JP2022539856A - 血漿カリクレイン阻害薬の結晶形態 - Google Patents

血漿カリクレイン阻害薬の結晶形態 Download PDF

Info

Publication number
JP2022539856A
JP2022539856A JP2022500843A JP2022500843A JP2022539856A JP 2022539856 A JP2022539856 A JP 2022539856A JP 2022500843 A JP2022500843 A JP 2022500843A JP 2022500843 A JP2022500843 A JP 2022500843A JP 2022539856 A JP2022539856 A JP 2022539856A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
benzyl
less
minutes
degrees
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022500843A
Other languages
English (en)
Inventor
シンハ スカント
チルコート タミー
スコット ノーザン ジュリアン
マーシャル ジェイミー
Original Assignee
リゾルート,インコーポレイティド
アクティブサイト ファーマシューティカルズ,インコーポレイティド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by リゾルート,インコーポレイティド, アクティブサイト ファーマシューティカルズ,インコーポレイティド filed Critical リゾルート,インコーポレイティド
Publication of JP2022539856A publication Critical patent/JP2022539856A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D231/00Heterocyclic compounds containing 1,2-diazole or hydrogenated 1,2-diazole rings
    • C07D231/02Heterocyclic compounds containing 1,2-diazole or hydrogenated 1,2-diazole rings not condensed with other rings
    • C07D231/10Heterocyclic compounds containing 1,2-diazole or hydrogenated 1,2-diazole rings not condensed with other rings having two or three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
    • C07D231/14Heterocyclic compounds containing 1,2-diazole or hydrogenated 1,2-diazole rings not condensed with other rings having two or three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals, directly attached to ring carbon atoms
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/41Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having five-membered rings with two or more ring hetero atoms, at least one of which being nitrogen, e.g. tetrazole
    • A61K31/4151,2-Diazoles
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P7/00Drugs for disorders of the blood or the extracellular fluid
    • A61P7/02Antithrombotic agents; Anticoagulants; Platelet aggregation inhibitors
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07BGENERAL METHODS OF ORGANIC CHEMISTRY; APPARATUS THEREFOR
    • C07B2200/00Indexing scheme relating to specific properties of organic compounds
    • C07B2200/13Crystalline forms, e.g. polymorphs

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Diabetes (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

純粋な結晶形態の1-ベンジル-N-(4-カルバムイミドイルベンジル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドアセテート、及びその非晶質形態、薬学的組成物、並びに同じものの製造方法が開示される。JPEG2022539856000007.jpg70170

Description

[関連出願の相互参照]
本出願は、2019年7月8日に提出された米国仮出願第62/871,517号の優先権を主張し、それはすべての目的でその全体が参照により援用される。
本発明は、血漿カリクレイン阻害薬の結晶形態、他の多形を実質的に含まない血漿カリクレイン阻害薬の多形の製造方法、及び実質的に純粋な血漿カリクレイン阻害薬の多形を含む組成物に関する。
血栓形成は、失血を防止して、止血として知られる過程である損傷血管の修復を可能にするために必須ではあるものの、血栓が血管を閉塞させ、組織から酸素を奪うならば病的となる恐れもある。血栓による動脈の閉塞である動脈血栓症は、破裂又はびらんを来した動脈硬化性プラークの部位で起こることが最も多い(V.Kou et al.,Mt Sinai J Med (2006)73:449-68)。冠動脈の特異的な閉塞は、不安定狭心症及び心筋梗塞(MI)を含む急性冠症候群をもたらす。
フィブリン塊は、1つの共通の凝固経路に収束する内因性経路及び外因性経路という2つの異なる経路のうちいずれかの惹起によって生じることができる(R.G.Macfarlane,Nature(1964)202:498-99;E.W.Davie et al.,Science(1964)145:1310-12;K.Joseph et al.,Adv Immunol(2005)86:159-208)。実験データにより、血漿カリクレイン(PK)欠損個体及び第FXII因子(FXII)欠損個体はいずれも、出血性表現型は有しないものの、内因性経路を介した血餅形成に重大な障害を有することが示唆されている(O.D.Ratnoff et al.,J Clin Invest(1955)34:602-13;R.W.Colman,(2001) in “Hemostasis and Thrombosis: Basic Principles and Clinical Practice” (R.W.Colman et al.,eds.,Lippincott, Williams & Wilkins,Philadelphia,Pa.,pp.103-122);E.D.Rosen et al.,Nature(1997)390:290-94;W.E.Hathaway et al.,Blood(1965)26:521-32;A.S.Lawrie et al.,Clin Lab Haematol(1998)20:179-86;及びS.M.Bates et al.,Circulation(2005)112:53-60)。内因性経路では、表面に対する結合により、少量のFXIIが活性化され(FXIIa)、次にそれがタンパク質分解を通じてPKを活性化する。重要なこととして、PKは続いてフィードバックループ内でさらにFXIIaを生成させ、次にそれが第XI因子(FXI)をFXIaに活性化し、共通経路と結びつける。内因性経路の初期活性化は、少量のPKを活性化する少量のFXIIaを通じたものではあるが、内因性経路の活性化の程度を制御するのは、その後のPKによるFXIIのフィードバック活性化であり、それ故に凝固系下流(downstream coagulation)である(W.E.Hathaway et al.,Blood(1965)26:521-32)。
院内環境での急性MI又は虚血性脳卒中に対する現在の治療は、閉塞性の血栓を溶解させて再灌流(血流の回復)を可能にするための救急措置を必要とする。これを行う一般的なやり方の1つは、プラスミノーゲンからの活性プラスミンの生成を行う薬剤である組織プラスミノーゲンアクチベーター(t-PA)又はストレプトキナーゼなどの線維素溶解薬を患者に投与することによる。プラスミンは血栓のフィブリン網を切断し、血餅溶解を行う。このような線維素溶解薬は世界中で再灌流のために最も高い頻度で用いられている治療薬である。しかし、線維素溶解には血栓症再発も高度に伴ってみられ、その後の再閉塞率は研究によっては最大で50%にも上る(F.Zijlstra et al.,N Engl J Med(1993)328:680-84;B.R.Brodie et al.,Circulation(1994)90:156-62;G.W.Stone et al.,Circulation(1999)99:1548-54;H.Tamai et al.,Am Heart J (2004)147:E9;F.W.Verheugt et al.,J Am Coll Cardiol(1996)27:766-73)。
急性MIを経験した患者は、凝固能亢進(凝血促進)状態にあることの臨床的証拠を示す。この凝固能亢進は、線溶療法を受けている者では逆説的なことにさらに悪化する。このような治療を受けている患者では、ヘパリンのみを投与されている者で観察される既に高いレベルと比較して最大で2倍の高さのトロンビン-抗トロンビンIII(TAT)レベルからも評価されるように、トロンビン生成の増加が観察される(H.M.Hoffmeister et al.,Circulation(1998)98:2527-33)。トロンビンの増加は、プラスミンを介した内因性経路の活性化に起因すると提唱されている。プラスミンを介した内因性経路系の活性化が血液中で起こることが知られており(G.A.Ewald et al.,Circulation(1995)91:28-36)、これはプラスミンによるFXIIの直接的な活性化の結果として起こることが示唆されている。
再閉塞率の上昇につながるのは線維素溶解で誘導される凝固能亢進だけではなく、それはおそらく少なくとも部分的には、血餅の完全な線維素溶解を達成できないという線溶療法の主な弱点も一因であると思われる(E.C.Keeley et al.,Lancet(2003)361:13-20)。線溶療法の別の問題は、それに伴って頭蓋内出血(ICH)のリスクが3倍に増大することである(V.Menon et al.,Chest(2004)126:549S-575S;Fibrinolytic Therapy Trialists’ Collaborative Group,Lancet(1994)343:311-22)。このため、出血のリスクを増大させないが新たなトロンビンの形成は阻害する補助的な抗凝固療法は非常に有益である。
野生型マウスに対するFXIIの非可逆的阻害薬の投与は閉塞血管の減少及び虚血性皮質障害の低下につながることが見いだされており、FXIIの阻害は急性MI又は血栓性脳卒中の際に起こるもののような動脈血栓症に対して保護的である(国際公開第2006/066878A1号パンフレット)。しかし、ペプチド医薬には、半減期の短さを理由とする急性試験に対する適用の限界、医学的インターベンションを要する静脈内投与、及び治療を受けている患者による抗ペプチド抗体の発生を含む、数多くの弱点がある。
血漿カリクレインはまた、糖尿病黄斑浮腫及び糖尿病網膜症(A.Clermont et al.,Diabetes(2011)60:1590-98;J.A.Phipps et al.,Hypertension(2009)53:175-81);C1インヒビター欠損による遺伝性血管性浮腫(A.Banerji et al.,N Engl J Med(2017)376:717-28;E.Aygoren-Pursunet al.,N Engl J Med(2018)379(4):352-62);急性肝障害(M.Li et al.,Biochem Biophys Res Commun(2018)504(4):857-64);炎症及びアナフィラキシー(L.Bender et al.,Front Immunol(2017)8:1115);組換えtPAによる治療後の出血性変化及び脳浮腫の悪化(F.Simao et al.,Blood(2017)129(16):2280-90);及び化学物質感作された腎損傷(H.Wang et al.,J Immunotoxicol(2016)13(4):567-79)にも関係づけられる。
薬物の多形の挙動は、薬理学において重大な意味を持つことができる。多形とは、同一分子の異なる固体形態のことであり、結晶格子中の分子の配置の結果として異なる物理学的特性を有することができる。これらの異なる特性は、貯蔵安定性、圧縮性、密度、吸湿性、溶解速度、及びバイオアベイラビリティなどの薬学的パラメータに影響を及ぼすことができる。1つの多形から別の多形へと変換することが可能なことも多く、いくつかの場合においてはこのことは自発的に起こる。貯蔵安定性は、1つの多形が異なる密度又は吸湿性を有する異なる多形へと変換できる場合に影響を受ける(これにより錠剤は膨張したり崩れたりすることができる)。化合物の1つの多形形態は、別の多形と比較して溶解しやすいか又は高速で溶解してよく、バイオアベイラビリティが増大する。多形がバイオアベイラビリティの低い形態に変換する場合、剤形の効力が低下してよく、バイオアベイラビリティの高い形態に変換する場合、薬物の毒性限界を超えてよい。さらに、形態の物理学的特性は、製造に影響を及ぼすことができ、例えば、1つの多形は、溶媒和化合物を形成する可能性がより高くてよく、又は不純物を含まないろ過及び洗浄が困難であってよい。
適した血漿カリクレイン阻害薬が開発されている(Sinha et al.,国際公開第2008/016883号パンフレット;米国特許第8258170号明細書参照)。しかし、このような化合物の結晶形態の同定、及び固体形態での製剤の適合性は、まだ報告されていない。異なる結晶形態の溶解性、密度、安定性、及びバイオアベイラビリティは異なってよいので、このような形態の同定にはまだ対処されていない要求が残っている。
本明細書においては、1-ベンジル-N-(4-カルバムイミドイル-ベンジル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドアセテートの純粋な結晶形態、非晶質形態、及び各形態の製造方法が提供される。
本発明の1つの態様は、形態I、形態II、形態III、又は形態IVであってよい、1-ベンジル-N-(4-カルバムイミドイル-ベンジル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドアセテート(「化合物1」)の結晶形態であって、この結晶形態はいずれの他の多形形態も実質的に含まない、結晶形態である。
本発明の別の態様は、化合物1(「形態V」)の非晶質形態であって、この非晶質形態は、いずれの結晶形態も実質的に含まない、非晶質形態である。
本発明の別の態様は、治療有効量の化合物1の純粋な固体形態(形態I、形態II、形態III、形態IV、又は形態V)を、薬学的に許容される担体と共に含む、薬学的組成物である。
本発明の別の態様は、いずれの他の結晶形態も実質的に含まない、形態Iの製造方法である。
本発明の別の態様は、いずれの他の結晶形態も実質的に含まない、形態IIの製造方法である。
本発明の別の態様は、いずれの他の結晶形態も実質的に含まない、形態IIIの製造方法である。
本発明の別の態様は、いずれの他の結晶形態も実質的に含まない、形態IVの製造方法である。
本発明の別の態様は、いずれの他の結晶形態も実質的に含まない、形態Vの製造方法である。
本発明の別の態様は、本発明の薬学的組成物を投与することによる、血漿カリクレインによって介される疾患の治療方法である。
図1は、CuKα輻射を用いてなされた、化合物1の結晶形態Iの粉末X線回折(XRPD)パターンを示す。 図2は、CuKα輻射を用いてなされた、化合物1の結晶形態IIの粉末X線回折(XRPD)パターンを示す。 図3は、CuKα輻射を用いてなされた、化合物1の結晶形態IIIの粉末X線回折(XRPD)パターンを示す。 図4は、CuKα輻射を用いてなされた、化合物1の結晶形態IVの粉末X線回折(XRPD)パターンを示す。 図5は、CuKα輻射を用いてなされた、化合物1の非晶質形態Vの粉末X線回折(XRPD)パターンを示す。 図6は、11×105Nの力で約25~28時間圧縮する前後の結晶形態I及び結晶形態IIの粉末X線回折(XRPD)パターンを示す。第1及び第3のトレースは、圧縮前の形態I及び形態IIのXRPDパターンをそれぞれ示す。トレース2及び4は、圧縮後の形態I及び形態IIのXRPDパターンをそれぞれ示す。 図7は、粉砕前後の結晶形態I及び結晶形態IIの粉末X線回折(XRPD)パターンを示す。第1及び第3のトレースは、粉砕前の形態I及び形態IIのXRPDパターンをそれぞれ示す。トレース2及び4は、粉砕後の形態I及び形態IIのXRPDパターンをそれぞれ示す。 図8は、化合物1、形態IのDSC及びTGAサーモグラフの重ね合わせを示す。 図9は、化合物1、形態IIのDSC及びTGAサーモグラフの重ね合わせを示す。 図10は、化合物1、形態IIIのDSC及びTGAサーモグラフの重ね合わせを示す。 図11は、化合物1、形態IVのDSC及びTGAサーモグラフの重ね合わせを示す。 図12は、非晶質化合物1、形態VのDSC及びTGAサーモグラフの重ね合わせを示す。
定義
別に指定する場合を除き、本明細書および特許請求の範囲において用いられる以下の用語は、以下に提示する意味を有する。
「アルキル」という用語は、別に指定する場合を除き、単独で、又は別の置換基の一部として、指定された数の炭素原子を有する(すなわち、C1-C8は1~8個の炭素を意味する)、直鎖状又は分枝鎖状の炭化水素基のことを意味する。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチルなどが挙げられる。本明細書における定義のそれぞれに関して(例えば、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、アルキルチオ、アルキレン、ハロアルキル)、アルキル部分における主鎖炭素原子の数を示す接頭辞が含まれない場合には、基またはその部分は12個以下の主鎖炭素原子を有する。
本明細書で用いる「組成物」という用語は、指定された成分を指定された量で含む製造物、及び指定された量の指定された成分の組み合わせに、直接的又は間接的に起因する任意の製造物を包含することを意図している。
「多形形態」という用語は、化合物の結晶性又は非晶質の固体形態を指す。複数の多形形態は、結晶構造内部の分子の配向又は配置が互いに異なる。配置が異なると、分子間力に差が生じ、融点、溶解度、硬度、安定性、バイオアベイラビリティ、化学反応性などに差異を生成することができる。同一化合物の多形形態は、これらの特性により、及びそのX線回折パターンにより識別することができる。すでに化合物1の4個の結晶多形形態、及び非晶質形態を調製している。
「非晶質」という用語は、XRPDにより決定される多くとも制限された結晶化度しか有さない固体形態を指す。非晶質固体中においては、原子は無秩序構造で存在する。結晶性物質中、又は結晶性区域中においては、原子は、長距離の秩序と短距離の秩序の両方を有する。非晶質物質は対照的に、短距離の秩序しか有さない。活性物質の結晶化の程度は例えば、動的示差熱測定又はXRPDを含む、X線回折法を用いて測定することができる。
「固体形態」という用語は、1-ベンジル-N-(4-カルバムイミドイル-ベンジル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドアセテートの任意の結晶又は非晶質形態、及びその混合物を意味する。
「式Iの化合物」及び「化合物1」という用語は、1-ベンジル-N-(4-カルバムイミドイル-ベンジル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドアセテート塩を指す。
本明細書で用いる「形態I」という用語は、化合物1の純粋な無水結晶形態を指す。XRPD回折パターンは、以下の特徴的なピーク:10.0、18.1、18.6、20.1、及び23.9度±0.5、±0.2、又は±0.1度、2θを含み、このXRPDは、CuKα輻射を用いてなされる。形態Iに関する完全な回折パターンを図1に示す。「純粋な」結晶形態は、いずれの他の結晶形態も実質的に含まない。
本明細書で用いる「形態II」という用語は、化合物1の純粋な水和結晶形態を指す。XRPD回折パターンは、以下の特徴的なピーク:4.2、5.6、8.4、17.8、及び19.8度、±0.5、±0.2、又は±0.1度、2θを含み、このXRPDは、CuKα輻射を用いてなされる。形態IIに関する完全な回折パターンを図2に示す。
本明細書で用いる「形態III」という用語は、化合物1の別の純粋な結晶形態を指す。XRPD回折パターンは、以下の特徴的なピーク:7.7、10.7、20.1、23.7、及び24.3度、±0.5、±0.2、又は±0.1度、2θを含み、このXRPDは、CuKα輻射を用いてなされる。形態IIIに関する完全な回折パターンを図3に示す。
本明細書で用いる「形態IV」という用語は、化合物1の別の純粋な結晶形態を指す。XRPD回折パターンは、以下の特徴的なピーク:18.5、19.6、及び23.7度±0.5、±0.2、又は±0.1度、2θを含み、このXRPDは、CuKα輻射を用いてなされる。形態IVに関する完全な回折パターンを図4に示す。
本明細書で用いる「形態V」という用語は、化合物1の純粋な非晶質形態を指す。XRPD回折パターンは、特徴的なピークをほとんど含まない又は含まない。形態Vに関する完全な回折パターンを図5に示す。
本明細書で用いる「実質的に含まない」という用語は、多くとも限定された量の異なる多形を有する化合物1の固体形態を指す。いくつかの実施形態において、化合物1の固体形態は、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.05、又は0.01重量%未満の他の多形形態を含む場合、化合物1の固体形態は、他の多形形態を実質的に含まない。例えば、形態Iは、約10重量%未満、約5重量%未満、又は約1重量%未満の形態II、形態III、形態IV、及び/又は形態Vからなる場合、形態Iは、他の多形形態を実質的に含まない。このような形態の純度は、XRPD、示差走査熱測定、熱重量分析、及び当該技術分野において既知の他の方法を用いて測定することができる。
本明細書で用いる「対象」という用語は、霊長動物(ヒトを含む)、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウスなどを限定なしに含む哺乳動物などの動物を含むものとする。
「有効量」という用語は、血漿カリクレインによって介される病理過程若しくは血漿カリクレインによって介される病理過程の明白な症状の治療、予防、又は管理に治療上の利点をもたらす量を指す。有効である具体的な量は、通常の医師により容易に決定することができ、例えば、病理過程の種類、患者の病歴及び年齢、病理過程のステージ並びに同種のもの等の当該技術分野において既知の要因に依存して変動してよい。血漿カリクレインの阻害は、例えば限定することなく、インビトロ比色アッセイ若しくは蛍光基質切断アッセイを用いて、又はエクスビボ全血若しくは全血漿の凝固時間を測定することにより測定することができる(例えば米国特許第8258170号明細書を参照)。
概論
化合物1は、血栓症等の血液凝固障害を含む、血漿カリクレイン依存性の疾患又は状態、並びに他のPK依存性の疾患及び状態の予防及び治療のための、血漿カリクレイン(PK)阻害薬として有用である。例えばこの化合物は、内因性経路によるトロンビンの形成を阻害し、それ故に新たな病原性血栓形成(再閉塞)のリスクを低下させるとともに、線維素溶解レジメンとの補助療法として投与された場合には線維素溶解で誘導される再灌流も改善する。化合物1はまた、例えば、限定されないが、糖尿病黄斑浮腫、糖尿病性網膜症、C1インヒビター欠損による遺伝性血管性浮腫、急性肝障害、炎症及びアナフィラキシー、組換え組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)による治療後の出血性変化及び脳浮腫の悪化、化学物質感作された腎損傷、虚血性脳卒中、出血性卒中、高血圧症及びその血管性合併症(網膜症及び腎症を含む)、脳血管性浮腫、肺高血圧症、炎症、疼痛、急性心筋梗塞(MI)、深部静脈血栓症(DVT)、脳卒中又はMIに続く線維素溶解治療に由来する合併症(例えば、組織プラスミノーゲンアクチベーター、ストレプトキナーゼによる)、狭心症、血管浮腫、敗血症、関節炎、心肺バイパス術の合併症、毛細管漏出症候群、炎症性腸疾患、糖尿病及びその血管性合併症(網膜症、糖尿病黄斑浮腫、腎症及び神経障害)、加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症、脳浮腫、虚血再灌流障害、血管新生(例えば癌での)、喘息、アナフィラキシー並びに神経性状態の脳血管合併症(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、CNS感染症、及び神経膠芽腫)等の、血漿カリクレインによって媒介される他の疾患及び障害を治療するのに有用である。
血漿カリクレイン(PK)は、不活性な酵素原前駆体血漿プレカリクレイン(プレPK)として血漿中に存在するセリンプロテアーゼであり、FXIIaによってタンパク分解的に活性化される。ポジティブフィードバックループにおいては、PKは酵素原FXIIをタンパク分解的に活性化し、さらにFXIIaを形成し、自身の活性化をさらに増幅する。FXIIaはまた、酵素原FXIを活性なFXIaへと活性化し、これにより血液凝固の内因性(接触)経路が開始され、トロンビンが生成し、フィブリノーゲンが切断される。重要なことに、PKは、高分子量キニノーゲン(HMWK)を切断してブラジキニンを生成する。ブラジキニンは、内皮細胞の表面に存在するブラジキニン受容体B1及びB2を活性化することにより血管を覆う内皮細胞間のタイトジャンクションを開くことができ、したがって血管透過性の上昇として知られる状態である、液体及び血漿タンパク質が組織へと血管外遊出できるようになる。血液脳関門のタイトジャンクションの崩壊、及び続く血漿及びタンパク質の脳への漏出(浮腫)はまた、アルツハイマー病、パーキンソン病及び多発性硬化症(MS)、並びにCNS感染症、及び脳腫瘍と関連があった。例えば、腫瘍周囲脳浮腫は、神経膠芽腫に罹患した患者の予後不良を引き起こす(K. Schoenegger et al.,EurJ Neurol.(2009)16(7):874-78)。ブラジキニンの形成により血管透過性が上昇すると、様々な疾患、例えば、血管浮腫、嚢胞様黄斑浮腫、糖尿病黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症後の黄斑浮腫、脳卒中又は頭部外傷に続く脳血管浮腫、及び毛細管漏出症候群において多くの組織及び臓器に過剰量の液体が蓄積することができる。例えば、化合物1は、BK受容体拮抗薬Hoe-140がするように、アンジオテンシンII処置げっ歯類の網膜血管透過性を低減することが分かった(J.A.Phipps et al.,Hypertension(2009)53:175-81)。プレPK及び接触系が活性化されるとまた、例えば、汚染ヘパリンで治療した患者のアナフィラキシーを引き起こすことが分かった(T.K.Kishimoto et al.,N.Engl.J.Med.(2008)358:2457-67)。
血管原性浮腫におけるBKの重要性はさらに、個人が機能C1阻害薬(PKの主要な内在性阻害薬)をほとんど有さない又は全く有さない遺伝性血管浮腫において説明される。これらの患者において高レベルのブラジキニンが生成すると、血漿から軟組織へと液体及びタンパク質が血管外漏出し、重篤な浮腫を生じる。C1阻害薬はまた、加齢黄斑変性(S.Ennis et al.,Lancet(2008)372:1828-34)及び臓器移植又は心筋梗塞に続く虚血再灌流障害(D.Inderbitzin et al.,Eur.Surg.Res.(2004)36:142-47;G.Horstick et al.,Circulation(2001)104:3125-31)の病態形成にも関与することが知られている。ブラジキニン及びその受容体は、腫瘍血管新生(Y.Ikeda et al.Cancer Res(2004)64:5178-85)、肺高血圧症(L.Taraseviciene-Stewart et al.Peptides(2005)26:1292-300)及び喘息(P.J.Barnes,“Recent Progress on Kinins”,(1992)AAS38/III,Birkhauser Verlag, Basel)に関与することが分かっている。
血管浮腫状態の患者においては、小さなポリペプチドPK阻害薬(DX-88、エカランチド)は、遺伝性血管浮腫の患者における浮腫を軽減する(A.Williams et al.,Transfus. Apher. Sci.(2003)29:255-58;L.Schneider et al.,J Allergy Clin Immunol.(2007)120(2):416-22;J.H.Levy et al.,Expert Opin. Invest. Drugs(2006)15:1077-90)。ブラジキニンB2受容体拮抗薬イカチバントもやはり、遺伝性血管浮腫の治療に効果がある(K.Bork et al.,J.Allergy Clin.Immunol.(2007)119:1497-503)。PKは、ブラジキニンを生成するので、PKを阻害すると、ブラジキニンの生成も阻止される。
線維素溶解治療(例えば、組織プラスミノーゲンアクチベーター、ストレプトキナーゼ)に起因する血栓形成においては、線維素溶解を受けている患者中に高レベルのPKが見られた(H.M.Hoffmeister et al.,J.Cardiovasc.Pharmacol.(1998)31:764-72)。内因性経路のプラスミンが介する活性化は、血漿及び血液中で生じることが分かり、内因性経路成分のいずれかがが欠損している個人からの血漿中では著しく減弱した(G.A.Ewald et al.,Circulation(1995)91:28-36)。急性MIがある個人は、活性化PK及びトロンビンのレベル上昇がみられた(H.M.Hoffmeister et al.,Circulation(1998)98:2527-33)。
エカランチドは、虚血性脳卒中の動物モデルにおいて脳浮腫、梗塞体積、及び神経学的欠陥を減少させた(C.Storini et al.,J.Pharm.Exp.Ther.(2006)318:849-54)。C1-INHは、中大脳動脈閉塞術のマウスモデルにおいて梗塞サイズを減少させている(M.G.De Simoni et al.,Am.J.Pathol.(2004)164:1857-63;N.Akita et al.,Neurosurg.(2003)52:395-400)。化合物1は、虚血性脳卒中のラットモデルにおいては梗塞体積及び脳血管性浮腫を、並びに出血性脳卒中のモデルにおいては脳内出血の拡大を減少させることが分かった(国際公開第2009/0971号パンフレット)。B2受容体拮抗薬は、虚血性脳卒中の動物モデルにおいて梗塞体積、脳腫脹及び好中球蓄積並びに神経保護的であることが見いだされた(S.Zausinger et al.,Acta Neurochir. Suppl.(2003)86:205-07;D.B.Lumenta et al.,Brain Res.(2006)1069:227-34;L.Ding-Zhou et al.,Br.J.Pharmacol.(2003)139:1539-47)。
糖尿病患者、特に増殖性網膜症を有する患者においてはプレPKレベルがより高く、フルクトサミンレベルと相関することも見いだされている(B.-B.Gao et al.,Nature Med.(2007)13:181-88;K.Kedzierska et al.,Archives Med.Res.(2005)36:539-43)。プレPkはまた、糖尿病患者で上昇しており、知覚運動性ニューロパチーを有する患者で最も高度であることも見いだされた(M.Christie et al.,Thromb.Haemostas.(1984)52:221-23)。プレPKレベルは、糖尿病患者で上昇しており、血圧上昇と関連があり、アルブミン排泄速度と独立に相関し、マクロアルブミン尿症を有する糖尿病患者で上昇しており、このことはプレPKが進行性腎症のマーカーとなることができることを示唆する(A.A.Jaffa et al.,Diabetes(2003)52:1215-21)。B1受容体拮抗薬は、ストレプトゾシンが誘導する糖尿病を有するラットにおける血管透過性の増大並びに、皮膚及び網膜を含む、各種器官への血漿漏出を減少させることが見いだされている(S.R.Lawson et al.,Eur.J.Pharmacol.(2005)514:69-78;S.R.Lawson et al.,Regul Pept.(2005)124:221-24)。B1受容体拮抗薬はまた、ストレプトゾシン処置マウスが高血糖症及び腎機能不全を発症するのも予防することができる(A.Zuccollo et al.,Can.J.Physiol.Pharmacol.(1996)74:586-89)。
本発明の一つの態様は、1-ベンジル-N-(4-カルバムイミドイルベンジル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドアセテート(「化合物1」)の他の多形形態を実質的に含まない、1-ベンジル-N-(4-カルバムイミドイル-ベンジル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドアセテートの結晶形態である。本発明の一つの実施形態は、10重量%未満の任意の他の多形形態を有する結晶形態である。本発明の実施形態は、5重量%未満の任意の他の多形形態を有する結晶形態である。本発明の実施形態は、1重量%未満の任意の他の多形形態を有する結晶形態である。
本発明の別の態様は、化合物1の他の多形形態を実質的に含まない、非晶質形態の化合物1である。
本発明の別の態様は、薬学的に許容される担体、及び化合物1の任意の他の固体形態を実質的に含まない、固体形態の化合物1を含む、薬学的組成物である。
本発明の別の態様は、化合物1の任意の他の固体形態を実質的に含まない、固体形態の化合物1の製造方法である。
化合物の調製
式Iの化合物を、以下に記載するプロセスによって製造する。
Figure 2022539856000002
本発明のプロセスは、収率及び純度を商業化に充分な程度にまで最適化されている。1-ベンジル-1H-ピラゾール-4-カルボン酸(「化合物4」)は、商業的供給源から得られるか、又は市販の前駆体化合物から当該技術分野において既知の方法により調製する。例えば、1-ベンジル-1H-ピラゾール-4-カルボン酸は、強塩基存在下非プロトン溶媒中で1H-ピラゾール-4-カルボン酸エチルを適切に置換されたベンジルハライド(例えばベンジルブロミド)と接触させ、続けてエステルを加水分解することにより、1H-ピラゾール-4-カルボン酸エチルから調製してよい。例えば、1H-ピラゾール-3-カルボン酸エチルをアセトン中K2CO3で処理し、続けてベンジルブロミドで処理して化合物1-ベンジル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸エチルを生成する。このエチルエステルを、例えば、メタノール中KOHで処理して遊離酸(化合物4)を提供する。
A.プロセスステップ1:
(A)化合物4を、非プロトン溶媒中1-プロパン-ホスホン酸環状無水物(T3P(登録商標))及びトリエチルアミン(Et3N)を用いて4-アミノメチル-ベンゾニトリルと結合して1-ベンジル-N-(4-シアノベンジル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(「化合物3」)を生成することができる。
プロセスの実施形態のうち1つの群において、T3P(登録商標)を50%酢酸エチル溶液として提供する。化合物4及び4-アミノメチル-ベンゾニトリルは、約等モル量で提供してもよく、又は一方の反応物を他方の反応物と比較して、約0.2~約5等量の範囲の過剰量で提供してよい。プロセスの実施形態において、化合物4の4-アミノメチル-ベンゾニトリルに対する比率は、約0.2~約5、約0.5~約2、約0.9~約1.2、又は約1.0である。T3P(登録商標)は、同様の比率の範囲で提供してもよい。プロセスの実施形態において、T3P(登録商標)の化合物4に対する比率は、約0.5~約5、約0.8~約4、約1.0~約3、約1.2~約2.0、及び約1.2~約1.8であってよい。トリエチルアミンも、化合物4に対する比率の範囲で提供してよい。プロセスの実施形態において、Et3Nの化合物4に対する比率は、約0.5~約10、約1~約8、約2~約5、及び約3~約5である。
プロセスのいくつかの実施形態において、非プロトン溶媒、例えば、限定されないが、ジクロロメタン(DCM)、テトラヒドロフラン(THF)、メチルエチルケトン(MEK)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、酢酸エチル(EtOAc)、メチルt-ブチルエーテル(MTBE)、及びこれらの混合物を使用する。プロセスの実施形態において、非プロトン溶媒は、DCMである。
化合物4と4-(アミノメチル)ベンゾニトリルとのカップリングは典型的には、約0℃~約100℃の温度範囲で行われる。いくつかの実施形態において、カップリング反応温度は、約15℃~およそ選択した非プロトン溶媒の還流温度である。プロセスの実施形態において、反応温度は、約20℃~約80℃である。プロセスの実施形態において、反応温度は、約20℃~約30℃である。
上記のカップリング反応は典型的には、反応がかなり完了するように、適切な時間長実行され、これは選択された非プロトン溶媒及び反応温度とともに変化してよい。プロセスの実施形態において、反応時間は、約30分~約48時間である。プロセスの実施形態において、反応時間は、約1時間~約24時間である。プロセスの他の実施形態において、反応時間は、約4時間~約12時間である。プロセスのさらに他の実施形態において、反応時間は、約6時間~約10時間である。プロセスのいくつかの実施形態において、反応時間は、約8時間である。
プロセスのいくつかの実施形態において、反応は、不活性雰囲気下又は無水条件下で行われる。プロセスのいくつかの実施形態において、反応は、窒素雰囲気下で行われる。
(B)上記カップリング反応の生成物である、化合物3を、抽出により精製する。概して、(i)化合物3を含有する非プロトン溶媒を水と合わせて、(ii)よく混合し、(例えば、攪拌又は振動により)、(iii)有機層及び水層を分離させ、(iv)水層を除去し、そして(v)有機層を乾燥させて水を除去する。これらのステップは共に又は個別に、1回、2回又は3回以上繰り返してよい。さらに、水は、NaCl、NaHCO3、及び同種のもの等の塩も含有してよい。水層はまた、例えばDCMなどの有機溶媒により抽出してもよく、その有機溶媒を得られた他の有機層と合わせることができる。この有機層をついで、硫酸ナトリウム等の適切な乾燥剤上で乾燥してよい。
プロセスのいくつかの実施形態において、DCM中の化合物3を水と攪拌し、これらの層を分離し、ついで10%水性NaHCO3と攪拌し、分離し、飽和水性NaClと攪拌し、分離し、その後Na2SO4上で乾燥する。
プロセスのいくつかの実施形態において、乾燥した有機層を減圧下で濃縮し、アセトンに取り込み、水で洗浄し、ろ過し、吸引乾燥し、そして真空乾燥(又は減圧下で乾燥)して精製済みの化合物3を提供する。乾燥するステップを、例えば約25℃超、約30℃超、約35℃超、約40℃超、約45℃超、約50℃超、約55℃及び約60℃超等の、高温で実施してよい。乾燥温度は概して、化合物3の融点未満であり、約150℃未満、約120℃未満、約100℃未満、約90℃未満、約80℃未満、約75℃未満、約70℃未満、及び約65℃未満であってよい。
B.プロセスステップ2:
(A)化合物3をついで、適切な溶媒中、弱塩基存在下ヒドロキシルアミン(NH2OH)又はその塩と接触させて化合物2溶液を提供する。プロセスの実施形態において、ヒドロキシルアミンは、ヒドロキシルアミン塩酸塩である。ヒドロキシルアミン又はヒドロキシルアミン塩を、反応物に約10~約0.5の化合物3に対する比率で加える。プロセスのいくつかの実施形態において、NH2OH又は塩の化合物3に対する比率は、約10、約9、約8、約7、約6、約5、約4、約3、約2、又は約1である。プロセスのいくつかの実施形態において、比率は、少なくとも約0.5、約1、約2、又は約3である。
プロセスのいくつかの実施形態において、化合物3の化合物2への変換に使用される弱塩基は、トリエチルアミン又はジイソプロピルアミンである。弱塩基は概して、反応混合物に、約10~約0.5の化合物3に対する比率で加える。プロセスのいくつかの実施形態において、弱塩基の化合物3に対する比率は、約10、約9、約8、約7、約6、約5、約4、約3、約2、又は約1である。プロセスのいくつかの実施形態において、この比率は、少なくとも約0.5、約1、約2、又は約3である。
プロセス(化合物3の化合物2への変換)のいくつかの実施形態において、溶媒は、エタノール、イソプロパノール、メタノール、DCM、EtOAc、又はこれらの混合物である。
化合物3の化合物2への変換プロセスのいくつかの実施形態において、反応を、例えば約25℃超、約30℃超、約35℃超、約40℃超、約45℃超、約50℃超、約55℃超、約60℃超、約65℃、及び約70℃超等の高温で実行する。反応温度は概して、選択した溶媒の還流温度以下であり、約120℃未満、約100℃未満、約90℃未満、約80℃未満、約75℃未満、約70℃未満、及び約65℃未満であってよい。
化合物3の化合物2への変換プロセスのいくつかの実施形態において、反応時間は概して、反応がかなり完了するのに要する時間長であり、これは選択された具体的な反応物、非プロトン溶媒及び反応温度とともに変化してよい。プロセスのいくつかの実施形態において、反応時間は、約30分~約48時間である。プロセスの実施形態において、反応時間は、約1時間~約24時間である。プロセスの実施形態において、反応時間は、約4時間~約12時間である。プロセスの実施形態において、反応時間は、約6時間~約10時間である。プロセスのいくつかの実施形態において、反応時間は、約7時間である。
(B)化合物2の溶液をついで、(i)濃縮し、(ii)水を加えることによりこの化合物を沈殿させ、(iii)固形物をろ過し、(iv)洗浄し、そして(v)乾燥させて精製済みの化合物2を提供する。プロセスのいくつかの実施形態において、(i)濃縮は、化合物2を含有する溶液を加熱すること、圧力を低減すること、又はその両方により生じる。プロセスのいくつかの実施形態において、減圧下で加熱することにより、溶液を反応混合物の体積の約20%の体積まで濃縮する。プロセスのいくつかの実施形態において、固形物を吸引ろ過、減圧下での乾燥、高温での乾燥、又はこれらの組み合わせにより乾燥させる。プロセスのいくつかの実施形態において、固形物を最初に吸引ろ過により乾燥させ、ついで減圧下高温で乾燥させて精製済みの化合物2を提供する。
C.プロセスステップ3:
(A)化合物2をついで高温でプロトン溶媒中還元条件にかけて粗化合物1を提供する。プロセスのいくつかの実施形態において、還元条件には触媒的水素化が含まれる。プロセスのいくつかの実施形態において、触媒的水素化にはラネーニッケル及び水素が使用される。プロセスのいくつかの実施形態において、プロトン溶媒は、酢酸である。このプロセスは、いくつかの実施形態において、化合物1を酢酸塩として提供する。
化合物2を化合物1へ変換するプロセスのいくつかの実施形態において、約30℃超、約35℃超、約40℃超、約45℃超、約50℃超、約55℃超、又は約60℃超という、高温反応温度を用いる。反応温度は概して、溶媒の還流温度以下であり、約120℃未満、約100℃未満、約90℃未満、約80℃未満、約75℃未満、約70℃未満、約65℃未満、約60℃未満、又は約55℃未満である。プロセスのいくつかの実施形態において、反応温度は、約50℃~55℃である。
化合物2を化合物1へ変換するプロセスのいくつかの実施形態において、触媒的水素化では、金属触媒を利用する。いくつかの実施形態において、金属触媒はニッケルを含む。他の実施形態において、金属触媒は、ラネーニッケルを含む。
化合物2の化合物1への還元に用いる触媒の量は、選択した触媒及び他の反応条件に依存して変化してもよい。プロセスのいくつかの実施形態において、用いるラネーニッケルの量は(化合物2の量に基づいてmol%として表示される)、少なくとも約1mol%、少なくとも約5mol%、少なくとも約10mol%、少なくとも約15mol%、少なくとも約20mol%、少なくとも約25mol%、少なくとも約30mol%、少なくとも約35mol%、少なくとも約40mol%、少なくとも約45mol%、少なくとも約50mol%、又は少なくとも約60mol%である。
同様に、用いる水素の量(触媒のcm3あたりのkg圧力(kg pressure)として表示される)もまた選択した触媒の量及び他の反応条件に依存して変化する。プロセスのいくつかの実施形態において、水素の量は、少なくとも約1kg/cm3、少なくとも約2kg/cm3、少なくとも約3kg/cm3、少なくとも約4kg/cm3、少なくとも約5kg/cm3、少なくとも約6kg/cm3、少なくとも約7kg/cm3、少なくとも約8kg/cm3、少なくとも約9kg/cm3、少なくとも約10kg/cm3、少なくとも約11kg/cm3、少なくとも約12kg/cm3、少なくとも約15kg/cm3、少なくとも約20kg/cm3、又は少なくとも約25kg/cm3である。いくつかの実施形態において、この反応では、約20mol%のラネーニッケル及び約10kg/cm3のH2を利用する。
反応時間は概して、還元がかなり完了するのに要する時間長であり、選択した具体的な条件及び反応温度とともに変化してよい。いくつかの実施形態において、反応時間は、少なくとも約30分、少なくとも約1時間、少なくとも約4時間、少なくとも約8時間、少なくとも約10時間、少なくとも約12時間、少なくとも約16時間、少なくとも約20時間、又は少なくとも約24時間である。他の実施形態においては、反応時間は、約48時間未満、約40時間未満、約36時間未満、約30時間未満、約24時間未満、約18時間未満、又は約14時間未満である。いくつかの実施形態において、反応時間は、約12時間である。
(B)粗化合物1反応混合物を(i)ろ過し、(ii)残渣を第1の溶媒により洗浄し、(iii)反応混合物体積の約10~20%に濃縮し、そして(iv)反応混合物を化合物があまり溶解しない第2の溶媒にかけ、(v)ろ過し、(vi)乾燥させて半精製された生成物を提供する。第1の溶媒(ステップii)は、低級アルキルアルコール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、又はジメチル―ホルムアミド(DMF)であってよい。いくつかの実施形態において、第1の溶媒は、メタノール又はエタノールである。プロセスのいくつかの実施形態において、第2の溶媒(ステップiv)は、酢酸エチルである。
ろ過プロセス(ステップi及びv)は、吸引ろ過することを含んでよく、さらに固形物を追加の第2の溶媒により洗浄することを含んでよい。プロセスの実施形態において、乾燥プロセス(ステップvi)は、吸引乾燥すること、減圧下で乾燥すること、高温で乾燥すること、又はこれらの組み合わせを含んでよい。プロセスの他の実施形態において乾燥プロセスは、吸引乾燥、続けて少なくとも35℃の温度で減圧下で乾燥することを含んでよい。いくつかの実施形態において、低減した圧力は、600mmHg未満、500mmHg未満、400mmHg未満、300mmHg未満、又は200mmHg未満である。いくつかの実施形態において、乾燥温度は、少なくとも約40℃、少なくとも約45℃、又は少なくとも約50℃である。当業者の一人は、乾燥温度は、化合物1の融点か分解温度のいずれか未満であることを理解するだろう。いくつかの実施形態において、乾燥温度は、約120℃未満、約110℃未満、約100℃未満、約90℃未満、約80℃未満、約70℃未満、又は約65℃未満である。
(C)この時点での半精製された生成物(化合物1)はまだ、許容できない量のニッケル(又は他の触媒金属)を含有してよい。生成物をさらに精製するためには、乾燥した固形物を(i)水にかけ、(ii)高温で加熱し、攪拌してスラリーを形成し、(iii)冷却し、(iv)ろ過し、(v)第1の時間乾燥させ、(vi)エタノールと酢酸との混合物に取り込み、(vii)維持温度に加熱し、(viii)冷却し、(ix)ろ過し、そして(x)第2の時間乾燥させてニッケルが枯渇した生成物を提供する。プロセスのいくつかの実施形態において、ステップ(ii)の高温は、少なくとも約30℃、少なくとも約35℃、少なくとも約40℃、少なくとも約45℃、少なくとも約50℃、少なくとも約55℃、少なくとも約60℃、又は少なくとも約65℃である。プロセスのいくつかの実施形態において、高温は、約100℃未満、約90℃未満、約80℃未満、約70℃未満、又は約65℃未満である。プロセスのいくつかの実施形態において、高温は、約55℃である。プロセスのいくつかの実施形態において、ステップ(iv)のろ過するステップは、吸引ろ過すること及び水で洗浄することを含む。プロセスのいくつかの実施形態において、ステップ(v)の乾燥するステップは、吸引乾燥すること及びその後の少なくとも35℃の温度で減圧下で乾燥することを含む。プロセスのいくつかの実施形態において、低減した圧力は、600mmHg未満、500mmHg未満、400mmHg未満、300mmHg未満、又は200mmHg未満である。プロセスのいくつかの実施形態において、ステップ(v)の乾燥温度は、少なくとも約40℃、少なくとも約45℃、又は少なくとも約50℃である。プロセスの実施形態において、乾燥温度は、約120℃未満、約110℃未満、約100℃未満、約90℃未満、約80℃未満、約70℃未満、又は約65℃未満である。プロセスのいくつかの実施形態において、ステップ(v)の乾燥温度は、約45℃である。
ステップ(vi)において、エタノールの酢酸に対する比率は、約1:20~約20:1に及んでよい。プロセスのいくつかの実施形態において、比率は、約1:1、約2:1、約3:1、約4:1、約5:1、約6:1、約7:1、約8:1、約9:1、又は約10:1、v/vエタノール:酢酸である。
プロセスのいくつかの実施形態において、ステップ(vii)の維持温度は、少なくとも約30℃、少なくとも約35℃、少なくとも約40℃、少なくとも約45℃、少なくとも約50℃、少なくとも約55℃、少なくとも約60℃、又は少なくとも約65℃である。プロセスのいくつかの実施形態において、維持温度は、およそエタノールと酢酸との溶媒混合物の還流温度、又は約80℃未満、約75℃未満、約70℃未満、約65℃未満、又は約60℃未満である。プロセスのいくつかの実施形態において、維持温度は、およそこの溶媒混合物の還流温度である。
プロセスのいくつかの実施形態において、この混合物は、少なくとも約10分間、少なくとも約20分間、少なくとも約30分間、少なくとも約45分間、少なくとも約60分間、少なくとも約90分間、少なくとも約120分間、少なくとも約150分間、少なくとも約240分間、又は少なくとも約3時間の時間、維持温度に維持する。プロセスのいくつかの実施形態において、この時間は、約5時間以下、約4時間以下、約3時間以下、約2時間以下、約1時間以下、約30分間以下である。プロセスのいくつかの実施形態において、この時間は、約1時間である。
ステップ(viii)に関して記載される冷却は概して、少なくとも約10分間、少なくとも約20分間、少なくとも約30分間、少なくとも約45分間、少なくとも約1時間、又は少なくとも約2時間の時間にわたり行われる。ステップviiiの最終温度は、約35℃未満、約30℃未満、約25℃未満、約20℃未満、約15℃未満、約10℃未満、又は約5℃未満である。プロセスのいくつかの実施形態において、ステップ(viii)の最終温度は、およそ周囲温度である。いくつかの実施形態において、ステップ(viii)はさらに、混合物を攪拌することを含む。
ステップ(ix)の乾燥することはさらに、低級アルキルアルコールで洗浄することを含んでよい。いくつかの実施形態において、ろ過した固形物をエタノールで洗浄する。ステップ(x)の乾燥するステップは、吸引乾燥するステップ、減圧下で乾燥するステップ、高温で乾燥するステップ、又はこれらの組み合わせを含んでよい。プロセスのいくつかの実施形態において、ステップ(x)の乾燥プロセスは、吸引乾燥すること、続けて少なくとも35℃の温度で減圧下で乾燥することを含む。プロセスの実施形態において、低減した圧力は、600mmHg未満、500mmHg未満、400mmHg未満、300mmHg未満又は、200mmHg未満である。プロセスのいくつかの実施形態において、ステップ(x)の乾燥温度は、少なくとも約40℃、少なくとも約45℃、又は少なくとも約50℃である。上記のとおり、用いる乾燥温度は、化合物1の融点未満であり、化合物1の分解温度未満である。プロセスのいくつかの実施形態において、乾燥温度は、約120℃未満、約110℃未満、約100℃未満、約90℃未満、約80℃未満、約70℃未満、又は約65℃未満である。プロセスのいくつかの実施形態において、ステップ(x)の乾燥温度は、約45℃である。プロセスのいくつかの実施形態において、ステップ(vi)~(x)を1、2、又は3回繰り返す。プロセスの実施形態において、ステップ(vi)~(x)を1回繰り返す。
結晶形態
本発明の態様は、1-ベンジル-N-(4-カルバムイミドイル―ベンジル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドアセテートの他の多形形態を実質的に含まない、1-ベンジル-N-(4-カルバムイミドイル―ベンジル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドアセテート(「化合物1」)の結晶形態である。本発明の実施形態は、本発明の実施形態は、10重量%未満の任意の他の多形形態を有する形態である。本発明の実施形態は、5重量%未満の任意の他の多形形態を有する形態である。本発明の実施形態は、1重量%未満の任意の他の多形形態を有する形態である。
A.形態I:
(A)上記プロセスステップ3のニッケルが枯渇した生成物をさらに、(i)この化合物を第1の溶媒に接触させ、(ii)混合物を第1の高温に上昇させ、(iii)第2の溶媒を加え、(iv)生じる混合物を結晶化温度に冷却し、(v)混合物を攪拌し、(vi)固形物をろ過し、そして(vii)固形物を乾燥させて純粋な無水結晶形態Iとして化合物1を提供することにより精製する。
いくつかの実施形態において、ステップ(i)の第1の溶媒は、メタノール、エタノール、1-プロパノール、若しくは2-プロパノール、又はこれらの混合物である。いくつかの実施形態において、低級アルキルアルコールは、メタノールである。
いくつかの実施形態において、ステップ(ii)の第1の高温は、少なくとも約30℃、少なくとも約35℃、少なくとも約40℃、少なくとも約45℃、少なくとも約50℃、少なくとも約55℃、少なくとも約60℃、又は少なくとも約65℃である。高温は、第1の溶媒の還流温度以下、又は約80℃以下、約75℃以下、約70℃以下、約60℃以下、約55℃以下、約50℃以下、約45℃以下、約40℃以下、若しくは約35℃である。いくつかの実施形態において、高温は、約55℃である。いくつかの実施形態において、ステップ(ii)はさらに、化合物1が完全に溶解し、透明な溶液が形成されるまで、混合物を高温に、又は高温近くに維持するステップを含む。いくつかの実施形態において、ステップ(ii)はさらに、溶液を第2の高温にゆっくり冷却するステップを含む。いくつかの実施形態において、第2の高温は、第1の高温より約5℃、約10℃、約15℃、又は約20℃低い。第2の高温は、20℃より約5℃、約10℃、約15℃、又は約20℃高い。いくつかの実施形態において、ステップ(ii)はまた、溶液をろ過するステップを含む。
いくつかの実施形態において、ステップ(iii)の第2の溶媒は、MTBE又はTHFである。いくつかの実施形態において、第2の溶媒は、MTBEである。いくつかの実施形態において、第1の溶媒及び第2の溶媒は、無水である。いくつかの実施形態において、第2の溶媒を、少なくとも約20分間、少なくとも約30分間、少なくとも約45分間、少なくとも約60分間、少なくとも約75分間、少なくとも約90分間、少なくとも約105分間、少なくとも約120分間、少なくとも約150分間、少なくとも約180分間、又は少なくとも約240分間の長時間にわたり、ゆっくり加える。長時間は、約24時間未満、約18時間未満、約12時間未満、約8時間未満、約6時間未満、約5時間未満、約4時間未満、約3時間未満、約2時間未満、又は約1時間未満である。いくつかの実施形態において、長時間は、約2時間である。第1の溶媒の第2の溶媒に対する比率は、約1:20~約20:1,v/vで変化してよい。いくつかの実施形態において、MeOHのMTBEに対する比率は、約5:1、約4:1、約3:1、約2.7:1、約2.5:1、約2.3:1、約2:1、約1.5:1、約1.3:1、約1.2:1、約1:1、約1:1.5、約1:2、約1:3、又は約1:4である。
いくつかの実施形態において、ステップ(iii)はさらに、種結晶を加えることを含む。
ステップ(iv)の結晶化温度は、約35℃以下、約30℃未満、約25℃未満、約20℃未満、約15℃未満、約10℃未満、又は約5℃である。いくつかの実施形態において、結晶化温度は、約25℃である。当業者の一人は、冷却は概して長時間起きることを理解するだろう。いくつかの実施形態において、ステップ(iv)の冷却時間は、少なくとも約20分間、少なくとも約30分間、少なくとも約45分間、少なくとも約60分間、少なくとも約75分間、少なくとも約90分間、少なくとも約105分間、少なくとも約120分間、少なくとも約150分間、又は少なくとも約180分間である。いくつかの実施形態において、冷却時間は、約45分間~約90分間である。
本発明のいくつかの実施形態において、ステップ(v)はさらに、長時間にわたり追加量の第2の溶媒を加えることを含む。いくつかの実施形態において、ステップ(v)の長時間は、少なくとも約20分間、少なくとも約30分間、少なくとも約45分間、少なくとも約60分間、少なくとも約75分間、少なくとも約90分間、少なくとも約105分間、少なくとも約120分間、又は少なくとも約150分間である。他の実施形態においては、長時間は、約24時間未満、約18時間未満、約12時間未満、約8時間未満、約6時間未満、約5時間未満、約4時間未満、約3時間未満、約2時間未満、約1時間未満である。
ステップ(vi)のろ過するステップはさらに、固形物を追加量の第2の溶媒で洗浄するステップを含むことができる。ステップ(vii)の乾燥するステップは、吸引乾燥するステップ、減圧下で乾燥するステップ、高温で乾燥するステップ、又はこれらの組み合わせを含んでよい。いくつかの実施形態において、ステップ(x)の乾燥する発明は、吸引乾燥するステップ及び続けて少なくとも35℃の温度で減圧下で乾燥するステップを含む。いくつかの実施形態において、低減した圧力は、600mmHg未満、500mmHg未満、400mmHg未満、300mmHg未満、又は200mmHg未満である。いくつかの実施形態において、ステップ(vii)の乾燥温度は、少なくとも約40℃、少なくとも約45℃、又は少なくとも約50℃である。上記のとおり、乾燥温度は、化合物1の融点未満であり、化合物1の分解温度未満である。いくつかの実施形態において、乾燥温度は、約120℃未満、約110℃未満、約100℃未満、約90℃未満、約80℃未満、約70℃未満、又は約65℃未満である。いくつかの実施形態において、ステップviiの乾燥温度は、約45℃である。
本発明の態様は、無水であり、約253℃の融点、及び25℃で約8.3mg/mLの水溶性を有することにより特徴づけられる化合物1の結晶形態(「形態I」)である。本発明の実施形態は、形態Iは、10.0、18.1、18.6、20.1、及び23.9度±0.5度、±0.2度、又は±0.1度、2θにピークを含むXRPDパターンを有する化合物1の結晶形態であり、このXRPDパターンは、CuKα輻射を用いてなされる。本発明の実施形態は、XRPDパターンがさらに、20.5度±0.5度、±0.2度、又は±0.1度、2θにピークを含む、化合物1の結晶形態である。本発明の実施形態は、図1のパターンと実質的に類似するXRPDパターンを有する化合物1の結晶形態である。
本発明の態様は、固体形態の化合物1をメタノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、2-メチル-テトラヒドロフラン、無水アセトン、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、3-メチル-1-ブタノール、及びニトロメタン、又はこれらの混合物からなる群から選択される溶媒と、形態Iを作製するのに充分な時間接触させることにより、形態Iを製造する方法である。本発明の実施形態は、溶媒がメタノールである方法である。
B.形態II:
いずれの固体形態における化合物1も、以下のプロセスで形態IIに変換する。化合物1を、(i)有機溶媒及び水混合物と接触させ、(ii)第1の時間加熱し、維持し、(iii)第2の溶媒を加え、(iv)混合物を冷却し、第2の時間維持して結晶化させ、そして(v)生じる固形物を分離して純粋な結晶形態IIとして化合物1を提供する。いくつかの実施形態において、ステップ(i)の有機溶媒は、メタノール、イソプロパノール、THF、又はアセトンである。いくつかの実施形態において、有機溶媒は、メタノールである。いくつかの実施形態において、有機溶媒及び水混合物は、少なくとも約1%の水、少なくとも約2%の水、少なくとも約3%の水、少なくとも約4%の水、又は少なくとも約5%の水を含む。いくつかの実施形態において、有機溶媒及び水混合物は、少なくとも約10%の水、少なくとも約15%の水、少なくとも約20%の水、少なくとも約25%の水、少なくとも約30%の水、少なくとも約35%の水、少なくとも約40%の水、少なくとも約45%の水、又は少なくとも約50%の水を含む。いくつかの実施形態において、有機溶媒及び水混合物は、約45%以下の水、約40%以下の水、約35%以下の水、約30%以下の水、約25%以下の水、約20%以下の水、約15%以下の水、又は約10%以下の水を含む。
ステップ(ii)の高温は、少なくとも約30℃、少なくとも約35℃、少なくとも約40℃、少なくとも約45℃、少なくとも約50℃、少なくとも約55℃、少なくとも約60℃、又は少なくとも約65℃である。高温は、溶媒混合物の還流温度以下又は約80℃以下、約75℃以下、約70℃以下、約60℃以下、約55℃以下、約50℃以下、約45℃以下、約40℃以下、又は約35℃以下である。いくつかの実施形態において、高温は、約55℃である。いくつかの実施形態において、ステップ(ii)はさらに、化合物1が完全に溶解し、透明な溶液が形成されるまで、混合物を高温に又は高温近くに維持するステップを含む。いくつかの実施形態において、ステップ(ii)はまた、この溶液をろ過するステップを含む。いくつかの実施形態において、高温は、約55℃である。いくつかの実施形態において、ステップ(ii)はさらに、化合物1が完全に溶解し、透明な溶液が形成されるまで、混合物を高温に又は高温近くに維持するステップを含む。いくつかの実施形態において、この時間は、約1分間、約2分間、約5分間、約10分間、約20分間、約30分間、約45分間、約60分間、又は約120分間であってよい。いくつかの実施形態において、この時間は、約180分間未満、約120分間未満、約60分間未満、約45分間未満、又は約30分間未満である。
ステップ(iii)の第2の溶媒は、MTBE又はTHFである。いくつかの実施形態において、第2の溶媒は、MTBEである。ステップ(iii)は任意選択的に、第2の溶媒添加の前又は後のいずれかに、形態IIの種結晶を加えるステップを含んでよい。
ステップ(iv)の結晶化温度は、約35℃以下、約30℃未満、約25℃未満、約20℃未満、約15℃未満、約10℃未満、又は約5℃未満である。いくつかの実施形態において、結晶化温度は、約25℃である。
ステップ(iv)の冷却は概して、長時間にわたり起きる。いくつかの実施形態において、ステップ(iv)の冷却時間は、少なくとも約20分間、少なくとも約30分間、少なくとも約45分間、少なくとも約60分間、少なくとも約75分間、少なくとも約90分間、少なくとも約105分間、少なくとも約120分間、少なくとも約150分間、又は少なくとも約180分間である。いくつかの実施形態において、この冷却時間は、約45分間~約90分間である。いくつかの実施形態において、ステップ(iv)の結晶化時間/維持時間は、少なくとも約20分間、少なくとも約30分間、少なくとも約45分間、少なくとも約60分間、少なくとも約75分間、少なくとも約90分間、少なくとも約105分間、少なくとも約120分間、又は少なくとも約150分間である。いくつかの実施形態において、この時間は、約24時間未満、約18時間未満、約12時間未満、約8時間未満、約6時間未満、約5時間未満、約4時間未満、約3時間未満、約2時間未満、又は約1時間である。
ステップ(v)の分離するステップは、形態Iのプロセスのステップ(vi)及び(vii)と実質的に類似する。
本発明の態様は、水和しており、約253℃の融点、及び25℃で約5.5mg/mLの水溶性を有することにより特徴づけられる化合物1の結晶形態(「形態II」)である。本発明の実施形態は、4.2、5.6、8.4、17.8、及び19.8度±0.5度、±0.2度、又は±0.1度、±0.5度、2θにピークを含むXRPDパターンを有する化合物1の結晶形態であって、このXRPDパターンは、CuKα輻射を用いてなされる、化合物1の結晶形態である。本発明の実施形態は、このXRPDパターンがさらに、12.7度±0.5度、±0.2度、又は±0.1度、2θにピークを含む、化合物1の結晶形態である。本発明の実施形態は、図2のパターンと実質的に類似するXRPDパターンを有する化合物1の結晶形態である。
本発明の態様は、固体形態の化合物1を、水とイソプロパノール、テトラヒドロフラン、アセトン、及び酢酸エチル、又はこれらの組み合わせから選択される溶媒との混合物と形態IIを作製するのに充分な時間接触させることを含む、形態IIの製造方法である。1つの実施形態において、この溶液は、酢酸エチルである。別の実施形態において、この溶液は、メタノールである。別の実施形態において、この方法はさらに、MIBKをこの溶液に加えることを含む。
C.形態III:
(A)いずれの固体形態における化合物1も、以下のプロセスで形態IIIに変換する。化合物1を、(i)有機溶媒と接触させ、(ii)加熱し、第1の時間維持し、(iii)第2の溶媒を加え、(iv)混合物を冷却し、第2の時間維持して結晶化させ、そして(v)生じる固形物を分離して純粋な結晶形態IIIとして化合物1を提供する。
いくつかの実施形態において、ステップ(i)の有機溶媒は、MeOHである。いくつかの実施形態において、有機溶媒は、約10%未満の水を含む。いくつかの実施形態において、有機溶媒は、約10%以下の水、約8%以下の水、約5%以下の水、約2%以下の水、約1%以下の水、又は約0.1%以下の水を含む。
ステップ(ii)の高温は、少なくとも約30℃、少なくとも約35℃、少なくとも約40℃、少なくとも約45℃、少なくとも約50℃、少なくとも約55℃、少なくとも約60℃、又は少なくとも約65℃である。高温は、溶媒混合物の還流温度以下、又は約80℃以下、約75℃以下、約70℃以下、約60℃以下、約55℃以下、約50℃以下、約45℃以下、約40℃以下、又は約35℃以下である。いくつかの実施形態において、高温は、約55℃である。いくつかの実施形態において、ステップ(ii)はさらに、化合物1を完全に溶解し、透明な溶液が形成されるまで、混合物を高温に又は高温近くに維持するステップを含む。いくつかの実施形態において、ステップ(ii)はまた、この溶液をろ過するステップを含む。いくつかの実施形態において、高温は、約55℃である。いくつかの実施形態において、ステップ(ii)はさらに、化合物1が完全に溶解し、透明な溶液が形成されるまで、混合物を高温に又は高温近くに維持するステップを含む。いくつかの実施形態において、この時間は、約1分間、約2分間、約5分間、約10分間、約20分間、約30分間、約45分間、約60分間、又は約120分間であってよい。いくつかの実施形態において、この時間は、約180分間未満、約120分間未満、約60分間未満、約45分間未満、又は約30分間未満である。
いくつかの実施形態において、ステップ(iii)の第2の溶媒は、アセトニトリル(CH3CN)である。アセトニトリルのMeOH溶液に対する比率は、少なくとも約1:1、少なくとも約1:2、少なくとも約1:3、少なくとも約1:4、少なくとも約1:5、少なくとも約1:7、少なくとも約1:10、少なくとも約1:20、少なくとも約1:30、少なくとも約1:40、又は少なくとも約1:50である。ステップ(iii)は任意選択的に、第2の溶媒添加の前又は後のいずれかに、形態IIIの種結晶を加えるステップを含んでよい。
ステップ(iv)の結晶化温度は、約35℃以下、約30℃未満、約25℃未満、約20℃未満、約15℃未満、約10℃未満、又は約5℃未満である。いくつかの実施形態において、結晶化温度は、約25℃である。冷却は、長時間起きる。いくつかの実施形態において、ステップ(iv)の冷却時間は、少なくとも約20分間、少なくとも約30分間、少なくとも約45分間、少なくとも約60分間、少なくとも約75分間、少なくとも約90分間、少なくとも約105分間、少なくとも約120分間、少なくとも約150分間、又は少なくとも約180分間である。いくつかの実施形態において、冷却時間は、約45分間~約90分間である。いくつかの実施形態において、ステップivの結晶化時間/維持時間は、少なくとも約20分間、少なくとも約30分間、少なくとも約45分間、少なくとも約60分間、少なくとも約75分間、少なくとも約90分間、少なくとも約105分間、少なくとも約120分間、又は少なくとも約150分間である。いくつかの実施形態において、時間は、約24時間未満、約18時間未満、約12時間未満、約8時間未満、約6時間未満、約5時間未満、約4時間未満、約3時間未満、約2時間未満、又は約1時間未満である。
ステップ(v)の分離するステップは、形態Iのプロセスのステップ(vi)及び(vii)と実質的に類似する。
(B)形態IIIはまた、代わりのプロセスにより製造することもできる。化合物1を、(i)有機溶媒と接触させ、(ii)加熱し、第1の時間維持し、(iii)減圧下で溶媒を迅速に除去し、そして(iv)生じる固形物を分離して純粋な結晶形態IIIとして化合物1を提供する。いくつかの実施形態において、ステップ(i)の有機溶媒は、MeOH、又はMeOHとDCMとの混合物である。いくつかの実施形態において、有機溶媒は、MeOHである。いくつかの実施形態において、有機溶媒は、MeOHとDCMとの混合物である。いくつかの実施形態において、MeOHのDCMに対する比率は、約1:1である。いくつかの実施形態において、有機溶媒は、約10%未満の水を含む。いくつかの実施形態において、有機溶媒は、約10%以下の水、約8%以下の水、約5%以下の水、約2%以下の水、約1%以下の水、又は約0.1%以下の水を含む。
ステップ(ii)の高温は、少なくとも約30℃、少なくとも約35℃、少なくとも約40℃、少なくとも約45℃、少なくとも約50℃、少なくとも約55℃、少なくとも約60℃、又は少なくとも約65℃である。高温は、溶媒混合物の還流温度以下、又は約80℃以下、約75℃以下、約70℃以下、約60℃以下、約55℃以下、約50℃以下、約45℃以下、約40℃以下、又は約35℃以下である。いくつかの実施形態において、高温は、約55℃である。いくつかの実施形態において、ステップiiはさらに、化合物1が完全に溶解し、透明な溶液が形成されるまで、この混合物を高温に又は高温近くに維持するステップを含む。いくつかの実施形態において、ステップ(ii)はまた、この溶液をろ過するステップを含む。いくつかの実施形態において、高温は、約55℃である。いくつかの実施形態において、この時間は、約1分間、約2分間、約5分間、約10分間、約20分間、約30分間、約45分間、約60分間、又は約120分間であってよい。いくつかの実施形態において、この時間は、約180分間未満、約120分間未満、約60分間未満、約45分間未満、又は約30分間未満である。
ステップ(iii)の溶媒除去は、減圧下で、迅速に行われる。この圧力は、約700mmHg未満、約600mmHg未満、約500mmHg未満、約400mmHg未満、約350mmHg未満、約300mmHg未満、約250mmHg未満、約200mmHg未満、約150mmHg未満、約100mmHg未満、又は約50mmHg未満であってよい。迅速な溶媒除去は、約30分未満、約20分未満、約15分未満、約10分未満、約9分未満、約8分未満、約7分未満、約6分未満、約5分未満、約4分未満、約3分未満、約2分未満、約1分未満で行われる。
ステップ(iv)の分離するステップは、形態Iのプロセスのステップ(vi)及び(vii)と実質的に類似する。
本発明の態様は、無水物でなく、約249℃の融点、及び25℃で約7.2mg/mLの水溶性を有することにより特徴づけられる化合物1の結晶形態(「形態III」)である。本発明の実施形態は、7.7、10.7、20.1、23.7及び24.3度±0.5度、±0.2度、又は±0.1度、2θにピークを含むXRPDを有する化合物1の結晶形態であって、このXRPDパターンは、CuKα輻射を用いてなされる、化合物1の結晶形態である。本発明の実施形態は、このXRPDパターンがさらに、18.5及び26.5度±0.5度、±0.2度、又は±0.1度、2θにピークを含む、化合物1の結晶形態である。本発明の実施形態は、図3のパターンと実質的に類似するXRPDパターンを有する化合物1の結晶形態である。
本発明の態様は、いずれかの固体形態の化合物1を、アセトニトリルを含む溶媒と形態IIIを作製するのに充分な時間接触させることにより、形態IIIを製造する方法である。本発明の実施形態は、この溶媒が約10%未満の水を含む、方法である。本発明の実施形態は、この溶媒が約5%未満の水を含む、方法である。本発明の実施形態は、この溶媒が約1%未満の水を含む、方法である。
D.形態IV:
(A)いずれの固体形態の化合物1も、以下のプロセスで形態IVに変換する。化合物1を、(i)有機溶媒と接触させ、(ii)加熱し、第1の時間維持し、(iii)第2の溶媒を加え、(iv)この混合物を冷却し、第2の時間維持して結晶化させ、そして(v)生じる固形物を分離して純粋な結晶形態IVとして化合物1を提供する。
いくつかの実施形態において、ステップ(i)の有機溶媒は、MeOHである。いくつかの実施形態において、有機溶媒は、約5%未満の水、約2%以下の水、約1%以下の水、又は約0.1%以下の水を含む。
ステップ(ii)の高温は、少なくとも約30℃、少なくとも約35℃、少なくとも約40℃、少なくとも約45℃、少なくとも約50℃、少なくとも約55℃、少なくとも約60℃、又は少なくとも約65℃である。高温は、この溶媒混合物の還流温度以下、又は約80℃以下、約75℃以下、約70℃以下、約60℃以下、約55℃以下、約50℃以下、約45℃以下、約40℃以下、又は約35℃以下である。いくつかの実施形態において、高温は、約55℃である。いくつかの実施形態において、ステップ(ii)はさらに、化合物1が完全に溶解し、透明な溶液が形成されるまで、この混合物を高温に又は高温近くに維持するステップを含む。いくつかの実施形態において、ステップ(ii)はまた、この溶液をろ過するステップを含む。いくつかの実施形態において、高温は、約55℃である。いくつかの実施形態において、ステップ(ii)はさらに、化合物1が完全に溶解し、透明な溶液が形成されるまで、この混合物を高温に又は高温近くに維持するステップを含む。いくつかの実施形態において、この時間は、約1分間、約2分間、約5分間、約10分間、約20分間、約30分間、約45分間、約60分間、又は約120分間であってよい。いくつかの実施形態において、この時間は、約180分間未満、約120分間未満、約60分間未満、約45分間未満、又は約30分間未満である。
ステップ(iii)の第2の溶媒は、酢酸エチル(EtOAc)、酢酸イソプロピル、MEK、又はMIBKである。いくつかの実施形態において、第2の溶媒は、酢酸エチル(EtOAc)、酢酸イソプロピル、MEK、又はMIBKである。いくつかの実施形態において、第2の溶媒は、EtOAcである。いくつかの実施形態において、第2の溶媒は、MEKである。いくつかの実施形態において、第2の溶媒は、MIBKである。
第2の溶媒の(ステップ(i)の)MeOH溶液に対する比率は、少なくとも0.1:1、少なくとも約0.2:1、少なくとも約0.3:1、少なくとも約0.4:1、少なくとも約0.5:1、少なくとも約1:1、少なくとも約1:2、少なくとも約1:3、少なくとも約1:4、少なくとも約1:5、少なくとも約1:7、少なくとも約1:8、少なくとも約1:9、少なくとも約1:10、少なくとも約1:20、少なくとも約1:30、少なくとも約1:40、又は少なくとも約1:50である。
ステップ(iii)は任意選択的に、第2の溶媒添加の前又は後のいずれかに、形態IVの種結晶を加えるステップを含んでよい。
ステップ(iv)の結晶化温度は、約35℃以下、約30℃未満、約25℃未満、約20℃未満、約15℃未満、約10℃未満、又は約5℃未満である。いくつかの実施形態において、結晶化温度は、約25℃である。冷却は、長時間にわたり起きる。いくつかの実施形態において、ステップ(iv)の冷却時間は、少なくとも約20分間、少なくとも約30分間、少なくとも約45分間、少なくとも約60分間、少なくとも約75分間、少なくとも約90分間、少なくとも約105分間、少なくとも約120分間、少なくとも約150分間、又は少なくとも約180分間である。いくつかの実施形態において、冷却時間は、約45分間~約90分間である。いくつかの実施形態において、ステップ(iv)の結晶化時間/維持時間は、少なくとも約20分間、少なくとも約30分間、少なくとも約45分間、少なくとも約60分間、少なくとも約75分間、少なくとも約90分間、少なくとも約105分間、少なくとも約120分間、又は少なくとも約150分間である。この時間は、約72時間未満、約48時間未満、約24時間未満、約18時間未満、約12時間未満、約8時間未満、約6時間未満、約5時間未満、約4時間未満、約3時間未満、約2時間未満、又は約1時間未満である。
ステップ(v)の分離するステップは、形態Iのプロセスのステップ(vi)及び(vii)と実質的に類似する。
本発明の態様は、約251℃の融点を有することにより特徴づけられる化合物1の結晶形態である(「形態IV」)。本発明の実施形態は、18.5、19.6及び23.7度±0.5度、±0.2度、又は±0.1度、2θにピークを含むXRPDパターンを有する化合物1の結晶形態であって、このXRPDパターンは、CuKα輻射を用いてなされる、化合物1の結晶形態である。本発明の実施形態は、このXRPDパターンがさらに、24.6度±0.5度、±0.2度、又は±0.1度、2θにピークを含む、化合物1の結晶形態である。本発明の実施形態は、図4のパターンと実質的に類似するXRPDパターンを有する化合物1の結晶形態である。
E.形態V・非晶質
いずれの固体形態の化合物1も、以下のプロセスで形態Vに変換する。化合物1を、(i)水性溶媒と接触させ、(ii)加熱し、第1の時間維持し、(iii)この溶液を凍結させ、凍結乾燥し、そして(iv)生じる固形物を分離して純粋な非晶質形態Vとして化合物1を提供する。
いくつかの実施形態において、ステップ(i)の水性溶媒は、水、脱イオン水、又は注射用の水である。本発明の実施形態において、この水性溶媒は、注射用の水である。本発明の実施形態において、この水性溶媒は、脱イオン水である。
ステップ(ii)の高温は、少なくとも約30℃、少なくとも約35℃、少なくとも約40℃、少なくとも約45℃、少なくとも約50℃、少なくとも約55℃、少なくとも約60℃、又は少なくとも約65℃である。この高温は、この溶媒混合物の還流温度以下、又は約80℃以下、約75℃以下、約70℃以下、約60℃以下、約55℃以下、約50℃以下、約45℃以下、約40℃以下、又は約35℃以下である。本発明の実施形態において、高温は、約45℃である。いくつかの実施形態において、ステップ(ii)はさらに、化合物1が完全に溶解し、透明な溶液が形成されるまで、この混合物を高温に又は高温近くに維持するステップを含む。いくつかの実施形態において、ステップ(ii)はまた、この溶液をろ過するステップを含む。いくつかの実施形態において、高温は、約55℃である。いくつかの実施形態において、ステップ(ii)はさらに、化合物1が完全に溶解し、透明な溶液が形成されるまで、この混合物を高温に又は高温近くに維持するステップを含む。いくつかの実施形態において、この時間は、約1分間、約2分間、約5分間、約10分間、約20分間、約30分間、約45分間、約60分間、又は約120分間であってよい。いくつかの実施形態において、この時間は、約180分間未満、約120分間未満、約60分間未満、約45分間未満、又は約30分間未満である。
凍結乾燥ステップ(iii)は、長時間にわたり起きる。いくつかの実施形態において、ステップ(iii)の凍結乾燥時間は、少なくとも約20分間、少なくとも約30分間、少なくとも約45分間、少なくとも約60分間、少なくとも約75分間、少なくとも約90分間、少なくとも約105分間、少なくとも約120分間、少なくとも約150分間、少なくとも約180分間、少なくとも約3時間、少なくとも約4時間、少なくとも約5時間、少なくとも約6時間、少なくとも約7時間、少なくとも約8時間、少なくとも約9時間、又は少なくとも約10時間である。この時間は、約24時間未満、約18時間未満、約12時間未満、約8時間未満、約6時間未満、約5時間未満、約4時間未満、約3時間未満、約2時間未満、又は約1時間未満である。
ステップ(iv)の分離ステップは概して、凍結乾燥装置から非晶質の固体を回収するステップのみを要する。
本発明の態様は、約240℃の融点、及び25℃で約7.1mg/mLの水溶性を有することにより特徴づけられる化合物1の非晶質形態(「形態V」)である。本発明の実施形態は、図5のパターンと実質的に類似するXRPDパターンを有する化合物1の非晶質形態である。
製剤
化合物1は、当該技術分野で公知の方法にしたがって製剤化され、投与される。有効成分を含有する薬学的組成物は、例えば、錠剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、水性又は油性の懸濁剤、分散性の散剤又は顆粒剤、乳剤及び米国特許出願第2002-0012680号に記載されているような自己乳化剤、硬カプセル剤又は軟カプセル剤、シロップ剤、エリキシル剤、液剤、口腔内パッチ(buccal patch)、経口ゲル、チューインガム、チュアブル錠、発泡散剤並びに発泡錠として、経口用途のために適した形態であってよい。経口用途を意図する組成物は、薬学的組成物の製造のための当該技術分野で公知の任意の方法にしたがって調製することができ、そのような組成物は、薬学的に洗練された風味の良い調製物を得るために、甘味剤、香味剤、着色剤、抗酸化剤及び保存料からなる群から選択される1つ又は複数の作用物質を含むことができる。錠剤は、錠剤の製造に適した無毒性の薬学的に許容される添加剤と混合された有効成分を含む。これらの添加剤は、不活性希釈剤、例えばセルロース、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、グルコース、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウムなど;粒状化剤及び崩壊剤、例えばコーンスターチ又はアルギン酸など;結合剤、例えばPVP、セルロース、PEG、デンプン、ゼラチン又はアラビアゴムなど;並びに潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルクなどでありうる。これらの錠剤はコーティングされていなくても、又は、胃腸管における崩壊および吸収を遅延させ、それによってより長期間にわたる持続的作用を与えるための公知の手法によって、腸溶性又は別の様式でコーティングされていてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリン又はジステアリン酸グリセリンなどの時間遅延性材料を用いてもよい。米国特許第4,256,108号、第4,166,452号及び第4,265,874号に記載された手法によってそれらをコーティングして、制御放出のための浸透圧治療錠剤を形成することもできる。
経口用途のための製剤はまた、有効成分が不活性の固体希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム若しくはカオリンなどと混合されている硬ゼラチンカプセル、又は有効成分が水若しくは油性媒質、例えば落花生油、流動パラフィン若しくはオリーブ油などと混合されている軟ゼラチンカプセルとして提示されてもよい。さらに、乳剤は非水性の混和性成分、例えば油などとともに調製し、モノ―ジグリセリド、PEGエステルなどの界面活性剤によって安定化することができる。
水性懸濁剤は、水性懸濁剤の製造のために適した添加剤と混合された活性材料を含む。そのような添加剤は、懸濁剤、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニル-ピロリドン、トラガカントゴムおよびアラビアゴムなどであり、分散剤又は湿潤剤は、天然ホスファチド、例えばレシチン、又はアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合物、例えばステアリン酸ポリオキシエチレン、又はエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール(heptadecaethyleneoxycetanol)、又はエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトール由来の部分エステルとの縮合物、例えばポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、又はエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトール無水物由来の部分エステルとの縮合物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートでありうる。水性懸濁剤はまた、1つ又は複数の保存料、例えばp-ヒドロキシ安息香酸エチル若しくはn-プロピル、1つ又は複数の着色剤、1つ又は複数の香味剤、及びスクロース若しくはサッカリンなどの1つ又は複数の甘味剤も含みうる。
油性懸濁剤は、有効成分を植物油、例えば落花生油、オリーブ油、ゴマ油若しくはココナッツ油、又は流動パラフィンなどの鉱油中に懸濁化することによって製剤化することができる。油性懸濁剤は、増粘剤、例えば蜜蝋、固形パラフィン又はセチルアルコールを含みうる。風味の良い経口用調製物を得るために、上に示したもののような甘味剤、及び香味剤を添加することもできる。これらの組成物を、アスコルビン酸などの抗酸化剤の添加によって保存することもできる。
水の添加による水性懸濁剤の調製のために適した分散性の散剤または顆粒剤は、分散剤又は湿潤剤、懸濁化剤及び1つ若しくは複数の保存料と混合された有効成分を与える。適した分散剤又は湿潤剤、及び懸濁化剤は、既に上述したものによって例示される。そのほかの添加剤、例えば甘味剤、香味剤及び着色剤も存在してよい。
本発明の薬学的組成物は、水中油型乳剤の形態であってもよい。油相は、植物油、例えばオリーブ油若しくは落花生油、又は鉱油、例えば流動パラフィン、又はこれらの混合物であってよい。適した乳化剤は、天然ゴム、例えばアラビアゴム又はトラガカントゴム、天然ホスファチド、例えばダイズ、レシチン、並びに脂肪酸及びヘキシトール無水物由来のエステルまたは部分エステル、例えばソルビタンモノオレエート、及びこの部分エステルとエチレンオキシドとの縮合物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートであってよい。乳剤はまた、甘味剤および香味剤も含みうる。
シロップ剤及びエリキシル剤は、甘味剤、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール又はスクロースとともに製剤化することができる。そのような製剤はまた、粘滑剤、保存料、並びに香味剤及び着色剤も含みうる。経口用液剤は、例えばシクロデキストリン、PEG及び界面活性剤と組み合わせて調製することができる。
薬学的組成物は、滅菌注射用の水性又は油脂性の懸濁剤の形態であってもよい。この懸濁剤は、公知の技術にしたがって、上述した適した分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤を用いて製剤化することができる。滅菌注射用の調製物は、無毒性の非経口に許容される希釈剤又は溶媒中の、例えば1,3-ブタンジオール中の溶液として、滅菌注射用の溶液又は懸濁液であってもよい。用いることができる許容される媒体及び溶媒には、水、リンゲル液及び等張塩化ナトリウム溶液がある。さらに、滅菌固定油も溶媒又は懸濁化媒質として慣例的に用いられる。この目的には、合成モノグリセリド又はジグリセリドを含む、任意の無刺激性固定油を用いることができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸も注射剤の調製に用いられる。
化合物1を、薬物の直腸投与用の坐剤の形態で投与することもできる。これらの組成物は、薬物を、常温では固体であるが直腸温度では液体であり、そのため直腸内で融解して薬物を放出すると考えられる適した非刺激性添加剤と混合することによって調製することができる。そのような材料には、カカオバター及びポリエチレングリコールが含まれる。さらに、化合物を、液剤または軟膏による眼への送達を介して投与することもできる。さらになお、対象化合物の経皮的送達を、イオントフォレーシス型パッチなどによって達成することもできる。局所用途のためには、本発明の化合物を含有する、クリーム剤、軟膏、ゼリー剤、液剤又は懸濁剤などが用いられる。本明細書で用いる場合、局所適用は、うがい薬及び含嗽剤の使用も含むものとする。
化合物1を、体腔内に配置したり永続的に植え込んだりすることのできる、さまざまな従来のグラフト、ステントグラフトを含むステント、カテーテル、バルーン、バスケット又は他のデバイスのうちいずれかを含むことができる、医用デバイス中に付着させるために製剤化することもできる。1つの特定の例としては、本発明の化合物を、介入的手法によって治療された身体領域に送達することのできるデバイス及び方法があれば望ましいと考えられる。
化合物1は、ステントなどの医用デバイスの内部に付着させて、身体の一部分の治療のために治療部位に対して到達することができる。ステントは、治療薬(すなわち、薬物)の送達媒体として用いられている。血管内ステントは概して、冠血管又は末梢血管内に永続的に植え込まれる。ステントのデザインには、米国特許第4733655号明細書(Palmaz)、米国特許第4800882号(Gianturco)、及び米国特許第4886062号(Wiktor)のものが含まれる。そのようなデザインには、金属製及びポリマー製のステントの両方、並びに自己拡張性及びバルーン拡張式ステントが含まれる。また、例えば、米国特許第5102417号(Palmaz)に、並びに国際公開第国際公開第91/12779号パンフレット(Medtronic, Inc.)及び国際公開第90/13332号パンフレット(Cedars-Sanai Medical Center)、米国特許第5419760号明細書(Narciso, Jr.)及び米国特許第5429634号明細書(Narciso,Jr.)に開示されているように、ステントを血管構造との接触部位で薬物を送達するために用いることもできる。
「付着した(deposited)」という用語は、阻害薬が、当該技術分野で公知の方法によってデバイス内にコーティングされる、吸着される、位置される、又は別の様式で組み入れられることを意味する。例えば、阻害薬を、医用デバイスを覆うかその範囲に広がっているポリマー材料の中に埋め込んでその内部から放出させる(「マトリックス型」)か、それに周りを囲ませてそこを通して放出させる(「リザーバー型」)ことができる。後者の例では、当該技術分野で公知のそのような材料を生成させるための方法の1つ又は複数を用いて、阻害薬をポリマー材料の内部に捕捉すること、又はポリマー材料とカップリングさせることができる。他の製剤においては、阻害薬は、分離可能な結合および経時的な放出によってコーティングの必要なしに医用デバイスの表面に連結させてもよく、能動的な力学的若しくは化学的過程によって除去することもでき、又は植え込み部位で阻害薬を提示する永続的に固定化された形態である。
ポリマーは、所望の放出速度又は所望のポリマー安定性の度合いに応じて生体安定性(biostable)ポリマーか生体吸収性ポリマーのいずれであってもよい。用いることができる生体吸収性ポリマーとしては、ポリ(L-乳酸)、ポリカプロラクトン、ポリグリコリド(PGA)、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)(PLLA/PGA)、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリ(ヒドロキシブチレート-co-バレレート)、ポリジオキサノン、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ポリ(グリコール酸)、ポリ(D-乳酸)、ポリ(L-乳酸)、ポリ(D,L-乳酸)、ポリ(D,L-ラクチド)(PLA)、ポリ(L-ラクチド)(PLLA)、ポリ(グリコール酸-co-トリメチレンカーボネート)(PGA/PTMC)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリジオキサノン(PDS)、ポリホスホエステル、ポリホスホエステルウレタン、ポリ(アミノ酸)、シアノアクリレート、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(イミノカーボネート)、コポリ(エーテル-エステル)(例えば、PEO/PLA)、ポリアルキレンオキサレート、ポリホスファゼン、並びにフィブリン、フィブリノーゲン、セルロース、デンプン、コラーゲン及びヒアルロン酸などの生体分子、ポリε-カプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、ヒドロゲルの架橋性又は両親媒性のブロックコポリマー、並びに当該技術分野で公知のその他の適した生体吸収性ポリマーが非限定的に含まれる。また、例えばポリウレタン、シリコーン及びポリエステルのように慢性的組織反応性が比較的低い生体安定性ポリマーを用いることができ、それらが溶解して医用デバイス上で硬化又は重合することができるならば、ポリオレフィン、ポリイソブチレン及びエチレン-αオレフィンコポリマー;アクリルポリマー及びコポリマー、ハロゲン化ビニルポリマー及びコポリマー、例えばポリ塩化ビニルなど;ポリビニルピロリドン;ポリビニルエーテル、例えばポリビニルメチルエーテルなど;ポリハロゲン化ビニリデン、例えばポリフッ化ビニリデン及びポリ塩化ビニリデンなど;ポリアクリロニトリル、ポリビニルケトン;ポリビニル芳香族、例えばポリスチレン;ポリビニルエステル、例えばポリ酢酸ビニル;ビニルモノマーとそれ同士及びオレフィンとのコポリマー、例えばエチレン-メタクリレート酸メチルコポリマー、アクリロニトリル-スチレンコポリマー、ABS樹脂及びエチレン-酢酸ビニルコポリマーなど;ピランコポリマー;ポリヒドロキシ-プロピル-メタクリルアミド-フェノール;ポリヒドロキシエチル-アスパルトアミド-フェノール;パルミトイル残基によって置換されたポリエチレンオキシド-ポリリジン;ポリアミド、例えばナイロン66及びポリカプロラクタムなど;アルキド樹脂、ポリカーボネート;ポリオキシメチレン;ポリイミド;ポリエーテル;エポキシ樹脂、ポリウレタン;レーヨン;レーヨン-トリアセテート;セルロース、酢酸セルロース、セルロースブチレート;酢酸セルロースブチレート;セロファン;硝酸セルロース;プロピオン酸セルロース;セルロースエーテル;並びにカルボキシメチルセルロースなどの他のポリマーを用いることもできる。
ポリマー及び半透性ポリマーマトリックスを、弁、ステント、チューブ、人工器官及び同種のもののような造形品として形成することもできる。典型的には、ポリマーは、植え込み型デバイスの表面に対してスピンコーティング、浸漬又は吹き付けによって塗布される。当該技術分野で公知のそのほかの方法を、この目的のために利用することもできる。吹き付けの方法には、慣習的な方法、及びインクジェット型のディスペンサーを用いるマイクロデポジション法が含まれる。さらに、ポリマーをデバイスの特定の部分のみに配置するために、光パターン形成又は3D印刷を用いてポリマーを植え込み型デバイス上に付着させることができる。デバイスのこのコーティングは、デバイスの周りに均一な層を提供し、これによりデバイスのコーティングを通したさまざまな分析物の拡散を改善することができる。
化合物1は、ポリマーコーティングから医用デバイスが配置される環境中へと放出するために製剤化することができる。例えば、化合物は、溶出を制御するためのポリマー担体又は層を伴ういくつかの周知の手法のうち少なくとも1つを用いて、長期的な時間枠(例えば、数カ月)にわたって、制御された様式で放出される。これらの手法のいくつかは、以前に米国特許出願第2004/0243225号に記載されており、その全開示はその全体を援用される。
さらに、例えば、その全体を本明細書に援用される米国特許第6770729号に記載されているように、試薬及びポリマー組成物の反応条件を、ポリマーコーティングからの阻害薬の放出を制御できるように操作することができる。例えば、1つ又は複数のポリマーコーティングの拡散係数を、ポリマーコーティングからの阻害薬の放出を制御するよう調節することができる。この主題の1つの変形物においては、医用デバイスが配置される環境に存在する分析物(例えば、ポリマーのある部分の崩壊又は加水分解を促進する分析物)が、ポリマー組成物の内部の1つ又は複数の構成要素に接近する能力(そして例えば、それによってポリマーコーティングからの阻害薬の放出を調節する能力)を調節するように、1つ又は複数のポリマーコーティングの拡散係数を制御することができる。プロセスの別の実施形態は、それぞれが複数の拡散係数を有する複数のポリマーコーティングを有するデバイスを含む。プロセスのそのような実施形態において、ポリマーコーティングからの阻害薬の放出は、その複数のポリマーコーティングによって調節することができる。
ポリマーコーティングからの阻害薬の放出は、1つ又は複数の内因性若しくは外因性化合物の存在、あるいはポリマー組成物のpHといった、ポリマー組成物の1つ又は複数の特性を調節することによって制御することができる。例えば、ある種のポリマー組成物を、ポリマー組成物のpHの低下に応じて阻害薬を放出するよう設計することができる。あるいは、ある種のポリマー組成物を、過酸化水素の存在に応じて阻害薬を放出するよう設計することができる。
本発明の態様は、血漿カリクレイン依存性の疾患又は状態を治療するための薬学的組成物であって、この薬学的組成物は、治療有効量の化合物1の固体形態、及び薬学的に許容される担体を含み、化合物1のこの固体形態は、形態I、形態II、形態III、形態IV、又は形態Vであり、化合物1のいずれの他の多形形態又は非晶質形態を実質的に含まない、薬学的組成物である。本発明の実施形態は、この固体形態が形態Iである、薬学的組成物である。本発明の実施形態は、この固体形態が形態IIである、薬学的組成物である。本発明の実施形態は、この固体形態が形態IIIである、薬学的組成物である。本発明の実施形態は、この固体形態が形態IVである、薬学的組成物である。本発明の実施形態は、この固体形態が形態Vである、薬学的組成物である。
本発明の態様は、血漿カリクレイン依存性の疾患又は状態の治療のための薬物を製造するための化合物1の結晶形態の使用であって、化合物1のこの固体形態は、化合物1のいずれの他の多形形態又は非晶質形態を実質的に含まない、化合物1の結晶形態の使用である。本発明の別の態様は、血漿カリクレイン依存性の疾患又は状態の治療のための薬物を製造するための化合物1の結晶形態の使用であって、化合物1のこの固体形態は、化合物1のいずれの他の多形形態又は非晶質形態を実質的に含まない、化合物1の結晶形態の使用である。
投与
本発明の薬学的組成物を治療有効量、同様の有用性を果たす薬剤について受け入れられている投与方法のいずれかによって投与する。投与される化合物1の実際の量は、治療すべき疾患の重症度、対象の年齢及び相対的健康(relative health)、用いる化合物の効力、投与経路及び投与形態、並びに他の要因などの、多数の要因に依存する。
本発明の態様は、治療有効量の本発明の薬学的組成物を、これを必要とする対象に投与することにより、血漿カリクレイン依存性の疾患又は状態を治療する方法である。本発明の実施形態は、この血漿カリクレイン依存性の疾患又は状態は、糖尿病黄斑浮腫、糖尿病性網膜症、C1インヒビター欠損による遺伝性血管性浮腫、急性肝障害、炎症、アナフィラキシー、化学物質感作された腎損傷、虚血性脳卒中、出血性卒中、高血圧症、高血圧症の血管性合併症、網膜症、腎症、脳血管性浮腫、肺高血圧症、炎症、疼痛、急性心筋梗塞、深部静脈血栓症、線維素溶解治療に由来する合併症、狭心症、血管浮腫、敗血症、関節炎、心肺バイパス術の合併症、毛細管漏出症候群、炎症性腸疾患、糖尿病、糖尿病網膜症、糖尿病黄斑浮腫、糖尿病腎症、糖尿病神経障害、加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症、脳浮腫、虚血再灌流障害、癌―関連血管新生、喘息、アナフィラキシー並びにアルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、中枢神経系感染症、及び神経膠芽腫の脳血管合併症から選択される、方法である。
実施例
以下の実施例は、例証として提供され、特許を請求する発明を限定することを意図するものではない。以下の実施例においては、減圧濃縮は、別に指定されない限り、500~600mmHgで実行される。以下の略語を用いる:DCM=ジクロロメタン;MeOH=メタノール;EtOH=エタノール;AcOH=酢酸;EtOAc及びAcOEt=酢酸エチル;T3P(登録商標)=EtOAc中の50%1-プロパンホスホン酸無水物;MTBE=メチルt-ブチルエーテル;MEK=メチル-エチルケトン(2-ブタノン);MIBK=メチル-イソブチルケトン(4-メチル-2-ペンタノン)。
粉末X線回折パターンは、周囲条件で(約20℃)、CuKα輻射(45kV,40mA),θ-θゴニオメータ、集光ミラー、発散スリット(1/2’’)、入射ビームと発散ビームとの両方のソーラースリット(4mm)、透過型薄片サンプルステージ(カプトン(登録商標)ポリイミド、12.7μm厚フィルム)、及びPIXcel検出器を用いるPANalytical X’Pert PROX線回析装置(Malvern Panalytical, Malvern, UK)により収集した。データ収集に用いるソフトウェアは、X’Pert Data Collector、バージョン2.2fであり、X’Pert Data Viewer、バージョン1.2dを用いてデータを示した。データ収集範囲は、0.202004°s-1の連続操作速度で、2.994~35°2θとした。
示差走査熱量計データは、45個の位置のサンプルホルダーを備えたPerkinElmer Pyris 6000 DSCで収集した。認証インジウムを用いて、この装置のエネルギーと温度較正を検証した。以下の実施例においては、予め決められた量の試料(0.5~3.0mg)を小さな穴があけられたアルミニウムパンに配置し、20℃/分で30℃から350℃まで加熱するか、又は試験によって規定されるように変化させた。試料上には、20mL/分の乾燥窒素のパージを維持した。装置の制御、データ取得及びデータ分析は、Pyris Software v11.1.1 リビジョンHにより実行した。
熱重量分析データを、20個の位置のオートサンプラーを備えたPerkinElmer Pyris 1 TGAで収集した。認証分銅並びに認証アルメル及び認証パーカロイを用いてこの装置の温度を較正した。以下の実施例においては、予め決められた量の試料(~5mg)を予め風袋値を設定してあるアルミニウムるつぼにロードし、別に指定がない限り、20℃/分で周囲温度から400℃まで加熱した。試料上には、20mL/分の窒素パージを維持した。装置の制御、データ取得及びデータ分析は、Pyris Software v11.1.1 リビジョンHにより実行した。
実施例1:式IVの化合物の合成
式IVの化合物を商業的供給源から購入する、又は以下に記載する方法、若しくは当該技術分野において公知の他の方法により調製する。
Figure 2022539856000003
1H-ピラゾール-4-カルボン酸エチル(23.5g,1等量)及びアセトン(587mL)を20~25℃、N2雰囲気下で丸底フラスコに充填し、混合物を10分間攪拌し、その後K2CO3(70.4g,3等量)を加えた。この反応物全体を0~5℃まで冷却し、ベンジルブロミド(28.66g,1.1等量)を0~5℃で15分にわたり非常にゆっくり加えた。反応混合物を20~25℃まで温度を上昇させ、50~60℃に加熱し、そしてその温度で3時間維持した。反応が完了した後(HPLCにより監視した)、反応混合物を45~50℃で減圧濃縮し、10%NaOHでクエンチし、DCM(117mL)で抽出した。水層を分離し、DCM(117mL)で逆抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、45~50℃で減圧濃縮した。濃縮物に石油エーテル又はn-ヘプタン(117mL)を加え、1時間攪拌し、ろ過し、40~45℃で12時間減圧濃縮して1-ベンジル-1H-ピラゾール-4-カルボン酸エチル(32.5g)を生成した。
1-ベンジル-1H-ピラゾール-4-カルボン酸エチル(30g)及びメタノール(300mL)を3Lの丸底フラスコに充填し、生じる溶液を24℃で10分間攪拌した。ついでKOH(14.6g,2等量)を加え、混合物を65~70℃に加熱し、4時間維持した。反応が完了した後(HPLCにより判断した)、反応混合物を45~50℃で40~60mLに減圧濃縮した。生じる残渣を水(300mL)に溶解し、DCM(2×150mL)で抽出した。水層を分離し、6NHClによりpH2まで酸性化した。沈殿した固形物をろ過し、水(30mL)で洗浄し、45~50℃で12時間減圧濃縮して、HPLCによる純度99.1%の、薄茶色の固体として1-ベンジル-1H-ピラゾール-4-カルボン酸(19.5g)を提供した。1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ5.36(s,2H),7.26-7.37(m,5H),7.83(s,1H),8.38(s,1H),12.33(ブロードS,1H)。
実施例2:式IIIの化合物の合成
式IIIの化合物を、以下に記載するように調製する。
Figure 2022539856000004
DCM(285mL)及び4-アミノメチル-ベンゾニトリル塩酸塩(19.2g,1.2等量)を3Lの丸底フラスコに充填し、混合物を0℃に冷却した。トリエチルアミン(39.4g,3等量)を0℃で加え、生じる混合物を30分間攪拌した。次に、0~5℃で1-ベンジル-1H-ピラゾール-4-カルボン酸(19g,1等量)を加え、温度を20~25℃に上げた。1-プロパンホスホン酸無水物50%酢酸エチル溶液(T3P(登録商標),Spectrochem,72mL,1.28等量)を加えて、20~25℃で3時間攪拌した。反応が完了した後、水(95mL)を加えて10~15分間攪拌し、有機層を分離した。水層を再度DCM(95mL)で抽出し、有機層を合わせて水(95mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、約40mLまで減圧濃縮した。ついでアセトン(95mL)を加え、ポットに20~30mLだけしか残らなくなるまで混合物を共蒸留した。ついで水(285mL)を加え、20~25℃で1時間攪拌した。生じる固形物をろ過し、アセトン:水(1:3v/v,10mL)で洗浄し、吸引ろ過して45~50℃で12時間減圧下で乾燥させて、HPLCによる98.51%純度の、明るい茶色の固体として、1-ベンジル-N-(4-シアノ―ベンジル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(26.9g,94%)を生成した。1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ4.49(d,J=5.9Hz,2H),5.37(s,2H),7.27-7.38(m,5H),7.48(d,J=8.1Hz,2H),7.79(d,J=8.1Hz,2H),7.95(s,1H),8.31(s,1H),8.77(t,J=5.9Hz,1H)。
実施例3:式IIの化合物の合成
式IIの化合物を、以下に記載するように調製する。
Figure 2022539856000005
エタノール(250mL)及び1-ベンジル-N-(4-シアノベンジル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(25g)を窒素雰囲気下20~25℃で1L丸底フラスコに充填した。ヒドロキシルアミン塩酸塩(16.3g,3等量)及びトリエチルアミン(24.64g,3等量)を20~25℃で反応混合物に加えた。混合物をついで60~65℃まで加熱し、その温度で7時間維持した。反応が完了した後、混合物を45~50℃で約30~50mLまで減圧濃縮した。ついで水(250mL)を加え、周囲温度で30分間攪拌した。生じる固形物をろ過し、水(125mL)で洗浄し、乾燥状態まで吸引ろ過し、45~50℃で12時間さらに減圧下で吸引乾燥してHPLCによる95.41%純度の、薄黄色の固体として1-ベンジル-N-(4-(N-ヒドロキシカルバムイミドイル)ベンジル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(25.5g,92.3収率)を生成した。1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ4.40(d,J=5.9Hz,2H),5.34(s,2H),5.76(broads,2H),7.25-7.37(m,7H),7.61(d,J=8.2Hz,2H),7.91(s,1H),8.27(s,1H),8.63(t,J=5.9Hz,1H),9.57(ブロードs,1H)。
実施例4:式Iの化合物の合成
式Iの化合物を以下に記載するように調製する。
Figure 2022539856000006
酢酸(2100g)及び1-ベンジル-N-(4-(N-ヒドロキシカルバムイミドイル)ベンジル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(200g)を水素化装置中25℃で10~15分間攪拌した。
ラネーニッケル(40g)及び水(1容量)をフラスコ中で攪拌し、5分間沈殿させた。水をデカンテーションし、もう1容量の水を加え、攪拌し、5分間沈殿させ、そしてデカンテーションした。酢酸(1容量)を加え、混合物を10分間攪拌し、ついで5分間沈殿させて、そしてデカンテーションした。ラネーニッケルを酢酸(1容量)とともに水素化装置に充填した。反応混合物を60℃まで加熱し、水素を30分間適用した(10Kg圧力)。生じる混合物を周囲温度まで冷却し、生じる固形物をCelite(登録商標)上で30分間吸引ろ過した。固形物をMeOH(784g)で洗浄し、1~2容量まで濃縮し、EtOAc(2L)を充填した。混合物を25℃で1時間攪拌し、吸引ろ過し、EtOAc(400g)で洗浄し、2時間吸引乾燥した。生成物をさらに、25℃で2時間、25℃で減圧下で(<300mmHg)乾燥させ、続けて45℃で12時間減圧下で(<300mmHg)させて、粗生成物として1-ベンジル-N-(4-カルバムイミドイルベンジル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドアセテート(220g)を生成した。
実施例5:精製
乾燥した生成物(219g)を25℃に冷却し、水(2190mL)とともに丸底フラスコに充填し、10分間攪拌してスラリーを形成した。スラリーを20分間にわたり55℃に加熱し、その温度で1時間攪拌し、攪拌しながら20分間にわたり25℃に冷却し、25℃でさらに30分間攪拌した。固形物をろ過し、水(220mL)で洗浄し、2時間吸引乾燥した。生成物を45℃で12時間、減圧下で(<300mmHg)再度乾燥させ、25℃まで冷却し、そして丸底フラスコに充填した。これに無水エタノール(1250g)及び酢酸(183g)を加え、混合物を30分間にわたり還流温度(75℃)に加熱し、還流を30分間維持した。ついで混合物を30分間にわたり25℃までゆっくり冷却し、25℃で45分間攪拌し、ろ過し、EtOHで洗浄し、25℃で2時間吸引乾燥した。ついで生成物を45℃で10時間、減圧下で(<300mmHg)乾燥させた。
乾燥した生成物(143g)を25℃に冷却し、無水エタノール(1027g)及び酢酸(150g)とともに丸底フラスコに充填し、混合物を30分間にわたり還流温度(75℃)に加熱し、還流を1時間維持した。ついで混合物を45分間にわたり25℃までゆっくり冷却し、25℃で45分間攪拌し、ろ過し、EtOHで洗浄し、25℃で2時間吸引乾燥した。ついで生成物を45℃で12時間、減圧下で(<300mmHg)乾燥させ、30ppm未満のNickelを有する、精製した1-ベンジル-N-(4-カルバムイミドイルベンジル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドアセテート(126g,56%収率、HPLCによる純度99.6%)を提供した。
実施例6:純粋な結晶形態1
MeOH(450mL)中の未精製の1-ベンジル-N-(4-カルバムイミドイルベンジル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドアセテート(化合物1,10g)の混合物を2Lの丸底フラスコに充填し、混合物を50~55℃に加熱して透明な溶液を得た。溶液を50~55℃で30分間維持し、ろ過し、50~55℃で反応器に充填した。MTBE(450mL)を50~55℃でゆっくり加え、混合物を1時間にわたり25℃に冷却した。冷却するにつれ、白色の懸濁液が観察された。MTBE(450mL)を20~25℃でゆっくり加え、生じる混合物を16時間攪拌し、ろ過し、MTBE(10mL)で洗浄した。生成物を50~55℃で24時間、減圧下で乾燥させて、オフホワイトの固体として無水結晶多形形態(「形態1」)の純粋な1-ベンジル-N-(4-カルバムイミドイルベンジル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドアセテート(8.25g,82.5%収率)を提供した。生成物の純度は、HPLCで>99%であり、14.5ppm未満のニッケルを含有していた。1H NMR(300MHz,DMSO-d6):δ1.71(s,3H),4.47(d,J=5.4Hz,2H),5.36(s,2H),7.26-7.37(m,5H),7.46(d,J=7.8Hz,2H),7.74(d,J=7.8Hz,2H),7.92(s,1H),8.29(s,1H),8.77(ブロード,1H),10.34(ブロード,3H).13C NMR(75MHz,DMSO-d6):δ24.7,41.7,55.0,118.4,127.4(2C),127.5(2C),127.8(2C),128.2(2C),128.6(2C),131.6,136.8,145.2,161.8,165.7,176.5。粉末X線回折(XRPD)パターンは、10.0,18.1,18.6,20.1、及び23.9度、±0.5度、±0.2度、又は±0.1度、2θ,(CuKα輻射)にピークを含み、図1のXRPDパターンと一致した。熱的試験から、DSCサーモグラフでは251℃で主要な融解吸熱のみを有する単一の温度プロファイル、及びアセテートの消失を示す単一の重量減少が明らかとなった(図2)。
実施例7:純粋な結晶形態2
(A)結晶化:化合物1(53mg)をバイアル中に秤量し、55℃で3:1MeOH:H2O(1mL,20容量)に溶解し、50°Cで結晶化チューブへと澄ませた。
溶液にMTBE(1mL)を充填し、50°Cに約10分間維持した。溶液は、MTBE添加から3分以内に懸濁液に発展した。混合物を約1時間にわたり25℃まで冷却し、さらに1時間平衡化させたが、懸濁液のままだった。固形物をろ過により分離し、50°Cで約16時間真空乾燥して、62.3%の回収率でオフホワイトの固体を生成した。粉末X線回折(XRPD)パターンは、4.2,5.6,8.4,17.8、及び19.8度、±0.5,±0.2、又は±0.1度、2θ,(CuKα輻射)にピークを含み、図2のXRPDパターンと一致した。
(B)種晶添加結晶化:化合物1(1.008g)を容器に秤量し、3:1MeOH:H2O(22mL,22容量)を充填した。混合物を55℃に加熱して溶解を達成した。溶液を50°Cで澄ませて容器へ充填した。この溶液に形態IIの種晶を(約10mg)加え、残存することを観測した。
容器にMTBE(22mL,22容量)を充填し、混合物を約1時間にわたり25℃まで冷却した。冷却するにつれ、微細なオフホワイトの懸濁液に成長するのを観測した。混合物をさらに45分間平衡化させ、さらにMTBE(22mL,22容量)を充填した。懸濁液を25℃でさらに16.5時間平衡化させた。固形物をろ過により分離し、50°Cで約23.5時間真空乾燥して、73.5%の収率で白色の流動性粉末状の固体を与えた。粉末X線回折(XRPD)パターンは、4.2,5.6,8.4,17.8、及び19.8度、±0.5,±0.2、又は±0.1度、2θ,(CuKα輻射)にピークを含み、図2のXRPDパターンと一致した。熱的試験(図9)から、254℃での主要な融解吸熱の前に、158℃に顕著な吸熱を有する形態IIに典型的なDSCサーモグラフが明らかとなった。TGAサーモグラフでは、40~105℃から4.067重量%の重量減少が明らかとなり、アセテートの消失による重量減少の前にほとんど化学量論的な水の消失があったことが示唆された。
実施例8:純粋な結晶形態3
(A)CH3CN経由:化合物1(25mg)を結晶化チューブ中に秤量し、即時の観察結果に注目しながらアセトニトリル(MeCN)を0.1mL(4容量)アリコートづつ0.5mL(20容量)まで充填した。混合物をマグネチックスターラーバーにより撹拌し、50℃まで加熱し、4時間後に観察結果に注目した。明白に溶解しなかったので、溶媒の体積を1mL(40容量)に倍増し、即時の観察結果に注目した。混合物を25℃に冷却し、65時間平衡化させた。観察結果に注目し、混合物の半分を分離した。残りを分離する前に、混合物を50℃に加熱し、6時間平衡化させた。
XRPD試験による分析の前に、固形物を50℃で17時間真空乾燥した。粉末X線回折(XRPD)パターンは、7.7,10.7,20.1,23.7、及び24.3度にピークを含み、図3のXRPDパターンと一致した。形態IIIの熱的試験(図10)から、DSCサーモグラフで234℃に小さな肩の証拠があり、249℃に単一の吸熱ピークが明らかとなった。融解時にTGAによりアセテートの不均化による重量減少があった。
(B)MeOH経由:化合物1(1.050g)をフラスコ中に秤量し、そしてMeOH(50mL,50容量)を充填した。混合物を50℃に加熱し、20分間維持した。部分的にしか溶解しなかったので、溶解を達成するために、さらに60℃まで加熱し、追加のMeOH(10mL,合計60容量)を加えた。溶液を澄ませ、真空中で乾燥状態まで減少させ、50℃で16.5時間さらに真空乾燥して、76.1%の回収率で、ピンク色の、多量の低密度の固体を生じた。
実施例9:純粋な結晶形態4
(A)形態Iから:化合物1(211mg)をバイアル中に秤量し、そしてMeOH(8.44mL,40容量)を充填した。混合物を50℃に加熱し、1時間維持した。部分的にしか溶解しなかったので、溶解を達成するために、さらに加熱した。溶液を澄ませ、50℃で1mLアリコートずつ結晶化チューブに充填した。EtOAcを0.1mLアリコートずつ1mLまで充填した。混合物を2時間にわたり20℃まで冷却し、さらに20℃で19.25時間平衡化させた。
固形物を50°Cで約22.5時間真空乾燥した。粉末X線回折(XRPD)パターンは、18.5,19.6、及び23.7度2θ、±0.5,±0.2、又は±0.1度にピークを含み、図4のXRPDパターンと一致した。形態IVの熱的試験から、DSCサーモグラフで253℃に主要な溶解吸熱のみを有する単一の温度プロファイル(図11)、及びアセテートの消失の前に100~150℃から約0.40重量%の小さな重量減少が明らかとなった。
(B)非晶質から:非晶質化合物1(4×50mg)、及び形態4(4×2mg)を4本の結晶化チューブ中に秤量し、4種類の溶媒を充填した(THF,EtOAc,MIBK、及びMEK:2mL,40容量)。混合物を25℃に冷却する前に、50℃で約21時間マグネチックスターラーバーにより攪拌した。懸濁液を50℃に加熱する前に、25℃で約7.5時間平衡化させた。懸濁液を25℃に冷却する前に、50°Cで約16時間平衡化させ、固形物をろ過により分離した。
固形物を50°Cで約72時間、真空乾燥した。THF又はEtOAcから回収した固形物が形態1であることをXRPDにより実証し、一方MIBK又はMEKから回収した固形物が形態4であることを示した。
実施例10:純粋な非晶質形態5
化合物1(495mg)を脱イオン水(250mL)が入っているフラスコ中に秤量し、そして45℃で攪拌により溶解を達成した。溶液を3Lフラスコ中に澄ませ、凍結させ、約9時間にわたり凍結乾燥した。約83.6%の回収率で、白色で多量の固体を分離した。XRPDによる試験から、固体は主に非晶質であるが、微量の形態IIが存在することが分かった。
上記のプロセスを繰り返し、固体を約6.25時間にわたり凍結乾燥し、70.5%の回収率で、白色で多量の固体を生成した。XRPDによる試験から、物質は主に非晶質であることが分かった(図5)。熱的試験(図12)から、形態IIと同様の、約112℃での小さな吸熱事象、及び形態IIと比較するとわずかに減少した、約229℃及び240℃での主要な吸熱の開始及びピークが明らかとなった。40~80℃から1.300重量%の重量減少が観測されたが、主に残存する表面水分である。融解に対応する、170~240℃からの15.837重量%の第2の顕著な重量減少は、アセテートの消失(15.01重量%)を示し、もしかすると、さらに捕捉された水の消失又は小さな分解事象は、250℃からの分解の開始につながるかもしれない。
実施例11:加圧及び粉砕安定性
固体剤形の製造プロセスでは、高い圧縮力及び/又は粉砕を必要とすることができ、これによりいくつかの化合物の結晶構造に変化が生じるおそれがある。化合物1の形態I及び形態IIに約25~28時間、11×105Nの力で圧縮をかけてこれらの結晶形態の形態安定性に対する圧縮力の影響を評価した。
XRPD試験から、形態Iの回折分解能がわずかに下がることが分かった。形態IIの試験から、図6に示すように、回折パターンは結晶化度が減少したパターンに顕著に変化したことが分かった。形態Iの熱的試験からは、加圧後のTGAサーモグラフにおいては変化がないことが分かった。加圧後のDSCサーモグラフにおいては融解吸熱の強度及び温度が減少した。形態IIの熱的試験から、TGAサーモグラフにより水分含有量が少し上昇したことが分かったが、これは加圧作用よりむしろ、分離後の試料の劣化によるかもしれなかった。DSCサーモグラフから、加圧後に強度の減少が明らかになったが、主要な融解吸熱温度の上昇、及び約150℃で顕著な吸熱の追加が明らかになった。
形態I及び形態IIの試料(それぞれ約100mg)に、粉砕操作をかけて固体形態及び観察される顕微鏡検査に対する影響を評価した。非晶質成分が生成したかに注目し、特に形態IIの水和物に関して、バッチの水分量に対する影響を精査することに興味があった。
粉砕後の両試料のデータセットから、熱的か又は結晶学的かのいずれにも変化を起こさなかったことは明らかだった。形態IIは、図7に示すように、反射解像度及び強度に小さな変化を示したが、いずれの試料も熱的に、又はインプットと比較してXRPDにより、非晶質成分があることを示した。加圧材料に関して最も顕著な変化は、形態IIは製造時点で水分含有量が3.93重量%(2.76重量%から)に増加し、予想された水和物と一致したことである。
両試料を最初の状態と比較して、顕微鏡試験を実行した。粉砕後は、両試料はシリコンオイルに非常に良く分散した。形態IIの方が多くの粒子が5~10μmの粒径を維持したが、大部分の固形物は<5μmだった。形態Iは、非常に微細で均等に分散した主に<5μmの粒子(ほとんどは1~2μm)の固形物に分解され、インプットロットに比較的小さな粒径が観察されたと仮定すれば予想される。要約すると、手動の応力の下では形態Iは、水和した形態IIよりも優れた安定性を示す。

Claims (42)

  1. 1-ベンジル-N-(4-カルバムイミドイル-ベンジル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドアセテートの他の多形形態を実質的に含まない、1-ベンジル-N-(4-カルバムイミドイル-ベンジル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドアセテートの結晶形態。
  2. 前記結晶形態は、無水1-ベンジル-N-(4-カルバムイミドイル-ベンジル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドアセテートであり、約253℃の融点、及び25℃で約8.3mg/mLの水溶性を有することにより特徴づけられる(「形態I」)、請求項1に記載の結晶形態。
  3. 形態Iは、10.0、18.1、18.6、20.1、及び23.9度±0.5度、2θにピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンにより特徴づけられ、前記XRPDは、CuKα輻射を用いてなされる、請求項2に記載の結晶形態。
  4. 前記XRPDパターンはさらに、20.5度±0.5度、2θにピークを含む、請求項3に記載の結晶形態。
  5. 前記XRPDパターンは、図1のパターンと実質的に類似する、請求項3又は4に記載の結晶形態。
  6. 前記1-ベンジル-N-(4-カルバムイミドイル-ベンジル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドアセテートは、水和しており、約253℃の融点、及び25℃で約5.5mg/mLの水溶性を有することにより特徴づけられる(「形態II」)、請求項1に記載の結晶形態。
  7. 前記形態IIは、4.2、5.6、8.4、17.8、及び19.8度±0.5度、2θにピークを含むXRPDパターンにより特徴づけられ、前記XRPDは、CuKα輻射を用いてなされる、請求項6に記載の結晶形態。
  8. 前記XRPDパターンはさらに、12.7度±0.5度、2θにピークを含む、請求項7に記載の結晶形態。
  9. 前記XRPDパターンは、図2のパターンと実質的に類似する、請求項7又は8に記載の結晶形態。
  10. 前記1-ベンジル-N-(4-カルバムイミドイル-ベンジル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドアセテートは、無水物であり、約249℃の融点、及び25℃で約7.2mg/mLの水溶性を有することにより特徴づけられる(「形態III」)、請求項1に記載の結晶形態。
  11. 前記形態IIIは、7.7、10.7、20.1、23.7及び24.3度±0.5度、2θにピークを含むXRPDパターンにより特徴づけられ、前記XRPDは、CuKα輻射を用いてなされる、請求項10に記載の結晶形態。
  12. 前記XRPDパターンはさらに、18.5及び26.5度±0.5度、2θにピークを含む、請求項11に記載の結晶形態。
  13. 前記XRPDパターンは、図3のパターンと実質的に類似する、請求項11又は12に記載の結晶形態。
  14. 前記形態は、約251℃の融点を有することにより特徴づけられ、18.5、19.6及び23.7度±0.5度、2θにピークを含むXRP)パターンにより特徴づけられる、1-ベンジル-N-(4-カルバムイミドイル-ベンジル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドアセテートであり、前記XRPDは、CuKα輻射を用いてなされる(「形態IV」)、請求項1に記載の結晶形態。
  15. 前記XRPDパターンはさらに、24.6度±0.5度、2θにピークを含む、請求項14に記載の結晶形態。
  16. 前記XRPDパターンは、図4のパターンと実質的に類似する、請求項14又は15に記載の結晶形態。
  17. 約240℃の融点、及び25℃で水中約7.1mg/mLの水溶性を有することにより特徴づけられる、(「形態V」)、1-ベンジル-N-(4-カルバムイミドイル-ベンジル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドアセテートの非晶質形態。
  18. 治療有効量の請求項1~17のいずれか一項に記載の固体形態、及び薬学的に許容される担体を含む、血漿カリクレイン依存性の疾患又は状態を治療するための薬学的組成物。
  19. 前記固体形態は、請求項2~5のいずれか一項に記載の形態I、及び薬学的に許容される担体である、請求項18に記載の薬学的組成物。
  20. 前記固体形態は、請求項6~9のいずれか一項に記載の形態II、及び薬学的に許容される担体である、請求項18に記載の薬学的組成物。
  21. 前記固体形態は、請求項10~13のいずれか一項に記載の形態III、及び薬学的に許容される担体である、請求項18に記載の薬学的組成物。
  22. 前記固体形態は、請求項14~16のいずれか一項に記載の形態IV、及び薬学的に許容される担体である、請求項18に記載の薬学的組成物。
  23. 前記固体形態は、請求項17に記載の形態V、及び薬学的に許容される担体である、請求項18に記載の薬学的組成物。
  24. 固体形態の1-ベンジル-N-(4-カルバムイミドイル-ベンジル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドアセテートを、メタノール、エタノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、2-メチル-テトラヒドロフラン、無水アセトン、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、3-メチル-1-ブタノール、及びニトロメタン並びにこれらの混合物からなる群から選択される溶媒と、形態Iを生成するのに充分な時間、接触させることを含む、請求項2~5のいずれか一項に記載の形態Iの製造方法。
  25. 前記溶媒は、メタノールである、請求項24に記載の方法。
  26. 前記溶媒はさらに、テトラヒドロフラン、t-ブチル-メチルエーテル、及びヘプタンからなる群から選択される溶媒を含む、請求項24又は請求項25に記載の方法。
  27. 固体形態の1-ベンジル-N-(4-カルバムイミドイル-ベンジル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドアセテートを、水とイソプロパノール、テトラヒドロフラン、アセトン、及び酢酸エチルからなる群から選択される溶媒、又はこれらの混合物との混合物と、形態IIを生成するのに充分な時間、接触させることを含む、請求項6~9のいずれか一項に記載の形態IIの製造方法。
  28. 前記混合物は、少なくとも約10%の水を含む、請求項27に記載の方法。
  29. 前記溶媒は、酢酸エチルである、請求項27又は請求項28に記載の方法。
  30. (a)固体形態の1-ベンジル-N-(4-カルバムイミドイル-ベンジル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドアセテートを充分量の水に溶解して溶液を形成するステップ、
    (b)前記溶液を凍結するステップ、及び
    (c)ステップ(b)の生成物を凍結乾燥するステップを含む、請求項17に記載の形態Vの製造方法。
  31. 固体形態の1-ベンジル-N-(4-カルバムイミドイル-ベンジル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドアセテートをアセトニトリルと、形態IIIを生成するのに充分な時間接触させることを含む、請求項10~13のいずれか一項に記載の形態IIIの製造方法。
  32. 10重量%未満の任意の他の多形形態を有する、請求項1に記載の結晶形態。
  33. 5重量%未満の任意の他の多形形態を有する、請求項32に記載の結晶形態。
  34. 1重量%未満の任意の他の多形形態を有する、請求項32又は請求項33に記載の結晶形態。
  35. 血漿カリクレイン依存性の疾患又は状態の治療方法であって、前記治療方法は、
    有効量の請求項1~17のいずれか一項に記載の結晶形態、又は請求項18~23のいずれか一項に記載の薬学的組成物を、これを必要とする対象に投与することを含む、
    治療方法。
  36. 前記血漿カリクレイン依存性の疾患又は状態は、糖尿病黄斑浮腫、糖尿病性網膜症、C1インヒビター欠損による遺伝性血管性浮腫、急性肝障害、炎症、アナフィラキシー、化学物質感作された腎損傷、虚血性脳卒中、出血性卒中、高血圧症、高血圧症の血管性合併症、網膜症、腎症、脳血管性浮腫、肺高血圧症、炎症、疼痛、急性心筋梗塞、深部静脈血栓症、線維素溶解治療に由来する合併症、狭心症、血管浮腫、敗血症、関節炎、心肺バイパス術の合併症、毛細管漏出症候群、炎症性腸疾患、糖尿病、糖尿病網膜症、糖尿病黄斑浮腫、糖尿病腎症、糖尿病神経障害、加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症、脳浮腫、虚血再灌流障害、癌―関連血管新生、喘息、アナフィラキシー並びにアルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、中枢神経系感染症、及び神経膠芽腫の脳血管合併症からなる群から選択される、請求項35に記載の方法。
  37. 血漿カリクレイン依存性の疾患又は状態の治療のための、1-ベンジル-N-(4-カルバムイミドイル-ベンジル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドアセテートの他の多形形態を実質的に含まない、1-ベンジル-N-(4-カルバムイミドイル-ベンジル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドアセテートの結晶形態の使用。
  38. 前記固体形態は、請求項1~17のいずれか一項に記載の形態である、請求項37に記載の使用。
  39. 血漿カリクレイン依存性の疾患又は状態の治療のための薬物を製造するための、1-ベンジル-N-(4-カルバムイミドイル-ベンジル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドアセテートの他の多形形態を実質的に含まない、1-ベンジル-N-(4-カルバムイミドイル-ベンジル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドアセテートの固体形態の使用。
  40. 前記固体形態は、請求項1~17のいずれか一項に記載の形態である、請求項39に記載の使用。
  41. 前記XRPDピークは、記載されたピーク位置の±0.2度2θ以内である、請求項3、4、7、8、11、12、14、15のいずれか一項に記載の結晶形態。
  42. 前記XRPDピークは、記載されたピーク位置の±0.1度2θ以内である、請求項41に記載の結晶形態。
JP2022500843A 2019-07-08 2020-07-07 血漿カリクレイン阻害薬の結晶形態 Pending JP2022539856A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201962871517P 2019-07-08 2019-07-08
US62/871,517 2019-07-08
PCT/US2020/040955 WO2021007189A1 (en) 2019-07-08 2020-07-07 Crystalline forms of plasma kallikrein inhibitors

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022539856A true JP2022539856A (ja) 2022-09-13

Family

ID=74101877

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022500843A Pending JP2022539856A (ja) 2019-07-08 2020-07-07 血漿カリクレイン阻害薬の結晶形態

Country Status (11)

Country Link
US (2) US11306061B2 (ja)
EP (1) EP3996707A4 (ja)
JP (1) JP2022539856A (ja)
KR (1) KR20220057523A (ja)
CN (1) CN114867477A (ja)
AU (1) AU2020310859A1 (ja)
BR (1) BR112022000207A2 (ja)
CA (1) CA3145298A1 (ja)
IL (1) IL289214A (ja)
MX (1) MX2022000311A (ja)
WO (1) WO2021007189A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023144030A1 (en) 2022-01-31 2023-08-03 Oxurion NV Plasma kallikrein inhibitor therapy for anti-vegf sensitization

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6627646B2 (en) * 2001-07-17 2003-09-30 Sepracor Inc. Norastemizole polymorphs
WO2008016883A2 (en) * 2006-07-31 2008-02-07 Activesite Pharmaceuticals, Inc. Inhibitors of plasma kallikrein
EP2259679A4 (en) * 2008-01-31 2011-09-14 Joslin Diabetes Ct METHOD FOR THE TREATMENT OF CALLIQUE CLEANING DISORDERS
US8259170B2 (en) * 2009-08-24 2012-09-04 Cellomics, Inc. Integrated calibration sample bay for fluorescence readers
US10246418B2 (en) * 2015-05-21 2019-04-02 Crystal Pharmatech Co., Ltd. Crystal form of lenvatinib methanesulfonate salt and preparation method thereof
GB201719881D0 (en) * 2017-11-29 2018-01-10 Kalvista Pharmaceuticals Ltd Solid forms of plasma kallikrein inhibitor and salts thereof

Also Published As

Publication number Publication date
US20210009525A1 (en) 2021-01-14
EP3996707A4 (en) 2023-02-22
US20220380315A1 (en) 2022-12-01
WO2021007189A1 (en) 2021-01-14
KR20220057523A (ko) 2022-05-09
MX2022000311A (es) 2022-04-20
CN114867477A (zh) 2022-08-05
BR112022000207A2 (pt) 2022-05-17
US11306061B2 (en) 2022-04-19
CA3145298A1 (en) 2021-01-14
EP3996707A1 (en) 2022-05-18
IL289214A (en) 2022-02-01
AU2020310859A1 (en) 2022-01-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI443088B (zh) Xa因子抑制劑之新穎醫藥鹽及多晶型
AU741173B2 (en) Substituted N-((aminoiminomethyl or aminomethyl)phenyl) propyl amides
KR102143257B1 (ko) 인자 XIa 억제제의 결정질 형태
US11618733B2 (en) Crystalline salts of a plasma kallikrein inhibitor
EA004867B1 (ru) Замещенные пиримидиноновые соединения, композиция и способ лечения, ингибирования или предупреждения тромботических состояний у млекопитающих
JP2001508796A (ja) トロンビン阻害薬
NO317419B1 (no) Heterocykliske derivater som inhiberer faktor XA
EP2138482A1 (en) Bicyclic heterocyclic compound
JP4390024B2 (ja) 新規なジアゼパン誘導体又はその塩
US20220380315A1 (en) Crystalline forms of plasma kallikrein inhibitors
US20230234927A1 (en) Processes for preparing plasma kallikrein inhibitors
CA3149176A1 (en) Process-scale synthesis of a plasma kallikrein inhibitor
KR20070067108A (ko) 피라졸로[3,4-c]피리딘 인자 Xa 억제제의 결정질 형태
JP2008524228A (ja) Xa因子阻害剤の結晶フォーム
OA20652A (en) Process-scale synthesis of a plasma kallikrein inhibitor.
CA2615888A1 (en) Substituted pyridocarboxamides as inhibitors of plasminogen activator inhibitor 1 (pai-1)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230703