能にして、カテーテルを洗い流したり、及び/又は、カテーテル・シャフト516の遠位端に流体を供給することを可能にする。
カテーテル512が別の遠位カテーテルとどのように相互作用するのかを説明するために、カテーテル512及びその特徴は、第1のカテーテル及び第1の特徴として参照し、かつ遠位カテーテル及びその特徴は、第2のカテーテル又は第2の特徴として参照することができる。第1のシャフト516は、所定の外径を有し、それによって、第1のシャフト516が、第2のカテーテル(図示略)の第2のルーメン内に入って、診断又は治療のために、患者の血管構造内に入ることを可能にする。第1のシャフト516の外径は、第2のカテーテルの第2のルーメンの内径よりも小さいため、その中に挿入され得る。なお、ガイド・カテーテルは、通常、導入器シース(鞘)内に入り、別のカテーテルではないことに留意されたい。従って、ガイド・カテーテルのハブは、導入器シースや患者の血管系に入ることができないような幾何学的形状を有する。
対照的に、第1のハブ514は、第2のカテーテルの第2のルーメン内に入るように構成されておらず、そのため、導入器シースのルーメン内に入るように構成されていない。一実施形態では、第1のハブ514が有する外周では、その断面は、ハブ及び/又はカテーテルの縦軸に対して垂直なある位置では、第2のカテーテルの第2のルーメン及び/又は第2のカテーテル・ハブの第2のルーメンの内径よりも大きい。従って、第1のハブ514は、第2のカテーテルの第2のルーメン内に入ることができない。さらに、第1のハブ514の幾何学的形状のため、カテーテルの近位端が血管系に入ることが許容されない。
シャフト516は、十分な柔軟性を有するため、そのシャフト516が第2のカテーテルの第2のルーメン内で曲がることを許容したり、及び/又は、そのシャフトが第2のカテーテルの非直線的な経路をたどることを許容する。一実施形態では、シャフト516は、十分な柔軟性を有するため、そのシャフトが非直線的な血管構造の中で曲がったり、その経路をたどることを許容する。
一実施形態では、シャフト516は、ステンレス・スチール製のハイポチューブ(hypotube)を含むことができるが、それは十分な柔軟性を有して、そのシャフトが第二のカテーテルの非直線経路、及び/又は、患者の非直線的な血管造影剤に従うことを可能にする。
一実施形態では、コネクタ528はルアー・コネクタであり、一実施形態ではルアー・コネクタは雌のルアー・コネクタである。一実施形態では、ルアー・コネクタは、ハブのルーメンと流通するルーメンを有し、それによって、別のEMDがそこを通過させるか、又はルアー・コネクタを通って流体がハブ及びカテーテルに入ることを可能にする。
一実施形態では、操作者が手動操作でハブ524に保持するために、ハブ・ウイング(翼部)526が用いられる。ウイング526は、オン・デバイス・アダプタ510の空洞部(キャビティ)520内の位置決め装置として使用することができる。
一実施形態では、ハブ514は、カテーテル512内の特徴(例えば、チップを偏向させるためにカテーテルの遠位端部まで延びるワイヤを)を操作するために、制御を伴わずに、使用されてもよい。一実施形態では、カテーテル512は、カテーテル内の特徴(例えば、チップを偏向させるためにカテーテルの遠位端まで延びるワイヤ)を操作するために使用される制御を含まない。
一実施形態では、オン・デバイス・アダプタ510は、ある範囲のシャフト外径を有するEMDをピンチするように構成される。一実施形態では、メリット・メディカル(Merit・Medical)のトルク・デバイスが、オン・デバイス・アダプタの一部として用いられるが、それは、次のシャフト直径の範囲をカバーする。即ち、0.009″-0.018″、0.018″-0.038″、0.010″-0.020″、0.013″-0.024″、又は0.025″-0.040″(ここで、記号″はインチを表す)のうちのいずれかをカバーする。メリット・メディカルから入手可能なトルク・デバイスは、範囲が重なり得ることに留意されたい。
一実施形態では、ピンチの対象のEMDのシャフトの外径に応じて、ロボット駆動システムと共に、1つ以上のオン・デバイス・アダプタを使用することができる。
一実施形態では、ロボット・システムが1つ以上のEMDを制御し、その際、第1のオン・デバイス・アダプタが、第1の外径を有する第1のEMDに使用され、かつ、第2のオン・デバイス・アダプタが、第1のEMDの第1の外径とは異なる第2の外径を有する第2のEMDに使用される。例えば、第1のオン・デバイス・アダプタは、外径が、0.035″又は0.038″の血管造影(angiographic)ガイド・ワイヤをピンチするために使用され、かつ、第2のオン・デバイス・アダプタは、外径が約(approx.)0.014″のマイクロ・ワイヤをピンチするために使用される。血管造影ガイド・ワイヤは、ガイド・カテーテルを所定の位置に設置して使用するもので、診断用ガイド・ワイヤとして呼ぶことができる。また、マイクロ・ワイヤは、マイクロ・ガイド・ワイヤ又は単にガイド・ワイヤとして呼ぶことができる。なお、簡略化のために、本明細書(英文では)では、「約(approximately)」の略称として、「約(approx.)」の用語を用いている。
一実施形態では、オン・デバイス・アダプタは、分離(分解)されるように設計されなくてもよい。一実施形態では、オン・デバイス・アダプタは、単一のトルカを受け入れるように設計されてもよい。なお、トルカ(torquer)及びトルク装置又はトルク・デバイス(torque device)という用語は、本明細書では交換可能に使用されており、本明細書で使用されるコレットのサブセットでもよい。一実施形態では、オン・デバイス・アダプタは、十分なクランプ力をトルクデバイス上に提供して、所定の処置のために、オン・デバイス・アダプタが前進及び後退するときに軸方向の力に耐えさせたり、EMDを回転させるためにオン・デバイス・アダプタが回転されるときにねじり力に耐えさせてもよい。オン・デバイス・アダプタによってトルカに加えられるピンチ又はクランプ力は、オン・デバイス・アダプタと共に前進及び/又は回転されるEMDのスリップ(軸方向又は回転方向)に抵抗するのに十分である。一実施形態では、オン・デバイス・アダプタは、トルク・デバイスの本体の外面を貫通し、及び/又はトルク・デバイスの表面を変形させる。
図12A-図12F.2を参照すると、ロボット・システム910は、コレット964を含むが、コレット964は、それに接続された第1のコレット連結器958を有する第1の部分965と、それに接続された第2のコレット連結器960を有する第2の部分966とを有する。図12F.1を参照すると、EMD912は、コレット964によって画定されたルーメン(空洞部)又は経路996内に、解除可能に配置される。ロボット駆動部は、第1のモーター936と、第2のモーター938とを有するベース914又は駆動モジュールを含み、第1のコレット連結器958及び第2のコレット連結器960の双方に動作可能に連続的に連結させて、空洞部996内のEMD914を動作可能にピンチしたり、ピンチ解除して、EMD912を回転させる。本明細書で記載の第1のモーター936及び第2のモーター938は、第1のコレット連結器958及び第2のコレット連結器960を差動的に回転させる。換言すると、第1のモーター936と第2のモーター938とは、異なる割合(速度)と異なる方向で互いに独立して回転する。その際、第1のモーターが回転して、第2のモーターが回転しない場合も含まれるものとする。一実施形態では、双方のモーターが同じ速度で回転する。一実施形態では、第1のモーターと第2のモーターとは、それぞれ、第1のコレット連結器958と第2のコレット連結器960とに対して連続的に係合される。一実施形態では、第1の部分965及び第1のコレット連結器958は、単一の構成要素として形成されるが、また、一実施形態では、それらは別個の構成要素であってもよい。一実施形態では、第2の部分966と第2のコレット結合器960とは、単一の構成要素として形成されるが、また、一実施形態では、それらは別個の構成要素であってもよい。
EMDロボット・システム910は、コレットを含むが、それは、EMD912に対して解除可能に係合して、EMD912を回転及び平行移動させる二重歯車(ダブルギヤ)構成を用いる。一実施形態では、二重歯車構成には、ダブルベベルギヤが含まれる。二重歯車のコレット駆動システム910は、近位端911と遠位端913とを有する。EMD912が、近位端911から遠位端913に向かって移動されると、EMD912は患者内に進められ、また、EMD912が遠位端913から近位端に向かって移動されると、EMD912は、患者外に退避又は引き出されるものとする。方向を明確にするために、X軸、Y軸及びZ軸を持つ直交座標系を導入することができる。ここで、正(+)のZ軸は、長手方向(軸方向)遠位方向、即ち、近位端から遠位端までの方向に配向する。X軸及びY軸は、Z軸に対して垂直な面上にあり、正のY軸は上向き、即ち重力の反対方向にあり、かつ、X軸は正面に向う方向(通常、ベッドサイドである術者/医者に向かう)に相当し得る。回転方向を決定するために右手の法則が用いられる。この際、右手の親指を正のX軸、Y軸及びZ軸方向に沿って向けることで向きが定められるが、右手の指のカール(曲がり)が時計回り方向に関連付けられるものとする。右手の指のカールと反対方向は、反時計回りの方向と関連付けることができる。本明細書で使用される時計回りの用語と反時計回りの用語とは、第1の回転方向とその第1の回転方向とは反対の第2の回転方向とを示す相対的な用語のことである。従って、時計回り及び反時計回りの用語のいずれを使用したとしても、第1の回転方向及び第2の反対の回転方向を意味することができることに留意されたい。時計回り及び反時計回りの用語は、本明細書で提供される装置(デバイス)の異なる回転方向の理解を助けるために用いられているが、それら時計回りと反時計回りとの方向を逆にして装置を構成することは可能である。
コレット駆動システム910は、駆動モジュール914を含むが、EMD912の軸方向に沿って移動して、駆動モジュール移動駆動部916によって作動される。駆動モジュール914は、駆動モジュール・ハウジング918と、マウント(取付け)ブラケット920と、カセット922と、カセット・カバー924とを含む。カセット922は、ダブルギヤ(二重歯車)コレット駆動ハウジング926とEMDガイド928とを含む。二重歯車コレット駆動ハウジング926の頂部には、複数の開口部927と複数のリブ929とが含まれる。EMDガイド928は、複数の対のガイドを含むが、それらは、V字形ノッチとして作用して、駆動システムを通ってEMD912を導くためのオープン(開放)チャネルとして機能する。オープン・チャンネルは装填用に開放されているが、カセット・カバーが閉じた状態のときには覆われ得ることに注意されたい。ガイドは、座屈防止特徴部として機能する。一実施形態では、EMDガイド928は、ガイドとして機能するように、複数の対のV字形ノッチ又はU字形チャネルを含む。V字形又はU字形のチャネルの頂部は、EMD912の装填を助けるために面取りされていてもよい。一実施形態では、二重歯車コレット駆動ハウジング926の近位側には、一対のEMDガイド928が使用され、かつ二重歯車コレット駆動ハウジング926の遠位側には、一対のEMDガイド928が使用される。一実施形態では、二重歯車コレット駆動ハウジング926の近位側には、複数の対のEMDガイド928が使用され、かつ、二重歯車コレット駆動ハウジング926の遠位側には、複数の対のEMDガイド928が使用される。
一実施形態では、ロボット・システム910は、コレット964に動作可能に結合される第3のモーター932(図示略)を含み、それによって、コレット964の縦軸に沿ってコレット964とEMD912とを移動させる。一実施形態では、コレットとEMDとの移動又は並進の間、第1のモーター936と第2のモーター938とが、コレット964に対して固定される。駆動モジュール移動駆動部916は、リード・スクリュー930を含むが、それは、ねじ駆動(スクリュードライブ)ハウジング934の内側でねじ駆動モーター932(図示略)によって駆動される。ねじ駆動部930は、固定されたハウジング934に対して駆動モジュール914を移動させるために使用される。一実施形態では、ねじ駆動モーター932は、ステッパモータである。一実施形態では、ねじ駆動モーター932は、サーボ・モーターである。一実施形態では、ねじ駆動モーター932は、電気的、空圧的、油圧的、又は他の手段によって動力供給される回転型アクチュエータである。
一実施形態では、駆動モジュール・ハウジング918と、その内容物とは、再利用可能である。一実施形態では、カセット922は、消耗品である。そのことは、カセット922は、一人の患者に使用された後に廃棄されることを意味する。一実施形態では、カセット922は、滅菌可能で、かつ再利用可能な材料で作製されてもよい。
図12A及び図12Bを参照すると、駆動モジュール・ハウジング918は、第1の連結器(カップラ)940に対して動作可能に接続されて、それを駆動する第1のモーター936と、第2の連結器942に対して動作可能に接続されて、それを駆動する第2のモーター938とを含む。一実施形態では、第1のモーター936及び第2のモーター938は、ステッパ・モーターである。一実施形態では、第1のモーター936及び第2のモーター938は、サーボ・モーターである。一実施形態では、第1のモーター936及び第2のモーター938は、電気的、空圧的、油圧的、又は他の手段によって動力供給される回転型アクチュエータである。
第1の連結器940は、駆動モジュール・ハウジング918を通って延出して、第1の連結器ベベルギヤ946に対して一体的に接続される。第2の連結器942は、マウント・ブラケット920を通って延出して、第2のベベルギヤ948に対して一体的に接続される。第1のモーター936、第1の連結器940、及び第1の結合器ベベルギヤ946は、駆動モジュール・ハウジング918内の遠位側に位置する。第2のモーター938、第2の連結器942、及び第2の連結器ベベルギヤ948は、駆動モジュール・ハウジング918内の近位側に位置する。一実施形態では、第1の連結器940及び第2の連結器942は、マウント・ブラケット920の穴を通る。一実施形態では、第1の連結器940及び第2の連結器942は、マウント・ブラケット920に取り付けられた回転ベアリングを通る。
コレット駆動ハウジング926は、本明細書に記載される二重歯車コレット駆動組立体944を含む。
図12B及び12Cを参照すると、第1の従動ベベルギヤ(かさ歯車)950は、第1の連結器ベベルギヤ946と噛み合って、それによって駆動される。第1の従動ベベルギヤ950は、第1のシャフト先端部951に対して一体的に連結されており、第1のシャフト先端部951は、第1のホイール954に対して一体的に連結されており、第1のホイール954は、第1のシャフト近位端部953に対して一体的に連結されており、これら全てが第1の複合部(又はクラスター)組立体958を形成している。第2の従動ベベルギヤ歯車952は、第2の連結器ベベルギヤ948と噛み合い、それによって駆動される。第2の従動ベベルギヤ952は、第2のシャフト近位端部955に対して一体的に連結されており、第2のシャフト近位端部955は、第2のホイール954に対して一体的に連結されており、第2のホイール954は、第2のシャフト先端部957に対して一体的に連結されており、これら全てが第2の複合部(又はクラスター)組立体960を形成している。
一実施形態では、第1の連結器ベベルギヤ946の上面947には、開いた中心穴が含まれており、その中心軸に沿って、第1の連結器940を受け入れて、駆動させている。換言すると、歯車946は、その縦軸に沿った穴を有する。一実施形態では、第1の連結器ベベルギヤ946の上面947は、開かれておらず、カセットからベースまで流体が移動することを防止するために密閉されている。一実施形態では、第2の連結器ベベルギヤ948の上面949には、開いた中心穴が含まれており、その中心軸に沿って、第2の連結器942を受け入れて、駆動させている。一実施形態では、第2の連結器ベベルギヤ948の上面949は、開かれておらず、カセットからベースまで流体が移動することを防止するために密閉されている。
一実施形態では、カセット922は、ベース914に対して解除可能に固定される。コレット964は、カセット922内に配置される。第1のコレット連結器958及び第2のコレット連結器960は、それぞれ、第1のモーター936及び第2のモーター938に結合されるが、その際、ベース914内に配置された、第1の駆動連結器940及び第2の駆動連結器942を介する。一実施形態では、第1の駆動連結器940は、モーター936と動作可能に接続されたシャフトを含むが、これは、密閉された方法でベースから延出して、ギヤ946と動作可能に接続され、このギヤ946は、第1のコレット連結器958と動作可能に係合される。同様に、第2の駆動連結器942は、モーター938と動作可能に接続されたシャフトを含むが、これは、密閉された方法でベースから延出して、ギヤ948と動作可能に接続され、このギヤ948は、第2のコレット連結器960と動作可能に係合される。
第1の複合部組立体958は、その組立体の外面から延出して、その半径方向中心で終端する、半径方向及び縦方向のスリット962を含む。第2の複合部組立体960は、その組立体の外面から延出して、その半径方向中心で終端する半径方向及び縦方向のスリット963を含む。これらスリット962及び963は、EMD912の側面又は半径方向での装填を可能にする。一実施形態では、スリット962及び963は、対向する非平行な壁を用いて、半径方向の開口部を形成する。一実施形態では、スリット962及び963は、対向する平行な壁を用いて、ほぼ半径方向の開口部を形成する。一実施形態では、組立体958及び960の外面は、V字形の切欠きを含むが、それは、それらの中心長手方向軸に向けられて、それぞれスリット962及び963に導かれて、EMD912を側面又は半径方向での装填の案内を助ける。なお、スリット962は、第1の従動ベベルギヤ950を通って延在し、かつ、スリット963は、第2の従動ベベルギヤ952を通って延在することに留意されたい。第1の連結器ベベルギヤ946は、性能を損なうことなく、スリット962を有する第1の従動ベベルギヤ950と噛み合って、駆動する。第2の連結器ベベルギヤ948は、性能を損なうことなく、スリット963を有する第2の従動ベベルギヤ952と噛み合って、駆動する。
図12Aを参照すると、第1のホイール954の外側部分と第2のホイール956の外側部分とが、ハウジング926の開口部927を通って延出しており、それによって、それらホイール954及び956が、操作者によって手作業で操作できるようにしている。例えば、電力損失が発生した場合、操作者は、EMD912を取外すために、ホイール954及び956を手動で回転させることができる。一実施形態では、操作者は、二重ベベル・コレット駆動ハウジング926をカセットから取り外すことで、ホイール954及び956を含むコレット組立体をカセットから取り外すことができ、これにより、操作者は、コレット組立体内のスロットを整列させて、カセットからEMDを取り外すことができる。一実施形態では、第1のホイール954及び第2のホイール956は、その外周上にノッチを備えた円形ディスクである。一実施形態では、第1のホイール954及び第2のホイール956は、その外周に溝を備えた円形ディスクである。一実施形態では、第1のホイール954及び第2のホイール956は、その外周に節部(ローレット)を備えた円形ディスクである。一実施形態では、第1のホイール954及び第2のホイール956は、その外周上に手動操作を補助する特徴部を備えた円形ディスクである。一実施形態では、第1のホイール954及び第2のホイール956は、それらの外周上に特徴部を有さない円形ディスクであって、例えば、その外周は滑らかな壁等である。
図12A、図12B、及び図12Cを参照すると、第1の複合部組立体958及び第2の複合部組立体960は、それぞれ、EMD912と整列した縦軸の周りを回転し、各組立体は、ベアリングとして機能するリブ929の円形の切り欠き(カットアウト)によって縦方向の位置で維持される。一実施形態では、リブ929内の開かれた円形の切り欠きは、第1のホイール954及び第2のホイール956の両側上で、それらに対してスナップ留めされる。換言すれば、第1の複合部組立体958の第1のシャフト遠位端部951と第1のシャフト近位端部953と、第2の複合部組立体960の第2のシャフト近位端部955と第2のシャフト遠位端部957と、によって部分的に囲まれたリブ929内で開かれた切り欠き内に、第1の複合部組立体958と第2の複合部組立体960とがスナップ留めされてもよい。リブ929内の開かれた切り欠きは、スラスト・ベアリングのように作用して、軸方向(長手方向)の移動を防止して、回転移動を許容する。リブ929内の開放された切り欠きは、シャフト951、953、955、及び957を完全に囲まない。一実施形態では、リブ929内の開放された切欠部は、シャフト951、953、955、及び957のそれぞれに対して210度の囲みを提供する。一実施形態では、開放された切欠部は、シャフト951、953、955、及び957の各々に対して、180度よりも大きく、360度よりも小さい囲みを提供する。一実施形態では、開放された切り欠きを有するリブは、固有の基準に従って、例えば、プラスチック等の材料で作られる。
図12A及び図12Dを参照すると、二重歯車コレット駆動組立体944は、第1の複合部組立体958と、内部コレット部分965を含むコレット964と、ねじスプラインを有する外側コレット部分966と、第2の複合部組立体960と、を含む。リブ929内の開かれた切り欠きによる、スナップ嵌めの特徴により、二重歯車コレット駆動組立体944(第1の連結器ベベルギヤ946又は第2の連結器ベベルギヤ948を含まない)は、手動でハウジング926から取り外して、再装着することができる。
図12D及び図12Eを参照すると、内側コレット部分965は、テーパ付けされた(先細りの)コレット・第2部分970と一体的に接続されるコレット第1部分968を含むが、コレット第2部分970は、テーパ付けされた片持梁ジョー972に分割され、それぞれ、ほぼ半円形の断面を有する。一実施形態では、コレット第1部分968は、略一定の半径を有するプリズム形状を有する。一実施形態では、コレット第1部分968は、正方形の断面を有するプリズム形状を有する。一実施形態では、コレット968は、非一定の断面を有する非プリズム形状を有する。コレット第2部分970は、コレット第1部分968から円錐台状に延出し、それによって、第2部分の直径は、第1部分に隣接する領域から第2部分970の近位自由端974まで連続的に減少する。なお、近位端974は、第1部分68に隣接する第2部分の領域から最も離れている。一実施形態では、内側コレット部分965及び第1の複合部組立体958とは、別個の部品である。例えば、テーパ付けされたコレット第2部分970は、コレット第1部分968内へプレスされた金属インサートであってもよい。一実施形態では、内側コレット部分965と第1の複合部組立体958とは、1つの部品として組み合わされる。コレット964は、当該技術分野で公知の任意のコレット・デバイスであってよく、本明細書に記載のコレットの実施形態に限定されない。
スクリュー・スプライン(ねじスプライン)966は、スクリュー・スプラインの第1の部分976を含むが、後者は、スクリュー・スプライン第2の部分978と一体的に接続される。スクリュー・スプラインの第1の部分976は、外部の軸方向のスプライン・スレッド980を含むが、後者は、第2の複合部組立体960の内部の軸方向のスプライン・スレッド982とかみ合って、長手方向軸988に沿って相対的な移動を可能にする。スクリュー・スプラインの第2の部分978は、外部の螺旋状の周囲のスクリュー・スレッド984を含むが、後者は、第1の複合部組立体958の内部のスクリュー・スレッド986と噛み合って、時計回り又は反時計回り900での相対的な回転移動を可能にする。スクリュー・スプライン966は、軸方向のスプライン・スレッド980と、螺旋状の周囲のスクリュー・スレッド984との双方を備えた構成によって、スクリュー・スプライン966は、内側のコレット部分965に対して回転及び移動を行うことができ、その際、第1の従動連結器ベベルギヤ950と第2の従動連結器ベベルギヤ952との間で、長手方向の距離を固定されたまま保つようにして、それらが、第1の連結器ベベルギヤ946と第2の連結器ベベルギヤ948のそれぞれと、噛み合うようにする。
一実施形態では、EMD912がピンチされているときと、ピンチ解除されているとき、EMD912は、回転しない。コレット第1部分968は、それに対してEMD912を解除可能に固定する部分である。第2部分966の回転時にコレット第1部分968を静止させたまま保つことで、EMD912は回転しない。換言すると、コレット964の縦軸の周りでEMD912に対して回転をさせずに、コレット964からEMDをピンチ解除することは、EMD192を直接的に固定して当接しているこれっとの内側のコレット部分965を患者に対して静止したまま保ち、外側のコレット部分966を内側のコレット部分965に対して回転させて、EMD192を内側のコレット部分965に対する固定された関係から解放することで行うことができる。一実施形態では、ピンチ解除プロセスの開始時には、EMD912を回転させ続けることが望ましい場合がある。この実施形態では、第1のコレット部分968は、外側のコレット部分966とは異なる速度で回転する。
図12D及び図12Eを参照すると、内側コレット部分965は、コレット第1の部分968内に半径方向の縦方向スリット992を含み、それによって、ルーメン(空洞)996内へのEMD912の側部又は半径方向の装填を可能にする。縦方向スリット992は、第1の部分968の外面から半径方向に延出して、内側コレット部分965の半径方向中心で終端する。縦方向スリット992は、ジョー972のシーム(継ぎ目)を通って、第2のテーパ部970まで長手方向に延在する。スクリュー・スプライン966は、半径方向の縦方向スリット994を含み、それによって、EMD912の側部又は半径方向の装填を可能にする。縦方向スリット994は、スクリュー・スプライン966の外面から半径方向に延出して、その中心で終端する。
図12F.1を参照すると、二重歯車コレット駆動組立体944のピンチ解除時の構成が例示されており、その際、テーパ付けされたコレット第2の部分972のジョー972は開放されており、EMD912をロック・ダウン(係合)しない(ピンチしない)。完全にピンチ解除時の構成では、スクリュー・スプライン966は最も近位の位置にある。一実施形態では、スクリュー・スプライン966は、その縦方向スプラインの近位端部のハードストップによって、その最も近位位置に制限される。一実施形態では、スクリュー・スプライン966は、フランジ又はリップ等の特徴部によって、その最も近位の位置に制限されて、縦方向スプライン内でのさらなる移動が停止される。図12F.2を参照すると、二重歯車コレット駆動組立体944のピンチ時の構成が例示されており、その際、テーパ付けされたコレット第2の部分972のジョー972は、互いに閉じられて、EMD912をロック・ダウン(係合)する(ピンチする)。完全にピンチされた構成では、スクリュー・スプライン966は、その最も遠位の位置にある。一実施形態では、スクリュー・スプライン966は、ねじ山(スレッド)の切れによるハードストップによって、その最も遠位の位置に制限される。即ち、ねじ山が幾何学的に制約されるので、それ以上ねじ込むことができなくなる。一実施形態では、スクリュー・スプライン966は、フランジ又はリップ等の特徴部によって、その最も遠位の位置に制限されて、さらなる移動が停止される。
図12F.1及び図12F.2を参照すると、スクリュー・スプライン966の方向での内側コレット部分965の動きが例示されており、それによって、テーパ付けされたコレットの第2の部分972のジョー972は、互いに向かって動き、EMD912をピンチさせている。スクリュー・スプライン966の方向から離れるように内側コレット部分965を移動させると、テーパ付けされたコレットの第2の部分972のジョー972は互いに離れて、EMD912のピンチ解除を可能にする。
動作時には、二重歯車コレット駆動組立体944は、モーター936及びモーター938により2つの回転自由度を用いて、4つの動作を可能にするが、即ち、EMD912をピンチする(つまむ)ことと、EMD912をピンチ解除することと、二重歯車コレット駆動組立体944を時計回りで回転させることと、二重歯車コレット駆動組立体944を反時計回りで回転させることとを可能にする。これら4つの動作は、第1の連結器940の回転方向と、第2の連結器942の回転方向とに基づいて、スクリュー・スプライン966に対する内側コレット部分965の移動によって生じる。
第1の動作モードでは、その結果、二重歯車コレット駆動組立体944が時計回りで回転することになるが、その際、第1の連結器940が反時計回り方向に回転し、第2の連結器942が時計回り方向に回転する。
第2の動作モードでは、その結果、二重歯車コレット駆動組立体944が反時計回りで回転することになるが、その際、第1の連結器940が時計回りで回転し、第2の連結器942が反時計回りで回転する。
第3の動作モードでは、その結果、EMD912がピンチ解除されるが、その際、第1の連結器940は回転せず、第2の連結器942は反時計回りで回転する。
第4の動作モードでは、その結果、EMD912がピンチされるが、その際、第1の連結器940は回転せず、第2の連結器942は時計回りで回転する。
第3の動作モードと第4の動作モードとでは、コレットは、それぞれ、ピンチ解除と、ピンチ(つまみ)とがされる。第3の動作モードと第4の動作モードの一実施形態では、ハードストップに到達するまで動きが継続される。ピンチ解除を行う一実施形態では、スクリュー・スプライン第1の部分976上のスプライン・スレッドの端部に達すると、ハードストップに到る。ピンチを行う一実施形態では、スクリュー・スプライン第2の部分978上のスレッドの端部に達すると、ハードストップに到るが、そこでは、スクリュー・スプライン第1の部分976と合う。第4の動作モード中、ピンチを行いながら、EMDの回転の開始をより早めるためには、第1の連結器940を時計回りに回転させる。
第1のモーター936と第2のモーター938とは、各モーターに適用されるトルクの量を制限することで制御することができる。一実施形態では、第1のモーター936と第2のモーター938とがサーボ・モーターであって、各モーターに適用されるトルクを制約するために、電流制限によって、各モーターを制御することができる。第3の動作モードと第4の動作モードとでは、電流制限を異なる値に設定することができる。例えば、ピンチ解除を行うときと比べて、ピンチを行うときには、電流はより低い値に制限されるが、その理由は、ピンチ解除時には、静止摩擦を克服する必要があるからである。
一実施形態では、二重歯車コレット駆動システム910は、コレット駆動システムの近位端911で、EMD912の座屈(ねじれ)を防止するためのシステムを備える。一実施形態では、二重歯車コレット駆動システム910は、コレット駆動システムの遠位端913にて、EMD912の座屈を防止するためのシステムを組み込む。一実施形態では、座屈を防止するシステムは、EMD912の外径よりも僅かに大きな内径を有する管(チューブ)である。一実施形態では、座屈を防止するシステムは、複数の伸縮する管のセットであって、そのうち、最小の管の内径は、EMD912の外径よりも僅かに大きいものとする。一実施形態では、座屈を防止するシステムは、側部で負荷が可能なトラックである。
図13Aを参照すると、二重歯車スライド式コレット駆動システム1000は、細長い医療デバイス(EMD)1002と解除可能に係合して、EMD1002を回転及び移動させる。二重歯車スライド式コレット駆動システム1000は、近位端1004及び遠位端1006を含む。EMD1002が、近位端1004から遠位端1006に向かって移動されるにつれて、EMD1002は、患者内に進められ、また、EMD1002が遠位端1006から近位端1004に向かって移動されるにつれて、EMD1002は、患者から退避又は引き出されている。
スライド式コレット駆動システム1000は、EMD1002の軸方向に沿って移動するキャリア1008を含むが、これは、固定ベース1012に取り付けられたキャリア移動駆動装置1010によって作動される。キャリア1008は、キャリア・ハウジング1014と、キャリア・アーム1016と、ラック1018とを含み、これら3つはすべて一体的に接続される。キャリア移動駆動装置1010は、移動駆動モーター1022のモーターシャフト(図示略)に対して一体的に接続されたピニオン・ギヤ1020を含む。移動駆動モーター1022は、ピニオン・ギヤ1020を回転させるが、後者はラック1018と噛み合って、キャリア1008を移動させる。ベース1012と一体的に接続された線形ガイド又は線形ベアリング(図示略)は、キャリア1008をEMD1002の軸方向に沿った近位方向及び遠位方向のみの移動に拘束する。
キャリア・ハウジング1014は、平坦なベースプレートを含むが、その近位端及び遠位端には垂直な側部延長部を有する。一実施形態では、キャリア・ハウジング1014は、同じ材料で作られた、ベースプレートと、近位延長部と、遠位延長部とを有する1つの一体化された部品である。一実施形態では、キャリア・ハウジング1014は、同じ材料で作られた3つの別個のピースとして、ベースプレートと、近位延長部と、遠位延長部とを含み、これらを一体的に接続する。一実施形態では、キャリア・ハウジング1014は、異なる材料で作られた3つの別個のピースとして、ベースプレートと、近位延長部と、遠位延長部とを含み、これらを一体的に接続する。キャリア・ハウジング1014の近位延長部と遠位延長部とは、コレット及び回転駆動システム1024(後述する)を支持する穴を含む。一実施形態では、キャリア・ハウジング1014の近位延長部と遠位延長部との孔内に、回転ベアリングが取り付けられる。
第1のモーター1026と第2のモーター1028とは、固定ベース1012に取り付けられる。一実施形態では、第1のモーター1026と第2のモーター1028とは、コレット1056とEMD1002との移動中、ベース1012に対して固定される。本明細書に記載のように、ベース1012、第1のモーター1026及び第2のモーター1028から独立して、キャリア1008は、コレット1056と共に移動する。換言すると、コレット1056がその長手方向軸に沿って移動する場合、少なくとも1つの動作モードの間では、第1のモーター1026及び第2のモーター1028は、コレット1056と共に移動しない。第1のモーター1026は、第1の連結器1030を駆動する。第2のモーター1028は、第2の連結器1032を駆動する。第1のモーター1026及び第1の連結器11030は、ベース1012の下方又は内部に位置する。第2のモーター1028及び第2の連結器11032は、固定ベース1012の近位下に位置する。一実施形態では、第1の連結器11030及び第2の連結器11032は、固定ベース1012の穴を通る。一実施形態では、第1の連結器11030及び第2の連結器11032は、固定ベース1012に取り付けられた回転ベアリング及びシールを通る。
一実施形態では、移動駆動モーター1022、第1のモーター1026、及び第2のモーター1028は、ステッパ・モーターである。しなしながら、当技術分野で公知の他のモーターの種類の使用も想定されている。一実施形態では、移動駆動モーター1022、第1のモーター1026、及び第2のモーター1028は、サーボ・モーターである。一実施形態では、移動駆動モーター1022、第1のモーター1026、及び第2のモーター1028は、電気、空気圧、油圧、又は他の手段によって動力供給される回転型アクチュエータである。
図13B.1及び図13B.2を参照すると、コレット及び回転駆動システム1024(後述する)は、固定ベース1012に対して移動する。図13B.1を参照すると、移動駆動モーター1022は、ピニオン1020を一方向(時計回り)に回転させて、ラック1018を移動させ、従ってコレット及び回転駆動システム1024を近位端方向に移動させる。図13Bを参照すると、移動駆動モーター1022は、ピニオン1020を反対方向(反時計回り)に回転させて、ラック1018を移動させ、従ってコレット及び回転駆動システム1024を遠位方向に移動させる。一実施形態では、コレット及び回転駆動システム1024は、本明細書に記載のラック及びピニオン機構によって、固定ベース1012に対して移動する。一実施形態では、コレット及び回転駆動システム1024は、異なる機構によって、固定ベース1012に対して移動し、例えば、スライダ-クランク又はスコッチ-ヨーク機構等の往復移動機構を利用してもよい。往復移動機構の利点として、移動駆動モーター1022が方向を変える必要がないことが挙げられる。
コレット及び回転駆動システム1024の移動は、第1のモーター1026(及び第1の連結器1030及び第1の駆動(ドライバ)ベベルギヤ1034)及び第2のモーター1028(及び第2の連結器1030及び第2の駆動ベベルギヤ1042)を移動させる必要なく、達成され、その双方が固定ベース1012に取り付けられる。従って、第1のモーター1026及び第2のモーター1028の移動加速及び移動減速の慣性の問題を回避させている。
図13Cを参照すると、第1の連結器1030は、第1の駆動ベベルギヤ1034と一体的に接続されており、後者は、第1の従動ベベルギヤ1036と噛み合う。第1の従動ベベルギヤ1036は、第1の軸1037に一体的に連結されており、後者は、第1の平歯車(スパーギヤ)1038と一体的に連結されており、それら全てが第1の複合部(又はクラスタ)歯車組立体1040を形成する。第2の連結器1032は、第2の駆動ベベルギヤ1042と一体的に接続され、後者は、第2の従動ベベルギヤ1044と噛み合う。第2の従動ベベルギヤ1044は、第2の軸1045と一体的に連結され、後者は、第2の平歯車1046と一体的に連結され、これら全ては第2の複合部(又はクラスタ)歯車組立体1048を形成する。第1の平歯車1038は、第1のコレット平歯車1050と噛み合い、後者は、第1の平歯車1038に対して移動できる。第2の平歯車1046は、第2のコレット平歯車1052と噛み合い、後者は、第2の平歯車1046に対して移動できる。第1のコレット平歯車1050の遠位端には、短い第1のシャフト(軸)1051が設けられるが、これは、第1のコレット平歯車1050と同軸に整列し、一体的に連結されている。第2のコレット平歯車1052の近位端には、短い第2のシャフト1053が設けられるが、これは、第2のコレット平歯車1052に同軸的に整列されて一体的に接続されているる。一実施形態では、第1のシャフト1051は、キャリア・ハウジング1014の遠位延長部の孔によって支持される。一実施形態では、第1のシャフト1051は、キャリア・ハウジング1014の遠位延長部の穴に取り付けられた回転ベアリングによって支持される。一実施形態では、第2のシャフト1053は、キャリア・ハウジング1014の近位延長部の孔によって支持される。一実施形態では、第2のシャフト1053は、キャリア・ハウジング1014の近位延長部の孔内に取り付けられた回転ベアリングによって支持される。
第1のコレット平歯車1050及び第2のコレット平歯車1052は、幅広の歯車であり、即ち、第1の平歯車1038及び第2の平歯車1046の幅よりも幅広の長歯車である。一実施形態では、第1のコレット平歯車1050及び第2のコレット平歯車1052の幅は、それぞれ、第1の平歯車1038及び第2の平歯車1046の幅の10倍である。一実施形態では、第1のコレット平歯車1050及び第2のコレット平歯車1052の幅は、それぞれ、第1の平歯車1038及び第2の平歯車1046の幅の10倍未満である。一実施形態では、第1のコレット平歯車1050及び第2のコレット平歯車1052の幅は、それぞれ、第1の平歯車1038及び第2の平歯車1046の幅の10倍よりも大きい。
第1の複合部歯車組立体1040及び第2の複合部歯車組立体1048は、それらが同軸的に整列され、かつ縦軸の周りを回転できるように、ベース1012に対して支持されている。一実施形態では、第1の従動ベベルギヤ1036と第1の平歯車1038とを連結する第1のシャフト1037は、ベース1012から延長部の穴を通過して、それによって支持される。一実施形態では、第1の従動ベベルギヤ1036と第1の平歯車1038とを連結する第1のシャフト1037は、ベース1012からの延長部内の回転ベアリングを通過して、それによって支持される。一実施形態では、第2の従動ベベルギヤ1044と第2の平歯車1046とを連結する第2のシャフト1045は、ベース1012から延長部の穴を通過して、それによって支持される。一実施形態では、第2の従動ベベルギヤ1044と第2の平歯車1046とを連結する第2のシャフト1045は、ベース1012からの延長部内の回転ベアリングを通過して、それによって支持される。
図13A及び図13Cを参照すると、コレット及び回転駆動部1024は、第1のシャフト1051を有する第1のコレット平歯車1050と、コレット機構1054(後述)と、第2のシャフト1053を有する第2のコレット平歯車1052とを含み、すべて、縦軸に沿って同軸的に整列される。一実施形態では、コレット及び回転駆動部1024は、キャリア・ハウジング1014から手動で取り外すことができ、また、キャリア・ハウジング1014の近位側及び遠位側に備えられたスナップ嵌め込み特徴部によって、キャリア・ハウジング1014内に再装着することができる。
一実施形態では、第1のコレット平歯車1050は、平歯車1050よりも大きな直径を有する第1のホイール(図示略)に対して一体的に接続され、第2のコレット平歯車1052は、平歯車1052よりも大きな直径を有する第2のホイール(図示略)に対して一体的に接続される。第1のホイール及び第2のホイールは、操作者による手動操作のためにアクセス可能となっている。例えば、電力損失が発生した場合、操作者は、EMD1002の除去のために、第1のホイール及び第2のホイールを手動で回転させてもよい。一実施形態では、第1のホイール及び第2のホイールは、その外周にノッチが設けられた円形ディスクである。一実施形態では、第1のホイール及び第2のホイールは、その外周に溝を有する円形ディスクである。一実施形態では、第1のホイール及び第2のホイールは、その外周に歯を有する円形ディスクである。一実施形態では、第1ホイール及び第2ホイールは、その外周上での手動操作を補助する特徴部を有する円形ディスクである。一実施形態では、第1のホイール及び第2のホイールは、その外周上に特徴部を有さない円形ディスクであって、例えば、平滑な壁である。一実施形態では、第1のコレット平歯車1050及び第1のホイールは、同じ材料で作られた単一の一体化された部品であり、第2のコレット平歯車1052及び第2のホイールは、同じ材料で作られた単一の一体化された部品である。一実施形態では、第1のコレット平歯車1050及び第1のホイールは、別個の部品であって、一体的に組み合わされ、第2のコレット平歯車1052及び第2のホイールは、別個の部品であって、一体的に組み合わされる。
一実施形態では、キャリア・アーム1016は、キャリア・ハウジング1014の近位側から手動で取り外され、また、キャリア・ハウジング1014の近位側に内蔵されたスナップ嵌め込み特徴部によって、キャリア・ハウジング1014の近位側に再接続され得る。一実施形態では、キャリア・アーム1016は、ラック1018から手動で取り外され、また、ラック1018の遠位側に内蔵されたスナップ嵌め込み特徴部によって、ラック1018に再接続され得る。
一実施形態では、コレット及び回転駆動部1024は、消耗品である。一実施形態では、コレット及び回転駆動部1024と、キャリア1008とは、消耗品である。一実施形態では、コレット及び回転駆動部1024と、キャリア・ハウジング1014とは、消耗品である。一実施形態では、コレット及び回転駆動部1024と、キャリア・ハウジング1014と、キャリア・アーム1016とは、消耗品である。
図13D.1及び図13D.2を参照すると、第1のコレット平歯車1050及び第2のコレット平歯車1052は、コレット機構1054の内部の部品によって連結されている。コレット機構1054は、コレット内側部材1056及びコレット外側部材1058を含む。コレット内側部材1056及び外側部材1058は、当該技術分野で公知の任意のコレット・デバイスであってもよく、本明細書に記載されるコレット実施形態に限定されない、
コレット内側部材1056は、第1の部分1060と第2の部分1062とから構成される。コレット内側部材1056の第1の部分1060は、円筒状カラー又はスリーブ形状を有し、その縦軸の中心はEMD1002の軸と同一直線上にあり、かつその外周面が第1のコレット平歯車1050の内壁1064に対して一体的に接続される。コレット内側部材1056の第2の部分1062は、中心の縦軸に関してテーパ付けられた形状を有するとともに、内部空洞(ルーメン)を有する。一実施形態では、コレット内側部材1056の第2の部分1062は、2つの分離した、テーパ付けられたジョーを含む。一実施形態では、コレット内側部材1056の第2の部分1062は、2つより多い数で分離された、テーパ付けられたジョーを含む。一実施形態では、コレット内側部材1056の第1の部分1060及び第2の部分1062、及び第1のコレット平歯車1050は、一体化された部品である。一実施形態では、コレット内側部材1056の第1の部分1060及び第2の部分1062、及び第1のコレット平歯車1050は、別個のピースであって、一体的に接続される。
コレット外側部材1058は、第1の部分1066及び第2の部分1068から構成される。コレット外側部材1058の第1の部分1066は、円筒状カラー又はスリーブ形状を有し、その縦軸の中心がEMD1002の軸と同一直線上にあり、かつその外周面が第2のコレット平歯車1052の内壁1070に一体的に対して接続される。コレット外側部材1058の第2の部分1068は、その外周に外部スクリュー・スレッド(ねじ山)1074を備えた円筒状カラー又はスリーブ形状を有し、その縦軸の中心がEMD1002の軸と同一線上にある。一実施形態では、コレット外側部材1058の第1の部分1066及び第2の部分1068、及び第2のコレット平歯車1052は、一体化された部品である。一実施形態では、コレット外側部材1058の第1の部分1066及び第2の部分1068、及び第2のコレット平歯車1052は、別個の部品であって、一体的に接続される。
コレット外側部材1058の第2の部分1068の外側スクリュー・スレッド1074は、コレット内側部材1056の第2の部分1062の内側スクリュー・スレッド1072と噛み合う。内側スクリュー・スレッド1072が外側スクリュー・スレッド1074と噛み合うため、長手方向軸の周りでのコレット外側部材1058に対するコレット内側部材1056の回転は、長手方向軸に沿ったコレット外側部材1058に対するコレット内側部材1056の移動に相当する。第1のコレット平歯車1050は、コレット内側部材1056に一体的に接続され、第2のコレット平歯車1052は、コレット外側部材1058に一体的に接続されるため、長手方向軸の周りでの第2のコレット平歯車1052に対する第1のコレット平歯車1050の回転は、長手方向軸に沿った第2のコレット平歯車1052に対する第1のコレット平歯車1050の移動に相当する。第1のコレット平歯車1050の回転は、第1の平歯車1038とのその噛み合いによって達成される。第2のコレット平歯車1052の回転は、その第2の平歯車1046とのかみ合いによって達成される。
第1のコレット平歯車1050と第1の平歯車1038との間の連続的な噛み合いを確実にするために、第1のコレット平歯車1050は、第1の平歯車1038よりも幅広にされている。このことは、第1の平歯車1038によって回転されるときに第1のコレット平歯車1050の移動を収容し(カバーする)、キャリア1008によって移動されるときに第1のコレット平歯車1050の移動を収容するために必要である。第2のコレット平歯車1052と第2の平歯車1046との間の連続的な噛み合いを確実にするために、第2のコレット平歯車1052は、第2の平歯車1046よりも幅広にされている。このことは、第2の平歯車1046によって回転されるときに第2のコレット平歯車1052の移動を収容し、キャリア1008によって移動されるときに第2のコレット平歯車1052の移動を収容するために必要である。一実施形態では、第1のコレット平歯車1050及び第2のコレット平歯車1052は、コレット1054の移動の間、第1のモーター1026及び第2のモーター1028と係合したままである。換言すると、第1のコレット平歯車1050は、十分な長さの面幅を有する歯を含むことによって、モーター1026に対して歯車1050がコレット1054と共に移動される際、歯車1050の歯が歯車1038と係合できるようにする。同様に、第2のコレット平歯車1052は、十分な長さの面幅を有する歯を含み、モーター1028に対して歯車1052がコレット1054と共に移動される際、歯車1052の歯が歯車1046と係合できるようにする。
図13D.1を参照すると、コレット及び回転駆動システム1024のピンチ解除構成では、コレット内側部材1056の第2の部分1062のジョーは開いており、EMD1002をロック・ダウン(ピンチ)しない。完全にピンチ解除されている構成では、コレット外側部材1058は、コレット内側部材1056に対して最も近位の位置にある。一実施形態では、コレット外側部材1058は、その移動の近位端におけるハードストップによって、その最も近位位置に制限される。一実施形態では、コレット外側部材1058は、フランジ又はリップ等の特徴部によって、その最も近位の位置に制限され、長手方向へのさらなる移動を停止する。図13D.2を参照すると、コレット及び回転駆動システム1024のピンチ構成では、コレット内側部材1056の第2の部分1062のジョーは、互いに閉じられていて、EMD1002を・ダウン(ピンチ)する。完全にピンチされた構成では、コレット外側部材1058は、コレット内側部材1056に対して最も遠位の位置にある。一実施形態では、コレット外側部材1058は、ねじ山の切れによるハードストップによって、その最も遠位の位置に制限され、即ち、幾何学的形状によって制約されるので、それ以上ねじ込むことができない。一実施形態では、コレット外側部材1058は、更なる長手方向の移動を止めるために、フランジ又はリップ等の特徴部によって、その最も遠位の位置に制限される。
コレット及び回転駆動システム1024の動作原理は、図12C及び図12Dを参照して例示した二重歯車コレット駆動組立体944のコレットの動作原理と類似する。第1のコレット平歯車1050及び第2のコレット平歯車1052が回転されると、それらは互いに向かってねじ込まれて、コレット外側部材1058の第2の部分1068の内面は、コレット内側部材1056の第2の部分1062に押し付けられ、EMD1002をピンチする。第1のコレット平歯車1050及び第2のコレット平歯車1052が回転されて、それらが互いにねじ切りされると、コレット外側部材1058の第2の部分1068の内面は解放されて、コレット内側部材1056の第2の部分1062への押圧を停止して、EMD1002のピンチを解除する。
動作上、二重歯車コレット及び回転駆動システム1024は、モーター1026及びモーター1028からの2つの回転自由度を使用し、4つの動作を達成する。即ち、EMD1002をピンチすることと、EMD1002のピンチを解除することと、時計回りで二重歯車コレット及び回転駆動システム1024を回転させること、反時計回りで二重歯車コレット及び回転駆動システム1024を回転させることを達成する。これら4つの動作は、第1の連結器1030の回転方向及び第2の連結器1032の回転方向に基づく、コレット外側部材1058に対するコレット内側部材1056の移動によって生じる。
第1の動作モードでは、その結果、二重歯車コレット及び回転駆動システム1024が時計回りで回転することになるが、その際、第1の連結器1030が時計回り方向に回転し、第2の連結器1032が反時計回り方向に回転する。
第2の動作モードでは、その結果、二重歯車コレット及び回転駆動システム1024が反時計回りで回転することになるが、その際、第1の連結器1030が反時計回りで回転し、第2の連結器1032が時計回りで回転する。
第3の動作モードでは、その結果、EMD1002がピンチ解除されるが、その際、第1の連結器1030は時計回りで回転し、第2の連結器942は時計回りで回転する。
第4の動作モードでは、その結果、EMD1002がピンチされるが、その際、第1の連結器1030は反時計回りで回転し、第2の連結器1032は反時計回りで回転する。
第3の動作モードと第4の動作モードとでは、ハードストップに到達するまで、コレット内側部材1056は、は、それぞれ、ピンチ解除と、ピンチ(つまみ)とを行う。
一実施形態では、コレット機構1054のピンチ及びピンチ解除は、移動駆動モーター1022のシャフトの回転位置と同期される。
一実施形態では、二重歯車スライド式(摺動)コレット駆動システム1000の部品として、コレット空洞(ルーメン)1076内へのEMD1002の半径方向又は側面の装填を可能にするために、縦方向スリット(図示略)が含まれる。
一実施形態に係るロボット・システム1000は、ピンチ/ピンチ解除モード、回転モード、及び移動(並進)モードを含む。ピンチ/ピンチ解除モード、回転モード、移動モードは、個別に行われてもよく、又は同時に行われてもよい。一実施形態では、回転モード及び移動モードが同時に発生する。
図14Aを参照すると、リセット機構を備えた二重歯車スライド式コレット駆動システムの一実施形態が示されている。使い捨てカセット1080が、固定ベース1012に対して解除可能に取り付けられて、遠位側に配置されるコレット及び回転駆動システム1024(上述)と、近位側に配置されるリセット機構1082とを含む。リセット機構1082(後述する)は、EMD1002を前進、後退、及び保持するように構成されている。カセット1080は、上部カセット・カバー1084及び底部カセット・ハウジング1086を含む。一実施形態では、カセット・カバー1084は、背面のヒンジによって、カセット・ハウジング1086に接続されて、カバーが前面から回転して開閉することを可能にする。一実施形態では、カセット・カバー1084は、前部のヒンジによって、カセット・ハウジング1086に接続されて、カバーが背面から回転して開閉することを可能にする。一実施形態では、カセット・カバー1084は、側部から、ヒンジによって、カセット・ハウジング1086に接続されて、カバーが開閉することを可能にする。一実施形態では、カセット・カバー1084は、回転、移動、又はハウジング1086に対する回転と移動の組合せによって、カバーを開閉できるファスナによって、カセット・ハウジング1086に対して接続される。一実施形態では、カセット・カバー1084は、回転、移動、又はハウジング1086に対する回転と移動の組合せによって、カバーを開閉できる圧入(プレス・フィット)特徴部によって、カセット・ハウジング1086に対して接続される。一実施形態では、カセット・カバー1084は、カバーがハウジング1086から取り外され、ハウジング1086に再装着されることを可能にする圧入特徴部によって、カセット・ハウジング1086に対して接続される。
カセット・カバー1084の近位側及び遠位側は、EMD1002の自由な通過を可能にするように、カバー・ノッチ1088を含む。カセット・ハウジング1086の近位側及び遠位側は、カバー・ノッチ1088の位置に合わせてハウジング・ノッチ1090を含む。一実施形態では、カバー・ノッチ1088及びハウジング・ノッチ1090は、EMD1002の自由な通過を可能にするように、三角形状の切り欠き(カットアウト)である。一実施形態では、カバー・ノッチ1088及びハウジング・ノッチ1090は、EMD1002の自由な通過を可能にするように、任意形状の切り欠きである。カセット・カバー1084の下側は、カバー・リブ1092を含む。カセット・カバー1084が閉じられると、カバー・リブ1092がカセット・ハウジング1086の位置合わせ用ノッチ1090内にEMD1002を着座させて、その位置合わせ用溝又はチャンネル内でEMD1002の垂直位置を維持させて、EMD1002の横方向位置を維持させる。
上述のように、コレット及び回転駆動システム1024は、第1の連結器1030を駆動する第1のモーター1026と、第2の連結器1032を駆動する第2のモーター102と8とによって作動される。リセット機構1082は、リセット機構の連結器1096を駆動するリセット機構モーター1094によって作動される。一実施形態では、リセット機構モーター1094は、ステッパ・モーターである。一実施形態では、リセット機構モーター1094は、サーボ・モーターである。一実施形態では、リセット機構モーター1094は、電気的、空圧的、油圧的、又は他の手段によって動力供給される回転型アクチュエータである。
図14Bを参照すると、固定ベース1012の下側が示される。リセット機構1082は、固定ベース1012と一体的に接続されるリセット機構フレーム1098に内蔵されている。リセット機構の連結器1096は、リセット機構クランク1100と一体的に接続されているが、後者は、フレーム1098及びベース1012に対して回転可能である。一実施形態では、リセット機構の連結器1096は、リセット機構フレーム1098内の穴を通る。一実施形態では、リセット機構の連結器1096は、リセット機構フレーム1098内に取り付けられた回転ベアリングを通る。リセット機構クランク1100は、第1関節1102によって、連結リンク1104と連結されている。連結リンク1104は、第2関節1106によって、クロス・スライダ1108と連結されている。クロス・スライダ1108は、クロス・スライダ第1リニアベアリング1110及びクロス・スライダ第2リニアベアリング1112によって、長手方向の運動(即ち、EMD1002の軸に沿った運動のみ)に拘束されているが、第1リニアベアリング1110及び第2リニアベアリング1112の双方は、クロス・スライダ1108と一体的に接続されている。第1のリニアベアリング1110は、第1のガイド1114に対して移動可能なプリズム状接合部であり、第2のリニアベアリング1112は、第2のガイド1116に対して移動可能なプリズム状接合部である。第1のガイド1114及び第2のガイド1116の先端は、固定ベース1012に一体的に接続され、ガイド1114及び1116等が固定される。
近位の第1リニアベアリング1118及び遠位の第1リニアベアリング1120は、リセット機構フレーム1098の前部コーナーに一体的に取り付けられている。近位の第2リニアベアリング1122及び遠位の第2リニアベアリング1124は、リセット機構フレーム1098の後部コーナーに一体的に取り付けられている。第1のガイド1114は、近位の第1リニアベアリング1118及び遠位の第1リニアベアリング1120に対して移動することができる。第2の案内1116は、近位の第2リニアベアリング1122及び遠位の第2リニアベアリング1124に対して移動することができる。4つのベアリング1118、1120、1122、及び1124は、リセット機構フレーム1098に対して一体的に取り付けられているので、リセット機構1082は、固定ベース1012に対して長手方向に移動することができる。
一実施形態では、第1の連結器1030は、第1の結器スロット付き端部1126を有し、後者は、第1の駆動(ドライバ)ベベルギヤ1034と一体的に接続されたシャフトのスロット付きレシーバ内に着座する。第2の連結器1032は、第2の連結器スロット付き端部1128を有し、後者は、第2のドライバベベルギヤ1042と一体的に接続されたシャフトのスロット付きレシーバ内に着座する(図13C参照)
図14C.1、図14C.2、図14C.3、及び図14C.4を参照すると、線形位置決め機構1082の動作を一連のステップで示している。この機構1082は、回転可能なリセット・クランプ・カム1130と、固定されるクランプ支持体1132とを含む、リセット・カム1130は、リセット・カム連結器1134によって垂直軸の周りを回転する。一実施形態では、リセット・カム1130が回転するリセット・カム連結器1134は、モータ(図示略)によって駆動される。一実施形態では、リセット・カム1130が回転するリセット・カム連結器1134は、リセット機構モーター1094によって作動される機構によって駆動される。一実施形態では、リセット・カム連結器1134は、スロット付き端部を有し、それは、カム1130内のレシーバ内に着座する。リセット・カム1130は、湾曲した外面1136を有する。一実施形態では、リセット・カム1130の湾曲外面1136は、凸形状を有する。一実施形態では、リセット・カム1130の湾曲外面1136は、円弧形状を有する。保持カム1132は、湾曲外面1138を有する。一実施形態では、保持カム1132の湾曲外面1138は、凸形状を有する。一実施形態では、保持カム1132の湾曲外面1138は、円弧形状を有する。
動作上、リセット・カム1130は、閉位置又は開位置であり得る。閉位置のリセット・カム1130は、保持カム1132に対して対向位置にある。閉位置での一実施形態では、リセット・カム外面1136と保持カム外面1138との間に隙間がなく、2つの面1136及び1138が接触する。閉位置での一実施形態では、リセット・カム外面1136と保持カム外面1138との間に、EMD1002の直径よりも小さい隙間距離を有する隙間が存在する。閉位置では、EMD1002は、リセット・カム外面1136と保持カム外面1138との間に挟まれ、その結果、EMD1002が長手方向に移動することが防止される。一実施形態では、リセット・カム外面1136及び保持カム外面1138は、エラストマー材料又は他の変形可能又は柔軟な材料を含み、閉位置では、EMDに関して変形する。開位置リセット・カム1130は、保持カム1132から離れるように回転して、リセット・カム外面1136と保持カム外面1138との間に隙間があるようにする。開位置リセット・カム1130では、EMD1002と接触せず、EMD1002が保持カム1132の位置で長手方向に移動できるようにする。一実施形態では、リセット・カム1130は、開位置に保持カム1132から離れて60度で回転する。一実施形態では、リセット・カム1130は、開位置に保持カム1132から離れて60度未満で回転する。一実施形態では、リセット・カム1130は、開位置に保持カム1132から離れて60度以上で回転する。
図14C.1を参照すると、コレット及び回転駆動システム1024は、EMD1002上でピンチしており、リセット・カム1130は、開位置にあり、クロス・スライダ1108は、リセット機構フレーム1098に対して近位位置にある。このステップの結果、EMD1002は、コレット及び回転駆動システム1024によってつかまれている。
図14C.2を参照すると、コレット及び回転駆動システム1024は、EMD1002をピンチし、リセット・カム1130は、開位置にあり、クロス・スライダ1108は、リセット機構フレーム1098に対する近位位置から遠位側に移動している。一実施形態では、クロス・スライダ1108は、リセット機構モーター1094によるリセット機構クランク1100の時計回りの回転により、末端方向に移動している。このステップの結果、コレット及び回転駆動システム1024は、遠位側に進み、つまり、EMD1002は、遠位側に進む。
図14C.3を参照すると、コレット及び回転駆動システム1024は、EMD1002をピンチ解除しており、リセット・カム1130は、閉位置にあり、クロス・スライダ1108は、リセット機構フレーム1098に対して、その最も遠位の位置にある。このステップの結果として、EMD1002は、コレット及び回転駆動システム1024によってつかまれていない。
図14C.4を参照すると、コレット及び回転駆動システム1024は、EMD1002をピンチ解除しており、リセット・カム1130は、閉位置にあり、クロス・スライダ1108は、リセット機構フレーム1098に対して近位に移動している。一実施形態では、クロス・スライダ1108は、リセット機構モーター1094によるリセット機構クランク1100の反時計回りの回転によって、近位側に平行移動する。このステップの結果、コレット及び回転駆動システム1024は、近位方向に前進し、システムはリセットされ、その後、再開することができる(図14C.1に戻る)。
図17Aを参照すると、EMDと解除可能に係合可能な単一のプランジャ・コレット・システム1280は、スプリング1282及びプランジャ1284を含み、それらは、ハウジング1290の受容キャビティ1288内で、プランジャ軸1286に沿って移動可能に配置されている。図17Aの実施形態では、ハウジング1290は、第1の側方面1292と、第2の側方面1294と、凸状上面1296とを有する長方形プリズム状を有する。第1の側方面1292は、プランジャ軸1286及びEMD軸1298によって画定される平面と平行である。第2の側方面1294は、プランジャ軸1286及び垂直軸1302によって画定される平面と平行であり、垂直軸1302は、プランジャ軸1286及びEMD軸1298に対して垂直である。一実施形態では、ハウジング1290は、上面1296及び対向する底面が長方形平面である、長方形プリズム状を有する。一実施形態では、例えば、図18Aの実施形態では、ハウジング1290は、ディスクの直径軸と整列したプランジャ軸1286を有する円筒形ディスク状であり、図17Aの実施形態は、そのような円筒形ディスクから取り除かれた部分である。図18B及び図18Dを参照すると、外側ハウジング1291は、ハウジング1290の周囲に位置する。外側ハウジング1291は、その内壁上に複数のカム表面を含み、外側ハウジング1291がハウジング1290に対してその長手方向軸線を中心に回転すると、それぞれのプランジャ1284と動作可能に係合する。一実施形態では、ハウジング1290の縦軸は、外側ハウジング1291の縦軸と同一直線上にある。一実施形態では、外側ハウジング1291の少なくとも1部分及び/又はハウジング1290の部分は、弓形及び/又は円形である。
ハウジング1290の第1の側方面1292は、スリット1300を有するが、それは、EMD軸1298と垂直軸1302とによって画定される平面上で、面1292から延出して、EMD軸1298で終端するように配向されていて、EMD軸1298は、第2の側方面1294からその反対側の面まで、ハウジング1290を通る。一実施形態では、スリット1300の壁は、非平行であって、例えば、EMD軸1298に向かう頂点を有するV字型壁等である。一実施形態では、スリット1300は、第1の側方面1292に引き込み面取りを有する。一実施形態では、スリット1300は、第1の側方1292において、引き込み面取りを有さない。
ハウジング1290の第2の側方1294は、プランジャ・ピン1306(図17Aには図示略)のためのプランジャ・ピン孔1304と、位置合わせピン(図示略)のためのガイド孔1308とを含む。プランジャ・ピン孔1304は、プランジャ軸1286とEMD軸1298とによって画定される平面上で、EMD軸1298に平行なプランジャ・ピン軸1307と整合し、EMD軸1298は、第2の側方面1294からハウジング1290を通って延在して、反対の外側面で終端する。ガイド孔1308は、プランジャ軸1286とEMD軸1298とによって画定される平面上で、EMD軸1298に平行な軸と整合し、EMD軸1298は、第2の側方面1294からハウジングの壁部を通って延在して、ハウジング1290内の空洞1288の反対側の壁内面で終端する。一実施形態では、ガイド穴1308は、第2の横方向面1294内の孔(ウェル)又はキャップ穴であり、ハウジング1290内の空洞1288の反対側の壁内面で終端しない。図17Aの単一プランジャ・コレット・システム1280の実施形態では、ガイド穴1308は不要である。ガイド穴1308は、複数プランジャ組立体の位置合わせに使用される。
図17Bを参照すると、プランジャ・コレット・システム1280がピンチ解除構成で示されており、その際、EMD1314は、コレット1280に対して動作可能に固定されていない。適用される力1310は、プランジャ1284の上面1312に作用して、ハウジング1290の空洞1288内でプランジャ1284を押し下げて、プランジャ1284の下に位置するスプリング1282を圧縮するが、その際、その長軸がプランジャ軸1286に沿って配向される。一実施形態では、空洞1288内でプランジャ1284が完全に押し下げられると、プランジャ1284の底部外面1326が、ハウジング1290の空洞1288内のリップ1328と当接し、それによって、プランジャ1284のさらなる移動が制限される。表面1326とリップ1328との間の接触により、プランジャ1284は、最も押し下げられた形態に到達するが、その際、スプリング1282が最大圧縮状態にある。この場合、プランジャ1284内のプランジャ切欠き1316は、ハウジング1290内のハウジング切欠き1318から最も離れており、EMD1314は、プランジャ軸1286の方向で、開口スリット1300内に移動され得る。一実施形態では、プランジャ切欠き1316は、その頂点を下に向けたV字形チャネル又は溝である。一実施形態では、プランジャ切欠き1316は、その凹部が下に向けられたウェルである。一実施形態では、プランジャ・ノッチ1316は、ほぼ下向きの窪みであって、任意の幾何学的形状を有することができる。一実施形態では、ハウジング・ノッチ1318は、その頂点を上に向けたV字形チャネル又は溝である。一実施形態では、ハウジング・ノッチ1318は、その凹部が上に向けられたウェルである。一実施形態では、ハウジング・ノッチ1318は、ほぼ上方への窪みであって、任意の幾何学的形状を有することができる。
プランジャ軸1286で、EMD1314がスリット1300のウェル内に完全に挿入されると、適用された力1310が除かれる。図17Cを参照すると、プランジャ・コレット・システム1280は、ピンチ構成で示されているが、その際、EMD1314は、コレットに対して自由に動くことができないように、プランジャ軸1286でスリット1300のウェルで、プランジャ・ノッチ1316とハウジング・ノッチ1318との間で捕捉され、そのことは、プランジャ1284上を押し上げるスプリング1282の復元力1320に起因する。ピンチ構成では、プランジャ1284の底部外面1326と、ハウジング1290の空洞1288内のリップ1328との間に間隙が存在する。さらに、ピンチ構成では、プランジャ1284の部分1322は、ハウジング1290の上面1296の外側に突出して、露出される。
図17B及び図17Cを参照すると、プランジャ・コレット・システム1280は、通常の閉ざされたコレットであって、このことは、力1310が適用されていないことを意味し、コレットは、ピンチ構成にある。
圧縮スプリング1282の底部は、ハウジング1290の空洞1288の底部内面1330と接触する。圧縮スプリング1282の上部は、プランジャ1284の底部内面1332と接触する。一実施形態では、プランジャ1284の底部内面1332では、ポケット又はカップが存在して、スプリング1282の上部を受容し、リップ1328によってスプリング1282の上部を拘束する。スプリング1282の外径は、ハウジング1290の底部の空洞1288の内径よりも小さく、それによって自由な圧縮を可能にしている。一実施形態では、スプリング1282の外径は、ハウジング1290の底部の空洞1288の内径よりも小さく、ばねの座屈又は曲げに対応する直径よりも大きく、ばねの座屈又は曲げを防止する。一実施形態では、圧縮スプリング1282が利用される。一実施形態では、複数のばねを用いることができ、例えば、2つの入れ子ばね等を利用してもよい。
プランジャ1284は、プランジャ軸1286に沿って配向されたプランジャ・スロット1324を含み、プランジャ1284が、ハウジング1290に対して、プランジャ軸1286に沿って移動することを可能にし、ハウジング1290内の空洞1288の壁と、プランジャ・ピン1306とによって拘束する。コレット1280をピンチ解除するため、プランジャの上面1312に力1310を適用して、プランジャ1284は下方に押下される。動作中、プランジャ1284は、カム・フォロワ(従動子)であって、その上面1312は、カム(図示略)と接触する従動面であり、後者は、適用された力1310によってカム従動子上を押し下げる。内部カムを有する外側部材(図示略)は、プランジャ1284の上面1312と接触する。ハウジング1290に対する外側部材の回転によって、外側部材の内部カムは、上面1312上を押し下げ、それによって、プランジャ1284を押し下げて、コレット1280内のEMD1314をピンチ解除する。
図18Aを参照すると、単一プランジャ・コレット・システム1280は、EMD1314(図示略)用に中心穴1334を有する円形ディスクであるハウジング1290と同じ原理で作動する。図18Aの実施形態は、6つのガイド穴1308を含むが、それらは、EMD軸1298から離れた同じ半径方向距離で、EMD軸1298に関して対称に配置されている。
図18Bを参照すると、複数プランジャ・コレット・システム1336は、6つの単一プランジャ組立体1280を組み付けた状態で示されており、それら各々は、図18Aの実施形態であって、EMD軸1298に関して、それぞれが互いに対して漸次(段階的に)回転するように直列的にカスケード接続されている。一実施形態では、直列的な6つの単一プランジャ組立体1280の各々は、互いに60度ずつ、漸次回転され(即ち、同じ方向で順番に回転される)、ガイド穴1308が整列するようにする。この実施形態では、各単一プランジャ組立体は、直列的の前に、組立体から60度回転される。即ち、第1のアセンブリが0度で基準とみなされる場合、第2のアセンブリは第1のアセンブリに対して時計回りに60度回転され、第3のアセンブリは第1のアセンブリに対して時計回りに120度回転され、第4のアセンブリは第1のアセンブリに対して時計回りに180度回転され、第5のアセンブリは第1のアセンブリに対して時計回りに240度回転され、第6のアセンブリは第1のアセンブリに対して時計回りに300度回転される。従って、第1及び第4の組立体のプランジャは反対方向(180度離れている)であり、第2及び第5の組立体のプランジャは反対方向(180度離れている)であり、第3及び第6の組立体のプランジャは反対方向(180度離れている)である。
図18Cを参照すると、図8Bに示した組み付けられた構成で、複数プランジャ・コレット・システム1336が示されており、その際、第1の単一プランジャ組立体1280が分離されている。同様に、システム1336は、6つの単一プランジャ組立体(1280)を含み、各々は、図18Aに示した実施形態であって、直列にカスケード接続されており、それぞれは、その前に、組立体に対してEMD軸1298に関して60度で漸次回転されている。
図18Dを参照すると、図18Bに示した組付けられた複数プランジャ・システム1336の端面図であって、その際、第1の単一プランジャ組立体1280については実線で示され、第2から第6までの単一プランジャ組立体1280については破線(ファントム・ライン)で示されており、各単一プランジャ組立体は、ガイド孔1308が整列するように、組立体の前に、EMD軸1298を中心に、60度ずつ漸次回転している。3つの視認可能な単一プランジャ組立体は、第1と第4の組立体、第2と第5の組立体、及び第3と第6の組立体に対応し、各ペアは反対方向(180度離れる)で配置されている。これら6つの単一プランジャ組立体1280の中心孔1334は、EMD1314の軸方向の装填のために整列している。一実施形態では、6つの単一プランジャ組立体1280が使用されており、各々は、その前に組立体に対してEMD軸1298を中心に60度ずつ漸次回転している。一実施形態では、4つの単一プランジャ組立体1280を使用することができ、それぞれが、その前に、組立体に対してEMD軸1298を中心として90度ずつ漸次回転する。一実施形態では、3つの単一プランジャ組立体1280を使用することができ、それぞれが、その前に、組立体に対してEMD軸1298を中心として120度ずつ漸次回転する。一実施形態では、2つの単一プランジャ組立体1280を使用することができ、その際、第1の組立体に対して、第2の組立体は、EMD軸1298を中心として180度回転する。一実施形態では、2つの単一プランジャ組立体1280では、第1の組立体に対して、第2の組立体は、EMD軸1298を中心として180度未満回転されて共に使用される。一実施形態では、2つの単一プランジャ組立体1280は、第1の組立体に対して、第2の組立体は、EMD軸1298を中心として180度以上回転されて共に使用される。一実施形態では、2つより多い数の単一プランジャ組立体1280が使用されて、その前に、組立体に対して、EMD軸1298を中心として任意の度数で、それぞれ漸次回転されて、使用される。この実施形態の例では、第1の組立体が0度で基準にあるとすると、4つの単一プランジャ組立体1280を使用する場合、第2の組立体は、第1の組立体に対して時計回りに45度回転され、第3の組立体は、第1の組立体に対して時計回りに135度回転され、第4の組立体は、第1の組立体に対して時計回りに180度回転される。この実施形態は、コレット内のEMDの半径方向の装填を可能にする。一実施形態では、複数プランジャ・コレット・システムの単一プランジャ組立体1280は、同一である。一実施形態では、複数プランジャ・コレット・システムの単一プランジャ組立体1280は、同一でなくともよい。
図18Eを参照すると、複数プランジャ・コレット・システム1336のピンチ解除構成が示されており、その際、6つの単一プランジャ組立体1280には、外的な力1310の適用を必要とし、それは、外側部材カム(図示略)から各プランジャ1284に加えられている。ピンチ解除構成では、複数プランジャ・システム1336内の任意の単一プランジャ組立体1280では、プランジャとハウジングとの間でEMD1314の接触はない。
図18Fを参照すると、6つの単一プランジャ組立体1280を有する複数プランジャ・コレット・システム1336のピンチ構成が例示されている。このピンチ構成では、複数プランジャ・システム1336内の各単一プランジャ組立体1280において、プランジャとハウジングとの間でEMD1314の当接が存在するが、これは、各圧縮スプリング1282からの反力1320に起因する。各単一プランジャ組立体1280は、その前に組立体に対して漸次回転されるため、EMD1314上の接触は異なる表面で生じて、コレット・システム1336により多くのトルク能力を付与する。図18Fの実施形態では、第1の単一プランジャ組立体1280(左側に示される)内のEMD1314の底面1338の一部で接触が生じるとともに、(左側から)第4の単一プランジャ組立体1280内のEMD1314の上面1340の一部で接触が生じている。各単一プランジャ組立体1280でEMD1314の異なる表面部分での接触が起きることは、EMDに沿って長手方向で異なる部分で接触が生じることを意味する。
図18G、図18H、及び図18Iを参照すると、複数プランジャ・コレット・システム1336がピンチ構成で例示されているが、その際、6つの単一プランジャ組立体1280が、EMD1314と共に側面図と正面図で示されている。図18Gを参照すると、複数プランジャ・コレット・システム1336では、6つの単一プランジャ組立体1280がすべて同じ方向で配向されて示されている。EMD1314の側面図は直線で示されており、EMD1314の正面図は点状に示されている。図18Hを参照すると、複数プランジャ・コレット・システム1336では、6つの単一プランジャ組立体1280を有すると共に、各々が、その前に、組立体から180度離れて配向されて示されている。EMD1314の側面は、平面上で略正弦波の線状に示されており、EMD1314の正面は、垂直線に沿って上下に移動する単一の点状に示されている。図18Iを参照すると、複数プランジャ・コレット・システム1336は、6つの単一プランジャ組立体1280を有すると共に、各々が、その前に、組立体から60度離れて配向されて示されている。示される前に、それぞれが組立体から漸次(段階的に)60度離れて徐々に向きを変えて示されている。EMD1314の側面は、平面上で略正弦波の線状に示されており、EMD1314の正面は、円の周囲に沿って移動する単一の点状に示されている。
ピンチ構成における、図18Gに例示した複数プランジャ・コレット・システム1336の、トルク(伝達)能力と比較すると、図18Hに例示した複数プランジャ・コレット・システム1336の場合、トルク(伝達)能力を増大させている。図18Hに例示した複数プランジャ・コレット・システム中の複数の単一プランジャ組立体1280の180度でのオフセットにより、EMD1314は、曲がった構成となり、側面図では、上下に進み、正面図では、垂直線の上部と下部とで最も抵抗性のトルクを有している(ニュートラルのデバイス軸は、線の中心にある)。ピンチ構成における、図18Hに例示した複数プランジャ・コレット・システム1336のトルク(伝達)能力と比較すると、ピンチ時の図18Iに例示した複数プランジャ・コレット・システム1336のトルク(伝達)能力はさらに向上している。図18Hに例示した複数プランジャ・コレット・システム中の複数の単一プランジャ組立体1280の60度のオフセットにより、EMD1314はスパイラル状の経路の構成となり、つまり、螺旋形状となり、その際、EMDは、EMDの中心軸1298から常に離れて、最も抵抗性のトルクを与えている。
複数プランジャ・コレット・システム1336のピンチ構成では、EMD1314の変形は、プランジャ・ハウジングの中心における貫通孔の直径と、プランジャとプランジャ・ハウジングとの間の間隙(クリアランス)と、スプリング機構から加えられる力と、の関数に基づく。
一実施形態では、一連のピンチ(つまみ用の)部品が、ロボット駆動用のコレット内に存在し、その際、それらピンチ部品が、独立して作動されている。それら部品のすべてを一体として作動させる替わりに、例えばカム等の作動機構によって、それら部品はすべて一体で作動されず、例えば、連続的に作動される。この特徴部は、作動力を低下させるように作用する。
一実施形態では、複数プランジャ・コレット・システム1336は、複数のピンチ部品から構成され、それらを互いに対して回転式にクロックして、コレットを保持する全体的なトルク能力を増大させている。なお、回転式にクロックする(回転時計回り)とは、コレット1336の縦軸に対して垂直な面上で、様々な角度でピンチ部品を配置することを参照する。
図18Bを参照すると、コレット1336は、EMD1314を受け入れる経路を画定する内側部材と、外側部材とを有し、内側部材が外側部材に対して移動されるときに、複数の係合部材1284がEMD1314と解除可能に係合する。一実施形態では、スプリング(ばね)1282が、係合部材1284を付勢する。一実施形態では、スプリング1282は、経路から離れるように係合部材1284を付勢し、一実施形態では、スプリング1282は、経路に向うように係合部材1284を付勢する。一実施形態では、係合部材1284は、通常閉ざされるか、又は経路の内側に位置し、EMDを挿入するためには、開かれた位置まで移動される必要がある。一実施形態では、係合部材1284は、通常開かれているか、又は経路の外側に位置し、EMDと係合するためには、閉ざされた位置まで移動される必要がある。一実施形態では、係合部材1284は、EMDと順次係合する。一実施形態では、図18Iを参照すると、係合部材1284は、EMDの周囲で円周方向にオフセットされている。一実施形態では、図18Gを参照すると、係合部材1284は、軸方向にオフセットされている。一実施形態では、図18Hを参照すると、第1の係合部材は、第2の係合部材から180度で配置されている。一実施形態では、複数の係合部材1284は独立して、互いに対して直接的に接続されていない。一実施形態では、外側部材に対する内側部材の動きは、回転によって行われる。一実施形態では、外側部材に対する内側部材の動きは、移動(並進)によって行われる。一実施形態では、内側部材及び外側部材の互いに対する移動は、ロボット駆動式に行われる。一実施形態では、内側部材及び外側部材の相互に対する動きは、手動によって行われる。一実施形態では、図18H及び図18Iを参照すると、係合部材1284は、湾曲経路を形成するEMDの周りで半径方向にオフセットされている。一実施形態では、図18Hを参照すると、湾曲経路は単一の平面上にある。一実施形態では、図18Iを参照すると、湾曲経路は、単一の平面上にはない。
図19A、図19B、図19C及び図19Eを参照すると、対向パッド・コレット・システム1360が例示されているが、これは、EMD1388と解除可能に係合し、内側ハウジング1362と、外側ハウジング1363と、複数のスプリング(ばね)1364a、b、c、…と、複数のレバー1366a、b、c、…と、ピボット・ピン1368と、を含む。一実施形態では、コレット・システム1360の内側ハウジング1362は、直円柱の形状を有し、その縦軸をEMD軸1370に沿って配向させている。内側ハウジング1362は、内部空洞1372と、半径方向及び縦方向のスリット1374と、複数の円周方向のスリット1376a、b、c、…と、を含む。一実施形態では、外側ハウジング1363は、直円柱の形状を有し、その長手方向軸をEMD軸1370に沿って配向させている。外側ハウジング1363は、半径方向及び縦方向のスリット1367と、内部空洞1369と、外側ハウジング1363の内面(内壁)上の複数のカム面1365a、b、c、…と、を含む。一実施形態では、外側ハウジング1363は、円筒管(円筒形チューブ)であって、その壁圧は、内径よりも10パーセントより大きく、内面上に複数のカム面1365a、b、c、…を備えている。一実施形態では、外側ハウジング1363は、円筒管であって、その壁圧は、内径よりも10パーセントより小さく、内面上に複数のカム面1365a、b、c、…を備えている。(図19A-図19Gを参照すると、外側ハウジング1363の壁厚は代表例として示されている図19Aにおける外側ハウジング1363の幾何学的形状は、図19B-19Gに例示された代表例の断面とは異なることに留意されたい。)内側ハウジング1362の外径は、外側ハウジング1363の内部空洞1369の直径よりも小さいため、組み立てられた形態では、内側ハウジング1362は、外側ハウジング1363の内側に配置される。
一実施形態では、内側ハウジング1362の長手方向軸は、外側ハウジング1363の長手方向軸と同一直線上にある。一実施形態では、外側ハウジング1363の少なくとも一部分及び/又は内側ハウジング1362の一部分は、弓形及び/又は円形である。一実施形態では、すべてのレバー1366a、b、c、…は、単一のピボット・ピン1368の周りを回転する。一実施形態では、複数のピボット・ピン1368a、b、c、…が使用されるが、その際、レバー1366aがピン1368aを中心に回転し、レバー1366bがピン1368bを中心に回転する、等の関係となる。一実施形態では、複数のカム面1365a、b、c、…は、外側ハウジング1363の内周の周りの長手方向軸に沿って、徐々に間隔をあけて配置される。一実施形態では、複数のカム面1365a、b、c、…は、外側ハウジング1363の内周の周りの長手方向軸に沿って徐々に間隔をあけた溝又は凹部である。
内側ハウジング1362の円周方向スリット1376a、b、c、…は、EMD軸1370に対して垂直な平面に平行に配向されている。図19Aの実施形態では、9つの円周方向スリット1376a、b、c、…、iが示されていて、その際、レバー1366a、b、c、…iの9つのアーム1384a、b、c、…iが、対応して露出されている。他の実施態様では、異なる数の円周方向スリットと、それと対応する数の露出されたアームとが用いられる。例えば、一実施形態では、1つの円周方向スリット1376aが使用されて、レバー1366aのアーム1384aが露出される。一実施形態では、2つの円周方向スリット1376a、bが使用されて、対応して、レバー1366a、bのアーム1384a、bが露出される。一実施形態では、1つよりも多い数の円周スリット1376が使用される。一実施形態では、円周方向スリット1376a、b、c、…は、内側ハウジング1362の外面から、内側ハウジング1362の内部空洞1372まで、半径方向内側に延出する。一実施形態では、円周方向スリット1376a、b、c、…は、内部ハウジング1362の外面から、キャビティ1372の一部ではない内部ハウジング1362の内部まで、半径方向内側に延出する。一実施形態では、円周方向スリット1376a、b、c、…は、内部ハウジング1362の外面から内部ハウジング1362の内部空洞1372まで、及び空洞1372の一部ではない内部ハウジング1362の内部まで、半径方向内側に延出する。一実施形態では、スリット1376a、b、c、…の壁は、平行である。一実施態様では、円周方向スリット1376a、b、c、…の壁は、非平行である。一実施形態では、円周方向スリット1376a、b、c、…は、内側ハウジング1362の外面に引き込み面取り(リードイン面取り)を有する。一実施態様では、円周方向スリット1376a、b、c、…は、内側ハウジング1362の外面に引き込み面取りを有しない。
外側ハウジング1363の半径方向及び縦方向のスリット1367は、外側ハウジング1363の外面から延出して、外側ハウジング1363の内部空洞1369の内面で終端する。半径方向及び縦方向のスリット1367の2つの壁の間の隙間は、EMD1388の直径よりも大きく、そのため、EMD1388がその中に入ることを可能にしている。一実施形態では、半径方向及び縦方向のスリット1367の複数の壁は、平行である。一実施形態では、半径方向及び縦方向のスリット1367の壁は、非平行であって、例えば、V字型壁であって、EMD軸1370に向かう頂点を有する。一実施形態では、半径方向及び縦方向のスリット1367は、外側ハウジング1363の外面に引き込み面取りを有する。一実施形態では、半径方向及び縦方向のスリット1367は、外側ハウジング1363の外面に引き込み面取りを有しない。
内側ハウジング1362の半径方向及び縦方向のスリット1374は、内側ハウジング1362の外面から延出して、その半径方向中心(EMD軸1370に相当する)で終端して、内側ハウジング1362を通って長手方向に延在する。半径方向及び縦方向のスリット1374の2つの壁の間の隙間距離は、EMD1388の直径よりも大きいため、EMD1388がその中に入ることを可能にしている。一実施形態では、半径方向及び縦方向のスリット1374の複数の壁は、平行である。一実施形態では、半径方向及び縦方向のスリット1374スリットの複数の壁は、非平行であって、例えば、V字型壁であって、EMD軸1370に向かう頂点を有する。一実施形態では、半径方向及び縦方向のスリット1374は、内側ハウジング1362の外面に引き込み面取りを有する。一実施形態では、半径方向及び縦方向のスリット1374は、内側ハウジング1362の外面に引き込み面取りを有しない。
スプリング1364a、b、c、…は、圧縮ばねであって、例えば、内側ハウジング1362の内部空洞1372内に配置されたコイルスプリング等である。スプリング1364a、b、c、…の一端は、内部ハウジング1362の空洞1372の内部壁1378によって拘束されている。スプリング1364a,b,c、…のもう一方の端は、上方で着座されて、レバー1366a,b,c、…の突起部1380a,b,c、…まで延伸する。一実施形態では、レバー1366a、b、c、…の突出部1380a、b、c、…は、スプリング1364a、b、c、…のコイルの一端部内に延在する。一実施形態では、レバー1366a、b、c、…の突出部1380a、b、c、…は、スプリング1364a、b、c、…の1つよりも多い数のコイルの端部内に延在する。一実施形態では、レバー1366a、b、c、…の突出部1380a、b、c、…は、スプリング1364a、b、c、…のコイルの一端部に動作可能に接続される。一実施形態では、レバー1366a、b、c、…の突出部1380a、b、c、…は、スプリング1364a、b、c、…の1つよりも多い数のコイルの端部に動作可能に接続される。一実施形態では、1つの圧縮ばね1364が使用される。一実施形態では、複数の圧縮ばねが使用される。一実施形態では、スプリングの数は、レバーの数に等しい。一実施形態では、各スプリング1364a、b、c、…を囲むようにカラー又はスリーブが用いられて、ばねの座屈又は曲げを防止する。
組み付けられた構成では、スプリング1364a、b、c、…は、圧縮状態にある。動作中に、外側ハウジング1363が内側ハウジング1362に対してその長手方向軸線を中心にして回転されると、外側ハウジング1363の内面(内壁)上のカム面1365a、b、c、…は、スリット1376a、b、c、…内に露出されるレバー1366a、b、c、…のそれぞれのアーム1384a、b、c、…と動作可能に係合される。図19Bを参照すると、対向パッド・コレット・システム1360は、ピンチ解除(ピンチしていない)構成で示されており、その際、EMD1388は、コレット1360に対して、動作可能に固定されていない。この構成では、外側ハウジング1363の半径方向及び縦方向のスリット1367は、内側ハウジングの半径方向及び縦方向のスリット1374と整合している。レバー1366aのアーム1384a上に作用するように、力1382aが適用され、その結果、レバー1366aは、ピボット・ピン1368を中心として反時計回りに回転されて、内部ハウジング1362の空洞1372内のばね1364aは圧縮下にある。そのレバー1366aの位置のため、レバー1366aのパッド1386aは、EMD軸1370から離れると共に、EMD軸1370近傍の半径方向及び縦方向のスリット1374から離れるように向けられる。このピンチ解除の構成では、EMD1388は、EMD軸1370の方向で、半径方向長手スリット1374内と、半径方向長手スリット1367内とに移動することができる。一実施形態では、外側ハウジング1363は、アクチュエータ(図示略)によって、内側ハウジング1362に対して回転される。内側ハウジング1362に対して外側ハウジング1363を回転するアクチュエータは、一実施形態では、駆動モジュール内にあり、また、一実施形態では、それはカセット内にある。
対向パッド・コレット・システム1360をピンチさせたり、ピンチ解除させるため、レバー1366aは、限定された可動範囲内で、ピボット・ピン1368を中心にピボット(枢動)する。一実施形態では、レバー1366aが可動する角度範囲は、10度未満である。一実施形態では、その可動する角度範囲は、10度よりも大きい。レバー1366aは、主要なレバーとして作用し、力と負荷との間でピボットする。レバー1366aのアーム1384aに対して、力又は入力1382aが適用される。負荷又は出力は、レバー1366aのパッド1386aで作用する。
半径方向及び縦方向のスリット1374内にEMD1388を完全に挿入すると、加えられた力1382aが取り外される。図19Cを参照すると、対向パッド・コレット・システム1360は、ピンチ構成で示されており、その際、レバー1366aのアーム1384a上で押し上げるスプリング1364aの復元力1390aによって、EMD1388が、パッド1386aと半径方向及び縦方向のスリット1374の壁との間で捕捉されており、EMD1388は、コレットに対し自由に動くことができない。ピンチ構成での一実施形態では、アーム1384aの外端は、内側ハウジング1362の円周方向スリット1376a内に突出して、露出される。
図19B及び図19Cを参照すると、対向パッド・コレット・システム1360は、常時閉ざされたコレットであり、つまり、力1382aの適用がなくとも、コレットは、ピンチされた(つかまれた)構成にある。
レバー1366aの動作アーム1384aは、カム従動子であって、その際、アーム1384aの外面が、カム(外側ハウジング1363の内面)と当接する従動面であり、そのカムは、適用された力1382aで、カム従動子を押す。内部カムを備えた外側部材1363は、アーム1384aの外面に当接する。内側ハウジング1362に対する外側ハウジング1363の回転によって、外側部材の内部カムは、アーム1384aの外面を押すが、後者は円周方向スリット1376aで露出され、それによって、レバー1366aを回転させて、レバー1366aのパッド1386aをEMD軸1370から離れるように移動させて、コレット1360内のEMD1388をピンチ解除する。単一の円周方向スリット1376aを有する一実施形態では、カムは、アーム1384aの外面に対して押すように作用する指状部(フィンガ)又はタブを含む。複数の円周方向スリット1376a、b、c、…を有する一実施形態では、カムは、複数のアーム1384a、b、c、…の外面に対して押すように作用する複数の指状部又はタブを含む。一実施形態では、複数のレバー1366a、b、c、…が、それらのパッド1386a、b、c、…と共に使用されて、長手方向に沿った複数の位置で、EMD1388をピンチする。一実施形態では、コレット・システムの長さに沿って、単一のレバー1366aのパッド1386aの間で、EMD1388の接触が生じる。
図19D-図19Gを参照すると、対向パッド・コレット・システム1360による、徐々に大きくなるようにピンチするシーケンスが例示されている。(図面では、右側スプリング1364a、b、cは存在するが、示されていない。また図面では、左側スプリング1364a、b、c、…には参照番号が付けられていないが、軽く破線の円で示されている。)図19Dを参照すると、対向パッド・コレット・システム1360は、EMD1388の半径方向の装填のため、ピンチ解除の構成で示されている。作動中に圧縮ばね1364a、b、c、…が最大圧縮状態にする構成では、外側ハウジング1363の内壁は、レバー1366a、b、c、…のアーム1384a、b、c、…を維持しているため、パッド1386a、b、c、…とEMD1388との接触が存在しない。図19Eを参照すると、内側ハウジング1362に対する外側ハウジング1363の第1の回転増分(時計回りの1つの矢印に対応する)は、レバー1366aのパッド1386aとEMD1388との係合に対応するが、それは、外側ハウジング1363の内面上のカム1365aの凹部によるレバー1366aの回転の結果である。スプリング1364aは、その最大圧縮状態からわずかに緩和されていて、パッド1386aとEMD1388との間の力の源である。この回転の第1の増分では、レバー1366b、c、…の他のすべてのパッド1386b、c、…は、ピンチ解除の構成のままである。この回転の第1の増分では、対向パッド・コレット・システム1360からEMD1388を取外すことはできない。その理由は、外側ハウジング1363の半径方向及び縦方向のスリット1367が、内側ハウジング1362の半径方向及び縦方向のスリット1374と整列していないためである。図19Fを参照すると、内側ハウジング1362に対する外側ハウジング1363の回転の第2の増分(2つの時計回りの矢印に対応)は、パッド1386a及び1386bとEMD1388との係合に対応するが、それは、外側ハウジング1363の内面上のカム1365a及び1365bの凹部によるレバー1366a及び1366bの回転の結果である。スプリング1364a及び1364bは、それらの最大圧縮状態からわずかに緩和されていて、パッド1386a及び1386bとEMD1388との間の力の源である。この回転の第2の増分では、レバー1366c、d、…の他のすべてのパッド1386c、d、…は、ピンチ解除の構成のままである。図19Gを参照すると、内側ハウジング1362に対する外側ハウジング1363の第3の回転増分(3つの時計回りの矢印に対応する)は、パッド1386a、b、cとEMD1388との係合に対応するが、それは、外側ハウジング1363の内面上のカム1365a、b、cの凹部によるレバー1366a、b、cの回転の結果である。スプリング1364a、b、cは、それらの最大圧縮状態からわずかに緩和されていて、パッド1386a、b、cとEMD1388との間の力の源である。この回転の第3の増分では、レバー1366d、e、…の他のすべてのパッド1386d、e、…は、ピンチ解除の構成のままである。(なお、図19E-図19Gでは、EMD1388は、係合場所では、偏向を誇張して示している。)
一実施形態では、内側ハウジング1362に対する外側ハウジング1363の20度の回転は、対応するレバー1366a、b、c、…のパッド1386a、b、c、…のEMD1388との係合のための回転の増分に対応する。一実施形態では、内側ハウジング1362に対する外側ハウジング1363の20度未満の回転は、対応するレバー1366a、b、c、…のパッド1386a、b、c、…とEMD1388との係合のための回転の増分に対応する。一実施形態では、内側ハウジング1362に対する外側ハウジング1363の20度を超える回転は、対応するレバー1366a、b、c、…のパッド1386a、b、c、…とEMD1388との係合のための回転の増分に対応する。
図20Aを参照すると、EMD1502を回転、移動、及びピンチすることができるコレット駆動システム1500は、コレット1504、コレット係合部材1506、第1の駆動モジュール1508、及び第2の駆動モジュール1510を含む。コレット駆動システム1500は、2つの線形駆動部(リニアドライブ)及び軸方向スプライン係合を有するクイック(急速)リリース・コレットとも呼ぶことができる。
コレット1504は、第1係合部1514を有するコレット第1部材1512を有する。コレット1504は、駆動されるコレット第2部材1516を有する。
コレット係合部材1506は、第2係合部1518を有する。
コレット第1部材1512及びコレット係合部材1506は、係合位置と非係合位置との間を移動する。図20Cを参照すると、コレット第1部材1512及びコレット係合部材1506は、非係合位置で示されている。
第1係合部1514は、コレット第1部材1512及びコレット係合部材1506が係合位置に移動すると、第2係合部1518と係合する。図20C-図20Gを参照すると、コレット第1部材1512及びコレット係合部材1506は、係合位置で示されている。
係合位置での第1の方向1520におけるコレット第2部材1516に対するコレット第1部材1512の回転は、コレット1504内のEMD1502をピンチし、そして、第1の方向1520とは反対の第2の方向1522におけるコレット第2部材1516に対するコレット第1部材1512の回転は、コレット1504内のEMD1502をピンチしない。
コレット駆動システム1500では、第1の係合部分1514は、複数のスプラインを含み、それらは、コレット第1部材1512の少なくとも一部の周囲に円周方向に延在する。第2係合部1518は、第1係合部1514の複数のスプラインと動作可能に係合する複数の部材を含む。
一実施形態では、コレット第2部材1516は、キャプスタン・ベベルギヤ(キャプスタンかさ歯車)1526と噛み合って、それによって駆動されるベベルギヤ1524と接続されている。一実施形態では、コレット第2部材1516は、連結器によって駆動される。
一実施形態では、第1の係合部分1514の複数のスプラインは、長手方向に延在する外部スプライン歯を含む。一実施形態では、第2の係合部分1518の複数の部材は、内部スプライン歯を含み、後者は長手方向に延在して、第1の係合部分1514の複数のスプラインの長手方向に延在する外部スプライン歯と噛み合う。
コレット係合部材1506は、第1の駆動モジュール1508と一体的に接続され、その中心線がEMD1502の軸と長手方向に整列するように配向されている。
第1の駆動モジュール1508及び第2の駆動モジュール1510は、固定されたリード・スクリュー1528(図3では、参照番号76で例示されている)に対して長手方向に移動し、それぞれ、第1のアクチュエータ1530及び第2のアクチュエータ1532(図3では、移動モーター64として例示されている)によって独立して駆動される。一実施形態では、リード・スクリュー1528は、ボール・スクリューである。一実施形態では、第1の駆動モジュール1508及び第2の駆動モジュール1510は、ベルト駆動によって独立して駆動される。一実施形態では、第1のアクチュエータ1530は、電気、空圧、油圧、又は他の手段によって動力供給されるモーターである。一実施形態では、第2のアクチュエータ1532は、電気、空気圧、油圧、又は他の手段によって動力供給されるモーターである。
図20Aを参照すると、コレット駆動システム1500は、全体のロボット・システム24に接続されている。特に、全体のロボット・システムに対する、リード・スクリュー1528、第1のアクチュエータ1530、第2のアクチュエータ1532、第1の駆動モジュール1508、及び第2の駆動モジュール1510の接続が例示されている。
一実施形態では、第1の駆動モジュール1508の移動は、以下のように達成される。第1のアクチュエータ1530の駆動軸は、第1のベルト1536を駆動する第1の作動プーリ1534と一体的に接続されていて、第1のベルト1536は、第1のナット・プーリ1538を駆動し、後者は、第1のナット・ベアリング組立体1540と一体的に接続されており、後者は、リード・スクリュー1528と噛み合って、第1の駆動モジュール1508と一体的に接続されている。同様に、一実施形態では、第2の駆動モジュール1510の移動は、以下のように達成される。第2のアクチュエータ1532の駆動軸は、第2のベルト1546を駆動する第2の作動プーリ1544と一体的に接続されていて、第2のベルト1546は、第2のナット・プーリ1548を駆動し、後者は、第2のナット・ベアリング組立体1550と一体的に接続されており、後者は、リード・スクリュー1528と噛み合って、第2の駆動モジュール1510と一体的に接続されている。
第1の駆動モジュール1508は、クランプ及び回転駆動機構を含み、EMDをクランプ/クランプ解除をすると共に、その長手方向軸に沿ってEMDを移動させるように作用する。一実施形態では、クランプ及び回転駆動機構は、駆動タイヤ1558及びアイドル・タイヤ1568を含む。一実施形態では、駆動タイヤ1558は、以下のように駆動される。駆動タイヤ1552は、駆動タイヤギヤ1554と噛み合うが、後者は、駆動タイヤ1558に一体的に接続される駆動タイヤ・キャプスタン1556と一体的に接続される。なお、当技術分野で公知の他のクランプ及び移動デバイスを同様に用いることは想定されている。
一実施形態に係る図20A及び図20Bを参照すると、駆動(ドライバ)ギヤ1552は、第1の駆動モジュール1508の内部に組み込まれている第3のアクチュエータ1560によって駆動される。一実施形態では、第3のアクチュエータ1560は、電気、空圧、油圧、又は他の手段によって動力供給されるモーターである。
一実施形態では、駆動ギヤ1552の回転は、以下のように達成される。第3のアクチュエータ1560の駆動軸は、第3の作動プーリ1562(ベアリングによって支持されている)と一体的に接続されており、後者は、駆動ギヤ1552と一体的に接続される駆動ギヤプーリ1566(ベアリングによって支持されている)を駆動する第2のベルト1564を駆動する。
第1の駆動モジュール1508は、ストラドル(またぐ/跨座)ロッカー1570と、スプリング1572とを含む。ストラドル・ロッカー1570は、駆動タイヤ1558及びアイドル・タイヤ1568の軸と平行なピボット1574を中心に回転する。スプリング1572は、テンション(張力)スプリングであって、一端を、ストラドル・ロッカー1570に一体的に接続されたロッカー末端ポスト1575に接続し、また一端を、ドライバー・ギヤ1552から延在するドライバー・ギヤ延長ポスト1576に接続している。ストラドル・ロッカー1570は、ばね式ベルクランクであって、即ち、2つのアーム及びピボット1574を有するばね式レバーである。ストラドル・ロッカー1570の一方のアームは、その自由端でロッカー遠位ポスト1575と一体的に接続される。ストラドル・ロッカー1570の一方のアームは、その自由端でアイドル・タイヤ1568を支持する。
第2の駆動モジュール1510は、従動キャプスタン・ベベルギヤ(かさ歯車)1526とキャプスタン1527とを含む。キャプスタン・ベベルギヤ1526は、アクチュエータ(図示略)によって駆動されるキャプスタン1527と一体的に接続されている。第2の駆動モジュール1510は、延長リンク1578と一体的に接続されており、後者は、第1の駆動モジュール1508に向かって、かつリード・スクリュー1528とEMD1502と平行な方向で、第2の駆動モジュール1510の遠端(即ち、リード・スクリュー1528から最も遠い端)から延出する。一実施形態では、延長リンク1578は、長方形バーであって、その際、その長さがその幅よりも大きく、かつその幅がその高さ(厚さ)よりも大きいものとする。延長リンク1578は、第1のリップ1580と、第2のリップ1581とを含む。一実施形態では、第1のリップ1580と第2のリップ1581とは、フランジ等の、延長リンク1578に対して上方かつ垂直に向けられた長方形のバー突起である。一実施形態では、第1のリップ1580は、延長リンク1578の近位端に位置し、第2のリップ1581は、延長リンク1578の近位端の近傍に位置し、そのため、第1のリップ1580の内面と第2のリップ1581との間に間隙があるようにする。
一実施形態では、コレット駆動システム1500は、コレット1504、コレット係合部材1506、駆動タイヤ1558、及びアイドル・タイヤ1568を含むカセット(図示略)を含む。
コレット駆動システム1500の動作は、本明細書に記載のように、複数の状態(段階)から成る。
図20Cを参照すると、コレット駆動システム1500は、駆動状態(第1の状態)で例示されている。駆動状態では、コレット1504はEMD1502をピンチして、コレット1504はEMD1502を回転させ、第1の駆動モジュール1508と第2の駆動モジュール1510とは一体で移動して、同じ分離距離を維持して、第1の係合部分1514と第2の係合部分1518とのスプライン歯は噛み合わず(つまり係合しない)、駆動タイヤ1558とアイドル・タイヤ1568は分離されて、EMD1502をグリップ(把持)しない。駆動状態では、ロッカー遠位ポスト1575は、第1のリップ1580の内面と接触して、ストラドル・ロッカー1570は、駆動タイヤ1558からアイドル・タイヤ1568を分離させたまま保つように位置決めされている。
図20Dを参照すると、コレット駆動システム1500は、コレット係止(ロック)状態(第2の状態)で例示されている。コレット・ロック状態では、コレット1504はEMD1502をピンチして、第1の駆動モジュール1508と第2の駆動モジュール1510とは互いの分離距離を減少させながら互いに向かって移動し(例えば、固定された第1の駆動モジュール1508に向かって第2の駆動モジュール1510が移動する)、第1の係合部分1514のスプライン歯が第2の係合部分1518のスプライン歯と噛み合っている(即ち、それらは係合しているが、完全には係合していない)、駆動タイヤ1558及びアイドル・タイヤ1568は僅かに互いに対して離れており、EMD1502をグリップしていない。コレット・ロック状態では、ロッカー遠位ポスト1575は、第1のリップ1580の内面と接触し、かつストラドル・ロッカー1570は、駆動タイヤ1558に向かって移動するアイドル・タイヤ1568を回転させるが、タイヤはEMD1502をグリップしない。
図20Eを参照すると、コレット駆動システム1500は、デバイス交換状態(第2の代替状態)で例示されている。デバイス交換状態では、コレット1504はEMD1502をピンチしておらず、第1の駆動モジュール1508と第2の駆動モジュール1510とは、互いの分離距離を減少させながら互いに向かって移動し(コレット・ロック状態と同様)、第1の係合部分1514のスプライン歯は、第2の係合部分1518のスプライン歯と噛み合い(即ち、それらは噛み合ったいるが、完全には噛み合っていない)、駆動タイヤ1558とアイドラ・タイヤ1568とは、互いに分離されていて、EMD1502をグリップしない。交換状態では、コレット・ロック状態と同様に、ロッカー遠位ポスト1575は、第1のリップ1580の内面に接触し、かつストラドル・ロッカー1570は、移動するアイドル・タイヤ1568を駆動タイヤ1558に向って回転させるが、タイヤはEMD1502をグリップしない。
交換状態では、キャプスタン・ベベルギヤ(かさ歯車)1526の回転によって、コレット1504は、EMD1502をピンチせず、キャプスタン・ベベルギヤ1526は、従動ベベルギヤ1524と噛み合って、回転させるが、後者は、コレット第1部材1512に対してコレット第2部材1516を回転させる。なお、移動しない第2係合部1518のスプライン歯と、第1係合部1514のスプライン歯との係合により、コレット第1部材1512は、係止(移動しない)されている。コレット1504をピンチ解除状態にすると、EMD1502を取り外すことが可能になる。一実施形態では、EMD1502の取り外しは、側方又は半径方向の装填解除(非ロード)によって行うことができ、その際、コレット1504内のコレット・スリット1582と、コレット係合部材1506内のコレット係合部材スリット1584とを整合させる。一実施形態では、EMD1502は、軸方向の装填解除によって取り外すことができる。
図20Aを参照すると、コレット・スリット1582は、外周面から長手方向に延在し、コレット1504を通ってその中心線まで半径方向に延在し、かつ、コレット係合部材スリット1584は、外周面から長手方向に延在し、コレット係合部材1506を通ってその中心線まで半径方向に延在する。一実施形態では、スリット1582及び1584は、平行な壁を有する。一実施形態では、スリット1582及び1584は、非平行壁を有し、例えば、頂点が半径方向中心に向かうV字型壁等を有する。一実施形態では、スリット1582及び1584は、外表面で引き込み面取りを有する。一実施形態では、スリット1582及び1584は、外表面に面取りを有さない。
図20Fを参照すると、コレット駆動システム1500は、コレットをピンチさせた、タイヤ・グリップ状態(第3の状態)で例示されている。コレットをピンチさせた、タイヤ・グリップ状態では、コレット1504は、EMD1502をピンチし、第1の駆動モジュール1508と第2の駆動モジュール1510とは、互いに対して、それらの分離距離を最小にするように移動し(例えば、固定された第1の駆動モジュール1508に向かって第2の駆動モジュール1510を移動させる)、第1の係合部分1514のスプライン歯は、第2の係合部分1518のスプライン歯と完全に噛み合っており(即ち、完全に係合する)、駆動タイヤ1558及びアイドル・タイヤ1568は、分離されず、EMD1502をグリップさせる。コレットをピンチさせた、タイヤ・グリップ状態では、ロッカー遠位ポスト1575は、第2のリップ1581の内面と接触し、かつストラドル・ロッカー1570は、タイヤがEMD1502をグリップするように、移動するアイドル・タイヤ1568を駆動タイヤ1558内に回転させる。
図20Gを参照すると、コレット駆動システム1500は、タイヤ駆動状態(第4の状態)で例示されている。タイヤ駆動状態では、コレット1504はEMD1502をピンチせず(ピンチ解除する)、第1の駆動モジュール1508と2の駆動モジュール1510とは、互いに対して分離距離が最小となるように移動し(例えば、固定された第1の駆動モジュール1508に向かって、第2の駆動モジュール1510を移動させる)、第1の係合部分1514のスプライン歯は、第2の係合部分1518のスプライン歯と完全に噛み合っており(即ち、完全に係合している)、駆動タイヤ1558及びアイドル・タイヤ1568は分離されず、EMD1502をグリップする。コレットをピンチさせた、タイヤ・グリップ状態と同様に、タイヤ駆動状態では、ロッカー遠位ポスト1575は、第2のリップ1581の内面に接触し、かつストラドル・ロッカー1570は、タイヤがEMD1502をグリップするように、移動するアイドル・タイヤ1568を駆動タイヤ1558内に回転させる。
タイヤ駆動状態では、キャプスタン・ベベルギヤ(かさ歯車)1526の回転によって、コレット1504はEMD1502をピンチさせず、ベベルギヤ1526は、コレット第1部材1512に対してコレット第2部材1516を回転させる従動ベベルギヤ1524と噛み合って、回転させる。なお、移動しない第2係合部1518のスプライン歯と、第1係合部1514のスプライン歯の係合により、コレット第1部材1512は係止(移動しない)される。コレット1504はピンチ解除状態のため、アイドル・タイヤ1568に対してEMD1502をグリップする駆動タイヤ1558の回転によって、EMD1502は移動させることができる。
コレット駆動システム1500は、リセットモード又は交換モードで動作する。リセットモードでは、動作のシーケンスとして、駆動状態(第1の状態)、コレット・ロック状態(第2の状態)、コレットをピンチさせた、タイヤ・グリップ状態(第3の状態)、タイヤ駆動状態(第4の状態)、コレットをピンチさせた、タイヤ・グリップ状態(第3の状態)、コレット・ロック状態(第2の状態)、さらに、駆動状態(第1の状態)へ戻ることが含まれる。交換モードでは、動作のシーケンスとして、駆動状態(第1の状態)、コレット・ロック状態(第2の状態)、デバイス交換状態(第2の代替状態)、コレット・ロック状態(第2の状態)、さらに、駆動状態(第1の状態)へ戻ることが含まれる。
コレット駆動システム1500は、コレット1504を含む。必要とされる作動の量を最小にするために、コレット1504の半分をロックして、その半分の回転移動を防止させる一方、コレット1504の半分に回転自由度を与えて、EMD1502のピンチ解除とピンチとを行うように、コレット駆動システム1500を構成することができる。コレット1504の半分をロックするには、複数の方法がある。なお、ロックという用語は、部品(構成要素)を静止して保ち、患者に対して固定させることを指す。本明細書に記載の目的のため、部品が患者ベッドレールに対して静止している場合、その部品は静止しており、患者に対して固定されている。一実施形態では、係合スプラインが含まれる。一実施形態では、ロックピンを穴の中に挿入するステップが含まれる。一実施形態では、キー溝内にキーを挿入するステップが含まれる。一実施形態では、回転を妨げる機械的干渉の手段が含まれる。
一実施形態では、EMD1502はピンチされず(ピンチ解除されており)、そして、EMDがピンチ解除された後、様々な部品がホーミング(帰還)位置に移動されて、EMDを整列されたスロットを通って、デバイスから取り外すことを可能にする。
図21Aを参照すると、EMD1602を回転、移動、ピンチ(挟み込む)ことができる「コレット駆動システム」1600は、デバイス駆動部1604と、EMD支持体1606と、y-コネクタ組立体1608とを含む。デバイス駆動部1604は、カセット1610と駆動モジュール1612とを含む。
駆動モジュール1612は、固定されたリード・スクリュー1614(図3では参照番号76で示している)に対して長手方向に移動し、アクチュエータ1616(図3では移動モーター64として示している)によって駆動される。一実施形態では、リード・スクリュー1614は、ボール・スクリューである。一実施形態では、アクチュエータ1616は、電気、空圧、油圧、又は他の手段によって動力供給されるモーターである。
図21Aを参照すると、コレット駆動システム1600は、全体のロボット・システム24に接続される。特に、全体のロボット・システムに対する、リード・スクリュー1614、アクチュエータ1616、及び駆動モジュール1612の接続が例示されている。
一実施形態では、駆動モジュール1612の移動(並進)は、図20Aに例示した駆動モジュールと同様に達成される。(図21A、図21B、図21C、及び図21Dでは、移動用に、駆動モジュール1612を作動システムに対して接続する幾つかの部品は図示されていないことに留意されたい。)
図21A、図21B、図21C、及び図21Dを参照すると、コレット駆動システム1600は、EMD1602のピンチとピンチ解除とを行って、時計回りと反時計回りとでEMD1602を回転させ、さらに、EMD1602を前進及び後退させる(即ち、前後に移動させる)ことができる。一実施形態では、カセット1610は、図12Aに例示したカセット922と同じであり、二重ベベルのコレット及び回転駆動部を含むことにより、EMD1602のピンチ及びピンチ解除と、ピンチされたコレット内でのEMD1602の回転とを可能にする。換言すれば、コレット駆動システム1600は、コレットを含むが、例えば、図12Dで例示したコレット964を含み、EMD1602をピンチしたり、ピンチ解除することを可能にする。
EMD支持体1606は、EMD1602が遠位側に前進する際に、EMD1602が座屈する(ねじれる)のを防止する限定部である。一実施形態では、EMD支持体1606は、EMD1602の直径よりも大きい内径を有する、伸縮部(テレスコープ部)のシステムである。一実施形態では、EMD支持体1606は、装置に対して半径方向に負荷を与えることを可能にするトラックである。一実施形態では、EMD支持体1606は管(チューブ)である。一実施形態では、EMD支持体1606は、前進するときにEMD1602が座屈又は曲がるのを防止する任意のシステムである。
図21Bを参照すると、図21Aに例示したコレット駆動システム1600は、y-コネクタ組立体1608の一部として保持クランプ1618を有するように例示されている。EMD支持体1606は、y-コネクタ組立体1608とカセット1610との間で使用される。保持クランプ1618は安全機構であるため、リセット時にEMD1602は動かない。一実施形態では、保持クランプ1618は、2つの対向するブロックを含み、それらは、y-コネクタ組立体1608に対してEMD1602の位置を拘束するクランプ状態にすることができ、又はEMD1602の位置を拘束しない非クランプ状態にすることができ、つまり、2つの対向するブロックは自由に動くことができることを意味する。一実施形態では、保持クランプ1618は、クランプ状態又は非クランプ状態にすることができる2つの対向するパッドを含む。クランプ1618を係合(クランプ)及び係脱(非係合)保持するための作動システムは図示されていない。
図21Cを参照すると、図21Aに例示したコレット駆動システム1600は、第1のタイヤ1620及び第2のタイヤ1622を備えるように例示されており、それらは、互いに対向し、互いに押し合って、EMD1602をグリップ(把持)することができる。第1のタイヤ1620及び第2のタイヤ1622は、カセット1610の近位に位置する。EMD支持体1606は、y-コネクタ組立体1608とカセット1610との間で使用される。第1のタイヤ1620及び第2のタイヤ1622を互いに向かい合う方向及び離れる方向に移動させる作動システムは図示されていない。第1のタイヤ1620及び第2のタイヤ1622を同じ速度及び対向する方向に回転させることで、リード・スクリュー駆動部を用いる場合と比較して、より速い速度でEMD1602を移動させることができる。第1のタイヤ1620及び第2のタイヤ1622の使用によって、EMD1602の高速での横断が提供されると共に、無制限の進行が提供される。一実施形態では、デバイス駆動部1604の移動速度は、第1のタイヤ1620及び第2のタイヤ1622の回転速度と同期させることができ、それによって、EMD1602が移動しないようにできる。図21Cに例示したコレット駆動システムの使用のリセット方法には、タイヤ1620と1622との間でEMD1602をグリップすることが含まれる。次いで、コレット964はピンチ解除状態となり、それに対して固定されたEMD1602を自由にする。次いで、駆動モジュール1612は、タイヤ1620及び1622を回転させながら、第1の方向に移動され、その際、大地及び/又は患者に対して固定された位置でEMDを維持する。駆動モジュール1612が新しい所望の位置まで移動すると、コレットが作動して、EMD1602をそこにピンチさせて、タイヤ1620及び1622はEMD1602をグリップしないようにする。このように、コレット駆動モジュールは、継続的な移動のためにリセットされる。一実施形態では、EMD1602を遠位方向に移動させて、駆動モジュールが遠位方向にそれ以上移動できなくなると、リセットが生じる。EMD1602を遠位方向に駆動し続けるために、駆動モジュールをリセットするためには、駆動モジュール1612は、近位方向に、リセット位置まで移動される。継続した遠位駆動のための移動リセット中、上述の第1の方向は、近位方向である。EMD1602を患者に対して静止状態で維持するために、駆動モジュール1612が、近位に移動すると、タイヤ1620及び1622は、EMD1602を維持するように回転して、駆動モジュール1612の近位運動を補うようにする。
図21Dを参照すると、図21Aに例示したコレット駆動システム1600は、第3のタイヤ1624と第4のタイヤ1626と共に示されており、それらは、互いに対向して、一体に押圧して、EMD1602をグリップする。第3のタイヤ1624及び第4のタイヤ1626は、y-コネクタ組立体1608の近位側と、EMD支持体1606の遠位側に位置する。EMD支持体1606は、y-コネクタ組立体1608とカセット1610との間で使用される。第3のタイヤ1624及び第4のタイヤ1626は、図21Bに例示した保持クランプ1618に代わる。第3のタイヤ1624及び第4のタイヤ1626を互いに向かって移動させたり、互いに離れるように移動させる作動システムは図示されていない。
「コレット」
本明細書では、上記のロボット・システム中に使用され得るコレット設計が複数、提供されている。図9Aを参照すると、コレット800は、EMD(図示略)と解除可能に係合する。コレット800は、内側部材802を含むが、それは、外側部材804のテーパ付けられた(先細り)空洞816を有する受け入れスリーブ内で、遠位方向又は近位方向で、移動可能に位置決めされる。外側部材804は、縦方向スリット805を有するが、それは、外側部材の外面から延出して、その半径方向中心で終端する。一実施形態では、スリット805の複数の壁は平行である。一実施形態では、スリット805の複数の壁は非平行であり、例えば、半径方向中心に向かって頂点を有するV字型壁である。一実施形態では、スリット805の外面に引き込み面取りが存在する。一実施形態では、スリット805の外面に面取りがない。
図9Bを参照すると、内側部材802は、ほぼ一定の半径を有する第1の部分(セクション)806を含むと共に、その第1の部分806から円錐台状に延出して、テーパ付けられた第2の部分808を含む。そのため、第2の部分808の直径は、第1の部分806と隣接する領域から、第2の部分808の遠位自由端810まで連続的に減少する。なお、第2の部分808の遠位自由端810は、第1の部分806と隣接する領域第2の部分808の領域から遠方にある。一実施形態では、第1の部分806の長さと第2の部分808の長さとは同じである。一実施形態では、第1の部分806の長さは、第2の部分808の長さよりも大きい。一実施形態では、第1の部分806の長さは、第2の部分808の長さよりも短い。
第1の部分806は、縦方向スリット812を有するが、それは、第1の部分の外面から延出して、内側部材802の半径方向中心で終端する。テーパ付けられた第2の部分808は、縦方向スリット814を有するが、それは、第2の部分808全体を通って延びて、第1の部分806内のスリット812と並ぶ第2の部分の外面の一部から第1の外面領域から180度離れた(反対側の)第2の部分の外面の一部まで延出する。第2のスリット814は、第1の平面と、その第1の平面に対して角度付けられた第2の平面とを含み得る。一実施形態では、スリット812の複数の壁は平行であり、一実施形態では、スリット814の複数の壁は非平行である。一実施形態では、スリット812の壁とスリット814の壁とは平行である。一実施形態では、スリット812の壁とスリット814の壁とは非平行である。
図9Bを参照すると、図9D及び図9Fに示した2つの断面に関して例示されている。一実施形態では、スリット812は、内側部材802の頂部に存在し、スリット812は、内側部材802の底部に存在しない。
図9Cを参照すると、第1の部分806及び第2の部分808は、継ぎ目線807にて、内側部材802の下部の接続部分に沿って接続されている。
図9Aを参照すると、外側部材キャビティの第1の端部823から、外側部材キャビティ(空洞)のテーパ付け端部825までに向かって、内側部材802が移動すると、2つの部分818及び820が互いに向かって移動してEMD(図示略)をピンチする。同様に、外側部材804の第2のテーパ付け端部825から、外側部材の第1の開かれた端部823までに向かって内側部材802が移動すると、その結果、2つの部分818及び820が、継ぎ目807を通る線の周りでピボットして、互いに離れるように移動する。
図9Dを参照すると、一実施形態では、テーパ付け空洞816の内周面と、第2の部分808の遠位端810の外周面との間で、内側部材802と外側部材804との接触が生じる。一実施形態では、この接触は、1-5mmの長手方向距離に制限される。一実施形態では、この接触は、5mm長手方向距離よりも大きい。
図9D、図9E、及び図9Fを参照すると、内側部材802の第2の部分808の2つの部分818及び820は、「通常、開かれた」負荷されていない構成では、遠位端810の方向で徐々に分離している。
動作中、外側部材804のテーパ付け空洞816内への内側部材802の移動によって、第2の部分808の2つの部分818及び820が互いに向かって移動するよういに強制し、それによって、部分818及び820の2つの対向面819及び821を互いに向かって移動させて、EMDをピンチさせる。外側部材804内で遠位側に内側部材802を移動すると、内側部材802と外側部材804との間の接触に起因して、圧縮力が生じて(テーパ付け空洞816の内周面と内側の第2の部分808の遠位端の外周面との間に生じる)、内側部材の第2の部分808の2つの部分に作用する。これらの力は、内側部材の第2の部分808の2つの部分の固有のコンプライアンスを克服し、その結果、部分818及び820の2つの対向面819及び821が、それぞれ、互いに向かって移動して、負荷(された)構成となる。
負荷構成の一実施形態では、内側部材802の第2の部分808の内面819及び821は、まず、遠位自由端810でEMDと接触し、次いで、内側部材のテーパ付けられた第2の部分808のスリット814にて、近位側で次第にEMDと接触し続ける。
外側部材804内に内側部材802を移動させるためには、操作者又はロボット・システム(図示略)から、内側部材802に対して遠位方向での外部駆動力が適用されることを必要とする。一実施形態では、遠位方向の外部駆動力は、内側部材802の近位端で適用される。一実施形態では、スクリュー部材と係合する回転入力によって、内側部材802と外側部材804のうちの1つを回転させることで、内側部材が外側部材804に対して移動されて、コレットの長手方向軸に沿って、外側部材に対して、内側部材802を直線的に移動させる。
外側部材804内で、遠位側に、内側部材802をますます移動させるには、ますます外側駆動力が必要とされるが、それは、(部分818及び820の2つの対向面819及び821を、それぞれ、互いに向かって移動させるために)増大するコンプライアンス力を克服すると共に、(テーパ付け空洞816の内周面と第2の部分808の遠位端の外周面との間の接触が増大する結果として)増大する摩擦力を克服するためである。
負荷構成は、部分818及び820の2つの対向面819及び821が、それぞれ、EMDを係止させて、EMDを移動できないようにすると、ロック構成となる。ロック構成では、外部駆動力は不要となる。摩擦力(テーパ付け空洞816の内周面と第2の部分808の遠位端の外周面との間の接触による)によって、コレット800をロック構成で維持させる。換言すれば、ロック構成では、内側部材802は、摩擦によって、外側部材804と係止される。
動作中、外側部材804から内側部材802を引き抜くとき、外側部材804のテーパ付け空洞816から離れるように内側部材802が移動されると、第2の部分808の2つの部分818及び820が互いに分離し、それによって、部分818及び820の2つの対向面819及び821が、それぞれ、互いに離れるように移動して、EMDをピンチ解除する。外側部材804から内側部材802が引き抜かれるとき、内側部材の第2の部分808の2つの部分の固有のコンプライアンスによって、部分818及び820の2つの対向面819及び821を、それぞれ、通常の開放された無負荷(負荷されていない)構成に復元する。
外側部材804から遠ざけて内側部材802を移動させるためには、操作者又はロボット・システム(図示略)から内側部材802まで、近位方向で、外部駆動力が適用されることを必要とする。近位方向の外部駆動力は、コレット機構800をロック構成で維持している摩擦力を克服する必要がある。一実施形態では、内側部材802の近位端に外部駆動力が適用される。
一実施形態では、内側部材の第2の部分808の2つの部分は、一体成形ヒンジによって接続されており、そのばね特性によって、外側部材の開放端部に向かって内側部材が移動されるとき、それら2つの部分は互いに離れるように付勢される。一実施形態では、別体のばねを用いて、2つの部分を離すように付勢させてもよい。
一実施形態では、内側部材のテーパ付き第2の部分808の外面は、滑らかな壁を有する。一実施形態では、内側部材のテーパ付き第2の部分808の外面は、滑かでない壁を有し、例えば、外面上に、1つ又は複数の凹状ポケット又は孔(ウェル)を備える。滑らかでない壁を有する設計の場合、滑らかな壁を有する設計と比較して、内側部材のテーパ付き第2の部分808の2つの部分の固有コンプライアンスを、一般的に、より不均一で、より低くする
一実施形態では、内側部材802は、成形可能なプラスチックを用いて形成される。一実施形態では、内側部材802の第2の部分808の内面819及び821は、エラストマー(弾性的)又は他の変形可能な材料又は柔軟な(コンプライアント)材料を含み、それによって、ピンチ(挟持する)と、ロック(係止する)の構成中、EMDに関して変形することができる。
一実施形態では、スリット805と、812、814とが整列されるときに、それら外側部材のスリット805と、内側部材のスリット812、スリット814とを介して、EMDが半径方向に装填される。この半径方向の装填によって、使用者は、第1の端部823を通してEMDの自由端をねじ込む必要なく、コレットの中心にEMDを配置することができる。むしろ、整列したスリット805、812及び814を通って、EMDの第1の端部と第2の端部との間で、EMDの一部は、コレットの半径方向中心に直接的に配置される。半径方向装填中、EMDの第1の端子端部は、コレットの遠位端部の遠位側のままであり、反対側のEMDの第2の端子端部は、コレットの近位端部の近位側のままであり、その際、EMDの第1の端部と第2の端部の中間にあるEMDの一部は、スリット805、812、及び814を通して、コレットの半径方向中心まで、挿入される。本段落で記載のEMDの装填とは、本明細書中、側方装填(サイド・ロード)又は半径方向装填(ラジアル・ロード)として呼ぶことができる。
図9A及び図19Dを参照すると、外側部材804の内側空洞816のテーパの角度(α1)822は、内側部材の第2の部分814の外面のテーパの角度(α2)824よりも大きく、そのため、外側部材804の第2の端部に向かう方向で空洞816内に内側部材が移動されるときに、2つの部分818及び820を互いに向かうように強制する。
図9Cを参照すると、内側部材802の一実施形態では、第1の部分806の外面から延在する縦方向スリット812は、内側部材802の中心の長手方向軸線で終端する。内側部材802の一実施形態では、第1の部分806の外面から延在する縦方向スリット812は、内側部材802の中心の長手方向軸から離れて終端する。
一実施形態では、第1の部分818及び第2の部分808は、内側部材の第1の部分から延びる2つの片持梁セクションを画定する。片持梁部分818及び820は、それぞれの長手方向長さに沿ってばね力を変化させ、その結果、それらの間に配置されたEMDに接触する表面819及び821がEMDと良好に適合して、EMDに加えられる圧力を低く保ち、表面819及び821に沿って広げる。コレット800の縦軸に沿って片持梁部分818及び820の断面厚さを変化させることによって、EMDに加えられるばね力を変化させることができる。
コレット800は、内側部材802の第2の部分808内の完全なスリット814と、内側部材802の第1の部分806内の部分的なスリット812とにより、より大きな解放力を得るために、剛性が増大するという特徴を提供する。
図9Gを参照すると、コレット826は、内側部材828及び外側部材804を有する。外側部材804は、図9Aに例示して、上述した外側部材804と同じ幾何学的形状を有する。コレット826の動作原理は、図9Aに例示したコレット800の動作と類似する。
図9H及び図9Iを参照すると、内側部材828は縦方向スリット830を有するが、それは、内側部材828を通って、内側部材828の外面834上の領域832から延出して、領域836で終端するが、その際、スリット830の開口部838からほぼ180度離れた(反対側の)外面の近くであるが、その外面を通らないものとする。
図9Hを参照すると、縦方向スリット830は、内側部材828の、2つのほぼ半円形の断面、第1の部分840と第2の部分842、を形成し、スリット830が終端する領域836にて、ピボットを可能にする。一実施形態では、スリット830は、非装填構成、即ち、ピンチ解除(ピンチしていない)状態では、部分840及び842から、対向する平行な壁を形成する。一実施形態では、スリット830は、非装填構成、即ち、ピンチ解除状態では、部分840及び842から、対向する非平行な壁を形成し、例えばV字形壁を生成する。一実施形態では、スリット830の底部に近接する内側部材の領域に、応力解放部(ストレス・リリーフ部)848を用いて、応力集中の影響を最小化し、それによって破損の可能性を最小化してもよい。一実施形態では、応力解放のための他の手段が、スリット830の底部に近接する内側部材の領域で用いられる。
図9Gを参照すると、外側部材の空洞(キャビティ)の第1の端部844から、外側部材の空洞のテーパ付け端部846に向かって、内側部材828が移動することで、内側部材828の第1の部分840と第2の部分842とが互いに向かって移動し、EMD(図示略)をピンチさせる。同様に、外側部材804の第2のテーパ付け端部846から、外側部材の第1の開放端部844に向かって、内側部材828が移動することで、内側部材828の第1の部分840と第2の部分842とが、縦方向スリット838を通る線に関して互いに離れるようにピボット移動して、EMD(図示略)のピンチを解除させる。
一実施形態では、スリット830の底部に近接する内側部材836の領域には、ばね特性を有する一体成型ヒンジが備えられ、外側部材の開放端に向かって内側部材が移動されるときに、2つの部分を互いに離すように付勢する。一実施形態では、別体のばねを備えて、2つのセクション838及び840を離すように作用させてもよい。
(外側部材804のテーパ付け空洞の内周面と、第2の部分834の遠位端の外周面との間の接触による)摩擦力によって、コレット826を係止された(ロック)構成で維持させる。換言すれば、ロック構成では、内側部材828は、摩擦によって、外側部材804に対して係止される。
内側部材828の第1の部分840及び第2の部分842の2つの部分を形成する縦方向スリット830の寸法及び角度に基づいて、コレットは、図F2Aに例示したコレットと比較して、EMDのより大きな範囲の直径に対応することができる。
図10A及び10Bを参照すると、コレット852は、内側部材854と、従動パッド856及び従動フィンガ858を含む2つの内部部品と、外側部材860と、を有する。外側部材860は、プリズム状内部空洞862を有し、内側部材854の内部空洞864によって配向された内部部品856及び858を受容する。外側部材860は、その近位端に向かって、外側部材の内面上に、円周方向の保持チャネル863を有する。内側部材854は、チャネル863内に適合する(フィットする)大きさで、内側部材の外面上にキー859を有する。一実施形態では、従動パッド856及び従動フィンガ858は、別体の部品である。一実施形態では、従動パッド856及び従動フィンガ858は、一体化された部品に、一体的に接続される。一実施形態では、従動パッド856及び従動フィンガ858は、同じ材料で作られる。一実施形態では、従動パッド856及び従動フィンガ858は、異なる材料で作られる。例えば、一実施形態では、従動パッド856は、エラストマー材料で作られ、従動フィンガ858は、成形可能なプラスチックで作られる。一実施形態では、従動パッド856は、1つの材料で構成される。一実施形態では、従動パッド856は、1つよりも多い数の材料で作られ、例えば、エラストマー被覆と共に、成形可能なプラスチックを用いて作られる。一実施形態では、従動パッド856は、2つの平行な平坦面を有する。一実施形態では、従動パッド856は、2つの非平行な平坦面を有する。一実施形態では、従動パッド856は、1つの平坦面と、凸状面等の1つの湾曲面とを有する。
内側部材854は、内側部材の外面から延び、その半径方向中心で終端するように、その全長に沿って延在する縦方向スリット855を有する。外側部材860は、外側部材の外面から延び、その半径方向中心で終端するように、その全長に沿って延在する縦方向スリット861を有する。一実施形態では、スリット855及び861は、平行な壁を有する。一実施形態では、スリット855及び861は、非平行壁を有し、例えば、その頂点が半径方向中心に向かうV字型壁等を有する。一実施形態では、スリット855及び861は、外表面に引き込み面取りを有する。一実施形態では、スリット855及び861は、外表面に面取りを有さない。
図10C.1及び図10D.1を参照すると、組み立てられたコレット852の直径方向断面が、ピンチ解除(解放)構成と、ピンチ(閉鎖)構成とで、それぞれ例示されており、その際、外側部材860に対する内側部材854の縦軸に関する相対的な角度配向に基づいている。図10C.2を参照すると、従動パッド856の外面と内側部材854の内面との間にギャップ866が存在し、EMD867をピンチさせていない。(図10C.1にはEMD867は示されていない。)デフォルトのピンチ解除構成では、内側部材854の内部カム865の立体的(寸法的)な幾何学的形状のために隙間866が存在し、そのため、内部カム表面865と従動フィンガ858との間に接触が存在しない。図10D.2を参照すると、従動パッド856の外面と内側部材854の内面との間にギャップ866が存在しないが、それは、内部カム865の比較的に大きさ寸法が従動フィンガ858と当接するためであり、そのため、EMD867をピンチさせている。(図10D.1にはEMD867は示されていない。)ピンチ構成では、コレット852はロック状態のままである。一実施形態では、ピンチ構成でEMD867を捕捉する際、従動パッド856を受け入れる内側部材854の内面857は、平坦である。一実施形態では、ピンチ構成でEMD867を捕捉する際、従動パッド856を受け入れる内側部材854の内面857は、例えば、従動パッド856の外面の輪郭と同様の輪郭を有する凹状である。一実施形態では、内側部材854は、1つの材料で構成される。例えば、一実施形態では、内側部材854は、成形可能なプラスチックで構成される。一実施形態では、内側部材854は、1つよりも多い数の材料で構成される。例えば、一実施形態では、従動パッド856を受け入れる内側部材854の内面857は、成形可能なプラスチック内側部材854と、その上のエラストマーの裏地又は被覆とを有する。
ピンチ解除(ピンチされていない)構成からピンチ構成へ、又はピンチ構成からピンチ解除構成への移行には、使用者又は駆動システムによって、内側部材854と外側部材860との間で縦軸に関して相対的な角運動を与えることが求められる。一実施形態では、外側部材860に対する内側部材854の、縦軸に関する90度の回転が、ピンチ解除構成からピンチ構成への移行に対応する。一実施形態では、外側部材860に対する内側部材854の、縦軸に関する180度の回転が、ピンチ解除構成からピンチ構成への移行に対応する。一実施形態では、外側部材860に対する内側部材854の、縦軸に関する360度未満の任意の値での回転が、ピンチ解除構成からピンチ構成への移行に対応する。
一実施形態では、縦軸について、内側部材854に対する外側部材860の時計回りの回転によって、ピンチ構成を得るように、内部カム865が構成される。一実施形態では、縦軸について、内側部材854に対する外側部材860の反時計回りの回転によって、ピンチ構成を得るように、上記カムが構成される。
一実施形態では、縦軸について、外側部材860に対する内側部材854の回転中の一つの位置によって、ピンチ構成を得るように、内部カム865が構成される。一実施形態では、縦軸について、外側部材860に対する内側部材854の回転中の2つ又は複数の位置によって、ピンチ構成を得るように、上記カムが構成される。
一実施形態では、ピンチ構成のコレット・システム852がピンチ構成のままでいるように、又は、ピンチ解除構成のコレット・システム852がピンチ解除構成のままでいるように、内側部材854と外側部材860との間の相対的な回転の結果、状態変化が生じないように、内部カム865は、持続するように構成される。そのことは、内側部材854と外側部材860との間での相対回転の範囲にわたって、内部カム865の輪郭の半径方向寸法に変化が生じないことで達成されてもよい。一実施形態では、上記持続が、内側部材854と外側部材860とを回転駆動するモーターに対する変位指示において、起こり得るエラーに対応できるようにして、ピンチ構成の場合では、EMD867がピンチされたまま保つように、エラーに対してある程度の許容範囲を用意する。
一実施形態では、縦軸に関して、90度での、外側部材860に対する内側部材854の回転が、EMDをピンチ構成で維持するように、カム865が構成されている。一実施形態では、縦軸に関して、90度未満での、外側部材860に対する内側部材854の回転が、EMDをピンチ構成で維持するように、カム865が構成されている。一実施形態では、縦軸に関して、90度以上での、外側部材860に対する内側部材854の回転が、EMDをピンチ構成で維持するように、カム865が構成されている。
一実施形態では、縦軸に関して、90度での、外側部材860に対する内側部材854の回転が、EMDをピンチ解除構成で維持するように、カム865が構成されている。一実施形態では、縦軸に関して、90度未満での、外側部材860に対する内側部材854の回転が、EMDをピンチ解除構成で維持するように、カム865が構成されている。一実施形態では、縦軸に関して、90度以上での、外側部材860に対する内側部材854の回転が、EMDをピンチ解除構成で維持するように、カム865が構成されている。
組み立てられたコレット852では、内側部材854のキー859は、外側部材860のチャネル863内に保持されて、外側部材860に対する内側部材854の回転の自由度を許容するとともに、外側部材860に対する内側部材854の回転の移動の自由度を許容しないようにする。チャネル863内に捕捉されたキー859によって、内側部材854と外側部材860とが組立中に整列されることを確保して、従動フィンガ858のパッド856の外面が、内側部材854内で、長手方向で反対の表面857に配置されるようにする。チャネル863内に捕捉されたキー859は、ピンチ構成と、ピンチ解除構成との双方で、双方の部材が引っ張られて離れるのを防止する。
初期構成では、コレット852の内側部材854中のスリット855は、外側部材860内のスリット861と整合して、本明細書に記載のように、EMDの側方又は半径方向の装填を可能にする。
図11Aを参照すると、コレット868は、内側部材870と、湾曲部872及びカラー874から成る2つの内部部品と、外側部材876とを有する。
内側部材870は、縦方向スリット871を有するが、それは、内側部材の外面から延出し、その半径方向中心で終端するように、全長に沿って延びる。外側部材876は、縦方向スリット877を有するが、それは、外側部材の外面から延出し、その半径方向中心で終端するように、全長に沿って延びる。一実施形態では、スリット871及び877は、平行な壁を有する。一実施形態では、スリット871及び877は、非平行壁を有し、例えば、その頂点が半径方向中心に向かうV字型壁等を有する。一実施形態では、スリット871及び877は、外表面に引き込み面取りを有する。一実施形態では、スリット871及び877は、外表面に面取りを有さない。
図11Bを参照すると、コレット868は、完全に組み立てられた構成で例示されており、その際、EMD878の側方又は半径方向の装填のため、内側部材870のスリット871と、外側部材876のスリット877とが整列している。
図11Cを参照すると、内側部材870は、4つの部分から成る単一の一体部材であって、その外面からその半径方向中心まで延出する縦方向スリット871を有する。最も近位側からはじめると、第1の部分882は、円筒部分であって、その半径方向中心に内部空洞を有する。第1の部分882の遠位側には、第2の部分884があるが、それは、内部円筒形空洞を有する円筒形部分である。第2の部分884の遠位側には、第3の部分886があるが、それは、外部ネジ山890をと内部円筒形空洞とを有する円筒形部分である。第3の部分886の遠位側には、第4の部分888があるが、それは、第3の部分886からの延長部である。一実施形態では、第2の部分884の外径は、第1の部分882の外径よりも大きい。一実施形態では、第2の部分884の外径は、第1の部分882の外径と同じである。一実施形態では、第2の部分884の外径は、第1の部分882の外径よりも小さい。一実施形態では、第4の部分888は、リズム状延長部であって、縦軸に対して垂直な矩形(長方形又は四角形)断面を有する。一実施形態では、第4の部分888は、プリズム状延長部であって、縦軸に対して垂直な非矩形断面を有する。一実施形態では、第4の部分888は、非プリズム状延長部であって、縦軸に対して垂直な非矩形断面を有する。
外側部材876は、2つの部分から成る単一の一体部材であって、その外面からその半径方向中心まで延出する縦方向スリット877を有する。最も近位側ではじめると、第1の部分896は、円筒形カップ部分であって、その近位部分に内部スレッド(雌ねじ()892があり、その遠位部分に内部円筒形空洞(キャビティ)がある。内部スレッド892は、内側部材870の外部スレッド890と噛み合う。第1の部分896の遠位部分の円筒形空洞は、カラー874を受容する。外側部材876の第2の部分898は、円筒部分であって、その半径方向中心に内部空洞部を有する。
図11C、図11D、及び図11Eを参照すると、カラー874は円筒状部分であって、閉鎖端部を有する遠位部と、内部空洞を有する近位部と、その全長にわたってその外周面から除去されたキー溝ポケット875とを有する。一実施形態では、カラー874は、縦軸に対して垂直な面一の外側円形状面を有する閉鎖端部と、内部空洞とを有する。一実施形態では、カラー874は、縦軸に対して垂直な外側円形状面に対して弓形状の縁部を有する閉鎖端部と、内部空洞とを有する。一実施形態では、カラー874の閉鎖端部は、縦軸に対して垂直な外側円形状面から延在するリップ又はフランジと、内部空洞とを有する。一実施形態では、カラー874の内部空洞は、その外径の面の中心縦軸に対して中心に位置する。一実施形態では、カラー874の内部空洞は、その外径平面の中心縦軸に対して中心に位置しない。一実施形態では、カラー874の内部空洞は、長方形状を有する。一実施形態では、カラー874の内部空洞は、円筒形状を有する。一実施形態では、カラー874の内部空洞は、長方形状や、円筒形状を有しない。一実施形態では、カラー874の内部空洞は、曲げ部872の遠位端を受け入れるため、コーナーポケット又は孔(ウェル)を有する。
カラー874は、縦方向スリット894を有するが、それは、カラー円周壁を通って、その中心に至る半径方向スリットを含む。一実施形態では、スリット894は、平行な複数の壁を有する。一実施形態では、スリット894は、非平行な複数の壁を有し、例えば、その頂点が半径方向中心に向かっているV字型壁等を有する。一実施形態では、スリット894は、外面に引き込み面取りを有する。一実施形態では、スリット894は、外表面に面取りを有さない。
一実施形態では、内側部材870の延長部888によって、外側部材876の内部空洞の遠位部分に、カラー874が位置する。延長部888は、機械的キーとして機能して、カラー874が内側部材870と共に回転することを確保して、曲げ部872の端部が長手方向に共に圧迫されて、相対的な回転又はトルクにさらされないようにする。換言すれば、湾曲部872の複数の端部は、互いに対して平移動することができ、互いに対して回転しない。延長部888は、カラー874内のポケット875によって回転的に拘束されるが、後者はキー溝として作用し、内側部材870が外側部材868に対して回転されるときに、自由に長手方向に移動する。
図11A及び11Cを参照すると、一実施形態では、内側部材870の内部空洞の近位部分は、曲げ部872の近位端を受け入れるために、コーナーポケット又は孔(ウェル)を有する。屈曲部872は、長方形プリズムであって、軸方向に対して垂直な平面上でその幅又は高さのいずれかよりも長い、軸方向に沿った長さを有する。一実施形態では、湾曲部872は、長方形プリズムであって、軸方向に対して垂直な平面上でその幅と高さとが同じである。そのことは、湾曲部872は、正方形の断面を有することを意味する。一実施形態では、湾曲部872は、長方形プリズムであって、軸方向に垂直な平面上でその幅が高さよりも大きい。そのことは、湾曲部872は、長方形断面を有し、その高さよりも幅が大きいことを意味する。一実施形態では、湾曲部872は、長方形プリズムであって、軸方向に垂直な平面上でその幅が高さよりも小さい。そのことは、湾曲部872は、長方形断面を有し、その幅よりも高さが大きいことを意味する。一実施形態では、湾曲部872は、長方形プリズムであって、鋭い端部を有する。一実施形態では、湾曲部872は、長方形プリズムであって、丸みを帯びた端部を有する。一実施形態では、湾曲部872は、ほぼ長方形のプリズムである。一実施形態では、湾曲部872は、成形可能なプラスチック又はアクリル等の柔軟材料(コンプリアント材料)で作られる。湾曲部872は、その幾何学的形状(長さ、幅、及び高さ)及びその材料特性(主にその弾性係数)の関数である弾性曲げ特性を有する。
動作上、EMD878をピンチすることは、外側ねじ(スレッド)892と内側ねじ892とを一体にねじ止めするように、縦軸の方向に関して、外側部材876に対して内側部材870を回転させることで達成される。そのため、湾曲部872は、たわみ又は曲げが可能なように作ることができ(小さな曲率半径を有するようにする)、湾曲部872の外面873(湾曲部の縦軸方向中心及びその近傍)を用いて、内側部材870の内面880に対してEMD878をピンチすることを可能にする。湾曲部872の2つの端部の間での長手方向距離は、外側部材876に対する内側部材870の回転によって決定され、湾曲(たわみ)の量を変化させるために使用され得る。湾曲部872の2つの端部の間での長手方向距離が減少すると、湾曲部のたわみ又は曲げが増大して、湾曲部により小さな曲率半径を与えるとともに、より大きな横方向距離を与え、そのことは、湾曲していない湾曲部の外面873と湾曲した湾曲部872の画面873との間での湾曲部の縦軸方向中心にて、縦軸に対して垂直な距離によって定められる。横方向の距離は、内部空洞によって制約されるので、EMD878は、湾曲部872の外面873と内側部材870の内面880との間で捕捉される。
動作上、EMD878をピンチ解除すること(ピンチしないこと)は、外側ねじ(スレッド)892と内側ねじ892とを一体にねじ止めしないように、縦軸の方向に関して、外側部材876に対して内側部材870を回転させることで達成される。そのため、湾曲部872は、たわまない又は曲げがないように作ることができ(大きな曲率半径を有するようにする)、湾曲部872の外面873は、内側部材870の内面880からEMD878をピンチ解除することを可能にする。湾曲部872の2つの端部の間での長手方向距離は、外側部材876に対する内側部材870の回転によって決定され、湾曲(たわみ)の量を変化させるために使用され得る。湾曲部872の2つの端部の間での長手方向距離が増大すると、湾曲部のたわみ又は曲げが減少して、湾曲部により大きな曲率半径を与えるとともに、より小さな横方向距離を与え、そのことは、湾曲していない湾曲部の外面873と湾曲した湾曲部872の画面873との間での湾曲部の縦軸方向中心にて、縦軸に対して垂直な距離によって定められる。ピンチ解除構成では、湾曲部872の外面873と内側部材870の内面880との間の横方向距離は、EMD878の直径よりも大きいため、EMD878は、自由となる。
一実施形態では、ピンチ構成時に、EMD878を捕捉する際に湾曲部872を受け入れる内側部材870の内面880は、凹状であり、例えば、湾曲した屈曲部872の外面873の輪郭に対して、より小さな輪郭を有する。このことは、EMD878と当接する表面積を増加させ、かつ、回転中心軸から離すように移動させることで、EMD878上の抵抗トルクを増加させることができる。一実施形態では、ピンチ構成にてEMD878を捕捉する際に湾曲部872を受け入れる内側部材870の内面880は、平坦である。
一実施形態では、内側部材870は、1つの材料、例えば、成形可能なプラスチックから作られる。一実施形態では、内側部材870は、1つよりも大きい数の材料から構成される。例えば、一実施形態では、ピンチ構成時にEMD878を捕捉する際に湾曲部872を受け入れる内側部材870の内面880は、成形可能なプラスチック内側部材870上にエラストマーの裏地又は被覆を有する。
一実施形態では、湾曲部872は、1つの材料、例えば、成形可能なプラスチックカラ作られる。一実施形態では、湾曲部872は、1つよりも大きい数の材料から構成される。例えば、一実施形態では、湾曲部872は、成形可能なプラスチック内側部分上にエラストマーの裏地又は被覆を有する。
コレット868の一実施形態では、単一の湾曲部872が使用される。コレット868の一実施形態では、1つよりも大きい数の湾曲部872が使用される。例えば、EMD878をピンチしたり、ピンチ解除するために、中心縦軸に関して180度離れて配向された2つの湾曲部を使用してもよく、その際、本明細書に記載した技術思想を用いて、内側部材870と外側部材876との相対的な回転に基づくことができる。
コレット868の内側部材870内のスリット871は、初期構成では、外側部材876内のスリット877と整合して、本明細書で記載したように、EMDの側方又は半径方向の装填を可能にする。
図15Aを参照すると、EMD1154を回転、移動、及びピンチを可能にする、
可撓性の蛇腹のコレット駆動システム1150は、デバイス・リテーナ(保持部)1152、駆動ブロック・セット1156、及び保持ブロック・セット1158を含む。デバイス・リテーナ1152は、デバイス支持体であって、駆動ブロック・セット1156と保持ブロック・セット1158との間に配置される可撓性蛇腹1160の長手方向部分を含む。可撓性蛇腹1160は、デバイス支持体であって、駆動ブロック・セット1156と保持ブロック・セット1158との間の運動を可能にする。一実施形態では、駆動ブロック・セット1156は、可撓性蛇腹1160の遠位側に位置し、保持ブロック・セット1158は、可撓性蛇腹1160の近位側に位置する。一実施形態では、駆動ブロック・セット1156は、可撓性蛇腹1160の近位側に位置し、保持ブロック・セット1158は、可撓性蛇腹1160の遠位側に位置する。一実施形態では、デバイス・リテーナ1152は、遠位テーパ部1162と、遠位均一部1164と、近位均一部1166と、近位テーパ部1168とを含む。一実施形態では、デバイス・リテーナ1152は、遠位均一部1164と近位均一部1166を含み、遠位テーパ区間1162と近位テーパ区間1168とを有しない。
図15Aを参照すると、可撓性蛇腹のコレット駆動システム1150は、保持ブロック・セット1158に対して駆動ブロック・セット1156を長手方向に移動(前進及び後退)させる駆動システム(図示略)を含む。
図15Bを参照すると、駆動ブロック・セット1156は、開放構成で示されており、その際、駆動ブロック・セット1156とデバイス・リテーナ1152との間に接触がない。一実施形態では、駆動ブロック・セット1156は、第1の駆動ブロック組立体1170と、第2の駆動ブロック組立体1172とを含む。一実施形態では、駆動ブロック・セット1156は、第1の駆動ブロック組立体1170を含むが、第2の駆動ブロック組立体1172を含まない。一実施形態では、第1のブロック組立体1170の構成と第2の駆動ブロック組立体1172の構成は同じである。一実施形態では、第1のブロック組立体1170の構成と第2の駆動ブロック組立体1172の構成は同じではない。
第1の駆動ブロック組立体1170は、第1の平歯車1174と、第1の平歯車ピン1176と、第1の駆動ブロック・リテーナ1178とを含む。一実施形態では、第1の平歯車1174は、第1の平歯車ピン1176を中心に回転し、後者は、第1の駆動ブロック・リテーナ1178の側壁内に保持される。一実施形態では、第1の平歯車1174は、その長さの途中で第1の平歯車ピン1176と一体的に連結され、第1の平歯車1174の両側の第1の平歯車ピン1176の端部は、穴の中で支持されて、第1の駆動ブロック・リテーナ1178の外壁内で、回転ベアリングとして動作する。一実施形態では、第1の平歯車1174は、その長さの途中で第1の平歯車ピン1176と一体的に連結され、第1の平歯車1174の両側の第1の平歯車ピン1176の端部は、第1の駆動ブロック・リテーナ1178の外壁に取り付けられた回転ベアリングによって支持される。一実施形態では、第1の駆動ブロック・リテーナ1178は、第1の駆動ブロック切り欠き1180を含むが、それは、第1の平歯車1174の第1の平歯車の歯1182の一部を露出させる。一実施形態では、第1の駆動ブロック切り欠き1180は、縦軸を横切る平面上に半円形の凸状断面を有する。
第2の駆動ブロック組立体1172は、第2の平歯車1184と、第2の平歯車ピン1186と、第2の駆動ブロック・リテーナ1188とを含む。一実施形態では、第2の平歯車1184は、第2の駆動ブロック・リテーナ1188の側壁内に保持される第2の平歯車ピン1186を中心に回転する。一実施形態では、第2の平歯車1184は、その長さの途中で第2の平歯車ピン1186と一体的に接続され、第2の平歯車1184の両側の第2の平歯車ピン1186の端部は、穴の中に支持されて、第2の駆動ブロック・リテーナ1188の外壁内で回転ベアリングとして動作する。一実施形態では、第2の平歯車1184は、その長さの途中で第2の平歯車ピン1186と一体的に接続され、第2の平歯車1184の両側の第2の平歯車ピン1186の端部は、第2の駆動ブロック・リテーナ1188の外壁に取り付けられた回転ベアリングによって支持される。一実施形態では、第2の駆動ブロック・リテーナ1188は、第2の駆動ブロック切り欠き1190を含み、第2の平歯車1184の第2の平歯車歯1192の一部を露出させる。一実施形態では、第2の駆動ブロック切り欠き1190は、縦軸に横切る平面上に半円形の凸状断面を有する。
第1の平歯車1174は、第1の平歯車駆動システム(図示略)によって駆動されて、第1の平歯車1174を時計回り方向又は反時計回り方向に回転させるか、第1の平歯車1174を回転させないようにする。第2の平歯車1184は、第2の平歯車駆動システム(図示略)によって駆動されて、第2の平歯車1184を時計回り方向又は反時計回り方向に回転させるか、第2の平歯車1184を回転させないようにする。一実施形態では、第1の平歯車駆動システム、第2の平歯車駆動システム、及び移動駆動システムは、組み合わされた移動-回転駆動システム(図示略)に含まれて、第1の平歯車1174の回転と、第2の平歯車1184の回転と、駆動ブロック・セット1156の移動とを同時に行ってもよい。一実施形態では、第1の平歯車駆動システム、第2の平歯車駆動システム、及び駆動システムは、組み合わされた移動-回転駆動システム(図示略)に含まれて、第1の平歯車1174の回転と、第2の平歯車1184の回転と、駆動ブロック・セット1156の移動とを順番に行ってもよい。
図15Bを参照すると、デバイス・リテーナ(装置保持体)1152は、歯車機構1194を含むが、それは長手方向区間であって、外部平歯車歯を備えて、後者は、デバイス・リテーナ1152の縦軸に沿って配向されて、第1の平歯車1174の歯と第2の平歯車1184の歯とに対して噛み合うような大きさにしている。歯車機構1194は、遠位均一部1164の近位側と、可撓性蛇腹1160の遠位側に位置する。歯車機構1194の長さは、第1の平歯車1174の幅又は第2の平歯車1184の幅よりも大きい。一実施形態では、歯車機構1194の長さは、第1の平歯車1174の幅又は第2の平歯車1184の幅の10倍である。一実施形態では、歯車機構1194の長さは、第1の平歯車1174の幅又は第2の平歯車1184の幅の10倍未満である。一実施形態では、歯車機構1194の長さは、第1の平歯車1174の幅又は第2の平歯車1184の幅の10倍よりも大きい。一実施形態では、歯車機構1194の平歯車歯は、デバイス・リテーナ1152の部分内で成形される。
一実施形態では、デバイス・リテーナ1152は、遠位駆動カラー1196及び近位駆動カラー1198を含む。遠位駆動カラー1196は、歯車機構1194の遠位側で、遠位均一部1164の近位側に位置する。近位駆動カラー1198は、歯車機構1194の近位側で、可撓性蛇腹1160の遠位側に位置する。遠位駆動カラー1196及び近位駆動カラー1198は、長手方向区間であって、デバイス・リテーナ1152から外側に延出するフランジ又はリップを有する。一実施形態では、デバイス・リテーナ1152は、第1の中間均一部1200を含むが、それは、可撓性蛇腹1160の遠位側で、近位駆動カラー1198の近位側に位置する。
図15B及び図15Dを参照すると、デバイス・リテーナ1152の開かれた構成では、EMD1154のために、中央チャネル1204への開口部1202が設けられている。一実施形態では、開口部1202の断面は、第1の面1206及び第2の面1208を露出させるように、デバイス・リテーナ1152の円形断面を除去した扇形(円形の一部)である。
一実施形態では、中央チャネル1204の断面は、EMD1154を着座又は保持することができるように開口された円形ポケットである。一実施形態では、中央チャネル1204の中心は、デバイス・リテーナ1152の中心と位置合わせされる。
図15Cを参照すると、駆動ブロック・セット1156が、閉じた構成で示されているが、その際、第1の駆動ブロック組立体1170と第2の駆動ブロック組立体1172とが、デバイス・リテーナの中心軸の方向で互いに向かって移動して、その結果、第1の平歯車1174の露出された歯1182が、歯車機構1194の歯と噛み合い、かつ、第2の平歯車1184の露出された歯1192が歯車機構1194の歯と噛み合う。閉じた構成では、第1の駆動ブロック・リテーナ1178の外側遠位壁の一部と、第2の駆動ブロック・リテーナ1188の外側遠位壁の一部とは、遠位駆動カラー1196と接触又は接近して、デバイス・リテーナ1152に対する第1の駆動ブロック組立体1170及び第2の駆動ブロック組立体1172の遠位運動を防止する。閉じた構成では、第1の駆動ブロック・リテーナ1178の外側近位壁の部品と、第2の駆動ブロック・リテーナ1188の外側近位壁の部品とは、近位駆動カラー1198と接触又は近接して、デバイス・リテーナ1152に対する第1の駆動ブロック組立体1170及び第2の駆動ブロック組立体1172の近位運動を防止する。このように、閉じた構成では、遠位駆動カラー1196及び近位駆動カラー1198によって拘束される駆動ブロック・セット1156は、スラスト軸受状に作用して、デバイス・リテーナ1152の回転運動を可能にし、駆動ブロック・セット1156に対するデバイス・リテーナ1152の移動を防止する。換言すれば、駆動ブロック・セット1156の移動が存在しない場合、デバイス・リテーナ1152の移動は存在しない。駆動ブロック・セット1156の移動(長手方向に沿って前進及び後退する等)が存在する場合、デバイス・リテーナ1152の同様に対応する移動が存在する。
図15C及び図15Eを参照すると、デバイス・リテーナ1152の閉じた構成では、
第1の面1206及び第2の面1208は、互いに対向して、閉じた継ぎ目1210で会合し、中央チャネル1204は、EMD1154の周囲を取り囲み、ピンチする。このように、閉じた構成では、EMD1154は、デバイス・リテーナ1152の中央空洞1204の壁によって押圧されて、デバイス・リテーナ1152に対して移動することができない。換言すると、デバイス・リテーナ1152の移動がない場合、EMD1154の移動は存在しない。デバイス・リテーナ1152の移動(長手方向に沿って前進及び後退する等)が存在する場合、EMD1154の同様の対応する移動が存在する。従って、駆動ブロック・セット1156の移動が存在しない場合、EMD1154の移動は存在しない。駆動ブロック・セット1156の移動が存在する場合(長手方向に沿って前進及び後退する等)、EMD1154の同様の対応する移動が存在する。
駆動ブロック・セット1156は、駆動ブロック開閉作動システム(図示略)を含み、これは、第1の駆動ブロック組立体1170と第2の駆動ブロック組立体1172とを、長手方向軸に対して横方向で、デバイス・リテーナ1152に向う方向とそこから離れる方向とに移動させることができる。図15Bを参照すると、駆動ブロック開閉作動システムは、第1の駆動ブロック組立体1170及び第2の駆動ブロック組立体1172を開いた構成の位置に移動させている。図15Cを参照すると、駆動ブロック開閉作動システムは、第1の駆動ブロック組立体1170及び第2の駆動ブロック組立体1172を閉じた構成の位置に移動させている。一実施形態では、駆動ブロック開放閉作動システムは、第1の駆動ブロック組立体1170及び第2の駆動ブロック組立体1172を開いた構成から閉じた構成に、又は閉じた構成から開いた構成に、滑らかに移行させる。一実施形態では、駆動ブロック開閉作動システムは、第1の駆動ブロック組立体1170及び第2の駆動ブロック組立体1172を開いた構成又は閉じた構成まで、離散的(不連続的)に位置決めさせる。
図15Fを参照すると、保持ブロック・セット1158は、開いた構成で示されているが、その際、第1の保持ブロック1212とデバイス・リテーナ1152との間に接触がなく、かつ、第2の保持ブロック1214とデバイス・リテーナ1152との間に接触がない。一実施形態では、保持ブロック・セット1158は、第1の保持ブロック1212と、第2の保持ブロック1214とを含む。一実施形態では、保持ブロック・セット1158は、第1の保持ブロック1212を含むが、第2の保持ブロック1214を含まない。一実施形態では、第1の保持ブロック1212の設計と第2の保持ブロック1214の構成は同じである。一実施形態では、第1の保持ブロック1212の設計と第2の保持ブロック1214の構成は同じではない。
一実施形態では、第1の保持ブロック1212は、第1の保持ブロック切り欠き1216を含み、第2の保持ブロック1214は、第2の保持ブロック切り欠き1218を含む。一実施形態では、第1の保持ブロック切り欠き1216と第2の保持ブロック1214とは、それぞれ、長手方向軸に対して横方向の平面上に、半円形の凸状断面を有する。
一実施形態では、デバイス・リテーナ1152は、遠位保持カラー1220と、近位保持カラー1222とを含む。遠位保持カラー1220は、可撓性蛇腹1160の近位であって、均一保持部分1224の遠位側に位置するが、後者は、デバイス・リテーナ1152の長手方向の部分であって、長手方向に対して垂直方向に均一な断面を有する。近位保持カラー1222は、近位均一部1166の遠位側であって、均一保持部1224の遠位側に位置する。遠位保持カラー1220及び近位保持カラー1222は、長手方向の部分であって、デバイス・リテーナ1152から外側に延在するフランジ又はリップを有する。一実施形態では、デバイス・リテーナ1152は、第2の中間均一部1226を含むが、これは、可撓性蛇腹1160の近位で、かつ遠位保持カラー1220の遠位側に位置する。デバイス・リテーナ1152は、座屈防止支持体として機能して、コレットが、デバイスが座屈(ねじれる)距離よりも長くなるようにする。
図15Gを参照すると、保持ブロック・セット1158は、中間構成で示されているが、その際、第1保持ブロック1212と第2保持ブロック1214とが、デバイス・リテーナ1152の中心軸の方向で、互いに向かって移動している。中間構成では、第1の保持ブロック1212の外側遠位壁の一部と、第2の保持ブロック1214の外側遠位壁の一部とが、遠位保持カラー1220と接触又は近接して、デバイス・リテーナ1152に対する保持ブロック・セット1158の遠位移動を防止する。中間構成では、第1の保持ブロック1212の外側近位壁の一部と、第2の保持ブロック1214の外側近位壁の一部とが、近位保持カラー1222と接触又は近接し、デバイス・リテーナ1152に対する保持ブロック・セット1158の近位移動を阻止する。このように、中間構成では、保持ブロック・セット1158は、遠位保持カラー1220及び近位保持カラー1222によって拘束されて、スラスト軸受状に作用して、デバイス・リテーナ1152の回転を可能にすると共に、保持ブロック・セット1158に対するデバイス・リテーナ1152の移動を防止する。中間構成では、保持ブロック・セット1158は、移動から制約されて、EMD1154は、完全にピンチされない。
図15Hを参照すると、保持ブロック・セット1158は、閉じた構成で示されており、この際、第1の保持ブロック1212と第2の保持ブロック1214とは、デバイス・リテーナ1152の中心軸の方向で、互いに向かって移動している。閉じた構成では、第1の保持ブロック1212の外側遠位壁の一部と、第2の保持ブロック1214の外側遠位壁の一部とが、遠位保持カラー1220と接触又は近接し、デバイス・リテーナ1152に対する保持ブロック・セット1158の遠位移動を防止する。閉じた構成では、第1の保持ブロック1212の外側近位壁の一部と、第2の保持ブロック1214の外側近位壁の一部とが、近位保持カラー1222と接触又は近接し、デバイス・リテーナ1152に対する保持ブロック・セット1158の近位移動を防止する。このように、閉じた構成では、遠位保持カラー1220及び近位保持カラー1222によって拘束される保持ブロック・セット1158は、スラスト軸受状に作用して、デバイス・リテーナ1152の回転を可能にし、保持ブロック・セット1158に対するデバイス・リテーナ1152の移動を防止する。閉じた構成では、保持ブロック設定1158は、移動から制約され、EMD1154は、完全にピンチされる。
保持ブロック・セット1158は、保持ブロック作動システム(図示略)を含み、これは、第1の保持ブロック1212と第2の保持ブロック1214とを、長手方向軸に対して横方向で、デバイス・リテーナ1152に向かう移動とそこから離れる移動とを可能にする。図15Fを参照すると、保持ブロック作動システムは、第1の保持ブロック1212及び第2の保持ブロック1214を開いた構成の位置に移動させている。図15Gを参照すると、保持ブロック作動システムは、第1の保持ブロック1212及び第2の保持ブロック1214を中間構成の位置に移動させている。図15Hを参照すると、保持ブロック作動システムは、第1の保持ブロック1212及び第2の保持ブロック1214を、閉じた構成の位置に移動させている。一実施形態では、保持ブロック作動システムは、第1の保持ブロック1212及び第2の保持ブロック1214を、開いた構成から中間構成へ、及び中間構成から閉じた構成へ円滑に移行させ、かつ閉じた構成から中間構成へ、及び中間構成から開いた構成へ円滑に移行させている。一実施形態では、保持ブロック作動システムは、第1の保持ブロック1212及び第2の保持ブロック1214を、開構成、中間構成、又は閉構成へと離散的(不連続的)に位置させる。
図16A及び図16Bを参照すると、圧縮コレット・システム1240は、プランジャ1242と、ドーナツ(ドーナツ形状部)1244と、レシーバ(受入れ部)1246とを含む。一実施形態では、プランジャ1242は、剛性の直円柱であって、中心の空洞部1248と、円柱の長手方向軸とを有し、空洞部の軸方向をEMD長手方向軸1250と整列させている。一実施形態では、空洞部1248は、EMD長手方向軸1250に横切る平面上に円形断面を有するが、その際、空洞部直径がEMD1252の外径よりも大きくしている。ドーナツ1244は、柔軟材料から形成されたリング・トーラス(円環)である。一実施形態では、ドーナツ1244は、O字形状リングである。一実施形態では、ドーナツ1244は、弾性材料で構成される。その静止状態では、即ち、その無負荷状態では、ドーナツ1244の内部穴1254は、EMD1252の外径よりも大きい穴径を有する。レシーバ1246は、剛性レセプタクルであって、EMD縦軸1250と整列するウェル(孔)1256及び内部空洞部1258を含み、その際、空洞部の直径は、EMD1252の外径よりも大きい。一実施形態では、レシーバ1246は、長方形状プリズムであって、一つの面にウェル1256を有し、その開口部は、直円柱の形状を有するを。一実施形態では、ウェル1256は、直線状の壁を有する。一実施形態では、ウェル1256は、円錐状の壁を有し、ウェル内にテーパ付けている。
図16C及び図16Dを参照すると、プランジャ作動システム(図示略)によって、EMD縦軸1250に沿って、プランジャ1242をレシーバ1246に対して移動させており、プランジャ力1260を適用させている。
図16Cを参照すると、圧縮コレット・システム1240は、無負荷構成で示されており、その際、ウェル1256内のドーナツ1244に対して、プランジャ1242が押し付けられおらず、つまり、それに対して、プランジャ力1260が適用されていない。ドーナツ1244は、その静止状態にあり、変形しておらず、EMD1252は、レシーバ1246に対して自由に移動する。(図16Cに示すように、ドーナツは、ポロイダル面内に円形断面を有している。)
図16Dを参照すると、圧縮コレット・システム1240は、負荷構成で示されており、その際、プランジャ1242が、プランジャ力1260によって、ウェル1256内のドーナツ1244を押圧させている。この結果、ドーナツ1244は、圧縮されて、変形されている(例えば、図16Dに示すように、ドーナツ1244は、ポロイダル平面上で、円形断面から楕円形断面へ変形されている)。その変形状態では、ドーナツ穴1254の変形された表面の壁1262の一部が、EMD1252の周りでピンチする。その結果、EMD1252は、レシーバ1246に対して自由に移動することができない。
一実施形態では、回転駆動システム(図示略)は、EMD1252の縦軸1250を中心として、圧縮コレット・システム1240を(時計回り及び反時計回りに)回転させる。一実施形態では、移動駆動システム(図示略)は、EMD1252の縦軸1250に沿って、圧縮コレット・システム1240を移動(前進及び後退)させる。
一実施形態では、圧縮コレット・システム1240は、EMD1252の側方又は半径方向の装填を可能にするために、スリット(図示略)を含む。
一実施形態では、コレットは、コレット第1部材と、コレット第2部材とを含むことができ、これらは、互いに対して移動すると、EMDのピンチとピンチ解除とを行う。一実施形態では、コレット第1部材とコレット第2部材は、単一の部品として形成することができ、この際、コレット第1部材とコレット第2部材とがコンプライアント接続(柔軟性の接続)がされていてもよい。1つの非限定的な実施例を挙げると、コレット第1部材及びコレット第2部材は、一体成形ヒンジで接続されて、可撓性部分のアコーディオン部分によって、それらを互いに対して移動可能にしてもよい。
図22A-図22Xを参照すると、駆動機構210は、タイヤを作動させるデバイスであって、EMDの移動をロボット式に制御する。一実施形態では、駆動機構は、一対のタイヤを有し、それらの間にEMDをピンチする。一実施形態では、EMDのグリップを増大させるため、複数の対のタイヤを一体で作動させるように備え、例えば、4つの対を備えるが、その個数に限定されない。複数のタイヤは、それらの長手方向軸を中心に回転すると、EMDをその長手方向軸に沿って線形に移動させ、複数のタイヤは、反対方向に軸方向に移動すると、回転中のEMDをその長手方向軸に駆動する。本明細書で記載のように、駆動機構210は、タイヤを回転させ、タイヤを軸方向に移動させ、タイヤのピンチとピンチ解除とを行うための3つの統合機構を含む。加えて、一実施形態では、クランプ機構は、一対のタイヤから離して、EMDの一部のクランプとクランプ解除とを行うように動作する。
図22Aを参照すると、ロボット駆動システムは、駆動モジュール210を含むが、それは、少なくとも1対のタイヤ組立体222及び224を用いて、EMD208をその長手方向軸に関して回転させて、EMD208をその長手方向軸に沿って移動させて、EMD208の操作中にタイヤ組立体をリセットさせる。駆動モジュール210は、制御システムによって制御される。駆動モジュール210は、第1のアクチュエータ240を含み、第1のシャフト272及び/又は第2のシャフト282を動作可能に回転させる。第2のアクチュエータ244によって、第1の位置と第2の位置との間で、第2のシャフト282に対してその長手方向軸に沿って第1のシャフト272を操作自在に移動させる。第1のタイヤ組立体222は、第1のシャフト272に操作自在に取り付けられ、第2のタイヤ組立体224は、第2のシャフト282に操作自在に取り付けられている。第3のアクチュエータ248によって、第1のタイヤ組立体222を、第2のタイヤ組立体224に向うように、又はそこから離れるように操作自在に移動させて、第1のタイヤ組立体222と第2のタイヤ組立体224との間から、EMD208をその長手方向軸に沿ってグリップ(把持)とグリップ解除とをさせる。本明細書で詳述されるように、第2のシャフト282に対する第1のシャフト272の移動によって、EMDの長手方向軸線の周りにEMD208を回転させて、第1のシャフト272及び/又は第2のシャフト282の回転によって、EMDの長手方向軸線に沿ってEMD208を移動させる。制御システムは、第3のアクチュエータ248にリセット命令を与えると、EMD208のグリップを解除させ、第2のアクチュエータ244は、第1のタイヤ組立体222を第2のタイヤ組立体224に対して移動させて、リセット位置にし、さらに、第3のアクチュエータ248は、EMD208をグリップさせる。一実施形態では、リセット命令は、連続的に提供される。
リセット位置は、1つ又は複数の入力デバイス命令と、2つのタイヤ組立体のオフセット距離と、EMDの位置との関数として、自動的に決定される。
一実施形態では、第2の位置が、第1の位置から所定の距離に達したときに、制御システムは、リセット命令を提供する。図22Vを参照すると、EMD208は、第1のタイヤ組立体222及び第2のタイヤ組立体224上で、それぞれの第1の位置370及び373に位置決めされている。一実施形態では、第1の位置370及び371は、第1のタイヤ組立体222と第2のタイヤ組立体224とのそれぞれの第1の長手方向端部382、392と第2の対向する長手方向端部386、388との間に中央に配置される。一実施形態では、第2の位置が第1の位置から所定の距離に達したときに、制御システムは、リセット命令を提供する。
操作者が、ユーザー入力を介して、EMD208をその長手方向軸の周りで第1の方向で回転させる命令を与えると、EMD208が第1のタイヤ組立体222上の第2の位置372及び第2のタイヤ組立体224の第3の位置375に到達するまで、第1のタイヤ組立体222と第2のタイヤ組立体224とは、反対方向で、それらの長手方向軸に沿って移動する。制御装置(コントローラ)は、第1のタイヤ組立体222と第2のタイヤ組立体224とを、それぞれの縦軸242、246に沿って、リセット位置まで、自動的にリセットする。第1のタイヤ組立体と第2のタイヤ組立体とが、それぞれの第2の位置と第3の位置とに到達するか、到達した後に、使用者が、EMD208を同じ第1の方向で回転させる命令を提供し続ける場合、制御装置は、リセット位置を、第1のタイヤ組立体222上の第3の位置374及び第2のタイヤ組立体224上の第2の位置372へと自動的に設定する。このようにして、タイヤ組立体222及び224は、リセット位置が中心位置370及び371であった場合よりも、より大きな回転数で、第1の方向にEMD208を回転し続ける位置にある。換言すると、第1のタイヤ組立体222及び第2のタイヤ組立体は、それらの対応する長手方向軸242及び246に沿って、図10Bに例示した第1の伸長位置と図10Cに例示した第1の伸長位置とは反対の第2の伸長位置との間で、互いに対して相対的に移動する。第1の伸長位置では、第1のタイヤ組立体222の上部は、第2のタイヤ組立体224の下部の近くにある。第2の伸長位置では、第1のタイヤ組立体222の下部は、第2のタイヤ組立体224の上部の近くにある。
一実施形態では、リセット位置は、入力装置の非作動の持続時間を含む、入力装置の命令の関数である。コントローラは、EMDを回転させるための指示が与えられていない時間の継続(持続時間)を検出する。その持続時間が所定の時間間隔に達すると、システムは、自動的に、第1のタイヤ組立体222及び第2のタイヤ組立体224をリセットして、それぞれ不作動リセット位置にする。一実施形態では、不作動リセット位置は、中央位置であって、その際、第1のタイヤ組立体222の中心部分が第2のタイヤ組立体224の中心部分に近接するようにして、第1のタイヤ組立体222の第1の位置370が第2のタイヤ組立体224の第1の位置371と隣接するようにする。しかしながら、他の不作動リセット位置を用いることも可能である。
図22A及び22Bを参照して、駆動機構210についてより詳細に説明する。駆動機構210は、ベース212、作動組立体(アクチュエーション・アセンブリ)214、及びEMD係合機構216を含む。ベース212は、再使用可能な駆動機構210の部品を含む。作動組立体214は、ベース212に画定されているキャビティ(空洞部)内に、動作可能に固定される。連結機構218は、作動組立体214をEMD係合機構216と動作可能に接続する。一実施形態では、ベース212は、上部プレートAAと下部プレートBBとを含む。
連結機構218は、第1支持体268及び第2支持体280を含むが、それらは、シャフト272及びシャフト282を介して、それぞれ、ベース212の外側に延出する。EMD係合機構216は、第1のタイヤ組立体222と第2のタイヤ組立体224とを含む。これらタイヤ組立体222及び224は、ベース212と動作可能に接続されたハウジング220内に配置されている。EMD係合機構216は、第1のタイヤ組立体222と第2のタイヤ組立体224とを含む。一実施形態では、第1のタイヤ組立体222及び第2のタイヤ組立体224は同一である。第1のタイヤ組立体222は、ハブ226を含み、そのハブ226の外面の周りに配置されたタイヤ228を支持する。同様に、第2のタイヤ組立体224は、ハブ227を含み、そのハブ227の外面の周りに配置されたタイヤ229を支持する。各タイヤ228及び229は、ローラを含むが、その長手方向軸に関してタイヤが回転する。タイヤ228は、EMDに接触する外面を有する。一実施形態では、各タイヤの外面は、タイヤの第1の端部から対向するタイヤの第2の端部まで一定の半径を有する。一実施形態では、外面の半径は、タイヤの長手方向軸線に沿って変化する。一実施形態では、タイヤの2つの端部の中間の外側表面の半径は、タイヤの2つの端部のそれぞれにおける外側中心部の半径よりも大きい。一実施形態では、外面は、扁長の形状を有する。一実施形態では、タイヤの外面は、円錐台状の形状又は輪郭を有し、その際、タイヤは、その自由端部に近接する直径は、タイヤの他の端部の直径よりも大きいものとする。第1のタイヤと第2のタイヤとが、それらの間にEMDをグリップするとき、EMDに押し付けられる面は、実質的、互いに対して平行であり、また、EMDに押し付けられない面は、平行ではない。図22Pを参照すると、タイヤが円錐形状を有する場合が例示されているが、シャフト272、282及びベアリング(図示略。ただし、第1ハウジング連結器266及び第2ハウジング連結器268の開口部に配置され得る)で生じ得るたわみと間隙とを補償させている。ピンチ解除状態では、円錐形状のタイヤは平行軸を有するが、このことは、それら表面が平行でないことを意味する。ピンチ状態では、当接するタイヤの表面は、平行になり得る。円錐形の角度は、シャフトのたわみとベアリングのクリアランスのためにシャフトが平行から外れる量に等しい。一実施形態では、円錐形タイヤは、0.1度-10度の範囲内の角度を有する。一実施形態では、円錐層は、0.5度-3.0度の範囲内の角度を有する。
タイヤ228、229を互いに向かって移動させたり、互いから離れるように移動させると、それらの間に配置されたEMDのグリップとグリップ解除とが行われる。本明細書に記載のように、タイヤ228及び229を、それら長手方向軸に関して移動させると、それらの間でグリップ(把持)されたEMDを移動させ、かつ、タイヤ228及び229を、それらタイヤ228及び229の長手方向軸に関して相対的に移動させると、グリップされたEMDをその長手方向軸に関して回転させる。
一実施形態では、ハブ226は、外側円筒形状を有する第1の部分230と、外側円錐台形状を有する第2の部分232とを含むが、後者は、第1の部分230から延出して、上端234で終端する。一対の係合アーム236は、第1の部分230の底部から延出して、フック用バーブ(あご又はかかり)形状部材238で終端するが、後者は、第2の支持体268の一部と動作可能に係合する。
図22C及び22Dを参照すると、作動組立体214は、回転駆動と、軸方向駆動と、グリップ/グリップ解除とを含む、3つの作動動作を提供する。一実施形態では、クランプ/クランプ解除の駆動部は、グリップ/グリップ解除モードの一部であってもよく、又は、別の第4のモードであってもよい。回転駆動モードは、EMDをその長手方向軸の周りに回転させる。軸方向駆動モードは、その長手方向軸に沿ってEMDを駆動する。グリップ/グリップ解除と、クランプ/クランプ解除のモードは、EMDの一部を2つのタイヤ間でグリップ/グリップ解除することと、EMDの一部を2つのタイヤから離れてクランプ/クランプ解除することの双方に作用する。一実施形態では、クランプはない。
第1のモーター240は、第1のタイヤ組立体222に操作自在に連結されており、第1のタイヤ組立体222に対して回転移動を与え、従って、第1のタイヤ組立体222の長手方向軸242の周りのタイヤ228にも連結されている。ワークステーションからの第1のモーター240の制御により、EMDの線形移動の制御が提供される。一実施形態では、第1のモーター240の有する出力シャフト290は、第1のプーリ292と動作可能に連結される。第1のプーリは、出力シャフト290と共に回転し、ベルト294を介して第2のプーリ270を回転する。一実施形態では、プーリ292及び270は、歯車であって、歯車の歯を介して直接的に接続されるか、又は、それら歯車292及び270と接続された追加の少なくとも1つの歯車を有する歯車チェーンを介して接続される。一実施形態では、出力シャフト290は、直接的にシャフト272と接続されるか、又は、連結器を用いてタイヤ組立体222に接続される。
図22Fを参照すると、第2のモーター244は、第1及び第2の支持体268、280と動作可能に結合されていて、タイヤ組立体の互いに対する線形移動を提供している。第1のタイヤ組立体222は、長手方向軸242に沿って、第1の方向と、反対の第2の方向と第2のタイヤ組立体224に移動する。第2のタイヤ組立体は、長手方向軸246を含むが、第1のタイヤ組立体の長手方向軸242から離間して、平行に配置させ、第1の長手方向軸242から離間して、並行に、第2の長手方向軸246に沿って、等しい距離で、反対方向に移動する。ワークステーションからの第2のモーター244の制御によって、EMDを回転運動する制御が提供される。
図22F及び図22Gを参照すると、第3のモーター248は、クランプ組立体250と動作可能に連結されており、後者は、タイヤ組立体216に影響するグリップ/グリップ解除の機構304と動作可能に連結されている。本明細書に記載のように、ワークステーションからの第3のモーター248の制御によって、EMDをその長手方向軸に不連続に徐々に回転させるようにタイヤ組立体のリセットと、EMDの装填と装填解除とを提供する。
図22Aを参照すると、ワークステーションからの制御に応じて、作動アセンブリ第1のモーター240の線形駆動部が、プーリ又は歯車292を回転させる。ベルト又は歯車列294は、第2のプーリ又は歯車を動作可能に回転させるが、それは、第1のタイヤ組立体216に固定された第1の係合部材218と動作可能に接続されている。第1のモーター240の出力軸を時計回り方向に回転させると、第1のタイヤ組立体222がその長手方向軸242を中心に時計回り方向に回転する。また、第1のモーター240の出力軸を反時計方向に回転させると、第1のタイヤ組立体222が反時計方向に回転する。一実施形態では、第1のタイヤ組立体222及び第2のタイヤ組立体224は、互いに付勢されており、そのため、第1のタイヤ組立体222の時計回り及び反時計回りの方向での回転によって、それぞれ、第2のタイヤ組立体224の反時計回り及び時計回りの回転がもたらされる。この動作は、それらタイヤが互いに接触する一実施形態と、アイドル・タイヤがEMDによって駆動される一実施形態とで、それぞれ起こり得る。挿入方向は、第1のタイヤ組立体222が反時計回りに回転されるとき、ハウジング220の近位端部からハウジング220の遠位端部に向かって、EMDがその長手方向軸に沿って移動する方向として定められる。挿入方向では、EMDを患者の血管系にさらに移動させる。引抜き方向は、第1のタイヤ組立体222が時計回りに回転されるとき、ハウジング220の遠位端部からハウジング220の近位端部に向かって、EMDがその長手方向軸に沿って移動する方向として定められる。一実施形態では、第1のモーターの出力軸の長手方向軸は、第1のタイヤ組立体222の長手方向軸242からオフセットされている。一実施形態では、第1のモーター出力軸の長手方向軸は、第1のタイヤ組立体222の長手方向軸242と第2のタイヤ組立体の長手方向軸246の双方からオフセットされている。
図22C及び22Dを参照すると、回転駆動部は、連結器252を含み、これは、第2のモーター244を、第1の連結機構218及び第2の連結機構254と動作可能に接続する連結器252を含む。一実施形態では、第2のモーター244は、連結器252と接続される出力軸を有する。一実施形態では、連結器252は、リンクであって、中心接続部254で第2のモーター244の出力軸に接続される。第2のモーター244の出力軸の回転によって、第2のモーター244の出力軸の軸方向に関して、連結器252の回転がもたらされる。連結器252の第1の端部256は第1のタイヤ組立体222と動作可能に固定され、連結器252の第2の端部258は第2のタイヤ組立体224と動作可能に固定される。
図22Dを参照すると、ロッド260の第1の端部262が、連結器252の第1の端部256とピボット可能に取付けられている。ロッド260の第2の端部264は、第1のハウジング連結部材266と固定される。図22M及び図22Nを参照すると、連結機構218は、第1のハウジング連結部材266と接続された軸部272を有する第1の支持体又は第1の連結器268を含み、その結果、第1のハウジング連結器266が長手方向軸242に沿って移動すると、第1のハウジング連結器と同じ方向で、等しい距離で、第1の支持体268の長手方向の移動がもたらされる。第2のロッド356の第1の端部358が、連結器252の第2の端部258とピボット可能に取付けられている第2のロッド356の第2の端部360は、第2のハウジング連結器288と固定される。第1の端部358と第2の端部360とは、連結器252と連結器288とに固定され、ロッド端部によって、タイヤ組立体がグリップ位置とグリップ解除位置との間で移動されるときに必要とされる追加の自由度のために必要なスイベル(回転)が提供される。第2のモーター244の出力軸を第1の方向に回転させると、第1の方向でロッカー252が回転し、その結果、ロッド260、第1のハウジング連結器266、連結器268、及び第1のタイヤ組立体が長手方向軸242に沿った第1の方向での移動がもたらされ、かつ、第2のロッド356、連結器280、及び第2のタイヤ組立体224の長手方向軸246に沿った第2の方向での移動がもたらされ、この際、第2の方向が第1の方向と平行で、かつ反対の方向である。第1ハウジング連結器266及び第2ハウジング連結器288は、それぞれ、シャフト354及び356に沿って、長手方向軸242及び246に沿って線形方向に移動する。
第1のハウジング連結器266は、第1支持体268のシャフト272に固定されるプーリ又はギヤ270を収容する中心領域を含む。第1の支持体268は、第1の領域274を有するハウジング連結器266から離れてシャフト272から延びる部分と、第1のタイヤ組立体222の部分230及び232をそれぞれ受け入れる第2の円錐台形状部分276とを含む。第1の領域274は、シャフト272の直径よりも大きい直径を有する。図22Nを参照すると、シェルフ領域278(肩領域とも呼ばれる)が、シャフト272から半径方向外側に延出するが、その距離は、第1の領域274の半径とシャフト部分272の半径との間の差に等しい。本明細書に記載のように、バーブ(あご、かかり)238は、棚領域278と解除可能に係合して、第1の支持体268から第1のタイヤ組立222を解除可能に固定する。シャフト272は、第1のモーター240の出力軸の回転に応じて、第1のハウジング連結器内で自由に回転する。一実施形態では、シャフト272の直径と第1の領域274は同じであり、肩領域は、シャフト272と第1の領域274のうちの1つ内に内側に延在する溝によって定められる。一実施形態では、シャフト又は第1の領域274から隆起部が外方に延びて、それに対してタイヤ組立体を解除可能に固定してもよい。
第2の支持体又は連結器280は、シャフト部282、円錐形支持領域284、円錐台形状部286、及び棚領域279を含む。棚領域279は、シャフト部282から延出するが、その距離は、第1の領域284の半径とシャフト部282の半径との間の差に等しい。本明細書で記載のように、バーブ239は、棚領域278と解除可能に係合して、第2支持体280から第2タイヤ組立体224を解除可能に固定する。シャフト282は、第1のモーター240の出力軸の回転に応じて、第2のハウジング連結器288内で、長手方向軸246を中心に自由に回転する。本明細書で詳述されるように、一実施形態では、第1のタイヤ組立体222及び第2のタイヤ組立体224の取り付け及び/又は取り外しは、制御装置によって制御される自動化プロセスを介して達成される。
一実施形態では、第1のモーター240は、第1のハウジング連結器266と動作可能に固定され、そのため、第1のモーター240は、第1のハウジング連結器266と共に移動する。一実施形態では、第1のモーター240の出力軸290は、プーリ292と係合するキー形状を含み、それによって、第1のモーター240がベース212に対して固定される際、プーリ292が第1のハウジング連結器266と共に移動する。一実施形態では、第1のモーター240及びプーリ292は、第1のハウジング連結器266と共に、シャフト272の長手方向軸と平行な方向に移動する。
図22Fを参照すると、第2のモーター244の出力軸は、第1の端部と第2の端部との間の位置で、連結器252にピボット可能に接続され、それによって、第2のモーターの出力軸の時計回りの回転運動が、第1のタイヤ組立体222のほぼ上方への移動と、第2のタイヤ組立体224のほぼ下方への移動とがもたらされる。連結器252は、本明細書では、ロッカーとも呼ばれ、中心部254を中心としてロック又はピボットする。
図22G-図22Jを参照すると、保持クランプ250は、EMD208の長手方向軸に沿って、第1のタイヤと第2のタイヤとから離間しているEMD208の一部を解除可能にクランプする。図22Gを参照すると、クランプ組立体(クランプ・アセンブリ)250は、第3のモーター248によって動作可能に回転されるカム298を含む。このカム298は、クランプ・パッド302と係合する係合部分300を有する外周を有し、カム298は、所定の回転角度(一例では、90度の回転)を介して回転軸に関して回転される。グリップ/グリップ解除機構304は、クランプ組立体250と動作可能に接続され、第2タイヤ組立体224を第1タイヤ組立体222に向かって、またそこから離れるように移動させて、それらの間で、EMDのグリップとグリップ解除とを可能にする。グリップ/グリップ解除機構は、リンク第1クランク306を含み、それは、シャフト308と連結器310とを介してカム298と動作可能に接続される。一実施形態では、カム298は、連結器310の一部と、常時、結び付けられている。第1のクランク306は、第3のモーターの出力軸312と動作可能に接続される。第1のクランク306は、スロット316を有するタイ・ロッド314とピボット可能に接続されている。従動子320を有する第2のロッカー・アーム318が、スロット316内に配置されている。第2ロッカー・アーム318は、中心から外れた孔324を有する偏心ハウジング322に連結されている。偏心ハウジング322の外壁は、外面を定める外径と、内面を定める内径とを有し、この際、外面と内面とは、同心円筒形状を定めない。第2の支持体280のシャフト282は、貫通孔324を通って延び、そのため、ロッカー・アーム318の移動による偏心ハウジング322の時計回り及び反時計回りでの回転によって、第2のタイヤ組立体224が第1のタイヤ組立体222に向かって移動したり、そこから離れるように移動する。偏心ハウジング322の開口部324内には内部シールが配置されており、偏心ハウジング322内のシャフト282の回転中と、第2ロッカー・アーム318の移動時の偏心ハウジングの移動中とで、シャフト282と偏心ハウジング322の内面との間のシールを提供する。偏心ハウジング322とプレートAA又はベースAAとの間に、第2の外側シール(図示略)が配置されている。第2の外側シールは、偏心ハウジング322がプレートAAの開口部内で回転するときに、偏心ハウジング322をプレートAAに対してシールすることを可能にする。
図22Oを参照すると、一実施形態では、第2のシャフト282と、ベース・ハウジングのプレートAAとの間に偏心シールアセンブリが設けられ、第2のシャフト282が第2のシャフトから離れ、第2のシャフトに向かって移動するときに、ベースから第2のシャフト282を動作可能にシールする。一実施形態では、第1シャフトとの間に偏心ハウジング組立体が設けられ、第1シャフトは、第2シャフトに向かって、また第2シャフトから離れるように移動する。
一実施形態では、駆動モジュールは、第1のシャフト及び/又は第2のシャフトを操作自在に回転させる第1のアクチュエータを含む。第2のアクチュエータは、第2のシャフトに対して第1のシャフトをその長手方向軸に沿って、第1の位置から第2の位置まで、動作可能に平行移動させる。第1のタイヤ組立体は、第1のシャフトと解除可能に取り付けられ、第2のタイヤ組立体は、第2のシャフトと解除可能に取り付けられている。長手方向軸を有するEMDは、第1のタイヤ組立体と第2のタイヤ組立体との間の第1の位置に配置され、第1のシャフトの回転によって、第1のタイヤ組立体と第2のタイヤ組立体との間で、長手方向軸に沿ってEMDを移動させ、さらに、第2のシャフトの回転によって、EMDをその長手方向軸に関して回転させる。第3のアクチュエータは、第1のタイヤ組立体を、第2のタイヤ組立体に向って、又はそこから離れるように移動させ、それによって、第1のタイヤ組立体と第2のタイヤ組立体との間で、EMDのグリップとグリップ解除とを可能にする。保持クランプは、第1のタイヤと第2のタイヤから離間しているEMDの一部を、EMDの長手方向軸に沿って解除可能にクランプする。一実施形態では、第3のアクチュエータは、第1のシャフトを自動的に第2のシャフトから遠ざけ、第2のアクチュエータは、第1のシャフトが第1の位置から所定の距離に達したときに、第1のシャフトを自動的にリセット位置に戻し、保持クランプは、第1のシャフトが第2のシャフトから遠ざかる間に、EMDを自動的にクランプする。一実施形態では、第3のアクチュエータは、クランプ位置とクランプ解除位置との間で、クランプを動作可能に移動させる。
一実施形態では、駆動機構は、少なくとも3つの異なるモードで動作する。駆動モードでは、クランプは、EMDに対してクランプ解除位置にあり、第1のタイヤ組立体と第2のタイヤ組立体は、それらの間でEMDをグリップする。リセットモードでは、クランプは、EMDに対してクランプ位置にあり、第1のタイヤ組立体は、グリップ解除位置にある。交換モードでは、クランプはクランプ解除位置にあり、タイヤ係合機構はグリップ解除位置にある。
図22Gを参照すると、第1の位置では、クランプ組立体250はクランプ解除位置にあり、グリップ/グリップ解除組立体304はグリップ位置にある。この第1の位置では、カム298のカム係合部分300は、EMD及びクランプ・パッド302から離間している。この第1の位置では、EMDは、カム298及びカム支持体300によって妨害されることなく、その長手方向軸線の周りを自由に回転し、その長手方向軸線に沿って移動する。
リセットモードでは、第1のタイヤと第2のタイヤの間でEMDをグリップ解除する前に、クランプは、クランプ位置に移動されるが、そのため、EMDは2つの位置で動かないように固定される。換言すると、EMDの第1の部分は、クランプでの回転及び線形移動から固定され、EMDの第2の部分は、グリップされた第1のタイヤと第2のタイヤとの間で、回転及び線形移動から固定される。クランプがクランプ位置まで移動された後、第1のタイヤ及び/又は第2のタイヤは、グリップ解除位置まで移動される。第1のクランプと、グリップ解除の一連に続き、EMD内の任意の力又はトルクは戻らず、その結果、駆動部内及び/又は近くの部位でのEMDの移動等、EMDの位置制御の損失となる。EMDの回転を継続させるようにリセットする際、EMD内に存在するトルクを保つことが望ましい。EMDはばねのように作用し、既存のトルク及び/又は力を維持できないと、その結果、一度トルク及び/又は力が解放されると、EMDはある位置まで弾性的に戻る。リセットモードでは、第1のタイヤと第2のタイヤとを再配置して、EMDを同じ方向で継続的に回転させることができる。例えば、EMDは、最初に、第1のタイヤの中央と第2のタイヤの中央に配置され、その際、第1のタイヤと第2のタイヤとは、概して、ニュートラル位置で整列する。ニュートラル位置では、第1のタイヤの中心線が、第2のタイヤの中心線と当接する。
EMDをその長手方向軸に関して第1の方向に回転させるために、第1のタイヤと第2のタイヤとは、それぞれの長手方向軸に沿って、等しく、かつ反対の方向に移動する。第1のタイヤと第2のタイヤとは、EMDが第1のタイヤの端子端部及び第2のタイヤの端子端部に配置されるまで、等しく、かつ反対方向に移動し続けることができる。タイヤを互いに対してさらに動かすと、もはやEMDは第1のタイヤと第2のタイヤとの間ではなくなる。タイヤがEMDをその長手方向軸に関して第1の方向に回転し続けることを可能にするために、EMDはクランプされ、次いでタイヤ間から解放され、タイヤはニュートラル位置に戻る。ホイールが等しく、かつ反対方向に動くことのできる量又は距離は、ニュートラル位置とタイヤの終端との間の距離である。上記量が所定の大きさを下回ると、駆動機構は自動的にニュートラル位置又は他の定位置に復帰する。一実施形態では、ワイヤガイド(図示略)によって、EMDの回転中にEMDがタイヤの間を移動することを防止する。また、EMDがタイヤの終端縁に移動するとき、ワイヤガイドは、タイヤの自動的なリセットを開始するように作用してもよい。(パッシブ(受動的)ワイヤガイドは、EMDをタイヤ表面間に保持し、EMDがタイヤから脱落するのを防ぐだけでなく、リセット中にタイヤの端子端部の間の中心に配置されたガイド・ワイヤ等のEMDを維持する。)
一実施形態では、交換モードでは、駆動機構からEMDが取り外されるため、復帰(反跳)を避けるために、タイヤをグリップ解除する前に、EMDをクランプする必要はない。
図22Hを参照すると、第2の位置では、クランプ組立体250は、クランプ位置にあり、グリップ/グリップ解除組立体304は、グリップ位置にある。カム係合部分300は、停留部(ドウェル)の開始位置にあり、そこでは、EMDをクランプする。第2のロッカー・アーム318のカム従動子320は、タイ・ロッド314のスロット316内の停留部(ドウェル)の端部にあるため、第2のタイヤ組立体が第1のタイヤ組立体と係合して、第1のタイヤ組立体222のタイヤと第2のタイヤ組立体224のタイヤとの間でEMDがグリップされる。
図22Iを参照すると、第3の位置では、クランプ組立体250はクランプ位置のままであり、グリップ/グリップ解除の組立体304はグリップ解除位置にあるため、EMDは、第1のタイヤ組立体222のタイヤと第2のタイヤ組立体224との間でグリップされていない。この第3の位置では、カム係合部分300は、依然として、クランプ・パッド302と当接し、停留部(ドウェル)の端部にあり、そこでEMDを保持する。タイヤカム従動子320は、偏心を回転させて、タイヤ組立体224をタイヤ組立体222から移動させる。
図22Jを参照すると、第4の位置では、クランプ機構250はクランプ解除位置にあり、グリップ/グリップ解除機構304はグリップ解除位置にある。この第4の位置では、EMDは、保持クランプによってクランプされないか、又は第1のタイヤ組立体222と第2のタイヤ組立体225との間でグリップされる。この第4の位置では、係合部300はクランプ力をEMDに加えず、ブッシュ322が回転されて、第2のタイヤ組立体225が第1のタイヤ組立体222から離間するため、タイヤの間に隙間ができるので、EMDを駆動機構210から取り外すことが可能になる。
図22Eを参照すると、ハウジング220は、使い捨てカセットであって、ベース212に対して、解除可能に接続される。一実施形態では、第1の支持連結器268、第2の支持連結器280及びカム連結器310は、上面326の上方に配置されて、それぞれ、第1のタイヤ組立体222、第2のタイヤ組立体224及びカム298を解除可能に受け入れるようにする。ハウジング220とベース212の上面326との間に、滅菌バリアが延在する。一実施形態では、第1の連結器268、第2の連結器280及びカム結合器310もハウジング内に含まれ、シャフト272、282及び308を介して、それぞれ、作動アセンブリ214内に挿入される。
図22Mを参照すると、第1のタイヤ組立体222及び第2のタイヤ組立体224は、それぞれ連結器268及び連結器280と解除可能に接続される。図22Rを参照すると、第1の方向336で、線形の軸246に沿って、移動する連結器280を取り付けることによって、第2のタイヤ組立体224が、連結器280と取り付けられている。第1の方向は、ベース底部328から離れてベース上面326に向かう方向での線形の軸246に沿った方向である。第2の方向は、第1の方向と反対の線形の軸246に沿った方向である。連結器280が第1の方向に動かされると、タイヤ組立体224は拘束装置332によって長手方向軸246に沿って第1の方向に動かないよう拘束される。一実施形態では、拘束装置332は、ハウジング220のカバー334の一部である。一実施形態では、拘束部332は、輸送クリップ等の、カバーから独立した別体の部材である。図22Mには図示されていないが、第1のタイヤ組立体222及び第2のタイヤ組立体224は、ハウジング220内に配置される。連結器268の頂部330が第1の方向に移動すると、バーブ239が連結器268の棚領域278をクリアするまで、バーブ239は縦軸246から離れる方向に付勢される。バーブ239が棚領域278をクリアすると、バーブは縦軸246に向かって付勢される。スプリング340は、第2のタイヤ組立体224の上部の底面346に対して、プランジャ342を付勢する。スプリング340は、連結器280に対して固定位置で第2のタイヤ組立体224を維持し、それによって、連結器280の回転及び/又は連結器280の線形移動が、それぞれ、第2のタイヤ組立体224の等しい回転及び/又は線形移動をもたらすようにする。一実施形態では、ばね力は、タイヤを長手方向に作動させる力よりも大きい力で設定され、その結果、タイヤは、跳ね返り(バックラッシュ)を伴わずにシャフトに対して移動する。
の第1の方向での連結器280移動は、コントローラによる、第2のモーター244の制御によって達成される。第1の連結器268に対する第1のタイヤ組立体222の取り付けは、第2の連結器280に対する第2のタイヤ組立体224の取り付けと同じ方法で行われる。一実施形態では、単一の第2のモーター244が、第1の長手方向軸242及び第2の長手方向軸246に沿った、第1の連結器268及び第2の連結器280のそれぞれの移動を制御し、その結果、第1の方向での第2の連結器の移動によって、第1の連結器が、第2の方向で、等しい距離で移動する。この実施形態では、複数のタイヤ組立体は、一度に1つずつ、それぞれの連結器に取り付けられる。換言すると、一方のタイヤ組立体と他方のタイヤ組立体との間では、取付けに時差(時間の経過)があるように、複数のタイヤ組立体を一連で取り付ける。
一実施形態では、第2のモーター244は、第1の連結器及び第2の連結器をそれぞれ独立して制御する、2つの別個のモーターを含む。2つの別個のモーターが存在する実施形態では、第1のタイヤ組立体222及び第2のタイヤ組立体224を、同時に、それぞれの連結器に取り付けることが可能である。
図22S-図22Tを参照すると、第2のモーター244を作動させて、ベース212の上面326に向かって第2の方向に連結器280を移動させることで、第1のタイヤ組立222と第2のタイヤ組立224とが、それぞれの連結器268及び280から取り外される。第2のタイヤ組立体224のバーブ239のベベル部分348は、ボス350と当接して、バーブ239が棚部分288を完全にクリアするまで、縦軸246から離れる方向にバーブ239を付勢する。スプリング340は、第1の方向に第2のタイヤ組立体を付勢して、第2のタイヤ組立体が第2の連結器280から取り外すことを可能にする。第1のタイヤ組立体222は、第1の連結器268から同様に取り外される。一実施形態では、ボス350は、ベース212の上面から延在するベース212の一体部分であり、また、一実施形態では、ボスは、ベース212と動作可能に固定される別体の部材である。
図22Uを参照すると、一実施形態では、連結器268及び280は、スプリング及びプランジャを含まず、むしろ第1のタイヤ組立体222がスプリング部材352を含み、第1のタイヤ組立体222と動作可能に接続されており、その結果、スプリング部材352が、第1の連結器に対する第1のタイヤ組立体の接続を維持させるように作用して、第1のタイヤ組立体が第1の結合器の移動と等しく長手方向軸242に沿って動くようにしている。この実施形態では、ばね352は、単一の使用の、使い捨て可能部分の一部である。
駆動機構210は、1つ又は複数の対のタイヤを含み、それらの間にEMDをグリップさせる。タイヤの対のうち、第1のタイヤ228と第2のタイヤ229とは、EMDを線形に駆動するために回転され、タイヤ228と229とは、EMDを回転駆動するために反対方向に軸方向に移動される。駆動機構210は、作動組立体214を含むが、それは、タイヤを回転させ、タイヤを軸方向に移動させ、タイヤをグリップ解除させるために、複数の統合型機構を含む。回転機構は、ベルト/ギヤを介して、直接的に又は間接的に、第1のモーターをタイヤ組立体に対して操作自在に連結することにより、タイヤの回転を提供する。一実施形態では、回転機構は、線形ガイドシステムに沿って、ハウジング連結器266上に取り付けられて、タイヤ及び回転モーターを垂直方向に移動させるる。線形ガイドは、ロッド258上にブッシングを有するハウジング連結器を含むことができる。ただし、他、当技術分野で公知の任意の線形ガイドを使用することは可能である。第1のハウジング連結器266及び第2のハウジング連結器288を、それぞれ線形レール又はシャフト362及び364上で移動させるために、接続ロッド260及び356が設けられているが、それらは、第2のモーター244の出力軸に取り付けられたロッカー252に対してピボット可能に取付けられている。タイヤ228と229との間でタイヤのグリップとグリップ解除とを行うため、第3のモーター248は、偏心部材322を動作可能に回転させ、後者は、オフセット開口部324を備えて、第1の連結器及び第2の連結器の軸の1つを受け入れており、その結果、ブッシングの回転によりタイヤ228及び229が互いに離れて移動する。タイヤ組立体222及び224は、ハウジング220内に配置されているが、例えば、ベース212によって支持された作動ハードウェア上への組立のために、所定位置で、タイヤ組立体を緩く保持するカセット内に配置される。このカセット220は、無菌バリアとして作用し、ドレープと協働して、ベース内の構成要素をカバーする。一実施形態では、ドレープを用いずに、滅菌バリアを使用する。タイヤ組立体は、軸方向及び回転方向の双方でタイヤへの堅固な接続を必要とする連結器によって完全に支持されている。堅固な接続により、タイヤの回転と、EMDの回転を可能にする垂直運動の双方を可能にする。タイヤとハードウェアの間の接続は、カセットの除去を可能にするために解除可能である。
一実施形態では、シャフト272及び282と、対応するタイヤ組立体222及び224とは、無負荷状態では、それらの長手方向軸に沿って互いに向かって約0.5度-1度だけ名目上傾斜しており、そのため、シャフトの肩領域に近接するシャフト部分が、ショルダー領域の遠位側のシャフト部分よりも近くなる。シャフトが傾斜する度合いは、部品のたわみ量及びベアリング及びブッシングの間隙(クリアランス)に対応し、そのため、タイヤがグリップ状態にあって、対応して負荷があるとき、タイヤの回転軸が実質的に平行になる。これにより、細長い医療デバイスの小さな直径(0.010″程度に小さい)が、タイヤによって良好にグリップされて、グリップ状態でロードされたときに、平行度の欠如による間隙がないことが保証される。一実施形態では、第1のハウジング連結器362内のベアリングの長手方向軸は、第2のハウジング連結器364内のベアリングの長手方向軸に対して傾斜する。換言すると、シャフト272の長手方向軸は、シャフト282の長手方向軸に対して平行ではない。一実施形態では、シャフト272を支持するベアリングの長手方向軸とシャフト282との間の角度は、0度よりも大きく、90度よりも小さい。シャフト272及び282の傾斜は、ベアリング362及び364の長手方向軸の相対角度の位置によって設定される。
一実施形態では、ロボット駆動システムは、第1のシャフト272及び/又は第2のシャフト282を動作可能に回転させる第1のアクチュエータ240と、第1の位置から第2の位置まで、第2のシャフト282に対して第1のシャフト272をその長手方向軸に沿って動作可能に移動させる第2のアクチュエータ244とを含む。第1の長手方向軸線を有する第1のベアリングが第1のシャフト272を支持しと、第2の長手方向軸線を有する第2のベアリングが第2のシャフト282を支持し、この際、第1の長手方向軸と第2の長手方向軸とは非平行である。第1のタイヤ組立体222が第1のシャフト272に解除可能に取り付けられ、第2のタイヤ組立体224が第2のシャフト282に解除可能に取り付けられている。第3のアクチュエータ248は、第2のタイヤ組立体224を第1のタイヤ組立体222に向かって、かつ、そこから離れるように動作可能に移動させて、EMDのグリップとグリップ解除とを行う、EMDは、第1のタイヤ組立体と第2のタイヤ組立体との間で長手方向軸を有する。一実施形態では、第1のベアリングは、第1のハウジング連結器266内に位置決めされ、第2のベアリングは、第2のハウジング連結器268内に位置決めされる。しかしながら、第1のベアリング及び第2のベアリングは、別の場所に配置されてもよい。例えば、第2のベアリングは、偏心ベアリング組立体322であってもよい。一実施形態では、第1のベアリングの第1の長手方向軸と第2のベアリングの第2の長手方向軸とが交差して、その交差点で鋭角をなし、その際、第1のタイヤ組立体と第2のタイヤ組立体は、交差点と第1のベアリングと第2のベアリングの中間にある。
一実施形態では、タイヤ組立体の底部のクリップに成形されたものが、棚領域278等の、連結器上のリップの下方に、クリップする。ある程度のバックラッシュを必然的に伴う、公差の積み重ねに対処するため、連結器の頂部にスプリング式プランジャを使用して、常にクリップが張力を受けることを確保する。タイヤ組立体を解放するために、回転機構を作動させることができ、その際、クリップは、それらを解放してタイヤを強制的に外すように設計されたリップと当接する。一度タイヤ組立体が外されると、他のタイヤが解放されるときに浮き上がる。最初の取り付けのため、拘束装置332は、ハウジング220内に配置された出荷クリップを使用して、タイヤを押さえて、双方のタイヤ組立体をスナップ留めすることができるが、ただし、システムによって取り外し可能であるようにする。
一実施形態では、ロボット・システムは、第1のアクチュエータ240を有するベース212と、ベース212に対して解除可能に接続されるものを収容するカセット220とを含む。一対のタイヤ222、224がカセット220内に設けられる。ロボット式アクチュエータは、第1のシャフト272及び282を動かして、ベース212からカセット220内に延びる第1のシャフト272と第2のシャフト282の上の第1のタイヤ222と第2のタイヤ224とを動作可能に係合させる。一実施形態では、ロボット式アクチュエータは、一対のタイヤを、第1のシャフト及び/又は第2のシャフトから動作可能に解除する。一実施形態では、1対よりも多い数のタイヤがカセット220内に配置され、それぞれのシャフトから作動的に係合及び解除される。
EMDの回転は、タイヤ228及び229を反対方向に動かすことで生じる。タイヤ228、229の上下移動は固定距離であるので、EMDを同じ方向に回転し続けるためには、タイヤをリセットする必要がある。タイヤの回転能力をリセットするためには、別個のブレーキ・クランプを組み込むことを含むが、それらは、タイヤ228及び229がグリップ解除されて、リセット後に所望の位置に戻ることができるときに、EMDを保持する。ブレーキ・クランプは、係合部分300を有するカム298と、クランプ支持体302とを含む。
カム298は、コントローラによって制御されるモーターによって回転される。一実施形態では、カム298を回転させるために使用されるモーターは、第3のモーター248であって、それは、タイヤを互いにグリップさせて、グリップ解除させるためにも使用される。一実施形態では、モーター248は、ブレーキ機構と、グリップ/グリップ解除の機構の双方に動作可能に接続され、EMDのブレーキのタイミングと、タイヤ228と229との間でのEMDのグリップ/グリップ解除とを調整する。本明細書で記載のように、第1の連結器268を介した第1のタイヤ組立体は、偏心ブッシュ322上に取り付けられているため、回転を使用して、第1のタイヤ組立体を第2のタイヤ組立体から揺動させることができる。カムは、ロッカー・アームを有するが、これは、タイ・ロッドによって、偏心タイヤ・リリース上の別のロッカー・アームとリンクされている。これらをリンクさせることで、カムがクランプに係合して、タイヤをグリップ解除することができる。
駆動部210は、3つの異なる能力を有するように定められ、つまり、駆動と、リセットと、交換とを可能にする。駆動位置では、カムはEMD及びカム支持体から外されて、従動子320はスロット316内で自由に乗り、ばね力によって複数のタイヤが一体にグリップされる。一実施形態では、トーション・スプリング又はねじりばね(図示略)が、偏心部322及びベースに対して動作可能に固定される。一実施形態では、レバー(図示略)が、ベースに対して動作可能に連結され、その際、圧縮又は引張のいずれかでリニア・スプリング又は線形ばねを用いる。回転移動のみが、グリップ及びグリップ解除に用いられ、従って、一実施形態では、ベースとシャフトとの間の密封(シール)は、偏心部上の回転軸シールを用いて達成される。
リセット位置では、カム298は、カム係合部分300とクランプ・パッド302との間でEMDを完全にクランプするので、従動子320がスロット316の端部と当接する前に、ブレーキを設定する。カム上にドウェルを設けることにより、カムはEMDを完全に係合したままクランプすることができ、その際、タイヤ228及び229はリセットに十分なようにグリップされない。タイヤは、第2のモーター244を作動させることでリセットされるが、その際、第1のタイヤ組立体と第2のタイヤ組立体とを所望の方向で、EMDの回転を継続する位置まで移動させる。
交換位置では、カムが係合部分とカム支持体との間でEMDをクランプしないようにカム298が位置決められ、第1及び第2のタイヤは、グリップ解除位置で互いに離間される。この向きでは、EMDは、駆動機構210から自由に取り外すことができる。
一実施形態では、手動解除が用意されて、EMDをロックすることからカムを解放すると共に、タイヤ228及び229をグリップさせないようにする。停電時や、その他の必要とされる時に、手動解除は、モーターを制御するコントローラを無効にして、クランプ及びタイヤからEMDを迅速に解除する。一実施形態では、カムの一部分は、使用者がアクセス可能なハンドルと動作可能に接続されて、ねじれ等によって操作可能にする。この構成の特徴部は、キー等であってもよく、それは、グリップが容易となるように、使用者が手でキーをグリップすることを可能にする十分な大きさを有する。一実施形態では、第1のタイヤ組立体のみが上下方向に移動し、その際、第2のタイヤ組立体は固定された上下位置にある。この実施形態では、上述の機構は保持されるが、ロッカー252と動作可能に固定されている2つのタイ・ロッドのうちの1つが取り外される。このモードでは、EMDの回転の同じ度合いを得るために、双方のタイ・ロッドが接続されている実施形態では、モーター244は2度回転する。
以上、実施例を参照して、本開示内容について説明した。当業者であれば、本技術思想及び発明主題を定めた特許請求の範囲から外れることなく、その形態と詳細とに関して変更を加えることができることを理解できるであろう。例えば、様々な実施形態では、1つ又は複数の利点を備えるように、1つ又は複数の特徴部を含むものとして説明されているが、これら実施形態又は他の代替実施形態では、これら説明された特徴部を互いに交換してもよく、又は、互いに組み合わせてもよいことが想定できる。本開示内容は、出来る限り広範に明示されることを意図している。例えば、特に断りがない場合、単一の特定の構成要素についての定義には、係る要素を複数用いることが包含されている。