JP2022534930A - 構造最適化シリコン粒子を有するトリクロロシランを生成するための方法 - Google Patents

構造最適化シリコン粒子を有するトリクロロシランを生成するための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、一般式1及び2:HnSiCl4-n(1)、HmCl6-mSi2(2)、ここで、nは、0~3であり、及びmは、0~4であるから選択されるクロロシランを、流動層反応器内で生成するための方法を提供し、ここで、塩化水素含有反応気体は、シリコンを含む微粒子接触塊と、280℃~400℃の温度で反応し、ここで、流動層反応器内に導入される操作用粒状化物又は粒状化混合物を意味すると理解される操作用粒状化物は、少なくとも1質量%の構造パラメータSによって表されるシリコン含有粒子を含み、ここで、Sは、少なくとも0の値を有し、かつ以下のように計算される:TIFF2022534930000005.tif15155ここで、φSは、対称荷重真球度因子であり、ρSDは、充填密度[g/cm3]であり、ρFは、平均粒子固体密度[g/cm3]である。

Description

本発明は、塩化水素含有反応気体及び構造的に最適化されたシリコン粒子を流動層反応器内に含む微粒子シリコン接触塊からクロロシランを生成するための方法に、関する。
チップ又は太陽電池の製造のための開始物質としての、多結晶シリコンの生成は、代表的に、その揮発性のハロゲン化合物の詳細にはトリクロロシラン(TCS、HSiCl)の分解によって、実施される。
多結晶シリコン(ポリシリコン)は、シーメンス法によって棒状に生成されてもよく、ここで、多結晶シリコンは、反応器内の加熱されたフィラメント棒の上に堆積する。使用されるプロセスガスは、代表的に、TCSと水素との混合物である。あるいは、多結晶シリコン粒状物が、流動層反応器において生成されてもよい。シリコン粒子は、流動層において、気流によって流動化され、ここで、この流れは、加熱装置を介して高温まで加熱される。シリコン含有反応気体例えばTCSの添加は、熱い粒子表面で熱分解反応をもたらし、それによって、粒子の径を増大させる。
クロロシラン、詳細にはTCSの生成は、WO2016/198264A1にしたがう3つの過程によって本質的に実施され得、これらは、以下の反応に基づく:
(1)Si+3HCl -->SiHCl+H+副生成物
(2)Si+3SiCl+2H -->4SiHCl+副生成物
(3)SiCl+H -->SiHCl+HCl+副生成物
反応(1)にしたがう塩化水素付加(HC)は、流動層反応器において塩化水素(HCl)の付加によりシリコン(代表的に金属シリコン(Simg))からクロロシランを生成することを可能にし、ここで、この反応は、発熱反応として進む。これは、一般に、TCS及びSTC(四塩化ケイ素)を主な生成物として生じる。
クロロシラン、詳細にはTCSを生成するためのさらなる選択肢は、反応(3)にしたがう、触媒の存在下又は非存在下での、気相におけるSTCと水素との熱変換である。
反応(2)にしたがう低温変換(LTC)は、弱吸熱性の過程でありかつ、代表的には触媒(例えば、銅含有触媒又は触媒混合物)の存在下で行われる。LTCは、流動層反応器において、Simgの存在下、高圧下(0.5~5MPa)、400℃~700℃の間の温度で、実施されてもよい。触媒されない反応様式は、Simgを用いること、及び/又は反応気体へのHClの添加によって、可能になる。しかし、他の生成物分布が生じる場合があり、そして/又は触媒された変法よりも低いTCS選択性を、達成する場合がある。
反応(3)にしたがう高温変換は、吸熱過程である。この過程は、代表的に、反応器において、高圧下で、600℃~1200℃の間の温度で、実施される。
クロロシランの合成についての化学組成及び粒径分布に関するシリコンにおける需要は、比較的よく研究されている;対照的に、シリコン粒子の構造組立及びハライド含有反応気体との反応に対するその影響は、これまで、中間相-特にMRDS(Muller-Rochow直接合成)に関して記載されているのみである。これまで、特に高収量のクロロシラン生成プロセスを行うために、3つ全ての影響要因がいかにして相互作用するべきかについて、記載されてはいなかった。
したがって、DE4303766A1は、銅触媒及び任意選択的に促進物質の存在下で、メチルクロロシランをシリコン及びクロロメタンから生成するための方法であって、ここで、使用されたシリコンの表面積に基づいて、個々のメチルクロロシランの生成速度を、シリコンの構造を通して制御する方法を開示し、ここで、このプロセスは、所望の構造を有するシリコンが、構造指数QFにしたがって選択されることを特徴とし、ここで、この構造指数QFは、以下のように測定される:
a) シリコン試験標本を切開して、切断表面を形成する、
b) この切断表面上で長い形状を有する中間相の沈殿の面積を合計し、エリア番号Aを作成する、
c) この切断表面上で丸い形状を有する中間相の沈殿の面積を合計し、エリア番号Bを作成する、
d) 構造指数QFとして記載される計数を、エリア番号A及びエリア番号Bから作成する。
異なるシリコン構造型のQFとMRDSにおけるその挙動との相関は、シリコンにおける最適な構造特徴の同定を可能にし、したがって、所望のメチルクロロシランについての選択性及び収量の、所望の方向への制御を可能にする。この文章において、用語「構造」は、多結晶シリコンの結晶のサイズに関し、ならびに、冷却及び凝固の過程で主な不純物、例えばAl、Ca、Fe及びTiからシリコンと共に沈殿する中間相の組成及び位置に関する。したがって、この文章は、かつて言及された、オルガノクロロシランの合成のための、化学組成に関するシリコンにおける需要に関して、知見を広げるにすぎない。さらに、このタイプの操作は、目的に合わせたシリコン型の購入及び/又は対応する自社内シリコン生成の操作、ならびに、膨大な分析努力を必要とする。構造指数QFは、本発明の構造パラメータSを改良するために使用されてもよいが、必ずしもその必要はない。さらに、HCに対するMRDS知見の適用は、あるとしても、限定的な範囲でしかない場合がある。
DE3938897A1は、流動層/移動層反応器内での、280℃~300℃の間におけるシリコン粉末とHCl気体の反応によって、トリクロロシランを生成するための方法を開示し、この方法は、溶融シリコンの気体噴霧によって得られたシリコン粉末の使用を特徴とする。このプロセスにおいて、シリコン粉末は、好ましくは50~800μmの間の粒径を有する。これは、従来型プロセスと比較して、より高いHCl変換及び低減した副生成物形成をもたらし、90~95%から97~98%までのHCl変換における増大、及び3%~5%の生成物気体におけるSTCの低減が、記載されている。測定の方法が報告されていないので、生成物気体の組成についてのデータは提供されず、後者が重量パーセント、モルパーセント又は容量パーセントの値のいずれであるのかは明らかでなく、このプロセスが言及した従来型プロセスと比較してどの程度最適化されているかを測定することができない。シリコン粉末の粒径についてのレンジ限界は別として、この粉末は、何ら詳細が特定されていない。
STCの高い形成及びより高融点の溶剤に加えて、プロセスコストは、原則的に、未変換のHCl及び未変換のシリコンの結果として増大する。
クロロシランの生成において、シリコン粒子の微細な粒子の画分を特に取り除く流動層反応器が使用されることが、公知である。例えばLobusevich,N.P et al,“Effect of dispersion of silicon and copper in catalysts on direct synthesis”,Khimiya Kremniiorganich.Soed.1988,27-35は、70~500μmのシリコンについての操作用粒状化物を記載し、ここで、70μmが最小、及び500μmが最大の粒径であり(粒径限界又はレンジ限界)、そして値は径に相当する。Lobusevichらは、メチルクロロシラン、エチルクロロシラン及びTCSの合成のために接触塊粒径を選択する場合、固体と気体との間の相互作用は、プロセスの最大の安定性及び効率を達成するために考慮されなければならないと報告している。したがって、(400℃での)TCSの合成において、2~3mmの操作用粒状化物は、70~500μmの操作用粒状化物と比較して、約25%~30%の反応速度の低下をもたらした。銅含有触媒が加えられた場合、2~3mm実施画分のシリコン粒子による反応は、早くも250℃で起こる。反応速度は、400℃での触媒されない変法のものと匹敵する。両場合(触媒した変法と触媒しない変法との両方)において、シリコン粒径の増大は、TCS選択性の増大及びポリ(クロロ)シラン(高融点溶剤)の形成の低減をもたらす。
反応を加速するためにより高い反応温度が必要とされ、かつ、流動層を生み出すためにより高い気体速度が必要とされるので、粒径の増大は、原則的に、より大きなエネルギーコストを必要とする。多分散粒子混合物の文脈で、より小さなシリコン粒子の部分の使用は、表面積の増大ゆえにシリコンの活動を増強することを、Lobusevichらが報告しているが、小さいシリコン粒子の部分の使用は、反応器からのシリコン粒子の排出量が増大すること、及び粒子の凝集が起こり得ることゆえに、困難を伴う。したがって、Lobusevichらによると、より高いエネルギーコストにかかわらず、使用されるシリコン粒子の粒径分布の幅を小さくすること、及び平均粒径を大きくすることが、有利である。
国際公開第2016/198264号 独国特許第4303766号明細書 独国特許第3938897号明細書
Lobusevich,N.P et al,"Effect of dispersion of silicon and copper in catalysts on direct synthesis",Khimiya Kremniiorganich.Soed.1988,27-35
本発明は、HCを介したクロロシラン生成のための特に経済的なプロセスを提供するという、目的を有する。
本発明は、一般式1及び2:
SiCl4-n (1)、
Cl6-mSi (2)、
ここで、
nは、0~3であり、及び
mは、0~4である
から選択されるクロロシランを、流動層反応器内で生成するための方法を提供し、
ここで、塩化水素含有反応気体は、シリコンを含む微粒子接触塊と、280℃~400℃の温度で反応し、
ここで、流動層反応器内に導入される操作用粒状化物又は粒状化混合物を意味すると理解される操作用粒状化物は、少なくとも1質量%の構造パラメータSによって表されるシリコン含有粒子を含み、ここで、Sは、少なくとも0の値を有し、かつ以下のように計算される:
Figure 2022534930000002
ここで、
φは、対称荷重真球度因子であり、
ρSDは、充填密度[g/cm]であり、
ρは、平均粒子固体密度[g/cm]である。
驚くべきことに、流動層反応器におけるクロロシランの生成は、特定の構造特性を有するシリコン含有粒子が操作用粒状化物において使用されている場合、特に経済的に行われ得るということが見出されている。この効果は、操作用粒状化物中1質量%を超える割合の構造的に最適化されたシリコン粒子Sですらが、有意に検出可能であることを見出した。Theuseofpreciselyこのようなシリコン粒子Sの正確な使用は、生成プロセスにおいて、摩擦による粉塵形成の低減に起因して、70μm未満の粉塵画分の長く続く低減をもたらすことが、Lobusevich,N.P et al,“Effect of dispersion of silicon and copper in catalysts on direct synthesis”,Khimiya Kremniiorganich.Soed.1988,27-35に記載されている。このことは、先行技術をしのぐいくつかの利点をもたらす:
● より高いTCS選択性
● 高融点溶剤の形成の低減
● HClのより高い利用度
● より高いシリコン利用度(粉塵放出を通した損失の低減)
● 粒径分布の点でより均質な接触塊及び流動層の流体機械特性における改善の獲得
● 微細に分割された粒子すなわち粉塵画分(70μm未満の粒径を有する粒子)の凝集に起因する、プラント部分の遮断及び/又は妨害の低減
● 粒子混合物の改善された運搬受容性
● 摩損の低減に起因する、反応器稼働時間の延長(より高いプラント性能)
クロロシラン生成におけるTCS選択性は、大きな平均粒径の粒状化混合物についてのみ増大するという、Lobusevichらの先入観もまた、克服される。何故なら、本発明によると、0以上の構造パラメータSを有する粒子Sは、好ましくは0未満の構造パラメータSを有する粒子よりも小さい平均粒径を有し、したがって、操作用粒状化物の平均粒径は小さくなるからである。驚くべきことに、当該分野の本知見にしたがう平均粒径の縮小に対して想定される悪影響、例えば、反応器からの比較的小さなシリコン粒子の放出の増大ならびに凝集効果の発生は、観察されなかった。対照的に、本発明にしたがうプロセスは、既に挙げた利点に加え、接触塊の流動特徴の改善を示した。
本発明によるプロセスを行うための、流動層反応器1を示す。
用語「粒状化物」は、例えば、シリコン含有溶融物のいわゆる噴霧又は粒子化によって及び/又は破砕及び製粉プラントによる塊のシリコンの粉砕によって生成され得る、シリコン含有粒子の混合物を意味すると理解される。塊のシリコンは、好ましくは、10mm未満、特に好ましくは20mm未満、詳細には50mm未満の平均粒径を有する。粒状化物は、本質的に、ふるい分け及び/又は篩過によって、画分に分類されてもよい。
異なる粒状化物の混合物は、粒状化混合物と記載されてもよく、粒状化混合物を形成する粒状化物は、粒状化画分と記載されてもよい。粒状化画分は、画分の1つ以上の特性にしたがって、例えば、粗粒状画分及び微粒状画分などに、互いに等級化されてもよい。粒状化混合物は、原則的に、所定の対応する画分において、1つを超える粒状化画分に等級づけられてもよい。
操作用粒状化物は、流動層反応器内に導入された操作用粒状化物又は粒状化混合物を表す。
対称荷重真球度因子φは、対称因子と真球度との積である。両形状パラメータは、ISO 13322に準拠する動的画像分析によって測定され、ここで、得られた値は、操作用粒状化物に適した粒子混合物の特定のサンプルの、容量荷重平均を表す。
粒子Sの対称荷重真球度因子は、好ましくは少なくとも0.70、特に好ましくは少なくとも0.72、非常に好ましくは少なくとも0.75、詳細には少なくとも0.77であり、最大1である。
粒子の真球度は、粒子画像の表面積と周との間の比を表す。したがって、球形の粒子は、1に近い真球度を有し、他方で、ぎざぎざの歪んだ粒子画像は、0に近い丸みを有する。
粒子の対称因子を測定する場合、粒子画像の重心をまず測定する。次いで、特定の重心を通る端から端までの経路を各測定方向に引き、得られた2つの切断経路を測定する。これらの区域の最小の比から、対称因子の値を算出する。高い対称度の図、例えば円又は正方形について、特定の対称因子の値は、1に等しい。
動的画像解析によって測定可能なさらなる形状パラメータは、幅/長さ比(粒子の横/縦の測定値)及び粒子の凸状である。しかし、該パラメータは、既に間接的に対称因子の形で構造パラメータSに含まれているので、本発明にしたがうプロセスにおいて、測定される必要はない。
充填密度は、微粒子固体の混合物(いわゆるバルク固体)及び粒子間の間隙を満たす連続流体(例えば空気)の密度として定義される。0以下の構造パラメータSを有する操作用粒状化物の粒子画分の充填密度は、好ましくは0.8~2.0g/cm、特に好ましくは1.0~1.8g/cm、非常に好ましくは1.1~1.6g/cm、詳細には1.2~1.5g/cmである。充填密度は、DIN ISO697に準拠し、バルク材料の質量対バルク材料の占める容積の比を介して、測定される。
0以下の構造パラメータSを有する粒子画分の粒子Sの平均質量荷重粒子固体密度は、好ましくは2.20~2.70g/cm、特に好ましくは2.25~2.60g/cm、非常に好ましくは2.30~2.40g/cm、詳細には2.31~2.38g/cmである。固形物の密度の測定は、DIN66137-2:2019-03に記載される。
0以下の構造パラメータを有する粒子画分は、好ましくは少なくとも1質量%、特に好ましくは少なくとも5質量%、非常に好ましくは少なくとも10質量%、詳細には少なくとも20質量%の質量画分中の操作用粒状化物に存在する。
0以上のSを有する粒子Sは、好ましくは、0未満のSを有する粒子の粒径パラメータd50の0.5倍~0.9倍である粒径パラメータd50を、有する。
操作用粒状化物は、好ましくは、70~1000μm、特に好ましくは80~800μm、非常に好ましくは100~600μm、詳細には120~400μmの粒径パラメータd50を有する。
粒径パラメータd90とd10との間の相違は、粒状化物又は粒状化画分の幅の測定値である。粒状化物又は粒状化画分の幅の比率及びそれぞれの粒径パラメータd50は、相対的な幅に対応する。これは、例えば、非常に異なる平均粒径を有する粒径分布を比較するために、使用されてもよい。
操作用粒状化物の、粒状化物の相対的な幅は、0.1~500、好ましくは0.25~100、特に好ましくは0.5~50、詳細には0.75~10であることが好ましい。
粒径及び粒径分布の測定は、ISO 13320(レーザー回折)及び/又はISO13322(画像解析)に準拠して行われてもよい。粒径分布からの粒径パラメータの計算は、DIN ISO 9276-2に準拠して行われてもよい。
さらに好ましい実施形態において、操作用粒状化物は、80~1800cm/g、好ましくは100~600cm/g、特に好ましくは120~500cm/g、詳細には150~350cm/gの、質量荷重表面積を有する。
操作用粒状化物の粒状化混合物は、好ましくは、p-モーダル容量荷重分布密度関数を有し、ここで、p=1~10、好ましくはp=1~6、特に好ましくはp=1~3、詳細にはp=1又は2である。例えば、2-モーダル分布密度関数は、2つの極大を有する。
ポリモーダル(例えばp=5~10)分布密度関数を有する粒状化混合物の接触塊としての使用は、ふるい分け効果(流動層、例えば、二連の流動層における個々の粒子画分の分離)を避けることを可能とする。これらの効果は、特に、粒状化混合物の分布密度関数の極大が遠く離れている場合に起こる、
接触塊は、詳細には反応気体と接触している粒状化混合物である。したがって、接触塊は、好ましくは、さらなる成分を含まない。この塊は、好ましくは、他の元素を不純物として、最大5質量%、特に好ましくは最大2質量%、詳細には最大1質量%含む、シリコン含有粒状化混合物である。この塊は、好ましくは代表的に、98%~99.9%の純度を有するSimgである。代表的な接触塊は、例えば、98質量%のシリコン金属を含む組成物であり、ここで、残りの2質量%は、一般的に、ほとんど大部分が、Fe、Ca、Al、Ti、Cu、Mn、Cr、V、Ni、Mg、B、C、P及びOから選択される元素からなる。接触塊はまた、Co、W、Mo、As、Sb、Bi、S、Se、Te、Zr、Ge、Sn、Pb、Zn、Cd、Sr、Ba、Y及びClから選択される元素をも含んでもよい。75%~98質量%のより低い純度を有するシリコンの使用もまた、可能である。しかし、シリコン金属割合は、75質量%より大きいか、好ましくは85質量%より大きいか、特に好ましくは95質量%より大きいことが、好ましい。
シリコン中に不純物として存在する元素のいくつかは、触媒活性を有する。したがって、触媒の添加は、原則的に必要ではない。しかし、このプロセスは、さらなる触媒の存在によって、詳細には、その選択性の点で、よい影響を受ける場合がある。
触媒は、Fe、Cr、Ni、Co、Mn、W、Mo、V、P、As、Sb、Bi、O、S、Se、Te、Ti、Zr、C、Ge、Sn、Pb、Cu、Zn、Cd、Mg、Ca、Sr、Ba、B、Al、Y、Clを含む群からの1つ以上の元素であってもよい。触媒は、好ましくは、Fe、Al、Ca、Ni、Mn、Cu、Zn、Sn、C、V、Ti、Cr、B、P、O、Cl及びそれらの混合物を含む群から選択される。述べた通り、これらの触媒活性元素は、シリコン中に既に特定の割合で、例えば、酸化形態又は金属形態で、ケイ化物又は他の冶金学的相又は酸化物もしくは塩化物として、存在する。その割合は、使用するシリコンの純度に依存する。
触媒は、操作用粒状化物及び/又は接触塊に、例えば金属形態、合金形態及び/又は塩形態で加えられてもよい。この触媒は、詳細には、触媒活性元素の塩化物及び/又は酸化物であってもよい。好ましい化合物は、CuCl、CuCl、CuO又はそれらの混合物である。操作用粒状化物は、促進剤、例えばZn及び/又は塩化亜鉛を、さらに含んでもよい。
使用するシリコン及び接触塊の元素組成は、例えば、X線蛍光解析(XFA)、ICPベースの解析方法(ICP-MS、ICP-OES)及び/又は原子吸光分析(AAS)によって、測定されてもよい。
シリコンに基づき、触媒は、好ましくは、0.1%~20質量%、特に好ましくは0.5%~15質量%、詳細には0.8%~10質量%、特に好ましくは1%~5質量%の割合で使用される。
0未満の構造パラメータS及び0以上のSを有する粒子画分は、好ましくは、事前に調製された粒状化混合物として流動層反応器に供給される。接触塊の任意のさらなる構成要素が、同様に存在してもよい。本発明の割合の、操作用粒状化物中に少なくとも1質量%の0以上の構造パラメータSを有する画分は、特により良い流動を有するがゆえに運搬特性を有する、後者をもたらす。
0未満の構造パラメータS及び0以上のSを有する粒子画分はまた、別個に、詳細には別々の供給管及び容器を介して、流動層反応器に供給されてもよい。次いで、混合は、原則的に流動層の形成の際に(インサイチュで)起こる。接触塊の何らかのさらなる成分は、同様に、2つの粒子画分のいずれかの成分として、別個に供給されてもよい。
このプロセスは、好ましくは、280℃~400℃、特に好ましくは340℃~360℃の温度で実施される。流動層反応器における絶対圧は、好ましくは、0.01~0.6MPa、特に好ましくは0.03~0.35MPa、詳細には0.05~0.3Mpaである。
反応器への導入前に、反応気体は、好ましくは、少なくとも50容量%、好ましくは少なくとも70容量%、特に好ましくは少なくとも90容量%の、HClを含む。HClに加えて、反応気体は、H、HSiCl4-n(n=0~4)、HCl6-mSi(m=0~6)、HCl6-qSiO(q=0~4)、(CHSiCl4-u-v(u=1~4及びv=0又は1)CH、C、CO、CO、O、Nを含む群から選択される、1つ以上の成分をさらに含んでもよい。これらの成分は、組み込まれたシステムにおいて回収されたHClに由来してもよい。HCl及びシリコンは、5:1~2.5:1、好ましくは4:1~3:1、特に好ましくは3.6:1~3:1、詳細には3.4:1~3.1:1のHCl/Siモル濃度比で存在することが、好ましい。HCl及び接触塊/粒状化混合物又はその粒子画分は、詳細には、反応の間、上述の比が確立されるように、連続的に添加される。
反応気体は、HSiCl4-n(n=0~4)、HCl6-mSi(m=0~6)、HCl6-qSiO(q=0~4)、(CHSiCl4-u-v(u=1~4及びv=0又は1)CH、C、CO、CO、O、Nの群から選択される1つ以上の成分を、さらに含んでもよい。これらの成分は、例えば、組み込まれたシステムにおいて回収された水素に由来してもよい。
反応気体は、反応に寄与しないキャリア気体、例えば、窒素ガス又はアルゴンなどの貴ガスを、さらに含んでもよい。
反応気体の組成は、代表的に、ラマン及び赤外分光法ならびにガスクロマトグラフィーによって、反応器への供給前に測定される。これは、サンプルを介して、抽出検査及びその後の「オフライン分析」の様式で、さもなければ、本システムに接続した「オンライン」分析機器を介してのいずれかで、なされ得る。
流動層反応器における流動層高さ対反応器径の比率が、10:1~1:1、好ましくは8:1~2:1、特に好ましくは6:1~3:1であることが、好ましい。流動層高さは、流動層の厚み又は大きさである。
一般式1及び2から選択されるクロロシラン及びは、本発明にしたがうプロセスによって生成されるクロロシランは、好ましくは、モノクロロシラン、ジクロロシラン、TCS、SiCl及びHSiClの群から選択される少なくとも1つのクロロシランである。一般式1のクロロシランの場合、TCSが、特に好ましい。
生成され得る副生成物としては、さらに、ハロシラン、例えばモノクロロシラン(HSiCl)、ジクロロシラン(HSiCl)、四塩化ケイ素(STC、SiCl)ならびにジ-及びオリゴシランが、挙げられる。炭化水素、オルガノクロロシラン及び金属塩化物などの不純物もまた、副生成物であり得る。したがって、一般式1及び2から選択される高純度のクロロシランを生成するために、代表的に、粗生成物の蒸留が、その後行われる。
本発明にしたがうプロセスは、好ましくは、多結晶シリコンを生成するための組み込まれたシステムに導入されている。組み込まれたシステムは、特に、以下のプロセスを含む:
- 記載のプロセスにしたがうTCSの生成。
- 生成されたTCSの精製により、半導体等級のTCSを得る。
- 好ましくは、シーメンス法にしたがうか、又は粒状物としての、多結晶シリコンの析出。
- 得られた多結晶シリコンのさらなる処理。
多結晶シリコンの生成/さらなる処理の間に生成された、超高純度シリコン塵の再利用。
図1は、例として、本発明にしたがうプロセスを行うための、流動層反応器1を示す。反応気体2は、好ましくは、接触塊へ、下から、及び任意選択的に横から(例えば下からの気流の接線方向又は直交方向に)吹き付け、それによって、接触塊の粒子を流動化して、流動層3を形成する。反応を開始するために、流動層3は、一般に、反応器の外に配置された加熱装置(示さず)を用いて、加熱される。加熱は、代表的に、連続操作を必要としない。粒子の一部は、気流により、流動層3から流動層3の上の空隙4へと運ばれる。空隙4は、反応器出口5の方向で減少する非常に低い固体密度によって、特徴づけられる。
全ての実施例は、純度、質及び第2の元素含量及び不純物の点で、同じタイプのシリコンを使用した。操作用粒状化物において使用した粒子画分を、塊Simg(98.9質量%Si)を破砕しその後製粉するか又は当業者に公知の噴霧技術を行うことによって生成し、微粒子Simg(98.9質量%Si)を生成した。該画分を、ふるい分け/篩過によって、任意選択的に分類した。よって、構造パラメータSについて一定の値を有する粒子画分を、標的した様式で生成した。その後、0以上の構造パラメータSを有するシリコン含有粒子の所定の質量画分を有する接触塊を、これらの粒子画分を組み合わせそして混合することによって、混ぜた。粒子画分の残りは、0未満の構造パラメータSを有するシリコン含有粒子を含んでいた。粒子画分を合わせると、100質量%であった。この実験において使用した粒状化物は、330~350μmの間の粒径パラメータd50を有していた。個々の実験の間の、可能な限り最大の相互比較性を確実にするために、さらなる触媒又は促進剤は、加えなかった。
以下のプロセスを、全ての実施例において使用した。実験の間、流動層反応器の操作温度は、約320℃であった。この温度を、冷却手段を用いて、全実験期間にわたっておよそ一定に保った流動層の高さが全実験期間にわたって実質的に一定のままであるような、及び、3:1の一定の反応物(HCl:Si)のモル濃度比が確立されるようなやり方で、HCl及び操作用粒状化物の両方を加えた。反応器を、全実験期間にわたり、0.1MPaの陽圧にて操作した。液体サンプル及び気体サンプルの両方を、それぞれ、48時間及び49時間のランタイムにて採取した。TCS選択性及びそこからの高融点溶剤の割合[重量%]の測定の前に、生成物気体流(クロロシラン気体流)の濃縮可能な割合を、冷トラップを用いて、-40℃にて濃縮し、ガスクロマトグラフィー(GC)によって分析した。検出は、熱伝導性検出器を介した。生成物気体流の濃縮不可能な含量を、赤外分光法を用いて、未反応のHCl[容量%]に対して分析した。48時間及び49時間後に得られた値を、各場合において平均した。各ランの後、反応器を完全に空にし、そして接触塊で再充填した。
使用した接触塊及び実験の結果を、表1にまとめる。msは、0より大きい構造パラメータSを有する粒子Sの質量画分である。
Figure 2022534930000003

Claims (7)

  1. 一般式1及び2:
    SiCl4-n (1)、
    Cl6-mSi (2)、
    ここで、
    nは、0~3であり、及び
    mは、0~4である
    から選択されるクロロシランを、流動層反応器内で生成するための方法であって、
    ここで、塩化水素含有反応気体は、シリコンを含む微粒子接触塊と、280℃~400℃の温度で反応し、
    ここで、流動層反応器内に導入される操作用粒状化物又は粒状化混合物を意味すると理解される操作用粒状化物は、少なくとも1質量%の構造パラメータSによって表されるシリコン含有粒子を含み、ここで、Sは、少なくとも0の値を有し、かつ以下のように計算される:
    Figure 2022534930000004
    ここで、
    φは、対称荷重真球度因子であり、
    ρSDは、充填密度[g/cm]であり、
    ρは、平均粒子固体密度[g/cm]である、方法。
  2. 粒子Sの対称荷重真球度因子φは、0.70~1であり、ここで、粒子Sの真球度は、粒子画像の表面積と周との間の比を表す、請求項1に記載の製造方法。
  3. 0以上である構造パラメータSを有する粒子Sの平均粒子固体密度ρは、2.20~2.70g/cmであり、ここで、測定は、DIN 66137-2:2019-03に準拠して行われる、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 操作用粒状化物は、70~1000μmの粒径パラメータd50を有し、ここで、粒径パラメータは、DINISO9276-2に準拠して測定される、請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 反応器内への導入の前に、反応気体は、少なくとも50容量%の塩化水素を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. HCl及びシリコンは、5:1~2.5:1のHCl/Siのモル比で存在する、請求項1~5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 生成された一般式1のクロロシランは、トリクロロシラン(TCS)である、請求項1~6のいずれか一項に記載の製造方法。
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