JP2022529318A - 導電性を有する持続可能なバイオ炭系インク - Google Patents

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Abstract

麻を炭化し、粉砕工程により当該麻の粒径を2~5ミクロンに縮小することを含む、導電性麻系インクを形成する工程であって、当該縮小したサイズの麻粒子を少なくとも1つの水性担体と組み合わせてインクを製造し、当該インクは導電性である、工程。【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本出願は米国特許商標庁に対し2019年4月26日に出願された米国仮特許出願第62/838,966号の利益を主張しており、参照によりその内容全体が本明細書に組み込まれる。
本出願は、一般に、炭化した(charred)または炭化した(carbonized)麻粒子を含む持続可能なインク材料を形成するための工程および方法に関する。インクは、その配合に応じて、強化された導電性および静電容量特性または非導電性特性を有するように特別に加工することができる。さらに、材料は、持続可能なインク製品の顔料として機能する可能性がある。
インクは、その性質上、書記言語とほぼ同じくらい古いものである。古来より、インクは担体および顔料を組み合わせて液体材料を形成する。初期のインクは天然材料を使用し、顔料は葉または果実から生成され、様々な色を形成していた。顔料は担体と混合されて表面に塗布され、担体は顔料を残して蒸発するか表面に吸収される。インクが乾くと、顔料が表面に残る。
炭は何世紀にもわたってインクを作るためにも使用されてきた。炭は、通常セルロース系材料を低酸素環境下で600~700℃の温度で加熱することにより作られており、現在の加工ニーズにおいてそれ以上の温度は不要である。この処理には通常12時間~72時間かかるが、それ以上の時間をかけることも可能であり、この工程では、水、メタン、水素、タールなどの揮発性化合物を燃焼させる。商用加工においては、大規模なコンクリート製または鋼製サイロ内の酸素がほとんど存在しない状態で燃焼が行われ、材料が灰になる前に燃焼が停止する。この工程では、元重量の25%程度の黒塊および粉末が残る。
従来、炭は木炭のことを指し、調理および暖房に使用されていた。炭を作る工程は古来から存在し、約3万年前までさかのぼる考古学的な炭生産の証拠がある。個人レベルでは、低酸素条件下で燃焼または炭化させたセルロース系物質を利用して、木炭を生成している。発火すると、木炭に含まれる炭素は酸素と結合し、二酸化炭素、一酸化炭素、水、その他のガス、および大量のエネルギーを発生させる。木炭に凝縮される1オンスあたりの潜在エネルギーは原木よりも大きいため、そのエネルギーの量は顕著な特徴である。さらに、木炭は安定して高温燃焼し、原木よりも煙および危険な蒸気の発生が少ない。木炭は木材よりも高温かつ清潔で均一に燃焼するため、諸使用のうち高炉で鉄鉱石の溶融を行う製錬所ならびに、鋼の成形および造形を行う鍛冶屋などで使われた。
興味深いことに、木材およびその他のセルロース系材料が炭化すると、単純な炭素構造に構造的に変化する。歴史的には、例えば廃水のろ過および体内毒素の結合など、その吸着性が活用されてきた。多くの産業において、多量の炭素がこれらの目的で利用されている。
麻を原料とした炭素製品は、これまで軽視されてきた。植物の機械的構造による著しい難しさ、浸漬中の茎への粘着性のある樹脂物質の発生、小さい質量および密度、特定の代謝物およびカンナビノイドの存在を含む理由によるものであり、これらの理由が一般にその使用を不可能にしてきた。
本明細書に記載の工程および方法は、麻系セルロース材料からミクロンサイズの粒子を生成するための新しい方法および工程を有利に提供し、これは、麻系インクを形成するために有利に利用される。
担体および麻系炭の一部を含む麻炭系インクを生成するための方法であって、当該インクは導電性であり、その工程は、麻茎を低酸素条件下で少なくとも1100℃の温度で炭化して炭を作製することと、当該炭を粉砕して、粉砕炭を作製することと、を含み、当該水性担体は、少なくとも1種の他の個体、および、麻炭を安定させるため、少なくとも1種の他の賦形剤をさらに含む、方法である。
さらなる実施形態では、非石油系黒インクを作るための方法であって、当該インクは、水性担体および炭化麻から作られた顔料を含み、当該炭化麻は、麻茎を低酸素条件下で少なくとも1100℃の温度で炭化して炭を作製し、当該炭を粉砕して、2~5ミクロンに粉砕炭を作製し、かつ当該炭を当該水性担体に加えることによって作られる、方法。
さらなる実施形態では、粉砕炭を、サイズが2ミクロンの少なくとも1つのグラジエントおよびサイズが5ミクロンの第2のグラジエントを有し、麻系インクに添加するために、サイズが約2~約5ミクロンの材料を捕捉する分級システムで分級する、方法。
さらなる実施形態では、粉砕炭が、インクの総重量の1~19重量パーセントである、方法。
さらなる実施形態では、粉砕炭が、顔料として機能するためにインクの1~5重量パーセントを含み、かつ14~19重量パーセントを含み、86~110サイズのスクリーンでスクリーン印刷した場合にインクが導電性である、方法。
さらに好ましい実施形態では、導電性麻系インクを作る方法であって、炉内で麻の一部を炭化することであって、当該炉を窒素パージし、次に25℃から1100℃超まで加熱し、1100℃超の温度を少なくとも60分間保持する、炭化することと、低酸素環境を維持するため、窒素流入を加熱および保持時間にわたって維持することと、麻を炉から取り出し、室温まで冷却することと、冷却した麻を縮小した粒径に粉砕し、かつ粉砕した麻を分級し、分級した麻から画分を得ることであって、粉砕した麻の95%が2~5ミクロンのサイズである、得ることと、分級された麻を水性担体と組み合わせて、導電性麻系インクを形成することと、を含む、方法。
さらなる実施形態では、導電性麻系インクが、インクの重量の1~19重量パーセントであり、サイズ60の印刷スクリーンを使用して印刷される、方法。
さらなる実施形態では、導電性麻系インクが、インクの重量の14~19重量パーセントを含み、86~110サイズの印刷スクリーンを使用して印刷される、方法。さらなる実施形態では、導電性麻系インクが、洗濯可能であり、洗濯後も導電性を保持する、方法。
さらなる実施形態では、粉砕した麻の99%が5ミクロン未満のサイズである、方法。
さらなる実施形態では、水性担体に少なくとも1種の溶媒を添加することをさらに含み、溶媒が水よりも速く蒸発する、方法。
さらなる実施形態では、担体が、緩衝剤、樹脂、保湿剤、殺菌剤、界面活性剤、殺生物剤、増量剤、分散ポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される賦形剤をさらに含む、方法。
さらなる実施形態では、粉砕ステップが湿式粉砕工程である、方法。さらなる実施形態では、湿式粉砕工程が10:1~1:10の麻対水性溶媒の比率で、冷却した麻とともに粉砕機に投入される溶媒の添加を含む、方法。さらなる実施形態では、湿式粉砕工程で利用する溶媒が非水性溶媒である、方法。さらなる実施形態では、湿式粉砕工程で利用する溶媒が水性溶媒である、方法。
さらなる実施形態では、インクが、直鎖または分岐鎖アルコールをさらに含む、方法。さらなる実施形態では、直鎖または分岐鎖アルコールがC~C10アルコールである、方法。
さらなる実施形態では、持続可能なインクであって、水性担体および麻炭から作られた非石油系炭素顔料を含み、当該麻炭は窒素ガス下において少なくとも1100℃で少なくとも60分間麻を炭化することによって製造され、当該麻炭を粉砕して粉砕炭を得、粉砕炭は、分級システムを使用して分級して、サイズが2~5ミクロンの分級した炭の画分を得、分級した炭は、インクの総重量の1%~20%で担体に添加される、持続可能なインク。
さらなる実施形態では、請求項18に記載の持続可能なインクであって、インクが、60スクリーンサイズで、かつ少なくとも1重量パーセントの濃度で印刷された場合に導電性である、持続可能なインクである。
さらなる実施形態では、インクがサイズ60のスクリーンを用いたスクリーン印刷に適しており、分級された炭がインクの重量の1~6重量パーセントを含み、洗濯不可能な導電性インクを得る、持続可能なインク。
さらなる実施形態は、分級した炭がインクの重量の14~19重量パーセントを含み、インクが86~110のスクリーンサイズでスクリーン印刷すると洗濯可能であり、洗濯後も導電性を保持している、持続可能なインク。
さらなる実施形態では、麻炭の一部および少なくとも1種の担体と、分散剤または界面活性剤と、少なくとも1種の結合材とを含むインクであって、当該麻炭は窒素ガス下において少なくとも1100℃で少なくとも60分間麻を炭化することによって製造し、当該麻炭を粉砕工程を介して、平均粒径2~5ミクロンに粉砕し、麻炭は、インクの総重量の1%~20%で担体に添加され、水性媒質中に分散する、インク。
さらなる実施形態では、1~20%の麻炭を含むインクであって、当該インクが表面にスクリーン印刷され、少なくとも20のUPFを与える、インク。
さらなる実施形態では、麻系顔料を含むインクであって、当該顔料は、同じ濃度の石油系炭素よりもPAHが少なくとも10%少ない、インク。
さらなる実施形態では、インクが無毒である、上記の方法のいずれかに記載のインク。
インクを形成するための炭粉砕工程のフローチャートを示している。 分級システムを示している。 麻を粉砕し、インクを形成する湿式粉砕工程を示している。 最も効果的なインクのための形状に作られた炭素の画像を示している。 先行技術に見られる「平坦な炭素」粒子の画像を示している。 麻炭系インクを使用した試験サンプルの乾式クロッキングに関するデータを示している。 麻炭系インクを使用した試験サンプルの湿式クロッキングに関するデータを示している。 炭の様々な重量パーセントにおける、麻炭インクの導電性に関するデータを示している。 様々なスクリーンサイズおよび炭の重量パーセントにおける、麻炭インクの導電性に関するデータを示している。 図8Aは15%の麻炭サンプルについて、図8Bは20%の麻炭について、3つの異なる材料における洗濯後のインクの導電性を示している。 インクのUV試験についてのサンプルを示している。
麻は、麻系バイオ炭を生成するための原料となる。麻の栽培は、単にバイオマスを成長させることを前提としている。麻は産業用途としての長い歴史があり、繊維が酷使に耐えるため世界中で広く栽培されていた。他の農作物に比べて麻には多くの利点があり、つまり、この植物自体が雑草に対する抵抗力が強く、年に2~3回の収穫が可能で、農薬または除草剤を使わずに栽培できるという利点がある。その深い根系は、麻植物は栽培に必要な窒素(肥料)および水が、少なくて済むことを意味している。さらに農家は、他の作物用に畑を整地する代わりに、麻植物を利用できる。平均的な麻植物は、6フィートから16フィートの高さにまで成長し、約70日から110日で成熟するため、毎年世界中の多くの地域で複数収穫する機会を促進している。麻作物は、二酸化炭素収支がマイナスである状態を維持しながら、収穫ごとに1エーカーあたり3~8トンの乾燥茎を収穫できる可能性を秘めている。
麻は様々なCannabis科の栽培品種のいずれか、特にCannabis Sativa植物から収穫することができ、また麻の生育物からのバイオ廃棄物が利用可能である。このようにして、単に種子または葉菜類の加工に関心のある他産業からバイオマスを獲得することができ、繊維およびハード(hurd)の両方を活用できる。実際、本明細書では、従来の使用よりも価値の高い用途で繊維とハードの両方を利用できる工程が説明されている。本明細書の工程では、優れた炭材料を生成するために、繊維とハードの両方を一緒に利用することが好ましいことが記載されている。これまで、麻繊維は通常麻のハードから分離され、繊維は特定の材料に使用され、ハードおよび残留バイオマスは、コンクリート充填剤、動物用寝具、および単に堆肥化するか廃棄物として燃焼されることを含む他の用途などの低価値用途に使用されていた。しかし、複合加工により廃棄物が削減し、繊維およびハードを併用することで、より効率的で価値のある加工が可能になる。
麻は、多くの双子葉植物と同様に、師部(ハード)および師部の周囲繊維(靭皮繊維)を含む。繊維は機械的処理(例えば剥皮術)または化学的処理によりハードから分離する必要があり、その後、カーペット、糸、ロープ、網、マットなどの繊維製品を含む任意の繊維材料に利用できる。これに対し、ハードはこれまで製紙、パーティクルボード、コンクリート混合物、建設用複合材などの粗加工、ならびに動物用寝具などにしか利用されてこなかった。どの種類の麻でも、繊維よりもかなり多くのハードバイオマスが存在する。残念ながら、植物の主要バイオマスであるにもかかわらず、ハードの使用は今まで敬遠されてきた。したがって、ハードの扱いと利用法は、さもなくば無駄になるこのセルロース系製品の利用において重要なステップとして機能するだろう。
しかしながら、繊維の単体使用によって、茎またはハードから廃棄副産物が大量に発生するため、植物の大規模栽培が制限される。さらに、テトラヒドロカンナビノイド(THC)の量に関する懸念により、その使用は20世紀に劇的に減少した。麻植物には、精神活性化合物であるTHCの含有量に多寡のある多種多様な株が多く存在するため、目的に応じて特定の成長およびTHC含有量を最適化して栽培することができる。ここでは、THCが低~ゼロであり、成長速度が速く、総バイオマスが多いものが所望される。これらの形質は、当業者に既知のように、株および交雑によって自然に得られても良いし、遺伝子的に改変されても良い。
綿、羊毛、亜麻など、生地および工業材料用の繊維生産に利用されている多くの一般的な農作物と比較した、麻の相対的な環境持続可能性は十分に立証されている。木材パルプの代替品として、麻はより速く成長し、樹木の生育に不適な地域で成長できる可能性があるため、様々な材料に地元で栽培された麻を使用できる可能性がある。さらに、伐採された木材とは異なり、麻は吸収した炭素を大気中に放出するのではなく保持する。したがって、麻は二酸化炭素収支がマイナスの植物として機能し、大規模利用、特に下流工程における用途が特定できる場合には非常に魅力的である。これらの特徴により、麻は魅力的な栽培の選択肢であるが、この植物の多くの問題により、これまでどのような規模においてもその使用が控えられてきた。麻のエコシステムに欠けているのは、成長後に麻材を消費するための工程および方法であり、それらがあれば、植物の繊維材を商業的に実現可能な事業で利用できる。
したがって、様々なバッチ工程での使用に適した、持続可能で環境に配慮したバイオ炭材料を追求するために、またCNTおよびグラフェンなどの高価で時間/工程集約型の石油系炭素の代替品として、出願人は、ミクロン粒子のバイオ炭麻系材料およびそれを生成するための工程を発見し、これによりバイオ炭は、担体を用いて顔料または導電性インクに形成される。これにより、材料へ独特な印刷の可能性をもたらすことができる。
セルロース系農業廃棄物の熱分解から生産されるバイオ炭は、CNTと同様の電気特性を示す非晶質炭化固体をもたらす。本明細書において、方法、工程、および製品は、セルロース系材料として炭化麻を利用し、通常5ミクロン未満の粒径を有する炭素系インクを作製する。本明細書で使用される場合、「5ミクロン未満」または「xミクロン未満」(xは整数である)のサイズは、粒子のサイズが、材料の主軸について記載された整数よりも小さいことを意味する。主軸とは粒子の最長の長さである。したがって、長さが3.5ミクロン、幅が1.5ミクロン、高さが0.2ミクロンの粒子は、主軸の長さが3.5であるため、「長さが4ミクロン未満」になる。
炭化材料の製造では、同一の規則的な粒子形状を作製することは不可能であるため、顕微鏡撮像すると、粒子の形状およびサイズが異なる。しかしながら、好ましい実施形態では、粒径は、好ましくは5ミクロン未満、好ましくは2~5ミクロンであり、これは分級システムを使用して分級することができる。そのような材料を生成すると、ミクロンサイズの炭を担体および水性インクを生成するために好適な賦形剤に加えることができる。
興味深いことに、これらの工程および、例えばスクリーン印刷などで使用される炭素は、炭素が特定の形状になっている場合に最適になる。一般的な炭素材料は長くかつ平坦で、三次元の特性を有しているが、通常その長さは幅の3倍~1000倍、通常その長さは高さの5倍~10,000倍である。通常の長くかつ平坦な粒子と比較して、本明細書の工程では、長さ、幅、および高さの寸法のばらつきがより少ない粒子を作製する。これにより、組織化された形状ではないものの、通常のグラフェン粒子よりも3つの軸(x、y、z)のそれぞれで、サイズが近い長さの粒子が生成される。したがって、例えば、先行技術の平坦な炭素(グラフェン)が長さ5ミクロン、幅5ミクロン、および高さ0.01ミクロンである場合、特許請求される炭素は、最長軸および最短軸間の差に関してはこのような差異はないであろう。実施例の粒子は、長さ1.5ミクロン、幅1.0ミクロン、および高さ0.1ミクロンとなり得る。本明細書では、同様の寸法を有するこの炭素を、三次元でのその相対サイズを参照して、3D炭素と呼ぶものとする。
図4A~4Dは、3D炭素およびグラフェンの画像を示している。特に、3D炭素は、サイズがより小さく、他の粒子と比較してサイズのばらつきがより少なく、従来技術の炭素よりもあまり薄片状ではない(すなわち、材料が長くも薄くもない)。したがって、麻系材料は、より狭い釣鐘曲線を有し、粒子自体は先行技術と比較して、平均して各粒子の主軸(最長の長さ)対短軸(最短の長さ)のサイズ比において、よりばらつきが少ない。
麻系炭素材料は、麻茎および他の麻繊維から得る。麻材料は、収穫後、特定の期間内に利用することが好ましい。これは、繊維がハードから自然に分離し、後処理の効率に影響を与える粘着性の残留物が形成されるのを防ぐためである。この粘着性樹脂材料は、一度形成されると、麻を効率的に炭化する能力を低下させ、2ミクロン未満のサイズで生成される粉砕炭の収量をさらに低下させる。したがって、麻の茎を切断した後、それらは、好ましくは制御された方法で、例えば乾燥室またはチャンバー内で、均一に乾燥を可能にし、カビまたは真菌の繁殖および成長を低減するように乾燥される。しかしながら、麻を刈り取り、それらを畑で0~7日間乾燥させ、かつ/またはそれらを収集し、管理環境下で乾燥工程を完了させることが適切であり得る。
麻の処理には、1つ以上のステップを含んで良い。最も単純な形態では、麻を単純に収集し、乾燥し、炭化のため炉内に入れる。他のステップでは、麻をより小さなサイズに粉砕して、材料のばらつきをより少なく、効率的な炭化を可能にする。本明細書の方法によって生成されるインクは、釣鐘曲線内の特定のサイズにて生成される小さな粒子の麻炭によって最適化されるため、材料の統一性は重要である。この小さくて正確なサイズおよび釣鐘曲線内の粒径分布により、適切な担体とともに使用した場合に導電性となる材料を導電性インクにすることが可能となる。
熱分解
本開示の麻系炭素を作るため熱分解を実施する場合、バイオ炭化は、好ましくは約1100℃~約1500℃の温度で、バッチ工程または連続フロー工程にて実施可能である。処理した乾燥麻を炉に入れ、1100℃超、かつ通常1500℃未満に加熱する。特に、加熱工程は低酸素条件下で実施されるが、これは当業者に既知の通り、材料の完全燃焼を防止するためである。したがって、加熱室は、炭化工程中に1以上の不活性ガスで満たされる。材料の炭化には少なくとも600℃の温度があれば十分であるものの、材料の燃焼が不均等になる。さらに重要なことに、温度スケールの下限で処理を実施すると、それ自体で導電性が低下する。さらに、材料をミクロンサイズの粒径にする後続処理において、炭が不均質であると、任意の合理的な収量で実質的に均一な粒径、すなわち狭い釣鐘曲線へと効率的に粉砕することができない。したがって、1100℃超の温度が好ましい。
以上より、麻材を炭化および賦活化する工程は、材料に特定の物性を与えるため、特に導電性インク形成に対して重要である。表1に示すように、導電性は1100℃超の温度で炭化することにより最適化される。
Figure 2022529318000002
特定の実施形態では、炭が最初に1100℃超で炭化されない場合、炭の構造をさらに改変するため、水蒸気賦活または薬品賦活により炭を賦活化することが適切な場合がある。水蒸気賦活または薬品賦活を含む工程、および当業者に周知の工程。ただし、これらの工程を使用すると、機能的にはなるが、インクの持続可能性は低下する。
本開示のインクに使用する麻系炭素は、独自の工程により作られる。まず、図1に記載のように、賦活化工程は好ましくは炭化されることであり、炭化は低酸素条件下で1100℃超にて実施する。この温度は従来技術とは異なり、ほとんどのバイオ炭化(木炭形成)は、このような高温では実施されない。実際、ほとんどの炭化は400℃~600℃で実施される。炭化温度の違いに加えて、麻植物の物性により、炭化材料の後続処理が任意の好適な収率では非常に困難になる。麻は、他のセルロース系植物材料と同様、単純構造の一連の細胞である。しかしながら、炭化麻は他の一般的な炭化材料よりも密度および重量が著しく低いため、本明細書に記載のインクでの使用に必要な、均一サイズの小さな粒子への加工がより困難である。例えば、麻と比較した、いくつかの一般的な木材とその密度を表2に示す。
Figure 2022529318000003
実質的に均一な粒径の麻を生成するための工程
特定のより高密度でより重いセルロース材料は容易に炭化された後、容易に均一で適切な粒径に縮小されるが、麻材料ではそうはいかない。より具体的には、炭化された麻を2~5ミクロンの粒径に処理することは非常に困難である。好適なインクを作製するために所望され、かつ必要とされる、低い材料密度ならびに2~5ミクロンの小さいサイズでばらつきがないことは、粉砕および分級工程を非常に困難にする。手動粉砕、高エネルギーボールミル粉砕、エアジェット粉砕、およびその他を含む、統一性および収率に関して様々なレベルで成功したいくつかの工程が試みられた。重要なことに、分級システムの使用は、所望するサイズに基づいて麻系炭素を適切に分級するために必要であると判断された。
好ましい実施形態では、工程は、完全麻茎、切断した完全麻茎、細断した完全麻茎、完全ハード、切断したハード、細断したハード、粉砕ハード、分離したハードおよび繊維、分離した切断ハードおよび繊維、分離した細断ハードおよび繊維、分離した粉砕ハード、ならびに分離した粉砕繊維を含む幅広い麻材料を利用する。しかしながら、麻は、主としてハード材料、または麻ハードおよび麻繊維の両方の組み合わせのいずれかが好ましい。特定の用途では、ハードおよび繊維の組み合わせにより、導電性に優れた材料が提供される。
興味深いことに、水性の持続可能なインク担体ならびに非持続可能な担体を含む、いくつかの異なる担体を試してみた。プラスチゾルは非持続可能な担体基剤であり、麻炭と混合することができるが、導電性ではない。それぞれが、水性媒質、TiOなどの少なくとも1種の固体顔料、または別の基剤顔料を含む、いくつかの異なる水性基剤が試験された。担体の多くは、界面活性剤、pH改質剤、1~4炭素アルキルグリコールのモノアルキルエーテルなどの共溶媒、および炭素を結合し、インクを流動させ、その他の方法で印刷のためにインクを安定化するのに必要な他の賦形剤を含む。
したがって、担体は、炭化麻の一部を添加するための担体として利用可能な不透明基剤である、MagnaPrint(登録商標)Aquaflex V2 Neutralなどの水性担体が好ましい。担体として利用可能な、市販の水性で透明または不透明な基剤は他にも多く存在する。
特定の実施形態では、インクの品質を改善するために、追加の賦形剤および揮発性材料を担体に添加することができる。例えば、インクの流れを最適化し、インクの粘度を最適化し、乾燥速度を変化させ、インクの材料への付着性を改変するか、インクの他の特性を改変するために酸、塩基、緩衝剤、または塩、ならびに特定の流動剤、または増量剤を担体に添加することが好適であり得る。例えば、基本である水担体とは異なり、より揮発性であるアルコールを添加しても良い。それ以外の場合は、流動剤、増量剤などを担体に添加して、最終的なインク製品を製造する。ただし、特に懸念されるのは、特定の構成成分をインク形成にうまく利用できる一方で、持続可能な環境に優しい水性インクを生成するという目的に反してしまうことである。したがって、インクは、好ましくは、炭化された麻の一部、具体的には3D炭素、および水性担体を含むものである。
この方法で製造されたインクは、天然材料から形成されるため「グリーン」であり、それ自体が生分解性である。これは、インクが生分解性の紙または材料そのものに添加される場合に有利である。さらに、賦形剤を選択的に添加することにより、インクは完全に食用となり、したがって食品安全が必要な場所での印刷または書き込みに使用可能となる。
特定の実施形態では、3D炭素材料は、顔料として販売されており、これは、所定の担体セットに添加され、第2の場所で混合されてインクを形成することができる。例えば、製品は、所定量の3D炭素のみであり得るか、または1種以上の追加成分と混合されて、乾燥製品となる。次に、第三者は、その乾燥製品を取得し、それを1種以上の所定の担体に、最終製品に所望される濃度で添加して選択されたインクを得る。キットには、推奨される配合および濃度の指示事項、およびエンドユーザーが組み込みを希望する可能性のある添加剤の選択についての推奨事項が含まれるであろう。よって、ユーザーは必要に応じて、非導電性インクまたは導電性インクを配合することができる。
したがって、好ましい実施形態は、それぞれ所定量にて基剤となる担体および炭素を含む。次に、非導電性インクの場合は1~6重量%の炭素に基づいて材料が添加され、印刷すると導電性になるインクの場合は14~19重量%の炭素に基づいて材料が添加される。基剤となる担体から炭素を分離することにより、材料の貯蔵寿命を大幅に改善することができ、また個々のユーザーは、特定の用途とニーズに基づいて、添加する炭素の正確な量を決定できる。
粉砕
1100℃以上で炭化した後、炭化材料の性質は脆くなるため、機械的乾燥工程または湿式粉砕工程においてインク中の粒子として好適に使用できるよう、ミクロン寸法の粒径を有する微粉末に直接粉砕することができる(15)。例えば、図1および図3の湿式粉砕工程は、炭を取り、それを鋼球を備えたシェーカーに投入する。図3では、麻は炉に投入され11、湿式ミルに投入され15、溶媒が加えられ61、材料が粉砕され62、任意選択で材料が分級され65、次いで担体に加えられ6、ここでインク製造用材料であるマスターバッチを形成する34ため、任意選択で賦形剤が添加される場合がある66。湿式粉砕では、液体(または溶媒)の一部がシェーカーに加えられ、1~100Hzで、最も好ましい範囲では3~30Hzで、1分~24時間振動させる。図1は、本工程を任意選択で乾式粉砕工程を備えて同様に説明する。湿式または乾式粉砕はそれぞれ、3D炭素となる実質的に均一な粒径の特定の粉末にまで、粒径を速やかに縮小させることができる。
材料を特定分級サイズに粉砕または研削すると、特定分級サイズを持たない製品よりもより多く活用できる良い製品を作ることができる。ある実施形態では、範囲内の粒径分布は、算術平均、算術最頻値などによって定義することもできる。本明細書で使用されるように、「特定分級サイズ」という用語は、分級サイズと比較して、所定与点内の粒子の割合を指す。例えば、2~5ミクロンの特定分級サイズとは、全粒子のある量の集合が2~5ミクロンであることを意味する。例えば、全粒子の50%。より好ましくは、特定分級サイズが90%、95%、特定分級サイズが99%、または99%超ということは、90%、95%、99%、または99%超の粒子が2~5ミクロンのサイズであることを意味する。
さらに、特定のミクロンサイズと釣鐘曲線を定義することにより、特定分級サイズをさらに絞り込むことができる。例えば、2~5ミクロンの特定分級サイズが99%および釣鐘曲線で3.5ミクロンが95%の場合、全粒子の95%が3.5ミクロンから2標準偏差以内であることを意味する。釣鐘曲線は、50%、75%、90%、95%、99%、または99%超の釣鐘分布であり得る。本質的に、より狭い釣鐘曲線は、より広い釣鐘曲線よりも、サイズにおいて粒子サイズがより均一である粒子のバッチとなる。より均質なものが得られれば、より良い製品製造につながる。好ましい実施形態では、粒子は、2~5ミクロンの90%特定分級サイズを有し、2.5、2.75、3、3.25、3.5、4.0。4.5および5.0ミクロンでの90%釣鐘曲線を有する。
例えば図1および2に記載されるような分級工程にて、適切な収率で2~5ミクロン未満の材料を生成することが特に困難であることが証明された。粒子の90%が5ミクロン未満で、平均粒径が2~5ミクロンの材料を形成するために、材料粉砕後に篩別または分級工程が利用され、5ミクロンを超える粒子は除去され、3ミクロン未満の粒子が許容される。例えば、図1に詳述するように、炭化麻を捕捉し(21)、ボールミル(または別の機械式ミル)に投入する(31)。湿式処理の場合、溶媒をミルに加え(32)、そして材料を分級する(16)。あるいは、材料を分級する(16)前において、粉砕前または粉砕後に追加の賦形剤を添加することができる(33)。特定の実施形態では、材料は、インク製造用のマスターバッチに直接加えられ(34)、一方他の実施形態では、材料は、所望の画分で捕捉される(17)(すなわち、分級工程を通じて、特定のサイズの粒子が別のサイズの粒子を通過して捕捉される)。所望のサイズの材料は保持され、不合格の画分18または大きさが不合格の材料がボールミルに再度投入され(31)、再粉砕される。
乾式粉砕を利用する場合、材料はボールミルに投入され31、かつ材料は機械式ミルで粉砕された後、追加の賦形剤が加えられる72か、材料はマスターバッチに直接入れられる73か、材料は分級ステップ16に加えられる。したがって、処理において材料は湿潤媒体または乾燥媒体中で粉砕することができる。いずれの場合も、ユーザーは材料を分級するか、処理用のインクバッチに加えるかを選択できる。
最後に、分級工程にて、粒子をサイズで選別する。これは、図1に記載の分級工程(16)である。第1の分級篩(42)を備えた第1の分級容器(41)、第2の分級容器(43)および第2の分級篩(44)、第3の分級容器(45)および第3の分級篩(46)、ならびに最後に第3の分級篩(46)を通過するすべての材料を捕捉する第4の容器(47)である、分級篩セットの実施例を図2に記載する。
一例として、第1の分級篩(42)は10ミクロンであり、第2の分級篩(44)は5ミクロンであり、そして第3の分級篩(46)は2ミクロンである。炭化した粉砕麻を第1の容器(41)に加えることにより、10ミクロンを超えるすべての材料が第1の容器(41)で捕捉される。これにより、10ミクロンより小さく5ミクロンより大きい材料が第2の容器(43)で捕捉される。5ミクロンより小さく2ミクロンより大きい材料が第3の容器(45)で捕捉され、最後に2ミクロンより小さい材料が第3の分級篩(46)を通過して第4の容器(47)へと入る。他の分級工程が当業者に周知である。
好ましい実施形態では、好ましい粒子サイズは、1~5ミクロン、より好ましくは2~5である。特定の範囲を、分級工程によって決定することができる。このサイズの粒子を作製することで、ノズル印刷またはスクリーン印刷などで簡単に印刷でき、染色堅ろう性と導電性に必要な特性を備えたインク作製が最適化される。
商業用途に移行するために、粉砕機の使用には、エアジェット粉砕機、湿式処理装置、小バッチ高エネルギーボール粉砕機、乾式攪拌媒体ミル、および圧力粉砕が含まれ得る。ただし、3D炭素を作成するためには、粉砕は機械的である。粉砕工程にかかる時間は、その間すべての時間を含む約1時間~約24時間までの間である。
平坦、またはシート状の炭素を作成する工程を使用するだけでは不十分である。なぜならこのような材料は、製品およびインクの品質を低下させるからである。実際、本開示の炭素と同じ担体中でグラフェン(平坦で薄片状の炭素)を使用してサンプルを印刷した際、グラフェン材料は、より細かいメッシュの印刷用スクリーンを詰まらせた点、印刷用に混合するのが難しかった点で取り扱いがより困難であり、印刷すると、濃い黒色ではなく、玉虫色の特性を有していた。したがって、黒色材料の印刷、および使いやすさにおいて、平坦な炭素は劣っていることが証明され、また持続可能なインク成分ではなかった。
電気信号を送信することを目的としたインクの場合、電気特性を保持または強化するため、炭の抵抗を増加させないような担体で材料を使用することが好ましい。導電性を向上させる要因には、粒径、構造、および多孔性が含まれる。粒径が小さいと、導電性が高くなる。粒子が小さく形状が比較的均一である場合、そうでない場合よりも粒子の表面積が大きく、粒子間のより大きな接触面積により、電荷を生成または蓄積できる。高構造とは、炭素が凝集して長く分岐した鎖を形成することを意味する。このような構造は、導電性化合物に最適である。粒子は、多孔性が高いほど導電性が良く、これは昇温処理(すなわち、1100℃超)によって実現する。
印刷されたインクの試験
インクを試験するために、炭素の量を変化させた多数のサンプルを作製し、綿材料へのスクリーン印刷用に用いる様々なスクリーンサイズに対し試験を実施した。印刷方法および印刷メッシュサイズにより、印刷面に流下する材料の量が変化し、これがクロッキング結果ならびに導電性に影響を与える。
クロッキングとは、摩擦によって色がこすり落とされることを指し、漂白された正方形の綿への染色量によって測定される。漂白された正方形の湿潤綿を使用する、湿式クロッキングについても同様である。染色にAATCCグレースケールを使用して、各サンプルを1~5のスケールで評価し、1は色移りが多く、5は色移りがない。1重量%、3重量%、5重量%、10重量%、15重量%、および20重量%の麻ブラックカーボンを含むサンプルを、様々なスクリーンサイズを使用して、Tシャツに印刷した。スクリーンの番号が小さい(つまり60)ほど、メッシュの孔は少なく、かつ大きくなる。156などの大きな番号の場合は逆になる。
インクは、基剤としてMagnaColours(商標登録)Aquaflex V2 Range Neutralを使用し、ミクロンサイズの炭素を生成する本明細書に記載の工程によって作られた麻系炭素を1、3、5、10、14、15、19および20%の範囲で、炭素の一部を加えて作製した。しかしながら、担体中に固体を有し、任意選択で水性担体に可溶な分散剤、界面活性剤、固体、および結合剤を利用する、他の水性担体もまた好適である。
図5および図6に詳述するように、縦軸は色移りのスケールを示しており、1は色移りが多く、5は色移りなしである。したがって、数値が大きいほど、小さい数値よりもインクの性能が優れていることを意味している。サンプルの試験では、炭素割合が1%~3%と低いと、湿式クロッキングでも乾式クロッキングでも、すべてのスクリーンサイズにわたってクロッキングに対して一貫して優れた堅ろう性が示されている。炭素の重量パーセントが増加すると、染色堅ろう性が低下し、ばらつきが多くなる。基剤が保持しきれないほどの炭素を含んでいないため、こすれる/洗い流れる素材表面のさらさらとした粒子の量が減るため、割合が低い方が性能が優れている。スクリーンサイズを大きくすると孔が小さくなり、水性基剤に懸濁していないすべての炭素が素材を通過するのを防ぐため、サンプルの染色堅ろう性が向上する。炭素が20%の場合、材料の負荷が大きすぎるため、インクがうまく付着しない。したがって、濃度の上限は、炭素19%が好ましい。
図6は、湿式クロッキングの結果を詳述している。湿式クロッキングでは、1重量%の炭素が、すべてのスクリーンサイズにわたってクロッキングに対する一貫して優れた堅ろう性を備えている。すべてのサンプルは、水性基剤を使用しているため、乾式クロッキングに比べ湿式クロッキングでの性能が低下した。乾式クロッキングから得られた炭素割合およびスクリーンサイズの結論は、湿式クロッキングにも同様に当てはまる。
導電性試験にて、導電性に必要な炭素の量、洗濯に対する反応、およびスクリーンサイズの影響も特定した。サンプルは、異なるスクリーンサイズで2回重ね印刷され、マルチメーターで試験して導電性を確認または否定した。導電性であったサンプルを、高効率の洗濯機および蛍光増白剤を含まない粉末洗剤を使用して、冷水で洗濯した。各洗濯後、同じマルチメーターを使用してサンプルの導電性を測定し、抵抗が500オームで合格を確認した。
図7Aおよび7Bに、導電性試験の結果を詳述する。図7Aのサンプルの場合、インクは、スクリーンサイズ60で、1%~20%の炭素インクを2回重ね印刷した(いくつかのデータポイントは省略されている)。次に、各サンプルの導電性を、洗濯前、洗濯1回および洗濯2回で試験した。興味深いことに、1%でスクリーンサイズ60の場合、材料は期せずして導電性になる。しかし洗濯すると、14%まではどのサンプルも導電性を示さず、このとき約50%のサンプルが導電性であった。2回洗濯で導電性が初めて保持されたのは、炭素15重量%であった。興味深いことに、値および導電性は17~19パーセントでわずかに低下した。
図7Bに、スクリーンサイズ60、86、110、125、および156を使用した印刷を詳述する。各スクリーンサイズで、各組成物を1、2、および3回重ね印刷にて印刷した。スクリーンサイズ60、86、110、125、および156のそれぞれにつき240個の、合計1200個のサンプルが作成され、導電性サンプルの量を決定するためサンプルを通過する1回重ね印刷が実行された。マルチメーターを使用して、1,200個のサンプルすべての導電性を試験した。マルチメーターの読み取り値が500オーム未満の場合、サンプルは「導電性」であった。興味深いことに、スクリーンサイズ156で印刷すると、様々な重量パーセントのいずれでもインクが導電性ではないことがわかる。スクリーンサイズ156では、孔が非常に小さいために炭素が詰まって通過しないため、表面に炭素が不足することが原因でインクが導電性ではないと考えられる。14~20%についてのサンプルは、さらなる洗濯を積み重ねて示している。したがって、スクリーンサイズ60の場合、100%が導電性で、1回の洗濯後に75%が導電性であり、2回の洗濯後にさらに75%が導電性であった。このデータは、残りのデータポイントにわたって継続する。
洗濯は導電性に大きく影響し、1回の洗濯後、すべてのスクリーンサイズで導電率が影響を受ける。洗濯試験では、各試験を高効率洗濯機で冷水サイクルで洗濯した。1回の洗濯で、スクリーンサイズ60で印刷されたほぼすべてのサンプルが導電性を維持したが、スクリーンサイズ125で印刷されたすべてのサンプルは導電性を失い、スクリーンサイズ86および110のサンプルのいくらかの量は導電性であった。したがって、材料を洗濯する必要がある場合は、スクリーンサイズ60、86、および110のサンプルのみ使用可能である。2回目と3回目の洗濯後、スクリーンサイズ60および86のみが導電性を維持し、4回目の洗濯後、スクリーンサイズ60のみが4回超の洗濯で導電性を維持した。したがって、導電性は洗濯メカニズムに敏感であり、洗濯して導電率を維持する場合は、60または86のスクリーンサイズが非常に好ましい。
図8Aおよび8Bに、綿、ポリエステル、および混合材料の導電性を示す。サンプルのインク濃度を最初に試験した後、15%および20%の麻ブラックカーボン組成物を、綿100%、ポリエステル100%、綿50%ポリエステル50%の3種の異なる素材に印刷し、事前の結果を確認した。すべてのサンプルを、110のスクリーンサイズで様々な生地に印刷し、マルチメーターを使用して導電性を確認した。導電性であったサンプルを、高効率の洗濯機および蛍光増白剤を含まない粉末洗剤を使用して、冷水で洗濯した。各洗濯後、同じマルチメーターを使用してサンプルの導電性を測定した。
図8Bは、サンプルの上限、すなわち20%の炭素を用いて試験した。20%の炭素は15%の炭素ほどには性能が良くないことが、データから明らかである。単に炭素が多すぎることを証拠が示している。これは、19%の炭素がインク材料の上限であることが示された以前の試験と一致している。
研究はまた、綿100%の素材がポリエステル50/50および100%よりも長く導電特性を保持することを示している。これは、綿の方が吸収性が高く、洗濯および乾燥サイクル中、インクをより良く保持するためである。ほぼすべてのサンプルで、15%の炭素は導電性が長く持続した。これはおそらく、基剤が懸濁できない炭素の消失が少なくなり、より均一に分散した溶液になるためである。より均一に分散した溶液では、よりばらつきなく炭素粒子が接触するため、より導電性が高くなると思われる。実際、合成ポリエステル材料では繊維の頂部に乗っているのとは対照的に、綿はインクを多量に吸収するため、材料に固定できる。特定の用途では、分散剤を有利に添加して、麻の分散を改善することができる。分散剤は、顔料を官能化して、インク中で分散を安定化させることができる分散剤ポリマーである。例えば、ポリエステル、メタクリレート、またはポリエチレンオキシドである。
したがって、材料を洗濯する必要がない場合、スクリーンサイズ60(またはそれ未満)を使用する場合に限り、非常に低濃度の炭素で導電性とすることができる。注目すべきは、1%、2、3~10の導電性はスクリーンサイズ60で発生し、他のスクリーンサイズでは約12%しか導電性が発生せず、100%の印刷が14%の導電性を示したことである。
さらに、14%~20%の印刷では、ほとんどのスクリーンサイズで導電性材料が得られた。ただし、20%の炭素はインクの上限以上であるように見受けられる。濃度20%では、いくつかの問題が発生した。つまり、炭素の割合がすべてのサイズでスクリーンに影響を与え、目詰まりまたは他の問題のために繰り返し使用への信頼性が低下した。さらに、20%を洗濯すると、導電性が完全に洗い流される。20%の炭素を検討すると、炭素の量が担体の「飽和」点に達していること、および20%で担体に混合して持続させることが困難であるため、容易に洗い流され、かつ印刷にばらつきがある材料が得られることが明らかである。これは濃度19%では発生しなかった。したがって、標準的なスクリーンサイズである86または110のスクリーンサイズで印刷する場合、導電性を維持するためには14~19%の炭素濃度で印刷することが驚くべき最良の効果を発揮し、またインクの全体的な機能としても著しく優れている。
しかし、スクリーンサイズ60を利用できる場合、より低い炭素濃度が好適であることがわかったのはさらに驚くべきことであった。したがって、導電性が所望される場合、使い捨て材料については、より低い材料濃度を利用して、1%という低い濃度であっても導電性印刷を実現することができる。ただし、インクは、スクリーンサイズが60の場合でも、少なくとも8%の炭素で使用すると導電性に最も効果的であり、14~19重量%の炭素で使用するとインクは導電性に最も効果的である。
データより、このような小さいスクリーンサイズ(小さいスクリーンサイズ、つまり60が156よりも「小さい」ということは、スクリーンの孔が少ないことを意味し、したがってスクリーンの細孔は156サイズよりも60サイズの方が大きい)がより高い導電性を可能にすることが確認された。これは、スクリーンサイズが大きくなると孔が小さくなり、素材を通過できる粒子が少なくなるのに対し、メッシュの孔が大きくなると、1つの集中した領域により多くの炭素を担持することができるためである。ただし、これはクロッキングに逆の影響を及ぼす。
紫外線保護
材料を、紫外線遮断能力について試験した。UPFは、紫外線保護指数の略で、生地の日光保護効果を測定する。UPF50は、着用時に49/50(98%)の紫外線を遮断する。UVA光線は皮膚により深く浸透し、皮膚がんおよびしわなどの長期的な損傷を引き起こし、地球表面に到達する太陽放射の95%を構成する。UVB光線は短波長であり、即刻の日焼けの原因となる。
図9A、9B、および9Cに示すように、いくつかのサンプルデザイン、すなわち、グリッド9A、メッシュ9B(背景を黒で印刷し、白(開口)ドットを残した)、および逆メッシュ9C(白い背景に黒い点を印刷した)について、それらのUV性能について試験した。
水性基剤に麻系炭素を使用すると、生地に印刷した際、大量の紫外線を遮断する。重ね印刷の数が多いほど、素材の被覆率が高くなり、より強い保護につながる。様々なパターンで印刷した場合でも、紫外線は表面全体にわたって遮断される。最も効果的なパターンは、表3に詳述するようにより多くのインクを使用し、互いに近接して印刷することである。
Figure 2022529318000004
材料間の比較のため、麻系炭素を、他の周知の顔料に対して、また他の担体も使用して試験した。データおよび観察結果を表4に示す。特に、Eco6(商標)(本開示の麻系材料)は、通常の顔料濃度で優れた印刷を実現し、持続可能であり、印刷に添加剤を必要としない。さらに、適切な濃度およびスクリーンサイズで使用した場合、材料は導電性を保持し、印刷面にもよく付着する。
Figure 2022529318000005
表4では、Eco6(商標)材料は、本出願に記載の工程に従って使用された。サンプル1では、Eco6(商標)を水性溶媒と混合した。サンプル2では、プラスチゾルを溶媒として使用した。サンプル3では、従来技術のココナッツ水性インクを使用した。サンプル4では、カーボンブラックの水性インクを使用した。サンプル5では、グラフェンを水性インクに使用した。
表4には、次のようないくつかのパラメーターが含まれている。
粒子形状:球形の粒子形状は、平坦な粒子よりもより均一に分散する。
混合性:水溶液の粘度は、顔料の分散度に影響される。顔料が溶液内に凝集すると、不均一な印刷色を生じるか、または印刷品質が低下したりする可能性がある。
見た目:真黒のインクを製造する場合、玉虫色または凝固は、塗布する色および品質に影響を与える。
印刷性:粒子が十分に小さくないか、均一に分散していない場合、スクリーンに詰まり、次の印刷で斑点が生じ、かつ凹凸を生じる可能性がある。この不均一性は、印刷物の乾燥度にも影響を及ぼし、最終製品が粘着性になる可能性がある。
持続可能性:Eco6(商標)などの持続可能なバイオ系顔料は、PVCを含まず、またカーボンブラックに含まれる毒素を含まない。水性溶媒は水路に対して安全であり、プラスチゾル系溶媒よりも洗濯が容易である。希釈剤および増粘剤などの溶媒を追加する必要があるが、品質は向上し得るが、持続可能性は低下し得る。持続可能なインクの理想的な組み合わせは、バイオ系顔料および水性基剤を使用したものであり、性能を出すために追加の添加剤を必要としないインクである。
特に、サンプル2、3、4、および5のそれぞれは、持続可能な性能のインクにとって重要な特定の側面で落第である。例えば、プラスチゾルは印刷困難で、導電性がなく、清掃および混合困難であるため、インク材料として使用できない。ココナッツ水性インクは混合不良で、印刷後、光沢のある玉虫色の仕上がりになり、かつ印刷不良であった。この材料は、効率的に印刷できるようにするために、さらなる添加剤が必要であった。カーボンブラック材料は、効率的な印刷のために添加剤の使用が特に必要であり、顔料を製造するために化石燃料およびPVCの使用も必要であるため、環境に優しいものではない。最後に、グラフェン系インクは平坦な粒子状炭素であり、少量で有用だが、顔料を調製するために化石燃料およびPVCを必要とする。
したがって、麻系炭素は、水性担体中で使用した場合に独特の特性を有する優れた顔料である。粒径が小さいほど、顔料が水溶液中に分散しやすくなり、色もより均一になる。粒子サイズが小さいほど、染色堅ろう性の向上にも寄与する。
本明細書に記載の麻炭を、PAHの含有量について市販のカーボンブラック(石油誘導体)と比較して試験した。麻炭は、カーボンブラックと比較して、検出されたPAHが10%減少したことを示した。さらに、検出されたPAHの33%は、報告基準値を下回っていた。これより、麻由来の炭素は、石油系材料と比較して、総PAHがはるかに少なくなる。
したがって、麻系炭素は、水性インク担体に混合するための結合粒子として機能する。具体的には、インクは導電性を目的として配合され得る。導電性インクの機能により、無線スマートテキスタイルの可能性ならびに軍事および医療分野での応用が期待できる。実際、インクの用途は無限大である。材料が1回しか使えない、使い捨て用途であり、また(クロッキングが問題にならないように)材料が別の層で覆われている可能性がある用途の場合、インクは1重量%という低濃度で導電性であり得る。性能を確保するため、導電性インクの濃度は、スクリーンサイズ60を使用する場合は少なくとも8%以上、より大きなスクリーンサイズ、すなわち86または110以上の場合は14~19%の濃度が推奨される。
他の実施形態では、麻ブラックは顔料として機能する。典型的な黒色顔料を必要とする場合、麻炭は低濃度で利用でき、具体的には、水性担体中に1重量%~6重量%の濃度で安全で効率的な顔料となる。これらの濃度での本材料は、使いやすく、優れた色を提供し、様々な材料に保持される。
当業者であれば、本開示の麻系炭素およびそれにより作製したインクが、1種以上の追加の賦形剤を任意に含むインク担体に組み込まれることを認識するであろう。当業者であれば、単回使用の印刷、洗濯可能な印刷、導電性インク、およびそれらの組み合わせを含む、特定のニーズに合わせて最終的なインク製品を配合することができる。しかし、麻系インクを使用することで、これまで実現できなかった環境に優しい印刷の選択が可能になる。

Claims (21)

  1. 非石油系黒インクを作るための方法であって、前記インクは、水性担体および炭化麻から作られた顔料を含み、前記炭化麻は、麻茎を低酸素条件下で少なくとも1100℃の温度で炭化して炭を作製し、前記炭を粉砕して2~5ミクロンに粉砕炭を作製し、かつ前記炭を前記水性担体に加えることによって作られる、方法。
  2. 前記粉砕炭を、サイズが2ミクロンの少なくとも1つのグラジエントおよびサイズが5ミクロンの第2のグラジエントを有し、麻系インクに添加するために、サイズが約2~約5ミクロンの材料を捕捉する分級システムで分級する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記粉砕炭が、前記インクの総重量の1~19重量パーセントである、請求項1に記載の方法。
  4. 前記粉砕炭が、顔料として機能するために前記インクの1~5重量パーセントを含み、かつ14~19重量パーセントを含み、86~110サイズのスクリーンでスクリーン印刷した場合に前記インクが導電性である、請求項3に記載の方法。
  5. 導電性麻系インクを作る方法であって、炉内で麻の一部を炭化することであって、前記炉を窒素パージし、次に25℃から1100℃超まで加熱し、1100℃超の温度を少なくとも60分間保持する、炭化することと、低酸素環境を維持するため、窒素流入を前記加熱および保持時間にわたって維持することと、前記麻を前記炉から取り出し、室温まで冷却することと、前記冷却した麻を縮小した粒径に粉砕し、かつ前記粉砕した麻を分級し、前記分級した麻から画分を得ることであって、前記粉砕した麻の95%が2~5ミクロンのサイズである、得ることと、前記分級された麻を水性担体と組み合わせて、前記導電性麻系インクを形成することと、を含む、方法。
  6. 前記導電性麻系インクが、前記インクの重量の1~19重量パーセントであり、サイズ60の印刷スクリーンを使用して印刷される、請求項5に記載の方法。
  7. 前記導電性麻系インクが、前記インクの重量の14~19重量パーセントを含み、86~110サイズの印刷スクリーンを使用して印刷される、請求項5に記載の方法。
  8. 前記導電性麻系インクが、洗濯可能であり、洗濯後も導電性を保持する、請求項7に記載の方法。
  9. 前記粉砕した麻の99%が5ミクロン未満のサイズである、請求項5に記載の方法。
  10. 前記水性担体に少なくとも1種の溶媒を添加することをさらに含み、前記溶媒が水よりも速く蒸発する、請求項5に記載の方法。
  11. 前記担体が、緩衝剤、樹脂、保湿剤、殺菌剤、界面活性剤、殺生物剤、増量剤、分散ポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される賦形剤をさらに含む、請求項5に記載の方法。
  12. 粉砕ステップが湿式粉砕工程である、請求項5に記載の方法。
  13. 前記湿式粉砕工程が、10:1~1:10の麻対水性溶媒の比率で、冷却した麻とともに粉砕機に投入される溶媒の添加を含む、請求項12に記載の方法。
  14. 前記湿式粉砕工程で利用する前記溶媒が非水性溶媒である、請求項12に記載の方法。
  15. 前記湿式粉砕工程で利用する前記溶媒が水性溶媒である、請求項12に記載の方法。
  16. 前記インクが、直鎖または分岐鎖アルコールをさらに含む、請求項12に記載の方法。
  17. 前記直鎖または分岐鎖アルコールがC~C10アルコールである、請求項16に記載の方法。
  18. 持続可能なインクであって、水性担体および麻炭から作られた非石油系炭素顔料を含み、前記麻炭は窒素ガス下において少なくとも1100℃で少なくとも60分間麻を炭化することによって製造され、前記麻炭を粉砕して粉砕炭を得、前記粉砕炭は、分級システムを使用して分級して、サイズが2~5ミクロンの分級した炭の画分を得、前記分級した炭は、前記インクの総重量の1%~20%で前記担体に添加される、持続可能なインク。
  19. 前記インクが、60スクリーンサイズで、かつ少なくとも1重量パーセントの濃度で印刷された場合に導電性である、請求項18に記載の持続可能なインク。
  20. 前記インクがサイズ60のスクリーンを用いたスクリーン印刷に適しており、前記分級された炭が前記インクの前記重量の1~6重量パーセントを含み、洗濯不可能な導電性インクを得る、請求項18に記載のインク。
  21. 前記分級した炭が前記インクの前記重量の14~19重量パーセントを含み、前記インクが86~110のスクリーンサイズでスクリーン印刷すると洗濯可能であり、洗濯後も導電性を保持している、請求項18に記載のインク。
JP2021559398A 2019-04-26 2020-04-27 導電性を有する持続可能なバイオ炭系インク Pending JP2022529318A (ja)

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