JP2022521456A - 組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、少なくとも1のナノサイズ発光材料を含む組成物に関する。

Description

本発明の分野
本発明は、少なくとも1のナノサイズ発光材料および添加剤としての下記に描かれる一般式(1)または(2)によって表される少なくとも1の化合物を含む組成物に、ならびに該組成物を含む配合物に関する。さらに、本発明は、光学媒体を製造するためのプロセスにおける該組成物の使用に、およびデバイスにおける該組成物の使用に、ならびに光学媒体および光学デバイスに関する。
本発明の背景
量子ドット(QD)などのナノサイズ発光材料の安定性は、例えば、電子、光学または生物医学デバイスなどにおけるそれらの適用に不可欠である。安定したQDは、QDを高温度、大気、水分および化学物質に曝すデバイス製作およびデバイス操作のためのプロセシングの間にそれらのフォトルミネセンス強度を失わない。とりわけ、乏しい熱安定性は、量子ドットベースのデバイスの実用的な適用の障害である。ポリマー性マトリックスの内側にカプセル化、架橋、シェル厚の増加、および同種のものを包含するQDの光安定性および/または熱安定性を改善するための様々なアプローチが先行技術文献に記載されている。
QDの安定性を改善するさらなるアプローチは、QDを安定化添加剤と組み合わせることである。この組み合わせは、量子ドット粒子が分解(例として光分解または熱分解)するのを防止し得る。添加剤は、粒子表面に付着し得、および表面修飾リガンドとして機能し得る。WO 2017/048510 A1は、ナノ粒子のための安定化添加剤としての、ホスフィンおよびホスフィンオキシドベースの誘導体に関する。US 9,701,896 B2は、量子ドット、および脂肪族ホスフィンオキシドまたは脂肪族ホスファートベースの塩などの放射安定剤を包含する組成物に関する。
しかしながら、ナノサイズ発光材料の総合的な安定性、とりわけ熱損傷に対するそれらの耐性をさらに改善するための安定剤添加剤として作用し得る化合物が未だ必要である。
本発明の概要
本発明は、上記に記載される問題の観点においてなされた。したがって、とりわけ熱損傷に対する改善された安定性および耐性を有する、ならびに加熱時の量子収率を保持またはさらに増加させ得るナノサイズ発光材料を含む組成物を提供することが、本発明の目的である。
改善された安定性、とりわけ熱安定性、および量子収率(QY)を有する、光学媒体および光学デバイスを提供することが、本発明のさらなる目的である。
本発明者らは、驚くべきことに、1以上の上記に記載される問題が請求項に定義されるとおりの特徴によって解決され得ることを見出した。
具体的に言うと、1以上の上記に記載される問題を解決するために、本発明は、少なくとも1のナノサイズ発光材料および以下の一般式(1)または(2):
Figure 2022521456000001
式中
、R、R、R、R、Rは、同一にまたは異なって、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、アルカリール基およびアルキルヘテロアリール基から選択され;およびZは、P、AsまたはSbである、
によって表される少なくとも1の化合物を含む、本質的にからなる、またはからなる組成物を提供する。
さらに、本発明は、本発明に従う組成物および少なくとも1の溶媒を含む配合物に関する。
本発明は、さらに、光学媒体の製造のためのプロセスにおける、本発明に従う組成物または該配合物の使用を提供する。
本発明は、さらに、電子デバイス、光学デバイスまたは生物医学デバイスにおける、本発明に従う組成物または該配合物の使用を提供する。
さらに、本発明は、本発明に従う組成物を含む光学媒体に、および該光学媒体を含む光学デバイスに関する。
本発明のさらなる利点は、以下の詳細な記載から明らかになるだろう。
本発明の詳細な説明
以後、本発明を行うための最良のモードが詳細に記載される。
本明細書に記載されるとき、星印(「*」または「」は、一般に、隣接するユニットまたは基への連結を示し、例えば、ポリマーの場合、隣接する繰り返しまたは構成単位への連結、もしくは、別の基、例えば、モノマー性化合物の場合、側鎖への連結を包含する。
-化合物
本発明に従って、少なくとも1のナノサイズ発光材料および以下の一般式(1)または(2)によって表される少なくとも1の化合物を含む、本質的にからなる、またはからなる組成物は、上記に記載されるとおりの本発明の目的を解決するために提供される:
Figure 2022521456000002
式中
、R、R、R、R、Rは、同一にまたは異なって、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、アルカリール基およびアルキルヘテロアリール基から選択され;ならびに
Zは、P、AsまたはSbである。
式(1)および(2)で表される化合物におけるラジカルR、R、R、R、R、Rは、夫々、各場合において、下記に定義されるだろうとおり置換されていてもよい。本発明に従う組成物は、式(1)で表される1以上の化合物または式(2)で表される1以上の化合物を含んでもよく、もしくは、組成物は、式(1)および(2)の各々で表される1以上の化合物を、各々少なくとも1のナノサイズ発光材料と組み合わせて含んでもよい。
本発明者らは、驚くべきことに、量子ドットなどのナノサイズ発光材料を安定化添加剤としての式(1)および/または(2)で表される少なくとも1の化合物と組み合わせることによって、それらの総合的な安定性、およびとりわけ高温度での熱安定性が改善され得る一方で、量子収率が保持または改善すらされることを見出した。
以下の定義を、一般的な定義として使用される化学物質の基に適用する。それらは、特定の定義が与えられていない限りにおいてのみ適用する。
本発明の意味におけるアリール基は、ヘテロ原子ではない5~30個の芳香環原子を含有する芳香族基である。本明細書のアリール基は、単純な芳香環、例えばベンゼン、もしくは縮合(condensed)(縮合(fused))芳香族ポリシクル、例えば、ナフタレン、フェナントレン、またはアントラセンのいずれかを意味すると解される。
本出願の意味における縮合芳香族ポリシクルは、相互に縮合された(condensed)(縮合された(fused))2以上の単純な芳香環からなる。さらに、2以上のアリール基が単結合を介して相互に連結された芳香族基、例えば、ビフェニルおよびターフェニルなどの基もまた本発明の意味におけるアリール基と解される。
本発明の意味におけるヘテロアリール基は、少なくとも1がヘテロ原子である5~30個の芳香環原子を含有する芳香族基、すなわちヘテロ芳香族基である。ヘテロ原子は、好ましくはN、OおよびSから選択される。本明細書のヘテロアリール基は、ピリジン、ピリミジンまたはチオフェンなどの単純なヘテロ芳香環、もしくはキノリンまたはカルバゾールなどの縮合(condensed)(縮合(fused))ヘテロ芳香族ポリシクルのいずれかを意味すると解される。本出願の意味における縮合ヘテロ芳香族ポリシクルは、相互に縮合された(condensed)(縮合された(fused))2以上の単純なヘテロ芳香環からなる。
その結果として、ヘテロアリール基は、上記のアリール基として定義され、芳香環原子の1つとして少なくとも1のヘテロ原子を得なければいけないという違いを有する。それによって、芳香環原子としていずれのヘテロ原子も含み得ない本出願の定義に従うアリール基とは異なる。
下記に定義されるだろうとおり各場合において置換されていてもよい、およびあらゆる所望される位置を介して原子Zへ連結されていてもよいアリールまたはヘテロアリール基は、とりわけベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、ジヒドロピレン、クリセン、ペリレン、フルオランテン、ベンズアントラセン、ベンゾフェナントレン、テトラセン、ペンタセン、ベンゾピレン、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ピロール、インドール、イソインドール、カルバゾール、ピリジン、キノリン、イソキノリン、アクリジン、フェナントリジン、ベンゾ-5,6-キノリン、ベンゾ-6,7-キノリン、ベンゾ-7,8-キノリン、フェノチアジン、フェノキサジン、ピラゾール、インダゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、ナフトイミダゾール、フェナントロイミダゾール、ピリドイミダゾール、ピラジンイミダゾール、キノキサリンイミダゾール、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、ナフトオキサゾール、アントロオキサゾール、フェナントロキサゾール、イソオキサゾール、
1,2-チアゾール、1,3-チアゾール、ベンゾチアゾール、ピリダジン、ベンゾピリダジン、ピリミジン、ベンゾピリミジン、キノキサリン、ピラジン、フェナジン、ナフチリジン、アザカルバゾール、ベンゾカルボリン、フェナントロリン、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1,2,3-オキサジアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,5-オキサジアゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,2,3-チアジアゾール、1,2,4-チアジアゾール、1,2,5-チアジアゾール、1,3,4-チアジアゾール、1,3,5-トリアジン、1,2,4-トリアジン、1,2,3-トリアジン、テトラゾール、1,2,4,5-テトラジン、1,2,3,4-テトラジン、1,2,3,5-テトラジン、プリン、プテリジン、インドリジン、ベンゾチアジアゾール、ビフェニル、ターフェニル、クアターフェニル、フッ素およびスピロビフルオレンから導かれる基を意味すると解される。
本発明の意味におけるアルカリール基は、下記に定義されるとおりのアルキル基が結合している、上記に定義されるとおりのアリール基を意味すると理解される。
本発明の意味におけるアルキルヘテロアリール基は、下記に定義されるとおりのアルキル基が結合している、上記に定義されるとおりのヘテロアリール基を意味すると理解される。
本発明の目的のために、アルキル基は、1~20個、1~30個または1~40個のC原子を有する飽和の一価の直鎖状アルキル基、もしくは3~30個または3~40個のC原子を有する分枝状または環状アルキル基を意味すると解され、それは加えて、各場合において下記に定義されるだろうとおり置換されていてもよく、およびとりわけ、基メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、2-メチルブチル、n-ペンチル、s-ペンチル、シクロペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、シクロヘキシル、ネオヘキシル、n-へプチル、シクロへプチル、n-オクチル、シクロオクチル、2-エチルヘキシル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルまたは2,2,2-トリフルオロエチルを意味すると解される。
さらに、本発明の目的のために、アルケニルまたはアルキニル基は、2~40個のC原子を有する不飽和の一価の直鎖または分枝状アルケニルまたはアルキニル基を意味すると解され、それは加えて、各場合において下記に定義されるだろうとおり置換されていてもよく、およびとりわけ、基エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、シクロペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、ヘプテニル、シクロヘプテニル、オクテニル、シクロオクテニル、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルまたはオクチニルを意味すると解される。
本発明の意味におけるアラルキル基は、上記に定義されるとおりのアリール基が結合している、上記に定義されるとおりのアルキル基を意味すると理解される。
本発明の意味におけるヘテロアリールアルキル基は、上記に定義されるとおりのヘテロアリール基が結合している、上記に定義されるとおりのアルキル基を意味すると理解される。
1~20個のC原子を有し、加えて、下記に定義されるだろうとおり置換されていてもよいアルコキシ基は、好ましくはメトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、i-プロポキシ、n-ブトキシ、i-ブトキシ、s-ブトキシ、t-ブトキシ、n-ペントキシ、s-ペントキシ、2-メチルブトキシ、n-ヘキソキシ、シクロヘキシルオキシ、n-ヘプトキシ、シクロへプチルオキシ、n-オクチルオキシ、シクロオクチルオキシ、2-エチルヘキシルオキシ、ペンタフルオロエトキシまたは2,2,2-トリフルオロエトキシを意味すると解される。
好ましくは、式(1)および(2)で表される化合物において、R、R、R、R、R、Rは、同一にまたは異なって、1~30個のC原子、より好ましくは1~20個のC原子を有する直鎖状アルキル基、および3~30個のC原子、より好ましくは3~20個のC原子を有する分枝状または環状アルキル基から選択されるアルキル基から、5~30個の芳香環原子、より好ましくは5~18個の芳香環原子を有する芳香族基から選択されるアリール基から、ならびに5~30個の芳香環原子、より好ましくは5~18個の芳香環原子を有するヘテロ芳香族基から選択されるヘテロアリール基から選択され、ここで、該直鎖状、分枝状および環状アルキル基、ならびに該芳香族およびヘテロ芳香族基は、各場合において、1以上のラジカルRによって置換されていてもよく(すなわち、該直鎖状、環状または分枝状アルキル基におけるもしくは該芳香族またはヘテロ芳香族基における1以上のH原子は、置き換えられていてもよい);
ここで、Rは、同一にまたは異なって、F、Cl、Br、I、CN、NH、N(R、OH、NHC(O)R、OR、アクリラート基(-OC(O)CHCH)またはメタクリラート基(-OC(O)C(CH)CH)、1~20個のC原子を有する直鎖状アルキル基、3~20個のC原子を有する分枝状アルキル基、5~30個の芳香環原子を有する芳香族基、および5~30個の芳香環原子を有するヘテロ芳香族基から選択され;ここで、該直鎖状または分枝状アルキル基におけるもしくは該芳香族またはヘテロ芳香族基における1以上のH原子は、F、Cl、Br、Iおよび/またはCNによって置き換えられていてもよく;ならびにここで
は、同一にまたは異なって、1~20個のC原子を有する直鎖状アルキル基および3~20個のC原子を有する分枝状アルキル基から選択され、ここで、1以上のH原子は、F、Cl、Br、Iおよび/またはCNによって置き換えられていてもよい。
具体的に、ラジカルR、R、R、R、R、Rが、上記に定義されるとおりのアリールまたはヘテロアリール基である場合、Rは、より好ましくは、同一にまたは異なって、F、Cl、Br、I、CN、NH、N(R、OH、NHC(O)R、OR、アクリラート基(-OC(O)CHCH)またはメタクリラート基(-OC(O)C(CH)CH)、1~20個のC原子を有する直鎖状アルキル基、3~20個のC原子を有する分枝状アルキル基から選択され、ここで、該直鎖状または分枝状アルキル基における1以上のH原子は、F、Cl、Br、Iおよび/またはCNによって置き換えられていてもよく;ならびにRは、同一にまたは異なって、1~10個のC原子を有する直鎖状アルキル基および3~10個のC原子を有する分枝状アルキル基から選択され、ここで、1以上のH原子は、F、Cl、Br、Iおよび/またはCNによって置き換えられていてもよい。
具体的に、ラジカルR、R、R、R、R、Rが、上記に定義されるとおりのアルキル基である場合、アルキル基は、より好ましくは、F、Cl、Br、I、CN、アクリラート基(-OC(O)CHCH)またはメタクリラート基(-OC(O)C(CH)CH)、5~20個の芳香環原子を有する芳香族基、および5~20個の芳香環原子を有するヘテロ芳香族基から選択される1以上の基によって置換されていてもよい。
本発明の好ましい態様に従って、R、RおよびRの少なくとも1ならびにR、RおよびRの少なくとも1は、アリールまたはヘテロアリール基である。より好ましくは、R、RおよびRの少なくとも1ならびにR、RおよびRの少なくとも1は、アリール基である。
例えば、式(1)によって表される化合物において、Rは、上記に定義されるとおりのアリールまたはヘテロアリール基であり、ならびにRおよびRは、同一にまたは異なって、上記に定義されるとおりのアルキル基である。または、Rは、上記に定義されるとおりのアリールまたはヘテロアリール基であり、ならびにRおよびRは、同一にまたは異なって、上記に定義されるとおりのアルキル基である。または、Rは、上記に定義されるとおりのアリールまたはヘテロアリール基であり、ならびにRおよびRは、同一にまたは異なって、上記に定義されるとおりのアルキル基である。
式(2)によって表される化合物において、例えば、Rは、上記に定義されるとおりのアリールまたはヘテロアリール基であり、ならびにRおよびRは、同一にまたは異なって、上記に定義されるとおりのアルキル基である。または、Rは、上記に定義されるとおりのアリールまたはヘテロアリール基であり、ならびにRおよびRは、同一にまたは異なって、上記に定義されるとおりのアルキル基である。または、Rは、上記に定義されるとおりのアリールまたはヘテロアリール基であり、ならびにRおよびRは、同一にまたは異なって、上記に定義されるとおりのアルキル基である。
本発明のさらなる好ましい態様に従って、R、RおよびRの少なくとも2ならびにR、RおよびRの少なくとも2は、同一にまたは異なって、アリールおよびヘテロアリール基から選択される。より好ましくは、R、RおよびRの少なくとも2ならびにR、RおよびRの少なくとも2は、同一にまたは異なって、アリール基から選択される。
例えば、式(1)によって表される化合物において、RおよびRは、同一にまたは異なって、上記に定義されるとおりのアリールおよび/またはヘテロアリール基であり、ならびにRは、上記に定義されるとおりのアルキル基である。もしくは、RおよびRは、同一にまたは異なって、上記に定義されるとおりのアリールおよび/またはヘテロアリール基であり、ならびにRは、上記に定義されるとおりのアルキル基である。もしくは、RおよびRは、同一にまたは異なって、上記に定義されるとおりのアリールおよび/またはヘテロアリール基であり、ならびにRは、上記に定義されるとおりのアルキル基である。
式(2)によって表される化合物において、例えば、RおよびRは、同一にまたは異なって、上記に定義されるとおりのアリールおよび/またはヘテロアリール基であり、ならびにRは、上記に定義されるとおりのアルキル基である。もしくは、RおよびRは、同一にまたは異なって、上記に定義されるとおりのアリールおよび/またはヘテロアリール基であり、ならびにRは、上記に定義されるとおりのアルキル基である。もしくは、RおよびRは、同一にまたは異なって、上記に定義されるとおりのアリールおよび/またはヘテロアリール基であり、ならびにRは、上記に定義されるとおりのアルキル基である。
本発明のさらなる好ましい態様に従って、式(1)におけるR、R、Rならびに式(2)におけるR、RおよびRは、同一にまたは異なって、例えば、上記に定義されるとおりの、アリールおよびヘテロアリール基から、より好ましくはアリール基から選択される。
より好ましくは、R、R、R、R、RおよびRは、同一にまたは異なって、5~18個の芳香環原子を有する芳香族基および5~18個の芳香環原子を有するヘテロ芳香族基から、さらにより好ましくは、5~18個の芳香環原子を有する芳香族基のみから選択され、それは、各場合において、1以上のラジカルRによって置換されていてもよく;ここで、Rは、同一にまたは異なって、F、Cl、Br、I、CN、NH、N(R、OH、NHC(O)R、OR、アクリラート基(-OC(O)CHCH)またはメタクリラート基(-OC(O)C(CH)CH)、1~20個のC原子を有する直鎖状アルキル基、3~20個のC原子を有する分枝状アルキル基から選択され、ここで、該直鎖状または分枝状アルキル基における1以上のH原子は、F、Cl、Br、Iおよび/またはCNによって置き換えられていてもよく;ならびに
は、同一にまたは異なって、1~10個のC原子を有する直鎖状アルキル基および3~10個のC原子を有する分枝状アルキル基から選択され、ここで、1以上のH原子は、F、Cl、Br、Iおよび/またはCNによって置き換えられていてもよい。
本発明の別の好ましい態様に従って、式(1)におけるR、RおよびRならびに式(2)におけるR、RおよびRのすべては、例えば、上記に定義されるとおりのアルキル基である。
より好ましくは、R、R、R、R、RおよびRは、同一にまたは異なって、1~20個のC原子を有する直鎖状アルキル基および3~20個のC原子を有する分枝状アルキル基から選択され、それは、各場合において、F、Cl、Br、I、CN、アクリラート基(-OC(O)CHCH)またはメタクリラート基(-OC(O)C(CH)CH)、5~20個の芳香環原子を有する芳香族基、および5~20個の芳香環原子を有するヘテロ芳香族基から選択される1以上の基によって置換されていてもよい。
本発明に従って、上記に関して、式(1)における基R、R、Rの少なくとも1ならびに式(2)における基R、RおよびRの少なくとも1が、アクリラート(-OC(O)CHCH)またはメタクリラート(-OC(O)C(CH)CH)官能基を包含することがさらに好ましい。すなわち、好ましくは、式(1)における基R、R、Rの少なくとも1ならびに式(2)における基R、RおよびRの少なくとも1は、1以上のアクリラート基(-OC(O)CHCH)またはメタクリラート基(-OC(O)C(CH)CH)によって置換され、R、R、R、R、R、Rが、同一にまたは異なって、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、アルカリール基またはアルキルヘテロアリール基であるかは問わない。
驚くべきことに、一般式(1)および(2)で表される化合物がアクリラートおよび/またはメタクリラート基を包含する場合、重合性マトリックス材料(下記を参照)などの、本発明に従う組成物中に任意に含まれる重合性添加剤との架橋が達成され、ナノサイズ発光材料のさらなる改善された安定性をもたらすことが見出された。
さらに好ましくは、式(1)および(2)で表される化合物におけるZは、Pである。一般式(1)および(2)に従う具体的に好ましい化合物は、以下の表に列挙される:
Figure 2022521456000003
Figure 2022521456000004
本発明に従って、組成物は、一般式(1)で表される少なくとも1の化合物または一般式(2)で表される少なくとも1の化合物を含むことがさらに好ましい。
組成物における式(1)および/または(2)で表される化合物の総量は、好ましくは、組成物中に含まれるナノサイズ発光材料(単数または複数)の無機部(すなわち、あり得る有機コーティング層(単数または複数)を含まない量子材料または量子ドット部)に基づき、1wt.-%~40wt.-%、より好ましくは4wt.-%~32wt.-%、およびさらにより好ましくは4wt.-%~20wt.-%の範囲にある。式(1)および/または(2)で表される化合物の総量が上記の範囲にある場合、安定化効果および高い量子収率に関する最良の結果がこれに限定されることなく達成され得る。
本発明に従って、組成物が少なくとも1のナノサイズ発光材料の表面に付着する表面修飾リガンドをさらに含み、該リガンドが好ましくは以下の一般式(3)または(4):
-SH 式(3)
10-(CH-SH 式(4)
式中
は、1~40個のC原子を有する直鎖状アルキル基、3~40個のC原子を有する分枝状または環状アルキル基、および2~40個のC原子を有するアルケニルまたはアルキニル基から選択され;
10は、5~30個の芳香環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香族基から選択され、それは、各場合において、F、Cl、Br、I、CN、1~20個のC原子を有する直鎖状アルキル基および3~20個のC原子を有するアルコキシ基から選択される1以上の基によって置換されていてもよく;ならびに
nは、0~16である、
によって表されることがさらに好ましくあり得る。
すなわち、本発明の組成物中に含まれる少なくとも1のナノサイズ発光材料と式(1)または(2)で表される少なくとも1の化合物との組み合わせは、その表面に付着または結合する(本明細書において用語は互換的に使用される)表面修飾リガンドを有し得、それは、好ましくは一般式(3)または(4)によって表される化合物から選択される。
一般式(3)または(4)によって表されるリガンドは、量子ドットなどのナノサイズ発光材料の安定性の改善において、とりわけラジカル処理に対して、高度に効率的であることが証明された。驚くべきことに、チオールを含有するリガンドを本発明の組成物における一般式(1)および/または(2)で表される化合物と組み合わせることによって、ナノサイズ発光材料の安定性が、とりわけラジカルおよび熱処理の両方に対して改善され得ることが見出された。
-ナノサイズ発光材料
本発明に従って、ナノサイズ発光材料の無機部として、多種多様の公知の半電導性ナノサイズ発光材料が所望されるとおり使用され得る。
用語「ナノ」または「ナノサイズ」は、0.1nm~999nm、好ましくは1nm~150nm、より好ましくは3nm~50nmの範囲にあるサイズを意味する。
よって、本発明に従って、ナノサイズ発光材料は、サイズが0.1nm~999nmの、好ましくは0.1nm~150nmの、より好ましくは3nm50nmの範囲にある、ナノサイズ発光材料を意味すると解される。
本発明に従って、用語「サイズ」は、ナノサイズ発光粒子の最長軸の平均直径を意味する。ナノサイズ発光粒子の平均直径は、Tecnai G2 Spirit Twin T-12 透過型電子顕微鏡によって作成されるTEM画像における100の発光ナノ粒子に基づき計算される。
本発明のナノサイズ発光材料の形状のタイプは、具体的に限定されない。あらゆるタイプのナノサイズ発光材料、例えば、球形状、細長い形状、星形状、多面体形状、テトラポッド形状、四面体形状、血小板形状、円錐形状、および不規則形状の半電導性ナノ粒子発光粒子が使用され得る。
本発明の好ましい態様において、ナノサイズ発光材料は、ナノサイズ無機蛍光体材料、量子ドットまたは量子ロッドなどの量子サイズ材料、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択され得る。
より好ましくは、ナノサイズ発光材料は、量子サイズ材料であり、さらにより好ましくは、量子ドット材料、量子ロッド材料またはこれらの任意の組み合わせである。
本明細書に使用されるとき、用語「量子サイズ」は、無機半電導性発光材料のサイズそれ自体、すなわちリガンドまたはいずれの他の表面修飾もないものを意味し、それは、例えば、ISBN:978-3-662-44822-9に記載されるような、量子閉じ込め効果を示し得る。一般に、量子ドット材料および/または量子ロッド材料などの量子サイズ材料は、「量子閉じ込め」効果に起因して、調節可能な、はっきりした、および鮮やかな色を放射し得ると言われている。
好ましくは、量子サイズ材料の全体構造のサイズは1nm~100nmであり、より好ましくは、それは1nm~30nmであり、さらにより好ましくは、それは5nm~15nmである。
量子ドットとして、公的に入手可能な量子ドット、例えば、Sigma-Aldrichからの、CdSeS/ZnS合金量子ドット製品番号753793、753777、753785、753807、753750、753742、753769、753866、InP/ZnS量子ドット製品番号776769、776750、776793、776777、776785、PbSコアタイプ製品番号747017、747025、747076、747084、またはCdSe/ZnS合金量子ドット製品番号54226、748021、694592、694657、694649、694630、694622が、所望されるとおり好ましくは使用され得る。
本発明の別の好ましい態様において、ナノサイズ発光材料は、コア-シェル構造を有する半導電性発光ナノ粒子であって、ここでコアが1以上のシェル層によって包囲されている、前記粒子である。
本発明に従って、半導電性発光ナノ粒子の該1以上のシェル層は、好ましくは単一シェル層、二重シェル層、または2より多くのシェル層を有する多重シェル層であり、最も好ましくはそれは、二重シェル層である。
本明細書に使用されるとき、用語「シェル層」は、該コアを完全にまたは部分的に覆う構造を意味する。好ましくは、該1以上のシェル層は、該コアを完全に覆う。用語「コア」および「シェル」は、当該技術分野において周知であり、および典型的にはUS 8221651 B2などの量子材料の分野において使用される。
本発明に従って、半導電性発光ナノ粒子の該コアは様々であり得る。例えば、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnSeS、ZnTe、ZnO、GaAs、GaP、GaSb、HgS、HgSe、HgSe、HgTe、InAs、InP、InPS、InPZnS、InPZn、InPGa、InSb、AlAs、AlP、AlSb、CuS、CuSe、CuInS2、CuInSe、Cu(ZnSn)S、Cu(InGa)S、TiO合金およびこれらの任意の組み合わせが使用され得る。
本発明の好ましい態様において、半導電性発光ナノ粒子の該コアは、周期表の1以上の13族元素および周期表の1以上の15族元素を含む。例えば、GaAs、GaP、GaSb、InAs、InP、InPS、InPZnS、InPZn、InPGa、InSb、AlAs、AlP、AlSb、CuInS2、CuInSe、Cu(InGa)S、およびこれらの任意の組み合わせ。
さらにより好ましくは、コアは、InおよびP原子、例えばInP、InPS、InPZnS、InPZnまたはInPGaを含む。
本発明のさらなる好ましい態様に従って、該少なくとも1のシェル層は、周期表の12、13、または14族の第1元素、および周期表の15または16族の第2元素を含む。好ましくは、すべてのシェル層は、周期表の12、13、または14族の第1元素、および周期表の15または16族の第2元素を含む。
より好ましくは、少なくとも1のシェル層は、周期表の12族の第1元素および周期表の16族の第2元素を含む。例えば、CdS、CdZnS、ZnS、ZnSe、ZnSSe、ZnSSeTe、CdS/ZnS、ZnSe/ZnSまたはZnS/ZnSeシェル層が使用され得る。さらにより好ましくは、すべてのシェル層は、周期表の12族の第1元素および周期表の16族の第2元素を含む。
具体的に好ましくは、少なくとも1のシェル層は、以下の式(5)、
ZnSSeTez, 式(5)、
式中0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、およびx+y+z=1、ならびに0≦x≦1、0≦y≦1、z=0、およびx+y=1であることがさらに好ましい、
によって表される。
ZnS、ZnSe、ZnSeS、ZnSeSTe、CdS/ZnS、ZnSe/ZnS、ZnS/ZnSeシェル層が、最も好ましく使用される。
すべてのシェル層が式(5)によって表されることがさらに好ましい。例えば、緑色および/または赤色放射用途のコア-シェル半電導性発光ナノ粒子として、CdSe/CdS、CdSeS/CdZnS、CdSeS/CdS/ZnS、ZnSe/CdS、CdSe/ZnS、InP/ZnS、InP/ZnSe、InP/ZnSe/ZnS、InP/ZnS/ZnSe、InPZn/ZnS、InPZn/ZnSe/ZnS、InPZn/ZnS/ZnSe、ZnSe/CdS、ZnSe/ZnS半電導性発光ナノ粒子またはこれらの任意の組み合わせが使用され得る。
より好ましくは、InP/ZnS、InP/ZnSe、InP/ZnSe/ZnS、InP/ZnS/ZnSe、InPZn/ZnS、InPZn/ZnSe/ZnS、InPZn/ZnS/ZnSeが使用され得る。
本発明の好ましい態様において、半電導性発光ナノ粒子の該シェル層は、二重シェル層である。
該半電導性発光ナノ粒子は、例えば、Sigma-Aldrichから公的に入手可能であり、および/または、例えば、ACS Nano、2016、10 (6)、pp 5769-5781、Chem. Moter. 2015、27、4893-4898、および国際特許出願No. WO 2010/095140 A2に記載されている。
よって、本発明の好ましい態様に従って、組成物は、
a)コアおよび任意に少なくとも1のシェル層を含む、少なくとも1の半電導性発光ナノ粒子、ならびに
b)上記に定義されるとおりの、一般式(1)または(2)によって表される少なくとも1の化合物、
を含む、本質的にからなる、またはからなる。
本発明のさらなる好ましい態様に従って、組成物は、
a)コア、少なくとも1の任意のシェル層および最外粒子表面に付着する一般式(3)または(4)によって表される表面修飾リガンドを含む、少なくとも1の半電導性発光ナノ粒子、ならびに
b)上記に定義されるとおりの、一般式(1)または(2)によって表される少なくとも1の化合物、
を含む、本質的にからなる、またはからなる。
量子ロッドおよび/または量子ドットおよび/または半導電性発光ナノ粒子などのナノサイズ発光材料は、式(1)および/または(2)で表される化合物ならびに一般式(3)または(4)で表される任意のリガンドに加えて、その表面に付着する1以上の異なるタイプの表面修飾リガンドをさらに有していてもよい。よって、発光材料の最外表面または半導電性材料のシェル層は、式(1)および/または(2)で表される化合物と一緒に、ならびに一般式(3)または(4)で表されるリガンドと任意に一緒に、1種以上の表面修飾リガンドで被覆されていてもよい。
理論によって拘束されることは望まないが、かかる表面リガンドは、ナノサイズ発光材料をより容易に溶媒中に分散させることにつながり得ると信じられている。一般的な使用におけるかかる表面リガンドは、トリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)、トリオクチルホスフィン(TOP)、およびトリブチルホスフィン(TBP)などのホスフィンおよびホスフィンオキシド;ドデシルホスホン酸(DDPA)、トリデシルホスホン酸(TDPA)、オクタデシルホスホン酸(ODPA)、およびヘキシルホスホン酸(HPA)などのホスホン酸;オレイルアミン、デデシルアミン(DDA)、テトラデシルアミン(TDA)、ヘキサデシルアミン(HDA)、およびオクタデシルアミン(ODA)、オレイルアミン(OLA)、1-オクタデセン(ODE)などのアミン、ヘキサデカンチオールおよびヘキサンチオールなどのチオール;メルカプトプロピオン酸およびメルカプトウンデカノン酸などのメルカプトカルボン酸;オレイン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸;酢酸などのカルボン酸、およびこれらの任意の組み合わせを包含する。および。ポリエチレンイミン(PEI)もまた、好ましくは使用され得る。
表面リガンドの例は、例えば、公開された国際特許出願No. WO 2012/059931Aに記載されている。
-さらなる添加剤
本発明の組成物は、必要な場合、他の添加剤を含有してもよい。さらなる添加剤の例は、これらに限定されないが、有機発光材料、無機発光材料、電荷輸送材料、散乱粒子、ホスト材料、ナノサイズプラズモン粒子、光開始剤、およびマトリックス材料を包含する。
該無機蛍光体材料は、好ましくは、スルフィド、チオガラート、窒化物、オキシ窒化物、シリケート、アルミナート、アパタイト、ボラート、酸化物、ホスファート、ハロホスファート、スルファート、タングステナート、タンタラート、バナダート、モリブダート、ニオバート、チタナート、ゲルミナート、ハロゲン化物ベースの蛍光体、およびこれらの任意の組み合わせからなる群の1以上のメンバーから選択され得る。
上記に記載されるかかる好適な蛍光体材料は、蛍光体ハンドブック、第2版(CRC Press、2006)、pp.155 - pp.338 (W.M.Yen、S. Shionoya and H.Yamamoto)、WO2011/147517A、WO2012/034625A、およびWO2010/095140Aに言及されるようなナノサイズ蛍光体、量子サイズ材料を包含する周知の蛍光体であり得る。
本発明に従って、該有機発光材料、電荷輸送材料として、あらゆるタイプの公知の材料が好ましくは使用され得る。例えば、周知の有機蛍光体材料、有機ホスト材料、有機染料、有機電子輸送材料、有機金属複合体、有機正孔輸送材料。
散乱粒子として、SiO、SnO、CuO、CoO、Al TiO、Fe、Y、ZnO、MgOなどの無機酸化物の小粒子;重合ポリスチレン、重合PMMAなどの有機粒子;中空シリカなどの無機中空酸化物またはこれらの任意の組み合わせ;が好ましくは使用され得る。
本発明に従って、光散乱粒子として、該光散乱粒子を包含する層のマトリックス材料とは異なる屈折率を有し、およびミー散乱効果を与え得る、あらゆるタイプの公知の散乱粒子が、所望されるとおり好ましくは使用され得る。
本発明に従って、光学デバイスに好適な多種多様な公知の透過性ポリマーが、マトリックス材料として好ましくは使用され得る。
本発明に従って、用語「透過性」は、光学媒体において使用される厚さで、および光学媒体の操作の間に使用される波長または波長の範囲で、少なくともほぼ60%の入射光伝達を意味する。好ましくは、それは70%を超え、より好ましくは75%を超え、最も好ましくはそれは80%を超える。
本発明の好ましい態様において、例えば、WO 2016/134820Aに記載される、あらゆるタイプの公知の透過性ポリマーが使用され得る。
本発明に従って、用語「ポリマー」は、繰り返し単位を有するおよび重量平均分子量(Mw)1000g/mol以上を有する材料を意味する。
分子量Mは、内部ポリスチレン標準に対して、GPC(=ゲル浸透クロマトグラフィー)を用いて決定される。
本発明のいくつかの態様において、透過性ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、70℃以上および250℃以下である。
Tgは、http://pslc.ws/macrog/dsc.htm;Rickey J Seyler、Assignment of the Glass Transition、ASTM publication code number (PCN) 04-012490-50に記載されるような、示唆走査熱量測定において観察される熱容量における変化に基づき測定される。
例えば、透過性マトリックス材料のための透過性ポリマーとして、ポリ(メタ)アクリラート、エポキシ、ポリウレタン、ポリシロキサンが、好ましくは使用され得る。
本発明の好ましい態様において、透過性マトリックス材料としてのポリマーの重量平均分子量(Mw)は、1,000~300,000g/molの範囲にあり、より好ましくはそれは、10,000~250,000g/molである。
-配合物
本発明は、さらに、上記に定義されるとおりの本発明の組成物、および少なくとも1の溶媒を含む配合物を提供する。好ましくは、溶媒は、芳香族の、ハロゲン化された、および脂肪族の炭化水素溶媒からなる群の1以上のメンバーから選択され、より好ましくは、トルエン、キシレン、エーテル、テトラヒドロフラン、クロロホルム、ジクロロメタン ヘプタン、精製水、エステルアセタート、アルコール、スルホキシド、ホルムアミド、窒化物、ケトンからなる群の1以上のメンバーから選択される。
配合物における溶媒の量は、組成物のコーティングの方法に従って、自由に制御され得る。例えば、組成物が、スプレー被覆される場合、それは、90wt.%以上の量において溶媒を含有し得る。さらに、大きな基板をコーティングするのにしばしば適用されるスリットコーティング方法が行われる場合、溶媒の含量は、通常60wt.%以上、好ましくは70wt.%以上である。
-使用
本発明は、さらに、光学媒体の製造のためのプロセスにおける、上記に定義されるとおりの本発明に従う組成物または上記に定義されるとおりの本発明に従う配合物の使用に関する。
光学媒体を製造するためのプロセスは、好ましくは、以下のステップ1)および2):
1)上記に定義されるとおりの本発明の組成物または上記に記載されるとおりの本発明の配合物を基板上へ提供する、および
2)基板上に提供される組成物または配合物へ熱を適用する、
をこの順番において含む。
ステップ1)に従って組成物または配合物を基板上へ提供するため、あらゆるタイプの公知のコーティング方法が好ましくは使用され得る。例えば、浸漬コーティング、グラビアコーティング、ロールコーティング、バーコーティング、ブラシコーティング、スプレーコーティング、ドクターコーティング、フローコーティング、スピンコーティング、およびスリットコーティング。
ステップ1)において被覆される基板はまた、具体的に限定されず、および、例えば、シリコーン基板、ガラス基板およびポリマーまたは樹脂フィルムから適切に選択され得る。基板は、硬性または軟性であり、および透過性または非透過性であり得る。
基板上に提供される組成物または配合物を加熱するステップ2)は、乾燥の目的およびその中に残存する溶媒を低減する目的のために適用される。
加熱は、50~150℃、より好ましくは90~150℃の温度で、ホットプレート上で10~300秒、好ましくは30~120秒間、または清浄なオーブンにおいて1~30分間、好ましくは行われる。さらに、必要性に従って、所望される厚さのコーティングまたはフィルムを形成するために、組成物または配合物を基板上へ提供するステップは、1度または2度以上繰り返して行われ得る。
本発明の好ましい態様において、任意に、ステップ2)の後、重合するステップ3)が、例えば放射線に曝すことによって、基板上へ提供される乾燥組成物または配合物へ適用され得る。
曝露のための放射線の供給源として、従来のパターン形成プロセスにおいて使用されるあらゆる光源を適用することが可能である。本方法に従って、曝露における環境条件に関する具体的な制限はなく、および曝露は環境雰囲気(通常の雰囲気)下または窒素雰囲気下で行われ得る。
任意の重合ステップ3)の後、任意に、コーティングの曝露されたエリアにおける、反応開始剤によって引き起こされたターポリマー反応を促進する狙いの必要性に従って、曝露後の焼成が行われ得る。曝露後の焼成の温度は、好ましくは40~150℃、より好ましくは60~150℃である。曝露後の焼成ステップは、ホットプレート、オーブン、炉または同種のものを使用して行われ得る。焼成の間の雰囲気に関する具体的な制限はない。焼成時間は、ウェハ表面における熱負荷の高い一様性を維持するだけではなく、また酸の拡散も防ぐために、好ましくは20~500秒、より好ましくは40~300秒である。
よって、色フィルター、色変換フィルム、リモート蛍光体テープ、または別のフィルムまたはフィルターなどの光学シートであり得る、得られた光学媒体は、増大した安定性、とりわけ熱安定性を有し、および高い量子収率を達成し得る。
したがって、本発明はまた、本発明の製造のためのプロセスによって得られたまたは得られ得る光学媒体に関する。
さらにまた、本発明は、電子デバイス、光学デバイスにおける、生物医学デバイスにおける、もしくは電子デバイス、光学デバイスまたは生物医学デバイスを製作するための、上記に定義されるとおりの本発明の組成物または上記に定義されるとおりの本発明に従う配合物の使用に関する。
電子デバイス、光学デバイスまたは生物医学デバイスであって、デバイスは下記に定義されるだろう、前記デバイスを製作するためのプロセスは、以下のステップA):
A)上記に記載されるとおりの本発明のプロセスに従って調製される光学媒体を、電子デバイス、光学デバイスまたは生物医学デバイス中に提供すること、
を含む。
-光学媒体
本発明はさらに、上記に定義されるとおりの本発明に従う組成物を含む光学媒体に関する。
光学媒体は、光学シート、例えば、色フィルター、色変換フィルム、リモート蛍光体テープ、または別のフィルムまたはフィルターなどであり得る。
本発明に従って、用語「シート」は、構造媒体のようなフィルムおよび/または層を包含する。
好ましくは、光学媒体は、アノードおよびカソード、および本発明の組成物を含む少なくとも1の層を含む。好ましくは該1の層は有機層であり、より好ましくは該有機層は発光層である。
好ましくは、該発光層は、WO 2018/024719 A1、US2016/233444 A2、US7754841 B、WO 2004/037887およびWO 2010/097155に記載されるとおりの、正孔輸送材料、電子輸送材料、ホスト材料、正孔注入材料、電子注入材料から選択される少なくとも1の有機材料を含む。
発光層の総量に基づく発光層における組成物の総量は、0.001wt%~99.99%の範囲にある。
より好ましくは、媒体は、正孔注入層、正孔輸送層、電子遮断層、正孔遮断層、電子遮断層、および電子注入層からなる群から選択される1以上の追加の層をさらに含む。
本発明に従って、WO 2018/024719 A1、US2016/233444 A2、US7754841 B、WO 2004/037887およびWO 2010/097155に記載されるとおりの、正孔注入層、正孔輸送層、電子遮断層、発光層、正孔遮断層、電子遮断層、および電子注入層のためのあらゆる種類の公的に入手可能な無機、および/または有機材料が好ましくは使用され得る。
好ましくは、光学媒体のアノードおよびカソードは、有機層を挟む。より好ましくは、該追加の層もまた、アノードおよびカソードによって挟まれる。
具体的に好ましくは、有機層は、本発明の組成物、およびホスト材料を含み、好ましくはホスト材料は、有機ホスト材料である。
-光学デバイス
本発明はさらに、本発明の光学媒体を含む光学デバイスを提供する。
光学デバイスは、好ましくは、液晶ディスプレーデバイス(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)、光学ディスプレーのためのバックライトユニット、発光ダイオードデバイス(LED)、微小電気機械システム(MEMS)、エレクトロウェッティングディスプレー、または電気泳動ディスプレー、照明デバイス、および/または太陽電池であり得る。
本発明は、以下の例を参照してより詳細に記載されるだろうが、それは例示に過ぎず、本発明の範囲を限定しない。
実施例
実施例1-InP/ZnSe量子材料の合成
0.7μL InPコアをWO 2018/215396 A1に記載されるような公的に入手可能な方法で調製し、次いでそれを600μL トルエンと混合し、4首フラスコへ移す。次いで、18.8mL オレイルアミンおよび4.4mL ZnClを添加する。混合物を、30分間、真空下、35℃で維持する。その後、混合物を、アルゴン下で30分間、250℃で加熱する。
上記のコア処理後、混合物を、190℃へ冷却し、10.4mLオレイルアミン中ZnClを添加する。180℃で、1.8mL TOP:Se(2M)を注入する。混合物を、30分間200℃で、次いで320℃へ加熱し、これに12.4mL オレイルアミン中ウンデシラン酸亜鉛(0.4M)の注入が続く。
実施例2-例1から得られた量子材料の精製
例1から得られた1mLの試料を、溶媒および抗溶媒としてのトルエンおよびエタノールを夫々使用して過剰のリガンドから精製し、これに遠心分離および乾燥が続く。洗浄を、2度繰り返す。得られた固体を、次いでヘキサン中に溶解し、再度遠心分離する。ヘキサンを蒸発させ、量子ドットをトルエン中に溶解する。有機リガンドの量を、熱重量分析(TGA)(モデル TGA2、Metler Toledo)を使用して計算する。TG分析によって、15wt.-%の有機物含量が示された。
得られた30mgの量子ドットを、1mL トルエン(30mg/mL)中に溶解する。量子収率(QY)を、Hamamatsu絶対量子収率分光計(モデル:Quantaurus C11347)を使用して測定する。
実施例3-例2から得られた量子材料の熱試験における安定性
0.5mLのトルエン中量子ドット(30mg/mL)を、アルゴン下で乾燥させ、トルエンを除去する。バイアルを、次いで大気へ開放し、1時間、150℃で加熱する。その後、固体をトルエン中に再溶解し、QYをHamamatsu絶対量子収率分光計(モデル:Quantaurus C11347)を使用して測定する。
実施例4-TPO、PPO、TOPO、TPPO、TOPおよびBPhを有する例2から得られた量子材料の熱試験における安定性
0.5mLのトルエン中量子ドット(30mg/mL)を、1.2mg(8wt.%)の以下の個別の添加剤:TPO、PPO、TOPO、TPPO、TOPおよびBPhの各々を含有する別のバイアル(下記の表1を参照)へ添加する。トルエンを蒸発させ、バイアルを大気へ開放し、1時間、150℃で加熱する。その後、固体をトルエン中に再溶解し、QYをHamamatsu絶対量子収率分光計(モデル:Quantaurus C11347)を使用して測定する。
実施例5-ベンゼンチオール(BT)を用いた官能基化およびTPOの添加後の例2から得られた量子材料の熱試験における安定性
0.5mLのトルエン中量子ドット(30mg/mL)を、16時間、18mg ベンゼンチオールと混合する。過剰のチオールを2mL エタノールの添加によって洗浄する。QDを乾燥させ、トルエン中に再溶解し、1.2mg(8wt.%)TPOを含有する別のバイアルへ添加する。トルエンを蒸発させ、バイアルを大気へ開放し、1時間、150℃で加熱する。その後、固体をトルエン中に再溶解し、QYをHamamatsu絶対量子収率分光計(モデル:Quantaurus C11347)を使用して測定する。同じ実験を、比較のためにTPOなしで(BTのみを用いて)実施する。
実施例6-InP/ZnSeS量子材料の合成
0.7μL InPコアを600μL トルエンと混合し、4首フラスコへ移す。次いで、14.8mL オレイルアミンおよび4.4mL ZnClを添加する。混合物を、30分間、真空下、35℃で維持する。その後、混合物を、アルゴン下で30分間、250℃で加熱する。
上記のコア処理後、混合物を、190℃へ冷却し、10.4mLオレイルアミン中ZnClを添加する。180℃で、1.8mL TOP:Se(2M)を注入する。混合物を、30分間200℃で、次いで320℃へ加熱し、これに12.4mL(0.4M) オレイルアミン中ウンデシラン酸亜鉛および0.54mL ドデカンチオールの滴加が続く。
実施例7-例6から得られた量子材料の精製
例6から得られた1mLの試料を、溶媒および抗溶媒としてのトルエンおよびエタノールを夫々使用して過剰のリガンドから精製し、これに遠心分離および乾燥が続く。洗浄を、2度繰り返す。得られた固体を、次いでヘキサン中に溶解し、遠心分離する。ヘキサンを蒸発させ、量子ドットをトルエン中に溶解する。有機リガンドの量を、熱重量分析(TGA)(モデル TGA2、Metler Toledo)を使用して計算する。TG分析によって、15wt.-%の有機物含量が示された。
得られた30mgの量子ドットを、1mL トルエン(30mg/mL)中に溶解する。QYを、Hamamatsu絶対量子収率分光計(モデル:Quantaurus C11347)を使用して測定する。
実施例8-例7から得られた量子材料の熱試験における安定性
0.5mLのトルエン中量子ドット(30mg/mL)を、アルゴン下で乾燥させ、トルエンを除去する。バイアルを、次いで大気へ開放し、1時間、150℃で加熱する。その後、固体をトルエン中に再溶解し、QYをHamamatsu絶対量子収率分光計(モデル:Quantaurus C11347)を使用して測定する。
実施例9-TPOを有する例7から得られた量子材料の熱試験における安定性
0.5mLのトルエン中量子ドット(30mg/mL)を、1.2mg(8wt.%)のTPOを含有する別のバイアルへ添加する。トルエンを蒸発させ、バイアルを大気へ開放し、1時間、150℃で加熱する。その後、固体をトルエン中に再溶解し、QYをHamamatsu絶対量子収率分光計(モデル:Quantaurus C11347)を使用して測定する。
使用される添加剤化合物のための略語の一覧:
TPO ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド
PPO フェニル-ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド
TOPO トリオクチルホスフィンオキシド
TPPO トリフェニルホスフィンオキシド
TOP トリオクチルホスフィン
BPh ベンゾフェノン
Figure 2022521456000005
上記の表1からわかるとおり、ナノサイズ発光材料が、ホスフィンオキシド(P=O)およびケトン(C=O)基を含む本願発明に従う化合物TPOまたはPPOと組み合わされるとき、150℃の大気下のInP/ZnSe QD(Ex.1~4)の、およびInP/ZnSeS QD(Ex.6~9)の熱安定性は、観察される量子収率によって指し示されるとおり改善される。
他方、ホスフィンオキシド基(TOPOおよびTPPO)のみまたはケトン(C=O)基(BPh)のみを有する、もしくはホスフィンオキシドもケトン基(TOP)も有しない添加剤化合物は、元のネイティブなリガンドと比較していずれの利点も示さなかった。TPOを用いた熱試験が不活性条件下で実施されるとき、QYにおける43%から50%への増加が到達され得る。
QDへの添加剤としてのTPOおよびBT(ベンゼンチオール)の組み合わせは、表1によって指し示されるとおり、二重の利点を有し、例5:ラジカルに対する安定性および熱に対する安定性は改善される。BT単独を用いたQDの官能基化は、ラジカル損傷を防止するが、熱に対してQDを保護できない。しかしながら、BTがTPOと組み合わされるとき、ラジカルに対する安定性ならびに熱に対する安定性は達成される。

Claims (19)

  1. 少なくとも1のナノサイズ発光材料および以下の一般式(1)または(2):
    Figure 2022521456000006
    式中
    、R、R、R、R、Rは、同一にまたは異なって、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、アルカリール基およびアルキルヘテロアリール基から選択され;ならびに
    Zは、P、AsまたはSbである、
    によって表される少なくとも1の化合物を含む、組成物。
  2. 、R、R、R、R、Rが、同一にまたは異なって、1~30個のC原子を有する直鎖状アルキル基および3~30個のC原子を有する分枝状または環状アルキル基から選択されるアルキル基から、5~30個の芳香環原子を有する芳香族基から選択されるアリール基から、5~30個の芳香環原子を有するヘテロ芳香族基から選択されるヘテロアリール基から選択され、ここで、該直鎖状、分枝状および環状アルキル基、および該芳香族およびヘテロ芳香族基は、各場合において、1以上のラジカルRによって置換されていてもよく;
    ここで、Rが、同一にまたは異なって、F、Cl、Br、I、CN、NH、N(R、OH、NHC(O)R、OR、(-OC(O)CHCH)または(-OC(O)C(CH)CH)、1~20個のC原子を有する直鎖状アルキル基、3~20個のC原子を有する分枝状アルキル基、5~30個の芳香環原子を有する芳香族基、および5~30個の芳香環原子を有するヘテロ芳香族基から選択され、ここで、該直鎖状または分枝状アルキル基におけるもしくは該芳香族またはヘテロ芳香族基における1以上のH原子が、F、Cl、Br、Iおよび/またはCNによって置き換えられていてもよく;ならびに
    が、同一にまたは異なって、1~20個のC原子を有する直鎖状アルキル基および3~20個のC原子を有する分枝状アルキル基から選択され、ここで、1以上のH原子が、F、Cl、Br、Iおよび/またはCNによって置き換えられていてもよい、
    請求項1に記載の組成物。
  3. 、RおよびRの、ならびに、R、RおよびRの少なくとも1が、アリールまたはヘテロアリール基である、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 、RおよびRの、ならびに、R、RおよびRの少なくとも2が、同一にまたは異なって、アリールおよびヘテロアリール基から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 、R、R、R、RおよびRが、同一にまたは異なって、アリールおよびヘテロアリール基から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 、R、R、R、RおよびRが、同一にまたは異なって、5~18個の芳香環原子を有する芳香族基および5~18個の芳香環原子を有するヘテロ芳香族基から選択され、それが、各場合において、1以上のラジカルRによって置換されていてもよく;
    ここで、Rが、同一にまたは異なって、F、Cl、Br、I、CN、NH、N(R、OH、NHC(O)R、OR、(-OC(O)CHCH)または(-OC(O)C(CH)CH)、1~20個のC原子を有する直鎖状アルキル基、3~20個のC原子を有する分枝状アルキル基から選択され、ここで、該直鎖状または分枝状アルキル基における1以上のH原子が、F、Cl、Br、Iおよび/またはCNによって置き換えられていてもよく;ならびに
    が、同一にまたは異なって、1~10個のC原子を有する直鎖状アルキル基および3~10個のC原子を有する分枝状アルキル基から選択され、ここで、1以上のH原子が、F、Cl、Br、Iおよび/またはCNによって置き換えられていてもよい、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 、R、R、R、RおよびRが、同一にまたは異なって、アルキル基から選択される、請求項1または2に記載の組成物。
  8. 、R、R、R、RおよびRが、同一にまたは異なって、1~20個のC原子を有する直鎖状アルキル基および3~20個のC原子を有する分枝状アルキル基から選択され、それが、各場合において、F、Cl、Br、I、CN、(-OC(O)CHCH)または(-OC(O)C(CH)CH)、5~20個の芳香環原子を有する芳香族基、および5~20個の芳香環原子を有するヘテロ芳香族基から選択される1以上の基によって置換されていてもよい、請求項7に記載の組成物。
  9. 、R、Rの、ならびに、R、RおよびRの少なくとも1が、1以上の基-OC(O)CHCHおよび/または基-OC(O)C(CH)CHによって置換されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. Zが、Pである、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 組成物が、一般式(1)で表される少なくとも1の化合物または一般式(2)で表される少なくとも1の化合物を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. 組成物における式(1)および/または(2)で表される化合物の総量が、ナノサイズ発光材料の無機部に基づき、1wt.-%~40wt.-%、より好ましくは4wt.-%~32wt.-%、およびさらにより好ましくは4wt.-%~20wt.-%の範囲にある、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
  13. 少なくとも1のナノサイズ発光材料の表面に付着する表面修飾リガンドをさらに含み、該リガンドが、以下の一般式(3)または(4):
    -SH 式(3)
    10-(CH-SH 式(4)
    式中
    が、1~40個のC原子を有する直鎖状アルキル基、3~40個のC原子を有する分枝状または環状アルキル基、および2~40個のC原子を有するアルケニルまたはアルキニル基から選択され;
    10が、5~30個の芳香環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香族基から選択され、それが、各場合において、F、Cl、Br、I、CN、1~20個のC原子を有する直鎖状アルキル基および1~20個のC原子を有するアルコキシ基から選択される1以上の基によって置換されていてもよく;ならびに
    nが、0~16である、
    によって表される、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
  14. 組成物が、さらなる添加剤を含み、それが、好ましくは、有機発光材料、無機発光材料、電荷輸送材料、散乱粒子、ホスト材料、ナノサイズプラズモン粒子、光開始剤、およびマトリックス材料から選択される、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物。
  15. 請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物および少なくとも1の溶媒を含み、好ましくは溶媒が、芳香族の、ハロゲン化された、および脂肪族の炭化水素溶媒からなる群の1以上のメンバーから選択され、より好ましくはトルエン、キシレン、エーテル、テトラヒドロフラン、クロロホルム、ジクロロメタンおよびヘプタンからなる群の1以上のメンバーから選択される、配合物。
  16. 光学媒体の製造のためのプロセスにおける、請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物または請求項15に記載の配合物の使用。
  17. 電子デバイス、光学デバイスにおける、または生物医学デバイスにおける、請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物または請求項15に記載の配合物の使用。
  18. 請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物を含む、光学媒体。
  19. 請求項18に記載の光学媒体を含む、光学デバイス。
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