JP2022530244A - Grk2タンパク質インヒビター化合物および同化合物を含む医薬組成物 - Google Patents

Grk2タンパク質インヒビター化合物および同化合物を含む医薬組成物 Download PDF

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モンクゾール,フェデリコ
エー. ダビオ,カルロス
シー. シャヨ,カリーナ
エー. ラミレス,ジャビエール
エル. アセベド,ソフィア
シー. ブルットメッソ,アンドレア
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Abstract

式I(式中Xは、炭素および窒素から選択される原子であり、ならびにR1は、基メチルカルボキシラートおよび1,3,4-オキサジアゾール-2-イルから選択される)で表されるGRK2タンパク質インヒビター化合物であって、ここで化合物は、メチル4-(ナフタレン-2-アミド)ベンゾアートおよびN-[4-(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)フェニル]キノリン-3-カルボキサミドから選択される。また開示されるのには、式Iで表される化合物を少なくとも含む医薬組成物もある。

Description

本発明は、GRK2タンパク質インヒビター化合物に関する。特に、本発明は、式I
Figure 2022530244000002

式中Xは、炭素および窒素から選択される原子であり、ならびに
R1は、メチルカルボキシラート基および1,3,4-オキサジアゾール-2-イル基から選択される、
で表されるGRK2タンパク質インヒビター化合物に関し、ここで化合物が、メチル4-(ナフタレン-2-アミド)ベンゾアートおよびN-[4-(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)フェニル]キノリン-3-カルボキサミドから選択される。好ましい態様において、GRK2タンパク質インヒビター化合物は、メチル4-(ナフタレン-2-アミド)ベンゾアートである。
本発明の背景
GRK2タンパク質は、「Gタンパク質共役受容体」(GPCR)として知られる膜受容体の大規模なファミリーの調節における重要なタンパク質キナーゼである。GRK2について説明される主な機能は、受容体が着実に刺激された場合の、それらの生理学的阻害である。この現象は「脱感作」として知られており、細胞に、必要に応じてGPCR依存性シグナリング経路を動的に不活性化できるようにさせる。GRK2タンパク質は、数ある中でも、アドレナリン、ヒスタミン、セロトニン、アセチルコリン、およびアンジオテンシンに対する細胞応答に関するGPCRの調節に関与する。よって、過剰なGRK2活性は無数の病態と関連しており、ならびにGRK2インヒビターを入手することは、これらの病態の薬理学的処置にとり有意義である。特に、このキナーゼが過剰に活性化されることが知られている心疾患の処置のためのGRK2インヒビターの調査において、多くの努力がなされてきた。しかしながら、インヒビターの調査は、GRK2を媒介したキナーゼ、または受容体のリン酸化活性を妨げることが可能な化合物を同定することに常に向けられてきた。今日、GRK2タンパク質は、受容体をリン酸化するだけでなく、そのRGSドメインを通して受容体とGタンパク質との間の相互作用(これによってGタンパク質を通し刺激が細胞中へ送られるかまたは伝えられて、生物学的応答が惹起される)を妨げることによって受容体を不活性化し得ることが知られている。本発明は、高い特異性および選択性でGRK2のRGSドメインの作用を阻害することが可能な新しいクラスの化合物の開発からなる。
GRK2タンパク質キナーゼは、薬理学的インヒビターの開発の目標として提案されてきたが、今日まで、(他のタンパク質のリン酸化の)GRK2キナーゼ活性を阻害することによって作用する化合物のみが提案されてきた。しかしながら、今日まで、GRK2(Gタンパク質を通したシグナリング調節因子)のRGS(またはドメイン)活性を阻害する化合物は何ら提案されていない。
本発明の簡単な説明
本発明は、GRK2タンパク質インヒビター化合物に関する。特に、本発明は、式I
Figure 2022530244000003

式中Xは、炭素および窒素から選択される原子であり、ならびに
R1は、基メチルカルボキシラートおよび1,3,4-オキサジアゾール-2-イルから選択される、
で表されるGRK2タンパク質インヒビター化合物に関し、ここで化合物は、メチル4-(ナフタレン-2-アミド)ベンゾアートおよびN-[4-(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)フェニル]キノリン-3-カルボキサミドから選択される。好ましい態様において、GRK2タンパク質インヒビター化合物は、メチル4-(ナフタレン-2-アミド)ベンゾアートである。
図の簡単な説明
図1は、rH2を過剰発現するHEK293細胞における、H2受容体(GRK2によって脱感作されるGαs-アデニル酸シクラーゼ-cAMPシグナリングカスケードに関連するGPCR)のヒスタミンへの応答能に対する、比較化合物C2、C3、C4、およびC5の、ならびに本発明の化合物L96Bの、増強効果を示す。 図2は、本発明のインヒビターの効果選択性を図示する。本図は、突然変異したRGSドメインを有するGRK2のバリアントを発現するHEK293細胞において効果が査定されたときの、rH2応答能に対する、比較化合物C2、C3、C4、C5の、および本発明による化合物L96Bの、効果の欠如を示す。
図3は、内在的にrH2を発現するU937細胞において、H2受容体(GRK2によって脱感作されるGαs-アデニル酸cAMP-シクラーゼシグナリングカスケードに関連するGPCR)のヒスタミンへの応答能に対する、100nM濃度における本発明の化合物の増強効果を示す。 図4Aおよび4Bは、Gαq-ホスホリパーゼC-Ca2+シグナリング経路に関連する受容体の応答に対するインヒビター増強効果を図示する。本図は、A549細胞株において、細胞が本発明による化合物L96Bで処置されたとき、rH1刺激に応答したCa2+の放出がより高いことを示す。
図5は、白血病細胞の分化に対するインヒビター効果を図示する。本図は、本発明による化合物での処置が、rH2のGRK2による脱感作を阻害することによって、白血病細胞株のCD88単球最終分化マーカーの発現を有意に増大させ、よって、ヒスタミンへのcAMP応答を増強することを示す。 図6は、β-アドレナリンアゴニスト(イソプロテレノール)で刺激された心筋細胞のcAMP応答に対するL96Bの効果を図示する。本図は、ラット心筋細胞におけるイソプロテレノール(その活動が心臓機能に不可欠である)に対するβ-アドレナリン受容体のcAMPの応答能に対する、本発明による化合物L96Bの強化効果を示す。
図7は、不死化されたヒト肝細胞の生存率に対する、本発明の化合物の効果を図示する。図7において、比較化合物C2は、10μM濃度から、DMSOを用いた対照に対して有意な細胞毒性を示したことが観察され得る。しかしながら、本発明による化合物L96Bは、試験された濃度において細胞生存率に影響を及ぼさなかった。よって、ヒト肝臓に対する潜在的な毒性効果に関し、市販の比較化合物C2に対して、本発明の化合物L96Bには利点がある。
本発明の詳細な説明
GRK2は、生理学的な関連性が大きいタンパク質であって、かつ無数の受容体の不活性化に関係するタンパク質であるので、その調節解除は、数ある中でも、高血圧、心不全、アルツハイマー病、リウマチ性関節炎、嚢胞性線維症、およびがんなどのさまざまな病態の発生に関連する。すべてのケースにおいて、受容体のシグナリング(各病態につき異なる)は、GRK2の過剰な活性化に起因して変化し、したがって、このタンパク質の阻害は病理学的症例の緩和またはその逆転をもたらすであろう。よって、今日まで、上述の病態の処置または制御に使用され得る新しいGRK2インヒビターを開発する必要がある。
しかしながら、生物医科学における調査を行っている研究所へ分子ツールを提供するサプライヤーであって、かつGRK2 RGSドメインを阻害することが有用であるin vitro、in vivo、またはex vivoでの実験的試験用にこれらの分子を販売することにもまた関心があるかもしれないサプライヤーは無数にいる。
よって、本発明は、GRK2タンパク質インヒビター化合物に言及する。特に、本発明は、式I
Figure 2022530244000004
式中Xは、炭素および窒素から選択される原子であり、ならびにR1は、メチルカルボキシラート基および1,3,4-オキサジアゾール-2-イル基から選択される、
で表されるGRK2タンパク質インヒビター化合物に言及する。特定のやり方において、本発明の化合物は、メチル4-(ナフタレン-2-アミド)ベンゾアートおよびN-[4-(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)フェニル]キノリン-3-カルボキサミドから選択される。好ましい態様において、GRK2タンパク質インヒビター化合物は、メチル4-(ナフタレン-2-アミド)ベンゾアートである。
特定の態様において、本発明の化合物は、式II
Figure 2022530244000005
で表される。
別の特定の態様において、本発明の化合物は、式III
Figure 2022530244000006
で表される。
本発明の別の対象は、GRK2タンパク質インヒビター化合物および薬学的に許容し得る賦形剤を少なくとも含む医薬組成物である。本発明の特定の態様において、医薬組成物は、メチル4-(ナフタレン-2-アミド)ベンゾアート化合物および薬学的に許容し得る賦形剤を含む。本発明の別の特定の態様において、医薬組成物は、N-[4-(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)フェニル]キノリン-3-カルボキサミド化合物を含む。当業者は、選ばれた投与経路に従って、本発明の組成物に最も適切な賦形剤を選ぶことができるであろう。その上、治療活性のある他の物質と組み合わせて本発明の化合物の1以上を含むそれら医薬組成物は、本発明の範囲内にあると見なされる。
特に、本発明の医薬組成物は、経口的、非経口的、または経皮的なルートによって投与されてもよいことが企図される。特に、該組成物は、液体、懸濁液、錠剤、カプセル、丸薬、注射用溶液、または経皮パッチの形態であってもよい。また、本発明の範囲内で企図されるのは、式I、II、およびIIIで表わされるGRK2細胞タンパク質の阻害活性を持つ化合物の少なくとも1つを制御されたやり方で放出するように、本発明の組成物を製剤化することである。当該技術分野における専門家は、選ばれた投与ルートに従って、本発明の組成物を製剤化することができるであろう。
本発明はまた、治療活性のある他の物質と組み合わせて式I、II、またはIIIで表される化合物を少なくとも含む医薬組成物も網羅するが、前記物質は、例えば、ゲムシタビン、カペシタビン、デシタビン、パクリタキセル、およびドセタキセル、または他の抗腫瘍剤など、本発明の化合物とともに治療的な相加効果または相乗効果を提供してもよい。
本発明の別の特定の態様において、医薬組成物は、リポソームまたはミクロスフェア中にカプセル化された治療活性のある物質(単数または複数)を含む。当業者は、このタイプのカプセル化に関する入手可能な文献を考慮に入れて、必要なパラメータおよび賦形剤を策定することができるであろう。
さらに、本発明の別の対象は、該処置を必要とする罹患固体(patient)へ、少なくとも本発明の化合物の安全かつ有効な量を投与することを含む、GRK2細胞タンパク質によって媒介される、疾病の処置のための方法である。
本発明の別の態様において、説明されたインヒビターは、さまざまなGPCRの脱感作のメカニズムなど、そのGRK2をそのRGSドメインを通して伴う生物学的、生理学的、および病理学的プロセスの理解を促進するための薬理学的ツールとして基礎研究において使用されてもよい。このように、それらは、in vitro、in vivo、またはex vivoでの実験アッセイにおいて、異なるGRK2ドメインに対し、特異な機能を同定し、かつ割り当てられるようにさせる。
本発明の化合物は、心不全(CI)、心肥大、および高血圧症の処置または予防に、ならびに2型糖尿病を持つ個体の心臓血管合併症に、有意義であり得る。CIは、交感神経系の上昇した活動によって特徴付けられる。結果として生じる高レベルのカテコールアミンは、さまざまな組織におけるGRK2の発現および活性の増大に関連している。心臓において、この過剰発現により、収縮性および身体への血流を夫々調節する、βアドレナリン受容体およびアンジオテンシンII受容体などのGPCRの脱感作が増大することへ繋がる。また、心筋虚血の最中、膜GRK2活性の増大も観察されたが、このことはβ-アドレナリン受容体の不活性化に寄与した。心機能は、GRK2活性の阻害後に増大することが示されている。GRK2はまた、血管収縮剤を媒介する動脈緊張の調節において中心的な役割を果たすことも示されている。GRK2の増大によって誘発される血圧の増大は、血管肥厚および心肥大に付随して起こる。この意味において、GRK2活性の阻害は、高血圧症罹患固体の血管系中に観察される変化を低減することもある。
さらに、本発明の化合物は、異なるタイプのがんの処置に使用され得、前記がんにおいてGRK2とがんの発生との間の関連性が決定される。この点に関し、GRK2のペプチドインヒビター(その末端のカルボキシル末(βARKct)に由来する)の発現は、in vitroでの前立腺腫瘍細胞の成長の遅延を示し、異種移植モデルにおいてin vivoでの前立腺腫瘍の形成を防止した。
さらにまた、GRK2は、膵管腺癌(PDAC)の罹患固体からのサンプルにおいて過剰発現されていることが発見された。動物モデルからの乳腺における、および罹患固体サンプルにおける、さまざまな乳房がん由来細胞株におけるGRK2発現の研究は、該タンパク質のレベルの増大を示した。これに関連して、GRK2を過剰発現する乳房組織がん細胞の異種移植は、対照に関してより大きく、かつより早く腫瘍を生成する一方、その発現の阻害は、かかるモデルにおいて乳房腫瘍の形成を防止した。卵巣がんに関して、顆粒膜腫瘍細胞に由来するKGN細胞株において、ならびにまた罹患固体の原発性および転移性の腫瘍においても、GRK2の高発現が観察された。これは、顆粒膜細胞の増殖および分化をモジュレートすることを担い、かつ卵巣がんの発生に関与する卵胞刺激ホルモン受容体に対するGRK2の脱感作機能と合致しており、このことはこの受容体の亢進した脱感作が卵巣がんの病因の一部になり得ることを示唆している。急性骨髄性白血病との関係において、cAMPの産生、分解、および排除の間のバランスが、細胞の増殖/分化に不可欠であることが実証されている。分化治療には、細胞内cAMPレベルの増大が所望される。よって、GRK2インヒビターと併用したヒスタミン刺激(H2/Gs受容体を通して作用する)により、細胞内cAMPレベルが増大することで、所望の分化が誘導されるであろう。
加えて、アルツハイマー病(AD)は、GRK2の変化した発現が、その病因の初期事象であり、かつ疾患を特徴付ける認知の変化に先行する神経変性障害である。GRK2のタンパク質およびmRNAのレベルは、ADを持った罹患固体の死後の海馬およびリンパ球において、ならびに慢性脳低灌流を持ったラットモデルにおいて増大している。変更されるであろうシグナルリング経路はまだ完全には解明されていないが、GRK2は、ADの発生に関与する代謝型グルタミン酸受容体1および5ならびにM1ムスカリン受容体の脱感作に関係することが知られている。よって、説明されたGRK2インヒビターは治療的選択肢になり得ると予想される。
さらにまた、GRK2タンパク質は、炎症性の病巣へ向かう白血球の往来およびリンパ器官からのT細胞の搬出を担うケモカインならびに走化性の無数の受容体をリン酸化するので、炎症という状況に対する免疫系の細胞の応答の重要な調節因子を構成する。リウマチ性関節炎(RA)の病因は、その複雑さにおいて、数種の細胞型を伴うが、滑膜線維芽細胞は、侵襲性表現型の発生を担う。それらは、炎症を持続させるサイトカイン、および軟骨を破壊するプロテアーゼを産生する。CIA(コラーゲン誘導関節炎)のラットモデルにおける炎症過程の発生最中、滑膜線維芽細胞におけるGRK2レベルは、疾病が進行するにつれて増大すること、およびGRK2インヒビターは、この効果を逆転させることができることが示されている。加えて、パロキセチンを用いたGRK2阻害は、滑膜組織中へのT細胞浸潤を低減させることによってCIA症状を和らげることが示されている。
リウマチ性関節炎の単核血球におけるGRK2レベルの減少を示す結果は、専門の文献に公開されている。
さらに、嚢胞性線維症(CF)は、CFTRタンパク質(CFの膜貫通コンダクタンスの調節因子)をコードする遺伝子中の突然変異によって引き起こされる疾患であって、肺に主に影響を与える異常な、過度に厚い、および粘性の分泌物によって特徴付けられる。CFTRタンパク質は、外分泌に関与する上皮細胞の頂端膜中に発見され、AMP依存性Cl-のチャネルとして作用する。よって、気道からの管腔分泌物の組成は、cAMP経路とカップリングされるβ2アドレナリン受容体(β2AR)の活性によって調節される。嚢胞性線維症罹患固体の気道サンプルにおいて、この受容体の密度の低減、ならびにGRK2の過剰発現が観察されている。結果的に、これら上皮細胞の培養は、イソプロテレノールに応答して低減されたCl-の分泌を示した。したがって、GRK2の阻害は、β2アドレナリン受容体の活性化に応答して、アデニル酸シクラーゼの活性を増大させるための潜在的な標的となるであろう。
加えて、敗血症は、感染に対する宿主の有害な応答の結果として生じる複雑な臨床症候群である。多形核好中球(PMN)は、微生物に対抗する宿主の第1の防御線であり、ロイコトリエンB4(LTB4)およびケモカインなどの化学誘引物質によって炎症部位にて動員される。一旦移行すると、これらの白血球は、これらの細胞の殺菌活性にとって極めて重要な産物である過酸化水素および一酸化窒素などの反応性の高い酸素種および窒素種を多量に貪食し、かつ生成することが可能である。好中球は感染過程の制御において重要な役割を果たすので、好中球の移行が不十分であると感染がさらに悪化することもあると仮定され得る。データは、敗血症の最中に産生される内在性メディエーターが、循環好中球を絶えず活性化し、GRK2の活性化へ繋がり得ること、この次に化学誘引物質に対する好中球の脱感作を誘導し得ることを示唆する。GRK2の阻害は、好中球へ移行する能力を回復することによって有益となることもある。
最後に、多発性硬化症(MS)は、中枢神経系の慢性炎症性疾患である。活性化されたTリンパ球およびマクロファージの、脳および脊髄中への浸潤は、この疾患の病因における重要な因子である。MSのマウスモデルにおいて、疾患のより良性な経過がGRK2+/-マウスにおいて実証された。MS罹患固体における寛解期にGRK2発現が低減することもまた示されており、このことはMSの最中のGRK2活性の低減が治療にとって新しい標的になり得ることを示唆している。
よって、GRK2活性の阻害が、上述の障害および疾患を制御および/または処置するのに有益であろうことを考慮に入れると、本発明の化合物は、かかる障害および疾患を制御および/または処置するために使用され得る。特に、本発明の化合物は、心臓病、さまざまなタイプのがん、炎症性疾患、アルツハイマー病(AD)、リウマチ性関節炎、嚢胞性線維症(CF)、敗血症、および多発性硬化症(MS)の処置および/または制御に有用である。
本発明の特に好ましい対象は、式IIで表される化合物もしくは式IIIで表される化合物、それらの塩の1つ、それらのプロドラッグの1つ、またはそれらの薬学的に許容し得る派生物の1つを含む医薬組成物である。
しかしながら、本発明はまた、治療活性のある1以上の第2物質と組み合わせて、本発明の該化合物のうちの1以上を含む医薬組成物も包含する。
本発明によれば、本発明の化合物に関する用語「投与する」およびその変形(例えば、化合物の「投与」)は、本発明の化合物、本発明の化合物のプロドラッグ、塩、または薬学的に許容し得る誘導体を、該処置を必要とする動物またはヒトの系中へ導入することを意味する。本発明の化合物、本発明の化合物の塩、または薬学的に許容し得る誘導体が、1以上の他の活性剤(例えば、本発明の化合物の治療効果に対して補完的または相乗的な治療効果を提示する、治療活性のある別の物質)と組み合わせて提供されるとき、「投与」およびその変形は、各々が、化合物、その塩、誘導体、またはプロドラッグを、および他の薬剤を、連続的におよび同時に導入することを包含するものとして理解されなければならない。
本発明の目的のための用語「罹患個体」は、ヒトを包含する。しかしながら、化合物がまた、他の動物、特に哺乳動物および他の生物にも投与されてもよいことは理解されるはずである。よって、本方法は、ヒトの治療と獣医学の用途との両方に適用可能である。したがって、いくつかの特定の態様において、化合物は哺乳動物への投与用であり、他の用途において、それらはヒトへの投与用である。
本発明によれば、化合物の「薬学的に許容し得る塩または誘導体」は、薬学的に許容され、かつ出発化合物の所望される薬理学的活性を保有する塩または誘導体を意味する。塩または薬学的に許容し得る誘導体が、有毒でないことは理解されるはずである。好適な塩または薬学的に許容し得る誘導体に係る追加情報は、Remington the Science and Practice of Pharmacy 21st ed., Pharmaceutical Press, London, England, 2011(これは参考文献として本明細書に組み込まれる)において見出され得る。本発明の化合物が、これに関連する1以上の塩または1以上の薬学的に許容し得る派生物を有してもよいこともまた理解されるはずである。
「プロドラッグ」とは、例えば、血液中の加水分解によって、in vivoで(典型的には急速に)転換されることで、上述の式で表される出発化合物が得られるという化合物が意味される。当業者は、その目的に対する適切な実行に従って、本発明の化合物のプロドラッグの調製の仕方を知っているであろう。
「治療的に有効な量の」または「安全かつ有効な量の」は、罹患個体へ投与されたときに、ある疾患を効果的に処置する量の本発明の化合物である。「治療的に有効な量の」を構成する、その量の本発明の化合物は、化合物作用の活性、代謝安定性、排出速度、および持続時間、罹患個体の齢(age)、体重、一般的な健康状態、性別、食事、および種、化合物の投与のルートおよび時間、アジュバントの併用投与または追加の治療、ならびに治療的効果が求められる疾患の重症度を包含する、数多の因子に依存して変動するであろう。
所与の状況に関する「治療的に有効な量」または「安全かつ有効な量」は、余分な実験を必要とせずに決定され得る。好ましい態様において、許容し得る用量範囲は、経口、筋肉内、または静脈内のルートを介して、24時間ごとに10mgから500mgまでである。当技術分野で知られている通り、全身的放出対局所的放出、罹患個体の齢、体重、一般的な健康状態、性別、食事、および種、ならびに化合物の投与のルートおよび時間、アジュバントまたは治療活性のある追加の成分の併用投与、ならびに治療効果が求められる疾患の重症度に対する調整が必要なこともあり、ならびに定型的な実験を通して確認できるであろう。本発明の化合物の有効な量または用量は、定型的な因子を考慮に入れて、モデリング、用量漸増、または臨床試験などの定型的な方法によって決定されることもある。医薬組成物中の活性成分の実際の投与量レベルは変動する場合がある。一般に、本発明による化合物および/または組成物ならびに方法の適正な1日の投与量は、効果的であり、かつ所望の治療効果を産生する最低用量を提供する化合物の量であろう。
本発明の化合物は、許容し得るいずれの投与ルートによっても、罹患固体へ投与され得る。許容し得る投与ルートは、経口、非経口、経皮(transdermal)、子宮頸管内、副鼻腔内、経腸、腹腔内、動脈内、気管支内、脳内、冠動脈内、皮内、管内、十二指腸内、硬膜内、表皮内、食道内、胃内、歯肉内、回腸内、リンパ管内、髄膜内、筋肉内、卵巣内、腹腔内、前立腺内、肺内、鼻腔内、脊髄内、滑液嚢内、精巣内、髄腔内、尿細管内、腫瘍内、子宮内、血管内、静脈内、経鼻、経鼻胃、口腔、経皮膚(percutaneous)、硬膜外、直腸、呼吸器(吸入)、皮下、舌下、粘膜下、局所、経粘膜、経気管、尿管、尿道、および膣内を包含するが、これらに限定されない。
本発明の化合物は、固体、半固体、液体、または気体の、許容し得るいずれの剤形でも投与されてよい。許容し得る剤形は、錠剤、カプセル、溶液、スプレー、クリーム、エマルション、気体、ゲル、粒、塗布剤、ローション、坐薬、軟膏、ペースト、粉末、懸濁液、シロップ、および錠剤を包含するが、これらに限定されない。
本発明の剤形は、本発明の1つの化合物のみを含んでいてもよいし、あるいは本発明の化合物は、従来の賦形剤、医薬担体、アジュバント、および/または他の薬剤もしくは医薬品と一緒に製剤化されてもよい。許容し得る賦形剤は、(a)クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、微結晶性セルロース、デンプン、およびタルクなどの、付着防止剤;(b)セルロース、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ラクトース、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ソルビトール、デンプン、およびキシリトールなどの、結合剤;(c)セルロースおよびシェラックなどの、コーティング剤;(d)セルロース、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、微結晶性セルロース、およびデンプングリコール酸ナトリウムおよびデンプンなどの、崩壊剤;(e)炭酸カルシウム、セルロース、二塩基性リン酸カルシウム、およびマンニトールなどの、充填剤;(f)香味剤/芳香剤;(g)着色剤;(h)ステアリン酸カルシウムおよびコロイド状二酸化ケイ素などの、滑剤;(i)ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、およびタルクなどの潤滑剤;ならびに(j)クエン酸、ビタミンC、およびビタミンEなどの、保存料を包含するが、これらに限定されない。医薬担体は、可溶性ポリマー、ポリマーから作られた微粒子、天然もしくは合成の不溶性または生分解性のマイクロカプセル、リポタンパク質、リポソーム、およびミセルを包含する。
本発明の医薬組成物は、治療的に有効な量の本発明の化合物、そのプロドラッグ、誘導体、または薬学的に許容し得る塩を包含し、残りの医薬組成物は、1以上の薬学的に許容し得る賦形剤によって構成されるであろう。一般に、本発明の化合物、そのプロドラッグ、誘導体、または薬学的に許容し得る塩は、薬学的に許容し得る組成物の1重量%から99重量%までの割合にあり、残りの医薬組成物は1以上の薬学的に許容し得る賦形剤から構成されるであろう。典型的に、本発明の化合物、個々のその立体異性体、またはその立体異性体の混合物、そのプロドラッグ、誘導体、もしくは薬学的に許容し得る塩は、薬学的に許容し得る組成物の5重量%から75重量%までの割合にあり、残りの医薬組成物は1以上の薬学的に許容し得る賦形剤から構成されるであろう。本発明の剤形を調製する方法は知られているか、または当業者に明らかであろう;例えば、Remington the Science and Practice of Pharmacy 21st ed. (Pharmaceutical Press, London, England, 2011)を参照されたい。
治療的に有効な量の本発明の化合物は、化合物作用の活性、代謝安定性、排出速度、および持続時間、罹患個体の齢、体重、一般的な健康状態、性別、食事、および種、化合物の投与のルートおよび時間、組成物中のアジュバントの存在および治療活性のある追加成分の存在、ならびに治療的効果が求められる疾患の重症度を包含する一連の因子によって変動するであろう。
本発明はまた、本発明の式I、II、およびIIIで表される化合物を得るために使用される手順、ならびに該手順において使用される中間化合物をも網羅する。

例1
メチル4-(2-ナフタミド)ベンゾアート(L96B)の合成
ステップa:4.0g(29.2mmol)の4-アミノ安息香酸を40mLのMeOH中に溶解した。この溶液を0℃まで冷却し、2.5当量のSOCl2を滴下し、それを激しく撹拌しながら2.5h還流した。次いで、溶媒を蒸発させ、それをNaHCO3飽和溶液(s.s.)で中和し、混合物をEtOAcで抽出した。有機相をNaCl s.s.で洗浄し、無水Na2SO4上で完全に乾燥させ(dried out)、溶媒を減圧にて蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン/EtOAc)による粗残渣の精製によって、70%収率(3.1g)でメチル4-アミノベンゾアートを得ることができた。
ステップb:その後、ステップaの500mg(3.31mmol)の産物をCH2Cl2中に溶解し、トリエチルアミンを加え(3当量)、この溶液へ569mg(3.31mmol)の2-ナフトエ酸を加えた。次いで、反応が完了するまで、激しく攪拌しながら室温にてSOCl2を滴下した。溶媒を減圧にて蒸発させ、残渣をCH2Cl2中に溶解し、1N HCl、NaCl s.s.、1N NaOHで、最後にNaCl s.s.で洗浄し、それを無水Na2SO4上で完全に乾燥させ、溶媒を減圧にて蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(CH2Cl2)による粗残渣の精製によって、69%収率(700mg)でメチル4-(2-ナフタミド)ベンゾアート(L96B)を得ることができた。
M.P.:142℃
M+H+のためのMS(ESI)m/z:291.0890。
Figure 2022530244000007
例2
N-[4-(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)フェニル]キノリン-3-カルボキサミド(L94C)の合成
メチル4-(キノリン-3-カルボキサミド)ベンゾアート(L94A)を、例1において説明したのと同様の手順に倣うが、ステップbにおいて3-キノリンカルボン酸を使用して得た。
得られた化合物((200g、0.66mmol)をMeOH中に溶解し、5mLのヒドラジン水和物溶液を加え、反応が完了するまでr.t.にて撹拌するままにした。溶媒を減圧にて蒸発させた。CH2Cl2結晶化による粗残渣の精製によって、50%収率(100mg)でN-(4-(ヒドラジンカルボニル)フェニル)キノリン-3-カルボキサミドを得ることができた。最後に、先のステップにおいて得られた25mg(80μmol)の産物を3mLのオルトギ酸トリメチル中に懸濁し、反応が完了するまでそれを激しく攪拌しながら加熱還流した。溶媒を減圧にて蒸発させた。エチルエーテルでの洗浄、さらにCH2Cl2での再結晶による粗残渣の精製によって、15%総収率でN-[4-(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)フェニル]キノリン-3-カルボキサミド(L94C)を得ることができた。
M.P.:202℃
M+H+のためのMS(ESI)m/z:317.10390。
Figure 2022530244000008
例3
Gαs-アデニル酸シクラーゼ-cAMPルートに関連する受容体の応答に対するインヒビターの増強効果
本発明の化合物の、およびエナミンライブラリからの以下の化合物の阻害活性を研究した:
本発明による化合物
L96B:メチル4-(ナフタレン-2-アミド)ベンゾアート
L94C:N-[4-(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)フェニル]キノリン-3-カルボキサミド
エナミンライブラリからの試験された化合物
C4:3-(ナフタレン-2-イル)-1-[3-(1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-イル]プロパン-1-オン
C2:3-(1-アセチル-2,3-ジヒドロ-H-インドール-5-イル)-1-(キノリン-8-イル)ウレア
C3:2,7-ジメチル-N-[3-(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)フェニル]キノリン-3-カルボキサミド
C5:2-(4-オキソ-3,4-ジヒドロフタラジン-1-イル)-N-(キノリン-5-イル)アセトアミド
C10:N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-3-[5-(4-メチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル]プロパンアミド
GRK2のRGSドメインのインヒビターの効果を査定するために、HEK293のトランスフェクトされた細胞に由来する細胞モデルを得た。かかる細胞は、GsタイプのGタンパク質共役受容体(GPCR)であるヒスタミンH2受容体(rH2)を過剰発現するが、前記受容体は、活性化されたとき、cAMP合成を促進し、かつGRK2のGタンパク質刺激の調節ドメイン媒介性脱感作(RGS)によって不活性化される。得られたクローンは、rH2を過剰発現するだけでなく、GRK2のドミナントネガティブ突然変異体もまた過剰発現するが、前記変異体は、GPCRをリン酸化し得ないが、そのRGSドメインを通してそれらを不活性化し得るGRK2-K220Rバリアントである。この系において、rH2のcAMP応答に対するGRK2のRGSドメインの脱感作効果が明らかである。化合物で前処置されたとき、アゴニストに対するcAMP応答の増強効果は、RGSドメインを媒介したGRK2の脱感作の阻害に関連していることもある。
HEK293細胞に由来するクローンを、K2 Transfection System(BIONTEX)試薬を使用して、製造元の指示に倣い、35mm直径プレート用に、2.7μgの全DNAと150μlのDMEMベースとの混合物A、および6μlのK2トランスフェクション試薬と150μlのベースDMEMとの混合物Bを使用し、pcDNA3.1Zeo(+)-HARH2プラスミドおよびpcDNA3-GRK2K220Rプラスミドを用いた安定的かつ逐次的なトランスフェクションによって得た。翌日、96ウェルプレート中、ウェルあたり0.3mlの完全DMEMとともに細胞を撒いた。クローン選択について、限界希釈プロトコルに倣い、細胞を選択剤補充培地(50μg/mlゼオシンまたは1.2mg/mlジェネテシン)中でインキュベートした。このプロトコルに従って細胞をカウントし、濃度が1000細胞、100細胞、10細胞、および1細胞のウェルが得られるように、段階希釈を行いながら撒いた。各ウェル中の100μlを同じ組成の100μlの新たな培地と交換することによって、培地を1日おきに新しくした。3週間後、数個の抗生物質耐性クローンを選択し、その後、プラスミド発現をウェスタンブロットによって解析した。
接着クローンを、10%FBS補充DMEM培地、50μg/mlゲンタマイシン、0.8mg/mlジェネテシン、および50μg/mlゼオシン中、5%CO2で37℃にて、加湿雰囲気のオーブン中に維持した。0.05%トリプシン溶液および0.3mM EDTAを加えることによって細胞を動かした。
GRK2インヒビター化合物の効果を査定するために、クローンを50%コンフルエンスにて48ウェルプレートに撒いた。24h後、細胞を、10μMもしくは100μM濃度での市販化合物C2、C3、C4およびC5で、または100nMもしくは1μM濃度での本発明による化合物L96Bで、37℃にて40min最小培地中で前処置した。同等量のDMSOビヒクルを陰性対照として使用した。
次に、細胞を、産生されたcAMPの分解を防止するホスホジエステラーゼインヒビターである1mM IBMXとともに3minインキュベートし、その後rH2-Gαs-アデニル酸シクラーゼ-cAMPシグナリングルートを、rH2特異的アゴニストであるアムタミンで10μM濃度にて9分間刺激した。その後、細胞を溶解し、無水エタノール中に再懸濁した。これを蒸発させ、cAMPレベルを決定した。
サンプル中のcAMPを、Davio et al, 1995に従って架橋タンパク質結合法(linking protein-binding technique)を適応させることによって定量化した。
図1は、H2受容体(GRK2によって脱感作されるGαs-アデニル酸シクラーゼ-cAMPシグナリングカスケードに関連するGPCR)のヒスタミンへの応答能に対する、市販化合物C2、C3、C4およびC5の、ならびに本発明による化合物L96Bの増強効果を示す。(無地のバーはcAMP基底レベルに相当し、ならびに縞のバーはrH2の特定のアゴニスト(アムタミン)10μMに対するrH2応答に相当する。*p<0.05はインヒビターなしで刺激された細胞に関する)
例4
インヒビター効果の選択性
GRK2のRGSドメインに対する化合物の効果の特異性を査定するために、rH2およびGRK2K220R/R106A(RGSドメインを通してキナーゼ活性と脱感作作用との両方を欠くGRK2二重突然変異体ドミナントネガティブ構成物)を過剰発現する第2系においてアッセイを実施した。このケースにおいて、GRK2の不活性バリアントの過剰発現は、rH2応答の調節を防止する。RGSドメインを不活性化するR106A突然変異は、潜在的な阻害力(inhibitory potential)という効果に対しては不必要であり、よって、モデルの選択性制御を構成し、ならびにレシーバー応答における増強がRGSドメインの阻害の結果として生じたのか、またはそれが不要な標的に対する化合物の非特異的作用の結果であったのかを決定できるようにする。この制御系においてもまたcAMPレベルを上昇させるこれらの化合物は、非特異的作用があると見なされる。
図2は、RGSドメイン中に突然変異を有するGRK2のバリアントを発現するHEK293細胞において効果が査定されたときの、rH2応答能に対する、比較化合物C2、C3、C4、C5の、および本発明による化合物L96Bの効果の欠如を示す。(無地のバーはcAMP基底レベルに相当し、ならびに縞のバーは10μMアムタミン(rH2の特定のアゴニスト)に対するrH2応答に相当し、「a」は記載の値の間に有意な差がないことを表す。)
化合物C2、C3、C4、C5およびL96Bの増強効果は、rH2とキナーゼ活性およびRGS活性が欠損した二重突然変異GRK2バリアントとを安定して発現するHEK293細胞に由来するクローンにおいては生じない。後者の突然変異は、GRK2のRGSドメインの潜在的なインヒビターの効果に対しては不必要であるので、この系によって、RGSドメイン阻害の結果としてrH2応答における増強が生じたのか、またはそれが不要な標的に対する化合物の非特異的作用の結果であったのかを我々が識別できるようになる。
より生理学的な条件下でのcAMP応答に対するGRK2インヒビター化合物の効果を査定するために、トランスフェクトされなかったU937細胞(前記細胞はrH2を内生的に発現するため)においてcAMP応答を決定した。
400,000個の細胞をウシ胎児血清なしで2時間飢餓状態にし、最小培地(RPMI)中100nMおよび10μMの濃度にて本発明の化合物L96BおよびL94Cで、37℃にて40min前処置した。同等量のビヒクル(DMSO)を陰性対照として使用した。
次に、細胞を、1mM IBMX(産生されたcAMPの分解を防止するホスホジエステラーゼインヒビター)で3minインキュベートした。次に、rH2-Gαs-アデニル酸シクラーゼ-cAMPシグナリングルートを、rH2特異的アゴニストであるアムタミンで10μM濃度にて9分間刺激した。その後、細胞を溶解し、無水エタノール中に再懸濁した。これを蒸発させ、cAMPレベルを決定した。
サンプル中のcAMPを、Davio et al, 1995に従って架橋タンパク質結合法を適応させることによって定量化した。
図3は、H2受容体(GRK2によって脱感作されるGαs-アデニル酸シクラーゼ-cAMPシグナリングカスケードに関連するGPCR)のヒスタミンへの応答能に対する、100nM濃度での本発明の化合物の増強効果を示す。(無地のバーは、DMSOで前処置された細胞中のrH2アゴニストのアムタミンに対するcAMP応答に相当し、縞のバーは、本化合物で前処置された細胞中のアムタミンアゴニストに対するcAMP応答に相当する。*p<0.05;**p<0.005は、100%を意味する、インヒビターなしで刺激された細胞に関する。)
Gq-PLC-カルシウム細胞内シグナリングルートへカップリングされたGPCRの応答に対する、GRK2のRGSドメインのインヒビターの効果を査定するために、ヒスタミンH1受容体(これは、活性化の際、小胞体から細胞質中へのカルシウム放出を促進し、かつまたGRK2のRGSドメインによって媒介される脱感作によっても不活性化される、Gqタンパク質共役受容体である)を例として使用した。
この生物活性を決定するために使用される系は、rH1およびGRK2を内生的に発現する上皮肺細胞株A549からなる。カルシウム細胞質レベルを、Fura2AM蛍光プローブ(これは、Ca2+イオンへ結合可能であり、それにより、励起波長(λ)が380nm(非結合)から340nm(結合)まで変動して変化する)を使用して査定した。結果的に、刺激に対する受容体によるカルシウム応答は、カルシウム結合形態のFura2AMによって放射される蛍光の増加と、その非結合形態によって放射されるシグナルの減少とから、蛍光比率F340/F380の増加がもたらされることによって明かにされる。
A549細胞を96ウェルプレート中に40%コンフルエンスにて撒いた。翌日、細胞を、バッファーBSS(140mM NaCl、3.9mM KCl、0.7mM KH2PO4、0.5mM Na2HPO4、Al2H2O、1mM CaCl2、0.5mM MgCl2、ならびに20mMHEPES、10mMグルコースおよび0.1%BSA(pH=7.5))中のFURA2-AM 2mMプローブおよび0.2%プルロニック酸とともに37℃にて90minインキュベートした。次いで、細胞をBSSで2度洗浄した。該インキュベーションの最後の40minの最中に、本発明による化合物L96Bを100nM濃度にて加えたか、または何も加えなかった。FlexStation3(MolDev)機器で、340nmおよび380nmenでの励起を交互に行い、リアルタイムに37℃にて細胞内カルシウムレベルを記録した。蛍光放射を505nmにて測定した。読取開始後30secにて(同読取は中断せず)、ヒスタミンリガンドを100μM濃度にて各ウェル中に分注し、ならびに0.1%Triton x100界面活性剤を180secにて分注して、細胞によって組み込まれるFURA2-AMの量を見積もった。
脱感作細胞中の応答を査定するために、A549細胞を96ウェルプレート中に40%コンフルエンスにて撒いた。翌日、これらを、BSS中2mM FURA2-AMおよび0.2%プルロニック酸とともに37℃にて90minインキュベートした。該インキュベーションの最後の10mimの最中に、ヒスタミンを33μM濃度にて対応するウェルへ加えるか、またはビヒクルのみを加えるかのいずれかをした。次に、2回のBSS洗浄を行い、かつ手順は応答アッセイにあるとおりに倣った。
図4Aおよび4Bは、A549細胞株において、細胞が本発明の化合物L96Bで処置されたとき、rH1刺激に応答したCa2+放出がより高いことを示す。これは、GRK2を媒介したrH1不活性化がより低いことを表す。さらにまた、この化合物は、33μMヒスタミンで前処置された細胞中の、GRK2によって媒介されるCa2+応答の脱感作を阻害する。
例5
白血病細胞分化に対するインヒビターの効果
細胞分化の誘導は、細胞成熟を達成させ、また白血病細胞の増殖を遅らせるのに所望される事象である。このプロセスは、異なる刺激に応答して第2のcAMPメッセンジャーの生成と密接に関する。U937白血病細胞の分化に対する化合物の効果を、ヒスタミン(cAMP細胞内レベルを増大させる剤であるが、cAMPシグナルは、GRK2によるヒスタミン受容体の急速な脱感作に起因して、細胞分化を誘導するには不十分である)と、化合物C2およびC10と、本発明による化合物L96Bとの混合(joint)処置後、CD88単球に対し最終分化マーカーの発現を測定することによって研究した。
前単球性白血病U937細胞を、10%FBS補充RPMI1640培地および50μg/mlゲンタマイシン中37℃にて、5%CO2の加湿雰囲気でのオーブン中で懸濁培養し、4×105~1.6×106細胞/mlの密度にて維持した。U937細胞を、100μMの濃度のヒスタミンならびに1μMの化合物C2およびC10で、または本発明の化合物L96Bで48h処置した。
サンプルを、レムリー(Laemmli)バッファー(50mM Tris-HCl(pH 6.8);2%SDS;100mM 2-メルカプトエタノール;10%グリセロールおよび0.05%ブロモフェノールブルー)中に溶解し、播種に先立ち水浴中5分間超音波処理およびインキュベートした。タンパク質抽出物を、変性条件下12%でのポリアクリルアミドゲル中で分析した(SDS-PAGE)。使用された電気泳動バッファーは、25mM Tris;192mMグリシン;0.1%SDS(pH8.3)からなるものであった。電気泳動を、30mAの定電流にてミニゲル(minigel)中で展開した(BioRad)。分画後、ゲルを、転写バッファー(25mM Tris HCl(pH 8.3)、150mMグリシン;20%メタノール)中で15min平衡させ、4℃にて1h、100Vにてニトロセルロース膜へ転写した。膜へ転写されたタンパク質を、0.2%ポンソー(Ponceau);0.5%酢酸の溶液中で染色することで、総タンパク質を視覚化させて、すべてのレーンにおける転写効率を検証した。その後、染色が消えるまで、膜をPBS中で洗浄した。膜を、ブロッキング溶液(PBS-0.1%Tween20)で1h処置後、それらを1μg/mlヤギ抗CD88抗体もしくはウサギ抗ベータ-チューブリン抗体とともに1hインキュベートした。検出は、ペルオキシダーゼへ抱合させた0.2μg/mlの二次抗ヤギ抗体または抗ウサギ抗体との1hのインキュベーション、これに続く、ペルオキシダーゼ基質および化学発光増幅溶液(Amersham Life Science)への曝露によって実施した。結果をオートラジオグラフィーによって表示した。
CD88に対応するバンドの強度を、ImageJソフトウェアを使用して光学濃度測定によって定量化し、チューブリンについて得られた値との比較として表した。DMSOビヒクルで処置された細胞中のCD88の発現を100%と見なして、結果を表した。データは、2つの独立した実験(n=2)の平均値±SEMを意味する。
図5は、本発明の化合物での処置が、rH2のGRK2による脱感作を阻害することによってCD88単球最終分化マーカーの発現を有意に増大させるということ、およびヒスタミンへのcAMP応答の増強を示す。(無地のバーは、ヒスタミン(H)およびビヒクル(DMSO)で前処置された細胞中のCD88レベルに相当し、縞のバーは、ヒスタミン(H)および化合物で前処置された細胞中のCD88レベルに相当する。*p<0.05)
例6
β-アドレナリンアゴニスト(イソプロテレノール)で刺激された心筋細胞のcAMP応答に対する本発明の化合物の効果
B-アドレナリン受容体は、心筋の強度および収縮性を制御するのを担う。これらの受容体の機能はGRK2によってモジュレートされており、GRK2によるそれらの脱感作は、高血圧症または心不全を持つ罹患個体において亢進されている。
心筋細胞を、タンパク消化によってSprague-Dawley系新生ラットの心室から得た。手短に言えば、断頭後に心室を分離し、氷冷PBSへ移し、そこでそれらを鋭いはさみで切断して1~3mm3の片鱗(portions)とした。このように分解された組織を、コラゲナーゼIV(1mg/ml)を含有する生理食塩水中3ラウンドの酵素消化へ供した。分解された細胞を400rpmにて5分間遠心分離によって収集し、10%BFS、10μg/mlインスリン、10μg/mlホロトランスフェリン、100μMブロモデオキシウリジン(他の細胞型の増殖を避けるため)、10,000U/mlペニシリン、および10mg/mlストレプトマイシンを含有するDEM-F12培地中に保存した。細胞をペトリ皿中に撒き、5%CO2で加湿雰囲気中37℃にて1h保存した。心筋細胞に相当する、プレートへ接着しなかった細胞を、0.5×106細胞/ウェルの密度にて12ウェルマルチウェルプレートへ移した。動物を用いた実験のすべては、National Institute of Health Guide for the Care and Use of Laboratory Animals (2011)に倣って実施し、Institutional Committee for the Use and Care of Laboratory Animals of the School of Pharmacy and Biochemistry of the UBA (University of Buenos Aires)(Resolution(D) No.19-16)によって承認された。
イソプロテレノール応答試験を行うために、細胞を2h飢餓状態にし、最小培地中100nM濃度にて本発明による化合物L96Bまたは同等量のDMSOで、37℃にて40min前処置した。次いで、細胞を1mMホスホジエステラーゼインヒビターであるIBMXで3minインキュベートし、次いで1μMイソプロテレノールで9min刺激することで、βアドレナリン受容体によって誘起されるcAMPの産生を活性化した。
その後、細胞を溶解し、無水エタノール中に再懸濁した。これを蒸発させ、cAMPレベルを決定した。サンプル中のcAMPを、Davio et al,1995に従って架橋タンパク質結合法を適応させることによって定量化した。
図6は、イソプロテレノールに対するβ-アドレナリン受容体のcAMPの応答能(その活性は心臓機能に不可欠である)に対する、本発明の化合物L96Bの増強効果を示す。(無地のバーは、DMSOで前処置された細胞中のイソプロテレノールに対するcAMP応答に相当し、縞のバーは、本発明による化合物L96Bで前処置された細胞中のイソプロテレノールに対するcAMP応答に相当する。**p<0.005は、インヒビターなしで刺激された細胞に関する。)
例7
不死化されたヒト肝細胞の生存率に対する本発明の化合物の効果
創薬プロセスの30パーセントは化合物の予想外の毒性に起因して不成功に終わる。肝毒性は、薬剤が身体に影響を及ぼす毒性の主な形態の1つであるので、インヒビターの細胞毒性を、ヒト肝細胞HEPG2細胞株を使用して査定した。
細胞を、96ウェルプレート中に22,000細胞/ウェル密度にて撒き、0.33μMと200μMとの間の濃度範囲での化合物とともに48時間インキュベートした。その後、それらの生存率を、トリパンブルー排除法を通じて解析し、ノイバウアーカメラにおいてカウントした。
図7において、化合物C2は、10μM濃度からとして、DMSOを用いた対照に関して有意な細胞毒性を示したことが観察され得る。L96Bは、試験された濃度において、細胞生存率に影響を及ぼさなかった。よって、ヒト肝臓に対する潜在的な毒性効果との関係において、市販の比較化合物C2に関し、本発明の化合物L96Bには利点がある。化合物C2について得られたEC50は10.3μM±3.2である;*p<0.05;**p<0.01;***p<0.005)。
例8
本発明の化合物を含有する医薬製剤の例
以下の例は、本発明による1種以上の化合物を含む代表的な医薬組成物を開示する。
Figure 2022530244000009
Figure 2022530244000010
参考文献
Figure 2022530244000011
Figure 2022530244000012
Figure 2022530244000013
Figure 2022530244000014
Figure 2022530244000015

Claims (9)

  1. 式I
    Figure 2022530244000016
    式中Xは、炭素および窒素から選択される原子であり、ならびに
    R1は、基メチルカルボキシラートおよび1,3,4-オキサジアゾール-2-イルから選択される、
    で表されるGRK2タンパク質インヒビター化合物であって、
    ここで化合物が、メチル4-(ナフタレン-2-アミド)ベンゾアートおよびN-[4-(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)フェニル]キノリン-3-カルボキサミドから選択される、前記化合物。
  2. 式II
    Figure 2022530244000017
    で表される、請求項1に記載の、GRK2タンパク質インヒビター化合物。
  3. 式III
    Figure 2022530244000018
    で表される、請求項1に記載の、GRK2タンパク質インヒビター化合物。
  4. 請求項1に記載のGRK2タンパク質インヒビター化合物および薬学的に許容し得る賦形剤を少なくとも含む、医薬組成物。
  5. 請求項2に記載のGRK2タンパク質インヒビター化合物および薬学的に許容し得る賦形剤を含む、医薬組成物。
  6. 請求項3に記載のGRK2タンパク質インヒビター化合物および薬学的に許容し得る賦形剤を含む、医薬組成物。
  7. 請求項2および3のいずれか一項に記載のGRK2タンパク質インヒビター化合物および抗腫瘍剤を少なくとも含む、医薬組成物。
  8. 組成物が、経口、非経口、または経皮経路を介して投与されてもよい医薬組成物である、請求項4~7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  9. 組成物が、がん、高血圧症、心不全、炎症性疾患、アルツハイマー病(AD)、リウマチ性関節炎、嚢胞性線維症(CF)、敗血症、および多発性硬化症(MS)の処置および/または制御に有用である、請求項4~7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
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