JP2022522819A - 疾患の治療のためのロイシン、アセチルロイシン、及び関連類似体 - Google Patents

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Abstract

本開示は、DL-ロイシンもしくはその医薬として許容し得る塩、L-ロイシンもしくはその医薬として許容し得る塩、D-ロイシンもしくはその医薬として許容し得る塩、L-ロイシンエチルエステルもしくはその医薬として許容し得る塩、アセチル-DL-ロイシンもしくはその医薬として許容し得る塩、アセチル-D-ロイシンもしくはその医薬として許容し得る塩、又はアセチル-L-ロイシンもしくはその医薬として許容し得る塩の治療有効量を投与することにより、それを必要としている患者の疾患、障害、疾病、又は症候群、例えば、外傷性脳損傷を治療する方法を提供する。【選択図】図49

Description

(発明の背景)
(発明の分野)
本開示は、DL-ロイシンもしくはその医薬として許容し得る塩、D-ロイシンもしくはその医薬として許容し得る塩、L-ロイシンもしくはその医薬として許容し得る塩、L-ロイシンエチルエステルもしくはその医薬として許容し得る塩、アセチル-DL-ロイシンもしくはその医薬として許容し得る塩、アセチル-D-ロイシンもしくはその医薬として許容し得る塩、又はアセチル-L-ロイシンもしくはその医薬として許容し得る塩の治療有効量を投与することにより、それを必要としている患者の疾患、障害、疾病、又は症候群、例えば、外傷性脳損傷を治療する方法を提供する。
(背景)
アセチル-DL-ロイシンは、フランスにおいて、急性回転性めまいを治療するために1957年から使用されている。急性片側性迷路切除のラットモデルにおけるFDG-μPET研究(Zwergalらの文献(2016) Brain Struct Funct; 221(1): 159-70)は、前庭-小脳の活性化及び後外側視床の不活化による姿勢補償に対するL-エナンチオマー、N-アセチル-L-ロイシンの著しい効果を示した(Guntherらの文献(2015) PLoS One; 10(3): e0120891)。アセチル-DL-ロイシンを用いた小脳性運動失調症の症状の改善は、小脳患者の症例シリーズで示された(Struppらの文献(2013) J Neurol; 260(10): 2556-61)。別の症例シリーズは、有益性を示さなかった(Pelzらの文献(2015) J Neurol; 262(5): 1373-5)。定量的歩行分析は、アセチル-DL-ロイシンが小脳性運動失調症の患者における一時的な歩行変動性を改善することを示した(Schnieppらの文献(2015) Cerebellum; 3:8)。ニーマン-ピック病C型(NPC)を有する12人の患者が関与する1か月間の研究において、運動失調症の症状の改善が示された(Bremovaらの文献(2015) Neurology; 85(16): 1368-75)。さらに、アセチル-DL-ロイシンを投与された運動失調症の患者におけるPET研究は、応答者における中脳及び下位脳幹における代謝の増加を示した(Becker-Benseらの文献(2015) Abstract EAN)。
WO 2018/029657号及びWO 2018/029658号には、特定の神経変性疾患、例えば、アルツハイマー病(AD)、多発性硬化症(MS)、パーキンソン病(PD)、及び筋萎縮性側索硬化症(ALS)、並びに特定のリソソーム蓄積症(LSD)を治療するためのロイシン及びアセチル-ロイシンの使用が記載されている。WO 2018/029658号において、ニーマン-ピック病C型(NPC)マウスモデルにより、NPC1マウスの脳がLC3-IIの蓄積を示し、かつアセチル-DL-ロイシンの投与がオートファジーフラックスの部分的回復を示すLC3-IIの低下を伴うことが示された。
炎症促進性サイトカイン、例えば、IL-1β及びケモカインの産生によって引き起こされる炎症は、様々な神経変性疾患、神経炎症疾患、ミトコンドリア疾患、及び他の疾患の基礎となるものである。例えば、Chakrabartiらの文献、Curr Alzheimer Res. 15(10):894-904(2018); Cherryらの文献、Journal of Neuroinflammation 11:98(2014); Inacioらの文献、 Journal of Neuroinflammation 12:211(2015); Lappalainenらの文献、Am J Respir Cell Mol Biol 32:311-318(2005); Cocciaらの文献、J. Exp. Med. 209;1595-1609(2012); Rayの文献、Journal of the American College of Cardiology 63:1735-1438(2014); Renらの文献、 Brain Res Rev. 60(1):57-64(2009); Frank-Cannonらの文献、Molecular Neurodegeneration 4:47(2009); DiSabatoらの文献、J Neurochem 139(Suppl 2):136-153(2016); Amorらの文献、Immunology 142:151-166(2013); Chenらの文献、Molecular Medicine Reports 13:3391-3396(2016); Tuttolomondoらの文献、Drug Design, Development and Therapy 8:2221-2239(2014); Hongらの文献、 Int Neurourol J 20 Suppl 1:S2-7(2016); Guらの文献、Journal of Biological Regulators & Homeostatic Agents 29:787-791(2015); Belarbiらの文献、Journal of Neuroinflammation 9:23(2012); Abdulkhaleqらの文献、Veterinary World, EISSN: 2231-0916(www.veterinaryworld.org/Vol.11/May-2018/9.pdfで入手可能); Frankolaらの文献、CNS Neurol Disord Drug Targets 10(3):391-403(2011); Habbasらの文献、Cell 163:1730-1741(2015); Debrayらの文献、Current Opinion in Pediatrics 20:471-482(2008); Niyazovらの文献、Mol Syndromol 7:122-137(2016)を参照されたい。
例えば、外傷性脳損傷(「TBI」)は、重大な罹患率及び死亡率を伴う壊滅的な疾患である。人口増加及び交通事故などの傷害関連事象の増加を考慮すると、TBIの発生率は増加し続ける。自然災害、スポーツ傷害、転倒、暴行、及び軍事衝突などの他の緊急事態もTBIの症例に大きく寄与する。米国だけでも、毎年150万人超の人々がTBIを受けると推定される。TBIは、軽度から中等度、重度まで、重症度が様々に異なり、局所性又は拡散性であり得る。局所性の傷害が特定の場所で起こるのに対し、拡散性の傷害は、潜在的に広範な軸索の機能障害及び血管障害を伴う。
TBIによる脳の傷害は、2つの段階で起こる。最初の第一段階は、頭部外傷事象そのものである。これは、不可逆的であり、損傷の程度を最小限にするための予防的措置のみが適している。その後、継続的な第二段階があり、これは、損傷時に始まり、その後の数日から数週間、数年間継続する。この二次段階は、傷害を受けた組織のホメオスタシスを回復させることを目的とした種々の生理的、細胞的、及び分子的応答を引き起こし、それにより、二次的な脳損傷が引き起こされる可能性がある。
炎症促進性メディエータ発現の調節に応答する疾患を治療するための医薬品に対する必要性が当技術分野に存在する。
(発明の概要)
出願人は、アセチル-L-ロイシンが、マウスでの制御皮質衝撃誘導(CCI)外傷性脳損傷モデルにおいて、炎症促進性メディエータの発現を調節することを見出した。したがって、一態様において、本開示は、1以上の炎症促進性メディエータの調節が利益をもたらす疾患、障害、疾病、又は症候群を治療する方法を開示する。これらの疾患、障害、疾病、又は症候群で真っ先に挙げられるのは、神経炎症性、神経学的、自己免疫性、神経変性タンパク質症性、精神医学的、及びミトコンドリア性の疾患、障害、疾病、又は症候群である。
任意の特定の理論に束縛されることを望むものではないが、ロイシン、アセチル-DL-ロイシン、アセチル-D-ロイシン、及びアセチル-L-ロイシンは、神経炎症性及びその他の疾患、障害、疾病、又は症候群の一因となる分子カスケードに対抗する経路である神経炎症を調節すると考えられている。例えば、TBI患者における二次性脳損傷は、過反応性応答を特徴とすることがあり、この場合、過剰な炎症促進性サイトカインが脳機能の維持及びTBI後の修復において役割を果たす。頭部外傷誘導性脳損傷は、これらのサイトカイン、特に、インターロイキン(IL)-1β、IL-6、及び腫瘍壊死因子(TNF)-αの過剰な及び/又は無制御な放出を誘発する場合があり、これにより、重大な脳傷害がもたらされる可能性がある。炎症促進性サイトカインは、AD、MS、PD、及びALSなどの神経変性疾患の病態生理学において役割を果たすことが報告されており(Wei-Weiらの文献、Mol. Med. Rep. 2016; 13(4):3391-3396)、GM1及びGM2ガングリオジスなどの遺伝的神経変性障害の顕著な特徴であることが確認されている(Jeyakumarらの文献、Brain 2003; 126(Pt 4):974-87)。さらに、リソソーム蓄積症(LSD)における正常なリソソーム機能の破壊は、炎症の異常、例えば、炎症促進性サイトカインの異常上昇と関連付けられている(Simonaroの文献、Journal of Inborn Errors of Metabolism & Screening, Vol. 4: 1-8(2016))。
また、任意の特定の理論に束縛されることを望むものではないが、本開示によれば、DL-ロイシン、L-ロイシン、D-ロイシン、L-ロイシンエチルエステル、アセチル-DL-ロイシン、アセチル-D-ロイシン、及びアセチル-L-ロイシンが、TBIのマーカーであり得る微小管関連タンパク質タウ(これは、オートファジー基質である)及び/又は微小管関連タンパク質1A/1B-軽鎖 3-ホスファチジルエタノールアミンコンジュゲート(LC3-II)を調節するとも考えられる。LC3-IIは、オートファゴソーム形成のマーカーであり、LC3-IIのレベルの増加は、オートファジー空胞のクリアランスの障害を反映し得る。オートファゴソームは、形成されるが、除去されない。オートファジーは、ADで障害されており、AD脳は、LC3-IIのレベルの増加を示す。
一態様において、本開示は、それを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群を治療するか、又はそれを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群の症状を治療する方法であって、本開示の化合物の治療有効量を該対象に投与することを含み、ここで、該疾患、障害、疾病、又は症候群が表1~17(下記を参照)に掲載されている疾患のうちのいずれか1つ又は複数である、方法を提供する。「本開示の化合物」は、DL-ロイシン(「DLL」)、L-ロイシン(「LL」)、D-ロイシン(「DL」)、L-ロイシンエチルエステル(「LLE」もしくは「LEE」)、アセチル-DL-ロイシン(「ADLL」)、アセチル-D-ロイシン(「ADL」)、又はアセチル-L-ロイシン(「ALL」、「NAL」、もしくは「NALL」)、及びこれらの医薬として許容し得る塩を集合的に指す。
別の態様において、本開示は、それを必要としている対象のTBIを治療するか、又はそれを必要としている対象のTBIの症状を治療する方法であって、本開示の化合物の治療有効量を該対象に投与することを含む、方法を提供する。
別の態様において、本開示は、それを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群を治療する際に使用するための、又はそれを必要としている対象の疾患、障害、疾病、又は症候群の症状を治療する際に使用するための本開示の化合物を提供し、ここで、該疾患、障害、疾病、又は症候群は、表1~17(下記を参照)に掲載されている疾患のうちのいずれか1つ又は複数である。
別の態様において、本開示は、それを必要としている対象のTBIを治療する際に使用するための、又はそれを必要としている対象のTBIの症状を治療する際に使用するための本開示の化合物を提供する。
別の態様において、本開示は、それを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群を治療するための医薬の製造のための、又はそれを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群の症状を治療するための医薬の製造のための本開示の化合物の使用を提供し、ここで、該疾患、障害、疾病、又は症候群は、表1~17(下記を参照)に掲載されている疾患のうちのいずれか1つ又は複数である。
別の態様において、本開示は、それを必要としている対象のTBIを治療するための医薬の製造のための、又はそれを必要としている対象のTBIを治療するための医薬の製造のための本開示の化合物の使用を提供する。
別の態様において、本開示は、それを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群を治療するための医薬の製造のための、又はそれを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群の症状を治療するための医薬の製造のための本開示の化合物及び医薬として許容し得る担体を含む医薬組成物を提供し、ここで、該疾患、障害、疾病、又は症候群は、表1~17(下記を参照)に掲載されている疾患のうちのいずれか1つ又は複数である。
別の態様において、本開示は、それを必要としている対象の炎症促進性メディエータ、例えば、炎症促進性サイトカイン及び炎症促進性ケモカインの発現を調節する方法であって、本開示の化合物の治療有効量を該対象に投与することを含む、方法を提供する。別の態様において、炎症促進性メディエータとしては、NOS2、IL-18、IFNb、IL-1β、TNFα、NOX2、NLRP3、SOCS3、ARG1、IL-10、IL-4ra、及び/又はYM1が挙げられるが、これらに限定されない。
前述の概要と以下の詳細な説明は両方とも、例示的かつ説明的であるにすぎず、特許請求された本発明を制限するものではないことが理解されるべきである。
(図面の詳細な説明)
図1は、NAL投与及び皮質衝撃誘導TBIモデルの実験計画を示す略図である。マウスに、NALを経口給餌し、TBIから1、3、及び7日後に、生化学的解析用に皮質組織を回収した。
図2は、TBI後のNAL(N-アセチル-L-ロイシン又はアセチル-L-ロイシン)処置から7日後のマウスの体重変化を示す棒グラフである。
図3は、Y-迷路テストを用いたTBI後のNAL処置から7日後のマウスにおける空間記憶評価を示す棒グラフである。
図4は、CCI後のNAL処置から3日後のマウスにおけるIL-16発現を示す棒グラフである。
図5は、CCI後のNAL処置から3日後のマウスにおけるIL-1β発現を示す棒グラフである。
図6は、CCI後のNAL処置から3日後のマウスにおけるINFb発現を示す棒グラフである。
図7は、CCI後のNAL処置から3日後のマウスにおけるArg1発現を示す棒グラフである。
図8は、CCI後のNAL処置から3日後のマウスにおけるSOCS3発現を示す棒グラフである。
図9は、CCI後のNAL処置から3日後のマウスにおけるTNF発現を示す棒グラフである。
図10は、CCI後のNAL処置から3日後のマウスにおけるIL-18発現を示す棒グラフである。
図11は、CCI後のNAL処置後のオートファジー及び細胞死のウェスタンブロット解析評価である。
図12は、CCI後のNAL処置後のフォドリン/b-アクチンレベルを示す棒グラフである。
図13は、CCI後のNAL処置後のLC3-II/b-アクチンレベルを示す棒グラフである。
図14は、未処置のNPC1小脳と比べた、ADLL、ALL、ADL、DLL、LL、DL、LLE、及びミグルスタット(miglu.)で3週間処置された9~12週齢のマウスNPC1脳の小脳におけるβIII-チューブリンに対するLC3-II発現の比のヒストグラムである(n=4、平均±S.E.M)。
図15は、未処置のNPC1小脳と比べた、ADLL、ALL、ADL、DLL、LL、DL、LLE、及びミグルスタット(miglu.)で3週間処置された9~12週齢のマウスNPC1脳の小脳におけるAPP-CTF:全長APP発現の比のヒストグラムである(n=4、平均±S.E.M)。
図16は、未処置のNPC1小脳と比べた、ADLL、ALL、ADL、DLL、LL、DL、及びLLEで3週間処置された9~12週齢のマウスNPC1脳の小脳におけるAPP-CTF-6:全長APP発現の比のヒストグラムである。
図17は、未処置のNPC1小脳と比べた、ADLL、ALL、ADL、DLL、LL、DL、及びLLEで3週間処置された9~12週齢のマウスNPC1脳の小脳におけるAPP-CTF-7:全長APP発現の比のヒストグラムである(n=4、平均±S.E.M)。
図18は、ADLL、ALL、ADL、DLL、LL、DL、及びLLE(1mM、24時間)の非存在下又は存在下、U18666A(2μg/ml、24時間)で処理されたラット一次皮質ニューロンにおけるβIIIチューブリンに対して標準化されたLC3-IIの比のヒストグラムである(未処理のパーセンテージとして表されている(n=1))。
図19は、ADLL、ALL、ADL、DLL、LL、DL、及びLLE(1mM、24時間)の非存在下又は存在下、U18666A(2μg/ml、24時間)で処理されたラット一次皮質ニューロンにおける未処理細胞でのそのそれぞれのCTFに対して標準化されたAPP-CTF-6及び-7の比のヒストグラムである(未処理のパーセンテージとして表されている(n=1))。
図20は、ADLL、ALL、ADL、DLL、LL、DL、及びLLE(1mM、5日)の非存在下及び存在下のラット一次皮質ニューロン(ニューロン濃縮(NE)及びニューロン-グリア(NG)培養物)におけるタウ(5E2)、シナプトフィジン、及びβIII-チューブリン8つのウェスタンブロットである。
図21は、ADLL、ALL、ADL、DLL、LL、DL、及びLLE(1mM、5日)の非存在下及び存在下のDIV14のNE培培養物におけるβIII-チューブリンに対して標準化された全長タウの比のヒストグラムである。
図22は、ADLL、ALL、ADL、DLL、LL、DL、及びLLE(1mM、5日)の非存在下及び存在下のDIV14のNG培培養物におけるβIII-チューブリンに対して標準化された切断型タウ(クローン5E2)の比のヒストグラムである。
図23は、ADLL、ALL、ADL、DLL、LL、DL、及びLLE(1mM、5日)の非存在下及び存在下のDIV14のNE培培養物におけるβIII-チューブリンに対して標準化されたシナプトフィジンの比のヒストグラムである(未処理対照ライセートのパーセンテージとして表されている; n=4、平均±S.E.M)。
図24は、ADLL、ALL、ADL、DLL、LL、DL、及びLLE(1mM、5日)の非存在下及び存在下のDIV14のNG培培養物におけるβIII-チューブリンに対して標準化されたシナプトフィジンの比のヒストグラムである(未処理対照ライセートのパーセンテージとして表されている; n=4、平均±S.E.M)。
図25は、表示された濃度で7日間、ALLで処理された野生型及びNPC1ヌルチャイニーズハムスター卵巣細胞におけるリソソーム体積を示す棒グラフである(n=4)。
図26は、表示された濃度で7日間、LEEで処理された野生型及びNPC1ヌルチャイニーズハムスター卵巣細胞におけるリソソーム体積を示す棒グラフである(n=4)。
図27は、表示された濃度で7日間、LLで処理された野生型及びNPC1ヌルチャイニーズハムスター卵巣細胞におけるリソソーム体積を示す棒グラフである(n=4)。
図28は、α-フォドリン分解産物を検出するためのNALL又はビヒクルが給餌された疑似及びTBIマウスの皮質組織ライセートのウェスタンブロット解析評価である。
図29は、アクチンに対するα-フォドリンのデンシトメトリー解析を示す棒グラフである。データは、平均±SEMとして提示されている。n=5、**p<0.01(ボンフェローニ事後検定を伴う二元配置ANOVA)。
図30は、TUNELについて染色されたビヒクル又はNALL給餌TBIマウス皮質脳切片の一連の4つの画像である。データは、平均±SEMとして提示されている。ビヒクル給餌TBIマウスについてn=3及びNALL給餌TBIマウスについてn=4。
図31は、TUNELについて染色されたTBIマウス皮質脳切片の面積定量を示す棒グラフである。データは、平均±SEMとして提示されている。ビヒクル給餌TBIマウスについてn=3及びNALL給餌TBIマウスについてn=4。
図32は、TUNELについて染色されたTBIマウス皮質脳切片の細胞定量を示す棒グラフである。データは、平均±SEMとして提示されている。ビヒクル給餌TBIマウスについてn=3及びNALL給餌TBIマウスについてn=4。
図33は、オートファゴソームマーカーLC3及びオートファジーカーゴタンパク質p62/SQSTM1についてのNALL又はビヒクルが給餌された疑似及びTBIマウスの皮質組織ライセートのウェスタンブロット解析評価である。
図34は、アクチンに対するLC3-IIのデンシトメトリー解析を示す棒グラフである。データは、平均±SEMとして提示されている。n=5、*p<0.05(ボンフェローニ事後検定を伴う二元配置ANOVA)。
図35は、アクチンに対するp62のデンシトメトリー解析を示す棒グラフである。データは、平均±SEMとして提示されている。n=5、*p<0.05(ボンフェローニ事後検定を伴う二元配置ANOVA)。
図36は、NALL又はビヒクルが給餌された疑似及びTBIマウスの皮質におけるNOS2の相対的mRNAレベルを示す棒グラフである。データは、平均±SEMとして提示されている。n=5、***p<0.001、*p<0.05(ボンフェローニ事後検定を伴う二元配置ANOVA)。
図37は、NALL又はビヒクルが給餌された疑似及びTBIマウスの皮質におけるNLRP3の相対的mRNAレベルを示す棒グラフである。データは、平均±SEMとして提示されている。n=5、***p<0.001、*p<0.05(ボンフェローニ事後検定を伴う二元配置ANOVA)。
図38は、NALL又はビヒクルが給餌された疑似及びTBIマウスの皮質におけるIL-1βの相対的mRNAレベルを示す棒グラフである。データは、平均±SEMとして提示されている。n=5、***p<0.001、*p<0.05(ボンフェローニ事後検定を伴う二元配置ANOVA)。
図39は、NALL又はビヒクルが給餌された疑似及びTBIマウスの皮質におけるTNF-αの相対的mRNAレベルを示す棒グラフである。データは、平均±SEMとして提示されている。n=5、***p<0.001、*p<0.05(ボンフェローニ事後検定を伴う二元配置ANOVA)。
図40は、NALL又はビヒクルが給餌された疑似及びTBIマウスの皮質におけるIFN-βの相対的mRNAレベルを示す棒グラフである。データは、平均±SEMとして提示されている。n=5、***p<0.001、*p<0.05(ボンフェローニ事後検定を伴う二元配置ANOVA)。
図41は、NALL又はビヒクルが給餌された疑似及びTBIマウスの皮質におけるNOX2の相対的mRNAレベルを示す棒グラフである。データは、平均±SEMとして提示されている。n=5、***p<0.001、*p<0.05(ボンフェローニ事後検定を伴う二元配置ANOVA)。
図42は、NALL又はビヒクルが給餌された疑似及びTBIマウスの皮質におけるSOCS3の相対的mRNAレベルを示す棒グラフである。データは、平均±SEMとして提示されている。n=5、***p<0.001、*p<0.05(ボンフェローニ事後検定を伴う二元配置ANOVA)。
図43は、NALL又はビヒクルが給餌された疑似及びTBIマウスの皮質におけるYM-1の相対的mRNAレベルを示す棒グラフである。データは、平均±SEMとして提示されている。n=5、***p<0.001、*p<0.05(ボンフェローニ事後検定を伴う二元配置ANOVA)。
図44は、NALL又はビヒクルが給餌された疑似及びTBIマウスの皮質におけるIL-4raの相対的mRNAレベルを示す棒グラフである。データは、平均±SEMとして提示されている。n=5、***p<0.001、*p<0.05(ボンフェローニ事後検定を伴う二元配置ANOVA)。
図45は、NALL又はビヒクルが給餌された疑似及びTBIマウスの皮質におけるArg-1の相対的mRNAレベルを示す棒グラフである。データは、平均±SEMとして提示されている。n=5、***p<0.001、*p<0.05(ボンフェローニ事後検定を伴う二元配置ANOVA)。
図46は、未処置Npc1-/-マウス並びにADLL、ALL、及びADLで処置されたNpc1-/-マウスにおける前葉から後葉へと進行する小脳プルキンエ細胞喪失とミクログリア活性化とを示す画像である。小脳をカルビンジン-b(プルキンエ細胞)又はCD68(活性化ミクログリア)で染色した。
図47は、未処置Npc1-/-マウス並びにADLL、ALL、及びADLで処置されたNpc1-/-マウスにおける59日齢でのプルキンエ細胞生存を示す散布図である。
図48は、未処置Npc1-/-マウス並びにADLL、ALL、及びADLで処置されたNpc1-/-マウスにおける59日齢でのCD68陽性活性化ミクログリアの頻度を示す散布図である。CD68細胞密度を小脳で測定した。群当たりn=5匹の動物。平均±SD、***p<0.0009(一元配置ANOVA)。
図49は、NALで処置されたマウスを用いる制御皮質衝撃TBIモデルにおける運動機能(ビームウォーク)結果を示す線グラフである。
図50は、NALで処置されたマウスを用いる制御皮質衝撃TBIモデルにおける空間記憶(Y-迷路)結果を示す棒グラフである。
図51は、NALで処置されたマウスを用いる制御皮質衝撃TBIモデルにおける新規物体認識(NOR)結果を示す棒グラフである。
(発明の詳細な説明)
本明細書で使用される「対象」は、脊椎動物、哺乳動物、又は家畜であることができる。したがって、本開示による組成物は、任意の哺乳動物、例えば、家畜(例えば、ウマ、ウシ、ヒツジ、もしくはブタ)、ペット(例えば、ネコ、イヌ、ウサギ、もしくはモルモット)、実験動物(例えば、マウスもしくはラット)を治療するために使用することができるか、又は他の獣医学的用途で使用することができる。一実施態様において、対象は、ヒトである。「対象」及び「患者」は、互換的に使用されている。
本明細書で使用される場合、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、複数形の指示対象を含む。
「約(approximately)」及び「約(about)」という用語は、測定の性質又は精度を考慮して測定された量に対する許容し得る誤差の程度を含め、基準とされる数又は値とほとんど同じであることを意味する。
本明細書で使用される場合、「約(approximately)」及び「約(about)」という用語は、通常、規定の量、頻度、又は値の±20%を包含することが理解されるべきである。本明細書で与えられる数量は、別途記載されない限り、近似的であり、明示的に記載されない場合に、「約(about)」又は「約(approximately)」という用語を推測することができることを意味する。
本明細書で使用される「投与する」、「投与」、又は「投与すること」という用語は、(1)本開示の化合物を、健康従事者もしくはその委任代理人のいずれかによって、又はその指導の下で提供し、供与し、投与し、及び/又は処方すること、並びに(2)本開示の化合物を、患者又は本人(男性もしくは女性)によって服用し、摂取し、又は消費することを指す。「ロイシン」、「アセチル-DL-ロイシン」、及び「アセチル-L-ロイシン」、又は本開示の任意の他の化合物に対する何らかの言及は、明示的に記載されていない場合であっても、その医薬として許容し得る塩を含む。
別途指示されない限り、「ロイシン」という用語は、L-ロイシンを指す。
本明細書で言及される「医薬として許容し得る塩」は、医薬用途での使用に適している任意の塩調製物である。医薬として許容し得る塩としては、アミン塩、例えば、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、アンモニア、ジエタノールアミン、及び他のヒドロキシアルキルアミン、エチレンジアミン、N-メチルグルカミン、プロカイン、N-ベンジルフェネチルアミ、1-パラ-クロロ-ベンジル-2-ピロリジン-1'-イルメチルベンゾイミダゾール、ジエチルアミン、及び他のアルキルアミン、ピペラジン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンなど;アルカリ金属塩、例えば、リチウム、カリウム、ナトリウムなど;アルカリ土類金属塩、例えば、バリウム、カルシウム、マグネシウムなど;遷移金属塩、例えば、亜鉛、アルミニウムなど;他の金属塩、例えば、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二ナトリウムなど;鉱酸、例えば、塩酸塩、硫酸塩など;並びに有機酸の塩、例えば、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、酪酸塩、吉草酸塩、フマル酸塩などが挙げられるが、これらに限定されない。
本開示の化合物を、当技術分野で公知の教示に従って製剤化し、対象に投与することができる。例えば、DL-ロイシン、L-ロイシン、D-ロイシン、L-ロイシンエチルエステル、アセチル-DL-ロイシン、アセチル-D-ロイシン、又はアセチル-L-ロイシンは、医薬組成物として製剤化することができる。医薬組成物は、DL-ロイシン、L-ロイシン、D-ロイシン、L-ロイシンエチルエステル、アセチル-DL-ロイシン、アセチル-D-ロイシン、又はアセチル-L-ロイシン、及び医薬として許容し得る担体を含むことができる。医薬組成物に対する言及は、活性剤のみ、すなわち、DL-ロイシン、L-ロイシン、D-ロイシン、L-ロイシンエチルエステル、アセチル-DL-ロイシン、アセチル-D-ロイシン、もしくはアセチル-L-ロイシン、又は医薬組成物の形態のものを包含する。
医薬組成物は、特に、それが使用されることになる方法に応じて、いくつかの異なる形態のいずれかを取り得る。したがって、それは、例えば、粉末、錠剤、カプセル、液体、軟膏、クリーム、ゲル、ヒドロゲル、エアロゾル、スプレー、ミセル溶液、経皮パッチ、リポソーム懸濁液の形態、又は治療を必要としているヒト又は動物に投与し得る任意の他の好適な形態のものであってもよい。
本明細書で言及される「医薬として許容し得る担体」は、医薬組成物の製剤化において有用であることが当技術分野で知られている、任意の既知の化合物又は既知の化合物の組合せ、例えば、賦形剤、担体などである。医薬組成物の担体は、それが与えられる対象によって忍容されるものであるべきであることが理解されるであろう。
一実施態様において、医薬として許容し得る担体は、固体であってもよく、組成物は、粉末又は錠剤の形態のものであってもよい。医薬として許容し得る固体の担体としては、香味剤、緩衝剤、滑沢剤、安定化剤、可溶化剤、懸濁化剤、湿潤剤、乳化剤、色素、充填剤、滑剤、圧縮助剤、不活性結合剤、甘味料、防腐剤、色素、コーティング剤、又は錠剤崩壊剤としても作用し得る1以上の物質を挙げることができるが、これらに限定されない。担体はまた、封入材料であってもよい。粉末において、担体は、本発明による微細に分割された活性剤と混合された微細に分割された固体であってもよい。錠剤において、活性剤は、好適な割合で必要な圧縮特性を有する担体と混合され、所望の形態及びサイズで圧縮されていてもよい。粉末及び錠剤は、例えば、最大99%の活性剤を含有し得る。好適な固体担体としては、例えば、リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、デキストリン、デンプン、ゼラチン、セルロース、ポリビニルピロリジン、低融点ワックス、及びイオン交換樹脂が挙げられる。別の実施態様において、医薬として許容し得る担体は、ゲルであってもよく、組成物は、クリームなどの形態のものであってもよい。
担体としては、1以上の賦形剤又は希釈剤を挙げることができるが、これらに限定されない。そのような賦形剤の例は、ゼラチン、アラビアゴム、ラクトース、微結晶性セルロース、デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、リン酸水素カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルカム、コロイド状二酸化ケイ素などである。
別の実施態様において、医薬として許容し得る担体は、液体であってもよい。一実施態様において、医薬組成物は、溶液の形態のものである。液体担体は、溶液、懸濁液、エマルジョン、シロップ、エリキシル、及び加圧組成物を調製する際に使用される。本開示の化合物は、医薬として許容し得る液体担体、例えば、水、有機溶媒、両方の混合物、又は医薬として許容し得る脂もしくは脂に溶解又は懸濁させることができる。液体担体は、他の好適な医薬添加物、例えば、可溶化剤、乳化剤、緩衝剤、防腐剤、甘味料、香味剤、懸濁化剤、増粘剤、着色料、粘度調節剤、安定化剤、又は浸透圧調節剤を含有し得る。経口及び非経口投与用の液体担体の好適な例としては、水(上記のような添加物、例えば、セルロース誘導体を一部含有するもの、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース溶液)、アルコール(一価アルコール及び多価アルコール、例えば、グリコールを含む)並びにその誘導体、並びに油(例えば、ヤシ油及びラッカセイ油)が挙げられる。非経口投与のために、担体はまた、油性エステル、例えば、オレイン酸エチル及びミリスチン酸イソプロピルであってもよい。滅菌液体担体は、非経口投与用の滅菌液体形態組成物において有用である。加圧組成物用の液体担体は、ハロゲン化炭化水素又は他の医薬として許容し得る噴射剤であってもよい。
滅菌溶液又は懸濁液である液体医薬組成物は、例えば、筋肉内、髄腔内、硬膜外、腹腔内、静脈内、及び皮下注射によって利用することができる。活性剤は、滅菌水、生理食塩水、又は他の適切な滅菌注射可能媒体を用いて、投与時に溶解又は懸濁させることができる滅菌固体組成物として調製されてもよい。
組成物は、他の溶質又は懸濁化剤(例えば、溶液を等張にするのに十分な生理食塩水又はグルコース)、胆汁塩、アラビアゴム、ゼラチン、モノオレイン酸ソルビタン、ポリソルベート80(ソルビトールのオレイン酸エステル及びエチレンオキシドと共重合したその無水物)などを含有する滅菌溶液又は懸濁液の形態で経口投与することができる。組成物は、液体又は固体組成物形態のいずれかで経口投与することもできる。経口投与に好適な組成物としては、丸薬、カプセル、顆粒、錠剤、及び粉末などの固体形態、並びに溶液、シロップ、エリキシル、及び懸濁液などの液体形態が挙げられる。非経口投与に有用な形態としては、滅菌溶液、エマルジョン、及び懸濁液が挙げられる。
組成物は、代替的に、吸入(例えば、鼻腔内)によって投与されてもよい。組成物はまた、局所使用のために製剤化されてもよい。例えば、クリーム又は軟膏を皮膚に塗布してもよい。
本開示の化合物は、徐放装置又は遅延放出装置に組み入れることができる。そのような装置は、例えば、皮膚又は皮下に挿入することができ、医薬品は、数週間又は数カ月にもわたって放出させることができる。そのような装置は、本開示に従って使用される本開示の化合物による長期間の治療が必要とされ、それが頻回投与(例えば、少なくとも毎日の投与)を必要とし得る場合に有利であり得る。
一実施態様において、医薬組成物は、錠剤などの固体経口剤形である。錠剤において、活性剤は、好適な割合で必要な圧縮特性を有する医薬として許容し得る担体などのビヒクルと混合され、所望の形態及びサイズで圧縮されていてもよい。錠剤は、最大99重量%の活性剤を含有し得る。
錠剤などの固体経口剤形中の医薬組成物は、調剤学の分野で公知の任意の方法によって調製することができる。医薬組成物は、通常、活性剤を従来の医薬として許容し得る担体と混合することにより調製される。
錠剤は、当技術分野で公知のように製剤化することができる。例えば、Tanganil(登録商標)は、コムギデンプン、アルファ化トウモロコシ(maize)(トウモロコシ(corn))デンプン、炭酸カルシウム、及びステアリン酸マグネシウムを賦形剤として含む。例えば、同じ又は類似の賦形剤を本開示とともに利用することができる。
各々の700mg Tanganil(登録商標)錠剤の組成は、次の通りである: 500mgアセチル-DL-ロイシン、88mgコムギデンプン、88mgアルファ化トウモロコシ(maize)(トウモロコシ(corn))デンプン、13mg炭酸カルシウム、及び11mgステアリン酸マグネシウム。例えば、同じ錠剤を本開示の方法で利用することができる。
上で論じられているように、本開示の化合物は、任意の数の異なる形態を取る医薬組成物として製剤化し、投与することができる。例えば、本開示の化合物は、血液脳関門を横断するその送達を容易にするための医薬組成物として製剤化することができる。さらなる例として、本開示の化合物は、血液脳関門を迂回するための医薬組成物として製剤化することができる。血液脳関門を横断する送達を容易にする又は血液脳関門を迂回する様式での投与に好適である製剤を用いて、本明細書に記載されるロイシン(アセチル化されていないもの)を調製し、投与することができる。
一実施態様において、例えば、アセチル-L-ロイシン又はその塩を含む医薬組成物は、コロイド薬物担体系などのナノ送達用に製剤化される。好適な例としては、リポソーム、ナノ粒子(例えば、ポリマー性の脂質及び無機ナノ粒子)、ナノゲル、デンドリマー、ミセル、ナノエマルジョン、ポリマーソーム、エクソソーム、並びに量子ドットが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、Patelらの文献、「血液脳関門を横断する:脳への薬物送達における最近の進歩(Crossing the Blood-Brain Barrier: Recent Advances in Drug Delivery to the Brain)」、CNS Drugs 31:109-133(2017); Kabanovらの文献、「血液脳関門を横断する薬物送達のための新技術(New Technologies for Drug Delivery across the Blood Brain Barrier)」、Curr Pharm Des., 10(12):1355-1363(2004); Chengらの文献、「インビトロ血液脳関門モデル及びアルツハイマー病Tg2576マウスで試験された高安定化クルクミンナノ粒子(Highly Stabilized Curcumin Nanoparticles Tested in an In Vitro Blood-Brain Barrier Model and in Alzheimer's Disease Tg2576 Mice)」、The AAPS Journal, vol. 15, no. 2, pp. 324-336(2013); Lahdeらの文献、「エアロゾルフローリアクター法を用いた様々な条件下でのL-ロイシンナノ粒子の産生(Production of L-Leucine Nanoparticles under Various Conditions Using an Aerosol Flow Reactor Method)」、Journal of Nanomaterials, vol. 2008, article ID 680897(2008)を参照されたい。
一実施態様において、例えば、アセチル-L-ロイシン又はその塩を含む医薬組成物は、例えば、注射又は注入による、中枢神経系(CNS)への直接送達用に製剤化される。CNSへの直接送達のための製剤及びCNSへの直接送達の方法は、当技術分野で公知である。例えば、米国特許第9,283,181号を参照されたい。そのような投与の例としては、鼻腔内、脳室内、髄腔内、頭蓋内へのもの、及び鼻腔粘膜移植による送達が挙げられるが、これらに限定されない。
一実施態様において、医薬組成物は、鼻腔内送達用に製剤化される(及び鼻腔内送達によって投与される)。例えば、Hansonらの文献、「鼻腔内送達は、血液脳関門を迂回して、治療剤を中枢神経系に標的化し、神経変性疾患を治療する(Intranasal delivery bypasses the blood-brain barrier to target therapeutic agents to the central nervous system and treat neurodegenerative disease)」、BMC Neurosci. 9(Suppl 3):S5(2008)を参照されたい。一実施態様において、医薬組成物は、鼻腔粘膜移植用に製剤化される(及び鼻腔粘膜移植によって投与される)。一実施態様において、医薬組成物は、脳室内注射又は注入用に製剤化される(及び脳室内注射又は注入によって投与される)。別の実施態様において、医薬組成物は、髄腔内嚢内注射又は注入用に製剤化される(及び髄腔内嚢内注射又は注入によって投与される)。一実施態様において、医薬組成物は、髄腔内腰部注射又は注入用に製剤化される(及び髄腔内腰部注射又は注入によって投与される)。
限定するものではないが、当技術分野で公知の穿頭孔穿刺又は大槽穿刺又は腰椎穿刺などによる注射を含む、様々な技法を使用することができる。内部のもの(例えば、埋め込まれたもの)であれ、外部のものであれ、例えば、ポンプ、カテーテル、リザーバなどの、様々な装置を当技術分野で公知の送達のために使用することができる。一実施態様において、投与間隔は、2週間に1回である。
一実施態様において、投与間隔は、1カ月に1回である。一実施態様において、投与間隔は、2カ月に1回である。一実施態様において、投与間隔は、1カ月に2回である。一実施態様において、投与間隔は、1週間に1回である。一実施態様において、投与間隔は、1週間に2回又は数回である。一実施態様において、投与間隔は、毎日である。一実施態様において、投与は、連続的、例えば、連続注入である。
一実施態様において、本開示の化合物と同等の用量又は量は、CNSへのその直接的な送達又は血液脳関門を横断するその送達のいずれかを説明するように調整することができる。
本開示は、それを必要としている対象の様々な疾患、障害、疾病、及び症候群を治療するための、その医薬組成物を含む、本開示の化合物を記載している。
本明細書で使用される場合、「外傷性脳損傷」は、少なくとも1つの頭部外傷事象(すなわち、脳に侵入する物体及び/又は脳を急速にかつ/もしくは不自然に対象の頭蓋骨内に動かす脳への負荷もしくは力)からなる初期段階並びに頭部外傷に起因する生理的、細胞性、及び/又は分子的障害を含むその後の第二段階を有する脳の任意の損傷を指す。頭部外傷の例としては、例えば、頭蓋骨を貫通する物体、例えば、銃弾、矢、及び頭蓋骨を通過し、脳に侵入する他の物理的対象;頭部又は患者の身体の他の部分に加えられる衝撃負荷又は力;手術誘発性外傷;爆発によって生じた揺れ;爆発でない手段、例えば、スポーツ傷害、自動車事故、建造物の崩壊、及び地震によって生じた揺れが挙げられる。TBIの結果は、様々なタイプのものであってもよく、全ての形態のTBIが本開示の範囲内である。例えば、TBIは、重症度が精神状態又は意識の短い変化から長期間の意識不明又は記憶喪失までの範囲に及び得る。一実施態様において、TBIは、脳振盪によって生じる。一実施態様において、TBIは、挫傷によって生じる。一実施態様において、TBIは、開放性頭部損傷によって生じた。別の実施態様において、TBIは、閉鎖性頭部損傷によって生じた。一実施態様において、TBIは、局所的損傷によって生じた。別の実施態様において、TBIは、びまん性損傷によって生じた。一実施態様において、TBIの形態は、軽度TBIである。別の実施態様において、TBIの形態は、中等度TBIである。別の実施態様において、TBIの形態は、重度TBIである。
本明細書で使用される「それを必要としている対象」は、疾患、障害、疾病、又は症候群、例えば、表1~17のいずれか1つに提供される疾患、障害、疾病、又は症候群を有する任意の対象であり得る。対象は、該疾患、障害、疾病、又は症候群を有すると診断されていても診断されていなくてもよい。例えば、対象は、TBIの診断(臨床的又は非臨床的)をまだ有していなくてもよいが、TBIの1以上の症状を有し得る。対象は、TBIの生化学的な又は他の同様の同定可能なマーカーも有し得る。
本開示の化合物の「治療有効量」は、対象に投与されたとき、本開示について、治療的及び/又は予防的であり得る所望の効果をもたらすのに必要とされる量となる任意の量である。用量は、使用される本開示の特定の化合物;治療されることになっている対象の年齢、体重、及び状態;投与経路;並びに必要とされるレジメンなどの様々なパラメータに従って決定することができる。医師は、任意の特定の対象のための必要とされる投与経路と投薬量とを決定することができる。例えば、日用量は、約10~約225mg/kg体重、約10~約150mg/kg体重、又は約10~約100mg/kg体重であり得る。
本明細書で使用される場合、「治療すること」又は「治療」は、例えば、緩解;寛解; 1以上の症状を予防し、減少させ、阻害し、もしくは消失させること;疾患、障害、疾病、もしくは症候群を患者にとってより忍容可能なものにすること;疾患、障害、疾病、もしくは症候群の悪化を減速させること;又はそれを必要としている対象の身体的もしくは精神的健康を向上させることなどの任意の客観的又は主観的パラメータを含む、対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群、例えば、表1~17のいずれか1つに提供される疾患、障害、疾病、もしくは症候群の予防、停止、もしくは改善、及び/又は対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群、例えば、表1~17のいずれか1つに提供される疾患、障害、疾病、もしくは症候群のいずれか1つもしくは複数の症状の予防、停止、もしくは改善における成功の任意の兆候を指す。
「治療すること」又は「治療」という用語は、例えば、疾患、障害、疾病、又は症候群の阻害、退行、又は均衡状態を誘導することも包含する。例えば、TBIの治療を必要としている患者又は対象の治療は、対象のTBIの症状を軽減すること、臨床応答を誘導すること、TBIの進行を阻害もしくは軽減すること、又はTBIの合併症を阻害もしくは軽減することを含む。
疾患、障害、疾病、又は症候群の損傷又は病的状態を予防し、停止させ、又は改善すること、例えば、疾患、障害、疾病、又は症候群の1以上の症状を予防し、減少させ、阻害し、又は消失させることは、例えば、身体検査、神経学的検査、及び/又は精神鑑定の結果を含む、客観的及び/又は主観的パラメータに基づくことができる。表1~17に掲載されている特定の疾患、例えば、TBIの治療の成功は、例えば、本開示の化合物による治療が開始される前の疾患(例えば、TBIの客観的及び/又は主観的パラメータ)の重症度を、本開示の化合物による治療の開始後の疾患(例えば、TBIの客観的及び/又は主観的パラメータ)の重症度と比較することにより測定又は評価することができる。例えば、TBIの重症度は、スケール、指標、レーティング、又はスコアを用いて評価することができる。一実施態様において、本明細書に記載される治療は、そのような評価を、症状を示す対象に特徴的な値又は程度から症状を示さない対象に特徴的な値又は程度へと改善する。一実施態様において、本明細書に記載される治療は、ベースラインと比較して、そのような評価を改善する。ベースラインは、例えば、疾患、例えば、TBIの任意の治療を開始する前の又は本開示の化合物を用いて疾患の治療を開始する前の対象の状態であってもよい。或いは、ベースラインは、例えば、疾患の治療を開始して一定時間後の対象の状態であってもよい。一実施態様において、本明細書に記載される本開示の化合物による治療は、ベースラインと比較して、対象の評価(例えば、客観的及び/又は主観的パラメータのスケール、指標、レーティング、又はスコア)を少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、又は少なくとも50%改善する。一実施態様において、評価は、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は100%改善される。
例えば、一実施態様において、対象の疾患、例えば、TBIの重症度は、グラスゴー・コーマ・スケール(GCS)によって定量することができる。GCSは、3つの調査領域:眼、言語、及び運動機能の累積スコアである。眼の検査について、患者は、次のように、1から4に格付けされる: 1-いかなる刺激に対しても開眼しない、2-痛みにのみ応答して開眼する、3-呼び掛けに対して開眼する、及び4-自発的に開眼する。言語検査について、患者は、次のように、1から5に格付けされる: 1-音声応答がない、2-理解不明の音声、3-不適当な言葉、4-混乱している、及び5-見当識がある。運動検査について、患者は、次のように、1から6に格付けされる: 1-運動応答がない、2-痛みに対して伸展する、3-痛みに対して異常に屈曲する、4-痛みに対して引き下がる、5-痛みに対して位置を特定する、及び6-命令に従う。GCSスコアは、眼、言語、及び運動応答について受け取られた3つのスコアの合計である。一般に、TBIは、グラスゴー・コーマ・スケールに基づいて、次のように、軽度、中等度、又は重度に分類される:軽度: GCS>13、中等度: GCS 9~12、及び重度: GCS<8。TBI患者の回復のレベルは、グラスゴー・アウトカム・スケール(GOS)によって定量することができる。グラスゴー・アウトカム・スケールは、5-レベルのスコアである: 1-死亡、2-植物状態、3-重度の障害、4-中等度の障害、及び5-良好な回復。GOSは、多くの場合、「好ましい」結果(中等度の障害及び良好な回復)と「好ましくない」結果(死亡、植物状態、及び重度の障害)に分けられる。
疾患、障害、疾病、又は症候群の「症状」は、該疾患、障害、疾病、又は症候群と関連する任意の臨床的又は実験的兆候を含み、対象が感知又は観測することができるものに限定されない。例えば、表1~17に掲載されている特定の疾患、例えば、TBIの症状としては、気絶、錯乱、不安、動揺、失見当識、記憶の喪失、頭痛、立ちくらみ、目眩、かすみ目又は疲れ目、疲労又は倦怠感、睡眠パターンの変化、行動又は気分変動、記憶、集中力、注意力、及び/又は思考上の問題、吐き気又は嘔吐の繰り返し、痙攣又は発作、睡眠から目覚めることができないこと、不明瞭な発語、四肢の衰弱又はしびれ、及び協調運動障害が挙げられるが、これらに限定されない。
一実施態様において、本開示の化合物は、任意に固体経口又は液体経口経路によって、例えば、約500mg~約30gの範囲又は1日当たり約500mg~約15gの範囲、例えば、1日当たり約1.5g~約10gの範囲の用量で投与することができる。本開示の化合物は、例えば、朝及び夜の2回の投与で3~4錠、1日当たり1.5g~2gの用量で成人に処方されるTanganil(登録商標)の用量に従う用量で投与することができる。
単一のエナンチオマー、すなわち、L-ロイシン、アセチル-D-ロイシン、又はアセチル-L-ロイシンが投与される場合、用量を相応に低下させることができる。例えば、アセチル-L-ロイシンのみ又はアセチル-D-ロイシンのみが投与される場合、用量は、1日当たり約250mg~約15gの範囲、1日当たり約250mg~約10gの範囲、又は1日当たり約250mg~約5gの範囲、例えば、1日当たり約0.75g~約5gの範囲であり得る。
一実施態様において、投与される用量は、1日当たり約1g~約30g、1日当たり約1g~約15g、1日当たり約1g~約10g、又は1日当たり約1.5g~約7g、1日当たり15.1g~約30g、1日当たり16g~約30g、1日当たり17g~約30g、1日当たり18g~約30g、1日当たり19g~約30g、又は1日当たり20g~約30gの範囲である。これは、1日当たり約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、又は14g~約15gであり得る。これは、1日当たり約2、3、4、5、6、7、8、又は9g~約10gであり得る。これは、1日当たり15.1、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、25、27、28、又は29g~約30gであり得る。これは、1日当たり約1.5gを超えるが、1日当たり約15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、又は5g未満であり得る。一実施態様において、用量は、1日当たり約4g~約6gの範囲である。一実施態様において、用量は、1日当たり約4g~約5gの範囲である。一実施態様において、用量は、1日当たり約4.5gである。一実施態様において、用量は、1日当たり約5gである。一実施態様において、用量は、1日当たり約1g、1日当たり約2g、1日当たり約3g、1日当たり約4g、1日当たり約5g、1日当たり約6g、1日当たり約7g、1日当たり約8g、1日当たり約9g、1日当たり約10g、1日当たり約11g、1日当たり約12g、1日当たり約13g、1日当たり約14g、又は1日当たり約15gである。別の実施態様において、用量は、1日当たり約16g、1日当たり約17g、1日当たり約18g、1日当たり約19g、又は1日当たり約20gである。別の実施態様において、用量は、1日当たり約21g、1日当たり約22g、1日当たり約23g、1日当たり約24g、1日当たり約25g、1日当たり約26g、1日当たり約27g、1日当たり約28g、1日当たり約29g、又は1日当たり約30gである。一実施態様において、これらの用量は、固体経口剤形、特に、錠剤で投与される。別の実施態様において、これらの用量は、そのラセミ形態にあるときのアセチル-ロイシンのためのものである。エナンチオマー過剰が存在するときのアセチル-ロイシンのための用量は、より低く、例えば、約50%低い。したがって、半分にしたときの上に列挙した用量範囲も本開示によって明示的に包含される。
一実施態様において、全日用量を複数回の投与にまたがって拡大することができる、すなわち、全日用量を達成するために、投与を1日に2回以上行うことができる。例として、本開示の化合物の全日用量を提供するための錠剤の必要量は、2回の投与(例えば、朝及び夜)又は3回の投与(例えば、朝、正午、及び夜)にまたがって分割することができる。各々の用量を、食物と一緒に又は食物なしで、好適に投与することができる。例えば、アセチル-L-ロイシン又はアセチル-DL-ロイシンを、食事前に約1もしくは約2時間、例えば、食事前に少なくとも約20分、少なくとも約30分、少なくとも約40分、もしくは少なくとも約1時間投与してもよく、又は食事後に約1、約2、もしくは約3時間、例えば、食事後に少なくとも約20分、少なくとも約30分、少なくとも約1時間、少なくとも約1.5時間、少なくとも約2時間、もしくは少なくとも約2.5時間待って投与してもよい。例えば、4.5gの全日用量のアセチル-DL-ロイシンを、朝食前、朝食と一緒、又は朝食後の3つのTanganil(登録商標)(又は同等物)錠剤、昼食前、昼食と一緒、又は昼食後の3つのさらなる錠剤、及び夕食前、夕食と一緒、又は夕食後の3つのさらなる錠剤として投与してもよい。
一実施態様において、TBIに関して、本開示による本開示の化合物の投与は、頭部外傷の時又はその周辺(例えば、24時間以内)に開始される。一実施態様において、投与は、頭部外傷から一定期間(例えば、数日、数週間、数カ月、又は数年)後に開始される。一実施態様において、投与は、対象が(臨床的に又は非臨床的に)TBIを有すると診断された後に開始される。一実施態様において、投与は、対象が、グラスゴー・コーマ・スケール(GCS)を用いて、TBIを有すると診断された後に開始される。一実施態様において、対象は、13~15のGCSスコアを有した。別の実施態様において、対象は、9~12のGCSスコアを有した。別の実施態様において、対象は、3~8のGCSスコアを有した。一実施態様において、投与は、頭部外傷の前に(又は1回以上の頭部外傷が既に起こっている場合、後続の頭部外傷の前に)、TBIに苦しむリスクのある対象に開始される。一実施態様において、投与は、対象がTBIの生化学的マーカー又は他の同様の同定可能なマーカーを有することが分かった時、その周辺、又はその後に開始される。一実施態様において、投与は、対象がTBIの1以上の症状を経験した時、その周辺、又はその後に開始される。
表1~17に掲載されている疾患のいずれかの治療持続期間は、例えば、約7日以上、約2週間以上、約3週間以上、約1カ月以上、約6週間以上、約7週間以上、又は約2カ月以上であり得る。一実施態様において、それは、約3カ月以上、約4カ月以上、約5カ月以上、又は約6カ月以上である。治療持続期間は、約1年以上、約2年以上、約4年以上、約5年以上、又は約10年以上であり得る。治療持続期間は、対象の一生涯であり得る。
剤形、投与量、投与スケジュール、及び治療持続期間の任意の及び全ての組合せが本開示によって想定され、包含される。一実施態様において、用量は、1日当たり約4g~約10gであり、約2カ月以上の治療持続期間、1日当たり1、2、又は3回の投与にまたがって服用される。別の実施態様において、用量は、1日当たり4gを超えるが、5gを超えず、約6カ月以上の治療持続期間、1日当たり1、2、又は3回の投与にまたがって服用される。剤形は、固体経口剤形、特に、錠剤であり得る。
本開示の化合物は、対象の疾患、障害、疾病、又は症候群、例えば、表1~17のいずれか1つに提供される疾患、障害、疾病、又は症候群を治療するための単剤療法(例えば、活性剤のみの使用)として使用することができる。或いは、本開示の化合物は、疾患、障害、疾病、もしくは症候群、例えば、表1~17のいずれか1つに提供される疾患、障害、疾病、もしくは症候群を治療するための他の既知の療法の補助として又は該療法と組み合わせて使用することができる。
また開示されるのは、対象の疾患、障害、疾病、又は症候群、例えば、表1~17のいずれか1つに提供される疾患、障害、疾病、又は症候群を治療するためのキットであって、該疾患、障害、疾病、もしくは症候群を診断するか又は該疾患、障害、疾病、もしくは症候群の予後を判定するための手段と本開示の化合物とを含む、キットである。
キットは、緩衝剤又は水性溶液をさらに含むことができる。キットは、本開示の方法に従って本開示の化合物を使用するための指示書をさらに含むことができる。
本明細書に記載されている特徴の全て(任意の添付の特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)、並びに/又はそのように開示されている任意の方法の工程の全ては、そのような特徴及び/又は工程の少なくとも一部が相互排他的である組合せを除いて、上記の態様のいずれかと任意の組合せで組み合わせることができる。
「1以上の炎症促進性メディエータの調節が利益をもたらす疾患、障害、疾病、又は症候群」という語句及び類似の語句は、(i): 1以上の炎症促進性メディエータが、例えば、その疾患、障害、疾病、もしくは症候群の発症、進行、もしくは発現に重要又は必要である疾患、障害、疾病、もしくは症候群、又は;(ii)炎症促進性メディエータの調節に応答することが知られている疾患、障害、疾病、又は症候群を指す。そのような疾患の例としては、神経炎症性疾患、神経学的疾患、自己免疫疾患、神経変性タンパク質性疾患、精神医学的疾患、例えば、鬱病、及びミトコンドリア疾患が挙げられるが、これらに限定されない。炎症促進性メディエータは、当技術分野で周知である。例えば、「本当に必須の医科免疫学(Really Essential Medical Immunology)」、第2版、Rabson、Roitt、Delves(Blackwell、2005)を参照されたい。例示的な非限定的炎症促進性メディエータとしては、サイトカイン、例えば、インターロイキン(IL)-1β、IL-8、腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)、IL-6、及びIL-12、ケモカイン、並びに成長因子が挙げられる。
一実施態様において、本開示は、それを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群を治療するか、又はそれを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群の症状を治療する方法であって、本開示の化合物の治療有効量を該対象に投与することを含み、ここで、該疾患、障害、疾病、又は症候群が、表1に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、方法を提供する。
表1
Figure 2022522819000002
Figure 2022522819000003
Figure 2022522819000004
Figure 2022522819000005
Figure 2022522819000006
別の実施態様において、本開示は、それを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群を治療するか、又はそれを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群の症状を治療する方法であって、本開示の化合物の治療有効量を該対象に投与することを含み、ここで、該疾患、障害、疾病、又は症候群が、表2に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、方法を提供する。
表2
Figure 2022522819000007
Figure 2022522819000008
一実施態様において、本開示は、それを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群を治療するか、又はそれを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群の症状を治療する方法であって、本開示の化合物の治療有効量を該対象に投与することを含み、ここで、該疾患、障害、疾病、又は症候群が、表3に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、方法を提供する。
表3
Figure 2022522819000009
Figure 2022522819000010
Figure 2022522819000011
別の実施態様において、本開示は、それを必要としている対象の神経炎症性疾患、障害、疾病、もしくは症候群を治療するか、又はそれを必要としている対象の神経炎症性疾患、障害、疾病、もしくは症候群の症状を治療する方法であって、本開示の化合物の治療有効量を該対象に投与することを含む、方法を提供する。
別の実施態様において、本開示は、それを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群を治療するか、又はそれを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群の症状を治療する方法であって、本開示の化合物の治療有効量を該対象に投与することを含み、ここで、該疾患、障害、疾病、又は症候群が、表4に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、方法を提供する。
表4
Figure 2022522819000012
Figure 2022522819000013
Figure 2022522819000014
別の実施態様において、本開示は、それを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群を治療するか、又はそれを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群の症状を治療する方法であって、本開示の化合物の治療有効量を該対象に投与することを含み、ここで、該疾患、障害、疾病、又は症候群が、表5に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、方法を提供する。別の実施態様において、本開示は、外傷性脳損傷を治療する方法を提供する。
表5
Figure 2022522819000015
Figure 2022522819000016
別の実施態様において、本開示は、それを必要としている対象の神経学的疾患、障害、疾病、もしくは症候群を治療するか、又はそれを必要としている対象の神経学的疾患、障害、疾病、もしくは症候群の症状を治療する方法であって、本開示の化合物の治療有効量を該対象に投与することを含む、方法を提供する。
別の実施態様において、本開示は、それを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群を治療するか、又はそれを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群の症状を治療する方法であって、本開示の化合物の治療有効量を該対象に投与することを含み、ここで、該疾患、障害、疾病、又は症候群が、表6に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、方法を提供する。
表6
Figure 2022522819000017
Figure 2022522819000018
Figure 2022522819000019
Figure 2022522819000020
別の実施態様において、本開示は、それを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群を治療するか、又はそれを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群の症状を治療する方法であって、本開示の化合物の治療有効量を該対象に投与することを含み、ここで、該疾患、障害、疾病、又は症候群が、表7に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、方法を提供する。
表7
Figure 2022522819000021
Figure 2022522819000022
Figure 2022522819000023
Figure 2022522819000024
別の実施態様において、本開示は、それを必要としている対象の自己免疫疾患、障害、疾病、もしくは症候群を治療するか、又はそれを必要としている対象の自己免疫疾患、障害、疾病、もしくは症候群の症状を治療する方法であって、本開示の化合物の治療有効量を該対象に投与することを含む、方法を提供する。
別の実施態様において、本開示は、それを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群を治療するか、又はそれを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群の症状を治療する方法であって、本開示の化合物の治療有効量を該対象に投与することを含み、ここで、該疾患、障害、疾病、又は症候群が、表8に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、方法を提供する。
表8
Figure 2022522819000025
別の実施態様において、本開示は、それを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群を治療するか、又はそれを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群の症状を治療する方法であって、本開示の化合物の治療有効量を該対象に投与することを含み、ここで、該疾患、障害、疾病、又は症候群が、表9に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、方法を提供する。
表9
Figure 2022522819000026
別の実施態様において、本開示は、それを必要としている対象の神経変性タンパク質症性疾患、障害、疾病、もしくは症候群を治療するか、又はそれを必要としている対象の神経変性タンパク質症性疾患、障害、疾病、もしくは症候群の症状を治療する方法であって、本開示の化合物の治療有効量を該対象に投与することを含む、方法を提供する。
別の実施態様において、本開示は、それを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群を治療するか、又はそれを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群の症状を治療する方法であって、本開示の化合物の治療有効量を該対象に投与することを含み、ここで、該疾患、障害、疾病、又は症候群が、表10に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、方法を提供する。
表10
Figure 2022522819000027
Figure 2022522819000028
Figure 2022522819000029
別の実施態様において、本開示は、それを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群を治療するか、又はそれを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群の症状を治療する方法であって、本開示の化合物の治療有効量を該対象に投与することを含み、ここで、該疾患、障害、疾病、又は症候群が、表11に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、方法を提供する。
表11
Figure 2022522819000030
Figure 2022522819000031
Figure 2022522819000032
別の実施態様において、本開示は、それを必要としている対象の精神医学的疾患、障害、疾病、もしくは症候群を治療するか、又はそれを必要としている対象の精神医学的疾患、障害、疾病、もしくは症候群の症状を治療する方法であって、本開示の化合物の治療有効量を該対象に投与することを含む、方法を提供する。
別の実施態様において、本開示は、それを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群を治療するか、又はそれを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群の症状を治療する方法であって、本開示の化合物の治療有効量を該対象に投与することを含み、ここで、該疾患、障害、疾病、又は症候群が、表12に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、方法を提供する。
表12
Figure 2022522819000033
別の実施態様において、本開示は、それを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群を治療するか、又はそれを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群の症状を治療する方法であって、本開示の化合物の治療有効量を該対象に投与することを含み、ここで、該疾患、障害、疾病、又は症候群が、表13に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、方法を提供する。
表13
Figure 2022522819000034
別の実施態様において、本開示は、それを必要としている対象のミトコンドリア疾患、障害、疾病、もしくは症候群を治療するか、又はそれを必要としている対象のミトコンドリア疾患、障害、疾病、もしくは症候群の症状を治療する方法であって、本開示の化合物の治療有効量を該対象に投与することを含む、方法を提供する。
別の実施態様において、本開示は、それを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群を治療するか、又はそれを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群の症状を治療する方法であって、本開示の化合物の治療有効量を該対象に投与することを含み、ここで、該疾患、障害、疾病、又は症候群が、表14に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、方法を提供する。
表14
Figure 2022522819000035
別の実施態様において、本開示は、それを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群を治療するか、又はそれを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群の症状を治療する方法であって、本開示の化合物の治療有効量を該対象に投与することを含み、ここで、該疾患、障害、疾病、又は症候群が、表15に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、方法を提供する。
表15
Figure 2022522819000036
別の実施態様において、本開示は、それを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群を治療するか、又はそれを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群の症状を治療する方法であって、本開示の化合物の治療有効量を該対象に投与することを含み、ここで、該疾患、障害、疾病、又は症候群が、表16に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、方法を提供する。
表16
Figure 2022522819000037
別の実施態様において、本開示は、それを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群を治療するか、又はそれを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群の症状を治療する方法であって、本開示の化合物の治療有効量を該対象に投与することを含み、ここで、該疾患、障害、疾病、又は症候群が、表17に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、方法を提供する。
表17
Figure 2022522819000038
別の実施態様において、本開示は、それを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群、例えば、表1~17のいずれか1つに提供される疾患、障害、疾病、もしくは症候群を治療するか、又はそれを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群の症状を治療する方法であって、1日当たりに対象に投与される約1g~約30gの本開示の化合物を投与することを含む、方法を提供する。別の実施態様において、約2g~約15gの本開示の化合物が1日当たりに対象に投与される。別の実施態様において、約3g~約10gの本開示の化合物が1日当たりに対象に投与される。別の実施態様において、約4g~約8gの本開示の化合物が1日当たりに対象に投与される。別の実施態様において、約4g~約5gの本開示の化合物が1日当たりに対象に投与される。別の実施態様において、約15.1g~約30gの本開示の化合物が1日当たりに対象に投与される。別の実施態様において、約5gの本開示の化合物が1日当たりに対象に投与される。
別の実施態様において、本開示は、それを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群、例えば、表1~17のいずれか1つに提供される疾患、障害、疾病、もしくは症候群を治療するか、又はそれを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群の症状を治療する方法であって、対象に投与されるDL-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量を投与することを含む、方法を提供する。別の実施態様において、DL-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量は、疾患、障害、疾病、又は症候群を治療するために対象に投与される。別の実施態様において、DL-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量は、疾患、障害、疾病、又は症候群の症状を治療するために対象に投与される。
別の実施態様において、本開示は、それを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群、例えば、表1~17のいずれか1つに提供される疾患、障害、疾病、もしくは症候群を治療するか、又はそれを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群の症状を治療する方法であって、対象に投与されるL-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量を投与することを含む、方法を提供する。別の実施態様において、L-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量は、疾患、障害、疾病、又は症候群を治療するために対象に投与される。別の実施態様において、L-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量は、疾患、障害、疾病、又は症候群の症状を治療するために対象に投与される。
別の実施態様において、本開示は、それを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群、例えば、表1~17のいずれか1つに提供される疾患、障害、疾病、もしくは症候群を治療するか、又はそれを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群の症状を治療する方法であって、対象に投与されるD-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量を投与することを含む、方法を提供する。別の実施態様において、D-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量は、疾患、障害、疾病、又は症候群を治療するために対象に投与される。別の実施態様において、D-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量は、疾患、障害、疾病、又は症候群の症状を治療するために対象に投与される。
別の実施態様において、本開示は、それを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群、例えば、表1~17のいずれか1つに提供される疾患、障害、疾病、もしくは症候群を治療するか、又はそれを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群の症状を治療する方法であって、対象に投与されるL-ロイシンエチルエステル又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量を投与することを含む、方法を提供する。別の実施態様において、L-ロイシンエチルエステル又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量は、疾患、障害、疾病、又は症候群を治療するために対象に投与される。別の実施態様において、L-ロイシンエチルエステル又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量は、疾患、障害、疾病、又は症候群の症状を治療するために対象に投与される。
別の実施態様において、本開示は、それを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群、例えば、表1~17のいずれか1つに提供される疾患、障害、疾病、もしくは症候群を治療するか、又はそれを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群の症状を治療する方法であって、対象に投与されるアセチル-DL-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量を投与することを含む、方法を提供する。別の実施態様において、アセチル-DL-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量は、疾患、障害、疾病、又は症候群を治療するために対象に投与される。別の実施態様において、アセチル-DL-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量は、疾患、障害、疾病、又は症候群の症状を治療するために対象に投与される。
別の実施態様において、本開示は、それを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群、例えば、表1~17のいずれか1つに提供される疾患、障害、疾病、もしくは症候群を治療するか、又はそれを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群の症状を治療する方法であって、対象に投与されるアセチル-D-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量を投与することを含む、方法を提供する。別の実施態様において、アセチル-D-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量は、疾患、障害、疾病、又は症候群を治療するために対象に投与される。別の実施態様において、アセチル-D-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量は、疾患、障害、疾病、又は症候群の症状を治療するために対象に投与される。
別の実施態様において、本開示は、それを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群、例えば、表1~17のいずれか1つに提供される疾患、障害、疾病、もしくは症候群を治療するか、又はそれを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群の症状を治療する方法であって、対象に投与されるアセチル-L-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量を投与することを含む、方法を提供する。別の実施態様において、アセチル-L-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量は、疾患、障害、疾病、又は症候群を治療するために対象に投与される。別の実施態様において、アセチル-L-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量は、疾患、障害、疾病、又は症候群の症状を治療するために対象に投与される。
別の実施態様において、本開示は、それを必要としている対象における1以上の炎症促進性メディエータ、例えば、炎症促進性サイトカイン及び炎症促進性ケモカインの発現を調節する方法であって、本開示の化合物の治療有効量を該対象に投与することを含む、方法を提供する。別の実施態様において、炎症促進性メディエータは、NOS2、IL-18、IFNb、IL-1β、TNFα、NOX2、NLRP3、SOCS3、ARG1、IL-10、IL-4ra、又はYM1のいずれか1つ又は複数である。
別の実施態様において、本開示の化合物の投与は、それを必要としている対象の神経炎症を軽減又は阻害する。別の実施態様において、軽減又は阻害された神経炎症は、過剰な炎症促進性サイトカインの低下又は阻害を含む。別の実施態様において、神経炎症は、本開示の化合物が投与されていない、疾患、障害、疾病、又は症候群、例えば、表1~17のいずれか1つに提供される疾患、障害、疾病、又は症候群、例えば、TBIに罹患した対象の神経炎症と比較して阻害又は軽減される。
別の実施態様において、本開示の化合物の投与は、TBIの治療を必要としている対象における微小管結合タンパク質タウ及び/又は微小管結合タンパク質1A/1B-軽鎖 3-ホスファチジルエタノールアミンコンジュゲート(LC3-II)のレベルの上昇を調節する。一実施態様において、タウタンパク質及び/又はLC3-IIのレベルの上昇は、本開示の化合物が投与されていない、疾患、障害、疾病、又は症候群、例えば、表1~17のいずれか1つに提供される疾患、障害、疾病、又は症候群、例えば、TBIに罹患した対象におけるタウタンパク質及び/又はLC3-IIのレベルの上昇と比較して調節される。
別の実施態様において、本開示の化合物の投与は、それを必要としている対象の回復を改善するのに有効である。別の実施態様において、回復は、本開示の化合物が投与されていない、疾患、障害、疾病、又は症候群、例えば、表1~17のいずれか1つに提供される疾患、障害、疾病、又は症候群、例えば、TBIに罹患した対象の回復と比較して改善される。
別の実施態様において、回復は、グラスゴー・アウトカム・スケール(GOS)を用いて評価される。一実施態様において、ロイシン、アセチル-ロイシン、もしくは本開示の任意の他の化合物、又はこれらの医薬として許容し得る塩の投与は、GOSに関する「好ましい」結果を有する対象のパーセンテージを、ベースラインと比較して、例えば、ロイシン、アセチル-ロイシン、又はこれらの医薬として許容し得る塩が投与されていないTBIに罹患した対象のパーセンテージと比較して、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも50%、又は少なくとも70%増加させるのに有効である。一実施態様において、対象は、損傷の苦痛から3カ月後に、GOSを用いて評価される。別の実施態様において、対象は、損傷の苦痛から6カ月後に、GOSを用いて評価される。別の実施態様において、対象は、損傷の苦痛から12カ月以上後に、GOSを用いて評価される。
別の実施態様において、本開示の化合物の投与は、それを必要としている対象の認知機能を改善するのに有効である。別の実施態様において、認知機能は、本開示の化合物が投与されていない、疾患、障害、疾病、又は症候群、例えば、表1~17のいずれか1つに提供される疾患、障害、疾病、又は症候群、例えば、TBIに罹患した対象の認知機能と比較して改善される。一実施態様において、認知機能は、記憶である。一実施態様において、記憶は、長期記憶である。別の実施態様において、認知機能は、学習である。別の実施態様において、認知機能は、空間ナビゲーションである。
別の実施態様において、本開示の化合物の投与は、それを必要としている対象の疾患、障害、疾病、又は症候群、例えば、表1~17のいずれか1つに提供される疾患、障害、疾病、又は症候群、例えば、TBIの少なくとも1つの症状を軽減又は阻害する。別の実施態様において、少なくとも1つの症状は、本開示の化合物が投与されていない、疾患、障害、疾病、又は症候群、例えば、表1~17のいずれか1つに提供される疾患、障害、疾病、又は症候群、例えば、TBIに罹患した対象の症状と比較して軽減又は阻害される。別の実施態様において、該疾病は、TBIであり、TBIの少なくとも1つの症状は、錯乱、目眩、失見当識、協調運動障害、記憶喪失、新たな記憶を形成することができないこと、睡眠障害、行動もしくは気分変化、動揺の増大、鬱病、痙攣、及び/又は発作である。
別の実施態様において、本開示の化合物の投与は、疾患、障害、疾病、又は症候群、例えば、表1~17のいずれか1つに提供される疾患、障害、疾病、又は症候群、例えば、TBIの少なくとも1つの症状の重症度を、ベースラインと比較して、例えば、ロイシン、アセチル-ロイシン、又はこれらの医薬として許容し得る塩が投与されていない、疾患、障害、疾病、又は症候群、例えば、表1~17のいずれか1つに提供される疾患、障害、疾病、又は症候群、例えば、TBIに罹患した対象と比較して、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも70%、少なくとも90%、又は100%低下させる。
別の実施態様において、本開示の化合物の投与は、その対象の身体及び/又は精神活動レベルを改善するのに有効である。別の実施態様において、回復は、本開示の化合物が投与されていない、疾患、障害、疾病、又は症候群、例えば、表1~17のいずれか1つに提供される疾患、障害、疾病、又は症候群、例えば、TBIに罹患した対象の回復と比較して改善される。
別の実施態様において、本開示の化合物の投与は、脳炎を治療するのに有効である。別の実施態様において、脳炎は、感染性脳炎である。別の実施態様において、脳炎は、自己免疫脳炎である。脳炎の症状としては、頭痛、軽度のインフルエンザ様の症状(痛み、疲労、軽い発熱)、光に対する過敏症、頸部硬直、眠気又は倦怠感、興奮性の増大、発作、覚醒状態の変化、錯乱、又は幻覚、精力減退、食欲の喪失、不安定歩行、吐き気及び嘔吐、人格変化、並びに会話困難及び/又は発話変化が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施態様において、脳炎の症状は、異常な動作(舞踏病、協調運動障害)、非定型運動症状、例えば、運動失調症もしくは片側不全麻痺、又は発作である。
いくつかの実施態様において、脳炎は、対象における上気道感染、下痢、吐き気、及び嘔吐を引き起こす病気、麻疹、流行性耳下腺炎、風疹、水痘、単純ヘルペスウイルス、西ナイルウイルス、狂犬病、ライム病、結核、梅毒、寄生虫によって引き起こされる感染症、例えば、トキソプラズマ症、又は自己免疫反応によって引き起こされる。したがって、いくつかの実施態様において、本開示は、それを必要としている対象の脳炎を予防する方法であって、本開示の化合物の治療有効量を該対象に投与することを含む、方法を提供し、ここで、該対象は、上気道感染、下痢、吐き気、及び嘔吐を引き起こす病気、麻疹、流行性耳下腺炎、風疹、水痘、単純ヘルペスウイルス、西ナイルウイルス、狂犬病、ライム病、結核、梅毒、寄生虫によって引き起こされる感染症、例えば、トキソプラズマ症、又は自己免疫反応を有する。
別の実施態様において、本開示の化合物の投与は、外傷性脳損傷と関連する睡眠障害、例えば、入眠及び/もしくは安眠の障害、疲労、傾眠、睡眠時無呼吸、ナルコレプシー、並びに/又は眠気、例えば、日中の過剰な眠気を治療するのに有効である。
別の実施態様において、本開示の化合物の投与は、CNSの代謝異常を治療するのに有効である。別の実施態様において、本開示の化合物の投与は、CNSの代謝異常と関連する症状及び/又は疾患を治療するのに有効である。別の実施態様において、代謝異常は、グルコース代謝の不均衡である。別の実施態様において、代謝異常は、小脳におけるグルコース代謝の不均衡である。別の実施態様において、本開示の化合物の投与は、例えば、小脳、CNSにおけるグルコースの代謝を増大させる。
本開示はまた、以下の特定の実施態様を提供する。
実施態様I:それを必要としている対象の外傷性脳損傷(TBI)を治療する方法で使用するための、ロイシン、アセチル-ロイシン、又はこれらの医薬として許容し得る塩。
実施態様II:実施態様Iによる方法であって、対象に、ロイシン、アセチル-ロイシン、又はこれらの医薬として許容し得る塩の治療有効量を投与することを含む、方法で使用するための、ロイシン、アセチル-ロイシン、又はこれらの医薬として許容し得る塩。
実施態様III:ロイシンがDL-ロイシンであるか、又はアセチル-ロイシンがアセチル-DL-ロイシンである、実施態様I及びIIのいずれかによる方法で使用するための、ロイシン、アセチル-ロイシン、又はこれらの医薬として許容し得る塩。
実施態様IV:ロイシン又はアセチル-ロイシンがエナンチオマー過剰のL-エナンチオマー又はD-エナンチオマーを有する、実施態様I及びIIのいずれかによる方法で使用するための、ロイシン、アセチル-ロイシン、又はこれらの医薬として許容し得る塩。
実施態様V:実施態様I~IVのいずれかによる方法であって、アセチル-ロイシンを、それを必要としている対象に、1日当たり約1g~約15g、1日当たり約1g~約10g、1日当たり約1.5g~約7g、1日当たり約4g~約6g、又は1日当たり約4g~約5gの治療有効量で投与することを含む、方法で使用するための、ロイシン、アセチル-ロイシン、又はこれらの医薬として許容し得る塩。
実施態様VI:それを必要としている対象の外傷性脳損傷(TBI)の1以上の症状を阻害又は軽減する方法であって、ロイシン、アセチル-ロイシン、又はこれらの医薬として許容し得る塩の治療有効量を該対象に投与することを含む、方法。
実施態様VII:ロイシンがDL-ロイシンであり、アセチル-ロイシンがアセチル-DL-ロイシンである、実施態様VIによる方法。
実施態様VIII:ロイシン又はアセチル-ロイシンがエナンチオマー過剰のL-エナンチオマー又はD-エナンチオマーを有する、実施態様VIによる方法。
実施態様IX:治療有効量が、1日当たり約1g~約15g、1日当たり約1g~約10g、1日当たり約1.5g~約7g、1日当たり約4g~約6g、又は1日当たり約4g~約5gである、実施態様VI~VIIIのいずれかによる方法。
本開示はまた、以下の特定の実施態様を提供する。
実施態様1.それを必要としている対象の疾患、障害、疾病、又は症候群を治療するための、又はそれを必要としている対象の疾患、障害、疾病、又は症候群の症状を治療するための本開示の化合物であって、該疾患、障害、疾病、又は症候群が、表1に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、化合物。
実施態様2.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表2に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様1の使用のための本開示の化合物。
実施態様3.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表3に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様1の使用のための本開示の化合物。
実施態様4.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表4に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様1の使用のための本開示の化合物。
実施態様5.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表5に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様1の使用のための本開示の化合物。
実施態様6.疾患、障害、疾病、又は症候群が外傷性脳損傷である、実施態様1の使用のための本開示の化合物。
実施態様7.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表6に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様1の使用のための本開示の化合物。
実施態様8.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表7に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様1の使用のための本開示の化合物。
実施態様9.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表8に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様1の使用のための本開示の化合物。
実施態様10.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表9に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様1の使用のための本開示の化合物。
実施態様11.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表10に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様1の使用のための本開示の化合物。
実施態様12.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表11に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様1の使用のための本開示の化合物。
実施態様13.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表12に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様1の使用のための本開示の化合物。
実施態様14.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表13に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様1の使用のための本開示の化合物。
実施態様15.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表14に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様1の使用のための本開示の化合物。
実施態様16.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表15に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様1の使用のための本開示の化合物。
実施態様17.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表16に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様1の使用のための本開示の化合物。
実施態様18.約1g~約30gの本開示の化合物が1日当たりに対象に投与される、実施態様1~17のいずれか1つによる使用のための本開示の化合物。
実施態様19.約2g~約15gの本開示の化合物が1日当たりに対象に投与される、実施態様18の使用のための本開示の化合物。
実施態様20.約3g~約10gの本開示の化合物が1日当たりに対象に投与される、実施態様19の使用のための本開示の化合物。
実施態様21.約4g~約8gの本開示の化合物が1日当たりに対象に投与される、実施態様20の使用のための本開示の化合物。
実施態様22.約4g~約5gの本開示の化合物が1日当たりに対象に投与される、実施態様21の使用のための本開示の化合物。
実施態様23.約5gの本開示の化合物が1日当たりに対象に投与される、実施態様22の使用のための本開示の化合物。
実施態様24.ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量が対象に投与される、実施態様1~23のいずれか1つによる使用のための本開示の化合物。
実施態様25.ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量は、疾患、障害、疾病、又は症候群を治療するために対象に投与される、実施態様24の使用のための本開示の化合物。
実施態様26.ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量が、疾患、障害、疾病、又は症候群の症状を治療するために対象に投与される、実施態様24の使用のための本開示の化合物。
実施態様27.アセチル-DL-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量が対象に投与される、実施態様1~23のいずれか1つによる使用のための本開示の化合物。
実施態様28.アセチル-DL-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量は、疾患、障害、疾病、又は症候群を治療するために対象に投与される、実施態様27の使用のための本開示の化合物。
実施態様29.アセチル-DL-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量が、疾患、障害、疾病、又は症候群の症状を治療するために対象に投与される、実施態様27の使用のための本開示の化合物。
実施態様30.アセチル-L-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量が対象に投与される、実施態様1~23のいずれか1つによる使用のための本開示の化合物。
実施態様31.アセチル-L-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量は、疾患、障害、疾病、又は症候群を治療するために対象に投与される、実施態様30の使用のための本開示の化合物。
実施態様32.アセチル-L-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量が、疾患、障害、疾病、又は症候群の症状を治療するために対象に投与される、実施態様30の使用のための本開示の化合物。
実施態様32A.アセチル-D-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量が、対象に投与される、 実施態様1~23のいずれか1つによる使用のための本開示の化合物。
実施態様32B. アセチル-D-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量は、疾患、障害、疾病、又は症候群を治療するために対象に投与される、実施態様32Aの使用のための本開示の化合物。
実施態様32C.アセチル-D-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量が、疾患、障害、疾病、又は症候群の症状を治療するために対象に投与される、実施態様32Aの使用のための本開示の化合物。
実施態様33.それを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群を治療するための医薬の製造のための、又はそれを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群の症状を治療するための医薬の製造のための本開示の化合物の使用であって、該疾患、障害、疾病、又は症候群が、表1に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、使用。
実施態様34.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表2に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様33の使用。
実施態様35.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表3に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様33の使用。
実施態様36.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表4に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様33の使用。
実施態様37.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表5に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様33の使用。
実施態様38.疾患、障害、疾病、又は症候群が外傷性脳損傷である、実施態様37の使用。
実施態様39.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表6に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様33の使用。
実施態様40.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表7に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様33の使用。
実施態様41.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表8に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様33の使用。
実施態様42.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表9に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様33の使用。
実施態様43.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表10に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様33の使用。
実施態様44.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表11に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様33の使用。
実施態様45.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表12に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様33の使用。
実施態様46.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表13に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様33の使用。
実施態様47.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表14に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様33の使用。
実施態様48.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表15に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様33の使用。
実施態様49.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表16に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様33の使用。
実施態様50.約1g~約30gの本開示の化合物が1日当たりに対象に投与される、実施態様33~49のいずれか1つの使用。
実施態様51.約2g~約15gの本開示の化合物が1日当たりに対象に投与される、実施態様50の使用。
実施態様52.約3g~約10gの本開示の化合物が1日当たりに対象に投与される、実施態様51の使用。
実施態様53.約4g~約8gの本開示の化合物が1日当たりに対象に投与される、実施態様52の使用。
実施態様54.約4g~約5gの本開示の化合物が1日当たりに対象に投与される、実施態様53の使用。
実施態様55.約5gの本開示の化合物が1日当たりに対象に投与される、実施態様54の使用。
実施態様56.ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量が対象に投与される、実施態様33~55のいずれか1つの使用。
実施態様57.ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量は、疾患、障害、疾病、又は症候群を治療するために前記対象に投与される、実施態様56の使用。
実施態様58.ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量が、疾患、障害、疾病、又は症候群の症状を治療するために前記対象に投与される、実施態様56の使用。
実施態様59.アセチル-DL-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量が対象に投与される、実施態様33~55のいずれか1つの使用。
実施態様60.アセチル-DL-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量は、疾患、障害、疾病、又は症候群を治療するために対象に投与される、実施態様59の使用。
実施態様61.アセチル-DL-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量が、疾患、障害、疾病、又は症候群の症状を治療するために対象に投与される、実施態様59の使用。
実施態様62.アセチル-L-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量が対象に投与される、実施態様33~55のいずれか1つの使用。
実施態様63.アセチル-L-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量は、疾患、障害、疾病、又は症候群を治療するために対象に投与される、実施態様62の使用。
実施態様64.アセチル-L-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量が、疾患、障害、疾病、又は症候群の症状を治療するために対象に投与される、実施態様62の使用。
実施態様64A. アセチル-D-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量が対象に投与される、実施態様33~55のいずれか1つの使用。
実施態様64B.アセチル-D-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量は、疾患、障害、疾病、又は症候群を治療するために対象に投与される、実施態様64Aの使用。
実施態様64C.アセチル-D-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量が、疾患、障害、疾病、又は症候群の症状を治療するために対象に投与される、実施態様64Aの使用。
実施態様65.それを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群を治療する際に使用するための、又はそれを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群の症状を治療する際に使用するための、本開示の化合物及び医薬として許容し得る担体を含む医薬組成物であって、該疾患、障害、疾病、又は症候群が、表1に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、医薬組成物。
実施態様66.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表2に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様65の使用のための医薬組成物。
実施態様67.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表3に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様65の使用のための医薬組成物。
実施態様68.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表4に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様65の使用のための医薬組成物。
実施態様69.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表5に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様65の使用のための医薬組成物。
実施態様70.疾患、障害、疾病、又は症候群が外傷性脳損傷である、実施態様65の使用のための医薬組成物。
実施態様71.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表6に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様65の使用のための医薬組成物。
実施態様72.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表7に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様65の使用のための医薬組成物。
実施態様73.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表8に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様65の使用のための医薬組成物。
実施態様74.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表9に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様65の使用のための医薬組成物。
実施態様75.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表10に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様65の使用のための医薬組成物。
実施態様76.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表11に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様65の使用のための医薬組成物。
実施態様77.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表12に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様65の使用のための医薬組成物。
実施態様78.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表13に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様65の使用のための医薬組成物。
実施態様79.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表14に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様65の使用のための医薬組成物。
実施態様80.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表15に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様65の使用のための医薬組成物。
実施態様81.疾患、障害、疾病、又は症候群が、表16に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、実施態様65の使用のための医薬組成物。
実施態様82.約1g~約30gの本開示の化合物が1日当たりに対象に投与される、実施態様65~81のいずれか1つの使用のための医薬組成物。
実施態様83.約2g~約15gの本開示の化合物が1日当たりに対象に投与される、実施態様82の使用のための医薬組成物。
実施態様84.約3g~約10gの本開示の化合物が1日当たりに対象に投与される、実施態様83の使用のための医薬組成物。
実施態様85.約4g~約8gの本開示の化合物が1日当たりに対象に投与される、実施態様84の使用のための医薬組成物。
実施態様86.約4g~約5gの本開示の化合物が1日当たりに対象に投与される、実施態様85の使用のための医薬組成物。
実施態様87.約5gの本開示の化合物が1日当たりに対象に投与される、実施態様86の使用のための医薬組成物。
実施態様88.ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量が対象に投与される、実施態様65~87のいずれか1つの使用のための医薬組成物。
実施態様89.ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量は、疾患、障害、疾病、又は症候群を治療するために対象に投与される、実施態様88の使用のための医薬組成物。
実施態様90.ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量が、疾患、障害、疾病、又は症候群の症状を治療するために対象に投与される、実施態様88の使用のための医薬組成物。
実施態様91.アセチル-DL-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量が対象に投与される、実施態様65~87のいずれか1つの使用のための医薬組成物。
実施態様92.アセチル-DL-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量は、疾患、障害、疾病、又は症候群を治療するために対象に投与される、実施態様91の使用のための医薬組成物。
実施態様93.アセチル-DL-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量が、疾患、障害、疾病、又は症候群の症状を治療するために対象に投与される、実施態様91の使用のための医薬組成物。
実施態様94.アセチル-L-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量が対象に投与される、実施態様65~87のいずれか1つの使用のための医薬組成物。
実施態様95.アセチル-L-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量は、疾患、障害、疾病、又は症候群を治療するために対象に投与される、実施態様94の使用のための医薬組成物。
実施態様96.アセチル-L-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量が、疾患、障害、疾病、又は症候群の症状を治療するために対象に投与される、実施態様94の使用のための医薬組成物。
実施態様96A.アセチル-D-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量が対象に投与される、 実施態様65~87のいずれか1つの使用のための医薬組成物。
実施態様96B. アセチル-D-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量は、疾患、障害、疾病、又は症候群を治療するために対象に投与される、実施態様96Aの使用のための医薬組成物。
実施態様96C.アセチル-D-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量が、疾患、障害、疾病、又は症候群の症状を治療するために対象に投与される、実施態様96Aの使用のための医薬組成物。
(実施例)
(実施例1)
外傷性脳損傷に罹患している男性患者に、最初の1週間は、1日当たり3gの用量、その後、1日当たり5gの用量でアセチル-DL-ロイシンを投与した。患者の治療専門家及び看護師により、アセチル-DL-ロイシンによる治療の後に、患者がより活発な行動を示すことが報告された。後に、投薬を停止し、患者の活動レベルは、アセチル-DL-ロイシンによる治療の前のそのもとのレベルにまで戻った。
(実施例2)
(TBIのCCIマウスモデルにおけるN-アセチル-L-ロイシンの効力)
(制御皮質衝撃モデル)
制御皮質衝撃(CCI)誘導性TBIを雄C57BL6/Jマウス(20~25g)で実施した。簡潔に述べると、10-mm正中切開を頭蓋骨にわたって行った後、皮膚及び筋膜を巻き取り、4-mm開頭術を、外科麻酔下(2~3%イソフルランを70%N2O及び30%O2を含有する気体混合物中で蒸発させる)、マウスの左頭頂骨の中心側で行った。6m/sの衝撃速度及び2mmの変形深度を有する直径3.5mmの先端のカスタム式マイクロプロセッサ制御及び圧縮空気駆動ニューマチックインパクターにより、中等度損傷を露出した脳で誘導した。
(NAL処置)
N-アセチル-L-ロイシン(「NAL」又は「NALL」)をエタノールに溶解させて、50mg/ml溶液を調製し、その後、これを水に溶解させて、10mg/ml溶液を生じさせた。約0.25mlのNAL溶液(10mg/ml)を、CCI誘導性TBIの後、毎日4日間、強制経口投与により、10mg/kg用量(2.5mg NAL/25gマウス)で、マウスに経口投与した。また、マウスに、ダイエットゲルと混合した0.5mg/kgの粉末食で、損傷後、最大7日間、NALを給餌した。図1を参照されたい。疑似マウスとNALLが給餌されたTBIマウスの間に食餌摂取量の有意な差は観察されなかった(データは示さない)。ビヒクル処置TBIマウスでは、体重のわずかな減少が検出されたが、NALL処置TBIマウスでは、体重の明らかな変化は観察されなかった(データは示さない)。
(TBI後の細胞死)
NALL処置マウス、ビヒクル処置疑似マウス、及びTBIマウスの皮質におけるα-フォドリン切断産物のレベルをウェスタンブロット解析によって決定し、TUNELアッセイを用いて、NALL処置がTBI後に皮質細胞死を減少させるかどうかを評価した。
(ウェスタンブロット解析)
TBIマウス由来の損傷部位周辺の同側皮質の約5mmの組織又は疑似マウス由来の同じ皮質領域周辺の同じ体積の対応する組織を解剖し、処理した。組織ライセートを4-20%SDS-PAGEゲル(Bio-Rad, 5671095)で分解し、セミドライトランスファー(Bio-Rad)を用いて、PVDF膜(Millipore, IPVH00010)に転写し、0.05%tween 20を含むトリス緩衝生理食塩水(TBST)中の5%無脂肪乳でブロッキングし、1%BSAを含むTBST中の一次抗体で、4℃で一晩プロービングし、HRPコンジュゲート二次抗体(KPL、474-1506、474-1806、14-16-06、及び14-13-06)とともに、ブロッキング溶液中、室温で1時間インキュベートした。タンパク質バンドを化学発光キット(Pierce, 34076)を用いて検出し、Chemi-docシステム(Bio-Rad)を用いて可視化した。バンド強度をImage Labソフトウェア(Bio-Rad)を用いて解析し、ローディング対照(β-アクチン)に対して標準化した。一次抗体: LC3(1:1000; Novus, NB100-2220)、p62/SQSTM1(1:1000; BD Bioscience, 610832)、β-アクチン/ACTB(1: 10,000; A1978)、及びフォドリン/スペクトリン(1:5000; Enzo Life Science International, BML-FG6090)。
(TUNELアッセイ)
4%パラホルムアルデヒド(PFA、pH 7.4)で固定されたビヒクル又はNAL給餌疑似及びTBIマウス脳から凍結切片(20μm)を切削し、30%スクロース中で保護した。製造元のプロトコルの通りにApopTagインサイチュアポトーシス検出キット(Millipore, S7165)を用いて、凍結脳切片に対してTUNELアッセイを実施した。蛍光Nikon Ti-E倒立顕微鏡を20X(CFI Plan APO VC 20X NA 0.75WD 1mm)で用いて、TUNELアッセイ後の画像を取得した。
TBIは、それぞれ、145~150kDa及び150~120kDaの断片を生じるα-フォドリンのカルパイン媒介性切断とカスパーゼ媒介性切断の両方を誘導する。TBI後にビヒクルが給餌されたマウスの皮質と比較したときのNALL給餌マウス皮質におけるより低いレベルの145~150kDaのα-フォドリン断片が観察され、皮質細胞死の予防におけるNALLの保護的利益が示された。図28及び29を参照されたい。ビヒクル給餌TBIマウスと比較したときのNALLが給餌された損傷マウスの脳切片におけるより低いレベルのTUNEL陽性細胞も検出され、TBI後の細胞死の軽減におけるNALLの保護的役割が示された。図30、31、及び32を参照されたい。
(TBI後のオートファジーフラックス)
オートファジーは、TBI後のリソソーム傷害によって破壊されるリソソーム依存的細胞分解プロセスである。例えば、Sarkarらの文献、Autophagy 10:2208-2222(2014); Sarkarらの文献、Autophagy, 1-20(2019)を参照されたい。TBIマウスにおけるNALL処置後の細胞死の軽減がオートファジーフラックスの回復によって媒介されるかどうかを評価した。結果は、図11~13及び33~35に示されている。
ビヒクル及びNALが給餌されたナイーブ及びTBIマウスから調製された皮質組織ライセートにおけるLC3-II及びp62/SQSTM1のレベルをウェスタンブロット解析によって決定した。TBIから1日後のビヒクル処置マウスと比較したときのNALL給餌マウスの脳におけるLC3-IIのレベルの減少を検出した。図33及び34を参照されたい。TBI後のビヒクル処置マウスと比較したときのNALLが給餌されたマウスの皮質におけるp62/SQSTM1レベルの減少も観察した。図33及び35を参照されたい。これらの結果は、NALLがオートファジーフラックスを改善し、それにより、TBI後のマウス皮質におけるその神経保護機能を回復させることを示している。
(TBIマウス脳における炎症性サイトカイン)
TBIマウス皮質の病変部周辺領域におけるM1型炎症促進性マーカーNos2、Nlrp3、IL-1β、TNF、IFNβ、及びNox2の発現レベルをリアルタイムrt-PCRによって決定した。皮質組織におけるM2型マーカーSocs3、YM-1、IL4ra、及びArg-1の発現レベルも決定した。結果は、図2~10及び36~45に提示されている。
(リアルタイムPCR)
miRNeasy Miniキット(Qiagen, Cat No. 217004)を用いて同側皮質から単離された全RNAを、製造元の指示の通りにHigh Capacity RNA to cDNAキット(Applied Biosystem, カタログ番号4387406)を用いて、cDNAに変換した。使用した以下のマウス遺伝子: Gapdh(Mm99999915_g1)、NLRP3(Mm00840904_m1)、NOX2(Mm01287743_m1)、iNOS(Mm00440502_m1)、TNFα(Mm00443258_m1)、IFnβ1(Mm00439552_s1)、IL-10(Mm01288386_m1)、IL1b(Mm00434228_m1)、Arg1(Mm00475988_m1)、SOCS3(Mm00545913_s1)、YM-1(Mm00657889_mH)、及びIL-4ra(Mm01275139_m1)(Applied Biosystems)に、20×TaqMan(登録商標) Gene Expression Assay(Applied Biosystems)を用いて、cDNA TaqMan(登録商標) Universal Master Mix II(Applied Biosystems, カタログ番号4440040)を用いて、以前に記載されているように定量的リアルタイムPCR増幅を行った。反応物を増幅させ、7900HT Fast Real-Time PCR System及び対応するソフトウェア(Applied Biosystems)を用いて定量した。比較Ct法を用いて、Gapdhに対して標準化された相対的遺伝子発現を計算した。
全てのM1型炎症促進マーカーのレベルの上昇が観察され、これは、処置にかかわらず、全てのTBIマウス皮質において、損傷後1日目から始まり、3日目でピークに達した。図36~41を参照されたい。しかし、ビヒクル給餌TBIマウス皮質と比較したときのNAL給餌マウスの皮質におけるIFNβ及びNox2のmRNAレベルの減少が観察された。
M1型マーカーと同様、M2型マーカーSocs3、YM-1、IL4ra、及びArg-1の高発現が、疑似動物と比較したとき、全てのTBIマウスの皮質組織で観察された。図42~45を参照されたい。これらのマーカーの中で、NAL処置は、ビヒクル給餌TBIマウスと比較したとき、損傷したマウス皮質におけるArg-1のレベルを低下させた。Socs3、YM-1、及びIL-4raのレベルは、疑似マウスと比較したとき、NAL給餌マウス皮質で変化しないままであった。
これらの結果は、NALがいくつかの炎症マーカーの発現を低下させることを示しており、したがって、マウスにおけるTBI後の神経炎症の全体的な減少を示している。
(統計)
データは全て、平均±平均の標準誤差(SEM)として提示されている。一元配置ANOVA、その後、適切な事後検定(テューキー検定)を、図の説明文に規定されているように実施した。2つの群しか有さないデータについては、等分散の2標本スチューデントt-検定を使用した。≦0.05のp値を統計的に有意であるとみなした。
(実施例3)
(NPCマウスにおけるEALフラックス)
アミロイド-βの沈着及びオートファジー空胞の蓄積は、アルツハイマー病(AD)の病理学的特徴である。アミロイド前駆体タンパク質プロセシングを障害するエンドソーム-オートファジー-リソソーム(EAL)経路の調節不全は、ADの初期変化の1つである。Xu及びRenの文献、Annu Rev Physiol. 77:57-80(2015)。NPCなどのリソソーム蓄積症もまた、異栄養性軸索、異所性樹状突起、神経原線維変化、及びアミロイド凝集などの、ADで見られる特徴を連想させる病理変化を伴うオートファジー機能不全を示す。Bolandらの文献、The Journal of Biological Chemistry 285: 37415-37426(2010)。
NPC1マウスにおけるEALフラックスの障害を軽減する際のADLL、ALL、ADL、DLL、LL、DL、及びLLEの有効性を調べた。アセチルDL-ロイシン(ADLL)及びL-ロイシンのエチルエステル(LLE)は、LC3-IIレベルを低下させることに関して、オートファジーフラックスを回復させるのに有効であった(図14)。しかし、ADLL及びLLEによってもたらされるLC3-IIレベルの低下は、APP-CTF、特に、CTF-6及び-7の同時低下を伴わなかった(図15)。任意の特定の理論に束縛されることを望むものではないが、ADL及びLLEが、おそらくは、活性化mTORC1を通じてオートファゴソーム形成を阻害することにより構築されたオートファジー空胞(AV)を低下させた可能性がある。AV蓄積を低下させるその能力にもかかわらず、それがAPP-CTFのレベルの上昇を低下させることができないことは、ADL及びLLEがリソソーム消化能力そのものを向上させないことを示唆している。驚くことに、L-ロイシンは、NPC1マウスにおけるCTF-6蓄積を低下させた(図16)。また、アセチル L-ロイシン(ALL)、アセチル D-ロイシン(ADL)、及びL-ロイシン(LL)は、CTF-7発現を低下させ、リソソーム性タンパク質分解の若干の向上を示した(図17)。NPC1マウスにおけるCTF-7クリアランスに対するアセチル D-ロイシン、アセチル L-ロイシン、及びD-ロイシンのプラスの効果は、それらが、オートファゴソーム-リソソームクリアランスに影響を及ぼすことなく、エンドソーム-リソソーム融合を促進し得ることを示唆している。
(実施例4)
(一次皮質ニューロンにおけるリソソーム融合)
ニューロンは、細胞体から遠位神経突起に及ぶ、EAL経路に属するオルガネラの不均一な分布を有する。これらは、オートファゴソーム、エンドソーム、及びアンフィソーム(エンドソームがオートファゴソームに融合したもの)を含む。U18666Aは、NPC1タンパク質を阻害し、エンドソーム-リソソーム融合を妨げることにより、細胞におけるNPC1様表現型を誘導する薬物である。U18666A媒介性のオートファゴソーム-リソソーム融合及びエンドソーム-リソソーム融合の無効化は、LC3-II及びAPP-CTF-1~-5の増加を引き起こす一方、CTF-6及び-7の産生を妨げる。Bolandらの文献、The Journal of Biological Chemistry 285: 37415-37426(2010)。
U18666Aによって媒介されるオートファゴソーム-リソソーム融合及びエンドソームリソソーム融合の障害を軽減する際のADLL、ALL、ADL、DLL、LL、DL、及びLLEの有効性を調べた。EALフラックス障害のこの細胞ベースのアッセイにおいて、APP CTF-6及び-7の基本レベルの再出現は、エンドソーム-リソソーム融合の向上の兆候をもたらした。
U18666A(2μg/mL、24時間)で処理されたラット一次皮質ニューロン(DIV14)は、CTF-6及び7が完全に欠如していた(図18)。24時間のU18666A処理は、LC3-II蓄積の増加を引き起こさなかった(図18)。
ニューロンを、ADLL、ALL、ADL、DLL、LL、DL、及びLLE(1mM、24時間)とともに、U18666A(2μg/mL)で同時処理した。これらの細胞における基本量のCTF-6及び-7の再出現から明らかなように、同時処理されたニューロン培養物は全て、エンドソーム-リソソーム融合の向上の兆候を示した(図18)。ADLL、ALL、及びADLは、LC3-IIレベルを基本レベルよりも低く低下させた(図18)。これは、これら3つの化合物が一次皮質ニューロンにおけるオートファゴソーム-リソソーム融合とエンドソーム-リソソーム融合の両方を増強させたことを示唆している。
(実施例5)
(ニューロン-グリア共培養物における切断型のタウ)
ニューロン-グリア(NG)培養物における切断型タウレベルを低下させる際のADLL、ALL、ADL、DLL、LL、DL、及びLLEの有効性を調べた。この試験の結果は、図20~24に提供されている。この試験の1つの目的は、ADLL、ALL、ADL、DLL、LL、DL、及びLLEが、細胞異常増殖の条件下でニューロンの機能を持続させることにより、内因性神経保護を付与するかどうか、又はそれらがグリア細胞の非自律的調節によって間接的に作用するかどうかを決定することであった。これらの化合物がニューロンに対して直接的に作用するか又は間接的に作用するかに関係なく、切断型のタウの生成を妨げることにより、ニューロンの完全性に対する有益な効果が付与される。
培養物を、5日間(DIV 9~14)、1mMのADLL、ALL、ADL、DLL、LL、DL、又はLLEで処理し、その後、ニューロンの健全性に関する読み出しを提供し得るいくつかのニューロン特異的マーカー:βIII-チューブリン、全長タウ、切断型タウ(抗体5E2)、及びシナプトフィジンについて評価した。未処理試料(対照)及び薬物処理試料にまたがって検出された一貫して等しいレベルのシナプトフィジン及びβIII-チューブリンから明らかなように、ADLL、ALL、ADL、DLL、LL、DL、及びLLEは、NE及びNG培養物において良好な忍容性を示した(図20、23、及び24)。ADLL、ALL、ADL、DLL、LL、DL、及びLLEはいずれも、DIV14のNG培養物における切断型タウの基本レベルを低下させなかった(図20及び図22)。これらの知見は、ADLL、ALL、ADL、DLL、LL、DL、及びLLEが、EALネットワークにおける基質蓄積を伴う神経変性状態を治療するのに特に有用であることを示唆している。
(実施例6)
(フローサイトメトリーによって測定されるリソソーム体積)
野生型及びNPC1ヌルチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞をT75培養フラスコ中で増殖させ、抽出前に、N-アセチル-L-ロイシン(ALL)、L-ロイシンエチルエステル塩酸塩(LEE)、又はL-ロイシン(1又は5mM、Sigma-Aldrichから購入)で7日間処理した。細胞をトリプシン処理し、遠心分離し(270×g、5分)、1×PBSで2回洗浄し、再び遠心分離し、PBS中の100nM LysoTracker-green DND-26(Invitrogen)で、室温で20分間染色した。インキュベーション後、細胞を遠心分離し(800×g、5分)、0.5mlのFACSバッファー(1×PBS中の0.1%BSA、0.02M NaN3)に再懸濁させ、フローサイトメトリー解析(BD Biosciences FACSCanto II又はAccuri C6 Plus)用に氷上で保持した。サイトメーターセットアップ及びトラッキングビーズ(BD)を用いて、サイトメーターを較正し、アッセイ前に、BD FACSDivaソフトウェア(BD)又はBD Accuri C6 Plusソフトウェア(BD)を用いて、Lysotracker又はヨウ化プロピジウムで染色された細胞を用いて、補正を行った。実験及び解析を10,000個の記録された細胞に対して行い、さらなる統計解析用の中央値を得た。結果は、図25~27に示されている。
(実施例7)
(プルキンエ細胞生存)
Npc1-/-マウスは、ミクログリア活性化を伴って、前葉から後葉へと進行する小脳プルキンエ細胞喪失を伴う進行性神経変性を示す(図46)。ADLL処理は、未処理のNpc1-/-同腹子と比べて、59日齢でプルキンエ細胞生存を延長させ: 133%多いプルキンエ細胞が小葉I及びIIに存在しており(p=0.0027)、402%多いプルキンエ細胞が小葉IIIに存在していた(p=0.0108)。他の処理は、どの小脳小葉でもプルキンエ細胞生存を向上させなかった(Npc1-/-UTと比較して、Npc1-/-ALL 小葉I~II p=0.107、小葉III p=0.157、小葉IV~V p=0.533; Npc1-/-ADL 小葉I~II p=0.60、小葉III p=0.11、小葉IV-V p=0.766)(図46及び47)。さらに、ALL処理は、CD68陽性活性化ミクログリアの頻度を低下させた(20%、p=0.0177)。他の処理は、影響を及ぼさなかった(Npc1-/-UTと比較して、Npc1-/-ADLLの場合、p=0.1353、Npc1-/-ADLの場合、p=0.0553)(図46及び48)。ADLは、長期の神経保護効果を媒介しなかった。脳におけるニューロンの生存の延長と炎症環境の低下の組合せは、ヒト対象における脳機能、生活の質を向上させ、疾患の進行を遅延させることができた。
(実施例8)
(制御皮質衝撃モデル)
マウスを中等度の制御皮質衝撃TBI又は疑似手術に供した。手術後の初期回復の後に開始され(強制経口投与により、4日間毎日)、実験期間中継続される(食餌に入れて、自由摂取)経口NALで、NALマウスを処置した。ビヒクルマウスには、同等の強制経口投与ビヒクルの投与の後、標準食を与えた。群:疑似+ビヒクル=マウス5匹:疑似+NAL=マウス4匹; TBI+ビヒクル=マウス10匹;及びTBA+NAL=マウス9匹。機能的結果を、ビームウォーク(運動機能)、Y-迷路(空間記憶)、及び新規物体認識(NOR、非空間記憶)評価で、手術後28日まで評価した。結果は、それぞれ、図49、図50、及び図51に提供されている。
前述の実施態様及び例示は、本開示の範囲のいかなる点に関しても限定的であることが意図されないこと、及び本明細書に提示される特許請求は、本明細書に明示的に提示されているかどうかにかかわらず、全ての実施態様及び例示を包含することが理解されるべきである。
本明細書に引用される特許及び刊行物は全て、その全体が引用により完全に本明細書中に組み込まれる。

Claims (38)

  1. それを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群を治療するか、又はそれを必要としている対象の疾患、障害、疾病、もしくは症候群の症状を治療する方法であって、アセチル-DL-ロイシンもしくはその医薬として許容し得る塩、アセチル-D-ロイシンもしくはその医薬として許容し得る塩、アセチル-L-ロイシンもしくはその医薬として許容し得る塩、又はL-ロイシンエチルエステルもしくはその医薬として許容し得る塩の治療有効量を該対象に投与することを含み、ここで、該疾患、障害、疾病、又は症候群が、表1に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、前記方法。
  2. 前記疾患、障害、疾病、又は症候群が、表2に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、請求項1記載の方法。
  3. 前記疾患、障害、疾病、又は症候群が、表3に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、請求項1記載の方法。
  4. 前記疾患、障害、疾病、又は症候群が、表4に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、請求項1記載の方法。
  5. 前記疾患、障害、疾病、又は症候群が、表5に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、請求項1記載の方法。
  6. 前記疾患、障害、疾病、又は症候群が外傷性脳損傷である、請求項5記載の方法。
  7. 前記疾患、障害、疾病、又は症候群が、表6に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、請求項1記載の方法。
  8. 前記疾患、障害、疾病、又は症候群が、表7に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、請求項1記載の方法。
  9. 前記疾患、障害、疾病、又は症候群が、表8に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、請求項1記載の方法。
  10. 前記疾患、障害、疾病、又は症候群が、表9に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、請求項1記載の方法。
  11. 前記疾患、障害、疾病、又は症候群が、表10に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、請求項1記載の方法。
  12. 前記疾患、障害、疾病、又は症候群が、表11に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、請求項1記載の方法。
  13. 前記疾患、障害、疾病、又は症候群が、表12に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、請求項1記載の方法。
  14. 前記疾患、障害、疾病、又は症候群が、表13に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、請求項1記載の方法。
  15. 前記疾患、障害、疾病、又は症候群が、表14に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、請求項1記載の方法。
  16. 前記疾患、障害、疾病、又は症候群が、表15に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、請求項1記載の方法。
  17. 前記疾患、障害、疾病、又は症候群が、表16に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、請求項1記載の方法。
  18. 前記疾患、障害、疾病、又は症候群が、表17に提供される疾患、障害、疾病、又は症候群のうちのいずれか1つ又は複数である、請求項1記載の方法。
  19. 約1g~約30gのアセチル-DL-ロイシンもしくはその医薬として許容し得る塩、アセチル-D-ロイシンもしくはその医薬として許容し得る塩、アセチル-L-ロイシンもしくはその医薬として許容し得る塩、又はL-ロイシンエチルエステルもしくはその医薬として許容し得る塩が1日当たりに前記対象に投与される、請求項1~18のいずれか一項記載の方法。
  20. 約2g~約15gのアセチル-DL-ロイシンもしくはその医薬として許容し得る塩、アセチル-D-ロイシンもしくはその医薬として許容し得る塩、アセチル-L-ロイシンもしくはその医薬として許容し得る塩、又はL-ロイシンエチルエステルもしくはその医薬として許容し得る塩が1日当たりに前記対象に投与される、請求項19記載の方法。
  21. 約3g~約10gのアセチル-DL-ロイシンもしくはその医薬として許容し得る塩、アセチル-D-ロイシンもしくはその医薬として許容し得る塩、アセチル-L-ロイシンもしくはその医薬として許容し得る塩、又はL-ロイシンエチルエステルもしくはその医薬として許容し得る塩が1日当たりに前記対象に投与される、請求項20記載の方法。
  22. 約4g~約8gのアセチル-DL-ロイシンもしくはその医薬として許容し得る塩、アセチル-D-ロイシンもしくはその医薬として許容し得る塩又はアセチル-L-ロイシンもしくはその医薬として許容し得る塩、又はL-ロイシンエチルエステルもしくはその医薬として許容し得る塩が1日当たりに前記対象に投与される、請求項21記載の方法。
  23. 約4g~約5gのアセチル-DL-ロイシンもしくはその医薬として許容し得る塩、アセチル-D-ロイシンもしくはその医薬として許容し得る塩、アセチル-L-ロイシンもしくはその医薬として許容し得る塩、又はL-ロイシンエチルエステルもしくはその医薬として許容し得る塩が1日当たりに前記対象に投与される、請求項22記載の方法。
  24. 約5gのアセチル-DL-ロイシンもしくはその医薬として許容し得る塩、アセチル-D-ロイシンもしくはその医薬として許容し得る塩、アセチル-L-ロイシンもしくはその医薬として許容し得る塩、又はL-ロイシンエチルエステルもしくはその医薬として許容し得る塩が1日当たりに前記対象に投与される、請求項23記載の方法。
  25. L-ロイシンエチルエステル又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量が前記対象に投与される、請求項1~24のいずれか一項記載の方法。
  26. L-ロイシンエチルエステル又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量が、前記疾患、障害、疾病、又は症候群を治療するために前記対象に投与される、請求項25記載の方法。
  27. L-ロイシンエチルエステル又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量が、前記疾患、障害、疾病、又は症候群の症状を治療するために前記対象に投与される、請求項25記載の方法。
  28. アセチル-DL-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量が前記対象に投与される、請求項1~24のいずれか一項記載の方法。
  29. アセチル-DL-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量が、前記疾患、障害、疾病、又は症候群を治療するために前記対象に投与される、請求項28記載の方法。
  30. アセチル-DL-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量が、前記疾患、障害、疾病、又は症候群を治療するために前記対象に投与される、請求項28記載の方法。
  31. アセチル-L-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量が前記対象に投与される、請求項1~24のいずれか一項記載の方法。
  32. アセチル-L-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量が、前記疾患、障害、疾病、又は症候群を治療するために前記対象に投与される、請求項31記載の方法。
  33. アセチル-L-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量が、前記疾患、障害、疾病、又は症候群の症状を治療するために前記対象に投与される、請求項31記載の方法。
  34. アセチル-D-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量が前記対象に投与される、請求項1~24のいずれか一項記載の方法。
  35. アセチル-D-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量が、前記疾患、障害、疾病、又は症候群を治療するために前記対象に投与される、請求項34記載の方法。
  36. アセチル-D-ロイシン又はその医薬として許容し得る塩の治療有効量が、前記疾患、障害、疾病、又は症候群の症状を治療するために前記対象に投与される、請求項34記載の方法。
  37. それを必要としている対象における対象の1以上の炎症促進性メディエータの発現を調節する方法であって、アセチル-DL-ロイシンもしくはその医薬として許容し得る塩、アセチル-D-ロイシンもしくはその医薬として許容し得る塩、又はアセチル-L-ロイシンもしくはその医薬として許容し得る塩の治療有効量を該対象に投与することを含む、前記方法。
  38. 前記1以上の炎症促進性メディエータが、NOS2、IL-18、IFNb、IL-1β、TNFα、NOX2、NLRP3、SOCS3、ARG1、IL-10、IL-4ra、又はYM1である、請求項37記載の方法。
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