JP2022538271A - 二次感染の予防および/または治療に使用するための表面タンパク質(sp-d)/sirpa/shp2経路の阻害剤 - Google Patents

二次感染の予防および/または治療に使用するための表面タンパク質(sp-d)/sirpa/shp2経路の阻害剤 Download PDF

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Abstract

発明は、二次疾患、特に院内疾患の予防ならびに/または治療に使用するための、表面タンパク質D(SP-D)の阻害剤、および/またはSP-D-SIRPα相互作用の阻害剤に関する。本発明はまた、二次感染の治療に使用するための表面タンパク質D(SP-D)の阻害剤および/またはSP-D-SIRPα相互作用の阻害剤を含む、医薬組成物に関する。本発明は、療法的および診断的医療技術分野における用途を見出す。

Description

本発明は、二次疾患、特に院内疾患の予防および/または治療に使用するための、表面タンパク質D(SP-D)の阻害剤、ならびに/またはSP-D/SIRPα相互作用および/もしくはSHP-2の阻害剤に関する。
本発明はまた、二次疾患、特に院内疾患の予防および/または治療に使用するための、表面タンパク質D(SP-D)の阻害剤、および/またはSP-D-SIRPα相互作用の阻害剤、および/またはSHP-2の阻害剤を含む、医薬組成物に関する。
本発明は、療法的および診断的医療技術分野における用途を見出す。
肺胞マクロファージ(AM)は、空中浮遊最近が増殖する上皮の管腔表面を監視し、上皮細胞と一緒に、肺粘膜の自然免疫応答の閾値および質の調節に貢献する13。
健康な肺は、細菌が定着し、細菌による負荷は、粘膜免疫によって継続的に制御されている(Charlson et al.,2011[1])。病原性細菌による感染は、このバランスを破壊し、病原体によって引き起こされる直接的な損傷を通じて、または免疫のエフェクター機序によって誘発される免疫病理学を通じて、肺損傷を誘発し得る。したがって、健康な免疫応答は、病原体に対するエフェクター機序の展開を最大化しながら、確実にし得る自己組織の損傷を最小化する必要があり、これは確実に行われ得る。
院内感染(NI)が罹患率および死亡率を増加させることは周知である。特に、最も一般的なNIは、手術部位感染、消化管および気道の感染、尿路感染、および一次敗血症である。(Ella Ott,Dr.med.,et al.“The Prevalence of Nosocomial and Community Acquired Infections in a University Hospital An Observational Study Dtsch Arztebl Int.2013 Aug;110(31-32):533-540[2])。
感染性疾患からの肺炎は、主な死因である(Mizgerd,2006[3])。肺炎を発症するリスクは、重度一次感染後に増加し、感染の最初のエピソードから回復中の重病患者では30~50%に達する(van Vught et al.,2016a[59])。総じて敗血症誘発性の免疫抑制として知られている後天性免疫欠陥に起因して、二次肺炎に対する感受性が増加することが現在認められている(Hotchkiss et al.,2013a[4]、Roquilly and Villadangos,2015[5])。一次感染から回復中の患者の二次肺炎を予防および治療するには、関与する機序に対する深い理解が不可欠である。
院内肺炎(HAP)は、病院で獲得される感染の最も頻繁な形態であり、欧州では毎年50万件のエピソードが報告されている。HAPは、これに帰する10%の死亡率を有し、長期入院を必要とし、退院後の患者の生活の質を低減する(Bekaert,M.et al.[6]、GBD 2015 DALYs and HALE Collaborators[7])。欧州疾病予防管理センターは、欧州の病院における抗菌剤使用のうちの33%が、気道感染が原因であるものであることを報告した。HAPは、薬物耐性病原体によって頻繁に誘発されるので、集中治療室での広域抗生物質消費の主な原因であり、広域抗生物質の消費が、ひいては抗生物質耐性を促進する。HAPはまた、エピソード当たりの平均コストが
Figure 2022538271000001

を超えるので、公共保健制度に高い経済的負担を課す。米国では、HAP管理に年間80億ドルを費やしている。(Eber,M.R.,et al.2010[8])。国際的な勧告(Torres,A.et al.(2017)[9]、Kalil,A.C.et al 2016[10])が啓発されたにもかかわらず、HAPを予防するための戦略として細菌性負荷の低減を目的とする療法および予防手段は、結果の改善をもたらしておらず、一般的に、治療は未だに上首尾ではない(Klompas,M.2009[11]、Weiss,E.2017[12])。革新的かつより効率的な療法を開発するには、HAP発症に影響を与える要因をより良好に理解することが火急に必要とされている。特に利益となるのは、HAPなどの院内疾患に対する感受性を予測し、感染に対する宿主の耐性を改善することを目的とする戦略である。
二次感染、特にHAPなどの院内感染を発症するリスクは、重篤な医学的状態から回復中の重病患者では30~50%に達する(Asehnoune,K.et al.2014[13]、Van Vught,L.A.et al.2016[14])。感受性の増加についての従来的な説明は、これらの患者の肺は、通常は下気道に到達しない細菌が定着するようになり、感染を引き起こすというものであった。HAPに対する感受性が重病患者で増加することについての代替的な説明、すなわち患者は感染を制御する能力が低いという説が浮上している。この仮説の裏付けは、敗血症、重度外傷、および全身性炎症の他の動機が、総じて重病に関連する免疫抑制として知られている免疫欠陥を引き起こすことを示している、マウスおよび臨床研究から得られた(Belkaid,Y.&Harrison,O.J.2017[15]、Charlson,E.S.et al,2011[16])。免疫抑制の特定の機序は、解明され始めたばかりである。樹状細胞(DC)は細菌性感染の制御に寄与し、敗血症または外傷が樹状細胞の機能障害(麻痺)を引き起こすことが示されている(Hotchkiss,R.S et al.2013[17])。DC麻痺は、肺の免疫抑制に影響を与え得るが、しかしながら、特に肺の免疫抑制は、樹状細胞の障害に起因しない。免疫抑制を有する人は感染、特に細菌性感染に対する感受性が高く、病院では、免疫不全の人は院内感染に対して感受性が高いことが知られている。加えて、院内感染は、細菌性感染に起因する場合、ほとんどの場合、最も一般的な抗生物質化合物に耐性のある強い感染であることが周知である。したがって、これらの療法は、NIを効果的に治療することを可能にすることができず、および/または期待されるよりも治療効果が低いので、改善する必要がある。
したがって、院内感染を予防し、および/または免疫抑制、特に病気に関連する免疫抑制を抑制/減少させることができる方法および/または化合物を見出すことが真に必要とされている。
したがって、院内感染(NI)のより効率的な治療および/または効果的な治療を可能にする方法および/または化合物を見出すことが真に必要とされている。特に、院内感染(NI)の治療において、新しい戦略、すなわち新しい標的/経路を見出すことが真に必要とされている。
本発明は、これらの必要性を満たし、二次疾患、特に院内疾患を予防および/または治療するために、表面タンパク質D(SP-D)の阻害剤、および/またはSP-D-SIRPα相互作用の阻害剤、および/またはSIRPαによるSHP-2の活性化の阻害を使用することによって、先行技術の上述の欠点を克服する。
発明者らは、ヒトのAMおよび単球と同様である、マウスにおける肺炎の解消前、解消中、および解消後のAMの機能的特性が、感染の解消後数ヶ月間、深刻な機能的欠陥を示したことを実証している。例えば、SIRP-α刺激による細胞微小環境の調節に起因する最も顕著な欠陥は、不十分な細菌貪食能力であった。
発明者らはまた、ヒトAMおよび単球と同様である、マウスにおける敗血症または非敗血症性炎症の解消前、解消中、および解消後のAMの機能的特性が、感染の解消後数ヶ月間、深刻な機能的欠陥を示したことを実証している。例えば、SIRP-α刺激による細胞微小環境の調節に起因する最も顕著な欠陥は、不十分な細菌貪食能力であった。
特に、マクロファージおよび樹状細胞(DC)は、免疫および寛容性を調和させ、発明者らは、第1の感染、例えば肺炎の解消前、解消中、および解消後の機能的特性を比較し、両方の細胞型が、本明細書では「麻痺」とも記述される深刻な変化を示したことを実証している。麻痺は、免疫恒常性に関与する局所メディエーターのSIRP-A依存性調節によって引き起こされた。発明者らは、DCおよびマクロファージの機能不全が、細菌性またはウイルス性一次敗血症後の長期の免疫抑制、および二次感染、例えば二次肺炎などの院内感染(NI)に対する感受性の増加の重要な要因であることを裏付けている。
加えて、発明者らは、第1の炎症、例えば肺炎または外傷の解消前、解消中、および解消後のマクロファージおよび樹状細胞(DC)の機能的特性を比較し、両方の細胞型が、本明細書では「麻痺」とも記述される深刻な変化を示したことを実証している。麻痺は、免疫恒常性に関与する局所メディエーターのSIRP-A依存性調節によって引き起こされた。発明者らは、DCおよびマクロファージの機能不全が、細菌性またはウイルス性一次敗血症後の長期の免疫抑制、および二次感染、例えば二次肺炎などの院内感染(NI)に対する感受性の増加の重要な要因であることを裏付けている。
敗血症および外傷は、炎症誘発性の免疫抑制および二次感染、例えば病院で獲得される肺炎に対する感受性の上昇を引き起こす。発明者らはまた、驚くべきことに、細菌性またはウイルス性の一次肺炎の解消後、肺胞マクロファージ(AM)が数週間にわたって不十分な貪食能力を呈したことを実証している。発明者らはまた、驚くべきことに、細菌性またはウイルス性の一次肺炎または非敗血症性の肺の炎症の解消後、肺胞マクロファージ(AM)が数週間にわたって不十分な貪食能力を呈したことを実証している。発明者らはまた、サイトカイン受容体活性およびチロシンキナーゼ活性の分子機能を推進する転写プログラミングによって、「麻痺した」AMが常在AMから発展していることを実証している。新たに形成されたAMのリプログラミングは、病原体に直接遭遇することによってではなく、一次感染の解消時に確立された免疫抑制シグナルによって局所的に誘発された。発明者らはまた、チロシンキナーゼ阻害受容体であるSIRP-αが、抑制微小環境の調節において重要な役割を果たしたことを実証している。発明者らはまた、全身性炎症を患うヒトにおいて、AMだけでなく、循環単球も炎症の解消後最大6ヶ月間表現型の変化を表示し、これらのリプログラミングは病院で獲得される肺炎のリスクと関連していることを実証している。
発明者らはまた、SP-D濃度の変動が貪食AMの変動と逆相関することを実証してい
る。言い換えれば、発明者らは、驚くべきことに、SP-D濃度の増加がAMによる貪食の長期にわたる減少と関連し、特にSIRP-α活性化が、細胞の微小環境を数週間変化させるので、この欠陥が、SP-D濃度の正常化後も続くことを実証している。
発明者らは、免疫細胞の変化が、例えば、炎症、敗血症、および/または外傷、および/または大手術後の二次感染に対するヒトの感受性の増加の部分的原因であり得ることを実証している。
発明者らはまた、SP-D/SIRPα相互作用の阻害剤の使用が、二次感染、例えば、院内感染が何であれ院内感染を治療することを可能にすることを実証している。言い換えれば、発明者らは、表面タンパク質D(SP-D)によるSIRPAの活性化の阻害剤が、院内感染を治療および/または予防し、また、例えば、細菌性、および/またはウイルス性、および/または真菌性の一次敗血症、および/または感染、および/または外傷、および/または急性炎症、および/または大手術の後の長期の免疫抑制を阻害することを可能にすることを実証している。
発明者らはまた、表面タンパク質D(SP-D)の阻害剤、および/またはSP-D/SIRPα相互作用の阻害剤が、院内感染を治療および/または予防し、また、例えば、細菌性、および/またはウイルス性、および/または真菌性の一次敗血症、および/または感染、および/または外傷、および/または急性炎症、および/または大手術の後の長期の免疫抑制を阻害することを可能にすることを実証している。
加えて、発明者らはまた、表面タンパク質D(SP-D)の阻害剤が、全身的な方式での二次感染の予防を可能にすることを実証している。言い換えれば、発明者らは、一次状態、例えば細菌性、および/もしくはウイルス性、および/もしくは真菌性の、一次敗血症および/もしくは感染後、ならびに/または一次炎症を誘発し得る状態、例えば外傷、出血、感染、大手術後、タンパク質D(SP-D)とSIRPAとの間の相互作用の阻害剤は、循環単球による貪食を回復させ、局在化および/または感染した臓器が何であれ、二次感染を予防することを可能にすることを実証している。特に、発明者らは、予想外にも、SIRPA/サーファクタントタンパク質D(SP-D)相互作用の阻害剤が、全身的な保護を提供し、全身的な保護によって、一次感染とは異なる局在化および/または異なる臓器に現れ得る二次感染を、有利にも予防および/または治療することを可能にすることを実証している。
加えて、発明者らはまた、SHP-2の阻害剤、特にSIRPαによるSHP-2の活性化の阻害が、全身的な方式での二次感染の予防を可能にすることを実証している。言い換えれば、発明者らは、一次状態、例えば細菌性、および/もしくはウイルス性、および/もしくは真菌性の一次敗血症および/もしくは感染後、かつ/または一次炎症を誘発し得る状態、例えば外傷、出血、感染、大手術の後、SHP-2の阻害剤、特にSIRPαによるSHP-2の活性化の阻害は、循環単球による貪食を回復させ、局在化および/または感染した臓器が何であれ、二次感染を予防することを可能にすることを実証している。特に、発明者らは、予想外にも、SIRPαによるSHP-2の活性化の阻害の阻害剤が、全身的な保護を提供し、全身的な保護によって、一次感染とは異なる局在化および/または異なる臓器に現れ得る二次感染を、有利にも予防および/または治療することを可能にするであろうことを実証している。
さらに、発明者らは、本発明が、驚くべきことかつ予期せぬことに、二次感染の原因が何であれ、二次感染を予防および/または治療することを可能にすることを実証している。言い換えれば、二次感染の起源および/または原因は、有利にも、一次感染の起源および/または原因とは異なり得る。
感染または外傷からの回復に続いて、ヒトの単球による細胞外細菌の貪食が低減することを表している。図1aは、単球(CD14pos)の画像およびヒストグラムで構成されている。画像は、健康なヒト(n=3)から収集した末梢血単核細胞のYFP-Escherichia coli(E.coli)のインキュベーション後の示された時間に、イメ-ジングフローサイトメトリーによって撮影した。2つの独立した実験を表すヒストグラムは、インキュベーション後の時間(横座標)での時間に照らした貪食単球のパーセンテージ(縦座標)を表している。図1bは、健康な非感染ヒトおよび重度外傷の1日~6か月後までの患者から収集したPBMCを、YFP-E Coliとインキュベーションした0、1、2、または4時間後(hpi)のCD14pos細胞中のYFPレベルのヒストグラムおよびパーセンテージを表すヒストグラムである。(n=5~7人の患者)。グラフは、平均±SDを表し、3回の独立した実験から蓄積したデータである。ヒストグラムは、インキュベーション後の時間(横座標)での時間に照らした貪食単球のパーセンテージ(縦座標)を表している。図1cは、健康な非感染ヒトから収集したPBMCを、YFP-Staphylococcus aureus(S.aureus)とインキュベーションした後、または重度外傷後の示された時間での、貪食(YFPpos)単球(CD14pos)のパーセンテージを表すヒストグラムである(n=5~7人の患者)。グラフは、平均±SDを表し、3回の独立した実験から蓄積したデータである。図1dは、健康な非感染ヒトまたは敗血症発症後の示された時間に重度敗血症患者から収集したPBMCを、YFP-E.coliとインキュベーションした後の、貪食(YFPpos)単球(CD14pos)のパーセンテージを表すヒストグラムである(n=5~7人の患者)。グラフは、平均±SDを表し、3回の独立した実験から蓄積したデータである。 マウスの、感染からの回復に続く二次肺炎に対する感受性の高さおよび肺胞マクロファージによる貪食の低減を示している。図2aは、Escherichia coli(E.coli)またはインフルエンザAウイルス(IAV)による一次肺炎、およびYFPpos-E.coliまたはYFPpos-S.aureusによる二次肺炎の、実験概要の概略図である。図2bは、E.coliまたはIAV一次肺炎の7日後に誘発された二次E.coli肺炎の1日後に分析した、気管支肺胞洗浄液(CFU/mL)(縦座標)のミリリットル当たりのコロニー形成単位(CFU)(横座標)の列挙を表すヒストグラムである。(n=群当たり5匹のマウス)。図2cは、YFP-E.coliの気管内滴注の2時間後にイメージングフローサイトメトリーによって撮影した、マウスの気管支肺胞洗浄液からのAM(F4/80posCD11cpos)の画像である(n=3匹のマウス)。1つの実験を表す。ヒストグラムは、貪食細胞のパーセンテージおよび非特異的結合のパーセンテージを表している。図2dは、ナイーブマウス(一次肺炎)またはE.coliもしくはIAV(インフルエンザAウイルス)肺炎(二次肺炎)から治癒したマウスにおける、YFPnegまたはYFPpos-E.coli肺炎(75μL、OD600=2~3)の2時間後の貪食AMのプロットおよびパーセンテージの表示を含む図である。(n=5~8匹のマウス)。グラフは、平均±SDを表し、3回の独立した実験から蓄積したデータである。ヒストグラムは、貪食肺胞マクロファージのパーセンテージを表している。 図2eは、ナイーブマウス(一次肺炎)またはE.coliもしくはIAV肺炎(二次肺炎)から治癒したマウスにおける、YFPnegまたはYFPpos-MSSA肺炎(75μL、OD600=2~3)の2時間後の貪食AMのプロットおよびパーセンテージの表示を含む図である。(n=4~5匹のマウス)。グラフは、平均±SDを表し、2回の独立した実験から蓄積したデータである。ヒストグラムは、ナイーブマウス(一次肺炎)またはE.coliもしくはIAV肺炎(二次肺炎)から治癒したマウスに関連する貪食AMのパーセンテージ(縦座標)を表している。図2fは、E.coli一次肺炎後の示された時点で認識された二次肺炎中のYFP-E.coli肺炎の2時間後の貪食AMのパーセンテージ(縦座標)を表すヒストグラムである(7日目でn>10匹のマウス、14、21、および28日目でn=3~4匹(横座標))。グラフは、1回の実験の平均±SDを表している。図2gは、非感染マウスおよび感染治癒したマウス(E.coli注射の5~7日後)における、BrDUの腹腔内注射(1日当たり1mg、2日間)後の7日目のその日の再生(縦座標)を表すヒストグラムである。BrDU+肺胞マクロファージのパーセンテージは、フローサイトメトリーによって評価した(n=群当たり3匹のマウス)。グラフは、平均±SDを表し、2回の独立した実験から蓄積したデータである。*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001 新たに形成された肺の常在肺胞マクロファージ(AM)の貪食機能が、感染中に放出される二次炎症性メディエーターによって局所的に変化することを実証している。図3aは、貪食脾臓マクロファージの頻度(縦座標)の、ナイーブマウス、またはE.coli肺炎治癒したマウスにおけるYFPpos-E.coliでの2hpi(横座標)の測定を表すヒストグラムである。(n=群当たり4匹のマウス)。グラフは、平均±SDを表し、2回の独立した実験から蓄積したデータである。図3bは、常在肺胞マクロファージ(PKH26pos細胞)の比率(横座標)を示す図、およびマウスにPKH26貪食細胞リンカーを気管内注射した24時間後にE.coli肺炎を誘発させたことを表すスキーマを表している。7日後、常在肺胞マクロファージ(PKH26pos細胞)の割合を、非感染マウスおよび感染治癒したマウスで測定した。(n=群当たり5匹のマウス)。ヒストグラムは、非感染マウスまたは感染治癒したマウス(横座標)に関連する肺胞マクロファージ(PKH26pos細胞)のパーセンテージ(縦座標)を表している。グラフは、平均±SDを表し、2つの独立した実験から蓄積したデータである。 図3cは、感染プロトコルのスキーマを表し、レシピエントマウス(CD45.1pos)に、感染治癒したドナー(CD45.1neg)から収集したAMを気管内注射した。7日後、レシピエントに、YFP-E.coliを注射し(i.t.)、貪食細胞のパーセンテージを、ドナーおよびレシピエントのAMで評価した(n=群当たり4匹のマウス)。図は、麻痺したマウスまたは非感染マウスに関連する細胞の数を表している。ヒストグラムは、非感染、一次感染、二次感染、レシピエント、またはドナーマウス(横座標)に関連する貪食AMのパーセンテージ(縦座標)を表しているグラフは、1回の実験からの平均±SDを表している。 図3dは、感染プロトコルのスキーマを表し、レシピエントマウス(CD45.1pos)をE.coliに感染させ、7日後に非感染ドナー(CD45.1neg)から収集したAMを気管内注射した。7日後、レシピエントに、YFP-E.coliを注射し(i.t.)、貪食細胞のパーセンテージを、ドナーおよびレシピエントのAMで評価した(n=群当たり4匹のマウス)。図は、麻痺したマウスまたは非感染マウスに関連する細胞の数を表している。ヒストグラムは、非感染、一次感染、二次感染、レシピエント、またはドナーマウス(横座標)に関連する貪食AMのパーセンテージ(縦座標)を表しているグラフは、平均±SDを表し、2回の独立した実験から蓄積したデータである。 図3eは、感染プロトコルのスキーマを表し、致死量を照射したWT(CD45.1pos)レシピエントマウスを、1:1のWT(CD45.1pos)と(CpGに応答することが不可能なTRL9欠損AMを産生する)TLR9-/-(CD45.1neg)とで再構成した。7日前にCpGを気管内接種した(いわゆる二次PN)またはしなかった(いわゆる一次PN)(WT:TLR9-/-)混合骨髄キメラにおける、YFP+-E.coli肺炎誘発後の貪食肺AMの頻度を測定した(n=群当たり3匹のマウス)。図は、一次感染または二次感染に関連する細胞の数を表している。ヒストグラムは、非感染、一次感染、二次感染、レシピエント、またはドナーマウス(横座標)に関連する貪食AMのパーセンテージ(縦座標)を表しているグラフは、平均±SDを表し、2回の独立した実験から蓄積したデータである。 図3fは、ナイーブマウス(一次PN)、またはE.coli肺炎から治癒したマウス(二次PN)、またはTNF-α(TNF-α後のPN)もしくはHMGB1(HMGB1後のPN)を7日前に気管内滴注したマウス(横座標)における、YFPpos-E.coli肺炎(75μL、OD600=2~3)の2時間後の貪食AMのパーセンテージ(縦座標)を表すヒストグラムである。(n=群当たり4匹のマウス)。グラフは、2回の独立した実験からの平均±SDを表している。*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001 Treg細胞およびTGFβが、肺胞マクロファージの麻痺プログラムの主な要因ではないことを実証している。図4aは、非感染マウス、一次感染マウス、二次感染マウス、およびジフテリア毒素で処理した二次感染マウス(横座標)に関連する貪食AMのパーセンテージ(縦座標)を表すヒストグラムである。図は、ジフテリア毒素で処理したか、またはしなかったFoxP3-DTRマウス(DEREG)における、二次YFP-E.coliまたはYFP-S.aureus肺炎の誘発後に測定した貪食AMの頻度を表している(DT、0.2μg ip.、一次肺炎の3日後および6日後)(n=群当たり5匹のマウス)。グラフは、平均±SDを表し、2回の独立した実験から蓄積したデータである。図4bは、プロトコルのスキーマを表し、致死量を照射したWT CD45.1+レシピエントマウスは、3:1の比のCD45.1+WTと(TGF-βRII欠損AMを産生する)CD45.2+TGF-βRIIfl/fl CD11cCREとで再構成した。図4cは、免疫再構築の8週間後を表すヒストグラムであり、CD45.1negTGF-βRII欠損AMのパーセンテージ(縦座標)は、一次または二次肺炎中の非感染キメラ(横座標)で測定した(n=群当たり4匹のマウス)。グラフは、平均±SDを表し、2回の独立した実験から蓄積したデータである。図4dは、(WT:TGF-βRII欠損AM)混合骨髄キメラ(3:1の比)(n=群当たり4匹のマウス)における、一次または二次YFP-E.coli肺炎の誘発後に測定した貪食AMの頻度を表す図であり、ヒストグラムは、WTまたはTGF-βRII欠損AMで構成される、非感染マウス、一次感染マウス、および二次感染マウスに関連する貪食AMのパーセンテージ(縦座標)を表すグラフは、平均±SDを表し、2つの独立した実験から蓄積したデータである。*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001 麻痺したAMを起源とする表現型分析を表す。図5aは、(I)非感染マウスまたは(II)E.coliの7日後の(感染治癒した)AMにおける、典型的なマーカー(CD24、CD11b、CD64、CD11c、F4/80、FceR1a)の発現の分析を表す図およびヒストグラムである(群当たりn>10匹のマウス)。図5bは、非感染マウス、またはRPMIもしくはLPS(横座標)を用いるインビトロ刺激の24時間後の感染治癒したマウスのAMによる乳酸塩産生(縦座標)を表すヒストグラムである(n=群当たり4匹のマウス)。グラフは、平均±SDを表し、2回の独立した実験から蓄積したデータである。図5cは、非感染マウス、またはRPMIもしくはLPSを用いる刺激の24時間後の、E.coli肺炎7日目のマウスのAM(横座標)による、TNF-α産生(縦座標)を表すヒストグラムである(n=群当たり4匹のマウス)。グラフは、平均±SDを表し、2回の独立した実験から蓄積したデータである。 図5dは、非感染AM(薄い灰色)および感染治癒したAM(濃い灰色)の主な構成要素(PC)分析の図である。PC1およびPC2は、12364発現遺伝子を説明する可変性のパーセンテージを示している。 図5eは、感染治癒したAMと非感染AMとの間の差次的遺伝子発現のボルケーノプロットの図である。顕著な差次的発現遺伝子(log2FC>1.5および-1.5)は、薄い灰色で示されている。完全な結果については、表2_DEGを参照されたい。 図5f~gは、感染治癒したマウスからのAMにおける、(f)アップレギュレーションまたは(g)ダウンレギュレーションした遺伝子の遺伝子オントロジー分析(Toppgene)を表すスキーマである。棒グラフは、-log10P値を表示している。完全な結果については、表3を参照されたい。*p<0.05、**p<0.01 感染後の肺胞マクロファージの麻痺プログラムのプライミングにはSIRP-αが必要であるが、維持には必要ないことを実証している。図6(a~b)非感染マウス、またはE.coliの7日後(E.coli感染治癒した)、またはインフルエンザAウイルスの7日後(IAV感染治癒した)のAMにおけるSIRP-α発現。(n=群当たり4~8匹のマウス)。ヒストグラムは、感染した、または感染治癒したSirp-α(gMFI)(縦座標)を表している。グラフは、平均±SDを表し、2回の独立した実験から蓄積したデータである。 図6cは、ナイーブSIRP-α欠損マウス(SHP2ノックアウト)または同腹仔(一次肺炎)、およびE.coli肺炎(二次肺炎)から治癒したSIRP-α欠損(SHP2ノックアウト)マウスまたは同腹仔(横座標)における、YFP-E.coli肺炎の2時間後の貪食AMのパーセンテージ(縦座標)を表している。(n=群当たり5~8匹のマウス)。グラフは、平均±SDを表し、3回の独立した実験から蓄積したデータである。図6dは、非感染マウス、またはE.coli(E.coli感染治癒した)後の示された時間(横座標)の、AMにおけるSIRP-α発現(gMFI)(縦座標)のヒストグラムを表している。(n=時点当たり2~3匹のマウス)。グラフは、平均±SDを表し、1回の実験から蓄積したデータである。図6eは、感染プロトコルのスキーマであり、レシピエントSIRP-α欠損マウス(SHP2ノックアウトCD45.1neg)をE.coliに感染させ、7日後に、非感染野生型ドナー(CD45.1pos)から収集したAMを気管内注射した。7日後、レシピエントに、YFP-E.coliを注射し(i.t.)、貪食細胞のパーセンテージを、ドナーおよびレシピエントのAMで評価した(n=3~4匹のマウス)。ヒストグラムは、非感染マウス、一次感染マウス、E.coliに感染させたSIRP-α欠損マウス(CD45.1negSHP2ノックアウト)、またはSIRP-α非欠損マウスに関連するAMの貪食のパーセンテージ(縦座標)を表している。グラフは、1回の実験の平均±SDを表している。 図6fは、プロトコルのスキーマであり、レシピエントマウス(CD45.1pos)をE.coliに感染させ、7日後に、非感染SIRP-α欠損ドナー(CD45.1neg SHP2ノックアウト)から収集したAMを気管内注射した。7日後、レシピエントに、YFP-E.coliを注射し(i.t.)、貪食細胞のパーセンテージを、ドナーおよびレシピエントのAMで評価した(n=4~5匹のマウス)。ヒストグラムは、非感染マウス、一次感染マウス、E.coliに感染させたSIRP-α欠損マウス(CD45.1negSHP2ノックアウト)、またはSIRP-α非欠損マウスに関連するAMの貪食のパーセンテージ(縦座標)を表しているグラフは、平均SDを表し、2回の独立した実験から蓄積したデータである。図6gは、RPMIおよびLPSを用いる刺激の24時間後の、非感染マウス、またはE.coli肺炎7日目のマウスのAM(横座標)による、nMでの乳酸塩産生(縦座標)を表すヒストグラムである(n=群当たり4匹のマウス)。グラフは、平均±SDを表し、2回の独立した実験から蓄積したデータである。図6hは、RPMIおよびLPSを用いる刺激の24時間後の、非感染マウス、またはE.coli肺炎7日目のマウスのAM(横座標)による、pg/mLでのTNF-α産生(縦座標)を表すヒストグラムである(n=群当たり4匹のマウス)。グラフは、平均±SDを表し、2回の独立した実験から蓄積したデータである。図6iは、Sirp-α欠損マウスまたは同腹仔で収集した感染治癒AM間の差次的遺伝子発現のボルケーノプロットを表す図である。顕著な差次的発現遺伝子(log2FC>1.5および-1.5)は、薄い灰色で示されている。完全な結果については、表2を参照されたい。 図6jは、感染治癒したSirp-α欠損マウスのAMにおけるアップレギュレーションされた遺伝子の遺伝子オントロジー分析(Toppgene)のスキーマを表している。棒グラフは、-log10P値を表示している。完全な結果については、表3を参照されたい。*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001 二次肺炎のリスクのあるヒト入院患者におけるバイオマーカーおよび療法標的としてのSIRP-αの可能性を実証している。図6(a~c)は、CD206、および活性化因子受容体CD14、およびCD16の阻害性受容体SIRP-αの発現を表す図であり、図6aは、外傷後の全身性炎症の患者(n=群当たり12~15人の患者)からの循環単球における発現のスキーマを表し、図6bは、敗血症誘発性全身性炎症の患者からの循環単球における発現のヒストグラムを表し。(n=群当たり5~8人の患者)、図6cは、重病患者(n=群当たり8~10人の患者)からのAMにおける発現のヒストグラムを表している。グラフは、平均±SDを表し、3回の独立した実験から蓄積したデータである。 同上。 図6dは、循環単球での1日目のSIRP-αの発現のレベルと、患者の炎症重症度(Apache IIスコア)または複雑な結果(人工呼吸器の継続時間)との間の相関性のスキーマを表している。Apache IIは、重病患者の重症度を、15(重病ではない)~最大144(高い死亡リスク)で評価する。(n=19人)。図6eは、入院中に病院で獲得された肺炎(HAP)を発症した患者または発症していない患者(HAPを有さない患者n=10、およびHAPを有する患者n=9)の循環単球における、1日目のSIRP-αの発現を表す図である。)。図6fは、遮断抗ヒトSIRP-α抗体(10μg/mL)で一晩培養し、次いでYFP-E.coliに感染させた健康な対照、外傷患者(1日目)、および敗血症患者(1日目)からの、貪食単球のパーセンテージを表している。インビトロ感染の1時間後に、貪食単球(CD14+)のパーセンテージを測定した。(n=群当たり4~5人の患者)。グラフは、平均±SDを表し、3回の独立した実験から蓄積したデータである。*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001。 肺胞マクロファージが、急性肺炎中の細胞外細菌の主な貪食細胞であることを実証している。図8(a)は、Fluoresbrite YGカルボキシレートミクロスフェア(3.64x10ビーズ、0.5mm;Polysciences)の存在下または非存在下でのFITC肺胞マクロファージ、間質マクロファージ、CD11b樹状細胞、およびCD103樹状細胞(横座標)、および対応する貪食細胞のパーセンテージ(縦座標)のヒストグラムを表し、図8bは、YFP-Escherichia coli(E.coli、OD600=2~3、75μL)をマウスにi.t.注射した後に得たヒストグラムであるか、または図8cは、YFP-Staphylococcus aureus(S.a.、OD600=5~6、75μL)をマウスにi.t.注射した後に得たヒストグラムである。2時間後、肺のFITCまたはYFP+肺胞マクロファージ、間質マクロファージ、CD11b樹状細胞、およびCD103樹状細胞のパーセンテージをサイトメトリーによって測定し、貪食細胞のパーセンテージ(縦座標)を測定した。図8dは、YFP-E.coliの気管内滴注の2時間後および18時間後の貪食AMのパーセンテージ(縦座標)、フローサイトメトリー分析によって決定したYFP+肺の肺胞マクロファージの頻度を示すヒストグラムを表している。n=群当たり2~3匹のマウス。グラフは、平均±SDを表し、2回の独立した実験から蓄積したデータである。 組織常在肺胞マクロファージPKH26(赤色蛍光貪食細胞リンカーキット;Sigma-Aldrich)の長期にわたるPKH26標識(希釈液Bの希釈後20mM)を、マウスの肺に直接滴注したものを表している。図9aは、サイトメトリーによって単離した肺胞マクロファージから得た図である。 図9bは、注射されていないマウス、または注射の7日後もしくは14日後のマウスで測定した常在(PKH26+)または動員(PKH26-)のパーセンテージの図であり、縦座標はPKH26(PE)であり、横座標はFSC-Hである。図9cは、注射されていないマウス、または注射の7日後もしくは14日後(横座標)のマウスで測定した常在(PKH26+)のパーセンテージ(縦座標)のヒストグラムである。 図9dは、非感染マウス、または感染治癒したマウスへの注射の7日後の肺好中球のPKH26の図である。縦座標は数(最大の%)であり、横座標はPKH26(PE)である。n=群当たり2~3匹のマウス。グラフは、平均±SDを表し、2回の独立した実験から蓄積したデータである。 野生型マウスにおけるTNF-αおよびHMGB1気管滴注、ならびにFoxP3-DTRマウスにおけるTreg細胞枯渇の検証を表している。図10aは、E.coli(一次PN)(破線)、TNF-α(灰色の線)、またはHMGB1(点線)の気管内投与後の体重減少(縦座標)を表す図である。図10bは、非感染マウス、またはE.coli(E.coli PN)、もしくはTNF-α、もしくはHMGB1(横座標)の気管滴注の7日後のAMにおけるSIRP-α発現(縦座標)のヒストグラムである。図10cは、ジフテリア毒素(0.2μg i.p、24時間間隔で2回注射、次いで3日ごと)をDEREGマウスに投与して、Treg細胞の枯渇をそれぞれ誘発させた後に得た、FoxP3+CD4+細胞のパーセンテージの図およびヒストグラムである。DEREGマウスは、一次肺炎の4日後から処理した。枯渇の効率(細胞数)を実験中に制御し、通常90%を超えた。n=群当たり3~4匹のマウス。***p<0.001。グラフは、平均±SDを表し、2回の独立した実験から蓄積したデータである。 感染治癒したマウスにおけるAMの表現型を表している図11Aは、非感染マウス、またはE.coli肺炎の7日後(感染治癒したマウス)のAM(横座標)の、gMFIでのLy6GおよびMar1(FcεR1α)の発現(縦座標)を表すヒストグラムである。(n>10匹のマウス/群)。図11bは、非感染マウス、またはE.coli(E.coli感染治癒した)の7日後のAM(横座標)における、gMFIでのCD38およびEgr2の発現(縦座標)を表す図およびヒストグラムである。(n=群当たり6~8匹のマウス)。グラフは、平均±SDを表し、2つの独立した実験から蓄積したデータである。図11cは、非感染AMおよび感染7日後のAMからの遺伝子発現のMAプロットの図である。薄い灰色で示されている遺伝子は、Benjamini-Hochberg(Q値=0.05)および絶対log2倍数変化>1.5)である。図11dは、非感染マウス、または感染治癒した野生型マウス、またはSIRPA欠損マウスのAM(横座標)における、遺伝子Mrc1(上)またはSIRPA(下)のmRNAレベル(縦座標)のヒストグラムである(n=群当たり3匹のマウス)。図11eは、非感染マウス、または感染治癒したマウス(n=3~5匹のマウス/群)のAM(横座標)における、gMFIでのCD206(Mrc1)の発現(縦座標)を表すヒストグラムである。 野生型およびSirp-α欠損マウスにおける一次肺炎の結果を表し、図12aは、E.coliの気管滴注の1日の示された時間(横座標)の、マウスの気管支肺胞液におけるサーファクタントタンパク質AおよびDの濃度(pg/mL)(縦座標)を表すヒストグラムである。図12bは、E.coli肺炎の示された時間に収集した肺均等質を用いる事前刺激の90分後の、YFP-E.coli肺炎の4時間後のサーファクタントタンパク質D(SP-D)のレベルおよび貪食AMのパーセンテージを表している。(n=時点当たり3~4匹のマウス)。図12cは、野生型(WT)およびSIRP-α欠損マウス(点線)(n=群当たり4匹のマウス)における、E.coli気管内投与数日後の体重減少(縦座標)の図である。図12dは、E.coli肺炎の7日後の野生型マウスまたはSIRP-a欠損マウス(n=時点当たり2~3匹のマウス)のAMにおける、Setbd2 mRNAの差次的発現(縦座標)を表すヒストグラムである。(n=4匹のマウス/群)。グラフは、平均±SDを表し、2回の独立した実験から蓄積したデータである。*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001 肺炎中および肺炎後のSIRP-αによる、AMの訓練/寛容性リプログラミングの時間経過の概略図である。
本発明の目的は、二次感染の予防および/または治療に使用するための表面タンパク質D(SP-D)の阻害剤である。
本発明の別の目的は、二次感染の予防および/または治療に医薬品として使用するための表面タンパク質D(SP-D)の阻害剤である。
現在では、表面タンパク質D(SP-D)は、当業者に既知の任意の表面タンパク質D(SP-DまたはSFTPD)を意味する。これは、例えば、Kishore U,Greenhough TJ,Waters P,Shrive AK,Ghai R,Kamran MF,et al.(2006).”Surfactant proteins SP-A and SP-D:structure,function and receptors”.Mol Immunol.43(9):1293-315.doi:10.1016/j.molimm.2005.08.004.PMID 16213021[18]に開示の表面タンパク質D(SP-D)であり得る。これは、例えば、Jens Madsen,Anette Kliem,Ida Tornoe,Karsten Skjodt,Claus Koch and Uffe Holmskov.Localization of Lung Surfactant Protein D on Mucosal Surfaces in Human Tissues.J Immunol 2000;164:5866-5870;doi:10.4049/jimmunol.164.11.5866.PMID:10820266[19]に開示のヒト表面タンパク質D(SP-D)、および/またはタンパク質受託番号P35247.3の配列のものであり得る。
現在では、表面タンパク質D(SP-D)の阻害剤は、当業者からの既知の任意の表面タンパク質D(SP-D)の阻害剤であり得る。これは、例えば、表面タンパク質D(SP-D)発現の阻害剤、表面タンパク質D(SP-D)の阻害剤であり得る。これは、例えば、抗SP-D抗体、抗SP-D抗体断片、組換え抗SP-D抗体、結合ペプチド、siRNA、アンチセンスオリゴ、リガンドトラップであり得る。
これは、例えば、ヒトの治療用に適合させた市販の抗SP-D抗体であり得る。これは、例えば、表面タンパク質D(SP-D)の市販の阻害剤、例えば、creative labによって参照MOB-1777zの下で商品化された、例えば、抗SP-D抗体、abcamによって参照ab203309またはab97849の下で商品化された抗サーファクタントタンパク質D/SP-抗体D抗体であり得る。
これは、例えば、ヒトの治療用に適合させた任意の哺乳類起源の抗体であり得る。これは、例えば、1ng~100mgの抗SP-Dベータ抗体を投与することを含む、Leffleur et al.2012[20]に開示のプロセスに従って得られる抗体であり得る。
現在では、SP-Dに対する抗体は、マウス抗体、例えば、SP-Dを阻害することができる当業者からの既知の任意のマウス抗体であり得る。これは、例えば、市販のマウス抗体であり得る。
現在では、SP-Dに対する抗体は、ウサギ抗体、例えば、SP-Dを阻害することができる当業者からの既知の任意のウサギ抗体であり得る。これは、例えば、市販のウサギ抗体、例えば、abcamによって商品化されたab97849を参照するウサギ抗体であり得る。
現在では、アンチセンスオリゴは、SP-Dを阻害することができる当業者からの既知の任意の対応するアンチセンスオリゴであり得る。これは、例えば、市販のアンチセンスオリゴ、例えば、EPI-2010(Makoto Tanaka and Jonathan W Nyce.Respirable antisense oligonucleotides:a new drug class for respiratory disease.Respiratory Research 2000 2:2.https://doi.org/10.1186/rr32[21])であり得る。現
在では、ペプチドは、SP-Dを阻害することができる当業者からの既知の任意のペプチドであり得る。これは、例えば、市販のペプチド、例えば、LSBioによって商品化されたLS-E15283を参照するペプチドであり得る。
現在では、リガンドトラップは、SP-Dを阻害することができる当業者からの既知の任意のリガンドトラップであり得る。これは、例えば、市販のリガンドトラップであり得る。
現在では、小分子は、SP-Dを阻害することができる当業者からの既知の任意の小分子であり得る。これは、例えば、市販の小分子であり得る。
現在では、SP-D合成の阻害剤は、当業者からの既知のSP-D合成の阻害剤であり得る。これは、例えば、市販のSP-D合成の阻害剤であり得る。
有利には、表面タンパク質D(SP-D)の阻害剤は、抗SP-D抗体、抗SP-D抗体断片、組換え抗SP-D抗体、結合ペプチド、特に抗SP-D抗体、抗SP-D抗体断片、抗SP-D結合ペプチドであり得る。
本発明によれば、SP-Dの阻害剤は、単回投与、または例えば、1日1~3回、例えば、最大28日の期間、反復投与で投与され得る。
SP-Dの阻害剤は、治療される感染の重症度に応じて経口、直腸、非経口、大槽内、膣内、腹腔内、局所(粉末、軟膏、またはドロップによる)、頬側、経口、または点鼻スプレーとして、皮下などで、ヒトおよび他の動物に投与され得る。
表面タンパク質D(SP-D)の阻害剤の投与方式は、使用される阻害剤に関連して適合させてもよい。当業者は、技術的知識を考慮して、使用される阻害剤に投与方式を適合させるであろう。
投与される阻害剤表面タンパク質D(SP-D)の用量は、使用される阻害剤に関連して適合させてもよい。当業者は、技術的知識を考慮して、使用される阻害剤に投与用量を適合させるであろう。
例えば、表面タンパク質D(SP-D)の阻害剤は、約0.1~2000μgの用量で、例えば、約0.1~1000μgの用量で投与され得る。
例えば、表面タンパク質D(SP-D)の阻害剤が、例えば、creative labによって参照MOB-1777zの下で商品化された抗体、abcamによって参照ab203309またはab97849の下で商品化された抗サーファクタントタンパク質D/SP-D抗体である場合、例えば、約1mgの用量で投与され得る。例えば、表面タンパク質D(SP-D)の阻害剤の阻害剤が組換えタンパク質である場合、例えば、0.1~2000μgの用量で、例えば、0.1~1000μg、好ましくは100~1000μgの用量で投与され得る。例えば、表面タンパク質D(SP-D)の阻害剤の阻害剤が、ヒト化抗体である場合、例えば、0.1~100μgの用量で投与され得る。
例えば、表面タンパク質D(SP-D)の阻害剤は、所望の療法的効果を達成するために、1日当たり0.01μg/kg~10μg/対象の体重Kgの用量で、1日1回以上投与され得る。表面タンパク質D(SP-D)の阻害剤はまた、所望の療法的効果を達成するために、1日当たり0.01μg/kg~20μg/対象の体重Kgの用量で、1日1回以上投与され得る。
本発明の目的は、二次感染の予防および/または治療に使用するためのSP-D/SIRPα相互作用の阻害剤である。
本発明の別の目的は、二次感染の予防および/または治療に医薬品として使用するためのSP-D/SIRPα相互作用の阻害剤である。
現在では、SP-D/SIRPα相互作用は、当業者からの既知のSP-DとSIRPαとの間に現れ得る任意の相互作用を意味する。これは、例えば、疎水性相互作用、水素相互作用、共有結合、リガンド-受容体結合、イオン相互作用、疎水性結合、ファンデルワールス力、塩橋であり得る。
現在では、SP-D/SIRPα相互作用の阻害剤は、SP-D/SIRPα相互作用を阻害するように適合させた、当業者からの既知の任意の阻害剤であり得る。これは、例えば、SP-Dおよび/またはSIRPαの阻害剤であり得る。
現在では、SP-D/SIRPα相互作用の阻害剤は、例えば、表面タンパク質D(SP-D)発現の阻害剤、表面タンパク質D(SP-D)の阻害剤であり得る。SP-Dの阻害剤は、上で定義されたとおりであり得る。これは、例えば、抗SP-D抗体、抗SP-D抗体断片、組換え抗SP-D抗体結合ペプチド、siRNA、アンチセンスオリゴ、リガンドトラップであり得る。
現在では、SP-D/SIRPα相互作用の阻害剤は、例えば、SIRPα発現の阻害剤、抗SIRPα抗体、抗SIRPα抗体断片、組換え抗SIRPα抗体、結合ペプチド、siRNA、アンチセンスオリゴ、リガンドトラップであり得る。これは、例えば、SIRPαに対する抗体、アンチセンスオリゴ、ペプチド、マウス抗体、リガンドトラップ、小分子、ピロール-イミダゾールポリアミド、SIRPα合成の阻害剤、ヒト化抗体であり得る。
これは、例えば、ヒトの治療に適合させた市販の抗SIRPα抗体であり得る。これは、例えば、SIRPαの市販の阻害剤、例えば、Fisher scientificによって商品化された参照クローンP84の下で、abcamによって商品化された参照ab53721の下で商品化された、抗SIRPα抗体であり得る。
抗SIRPα抗体は、例えば、ヒトの治療に適合させた任意の哺乳類起源の抗体であり得る。これは、例えば、抗SIRPα抗体を投与することを含む、Leffleur et al.2012[20]に開示のプロセスに従って得られる抗体であり得る。
現在では、SIRPαに対する抗体は、マウス抗体、例えば、SIRPαを阻害することができる当業者からの既知の任意のマウス抗体であり得る。これは、例えば、市販のマウス抗体、例えば、Creative biolabsによって商品化されたCBL650を参照するマウス抗体であり得る。
現在では、SIRPαに対する抗体は、ウサギ抗体、例えば、SIRPαを阻害することができる当業者からの既知の任意のウサギ抗体であり得る。これは、例えば、市販のウサギ抗体、例えば、abcamによって商品化されたab53721を参照するウサギ抗体であり得る。
現在では、SIRPαのアンチセンスオリゴ阻害剤は、SIRPαを阻害することができる当業者からの既知の任意の対応するアンチセンスオリゴであり得る。これは、例えば
、SIRPαを阻害することができる市販のアンチセンスオリゴであり得る。
現在では、SIRPαの阻害剤ペプチドは、SIRPαを阻害することができる当業者からの既知の任意のペプチドであり得る。これは、例えば、SIRPαを阻害する市販のペプチドであり得る。
現在では、SIRPαのリガンドトラップ阻害剤は、SIRPαを阻害することができる当業者からの既知の任意のリガンドトラップであり得る。これは、例えば、SIRPαの市販のリガンドトラップ阻害剤であり得る。
現在では、SIRPαの小分子阻害剤は、SIRPαを阻害することができる当業者からの既知の任意の小分子であり得る。これは、例えば、SIRPαの市販の小分子阻害剤、例えば、NSC-87877を参照する小分子(Rongjun He,Li-Fan
Zeng,Yantao He,Sheng Zhang,Zhong-Yin Zhang.Small molecule tools for functional interrogation of protein tyrosine phosphatases FEBS Journal 2013 https://dx.doi.org/10.1111/j.1742-4658.2012.08718.x[22])であり得る。
有利には、SIRPαの阻害剤は、抗SIRPα抗体、抗SIRPα抗体断片、組換え抗SIRPα抗体、結合ペプチド、特に抗SIRPα抗体、抗SIRPα抗体断片、抗SIRPα結合ペプチドであり得る。
現在では、SIRPαの阻害剤はまた、例えば、細胞内経路の調節因子、例えば、抑制因子もしくは活性化因子であり得、ならびに/またはSIRPαによって制御および/もしくは調節され得る、生物学的プロセス、および/もしくは分子機能、および/もしくは表現型、および/もしくは遺伝子発現、および/もしくはタンパク質は、現在では、SIRPα経路の阻害剤として記述される。
SIRPα経路の阻害剤は、例えば、SIRPαによって制御および/または調節され得る生物学的プロセスの調節因子、例えば、抑制因子または活性化因子、例えば、ケモカイン媒介性シグナル伝達経路の調節因子、白血球遊走の調節因子、炎症応答の調節因子であり得る。これは、例えば、1810011O10Rik、4930502E18Rik、Areg、Arg1、Bambi-ps1、Ccl3、Ccl4、Ccl7、Ccrl2、Cd276、Cdc25c、Clec1b、Cmbl;Col4a1、Col4a2、Cxcl1、Cxcl10、Cxcl2、Cxcl3、Ddah1、Dusp2、Ecm1、Ereg、Esrrg、Exd1、Fads2、Fam198b、Fam46c、Gadd45a、Gadd45b、Gatm、Gchfr、Gm6377、Has1、Hey1、Hmcn1、Id3、Il6、Kcnk13、Lypd6b、Mfge8、Nfkbiz、Pdk4、Ptgs2、Ptpn11、Rasef、Rgcc、Rgs1、Rhov、Scd1、Socs3、Syt3、Tnf、Tnfaip3、Ttll7、Xist、OaS2、D1Pas1、またはMir142を含む群から選択される遺伝子発現の調節因子であり得る。これは、例えば、調節因子、特に、1810011O10Rik、4930502E18Rik、Areg、Arg1、Bambi-ps1、Ccl3、Ccl4、Ccl7、Ccrl2、Cd276、Cdc25c、Clec1b、Cmbl;Col4a1、Col4a2、Cxcl1、Cxcl10、Cxcl2、Cxcl3、Ddah1、Dusp2、Ecm1、Ereg、Esrrg、Exd1、Fads2、Fam198b、Fam46c、Gadd45a、Gadd45b、Gatm、Gchfr、Gm6377、Has1、Hey1、Hmcn1、Id3、Il6、Kcnk13、Lypd6b、Mfge8、Nfkbiz、Pdk4、Ptgs2、Rasef、Rgcc、Rgs1、Rhov、Scd1、Socs3、Syt3、Tnf、Tnfaip3、Ttll7、Xistを含む群から選択される遺伝子発現の活性化因子であり得る。これは、例えば、調節因子、特に、OaS2、D1Pas1、Ptpn11、またはMir142を含む群から選択される遺伝子発現の抑制因子であり得る。
SP-D-SIRPα相互作用の阻害剤は、治療される感染の重症度に応じて経口、直腸、非経口、大槽内、膣内、腹腔内、局所(粉末、軟膏、またはドロップによる)、頬側、経口、または点鼻スプレーとして、皮下で、エアロゾルなどによって、ヒトおよび他の動物に投与され得る。
阻害剤SP-D-SIRPα相互作用の投与方式は、使用される阻害剤に関連して適合させてもよい。当業者は、技術的知識を考慮して、使用される阻害剤に投与方式を適合させるであろう。
SP-D-SIRPα相互作用の阻害剤のうちの阻害剤の投与方式は、使用される阻害剤に関連して適合させてもよい。当業者は、技術的知識を考慮して、使用される阻害剤に投与方式を適合させるであろう。
本発明によれば、SP-D-SIRPα相互作用の阻害剤は、単回、または例えば、1日1~3回、例えば、最大28日の期間、反復投与で投与され得る。
投与されるSP-D/SIRPα相互作用の阻害剤の用量は、使用される阻害剤に関連して適合させてもよい。当業者は、技術的知識を考慮して、使用される阻害剤に投与用量を適合させるであろう。
例えば、SP-D-SIRPα相互作用の阻害剤は、約0.01~2000μg、例えば、約0.01~1000μgの用量で投与され得る。
本発明の目的はまた、二次感染の予防および/または治療に使用するためのSHP-2の阻害剤である。
本発明の別の目的は、二次感染の予防および/または治療に医薬品として使用するためのSHP-2の阻害剤である。
現在では、SHP-2は、sph2遺伝子、および/またはPTPN11(タンパク質チロシンホスファターゼ非受容体タイプ11)遺伝子としても知られているsph2遺伝子によってコードされるタンパク質を指す。SHP-2はまた、SIRPαによって活性化されるものとしても知られている。
現在では、SHP-2の阻害剤は、当業者からの既知の任意のSHP-2の阻害剤であり得る。これは、例えば、SHP-2遺伝子の発現の阻害剤および/またはSHP-2遺伝子によってコードされるタンパク質の阻害剤であり得る。
SHP-2の阻害剤は、例えば、結合ペプチド、siRNA、アンチセンスオリゴ、リガンドトラップ、小分子、抗体であり得る。
現在では、SHP2を阻害する小分子は、当業者からの既知の任意の小分子であり得るこれは、例えば、市販の小分子、例えば、小分子SHP2阻害剤を参照する小分子、SHP099、Ying-Nan P.Chen,Matthew J.LaMarche,
Ho Man Chan,et al.Allosteric inhibition of SHP2 phosphatase inhibits cancers driven by receptor tyrosine kinases.Nature 2016,https://dx.doi.org/10.1038/nature18621[23])に開示の小分子、またはLinxiang Lan,Jane D Holland,Jingjing Qi,Stefanie Grosskopf,Regina Vogel,Balazs Gyorffy,Annika Wulf-Goldenberg,Walter Birchmeier Shp2 signaling suppresses senescence in PyMT-induced mammary gland cancer in mice The EMBO Journal 2015,10.15252/embj.201489004[47]に開示のG493であり得る。
現在では、SHP-2の阻害剤は、SIRPαによるSHP-2(PTPN11遺伝子)の活性化を阻害する、SIRPαの阻害剤であり得る。これは、例えば、Sun,Lei,Wang et al.(Nature Communications,Engineered proteins with sensing and activating modules for automated reprogramming of cellular functions 2017 https://dx.doi.org/10.1038/s41467-017-00569-6[24)によって開示のSIRPα Syk-iSNAPなどのSIRPαシグナル伝達経路を標的とするタンパク質系バイオセンサーであり得る。
SHP-2の阻害剤は、例えば、治療される感染の重症度に応じて経口、直腸、非経口、大槽内、膣内、腹腔内、局所(粉末、軟膏、またはドロップによる)、頬側、経口、または点鼻スプレーとして、皮下、エアロゾルなどによって、ヒトおよび他の動物に投与され得る。
阻害剤SHP2経路の投与方式は、使用される阻害剤に関連して適合させてもよい。当業者は、技術的知識を考慮して、使用される阻害剤に投与方式を適合させるであろう。SHP-2経路の阻害剤の投与方式は、使用される阻害剤に関連して適合させてもよい。当業者は、技術的知識を考慮して、使用される阻害剤に投与方式を適合させるであろう。
本発明によればSHP-2の阻害剤は、単回、または例えば、1日1~3回、例えば、最大28日の期間、反復投与で投与され得る。
投与されるSHP-2の阻害剤の用量は、使用される阻害剤に関連して適合させてもよい。当業者は、技術的知識を考慮して、使用される阻害剤に投与用量を適合させるであろう。例えば、SHP-2の阻害剤は、約0.01~2000mgの用量で投与され得る。例えば、SHP-2の阻害剤が、G493である場合、これは、約0.01~2000mgの用量で投与され得る得る。例えば、SHP-2の阻害剤は、約0.01~1000mgの用量で投与され得る。例えば、SHP-2の阻害剤が、G493である場合、これは、約0.01~1000mgの用量で投与され得る得る。
現在では、二次感染は、一次感染および/もしくは炎症の後に、ならびに/または術後に生じ得る、任意の感染を意味する。これは、例えば、一次感染の開始の1~90日後、例えば、一次感染の開始の5~12日後に生じる感染であり得る。これはまた、例えば、一次感染終了の1~90日後、例えば、一次感染終了、ならびに/または任意の病理学的徴候および/もしくは症状がなくなって5~12日後に生じる感染であり得る。
現在では、二次感染は、例えば、一次感染の起源および/または原因とは有利に異なり得る二次感染の起源および/または原因であり得る。
現在では、二次感染は、例えば、一次感染および/または炎症と比較して、対象の他の臓器または別の部分に影響を及ぼし得る。言い換えれば、二次感染は、一次感染および/または炎症によって感染した臓器および/または体の一部とは異なる臓器および/または体の一部に影響を及ぼし得る。
現在では、二次感染は、当業者に既知の一次感染後に生じる任意の感染であり得る。これは、例えば、消化管、気道、尿路の感染の任意の二次感染であり得る。これは、例えば、肺、血液、肝臓、目、心臓、乳房、骨、骨髄、脳、髄膜、口、頭頸部、食道、気管、胃、結腸、膵臓、頸部、子宮、膀胱、前立腺、精巣、皮膚、直腸、リンパ腫を含む群で選択される臓器の、任意の二次感染であり得る。
現在では、二次感染は、例えば、骨、腹膜、縦隔、髄膜、補綴物感染を含む、例えば蜂窩織炎または手術部位感染などの、肺炎、胸膜感染、尿路感染、腹膜感染、腹腔内膿瘍、髄膜炎、縦隔感染、軟組織または皮膚感染を含む群から選択される二次感染であり得る。例えば、これは、肺炎、胸膜感染、尿路感染、腹膜感染、腹腔内膿瘍、髄膜炎、および縦隔感染を含む群から選択される二次感染であり得る。
現在では、二次感染は、当業者に既知の任意の病原体に起因し得る。二次感染は、Staphylococcus aureus、メチシリン耐性Staphylococcus aureus、Streptococcus pneumoniae、Pseudomonas aeruginosa、Enterobacter spp(E.cloacaeを含む)、Acinetobacter baumannii、Citrobacter spp(C.freundii、C.koseriiを含む)、Klebsiella spp(K.oxytoca、K.pneumoniaeを含む)、Stenotrophomonas maltophilia、Clostridium difficile、Escherichia coli、Heamophilus influenza、Tuberculosis、バンコマイシン耐性Enterococcus、Legionella pneumophilaを含む群から選択される細菌に起因し得る。他のタイプとしては、L.longbeachae、L.feeleii、L.micdadei、およびL.anisaが挙げられる。
現在では、二次感染は、当業者に既知の任意のウイルスに起因し得る。これは、例えば、CELIA AITKEN et al.“Nosocomial Spread of Viral Disease”Clin Microbiol Rev.2001 Jul;14(3):528-546[25]に記述の任意のウイルスであり得る。これは、RSV、インフルエンザウイルスAおよびB、パラインフルエンザウイルス1~3、ライノウイルス、アデノウイルス、はしかウイルス、ムンプスウイルス、風疹ウイルス、パルボウイルスB19、ロタウイルス、エンテロウイルス、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、単純ヘルペスウイルス(HSV)1型および2型、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、サイトメガロウイルス(CMV)、エプスタイン・バーウイルス(EBV)、ならびにヒトヘルペスウイルス(HHV)6、7、および8、エボラウイルス、マールブルグウイルス、ラッサ熱ウイルス、コンゴクリミア出血熱ウイルス、狂犬病ウイルス、ポリオーマウイルス(BKウイルス)を含む群から選択されるウイルスに起因し得る。
現在では、二次感染は、当業者に既知の任意の真菌に起因し得る。これは、例えば、SCOTT K.FRIDKIN et al.“Epidemiology of No
socomial Fungal Infection”Clin Microbiol
Rev,1996;9(4):499-511[26]に開示の任意の真菌であり得る。二次感染は、Candida spp、Aspergillus spp、Mucor、Adsidia、Rhizopus、Malassezia、Trichosporon、Fusarium spp、Acremonium、Paecilomyces、Pseudallescheriaを含む群から選択される真菌の種に起因し得る。
現在では、二次感染は、院内感染であり得る。これは、前述の任意の臓器の院内感染であり得る。これは、ウイルス、細菌、および真菌を含む群から選択される任意の病原体に起因する院内感染であり得る。これは、以前に定義されたウイルスに起因する院内感染であり得る。これは、以前に定義された細菌に起因する院内感染であり得る。これは、以前に定義された真菌に起因する院内感染であり得る。これは、肺炎、胸膜感染、尿路感染、腹膜感染、腹腔内膿瘍、髄膜炎、縦隔感染、または手術部位、例えば骨、腹膜、縦隔、髄膜)の感染を含む群から選択される院内感染であり得る。。これは、肺炎、胸膜感染、尿路感染、腹膜感染、腹腔内膿瘍、髄膜炎、縦隔感染、軟組織または皮膚感染(蜂窩織炎)、頭頸部感染(耳炎を含む)を含む群から選択される院内感染であり得る。
二次感染は、院内感染、特に肺炎であり得る。
二次感染は、院内感染、例えば、病院が起源の感染、および/または病院で獲得される(acquired at the hospital)感染、および/または病院で獲得される(hospital-acquired)感染であり得る。
特定の実施形態では、二次感染は、二次肺炎および/または病院で獲得される肺炎であり得る。
現在では、一次感染は、免疫応答に悪影響を及ぼし得る、および/または免疫抑制を誘発し得る、任意の病原体に起因する感染、または敗血症様の症候群を意味する。
現在では、一次感染は、細菌、ウイルス、または真菌を含む群から選択される病原体に起因する感染を意味する。これは、例えば、当業者からの既知の細菌、ウイルス、または真菌を含む群から選択される病原体に起因する任意の感染であり得る。これは、例えば、消化管、気道、尿路の感染、および一次敗血症であり得る。これは、例えば、ウイルス、細菌、および真菌を含む群から選択される病原体に起因する任意の感染であり得る。これは、例えば、記録されていない感染、例えば、敗血症様症候群などの、病原体が調査または発見されていない感染であり得る。現在では、一次感染は、肺、肝臓、目、心臓、乳房、骨、骨髄、脳、頭頸部、食道、気管、胃、結腸、膵臓、頸部、子宮、膀胱、前立腺、精巣、皮膚、直腸、およびリンパ腫を含む群で選択される少なくとも1つの臓器の、病原体に起因する任意の感染であり得る。
本発明の別の目的は、そのSP-Dの阻害剤と、薬学的に許容される担体と、を含む、医薬組成物である。
本発明の別の目的は、SP-Dの阻害剤、および/またはSP-D-SIRPα相互作用の阻害剤、および/またはSHP-2の阻害剤と、薬学的に許容される担体と、を含む、医薬組成物である。
そのSP-Dの阻害剤は、上で定義されたとおりである。
SP-D-SIRPα相互作用の阻害剤は、上で定義されたとおりである。
SHP-2の阻害剤は、上で定義されたとおりである。
医薬組成物は、ヒトまたは動物に投与され得る任意の形態であり得る。当業者は、本明細書で使用される「形態」という用語が、その実際の使用のための医薬品の薬学的配合物を指すことを明確に理解している。例えば、医薬品は、注射可能な形態、エアロゾル形態、経口懸濁液、ペレット、粉末、顆粒または局所の形態、例えば、クリーム、ローション、洗眼剤、噴霧可能な組成物を含む群から選択される形態であり得る。
上記のように、本発明の薬学的に許容される組成物は、薬学的に許容される担体、アジュバント、または担体をさらに含む。薬学的に許容される担体は、治療される対象に応じて、ヒトまたは動物への投与に使用される任意の既知の薬学的支持体であり得る。これは、特定の所望の剤形に適合させた、任意の溶媒、希釈液または他の液体担体、分散液または懸濁液、界面活性剤、等張剤、増粘剤または乳化剤、防腐剤、固体結合剤、潤滑剤などであり得る。Remington Pharmaceutical Sciences,sixteenth edition,E.W.Martin(Mack Publishing Co.,Easton,Pa.,1980)[27]は、薬学的に許容される組成物の配合に使用される様々な担体、およびそれらを調製するための既知の技法を開示している。従来の担体媒体が、例えば、任意の望ましくない生物学的効果を生じることによって、または薬学的に許容される組成物の任意の他の構成要素と有害に相互作用することによって、発明による化合物と適合しないことが判明した場合を除いて、その使用は、本発明の範囲内に入ると考えられる。薬学的に許容される担体として機能し得る材料のうちのいくつかの例としては、限定されないが、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミンなどの血清タンパク質、リン酸塩、グリシン、ソルビン酸またはソルビン酸カリウムなどの緩衝物質、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリドの混合物、水、硫酸プロタミン、リン酸二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレンポリマーなどの塩または電解質、ラクトース、グルコースおよびスクロースなどの糖;トウモロコシおよびジャガイモデンブンなどのデンプン;セルロースならびにカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロースなどのその誘導体;トラガカント粉末;麦芽;ゼラチン;タルク;ココアバターおよび坐剤ワックスなどの賦形剤;ピーナッツ油、綿実油などの油;ベニバナ油;胡麻油;オリーブ油;コーン油および大豆油;グリコール;そのようなプロピレングリコールまたはポリエチレングリコール;オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなどのエステル;寒天;水酸化マグネシウムおよび緩衝水酸化アルミニウムなどの医薬品;アルギン酸;等張食塩水;リンゲル液;エチルアルコール、ならびにリン酸緩衝液、ならびにラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムなどの他の適合性のある非毒性潤滑剤、ならびに着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味料、香料および香料剤、防腐剤および抗酸化剤が挙げられ、これらはまた、ガレニスト(galenist)の判断によると、組成物中に存在し得る。
医薬組成物を投与する剤形または方法は、治療されるヒトまたは動物対象に関連して選択され得る。例えば、これは、治療される感染の重症度に応じて経口、直腸、非経口、気管内、大槽内、膣内、腹腔内、局所(粉末、軟膏、またはドロップによる)、頬側、経口、または点鼻スプレーとして、皮下などで、ヒトおよび他の動物に投与され得る。医薬組成物を投与する剤形または方法は、感染部位および/または感染した臓器に関連して選択され得る。例えば、気道の感染では、これは、経口、または鼻スプレー、または非経口、または気管内としてヒトおよび他の動物に投与されるように適合させた形態であり得、消化管の感染では、これは、経口、例えば、ペレット、カプセル、粉末、顆粒、シロップ、または非経口、または腹腔内でヒトおよび他の動物に投与されるように適合させた形態であり得る。医薬組成物を投与する剤形または方法は、治療されるヒトの年齢に関連して、および/または併存症、関連する療法、および/または感染部位に関連して選択され得る。例えば、1~17歳の例えば子供、または例えば1歳未満の乳児には、シロップまたは注射、例えば皮下または静脈内が好ましい場合がある。投与は、例えば、重量目盛り付きピペット、注射器を用いて実行され得る。例えば、17歳を超える成人には、注射が好ましい場合がある。投与は、静脈内重量目盛り付き注射器を用いて実行され得る。
本発明によれば、医薬組成物は、任意の薬学的に許容される、有効量の表面タンパク質D(SP-D)の阻害剤を含み得る。
本発明によれば、医薬組成物は、任意の薬学的に許容される、有効量の表面タンパク質D(SP-D)-SIRPα相互作用の阻害剤を含み得る。
本発明によれば、医薬組成物は、任意の薬学的に許容される、有効量のSHP-2の阻害剤を含み得る。
本文書では、本発明による薬学的に許容される化合物または組成物の「有効量」は、院内疾患の重症度を治療または低減するのに有効な量を指す。本発明の治療の方法による化合物および組成物は、院内疾患または関連する状態の重症度を治療または低減するのに有効な任意の量および任意の投与経路を使用して投与され得る。必要とされる正確な量は、対象の種、年齢、および総合的な状態、感染の重症度、特定の化合物、およびその投与モードに応じて、対象ごとに変動するであろう。
本発明によるSP-Dの阻害剤、またはSP-D/SIRPα相互作用の阻害剤、またはSHP-2の阻害剤は、好ましくは、投薬投与および均一性を容易にするために単位剤形で配合される。本文書では、「単位剤形」という用語は、治療される患者に好適な物理的に異なる、化合物の単位を指す。しかしながら、本発明による化合物および組成物の1日の総投薬量は、主治医によって決定されるであろうことが理解されるであろう。特定の動物またはヒトの患者または対象に対する特定の効果的な用量レベルは、治療される障害または疾患、および障害または疾患の重症度;用いられる特定の化合物の活性;用いられる特定の組成物;患者/対象の年齢、体重、総合的な健康状態、性別、および食事;投与期間、投与経路、および用いられる特定の化合物の排出速度;治療期間;使用される特定の化合物および医学分野で周知の類似の因子と組み合わせてまたは付随して使用される薬物を含む、多様な要因に依存するであろう。本明細書で使用される「患者」という用語は、動物、好ましくは哺乳類、好ましくはヒトを指す。
本発明によれば、医薬組成物は、有効量のSP-Dおよび/またはSIRPAおよび/またはSHP-2の阻害剤を含み得る。例えば、医薬組成物は、治療される院内疾患および/または治療される対象に関連して適合させた、SP-Dおよび/またはSIRPAおよび/またはSHP-2の阻害剤の用量を含み得る。当業者は、技術的知識を考慮して、治療される院内疾患および/または治療される対象に関して、医薬組成物中の量を適合させるであろう。例えば、医薬組成物は、約0.01~2000μg、例えば、約0.01~1000μg、好ましくは1~100μgの用量で、SP-Dおよび/またはSIRPAおよび/またはSHP-2の阻害剤を含み得る。例えば、医薬組成物は、対象の約0.1μg/体重kg~1μg/Kgの用量で、SP-Dの阻害剤の投与を可能にする量で、SP-Dの阻害剤を含み得る。
本発明によれば、SP-Dおよび/またはSIRPAおよび/またはSHP-2の阻害剤は、単回投与、または例えば、1日1~3回の反復投与で投与され得る。
本発明によれば、SP-Dおよび/またはSIRPAおよび/またはSHP-2の阻害剤は、例えば、1~90日の期間、例えば、1~7日間投与され得る。
本発明によれば、医薬組成物は、任意の薬学的に許容される、有効量の表面タンパク質D(SP-D)-SIRPα相互作用の阻害剤を含み得る。例えば、医薬組成物は、使用される阻害剤に関連して適合させた表面タンパク質D(SP-D)-SIRPαの阻害剤の用量を含み得る。当業者は、技術的知識を考慮して、使用される阻害剤に関連して医薬組成物中の量を適合させるであろう。例えば、表面タンパク質D(SP-D)-SIRPα相互作用の阻害剤が、小分子、例えば、NSC-87877である場合、医薬組成物は、例えば、約10mgの用量で含み得る。例えば、表面タンパク質D(SP-D)-SIRPα相互作用の阻害剤が、ヒト化抗体、例えば、P84である場合、医薬組成物は、例えば、0.1~100mgの用量で含み得る。
本発明によれば、表面タンパク質D(SP-D)-SIRPα相互作用の阻害剤は、単回、または例えば、1日1~3回の反復投与で投与され得る。
本発明によれば、表面タンパク質D(SP-D)-SIRPα相互作用の阻害剤は、例えば、1~90日の期間、例えば、1~7日間投与され得る。
本発明によれば、医薬組成物は、任意の薬学的に許容される、有効量のSHP2の阻害剤を含み得る。例えば、医薬組成物は、使用される阻害剤に関連して適合させたSHP2の阻害剤の阻害剤の用量を含み得る。当業者は、技術的知識を考慮して、使用される阻害剤に関連して医薬組成物中の量を適合させるであろう。例えば、SHP2の阻害剤が、小分子、例えば、NSC-87877またはSHP099の場合、医薬組成物は、例えば、約10mgの用量で含み得る。例えば、阻害剤表面タンパク質D(SP-D)-SIRPα相互作用が、ヒト化抗体、例えば、P84である場合、医薬組成物は、例えば、0.1~100mgの用量で含み得る。
本発明によれば、SHP2の阻害剤は、単回、または例えば、1日1~3回の反復投与で投与され得る。
本発明によれば、SHP2の阻害剤は、例えば、1~90日の期間、例えば、1~7日間投与され得る。
別の態様によれば、本発明は、医薬品としてそれを使用するための、特に二次感染の治療に医薬品としてそれを使用するための、SP-Dの阻害剤、またはSP-Dの阻害剤を含む医薬組成物に関する。
SP-Dの阻害剤は、上で定義されたとおりである。
SP-Dの阻害剤を含む医薬組成物は、上で定義されたとおりである。
二次感染は、上で定義されたとおりである。例えば、二次感染は、院内疾患であり得、これは、例えば、肺炎、胸膜感染、尿路感染、腹膜感染、腹腔内膿瘍、髄膜炎、縦隔感染、および軟組織または皮膚感染であり得る。
別の態様によれば、本発明は、医薬品としてそれを使用するための、特に二次感染の治療に医薬品としてそれを使用するための、SP-D/SIRPα相互作用の阻害剤、またはSP-D/SIRPα相互作用の阻害剤を含む医薬組成物に関する。
SP-D/SIRPα相互作用の阻害剤は、上で定義されたとおりである。
SP-D/SIRPαの阻害剤を含む医薬組成物は、上で定義されたとおりである。
二次感染は、上で定義されたとおりである。例えば、二次感染は、院内疾患であり得、これは、例えば、肺炎、胸膜感染、尿路感染、腹膜感染、腹腔内膿瘍、髄膜炎、縦隔感染、および軟組織または皮膚感染であり得る。
別の態様によれば、本発明は、医薬品としてそれを使用するための、特に二次感染の治療に医薬品としてそれを使用するための、SPH-2の阻害剤、またはSPH2の阻害剤を含む医薬組成物に関する。
SPH-2の阻害剤は、上で定義されたとおりである。
SPH-2の阻害剤を含む医薬組成物は、上で定義されたとおりである。
別の態様によれば、本発明は、医薬品としてそれを使用するための、特に二次感染の治療に医薬品としてそれを使用するための、SP-Dの阻害剤、および/もしくはSP-D/SIRPα相互作用の阻害剤、および/もしくはSPH-2の阻害剤、またはSPH2の阻害剤を含む医薬組成物に関する。
SPH-2の阻害剤は、上で定義されたとおりである。
SPH-2の阻害剤を含む医薬組成物は、上で定義されたとおりである。
二次感染は、上で定義されたとおりである。例えば、二次感染は、院内疾患であり得、これは、例えば、肺炎、胸膜感染、尿路感染、腹膜感染、腹腔内膿瘍、髄膜炎、縦隔感染、および軟組織または皮膚感染であり得る。
別の態様によれば、本発明は、有効量のSP-Dの阻害剤、またはSP-Dの阻害剤を含む組成物を対象に投与することを含む、二次疾患を治療または予防する方法に関する。
別の態様によれば、本発明は、有効量のSP-D/SIRPα相互作用の阻害剤、またはSP-D/SIRPα相互作用の阻害剤を含む組成物を対象に投与することを含む、二次疾患を治療または予防する方法に関する。
別の態様によれば、本発明は、有効量のSPH2の阻害剤、またはSPH2の阻害剤を含む組成物を対象に投与することを含む、二次疾患を治療または予防する方法に関する。
SP-Dの阻害剤は、上で定義されたとおりである。
SP-D/SIRPα相互作用の阻害剤は、上で定義されたとおりである。
SPH2の阻害剤は、上で定義されたとおりである。
SP-Dの阻害剤を含む組成物は、上で定義されたとおりである。
SP-D/SIRPα相互作用の阻害剤を含む組成物は、上で定義されたとおりである。
SPH2の阻害剤を含む組成物は、上で定義されたとおりである。
二次感染は、上で定義されたとおりである。例えば、二次感染は、院内疾患であり得、これは、例えば、肺炎、胸膜感染、尿路感染、腹膜感染、腹腔内膿瘍、髄膜炎、縦隔感染、および軟組織または皮膚感染であり得る。
SP-D、および/もしくはSP-D/SIRPα相互作用、および/もしくはSPH2相互作用の阻害剤、またはSP-D、および/もしくはSP-D/SIRPα相互作用、および/もしくはSPH2の阻害剤を含む組成物の投与は、熟練者に既知の任意の方式/経路で実行され得る。例えば、これは、上述の任意の形態および/または方式/経路で投与され得る。
別の態様によれば、本発明は、有効量のSP-D、および/またはSP-D/SIRPα相互作用、および/またはSPH2の阻害剤を投与することを含む、二次疾患を治療または予防する方法に関する。
SP-Dの阻害剤は、上で定義されたとおりである。
SP-D/SIRPα相互作用および/またはSPH2の阻害剤は上で定義されたとおりである。
二次感染は、上で定義されたとおりである。例えば、二次感染は、院内疾患であり得、これは、例えば、肺炎、胸膜感染、尿路感染、腹膜感染、腹腔内膿瘍、髄膜炎、縦隔感染、および軟組織または皮膚感染であり得る。
SP-D、および/またはSP-D/SIRPα相互作用、および/またはSPH2の阻害剤を含む組成物の投与は、熟練者に既知の任意の方法/経路によって実行され得る。例えば、これは、上述の任意の形態および/または方式/経路で投与され得る。
医薬品は、ヒトまたは動物に投与され得る任意の形態であり得る。これは、例えば、上で定義された医薬組成物であり得る。
医薬品の投与は、当業者に既知の任意の方式によって実行され得る。これは、例えば、直接、すなわち、純粋もしくは実質的に純粋に、または抗体もしくはその抗原結合部分を薬学的に許容される担体および/もしくは媒体と混合した後に実行され得る。本発明によれば、医薬品は、例えば、液体配合物、多粒子系、口腔内分散性剤形を含む群から選択される、注射溶液、経口投与用の医薬品であり得る。本発明によれば、医薬品は、液体配合物、経口発泡性剤形、経口粉末、多粒子系、口腔内分散性剤形を含む群から選択される経口投与用医薬品であり得る。
本発明の上記のSP-D、および/またはSP-D/SIRPα相互作用、および/またはSPH2の阻害剤、ならびに薬学的に許容される組成物はまた、併用療法で投与され得る、すなわち、化合物および薬学的に許容される組成物は、1つ以上の他の治療剤、または医療処置の前または後に、同時に投与され得る。アソシエーションスキームで用いられる療法(療法または手順)の特定の組み合わせは、所望の療法的産生物および/または手順の適合性、ならびに達成される所望の療法的効果を考慮するであろう。使用される療法は、同じ疾患を対象としても(例えば、発明による化合物は、同じ疾患を治療するために使用される別の薬剤と同時に投与され得る)、または(例えば、望ましくない)異なる療法的効果を有してもよい。
例えば二次疾患、例えば院内疾患を治療するための既知の治療剤、例えば抗生物質、抗真菌性および/もしくは抗ウイルス性化合物、ならびに/または抗細菌性抗体および/もしくはインターフェロン療法。これは、例えば、当業者に既知の任意の抗生物質であり得る。これは、例えば、肺炎、胸膜感染、尿路感染、腹膜感染、腹腔内膿瘍、髄膜炎、縦隔感染の治療に使用される抗生物質であり得る。これは、例えば、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ネチルマイシン、トブラマイシン、パロモマイシン、ストレプトマイシン、スペクチノマイシン、ゲルダナマイシン、ハービマイシン、リフキシマ、ロラカルベフ、エルタペネム、ドリペネム、イミペネム/シラスタチン、メロペネム、セファドロキシル、セファゾリン、セファロチンまたはセファロチン、セファレキシン、セファクロル、セファマンドール、セフォキシチン、セフプロジル、セフロキシム、セフィキシム;セフジニル;セフジトレン、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフポドキシム、セフタジジム、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフェピム、セフタロリンフォサミル、セフトビプロール、セフトロザン、アビバクタム、テイコプラニン、バンコマイシン、テラバンシン、ダルババンシン、オリタバンシン、クリンダマイシン、リンコマイシン、ダプトマイシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、エリスロマイシン、ロキシスロマイシン、トロレアンドマイシン、テリスロマイシン、スピラマイシン、アズトレオナム、フラゾリドン、ニトロフラントイン、リネゾリド、テジゾリド、ポジゾリド、ラデゾリド、トレゾリド、アモキシシリン、アンピシリン、アズロシリン、カルベニシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フルクロキサシリン、メズロシリン、メチシリン、ナフシリン、オキサシリン、ペニシリンG、ペニシリンV、ピペラシリン、テモシリン、チカルシリン、アモキシシリン/クラブラン酸塩、アンピシリン/スルバクタム、ピペラシリン/タゾバクタム、チカルシリン/クラブラン酸塩、バシトラシン、コリスティン、ポリミキシシンB、シプロフロキサシン、エノキサシン、ガチフロキサシン、ゲミフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、モキシフロキサシン、ナリジクス酸、ノルフロキサシン、オフロキサシン、トロバフロキサシン、グレパフロキサシン、スパルフロキサシン、テマフロキサシン、マフェニド、スルファセタミド、スルファジアジン、スルファジアジン銀、スルファジメトキシン、スルファメチゾール、スルファメトキサゾール、スルファニルイミド、スルファサラジン、スルフィソキサゾール、トリメトプリム-スルファメトキサゾール、スルホンアミドクリソイジン、デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、テトラサイクリン、クロファジミン、ダプソン、カプレオマイシン、サイクロセリン、エタンブトール(Bs)、エチオナミド、イソニアジド、ピラジンアミド、リファンピシン、リファブチン、リファペンチン、ストレプトマイシン、アルスフェナミン、クロラムフェニコール(Bs)、ホスホマイシン、フシジン酸、メトロニダゾール、ムピロシン、プラテンシマイシン、キヌプリスチン/ダルフォプリスチン、チアンフェニコール、チゲサイクリン(Bs)、チニダゾール、トリメトプリム(Bs)を含む群から選択される抗生物質であり得る。
これは、例えば、ビフォナゾール、ブトコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、フェンチコナゾール、イソコナゾール、ケトコナゾール、ルリコナゾール、ミコナゾール、オモコナゾール、オキシコナゾール、セルタコナゾール、スルコナゾール、チオコナゾール、アンホテリシンB、カンジシジン、フィリピン、ハマイシン、ナタマイシン、ナイスタチン、リモシジン、アルバコナゾール、エフィナコナゾール、エポキシコナゾール、フルコナゾール、イサブコナゾール、イトラコナゾール、ポサコナゾール、プロピコナゾール、ラブコナゾール、テルコナゾール、ボリコナゾール、アバファンギン、アニデュラファンギン、カスポファンギン、ミカファンギン、オーロン、安息香酸、シクロピロクス、フルシトシンまたは5-フルオロシトシン、グリセオフルビン、ハロプロギン、トルナフテート、ウンデシレン酸を含む群から選択される抗真菌性化合物であり得る。
これは、例えば、アバカビル、アシクロビル、アデホビル、アマンタジン、アンプレナ
ビル、アンプリゲン、アルビドール、アタザナビル、アトリプラ、バラビル、シドフォビル、コンビビル、ドルテグラビル、ダルナビル、デラビルジン、ジダノシン、ドコサノール、エドクスジン、エファビレンツ、エムトリシタビン、エンフビルチド、エンテカビル、エコリエベル(Ecoliever)、ファムシクロビル、フォミビルセン、ホスアンプレナビル、ホスカルネット、ホスホネット、融合阻害剤、ガンシクロビル、イバシタビン、イムノビル、イドクスウリジン、イミキモド、インジナビル、イノシン、インテグラーゼ阻害剤、III型インターフェロン、II型インターフェロン、I型インターフェロン、インターフェロン、ラミブジン、ロピナビル、ロビリド、マラビロックモロキシジン、メチサゾン、ネルフィナビル、ネビラピン、ネキサビル、ニタゾキサニド、ヌクレオシド類似体、ノービア、オセルタミビル、ペグインターフェロンアルファ-2a、ペンシクロビル、ペラミビル、プレコナリル、ポドフィロトキシン、プロテアーゼ阻害剤、ラルテグラビル、逆転写酵素阻害剤、リバビリン、リマンタジン、リトナビル、ピラミジン、サキナビル、ソホスブビル、スタブジン、テラプレビル、テノフォビル、テノフォビルジソプロキシル、ティプラナビル、トリフルリジン、トリジビル、トロマンタジン、ツルバダ、バラシクロビル、バルガンシクロビル、ビクリビロク、ビダラビン、ビラミジン、ザルシタビン、ザナミビル、ジドブジンを含む群から選択される抗ウイルス性化合物であり得る。
発明者らは、驚くべきことに、SP-Dの濃度が、その後遭遇する病原体に対する保護および/または病原体に応答する免疫防御の能力のバイオマーカーと見なすことができることを実証している。言い換えれば、発明者らは、驚くべきことに、SP-Dの濃度が、感染、特に二次感染に対する対象の感受性のマーカーであることを実証している。
したがって、本発明の別の目的は、二次感染のバイオマーカーとしての表面タンパク質D(SP-D)の使用である。
本発明によれば、表面タンパク質D(SP-D)は、二次感染のバイオマーカーとして、任意のプロセスおよび/または方法で使用することができる。
発明者らはまた、二次疾患および/または院内疾患に対する感受性が高い対象において、SP-Dの濃度が増加することを実証している。特に、発明者らは、病原体に対する反応性免疫応答が欠損しているかまたは低い対象において、SP-Dの濃度が増加することを実証している。
本発明の別の目的は、対象の免疫状態を決定するためのエクスビボ方法であって、
a.当該対象の生物学的試料中の表面タンパク質D(SP-D)の濃度(C)および/または発現レベル(L)を決定すること、
b.測定された濃度Cおよび/または発現Lの、対応する参照値Crefおよび/またはLrefとの比較を含む、方法である。
本発明によれば、比較ステップは、スコアS1=C/Crefおよび/またはS2=L/Lrefを計算することによって実行され得る。
本発明によれば、対象の免疫状態は、得られたスコアS1および/またはS2の値に従って決定することができ、
-S1>1および/もしくはS2>1の場合、対象は、任意の病原体に対する免疫応答が欠損している可能性が高いと見なされるか、または
-S1≦1および/もしくはS2≦1である場合、対象は、任意の病原体に対する免疫応答が欠損している可能性が低いと見なされる。
本発明の別の目的は、対象の二次疾患に対する感受性を決定するためのエクスビボ方法であって、
a.当該対象の生物学的試料中の表面タンパク質D(SP-D)の濃度(Cs1)および/または発現レベル(Ls1)を決定すること、
b.測定された濃度Cs1および/または発現Ls1の、対応する参照値Csrefおよび/またはLsrefとの比較を含む、方法である。
本発明によれば、比較ステップは、スコアS3=Cs1/Crefおよび/またはS4=Ls1/Lsrefを計算することによって実行され得る。
本発明によれば、対象の二次疾患に対する感受性は、得られたスコアS3および/またはS4の値に従って決定することができ、
-S3>1および/もしくはS4>1の場合、対象は、任意の病原体に対する免疫応答が欠損している可能性が高いと見なされるか、または
-S3≦1および/もしくはS4≦1である場合、対象は、任意の病原体に対する免疫応答が欠損している可能性が低いと見なされる。
本明細書で使用される「対象」という用語は、動物、好ましくは哺乳類、好ましくはヒトを指す。
現在では、「免疫における欠損」は、対象が、病原体に関連する免疫原性応答および/もしくは適合を開始する能力および/もしくは自然免疫を活性化する能力が減少している、ならびに/または免疫系の活性化もしくは効率が低減している場合があることを意味する。
現在では、「二次疾患に対する感受性」は、免疫系の活性化もしくは効率が低減している、および/または日和見感染に対する感受性が増加しており、がんの免疫監視が減少している対象を意味する。
本発明によれば、「生物学的試料」は、液体または固体の試料を意味する。本発明によれば、試料は、任意の生体液であり得、例えば、血液、血漿、血清、脳脊髄液、呼吸液、膣粘液、鼻粘液、唾液、および/または尿の試料であり得る。好ましくは、生物学的試料は、例えば、気管液、気管支肺胞洗浄液、および/または胸膜液の試料からなる群から選択される呼吸液である。
本発明によれば、表面タンパク質D(SP-D)の濃度のレベルは、当業者からの既知の任意の方法またはプロセスによって決定することができる。これは、例えば、イムノアッセイ、例えば、ELISAおよび/またはラジオイムノアッセイを用いて決定することができる。
本発明によれば、表面タンパク質D(SP-D)の濃度のレベルは、任意の生物学的試料から決定することができる。例えば、表面タンパク質D(SP-D)の濃度は、例えば、気管液、気管支肺胞洗浄液、および/または胸膜液の試料からなる群から選択される呼吸液で決定することができる。これは、気管液から決定されることが好ましい場合がある。
本発明によれば、表面タンパク質D(SP-D)の参照される濃度のレベル(CrefまたはCsref)は、疾患を有さない、かつ/または過去少なくとも2週間病原体に感染していない対象における、表面タンパク質D(SP-D)の平均濃度レベル(CrefまたはCsref)であり得る。例えば、表面タンパク質D(SP-D)の参照される濃
度のレベルは、1~1000mg/mLであり得る。例えば、表面タンパク質D(SP-D)の参照される濃度のレベルは、1pg/mL~1000mg/mLであり得る。例えば、参照値Csrefは、1pg/mL~1000mg/mLであり得る。
本発明によれば、表面タンパク質D(SP-D)の発現は、当業者からの既知の任意の方法またはプロセスによって決定することができる。これは、例えば、フローサイトメトリー、RT-PCR、またはMarcel Geertz and Sebastian
J.Maerkl,Experimental strategies for studying transcription factor-DNA binding specificities,Brief Funct Genomics.2010 Dec;9(5-6):362-373[28]に開示の任意の方法を用いて決定することができる。
発明者らはまた、有利にも、発明が、任意の二次疾患および/または院内疾患の前に、対象がそのような疾患に対してより感受性が高い場合があるかどうか、かつそのような状態が治療薬、特に、発明の医薬品、すなわち、SP-D阻害剤および/またはSP-D/SIRPα相互作用の阻害剤として、免疫応答を改善および/または回復する治療薬の投与によって改善され得るかどうかを確立することを可能にすることを実証している。
発明者らはまた、二次疾患および/または院内疾患に感受性が高い対象において、SIRPαの発現および濃度が減少することを実証している。特に、発明者らは、SIRPαの濃度が、対象における病原体に対する反応性免疫応答の欠損または低さの維持に関与することを実証している。言い換えれば、発明者らは、SIRPαの発現および/または濃度が、二次感染と相関し得ることを実証している。
したがって、本発明の別の目的は、二次感染のバイオマーカーとしての表面タンパク質D(SP-D)の使用である。
本発明によれば、表面タンパク質D(SP-D)は、二次感染のバイオマーカーとして、任意のプロセスおよび/または方法で使用することができる。
本発明の別の目的は、対象の二次疾患に対する感受性を決定するためのエクスビボ方法であって、
a.当該対象の生物学的試料中のSIRPαの濃度(Ca1)および/または発現レベル(La1)を決定すること、
b.測定された濃度Ca1および/または発現La1の、対応する参照値Carefおよび/またはLarefとの比較を含む、方法。
本発明によれば、比較ステップは、スコアS5=Ca1/Carefおよび/またはS6=La1/Larefを計算することによって実行され得る。
本発明によれば、対象の二次疾患に対する感受性は、得られたスコアS5および/またはS6の値に従って決定することができ、
-S5>1および/もしくはS6>1の場合、対象は、任意の病原体に対する免疫応答が欠損している可能性が高いと見なされるか、または
-S5≦1および/もしくはS6≦1である場合、対象は、任意の病原体に対する免疫応答が欠損している可能性が低いと見なされる。
「対象」は、上述のとおりである
「生物学的試料」は、上述のとおりであり、好ましくは、生物学的試料は、例えば、気管液、気管支肺胞洗浄液、および/または胸膜液の試料からなる群から選択される呼吸液である。
本発明によれば、SIRPαの濃度のレベルは、当業者からの既知の任意の方法またはプロセスによって決定することができる。これは、例えば、イムノアッセイ、例えば、ELISAおよび/またはラジオイムノアッセイを用いて決定することができる。
本発明によれば、SIRPαの濃度のレベルは、任意の生物学的試料から決定することができる。例えば、SIRPαの濃度は、例えば、気管液、気管支肺胞洗浄液、胸膜液、および/または血液の試料からなる群から選択される呼吸液から決定することができる。これは、血液から決定されることが好ましい場合がある。
本発明によれば、SIRPαの発現は、当業者からの既知の任意の方法またはプロセスによって決定することができる。これは、例えば、フローサイトメトリー、RT-PCR、またはMarcel Geertz and Sebastian J.Maerkl,Experimental strategies for studying transcription factor-DNA binding specificities,Brief Funct Genomics.2010 Dec;9(5-6):362-373[28]に開示の任意の方法を用いて決定することができる。
本発明によれば、SIRPαの発現のレベルは、生物学的試料の任意の免疫細胞から決定することができる。例えば、SIRPαの発現のレベルは、群骨髄細胞から選択される細胞から決定することができる。これは、循環単球から決定されることが好ましい場合がある。
本発明によれば、SIRPαの参照される発現のレベル(Laref)は、疾患を有さない、かつ/または過去少なくとも2週間病原体に感染していない対象における、SIRPαの平均発現レベル(Laref)であり得る。例えば、SIRPαの参照される発現のレベルは、単球で10000~20000gMFIであり得る。例えば、参照値Carefは、1pg/mL~100mg/mLであり得る。
発明者らはまた、有利にも、本発明が、任意の二次疾患および/または院内疾患の前に、対象がそのような疾患に対してより感受性が高い場合があるかどうか、かつそのような状態が治療薬、特に、発明の医薬品、すなわち、SP-D阻害剤、および/またはSP-D/SIRPα相互作用の阻害剤、および/またはSHP-2の阻害剤として、免疫応答を改善および/または回復する治療薬の投与によって改善され得るかどうかを確立することを可能にすることを実証している。
他の利点はなお、例示として与えられた添付の図によって示される以下の実施例を閲読することによって、当業者には明らかであり得る。
以下の代表的な実施例は、発明の例示を補助することを意図しており、発明の範囲を限定することを意図しておらず、また発明の範囲の限定と解釈されるべきではない。実際、本明細書に示され記載されたものに加えて、発明の様々な修正およびその多くのさらなる実施形態は、以下の実施例、および本明細書で引用されている科学文献および特許文献への参照を含む本文書の全内容から、当業者には明らかになるであろう。これらの引用されている参照文献の内容は、最新技術の例示を補助するために、参照文献によって本明細書に組み込まれることがさらに理解されるべきである。
以下の実施例は、その様々な実施形態およびその同等物における本発明の実用に適合させることができる重要な追加情報、例示、およびガイダンスを含む。
本発明およびその用途は、発明の医学的使用を実用にまで低減することができる実施形態のうちのいくつかを例示する実施例によって、さらに理解され得る。しかしながら、これらの実施例は、発明を限定するものではないことが理解されるであろう。現在既知の、またはさらに開発された発明の変形は、本明細書に記載され、以下に特許請求されるように、本発明の範囲内にあると見なされる。
実施例1:院内疾患および関与する生物学的機序に対する阻害剤の効果
材料および方法
使用したマウスは、C57BL/6J(B6)、B6.SJL-PtprcaPep3b/BoyJ(CD45.1)、C57BL/6J-Tlr9M7Btlr/Mmjax(Tlr9-/-)49、C57BL/6-Tg(Foxp3-DTR/EGFP)23.2Spar/Mmjax(FoxP3プロモーターの制御下でジフテリア毒素受容体およびGFPを発現させた、いわゆるDEREGマウス)50、B6.Cg-Tg(Itgax-cre)1-1Reiz/J(CD11cプロモーターの制御下でCreリコンビナーゼを発現させた、いわゆるCD11ccreマウス)52に交配させたTgfb2rfl/fl(Tgfb2r遺伝子周辺のFloxed領域)51、およびSIRPαtm1Nog(SIRP-α-/-)マウス53であった。技術的な理由から、性別を考慮せずにマウスを実験に使用した。オスとメスのマウスは、特定の病原体を含まない条件で維持し、Bio21 Institute Animal Facility(Parkville,Australia)またはUTE-IRS2 Nantes Biotech Animal Facility(Nantes,France)で機関のガイドラインに従って群で飼育し、6~14週齢で実験に使用した。実験手順は、Animal Ethics Committee of the University of Melbourne(プロトコル#1413066)およびAnimal Ethics Committee of the Pays de la Loire(APAFIS#7893-2015113011481071)によって承認された。
ヒト対象およびヒト試料
Bioresources:IBIS-敗血症(重度敗血症患者)およびIBIS(脳損傷患者)、Nantes,France。患者は、2016年1月~2017年5月まで、1つの大学病院(Nantes,France)の2つのフFrench Surgical Intensive Care Unitsに登録した。ヒト試料の収集は、French Ministry of Health(DC-2011-1399)に宣言されており、機関の審査委員会によって承認されている。登録には、近親者からの書面によるインフォームドコンセントが必要であった。可能な場合、遡って患者から同意を得た。
IBIS敗血症研究の選択基準は、全身性炎症応答(心拍数の増加、体温の異常、呼吸数の増加、および白細胞数の異常のうち2つ以上の兆候)、および急性臓器機能不全、および/またはショック状態を伴う細菌性感染で検査した。IBIS研究の選択基準は、脳損傷(12以下のGlasgow Coma Scale(GCS)および異常な脳CTスキャン)および全身性炎症応答症候群であった。除外基準は、過去5年間のがん、免疫抑制薬、および妊娠であった。すべての患者を、28日間臨床的に追跡した。対照試料は、輸血センター(Etablissement Francais du Sang、Nantes,France)で募集した、(年齢±10歳、性別、人種が)一致する健康な献血者から収集した。
敗血症患者(IBIS敗血症)では一次感染の1日後および4日後、または脳損傷患者ではICU入室1日後、4日後、および6か月後に、EDTA抗凝固処理した血液試料を採取した。末梢血単核細胞(PBMC)を遠心分離によって単離し、10%のDMSO溶液中の液体窒素で凍結させ、分析まで保存した。
Bioresources:IBIS-敗血症(重度敗血症患者)およびIBIS(脳損傷患者)、Nantes,France。患者は、2014年1月~2016年5月まで、1つの大学病院(Nantes,France)の2つのフFrench Surgical Intensive Care Unitsに登録した。ヒト試料の収集は、French Ministry of Health(DC-2011-1399)に宣言されており、機関の審査委員会によって承認されている。登録には、近親者からの書面によるインフォームドコンセントが必要であった。可能な場合、遡って患者から同意を得た。
IBIS敗血症研究の選択基準は、全身性炎症応答(心拍数の増加、体温の異常、呼吸数の増加、および白細胞数の異常のうち2つ以上の兆候)、および急性臓器機能不全、および/またはショック状態を伴う細菌性感染で検査した。IBIS研究の選択基準は、脳損傷(12以下のGlasgow Coma Scale(GCS)および異常な脳CTスキャン)および全身性炎症応答症候群であった。除外基準は、過去5年間のがん、免疫抑制薬、および妊娠であった。すべての患者を、28日間臨床的に追跡した。対照試料は、輸血センター(Etablissement Francais du Sang、Nantes,France)で募集した、(年齢±10歳、性別、人種が)一致する健康な献血者から収集した。
敗血症患者(IBIS敗血症)では一次感染の7日後、または外傷患者ではICU入室1日目および7日目に、EDTA抗凝固処理した血液試料を採取した。末梢血単核細胞(PBMC)を遠心分離によって単離し、10%のDMSO溶液中の液体窒素で凍結させ、分析まで保存した。
肺炎の誘発
37℃のLuriaブロス培地で18時間増殖させたE.coli(DH5α)を2回洗浄し(1.000×g、10分、37℃)、滅菌等張食塩水で希釈し、比濁法によって較正した。E.coli(75μL、OD600=0.6~0.7)またはインフルエンザウイルス(400プラーク形成単位のインフルエンザ、ウイルス株WSNx31)を、麻酔をかけたマウスにそれぞれ気管内または鼻腔内に注射して、非致死性の急性肺炎を誘発させた。
無菌肺炎症応答の誘発
麻酔下で、CpG1668(10nM)、TNF-α(2.5μg、Myltenyi
Biotec、Paris,France)、およびHMGB1(10μg、Elabscience、TX,USA)を気管内投与した。注射後60秒間、マウスを半横臥位に保持した。
サイトカイン、コレクチン、および乳酸塩の測定。
TNF-αのレベルは、マウスTNF-α ELISA Ready-SET-Goキット(Thermo Fisher Scientific、MA,USA)を用いて測定した。コレクチンSP-AおよびSP-Dの濃度は、Didevelop(Jiangsu,China)からのマウスサーファクタント関連タンパク質AおよびD Ready-to-Use ELISAキットを用いて測定した。乳酸塩レベルは、乳酸塩アッセイキット(Sigma、St.Quentin Fallavier,France)を使用して決定した。
Treg細胞枯渇
ジフテリア毒素(0.2μg i.p、24時間間隔で2回注射、次いで3日ごと)をDEREGマウスに投与して、Treg細胞の枯渇をそれぞれ誘発させた。DEREGマウスは、一次肺炎の4日後から処理した。枯渇の効率(細胞数)を実験中に制御し、通常90%を超えた。
混合骨髄キメラの生成
レシピエントマウスを550グレイで2回γ線照射し、示された比で各関連ドナー株の2.5~5×10個のT細胞枯渇骨髄細胞を用いて再構成した。次の4週間、ネオマイシン(50mg/ml)を飲料水に添加した。再構成の6~10週間後の後続実験に、キメラを使用した。実験中にキメラ現象のパーセンテージを試験した。
マウス肺胞マクロファージの単離および分析
肺および脾臓からのマクロファージの精製、分析、および分取フローサイトメトリーは、[17]に記載されるように実施した。以下のコンジュゲートモノクローナル抗体を使用した:抗CD11c(N418、BioLegend)、抗CD11b(M1/70、BD Biosciences)、抗CD24(M1/69、BD Biosciences)、抗CD172a(SIRP-α、P84、BD Biosciences)、抗MHCII(M5/114、BioLegend)、抗CD45.1(A20.1;eBioscience)、抗F4/80(BM8、BioLegend)、固定可能なViability Dye(eBioscience)。試料は、LSR-FortessaまたはLSR-II(Becton Dickinson)で獲得し、Flowjo Software(TreeStar Inc、Ashland,OR)を使用して分析した。養子移入用のAMは、4~5匹のマウスの蓄積した気管支肺胞洗浄液(純度>95%)から得、非照射レシピエントに気管内注射した(5~10.10個の細胞/レシピエント)。
インビトロ貪食アッセイ
ヒトPBMCを解凍し、遮断抗SIRP-α(OSE-172、ヒト化遮断抗SIRPαクローン18D5 10μg.ml-1、OSE Immunotherapeutics)を含むかまたは含まない完全培地で、一晩培養した。PBMCを2回洗浄し、次いで37.0℃で2~4時間、YFP-E.coli(0.1のMOI)またはYFP-Methicillin Susceptible Staphylococcus aureus(MSSA)(0.1のMOI)に感染させた。単球は、抗ヒト抗CD14抗体(63-D3、Biolegend)で選択した。貪食単球の頻度は、インビトロ感染の1、2、および4時間後にフローサイトメトリー(CD14細胞中のYFP細胞のパーセンテージ)によって決定した。
インビボ貪食アッセイ
YFP-S.aureus(Malone,C.L.et al.2009[29]によって進呈されたYFP/erm2プラスミドを含むRN4220株)、およびYFP-E.coli(Janssen,W.J.et al 2011[30]によって進呈されたp-HG-1プラスミドを含むDH5アルファ株)を、エリスロマイシン10μg/mLまたは20μg/mLのクロラムフェニコールをそれぞれ含むLuriaブロス培地で一晩増殖させた。Fluoresbrite YGカルボキシレートミクロスフェア(3.64 10ビーズ、0.5mm;Polysciences)、YFP-E.coli(OD600=2~3、75μL)、またはYFP-S.aureus(OD600
=5~6、75μL)をマウスにi.t.注射した。2時間後、肺のFITCまたはYFPマクロファージのパーセンテージをフローサイトメトリーによって測定した。
脾臓マクロファージのインビトロ貪食アッセイ
非感染マウスまたは感染治癒したマウスの脾細胞を、37.0℃で2時間、YFP-E.coli(1のMOI)またはYFP-Methicillin Susceptible Staphylococcus aureus(MSSA)(0.1のMOI)に感染させた。単球は、F4/80およびCD11b抗体で選択した。貪食単球の頻度は、インビトロ感染の2時間後にフローサイトメトリー(F4/80細胞中のYFP細胞のパーセンテージ)によって決定した。
ImageStream Xアッセイ(イメージングフローサイトメトリー)。
YFP-E.coliの貪食は、フローサイトメトリーと共焦点顕微鏡技術(ImageStream X Mark II、Amnis)を組み合わせたImageStreamXフローサイトメーターによって評価した。ヒト単球(CD14細胞)およびマウスAM(CD11C F4/80細胞)画像は、405nm(120mW)、488nm(20mW)、および642nm(150mW)の励起レーザーを用いて40倍の倍率で、ImageStreamXのINSPIRE(商標)ソフトウェアで獲得した。データ分析は、IDEASソフトウェア(Amnis Corporation)を使用して実施した。分析のゲーティング戦略には、まず生存マーカー、次いで蛍光に焦点を合わせた生細胞の選択が関与した。
感染治癒したマウスにおける常在および動員肺胞マクロファージのパーセンテージ
PKH26(Red Fluorescent Phagocytic Cell Linker Kit;Sigma-Aldrich)(希釈液Bの希釈後20mM)をマウスの肺に直接滴注した(Urban,J.H.&Vogel,J.2007[31]。PKH26の少なくとも24時間後に、マウスをE.coli(OD600=2~3、75μL i.t.)に感染させて、常在肺胞マクロファージの選択的標識を確実にした。常在(PKH26+)または動員(PKH26)肺胞マクロファージのパーセンテージは、感染の7日後のBAL中で測定した。
気管内移入
気管内移入では、CD45.2マウスのBALから単離した5~8x10個のAMを、麻酔したCD45.1動物の肺に直接滴注した。移入した細胞の表現型および貪食機能は、上記のように7日後に測定した。
BrDU組込み
肺炎の5日後および6日後に、マウスに1mgのブロモデオキシウリジン(BrdU)(Sigma、St Louis,MO)を腹腔内注射した。7日目に、マクロファージを単離し、記載されているように分析した(Kamath,AT et al.2002、[32])。
RNA-seq発現プロファイリング
QIAGEN RNEasy plus mini-kitを使用して、FACSで選別した細胞をRNA調製のために溶解させた。野生型およびSIRP-αノックアウトマウスの麻痺したAMおよび定常状態のAMから、3つの独立したRNA試料を得た。読み取り数が少ないことに起因して、1つの試料をさらなる分析から除外した(表4を参照されたい)。QIAGEN RNEasy plus mini-kitを使用して、FACSで選別した細胞をRNA調製のために溶解させた。次いで、Poly-Aで選択したmRNAを、NEBキットを使用してユーザーガイドに従って、Illuminaシーケ
ンス対応ライブラリーに変換した。cDNAライブラリーを蓄積し、Illumina NextSeq 500を1回実行してInstitut Cochin、Parisで配列決定した。各試料で平均2,100万の75bpシングルエンド読み取りを得た。読み取りを、デフォルトのパラメーター(PMID:23104886)を使用するSTARを使用して、mm10ゲノムにマッピングした。各遺伝子にマッピングされた断片の数を、featureCountsおよびmm10.gtf遺伝子アノテーションを使用して計数した(Kamath,A.T.et al.2002,[32])。配列データおよび読み取り数は、EGAに保管されている。
DESeq2パッケージを使用して、差次的発現分析を実施した。存在量の少ない遺伝子をフィルターにかけて除去して、その後の分析のために12,329個の遺伝子を残した。TMM正規化を使用して、アンダーサンプリングバイアスを調節した。差次的発現遺伝子は、Benjamini-Hochberg方法で偽発見率を制御(5%)しながら、1.5の絶対log2倍数変化によってさらにフィルターにかけた。遺伝子オントロジー分析は、Toppgene suiteを使用して実行した(Chen,J.,Bardes,E.E.,Aronow,B.J.&Jegga,A.G.ToppGene Suite for gene list enrichment analysis and candidate gene prioritization.Nucleic Acids Res 37,W305-W311(2009)[48])
統計分析
GraphPadプリズム(La jolla,CA.United States)を使用してデータをプロットした。両側p値および95%信頼区間を用いる対応のないT検定およびMann-Whitneyの対応のない検定。多重比較には、Bonferonni補正を用いる一元配置分散分析(事後検定)を使用した。相関性を、線形回帰試験によって調査した。実験の統計的詳細(群当たりの正確なマウスの数、正確なP値、分散および精度の測定値)は、図の凡例に見出すことができる。統計的有意性についてはP<0.05。
結果
炎症からの回復後のヒト単球における長期の貪食欠陥
イメージングフローサイトメトリーを使用して、全身性炎症を患う外傷患者の単球の、黄色蛍光タンパク質(YFP)を発現する細胞外細菌を貪食する能力(図1a)を測定した(表1)。この技法により、YFPposであるが細菌が細胞表面に単に付着している(非貪食)ものと区別しながら、細胞内に細菌を保有する(貪食)YFPpos単球の高スループット定量化の実施が可能になった。使用した細菌は、それぞれ最も頻度の高いグラム陰性菌およびグラム陽性球菌であり、重度敗血症患者および外傷患者におけるHAPの原因である、Escherichia coli(E.coli)およびStaphylococcus aureus(S.aureus)であった。貪食単球のパーセンテージは、外傷誘発性炎症患者の方が低く、解消の6か月後には回復の兆候はなかった(図1b~c)。重度敗血症を患う患者の単球でも、貪食が低減し(図1d)、これが重病患者に共通の特色であることを示している。
一次肺炎後に新たに産生されたマウス肺胞マクロファージは麻痺した
貪食障害がマウス貪食細胞でも観察されたかを試験するために、二重感染モデルを使用して臨床シナリオを模倣した。マウスに、まず細菌性(E.coli)またはウイルス性(インフルエンザAウイルス、IAV)の一次肺炎を施し、7日間回復させ、次いで気管内に蛍光E.coliまたはS.aureusを感染させて二次肺炎を引き起こさせた(図2a)。感染の24時間後のこれらのマウスにおける細菌性負荷は、同じ病原体による一次肺炎を患うマウスよりも高かった(図2b)。一次肺炎を患うマウスでは、AMが、細菌の貪食に関与する最も活性な細胞型であり、感染の2時間後に貪食のピークが観察された(図2cおよび図8)。これらのAMの貪食活性は、二次肺炎中にひどく損なわれ(図2d~e)、一次肺炎発症後少なくとも28日間は顕著に損なわれたままであった(図2f)。マクロファージは一次感染の7日後に活性化の兆候を呈さないことを以前に報告しているので、持続的なAM活性化は貪食障害の原因にはなり得なかった12。さらに、BrDU組込みによって測定された、一次肺炎から回復したマウスのマクロファージ再生率は、非感染マウスのものに匹敵した(図2g)。この一連の実験は、肺で、ゆっくりした速度でターンオーバーし続けるAMが、肺炎からの回復後の数か月間、細菌を捕獲する能力が損なわれた状態で発展することを実証している。
麻痺した肺胞マクロファージは、常在マクロファージ集団に由来する
さらに、分子機序が、高い貪食(肺炎前)から不十分な貪食(一次感染をクリアした後)へのAMの機能的シフトを支えるという特徴を明確にすることが、上の結果から喚起された。まず、炎症が(骨髄前駆体に潜在的に)全身的に作用したか、または局所的に作用した後のAMのリプログラミングの原因となるシグナルを調べた。E.coliまたはS.aureusに対する脾臓マクロファージの貪食能力は、E.coli肺炎の7日後に変化せず(図3a)、感染によって引き起こされた免疫欠陥が局所的であることを示している。
AMは、胎生期の単球から発展し、成熟期を通して局所的に自己維持される組織常在マクロファージに分化し、循環単球からの寄与は最小限である。この再生プロセスはまた、重症度の低い感染の過程で失われたマクロファージを再構成することができる(Roquilly,A.et al.2016[33]、Hashimoto,D.et al.2013[34])。しかしながら、疾患の重症度が広範なマクロファージ枯渇をもたらす場合、これは、新しい単球由来のマクロファージによるコロニー形成の生態的地位を開き得るので、循環単球は、一次肺炎後のマクロファージの再生に寄与し得る(Yao,Y.et al,2018[35]、Kim,K.-W.et al.2016[36])。肺炎後に観察された麻痺したAMが局所または外部の前駆体に由来するかどうかを決定するために、組織に常在するAMを標識する蛍光色素PKH26をマウスに気管内滴注した。事実上すべてのAMをこの手順で標識し(図3b)、非感染マウスにおいて少なくとも14日間その状態のままにし(図9a~c)、感染がない状態でのこの細胞集団の置換率が低いことを確認した。PKH26の24時間後にE.coliを伴う細菌性肺炎をマウスに滴注し、7日後にAMを分析した。これらの細胞のほとんどはPKH26+のままであり、感染前に標識された細胞と同じ細胞、またはそれらの子孫であることを示している(図3b)。感染後新たに肺に動員された好中球は、PKH26であり(図9D)、色素が組織に残留し、標識されたAMが新たに動員された外部の前駆体に由来する可能性は破棄された。一次肺炎の解消後に観察された損なわれたAMは、局所的に再生する常在集団に由来する。
AM麻痺は、感染した組織で持続する内因性シグナルによって維持される
麻痺は、組織シグナルによって、またはAM系統の長期的な変化によって継続的にプログラムされた。感染治癒したマウス(CD45.1neg)から収集した気管内の麻痺したAMをナイーブレシピエント(CD45.1pos)に接種した。これらのAMは、移入の7日後に機能した(図3c)。逆に、ナイーブCD45.1negマウスからの機能的AMを、CD45.1pos感染治癒したレシピエントマウスに接種すると、ドナーAMは麻痺した(図3d)。麻痺プログラムの長期的な維持は、感染が発生した環境に残っているシグナルに依存していることを実証した。そのようなシグナルは、感染した組織によって(危険関連分子パターンまたは二次炎症シグナル)(Van de Laar,L.et al,2016[37])、または感染部位に残留する病原体関連分子パターンによって(Machiels,B.et al.2017[38])産生される内因性メディエーターからなり得る。照射した野生型(WT)マウスが、1:1の比の野生型(CD45.1pos)またはTlr9-/-(CD45.1neg)ドナーからの骨髄で再構成された場合、混合骨髄キメラのこの使用に取り組んだ。この設定では、キメラマウスのWT AMは、病原体関連分子パターン模倣CpG(TLR9によって認識される)に直接応答することができるが、Tlr9-/-AMは、CpGを認識することができないが、WT細胞によって産生される二次シグナルに応答することができ(Ma,K.C.,et al.2017[39]、Cegelski,L.et al.2008[40])、キメラ動物にCpGを気管内接種し、7日後にE.coli-YFPに感染させてWTおよびTlr9-/-AMによる貪食を測定した(図3e)。細胞の両方の群は貪食機能障害を表示し(図3e)、AM麻痺が病原体産生物との直接的な遭遇ではなく、内因性メディエーターによって誘発されたことを暗示している。これらのメディエーターは、腫瘍壊死因子(TNF)-αなどの炎症性サイトカイン、または感染中に大量に放出される高移動度群ボックス-1(HMGB1)などの危険関連分子パターン(DAMP)のいずれかであり得る。これら2つのタイプのメディエーターのうちのどちらがAM麻痺の主な原因であるかを決定するために、マウスにTNF-αまたはHMGB1を気管内接種し、7日後にE.coli-YFPに感染させた。HMGB1処理マウスのAMではなく、TNF-α処理マウスのAMは、貪食機能障害を表示し(図3fおよび10a~b)、これのみがである必要はないが、後者のサイトカインが、AM麻痺誘発の原因であり得ることを示唆している。
Treg細胞およびTGFβは、AMの麻痺プログラムの主な要因ではない
他の潜在的な内因性メディエーターを調査した。肺感染の解消は、貪食の2つの阻害剤であるTregおよびTGF-βの局所的な蓄積を伴うので、これらの2つの内因性因子のうちのいずれがAM麻痺を引き起こすのかに取り組んだ。FoxP3+細胞においてジフテリア毒素受容体(DTR)を発現するトランスジェニックマウス(DEREGマウス)を感染させると、Treg細胞が枯渇し得る(図10c)。一次肺炎の解消中(一次感染の4~7日後)にTregを排除しても、二次肺炎中にE.coliまたはS.aureusを貪食するAMの能力は回復しなかった(図4a)。TGF-βの潜在的役割を評価するために、第1の骨髄がWTであり、第2の骨髄が、TGF-βRII欠損AMを産生するTGFβR-IIfl/flCD11ccreである、3:1の比の2つの骨髄でレシピエントWTマウスを再構成した、混合骨髄キメラを生成した(図4b)。E.coli感染の7日後、TGF-βR欠損骨髄(CD45.2+細胞)に由来するAMの割合は、非感染キメラよりも顕著に低く(図4c)、TGF-βが、感染後のAMの再生を促進することを示している。しかしながら、これらのTGFβR欠損AMは、感染治癒したキメラでは貪食が不十分であった(図4d)。これらの実験は、TregまたはTGF-β、およびおそらく他のメディエーターの冗長な役割を破棄しないが、AM麻痺の誘発において、これらのメディエーターを個々に標的とすることによるAM麻痺の予防は効果的ではないことを例示している。
麻痺したAMは、典型的な表現型を表示しないが、訓練/寛容性リプログラミングの特徴を表示する
AM麻痺を支える機能的変化への洞察を得るために、表現型マーカーおよび免疫調節因子の発現を肺炎の前後で比較した。麻痺したAMは、この細胞型の特徴的な表面マーカー(F4/80、CD11c、CD11b、Ly6G、CD64、FcεR1α)を発現したが、発現レベルに顕著な変化を伴った(図5aおよび図11a)。炎症性M1(CD38)と抗炎症性M2(Egr2)マクロファージを区別するマーカーに変化は観察されず(図11b)、麻痺が長期の炎症応答から生じていないことを示唆している。
微生物にマクロファージを事前曝露することにより、代謝活性の増加および再刺激時のサイトカイン産生の変化を特徴とする訓練/寛容性リプログラミングの状態が誘発される
(Hussell,T.&Bell,T.J.2014[41]、Barclay,A.N.2009[42]、Li,L.X.,et al.(2012)[43])。貪食で観察された欠陥が特定の現象であるのか、または訓練/寛容性リプログラミングの特色であるのかが、疑問であった。感染治癒したマウスからのAMでは、乳酸塩の産生が増加したが、TNF-αの産生は減少しなかった(図5b~c)。これらの結果は、訓練された自然免疫が貪食能力の欠陥に関連し得ることを実証した。
定常状態と麻痺したAMとをより完全に比較するために、RNAシーケンシングによるトランスクリプトーム分析を実行した(方法を参照されたい)。AMで発現した12364遺伝子の主構成要素分析(PCA)は、主構成要素1(PC1=85%の可変性を説明)が、定常状態AMとは異なる麻痺したAMを示し、条件間の変動(PC2=11%)と比較すると、AM麻痺が転写変動の主な要因であることを示唆している(図5d)。根底にある遺伝子発現の変化を特徴付けるために、差次的発現遺伝子を計算し(DEG、方法を参照されたい)、1.5のlog2倍数変化で正常に機能するAMと比較して、麻痺したAMにおいて247のアップレギュレーション遺伝子および141のダウンレギュレーション遺伝子を見出した。(MAプロットおよび表2について、図5e、図11cは示さず)。
興味深いことに、最も差次的に発現する遺伝子Cd163l1は、エンドサイトーシスに関与する群Bスカベンジャー受容体システインリッチタンパク質をコードし、その発現は、マクロファージの抗炎症性またはアネルギー表現型に関連付けられている(Lavin,Y.et al.2014[44]、Amit,I.,et al.2015[45])。変化した遺伝子のより包括的な概要を得るために、遺伝子オントロジー(GO)濃縮についてDEGを分析した(代表的なGOおよび表3について、図5f~gは示さず)。この分析により、麻痺は、細胞活性化および免疫応答、ならびにサイトカイン受容体活性およびチロシンキナーゼ活性の分子機能を含む、生物学的プロセスを推進する転写プログラミングに関連していることが明らかになった。この免疫応答活性化は、細胞周期遺伝子のダウンレギュレーションと結びついており、リプログラミングがAMの機能および増殖に影響を及ぼすことを示唆している。この一連の実験は、E.coli肺炎が、AMの発動除去後数週間続く、訓練された自然免疫プログラミングを引き起こし、貪食の減少とサイトカイン受容体およびチロシンキナーゼ活性の増加とを組み合わせることを実証している。
麻痺プログラミングの発展にはSIRP-αが必要であった
麻痺したAMで差次的に発現する遺伝子のうち、いくつかのコードされた受容体またはチロシンキナーゼが貪食の調節に関与した。これらの変化のうちのいくつかをフローサイトメトリーによって検証し、特に、E.coliまたはIAVに感染治癒したマウスからのAMにおいて、貪食などのチロシンキナーゼ結合シグナル伝達プロセスの調節因子であるSIRP-αの発現が全体的に高いことが見出され(図6a~bおよび図11d~e)、この誘発が特定の病原体による感染に特異的ではなかったことを実証している。
SIRP-αによる貪食の既知の抑制性調節を考慮して、AMの訓練へのその関与を調査した。一次肺炎中の、肺におけるSIRP-αの最も可能性の高いリガンドであるサーファクタントタンパク質(SP)-AおよびDの濃度の時間経過を調査した。SP-Aの濃度は、E.coli肺炎後に変化せず、驚くべきことに、SP-Dの濃度は、肺均等質の阻害効果およびプログラムのプライミングにおけるSIRP-αの役割と負の相関性があるという発見を実証した(図12a~b)。この受容体が欠損したマウスを使用する、SIRP-αの貪食障害に対する寄与。一次肺炎中の体重減少および回復までの時間は、SIRP-α欠損マウスでは変化しなかったが(図12c)、二次肺炎中のAM貪食は大幅に改善した(図6c)。細菌性肺炎の開始後の異なる時点でのAMにおけるSIRP-
α発現の詳細な分析は、初期の増加に続くその低減を示し(図6d)、麻痺プログラムの開始および維持の異なる機序を実証している。
SIRP-αは、細菌性肺炎後のAMの抑制微小環境を調節する
麻痺プログラムの発展にSIRP-αが必要かどうかを試験するために、野生型マウス(CD45.1pos)から収集した気管内機能的AMを、感染治療したSIRP-α欠損レシピエント(CD45.1neg)に接種した。野生型の感染治癒したマウスに移入した正常なAMは麻痺したが(図3d)、SIRP-αが欠損した感染治癒したマウスに移入したAMは麻痺しなかった(図6e)。この結果は、局所抑制微小環境がSIRP-α欠損マウスでは発展しないことを実証している。SIRP-α欠損マウス(CD45.1neg)から収集した機能的AMを、感染治癒した野生型レシピエント(CD45.1pos)に気管内接種した。SIRP-α欠損AMは、移入の7日後に麻痺した(図6f)。これらの実験は、SIRP-αが新たに形成されたAMの貪食を継続的に阻害しないが、AMによる貪食の局所学習に関与する微小環境の長期的な変化を引き起こすことを実証した。
SIRP-α欠損は、感染後のAMの訓練/寛容性リプログラミングを変化させる
AMの訓練/寛容性プログラミングに対するSIRP-α欠損の影響を調査し、SIRP-α欠損におけるAMの代謝および細胞動態機能を測定した。WTマウスで観察されたものとは対照的に、感染治癒したSIRP-α欠損マウスからのAMの乳酸塩およびTNF-αの産生は、感染後変化しなかった(図6g~h)。RNAシーケンシングはまた、1.5超の絶対倍数変化で、SIRP-α欠損AMと比較して、訓練されたWT AMでは59個の遺伝子が差次的に発現した(SIRPαKOでは57個がアップレギュレーションされ、4個がダウンレギュレーションされた)を示した(図6i)。興味深いことに、免疫細胞における遺伝子発現を調節する長い非コードRNAであるXist37、およびウイルス性肺炎中のケモカイン応答を調節するメチルトランスフェラーゼであるSetdb2(図12)は、WTと比較してSIRP-α欠損細胞で最もアップレギュレーションされ、感染後のAMのエピゲネティック的調節におけるSIRP-αの役割を示唆している。最後に、アップレギュレーションされたSIRP-α遺伝子のGO分析は、ケモカイン媒介性シグナル伝達経路の生物学的プロセス、および異常な炎症応答ならびに自己免疫応答に関連するケモカイン活性を含む(図6j)。
全身性炎症応答症候群患者における貪食の調節因子の発現の変化
上の結果は、急性炎症が、ヒト単球およびマウスマクロファージに長期にわたる貪食欠陥を引き起こすことを実証している(図1および2)。
結果はまた、マウスにおける貪食欠陥が、貪食の細胞表面調節因子の発現の変化に関連していることを実証しており、ヒト細胞における同様の分子の発現を分析した。重度外傷患者および重度敗血症患者の循環単球は、健康な対照からの細胞と比較して、変化したレベルの貪食SIRP-α、CD206、CD14、およびCD16の調節因子を発現した(臨床的説明については、図7a、bおよび表1は示さず)。手術が予定されている、人工呼吸器を必要とするが炎症による影響を受けていない患者(「健康な」対照)からのAMと比較して、急性呼吸器炎症を患う重病患者(臨床肺感染スコア(CPIS)≧639)からの気管支肺胞液に含有されるAMでは、同様の変化が観察された(図7cおよび表1)。さらに、循環ヒト単球におけるSIRP-α発現のレベルは、炎症の重症度および患者におけるHAPの発症と相関した(図7d~e)。これらの結果は、ヒトAMおよび循環単球が貪食の調節に関与する表面受容体の発現を変化させることを実証し、マウスにおける実験的敗血症の観察を再現している。これらの変化は、有害な細菌を貪食する能力の低減を伴う(図1)。この麻痺状態の誘発は、(外傷患者に現れる)内因性炎症プロセスによって媒介され、重度炎症を引き起こした事象の後も長期間持続する。
SIRP-αの遮断は、全身性炎症応答症候群患者の細胞による貪食を向上させる
麻痺したヒト貪食細胞による細胞外細菌の貪食を回復するための療法的戦略としてのSIRP-α阻害を試験した。重病患者からの末梢血単核細胞は、遮断抗SIRP-α抗体の存在下で、インビトロでより多くのE.coli-YFPを貪食した(図7f)。これは、麻痺した単球がSIRP-αの低減した発現を示したが、この受容体は感染に対する最初の炎症応答中機能的なままであったことを実証している。
考察
上に実証したように、発明者らは、以下を明確に実証している:
(i)AMは、細胞外細菌肺炎後の局所前駆体から再生されること、
(ii)発展中のAMにおける貪食能力の獲得は、局所組織由来のシグナルによって局所的に調節されること、
(iii)ひいては、そのようなシグナルは、病原体または細胞ストレスに対する以前の炎症応答によって調節され、SIRP-αは、これらの変化において主な役割を果たすこと、および
(iv)SIRP-α抗体の遮断は、病院で獲得される感染の宿主標的治療の療法的標的を代表し得ること。肺炎または急性炎症からの回復後の、マウスおよびヒト貪食細胞における、記載の細菌取り込みの数ヶ月にわたる欠陥は、罹患した臓器の麻痺プログラムの維持の結果として説明することができる。そのようなプログラムは、貪食の調節受容体の発現の変化を含む。例えばmAbを用いるそのような分子の阻害剤は、貪食機能を回復させ、これらの分子は、二次肺炎に対する感受性の診断マーカーである。
感染後の低い貪食環境の立証は直感に反するように思われ得るが、免疫応答性を弱めることが有益である他の例、例えば、慢性ウイルス性感染(「病原体耐性」の一形態)、ならびに組織損傷の予防および修復の促進が持続的な炎症よりも有益である他の状況が存在する。この機序の欠点は、敗血症または重度炎症を生き延びた患者における、細胞外細菌に対する感受性の増加である。この「免疫学習」プログラムの予防または逆転により、一次発作後の病院で獲得される感染から保護することができる。
マウスの実験的肺炎が、顕著な細菌性負荷を伴う重度疾患を引き起こしたにもかかわらず、単球動員をもたらさなかったことを、実施例は明確に実証している。また、AMが既存の局所蓄積から補充されたが、麻痺したAMが発展したことも実証している。重要なことに、実施例は、全身性炎症を患うヒトにおいて、麻痺プログラムが循環単球を変化させることを実証し、このプログラムが肺に特異的ではなく、例えば急性炎症によって影響を受ける他の臓器において発展し得ることを裏付けている。上に実証したように、炎症性サイトカインおよびDAMPは、SIRP-α発現を変化させ得る(図10b)。
実施例はまた、麻痺プログラムが感染自体によって刷り込まれず、そうであるとすれば、感染したマウスからのAMは、ナイーブレシピエントに移入時に、麻痺した子孫に発達するであろうことを明確に実証している。むしろ、麻痺を誘発した感染によって残った環境であり、これが、ナイーブマウスからのAMが、感染したマウスへの移入時に麻痺したAMを産生する理由を説明している。実施例は、内因性メディエーター、主に炎症性サイトカインが、麻痺プログラムの原因であることを実証している(図3f~g)。
したがって、炎症によって誘発されるネットワークの変化における一般的な「ノード」についての記載は、二次肺炎のリスクがある患者のための免疫調節剤の開発のための資産である。リプログラミングの複雑な現象をいくつかの基本的な一般的な結果(例えば、貪食のダウンレギュレーション)に単純化することができるという発見は、二次肺炎の革新的な予防アプローチの設計を可能にする。さらに、上で実証したように、外傷誘発性炎症
を患う患者におけるこの麻痺プログラムは、主にDAMPによって引き起こされるか、または敗血症誘発性炎症を患う患者においてはPAMPによって引き起こされる。二次肺炎のマウスモデルにおけるSIRP-αの役割を、2つの異なる病状を患うヒトに外挿することにより、ほとんどすべての炎症状態へのこれらの結果の潜在的な外挿をさらに増加させ、それがマクロファージの訓練/寛容原性リプログラミングのための主なノードであり得ることを示唆している。
実施例は、細菌性肺炎中のSIRP-αの関与が、高い代謝活性およびまた不十分な貪食を示す特定の訓練/寛容性プログラムを誘発することを明確に実証している。重要なことに、結果は、AMの訓練状態の維持には、局所的に訓練された微小環境のインビトロでの維持が必要であることを実証している。
実施例は、SIRP-αが、数か月持続するAMの訓練された/寛容性リプログラミングを開始し、微小環境が変化すると、SIRP-αの遮断がAMによる貪食を回復しないことを実証している。この観察は、SIRP-αの遮断は、SIRP-α細胞内経路の関与後に適用されると、貪食を回復し損ね得るという事実を裏付けている(図13)。
上に実証したように、発明は、SP-Dおよび/もしくはSP-D-SIRPα相互作用の阻害剤、ならびに/またはSIRPαが関与し得る経路/生物学的プロセスの調節因子を投与することにより、AM細胞の欠損、例えば、貪食能力の低下を克服し、また感染後に対象の免疫を回復することを可能にし、したがって二次感染および/または院内感染を予防または治療することを可能にする。
上に実証したように、発明は、SPH2の阻害剤および/またはSIRPαによるSPH2の活性化の阻害剤を投与することにより、AM細胞の欠損、例えば、貪食能力の低下を克服し、また感染後に対象の免疫を回復することを可能にし、したがって二次感染および/または院内感染を予防または治療することを可能にする。
したがって、発明者は、特に、治療が病原体または疾患の原因を直接対象としないが、治療される対象の防御を改善するので、本発明が、二次感染および/または院内感染の治療を可能にすることを明確に実証している。
報告された効果は、共生フローラおよび他の環境刺激によって局所的に誘発される「免疫学的訓練」の現象(Carr et al.,2016[46])の延長と見なすことができる。重度感染を生き延びたマウスまたはヒトで生じる長期の免疫抑制は、通常の状態では死に至るが、実験室(マウス)の制御された状態または集中治療室(ヒト)では克服することができる困難に対する過剰適合の有害な結果と見なすことができる。重要なことに、発明者らは、局所細胞刷り込みを引き起こすシグナルが非抗原特異的であることを実証し、一次感染からの回復が全く新しい病原体に対する感受性を高め得る理由を説明している。
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Claims (31)

  1. 二次感染の予防および/または治療に使用するための、表面タンパク質D(SP-D)の阻害剤。
  2. 二次感染の予防および/または治療に医薬品として使用するための、表面タンパク質D(SP-D)の阻害剤。
  3. 前記二次感染が、肺炎、胸膜感染、尿路感染、腹膜感染、腹腔内膿瘍、髄膜炎、縦隔感染、および軟組織または皮膚感染を含む群から選択される、請求項1または2に記載の表面タンパク質(SP-D)の阻害剤の、使用。
  4. 前記表面タンパク質(SP-D)の阻害剤が、抗SP-D抗体、抗SP-D抗体断片、組換え抗SP-D抗体、結合ペプチド、siRNAから選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の使用。
  5. 前記阻害剤が、0.1~100μgのレベルで使用される、請求項1~4のいずれか一項に記載の使用。
  6. 前記阻害剤が、単回注射、または最大28日間の反復注射で投与される、請求項1~5のいずれか一項に記載の使用。
  7. 二次感染の予防および/または治療に使用するための表面タンパク質(SP-D)の阻害剤を含む、医薬組成物。
  8. 前記阻害剤が、投与当たり0.1マイクロg/kg~1000マイクロg/kgのレベルにある、請求項7に記載の医薬組成物。
  9. 対象の二次疾患に対する感受性を決定するためのエクスビボ方法であって、
    a.前記対象の生物学的試料中の表面タンパク質D(SP-D)の濃度(Cs1)および/または発現レベル(Ls1)を決定すること、
    b.測定された濃度Cs1および/または発現Ls1の、対応する参照値Csrefおよび/またはLsrefとの比較を含む、方法。
  10. 前記生物学的試料が、気管液、気管支肺胞洗浄液、および/または胸膜液の試料からなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記SP-Dの濃度が、ELISAまたはRIA法で決定される、請求項10または11に記載の検出方法。
  12. 前記参照値Csrefが、1pg/mL~1000mg/mLである、請求項10~12のいずれか一項に記載の検出方法。
  13. 前記参照値Lsrefが、1pg/mL~1000mg/mLである、請求項10~12のいずれか一項に記載の検出方法。
  14. 二次感染のバイオマーカーとしての、表面タンパク質D(SP-D)の使用。
  15. 二次感染の予防および/または治療に使用するための、SP-D/SIRPα相互作用の阻害剤。
  16. 二次感染の予防および/または治療に医薬品として使用するための、SP-D/SIRPα相互作用の阻害剤。
  17. 前記二次感染が、肺炎、胸膜感染、尿路感染、腹膜感染、腹腔内膿瘍、髄膜炎、縦隔感染、および軟組織または皮膚感染を含む群から選択される、請求項15または16に記載のSP-D/SIRPα相互作用の阻害剤、の使用。
  18. 前記SP-D/SIRPα相互作用の阻害剤が、組換え抗SFTPD抗体である、請求項15~17のいずれか一項に記載の使用。
  19. 前記阻害剤が、0.1~100μgのレベルで使用される、請求項15~18のいずれか一項に記載の使用。
  20. 前記阻害剤が、単回注射、または最大90日間の反復注射で投与される、請求項15~19のいずれか一項に記載の使用。
  21. 二次感染の予防および/または治療に使用するための、SHP-2の阻害剤。
  22. 二次感染の予防および/または治療に医薬品として使用するための、SHP-2の阻害剤。
  23. 前記二次感染が、肺炎、胸膜感染、尿路感染、腹膜感染、腹腔内膿瘍、髄膜炎、縦隔感染、および軟組織または皮膚感染を含む群から選択される、請求項21または22に記載のSHP-2の阻害剤の、使用。
  24. 前記SHP-2の阻害剤が、結合ペプチド、siRNA、アンチセンスオリゴ、リガンドトラップ、小分子、抗体を含む群から選択される、請求項21~23のいずれか一項に記載の使用。
  25. 前記阻害剤が、約0.01~2000mg、好ましくは約0.01~1000mgの用量で使用される、請求項21~24のいずれか一項に記載の使用。
  26. 前記阻害剤が、単回注射、または最大90日間の反復注射で投与される、請求項21~25のいずれか一項に記載の使用。
  27. 対象の二次疾患に対する感受性を決定するためのエクスビボ方法であって、
    a.前記対象の生物学的試料中のSIRPαの濃度(Ca1)および/または発現レベル(La1)を決定すること、
    b.測定された濃度Ca1および/または発現La1の、対応する参照値Carefおよび/またはLarefとの比較を含む、方法。
  28. 前記生物学的試料が、気管液、気管支肺胞洗浄液、胸膜液、および/または循環白血球の試料からなる群から選択される、請求項27に記載の方法。
  29. 前記参照値Carefが、1pg/mL~100mg/mLである、請求項27または28に記載の方法。
  30. 前記参照値Larefが、ハウスキーピング遺伝子の比率で0~100(PCR)、または10~80%の陽性細胞(フローサイトメトリー)である、請求項27~29のいず
    れか一項に記載の方法。
  31. 二次感染のバイオマーカーとしての、表面SIRPαの使用。
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