JP2022533592A - 干渉抑制薬物動態イムノアッセイ - Google Patents

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Abstract

本明細書では、血清含有試料中の二重特異性抗体を決定するための方法であって、まず、二重特異性抗体に特異的に結合する捕捉抗体が固定化された固相を試料と共にインキュベートして、固定化された捕捉抗体-二重特異性抗体-複合体を形成させる、工程、その後、該固相を二重特異性抗体への結合について捕捉抗体と競合する置換抗体と共にインキュベートし、それにより置換抗体-二重特異性抗体-複合体を含む溶液を形成させる、工程、及び該溶液中の置換抗体-二重特異性抗体-複合体を決定する工程、を含む方法が報告される。

Description

本発明は、イムノアッセイの分野、より具体的には薬物動態イムノアッセイの分野にある。本明細書では、とりわけ、干渉単一特異性抗体の存在下で血清含有試料中の二重特異性抗体を検出するための干渉抑制イムノアッセイが報告される。
インビトロまたはインビボ起源の試料における治療用モノクローナル抗体(tmAb)の分析のために、特にtmAb開発の初期段階において、それぞれのアッセイが必要である。これには、tmAbを決定するための抗イディオタイプ抗体などの特異的結合試薬の提供が必要である。
特に、tmAbの完全な薬物動態評価のためには、治療様条件下での投与後の血漿/血清試料中の可溶性tmAb濃度の知識が重要である。
Lee,J.W.ら(AAPS J.13(2011)99-110(非特許文献1))は、薬物開発を支援する際の生物分析の主な推進要因はデータの意図された用途であると報告している。循環中のmAbおよびその抗原リガンド(L)の測定のための信頼性の高い方法論は、有効性および安全性評価の裏付けにおける曝露-応答関係の評価、ならびに用量選択にとって重要である。
de Zwartら(Bioanal.8(2016)2065-2070(非特許文献2))は、バイオ分析方法の検証における共投薬の干渉試験についてホワイトペーパーで報告した。過去の経験でde Zwartらによって使用された調査データは、同時投薬が予定された同時投薬と予定されていない同時投薬の両方について治験薬のLC-MS/MSアッセイに干渉した例はなかったが(389の観察からのデータ)、LBAベースのアッセイでは、調査データは干渉が報告された36のアッセイのうちのただ一つを特定したという結論に導いた。
リガンド結合アッセイ(LBA)は、薬物動態/薬力学(PK/PD)および安全性評価を支援するためのタンパク質生物治療薬および抗原リガンド(L)の分析に広く使用されている。
AAPS J.13(2011)99-110 Bioanal.8(2016)2065-2070
本明細書では、血清含有試料中の少なくとも二重特異性(治療用)抗体の存在または量を決定するイムノアッセイが報告される。より詳細には、アッセイは、試料中に同様に存在する単一特異性(治療用)抗体からの干渉を低減するための置換工程を含む2段階アッセイである。したがって、イムノアッセイにおける少なくとも二重特異性抗体の1つの結合部位を含む第2抗体の存在に起因する干渉を低減することができる。本発明によるイムノアッセイでは、このような中間置換工程がイムノアッセイ干渉の低減のために初めて使用された。
本発明による一態様は、血清含有試料中の多重特異性治療用抗体、好ましくは二重特異性抗体を決定するための方法であって、以下の工程を含む方法である。
a)前記治療用抗体に特異的に結合する捕捉抗体が固定化された固相を前記試料とともにインキュベートして、固定化された捕捉抗体-治療用抗体複合体を形成させる、工程と、
b)任意で、捕捉抗体-治療用抗体-複合体が固相に結合したまま固相を洗浄する工程、
c)捕捉抗体の治療用抗体への結合を立体的に妨害する、または治療用抗体への結合について捕捉抗体と競合する、または捕捉抗体と同じエピトープに治療用抗体上で結合する置換抗体と固相をインキュベートし、それによって治療用抗体を固相から分離し、置換抗体-治療用抗体-複合体を含む溶液を形成させる、工程と、
d)工程c)で得られた溶液中の置換抗体-治療用抗体-複合体を決定し、それによって血清含有試料中の治療用抗体を決定する、工程。
本発明によるさらなる態様は、以下の工程を含む、血清含有試料から治療用抗体、好ましくは多重特異性抗体、最も好ましくは二重特異性抗体を濃縮する方法である。
a)前記治療用抗体に特異的に結合する捕捉抗体が固定化された固相を前記試料とともにインキュベートして、固定化された捕捉抗体-治療用抗体複合体を形成させる、工程と、
b)任意で、捕捉抗体-治療用抗体-複合体が固相に結合したまま固相を洗浄する工程、
c)固相を、治療用抗体への結合について捕捉抗体と競合する置換抗体と共にインキュベートし、それによって治療用抗体を固相から分離し、置換抗体-治療用抗体-複合体を含む溶液を形成させ、それによって血清含有試料から治療用抗体を濃縮する、工程。
すべての態様および実施形態の一実施形態において、置換抗体は、捕捉抗体と同じ特異性を有し、(わずかに)より高い親和性を有する抗体である。一実施形態では、置換抗体は、捕捉抗体のK値よりも1桁低い治療用抗体への結合のK値(結合親和性の尺度として)を有する。
すべての局面および態様の一態様において、捕捉抗体はビオチン化されており、固相はストレプトアビジンにコンジュゲートされており、捕捉抗体の固定化は抗体のビオチンと固相のストレプトアビジンとの相互作用によるものである。
すべての態様および実施形態の一実施形態において、置換抗体-治療用抗体-複合体の検出は、イムノアッセイにおけるものである。一実施形態において、イムノアッセイは、架橋イムノアッセイ、好ましくは架橋ELISAである。
すべての局面および実施形態の一態様において、置換抗体は標識されており、置換抗体-治療用抗体-複合体の決定は前記標識を検出することによるものである。一実施形態では、置換抗体はジゴキシゲニンにコンジュゲートされ、検出は抗ジゴキシゲニン抗体によるものである。
すべての局面および実施形態の一態様において、治療用抗体は、第1の抗原に特異的に結合する第1の結合部位と、第2の抗原に特異的に結合する第2の結合部位とを含む。一態様において、治療用抗体は、第1の抗原に特異的に結合する1つの結合部位と、第2の抗原に特異的に結合する2つの結合部位とを有する三価の二重特異性抗体である。
すべての局面および態様の一態様において、捕捉抗体もしくは置換抗体またはその両方は抗イディオタイプ抗体である。一実施形態において、捕捉抗体もしくは置換抗体またはその両方は、治療用抗体の第1の結合部位に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体である。
すべての態様および実施形態の好ましい一実施形態において、捕捉抗体は、二重特異性治療用抗体の第1の結合部位に指向的/特異的に結合する抗イディオタイプ抗体である。
すべての局面および実施形態の好ましい一実施形態において、置換抗体は、二重特異性治療用抗体の第1の結合部位に指向的/特異的に結合する抗イディオタイプ抗体である。
すべての局面および実施形態の好ましい一実施形態において、捕捉抗体および置換抗体は、二重特異性治療用抗体の第1の結合部位に指向し/特異的に結合する異なる抗イディオタイプ抗体である。
すべての局面および態様の一態様において、置換抗体-治療用抗体可溶性複合体の捕捉は、治療用抗体の第2の結合特異性に特異的に結合する固定化抗イディオタイプ抗体によるものであり、検出は置換抗体にコンジュゲートされた検出可能な標識によるものである。
すべての局面および実施形態の一態様において、工程d)は、工程c)で得られた溶液を、置換抗体-治療用抗体-複合体を含む溶液で治療用抗体(例えば、治療用抗体の第2の結合部位に特異的に結合する第2の抗原もしくは抗イディオタイプ抗体、またはヒト抗体の定常領域/定常ドメインに特異的に結合する抗体)に特異的に結合する第2の捕捉分子、好ましくは第2の捕捉抗体(第1の捕捉抗体とは異なる)が固定化された第2の固相と共にインキュベートして、固定化された第2の捕捉分子-治療用抗体置換抗体複合体を形成させる工程であり、決定する工程は、前記固定化された第2の捕捉分子-治療用抗体置換抗体複合体を決定することによるものである。一実施形態では、第2の捕捉分子は、治療用抗体への結合について置換抗体と競合しない。
すべての態様および実施形態の一実施形態において、置換抗体は、捕捉抗体または捕捉抗体自体と同じ結合特異性(同じエピトープ)を有する抗体である。
すべての態様及び実施形態の一実施形態では、工程c)の固相は、約6.67nM以上の濃度の置換抗体と共にインキュベートされる。
すべての局面および実施形態の一態様において、血清含有試料は、多重特異性抗体である治療用抗体と、治療用抗体の1つの結合部位を含む単一特異性抗体とを含み、本方法は、治療用抗体の存在または量の決定において単一特異性抗体による干渉が低減された方法である。一実施形態において、試料は、治療用抗体の適用前に単一特異性抗体が適用された個体から得られる。
すべての局面および実施形態の一態様において、治療用抗体は二重特異性抗体または三重特異性抗体または四重特異性抗体である。好ましい実施形態において、多重特異性抗体は、二重特異性(治療用)抗体である。一態様において、二重特異性(治療用)抗体はTCBである。
すべての態様および実施形態の一実施形態において、二重特異性(治療用)抗体は、
- 第1および第2のFab断片であって、前記第1および第2のFab断片の各結合部位が前記第2の抗原に特異的に結合する、第1および第2のFab断片、
- 第3のFab断片であって、前記第3のFab断片の前記結合部位が前記第1の抗原に特異的に結合し、前記軽鎖可変ドメイン(VL)と前記重鎖可変ドメイン(VH)とが互いに入れ替えられるようにドメイン交差を含む、第3のFab断片と、
- Fc領域であって、第1のFc領域のポリペプチドと第2のFc領域のポリペプチドとを含む、Fc領域
を含み、
前記第1および第2のFab断片がそれぞれ、重鎖断片および完全長軽鎖を含み、
前記第1のFab断片の重鎖断片のC末端は、前記第1のFc領域ポリペプチドのN末端に融合されており、
第2のFab断片の重鎖断片のC末端が、第3のFab断片の軽鎖可変ドメインのN末端に融合されており、第3のFab断片の重鎖定常ドメイン1のC末端が、第2のFc領域ポリペプチドのN末端に融合されている。
すべての局面および実施形態の一態様において、二重特異性(治療用)抗体は抗CD3/CD20二重特異性抗体である。一態様において、抗CD3/CD20二重特異性抗体はTCBであり、CD20は第2の抗原である。特定の実施形態では、抗CD3/CD20抗体はRG6026である。
すべての態様および実施形態の一実施形態において、単一特異性抗体は抗CD20抗体である。特定の実施形態では、抗CD20抗体はオビヌツズマブである。
すべての局面および実施形態の一態様において、本方法は、標的結合能を有する多重特異性(二重特異性)抗体を決定するためのものである。
すべての局面および実施形態の一態様において、本方法は、多重特異性(二重特異性)抗体の2つ(両方)の結合部位の標的結合能を決定するためのものである。
すべての局面および実施形態の一態様において、試料は少なくとも10%(v/v)の血清を含む。一実施形態では、試料は約50%(v/v)血清を含む。
すべての態様および実施形態の一実施形態において、固相はマルチウェルプレート(MTP)のウェルである。一実施形態では、MTPは96ウェルマルチウェルプレートである。一実施形態において、マルチウェルプレートのウェルは、320~360μLの総体積を有する。一実施形態において、マルチウェルプレートのウェルは、100~200μLの作業体積を有する。
全ての態様および実施形態の一実施形態では、置換抗体は0.75μg/mL以上の濃度を有する。好ましい一実施形態では、置換抗体は約1μg/mL以上の濃度を有する。
全ての態様および実施形態の一実施形態では、置換抗体を含む100μLを超える溶液を固相に添加する。一実施形態では、置換抗体を含む溶液115μl超を固相に添加する。好ましい一実施形態では、置換抗体を含む溶液135μL以上が添加される。
すべての局面および実施形態の一態様において、置換抗体とのインキュベーションは1時間以上である。一態様において、置換抗体とのインキュベーションは1.5時間以上である。一態様において、置換抗体とのインキュベーションは2時間以上である。好ましい一実施形態では、置換抗体と共にインキュベートすることは、約2.5時間以上である。
すべての態様および実施形態の一実施形態において、約0.75μg/mL以上の濃度の置換抗体を含む100μL超の溶液を固相に添加し、約1.5時間以上インキュベートする。
本発明の実施形態の詳細な説明
本明細書では、置換工程を用いた血清含有試料中の少なくとも二重特異性抗体の測定のためのイムノアッセイを報告する。これにより、イムノアッセイにおける少なくとも二重特異性抗体の1つの結合部位を含む第2抗体の存在に起因する干渉を低減することができる。本発明によるイムノアッセイでは、このような中間置換工程がイムノアッセイ干渉の低減のために初めて使用された。
本発明は、少なくとも部分的には、イムノアッセイにおける血清含有試料中の多重特異性治療用抗体の検出が、固相上での多重特異性治療用抗体の捕捉後に追加の置換工程を挿入することによって改善され得る(多重特異性抗体の1つの結合部位を含む第2の抗体の存在に由来する非特異的干渉を低減するか、またはさらには排除する)という知見に基づく。置換工程では、捕捉抗体-治療用抗体複合体を、例えば治療用抗体上の同じエピトープまたは密接に関連するエピトープに結合することによって、治療用抗体への結合について捕捉抗体と(立体的に)競合する置換抗体と共にインキュベートする。置換抗体による捕捉抗体の置換は、捕捉された治療用抗体の固相からの脱着をもたらし、中間可溶性複合体を形成させる。次いで、この中間体複合体は、その後の工程において、治療用抗体の1つの結合部位を含む抗体による干渉が低減または排除された状態で検出され得る。
定義
「約」という用語は、その後に続く数値の±20%の範囲を表す。一実施形態において、約という用語は、その後に続く数値の±10%の範囲を表す。一実施形態において、約という用語は、その後に続く数値の±5%の範囲を表す。
「治療用(モノクローナル)抗体」および「薬物」という用語は、本明細書では互換的に使用される。本明細書の「抗体」という用語は、最も広範な意味で使用されており、所望の抗原結合活性を呈する限り、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、および抗体断片を含むがこれらに限定されない、種々の抗体構造を包含する。
抗体は、一般に、2つのいわゆる軽鎖ポリペプチド(軽鎖)および2つのいわゆる重鎖ポリペプチド(重鎖)を含む。重鎖および軽鎖ポリペプチドの各々は、抗原と相互作用することができる結合領域を含む可変ドメイン(可変領域)(一般にポリペプチド鎖のアミノ末端部分)を含む。重鎖および軽鎖ポリペプチドの各々は、定常領域(一般にカルボキシル末端部分)を含む。重鎖の定常領域は、i)食細胞などのFcガンマ受容体(Fc R)を有する細胞への、またはii)ブランベル受容体としても知られる胎児性Fc受容体(FcRn)を有する細胞への抗体の結合を媒介する。重鎖の定常領域は、成分(C1q)などの古典的補体系の因子を含むいくつかの因子への結合も媒介する。抗体重鎖の定常ドメインは、CH1ドメイン、CH2ドメインおよびCH3ドメインを含むのに対して、軽鎖は、カッパアイソタイプまたはラムダアイソタイプであり得るただ1つの定常ドメインCLを含む。
次に、免疫グロブリンの軽鎖または重鎖の可変ドメインは、異なるセグメント、すなわち4つのフレームワーク領域(FR)および3つの超可変領域(HVR)を含む。
「超可変領域」または「HVR」という用語は、本明細書で使用される場合、配列において超可変性であり(「相補性決定領域」または「CDR」)、および/または構造的に明確なループ(「超可変ループ」)を形成し、および/または抗原に接触する残基(「抗原接触」)を含有する抗体可変ドメインのそれぞれの領域を指す。一般的に、抗体は、6個のHVRを含み、VHに3個(H1、H2、H3)、VLに3個(L1、L2、L3)含む。本発明の例示的なHVRとして、以下のものが挙げられる。
(a)アミノ酸残基26-32(L1)、50-52(L2)、91-96(L3)、26-32(H1)、53-55(H2)および96-101(H3)で生じる超可変ループ(ChothiaおよびLesk,J.Mol.Biol.196:901-917(1987));
(b)アミノ酸残基24-34(L1)、50-56(L2)、89-97(L3)、31-35b(H1)、50-65(H2)および95-102(H3)に存在するCDR(Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、Public Health Service,National Institutes of Health、Bethesda,MD(1991));
(c)アミノ酸残基27c-36(L1)、46-55(L2)、89-96(L3)、30-35b(H1)、47-58(H2)および93-101(H3)で生じる抗原接触(MacCallumら、J.Mol.Biol.262:732-745(1996));ならびに
(d)(a)、(b)および/または(c)の組合せ、HVRアミノ酸残基46-56(L2)、47-56(L2)、48-56(L2)、49-56(L2)、26-35(H1)、26-35b(H1)、49-65(H2)、93-102(H3)および94-102(H3)を含む。
特に示されない限り、HVR残基および可変ドメイン中の他の残基(例えば、FR残基)は、Kabatらに従って本明細書では番号付けされる。
「価数」という用語は、本出願で使用される場合、(抗体)分子中の指定された結合部位数の存在を表す。したがって、「二価」、「四価」および「六価」という用語は、(抗体)分子中に、それぞれ2つの結合部位、4つの結合部位、および6つの結合部位の存在を表す。本明細書で報告される二重特異性抗体は、好ましい一実施形態では、「二価」である。
抗体の「クラス」とは、その重鎖によって保有される定常ドメインまたは定常領域のタイプを指す。抗体の5つの主要なクラスがあり、即ち、IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMがあり、これらのいくつかは、さらにサブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG、IgG、IgG、IgG、IgA、およびIgAに分かれてもよい。免疫グロブリンの異なるクラスに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれ、α、δ、ε、γおよびμと呼ばれる。
「(抗原への)結合」という用語は、インビトロアッセイにおける、一実施形態では、抗体が表面に結合し、抗体への抗原の結合が表面プラズモン共鳴(SPR)によって測定される結合アッセイにおける、抗体のその抗原への結合を表す。結合は、例えば、標的Aもしくは標的Bに対する抗体、または捕捉分子、例えば、抗体に対する抗ヒトFab捕捉に対する抗体の結合能の測定を意味する。
本明細書で使用される場合、「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に同種の抗体の集団から得られた抗体を指し、すなわち、その集団を構成する個々の抗体は、同一であり、および/または同じエピトープに結合するが、例えば、自然発生突然変異を含有するか、またはモノクローナル抗体調製物の産生中に生じる、起こり得る変異型抗体は例外であり、かかる変異型は一般的に少量で存在する。典型的には異なる決定基(エピトープ)に対して指向する異なる抗体を含むポリクローナル抗体製剤とは対照的に、モノクローナル抗体製剤のそれぞれのモノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基に対して指向する。したがって、修飾語「モノクローナル」は、抗体の実質的に均一な集合から得られる抗体の特徴を示し、任意の特定の方法による抗体の産生を必要とするように解釈すべきではない。例えば、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ法、組み換えDNA法、ファージディスプレイ法、およびヒト免疫グロブリン遺伝子座の全部または一部を含有するトランスジェニック動物を利用する方法を含むが、これらに限定されない多様な技法によって作製することができ、モノクローナル抗体を作製するためのそのような方法および他の例示的な方法が、本明細書に記載されている。
「試料」という用語は、生物または以前の生物からの任意の量の物質を含むが、これらに限定されない。そのような生物には、ヒト、マウス、サル、ラット、ウサギ、および他の動物が含まれるが、これらに限定されない。一実施形態において、試料は、サル、特にカニクイザル、またはウサギ、またはマウス、またはラット、またはヒトから得られる。一実施形態では、試料は、臨床試料である。そのような物質としては、一実施形態では、臨床ルーチンにおいて最も広く使用されている試料源である、個体由来の全血、血漿または血清が挙げられるが、これらに限定されない。
「固相」は非流体物質を表し、ポリマー、金属(常磁性、強磁性粒子)、ガラス、およびセラミックなどの材料から作られた粒子(マイクロ粒子およびビーズを含む);シリカ、アルミナ、およびポリマーゲルなどのゲル物質;ポリマー、金属、ガラス、および/またはセラミックから作られていてもよい、キャピラリー;ゼオライトおよび他の多孔性物質;電極;マイクロタイタープレート;固体ストリップ;ならびにキュベット、チューブまたは他の分光計試料容器が挙げられる。「固体支持体」は、分子と化学的に相互作用することが意図される少なくとも1つの部分をその表面上に含有するという点で、アッセイの固相成分は不活性固体表面から区別される。固相は、チップ、チューブ、ストリップ、キュベット、もしくはマイクロタイタープレートなどの静止した成分であってもよく、またはビーズおよびマイクロ粒子などの静止していない成分であってもよい。タンパク質および他の物質の非共有結合または共有結合の両方を可能とする様々なマイクロ粒子が使用されてもよい。そのような粒子としては、ポリスチレンおよびポリ(メチルメタクリレート)などのポリマー粒子;金ナノ粒子および金コロイドなどの金粒子;ならびにシリカ、ガラス、および金属酸化物粒子などのセラミック粒子が挙げられる。例えば、Martin,C.R.,et al.,Analytical Chemistry-News&Features,70(1998)322A-327A、またはButler,J.E.,Methods22(2000)4-23を参照。
「イムノアッセイ」という用語は、抗体などの特異的に結合する分子を利用して、定性分析または定量分析のための特異的標的を捕捉および/または検出する任意の技術を表す。一般に、イムノアッセイは、以下の工程を特徴とする。1)前記分析物の固定化または捕捉と、2)前記分析物の検出および測定とを含む、方法。分析物は、例えば膜、プラスチックプレート、または他の何らかの固体表面などの任意の固体表面上に捕捉され得る、すなわち結合され得る。
多重特異性抗体
一実施形態では、薬物は二重特異性抗体である。一実施形態では、薬物は三価の二重特異性抗体である。好ましい一実施形態では、薬物は三価の二重特異性モノクローナル抗体である。
特定の実施形態において、抗体は、多重特異性抗体、例えば、少なくとも二重特異性抗体である。多重特異性抗体は、少なくとも2つの異なる抗原に対する結合特異性を有するモノクローナル抗体である。特定の実施形態において、結合特異性の一方は、第1の抗原に対するものであり、他方は、異なる第2の抗原に対するものである。二重特異性抗体は、完全長抗体または抗体断片として調製され得る。一実施形態において、抗体は、第1および第2の抗原に特異的に結合する二重特異性抗体である。一態様において、二重特異性抗体は、i)第1の抗原に特異的に結合する第1の結合特異性、およびii)第2の抗原に特異的に結合する第2の結合特異性を有する。一実施形態では、抗体は二重特異性抗体である。好ましい一実施形態では、抗体は三価の二重特異性モノクローナル抗体である。
多重特異性抗体を作製するための技術には、異なる特異性を有する2つの免疫グロブリン重鎖-軽鎖対の組換え共発現(Milstein,C.およびCuello,A.C.,Nature 305(1983)537-540、国際公開第93/08829号およびTraunecker,A.ら、EMBO J.10(1991)3655-3659参照)および「ノブインホール」操作(例えば、米国特許第5,731,168号明細書を参照)が含まれるが、これらに限定されない。多重特異性抗体はまた、抗体Fc-ヘテロ二量体分子を作製するための静電的ステアリング効果の操作(国際公開第2009/089004号)、2つ以上の抗体または断片を架橋すること(例えば、米国特許第4,676,980号、およびBrennan,M.ら、Science、229(1985)81-83を参照)、ロイシンジッパを使用して二重特異性抗体を産生すること(例えば、Kostelny,S.A.ら、J.Immunol.148(1992)1547-1553を参照;二重特異性抗体断片を作製するための「ダイアボディ」技術を使用すること(例えば、Holliger,P.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、90(1993)6448-6444を参照)、および一本鎖Fv(scFv)二量体を使用すること(例えば、Gruber,M.ら、J.Immunol.152(1994)5368-5374を参照、および、例えば、Tutt,A.ら、J.Immunol.147:(1991)60-69)に記載されるような三重特異性抗体を調製することによっても作製され得る。
多重特異性抗体は、国際公開第2009/080251号、国際公開第2009/080252号、国際公開第2009/080253号、国際公開第2009/080254号、国際公開第2010/112193号、国際公開第2010/115589号、国際公開第2010/136172号、国際公開第2010/145792号または国際公開第2010/145793号に記載されている。
種々の二重特異性抗体フォーマットが知られている。
本明細書に報告される方法を使用することができる例示的な二重特異性抗体フォーマットは、以下のとおりである:
- ドメイン交換形式:第1のFab断片および第2のFab断片を含む多重特異性IgG抗体であって、第1のFab断片において、
a)CH1およびCLドメインのみが互いに置き換えられている(すなわち、第1のFab断片の軽鎖はVLおよびCH1ドメインを含み、第1のFab断片の重鎖はVHおよびCLドメインを含む);
b)VHおよびVLドメインのみが互いに置き換えられている(すなわち、第1のFab断片の軽鎖はVHおよびCLドメインを含み、第1のFab断片の重鎖はVLおよびCH1ドメインを含む);または
c)CH1とCLドメインが互いに置き換えられ、VHおよびVLドメインが互いに置き換えられており(すなわち、第1のFab断片の軽鎖はVHおよびCH1ドメインを含み、第1のFab断片の重鎖はVLおよびCLドメインを含む);かつ
前記第2のFab断片が、VLおよびCLドメインを含む軽鎖と、VHおよびCH1ドメインを含む重鎖とを含み;
ドメイン交換抗体は、CH3ドメインを含む第1の重鎖およびCH3ドメインを含む第2の重鎖を含み得、両方のCH3ドメインは、それぞれのアミノ酸置換によって相補的になるように操作されており、したがって、第1重鎖および修飾第2重鎖のヘテロ二量体化が指示されており、このことは、例えばWO96/27011、WO98/050431、EP1870459、WO2007/110205、WO2007/147901、WO2009/089004、WO2010/129304、WO2011/90754、WO2011/143545、WO2012/058768、WO2013/157954、またはWO2013/096291(参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている;
- 一アーム一本鎖形式(=一アーム一本鎖抗体):第1のエピトープまたは抗原に特異的に結合する第1の結合部位と、第2のエピトープまたは抗原に特異的に結合する第2の結合部位とを含む抗体であって、個々の鎖は以下の通りである
- 軽鎖(軽鎖可変ドメイン+軽鎖κ定常ドメイン)
- 軽鎖/重鎖の組み合わせ(軽鎖可変ドメイン+軽鎖定常ドメイン+ペプチドリンカー+重鎖可変ドメイン+CH1+ヒンジ+CH2+CH3 ノブ変異あり)
- 重鎖(重鎖可変ドメイン+CH1+ヒンジ+CH2+CH3 ホール変異あり);
- 二アーム一本鎖形式(=二アーム一本鎖抗体):第1のエピトープまたは抗原に特異的に結合する第1の結合部位と、第2のエピトープまたは抗原に特異的に結合する第2の結合部位とを含む抗体であって、個々の鎖は以下の通りである
- 軽鎖/重鎖1の組み合わせ(軽鎖可変ドメイン+軽鎖定常ドメイン+ペプチドリンカー+重鎖可変ドメイン+CH1+ヒンジ+CH2+CH3 ホール変異あり)
- 軽鎖/重鎖2の組み合わせ(軽鎖可変ドメイン+軽鎖定常ドメイン+ペプチドリンカー+重鎖可変ドメイン+CH1+ヒンジ+CH2+CH3 ノブ変異あり);
- 一般的な軽鎖二重特異性形式(=一般的な軽鎖二重特異性抗体):第1の抗原に特異的に結合する第1の結合部位および第2の抗原に特異的に結合する第2の結合部位を含む抗体であって、個々の鎖は以下の通りである:
- 軽鎖(軽鎖可変ドメイン+軽鎖定常ドメイン)
- 重鎖1(重鎖可変ドメイン+CH1+ヒンジ+CH2+CH3 ホール変異あり)
- 重鎖2(重鎖可変ドメイン+CH1+ヒンジ+CH2+CH3 ノブ変異あり);
- 二重標的指向性Fab:VHおよびVLドメインの相補的対に2つの(重複しない)パラトープを含むFabであって、第1のパラトープが、VLドメインのCDR1およびCDR3ならびにVHドメインのCDR2由来のアミノ酸残基を含み(からなり)、第2のパラトープが、VHドメインのCDR1およびCDR3ならびにVLドメインのCDR2由来の残基を含む(からなる)Fab;この文脈における「重複しない」という用語は、DutaFabの第1のパラトープ内に含まれるアミノ酸残基が第2のパラトープ内に含まれず、DutaFabの第2のパラトープ内に含まれるアミノ酸が第1のパラトープ内に含まれないことを示す。
- 前記T細胞二重特異性フォーマット(TCB):二重特異性抗体であって、
- 第1および第2のFab断片であって、前記第1および第2のFab断片の各結合部位が第2の抗原に特異的に結合する、第1および第2のFab断片、
- 第3のFab断片であって、前記第3のFab断片の前記結合部位が第1の抗原に特異的に結合し、前記軽鎖可変ドメイン(VL)と前記重鎖可変ドメイン(VH)とが互いに置換されるようにドメイン交差を含む、第3のFab断片、ならびに
- Fc領域であって、第1のFc領域のポリペプチドと第2のFc領域のポリペプチドとを含む、Fc領域
を含み、
前記第1および第2のFab断片はそれぞれ、重鎖断片および完全長軽鎖を含み、
前記第1のFab断片の重鎖断片のC末端は、前記第1のFc領域ポリペプチドのN末端に融合されており、
第2のFab断片の重鎖断片のC末端が、第3のFab断片の軽鎖可変ドメインのN末端に融合されており、第3のFab断片の重鎖定常ドメイン1のC末端が、第2のFc領域ポリペプチドのN末端に融合されている。
一実施形態において、二重特異性抗体はドメイン交換抗体である。
一実施形態において、二重特異性抗体は一アーム一本鎖抗体である。
一実施形態において、二重特異性抗体は二アーム一本鎖抗体である。
一実施形態において、二重特異性抗体は共通の軽鎖二重特異性抗体である。
一実施形態において、二重特異性抗体は二重標的指向性Fabである。
一実施形態では、二重特異性抗体は、T細胞二重特異性抗体である。
多価多重特異性抗体は、異なる標的に特異的に結合し、各標的に対して異なる親和性および複雑な安定性を有する可能性が最も高い。完全に活性な多価多重特異性抗体のみがすべての標的に結合することができ、対応するアッセイにおいて完全な生物学的活性を示す。
本明細書で使用される「CD20-TCB」という用語は、CD20を標的とするTCB(CD20-TCB;RG6026;TCBフォーマットの抗CD3/CD20抗体)を意味し、これは、以前に特徴付けられた2:1 TCB分子フォーマット(例えば、Bacac,M.ら、Clin.Cancer Res.22(2016)3286-3297;Bacac,M.ら、Oncoimmunology 5(2016)e1203498)において、CD20への高結合活性二価結合ならびにBおよびT細胞結合ドメインの頭尾配向によって可能にされる長い半減期および高い効力を有する。
イムノアッセイ
異なるイムノアッセイの原理は、当技術分野に記載されている。例えば、Hage,D.S.(Anal.Chem.71(1999)294R-304R)。Lu,B.ら(Analyst 121(1996)29R-32R)は、イムノアッセイに使用するための抗体の配向固定化を報告している。アビジン-ビオチン媒介イムノアッセイは、例えば、Wilchek,M.およびBayer,E.A.、Methods Enzymol.184(1990)467-469に報告されている。
モノクローナル抗体およびそれらの定常ドメインは、ポリペプチド/タンパク質、ポリマー(例えば、PEG、セルロースまたはポリスチロール)、または酵素などの結合対のメンバーに結合するためのいくつかの反応性アミノ酸側鎖を含む。アミノ酸の化学反応性基は、例えば、アミノ基(リシン、アルファ-アミノ基)、チオール基(シスチン、システインおよびメチオニン)、カルボン酸基(アスパラギン酸、グルタミン酸)、および糖アルコール基である。そのような方法は、例えば、「Bioconjugation」、MacMillan Ref.Ltd.,1999,pages 50-100。
抗体の最も一般的な反応基の1つは、アミノ酸リジンの脂肪族ε-アミンである。一般に、ほぼすべての抗体は豊富なリジンを含有する。リジンアミンは、pH8.0(pKa=9.18)を超えると適度に良好な求核剤であるため、様々な試薬と容易かつ清浄に反応して安定な結合を形成する。アミン反応性試薬は、主にリシンおよびタンパク質のα-アミノ基と反応する。反応性エステル、特にN-ヒドロキシ-スクシンイミド(NHS)エステルは、アミン基の修飾のために最も一般的に使用される試薬の1つである。水性環境下での反応に最適なpHはpH8.0~9.0である。イソチオシアネートはアミン修飾試薬であり、タンパク質とチオ尿素結合を形成する。それらは、水溶液中のタンパク質アミン(最適にはpH9.0~9.5で)と反応する。アルデヒドは、穏やかな水性条件下で脂肪族および芳香族アミン、ヒドラジン、およびヒドラジドと反応して、イミン中間体(シッフ塩基)を形成する。シッフ塩基は、穏やかなまたは強い還元剤(水素化ホウ素ナトリウムまたはシアノ水素化ホウ素ナトリウムなど)で選択的に還元されて、安定なアルキルアミン結合を誘導することができる。アミンを修飾するために使用されている他の試薬は、酸無水物である。例えば、ジエチレントリアミン五酢酸無水物(DTPA)は、2つのアミン反応性無水物基を含有する二官能性キレート剤である。これは、アミノ酸のN末端およびε-アミン基と反応してアミド結合を形成することができる。無水物環は開環して、配位錯体中の金属に強く結合することができる多価の金属キレート化アームを生成する。
抗体における別の一般的な反応基は、硫黄含有アミノ酸シスチン及びその還元生成物システイン(又は半シスチン)からのチオール残基である。システインは、アミンよりも求核性であり、一般にタンパク質中で最も反応性の官能基である遊離チオール基を含有する。チオールは一般に中性pHで反応性であるため、アミンの存在下で他の分子に選択的に結合することができる。遊離スルフヒドリル基は比較的反応性であるため、これらの基を有するタンパク質は、ジスルフィド基またはジスルフィド結合としてそれらの酸化形態で存在することが多い。そのようなタンパク質では、反応性遊離チオールを生成するためにジチオスレイトール(DTT)などの試薬によるジスルフィド結合の還元が必要である。チオール反応性試薬は、ポリペプチド上のチオール基に結合してチオエーテル結合生成物を形成する試薬である。これらの試薬は、わずかな酸性から中性のpHで迅速に反応し、したがってアミン基の存在下で選択的に反応することができる。文献は、トラウト試薬(2-イミノチオラン)、スクシンイミジル(アセチルチオ)アセテート(SATA)およびスルホスクシンイミジル6-[3-(2-ピリジルジチオ)プロピオンアミド]ヘキサノエート(Sulfo-LC-SPDP)などのいくつかのチオール化架橋試薬の使用を報告して、反応性アミノ基を介して複数のスルフヒドリル基を導入する効率的な方法を提供する。ハロアセチル誘導体、例えばヨードアセトアミドは、チオエーテル結合を形成し、チオール修飾のための試薬でもある。さらなる有用な試薬はマレイミドである。マレイミドとチオール反応性試薬との反応は、ヨードアセトアミドと本質的に同じである。マレイミドは、わずかな酸性から中性のpHで迅速に反応する。
抗体における別の一般的な反応基はカルボン酸である。抗体は、C末端位置およびアスパラギン酸およびグルタミン酸の側鎖内にカルボン酸基を含有する。水中のカルボン酸の比較的低い反応性は、通常、ポリペプチドおよび抗体を選択的に修飾するためにこれらの基を使用することを困難にする。この際、カルボン酸基は、通常、水溶性カルボジイミドを用いて反応性エステルに変換され、アミン、ヒドラジド、ヒドラジン等の求核試薬と反応する。アミン含有試薬は、リジンのより高度に塩基性のε-アミンの存在下で活性化カルボン酸と選択的に反応して安定なアミド結合を形成するために、弱塩基性でなければならない。pHが8.0を超えて上昇すると、タンパク質架橋が起こり得る。
過ヨウ素酸ナトリウムを使用して、抗体に結合した炭水化物部分内の糖のアルコール部分をアルデヒドに酸化することができる。各アルデヒド基は、カルボン酸について記載されるように、アミン、ヒドラジド、またはヒドラジンと反応させることができる。炭水化物部分は主に抗体の結晶化可能な断片領域(Fc領域)上に見出されるので、抗原結合部位から離れた炭水化物の部位特異的修飾によってコンジュゲーションを達成することができる。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(穏やかで選択的)または水素化ホウ素ナトリウム(強い)水溶性還元剤による中間体の還元によってアルキルアミンに還元することができるシッフ塩基中間体が形成される。
トレーサーおよび/または捕捉および/または検出抗体とそのコンジュゲーションパートナーとのコンジュゲーションは、化学結合または結合対を介した結合などの異なる方法によって行うことができる。本明細書で使用される「コンジュゲーションパートナー」という用語は、例えば固体支持体、ポリペプチド、検出可能な標識、特異的結合対のメンバーを示す。一実施形態では、捕捉および/またはトレーサーおよび/または検出抗体とそのコンジュゲーションパートナーとの結合は、N末端および/またはε-アミノ基(リジン)、異なるリジンのε-アミノ基、抗体のアミノ酸骨格のカルボキシ-、スルフヒドリル-、ヒドロキシル-、および/またはフェノール官能基、ならびに/あるいは抗体の炭水化物構造の糖アルコール基を介して化学的に結合することによって行われる。一実施形態において、捕捉抗体は、結合対を介してそのコンジュゲーションパートナーに結合体化される。1つの好ましい実施形態では、捕捉抗体をビオチンにコンジュゲートさせ、固体支持体への固定化を、アビジンまたはストレプトアビジンが固定化された固体支持体を介して行う。一実施形態において、捕捉抗体は、結合対を介してそのコンジュゲーションパートナーに結合体化される。1つの好ましい実施形態では、トレーサー抗体は、検出可能な標識として共有結合によってジゴキシゲニンにコンジュゲートされる。
色素原(蛍光または発光基および色素)、酵素、NMR活性基または金属粒子、ハプテン、例えばジゴキシゲニンは、「検出可能な標識」の例である。検出可能な標識はまた、光活性化可能な架橋基、例えばアジドまたはアジリン基であり得る。電気化学発光によって検出することができる金属キレートも好ましいシグナル放出基であり、ルテニウムキレート、例えばルテニウム(ビスピリジル)32+キレートが特に好ましい。適切なルテニウム標識基は、例えば、EP0580979、国際公開第90/05301、際公開第90/11511および際公開第92/14138に記載されている。直接検出のために、標識基は、任意の既知の検出可能なマーカー基、例えば色素、発光標識基、例えば化学発光基、例えばアクリジニウムエステルもしくはジオキセタン、または蛍光色素、例えばフルオレセイン、クマリン、ローダミン、オキサジン、レゾルフィン、シアニンおよびそれらの誘導体から選択することができる。標識基の他の例は、ルテニウムまたはユーロピウム錯体などの発光金属錯体、例えばELISAまたはCEDIA(クローニングされた酵素ドナーイムノアッセイ、例えば、EP-A-0 061 888)に使用される酵素、および放射性同位体である。
間接検出システムは、例えば、検出試薬、例えば検出抗体が結合対の第1のパートナーで標識されることを含む。適切な結合対の例は、抗原/抗体、ビオチンまたはビオチン類似体、例えばアミノビオチン、イミノビオチンまたはデスチオビオチン/アビジンまたはストレプトアビジン、糖/レクチン、核酸または核酸類似体/相補的核酸、および受容体/リガンド、例えばステロイドホルモン受容体/ステロイドホルモンである。好ましい一実施形態において、第1の結合対メンバーは、ハプテン、抗原およびホルモンを含む。好ましい一実施形態では、ハプテンは、ジゴキシン、ジゴキシゲニンおよびビオチンならびにそれらの類似体からなる群から選択される。そのような結合対の第2のパートナー、例えば抗体、ストレプトアビジンなどは、通常、例えば上記のような標識による直接検出を可能にするように標識される。
イムノアッセイは、一般に3つの異なるフォーマットで行うことができる。1つは直接検出によるもの、1つは間接検出によるもの、またはサンドイッチアッセイによるものである。直接検出イムノアッセイは、直接測定することができる検出(またはトレーサー)抗体を使用する。酵素または他の分子は、シグナルを可視化または測定することを可能にする色、蛍光または発光を生成するシグナルの生成を可能にする(今日では一般的に使用されていないが、放射性同位元素も使用することができる。)。間接アッセイでは、分析物に結合する一次抗体を使用して、一次抗体によって提供される標的に特異的に結合する二次抗体(トレーサー抗体)のための定義された標的を提供する(検出器またはトレーサー抗体と呼ばれる)。二次抗体は、測定可能なシグナルを生成する。サンドイッチアッセイは、捕捉抗体およびトレーサー(検出器)抗体の2つの抗体を利用する。捕捉抗体は、溶液からの分析物に結合(固定化)するため、または溶液中で分析物に結合するために使用される。これにより、検体を試料から特異的に除去することができる。トレーサー(検出器)抗体を第2の工程で使用して、シグナルを生成する(上記のように直接的または間接的に)。サンドイッチ形式は、それぞれが標的分子上に異なるエピトープを有する2つの抗体を必要とする。さらに、両方の抗体が同時に標的に結合しなければならないので、それらは互いに干渉してはならない。
イムノアッセイにおける二重特異性抗体の決定のための異なる原理が当業者に知られている。
1)以下を用いる捕捉:
- 抗原の1つ;
- 結合部位の1つに対する抗イディオタイプ抗体。
2)以下を用いる検出:
- それぞれの他の抗原;
- それぞれの他の結合部位に対する抗イディオタイプ抗体。
これらは互いに独立して組み合わせることができる。
本発明による置換イムノアッセイの態様
本発明は、血清試料中の多重特異性治療用抗体の決定が、治療用抗体の1つの結合特異性を含む単一特異性抗体からの干渉によって妨害され得るという知見に少なくとも部分的に基づく。これらは、多重特異性治療用抗体の適用前の前記単一特異性抗体の適用に起因して存在し得る。
通常、血清含有試料中の多重特異性治療用抗体を決定するためのイムノアッセイでは、試料からの治療用抗体の第1工程抽出は、多重特異性治療用抗体に特異的な、例えば多重特異性治療用抗体の結合特異性に特異的に結合する固相に結合した捕捉試薬によって行われる。第2の工程では、固相捕捉多重特異性治療用抗体の決定は、検出試薬、例えば捕捉工程で使用されるものとは異なる多重特異性治療用抗体の結合特異性に特異的に結合することによって行われる。図1において、これは、例示的な捕捉および検出試薬としての二重特異性治療用抗体の第1および第2の結合特異性のための抗イディオタイプ抗体を用いて例示される。
試料が多重特異性の治療用抗体の他に、治療用抗体の結合部位の1つと同様の結合特異性を有する少なくとも1つの結合部位を有する単一特異性抗体も含む場合、治療用抗体からの干渉は、固相への(非特異的な)結合、それによる偽陽性シグナルの生成、すなわち捕捉試薬の特異性に基づいてアッセイの特異性を偏らせることによって起こり得る。これを図2に示す。これは、単一特異性抗体が多重特異性抗体を超えて、例えば一実施形態では1,000倍以上、一実施形態では1万倍以上、または一実施形態では10万倍以上存在する場合に特に差し迫っている。
ここで、形成された捕捉抗体-治療用抗体複合体が、固定化複合体中の捕捉抗体を置換する置換抗体とのインキュベーションによって固相から脱着される場合、単一特異性抗体によるそのような非特異的バイアスを低減または排除することができることが見出された。それによって生成された置換抗体-治療用抗体-複合体は可溶性であり、新しい区画に移した後に特異的に検出することができる。検出のための脱着した複合体の捕捉は、好ましくは治療用抗体の第2の結合特異性によるものであり、それにより、架橋アッセイを反転させる。非特異的に結合した単一特異性抗体は、この工程では脱着されない。それにより、単一特異性抗体の干渉を低減することができ、または排除することさえできる。
好ましい一実施形態では、血清含有試料中の多重特異性治療用抗体、好ましくは二重特異性抗体を決定するための方法であって、以下の工程を含む方法が本明細書に報告される:
a)前記治療用抗体に特異的に結合する捕捉剤が固定化された固相を前記試料とともにインキュベートして、固定化捕捉剤-治療用抗体複合体を形成させる、工程と、
b)固相を、治療用抗体への結合について捕捉剤と競合する置換剤と共にインキュベートし、それによって置換剤-治療用抗体複合体を含む溶液を形成させることによって固相から治療用抗体を脱離させる、工程と、
c)工程b)で得られた溶液中の置換剤-治療用抗体複合体を決定し、それによって血清含有試料中の治療用抗体を決定する、工程。
捕捉剤および置換剤は、両方の薬剤が治療用抗体における結合部位について互いに競合する限り、すなわち、置換剤が治療用抗体に結合すると捕捉剤を置換する限り、治療用抗体に特異的に結合する任意の化合物であり得る。置換の効率に影響を及ぼすが置換自体は行わない二次パラメータは、置換抗体の使用量/過剰量およびインキュベーション時間である。
例示的な組み合わせまたは捕捉剤と置換剤は以下の通りである:
- 捕捉剤:抗イディオタイプ抗体1;置換剤:抗イディオタイプ抗体2;抗イディオタイプ抗体1および2は、治療用抗体への結合について互いに競合する;
- 捕捉剤:治療用抗体の1つの抗原;置換剤:抗イディオタイプ抗体;抗イディオタイプ抗体は、治療用抗体への結合について抗原と競合する;
- 捕捉剤:抗イディオタイプ抗体;置換剤:抗原;抗イディオタイプ抗体は、治療用抗体への結合について抗原と競合する;
- 捕捉剤:抗原;置換剤:抗原
- 捕捉剤:抗変異型Fc領域抗体(例えば抗P329G抗体または抗L234A/L235A抗体);置換剤:抗変異型Fc領域抗体(例えば、それぞれ同じ抗PG抗体または同じ抗L234A/L235A抗体)。
好ましい一実施形態では、血清含有試料中の多重特異性治療用抗体、好ましくは二重特異性抗体を決定するための方法であって、以下の工程を含む方法が本明細書に報告される:
a)前記治療用抗体に特異的に結合する捕捉抗体が固定化された固相を前記試料とともにインキュベートして、固定化された捕捉抗体-治療用抗体複合体を形成させる、工程と、
b)治療用抗体への結合について捕捉抗体と競合する置換抗体と固相をインキュベートし、それによって置換抗体-治療用抗体-複合体を含む溶液を形成させることによって固相から治療用抗体を脱離させる、工程と、
c)工程b)で得られた溶液中の置換抗体-治療用抗体-複合体を決定し、それによって血清含有試料中の治療用抗体を決定する、工程。
本発明による方法は、TCBフォーマット(CD20-TCB)の抗CD3/CD20二重特異性抗体を用いて以下に例示される。この実施例は、本発明による方法の例示としてのみ提示され、限定として解釈されるべきではない。本発明の真の範囲は、特許請求の範囲において定められる。
CD20-TCBおよびGazyva(登録商標)/Gazyvaro(登録商標)(抗CD20抗体)前処理は、リンパ腫患者の治療のための強力でより安全なアプローチであり、現在、再発性/難治性非ホジキンリンパ腫(NCT03075696)患者における第I相多施設試験で評価されている(Bacac,M.ら、Clin.Cancer.Res.24(2018)1-13)。
それぞれの単一特異性抗CD20抗体(濃度200μg/mL)の存在下で、二重特異性CD20-TCB(濃度1ng/mL)の決定のために、捕捉抗体として抗イディオタイプ抗CD3結合部位抗体を使用し、検出抗体として抗イディオタイプ抗CD20結合部位抗体を使用する、図1に示されるスキームに従った標準的な最先端の架橋イムノアッセイを使用する場合、浅い曲線しか得ることができない(実施例1a、図3参照。)。
単一特異性抗CD20抗体の非存在下では、急峻な曲線が得られる(実施例1b、図4参照。)。
分析物を捕捉するための抗イディオタイプ抗CD3結合部位抗体を使用する特異的架橋イムノアッセイを、単一特異性抗CD20抗体のみを含む試料を用いてCD20-TCBの非存在下で行った。この場合、抗イディオタイプ抗CD3結合部位抗体の存在下および非存在下でシグナルを得ることができた(実施例1c参照)。
したがって、CD20-TCB架橋アッセイにおける単一特異性抗CD20抗体の干渉は、固相との非特異的相互作用に由来する。
CD20-TCBは、Fc領域に特異的突然変異を含む(P329G、ナンバリングはKabatに従う)。したがって、検出抗体として抗P329G-Fc領域抗体を使用する代替的な架橋アッセイを行った。ここで、対応する抗CD20抗体の存在下および非存在下で、正しい架橋シグナルが得られた。しかし、このアッセイを使用する場合、CD20-TCBのCD20結合部位の標的結合能に関する情報は、この結合部位が生成されたシグナルにもはや寄与しないので、得ることができない(実施例2、図5参照。)。
CD20-TCBの両方の結合部位の標的結合能を単一のアッセイで対処できるように、当技術分野で公知の異なるアプローチを試験して抗CD20抗体の非特異的結合に対処した。
固定化された抗イディオタイプ抗CD20結合部位抗体が試料中に存在する単一特異性抗CD20抗体によって飽和され、それによってアッセイ感度が大幅に低下するので、捕捉抗体および検出抗体の単純な切り替えは実現不可能である。
次に、捕捉抗体の固相上への固定化に用いたストレプトアビジン密度の低下を試験した。それにより、非特異的結合を減少させることができたが、依然として低濃度品質管理(LQC)および定量下限品質管理(LLQC)の真度が影響を受けた(実施例3参照)。この効果も頑強ではなく、その結果、例えば、高いアッセイ間変動が生じ、適切でないイムノアッセイがもたらされた(実施例3参照)。
異なる緩衝液を試験した。中密度ストレプトアビジン固相と組み合わせたPBS中1%カゼインの使用は、ユニバーサル緩衝液中で行われたアッセイと比較して、単一特異性抗CD20抗体のより低い干渉を提供した。適切なアッセイ範囲を決定し、品質管理(QC)の真度評価およびアッセイ間精度によってアッセイ性能を評価した。結果は干渉の減少を示したが、同時にQCおよび干渉の減少はロバストではなく、高いアッセイ間変動を示した(実施例4参照)。LLQCレベルでの特異性/選択性評価はまた、真度に関する検証基準が達成されなかったので、この方法が十分にロバストではなかったことを明らかにした(データは示さず)。同様に、培地ストレプトアビジン密度、ユニバーサル緩衝液および酸性洗浄条件(pH5.5)を使用すると、干渉が減少したが、同時にQCおよび干渉の減少は頑強ではなく、高いアッセイ間変動を示した(実施例5参照)。
ここで、上記の問題は、本方法に中間の交換/置換工程を含めることによって解決されることが分かった。すなわち、最初にCD20-TCBが抗イディオタイプ抗CD3結合部位抗体によって捕捉され、その後、形成された複合体が分析のために固体表面から置き換えられる。より詳細には、試料からのCD20-TCBの捕捉は、第1のアッセイプレート上の固定化抗イディオタイプ抗CD3結合部位抗体とのインキュベーションによって達成される。平衡に達した後、または複合体中の固定化された捕捉抗体の可溶性抗イディオタイプ抗CD3結合部位抗体(置換が達成され得る限り、捕捉抗体と同じであるか、または異なる、例えば同じエピトープに結合するか、または立体的に干渉する)による指定された時間の置き換えが行われる。それにより、この理論に拘束されることなく、結合したCD20-TCBのみが上清に遊離し、非特異的に結合した単一特異性抗CD20抗体は固相に結合したままである。その後、上清を、抗イディオタイプ抗CD20結合部位抗体が捕捉抗体として固定化されている、すなわち架橋を反転させる第2のアッセイプレートに移す。
したがって、本発明によるイムノアッセイ設定を使用する場合、1ng/mL以下のアッセイ感度の要件、および大過剰(約1:25万)の単一特異性抗CD20抗体の存在下での標的結合能を有するCD20-TCBの同定が達成される。さらに、本発明によるイムノアッセイは、1営業日以内に実施することが可能であり、ロバストである。
さらに、本発明によるイムノアッセイ設定は、最大50%の血清のマトリックス含有量で行うことができ、感度を高めることができる。
図6は置換工程を含む本発明による架橋イムノアッセイについての濃度-応答曲線を示す。それぞれの単一特異性抗CD20抗体の存在下および非存在下で良好な応答を得ることができる。実施例6は、それぞれの説明およびデータを記載している。
以下の表は、異なるアッセイ形式および上記のようなそれらの特徴的な特性の比較を提供する(ID=イディオタイプ)。
Figure 2022533592000001
CD20-TCBについての本発明によるアッセイは、首尾よく適格であった。
Figure 2022533592000002
以下の実施例および図は、本発明の理解を助けるために提供されており、本発明の真の範囲は、添付の特許請求の範囲に記載されている。本発明の思想から逸脱することなく、定められた手順に変更を加えることができると理解される。
二重特異性抗体を測定するためのイムノアッセイのスキーム:捕捉試薬による固相への二重特異性抗体の固定(SA-MTP;ストレプトアビジン被覆マイクロタイタープレート)および検出試薬による結合二重特異性抗体の測定。 偏ったイムノアッセイのスキーム:単一特異性抗体と固相との直接相互作用、それによって特異的捕捉工程を偏らせる。 それぞれの単一特異性抗CD20抗体の存在下で二重特異性CD20-TCBを決定するために、捕捉抗体として抗イディオタイプ抗CD3結合部位抗体を使用し、検出抗体として抗イディオタイプ抗CD20結合部位抗体を使用する架橋イムノアッセイの濃度-応答曲線。 それぞれの単一特異性抗CD20抗体の非存在下での二重特異性CD20-TCBの決定のために、捕捉抗体として抗イディオタイプ抗CD3結合部位抗体を使用し、検出抗体として抗イディオタイプ抗CD20結合部位抗体を使用する架橋イムノアッセイの濃度-応答曲線。 それぞれの単一特異性抗CD20抗体の存在下および非存在下で二重特異性CD20-TCBを決定するために、捕捉抗体として抗イディオタイプ抗CD3結合部位抗体を使用し、検出抗体として抗P329G抗体を使用する架橋イムノアッセイの濃度-応答曲線。 それぞれの単一特異性抗CD20抗体の存在下および非存在下でのさらなる置換工程を含む、本発明による架橋イムノアッセイの濃度-応答曲線。
実施例1
二重抗イディオタイプ抗体を用いた架橋イムノアッセイ
一般的な手順:
マウスモノクローナル抗体は、Roche Diagnostics GmbH(ドイツ)によって製造された。抗イディオタイプ抗CD3結合部位抗体としてビオチン化M-4.25.93-IgGを使用し、抗イディオタイプ抗CD20結合部位抗体としてジゴキシゲニル化M-6.15.528-IgG-Digを使用した。
CD20-TCBキャリブレータまたはQC(品質管理)、ならびにCD20-TCBおよび抗CD20抗体を含む試料を、スイスのTrina Bioreactivesから得た100%プールヒト血清または100%カニクイザルプール血清(セララブ、英国)で調製した。
抗体調製物および血清試料希釈物をユニバーサル緩衝液(Roche Diagnostics GmbH、ドイツ)中で作製した。各洗浄は、300μLのPBS、0.05%のTween20(Sigma Aldrich、ドイツ)による3工程を含み、インキュベーション工程は、500rpmで振盪しながら室温で行い、ウェルあたりの作業体積は100μLであった。
捕捉のために、ストレプトアビジンプレート(高結合容量、Microcoat GmbH、Bernried、ドイツ)を0.2μg/mLのM-4.25.93-IgG-Biで1時間コーティングし、未結合抗体を洗浄によって除去し、続いて希釈(1:10)血清試料を添加し、1時間インキュベートした。洗浄後、分析物検出を、西洋ワサビペルオキシダーゼ(Roche Diagnostics GmbH、ドイツ;40mU、50分)に共有結合したM-6.15.528-IgG-Dig(0.2μg/mL、50分)および<Dig>-Fab断片の連続添加によって行った。この工程の間および後に洗浄工程を適用した。ABTS(2´2´-アジノ-ビス-3-エチル-ベンズチアゾリン-6-スルホン酸;Roche Diagnostics GmbH、ドイツ)を発色反応の基質として添加し、これを405nm(参照波長490nm)での測光的読み出しによってモニターした。試料を二連で分析し、平均吸光度値を計算し、さらに処理した。濃度は、非線形4パラメータ曲線当てはめ関数(Wiemer-Rodbard)を用いて検量線から逆計算によって決定した。真度は、添加血清試料中の公称濃度に関連して計算した。
a)CD20-TCBおよび200μg/mL抗CD20抗体を含む試料:
Figure 2022533592000003
b)CD20-TCBのみを含む試料:
Figure 2022533592000004
c)抗CD20抗体のみを含む試料(10%カニクイザル血清のCD20-TCB較正曲線で逆算した値):
Figure 2022533592000005
実施例2
抗イディオタイプ抗体捕捉および抗P329G抗体検出を用いた架橋イムノアッセイ
一般的な手順:
一般:4工程サンドイッチElisa
・500rpmで振盪しながらの室温でのインキュベーション
・作用値:100μL
・洗浄(以下、wと表記する):3×300μLのPBS、0.05% Tween20
・反復数n=2、平均吸光度値の計算
・較正曲線適合:非線形4パラメータ曲線適合関数(Wiemer-Rodbard)
・アッセイ範囲:1ng/mL-100ng/mL
試薬:
・ヒトプール血清;Trina Bioreactives、スイス
・マウスモノクローナル抗体;Roche Diagnostics GmbH、ドイツ
・ビオチン化された抗イディオタイプ抗CD3結合部位抗体:M-4.25.93-IgG-Bi
・抗P329G抗体M-1.7.24-IgG-Dig
・ストレプトアビジンプレート(高結合能);Microcoat GmbH,Bernried,Germany
・ユニバーサルバッファ(以下、UBと表記);Roche Diagnostics GmbH、ドイツ
・洗浄バッファー;1×PBS、0.05% Tween(Sigma Aldrich、ドイツ)
・<Dig>-Fab断片が西洋ワサビペルオキシダーゼに共有結合したもの(<Dig>-Fab-POD);Roche Diagnostics GmbH、ドイツ
・2´2´-アジノ-ビス-3-エチル-ベンズチアゾリン-6-スルホン酸(ABTS);Roche Diagnostics GmbH、ドイツ
アッセイ実施:
・コーティング0.2μg/mL M-4.25.93-IgG-Bi、1時間、w
・試料:UBで1から10、1時間、w
・検出1:0.2μg/mL M-1.7.24-IgG-Dig、50分、w
・検出2:50mU<Dig>-Fab-POD、50分、w
・基質反応:ABTS、405nm(基準波長490nm)での反復吸光度測定
a)CD20-TCBおよび200μg/mL抗CD20抗体を含む試料:
Figure 2022533592000006
b)CD20-TCBのみを含む試料:
Figure 2022533592000007
実施例3
固定化密度を低下させた二重抗イディオタイプ抗体を用いた架橋イムノアッセイ
一般的な手順:
中程度の結合能を有するストレプトアビジンプレート(Microcoat GmbH,Bernried,Germany)を使用することを除いて、実施例1に記載したのと同じ手順
a)CD20-TCBおよび200μg/mL抗CD20抗体を含む試料:
Figure 2022533592000008
b)CD20-TCBのみを含む試料:
Figure 2022533592000009
実施例4
アッセイ緩衝液としてのPBS中1%カゼインを用いた、低い固定化密度での二重抗イディオタイプ抗体を用いた架橋イムノアッセイ
一般的な手順:
一般:4工程サンドイッチElisa
・500rpmで振盪しながらの室温でのインキュベーション
・作用値:100μL
・洗浄(以下、wと表記する):3×300μLのPBS、0.05%のTween20
・反復数n=2、平均吸光度値の計算
・較正曲線適合:非線形4パラメータ曲線適合関数(Wiemer-Rodbard)
・アッセイ範囲:1ng/mL-64ng/mL
試薬:
・ヒトプール血清;Trina Bioreactives、スイス
・マウスモノクローナル抗体;Roche Diagnostics GmbH、ドイツ
〇 ビオチン化された抗イディオタイプ抗CD3結合部位抗体:M-4.25.93-IgG-Bi
〇 抗イディオタイプ抗CD20結合部位抗体、ジゴキシゲニル化:M-6.15.528-IgG-Dig
・ストレプトアビジンプレート(培地結合能);Microcoat GmbH,Bernried,Germany
・カゼイン(Hammersten);VWR Prolabo Chemicals、ドイツ
・アッセイ緩衝液(以下、ABと記す):1×PBS中1%カゼイン(Roche Diagnostics GmbH、ドイツ)
・洗浄バッファー;1×PBS、0.05% Tween(Sigma Aldrich、ドイツ)
・<Dig>-Fab断片が西洋ワサビペルオキシダーゼに共有結合したもの(<Dig>-Fab-POD);Roche Diagnostics GmbH、ドイツ
・2´2´-アジノ-ビス-3-エチル-ベンズチアゾリン-6-スルホン酸(ABTS);Roche Diagnostics GmbH、ドイツ
アッセイ実施:
・コーティング0.25μg/mL M-4.25.93-IgG-Bi、1時間、w
・試料:ABで1から10、1時間、w
・検出1:0.25μg/mL M-6.15.528-IgG-Dig、60分、w
・検出2:40mU<Dig>-Fab-POD、60分、w
・基質反応:ABTS、405nm(基準波長490nm)での反復吸光度測定
a)CD20-TCBおよび200μg/mL抗CD20抗体を含む試料:
Figure 2022533592000010
Figure 2022533592000011
b)CD20-TCBのみを含む試料:
Figure 2022533592000012
Figure 2022533592000013
実施例5
酸性(pH5.5)洗浄条件下で固定化密度を低下させた二重抗イディオタイプ抗体を用いた架橋イムノアッセイ
一般的な手順:
一般:4工程サンドイッチElisa
・500rpmで振盪しながらの室温でのインキュベーション
・作用値:100μL
・洗浄(以下、wと表記する):3×300μLのPBS、0.05%のTween20、pH5.5
・反復数n=2、平均吸光度値の計算
・較正曲線適合:非線形4パラメータ曲線適合関数(Wiemer-Rodbard)
・アッセイ範囲:1ng/mL-64ng/mL
試薬:
・ヒトプール血清;Trina Bioreactives、スイス
・マウスモノクローナル抗体;Roche Diagnostics GmbH、ドイツ
〇 ビオチン化された抗イディオタイプ抗CD3結合部位抗体:M-4.25.93-IgG-Bi
〇 抗イディオタイプ抗CD20結合部位抗体、ジゴキシゲニル化:M-6.15.528-IgG-Dig
・ストレプトアビジンプレート(培地結合能);Microcoat GmbH,Bernried,Germany
・アッセイ緩衝液ユニバーサルバッファ(以下、UBと表記);Roche Diagnostics GmbH、ドイツ
・洗浄バッファー;1×PBS、0.05% Tween、pH5.5(Sigma Aldrich、ドイツ、2M HClでpH調整、Sigma Aldrich、ドイツ)
・<Dig>-Fab断片が西洋ワサビペルオキシダーゼに共有結合したもの(<Dig>-Fab-POD);Roche Diagnostics GmbH、ドイツ
・3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン(TMB);Roche Diagnostics GmbH、ドイツ
・1M HSO4;Carl Roth、ドイツ
アッセイ実施:
・コーティング0.25μg/mL M-4.25.93-IgG-Bi、1時間、w
・試料:UBで1から10、1時間、w
・検出1:0.25μg/mL M-6.15.528-IgG-Dig、60分、w
・検出2:10mU<Dig>-Fab-POD、60分、w
・基質反応:TMB、50μLの1M HSOで停止
・450nm(参照波長690nm)での光読み出し
a)CD20-TCBおよび200μg/mL抗CD20抗体を含む試料:
Figure 2022533592000014
Figure 2022533592000015
b)CD20-TCBのみを含む試料:
Figure 2022533592000016
Figure 2022533592000017
実施例6
本発明による架橋イムノアッセイ
一般的な手順:
マウスモノクローナル抗体は、Roche Diagnostics GmbH(ドイツ)によって製造された。抗イディオタイプ抗CD3結合部位抗体として、ビオチン化M-4.35.77-IgGおよびジゴキシゲニル化M-4.25.93-IgGを使用し、抗イディオタイプ抗CD20結合部位抗体として、ビオチン化M-6.15.528を使用した。
CD20-TCBキャリブレータまたはQC(品質管理)ならびにCD20-TCBおよび抗CD20抗体を含む試料を、スイスのTrina Bioreactivesから得た100%プールヒト血清で調製した。抗体調製物および血清試料希釈物をユニバーサル緩衝液(Roche Diagnostics GmbH、ドイツ)中で作製した。各洗浄は、300μLのPBS、0.05%のTween20(Sigma Aldrich、ドイツ)による3工程を含んだ。500rpmで振盪しながら室温でインキュベーション工程を行った。手順を2つのストレプトアビジンコーティングマイクロタイタープレート(SA-MTP1および2、高結合容量、Microcoat GmbH、Bernried、ドイツ)で実施した2つの部分に分けた。
第1部:捕捉のために、SA-MTP1を135μL/ウェルの0.21μg/mL M-4.35.77-IgG-Biで1時間コーティングし、未結合抗体を洗浄によって除去し、続いて67.5μL/ウェルのユニバーサル緩衝液および67.5μL/ウェル血清試料(50%マトリックスをもたらす)を連続的に添加し、35分間インキュベートした。洗浄後、135μLの1μg/mL M-4.25.93-Dig(検出抗体)を添加し、脱着のためのその後の洗浄工程(置換工程)なしでプレートを2.5時間インキュベートした。
第2部:SA-MTP1に検出抗体を添加してから90分後、SA-MTP2を100μL/ウェルの0.25μg/mL M-6.28.530-Biで1時間コーティングした後、洗浄した。その後、形成された複合体(薬物検出抗体)100μLをSA-MTP1からSA-MTP2に移し、35分間インキュベートした。第2の検出試薬として、西洋ワサビペルオキシダーゼ(Roche Diagnostics GmbH、ドイツ)に共有結合した100μL/ウェルの50mU<Dig>-Fab断片を加え、プレートを45分間インキュベートした。この工程の前後に洗浄工程を適用した。100μL/ウェルのABTS(2’2’-アジノ-ビス-3-エチル-ベンズチアゾリン-6-スルホン酸;Roche Diagnostics GmbH、ドイツ)を呈色反応のための基質として使用し、これを405nm(参照波長490nm)での測光的読み出しによってモニターした。試料を二連で分析し、平均吸光度値を計算し、さらに処理した。濃度は、非線形4パラメータ曲線当てはめ関数(Wiemer-Rodbard)を用いて検量線から逆計算によって決定した。真度は、添加血清試料中の公称濃度に関連して計算した。
a)CD20-TCBおよび200μg/mL抗CD20抗体を含む試料:
Figure 2022533592000018
b)CD20-TCBのみを含む試料:
Figure 2022533592000019

Claims (9)

  1. 血清含有試料中の二重特異性抗体を決定するための方法であって、
    a)前記二重特異性抗体に特異的に結合する捕捉抗体が固定化された固相を前記血清含有試料と共にインキュベートして、固定化された捕捉抗体-二重特異性抗体-複合体を形成させる、工程、
    b)任意で、前記捕捉抗体-二重特異性抗体-複合体が前記固相に結合したまま前記固相を洗浄する工程、
    c)前記固相を、前記二重特異性抗体への結合について前記捕捉抗体と競合する置換抗体と共にインキュベートし、それにより置換抗体-二重特異性抗体-複合体を含む溶液を形成させる、工程、
    d)工程c)で得られた前記溶液中の前記置換抗体-二重特異性抗体-複合体を決定し、それによって血清含有試料中の前記二重特異性抗体を決定する、工程
    を含む、方法。
  2. 前記置換抗体が標識されており、前記置換抗体-二重特異性抗体-複合体の決定が前記標識の検出によるものである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記置換抗体が前記捕捉抗体である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 工程c)において、前記固相が、6.67nM以上の濃度の前記置換抗体と共にインキュベートされる、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記血清含有試料が、前記二重特異性抗体と、前記二重特異性抗体の1つの結合部位を含む単一特異性抗体とを含み、前記方法が、前記二重特異性抗体の決定における前記単一特異性抗体の干渉が低減された方法である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記二重特異性抗体が抗CD3/CD20二重特異性抗体である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記抗CD3/CD20二重特異性抗体がRG6026である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記単一特異性抗体が抗CD20抗体である、請求項5~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記抗CD20抗体がオビヌツズマブである、請求項8に記載の方法。
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