JP2022524007A - B型肝炎免疫化レジメンおよび組成物 - Google Patents

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Abstract

ヒトにおいて慢性B型肝炎感染症(CHB)および/または慢性D型肝炎感染症(CHD)を治療する方法であって、以下のステップ:a)前記ヒトに、HBV核酸に標的化された10~30ヌクレオシド長のアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)(HBV ASO)を含む組成物を投与するステップ;b)前記ヒトに、B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む複製欠陥チンパンジーアデノウイルス(ChAd)ベクターを含む組成物を投与するステップ;c)前記ヒトに、B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む改変ワクシニアウイルスアンカラ(MVA)ベクターを含む組成物を投与するステップ;およびd)前記ヒトに、組換えB型肝炎表面抗原(HBs)と、組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)と、アジュバントとを含む組成物を投与するステップを含む方法が提供される。

Description

本発明は、慢性B型肝炎の治療のために特に適した免疫化レジメン、慢性B型肝炎の治療方法ならびにそのようなレジメンおよび方法における使用のための組成物に関する。該レジメンおよび方法は、アンチセンスオリゴヌクレオチドを含む組成物、B型肝炎抗原を送達するベクターを含む組成物および組換えB型肝炎抗原タンパク質を含む組成物の投与を含む。
B型肝炎ウイルスは、部分的に二本鎖の環状DNAゲノムを有するDNAウイルスであり、その全長鎖は3020~3320ヌクレオチド長であり、より短い鎖は1700~2800ヌクレオチド長である。ウイルスDNAは、細胞への感染の直後に細胞核中に見出される。感染後に、細胞のDNAポリメラーゼによりウイルスゲノムは完全に二本鎖となり、両端端が結合される。ウイルスコア(C)遺伝子、表面(S)遺伝子およびX遺伝子はゲノム中のウイルスポリメラーゼ(P)遺伝子とそれぞれオーバーラップしている。B型肝炎コア抗原(HBcAg)、プレコアおよびHBeAgは、2個の別個の開始コドンを有する1個の遺伝子から差次的なプロセシングにより産生される。同様に、表面遺伝子は3個の開始コドンを有し、異なる長さの3種のタンパク質、ラージ(プレS1+プレS2+S)、ミドル(プレS2+S)およびスモール(S)表面抗原を産生する。B型肝炎ウイルス(HBV)感染症は大きな公衆衛生問題である。世界的に、約2億5700万人がHBVに感染している[WHO, 2017]。HBV感染症の臨床経過および転帰は主に、感染時の年齢ならびにウイルスおよび宿主免疫応答の間の複雑な相互作用により推進される[Ott, 2012; Maini, 2016]。そのため、HBVへの曝露は、自発的に消散する急性肝炎に繋がり得るか、または、不活性B型肝炎表面抗原(HBsAg)キャリア状態、慢性肝炎、硬変および肝細胞癌(HCC)を含めて、様々な形態の慢性感染症に進行し得る[Liaw, 2009]。成人集団中のHBsAgの保有率は>2%であり、東南アジアおよび中国において5~8%ならびにアフリカ地域において>8%の割合である。慢性B型肝炎感染症(血清HBsAgが6か月よりも長期間検出されるB型肝炎感染症として定義される)を有する人の15~40%は肝臓の続発症を発症し、そのうちで肝硬変(LC)、肝臓代償不全およびHCCが主な合併症である。
全乳児における予防的B型肝炎の予防接種の実施は多くの流行国におけるB型肝炎の発生率および保有率の低減において非常に有効であったが、青年および成人における慢性B型肝炎感染症(CHB)の保有率の強い減少には未だに繋がっておらず、導入から数十年後まではHBV関連死に影響することは期待されない。2015年に、B型肝炎は、887,000人の死亡の原因となり、大部分が肝硬変及びHCCによるものであった[WHO, 2017]。
慢性B型肝炎の臨床管理は、疾患の進行を予防し、その結果としてHCCの発症を予防することによって、生存および生活の質を向上させることを目的とする[Liaw, 2013]。現行の治療戦略は、HBV誘導性肝臓疾患の安定化を達成するためおよび進行を予防するためのHBV DNA複製の長期抑制に主に基づく。血清HBV DNAレベルはすべての現行の治療モダリティーの礎石となるエンドポイントである。(検出可能な)B型肝炎e抗原(HBeAg)の消失の達成は別の有益なバイオマーカーであるが、抗HBsセロコンバージョンを伴うまたは伴わないHBsAg消失は、HBV複製およびウイルスタンパク質発現の強い抑制を指し示すので、「機能的治癒」を表す最適なエンドポイントであると一般に考えられる[Block, 2017; Cornberg, 2017]。現在、ペグ化インターフェロンアルファ(PegIFNα)またはヌクレオシド/ヌクレオチドアナログ(NA)のいずれかによる、CHB患者のための2種の主な治療オプションが存在する[EASL, 2017]。有限期間の治療による長期免疫制御の誘導を目的とするPegIFNαは持続的な治療中止後制御(off-treatment control)を達成することがあるが、永続性のあるウイルス学的応答およびB型肝炎表面抗原(HBsAg)の消失は低い割合の患者に限定される。さらに、その乏しい忍容性と長期安全性の懸念とのため、かなりの数の患者はこの種類の治療に不適格である。
NAは、HBVポリメラーゼ逆転写酵素活性の阻害を通じてDNA複製を抑制することにより作用する。欧州においてHBV治療のために承認されたNAとしては、HBV耐性に対する高い障壁と関連付けられるエンテカビル(ETV)、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩(TDF)およびテノホビルアラフェンアミド(TAF)の他に、HBV耐性に対する低い障壁と関連付けられるラミブジン(LAM)、アデホビルジピボキシル(ADV)およびテルビブジン(TBV)が挙げられる。耐性に対する高い障壁を有する強力なNAを用いる治療の主な利点はその予測可能な高い長期抗ウイルス有効性であり、これは服薬遵守患者の大部分におけるHBV DNA抑制の他に、好都合な安全性プロファイルに繋がる。NA治療の欠点はその長期治療レジメンであり、その理由は、NAはHBVの根絶を通常達成せず、NAの中止はHBVの再発に繋がり得るためである[Kranidioti, 2015]。機能的治癒を表すHBsAgの消失は現在、CHBにおけるゴールドスタンダードの治療エンドポイントであるが[Block, 2017; Cornberg, 2017]、NA治療によっては滅多に達成されない[Zoutendijk, 2011]。
HBsAg血清クリアランスの低い割合[Zoutendijk, 2011]およびNA中止後のウイルス再発の高いリスク[Kranidioti, 2015]のため、ほとんどの患者は長期またはさらには無期限のNA療法下に維持され、これは療法に対する患者コンプライアンスの低減、経済的コストの増加ならびに長期曝露による薬物毒性および薬物耐性変異のリスクの増加と関連付けられ得る[Terrault, 2015]。したがって、有限のレジメンを用いて「機能的治癒」を達成するためにNA療法に補足するための新たな戦略が必要である。
アンチセンス療法は、RNA転写物を抗原に直接的に標的化し、それにより血清HBeAgおよびHBsAgレベルを低減させることができるという点でヌクレオシド療法とは異なる。アンチセンス療法および新規の抗ウイルス薬に加えて、現在研究されている新たな治療戦略としては、HBV特異的な適応免疫応答を増強するまたは肝内の自然免疫を活性化させる免疫療法戦略が挙げられる[Durantel, 2016]。これまでのところ、これらの実験的治療のいずれも有効であることが示されていない。評価されたワクチン接種戦略の中で、いずれも、ウイルスに対する免疫制御を回復させるための鍵となる重要性を有するHBVコア抗原(HBcAg)に対する堅牢な多機能性のCD8T細胞応答を誘導することはできなかった[Lau, 2002; Li, 2011; Liang, 2011; Bertoletti, 2012; Boni, 2012]。HBV表面および/またはプレS抗原に基づく組換えワクチンに関する早期の努力は抗体応答を予備的に誘導したがHBV特異的なCD8+T細胞応答を誘導せず、臨床的利益もウイルス学的利益も有しなかった[Jung, 2002; Vandepapeliere, 2007]。HBVエンベロープを発現するDNAワクチンはHBsAgおよびHBcAgに特異的なT細胞応答を回復させず、そのためNA中止後の患者において再発のリスクを減少させなかった[Fontaine, 2015]。新たな送達システムを用いた場合、S、プレS1/S2をコードするDNAワクチン(プライムワクチン)およびMVAウイルスベクターワクチン(ブーストワクチン)はウイルス血症においてT細胞の誘導も低減も示さず、HBVプレSおよび表面抗原は単独では患者を治癒するために十分でないことを示唆した[Cavenaugh, 2011]。より最近では、複数のHBV抗原を標的化するワクチン戦略および新たな送達システムが研究されている。組換えHBsAg/HBcAgワクチンは患者の半数のみにおいて非常に低いレベル(すなわち、約50IU/mL)までのウイルス量の減少に繋がった[Al-Mahtab, 2013]。ラミブジンと共に遺伝学的にアジュバント添加されたIL-12を伴うS、プレS1/S2、コア、ポリメラーゼおよびXタンパク質をコードするDNAワクチンは患者の半数において多特異的なT細胞応答およびウイルス量における>2log10の減少を誘導した。しかしながら、HBsAgの定量的検出における変化、HBsAgの消失またはHBsAgセロコンバージョンはいずれの患者においても観察されなかった[Yang, 2012]。HBVのラージS、コアおよびXタンパク質を発現する酵母ベースのT細胞ワクチンであるGS-4774ワクチンは、ウイルス抑制されたCHB患者においてHBsAgの有意な低減を提供しなかった[Lok, 2016]。
ウイルス学的再発も臨床的再発も伴わずに患者がNA療法を安全に中止することを可能とするためにHBsAgをクリアランスできる慢性B型肝炎に対する治療の満たされていない要求が依然として存在する。
D型肝炎ウイルス(HDV)(肝炎デルタとも呼ばれる)は、その複製のためにB型肝炎ウイルスを必要とするウイルスである。HDV感染はHBVと同時にまたはそれとの重感染として起こる。HDVは、感染個体の血液または他の体液との接触を通じて伝染する。母から子への垂直感染は稀である。慢性HBVを有する人々の少なくとも5%はHDVにも同時感染しているが、多くの国はHDVの保有率を報告していないのでこれは過小評価である可能性がある。D型肝炎感染症はB型肝炎ワクチン接種により予防することができ、1980年代の国家的HBV予防ワクチン接種キャンペーンの導入の成功以来、HDV感染症の数もまた減少した。HBV-HDV同時感染は、肝臓関連死および肝細胞癌へのより急速な進行に起因して最も重篤な形態の慢性ウイルス性肝炎であると考えられる。治療はペグ化インターフェロンの投与を介するが、持続的なウイルス学的応答の率は低い[WHO 2018]。現在、治療率もまた低い。HDVにより引き起こされる慢性肝炎の進行を停止させ、もしくは逆転させることができる、かつ/あるいは慢性HDV感染(慢性D型肝炎-CHD)またはHBV/HDV同時感染(CHB/CHD)をクリアランスすることができる治療の満たされていない要求が依然として存在する。
一態様では、ヒトにおいて慢性B型肝炎感染症(CHB)および/または慢性D型肝炎感染症(CHD)を治療する方法であって、以下のステップ:
a)前記ヒトに、HBV核酸に標的化された10~30ヌクレオシド長のアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)(HBV ASO)を含む組成物を投与するステップ;
b)前記ヒトに、B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む複製欠陥チンパンジーアデノウイルス(ChAd)ベクターを含む組成物を投与するステップ;
c)前記ヒトに、B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む改変ワクシニアウイルスアンカラ(MVA)ベクターを含む組成物を投与するステップ;および
d)前記ヒトに、組換えB型肝炎表面抗原(HBs)と、組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)と、アジュバントとを含む組成物を投与するステップ
を含む、方法が提供される。
一実施形態において、この方法のステップは順次実施され、ステップb)はステップc)に先行し、かつ、ステップc)はステップd)に先行する。場合により、ステップa)は繰り返されてもよい。場合により、ステップd)は繰り返されてもよい。別の実施形態において、ステップd)はステップb)および/またはステップc)と同時に実施される。
特定の一実施形態において、ステップa)は繰り返され、次に中止され、その後にステップb)、ステップc)およびステップd)が順次実施される。場合により、ステップd)は繰り返されてもよい。別の実施形態において、ステップa)は繰り返され、次に任意のその後のステップの前に中止され、かつ、ステップd)はステップb)および/またはステップc)と同時に実施される。これらの実施形態において、ステップa)のASOは他の組成物の前に投与される。
したがって、別の態様では、ヒトにおいて慢性B型肝炎感染症(CHB)および/または慢性D型肝炎感染症(CHD)を治療する方法であって、以下のステップ:
a)前記ヒトに、HBV核酸に標的化された10~30ヌクレオシド長のアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)(HBV ASO)を含む組成物を投与するステップ;
b)前記ヒトに、i)B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む複製欠陥チンパンジーアデノウイルス(ChAd)ベクターを含む組成物、およびii)組換えB型肝炎表面抗原(HBs)と、組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)と、アジュバントとを含む組成物を併用(concomitantly)投与するステップ;ならびに
c)前記ヒトに、i)B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む改変ワクシニアウイルスアンカラ(MVA)ベクターを含む組成物、および組換えB型肝炎表面抗原(HBs)と、組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)と、アジュバントとを含む組成物を併用投与するステップ
を含む、方法が提供される。
一実施形態において、方法のステップは順次実施され、ステップa)はステップb)に先行し、かつ、ステップb)はステップc)に先行する。場合により、ステップa)は繰り返されてもよい。場合により、ステップc)は繰り返されてもよい。
特定の一実施形態において、ステップa)は繰り返され、次に中止され、その後にステップb)およびステップc)は順次実施される。場合により、ステップc)は繰り返されてもよい。これらの実施形態において、ステップa)のASOはその他の組成物の前に投与される。
別の態様では、ヒトにおいて慢性B型肝炎感染症(CHB)および/または慢性D型肝炎感染症(CHD)を治療する方法において使用するための免疫原性組合せ(Immunogenic combination)であって、
前記免疫原性組合せが、
a)HBV核酸に標的化された10~30ヌクレオシド長のアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)(HBV ASO)を含む組成物;
b)B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む複製欠陥チンパンジーアデノウイルス(ChAd)ベクターを含む組成物;
c)B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む改変ワクシニアウイルスアンカラ(MVA)ベクターを含む組成物;および
d)組換えB型肝炎表面抗原(HBs)と、組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)と、アジュバントとを含む組成物
を含み、
前記方法が、前記組成物をヒトに順次投与または併用投与することを含む、免疫原性組合せが提供される。
別の態様では、ヒトにおいて慢性B型肝炎感染症(CHB)および/または慢性D型肝炎感染症(CHD)を治療する方法において使用するための免疫原性組成物であって、
前記免疫原性組成物が、
HBV核酸に標的化された10~30ヌクレオシド長のアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)(HBV ASO)、および
B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸と、前記HBcに融合したヒトインバリアント鎖(hIi)をコードする核酸とを含む複製欠陥チンパンジーアデノウイルス(ChAd)ベクター
を含む組成物を含み、
前記方法が、前記免疫原性組成物の、少なくとも1種のその他の免疫原性組成物を用いたプライム-ブーストレジメンにおける投与を含む、免疫原性組成物が提供される。ある特定の実施形態において、慢性CHBおよび/またはCHDを治療する方法において使用するための免疫原性組成物は1種以上の組換えHBVタンパク質抗原をさらに含む。
さらなる態様では、ヒトにおいて慢性B型肝炎感染症(CHB)および/または慢性D型肝炎感染症(CHD)を治療する方法において使用するための免疫原性組成物であって、
前記免疫原性組成物が、
HBV核酸に標的化された10~30ヌクレオシド長のアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)(HBV ASO)、および
B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む改変ワクシニアウイルスアンカラ(MVA)ベクター
を含む組成物を含み、
前記方法が、前記免疫原性組成物の、少なくとも1種のその他の免疫原性組成物を用いたプライム-ブーストレジメンにおける投与を含む、免疫原性組成物が提供される。ある特定の実施形態において、慢性CHBおよび/またはCHDを治療する方法において使用するための免疫原性組成物は1種以上の組換えHBVタンパク質抗原をさらに含む。
さらなる態様では、ヒトにおいて慢性B型肝炎感染症(CHB)および/または慢性D型肝炎感染症(CHD)を治療する方法において使用するための免疫原性組成物であって、
前記免疫原性組成物が、HBV核酸に標的化された10~30ヌクレオシド長のアンチセンスオリゴヌクレオチド(HBV ASO)と、組換えB型肝炎表面抗原(HBs)と、C末端切断型組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)と、MPL(3-DモノホスホリルリピドA)およびQS-21(キラヤ・サポナリア(Quillaja saponaria)の樹皮から精製されたトリテルペングリコシド)を含有するアジュバントとを含み、
前記方法が、前記免疫原性組成物の、少なくとも1種のその他の免疫原性組成物を用いたプライム-ブーストレジメンにおける投与を含む、免疫原性組成物が提供される。ある特定の実施形態において、慢性CHBおよび/またはCHDを治療する方法において使用するための免疫原性組成物は、1種以上のHBV抗原をコードする1種以上のベクターをさらに含む。
さらなる態様において、以下の組成物:
a)HBV核酸に標的化された10~30ヌクレオシド長のアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)(HBV ASO)を含む組成物;
b)B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む複製欠陥チンパンジーアデノウイルス(ChAd)ベクターを含む組成物;
c)B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む改変ワクシニアウイルスアンカラ(MVA)ベクターを含む組成物;および
d)組換えB型肝炎表面抗原(HBs)と、組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)と、アジュバントとを含む組成物
を含む、免疫原性組合せが提供される。
免疫原性組合せは、プライム-ブーストレジメンにおける前記組成物の投与により慢性B型肝炎(CBH)を治療する方法において用途を有し得る。
免疫原性組合せは、前記組成物の順次投与または併用投与によりヒトにおいてCHBおよび/またはCHDを治療する方法において用途を有し得る。
別の態様では、ヒトにおいて慢性B型肝炎感染症(CHB)および/または慢性D型肝炎感染症(CHD)を治療する方法であって、以下のステップ:
a)前記ヒトに、HBV核酸に標的化された10~30ヌクレオシド長のアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)(HBV ASO)を含む組成物を投与するステップ;
b)前記ヒトに、B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む複製欠陥チンパンジーアデノウイルス(ChAd)ベクターを含む組成物を投与するステップ;および
c)前記ヒトに、組換えB型肝炎表面抗原(HBs)と、組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)と、アジュバントとを含む組成物を投与するステップ
を含む、方法が提供される。
一実施形態において、方法のステップは順次実施され、ステップa)はステップb)に先行し、かつ、ステップb)はステップc)に先行する。場合により、ステップa)は繰り返されてもよい。場合により、ステップc)は繰り返されてもよい。別の実施形態において、ステップc)はステップb)と同時に実施される。
特定の一実施形態において、ステップa)は繰り返され、次に中止され、その後にステップb)およびステップc)は順次実施される。場合により、ステップc)は繰り返されてもよい。別の実施形態において、ステップc)はステップb)と同時に実施される。これらの実施形態において、ステップa)のASOはその他の組成物の前に投与される。
したがって、別の態様では、ヒトにおいて慢性B型肝炎感染症(CHB)および/または慢性D型肝炎感染症(CHD)を治療する方法であって、以下のステップ:
a)前記ヒトに、HBV核酸に標的化された10~30ヌクレオシド長のアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)(HBV ASO)を含む組成物を投与するステップ;ならびに
b)前記ヒトに、i)B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む複製欠陥チンパンジーアデノウイルス(ChAd)ベクターを含む組成物、およびii)組換えB型肝炎表面抗原(HBs)と、組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)と、アジュバントとを含む組成物を併用投与するステップ
を含む、方法が提供される。
一実施形態において、方法のステップは順次実施され、ステップa)はステップb)に先行する。場合により、ステップa)は繰り返されてもよい。場合により、ステップb)は繰り返されてもよい。
別の態様では、ヒトにおいて慢性B型肝炎感染症(CHB)および/または慢性D型肝炎感染症(CHD)を治療する方法において使用するための免疫原性組合せであって、
前記免疫原性組合せが、
a)HBV核酸に標的化された10~30ヌクレオシド長のアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)(HBV ASO)を含む組成物;
b)B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む複製欠陥チンパンジーアデノウイルス(ChAd)ベクターを含む組成物;および
c)組換えB型肝炎表面抗原(HBs)と、組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)と、アジュバントとを含む組成物
を含み、
前記方法が、前記組成物をヒトに順次投与または併用投与することを含む、免疫原性組合せが提供される。
さらなる態様において、以下の組成物:
a)HBV核酸に標的化された10~30ヌクレオシド長のアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)(HBV ASO)を含む組成物;
b)B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む複製欠陥チンパンジーアデノウイルス(ChAd)ベクターを含む組成物;および
d)組換えB型肝炎表面抗原(HBs)と、組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)と、アジュバントとを含む組成物
を含む、免疫原性組合せが提供される。
免疫原性組合せは、プライム-ブーストレジメンにおける前記組成物の投与により慢性B型肝炎(CBH)および/またはCHDを治療する方法において用途を有し得る。
免疫原性組合せは、前記組成物の順次投与または併用投与によりヒトにおいてCHBおよび/またはCHDを治療する方法において用途を有し得る。
一実施形態において、HBV核酸に標的化されたアンチセンスオリゴヌクレオチドは配列GCAGAGGTGAAGCGAAGTGCを有する。そのような一実施形態において、HBV核酸に標的化された前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが、配列GCAGAGGTGAAGCGAAGTGCを有する連結した20個のヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチド「ギャップマー」であり、前記ギャップマーが、それぞれのヌクレオシドが2’-O-メトキシエチル糖を含む連結した5個のヌクレオシドGCAGAからなる5’ウイング領域と、それに続く連結した10個のデオキシヌクレオシドGGTGAAGCGAと、それぞれのヌクレオシドが2’-O-メトキシエチル糖を含む連結した5個のヌクレオシドAGTGCからなる3’ウイング領域とからなり、前記ギャップマー中の各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエート結合であり、前記ギャップマー中の各シトシンが5-メチルシトシンである。
図1Aは、NaCl、後続の組換えタンパク質による異種ベクタープライム-ブーストまたは併用的な組換えタンパク質による異種ベクタープライム-ブーストの2回目および4回目の投与の7日後のHBc(A)特異的CD8+T細胞応答(個々の個体をメジアン値と共に示す)を示す図である。 図1Bは、NaCl、後続の組換えタンパク質による異種ベクタープライム-ブーストまたは併用的な組換えタンパク質による異種ベクタープライム-ブーストの2回目および4回目の投与の7日後のHBs(B)特異的CD8+T細胞応答(個々の個体をメジアン値と共に示す)を示す図である。 図2Aは、NaCl、後続の組換えタンパク質による異種ベクタープライム-ブーストまたは併用的な組換えタンパク質による異種ベクタープライム-ブーストの2回目および4回目の7日後におけるHBc(A)特異的なCD4 T細胞応答(個々の個体をメジアン値と共に示す)を示す図である。 図2Bは、NaCl、後続の組換えタンパク質による異種ベクタープライム-ブーストまたは併用的な組換えタンパク質による異種ベクタープライム-ブーストの2回目および4回目の7日後におけるHBs(B)特異的なCD4 T細胞応答(個々の個体をメジアン値と共に示す)を示す図である。 図3は、NaCl、後続の組換えタンパク質による異種ベクタープライム-ブーストまたは併用的な組換えタンパク質による異種ベクタープライム-ブーストの4回目の投与から7日後の肝臓浸潤性リンパ球におけるHBcおよびHBs特異的なCD4(A)およびCD8(B)T細胞(3または4個体のプールをメジアン値と共に示す)を示す図である。 図4Aは、プライムブーストワクチンレジメン後のHBc特異的(A)な抗体応答(個々の個体を幾何平均と共に示す)を示す図である。 図4Bは、プライムブーストワクチンレジメン後のHBs特異的(B)な抗体応答(個々の個体を幾何平均と共に示す)を示す図である。 図5Aは、NaCl、後続の組換えタンパク質による異種ベクタープライム-ブーストまたは併用的な組換えタンパク質による異種ベクタープライム-ブーストの2回目の投与から7日後および4回目の投与から7日後におけるHBc特異的な脾臓(A)CD8+T細胞(個々の個体をメジアン値と共に示す)を示す図である。 図5Bは、NaCl、後続の組換えタンパク質による異種ベクタープライム-ブーストまたは併用的な組換えタンパク質による異種ベクタープライム-ブーストの2回目の投与から7日後および4回目の投与から7日後におけるHBc特異的な肝臓(B)CD8+T細胞(個々の個体をメジアン値と共に示す)を示す図である。 図6Aは、NaCl、後続の組換えタンパク質による異種ベクタープライム-ブーストまたは併用的な組換えタンパク質による異種ベクタープライム-ブーストの2回目の投与から7日後および4回目の投与から7日後におけるHBc特異的な脾臓(A)CD4+T細胞(個々の個体をメジアン値と共に示す)を示す図である。 図6Bは、NaCl、後続の組換えタンパク質による異種ベクタープライム-ブーストまたは併用的な組換えタンパク質による異種ベクタープライム-ブーストの2回目の投与から7日後および4回目の投与から7日後におけるHBc特異的な肝臓(B)CD4+T細胞(個々の個体をメジアン値と共に示す)を示す図である。 図7Aは、NaCl、後続の組換えタンパク質による異種ベクタープライム-ブーストまたは併用的な組換えタンパク質による異種ベクタープライム-ブーストの2回目の投与から7日後および4回目の投与から7日後におけるHBs特異的な脾臓(A)CD8+T細胞(個々の個体をメジアン値と共に示す)を示す図である。 図7Bは、NaCl、後続の組換えタンパク質による異種ベクタープライム-ブーストまたは併用的な組換えタンパク質による異種ベクタープライム-ブーストの2回目の投与から7日後および4回目の投与から7日後におけるHBs特異的な肝臓(B)CD8+T細胞(個々の個体をメジアン値と共に示す)を示す図である。 図8Aは、NaCl、後続の組換えタンパク質による異種ベクタープライム-ブーストまたは併用的な組換えタンパク質による異種ベクタープライム-ブーストの2回目の投与から7日後および4回目の投与から7日後におけるHBs特異的な脾臓(A)CD4+T細胞(個々の個体をメジアン値と共に示す)を示す図である。 図8Bは、NaCl、後続の組換えタンパク質による異種ベクタープライム-ブーストまたは併用的な組換えタンパク質による異種ベクタープライム-ブーストの2回目の投与から7日後および4回目の投与から7日後におけるHBs特異的な肝臓(B)CD4+T細胞(個々の個体をメジアン値と共に示す)を示す図である。 図9Aは、23、65および93日目(投薬前、NaCl、後続の組換えタンパク質による異種ベクタープライム-ブーストまたは併用的な組換えタンパク質による異種ベクタープライム-ブーストの2回目の投与から7日後および4回目の投与から7日後)における抗HBs(A)結合性抗体応答(個々の個体をメジアン値と共に示す)を示す図である。 図9Bは、23、65および93日目(投薬前、NaCl、後続の組換えタンパク質による異種ベクタープライム-ブーストまたは併用的な組換えタンパク質による異種ベクタープライム-ブーストの2回目の投与から7日後および4回目の投与から7日後)における抗HBc(B)結合性抗体応答(個々の個体をメジアン値と共に示す)を示す図である。 図10Aは、38、65および93日目(NaCl、後続の組換えタンパク質による異種ベクタープライム-ブーストまたは併用的な組換えタンパク質による異種ベクタープライム-ブーストの1回目、2回目および4回目の投与の7日後;群1、2、3)または93日目(群4)におけるマウス(群1、2、3および4)からの血清において測定されたAST(A)レベルを示す図である。 図10Bは、38、65および93日目(NaCl、後続の組換えタンパク質による異種ベクタープライム-ブーストまたは併用的な組換えタンパク質による異種ベクタープライム-ブーストの1回目、2回目および4回目の投与の7日後;群1、2、3)または93日目(群4)におけるマウス(群1、2、3および4)からの血清において測定されたALT(B)レベルを示す図である。 図11は、投薬前、NaCl、後続の組換えタンパク質による異種ベクタープライム-ブーストまたは併用的な組換えタンパク質による異種ベクタープライム-ブーストの2回目の投与の7日後および4回目の投与の7日後におけるAAV2/8-HBV注射マウスからの血清におけるHBs抗原レベルを示す図である。 図12は、HBc-2A-HBs構築物の構造を示す図である。 図13は、hIi-HBc-2A-HBs構築物の構造を示す図である。
配列表
配列番号1:HBsのアミノ酸配列
配列番号2:HBc切断型のアミノ酸配列
配列番号3:口蹄疫ウイルスの2A切断領域を組み込んだスペーサーのアミノ酸配列
配列番号4:口蹄疫ウイルスの2A切断領域を組み込んだスペーサーをコードするヌクレオチド配列
配列番号5:HBc-2A-HBsのアミノ酸配列
配列番号6:HBc-2A-HBsをコードするヌクレオチド配列
配列番号7:hIiのアミノ酸配列
配列番号8:hIiをコードするヌクレオチド配列
配列番号9:hIi-HBc-2A-HBsのアミノ酸配列
配列番号10:hIi-HBc-2A-HBsをコードするヌクレオチド配列
配列番号11:HBcのアミノ酸配列
配列番号12:hIiの代替バリアントのアミノ酸配列
配列番号13:hIの代替バリアントをコードするヌクレオチド配列
配列番号14:hIi-HBc-2A-HBsの代替的な核酸配列
配列番号15:hIi-HBc-2A-HBsの代替的なアミノ酸配列
配列番号16:B型肝炎ウイルスゲノムのヌクレオチド配列(GENBANKアクセッション番号U95551.1)
発明の詳細な説明
定義
他に定義されなければ、本明細書において使用されるすべての科学技術用語は、当業者により一般的に理解されるものと同じ意味を有する。例えば、本明細書において使用されるある特定の用語は、"A multilingual glossary of biotechnological terms: (IUPAC Recommendations)", Leuenberger, H.G.W, Nagel, B. and Klbl, H. eds. (1995), Helvetica Chimica Acta, CH-4010 Basel, Switzerland)に記載されるように定義される。
本明細書および添付の特許請求の範囲の全体を通じて、文脈が他に要求しなければ、「含む」(comprise)という語、ならびに変形形態、例えば「含む」(comprises)および「含む」(comprising)は、記載された整数もしくはステップまたは整数もしくはステップの群を含むが、任意のその他の整数もしくはステップまたは整数もしくはステップの群を除外しないことを含意することが理解される。
いくつかの文献が本明細書の全体を通じて参照される。本明細書において参照される文献(すべての特許、特許出願、科学刊行物、製造者の仕様書、使用説明書などを含む)のそれぞれは、上記または下記のいずれであれ、参照により全体が本明細書に組み込まれる。本明細書におけるいかなる記載も、本発明は先行発明を理由としてそのような開示に先行する権利がないという承認として解釈されるべきではない。本発明の一態様の文脈において本明細書において提供されるすべての定義はまた、本発明のその他の態様に適用される。
「2’-O-メトキシエチル」(ならびに2’-MOEおよび2’-O(CH-OCH)は、フラノース環の2’位におけるO-メトキシ-エチル修飾を指す。2’-O-メトキシエチル修飾糖は修飾糖である。
「2’-MOEヌクレオシド」(および2’-O-メトキシエチルヌクレオシド)は、2’-MOE修飾糖部分を含むヌクレオシドを意味する。
「2’置換ヌクレオシド」は、フラノシル環の2’位にHまたはOH以外の置換基を含むヌクレオシドを意味する。ある特定の実施形態において、2’置換ヌクレオシドは、二環式糖修飾を有するヌクレオシドを含む。
「5-メチルシトシン」は、5位に取り付けられたメチル基で修飾されたシトシンを意味する。5-メチルシトシンは修飾核酸塩基である。
「約」は値の±7%以内を意味する。例えば、「化合物はHBVの約70%の阻害に影響した」と記載される場合、HBVレベルが63%~77%の範囲内で阻害されることが含意される。
「有効医薬剤」は、個体に投与された場合に治療的な利益を提供する物質または医薬組成物中の物質を意味する。例えば、ある特定の実施形態において、HBVに標的化されたアンチセンスオリゴヌクレオチドは有効医薬剤である。
「急性B型肝炎感染症」は、B型肝炎ウイルスに曝露された人がウイルス性肝炎の徴候および症状を発症し始める場合の結果である。潜伏期間と呼ばれる、曝露ならびに感染症の徴候および症状の発症の間の時間的期間は平均で90日であるが、45日もの短さまたは6か月もの長さとなることがある。ほとんどの人々にとってこの感染症は軽度から中等度までの不快感を引き起こすが、ウイルスとの闘いに身体の免疫応答が成功することで自然に無くなる。しかしながら、一部の人々、特には免疫系不全を有する人々、例えばAIDSを患っている、化学療法を受けている、免疫抑制薬を服用している、またはステロイドを服用している人々は、急性HBV感染症の結果として非常に深刻な問題を有し、より重篤な状態、例えば劇症肝不全になる。
「慢性B型肝炎感染症」は、人々が最初に急性感染症を患い、その後に感染症を撃退できない場合に起こる。出生時に感染した乳児の約90%は慢性疾患に進行する。しかしながら、歳をとるにつれて慢性感染症のリスクは減少し、その結果、子供のときに感染した人々の20%~50%およびより高齢の子供または成人のときに感染した人々の10%未満が急性から慢性感染症へと進行する。慢性HBV感染症は本発明の実施形態の主要な治療目標であるが、本発明の組成物はまた、HBV関連状態、例えば炎症、線維症、硬変、肝臓がん、血清肝炎などを治療することができる。
「ペプチド」は、少なくとも2個のアミノ酸をアミド結合(ペプチド結合とも称される)により連結することにより形成される分子を意味する。「タンパク質」、「ポリペプチド」および「ペプチド」という用語は本明細書において交換可能に使用され、長さ、翻訳時または翻訳後修飾にかかわらず、アミノ酸の任意のペプチド結合した鎖を指す。「融合タンパク質」(または「キメラタンパク質」)は、ペプチド結合している2種以上のタンパク質を含む組換えタンパク質である。融合タンパク質は、元々は別個のタンパク質をコードしていた2種以上の遺伝子の連結を通じて作製される。この融合遺伝子の翻訳は単一の融合タンパク質を結果としてもたらす。タンパク質またはポリペプチドに関して、組換え体は、タンパク質が組換えポリヌクレオチドから発現されることを意味する。
「ポリヌクレオチド」および「核酸」という用語は本明細書において交換可能に使用され、ヌクレオチド単量体から作られたポリマー性高分子を指す。好適には本発明のポリヌクレオチドは組換え体である。組換え体は、ポリヌクレオチドが、クローニング、制限もしくはライゲーションステップ、または天然に見出されるポリヌクレオチドとは別個のポリヌクレオチドを結果としてもたらすその他の手順のうちの少なくとも1つの製造物であることを意味する。
異種核酸配列は、宿主生物中に見出される天然に存在する核酸配列から単離されたものでもなく、それに由来するものでもなく、それに基づくものでもない任意の核酸配列を指す。「天然に存在する(naturally occurring)」は、天然に見出され、かつ合成的に調製されたものでも改変されたものでもない配列を意味する。配列は、供給源から単離されているが、供給源遺伝子の正常な機能を妨害しないように好適に(例えば、欠失、置換(変異)、挿入、またはその他の改変により)改変されている場合に供給源に「由来する」。
好適には、本発明において使用されるポリヌクレオチドは単離されている。「単離された」ポリヌクレオチドは、その元々の環境から取り出されたポリヌクレオチドである。例えば、天然に存在するポリヌクレオチドは、天然の系中の共存する材料の一部またはすべてから分離されている場合に単離されている。ポリヌクレオチドは、例えば、その天然の環境の部分ではないベクターにクローニングされた場合またはcDNA内に含まれる場合に単離されていると考えられる。
「治療」は、疾患または状態の変更または改善に影響するように組成物を投与することを指す。「治療する」という用語は、慢性B型肝炎感染症に関して本明細書において使用される場合、CHBの症状を低減させること、CHBの進行を予防することまたはCHBの1種以上の検出可能なマーカーのレベルを低減させることを意図した好適な組成物の投与を指す。例えば、CHBの進行を予防することは、ALT(アラニントランスアミナーゼ)レベル、肝臓線維症またはその他の好適な検出可能なマーカーにより指し示されるように、肝臓疾患の開始を予防することまたは既存の肝臓疾患を安定化させることを含んでもよい。CHBの他のマーカーとしては、ウイルス複製の指標である血清HBV DNAレベル、およびウイルス量の指標である血清HBs抗原レベルが挙げられ、そのためCHBを治療することは、血清HBsAg(例えば定量的イムノアッセイにより決定される)またはHBV DNA(例えばCobas(登録商標)HBVアッセイ(Roche)もしくは同等のものにより決定される)のレベルを検出不可能なレベルまで低減させる(HBsAgまたはHBV DNAを「クリアランス」する)ことを含んでもよい。「治療する」という用語は、慢性D型肝炎感染症(CHD)に関して本明細書において使用される場合、上記に準じて解釈される。
「投与する」は、個体に医薬剤を提供することを意味し、医療専門家により投与することおよび自己投与することが挙げられるがこれらに限定されない。
「併用投与される(administered concomitantly)」は、両方の薬理学的効果が患者において同時に(at the same time)現れる任意の方式での2種の剤の共投与(co-administration)を指す。併用投与(concomitant administration)は、両方の剤が単一の医薬組成物中で、同じ投薬形態で、または同じ投与経路により投与されることを要求しない。「併用」投与は、ワクチンレジメンの成分に関して本明細書において使用される場合、同じ進展中の免疫応答の間の投与を指し、「併用」は上記に準じて解釈される。好ましくは、両方の成分は同時に投与される(例えばベクターを含んでなる組成物およびタンパク質を含んでなる組成物の併用投与)が、1種の成分がその他の成分の数分以内(例えば、同じ医療予約(medical appointment)もしくは通院時)または数時間以内に投与されてもよい。そのような投与は共投与とも称される。別個の成分の併用投与は、同じ投与経路、例えば、筋肉内注射を介して行われてもよい。あるいは、別個の成分の併用投与は、異なる投与経路、例えば、筋肉内注射および皮内注射、筋肉内および鼻腔内投与、吸入および皮下投与などを介して行われてもよい。一部の実施形態において、併用投与は、アデノウイルスベクターおよびタンパク質成分の投与を指すことがある。その他の実施形態において、共投与は、アデノウイルスベクターおよび別のウイルスベクター、例えばポックスウイルス、例えばMVAの投与を指す。その他の実施形態において、共投与は、アデノウイルスベクターおよびタンパク質成分の投与であり、タンパク質成分がアジュバント添加されている投与を指す。
「順次」投与(“sequential” administration)は、第1の組成物の投与に続いて相当な時間の後の第2の組成物の投与を指す。2つの順次投与の間の時間的期間は1週間~12か月間、例えば2週間~12週間、例えば、1週間、2週間、4週間、6週間、8週間または12週間、6か月間または12か月間である。より特には、それは4週間~8週間であり、例えば順次投与の間の時間的期間は4週間であってもよい。そのため、順次投与は、プライム-ブーストの状況における第1およびその後の投与、すなわち、第2の組成物の投与が第1の投与により生み出された進展中の免疫応答の間には実行されない場合を包含する。
「免疫原性組合せ(Immunogenic combination)」は、本明細書において使用される場合、単一の免疫化レジメン、例えば、プライム-ブーストレジメンにおいて順次投与および/または併用投与される複数の別個に調合された免疫原性組成物であって、各別個に調合された免疫原性組成物が免疫原性組合せの成分であるものを指す。
「アンチセンス化合物」は、水素結合を通じて標的核酸にハイブリダイゼーションすることができるオリゴマー化合物を意味する。アンチセンス化合物の例としては、一本鎖および二本鎖化合物、例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNA、shRNA、snoRNA、miRNAおよびサテライトリピートが挙げられる。
「アンチセンス阻害」は、標的核酸に相補的なアンチセンス化合物の非存在下での標的核酸レベルと比較して該アンチセンス化合物の存在下での標的核酸レベルの低減を意味する。
「アンチセンスオリゴヌクレオチド」は、標的核酸の対応する領域またはセグメントへのハイブリダイゼーションを許容する核酸塩基配列を有する一本鎖オリゴヌクレオチドを意味する。
「相補性」は、第1の核酸および第2の核酸の核酸塩基の間の対合する能力を意味する。
「塩基相補性」は、標的核酸中の対応する核酸塩基とのアンチセンスオリゴヌクレオチドの核酸塩基の正確な塩基対合(すなわち、ハイブリダイゼーション)の能力を指し、対応する核酸塩基の間のワトソン-クリック、フーグスティーンまたは逆フーグスティーン水素結合により媒介される。
「ハイブリダイゼーション」は、相補的な核酸分子のアニーリングを意味する。ある特定の実施形態において、相補的な核酸分子としてはアンチセンス化合物および核酸標的が挙げられるがこれらに限定されない。ある特定の実施形態において、相補的な核酸分子としてはアンチセンスオリゴヌクレオチドおよび核酸標的が挙げられるがこれらに限定されない。
「完全に相補的」または「100%相補的」は、第1の核酸の各核酸塩基が第2の核酸中に相補的な核酸塩基を有することを意味する。ある特定の実施形態において、第1の核酸はアンチセンス化合物であり、かつ、標的核酸は第2の核酸である。
「連続する核酸塩基」は、互いに直接隣接している核酸塩基を意味する。
「連続する核酸塩基」は、互いに直接隣接している核酸塩基を意味する。
「デオキシリボヌクレオチド」は、ヌクレオチドの糖部分の2’位に水素を有するヌクレオチドを意味する。デオキシリボヌクレオチドは、様々な置換基のいずれかで修飾されていてもよい。
「希釈剤」は、薬理活性を欠いているが薬学的に必要なまたは望ましい組成物中の成分を意味する。例えば、注射される薬物中で、希釈剤は液体、例えば、食塩水溶液であってもよい。
「投薬単位」は、医薬剤が提供される形態、例えば、丸剤、錠剤、または当該技術分野において公知の他の投薬単位を意味する。
「用量」は、単回投与において、または指定された期間において提供される医薬剤の指定された量を意味する。ある特定の実施形態において、用量は、2以上のボーラス、錠剤または注射において投与されてもよい。例えば、皮下投与が所望されるある特定の実施形態において、所望の用量は、単一の注射によっては容易に収容されない体積を要求する。そのような実施形態において、所望の用量を達成するために2以上の注射が使用されてもよい。ある特定の実施形態において、用量は、個体において注射部位の反応を最小化するために2以上の注射において投与されてもよい。その他の実施形態において、医薬剤は、長期間にわたりまたは連続的に注入により投与される。用量は、時間、日、週または月当たりの医薬剤の量として記載されることがある。
「投薬レジメン」は、1以上の所望の効果を達成するために設計された用量の組合せである。
「HBV」は、ヒトB型肝炎ウイルスを含めて、哺乳動物B型肝炎ウイルスを意味する。該用語は、B型肝炎ウイルス、特にはヒトB型肝炎ウイルスの地理的な遺伝子型の他に、B型肝炎ウイルスの地理的な遺伝子型のバリアント株を包含する。
「HBV抗原」は、「B型肝炎コア抗原」または「HBcAg」および「B型肝炎E抗原」または「HBeAG」などのコアタンパク質、ならびに「HBV表面抗原」または「HBsAg」などのエンベロープタンパク質を含む任意のB型肝炎ウイルス抗原またはタンパク質も意味する。
「B型肝炎E抗原」または「HBeAg」は、分泌型の非粒子形態のHBVコアタンパク質である。HBV抗原としてのHBeAgおよびHBcAgは一次アミノ酸配列を共有し、従って、T細胞レベルで交差反応性を示す。HBeAgは、研究によれば慢性感染の確立に必要とされる可能性があることを示唆されているが、ウイルスのアセンブリまたは複製には必要とされない。
「HBV表面抗原」、または「HBsAg」、または「HBsAG」は、感染性HBVウイルス粒子のエンベロープタンパク質であるが、HBVウイルス粒子の1000倍の血清レベルで非感染性粒子(デーン粒子)としても分泌される。感染したヒトまたは動物のHBsAgの血清レベルは、1000μg/mLといった高いものであり得る(Kann and Gehrlich (1998) Topley & Wilson’s Microbiology and Microbial Infections, 9th ed. 745)。
「B型肝炎関連病態」または「HBV関連病態」は、B型肝炎の感染、曝露または疾病により増悪される、により引き起こされる、に関連する、に伴うまたはに起因する任意の疾患、生物学的状態、医学的状態または事象も意味する。B型肝炎関連病態という用語には、慢性HBV感染症、炎症、線維症、硬変、肝臓癌、血清肝炎、黄疸、肝臓癌、肝臓炎症、肝線維症、肝硬変、肝不全、びまん性肝細胞性炎症性疾患、血球貪食症候群、血清肝炎、HBVウイルス血症、移植に関連する肝疾患、および、B型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス抗原の存在に関する陽性判定、またはB型肝炎ウイルス抗原に特異的な抗体の存在に関する陽性判定と組み合わされた場合に、以下の病態:インフルエンザ様疾患、倦怠感、疼痛、頭痛、発熱、食欲不振、下痢、悪心および嘔吐、身体の肝臓領域の疼痛、粘土色または灰色の便、全身性のそう痒、および暗色の尿のいずれかまたはすべてを含み得る症状を有する病態が含まれる。
「発現または活性を阻害する」は、発現または活性の低下、遮断を指し、必ずしも発現または活性の全面的な排除を示さない。
「ヌクレオシド間結合」は、ヌクレオシド間の化学的結合を指す。
「連結したヌクレオシド」は、ヌクレオシド間結合によって相互に連結した隣接するヌクレオシドを意味する。
「修飾ヌクレオシド間結合」は、天然に存在するヌクレオシド間結合(すなわち、ホスホジエステルヌクレオシド間結合)からの置換またはいずれの変化も指す。
「ホスホロチオエート結合」は、非架橋酸素原子の1個を硫黄原子に置き換えることによってホスホジエステル結合が修飾されたヌクレオシド間の結合を意味する。ホスホロチオエート結合は、修飾ヌクレオシド間結合である。
「修飾核酸塩基」はまた、アデニン、シトシン、グアニン、チミジンまたはウラシル以外の任意の核酸塩基を意味する。「非修飾核酸塩基」は、プリン塩基であるアデニン(A)およびグアニン(G)、ならびにピリミジン塩基であるチミン(T)、シトシン(C)およびウラシル(U)を意味する。
「修飾ヌクレオシド」は、独立に修飾糖部分および/または修飾核酸塩基を有するヌクレオシドを意味する。
「修飾ヌクレオチド」は、独立に修飾糖部分、修飾ヌクレオシド間結合または修飾核酸塩基を有するヌクレオチドを意味する。
「修飾オリゴヌクレオチド」は、少なくとも1個の修飾ヌクレオシド間結合、修飾糖および/または修飾核酸塩基を含むオリゴヌクレオチドを意味する。
「修飾糖」は、天然糖部分の置換および/または任意の変化を意味する。
「化学的に異なる領域」は、同じアンチセンス化合物の別の領域とは何らかの化学的違いがある、アンチセンス化合物の領域を指す。例えば、2’-O-メトキシエチルヌクレオチドを有する領域は、2’-O-メトキシエチル修飾を持たないヌクレオチドを有する領域とは化学的に異なる。
「モチーフ」は、アンチセンス化合物における非修飾ヌクレオシドおよび修飾ヌクレオシドのパターンを意味する。
「ギャップマー」は、RNアーゼH切断を補助する複数のヌクレオシドを有する内部領域が、1以上のヌクレオシドを有する内部領域間に位置し、内部領域を含むヌクレオシドが、外部領域を含む1または複数のヌクレオシドとは化学的に異なるキメラアンチセンス化合物を意味する。内部領域は「ギャップ」と呼ばれ、外部領域は「ウイング」と呼ばれることがある。
「ウイングセグメント」は、オリゴヌクレオチドに阻害活性の増強、標的核酸に対する結合親和性の増大、またはin vivoヌクレアーゼによる分解に対する耐性などの特性を付与するために修飾された複数のヌクレオシドを意味する。
「天然糖部分」は、DNA(2’-H)またはRNA(2’-OH)に見られる糖部分を意味する。
「非修飾」核酸塩基は、プリン塩基であるアデニン(A)およびグアニン(G)、ならびにピリミジン塩基であるチミン(T)、シトシン(C)およびウラシル(U)を意味する。
「非修飾ヌクレオチド」は、天然に存在する核酸塩基、糖部分およびヌクレオシド間結合から構成されるヌクレオチドを意味する。特定の実施形態において、非修飾ヌクレオチドは、RNAヌクレオチド(すなわち、β-D-リボヌクレオシド)またはDNAヌクレオチド(すなわち、β-D-デオキシリボヌクレオシド)である。
「核酸」は、モノマーヌクレオチドから構成される分子を指す。核酸としては、限定されるものではないが、リボ核酸(RNA)、デオキシリボ核酸(DNA)、一本鎖核酸、二本鎖核酸、低分子リボ核酸(siRNA)およびマイクロRNA(miRNA)が挙げられる。
「核酸塩基」は、別の核酸の塩基と対合し得る複素環式部分を意味する。
「核酸塩基相補性」とは、別の核酸塩基と塩基対を形成し得る核酸塩基を指す。例えば、DNAの場合、アデニン(A)はチミン(T)と相補的である。例えば、RNAにおいて、アデニン(A)はウラシル(U)と相補的である。特定の実施形態において、相補的核酸塩基は、その標的核酸の核酸塩基と塩基対を形成し得るアンチセンス化合物の核酸塩基を指す。例えば、アンチセンス化合物のある特定の位置の核酸塩基が標的核酸のある特定の位置の核酸塩基と水素結合することができれば、オリゴヌクレオチドと標的核酸との間の水素結合の位置は、その核酸塩基対において相補的であると考えられる。
「核酸塩基配列」は、いずれの糖、結合および/または核酸塩基の修飾にもよらずに、連続する核酸塩基の順序を意味する。
「ヌクレオシド」は、糖と結合している核酸塩基を意味する。
「ヌクレオチド」は、ヌクレオシドの糖部分に共有結合しているリン酸基を有するヌクレオシドを意味する。
「オリゴヌクレオチド」は、それぞれが互いに無関係に修飾型または非修飾型であり得る連結したヌクレオシドのポリマーを意味する。
「非経口投与」は、注射(例えば、ボーラス注射)または注入による投与を意味する。非経口投与としては、皮下投与、静脈内投与、筋肉内投与、動脈内投与、腹腔内投与または頭蓋内投与、例えば、くも膜下腔内もしくは脳室内投与が挙げられる。
「医薬組成物」は、対象に投与するために適切な物質の混合物を意味する。例えば、注射による投与に適切な医薬組成物は、アンチセンスオリゴヌクレオチドおよび/またはワクチン成分と無菌水溶液とを含み得る。
「対象」は、治療または療法のために選択されたヒトまたは非ヒト動物を意味する。
相同性の割合に関しては、2つの配列のペアワイズアラインメントを見ると、2つの配列間の整列された同一の残基(「同一性」)を観察することができる。同一性(又は相同性)の割合は、(a)同一性の数と、参照配列の全長との間の商に100を掛けることによって算出することができる(すなわち、同一性の割合=(同一性の数×100)/参照配列の長さ)。
レジメン
本開示は、強力なCD8T細胞応答を誘導するための、アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)処置のスケジュールとその後のB型肝炎コア(HBc)抗原およびB型肝炎表面(HBs)抗原をコードする少なくとも1種のウイルスベクターを含む異種プライム-ブーストスケジュールとを提供するレジメンであって、強力な抗原特異的CD4T細胞および抗体応答を誘導するための、アジュバント化組換えHBcおよびHBsタンパク質の順次投与または併用投与を伴うレジメンを包含する。開示されるASO処置は、in vivoおよびin vitroにおいて肝細胞で標的HBV DNAおよびRNAを首尾よく阻害する。開示されるワクチンレジメンは、ヒト慢性HBV感染症のウイルス学的および免疫学的特徴を再現するマウスモデルにおいて、肝臓の変化の副作用の関連する兆候無しに、HBsおよびHBc特異的抗体およびCD8T細胞応答、ならびにHBs特異的CD4T細胞応答を回復させる。これらのことを考え合わせると、ASOおよびワクチンレジメンの組合せは、HBVコア抗原(HBcAg)に対するロバストな多機能性CD8T細胞応答の誘導を伴った、HBsAgおよび/またはHBsAgセロコンバージョンの低下を含むウイルス学的および臨床的応答を提供する。
より具体的には、ヒトにおいて慢性B型肝炎感染症(CHB)および/または慢性D型肝炎感染症(CHD)を治療する方法であって、以下のステップ:
a)前記ヒトに、HBV核酸に標的化された10~30ヌクレオシド長のアンチセンスオリゴヌクレオチド(HBV ASO)を含む組成物を投与するステップ;
b)前記ヒトに、B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む複製欠陥チンパンジーアデノウイルス(ChAd)ベクターを含む組成物を投与するステップ;
c)前記ヒトに、B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む改変ワクシニアウイルスアンカラ(MVA)ベクターを含む組成物を投与するステップ;および
d)前記ヒトに、組換えB型肝炎表面抗原(HBs)と、組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)と、アジュバントとを含む組成物を投与するステップ
を含む方法が提供される。
一実施形態において、この方法のステップは順次実施され、ステップa)はステップb)に先行し、ステップb)はステップc)に先行し、ステップc)はステップd)に先行する。場合により、ステップa)は、繰り返してよい。場合により、ステップc)は、繰り返してよい。特定の実施形態において、この方法のステップ間の期間は、2~12週間、例えば、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間または12週間である。一実施形態において、この方法のステップ間の期間は、4~8週間である。一実施形態において、この方法に従う組成物の順次投与間の期間は、4週間である。一実施形態において、ステップa)は、1週間隔もしくは2週間隔で、または3週間毎もしくは4週間毎に2~12回、例えば、2~10回、2~8回、2~7回、2~6回、2~5回、例えば、4回、3回または2回実施される。特定の実施形態において、ステップa)は、1週間隔で2~10回、1週間隔で2~8回、1週間隔で2~7回、1週間隔で2~6回、1週間隔で2~5回、例えば、1週間隔で4回、1週間隔3回または1週間あけて2回実施される。別の実施形態において、ステップa)は、毎日繰り返され、その後、毎週繰り返される。例えば、ステップa)は、毎日、2~4回実施され、その後、1週間隔で2~8回実施され得る。別の実施形態において、ステップa)は、レジメンの1日目、3日目および5日目に3回繰り返され、その後、レジメンの12日目に開始して1週間隔で2~8回、2~6回、2~4回、例えば、4回、3回または2回繰り返される。さらなる実施形態において、ステップa)は、20~36日の期間にわたって4~8回、例えば、レジメンの1日目、4日目、8日目、11日目、15日目、22日目、26日目および30日目に、またはレジメンの1日目、4日目、8日目、11日目、15日目および22日目に、またはレジメンの1日目、6日目、11日目、16日目、21日目、26日目、31日目および36日目に実施される。一実施形態において、ステップa)は、ステップb)の前に毎日、交互の日におよび/または1週間隔で実施され、ステップb)は、ステップc)の前に実施され、ステップc)は、ステップd)の前に実施される。別の実施形態において、ステップa)は、ステップb)の前に毎日、交互の日におよび/または1週間隔で実施され、ステップb)、ステップc)および/またはステップd)が実施される期間、1週間隔で繰り返される。別の実施形態において、ステップd)は、ステップa)および/またはステップb)および/またはステップc)と同時に実施される。特定の実施形態において、同時ステップb)およびc)は、繰り返してよい。特定の実施形態において、同時ステップc)およびd)は、繰り返してよい。一実施形態において、この方法のステップは順次実施され、ステップa)は場合により繰り返され、ステップc)に先行し、ステップc)はステップb)に先行し、およびステップd)はステップb)の後か、またはステップb)および/もしくはステップc)と同時に実施される。一実施形態において、この方法のステップは順次実施され、ステップa)は、場合により繰り返され、ステップd)に先行し、ステップd)はステップb)に先行し、およびステップb)はステップc)に先行する。別の実施形態において、この方法のステップは順次実施され、ステップa)は、場合により繰り返され、ステップd)に先行し、ステップd)はステップc)に先行し、およびステップc)はステップb)に先行する。さらなる実施形態において、ステップd)は繰り返され、およびこの方法のステップは、次の順序で実施される:ステップa)(場合により、繰り返す)、ステップb)、ステップc)、ステップd)、ステップd)。特定の実施形態において、この方法のステップb)、c)およびd)間の期間は、2~12週間、例えば、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間または12週間である。一実施形態において、この方法のステップb)、c)およびd)間の期間は、4~8週間である。一実施形態において、この方法のステップb)、c)およびd)による組成物の順次投与間の期間は、4週間である。特定の実施形態において、この方法は、1年間の期間にわたって実施される。特定の実施形態において、この方法は8~50週間、例えば、8~40週間、8~30週間、8~20週間、8~16週間の期間にわたって実施され、例えば、この方法は、8週間、9週間、10週間、12週間、14週間、16週間にわたって、10~16週間、12~16週間、16~20週間、20~40週間または30~50週間の期間にわたって実施され得る。
別の態様において、ヒトにおいて慢性B型肝炎感染症(CHB)および/または慢性D型肝炎感染症(CHD)を治療する方法であって、以下のステップ:
a)前記ヒトに、HBV核酸に標的化された10~30ヌクレオシド長のアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)(HBV ASO)を含む組成物を投与するステップ;
b)前記ヒトに、B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む複製欠陥チンパンジーアデノウイルス(ChAd)ベクターを含む組成物を投与するステップ;および
c)前記ヒトに、組換えB型肝炎表面抗原(HBs)と、組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)と、アジュバントとを含む組成物を投与するステップ
を含む方法が提供される。
一実施形態において、この方法のステップは順次実施され、ステップa)はステップb)に先行し、かつ、ステップb)はステップc)に先行する。場合により、ステップa)は、繰り返してよい。場合により、ステップc)は、繰り返してよい。別の実施形態において、ステップc)は、ステップb)と同時に実施される。特定の実施形態において、この方法のステップb)およびc)の間の期間は、2~12週間、例えば、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間または12週間である。一実施形態において、この方法のステップb)およびc)の間の期間は、4~8週間である。一実施形態において、ステップa)は、1週間隔もしくは2週間隔で、または3週間毎もしくは4週間毎に2~12回、例えば、2~10回、2~8回、2~7回、2~6回、2~5回、例えば、4回、3回または2回実施される。特定の実施形態において、ステップa)は、1週間隔で2~10回、1週間隔で2~8回、1週間隔で2~7回、1週間隔で2~6回、1週間隔で2~5回、例えば、1週間隔で4回、1週間隔で3回または1週間あけて2回実施される。別の実施形態において、ステップa)は毎日繰り返され、その後、毎週繰り返される。例えば、ステップa)は、毎日、2~4回実施され、その後、1週間隔で2~8回実施され得る。別の実施形態において、ステップa)は、レジメンの1日目、3日目および5日目に3回繰り返され、その後、レジメンの12日目に開始して1週間隔で2~8回、2~6回、2~4回、例えば、4回、3回または2回繰り返される。さらなる実施形態において、ステップa)は、20~36日間の期間にわたって4~8回、例えば、レジメンの1日目、4日目、8日目、11日目、15日目、22日目、26日目および30日目に、またはレジメンの1日目、4日目、8日目、11日目、15日目および22日目に、またはレジメンの1日目、6日目、11日目、16日目、21日目、26日目、31日目および36日目に実施される。一実施形態において、ステップa)は、ステップb)の前に毎日、交互の日におよび/または1週間隔で実施され、ステップb)は、ステップc)の前に実施される。別の実施形態において、ステップa)は、ステップb)の前に毎日、交互の日におよび/または1週間隔で実施され、ステップb)およびステップc)が実施される期間、1週間隔で繰り返される。別の実施形態において、ステップc)は、ステップa)および/またはステップb)と同時に実施される。特定の実施形態において、同時ステップb)およびc)は、繰り返してよい。一実施形態において、この方法のステップは順次実施され、ステップa)は、場合により繰り返され、ステップc)に先行し、およびステップc)はステップb)に先行する。特定の実施形態において、この方法は、1年間の期間にわたって実施される。特定の実施形態において、この方法は、8~50週間、例えば、8~40週間、8~30週間、8~20週間、8~16週間の期間にわたって実施され、例えば、この方法は、8週間、9週間、10週間、12週間、14週間、16週間にわたって、10~16週間、12~16週間、16~20週間、20~40週間または30~50週間の期間にわたって実施され得る。
特定の実施形態において、この方法のステップa)で投与される組成物は、HBV核酸に標的化された連結した10~30ヌクレオシド長のオリゴヌクレオチド(HBV ASO)を含む。HBV標的は、配列番号16の配列内に含まれる配列を有する。従って、特定の実施形態において、HBV ASOは、HBV核酸の領域を標的とする。特定の実施形態において、ステップa)で投与される組成物は、配列番号16のHBV核酸の標的化領域の等長の核酸塩基と相補的な連続する核酸塩基を有するHBV ASOを含む。例えば、HBV ASOの連続する核酸塩基部分は、配列番号16の領域の等長部分と相補的な連続する少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20個の核酸塩基であり得る。特定の実施形態において、ステップa)で投与される組成物は、HBV核酸に標的化され、配列番号16の次のヌクレオチド領域:58~73、58~74、58~77、59~74、59~75、60~75、60~76、61~76、61~77、62~77、253~272、253~269、254~270、255~271、256~272、411~437、411~426、411~427、411~430、412~427、412~428、412~431、413~428、413~429、413~432、414~429、414~430、414~433、415~430、415~431、415~434、416~431、416~432、416~435、417~432、417~433、417~436、418~433、418~434、418~437、457~472、457~473、458~473、670~706、670~685、670~686、671~686、671~687、672~687、672~688、673~688、687~702、687~703、687~706、688~703、688~704、689~704、689~705、690~705、690~706、691~706、1261~1285、1261~1276、1261~1277、1261~1280、1262~1277、1262~1278、1262~1281、1263~1278、1263~1279、1263~1282、1264~1279、1264~1280、1264~1283、1265~1280、1265~1281、1265~1284、1266~1281、1266~1282、1266~1285、1267~1282、1267~1283、1268~1283、1268~1284、1269~1284、1269~1285、1270~1285、1577~1606、1577~1592、1577~1593、1577~1596、1578~1593、1578~1594、1578~1597、1579~1594、1579~1594、1579~1598、1580~1595、1580~1596、1580~1599、1581~1596、1581~1597、1581~1600、1582~1597、1582~1598、1582~1601、1583~1598、1583~1599、1583~1602、1584~1599、1584~1600、1584~1603、1585~1600、1585~1601、1585~1604、1586~1601、1586~1602、1586~1605、1587~1602、1587~1603、1587~1606、1588~1603、1588~1604、1589~1604、1589~1605、1590~1605、1590~1606、1591~1606、1778~1800、1778~1793、1778~1794、1778~1797、1779~1794、1779~1795、1779~1798、1780~1795、1780~1796、1780~1799、1781~1796、1781~1797、1781~1800、1782~1797、1782~1798、1783~1798、1783~1799、1784~1799,および1784~1800のうちの1つのヌクレオチド領域内に相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む。
特定の実施形態において、ステップa)で投与される組成物は、連続する核酸塩基部分が配列番号16のHBV核酸の領域の等長部分と相補的な16、17、18、19または20個の連続する核酸塩基であるHBV ASOを含む。特定の実施形態において、HBV核酸に標的化されたアンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号16の次のヌクレオチド領域:58~77、253~272、411~430、412~431、413~432、414~433、415~434、416~435、417~436、418~437、687~706、1261~1280、1262~1281、1263~1282、1264~1283、1265~1284、1266~1285、1577~1596、1578~1597、1579~1598、1580~1599、1581~1600、1582~1601、1583~1602、1584~1603、1585~1604、1586~1605、1587~1606、1778~1797、1779~1798、1780~1799および1781~1800またはその一部のうち1つと相補的な連続する16~20個の核酸塩基を有する。特定の実施形態において、HBV核酸に標的化されたアンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号16の次のヌクレオチド領域:58~77、253~272、411~430、412~431、413~432、414~433、415~434、416~435、417~436、418~437、687~706、1261~1280、1262~1281、1263~1282、1264~1283、1265~1284、1266~1285、1577~1596、1578~1597、1579~1598、1580~1599、1581~1600、1582~1601、1583~1602、1584~1603、1585~1604、1586~1605、1587~1606、1778~1797、1779~1798、1780~1799および1781~1800のうち1つと相補的な連続する20個の核酸塩基を有する。
特定の実施形態において、ステップa)で投与される組成物は、HBV核酸に標的化された、配列番号16の次のヌクレオチド領域:1583~1602内で相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、HBV核酸に標的化されたアンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号16の次のヌクレオチド領域:1583~1602内で相補的な連続する16~20個の核酸塩基を有する。特定の実施形態において、HBV核酸に標的化されたアンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号16の次のヌクレオチド領域:1583~1602に対して相補的な連続する20個の核酸塩基を有する。
特定の実施形態において、ステップa)で投与される組成物は、WO2012/145697(PCT/US2012/034550、2012年4月20日出願)の配列番号83~310から選択されるヌクレオチド配列を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、HBV核酸に標的化されたアンチセンスオリゴヌクレオチド(HBV ASO)は、WO2012/145697の配列番号224~227から選択されるヌクレオチド配列、またはWO2012/145697の配列番号224~227から選択される配列と85~95%の同一性を有する配列を有する。特定の実施形態において、この方法のステップa)で投与されるHBV ASOは、配列番号16のHBVゲノム配列の核酸塩基1583~1602に対して相補的な配列GCAGAGGTGAAGCGAAGTGC(WO2012/145697の配列番号226)と85~95%の同一性を有する。特定の実施形態において、この方法のステップa)で投与されるHBV ASOは、配列番号16のHBVゲノム配列の核酸塩基1583~1602に対して相補的な配列GCAGAGGTGAAGCGAAGTGC(WO2012/145697の配列番号226)を有する。
特定の実施形態において、この方法のステップb)で投与される組成物は、ChAd3、ChAd63、ChAd83、ChAd155、ChAd157、Pan 5、Pan 6、Pan 7(C7とも呼ばれる)およびPan 9、特に、ChAd63またはChAd155からなる群から選択されるChAdベクターを含む。特定の実施形態において、ChAdベクターは、口蹄疫ウイルスの2A切断領域をコードする配列によって分離されたHBcおよびHBsをコードするベクターインサートを含む。特定の実施形態において、ベクターインサートは、口蹄疫ウイルスの2A切断領域を組み込んだスペーサーをコードする配列(例えば、配列番号3またはそれと少なくとも98%同一のアミノ酸配列)によって分離されたHBc(例えば、配列番号11またはそれと少なくとも98%同一のアミノ酸配列)およびHBs(例えば、配列番号1またはそれと少なくとも98%同一のアミノ酸配列)をコードする。特定の実施形態において、HBc(例えば、配列番号11またはそれと少なくとも98%同一のアミノ酸配列)は、hIi(例えば、配列番号7またはそれと少なくとも98%同一のアミノ酸配列または配列番号12、またはそれと少なくとも98%同一のアミノ酸配列)に融合されている。例えば、HBc(例えば、配列番号11)がhIi(例えば、配列番号7)に融合されているか、またはHBc(例えば、配列番号11)がhIi(例えば、配列番号12)に融合されている。特定の実施形態において、この方法のステップb)で投与される組成物は、hIi、HBc、2AおよびHBsをコードするポリヌクレオチドベクターインサート、例えば、図13に示される構造を有する構築物をコードするインサートを含むChAd155ベクターを含む。一実施形態において、この方法のステップb)で投与される組成物は、配列番号9のアミノ酸配列または配列番号15のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドベクターインサートを含むChAdベクターを含む。特定の実施形態において、この方法のステップb)で投与される組成物は、配列番号10に示されるヌクレオチド配列または配列番号14に示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドベクターインサートを含むChAdベクターを含む。特定の一実施形態において、このベクターはChAd155ベクターである。よって、特定の実施形態において、この方法のステップb)で投与される組成物は、配列番号9のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドベクターインサートを含むChAd155ベクターを含む。他の実施形態において、この方法のステップb)で投与される組成物は、配列番号15のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドベクターインサートを含むChAd155ベクターを含む。一実施形態において、この方法のステップb)で投与される組成物は、配列番号10に示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドベクターインサートを含むChAd155ベクターを含む。他の実施形態において、この方法のステップb)で投与される組成物は、配列番号14に示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドベクターインサートを含むChAd155ベクターを含む。
一実施形態において、この方法のステップc)で投与される組成物は、口蹄疫ウイルスの2A切断領域をコードする配列によって分離されたHBcおよびHBsをコードするベクターインサートを含むMVAベクターを含む。特定の実施形態において、ベクターインサートは、口蹄疫ウイルスの2A切断領域を組み込んだスペーサーをコードする配列によって分離されたHBcおよびHBsをコードする。特定の実施形態において、この方法のステップc)で投与される組成物は、HBc、2AおよびHBsをコードするポリヌクレオチドベクターインサート、例えば、図12に示される構造を有する構築物をコードするインサートを含むMVAベクターを含む。特定の実施形態において、ベクターインサートは、口蹄疫ウイルスの2A切断領域を組み込んだスペーサーをコードする配列(例えば、配列番号3またはそれと少なくとも98%同一のアミノ酸配列)によって分離されたHBc(例えば、配列番号11またはそれと少なくとも98%同一のアミノ酸配列)およびHBs(例えば、配列番号1またはそれと少なくとも98%同一のアミノ酸配列)をコードする。一実施形態において、この方法のステップc)で投与される組成物は、配列番号5のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドベクターインサートを含むMVAベクターを含む。一実施形態において、この方法のステップc)で投与される組成物は、配列番号6に示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドベクターインサートを含むMVAベクターを含む。
一実施形態において、この方法のステップd)で投与される組成物は、組換えHBcおよび組換えHBsを1:1比で含む。別の実施形態において、組成物中のHBsに対するHBcの比は1より大きく、例えば、HBsに対するHBcの比は、1.5:1、2:1、2.5:1、3:1、3.5:1、4:1、4.5:1、5:1、5.5:1、6:1またはそれ以上、特に、3:1~5:1、例えば、3:1、4:1または5:1、特に、4:1の比であり得る。特定の実施形態において、この方法のステップd)で投与される組成物は、組換えHBcおよび組換えHBsを4:1またはそれを超える比で含む。特定の実施形態において、この方法のステップd)で投与される組成物は、全長組換えB型肝炎表面抗原(HBs)(例えば、配列番号1またはそれと少なくとも98%同一のアミノ酸配列)、C末端で切断された組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)およびアジュバントを含む。特定の実施形態において、末端切断型組換えHBcは、HBcのアセンブリドメイン、例えば、HBcのアミノ酸1~149(例えば、配列番号2またはそれと少なくとも98%同一のアミノ酸配列)を含む。一実施形態において、この方法のステップd)で投与される組成物は、全長組換えHBs、HBcのアミノ酸1~149ならびにMPLおよびQS-21を含むアジュバントを含む。例えば、この方法のステップd)において投与される組成物は、全長組換えHBs(配列番号1)、HBcのアミノ酸1~149(配列番号2)ならびにMPLおよびQS-21を含むアジュバントを含む。特定の実施形態において、組換えタンパク質HBsおよびHBc抗原は、ウイルス様粒子の形態である。
さらなる実施形態において、ヒトにおいてCHBおよび/または慢性D型肝炎感染症(CHD)を治療する方法であって、以下のステップ:
a)前記ヒトに、HBV核酸に標的化された10~30ヌクレオシド長のアンチセンスオリゴヌクレオチド(HBV ASO)を含む組成物を投与するステップ;
b)前記ヒトに、B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む複製欠陥チンパンジーアデノウイルス(ChAd)ベクターを含む組成物を投与するステップ;
c)前記ヒトに、B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む改変ワクシニアウイルスアンカラ(MVA)ベクターを含む組成物を投与するステップ;
d)前記ヒトに、組換えB型肝炎表面抗原(HBs)と、組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)と、アジュバントとを含む組成物を投与するステップ;および
e)前記ヒトに、組換えB型肝炎表面抗原(HBs)と、組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)と、アジュバントとを含む組成物を投与するステップ
を含む方法が提供される。
特定の実施形態において、この方法のステップa)で投与されるHBV ASOは、配列番号16のHBVゲノム配列の核酸塩基1583~1602に対して相補的な配列GCAGAGGTGAAGCGAAGTGC(WO2012/145697の配列番号226)と85~95%の同一性を有する。特定の実施形態において、この方法のステップa)で投与されるHBV ASOは、配列番号16のHBVゲノム配列の核酸塩基1583~1602に対して相補的な配列GCAGAGGTGAAGCGAAGTGC(WO2012/145697の配列番号226)を有する。
本発明の別の態様において、ヒトにおいて慢性B型肝炎感染症(CHB)および/または慢性D型肝炎感染症(CHD)を治療する方法であって、以下のステップ:
a)前記ヒトに、HBV核酸に標的化された10~30ヌクレオシド長のアンチセンスオリゴヌクレオチド(HBV ASO)を含む組成物を投与するステップ;
b)前記ヒトに、i)B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む複製欠陥チンパンジーアデノウイルス(ChAd)ベクターを含む組成物、およびii)組換えB型肝炎表面抗原(HBs)と、組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)と、アジュバントとを含む組成物を併用投与するステップ;ならびに
c)前記ヒトに、i)B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む改変ワクシニアウイルスアンカラ(MVA)ベクターを含む組成物、および組換えB型肝炎表面抗原(HBs)と、組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)と、アジュバントとを含む組成物を併用投与するステップ
を含む方法が提供される。
特定の実施形態において、この方法のステップa)で投与されるHBV ASOは、配列番号16のHBVゲノム配列の核酸塩基1583~1602に対して相補的な配列GCAGAGGTGAAGCGAAGTGC(WO2012/145697の配列番号226)と85~95%の同一性を有する。特定の実施形態において、この方法のステップa)で投与されるHBV ASOは、配列番号16のHBVゲノム配列の核酸塩基1583~1602に対して相補的な配列GCAGAGGTGAAGCGAAGTGC(WO2012/145697の配列番号226)を有する。
本発明のこの態様の一実施形態において、この方法のステップは順次実施され、ステップa)はステップb)に先行し、かつ、ステップb)はステップc)に先行する。場合により、ステップa)は、繰り返してよい。場合により、ステップb)は、繰り返してよい。場合により、ステップc)は、繰り返してよい。一実施形態において、これらの方法ステップは、ステップa)、その後、ステップa)、その後、ステップb)、その後、ステップc)の順序で実施される。別の実施形態において、これらの方法ステップは、ステップa)、その後、ステップb)、その後、ステップc)、その後、ステップc)の順序で実施される。一実施形態において、これらの方法ステップは、ステップa)、その後、ステップb)、その後、ステップb)、その後、ステップc)の順序で実施される。場合により、ステップa)は、2回以上繰り返されてよい。場合により、ステップa)およびステップc)の両方を繰り返してよい。本発明のこの態様の一実施形態において、これらの方法ステップは、ステップa)、その後、ステップa)、その後、ステップb)、その後、ステップc)、その後、ステップc)の順序で実施される。別の実施形態において、これらの方法ステップは、ステップb)、その後、ステップa)、その後、ステップb)、その後、ステップb)の順序で実施される。さらなる実施形態において、これらの方法ステップは、2~8回繰り返されるステップa)、その後、ステップb)、その後、ステップc)、その後、ステップc)、場合により、その後、ステップc)の順序で実施される。特定の実施形態において、この方法のステップ間の期間は、2~12週間、例えば、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間または12週間である。一実施形態において、この方法のステップ間の期間は4~8週間である。一実施形態において、この方法に従う組成物の順次投与間の期間は4週間である。
よって、本発明のこの態様の別の実施形態では、ヒトにおいてCHBおよび/またはCHDを治療する方法であって、以下のステップ:
a)前記ヒトに、HBV核酸に標的化された10~30ヌクレオシド長のアンチセンスオリゴヌクレオチド(HBV ASO)を含む組成物を投与するステップ;
b)前記ヒトに、i)B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む複製欠陥チンパンジーアデノウイルス(ChAd)ベクターを含む組成物、およびii)組換えB型肝炎表面抗原(HBs)と、組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)と、アジュバントとを含む組成物を併用投与するステップ;
c)前記ヒトに、i)HBs抗原をコードするポリヌクレオチドと、HBc抗原をコードする核酸とを含む改変ワクシニアウイルスアンカラ(MVA)ベクターを含む組成物、およびii)組換えHBsタンパク質抗原と、組換えHBcタンパク質抗原と、アジュバントとを含む組成物を併用投与するステップ;
d)前記ヒトに、i)HBs抗原をコードするポリヌクレオチドと、HBc抗原をコードする核酸とを含むMVAベクターを含む組成物、および、ii)組換えHBsタンパク質抗原と、組換えHBcタンパク質抗原と、アジュバントとを含む組成物を併用投与するステップ;および
e)前記ヒトに、i)HBs抗原をコードするポリヌクレオチドと、HBc抗原をコードする核酸とを含むMVAベクターを含む組成物、およびii)組換えHBsタンパク質抗原と、組換えHBcタンパク質抗原と、アジュバントとを含む組成物を併用投与するステップ
を含む方法が提供される。
特定の実施形態において、この方法のステップa)で投与されるHBV ASOは、配列番号16のHBVゲノム配列の核酸塩基1583~1602に対して相補的な配列GCAGAGGTGAAGCGAAGTGC(WO2012/145697の配列番号226)と85~95%の同一性を有する。特定の実施形態において、この方法のステップa)において投与されるHBV ASOは、配列番号16のHBVゲノム配列の核酸塩基1583~1602に対して相補的な配列GCAGAGGTGAAGCGAAGTGC(WO2012/145697の配列番号226)を有する。
特定の実施形態において、ステップa)は、繰り返してよい。特定の実施形態において、ステップa)は、毎日または1週間隔で2~12回繰り返される。特定の実施形態において、この方法のステップb)、c)、d)およびe)間の期間は、2~12週間、例えば、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間または12週間である。一実施形態において、この方法のステップb)、c)、d)およびe)間の期間は、4~8週間である。一実施形態において、この方法に従う組成物の順次投与間の期間は4週間である。一実施形態において、この方法のステップb)で投与される組成物i)は、ChAd3、ChAd63、ChAd83、ChAd155、ChAd157、Pan 5、Pan 6、Pan 7(C7とも呼ばれる)およびPan 9、特に、ChAd63またはChAd155からなる群から選択されるChAdベクターを含む。特定の実施形態において、ChAdベクターは、口蹄疫ウイルスの2A切断領域をコードする配列によって分離されたHBcおよびHBsをコードするベクターインサートを含む。特定の実施形態において、ベクターインサートは、口蹄疫ウイルスの2A切断領域を組み込んだスペーサーをコードする配列によって分離されたHBcおよびHBsをコードする。特定の実施形態において、HBcは、hIiに融合される。特定の実施形態において、この方法のステップb)で投与される組成物i)は、hIi、HBc、2AおよびHBsをコードするポリヌクレオチドベクターインサート、例えば、図13に示される構造を有する構築物をコードするインサートを含むChAd155ベクターを含む。特定の実施形態において、ベクターインサートは、口蹄疫ウイルスの2A切断領域を組み込んだスペーサーをコードする配列(例えば、配列番号3またはそれと少なくとも98%同一のアミノ酸配列)によって分離されたHBc(例えば、配列番号11またはそれと少なくとも98%同一のアミノ酸配列)およびHBs(例えば、配列番号1またはそれと少なくとも98%同一のアミノ酸配列)をコードする。特定の実施形態において、HBc(例えば、配列番号11またはそれと少なくとも98%同一のアミノ酸配列)は、hIi(例えば、配列番号7またはそれと少なくとも98%同一のアミノ酸配列または配列番号12またはそれと少なくとも98%同一のアミノ酸配列)に融合される。例えば、HBc(例えば、配列番号11)がhIiに融合されるか(例えば、配列番号7)、またはHBc(例えば、配列番号11)がhIiに融合される(例えば、配列番号12)。一実施形態において、この方法のステップb)において投与される組成物i)は、配列番号9のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドベクターインサートを含むChAd155ベクターを含む。別の実施形態において、この方法のステップb)で投与される組成物i)は、配列番号15のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドベクターインサートを含むChAd155ベクターを含む。一実施形態において、この方法のステップb)で投与される組成物i)は、配列番号10に示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドベクターインサートを含むChAd155ベクターを含む。別の実施形態において、この方法のステップb)で投与される組成物i)は、配列番号14に示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドベクターインサートを含むChAd155ベクターを含む。特定の実施形態において、この方法のステップb)で投与される組成物ii)は、全長組換えB型肝炎表面抗原(HBs)、C末端で切断された組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)およびアジュバントを含む。特定の実施形態において、末端切断型組換えHBcは、HBcのアセンブリドメイン、例えば、HBcのアミノ酸1~149を含む。一実施形態において、この方法のステップb)で投与される組成物ii)は、全長組換えHBs(例えば、配列番号1)、HBcのアミノ酸1~149(例えば、配列番号2)ならびにMPLおよびQS-21を含むアジュバントを含む。特定の実施形態において、組換えタンパク質HBsおよびHBc抗原は、ウイルス様粒子の形態である。
一実施形態において、この方法のステップc)で投与される組成物i)は、口蹄疫ウイルスの2A切断領域をコードする配列によって分離されたHBcおよびHBsをコードするベクターインサートを含むMVAベクターを含む。特定の実施形態において、ベクターインサートは、口蹄疫ウイルスの2A切断領域を組み込んだスペーサーをコードする配列(例えば、配列番号3またはそれと少なくとも98%同一のアミノ酸配列)によって分離されたHBc(例えば、配列番号11またはそれと少なくとも98%同一のアミノ酸配列)およびHBs(例えば、配列番号1またはそれと少なくとも98%同一のアミノ酸配列)をコードする。特定の実施形態において、この方法のステップc)で投与される組成物i)は、HBc、2AおよびHBsをコードするポリヌクレオチドベクターインサート、例えば、図12に示される構造を有する構築物をコードするインサートを含むMVAベクターを含む。一実施形態において、この方法のステップc)で投与される組成物i)は、配列番号5のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドベクターインサートを含むMVAベクターを含む。一実施形態において、この方法のステップc)で投与される組成物i)は、配列番号6に示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドベクターインサートを含むMVAベクターを含む。特定の実施形態において、この方法のステップc)で投与される組成物ii)は、全長組換えB型肝炎表面抗原(HBs)、C末端で切断された組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)およびアジュバントを含む。特定の実施形態において、末端切断型組換えHBcは、HBcのアセンブリドメイン、例えば、HBcのアミノ酸1~149を含む。一実施形態において、この方法のステップc)で投与される組成物ii)は、全長組換えHBs(例えば、配列番号1)、HBcのアミノ酸1~149(例えば、配列番号2)ならびにMPLおよびQS-21を含むアジュバントを含む。特定の実施形態において、組換えタンパク質HBsおよびHBc抗原は、ウイルス様粒子の形態である。
一実施形態において、この方法のステップd)で投与される組成物i)は、口蹄疫ウイルスの2A切断領域をコードする配列によって分離されたHBcおよびHBsをコードするベクターインサートを含むMVAベクターを含む。特定の実施形態において、ベクターインサートは、口蹄疫ウイルスの2A切断領域を組み込んだスペーサーをコードする配列(例えば、配列番号3またはそれと少なくとも98%同一のアミノ酸配列)によって分離されたHBc(例えば、配列番号11またはそれと少なくとも98%同一のアミノ酸配列)およびHBs(例えば、配列番号1またはそれと少なくとも98%同一のアミノ酸配列)をコードする。特定の実施形態において、この方法のステップd)で投与される組成物i)は、HBc、2AおよびHBsをコードするポリヌクレオチドベクターインサート、例えば、図12に示される構造を有する構築物をコードするインサートを含むMVAベクターを含む。一実施形態において、この方法のステップd)で投与される組成物i)は、配列番号5のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドベクターインサートを含むMVAベクターを含む。一実施形態において、この方法のステップd)で投与される組成物i)は、配列番号6に示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドベクターインサートを含むMVAベクターを含む。特定の実施形態において、この方法のステップd)で投与される組成物ii)は、全長組換えB型肝炎表面抗原(HBs)、C末端で切断された組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)およびアジュバントを含む。特定の実施形態において、末端切断型組換えHBcは、HBcのアセンブリドメイン、例えば、HBcのアミノ酸1~149を含む。特定の実施形態において、組換えタンパク質HBsおよびHBc抗原は、ウイルス様粒子の形態である。一実施形態において、この方法のステップd)で投与される組成物ii)は、全長組換えHBs(例えば、配列番号1)、HBcのアミノ酸1~149(例えば、配列番号2)ならびにMPLおよびQS-21を含むアジュバントを含む。
一実施形態において、この方法のステップe)で投与される組成物i)は、口蹄疫ウイルスの2A切断領域をコードする配列によって分離されたHBcおよびHBsをコードするベクターインサートを含むMVAベクターを含む。特定の実施形態において、ベクターインサートは、口蹄疫ウイルスの2A切断領域を組み込んだスペーサーをコードする配列(例えば、配列番号3またはそれと少なくとも98%同一のアミノ酸配列)によって分離されたHBc(例えば、配列番号11またはそれと少なくとも98%同一のアミノ酸配列)およびHBs(例えば、配列番号1またはそれと少なくとも98%同一のアミノ酸配列)をコードする。特定の実施形態において、この方法のステップe)で投与される組成物i)は、HBc、2AおよびHBsをコードするポリヌクレオチドベクターインサート、例えば、図12に示される構造を有する構築物をコードするインサートを含むMVAベクター含む。一実施形態において、この方法のステップe)で投与される組成物i)は、配列番号5のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドベクターインサートを含むMVAベクターを含む。一実施形態において、この方法のステップe)で投与される組成物i)は、配列番号6に示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドベクターインサートを含むMVAベクターを含む。特定の実施形態において、この方法のステップe)で投与される組成物ii)は、全長組換えB型肝炎表面抗原(HBs)、C末端で切断された組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)およびアジュバントを含む。特定の実施形態において、末端切断型組換えHBcは、HBcのアセンブリドメイン、例えば、HBcのアミノ酸1~149を含む。一実施形態において、この方法のステップe)で投与される組成物ii)は、全長組換えHBs(例えば、配列番号1)、HBcのアミノ酸1~149(例えば、配列番号2)ならびにMPLおよびQS-21を含むアジュバントを含む。特定の実施形態において、組換えタンパク質HBsおよびHBc抗原は、ウイルス様粒子の形態である。
本発明はまた、CHBおよび/またはCHDを有するヒトにおいて細胞性免疫応答および体液性免疫応答、特に、CD4+応答およびCD8+応答および抗体応答を誘導する方法であって、以下のステップ:
a)前記ヒトに、HBV核酸に標的化された10~30ヌクレオシド長のアンチセンスオリゴヌクレオチド(HBV ASO)を含む組成物を投与するステップ;
b)前記ヒトに、B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む複製欠陥チンパンジーアデノウイルス(ChAd)ベクターを含む組成物を投与するステップ;
c)前記ヒトに、B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む改変ワクシニアウイルスアンカラ(MVA)ベクターを含む組成物を投与するステップ;および
d)前記ヒトに、組換えB型肝炎表面抗原(HBs)と、組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)と、アジュバントとを含む組成物を投与するステップ
を含む方法も提供する。
一実施形態において、この方法のステップは順次実施され、ステップa)はステップb)に先行し、ステップb)はステップc)に先行し、かつ、ステップc)はステップd)に先行する。場合により、ステップa)は、繰り返してよい。場合により、ステップd)は、繰り返してよい。別の実施形態において、ステップd)は、ステップb)および/またはステップc)と同時に実施される。さらなる実施形態において、CHBおよび/またはCHDを有するヒトにおいて細胞性免疫応答および体液性免疫応答、特に、CD4+応答およびCD8+応答および抗体応答を誘導する方法は、以下のステップ:
a)前記ヒトに、HBV核酸に標的化された10~30ヌクレオシド長のアンチセンスオリゴヌクレオチド(HBV ASO)を含む組成物を投与するステップ;
b)前記ヒトに、i)B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む複製欠陥チンパンジーアデノウイルス(ChAd)ベクターを含む組成物、およびii)組換えB型肝炎表面抗原(HBs)と、組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)と、アジュバントとを含む組成物を併用投与するステップ;ならびに
c)前記ヒトに、i)B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む改変ワクシニアウイルスアンカラ(MVA)ベクターを含む組成物、および、組換えB型肝炎表面抗原(HBs)と、組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)と、アジュバントとを含む組成物を併用投与するステップ
を含む。
一実施形態において、この方法のステップは順次実施され、ステップa)はステップb)に先行し、ステップb)はステップc)に先行する。場合により、ステップc)は、繰り返してよい。
本発明はまた、CHBおよび/またはCHDを有するヒトにおいて血清HBsAgレベルおよび/または血清HBV DNAレベルを低減する方法であって、以下のステップ:
a)前記ヒトに、HBV核酸に標的化された10~30ヌクレオシド長のアンチセンスオリゴヌクレオチド(HBV ASO)を含む組成物を投与するステップ;
b)前記ヒトに、B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む複製欠陥チンパンジーアデノウイルス(ChAd)ベクターを含む組成物を投与するステップ;
c)前記ヒトに、B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む改変ワクシニアウイルスアンカラ(MVA)ベクターを含む組成物を投与するステップ;および
d)前記ヒトに、組換えB型肝炎表面抗原(HBs)と、組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)と、アジュバントとを含む組成物を投与するステップ
を含む方法も提供される。
一実施形態において、この方法のステップは順次実施され、ステップa)はステップb)に先行し、ステップb)はc)に先行し、かつ、ステップc)はd)に先行する。場合により、ステップa)は、繰り返してよい。場合により、ステップd)は、繰り返してよい。別の実施形態において、ステップd)は、ステップb)および/またはステップc)と同時に実施される。
さらなる実施形態において、CHBおよび/またはCHDを有するヒトにおいて血清HBsAgレベルおよび/または血清HBV DNAレベルを低減する方法であって、以下のステップ:
a)前記ヒトに、HBV核酸に標的化された10~30ヌクレオシド長のアンチセンスオリゴヌクレオチド(HBV ASO)を含む組成物を投与するステップ;
b)前記ヒトに、i)B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む複製欠陥チンパンジーアデノウイルス(ChAd)ベクターを含む組成物、およびii)組換えB型肝炎表面抗原(HBs)と、組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)と、アジュバントとを含む組成物を併用投与するステップ;ならびに
c)前記ヒトに、i)B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む改変ワクシニアウイルスアンカラ(MVA)ベクターを含む組成物、およびii)組換えB型肝炎表面抗原(HBs)と、組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)と、アジュバントとを含む組成物を併用投与するステップ
を含む。
一実施形態において、この方法のステップは順次実施され、ステップa)はステップb)に先行し、かつ、ステップb)はステップb)に先行する。場合により、ステップa)は、繰り返してよい。場合により、ステップc)は、繰り返してよい。さらなる実施形態において、血清HBsAgレベルは、定量的イムノアッセイで決定した場合に検出不能なレベルに低減される。別の実施形態において、血清HBV DNAレベルは、Cobas(登録商標)HBVアッセイまたは等価なもので決定した場合に検出不能なレベルに低減される。別の実施形態において、血清HBsAgレベルおよび/または血清HBV DNAレベルは、検出不能なレベルに低減され、少なくとも6か月間、検出不能なレベルで維持される。別の実施形態において、血清HBsAgレベルおよび/または血清HBV DNAレベルは、検出不能なレベルに低減され、検出不能なレベルで維持され、ALTレベルは、少なくとも6か月間、正常範囲に維持される。
抗原
HBVの少なくとも9個の遺伝子型(AからI)が同定されており、それらのゲノムは8%を超えて異なっている。所与のHBV遺伝子型内で、4~8%異なる複数の遺伝子亜型が同定されている。開示される方法において使用するための抗原は、複数の、好ましくはすべてのHBV遺伝子型にわたる免疫学的適用範囲を提供するように適切に選択される。B型肝炎コアタンパク質抗原(HBc)は、遺伝子型および遺伝子亜型にわたって高度に保存されており、B型肝炎表面タンパク質抗原(HBs)配列は、広範な中和応答の誘導を可能にする重要な交差遺伝子型保存(cross-genotype-preserved)B細胞エピトープを含むように適切に選択される。適切には、開示される方法および組成物において使用するためのHBcおよびHBsの配列は、遺伝子型/亜型A2由来のものに基づく。
適切には、開示される方法および組成物において使用するためのHBs抗原は、スモール、ミドルまたはラージ表面抗原タンパク質から導出される。特に、適切なHBs抗原は、HBV adw2株、遺伝子型Aのスモール(S)タンパク質を含む。例えば、適切なHBs抗原は、配列番号1のアミノ酸配列の226アミノ酸を有する。組換えタンパク質として使用する場合、HBs抗原は、好ましくは、ウイルス様粒子に会合する。この抗原は、よく研究された市販のB型肝炎予防ワクチン(エンジェリックスB(Engerix B)、フェンドリックス(Fendrix)、ツインリックス(Twinrix)およびその他)に含まれ、遺伝子型にわたってB型肝炎に対する防御作用があることが実証されている。好ましくは、組換えHBsタンパク質抗原は、酵母から発現され、本発明のワクチン組成物および方法において使用するために精製される。発現および精製のための適切な方法は、例えばEP1307473B1から公知である。
B型肝炎コアタンパク質(HBc)は、ウイルスゲノムをパッケージングするヌクレオカプシドシェルの主要な成分である。このタンパク質(183~185アミノ酸長)は、感染細胞の細胞質で発現され、グリコシル化されないままである。HBcは、149残基のアセンブリドメインおよび34~36残基のRNA結合ドメイン(C末端における)を含む。開示される方法および組成物において使用するためのHBc抗原は、全長であっても、またはC末端切断型タンパク質(RNA結合C末端を欠く)、例えば、野生型コア抗原タンパク質のアセンブリドメインの145~149アミノ酸、例えば、野生型B型肝炎コア抗原タンパク質のアミノ酸1~145、1~146、1~147、1~148またはアミノ酸1~149を含んでもよい。切断型タンパク質は、ヌクレオカプシド粒子に会合する能力を保持する。開示される方法および組成物において使用するのに適したHBc抗原は、HBV adw2株、遺伝子型A由来のアミノ酸配列を有する。組換えタンパク質として使用される場合、HBc抗原は、C末端で野生型から適切に切断され、特に、抗原は、配列番号2のアミノ酸配列を有してもよい。好ましくは、組換えHBcタンパク質抗原は、大腸菌(E. coli)から発現され、本発明のワクチン組成物および方法において使用するために精製される。大腸菌におけるウイルスタンパク質の組換え発現の方法は、当技術分野で周知である。
組換えタンパク質として使用する場合、HBc抗原は、好ましくは、ウイルス様粒子に会合する。ウイルスベクターから発現される場合、HBc抗原は、全長または切断型であってよく、例えば、適切には全長HBc抗原(例えば、配列番号11)である。本明細書に開示される方法において使用するための組換えHBs抗原の適切な用量は、投与あたり10μg~投与あたり100μg、例えば、投与あたり10μg、15μg、20μg、25μg、30μg、35μg、40μg、45μg、50μg、55μg、60μg、65μg、70μg、75μg、80μg、85μg、90μg、95μgまたは100μgである。本明細書に開示される方法において使用するための組換えHBc抗原の適切な用量は、投与あたり10μg~投与あたり100μg、例えば、投与あたり10μg、15μg、20μg、25μg、30μg、35μg、40μg、45μg、50μg、55μg、60μg、65μg、70μg、75μg、80μg、85μg、90μg、95μgまたは100μgである。
抗原は、体内で免疫応答、とりわけ抗体の産生を誘導する物質である。抗原は、外来性、すなわち、病原性起源であっても、または生物自体に由来してもよく、後者は自己抗原(self- or auto antigen)と呼ばれる。抗原は、MHC分子によって抗原提示細胞の表面上に提示され得る。MHC分子には2つのクラス、MHCクラスI(MHC-I)およびMHCクラスII(MHC-II)がある。MHC-II分子は、小胞体で合成され、MHCクラスIIコンパートメントにおいて小胞体を離れる膜結合受容体である。内因性ペプチド、すなわち自己抗原が、MHC-II分子に結合し、提示されて免疫応答を生じるのを防ぐために、新生MHC-II分子は、MHC-II分子のペプチド結合溝をブロックする別のタンパク質であるインバリアント鎖と結合する。ヒトインバリアント鎖(hIi、細胞膜上で発現される場合はCD74としても知られる)は、細胞内および免疫系全体でいくつかの役割を有する進化的に保存されたタイプII膜タンパク質である[Borghese, 2011]。MHCクラスIIコンパートメントが、貪食されて分解された外来タンパク質を含有する後期エンドソームに融合すると、インバリアント鎖は切断されて、MHC-II分子に結合したCLIP領域のみが残る。第2のステップにおいて、CLIPは、HLA-DM分子によって除去され、MHC-II分子が外来タンパク質の断片に自由に結合できるようになる。MHCクラスIIコンパートメントが細胞膜と融合すると、この断片は、抗原提示細胞の表面上に提示され、従って、その他の細胞、主にTヘルパー細胞に外来抗原を提示する。
インバリアント鎖および抗原の融合物をコードするアデノウイルス発現系が、ワクチン接種に使用される場合、抗原に対する免疫応答が増加することが知られており(WO2007/062656(US2011/0293704としても公開され、インバリアント鎖配列を開示する目的で参照により組み込まれる)を参照)、すなわち、インバリアント鎖は、抗原の免疫原性を増強し、hIiなどのインバリアント鎖は、時には、この効果の認識において「遺伝的アジュバント」と呼ばれる。さらに、アデノウイルス構築物は、プライム-ブーストワクチン接種レジメンの関係において免疫応答をプライミングするのに有用であることが判明している(WO2014/141176(US2016/0000904としても公開される);およびWO2010/057501(US2010/0278904としても公開され、インバリアント鎖配列およびインバリアント鎖配列をコードするアデノウイルスベクターを開示する目的で参照により組み込まれる)を参照)。特に、hIi配列およびhIiは、CD8T細胞応答を増加させる可能性を有する[Spencer, 2014; Capone, 2014]。特定の実施形態において、本明細書に開示される方法、使用および組成物において使用するためのベクター内に含まれるヌクレオチド配列は、hIiをコードするヌクレオチド配列を含んでもよい。開示されるアデノウイルスベクターChAd155-hIi-HBVに含まれ得るhIiについてのアミノ酸配列は、配列番号7に示され、代替配列は、配列番号12に示される。これらのアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列は、配列番号8および配列番号13に示される。適切には、hIiポリペプチドがHBc抗原にN末端で融合している融合タンパク質を生成するように、hIiをコードするヌクレオチド配列は、HBc抗原をコードするヌクレオチド配列に融合している。
ベクター
抗原タンパク質をコードするポリヌクレオチド(本明細書では「インサート」とも呼ばれる)に加えて、本明細書に開示される方法および組成物において使用するためのベクターはまた、ベクターによりトランスフェクトされた細胞における転写、翻訳および/または発現を可能にするように、コード化ポリヌクレオチドに作動可能に連結される従来の制御エレメントを含んでもよい。従って、タンパク質抗原をコードするベクターインサートポリヌクレオチドは、適切な制御エレメントを有する発現カセットに組み込まれる。
発現制御エレメントは、適切な転写開始、終結、プロモーターおよびエンハンサー配列;効率的なRNAプロセシングシグナル、例えば、スプライシングおよびポリアデニル化(ポリA)シグナル、例えば、ウサギβ-グロビンポリA;細胞質mRNAを安定化させる配列;翻訳効率を増強する配列(例えば、コザック(Kozak)コンセンサス配列);タンパク質安定性を増強する配列;および、所望の場合、コードされる生成物の分泌を増強する配列を含む。
プロモーターは、RNAポリメラーゼの結合を可能にし、遺伝子の転写を指示するヌクレオチド配列である。典型的には、プロモーターは、遺伝子の転写開始部位の近位の、遺伝子の5’非コード領域に位置する。転写の開始において機能するプロモーター内の配列エレメントは、しばしば、コンセンサスヌクレオチド配列を特徴とする。プロモーターの例としては、限定されるものではないが、細菌、酵母、植物、ウイルスおよび哺乳動物(ヒトを含む)由来のプロモーターが挙げられる。多数の発現制御配列、例えば、内在的、天然、構成的、誘導性および/または組織特異的であるプロモーターは当技術分野で公知であり、利用してもよい。
構成的プロモーターの例としては、TBGプロモーター、レトロウイルスラウス肉腫ウイルス(RSV)LTRプロモーター(場合によりRSVエンハンサーを有する)、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター(場合によりCMVエンハンサーを有し、例えば、Boshart et al, Cell, 41:521-530 (1985)を参照)、CASIプロモーター、SV40プロモーター、ジヒドロ葉酸還元酵素プロモーター、β-アクチンプロモーター、ホスホグリセロールキナーゼ(PGK)プロモーターおよびEF1aプロモーター(Invitrogen)が挙げられる。適切には、プロモーターは、CMVプロモーターまたはそのバリアント、より適切にはヒトCMV(HCMV)プロモーターまたはそのバリアントである。
アデノウイルスベクター
アデノウイルスは、様々な標的組織で非常に効率的な遺伝子導入を達成するその能力、およびその大きな導入遺伝子収容力に起因して、遺伝子導入用途に広く使用されている。通常、アデノウイルスのE1遺伝子は、欠失され、選択したプロモーター、目的の遺伝子のcDNA配列、およびポリAシグナルからなる導入遺伝子カセットで置き換えられ、複製欠損組換えウイルスをもたらす。ヒトアデノウイルスベクターは、動物モデルおよびヒトにおいて、導入遺伝子に対するCD8T細胞応答の誘導のための強力なベクターであることが示されている。アデノウイルスは、広い指向性(tropism)を有し、複製細胞および非複製細胞に感染する能力を有する。ヒトアデノウイルスに基づくベクターの臨床適用の主な制限は、一般集団における中和抗体の高い保有率である。代替種から単離されたアデノウイルスは、ヒトにおける既存の抗アデノウイルス免疫の問題を回避するための潜在的なワクチンベクターと考えられている。それらの中で、チンパンジー、ゴリラまたはボノボから導出されるサルアデノウイルスは、抗原の送達、およびヒトにおけるそれらの抗原に対する標的化T細胞および/または液性応答の誘発に使用するのに適している可能性がある。サルアデノウイルス、例えば、チンパンジーから導出されるサルアデノウイルスは、臨床研究において試験されている。チンパンジーアデノウイルスベクターのヒト集団における血清学的保有率は、低い/全くない。チンパンジーアデノウイルスベクターは、ヒトにおいて病理学的疾患を引き起こすことが知られておらず、一部のChAdベクターは、臨床グレード材料の生成に以前使用された細胞株、例えば、ヒト胎児由来腎臓細胞293(HEK293)において高力価まで増殖させることができる。
複製不能または複製欠損アデノウイルスは、少なくとも機能的欠失(または「機能喪失」変異)、すなわち、遺伝子を完全に除去することなく遺伝子の機能を損なう欠失または変異、例えば、人為的停止コドンの導入、活性部位または相互作用ドメインの欠失または変異、遺伝子の調節配列の変異または欠失など、あるいはウイルス複製に必須である遺伝子産物をコードする遺伝子(例えば、E1A、E1B、E2A、E2B、E3およびE4から選択されるアデノウイルス遺伝子の1以上(例えば、E3 ORF1、E3 ORF2、E3 ORF3、E3 ORF4、E3 ORF5、E3 ORF6、E3 ORF7、E3 ORF8、E3 ORF9、E4 ORF7、E4 ORF6、E4 ORF5、E4 ORF4、E4 ORF3、E4 ORF2および/またはE4 ORF1))の完全な除去を含むように遺伝子操作されているため、複製することができないアデノウイルスである。適切には、E1およびE3遺伝子が欠失される。より適切には、E1、E3およびE4遺伝子が欠失される。
本明細書に開示される方法および組成物において使用するのに適したベクターは、複製欠損チンパンジーアデノウイルスベクター、例えば、ChAd3、ChAd63、ChAd83、ChAd155、ChAd157、Pan 5、Pan 6、Pan 7(C7とも呼ばれる)またはPan 9である。そのような株の例は、WO03/000283、WO2005/071093、WO2010/086189およびWO2016/198621に記載されている。ChAd155ベクター(WO2016/198621(ChAd155ベクター配列および方法を開示する目的で参照により組み込まれる)を参照)は、ChAd3ベクターと同じ系統発生アデノウイルス群(群C)に属する。一実施形態において、本明細書に開示される方法および組成物において使用するためのベクターは、系統発生群CのChAdベクター、例えば、ChAd3またはChAd155である。特定の一実施形態において、本明細書に開示される慢性B型肝炎を治療する方法は、ヒトに、B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含むChAd155ベクターを含む組成物を投与するステップを含む。本明細書に開示される方法において使用するためのChAdベクターの適切な用量は、投与あたり1×10~1×1011ウイルス粒子(vp)、例えば、投与あたり約1×10、5×10、1×10、5×10、1×1010、5×1010または1×1011ウイルス粒子(vp)である。
より具体的には、一実施形態において、本明細書に開示される方法および組成物において使用するためのベクターは、2種のHBVタンパク質:HBc(コア、ヌクレオカプシドタンパク質)およびHBs(スモール表面抗原)から導出される配列の融合物をコードする複製欠損チンパンジーアデノウイルスベクターChAd155である。ある特定の実施形態において、ベクターは、HBcおよびHBsを別個のタンパク質にプロセシングするための、口蹄疫ウイルス(FMDV)の2A切断領域[Donnelly et al. 2001]をコードする配列を組み込んだスペーサーである配列番号3(上流タンパク質のC末端における23アミノ酸尾部および下流タンパク質のN末端における単一プロリンをもたらす)によって分離されたHBcおよびHBsをコードするChAd155である。表面抗原からのコアの切断により、HBsの適切なフォールディングが可能になり、表面抗原に対する抗体応答の生成が可能になる。あるいは、アデノウイルスベクターは、HBsおよびHBc抗原の独立した発現を可能にするデュアルプロモーター(バイシストロニック)ベクターであってもよい。
特定の実施形態において、HBcタンパク質をコードする遺伝子のN末端部分は、ヒト主要組織適合性複合体(MHC)クラスII結合インバリアント鎖p35アイソフォーム(すなわち、hIiまたはCD74)をコードする遺伝子に融合されていてもよい。従って、本明細書に開示される方法および組成物において使用するための特定のChAd155ベクターは、hIi、HBc、2AおよびHBsを含む、図13に示される構造を有する構築物をコードするポリヌクレオチドベクターインサートを含む。そのような構築物のアミノ酸配列は、配列番号9に示され、構築物のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列は、配列番号10に示される。代替のそのような構築物のアミノ酸配列は、配列番号15に示され、構築物のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列は、配列番号14に示される。
改変ワクシニアウイルスアンカラ(MVA)ベクター
改変ワクシニアウイルスアンカラ(MVA)は、ヒトおよびその他の哺乳動物において複製欠損であり、ワクシニアウイルスから導出される。これはポックスウイルス科に属し、ニワトリ胚線維芽細胞(CEF)中でのワクシニアウイルスの570回を超える継代(これは複数の欠失をもたらし、その後、ウイルスは高度に弱毒化され、ヒトおよびその他の哺乳動物において複製欠損であった)によって天然痘ワクチン接種の安全性を改善するために最初に開発された。複製欠損は、ウイルスおよび組換え遺伝子発現が損なわれないようにビリオンアセンブリの後期に生じ、MVAを、哺乳動物に感染を引き起こすことができない効率的な単一ラウンド発現ベクターにする。MVAは、その後、動物モデルおよびヒトの両方において、導入遺伝子に対する抗原特異的免疫を誘導するウイルスベクターとして広く使用されている。MVAの記載は、Mayr A, et.al. (1978)およびMayr, A., et.al. (1975)に見出すことができる。
一実施形態において、MVAは、CEF細胞上のワクシニアウイルスの571回目の継代から得られたウイルスシードバッチ460 MGから導出される。別の実施形態において、MVAは、ウイルスシードバッチMVA 476 MG/14/78から導出される。さらなる実施形態において、MVAは、1978年12月31日より前に導出または作製され、プリオン汚染がない。本明細書に開示される方法において使用するためのMVAベクターの適切な用量は、投与あたり1×10~1×10プラーク形成単位(pfu)、例えば、投与あたり約1×10、2×10、5×10、1×10、2×10、5×10、1×10、2×10、5×10または1×10pfuである。
特定の一実施形態において、本明細書に開示される慢性B型肝炎を治療する方法は、ヒトに、B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含むMVAベクターを含む組成物を投与するステップを含む。
より具体的には、一実施形態において、本明細書に開示される方法および組成物において使用するためのベクターは、2種のHBVタンパク質:HBc(コアヌクレオカプシドタンパク質)およびHBs(スモール表面抗原)から導出される配列の融合物をコードするMVAである。特定の実施形態において、本明細書に開示される方法および組成物において使用するためのベクターは、HBcおよびHBsを別個のタンパク質にプロセシングするための、口蹄疫ウイルスの2A切断領域をコードする配列を組み込んだスペーサーである配列番号3(上流タンパク質のC末端における23アミノ酸尾部および下流タンパク質のN末端における単一プロリンをもたらす)によって分離されたHBcおよびHBsをコードするMVAである。従って、本明細書に開示される方法および組成物において使用するための特定のMVAベクターは、HBc、2AおよびHBsを含む、図12に示される構造を有する構築物をコードするポリヌクレオチドベクターインサートを含む。そのような構築物のアミノ酸配列は、配列番号5に示され、アミノ酸インサート構築物をコードするヌクレオチド配列は、配列番号6に示される。
アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)
細胞がDNAによってコードされたタンパク質を発現するためには、そのDNAの一方の鎖がRNAの相補鎖の合成のための鋳型として働く。鋳型DNA鎖は転写鎖と呼ばれ、その配列は、元の二本鎖DNAのセンス配列と同じ配列を有するmRNA転写産物に対してアンチセンス、または相補的である。DNAは二本鎖であるので、アンチセンス配列と相補的な鎖は、非転写鎖、またはセンス鎖と呼ばれ、mRNA転写産物と同じ配列を有する(ただし、DNA配列の核酸塩基Tは、RNA配列では核酸塩基Uに置換されている)。
DNAから転写されたRNAと相補的な核酸は、その塩基配列が遺伝子のメッセンジャーRNA(mRNA)、すなわち、「センス」配列と相補的であるので、「アンチセンス」オリゴヌクレオチド(ASO)と呼ばれる。従って、5’-AAGGTC-3”のセンス配列を有するコードDNA領域は、転写されると5’-AAGGUC-3’のセンス配列を有するmRNAを生成し、従って、このセンス配列に対するアンチセンスオリゴマーは、RNA核酸塩基を含む場合には3’-UUCCAG-5’、またはアンチセンスオリゴマーがDNA核酸塩基を含む場合には3’-TTCCAG-5’の配列を有する。
現在、アンチセンス療法の主要な焦点は、標的化タンパク質の発現または翻訳を担う特定の「センス」(5’から3’方向)DNAまたはmRNA配列と相補的となるように合成されるおよそ20ヌクレオチド/ヌクレオシド長のオリゴマーまたはオリゴヌクレオチドの使用を含む。
細胞に導入されると、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、ワトソン-クリック結合によってその対応するmRNA配列とハイブリダイズしてヘテロ二重鎖を形成する。二重鎖が形成されると、結合したmRNAの配列によりコードされるタンパク質の翻訳が阻害される。従って、アンチセンス療法は、RNA転写産物を抗原に直接ターゲティングし、それにより、血清HBeAgおよびHBsAgレベルを低減することができる。HBV感染時に生産される複数のオーバーラップする転写産物のために、単一のアンチセンスオリゴマーが2種以上のHBV抗原のHBV DNAを低減する機会もある。
オリゴヌクレオチド/mRNA二重鎖がその後の翻訳を妨げ得るいくつかの機構が提案されている。最も広く受け入れられている説明は、遍在性の酵素RNアーゼHによるヘテロ二重鎖のmRNAの分解を含む。RNアーゼHはヘテロ二重鎖に誘引され、アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)配列をそのまま残しつつ結合したmRNAを切断し、ASOが対応するmRNA配列の探索と結合を続けることを可能とする。RNアーゼH活性と別にまたは一緒に生じ得る、アンチセンス療法による翻訳阻害のいくつかの他の受け入れられている説明としては、限定されるものではないが、リボゾーム複合体の翻訳能を損なう適当なリボソームアセンブリの遮断、RNAスプライシングの遮断、および/またはmRNAの適当な輸送の妨げが挙げられる。
アンチセンス療法の分野において、化学的に修飾されたヌクレオシドの核酸分子、特にRNAへの導入は、外因性RNAに固有のin vivo安定性およびバイオアベイラビリティの潜在的制限を克服する上で有力なツールを提供する。例えば、化学的に修飾された核酸分子は血清中でより長い半減期を有する傾向にあるので、化学的に修飾された核酸分子の使用は、治療効果に対して特定の核酸分子の低用量化を可能とする。さらに、ある種の化学修飾は、特定の細胞もしくは組織の標的化および/または核酸分子の細胞取り込みの改善によって核酸分子のバイオアベイラビリティを改善することができる。従って、化学的に修飾された核酸分子の活性が、天然の核酸分子に比べて、例えば、全RNA核酸分子と比較した場合に、低下するとしても、修飾核酸分子の全活性は、分子の改善された安定性および/または送達のために天然分子よりも大きくなり得る。
ロックド核酸(LNA:locked nucleic acid)と呼ばれる1つの有用な化学修飾は、1以上のRNAまたはDNAヌクレオシド部分において、2’O-4’C-アルキレン架橋を導入し、このアルキレン架橋は、C1-6アルキレン架橋、より詳しくは、2’O-4’C-メチレン架橋である。LNAがアンチセンスRNAまたはDNAオリゴマーに導入される場合、アンチセンスRNAまたはDNA分子の安定性を大幅に高めること、よって、宿主細胞によって取り込まれた際のアンチセンスRNAまたはDNAのバイオアベイラビリティを大幅に高めることが示されている。アンチセンスオリゴマーの安定性およびバイオアベイラビリティを高めるためにアンチセンスRNAまたはDNAオリゴマーに導入することができるその他の有用な化学修飾としては、ホスホロチオエート結合、またはホスホトリエステル結合、個々のRNAまたはDNAヌクレオチド間の天然ホスホジエステル結合の置換が挙げられる。
特定の実施形態において、本発明の方法、レジメンおよび免疫組合せにおいて使用するための、HBV核酸に標的化された10~30ヌクレオシド長のアンチセンスオリゴヌクレオチド(HBV ASO)を含む組成物は、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドであるHBV ASOを含む。特定の実施形態において、HBV ASOは、配列番号16のHBVゲノム配列の核酸塩基1583~1602に対して相補的な配列GCAGAGGTGAAGCGAAGTGC(WO2012/145697の配列番号226)と85~95%の同一性を有する。特定の実施形態において、HBV ASOは、配列番号16のHBVゲノム配列の核酸塩基1583~1602に対して相補的な配列GCAGAGGTGAAGCGAAGTGC(WO2012/145697の配列番号226)を有する。
特定の実施形態において、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオシド間結合は、修飾ヌクレオシド間結合である。特定の実施形態において、少なくとも1つの修飾ヌクレオシド間結合は、ホスホトリエステルヌクレオシド間結合およびホスホロチオエートヌクレオシド間結合から選択される。特定の実施形態において、各ヌクレオシド間結合は、ホスホトリエステルヌクレオシド間結合およびホスホロチオエートヌクレオシド間結合から選択される。特定の実施形態において、各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。
特定の実施形態において、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオシドは、修飾糖を含む。特定の実施形態において、少なくとも1つの修飾糖は、2’-O-メトキシエチル基(2’-O(CH-OCH)を含む。特定の実施形態において、修飾糖は、2’-O-CH基を含む。
特定の実施形態において、少なくとも1つの修飾糖は、二環式糖である。特定の実施形態において、少なくとも1つの修飾糖である二環式糖は、4’-(CH-O-2’架橋を含み、nは1または2である。特定の実施形態において、二環式糖は、4’-CH-O-2’架橋を含む。特定の実施形態において、二環式糖は、4’-CH(CH)-O-2’架橋を含む。
特定の実施形態において、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオシドは、修飾核酸塩基を含む。特定の実施形態において、修飾核酸塩基は、5-メチルシトシンである。
特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、一本鎖修飾オリゴヌクレオチドからなる。
特定の実施形態において、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドは、a)連結したデオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;b)連結したヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;およびc)連結したヌクレオシドからなる3’ウイングセグメントを含む。ギャップセグメントは、5’ウイングセグメントおよび3’ウイングセグメントの間に位置し、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドは、修飾糖を含む。
特定の実施形態において、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドは、連結した15~30個のヌクレオシド、例えば、連結した15、16、17、20、25または30個のヌクレオシドからなり、ギャップセグメントは連結した7~15個のデオキシヌクレオシド、例えば、連結した7、8、9、10、12または15個のデオキシヌクレオシドからなり、5’ウイングセグメントは連結した3~8個のヌクレオシド、例えば、連結した3、5、7または8個のヌクレオシドからなり、3’ウイングセグメントは連結した3~8個のヌクレオシド、例えば、連結した3、5、7または8個のヌクレオシドからなり、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドは2’-O-メトキシエチル糖を含み、少なくとも1つのヌクレオシド間結合がホスホロチオエート結合であり、少なくとも1つのシトシンが5-メチルシトシンである。
特定の実施形態において、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドは、連結した15~30個のヌクレオシド、例えば、連結した15、16、17、20、25または30個のヌクレオシドからなり、ギャップセグメントは連結した7~15個のデオキシヌクレオシド、例えば、連結した7、8、9、10、12または15個のデオキシヌクレオシドからなり、5’ウイングセグメントは連結した3~8個のヌクレオシド、例えば、連結した3、5、7または8個のヌクレオシドからなり、3’ウイングセグメントは連結した3~8個のヌクレオシド、例えば、連結した3、5、7または8個のヌクレオシドからなり、各ウイングセグメントの少なくとも1つのヌクレオシドが2’-O-メトキシエチル糖を含み、少なくとも1つのヌクレオシド間結合がホスホロチオエート結合であり、各シトシンは5-メチルシトシンである。
特定の実施形態において、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドは、連結した15~30個のヌクレオシド、例えば、連結した15、16、17、20、25または30個のヌクレオシドからなり、ギャップセグメントは連結した7~15個のデオキシヌクレオシド、例えば、連結した7、8、9、10、12または15個のデオキシヌクレオシドからなり、5’ウイングセグメントは連結した3~8個のヌクレオシド、例えば、連結した3、5、7または8個のヌクレオシドからなり、3’ウイングセグメントは連結した3~8個のヌクレオシド、例えば、連結した3、5、7または8個のヌクレオシドからなり、各ウイングセグメントの少なくとも1つのヌクレオシドが2’-O-メトキシエチル糖を含み、各ヌクレオシド間結合はホスホロチオエート結合であり、少なくとも1つのシトシンが5-メチルシトシンである。
特定の実施形態において、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドは連結した15~30個のヌクレオシド、例えば、連結した15、16、17、20、25または30個のヌクレオシドからなり、ギャップセグメントは連結した7~15個のデオキシヌクレオシド、例えば、連結した7、8、9、10、12または15個のデオキシヌクレオシドからなり、5’ウイングセグメントは連結した3~8個のヌクレオシド、例えば、連結した3、5、7または8個のヌクレオシドからなり、3’ウイングセグメントは連結した3~8個のヌクレオシド、例えば、連結した3、5、7または8個のヌクレオシドからなり、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドは2’-O-メトキシエチル糖を含み、各ヌクレオシド間結合はホスホロチオエート結合であり、各シトシンは5-メチルシトシンである。
特定の実施形態において、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドは連結した20個のヌクレオシドからなり、ギャップセグメントは連結した10個のデオキシヌクレオシドからなり、5’ウイングセグメントは連結した5個のヌクレオシドからなり、3’ウイングセグメントは連結した5個のヌクレオシドからなり、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドは2’-O-メトキシエチル糖を含み、各ヌクレオシド間結合はホスホロチオエート結合であり、各シトシンは5-メチルシトシンである。
特定の実施形態において、HBV核酸に標的化された前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが、配列GCAGAGGTGAAGCGAAGTGC(WO2012/145697の配列番号226)を有する連結した20個のヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチド「ギャップマー」であり、ギャップマーが、それぞれのヌクレオシドが2’-O-メトキシエチル糖を含む連結した5個のヌクレオシドGCAGAからなる5’ウイング領域と、それに続く連結した10個のデオキシヌクレオシドGGTGAAGCGAと、それぞれのヌクレオシドが2’-O-メトキシエチル糖を含む連結した5個のヌクレオシドAGTGCからなる3’ウイング領域とからなり、ギャップマー中の各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエート結合であり、ギャップマー中の各シトシンが5-メチルシトシンである。
特定の実施形態において、アンチセンス化合物は、得られるアンチセンスオリゴヌクレオチドの活性、細胞分布または細胞取り込みを増強する1以上の部分またはコンジュゲートに共有結合されてよい。典型的なコンジュゲート基としては、コレステロール部分、脂質部分および糖鎖が挙げられる。特定の実施形態において、コンジュゲート基は糖鎖である。特定の実施形態において、コンジュゲート基は糖である。特定の実施形態において、コンジュゲート基は、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)糖などのアシアロ糖タンパク質受容体(ASGPR)結合部分を含む糖鎖である。特定の実施形態において、コンジュゲート基の糖鎖は、
Figure 2022524007000001
を含むGalNAc糖である。
特定の実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、修飾オリゴヌクレオチド、例えば、以下の構造:
Figure 2022524007000002
を有する糖鎖基にコンジュゲートされたWO2012/0145697の配列番号226(GCAGAGGTGAAGCGAAGTGC)の上記のようなギャップマー、またはその薬学上許容可能な塩(この塩はHSO塩またはHCl塩である)を含む。
特定の実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、WO2012/0145697の配列番号226からなる核酸塩基配列を有する連結した20個のヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドであり、この修飾オリゴヌクレオチドは、
連結した10個のデオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
連結した5個のヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;
連結した5個のヌクレオシドからなる3’ウイングセグメント
を含み、このギャップセグメントは5’ウイングセグメントおよび3’ウイングセグメントの間に位置し、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドは2’-O-メトキシエチル糖を含み、各シトシン残基は5-メチルシトシンであり、修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合はホスホロチオエート結合である。
特定の実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、以下の構造:
Figure 2022524007000003
を有するか、またはその薬学上許容可能な塩である(塩はHSO塩またはHCl塩である)。
特定の実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドおよびコンジュゲート基を含み、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドは連結した12~30個のヌクレオシドからなり、配列番号16(GENBANK受託番号U95551.1)の等長部分と相補的な少なくとも連続する8個の核酸塩基部分を含む核酸塩基配列を含み、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、配列番号16の12~30個のヌクレオチドフラグメントと少なくとも80%相補的であり;コンジュゲート基は、
Figure 2022524007000004
を含む。
特定の実施形態において、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの修飾糖を含み、修飾糖は、2’-O-メトキシエチル、2’-O-メトキシエチル、拘束エチル、3’-フルオロ-HNAおよび二環式糖から選択される。
特定の実施形態において、少なくとも1つの修飾糖は、2’-O-メトキシエチルであり、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドは、4’-(CH-O-2’架橋(nは1または2である)を含む二環式糖をさらに含む。
特定の実施形態において、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオシドは、修飾核酸塩基を含み、少なくとも1つのヌクレオシドは、修飾核酸塩基を含み、修飾核酸塩基は、5-メチルシトシンである。
特定の実施形態において、コンジュゲート基は、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドの5’末端で修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドに連結されるか、またはコンジュゲート基は、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドの3’末端に連結される。
特定の実施形態において、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合は、ホスホジエステルヌクレオシド間結合、ホスホトリエステルヌクレオシド間結合およびホスホロチオエートヌクレオシド間結合から選択される。
特定の実施形態において、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合は、ホスホジエステルヌクレオシド間結合およびホスホロチオエートヌクレオシド間結合から選択される。
特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは一本鎖である。
医薬組成物
特定の実施形態において、CHBおよび/またはCHDを治療する方法において使用するための複製欠損チンパンジーアデノウイルスベクターを含む組成物は、ChAd3、ChAd63、ChAd83、ChAd155、ChAd157、Pan 5、Pan 6、Pan 7(C7とも呼ばれる)およびPan 9からなる群から選択されるChAdベクター、特にChAd63またはChAd155を含む。特定の実施形態において、ChAdベクターは、口蹄疫ウイルスの2A切断領域をコードする配列によって分離されたHBcおよびHBsをコードするベクターインサートを含む。特定の実施形態において、ベクターインサートは、口蹄疫ウイルスの2A切断領域を組み込んだスペーサー(例えば、配列番号3またはそれと少なくとも98%相同なアミノ酸配列)をコードする配列によって分離されたHBc(例えば、配列番号11またはそれと少なくとも98%相同なアミノ酸配列)およびHBs(例えば、配列番号1またはそれと少なくとも98%相同なアミノ酸配列)をコードする。特定の実施形態において、HBc(例えば、配列番号11またはそれと少なくとも98%相同なアミノ酸配列)は、hIi(例えば、配列番号7もしくはそれと少なくとも98%相同なアミノ酸配列、または配列番号12もしくはそれと少なくとも98%相同なアミノ酸配列)に融合している。例えば、HBc(例えば、配列番号11)は、hIi(例えば、配列番号7)に融合しているか、またはHBc(例えば、配列番号11)は、hIi(例えば、配列番号12)に融合している。特定の実施形態において、CHBおよび/またはCHDを治療する方法において使用するための複製欠損チンパンジーアデノウイルスベクターを含む組成物は、hIi、HBc、2AおよびHBsをコードするポリヌクレオチドベクターインサート、例えば、図13に示される構造を有する構築物をコードするインサートを含むChAd155ベクターを含む。一実施形態において、CHBおよび/またはCHDを治療する方法において使用するための複製欠損チンパンジーアデノウイルスベクターを含む組成物は、配列番号9のアミノ酸配列または配列番号15のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドベクターインサートを含むChAdベクターを含む。特定の実施形態において、CHBおよび/またはCHDを治療する方法において使用するための複製欠損チンパンジーアデノウイルスベクターを含む組成物は、配列番号10に示されるヌクレオチド配列または配列番号14に示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドベクターインサートを含むChAdベクターを含む。特定の一実施形態において、ベクターは、ChAd155ベクターである。従って、特定の実施形態において、CHBおよび/またはCHDを治療する方法において使用するための複製欠損チンパンジーアデノウイルスベクターを含む組成物は、配列番号9のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドベクターインサートを含むChAd155ベクターを含む。その他の実施形態において、CHBおよび/またはCHDを治療する方法において使用するための複製欠損チンパンジーアデノウイルスベクターを含む組成物は、配列番号15のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドベクターインサートを含むChAd155ベクターを含む。一実施形態において、CHBおよび/またはCHDを治療する方法において使用するための複製欠損チンパンジーアデノウイルスベクターを含む組成物は、配列番号10に示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドベクターインサートを含むChAd155ベクターを含む。その他の実施形態において、CHBおよび/またはCHDを治療する方法において使用するための複製欠損チンパンジーアデノウイルスベクターを含む組成物は、配列番号14に示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドベクターインサートを含むChAd155ベクターを含む。
一実施形態において、CHBおよび/またはCHDを治療する方法において使用するためのMVAベクターを含む組成物は、口蹄疫ウイルスの2A切断領域をコードする配列によって分離されたHBcおよびHBsをコードするベクターインサートを含むMVAベクターを含む。特定の実施形態において、ベクターインサートは、口蹄疫ウイルスの2A切断領域を組み込んだスペーサーをコードする配列によって分離されたHBcおよびHBsをコードする。特定の実施形態において、CHBおよび/またはCHDを治療する方法において使用するためのMVAベクターを含む組成物は、HBc、2AおよびHBsをコードするポリヌクレオチドベクターインサート、例えば、図12に示される構造を有する構築物をコードするインサートを含むMVAベクターを含む。特定の実施形態において、ベクターインサートは、口蹄疫ウイルスの2A切断領域を組み込んだスペーサー(例えば、配列番号3またはそれと少なくとも98%相同なアミノ酸配列)をコードする配列によって分離されたHBc(例えば、配列番号11またはそれと少なくとも98%相同なアミノ酸配列)およびHBs(例えば、配列番号1またはそれと少なくとも98%相同なアミノ酸配列)をコードする。一実施形態において、CHBおよび/またはCHDを治療する方法において使用するためのMVAベクターを含む組成物は、配列番号5のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドベクターインサートを含むMVAベクターを含む。一実施形態において、CHBおよび/またはCHDを治療する方法において使用するためのMVAベクターを含む組成物は、配列番号6に示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドベクターインサートを含むMVAベクターを含む。
一実施形態において、CHBおよび/またはCHDを治療する方法において使用するための組換えHBs抗原、組換えHBc抗原およびアジュバントを含む組成物は、組換えHBcおよび組換えHBsを1:1の比で含む。別の実施形態において、組成物中のHBsに対するHBcの比は、1より大きく、例えば、HBsに対するHBcの比は、1.5:1、2:1、2.5:1、3:1、3.5:1、4:1、4.5:1、5:1、5.5:1、6:1以上、とりわけ3:1~5:1、例えば3:1、4:1または5:1、特に4:1の比であってもよい。特定の実施形態において、CHBおよび/またはCHDを治療する方法において使用するための組換えHBs抗原、組換えHBc抗原およびアジュバントを含む組成物は、組換えHBcおよび組換えHBsを4:1以上の比で含む。特定の実施形態において、CHBおよび/またはCHDを治療する方法において使用するための組換えHBs抗原、組換えHBc抗原およびアジュバントを含む組成物は、全長組換えB型肝炎表面抗原(HBs)(例えば配列番号1)、C末端で切断された組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)およびアジュバントを含む。特定の実施形態において、切断型組換えHBcは、HBcのアセンブリドメイン、例えば、HBcのアミノ酸1~149(例えば、配列番号2)を含む。一実施形態において、CHBおよび/またはCHDを治療する方法において使用するための組換えHBs抗原、組換えHBc抗原およびアジュバントを含む組成物は、全長組換えHBsと、HBcのアミノ酸1~149と、MPLおよびQS-21を含むアジュバントとを含む。例えば、CHBおよび/またはCHDを治療する方法において使用するための組換えHBs抗原、組換えHBc抗原およびアジュバントを含む組成物は、全長組換えHBs(配列番号1)と、HBcのアミノ酸1~149(配列番号2)と、MPLおよびQS-21を含むアジュバントとを含む。特定の実施形態において、組換えタンパク質HBsおよびHBc抗原は、ウイルス様粒子の形態である。
開示の方法において用途が見出される本明細書に開示される組成物は、適切には、薬学上許容可能な組成物である。適切には、医薬組成物は、薬学上許容可能な担体または希釈剤を含む。特定の実施形態において、組成物は、修飾オリゴヌクレオチドの塩を含む。
アンチセンスオリゴヌクレオチドは、医薬組成物または製剤の調製のための薬学上許容可能な有効成分または不活性成分と混合してもよい。医薬組成物の製剤のための組成物および方法は、限定されるものではないが、投与経路、疾患の程度、または投与される用量を含むいくつかの基準によって決まる。
HBV核酸に標的化されたアンチセンスオリゴヌクレオチドは、ASOを適切な薬学上許容可能な希釈剤または担体と合わせることによって医薬組成物中で使用可能である。薬学上許容可能な希釈剤としては、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)が挙げられる。PBSは、非経口的に送達される組成物における使用に適切な希釈剤である。よって、一実施形態において、本明細書に記載の方法で使用されるのは、HBV ASOおよび薬学上許容可能な希釈剤を含む医薬組成物である。特定の実施形態において、薬学上許容可能な希釈剤はPBSである。HBV ASOを含む組成物は、PBS、または等張性生理食塩水、注射水、もしくはその他の適切な希釈剤などの任意の薬学上もしくは生理学上許容可能な担体にASOまたはその薬学上許容可能な塩を懸濁させることによって、投与のために調製され得る。
ChAdまたはMVAベクターを含む組成物は、等張性生理食塩水またはその他の等張性塩溶液などの薬学上または生理学上許容可能な担体にウイルスベクター粒子を懸濁させることによって、投与のために調製され得る。適当な担体は当業者には自明であり、投与経路に大きく依存する。
組換えタンパク質抗原を含む組成物は、それらが発現される細胞培養物からのタンパク質の単離および精製、1以上の塩、界面活性剤および/または凍結保護剤を含む調合緩衝液中での懸濁によって調製し、凍結乾燥してもよい。例えば、適切な調合緩衝液は、凍結保護剤としての糖、または糖の混合物、例えば、スクロース、トレハロースもしくはスクラロース、ならびに界面活性剤としての非イオン性コポリマー、例えば、ポロキサマーを含んでもよい。投与のために、凍結乾燥された組換えタンパク質製剤は、注射または吸入用の等張食塩水またはその他の等張塩溶液などの薬学上または生理学上許容可能な担体中で再構成される。適切な担体は、当業者には自明であり、投与経路に大きく依存する。再構成された組成物はまた、アジュバント、またはアジュバントの混合物を含んでもよい。一実施形態において、凍結乾燥された組換えタンパク質は、液体アジュバント系製剤において再構成される。
用語「担体」は、本明細書で使用される場合、治療有効成分が一緒に投与される、限定されるものではないが、希釈剤、賦形剤またはビヒクルなどの薬理学的に不活性な物質を指す。液体担体としては、限定されるものではないが、水および油、例えば、石油、動物、植物または合成起源のもの、例えば落花生油、大豆油、鉱油、ゴマ油などにおける食塩溶液などの無菌液体が挙げられる。食塩溶液およびデキストロース水溶液およびグリセロール水溶液はまた、特に注射可能溶液のための、液体担体として使用することができる。適切な医薬担体の例は、E.W. Martinによる”Remington’s Pharmaceutical Sciences”に記載されている。
本明細書に開示される方法において使用するための組成物は、ASO、組成物のベクターまたは組換えタンパク質に加えて、アジュバント系を含んでもよい。用語「アジュバント」は、細胞性レベルまたは液性レベルのいずれかで、組成物の抗原に対する免疫応答を増大させ、刺激し、活性化し、強化し、または調節する薬剤を指し、例えば、免疫学的アジュバントは、抗原に対する免疫系の応答を刺激するが、それ自体では免疫学的効果を有しない。本明細書に開示される組成物は、組成物に含まれるベクターが、hIiなどの「遺伝的アジュバント」もコードするか否かにかかわらず、製剤中に別個の成分としてアジュバントを含んでよい。
適切なアジュバントは、慢性状態および障害された免疫能力を有する対象において免疫応答を増強することができるものである。CHB患者は、ウイルスに対する効率的な自然免疫応答および適応免疫応答を開始できないことを特徴とし、これにより、効率的なワクチン開発は困難になっている。これらの患者では、アジュバント化ワクチン製剤の1つの重要な機能は、細胞性免疫応答を、細胞内病原体の除去に重要であると認識されているTヘルパー1(Th1)プロファイルに向けることを目標とする必要がある。
適切なアジュバントの例としては、限定されるものではないが、無機アジュバント(例えば、無機金属塩、例えば、リン酸アルミニウムまたは水酸化アルミニウム)、有機非ペプチドアジュバント(例えば、サポニン、例えば、QS21、またはスクアレン)、油性アジュバント(例えば、フロイントの完全アジュバントおよびフロイントの不完全アジュバント)、サイトカイン(例えば、IL-1β、IL-2、IL-7、IL-12、IL-18、GM-CFS、およびINF-γ)、粒子状アジュバント(例えば、免疫刺激複合体(ISCOMS)、リポソーム、または生分解性ミクロスフェア)、ビロソーム、細菌性アジュバント(例えば、モノホスホリルリピドA(MPL)、例えば、3-脱-O-アシル化モノホスホリルリピドA(3D-MPL)、またはムラミルペプチド)、合成アジュバント(例えば、非イオン性ブロックコポリマー、ムラミルペプチドアナログ、または合成リピドA)、合成ポリヌクレオチドアジュバント(例えば、ポリアルギニンまたはポリリジン)、および非メチル化CpGジヌクレオチド(「CpG」)を含有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドが挙げられる。特に、アジュバントは、有機非ペプチドアジュバント(例えば、サポニン、例えば、QS21、またはスクアレン)および/または細菌性アジュバント(例えば、モノホスホリルリピドA(MPL)、例えば、3-脱-O-アシル化モノホスホリルリピドA(3D-MPL))であってもよい。
1つの適切なアジュバントは、モノホスホリルリピドA(MPL)、特に、3-脱-O-アシル化モノホスホリルリピドA(3D-MPL)である。化学的には、それは、4、5または6個のアシル化鎖を有する3-脱-O-アシル化モノホスホリルリピドAの混合物として供給されることが多い。それは、GB2122204Bで教示される方法によって精製および調製することができ、この参考文献は、ジホスホリルリピドAおよびその3-O-脱アシル化バリアントの調製も開示する。その他の精製された合成リポ多糖が記載されている[米国特許第6,005,099号およびEP0729473B1;Hilgers, 1986; Hilgers, 1987;およびEP0549074B1]。
サポニンもまた適切なアジュバントである[Lacaille-Dubois, 1996]。例えば、サポニンクイルA(saponin Quil A)(南米の木キラヤ・サポナリア・モリナ(Quillaja saponaria Molina)の樹皮から導出される)、およびその画分は、米国特許第5,057,540号およびKensil, 1996;およびEP0362279B1に記載されている。クイルAの精製画分、例えばQS21およびQS17は、免疫刺激物質としても公知であり、それらの生成方法は、米国特許第5,057,540号およびEP0362279B1に開示されている。QS21の使用は、Kensil, 1991にさらに記載されている。QS21とポリソルベートまたはシクロデキストリンとの組合せも公知である(WO99/10008)。クイルAの画分、例えばQS21およびQS7を含む粒子状アジュバント系は、WO96/33739およびWO96/11711に記載されている。
上記のものなどのアジュバントは、担体、例えば、リポソーム、水中油型エマルション、および/または金属塩(アルミニウム塩、例えば水酸化アルミニウムを含む)と共に調合してもよい。例えば、3D-MPLは、水酸化アルミニウム(EP0689454)または水中油型エマルション(WO95/17210)と共に調合してもよい;QS21は、コレステロール含有リポソーム(WO96/33739)、水中油型エマルション(WO95/17210)またはアラム(WO98/15287)と共に調合してもよい。
アジュバントの組合せ、特に、モノホスホリルリピドAおよびサポニン誘導体の組合せ(例えば、WO94/00153;WO95/17210;WO96/33739;WO98/56414;WO99/12565;WO99/11241を参照)、より具体的には、WO94/00153に開示されるQS21および3D-MPLの組合せ、またはWO96/33739に開示されるように、QS21が、コレステロール含有リポソーム(DQ)中でクエンチされる組成物を、開示される組成物中に利用してもよい。水中油型エマルション中のQS21、3D-MPLおよびトコフェロールを含む強力なアジュバント製剤は、WO95/17210に記載されており、開示される組成物において用途を見出し得る別の製剤である。従って、適切なアジュバント系は、例えば、モノホスホリルリピドA、好ましくは3D-MPLの、アルミニウム塩との組合せ(例えば、WO00/23105に記載される)を含む。さらなる例示的なアジュバントは、QS21および/またはMPLおよび/またはCpGを含む。WO96/33739に開示されるように、QS21は、コレステロール含有リポソーム中でクエンチされてもよい。
従って、開示される組成物において使用するのに適したアジュバントは、MPLおよびQS-21を含有するリポソームベースのアジュバントであるAS01である。リポソームは、MPLおよびQS-21免疫エンハンサーのためのビヒクルであり、リン酸塩緩衝食塩溶液中のジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)およびコレステロールで構成される。AS01B-4は、AS01アジュバントの特に好ましいバリアントであり、PBS溶液中の、免疫エンハンサーのためのビヒクルとしてのDOPC/コレステロールリポソーム、およびソルビトールと共に、免疫エンハンサーQS-21(キラヤ・サポナリアの樹皮から精製されたトリテルペングリコシド)およびMPL(3-DモノホスホリルリピドA)で構成される。特に、AS01B-4の単回ヒト用量(0.5mL)は、50μgのQS-21および50μgのMPLを含有する。AS01E-4は、AS01B-4の2倍希釈物に相当し、すなわち、ヒト用量あたり25μgのQS-21および25μgのMPLを含有する。
一実施形態において、ヒトにおいて慢性B型肝炎感染症(CHB)および/または慢性D型肝炎感染症(CHD)を治療する方法において使用するための免疫原性組合せであって、組換えB型肝炎表面抗原(HBs)と、組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)と、アジュバントとを含む組成物を含む、免疫原性組合せが提供される。一実施形態において、免疫原性組合せは、組換えB型肝炎表面抗原(HBs)と、切断型組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)と、アジュバントとを含む組成物を含む。一実施形態において、免疫原性組合せは、組換えHBsと、切断型組換えHBcと、AS01アジュバントとを含む組成物を含む。特定の実施形態において、免疫原性組合せは、4:1以上の比の切断型組換えHBcと、組換えHBsと、AS01アジュバント、例えばAS01B-4またはAS01E-4とを含む組成物を含む。
一実施形態では、ヒトにおいて慢性B型肝炎感染症(CHB)および/または慢性D型肝炎感染症(CHD)を治療する方法において使用するための免疫原性組合せであって、
この免疫原性組合せが、
a)HBV核酸に標的化された10~30ヌクレオシド長のアンチセンスオリゴヌクレオチド(HBV ASO)を含む組成物;
b)B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む複製欠陥チンパンジーアデノウイルス(ChAd)ベクターを含む組成物;
c)B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む改変ワクシニアウイルスアンカラ(MVA)ベクターを含む組成物;および
d)組換えB型肝炎表面抗原(HBs)と、組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)と、アジュバントとを含む組成物
を含み、
この方法が、前記組成物を前記ヒトに順次投与または併用投与することを含む、免疫原性組合せが提供される。
特定の実施形態において、この方法のステップa)で投与されるHBV ASOは、配列番号16のHBVゲノム配列の核酸塩基1583~1602に対して相補的な配列GCAGAGGTGAAGCGAAGTGC(WO2012/145697の配列番号226)と85~95%の同一性を有する。特定の実施形態において、この方法のステップa)で投与されるHBV ASOは、配列番号16のHBVゲノム配列の核酸塩基1583~1602に対して相補的な配列GCAGAGGTGAAGCGAAGTGC(WO2012/145697の配列番号226)を有する。
別の態様では、ヒトにおいて慢性B型肝炎感染症(CHB)および/または慢性D型肝炎感染症(CHD)を治療する方法において使用するための免疫原性組成物であって、前記免疫原性組成物が、B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸と、HBcに融合したヒトインバリアント鎖(hIi)をコードする核酸とを含む複製欠損チンパンジーアデノウイルス(ChAd)ベクターを含み、この方法が、前記免疫原性組成物の、本明細書で提供されるような少なくとも1種のその他の免疫原性組成物を用いたプライム-ブーストレジメンにおける投与を含む、免疫原性組成物が提供される。一実施形態において、組成物は、ChAd3、ChAd63、ChAd83、ChAd155、ChAd157、Pan 5、Pan 6、Pan 7(C7とも呼ばれる)およびPan 9からなる群から選択されるChAdベクター、特にChAd63またはChAd155を含む。特定の実施形態において、ChAdベクターは、口蹄疫ウイルスの2A切断領域をコードする配列を組み込んだスペーサーによって分離されたHBcおよびHBsをコードするベクターインサートを含む。特定の実施形態において、組成物は、hIi、HBc、2AおよびHBsをコードするポリヌクレオチドベクターインサート、例えば、図12に示される構造を有する構築物をコードするインサートを含むChAd155ベクターを含む。一実施形態において、組成物は、配列番号9のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドベクターインサートを含むChAd155ベクターを含む。別の実施形態において、組成物は、配列番号15のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドベクターインサートを含むChAd155ベクターを含む。一実施形態において、組成物は、配列番号10に示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドベクターインサートを含むChAd155ベクターを含む。別の実施形態において、組成物は、配列番号14に示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドベクターインサートを含むChAd155ベクターを含む。
さらなる態様では、ヒトにおいて慢性B型肝炎感染症(CHB)および/または慢性D型肝炎感染症(CHD)を治療する方法において使用するための免疫原性組成物、前記免疫原性組成物が、B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む改変ワクシニアウイルスアンカラ(MVA)ベクターを含み、この方法が、前記免疫原性組成物の、本明細書で提供されるような少なくとも1種のその他の免疫原性組成物を用いたプライム-ブーストレジメンにおける投与を含む、免疫原性組成物が提供される。一実施形態において、組成物は、口蹄疫ウイルスの2A切断領域をコードする配列を組み込んだスペーサーによって分離されたHBcおよびHBsをコードするベクターインサートを含むMVAベクターを含む。特定の実施形態において、組成物は、HBc、2AおよびHBsをコードするポリヌクレオチドベクターインサート、例えば、図12に示される構造を有する構築物をコードするインサートを含むMVAベクターを含む。一実施形態において、組成物は、配列番号5のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドベクターインサートを含むMVAベクターを含む。一実施形態において、組成物は、配列番号6に示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドベクターインサートを含むMVAベクターを含む。
さらなる態様では、ヒトにおいて慢性B型肝炎感染症(CHB)および/または慢性D型肝炎感染症(CHD)を治療する方法において使用するための免疫原性組成物であって、この免疫原性組成物が、組換えB型肝炎表面抗原(HBs)と、C末端切断型組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)と、MPLおよびQS-21を含有するアジュバントとを含み、この方法が、前記免疫原性組成物の、本明細書で提供されるような少なくとも1種のその他の免疫原性組成物を用いたプライム-ブーストレジメンにおける投与を含む、免疫原性組成物が提供される。一実施形態において、組成物は、HBcのアセンブリドメイン、例えば、HBcのアミノ酸1~149を含む切断型組換えHBcを含む。一実施形態において、組成物は、全長組換えHBsと、HBcのアミノ酸1~149と、MPLおよびQS-21を含むアジュバントとを含む。より具体的には、ヒトにおいて慢性B型肝炎感染症(CHB)および/または慢性D型肝炎感染症(CHD)を治療する方法において使用するための組成物は、全長組換えHBs(例えば、配列番号1)と、HBcのアミノ酸1~149(例えば、配列番号2)と、MPLおよびQS-21を含むアジュバントと、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)およびコレステロールを含むリポソームとを含む。特定の実施形態において、組換えタンパク質HBsおよびHBc抗原は、ウイルス様粒子の形態である。特定の実施形態において、組成物は、4:1以上の比の切断型組換えHBcおよび全長組換えHBs、ならびにAS01アジュバントを含む。特定の実施形態において、組成物は、4:1の比のHBcのアミノ酸1~149からなる切断型コア抗原(例えば、配列番号2)および全長組換えHBs(例えば、配列番号1)、ならびにAS01B-4を含む。
さらなる態様において、ヒトにおいて慢性B型肝炎感染症(CHB)および/または慢性D型肝炎感染症(CHD)を治療する方法において使用するための免疫原性組成物であって、この免疫原性組成物が、HBV核酸に標的化された10~30ヌクレオシド長のアンチセンスオリゴヌクレオチド(HBV ASO)を含み、この方法が、前記免疫原性組成物の、本明細書で提供されるような少なくとも1種の免疫原性組成物を用いた治療レジメンにおける投与を含む、免疫原性組成物が提供される。一実施形態において、組成物は、WO2012/145697の配列番号83~310から選択されるヌクレオチド配列を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、HBV核酸に標的化されたアンチセンスオリゴヌクレオチド(HBV ASO)は、WO2012/145697の配列番号224~227から選択されるヌクレオチド配列を有する。特定の実施形態において、HBV ASOは、配列番号16のHBVゲノム配列の核酸塩基1583~1602に対して相補的な配列GCAGAGGTGAAGCGAAGTGC(WO2012/145697の配列番号226)を有する。特定の実施形態において、HBV ASOは、配列GCAGAGGTGAAGCGAAGTGC(WO2012/145697の配列番号226)を有する連結した20個のヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチド「ギャップマー」であり、ギャップマーが、それぞれのヌクレオシドが2’-O-メトキシエチル糖を含む連結した5個のヌクレオシドGCAGAからなる5’ウイング領域と、それに続く連結した10個のデオキシヌクレオシドGGTGAAGCGAと、それぞれのヌクレオシドが2’-O-メトキシエチル糖を含む連結した5個のヌクレオシドAGTGCからなる3’ウイング領域とからなり、ギャップマー中の各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエート結合であり、ギャップマー中の各シトシンが5-メチルシトシンである。
別の態様において、以下の組成物:
a)HBV核酸に標的化された10~30ヌクレオシド長のアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)(HBV ASO)を含む組成物;
b)B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む複製欠陥チンパンジーアデノウイルス(ChAd)ベクターを含む組成物;
c)B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む改変ワクシニアウイルスアンカラ(MVA)ベクターを含む組成物;および
d)組換えB型肝炎表面抗原(HBs)と、組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)と、アジュバントとを含む組成物
を含む免疫原性組合せが提供される。
特定の実施形態において、HBV ASOは、配列番号16のHBVゲノム配列の核酸塩基1583~1602に対して相補的な配列GCAGAGGTGAAGCGAAGTGC(WO2012/145697の配列番号226)と85~95%の同一性を有する。特定の実施形態において、HBV ASOは、配列番号16のHBVゲノム配列の核酸塩基1583~1602に対して相補的な配列GCAGAGGTGAAGCGAAGTGC(WO2012/145697の配列番号226)を有する。
免疫原性組合せは、組成物の順次投与または併用投与による、ヒトにおいてCHBおよび/またはCHDを治療するための方法において用途が見出せる。
一実施形態において、この組合せの部分a)は、WO2012/145697の配列番号83~310から選択されるヌクレオチド配列を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む組成物を含む。特定の実施形態において、HBV核酸に標的化されたアンチセンスオリゴヌクレオチド(HBV ASO)は、WO2012/145697の配列番号224~227から選択されるヌクレオチド配列を有する。特定の実施形態において、HBV ASOは、配列番号16のHBVゲノム配列の核酸塩基1583~1602に対して相補的な配列GCAGAGGTGAAGCGAAGTGC(WO2012/145697の配列番号226)を有する。特定の実施形態において、HBV ASOは、配列GCAGAGGTGAAGCGAAGTGC(WO2012/145697の配列番号226)を有する連結した20個のヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチド「ギャップマー」であり、ギャップマーが、それぞれのヌクレオシドが2’-O-メトキシエチル糖を含む連結した5個のヌクレオシドGCAGAからなる5’ウイング領域と、それに続く連結した10個のデオキシヌクレオシドGGTGAAGCGAと、それぞれのヌクレオシドが2’-O-メトキシエチル糖を含む連結した5個のヌクレオシドAGTGCからなる3’ウイング領域とからなり、ギャップマー中の各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエート結合であり、ギャップマー中の各シトシンが5-メチルシトシンである。
一実施形態において、この組合せの部分b)は、B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸と、HBcに融合したヒトインバリアント鎖(hIi)をコードする核酸とを含む複製欠陥チンパンジーアデノウイルス(ChAd)ベクターを含む組成物を含む。一実施形態において、組成物は、ChAd3、ChAd63、ChAd83、ChAd155、ChAd157、Pan 5、Pan 6、Pan 7(C7とも呼ばれる)およびPan 9、特に、ChAd63またはChAd155からなる群から選択されるChAdベクターを含む。特定の実施形態において、ChAdベクターは、口蹄疫ウイルスの2A切断領域をコードする配列を組み込んだスペーサーによって分離されたHBcおよびHBsをコードするベクターインサートを含む。特定の実施形態において、組成物は、hIi、HBc、2AおよびHBsをコードするポリヌクレオチドベクターインサート、例えば、図12に示される構造を有する構築物をコードするインサートを含むChAd155ベクターを含む。一実施形態において、この組成物は、配列番号9のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドベクターインサートを含むChAd155ベクターを含む。別の実施形態において、組成物は、配列番号15のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドベクターインサートを含むChAd155ベクターを含む。一実施形態において、組成物は、配列番号10に示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドベクターインサートを含むChAd155ベクターを含む。別の実施形態において、組成物は、配列番号14に示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドベクターインサートを含むChAd155ベクターを含む。
一実施形態において、この組合せの部分c)は、口蹄疫ウイルスの2A切断領域をコードする配列を組み込んだスペーサーによって分離されたHBcおよびHBsをコードするベクターインサートを含むMVAベクターを含む組成物を含む。特定の実施形態において、組成物は、HBc、2AおよびHBsをコードするポリヌクレオチドベクターインサート、例えば、図12に示される構造を有する構築物をコードするインサートを含むMVAベクターを含む。一実施形態において、組成物は、配列番号5のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドベクターインサートを含むMVAベクターを含む。一実施形態において、組成物は、配列番号6に示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドベクターインサートを含むMVAベクターを含む。
一実施形態において、この組合せの部分d)は、組換えB型肝炎表面抗原(HBs)と、C末端切断型組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)と、MPLおよびQS-21を含有するアジュバントとを含む組成物を含む。一実施形態において、組成物は、HBcのアセンブリドメイン、例えば、HBcのアミノ酸1~149を含む末端切断型組換えHBcを含む。一実施形態において、組成物は、全長組換えHBsと、HBcのアミノ酸1~14と、MPLおよびQS-21を含むアジュバントとを含む。より具体的には、ヒトにおいて慢性B型肝炎感染症(CHB)および/または慢性D型肝炎感染症(CHD)を治療する方法における使用のための組成物は、全長組換えHBs(例えば、配列番号1)と、HBcのアミノ酸1~149(例えば、配列番号2)と、MPLおよびQS-21を含むアジュバントと、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)およびコレステロールを含むリポソームとを含む。特定の実施形態において、組換えタンパク質HBsおよびHBc抗原は、ウイルス様粒子の形態である。特定の実施形態において、組成物は、4:1またはそれを超える比の末端切断型組換えHBcおよび全長組換えHBsと、AS01アジュバントとを含む。特定の実施形態において、組成物は、4:1比のHBcのアミノ酸1~149(例えば、配列番号2)とおよび全長組換えHBs(例えば、配列番号1)からなる末端切断型コア抗原と、AS01B-4とを含む。
別の態様において、ヒトにおいて慢性B型肝炎感染症(CHB)および/または慢性D型肝炎感染症(CHD)を治療するための医薬の製造における免疫原性組成物の使用であって、この免疫原性組成物が、B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸と、HBcに融合したヒトインバリアント鎖(hIi)をコードする核酸とを含む複製欠陥チンパンジーアデノウイルス(ChAd)ベクターを含み、この慢性B型肝炎感染症を治療する方法が、前記免疫原性組成物の、本明細書で提供されるような少なくとも1種のその他の免疫原性組成物を用いたプライム-ブーストレジメンにおける投与を含む、使用が提供される。一実施形態において、組成物は、ChAd3、ChAd63、ChAd83、ChAd155、ChAd157、Pan 5、Pan 6、Pan 7(C7とも呼ばれる)およびPan 9、特に、ChAd63またはChAd155からなる群から選択されるChAdベクターを含む。特定の実施形態において、ChAdベクターは、口蹄疫ウイルスの2A切断領域をコードする配列を組み込んだスペーサーによって分離されたHBcおよびHBsをコードするベクターインサートを含む。特定の実施形態において、組成物は、hIi、HBc、2AおよびHBsをコードするポリヌクレオチドベクターインサート、例えば、図13に示される構造を有する構築物をコードするインサートを含むChAd155ベクターを含む。特定の実施形態において、ベクターインサートは、口蹄疫ウイルスの2A切断領域を組み込んだスペーサーをコードする配列(例えば、配列番号3またはそれと少なくとも98%同一のアミノ酸配列)によって分離されたHBc(例えば、配列番号11またはそれと少なくとも98%同一のアミノ酸配列)およびHBs(例えば、配列番号1またはそれと少なくとも98%同一のアミノ酸配列)をコードする。特定の実施形態において、HBc(例えば、配列番号11またはそれと少なくとも98%同一のアミノ酸配列)は、hIi(例えば、配列番号7またはそれと少なくとも98%同一のアミノ酸配列または配列番号12またはそれと少なくとも98%同一のアミノ酸配列)に融合される。例えば、HBc(例えば、配列番号11)がhIi(例えば、配列番号7)に融合されるか、またはHBc(例えば、配列番号11)がhIi(例えば、配列番号12)に融合される。一実施形態において、組成物は、配列番号9のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドベクターインサートを含むChAd155ベクターを含む。別の実施形態において、組成物は、配列番号15のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドベクターインサートを含むChAd155ベクターを含む。一実施形態において、組成物は、配列番号10に示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドベクターインサートを含むChAd155ベクターを含む。別の実施形態において、組成物は、配列番号14に示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドベクターインサートを含むChAd155ベクターを含む。
さらなる態様では、ヒトにおいて慢性B型肝炎感染症(CHB)および/または慢性D型肝炎感染症(CHD)を治療するための医薬の製造における免疫原性組成物の使用であって、この免疫原性組成物が、B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む改変ワクシニアウイルスアンカラ(MVA)ベクターを含み、この慢性B型肝炎感染症を治療する方法が、前記免疫原性組成物の、本明細書で提供されるような少なくとも1種のその他の免疫原性組成物を用いたプライム-ブーストレジメンにおける投与を含む、使用が提供される。一実施形態において、組成物は、口蹄疫ウイルスの2A切断領域をコードする配列を組み込んだスペーサーによって分離されたHBcおよびHBsをコードするベクターインサートを含むMVAベクターを含む。特定の実施形態において、組成物は、HBc、2AおよびHBsをコードするポリヌクレオチドベクターインサート、例えば、図12に示される構造を有する構築物をコードするインサートを含むMVAベクターを含む。特定の実施形態において、ベクターインサートは、口蹄疫ウイルスの2A切断領域を組み込んだスペーサー(例えば、配列番号3またはそれと少なくとも98%相同なアミノ酸配列)をコードする配列によって分離されたHBc(例えば、配列番号11またはそれと少なくとも98%相同なアミノ酸配列)およびHBs(例えば、配列番号1またはそれと少なくとも98%相同なアミノ酸配列)をコードする。一実施形態において、組成物は、配列番号5のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドベクターインサートを含むMVAベクターを含む。一実施形態において、組成物は、配列番号6に示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドベクターインサートを含むMVAベクターを含む。
さらなる態様では、ヒトにおいて慢性B型肝炎感染症(CHB)および/または慢性D型肝炎感染症(CHD)を治療するための医薬の製造における免疫原性組成物の使用であって、この免疫原性組成物が、組換えB型肝炎表面抗原(HBs)と、C末端切断型組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)と、MPLおよびQS-21を含有するアジュバントとを含み、この慢性B型肝炎感染症を治療する方法が、前記免疫原性組成物の、本明細書で提供されるような少なくとも1種のその他の免疫原性組成物を用いたプライム-ブーストレジメンにおける投与を含む、使用が提供される。一実施形態において、組成物は、HBcのアセンブリドメイン、例えばHBcのアミノ酸1~149を含む切断型組換えHBcを含む。一実施形態において、組成物は、全長組換えHBs(例えば、配列番号1)と、HBcのアミノ酸1~149(例えば、配列番号2)と、MPLおよびQS-21を含むアジュバント(例えば、AS01アジュバント、例えば、AS01B-4またはAS01E-4)とを含む。特定の実施形態において、組換えタンパク質HBsおよびHBc抗原は、ウイルス様粒子の形態である。
さらなる態様において、ヒトにおいて慢性B型肝炎感染症(CHB)および/または慢性D型肝炎感染症(CHD)を治療するための医薬の製造における組成物の使用であって、この組成物は、HBV核酸に標的化された10~30ヌクレオシド長のアンチセンスオリゴヌクレオチド(HBV ASO)を含む。一実施形態において、組成物は、WO2012/145697の配列番号83~310から選択されるヌクレオチド配列を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、HBV核酸に標的化されたアンチセンスオリゴヌクレオチド(HBV ASO)は、WO2012/145697の配列番号224~227から選択されるヌクレオチド配列を有する。特定の実施形態において、HBV ASOは、配列番号16のHBVゲノム配列の核酸塩基1583~1602に対して相補的な配列GCAGAGGTGAAGCGAAGTGC(WO2012/14569の配列番号2267)を有する。特定の実施形態において、HBV ASOは、配列GCAGAGGTGAAGCGAAGTGC(WO2012/145697の配列番号226)を有する連結した20個のヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチド「ギャップマー」であり、ギャップマーが、それぞれのヌクレオシドが2’-O-メトキシエチル糖を含む連結した5個のヌクレオシドGCAGAからなる5’ウイング領域と、それに続く連結した10個のデオキシヌクレオシドGGTGAAGCGAと、それぞれのヌクレオシドが2’-O-メトキシエチル糖を含む連結した5個のヌクレオシドAGTGCからなる3’ウイング領域とからなり、ギャップマー中の各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエート結合であり、ギャップマー中の各シトシンが5-メチルシトシンである。
一実施形態において、ヒトにおける慢性B型肝炎感染症(CHB)および/または慢性D型肝炎感染症(CHD)の治療のための医薬の製造における免疫原性組合せの使用であって、
この免疫原性組合せが、
i.HBV核酸に標的化された10~30ヌクレオシド長のアンチセンスオリゴヌクレオチド(HBV ASO)を含む組成物;
ii.B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む複製欠陥チンパンジーアデノウイルス(ChAd)ベクターを含む組成物;
iii.B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む改変ワクシニアウイルスアンカラ(MVA)ベクターを含む組成物;および
iv.組換えB型肝炎表面抗原(HBs)と、組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)と、アジュバントとを含む組成物
を含み、
この慢性B型肝炎感染症を治療する方法が、前記ヒトに前記組成物を順次投与または併用投与することを含む、使用が提供される。
特定の実施形態において、HBV ASOは、配列番号16のHBVゲノム配列の核酸塩基1583~1602に対して相補的な配列GCAGAGGTGAAGCGAAGTGC(WO2012/14569の配列番号2267)と85~95%の同一性を有する。特定の実施形態において、HBV ASOは、配列番号16のHBVゲノム配列の核酸塩基1583~1602に対して相補的な配列GCAGAGGTGAAGCGAAGTGC(WO2012/14569の配列番号2267)を有する。
特定の実施形態において、CHBおよび/またはCHDの治療のための医薬の製造における免疫原性組合せの使用は、
i.HBV核酸に標的化された10~30ヌクレオシド長のアンチセンスオリゴヌクレオチド(HBV ASO)を含む組成物;
ii.HBsをコードするポリヌクレオチドと、HBcをコードする核酸と、hIiをコードするポリヌクレオチドとを含む複製欠損ChAdベクターを含む組成物;
iii.HBsをコードするポリヌクレオチドと、HBcをコードする核酸とを含むMVAベクターを含む組成物;ならびに
iv.組換えHBsと、末端切断型HBcと、MPLおよびQS-21を含むアジュバントとを含む組成物
を含み、CHBおよび/またはCHDを治療する方法は、
a)組成物i.をヒトに投与するステップ;
b)組成物ii.をヒトに投与するステップ;
c)組成物iii.をヒトに投与するステップ;および
d)組成物iv.をヒトに投与するステップ
を含み、この方法のステップは、順次実施され、ステップa)がステップb)に先行し、ステップb)がステップc)に先行し、ステップc)がステップd)に先行する。さらなる実施形態において、ステップa)が繰り返される。さらなる実施形態において、ステップd)が繰り返され、この方法のステップは、a)、b)、c)、c)、d)の順で順次実施される。別の実施形態において、ステップd)は、ステップb)および/またはステップb)と同時に実施される。
特定の実施形態において、HBV ASOは、配列番号16のHBVゲノム配列の核酸塩基1583~1602に対して相補的な配列GCAGAGGTGAAGCGAAGTGC(WO2012/14569の配列番号2267)と85~95%の同一性を有する。特定の実施形態において、HBV ASOは、配列番号16のHBVゲノム配列の核酸塩基1583~1602に対して相補的な配列GCAGAGGTGAAGCGAAGTGC(WO2012/14569の配列番号2267)を有する。
さらなる態様において、本発明は、CHBおよび/またはCHDの治療のために構成要素を順次投与または併用投与するための説明書と共に、以下の組成物:
a)HBV核酸に標的された10~30ヌクレオシド長のアンチセンスオリゴヌクレオチド(HBV ASO)を含む組成物;
b)B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む複製欠損チンパンジーアデノウイルス(ChAd)ベクターを含む組成物;
c)B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む改変ワクシニアウイルスアンカラ(MVA)ベクターを含む組成物;および
d)組換えB型肝炎表面抗原(HBs)と、組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)と、アジュバントとを含む組成物
を含むキットを提供する。
特定の実施形態において、HBV ASOは、配列番号16のHBVゲノム配列の核酸塩基1583~1602に対して相補的な配列GCAGAGGTGAAGCGAAGTGC(WO2012/14569の配列番号2267)と85~95%の同一性を有する。特定の実施形態において、HBV ASOは、配列番号16のHBVゲノム配列の核酸塩基1583~1602に対して相補的な配列GCAGAGGTGAAGCGAAGTGC(WO2012/14569の配列番号2267)を有する。
投与
開示される方法の一実施形態において、開示される組成物は、鼻腔内、筋肉内、皮下、皮内、または局所経路を介して投与される。好ましくは、投与は、筋肉内経路を介する。
鼻腔内投与は、肺を含む完全な気道の粘膜への組成物の投与である。より具体的には、組成物は、鼻の粘膜に投与される。一実施形態において、鼻腔内投与は、スプレーまたはエアロゾルによって達成される。筋肉内投与は、個体の任意の筋肉への組成物の注射を指す。例示的な筋肉内注射は、三角筋、外側広筋、または腹側臀部領域および背腹臀部領域に投与される。好ましくは、投与は、三角筋に行われる。皮下投与は、皮下組織への組成物の注射を指す。皮内投与は、皮膚の層の間の真皮への組成物の注射を指す。局所投与は、針または同等のデバイスで皮膚を貫通することなく、皮膚または粘膜の任意の部分に組成物を投与することである。組成物は、口、鼻、生殖器領域および/または直腸の粘膜に局所的に投与してもよい。局所投与は、舌下投与および/または頬側投与などの投与手段を含む。舌下投与は、舌の下に組成物を投与することである(例えば、経口薄膜(OTF)を使用して)。頬側投与は、頬の頬側粘膜を介してベクターを投与することである。
本明細書に開示される方法は、プライム-ブースト免疫化レジメンの形をとることができる。従って、プライム-ブースト免疫化方法であるCHBおよび/またはCHDの治療方法において使用するための組成物が、本明細書に開示される。多くの場合、免疫原性組成物の単回投与は、有効な防御または疾患の治療的処置に必要とされる数の長期免疫細胞を生成するのに十分ではない。その結果として、特定の病原体または疾患に対する持続的かつ防御的な免疫を確立するために、または所与の疾患を治療または機能的に治癒するために、前記病原体または疾患に特異的な生物学的調製物を繰り返し投与することが必要であり得る。同じ病原体または疾患に対する免疫原性組成物またはワクチンの反復投与を含む投与レジメンは、「プライム-ブーストレジメン」と呼ばれる。一実施形態において、プライム-ブーストレジメンは、B型肝炎に対する免疫原性組成物の少なくとも2回の投与を含む。免疫原性組成物の最初の投与は、「プライミング」と呼ばれ、同じ免疫原性組成物、または同じ病原体に対する免疫原性組成物の任意の後続の投与は、「ブースティング」と呼ばれる。免疫応答をブーストするための2、3、4またはさらには5回の投与も企図されることが理解されるべきである。プライムとブーストとの間の期間は、場合により、1週間、2週間、4週間、6週間、8週間または12週間である。より具体的には、それは、4週間または8週間である。2回以上のブーストが実施される場合、後続のブーストは、先行するブーストの1週、2週、4週、6週、8週もしくは12週、6か月または12か月後に投与される。例えば、任意の2つのブースト間の間隔は、4週間または8週間であってもよい。
開示される方法において使用するための組成物は、それぞれ異なる組成物において調合された、さらなる免疫原性成分の投与を含む治療レジメンで投与される。組成物は、好都合には、同じ部位でまたはその近くで、同位置に(co-locationally)投与される。例えば、成分は、同じ側もしくは四肢に(「同側(co-lateral)」投与)または反対の側もしくは四肢に(「反対側(contra-lateral)」投与)、筋肉内投与することができる。例えば、反対側投与では、第1の組成物を、左三角筋に投与し、第2の組成物を、右三角筋に順次投与または併用投与してもよい。あるいは、同側投与では、第1の組成物を、左三角筋に投与し、第2の組成物も、左三角筋に順次投与または併用投与してもよい。
一般的な製造プロセス
・ChAd155-hIi-HBV:
組換え複製欠損サル(チンパンジー由来)アデノウイルス群CベクターChAd155に導入遺伝子として挿入されるDNA断片は、口蹄疫ウイルス(FMDV)の自己切断型2A領域[Donnelly et al. 2001]によって分離される、2種のHBVタンパク質抗原であるコアヌクレオカプシドタンパク質抗原HBcおよびスモール表面抗原HBsから導出される。FMDVの2A領域は、HBc-HBs融合物の、別個のタンパク質抗原へのプロセシングを可能にする。さらに、HBcタンパク質をコードする遺伝子のN末端部分は、ヒト主要組織適合性複合体(MHC)クラスII結合インバリアント鎖p35アイソフォーム(hIi)をコードする遺伝子に融合している。hIi-HBV導入遺伝子配列の略図が、(図13)に提供される。
2A領域(18アミノ酸)には、そのN末端に6アミノ酸のスペーサーが補充されている;この種のスペーサーは、2Aを介した切断の効率を高めることが報告されている。領域2Aを介したプロテアーゼ切断は、2Aアミノ酸配列中の最後のプロリンの直前の、2AのC末端で生じる。プロリンは、HBsタンパク質のN末端に残り、一方、プロリン切断部位に先行する23アミノ酸は、hIi-HBc-2Aポリペプチドと共に残る。
それにより、導入遺伝子の発現は、プロテアーゼプロセシングに続いて、2種の別個のポリペプチド:hIi-HBc-スペーサー-2AおよびHBsの生成をもたらす。簡潔にするために、hIi-HBc-スペーサー-2Aポリペプチドは、hIi-HBcタンパク質と呼ばれる。細胞培養で発現させると、hIi-HBc抗原は、細胞培養上清で検出され、一方、HBsタンパク質は、細胞内画分で検出される。
抗原タンパク質をコードする発現カセット(宿主細胞における発現を可能にするように調節成分に作動可能に連結される)は、以前記載されたように(WO2016/198621(ChAd155ベクター配列および方法を開示する目的で参照により組み込まれる)を参照)、ChAd155ベクタープラスミド構築物に構築されて、ChAd155-hIi-HBVを得る。hIi-HBV導入遺伝子は、ヒトサイトメガロウイルス(hCMV)プロモーターおよびウシ成長ホルモンポリアデニル化シグナル(BGH pA)の転写制御下にある。発現カセットは、HBs、HBcおよびhIiアミノ酸配列をコードし、その中で、hIi配列は、HBcのHBc N末端に融合し、HBsおよびHBc配列は、HBcおよびHBsを別個のタンパク質にプロセシングするための口蹄疫ウイルスの2A切断領域を組み込むスペーサーによって分離される。
複製欠損である組換えChAd155アデノウイルスを生成するために、アデノウイルスの複製および感染性に必要とされる欠失された遺伝子領域の機能は、ヘルパーウイルスまたは細胞株、すなわち、補完またはパッケージング細胞株によって、組換えウイルスに供給されなければならない。特に適切な補完細胞株は、Procell92細胞株である。Procell92細胞株は、ヒトホスホグリセリン酸キナーゼ-1(PGK)プロモーターの制御下のTetリプレッサー、およびG418耐性遺伝子と共にトランスフェクトされた、アデノウイルスE1遺伝子を発現するHEK 293細胞に基づく(Vitelli et al. PLOS One (2013) 8(e55435):1-9)。Procell92.Sは、浮遊状態での増殖に適合しており、毒性タンパク質を発現するアデノウイルスベクターの生成に有用である。
ChAd155-hIi-HBV原薬(Drug Substance)の生成:
ChAd155-hIi-HBVウイルス粒子(原薬)の製造は、感染時に5×10個細胞/mLの細胞密度でのProcell-92.S細胞の培養を含む。次いで、細胞に、200vp/細胞の感染多重度を使用して、ChAd155-hIi-HBVマスターウイルスシード(MVS)を感染させる。ChAd155-hIi-HBVウイルス回収物は、細胞溶解、溶解物の清澄化、および濃縮(濾過ステップ)後に、陰イオン交換クロマトグラフィーを含む多段階プロセスによって精製される。
ワクチン調合および充填
精製されたChAd155-hIi-HBVバルク原薬は、その後、次のように処理される:
製剤化緩衝液中の精製ChAd155-hIi-HBV原薬の希釈。
滅菌濾過。
最終容器の充填。
ChAd155-hIi-HBVワクチンは、バイアルに入れられた液体製剤である。調合緩衝液は、トリス(Tris)(10mM)、L-ヒスチジン(10mM)、NaCl(75mM)、MgCl(1mM)およびEDTA(0.1mM)を、スクロース(5%w/v)、ポリソルベート-80(0.02%w/v)およびエタノール(0.5%w/v)と共に含み、HClでpH7.4に調整される(最終体積まで注射用水)。
・MVA-HBV:
MVA-HBVは、HBVの2種の異なるタンパク質:コアおよびSタンパク質(2Aペプチドによって分離される)を保有する組換え改変ワクシニアウイルスアンカラ(MVA)である。MVA-HBV構築物は、Anton Mayr教授によって記載された[Mayr, A. et al. 1978]弱毒継代571(MVA-571と呼ばれる)からのMVAウイルスシードバッチから導出された、MVA-Redベクター系[Di Lullo et al. 2010]から生成された。
MVA-HBV導入遺伝子は、HBVのコアヌクレオカプシドタンパク質HBcおよびスモール表面抗原HBsをコードする。HBc-HBs配列は、アデノウイルスベクターについて上に述べたように、融合タンパク質を別個のHBcおよびHBs抗原にプロセシングすることを可能にする、口蹄疫ウイルスの自己切断型2A領域によって分離される。導入遺伝子の略図が、図12に提供される。
導入遺伝子の発現は、プロテアーゼプロセシング後に、2種の別個のポリペプチド:HBc-スペーサー-2AおよびHBsの生成をもたらす。簡潔にするために、HBc-スペーサー-2Aポリペプチドは、HBcタンパク質と呼ばれる。
発現カセットは、MVAシャトルベクターp94-elisaRenにサブクローニングし、トランスファーベクターp94-HBVを生成した。p94-HBVは、FlankIII-2領域およびFlankIII-1領域に隣接する、ワクシニアP7.5初期/後期プロモーター制御下の抗原発現カセットを含有し、相同組換えによるMVAのdel III中の挿入を可能にする。
組換えウイルスの生成は、CEF細胞におけるin vivo組換えの2つの事象に基づいた。
簡単に述べると、初代ニワトリ胚線維芽細胞(CEF)にMVA-Redを感染させ、次いで、抗原導入遺伝子(および合成プロモーターsPの制御下にあるEGFPマーカー遺伝子)を保有するp94-HBVによりトランスフェクトした。最初の組換え事象は、MVA-Redゲノムおよびトランスファーベクターp94-HBVの両方に存在する相同配列(FlankIII-1領域およびFlankIII-2領域)の間で生じ、Hcredタンパク質遺伝子の、導入遺伝子/eGFPカセットとの置換をもたらす。MVA-Green中間体を含有する感染細胞は、FACSソーティングによって単離され、新鮮なCEFを感染させるために使用される。最初の組換えから生じる中間組換えMVAは、導入遺伝子およびeGFPカセットの両方を保有するが、反復Z領域の存在に起因して不安定である。
従って、Z領域が関与する自発的な第2の組換え事象が生じ、eGFPカセットを除去する。得られた組換えMVAは無色で、導入遺伝子カセットを保有する。
最後に、マーカーレス(markerless)組換えウイルス(MVA-HBV)感染細胞を、FACSによって選別し、MVA-HBVを、終末希釈(terminal dilution)によってクローニングし、従来の方法によってCEF中で増殖させた。
MVA-HBV原薬の生成
MVA-HBVウイルス粒子(原薬)は、1×10~2×10細胞/mLの細胞密度までニワトリ胚線維芽細胞(CEF)の初代細胞培養物中で製造し、次いで、MVA-HBVマスターウイルスシード(MVS)を、0.01~0.05PFU/細胞の感染多重度で感染させる。MVA-HBVウイルス回収物は、遠心分離によるペレット化、再懸濁、および分画勾配遠心分離ステップに基づく多段階プロセスによって精製される。
ワクチン調合および充填
精製されたMVA-HBVバルク原薬は、その後、次のように処理される:
調合緩衝液中の精製MVA-HBV DSの希釈。
最終容器の充填。
MVA-HBVワクチンは、バイアルに入れられた液体製剤である。調合緩衝液は、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンpH7.7(10mM)、NaCl(140mM)、および最終体積までの注射用水を含む。
・HBs-HBc組換えタンパク質混合物:
HBc原薬の生成
HBc組換えタンパク質(原薬)製造プロセスは、組換え大腸菌ワーキングシードを使用して前培養フラスコに接種すること、それに続く、発酵プロセス、ならびに回収、抽出、清澄化、および複数のクロマトグラフィーおよび濾過ステップを含む多段階の精製プロセスからなる。
HBs原薬の生成
HBs組換えタンパク質(原薬)製造プロセスは、組換え出芽酵母(S. cerevisiae)ワーキングシードを使用して前培養フラスコに接種すること、それに続く、発酵プロセス、ならびに回収、抽出、清澄化、および複数のクロマトグラフィーおよび濾過ステップを含む多段階の精製プロセスからなる。
ワクチン調合および充填
精製されたHBs原薬およびHBc原薬は、凍結保護剤としてのスクロース、および界面活性剤としてのポロキサマーを含む調合緩衝液中に希釈し、4mLの透明なガラスバイアルに充填し、凍結乾燥させる。
本明細書に記載される特定の化合物、組成物、レジメンおよび方法を、特定の実施形態による特異性と共に記載してきたが、以下の実施例は本明細書に記載される化合物、組成物、レジメンおよび方法を単に説明するためのものであって、それらを限定することを意図しない。本願に列挙される参照文献はそれぞれ引用することによりその全内容が本明細書の一部とされる。
非臨床開発の目的:
特にHBcAgに対する、強力で機能的なCD8およびCD4T細胞応答は、HBVクリアランスおよび感染症の消散に関連している[Boni, 2012; Li, 2011; Liang, 2011; Lau, 2002; Bertoletti, 2012]。さらに、抗S抗体は、非感染肝細胞へのHBVの広がりを予防し、HBV複製の治療後のぶり返しを制御する鍵となり得る[Rehermann 2005; Neumann 2010]。提案されるワクチン接種レジメンは、強力なCD8T細胞応答を誘導するための、B型肝炎コア(HBc)抗原およびB型肝炎表面(HBs)抗原をコードする2種のウイルスベクター化ワクチン(ChAd155-hIi-HBVおよびMVA-HBV)を用いた異種プライム-ブーストスケジュールであって、CHB患者において強力な抗原特異的CD4T細胞および抗体応答を誘導するための、AS01B-4アジュバント化HBc-HBsタンパク質の順次投与または併用投与を伴うものを含む。このワクチン誘導性免疫応答は、最終的に、HBV感染症の完全で永続的な制御のマーカーと見なされるHBsAg濃度の実質的な減少またはHBsAg消失(すなわち、検出可能なレベルを下回るHBsAg濃度)につながるはずである。アンチセンス療法は、HBV抗原のmRNA転写産物を直接標的とし、HBV mRNAおよびタンパク質の発現を調節し、それによって、血清HBeAgおよびHBsAgレベルを低下させることができる。非臨床実験の目的の1つは、HBsに対する寛容を克服し(抗HBs Ab力価)、T細胞応答を誘導し、循環HBs抗原およびHBV DNAレベルを低下させることにおいて、HBV ASOとワクチンレジメンの組合せを評価することである。
アンチセンスオリゴヌクレオチドを含む実施例の材料および方法
RNAの単離
RNA分析は、全細胞RNAまたはポリ(A)+mRNAにおいて実施することができる。RNA単離の方法は、当技術分野で周知である。RNAは、当技術分野で周知の方法を用いて、例えば、TRIZOL試薬(Invitrogen、カールスバッド、CA)を製造業者の推奨プロトコールに従って使用して、調製される。
標的レベルまたは発現の阻害の分析
HBV核酸のレベルまたは発現の阻害は、当技術分野で公知の様々な方法でアッセイすることができる。例えば、標的核酸レベルは、例えば、ノーザンブロット分析、競合的ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、または定量的リアルタイムPCRにより定量することができる。RNA分析は、全細胞RNAまたはポリ(A)+mRNAにおいて実施することができる。RNA単離の方法は、当技術分野で周知である。ノーザンブロット分析はまた、当技術分野では慣例である。定量的リアルタイムPCRは、好都合には、PE-Applied Biosystems(フォスターシティ、CA)から入手可能で製造業者の指示に従って使用される、市販のABI PRISM 7600、7700、または7900配列検出システムを使用して、実行することができる。
標的RNAレベルの定量的リアルタイムPCR分析
標的RNAレベルの定量は、ABI PRISM 7600、7700または7900配列検出システム(PE-Applied Biosystems、フォスターシティ、CA)を製造業者の指示に従って使用する定量的リアルタイムPCRにより実行し得る。定量的リアルタイムPCRの方法は、当技術分野で周知である。
単離されたRNAは、リアルタイムPCRの前に、逆転写酵素(RT)反応に供され、これにより、その後リアルタイムPCR増幅の基質として使用される相補的DNA(cDNA)を生成する。RTおよびリアルタイムPCR反応は、同じサンプルウェルで順次実行される。RTおよびリアルタイムPCR試薬は、Invitrogen(カールスバッド、CA)から入手できる。RTリアルタイムPCR反応は、当業者に周知の方法により実施される。
リアルタイムPCRによって得られる遺伝子(またはRNA)標的の量は、シクロフィリンAなどの、発現が一定の遺伝子の発現レベルを用いて、またはRIBOGREEN(Invitrogen,Inc.カールスバッド、CA)を用いて全RNAを定量化することによって、標準化される。シクロフィリンAの発現は、標的と同時、多重または別個に実行されることにより、リアルタイムPCRによって定量化される。全RNAは、RIBOGREEN RNA定量試薬(Invitrogen,Inc.ユージーン、OR)を使用して定量化される。RIBOGREENによるRNA定量の方法は、Jones, L.J., et al (Analytical Biochemistry, 1998, 265, 368-374)によって教示されている。CYTOFLUOR 4000装置(PE Applied Biosystems)がRIBOGREENの蛍光を測定するのに使用される。
プローブおよびプライマーは、HBV核酸にハイブリダイズするように設計される。リアルタイムPCRのプローブおよびプライマーを設計するための方法は、当技術分野で周知であり、PRIMER EXPRESS Software(Applied Biosystems、フォスターシティ、CA)などのソフトウェアの使用を含み得る。
標的DNAレベルの定量的リアルタイムPCR分析
標的DNAレベルの定量は、ABI PRISM 7600、7700または7900配列検出システム(PE-Applied Biosystems、フォスターシティ、CA)を製造業者の指示に従って使用する定量的リアルタイムPCRにより実行し得る。定量的リアルタイムPCRの方法は、当技術分野で周知である。
リアルタイムPCRによって得られる遺伝子(またはDNA)標的の量は、シクロフィリンAなどの、発現が一定の遺伝子の発現レベルを用いて、またはRIBOGREEN(Invitrogen,Inc.カールスバッド、CA)を用いて全DNAを定量化することによって、標準化される。シクロフィリンAの発現は、標的と同時、多重、または別個に実行されることにより、リアルタイムPCRによって定量化される。全DNAは、RIBOGREEN RNA定量試薬(Invetrogen,Inc.ユージーン、OR)を使用して定量化される。RIBOGREENによるDNA定量の方法は、Jones, L.J., et al (Analytical Biochemistry, 1998, 265, 368-374)によって教示されている。CYTOFLUOR 4000装置(PE Applied Biosystems)がRIBOGREENの蛍光を測定するのに使用される。
プローブおよびプライマーは、HBV核酸にハイブリダイズするように設計される。リアルタイムPCRのプローブおよびプライマーを設計するための方法は、当技術分野で周知であり、PRIMER EXPRESS Software(Applied Biosystems、フォスターシティ、CA)などのソフトウェアの使用を含み得る。
実施例1:MOEギャップマーによるHepG2.2.15細胞におけるHBVウイルスmRNAのアンチセンス阻害
HepG2.2.15細胞は、B型肝炎ウイルスをin vitroで研究するために広く使用されている細胞モデルである。これらの細胞では、HBVゲノムは細胞DNAのいくつかの部位に組み込まれている。これらの細胞はもともとヒト肝芽細胞腫細胞株HepG2に由来し、培養系での安定したHBVの発現および複製を特徴としている。
HBVウイルス核酸を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドを設計し、in vitroでのHBV mRNAに対するそれらの効果について試験した。ウェルあたり25,000細胞の密度の培養HepG2.2.15細胞を、15,000nMアンチセンスオリゴヌクレオチドでエレクトロポレーションを使用してトランスフェクトした。およそ24時間の処理期間後に、細胞からRNAを単離し、HBV mRNAレベルを、定量的リアルタイムPCRにより測定した。ウイルスプライマープローブセットRTS3370(順方向配列 CTTGGTCATGGGCCATCAG、本明細書において配列番号17として示される;逆方向配列 CGGCTAGAGTTCCGCAGTA、本明細書において配列番号18として示される;プローブ配列 TGCGTGGAACCTTTTCGGCTCC、本明細書において配列番号19として示される)を使用して、mRNAレベルを測定した。RTS3370は、全長mRNAならびにpre-S1、pre-S2およびpre-C mRNA転写産物の第2の部分を検出する。ギャップマーはまた、追加のプライマープローブセットでも調べた。また、ウイルスプライマープローブセットRTS3371(順方向配列 CCAAACCTTCGGACGGAAA、本明細書において配列番号20として示される;逆方向配列 TGAGGCCCACTCCCATAG、本明細書において配列番号21として示される;プローブ配列 CCCATCATCCTGGGCTTTCGGAAAAT、本明細書において配列番号22として示される)を使用して、mRNAレベルを測定した。RTS3371は、RTS3370と同様であるが、異なる領域で、全長mRNAならびにpre-S1、pre-S2およびpre-C mRNA転写産物の第2の部分を検出する。ウイルスプライマープローブセットRTS3372(順方向配列 ATCCTATCAACACTTCCGGAAACT、本明細書において配列番号23として示される;逆方向配列 CGACGCGGCGATTGAG、本明細書において配列番号24として示される;プローブ配列 AAGAACTCCCTCGCCTCGCAGACG、本明細書において配列番号25として示される)を使用して、mRNAレベルを測定した。RTS3372は、全長ゲノム配列を検出する。ウイルスプライマープローブセットRTS3373MGB(順方向配列 CCGACCTTGAGGCATACTTCA、本明細書において配列番号26として示される;逆方向配列 AATTTATGCCTACAGCCTCCTAGTACA、本明細書において配列番号27として示される;プローブ配列 TTAAAGACTGGGAGGAGTTG、本明細書において配列番号28として示される)を使用して、mRNAレベルを測定した。RTS3373MGBは、全長mRNAならびにpre-S1、pre-S2、pre-Cおよびpre-X mRNA転写産物の第2の部分を検出する。
HBV mRNAレベルは、RIBOGREEN(登録商標)によって測定されたように、全RNA含量に従って調整した。結果は、未処理の対照細胞に対する、HBVの阻害率として表している。
表1のキメラアンチセンスオリゴヌクレオチドは、5-10-5 MOEギャップマー、3-10-3 MOEギャップマーまたは2-10-2 MOEギャップマーのいずれかとして設計された。5-10-5 MOEギャップマーは20ヌクレオシド長であり、中央のギャップセグメントが10個の2’-デオキシヌクレオシドで構成され、両側(5’および3’方向)にそれぞれ5個のヌクレオシドを含むウイングが隣接している。3-10-3 MOEギャップマーは16ヌクレオシド長であり、中央のギャップセグメントが10個の2’-デオキシヌクレオシドで構成され、両側(5’および3’方向)にそれぞれ3個のヌクレオシドを含むウイングが隣接している。2-10-2 MOEギャップマーは14ヌクレオシド長であり、中央のギャップセグメントが10個の2’-デオキシヌクレオシドで構成され、両側(5’および3’方向)にそれぞれ2個のヌクレオシドを含むウイングが隣接している。5’ウイングセグメントの各ヌクレオシドおよび3’ウイングセグメントの各ヌクレオシドは、MOE糖修飾を有する。中央のギャップセグメントの各ヌクレオシドは、デオキシ糖修飾を有する。各ギャップマー全体のヌクレオシド間連結はホスホロチオエート(P=S)連結である。各ギャップマー全体のすべてのシトシン残基は5’-メチルシトシンである。
「開始部位(start site)」は、ギャップマーがウイルス遺伝子配列において標的とする最も5’側のヌクレオチドを示す。「停止部位(stop site)」は、ギャップマーがウイルス遺伝子配列において標的とする最も3’側のヌクレオチドを示す。表1に示した各ギャップマーは、本明細書において配列番号16(GENBANK受託番号U95551.1)として示されるウイルスゲノム配列を標的としている。
Figure 2022524007000005
Figure 2022524007000006
Figure 2022524007000007
Figure 2022524007000008
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Figure 2022524007000010
実施例2:HBVを標的とするMOEギャップマーのBALB/cマウスにおける忍容性
BALB/cマウス(Charles River、MA)は、安全性および有効性試験にしばしば利用される多目的マウスモデルである。これらのマウスを、上記実施例1から選択したアンチセンスオリゴヌクレオチドで処置し、種々の代謝マーカーのレベルの変化について評価した
それぞれBALB/cマウス4個体からなる群に、50mg/kgの配列番号83、配列番号224、配列番号88、配列番号103、配列番号20、配列番号116、配列番号187、配列番号210、配列番号212、配列番号226、配列番号24、配列番号39、配列番号46、配列番号50、配列番号140、配列番号17、配列番号27、配列番号40および配列番号74(すべての配列番号はWO2012/145697の配列番号である)を週2回、3週間、皮下注射した。BALB/cマウス4個体からなる一群に、50mg/kgの、配列CCTTCCCTGAAGGTTCCTCC(WO2012/145697の配列番号320)を有するアンチセンスオリゴヌクレオチド(ヒトまたはマウス遺伝子配列のいずれとも既知の相同性のない5-10-5 MOEギャップマー)を週2回、3週間、皮下注射した。BALB/cマウス4個体からなる別の群に、PBSを週2回、3週間、皮下注射した。このマウス群は、対照群としての役割を果たした。最終投与の3日後の各時点に、体重を測定し、マウスを安楽死させ、さらなる分析のために臓器および血漿を採取した。
体重および臓器重量
マウスの体重を投与前および各処置期間の最後に測定した。体重を表2に示し、処置開始前に測定した体重からの変化率として表している。肝臓、脾臓および腎臓の重量を研究の最後に測定し、PBS対照のそれぞれの臓器重量とのパーセンテージの差として表3に示す。この結果は、ほとんどのISISオリゴヌクレオチドが、体重または臓器重量に対して悪影響を全く及ぼさなかったことを示している。
Figure 2022524007000011
Figure 2022524007000012
肝臓機能
肝機能に対するISISオリゴヌクレオチドの効果を評価するために、トランスアミナーゼの血漿濃度を、自動臨床化学分析器(Hitachi Olympus AU400e、メルヴィル、NY)を使用して、測定した。ALT(アラニントランスアミナーゼ)およびAST(アスパラギン酸トランスアミナーゼ)の血漿濃度を測定し、結果を表4に示し、IU/Lで表した。コレステロールとトリグリセリドの血漿レベルも同じ臨床化学分析器を使用して測定し、その結果もまた表4に示す。
Figure 2022524007000013
腎臓機能
腎臓機能に対するISISオリゴヌクレオチドの効果を評価するために、血中尿素窒素(BUN)の血漿濃度を、自動臨床化学分析器(Hitachi Olympus AU400e、メルヴィル、NY)を使用して、測定した。結果を表5に示し、mg/dLで表した。
Figure 2022524007000014
実施例3:HBVを標的とするMOEギャップマーのトランスジェニックマウスにおける有効性
HBV遺伝子断片を保有するマウス(Guidotti, L. G. et al., J. Virol. 1995, 69, 6158-6169)を使用した。これらのマウスを、上記研究から選択したアンチセンスオリゴヌクレオチドで処置し、このモデルにおける有効性について評価した。
それぞれマウス6個体からなる群に、50mg/kgの配列番号83、配列番号226、配列番号224、配列番号181、配列番号143または配列番号145(すべての配列番号はWO2012/145697の配列番号である)を週2回、4週間、皮下注射した。マウス10個体からなる対照群に、PBSを週2回、4週間、皮下注射した。最終投与の48時間後にマウスを安楽死させ、さらなる分析のために肝臓を採取した。
DNAおよびRNA分析
HBV DNAのリアルタイムPCR分析のために、プライマープローブセットRTS3370を使用して、肝臓組織からRNAを抽出した。DNAレベルは、picogreenに対して標準化した。RT-PCR分析後、HBV RNAサンプルもまたプライマープローブセットRTS3370でアッセイした。mRNAレベルは、RIBOGREEN(登録商標)に対して標準化した。データを表6に示し、対照群に対する阻害率として表している。表6に示されるように、ほとんどのアンチセンスオリゴヌクレオチドは、PBS対照よりもHBV DNAおよびRNAの減少を達成した。結果は、対照に対する、HBV mRNAまたはDNAの阻害率として表している。
Figure 2022524007000015
ワクチン処置を含む実施例のための動物モデルの選択のための原理:
HLA.A2/DR1マウス(ヒトHLA-A2およびHLA-DR1分子についてのトランスジェニック)を使用して、候補ワクチンがHBc特異的CD8T細胞応答を誘導する能力を評価した。HBV特異的CD4T細胞および抗体を、同じHLA.A2/DR1マウスにおいて評価した。
HBVは自然にはチンパンジーおよびヒトのみに感染するため、治療ワクチンの効力を評価するために利用できる動物モデルは限られている。HBVゲノム全体が、宿主ゲノム中のウイルスゲノムの組み込みにより(HBVトランスジェニックマウス)、または複製HBV DNAによる感染により、またはHBVゲノムを発現するベクターにより発現される、マウスモデルが開発されている。これらは慢性HBV病因を再現しないが、ウイルス複製中間体およびタンパク質は肝臓で検出することができ、免疫寛容が観察される。
AAV2/8-HBV形質導入HLA.A2/DR1マウスモデルは、慢性HBV感染症のウイルス学的および免疫学的特徴を再現し、それが選択された[Dion, 2013; Martin, 2015]。
ワクチン処置を含む実施例のための材料および方法
非臨床免疫原性研究で使用されるAS01アジュバント系の用量
AS01B-4アジュバント系は、免疫エンハンサーQS-21(キラヤ・サポナリアの樹皮から精製されたトリテルペングリコシド)およびMPL(3-DモノホスホリルリピドA)と、これらの免疫エンハンサーのためのビヒクルとしてのリポソームと、ソルビトールとから構成される。特に、AS01B-4の単回ヒト用量(0.5mL)は、50μgのQS-21および50μgのMPLを含有する。ヒト用量の1/10、すなわち、50μLは、マウスに注射される体積である(5μgのQS-21およびMPLに相当する)。
細胞性免疫応答-細胞内サイトカイン染色(ICS)
様々な時点で収集される脾細胞、または肝臓浸潤リンパ球の新鮮なプールを、HBcまたはHBs配列をカバーする、11アミノ酸が重複する15merのプールで、ex vivoで6時間刺激した。HBcおよびHBs特異的細胞性応答を、IFN-γおよび/またはIL-2および/または腫瘍壊死因子(TNF)-αを発現するCD4またはCD8T細胞の量を測定するICSによって評価した。ICSの結果を考慮するための技術的な受入基準は、取得したCD8TまたはCD4T細胞の最小数が>3000事象であることを含む。
体液性免疫応答-酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)
HBcおよびHBs特異的抗体応答を、様々な時点における免疫化されたマウスの血清に対するELISAによって測定した。簡単に述べると、96ウェルプレートを、HBcまたはHBs抗原でコーティングした。次いで、個々の血清サンプルを、段階希釈で添加し、2時間インキュベートした。次いで、ビオチン化抗マウスF(ab)’2断片を添加し、ストレプトアビジンセイヨウワサビペルオキシダーゼ複合体およびペルオキシダーゼ基質オルト-フェニレンジアミン二塩酸塩/Hとのインキュベーションにより、抗原-抗体複合体を明らかにした。各時点および各抗原(HBc、HBs)について、分散分析(ANOVA)モデルを、固定効果として群、研究および相互作用を含め、不均一分散モデルを使用して(群間の同一の分散は想定されなかった)、log10力価に適合させた。このモデルを使用して、幾何平均(およびそれらの95%CI)ならびに幾何平均比およびそれらの95%CIを推定した。予め定義された基準が設定されていなかったため、分析は記述的であり、群間の比の95%CIを、多重性についての調整無しで計算した。
ALT/AST測定
マウス血清中のALTおよびASTのレベルを、以下の市販のキットを使用して定量化した:
・アラニンアミノトランスフェラーゼ活性アッセイキットSigma Aldrichカタログ#MAK052
・アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ活性アッセイキットSigma Aldrichカタログ#MAK055
血清HBs抗原の定量化
マウス血清中の循環HBs抗原を、BIO-RAD製のMonolisa Anti-HBs PLUS(カタログ#72566)および国際標準(Abbott Diagnostics)を使用して定量化した。
組織病理学分析
肝臓(肝臓1つあたり1葉を回収し、10%ホルムアルデヒド固定液中で保存した。顕微鏡検査用のすべてのサンプルを、RITAガイドラインに基づいてトリミングし[Ruehl-Fehlert, 2003; Kittel 2004; Morawietz 2004]、パラフィンワックス中に包埋し、およそ4ミクロンの厚さに薄片化し、H&Eで染色した。組織学的活動性(壊死性炎症性病変)および線維症の等級付けを、メタビル(METAVIR)スコアリングシステムに従って実施した[Bedossa, 1996; Mohamadnejad, 2010; Rammeh, 2014]。炎症細胞病巣の等級付けを、Buchmannら[Buchmann, 2013]によって記載されるように、デスメット(Desmet)スコアに従って行った。
各研究で実施される統計分析は、各個別の研究に関係するセクションで詳述される。
実施例4-HLA.A2/DR1トランスジェニックマウスにおけるChAd155-hIi-HBV/MVA-HBV/HBs-HBc/AS01 B-4 ワクチンレジメンの免疫原性評価
目的
この研究の目的は、ChAd155-hIi-HBV/MVA-HBVウイルスベクターによるプライム/ブーストと、それに続く、またはそれと共投与される2用量の組換えタンパク質B型肝炎コア抗原(HBcAg 4μg)とB型肝炎表面抗原(HBsAg 1μg)およびアジュバントAS01B-4(HBc-HBs 4-1/AS01B-4と表記)からなる様々なワクチンレジメンの免疫原性を評価することであった。
研究設計
第1群のマウス(N=16)を、0日目にChAd155-hIi-HBVにより免疫化し、続いて28日後にMVA-HBVにより免疫化した。2用量のHBc-HBs 4-1μg/AS01B-4を、このプライム/ブーストウイルスベクターレジメン後に14日間隔で注射した(表4)。第2群のマウス(N=16)を、0日目にChAd155-hIi-HBVおよびHBc-HBs 4-1/AS01B-4により免疫化し、続いて28日後にHBc-HBs 4-1/AS01と共投与されるMVA-HBVによりブーストした。MVA-HBVおよびHBc-HBs 4-1/AS01の2回の後続の共免疫化を、14日間隔で実施した(表4)。第3群のマウス(N=8)に、陰性対照としてNaClを注射した。マウスを、2回目および4回目の免疫化の7日後(それぞれ、7dpII、7dpIV)に犠死させ、HBcおよびHBs特異的体液性(血清)および細胞性免疫応答(脾細胞および肝臓浸潤リンパ球における)を決定した。
この研究は記述的であり、統計的なサンプルサイズの妥当性の検証および分析を実施しなかった。
Figure 2022524007000016
結果
HBcおよびHBs特異的CD8T細胞応答(脾細胞)
HBc-HBs 4-1/AS01B-4の、ChAd155-hIi-HBVベクター(プライムとして)およびMVA-HBVベクター(ブーストとして)との共投与(群2)は、7dpIIにおいて、ChAd155-hIi-HBV/MVA-HBVのみ(群1)の注射と比較した場合、HBc特異的CD8T細胞応答の4倍増加を誘導した(図1)。HBsに対する同様のCD8T細胞応答が、両方の群において誘導された(図1)。
7dpIVでは、HBc特異的CD8T細胞応答は、HBc-HBs/AS01B-4の後続の投与後に明らかにブーストされた(7dpIIと比較して5倍増加)が、HBs特異的CD8T細胞応答はブーストされなかった(群1)。MVA-HBV/HBc-HBs 4-1/AS01B-4の2回の追加用量が共投与された場合、HBcまたはHBs特異的CD8T細胞のさらなる増加は観察されなかった(群2)。
HBcおよびHBs特異的CD4T細胞応答(脾細胞)
低レベルのHBcおよびHBs特異的CD4T細胞が、プライム-ブーストChAd155-hIi-HBV/MVA-HBV免疫化後に検出され(それぞれメジアン値0.17%および0.11%)(群1)、一方、HBc-HBs 4-1/AS01B-4がプライム-ブーストChAd155-hIi-HBV/MVA-HBVと共投与された場合、7dpIIにおいて、両方の抗原に対する強力な応答が観察された(群2)(図2)。
ChAd155-hIi-HBV/MVA-HBVプライム-ブースト後のHBc-HBs 4-1/AS01B-4の後続の投与(群1)は、7dpIVにおいてHBcおよびHBs特異的CD4T細胞応答を大幅に増強した(それぞれメジアン値1.64%および2.32%)。最後に、HBc-HBs/AS01B-4と共投与されるプライムブーストChAd155-hIi-HBV/MVA-HBVですでにワクチン接種されているマウスに、2回の追加用量のMVA-HBVおよびHBc-HBs/AS01B-4が共投与された場合、同じ時点において、HBs特異的CD4T細胞の頑強な増加が観察された(群2)。HBc特異的CD4T細胞は、その同じ群におけるIIの7日後(7dpost II)と同じレベルのままであった。
肝臓浸潤リンパ球において測定されたHBcおよびHBs特異的T細胞応答
最後の免疫化の7日後に、肝臓におけるワクチン誘導T細胞応答の存在を、ICSによって調査した。in vitro再刺激およびICSを実施するのに十分な数の肝臓浸潤リンパ球を確保するために、3または4個の肝臓の灌流後に回収された細胞のプールを、各データ点について構成した。データ点の数が少ないため、統計分析を実施せず、結果は記述的である。
両方のワクチンレジメンは、ワクチン接種されたマウスの肝臓において検出可能なHBcおよびHBs特異的CD4T細胞を誘発した(図3)。強力なHBc特異的CD8T細胞応答が、両方のワクチンレジメンでワクチン接種された動物の肝臓において測定され、一方、はるかに低い頻度のHBs特異的CD8T細胞が測定された。
HBcおよびHBs特異的抗体応答
ChAd155-hIi-HBV/MVA-HBVの、HBc-HBs 4-1/AS01B-4との共投与(群2)は、7dpIIにおいて最高量の抗HBc抗体を誘導した(図4)。MVA-HBV+HBc-HBs/AS01B-4の後続の注射は、抗HBc抗体応答のレベルをさらに増加させなかった(7dpIV)。ChAd155-hIi-HBVおよびMVA-HBVで予備免疫化されたマウスにおいて、HBc-HBs/AS01B-4の注射後に、7dpIVにおいて、抗HBc特異的抗体応答の明らかな増加が観察された(群1)。ChAd155-hIi-HBV/MVA-HBVによる免疫化後の動物において抗HBs抗体応答が検出されなかったため、HBc-HBs/AS01B-4成分の存在は、強力な抗HBs抗体を誘発するためにスケジュールにおいて重要であるように思われた(図4)。応答の最大の大きさは、最後の免疫化後に共投与群(群2)において観察された。
結論
HLA.A2/DR1トランスジェニックマウスでは、ChAd155-hIi-HBV/MVA-HBVは、低いが検出可能なHBc特異的CD4T細胞応答を誘発し、これは、HBc-HBs 4-1/AS01B-4によって明らかに増強された。ChAd155-hIi-HBV/MVA-HBVによる最初のプライム-ブースト免疫化は、強力なHBcおよびHBs特異的CD8T細胞応答を誘導し、HBc特異的応答は、順次与えられたHBc-HBs/AS01B-4ブースト後にさらに増加した。
興味深いことに、ChAd155-hIi-HBV/MVA-HBVが、HBc-HBs 4-1/AS01B-4と共投与された場合2回のみの免疫化後に、高レベルのHBcおよびHBs特異的CD4およびCD8T細胞ならびに抗体が誘導された。MVA-HBV+HBc-HBs/AS01B-4によるさらなる免疫化は、これらの応答のレベルをさらに増加させなかった。
さらに、ワクチン誘導HBcおよびHBs特異的CD4およびCD8T細胞はまた、両方のワクチンレジメンでワクチン接種された動物の肝臓において検出された。
実施例5-AAV2/8-HBV形質導入HLA.A2/DR1マウスにおけるChAd155-hIi-HBV/MVA-HBV/HBc-HBs/AS01 B-4 ワクチンレジメンの免疫原性および安全性の評価
目的
AAV2/8-HBV形質導入HLA.A2/DR1マウスモデルは、慢性HBV感染症のウイルス学的および免疫学的特徴を再現する。このモデルでは、マウスの肝臓は、複製能のあるHBV DNAゲノムを保有するアデノ随伴ウイルス血清型2/8(AAV2/8)ベクターにより形質導入される。
AAV2/8-HBVベクターの5×1010vg(ウイルスゲノム)の単回尾静脈注射は、AAV2/8-HBV形質導入マウスの肝臓においてHBV複製および遺伝子発現をもたらす[Dion; 2013]。HBV DNA複製中間体、HBV RNA転写産物およびHBc抗原は、関連する重大な肝臓炎症無しに、注射後最大1年、肝臓において検出される。HBsおよびHBe抗原ならびにHBV DNAは、最大1年、血清において検出することができる。さらに、HBV抗原に対する免疫寛容の確立は、慢性HBV感染症のこの代理モデルにおいて観察される。
AAV2/8-HBV形質導入HLA.A2/DR1マウスにおいて実施されるこの研究の目的は、
・ワクチンレジメンが、HBsおよびHBc抗原に対する免疫寛容を克服することができることを実証すること
・肝臓の組織学(H&E染色)ならびにASTおよびALTレベル(肝臓機能に対する代理パラメーターとして)に対する、HBcAgを発現する肝細胞を潜在的に標的とする肝臓浸潤HBc特異的CD8T細胞の影響を評価すること
であった。
研究設計
単独のまたはHBc-HBs 4-1/AS01B-4と組み合わせた、ChAd155-hIi-HBVおよびMVA-HBV(両方ともHBVコア[HBc]および表面[HBs]抗原をコードする)と、それに続く、2回の追加用量のHBc-HBs 4-1/AS01B-4(単独でまたはMVA-HBVと組み合わせて)による順次免疫化に基づく、2つの異なるワクチンレジメンを試験した(表6)。
群1、2および3のHLA.A2/DR1マウスを、0日目に5×1010vgのAAV2/8-HBVベクター(静脈内投与)により形質導入し、群4は、免疫原性についての陽性対照として用いた(ワクチン接種前に免疫寛容の確立無し)。
群1の動物(N=21)を、31日目にChAd155-hIi-HBVにより、続いて58日目にMVA-HBVにより免疫化した。2用量のHBc-HBs 4-1μg/AS01B-4を、このプライム/ブーストウイルスベクターレジメン後、72日目および86日目に注射した(表6)。
群2の動物(N=21)を、31日目にChAd155-hIi-HBVにより免疫化し、HBc-HBs 4-1/AS01B-4を共投与し、続いて58日目にHBc-HBs 4-1/AS01と共投与されるMVA-HBVによりブーストした。MVA-HBVおよびHBc-HBs 4-1/AS01の2回の後続の共免疫化を、72日目および86日目に実施した(表6)。
群3の動物(N=21)に、31日目、58日目、72日目および86日目にNaClを陰性対照として注射した。
群4の動物(N=8)は、群2と同じワクチンレジメンを受けた(AAV2/8-HBVを形質導入されなかったことを除く)。
すべてのワクチンを、筋肉内に投与した。
HBs循環抗原のレベルを、23日目、65日目および93日目に血清において測定した(群1、2および3)。
HBsおよびHBc特異的抗体応答を、ELISAによって、23日目(AAV2/8-HBV形質導入後)、65日目(2回目の免疫化の7日後)および93日目(4回目の免疫化の7日後)にすべての動物の血清において測定した。HBsおよびHBc特異的CD4およびCD8T細胞応答を、ex vivo再刺激およびICS後に、脾細胞および肝臓浸潤リンパ球において65日目(9個体の動物/群)および93日目(12個体の動物/群)に評価した(群1、2および3)。これらの免疫原性読み取りを、群4の動物(8個体の動物)について93日目にのみ実施した。
肝臓関連の安全性パラメーターに関して、ASTおよびALTのレベルを、38日目、65日目および93日目に血清において測定し、H&Eで染色した肝臓切片の顕微鏡検査を、65日目および93日目に実施して、潜在的なワクチン関連の組織病理学的変化または炎症を検出した(群1、2および3)。
Figure 2022524007000017
統計分析
ASTおよびALTレベル
性別、日、群および3つの2×2相互作用を含む反復測定についてのANOVAモデルを、非構造化共分散構造を使用して、log10変換された酵素活性値に適合させた。モデルの仮説を検証した。5%レベルで有意ではない相互作用を、モデルから排除した。両方の酵素について、最終的なモデルは、性別、日、群、および群と日との間の相互作用を含んだ。各時点での各群の酵素活性の幾何平均を、このモデルから導出した。目的の群比較は、幾何平均比(GMR)(これもこのモデルから導出した)により報告される。これらすべての統計は、両側95%信頼区間で表示される。これらのGMRを計算する際、多重性を考慮しなかった。
すべての分析を、SAS 9.2を使用して実施した。
体液性応答
応答個体の数を算出するために、記述的統計を実施した。抗HBcまたは抗HBs抗体応答の応答性についてのカットオフを、群3(AAV2/8-HBV形質導入されたがワクチン接種無し)で算出された幾何平均力価に基づいて定義した。
細胞性応答
HBc、HBs特異的CD4またはCD8T細胞のいずれかについての応答個体の数を定義するために、記述的分析を実施した。応答性についてのカットオフを、群3(AAV2/8-HBV形質導入されたがワクチン接種無し)で行われた測定の95パーセンタイルとして定義した。
結果
HBc特異的CD8およびCD4T細胞
AAV2/8-HBV形質導入HLA-A2/DR1マウスでは、HBc特異的CD8またはCD4T細胞のバックグラウンドレベルは、試験したすべての時点で、免疫化無しでは非常に低いレベルから検出不可能なレベルであった(群3)。
単独の(群1)またはHBc-HBs 4-1/AS01B-4と組み合わせた(群2)、ChAd155-hIi-HBVおよびMVA-HBVベクターによる免疫化は、HBc特異的CD8T細胞を誘導し(IIの7日後にそれぞれ6/7および9/9応答個体)、このことは、HBc抗原に対する免疫寛容の回避を実証した(図5A)。単独のまたはMVA-HBVと組み合わせた、HBc-HBs 4-1/AS01B-4の2回の追加用量は、4回目の投与の7日後に測定すると、これらのHBc特異的CD8T細胞応答を適度にのみ増加させ、群1において1%、および群2において1.45%のメジアン値頻度に達した。群2におけるのと同じワクチンレジメンによって誘導されたHBc特異的CD8T細胞の頻度は、HBc抗原に対する免疫寛容に起因して予想される通り、群4の非形質導入HLA.A2/DR1マウスにおいてより高かった(8/8応答個体、頻度はIVの7日後に約4倍高かった)。HBc特異的CD8T細胞はまた、脾臓におけるのと同じプロファイルで、ワクチン接種されたマウスの肝臓において検出された(図5B)。
両方のワクチンレジメンは、AAV2/8-HBV形質導入HLA-A2/DR1マウスにおいて、非常に低いレベルから検出不可能なレベルのHBc特異的CD4T細胞を誘発し(群1および2)、一方、非形質導入マウスでは頑強な応答が測定され(群4)、このことは、ワクチンレジメンが、これらの実験条件下で、HBc抗原に対するCD4T細胞寛容を克服しなかったことを示唆した(図6A、B)。
HBs特異的CD8およびCD4T細胞
単独の(群1)またはHBc-HBs 4-1/AS01B-4と組み合わせた(群2)、ChAd155-hIi-HBVおよびMVA-HBVベクターによる免疫化は、AAV2/8-HBV形質導入マウスにおいて、HBs特異的CD8T細胞を誘発し、単独のまたはMVA-HBVと組み合わせた2回の追加用量のHBc-HBs 4-1/AS01B-4後に、強度のさらなる増加はなかった(図7A)。ワクチン接種スケジュールの終了時(4回目の投与の7日後)、群1(4/10応答個体)および2(8/11応答個体)の動物の脾臓において測定されたHBs特異的CD8T細胞の頻度は、群4(非形質導入HLA.A2/DR1マウス、IVの7日後のメジアン値=0.62%、5/8応答個体)において検出されたものに近く、このことは、HBs抗原に対するT細胞寛容の克服を示唆した。HBs特異的CD8T細胞は、ワクチン接種された動物のほとんどにおいて、群1、2および4の動物の肝臓において検出された(図7B)。
HBs特異的CD4T細胞は、群2(9/9応答個体)において2回目のワクチン接種の7日後から、および群1(11/12応答個体)において4回目のワクチン接種の7日後から、単独のまたはベクターと組み合わせた、HBc-HBs 4-1/AS01B-4の投与後に誘導された(図8A)。群2の動物において使用されたワクチンスケジュールは、群1(IVの7日後のメジアン値=1.34%、11/12応答個体)の動物において使用されたワクチンスケジュールと比較して、HBs特異的CD4T細胞の約3倍高い頻度を誘発し(IVの7日後のメジアン値=3.7%、11/11応答個体)、群4(非形質導入HLA.A2/DR1マウス、IVの7日後のメジアン値=3%、8/8応答個体)におけるのと同様のレベルに達し、このことは、HBs抗原に対するT細胞寛容のほぼ完全な克服を示唆した。全身的CD4T細胞応答と同様に、HBs特異的CD4T細胞は、すべてのワクチン接種された動物において、群1、2および4の動物の肝臓において検出された(図8B)。
HBsおよびHBc特異的抗体応答
AAV2/8-HBVベクターの注射の23日後、抗HBs抗体応答は、HLA.A2/DR1マウスにおいて検出されず、このことは、HBs抗原に対する強力な体液性寛容を示唆した。ChAd155-hIi-HBVおよびMVA-HBVベクター単独(群1)による免疫化は、この寛容を破壊せず、一方、HBc-HBs 4-1/AS01B-4と組み合わせたベクターの免疫化は、65日目に21個体の動物のうち15個体において、抗HBs抗体応答の誘導をもたらした(群2)(図9A)。群1における2用量のHBc-HBs 4-1/AS01B-4のさらなる投与は、検出可能な抗HBs抗体を誘発し(93日目において116.8の幾何平均力価(GMT)および8/12応答個体)、群2におけるHBc-HBs 4-1/AS01B-4と組み合わせた2回の追加用量のMVA-HBVは、11/11応答個体で、775のGMTまで抗HBs抗体応答の強度をさらに増加させた(93日目において群4の非AAV2/8-HBV形質導入動物(GMT=3933;8/8応答個体)におけるよりも約5倍低いままであるが)。
同様に、HBc-HBs 4-1/AS01B-4成分がワクチンレジメンに存在する場合にのみ、抗HBc抗体応答が誘導され、群1(GMT=442.8;12/12応答個体)と比較して、群2(GMT=1335.5;11/11応答個体)の動物において93日目に3倍高いレベルが測定された(図9B)。群2におけるのと同じワクチンレジメンで非形質導入マウス(群4)において誘導された抗HBc抗体力価は、より高かった(約27倍、GMT=35782;8/8応答個体)。
これらの結果は、ワクチンレジメンにおけるアジュバント化タンパク質成分の存在が、HBc抗原およびHBs抗原の両方に対する体液性寛容を破壊するのに重要であることを示す。さらに、HBc-HBs 4-1/AS01B-4の4回の投与を含む、群2において使用されるワクチンレジメンは、最も高い抗HBcおよび抗HBs抗体応答を誘発した(非AAV2/8-HBV形質導入マウス(群4)におけるよりも低いままであるが)。
AST/ALTレベル
肝臓関連の炎症パラメーターとして、ASTおよびALTの血清活性を、38日目(1回目のワクチン接種の7日後)、65日目(2回目のワクチン接種の7日後)、および/または93日目(4回目の免疫化の7日後)に測定した(すべての群)。全体として、ASTおよびALTレベルは、AAV2/8-HBV形質導入HLA.A2/DR1マウスにおいてワクチンレジメンの過程中、安定しており(群1および2)、ワクチンを受けていないマウス(群3)において測定されたものと同様であった(図10)。ASTレベルは、65日目において、対照群3と比較して、ワクチン群(群1および2)の動物において統計的に有意に高いことが見出された。しかし、ASTレベルは、残りの動態と比較して、群3の動物において65日目に驚くほど低く、このことは、これらの差が、ワクチン群(群1および2)におけるASTレベルの増加ではなく、この時点で、対照群3で得られた特に予想外に低い値に起因するものであったことを示唆した(図10A)。
群3の対照動物におけるのと比較して、群1の動物において38日目にわずかに低いALTレベルが測定されたが、この差は、臨床的に関連があるとは見なされなかった(図10B)。
肝臓顕微鏡検査
H&Eで染色された肝臓切片の顕微鏡検査を、65日目および93日目に実施して、潜在的なワクチン関連の組織病理学的変化または炎症を検出した(群1、2および3)(表7)。
AAV2/8-HBV形質導入HLA-A2/DRマウスにおいて、65日目(HBc-HBs 4-1/AS01B-4有りまたは無しの、2回目のウイルスベクター化ワクチンMVA-HBVの注射の7日後)、または93日目(最後の注射の7日後)のいずれかに、検査項目に関連する顕微鏡的所見はなく、すなわち、ワクチン成分ChAd155-hIi-HBV、MVA-HBVおよびHBc-HBs 4-1/AS01B-4の使用に関連し得る組織病理学的変化はなかった。
さらに、対照動物3.13(限局性グレード1のピースミール壊死(piecemeal necrosis)を示した)を除いて、いずれの動物も、慢性肝炎の形態学的兆候を示さなかった。
処置された動物で認められたその他の顕微鏡的所見は、対照群でも生じ、発生率/規模が小さく、および/または同様の週齢のマウスでよく見られる背景所見である[McInnes, 2012]ため、偶発的な変化と考えられた。
Figure 2022524007000018
AAV2/8-HBVを注射したマウスの血清中のHBs抗原レベル
Dionら[Dion, 2013]にすでに報告されているように、AAV2/8-HBVベクターによる注射の23日後、HBs抗原レベルは、雌と比較して、雄においてより高かった。これらのレベルは、ワクチン接種レジメンの検出可能な影響無しに、すべての群で安定したままであった(図11)。しかし、AAV2/8-HBVを注射したマウスは、HBsAgに対するワクチン効力を研究するための動物モデルではない。
結論
HBcおよびHBs抗原に対する免疫寛容が確立されている慢性HBV感染症の代替モデル、すなわち、AAV2/8-HBV形質導入HLA-A2/DR1マウスでは、両方の試験されたワクチンレジメンは、強力な免疫寛容のために予想されるように、非形質導入マウスにおけるよりも低いレベルではあるが、HBcおよびHBs特異的IgGおよびCD8T細胞応答、ならびにHBs特異的CD4T細胞応答を誘導することによって免疫寛容を回避した。ChAd155-hIi-HBV/MVA-HBVベクターが、HBc-HBs 4-1/AS01B-4と共投与された場合ワクチン誘導抗体およびT細胞応答の強度は、ベクターおよびアジュバント化タンパク質が順次投与されるワクチンレジメンを用いた場合よりも高かった。さらに、ASTおよびALTの血清活性を測定し、肝臓組織病理学的評価を実施することによって、ワクチン関連の肝臓炎症を評価したが、非ワクチン接種のものと比較した場合、ワクチン群において肝臓酵素の増加は検出されず、いずれの顕微鏡的所見もワクチン処置に関連する可能性はなかった。まとめると、これらの結果は、試験されたワクチン候補が、これらの実験条件下で、肝変化の関連する兆候の検出無しに、HBsおよびHBc特異的抗体およびCD8T細胞応答、ならびにHBs特異的CD4T細胞応答を首尾よく回復させたことを示す。
実施例6-AAV2/8-HBV形質導入HLA.A2/DR1マウスにおけるHBV ASO/ChAd155-hIi-HBV/MVA-HBV/HBc-HBs/AS01 レジメンの有効性、免疫原性および安全性の評価
目的
この研究は、実施例5に記載されるような慢性HBV感染症のAAV2/8-HBV形質導入HLA.A2/DR1マウスモデルを利用する。
この研究の目的は、
・HBV ASOとワクチンレジメンの組合せが、ワクチンレジメン単独と比較した場合にHBs(抗HBs Ab力価)に対する免疫寛容をさらに克服し得ることを実証すること、
・HBV ASOとワクチンレジメンの組合せが、ワクチンレジメン単独と比較した場合に循環HBs抗原レベルを低減し得ることを実証すること、
・HBV ASOとワクチンレジメンの組合せに対するHBc特異的CD8T細胞応答を評価すること、
・血清HBV DNAウイルス量に対するHBV ASOとワクチンレジメンの組合せの影響を評価すること、
・肝機能に関する代替パラメーターとしてのASTおよびALTレベルを評価すること
である。
研究設計
単独のまたはHBc-HBs 4-1/AS01と組み合わせた、ChAd155-hIi-HBVおよびMVA-HBV(両方ともHBVコア[HBc]および表面[HBs]抗原をコードする)と、それに続く、2回の追加用量のHBc-HBs 4-1/AS01(単独でまたはMVA-HBVと組み合わせて)による順次免疫化に基づく、2つの異なるワクチンレジメンを、HBV ASO処置を伴ってまたは伴わずに試験する(表10)。
0日目に群1~6のHLA.A2/DR1マウスに5×1010vgのAAV2/8-HBVベクターを形質導入し(静脈内投与、尾静脈)、群7はワクチンレジメンの安全性および免疫原性に関する陽性対照として用いる(HBV ASO処置無し、処置前に免疫寛容を確立しない)。
群1~6の動物を30日目、33日目および37日目にHBV ASO(WO2012/145697の配列番号226)またはNaClで前処置した後、この処置を毎週繰り返し、同時に、100日目まで指定のワクチンレジメン(またはNaCl)の投与を行う。
HBV ASOまたはNaClでそれぞれ処置した群1および2の動物を、44日目にChAd155-hIi-HBVで、次いで72日目にMVA-HBVで免疫化した。2用量のHBc-HBs 4-1μg/AS01を、このプライム/ブーストウイルスベクターレジメンの後、86日目および100日目に投与する(表10)。
HBV ASOまたはNaClでそれぞれ処置した群3および4の動物を、44日目のHBc-HBs 4-1/AS01を共投与するChAd155-hIi-HBV、次いで72日目のHBc-HBs 4-1/AS01を共投与するMVA-HBVのブーストで免疫化する。続いて、86日目および100日目にMVA-HBVとHBc-HBs 4-1/AS01の同時免疫化を2回行う(表10)。
NaClまたはHBV ASOでそれぞれ処置した群5および6の動物に、これらのワクチンレジメンの陰性対照として、44日目、72日目、86日目および100日目にNaCl注射する。
これらのレジメンの成分はすべて筋肉内に投与する。
血清HBsAgおよび血清HBV DNAのレベルを、0日目(CHBモデルの誘導前)、21日目(CHBモデルの誘導を確認するため)、44日目、58日目、72日目、79日目、86日目、100日目、107日目、114日目、128日目および142日目に測定する。
HBs特異的抗体応答およびHBc特異的抗体応答を、0日目、21日目、44日目、58日目、72日目、79日目、86日目、100日目、107日目、114日目、128日目および142日目に全動物からの血清でELISAにより測定する。
マウス群を犠死および79日目(群1~4および群7)、107日目および142日目(全群)のHBsおよびHBc特異的CD4およびCD8T細胞応答の評価(ICS-脾臓および潅流した肝臓)の評価のために分割する。
肝臓関連の安全性パラメーターに関して、0日目、44日目、58日目、86日目、100日目、114日目、128日目および142日目に血清でASTおよびALT酵素のレベルを測定する。
Figure 2022524007000019
実施例7-AAV2/8-HBV形質導入HLA.A2/DR1マウスにおけるHBV-ASO/ChAd155-hIi-HBV/MVA-HBV/HBc-HBs/AS01 レジメンの有効性、免疫原性および安全性の評価
目的
この研究は、実施例5に記載されるような慢性HBV感染症のAAV2/8-HBV-形質導入HLA.A2/DR1マウスモデルを利用する。
この研究の目的は、実施例6のものと同じである。
・HBV ASOとワクチンレジメンの組合せが、ワクチンレジメン単独と比較した場合にHBs(抗HBs Ab力価)に対する免疫寛容をさらに克服し得ることを実証すること
・HBV ASOとワクチンレジメンの組合せが、ワクチンレジメン単独と比較した場合に循環HBs抗原レベルを低減し得ることを実証すること
・HBV ASOとワクチンレジメンの組合せに対するHBc特異的CD8T細胞応答を評価すること
・血清HBV DNAウイルス量に対するHBV ASOとワクチンレジメンの組合せの影響を評価すること
・肝機能に関する代替パラメーターとしてのASTおよびALTレベルを評価すること、およびまた潜在的全身毒性の評価のための主要器官(肝臓、肺、心臓、脳、腎臓、胸腺)の組織病理学的検査を行うこと。
研究設計
単独のまたはHBc-HBs 4-1/AS01と組み合わせた、ChAd155-hIi-HBVおよびMVA-HBV(両方ともHBVコア[HBc]および表面[HBs]抗原をコードする)と、それに続く、2回の追加用量のHBc-HBs 4-1/AS01(単独でまたはMVA-HBVと組み合わせて)による順次免疫化に基づく、2つの異なるワクチンレジメンを、HBV ASO処置を伴ってまたは伴わずに試験する(表11)。加えて、HBV ASOによる処置は、44日目に、最初のワクチン投与の前に停止するか、または100日目まで継続する。
0日目に、群1~6および8~10のHLA.A2/DR1マウスに、1010vgのAAV2/8-HBVベクターを形質導入し(静脈内投与、尾静脈)、群7は、ワクチンレジメンの安全性および免疫原性に関する陽性対照として用いる(HBV ASO処置無し、処置前に免疫寛容を確立しない)。
31日目、35日目および38日目に、群1、6および8の動物をHBV ASO(WO2012/145697の配列番号226)で前処置した。次に、この処置を毎週継続し、同時に100日目まで指定のワクチンレジメン(またはNaCl)の投与を行う。
また、31日目、35日目および38日目に、群3、4および10の動物もHBV ASO(WO2012/145697の配列番号226)で前処置する。ただし、追加のHBV ASO投与は42日目に行い、その後、HBV ASOによる処置は停止する。
群2、5および9の動物を、31日目、35日目および38日目にHBV ASOまたはNaClで前処置し、次いで、この処置を毎週継続し、同時に100日目まで指定のワクチンレジメン(またはNaCl)の投与を行う。
HBV ASOまたはNaClで処置した群1、2および3の動物を、4日目にChAd155-hIi-HBVで、次いで、72日目にMVA-HBVで免疫下する。2用量のHBc-HBs 4-1μg/AS01を、このプライム/ブーストウイルスベクターレジメンの後、86日目および100日目に投与する(表11)。
HBV ASOまたはNaClで処置した群8、9および10の動物を、44日目のHBc-HBs 4-1/AS01を共投与するChAd155-hIi-HBV、次いで72日目のHBc-HBs 4-1/AS01を共投与するMVA-HBVのブーストで免疫化する。続いて、86日目および100日目にMVA-HBVとHBc-HBs 4-1/AS01の同時免疫化を2回行う(表11)。
NaClまたはHBV ASOで処置した4、5および6の動物には、ワクチンレジメンの陰性対照として、44日目、72日目、86日目および100日目にNaClを注射する。
これらのレジメンの成分はすべて筋肉内に投与する。
血清HBsAgおよび血清HBV DNAのレベルを、0日目(CHBモデルの誘導前)、21日目(CHBモデルの誘導を確認するため)、42日目、56日目、70日目、80日目、84日目、98日目、107日目、113日目、127日目および141日目に測定する。
HBs特異的抗体応答およびHBc特異的抗体応答を、0日目、21日目、42日目、56日目、70日目、80日目、84日目、98日目、107日目、113日目、127日目および141日目に全動物からの血清でELISAにより測定する。
マウス群を犠死および80日目(群1、2、3および7)、107日目および141日目(全群)のHBsおよびHBc特異的CD4およびCD8T細胞応答の評価(ICS-脾臓および潅流した肝臓)の評価のために分割する。
肝臓関連の安全性パラメーターに関して、0日目、42日目、80日目、107日目および141日目に血清でASTおよびALT酵素のレベルを測定する。
Figure 2022524007000020
配列表
配列番号1:HBsのアミノ酸配列
MENITSGFLGPLLVLQAGFFLLTRILTIPQSLDSWWTSLNFLGGSPVCLGQNSQSPTSNHSPTSCPPICPGYRWMCLRRFIIFLFILLLCLIFLLVLLDYQGMLPVCPLIPGSTTTNTGPCKTCTTPAQGNSMFPSCCCTKPTDGNCTCIPIPSSWAFAKYLWEWASVRFSWLSLLVPFVQWFVGLSPTVWLSAIWMMWYWGPSLYSIVSPFIPLLPIFFCLWVYI
配列番号2:HBc末端切断体のアミノ酸配列
MDIDPYKEFGATVELLSFLPSDFFPSVRDLLDTASALYREALESPEHCSPHHTALRQAILCWGELMTLATWVGNNLEDPASRDLVVNYVNTNMGLKIRQLLWFHISCLTFGRETVLEYLVSFGVWIRTPPAYRPPNAPILSTLPETTVV
配列番号3:口蹄疫ウイルスの2A切断領域を組み込んだスペーサーのアミノ酸配列
APVKQTLNFDLLKLAGDVESNPGP
配列番号4:口蹄疫ウイルスの2A切断領域を組み込んだスペーサーをコードするヌクレオチド配列
GCCCCTGTGAAGCAGACCCTGAACTTCGACCTGCTGAAGCTGGCCGGCGACGTGGAGAGCAATCCCGGCCCT
配列番号5:HBc-2A-HBsのアミノ酸配列
MDIDPYKEFGATVELLSFLPSDFFPSVRDLLDTASALYREALESPEHCSPHHTALRQAILCWGELMTLATWVGNNLEDPASRDLVVNYVNTNMGLKIRQLLWFHISCLTFGRETVLEYLVSFGVWIRTPPAYRPPNAPILSTLPETTVVRRRDRGRSPRRRTPSPRRRRSQSPRRRRSQSRESQCAPVKQTLNFDLLKLAGDVESNPGPMENITSGFLGPLLVLQAGFFLLTRILTIPQSLDSWWTSLNFLGGSPVCLGQNSQSPTSNHSPTSCPPICPGYRWMCLRRFIIFLFILLLCLIFLLVLLDYQGMLPVCPLIPGSTTTNTGPCKTCTTPAQGNSMFPSCCCTKPTDGNCTCIPIPSSWAFAKYLWEWASVRFSWLSLLVPFVQWFVGLSPTVWLSAIWMMWYWGPSLYSIVSPFIPLLPIFFCLWVYI
配列番号6:HBc-2A-HBsをコードするヌクレオチド配列
ATGGACATCGATCCCTACAAGGAATTTGGCGCCACCGTGGAGCTGCTGAGCTTCCTGCCCAGCGACTTCTTCCCCAGCGTGAGGGACCTCCTGGACACCGCCAGCGCCCTGTACAGGGAGGCCCTGGAATCTCCCGAGCACTGCAGCCCACACCACACCGCACTGAGGCAGGCCATCCTGTGCTGGGGAGAGCTGATGACCCTCGCCACCTGGGTGGGCAACAACCTGGAGGACCCCGCCAGCAGGGACCTGGTGGTGAACTACGTCAACACCAACATGGGCCTGAAGATCAGGCAGCTGCTGTGGTTCCACATCAGCTGCCTGACCTTCGGCAGGGAGACCGTGCTGGAGTACCTGGTGAGCTTCGGCGTGTGGATCAGGACACCTCCCGCCTACAGACCCCCCAACGCCCCCATCCTGAGCACCCTGCCCGAGACCACAGTGGTGAGGAGGAGGGACAGGGGCAGGTCACCCAGGAGGAGGACTCCAAGCCCCAGGAGGAGGAGGAGCCAGAGCCCCAGGAGAAGGAGGAGCCAGAGCAGGGAGAGCCAGTGCGCCCCTGTGAAGCAGACCCTGAACTTCGACCTGCTGAAGCTGGCCGGCGACGTGGAGAGCAATCCCGGCCCTATGGAGAACATCACCAGCGGCTTCCTGGGCCCCCTGCTGGTGCTGCAGGCAGGCTTCTTCCTGCTGACCAGGATCCTGACCATCCCCCAGAGCCTGGACAGCTGGTGGACCAGCCTGAACTTCCTCGGCGGGAGCCCCGTGTGCCTGGGCCAGAACAGCCAGTCTCCCACCAGCAATCACAGCCCCACCAGCTGCCCCCCAATCTGTCCTGGCTACCGGTGGATGTGCCTGAGGAGGTTCATCATCTTCCTGTTCATCCTGCTCCTGTGCCTGATCTTCCTGCTGGTGCTGCTGGACTACCAGGGAATGCTGCCAGTGTGTCCCCTGATCCCCGGCTCAACCACCACTAACACCGGCCCCTGCAAAACCTGCACCACCCCCGCTCAGGGCAACAGCATGTTCCCAAGCTGCTGCTGCACCAAGCCCACCGACGGCAACTGCACCTGCATTCCCATCCCCAGCAGCTGGGCCTTCGCCAAGTATCTGTGGGAGTGGGCCAGCGTGAGGTTCAGCTGGCTCAGCCTGCTGGTGCCCTTCGTCCAGTGGTTTGTGGGCCTGAGCCCCACCGTGTGGCTGAGCGCCATCTGGATGATGTGGTACTGGGGCCCCAGCCTGTACTCCATCGTGAGCCCCTTCATCCCCCTGCTGCCCATTTTCTTCTGCCTGTGGGTGTACATC
配列番号7:hIiのアミノ酸配列
MHRRRSRSCREDQKPVMDDQRDLISNNEQLPMLGRRPGAPESKCSRGALYTGFSILVTLLLAGQATTAYFLYQQQGRLDKLTVTSQNLQLENLRMKLPKPKPVSKMRMATPLLMQALPMGALPQGPMQNATKYGNMTEDHVMHLLQNADPLKVYPPLKSFPENLRHLKNTMETIDWKVFESWMHHWLLFEMSRHSLEQKPTDAPPKESLELEDPSSGGVTKQDLGPVPM
配列番号8:hIiをコードするヌクレオチド配列
Atgcacaggaggaggagcaggagctgcagggaggaccagaagcccgtgatggacgaccagcgcgacctgatcagcaacaacgagcagctgccaatgctgggcaggaggcccggagcacccgaaagcaagtgcagcaggggcgccctgtacaccggcttcagcatcctggtgaccctcctgctggccggccaggccaccaccgcctatttcctgtaccagcagcagggcaggctcgataagctgaccgtgacctcccagaacctgcagctggagaacctgaggatgaagctgcccaagccccccaagcccgtgagcaagatgaggatggccacccccctgctgatgcaggctctgcccatgggggccctgccccagggccccatgcagaacgccaccaaatacggcaacatgaccgaggaccacgtgatgcacctgctgcagaacgccgatcctctgaaggtgtacccacccctgaaaggcagcttccccgagaacctcaggcacctgaagaacaccatggagaccatcgactggaaggtgttcgagagctggatgcaccactggctgctgttcgagatgagccggcacagcctggagcagaagcccaccgacgcccctcccaaggagagcctcgagctcgaggacccaagcagcggcctgggcgtgaccaagcaggacctgggccccgtgcccatg
配列番号9:hIi-HBc-2A-HBsのアミノ酸配列
MHRRRSRSCREDQKPVMDDQRDLISNNEQLPMLGRRPGAPESKCSRGALYTGFSILVTLLLAGQATTAYFLYQQQGRLDKLTVTSQNLQLENLRMKLPKPKPVSKMRMATPLLMQALPMGALPQGPMQNATKYGNMTEDHVMHLLQNADPLKVYPPLKSFPENLRHLKNTMETIDWKVFESWMHHWLLFEMSRHSLEQKPTDAPPKESLELEDPSSGGVTKQDLGPVPMMDIDPYKEFGATVELLSFLPSDFFPSVRDLLDTASALYREALESPEHCSPHHTALRQAILCWGELMTLATWVGNNLEDPASRDLVVNYVNTNMGLKIRQLLWFHISCLTFGRETVLEYLVSFGVWIRTPPAYRPPNAPILSTLPETTVVAPVKQTLNFDLLKLAGDVESNPGPMENITSGFLGPLLVLQAGFFLLTRILTIPQSLDSWWTSLNFLGGSPVCLGQNSQSPTSNHSPTSCPPICPGYRWMCLRRFIIFLFILLLCLIFLLVLLDYQGMLPVCPLIPGSTTTNTGPCKTCTTPAQGNSMFPSCCCTKPTDGNCTCIPIPSSWAFAKYLWEWASVRFSWLSLLVPFVQWFVGLSPTVWLSAIWMMWYWGPSLYSIVSPFIPLLPIFFCLWVYI
配列番号10:hIi-HBc-2A-HBsをコードするヌクレオチド配列
ATGCACAGGAGGAGGAGCAGGAGCTGCAGGGAGGACCAGAAGCCCGTGATGGACGACCAGCGCGACCTGATCAGCAACAACGAGCAGCTGCCAATGCTGGGCAGGAGGCCCGGAGCACCCGAAAGCAAGTGCAGCAGGGGCGCCCTGTACACCGGCTTCAGCATCCTGGTGACCCTCCTGCTGGCCGGCCAGGCCACCACCGCCTATTTCCTGTACCAGCAGCAGGGCAGGCTCGATAAGCTGACCGTGACCTCCCAGAACCTGCAGCTGGAGAACCTGAGGATGAAGCTGCCCAAGCCCCCCAAGCCCGTGAGCAAGATGAGGATGGCCACCCCCCTGCTGATGCAGGCTCTGCCCATGGGGGCCCTGCCCCAGGGCCCCATGCAGAACGCCACCAAATACGGCAACATGACCGAGGACCACGTGATGCACCTGCTGCAGAACGCCGATCCTCTGAAGGTGTACCCACCCCTGAAAGGCAGCTTCCCCGAGAACCTCAGGCACCTGAAGAACACCATGGAGACCATCGACTGGAAGGTGTTCGAGAGCTGGATGCACCACTGGCTGCTGTTCGAGATGAGCCGGCACAGCCTGGAGCAGAAGCCCACCGACGCCCCTCCCAAGGAGAGCCTCGAGCTCGAGGACCCAAGCAGCGGCCTGGGCGTGACCAAGCAGGACCTGGGCCCCGTGCCCATGGACATTGACCCCTACAAGGAGTTCGGCGCCACCGTCGAACTGCTGAGCTTCCTCCCCAGCGACTTCTTCCCCTCCGTGAGGGATCTGCTGGACACAGCTAGCGCCCTGTACAGGGAGGCCCTGGAGAGCCCCGAGCACTGCAGCCCCCACCACACAGCCCTGAGGCAGGCCATCCTCTGTTGGGGCGAGCTGATGACCCTGGCCACCTGGGTGGGCAATAACCTGGAGGACCCCGCCAGCAGGGACCTGGTGGTCAACTACGTGAACACCAACATGGGCCTGAAGATCAGGCAGCTGCTGTGGTTCCACATCAGCTGCCTGACCTTTGGCAGGGAGACCGTCCTGGAGTACCTGGTGAGCTTCGGCGTGTGGATCAGGACTCCCCCAGCCTACAGGCCCCCTAACGCCCCCATCCTGTCTACCCTGCCCGAGACCACCGTGGTGAGGAGGAGGGACAGGGGCAGAAGCCCCAGGAGAAGGACCCCTAGCCCCAGGAGGAGGAGGAGCCAGAGCCCCAGGAGGAGGAGGAGCCAGAGCCGGGAGAGCCAGTGCGCCCCTGTGAAGCAGACCCTGAACTTCGACCTGCTGAAGCTGGCCGGCGACGTGGAGAGCAATCCCGGCCCTATGGAAAACATCACCAGCGGCTTCCTGGGCCCCCTGCTGGTGCTGCAGGCCGGCTTCTTCCTGCTGACCAGGATCCTGACCATTCCCCAGTCACTGGACAGCTGGTGGACCAGCCTGAACTTCCTCGGCGGGAGCCCCGTGTGCCTGGGCCAGAATAGCCAGAGCCCCACCAGCAACCACTCTCCCACTTCCTGCCCCCCTATCTGCCCCGGCTACAGGTGGATGTGCCTGAGGAGGTTCATCATCTTCCTGTTCATCCTGCTGCTGTGCCTGATCTTCCTGCTGGTGCTGCTGGACTACCAGGGAATGCTGCCCGTGTGTCCCCTGATCCCCGGAAGCACCACCACCAACACCGGCCCCTGCAAGACCTGCACCACCCCCGCCCAGGGCAACTCTATGTTCCCCAGCTGCTGCTGCACCAAGCCCACCGACGGCAACTGCACTTGCATTCCCATCCCCAGCAGCTGGGCCTTCGCCAAATATCTGTGGGAGTGGGCCAGCGTGAGGTTTAGCTGGCTGAGCCTGCTGGTGCCCTTCGTGCAGTGGTTTGTGGGCCTGAGCCCCACCGTGTGGCTGAGCGCCATCTGGATGATGTGGTACTGGGGCCCCTCCCTGTACAGCATCGTGAGCCCCTTCATCCCCCTCCTGCCCATCTTCTTCTGCCTGTGGGTGTACATC
配列番号11:HBcのアミノ酸配列
MDIDPYKEFGATVELLSFLPSDFFPSVRDLLDTASALYREALESPEHCSPHHTALRQAILCWGELMTLATWVGNNLEDPASRDLVVNYVNTNMGLKIRQLLWFHISCLTFGRETVLEYLVSFGVWIRTPPAYRPPNAPILSTLPETTVVRRRDRGRSPRRRTPSPRRRRSQSPRRRRSQSRESQC
配列番号12:hIi代替バリアントのアミノ酸配列
MHRRRSRSCREDQKPVMDDQRDLISNNEQLPMLGRRPGAPESKCSRGALYTGFSILVTLLLAGQATTAYFLYQQQGRLDKLTVTSQNLQLENLRMKLPKPPKPVSKMRMATPLLMQALPMGALPQGPMQNATKYGNMTEDHVMHLLQNADPLKVYPPLKGSFPENLRHLKNTMETIDWKVFESWMHHWLLFEMSRHSLEQKPTDAPPKESLELEDPSSGLGVTKQDLGPVP
配列番号13:hI代替バリアントをコードするヌクレオチド配列
ATGCACAGGAGGAGAAGCAGGAGCTGTCGGGAAGATCAGAAGCCAGTCATGGATGACCAGCGCGACCTTATCTCCAACAATGAGCAACTGCCCATGCTGGGCCGGCGCCCTGGGGCCCCGGAGAGCAAGTGCAGCCGCGGAGCCCTGTACACAGGCTTTTCCATCCTGGTGACTCTGCTCCTCGCTGGCCAGGCCACCACCGCCTACTTCCTGTACCAGCAGCAGGGCCGGCTGGACAAACTGACAGTCACCTCCCAGAACCTGCAGCTGGAGAACCTGCGCATGAAGCTTCCCAAGCCTCCCAAGCCTGTGAGCAAGATGCGCATGGCCACCCCGCTGCTGATGCAGGCGCTGCCCATGGGAGCCCTGCCCCAGGGGCCCATGCAGAATGCCACCAAGTATGGCAACATGACAGAGGACCATGTGATGCACCTGCTCCAGAATGCTGACCCCCTGAAGGTGTACCCGCCACTGAAGGGGAGCTTCCCGGAGAACCTGAGACACCTTAAGAACACCATGGAGACCATAGACTGGAAGGTCTTTGAGAGCTGGATGCACCATTGGCTCCTGTTTGAAATGAGCAGGCACTCCTTGGAGCAAAAGCCCACTGACGCTCCACCGAAAGAGTCACTGGAACTGGAGGACCCGTCTTCTGGGCTGGGTGTGACCAAGCAGGATCTGGGCCCAGTCCCC
配列番号14:hIi-HBc-2A-HBsの代替核酸配列
ATGCACAGGAGGAGAAGCAGGAGCTGTCGGGAAGATCAGAAGCCAGTCATGGATGACCAGCGCGACCTTATCTCCAACAATGAGCAACTGCCCATGCTGGGCCGGCGCCCTGGGGCCCCGGAGAGCAAGTGCAGCCGCGGAGCCCTGTACACAGGCTTTTCCATCCTGGTGACTCTGCTCCTCGCTGGCCAGGCCACCACCGCCTACTTCCTGTACCAGCAGCAGGGCCGGCTGGACAAACTGACAGTCACCTCCCAGAACCTGCAGCTGGAGAACCTGCGCATGAAGCTTCCCAAGCCTCCCAAGCCTGTGAGCAAGATGCGCATGGCCACCCCGCTGCTGATGCAGGCGCTGCCCATGGGAGCCCTGCCCCAGGGGCCCATGCAGAATGCCACCAAGTATGGCAACATGACAGAGGACCATGTGATGCACCTGCTCCAGAATGCTGACCCCCTGAAGGTGTACCCGCCACTGAAGGGGAGCTTCCCGGAGAACCTGAGACACCTTAAGAACACCATGGAGACCATAGACTGGAAGGTCTTTGAGAGCTGGATGCACCATTGGCTCCTGTTTGAAATGAGCAGGCACTCCTTGGAGCAAAAGCCCACTGACGCTCCACCGAAAGAGTCACTGGAACTGGAGGACCCGTCTTCTGGGCTGGGTGTGACCAAGCAGGATCTGGGCCCAGTCCCCATGGACATTGACCCTTATAAAGAATTTGGAGCTACTGTGGAGTTACTCTCGTTTTTGCCTTCTGACTTCTTTCCTTCCGTCAGAGATCTCCTAGACACCGCCTCAGCTCTGTATCGAGAAGCCTTAGAGTCTCCTGAGCATTGCTCACCTCACCATACTGCACTCAGGCAAGCCATTCTCTGCTGGGGGGAATTGATGACTCTAGCTACCTGGGTGGGTAATAATTTGGAAGATCCAGCATCCAGGGATCTAGTAGTCAATTATGTTAATACTAACATGGGTTTAAAGATCAGGCAACTATTGTGGTTTCATATATCTTGCCTTACTTTTGGAAGAGAGACTGTACTTGAATATTTGGTCTCTTTCGGAGTGTGGATTCGCACTCCTCCAGCCTATAGACCACCAAATGCCCCTATCTTATCAACACTTCCGGAAACTACTGTTGTTAGACGACGGGACCGAGGCAGGTCCCCTAGAAGAAGAACTCCCTCGCCTCGCAGACGCAGATCTCAATCGCCGCGTCGCAGAAGATCTCAATCTCGGGAATCTCAATGTGCCCCTGTGAAGCAGACCCTGAACTTCGACCTGCTGAAGCTGGCCGGCGACGTGGAGAGCAATCCCGGCCCTATGGAGAACATCACATCAGGATTCCTAGGACCCCTGCTCGTGTTACAGGCGGGGTTTTTCTTGTTGACAAGAATCCTCACAATACCGCAGAGTCTAGACTCGTGGTGGACTTCTCTCAATTTTCTAGGGGGATCACCCGTGTGTCTTGGCCAAAATTCGCAGTCCCCAACCTCCAATCACTCACCAACCTCCTGTCCTCCAATTTGTCCTGGTTATCGCTGGATGTGTCTGCGGCGTTTTATCATATTCCTCTTCATCCTGCTGCTATGCCTCATCTTCTTATTGGTTCTTCTGGATTATCAAGGTATGTTGCCCGTTTGTCCTCTAATTCCAGGATCAACAACAACCAATACGGGACCATGCAAAACCTGCACGACTCCTGCTCAAGGCAACTCTATGTTTCCCTCATGTTGCTGTACAAAACCTACGGATGGAAATTGCACCTGTATTCCCATCCCATCGTCCTGGGCTTTCGCAAAATACCTATGGGAGTGGGCCTCAGTCCGTTTCTCTTGGCTCAGTTTACTAGTGCCATTTGTTCAGTGGTTCGTAGGGCTTTCCCCCACTGTTTGGCTTTCAGCTATATGGATGATGTGGTATTGGGGGCCAAGTCTGTACAGCATCGTGAGTCCCTTTATACCGCTGTTACCAATTTTCTTTTGTCTCTGGGTATACATT
配列番号15:hIi-HBc-2A-HBsの代替アミノ酸配列
MHRRRSRSCREDQKPVMDDQRDLISNNEQLPMLGRRPGAPESKCSRGALYTGFSILVTLLLAGQATTAYFLYQQQGRLDKLTVTSQNLQLENLRMKLPKPPKPVSKMRMATPLLMQALPMGALPQGPMQNATKYGNMTEDHVMHLLQNADPLKVYPPLKGSFPENLRHLKNTMETIDWKVFESWMHHWLLFEMSRHSLEQKPTDAPPKESLELEDPSSGLGVTKQDLGPVPMDIDPYKEFGATVELLSFLPSDFFPSVRDLLDTASALYREALESPEHCSPHHTALRQAILCWGELMTLATWVGNNLEDPASRDLVVNYVNTNMGLKIRQLLWFHISCLTFGRETVLEYLVSFGVWIRTPPAYRPPNAPILSTLPETTVVRRRDRGRSPRRRTPSPRRRRSQSPRRRRSQSRESQCAPVKQTLNFDLLKLAGDVESNPGPMENITSGFLGPLLVLQAGFFLLTRILTIPQSLDSWWTSLNFLGGSPVCLGQNSQSPTSNHSPTSCPPICPGYRWMCLRRFIIFLFILLLCLIFLLVLLDYQGMLPVCPLIPGSTTTNTGPCKTCTTPAQGNSMFPSCCCTKPTDGNCTCIPIPSSWAFAKYLWEWASVRFSWLSLLVPFVQWFVGLSPTVWLSAIWMMWYWGPSLYSIVSPFIPLLPIFFCLWVYI
配列番号16:B型肝炎ウイルスゲノム(GENBANK受託番号U95551.1)のヌクレオチド配列
aattccacaa cctttcacca aactctgcaa gatcccagag tgagaggcct gtatttccct
gctggtggct ccagttcagg agcagtaaac cctgttccga ctactgcctc tcccttatcg
tcaatcttct cgaggattgg ggaccctgcg ctgaacatgg agaacatcac atcaggattc
ctaggacccc ttctcgtgtt acaggcgggg tttttcttgt tgacaagaat cctcacaata
ccgcagagtc tagactcgtg gtggacttct ctcaattttc tagggggaac taccgtgtgt
cttggccaaa attcgcagtc cccaacctcc aatcactcac caacctcctg tcctccaact
tgtcctggtt atcgctggat gtgtctgcgg cgttttatca tcttcctctt catcctgctg
ctatgcctca tcttcttgtt ggttcttctg gactatcaag gtatgttgcc cgtttgtcct
ctaattccag gatcctcaac caccagcacg ggaccatgcc gaacctgcat gactactgct
caaggaacct ctatgtatcc ctcctgttgc tgtaccaaac cttcggacgg aaattgcacc
tgtattccca tcccatcatc ctgggctttc ggaaaattcc tatgggagtg ggcctcagcc
cgtttctcct ggctcagttt actagtgcca tttgttcagt ggttcgtagg gctttccccc
actgtttggc tttcagttat atggatgatg tggtattggg ggccaagtct gtacagcatc
ttgagtccct ttttaccgct gttaccaatt ttcttttgtc tttgggtata catttaaacc
ctaacaaaac aaagagatgg ggttactctc tgaattttat gggttatgtc attggaagtt
atgggtcctt gccacaagaa cacatcatac aaaaaatcaa agaatgtttt agaaaacttc
ctattaacag gcctattgat tggaaagtat gtcaacgaat tgtgggtctt ttgggttttg
ctgccccatt tacacaatgt ggttatcctg cgttaatgcc cttgtatgca tgtattcaat
ctaagcaggc tttcactttc tcgccaactt acaaggcctt tctgtgtaaa caatacctga
acctttaccc cgttgcccgg caacggccag gtctgtgcca agtgtttgct gacgcaaccc
ccactggctg gggcttggtc atgggccatc agcgcgtgcg tggaaccttt tcggctcctc
tgccgatcca tactgcggaa ctcctagccg cttgttttgc tcgcagcagg tctggagcaa
acattatcgg gactgataac tctgttgtcc tctcccgcaa atatacatcg tatccatggc
tgctaggctg tgctgccaac tggatcctgc gcgggacgtc ctttgtttac gtcccgtcgg
cgctgaatcc tgcggacgac ccttctcggg gtcgcttggg actctctcgt ccccttctcc
gtctgccgtt ccgaccgacc acggggcgca cctctcttta cgcggactcc ccgtctgtgc
cttctcatct gccggaccgt gtgcacttcg cttcacctct gcacgtcgca tggagaccac
cgtgaacgcc caccgaatgt tgcccaaggt cttacataag aggactcttg gactctctgc
aatgtcaacg accgaccttg aggcatactt caaagactgt ttgtttaaag actgggagga
gttgggggag gagattagat taaaggtctt tgtactagga ggctgtaggc ataaattggt
ctgcgcacca gcaccatgca actttttcac ctctgcctaa tcatctcttg ttcatgtcct
actgttcaag cctccaagct gtgccttggg tggctttggg gcatggacat cgacccttat
aaagaatttg gagctactgt ggagttactc tcgtttttgc cttctgactt ctttccttca
gtacgagatc ttctagatac cgcctcagct ctgtatcggg aagccttaga gtctcctgag
cattgttcac ctcaccatac tgcactcagg caagcaattc tttgctgggg ggaactaatg
actctagcta cctgggtggg tgttaatttg gaagatccag catctagaga cctagtagtc
agttatgtca acactaatat gggcctaaag ttcaggcaac tcttgtggtt tcacatttct
tgtctcactt ttggaagaga aaccgttata gagtatttgg tgtctttcgg agtgtggatt
cgcactcctc cagcttatag accaccaaat gcccctatcc tatcaacact tccggaaact
actgttgtta gacgacgagg caggtcccct agaagaagaa ctccctcgcc tcgcagacga
aggtctcaat cgccgcgtcg cagaagatct caatctcggg aacctcaatg ttagtattcc
ttggactcat aaggtgggga actttactgg tctttattct tctactgtac ctgtctttaa
tcctcattgg aaaacaccat cttttcctaa tatacattta caccaagaca ttatcaaaaa
atgtgaacag tttgtaggcc cacttacagt taatgagaaa agaagattgc aattgattat
gcctgctagg ttttatccaa aggttaccaa atatttacca ttggataagg gtattaaacc
ttattatcca gaacatctag ttaatcatta cttccaaact agacactatt tacacactct
atggaaggcg ggtatattat ataagagaga aacaacacat agcgcctcat tttgtgggtc
accatattct tgggaacaag atctacagca tggggcagaa tctttccacc agcaatcctc
tgggattctt tcccgaccac cagttggatc cagccttcag agcaaacaca gcaaatccag
attgggactt caatcccaac aaggacacct ggccagacgc caacaaggta ggagctggag
cattcgggct gggtttcacc ccaccgcacg gaggcctttt ggggtggagc cctcaggctc
agggcatact acaaactttg ccagcaaatc cgcctcctgc ctccaccaat cgccagacag
gaaggcagcc taccccgctg tctccacctt tgagaaacac tcatcctcag gccatgcagt gg
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Claims (33)

  1. ヒトにおいて慢性B型肝炎感染症(CHB)および/または慢性D型肝炎感染症(CHD)を治療する方法であって、以下のステップ:
    a)前記ヒトに、HBV核酸に標的化された10~30ヌクレオシド長のアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)(HBV ASO)を含む組成物を投与するステップ;
    b)前記ヒトに、B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む複製欠陥チンパンジーアデノウイルス(ChAd)ベクターを含む組成物を投与するステップ;
    c)前記ヒトに、B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む改変ワクシニアウイルスアンカラ(MVA)ベクターを含む組成物を投与するステップ;および
    d)前記ヒトに、組換えB型肝炎表面抗原(HBs)と、組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)と、アジュバントとを含む組成物を投与するステップ
    を含む、方法。
  2. 前記方法のステップb)、c)およびd)が順次実施され、ステップb)がステップc)に先行し、ステップc)がステップd)に先行する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記方法のステップd)が繰り返される、請求項2に記載の方法。
  4. ステップa)が繰り返される、請求項1に記載の方法。
  5. ステップa)がステップb)の前に繰り返される、請求項2に記載の方法。
  6. 各ステップ間の期間が1週間、2週間、4週間、6週間、8週間、12週間、6か月間または12か月間、例えば、4週間または8週間である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. ステップd)がステップb)および/またはステップc)と同時に実施される、請求項1に記載の方法。
  8. ステップa)が繰り返される、請求項7に記載の方法。
  9. ヒトにおいて慢性B型肝炎感染症(CHB)および/または慢性D型肝炎感染症(CHD)を治療する方法であって、以下のステップ:
    a)前記ヒトに、HBV核酸に標的化された10~30ヌクレオシド長のアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)(HBV ASO)を含む組成物を投与するステップ;
    b)前記ヒトに、i)B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む複製欠陥チンパンジーアデノウイルス(ChAd)ベクターを含む組成物、およびii)組換えB型肝炎表面抗原(HBs)と、組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)と、アジュバントとを含む組成物を併用投与するステップ;ならびに
    c)前記ヒトに、i)B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む改変ワクシニアウイルスアンカラ(MVA)ベクターを含む組成物、および組換えB型肝炎表面抗原(HBs)と、組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)と、アジュバントとを含む組成物を併用投与するステップ
    を含む、方法。
  10. ステップa)がステップb)に先行して繰り返され、ステップb)がステップc)に先行する、請求項9に記載の方法。
  11. HBV核酸に標的化された前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが、配列GCAGAGGTGAAGCGAAGTGCを有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. HBV核酸に標的化された前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが、配列GCAGAGGTGAAGCGAAGTGCを有する連結した20個のヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチド「ギャップマー」であり、
    前記ギャップマーが、それぞれのヌクレオシドが2’-O-メトキシエチル糖を含む連結した5個のヌクレオシドGCAGAからなる5’ウイング領域と、それに続く連結した10個のデオキシヌクレオシドGGTGAAGCGAと、それぞれのヌクレオシドが2’-O-メトキシエチル糖を含む連結した5個のヌクレオシドAGTGCからなる3’ウイング領域とからなり、
    前記ギャップマー中の各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエート結合であり、
    前記ギャップマー中の各シトシンが5-メチルシトシンである、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. ヒトにおいて慢性B型肝炎感染症(CHB)および/または慢性D型肝炎感染症(CHD)を治療する方法において使用するための免疫原性組合せであって、
    前記免疫原性組合せが、
    a)HBV核酸に標的化された10~30ヌクレオシド長のアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)(HBV ASO)を含む組成物;
    b)B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む複製欠陥チンパンジーアデノウイルス(ChAd)ベクターを含む組成物;
    c)B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む改変ワクシニアウイルスアンカラ(MVA)ベクターを含む組成物;および
    d)組換えB型肝炎表面抗原(HBs)と、組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)と、アジュバントとを含む組成物
    を含み、
    前記方法が、前記組成物をヒトに順次投与または併用投与することを含む、免疫原性組合せ。
  14. HBV核酸に標的化された前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが配列GCAGAGGTGAAGCGAAGTGCを有する、請求項13に記載の免疫原性組合せ。
  15. HBV核酸に標的化された前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが、配列GCAGAGGTGAAGCGAAGTGCを有する連結した20個のヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチド「ギャップマー」であり、
    前記ギャップマーが、それぞれのヌクレオシドが2’-O-メトキシエチル糖を含む連結した5個のヌクレオシドGCAGAからなる5’ウイング領域と、それに続く連結した10個のデオキシヌクレオシドGGTGAAGCGAと、それぞれのヌクレオシドが2’-O-メトキシエチル糖を含む連結した5個のヌクレオシドAGTGCからなる3’ウイング領域とからなり、
    前記ギャップマー中の各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエート結合であり、
    前記ギャップマー中の各シトシンが5-メチルシトシンである、請求項13または14に記載の方法。
  16. ヒトにおいて慢性B型肝炎感染症(CHB)および/または慢性D型肝炎感染症(CHD)を治療する方法において使用するための免疫原性組成物であって、
    前記免疫原性組成物が、
    HBV核酸に標的化された10~30ヌクレオシド長のアンチセンスオリゴヌクレオチド(HBV ASO)、および
    B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸と、前記HBcに融合したヒトインバリアント鎖(hIi)をコードする核酸とを含む複製欠陥チンパンジーアデノウイルス(ChAd)ベクター
    を含み、
    前記方法が、前記免疫原性組成物の、少なくとも1種のその他の免疫原性組成物を用いたプライム-ブーストレジメンにおける投与を含む、免疫原性組成物。
  17. 1種以上の組換えHBVタンパク質抗原をさらに含む、請求項16に記載の使用のための免疫原性組成物。
  18. ヒトにおいて慢性B型肝炎感染症(CHB)および/または慢性D型肝炎感染症(CHD)を治療する方法において使用するための免疫原性組成物であって、
    前記免疫原性組成物が、
    HBV核酸に標的化された10~30ヌクレオシド長のアンチセンスオリゴヌクレオチド(HBV ASO)、および
    B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む改変ワクシニアウイルスアンカラ(MVA)ベクター
    を含み、
    前記方法が、前記免疫原性組成物の、少なくとも1種のその他の免疫原性組成物を用いたプライム-ブーストレジメンにおける投与を含む、免疫原性組成物。
  19. 1種以上の組換えHBVタンパク質抗原をさらに含む、請求項18に記載の使用のための免疫原性組成物。
  20. ヒトにおいて慢性B型肝炎感染症(CHB)および/または慢性D型肝炎感染症(CHD)を治療する方法において使用するための免疫原性組成物であって、
    前記免疫原性組成物が、HBV核酸に標的化された10~30ヌクレオシド長のアンチセンスオリゴヌクレオチド(HBV ASO)と、組換えB型肝炎表面抗原(HBs)と、C末端切断型組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)と、MPLおよびQS-21を含有するアジュバントとを含み、
    前記方法が、前記免疫原性組成物の、少なくとも1種のその他の免疫原性組成物を用いたプライム-ブーストレジメンにおける投与を含む、免疫原性組成物。
  21. 前記免疫原性組成物中のHBsに対するHBcの比が1より大きい、請求項20に記載の免疫原性組成物。
  22. 前記免疫原性組成物中のHBcに対するHBsの比が4:1である、請求項21に記載の免疫原性組成物。
  23. 1種以上のHBV抗原をコードする1種以上のベクターをさらに含む、請求項20~22のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
  24. HBV核酸に標的化された前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが配列GCAGAGGTGAAGCGAAGTGCを有する、請求項16~23のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
  25. HBV核酸に標的化された前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが、配列GCAGAGGTGAAGCGAAGTGCを有する連結した20個のヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチド「ギャップマー」であり、
    前記ギャップマーが、それぞれのヌクレオシドが2’-O-メトキシエチル糖を含む連結した5個のヌクレオシドGCAGAからなる5’ウイング領域と、それに続く連結した10個のデオキシヌクレオシドGGTGAAGCGAと、それぞれのヌクレオシドが2’-O-メトキシエチル糖を含む連結した5個のヌクレオシドAGTGCからなる3’ウイング領域とからなり、
    前記ギャップマー中の各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエート結合であり、
    前記ギャップマー中の各シトシンが5-メチルシトシンである、請求項16~24のいずれか一項に記載の使用のための免疫原性組成物。
  26. ヒトにおいて慢性B型肝炎感染症(CHB)および/または慢性D型肝炎感染症(CHD)を治療するための医薬の製造における免疫原性組成物の使用であって、
    前記免疫原性組成物が、
    HBV核酸に標的化された10~30ヌクレオシド長のアンチセンスオリゴヌクレオチド(HBV ASO)、および
    B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸と、HBcをコードする核酸に融合したヒトインバリアント鎖(hIi)をコードする核酸とを含む複製欠陥チンパンジーアデノウイルス(ChAd)ベクター
    を含み、
    慢性B型肝炎感染症および/またはCHD感染症を治療する前記方法が、前記免疫原性組成物の、少なくとも1種のその他の免疫原性組成物を用いたプライム-ブーストレジメンにおける投与を含む、使用。
  27. ヒトにおいて慢性B型肝炎感染症(CHB)および/または慢性D型肝炎感染症(CHD)を治療するための医薬の製造における免疫原性組成物の使用であって、
    前記免疫原性組成物が、
    HBV核酸に標的化された10~30ヌクレオシド長のアンチセンス(HBV ASO)、および
    B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む改変ワクシニアウイルスアンカラ(MVA)ベクター
    を含み、
    慢性B型肝炎感染症および/またはCHD感染症を治療する前記方法が、前記免疫原性組成物の、少なくとも1種のその他の免疫原性組成物を用いたプライム-ブーストレジメンにおける投与を含む、使用。
  28. ヒトにおける慢性B型肝炎感染症(CHB)および/または慢性D型肝炎感染症(CHD)の治療のための医薬の製造における免疫原性組合せの使用であって、
    前記免疫原性組合せが、
    a)HBV核酸に標的化された10~30ヌクレオシド長のアンチセンスオリゴヌクレオチド(HBV ASO);
    b)B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む複製欠陥チンパンジーアデノウイルス(ChAd)ベクターを含む組成物;
    c)B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む改変ワクシニアウイルスアンカラ(MVA)ベクターを含む組成物;および
    d)組換えB型肝炎表面抗原(HBs)と、組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)と、アジュバントとを含む組成物
    を含み、
    慢性B型肝炎感染症および/またはCHDを治療する前記方法が、前記組成物をヒトに順次投与または併用投与することを含む、使用。
  29. HBV核酸に標的化された前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが配列GCAGAGGTGAAGCGAAGTGCを有する、請求項26~28のいずれか一項に記載の医薬の製造における免疫原性組成物の使用。
  30. HBV核酸に標的化されたアンチセンスオリゴヌクレオチドが、配列GCAGAGGTGAAGCGAAGTGCを有する連結した20個のヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチド「ギャップマー」であり、
    前記ギャップマーが、それぞれのヌクレオシドが2’-O-メトキシエチル糖を含む連結した5個のヌクレオシドGCAGAからなる5’ウイング領域と、それに続く連結した10個のデオキシヌクレオシドGGTGAAGCGAと、それぞれのヌクレオシドが2’-O-メトキシエチル糖を含む連結した5個のヌクレオシドAGTGCからなる3’ウイング領域とからなり、
    前記ギャップマー中の各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエート結合であり、
    前記ギャップマー中の各シトシンが5-メチルシトシンである、請求項26~29のいずれか一項に記載の医薬の製造における免疫原性組成物の使用。
  31. 以下の組成物:
    a)HBV核酸に標的化された10~30ヌクレオシド長のアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)(HBV ASO)を含む組成物;
    b)B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む複製欠陥チンパンジーアデノウイルス(ChAd)ベクターを含む組成物;
    c)B型肝炎表面抗原(HBs)をコードするポリヌクレオチドと、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)をコードする核酸とを含む改変ワクシニアウイルスアンカラ(MVA)ベクターを含む組成物;および
    d)組換えB型肝炎表面抗原(HBs)と、組換えB型肝炎ウイルスコア抗原(HBc)と、アジュバントとを含む組成物
    を含む、免疫原性組合せ。
  32. HBV核酸に標的化された前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが配列GCAGAGGTGAAGCGAAGTGCを有する、請求項31に記載の免疫原性組合せ。
  33. HBV核酸に標的化された前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが、配列GCAGAGGTGAAGCGAAGTGCを有する連結した20個のヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチド「ギャップマー」であり、
    前記ギャップマーが、それぞれのヌクレオシドが2’-O-メトキシエチル糖を含む連結した5個のヌクレオシドGCAGAからなる5’ウイング領域と、それに続く連結した10個のデオキシヌクレオシドGGTGAAGCGAと、それぞれのヌクレオシドが2’-O-メトキシエチル糖を含む連結した5個のヌクレオシドAGTGCからなる3’ウイング領域とからなり、
    前記ギャップマー中の各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエート結合であり、
    前記ギャップマー中の各シトシンが5-メチルシトシンである、請求項31または32に記載の免疫原性組合せ。
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