JP2022538408A - A2aアデノシン受容体アゴニスト活性を有する6-ヒドラジノアデノシン化合物 - Google Patents

A2aアデノシン受容体アゴニスト活性を有する6-ヒドラジノアデノシン化合物 Download PDF

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Abstract

本開示は、A2Aアデノシン受容体アゴニスト活性を有する一般式(I):JPEG2022538408000048.jpg47142により表される6-ヒドラジノアデノシン化合物及びその誘導体、並びにこれらを含む医薬組成物を提供する。化合物及び組成物は、A2Aアデノシン受容体アゴニストとしてとして使用することができ、薬物として使用することができる。

Description

本開示は、医薬の技術分野に属し、詳細には、A2Aアデノシン受容体アゴニストとしての6-ヒドラジノアデノシン化合物及びその誘導体、並びにこれを含有する医薬組成物に関する。これらの化合物及び組成物を薬物として使用することができる。
中枢神経系疾患の治療用薬剤のため、これらの開発及び関連研究の不成功の主要な理由の1つは血液脳関門(BBB)の妨害にあり、血液脳関門は薬剤が中枢神経系に送達され脳内に蓄積して対応する治療効果を得るための効果的用量に達しないように妨害する。したがって、中枢神経系を標的とする薬剤開発の成功のためのキーとなる要因は、血液脳関門を横断することである。血液脳関門の全域への薬剤送達は、過去数十年における魅力的な研究分野であった。研究者らは、様々な薬剤送達系を開発するため多くの努力を行った。戦略の一連の試験は、血液脳関門を横切る薬剤及び造影剤を輸送することは非常に困難であることを明らかにした。
BBB(血液脳関門)は、2つの主要な構造特徴により分子が脳に侵入することを制限する。第一に、脳血管内皮細胞間に密着結合(TJ)があり、内皮細胞を密封し、BBBを通過する血中の分子の透過性を低下させる。第二に、末梢血管内皮細胞と比較して、脳内血管内皮細胞間の輸送経路はほとんどないが、脳毛細血管内皮細胞(BCEC)のP糖タンパク質(P-gp)などの活性流出輸送体は非常に高い発現レベルにある。
分子の脳内への侵入の制限におけるTJのキーとなる役割(HUBER J D et al.,Trends Neurosci,2001,24(12):719-25)を考慮すると、TJの密着度の可逆的変化は、BBBの透過性を上方制御するための実現可能な方法であるかもしれない。一時的に開放するTJは脳薬剤送達の実現可能な方法であり、この方法は、治療薬に対して高通過効率を有し、分子量の制限がより少ない。Bynoe et al.は、A2Aアデノシン受容体(A2AAR)のマウスのBCECに対する特異的刺激は、脳の薬剤吸収を促進することができることを実証した(CARMAN AJ et al.,J Neurosci,2011,31(37):13272-80)。
さらなる研究は、A2Aアデノシン受容体(A2AAR)の刺激は、BBB透過性を上方制御し、脳毛細血管内皮細胞の細胞間隙を一時的に増大することができることを示した。研究は、A2AARシグナル伝達経路は、細胞内アクチンの調節により細胞骨格要素を変化させ、その結果、細胞形態収縮、TJ結合性の破壊、及び関門透過性の増大をもたらすことを示した(SOHAIL MA et al.,Hepatology,2009,49(1):185-94)。これらの研究は、A2AARアゴニストの可能性のある応用分野及び開発空間を大きく拡張した。高効果的A2AARアゴニストの開発は、血液脳関門開放のためのストラテジーの研究に対して大いに重要である(中国特許出願公開第200980117596.0号明細書)。
ヒト身体におけるA2AARの広範囲の分布のために、A2AARアゴニストを使用して様々な病理学的疾患の治療することができる。アデノシンは、A2AARが、可能性のある免疫抑制及び血圧低下効果をもたらすのを媒介する。A2AARアゴニストの主要な可能性のある治療効果の1つは、抗炎症性及び免疫抑制効果である。これは、好中球、マクロファージ及びTリンパ球の活性を調節して(DE LERA RUIZ M et al.,J Med Chem,2014,57(9):3623-50;VARANI K et al.,FASEB J,2010,24(4):1192-204)上記機能を達成する。細胞シグナル伝達経路の観点から、A2Aの刺激は、NF-kB経路を低減し、腫瘍壊死因子α(TNF-α)、インターロイキン-1β(IL-1β)、IL-8、IL-6などの炎症性サイトカインを低減し、マトリックスメタロプロテアーゼ-1(MMP-1)及びMMP-3の遊離を阻害する(HASKO G,etc.,Nat Rev Drug Discov,2008,7(9):759-70)。したがって、選択的アゴニストは、アレルギー性鼻炎、喘息、及び慢性閉塞性肺疾患などの関連疾患を治療するために開発された。さらに、A2AARアゴニストは強力な血管拡張薬であり、心臓薬物負荷試験の診断試薬として使用された(中国特許出願公開第200580033215.2号明細書)。加えて、A2AARアゴニストのさらなる可能性のある治療応用は、精神病及びハンチントン病の治療である(AKKARI R et al.,Curr Top Med Chem,2006,6(13):1375-99;BOSCH MP et al.,J Med Chem,2004,47(16):4041-53)。A2AARアゴニストは、興奮性神経伝達物質の遊離、アポトーシス及び炎症を低減することによって神経変性疾患モデルに対する神経保護的効果を有することが分かった(MULLER CE et al.,Biochim Biophys Acta,2011,1808(5):1290-308;RIVERA-OLIVER M,etc.,Life Sci,2014,101(1-2):1-9)。
上記A2AARアゴニストは次第に開発されてきたが、米国において冠拡張薬として、1つの受容体アゴニスト、レガデノソン(アデノシン類似体)しか承認されていない。レガデノソンは、CV Pharmaceuticals及びAstellasにより共同開発された選択的A2Aアデノシン受容体アゴニストである。この製品は、米国及び欧州において市販されている。レガデノソンは、主に、心筋血流画像診断用冠拡張薬として使用される。したがって、当技術分野において、新規構造を有し、効果的であり、1つ以上の生理学的及び/又は物理化学的利点を必要に応じて有するA2A受容体アゴニストに対する需要がいまだに存在し、新規及び改良された治療薬を開発するために継続的にさらなるA2A受容体アゴニストを合成及び試験することは重要である。
本開示は、A2Aアデノシン受容体に対して作用する新規分類の低分子アゴニストであって、A2Aアデノシン受容体を刺激し、それにより、一方では、ヒト病態又は症状の予防及び/又は治療の目的であって、ヒト病態又は症状の予防又は治療はA2Aアデノシン受容体の活性に関連し、かつヒト病態又は症状の予防及び/又は治療はA2Aアデノシン受容体の刺激を必要する、目的;他方では、治療薬を受けている対象の血液脳関門透過性を増大する目的を達成することができる、アゴニストを提供する。
本開示の第一の態様は、一般式(I)により表される化合物、若しくはその立体異性体、又は化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な塩、又は化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な水和物若しくは溶媒和物、又は化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能なエステルを提供し、化合物は以下の一般式(I)により表される構造を有する:
Figure 2022538408000002
式中、
は、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、C1~10アルキル、C1~10ヘテロアルキル又はC2~10アルケニルであり;
は、1つ以上のR’により置換されていてもよく、各R’は、フェニル、ハロフェニル、アミノ置換フェニル、ベンジルオキシ、ハロベンジルオキシ、フェニルアミノ、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C1~6アルキル、ハロゲン化C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C1~6アルコキシ、C1~6アルキルチオ、-NHC(O)R10、ハロゲン又はシアノからなる群から独立して選択され、式中R10はC1~6アルキルである。
いくつかの実施形態では、Rは、C6~10アリール、5~7員ヘテロアリール、5~6員シクロアルキル、5~6員ヘテロシクロアルキル、C1~10アルキル、C1~10ヘテロアルキル又はC2~10アルケニルから選択される。
いくつかの実施形態では、Rは、フェニル、ピロリル、イミダゾリル、チアゾリル、フリル、ピリジル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、トリフルオロメチル、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、tert-ブトキシ、sec-ブトキシ、n-ペンチルオキシ、n-ヘキシルオキシ、メチルチオ、エチルチオ、n-プロピルチオ、イソプロピルチオ、n-ブチルチオ、tert-ブチルチオ、sec-ブチルチオ、n-ペンチルチオ、n-ヘキシルチオ又はC2~10アルケニルからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、Rは、フェニル、ピロリル、フリル、イミダゾリル、チアゾリル、シクロヘキシル、アルキルチオ、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、tert-ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、ビニル、又はデカジエニルからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、Rは、フェニルである。Rは、1つ以上のR’により任意に置換されていてもよく、各R’は、フェニル、ハロフェニル、アミノ置換フェニル、ベンジルオキシ、ハロベンジルオキシ、フェニルアミノ、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C1~6アルキル、ハロゲン化C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C1~6アルコキシ、C1~6アルキルチオ、-NHC(O)R10、ハロゲン又はシアノからなる群から独立して選択され、式中R10はC1~6アルキルである。
いくつかの実施形態では、Rは、ハロピリジル、例えばブロモピリジル、例えば5-ブロモピリジル、例えば5-ブロモピリジン-2-イルである。
いくつかの実施形態では、Rは、チアゾール-5-イルなどのチアゾリルである。
いくつかの実施形態では、Rは、シクロヘキシルである。
いくつかの実施形態では、Rは:
Figure 2022538408000003
Figure 2022538408000004
Figure 2022538408000005
の基から選択される。
いくつかの実施形態では、各R’は、フェニル、ハロフェニル、アミノ置換フェニル、ベンジルオキシ、ハロベンジルオキシ、フェニルアミノ、イミダゾリル、ピリジル、5~6員シクロアルキル、5~6員ヘテロシクロアルキル、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、-NHC(O)R10、ハロゲン又はシアノからなる群から独立して選択され、R10はC1~4アルキルである。
いくつかの実施形態では、各R’は、フェニル、ハロフェニル、ジメチルアミノ置換フェニル、ベンジルオキシ、ハロベンジルオキシ、ジフェニルアミノ、1H-イミダゾール-1-イル、ピリジン-2-イル、1H-イミダゾール-1-イル、ピロリジン-1-イル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、トリフルオロメチル、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、tert-ブトキシ、sec-ブトキシ、n-ペンチルオキシ、n-ヘキシルオキシ、メチルチオ、エチルチオ、n-プロピルチオ、イソプロピルチオ、n-ブチルチオ、tert-ブチルチオ、sec-ブチルチオ、n-ペンチルチオ、n-ヘキシルチオ、-NH(CO)CH、F、Cl、Br又はシアノからなる群から独立して選択される。
いくつかの実施形態では、一般式(I)により表される化合物は、式(I-1)により表される構造を有し、化合物は式(I-1):
Figure 2022538408000006
により表される構造を有し、式中:
は、ベンゼン環と結合された置換基である;
nは、1、2、3、4又は5である;
各Rは、フェニル、ベンジルオキシ、ハロベンジルオキシ、フェニルアミノ、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C1~6アルキル、C1~6ヘテロアルキル、C1~6ハロアルキル、C2~10アルケニル(C2~6アルケニルなど)、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C1~6アルキルアミノ、アシルアミノ、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ又は-NHC(O)R10からなる群から独立して選択され、R10はC1~4アルキルである。
いくつかの実施形態では、各Rは、C1~6アルキル、C1~6ヘテロアルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C1~6アルキルアミノ、アシルアミノ、フェニル、ベンジルオキシ、ハロベンジルオキシ、フェニルアミノ、5~6員ヘテロシクロアルキル、-NH(CO)CH、ハロゲン、ヒドロキシ、又はシアノからなる群から独立して選択される。
いくつかの実施形態では、各Rは、フェニル、ハロフェニル、アミノ置換フェニル、ベンジルオキシ、ハロベンジルオキシ、フェニルアミノ、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C2~10アルケニル(C2~6アルケニルなど)、C1~6アルコキシ、-NHC(O)R10、ハロゲン又はシアノからなる群から独立して選択され、R10はC1~4アルキルである。
いくつかの実施形態では、各Rは、メチル、トリフルオロメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、C1~3アルコキシ、フェニル、ジフェニルアミノ、ベンジルオキシ、ハロベンジルオキシ、ピリジン-2-イル、1H-イミダゾール-1-イル、ピロリジン-1-イル、-NH(CO)CH、F、Cl、Br又はシアノからなる群から独立して選択される。
いくつかの実施形態では、各Rは、-NH(CO)(R’)、ベンジルオキシ、ハロベンジルオキシ、トリフルオロメチル、ピリジン-2-イル、フェニル、ピロリジン-1-イル、1H-イミダゾール-1-イル、C1~3アルコキシ、ジフェニルアミノからなる群から独立して選択される。各R’は、フェニル、ハロフェニル、アミノ置換フェニル、ベンジルオキシ、ハロベンジルオキシ、フェニルアミノ、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C1~6アルキル、ハロゲン化C1~6アルキル、C2~10アルケニル(C2~6アルケニルなど)、C1~6アルコキシ、C1~6アルキルチオ、-NHC(O)R10、ハロゲン又はシアノからなる群から独立して選択され、R10はC1~6アルキルである。
いくつかの実施形態では、R’は、メチルなどのC1~3アルキルなどのC1~6アルキルである。
いくつかの実施形態では、Rは、ハロベンジルオキシから独立して選択される。
いくつかの実施形態では、Rは、4-フルオロベンジルオキシから独立して選択される。
いくつかの実施形態では、n=1である。
いくつかの実施形態では、n=2である。
いくつかの実施形態では、n=3である。
いくつかの実施形態では、n=4である。
いくつかの実施形態では、n=5である。
いくつかの実施形態では、Rは、ベンジルオキシ又はハロベンジルオキシから独立して選択される。
いくつかの実施形態では、Rは、クロロベンジルオキシなどのハロベンジルオキシである。
いくつかの実施形態では、一般式(I)により表される化合物は、式(I-2)により表される構造を有し、化合物は式(I-2):
Figure 2022538408000007
により表される構造を有し、式中:
は、フェニル、ハロフェニル、アミノ置換フェニル、C1~4アルキルアミノ置換フェニル、ジ(C1~4アルキル)アミノ置換フェニル、C1~8アルキル又はC2~8アルケニルからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、Rは、ジメチルアミノ置換フェニルである。
いくつかの実施形態では、Rは、1-ヘプテニルである。
本開示の第二の態様は、本開示の第一の態様に記載の一般式(I)の化合物、若しくはその立体異性体、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な塩、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な水和物若しくは溶媒和物、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能なエステルの製造方法であって、前記方法は:
Figure 2022538408000008
式(vii)の化合物を、式(viii)により表される置換ホルムアルデヒドと反応させて、一般式(I)により表される化合物を得ることを含み、
式中Rの定義は本開示の第一の態様に記載のものと同じである、
方法を提供する。
いくつかの実施形態では、式(vii)の化合物は、70℃~90℃においてマイクロ波下メタノール溶液中で置換ホルムアルデヒド(viii)と反応する。
いくつかの実施形態では、式(vii)の化合物を、60~80℃においてヒドラジン水和物(N・HO)を用いて式(vi)の化合物をヒドラジン分解することによって製造する。
Figure 2022538408000009
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物の合成方法は、次の通りである:
Figure 2022538408000010
式中、式(vi)の化合物は出発物質であり、60~80℃においてヒドラジン水和物と反応して式(vii)の化合物を生成し;次いで、式(vii)の化合物はマイクロ波下70~90℃において下メタノール溶液中で置換ホルムアルデヒド(viii)と反応して6-ヒドラジノアデノシン化合物(I)を入手し、Rの置換は本開示の第一の態様に記載のものと同じであり、必要に応じて選択される。
本開示の第三の態様は、本開示の第一の態様に記載の化合物、若しくはその立体異性体、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な塩、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な水和物若しくは溶媒和物、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能なエステルのうちの少なくとも1つ、及び1つ以上の医薬的に許容可能な担体若しくは賦形剤を含む、医薬組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、上記医薬組成物は:中枢神経系の疾病又は障害を治療するための薬剤、神経毒の解毒薬、及び脳グリオーマ治療薬からなる群から選択される血液脳関門を横断する薬剤をさらに含む。
本開示の第四態様は、A2Aアデノシン受容体アゴニストとして医薬品製造における、本開示の第一態様に記載の化合物、若しくはその立体異性体、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な塩、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な水和物若しくは溶媒和物、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能なエステル、又は本開示の第三態様に記載の医薬組成物の使用、又はヒト病態若しくは症状の予防及び/若しくは治療のための医薬品製造における使用であって、ヒト病態若しくは症状はA2Aアデノシン受容体の活性に関連し、ヒト病態若しくは症状の予防及び/若しくは治療はA2Aアデノシン受容体の刺激を必要とする、使用を提供する。
いくつかの実施形態では、ヒト病態又は症状は、次のものから選択される:自己免疫刺激、炎症、アレルギー性疾患、皮膚疾患、感染症、消耗性疾患、神経障害性疼痛、開放性外傷、薬物療法が原因の副作用、循環器疾患、虚血再灌流障害、痛風、化学的損傷、熱傷、糖尿病性腎症、鎌状赤血球症、蹄葉炎、鋳造技術者の疾患、緑内障、高眼圧症、脊髄損傷、心筋梗塞、及び急性心筋梗塞。
本開示の第五の態様は、ヒト心筋血流異常を診断するための医薬品製造における、本開示の第一の態様に記載の化合物、若しくはその立体異性体、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な塩、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な水和物若しくは溶媒和物、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能なエステル、又は本開示の第三の態様に記載の医薬組成物の使用を提供する。
本開示の第六の態様は、治療薬を受けている対象であって、前記対象は血液脳関門を横切って治療薬を送達するための血液脳関門の透過性増大から利益を得る、前記対象の血液脳関門透過性を増大するための医薬品製造における、本開示の第一の態様に記載の化合物、若しくはその立体異性体、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な塩、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な水和物若しくは溶媒和物、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能なエステル、又は本開示の第三の態様に記載の医薬組成物の使用を提供する。
いくつかの実施形態では、治療薬は次のものから選択される:中枢神経系の疾病又は障害の治療に有効である薬剤、神経毒の解毒薬、及び脳グリオーマ治療薬。
本開示の第七の態様は、
本開示の第一の態様に記載の化合物、若しくはその立体異性体、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な塩、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な水和物若しくは溶媒和物、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能なエステルのうちの少なくとも1つ;及び
中枢神経系の疾病又は障害を治療するための薬剤、神経毒の解毒薬、及び脳グリオーマ治療薬からなる群から選択される血液脳関門を横断する薬剤、及び1つ以上の医薬的に許容可能な担体又は賦形剤、
を含む医薬組成物を提供する。
本開示の第八の態様は、本開示の第一の態様に記載の化合物、若しくはその立体異性体、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な塩、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な水和物若しくは溶媒和物、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能なエステル、又は本開示の第三の態様に記載の医薬組成物の治療有効量を、かかる治療を必要とする患者に投与することを含む、ヒト病態若しくは症状の予防及び/又は治療方法であって、前記ヒト病態若しくは症状はA2Aアデノシン受容体の活性に関連し、前記ヒト病態若しくは症状の予防又は治療はA2Aアデノシン受容体の刺激を必要とする、方法を提供する。
本開示の第九の態様は、ヒト病態若しくは症状はA2Aアデノシン受容体の活性に関連し、前記ヒト病態若しくは症状の予防又は治療はA2Aアデノシン受容体の刺激を必要とし、前記ヒト病態又は症状の予防及び/又は治療において使用するための、本開示の第一の態様に記載の化合物、若しくはその立体異性体、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な塩、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な水和物若しくは溶媒和物、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能なエステルを提供する。
本開示の第十の態様は、本開示の第一の態様に記載の一般式(I)により表される化合物、若しくはその立体異性体、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な塩、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な水和物若しくは溶媒和物、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能なエステルを提供し、
2Aアデノシン受容体の刺激若しくは冠動脈の血管拡張において使用するための、又は
ヒト心筋血流異常の診断において使用するための、又は
治療薬を受けている対象であって、前記対象は血液脳関門を横切って治療薬を送達するための血液脳関門の透過性増大から利益を得る、対象の血液脳関門の透過性の増大において使用のための、
好ましくは、前記治療薬は、中枢神経系の疾病若しくは障害を治療するための薬剤、神経毒の解毒薬、及び脳グリオーマ治療薬から選択される。
本開示の第十一の態様は、本開示の第一の態様に記載の一般式(I)により表される化合物、若しくはその立体異性体、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な塩、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な水和物若しくは溶媒和物、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能なエステル、又は本開示の第三の態様に記載の医薬組成物の診断有効量を、かかる診断を必要とする患者に投与することを含む、ヒト心筋血流異常の診断方法も提供する。
本開示の第十二の態様は、治療薬を受けている対象の血液脳関門透過性の増大方法であって、前記方法は、本開示の第一の態様に記載の一般式(I)により表される化合物、若しくはその立体異性体、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な塩、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な水和物若しくは溶媒和物、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能なエステル、又は本開示の第三の態様に記載の医薬組成物の有効量を、対象に投与することを含み、前記対象は血液脳関門を横切って治療薬を送達するための血液脳関門の透過性増大から利益を得る、方法も提供する。
本開示のいくつかの実施形態によれば、本開示の第十二の態様に記載の方法において、治療薬は、中枢神経系の疾病又は障害の治療薬、神経剤に対する解毒薬、及びグリオーマ治療薬から選択される。
本開示のいくつかの実施形態によれば、本開示に記載のヒト病態又は症状は、自己免疫刺激、炎症、アレルギー性疾患、皮膚疾患、感染症、消耗性疾患、神経障害性疼痛、開放性外傷、薬物療法が原因の副作用、循環器疾患、虚血再灌流障害、痛風、化学的損傷、熱傷、糖尿病性腎症、鎌状赤血球症、蹄葉炎、鋳造技術者の疾患、緑内障、高眼圧症、脊髄損傷、心筋梗塞、及び急性心筋梗塞から選択される。
いくつかの実施形態では、本開示の第一の態様に記載の化合物、若しくはその立体異性体、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な塩、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な水和物若しくは溶媒和物、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能なエステル、又は本開示の第三の態様に記載の医薬組成物は、次の有益な効果の1つ以上を有する:
-軽症の神経損傷;
-より高分子量を有する薬剤を送達することができること;
-優れた薬物動態特性を有すること。
用語の説明:
本願で使用されるとき、単独又は他の用語と組み合わせて使用される用語「アルキル」は、好ましくは1~6個、1~4個又は1~3個の炭素原子を有する飽和直鎖又は分岐鎖一価炭化水素基を表す。例えば、「C1~6アルキル」は、1~6個の炭素原子を有する飽和直鎖又は分岐鎖一価炭化水素基を表す。「アルキル」の典型的例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、tert-ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、その他が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用されるとき、用語「ヒドロキシル」は、-OHを表す。
本明細書で使用されるとき、用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を表す。好ましいハロゲンは、フッ素、塩素又は臭素である。
本明細書で使用されるとき、用語「ハロ」は、1つ以上のハロゲン原子による置換を表す。
本明細書で使用されるとき、用語「ハロゲン化C1~6アルキル」は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素などのハロゲンにより一置換又は多置換されたC1~6アルキルを表す。好ましいハロアルキルは、クロロメチル、クロロエチル、ジクロロエチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、モノフルオロメチルなどである。
本明細書で使用されるとき、用語「C1~6アルキルアミノ」は、1つのC1~6アルキルにより置換されたアミノ基を表す。「C1~6アルキルアミノ」の典型的例としては、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ブチルアミノなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本願で使用されるとき、単独又は他の用語と組み合わせて使用される用語「アリール」は、単環式又は多環式(例えば、2、3又は4個の縮合環を有する)芳香族炭化水素基を表し、例えば、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、アントリル、フェナントリル、その他が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、アリールは、C6~14アリールである。特定の実施形態では、アリールは、C6~10アリールである。特定の実施形態では、アリールは、ナフチル環またはフェニル環である。特定の実施形態では、アリールは、フェニルである。
本願で使用されるとき、単独又は他の用語と組み合わせて使用される用語「ヘテロアリール」は、窒素、硫黄及び酸素から選択される1個以上のヘテロ原子環員を有する単環式又は多環式(例えば、2、3又は4個の縮合環を有する)芳香族複素環式部分を表す。特定の実施形態では、ヘテロアリールは、1、2、3又は4個のヘテロ原子環員を有する。特定の実施形態では、ヘテロアリールは、1、2又は3個のヘテロ原子環員を有する。特定の実施形態では、ヘテロアリールは、1又は2個のヘテロ原子環員を有する。特定の実施形態では、ヘテロアリールは、1個のヘテロ原子環員を有する。特定の実施形態では、ヘテロアリールは、5~10員又は5~6員である。特定の実施形態では、ヘテロアリールは、5員である。特定の実施形態では、ヘテロアリールは、6員である。ヘテロアリールの例としては、ピロリル、イミダゾリル、チアゾリル、フリル又はピリジルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用されるとき、用語「シクロアルキル」は、3~12個の炭素原子を有し、好ましくは3~10個、3~8個、5~8個、3~6個又は5~6個の炭素原子を有する単環式若しくは二環式又は多環式縮合環(縮合及び架橋環構造を含む)を有する飽和環式炭化水素基を表す。「シクロアルキル」の典型的例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどの単環式構造物、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルなどの二環式構造物、及びアダマンチルなどの多環式構造物などが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用されるとき、用語「ヘテロシクロアルキル」は、N、O及びSから独立して選択される1個、2個又はそれ以上のヘテロ原子を含む本明細書で定義されているシクロアルキルを表す。「ヘテロシクロアルキル」の典型的例としては、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピロリジニル、ピペラジニル、チアジニル、ピペリジニル、モルホリニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本願で使用されるとき、単独又は他の用語と組み合わせて使用される用語「アラルキル」は、1つの水素原子が上記アリールにより置換されている、又はシクロアルキルの場合、2個の隣接炭素原子が置換若しくは非置換フェニルとベンゾの形態で縮合して二環式基を形成する、上記定義されている低級アルキル又はシクロアルキルを表す。
本願で使用されるとき、単独又は他の用語と組み合わせて使用される用語「ヘテロアルキル」は、1個以上の炭素原子がS、O及びNから独立して選択されるヘテロ原子により置換されているアルキルを表す。
本明細書で使用されるとき、用語「C1~6アルコキシ」は、R11が本明細書で定義されているC1~6アルキルである-OR11を表す。「C1~6アルコキシ」の典型的例としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、tert-ブトキシ、sec-ブトキシ、n-ペンチルオキシ、n-ヘキシルオキシ、1,2-ジメチルブトキシなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用されるとき、用語「C1~6アルキルチオ」は、R11が本明細書で定義されているC1~6アルキルである-SR11を表す。「C1~6アルキルチオ」の典型的例としては、メチルチオ、エチルチオ、n-プロピルチオ、イソプロピルチオ、n-ブチルチオ、tert-ブチルチオ、sec-ブチルチオ、n-ペンチルチオ、n-ヘキシルチオ、1,2-ジメチルブチルチオなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される化合物の名称が化学構造式と矛盾する場合、化学構造式を優先するものとする。
本発明のいくつかの実施形態によれば、本願に記載されている一般式(I)の化合物の医薬的に許容可能な塩としては、その無機又は有機酸塩及び無機又は有機塩基塩が挙げられ、本願は、上記塩の全形態に関し、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、リチウム塩、メグルミン塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、リン酸水素塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、シュウ酸塩、トリメチル酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、ピクリン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩及びパモ酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明のいくつかの実施形態によれば、本発明の一般式(I)の化合物は、有機酸又は無機酸との医薬的に許容可能なエステルを形成することができ、医薬的に許容可能なエステルとしては、インビボで加水分解可能なリン酸エステル、硫酸エステル、硝酸エステル、ギ酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、吉草酸エステル、及びカプロン酸エステルなどが挙げられる。
本発明の担体としては、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レクチン、ヒトアルブミンなどの血清タンパク質、リン酸塩などの緩衝物質、グリセロール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリドの混合物、水、硫酸プロタミンなどの塩又は電解質、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイドシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース性物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ミツロウ、ラノリンが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明で使用されるとき、用語「賦形剤」は、医薬製剤中の主要薬剤以外の添加剤を表す。賦形剤は、事実上安定であり、主要な有効成分と配合禁忌ではなく、副作用を生じず、治療効果に影響を与えず、変形したり、乾燥したり、分解したり、カビを生じたり、虫に食われることは容易ではなく、ヒト身体に無害であり、生理作用がなく、主要な薬剤と化学的又は物理的作用を生じず、主要な薬剤の含有量定量に影響を与えないなど、である。例えば、錠剤において結合剤、充填剤、崩壊剤、潤滑剤;経口用液体製剤において防腐剤、酸化防止剤、香料、芳香剤、共溶媒、乳剤、可溶化剤、浸透圧調節剤、着色料など、全て、賦形剤と呼ぶことができる。
本願に記載されている医薬組成物を、経口錠剤、カプセル剤、散剤、経口液剤、注射剤及び経皮製剤などの様々な経路により投与することができる。薬剤の上記様々な剤形を、医薬分野における従来の方法に従って製剤することができる。従来の薬務に従って、医薬的に許容可能な担体として、希釈剤、充填剤、崩壊剤、湿潤剤、潤滑剤、着色料、香料又は他の従来の添加剤が挙げられる。典型的な医薬的に許容可能な担体として、例えば、結晶セルロース、デンプン、クロスポビドン、ポビドン、ポリビニルピロリドン、マルチトール、クエン酸、ラウリルスルホン酸ナトリウム又はステアリン酸マグネシウムなどが挙げられる。
本願によれば、医薬組成物を、次の方法のいずれかで投与することができる:経口、スプレー吸入、直腸内投与、鼻腔内投与、口腔内投与、腟内投与、局所投与、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、髄腔内、脳室内、胸骨内及び頭蓋内注射若しくは点滴などの非経口投与、又は外植リザーバーを用いた投与。
本条項に記載されているように、「有効量」は、患者の疾病を治療又は予防又は診断するのに充分であるが、合理的な医学的判断の範囲内で重篤な副作用(合理的なリスク対効果比において)を避けるのに充分低い量を表す。化合物の治療的又は予防的又は診断的有効量は、特に選択される化合物(例えば、化合物の作用強度、有効性及び半減期を考慮して)、選択される投与経路、治療又は予防又は診断しようとする疾病、治療又は予防又は診断しようとする疾病の重症度、治療している患者の年齢、体長、体重及び身体疾患、治療しようとする患者の病歴、治療又は予防又は診断の期間、併用療法の性質、所望の治療又は予防又は診断の効果などの因子に応じて異なるが、当業者によってルーチンにいつでも決定することができる。
加えて、異なる患者のための、本願に記載されている一般式(I)の化合物の特定の投与量及び用法は、患者の年齢、体重、性別、自然健康状態、栄養状態、化合物の活性強度、投与時間、代謝速度、疾病の重症度及び医師の主観的判断を含む多くの因子により決定されることに注目すべきである。ここで、好ましい投与量は、0.001~100mg/体重kg/日である。
本発明を実施するための特定のモデル
本開示を、以下の実施例及び試験実施例によりさらに説明することができる。しかしながら、本開示の範囲は以下の実施例及び試験実施例に限定されない。当業者は、本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく本開示に様々な変更及び修正を行うことができることを理解することができる。本開示は、本明細書で使用される材料及び方法の一般的及び/又は特定の説明を提供する。本開示の目的を達成するために使用される多くの材料及び操作方法は当技術分野において周知であるが、本開示は可能な限り詳細に本明細書でさらに説明する。
以下の全ての実施例のため、当業者に公知の標準操作及び精製方法を使用することができる。特に指定されない限り、全ての温度は℃(摂氏)で表した。化合物の構造を、核磁気共鳴法(NMR)又は質量分析法(MS)によって決定した。化合物の融点m.p.を、RY-1融点装置により決定した。温度計は補正しなかった。m.p.は、℃で表した。H NMRを、JEOLのJNM-ECA-400各磁気共鳴装置により測定した。質量スペクトルをAPI3000(ESI)装置によって測定した。仕様が定められていない全反応溶媒は、標準化された前処理を行った。
実施例1:(2R,3R,4S,5R)-2-{6-{2-[(E)-(1H-ピロールール-2-イル)メチリデン]ヒドラジノ}-9H-プリン-9-イル}-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(化合物1)の合成
Figure 2022538408000011
1.1 (2R,3R,4S,5R)-2-(6-ヒドラジノ-9H-プリン-9-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(II)の合成
10mlのヒドラジン水和物(65重量%水溶液)に、5g(0.018mol)の(2R,3R,4S,5R)-2-(6-クロロ-9H-プリン-9-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール (vi)を添加し、撹拌しながら70℃まで加熱し、反応物(I)が消えるまで2時間加熱を連続し、反応の進行をTLC(CHCl;MeOH=3:1(体積/体積))によりモニターした。次いで、反応混合物を25℃まで加熱し、2-プロパノール(50ml)で希釈して一夜撹拌した。分離された沈殿物をろ過して、白色固体として4.8gの(2R,3R,4S,5R)-2-(6-ヒドラジノ-9H-プリン-9-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(vii)を得て、これを次の反応で直接使用した。
1.2 (2R,3R,4S,5R)-2-{6-{2-[(E)-(1H-ピロールール-2-イル)メチリデン]ヒドラジノ}-9H-プリン-9-イル}-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール (化合物1)の合成
0.5g(0.0018mol)の(2R,3R,4S,5R)-2-(6-ヒドラジノ-9H-プリン-9-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール (II)及び0.19g(0.002mol)のピロール-2-カルバルデヒド(1H-ピロール-2-カルバルデヒド、1.1当量)をメタノール(20ml)中で混合し、マイクロ波により70℃で30分間加熱した。
粗生成物をメタノールから沈殿させた。ろ過後、粗生成物を、C18逆相カラムを用いた中圧分取クロマトグラフィーによりさらに精製し、323mgの白色固体(化合物1)を得た。
m.p.160℃;H NMR(DMSO-d):δ(ppm)11.52(s,1H),11.44(s,1H),8.50(s,1H),8.34(s,1H),8.28(s,1H),6.90(s,1H),6.43(s,1H),6.14(s,1H),5.95(d,1H,J=6.0Hz),5.54(d,1H,J=6.0Hz),5.40(dd,1H,J=2.0Hz,4.8Hz),5.26(d,1H,J=4.4Hz),4.65(dd,1H,J=5.6Hz,5.6Hz),4.18(d,1H,J=3.6Hz),3.99(d,1H,J=2.8Hz),3.73~3.55(m,2H);HRMS(ESI+)m/z [M+H]1517計算値:360.1415;実測値:360.1415。
次の化合物を、工程1.2.においてピロール-2-カルボキシアルデヒドの代わりに異なる反応物(式viiiの上記化合物、様々な置換ホルムアルデヒドなど)を用いて、実施例1の方法を参照することによって製造することができた。
実施例2: (2R,3S,4R,5R)-2-(ヒドロキシメチル)-5-{6-{2-[(E)-3-(メチルチオ)プロピレン]ヒドラジノ}-9H-プリン-9-イル}テトラヒドロフラン-3,4-ジオール (化合物2)の合成
Figure 2022538408000012
実施例1の工程1.2の方法を使用し、ピロール-2-カルボキシアルデヒドの代わりに3-(メチルスルファニル)プロパナールを使用して化合物2を製造し、424mgの白色固体(化合物2)を得た。
m.p.94℃;H NMR(DMSO-d):δ(ppm)11.42(s,1H),8.47(s,1H),8.31(s,1H),7.72(t,1H,J=5.2Hz),5.93(d,1H,J=6.0Hz),5.5~(d,1H,J=6.0Hz), 5.34(t,1H,J=6.0Hz),5.23(d,1H,J=4.8Hz),4.61(dd,1H,J=5.2Hz,6.0Hz),4.16(d,1H,J=3.6Hz),3.97(d,1H,J=3.6Hz),3.71~3.54(m,2H),2.71(t,2H,J=7.2Hz),2.58(t,2H,J=6.2Hz),2.10(s,3H);HRMS(ESI+)m/z [M+H]1420S計算値:369.1340;実測値:369.1340。
実施例3:N-{4-{(E)-{2-{9-[(2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル]-9H-プリン-6-イル}ヒドラゾノ}メチル}フェニル}アセトアミド(化合物3)の合成
Figure 2022538408000013
実施例1の工程1.2の方法を使用し、ピロール-2-カルバルデヒドの代わりに4-アセトアミドベンズアルデヒド(N-(4-ホルミルフェニル)アセトアミド)を使用して化合物3を製造し、331mgの白色固体(化合物3)を得た。
m.p.170℃;H NMR(DMSO-d):δ(ppm)11.72(s,1H),10.13(s,1H),8.53(s,1H),8.38(s,1H),7.67(s,4H),5.96(d,1H,J=5.6Hz),5.51(d,1H,J=6.0Hz),5.33(t,1H,J=5.6Hz),5.24(d,1H,J=4.8Hz),4.63(d,1H,J=5.6Hz),4.17(s,1H),3.98(s,1H),3.72~3.55(m,2H),2.07(s,3H);HRMS(ESI+)m/z [M+H]1921計算値:428.1677;実測値:428.1677。
実施例4:(2R,3R,4S,5R)-2-{6-{2-[(E)-3,4-ビス(ベンジルオキシ)ベンジリデン]ヒドラジノ}-9H-プリン-9-イル}-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(化合物4)の合成
Figure 2022538408000014
実施例1の工程1.2の方法を使用し、ピロール-2-カルバルデヒドの代わりに3,4-ビス(ベンジルオキシ)ベンズアルデヒドを使用して化合物4を製造し、880mgの白色固体(化合物4)を得た。
m.p.186℃;H NMR(DMSO-d):δ(ppm)11.71(s,1H),8.54(s,1H),8.39(s,1H),8.27(s,1H),7.53~7.14(m,13H),5.95(s,1H),5.51(s,1H),5.34(s,1H),5.25(s,1H),5.21(s,4H),4.63(s,1H),4.17(s,1H),3.99(s,1H),3.72~3.58(m,2H);HRMS(ESI+)m/z [M+H]3130計算値:583.2300;実測値:583.2298。
実施例5:(2R,3R,4S,5R)-2-{6-{2-{(E)-[(5-(4-ブロモフェニル)フラン-2-イル]メチレン}ヒドラジノ}-9H-プリン-9-イル}-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(化合物5)の合成
Figure 2022538408000015
実施例1の工程1.2の方法を使用し、ピロール-2-カルバルデヒドの代わりに5-(4-ブロモフェニル)フラン-2-カルバルデヒドを使用して化合物5を製造し、712mgの黄色固体(化合物5)を得た。
m.p.162℃;H NMR(DMSO-d):δ(ppm)11.99(br,1H),8.58(s,1H),8.44(s,1H),8.35(s,1H),7.76(d,2H,J=8.4Hz),7.68(d,2H,J=8.4Hz),7.22(d,1H,J=3.6Hz),7.02(d,1H,J=3.6Hz),5.98(d,1H,J=6.0Hz),5.55~5.28(br,3H),4.65(s,1H),4.19(s,1H),4.01(s,1H),3.73~3.57(m,2H);HRMS(ESI+)m/z [M+H]2119BrN計算値:515.0673;実測値:515.0673。
実施例6:(2R,3R,4S,5R)-2-{6-{2-[(E)-2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジリデン]ヒドラジノ}-9H-プリン-9-イル}-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(化合物6)の合成
Figure 2022538408000016
実施例1の工程1.2の方法を使用し、ピロール-2-カルバルデヒドの代わりに2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒドを使用して化合物6を製造し、592mgの白色固体(化合物6)を得た。
m.p.200℃;H NMR(DMSO-d):δ(ppm)12.42(s,1H),8.78(s,1H),8.65(s,1H),8.62(d,1H,J=8.4Hz),8.50(s,1H),8.19(d,1H,J=8.4Hz),8.08(s,1H),6.01(d,1H,J=6.0Hz),5.57(d,1H,J=6.0Hz), 5.31~5.28(m,2H),4.65(dd,1H,J=4.8Hz,6.0Hz),4.20(d,1H,J=3.6Hz),4.01(d,1H,J=3.2Hz),3.75~3.57(m,2H);HRMS(ESI+)m/z [M+H]1916計算値:507.1210;実測値:507.1209。
実施例7: (2R,3R,4S,5R)-2-{6-{2-{(E)-4-[(4-フルオロベンジル)オキシ] ベンジリデン}ヒドラジノ}-9H-プリン-9-イル}-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(化合物7)の合成
Figure 2022538408000017
実施例1の工程1.2の方法を使用し、ピロール-2-カルボキシアルデヒドの代わりに4-(4-フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒドを使用して化合物7を製造し、859mgの白色固体(化合物7)を得た。
m.p.206℃;H NMR(DMSO-d):δ(ppm)11.69(s,1H),8.54(s,1H),8.38(s,1H),8.31(s,1H),7.70(d,2H,J=8.8Hz),7.53(t,2H,J=5.6Hz),7.24(t,2H,J=8.8Hz),7.11(d,2H,J=8.4Hz),5.97(d,1H,J=6.0Hz), 5.52(d,1H,J=6.4Hz),5.34(t,1H,J=5.20Hz),5.24(d,1H,J=4.4Hz),5.14(s,2H),4.63(d,1H,J=5.6Hz),4.18(s,1H),3.99(s,1H),3.72~3.56(m,2H);HRMS(ESI+)m/z [M+H]2423FN計算値:495.1787;実測値:495.1787。
実施例8:(2R,3R,4S,5R)-2-{6-{2-[(E)-3-(ベンジルオキシ)ベンジリデン]ヒドラジノ}-9H-プリン-9-イル}-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(化合物8)の合成
Figure 2022538408000018
実施例1の工程1.2の方法を使用し、ピロール-2-カルバルデヒドの代わりに3-(ベンジルオキシ)ベンズアルデヒドを使用して化合物8を製造し、568mgの白色固体(化合物8)を得た。
m.p.140℃;H NMR(DMSO-d):δ(ppm)11.80(s,1H),8.57(s,1H),8.40(s,1H),8.32(s,1H),7.51~7.32(m,8H),7.07~7.04(m,1H),5.97(d,1H,J=5.6Hz), 5.49(d,1H,J=6.4Hz),5.29(t,1H,J=5.20Hz),5.21(d,1H,J=4.8Hz),5.17(s,2H),4.63(dd,1H,J=5.6Hz,5.6Hz),4.18(dd,1H,J=3.6Hz,4.8Hz),3.99(d,1H,J=3.2Hz),3.73~3.55(m,2H);HRMS(ESI+)m/z [M+H]2424計算値:477.1881;実測値:477.1883。
実施例9:(2R,3S,4R,5R)-2-(ヒドロキシメチル)-5-{6-{2-[(E)-4-(ピリジン-2-イル)ベンジリデン]ヒドラジノ}-9H-プリン-9-イル}テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(化合物9)の合成
Figure 2022538408000019
実施例1の工程1.2の方法を使用し、ピロール-2-カルバルデヒドの代わりに4-(ピリジン-2-イル)ベンズアルデヒドを使用して化合物9を製造し、652mgの白色固体(化合物9)を得た。
m.p.236℃;H NMR(DMSO-d):δ(ppm)11.88(s,1H),8.70(d,1H,J=5.6Hz),8.58(s,1H),8.43(s,2H),8.20(d,2H,J=8.4Hz),8.03(d,1H,J=8.0Hz),7.92(d,1H,J=9.2Hz),7.88(d,2H,J=8.4Hz),7.40~7.37(m,1H),5.99(d,1H,J=6.0Hz), 5.51(d,1H,J=6.4Hz),5.30(t,1H,J=6.4Hz),5.22(d,1H,J=4.8Hz),4.64(dd,1H,J=5.6Hz,5.6Hz),4.19(dd,1H,J=3.6Hz,4.4Hz),4.00(d,1H,J=3.2Hz),3.73~3.57(m,2H);HRMS(ESI+)m/z [M+H]2221計算値:448.1728;実測値:448.1729。
実施例10:(2R,3R,4S,5R)-2-{6-{2-[(E)-[1,1’-ビフェニル]-4-イルメチレン]ヒドラジノ}-9H-プリン-9-イル}-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(化合物10)の合成
Figure 2022538408000020
実施例1の工程1.2の方法を使用し、ピロール-2-カルボキシアルデヒドの代わりに4-フェニルベンズアルデヒドを使用して化合物10を製造し、698mgの白色固体(化合物10)を得た。
m.p.170℃;H NMR(DMSO-d):δ(ppm)11.87(s,1H),8.59(s,1H),8.43(s,2H),7.86(d,2H,J=8.0Hz),7.78(d,2H,J=8.4Hz),7.74(d,2H,J=7.2Hz),7.51(t,2H,J=7.2Hz),7.41(t,1H,J=7.6Hz),5.99(d,1H,J=5.6Hz),5.54(d,1H,J=6.4Hz),5.34(t,1H,J=5.6Hz),5.26(d,1H,J=4.8Hz),4.64(dd,1H,J=5.2Hz,5.6Hz),4.19(dd,1H,J=3.6Hz,4.4Hz),4.00(d,1H,J=4.0Hz),3.74~3.57(m,2H);HRMS(ESI+)m/z [M+H]2322計算値:447.1775;実測値:447.1775。
実施例11:(2R,3S,4R,5R)-2-(ヒドロキシメチル)-5-{6-{2-[(E)-4-(ピロリジン-1-イル)ベンジリデン]ヒドラジノ}-9H-プリン-9-イル}テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(化合物11)の合成
Figure 2022538408000021
実施例1の工程1.2の方法を使用し、ピロリジン-2-カルバルデヒドの代わりに4-(1-ピロリジン-1-イル)ベンズアルデヒドを使用して化合物11を製造し、664mgの白色固体(化合物11)を得た。
m.p.202℃;H NMR(DMSO-d):δ(ppm)11.43(s,1H),8.48(s,1H),8.33(s,1H),8.24(s,1H),7.54(d,2H,J=8.4Hz),6.59(d,2H,J=8.4Hz),5.95(d,1H,J=6.4Hz), 5.48(d,1H,J=6.0Hz),5.36(t,1H,J=4.8Hz),5.20(d,1H,J=4.8Hz),4.63(d,1H,J=5.2Hz),4.17(d,1H,J=2.8Hz),3.98(d,1H,J=4.0Hz),3.72~3.55(m,2H),3.3(t,4H,J=6.6Hz),1.97(s,4H);HRMS(ESI+)m/z [M+H]2125計算値:440.2041;実測値:440.2039。
実施例12:(2R,3R,4S,5R)-2-{6-{2-[(E)-4-(1H-イミダゾール-1-イル)ベンジリデン]ヒドラジノ}-9H-プリン-9-イル}-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(化合物12)の合成
Figure 2022538408000022
実施例1の工程1.2の方法を使用し、ピロール-2-カルボキシアルデヒドの代わりに4-(1H-イミダゾール-1-イル)ベンズアルデヒドを使用して化合物12を製造し、683mgの白色固体(化合物12)を得た。
m.p.222℃;H NMR(DMSO-d):δ(ppm)11.87(s,1H),8.57(s,1H),8.41(s,1H),8.38(s,1H),8.35(s,1H),7.90(d,2H,J=8.4Hz),7.83(s,1H),7.76(d,2H,J=8.8Hz),7.14(s,1H),5.98(d,1H,J=6.0Hz), 5.50(d,1H,J=6.0Hz),5.29(t,1H,J=6.0Hz),5.22(d,1H,J=4.8Hz),4.63(dd,1H,J=5.2Hz,5.6Hz),4.19(dd,1H,J=3.6Hz,4.4Hz),3.99(d,1H,J=3.6Hz),3.74~3.56(m,2H);HRMS(ESI+)m/z [M+H]2020計算値:437.1680;実測値:437.1714。
実施例13:(2R,3S,4R,5R)-2-(ヒドロキシメチル)-5-{6-{2-[(E)-4-プロポキシベンジリデン]ヒドラジノ}-9H-プリン-9-イル}テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(化合物13)の合成
Figure 2022538408000023
実施例1の工程1.2の方法を使用し、ピロール-2-カルボキシアルデヒドの代わりに4-プロポキシベンズアルデヒドを使用して化合物13を製造し、686mgの白色固体(化合物13)を得た。m.p.202℃;H NMR(DMSO-d):δ(ppm)11.67(s,1H),8.54(s,1H),8.38(s,1H),8.31(s,1H),7.68(d,2H,J=8.4Hz),7.01(d,2H,J=8.8Hz),5.97(d,1H,J=5.6Hz), 5.52(d,1H,J=6.0Hz),5.35(s,1H),5.24(d,1H,J=4.8Hz),4.63(d,1H,J=4.8Hz),4.18(d,1H,J=3.2Hz),3.99(s,2H),3.96(s,1H),3.72~3.57(m,2H),1.75(sext,2H,J=7.2Hz,6.8Hz,6.4Hz),1.00(t,3H,J=7.6Hz);HRMS(ESI+)m/z [M+H]2024計算値:429.1881;実測値:429.1881。
実施例14:(2R,3S,4R,5R)-2-(ヒドロキシメチル)-5-{6-{2-[(E)-4-(トリフルオロメチル)ベンジリデン]ヒドラジノ}-9H-プリン-9-イル}テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(化合物14)の合成
Figure 2022538408000024
実施例1の工程1.2の方法を使用し、ピロール-2-カルボキシアルデヒドの代わりに4-(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒドを使用して化合物14を製造し、639mgの白色固体を得た。
m.p.182℃;H NMR(DMSO-d):δ(ppm)12.06(s,1H),8.60(s,1H),8.45(s,1H),8.42(s,1H),7.97(d,2H,J=8.4Hz),7.82(d,2H,J=8.8Hz),5.99(d,1H,J=5.6Hz),5.54(d,1H,J=5.6Hz),5.31(t,1H,J=5.2Hz),5.26(d,1H,J=4.8Hz),4.63(dd,1H,J=5.2Hz,5.6Hz),4.19(dd,1H,J=3.6Hz,4.4Hz),3.96(d,1H,J=3.6Hz),3.73~3.59(m,2H);HRMS(ESI+)m/z [M+H]1817計算値:439.1336;実測値:439.1336。
実施例15:(2R,3R,4S,5R)-2-{6-{2-[(E)-(5-ブロモピリジン-2-イル)メチレン]ヒドラジノ}-9H-プリン-9-イル}-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(化合物15)の合成
Figure 2022538408000025
実施例1の工程1.2の方法を使用し、ピロール-2-カルバルデヒドの代わりに5-ブロモ-2-ピリジンアルデヒド(5-ブロモピリジン-2-カルバルデヒド)を使用して化合物15を製造し、590mgの黄色固体(化合物15)を得た。
m.p.211℃;H NMR(DMSO-d):δ(ppm)12.14(s,1H),8.72(s,1H),8.61(s,1H),8.45(s,1H),8.36(s,1H),8.15(d,1H,J=8.0Hz),8.03(d,1H,J=8.8Hz),5.99(d,1H,J=6.0Hz),5.50(d,1H,J=6.0Hz),5.25(t,1H,J=6.0Hz),5.22(d,1H,J=4.8Hz),4.62(dd,1H,J=5.2Hz,5.6Hz),4.19(dd,1H,J=3.6Hz,4.8Hz),3.99(d,1H,J=3.2Hz),3.73~3.56(m,2H);HRMS(ESI+)m/z [M+H]1616BrN計算値:450.0520;実測値:450.0520。
実施例16:(2R,3S,4R,5R)-2-(ヒドロキシメチル)-5-{6-{2-[(E)-チアゾール-5-イル-メチレン]ヒドラジノ}-9H-プリン-9-イル}テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(化合物16)の合成
Figure 2022538408000026
実施例1の工程1.2の方法を使用し、ピロール-2-カルバルデヒドの代わりにチアゾール-5-ホルムアルデヒド(1,3-チアゾール-5-カルバルデヒド)を使用して化合物16を製造し、440mgの白色固体(化合物16)を得た。
m.p.224℃;H NMR(DMSO-d):δ(ppm)12.00(s,1H),9.13(s,1H),8.65(s,1H),8.56(s,1H),8.42(s,1H),8.20(s,1H), 5.96(d,1H,J=6.0Hz),5.52(d,1H,J=6.0Hz),5.30(s,1H),5.24(d,1H,J=4.8Hz),4.62(dd,1H,J=5.2Hz,5.6Hz),4.17(dd,1H,J=3.6Hz),3.98(d,1H,J=3.6Hz),3.72~3.55(m,2H);HRMS(ESI+)m/z [M+H]1415S計算値:378.0979;実測値:378.0978。
実施例17:(2R,3R,4S,5R)-2-{6-{2-{(1E,2E)-3-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]アリリデン}ヒドラジノ}-9H-プリン-9-イル}-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(化合物17)の合成
Figure 2022538408000027
実施例1の工程1.2の方法を使用し、ピロール-2-カルボキシアルデヒドの代わりに4-ジメチルアミノ桂皮アルデヒド((2E)-3-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]プロパ-2-エナール)を使用して化合物17を製造し、490mgの黄色固体(化合物17)を得た。
m.p.172℃;H NMR(DMSO-d):δ(ppm)11.57(br,1H),8.51(d,1H,J=3.6Hz),8.37(d,1H,J=6.0Hz),8.16(br,1H),7.44(d,1H,J=8.4Hz),7.31(d,1H,J=8.8Hz),6.83~6.70(m,4H),5.95(d,1H,J=5.6Hz),5.52(d,1H,J=6.0Hz),5.35(dd,1H,J=5.2Hz,6.0Hz),5.24(d,1H,J=4.4Hz),4.63(dd,1H,J=4.8Hz,6.0Hz),4.17(d,1H,J=3.6Hz),3.98(d,1H,J=3.2Hz),3.71~3.56(m,2H),2.95(s,6H);HRMS(ESI+)m/z [M+H]2125計算値:440.2041;実測値:440.2044。
実施例18:(2R,3R,4S,5R)-2-{6-{2-[(E)-4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)ベンジリデン]ヒドラジノ}-9H-プリン-9-イル}-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(化合物18)の合成
Figure 2022538408000028
実施例1の工程1.2の方法を使用し、ピロール-2-カルボキシアルデヒドの代わりに4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒドを使用して化合物18を製造し、600mgの白色固体を得た。
m.p.196℃;H NMR(DMSO-d):δ(ppm)12.10(s,1H),8.60(s,1H),8.45(s,1H),8.40(s,1H),8.22(s,1H),8.06(d,1H,J=8.4Hz),7.82(d,1H,J=8.4Hz),5.99(d,1H,J=6.0Hz),5.53(d,1H,J=5.6Hz),5.29(t,1H,J=5.6Hz),5.25(d,1H,J=4.8Hz),4.63(dd,1H,J=5.2Hz,6.0Hz),4.19(dd,1H,J=3.6Hz,4.8Hz),3.99(d,1H,J=3.6Hz),3.73~3.56(m,2H);HRMS(ESI+)m/z [M+H]1816ClF計算値:473.0946;実測値:473.0945。
実施例19:(2R,3R,4S,5R)-2-{6-{2-[(E)-4-(ジフェニルアミノ)ベンジリデン]ヒドラジノ}-9H-プリン-9-イル}-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(化合物19)の合成
Figure 2022538408000029
実施例1の工程1.2の方法を使用し、ピロール-2-カルバルデヒドの代わりに4-(N,N-ジフェニルアミノ)ベンズアルデヒド(4-(ジフェニルアミノ)ベンズアルデヒド)を使用して化合物19を製造し、460mgの白色固体(化合物19)を得た。
m.p.160℃;H NMR(DMSO-d):δ(ppm)11.66(s,1H),8.51(s,1H),8.37(s,1H),8.31(s,1H),7.63(d,2H,J=8.4Hz),7.35(t,4H,J=8.0Hz),7.13~7.07(m,6H),6.99(d,2H,J=8.8Hz),5.96(d,1H,J=6.0Hz),5.48(d,1H,J=6.0Hz),5.31(t,1H,J=6.0Hz),5.20(d,1H,J=4.4Hz),4.62(dd,1H,J=5.2Hz,5.6Hz),4.17(dd,1H,J=3.6Hz,4.8Hz),3.98(d,1H,J=3.2Hz),3.72~3.55(m,2H);HRMS(ESI+)m/z [M+H]2927計算値:538.2197;実測値:538.2198。
実施例20:(2R,3R,4S,5R)-2-{6-{2-[(E)-(2-ブチル-5-クロロ-1H-イミダゾール-4-イル)メチレン]ヒドラジノ}-9H-プリン-9-イル}-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(化合物20)の合成
Figure 2022538408000030
実施例1の工程1.2の方法を使用し、ピロール-2-カルバルデヒドの代わりに2-ブチル-5-クロロ-1H-イミダゾール-4-カルバルデヒドを使用して化合物20を製造し、640mgの白色固体(化合物20)を得た。
m.p.178℃;H NMR(DMSO-d):δ(ppm)12.79(s,1H),11.78(s,1H),8.53(s,1H),8.38(s,1H),8.36(s,1H),5.96(d,1H,J=6.0Hz),5.53(d,1H,J=6.4Hz),5.36(s,1H),5.26(d,1H,J=4.4Hz),4.64(dd,1H,J=5.2Hz,5.6Hz),4.17(d,1H,J=3.6Hz),3.99(d,1H,J=2.8Hz),3.71~3.56(m,2H),2.66(t,2H,J=7.6Hz),1.62(quint,2H,J=7.6Hz,7.2Hz),1.29(sext,2H,J=7.6Hz,7.6Hz,7.2Hz),0.891(t,3H,J=7.2Hz);HRMS(ESI+)m/z [M+H]1823ClN計算値:451.1604;実測値:451.1606。
実施例21:(2R,3R,4S,5R)-2-{6-{2-[(1E,2E,4E)-デカ-2,4-ジエン-1-イリデン]ヒドラジノ}-9H-プリン-9-イル}-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(化合物21)の合成
Figure 2022538408000031
実施例1の工程1.2の方法を使用し、ピロール-2-カルボキシアルデヒドの代わりに(2E,4E)-デカ-2,4-ジエナールを使用して化合物21を製造し、112mgの白色固体(化合物21)を得た。
m.p.178℃;H NMR(DMSO-d):δ(ppm)11.59(s,1H),8.50(s,1H),8.33(s,1H),8.04(d,1H,J=9.6Hz),6.61~6.00(m,3H),5.93(d,1H,J=5.6Hz),5.50(d,1H,J=6.4Hz),5.32(t,1H,J=4.8Hz),5.23(d,1H,J=4.8Hz),4.61(dd,1H,J=5.2Hz,6.0Hz),4.16(d,1H,J=3.6Hz),3.97(d,1H,J=3.2Hz),3.71~3.54(m,2H),2.13(dd,1H,J=6.8Hz,7.2Hz),1.43~1.23(m,8H),0.88(t,3H,J=6.8Hz);HRMS(ESI+)m/z [M+H]2028計算値:417.2245;実測値:417.2245。
実施例22:(2R,3R,4S,5R)-2-{6-{2-[(E)-シクロヘキシルメチレン]ヒドラジノ}-9H-プリン-9-イル}-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(化合物22)の合成
Figure 2022538408000032
実施例1の工程1.2の方法を使用し、ピロール-2-カルバルデヒドの代わりにシクロヘキサンカルバルデヒドを使用して化合物22を製造し、300mgの白色固体(化合物22)を得た。
m.p.132℃;H NMR(DMSO-d):δ(ppm)11.25(s,1H),8.46(s,1H),8.30(s,1H),7.60(d,1H,J=4.8Hz),5.93(d,1H,J=6.4Hz),5.50(d,1H,J=6.0Hz),5.35(s,1H),5.23(d,1H,J=4.4Hz),4.61(dd,1H,J=5.6Hz,5.6Hz),4.16(d,1H,J=3.2Hz,4.4Hz),3.97(dd,1H,J=3.2Hz,3.6Hz),3.70~3.54(m,2H),2.27(d,1H,J=4.8Hz),1.80~1.62(m,5H),1.35~1.18(m,5H);HRMS(ESI+)m/z [M+H]1724計算値:377.1932;実測値:377.1934。
実施例23:放射性リガンド結合試験
1)実験材料
[3H]CGS21680(2-[p-(2-カルボキシエチル)フェニルエチルアミノ]-5’-N-エチルホルムアミドアデノシン,[カルボキシ-1-エチル-3H(N)]-;250μCi)を、PerkinElmer Research Products(米国マサチューセッツ州ボストン)から購入した。
(ヒト)A2Aアデノシン受容体を安定にトランスフェクトされた細胞膜を、HEK-293細胞内で製造した。細胞膜を、PerkinElmer Research Products(米国マサチューセッツ州ボストン)から入手した。
CGS21680(2-[p-(2-カルボキシエチル)フェニルエチルアミノ]-5’-N-エチルホルムアミドアデノシン)を、Selleck(中国上海)から購入した。
全ての他の試薬は分析用グレードであり、商業的供給源から入手した。
2)実験方法
使用したA2Aアデノシン受容体は、全て細胞膜内で発現された。化合物を、10の異なる濃度(10μM、3.3μM、1.1μM、0.37μM、0.12μM、0.0412μM、0.0137μM、0.0046μM、0.0015μM、0.0005μM)を有する化合物源プレートを作成するためにDMSO(Solarbio、D8371-250ml)を用いて連続的に3倍希釈し;250nLの化合物を、384ウェルOptiプレートに添加し、パラフィルムで密封し;1mLの検出バッファ(50mMトリス-HCl pH7.4、10mMのMgCl、1mMのEDTA、1μg/mLのアデノシンデアミナーゼ)を、20UのhA2AHEK-293細胞膜に希釈のために添加し;希釈された細胞膜に、0.75μCi[3H]CGS21680(最終25nM)を添加し、よく混合し;50μLの調製された細胞膜希釈物を、新規化合物を含む384ウェルOptiプレートに移し、25℃で90分間インキュベートし;UNIFILTER-96GF/Bフィルタープレートに、100μLの0.5%ポリエチレンイミン溶液(PEI)を添加して4℃で90分間浸漬し;次いで、Cell Harvesterを使用して500μLの洗浄バッファ/ウェル(50mMのトリス-HCl pH 7.4、154mM NaCl)を移し、UNIFILTER-96 GF/Bフィルタープレートを2回洗浄し;Optiプレート中の混合系を洗浄されたUNIFILTER-96 GF/Bフィルタープレートに移し;500μLの洗浄バッファ/ウェル(50mMのトリス-HCl pH 7.4、154mM NaCl)を使用してUNIFILTER-96 GF/Bフィルタープレートを9回洗浄し;37℃で3分間インキュベーションを行い;40μLのULTIMA GOLDシンチレーション溶液(Perkin Elmer、カタログ#77-16061)を各ウェルに添加し、MicroBeta液体シンチレーションカウンター(PerkinElmer)を使用してCPM(毎分カウント)値を読んだ。[3H]CGS21680の特異的結合パーセンテージを、CPM値、[3H]CGS21680の特異的結合%=(CPMサンプル-CPM低コントロール)/(CPM高コントロール-CPM低コントロール)×100に従って算出し、式中の高コントロールは0.5%DMSO、低コントロールは100μM CGS21680であった。IC50値を、化合物濃度及び[3H]CGS21680の特異的結合パーセンテージに基づいてカーブフィッティングにより算出した。
3)実験結果
阻害定数(K)値を、チェンとプラソフの式、K=IC50/(1+[S]/K)に従ってIC50から算出し、式中の[S]は放射性リガンド濃度(25nM)であり、Kは[3H]CGS21680のヒトA2AAR解離定数(22nM)であった。A2Aアデノシン受容体と結合する本発明の化合物1~20の阻害定数Kを表1に示す。
Figure 2022538408000033
実施例24:アデノシン受容体A2AcAMP試験
1)実験材料
実験試薬及び消耗品:DMEM/F12、G418、ペニシリン-ストレプトマイシン、バーゼン液、HEPES、ハンク緩衝生理食塩水、PBS(pH7.4、1×、滅菌)、FBS、BSA安定剤7.5%、ロリプラム、NECAを、それぞれ、Gibico、Hyclone及びSigmaから購入した。LANCE(登録商標)Ultra cAMPキット(Eu-cAMPトレーサー、Ulight-抗cAMP試薬、cAMP検出バッファ)及びhADORA2A-HEK293細胞を、PerkinElmer Research Products(米国マサチューセッツ州ボストン)から購入した。全ての他の試薬は分析用グレードであり、商業的供給源から入手した。384ウェルポリプロピレンマイクロプレート及び384ウェル白色固体プレートを、それぞれ、Labcyte及びCorningから購入した。
実験装置:TECAN自動ピペッティングワークステーション、Echo超音波ピペッティングシステム及びEnVisonマイクロプレートリーダーを、それぞれ、TECAN、Labcyte及びEnvisionから購入した。
2)実験方法
ヒトアデノシン受容体A2Aを安定に発現する細胞(hADORA2A-HEK293細胞)を、37℃、5%のCO環境下、10%FBS、1×ペニシリン-ストレプトマイシン及び400μg/mlのG418を含有するDMEM/F12培地中で培養した。実験前に、細胞をバーゼン液で消化し、細胞を室温において5分間200gの遠心分離により集め、検出バッファ(5mM HEPES、0.1%BSA安定剤及び10μMロリプラム、pH7.4を含有するハンク緩衝生理食塩水)を用いて最終的に再懸濁した。TECAN自動ピペッティングワークステーションを使用して、384ウェルポリプロピレンマイクロプレート中の化合物は、DMSOを用いて11濃度点を作成するように3倍希釈により化合物源プレートを調製し、化合物の11濃度点は、10mM、3.33mM、1.11mM、0.37mM、0.12mM、0.041mM、0.013mM、4.57×10-3mM、1.52×10-3mM、5×10-4mM及び1.7×10-4mMであった。Echo超音波ピペッティングシステム(Labcyte)を使用して、化合物源プレートからの試験化合物を検出プレートに移し、移された化合物体積は10nl/ウェルであった。hADORA2A-HEK293細胞懸濁液を、30,000細胞/mlまで検出バッファで希釈し、細胞懸濁液を10μl/ウェル(300細胞/ウェル)の体積で検出プレートに移した。検出プレートを150gで1分間遠心分離し、室温で30分間プレインキュベートした。Eu-cAMPトレーサーワーキング液(40μlのEu-cAMPトレーサー、1.96mlのcAMP検出バッファ)をアッセイプレート(5μl/ウェル)に添加し、次いで、Ulight-抗cAMPワーキング液(13μlのUlight-抗cAMP試薬及び1.95mlのcAMP検出バッファ)をアッセイプレート(5μl/ウェル)に添加した。検出プレートを150gで30秒間回転し、室温で30分間インキュベートした。EnVisionマイクロプレートリーダー(EnVisonマルチモードプレートリーダー、PerkinElmer)を使用して最終溶液中の環式アデノシンモノホスフェートのレベルを試験した(λ励起=320nm、λ発光=665nm及び615nm)。環式アデノシンモノホスフェートのレベルの産生を刺激するA2Aアデノシン受容体と相互作用する化合物のEC50(nM)値を算出した。化合物A2A受容体アゴニスト力価を、環式アデノシンモノホスフェートのレベルの産生を刺激するA2Aアデノシン受容体と相互作用する化合物のEC50(nM)値として表した。
3)実験結果
AMPレベルを刺激するA2AARと相互作用する試験化合物のEC50(nM)値を、表2に示した。結果は、本発明により製造された化合物7、15及び16は、全て、hA2AARアゴニストであることを示した。化合物7、15及び16がA2AARと相互作用する場合、これらの阻害定数K値及びcAMPを刺激するEC50値は、基本的に同じナノモル濃度の範囲内であった。
Figure 2022538408000034
実施例25:血液脳関門開放方法の動物実験
1)実験材料
10,000MWの分子量を有するフルオレセイン標識化デキストランFITC-Dextran(CAS:60842-46-8)を、Tixiai(中国上海)Chemical Industry Development Co.,Ltd.から購入し;PBS溶液及び実験動物SDラットを商業的供給源から入手した。
2)実験方法
FITC-Dextran溶液をPBSを用いて調製して6濃度勾配(0.001、0.01、0.1、1、0.5、10μg/ml)を得て、FITC-Dextran濃度検量線をマイクロプレートリーダー(λ励起=490nm、λ発光=520nm)を用いて作成し;10mg/mlのFITC-Dextran溶液を別々に調製し、化合物5をPBS溶液に添加して1mg/ml溶液を作成し、1mlの10mg/mlのFITC-Dextran溶液及び1mlの1mg/mlの化合物5 PBS溶液を採り投与液剤を作成し;1mlの10mg/mlのFITC-Dextran溶液及び1mlのPBS溶液を採りブランクコントロール溶液を作成し;6SDラットの尾静脈に2mlの投与液剤をそれぞれに注射し、一方、別の6SDラットの尾静脈に2mlのブランクコントロール溶液を注射し;30分後、全SDラットの脳組織を取り出してホモジナイズし、10,000rpmで15分間遠心分離し、上澄みを試験用に採り;マイクロプレートリーダー(λ励起=490nm、λ発光=520nm)を試験しようとする液剤の蛍光検出のために使用した。
3)実験結果
マイクロプレートリーダーにより測定された蛍光値を、得られたFITC-Dextran濃度の検量線に従って対応するFITC-Dextran平均濃度に換算した。結果を表3に示した。結果は、巨大分子FITC-Dextranそれ自体は血液脳関門を通過することができるが、化合物5を添加されたFITC-DextranはBBBを通過して脳に侵入することができ、化合物5が血液脳関門を開放することができることを示した。
Figure 2022538408000035
本開示の特定の実施形態を詳細に記載したが、当業者は、開示された教示の全てに従って、これらの詳細に様々な修正及び置換を行うことができ、これらの変更は全て本開示の保護の範囲内であることを理解するだろう。本開示の完全な範囲は、附属のクレーム及びその均等物により得られる。本開示に引用されている出版物及び特許書類は、参照することにより本明細書に組み入れられる。

Claims (20)

  1. 一般式(I)により表される化合物、若しくはその立体異性体、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な塩、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な水和物若しくは溶媒和物、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能なエステルであって、前記化合物は一般式(I):
    Figure 2022538408000036
    により表される構造を有し、式中:
    は、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、C1~10アルキル、ヘテロシクロアルキル、C1~10ヘテロアルキル又はC2~10アルケニルであり;
    は、1つ以上のR’により任意に置換されていてもよく、各R’は、フェニル、ハロフェニル、アミノ置換フェニル、ベンジルオキシ、ハロベンジルオキシ、フェニルアミノ、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C1~6アルキル、ハロゲン化C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C1~6アルコキシ、C1~6アルキルチオ、-NHC(O)R10、ハロゲン又はシアノからなる群から独立して選択され、R10はC1~6アルキルである、
    化合物、若しくはその立体異性体、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な塩、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な水和物若しくは溶媒和物、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能なエステル。
  2. は、C6~10アリール、5~7員ヘテロアリール、5~6員シクロアルキル、5~6員ヘテロシクロアルキル、C1~10アルキル、C1~10ヘテロアルキル又はC2~10アルケニルから選択され;
    好ましくは、Rは、フェニル、ピロリル、イミダゾリル、チアゾリル、フリル、ピリジル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、トリフルオロメチル、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、tert-ブトキシ、sec-ブトキシ、n-ペンチルオキシ、n-ヘキシルオキシ、メチルチオ、エチルチオ、n-プロピルチオ、イソプロピルチオ、n-ブチルチオ、tert-ブチルチオ、sec-ブチルチオ、n-ペンチルチオ、n-ヘキシルチオ又はC2~10アルケニルからなる群から選択され;
    好ましくは、Rは、フェニル、ピロリル、フリル、イミダゾリル、チアゾリル、シクロヘキシル、アルキルチオ、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、tert-ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、ビニル、又はデカジエニルからなる群から選択される、
    請求項1に記載の化合物、若しくはその立体異性体、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な塩、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な水和物若しくは溶媒和物、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能なエステル。
  3. 各R’は、フェニル、ハロフェニル、アミノ置換フェニル、ベンジルオキシ、ハロベンジルオキシ、フェニルアミノ、イミダゾリル、ピリジル、5~6員シクロアルキル、5~6員ヘテロシクロアルキル、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、-NHC(O)R10、ハロゲン又はシアノからなる群から独立して選択され、R10はC1~4アルキルであり;
    好ましくは、各R’は、フェニル、ハロフェニル、ジメチルアミノ置換フェニル、ベンジルオキシ、ハロベンジルオキシ、ジフェニルアミノ、1H-イミダゾール-1-イル、ピリジン-2-イル、1H-イミダゾール-1-イル、ピロリジン-1-イル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、トリフルオロメチル、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、tert-ブトキシ、sec-ブトキシ、n-ペンチルオキシ、n-ヘキシルオキシ、メチルチオ、エチルチオ、n-プロピルチオ、イソプロピルチオ、n-ブチルチオ、tert-ブチルチオ、sec-ブチルチオ、n-ペンチルチオ、n-ヘキシルチオ、-NH(CO)CH、F、Cl、Br又はシアノからなる群から独立して選択される、
    請求項1に記載の化合物、若しくはその立体異性体、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な塩、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な水和物若しくは溶媒和物、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能なエステル。
  4. 前記化合物は式I-1:
    Figure 2022538408000037
    により表される構造であって、式中:
    は、ベンゼン環と結合された置換基である;
    nは、1、2、3、4又は5である;
    各Rは、フェニル、ベンジルオキシ、ハロベンジルオキシ、フェニルアミノ、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C1~6アルキル、C1~6ヘテロアルキル、C1~6ハロアルキル、C2~10アルケニル(例えば、C2~6アルケニル)、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C1~6アルキルアミノ、アシルアミノ、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ又は-NHC(O)R10からなる群から独立して選択され、R10はC1~4アルキルであり;
    好ましくは、各Rは、フェニル、ハロフェニル、アミノ置換フェニル、ベンジルオキシ、ハロベンジルオキシ、フェニルアミノ、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C2~10アルケニル(例えば、C2~6アルケニル)、C1~6アルコキシ、-NHC(O)R10、ハロゲン又はシアノからなる群から独立して選択され、R10はC1~4アルキルである、
    構造を有する、請求項1に記載の化合物、若しくはその立体異性体、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な塩、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な水和物若しくは溶媒和物、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能なエステル。
  5. 各Rは、C1~6アルキル、C1~6ヘテロアルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C1~6アルキルアミノ、アシルアミノ、フェニル、ベンジルオキシ、ハロベンジルオキシ、フェニルアミノ、5~6員ヘテロシクロアルキル、-NH(CO)CH、ハロゲン、ヒドロキシ、又はシアノからなる群から独立して選択される、
    請求項4に記載の化合物、若しくはその立体異性体、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な塩、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な水和物若しくは溶媒和物、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能なエステル。
  6. 各Rは、メチル、トリフルオロメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、C1~3アルコキシ、フェニル、ジフェニルアミノ、ベンジルオキシ、ハロベンジルオキシ、ピリジン-2-イル、1H-イミダゾール-1-イル、ピロリジン-1-イル、-NH(CO)CH、F、Cl、Br又はシアノからなる群から独立して選択される、
    請求項4に記載の化合物、若しくはその立体異性体、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な塩、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な水和物若しくは溶媒和物、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能なエステル。
  7. 前記化合物は、
    Figure 2022538408000038
    Figure 2022538408000039
    Figure 2022538408000040
    Figure 2022538408000041
    Figure 2022538408000042
    Figure 2022538408000043
    Figure 2022538408000044
    Figure 2022538408000045
    から選択される、請求項1に記載の化合物、若しくはその立体異性体、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な塩、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な水和物若しくは溶媒和物、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能なエステル。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物、若しくはその立体異性体、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な塩、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な水和物若しくは溶媒和物、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能なエステルの製造方法であって、前記方法は:
    Figure 2022538408000046
    式(vii)の化合物を、式(viii)により表される置換ホルムアルデヒドと反応させて、一般式(I)により表される化合物を得ることを含み、Rの定義は請求項1~3のいずれか一項に記載のものと同じであり;
    好ましくは、前記式(vii)の化合物は、70~90℃においてマイクロ波下メタノール溶液中で前記置換ホルムアルデヒド(viii)と反応し;
    Figure 2022538408000047
    好ましくは、前記式(vii)の化合物は、60~80℃においてヒドラジン水和物を用いてヒドラジン分解することによって式(vi)の化合物から製造される、
    方法。
  9. 医薬組成物であって、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物、若しくはその立体異性体、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な塩、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な水和物若しくは溶媒和物、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能なエステルのうちの少なくとも1つ、及び1つ以上の医薬的に許容可能な担体若しくは賦形剤を含む、医薬組成物。
  10. 中枢神経系の疾病又は障害を治療するための薬剤、神経毒の解毒薬、及び脳グリオーマ治療薬からなる群から選択される血液脳関門を横切る薬剤、
    をさらに含む、請求項9に記載の医薬組成物。
  11. 2Aアデノシン受容体アゴニストとして医薬品製造における、又は
    ヒト病態若しくは症状の予防及び/若しくは治療のための医薬品製造において、
    前記ヒト病態若しくは症状はA2Aアデノシン受容体の活性に関連し、前記ヒト病態若しくは症状の予防及び/若しくは治療はA2Aアデノシン受容体の刺激を必要とする、
    請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物、若しくはその立体異性体、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な塩、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な水和物若しくは溶媒和物、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能なエステル、又は請求項9若しくは10に記載の医薬組成物の使用。
  12. 前記ヒト病態又は症状は、自己免疫刺激、炎症、アレルギー性疾患、皮膚疾患、感染症、消耗性疾患、神経障害性疼痛、開放性外傷、薬物療法が原因の副作用、循環器疾患、虚血再灌流障害、痛風、化学的損傷、熱傷、糖尿病性腎症、鎌状赤血球症、蹄葉炎、鋳造技術者の疾患、緑内障、高眼圧症、脊髄損傷、心筋梗塞、及び急性心筋梗塞からなる群から選択される、請求項11に記載の使用。
  13. ヒト心筋血流異常の診断のための医薬品製造における、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物、若しくはその立体異性体、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な塩、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な水和物若しくは溶媒和物、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能なエステル、又は請求項9若しくは10に記載の医薬組成物の使用。
  14. 治療薬を受ける対象の血液脳関門透過性を増大し、ここで前記対象が前記脳関門を横断する治療薬を送達するための血管脳関門透過性を増大する利益を受ける、医薬品製造における、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物、若しくはその立体異性体、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な塩、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な水和物若しくは溶媒和物、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能なエステル、又は請求項9若しくは10に記載の医薬組成物の使用。
  15. 前記治療薬は、中枢神経系の疾病又は障害の治療に有効である薬剤、神経毒の解毒薬、及び脳グリオーマ治療薬からなる群から選択される、請求項14に記載の使用。
  16. 請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物、若しくはその立体異性体、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な塩、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な水和物若しくは溶媒和物、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能なエステル、又は請求項9若しくは10に記載の医薬組成物のうちの少なくとも1つの治療有効量を、かかる治療を必要とする患者に投与することを含む、ヒト病態若しくは症状の予防及び/又は治療方法であって、
    ここで前記ヒト病態若しくは症状はA2Aアデノシン受容体の活性に関連し、かつ前記ヒト病態若しくは症状の予防又は治療はA2Aアデノシン受容体の刺激を必要とし;
    好ましくは、前記ヒト病態又は症状は、自己免疫刺激、炎症、アレルギー性疾患、皮膚疾患、感染症、消耗性疾患、神経障害性疼痛、開放性外傷、薬物療法が原因の副作用、循環器疾患、虚血再灌流障害、痛風、化学的損傷、熱傷、糖尿病性腎症、鎌状赤血球症、蹄葉炎、鋳造技術者の疾患、緑内障、高眼圧症、脊髄損傷、心筋梗塞、及び急性心筋梗塞からなる群から選択される、
    方法。
  17. ヒト病態又は症状の予防及び/又は治療において使用するための、請求項1~7のいずれか一項に記載の一般式(I)により表される化合物、若しくはその立体異性体、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な塩、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な水和物若しくは溶媒和物、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能なエステルであって、
    前記ヒト病態若しくは症状はA2Aアデノシン受容体の活性に関連し、かつ前記ヒト病態若しくは症状の予防又は治療はA2Aアデノシン受容体の刺激を必要とし;
    好ましくは、前記ヒト病態又は症状は、自己免疫刺激、炎症、アレルギー性疾患、皮膚疾患、感染症、消耗性疾患、神経障害性疼痛、開放性外傷、薬物療法が原因の副作用、循環器疾患、虚血再灌流障害、痛風、化学的損傷、熱傷、糖尿病性腎症、鎌状赤血球症、蹄葉炎、鋳造技術者の疾患、緑内障、高眼圧症、脊髄損傷、心筋梗塞、及び急性心筋梗塞からなる群から選択される、
    化合物、若しくはその立体異性体、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な塩、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な水和物若しくは溶媒和物、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能なエステル。
  18. 2Aアデノシン受容体を刺激若しくは冠動脈の血管拡張における使用のための、又は
    ヒト心筋血流異常の診断における使用のための、又は
    治療薬を受けている対象の血液脳関門の透過性の増大であって、ここで前記対象は前記血液脳関門を横切って前記治療薬を送達するための血液脳関門の透過性増大から利益を得る使用のための、
    好ましくは、前記治療薬は、中枢神経系の疾病若しくは障害を治療するための薬剤、神経毒の解毒薬、及び脳グリオーマ治療薬からなる群から選択される、
    請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物、若しくはその立体異性体、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な塩、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な水和物若しくは溶媒和物、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能なエステル。
  19. 請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物、若しくはその立体異性体、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な塩、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な水和物若しくは溶媒和物、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能なエステル、又は請求項9若しくは10に記載の医薬組成物の診断有効量を、かかる診断を必要とする患者に投与することを含む、ヒト心筋血流異常の診断方法。
  20. 治療薬を受けている対象の血液脳関門の透過性増大のための方法であって、前記方法は、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物、若しくはその立体異性体、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な塩、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能な水和物若しくは溶媒和物、又は前記化合物若しくは立体異性体の医薬的に許容可能なエステル、又は請求項9若しくは10に記載の医薬組成物の有効量を、前記対象に投与することを含み;
    好ましくは、前記治療薬は、中枢神経系の疾病若しくは障害を治療するための薬剤、神経毒の解毒薬、及び脳グリオーマ治療薬からなる群から選択される、
    方法。
JP2021576094A 2019-06-21 2020-06-22 A2aアデノシン受容体アゴニスト活性を有する6-ヒドラジノアデノシン化合物 Ceased JP2022538408A (ja)

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