JP2022537621A - Tof質量較正 - Google Patents

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Abstract

質量分析器のための較正装置は、イオン源デバイスと、二重目的電子ビーム発生ユニットとを含む。イオン源デバイスは、サンプルの検体をイオン化し、検体イオンを生成する。二重目的電子ビーム発生ユニットは、イオン源デバイスと質量分析器との間に位置付けられる。第1のモードでは、二重目的電子ビーム発生ユニットは、未知の質量/電荷比の検体イオンの断片を作成するために使用される。第2のモードでは、二重目的電子ビーム発生ユニットは、既知の質量/電荷比の較正化合物のイオンを作成するために使用される。全てのイオンが、続いて、質量分析器に輸送される。

Description

(関連出願)
本願は、その内容がその全体として参照することによって本明細書に組み込まれる、2019年6月12日に出願された、米国仮特許出願第62/860,300号の利益を主張する。
本明細書の教示は、質量分析計の質量分析器のための較正装置に関する。より具体的には、電子ベースの解離(ExD)セルが、イオン源と質量分析器との間に位置付けられ、質量分析のために、検体イオンを伝送または断片化し、次いで、また、質量分析のために、ExDセルのガスをイオン化し、較正物質イオンを生成するために使用される。
本明細書に説明される装置は、プロセッサ、コントローラ、または図1のコンピュータシステム等のコンピュータシステムと併用されることができる。
(解離技法背景)
電子ベースの解離(ExD)および衝突誘発解離(CID)は、多くの場合、タンデム質量分析法(質量分析法/質量分析法(MS/MS))のための解離技法として使用される。ExDは、限定ではないが、電子捕捉解離(ECD)または電子輸送解離(ETD)を含むことができる。CIDは、タンデム質量分析計における解離のための最も従来的技法である。
(質量分析器較正背景)
飛行時間(TOF)、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴(FTICR)質量分析器、およびオービトラップ質量分析器等の質量分析器は、高度に正確な質量測定を提供することが可能である。しかしながら、本レベルの正確度は、周囲温度、分析計チャンバ圧力、および印加される電圧における変動によって容易に影響され得る、器具安定性および再現性のレベルを要求する。これらの変動を考慮するために、質量分析器は、質量較正と称されるプロセスにおいて、既知である質量を使用して較正される。
従来、較正物質またはロックマスとも称される、既知の化合物が、未知の化合物または着目化合物(検体)のサンプルと併せてか、または順次のいずれかにおいて、分析されている。1つの方法では、較正物質は、イオン源内のイオン化に先立って、溶液中で検体と混合される。しかしながら、本方法は、毛細管先端における輸送ライン内の較正物質による汚染をもたらし得る。較正物質はまた、検体のイオン化効率を抑制し得る。
結果として、較正物質を質量分析計の中に導入する、または較正物質を質量分析計内で生成する他の方法が、開発されている。例えば、較正送達システム(CDS)が、較正物質化合物を含む、2つ以上の化合物を、イオン源チャンバの中に、同時に導入するために使用されることができる。しかしながら、残念ながら、そのようなCDSシステムは、サンプルプローブおよび注入器の複製、複雑なイオン源界面、およびエレクトロスプレーイオン化(ESI)源専用の適合を要求する。
較正物質を質量分析計内で生成するために、動的背景較正システム(DBS)が、使用されることができる。DBSでは、質量分析計内に存在する背景イオンが、較正物質として使用される。しかしながら、残念ながら、DBSは、質量分析法(MS)モードにおける較正のためにのみ使用されることができる。換言すると、DBSは、背景イオンが、断片化され、したがって、較正のために有用ではないであろう、質量分析法/質量分析法(MS/MS)モードのために使用されることができない。
米国特許第6,797,947号(以降、「第’947号特許」)は、較正物質を質量分析計の中に導入するための別の方法を説明する。本方法では、専用ロックマス源および専用ロックマスイオン化源が、イオン源と質量分析器との間に位置する、イオン光学系に隣接して位置付けられる。
図2は、米国特許第6,797,947号に説明される装置の例示的略図200である。図2では、ロックマス源225およびロックマスイオン化源235が、衝突セル220に隣接して位置付けられて示される。衝突セル220は、イオン源202と質量分析器240との間に位置する。ロックマスイオン化源235は、光イオン化、電界脱離イオン化、電子イオン化、または熱イオン化を使用して、ロックマスをイオン化することができる。しかしながら、残念ながら、CDSのように、第’947号特許の方法は、較正の目的だけのために、較正物質源およびイオン化源を導入することによって、質量分析計の複雑性を増加させる。
結果として、付加的装置および方法が、その目的だけのために、質量分析計の複雑性を増加させずに、質量分析器の較正を可能にするために必要とされる。
米国特許第6,797,947号明細書
質量分析器を較正するための装置、方法、およびコンピュータプログラム製品が、開示される。較正装置は、イオン源デバイスと、電子ベースの解離(ExD)セルとを含む。イオン源デバイスは、サンプルの検体をイオン化し、検体イオンを生成する。ExDセルは、イオン源デバイスと質量分析器との間に位置付けられる。
単一質量分析法(MS)モードでは、ExDセルが、較正のために使用される、すなわち、既知の質量/電荷比の背景ガスまたは較正化合物が、電子衝突イオン化(EII)イオン源として動作されるExDセルを使用して、イオン化され、そのようなイオンが、次いで、分析計の中に導入される。EIIモードでは、ExDセルが、ExDセル内の電子を、例えば、24eV~150eVの運動エネルギーに加速させる。
背景ガスは、残留空気(酸素、水、窒素)であることができる、またはおそらく、較正化合物が、導入されることができる。較正化合物の実施例は、ペルフルオロケロセンまたはペルフルオロトリブチルアミンを含む。
ExDセルは、通常動作では、オフに切り替えられ、未知の質量/電荷比の以前にイオン化された検体イオン(イオン源である、MALDIイオン源内でのエレクトロスプレーイオン化、大気圧化学イオン化、または任意の他のタイプのイオン源によって作成されたイオン)の伝送が、ExDセルを通して、衝突セルの中に、次いで、飛行時間質量分析計(または任意の他の分析計タイプ)の中に伝送されることを可能にする。
較正の間、ExDセルは、オンに切り替えられ、トレース背景ガスとしてか、または導入される較正物質としてかのいずれかで存在する、既知の質量/電荷比のイオンを作成する。
ExDセルは、高分解能質量分析計の質量較正が変化することを可能にするために不十分な時間が存在するように、十分に頻繁に較正デバイスとして使用されることが予期される。このように、分析計の質量正確度は、常時、高度に維持される。
タンデム質量分析法(MS/MS)モードでは、ExDセルが、較正のために使用される、すなわち、ExDセルが、電子衝突イオン化(EII)を使用して、背景ガスまたは導入される較正物質の分子イオンを作成するために使用される。この場合、分子イオンが形成されるであろう確率を増加させるために、運動エネルギーを低減させることが有利であることが証明され得る。分子イオンは、ExDセルによって形成される分子イオンと衝突セル内のガスとの間の衝突によって引き起こされる、衝突誘発断片化によって、断片化を引き起こすために十分な運動エネルギーを伴って、衝突セルの中に導入される。これらの断片イオンは、次いで、高分解能質量分析計を較正するために使用される。
これは、衝突セルが、MSモードおよびMSMSモードにおいて、異なる質量較正を要求する体系的質量偏移を引き起こす場合、有用であり得る。
また、イオンが、付加的利点を引き起こすために、捕獲または別様に操作される場合、質量較正における任意の偏移が、このように追跡および補正されることができる。
本出願人の教示のこれらおよび他の特徴は、本明細書に記載される。
当業者は、後述の図面が、例証目的にすぎないことを理解するであろう。図面は、本教示の範囲をいかようにも制限することを意図するものではない。
図1は、本教示の実施形態が実装され得るコンピュータシステムを図示するブロック図である。
図2は、米国特許第6,797,947号に説明される装置の例示的略図200である。
図3は、約70eVのビームエネルギーを伴って陽イオンモードで動作される電子イオン化(EI)質量分析計によって生成される、FC43(ペルフルオロトリブチルアミン)に関する基準スペクトルの例示的プロットである。
図4は、種々の実施形態による、約30eVのビームエネルギーを伴って陽イオンモードで動作されるChimera電子捕捉解離(ECD)セルを使用してFC43をイオン化することによって生成される、FC43に関する較正スペクトルの例示的プロットである。
図5は、種々の実施形態による、約30eVのビームエネルギーを伴って陰イオンモードで動作されるChimera ECDセルを使用してFC43をイオン化することによって生成される、FC43に関する較正スペクトルの例示的プロットである。
図6は、種々の実施形態による、Chimera ECDセルの概略図である。
図7は、種々の実施形態による、Chimera ECDセルを含む、質量分析法システムの概略図である。
図8は、種々の実施形態による、Chimera ECDセルおよびCID衝突セルの裁断3次元斜視図である。
図9は、種々の実施形態による、質量分析器を較正するための方法を示す、例示的フローチャートである。
図10は、種々の実施形態による、質量分析器を較正するための方法を実施する、1つ以上の明確に異なるソフトウェアモジュールを含む、システムの概略図である。
本教示の1つ以上の実施形態が詳細に説明される前に、当業者は、本教示が、その用途において、以下の詳細な説明に記載される、または図面に図示される、構造、構成要素の配列、およびステップの配列の詳細に限定されないことを理解するであろう。また、本明細書で使用される表現および専門用語は、説明の目的のためであって、限定的と見なされるべきではないことを理解されたい。
(コンピュータ実装システム)
図1は、本教示の実施形態が実装され得る、コンピュータシステム100を図示するブロック図である。コンピュータシステム100は、情報を通信するためのバス102または他の通信機構と、情報を処理するためにバス102と結合されたプロセッサ104とを含む。コンピュータシステム100は、プロセッサ104によって実行される命令を記憶するために、バス102に結合されるランダムアクセスメモリ(RAM)または他の動的記憶デバイスであり得るメモリ106も含む。メモリ106は、プロセッサ104によって実行される命令の実行の間、一時的変数または他の中間情報を記憶するためにも使用され得る。コンピュータシステム100は、プロセッサ104のための静的情報および命令を記憶するために、バス102に結合された読取専用メモリ(ROM)108または他の静的記憶デバイスをさらに含む。磁気ディスクまたは光ディスク等の記憶デバイス110は、情報および命令を記憶するために提供され、バス102に結合される。
コンピュータシステム100は、情報をコンピュータユーザに表示するために、バス102を介して、ブラウン管(CRT)または液晶ディスプレイ(LCD)等のディスプレイ112に結合され得る。英数字および他のキーを含む入力デバイス114は、情報およびコマンド選別をプロセッサ104に通信するために、バス102に結合される。別のタイプのユーザ入力デバイスは、方向情報およびコマンド選別をプロセッサ104に通信し、ディスプレイ112上のカーソル移動を制御するためのマウス、トラックボール、またはカーソル方向キー等のカーソル制御116である。本入力デバイスは、典型的には、デバイスが平面において位置を指定することを可能にする2つの軸、すなわち、第1の軸(すなわち、x)および第2の軸(すなわち、y)において、2自由度を有する。
コンピュータシステム100は、本教示を実施することができる。本教示のある実装によると、結果は、メモリ106内に含有される1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスをプロセッサ104が実行することに応答して、コンピュータシステム100によって提供される。そのような命令は、記憶デバイス110等の別のコンピュータ可読媒体から、メモリ106内に読み込まれ得る。メモリ106内に含有される命令のシーケンスの実行は、プロセッサ104に、本明細書に説明されるプロセスを実施させる。代替として、有線回路が、本教示を実装するためのソフトウェア命令の代わりに、またはそれと組み合わせて、使用され得る。したがって、本教示の実装は、ハードウェア回路およびソフトウェアの任意の具体的組み合わせに限定されない。
本明細書で使用されるような用語「コンピュータ可読媒体」は、実行のために命令をプロセッサ104に提供する際に関与する任意の媒体を指す。そのような媒体は、限定されないが、不揮発性媒体、揮発性媒体、および伝送媒体を含む、多くの形態をとり得る。不揮発性媒体は、例えば、記憶デバイス110等の光学または磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、メモリ106等の動的メモリを含む。伝送媒体は、バス102を備える配線を含む、同軸ケーブル、銅線、および光ファイバを含む。
コンピュータ可読媒体の一般的形態は、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、または任意の他の磁気媒体、CD-ROM、デジタルビデオディスク(DVD)、ブルーレイディスク、任意の他の光学媒体、サムドライブ、メモリカード、RAM、PROM、およびEPROM、フラッシュ-EPROM、任意の他のメモリチップまたはカートリッジ、またはコンピュータが読み取ることができる任意の他の有形媒体を含む。
コンピュータ可読媒体の種々の形態は、実行のために、1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスをプロセッサ104に搬送することに関わり得る。例えば、命令は、最初は、遠隔コンピュータの磁気ディスク上で搬送され得る。遠隔コンピュータは、命令をその動的メモリ内にロードし、モデムを使用して、電話回線を介して、命令を送信することができる。コンピュータシステム100にローカルのモデムは、データを電話回線上で受信し、赤外線送信機を使用して、データを赤外線信号に変換することができる。バス102に結合された赤外線検出器は、赤外線信号で搬送されるデータを受信し、データをバス102上に設置することができる。バス102は、データをメモリ106に搬送し、そこから、プロセッサ104は、命令を読み出し、実行する。メモリ106によって受信された命令は、随意に、プロセッサ104による実行の前後のいずれかにおいて、記憶デバイス110上に記憶され得る。
種々の実施形態によると、方法を実施するためにプロセッサによって実行されるように構成される命令は、コンピュータ可読媒体上に記憶される。コンピュータ可読媒体は、デジタル情報を記憶するデバイスであることができる。例えば、コンピュータ可読媒体は、ソフトウェアを記憶するために、当技術分野において公知のように、コンパクトディスク読取専用メモリ(CD-ROM)を含む。コンピュータ可読媒体は、実行されるように構成される命令を実行するために好適なプロセッサによってアクセスされる。
本教示の種々の実装の以下の説明は、例証および説明の目的のために提示されている。これは、包括的でもなく、本教示を開示される精密な形態に限定するものでもない。修正および変形例が、上記の教示に照らして可能である、または本教示の実践から取得され得る。加えて、説明される実装は、ソフトウェアを含むが、本教示は、ハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせとして、またはハードウェア単独において、実装され得る。本教示は、オブジェクト指向および非オブジェクト指向両方のプログラミングシステムによって実装され得る。
(較正装置および方法)
飛行時間(TOF)、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴(FTICR)質量分析器、およびオービトラップ質量分析器等の高度に正確な質量分析器は、周囲温度、分析計チャンバ圧力、および印加される電圧における変動を考慮するために、質量較正を要求する。従来、較正物質またはロックマスとも称される、既知の化合物が、未知の化合物または着目化合物(検体)のサンプルと併せてか、または順次のいずれかにおいて、分析されている。最近、較正物質を質量分析計の中に導入する、または較正物質を質量分析計内で生成する他の方法が、開発されている。
例えば、’947特許は、専用ロックマス源および専用ロックマスイオン化源が、イオン源と質量分析器との間に位置する、イオン光学系に隣接して位置付けられる、較正物質を質量分析計の中に導入するための別の方法を説明する。しかしながら、残念ながら、第’947号特許の方法は、較正の目的だけのために、較正物質源およびイオン化源を導入することによって、質量分析計の複雑性を増加させる。
結果として、付加的装置および方法が、その目的だけのために、質量分析計の複雑性を増加させずに、質量分析器の較正を可能にするために必要とされる。
種々の実施形態では、ExDセルが、イオン源デバイスと質量分析器との間に位置付けられ、加えて、ExDセル内で較正物質イオンを生成するための電子イオン化源として選択的に動作される。ExDセルは、従来、MSモードでは、イオンガイドとして動作され、検体イオンを質量分析器上に伝送する。MS/MSモードでは、ExDセルは、典型的には、検体イオンを断片化させるか、またはそれらを別のタイプの衝突セル上へ伝送するかのいずれかのために使用される。ExDセルの使用は、ここでは、ExDセル内でガスをイオン化し、質量較正のための較正物質イオンを生成するように拡張される。
ExDセルは、電子捕捉解離(ECD)デバイスまたは電子輸送解離(ETD)デバイスであることができる。好ましい実施形態では、ExDセルは、ECDセルである。
ExDセルは、従来、イオン化において使用するための良好なデバイスと考えられていなかった。ExDセルは、電子ビームを使用して、イオンを解離させるが、電子ビームは、典型的には、運動エネルギー約1eVを伴う、低エネルギー電子から成る。対照的に、当業者は、電子イオン化源が、典型的には、運動エネルギー約70eVを伴う高エネルギー電子から成る電子ビームを印加することを理解する。
結果として、種々の実施形態では、ExDセルは、低エネルギー電子または高エネルギー電子を伴う、電子ビームを選択的に生成するように修正される。修正は、例えば、ExDセルのための切替可能な電力供給源を提供することを含むことができる。
例示的ExDセルは、SCIEXのChimera ECDセルである。ExDセルが電子イオン化のために好適であるかどうかを決定するために、ChimeraE CDセルを使用して、実験が行われた。電子イオン化(EI)質量分析計の較正のために使用される標準的化合物である、FC43(ペルフルオロトリブチルアミン)が、典型的には、ガスクロマトグラフ質量分析法(GC-MS)のために使用され、Chimera ECDセルを含む、質量分析計のイオン経路の中に漏出された。FC43は、Chimera ECDセルのフィラメントが、オンであって、ビームエネルギーが、約30eVに設定されている間に、イオン経路の中に漏出された。結果は、陽イオンモードにおいて、較正質量分析計のために好適な有意なイオンの生成となった。
図3は、約70eVのビームエネルギーを伴って陽イオンモードで動作されるEI質量分析計によって生成される、FC43に関する基準スペクトルの例示的プロット300である。
図4は、種々の実施形態による、約30eVのビームエネルギーを伴って陽イオンモードで動作されるChimera ECDセルを使用してFC43をイオン化することによって生成される、FC43に関する較正スペクトルの例示的プロット400である。図3の基準スペクトルと図4の較正スペクトルの比較は、約30eVにおいて動作されるChimera ECDセルが、較正のために好適な有意な数のイオンを生成することができることを示す。
図5は、種々の実施形態による、約30eVのビームエネルギーを伴って陰イオンモードで動作されるChimera ECDセルを使用してFC43をイオン化することによって生成される、FC43に関する、較正スペクトルの例示的プロット500である。陰モードに関して、Chimera ECDセルは、図5の較正スペクトル内に単一FC43イオンのみを生成した。これは、好適な化合物が同定された場合、本アプローチが、陰モードにおいて質量分析器を較正するために使用され得るスペクトルを生成する可能性が高いであろうことを実証するために好適である。
要するに、図4および5は、較正のために使用され得る、イオンが、ECDセルを使用して、陽および陰イオンモードで生成され得ることを示す。
図6は、種々の実施形態による、Chimera ECDセルの概略図600である。Chimera ECDセルは、電子エミッタまたはフィラメント610と、電子ゲート620とを含む。電子は、イオン630の流動と垂直かつ磁場640の方向と平行に放出される。
図7は、種々の実施形態による、Chimera ECDセルを含む、質量分析法システム700の概略図である。システム700は、質量分析計710と、プロセッサ720とを含む。プロセッサ720は、質量分析計710を制御し、質量分析計710から受信される測定データを分析するために使用される。プロセッサ720は、例えば、質量分析計710の1つ以上の電圧源、1つ以上の弁、および1つ以上のポンプ(図示せず)を制御することによって、質量分析計710を制御する。
質量分析計710は、イオン源デバイス711と、イオンガイド712と、質量フィルタ713と、Chimera ECDセル714と、CID衝突セル715と、質量分析器716とを含む。従来、Chimera ECDセル714は、2つのモードのうちの1つで動作される。検体イオンのMS分析のために、およびCIDを用いた検体イオンのMS/MS分析のために、Chimera ECDセル714は、イオンガイドとして動作される。換言すると、これは、単に、検体イオンを質量フィルタ713から受信し、それらをCID衝突セル715に伝送する。検体イオンのMS分析のために、検体前駆体イオンは、質量分析器716によって質量分析される。CIDを用いた検体イオンのMS/MS分析のために、検体前駆体イオンは、CID衝突セル715によって断片化され、結果として生じる生成イオンは、質量分析器716によって質量分析される。
ECDまたは有機物からのイオンの電子衝突励起(EIEIO)を用いた検体イオンのMS/MS分析のために、Chimera ECDセル714は、衝突セルとして動作される。検体イオンは、約1eVの低電子ビームエネルギーを使用して、Chimera ECDセル714によって断片化される。結果として生じる検体生成イオンは、質量分析のために、CID衝突セル715を通して、質量分析器716上に伝送される。
図8は、種々の実施形態による、Chimera ECDセルおよびCID衝突セルの裁断3次元斜視図800である。図8は、検体イオンの断片化が、Chimera ECDセル814内の場所811またはCID衝突セル815内の場所812において選択的に実施されることができることを示す。
図7に戻ると、種々の実施形態では、Chimera ECDセル714は、選択可能な第3の較正動作モードを含むように修正される。本第3の較正モードでは、検体イオンは、Chimera ECDセル714に進入することを防止される。Chimera ECDセル714は、次いで、約30eVの高電子ビームエネルギーを使用して、Chimera ECDセル714内でガスをイオン化するように動作される。一実施形態では、ガスは、例えば、空気の成分またはポンプ油等の背景ガスであることができる。別の実施形態では、ガスは、較正物質源717からChimera ECDセル714の中に導入される、較正ガスであることができる。
較正ガスのイオン化後、較正物質イオンは、検体イオンのように、Chimera ECDセル714の後部またはCID衝突セル715内で冷却される。較正物質イオンは、以前に受信される検体イオンまたは検体生成イオンとともに、CID衝突セル715内に貯蔵されることができる。これらの貯蔵されたイオンは、次いで、質量分析器716を使用して、質量分析され、質量分析器716の測定を較正するために使用される。
較正物質イオンは、検体イオンから別個にイオン化されるため、本較正モードは、MSまたはMS/MS分析モードの両方のために使用されることができる。質量分析器716は、図7では、TOF質量分析器として示される。結果として、本較正モードは、TOF-MSまたはTOF-MS/MS分析モードの両方のために使用されることができる。
TOF質量分析器は、質量分析に先立って、イオンパケットを濃縮させるためのイオンガイドを含むことができる。イオンパケットが、同一エネルギーを伴う、より重いおよびより軽いイオンが、実質的に同時に、TOF質量分析器の抽出領域において出会うように、濃縮されるとき、これは、Zenoパルス化と称される。Chimera ECDセル714の較正モードは、TOF質量分析器のZenoパルス化がオンであるときと、オフであるときの両方において、較正物質イオンを提供するために使用されることができる。
例えば、2008年11月25日に発行され、参照することによって本明細書に組み込まれる、米国特許第7,456,388号(以降、「第‘388号特許」)は、イオンパケットを濃縮させるためのイオンガイドを説明する。第‘388号特許は、例えば、事実上、伝送損失を伴わずに、広m/z範囲にわたって、イオンの分析を可能にする、装置および方法を提供する。イオンガイドからのイオンの射出は、全てのイオン(m/zにかかわらず)が、所望のシーケンスにおいて、または所望の時間において、かつ概ね同一エネルギーを伴って、例えば、TOF質量分析器の抽出領域または加速器等の空間内の指定される点に到着するようにさせられ得る、条件を作成することによって影響される。そのような方法で束化されたイオンは、次いで、TOF検出器上の同一スポットに到着するために、例えば、TOF抽出パルスを使用して抽出され、所望の経路に沿って推進されることによって、群として操作されることができる。
較正モードで動作することが可能であるために、Chimera ECDセル714は、より高い運動エネルギーを伴う電子ビームを生成するように修正される。上記に説明されるように、これは、Chimera ECDセル714に、切替可能な電力供給源を提供することを含むことができる。Chimera ECDセル714はまた、較正物質源717からChimera ECDセル714の中への較正ガスの注入を制御し、較正後、較正物質をChimera ECDセル714から急速にパージするための手段を含むように修正される。これらの手段は、限定ではないが、電気的に制御されたポンプおよび弁を含むことができる。
Chimera ECDセル714は、較正モードを実施するように修正されるが、断片化のために使用される同一電子源もまた、イオン化のために使用される。結果として、第’947号特許の装置と比較して、較正のために必要とされる追加された複雑性は、低減される。最も単純には、Chimera ECDセル714は、二重の目的を果たし、較正だけのために使用されない。
(質量分析器のための較正装置)
再び、図7を参照すると、質量分析器716のための較正装置は、イオン源デバイス711と、二重目的電子ビーム発生ユニット714とを含む。質量分析器716は、限定ではないが、飛行時間(TOF)デバイス、四重極、イオントラップ、線形イオントラップ、オービトラップ、四扇形磁場型質量分析器、ハイブリッド四重極飛行時間(Q-TOF)質量分析器、またはフーリエ変換質量分析器を含むことができる。好ましい実施形態では、質量分析器716は、TOFデバイスである。
イオン源デバイス711は、サンプルの検体をイオン化し、検体イオンを生成する。質量分析計710のイオン源デバイス711は、当技術分野において公知の任意のイオン源デバイスであることができる。種々の実施形態では、好適なイオン源は、限定ではないが、エレクトロスプレーイオン源(ESI)、電子衝突源および高速原子衝突源、大気圧化学イオン化源(APCI)、大気圧光イオン化(APPI)源、またはマトリクス支援レーザ脱離源(MALDI)を含むことができる。好ましい実施形態では、エレクトロスプレーイオン化が、使用される。
質量分析計710の二重目的電子ビーム発生ユニット714は、質量分析計710のイオン源デバイス711と質量分析器716との間に位置付けられる。第1のモードでは、質量分析計710がMSモードにあるとき、二重目的電子ビーム発生ユニット714は、質量分析のために、直接、または質量分析計710の1つ以上の他のユニットを通して、検体イオンを質量分析器716に伝送する。
代替として、第1のモードでは、質量分析計710がMS/MSモードにあるとき、二重目的電子ビーム発生ユニット714は、質量分析のために、直接、または1つ以上の他のユニットを通して、検体イオンを生成イオンに断片化し、生成イオンを質量分析器716に伝送する、または断片化のために、検体イオンを質量分析計710の衝突セル715に伝送し、ひいては、質量分析のために、結果として生じる生成イオンを質量分析器716に伝送する。
二重目的電子ビーム発生ユニット714は、第2のモードでは、質量分析のために、直接、または1つ以上の他のユニットを通して、較正化合物のイオンを作成し、較正イオンを質量分析器716に伝送する。質量分析計710の1つ以上の他のユニットは、衝突セル715を含むことができることに留意されたい。
二重目的電子ビーム発生ユニット714は、第1のモードと第2のモードとの間で往復して切り替えることができる。例えば、二重目的電子ビーム発生ユニット714は、クロマトグラフ実験の間、複数回、第1のモードと第2のモードとの間で往復して切り替えることができる。
種々の実施形態では、二重目的電子ビーム発生ユニット714は、ExDセルである。ExDセル714は、ECDセルまたはETDセルであることができる。好ましい実施形態では、ExDセル714は、ECDセルである。次いで、第1のモードでは、質量分析計710がMS/MSモードにあるとき、ExDセル714は、質量分析のために、直接、または1つ以上の他のユニットを通して、検体イオンを受信し、電子ビームを使用して、検体イオンを断片化し、生成イオンを生成し、生成イオンを質量分析器716に伝送する。第2のモードでは、ExDセル714は、質量分析のために、直接、または1つ以上の他のユニットを通して、電子ビームを使用して、ExDセル714のガスをイオン化し、較正物質イオンを生成し、較正物質イオンを質量分析器716に伝送する。
種々の実施形態では、二重目的電子ビーム発生ユニット714は、ExDセルであって、衝突セル714は、ExDセル714と質量分析器716との間に位置付けられる、CID衝突セルである。次いで、第1のモードでは、質量分析計710がMSモードにあるとき、ExDセル714は、質量分析のために、検体イオンを、CID衝突セル715を通して、質量分析器716に伝送する。第2のモードでは、ExDセル714は、質量分析のために、較正化合物のイオンを作成し、較正イオンを、CID衝突セル715を通して、質量分析器716に伝送する。
同様に、第1のモードでは、質量分析計710がMS/MSモードにあるとき、ExDセル714は、検体イオンをCID衝突セル715に伝送し、ひいては、質量分析のために、結果として生じる生成イオンを質量分析器716に伝送する。第2のモードでは、ExDセル714は、質量分析のために、較正化合物のイオンを作成し、較正イオンを、CID衝突セル715を通して、質量分析器716に伝送する。
種々の実施形態では、較正物質化合物は、背景ガスを含む。
背景ガスは、空気の成分または真空ポンプ油の成分を含むことができる。
種々の実施形態では、質量分析計710はさらに、二重目的電子ビーム発生ユニット714に流体的に結合される、ガス源717を含む。ガス源717は、較正物質化合物を、ガス較正物質として、二重目的電子ビーム発生ユニット714に提供する。
種々の実施形態では、二重目的電子ビーム発生ユニット714は、第2のモードでは、24eV~150eVの運動エネルギーを伴う電子ビームを印加することによって、ガス較正物質をイオン化する。
種々の実施形態では、二重目的電子ビーム発生ユニット714は、2eV未満の運動エネルギーを伴う電子ビームを印加することによって、検体イオンを断片化する。
種々の実施形態では、較正装置はさらに、イオン源デバイス711、ExDセル714、ガス源717、CID衝突セル715、および質量分析器716を制御するためのプロセッサ720を含む。プロセッサ720は、限定ではないが、コントローラ、コンピュータ、マイクロプロセッサ、図1のコンピュータシステム、または制御信号およびデータを質量分析計710の構成要素に送信し、そこから受信し、データを処理することが可能な任意のデバイスであることができる。
(質量分析器を較正するための方法)
図9は、種々の実施形態による、質量分析器を較正するための方法900を示す、例示的フローチャートである。
方法900のステップ910では、質量分析計のイオン源デバイスは、プロセッサを使用して、サンプルの検体をイオン化し、検体イオンを生成するように命令される。
ステップ920では、質量分析計がMSモードにあるとき、質量分析計のイオン源デバイスと質量分析器との間に位置する、質量分析計の二重目的電子ビーム発生ユニットは、第1のモードでは、プロセッサを使用して、質量分析のために、直接、または質量分析計の1つ以上の他のユニットを通して、検体イオンを質量分析器に伝送するように命令される。
ステップ930では、質量分析計がMS/MSモードにあるとき、二重目的電子ビーム発生ユニットは、第1のモードでは、プロセッサを使用して、質量分析のために、直接、または1つ以上の他のユニットを通して、検体イオンを生成イオンに断片化し、生成イオンを質量分析器に伝送する、または断片化のために、検体イオンを質量分析計の衝突セルに伝送し、ひいては、質量分析のために、結果として生じる生成イオンを質量分析器に伝送するように命令される。
ステップ940では、二重目的電子ビーム発生ユニットは、第2のモードでは、プロセッサを使用して、質量分析のために、直接、または1つ以上の他のユニットを通して、較正化合物のイオンを作成し、較正イオンを質量分析器に伝送するように命令される。
(質量分析器を較正するためのコンピュータプログラム製品)
種々の実施形態では、コンピュータプログラム製品は、非一過性有形コンピュータ可読記憶媒体を含み、そのコンテンツは、質量分析器を較正するための方法を実施するように、プロセッサ上で実行される命令を伴う、プログラムを含む。本方法は、1つ以上の明確に異なるソフトウェアモジュールを含む、システムによって実施される。
図10は、種々の実施形態による、質量分析器を較正するための方法を実施する、1つ以上の明確に異なるソフトウェアモジュールを含む、システム1000の概略図である。システム1000は、制御モジュール1010を含む。
制御モジュール1010は、質量分析計のイオン源デバイスに、サンプルの検体をイオン化し、検体イオンを生成するように命令する。
質量分析計がMSモードにあるとき、制御モジュール1010は、質量分析計のイオン源デバイスと質量分析器との間に位置する、質量分析計の二重目的電子ビーム発生ユニットに、第1のモードでは、質量分析のために、直接、または質量分析計の1つ以上の他のユニットを通して、検体イオンを質量分析器に伝送するように命令する。
質量分析計がMS/MSモードにあるとき、制御モジュール1010は、二重目的電子ビーム発生ユニットに、第1のモードでは、質量分析のために、直接、または1つ以上の他のユニットを通して、検体イオンを生成イオンに断片化し、生成イオンを質量分析器に伝送する、または断片化のために、検体イオンを質量分析計の衝突セルに伝送し、ひいては、質量分析のために、結果として生じる生成イオンを質量分析器に伝送するように命令する。
制御モジュール1010は、二重目的電子ビーム発生ユニットに、第2のモードでは、制御モジュールを使用して、質量分析のために、直接、または1つ以上の他のユニットを通して、較正化合物のイオンを作成し、較正イオンを質量分析器に伝送するように命令する。
本教示は、種々の実施形態と併せて説明されるが、本教示がそのような実施形態に限定されることは意図されない。対照的に、本教示は、当業者によって理解されるであろうように、種々の代替案、修正、および均等物を包含する。
さらに、種々の実施形態の説明において、本明細書は、ステップの特定のシーケンスとして、方法および/またはプロセスを提示し得る。しかしながら、方法またはプロセスが本明細書に記載されるステップの特定の順序に依拠しない程度において、方法またはプロセスは、説明されるステップの特定のシーケンスに限定されるべきではない。当業者が理解するであろうように、ステップの他のシーケンスも可能であり得る。したがって、本明細書に記載されるステップの特定の順序は、請求項に関する限定として解釈されるべきではない。加えて、方法および/またはプロセスを対象とする請求項は、それらのステップの実施を書かれた順序に制限されるべきではなく、当業者は、シーケンスが、変動され得、依然として、種々の実施形態の精神および範囲内に留まることを容易に理解することができる。

Claims (15)

  1. 質量分析器のための質量較正装置であって、
    サンプルの検体をイオン化し、検体イオンを生成するための質量分析計のイオン源デバイスと、
    前記質量分析計の前記イオン源デバイスと質量分析器との間に位置する前記質量分析計の二重目的電子ビーム発生ユニットであって、
    第1のモードでは、前記質量分析計が質量分析法(MS)モードにあるとき、質量分析のために、直接、または前記質量分析計の1つ以上の他のユニットを通して、前記検体イオンを前記質量分析器に伝送する、または前記質量分析計が質量分析法/質量分析法(MS/MS)モードにあるとき、前記検体イオンを生成イオンに断片化し、質量分析のために、直接、または前記1つ以上の他のユニットを通して、前記生成イオンを前記質量分析器に伝送する、または断片化のために、前記検体イオンを前記質量分析計の衝突セルに伝送し、ひいては、質量分析のために、結果として生じる生成イオンを前記質量分析器に伝送し、
    第2のモードでは、較正化合物のイオンを作成し、質量分析のために、直接、または前記1つ以上の他のユニットを通して、前記較正イオンを前記質量分析器に伝送する、
    二重目的電子ビーム発生ユニットと、
    を備える、装置。
  2. 前記二重目的電子ビーム発生ユニットは、電子ベースの解離(ExD)セルであり、前記第1のモードでは、前記質量分析計がMS/MSモードにあるとき、前記ExDセルは、前記検体イオンを受信し、電子ビームを使用して、前記検体イオンを断片化し、生成イオンを生成し、質量分析のために、直接、または前記1つ以上の他のユニットを通して、前記生成イオンを前記質量分析器に伝送し、前記第2のモードでは、前記ExDセルは、前記電子ビームを使用して、前記ExDセルのガスをイオン化し、較正物質イオンを生成し、質量分析のために、直接、または前記1つ以上の他のユニットを通して、前記較正物質イオンを前記質量分析器に伝送する、請求項1に記載の装置。
  3. 前記二重目的電子ビーム発生ユニットは、電子ベースの解離(ExD)セルであり、前記衝突セルは、前記ExDセルと前記質量分析器との間に位置付けられる衝突誘発解離(CID)衝突セルを備える、請求項1に記載の装置。
  4. 前記第1のモードでは、前記質量分析計がMSモードにあるとき、前記ExDセルは、質量分析のために、前記検体イオンを、前記CID衝突セルを通して、前記質量分析器に伝送し、前記第2のモードでは、前記ExDセルは、較正化合物のイオンを作成し、質量分析のために、前記較正イオンを、前記CID衝突セルを通して、前記質量分析器に伝送する、請求項3に記載の装置。
  5. 前記第1のモードでは、前記質量分析計がMS/MSモードにあるとき、前記ExDセルは、前記検体イオンを前記CID衝突セルに伝送し、ひいては、質量分析のために、結果として生じる生成イオンを前記質量分析器に伝送し、前記第2のモードでは、前記ExDセルは、較正化合物のイオンを作成し、質量分析のために、前記較正イオンを、前記CID衝突セルを通して、前記質量分析器に伝送する、請求項3に記載の装置。
  6. 較正物質化合物は、背景ガスを含む、請求項1に記載の装置。
  7. 前記背景ガスは、空気の成分または真空ポンプ油の成分を含む、請求項6に記載の装置。
  8. 前記二重目的電子ビーム発生ユニットは、電子ベースの解離(ExD)衝突セルであり、前記装置はさらに、前記ExD衝突セルに流体的に結合されるガス源を備え、前記ガス源は、較正物質化合物を前記ExDセルにガス較正物質として提供する、請求項1に記載の装置。
  9. 前記ExDセルは、24eV~150eVの運動エネルギーを伴う前記電子ビームを印加することによって、前記ガス較正物質をイオン化する、請求項8に記載の装置。
  10. 前記ExDセルは、24eV~150eVの運動エネルギーを伴う前記電子ビームを印加することによって、較正物質化合物をイオン化する、請求項2に記載の装置。
  11. 前記ExDセルは、2eV未満の運動エネルギーを伴う前記電子ビームを印加することによって、前記検体イオンを断片化する、請求項2に記載の装置。
  12. 前記二重目的電子ビーム発生ユニットは、電子ベースの解離(ExD)セルであり、前記ExDセルは、電子捕捉解離(ECD)セルまたは電子輸送解離(ETD)セルを含む、請求項1に記載の装置。
  13. 前記イオン源デバイス、前記ExDセル、前記ガス源、前記CID衝突セル、および前記質量分析器を制御するためのプロセッサをさらに備える、請求項8に記載の装置。
  14. 質量分析器を較正するための方法であって、
    イオン源デバイスに、プロセッサを使用して、サンプルの検体をイオン化し、検体イオンを生成するように命令することと、
    質量分析計の前記イオン源デバイスと質量分析器との間に位置する前記質量分析計の二重目的電子ビーム発生ユニットに、第1のモードでは、前記質量分析計が質量分析法(MS)モードにあるとき、前記プロセッサを使用して、質量分析のために、直接、または前記質量分析計の1つ以上の他のユニットを通して、前記検体イオンを前記質量分析器に伝送するように命令することと、
    前記二重目的電子ビーム発生ユニットに、前記第1のモードでは、前記質量分析計が質量分析法/質量分析法(MS/MS)モードにあるとき、前記プロセッサを使用して、前記検体イオンを生成イオンに断片化し、質量分析のために、直接、または前記1つ以上の他のユニットを通して、前記生成イオンを前記質量分析器に伝送する、または断片化のために、前記検体イオンを前記質量分析計の衝突セルに伝送し、ひいては、質量分析のために、結果として生じる生成イオンを前記質量分析器に伝送するように命令することと、
    前記二重目的電子ビーム発生ユニットに、第2のモードでは、前記プロセッサを使用して、較正化合物のイオンを作成し、質量分析のために、直接、または前記1つ以上の他のユニットを通して、前記較正イオンを前記質量分析器に伝送するように命令することと
    を含む、方法。
  15. 非一過性有形コンピュータ可読記憶媒体を備えるコンピュータプログラム製品であって、前記非一過性有形コンピュータ可読記憶媒体のコンテンツは、質量分析器を較正するための方法を実施するように、プロセッサ上で実行される命令を伴うプログラムを含み、前記方法は、
    システムを提供することであって、前記システムは、1つ以上の明確に異なるソフトウェアモジュールを備え、前記明確に異なるソフトウェアモジュールは、制御モジュールを備える、ことと、
    イオン源デバイスに、前記制御モジュールを使用して、サンプルの検体をイオン化し、検体イオンを生成するように命令することと、
    質量分析計の前記イオン源デバイスと質量分析器との間に位置する前記質量分析計の二重目的電子ビーム発生ユニットに、第1のモードでは、前記質量分析計が質量分析法(MS)モードにあるとき、前記制御モジュールを使用して、質量分析のために、直接、または前記質量分析計の1つ以上の他のユニットを通して、前記検体イオンを前記質量分析器に伝送するように命令することと、
    前記二重目的電子ビーム発生ユニットに、前記第1のモードでは、前記質量分析計が質量分析法/質量分析法(MS/MS)モードにあるとき、前記制御モジュールを使用して、前記検体イオンを生成イオンに断片化し、質量分析のために、直接、または前記1つ以上の他のユニットを通して、前記生成イオンを前記質量分析器に伝送する、または断片化のために、前記検体イオンを前記質量分析計の衝突セルに伝送し、ひいては、質量分析のために、結果として生じる生成イオンを前記質量分析器に伝送するように命令することと、
    前記二重目的電子ビーム発生ユニットに、第2のモードでは、前記制御モジュールを使用して、較正化合物のイオンを作成し、質量分析のために、直接、または前記1つ以上の他のユニットを通して、前記較正イオンを前記質量分析器に伝送するように命令することと
    を含む、コンピュータプログラム製品。
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