JP2022532362A - 有機ケイ素化合物、着色化合物およびフィルム形成性ポリマーiiの使用を含むケラチン物質の染色方法 - Google Patents

有機ケイ素化合物、着色化合物およびフィルム形成性ポリマーiiの使用を含むケラチン物質の染色方法 Download PDF

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Abstract

本発明の主題は、以下の工程を含む、ケラチン物質、特に人毛を染色するための方法である:・薬剤(a)をケラチン物質に適用する工程、ここで、該薬剤(a)は(a1)1個、2個または3個のケイ素原子を有するシランからなる群より選択される少なくとも1種の有機ケイ素化合物、および(a2)顔料および/または直接染料からなる群から選択される少なくとも1種の第1の着色化合物を含む、および・薬剤(b)を該ケラチン物質に適用する工程、ここで、該薬剤(b)は(b1)少なくとも1つの式(i)の構造単位および少なくとも1つの式(ii)の構造単位:TIFF2022532362000093.tif28133[式中、R1は(C1-C18)アルキル基を表し、M1およびM2は独立して、水素原子、(C1-C6)アルキル基または1当量の一価もしくは多価のカチオンを表す]を含むコポリマーを含有する少なくとも1種のフィルム形成性ポリマーを含む。

Description

本出願の主題は、ケラチン物質、特に人毛を処理するための方法であり、これは2つの薬剤(a)および(b)の適用を含む。薬剤(a)は、少なくとも1種の有機ケイ素化合物(a1)および少なくとも1種の第1の着色化合物(a2)という内容物を特徴とする。薬剤(b)は、少なくとも1種の選択されたフィルム形成性ポリマー(b1)を含む。
本出願のさらなる主題は、別々に調製された少なくとも4つの薬剤(a')、(a'')および(b)を含む、ケラチン物質、特に人毛を染色するための多成分包装ユニット(パーツキット)である。薬剤(a')および(a'')は、上記の方法に使用される薬剤(a)を調製するために使用できる。
ケラチン繊維、特に毛髪の形状および色の変更は現代の化粧料の重要な領域である。毛髪の色を変えるために、専門家は、カラーリング要件に応じた種々の着色システムを知っている。酸化染料は通常、永続的で、しっかりとした染色のために使用され、良好な堅牢特性を有し、良好に白髪がカバーされる。かかる染料は通常、過酸化水素などの酸化剤の影響下で互いと染料そのものを形成する酸化染料前駆体、いわゆる顕色剤成分とカプラー成分を含有している。酸化染料は非常に長持ちする染色結果を特徴とする。
直接染料を使用する場合、既製の染料は着色料から毛髪繊維内へと拡散する。酸化的な毛染めと比べて、直接染料で得られる染色は色持ちが短く、すぐに洗い流される。直接染料での染色が毛髪上に残存する期間は、通常、洗髪5回~20回までである。
着色顔料の使用は、毛髪および/または皮膚に対して短期間の色変化をもたらすことが知られている。着色顔料は一般的には不溶性のカラーリング物質であると理解されている。これは、小粒子の形態で染料配合物中に未溶解の状態で存在し、毛髪繊維および/または皮膚表面の外面に堆積されているにすぎない。したがって、これは、通常、界面活性剤を含有している洗浄剤で数回洗い流すことによって、残存することなく除去できる。このタイプの種々の製品が、ヘアマスカラという名称で市場において入手可能である。
ユーザーが特に長持ちする染色を望む場合、これまでは酸化的染料の使用が唯一の選択肢であった。しかしながら、数多くの最適化の試みにもかかわらず、酸化的毛染めにおける不快なアンモニア臭やアミン臭は完全には回避することができない。また、酸化的染料の使用に依然として伴う毛髪へのダメージもユーザーの毛髪に対してマイナス効果を有する。
欧州特許第2168633号明細書では、顔料を用いた長持ちする髪の着色をもたらすための課題に対処している。この文献には、顔料、有機ケイ素化合物、フィルム形成性ポリマーおよび溶剤の組合せを毛髪に対して使用した場合、洗髪に対して特に耐久性のある着色をもたらすことが可能であることが教示されている。
欧州特許第216863号明細書
しかしながら、酸化染料前駆体なしで、顔料および/または直接染料に基づく染色の堅牢性、特に洗浄堅牢性を改善する必要が依然としてある。そのような染色方法のユーザーに広範囲の色合いを提供することも望ましい。
したがって、本発明の課題は、酸化的染色と同等の堅牢特性を有する染色システムを提供することである。洗浄堅牢性は卓越しているべきであるが、通常この目的に使用される酸化染料前駆体の使用は回避されるべきである。色を与える化合物を永久的に髪に固定することを可能にする技術が求められていた。
驚くべきことに、ここに、この課題は、ケラチン物質、特に人毛を、少なくとも2種の薬剤(a)および(b)をケラチン物質(毛髪)に適用する方法によってカラーリングすると見事に解決できることがわかった。ここで、第1の薬剤(a)は、1個、2個または3個のケイ素原子を有するシランの群から選択された少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含み、少なくとも1種の第1の選択された着色化合物をさらに含む。したがって、薬剤(a)において、有機ケイ素化合物および第1の着色化合物が共に調製される。第2の薬剤(b)は、少なくとも1種の選択されたフィルム形成性ポリマー(b1)を含む。
前記2種の薬剤(a)および(b)を染色方法において使用した場合、ケラチン物質を特に高い色彩強度で染色することができよう。
本発明の第1の目的は、以下の工程:
・薬剤(a)をケラチン物質に適用する工程、ここで、該薬剤(a)は以下を含む:
(a1)1個、2個または3個のケイ素原子を有するシランからなる群より選択される少なくとも1種の有機ケイ素化合物、および
(a2)顔料および/または直接染料からなる群から選択される少なくとも1種の第1の着色化合物
・薬剤(b)を該ケラチン物質に適用する工程、ここで、該薬剤(b)は以下を含む:
(b1)少なくとも1種のフィルム形成性ポリマー
を含む、ケラチン物質、特に人毛を染色するための方法である。
本発明に至る研究において、薬剤(a)と(b)の好ましくは連続的な適用により、ケラチン物質において非常に安定で洗浄堅牢性の着色をもたらすことが可能となることがわかった。この理論に制限されないが、この文脈において、有機ケイ素化合物(a1)と第1の着色化合物(a2)の同時適用が、ケラチン物質上に特に耐性のある第1のフィルムの形成をもたらすと思われる。第2の薬剤(b)を適用すると、選択されたフィルム形成性ポリマー(b1)が、この第1の層上にさらなるフィルムの形態で堆積される。選択されたフィルム形成性ポリマー(b1)を含むさらなるフィルムは、第1の着色化合物(a2)のケラチン物質への接着を改善し、第1の層の摩耗を低減する。
この特殊なタイプのパッケージング(すなわち、シラン(a1)と第1の着色化合物(a2)との共同塗布、およびフィルム形成ポリマー(b1)の個別塗布)により、この方法で製造された多層フィルム系は、外部の影響に対する耐性が向上した。第1の着色化合物(a2)は、この方法でケラチン物質に恒久的に固定された。その結果、シャンプーに対する耐性が高く、非常に摩擦および洗浄耐性のある染色が得られた。
〔ケラチン物質〕
ケラチン物質として、毛髪、皮膚、爪(例えば、指の爪および/または足指の爪)が挙げられる。また、ウール、毛皮および羽毛もケラチン物質の定義に含まれる。
好ましくは、ケラチン物質は、人毛、人間の皮膚ならびに人間の爪、特に指の爪および足指の爪であると理解される。ケラチン物質は好ましくは人毛であると理解される。
〔薬剤(a)および(b)〕
本発明による手順において、薬剤(a)および(b)は、ケラチン物質、特に人毛に適用される。この2つの薬剤(a)および(b)は互いに異なる。
換言すると、本発明の第1の目的は、以下の工程:
薬剤(a)をケラチン物質に適用する工程、ここで該薬剤(a)は以下を含む:
(a1)1個、2個または3個のケイ素原子を有するシランからなる群より選択される少なくとも1種の有機ケイ素化合物、および
(a2)顔料および/または直接染料からなる群から選択される少なくとも1種の第1の着色化合物、および
薬剤(b)を該ケラチン物質に適用する工程、ここで該薬剤(b)は以下を含む:
(b1)少なくとも1種のフィルム形成性ポリマー、および
(b2)少なくとも1種の硫酸化および/またはスルホン化脂肪酸エステル
を含む、ケラチン物質、特に人毛を処理するための方法である。
〔薬剤(a)〕
好ましくは、薬剤(a)は、本発明に必須の成分(a1)および(a2)を化粧料用担体中、特に好ましくは水性または水性-アルコール性の化粧料用担体中に含む。この化粧料用担体は液状、ゲル状またはクリーム状の場合がある。また、ペースト状、固形または粉末状の化粧料用担体を薬剤(a)の調製に使用することができる。毛髪の処理、特に毛髪のカラーリングのためには、かかる担体は例えば、クリーム、乳剤、ゲルあるいはまた、界面活性剤含有起泡性溶液、例えばシャンプー、エアロゾルフォーム、フォーム配合物または毛髪への適用に適した他の調製物である。
好ましくは、化粧料用担体は、その重量に対して、少なくとも2重量%の水を含む。さらに好ましくは、水分含有量は10重量%超、なおさらに好ましくは20重量%超、特に好ましくは40重量%超である。また、化粧料用担体は水性アルコール性の場合がある。本発明の状況における水性/アルコール性溶液は、2~70重量%のC~Cのアルコール、より具体的にはエタノールまたはイソプロパノールを含有している水溶液である。本発明による薬剤は、他の有機溶剤、例えばメトキシブタノール、ベンジルアルコール、エチルジグリコールまたは1,2-プロピレングリコールをさらに含有してもよい。好ましいのはすべて水溶性の有機溶剤である。
〔シランの群からの有機ケイ素化合物(a1)〕
本発明に必須の成分(a1)として、薬剤(a)は、1個、2個または3個のケイ素原子を有するシランの群からの少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含む。
特に好ましくは、薬剤(a)は、1個、2個または3個のケイ素原子を有するシランから選択される少なくとも1種の有機ケイ素化合物(a1)を含み、該有機ケイ素化合物は1分子あたり1つ以上のヒドロキシル基および/または加水分解性基を含む。
薬剤(a)に含まれるこのような有機ケイ素化合物(a1)または有機シランは反応性化合物である。
有機ケイ素化合物(Organic silicon compounds)は、あるいはオルガノシリコン化合物(organosilicon compounds)とも称され、ケイ素-炭素直接結合(Si-C)を有するか、または炭素がケイ素原子に酸素、窒素もしくはイオウ原子を介して結合しているかのいずれかである化合物である。本発明の有機ケイ素化合物は、1~3個のケイ素原子を含有している化合物である。有機ケイ素化合物は好ましくは1個または2個のケイ素原子を含有しているものである。
IUPAC規則によれば、シランという用語は、ケイ素骨格と水素を主体とする化学物質化合物である。有機シランでは、水素原子が完全に、または一部、有機基、例えば(置換)アルキル基および/またはアルコキシ基で置き換えられている。また、有機シランでは、一部の水素原子がヒドロキシ基で置き換えられてもよい。
特に好ましい一実施形態において、本発明による方法は、薬剤(a)をケラチン物質に適用することであって、前記薬剤(a)が、1個、2個または3個のケイ素原子を有するシランから選択される少なくとも1種の有機ケイ素化合物(a1)を含むこと、前記有機ケイ素化合物が1分子あたり1つ以上のヒドロキシル基または加水分解性基をさらに含むことを特徴とする。
非常に特に好ましい一実施形態において、本発明による方法は、薬剤(a)をケラチン物質に適用することであって、前記薬剤(a)が、1個、2個または3個のケイ素原子を有するシランから選択される少なくとも1種の有機ケイ素化合物(a1)を含むこと、前記有機ケイ素化合物が、1分子あたり1つ以上の塩基性化学官能部と1つ以上のヒドロキシル基または加水分解性基をさらに含むことを特徴とする。
この塩基性基または塩基性化学官能部は、例えばアミノ基、アルキルアミノ基またはジアルキルアミノ基であってよく、これは好ましくはケイ素原子にリンカーを介して連結されている。好ましくは、塩基性基はアミノ基、C-Cアルキルアミノ基またはジ(C-C)アルキルアミノ基である。
加水分解性基は好ましくはC~Cアルコキシ基、特にエトキシ基またはメトキシ基である。加水分解性基がケイ素原子に直接結合している場合が好ましい。例えば、加水分解性基がエトキシ基である場合、有機ケイ素化合物は好ましくは、構造単位R'R''R'''Si-O-CH-CHを含む。基R'、R''およびR'''は、ケイ素原子の残りの3つの結合に使用されていない原子価を表す。
本発明による特に好ましい方法の一例は、該薬剤(a)が、1個、2個または3個のケイ素原子を有するシランから選択される少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含み、好ましくは該有機ケイ素化合物が1分子あたり1つ以上の塩基性化学官能部と1つ以上のヒドロキシル基または加水分解性基を含むことを特徴とする。
特に良好な結果が、薬剤(a)が式(I)および/または(II)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物(a1)を含む場合に得られた。
式(I)および(II)の化合物は、1個、2個または3個のケイ素原子を有するシランから選択される有機ケイ素化合物であり、該有機ケイ素化合物は1分子あたり1つ以上のヒドロキシル基および/または加水分解性基を含む。
別の非常に特に好ましい実施形態において、該方法は、薬剤をケラチン物質(または人毛)に適用し、薬剤(a)は、式(I)および/または(II)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物(a):
Figure 2022532362000002
[式中
・R、Rは独立して、水素原子またはC~Cアルキル基を表し、
・Lは直鎖または分枝鎖の二価のC~C20アルキレン基であり、
・Rは水素原子またはC~Cアルキル基であり、
・RはC~Cアルキル基を表し、
・aは1~3の整数を表し、
・bは3-aの整数を表す]
Figure 2022532362000003
[式中、
・R5、R5'、R5''は独立して、水素原子またはC~Cアルキル基を表し、
・R6、R6'およびR6''は独立して、C~Cアルキル基を表し、
・A、A'、A''、A'''およびA''''は互いに独立して、直鎖または分枝鎖の二価のC~C20アルキレン基を表し、
・RおよびRは独立して、水素原子、C~Cアルキル基、ヒドロキシC~Cアルキル基、C~Cアルケニル基、アミノC~Cアルキル基または式(III)の基:
Figure 2022532362000004
〔・cは1~3の整数を表し、
・dは3-cの整数を表し、
・c'は1~3の整数を表し、
・d'は3-c'の整数を表し、
・c’’は1~3の整数を表し、
・d’’は3-c’’の整数を表し、
・eは0または1を表し、
・fは0または1を表し、
・gは0または1を表し、
・hは0または1を表す、
・ただし、e、f、gおよびhのうちの少なくとも1つは0と異なるものとする〕
を表す]
を含むことを特徴とする。
式(I)および(II)の化合物内の置換基R、R、R、R、R、R'、R''、R、R'、R''、R、R、L、A、A’、A''、A'''およびA''''を以下に一例として説明する。
C~Cアルキル基の例は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基およびt-ブチル基、n-ペンチル基ならびにn-ヘキシル基である。プロピル、エチルおよびメチルが好ましいアルキル基である。C~Cアルケニル基の例はビニル、アリル、ブト-2-エニル、ブト-3-エニルおよびイソブテニルであり、好ましいC~Cアルケニル基はビニルおよびアリルである。ヒドロキシC~Cアルキル基の好ましい例はヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、3-ヒドロキシプロピル、4-ヒドロキシブチル基、5-ヒドロキシペンチルおよび6-ヒドロキシヘキシル基であり;2-ヒドロキシエチル基が特に好ましい。アミノC~Cアルキル基の例はアミノメチル基、2-アミノエチル基、3-アミノプロピル基である。2-アミノエチル基が特に好ましい。直鎖の二価のC~C20アルキレン基の例として、メチレン基(-CH-)、エチレン基(-CH-CH-)、プロピレン基(-CH-CH-CH-)およびブチレン基(-CH-CH-CH-CH-)が挙げられる。プロピレン基(-CH-CH-CH-)が特に好ましい。また、3個のC原子の鎖長から、二価のアルキレン基は分枝鎖であってもよい。分枝鎖の二価のC~C20アルキレン基の例は(-CH-CH(CH)-)および(-CH-CH(CH)-CH-)である。
式(I)の有機ケイ素化合物:
Figure 2022532362000005
において、基Rおよび基Rは互いに独立して、水素原子またはC~Cアルキル基を表す。非常に好ましくは、RおよびRはともに水素原子を表す。
有機ケイ素化合物の中央部分には、直鎖または分枝鎖の二価のC~C20アルキレン基を表す構造単位またはリンカー-L-が存在する。
二価のC~C20アルキレン基はあるいは二価または二価のC~C20アルキレン基と称される場合もあり、これは、各Lグループは2つの結合を形成する場合があることを意図する。第1の結合はアミノ基R1R2NからリンカーLに対するものであり、第2の結合はリンカーLとケイ素原子間のものである。
好ましくは、-L-は直鎖の二価の(すなわち、二価の)C~C20アルキレン基を表す。さらに好ましくは-L-は直鎖の二価のC~Cアルキレン基を表す。特に好ましい-Lは、メチレン基(-CH-)、エチレン基(-CH-CH-)、プロピレン基(-CH-CH-CH-)またはブチレン(-CH-CH-CH-CH-)を表す。Lはプロピレン基(-CH-CH-CH-)を表す
直鎖プロピレン基(-CH-CH-CH-)はあるいはプロパン-1,3-ジイル基と称される場合がある。
式(I)の有機ケイ素化合物:
Figure 2022532362000006
の各々の一端はケイ素含有基-Si(ORa(Rbを有している。
末端の構造単位-Si(ORa(Rbにおいて、Rは水素またはC~Cアルキル基であり、RはC~Cアルキル基である。RおよびRは互いに独立して、メチル基またはエチル基を表す。
ここで、aは1~3の整数を表し、bは3-aの整数を表す。aが数値3を表すならば、bは0となる。aが数値2を表すならば、bは1となる。aが数値1を表すならば、bは2となる。
特に耐久性のあるフィルムは、薬剤(a)が、R基、R基が互いに独立してメチル基またはエチル基を表す式(I)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物(a1)を含む場合に生成できた。
本発明による方法をケラチン物質を染色するために使用した場合、薬剤(a)が、R基、R基が互いに独立して、メチル基またはエチル基を表す式(I)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含む場合と同様に、最良の洗浄堅牢性を有する染色を得ることができた。
さらに、薬剤(a)が、残基のaが数値3を表す式(I)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含む場合、最良の洗浄堅牢性を有する染色を得ることができた。この場合、残りのbは数値0を表す。
さらなる好ましい一実施形態において、該方法に使用される薬剤(a)は、式中において
・R、Rが互いに独立して、メチル基またはエチル基を表し、
・aが数値3を表し、
・bが数値0を表す、
式(I)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物(a1)を含むことを特徴とする。
さらなる好ましい一実施形態において、本発明による方法は、薬剤(a)が、式(I)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物(a1):
Figure 2022532362000007
[式中において
・R、Rがともに水素原子を表し、
・Lが、直鎖の二価のC~C-アルキレン基、好ましくはプロピレン基(-CH-CH-CH-)またはエチレン基(-CH-CH-)を表し、
・Rが水素原子、エチル基またはメチル基を表し、
・Rがメチル基またはエチル基を表し、
・aが数値3を表し、
・bが数値0を表す]
を含むことを特徴とする。
本発明による課題を解決するのに特に好適な式(I)の有機ケイ素化合物は以下である:
・(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン
Figure 2022532362000008
・(3-アミノプロピル)トリメトキシシラン
Figure 2022532362000009
・1-(3-アミノプロピル)シラントリオール
Figure 2022532362000010
・(2-アミノエチル)トリエトキシシラン
Figure 2022532362000011
・(2-アミノエチル)トリメトキシシラン
Figure 2022532362000012
・1-(2-アミノエチル)シラントリオール
Figure 2022532362000013
・(3-ジメチルアミノプロピル)トリエトキシシラン
Figure 2022532362000014
・(3-ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン
Figure 2022532362000015
・1-(3-ジメチルアミノプロピル)シラントリオール
Figure 2022532362000016
・(2-ジメチルアミノエチル)トリエトキシシラン
Figure 2022532362000017
・(2-ジメチルアミノエチル)トリメトキシシラン、および
Figure 2022532362000018
・1-(2-ジメチルアミノエチル)シラントリオール
Figure 2022532362000019
さらなる好ましい一実施形態において、本発明による方法は、薬剤(a)が、
・(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン
・(3-アミノプロピル)トリメトキシシラン
・1-(3-アミノプロピル)シラントリオール
・(2-アミノエチル)トリエトキシシラン
・(2-アミノエチル)トリメトキシシラン
・1-(2-アミノエチル)シラントリオール
・(3-ジメチルアミノプロピル)トリエトキシシラン
・(3-ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン
・1-(3-ジメチルアミノプロピル)シラントリオール
・(2-ジメチルアミノエチル)トリエトキシシラン
・(2-ジメチルアミノエチル)トリメトキシシラン、および/または
・1-(2-ジメチルアミノエチル)シラントリオール
の群から選択される少なくとも1種の有機ケイ素化合物(a1)を含むことを特徴とする。
式(I)の有機ケイ素化合物は市販されている。
例えば、(3-アミノプロピル)トリメトキシシランはSigma-Aldrichから購入することができる。また、(3-アミノプロピル)トリエトキシシランはSigma-Aldrichから市販されている。
さらなる一実施形態において、本発明による組成物は、式(II):
Figure 2022532362000020
の少なくとも1種の有機ケイ素化合物(a1)を含む。
本発明による式(II)の有機ケイ素化合物は各々、ケイ素含有基(RO)c(RdSi-および-Si(R’)d’(OR’)cを両端に有している。
式(II)の分子の中心部分には、-(A)e-基および-[NR-(A')]f-基および-[O-(A'')]g-基および-[NR-(A''')]h-基が存在している。ここで、残基のe、f、gおよびhの各々は互いに独立して、数値0または1を表し得るが、残基のe、f、gおよびhのうちの少なくとも1つは0と異なるものとする。換言すると、本発明による式(II)の有機ケイ素化合物は、-(A)-および-[NR-(A')]-および-[O-(A'')]-および-[NR-(A''')]-からなる群からの少なくとも1つの基を含む。
2つの末端の構造単位(RO)c(RdSi-および-Si(R')d’(OR')cにおいて、R5、R5'、R5''の基は互いに独立して、水素原子またはC~Cアルキル基を表す。R6、R6'およびR6''の基は独立して、C~Cアルキル基を表す。
ここで、cは1~3の整数を表し、dは3-cの整数を表す。cが数値3を表すならば、dは0となる。cが数値2を表すならば、dは1となる。cが数値1を表すならば、dは2となる。
同様に、c’は自然数1~3を表し、d’は3-c’の自然数を表す。c’が数値3を表すならば、d’は0である。c’が数値2を表すならば、d’は1である。c’が数値1を表すならば、d’は2である。
残基のcおよびc’がともに数値3を表す場合、最も高い安定性を有するフィルムまたは最良の洗浄堅牢性を有する染色を得ることができた。この場合、dおよびd’はともに数値0を表す。
別の好ましい実施形態において、該方法は、薬剤(a)が、式(II):
Figure 2022532362000021
[式中において
・R5およびR5’が独立して、メチル基またはエチル基を表し、
・cおよびc’がともに数値3を表し、
・dおよびd’がともに数値0を表す]
の少なくとも1種の有機ケイ素化合物(a1)を含むことを特徴とする。
cおよびc’がともに数値3であり、dおよびd’がともに数値0であるならば、本発明の有機ケイ素化合物は、式(IIa):
Figure 2022532362000022
に相当する。
残基のe、f、gおよびhは独立して、数値0または1を表し得、このとき、e、f、gおよびhのうち少なくとも1つの残基のものはゼロと異なる。したがって、略号e、f、gおよびhにより、-(A)e-および-[NR-(A')]f-および-[O-(A'')]g-および-[NR-(A''')]h-のうちのどの基が式(II)の有機ケイ素化合物の中央部分に存在するかが規定される。
これとの関連において、特定の基の存在が耐水洗性の増大の点において特に有益であることがわかった。特に良好な結果が、残基のe、f、gおよびhのうち少なくとも2つが数値1を表す場合に得られた。特に好ましいeおよびfはともに数値1を表す。さらに、gおよびhはともに数値0を表す。
eおよびfがともに数値1を表し、gおよびhはともに数値0を表す場合、本発明による有機ケイ素化合物は、式(IIb):
Figure 2022532362000023
に相当する。
A、A'、A''、A'''およびA''''の基は独立して、直鎖または分枝鎖の二価のC~C20アルキレン基を表す。好ましくは、A、A'、A''、A'''およびA''''の基は互いに独立して、直鎖の二価のC~C20アルキレン基を表す。さらに好ましくはA、A'、A''、A'''およびA''''の基は独立して、直鎖の二価のC~Cアルキレン基を表す。特に、A、A'、A''、A'''およびA''''の基は互いに独立して、メチレン基(-CH-)、エチレン基(-CH-CH-)、プロピレン基(-CH-CH-CH-)またはブチレン基(-CH-CH-CH-CH-)を表す。特に、A、A'、A''、A'''およびA''''の基はプロピレン基(-CH-CH-CH-)を表す。
二価のC~C20アルキレン基は、あるいは二価または二価のC~C20アルキレン基と称される場合もあり、これは、A、A'、A''、A'''およびA''''の基の各々が2つの結合を形成する場合があることを意図する。
直鎖プロピレン基(-CH-CH-CH-)は、あるいはプロパン-1,3-ジイル基と称される場合がある。
残基のfが数値1を表すならば、本発明による式(II)の有機ケイ素化合物は構造-[NR-(A')]-の基を含む。
残基のhが数値1を表すならば、本発明による式(II)の有機ケイ素化合物は構造-[NR-(A''')]-の基を含む。
式中において、RおよびRは独立して、水素原子、C~Cアルキル基、ヒドロキシ-C~Cアルキル基、C~Cアルケニル基、アミノ~C~Cアルキル基または式(III)の基:
Figure 2022532362000024
を表す。
非常に好ましくはR基およびR基は互いに独立して、水素原子、メチル基、2-ヒドロキシエチル基、2-アルケニル基、2-アミノエチル基または式(III)の基を表す。
残基のfが数値1を表し、残基のhは数値0を表す場合、本発明による有機ケイ素化合物は[NR-(A')]基を含むが-[NR-(A'')]基は含まない。また、R7基が式(III)の基を表す場合、薬剤(a)は、3つの反応性シラン基を有する有機ケイ素化合物を含む。
別の好ましい実施形態において、該方法は、薬剤(a)が式(II):
Figure 2022532362000025
[式中
・eおよびfがともに数値1を表し、
・gおよびhがともに数値0を表し、
・AおよびA’が独立して、直鎖の二価のC~Cアルキレン基を表し、
・Rが、水素原子、メチル基、2-ヒドロキシエチル基、2-アルケニル基、2-アミノエチル基または式(III)の基を表す]
の少なくとも1種の有機ケイ素化合物(a1)を含むことを特徴とする。
さらなる好ましい一実施形態において、該方法は、薬剤(a)が、式中において
・eおよびfがともに数値1を表し、
・gおよびhがともに数値0を表し、
・AおよびA’が互いに独立して、メチレン基(-CH-)、エチレン基(-CH-CH-)またはプロピレン基(-CH-CH-CH)を表し、
・Rが、水素原子、メチル基、2-ヒドロキシエチル基、2-アルケニル基、2-アミノエチル基または式(III)の基を表す、
式(II)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含むことを特徴とする。
本発明による課題を解決するのに充分に適した式(II)の有機ケイ素化合物は以下である:
・3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
Figure 2022532362000026
・3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
Figure 2022532362000027
・N-メチル-3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
Figure 2022532362000028
・N-メチル-3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
Figure 2022532362000029
・2-[ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アミノ]-エタノール
Figure 2022532362000030
・2-[ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]アミノ]エタノール
Figure 2022532362000031
・3-(トリメトキシシリル)-N,N-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
Figure 2022532362000032
・3-(トリエトキシシリル)-N,N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
Figure 2022532362000033
・N1,N1-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1,2-エタンジアミン
Figure 2022532362000034
・N1,N1-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1,2-エタンジアミン
Figure 2022532362000035
・N,N-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-2-プロペン-1-アミン
Figure 2022532362000036
・N,N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-2-プロペン-1-アミン
Figure 2022532362000037
式(II)の有機ケイ素化合物は市販されている。
CAS番号82985-35-1のビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンはSigma-Aldrichから購入することができる。
CAS番号13497-18-2のビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]アミンは、例えばSigma-Aldrichから購入することができる。
N-メチル-3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミンは、あるいはビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-メチルアミンと称され、市販品としてSigma-AldrichまたはFluorochemから購入することができる。
CAS番号18784-74-2の3-(トリエトキシシリル)-N,N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミンは、例えばFluorochemまたはSigma-Aldrichから購入することができる。
さらなる好ましい一実施形態において、該方法は、薬剤(a)が、
・3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
・3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
・N-メチル-3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
・N-メチル-3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
・2-[ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アミノ]-エタノール
・2-[ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]アミノ]エタノール
・3-(トリメトキシシリル)-N,N-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
・3-(トリエトキシシリル)-N,N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
・N1,N1-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1,2-エタンジアミン
・N1,N1-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1,2-エタンジアミン
・N,N-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-2-プロペン-1-アミン、および/または
・N,N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-2-プロペン-1-アミン
からなる群より選択される少なくとも1種の有機ケイ素化合物(a1)を含むことを特徴とする。
また、さらなる試験、特に染色試験において、該方法でケラチン物質に適用される薬剤(a)が、式(IV):
Figure 2022532362000038
の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含む場合が特に好都合であることがわかった。
式(IV)の化合物は、1個、2個または3個のケイ素原子を有するシランから選択される有機ケイ素化合物であり、該有機ケイ素化合物は1分子あたり1つ以上のヒドロキシル基および/または加水分解性基を含む。
また、式(IV)の有機ケイ素化合物:
Figure 2022532362000039
[式中
・RはC~C18アルキル基を表し、
・R10は水素原子またはC~Cアルキル基を表し、
・R11はC~Cアルキル基を表し、
・kは1~3の整数であり、
・mは3-kの整数を表す]
はアルキル-アルコキシ-シラン型またはアルキル-ヒドロキシ-シラン型のシランと称される場合もある。
さらなる好ましい一実施形態において、該方法は、薬剤(a)が、式(IV)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物(a1):
Figure 2022532362000040
[式中
・RがC~C18アルキル基を表し、
・R10が水素原子またはC~Cアルキル基を表し、
・R11がC~Cアルキル基を表し、
・kが1~3の整数であり、
・mが3-kの整数を表す]
を含むことを特徴とする。
さらなる好ましい一実施形態において、該方法は、薬剤(a)が、式(I)の有機ケイ素化合物に加えて式(IV)の少なくとも1種のさらなる有機ケイ素化合物
Figure 2022532362000041
[式中
・RがC~C18アルキル基を表し、
・R10が水素原子またはC~Cアルキル基を表し、
・R11がC~Cアルキル基を表し、
・kが1~3の整数であり、
・mが3-kの整数を表す]
を含むことを特徴とする。
さらなる好ましい一実施形態において、該方法は、薬剤(a)が、式(II)の有機ケイ素化合物に加えて、式(IV)の少なくとも1種のさらなる有機ケイ素化合物:
Figure 2022532362000042
[式中、
・RがC~C18アルキル基を表し、
・R10が水素原子またはC~Cアルキル基を表し、
・R11がC~Cアルキル基を表し、
・kが1~3の整数であり、
・mが3-kの整数を表す]
を含むことを特徴とする。
さらなる好ましい一実施形態において、該方法は、薬剤(a)が、式(I)および/または(II)の有機ケイ素化合物に加えて、式(IV)の少なくとも1種のさらなる有機ケイ素化合物:
Figure 2022532362000043
[式中、
・RがC~C18アルキル基を表し、
・R10が水素原子またはC~Cアルキル基を表し、
・R11がC~Cアルキル基を表し、
・kが1~3の整数であり、
・mが3-kの整数を表す]
を含むことを特徴とする。
式(IV)の有機ケイ素化合物において、基RはC~C18アルキル基を表す。このC~C18アルキル基は飽和型であり、直鎖または分枝鎖であり得る。好ましくは、Rは直鎖C~C18アルキル基を表す。好ましくは、Rは、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、n-ドデシル基またはn-オクチルデシル基を表す。特に好ましくは、Rは、メチル基、エチル基、n-ヘキシル基またはn-オクチル基を表す。
式(IV)の有機ケイ素化合物において、R10基は水素原子またはC~Cアルキル基を表す。特に好ましくは、R10はメチル基またはエチル基を表す。
式(IV)の有機ケイ素化合物において、R11基はC~Cアルキル基を表す。特に好ましくは、R11はメチル基またはエチル基を表す。
さらに、kは自然数1~3を表し、mは3-kの自然数を表す。kが数値3を表すならば、mは0となる。kが数値2を表すならば、mは1となる。kが数値1を表すならば、mは2となる。
特に安定なフィルム、すなわち特に良好な洗い流し堅牢特性を有する染色は、式(IV)[式中、残基のkが数値3である]に相当する少なくとも1種の有機ケイ素化合物(a1)を含む薬剤(a)を該方法において使用した場合に得ることができた。この場合、残りのmは数値0を表す。
本発明による課題を解決するのに特に好適な式(IV)の有機ケイ素化合物は、
・メチルトリメトキシシラン
Figure 2022532362000044
・メチルトリエトキシシラン
Figure 2022532362000045
・エチルトリメトキシシラン
Figure 2022532362000046
・エチルトリエトキシシラン
Figure 2022532362000047
・n-ヘキシルトリメトキシシラン
Figure 2022532362000048
・n-ヘキシルトリエトキシシラン
Figure 2022532362000049
・n-オクチルトリメトキシシラン
Figure 2022532362000050
・n-オクチルトリエトキシシラン
Figure 2022532362000051
・n-ドデシルトリメトキシシラン、および/または
Figure 2022532362000052
・n-ドデシルトリエトキシシラン
Figure 2022532362000053
n-オクタデシルトリメトキシシランおよび/またはn-オクタデシルトリエトキシシランである。
さらなる好ましい一実施形態において、本発明による方法は、薬剤(a)が、
・メチルトリメトキシシラン
・メチルトリエトキシシラン
・エチルトリメトキシシラン
・エチルトリエトキシシラン
・ヘキシルトリメトキシシラン
・ヘキシルトリエトキシシラン
・オクチルトリメトキシシラン
・オクチルトリエトキシシラン
・ドデシルトリメトキシシラン
・ドデシルトリエトキシシラン
・オクタデシルトリメトキシシラン、および/または
・オクタデシルトリエトキシシラン
からなる群より選択される式(IV)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物(a1)を含むことを特徴とする。
上記の有機ケイ素化合物は反応性化合物である。これとの関連において、薬剤(a)は、薬剤(a)の総重量に対して、1種以上の有機ケイ素化合物(a1)を0.1~20重量%、好ましくは1~15重量%、特に好ましくは2~8重量%の総量で含む場合が好ましいことがわかった。
さらなる好ましい一実施形態において、本発明による方法は、薬剤(a)が、薬剤(a)の総重量に対して、1種以上の有機ケイ素化合物(a1)を0.1~20重量%、好ましくは1~15重量%、特に好ましくは2~8重量%の総量で含むことを特徴とする。
特に良好な染色結果を得るためには、式(I)および/または(II)の有機ケイ素化合物を薬剤(a)において特定の範囲の量で使用することが特に好都合である。特に好ましくは、薬剤(a)が、薬剤(a)の総重量に対して、1種以上の式(I)および/または(II)の有機ケイ素化合物を0.1~10重量%、好ましくは0.5~5重量%、特に好ましくは0.5~3重量%の総量で含む。
さらなる好ましい一実施形態において、本発明による方法は、薬剤(a)が、薬剤(a)の総重量に対して、1種以上の式(I)および/または(II)の有機ケイ素化合物を0.1~10重量%、好ましくは0.5~5重量%、特に好ましくは0.5~3重量%の総量で含むことを特徴とする。
さらに、式(IV)の有機ケイ素化合物がまた、薬剤(a)において特定の範囲の量で存在する場合が特に好ましいことがわかった。特に好ましくは、薬剤(a)は、薬剤(a)の総重量に対して、1種以上の式(IV)の有機ケイ素化合物を0.1~20重量%、好ましくは2~15重量%、特に好ましくは4~9重量%の総量で含む。
さらなる好ましい一実施形態において、本発明による方法は、薬剤(a)が、薬剤(a)の総重量に対して、1種以上の式(IV)の有機ケイ素化合物を0.1~20重量%、好ましくは2~15重量%、特に好ましくは3.2~10重量%の総量で含むことを特徴とする。
本発明に至る研究の過程において、薬剤(a)は互いに構造的に異なる2種の有機ケイ素化合物を含む場合であっても、ケラチン物質上に特に安定で一様なフィルムを得ることできることがわかった。
別の好ましい実施形態において、本発明による方法は、薬剤(a)が、構造的に異なる少なくとも2種の有機ケイ素化合物を含むことを特徴とする。
好ましい一実施形態において、該方法は、少なくとも1種の式(I)の有機ケイ素化合物と式(IV)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含む薬剤(a)をケラチン物質に適用することを特徴とする。
明白に相当に特に好ましい一実施形態において、本発明による方法は、薬剤(a)をケラチン物質に適用し、該薬剤が、(3-アミノプロピル)トリエトキシシランおよび(3-アミノプロピル)トリメトキシシランからなる群より選択される式(I)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含み、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ドデシルトリメトキシシランおよびドデシルトリエトキシシランからなる群より選択される式(IV)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物をさらに含むことを特徴とする。
さらなる好ましい一実施形態において、該方法は、薬剤(a)が、薬剤(a)の総重量に対して:
・0.5~5重量%の、(3-アミノプロピル)トリメトキシシラン、(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン、(2-アミノエチル)トリメトキシシラン、(2-アミノエチル)トリエトキシシラン、(3-ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、(3-ジメチルアミノプロピル)トリエトキシシラン(2-ジメチルアミノエチル)トリメトキシシランおよび(2-ジメチルアミノエチル)トリエトキシシランからなる群より選択される少なくとも1種の第1の有機ケイ素化合物(a1)、ならびに
・3.2~10重量%の、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、およびドデシルトリエトキシシランからなる群より選択される少なくとも1種の第2の有機ケイ素化合物(a1)
を含むことを特徴とする。
この実施形態において、薬剤(a)は第1の群の1種以上の有機ケイ素化合物を0.5~3重量%の総量で含む。この第1の群の有機ケイ素化合物は、(3-アミノプロピル)トリメトキシシラン、(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン、(2-アミノエチル)トリメトキシシラン、(2-アミノエチル)トリエトキシシラン、(3-ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、(3-ジメチルアミノプロピル)トリエトキシシラン(2-ジメチルアミノエチル)トリメトキシシランおよび/または(2-ジメチルアミノエチル)トリエトキシシランからなる群より選択される。
この実施形態において、薬剤(a)は第2の群の1種以上の有機ケイ素化合物を3.2~10重量%の総量で含む。この第2の群の有機ケイ素化合物は、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、および/またはドデシルトリエトキシシラン、からなる群より選択される。
少量の水の添加であっても、少なくとも1つの加水分解性基を有する有機ケイ素化合物の加水分解がもたらされる。加水分解生成物および/または少なくとも1つのヒドロキシ基を有する有機ケイ素化合物は縮合反応において互いに反応することがある。この理由で、少なくとも1つの加水分解性基を有する有機ケイ素化合物とその加水分解生成物および/または縮合生成物の両方が薬剤(a)中に存在することがある。少なくとも1つのヒドロキシル基を有する有機ケイ素化合物を使用する場合は、該少なくとも1つのヒドロキシル基を有する有機ケイ素化合物とその縮合生成物の両方が薬剤(a)中に存在し得る。
縮合生成物は、各々が1分子あたり少なくとも1つのヒドロキシル基または加水分解性基を有する少なくとも2種の有機ケイ素化合物の水の脱離および/またはアルカノールの脱離による反応によって形成される生成物であると理解されたい。縮合生成物は例えば二量体であってもよいが、三量体またはオリゴマーであってもよく、縮合生成物はモノマーと平衡状態である。加水分解において使用または消費される水の量に応じて、平衡はモノマー型の有機ケイ素化合物から縮合生成物にシフトする。
特に良好な結果が、式(I)および/または(II)の有機ケイ素化合物を該方法において使用した場合に得られた。先に記載のように加水分解/縮合は既に微量の水分で開始されるため、有機ケイ素化合物(I)および/または(II)の縮合生成物もまた、この実施形態に含まれる。
〔着色化合物(a2)〕
薬剤(a)をケラチン物質に適用する場合、1分子あたり1つ以上のヒドロキシル基または加水分解性基を含む有機ケイ素化合物(a1)は、水の存在下で、まず加水分解され、オリゴマー化またはポリマー化される。このようにして形成される加水分解生成物またはオリゴマーは、ケラチン物質の表面に対して特に高い親和性を有する。薬剤(a)中に第1の着色化合物(a2)が同時に存在することで、それらを結果として生じるオリゴマーまたはポリマーに統合して、ケラチン物質上に着色フィルムが形成される。薬剤(a)の適用に続いて、薬剤(b)が適用され、それにより、この薬剤(b)に含まれるフィルム形成性ポリマー(b1)が、第2のフィルムの形態でケラチン物質上に堆積される。したがって、薬剤(a)および(b)を連続して適用すると、外部の影響に特に耐性のあるいくつかのフィルムの層が作成される。これらの耐性フィルムに閉じ込められた着色化合物(a2)は、良好な摩擦耐性および洗浄耐性を示す。
したがって、本発明の必須成分(a2)として、染色方法で使用される薬剤(a)は、顔料および/または直接染料からなる群から選択される少なくとも1種の第1の着色化合物を含む。
この文脈では、顔料の使用が特に好ましいことが証明されている。
別の非常に特に好ましい実施形態では、方法は、薬剤(a)が、顔料からなる群からの少なくとも1種の第1の着色化合物(a2)を含むことを特徴とする。
本発明の意味の範囲に含まれる顔料は、25℃において0.5g/L未満、好ましくは0.1g/L未満、なおより好ましくは0.05g/L未満の水への溶解度を有する着色化合物である。水への溶解度は、例えば下記の方法によって測定できる:0.5gの顔料をビーカー内に量り入れる。攪拌子を添加する。次いで、1リットルの蒸留水を添加する。この混合物を、磁気攪拌機で撹拌しながら25℃まで1時間加熱する。この期間後、顔料の未溶解成分が混合物中にまだみられる場合、顔料の溶解度は0.5g/L未満である。おそらく微細分散された顔料の高負荷のため顔料-水の混合物を視認的に評価できない場合、混合物を濾過する。ある割合の未溶解顔料が濾紙上に残存している場合、顔料の溶解度は0.5g/L未満である。
好適な着色顔料は無機および/または有機起源のものであり得る。
好ましい一実施形態では、本発明による薬剤は、薬剤(a)が無機および/または有機顔料の群からの少なくとも1種の第1の着色化合物(a2)を含むことを特徴とする。
好ましい着色顔料は合成または天然の無機顔料から選択される。天然起源の無機着色顔料は、例えば、チョーク、黄土、アンバー、緑土、赤土(burnt Terra di Siena)またはグラファイトから生成され得る。さらに、黒色顔料、例えば黒色酸化鉄、有色顔料、例えばウルトラマリンまたは赤色酸化鉄ならびに蛍光またはリン光顔料が無機着色顔料として使用できる。
特に好適であるのは、有色の金属酸化物、水酸化物および酸化物の水和物、混相顔料、含硫シリケート、シリケート、金属硫化物、金属シアン化物錯体、金属硫酸塩、クロメートおよび/またはモリブデートである。好ましい着色顔料は黒色酸化鉄(CI 77499)、黄色酸化鉄(CI 77492)、赤褐色酸化鉄(CI 77491)、マンガンバイオレット(CI 77742)、ウルトラマリン(スルホケイ酸アルミニウムナトリウム、CI 77007、ピグメントブルー29)、酸化クロム水和物(CI 77289)、アイアンブルー(フェロシアン化第二鉄、CI 77510)および/またはカーマイン(コチニール)である。
本発明によれば、有色真珠光沢顔料もまた特に好ましい着色顔料である。このようなものは通常、雲母(マイカ、Mica)および/または雲母(Glimmer)ベースであり、1種以上の金属酸化物でコーティング(被覆)し得る。雲母は層状ケイ酸塩に属する。このようなケイ酸塩のうち最も重要な代表例はマスコバイト、フロゴパイト、パラゴナイト、黒雲母、鱗雲母および真珠雲母である。金属酸化物との組合せでの真珠光沢顔料を作製するためには、雲母、主にマスコバイトまたはフロゴパイトを金属酸化物でコーティングする。
天然雲母の代替として1種以上の金属酸化物でコーティングした合成雲母もまた真珠光沢顔料として使用できる。特に好ましい真珠光沢顔料は、天然または合成雲母(Mica)(雲母(Glimmer))ベースのものであり、上記の金属酸化物のうちの1種以上でコーティングされている。それぞれの顔料の色彩は、金属酸化物の層の厚さを変えることにより変更することができる。
また、好ましい雲母ベース顔料は、金属酸化物でコーティングされた、合成フルオロフロゴパイト(INCI:合成フルオロフロゴパイト)ベースの合成により作製された雲母プレートレットである。合成フルオロフロゴパイトプレートレットは、例えば酸化スズ、酸化鉄および/または二酸化チタンでコーティングされる。金属酸化物層に顔料、例えばヘキサシアニド鉄酸鉄(II/III)またはカーマインレッドをさらに含み得る。かかる雲母顔料は、例えばSYNCRYSTALの名称でEckartから入手可能である。
さらなる好ましい一実施形態において、該方法は、薬剤(a)が、有色の金属酸化物、金属水酸化物、金属酸化物水和物、シリケート、金属硫化物、金属シアン化物錯体、金属硫酸塩、ブロンズ顔料の群および/または少なくとも1種の金属酸化物および/または金属酸塩化物でコーティングされた有色の雲母(Mica)または雲母(Glimmer)ベース顔料の群から選択される無機顔料の群からの少なくとも1種のさらなる着色化合物(a2)を含むことを特徴とする。
さらなる好ましい一実施形態において、該方法は、薬剤(a)が、二酸化チタン(CI 77891)、黒色酸化鉄(CI 77499)、黄色酸化鉄(CI 77492)、赤色および/または褐色酸化鉄(CI 77491、CI 77499)、マンガンバイオレット(CI 77742)、ウルトラマリン(スルホケイ酸アルミニウムナトリウム、CI 77007、ピグメントブルー29)、酸化クロム水和物(CI 77289)、酸化クロム(CI 77288)および/またはアイアンブルー(フェロシアン化第二鉄、CI 77510)からなる群からの1種以上の金属酸化物と反応した雲母(Mica)または雲母(Glimmer)ベース顔料から選択される顔料の群からの少なくとも1種のさらなる着色化合物(a2)を含むことを特徴とする。
特に好適な着色顔料の例は、商品名Rona(登録商標)、Colorona(登録商標)、Xirona(登録商標)、Dichrona(登録商標)およびTimiron(登録商標)でMerckから、Ariabel(登録商標)およびUnipure(登録商標)でSensientから、Prestige(登録商標)でEckart Cosmetic Colorsから、Flamenco(登録商標)、Cellini(登録商標)、Cloisonne(登録商標)、Duocrome(登録商標)、Gemtone(登録商標)、Timica(登録商標)、MultiReflections、ChioneでBASF SEから、およびSunshine(登録商標)でSunstarから市販されているものである。
商品名Colorona(登録商標)を有する特に好ましい着色顔料は、例えば:
Colorona Copper,Merck,雲母,CI 77491(酸化鉄)
Colorona Passion Orange,Merck,雲母,CI 77491(酸化鉄)、アルミナ
Colorona Patina Silver,Merck,雲母,CI 77499(酸化鉄)、CI 77891(二酸化チタン)
Colorona RY,Merck,CI 77891(二酸化チタン)、雲母,CI 75470(CARMINE)
Colorona Oriental Beige,Merck,雲母,CI 77891(二酸化チタン)、CI 77491(酸化鉄)
Colorona Dark Blue,Merck,雲母、二酸化チタン、フェロシアン化第二鉄
Colorona Chameleon,Merck,CI 77491(酸化鉄)、雲母
Colorona Aborigine Amber,Merck,雲母,CI 77499(酸化鉄)、CI 77891(二酸化チタン)
Colorona Blackstar Blue,Merck,CI 77499(酸化鉄)、雲母
Colorona Patagonian Purple,Merck,雲母,CI 77491(酸化鉄)、CI 77891(二酸化チタン)、CI 77510(フェロシアン化第二鉄)
Colorona Red Brown,Merck,雲母,CI 77491(酸化鉄)、CI 77891(二酸化チタン)
Colorona Russet,Merck,CI 77491(二酸化チタン)、雲母,CI 77891(酸化鉄)
Colorona Imperial Red,Merck,雲母、二酸化チタン(CI 77891)、D&C RED NO.30(CI 73360)
Colorona Majestic Green,Merck,CI 77891(二酸化チタン)、雲母,CI 77288(酸化クロムグリーン)
Colorona Light Blue,Merck,雲母、二酸化チタン(CI 77891)、フェロシアン化第二鉄(CI 77510)
Colorona Red Gold,Merck,雲母,CI 77891(二酸化チタン)、CI 77491(酸化鉄)
Colorona Gold Plus MP 25,Merck,雲母、二酸化チタン(CI 77891)、酸化鉄(CI 77491)
Colorona Carmine Red,Merck,雲母、二酸化チタン、カーマイン
Colorona Blackstar Green,Merck,雲母,CI 77499(酸化鉄)
Colorona Bordeaux,Merck,雲母,CI 77491(酸化鉄)
Colorona Bronze,Merck,雲母,CI 77491(酸化鉄)
Colorona Bronze Fine,Merck,雲母,CI 77491(酸化鉄)
Colorona Fine Gold MP 20,Merck,雲母,CI 77891(二酸化チタン)、CI 77491(酸化鉄)
Colorona Sienna Fine,Merck,CI 77491(酸化鉄)、雲母
Colorona Sienna,Merck,雲母,CI 77491(酸化鉄)
Colorona Precious Gold,Merck,雲母,CI 77891(二酸化チタン)、シリカ、CI 77491(酸化鉄)、酸化スズ
Colorona Sun Gold Sparkle MP 29,Merck,雲母、二酸化チタン、酸化鉄、雲母,CI 77891、CI 77491(EU)
Colorona Mica Black,Merck,CI 77499(酸化鉄)、雲母,CI 77891(二酸化チタン)
Colorona Bright Gold,Merck,雲母,CI 77891(二酸化チタン)、CI 77491(酸化鉄)
Colorona Blackstar Gold,Merck,雲母,CI 77499(酸化鉄)
Colorona SynCopper,Merck,合成フルオロフロゴパイト(および)酸化鉄
Colorona SynBronze,Merck,合成フルオロフロゴパイト(および)酸化鉄
である。
商品名Xirona(登録商標)を有する他の特に好ましい着色顔料は、例えば:
Xirona Golden Sky,Merck,シリカ、CI 77891(二酸化チタン)、酸化スズ
Xirona Caribbean Blue,Merck,雲母,CI 77891(二酸化チタン)、シリカ、酸化スズ
Xirona Kiwi Rose,Merck,シリカ、CI 77891(二酸化チタン)、酸化スズ
Xirona Magic Mauve,Merck,シリカ、CI 77891(二酸化チタン)、酸化スズ
Xirona Le Rouge,Merck,酸化鉄(および)シリカ
である。
また、商品名Unipure(登録商標)を有する特に好ましい着色顔料は、例えば:
Unipure Red LC 381 EM,Sensient CI 77491(酸化鉄)、シリカ
Unipure Black LC 989 EM,Sensient,CI 77499(酸化鉄)、シリカ
Unipure Yellow LC 182 EM,Sensient,CI 77492(酸化鉄)、シリカ
である。
また、商品名Flamenco(登録商標)を有する特に好ましい顔料は、例えば:
Flamenco(登録商標)Summit Turquoise T30D,BASF,二酸化チタン(および)雲母
Flamenco(登録商標)Super Violet 530Z,BASF,雲母(および)二酸化チタン
である。
金属光沢顔料などの他のエフェクト顔料を使用できる。
エフェクト顔料は、例えば、層状基材プレートレットに基づく顔料、レンズ状基材プレートレットに基づく顔料、および/または「真空金属化顔料」(VMP)を含む基材プレートレットに基づく顔料を含み得る。
基材プレートレット(substrate platelets)は、最大で50nm、好ましくは30nm未満、特に好ましくは最大で25nm、例えば最大で20nmの平均厚さを有する。基材プレートレットの平均厚さは少なくとも1nm、好ましくは少なくとも2.5nm、特に好ましくは少なくとも5nm、例えば少なくとも10nmである。基材プレートレット厚さの好ましい範囲は2.5~50nm、5~50nm、10~50nm;2.5~30nm、5~30nm、10~30nm;2.5~25nm、5~25nm、10~25nm、2.5~20nm、5~20nmおよび10~20nmである。好ましくは、各基材プレートレットは可能な限り一様な厚さを有する。
基材プレートレットの薄い厚さのため、顔料は特に高い隠蔽力を示す。
基材プレートレットはモノリシック(monolithic)構造を有する。この文脈でのモノリシックとは、構造変化が基板プレートレット内で発生する可能性があるものの、破壊、層化、または介在物のない単一の閉じたユニットからなることを意味する。基材プレートレットは好ましくは均一な構造である、すなわちプレートレット内に濃度勾配がない。特に、基材プレートレットは層状構造を有しておらず、粒子を有していないか、または内部に粒子が分布していない。
基材プレートレットのサイズは、それぞれの適用目的のために、特にケラチン性材料に対する所望の効果のために調整できる。典型的には、基材プレートレットは、約2~200μm、特に約5~100μmの平均最大径を有する。
好ましい設計の一例において、平均厚さに対する平均サイズの比で示されるアスペクト比は少なくとも80、好ましくは少なくとも200、より好ましくは少なくとも500、より好ましくは750超である。コーティングなしの基材プレートレットの平均サイズは該コーティングなしの基材プレートレットのd50値である。特に記載のない限り、d50値は、Sympatec Helos装置を用いてquixel湿式分散により測定した。試料を調製するため、分析対象の試料をイソプロパノール中に3分間、予備分散させた。
基材プレートレットは、プレートレット形状に形成可能な任意の材料で構成できる。
基材プレートレットは天然起源のものであり得るが、合成により生成されたものであってもよい。基材プレートレットが構築可能な材料として、金属および金属合金、金属酸化物、好ましくは酸化アルミニウム、無機化合物、ならびに鉱物、例えば雲母(マイカ)および(半)貴石、ならびにプラスチックが挙げられる。好ましくは、基材プレートレットは金属(合金)で構築されている。
金属光沢顔料に適した任意の金属が使用できる。かかる金属として、鉄およびスチール、ならびに空気および水に耐久性のあるあらゆる(半)金属、例えば白金、亜鉛、クロム、モリブデンおよびケイ素ならびにその合金、例えばアルミニウムブロンズおよび真鍮が挙げられる。好ましい金属はアルミニウム、銅、銀および金である。好ましい基材プレートレットとしては、アルミニウムプレートレットおよび真鍮プレートレットが挙げられ、アルミニウム基材プレートレットが特に好ましい。
すでに上で説明したように、基材プレートレットは異なる形状を有し得る。例えば、層状およびレンズ状基材プレートレットまたはいわゆる真空金属化顔料(VMP)を基材プレートレットとして使用できる。層状基材プレートレットは、不規則に構造化されたエッジを特徴とし、その外観から「コーンフレーク」とも呼ばれる。レンズ状基材プレートレットは本質的に規則的な丸いエッジを有し、その外観から「シルバーダラー」とも呼ばれる。それらの不規則な構造のために、層状基材プレートレットに基づく金属光沢顔料は、レンズ状基材プレートレットよりも高い割合の散乱光を生成するが、後者では反射光の割合が優勢である。
金属または金属合金のVMPは、適切に金属化されたフィルムから金属または金属合金を放出することによって得ることができる。それらは、5~50nmの範囲、好ましくは30nm以下、非常に好ましくは20nm以下の基材プレートレットの厚さが特に薄いことを特徴とする。遠方の(Far)VMPは、反射率が高く、特に滑らかな表面を有する。アルミニウム製のVMPが特に好ましい。
金属または金属合金の基材プレートレットを、例えばアノード酸化(酸化物層)またはクロメート処理によって不動態化してもよい。
コーティングなしの層状基材プレートレット、特に金属または金属合金製のものは入射光を高度に反射し、明暗フロップをもたらすが色感はもたらさない。
色感は、例えば光学干渉効果によってもたらされてもよい。かかる顔料は、少なくとも1つのコーティングを有する(単一被覆の)基材プレートレットに基づいていてよい。このようなものは、屈折および反射が異なる光線の重なりによって干渉効果を示す。
したがって、好ましい顔料はコーティングされた基材プレートレットベースの顔料である。基材プレートレットは好ましくは、少なくとも50nmのコーティング厚さを有する高屈折率の金属酸化物の少なくとも1つのコーティングBを有する。好ましくは、コーティングBと基材プレートレット表面の間に別のコーティングAを存在させる。必要であれば、層B上に、下層となるこの層Bと異なるさらなるコーティングCを存在させる。
コーティングA、BおよびCのための好適な材料は、基材プレートレットにフィルム様に永続的な様式で適用することができ、コーティングAおよびBの場合は必要とされる光学特性を有するあらゆる物質である。一般的に、基材プレートレット表面のコーティング部は、光沢効果を有する顔料が得られるのに充分である。例えば、基材プレートレットの上面および/または底面のみをコーティングし、側面はしなくてもよい。好ましくは、任意に不動態化した基材プレートレットの側面を含む全面がコーティングBによってカバーされる。かくして基材プレートレットはコーティングBによって完全に覆われる。これにより顔料の光学特性が改善され、機械的および化学的耐久性が高まる。上記のことは層Aにも、および存在する場合、好ましくは層Cにもあてはまる。
各場合において複数のコーティングA、Bおよび/またはCが存在してもよいが、コーティングされた基材プレートレットは好ましくは、各場合においてコーティングA、B、および存在する場合はCを1つだけ有する。
コーティングBは、少なくとも1種の高屈折率の金属酸化物で構成される。高屈折率の材料は、少なくとも1.9、好ましくは少なくとも2.0、より好ましくは少なくとも2.4の屈折率を有する。好ましくは、コーティングBは、少なくとも95重量%、より好ましくは少なくとも99重量%の高屈折率金属酸化物を含む。
コーティングBは少なくとも50nmの厚さを有する。好ましくは、コーティングBの厚さは400nm以下、より好ましくは300nm以下である。
コーティングBに適した高屈折率の金属酸化物は好ましくは選択的光吸収性(すなわち、有色)金属酸化物、例えば酸化鉄(III)(α-およびγ-Fe2O3、赤)、酸化コバルト(II)(青)、酸化クロム(III)(緑)、酸化チタン(III)(青、通常、酸窒化チタンおよび窒化チタンとの混合状態で存在する)、および酸化バナジウム(V)(橙)、ならびにその混合物である。無色の高屈折率酸化物、例えば二酸化チタンおよび/または酸化ジルコニウムもまた好適である。
コーティングBには、選択的吸光性染料がコーティングBの総量に対して各場合において好ましくは0.001~5重量%、特に好ましくは0.01~1重量%で含まれてもよい。好適な染料は、金属酸化物コーティング内に安定的に組み込まれ得る有機染料および無機染料である。
コーティングAは好ましくは、少なくとも1種の低屈折率の金属酸化物および/または金属酸化物水和物を有する。好ましくは、コーティングAは、少なくとも95重量%、より好ましくは少なくとも99重量%の低屈折率の金属酸化物(水和物)を含む。低屈折率材料は、1.8以下、好ましくは1.6以下の屈折率を有する。
コーティングAに適した低屈折率金属酸化物としては、例えば、(二)酸化ケイ素、酸化ケイ素水和物、酸化アルミニウム、酸化アルミニウム水和物、酸化ホウ素、酸化ゲルマニウム、酸化マンガン、酸化マグネシウム、およびその混合物が挙げられ、二酸化ケイ素が好ましい。コーティングAは好ましくは、1~100nm、特に好ましくは5~50nm、特に好ましくは5~20nmの厚さを有する。好ましくは、基材プレートレット表面とコーティングBの内側表面との間隔は最大で100nm、特に好ましくは最大で50nm、特に好ましくは最大で20nmである。コーティングAの厚さ、したがって基材プレートレット表面とコーティングBとの間隔が上記に明記した範囲内になることを確実にすることにより、顔料が高い隠蔽力を有するのを確実にすることが可能である。
基材プレートレットベース顔料が層Aのみを有する場合、顔料は、アルミニウムの基材プレートレットおよびシリカの層Aを有することが好ましい。基材プレートレットベース顔料が層Aと層Bを有する場合、顔料は、アルミニウムの基材プレートレット、シリカの層Aおよび酸化鉄の層Bを有することが好ましい。
あるいは、金属酸化物に対して、層Bは、金属粒子担体層の表面に堆積された金属粒子を有する金属粒子担体層を含み得る。好ましい実施形態では、金属粒子は、金属粒子担体層の一部を直接覆う。この実施形態では、エフェクト顔料は、金属粒子が存在しない領域、すなわち、金属粒子で覆われていない領域を有する。
金属粒子担体層は、金属層および/または金属酸化物層を含む。
金属粒子担体層が金属層と金属酸化物層とを含む場合、これらの層の配置は限定されない。
金属粒子支持層は、少なくとも金属層を含むことが好ましい。金属層は、スズ(Sn)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)および金(Au)から選択される元素を含むことがさらに好ましい。
金属層は、例えば、金属を含む金属塩溶液にアルカリを加えることによって形成できる。
金属粒子担体層が金属酸化物層を含む場合、これは好ましくは二酸化ケイ素を含まない。金属酸化物層は、好ましくは、Mg(マグネシウム)、Sn(スズ)、Zn(亜鉛)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Fe(鉄)、Zr。(ジルコニウム)、Ti(チタン)およびCe(セリウム)からなる群から選択される少なくとも1つの元素の酸化物を含む。特に好ましくは、金属酸化物層の形態の金属粒子支持層iii)は、Sn、Zn、Ti、およびCeの金属酸化物を含む。
金属酸化物層の形態の金属粒子支持層は、例えば、ゾルゲルプロセスにおいて金属酸化物の金属を形成する金属のアルコキシドの加水分解によって生成できる。
金属層の厚さは、好ましくは30nm以下である。
金属粒子は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、スズ(Sn)、白金(Pt)、金(Au)、およびそれらの合金からなる群から選択される少なくとも1つの元素を含み得る。金属粒子は、銅(Cu)、ニッケル(Ni)および銀(Ag)から選択される少なくとも1つの元素を含むことが特に好ましい。
金属粒子の平均粒子径は、好ましくは50nm以下、より好ましくは30nm以下である。金属粒子間の距離は、好ましくは10nm以下である。
金属粒子を形成するための適切な方法には、真空蒸着、スパッタリング、化学蒸着(CVD)、無電解めっきなどが含まれる。これらのプロセスの中で、無電解めっきが特に好ましい。
好ましい一実施形態によれば、顔料は、下層コーティングBと異なる金属酸化物(水和物)のさらなるコーティングCを有する。好適な金属酸化物として、(二)酸化ケイ素、酸化ケイ素水和物、酸化アルミニウム、酸化アルミニウム水和物、酸化亜鉛、酸化スズ、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化鉄(III)および酸化クロム(III)が挙げられる。二酸化ケイ素が好ましい。
コーティングCは好ましくは、10~500nm、より好ましくは50~300nmの厚さを有する。例えばTiOに基づく、コーティングCを設けることにより、高い隠蔽力は維持されたまま、より良好な干渉が得られる。
層AおよびCは腐食ならびに化学的および物理的安定化の機能を果たす。特に好ましい層AおよびCは、ゾル-ゲル法によって適用されるシリカまたはアルミナである。この方法は、コーティングなしの基材プレートレットあるいは層Aおよび/または層Bで既に被覆された基材プレートレットを、金属アルコキシド、例えばオルトケイ酸テトラエチルまたはアルミニウムトリイソプロパノレートの溶液中(通常、有機溶剤または少なくとも50重量%が有機溶剤、例えばC1~C4アルコールである有機溶剤と水の混合物の溶液中)に分散させ、弱塩基または弱酸を添加して金属アルコキシドを加水分解させ、それにより、金属酸化物のフィルムを(被覆された)基材プレートレットの表面上に形成することを含む。
層Bは、例えば、1種以上の有機金属化合物の加水分解による分解によって、および/または1種以上の溶存金属塩の沈積、ならびにその後の任意の後処理(例えば、形成された水酸化含有層の酸化物層へのアニール処理による移行)によって作製できる。
コーティングA、Bおよび/またはCの各々は2種以上の金属酸化物(水和物)の混合物で構成されていてもよいが、各コーティングは好ましくは1種の金属酸化物(水和物)で構成される。
コーティングされた基材プレートレットベースの顔料は好ましくは、70~500nm、特に好ましくは100~400nm、特に好ましくは150~320nm、例えば180~290nmの厚さを有する。基材プレートレットの薄い厚さのため、顔料は特に高い隠蔽力を示す。コーティングされた基材プレートレットの薄い厚さは、コーティングなしの基材プレートレットの厚さを薄く維持することによって得られるが、コーティングA、および存在する場合はコーティングCの厚さを可能な限り小さい値に調整することによっても得られる。コーティングBの厚さによって顔料の色感が決定される。
ケラチン物質におけるコーティングされた基材プレートレットベースの顔料の密着性および耐磨耗性は、最外層、層A、BまたはCを、構造に応じて有機化合物、例えばシラン、リン酸エステル、チタネート、ボレートまたはカルボン酸でさらに修飾することにより有意に高めることができる。この場合、該有機化合物は、最外の、好ましくは金属酸化物を含有している層A、BまたはCの表面に結合される。最外層は、基材プレートレットから空間的に最も遠い層を示す。該有機化合物は好ましくは、金属酸化物含有層A、BまたはCに結合可能な官能性シラン化合物である。これは単官能性化合物または二官能性化合物のいずれであってもよい。二官能性有機化合物の例はメタクリルオキシプロペニルトリメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、2-アクリルオキシエチルトリメトキシシラン、3-メタクリルオキシ-プロピルトリエトキシシラン、3-アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、2-メタクリルオキシエチルトリエトキシシラン、2-アクリルオキシエチルトリエトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピルトリス(メトキシエトキシ)シラン、3-メタクリルオキシプロピルトリス(ブトキシエトキシ)シラン、3-メタクリルオキシ-プロピルトリス(プロポキシ)シラン、3-メタクリルオキシプロピルトリス(ブトキシ)シラン、3-アクリルオキシ-プロピルトリス(メトキシエトキシ)シラン、3-アクリルオキシプロピルトリス(ブトキシエトキシ)シラン、3-アクリル-オキシプロピルトリス(ブトキシ)シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルエチルジクロロシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、フェニルビニルジエトキシシランまたはフェニルアリルジクロロシランである。さらに、単官能性シラン、アルキルシランまたはアリールシランでの修飾を行ってもよい。これは官能基を1つだけ有し、該官能基は、コーティングされたレンズ状基材プレートレットベースの顔料の表面に(すなわち、最外の金属酸化物含有層に)、または完全にカバーされていない場合は金属表面に共有結合することができる。シランの炭化水素残基は顔料から離れる方向を向いている。シランの炭化水素残基の型および性質に応じて、さまざまな度合いの疎水性の顔料が得られる。かかるシランの例として、ヘキサデシルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。特に好ましいのは、単官能性シランで表面改質されたシリカコーティングアルミニウム基材プレートレットベースの顔料である。
オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ヘカデシル(hecadecyl)トリメトキシシランおよびヘカデシルトリエトキシシランが特に好ましい。表面特性の変更/疎水性化により、適用における密着性、耐磨耗性および配向の点において改善が得られる。
そのような表面修飾を有する基材プレートレットに基づく顔料はまた、使用される有機ケイ素化合物(a1)および/またはそれらの縮合または重合生成物とのより良好な適合性を示すことが示されている。
適切なエフェクト顔料には、例えば、Schlenk Metallic Pigmentsの顔料Alegrace(登録商標)Marvelous、Alegrace(商標)Gorgeous、またはAlegrace(登録商標)Aurousが含まれる。
また、適切なエフェクト顔料は、SILVERDREAMシリーズのアルミニウムベースの顔料とEckartのVISIONAIREシリーズの顔料であり、これらはアルミニウムまたは銅/亜鉛含有金属合金をベースにしている。
他の適切なエフェクト顔料は、金属酸化物でコーティングされたプレートレット状のホウケイ酸塩(borosilicates)に基づいている。これらは、例えば、酸化スズ、酸化鉄、二酸化ケイ素および/または二酸化チタンでコーティングされている。このようなホウケイ酸ベースの顔料は、例えば、EckartのMIRAGEまたはBASFSEのReflecksの名前で入手できる。
薬剤(a)が、薬剤(a)の総重量に基づくいて、0.01~10重量%、好ましくは0.1~8重量%、より好ましくは0.2~6重量%、そして非常に特に好ましくは0.5~4.5重量%の総量で1つ以上の顔料を含む場合、特に良好な結果を得ることができた。
この方法のさらなる実施形態において、薬剤(a)はまた、有機顔料からなる群から選択される1種以上の第1の着色化合物を含み得る。
有機顔料は、対応して不溶性の有機染料または着色剤であり、これらは、例えば、ニトロソ、ニトロ、アゾ、キサンテン、アントラキノン、イソインドリノン、イソインドリン、キナクリドン、ペリノン、ペリレン、ジケト-ピロロピオロール、インジゴ、チオインジド、ジオキサジンおよび/またはトリアリールメタン化合物の群から選択できる。
特に好適な有機顔料の例はカーマイン、キナクリドン、フタロシアニン、ソルガム、カラーインデックス番号CI 42090、CI 69800、CI 69825、CI 73000、CI 74100、CI 74160を有する青色顔料、カラーインデックス番号CI 11680、CI 11710、CI 15985、CI 19140、CI 20040、CI 21100、CI 21108、CI 47000、CI 47005を有する黄色顔料、カラーインデックス番号CI 61565、CI 61570、CI 74260を有する緑色顔料、カラーインデックス番号CI 11725、CI 15510、CI 45370、CI 71105を有する橙色顔料、カラーインデックス番号CI 12085、CI 12120、CI 12370、CI 12420、CI 12490、CI 14700、CI 15525、CI 15580、CI 15620、CI 15630、CI 15800、CI 15850、CI 15865、CI 15880、CI 17200、CI 26100、CI 45380、CI 45410、CI 58000、CI 73360、CI 73915および/またはCI 75470を有する赤色顔料である。
別の特に好ましい実施形態において、本発明による方法は、薬剤(a)が、カーマイン、キナクリドン、フタロシアニン、ソルガム、カラーインデックス番号CI 42090、CI 69800、CI 69825、CI 73000、CI 74100、CI 74160を有する青色顔料、カラーインデックス番号CI 11680、CI 11710、CI 15985、CI 19140、CI 20040、CI 21100、CI 21108、CI 47000、CI 47005を有する黄色顔料、カラーインデックス番号CI 61565、CI 61570、CI 74260を有する緑色顔料、カラーインデックス番号CI 11725、CI 15510、CI 45370、CI 71105を有する橙色顔料、カラーインデックス番号CI 12085、CI 12120、CI 12370、CI 12420、CI 12490、CI 14700、CI 15525、CI 15580、CI 15620、CI 15630、CI 15800、CI 15850、CI 15865、CI 15880、CI 17200、CI 26100、CI 45380、CI 45410、CI 58000、CI 73360、CI 73915および/またはCI 75470を有する赤色顔料からなる群より選択される有機顔料の群からの少なくとも1種の第1の着色化合物(a2)を含むことを特徴とする。
また、有機顔料は着色塗料であってもよい。本発明の意味において、着色ワニスという用語は吸着された染料層を含む粒子を意味すると理解されたく、この粒子と染料の単位は上記の条件下で不溶性である。粒子は、例えば、無機基材であってもよく、これはアルミニウム、シリカ、ホウケイ酸カルシウム、ホウケイ酸アルミニウムカルシウムであってよく、またはアルミニウムであってもよい。
例えば、アリザリン着色ワニスを使用できる。
その優れた光安定性および温度安定性のため、上記の顔料を薬剤(a)に使用することが特に好ましい。また、使用される顔料が、ある特定の粒子サイズを有する場合が好ましい。この粒子サイズは、一方において、形成されたポリマーフィルム中における顔料の一様な分布をもたらし、他方において、化粧料製品の適用後の髪または肌のざらざら感を回避する。したがって、本発明によれば、該少なくとも1種の顔料が、1~50μm、好ましくは5~45μm、好ましくは10~40μm、14~30μmの平均粒子サイズD50を有する場合が好都合である。平均粒子サイズD50は、例えば動的光散乱(DLS)を用いて測定できる。
さらに好ましい実施形態では、方法は、薬剤(a)が、薬剤(a)の総重量に基づいて、第1の着色化合物(a2)としての1つ以上の顔料を総量で0.01~10重量%、好ましくは0.1~8重量%、より好ましくは0.2~6重量%、そして非常に特に好ましくは0.5~4.5重量%含むことを特徴とする。
第1の着色化合物(a2)として、該方法に使用される薬剤(a)はまた、1種以上の直接染料を含有してもよい。直接作用染料は、毛髪に直接塗り、色形成のための酸化的方法を必要としない染料である。直接染料は通常、ニトロフェニレンジアミン、ニトロアミノフェノール、アゾ染料、アントラキノン類、トリアリールメタン染料またはインドフェノールである。
本発明の意味の範囲に含まれる直接染料は、25℃(760mmHg)において0.5g/Lより高い水への溶解度を有するものであり、したがって顔料とみなされるものではない。
好ましくは、本発明の意味の範囲に含まれる直接染料は、25℃(760mmHg)において1g/Lより高い水への溶解度を有する。
直接染料は、アニオン性直接染料、カチオン性直接染料および非イオン性直接染料に分けることができる。
さらなる好ましい一実施形態において、該方法は、薬剤(a)がアニオン性直接染料、カチオン性直接染料および/または非イオン性直接染料から選択される少なくとも1種の第1の着色化合物(a2)を含むことを特徴とする。
さらに好ましい実施形態では、方法は、薬剤(a)が、アニオン性、非イオン性、および/またはカチオン性直接染料からなる群から選択される少なくとも1種の第1の着色化合物(a2)を含むことを特徴とする。
好適なカチオン性直接染料として、ベーシックブルー7、ベーシックブルー26、ベーシックバイオレット2およびベーシックバイオレット14、ベーシックイエロー57、ベーシックレッド76、ベーシックブルー16、ベーシックブルー347(カチオンブルー347/ダイスター)、HCブルーNo.16、ベーシックブルー99、ベーシックブラウン16、ベーシックブラウン17、ベーシックイエロー57、ベーシックイエロー87、ベーシックオレンジ31、ベーシックレッド51、ベーシックレッド76が挙げられる。
非イオン性直接染料として、非イオン性のニトロ染料およびキノン染料ならびに中性アゾ染料が使用できる。好適な非イオン性直接染料は、国際指定表示(designation)または商品名HCイエロー2、HCイエロー4、HCイエロー5、HCイエロー6、HCイエロー12、HCオレンジ1、ディスパースオレンジ3、HCレッド1、HCレッド3、HCレッド10、HCレッド11、HCレッド13、HCレッドBN、HCブルー2、HCブルー11、HCブルー12、ディスパースブルー3、HCバイオレット1、ディスパースバイオレット1、ディスパースバイオレット4、ディスパースブラック9で示される既知化合物のもの、ならびに1,4-ジアミノ-2-ニトロベンゼン、2-アミノ-4-ニトロフェノール、1,4-ビス-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ-2-ニトロベンゼン、3-ニトロ-4-(2-ヒドロキシエチル)-アミノフェノール2-(2-ヒドロキシエチル)アミノ-4,6-ジニトロフェノール、4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-3-ニトロ-1-メチルベンゼン、1-アミノ-4-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ-5-クロロ-2-ニトロベンゼン、4-アミノ-3-ニトロフェノール、1-(2’-ウレイドエチル)アミノ-4-ニトロベンゼン、2-[(4-アミノ-2-ニトロフェニル)アミノ]安息香酸、6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノキサリン、2-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノン、ピクラミン酸およびその塩、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、4-エチルアミノ-3-ニトロ安息香酸ならびに2-クロロ-6-エチルアミノ-4-ニトロフェノールである。
本発明に至る研究の過程において、特に高い色彩強度を有する染色は、少なくとも1種のアニオン性直接染料を含有している薬剤(a)を用いて作製できることがわかった。
したがって、さらに特に好ましい一実施形態において、該方法は、薬剤(a)が少なくとも1種のアニオン性直接染料をさらに含むことを特徴とする。
アニオン性直接染料は酸性染料とも称される。酸性染料は、少なくとも1つのカルボン酸基(-COOH)および/または1つのスルホン酸基(-SOH)を有する直接染料である。pH値に応じて、カルボン酸基またはスルホン酸基のプロトン化形態(-COOH、-SOH)は、その脱プロトン化形態(-COO、-SO-で存在)と平衡状態になる。プロトン化形態の割合はpHの低下にともなって増大する。直接染料がその塩の形態で使用される場合、カルボン酸基またはスルホン酸基は脱プロトン化形態で存在し、対応する化学量論当量のカチオンで中和され、電気的中性が維持される。また、本発明における酸性染料は、そのナトリウム塩および/またはカリウム塩の形態で使用できる。
本発明の意味の範囲に含まれる酸性染料は、25℃で(760mmHg)の水中で、0.5g/Lを超える溶解度を有するものであり、したがって顔料とみなされるものではない。好ましくは、本発明の意味の範囲に含まれる酸性染料は、25℃で(760mmHg)の水中で1g/Lを超える溶解度を有する。
酸性染料のアルカリ土類塩(例えば、カルシウム塩およびマグネシウム塩)またはアルミニウム塩は、多くの場合、対応するアルカリ塩より低い溶解度を有する。これらの塩の溶解度が0.5g/L(25℃,760mmHg)未満である場合は直接染料の定義に含まれない。
酸性染料の必須の特徴はアニオン電荷形成能であり、このとき、これを担うカルボン酸基またはスルホン酸基は通常、異なる発色団系に連結される。好適な発色団系は、例えば、ニトロフェニレンジアミン、ニトロアミノフェノール、アゾ染料、アントラキノン染料、トリアリールメタン染料、キサンテン染料、ローダミン染料、オキサジン染料および/またはインドフェノール染料の構造に見出すことができる。
一実施形態において、ケラチン物質を染色するための方法は、したがって、薬剤(a)が、ニトロフェニレンジアミン、ニトロアミノフェノール、アゾ染料、アントラキノン染料、トリアリールメタン染料、キサンテン染料、ローダミン染料、オキサジン染料および/またはインドフェノール染料、キサンテン染料、ローダミン染料、オキサジン染料および/またはインドフェノール染料からなる群より選択される少なくとも1種のアニオン直接染料をさらに含み、上記の基に由来する染料は各々、少なくとも1つのカルボン酸基(-COOH)、カルボン酸ナトリウム基(-COONa)、カルボン酸カリウム基(-COOK)、スルホン酸基(-SOH)、スルホン酸ナトリウム基(-SO3Na)および/またはスルホン酸カリウム基(-SOK)を有することを特徴とするものが好ましい。
例えば、以下の群からの1種以上の化合物が、特に適切な酸性染料として選択できる:アシッドイエロー1(D&Cイエロー7、シトロニンA、Ext.D&CイエローNo.7、日本の黄色403号、CI 10316、COLIPA番号 B001)、アシッドイエロー3(COLIPA番号:C54、D&CイエローNo.10、キノリンイエロー、E104、食用黄色13号)、アシッドイエロー9(CI 13015)、アシッドイエロー17(CI 18965)、アシッドイエロー23(COLIPA番号 C29、Covacap Jaune W 1100(LCW)、Sicovitタートラジン 85 E 102(BASF)、タートラジン、食用黄色4号、日本の黄色4号、FD&CイエローNo.5)、アシッドイエロー36(CI 13065)、アシッドイエロー121(CI 18690)、アシッドオレンジ6(CI 14270)、アシッドオレンジ7(2-ナフトールオレンジ、オレンジII、CI 15510、D&Cオレンジ4、COLIPA番号 C015)、アシッドオレンジ10(C.I.16230;オレンジGナトリウム塩)、アシッドオレンジ11(CI 45370)、アシッドオレンジ15(CI 50120)、アシッドオレンジ20(CI 14600)、アシッドオレンジ24(ブラウン1;CI 20170;KATSU201;ナトリウム塩でないもの;ブラウンNo.201;レゾルシンブラウン;アシッドオレンジ24;日本の褐色201号;D&CブラウンNo.1)、アシッドレッド14(C.I.14720)、アシッドレッド18(E124、赤色18号;CI 16255)、アシッドレッド27(E 123、CI 16185、C-Rot 46、リアルレッドD、FD&CレッドNo.2、食用赤色9号、ナフトールレッドS)、アシッドレッド33(赤色33号、フクシャレッド、D&Cレッド33、CI 17200)、アシッドレッド35(CI C.I.18065)、アシッドレッド51(CI 45430、パイロジンB、テトラヨードフルオレセイン、エオシンJ、Iodeosin)、アシッドレッド52(CI 45100、食用赤色106号、ソーラーローダミンB、アシッドローダミンB、赤色106号ポンタシル(Pontacyl)ブリリアントピンク)、アシッドレッド73(CI 27290)、アシッドレッド87(エオシン、CI 45380)、アシッドレッド92(COLIPA番号 C53、CI 45410)、アシッドレッド95(CI 45425、エリトトシン(Erythtosine),SimacidエリスロシンY)、アシッドレッド184(CI 15685)、アシッドレッド195、アシッドバイオレット43(Jarocolバイオレット43、Ext.D&CバイオレットNo.2、C.I.60730、COLIPA番号 C063)、アシッドバイオレット49(CI 42640)、アシッドバイオレット50(CI 50325)、アシッドブルー1(パテントブルー、CI 42045)、アシッドブルー3(パテントブルーV、CI 42051)、アシッドブルー7(CI 42080)、アシッドブルー104(CI 42735)、アシッドブルー9(E 133、パテントブルーAE、アミドブルーAE、エリオグラウシンA、CI 42090、C.I.食用青色2号)、アシッドブルー62(CI 62045)、アシッドブルー74(E 132、CI 73015)、アシッドブルー80(CI 61585)、アシッドグリーン3(CI 42085、食用緑色1号)、アシッドグリーン5(CI 42095)、アシッドグリーン9(C.I.42100)、アシッドグリーン22(C.I.42170)、アシッドグリーン25(CI 61570、日本の緑色201号、D&CグリーンNo.5)、アシッドグリーン50(ブリリアントアシッドグリーンBS、C.I.44090、アシッドブリリアントグリーンBS、E 142)、アシッドブラック1(ブラックNo.401、ナフタレンブラック10B、アミドブラック10B、CI 20 470、COLIPA番号 B15)、アシッドブラック52(CI 15711)、食用黄色8号(CI 14270)、食用青色5号、D&Cイエロー8、D&Cグリーン5、D&Cオレンジ10、D&Cオレンジ11、D&Cレッド21、D&Cレッド27、D&Cレッド33、D&Cバイオレット2および/またはD&Cブラウン1。
例えば、アニオン直接染料の水への溶解度は以下のようにして測定できる。0.1gのアニオン直接染料をビーカー内に入れる。攪拌子を添加する。次いで100mlの水を添加する。この混合物を磁気攪拌機で撹拌しながら25℃まで加熱する。これを60分間撹拌する。次いで、この水性混合物を目視評価する。まだ未溶解残渣がある場合、水の量を、例えば10mlずつ増やす。使用した量の染料が完全に溶解するまで水を添加する。染料-水混合物が染料の高負荷のため視認評価できない場合、混合物を濾過する。ある割合の未溶解染料が濾紙上に残存している場合、水の量をより多くして溶解度試験を繰り返す。0.1gのアニオン直接染料が25℃において100mlの水に溶解する場合、染料の溶解度は1g/Lである。
アシッドイエロー1は8-ヒドロキシ-5,7-ジニトロ-2-ナフタレンスルホン酸二ナトリウム塩と称され、水への溶解度は少なくとも40g/L(25℃)である。
アシッドイエロー3は2-(2-キノリル)-1H-インデン-1,3(2H)-ジオンのモノスルホン酸のナトリウム塩とジスルホン酸のナトリウム塩の混合物であり、水への溶解度は20g/L(25℃)である。
アシッドイエロー9は8-ヒドロキシ-5,7-ジニトロ-2-ナフタレンスルホン酸の二ナトリウム塩であり、その水への溶解度は40g/L(25℃)より高い。
アシッドイエロー23は4,5-ジヒドロ-5-オキソ-1-(4-スルホフェニル)-4-((4-スルホフェニル)アゾ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸の三ナトリウム塩であり、25℃で水に非常に溶けやすい。
アシッドオレンジ7は4-[(2-ヒドロキシ-1-ナフチル)アゾ]ベンゼンスルホン酸ナトリウム塩である。その水への溶解度は7g/L(25℃)より高い。
アシッドレッド18は7-ヒドロキシ-8-[(E)-(4-スルホナト-1-ナフチル)-ジアゼニル)]-1,3-ナフタレンジスルホン酸三ナトリウム塩であり、水への溶解度は非常に高く20重量%より高い。
アシッドレッド33は5-アミノ-4-ヒドロキシ-3-(フェニルアゾ)-ナフタレン-2,7-ジスルホン酸二ナトリウム塩であり、その水への溶解度は2,5g/L(25℃)である。
アシッドレッド92は3,4,5,6-テトラクロロ-2-(1,4,5,8-テトラブロモ-6-ヒドロキシ-3-オキソキサンテン-9-イル)安息香酸の二ナトリウム塩であり、その水への溶解度は10g/L(25℃)より高いと示されている。
アシッドブルー9は2-({4-[N-エチル(3-スルホナトベンジル]アミノ]フェニル}{4-[(N-エチル(3-スルホナトベンジル)イミノ]-2,5-シクロヘキサジエン-1-イリデン}メチル)-ベンゼンスルホン酸二ナトリウム塩であり、水への溶解度は20重量%(25℃)より高い。
したがって、非常に好ましい方法は、薬剤(a)が、アシッドイエロー1、アシッドイエロー3、アシッドイエロー9、アシッドイエロー17、アシッドイエロー23、アシッドイエロー36、アシッドイエロー121、アシッドオレンジ6、アシッドオレンジ7、アシッドオレンジ10、アシッドオレンジ11、アシッドオレンジ15、アシッドオレンジ20、アシッドオレンジ24、アシッドレッド14、アシッドレッド27、アシッドレッド33、アシッドレッド35、アシッドレッド51、アシッドレッド52、アシッドレッド73、アシッドレッド87、アシッドレッド92、アシッドレッド95、アシッドレッド184、アシッドレッド195、アシッドバイオレット43、アシッドバイオレット49、アシッドバイオレット50、アシッドブルー1、アシッドブルー3、アシッドブルー7、アシッドブルー104、アシッドブルー9、アシッドブルー62、アシッドブルー74、アシッドブルー80、アシッドグリーン3、アシッドグリーン5、アシッドグリーン9、アシッドグリーン22、アシッドグリーン25、アシッドグリーン50、アシッドブラック1、アシッドブラック52、食用黄色8号、食用青色5号、D&Cイエロー8、D&Cグリーン5、D&Cオレンジ10、D&Cオレンジ11、D&Cレッド21、D&Cレッド27、D&Cレッド33、D&Cバイオレット2および/またはD&Cブラウン1からなる群より選択されるアニオン直接染料の群からの少なくとも1種の第1の着色化合物(a2)を含むことを特徴とする。
直接染料、特にアニオン直接染料は、所望の色彩強度に応じて薬剤(a)中にいろいろな量で使用できる。薬剤(a)が、その総重量に対して1種以上の直接染料(a2)を0.01~10重量%、好ましくは0.1~8重量%、より好ましくは0.2~6重量%、非常に特に好ましくは0.5~4.5重量%の総量で含む場合、特に良好な結果を得ることができた。
さらなる好ましい一実施形態において、該方法は、薬剤(a)が、薬剤(a)の総重量に対して1種以上の直接染料(a2)を0.01~10重量%、好ましくは0.1~8重量%、より好ましくは0.2~6重量%、非常に好ましくは0.5~4.5重量%の総量でさらに含むことを特徴とする。
〔シリコーンポリマー(a3)〕
別の非常に特に好ましい実施形態において、該方法に使用される薬剤(a)は少なくとも1種のシリコーンポリマー(a3)をさらに含む。
シリコーンポリマーは、あるいは略してシリコーンと称される場合もあり、ポリ(オルガノ)シロキサンであると理解されたい。シリコーンポリマーは、ケイ素原子が酸素原子を介して連結された一群の合成ポリマーである。
シリコーンポリマーは一般的に、少なくとも500g/mol、好ましくは少なくとも1000g/mol、より好ましくは少なくとも2500g/mol、特に好ましくは少なくとも5000g/molの分子量を有し、反復有機単位を含む巨大分子である。
シリコーンポリマーの最大分子量は重合度(重合されているモノマーの数)およびバッチサイズに依存し、一部において重合方法によって決定される。本発明の目的のためには、シリコーンポリマーの最大分子量が10g/mol以下、好ましくは10g/mol以下、特に好ましくは10g/mol以下である場合が好ましい。
シリコーンポリマーは多くのSi-O繰り返し単位を含み、Si原子は、有機残基、例えばアルキル基または置換アルキル基を有していてもよい。
シリコーンポリマーは、高い分子量に対応して、10個より多くのSi-O繰り返し単位、好ましくは50個より多くのSi-O繰り返し単位、より好ましくは100個より多くのSi-O繰り返し単位、最も好ましくは500個より多くのSi-O繰り返し単位に基づくものである。
したがって、薬剤(a)に含まれるシリコーンポリマー(a3)は、同じく薬剤(a)に含まれるシラン(a1)とは異なる。
一実施形態との関連において、ケラチン物質を染色するための方法は、したがって、薬剤(a)が:
(a3)少なくとも1種のシリコーンポリマー
を含むことを特徴とするものが好ましい。
本発明に至る研究において、シリコーンポリマー(a3)を薬剤(a)に組み込むことによって髪の手触りの改善がもたらされることがわかった。
有機ケイ素化合物(シラン)(a1)のオリゴマー化またはポリマー化によって生成されるフィルムは、特に、一方においてケラチン性材料の感触および他方において該フィルムの持続性に対して有害な効果を有することがあり得る多量のシラン(a1)を使用した場合、ある程度の固着性または柔軟性すら示し得る。この理論に拘束されないが、薬剤(a)中のシラン(a1)とシリコーンポリマー(a3)の併用適用によってこの2つの成分の互いとの反応または相互作用がもたらされると考えられる。シランおよびシリコーンポリマーを一緒に使用した場合、先に記載のようにシランがフィルムを形成すると思われ、このフィルム中にシリコーンポリマーが組み込まれるか、またはこのフィルムにシリコーンポリマーが凝集するかのいずれかであることがわかった。このようにして形成されるフィルムは、よりずっとしなやかで、柔軟性で、持続性があり、脆性が低いものになる。
したがって、薬剤(a)によってもたらされるフィルムのレオロジー特性は、少なくとも1種のシリコーンポリマー(a3)の添加によって大きく改善され得ることが観察された。シリコーンポリマー(a3)の存在下では、フィルムはより強固またはより硬質となり、べたつきが少なく、よりなめらかで、より感じのよい外観を有するカラーリングされたケラチン物質が得られた。さらに、また、フィルムの強度が高いほどケラチン性材料の堅牢特性に対して、特に摩擦堅牢特性に対してプラスの効果を有した。染色されたフィルムは、櫛、ブラシおよび繊維製品と接触したとき、より耐久性となるため、このようなアイテムと接触したとき低磨耗を示した。
ある特定のシリコーンポリマー(a3)を使用した場合、上記の利点が特に顕著であった。したがって、該方法に使用される薬剤(a)に少なくとも1種のアルコキシ修飾シリコーンポリマーおよび/または少なくとも1種のアミノ修飾シリコーンポリマー(a3)を含む場合が特に好ましいことがわかった。
一実施形態との関連において、ケラチン物質を染色するための方法は、したがって、薬剤(a)が:
(a3)少なくとも1種のアルコキシ修飾および/またはアミノ修飾シリコーンポリマー
を含むことを特徴とするものが好ましい。
さらなる好ましい一実施形態において、本発明による方法は、薬剤(a)が、少なくとも1種のアルコキシ修飾シリコーンポリマーを含むことを特徴とする。
アルコキシ修飾シリコーンは、その構造が少なくとも1つのアルコキシ構造単位を含むシリコーンである。このアルコキシ構造単位は例えばアルコキシ基であり得る。アルコキシ基はC~C10アルコキシ基であると理解されたい。アルコキシ基はシリコーンに対して末端であってもよい(すなわち、例えば、基-O-CHまたは基-O-CH-CHとして存在する)。しかしながら、アルコキシ基自体がさらに置換基を有している場合も等しく本発明に従うものである;この場合、アルコキシ修飾部は、シリコーン上に存在する少なくとも1つの基、例えば(-CH2-CH2-O-)、(-CH2-CH2-CH2-O-)、(-CH(CH3)-CH2-O-)、(-CH2-CH(CH3)-CH2-O-)または(-CH2-CH2-CH2-CH2-O-)などであると理解されたい。好ましくは、アルコキシ修飾シリコーン(A)は少なくとも1つの基(-CH2-CH2-O-)および/または(-CH2-CH2-CH2-O-)を有している。
アルコキシ基はシリコーンに炭素原子または酸素原子のいずれかによって連結されてもよく、例えば、シリコーンは、式(S-a)、(S-b)、(S-c)および/または(S-d)の構造単位を有するものであってもよい:
Figure 2022532362000054
アルコキシ修飾シリコーンポリマー(a3)が1つより多くのアルコキシ基を有している場合、すなわち、シリコーンポリマー(a3)がポリアルコキシル化型である場合が特に好ましい。ポリアルコキシル化シリコーンは、構造単位として、ポリオキシアルキレン基、ポリオキシエチレン基(すなわち、[-CH2-CH2-O-]mの型の基)および/またはポリオキシプロピレン基(すなわち、[-CH(CH3)-CH2-O-]mおよび/または[-CH2-CH2-CH2-O-]mの型の基)を有している。好ましくは、シリコーンポリマー内のポリオキシアルキレン単位の数は少なくとも2である。したがって、mは2以上の整数である。
特に好ましくは、アルコキシ修飾シリコーン(a3)は非イオン性シリコーンである。非イオン性シリコーンは正電荷も負電荷も有していない。
非常に特に好適なポリアルコキシル化シリコーン(a3)は、少なくとも1つの式(S-I):
Figure 2022532362000055
[式中
nは2~20の整数、好ましくは4~18の整数、より好ましくは6~16の整数、さらにより好ましくは8~14の整数、最も好ましくは数値12である]
の構造単位を含む。
上記の式においてアスタリスクで示した位置は、対応する結合の結合に使用されていない原子価を表し、このとき、該結合はさらなるSi原子、さらなるO原子および/またはさらなるC原子に対するものであり得る。
一実施形態との関連において、ケラチン物質を染色するための方法は、したがって、薬剤(a)が:少なくとも1つの式(S-I)
Figure 2022532362000056
[式中
nは2~20の整数、好ましくは4~18の整数、より好ましくは6~16の整数、さらにより好ましくは8~14の整数、最も好ましくは数値12である]
の構造単位を含む少なくとも1種のシリコーンポリマー(a3)を含むことを特徴とするものが好ましい。
好ましいアルコキシ修飾シリコーンポリマー(a3)の一例は、1つ以上の一般式(S-I)の構造単位に加えて、式(S-I)の単位と構造的に異なるさらなる構造単位を含んでよい。特に好ましくは、アルコキシ修飾シリコーンポリマーは1つ以上のジメチルシロキサン単位をさらに含む。シリコーンは、直鎖であるか分枝鎖であるかに応じて、2つ(直鎖シリコーンの場合)またはそれより多く(分枝鎖シリコーンの場合)末端基を有する。本発明によるシリコーンポリマー(a3)が、各場合においてトリメチルシリルオキシ基(すなわち、基-O-Si(CH)を末端基として有する場合が特に好都合であることがわかった。
さらなる特に好ましい一実施形態において、該方法は、したがって、薬剤(a)が、式(S-I)、式(S-II)、式(S-III)および式(S-IV)
Figure 2022532362000057

Figure 2022532362000058
の構造単位で構成される少なくとも1種のシリコーンポリマー(a3)を含み、
式中、nは、各構造単位(S-I)において独立して、各場合において、2~20の整数、好ましくは4~18の整数、より好ましくは6~16の整数、さらにより好ましくは8~14の整数、最も好ましくは数値12を表す
ことを特徴とする。
式(S-I)、式(S-II)、式(S-III)および式(S-IV)の構造単位で構成されるシリコーンポリマー(a3)は、これとの関連において、(各場合において1つ以上の)式(S-I)、(S-II)、(S-III)および(S-IV)の構造単位を排他的に有するシリコーンを意味すると理解されたい。ここで、該シリコーンはまた、異なる構造単位の式(S-I)も含むことができ、その各々はその数値nで区別される。
構造単位内のアスタリスクで示した位置は各々、その他の構造単位との連結点を表す。例えば、式(S-I)、式(S-II)、式(S-III)および式(S-IV)の構造単位で構成される非常に特に好ましいシリコーンポリマー(a3)の一例は以下の構造を有してよい:
Figure 2022532362000059
ここで、xおよびyはシリコーンの所望の分子量に応じて選択され、nは、本発明に従う上記の好ましい整数または特に好ましい整数のうちの1つを表す。
低分子量アルコキシ修飾シリコーンおよび高分子量アルコキシ修飾シリコーンのどちらもシリコーンポリマー(a3)として使用できる。特に有益な効果は、800~10,000g/mol、好ましくは1,000~9,000g/mol、さらに好ましくは2,000~8,000g/mol、特に好ましくは2,500~5,000g/molのモル質量を有するシリコーンポリマー(a3)で観察された。
特に適切なシリコーンポリマーとして:
Evonik製のAbil B 8843、PEG-14ジメチコン
Dow Corning社によるXiameter OFX 0193 Fluid、PEG-12ジメチコン
が挙げられる。
さらに、特に良好な結果は、アミノ修飾シリコーンポリマー(a3)を含む薬剤(a)を方法において使用した場合でも得られた。アミノ修飾シリコーンポリマーはあるいはアミノ官能性付与シリコーンポリマー、また、アミノシリコーンと称される場合もある。
別の好ましい実施形態において、該方法は、薬剤(a)が少なくとも1種のアミノ修飾シリコーンポリマーを含むことを特徴とする。
薬剤(a)は、1種以上の異なるアミノ修飾シリコーンポリマー(a3)を含有してもよい。かかるシリコーンは、例えば式(S-V):
Figure 2022532362000060
によって特徴付けられ得る。上記式中、Rは、炭化水素または1~約6個の炭素原子を有する炭化水素基であり、Qは、一般式-RHZの極性基(ここで、Rは、水素に結合した二価結合基であり、基Zは、炭素原子および水素原子、炭素原子、水素原子および酸素原子、または炭素原子、水素原子および窒素原子から構成され、Zは、少なくとも1つのアミノ官能基を含む有機アミノ官能基である)である。「a」は約0~約2の範囲の値を取り、「b」は約1~約3の範囲の値を取る。「a」+「b」は3以下であり、「c」は約1~約3の範囲の数である。xは、1~約2.000、好ましくは約3~約50、最も好ましくは約3~約25の範囲の数であり、yは、約20~約10,000、好ましくは約125~約10,000、最も好ましくは約150~約1,000の範囲の数であり、Mは、先行技術で知られている適切なシリコーン末端基、好ましくはトリメチルシロキシである。Rによって表される基の非限定的な例には、アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、ヘキシル、イソヘキシルなど;アルケニル基、例えばビニル、ハロビニル、アルキルビニル、アリル、ハロアリル、アルキルアリルなど;シクロアルキル基、例えばシクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなど;フェニル基、ベンジル基、ハロ炭化水素基、例えば、3-クロロプロピル、4-ブロモブチル、3,3,3-トリフルオロプロピル、クロロシクロヘキシル、ブロモフェニル、クロロフェニルなど、および、硫黄含有基、例えばメルカプトエチル、メルカプトプロピル、メルカプトヘキシル、メルカプトフェニルなどが含まれる。好ましくは、Rは、1~約6個の炭素原子を含有するアルキル基であり、最も好ましくは、Rはメチルである。Rの例には、メチレン、エチレン、プロピレン、ヘキサメチレン、デカメチレン、-CHCH(CH)CH-、フェニレン、ナフチレン、CHCHSCHCH-、-CHCHOCH-、-OCHCH-、-OCHCHCH-、CHCH(CH)C(O)OCH-、-(CHCC(O)OCHCH-、-C-、-CCH-;および(CHC(O)SCHCH-が含まれる。
Zは、少なくとも1つのアミノ官能基を含有する有機アミノ官能基である。Zの1つの考えられる式は、NH(CHNHであり、ここで、zは1以上である。Zの別の考えられる式は-NH(CH(CHzzNHであり、zおよびzzはいずれも独立して1以上であり、この構造はピペラジニルなどのジアミノ環構造を含む。Zは最も好ましくは-NHCHCHNH基である。Zの別の考えられる式は、-N(CH(CHzzNXまたは-NXであり、ここでXの各Xは、水素、および1~12個の炭素原子を有するアルキル基からなる基から独立して選択され、zzは0である。
Qは、最も好ましくは、式-CHCHCHNHCHCHNHの、極性のアミン官能性基である。式において、「a」は約0~約2の範囲の値を取り、「b」は約2~約3の範囲の値を取り、「a」+「b」は3以下であり、「c」は約1~約3の範囲の数である。モル比 RSiO(4-ab)/2ユニット:RSiO(4-c)/2ユニットは、約1:2~1:65の範囲であり、好ましくは約1:5~約1:65であり、最も好ましくは、約1:15~約1:20である。上記の式の1つ以上のシリコーンが使用される場合、上記の式の様々な可変置換基は、シリコーン混合物中に存在する様々なシリコーン成分に対して異なってよい。
特に好ましい一実施形態において、本発明による方法は、薬剤(a)をケラチン物質に適用することを特徴とし、該薬剤(a)が式(S-VI)のアミノ修飾シリコーンポリマー(a3)である:
Figure 2022532362000061
式中、
・Gは、-H、フェニル基、-OH、-O-CH、-CH、-O-CHCH、-CHCH、-O-CHCHCH、-CHCHCH、-O-CH(CH、-CH(CH、-O-CHCHCHCH、-CHCHCHCH、-O-CHCH(CH、-CHCH(CH、-O-CH(CH)CHCH、-CH(CH)CHCH、-O-C(CH、-C(CHである。
・aは、0~3の数、特に0を表す。
・bは、0~1の数、特に1を表す。
・mおよびnは、合計(m+n)が1~2000、好ましくは50~150である数であり、ここで、nは好ましくは0~1999および49~149の値を想定し、mは好ましくは1~2000、1~10の値を想定する。
・R’は、
〇 -Q-N(R”)-CH-CH-N(R”)
〇 -Q-N(R”)
〇 -Q-N(R”)
〇 -Q-NH(R”)
〇 -Q-N(R”)A
〇 -Q-N(R”)-CH-CH-NR”H
から選択される一価基である。
ここで、各Qは、化学結合、-CH-、-CH-CH-、-CHCHCH-、C(CH-、-CHCHCHCH-、-CHC(CH-、-CH(CH)CHCH-であり、
R”は、-H、-フェニル、-ベンジル、CH-CH(CH)Ph、C1-20アルキル基、好ましくは、-CH、-CHCH、-CHCHCH、-CH(CH、CHCHCH、-CHCH(CH、-CH(CH)CHCH、-C(CHからなる群から選択される同一または異なる基を表し、および
Aは、好ましくは塩化物、臭化物、ヨウ化物またはメトサルフェートから選択される、アニオンを表す。
別の好ましい実施形態において、該方法は、薬剤(a)をケラチン物質に適用することであって、該薬剤(a)が、式(S-VII)の少なくとも1種のアミノ修飾シリコーンポリマー(a3)を含むことを特徴とする:
Figure 2022532362000062
式中、mおよびnは、合計(m+n)が1~2000、好ましくは50~150の間であり、nは好ましくは0~1999および49~149の値を想定し、mは好ましくは1~2000、1~10の値を想定する数である。
INCI宣言によれば、このようなシリコーンはトリメチルシリルアモジメチコンと称される。
別の好ましい実施形態において、該方法は、薬剤(a)をケラチン物質に適用することであって、該薬剤(a)が、式(S-VIII)の少なくとも1種のアミノ修飾シリコーンポリマー(a3):
Figure 2022532362000063
式中、Rは、-OH、-O-CHまたは-CH基を表し、m、n1およびn2は、その和(m+n1+n2)が1~2000、好ましくは50~150となる数値であり、和(n1+n2)は好ましくは0~1999および49~149の値が想定され、mは好ましくは1~2000、1~10の値が想定される
を含むことを特徴とする。
INCI宣言によれば、このようなアミノ修飾シリコーンポリマーまたはアミノ官能性付与シリコーンポリマーはアモジメチコンとして知られる。
どのアミノ修飾シリコーンが使用されるかに関係なく、アミン価が0.25meq/gより上、好ましくは0.3meq/gより上および0.4meq/gより上であるアミノ修飾シリコーンポリマーを含む薬剤(a)が好ましい。アミン価はアミノ官能性シリコーン1グラムあたりのアミンのミリグラム当量を表す。アミン価はアミノ官能性シリコーン1グラムあたりのアミンのミリグラム当量を表す。
別の好ましい実施形態において、該方法は、薬剤(a)をケラチン物質に適用することであって、該薬剤(a)が、式(S-IX)の式の少なくとも1種のアミノ修飾シリコーンポリマー(a3):
Figure 2022532362000064
式中
・mおよびnは、和(n+m)が1~1000の範囲となるように選択される数値を意味し、
・nは0~999の範囲の数値であり、mは1~1000の範囲の数値であり、
・R1、R2およびR3は、同じかまたは異なっており、ヒドロキシ基またはC1~4アルコキシ基を表し、
・ここで、R1~R3のうちの少なくとも1つはヒドロキシ基を表す
を含むことを特徴とする。
他の好ましい方法は、薬剤(a)をケラチン物質に適用することであって、前記薬剤(a)が、式(S-X)の式の少なくともアミノ官能性シリコーンポリマー:
Figure 2022532362000065
式中
・pおよびqは、和(p+q)が1~1000の範囲となるように選択される数値を意味し、
・pは0~999の範囲の数値であり、qは1~1000の範囲の数値であり、
・R1およびR2は、異なるものであり、ヒドロキシ基またはC1~4アルコキシ基を表し、R1~R2のうちの少なくとも1つはヒドロキシ基を表す
を含むことを特徴とする。
式(S-IX)のシリコーンと(S-X)のシリコーンは、窒素含有基を有しているSi原子における基が異なる:式(S-IX)では、R2はヒドロキシ基またはC1~4アルコキシ基を表し、一方、式(S-X)における残基はメチル基である。添え字mおよびnまたはpおよびqが示された個々のSi基はブロックとして存在していなくてもよく;むしろ、個々の単位は統計的に分布した様式で存在していてもよい、すなわち、式(S-IX)および(S-X)において、必ずしもどのR1-Si(CH基もが-[O-Si(CH]基に結合しているわけではない。
また、式(S-XI)の式の少なくとも1種のアミノ修飾シリコーンポリマー(a3)
Figure 2022532362000066
ここで、存在する
Aは、基-OH、-O-Si(CH、-O-Si(CHOH、-O-Si(CHOCHを表し、
Dは、基-H、-Si(CH、-Si(CHOH、-Si(CHOCHを表し、
b、nおよびcは0~1000の整数を表す。
より詳しくは
・n>0およびb+c>0
・条件A=-OHまたはD=-Hのうちの少なくとも一方が満たされる。
を含む薬剤(a)をケラチン繊維に適用する方法は、所望の効果に関して特に有効であることがわかった。
上記の式(S-XI)において、添え字b、cおよびnを有する個々のシロキサン単位は統計的に分布している、すなわち、必ずしもブロックコポリマーでなくてもよい。
摩擦堅牢性の改善に関する非常に良好な効果は、手順において、特別な4-モルホリノメチル置換型シリコーンポリマー(a3)を含む薬剤(a)をケラチン物質に適用した場合に観察された。この非常に特に好ましいアミノ官能化シリコーンポリマーは、少なくとも1つの式(S-XIII):
Figure 2022532362000067
の構造単位を含む。
一実施形態との関連において、ケラチン物質を染色するための方法は、したがって、薬剤(a)が:
少なくとも1つの式(S-XIII)
Figure 2022532362000068
の構造単位を含む少なくとも1種のシリコーンポリマー(a3)を含むことを特徴とするものが好ましい。
また、摩擦堅牢性の改善の点において特に良好な効果は、手順において、特別な4-モルホリノメチル置換型シリコーンポリマー(a3)を含む薬剤(a)をケラチン物質に適用した場合にも観察された。この非常に特に好ましいアミノ官能性付与シリコーンポリマーは、式(S-XII)および式(S-XIII)の構造単位:
Figure 2022532362000069
を含む。
明白に相当に特に好ましい一実施形態において、本発明による方法は、薬剤(a)が、式(S-XII)および式(S-XIII)の構造単位:
Figure 2022532362000070
を含む少なくとも1種のアミノ修飾シリコーンポリマー(a3)を含むことを特徴とする。
対応する4-モルホリノメチル置換型シリコーンポリマーを以下に記載する。
非常に特に好ましいアミノ官能性付与シリコーンポリマーの一例はアモジメチコン/モルホリノメチルシルセスキオキサンコポリマーとして知られており、原料Belsil ADM 8301 Eの形態でWackerから市販されている。
4-モルホリノメチル置換型シリコーンとして、例えば、式(S-XII)、(S-XIII’)および(S-XIV’)の構造単位:
Figure 2022532362000071
式中
R1は-CH、-OH、-OCH、-O-CHCH、-O-CHCHCHまたは-O-CH(CHであり;
R2は-CH、-OHまたは-OCHである。
を有するシリコーンが使用できる。
特に好ましい本発明による薬剤(a)は、少なくとも1つの式(S-XV):
Figure 2022532362000072
式中、
R1は-CH、-OH、-OCH、-O-CHCH、-O-CHCHCHまたは-O-CH(CHであり;
R2は-CH、-OHまたは-OCHであり、
Bは、基-OH、-O-Si(CH、-O-Si(CHOH、-O-Si(CHOCHを表し、
Dは、基-H、-Si(CH、-Si(CHOH、-Si(CHOCHを表し、
a、bおよびcは、a+b+c>0の条件で、独立して0~1000の整数を表し、
mおよびnは互いに独立して、整数1~1000を表す、
ただし、
・条件B=-OHまたはD=-Hのうちの少なくとも一方が満たされる、
・単位a、b、c、mおよびnは分子において統計的に分布しているか、またはブロック状である
の4-モルホリノメチル置換型シリコーンを含む。
構造式(Si-VI)は、シロキサン基nおよびmが、必ずしもそれぞれ末端基BまたはDに直接結合していなくてもよいことを示すことを意図する。むしろ、好ましい式では(Si-VI)a>0またはb>0、特に好ましい式では(Si-VI)a>0およびc>0、すなわち、末端基BまたはDは好ましくはジメチルシロキシ基に結合している。また、式(Si-VI)において、シロキサン単位a、b、c、mおよびnは好ましくは統計的に分布している。
本発明に従って使用される式(Si-VI)で表されるシリコーンはトリメチルシリル末端型(DまたはB=-Si(CH3)3)であってよいが、両端がジメチルシリルヒドロキシ末端型または一端がジメチルシリルヒドロキシ末端型およびジメチルシリルメトキシ末端型であってもよい。本発明との関連において特に好ましいシリコーンは、各関連に対して
B=-O-Si(CHOHおよびD=-Si(CH
B=-O-Si(CHOHおよびD=-Si(CHOH
B=-O-Si(CHOHおよびD=-Si(CHOCH
B=-O-Si(CHおよびD=-Si(CHOH
B=-O-Si(CHOCHおよびD=-Si(CHOH
であるシリコーンから選択される。
特に耐久性のあるフィルムを作製するため、薬剤(a)はシリコーンポリマー、特にアルコキシ修飾シリコーンポリマーおよび/またはアミノ修飾シリコーンポリマーを、好ましくは特定範囲の量で含む。
特に、低粘着性の柔軟性フィルムが、薬剤(a)の総重量に対して1種以上のシリコーンポリマー(a3)を0.1~8重量%、好ましくは0.1~5重量%、より好ましくは0.1~3重量%、非常に特に好ましくは0.1~0.5重量%の総量で含む薬剤(a)を該方法において使用した場合に得られた。
さらなる好ましい一実施形態との関連において、該方法は、薬剤(a)が、薬剤(a)の総重量に対して1種以上のシリコーンポリマーを0.1~15重量%、好ましくは0.5~12重量%、より好ましくは1~10重量%、最も好ましくは2~8重量%の総量で含むことを特徴とする。
明白に相当に特に好ましい一実施形態において、該方法は、薬剤(a)が、薬剤(a)の総重量に対して1種以上のアルコキシ修飾シリコーンポリマーを0.1~15重量%、好ましくは0.5~12重量%、より好ましくは1~10重量%、最も好ましくは2~8重量%の総量で含むことを特徴とする。
明白に相当に特に好ましい実施形態との関連において、該方法は、薬剤(a)が、薬剤(a)の総重量に対して1種以上のアミノ修飾シリコーンポリマーを0.1~15重量%、好ましくは0.5~12重量%、より好ましくは1~10重量%、非常に特に好ましくは2~8重量%の総量で含むことを特徴とする。
〔薬剤(a)のpH値〕
薬剤(a)が、アルカリ性pHに調整された水分含有薬剤の形態に構成されている場合が好ましいことがわかった。
このpH値に調整するため、薬剤(a)に少なくとも1種のアルカリ化剤が含有されてもよい。
したがって、所望のpHに調整するため、薬剤(a)にはまた、少なくとも1種のアルカリ化剤が含有されてもよい。本発明の解釈上のpH値は、22℃の温度で測定されるpH値である。
アルカリ化剤として、薬剤(a)には、例えばアンモニア、アルカノールアミンおよび/または塩基性アミノ酸が含有されてもよい。
組成物中の該薬剤に含有され得るアルカノールアミンは好ましくは、少なくとも1つのヒドロキシル基を有しているC~Cアルキルペアレント(C~C alkyl parent)を有する第1級アミンから選択される。好ましいアルカノールアミンは、2-アミノエタン-1-オール(モノエタノールアミン)、3-アミノプロパン-1-オール、4-アミノブタン-1-オール、5-アミノペンタン-1-オール、1-アミノプロパン-2-オール、1-アミノブタン-2-オール、1-アミノペンタン-2-オール、1-アミノペンタン-3-オール、1-アミノペンタン-4-オール、3-アミノ-2-メチルプロパン-1-オール、1-アミノ-2-メチルプロパン-2-オール、3-アミノプロパン-1,2-ジオール、2-アミノ-2-メチルプロパン-1,3-ジオールによって形成される群から選択される。
特に好ましいアルカノールアミンは、2-アミノエタン-1-オールおよび/または2-アミノ-2-メチルプロパン-1-オールから選択される。特に好ましい一実施形態は、したがって、本発明による薬剤が、2-アミノエタン-1-オールおよび/または2-アミノ-2-メチルプロパン-1-オールから選択されるアルカノールアミンをアルカリ化剤として含むことを特徴とする。
本発明の解釈上、アミノ酸は、その構造内に少なくとも1つのプロトン化性アミノ基と少なくとも1つの-COOHまたは1つの-SOH基を含む有機化合物である。好ましいアミノ酸はアミノカルボン酸、特にα-(アルファ)-アミノカルボン酸およびω-アミノカルボン酸であり、このとき、α-アミノカルボン酸が特に好ましい。
塩基性アミノ酸は、7より大きい等電点pIを有するアミノ酸である。
塩基性α-アミノカルボン酸は少なくとも1個の不斉炭素原子を含む。本発明との関連において、考えられ得る両方のエナンチオマーを具体的な化合物として、またはその混合物、特にラセミ体として等しく使用できる。しかしながら、天然状態で好ましい異性体形態、通常、L体を使用することが特に好都合である。
塩基性アミノ酸は好ましくは、アルギニン、リシン、オルニチンおよびヒスチジン、特に好ましくはアルギニンおよびリシンによって形成される群から選択される。別の特に好ましい一実施形態において、本発明による薬剤は、したがって、アルカリ化剤がアルギニン、リシン、オルニチンおよび/またはヒスチジンからなる群より選択される塩基性アミノ酸であることを特徴とする。
また、該生成物には他のアルカリ化剤、特に無機アルカリ化剤が含有されることもある。本発明に従って使用可能な無機アルカリ化剤は好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムによって形成される群から選択される。
特に好ましいアルカリ化剤はアンモニア、2-アミノエタン-1-オール(モノエタノールアミン)、3-アミノプロパン-1-オール、4-アミノブタン-1-オール、5-アミノペンタン-1-オール、1-アミノプロパン-2-オール、1-アミノブタン-2-オール、1-アミノペンタン-2-オール、1-アミノペンタン-3-オール、1-アミノペンタン-4-オール、3-アミノ-2-メチルプロパン-1-オール、1-アミノ-2-メチルプロパン-2-オール、3-アミノプロパン-1,2-ジオール、2-アミノ-2-メチルプロパン-1,3-ジオール、アルギニン、リシン、オルニチン、ヒスチジン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムである。
薬剤(a)は好ましくはアルカリ性範囲のpH値に調整されるが、とはいえ、原則的には所望のpH値の微調整のために酸性化剤もまた少量で使用することが必要な場合もある。本発明に従う好適な酸性化剤は、例えばクエン酸、乳酸、酢酸または同様に希薄鉱酸(例えば、塩酸、硫酸、リン酸)である。
しかしながら、本発明に至る研究の過程において、アルカリ化剤の存在またはアルカリ性pHへの調整がケラチン物質上への耐久性のあるフィルムの形成に必須であることがわかった。過剰量の酸の存在はフィルムの強度に対してマイナスの効果を有する場合がある。この理由で、媒体(a)中に使用される酸の量を可能な限り少なく維持することが好ましいことがわかった。この理由で、薬剤(a)中に含まれる有機酸および/または無機酸の総量が、ある特定の値を超えない場合が好都合である。
さらなる好ましい一実施形態において、該方法は、薬剤(a)に含まれるクエン酸、酒石酸、リンゴ酸および乳酸からなる群からの有機酸の総量が1重量%未満、好ましくは0.7重量%未満、より好ましくは0.5重量%未満、なおより好ましくは0.1重量%未満、最も好ましくは0.01重量%未満であることを特徴とする。
さらなる好ましい一実施形態において、該方法は、薬剤(a)に含まれる塩酸、硫酸およびリン酸からなる群からの無機酸の総量が1重量%未満、好ましくは0.7重量%未満、より好ましくは0.5重量%未満、さらにより好ましくは0.1重量%未満、非常に特に好ましくは0.01重量%未満であることを特徴とする。
薬剤(a)に含まれる酸の上記に示した最大総量は常に薬剤(a)の総重量に対する量である。
〔薬剤(b)〕
ケラチン物質の処理方法は、薬剤(a)の適用に加えて、薬剤(b)の適用を含む。これらの耐性フィルムに閉じ込められた着色化合物(a2)は、良好な摩擦耐性および洗浄耐性を示す。
〔フィルム形成性ポリマー(b1)〕
ポリマーは、少なくとも1000g/mol、好ましくは少なくとも2500g/mol、特に好ましくは少なくとも5000g/molの分子量を有し、同一の反復有機単位からなる巨大分子である。
フィルム形成性ポリマー(b1)は、少なくとも1つの式(i)の構造単位と少なくとも1つの式(ii)の構造単位:
Figure 2022532362000073
[式中
は(C-C18)アルキル基を表し、
およびMは独立して、水素原子、(C-C)アルキル基または1当量の一価もしくは多価のカチオンを表す。]
を含むコポリマーを必ず含む。
上記の式および以下のすべての式によれば、記号で形成された化学結合は、対応する構造フラグメントの自由原子価を表す。
式(i)によるRがメチル基を表す場合が非常に好ましい。
本発明の一実施形態において、式(ii)によるM1が、(C~C)アルキル基、特にエチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチルまたはtert-ブチルを表す場合が好ましい。
カルボン酸官能部を有する式(ii)の構造単位が存在する場合、Mおよび/またはM基は水素原子を表す。式(ii)の構造単位がカルボン酸の塩として存在する場合、Mは1当量の一価または多価のカチオンを表す。一価または多価のカチオンMz+は、各々、1以上の電荷数zを有し、塩の形成中に存在する式(ii)のカルボキシレート断片-COO(-)の単一の負電荷を相殺するために電気的中性の理由で使用されるにすぎない。このために使用される対応するカチオンの当量は1/zである。式(ii)の断片-COOMおよび/または-COOMは塩の形成の場合の基を表す:
-COO(-)1/z(Mz+
原則的に、生理学的に適合性のあらゆるカチオンを一価または多価のカチオンMz+として使用することができる。このようなものは元素の周期表の第Ia族、第Ib族、第IIa族、第IIb族、第IIIb族、第VIa族または第VIII族の生理学的に適合性の金属の金属カチオン、アンモニウムイオンならびに第四級化窒素原子を有するカチオン性有機化合物である。
好ましい一実施形態において、薬剤(b)は、フィルム形成性ポリマー(b1)として、INCIによる命名がPVM/MAコポリマーのブチルエステル、PVM/MAコポリマーのイソプロピルエステル、PVM/MAコポリマーのエチルエステルのポリマーからなる群より選択される少なくとも1種のコポリマーを含む。
対応するポリマーは、例えば、商品名Gantrez(登録商標)ES 425(メチルビニルエーテルとマレイン酸のブチルハーフエステルのコポリマー;エタノール中50重量%の活性物質;INCI表示:PVM/MAコポリマーのブチルエステル(Ashland))、Gantrez(登録商標)ES 435(メチルビニルエーテルとマレイン酸のブチルハーフエステルのコポリマー;イソプロパノール中50重量%の活性物質;INCI名:PVM/MAコポリマーのブチルエステル(Ashland))、Gantrez(登録商標)ES 335I(メチルビニルエーテルとマレイン酸のイソプロピルハーフエステルのコポリマー;イソプロパノール中50重量%の活性物質;INCI表示:PVM/MAコポリマーのブチルエステル(Ashland))、Gantrez(登録商標)ES 225(メチルビニルエーテルとマレイン酸のエチルハーフエステルのコポリマー;エタノール中50重量%の活性物質)INCI名:PVM/MAコポリマーのエチルエステル(Ashland))で販売されている。
しかしながら、式(ii)中のMおよびMが独立して、1当量の一価または多価のカチオンを表す場合が非常に好ましい。好ましい一価または多価のカチオンとして、リチウムカチオン、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン、マグネシウムカチオンおよび/またはカリウムカチオンが挙げられる。非常に好ましくは、MおよびMはナトリウムカチオンおよび/またはカルシウムカチオンを表す。MおよびMは同じカチオンで構成されていても異なるカチオンで構成されていてもよい。
該方法の非常に好ましい一実施形態において、薬剤(b)は、メチルビニルエーテルとマレイン酸無水物のコポリマーのナトリウム/カルシウム混合塩をフィルム形成性ポリマー(b1)として含む。かかるポリマーは、例えば、Ashland社製のGantrez MS-955の名称(INCI:カルシウム/ナトリウムPVM/MAコポリマー)で販売されている。
少なくとも1つの式(i)の構造単位と少なくとも1つの式(ii)の構造単位を含むコポリマーの形態のフィルム形成性ポリマー(b1)は好ましくは、ある特定の量範囲で薬剤(b)中に使用される。これとの関連において、本発明による課題を解決するためには、薬剤(b)がフィルム形成性コポリマー(b1)を薬剤(b)の総重量に対して0.1~18重量%、好ましくは1~16重量%、より好ましくは5~14.5重量%、非常に特に好ましくは8~12重量%の総量で含む場合が特に好ましいことがわかった。
薬剤(b)は、少なくとも1つの式(i)の構造単位と少なくとも1つの式(ii)の構造単位を含むコポリマーに加えて、さらなるフィルム形成性ポリマー(b1)を含んでもよい。
該他のフィルム形成性ポリマー(b1)は、1つのモノマー型の共重合によって、または互いに構造的に異なる、異なるモノマー型の共重合によって調製される、合成により作製されたポリマーであってもよい。
ポリマーの最大分子量は重合度(重合されているモノマーの数)およびバッチサイズに依存し、重合方法によって決定される。本発明に関して、さらなるフィルム形成性疎水性ポリマー(b1)の最大分子量は10g/mol以下、好ましくは10g/mol以下、特に好ましくは10g/mol以下である場合が好ましい。
本発明の意味において、フィルム形成性ポリマーは、基材上、例えばケラチン性材料またはケラチン性繊維上にフィルムを形成することができるポリマーである。フィルムの形成は、例えば、ポリマーで処理されたケラチン物質を顕微鏡下で見ることによって実証できる。
薬剤(b)におけるさらなるフィルム形成性ポリマー(b1)は親水性であっても疎水性であってもよい。
したがって、薬剤(b)において、少なくとも1種の追加の疎水性のフィルム形成性ポリマーを使用することが好ましい場合がある。
疎水性ポリマーは、25℃(760mmHg)において1重量%未満の水への溶解度を有するポリマーである。
さらなるフィルム形成性のポリマーの水への溶解度は、例えば以下のようにして測定できる。例えば、1gのポリマーをビーカー内に入れる。水で100gにする。攪拌子を添加し、混合物を磁気攪拌機で撹拌しながら25℃まで加熱する。これを60分間撹拌する。次いで、この水性混合物を目視評価する。ポリマー-水混合物が混合物の高濁度のため視認評価できない場合、混合物を濾過する。ある割合の未溶解ポリマーが濾紙上に残存している場合、ポリマーの溶解度は1重量%未満である。
このようなものとして、アクリル酸型ポリマー、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレア、セルロースポリマー、ニトロセルロースポリマー、シリコーンポリマー、アクリルアミド型ポリマーおよびポリイソプレンが挙げられる。
特に適切なフィルム形成性の疎水性ポリマーは、例えば、アクリル酸のコポリマー、メタクリル酸のコポリマー、アクリル酸エステルのホモポリマーまたはコポリマー、メタクリル酸エステルのホモポリマーまたはコポリマー、アクリル酸アミドのホモポリマーまたはコポリマー、メタクリル酸アミドのホモポリマーまたはコポリマー、ビニルピロリドンのコポリマー、ビニルアルコールのコポリマー、酢酸ビニルのコポリマー、エチレンのホモポリマーまたはコポリマー、プロピレンのホモポリマーまたはコポリマー、スチレンのホモポリマーまたはコポリマー、ポリウレタン、ポリエステルおよび/またはポリアミドの群からのポリマーである。
さらなる好ましい一実施形態において、薬剤(b)は、アクリル酸のコポリマー、メタクリル酸のコポリマー、アクリル酸エステルのホモポリマーまたはコポリマー、メタクリル酸エステルのホモポリマーまたはコポリマー アクリル酸アミドのホモポリマーまたはコポリマー、メタクリル酸アミドのホモポリマーまたはコポリマー、ビニルピロリドンのコポリマー、ビニルアルコールのコポリマー、酢酸ビニルのコポリマー、エチレンのホモポリマーまたはコポリマー、プロピレンのホモポリマーまたはコポリマー、スチレンのホモポリマーまたはコポリマー、ポリウレタン、ポリエステルおよび/またはポリアミドからなる群より選択される少なくとも1種のさらなるフィルム形成性の疎水性ポリマーを含むことを特徴とする。
合成ポリマー、ラジカル重合によって得られるポリマーまたは天然のポリマーの群から選択されるフィルム形成性疎水性ポリマーは本発明による課題を解決するのに特に好適であることがわかった。
他の特に適切なさらなるフィルム形成性疎水性ポリマーは、オレフィン、例えばシクロオレフィン、ブタジエン、イソプレンまたはスチレン、ビニルエーテル、ビニルアミド、少なくとも1つのC~C20アルキル基、アリール基もしくはC~C10ヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸のエステルまたはアミドのホモポリマーまたはコポリマーから選択できる。
さらなるフィルム形成性疎水性ポリマーは、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸)ラウリル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸)n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸tert-ブチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピルおよび/またはその混合物のホモポリマーまたはコポリマーから選択されてもよい。
さらなるフィルム形成性疎水性ポリマーは、(メタ)アクリルアミド、N-アルキル(メタ)アクリルアミド、C2~C18アルキル基を有するもの、例えばN-エチルアクリルアミド、N-tert-ブチルアクリルアミド、N-オクチルアクリルアミド、N-ジ(C1~C4)アルキル(メタ)アクリルアミドのホモポリマーまたはコポリマーから選択できる。
他の好ましいアニオン性コポリマーは、例えば、アクリル酸、メタクリル酸またはそのC~Cアルキルエステルのコポリマーであり、これらはINCI宣言(Declaration)アクリレートコポリマーで販売されている。好適な市販品は例えば、Rohm&Haas製のAculyn(登録商標)33である。アクリル酸、メタクリル酸またはそのC~Cアルキルエステルならびにエチレン性不飽和酸とアルコキシル化脂肪族アルコールのエステルのコポリマーもまた好ましい。好適なエチレン性不飽和酸は特に、アクリル酸、メタクリル酸およびイタコン酸であり;好適なアルコキシル化脂肪族アルコールは特に、ステアレス-20またはセテス-20である。
非常に特に好ましい市販のポリマーは、例えば、Aculyn(登録商標)22(アクリレート/ステアレス-20メタクリレートコポリマー)、Aculyn(登録商標)28(アクリレート/ベヘネス-25メタクリレートコポリマー)、Structure 2001(登録商標)(アクリレート/ステアレス-20イタコネートコポリマー)、Structure 3001(登録商標)(アクリレート/セテス-20イタコネートコポリマー)、Structure Plus(登録商標)(アクリレート/アミノアクリレートC10-30アルキルPEG-20イタコネートコポリマー)、Carbopol(登録商標)1342、1382、Ultrez 20、Ultrez 21(アクリレート/C10-30アクリル酸アルキル架橋ポリマー)、Synthalen W 2000(登録商標)(アクリレート/パルメス-25アクリレートコポリマー)またはRohme und Haas製の流通品Soltex OPT(アクリレート/C12-22メタクリル酸アルキルコポリマー)である。
ビニルモノマーベースの好適なポリマーとして、例えば、N-ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、ビニル-(C1~C6)アルキル-ピロール、ビニルオキサゾール、ビニルチアゾール、ビニルピリミジンまたはビニルイミダゾールのホモポリマーおよびコポリマーが挙げられる。
また、特に好適であるのは、コポリマーのオクチルアクリルアミド/アクリレート/メタクリル酸ブチルアミノエチルコポリマー、例えばNATIONAL STARCHによって商品名AMPHOMER(登録商標)もしくはLOVOCRYL(登録商標)47で市販されているものまたはNATIONAL STARCHによって商品名DERMACRYL(登録商標)LTおよびDERMACRYL(登録商標)79で販売されているアクリレート/オクチルアクリルアミドのコポリマーである。
好適なオレフィンベースポリマーとして、エチレン、プロピレン、ブテン、イソプレンおよびブタジエンのホモポリマーおよびコポリマーが挙げられる。
別の実施形態において、さらなるフィルム形成性疎水性ポリマーは、スチレンまたはスチレンの誘導体の少なくとも1つのブロックを含むブロックコポリマーであってよい。このようなブロックコポリマーは、スチレンブロックに加えて1つ以上のブロック、例えばスチレン/エチレン、スチレン/エチレン/ブチレン、スチレン/ブチレン、スチレン/イソプレン、スチレン/ブタジエンを含むコポリマーであってよい。かかるポリマーはBASFによって商品名「Luvitol HSB」で市販されている。
驚くべきことに、薬剤(b)が、アクリル酸のホモポリマーおよびコポリマー、メタクリル酸のホモポリマーおよびコポリマー、アクリル酸エステルのホモポリマーおよびコポリマー、メタクリル酸エステルのホモポリマーおよびコポリマー、アクリル酸アミドのホモポリマーおよびコポリマー、メタクリル酸アミドのホモポリマーおよびコポリマー、ビニルピロリドンのホモポリマーおよびコポリマー、ビニルアルコールのホモポリマーおよびコポリマー、酢酸ビニルのホモポリマーおよびコポリマー、エチレンのホモポリマーおよびコポリマー、プロピレンのホモポリマーおよびコポリマー、スチレンのホモポリマーおよびコポリマー、ポリウレタン、ポリエステルおよびポリアミドからなる群より選択される少なくとも1種のさらなるフィルム形成性ポリマー(b1)を含む場合、特に強くて洗浄堅牢性の着色が得られることがわかった。
さらなる好ましい一実施形態において、該方法は、薬剤(b)が、アクリル酸のホモポリマーおよびコポリマー、メタクリル酸のホモポリマーおよびコポリマー、アクリル酸エステルのホモポリマーおよびコポリマー、メタクリル酸エステルのホモポリマーおよびコポリマー、アクリル酸アミドのホモポリマーおよびコポリマー、メタクリル酸アミドのホモポリマーおよびコポリマー、ビニルピロリドンのホモポリマーおよびコポリマー、ビニルアルコールのホモポリマーおよびコポリマー、酢酸ビニルのホモポリマーおよびコポリマー、エチレンのホモポリマーおよびコポリマー、プロピレンのホモポリマーおよびコポリマー、スチレンのホモポリマーおよびコポリマー、ポリウレタン、ポリエステルおよびポリアミドからなる群より選択される少なくとも1種のさらなるフィルム形成性ポリマー(b1)を含むことを特徴とする。
さらなる一実施形態において、少なくとも1種のさらなる親水性のフィルム形成性ポリマーを薬剤(b)において使用することが好ましい場合がある。
親水性ポリマーは、25℃(760mmHg)において1重量%より大きい、好ましくは2重量%より大きいの水への溶解度を有するポリマーである。
さらなるフィルム形成性の親水性ポリマーの水への溶解度は、例えば以下のようにして測定できる。1gのポリマーをビーカー内に入れる。水で100gにする。攪拌子を添加し、混合物を磁気攪拌機で撹拌しながら25℃まで加熱する。これを60分間撹拌する。次いで、この水性混合物を目視評価する。完全に溶解したポリマーは肉眼で均質に見える。ポリマー-水混合物が混合物の高濁度のため視認評価できない場合、混合物を濾過する。未溶解ポリマーが濾紙上に残存していない場合、ポリマーの溶解度は1重量%より大きい。
非イオン性、アニオン性およびカチオン性のポリマーは、さらなるフィルム形成性の親水性ポリマーとして使用できる。
好適なさらなるフィルム形成性親水性ポリマーは、例えば、ポリビニルピロリドン(コ)ポリマー、ポリビニルアルコール(コ)ポリマー、酢酸ビニル(コ)ポリマー、カルボキシビニル(コ)ポリマー、アクリル酸(コ)ポリマー、メタクリル酸(コ)ポリマー、天然のガム、多糖類および/またはアクリルアミド(コ)ポリマーからなる群から選択され得る。
さらに、ポリビニルピロリドン(PVP)および/またはビニルピロリドン含有コポリマーをさらなるフィルム形成性親水性ポリマーとして使用することが特に好ましい。
別の非常に特に好ましい実施形態において、薬剤(b)は、ポリビニルピロリドン(PVP)およびポリビニルピロリドンのコポリマーからなる群より選択される少なくとも1種のさらなるフィルム形成性の親水性ポリマーを含むことを特徴とする。
該薬剤が、ポリビニルピロリドン(PVP)をさらなるフィルム形成性親水性ポリマーとして含む場合がさらに好ましい。驚くべきことに、PVP含有薬剤(b)を用いて得られた染色の洗浄堅牢性もまた非常に良好であった。
特に適切な ポリビニルピロリドンは、例えばLuviskol(登録商標)Kの名称でBASF SEから、特にLuviskol(登録商標)K 90またはLuviskol(登録商標)K 85でBASF SEから入手可能である。
ポリマーPVP K 30は、Ashland(ISP,POI Chemical)によって販売されており、これもまた、別の明白に非常に適切なポリビニルピロリドン(PVP)として使用できる。PVP K 30は冷水中への溶解性が高いポリビニルピロリドンであり、CAS番号9003-39-8を有する。PVP K 30の分子量は約40000g/molである。
他の特に好適なポリビニルピロリドンは、商品名LUVITEC K 17、LUVITEC K 30、LUVITEC K 60、LUVITEC K 80、LUVITEC K 85、LUVITEC K 90およびLUVITEC K 115で知られる物質であり、BASFから入手可能である。
ポリビニルピロリドンコポリマーの群からのさらなるフィルム形成性親水性ポリマー(b1)の使用もまた、特に良好で洗浄堅牢性のカラーリング結果がもたらされた。
この文脈において、ビニルピロリドン-ビニルエステルコポリマー、例えば商標Luviskol(登録商標)(BASF)で販売されているものは特に好適なさらなるフィルム形成性親水性ポリマーとして言及できる。Luviskol(登録商標)VA 64およびLuviskol(登録商標)VA 73は、ともにビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマーであり、特に好ましい非イオン性ポリマーである。
ビニルピロリドン含有コポリマーのうち、スチレン/VPコポリマーおよび/またはビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマーおよび/またはVP/DMAPAアクリレートコポリマーおよび/またはVP/ビニルカプロラクタム/DMAPAアクリレートコポリマーが薬剤(b)の使用において非常に好ましい。
ビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマーは、Luviskol(登録商標)VAの名称でBASF SEによって販売されている。例えば、VP/ビニルカプロラクタム/DMAPAアクリレートコポリマーは、商品名Aquaflex(登録商標)SF-40でAshland Incによって販売されている。例えば、VP/DMAPAアクリレートコポリマーは、AshlandによってStyleze CC-10の名称で販売されており、非常に好ましいビニルピロリドン含有コポリマーである。
また、ポリビニルピロリドンの他の好適なコポリマーは、N-ビニルピロリドンを、V-ビニルホルムアミド、酢酸ビニル、エチレン、プロピレン、アクリルアミド、ビニルカプロラクタム、ビニルカプロラクトンおよび/またはビニルアルコールからなる群からの少なくとも1種のさらなるモノマーと反応させることにより得られるものであってもよい。
別の非常に特に好ましい実施形態において、薬剤(b)は、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、ビニルピロリドン/スチレンコポリマー、ビニルピロリドン/エチレンコポリマー、ビニルピロリドン/プロピレンコポリマー、ビニルピロリドン/ビニルカプロラクタムコポリマー、ビニルピロリドン/ビニルホルムアミドコポリマーおよび/またはビニルピロリドン/ビニルアルコールコポリマーからなる群より選択される少なくとも1種のさらなるフィルム形成性の親水性ポリマー(b1)を含むことを特徴とする。
ビニルピロリドンの別のファジー(fussy)なコポリマーは、INCI表示マルトデキストリン/VPコポリマーで知られるポリマーである。
さらに、非イオン性フィルム形成性親水性ポリマーをさらなるフィルム形成性親水性ポリマーとして使用した場合、非常に良好な洗い流し堅牢特性を有する強くカラーリングされたケラチン物質、特に毛髪を得ることができた。
別の実施形態において、薬剤(b)は、少なくとも1種の非イオン性のフィルム形成性の親水性ポリマー(b1)を含んでよい。
本発明によれば、非イオン性ポリマーは、プロトン性溶剤中、例えば水中において標準的な条件下で、対イオンによって補われるはずである永続的なカチオン基またはアニオン基を有する構造単位を有しておらず、電子中性を維持したままであるポリマーであると理解されたい。カチオン基としては第四級化アンモニウム基が挙げられるが、プロトン化アミンは含まれない。アニオン基としてはカルボン酸基およびスルホン酸基が挙げられる。
さらなる非イオン性のフィルム形成性の親水性ポリマーとして、
・ポリビニルピロリドン、
・N-ビニルピロリドンとN-ビニルピロリドンの2~18個の炭素原子を含むカルボン酸のビニルエステルと酢酸ビニルのコポリマー、
・N-ビニルピロリドンとN-ビニルイミダゾールとメタクリルアミドのコポリマー、
・N-ビニルピロリドンとN-ビニルイミダゾールとアクリルアミドのコポリマー、
・N-ビニルピロリドンとN,N-ジ(C1~C4)アルキルアミノ-(C2~C4)アルキルアクリルアミドとのコポリマー
からなる群より選択される少なくとも1種のポリマーを含む組成物が好ましい。
N-ビニルピロリドンと酢酸ビニルのコポリマーが使用される場合、この場合も、モノマーのN-ビニルピロリドンに含まれる構造単位:モノマーの酢酸ビニルに含まれるポリマーの構造単位のモル比は20:80~80:20、特に30:70~60:40の範囲である場合が好ましい。好適なビニルピロリドンと酢酸ビニルのコポリマーは、例えば商標Luviskol(登録商標)VA 37、Luviskol(登録商標)VA 55、Luviskol(登録商標)VA 64およびLuviskol(登録商標)VA 73でBASF SEから入手可能である。
別の特に好ましいポリマーはINCI表示VP/メタクリルアミド/ビニルイミダゾールコポリマーから選択され、これは商品名Luviset ClearでBASF SEから入手可能である。
別の特に好ましい非イオン性のフィルム形成性の親水性ポリマーはN-ビニルピロリドンとN,N-ジメチルアミニオプロピルメタクリルアミドのコポリマーであり、これは、例えば、ISPによりINCI表示VP/DMAPA アクリレートコポリマーで、例えば商品名Styleze(登録商標)CC 10で販売されている。
カチオン性ポリマーは、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-(3-ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミドおよび3-(メタクリロイルアミノ)プロピル-ラウリル-ジメチルアンモニウムクロリドのコポリマー(INCI表示:ポリクオタニウム-69)であり、これは、例えば商品名AquaStyle(登録商標)300(エタノール-水混合物中28~32重量%の活性物質、分子量350000)でISPにより販売されている。
他の好適なフィルム形成性の親水性ポリマーとして、
・表示Luviquat(登録商標)FC 370、FC 550およびINCI表示ポリクオタニウム-16ならびにFC 905およびHM 552で提供されるビニルピロリドン-ビニルイミダゾリウムメトクロリドコポリマー、
・ビニルピロリドン-ビニルカプロラクタム-アクリレートターポリマー、これは、第3のモノマー成分がアクリル酸エステルおよびアクリル酸アミドで、例えばAquaflex(登録商標)SF 40の名称で市販されている、
が挙げられる。
ポリクオタニウム-11は、硫酸ジエチルとビニルピロリドンおよびメタクリル酸ジメチルアミノエチルのコポリマーとの反応生成物である。好適な市販品は、Dehyquart(登録商標)CC 11およびLuviquat(登録商標)PQ 11 PNの名称でBASF SEから、またはGafquat 440、Gafquat 734、Gafquat 755もしくはGafquat 755Nの名称でAshland Inc.から入手可能である。
ポリクオタニウム-46は、ビニルカプロラクタムおよびビニルピロリドンとメチルビニルイミダゾリウムメトサルフェートとの反応生成物であり、例えばLuviquat(登録商標)Holdの名称でBASF SEから入手可能である。ポリクオタニウム-46は、好ましくは化粧料組成物の総重量に対して1~5重量%の量で使用される。ポリクオタニウム-46をカチオングア化合物との組合せで使用することが特に好ましい。ポリクオタニウム-46をカチオングア化合物およびポリクオタニウム-11との組合せで使用することがいっそう非常に好ましい。
好適なさらなるアニオン性のフィルム形成性の親水性ポリマーは例えばアクリル酸ポリマーであってよく、これは非架橋形態であっても架橋形態で存在していてもよい。かかる生成物は、商品名Carbopol 980、981、954、2984および5984でLubrizolにより、またはSynthalen MおよびSynthalen Kの名称で3V Sigma(The Sun Chemicals,Inter Harz)により市販されている。
天然のガムの群からの好適なフィルム形成性の親水性ポリマーの例はキサンタンガム、ゲランガム、カロブガムである。
多糖類の群からの好適なさらなるフィルム形成性親水性ポリマーの例はヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースである。
アクリルアミドの群からの好適なさらなるフィルム形成性の親水性ポリマーは、例えば、(メタ)アクリルアミド-C1~C4-アルキルスルホン酸またはその塩のモノマーから調製されるポリマーである。対応するポリマーは、ポリアクリルアミドメタンスルホン酸、ポリアクリルアミドエタンスルホン酸、ポリアクリルアミドプロパンスルホン酸、ポリ2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、ポリ-2-メチルアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸および/またはポリ-2-メチルアクリルアミド-n-ブタンスルホン酸のポリマーから選択され得る。
ポリ(メタ)アクリルアミド-C1~C4-アルキル-スルホン酸の好ましいポリマーは架橋型であり、少なくとも90%が中和されている。このようなポリマーは架橋型であっても非架橋型であってもよい。
ポリ-2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸型の架橋された完全中和または部分中和ポリマーは、INCI名「アンモニウムポリアクリルアミド-2-メチル-プロパンスルホネート」または「アンモニウムポリアクリルジメチルタウラミド(tauramide)」で入手可能である。
この型の別の好ましいポリマーは、Clariantにより商品名Hostacerin AMPSで販売されている架橋型ポリ-2-アクリルアミド-2メチル-プロパンスルホン酸ポリマーであり、アンモニアで部分的に中和されている。
別の明白に非常に特に好ましい実施形態において、該方法は、薬剤(b)が少なくとも1種のさらなるアニオン性のフィルム形成性ポリマー(b1)を含むことを特徴とする。
これとの関連において、最良の結果は、薬剤(b)が、少なくとも1つの式(P-I)の構造単位と少なくとも1つの式(P-II)の構造単位
Figure 2022532362000074
式中
Mは水素原子またはアンモニウム(NH)、ナトリウム、カリウム、1/2マグネシウムもしくは1/2カルシウムである、
を含む少なくとも1種の他のフィルム形成性ポリマーを含む場合に得られた。
さらなる好ましい一実施形態において、本発明による方法は、薬剤(b)が、少なくとも1つの式(P-I)の構造単位と少なくとも1つの式(P-II)の構造単位を含む少なくとも1種のさらなるフィルム形成性ポリマー(b1)を含むことを特徴とする:
Figure 2022532362000075
式中
Mは水素原子またはアンモニウム(NH)、ナトリウム、カリウム、1/2マグネシウムもしくは1/2カルシウムである。
Mが水素原子を表す場合、式(P-I)の構造単位はアクリル酸単位に基づく。
Mがアンモニウム対イオンを表す場合、式(P-I)の構造単位はアクリル酸のアンモニウム塩に基づく。
Mがナトリウム対イオンを表す場合、式(P-I)の構造単位はアクリル酸のナトリウム塩に基づく。
Mがカリウム対イオンを表す場合、式(P-I)の構造単位はアクリル酸のカリウム塩に基づく。
Mが半当量のマグネシウム対イオンを表す場合、式(P-I)の構造単位はアクリル酸のマグネシウム塩に基づく。
Mが半当量のカルシウム対イオンを表す場合、式(P-I)の構造単位はアクリル酸のカルシウム塩に基づく。
さらなるフィルム形成性ポリマー(b1)は好ましくは薬剤(b)において特定範囲の量で使用される。これとの関連において、本発明による課題を解決するためには、薬剤(b)が、薬剤(b)の総重量に対して1種以上のさらなるフィルム形成性ポリマー(b1)を0.1~18重量%、好ましくは1~16重量%、より好ましくは5~14.5重量%、非常に特に好ましくは8~12重量%の総量で含む場合が特に好ましいことがわかった。
さらなる好ましい一実施形態において、該方法は、薬剤(b)が、薬剤(b)の総重量に対して1種以上のさらなるフィルム形成性ポリマー(b1)を0.1~18重量%、好ましくは1~16重量%、より好ましくは5~14.5重量%、非常に特に好ましくは8~12重量%の総量で含むことを特徴とする。
特に好ましい実施形態において、該方法は、薬剤(b)における選択されたフィルム形成性ポリマー(b1)および任意のさらなるフィルム形成性ポリマー(b1)の総量が、薬剤(b)の総重量に基づいて、0.1~18重量%、好ましくは1~16重量%、より好ましくは5~14.5重量%、非常に特に好ましくは8~12重量%であることを特徴とする。
〔任意の硫酸化および/またはスルホン化脂肪酸エステル(b2)〕
薬剤(b)は、それが少なくとも1種の硫酸化および/またはスルホン化脂肪酸エステル(b2)をさらに含むという点でさらに特徴付けられ得る。
成分(b2)として、本発明による方法で使用される薬剤(b)は、少なくとも1種の硫酸化および/またはスルホン化脂肪酸エステルを含み得る。
本発明の好ましい一実施形態によれば、硫酸化および/またはスルホン化脂肪酸エステルは、脂肪酸とアルコールとの硫酸化および/またはスルホン化モノまたはポリエステル、好ましくは脂肪酸と多価アルコールとの硫酸化および/またはスルホン化モノまたはポリエステルを含む。特に好ましい一実施形態において、硫酸化および/またはスルホン化脂肪酸エステルは、脂肪酸とグリセロールとの硫酸化および/またはスルホン化モノエステル、ジエステルおよび/またはトリエステルを含む。本発明の非常に好ましい一実施形態において、硫酸化および/またはスルホン化脂肪酸エステルは脂肪酸とグリセロールとの硫酸化および/またはスルホン化トリエステル(脂肪酸トリグリセリド)を含む。
したがって、薬剤(b2)として、本発明による方法で使用される薬剤(b)は、グリセロールを有する脂肪酸の少なくとも1種の硫酸化および/またはスルホン化トリエステルを含み得る。
脂肪酸基は直鎖または分枝鎖であってもよく、飽和または不飽和であってもよく、および/またはヒドロキシ官能化されていてもよく、該脂肪酸基は8~30個、好ましくは10~26個、より好ましくは12~24個のC原子を有する。スルホン化または硫酸化は不飽和結合部位および/またはヒドロキシ官能部で行われたものであってもよい。
好適な硫酸化および/またはスルホン化脂肪酸エステルとして、硫酸化油、好ましくは硫酸化植物油が挙げられる。特に好ましい硫酸化植物油として、硫酸化ナタネ油(INCI:硫酸化ナタネ油)、硫酸化ヒマワリ油(INCI:硫酸化ヒマワリ種子油)、硫酸化ココナッツ油(INCI:硫酸化ココナッツ油)、硫酸化ヒマシ油(INCI:硫酸化ヒマシ油)、硫酸化マーシュフラワー(marsh flower)油、硫酸化オリーブ油(INCI:硫酸化オリーブ油)、硫酸化ダイズ油(INCI:硫酸化ダイズ油)および/または硫酸化ホホバ油(硫酸化ホホバ油)が挙げられる。
好適な硫酸化動物油として、例えば硫酸化魚油が挙げられる。
好適なスルホン化脂肪酸エステルとして、スルホン化油、好ましくはスルホン化植物油が挙げられる。スルホン化植物油の例として、例えば、スルホン化キャノーラ油(INCI:スルホン化ナタネ油)、スルホン化ヒマワリ油(INCI:スルホン化ヒマワリ種子油)、スルホン化ココナッツ油(INCI:スルホン化ココナッツ油)、スルホン化ヒマシ油(INCI:スルホン化ヒマシ油)、スルホン化マーシュフラワー油、スルホン化オリーブ油(INCI:スルホン化オリーブ油)、スルホン化ダイズ油(INCI:スルホン化ダイズ油)および/またはスルホン化ホホバ油(スルホン化ホホバ油)が挙げられる。
該方法の非常に好ましい一実施形態において、薬剤(b)は硫酸化および/またはスルホン化ヒマシ油を硫酸化および/またはスルホン化脂肪酸エステル(b2)として含む。
トルコ赤油は、トーナント(Tournant)油としても知られ、ヒマシ油、リシノール酸およびその硫酸エステル、ジヒドロキシステアリン酸およびその硫酸エステル、ポリリシノール酸ならびにリシノール酸無水物およびラクトンの混合物である。トルコ赤油は、ヒマシ油に対して室温で濃硫酸を作用させ、続いて反応混合物を水酸化ナトリウム溶液またはアンモニアで中和することによって得られる。
非常に特に好ましい実施形態では、本発明による方法で使用される薬剤(b)は、トルコ赤油の形態で薬剤(b2)を含む。
好ましい実施形態では、1種以上の硫酸化および/またはスルホン化脂肪酸エステル(b2)、好ましくは硫酸化および/またはスルホン化油が、本発明による方法で使用される薬剤(b)に含まれ、これらは一緒になって総量を形成する。この好ましい実施形態によれば、硫酸化および/またはスルホン化脂肪酸エステルの総量は、薬剤(b)の総重量に基づいて、0.1~50重量%、好ましくは0.25~20重量%、より好ましくは0.5~10重量%である。
より好ましい実施形態では、本発明による方法で使用される薬剤(b)は、それぞれの場合、その総重量に基づいて、0.1~50重量%、好ましくは0.25~20重量%、より好ましくは0.5~10重量%の硫酸化および/またはスルホン化脂肪酸エステル(b2)としての硫酸化および/またはスルホン化ヒマシ油を含む。
好ましい実施形態では、本発明による方法で使用される薬剤(b)は、それぞれの場合、その総重量に基づいて、0.1~50重量%を含む。%、好ましくは0.25~20重量%、より好ましくは0.5~10重量%のトルコ赤油を含む。
〔薬剤(a)および(b)中の他の成分〕
上記の薬剤(a)および(b)はまた、1種以上の任意の成分を含んでよい。
前記薬剤はまた、1種以上の界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤という用語は表面活性物質を示す。疎水性残基と負荷電の親水性頭部基からなるアニオン界面活性剤、負電荷と相殺性の正電荷の両方を有している両性界面活性剤、疎水性残基に加えて正荷電の親水性基を有するカチオン界面活性剤、および電荷をもたないが強い双極子モーメントを有し、水溶液中で強く水和される非イオン界面活性剤に区別される。
双性イオン界面活性剤は、分子内に少なくとも1つの第四級アンモニウム基と少なくとも1つの-COO(-)-または-SO (-)基を有している表面活性化合物である。特に好適な双性イオン界面活性剤はいわゆるベタイン、例えばN-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウム-グリシネート、例えばココアルキル-ジメチルアンモニウムグリシネート、N-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えば、各々、アルキル基またはアシル基内に8~18個のC原子を有するココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネートおよび2-アルキル-3-カルボキシメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリン、ならびにココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。好ましい双性イオン界面活性剤の一例は、INCI名コカミドプロピルベタインで知られる脂肪酸アミド誘導体である。
両性界面活性剤は、分子内のC~C24アルキルまたはアシル基に加えて、少なくとも1つの遊離アミノ基と少なくとも1つの-COOHまたは-SOH基を含み、分子内塩を形成することができる表面活性化合物である。好適な両性界面活性剤の例は、各々、アルキル基内に約8~24個のC原子を有するN-アルキルグリシン、N-アルキルプロピオン酸、N-アルキルアミノ酪酸、N-アルキルイミノジプロピオン酸、N-ヒドロキシエチル-N-アルキルアミドプロピルグリシン、N-アルキルタウリン、N-アルキルサルコシン、2-アルキルアミノプロピオン酸およびアルキルアミノ酢酸である。両性または双性イオン界面活性剤の典型的な例はアルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミノプロピオネート、アミノグリシネート、イミダゾリニウムベタインおよびスルホベタインである。
特に好ましい両性界面活性剤はN-ココス(cocos)アルキルアミノプロピオネート、ココスアシルアミノエチルアミノプロピオネートおよびC12~C18-アシルサルコシンである。
また、前記薬剤は少なくとも1種の非イオン界面活性剤をさらに含有してもよい。好適な非イオン界面活性剤は、脂肪族アルコールまたは脂肪酸1molに対して2~30molのエチレンオキシドの脂肪族アルコールおよび脂肪酸に対するアルキルポリグリコシド付加生成物ならびにアルキレンオキシド付加生成物である。良好な特性を有する調製物は、非イオン界面活性剤として、少なくとも2molのエチレンオキシドと反応させたエトキシル化グリセロールの脂肪酸エステルを含有させた場合にも得られる。
また、前記薬剤は少なくとも1種のカチオン界面活性剤を含有してもよい。カチオン界面活性剤は、各々、1個以上の正電荷を有する界面活性剤、すなわち表面活性化合物である。カチオン界面活性剤は正電荷のみを含むものである。通常、このような界面活性剤は疎水性部と親水性頭部基で構成されており、疎水性部は通常、炭化水素主鎖からなり(例えば、1つまたは2つの直鎖または分枝鎖のアルキル鎖からなる)、正電荷は親水性頭部基に存在する。カチオン界面活性剤の例は
・8~28個の炭素原子の鎖長を有する1つもしくは2つのアルキル鎖を疎水性残基として有するものであり得る第四級アンモニウム化合物、
・8~28個の炭素原子の鎖長を有する1つ以上のアルキル鎖で置換されている第四級ホスホニウム塩または
・第三級スルホニウム塩
である。
さらに、カチオン電荷もまた、オニウム構造の形態の複素環(例えば、イミダゾリウム環またはピリジニウム環)の一部であり得る。カチオン電荷を有している官能部単位に加えて、カチオン界面活性剤は、例えばエステルクアットの場合のように他の無電荷官能基もまた含んでいてもよい。カチオン界面活性剤は、それぞれの薬剤の総重量に対して0.1~45重量%、好ましくは1~30重量%、最も好ましくは1~15重量%の総量で使用される。
さらに、該薬剤はまた、少なくとも1種のアニオン界面活性剤を含有してもよい。アニオン界面活性剤は、排他的にアニオン電荷(対応する対カチオンによって中和される)を有する表面活性薬剤である。アニオン界面活性剤の例は脂肪酸、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェートおよびエーテルカルボン酸であり、アルキル基内のC原子は12~20個であり、分子内のグリコールエーテル基最大16個までである。
アニオン界面活性剤は、それぞれの薬剤の総重量に対して0.1~45重量%、好ましくは1~30重量%、最も好ましくは1~15重量%の総量で使用される。
薬剤(a)および/または薬剤(b)にマット剤をさらに含んでもよい。好適なマット剤として、例えば、(加工)デンプン、ワックス、タルクおよび/または(修飾)シリカが挙げられる。マット剤の量は、薬剤(a)または薬剤(b)の総量に対して好ましくは0.1~10重量%である。好ましくは、薬剤(b)はマット剤を含んでよい。
該薬剤はまた、他の活性成分、助剤および添加剤、例えば溶剤;脂肪族成分、例えばC~C30脂肪酸トリグリセリド、C~C30脂肪酸モノグリセリド、C~C30脂肪酸ジグリセリドおよび/または炭化水素;ストラクチュラント(structurant)、例えばグルコース、マレイン酸および乳酸、ヘアコンディショニング化合物、例えばリン脂質、例えばレクチンおよびケファリン;香油、ジメチルイソソルビドおよびシクロデキストリン;繊維構造改善活性成分、特に単糖類、二糖類およびオリゴ糖、例えばグルコース、ガラクトース、フルクトース、フルクトースおよびラクトース;製品をカラーリングするための染料;フケ防止活性成分、例えばピロクトン・オラミン、亜鉛オマジンおよびクリンバゾール;アミノ酸およびオリゴペプチド;動物系および/または植物系ならびに脂肪酸縮合生成物または任意にアニオン修飾型もしくはカチオン修飾型誘導体の形態のタンパク質加水分解物;植物油;光安定剤およびUVブロッカー;活性成分、例えばパンテノール、パントテン酸、パントラクトン、アラントイン、ピロリジノンカルボン酸およびその塩またはビサボロール;ポリフェノール、特にヒドロキシ桂皮酸、6,7-ジヒドロキシクマリン、ヒドロキシ安息香酸、カテキン、タンニン、ロイコアントシアニジン、アントシアニジン、フラバノン、フラボンおよびフラボノール;セラミドまたは疑似セラミド;ビタミン類、プロビタミンおよびビタミン前駆体;植物エキス;脂肪およびワックス、例えば脂肪族アルコール、ミツロウ、モンタンワックスおよびケロシン;膨潤剤および浸透剤、例えばグリセロール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、カーボネート、炭酸水素塩、グアニジン、尿素および第一級、第二級および第三級ホスフェート;乳白剤、例えばラテックス、スチレン/PVPおよびスチレン/アクリルアミドコポリマー;真珠光沢薬剤、例えばエチレングリコールモノ-およびジステアレートならびにPEG-3-ジステアレート;ならびに発泡剤、例えばプロパン-ブタン混合物、NO、ジメチルエーテル、COおよび空気を含有してもよい。
このような他の物質の選択は、専門家により薬剤の所望の特性に従うように行われる。他の任意の成分およびこのような成分の使用量に関して、その専門家に知られた関連マニュアルに明示されている。さらなる活性成分および補助物質は好ましくは、本発明による調製物中に、それぞれの薬剤の総重量に対して0.0001~25重量%ずつ、0.0005~15重量%の量で使用される。
〔ケラチン物質を染色するための方法〕
本発明による手順において、薬剤(a)および(b)は、ケラチン物質、人毛に適用される。したがって、薬剤(a)および(b)は使用準備済の薬剤である。薬剤(a)と(b)は異なる。
原則的に、薬剤(a)および(b)は同時または連続的に適用することができ、このとき、連続的に適用することが好ましい。
最良の結果は、薬剤(a)を最初にケラチン物質に第1の工程において適用し、薬剤(b)を第2の工程において適用する場合に得られた。
したがって、かなり特に好ましいのは、ケラチン物質、特に人毛をカラーリングするためにケラチン物質を処理するための方法であって、示した順に以下の工程:
〇第1の工程において、薬剤(a)をケラチン物質に適用することであって、該薬剤(a)は以下を含む:
(a1)1個、2個または3個のケイ素原子を有するシランからなる群より選択される少なくとも1種の有機ケイ素化合物、および
(a2)顔料および/または直接染料からなる群から選択される少なくとも1種の着色剤化合物
および
〇第2の工程において、薬剤(b)を該ケラチン物質に適用することであって、該薬剤(b)は以下を含む:
(b1)少なくとも1つの式(i)の構造単位および少なくとも1つの式(ii)の構造単位:
Figure 2022532362000076
[式中
は(C-C18)アルキル基を表し、
およびMは独立して、水素原子、(C-C)アルキル基または1当量の一価もしくは多価のカチオンを表す]
を含むコポリマーを含有する、少なくとも1種のフィルム形成性ポリマー、
を含む方法である。
さらに、染色されたケラチン物質に対して長期間にわたって高い溶出耐久性を付与するため、薬剤(a)および(b)を特に好ましくは、1つの同じ染色方法において適用する、これは、薬剤(a)の適用と薬剤(b)の適用の間の期間が最大数時間であることを意味する。
さらなる好ましい一実施形態において、該方法は、薬剤(a)を最初に適用し、その後に薬剤(b)を適用し、薬剤(a)の適用と薬剤(b)の適用の間の期間が最大でも24時間、好ましくは最大でも12時間、特に好ましくは最大でも6時間であることを特徴とする。
薬剤(a)の際立つ特徴の1つは少なくとも1種の反応性有機ケイ素化合物(a1)のコンテンツ(content)である。反応性有機ケイ素化合物(a1)は、毛髪表面と合うとすぐオリゴマー化または重合反応を行い、したがって官能性を付与する。このようにして、第1のフィルムが形成される。第1の着色化合物(a2)は、フィルムが着色されるようにフィルムに組み込まれる。方法の第2工程では、第2のポリマー含有剤(b)がここで毛髪に適用される。薬剤(b)の適用中に、フィルム形成性ポリマーはシランフィルムと相互作用し、したがってケラチン物質に結合する。
実施のさらなる形態との関連において、示した順に以下の工程
(1)薬剤(a)をケラチン物質に対して適用すること、
(2)薬剤(a)を10秒~10分、好ましくは10秒~5分の期間、作用させること、
(3)必要であれば、ケラチン物質を水ですすぎ洗いすること、
(4)薬剤(b)をケラチン物質に対して適用すること、
(5)薬剤(b)を30秒~30分、好ましくは30秒~10分の期間、作用させること、
(6)ケラチン物質を水ですすぎ洗いすること
を含む手順が特に好ましい。
該方法の工程(3)および(6)でのケラチン物質の水でのすすぎ洗いは、本発明によれば、すすぎ洗い方法に、薬剤(a)および(b)以外になんら他の薬剤を伴わずに水だけを使用することを意味すると理解されたい。
工程(1)では、薬剤(a)が最初にケラチン物質、特に人毛に適用される。
適用後、薬剤(a)をそのままにしてケラチン物質に作用させる。これとの関連において、毛髪上において10秒間~10分間、好ましくは20秒間~5分間、特に好ましくは30秒間~2分間の適用時間が特に有益であることがわかった。
本発明による方法の好ましい一実施形態では、薬剤(a)を次に、後続の工程で薬剤(b)を毛髪に適用する前にケラチン性材料からすすぎ洗いすることができる。
等しく良好な洗浄堅牢性を有する染色が、まだ薬剤(a)に曝露されているケラチン物質に薬剤(b)を適用した場合に得られた。
工程(4)では、薬剤(b)が次にケラチン物質に適用される。適用後、薬剤(b)を毛髪に対して作用させる。
薬剤(b)との接触時間が短くても、該方法により、特に良好な強度および洗浄堅牢性を有する染色をもたらすことが可能となる。毛髪上において10秒間~10分間、好ましくは20秒間~5分間、最も好ましくは30秒間~3分間の適用時間が特に有益であることがわかった。
工程(6)では、薬剤(b)(およびまだ存在していれば薬剤(a))が次にケラチン物質から水ですすぎ洗い流される。
この実施形態において、この一連の工程(1)から(6)は好ましくは24時間以内で行われる。
薬剤(a)は、有機ケイ素化合物とともに、使用した場合は加水分解またはオリゴマー化および/または重合(ポリマー化)を行うことができる類型の高反応性化合物を含有する。その高い反応性の結果、このような有機ケイ素化合物はケラチン物質上にフィルムを形成する。
未成熟なオリゴマー化または重合を回避するため、使用準備済の薬剤(a)を適用の直前に調製することがユーザーにとって非常に有利である。
また別の実施形態において、好ましいのは、示した順に以下の工程を含む方法である。
(1)第1の薬剤(a’)と第2の薬剤(a’’)を混合することによって薬剤(a)を調製すること、ここで
〇第1の薬剤(a’)は、1個、2個または3個のケイ素原子を有するシランの群からの少なくとも1種の有機ケイ素化合物(a1)を含む、および
〇第2の薬剤(a’’)は、顔料および/または直接染料からなる群から選択される少なくとも1種の着色剤化合物を含む、
(2)薬剤(a)をケラチン物質に対して適用すること、
(3)薬剤(a)を10秒~10分、好ましくは10秒~5分の期間、作用させること、
(4)必要であれば、ケラチン物質を水ですすぎ洗いすること、
(5)薬剤(b)をケラチン物質に対して適用すること、
(6)薬剤(b)を30秒~30分、好ましくは30秒~10分の期間、作用させること、
(7)ケラチン物質を水ですすぎ洗いすること。
貯蔵において可能な限り安定な配合物を得ることができるように、薬剤(a’)自体は好ましくは低水分量または水無含有となるように配合される。
好ましい一実施形態において、多成分包装ユニット(パーツキット)は、薬剤(a’)が薬剤(a’)の総重量に対して0.001~10重量%、好ましくは0.5~9重量%、より好ましくは1~8重量%、非常に特に好ましくは1.5~7重量%の水分含有量を含むことを特徴とする。
薬剤(a’’)には水が含まれている場合がある。好ましい実施形態では、多成分包装ユニット(パーツキット)は、薬剤(a’’)が、薬剤(a’’)の総重量に基づいて、55%、さらにより好ましくは少なくとも65重量%、非常に特に好ましくは少なくとも75重量%の含水量を有することを特徴とする。
この実施形態の範囲において、使用準備済の薬剤(a)は次に、薬剤(a’)と(a’’)を混合することによって調製される。
例えば、ユーザーにより最初に、有機ケイ素化合物(a1)を含有している薬剤(a’)を水性着色剤含有薬剤(a’’)とともに撹拌またはシェイクされてもよい。ユーザーにより次に、(a’)と(a’’)のこの混合物がケラチン物質に、調製直後または10秒間~20分間の短い反応時間後のいずれかで適用され得る。その後、ユーザーにより薬剤(b)が上記のようにして適用され得る。
任意に含まれるシリコーンポリマー(a3)は薬剤(a’)に含んでも薬剤(a’’)に含んでもよい。好ましくは、シリコーンポリマー(a3)薬剤(a’’)に含有させる。
また別の実施形態において、好ましいのは、示した順に以下の工程を含む方法である。
(1)第1の薬剤(a’)と第2の薬剤(a’’)を混合することによって薬剤(a)を調製すること、ここで
〇第1の薬剤(a’)は、1個、2個または3個のケイ素原子を有するシランの群からの少なくとも1種の有機ケイ素化合物(a1)と、さらに少なくとも1種のシリコーンポリマー(a3)を含む、および
〇第2の薬剤(a’’)は、顔料および/または直接染料からなる群から選択される少なくとも1種の第1の着色化合物(a2)を含む、
(2)薬剤(a)をケラチン物質に対して適用すること、
(3)薬剤(a)を10秒~10分、好ましくは10秒~5分の期間、作用させること、
(4)必要であれば、ケラチン物質を水ですすぎ洗いすること、
(5)薬剤(b)をケラチン物質に対して適用すること、
(6)薬剤(b)を30秒~30分、好ましくは30秒~10分の期間、作用させること、
(7)ケラチン物質を水ですすぎ洗いすること。
さらなる一実施形態との関連において、特に好ましいのは、示した順に以下の工程を含む方法である。
(1)第1の薬剤(a’)と第2の薬剤(a’’)を混合することによって薬剤(a)を調製すること、ここで
〇第1の薬剤(a’)は、1個、2個または3個のケイ素原子を有するシランの群からの少なくとも1種の有機ケイ素化合物(a1)を含む、および
〇第2の薬剤(a’’)は、顔料および/または直接染料からなる群から選択される少なくとも1種の第1の着色化合物(a2)、さらに少なくとも1種のシリコーンポリマー(a3)を含む、
(2)薬剤(a)をケラチン物質に対して適用すること、
(3)薬剤(a)を10秒~10分、好ましくは10秒~5分の期間、作用させること、
(4)必要であれば、ケラチン物質を水ですすぎ洗いすること、
(5)薬剤(b)をケラチン物質に対して適用すること、
(6)薬剤(b)を30秒~30分、好ましくは30秒~10分の期間、作用させること、
(7)ケラチン物質を水ですすぎ洗いすること。
さらに好ましい実施形態の文脈において、方法はまた、薬剤(a’’)が水を含まないか、または少量しか含まないことを特徴とし得る。本発明のこの実施形態では、薬剤(a’’)は、薬剤(a’’)の総重量に基づいて、0~10重量%、好ましくは0~5重量%、より好ましくは0~2重量%、非常に特に好ましくは0~1重量%の含水量を有する。
この実施形態内で、すぐに使用できる薬剤(a)は、薬剤(a’)および(a’’’)を第3の別個に調製された含水剤(a’’’)と混合することによって調製してもよい。薬剤(a’’’)は、好ましくは、薬剤(a’’’)の総重量に基づいて、少なくとも50重量%の水を含む。水に加えて、薬剤(a’’’)は、ヒドロキシエチルセルロースなどの増粘剤、および/またはC12~C30脂肪アルコール、C12~C30脂肪酸トリグリセリド、C12~C30脂肪酸モノグリセリド、C12~C30脂肪酸ジグリセリドおよび/または炭化水素の群からの1つ以上の脂肪成分を含み得る。薬剤(a’’’)は、増粘剤または1つ以上の脂肪成分に加えて、非イオン性界面活性剤および/または溶媒などの他の成分を含み得る。
このさらなる実施形態との関連において好ましいのは、示した順に以下の工程を含む方法である。
(1)第1の薬剤(a’)と第2の薬剤(a'')と第3薬剤(a''')を混合することによって薬剤(a)を調製すること、ここで
第1の薬剤(a’)は、1個、2個または3個のケイ素原子を有するシランの群からの少なくとも1種の有機ケイ素化合物(a1)を含む、
第2の薬剤(a’’)は、顔料および/または直接染料からなる群から選択される少なくとも1種の第1の着色化合物(a2)、少なくとも1種のシリコーンポリマー(a3)を含む、および
第3の薬剤(a’’’)は、少なくとも50重量%の水を含む、
(2)薬剤(a)をケラチン物質に対して適用すること、
(3)薬剤(a)を10秒~10分、好ましくは10秒~5分の期間、作用させること、
(4)必要であれば、ケラチン物質を水ですすぎ洗いすること、
(5)薬剤(b)をケラチン物質に対して適用すること、
(6)薬剤(b)を30秒~30分、好ましくは30秒~10分の期間、作用させること、
(7)ケラチン物質を水ですすぎ洗いすること。
〔多成分包装ユニット(パーツキット)〕
ユーザーの快適性を高めるため、好ましくはユーザーに必要とされるすべての資材が多成分包装ユニット(パーツキット)の形態で提供される。
したがって、本発明の第2の主題は、ケラチン物質を着色するための多成分包装ユニット(パーツキット)であり、以下が互いに別個に包括的に包装されている:
・薬剤(a’)を含む第1の容器であり、薬剤(a’)は以下を含む:
(a1)1個、2個または3個のケイ素原子を有するシランからなる群から選択される少なくとも1種の有機ケイ素化合物、および
・薬剤(a’’)を含む第2の容器であり、薬剤(a’’)は以下を含む:
(a2)顔料および/または直接染料からなる群から選択される少なくとも1種の第1の着色化合物(a2)、および
・薬剤(b)を含む第3の容器であり、薬剤(b)は以下を含む:
(b1)少なくとも1つの式(i)の構造単位と少なくとも1つの式(ii)の構造単位:
Figure 2022532362000077
[式中
は(C-C18)アルキル基を表し、
およびMは独立して、水素原子、(C-C)アルキル基または1当量の一価もしくは多価のカチオンを表す]
を含むコポリマーを含有する、少なくとも1種のフィルム形成性ポリマー
該成分(a1)、(a2)および(b1)は上記に詳細に開示されている。
キットの薬剤(a’)に含まれる1個、2個または3個のケイ素原子を有するシランの群からの有機ケイ素化合物(a1)は、先に記載した方法の薬剤(a)においても使用された有機ケイ素化合物に対応する。
キットの薬剤(a’’)に含まれる顔料および/または直接染料の群からの着色化合物(a2)は、前述の方法の薬剤(a)でも使用される着色剤化合物(a2)に対応する。
キットの薬剤(b)に含まれる選択されたフィルム形成性ポリマー(b1)は、前述の方法の薬剤(b)でも使用されたフィルム形成性ポリマーに対応する。
キットの薬剤(b)に任意に含まれる硫酸化および/またはスルホン化脂肪酸エステル(b2)は、前述の方法の薬剤(b)でも使用される硫酸化および/またはスルホン化脂肪酸エステル(b2)に対応する。
これに関連して、薬剤(a’)または媒体(a’’)に任意選択で含まれるシリコーンポリマー(a3)を構成することが再び可能である。
さらなる実施形態の文脈において、ケラチン物質を着色するための多成分包装ユニット(パーツキット)には、好ましくは、以下が互いに別々に包装されている:
・薬剤(a’)を含む第1の容器、ここで薬剤(a’)は以下を含む:
1個、2個、または3個のケイ素原子を有するシランの群からの少なくとも1種の有機ケイ素化合物(a1)、および、さらに少なくとも1種のシリコーンポリマー(a3)、および
・薬剤(a’’)を含む第2の容器、ここで薬剤(a’’)は以下を含む:
(a2)顔料および/または直接染料からなる群から選択される少なくとも1種の第1の着色化合物、および
・薬剤(b)を含む第3の容器、薬剤(b)は以下を含む:
(b1)少なくとも1つの式(i)の構造単位および少なくとも1つの式(ii)の構造単位:
Figure 2022532362000078
[式中
は(C-C18)アルキル基を表し、
およびMは独立して、水素原子、(C-C)アルキル基または1当量の一価もしくは多価のカチオンを表す]
を含むコポリマーを含有する、少なくとも1種のフィルム形成性ポリマー
ここで、薬剤(a1)、(a2)、(a3)および(b1)は、上で詳細に開示されている。
さらなる実施形態の文脈において、ケラチン物質を着色するための多成分包装ユニット(パーツキット)には、好ましくは、以下が互いに別々に包装されている:
・薬剤(a’)を含む第1の容器、薬剤(a’)は以下を含む:
1個、2個、または3個のケイ素原子を有するシランの群からの少なくとも1種の有機ケイ素化合物(a1)、および
・薬剤(a’’)を含む第2の容器、薬剤(a’’)は以下を含む:
(a2)顔料および/または直接染料からなる群から選択される少なくとも1種の第1の着色化合物、および、さらに少なくとも1種のシリコーンポリマー(a3)、および
・薬剤(a’’’)を含む第3の容器、ここで薬剤(a’’’)は、水を含む化粧品担体である、
・薬剤(b)を含む第4の容器、薬剤(b)は以下を含む:
(b1)少なくとも1つの式(i)の構造単位および少なくとも1つの式(ii)の構造単位:
Figure 2022532362000079
[式中
は(C-C18)アルキル基を表し、
およびMは独立して、水素原子、(C-C)アルキル基または1当量の一価もしくは多価のカチオンを表す]
を含むコポリマーを含有する、少なくとも1種のフィルム形成性ポリマー
ここで、薬剤(a1)、(a2)、(a3)および(b1)は、上で詳細に開示されている。
この実施形態では、薬剤(a’)および(a’’)は低い水分含有量を有する。すぐに使用できる薬剤(a)を調製するために、薬剤(a’)、(a’’)、および(a’’’)を混合する。この場合、薬剤(a’’’)は、薬剤(a’’’)の総重量に基づいて、好ましくは少なくとも55重量%の水を含む含水化粧品担体である。水に加えて、薬剤(a’’’)は、ヒドロキシエチルセルロースなどの増粘剤、および/またはC12-C30脂肪アルコール、C12-C30脂肪酸トリグリセリド、C12-C30脂肪酸モノグリセリド、C12-C30脂肪酸ジグリセリドおよび/または炭化水素の群からの1つ以上の脂肪成分を含み得る薬剤(a’’’)は、増粘剤または1つ以上の脂肪成分に加えて、非イオン性界面活性剤および/または溶媒などの他の成分を含み得る。
さらなる実施形態の文脈において、ケラチン物質を着色するための多成分包装ユニット(パーツキット)には、好ましくは、以下が互いに別々に包装されている:
・薬剤(a’)を含む第1の容器、ここで薬剤(a’)は以下を含む:
1個、2個、または3個のケイ素原子を有するシランの群からの少なくとも1種の有機ケイ素化合物(a1)、
・薬剤(a’’)を含む第2の容器、薬剤(a’’)は以下を含む:
(a2)顔料および/または直接染料からなる群から選択される少なくとも1種の第1の着色剤化合物、および、さらに少なくとも1種のシリコーンポリマー(a3)、および
・薬剤(b)を含む第3の容器、薬剤(b)は以下を含む:
(b1)少なくとも1つの式(i)の構造単位および少なくとも1つの式(ii)の構造単位:
Figure 2022532362000080
[式中
は(C-C18)アルキル基を表し、
およびMは独立して、水素原子、(C-C)アルキル基または1当量の一価もしくは多価のカチオンを表す]
を含むコポリマーを含有する、少なくとも1種のフィルム形成性ポリマー
(b2)少なくとも1種の硫酸化および/またはスルホン化脂肪酸エステル、
ここで、薬剤(a1)、(a2)、(a3)、(b1)および(b2)は、上で詳細に開示されている。
さらなる実施形態の文脈において、ケラチン物質を着色するための多成分包装ユニット(パーツキット)には、好ましくは、以下が互いに別々に包装されている:
・薬剤(a’)を含む第1の容器、ここで薬剤(a’)は以下を含む:
1個、2個、または3個のケイ素原子を有するシランの群からの少なくとも1種の有機ケイ素化合物(a1)、
・薬剤(a’’)を含む第2の容器、ここで薬剤(a’’)は以下を含む:
(a2)顔料および/または直接染料からなる群から選択される少なくとも1種の第1の着色化合物、および、さらに少なくとも1種のシリコーンポリマー(a3)、
・薬剤(a’’’)を含む第3の容器、前記薬剤(a’’’)は、薬剤(a’’’’)の総重量に基づいて少なくとも50重量%の水を含む、および
・薬剤(b)を含む第4の容器、ここで薬剤(b)は以下を含む:
(b1)少なくとも1つの式(i)の構造単位および少なくとも1つの式(ii)の構造単位:
Figure 2022532362000081
[式中
は(C-C18)アルキル基を表し、
およびMは独立して、水素原子、(C-C)アルキル基または1当量の一価もしくは多価のカチオンを表す]
を含むコポリマーを含有する、少なくとも1種のフィルム形成性ポリマー、および
(b2)少なくとも1種の硫酸化および/またはスルホン化脂肪酸エステル、
ここで、薬剤(a1)、(a2)、(a3)、(b1)および(b2)は、上で詳細に開示されている。
多成分包装ユニットのさらに好ましい実施形態に関して、該方法に関して記載したことに対して必要により修正が加えられる。
〔実施例1〕
以下の配合物を調製した(特に記載のない限り、数字はすべて、単位:重量%である)。
Figure 2022532362000082
Figure 2022532362000083
すぐに使用できる薬剤(a)は、5gの薬剤(a’)と20gの薬剤(a’’)を混合することによって調製された。薬剤(a)のpH値は、アンモニアまたは乳酸を加えることによって10.5の値に調整された。次に、薬剤(a)を約5分間放置した。
Figure 2022532362000084
薬剤(a)を1束の毛髪ストランド(Kerling、ユーロナチュラルヘアホワイト)に一度にもみこみ、1分間放置して作用させた。次に、薬剤(a)を水ですすいだ。
続いて、薬剤(b-I)、(b-II)または(b-III)をそれぞれ、薬剤(a)で処理された毛髪ストランドに適用し、1分間放置して作用させた後、水ですすいだ。
各毛髪ストランドに、洗浄に対する優れた堅牢性と摩擦に対する非常に優れた堅牢性を備えた濃い青色の着色が得られた。

Claims (14)

  1. 以下の工程:
    ・薬剤(a)をケラチン物質に適用する工程、ここで、薬剤(a)は以下を含む:
    (a1)1個、2個または3個のケイ素原子を有するシランからなる群より選択される少なくとも1種の有機ケイ素化合物、および
    (a2)顔料および/または直接染料からなる群から選択される少なくとも1種の第1の着色化合物、および
    ・薬剤(b)を該ケラチン物質に適用する工程、ここで、薬剤(b)は以下を含む:
    (b1)少なくとも1つの式(i)の構造単位および少なくとも1つの式(ii)の構造単位:
    Figure 2022532362000085
    [式中
    は(C-C18)アルキル基を表し、
    およびMは独立して、水素原子、(C-C)アルキル基または1当量の一価もしくは多価のカチオンを表す]
    を含むコポリマーを含有する、少なくとも1種のフィルム形成性ポリマー
    を含む、ケラチン物質、特に人毛を染色するための方法。
  2. 薬剤(a)が、式(I)および/または(II)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物(a1):
    Figure 2022532362000086
    [式中
    ・R、Rは独立して、水素原子またはC-Cアルキル基を表し、
    ・Lは直鎖または分枝鎖の二価のC-C20アルキレン基であり、
    ・R、Rは互いに独立して、C-Cアルキル基を表し、
    ・aは1~3の整数を表し、
    ・bは3-aの整数を表す]
    および
    Figure 2022532362000087
    [式(II)の有機ケイ素化合物中、
    ・R5、R5'、R5''、R6、R6'およびR6''は独立して、C-Cアルキル基を表し、
    ・A、A'、A''、A'''およびA''''は独立して、直鎖または分枝鎖の二価のC-C20アルキレン基を表し、
    ・RおよびRは独立して、水素原子、C-Cアルキル基、ヒドロキシC-Cアルキル基、C-Cアルケニル基、アミノC-Cアルキル基または式(III)の基:
    Figure 2022532362000088
    〔式中、
    ・cは1~3の整数を表し、
    ・dは3-cの整数を表し、
    ・c'は1~3の整数を表し、
    ・d'は3-c'の整数を表し、
    ・c''は1~3の整数を表し、
    ・d''は3-c''の整数を表し、
    ・eは0または1を表し、
    ・fは0または1を表し、
    ・gは0または1を表し、
    ・hは0または1を表す、
    ただし、e、f、gおよびhのうちの少なくとも1つは0と異なるものとする〕
    を表す]
    を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 薬剤(a)が、式(I)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物(a1):
    Figure 2022532362000089
    [式中
    ・R、Rはともに水素原子を表し、
    ・Lは、直鎖の二価のC-Cアルキレン基、好ましくはプロピレン基(-CH-CH-CH-)またはエチレン基(-CH-CH-)を表し、
    ・R、Rは独立して、メチル基またはエチル基を表し、
    ・aは数値3を表し、
    ・bは数値0を表す]
    を含むことを特徴とする、請求項1~2のいずれかに記載の方法。
  4. 薬剤(a)が、
    ・(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン
    ・(3-アミノプロピル)トリメトキシシラン
    ・1-(3-アミノプロピル)シラントリオール
    ・(2-アミノエチル)トリエトキシシラン
    ・(2-アミノエチル)トリメトキシシラン
    ・1-(2-アミノエチル)シラントリオール
    ・(3-ジメチルアミノプロピル)トリエトキシシラン
    ・(3-ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン
    ・1-(3-ジメチルアミノプロピル)シラントリオール
    ・(2-ジメチルアミノエチル)トリエトキシシラン
    ・(2-ジメチルアミノエチル)トリメトキシシランおよび/または
    ・1-(2-ジメチルアミノエチル)シラントリオール
    からなる群より選択される、式(I)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物(a1)を含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
  5. 薬剤(a)が、式(II)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物(a1):
    Figure 2022532362000090
    [式中
    ・eおよびfはともに数値1を表し、
    ・gおよびhはともに数値0を表し、
    ・AおよびA’は独立して、直鎖の二価のC-Cアルキレンを表し、
    ・Rは、水素原子、メチル基、2-ヒドロキシエチル基、2-アルケニル基、2-アミノエチル基または式(III)の基を表す]
    を含むことを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
  6. 薬剤(a)が、
    ・3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
    ・3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
    ・N-メチル-3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
    ・N-メチル-3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
    ・2-[ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アミノ]-エタノール
    ・2-[ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]アミノ]-エタノール
    ・3-(トリメトキシシリル)-N,N-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
    ・3-(トリエトキシシリル)-N,N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
    ・N1,N1-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1,2-エタンジアミン、
    ・N1,N1-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1,2-エタンジアミン、
    ・N,N-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-2-プロペン-1-アミンおよび/または
    ・N,N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-2-プロペン-1-アミン
    からなる群より選択される、式(II)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物(a1)を含むことを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
  7. 薬剤(a)が、式(IV)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物(a1):
    Figure 2022532362000091
    [式中、
    ・RはC-C18アルキル基を表し、
    ・R10は水素原子またはC-Cアルキル基を表し、
    ・R11はC-Cアルキル基を表し、
    ・kは1~3の整数であり、
    ・mは3-kの整数を表す]
    を含むことを特徴とする、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
  8. 薬剤(a)が、
    ・メチルトリメトキシシラン
    ・メチルトリエトキシシラン
    ・エチルトリメトキシシラン
    ・エチルトリエトキシシラン
    ・ヘキシルトリメトキシシラン
    ・ヘキシルトリエトキシシラン
    ・オクチルトリメトキシシラン
    ・オクチルトリエトキシシラン
    ・ドデシルトリメトキシシラン、
    ・ドデシルトリエトキシシラン、
    ・オクタデシルトリメトキシシラン、
    ・オクタデシルトリエトキシシランおよび
    ・これらの混合物
    からなる群より選択される、式(IV)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物(a1)を含むことを特徴とする、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
  9. 薬剤(a)が、構造的に異なる少なくとも2種の有機ケイ素化合物(a1)を含むことを特徴とする、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
  10. 薬剤(a)が、式(I)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物および式(IV)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含むことを特徴とする、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
  11. 薬剤(b)が少なくとも1種の硫酸化および/またはスルホン化脂肪酸エステル(b2)をさらに含むことを特徴とする、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
  12. 薬剤(a)が少なくとも1種のシリコーンポリマー(a3)をさらに含むことを特徴とする、請求項1~11のいずれかに記載の方法。
  13. 少なくとも1種のフィルム形成性ポリマー(b1)が、メチルビニルエーテルおよびマレイン酸無水物のコポリマーのナトリウムおよびカルシウム混合塩を含むことを特徴とする、請求項1~12のいずれかに記載の方法。
  14. 別々に包装された
    ・薬剤(a’)を含む第1の容器、ここで該薬剤(a’)は以下を含む:
    (a1)1個、2個または3個のケイ素原子を有するシランからなる群より選択される少なくとも1種の有機ケイ素化合物、
    ・薬剤(a’’)を含む第2の容器、ここで該薬剤(a’’)は以下を含む:
    (a2)顔料および/または直接染料からなる群から選択される少なくとも1種の第1の着色化合物
    ・薬剤(b)を含む第3の容器、ここで、該薬剤は(b)以下を含む:
    (b1)少なくとも1つの式(i)の構造単位および少なくとも1つの式(ii)の構造単位:
    Figure 2022532362000092
    [式中
    は(C-C18)アルキル基を表し、
    およびMは独立して、水素原子、(C-C)アルキル基または1当量の一価もしくは多価のカチオンを表す]
    を含むコポリマーを含有する、少なくとも1種のフィルム形成性ポリマー
    を含む、ケラチン物質を染色するためのパーツキット。
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