JP2022530196A - 有害生物防除キット及び方法 - Google Patents

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Abstract

未成熟幼虫段階又は蛹昆虫の集団を防除する一助となる有害生物防除キットが提供される。本有害生物防除キットは、ある量の昆虫病原性線虫及び湿潤剤組成物を含み、湿潤剤組成物は、溶媒及び界面活性剤を含む。本有害生物防除キットは、農業、林業及び園芸を含む専門的植物保護のためであるか又は家庭菜園使用のためであるかに関わらず、植物に対して有害生物として働く恐れのある未成熟幼虫昆虫の生物的防除のための、天然の昆虫病原性線虫を提供することを目的とする。本発明の新規な有害生物防除製品は、一年中、シバ及び植物のための安全かつ持続可能な保護を証明することを目的とする。

Description

本発明は、専門的な植物保護、園芸用途、林業用途及び農業用途、又は家庭菜園において使用するための、生物農薬、特に、生物殺虫剤(生物的防除剤)に関する。
一般に、農薬は、有害生物を抑止する、動けなくする、死滅させる又はその他防ぐ化学剤又は生物剤である。対象となる有害生物は、昆虫、植物病原体、雑草、軟体動物、トリ、哺乳動物、魚、及び微生物を含むことができ、財産を破壊する、不快なものを引き起こす若しくは疾患を蔓延させる又は疾患の媒介となる。農薬は有益性を有するが、多くのものはやはり、環境に及ぼす有害作用に加えて、ヒト及び他の種に対する潜在的な毒性などの欠点を有する。
化学的農薬は、曝露された人に、急性及び遅延性の健康上の影響を引き起こす恐れがある。化学的農薬曝露は、皮膚及び眼の単純な刺激から、神経系に影響を及ぼす、生殖問題を引き起こすホルモンを疑似する、及びがんを引き起こすなどの、一層深刻な影響にまで及ぶ、健康面での様々な有害な影響を引き起こす恐れがある。
化学的農薬の使用は、いくつかの環境面での懸念を投げかける。研究により、噴霧された殺虫剤の98%及び除草剤の95%を超えるものが、非対象種、空気、水及び土壌を含む、その対象種以外の目的地に到達することが示唆されている。
バイオ農薬は、毒性化学的農薬に対する天然の代替物、すなわち、食物及びすべての種類の他の作物植物を攻撃する害虫を防除するための、植物、細菌、真菌及びミネラルである。バイオ農薬は、比較的安全であり、一般にユーザー及び消費者に非毒性であり、迅速に分解し、特定の有害生物を対象として益虫への危害を回避することができる。
バイオ農薬の分野における研究にもかかわらず、ユーザーに優しく、かつ特定の用途に適合させることが可能な、幅広い用途を有する、有効な多目的溶液が依然として待たれている。その結果、バイオ農薬への理解は、バイオ農薬に多くの利点があるにも関わらず、化学的農薬に比べて比較的少ない。
したがって、複数の用途に対して適応可能であり、かつユーザーに優しいので採用が促進される、化学的農薬に対する一層容易な代替品を提供することが望ましい。
本発明の第1の態様によれば、有害生物防除キットが提供され、有害生物防除キットは、(a)ある量の昆虫病原性線虫、及び(b)1又は2以上の界面活性剤を含む湿潤性組成物を含む。
好ましくは、昆虫病原性線虫の量が事前に決定される。用語「量」は、「生物の量」を意味することが当業者によって理解されよう。本キットは、1又は2以上の線虫株の混合物であって、それぞれが個々の量を有する、混合物を含むことができることが理解されよう。1又は2以上の線虫株の量は、キットの所望の用途に応じて、同一であってもよく、又は異なっていてもよい。
本発明の湿潤剤組成物が、本発明の機能発揮に好ましくは重要である。既知の湿潤剤に勝る、本湿潤剤において改善された重要な因子は、昆虫病原性線虫株との適合性の改善(線虫生存率の改善を含む)、湿潤能の改善及び昆虫病原性線虫株の有効性の改善を好ましくは含む。
特に、本発明の有害生物防除キットを使用すると、通常、少なくとも90%の昆虫病原性線虫が、有害生物防除キットの投与後、少なくとも24時間、生存しており、及び/又は有害生物致死率は、通常、有害生物防除キットの投与後、少なくとも24時間、好ましくは少なくとも48時間、より一層好ましくは、少なくとも72時間、少なくとも90%であり、及び/又は昆虫病原性線虫の分散(dispersal)は、本湿潤剤組成物の非存在下での対照の昆虫病原性線虫と比べて、通常、改善されている。
好ましくは、本湿潤剤組成物は、溶媒をさらに含む。好ましくは、溶媒は、グリコールエーテルを含む。好ましくは、グリコールエーテルは、ジプロピレングリコールメチルエーテルである。好ましくは、溶媒は、非混合の湿潤剤組成物の1%~25%から選択される溶媒濃度で存在する。最も好ましくは、溶媒は、非混合の湿潤剤組成物の5%~10%の間の溶媒濃度で存在する、ジプロピレングリコールメチルエーテルである。最も好ましい実施形態では、ジプロピレングリコールメチルエーテルの濃度は、1リットル中に50~100mLで存在する。
好ましくは、1又は2以上の界面活性剤は、ポリオキシアルキレングリコール界面活性剤の群から選択される界面活性剤を含む。例は、ポリエチレングリコールを含むことができる。1又は2以上の界面活性剤は、非イオン性界面活性剤を含むことができる。他の実施形態は、陰イオン性界面活性剤から選択される1又は2以上の界面活性剤を含むことができる。実施形態では、1又は2以上の界面活性剤は、リン酸エステル塩を含むことができる。好ましくは、リン酸エステル塩は、カリウム塩である。好ましくは、界面活性剤は、アリールエーテルリン酸エステルカリウム塩である。好ましくは、界面活性剤は、非混合の湿潤剤組成物の0.5%~10%から選択される界面活性剤濃度で存在する。最も好ましくは、界面活性剤は、非混合の湿潤剤組成物の1%~3%から選択される界面活性剤濃度で存在する、アリールエーテルリン酸エステルカリウム塩である。最も好ましい実施形態では、アリールエーテルリン酸エステルカリウム塩の濃度は、1リットル中の10mL~30mLから選択される。好ましくは、湿潤剤組成物は、1又は2以上のリバースブロックコポリマー界面活性剤を含む。
有害生物防除キット中、本発明のいずれの界面活性剤も、本発明の任意の溶媒と、本明細書において開示されている溶媒及び/又は界面活性剤のいずれも任意の濃度で、組み合わせることができる。特に、グリコールエーテル溶媒(例えば、ジプロピレングリコールメチルエーテル)及びポリオキシアルキレングリコール界面活性剤(例えば、ポリエチレングリコール)を含む湿潤剤組成物が好ましく、界面活性剤は、リン酸エステル塩(特に、カリウム塩、例えばアリールエーテルリン酸エステルカリウム塩)として存在することができる。
研究により、アルコールエトキシレート(現在の土壌調整剤組成物において一般的な界面活性剤)は、乾燥する性質があり、リン酸エステル塩に比べて、これらの化学品の生体利用率の上昇可能性により乾燥特性が増強されて、これにより線虫を不動にすることができることが見出された。例えば、ステイネルネマ・カルポカプサエ(Steinernema carpocapsae)は乾燥に脅かされると、無水生活に入ることが示されている。研究により、このような一般的なコイル調整剤(coil conditioner)は、線虫に対する不動化作用(immobilizing effect)を有することができ、殺線虫性さえある。したがって、湿潤剤及び/又は土壌調整剤は、それらが、3~6時間以内での線虫の死滅を担うことができ、こうして前記線虫の有効性がなくなるので、線虫種と組み合わせる前に、常に確認すべきであることが重要となる。
多くの湿潤剤は、水と油の界面を破壊し、油の除去を可能にしようとする。適合性が最小の湿潤剤は、水溶性の傾向があるブロックコポリマーを含む傾向がある。本湿潤剤は、好ましくは、油溶性のリバースブロックコポリマーを含む。好ましくは、リバーストリブロックコポリマーを有する湿潤剤は、線虫生存率の改善を示す。
本湿潤剤組成物は、好ましくは、1又は2以上の湿潤性化合物をさらに含む。好ましくは、1又は2以上の湿潤性化合物は、アルキレンオキシドから選択される。好ましくは、1又は2以上の湿潤性化合物は、ポリヒドロキシエチルアルカキシ(alkaxy)アルキレンオキシドから選択される化合物を含む。
本湿潤剤組成物は、土壌浸透剤を好ましくはさらに含む。1又は2以上の土壌浸透剤はまた、好ましくは線虫の運動を助ける。
好ましくは、本湿潤剤組成物は、液体形態又は粉末形態で提供される。好ましくは、粉末は無水である。
好ましくは、液状又は粉末状湿潤剤組成物は、水と混合されて、2.22%v/v~2.86%v/v(1ヘクタールに対し、水700~900L中に20Lの本湿潤剤組成物を圃場施用することに基づいて計算する)から選択される混合濃度を有する作業湿潤剤が得られるよう準備される。好ましくは、作業湿潤剤は、作業湿潤剤:水の混合比で水と混合して、最終的な湿潤剤組成物が得られるように準備されており、混合比は、1:2.22~1:2.86から選択される。最も好ましくは、混合比は、1:35~1:90から選択される。最も好ましくは、混合比は、1:70~1:90から選択される。
記載されている湿潤剤組成物は、含有する昆虫病原性線虫の株の有効性を好ましくは改善する。本湿潤剤組成物はまた、最終湿潤剤組成物で施用される土壌内での撥水性を好ましくは低下させて、好ましくは、植物、作物及び他の園芸実体の根の区域近くでの十分な水分保持を実現し、この場合、線虫は、目標場所に位置して、他の既知の湿潤剤組成物により伴われるものよりも長く生存することができる。これは、線虫が、通常、移動するために水/液体の薄膜を必要とするので、とりわけ重要である。水/液体が、多数の他の湿潤剤の乾燥性質のために利用できない場合、線虫の寿命が損なわれる恐れがある。
好ましくは、有害生物防除キットは、練習用パッケージをさらに含み、この練習用パッケージは、ユーザーが、幼虫昆虫の集団を防除するための(適切な)量の昆虫病原性線虫及び湿潤剤組成物を使用する練習を行うよう準備されている。
好ましくは、その量の昆虫病原性線虫は、5~50億匹の感染態線虫(通常、感染態(IJ,infective juvenile)線虫)を含む。地面の領域全体にわたり、その量の昆虫病原性線虫は、1ヘクタールあたり、25~50億匹の感染態線虫を好ましくは含む。感染態線虫の量は、有害生物の状況、密度及び施用領域に好ましくは依存する。
好ましくは、昆虫病原性線虫は、ヘテロラブディティス(Heterorhabditis)属及び/又はスタイナーネマ(Steinernema)属から選択される。好ましくは、昆虫病原性線虫は、群:ヘテロラブディティス・バクテリオフォラ(Heterorhabditis bacteriophora)、ヘテロラブディティス・ドウネシ(Heterorhabditis downesi)、ステイネルネマ・フェルチアエ(Steinernema feltiae)、ステイネルネマ・カルポカプサエ及びスタイナーネマ・クラッセイ(Steinernema kraussei)から選択される。
好ましくは、有害生物防除キットは、幼虫、蛹及び/又は成体昆虫の集団を防除するために使用される。より好ましくは、昆虫は、以下の群:チプラ属種(Tipula spp.)、チプラ・オレラセア(Tipula oleracea)、グリロタルパ・グリロタルパ(Gryllotalpa gryllotalpa)、アグロティス属種(Agrotis spp.)、キンケクチブトゾウムシ(Otiorhynchus sulcatus)、オチオリンカス属種(Otiorhynchus spp.)、ホプリア・フィランサス(Hoplia philanthus)、フィロペルタ・ホルチコラ(Phyllopertha horticola)、アムフィマロン・ソルスチチアリス(Amphimallon solstitialis)、メロロンタ・メロロンタ(Melolontha melolontha)、セリカ・ブルンネア(Serica brunnea)、シディア・ポモネラ(Cydia pomonella)、ナシヒメシンクイ(Cydia molesta)、クリオオシンクイ(Cydia splendana)、ミギワバエ科(Ephydridae)、スポドプテラ属種(Spodoptera spp.)、クリソデイキス・カルシテス(Chrysodeixis chalcites)、ヨトウガ(Mamestra brassicae)及びデュポンケリア・フォベアリス(Duponchelia fovealis)、マツアナアキゾウムシ(Hylobius abietis)、フランクリニエラ・オクシデンタリス(Frankliniella occidentalis)、クロマトミア・シンゲネシアエ(Chromatomyia syngenesiae)、フィトミザ・ビタルバエク(Phytomyza vitalbaek)、アナポロフォラ・キネンシスク(Anoplophora chinensisk)、ヤツバキクイムシ(Ips typographus)、シナンテドン・ミオパエフォルミス(Synanthedon myopaeformis)、クロテンオオメンコガ(Opogona sacchari)、ジアプレペス・アッブレビアテス(Diaprepes abbreviates)、ナシヒメシンクイ(Grapholita molesta)、スモモヒメハマキ(Grapholita funebrana)、クリソテウチア・トピアリア(Chrysoteuchia topiaria)、クランベリールートワームカブトムシ(Rhabdopterus picipes)、カプノディス・テネブリオニス(Capnodis tenebrionis)、シギゾウムシ(Curculio nucum)、ゼウゼラ・ピリナ(Zeuzera pyrina)、タウメトポエア・プロセシオネア(Thaumetopoea processionea)、パイサンジシア・アルコン(Paysandisia archon)、ピーチツリーボーラー(Synanthedon exitiosa)、ヤシオオオサゾウムシ(Rhynchophorus ferrugineus)、ジアブロチカ・ビルギフェラ(Diabrotica virgifera)、ケバエ科(Bibionidae)及びポルセリオ・スカベル(Porcellio scaber)から選択される。
好ましくは、昆虫病原性線虫は、12℃を超える温度で活性である。より好ましくは、昆虫病原性線虫は、10℃を超える温度で活性である。より好ましくは、昆虫病原性線虫は、8℃を超える温度で活性である。
好ましくは、昆虫病原性線虫は、70%~100%の殺傷率を有する。より好ましくは、殺傷率は、80%~100%である。最も好ましくは、殺傷率は、90%~100%である。
好ましくは、有害生物防除キットは、以下の群:チプラ属種、チプラ・オレラセア、グリロタルパ・グリロタルパ及びアグロティス属種から選択される幼虫昆虫及び/又は蛹昆虫の集団を防除するために使用される。好ましくは、このような実施形態では、昆虫病原性線虫は、ステイネルネマ・カルポカプサエ及び/又はステイネルネマ・フェルチアエを含む。より好ましくは、このような実施形態では、その量の昆虫病原性線虫は、8℃又は12℃超で活性である。最も好ましくは、このような実施形態では、殺傷率は、70%~100%である。好ましくは、このような実施形態では、練習用パッケージは、ユーザーが、シバ、スポーツ用途及びアメニティ用途において、幼虫昆虫の集団を防除するために(適切な)量の昆虫病原性線虫及び湿潤剤組成物の使用を練習するように準備されている。シバ、スポーツ用途及びアメニティ用途は、本発明の文脈では、ゴルフグリーン、サッカーのピッチ、ラグビーグラウンド、並びにすべてのスポーツ及びアメニティのシバでの使用を指す。
好ましくは、有害生物防除キットは、以下の群:ホプリア・フィランサス、フィロペルタ・ホルチコラ、アムフィマロン・ソルスチチアリス、メロロンタ・メロロンタ及びセリカ・ブルンネアから選択される、幼虫昆虫及び/又は蛹昆虫の集団を防除するために使用される。好ましくは、このような実施形態では、昆虫病原性線虫は、ヘテロラブディティス・バクテリオフォラ、又はヘテロラブディティス・バクテリオフォラとステイネルネマ・フェルチアエとの組合せ物を含む。より好ましくは、このような実施形態では、その量の昆虫病原性線虫は、8℃又は12℃超で活性である。最も好ましくは、このような実施形態では、殺傷率は、80%~100%である。好ましくは、このような実施形態では、練習用パッケージは、ユーザーが、シバ、スポーツ用途及びアメニティ用途における、幼虫昆虫の集団を防除するための(適切な)量の昆虫病原性線虫及び湿潤剤組成物の使用を練習するように準備されている。シバ、スポーツ用途及びアメニティ用途は、本発明の文脈では、ゴルフグリーン、サッカーのピッチ、ラグビーグラウンド、並びにすべてのスポーツ及びアメニティのシバでの使用を指す。
好ましくは、有害生物防除キットは、以下の群:フランクリニエラ・オクシデンタリス、クロマトミア・シンゲネシアエ、フィトミザ・ビタルバエ(Phytomyza vitalbae)、リリオミザ属種(Liriomyza spp.)、トマトキバガ(Tuta absoluta)、クリオセリス属種(Crioceris spp.)、シナンテドン・ミオパエフォルミス、シディア・ポモネラ、ナシヒメシンクイ、スモモヒメハマキ、タウメトポエア・プロセシオネア、チプラ・オレラセア及びケバエ科から選択される、幼虫昆虫及び/又は蛹昆虫の集団を防除するために使用される。好ましくは、このような実施形態では、昆虫病原性線虫は、ステイネルネマ・フェルチアエを含む。より好ましくは、このような実施形態では、その量の昆虫病原性線虫は、8℃超で活性である。最も好ましくは、このような実施形態では、殺傷率は、80%~100%である。好ましくは、このような実施形態では、練習用パッケージは、ユーザーが、園芸用途における、幼虫昆虫の集団を防除する(適切な)量の昆虫病原性線虫及び湿潤剤組成物の使用を練習するように準備されている。園芸用途は、本発明の文脈では、ソフトフルーツ、観葉植物及び花における使用を指す。
好ましくは、有害生物防除キットは、以下の群:キンケクチブトゾウムシ、ホプリア属種(Hoplia spp.)、フィロペルタ・ホルチコラ、アムフィマロン・ソルスチチアリス及び/又はメロロンタ・メロロンタから選択される、幼虫昆虫及び/又は蛹昆虫の集団を防除するために使用される。好ましくは、このような実施形態では、昆虫病原性線虫は、ヘテロラブディティス・バクテリオフォラ及び/又はステイネルネマ・フェルチアエを含む。より好ましくは、このような実施形態では、その量の昆虫病原性線虫は、8℃超で活性である。最も好ましくは、このような実施形態では、殺傷率は、90%~100%である。好ましくは、このような実施形態では、練習用パッケージは、ユーザーが、園芸用途において、幼虫昆虫の集団を防除する(適切な)量の昆虫病原性線虫及び湿潤剤組成物の使用を練習するように準備されている。園芸用途は、本発明の文脈では、ソフトフルーツ、観葉植物及び花における使用を指す。
好ましくは、本有害生物防除キットは、以下の群:キンケクチブトゾウムシ、マツアナアキゾウムシ、アノプロフォラ・キネンシス(Anoplophora chinensis)、ヤツバキクイムシ、ジアプレペス・アッブレビアテス、クランベリールートワームカブトムシ、シギゾウムシ及び/又はジアブロチカ・ビルギフェラから選択される幼虫昆虫及び/又は蛹昆虫の集団を防除するために使用される。好ましくは、このような実施形態では、昆虫病原性線虫は、ヘテロラブディティス・ドウネシ及び/又はヘテロラブディティス・バクテリオフォラを含む。より好ましくは、このような実施形態では、その量の昆虫病原性線虫は、8℃又は12℃超で活性である。最も好ましくは、このような実施形態では、殺傷率は、90%~100%である。好ましくは、このような実施形態では、練習用パッケージは、ユーザーが、園芸用途において、幼虫昆虫の集団を防除する(適切な)量の昆虫病原性線虫及び湿潤剤組成物の使用を練習するように準備されている。園芸用途は、本発明の文脈では、ソフトフルーツ、観葉植物及び花における使用を指す。
好ましくは、本有害生物防除キットは、以下の群:シディア・ポモネラ、ナシヒメシンクイ、クリオオシンクイ、ミギワバエ科、スポドプテラ属種、クリソデイキス・カルシテス、ヨトウガ、デュポンケリア・フォベアリス、マツアナアキゾウムシ、アノプロフォラ・キネンシス、ヤツバキクイムシ、クロテンオオメンコガ、クリソテウチア・トピアリア、カプノディス・テネブリオニス、ゼウゼラ・ピリナ、パイサンジシア・アルコン、ピーチツリーボーラー、ヤシオオオサゾウムシ、アグロティス属種及びポルセリオ・スカベルから選択される幼虫昆虫及び/又は蛹昆虫の集団を防除するために使用される。好ましくは、このような実施形態では、昆虫病原性線虫は、ステイネルネマ・カルポカプサエを含む。より好ましくは、このような実施形態では、その量の昆虫病原性線虫は、14℃超で活性である。最も好ましくは、このような実施形態では、殺傷率は、90%~100%である。好ましくは、このような実施形態では、練習用パッケージは、ユーザーが、樹木用途及び森林用途において、幼虫昆虫の集団を防除する(適切な)量の昆虫病原性線虫及び湿潤剤組成物の使用を練習するように準備されている。樹木及び森林用途は、本発明の文脈では、樹木及び林業を含む領域における使用を指す。
好ましくは、有害生物防除キットは、以下の群:リコリエラ属種(Lycoriella spp.)及びブラジシア属種(Bradysia spp.)から選択される幼虫昆虫及び/又は蛹昆虫の集団を防除するために使用される。好ましくは、このような実施形態では、昆虫病原性線虫は、ステイネルネマ・フェルチアエを含む。より好ましくは、このような実施形態では、その量の昆虫病原性線虫は、8℃超で活性である。最も好ましくは、このような実施形態では、殺傷率は、90%~100%である。好ましくは、このような実施形態では、練習用パッケージは、ユーザーが、マッシュルームの栽培用途において、幼虫昆虫の集団を防除する(適切な)量の昆虫病原性線虫及び湿潤剤組成物の使用を練習するように準備されている。マッシュルーム栽培用途とは、本発明の文脈では、マッシュルームの栽培に使用される領域における使用を指す。
本発明の第2の態様によれば、幼虫昆虫の集団を防除する方法であって、以下:
a) 本発明の第1の態様による有害生物防除キットを用意するステップ、
b) その量の昆虫病原性線虫及び湿潤剤組成物をある容量の水と混合して、ある容量の活性化バイオ農薬を生成するステップ、並びに
c) 活性化バイオ農薬のその容量を、土地の領域又は1個若しくは2個以上の植物の葉面の侵襲部分に施用するステップ
を含む、方法が提供される。
本発明の第3の態様によれば、幼虫昆虫の集団を防除する方法であって、以下:
a) ある量の昆虫病原性線虫を用意するステップ、
b) 1又は2以上の界面活性剤を含む湿潤剤組成物を用意するステップ、及び
c) ユーザーが、幼虫昆虫の集団を防除する量の昆虫病原性線虫及び湿潤剤組成物の提供を練習するために準備されたステップを含む、練習用パッケージを用意するステップ
を含む、方法が提供される。
好ましくは、昆虫病原性線虫及び湿潤剤組成物の量は、本発明の第1の態様による有害生物防除キットに好適となるものである。
本発明の第4の態様によれば、以下:
a) ある量の昆虫病原性線虫
b) 1又は2以上の界面活性剤を含む湿潤剤組成物、及び
c) 幼虫昆虫の集団を防除する量の昆虫病原性線虫及び湿潤剤組成物を使用するステップを含む方法の教示を含む、練習用パッケージ
を含む有害生物防除キットが提供される。
好ましくは、昆虫病原性線虫及び湿潤剤組成物の量は、本発明の第1の態様による有害生物防除キットに好適となるものである。
好ましくは、練習用パッケージの方法は、その方法の特定の用途を対象とする。より好ましくは、その用途は以下の群:シバ、スポーツ及びアメニティ用途;園芸用途;樹木及び森林用途;マッシュルームの栽培用途から選択されるものを含む。シバ、スポーツ用途及びアメニティ用途は、本発明の文脈では、ゴルフグリーン、サッカーのピッチ、ラグビーグラウンド、並びにすべてのスポーツ及びアメニティのシバでの使用を指す。園芸用途は、本発明の文脈では、ソフトフルーツ、観葉植物及び花における使用を指す。樹木及び森林用途は、本発明の文脈では、樹木及び林業を含む領域における使用を指す。マッシュルーム栽培用途とは、本発明の文脈では、マッシュルームの栽培に使用される領域における使用を指す。
昆虫病原性線虫としても知られている昆虫寄生性線虫は、土壌生息ラウンドワームであり、このラウンドワームは、農業、園芸及び林業の有害生物の防除、又は家及び庭に対してある程度の優れた成功を伴って市販されている。しかし、これらの線虫が、効率的に位置して対象の昆虫宿主を死滅させる能力は、環境条件によって厳しく影響を受ける恐れがあり、土壌水分が、圃場における線虫の生存、定着及び感染力に影響を及ぼす最も重要な因子の1つである。昆虫病原性線虫は、移動するため及び線虫が乾燥するのを防止するために土壌中の水分を利用しているが、土壌における撥水性又は疎水性は、線虫施用の成功を阻止する恐れのある問題となる。
土壌界面活性剤、土壌調整剤、湿潤剤又は土壌浸透剤などの様々な市販製品が、土壌撥水性の作用を改善して親水性ステージと非湿潤性疎水性ステージとの界面張力を低下させるために使用されてきた。これらの湿潤剤は、土壌プロファイルを横断する水の移動を改善する一助となり、撥水性を改善することによって水の有効率を増大し、均一な水の分布を改善する。
したがって、本発明は、目的の農産物に損害をもたらす対象害虫の集団を防除するための、好ましくはユーザーが練習するための練習用パッケージと一緒になった、昆虫病原性線虫及び湿潤剤組成物を含む有害生物防除キットに関して詳述する。
通常、本発明の有害生物防除キットは、化学的農薬を含まない。好ましくは、本発明の有害生物防除キットは、化学的農薬を含まず、化学的農薬と組み合わせて使用することは意図されていない(本発明の有害生物防除キット及び化学的農薬が、同時に又は逐次に施用されるかに関わらない)。以下の実施例に示されている通り、本発明者らは、従来の湿潤剤が、昆虫病原性線虫と共に使用するには適していないことを実証した。特に、従来の湿潤剤は、本発明の有害生物防除キットに使用される湿潤剤と比べて、昆虫病原性線虫の生存率を低下させること、及び昆虫病原性線虫の農薬活性を低下させることが示された。したがって、本発明の有害生物防除キットは、当分野で公知の解決策に勝る驚くほどの利点を実現する。
本発明による昆虫病原性線虫の生存率は、本発明の湿潤剤の非存在下での、同じ昆虫病原性線虫の参照集団の生存率に少なくとも同等となり得る。本発明による昆虫病原性線虫の生存率は、従来の湿潤剤の存在下での、同じ昆虫病原性線虫の参照集団の生存率に比べて、通常、改善されている。通常、本発明の有害生物防除キットに含まれる昆虫病原性線虫の少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又はそれを超えるものが、前記有害生物防除キットの投与後、少なくとも24時間、少なくとも48時間、少なくとも72時間、生存している。昆虫病原性線虫の生存率は、特定の種(例示的な種は、本発明に記載されている)に応じて様々となり得る。しかし、好ましくは、本発明の有害生物防除キットに含まれる任意の所与の昆虫病原性線虫の場合、少なくとも90%が、投与後、少なくとも24時間、生存する。昆虫病原性線虫の生存率は、任意の適切な方法を使用して決定することができ、例示的な方法は、当分野における標準的なものである。非限定例として、昆虫病原性線虫の生存率は、以下の実施例1に記載されている標準法などの、適合性アッセイを使用して決定されてもよい。
本発明による昆虫病原性線虫の農薬活性は、本発明の湿潤剤の非存在下での、同じ昆虫病原性線虫の参照集団の農薬活性に少なくとも同等となり得る。本発明による昆虫病原性線虫の農薬活性は、従来の湿潤剤の存在下で、同じ昆虫病原性線虫の参照集団の農薬活性に比べて、通常、改善されている。農薬活性は、任意の適切な方法で定量され得る。非限定例として、昆虫病原性線虫の農薬活性は、所与の時点において/時点までに死滅した、処理される有害生物の%(本明細書において、有害生物致死率と互換的に称される)の単位で定量され得る。通常、処理される有害生物の有害生物致死率は、前記有害生物防除キットの投与後、少なくとも24時間、少なくとも48時間、少なくとも72時間又はそれより長い間、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又はそれより高い。有害生物致死率は、特定の有害生物種及び/又は昆虫病原性線虫の特定の種に応じて、様々になり得る(例示的な有害生物及び昆虫病原性線虫は、本明細書に記載されている)。しかし、好ましくは、任意の所与の昆虫病原性線虫及び有害生物の場合、有害生物致死率は、投与後、少なくとも24時間、より好ましくは投与後、少なくとも48時間、より一層好ましくは、投与後、少なくとも72時間、少なくとも90%となる。有害生物致死率は、任意の適切な方法を使用して決定することができ、例示的な方法は、当分野における標準的なものである。非限定例として、有害生物致死率は、以下の実施例に使用されているものなどの、病原性アッセイを使用して決定することができる。
本発明による昆虫病原性線虫の分散は、本発明の湿潤剤の非存在下での、同じ昆虫病原性線虫の参照集団の分散に比べて、改良され得る。分散は、垂直分散及び/又は水平分散とすることができる。本明細書において「分散」と言う場合、特に明記しない限り、水平分散及び垂直分散の両方を包含する。
通常、本発明による湿潤剤との昆虫病原性線虫の垂直分散は、本発明の湿潤剤の非存在下での、同じ昆虫病原性線虫の参照集団の分散と少なくとも同等である。
本発明による湿潤剤との昆虫病原性線虫の水平分散は、本発明の湿潤剤の非存在下での、同じ昆虫病原性線虫の参照集団の分散と少なくとも同等であり、このような参照集団の分散に比べて、通常、改善されている。本発明による昆虫病原性線虫の水平分散は、本発明の湿潤剤の非存在下での、同じ昆虫病原性線虫の参照集団の水平分散に比べると、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも50%、少なくとも75%又はそれより高く向上し得る。
昆虫病原性線虫の分散は、任意の適切な方法を使用して決定することができ、例示的な方法は、当分野における標準的なものである。非限定例として、昆虫病原性線虫の垂直分散は、砂のカラムアッセイを使用して決定することができる。さらなる非限定例として、昆虫病原性線虫の水平分散は、サブローデキストロース寒天(SDA,Sabouraud dextrose agar)プレート全体への分散を定量することによって決定することができる。やはり、SDAプレートを使用する好適な方法は、当分野において公知である。
昆虫病原性線虫の分散は、特定の種(例示的な種は、本明細書に記載されている)に応じて様々となり得る。しかし、好ましくは、本発明の有害生物防除キットに含まれる任意の所与の昆虫病原性線虫の場合、水平分散は、湿潤剤組成物の非存在下で、対照の昆虫病原性線虫に比べて増大し、より好ましくは、水平分散は、湿潤剤組成物の非存在下での対照の昆虫病原性線虫に比べて、少なくとも20%向上する。
好ましくは、本発明の有害生物防除キットは、本明細書に記載されている通り、昆虫病原性線虫の生存率の向上、及び有害生物致死率の向上を実現する。一部の特に好ましい実施形態では、本発明の有害生物防除キットは、本明細書に記載されている通り、昆虫病原性線虫の生存率の向上、有害生物致死率の向上及び分散(特に、水平分散)の向上を実現する。理論によって拘泥されないが、本発明の有害生物防除キットの有利な特性は、本発明の湿潤剤によって、特に湿潤剤に含まれる溶媒及び/若しくは界面活性剤(又はそれらの組合せ)によって、実現されると考えられる。
本発明の第1及び第4の態様による有害生物防除キットの構成要素の概要である。 ウェルシュコガネムシ(Welsh chafer)、ホプリア・フィランサスの地虫を防除するための、単独で又は湿潤剤組成物と共に(Pest control kit-Cとして)施用したヘテロラブディティス・バクテリオフォラの有効性(%)を示すグラフである。試験は、The Grove Golf Club、Watford、London、英国において、2017年5月~2018年10月に行った。処理は、ヘテロラブディティス・バクテリオフォラを25億匹/haで単独、又は湿潤剤組成物(10L/ha)を含むPest control kit-C 25億匹/haで施用、及びクロルピリホス(Equity)(2L a.i./ha)を施用から構成された。処理剤はすべて、従来的なブームスプレーヤーに従った土壌インジェクタを使用して施用した。地虫集団を評価するため、施用後、2、4、6及び8週目に土壌試料を採取した。 レザージャケット幼虫を防除するために、ゴルフコースに線虫を施用した図である。 レザージャケット幼虫を防除するため、穴を空けることによって、ゴルフコースに線虫を施用した図である。 圃場試験実施例1~6の前及びその間に行った調製及び方法を示す図である。 レザージャケット幼虫を防除するため、単独で又は湿潤剤組成物と一緒に施用(Pest control kit-Lとして)した線虫(春にステイネルネマ・フェルチアエ及び秋にステイネルネマ・カルポカプサエ)の有効性(%)を示すグラフである。試験は、Machrihanish golf club、Mull of Kintyre、Scotlandにおいて、2018年4月~2018年9月に行った。処理は、線虫(春にステイネルネマ・フェルチアエ及び秋にステイネルネマ・カルポカプサエ)を25億匹/ha、又は湿潤剤組成物(10L/ha)を含むPest control kit-L(25億匹/ha)を1週間間隔で2回施用、及びクロルピリホス(Equity)(2L a.i./ha)を施用から構成された。処理剤はすべて、土壌の通気前に、従来のブームスプレーヤーを使用して施用し、0.5cmの直径の小さなサイズを作製することを含んだ。幼虫集団を評価するため、土壌試料を施用後6週目に採取した。 試験施設である、Kings Caple、Herefordshire、England、英国を示す図である。 屋外栽培のイチゴにおける、キンケクチブトゾウムシ(オチオリンクス・スルカツス)を防除するための、単独で又は湿潤剤組成物と一緒にした(Pest control kit-Hとして)ヘテロラブディティス・バクテリオフォラの有効性(%)を示すグラフである。処理は、プレミックスとしてメタリジウム・アニソプリアエ(Metarhizium anisopliae)の施用、ドレンチ剤として湿潤剤組成物と共に又はこれなしのスタイナーネマ・クラッセイの施用、ヘテロラブディティス・バクテリオフォラ単独で又は湿潤剤組成物(Pest control kit-Hとして)と共に施用、及びクロルピリホス(Equity)の施用から構成された。試験は、Kings Caple、Herefordshire、英国において、ポリトンネル下の砂質土で、2016年~17年の7月~10月に行った。イチゴ植物はそれぞれ、30匹のキンケクチブトゾウムシの卵で感染させて、植物を、接種後13週間、破壊的に評価した。同じ文字を示す棒には、有意差がない(P>0.05:Tukeyの検定)。各処理を15個の植物/処理により4回反復した。 屋外栽培のイチゴにおける、ミカンキイロアザミウマ(フランクリニエラ・オクシデンタリス)を防除するための、殺虫剤、益虫及びPest control kit-F(ステイネルネマ・フェルチアエ)の比較効力結果を示すグラフである。処理は、殺虫剤(Tracer-商標)、有益な捕食性ダニであるククメリスカブリダニ(Neoseiulus cucumeris)、ステイネルネマ・フェルチアエ単独で又は湿潤剤組成物(Pest control kit-Fとして)と共に施用で構成された。試験は、Kings Caple、Herefordshire、英国において、ポリトンネル下の砂質土で、2015~17年の7月~10月に行った。イチゴ作物は、ミカンキイロアザミウマ(5~20匹の成体/花)で感染させて、各花/植物に対するアザミウマの数を、処理後の28週目、29週目、30週目、31週目、32週目、33週目及び35週目に計数した。各処理を15個の植物/処理により4回反復した。 温室条件下で、クロバネキノコバエの幼虫を防除するための、農薬及びPest control kit-S(ステイネルネマ・フェルチアエ)の比較効力結果を示すグラフである。処理は、カルボフラン、テフルベンズロン、ステイネルネマ・フェルチアエ単独又は湿潤剤組成物(Pest control kit-Sとして)と共に施用で構成された。試験は、2016~17年に、英国においてマッシュルームの生産農場で行った。マッシュルームは、クロバネキノコバエ幼虫で自然に感染させて、処理後、1週間及び3週間目に数を数えた。各処理を15個の植物/処理により4回反復した。 シトカスプールスにおけるマツクイムシの幼虫を防除するための、ヘテロラブディティス・バクテリオフォラ(単独)、ヘテロラブディティス・ドウネシ(単独)及びステイネルネマ・カルポカプサエ(単独又は湿潤剤組成物と共に(Pest control kit-Tとして)の有効性を示すグラフである。処理剤は、ヘテロラブディティス・バクテリオフォラ(単独)、ヘテロラブディティス・ドウネシ(単独)、ステイネルネマ・カルポカプサエ(単独)、及びステイネルネマ・カルポカプサエ+湿潤剤組成物(Pest control kit-Tとして)の施用でから構成された。線虫をドレンチ剤として、500mLの水中の350万匹/幹で施用した。試験は、Tywi North forest、Ceredigion、Walesにおいて、2016~17年の6月~8月にシトカスプールスの幹で行った。各幹は、処理剤の施用後、4週間、破壊的に評価した。各処理を5つの幹/処理で5回反復した。 本発明の第2の態様及び第3の態様による、幼虫昆虫の集団を防除する方法を図示するフローチャートを提示する。
図1を参照すると、本発明の第1及び第4の態様による有害生物防除キット10の構成要素の概要が提示されている。有害生物防除キット10は、ある量の昆虫病原性線虫12、湿潤剤組成物14及び練習用パッケージ16を含む。示された実施形態では、その量の昆虫病原性線虫は、処理される地面1ヘクタールあたり、25億匹の生物の量のステイネルネマ・フェルチアエを含む。この生物は、8℃未満で保管するように準備されており、この温度未満では、ステイネルネマ・フェルチアエは、実質的に不安定な状態にある。8℃超では、ステイネルネマ・フェルチアエは、活性になり感染性となる。湿潤剤組成物14は、ジプロピレングリコールメチルエーテル10%、ポリエチレングリコール界面活性剤3%、及び土壌浸透剤を含む液体を含む。練習用パッケージ16は、第2及び第3の態様による、昆虫の集団を防除する方法をユーザーが行うことを可能にするように準備されている。
定義
特に本明細書において定義しない限り、本発明に関連して使用される科学的用語及び技術的用語は、当業者によって一般に理解される意味を有するものとする。用語の意味及び範囲は、明確であるべきである。しかし、潜在的なあいまいさが生じた場合、本明細書において提示されている定義が、いかなる辞書又は外部定義よりも優先される。本発明は、本明細書に記載されている、特定の方法、プロトコル及び試薬などに限定されず、したがって、変わり得ることを理解すべきである。本明細書において使用される専門用語は、特定の実施形態を説明する目的に過ぎず、本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、本発明の範囲は、特許請求の範囲によってもっぱら定義される。さらに、文脈上別段の必要がない限り、単数の用語は、複数を含むものとし、複数の用語は、単数を含むものとする。本出願では、「又は」の使用は、特に明記しない限り、「及び/又は」を意味する。さらに、用語「含む(including)」、並びに「含む(includes)」及び「含んだ(included)」などの他の形態は、限定ではない。
本開示の実施形態の記載は、網羅的なものであること、又は本開示を開示されている正確な形態に限定することを意図するものではない。本開示の特定の実施形態及び本開示に関する実施例は、例示目的で本明細書に記載されているが、当業者が認識している通り、本開示の範囲内で様々な等価な修飾が可能である。例えば、方法ステップ又は機能は、所与の順序で提示されているが、代替実施形態は、異なる順序で機能を発揮することができるか、又は機能は、実質的に同時に行われてもよい。本明細書において提示されている本開示の教示は、適切な場合、他の手順又は方法に適用することができる。本明細書に記載されている様々な実施形態を組み合わせて、さらなる実施形態を提供することができる。本開示の態様は、必要な場合は、組成物、機能、並びに上記の参照及び用途の概念を使用することができるよう修正されて、本開示のさらなる実施形態を提供することができる。さらに、生物学的な機能的等価性を考慮すると、種類又は量の点で生物学的作用又は化学的作用に影響を及ぼすことなく、タンパク質構造にいくらかの変化がなされ得る。発明を実施するための形態を参照して、本開示にこれらの変化及び他の変化を行うことができる。このような修飾はすべて、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されている。
本明細書において議論されている刊行物は、本出願の出願日より前にそれらが開示されていることを単に提示しているに過ぎない。このような刊行物は、本明細書に添付されている特許請求の範囲に対する先行技術を構成していることを承認するものとして解釈されるべきではない。
[実施例]
以下、特定の実施形態を、単なる例として、添付の図面を参照して記載する。
市販の湿潤剤を用いるNemaSpreaderの比較検討
化合物のクラスとしての湿潤剤が、容易に入手可能であり、いくつか(例えば、H2Pro)は、昆虫病原性線虫との使用に好適であると宣伝さえされている。異なる湿潤剤に曝露した後に様々な線虫種の生存率を試験した。これらの湿潤剤は、市販の湿潤剤、及び本発明による湿潤剤(NemaSpreader(登録商標))を含む。
使用した湿潤剤の最終濃度は、圃場施用について製造業者の推奨下で記載されているものに等しくした。15mlの量の線虫溶液を、各湿潤剤15mLを含む組織培養フラスコ(50ml容量)に加え、こうして全量は30mlとなり、約93,750IJを含有した(800Lの水中、2.5×10IJ/haの圃場施用に等価)。対照の場合、15mlの蒸留水を湿潤剤の代わりに線虫溶液に加えた。各処理は、3回反復した。組織培養フラスコは、暗所中、20±2℃に維持した。
線虫の生存率は、各懸濁液から3×20μLの一定分量を取り出すことによって、3時間時、6時間時及び24時間時に評価し、双眼顕微鏡(Olympus社)を使用して生存線虫を計数した。以下の基準が観察された場合、線虫は死滅したと判定した:(i)移動の欠如、(ii)線虫内の気泡の分解及び/又は形成の初期兆候、(iii)物理的刺激への応答欠如。アッセイ全体を2回繰り返した。
以下の表1に示されている通り、本発明の第1の態様に必要なものによるNemaSpreader(登録商標)湿潤剤は、以下の群:ヘテロラブディティス・バクテリオフォラ;ヘテロラブディティス・ドウネシ;ステイネルネマ・フェルチアエ;ステイネルネマ・カルポカプサエ;スタイナーネマ・クラッセイから選択される線虫種と適合可能である。前記湿潤剤への24時間の曝露後の線虫生存率は、90%未満に低下しなかった。対照的に、曝露後の24時間時の試験線虫種の生存率は、分析した従来の湿潤剤の範囲にわたり、有意に低下した。
したがって、従来の知識に反し、湿潤剤の選択は、線虫の生存率/生存性に有意に影響を及ぼし、特定の湿潤剤の選択は、昆虫病原性線虫を含有する製品及びキットの有害生物防除有効性に対して重要である。
さらに、曝露後のさらなる比較検討において、病原性を、曝露後24時間時に、ハチミツガであるハチノスツヅリガ(Galleria mellonella)の幼虫に対して評価した。適合性アッセイからの試験したアジュバントに曝露した線虫を3回洗浄して、線虫の身体からいかなる残留湿潤剤も除去した。各処理からの線虫溶液1ミリリットルを1.5mlのマイクロ遠心管に入れて、3,000rpmで7分間回転させた。いかなる過剰の湿潤剤も含有する上清を廃棄し、線虫を1mlの蒸留水を使用して再懸濁した。このプロセスを処理タイプの各々に対して、3回繰り返した。存在する濃度を決定するため、線虫の再懸濁液の各々に対して再度、計数を行い、各処理に対し水900μl中に500匹の線虫の濃度が得られるように体積を調節した。
5匹のハチノスツヅリガの幼虫を、Whatman(登録商標)ろ紙を並べた90mmの直径のペトリ皿に置いた。次に、900μlの線虫の懸濁液をろ紙の上に均等に分布させた後に、Parafilm(商標)で蓋を封止した。2つの防除条件を試験した;ハチノスツヅリガをいかなる湿潤剤にも曝露していない線虫、及びブランク対照に接種し、これにより、ハチノスツヅリガの幼虫を、蒸留水だけで処理したろ紙に曝露させた。ペトリ皿は、暗所中、25±1℃で保管した。昆虫が全部、死滅するまで、致死率を毎日、記録した。線虫に感染した死体の全部を、湿潤ろ紙を並べたペトリ皿に移し、3日間、25±1℃に維持し、その後に、死体を解剖して、光学顕微鏡で観察して、線虫の存在を確認した。各処理は、1回の1反復あたり5匹の幼虫を用いて3回反復し、2回行った。
曝露後の前記線虫の病原性(昆虫致死率)は、湿潤剤に曝露後の72時間後に、90%未満に低下しなかった(データは図示せず)。
さらに、湿潤剤を使用した試験培地(砂のカラム)により前記線虫の垂直分散も試験し(30mLの湿潤剤をハイボールグラス(Wilkinson社、英国)中の350gの砂に加えた)、湿潤剤を使用して、ハイボールグラスの深さの80%を超える垂直分散が達成された(データは図示せず)。SDAプレートを使用して、水平分散も評価した。サブローデキストロース寒天(SDA)プレート上の9cmの直径のペトリ皿にプレートの中心点から1.0cm及び3.5cmで2つの同心円を描いた。適合性アッセイとして、同じ濃度で線虫-湿潤剤の20μLの一定分量を皿の中心点に加えた。次に、皿をParafilmにより密封し、暗所中、2時間、21±2℃で保管し、この後、各区域;(i)ペトリプレートの中心から0~1.0cm;(ii)1.0~3.5cm、及び(iii)3.5~4.5cmまで移動した線虫を計数し、置いた点から離れた線虫の移動を評価した。ブランク対照と比べ、本発明による湿潤剤を使用して試験したすべての線虫種について、区域IIへの分散の観察可能な増大が観察された。
したがって、本発明の湿潤剤は、適合性、曝露後の病原性及び分散検討において、代替製品より優れていた(アルコール、C6-12、エトキシル化5~10%、プロパン-1,2-ジオール、プロポキシル化1~3%を含む第1の代替製品;及びアルコールエトキシレート19.4%(非イオン性界面活性剤)を含む第2の代替製品;所有権のある混合物+アルコール(C11-15-二級)、エトキシル化15~20%+オレンジ、スイート、エキス、プロプリン(proplyne)グリコール5~10%)。
したがって、湿潤剤の選択は、有害生物防除製品/キット(線虫病原性及び分散など)の他の態様、すなわち農薬有効性に影響を及ぼすので重要である。以下の実施例は、第2の態様による方法を実施する、本発明の第1の態様による本発明の有害生物防除キットの圃場検討を記載する。
Figure 2022530196000002
ゴルフコースにおけるコガネムシの地虫の防除
圃場試験は、The Grove Golf Club、Watford及びAshridge Golf Club、Berkhamsted、英国において、天然の感染ティーグラウンド、グリーン及びフェアウェイに行い、ウェルシュコガネムシ、ホプリア・フィランサス(90%)、ガーデンコガネムシ(Garden chafer)、フィロペルタ・ホルチコラ(3%)、ナツコガネムシ、アムフィマロン・ソルスチチアリス(1%)、コフキコガネ、メロンタ(4%)及びハリガネムシのアグリオティス(Agriotes)属種(3%)からなる混合物を含有した。土壌は、88.0%の砂、5.6%のシルト、5.8%の有機物質を含む6.4%のクレイを含有する砂質ロームから構成された。ハチノスツヅリガの幼虫で土壌試料を誘引することによって、天然の線虫は検出されなかった。
処理の1週間前に、3つの16×16×10~15cmの土壌片をシャベル又はゴルフホールカッター(10cmの直径)を用いて採取することによって、ティーグラウンド、グリーン及びフェアウェイ(図4を参照されたい)において処理前の幼虫密度を求めた。生きている幼虫を計数し、1平方メートルあたりの幼虫の数として表した。次に、地虫を土壌片に戻して置き、この土壌片をその元の場所に戻した。
The Grove Golf Clubにおいて、2017~18年の春及び秋(7cmの深さにおける土壌温度は、14.5~18.0℃;空気温度14~20℃;晴天日)に、土壌インジェクタを搭載したトラクタを使用して、本発明の第1の態様による湿潤剤組成物(液状プレミックス形態:ジプロピレングリコールメチルエーテル5~10%、ポリオキシアルキレングリコール界面活性剤及び土壌浸透剤)を使用する及び使用しないでヘテロラブディティス・バクテリオフォラ(Pest control kit-Cにおいて使用するため)を施用し(図3を参照されたい)、次いで、ブームスプレーヤーにより10haのティーグラウンド、グリーン及びフェアウェイを処理した。ブームスプレーヤーを使用して、参照化学製品であるクロルピリホスを同時に施用した。
処理は:
1. 1ヘクタールあたり25億匹のヘテロラブディティス・バクテリオフォラを単独で、1週間間隔で2回施用;
2. 1ヘクタールあたり25億匹のテロラブディティス・バクテリオフォラ+5リットルの最終湿潤剤組成物(水500リットルに希釈した液状形態;1%v/v)を含む、本発明の第1の態様による有害生物防除キットを1週間間隔で2回施用;
3. クロルピリホス(1ヘクタールあたり2リットルの活性成分)を1回だけ施用;及び
4. 未処理対照
を含む。
線虫又はクロロピリホスの施用後の2、4、6又は8週時に、処理後の幼虫密度を求めた。
結果
総合的に、第1の態様による組合せ有害生物防除製品(湿潤剤組成物を含むヘテロラブディティス・バクテリオフォラ-Pest control kit-C)は、化学品又は単独施用した線虫に比べると、処理後、2、4、6及び8週目に良好な防除を実現した。組合せ有害生物防除製品は、97%防除を実現した。線虫単独は70%を実現し、化学品は62%を実現した。本発明者らは、その天然環境において地虫の進行性防除があることを認めた(図2を参照されたい)。
ゴルフコースにおけるガガンボの幼虫の防除
レザージャケット(チプラ属種)は、ガガンボの幼虫段階であり、防除が非常に困難な土壌生息有害生物となる場合がある。この幼虫は、ゴルフコース、競技場及び芝生において、穀物作物植物及び様々なタイプの草などの幅広い範囲の植物の根を食べる。成体昆虫は、8月中旬を過ぎてから土壌を含むその蛹から孵化する。雌は交尾して、湿った土壌表面の直下に産卵し、2週間後に幼虫は孵化し始める。幼虫は、夜間に植物の葉、日中は根を食べる。
圃場試験はMachrihanish Golf Club、Scotland、英国において、チプラ属種の幼虫(100%)を含有する自然感染したグリーンで行った。この土壌は、85%の砂、4.5%のシルト、5.5%の有機物質を含む5%のクレイを含有する砂質ロームから構成された。ハチノスツヅリガの幼虫で土壌試料を誘引することによって、天然の線虫は検出されなかった。
処理前(チプラ属種の前処理)の1週時に、幼虫密度は、グリーンにおいて、ゴルフホールカッター(直径10cm)を用いてグリーンあたり6つの土壌片を採取することによって求めた。生きている幼虫を計数し、1平方メートルあたりの幼虫の数として表した。次に、幼虫を土壌片に戻して置き、この土壌片をその元の場所に戻した。
図3に記載されているものと同じブームスプレーヤーを使用して、ステイネルネマ・フェルチアエ及びステイネルネマ・カルポカプサエ(Pest control kit-L)を、等量の割合の本発明の第1の態様による湿潤剤(液状形態:ジプロピレングリコールメチルエーテル5~10%、ポリオキシアルキレングリコール界面活性剤及び土壌浸透剤)(液状形態:ジプロピレングリコールメチルエーテル5~10%、ポリオキシアルキレングリコール界面活性剤及び土壌浸透剤)と共に又は無しで施用した。表面の下の対象に線虫を送達するため、24時間前に、グリーンに土壌インジェクタ(図4)によって小さな穴(0.5~1.0cmの直径x5-7cmの深さ)を空けて、草又はサッチ層の下に線虫の懸濁液が到達する一助とした。
2ヘクタールのグリーンを2018年4月に、及び2018年9月の終わりに処理した。ブームスプレーヤーを使用して、参照化学製品であるクロルピリホスを同時に施用した。
処理は:
1. 1ヘクタールあたり25億匹のステイネルネマ・フェルチアエ(春)又はステイネルネマ・カルポカプサエ(秋)(各種を25億匹)を1週間間隔で2回施用;
2. 1ヘクタールあたり25億匹のステイネルネマ・フェルチアエ又はステイネルネマ・カルポカプサエ(各種を25億匹)+10Lの最終混合湿潤剤組成物(1%v/vに希釈した液状形態)を含む、本発明の第1の態様による有害生物防除キット(Pest control kit-L)を1週間間隔で2回施用;
3.
4. クロルピリホス(1ヘクタールあたり2リットルの活性成分)を1回だけ施用;及び
5. 未処理対照。
線虫又はクロロピリホスの施用後の4又は8週時に、処理後の幼虫密度を求めた。
結果
圃場条件において、レザージャケット幼虫防除のための、第1の態様による有害生物防除キットの有効性を線虫単独及び化学品単独と比較した。有害生物防除キットの性能は、秋の間、良好であった(85%)。しかし、その有効性は、春季の間、保留状態(20%)にあった。ステイネルネマ・フェルチアエ及びステイネルネマ・カルポカプサエの組合せ施用は、クロロピリホス、ステイネルネマ・フェルチアエ又はステイネルネマ・カルポカプサエという他の処理と比べると、2番目に最良の有効性(75%)をもたらした(図6)。
ソフトフルーツ(屋外栽培されたイチゴ)におけるキンケクチブトゾウムシの防除
試験は、Pennoxstone Court、Kings Caple、Hereford、England、英国において、2016年7月~10月に、商業イチゴ園においてポリトンネル中で行った(図7)。この施設の土壌は、砂質ロームであった。この施設は、前年の間、殺虫剤により処理されなかった。「ガレリア餌法」を使用して判定すると、この試験施設では、線虫の天然集団は検出されなかった。この方法は、土壌中のハチノスツヅリガの幼虫の温置を必然的に必要とし、これらの幼虫は、線虫が存在する場合、線虫のために容易に死滅する。この方法は、線虫の天然集団及び導入集団を検討する便利な方法を提供する。
作物植物品種:センテナリー(プラグ(plug))とシンフォニー(裸根)
土壌タイプ:砂質ローム
試験区割りサイズ:小区画間に0.3mの緩衝域を設けて1.5×0.9m
反復:4×15個の植物/処理
小区画は、0.3mの緩衝域を設けて1.5m×0.9mと測定され、処理あたり4回の反復で、完全無作為化区割り設計で準備した(EPPO規格PP1/181)。イチゴ植物を2016年7月7日に植え、キンケクチブトゾウムシの卵を2016年7月14日及び2016年8月22日に接種した。処理の当日、天候は、部分的に曇りであり、空気及び土壌(深さ7cmにおいて)の温度は、それぞれ、25℃及び20℃であった。各処理を1反復あたり15個の植物を用いて4回反復した。以下の処理を適用した:
1. Met52(登録商標)G生物殺虫剤を、植え込み前に1ヘクタールあたり120kgで施用した;
2. 1植物あたり30,000匹でスタイナーネマ・クラッセイを施用した;
3. 1植物あたり30,000匹でヘテロラブディティス・バクテリオフォラを施用した;
4. クロルピリホスは、1ヘクタールあたり2.0リットルで施用した;
5. スタイナーネマ・クラッセイを含む本発明の第1の態様による有害生物防除キットを、湿潤剤組成物(ジプロピレングリコールメチルエーテル5~10%、ポリオキシアルキレングリコール界面活性剤及び土壌浸透剤からなる液状形態 - 1%v/vに希釈)と共に施用した;
6. ヘテロラブディティス・バクテリオフォラ(Pest control kit-H)を含む本発明の第1の態様による有害生物防除キットを、上記湿潤剤組成物(1%v/vに希釈した液状形態)と共に施用した;
7. 未処理対照。
試験系
第1の卵の接種を2016年7月14日に行い、10個の卵を植物の各側に接種した(合計20個の卵/植物)。第2の卵の接種は、1植物あたり10個の卵で、8月22日に行った。これは、土壌が接種時に湿潤していることを確かめて行った。植物の底部周辺の堅くなった表面を崩し、2個の穴(土壌の2~3cmの深さ)を植物の各側に空けた。接種直後に、穴を土壌で緩く閉じ、各植物に、約100mL潅水して、卵を乾燥から保護した。
処理剤の施用
Met52(登録商標)G
粒状に製剤化されている製品であるMet52(登録商標)Gを最初に、土壌1.0リットル中に混合し、次に、5分間、激しく振とうして、コメ穀物から胞子を取り除いた。次に、このミックスを土壌表面に撒いた後に、土壌の上部5cmに混ぜた。施用量は、キンケクチブトゾウムシを防除するための製造業者の推奨施用量に準拠し、これは、製品30~122kg/ha(=4.5×1013~1.35×1014CFU/ha)の間の範囲となる(英国で承認されている施用量は、最大で、作物植物の61kg/haであり、通路及び非作物植物領域は処理しない)。プレミックス後、イチゴを植え、各植物に200mLの潅水を行った。
線虫製品の施用
一定の注入比、及び一様かつ比例した注入をもたらすDosatron(登録商標)を使用して線虫を施用し、単純システム又は自動化システムに柔軟性を付与し、その結果、線虫を植物の根付近に容易に施用することができるようにした。
破壊評価
植物は、2016年10月12~16日に破壊的に評価し、生存幼虫の数を計数した。幼虫の大部分が植物の根の近くで発見されたが、植物からさらに離れた土壌中にも発見された。次に、処理した小区画に対して回収した幼虫を実験室に移し、ペトリ皿(9cm直径)中の湿潤ろ紙に置き、25℃で温置した(100%、室内湿度、3~5日間)。死亡の原因を、顕微鏡下で、死体又は切開部の真菌の胞子形成の検査によって確認し、線虫の存在を確認した。
環境因子
試験の間、植物にはすべて、キャピラリー管からの定期的な潅水を行った。植物は、その場所で商業的に育成された植物として、同じ生物(有害生物の圧迫、植物害病など)及び非生物(光強度、温度、水の利用可能性など)因子に曝露させた。この試験は、2016年6月~10月の間に行った。土壌及び空気温度は、Tinytag(登録商標)データロガーを使用して、試験期間の間、記録した。
結果
ヘテロラブディティス・バクテリオフォラを含む有害生物防除キットは、他の処理剤(60~82%)に比べると、湿潤剤組成物と共に施用した場合、最高の致死率(98%)を引き起こした。スタイナーネマ・クラッセイはまた、湿潤剤組成物と共に施用した場合も良好な防除を実現した(85.5%)。他の処理剤はすべて類似しており、60~68%のキンケクチブトゾウムシ幼虫の抑制を実現した(図8を参照されたい)。
イチゴ作物植物中のミカンキイロアザミウマの防除
ミカンキイロアザミウマである、フランクリニエラ・オクシデンタリスは、世界規模における主要な有害生物である。それらは、その食性により、及びトマト植物における黄化壊疽ウイルスを含む有害な植物ウイルスの伝播により、多種多様な経済的に重要な作物植物に損害を引き起こす。その幼虫及び成体は、トウガラシ、キュウリ、レタス、ジャガイモ、トマト、イチゴ、一部の核果及び幅広い範囲の観葉植物を含む、任意の顕花植物の大部分を食べる。これによって、消費者にとって許容されない、キャットフェイシングとも称されることが多い、奇形果をもたらす。この有害生物は、多数の既存の殺虫剤、及び葉の阻害段階を対象とする生物的防除剤の大部分に対して抵抗性となる。しかし、ステイネルネマ・フェルチアエを含む、本発明の第1の態様による有害生物防除キット(Pest control kit-F)を、昆虫の土壌生息段階(前蛹及び蛹)を対象とするように施用し、続いて、集団成長を防止した。
ステイネルネマ・フェルチアエを含む有害生物防除キットは前蛹及び蛹に対して有効であるが、幼虫に対してはそれほど有効ではない(L2)。圃場試験は、Pennoxstone Court、Kings Caple、Hereford、England、英国の商業イチゴ園において、2015年~16年の夏に行った。異なる実験を標準化するため、殺虫剤の有効性評価に関するEPPOガイドラインPP1/85(3)"Thrips on outdoor crops"にできる限り従った。処理あたり4回の反復で、少なくとも20平方メートルの小区画サイズを観察した。以下の処理剤を、Dosatron(登録商標)を用いた、点滴潅水を使用して施用した:
1. 未処理対照;
2. 既知の化学殺虫剤:Tracer(登録商標)150mL/haを葉面に施用する;
3. 有益な捕食性ダニ及び虫を葉面に施用する;
4. ステイネルネマ・フェルチアエを単独で施用する;及び
5. ステイネルネマ・フェルチアエを含む、本発明の第1の態様による有害生物防除キット(Pest control kit-F)を、1L/水100Lで、1%v/vに希釈した湿潤剤組成物(液体プレミックス形態:ジプロピレングリコールメチルエーテル5~10%、ポリオキシアルキレングリコール界面活性剤及び土壌浸透剤)と共に、推奨される用量(1ヘクタールあたり62.5万匹)の4分の1で施用する。
処理剤はすべて、1000L水/haで施用した。6月上旬(24週目)から開始し、植物を1週間間隔で、最大6回処理した。黄色い粘着性のトラップを配置することによって、ミカンキイロアザミウマ集団をモニタリングした。黄色い粘着性トラップに付着した生存アザミウマ成体の数を、携帯型拡大レンズを使用して、1週間間隔で計数した。
結果
湿潤剤組成物を使用した又はこれを使用しないステイネルネマ・フェルチアエによる処理により、他の有益剤又は殺虫剤と比べて、各花に2個未満の個体までしかアザミウマ集団が維持されなかった。アザミウマ集団の最高数は対照において記され、観察して28~35週間が経過する間、1花あたり6~12の個体が発見された(図9)。
マッシュルームにおけるクロバネキノコバエ幼虫の防除
成育培地表面及びその周辺に発見される、クロバネキノコバエとしても知られているキノコバエは、温室及びポリトンネルの観葉用作物植物に対する主な有害生物である。クロバネキノコバエ幼虫は、苗、指し木及び幼若植物の根並びに茎組織を直接、食することにより、広範囲にわたる様々な経済的に重要な鉢植え植物に損害を引き起こす原因である。それらはまた、クロバネキノコバエ幼虫によって引き起こされる創傷により、真菌性病害の伝播により間接的に損害を引き起こす。クロバネキノコバエの攻撃を受けやすいことが知られている鉢植え植物には、ポインセチア、ツツジ、シクラメン、カランコエ、エキザカム、ガーベラ、ベゴニア及び他のものが含まれる。すべての種類の幼若植物及び幼若挿し木苗(野菜、観葉植物及び幼若苗)が、クロバネキノコバエ幼虫に非常に感受性が高い。使用の最も重要な領域の1つは、鉢植えハーブ(例えば、バジル)である。鉢植え用土壌におけるコンポストの使用の増加に伴って、クロバネキノコバエが主な問題になっている。圃場試験を行い、マッシュルーム生産におけるクロバネキノコバエ幼虫の防除について、以下の処理剤を評価した。
1. 未処理対照;
2. 化学的農薬であるカルボフランを推奨される使用法に従い施用する;
3. 化学的農薬であるテフルベンズロンを推奨される使用法に従い施用する;
4. ステイネルネマ・フェルチアエを単独で施用する;及び
5. ステイネルネマ・フェルチアエを含む、第1の態様による有害生物防除キット(Pest control kit-F)を、1L/水100Lで1%v/vに希釈した湿潤剤組成物(液状形態:ジプロピレングリコールメチルエーテル5~10%、ポリオキシアルキレングリコール界面活性剤及び土壌浸透剤)と共に、1ヘクタールあたり25億匹で施用する。
マッシュルームを最大で4週間、収穫し、死滅幼虫及び生存幼虫の数を計数した。
結果
全体として、すべての処理剤が、52~89%のクロバネキノコバエ幼虫の防除をもたらした。顕著な有効性が、施用後の3週間後に、有害生物防除キット(89%)によって達成された。施用の最初の週における幼虫の防除は、テフルベンズロン(71%)において最高であり、3週間後に有害生物防除キット(68%)が続いた(図10)。
森林におけるマツクイムシの防除
大型のマツクイムシである、マツアナアキゾウムシは、欧州及び英国全体で、管理下の森林における森林再生に対し、最も重要な有害生物の1つである。マツアナアキゾウムシにより引き起こされる損害の費用は、EUでは、1.5億ユーロ(農薬を使用しないで)及び英国単独では、1年あたり257万ユーロと推定されている。
圃場試験を行い、2016~17年の6月~8月の間、Tywi North Forest、Mid Walesにおける、シトカスプールスであるシトカトウヒ(Picea sitchensis)幹において、マツクイムシの後齢幼虫及び蛹に対して、本発明による様々な有害生物防除キットの有効性を試験した。小区画は幹からなり、交差汚染を回避するために、各幹に適切に空間を設けて、完全無作為化区割り設計で準備を整えた(EPPO規格PP1/181)。処理剤は、以下に列挙されている通りに施用した。各処理を1反復あたり5つの幹を用いて5回反復した。処理剤を施用したその日は、天候は部分的に曇りであり、第1組及び第2組の処理の場合の平均幹温度は、それぞれ、13.0℃及び13.3℃であった。大型のマツクイムシ幼虫により自然に感染したシトカスプールスの幹を選択した。2016年4月6日に、試験の開始前に、各小区画から2本の幹を破壊的に評価して、自然のマツクイムシの侵襲を判定した。約10匹のマツクイムシの幼虫を幹ごとに回収し、線虫からの自然感染がないことを記録した。
以下の処理剤は、湿潤剤(液状形態:ジプロピレングリコールメチルエーテル5~10%、ポリオキシアルキレングリコール界面活性剤及び土壌浸透剤)を使用する及び使用しないで施用した。湿潤剤と共に供給された処理剤は、本発明による有害生物防除キットを構成した。各幹を湿潤剤組成物及び350万匹の線虫を含有する、水500mLのドレンチ施用により処理した。
1. 未処理対照;
2. 1幹あたり、350万匹のヘテロラブディティス・バクテリオフォラのドレンチ剤;
3. 1幹あたり、350万匹のヘテロラブディティス・ドウネシのドレンチ剤;
4. 1幹あたり、350万匹のステイネルネマ・カルポカプサエのドレンチ剤;
5. 1幹あたり350万匹のステイネルネマ・カルポカプサエのドレンチ剤+1L/水100Lで1%v/vに希釈した湿潤剤組成物(液状形態)(Pest control kit-T)。
破壊評価
線虫の施用後、処理した幹を4週間、破壊的に評価した。この破壊評価は、幹の樹皮をすべて最大で30cm下まで注意深く取り除くことによって行った。これは、必要な場合、土壌表面の下を含んだ。各幹について、樹皮及び樹皮/木質境界に発見されたマツアナアキゾウムシの合計数を記録した。生命段階(幼虫、蛹又は成体);生物が死亡又は生存しているかどうか;線虫による死亡原因又は幹に関する何らかの他の関連情報もまた記録した。各幹を評価している間、幹の直径(20~55cmの範囲)もまた記録した。生存幼虫、蛹及び成体を採集し、未処理土壌と一緒にプラスチック製箱に維持し、実験室に運んだ。これらの幼虫、蛹及び成体は、水及びエタノールにより清浄し、致死を引き起こす恐れのある任意の表面微生物を除去した。次に、皿あたり5匹の幼虫で、幼虫を湿潤ろ紙に置いて、室温で放置した。致死率、並びに死亡原因及び任意の他の関連情報を、24時間の間隔で記録した。1週間後、典型的な症状を示さなかった死滅昆虫を、顕微鏡下で解剖し、線虫の存在を確認した。線虫が生存している場合、線虫の量などの他の可能な情報;脂質含有率及び他の線虫からの任意の共感染を記録した。
この試験は、2016~17年の6月~8月の間に行った。処理した幹を、妨害がなにもない自然環境に曝露した。幹の温度は、Tinytag(登録商標)データロガーを使用して、試験期間の間、記録された。試験期間中、毎日の平均の最高温度、最低温度及び平均の幹温度を記録した。
結果
総合的に、マツクイムシの防除は、様々な処理剤の間で有意に異なった(P<0.001)。有害生物防除キット(ステイネルネマ・カルポカプサエを含む;致死率95%)、及びヘテロラブディティス・ドウネシの処理剤(致死率96.5%)は、処理の4週間後に、マツクイムシの幼虫の最高防除を実現した。ステイネルネマ・カルポカプサエの処理剤は、ヘテロラブディティス・バクテリオフォラの処理剤よりもわずかに優れていた(図11)。
コガネムシの地虫、レザージャケット、大型のマツクイムシ、キンケクチブトゾウムシ、ミカンキイロアザミウマ及びクロバネキノコバエに対するすべての検討例により、本有害生物防除キットを施用した場合、別の処理剤よりも最大で20~30%、有効性が高いことが実証された。
図12を参照すると、幼虫昆虫又は蛹昆虫の集団を防除する方法20が、第2及び第3の態様に応じて示されており、該方法は、
a) 図1 22による有害生物防除キットを用意するステップ;
b) その量の昆虫病原性線虫及び湿潤剤組成物をある容量の水と混合して、ある容量の活性化バイオ農薬24を生成するステップ;
c) 土地26の領域に活性化バイオ農薬の容量を施用するステップ
を含む。
上記の実施形態は、単なる例として示されていること、及び添付の特許請求の範囲に定義されている通りに本発明の範囲から逸脱することなくその様々な改変を行うことができることが理解されよう。
本発明はまた、以下を参照して理解することができる:
Figure 2022530196000003
Figure 2022530196000004
Figure 2022530196000005
Figure 2022530196000006
槽混合の調製
・ 5~10℃において、冷却保管庫から線虫を取り出し、順応させるため、30分間、室温で線虫を維持する。
・ バケツ中で、有害生物防除キットの製剤化パックを10Lの水に混合し、均一な懸濁液を作製する。
・ 線虫は多くの場合、パッケージに付着するので、このパックをすすぐ。塊がすべて溶解するまで、保存溶液を撹拌する。
・ 1L/水100Lで必要量の湿潤剤組成物と共に、槽に必要量の水の4分の3を加える。
・ 撹拌器を稼働しながら、シーブから、必要量の有害生物防除キットを加える。
・ 残りの水を加え、すべての混合物が施用されるまで、線虫の沈殿を回避するため撹拌を維持しながら線虫の施用を開始する。
・ 草又は土壌から線虫を洗い落とすため、施用後に、1平方メートルあたり水1~2Lを潅水する。
・ 有害生物防除キットを水及び湿潤剤組成物と一旦、混合したら、単一施用でスプレー用溶液全部を使用する。4時間を超えて槽に保管しないこと。
施用上の注意
・ 凍結させない。本製品は、最大有効性を保持するため、5~10℃で保管すべきである。
・ 閉塞を避けるため、スプレー装置のノズルからすべてのフィルターを除く。
・ 少なくとも0.8mmの直径を有するノズルを使用する。
・ ポンプ圧5barを超えないようにする。
・ 又は光のレベルが低い間の早朝又は深夜に施用する。線虫は、UV光及び乾燥に弱いので、明るい日光中で施用しない。
・ 施用時に土壌表面を湿らせ、可能な場合、施用前に潅水すると、利点が追加されるであろう。
・ 施用後、少なくとも2週間、1日あたり少なくとも3~6時間、土壌温度が8~30℃の範囲となるときに、線虫を施用する。
・ 有害生物防除キットを使用する前に、清浄水を用いて槽及び装置を清浄する。
園芸作物植物における有害生物防除キットの施用範囲
Figure 2022530196000007
潅水装置
・ マイクロ潅水(個々が、スパゲッティ管である)、点滴潅水、又は携帯型若しくは電動化目盛り付き潅水装置により、有害生物防除キットを施用する。
・ 線虫を施用する前に潅水して、土壌又は成育培地の表面を湿らせる。
・ 水に有害生物防除キットに溶解し、それを清浄なフィーダー槽に加える。
・ 施用中、溶液を連続的に撹拌し、線虫が沈殿するのを防止する。
・ 施用後にフィーダー槽を清浄水ですすぎ、システムに注入する。
植物浸漬法
・ 800リットルの水に1パック分の5億匹の感染態線虫を加え(拳サイズの球根を有する約4,000個の植物を処理するのに十分である)、この溶液を徹底的に混合する。
・ 圧縮空気を導入することによって、有害生物防除キット溶液の撹拌状態を維持する。
容器へのドレンチ剤の施用
・ 1パック分の5億匹の感染態線虫を1,000リットルの水に加え、培養土の表面に均一に施用する。
・ ドレンチ剤混合チャートに概略されている通り、より小さな又はより大きな植木鉢に応じて容量を調節する。
イチゴ植物の浸漬
・ 湿潤剤組成物を含有する80リットルの水に1パック分の5億匹の感染態線虫を加え(約40,000個の植物を処理するのに十分である)、溶液を徹底的に混合する。
・ イチゴ植物は1つに、線虫溶液約2mLが必要である。
ドレンチ剤の施用
・ 200mLを各植物の底の周辺にドレンチするか、又は根の区域に直接注入する。
・ 湿潤剤組成物を含有する水4,000リットル中に希釈した、1パック分の5億匹の感染態線虫により、20,000個の植物を処理する。
統計解析
以下の式を使用して、生存幼虫の数を有効性百分率に変換し、分散分析(ANOVA)を使用して解析した。アークサイン平方根変換は、百分率データの正規化を改善しなかったので、無変換データを解析した。処理中の差異は、Tukeyの平均分離検定(P<0.05)を使用して比較した。統計解析は、SPSS統計学ソフトウェアパッケージv22(IBM、2013.IBM SPSS Statistics for Windows、バージョン22.0.Armonk、NY:IBM Corp.社)を使用して行った。
Figure 2022530196000008

Claims (23)

  1. a) 所定量の昆虫病原性線虫;及び
    b) 1又は2以上の界面活性剤を含む湿潤剤組成物
    を含む、有害生物防除キット。
  2. a) 昆虫病原性線虫の少なくとも90%が、有害生物防除キットの投与後、少なくとも24時間、生存する;及び/又は
    b) 有害生物致死率が、有害生物防除キットの投与後、少なくとも24時間、好ましくは少なくとも48時間、より一層好ましくは少なくとも72時間、少なくとも90%である;及び/又は
    c) 昆虫病原性線虫の分散が、湿潤剤組成物の非存在下での対照の昆虫病原性線虫に比べて向上している、
    請求項1に記載の有害生物防除キット。
  3. 湿潤剤が溶媒をさらに含み、好ましくは前記溶媒がグリコールエーテルを含む、請求項1又は2に記載の有害生物防除キット。
  4. グリコールエーテルが、ジプロピレングリコールメチルエーテルである、請求項1~3のいずれかに記載の有害生物防除キット。
  5. 溶媒が、非混合の湿潤剤組成物の1%~25%から選択される溶媒濃度で存在する、請求項1~4のいずれかに記載の有害生物防除キット。
  6. 界面活性剤が、ポリオキシアルキレングリコールを含む、請求項5に記載の有害生物防除キット。
  7. 界面活性剤が、非混合の湿潤剤組成物の0.5%~10%v/vから選択される界面活性剤濃度で存在する、請求項1~6のいずれかに記載の有害生物防除キット。
  8. 湿潤剤組成物が、1又は2以上のリバースブロックコポリマー界面活性剤を含む、請求項1~7のいずれかに記載の有害生物防除キット。
  9. 1又は2以上の湿潤剤が、アルキレンオキシドから選択される、請求項1~8のいずれかに記載の有害生物防除キット。
  10. 湿潤剤組成物が、ポリヒドロキシエチルアルカキシアルキレンオキシドから選択される1又は2以上の湿潤性化合物を含む、請求項1~9のいずれかに記載の有害生物防除キット。
  11. 湿潤剤が、1又は2以上の土壌浸透剤をさらに含む、請求項1~10のいずれかに記載の有害生物防除キット。
  12. 湿潤剤組成物が、液体形態又は粉末形態で提供される、請求項1~11のいずれかに記載の有害生物防除キット。
  13. 液体湿潤剤組成物が、水と混合されて、1%v/v~2.86%v/vから選択される混合濃度を有する作業湿潤剤が得られるように準備されている、請求項12に記載の有害生物防除キット。
  14. 作業湿潤剤が、作業湿潤剤:水の混合比で水と混合して、最終的な湿潤剤組成物が得られるように準備されており、前記混合比が、1:35~1:90から選択される、請求項13に記載の有害生物防除キット。
  15. 練習用パッケージをさらに含み、ユーザーが、幼虫昆虫の集団を防除する量の昆虫病原性線虫及び湿潤剤組成物を使用する練習を行うよう、前記練習用パッケージが準備されている、請求項1~14のいずれかに記載の有害生物防除キット。
  16. その量の昆虫病原性線虫が、50万~50億匹の昆虫病原性線虫を含む、請求項1~15のいずれかに記載の有害生物防除キット。
  17. その量の昆虫病原性線虫が、処理される地面1ヘクタールあたり25億~50億匹の昆虫病原性線虫を含む、請求項16に記載の有害生物防除キット。
  18. 昆虫病原性線虫が、ヘテロラブディティス・バクテリオフォラ、ヘテロラブディティス・ドウネシ、ステイネルネマ・フェルチアエ、ステイネルネマ・カルポカプサエ及びスタイナーネマ・クラッセイの群から選択される、請求項1~17のいずれかに記載の有害生物防除キット。
  19. 幼虫昆虫が、チプラ属種、チプラ・オレラセア、グリロタルパ・グリロタルパ、アグロティス属種、キンケクチブトゾウムシ、オチオリンカス属種、ホプリア・フィランサス、フィロペルタ・ホルチコラ、アムフィマロン・ソルスチチアリス、メロロンタ・メロロンタ、セリカ・ブルンネア、シディア・ポモネラ、ナシヒメシンクイ、クリオオシンクイ、ミギワバエ科、スポドプテラ属種、クリソデイキス・カルシテス、ヨトウガ、デュポンケリア・フォベアリス、マツアナアキゾウムシ、フランクリニエラ・オクシデンタリス、クロマトミア・シンゲネシアエ、フィトミザ・ビタルバエ、アノプロフォラ・キネンシス、ヤツバキクイムシ、シナンテドン・ミオパエフォルミス、クロテンオオメンコガ、ジアプレペス・アッブレビアテス、ナシヒメシンクイ、スモモヒメハマキ、クリソテウチア・トピアリア、クランベリールートワームカブトムシ、カプノディス・テネブリオニス、シギゾウムシ、ゼウゼラ・ピリナ、タウメトポエア・プロセシオネア、パイサンジシア・アルコン、ピーチツリーボーラー、ヤシオオオサゾウムシ、ジアブロチカ・ビルギフェラ、ケバエ科及びポルセリオ・スカベルの群から選択される、請求項1~18のいずれかに記載の有害生物防除キット。
  20. 昆虫病原性線虫が、8℃を超える温度で活性である、請求項18又は19に記載の有害生物防除キット。
  21. 幼虫昆虫又は蛹昆虫の集団を防除する方法であって、
    a) 請求項1~20のいずれかに記載の有害生物防除キットを用意するステップ、
    b) その量の昆虫病原性線虫及び湿潤剤組成物をある容量の水と混合して、ある容量の活性殺虫剤を生成するステップ、並びに
    c)土地の領域に活性殺虫剤を施用するステップ
    を含む、前記方法。
  22. 幼虫昆虫又は蛹昆虫の集団を防除する方法であって、
    a) ある量の昆虫病原性線虫を用意するステップ、
    b) 1又は2以上の界面活性剤を含む湿潤剤組成物を用意するステップ、及び
    c) ユーザーが、幼虫昆虫の集団を防除する量の前記昆虫病原性線虫及び湿潤剤組成物を使用する練習をするための、練習用パッケージを用意するステップ
    を含む、前記方法。
  23. a) ある量の昆虫病原性線虫;
    b) 湿潤剤組成物;及び
    c) 幼虫昆虫の集団を防除する量の昆虫病原性線虫及び前記湿潤剤組成物を使用するステップを含む方法の教示を含む、前記練習用パッケージ
    を含む、有害生物防除キット。
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