JP2022534039A - 脂肪族-芳香族ポリエステルの精製方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸及び脂肪族ジオールから構成される脂肪族-芳香族ポリエステルを脱気装置で精製する連続方法に関し、ここで、粗ポリエステルの総質量に基づいて1~7質量%の共留剤の存在下、0.01~5ミリバールの圧力及び3~30分間で粗ポリエステルを脱気する。

Description

本発明は、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸及び脂肪族ジオールから構成される生分解性の脂肪族-芳香族ポリエステルを脱気装置で精製する連続方法に関し、ここで、粗ポリエステルの総質量に基づいて1~7質量%の共留剤(entraining agent)の存在下で、0.01~5ミリバールの圧力及び3~30分間の平均滞留時間で粗ポリエステルを脱気する。特に、本発明は、ポリブチレンアジペートコテレフタレート及びポリブチレンセバケートコテレフタレートを精製するための連続方法、この方法により得ることができる、LC-HRMSによって決定された3つの環状エステル二量体の質量含有量が、ポリエステルの総質量に基づいて500~1000ppmであるポリブチレンアジペートコテレフタレート、及びこの方法により得ることができる、LC-HRMSによって決定されたモノマー及び3つの環状エステル二量体の質量含有量が、ポリエステルの総質量に基づいて500~1000ppmであるポリブチレンセバケートコテレフタレートに関する。
脂肪族-芳香族ポリエステル、例えばポリブチレンアジペートコテレフタレート(PBAT)、ポリブチレンセバケート-コ-テレフタレート(PBSeT)又はポリブチレンサクシネート-コ-テレフタレート(PBST)を連続的に製造する方法は、文献から知られている(WO-A 2009/127555及びWO-A 2009/127556を参照)。これらの文献には、形成されたテトラヒドロフランを除去することが記載されている。しかしながら、これらの文献に記載されている方法では、例えばEU 10/2011に準拠した食品との接触に関する承認を取得するために、環状の副生成物の除去が必ずしも起こらない。
EP-A 2623540には、脂肪族ポリエステル、例えばポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリブチレンサクシネート-コ-アジペート(PBSA)又はポリブチレンサクシネート-コ-セバケート(PBSSe)を精製する方法が記載されており、この方法では、環状の副生成物が溶媒による抽出によって抽出される。この抽出プロセスの欠点は、顆粒に閉じ込められた不純物を除去することができず、溶媒によるポリエステルの汚染が生じる可能性があることである。この方法は、全体的にかなり複雑でコストがかかる。
WO-A 2009/127555 WO-A 2009/127556 EP-A 2623540
したがって、本発明の目的は、環状エステルオリゴマー、特にEU 10/2011に準拠した食品との接触に関する承認を取得するために最も関連性の高い環状エステルダイマーの量を減らした脂肪族-芳香族ポリエステルを精製するための効率的で大規模に実現可能な(scaleable)連続方法を見出すことである。
驚いたことには、本発明者らは、脂肪族ジカルボン酸、芳香族酸及び脂肪族ジオールから構成される脂肪族-芳香族ポリエステルを脱気装置で精製する連続方法を見出し、ここで、粗ポリエステルの総質量に基づいて1~7質量%の共留剤の存在下で、0.01~5ミリバールの圧力及び3~30分間で粗ポリエステルを脱気装置で脱気する。
以下、本発明をより具体的に説明する。
生分解性の脂肪族-芳香族(半芳香族)ポリエステルは、例えばWO-A 96/15173及びWO-A 2009/127556に記載されている。
特に、生分解性ポリエステルは、以下のような構成を有する脂肪族-芳香族ポリエステルである:
A)
a1)40~70モル%の、少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸又はそのエステル、又はそれらの混合物、
a2)30~60モル%の、少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸又はそのエステル、又はそれらの混合物、及び
a3)0~5モル%のスルホン酸基を含む化合物
から構成される酸成分であって、成分a1)~a3)のモルパーセンテージの合計が100%である、酸成分
B)
b1)成分Aに対して少なくとも等モル量のC~C12アルカンジオール又はその混合物、及び
b2)段階iiiの後のポリエステルの量(成分A及びBの使用量から、除去された反応蒸気を差し引いた量に相当する)に基づいて、0~2質量%の、少なくとも3つの官能基を含む化合物、
から構成されるジオール成分、
及び、
C)成分A及びBの総量に基づいて、0~10質量%、好ましくは0質量%の、
c1)エーテル官能基を含み、かつ式I、
Figure 2022534039000001
(式中、nは2、3又は4であり、mは2~250の整数である)
を有する少なくとも1種のジヒドロキシ化合物、
c2)式IIa又はIIb
Figure 2022534039000002
(式中、pは1~1500の整数であり、rは1~4の整数であり、Gはフェニレン、-(CH-(式中、qは1~5の整数である)、-C(R)H-及び-C(R)HCH(式中、Rはメチル又はエチルである)からなる群から選択される基である)
の少なくとも1種のヒドロキシカルボン酸、
c3)少なくとも1種のアミノ-C~C12アルカノール、又は少なくとも1種のアミノ-C~C10シクロアルカノール、又はこれらの混合物、
c4)少なくとも1種のジアミノ-C~Cアルカン、
c5)カプロラクタム、1,6-アミノカプロン酸、ラウロラクタム、1,12-アミノラウリン酸及び1,11-アミノウンデカン酸からなる群から選択される少なくとも1種のアミノカルボン酸化合物、
又はc1)~c5)から構成される混合物
から選択された成分、
及び
D)段階iii後のポリエステルの量に基づいて、0~4質量%、好ましくは0.1~2質量%の、d1)~d3)
d1)ジ-又はオリゴ官能性のイソシアネート及び/又はイソシアヌレート、
d2)ジ-又はオリゴ官能性の過酸化物、
d3)ジ-又はオリゴ官能性のエポキシド
の群から選択された少なくとも1種の成分。
好ましい一実施態様では、半芳香族ポリエステルの酸成分Aは、40~60モル%のa1、及び40~60モル%のa2を含む。特に好ましい一実施態様では、半芳香族ポリエステルの酸成分Aは、50モル%を超える脂肪族ジカルボン酸a1)を含む。これらのポリエステルの特徴は、優れた生分解性である。
使用される脂肪族酸及び対応する誘導体a1は、一般に2~40個の炭素原子、好ましくは4~14個の炭素原子を有するものである。これらは直鎖又は分岐状であってもよい。本発明の目的に使用することができる脂環式ジカルボン酸は、一般に7~10個の炭素原子を有するもの、特に8個の炭素原子を有するものである。しかしながら、原則的には、より多くの炭素原子を有する、例えば最大30個の炭素原子を有するジカルボン酸を使用することも可能である。
挙げられる例は以下である:マロン酸、コハク酸、グルタル酸、2-メチルグルタル酸、3-メチルグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、テトラデカン二酸、フマル酸、2,2-ジメチルグルタル酸、スベリン酸、ダイマー脂肪酸(例えば、Cognis社のEmpol(登録商標)1061)、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、ジグリコール酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、及び2,5-ノルボルナンジカルボン酸。
使用することができ、かつ挙げられる上述した脂肪族又は脂環式ジカルボン酸のエステル形成性誘導体は、特にジ-C~C-アルキルエステル、例えば、ジメチル、ジエチル、ジ-n-プロピル、ジイソプロピル、ジ-n-ブチル、ジイソブチル、ジ-tert-ブチル、ジ-n-ペンチル、ジイソペンチル又はジ-n-ヘキシルエステルである。また、ジカルボン酸の無水物を使用することも可能である。
ここでは、ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体は、単独で、又はこれらの2種以上から構成される混合物の形態で使用されてもよい。
コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、又はそれらのそれぞれのエステル形成性誘導体、又はそれらの混合物を使用することが好ましい。コハク酸、アジピン酸、又はセバシン酸、又はそれらのそれぞれのエステル形成性誘導体、又はそれらの混合物を使用することが特に好ましい。アジピン酸又はそのエステル形成性誘導体、例えばそのアルキルエステル、又はこれらの混合物を使用することが特に好ましい。好ましくは、セバシン酸又はセバシン酸とアジピン酸との混合物を脂肪族ジカルボン酸として使用する。
コハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸は、再生可能な原料の形態で入手できるというさらなる利点を有する。
挙げられる芳香族ジカルボン酸a2は、一般に6~12個の炭素原子を有するもの、好ましくは8個の炭素原子を有するものである。例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,5-フランジカルボン酸、2,6-ナフトエ酸、1,5-ナフトエ酸、2,5-フランジカルボン酸、及びこれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。ここでは、特に、ジ-C~C-アルキルエステル、例えばジメチル、ジエチル、ジ-n-プロピル、ジイソプロピル、ジ-n-ブチル、ジイソブチル、ジ-tert-ブチル、ジ-n-ペンチル、ジイソペンチル、又はジ-n-ヘキシルエステルが挙げられる。また、ジカルボン酸a2の無水物も好適なエステル形成性の誘導体である。
しかしながら、原則的には、より多くの炭素原子を有する、例えば最大20個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸a2を使用することも可能である。
芳香族ジカルボン酸又はこれらのエステル形成性誘導体a2は、単独で、又はこれらの2種以上の混合物として使用されてもよい。テレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体、例えばジメチルテレフタレートを使用することが特に好ましい。
使用されたスルホン酸基を含む化合物は、通常、スルホン酸基を含むジカルボン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、又はそれらのエステル形成性誘導体のうちの1種、好ましくは5-スルホイソフタル酸のアルカリ金属塩又はこれらの混合物、特に好ましくはナトリウム塩である。
好ましい実施態様の1つによれば、酸成分Aは、40~60モル%のa1、40~60モル%のa2、及び0~2モル%のa3を含んでいる。
ジオールBは、一般に2~12個の炭素原子、好ましくは4~6個の炭素原子を有する分岐状又は直鎖のアルカンジオールから選択される。
好適なアルカンジオールの例としては、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2,4-ジメチル-2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-2-ブチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-2-イソブチル-1,3-プロパンジオール及び2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジオール、特にエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール又は2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール(ネオペンチルグリコール);シクロペンタンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール又は2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールが挙げられる。1,4-ブタンジオールが特に好ましく、特に成分a1)としてのアジピン酸と1,4-ブタンジオール及び1,3-プロパンジオールとの組み合わせ、特に成分a1)としてのセバシン酸と1,4-ブタンジオール及び1,3-プロパンジオールとの組み合わせは、再生可能な原料の形態で入手できるというさらなる利点を有する。また、異なるアルカンジオールの混合物を使用することも可能である。
方法の段階i)及びii)で設定される成分b1(ジオール)の二酸Aに対する比は、一般に1.5~2.5、好ましくは1.8~2.2である。
化合物b2)は、好ましくは、少なくとも3個の官能基を含む架橋剤を含む。特に好ましい化合物は、3~6個のヒドロキシ基を有する。挙げられる例は以下である:酒石酸、クエン酸、リンゴ酸;トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン;ペンタエリスリトール;ポリエーテルトリオール、及びグリセロール、トリメシン酸、トリメリット酸、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸、及びピロメリット酸二無水物。ポリオール、例えばトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、特にグリセロールが好ましい。化合物b2は、分岐剤又は架橋剤として機能することができる。成分b2を使用することにより、擬塑性である生分解性ポリエステルを構築することが可能である。溶融物のレオロジーが改善され、生分解性ポリエステルは、処理が容易であり、例えば、溶融固化プロセスによって延伸してホイルを得ることがより容易である。化合物b2はずり減粘効果があり、したがって、負荷をかけると粘度が低下する。
化合物b2の使用量は、ポリマーの総量に基づいて、好ましくは0.01~2質量%、好ましくは0.05~1質量%、特に好ましくは0.08~0.20質量%である。
本発明のポリエステル混合物がベースとするポリエステルは、成分A及びBと一緒に、さらなる成分を含むことができる。
使用される成分d1は、イソシアネート又は様々なイソシアネートの混合物を含む。芳香族又は脂肪族のジイソシアネートを使用することが可能である。しかしながら、より高い官能価を有するイソシアネートを使用することも可能である。
本発明の目的のために、芳香族ジイソシアネートd1は、特にトリレン2,4-ジイソシアネート、トリレン2,6-ジイソシアネート、ジフェニルメタン2,2’-ジイソシアネート、ジフェニルメタン2,4’-ジイソシアネート、ジフェニルメタン4,4’-ジイソシアネート、ナフチレン1,5-ジイソシアネート、又はキシリレンジイソシアネートである。
これらの中でも、成分d1としては、ジフェニルメタン2,2’-、2,4’-、又は4,4’-ジイソシアネートが特に好ましい。後者のジイソシアネートは、一般に混合物の形態で使用される。
また、使用することができる3つの環を有するイソシアネートd1は、トリ(4-イソシアナトフェニル)メタンである。多核の芳香族ジイソシアネートは、例えば、1つ又は2つの環を有するジイソシアネートの製造中に製造される。
また、成分d1は、例えばイソシアネート基のキャッピングのために、成分d1の総質量に基づいて、例えば最大5質量%の従量(subordinate amounts)のウレトジオン基を含むことができる。
本発明の目的のために、脂肪族ジイソシアネートd1は、特に、2~20個の炭素原子、好ましくは3~12個の炭素原子を有する直鎖又は分岐状のアルキレンジイソシアネート又はシクロアルキレンジイソシアネートのいずれかであり、例えば、ヘキサメチレン1,6-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、又はメチレンビス(4-イソシアナトシクロヘキサン)である。特に好ましい脂肪族ジイソシアネートd1は、イソホロンジイソシアネート、特にヘキサメチレン1,6-ジイソシアネートである。
好ましいイソシアヌレートの中では、アルキレンジイソシアネート又はシクロアルキレンジイソシアネートに由来する脂肪族イソシアヌレートが挙げられ、ここで、これらは2~20個の炭素原子、好ましくは3~12個の炭素原子を有し、例えば、イソホロンジイソシアネート又はメチレンビス(4-イソシアナトシクロヘキサン)である。これらのアルキレンジイソシアネートは、直鎖又は分岐状の化合物であることができる。n-ヘキサメチレンジイソシアネートをベースとしたイソシアヌレートが特に好ましく、例としては、ヘキサメチレン1,6-ジイソシアネートの環状三量体、五量体、又はより高級のオリゴマーが挙げられる。
成分d1の使用量は、ポリマーの総量に基づいて、一般に0~4質量%、好ましくは0.1~2質量%、特に好ましくは0.2~1.2質量%である。
好適なジ-又はオリゴ官能性の過酸化物(成分d2)の例としては、以下の化合物が挙げられる:過酸化ベンゾイル、1,1-ビス(tert-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(tert-ブチルペルオキシ)メチルシクロドデカン、n-ブチル4,4-ビス(ブチルペルオキシ)バレレート、過酸化ジクミル、tert-ブチルペルオキシベンゾエート、過酸化ジブチル、α,α-ビス(tert-ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサ-3-イン、及びtert-ブチルペルオキシクメン。
成分d2の使用量は、バイオポリマーに基づいて、0.01~4質量%、好ましくは0.1~2質量%、特に好ましくは0.2~1質量%である。
使用される成分d3は、二官能性又はオリゴ官能性のエポキシド、例えば、ヒドロキノン、ジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、及び水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテルを含むことができる。エポキシドの他の例には、ジグリシジルテレフタレート、ジグリシジルテトラヒドロフタレート、ジグリシジルヘキサヒドロフタレート、ジメチルジグリシジルフタレート、フェニレンジグリシジルエーテル、エチレンジグリシジルエーテル、トリメチレンジグリシジルエーテル、テトラメチレンジグリシジルエーテル、ヘキサメチレンジグリシジルエーテル、ソルビトールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、及びポリブチレングリコールジグリシジルエーテルが含まれる。
特に好適な成分d3は、エポキシ基を含み、かつ、スチレン、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルをベースとするコポリマーd3である。エポキシ基を有する単位は、好ましくはグリシジル(メタ)アクリレートである。有利であることが証明されている化合物は、コポリマー中のグリシジルメタクリレートの割合が20質量%を超え、特に好ましくは30質量%を超え、特に好ましくは50質量%を超えるコポリマーである。これらのポリマーにおけるエポキシ当量(EEW)は、好ましくは150~3000g/当量、特に好ましくは200~500g/当量である。ポリマーの平均分子量(質量平均)Mは、好ましくは2000~25000、特に3000~8000である。ポリマーの平均分子量(数平均)Mは、好ましくは400~6000、特に1000~4000である。多分散性(Q)は、一般に1.5~5である。エポキシ基を含む上述のタイプのコポリマーは、例えばBASF Resins B.V.社からJoncryl(登録商標)ADRという商標で販売されている。特に好適な鎖延長剤としては、Joncryl(登録商標)ADR 4368、Joncryl(登録商標)ADR 4468、EP出願第08166596.0号に記載されている長鎖アクリレート、及びシェル社のCardura(登録商標)E10が挙げられる。
成分d3の使用量は、バイオポリマーに基づいて、0.01~4質量%、好ましくは0.1~2質量%、特に好ましくは0.2~1質量%である。成分d3は、酸捕捉剤としても使用することができる。この実施態様では、d3の使用濃度が0.01~0.5質量%であり、これに続いて添加濃度が好ましくは0.2~1.2質量%である成分d1、d2及び/又はd3aを用いて鎖延長を行うことが好ましい。
特に好ましくは、生分解性の脂肪族-芳香族ポリエステル:成分Aとして:45~55モル%のアジピン酸(成分a1)及び45~55モル%のテレフタル酸(成分a2));ジオール成分(成分B)として:100モル%の1,4-ブタンジオール;成分b2)として、ポリエステルに基づいて0.03~2質量%の、グリセロール、ペンタエリスリトール、及びトリメチロールプロパン;成分d1)として、ポリエステルに基づいて0~2質量%、好ましくは0.1~1質量%のヘキサメチレンジイソシアネートを含むポリブチレンアジペートコテレフタレート(PBAT)である。
他の特に好ましいものは、生分解性の脂肪族-芳香族ポリエステル:成分Aとして:45~55モル%のセバシン酸(成分a1)及び45~55モル%のテレフタル酸(成分a2));ジオール成分(成分B)として:100モル%の1,4-ブタンジオール;成分b2として、ポリエステルに基づいて0.03~2質量%の、グリセロール、ペンタエリスリトール、及びトリメチロールプロパン;成分d1)として、ポリエステルに基づいて0~2質量%、好ましくは0.1~1質量%のヘキサメチレンジイソシアネートを含むポリブチレンセバケートコテレフタレート(PBSeT)である。
脂肪族-芳香族ポリエステルは、一般にランダムコポリエステルであり、すなわち、芳香族及び脂肪族の二酸単位が完全にランダムに組み込まれている。個々のブロックの長さの分布は、B.Vollmert,Grundriss der makromolekularen Chemie[高分子化学の基本原理]の方法により計算することができる。WittらがJ.Environ.Pol.Degradation,第4巻,No.1(1996年),9頁に記載しているように、コンポスト(compost)中の芳香族モデルオリゴマー(n≧3)の分解は、通常、非常に遅い。しかしながら、脂肪族-芳香族ポリエステルの場合は、ブロック構造が急速に分解される。
脂肪族-芳香族ポリエステル、好ましくはポリブチレンアジペートコテレフタレート又はポリブチレンセバケートコテレフタレートのモル質量(M)は、一般に1000~100000g/molの範囲、特に9000~75000g/molの範囲、好ましくは20000~50000g/molの範囲である。それらのモル質量(M)は、一般に50000~300000g/mol、好ましくは75000~200000g/molである。それらのM/M比は、一般に1~6、好ましくは2~4である。融点は、60~170℃の範囲、好ましくは80~150℃の範囲である。
本発明の好ましい一実施態様では、段階iv後のEN ISO 1133(190℃、2.16kgの質量)によるMVR(メルトボリュームレート)は、一般に0.5~6.0cm/10分、好ましくは1.0~5.0cm/10分、特に好ましくは1.5~3cm/10分である。
本発明の別の好ましい実施態様では、段階iv後のEN ISO 1133(190℃、2.16kgの質量)によるMVR(メルトボリュームレート)は、一般に2~100cm/10分、好ましくは3~50cm/10分、特に好ましくは5~20cm/10分である。
生分解性の脂肪族-芳香族ポリエステルのDIN 53728による粘度数は、一般に高く、160~250cm/g、好ましくは170~220cm/gである。以下の粘度数の範囲は常にcm/gで表す。
高い粘度数を有するだけでなく、DIN EN 12634による酸価が低い脂肪族-芳香族コポリエステルを提供することが望ましい。脂肪族-芳香族コポリエステルの酸価が低いほど、単独で、又はバイオポリマー、例えばデンプン(熱可塑化される又は可塑化されない)、ポリラクチド(PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート、脂肪族ポリエステル、例えばBionolle(登録商標)、セルロース、又はポリカプロラクトンとの混合物でポリエステルの耐加水分解性が高くなる。それに応じて、ポリエステル又はポリエステル混合物の貯蔵寿命が向上する。
好ましい実施態様では、生分解性の脂肪族-芳香族ポリエステル、好ましくはポリブチレンアジペートテレフタレートは、以下の段階:
i)脂肪族ジヒドロキシ化合物、脂肪族及び芳香族ジカルボン酸、及び必要に応じてさらなるコモノマー(成分C)から構成される混合物を、任意に触媒を添加して混合し、ペーストを得るか、又は代替として、ジカルボン酸の液体エステルを、ジヒドロキシ化合物、及び必要に応じてさらなるコモノマーと共にシステムに投入し、この混合物を、全量又は一部の触媒と共に、連続的にエステル化、又はそれぞれエステル交換する、第1段階と、
ii)段階i)で得られたエステル交換、又はそれぞれエステル化の生成物を、必要に応じて残りの量の触媒と共に、DIN 53728による粘度数が20~70cm/gになるまで連続的に予備縮合する、第2段階と、
iii)段階ii)から得ることができる生成物を、DIN 53728による粘度数が60~170cm/gになるまで連続的に重縮合する、第3段階と、
iv)段階iii)から得ることができる生成物を、DIN 53728による粘度数が150~320cm/gになるまで、重付加反応で鎖延長剤Dと連続的に反応させる、第4段階と
を含む、WO-A 2009/127555及びWO-A 2009/127556による方法に従って調製される。
完全に反応した溶融物は、一般にメルトフィルターによって、仕上げプロセス、例えば水中ペレット化に直接移される。
本発明の目的のために、「生分解性」という特徴は、物質又は物質混合物が、DIN EN 13432で定義されているように、少なくとも90%の生分解度を示す場合のこの物質又は物質混合物によって達成される。
生分解は一般的に、適切で実証可能な期間でポリエステル又はポリエステル混合物の分解をもたらす。分解は、酵素的、加水分解的、又は酸化的な経路で、及び/又は紫外線などの電磁放射線への曝露を介して行うことができ、ほとんどの場合、細菌、酵母、真菌、及び藻類などの微生物への曝露を介して行うことができる。生分解性は、例えば、ポリエステルをコンポストと混合し、特定の期間でそれを保存することにより定量することができる。例えば、DIN EN 13432によれば、堆肥プロセス中で、熟成したコンポストにCOを含まない空気を通し、コンポストを所定の温度プロファイルに供する。ここでは、生分解性は、試料から放出されるCOの正味量(試料のないコンポストから放出されるCOの量を差し引いた後)と、試料から放出されるCOの最大量(試料の炭素含有量から計算される)との比でのパーセンテージの生分解度として定義される。生分解性のポリエステル又は生分解性のポリエステル混合物は、一般に、堆肥してからわずか数日後に、顕著な分解の兆候、例えば真菌の繁殖、亀裂、及び穿孔を示す。
生分解性を決定するための他の方法については、例えばASTM D5338及びASTM D6400に記載されている。
EU規則10/2011では、食品と接触するプラスチック材料中の物質の移動制限が規定されている。精製されていない脂肪族-芳香族ポリエステル、例えばポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)で作られた包装材料は、必ずしもこの規格の要求を満たしておらず、食品接触材料としての用途は制限されている。特に、ポリエステル中の環状不純物、例えばTHF、環状モノマー、二量体、三量体及び四量体は、様々な試験条件下で包装材料から外に移行してしまう。本発明による方法は、現在、環状不純物が明らかに除去され、EU規則10/2011で要求される閾値を達成した脂肪族-芳香族ポリエステルを提供する。
以下、本発明の精製方法をより詳細に説明する。
好ましい鎖延長された脂肪族-芳香族ポリエステルは、文献又はイントロダクションで記載されているように製造される。
鎖延長において、重縮合したポリエステルは、ポリエステルに基づいて0.01~4質量%、好ましくは0.1~2質量%、特に好ましくは0.5%~1.2%質量%の鎖延長剤と共に、押出機、連続混練機(リストリアクター)、又は静的ミキサーに導入される。使用される内部構造には、静的ミキサーの場合、例えばスイスのSulzer Chemtech AG社のSMR、SMX又はSMXL要素又はそれらの組み合わせが含まれる。リストリアクターの例には、適用の分野に応じて、単軸のDISCOTHERM Bリアクター、又は二軸のCRP及びORPリアクターが含まれる。好適な押出機には、単軸押出機又は二軸押出機が含まれる。
好適な鎖延長剤には、上述したイソシアネート又はイソシアヌレートd1、過酸化物d2及びエポキシドd3が含まれる。これらのジイソシアネートは、例えば、トリレン2,4-ジイソシアネート、トリレン2,6-ジイソシアネート、4,4’-及び2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフチレン1,5-ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及びメチレンビス(4-イソシアナトシクロヘキサン)からなる群から選択される。ヘキサメチレンジイソシアネートが特に好ましい。
鎖延長反応は、220℃~270℃、好ましくは230℃~250℃の反応温度で、使用するシステムに応じて超大気圧又は大気圧で行われる。2~30分、好ましくは4~15分の滞留時間により、160~250cm/g、好ましくは170~220cm/gのDIN 53728による粘度数、及び好ましくは0.5~1.2mg KOH/g、特に好ましくは0.6~1.0mg KOH/gのDIN EN 12634による酸価を有する脂肪族-芳香族ポリエステルの製造が可能である。
本発明の一実施態様では、脂肪族-芳香族ポリエステルのEN ISO 1133(190℃、2.16kgの質量)によるMVR(メルトボリュームレート)は、一般に0.1~6.0cm/10分、好ましくは0.5~5.0cm/10分、特に好ましくは1.0~3cm/10分である。脂肪族-芳香族ポリエステルのDIN 53728による粘度数は、160~250cm/g、好ましくは170~220cm/gである。粘度数の範囲は常にcm/gで表す。
本発明の別の実施態様では、脂肪族-芳香族ポリエステルのEN ISO 1133(190℃、2.16kgの質量)によるMVR(メルトボリュームレート)は、一般に2~100cm/10分、好ましくは3~50cm/10分、特に好ましくは5~20cm/10分である。脂肪族-芳香族ポリエステルのDIN 53728による粘度数は、80~200cm/g、好ましくは100~150cm/gである。
連鎖反応(chain reaction)を行う反応器は、生成物のストリームを完全に混合することを確保する上記の内部構造を有する。
鎖延長反応中は著しく粘度が上昇するため、鎖延長剤が少なくとも1つの官能単位と完全に反応するまで、反応器内で鎖延長反応を行うことが有利である。連鎖の形成は、例えば、別の撹拌タンク又は内部構造のないチューブ中で完了させることができる。これにより、閉塞及び壁の堆積を回避することが可能となる。
完全に反応した溶融物は、通常、脱気装置に直接移される。
脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸及び脂肪族ジオールから構成される脂肪族-芳香族ポリエステルの本発明による精製は、脱気装置で行われ、ここで、粗ポリエステルが、粗ポリエステルの総質量に基づいて1~7質量%の共留剤の存在下で、0.01~5ミリバールの圧力及び3~30分で脱気装置内に滞留する。
本発明による方法の好ましい実施態様では、薄膜蒸発器が脱気装置として選択される。薄膜蒸発器は、以下の一般的な特徴を有する:蒸発器の表面は、中央に機械的な攪拌手段を有するチューブである。溶融物は、上方から垂直な蒸発器表面に通過される。薄膜蒸発器は、加熱された外殻の内壁に、ローターを用いた機械的手段で薄膜(溶融物フィルム)を生成する。これにより、表面が連続的に入れ替わるため、良好な物質移動が確保され、その結果、高い脱気性能が得られる。この脱ガス性能は、向流で供給されるストリッピング剤(例えば、水又は蒸気)の添加によって達成される。また、良好な脱気性能を得るためには、5ミリバール以下の真空が必要である。
個々のローターブレードの形状及び構成により、粘性生成物をプロセッサーの排出セクションに輸送することが可能になる。膜厚及び溶融物の搬送も同様に、ローターブレードの形状に依存する。遊離ガスの容積が大きいため、凝縮システムへの生成物の巻き込みのリスクなしに、1段階で高い蒸発濃度比が可能になる。
脱気装置には以下の条件が適用される:脱気装置内の平均滞留時間は3~30分であり、より長い滞留時間は、重縮合ポリエステル(例えば、PBAT)の分解の増加につながり、より短い滞留時間では、環状オリゴマーの除去は十分に満足できない。
脱気装置に使用される温度は、一般に180℃~280℃、好ましくは200℃~250℃である。
好ましくは、共留剤は脱気装置のガス空間(gas space)に導入される。これは、均質なポリエステルフィルムが脱気装置で形成され、例えば、ポリエステルフィルムでのブリスター形成又は発泡が回避されるという利点を有する。
好適な共留剤は、上述したように、水、エタノール、窒素、二酸化炭素、アセトン、及び環状ポリプロピレンカーボネートである。窒素は好ましい共留剤であり、蒸気として脱気装置のガス空間に導入される水が特に好ましい。
共留剤の量は、段階iii)の終わりのポリエステルに基づいて、一般に1~7質量%、好ましくは2~5質量%である。共留剤の量が多いと、脱気装置内で確立された真空が許容できないほど損なわれる。より低い共留剤濃度では、粗ポリエステル(例えばPBAT)は、ポリエステルの環状不純物、例えば、THF、及び環状エステルモノマー、二量体、三量体及び四量体、特に環状エステルモノマー及び二量体が十分に除去されない。
脱気装置では、ポリマー溶融物は、一般に5mm未満、好ましくは2mm未満、特に好ましくは1mm未満の平均膜厚を形成する。
好適な脱気装置には、好ましい薄膜蒸発器の他に、スピニングディスク反応器、ケージ反応器、落下膜蒸発器、遊星ロール押出機が含まれる。
本発明による方法により得ることができる脂肪族-芳香族ポリエステル、例えばPBATは、多数の用途、例えば射出成形品、熱成形品、押出コーティング製品、及び特にフィルム又はフォームに適している。脂肪族-芳香族ポリエステルは、しばしば、さらなるバイオポリマー、例えばポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカノエート、生分解性の脂肪族-芳香族ポリエステル、デンプン、無機フィラー、又は他の添加剤、例えば潤滑剤、核剤、可塑剤又は顔料との混合物として使用される。
本発明による方法は、環状不純物の明確な除去を達成することを可能にする。1,4-ブタンジオール含有ポリエステルの場合、脂肪族ポリエステルの残留THF含有量は、一般に、元のTHF含有量の3分の2、好ましくは半分、特に好ましくは4分の1未満に低減することができる。精製された脂肪族-芳香族ポリエステルは、一般に300ppm未満、好ましくは200ppm未満、特に好ましくは100ppm未満の残留THF含有量を有する。
また、脂肪族-芳香族ポリエステルの環状オリゴマーの含有量も明確に減少することができる。
例えばPBATの場合、本発明による方法は、二量体エステル環(以下の3つの環状二量体を含む:2つのアジピン酸単位及び2つの1,4-ブタンジオール単位を含有する環状二量体ポリエステルである環状2AA 2BDO;アジピン酸、テレフタル酸及び2つの1,4-ブタンジオール単位を含有する環状二量体ポリエステルである環状AA TPA 2BDO;及び、2つのテレフタル酸単位及び2つの1,4-ブタンジオール単位を含有する環状二量体ポリエステルである環状2TPA 2BDO)の含有量を20%超、好ましくは30%超、特に40%超低減する。三量体エステル環(以下の4つの環状三量体を含む:3つのアジピン酸単位及び3つの1,4-ブタンジオール単位を含有する環状三量体ポリエステルである環状3AA 3BDO;2つのアジピン酸単位、テレフタル酸及び3つの1,4-ブタンジオール単位を含有する環状三量体ポリエステルである環状2AA TPA 3BDO;アジピン酸、2つのテレフタル酸単位及び3つの1,4-ブタンジオール単位を含有する環状三量体ポリエステルである環状AA 2TPA 3BDO;及び、3つのテレフタル酸単位及び3つの1,4-ブタンジオール単位を含有する環状三量体ポリエステルである環状3TPA 3BDO)の含有量は、5%超、好ましくは7%超、特に10%超低減される。熱力学的理由の結果として、より小さい環状エステル(<14環員)及びより揮発性の高い環状エステル、例えばモノマーエステル環(環状AA BDO)は、すでに低含有量であるが、本発明による方法によってさらに50%超、好ましくは60%超、特に70%超低減されることに留意されたい。したがって、精製されたPBAT中のモノマーエステル環(環状AA BDO)の最終的な含有量は、一般に15ppm未満、好ましくは10ppm未満、特に好ましくは8ppm未満である。PBATから製造された構成部品、例えばフィルムでは、特に、小さなモノマー及び二量体エステル環は、対応するより高次のオリゴマーよりも激しい移動を起こす。PBAT中の破壊的な環状エステル二量体は、PBATの質量に基づいて、一般に1200ppm未満、好ましくは500~1000ppm、特に好ましくは700~900ppmに低減させることができる。本発明による方法において、環状エステル二量体を効率的に除去すること、及びすでに低量の環状エステルモノマー(環状AA BDO)をさらに除去することにより、EU 10/2011に基づく食品との接触に関する承認を取得することが可能となる。本発明による方法によって、環状エステルオリゴマー(モノマー、二量体、三量体、四量体及び五量体)の総量は、PBATの質量に基づいて、3800ppm未満、好ましくは3500ppm未満低減される。
本発明の精製方法は、4つの環状エステル三量体と比較して3つの環状エステル二量体のより良い除去をもたらした。したがって、精製されたポリブチレンアジペートコテレフタレートが得られ、ここで、3つの環状エステル二量体の4つの環状エステル三量体に対する比が、LC-HRMSによって決定され、精製されたポリブチレンアジペートコテレフタレートの総質量に基づいて、1未満、好ましくは0.5~0.8であった。
ポリブチレンセバケートコテレフタレート(PBSeT)の場合、本発明による方法は、モノマーエステル環(セバシン酸及び1,4-ブタンジオールを含有する環状モノマーである環状SeA BDO)、及び二量体エステル環(以下の3つの環状二量体を含む:2つのセバシン酸単位及び2つの1,4-ブタンジオール単位を含有する環状二量体ポリエステルである環状2SeA 2BDO;セバシン酸、テレフタル酸及び2つの1,4-ブタンジオール単位を含有する環状二量体ポリエステルである環状SeA TPA 2BDO;及び、2つのテレフタル酸単位及び2つの1,4-ブタンジオール単位を含有する環状二量体ポリエステルである環状2TPA 2BDO)の含有量を、一般に20%超、好ましくは30%超、特に40%超低減する。三量体エステル環(以下の4つの環状三量体を含む:3つのセバシン酸単位及び3つの1,4-ブタンジオール単位を含有する環状三量体ポリエステルである環状3SeA 3BDO;2つのセバシン酸単位、テレフタル酸及び3つの1,4-ブタンジオール単位を含有する環状三量体ポリエステルである環状2SeA TPA 3BDO;セバシン酸、2つのテレフタル酸単位及び3つの1,4-ブタンジオール単位を含有する環状三量体ポリエステルである環状SeA 2TPA 3BDO;及び、3つのテレフタル酸単位及び3つの1,4-ブタンジオール単位を含有する環状三量体ポリエステルである環状3TPA 3BDO)の含有量は、5%超、好ましくは7%超、特に10%超低減される。PBSeTから製造された構成部品、例えばフィルムでは、特に、小さなモノマー及び二量体エステル環は、対応するより高次のオリゴマーよりも激しい移動を起こす。PBSeT中の破壊的な環状エステルモノマー及び二量体は、PBSeTの質量に基づいて、一般に1300ppm未満、好ましくは500~1100ppm、特に好ましくは700~950ppmに低減させることができる。本発明による方法において、環状エステルモノマー及び二量体を効率的に除去することにより、EU 10/2011に基づく食品との接触に関する承認を取得することが可能になる。本発明による方法によって、環状エステルオリゴマー(モノマー、二量体、三量体、四量体及び五量体)の総量は、PBSeTの質量に基づいて、4200ppm未満、好ましくは3800ppm未満低減される。
本発明の精製方法は、4つの環状エステル三量体と比較して3つの環状エステル二量体のより良い除去をもたらした。したがって、精製されたポリブチレンセバケートアジペートコテレフタレートが得られ、ここで、3つの環状エステル二量体の4つの環状エステル三量体に対する比が、LC-HRMSによって決定され、精製されたポリブチレンセバケートコテレフタレートの総質量に基づいて、1.2未満、好ましくは0.6~1であった。
好ましい実施態様では、本発明による精製方法は、重縮合段階、特に好ましくは粗ポリエステルの鎖延長に続き、最終的な純ポリエステルの単離に先行する。したがって、例えば、PBATは、好ましくはWO 2009/127556に従って製造され、本発明の精製方法は、ヘキサメチレンジイソシアネートでの鎖延長と、水中造粒による純PBATの単離との間に挿入される。粗PBATの溶融物は、ホットメルトとして薄膜蒸発器に直接移される。
この方法の特に好ましい実施態様は、以下の段階(段階i)~iv)は、WO-A 2009/127556を参照されたい):
i)脂肪族ジヒドロキシ化合物、脂肪族及び芳香族ジカルボン酸、及び必要に応じてさらなるコモノマー(成分C)から構成される混合物を、任意に触媒を添加して混合し、ペーストを得るか、又は代替として、ジカルボン酸の液体エステルを、ジヒドロキシ化合物、及び必要に応じてさらなるコモノマーと共にシステムに投入し、この混合物を、全量又は一部の触媒と共に、連続的にエステル化、又はそれぞれエステル交換する、第1段階と、
ii)段階i)で得られたエステル交換、又はそれぞれエステル化の生成物を、必要に応じて残りの量の触媒と共に、DIN 53728による粘度数が20~70cm/gになるまで連続的に予備縮合する、第2段階と、
iii)段階ii)から得ることができる生成物を、DIN 53728による粘度数が60~170cm/gになるまで連続的に重縮合する、第3段階と、
iv)段階iii)から得ることができる生成物を、DIN 53728による粘度数が150~320cm/gになるまで、重付加反応で鎖延長剤Dと連続的に反応させる、第4段階と、
v)粗ポリエステルを脱気装置に輸送し、粗ポリエステルの総質量に基づいて1~7質量%の共留剤の存在下で、0.01~5ミリバールの圧力及び3~30分間の平均滞留時間で脱気する、第5段階と
を含む。
精製された溶融物は、一般にメルトフィルターによって、仕上げプロセス、例えば水中ペレット化に直接移される。
ポリエステル混合物又はポリエステル配合物を製造するためには、脱気装置の後、環状不純物を除去した脂肪族-芳香族ポリエステルを、例えば水中造粒のような中間分離を行わずに、さらなるポリマー及び助剤との配合のために連続的に送ることが有利であることが証明されている。造粒段階を省くことによるコスト削減に加えて、脂肪族-芳香族ポリエステルを溶融する必要がない。そのため、熱応力によって生じる可能性のある環状不純物の再形成を避けることができる。
本発明による方法は、環状エステルの不純物も少ない脂肪族-芳香族ポリエステルを大規模で効率的に製造することを可能にする。
測定の方法:
DIN 53728 Part 3,1985年1月3日に従って、粘度数を決定した。
50/50の質量比のフェノール/ジクロロベンゼンである溶媒混合物を使用した。
ISO 1133に従って、メルトボリュームレート(MVR)を決定した。190℃、2.16kgの試験条件を使用した。溶融時間は4分であった。MVRは、上述の条件(温度、荷重及びピストン位置)下で、定義された長さ及び定義された直径の押出ダイを介した溶融プラスチック成形組成物の押し出し速度を表す。押出プラストメーターのバレル内で定義された時間に押し出された体積を決定した。
性能試験:
DIN 55672-1に従って、SECによって、半芳香族ポリエステルの分子量Mn及びMwを決定した。溶離液は、ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)+0.05質量%のトリフルオロ酢酸カリウムであり、狭域分布型ポリメチルメタクリレート規格で校正を行った。クロマトグラムはサンプル中/モル質量が小さいSEC溶離液中の不純物によって乱れるため、18.83mL(約M=300g/mol)後に評価を中止しなければならなかった。
ISO 1133-1 DEに従って、190℃及び2.16kgでのメルトボリュームレートMVR
環状オリゴマーの分析
液体クロマトグラフィー/高分解能質量分析装置(LC-HRMS)によってオリゴマーを特徴づけた。この方法は、質量分析と組み合わせたガスクロマトグラフィー(GC-MS)と比較して、より高次の環状オリゴマー(>600ダルトン)を再現性よく測定したという利点があった。
i)オリゴマーの抽出
100gの各サンプルを150mlのアセトニトリル(ACN)を用いて40℃で5日間、完全に浸漬することにより抽出した。上澄み液を150mlのACN/水(1/1、v/v)で希釈し、PTFE膜(0.45μm)で濾過した後、LC-HRMS分析によって分析した。
ii)スクリーニングLC-HRMSによるオリゴマーの同定及び定量
同定されたオリゴマーの定量において、溶解及び希釈したポリマー抽出液を、固定相としてXBridge BEH(C18)カラム(粒径2.5μm、150×2.1mm)を備えたThermo Scientific Ultimate 3000 HPLCシステムを用いたLC-HRMSによって分析した。移動相は、0.1%のギ酸を有する水(A)及び0.1%のギ酸を有するメタノール(B)からなった。グラジエントは、40%のBで開始し、1分間保持し、次に12分間で100%のBに上げ、100%のBで6分間保持し、最後に40%のBで5分間平衡化した。グラジエントプログラムの総実行時間は24分であった。流速は0.35mL/分であり、カラム温度は40℃であった。LCシステムは、Thermo Scientific社製の高分解能質量分析計Q Exactive Plus Orbitrapの加熱エレクトロスプレーイオン化源に接続した。定量だけでなく同定にもポジティブイオン化モードを使用した。以下の装置パラメータを使用した:4kVのスプレー電圧、320℃のキャピラリ温度、30.00のシースガス流速、6.00の補助ガス流速、55.00のS-レンズRFレベル、250.00℃のプローブヒーター温度。同定において、MS/MS実験に依存するデータを以下のように測定した:プロファイルモードでR=140.000の分解能、AGCターゲット3e6、100msの最大注入時間、150~1500のm/z範囲で、フルMSスキャンを測定した。プロファイルモードでR=35.000の分解能、AGCターゲット1e5、50msの最大注入時間、m/z=2.0の分離ウィンドウ、及びnce=20;30;40の規格化された段階的衝突エネルギーで、MS/MSスペクトルを得た。Thermo Xcaliburソフトウェアを用いて、データを記録及び評価した。定量のためのオリゴマーを、その正確な質量及びフラグメントスペクトルに基づいて同定した。
同定されたオリゴマーの定量において、以下のように高分解能フルMSスキャンを用いた:プロファイルモードでR=140.000の分解能、AGCターゲット3e6、100msの最大注入時間、150~1500のm/z範囲で、フルMSスキャンを測定した。外部校正を用いて、同定されたオリゴマーを半定量した。標準物質がないため、2つの参照を標準類似体として選択した。テレフタル酸及びブタンジオールのみからなるオリゴマーについて、環状PET三量体(3,6,13,16,23,26-ヘキサオキサテトラシクロ[26.2.2.28,11.218,21]ヘキサトリアコンタ-1(30),8,10,18,20,28,31,33,35-ノネン-2,7,12,17,22,27-ヘキソン;CAS No.7441-32-9;Santa Cruz Biotechnology(Heidelberg,ドイツ)から購入した)を標準物質として用いた。アジピン酸、テレフタル酸、及びブタンジオールからなるオリゴマーについて、ジブチルアジペート(CAS No.105-99-7)を内部標準物質として用いた。ジクロロメタン及びアセトニトリルで原液を調製し、ACN/水(1/1,v/v)の混合液で新たに希釈液を調製した。
ポリエステルi:
i-1 ポリブチレンアジペートコテレフタレート:
87.3kgのジメチルテレフタレート、80.3kgのアジピン酸、117kgの1,4-ブタンジオール、及び0.2kgのグリセリンを、0.028kgのテトラブチルオルソチタネート(TBOT)と一緒に混合することにより、ポリエステルを製造し、ここで、アルコール成分と酸成分とのモル比が1.30であった。この反応混合物を180℃の温度に加熱し、この温度で6時間反応させた。その後、温度を240℃に上げ、過剰なジヒドロキシ化合物を3時間かけて真空中で蒸留することにより除去した。その後、0.9kgのヘキサメチレンジイソシアネートを240℃で1時間以内にゆっくりとメーターで混合物に入れた。
得られたポリエステルAのDSCによる融点は119℃であり、そのモル質量(Mn)は23000g/molであり、そのMVR(190℃で;2.16kg)は3.3mL/10分であった。
このポリエステルAを押出機で水中ペレット化(UWP)でペレット化してペレットを得た。
LC-HRMS後の環状二量体[2つのアジピン酸単位(AA)及び2つの1,4-ブタンジオール単位(BDO)から形成される二量体エステルである環状2AA 2BDO;アジピン酸、テレフタル酸(TPA)、及び2つの1,4-ブタンジオール単位から形成される二量体エステルである環状AA TPA 2BDO;及び、2つのテレフタル酸単位及び2つの1,4-ブタンジオール単位から形成される二量体エステルである環状2TPA 2BDO]の割合は、ポリエステルi-1の総質量に基づいて1431ppmであった。LC-HRMS後の環状三量体[3つのアジピン酸単位(AA)及び3つの1,4-ブタンジオール単位(BDO)から形成される三量体エステルである環状3AA 3BDO;2つのアジピン酸単位、テレフタル酸(TPA)単位、及び3つの1,4-ブタンジオール単位から形成される三量体エステルである環状2AA TPA 3BDO;アジピン酸、2つのテレフタル酸単位、及び3つの1,4-ブタンジオール単位から形成される三量体エステルである環状AA 2TPA 3BDO;及び、3つのテレフタル酸単位及び3つの1,4-ブタンジオール単位から形成される三量体エステルである環状3TPA 3BDO]の割合は、ポリエステルi-1の総質量に基づいて1342ppmであった。
i-2 ポリブチレンアジペートコテレフタレート(鎖延長なし):
ポリブチレンアジペート-コ-テレフタレート(アジピン酸:テレフタル酸=53:47モル%);MVR(190℃/2.16kg、ISO1133による)=129~130mL/10分。
i-3 ポリブチレンセバケートコテレフタレート:
最初に、ジメチルテレフタレート(70.11kg)、1,4-ブタンジオール(90.00kg)、グリセロール(242.00g)、テトラブチルオルソチタネート(TBOT)(260.00g)、及びセバシン酸(82.35kg)を250Lのタンクに投入し、この装置を窒素でパージした。200℃の内温までメタノールを留去した。約160℃まで冷却した後、混合物を真空中(<5ミリバール)で250℃の内温まで凝縮させた。所望の粘度を達成した後、室温まで冷却した。このプレポリエステルは、80mL/gの粘度数を有していた。
Rheomix 600アタッチメントを備えたRheocord 9000 Haake混練機で、鎖延長を行った。プレポリエステルを220℃で溶融し、ポリエステルIに基づいて0.5質量%のHDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)を滴下して添加することにより、その溶融物と混合した。トルクを観察することにより、反応の進行を追跡した。最大トルクに達した後、反応混合物を冷却し、鎖延長された生分解性ポリエステルを取り出して特性を調べた。ポリエステルi-3のMVRは3.9cm/10分であった。
LC-HRMS後の環状モノマー[環状SeA BDO]及び環状二量体[2つのセバシン酸単位(SeA)及び2つの1,4-ブタンジオール単位(BDO)から形成される二量体エステルである環状2SeA 2BDO;セバシン酸、テレフタル酸(TPA)、及び2つの1,4-ブタンジオール単位から形成される二量体エステルである環状SeA TPA 2BDO;及び、2つのテレフタル酸単位及び2つの1,4-ブタンジオール単位から形成される二量体エステルである環状2TPA 2BDO]の割合は、ポリエステルi-3の総質量に基づいて1562ppmであった。LC-HRMS後の環状三量体[3つのセバシン酸単位(SeA)及び3つの1,4-ブタンジオール単位(BDO)から形成される三量体エステルである環状3SeA 3BDO;2つのセバシン酸単位、テレフタル酸(TPA)、及び3つの1,4-ブタンジオール単位から形成される三量体エステルである環状2SeA TPA 3BDO;セバシン酸、2つのテレフタル酸単位、及び3つの1,4-ブタンジオール単位から形成される三量体エステルである環状SeA 2TPA 3BDO;及び、3つのテレフタル酸単位及び3つの1,4-ブタンジオール単位から形成される三量体エステルである環状3TPA 3BDO]の割合は、ポリエステルi-3の総質量に基づいて853ppmであった。
メルト中の脱ガス
実施例1
混練機を用いて、ポリエステルi-1のポリエステル顆粒を連続的に溶融し、混練機の出口における溶融温度は約200℃~220℃であった。シリンダーのヒーターバンドを介して、剪断(混練機の回転速度)によって、必要な溶融エネルギーを材料に供給した。あるいは、一軸又は二軸の押出機を用いてポリエステルを溶融し、溶融ポンプを用いて加熱されたパイプを介して上方(横方向)から垂直薄膜蒸発器に供給することも可能である。実験では、スループットが15~40kg/hであった。
薄膜蒸発器(Filmtruder型)では、ローター及び適切なブレード形状を用いて溶融物を引き出し、約1mmの厚さの薄膜を形成し、下方に輸送した。蒸発器の外殻を加熱し(200~280℃)、ローターの速度によって、薄膜蒸発器内の滞留時間を決定/変更した。
同時に、逆流して下から共留剤を供給することも可能であり、より良い脱気のために真空を適用した。溶融物が薄膜蒸発器の下部に到着すると、溶融物ポンプによってそれを連続的に排出し、引き出してダイプレートを介してストランドを形成した。このストランドを水浴で冷却し、その後に再び顆粒を得るために造粒機に供給した。ストランド造粒の代わりに、溶融物排出ポンプの後に水中造粒を使用することも可能であった。
薄膜蒸発器の上部領域で真空下で、オリゴマーを取り出し、その後凝縮した。
Figure 2022534039000003
*環状2AA 2BDOは、2つのアジピン酸単位、及び2つの1,4-ブタンジオール単位を含有する環状エステル二量体であり、
**環状AA TPA 2BDOは、アジピン酸、テレフタル酸、及び2つの1,4-ブタンジオール単位を含有する環状エステル二量体であり、
***環状2TPA 2BDOは、2つのテレフタル酸単位、及び2つの1,4-ブタンジオール単位を含有する環状エステル二量体であり、
#環状3AA 3BDOは、3つのアジピン酸単位、及び3つの1,4-ブタンジオール単位を含有する環状エステル二量体であり、
##環状2AA TPA 3BDOは、2つのアジピン酸単位、テレフタル酸、及び3つの1,4-ブタンジオール単位を含有する環状エステル二量体であり、
###環状AA 2TPA 3BDOは、アジピン酸、2つのテレフタル酸単位、及び3つの1,4-ブタンジオール単位を含有する環状エステル二量体であり、
####環状3TPA 3BDOは、3つのテレフタル酸単位、及び3つの1,4-ブタンジオール単位を含有する環状エステル二量体である。
実施例2
実施例2は、実施例1と同様に行ったが、ポリエステルi-1の代わりにポリエステルi-3を使用した。
その結果を表2にまとめた。
Figure 2022534039000004

実施例3
薄膜蒸発器(Sambay)で脱気を行った。薄膜蒸発器は以下の一般的な特徴を持っていた:蒸発器の表面は、中央に機械的な撹拌手段を有するチューブであった。溶融物を上から垂直蒸発器の表面に通過させた。薄膜蒸発器は、ローターを用いた機械的手段により、加熱された外殻の内壁に薄膜(溶融物膜)を生成した。これにより、表面が連続的に入れ替わるため、良好な物質移動を確保し、その結果、高い脱ガス性能が得られた。向流で供給されるストリッピング剤(例えば、水又は蒸気)の添加によって、脱ガス性能を達成した。また、良好な脱気性能には、5ミリバール以下の真空度が必要であった。
個々のローターブレードの形状及び構成により、粘性生成物をプロセッサーの排出セクションに輸送することが可能となった。膜厚及び溶融物の搬送も同様に、ローターブレードの形状に依存していた。遊離ガスの容積が大きいため、凝縮システムへの生成物の巻き込みのリスクなしに、1段階で高い蒸発濃度比が可能になった。
実施例3では、実施例1と同様の結果が得られた:環状エステル二量体が32%減少した。前述のように使用したSambay蒸発器では、外殻は金属ではなくガラス製であった。
ポリエステルi-2を、ガラスの垂直表面/蒸発器表面の上面及び側面から溶融物として装置に充填し、溶融させた。溶融後のポリエステルを装置中に導入し、撹拌手段により薄膜状に広げた。ストリッピング剤を下から向流で導入し、その後、真空を適用した。表1に示した温度、真空、ストリッピング媒質を用いて、環状オリゴマー、及びさらなる副生成物、例えばTHFを上部から取り出し、冷却器で凝縮させた。実験後、ポリエステル及び排出された物質をLC-HRMSによって分析した。

Claims (17)

  1. 脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸及び脂肪族ジオールから構成される脂肪族-芳香族ポリエステルを脱気装置で精製する連続方法であって、粗ポリエステルの総質量に基づいて1~7質量%の共留剤の存在下で、0.01~5ミリバールの圧力及び3~30分間の平均滞留時間で前記粗ポリエステルを脱気する、方法。
  2. 前記共留剤が前記脱気装置のガス空間に導入される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記共留剤が、さらに導入される水、エタノール、窒素、二酸化炭素、アセトン及び環状プロピレンカーボネートからなる群から選択される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記脱気装置が薄膜蒸発器である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記脱気装置が、180℃~260℃、好ましくは200℃~240℃の内部温度を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記脱気装置中の前記粗ポリエステルが、2mm未満、好ましくは1mm未満の膜厚を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記脂肪族-芳香族ポリエステルが脂肪族ジオール1,4-ブタンジオールを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記脂肪族-芳香族ポリエステルがポリブチレンアジペートコテレフタレートである、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記脂肪族-芳香族ポリエステルがポリブチレンセバケートコテレフタレートである、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記粗ポリエステルが、2012年3月1日のDIN EN 1133-1によるMVR(190℃、2.16kg)が0.1~50cm/10分である、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 精製方法は、重縮合段階、特に好ましくは粗脂肪族-芳香族ポリエステルの鎖延長に続き、最終的な純ポリエステルの単離に先行する、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 請求項8に記載の方法により得ることができる、ポリブチレンアジペートコテレフタレート。
  13. 3つの環状エステル二量体の質量含有量が、LC-HRMSによって決定され、ポリブチレンアジペートコテレフタレートの総質量に基づいて、500~1000ppm、好ましくは700~900ppmである、ポリブチレンアジペートコテレフタレート。
  14. 3つの環状エステル二量体の4つの環状エステル三量体に対する比が、LC-HRMSによって決定され、ポリブチレンアジペートコテレフタレートの総質量に基づいて、1より低く、好ましくは0.5~0.8より低い、ポリブチレンアジペートコテレフタレート。
  15. 請求項9に記載の方法により得ることができる、ポリブチレンセバケートコテレフタレート。
  16. 環状エステルモノマー及び3つの環状エステル二量体の質量含有量が、LC-HRMSによって決定され、ポリブチレンセバケートコテレフタレートの総質量に基づいて、500~1000ppm、好ましくは700~900ppmである、ポリブチレンセバケートコテレフタレート。
  17. 3つの環状エステル二量体の4つの環状エステル三量体に対する比が、LC-HRMSによって決定され、ポリブチレンセバケートコテレフタレートの総質量に基づいて、1.2より低く、好ましくは0.6~1.0である、ポリブチレンセバケートコテレフタレート。
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