JP2022522942A - 有機化合物 - Google Patents

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Abstract

本開示は、腫瘍または癌へのマクロファージおよび他の細胞の腫瘍動員を阻害することを含む癌および腫瘍の治療のための、チェックポイント阻害剤療法の補完および増強のための、ならびにチェックポイント阻害剤療法に関連する副作用(すなわち、炎症性関連有害事象)の軽減のための、ホスホジエステラーゼ1(PDE1)阻害剤の使用に関する。

Description

本分野は、腫瘍または癌へのマクロファージおよび他の細胞の動員を阻害することを含む癌および腫瘍の治療のための、腫瘍細胞遊走の阻害および腫瘍転移の防止のための、チェックポイント阻害剤療法、ゲノム編集療法およびキメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)療法の補完および増強のための、免疫抑制的腫瘍微小環境の防止または逆転のための、ならびに、チェックポイント阻害剤療法を含む免疫療法およびCAR-T療法を含む細胞免疫療法に関連する副作用(すなわち、炎症性関連有害事象)の軽減のための、ホスホジエステラーゼ1(PDE1)阻害剤の使用に関する。
世界の癌関連死の90%は転移が原因であると推定される。ほとんどの場合、転移性腫瘍細胞は、免疫応答を逃れる方法を開発し、治療に対して抵抗性となる。癌治療に対する抵抗性は、腫瘍細胞に内在することがあるが、多くの場合、腫瘍微小環境(TME)を構成する非悪性細胞によって付与または増強される。TMEは、組織常在性細胞、間質細胞、および腫瘍によって動員された他の細胞で構成されているため、内皮細胞、周皮細胞、線維芽細胞、間葉系幹細胞、ならびに、制御性T(Treg)細胞、肥満細胞、好中球、骨髄系由来サプレッサー細胞および腫瘍関連マクロファージを含む種々の免疫細胞を含み得る。これらの細胞は、腫瘍血管新生および癌細胞浸潤を促進し、ならびに/または免疫監視を破壊する。マクロファージは、腫瘍関連細胞の最も一般的なタイプの一つである。研究者たちは当初、これらの免疫細胞は腫瘍を拒絶する体の反応の一部であると想定しており、実際、癌の発症に関する主要なチェックは、自然免疫系の細胞(例えば、マクロファージ、好中球)および適応免疫応答に関連する細胞(例えば、T細胞およびB細胞)による免疫系の監視および癌の存在に対する反応である。しかしながら、場合によっては、癌は免疫系を逃れることおよび利用することができるので、これらの免疫系細胞は、腫瘍を攻撃するのではなく、腫瘍のサポート・防御システム(support and defense system)の一部となる。免疫TMEは、免疫細胞媒介性細胞傷害作用を抑制しながら、腫瘍を支援し、その進行を促進するように変更され得る。実質的な臨床的および実験的証拠は、マクロファージ(ほとんどの腫瘍タイプに豊富に存在する)が悪性腫瘍への腫瘍進行の促進に主要な調節的役割を担うことを示している。原発性腫瘍におけるマクロファージ(腫瘍関連マクロファージまたはTAM)および転移性腫瘍におけるマクロファージ(転移関連マクロファージまたはMAM)はどちらも、ほとんどの固形腫瘍に豊富に存在し、腫瘍転移に関連している可能性がある。TAM、MAM、およびそれらの前駆細胞の蓄積は、腫瘍および間質細胞によって放出されるケモカインリガンドによって駆動されるように見える。例えば、TAMおよびMAMが、少なくとも部分的に、CCL2発現腫瘍細胞および/またはCCL2発現間質細胞によって動員されたCCR2発現単球に由来するという証拠がある。しかしながら、正確なメカニズムは完全には定義されておらず、CCL12のような他のCCR2リガンド、VEGFおよびCSF1などのサイトカイン、ならびにCCL5-CCR5、CCL20-CCR6、CXCL12-CXCR4などの他の化学誘引物質シグナルは、TAMの動員のための代替または追加の化学誘引物質経路を提供し得る。したがって、特定の化学誘引物質受容体またはリガンドを標的とする努力、例えばCCR2-CCL2相互作用を特異的にブロックする努力は、おそらく癌が代替経路を利用することができるため、完全に効果的であるというわけではなかった。
免疫活性化は、主にT細胞介在性であり、刺激性、共刺激性および阻害性(チェックポイント)シグナルによって調節される。T細胞が自己細胞に遭遇すると、免疫細胞が体の正常細胞を攻撃しないように、活性化のチェックを提供する重要な受容体-リガンド相互作用がある。癌細胞は、免疫活性化を誘発することができる抗原発現をもたらすことができる遺伝的変化および後生的変化を有するが、癌細胞は、PD-1/PD-L1およびCTLA4/B7-1/B7-2などのこれらの免疫チェックポイント相互作用を利用して免疫細胞を不活性化し、免疫系を癌の破壊に対して無効にすることもできる。免疫チェックポイント阻害剤は、患者自身の免疫系によって癌の破壊を可能にするので、様々な種類の癌を患っている多くの患者に効果的であった。
しかしながら、免疫療法関連有害事象は、チェックポイント阻害療法の使用を制限する可能性があり、重篤な有害事象を引き起こす可能性がある。免疫チェックポイントの阻害により、免疫系が正常組織を攻撃することができるようになる。これにより、皮膚炎、結腸炎、関節炎、腎炎、筋炎、多発性筋痛様症候群、免疫療法によって影響を受けた免疫細胞から血液中にサイトカインが大量かつ急速に放出されることによって引き起こされるサイトカイン放出症候群(CRS)などの炎症状態が発生する。これらの副作用は非常に重篤で、時には致命的となる可能性がある。このように、免疫チェックポイント阻害は、癌患者にとって非常に有益であるにもかかわらず、免疫療法関連有害事象の発生によって制限されることがある。
ホスホジエステラーゼ(PDE)のファミリーが11種類同定されているが、ファミリーIのPDEである、Ca2+/カルモジュリンによって活性化されるCa2+/カルモジュリン依存性ホスホジエステラーゼ(CaM-PDE)のみが、カルシウム依存性環状ヌクレオチド(例えば、cGMPおよびcAMP)シグナル伝達経路を媒介することが示されている。3つの既知のCaM-PDE遺伝子であるPDE1A、PDE1BおよびPDE1Cは全て、中枢神経系組織において発現する。PDE1Aは、脳、肺および心臓において発現する。PDE1Bは、主に中枢神経系において発現するが、単球および好中球においても検出され、これらの細胞の炎症反応に関与していることが示されている。PDE1Cは、嗅上皮、小脳顆粒細胞、線条体、心臓および血管平滑筋において発現する。PDE1Cは、ヒト平滑筋における平滑筋増殖の主要な調節因子であることが実証されている。環状ヌクレオチドホスホジエステラーゼは、これらの環状ヌクレオチドを、細胞内シグナル伝達経路に関して不活性であるそれらのそれぞれの5'一リン酸(5'AMPおよび5'GMP)に加水分解することによって細胞内cAMPおよびcGMPシグナル伝達をダウンレギュレートする。cAMPおよびcGMPはどちらも中心的な細胞内セカンドメッセンジャーであり、多くの細胞機能を調節する役割を果たす。PDE1AおよびPDE1Bは、cAMPよりも優先的にcGMPを加水分解するが、PDE1Cは、ほぼ等しいcGMP加水分解およびcAMP加水分解を示す。
マクロファージおよび他の細胞の腫瘍動員に関与する複数のケモカイン経路を標的とする手段が実質的に必要とされており、また、チェックポイント阻害剤療法を補完および強化する新たな療法、ならびにチェックポイント阻害剤療法に関連する重篤な副作用(炎症性関連有害事象)を軽減する安全かつ選択的な戦略が必要とされている。
開示の概要
本発明者らは、以前に、本開示化合物を用いたPDE1活性の阻害が、神経変性および神経炎症、心不全、肺高血圧症および末梢性炎症のモデルを含む広範囲の病的状態において、ならびに特定の疾患を有するヒトにおいて、cAMP機能を安全に回復することができることを示した。より最近では、本発明者らは、PDE1阻害剤がミクログリアおよび単球の細胞遊走を妨害することを示した。最近の証拠は、PDE1、特にPDE1Cアイソフォームが黒色腫、神経芽腫、腎細胞癌および結腸癌、ならびに骨肉腫などの実験腫瘍モデルにおいて過剰発現することを示している。加えて、多形神経膠芽腫(GBM)細胞におけるPDE1Cのフォーカルゲノム過剰出現(focal genomic over representation)が実証されている。PDE1Cのゲノムゲインは、GBM由来細胞培養物における発現の増加と関連しており、癌細胞の細胞増殖、遊走および浸潤を促進するために不可欠である。
多くのタイプの癌細胞は、増加したRNA発現、DNAコピー数、PDE1結合(PDE1阻害剤分子のPETまたは放射性同位体保持)または酵素活性などの様々なバイオマーカーを介して同定されるPDE1活性を過剰に発現する。これらの癌細胞はまた、低レベルのcAMPを示し、これはPDE1阻害剤によって増加させることができる。このような特性は、PDE-1阻害剤を単独でまたは化学療法、遺伝子療法および/もしくは免疫学的アプローチと併せて(in combination with)用いて治療することができる。PDE1を阻害することにより、アポトーシス細胞死が誘発され、遊走が防止され、転移が制限され、炎症が減少する。このように、PDE1阻害剤は、化学療法および免疫学的アプローチと相乗的である。
このように、本開示は、マクロファージおよびミクログリアを含む免疫系細胞、ならびに他の細胞の癌への動員を抑制するために、また、動員された細胞によってもたらされる転移、腫瘍血管新生および増殖、癌細胞浸潤、ならびに免疫監視の破壊を抑制するために使用するためのPDE1阻害剤を提供する。PDE1は、CCL2だけでなく、この動員に関与すると考えられる他のサイトカインおよびケモカインも阻害し、したがって、モノクローナル抗体またはCCR2-CCL2相互作用の他の特異的阻害剤などの療法よりも効果的であると期待される。
本開示はまた、チェックポイント阻害剤、ゲノム編集およびCAR-T療法を含む癌免疫療法との併用におけるPDE1阻害剤の使用を提供し、これらの併用は、TAMおよびMAMによる免疫監視の妨害を軽減すること、ならびにサイトカイン放出症候群(CRS)などのチェックポイント阻害剤療法に関連する炎症性関連有害事象を軽減することの両方によってこれらの療法の有効性を高めるはずである。PDE1阻害は、これらの場合に予防的および治療的に有用であり、PDE1阻害剤をコルチコステロイドおよび抗ヒスタミン剤などの他の抗炎症剤とともに投与して、CRS、およびチェックポイント阻害剤治療に起因する他の炎症状態を予防することができる。
抗炎症性であることが知られているPDE1阻害剤療法と免疫賦活性チェックポイント阻害剤治療の併用は、反直感的であるように思われるかもしれないが、それにもかかわらず、PDE1阻害剤の二重の効果により、(i)癌による、保護細胞、特にマクロファージの動員の阻害、および(ii)サイトカイン放出症候群およびチェックポイント阻害剤療法の他の副作用のリスクの低減に効果的であると考えられる。
また、本開示は、例えば、カルシノーマ、黒色腫および星細胞腫を含む、癌または腫瘍の治療のためのPDE1阻害剤の使用を提供する。さらにまた、cAMP(またはcGMP)レベルの低下は、様々な癌病理学におけるPDE1アイソフォームの過剰発現から生じ得る。細胞内cAMP(および/またはcGMP)のレベルを上昇させる選択的PDE1アイソフォームの阻害は、広範囲の腫瘍細胞においてアポトーシスおよび細胞周期停止を誘発し、細胞遊走、炎症および組織浸潤を防止する腫瘍微小環境を調節する。したがって、個々のPDE1に対して特異的な阻害剤の開発および臨床応用は、正常な細胞内シグナル伝達を選択的に回復させて、有害作用が軽減した抗腫瘍療法を提供することができる。
以前の研究では、PDE1(すなわち、PDE1C)は、健康な患者(すなわち、神経膠芽腫を患っていない患者)と比較して、神経膠芽腫患者の腫瘍環境において有意に過剰発現していることが示されている。PDE1CのsiRNA媒介サイレンシングは、神経膠芽腫の患者由来細胞培養物において増殖および浸潤を阻害することが示されている。如何なる理論にも縛られることなく、PDE1の阻害は、神経膠芽腫などの特定の癌または腫瘍の治療的介入において有効であり得る。特に脳腫瘍の治療には、血液脳関門を通過する能力を有する化合物が必要である。本開示の化合物は、PDE1の強力な阻害剤である。特に、本開示の化合物は、PDE1に対して高い選択性を示し、血液脳関門を通過することができる。
したがって、種々の実施態様では、本開示は、癌または腫瘍から選択される状態を治療する方法であって、該治療を必要とする対象体に、本明細書に開示されるようなPDE1阻害剤の薬学的に許容される量を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施態様では、癌または腫瘍は、神経膠腫、白血病、リンパ腫、黒色腫、神経芽腫、カルシノーマまたは骨肉腫である。いくつかの実施態様では、癌または腫瘍は、星細胞腫、例えば多形神経膠芽腫である。いくつかの実施態様では、PDE1阻害剤は、抗腫瘍剤と併せて投与される。
種々の実施態様では、本開示は、腫瘍性細胞の増殖、遊走および/または浸潤を阻害する方法であって、該阻害を必要とする対象体に、本明細書に開示されるようなPDE1阻害剤の薬学的に許容される量を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施態様では、癌または腫瘍は、神経膠腫、白血病、黒色腫、神経芽腫、カルシノーマまたは骨肉腫である。いくつかの実施態様では、癌または腫瘍は、星細胞腫、例えば多形神経膠芽腫である。いくつかの実施態様では、PDE1阻害剤は、抗腫瘍剤と併せて投与される。
種々の実施態様では、本願は、神経膠腫の治療方法であって、該治療を必要とする対象体にPDE1阻害剤の薬学的に許容される量を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施態様では、癌または腫瘍は、星細胞腫、例えば多形神経膠芽腫である。いくつかの実施態様では、PDE1阻害剤は、抗腫瘍剤と併せて投与される。
別の態様では、本開示は、また、遊離形態または塩形態の、下記の式I、Ia、II、III、IV、Vおよび/またはVIで示されるPDE1阻害剤を包含する。好ましい実施態様では、PDE1阻害剤は、選択的PDE1阻害剤である。別の実施態様では、該開示は、さらに、遊離形態または薬学的に許容される塩形態のPDE1阻害剤を薬学的に許容される担体と混合して含む医薬組成物を提供する。
種々の実施態様では、本開示は、遊離形態または塩形態の、下記の式I、Ia、II、III、IV、Vおよび/またはVIで示されるPDE1阻害剤と、抗腫瘍剤とを含む併用療法を提供する。該併用療法は、本明細書に開示されている方法のいずれかと組み合わせて(in conjunction with)使用することができる。いくつかの実施態様では、抗腫瘍剤は、PDE1阻害剤の投与と同時に(concurrently)、投与前または投与後に投与される。
種々の実施態様では、本開示は、また、慣用の希釈剤または賦形剤および当該技術分野で知られている技術を用いて調製される、本開示の化合物を含む医薬組成物を提供する。したがって、経口剤形は、錠剤、カプセル剤、液剤、懸濁剤などを含み得る。
種々の実施態様では、本開示は、また、癌または腫瘍から選択される状態の治療、腫瘍性細胞の増殖、遊走および/もしくは浸潤の阻害、または神経膠腫の治療に用いるための、遊離形態または塩形態の、下記の式I、Ia、II、III、IV、Vおよび/またはVIで示されるPDE1阻害剤を提供する。
図1は、LPS-RNAseq解析で処理されたBV2細胞におけるホスホジエステラーゼ発現を示す。FPKMは、マッピングされた100万リードあたりのエクソン1キロベースあたりのフラグメントリード数(Fragment Reads per kilobase of exon per million reads mapped)をいう。
図2は、PDE1阻害剤(化合物214)がBV2細胞におけるLPS誘導IL1βを抑制することを示している。
図3aは、定量的PCRによって測定したとおり、PDE1阻害剤(化合物214)はBV2細胞における炎症性サイトカインIL1β、TNFαおよびCcl2の発現のLPS誘発性増加を有意に減少させるが、PDE4阻害剤ロリプラムは異なるプロファイルを示すことを示している。別の実験では、図3bは、本発明のPDE1阻害剤(化合物214)の投与がBV2細胞における炎症誘発性マーカーのLPS誘発性変化を大幅に減少または鈍化させることを示している(図3b)。
図4は、BV2細胞からのLPS誘発性TNFα放出の阻害を示している。
図5は、LPS刺激TNFα mRNA発現のPDE1阻害剤による用量依存的減少を示している。
図6は、PDE1阻害剤(化合物214)がマウスにおけるLPS誘発性炎症性遺伝子発現変化防止することを示している。成体マウスをビヒクル(白色の棒)、LPS 500μg/kg s.c.(灰色の棒)、またはITI-214 10mg/kg i.p.およびLPS 500μg/kg s.c.(黒色の棒)で2時間処置する(n=4)。線条体組織を、TNF、IL1β、Ccl2およびIL6のmRNAレベルについて分析する。発現レベルは、ビヒクルからのQ-PCRシグナルの変化(□□Ct)からの変化として示され、ANOVA用いて比較される。*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001。
図7は、一般的に、化合物214が、cAMPおよびP-VASP(S157)レベルを増強することによってBV2細胞におけるADP誘発性走化性をどのように阻害するかを示す。図7Aは、ボイデンチャンバーシステムで4時間測定された100M ADPに対する走化性を示している。図7Bは、P2RY12阻害剤によるADP走化性の用量依存的阻害を示している。
図8は、ADPで5分間刺激する前にITI-214またはIBMXで30分間処理したBV2細胞における走化性効果;結果として得られたS157でのリン酸化VASP、および測定された結果として得られたバンドの強度;ならびに試験した試料の総VASPレベルを示している。図8Aは、pmol cAMP/細胞数のビヒクル値で正規化された環状AMPレベルを示している。図8Bは、セリン157でのVASPのリン酸化のレベルがウエスタンブロットで測定されたことを示している。上のグラフはリン酸化を示しており、下のグラフは総VASPのレベルを示している。挿入図は代表的な試料を示している;同試料が棒グラフに示した順序で各ブロットにロードされた。緑色のバンドはp-VASP(上)または総VASP(下)である。試料は、ローディングコントロールとしてアクチンで正規化された(赤色のバンド)。
図9は、化合物214への曝露後の結果として得られるcAMPの増加の用量依存的性質を示している。
図10は、化合物214で処理した後の培養初代ラットミクログリアにおけるADP誘導p-VASP(S157)レベルを示している。
図11は、抗PD-1および化合物214の単独投与および併用投与の両方が、CT26結腸直腸癌細胞を注入したマウスにおける腫瘍サイズに及ぼす効果を示している。
図12は、抗PD-1および化合物214の単独投与および併用投与の両方が、CT26結腸直腸癌細胞を注入したマウスにおけるCD45陽性マクロファージ浸潤に及ぼす効果を示している。
発明の詳細な説明
開示の方法で用いるための化合物
一の実施態様では、本明細書に記載の治療および予防の方法で用いるためのPDE1阻害剤は、選択的PDE1阻害剤である。
PDE1阻害剤
一の実施態様では、本発明は、本明細書に記載の治療および予防の方法で用いるためのPDE1阻害剤が、遊離形態、塩形態またはプロドラッグ形態(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体およびラセミ体を含む)の、式I:
Figure 2022522942000001
[式中、
(i) R1は、HまたはC1-4アルキル(例えば、メチル)であり;
(ii) R4は、HまたはC1-4アルキルであり、R2およびR3は、独立して、HまたはC1-4アルキル(例えば、R2およびR3は共にメチルであるか、または、R2はHであり、R3はイソプロピルである)、アリール、ヘテロアリール、(場合によってはヘテロ)アリールアルコキシ、または(場合によってはヘテロ)アリールアルキルであるか;または
2は、Hであり、R3およびR4は一緒になってジメチレン架橋、トリメチレン架橋またはテトラメチレン架橋を形成し(好ましくは、R3およびR4が一緒になってシス配置を有しており、例えば、R3およびR4を担持している炭素がそれぞれR配置およびS配置を有している);
(iii) R5は、例えばハロアルキルで置換されている、置換ヘテロアリールアルキルであるか;または
5は、式Iのピラゾロ部分の窒素の1つに結合しており、式A:
Figure 2022522942000002
(式中、X、YおよびZは、独立して、NまたはCであり、R8、R9、R11およびR12は、独立して、Hまたはハロゲン(例えば、ClまたはF)であり、R10は、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、アリール(例えば、フェニル)、ヘテロアリール(例えば、ハロゲンで置換されていてもよいピリジル(例えば、ピリダ-2-イル)、またはチアジアゾリル(例えば、1,2,3-チアジアゾール-4-イル))、ジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、アリールカルボニル(例えば、ベンゾイル)、アルキルスルホニル(例えば、メチルスルホニル)、ヘテロアリールカルボニル、またはアルコキシカルボニルであり;ただし、X、YまたはZが窒素である場合、それぞれ、R8、R9またはR10は存在しない)
で示される部分であり;
(iv) R6は、H、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル(例えば、ベンジル)、アリールアミノ(例えば、フェニルアミノ)、ヘテロアリールアミノ、N,N-ジアルキルアミノ、N,N-ジアリールアミノ、またはN-アリール-N-(アリールアルキル)アミノ(例えば、N-フェニル-N-(1,1'-ビフェン-4-イルメチル)アミノ)であり;
(v) nは0または1であり;
(vi) nが1である場合、Aは、-C(R1314)-である(ここで、R13およびR14は、独立して、HまたはC1-4アルキル、アリール、ヘテロアリール、(場合によってはヘテロ)アリールアルコキシまたは(場合によってはヘテロ)アリールアルキルである)]
で示される化合物であることを提供する。
別の実施態様では、本発明は、本明細書に記載の方法で用いるためのPDE1阻害剤が、遊離形態、薬学的に許容される塩形態またはプロドラッグ形態(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体およびラセミ体を含む)の、式1a:
Figure 2022522942000003
[式中、
(i) R2およびR5は、独立して、Hまたはヒドロキシであり、R3およびR4は一緒になってトリメチレン架橋またはテトラメチレン架橋を形成するか[好ましくは、R3およびR4を担持している炭素はそれぞれR配置およびS配置を有している];または、R2およびR3は各々メチルであり、R4およびR5は各々Hであるか;または、R2、R4およびR5はHであり、R3は、イソプロピルであり[好ましくは、R3を担持している炭素はR配置を有している];
(ii) R6は、(ハロ置換されていてもよい)フェニルアミノ、(ハロ置換されていてもよい)ベンジルアミノ、C1-4アルキル、またはC1-4アルキルスルフィドであり;例えば、フェニルアミノまたは4-フルオロフェニルアミノであり;
(iii) R10は、C1-4アルキル、メチルカルボニル、ヒドロキシエチル、カルボン酸、スルホンアミド、(ハロ置換またはヒドロキシ置換されていてもよい)フェニル、(ハロ置換またはヒドロキシ置換されていてもよい)ピリジル(例えば、6-フルオロピリダ-2-イル)、またはチアジアゾリル(例えば、1,2,3-チアジアゾール-4-イル)であり;
(iv) XおよびYは、独立して、CまたはNである]
であることを提供する。
別の実施態様では,本発明は、本明細書に記載の治療および予防の方法で用いるためのPDE1阻害剤が、遊離形態、塩形態またはプロドラッグ形態の、式II:
Figure 2022522942000004
[式中、
(i) Xは、C1-6アルキレン(例えば、メチレン、エチレンまたはプロパ-2-イン-1-イレン)であり;
(ii) Yは、単結合、アルキニレン(例えば、-C≡C-)、アリーレン(例えば、フェニレン)またはヘテロアリーレン(例えば、ピリジレン)であり;
(iii) Zは、H、アリール(例えば、フェニル)、ヘテロアリール(例えば、ピリジル、例えば、ピリダ-2-イル)、ハロ(例えば、F、Br、Cl)、ハロC1-6アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、-C(O)-R1、-N(R2)(R3)、または、NもしくはOからなる群から選択される少なくとも1個の原子を含有していてもよいC3-7シクロアルキル(例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル、またはモルホリニル)であり;
(iv) R1は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、-OHまたは-OC1-6アルキル(例えば、-OCH)であり;
(v) R2およびR3は、独立して、HまたはC1-6アルキルであり;
(vi) R4およびR5は、独立して、H、C1-6アルキル、または、1個以上のハロ(例えば、フルオロフェニル、例えば、4-フルオロフェニル)、ヒドロキシ(例えば、ヒドロキシフェニル、例えば、4-ヒドロキシフェニルまたは2-ヒドロキシフェニル)もしくはC1-6アルコキシで置換されていてもよいアリール(例えば、フェニル)であり;
(vii) ここで、X、YおよびZは、独立して、1個以上のハロ(例えば、F、ClまたはBr)、C1-6アルキル(例えば、メチル)、ハロC1-6アルキル(例えば、トリフルオロメチル)で置換されていてもよく、例えば、Zは、1個以上のハロ(例えば、6-フルオロピリダ-2-イル、5-フルオロピリダ-2-イル、6-フルオロピリダ-2-イル、3-フルオロピリダ-2-イル、4-フルオロピリダ-2-イル、4,6-ジクロロピリダ-2-イル)、ハロC1-6アルキル(例えば、5-トリフルオロメチルピリダ-2-イル)またはC1-6-アルキル(例えば、5-メチルピリダ-2-イル)で置換されている、ヘテロアリール、例えばピリジルであるか、またはZは、1個以上のハロ(例えば、4-フルオロフェニル)で置換されている、アリール、例えばフェニルである]
で示される化合物であることを提供する。
さらに別の実施態様では、本発明は、本明細書に記載の治療および予防の方法で用いるためのPDE1阻害剤が、遊離形態または塩形態の、式III:
Figure 2022522942000005
[式中、
(i) Rは、HまたはC1-4アルキル(例えば、メチルまたはエチル)であり;
(ii) RおよびRは、独立して、HまたはC1-6アルキル(例えば、メチルまたはエチル)であり;
(iii) Rは、HまたはC1-4アルキル(例えば、メチルまたはエチル)であり;
(iv) Rは、独立して-C(=O)-C1-6アルキル(例えば、-C(=O)-CH)およびC1-6-ヒドロキシアルキル(例えば、1-ヒドロキシエチル)から選択される1個以上の基で置換されていてもよいアリール(例えば、フェニル)であり;
(v) RおよびRは、独立して、H、または、独立してC1-6アルキル(例えば、メチルまたはエチル)およびハロゲン(例えば、FまたはCl)から選択される1個以上の基で置換されていてもよいアリール(例えば、フェニル)、例えば非置換フェニル、または1個以上のハロゲン(例えば、F)で置換されているフェニル、または1個以上のC1-6アルキルおよび1個以上のハロゲンで置換されているフェニル、または1個のC1-6アルキルおよび1個のハロゲンで置換されているフェニル、例えば4-フルオロフェニルまたは3,4-ジフルオロフェニルまたは4-フルオロ-3-メチルフェニルであり;
(vi)nは、1、2、3または4である]
であることを提供する。
さらに別の実施態様では、本発明は、本明細書に記載の治療および予防の方法で用いるためのPDE1阻害剤が、遊離形態または塩形態の、式IV:
Figure 2022522942000006
[式中、
(i) Rは、C1-4アルキル(例えば、メチルまたはエチル)、または-NH(R)(ここで、Rは、ハロ(例えば、フルオロ)で置換されていてもよいフェニル、例えば4-フルオロフェニルである)であり;
(ii) X、YおよびZは、独立して、NまたはCであり;
(iii) R、RおよびRは、独立して、HまたはC1-4アルキル(例えば、メチル)であるか;または、RはHであり、RおよびRは一緒になってトリメチレン架橋を形成し(好ましくは、RおよびRは一緒になってシス配置を有しており、例えば、RおよびRを担持している炭素はそれぞれR配置およびS配置を有している)、
(iv) R、RおよびRは、独立して、
H、
1-4アルキル(例えば、メチル)、
ヒドロキシで置換されているピリダ-2-イル、または
-S(O)-NH
であり;
(v) ただし、X、Yおよび/またはZがNである場合、それぞれ、R、Rおよび/またはRは存在しない;また、X、YおよびZがすべてCである場合、R、RまたはRの少なくとも1つは-S(O)-NH、またはヒドロキシで置換されているピリダ-2-イルである]
であることを提供する。
別の実施態様では、本発明は、本明細書に記載されるような方法で用いるためのPDE1阻害剤が、遊離形態または塩形態の、式V:
Figure 2022522942000007
[式中、
(i) R1は、-NH(R4)であり、ここで、R4は、ハロ(例えば、フルオロ)で置換されていてもよいフェニル、例えば、4-フルオロフェニルであり;
(ii) R2は、HまたはC1-6アルキル(例えば、メチル、イソブチルまたはネオペンチル)であり;
(iii) R3は、-SO2NH2または-COOHである]
であることを提供する。
別の実施態様では、本発明は、本明細書に記載されるような方法で用いるためのPDE1阻害剤が、遊離形態または塩形態の、式VI:
Figure 2022522942000008
[式中、
(i) R1は、-NH(R4)であり、ここで、R4は、ハロ(例えば、フルオロ)で置換されていてもよいフェニル、例えば、4-フルオロフェニルであり;
(ii) R2は、HまたはC1-6アルキル(例えば、メチルまたはエチル)であり;
(iii) R3は、H、ハロゲン(例えば、ブロモ)、C1-6アルキル(例えば、メチル)、ハロゲンで置換されていてもよいアリール(例えば、4-フルオロフェニル)、ハロゲンで置換されていてもよいヘテロアリール(例えば、6-フルオロピリダ-2-イルまたはピリダ-2-イル)、またはアシル(例えば、アセチル)である]
であることを提供する。
一の実施態様では、本開示は、本明細書に記載の方法で用いるためのPDE1阻害剤(例えば、式I、Ia、II、III、IV、Vおよび/またはVIで示される化合物)の投与であって、該阻害剤が下記:
Figure 2022522942000009
Figure 2022522942000010
Figure 2022522942000011
Figure 2022522942000012
で示される化合物である、投与を提供する。
一の実施態様では、本発明は、本明細書に記載されるような治療または予防のためのPDE1阻害剤の投与であって、該阻害剤が、遊離形態または薬学的に許容される塩形態の、下記:
Figure 2022522942000013
で示される化合物である、投与を提供する。
さらに別の実施態様では、本発明は、本明細書に記載されるような治療または予防のためのPDE1阻害剤の投与であって、該阻害剤が、遊離形態または薬学的に許容される塩形態の、下記:
Figure 2022522942000014
で示される化合物である、投与を提供する。
さらに別の実施態様では、本発明は、本明細書に記載されるような治療または予防のためのPDE1阻害剤の投与であって、該阻害剤が、遊離形態または薬学的に許容される塩形態の、下記:
Figure 2022522942000015
で示される化合物である、投与を提供する。
さらに別の実施態様では、本発明は、本明細書に記載されるような治療または予防のためのPDE1阻害剤の投与であって、該阻害剤が、遊離形態または薬学的に許容される塩形態の、下記:
Figure 2022522942000016
で示される化合物である、投与を提供する。
一の実施態様では、上記の式(例えば、式I、Ia、II、III、IV、Vおよび/またはVI)のいずれかで示される選択的PDE1阻害剤は、cGMPのホスホジエステラーゼ媒介(例えば、PDE1媒介、特にPDE1B媒介)加水分解を阻害する化合物であり、例えば、好ましい化合物は、遊離形態または塩形態で、固定化金属親和性粒子試薬PDEアッセイにて、1μM未満、好ましくは500nM未満、好ましくは50nM未満、好ましくは5nM未満のIC50を有する。
他の実施態様では、本発明は、癌または腫瘍から選択される状態の治療のため;腫瘍性細胞の増殖、遊走および/または浸潤の阻害のため;ならびに/または神経膠腫の治療のためのPDE1阻害剤の投与であって、該阻害剤が、遊離形態または薬学的に許容される塩形態の、下記:
Figure 2022522942000017
で示される化合物である、投与を提供する。
本明細書で説明されている方法および治療における使用に適しているPDE1阻害剤のさらなる例は、国際公開第2006133261号(A2);米国特許第8,273,750号;米国特許第9,000,001号;米国特許第9,624,230号;国際公開第2009075784号(A1);米国特許第8,273,751号;米国特許第8,829,008号;米国特許第9,403,836号;国際公開第2014151409号(A1)、米国特許第9,073,936号;米国特許第9,598,426号;米国特許第9,556,186号;米国特許出願公開第2017/0231994号(A1)、国際公開第2016022893号(A1)、および米国特許出願公開第2017/0226117号(A1)に見ることができる(それぞれ、出典明示によりその全体として本明細書の一部とする)。
本明細書で説明されている方法および治療における使用に適しているPDE1阻害剤のさらにさらなる例は、国際公開第2018007249号(A1);米国特許出願公開第2018/0000786号;国際公開第2015118097号(A1);米国特許第9,718,832号;国際公開第2015091805号(A1);米国特許第9,701,665号;米国特許出願公開第2015/0175584号(A1);米国特許出願公開第2017/0267664号(A1);国際公開第2016055618号(A1);米国特許出願公開第2017/0298072号(A1);国際公開第2016170064号(A1);米国特許出願公開第2016/0311831号(A1);国際公開第2015150254号(A1);米国特許出願公開第2017/0022186号(A1);国際公開第2016174188号(A1);米国特許出願公開第2016/0318939号(A1);米国特許出願公開第2017/0291903号(A1);国際公開第2018073251号(A1);国際公開第2017178350号(A1);米国特許出願公開第2017/0291901号(A1);国際公開第2018/115067号;米国特許出願公開第2018/0179200号(A);米国特許出願公開第20160318910号(A1);米国特許第9,868,741号;国際公開第2017/139186号(A1);国際公開第2016/040083号;米国特許出願公開第2017/0240532号;国際公開第2016033776号(A1);米国特許出願公開第2017/0233373号;国際公開第2015130568号;国際公開第2014159012号;米国特許第9,034,864号;米国特許第9,266,859号;国際公開第2009085917号;米国特許第8,084,261号;国際公開第2018039052号;米国特許出願公開第20180062729号;および国際公開第2019027783号に見ることができる(それぞれ、出典明示によりその全体として本明細書の一部とする)。出典明示により本明細書の一部とされる文書の記載が本開示における記載と矛盾するか、または互換性がない場合には、本開示の記載が支配的であると理解すべきである。
本開示のPDE1阻害剤による治療方法は、さらに、2018年5月25日に出願された米国仮出願第62/676,638号、および2018年6月22日に出願された米国仮出願第62/688,641号(どちらも出典明示によりその全体として本明細書の一部とする);ならびに国際公開第2018049417号(A1)(出典明示により本明細書の一部とする)に開示されている。
別段の指定がない場合、または文脈から明らかでない場合、本明細書における以下の用語は、以下の意味を有する:
a.「選択的PDE1阻害剤」とは、本明細書で用いられる場合、PDE1阻害が他のいずれものPDEアイソフォームの阻害よりも少なくとも100倍の選択性を有するPDE1阻害剤をいう。
b.「アルキル」とは、本明細書で用いられる場合、飽和または不飽和炭化水素部分であり、好ましくは飽和であり、好ましくは1~6個の炭素原子を有しており、直鎖または分枝鎖であってよく、例えばハロゲン(例えば、クロロまたはフルオロ)、ヒドロキシまたはカルボキシで、モノ置換、ジ置換またはトリ置換されていてもよい。
c.「シクロアルキル」とは、本明細書で用いられる場合、飽和または不飽和非芳香族炭化水素部分であり、好ましくは飽和であり、好ましくは3~9個の炭素原子を含んでおり、それらのうち少なくともいくつかが非芳香族単環式または二環式または架橋の環状構造を形成しており、例えばハロゲン(例えば、クロロまたはフルオロ)、ヒドロキシまたはカルボキシで、置換されていてもよい。シクロアルキルがNおよびOおよび/またはSから選択される1個以上の原子を含んでいてもよい場合、該シクロアルキルはヘテロシクロアルキルであってもよい。
d.「ヘテロシクロアルキル」とは、特記しない限り、飽和または不飽和非芳香族炭化水素部分であり、好ましくは飽和であり、好ましくは3~9個の炭素原子を含んでおり、それらのうち少なくともいくつかが非芳香族単環式または二環式または架橋の環状構造を形成しており、少なくとも1個の炭素原子がN、OまたはSに置き換わっており、ヘテロシクロアルキルは、例えばハロゲン(例えば、クロロまたはフルオロ)、ヒドロキシまたはカルボキシで、置換されていてもよい。
e.「アリール」とは、本明細書で用いられる場合、単環式または二環式芳香族炭化水素であり、好ましくはフェニルであり、例えばアルキル(例えば、メチル)、ハロゲン(例えば、クロロまたはフルオロ)、ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、ヒドロキシ、カルボキシ、またはさらなるアリールもしくはヘテロアリール(例えば、ビフェニルまたはピリジルフェニル)で置換されていてもよい。
f.「ヘテロアリール」とは、本明細書で用いられる場合、芳香環を構成する原子の1個以上が炭素ではなくて硫黄または窒素である芳香族部分であり、例えばピリジルまたはチアジアゾリルであり、例えばアルキル、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシまたはカルボキシで、置換されていてもよい。
本開示化合物、例えば、本明細書に記載されているようなPDE1阻害剤は、遊離形態または塩形態で、例えば、酸付加塩として存在し得る。本明細書では、特記しない限り、「本開示化合物」などの文言は、何らかの形態、例えば遊離形態または酸付加塩形態の化合物、または化合物が酸性置換基を含有する場合には塩基付加塩形態の化合物を包含すると解されるべきである。本開示化合物は、医薬品としての使用を意図しているので、薬学的に許容される塩が好ましい。医薬用途に適さない塩は、例えば遊離の本開示化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の単離または精製に有用であり得、したがって、該塩も包含される。
本開示化合物は、場合によっては、プロドラッグ形態でも存在し得る。プロドラッグ形態は、体内で本開示化合物に変換される化合物である。例えば、本開示化合物がヒドロキシ置換基またはカルボキシ置換基を含有する場合、これらの置換基は、生理学的に加水分解可能で許容されるエステルを形成し得る。本明細書で用いる場合、「生理学的に加水分解可能で許容されるエステル」とは、生理学的条件下で加水分解可能であり、自体が投与されるべき用量で生理学的に許容される酸(ヒドロキシ置換基を有する本開示化合物の場合)またはアルコール(カルボキシ置換基を有する本開示化合物の場合)を生成する、本開示化合物のエステルを意味する。したがって、本開示化合物がヒドロキシ基を含有する場合、例えば化合物-OHである場合、該化合物のアシルエステルプロドラッグ、すなわち、化合物-O-C(O)-C1-4アルキルは、体内で加水分解して、一方では生理学的に加水分解可能なアルコール(化合物-OH)を形成し、他方では酸(例えば、HOC(O)-C1-4アルキル)を形成することができる。別法として、本開示化合物がカルボン酸を含有する場合、例えば化合物-C(O)OHである場合、該化合物の酸エステルプロドラッグ、化合物-C(O)O-C1-4アルキルは、加水分解して、化合物-C(O)OHおよびHO-C1-4アルキルを形成することができる。したがって、理解されるように、この用語は、慣用の医薬プロドラッグ形態を包含する。
別の実施態様では、本開示は、さらに、PDE1阻害剤を抗腫瘍剤と併せて、それぞれが遊離形態または薬学的に許容される塩形態で、薬学的に許容される担体と混合して含む医薬組成物を提供する。用語「併用」とは、本明細書で用いられる場合、PDE1阻害剤と抗腫瘍剤との同時(simultaneous)、連続(sequential)または同時期(contemporaneous)投与を包含する。別の実施態様では、本開示は、このような化合物を含有する医薬組成物を提供する。いくつかの実施態様では、PDE1阻害剤と抗腫瘍剤の併用により、抗腫瘍剤を、単独の単剤療法として投与した場合に有効であろう量よりも低い量で投与することができる。
本開示化合物を使用する方法
一の実施態様では、本願は、
a.免疫細胞、例えばマクロファージ(例えば、TAMまたはMAM)および/またはミクログリアの癌または腫瘍動員、例えばケモカイン媒介動員、例えばCCL2媒介動員;
b.腫瘍または癌転移、例えばTAM関連またはMAM関連転移;
c.腫瘍または癌血管新生、例えばTAM関連またはMAM関連血管新生;
d.腫瘍または癌の、免疫監視の破壊、例えばTAM関連またはMAM関連免疫監視の破壊
を阻害することによる癌または腫瘍の治療方法であって、該治療を必要とする対象体に、PDE1阻害剤(例えば、式I、Ia、II、III、IV、Vおよび/またはVIで示されるPDE1阻害剤)の薬学的に許容される量を、場合によってはチェックポイント阻害剤と併せてまたはそれに付随して(in association with)、投与することを含む、方法(方法1)を提供する。
1.1 癌または腫瘍がPDE1の発現を上昇させている、方法1。
1.2 該方法が免疫細胞の腫瘍動員を阻害する方法を含む、いずれかの上記方法。
1.3 該方法がマクロファージおよび/またはミクログリアの腫瘍動員を阻害する方法を含む、いずれかの上記方法。
1.4 該方法がマクロファージおよび/またはミクログリアの腫瘍動員を阻害する方法を含み、該動員が、少なくとも部分的に、腫瘍細胞および/または腫瘍微小環境内の細胞によるCCL2の発現の上昇によって媒介される、いずれかの上記方法。
1.5 該方法が腫瘍転移を阻害する方法を含む、いずれかの上記方法。
1.6 該方法が腫瘍血管新生を阻害する方法を含む、いずれかの上記方法。
1.7 該方法が腫瘍の免疫監視の破壊を阻害する方法を含む、いずれかの上記方法。
1.8 癌または腫瘍の細胞が、癌細胞と同じ組織型の正常細胞と比較して増加したPDE1 RNA発現、DNAコピー数、PDE1結合(例えば、PDE1阻害剤分子のPETまたは放射性同位体保持)、PDE1酵素への修飾(すなわち、カルシウム/カルモジュリン制御の喪失を引き起こす受容体の切断)、またはPDE1酵素活性(例えば、酵素アッセイで測定されるか、または癌細胞または癌細胞の細胞内ドメイン、例えば微小管ドメインにおける低レベルのcAMPに反映される)のうちの1つ以上を示す、上記の方法のいずれか。
1.9 対象体が腫瘍を有する、いずれかの上記方法。
1.10 対象体が、聴神経腫瘍、星細胞腫、脊索腫、リンパ腫(例えば、CNSリンパ腫、ホジキンリンパ腫または非ホジキンリンパ腫)、頭蓋咽頭腫、神経膠腫(例えば、脳幹神経膠腫、上衣腫、混合膠腫、視神経膠腫)、上衣下腫、髄芽腫、髄膜腫、転移性脳腫瘍、乏突起神経膠腫、下垂体腫瘍、原始神経外胚葉性腫瘍(PNET)、シュワン細胞腫、腺腫(例えば、好塩基性腺腫、好酸性腺腫、嫌色素性腺腫、副甲状腺腺腫、膵島腺腫、線維腺腫)、類線維腫(線維性組織球腫)、線維腫、血管腫、脂肪腫(例えば、血管脂肪腫、骨髄脂肪腫、線維脂肪腫、紡錘細胞脂肪腫、褐色脂肪腫、非定型脂肪腫)、粘液腫、骨腫、前白血病、横紋筋腫(rhadomyoma)、乳頭腫、脂漏性角化症、皮膚付属器腫瘍、肝腺腫、腎尿細管腺腫、胆管腺腫、移行細胞乳頭腫、胞状奇胎、神経節神経腫、髄膜腫(meningoma)、神経鞘腫、神経線維腫、C細胞過形成、褐色細胞腫、インスリノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド、ケモデクトーマ、傍神経節腫、母斑、光線角化症、子宮頚部異形成、化生(例えば、肺の化生)、白斑症、血管腫、リンパ管腫、カルシノーマ(例えば、有棘細胞癌、類表皮癌、腺癌、ヘパトーマ、肝細胞癌、腎細胞癌、胆管細胞癌、移行上皮癌、胚性細胞癌(embryonal cell carcinoma)、副甲状腺癌、甲状腺髄様癌、気管支カルチノイド、燕麦細胞癌、膵島細胞癌、悪性カルチノイド、メルケル細胞腫、結腸癌)、肉腫(例えば、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、悪性線維性組織球腫、血管肉腫(hemangiosarcoma)、血管肉腫(angiosarcoma)、リンパ管肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、神経線維肉腫)、芽細胞腫(例えば、髄芽腫および神経膠芽腫、脳腫瘍の類型(types of brain tumor)、網膜芽細胞腫、眼の網膜の腫瘍、骨芽細胞腫、骨腫瘍、神経芽腫)、胚細胞腫瘍、中皮腫、悪性皮膚付属器腫瘍、グラヴィッツ腫瘍(hypernephroma)、精上皮腫、神経膠腫、悪性髄膜腫、悪性シュワン細胞腫、悪性褐色細胞腫、悪性傍神経節腫、黒色腫、メルケル細胞新生物(mercell cell neoplasm)、葉状嚢肉腫(cystosarcoma phylloides)、またはウィルムス腫瘍のうちの1つ以上から選択される腫瘍または癌を有する、いずれかの上記方法。
1.11 対象体が、神経膠腫、骨肉腫、黒色腫、白血病、リンパ腫、カルシノーマまたは神経芽腫を有する、いずれかの上記方法。
1.12 対象体が、神経膠腫(例えば、上衣腫、星細胞腫、乏突起神経膠腫、脳幹神経膠腫、視神経膠腫、または混合膠腫、例えばオリゴ星細胞腫)を有する、いずれかの上記方法。
1.13 対象体が星細胞腫(例えば、多形神経膠芽腫)を有する、いずれかの上記方法。
1.14 対象体が多形神経膠芽腫を有する、いずれかの上記方法。
1.15 対象体がリンパ腫を有する、いずれかの上記方法。
1.16 対象体が、肺癌、膵癌、前立腺癌、尿路上皮癌、頭頸部癌、または白血病を有する、いずれかの上記方法。
1.17 対象体がリンパ性白血病または骨髄性白血病を有する、いずれかの上記方法。
1.18 対象体が、腎臓、尿管、膀胱または尿道の癌を有する、いずれかの上記方法。
1.19 免疫チェックポイント阻害剤、例えばCTLA-4、PD-1および/またはPD-L1の阻害剤を受けているかまたは受ける予定の患者へのPDE1阻害剤の投与を含む、いずれかの上記方法。
1.20 ニボルマブ、ペムブロリズマブ、セミプリマブ、イピリムマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、アテゾリズマブ、スパルタリズマブから選択される1種類以上のメンバーから選択される免疫チェックポイント阻害剤を受けているかまたは受ける予定の患者へのPDE1阻害剤の投与を含む、いずれかの上記方法。
1.21 CTLA-4の阻害剤を受けているかまたは受ける予定の患者へのPDE1阻害剤の投与を含む、いずれかの上記方法。
1.22 PD-1の阻害剤を受けているかまたは受ける予定の患者へのPDE1阻害剤の投与を含む、いずれかの上記方法。
1.23 PD-L1の阻害剤を受けているかまたは受ける予定の患者へのPDE1阻害剤の投与を含む、いずれかの上記方法。
1.24 免疫チェックポイント阻害剤がPDE1阻害剤と同時に投与される、いずれかの上記方法。
1.25 免疫チェックポイント阻害剤が、PDE1阻害剤の投与前に投与される、いずれかの上記方法。
1.26 免疫チェックポイント阻害剤がPDE1阻害剤の投与後に投与される、いずれかの上記方法。
1.27 該治療を必要とする対象体がチェックポイント阻害剤療法を前にまたは同時に施された、上記方法のいずれか。
1.28 該治療を必要とする対象体が、免疫チェックポイント阻害剤療法の疾患、障害または有害作用を患っている、上記方法のいずれか。
1.29 対象体が免疫チェックポイント阻害剤療法の結果としての炎症関連障害を患っている、いずれかの上記方法。
1.30 対象体が免疫チェックポイント阻害剤療法の副作用を患っているかまたは患うリスクがあり、例えば、該副作用が、全身性炎症反応、胃腸炎関連障害、内分泌性炎症関連障害、皮膚科的炎症関連障害、眼科的炎症関連障害、神経学的炎症関連障害、血液学的炎症関連障害、泌尿生殖器炎症関連障害、呼吸器炎症関連障害、筋骨格系炎症関連障害、心炎症関連障害、または定義された全身性炎症関連障害(defined systemic inflammation-related disorder)から選択される、いずれかの上記方法。
1.31 対象体が免疫チェックポイント阻害剤療法の副作用を患っており、該副作用が、例えば結腸炎、小腸結腸炎、腸穿孔を合併した結腸炎、肝炎および膵炎から選択される、胃腸炎関連障害である、いずれかの上記方法。
1.32 対象体が免疫チェックポイント阻害剤療法の副作用を患っており、該副作用が、例えば下垂体炎(例えば、汎下垂体機能低下症を呈する)、甲状腺中毒症、甲状腺機能低下症、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群、中枢副腎機能不全、原発性副腎機能不全および真性糖尿病から選択される、内分泌性炎症関連障害である、いずれかの上記方法。
1.33 対象体が免疫チェックポイント阻害剤療法の副作用を患っており、該副作用が、例えば発疹、掻痒症、尋常性白斑、皮膚炎、スイート症候群、薬疹、白毛、遅延型過敏症反応、汎発性脱毛症、グローバー病、壊疽性膿皮症、中毒性表皮壊死症、慢性非乾酪性肉芽腫、水疱性類天疱瘡および乾癬から選択される、皮膚科的炎症関連障害である、いずれかの上記方法。
1.34 対象体が免疫チェックポイント阻害剤療法の副作用を患っており、該副作用が、例えばぶどう膜炎、結膜炎、眼窩炎、グレーブス眼症、脈絡膜新生血管、視神経症、角膜炎および網膜症から選択される、眼科的炎症関連障害である、いずれかの上記方法。
1.35 対象体が免疫チェックポイント阻害剤療法の副作用を患っており、該副作用が、例えば脳症、ギラン・バレー症候群、多発神経根筋障害、対称性多巣性ニューロパチー(symmetrical multifocal neuropathy)、横断性脊髄炎、壊死性脊髄症、重症筋無力症、横隔神経麻痺、免疫関連髄膜炎、髄膜神経根神経炎(meningioradiculoneuritis)、末梢神経障害、自己免疫性内耳疾患、多発性硬化症および炎症性腸神経障害から選択される、神経学的炎症関連障害である、いずれかの上記方法。
1.36 対象体が免疫チェックポイント阻害剤療法の副作用を患っており、該副作用が、例えば血小板減少症、汎血球減少症、好中球減少症、好酸球増加症、赤芽球癆(pure red blood cell aplasia)、後天性血友病Aおよび播種性血管内凝固から選択される、血液学的炎症関連障害である、いずれかの上記方法。
1.37 対象体が免疫チェックポイント阻害剤療法の副作用を患っており、該副作用が、例えば腎不全、急性/肉芽腫性間質性腎炎、急性尿細管壊死およびリンパ性血管炎(例えば、子宮のリンパ性血管炎)から選択される、泌尿生殖器炎症関連障害である、いずれかの上記方法。
1.38 対象体が免疫チェックポイント阻害剤療法の副作用を患っており、該副作用が、例えば間質性肺炎および急性呼吸窮迫から選択される、呼吸器炎症関連障害である、いずれかの上記方法。
1.39 対象体が免疫チェックポイント阻害剤療法の副作用を患っており、該副作用が、例えば多発性関節炎、関節痛、筋肉痛、腹直筋の慢性肉芽腫性炎症、および横紋筋融解から選択される、筋骨格系炎症関連障害である、いずれかの上記方法。
1.40 対象体が免疫チェックポイント阻害剤療法の副作用を患っており、該副作用が、例えば心膜炎(precarditis)およびたこつぼ様症候群から選択される、心炎症関連障害である、いずれかの上記方法。
1.41 対象体が免疫チェックポイント阻害剤療法の副作用を患っており、該副作用が、例えば肺サルコイドーシス、皮膚および肺サルコイドーシス、リウマチ性多発筋痛、巨細胞動脈炎、筋サルコイドーシス、神経および肺サルコイドーシス、セリアック病、ループス腎炎、皮膚筋炎、自己免疫炎症性ミオパチーおよびフォークト・小柳様症候群から選択される、全身性炎症関連障害である、いずれかの上記方法。
1.42 PDE1阻害剤が、放射線療法および/または化学療法の前、後または該療法と組み合わせて投与される、上記方法のいずれか。
1.43 PDE1阻害剤が、放射線療法および/または化学療法と同時に投与される、上記方法のいずれか。
1.44 PDE1阻害剤が、放射線療法および/または化学療法の前に投与される、上記方法のいずれか。
1.45 PDE1阻害剤が、放射線療法および/または化学療法の後に投与される、上記方法のいずれか。
1.46 PDE1阻害剤が、さらなる抗腫瘍剤、化学療法的治療、遺伝子療法的治療および/または免疫学的治療と一緒に投与される、上記方法のいずれか。
1.47 PDE1阻害剤が、式I、Ia、II、III、IV、Vおよび/またはVIで示されるPDE1阻害剤、または遊離形態または薬学的に許容される塩形態の、下記:
Figure 2022522942000018
Figure 2022522942000019
で示される化合物である、上記方法のいずれか。
1.48 PDE1阻害剤が式Iaで示されるPDE1阻害剤である、上記方法のいずれか。
1.49 PDE1阻害剤が、遊離形態または薬学的に許容される塩形態の、下記:
Figure 2022522942000020
で示される化合物である、上記方法のいずれか。
1.50 PDE1阻害剤が、遊離形態または薬学的に許容される塩形態、例えば一リン酸塩形態の、下記:
Figure 2022522942000021
で示される化合物である、上記方法のいずれか。
1.51 PDE1阻害剤が転移性細胞へのマクロファージ動員またはミクログリア動員を抑制する、上記方法のいずれか。
1.52 PDE1阻害剤がCCL2によって媒介される転移性細胞へのマクロファージ動員またはミクログリア動員を抑制する、上記方法のいずれか。
1.53 癌または腫瘍の治療を必要とする対象体に
(i)PDE1阻害剤(例えば、式I、Ia、II、III、IV、Vおよび/またはVIで示されるPDE1阻害剤)の薬学的に許容される量を投与すること、および
(ii)チェックポイント阻害剤の薬学的に許容される量を投与すること
を含む癌または腫瘍の治療方法である、いずれかの上記方法。
1.54 該対象体にβ遮断薬の薬学的に許容される量を投与することをさらに含む、上記方法のいずれか。
1.55 免疫療法(例えば、チェックポイント阻害剤および/またはCAR-T療法)を受けているかまたは受ける予定の患者へのPDE1阻害剤の投与を含む、上記方法のいずれか。
1.56 免疫療法がCAR-T療法である、上記の方法。
別の実施態様では、本開示は、
(i) 免疫細胞、例えばマクロファージ(例えば、TAMまたはMAM)および/またはミクログリアの癌または腫瘍動員、例えばケモカイン媒介動員、例えばCCL2媒介動員;
(ii) 腫瘍または癌転移、例えばTAM関連またはMAM関連転移;
(iii) 腫瘍または癌血管新生、例えばTAM関連またはMAM関連血管新生;
(iv) 腫瘍または癌の、免疫監視の破壊、例えばTAM関連またはMAM関連免疫監視の破壊
を阻害するために用いるための、例えば方法1以降のいずれかに用いるための、PDE1阻害剤を提供する。
別の実施態様では、本願は、チェックポイント阻害剤療法を施した結果としての疾患、障害または有害作用の予防または軽減方法であって、該予防または軽減を必要とする対象体にPDE1阻害剤(すなわち、式I、Ia、II、III、IV、Vおよび/またはVIで示されるPDE1阻害剤)の薬学的に許容される量を投与することを含む、方法(方法2)を提供する。
2.1 対象体が腫瘍または癌の治療としてチェックポイント阻害剤療法を施される、方法2。
2.2 腫瘍または癌が、癌性細胞または腫瘍性細胞におけるPDE1の発現の増加を示している、上記の方法。
2.3 癌性細胞または腫瘍性細胞が、癌性細胞または腫瘍性細胞におけるPDE1Cの発現の増加を示している、方法2.1~2.2のいずれか。
2.4 癌細胞が、癌細胞と同じ組織型の正常細胞と比較して増加したPDE1 RNA発現、DNAコピー数、PDE1結合(例えば、PDE1阻害剤分子のPETまたは放射性同位体保持)、PDE1酵素への修飾(例えば、カルシウム/カルモジュリン制御の喪失を引き起こす受容体の切断)、またはPDE1酵素活性(例えば、酵素アッセイで測定されるか、または癌細胞または癌細胞の細胞内ドメイン、例えば微小管ドメインにおける低レベルのcAMPに反映される)のうちの1つ以上を示す、方法2.1~2.3のいずれか。
2.5 状態が腫瘍である、方法2.1~2.4のいずれか。
2.6 腫瘍が、聴神経腫瘍、星細胞腫、脊索腫、CNSリンパ腫、頭蓋咽頭腫、神経膠腫(例えば、脳幹神経膠腫、上衣腫、混合膠腫、視神経膠腫)、上衣下腫、髄芽腫、髄膜腫、転移性脳腫瘍、乏突起神経膠腫、下垂体腫瘍、原始神経外胚葉性腫瘍(PNET)、シュワン細胞腫、腺腫(例えば、好塩基性腺腫、好酸性腺腫、嫌色素性腺腫、副甲状腺腺腫、膵島腺腫、線維腺腫)、類線維腫(線維性組織球腫)、線維腫、血管腫、脂肪腫(例えば、血管脂肪腫、骨髄脂肪腫、線維脂肪腫、紡錘細胞脂肪腫、褐色脂肪腫、非定型脂肪腫)、粘液腫、骨腫、前白血病、横紋筋腫(rhadomyoma)、乳頭腫、脂漏性角化症、皮膚付属器腫瘍、肝腺腫、腎尿細管腺腫、胆管腺腫、移行細胞乳頭腫、胞状奇胎、神経節神経腫、髄膜腫(meningoma)、神経鞘腫、神経線維腫、C細胞過形成、褐色細胞腫、インスリノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド、ケモデクトーマ、傍神経節腫、母斑、光線角化症、子宮頚部異形成、化生(例えば、肺の化生)、白斑症、血管腫、リンパ管腫、カルシノーマ(例えば、有棘細胞癌、類表皮癌、腺癌、ヘパトーマ、肝細胞癌、腎細胞癌、胆管細胞癌、移行上皮癌、胚性細胞癌(embryonal cell carcinoma)、副甲状腺癌、甲状腺髄様癌、気管支カルチノイド、燕麦細胞癌、膵島細胞癌、悪性カルチノイド、メルケル細胞腫、結腸癌)、肉腫(例えば、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、悪性線維性組織球腫、血管肉腫(hemangiosarcoma)、血管肉腫(angiosarcoma)、リンパ管肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、神経線維肉腫)、芽細胞腫(例えば、髄芽腫および神経膠芽腫、脳腫瘍の類型(types of brain tumor)、網膜芽細胞腫、眼の網膜の腫瘍、骨芽細胞腫、骨腫瘍、神経芽腫)、胚細胞腫瘍、中皮腫、悪性皮膚付属器腫瘍、グラヴィッツ腫瘍(hypernephroma)、精上皮腫、神経膠腫、悪性髄膜腫、悪性シュワン細胞腫、悪性褐色細胞腫、悪性傍神経節腫、黒色腫、メルケル細胞新生物(mercell cell neoplasm)、葉状嚢肉腫(cystosarcoma phylloides)、またはウィルムス腫瘍のうちの1つ以上から選択される、方法2.1~2.5のいずれか。
2.7 腫瘍または癌が、神経膠腫、リンパ腫、骨肉腫、黒色腫、白血病または神経芽腫である、方法2.1~2.6のいずれか。
2.8 腫瘍または癌が、神経膠腫(例えば、上衣腫、星細胞腫、乏突起神経膠腫、脳幹神経膠腫、視神経膠腫または混合膠腫、例えばオリゴ星細胞腫)である、方法2.1~2.7のいずれか。
2.9 神経膠腫が星細胞腫(例えば、多形神経膠芽腫)である、上記の方法。
2.10 腫瘍または癌が多形神経膠芽腫またはリンパ腫である、方法2.1~2.9のいずれか。
2.11 状態が癌である、方法2.1。
2.12 状態が肺癌、膵癌、前立腺癌、尿路上皮癌、頭頸部癌または白血病である、方法2.1または2.11のいずれか。
2.13 白血病がリンパ性白血病または骨髄性白血病である、方法2.12。
2.14 尿路上皮癌が腎臓、尿管、膀胱または尿道の癌である、方法2.12。
2.15 チェックポイント阻害剤がCTLA-4、PD-1および/またはPD-L1の阻害剤である、いずれかの上記方法。
2.16 チェックポイント阻害剤が、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、セミプリマブ、イピリムマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、アテゾリズマブ、スパルタリズマブから選択される1種類以上のメンバーを含む、いずれかの上記方法。
2.17 チェックポイント阻害剤がCTLA-4の阻害剤である、いずれかの上記方法。
2.18 チェックポイント阻害剤がPD-1の阻害剤である、方法2~2.16のいずれか。
2.19 チェックポイント阻害剤がPD-L1の阻害剤である、方法2~2.16のいずれか。
2.20 チェックポイント阻害剤がPDE1阻害剤と同時に投与される、いずれかの上記方法。
2.21 チェックポイント阻害剤がPDE1阻害剤の投与前に投与される、いずれかの上記方法。
2.22 チェックポイント阻害剤がPDE1阻害剤の投与後に投与される、いずれかの上記方法。
2.23 該予防または軽減を必要とする対象体がチェックポイント阻害剤療法を前にまたは同時に施された、上記方法のいずれか。
2.24 該予防または軽減を必要とする対象体がチェックポイント阻害剤療法の疾患、障害または有害作用を患っている、上記方法のいずれか。
2.25 対象体がチェックポイント阻害剤療法の結果としての炎症関連障害を患っている、上記の方法。
2.26 対象体が、全身性炎症反応、胃腸炎関連障害、内分泌性炎症関連障害、皮膚科的炎症関連障害、眼科的炎症関連障害、神経学的炎症関連障害、血液学的炎症関連障害、泌尿生殖器炎症関連障害、呼吸器炎症関連障害、筋骨格系炎症関連障害、心炎症関連障害、または定義された全身性炎症関連障害(defined systemic inflammation-related disorder)を患っている、方法2.24または2.25。
2.27 胃腸炎関連障害が、結腸炎、小腸結腸炎、腸穿孔を合併した結腸炎、肝炎および膵炎から選択される、方法2.26。
2.28 内分泌性炎症関連障害が、下垂体炎(例えば、汎下垂体機能低下症を呈する)、甲状腺中毒症、甲状腺機能低下症、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群、中枢副腎機能不全、原発性副腎機能不全および真性糖尿病から選択される、方法2.26。
2.29 皮膚科的炎症関連障害が、発疹、掻痒症、尋常性白斑、皮膚炎、スイート症候群、薬疹、白毛、遅延型過敏症反応、汎発性脱毛症、グローバー病、壊疽性膿皮症、中毒性表皮壊死症、慢性非乾酪性肉芽腫、水疱性類天疱瘡および乾癬から選択される、方法2.26。
2.30 眼科的炎症関連障害が、ぶどう膜炎、結膜炎、眼窩炎、グレーブス眼症、脈絡膜新生血管、視神経症、角膜炎および網膜症から選択される、方法2.26。
2.31 神経学的炎症関連障害が、脳症、ギラン・バレー症候群、多発神経根筋障害、対称性多巣性ニューロパチー(symmetrical multifocal neuropathy)、横断性脊髄炎、壊死性脊髄症、重症筋無力症、横隔神経麻痺、免疫関連髄膜炎、髄膜神経根神経炎(meningioradiculoneuritis)、末梢神経障害、自己免疫性内耳疾患、多発性硬化症、および炎症性腸神経障害から選択される、方法2.26。
2.32 血液学的炎症関連障害が、血小板減少症、汎血球減少症、好中球減少症、好酸球増加症、赤芽球癆(pure red blood cell aplasia)、後天性血友病Aおよび播種性血管内凝固から選択される、方法2.26。
2.33 泌尿生殖器炎症関連障害が、腎不全、急性/肉芽腫性間質性腎炎、急性尿細管壊死およびリンパ性血管炎(例えば、子宮のリンパ性血管炎)から選択される、方法2.26。
2.34 呼吸器炎症関連障害が間質性肺炎および急性呼吸窮迫から選択される、方法2.26。
2.35 筋骨格系炎症関連障害が、多発性関節炎、関節痛、筋肉痛、腹直筋の慢性肉芽腫性炎症および横紋筋融解から選択される、方法2.26。
2.36 心炎症関連障害が、心膜炎(precarditis)およびたこつぼ様症候群から選択される、方法2.26。
2.37 定義された全身性炎症関連障害(defined systemic inflammation-related disorder)が、肺サルコイドーシス、皮膚および肺サルコイドーシス、リウマチ性多発筋痛、巨細胞動脈炎、筋サルコイドーシス、神経および肺サルコイドーシス、セリアック病、ループス腎炎、皮膚筋炎、自己免疫炎症性ミオパチーおよびフォークト・小柳様症候群から選択される、方法2.26。
2.38 PDE1阻害剤およびチェックポイント阻害剤が放射線療法または化学療法とともに投与される、上記方法のいずれか。
2.39 PDE1阻害剤およびチェックポイント阻害剤が放射線療法または化学療法と同時に投与される、上記方法のいずれか。
2.40 PDE1阻害剤およびチェックポイント阻害剤が、放射線療法または化学療法の前に投与される、上記方法のいずれか。
2.41 PDE1阻害剤およびチェックポイント阻害剤が放射線療法または化学療法の後に投与される、上記方法のいずれか。
2.42 PDE1阻害剤およびチェックポイント阻害剤が、さらなる抗腫瘍剤、化学療法的治療、遺伝子療法的治療および/または免疫学的治療と一緒に投与される、上記方法のいずれか。
2.43 PDE1阻害剤が、式I、Ia、II、III、IV、Vおよび/またはVIで示されるPDE1阻害剤、または、遊離形態または薬学的に許容される塩形態の、下記:
Figure 2022522942000022
Figure 2022522942000023
で示される化合物である、上記方法のいずれか。
2.44 PDE1阻害剤が式Iaで示されるPDE1阻害剤である、上記方法のいずれか。
2.45 PDE1阻害剤が、遊離形態または薬学的に許容される塩形態の、下記:
Figure 2022522942000024
で示される化合物である、上記方法のいずれか。
2.46 PDE1阻害剤が、遊離形態または薬学的に許容される塩形態、例えば一リン酸塩形態の、下記:
Figure 2022522942000025
で示される化合物である、上記方法のいずれか。
2.47 該対象体にβ遮断薬の薬学的に許容される量を投与することをさらに含む、上記方法のいずれか。
2.48 免疫療法(例えば、チェックポイント阻害剤および/または遺伝子編集またはCAR-T療法)を受けているかまたは受ける予定の患者へのPDE1阻害剤の投与を含む、上記方法のいずれか。
2.49 免疫療法がCAR-T療法である、上記の方法。
別の実施態様では、本開示は、チェックポイント阻害剤療法を施した結果としての疾患、障害または有害作用の予防または軽減に用いるための、例えば方法2以降のいずれかに用いるための、PDE1阻害剤(例えば、式I、Ia、II、III、IV、Vおよび/またはVIで示されるPDE1阻害剤)を提供する。
別の実施態様では、本願は、転移性細胞へのマクロファージ動員またはミクログリア動員を抑制する方法であって、該抑制を必要とする対象体にPDE1阻害剤(例えば、式I、Ia、II、III、IV、Vおよび/またはVIで示されるPDE1阻害剤)の薬学的に許容される量を投与することを含む、方法(方法3)を提供する。
3.1 転移性細胞へのマクロファージ動員またはミクログリア動員がCCL2によって媒介されている、方法3。
3.2 PDE1阻害剤が、腫瘍または癌の治療としてのチェックポイント阻害剤と併せて投与される、いずれかの上記方法。
3.3 腫瘍または癌が、癌性細胞または腫瘍性細胞におけるPDE1の発現の増加を示している、上記の方法。
3.4 癌性細胞または腫瘍性細胞がPDE1Cの発現の増加を示している、方法3.2~3.3のいずれか。
3.5 癌細胞が、癌細胞と同じ組織型の正常細胞と比較して増加したPDE1 RNA発現、DNAコピー数、PDE1結合(例えば、PDE1阻害剤分子のPETまたは放射性同位体保持)、PDE1酵素への修飾(すなわち、カルシウム/カルモジュリン制御の喪失を引き起こす受容体の切断)、またはPDE1酵素活性(例えば、酵素アッセイで測定されるか、または癌細胞または癌細胞の細胞内ドメイン、例えば微小管ドメインにおける低レベルのcAMPに反映される)のうちの1つ以上を示している、方法3.2~3.4のいずれか。
3.6 転移性細胞が腫瘍または癌である、上記方法のいずれか。
3.7 転移性細胞が腫瘍である、上記の方法。
3.8 腫瘍が、聴神経腫瘍、星細胞腫、脊索腫、CNSリンパ腫、頭蓋咽頭腫、神経膠腫(例えば、脳幹神経膠腫、上衣腫、混合膠腫、視神経膠腫)、上衣下腫、髄芽腫、髄膜腫、転移性脳腫瘍、乏突起神経膠腫、下垂体腫瘍、原始神経外胚葉性腫瘍(PNET)、シュワン細胞腫、腺腫(例えば、好塩基性腺腫、好酸性腺腫、嫌色素性腺腫、副甲状腺腺腫、膵島腺腫、線維腺腫)、類線維腫(線維性組織球腫)、線維腫、血管腫、脂肪腫(例えば、血管脂肪腫、骨髄脂肪腫、線維脂肪腫、紡錘細胞脂肪腫、褐色脂肪腫、非定型脂肪腫)、粘液腫、骨腫、前白血病、横紋筋腫(rhadomyoma)、乳頭腫、脂漏性角化症、皮膚付属器腫瘍、肝腺腫、腎尿細管腺腫、胆管腺腫、移行細胞乳頭腫、胞状奇胎、神経節神経腫、髄膜腫(meningoma)、神経鞘腫、神経線維腫、C細胞過形成、褐色細胞腫、インスリノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド、ケモデクトーマ、傍神経節腫、母斑、光線角化症、子宮頚部異形成、化生(例えば、肺の化生)、白斑症、血管腫、リンパ管腫、カルシノーマ(例えば、有棘細胞癌、類表皮癌、腺癌、ヘパトーマ、肝細胞癌、腎細胞癌、胆管細胞癌、移行上皮癌、胚性細胞癌(embryonal cell carcinoma)、副甲状腺癌、甲状腺髄様癌、気管支カルチノイド、燕麦細胞癌、膵島細胞癌、悪性カルチノイド、メルケル細胞腫、結腸癌)、肉腫(例えば、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、悪性線維性組織球腫、血管肉腫(hemangiosarcoma)、血管肉腫(angiosarcoma)、リンパ管肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、神経線維肉腫)、芽細胞腫(例えば、髄芽腫および神経膠芽腫、脳腫瘍の類型(types of brain tumor)、網膜芽細胞腫、眼の網膜の腫瘍、骨芽細胞腫、骨腫瘍、神経芽腫)、胚細胞腫瘍、中皮腫、悪性皮膚付属器腫瘍、グラヴィッツ腫瘍(hypernephroma)、精上皮腫、神経膠腫、悪性髄膜腫、悪性シュワン細胞腫、悪性褐色細胞腫、悪性傍神経節腫、黒色腫、メルケル細胞新生物(mercell cell neoplasm)、葉状嚢肉腫(cystosarcoma phylloides)、またはウィルムス腫瘍のうちの1つ以上から選択される、方法3.6~3.7のいずれか。
3.9 腫瘍または癌が、神経膠腫、リンパ腫、骨肉腫、黒色腫、白血病または神経芽腫である、方法3.6~3.8のいずれか。
3.10 腫瘍または癌が、神経膠腫(例えば、上衣腫、星細胞腫、乏突起神経膠腫、脳幹神経膠腫、視神経膠腫または混合膠腫、例えばオリゴ星細胞腫)である、方法3.6~3.9のいずれか。
3.11 神経膠腫が星細胞腫(例えば、多形神経膠芽腫)である、上記の方法。
3.12 腫瘍または癌が多形神経膠芽腫またはリンパ腫である、方法3.6~3.11のいずれか。
3.13 状態が癌である、方法3.6。
3.14 状態が、肺癌、膵癌、前立腺癌、尿路上皮癌、頭頸部癌または白血病である、方法3.6または3.13のいずれか。
3.15 白血病がリンパ性白血病または骨髄性白血病である、方法3.14。
3.16 尿路上皮癌が腎臓、尿管、膀胱または尿道の癌である、方法3.14。
3.17 チェックポイント阻害剤が、CTLA-4、PD-1および/またはPD-L1の阻害剤である、方法3.2~3.16のいずれか。
3.18 チェックポイント阻害剤が、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、セミプリマブ、イピリムマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、アテゾリズマブ、スパルタリズマブから選択される1種類以上のメンバーを含む、方法3.2~3.17のいずれか。
3.19 チェックポイント阻害剤がCTLA-4の阻害剤である、方法3.2~3.18のいずれか。
3.20 チェックポイント阻害剤がPD-1の阻害剤である、方法3.2~3.18のいずれか。
3.21 チェックポイント阻害剤がPD-L1の阻害剤である、方法3.2~3.18のいずれか。
3.22 チェックポイント阻害剤がPDE1阻害剤と同時に投与される、いずれかの上記方法。
3.23 チェックポイント阻害剤がPDE1阻害剤の投与前に投与される、方法3.2~3.22のいずれか。
3.24 チェックポイント阻害剤がPDE1阻害剤の投与後に投与される、方法3.2~3.23のいずれか。
3.25 該抑制を必要とする対象体がチェックポイント阻害剤療法を前にまたは同時に施された、方法3.2~3.24のいずれか。
3.26 該抑制を必要とする対象体がチェックポイント阻害剤療法の疾患、障害または有害作用を患っている、方法3.2~3.25のいずれか。
3.27 対象体が、チェックポイント阻害剤療法の結果としての炎症関連障害を患っている、上記の方法。
3.28 対象体が、全身性炎症反応、胃腸炎関連障害、内分泌性炎症関連障害、皮膚科的炎症関連障害、眼科的炎症関連障害、神経学的炎症関連障害、血液学的炎症関連障害、泌尿生殖器炎症関連障害、呼吸器炎症関連障害、筋骨格系炎症関連障害、心炎症関連障害、または定義された全身性炎症関連障害(defined systemic inflammation-related disorder)を患っている、方法3.26または3.27。
3.29 胃腸炎関連障害が、結腸炎、小腸結腸炎、腸穿孔を合併した結腸炎、肝炎および膵炎から選択される、方法3.28。
3.30 内分泌性炎症関連障害が、下垂体炎(例えば、汎下垂体機能低下症を呈する)、甲状腺中毒症、甲状腺機能低下症、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群、中枢副腎機能不全、原発性副腎機能不全および真性糖尿病から選択される、方法3.28。
3.31 皮膚科的炎症関連障害が、発疹、掻痒症、尋常性白斑、皮膚炎、スイート症候群、薬疹、白毛、遅延型過敏症反応、汎発性脱毛症、グローバー病、壊疽性膿皮症、中毒性表皮壊死症、慢性非乾酪性肉芽腫、水疱性類天疱瘡および乾癬から選択される、方法3.28。
3.32 眼科的炎症関連障害が、ぶどう膜炎、結膜炎、眼窩炎、グレーブス眼症、脈絡膜新生血管、視神経症、角膜炎および網膜症から選択される、方法3.28。
3.33 神経学的炎症関連障害が、脳症、ギラン・バレー症候群、多発神経根筋障害、対称性多巣性ニューロパチー(symmetrical multifocal neuropathy)、横断性脊髄炎、壊死性脊髄症、重症筋無力症、横隔神経麻痺、免疫関連髄膜炎、髄膜神経根神経炎(meningioradiculoneuritis)、末梢神経障害、自己免疫性内耳疾患、多発性硬化症および炎症性腸神経障害から選択される、方法3.28。
3.34 血液学的炎症関連障害が、血小板減少症、汎血球減少症、好中球減少症、好酸球増加症、赤芽球癆(pure red blood cell aplasia)、後天性血友病Aおよび播種性血管内凝固から選択される、方法3.28。
3.35 泌尿生殖器炎症関連障害が、腎不全、急性/肉芽腫性間質性腎炎、急性尿細管壊死およびリンパ性血管炎(例えば、子宮のリンパ性血管炎)から選択される、方法3.28。
3.36 呼吸器炎症関連障害が間質性肺炎および急性呼吸窮迫から選択される、方法3.28。
3.37 筋骨格系炎症関連障害が、多発性関節炎、関節痛、筋肉痛、腹直筋の慢性肉芽腫性炎症および横紋筋融解から選択される、方法3.28。
3.38 心炎症関連障害が心膜炎(precarditis)およびたこつぼ様症候群から選択される、方法3.28。
3.39 定義された全身性炎症関連障害(defined systemic inflammation-related disorder)が、肺サルコイドーシス、皮膚および肺サルコイドーシス、リウマチ性多発筋痛、巨細胞動脈炎、筋サルコイドーシス、神経および肺サルコイドーシス、セリアック病、ループス腎炎、皮膚筋炎、自己免疫炎症性ミオパチーおよびフォークト・小柳様症候群から選択される、方法3.28。
3.40 PDE1阻害剤およびチェックポイント阻害剤が放射線療法または化学療法とともに投与される、方法3.2~3.39のいずれか。
3.41 PDE1阻害剤およびチェックポイント阻害剤が放射線療法または化学療法と同時に投与される、方法3.2~3.40のいずれか。
3.42 PDE1阻害剤およびチェックポイント阻害剤が放射線療法または化学療法の前に投与される、方法3.2~3.41のいずれか。
3.43 PDE1阻害剤およびチェックポイント阻害剤が放射線療法または化学療法の後に投与される、方法3.2~3.42のいずれか。
3.44 PDE1阻害剤およびチェックポイント阻害剤が、さらなる抗腫瘍剤、化学療法的治療、遺伝子療法的治療および/または免疫学的治療と一緒に投与される、方法3.2~3.43のいずれか。
3.45 PDE1阻害剤が、式I、Ia、II、III、IV、Vおよび/またはVIで示されるPDE1阻害剤、または、遊離形態または薬学的に許容される塩形態の、下記:
Figure 2022522942000026
Figure 2022522942000027
で示される化合物である、上記方法のいずれか。
3.46 PDE1阻害剤が式Iaで示されるPDE1阻害剤である、上記方法のいずれか。
3.47 PDE1阻害剤が、遊離形態または薬学的に許容される塩形態の、下記:
Figure 2022522942000028
で示される化合物である、上記方法のいずれか。
3.48 PDE1阻害剤が、遊離形態または薬学的に許容される塩形態、例えば、一リン酸塩形態の、下記:
Figure 2022522942000029
で示される化合物である、上記方法のいずれか。
3.49 該対象体にβ遮断薬の薬学的に許容される量を投与することをさらに含む、上記方法のいずれか。
3.50 免疫療法(すなわち、CAR-T療法)を受けているかまたは受ける予定の患者へのPDE1阻害剤の投与を含む、上記方法のいずれか。
3.51 免疫療法がCAR-T療法である、上記の方法。
PDE1阻害剤との併用療法
別の実施態様では、本開示は、PDE1阻害剤(例えば、式I、Ia、II、III、IV、Vおよび/またはVIで示されるPDE1阻害剤)を提供する。
の薬学的に許容される量を投与することを含む、転移性細胞へのマクロファージ動員またはミクログリア動員の抑制の使用
いくつかの実施態様では、PDE1阻害剤は、他の治療様式と併せて投与される。したがって、本開示による疾患または障害の治療において、より多くの薬学的な療法を患者に提供することもできる。他の治療法の例としては、例えば、チェックポイント阻害剤が挙げられる。併用療法の特定の形態は、PDE1阻害剤の使用を含む。
併用は、PDE1阻害剤および1つ以上のさらなる治療剤を含む単一の組成物または薬理学的製剤を投与することによって、あるいは一方の組成物がPDE1阻害剤を含み、他方がさらなる治療剤を含む、2つの異なる組成物または製剤を別々に、同時に、または連続的(sequentially)に投与することによって、達成することができる。PDE1阻害剤を用いた治療は、数分から数週間の範囲の間隔で他の薬剤の投与に先行しても後続してもよい。他の薬剤および発現構築物を別々に細胞に適用する実施態様では、一般的に、該薬剤および該発現構築物が依然として細胞に対して有利な複合効果を発揮することができるように、各送達の間にかなりの時間が経過しないことを確実にする。いくつかの実施態様では、典型的には、互いに約12~24時間以内、より好ましくは互いに約6~12時間以内に両方の様式で細胞に接触させることが考えられ、約12時間だけの遅延時間が最も好ましい。しかしながら、状況によっては、治療期間を大幅に延長することが望ましく、それぞれの投与の間に数日(2、3、4、5、6または7)から数週間(1、2、3、4、5、6、7または8)が経過する場合もある。
また、PDE1阻害剤、またはさらなる治療剤のいずれかを2回以上投与することが望まれることも考えられる。これに関して、様々な組合せを用いることができる。例示として、PDE1阻害剤が「A」であり、さらなる治療剤が「B」である場合、合計3回および4回の投与に基づく以下の順列が例示される:
Figure 2022522942000030
したがって、種々の実施態様では、本開示は、また、例えば方法1以降のいずれかに従って、癌または腫瘍から選択される状態の治療方法で投与するための、または、例えば方法2以降のいずれかに従って、チェックポイント阻害剤療法を施した結果としての疾患、障害または有害作用の予防もしくは軽減のための、または、例えば方法3以降のいずれかに従って、転移性細胞へのマクロファージ動員またはミクログリア動員を抑制するための、PDE1阻害剤(例えば、式I、Ia、II、III、IV、Vおよび/またはVIで示される化合物)の薬学的有効量およびチェックポイント阻害剤を含む医薬品組合せ[組合せ1]療法を提供する。例えば、本開示は、以下の組合せを提供する:
1.1 PDE1阻害剤およびチェックポイント阻害剤が、薬学的に許容される希釈剤または担体と併せてまたはそれに付随して単一剤形、例えば錠剤またはカプセル剤に含まれる、組合せ1。
1.2 PDE1阻害剤およびチェックポイント阻害剤が、例えば同時または連続投与のための説明書を含む、単一のパッケージに含まれる、組合せ1。
1.3 PDE1阻害剤が、式I、Ia、II、III、IV、Vおよび/またはVIで示されるPDE1阻害剤、または、遊離形態または薬学的に許容される塩形態の、下記:
Figure 2022522942000031
Figure 2022522942000032
で示される化合物である、上記方法のいずれか。
1.4 PDE1阻害剤が式Iaで示されるPDE1阻害剤である、上記方法のいずれか。
1.5 PDE1阻害剤が、遊離形態または薬学的に許容される塩形態の、下記:
Figure 2022522942000033
で示される化合物である、上記方法のいずれか。
1.6 PDE1阻害剤が、遊離形態または薬学的に許容される塩形態の、下記:
Figure 2022522942000034
で示される化合物である、上記方法のいずれか。
1.7 チェックポイント阻害剤がCTLA-4、PD-1および/またはPD-L1の阻害剤である、上記組合せのいずれか。
1.8 チェックポイント阻害剤が、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、セミプリマブ、イピリムマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、アテゾリズマブ、スパルタリズマブから選択される1種類以上のメンバーを含む、上記組合せのいずれか。
1.9 チェックポイント阻害剤がCTLA-4の阻害剤である、上記組合せのいずれか。
1.10 チェックポイント阻害剤がPD-1の阻害剤である、組合せ1~1.8のいずれか。
1.11 チェックポイント阻害剤がPD-L1の阻害剤である、組合せ1~1.8のいずれか。
1.12 チェックポイント阻害剤がPDE1阻害剤と同時に投与される、上記組合せのいずれか。
1.13 チェックポイント阻害剤がPDE1阻害剤の投与前に投与される、上記組合せのいずれか。
1.14 チェックポイント阻害剤がPDE1阻害剤の投与後に投与される、上記組合せのいずれか。
1.15 必要とする対象体がチェックポイント阻害剤療法を前にまたは同時に施された、上記組合せのいずれか。
1.16 β遮断薬の薬学的に許容される量をさらに含む、上記組合せのいずれか。
いくつかの実施態様では、医薬組成物は、1つ以上の抗腫瘍薬、例えば様々なタイプの癌および/または腫瘍の治療または除去に効果があることが知られている薬物と併せて投与される。抗腫瘍薬の非限定的な例は、アベマシクリブ、酢酸アビラテロン、アビトレキセート(Abitrexate)(メトトレキサート)、アブラキサン(パクリタキセル・アルブミン安定化ナノ粒子製剤)、ABVD、ABVE、ABVE-PC、AC、アカラブルチニブ、AC-T、アドセトリス(ブレンツキシマブベドチン)、ADE、アド-トラスツズマブエムタンシン、アドリアマイシン(ドキソルビシン塩酸塩)、アファチニブ二マレイン酸塩、アフィニトール(エベロリムス)、アキンゼオ(Akynzeo)(ネツピタント・パロノセトロン塩酸塩)、アルダラ(Aldara)(イミキモド)、アルデスロイキン、アレセンサ(アレクチニブ)、アレクチニブ、アレムツズマブ、アリムタ(ペメトレキセド二ナトリウム)、アリコパ(Aliqopa)(コパンリシブ塩酸塩)、注射用アルケラン(メルファラン塩酸塩)、アルケラン錠(メルファラン)、アロキシ(パロノセトロン塩酸塩)、アルンブリグ(Alunbrig)(ブリガチニブ)、アンボクロリン(Ambochlorin)(クロラムブシル)、アンボクロリン(Amboclorin)(クロラムブシル)、アミホスチン、アミノレブリン酸、アナストロゾール、アプレピタント、アレディア、パミドロン酸二ナトリウム)、アリミデックス(アナストロゾール)、アロマシン(エキセメスタン)、アラノン(ネララビン)、亜ヒ酸、アーゼラ(オファツムマブ)、黒脚病菌由来アスパラギナーゼ(Asparaginase Erwinia chrysanthemi)、アテゾリズマブ、アバスチン(ベバシズマブ)、アベルマブ、アキシカブタゲンシロロイセル、アキシチニブ、アザシチジン、バベンチオ(アベルマブ)、BEACOPP、ベセナム(Becenum)(カルムスチン)、ベレオダック(Beleodaq)(ベリノスタット)、ベリノスタット、ベンダムスチン塩酸塩、BEP、ベスポンサ(イノツズマブオゾガマイシン)、ベバシズマブ、ベキサロテン、ビカルタミド、BiCNU(カルムスチン)、ブレオマイシン、ブリナツモマブ、ビーリンサイト(ブリナツモマブ)、ボルテゾミブ、ボシュリフ(ボスチニブ)、ボスチニブ、ブレンツキシマブベドチン、ブリガチニブ、BuMel、ブスルファン、ブスルフェクス(ブスルファン)、カバジタキセル、カボメティクス(カボザンチニブS-リンゴ酸)、カボザンチニブS-リンゴ酸、CAF、カルケンス(Calquence)(アカラブルチニブ)、キャンパス(アレムツズマブ)、カンプサール(Camptosar)(イリノテカン塩酸塩)、カペシタビン、CAPOX、カラック(Carac)(フルオロウラシル--局所)、カルボプラチン、カルボプラチン-タキソール、カルフィルゾミブ、カルムブリス(Carmubris)(カルムスチン)、カルムスチン、カルムスチンインプラント、カソデックス(ビカルタミド)、CEM、セリチニブ、セルビジン(Cerubidine)(ダウノルビシン塩酸塩)、サーバリックス(遺伝子組換えHPV二価ワクチン)、セツキシマブ、CEV、クロラムブシル、クロラムブシル-プレドニゾン、CHOP、シスプラチン、クラドリビン、クラフェン(Clafen)(シクロホスファミド)、クロファラビン、クロファレックス(Clofarex)(クロファラビン)、クロラール(Clolar)(クロファラビン)、CMF、コビメチニブ、コメトリック(Cometriq)(カボザンチニブS-リンゴ酸)、コパンリシブ塩酸塩、COPDAC、COPP、COPP-ABV、コスメゲン(ダチノマイシン)、コテリック(Cotellic)(コビメチニブ)、クリゾチニブ、CVP、シクロホスファミド、サイホス(Cyfos)(イホスファミド)、サイラムザ(ラムシルマブ)、シタラビン、シタラビンリポソーム、サイトサール-U(シタラビン)、シトキサン(シクロホスファミド)、ダブラフェニブ、ダカルバジン、ダコジェン(Dacogen)(デシタビン)、ダチノマイシン、ダラツムマブ、ダラザレックス(ダラツムマブ)、ダサチニブ、ダウノルビシン塩酸塩、ダウノルビシン塩酸塩およびシタラビンリポソーム、デシタビン、デフィブロチドナトリウム、デファイテリオ(デフィブロチドナトリウム)、デガレリクス、デニロイキンジフチトクス、デノスマブ、デポサイト(シタラビンリポソーム)、デキサメタゾン、デクスラゾキサン塩酸塩、ジヌツキシマブ、ドセタキセル、ドキシル(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、ドキソルビシン塩酸塩、ドキソルビシン塩酸塩リポソーム、Dox-SL(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、DTIC-Dome(ダカルバジン)、デュルバルマブ、エフデックス(Efudex)(フルオロウラシル--局所)、エリテク(Elitek)(ラスブリカーゼ)、エレンセ(Ellence)(エピルビシン塩酸塩)、エロツズマブ、エロキサチン(オキサリプラチン)、エルトロンボパグオラミン、イメンド(アプレピタント)、エムプリシティ(エロツズマブ)、エナシデニブメシル酸塩、エンザルタミド、エピルビシン塩酸塩、EPOCH、アービタックス(セツキシマブ)、エリブリンメシル酸塩、エリベッジ(ビスモデギブ)、エルロチニブ塩酸塩、エルウィナーゼ(Erwinaze)(黒脚病菌由来アスパラギナーゼ(Asparaginase Erwinia chrysanthemi))、エチオール(Ethyol)(アミホスチン)、エトポホス(Etopophos)(エトポシドリン酸塩)、エトポシド、エトポシドリン酸塩、エバセト(Evacet)(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、エベロリムス、エビスタ(ラロキシフェン塩酸塩)、エボメラ(Evomela)(メルファラン塩酸塩)、エキセメスタン、5-FU(フルオロウラシル注射剤)、5-FU(フルオロウラシル--局所)、フェアストン(トレミフェン)、ファリーダック(パノビノスタット)、フェソロデックス(フルベストラント)、FEC、フェマーラ(レトロゾール)、フィルグラスチム、フルダラ(リン酸フルダラビン)、リン酸フルダラビン、フルオロプレックス(Fluoroplex)(フルオロウラシル--局所)、フルオロウラシル注射剤、フルオロウラシル-局所、フルタミド、フォレックス(Folex)(メトトレキサート)、フォレックスPFS(Folex PFS)(メトトレキサート)、フォルフィリ、フォルフィリ-ベバシズマブ、フォルフィリ-セツキシマブ、フォルフィリノックス、フォルフォックス、フォロチン(プララトレキサート)、FU-LV、フルベストラント、ガーダシル(遺伝子組換えHPV四価ワクチン)、ガーダシル9(遺伝子組換えHPV九価ワクチン)、ガザイバ(オビヌツズマブ)、ゲフィチニブ、ゲムシタビン塩酸塩、ゲムシタビン-シスプラチン、ゲムシタビン-オキサリプラチン、ゲムツズマブ・オゾガマイシン、ジェムザール(ゲムシタビン塩酸塩)、ジロトリフ(Gilotrif)(アファチニブ二マレイン酸塩)、グリベック(イマチニブメシル酸塩)、ギリアデル(カルムスチンインプラント)、ギリアデルウエハ剤(カルムスチンインプラント)、グルカルピダーゼ、ゴセレリン酢酸塩、ハラヴェン(エリブリンメシル酸塩)、ヘマンジオル(Hemangeol)(プロプラノロール塩酸塩)、ハーセプチン(トラツズマブ)、遺伝子組換えHPV二価ワクチン、遺伝子遺伝子組換えHPV九価ワクチン、遺伝子組換えHPV四価ワクチン、ハイカムチン(トポテカン塩酸塩)、ハイドレア(ヒドロキシ尿素)、ヒドロキシ尿素、Hyper-CVAD、イブランス(パルボシクリブ)、イブリツモマブ・チウキセタン、イブルチニブ、ICE、アイクルシグ(ポナチニブ塩酸塩)、イダマイシン(イダルビシン塩酸塩)、イダルビシン塩酸塩、イデラリシブ、イドヒファ(Idhifa)(エナシデニブメシル酸塩)、イフェックス(Ifex)(イホスファミド)、イホスファミド、イホスファミダム(Ifosfamidum)(イホスファミド)、IL-2(アルデスロイキン)、イマチニブメシル酸塩、イムブルビカ(イブルチニブ)、イミフィンジ(デュルバルマブ)、イミキモド、イムリジック(Imlygic)(タリモジーン・ラハーパレプベック)、インライタ(アキシチニブ)、イノツズマブオゾガマイシン、遺伝子組換えインターフェロンアルファ-2b、インターロイキン-2(アルデスロイキン)、イントロンA(Intron A)(遺伝子組換えインターフェロンアルファ-2b)、イピリムマブ、イレッサ(ゲフィチニブ)、イリノテカン塩酸塩、イリノテカン塩酸塩リポソーム、イストダックス(ロミデプシン)、イクサベピロン、クエン酸イクサゾミブ、イグゼンプラ(イクサベピロン)、ジャカフィ(Jakafi)(ルキソリチニブリン酸塩)、JEB、ジェブタナ(カバジタキセル)、カドサイラ(アド-トラスツズマブエムタンシン)、ケオキシフェン(Keoxifene)(ラロキシフェン塩酸塩)、ケピバンス(パリフェルミン)、キイトルーダ(ペムブロリズマブ)、キスカリ(Kisqali)(リボシクリブ)、キムリア(チサゲンレクルユーセル)、カイプロリス(カルフィルゾミブ)、ランレオチド酢酸塩、ラパチニブ二トシル酸塩、ラルトルボ(Lartruvo)(オララツマブ)、レナリドミド、レンバチニブメシル酸塩、レンビマ(レンバチニブメシル酸塩)、レトロゾール、ロイコボリンカルシウム、ロイケラン(クロラムブシル)、リュープロリド酢酸塩、ロイスタチン(クラドリビン)、レブラン(Levulan)(アミノレブリン酸)、リンフォリジン(Linfolizin)(クロラムブシル)、リポドックス(LipoDox)(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、ロムスチン、ロンサーフ(トリフルリジンおよびチピラシル塩酸塩)、リュープロン(リュープロリド酢酸塩)、リュープロンデポー(リュープロリド酢酸塩)、リュープロンデポー-Ped(リュープロリド酢酸塩)、リムパーザ(オラパリブ)、マルキボ(Marqibo)(ビンクリスチン硫酸塩リポソーム)、マチュラン(Matulane)(プロカルバジン塩酸塩)、メクロレタミン塩酸塩、メゲストロール酢酸塩、メキニスト(トラメチニブ)、メルファラン、メルファラン塩酸塩、メルカプトプリン、メスナ、メスネックス(Mesnex)(メスナ)、メタゾラストン(Methazolastone)(テモゾロミド)、メトトレキサート、メトトレキサートLPF(メトトレキサート)、メチルナルトレキソン臭化物、メキサート(Mexate)(メトトレキサート)、メキサート-AQ(Mexate-AQ)(メトトレキサート)、ミドスタウリン、マイトマイシンC、ミトキサントロン塩酸塩、マイトザイトレックス(Mitozytrex)(マイトマイシンC)、MOPP、モゾビル(プレリキサホル)、ムスタルゲン(Mustargen)(メクロレタミン塩酸塩)、ムタマイシン(Mutamycin)(マイトマイシンC)、ミレラン(ブスルファン)、マイロサール(Mylosar)(アザシチジン)、マイロターグ(ゲムツズマブ・オゾガマイシン)、ナノ粒子パクリタキセル(パクリタキセル・アルブミン安定化ナノ粒子製剤)、ナベルビン(ビノレルビン酒石酸塩)、ネシツムマブ、ネララビン、ネオサール(Neosar)(シクロホスファミド)、ネラチニブマレイン酸塩、ネルリンクス(Nerlynx)(ネラチニブマレイン酸塩)、ネツピタント・パロノセトロン塩酸塩、ニューラスタ(Neulasta)(ペグフィルグラスチム)、ニューポジェン(フィルグラスチム)、ネクサバール(ソラフェニブトシル酸塩)、ニランドロン(Nilandron)(ニルタミド)、ニロチニブ、ニルタミド、ニンラーロ(クエン酸イクサゾミブ)、ニラパリブトシル酸塩一水和物、ニボルマブ、ノルバデックス(タモキシフェンクエン酸塩)、エヌプレート(Nplate)(ロミプロスチム)、オビヌツズマブ、オドムゾ(Odomzo)(ソニデギブ)、OEPA、オファツムマブ、OFF、オラパリブ、オララツマブ、オマセタキシン・メペサクシネート、オンカスパール(Oncaspar)(ペグアスパルガーゼ(Pegaspagase))、オンダンセトロン塩酸塩、オニバイド(Onivyde)(イリノテカン塩酸塩リポソーム)、オンタック(Ontak)(デニロイキンジフチトクス)、オプジーボ(ニボルマブ)、OPPA、オシメルチニブ、オキサリプラチン、パクリタキセル、パクリタキセル・アルブミン安定化ナノ粒子製剤、PAD、パルボシクリブ、パリフェルミン、パロノセトロン塩酸塩、パロノセトロン塩酸塩およびネツ
ピタント、パミドロン酸二ナトリウム、パニツムマブ、パノビノスタット、パラプラット(Paraplat)(カルボプラチン)、パラプラチン(カルボプラチン)、パゾパニブ塩酸塩、PCV、PEB、ペグアスパルガーゼ、ペグフィルグラスチム、ペグインターフェロンアルファ-2b、PEG-イントロン(ペグインターフェロンアルファ-2b)、ペムブロリズマブ、ペメトレキセド二ナトリウム、パージェタ(ペルツズマブ)、ペルツズマブ、プラチノール(Platinol)(シスプラチン)、プラチノール-AQ(Platinol-AQ)(シスプラチン)、プレリキサホル、ポマリドミド、ポマリスト(ポマリドミド)、ポナチニブ塩酸塩、ポートラーザ(ネシツムマブ)、プララトレキサート、プレドニゾン、プロカルバジン塩酸塩、プロロイキン(Proleukin)(アルデスロイキン)、プロリア(デノスマブ)、プロマクタ(エルトロンボパグオラミン)、プロプラノロール塩酸塩、プロベンジ(シプロイセルT)、プリネトール(Purinethol)(メルカプトプリン)、プリキサン(Purixan)(メルカプトプリン)、二塩化ラジウム223、ラロキシフェン塩酸塩、ラムシルマブ、ラスブリカーゼ、R-CHOP、R-CVP、遺伝子組換えヒトパピローマウイルス(HPV)二価ワクチン、遺伝子組換えヒトパピローマウイルス(HPV)九価ワクチン、遺伝子組換えヒトパピローマウイルス(HPV)四価ワクチン、遺伝子組換えインターフェロンアルファ-2b、レゴラフェニブ、レリストール(メチルナルトレキソン臭化物)、R-EPOCH、レブラミド(レナリドミド)、リウマトレックス(メトトレキサート)、リボシクリブ、R-ICE、リツキサン(リツキシマブ)、リツキサン・ハイセラ(Rituxan Hycela)(リツキシマブおよびヒトヒアルロニダーゼ)、リツキシマブ、リツキシマブおよびヒトヒアルロニダーゼ、ロラピタント塩酸塩、ロミデプシン、ロミプロスチム、ルビドマイシン(Rubidomycin)(ダウノルビシン塩酸塩)、ルブラカ(Rubraca)(ルカパリブカンシル酸塩(Rucaparib Camsylate))、ルカパリブカンシル酸塩(Rucaparib Camsylate)、ルキソリチニブリン酸塩、ライダプト(Rydapt)(ミドスタウリン)、スクレロゾール胸膜内エアゾール(Sclerosol Intrapleural Aerosol)(タルク)、シルツキシマブ、シプロイセルT、ソマチュリンデポー(ランレオチド酢酸塩)、ソニデギブ、ソラフェニブトシル酸塩、スプリセル(ダサチニブ)、スタンフォードV、滅菌タルク粉末(Sterile Talc Powder)(タルク)、ステリタルク(Steritalc)(タルク)、スチバーガ(レゴラフェニブ)、スニチニブリンゴ酸塩、スーテント(スニチニブリンゴ酸塩)、シラトロン(Sylatron)(ペグインターフェロンアルファ-2b)、シルバント(Sylvant)(シルツキシマブ)、シンリボ(Synribo)(オマセタキシン・メペサクシネート)、タブロイド(Tabloid)(チオグアニン)、TAC、タフィンラー(ダブラフェニブ)、タグリッソ(オシメルチニブ)、タルク、タリモジーン・ラハーパレプベック、タモキシフェンクエン酸塩、タラビンPFS(Tarabine PFS)(シタラビン)、タルセバ(エルロチニブ塩酸塩)、タルグレチン(ベキサロテン)、タシグナ(ニロチニブ)、タキソール(パクリタキセル)、タキソテール(ドセタキセル)、テセントリク(アテゾリズマブ)、テモダール(Temodar)(テモゾロミド)、テモゾロミド、テムシロリムス、サリドマイド、サロミド(Thalomid)(サリドマイド)、チオグアニン、チオテバ、チサゲンレクルユーセル、トーラック(Tolak)(フルオロウラシル--局所)、トポテカン塩酸塩、トレミフェン、トーリセル(テムシロリムス)、トテクト(Totect)(デクスラゾキサン塩酸塩)、TPF、トラベクテジン、トラメチニブ、トラツズマブ、トレアンダ(ベンダムスチン塩酸塩)、トリフルリジンおよびチピラシル塩酸塩、トリセノックス(亜ヒ酸)、タイケルブ(ラパチニブ二トシル酸塩)、ユニツキシン(Unituxin)(ジヌツキシマブ)、ウリジントリアセテート、VAC、バルルビシン、バルスター(Valstar)(バルルビシン)、バンデタニブ、VAMP、バルビ(Varubi)(ロラピタント塩酸塩)、ベクティビックス(パニツムマブ)、VeIP、ベルバン(Velban)(ビンブラスチン硫酸塩)、ベルケイド(ボルテゾミブ)、ベルサール(Velsar)(ビンブラスチン硫酸塩)、ベムラフェニブ、ベネクレクスタ(ベネトクラクス)、ベネトクラクス、ベージニオ(アベマシクリブ)、ビアデュール(Viadur)(リュープロリド酢酸塩)、ビダーザ(アザシチジン)、ビンブラスチン硫酸塩、ビンカサールPFS(Vincasar PFS)(ビンクリスチン硫酸塩)、ビンクリスチン硫酸塩、ビンクリスチン硫酸塩リポソーム、ビノレルビン酒石酸塩、VIP、ビスモデギブ、ビストガード(Vistogard)(ウリジントリアセテート)、ボラキサーゼ(Voraxaze)(グルカルピダーゼ)、ボリノスタット、ヴォトリエント(パゾパニブ塩酸塩)、ヴィキセオス(Vyxeos)(ダウノルビシン塩酸塩およびシタラビンリポソーム)、ウェルコボリン(Wellcovorin)(ロイコボリンカルシウム)、ザーコリ(クリゾチニブ)、ゼローダ(カペシタビン)、XELIRI、XELOX、イクスゲバ(Xgeva)(デノスマブ)、ゾーフィゴ(二塩化ラジウム223)、イクスタンジ(エンザルタミド)、ヤーボイ(イピリムマブ)、イエスカルタ(アキシカブタゲンシロロイセル)、ヨンデリス(トラベクテジン)、ザルトラップ(Ziv-アフリベルセプト)、ザルキシオ(Zarxio)(フィルグラスチム)、ゼジューラ(Zejula)(ニラパリブトシル酸塩一水和物)、ゼルボラフ(ベムラフェニブ)、ゼヴァリン(イブリツモマブ・チウキセタン)、ジンカード(Zinecard)(デクスラゾキサン塩酸塩)、Ziv-アフリベルセプト、ゾフラン(オンダンセトロン塩酸塩)、ゾラデックス(ゴセレリン酢酸塩)、ゾレドロン酸、ゾリンザ(ボリノスタット)、ゾメタ(ゾレドロン酸)、ザイデリグ(Zydelig)(イデラリシブ)、ジカディア(セリチニブ)、ザイティガ(酢酸アビラテロン)である。
いくつかの実施態様では、PDE1阻害剤が1種類以上のβ遮断薬と併せて投与される。このようなβ遮断薬の非網羅的なリストには、β遮断薬とも呼ばれる種々のβアドレナリン受容体拮抗薬が含まれ、現在、不全心によって引き起こされる有害な慢性心筋刺激を除去するために臨床使用されている。好ましいβアドレナリン受容体拮抗薬としては、メトプロロール、コハク酸メトプロロール、カルベジロール、アテノロール、プロプラノロール、アセブトロール、アセブトロールHCL、ベタキソロール、ベタキソロールHCL、ナドロール、タリノロール、ビソプロロール、ヘミフマル酸ビソプロロール、カルテオロール、カルテオロールHCL、エスモロール、エスモロールHCL、ラベタロール、ラベタロールHCL、メトプロロール、コハク酸メトプロロール、酒石酸メトプロロール、ナドロール、ペンブトロール、硫酸ペンブトロール、ピンドロール、プロプラノロール、プロプラノロールHCL、ソタロール、ソタロールHCL、チモロール、およびチモロールマレイン酸水素塩(timolol hydrogen maleate salt)、またはその薬学的に許容される塩が挙げられる。本発明にしたがって、βアドレナリン受容体拮抗薬は、そのような薬剤として臨床的に認められている1日量で投与することができる。例えば、酒石酸塩またはコハク酸塩としてのメトプロロールの好適な1日投与量は、治療すべき状態、投与経路、患者の年齢、体重および状態に応じて、約100~200mgであり、カルベジロールについては約5~50mgである。
本明細書で用いられる場合、用語「抗腫瘍剤」は、癌または腫瘍の形成または増殖を防止または阻害するのに有効な化学薬剤または薬物をいうと解される。本明細書で論じられる抗腫瘍剤は、アルキル化剤、抗代謝物、天然物、ホルモン、および/または抗体を包含し得る。腫瘍または癌の治療は、体内の癌性細胞または腫瘍性細胞の増殖、遊走および/または浸潤を制限すること、または該癌または腫瘍に関連する症状を制限することを含み得る。本明細書で用いられる場合、抗腫瘍剤は、抗癌剤を包含し、そうでなければ抗癌剤と同義であると解される。
本開示化合物の製造方法
本開示のPDE1阻害剤およびそれらの薬学的に許容される塩は、米国特許第8,273,750号、米国特許出願公開第2006/0173878号、米国特許第8,273,751号、米国特許出願公開第2010/0273753号、米国特許第8,697,710号、米国特許第8,664,207号、米国特許第8,633,180号、米国特許第8,536,159号、米国特許出願公開第2012/0136013号、米国特許出願公開第2011/0281832号、米国特許出願公開第2013/0085123号、米国特許出願公開第2013/0324565号、米国特許出願公開第2013/0338124号、米国特許出願公開第2013/0331363号、国際公開第2012/171016号および国際公開第2013/192556号に記載および例示されているような方法を使用して、また、それらと同様の方法によって、および化学技術分野で知られている方法によって、製造することができる。このような方法としては、以下に記載の方法が挙げられるが、これらに限定されない。これらのプロセスの出発物質は、市販されていない場合には、既知の化合物の合成方法と同様または類似の技術を用いる化学技術から選択される手順によって製造され得る。
種々のPDE1阻害剤およびその出発物質は、米国特許出願公開第2008-0188492号(A1)、米国特許出願公開第2010-0173878号(A1)、米国特許出願公開第2010-0273754号(A1)、米国特許出願公開第2010-0273753号(A1)、国際公開第2010/065153号、国際公開第2010/065151号、国際公開第2010/065151号、国際公開第2010/065149号、国際公開第2010/065147号、国際公開第2010/065152号、国際公開第2011/153129号、国際公開第2011/133224号、国際公開第2011/153135号、国際公開第2011/153136号、国際公開第2011/153138号に記載されている方法を使用して製造することができる。本明細書で引用されている参考文献はすべて、出典明示によりその全体として本明細書の一部とする。
本開示化合物には、それらのエナンチオマー、ジアステレオマーおよびラセミ体、ならびにそれらの多形体、水和物、溶媒和物および複合体が含まれる。本開示の範囲内のいくつかの個々の化合物は、二重結合を含み得る。本開示における二重結合の表現は、二重結合のE異性体およびZ異性体の両方を含むことを意味する。さらに、本開示の範囲内のいくつかの化合物は、1つ以上の不斉中心を含み得る。本開示は、光学的に純粋な立体異性体のいずれか、および立体異性体の組み合わせの使用を含む。
本開示化合物がその安定な同位体および不安定な同位体を包含することも意図されている。安定な同位体は、同じ種(すなわち、元素)の豊富な核種と比較して、1個のさらなる中性子を含有する非放射性同位体である。このような同位体を含む化合物の活性は保持され、このような化合物は非同位体類似体の薬物動態を測定するための有用性も有すると考えられる。例えば、本開示化合物のある位置の水素原子を重水素(非放射性の安定な同位体)に置き換えることができる。既知の安定な同位体の例としては、重水素、13C、15N、18Oが挙げられるが、これらに限定されない。別法として、同じ種(すなわち、元素)の豊富な核種と比較して、さらなる複数の中性子を含有している放射性同位体である不安定な同位体、例えば123I、131I、125I、11C、18Fは、I、CおよびFの対応する豊富な種と置き換わってもよい。本開示の化合物の有用な同位体の別の例は、11C同位体である。これらの放射性同位体は、本開示の化合物の放射線画像処理および/または薬物動態学的研究に有用である。
融点は無補正であり、(dec)は分解を示す。温度は摂氏(℃)で示される;特記しない限り、操作は、室温または周囲温度で、すなわち18~25℃の範囲の温度で行われる。クロマトグラフィーとは、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーを意味し;薄層クロマトグラフィー(TLC)は、シリカゲルプレートで行われる。NMRデータは、内部標準としてのテトラメチルシラン(TMS)に対して百万分率(ppm)で表される主要な診断用プロトンのデルタ値で示される。シグナル形状の慣用の略語が使用される。結合定数(J)は、Hzで表される。質量スペクトル(MS)について、同位体分割によって複数の質量スペクトルピークが生じる分子については最小質量の主要イオンが報告される。溶媒混合物の組成は、体積百分率または体積比として示される。NMRスペクトルが複雑な場合には、診断信号のみが報告される。
用語「治療」および「治療すること」は、したがって、疾患の症状の治療または寛解、ならびに疾患の原因の治療を含むものと理解されるべきである。
治療方法について、用語「有効量」は、特定の疾患または障害を治療するための治療有効量を包含することを意図している。
用語「患者」または「対象体」は、ヒト患者または非ヒト(すなわち、動物)患者を含み、本開示の文脈内で交換可能であると理解される。特定の実施態様では、本開示は、ヒトおよび非ヒトの両方を包含する。別の実施態様では、本開示は、非ヒトを包含する。他の実施態様では、該用語は、ヒトを包含する。
用語「含む」は、本開示で用いる場合、制限が無いことを意図しており、言及されていないさらなる要素または方法ステップを除外するものではない。
本開示を実施する際に用いられる用量は、もちろん、例えば治療される特定の疾患または状態、使用される特定の本開示化合物、投与様式、および所望の療法に応じて変化する。本開示化合物は、経口、非経口、経皮、または吸入を含む好適な経路によって投与され得るが、好ましくは経口投与される。一般に、例えば上記のような疾患の治療のための、満足のいく結果は、約0.01~2.0mg/kgのオーダーの用量で経口投与により得られることが示されている。大きな哺乳動物、例えばヒトでは、PDE1阻害剤の両方の経口投与のための指示された一日量は、したがって、約0.50~300mgの範囲であり、好都合には1日1回投与されるか、または1日2~4回の分割用量で投与されるか、または徐放性剤形で投与される。したがって、経口投与用の単位剤形は、例えば、薬学的に許容される希釈剤または担体と一緒に本開示化合物約0.2~150または300mg、例えば約0.2または2.0~10、25、50、75、100、150または200mgを含むことができる。
本開示化合物は、経口、非経口(静脈内、筋肉内または皮下)または経皮を含む満足のいく経路によって投与することができるが、好ましくは経口投与される。特定の実施態様では、例えばデポー製剤での、本開示化合物は、好ましくは非経口投与され、例えば注射によって投与される。
本開示化合物および本開示の医薬組成物は、1つ以上のさらなる治療剤と併せて、特に個々の薬剤が単剤療法として使用される場合よりも低用量で使用されて、慣用の単剤療法で一般的に生じる望ましくない副作用を引き起こすことなく併せた薬剤の治療活性を増強することができる。したがって、本開示化合物は、疾患を治療するのに有用な他の薬剤と、同時に、別々に、連続的に、または、同時期に、投与することができる。別の例では、副作用は、本開示化合物を遊離形態または塩形態の1つ以上のさらなる治療剤と併せて投与する(ここで、(i)第2の治療剤の用量または(ii)本開示化合物と第2の治療剤の両方の用量は、薬剤/化合物が単剤療法として投与される場合よりも低い)ことによって軽減または最小化することができる。
治療的使用に言及する場合の「同時に」という用語は、2つ以上の活性成分を同一投与経路によって同時またはほぼ同時に投与することを意味する。
治療的使用に言及する場合の「別々に」という用語は、2つ以上の活性成分を異なる投与経路によって同時またはほぼ同時に投与することを意味する。
本開示化合物を含む医薬組成物は、慣用の希釈剤または賦形剤、およびガレノス技術分野で知られている技術を使用して調製され得る。したがって、経口剤形としては、錠剤、カプセル剤、液剤、懸濁剤などを挙げることができる。
実施例1
IMAPホスホジエステラーゼアッセイキットを使用するインビトロでのPDEIB阻害の測定
ホスホジエステラーゼIB(PDEIB)は、環状グアノシン一リン酸(cGMP)を5'-グアノシン一リン酸(5'-GMP)に変換するカルシウム/カルモジュリン依存性ホスホジエステラーゼ酵素である。PDEIBはまた、蛍光分子cGMP-フルオロセインなどの修飾cGMP基質を対応するGMP-フルオロセインに変換することができる。cGMP-フルオロセインからのGMP-フルオロセインの生成は、例えばIMAP(Molecular Devices, Sunnyvale, CA)固定化金属親和性粒子試薬を使用して、定量化することができる。
簡単に説明すると、IMAP試薬は、GMP-フルオロセインに存在するがcGMP-フルオロセインには存在しない遊離5'-リン酸に高い親和性で結合する。得られたGMP-フルオロセイン-IMAP複合体はcGMP-フルオロセインに比べて大きい。大きくてゆっくりとタンブリングする複合体に結合している小さなフルオロフォアは、蛍光を発する時に放出される光子が蛍光を励起するために使用される光子と同じ極性を保持するため、結合していないフルオロフォアと区別することができる。
該ホスホジエステラーゼアッセイにおいて、IMAPに結合することができないためにほとんど蛍光偏光を保持しないcGMP-フルオロセインは、GMP-フルオロセインに変換され、これがIMAPに結合すると蛍光偏光(Amp)の大きな増加をもたらす。したがって、ホスホジエステラーゼの阻害は、Ampの減少として検出される。
酵素アッセイ
材料: Molecular Devices(Sunnyvale, CA)から入手可能なIMAP試薬(反応バッファー、結合バッファー、FL-GMPおよびIMAPビーズ)を除いて、全ての化学物質はSigma-Aldrich(St. Louis, MO)から入手できる。
アッセイ: 以下のホスホジエステラーゼ酵素を使用することができる: 3',5'-環状ヌクレオチド特異的ウシ脳ホスホジエステラーゼ(Sigma, St. Louis, MO)(主にPDEIB)および組換え完全長ヒトPDE1AおよびPDE1B(それぞれ、r-hPDE1Aおよびr-hPDE1B)(例えば、当該技術分野の当業者によってHEK細胞またはSF9細胞において生成することができる)。PDE1酵素は、50%グリセロールで2.5U/mlに再構成される。1ユニットの酵素は、pH7.5、30℃で毎分1.0μMの3',5'-cAMPを5'-AMPに加水分解する。酵素1部を反応バッファー(30μM CaCl2、10U/mlのカルモジュリン(Sigma P2277)、10mM Tris-HCl pH7.2、10mM MgCl2、0.1%BSA、0.05%NaN3)1999部に添加して、最終濃度1.25mU/mlを得る。希釈した酵素溶液99μlを平底96ウェルポリスチレンプレートの各ウェルに添加し、これに、100%DMSOに溶解した試験化合物1μLを添加する。室温で10分間、化合物を酵素と混合してプレインキュベートする。
384ウェルマイクロタイタープレートにおいて、酵素および阻害剤の混合物4部と基質溶液(0.225μM)1部を合わせることによってFL-GMP変換反応を開始させる。該反応を暗所にて室温で15分間インキュベートする。該384ウェルプレートの各ウェルに結合試薬(1:1800希釈の消泡剤を添加した結合バッファーによる1:400希釈のIMAPビーズ)60μLを添加することによって反応を停止させる。該プレートを室温で1時間インキュベートしてIMAP結合を完了まで進行させ、次いで、Envisionマルチモードマイクロプレートリーダー(PerkinElmer, Shelton, CT)に入れて蛍光偏光(Amp)を測定する。
Ampの減少として測定されるGMP濃度の減少は、PDE活性の阻害を示している。0.0037nM~80,000nMの範囲の8~16種類の濃度の化合物の存在下で酵素活性を測定し、次いで、薬物濃度対AMPをプロットすることによってIC50値を決定し、これにより、非線形回帰ソフトウェア(XLFit;IDBS, Cambridge, MA)を用いてIC50値を推定することができる。
PDE1阻害性活性について本明細書に記載されているかまたは同様に記載されているアッセイで、本発明の化合物を試験する。例えば、化合物214は、式:
Figure 2022522942000035
で示される特定のPDE1阻害剤として同定される。
以下の表に示されるように、この化合物は、ナノモル以下のレベルでPDE1に対して効力を有し(上記のアッセイにおけるウシ脳PDE1に対して0.058nMのIC50)、他のPDEファミリーよりも高い選択性を有する:
Figure 2022522942000036
本化合物は、63個の受容体、酵素およびイオンチャネルの一団に対しても選択性が高い。これらのデータおよび本明細書に記載の他のPDE1阻害剤のデータは、Li et al., J. Med. Chem. 2016: 59, 1149-1164に記載されている(その内容は出典明示により本明細書の一部とする)。
実施例2
単球から活性化マクロファージへの移行の阻害およびANPとの相互作用
PDE1はGM-CSFによって媒介される炎症性単球から活性化マクロファージへの移行において誘導され、この移行はPDE1ノックダウンによって阻害することができる。Bender and Beavo, 2006 PNAS 103, 460-5。心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)は、細胞内グアニリルシクラーゼ活性を刺激してGTPをcGMPに変換するANP触媒受容体を活性化することにより、cGMPレベルを上昇させる。ANPはマクロファージに対して抗炎症作用を有しており、マクロファージにおける炎症性メディエーターの分泌を減少させる。Kiemer, et al., Ann Rheum Dis. 2001 Nov; 60(Suppl 3): iii68-iii70。具体的には、ANPは、マクロファージにおける誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)のリポ多糖(LPS)誘発性発現を阻害し、NF-κBの活性化を低下させ、TNFαおよびインターロイキン1β(IL1β)のマクロファージ放出を阻害するが、抗炎症性サイトカインであるIL10およびIL1受容体拮抗薬(IL1ra)の分泌を阻害しない。
本発明者らは、ANPとPDE1阻害の間に相乗効果があることを示した。不死化ヒト前骨髄系細胞株(ATCCのHL60)を、Bender, AT, and Beavo, JA, 2006, PNAS 103, 460-465に記載されているように、増殖、分化および回収する。該細胞を、ペニシリン、ストレプトマイシンおよび10%ウシ胎仔血清を含むHEPES緩衝液RPMI1640培地で増殖させる。ホルボール-12-ミリステート-13-アセテート(PMA)を100nMで3日間使用して、HL60細胞をマクロファージ様細胞に分化させる。分化後、0時間目から細胞をPDE1阻害剤またはビヒクル(DMSO)とともにインキュベートする。40分後に5μMイオノマイシン(カルシウムイオノフォア)を添加する。50分後に100nM ANPを添加した。60分後に細胞を回収する。競合ELISAを用いて総cGMPレベルを測定する(Bender and Beavo, 2006)。
米国特許第8,273,750号の実施例20に記載されている代表的なPDE1阻害剤である下記の構造:
Figure 2022522942000037
を有する(6aR,9aS)-3-(フェニルアミノ)-5,6a,7,8,9,9a-ヘキサヒドロ-5-メチル-2-(4-(トリフルオロメチル)-ベンジル)-シクロペンタ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピラゾロ[4,3-e]ピリミジン-4(2H)-オンを、このシステムにおけるcGMPレベルに対するその影響について試験する。化合物214と同様に、この化合物は、PDE1の強力で選択的な阻害剤である(Ki=0.68nM 上記のウシ脳PDE1アッセイ)。100nMのPDE1阻害剤と併せて100nMのANPによって治療することによってHL60細胞において誘導されるcGMPレベルは、ANP単独またはPDE1阻害剤単独によって誘導されるレベルよりも高くなる。さらに、ANPおよびPDE1阻害剤による併用治療によって得られるcGMPレベルは、ANPおよびPDE1/PDE5阻害剤混合物であるSCH51866(5μMで使用)による併用治療によって得られるレベルよりもはるかに高くなる。この実験では、細胞内カルシウムレベルを上昇させ、ANPによって誘導されるcGMPの上昇を打ち消すために、カルシウムイオノフォアイオノマイシン(5μMで使用)が用いられる。イオノマイシンによるPDE1の活性化によって引き起こされるcGMPシグナルの減少は、PDE1阻害剤と最適以下レベルのANPとの併用によって相乗的に防止される。イオノマイシンの添加は、ANPおよびPDE1阻害剤と併用した場合、弱いcGMP低下効果しか有しない。
実施例3
ミクログリア由来細胞に対するPDE1阻害剤の効果
神経炎症プロセスは、主にミクログリアによって調節されている。ミクログリアは、マクロファージにやや類似した活性化状態を有し、IFN-γまたはリポ多糖(LPS)に応答してTNF-、IL-1βなどの炎症誘発性サイトカインおよび活性酸素種/活性窒素種(ROS/NOS)を放出するように活性化される。それらは、別の状況下では、IL-10などの抗炎症性サイトカインを放出し、組織修復に関与するように活性化され得る。ミクログリアシグナル伝達のモデルとして、不死化マウスミクログリア細胞株BV-2が用いられる。Stansley et al. Journal of Neuroinflammation 2012, 9:115。
BV2細胞をリポ多糖(LPS)で処理し、RNAseq解析を用いてPDE発現のレベルを測定する。該データを図1に示す。「FPKM」は、「マッピングされた100万リードあたりのエクソン1キロベースあたりのフラグメントリード数」を表す。炎症反応に関連する内毒素であるLPSで処理した後、PDE1Bのレベルは、PDE酵素ファミリーの他のメンバーと比較した場合、比較的大きなRNA発現増加を示す。PDE1Bは、LPS投与によりRNA発現の大きな増加を示すホスホジエステラーゼサブファミリーの1つである。
BV2細胞は、さらに、ロリプラム(特異的PDE4阻害剤)の存在下または非存在下、および式:
Figure 2022522942000038
で示される特異的PDE1阻害剤である化合物214の存在下または非存在下で、LPS刺激によるRNAseq解析によって評価される。LPS+ロリプラムの存在下ではLPS単独の存在下と比較して209個のmRNA転写物が減少し、化合物214+LPSの存在下ではLPS単独の存在下と比較して138個の転写物が減少する。2つのセットの間のオーバーラップは48個の転写物である。同様に、LPS+ロリプラムの存在下ではLPS単独の存在下と比較して156個の転写産物が上昇し、化合物214+LPSの存在下ではLPS単独の存在下と比較して149個の転写物が上昇する。この2つのセットのオーバーラップは45個の転写物である。
さらなる実験では、化合物214およびロリプラムの存在下および非存在下でのLPS刺激BV2細胞における発現の分析は、各対(LPS対LPS+ロリプラム、LPS対LPS+ITI-214)についての差次的発現遺伝子は、最も高い有意性を持つ遺伝子の約半分を共有していることを示している。例えば、このアッセイは、ロリプラムによって有意に影響を受けるが化合物214によってはそうではない遺伝子が1240個であり、化合物214によって有意に影響を受けるがロリプラムによってはそうではない遺伝子が1463個であり、両方によって影響を受ける遺伝子が683個だけであり、オーバーラップが約半分しかないことを示している。
比較的小さなオーバーラップは、LPS刺激に反応したこれらの細胞に対するPDE1阻害剤の効果が、PDE4阻害剤の効果とは非常に異なることを示している。PDE4阻害剤はしばしば抗炎症性であると考えられているが、この場合における2種類の阻害剤は、ほとんどは、全く異なる遺伝子の発現に影響を与えている。
さらに、BV2細胞におけるPDEの発現レベルを、遺伝子転写物のRNAseq定量化によって決定されるマウス脳ミクログリアのものと比較する。表Aに詳述されているように、PDE1Bは、新たに単離されたマウスミクログリアにおいて2番目に豊富なPDE転写物であり、BV2細胞において最も豊富なPDE転写物である。PDE4B、PDE4A、PDE7AおよびPDE8aの発現も両細胞種でかなりの量(≧0.7FPKM/RPKM)である。BV2細胞においてRNA-Seqによって検出されたいくつかのPDE酵素のうち、PDE1はcAMPとcGMPの両方を加水分解する能力を持つ唯一の酵素である。BV2細胞におけるPDE1BアイソザイムおよびPDE4アイソザイムの相対的存在量は、これらが阻害剤研究に適したモデルであることを潜在的に示している(表A)。
Figure 2022522942000039
実施例4
ミクログリア由来細胞におけるIL1β発現に対する効果
BV2細胞を、(i)LPS(10μg/ml)、(ii)化合物214(10μg/ml)、または(iii)LPSおよび化合物214とインキュベートする。IL1β mRNAの定量的PCRを用いてIL1βのレベルを測定する。IL1βは炎症のマーカーとされている。結果を図2に示す(RQ: 処理サンプルと対照サンプルの遺伝子発現の変化の相対的定量化;*** p<0.01 対対照、√ p<0.01 対LPS単独;ANOVAとニューマン・コイルス事後検定)。したがって、本発明のPDE1阻害剤の投与は、ミクログリア由来細胞におけるIL1β発現のLPS誘発性増加を有意に鈍化させる。
実施例5 - BV2細胞における神経炎症性遺伝子発現に対する効果
10μMでの本発明のPDE1阻害剤(化合物214)の投与は、IL1βに関して実施例4に記載したように、定量的PCRで測定したBV2細胞における炎症性サイトカインIL1β、TNFαおよびCcl2の発現のLPS誘発性増加を有意に減少させる。PDE4阻害剤であるロリプラムは、IL1β発現を増加させる一方で、TNFαおよびCcl2の発現を減少させるという異なるプロファイルを示す。データは、図3aに示されている。
別の実験では、本発明のPDE1阻害剤(化合物214)の投与は、BV2細胞における炎症マーカーのLPS誘発性変化を大幅に減少または鈍化させる(図3b)。BV2細胞は、化合物、ITI-214、またはPDE4阻害剤であるロリプラムで前処理され、次いで、50ng/mlのLPSで4時間刺激される。TNF、IL1β、Ccl2およびIL6の発現レベルを測定する。正規化したmRNAレベルがビヒクルからの変化(ΔΔCt)として示され、一元配置ANOVAを用いて比較される。直線は平均値を示す。* ビヒクルとの有意差、# LPSとの有意差。* p<0.05、**p<0.01、*** p<0.001、**** p<0.0001。50ng/mlのLPSで処理したBV2細胞では、インビボで研究された4種類のサイトカインのうち3種類であるTNF、IL1βおよびCcl2のmRNA転写物が上昇した。ITI-214(10μM)での処理により、TNFおよびCcl2のmRNAシグナルは有意に減少し、IL1β mRNAシグナルは減少傾向にあった。
実施例6 - BV2細胞からのLPS誘発性TNFα放出の阻害
PDE1の阻害は、BV2細胞からのLPS誘発性TNFα遺伝子発現および放出を減少させる。
TNFα放出: TNFαレベルが、BV2馴化培地で測定され、細胞タンパク質レベルに正規化される。BV2細胞からのLPS誘発性TNFα放出の阻害は、図4に示されている。左パネルは、10μMの化合物214および50ng/mlのLPSで処理したBV2細胞を示している(一元配置ANOVA、* p<0.05、ビヒクル n=16、LPS n=31、LPS+214 n=14)。右パネルは、化合物214に反応したLPS誘発性TNFα放出(50ng/mlのLPS刺激)の用量依存的阻害を示している(実験あたりの総LPS反応の阻害%として測定)。
TNFα遺伝子発現: 図5は、培地中で測定されたこの用量依存的TNFα放出減少が、TNFα mRNA発現の減少に対応することを示している。
実施例7 - BV2細胞およびインビボマウス線条体における神経炎症性遺伝子発現に対する効果
ELISAを用いてサイトカイン放出の変化を測定することにより、また、RT-qPCRおよびRNA-Seqを用いて遺伝子発現の変化を測定することにより、LPS刺激BV2細胞における選択的PDE1阻害剤(化合物214)の効果が試験される。(実験A(n=4):(1)ビヒクル;(2)10μMの化合物214;(3)50ng/mlのLPS;(4)50ng/mlのLPS+10μMの化合物214;実験B(n=2):(1)50ng/mlのLPS;(2)50ng/mlのLPS+10μMの化合物214;(3)50ng/mlのLPS+10μMのロリプラム(既知の強力なPDE4阻害剤))。最初に試験化合物を添加し、1時間後にLPSを添加し、実験開始から5時間後に細胞および/または培地を回収した。
PDE1阻害は、BV2細胞におけるLPS誘発性TNFα放出増加を防止する。同様に、PDE1の阻害により、LPS誘発性のTNFα、IL-1βおよびCcl2 mRNA発現増加は、BV2細胞およびマウスの両方において>50%減少する(p<0.01)。休止しているミクログリアおよびLPS活性化ミクログリアに対するPDE1阻害の作用をよりよく理解するために、本発明者らはRNA-Seqを用いて転写調節を調べる。転写物発現がPDE1阻害により有意に変化する遺伝子のサブセットを同定する。遺伝子オントロジーソフトウェア(AmiGO2)を使用すると、これらの遺伝子は、細胞遊走および細胞外漏出経路ならびに炎症経路において有意(p<0.05)に濃縮されていることが分かる。LPSによって誘導された遺伝子のうち、一部分は、PDE1の阻害によって弱められ、そのすべてが炎症経路と有意に関連している(p<0.05)。PDE4阻害はLPS誘導遺伝子の異なる一部分を減衰させ、これは本ターゲットの固有の特性を示している(PDE1阻害と約17%重複)。
細胞: 2%または10%の熱不活性化FBSで増殖させたBV2マウスミクログリア細胞株(ICLC, Italy)。
TNFαELISA: Thermo FisherマウスTNFα比色分析、サンドイッチELISAキット。標準曲線から値を補間する。用量反応は4パラメータのロジスティック曲線に適合する。
RTqPCR: RNeasyKit(Qiagen)を用いて精製したBV2細胞からのRNA、およびTRIzol(Ambion)を用いてマウス組織からのRNA。Thermo FisherからのTaqManプライマー-プローブアッセイ。すべての条件におけるmRNAレベルをGAPDHおよびビヒクル対照(ΔΔCt)に対して正規化する。データは、多重比較のためのボンフェローニ事後検定とともに一元配置ANOVAを用いて統計的に解析される。
本発明者らの結果は、PDE1の阻害が、ミクログリアにおける活性を調節し、炎症性遺伝子の発現を減少させ、中毒性神経炎症を治療するためにPDE1阻害剤を使用する理論的根拠を提供することを示している。
RNASeq: BV2細胞をフラッシュフリーズし、RNAを単離し、ポリA選択を使用してライブラリを調製し、Illumina HiSeq 2500のHigh Outputモード(V4ケミストリーを使用)で1×50bpシングルリードシーケンシングを行う。遺伝子は、CLC Genomics Serverを用いて基準ゲノム(GRCm38)にマッピングされる。サンプルあたりのリード数は平均で約1,700万である。DESeq2ソフトウェア(Bioconductor.org)を用いて、示差遺伝子発現解析が行われる。示差発現遺伝子(p<0.01、ワルド検定)はlog2(倍率変化(fold change))として報告されている。
以下の表は、PDE1阻害剤(化合物214)またはPDE4阻害剤(ロリプラム)の存在下または非存在下でLPS投与を受けたBV2細胞およびマウス線条体の両方における神経炎症性バイオマーカー発現の初期結果の概要を示している。結果は、Q-PCRを用いた試料の評価に基づいている。
Figure 2022522942000040
本発明のPDE1阻害剤の投与は、LPSのみで処理した試料と比較して、バイオマーカー:IL1β、TNF-αおよびCcl2の発現が減少することまたは変化しないことと相関する。興味深いことに、PDE1阻害剤の抗炎症プロファイルは、PDE4阻害剤のそれとは全く異なる。
マウス線条体における炎症性遺伝子発現に対するPDE1阻害の効果を測定するさらに別の実験からのデータを図6に示す。成体マウスを、ビヒクル(白色の棒)、LPS 500μg/kg s.c.(灰色の棒)、または10mg/kg(化合物214)i.p.およびLPS 500μg/kg s.c.(黒色の棒)で2時間処理する(n=4)。線条体組織を、TNF、IL1β、Ccl2およびIL6のmRNAレベルについて分析する。発現レベルは、ビヒクル(ΔΔCt)からのQ-PCRシグナルの変化として示され、ANOVAを用いて比較される。* p<0.05、** p<0.01、*** p<0.001。
本出願人は、定量的PCRを用いて4つの一般的な炎症マーカー(TNF、IL1β、Ccl2およびIL6)のmRNAレベルを測定している(図7)。LPS 500μg/kg s.c.で2時間処理した成体マウスでは、線条体から単離した組織試料で測定されるように、4つのマーカーすべてのmRNA発現レベルが有意に上昇する(図7)。i.p.送達される10mg/kg(化合物214)の用量は、TNFおよびCcl2の発現を減衰させる。この実験では、IL1-βおよびIL6のレベルも同様に低下する傾向にあったが、有意性には達していない。
実施例8 - BV2走化性に対する効果
瀕死のニューロンは、膜の完全性を失い、ATPを放出し、このATPはミクログリアへの走化性シグナルであるADPに迅速に加水分解されて、傷害部位に遊走し、そこで細胞片を貪食する。ミクログリアおよびミクログリア細胞株であるBV2細胞のADP走化性の標的は、Gi/o結合型プリン作動性受容体P2Y12である。このGタンパク質は、典型的には、アデニリルシクラーゼを阻害し、その結果cAMPの形成を阻害するが、このシステムでのADPによるP2RY12の活性化により、cAMPの増加が報告されている。フォルスコリンの添加などによりcAMPレベルがADPによって引き起こされるレベルを超えて増強されると、ADPに対する化学走性が阻害される。このシステムでは、cAMPは、プロテインキナーゼA(PKA)の活性化を介して接着斑関連タンパク質である血管拡張因子刺激リン酸化タンパク質(VASP)をリン酸化し、cAMPの増強またはPP2Aの阻害によるリン酸化の延長が遊走を阻害する。
第1の試験は、BV2細胞の走化性を阻害する化合物214(上記実施例1に示す)の能力を試験するために実施された。100M ADPに対する走化性は、ボイデンチャンバーシステムでビヒクル対照に対して4時間測定された。BV2細胞を5μm孔のボイデンチャンバーの上部チャンバーに加え、下部チャンバーに100μM ADPまたはビヒクルを加え、37℃、5%CO2で4時間インキュベートした。曲線は、次の制約付きで4パラメータの対数方程式に適合した:上部>80%、下部<20%。ITI-214によるPDE1の阻害は、細胞が上部チャンバーから化学誘引物質ADPを含む下部チャンバーに遊走するボイデンチャンバーシステムにおいて、BV2細胞のADP誘発性走化性を実際に阻害することがわかった。図7Aの左パネルに示されるように、対照条件を算出するために、下部チャンバー内の細胞数を表す生の蛍光カウント(相対蛍光単位またはRFU)を用いた。ビヒクル条件は、ADPが存在しない最小遊走を表している。最大遊走は、100μM ADP条件として示された。図7Aの右パネルに示されるように、化合物214は、用量依存的にBV2細胞の100μMのADPへの走化性を低下させた。
本発明者らのシステムにおけるADP誘発性遊走がP2Y12受容体によって媒介されていることを確認するために、図7Bに示されるように2種類のP2Y12阻害剤を用いて遊走の用量依存的阻害をさらに実証した。使用したP2Y12阻害剤は、AR-C66096(白丸、6.9nMのIC50を実証)およびAR-C69931(黒丸、0.4nMのIC50を実証)であり、これらはボイデンチャンバーシステムでADP誘発性遊走を阻害した。測定された効力は、実証されたIC50値と相関している。これらの結果は、遊走反応におけるP2Y12受容体の重要な役割を示している。
さらなる実験では、BV2細胞を化合物214またはIBMXで30分間処理した後、ADPで5分間刺激した。cAMPレベルは細胞数に対して正規化された。ウエスタン上の細胞溶解物を、S157でのリン酸化VASPに対する抗体でブロットし、得られたバンドの強度を測定した(生シグナルとして)。BV2細胞における化合物214によるPDE1阻害は、ELISAで測定したcAMPのADP誘発性上昇、およびウエスタンブロットで測定したセリン157でのP-VASPのADP誘発性上昇を有意に増大した(図8)。PDE1は刺激条件下で重要であるという仮説と一致して、ベースラインではPDE1阻害の効果はなかった。パンPDE阻害剤であるIBMXは、ベースライン条件下でcAMPレベルおよびP-VASPレベルを上昇させたが、これは他のPDEファミリーがホメオスタシスを維持するために重要であることを示唆している。化合物214は、cAMPレベルとVASPのリン酸化を増強することにより、BV2細胞のADP誘発性走化性を防止する。PDE1活性(ITI-214に感受性)は、cAMPと同様に、刺激条件下ではPDE活性全体(IBMXに感受性)の約50%に寄与するがベースラインでは全く寄与しないようである。cAMPの増加の用量依存性を図9に示す。
上記の結果は、P2ラット全脳から単離した初代培養ミクログリアでも再現された(図10)。ミクログリアを、TGFb2、IL34およびコレステロールを含む無血清培地で12日間培養した。細胞は、静止状態のミクログリア様細胞と一致する培養中の特性をを維持しており、Iba1に対して陽性に染色し、分岐形態を維持していた。1μMのITI-214の添加は、BV2細胞と同様に、100μMのADPで5分間処理した後に検出されたVASPリン酸化の増加を有意に増強したが、基底条件下ではほとんど効果がなかった(図10)。ミクログリア細胞におけるこれらのデータの再現は、BV2細胞における知見がミクログリア細胞反応の代表であり得ることを示唆している。
実施例9 - 単独および抗PD-1治療と併せたPDE1治療のマウス結腸直腸癌細胞に対する影響
化合物214の投与が、単独でまたは閾値以下用量のチェックポイント阻害剤と併せて投与された場合に腫瘍サイズに及ぼす影響を調べる試験を行った。マウスにCT26結腸直腸癌細胞を皮下移植した。対照マウスには、150μgのIgG(アイソタイプ)を投与した。残りのマウスには、7日目から週5日の頻度で化合物214 1mgを投与するか;または7日目、11日目、14日目、17日目に抗PD-1(RMP1-14モノクローナル抗体、pH3.5のPBS担体中)150μgを投与するか;または化合物214と抗PD-1の両方を投与した。終末腫瘍体積に対する効果を図11に示す。化合物214を単独でおよび抗PD-1抗体と併せて投与すると、レスポンダー(すなわち、腫瘍体積が500mm3未満のもの)の割合が増加することが示された。
患部組織の分析は、図12に示すように、化合物214が、単独でまたは抗PD1抗体と併せて50mg/kgの濃度で1日1回i.p.投与された場合、腫瘍微小環境におけるマクロファージ(CD45陽性)の数も有意に減少させたことを示した。全体として、化合物214は、腫瘍微小環境において持続的な効果を有しており、腫瘍体積を減少させ、マクロファージ浸潤の減少と一致することが示されている。

Claims (19)

  1. (A) 免疫細胞、例えばマクロファージ(例えば、TAMまたはMAM)またはミクログリアの癌または腫瘍動員、例えばケモカイン媒介動員、例えばCCL2媒介動員;
    (B) 腫瘍または癌転移、例えばTAM関連またはMAM関連転移;
    (C) 腫瘍または癌血管新生、例えばTAM関連またはMAM関連血管新生;
    (D) 腫瘍または癌の、免疫監視の破壊、例えばTAM関連またはMAM関連免疫監視の破壊
    の1つ以上を阻害することによる癌または腫瘍の治療方法であって、該治療を必要とする対象体に、PDE1阻害剤(例えば、式I、Ia、II、III、IV、Vおよび/またはVIで示されるPDE1阻害剤)の薬学的有効量を、場合によってはチェックポイント阻害剤または免疫療法(すなわち、CAR-T療法)と併せてまたはそれにに付随して、投与することを含む、方法。
  2. 状態が腫瘍である、請求項1または2記載の方法。
  3. 腫瘍が、聴神経腫瘍、星細胞腫、脊索腫、リンパ腫(例えば、CNSリンパ腫、ホジキンリンパ腫または非ホジキンリンパ腫)、頭蓋咽頭腫、神経膠腫(例えば、脳幹神経膠腫、上衣腫、混合膠腫、視神経膠腫)、上衣下腫、髄芽腫、髄膜腫、転移性脳腫瘍、乏突起神経膠腫、下垂体腫瘍、原始神経外胚葉性腫瘍(PNET)、シュワン細胞腫、腺腫(例えば、好塩基性腺腫、好酸性腺腫、嫌色素性腺腫、副甲状腺腺腫、膵島腺腫、線維腺腫)、類線維腫(線維性組織球腫)、線維腫、血管腫、脂肪腫(例えば、血管脂肪腫、骨髄脂肪腫、線維脂肪腫、紡錘細胞脂肪腫、褐色脂肪腫、非定型脂肪腫)、粘液腫、骨腫、前白血病、横紋筋腫(rhadomyoma)、乳頭腫、脂漏性角化症、皮膚付属器腫瘍、肝腺腫、腎尿細管腺腫、胆管腺腫、移行細胞乳頭腫、胞状奇胎、神経節神経腫、髄膜腫、神経鞘腫、神経線維腫、C細胞過形成、褐色細胞腫、インスリノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド、ケモデクトーマ、傍神経節腫、母斑、光線角化症、子宮頚部異形成、化生(例えば、肺の化生)、白斑症、血管腫、リンパ管腫、カルシノーマ(例えば、有棘細胞癌、類表皮癌、腺癌、ヘパトーマ、肝細胞癌、腎細胞癌、胆管細胞癌、移行上皮癌、胚性細胞癌(embryonal cell carcinoma)、副甲状腺癌、甲状腺髄様癌、気管支カルチノイド、燕麦細胞癌、膵島細胞癌、悪性カルチノイド、メルケル細胞腫、結腸癌)、肉腫(例えば、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、悪性線維性組織球腫、血管肉腫(hemangiosarcoma)、血管肉腫(angiosarcoma)、リンパ管肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、神経線維肉腫)、芽細胞腫(例えば、髄芽腫および神経膠芽腫、脳腫瘍の類型(types of brain tumor)、網膜芽細胞腫、眼の網膜の腫瘍、骨芽細胞腫、骨腫瘍、神経芽腫)、胚細胞腫瘍、中皮腫、悪性皮膚付属器腫瘍、グラヴィッツ腫瘍(hypernephroma)、精上皮腫、神経膠腫、悪性髄膜腫、悪性シュワン細胞腫、悪性褐色細胞腫、悪性傍神経節腫、黒色腫、メルケル細胞新生物(mercell cell neoplasm)、葉状嚢肉腫(cystosarcoma phylloides)、またはウィルムス腫瘍の1つ以上から選択される、上記請求項のいずれかに記載の方法。
  4. CTLA-4、PD-1および/またはPD-L1の阻害剤の1つ以上から選択されるチェックポイント阻害剤を投与することを含む、上記請求項のいずれかに記載の方法。
  5. ニボルマブ、ペムブロリズマブ、セミプリマブ、イピリムマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、アテゾリズマブおよびスパルタリズマブから選択される1種類以上のメンバーを含むチェックポイント阻害剤を投与することを含む、上記請求項のいずれかに記載の方法。
  6. 対象体が、全身性炎症反応、胃腸炎関連障害、内分泌性炎症関連障害、皮膚科的炎症関連障害、眼科的炎症関連障害、神経学的炎症関連障害、血液学的炎症関連障害、泌尿生殖器炎症関連障害、呼吸器炎症関連障害、筋骨格系炎症関連障害、心炎症関連障害、または定義された全身性炎症関連障害(defined systemic inflammation-related disorder)を患っている、いずれかの上記請求項に記載の方法。
  7. チェックポイント阻害剤療法を施した結果としての疾患、障害または有害作用の予防または軽減の方法であって、この予防または軽減を必要とする対象体に、PDE1阻害剤(すなわち、式I、Ia、II、III、IV、Vおよび/またはVIで示されるPDE1阻害剤)の薬学的に許容される量を投与することを含む、方法。
  8. チェックポイント阻害剤療法が癌または腫瘍の治療のために施される、請求項7記載の方法。
  9. チェックポイント阻害剤がCTLA-4、PD-1および/またはPD-L1の阻害剤であり;例えば、チェックポイント阻害剤が、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、セミプリマブ、イピリムマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、アテゾリズマブおよびスパルタリズマブから選択される1種類以上のメンバーを含む、請求項7または8記載の方法。
  10. チェックポイント阻害剤療法の投与の結果としての疾患、障害または有害作用が、全身性炎症反応、胃腸炎関連障害、内分泌性炎症関連障害、皮膚科的炎症関連障害、眼科的炎症関連障害、神経学的炎症関連障害、血液学的炎症関連障害、泌尿生殖器炎症関連障害、呼吸器炎症関連障害、筋骨格系炎症関連障害、心炎症関連障害、または定義された全身性炎症関連障害(defined systemic inflammation-related disorder)である、請求項7~9のいずれかに記載の方法。
  11. 転移性細胞へのマクロファージ動員またはミクログリア動員を抑制する方法であって、該抑制を必要とする対象体にPDE1阻害剤(すなわち、式I、Ia、II、III、IV、Vおよび/またはVIで示されるPDE1阻害剤)の薬学的に許容される量を投与することを含む、方法。
  12. 転移性細胞へのマクロファージ動員またはミクログリア動員が、少なくとも部分的に、CCL2によって媒介される、請求項11記載の方法。
  13. PDE1阻害剤がチェックポイント阻害剤と併せて投与され、例えば、該チェックポイント阻害剤が、CTLA-4、PD-1および/またはPD-L1の阻害剤であり;例えば、該チェックポイント阻害剤がニボルマブ、ペムブロリズマブ、セミプリマブ、イピリムマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、アテゾリズマブおよびスパルタリズマブから選択される1種類以上のメンバーを含む、請求項11または12記載の方法。
  14. PDE1阻害剤が、
    (A) 遊離形態、塩形態またはプロドラッグ形態(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体およびラセミ体を含む)の、式I:
    Figure 2022522942000041
    [式中、
    (i) R1は、HまたはC1-4アルキル(例えば、メチル)であり;
    (ii) R4は、HまたはC1-4アルキルであり、R2およびR3は、独立して、HまたはC1-4アルキル(例えば、R2およびR3は共にメチルであるか、または、R2はHであり、R3はイソプロピルである)、アリール、ヘテロアリール、(場合によってはヘテロ)アリールアルコキシ、または(場合によってはヘテロ)アリールアルキルであるか;または
    2は、Hであり、R3およびR4は一緒になってジメチレン架橋、トリメチレン架橋またはテトラメチレン架橋を形成し(好ましくは、R3およびR4は一緒になってシス配置を有しており、例えば、R3およびR4を担持している炭素がそれぞれR配置およびS配置を有している);
    (iii) R5は、例えばハロアルキルで置換されている、置換ヘテロアリールアルキルであるか;または
    5は、式Iのピラゾロ部分の窒素の1つに結合しており、式A:
    Figure 2022522942000042
    (式中、X、YおよびZは、独立して、NまたはCであり、R8、R9、R11およびR12は、独立して、Hまたはハロゲン(例えば、ClまたはF)であり、R10は、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、アリール(例えば、フェニル)、ヘテロアリール(例えば、ハロゲンで置換されていてもよいピリジル(例えば、ピリダ-2-イル)、またはチアジアゾリル(例えば、1,2,3-チアジアゾール-4-イル))、ジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、アリールカルボニル(例えば、ベンゾイル)、アルキルスルホニル(例えば、メチルスルホニル)、ヘテロアリールカルボニル、またはアルコキシカルボニルであり;ただし、X、YまたはZが窒素である場合、それぞれ、R8、R9またはR10は存在しない)
    で示される部分であり;
    (iv) R6は、H、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル(例えば、ベンジル)、アリールアミノ(例えば、フェニルアミノ)、ヘテロアリールアミノ、N,N-ジアルキルアミノ、N,N-ジアリールアミノ、またはN-アリール-N-(アリールアルキル)アミノ(例えば、N-フェニル-N-(1,1'-ビフェン-4-イルメチル)アミノ)であり;
    (v) nは0または1であり;
    (vi) nが1である場合、Aは-C(R1314)-である(ここで、R13およびR14は、独立して、HまたはC1-4アルキル、アリール、ヘテロアリール、(場合によってはヘテロ)アリールアルコキシまたは(場合によってはヘテロ)アリールアルキルである];
    (B) 遊離形態、塩形態またはプロドラッグ形態の、式II:
    Figure 2022522942000043
    [式中、
    (i) Xは、C1-6アルキレン(例えば、メチレン、エチレンまたはプロパ-2-イン-1-イレン)であり;
    (ii) Yは、単結合、アルキニレン(例えば、-C≡C-)、アリーレン(例えば、フェニレン)またはヘテロアリーレン(例えば、ピリジレン)であり;
    (iii) Zは、H、アリール(例えば、フェニル)、ヘテロアリール(例えば、ピリジル、例えば、ピリダ-2-イル)、ハロ(例えば、F、Br、Cl)、ハロC1-6アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、-C(O)-R1、-N(R2)(R3)、または、NもしくはOからなる群から選択される少なくとも1個の原子を含有していてもよいC3-7シクロアルキル(例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル、またはモルホリニル)であり;
    (iv) R1は、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、-OHまたは-OC1-6アルキル(例えば、-OCH3)であり;
    (v) R2およびR3は、独立して、HまたはC1-6アルキルであり;
    (vi) R4およびR5は、独立して、H、C1-6アルキル、または、1個以上のハロ(例えば、フルオロフェニル、例えば、4-フルオロフェニル)、ヒドロキシ(例えば、ヒドロキシフェニル、例えば、4-ヒドロキシフェニルまたは2-ヒドロキシフェニル)もしくはC1-6アルコキシで置換されていてもよいアリール(例えば、フェニル)であり;
    (vii) ここで、X、YおよびZは、独立して、1個以上のハロ(例えば、F、ClまたはBr)、C1-6アルキル(例えば、メチル)、ハロC1-6アルキル(例えば、トリフルオロメチル)で置換されていてもよく、例えば、Zは、1個以上のハロ(例えば、6-フルオロピリダ-2-イル、5-フルオロピリダ-2-イル、6-フルオロピリダ-2-イル、3-フルオロピリダ-2-イル、4-フルオロピリダ-2-イル、4,6-ジクロロピリダ-2-イル)、ハロC1-6アルキル(例えば、5-トリフルオロメチルピリダ-2-イル)またはC1-6-アルキル(例えば、5-メチルピリダ-2-イル)で置換されている、ヘテロアリール、例えばピリジルであるか、またはZは、1個以上のハロ(例えば、4-フルオロフェニル)で置換されている、アリール、例えばフェニルである];
    (C) 遊離形態または塩形態の、式III:
    Figure 2022522942000044
    [式中、
    (i) R1は、HまたはC1-4アルキル(例えば、メチルまたはエチル)であり;
    (ii) R2およびR3は、独立して、HまたはC1-6アルキル(例えば、メチルまたはエチル)であり;
    (iii) R4は、HまたはC1-4アルキル(例えば、メチルまたはエチル)であり;
    (iv) R5は、独立して-C(=O)-C1-6アルキル(例えば、-C(=O)-CH3)およびC1-6-ヒドロキシアルキル(例えば、1-ヒドロキシエチル)から選択される1個以上の基で置換されていてもよいアリール(例えば、フェニル)であり;
    (v) R6およびR7は、独立して、H、または、独立してC1-6アルキル(例えば、メチルまたはエチル)およびハロゲン(例えば、FまたはCl)から選択される1個以上の基で置換されていてもよいアリール(例えば、フェニル)、例えば非置換フェニル、または1個以上のハロゲン(例えば、F)で置換されているフェニル、または1個以上のC1-6アルキルおよび1個以上のハロゲンで置換されているフェニル、または1個のC1-6アルキルおよび1個のハロゲンで置換されているフェニル、例えば4-フルオロフェニルまたは3,4-ジフルオロフェニルまたは4-フルオロ-3-メチルフェニルであり;
    (vi)nは、1、2、3または4である];
    (D) 遊離形態または塩形態の、式IV
    Figure 2022522942000045
    [式中、
    (vi) R1は、C1-4アルキル(例えば、メチルまたはエチル)、または-NH(R2)(ここで、R2は、ハロ(例えば、フルオロ)で置換されていてもよいフェニル、例えば、4-フルオロフェニルである)であり;
    (vii) X、YおよびZは、独立して、NまたはCであり;
    (viii) R3、R4およびR5は、独立して、HまたはC1-4アルキル(例えば、メチル)であるか;または、R3はHであり、R4およびR5は一緒になってトリメチレン架橋を形成し(好ましくは、R4およびR5は一緒になってシス配置を有しており、例えば、R4およびR5を担持している炭素はそれぞれR配置およびS配置を有している)、
    (ix) R6、R7およびR8は、独立して、
    H、
    1-4アルキル(例えば、メチル)、
    ヒドロキシで置換されているピリダ-2-イル、または
    -S(O)2-NH2
    であり;
    ただし、X、Yおよび/またはZがNである場合、それぞれ、R6、R7および/またはR8は存在しない;また、X、YおよびZがすべてCである場合、R6、R7またはR8の少なくとも1つは-S(O)2-NH2、またはヒドロキシで置換されているピリダ-2-イルである];
    (E) 遊離形態、薬学的に許容される塩形態またはプロドラッグ形態(そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体およびラセミ体を含む)の、式1a:
    Figure 2022522942000046
    [式中、
    (v) R2およびR5は、独立して、Hまたはヒドロキシであり、R3およびR4は一緒になってトリメチレン架橋またはテトラメチレン架橋を形成する[好ましくは、R3およびR4を担持している炭素はそれぞれR配置およびS配置を有している]か;またはR2およびR3は各々メチルであり、R4およびR5は各々Hであるか;または、R2、R4およびR5はHであり、R3は、イソプロピルであり[好ましくは、R3を担持している炭素はR配置を有している];
    (vi) R6は、(ハロ置換されていてもよい)フェニルアミノ、(ハロ置換されていてもよい)ベンジルアミノ、C1-4アルキル、またはC1-4アルキルスルフィドであり;例えば、フェニルアミノまたは4-フルオロフェニルアミノであり;
    (vii) R10は、C1-4アルキル、メチルカルボニル、ヒドロキシエチル、カルボン酸、スルホンアミド、(ハロ置換またはヒドロキシ置換されていてもよい)フェニル、(ハロ置換またはヒドロキシ置換されていてもよい)ピリジル(例えば、6-フルオロピリダ-2-イル)、またはチアジアゾリル(例えば、1,2,3-チアジアゾール-4-イル)であり;
    XおよびYは、独立して、CまたはNである];
    (F) 遊離形態または塩形態の、式V
    Figure 2022522942000047
    [式中、
    (iv) R1は、-NH(R4)であり、ここで、R4は、ハロ(例えば、フルオロ)で置換されていてもよいフェニル、例えば、4-フルオロフェニルであり;
    (v) R2は、HまたはC1-6アルキル(例えば、メチル、イソブチルまたはネオペンチル)であり;
    (vi) R3は、-SO2NH2または-COOHである];
    および/または
    (G) 遊離形態または塩形態の、式V
    Figure 2022522942000048
    [式中、
    (iv) R1は、-NH(R4)であり、ここで、R4は、ハロ(例えば、フルオロ)で置換されていてもよいフェニル、例えば、4-フルオロフェニルであり;
    (v) R2は、HまたはC1-6アルキル(例えば、メチルまたはエチル)であり;
    (vi) R3は、H、ハロゲン(例えば、ブロモ)、C1-6アルキル(例えば、メチル)、ハロゲンで置換されていてもよいアリール(例えば、4-フルオロフェニル)、ハロゲンで置換されていてもよいヘテロアリール(例えば、6-フルオロピリダ-2-イルまたはピリダ-2-イル)、またはアシル(例えば、アセチル)である]
    から選択される化合物である、上記請求項のいずれかに記載の方法。
  15. PDE1阻害剤が、遊離形態または薬学的に許容される塩形態の、下記:
    Figure 2022522942000049
    のいずれかから選択される、上記請求項のいずれかに記載の方法。
  16. PDE1阻害剤が、遊離形態または薬学的に許容される塩形態、例えば一リン酸塩形態の、
    Figure 2022522942000050
    である、上記請求項のいずれかに記載の方法。
  17. PDE1阻害剤が、遊離形態または薬学的に許容される塩形態の、
    Figure 2022522942000051
    である、上記請求項のいずれかに記載の方法。
  18. いずれかの上記請求項の方法において用いるためのPDE1阻害剤(例えば、式I、Ia、II、III、IV、Vおよび/またはVIで示される化合物)。
  19. 例えば上記請求項のいずれかの方法において用いるための、PDE1阻害剤(例えば、式I、Ia、II、III、IV、Vおよび/またはVIで示される化合物)の薬学的有効量およびチェックポイント阻害剤を含む医薬併用療法。
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