JP2022533017A - プロテインAと結合する能力があるFc領域を欠いている抗体又は抗体断片の分離のための方法 - Google Patents

プロテインAと結合する能力があるFc領域を欠いている抗体又は抗体断片の分離のための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、抗体又は抗体断片の分離のための方法であって:a) VH3領域を有し、且つプロテインAと結合する能力があるFc領域を欠いている抗体又は抗体断片を含むフィードを用意する工程;b) 共有結合によってカップリングされたリガンドを有する分離樹脂と前記フィードを接触させる工程であり、前記リガンドが、配列番号1により定義されるようなポリペプチドを含み、前記抗体又は抗体断片が前記分離樹脂と結合する、工程;c) 任意で、前記分離樹脂を洗浄用液体で洗浄する工程;d) 前記抗体又は抗体断片を溶出用液体で前記分離樹脂から溶出し、前記抗体又は抗体断片を回収する工程を含む、方法を開示する。

Description

本発明は、免疫グロブリンの分離、より具体的には、VH3領域を有し、且つプロテインAと結合する能力があるFc領域を欠いている抗体又は抗体断片の分離のための方法に関する。
プロテインAアフィニティクロマトグラフィーは、治療用抗体等の免疫グロブリンの分離のために幅広く用いられている。プロテインAリガンドは、免疫グロブリンのFc領域と選択的に結合し、したがって、非常に効率的な捕獲工程を可能にする。Fc領域を欠損する抗体構築物、例えば抗体断片について、又はプロテインAと結合しないFc領域バリアントを有する免疫グロブリン、例えばIgG3若しくはIgMについて、天然プロテインAは、それが免疫グロブリンのVH3領域とも結合することから、なお有用であり得る。しかしながら、天然プロテインAは、バイオプロセシングに用いられるアルカリ性クリーニング条件下で安定ではなく、アルカリ安定化プロテインAバリアントは、通常、VH3相互作用を阻害する変異を有する。例えば、全体として参照により本明細書に組み入れられている米国特許出願公開第20060194950号を参照されたい。この文献は、市販の製品MabSelect(商標)SuReに用いられた、プロテインA Fc結合性BドメインにおけるG29A変異によりVH3相互作用の阻害を論じている。Fc領域を欠損する抗体/断片を結合する能力がある代替のリガンドには、プロテインL、プロテインG、及びラクダ科抗体が挙げられる。しかしながら、それらは全て、アルカリ性クリーニング条件に対して非常に感受性が高い。
米国特許出願公開第20060194950号 米国特許第6602990号 米国特許第7396467号 米国特許第9802979号 米国特許出願公開第20160288089号 国際特許出願第PCT/EP2019/050227号 米国特許出願公開第20180094024号
Altshulら(1990) J. Mol. Biol.、215:403~410 S Hjerten: Biochim Biophys Acta 79(2)、393~398 (1964) K R Schmitzら、Structure 21、1214~1224、(2013)
したがって、アルカリ性クリーニングに耐える分離樹脂を用いる、プロテインAと結合する能力があるFc領域を有しない抗体又は抗体断片のアフィニティクロマトグラフィー分離方法についての必要性が存在する。
本発明の一態様は、抗体又は抗体断片の分離のための方法を提供することである。これは:
a) VH3領域を有し、且つプロテインAと結合する能力があるFc領域を欠いている抗体又は抗体断片を含むフィードを用意する工程;
b) 支持体と共有結合によってカップリングされたリガンドを有する分離樹脂と前記フィードを接触させる工程であり、前記リガンドが、配列番号1
AQX1AFYEILX2LPNLTEEQRX3AFIQSLKDDPSVSKAILAEAKKLNX4AQ配列番号1
(配列中、
X1=E、K、Y、T、F、L、W、I、M、V、A、H、又はR、
X2=H又はK、
X3=N又はA、及び
X4=D、F、Y、W、K、又はR)
により定義されるようなポリペプチドを含み、前記抗体又は抗体断片が前記分離樹脂と結合する、工程;
c) 任意で、前記分離樹脂を洗浄用液体で洗浄する工程;並びに
d) 前記抗体又は抗体断片を溶出用液体で前記分離樹脂から溶出し、前記抗体又は抗体断片を回収する工程
を含む、方法で達成される。
一つの利点は、方法が、プロテインAと結合する能力があるFc領域を含まない抗体/抗体断片の分離を可能にすることである。更なる利点は、リガンド及び樹脂がアルカリ安定性であり、最高2MまでのNaOHでのクリーニングの繰り返しサイクルに耐えることである。
本発明の更なる適切な実施形態は、従属請求項に記載されている。
典型的なIgG抗体の構造を示す図である。 Fab断片の構造を示す図である。 MabSelect Xtraにおける10mg VHH-EgA1のクロマトグラムを示す図である。 MabSelect SuReにおける10mg VHH-EgA1のクロマトグラムを示す図である。 プロトタイプ1における10mg VHH-EgA1のクロマトグラムを示す図である。 プロトタイプ1における30mg/mL VHH-EgA1のクロマトグラムを示す図である。
定義
用語「抗体」及び「免疫グロブリン」は、本明細書で交換可能に用いられ、抗体の断片、抗体又は抗体断片を含む融合タンパク質、及び抗体又は抗体断片を含むコンジュゲートも含むと理解される。
用語「Fc結合性ポリペプチド」及び「Fc結合性タンパク質」は、抗体の結晶化可能部分(Fc)と結合する能力がある、それぞれ、ポリペプチド又はタンパク質を意味し、例えば、プロテインA及びプロテインG、又は前記結合性を維持しているその任意の断片若しくは融合タンパク質を含む。
本明細書における用語「プロテインAと結合する能力があるFc領域を欠く抗体又は抗体断片」は、Fc領域を欠損する抗体若しくは抗体断片か、又はプロテインAと結合しないFc領域を有する抗体/抗体断片かのいずれかを意味する。Fc領域を欠損する抗体/抗体断片の例には、Fab断片、一本鎖可変断片(scFv)、ドメイン抗体、ナノボディ、及び二重特異性T細胞誘導抗体(bi-specific T-cell engagers)(BiTe)が挙げられる。プロテインAと結合しないFc領域を有する抗体の例には、IgG3抗体、IgM抗体、ラクダ科VHH単一ドメイン抗体、及びプロテインAと結合しないように操作されたFc領域を有する任意の抗体が挙げられる。特定の抗体/断片がプロテインAと結合する能力があるFc領域を有するかどうかについての実用的試験は、20mMリン酸塩、500mM NaCl、pH 7のローディングバッファー中、非VH3結合性プロテインA樹脂MabSelect(商標)SuRe(GE Healthcare社)を充填されたカラムにそれをローディングし、カラムをまず、ローディングバッファーで、その後、50mMクエン酸塩、pH 6の洗浄バッファーで洗浄し、カラムを50mMクエン酸塩、pH 2.5の溶出バッファーで溶出することである。抗体/断片がプロテインAと結合する能力があるFc領域を有しない場合には、それは主に、ローディング通過画分及び/又は洗浄バッファーに見出されるだろう。それがそのようなFc領域を有する場合には、それは主に溶出液に見出されるだろう。
本明細書における用語「リンカー」は、多量体において2個のポリペプチドユニット、単量体、又はドメインをお互いに連結する要素を意味する。
本明細書における用語「スペーサー」は、ポリペプチド又はポリペプチド多量体を支持体へ接続させる要素を意味する。
アミノ酸配列の比較に関しての用語「%同一性」は、例えば、Altshulら(1990) J. Mol. Biol.、215:403~410に記載されたBasic Local Alignment Tool(BLAST(商標))等の標準アラインメントアルゴリズムにより決定される。これについてのウェブに基づいたソフトウェアは、http://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi?PROGRAM=blastp&PAGE_TYPE=BlastSearch&LINK_LOC=blasthomeにおいてUS National Library of Medicineから自由に利用可能である。ここで、アルゴリズム「blastp(タンパク質-タンパク質BLAST)」は、クエリー配列の対象配列とのアライメント、及び、とりわけ、その%同一性を決定することに用いられる。本明細書における用語「天然プロテインA」は、配列番号31により定義されているように、お互いに直接的に連結された5つの天然免疫グロブリン結合性ドメインE、D、A、B、Cを含むポリペプチドを意味する。そのポリペプチドは、N末端にリーダー配列、及びC末端又はN末端にカップリング要素を更に含み得る。
本明細書で用いられる場合、用語「含む(comprises)」、「含むこと(comprising)」、「含有すること(containing)」、「有すること(having)」、及びその他同種類のものは、米国特許法におけるそれらに帰する意味を有し得、「含む(includes)」、「含むこと(including)」、及びその他同種類のものを意味し得る;同様に、「から本質的になること(consisting essentially of)」又は「本質的になる(consists essentially)」は、米国特許法において帰する意味を有し、その用語は、オープンエンドであり、列挙されるそれの基本的又は新規の特徴が、列挙されるものより多い存在により変化しない限り、列挙されるものより多い存在を可能にするが、先行技術実施形態を排除する。
一態様において、本発明は、スタフィロコッカス(Staphylococcus)のプロテインAと結合する能力があるFc領域を有しない抗体又は抗体断片の分離のための方法を開示する。方法は、以下の工程を含む:
a) VH3領域を有し、且つプロテインAと結合する能力があるFc領域を欠いている抗体又は抗体断片を含むフィード、例えば、清澄化された細胞培養上清を用意する工程。具体的には、分離するべきフィードにおける標的種は、VH3領域を有し、且つFc領域を欠いている抗体断片であり得る。それらは、例えば、Fab、scFv、ドメイン抗体、ナノボディ、及びBiTeからなる群から選択することができる。分離するべきフィードにおける標的種は又、VH3領域、及びプロテインAと結合しないFc領域を有する抗体であり得る。それらは、例えば、IgG3、IgM、及びラクダ科VHH単一ドメイン抗体からなる群から選択することができる。全体的に見れば、前記抗体又は抗体断片は、天然プロテインAとVH3領域を介して結合する能力があり得る。非Fc抗体/断片について、これは、それらが、上記の定義による共有結合によってカップリングされた天然プロテインAリガンドを含むMabSelect(商標)又はMabSelect Xtra樹脂(GE Healthcare社)と結合するかどうかをチェックすることにより、容易に試験することができる。
b) 支持体と共有結合によってカップリングされたリガンドを有する分離樹脂と前記フィードを接触させる工程であって、前記リガンドが、配列番号1
AQX1AFYEILX2LPNLTEEQRX3AFIQSLKDDPSVSKAILAEAKKLNX4AQ配列番号1
(配列中、
X1=E、K、Y、T、F、L、W、I、M、V、A、H、又はR、
X2=H又はK、
X3=N又はA、及び
X4=D、F、Y、W、K、又はR)
により定義されるようなポリペプチド、又は配列番号1と少なくとも85%同一性、例えば少なくとも90%若しくは少なくとも95%同一性を有するポリペプチドを含み、前記抗体又は抗体断片が前記分離樹脂と結合する、工程。抗体又は抗体断片の分離樹脂との結合強度は、ナノモル範囲内であるか、又はそれより強くあり得る。
c) 任意で、前記分離樹脂を洗浄用液体で洗浄して、夾雑物及び/又は不純物を除去する工程。洗浄用液体は、例えば、pH 5~7のバッファーであり得る。
d) 前記抗体又は抗体断片を溶出用液体で前記分離樹脂から溶出し、前記抗体又は抗体断片を回収する工程。溶出用液体は適切には、pH 2~5のバッファーであり得る。
工程d)後、方法は、前記分離樹脂をpH 13又はそれより高いクリーニング用液体でクリーニングする工程e)を更に含み得る。クリーニング用液体は、0.1~2M、例えば0.5~2Mの、アルカリ金属水酸化物、例えばNaOHを含み得る。
いくつかの実施形態において、工程a)~e)は、少なくとも50回、例えば少なくとも200回繰り返される。
特定の実施形態において、X1=E、X2=H、X3=N、及び/又はX4=D。そのような実施形態の例には以下が挙げられる:
配列番号2
AQEAFYEILHLPNLTEEQRNAFIQSLKDDPSVSKAILAEAKKLNDAQ;
配列番号3
AQKAFYEILHLPNLTEEQRNAFIQSLKDDPSVSKAILAEAKKLNDAQ;
配列番号4
AQEAFYEILKLPNLTEEQRNAFIQSLKDDPSVSKAILAEAKKLNDAQ;
配列番号5
AQEAFYEILHLPNLTEEQRAAFIQSLKDDPSVSKAILAEAKKLNDAQ;
及び配列番号6
AQEAFYEILHLPNLTEEQRNAFIQSLKDDPSVSKAILAEAKKLNWAQ
いくつかの実施形態において、リガンドは、ポリペプチドPの多量体を含む。そのような多量体は適切には、0~25個のアミノ酸残基、例えば0~15個のアミノ酸残基を含むリンカー領域Lにより連結され得、例えば、構造(P-L)n-1-P又はL-(P-L)n-1-Pを有し得る。多量体は、例えば、二量体、三量体、四量体、五量体、六量体、七量体、八量体、又は九量体であり得る。それは、多量体における全てのユニットが同一である、ホモ多量体であり得、又はそれは、少なくとも1個のユニットがその他のものとは異なる、ヘテロ多量体であり得る。有利には、多量体における全てのユニットは、例えば上記で開示された変異を含むことにより、アルカリ安定である。ポリペプチドは、そのポリペプチドのC末端とN末端の間のペプチド結合により直接的にお互いに連結され得る。或いは、多量体における2個以上のユニットが、オリゴマー種又はポリマー種を含むリンカー、例えば最長25個又は30個のアミノ酸残基、例えば3~25個、3~20個、又は3~15個のアミノ酸残基を有するペプチドを含むリンカーにより連結され得る。リンカーは、例えば、APKVDAKFDKE、APKVDNKFNKE、APKADNKFNKE、APKVFDKE、APAKFDKE、AKFDKE、APKVDA、VDAKFDKE、APKKFDKE、APK、APKYEDGVDAKFDKE、及びYEDGからなる群から選択され、又は代替として、APKADNKFNKE、APKVFDKE、APAKFDKE、AKFDKE、APKVDA、VDAKFDKE、APKKFDKE、APKYEDGVDAKFDKE、及びYEDGからなる群から選択される、アミノ酸配列により定義され、又はそれと少なくとも80%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一性を有するペプチド配列を含み得、又はそれから本質的になり得る。それらは又、APKADNKFNKE、APKVFDKE、APAKFDKE、AKFDKE、APKVDA、VDAKFDKE、APKKFDKE、APK、及びAPKYEDGVDAKFDKEからなる群から選択されるアミノ酸配列により定義され、又はそれと少なくとも80%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一性を有するペプチド配列から本質的になり得る。
そのようなリンカーの性質は、好ましくは、タンパク質ユニットの空間的立体構造を不安定化させるべきではない。これは、例えば、リンカーにおけるプロリンの存在を避けることにより達成することができる。更に、リンカーは又、好ましくは、変異型タンパク質ユニットの特性を損なうことのないようなアルカリ性環境において十分安定であるべきである。この目的にとって、リンカーがアスパラギンを含有しない場合は、有利である。リンカーがグルタミンを含有しない場合は、更に有利であり得る。多量体は更に、N末端において、例えば、クローニング過程から生じた、又は切り離されるシグナル配列由来の残基を構成する、複数のアミノ酸残基を含み得る。追加のアミノ酸残基の数は、20個以下、例えば、15個以下、例えば10個以下、又は5個以下であり得る。特定の例として、多量体は、N末端にAQ、AQGT、VDAKFDKE、AQVDAKFDKE、又はAQGTVDAKFDKE(リーダー配列とも呼ばれる)を含み得る。多量体は、例えば、配列番号7により定義されるような、又はそれと少なくとも80%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一性を有する配列を含み得、又はそれから本質的になり得る。
配列番号7
AQGT VDAKFDKEAQ EAFYEILHLP NLTEEQRNAF IQSLKDDPSV SKAILAEAKK LNDAQAPK VDAKFDKEAQ EAFYEILHLP NLTEEQRNAF IQSLKDDPSV SKAILAEAKK LNDAQAPK VDAKFDKEAQ EAFYEILHLP NLTEEQRNAF IQSLKDDPSV SKAILAEAKK LNDAQAPK VDAKFDKEAQ EAFYEILHLP NLTEEQRNAF IQSLKDDPSV SKAILAEAKK LNDAQAPK VDAKFDKEAQ EAFYEILHLP NLTEEQRNAF IQSLKDDPSV SKAILAEAKK LNDAQAPK VDAKFDKEAQ EAFYEILHLP NLTEEQRNAF IQSLKDDPSV SKAILAEAKK LNDAQAPKC
いくつかの実施形態において、上記で開示されているようなポリペプチド及び/又は多量体は更に、C末端又はN末端において、1つ又は複数のシステイン残基、複数のリジン残基、及び複数のヒスチジン残基からなる群から選択される1つ又は複数のカップリング要素を含む。カップリング要素は又、C末端又はN末端から1~5個のアミノ酸残基、例えば1~3個又は1~2個のアミノ酸残基内に位置し得る。カップリング要素は、例えば、C末端における単一システインであり得る。カップリング要素は、C末端若しくはN末端と直接的に連結され得、又はそれ/それらは、15個までのアミノ酸、例えば1~5、1~10、若しくは5~10個のアミノ酸を含むひと続きを介して連結され得る。このひと続きは又、好ましくは、変異型タンパク質の特性を損なうことのないようなアルカリ性環境において十分安定であるべきである。この目的にとって、そのひと続きがアスパラギンを含有しない場合は、有利である。そのひと続きがグルタミンを含有しない場合は、更に有利であり得る。C末端システインを有する利点は、タンパク質の端点カップリングが、システインチオールの支持体上の求電子基との反応を通して達成され得ることである。これは、結合能にとって重要であるカップリングされたタンパク質の優れた可動性を提供する。
ポリペプチド又は多量体は、そのリガンドに存在する、例えばチオール基(システイン中)、アミノ基(リジン中又はN末端)、及び/又はカルボキシ基(アスパラギン酸若しくはグルタミン酸中又はC末端)を利用する通常のカップリング技術によって支持体へ付着し得る。ビスエポキシド、エピクロロヒドリン、CNBr、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)等は周知のカップリング試薬である。支持体とポリペプチド/多量体との間に、スペーサーとして既知の分子を導入することができ、それは、ポリペプチド/多量体の利用可能性を向上させ、且つポリペプチド/多量体の支持体への化学的カップリングを促進する。ポリペプチド/多量体の性質及びカップリング条件に依存して、カップリングは、複数点でのカップリング(例えば、複数のリジンを介しての)又は単一点でのカップリング(例えば、単一のシステインを介しての)であり得る。
ある特定の実施形態において、ポリペプチド又は多量体は、チオエーテル結合を介して支持体とカップリングされる。そのようなカップリングを実施する方法はこの分野において周知であり、標準技術及び装置を用いて当業者により容易に実施される。チオエーテル結合は、柔軟かつ安定であり、一般的に、アフィニティクロマトグラフィーにおける使用に適している。具体的には、チオエーテル結合が、ポリペプチド又は多量体上の末端の又は末端近くのシステイン残基を介する時、カップリングされたポリペプチド/多量体の可動性は増強され、そのことは、結合能及び結合反応速度の向上を提供する。いくつかの実施形態において、ポリペプチド/多量体は、上で記載されているように、そのタンパク質上の提供されたC末端システインを介してカップリングされる。これは、システインチオールの、支持体上の求電子基、例えばエポキシド基、ハロヒドリン基等との効率的なカップリングを可能にし、結果として、チオエーテル架橋カップリングを生じる。
ある特定の実施形態において、支持体は、多糖等のポリヒドロキシポリマーを含む。多糖の例には、例えば、デキストラン、デンプン、セルロース、プルラン、寒天、アガロース等が挙げられる。多糖は、本質的に親水性であり、非特異的相互作用の度合は低く、それらは、高含有量の反応性(活性化可能性)ヒドロキシル基を提供し、それらは一般的に、バイオプロセシングに用いられるアルカリ性クリーニング用溶液に対して安定である。
いくつかの実施形態において、支持体は、寒天又はアガロースを含む。本発明に用いられる支持体は、逆相懸濁ゲル化(S Hjerten: Biochim Biophys Acta 79(2)、393~398 (1964))等の標準方法に従って容易に調製することができる。或いは、基本マトリックスは、SEPHAROSE(商標)FF(GE Healthcare社)という名前により販売される架橋アガロースビーズ等の市販の製品である。ラージスケール分離に具体的には有利である、ある実施形態において、支持体は、米国特許第6602990号又は第7396467号(全体として参照により本明細書に組み入れられている)に記載された方法を用いて、それの強剛性を増加させるように適応しており、したがって、そのことは、そのマトリックスを高流速により適したものにしている。
ある特定の実施形態において、ポリマー、多糖、又はアガロース支持体等の支持体は、ヒドロキシアルキルエーテル架橋等で架橋される。そのような架橋を生じる架橋試薬は、エピクロロヒドリンのようなエピハロヒドリン類、ブタンジオールジグリシジルエーテルのようなジエポキシド類、ハロゲン化アリル又はアリルグリシジルエーテルのようなアリル化試薬であり得る。架橋は、支持体の強剛性に有益であり、化学的安定性を向上させる。ヒドロキシアルキルエーテル架橋は、アルカリ安定性であり、顕著な非特異的吸着は引き起こさない。
いくつかの実施形態において、固体支持体は、フィルター(例えば、膜又はデプスフィルターマトリックス)の形をとる。具体的には、支持体は、例えば、全体として参照により本明細書に組み入れられた、米国特許第9802979号、第20160288089号、及び国際特許出願第PCT/EP2019/050227号に記載されているような、セルロースナノファイバーの1つ又は複数のシート又は膜を含み得る。セルロースナノファイバーは、適切には、化学的及び機械的安定性の向上のために架橋されてもよい。
(実施例1)
単一重鎖可変ドメイン(VHH)の発現
ナノボディとしても既知の、ラクダ科起源由来の単一重鎖可変ドメイン(VHH)を、大腸菌(Escherichia coli)(E.coli)において異種性に発現させた。VHH断片は、K R Schmitzら、Structure 21、1214~1224、(2013)からの配列 配列番号23:
>4KRN:A|PDBID|CHAIN|SEQUENCE
QVQLQESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRTFSSYAMGWFRQAPGKQREFVAAIRWSGGYTYYTDSVKGRFTISRDNAKTTVYLQMNSLKPEDTAVYYCAATYLSSDYSRYALPQRPLDYDYWGQGTQVTVSSLEHHHHHH
に基づいた。
この配列は、OmpAシグナルペプチド(大腸菌、外膜プロテインA、UniProt P0A910)の使用による周辺質発現のために改変され、シグナルペプチド切断部位が、ジペプチドAQ、続いてKpnIについての酵素制限部位(アミノ酸VD)として導入された。シグナルペプチドのプロセシング後の最終タンパク質は、以下の配列番号24に見出される配列を有した:
AQVDQLQESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRTFSSYAMGWFRQAPGKQREFVAAIRWSGGYTYYTDSVKGRFTISRDNAKTTVYLQMNSLKPEDTAVYYCAATYLSSDYSRYALPQRPLDYDYWGQGTQVTVSSLEHHHHHH
この配列は、所有の大腸菌発現からのコドン最適化を用いてDNA合成会社ATUM社(CA、USA)により作製され、IPTG誘導性プロモーターを含有する発現ベクター(プラスミド)へクローニングされた。そのプラスミドを、化学的コンピテントな大腸菌K12細胞へ形質転換した。プラスミドを、25mM Tris、pH 8.5中に20ng/μlの濃度に溶解した。そのプラスミドの1μlを、氷浴上で50μlの解凍されたコンピテント細胞へ加え、20分間、冷却した。その後、42℃で60秒間、熱ショックを与え、続いて、氷浴上で2分間、冷却した。細胞を氷上で冷却した後、950μlのLuriaブロス(LB)を加え、細胞を、振盪状態で、225rpmで60分間、インキュベートした。インキュベーション後、細胞をLuria寒天(LA)プレートに、各プレート上100μlでプレーティングし、プレートを、37℃に設定されたオーブン内で一晩、インキュベートした。次の日、単一コロニーを採取し、LB中、1の最終OD 600nmまで増殖し、その後、15%グリセロールを添加し、更なる使用まで-80℃で凍結した。凍結した細胞バンクを、解凍し、100μlを用いて、50mg/Lカナマイシンを追加した100mL Terrificブロス(TB)に接種し、振盪状態で、37℃で一晩、増殖した。次の日、一晩培養物の10mLを用いて、50mg/Lカナマイシンを追加した750mLの発酵培地に接種した。培養物を、それが600nmで測定された光学密度(OD)において80に達した時、最終濃度1mM IPTGで誘導した。培養物を、誘導後、通気及び撹拌下、一定温度及びpHで12時間、維持した。24時間後、発酵を終了させ、細胞を、2500xgで30分間の遠心分離により上清から分離した。上清を捨て、細胞を、600mL PBS中に再懸濁し、48℃で3時間、熱インキュベートして、周辺質発現タンパク質を遊離させた。熱処理された懸濁液を、10000xgで30分間、遠心分離し、続いて、0.2μmフィルターを用いて濾過滅菌した。清澄化された上清を、20mMリン酸塩、pH 7、500mM NaClと平衡に達した24mL MabSelect(商標)樹脂(GE Healthcare社、Uppsala、Sweden)を充填されたHiScale 16カラム(GE Healthcare社、Uppsala、Sweden)へローディングした。カラムを、50mMクエン酸塩、pH 6で洗浄して、溶出プールにおける伝導度を低下させ、続いて、50mMクエン酸塩、pH 2.5で溶出した。精製されたVHH断片は、11mLのプール体積中7.7g/Lの濃度を有した。溶出プールを、2M tris塩基の添加によりpH 7に調整した。
(実施例2)
異なるクロマトグラフィー樹脂におけるVHH抗体断片のVH3結合
実施例1で作製されたVHH断片を、異なるクロマトグラフィー樹脂、MabSelect(商標)Xtra(GE Healthcare社、Uppsala、Sweden)、MabSelect(商標)SuRe(GE Healthcare社、Uppsala、Sweden)、及びプロトタイプ1(全体として参照により本明細書に組み入れられた米国特許出願公開第20180094024号に記載された方法により配列番号7の六量体リガンドをカップリングされた、中位のビーズ直径(d50,v)57μmの高度に架橋されたアガロースビーズ)との結合について試験した。全ての実験を、AKTA Pure 150 FPLCシステム(GE Healthcare社、Uppsala、Sweden)を用いて実施した。MabSelect(商標)Xtra及びMabSelect(商標)SuReは、予め充填された1mL HiTrap(商標)カラム(GE Healthcare社、Uppsala、Sweden)を用いて試験された。プロトタイプ1は、1.94mLのカラム体積(CV)でTricorn 5カラム(GE Healthcare社、Uppsala、Sweden)に充填された。全てのカラムクロマトグラフィーの実行は、ランニングバッファーとして20mMリン酸塩、500mM NaCl、pH 7を用いて実施され、2番目は、50mMクエン酸塩、pH 6からなるバッファーであり、溶出バッファーとして50mMクエン酸塩、pH 2.5であった。異なる樹脂との結合を試験するために、実施例1で作製された10mg VHH断片を、7mLランニングバッファー(20mMリン酸塩、pH 7、500mM NaCl)中に希釈し、1mL Mabselect(商標)Xtra、SuRe、又はプロトタイプ1カラムへローディングした。クロマトグラフィーの実行からの結果は図2a)~c)に示されている。MabSelect(商標)Xtraカラムと結合したVHH断片は73%の回収率であり、プロトタイプ1と結合したVHH断片は86%の回収率であった。しかしながら、その断片は、MabSelect(商標)SuRe樹脂と非常に弱く結合し、たった4%の回収率であり、大部分のタンパク質が、ローディング工程か又は洗浄工程のいずれかで見出された。更に、プロトタイプ1についての動的結合能を、VHH断片について、6分の滞留時間を用いて10%ブレークスルーに達するまでローディングすることにより、測定した。Tricorn 5/100カラムにプロトタイプ1を1.98mL CVまで充填した。その能力の測定を、ランニングバッファーとして20mMリン酸塩、150mM NaCl、pH 7.4、及び溶出バッファーBとして50mM酢酸塩、pH 3.5を用いて行った。カラムを実行と実行の間で0.5M NaOHを用いて再生した。VHH断片を、50mLランニングバッファー中2.3mg/mLに希釈し、Sterivex 0.22μmフィルターで濾過した。最終濃度を、280nmにおけるUV測定により決定した。カラムを、実行を開始する前に、1mL/分の流速で平衡化した。試料の最大吸光度を、バイパスで試料を流すことにより測定した。試料添加を、280nmにおける吸光度が吸光度最大値の10%に達するまで、0.33mL/分の流速(6分の滞留時間)で実施した。洗浄工程を、10CVについて1mL/分の流速で実施し、続いて、バッファーBでの均一濃度溶出を実施した。CIPを、0.5M NaOHを用いて1mL/分の流速で3CVの間、実施した。100mAUより大きいピークを、選択された出口において収集した。プロトタイプ1樹脂についての動的結合能は、6分滞留時間を用いて10%ブレークスルー(QB10)において36mg/mLであった。
図2a)
カラム: MabSelect(商標)Xtra
試料: 10mg VHH-EgA1(配列番号25)
バッファー: 開始:20mMリン酸塩、500mM NaCl、pH 7
洗浄2:50mMクエン酸塩、pH 6
溶出液:50mMクエン酸塩、pH 2.5

図2b)
カラム: MabSelect(商標)SuRe
試料: 10 mg VHH -EgA1 (配列番号25)
バッファー: 開始:20mMリン酸塩、500mM NaCl、pH 7
洗浄2:50mMクエン酸塩、pH 6
溶出液:50mMクエン酸塩、pH 2.5

図2c)
カラム: プロトタイプ1
試料: 10mg VHH-EgA1(配列番号25)
バッファー: 開始:20mMリン酸塩、500mM NaCl、pH 7
洗浄2:50mMクエン酸塩、pH 6
溶出液:50mMクエン酸塩、pH 2.5
(実施例3)
FabのVH3結合
VH3型Fabを、完全長モノクローナル抗体(mAb)から、パパインを用いる切断により作製した。mAb溶液(54ml、1836mg)を、2M Tris塩基の添加によりpH 7.5に調整し、その後、消化バッファー(25mM リン酸Na、1mM EDTA、5mMメルカプトエタノール、pH 7.5)中1:1に希釈した。パパイン結晶をその溶液に加えた(21mg)。その溶液を、37℃で一晩、インキュベートした。次の日、400μlのアンチパイン(パパイン阻害剤)を、消化されたmAbに加えた。その溶液を、HiScale 26/135 Capto Lカラム(GE Healthcare社、Uppsala、Sweden)へ添加して、切断されたFab断片を精製した。消化されたプールを、25mM Tris、pH 8と平衡に達したCapto Lカラムにローディングし、続いて、50mMクエン酸Na、pH 5.0を用いる2回目の洗浄、及び50mMクエン酸Na、pH 2.3を用いる溶出を行った。FabをSuperdex(商標)200 Increase(GE Healthcare社、Uppsala、Sweden)を用いるSECで分析して、mAbの完全切断を検証した。プロトタイプ1についての動的結合能を、Fabについて、6分の滞留時間を用いて10%ブレークスルーに達するまでローディングすることにより測定した。Tricorn 5/100カラムにプロトタイプ1を1.98mL CVまで充填した。その能力測定を、ランニングバッファーとして20mMリン酸塩、150mM NaCl pH 7.4、溶出バッファーBとして50mM 酢酸塩、pH 3.5を用いて行った。カラムを、実行と実行の間に0.5M NaOHを用いて再生した。Fabを、100mLランニングバッファー中2.25mg/mLに希釈し、Sterivex 0.22μmフィルターで濾過した。最終濃度を、280nmにおけるUV測定値により決定した。カラムを、実行を開始する前に、1mL/分の流速で平衡化した。試料の最大吸光度を、バイパスで試料を流すことにより測定した。試料添加を、280nmにおける吸光度が吸光度最大値の10%に達するまで、0.33mL/分の流速(6分の滞留時間)で実施した。洗浄工程を、10CVについて1mL/分の流速で実施し、続いて、バッファーBでの均一濃度溶出を実施した。CIPを、0.5M NaOHを用いて1mL/分の流速で3CVの間、実施した。100mAUより大きいピークを、選択された出口において収集した。プロトタイプ1樹脂についての動的結合能は、6分滞留時間を用いて10%ブレークスルー(QB10)において106mg/mLであった。
(実施例4)
単一重鎖可変ドメイン(VHH)断片配列における4つの点変異
プロテインAと単一重鎖可変ドメイン(VHH)断片との間の相互作用のロバストネスを試験するために、一連の点変異を生じさせ、続いて、MabSelect(商標)Xtra、SuRe、及びプロトタイプ1に対する親和性の保持を試験した。VHH配列は、所有の大腸菌発現のためのコドン最適化を用いてDNA合成会社ATUM社(CA、USA)により作製され、IPTG誘導性プロモーターを含有する発現ベクター(プラスミド)へクローニングされた。そのプラスミドを、化学的コンピテントな大腸菌K12細胞へ形質転換した。プラスミドを、25mM Tris、pH 8.5中に20ng/μlの濃度に溶解した。そのプラスミドの1μlを、氷浴上で50μlの解凍されたコンピテント細胞へ加え、20分間、冷却した。その後、42℃で60秒間、熱ショックを実施し、続いて、氷浴上で2分間、冷却した。細胞を氷上で冷却した後、950μlのLuriaブロス(LB)を加え、細胞を、振盪状態で、225rpmで60分間、インキュベートした。インキュベーション後、細胞をLuria寒天(LA)プレートに、各プレート上100μlでプレーティングし、プレートを、37℃に設定されたオーブン内で一晩、インキュベートした。次の日、単一コロニーを採取し、LB中、1の最終OD 600nmまで増殖し、その後、15%グリセロールを添加し、更なる使用まで-80℃で凍結した。凍結した細胞バンクを、解凍し、500μlを用いて、50mg/Lカナマイシンを追加した100mL Terrificブロス(TB)に接種した。培養を、OD 600nmが1に達するまで37℃で増殖し、その後、1mMの最終濃度のIPTGで誘導した。誘導後、培養を、37℃で一晩、増殖し、次の朝、2300xgで20分間の遠心分離により停止させた。ペレットを、25mM Tris-HCl、500mM NaCl、pH 8.0中に再懸濁し、その後、超音波処理し(40%振幅、2分間、5秒間オン/3秒間オフ)、10000xg、10分間、遠心分離し、0.2μmフィルターに通して濾過した。その後、試料をMabSelect(商標)Xtra、Mabselect(商標)SuRe、及びプロトタイプ1のカラムへ添加して、結合を検証した。溶出ピークが確認されるまで、通過画分を収集した。ピークが得られなかった場合には、ランニングバッファーとして25mM Tris pH 8.0、及び溶出バッファーとして50mM Tris、250mMイミダゾール、pH 8.0での5CVの勾配を用いて、前記通過画分をNi-Sepharose FFカラム(GE Healthcare社、Uppsala、Sweden)に流した。
Figure 2022533017000002
VHH-EgA1 (T57K)、配列番号25
AQVDQLQESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRTFSSYAMGWFRQAPGKQREFVAAIRWSGGYKYYTDSVKGRFTISRDNAKTTVYLQMNSLKPEDTAVYYCAATYLSSDYSRYALPQRPLDYDYWGQGTQVTVSSLEHHHHHH
VHH-EgA1 (T57K、K64R)、配列番号26
AQVDQLQESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRTFSSYAMGWFRQAPGKQREFVAAIRWSGGYKYYTDSVRGRFTISRDNAKTTVYLQMNSLKPEDTAVYYCAATYLSSDYSRYALPQRPLDYDYWGQGTQVTVSSLEHHHHHH
VHH-EgA1 (T57P)、配列番号27
AQVDQLQESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRTFSSYAMGWFRQAPGKQREFVAAIRWSGGYPYYTDSVKGRFTISRDNAKTTVYLQMNSLKPEDTAVYYCAATYLSSDYSRYALPQRPLDYDYWGQGTQVTVSSLEHHHHHH
VHH-EgA1 (T57S)、配列番号28
AQVDQLQESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRTFSSYAMGWFRQAPGKQREFVAAIRWSGGYSYYTDSVKGRFTISRDNAKTTVYLQMNSLKPEDTAVYYCAATYLSSDYSRYALPQRPLDYDYWGQGTQVTVSSLEHHHHHH
VHH-EgA1 (T57R)、配列番号29
AQVDQLQESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRTFSSYAMGWFRQAPGKQREFVAAIRWSGGYRYYTDSVKGRFTISRDNAKTTVYLQMNSLKPEDTAVYYCAATYLSSDYSRYALPQRPLDYDYWGQGTQVTVSSLEHHHHHH
VHH-EgA1 (S70T)、配列番号30
AQVDQLQESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRTFSSYAMGWFRQAPGKQREFVAAIRWSGGYTYYTDSVKGRFTITRDNAKTTVYLQMNSLKPEDTAVYYCAATYLSSDYSRYALPQRPLDYDYWGQGTQVTVSSLEHHHHHH
この書面による記載は、例を用いて、最良のモードを含め、本発明を開示し、且つ又、任意の当業者が、任意のデバイス又はシステムを作製及び使用すること並びに任意の組み入れられた方法を実施することを含め、本発明を実施することを可能にする。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が思いつく他の例を含み得る。そのような他の例は、それらが、特許請求の範囲の文字通りの言葉と異ならない構造的要素を有する場合、又はそれらが、特許請求の範囲の文字通りの言葉とごくわずかな違いを以て等価の構造的要素を含む場合には、特許請求の範囲の範囲内にあることを意図される。本文で言及された全ての特許及び特許出願は、あたかも個々に組み入れられているかのように、全体として参照により本明細書に組み入れられている。

Claims (21)

  1. 抗体又は抗体断片の分離のための方法であって:
    a) VH3領域を有し、且つプロテインAと結合する能力があるFc領域を欠いている抗体又は抗体断片を含むフィードを用意する工程;
    b) 支持体と共有結合によってカップリングされたリガンドを有する分離樹脂と前記フィードを接触させる工程であり、前記リガンドが、配列番号1
    AQX1AFYEILX2LPNLTEEQRX3AFIQSLKDDPSVSKAILAEAKKLNX4AQ 配列番号1
    (配列中、
    X1=E、K、Y、T、F、L、W、I、M、V、A、H、又はR、
    X2=H又はK、
    X3=N又はA、及び
    X4=D、F、Y、W、K、又はR)
    により定義されるようなポリペプチドを含み、前記抗体又は抗体断片が前記分離樹脂と結合する、工程;
    c) 任意で、前記分離樹脂を洗浄用液体で洗浄する工程;並びに
    d) 前記抗体又は抗体断片を溶出用液体で前記分離樹脂から溶出し、前記抗体又は抗体断片を回収する工程
    を含む、方法。
  2. X1=Eである、請求項1に記載の方法。
  3. X2=Kである、請求項1又は2に記載の方法。
  4. X3=Nである、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. X4=Dである、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記リガンドが、0~15個のアミノ酸残基を含むリンカー領域により連結された、前記ポリペプチドの多量体を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記多量体が四量体、五量体、又は六量体である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記多量体が、前記多量体上のC末端システインに由来するチオエーテル結合を介して前記支持体とカップリングされている、請求項6又は7に記載の方法。
  9. 前記支持体が架橋アガロースビーズを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記支持体が架橋セルロースナノファイバーを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記フィードが、清澄化された細胞培養上清である、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記抗体又は抗体断片が、VH3領域を有し、且つFc領域を欠いている抗体断片である、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記抗体断片が、Fab、scFv、ドメイン抗体、ナノボディ、及びBiTeからなる群から選択される、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記抗体断片の前記分離樹脂との結合強度が、ナノモル範囲内であるか、又はそれより強い、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記抗体又は抗体断片が、天然プロテインAとVH3領域を介して結合する能力がある、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記方法が工程c)を含み、工程c)において夾雑物及び/又は不純物が除去される、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記洗浄用液体がpH 5~7のバッファーである、請求項16に記載の方法。
  18. 前記溶出用液体が、pH 2~5のバッファーである、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 工程d)後に、前記分離樹脂をpH 13又はそれより高いクリーニング用液体でクリーニングする工程e)を更に含む、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記クリーニング用液体が、0.5~2Mのアルカリ金属水酸化物を含む、請求項19に記載の方法。
  21. 工程a)~e)が少なくとも50回、繰り返される、請求項1から20のいずれか一項に記載の方法。
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