JP2022521172A - 嚥下障害をスクリーニングする方法及びデバイス - Google Patents

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Abstract

嚥下安全性及び嚥下効率をスクリーニングするための統合デバイスが、(i)第1の個人によって連続的に実行された第1の嚥下事象のセットについて第1の振動データを受信し、(ii)第1の振動データの少なくとも一部分及び/又は第1の振動データから導出された第2の振動データの少なくとも一部分を、嚥下安全性及び嚥下効率のそれぞれについて定義された設定分類基準と比較し、(iii)第1の複数の嚥下事象のそれぞれに嚥下安全性確率及び嚥下効率確率を割り当て、(iv)第1の複数の嚥下事象のそれぞれの嚥下安全性確率に少なくとも部分的に基づいて嚥下安全性分類を判定し、(v)第1の複数の嚥下事象のそれぞれの嚥下効率確率に少なくとも部分的に基づいて嚥下効率分類を判定することができる。【選択図】 図1

Description

[0001]本開示は概して、音声データ及び/又は加速度計データなどの振動データを使用して嚥下障害をスクリーニングする方法及びデバイスに関する。より具体的には、統合デバイスが、嚥下安全性及び嚥下効率をスクリーニングするために振動データを使用する。
[0002]嚥下困難は、嚥下過程の不随意運動制御が正常に機能しないことによって特徴付けられ、気道に異物が入る「咽頭侵入」を引き起こし得る。気道侵入は、肺に異物が入る「誤嚥(aspiration)」を伴うことがあり、重大な健康リスクにつながることがある。
[0003]嚥下活動の3つの相は、口腔、咽頭、及び食道である。咽頭相は通常、嚥下困難を有する患者では損なわれている。嚥下困難における嚥下の障害咽頭相は、広くみられる健康状態(65歳超の集団の38%)であり、食事の誤嚥(食物が気道に入ること)及び/又は咽頭残留物をもたらす可能性があり、これはひいては、誤嚥性肺炎、栄養不良、脱水、及び更には死などの深刻な健康リスクをもたらし得る。嚥下誤嚥は、特に嚥下困難を有する小児及び急性脳卒中の患者では無症状であり(すなわち、咳などの、嚥下の難しさの明白な徴候がない)、臨床知覚判断による検出を困難にする可能性がある。
[0004]嚥下困難のスクリーニングは、誤嚥、栄養不良、又は脱水のリスクがあり、嚥下困難の診断及び管理において訓練された専門家による更なる臨床評価を必要とする患者を識別するために使用される方法である。スクリーニングだけでは、嚥下困難又は誤嚥の有無を検出するのに不十分である。しかしながら、嚥下障害を有する患者は、より深刻な障害のある患者が遅滞なく管理されることを可能にするために、可能な限り早期に識別される必要がある。嚥下困難のスクリーニングは、初期入院時に治療計画を策定するために不可欠であり、患者には食物及び液体を差し控えるべきかどうか、並びに経鼻胃(NG)管が必要であるかどうか、並びに摂食及び栄養、誤嚥、及び嚥下に関連する他の問題を判定する。
[0005]多種多様な嚥下スクリーニング及び評価試験が利用可能であるが、いずれも嚥下困難の正確な検出を確実にするために許容可能な感度及び特異度を有さない。
[0006]いくつかのレビューは、使用する最良のスクリーニング器具に関するコンセンサスの欠如を示している。ほとんどの臨床嚥下検査は、検査された患者集団にかかわらず、スクリーニング目的に使用されるのに十分な感度を欠くことが示されている。臨床スクリーニングプロトコルは、誤嚥の存在について適切な予測値を提供することを示していない。いくつかの個々の検査構成要素は、合理的な感度を示したが、これらのプロトコルの再現性及び一貫性は確立されなかった。文献に報告されている嚥下困難スクリーニング検証研究は、多数の深刻な制限を有する。脳卒中後に誤嚥する患者の3分の1~2分の1が無症状の誤嚥者であることに注意することも重要である(すなわち、咳又は外からわかる困難の兆候がない、真声帯のレベルを下回る食物の咽頭侵入)。
[0007]2010年に、合同委員会(米国の医療機関及びプログラムを認定する)は、全国品質フォーラムが基準を承認できなかったため、「有効な嚥下困難スクリーニングツールを構成するものについての標準は存在せず、最適な嚥下スクリーニングを識別する臨床試験は完了していない」と述べて、急性脳卒中の嚥下困難スクリーニングのパフォーマンス基準を撤回した。嚥下困難のスクリーニングは、「Get with the Guidelines」脳卒中ガイドラインから削除された。しかしながら、合同委員会の勧告からの削除は、スクリーニングを実施すべきではないということを意味しない。実際、合同委員会は、嚥下困難のスクリーニング方法を改善するための更なる研究を推奨している。
[0008]ビデオ蛍光透視嚥下研究(Videofluoroscopic swallowing study、VFSS)は、長い間、嚥下困難の評価における臨床的参照方法(ゴールドスタンダード)として見なされてきた。VFSSは、嚥下の口腔、咽頭、食道の各段階を動的に可視化する。VFSSは嚥下の包括的な評価を提供し、患者が誤嚥しているかどうかを判断するだけでなく、誤嚥につながる病態生理学的メカニズムの分析も可能にする。咽頭侵入、誤嚥、及び咽頭残留の度合いは、最も一般的にはRosenbekらの評価尺度に従って評価される。しかしながら、VFSSは特殊な設備及び職員を必要とし、放射線への曝露を伴う。一部の患者は、医学的に脆弱であり、放射線科に輸送することができない場合があり(例えば、複雑な急性脳卒中患者及びICU患者)VFSSにあまり適していない。
[0009]嚥下の光ファイバー内視鏡評価(Fiber-optic endoscopic evaluation of swallowing、FEES)は、鼻孔を通り、軟口蓋を通り、咽頭に入る柔軟な鼻咽頭鏡を使用した嚥下の別の機器評価である。最近の研究は、FEESが、急性脳卒中の嚥下困難評価患者のための安全で信頼できる予測ツールであることを示唆する。VFSSと比較したFEESの主な欠点は、嚥下行為全体がカバーされておらず、更に内視鏡の視界が一瞬で相反的に損なわれることである。現在、FEESは、おそらくドイツで客観的な嚥下困難の評価に最も頻繁に使用されるツールである。これにより、嚥下の効率及び安全性、適切な摂食計画の判定、及び異なる嚥下操作の効率の評価が可能になる。AHA/ASA-Endorsed Practice Guidelines Management of Adult Stroke Rehabilitation Careは、VFSSの代替として嚥下の光ファイバー内視鏡検査(FEES)を検討することを推奨している。
[0010]臨床(又はベッドサイド)嚥下評価(CSE)は、SLP(Speech Language Pathologist)によって通常実行される嚥下機能の行動評価である。この評価は実用的な評価方法であるが、制限があり、熟練した臨床医による主観的な評価に依存する。CSEで通常使用される変数の40%はデータでサポートされておらず、臨床医が通常使用する測定値の44%のみが適切な審査員内及び審査員間の信頼性を示している。
[0011]嚥下困難の臨床スクリーニング試験は、安全で、比較的簡素で、繰り返しが容易であるが、感度(42%~92%)、特異度(59%~91%)、及び評定者間信頼性(κ0~1.0)が変動する。それらは、無症状の誤嚥を検出することにも不十分である。現在、臨床環境で嚥下困難のリスクがある患者をスクリーニングするために最も頻繁に使用されるツールであるWST(Water Swallow Test、水飲み試験)の精度は、近年繰り返し疑問視されている。Ramseyら及びBoursらによって実施された2つのメタ分析は、VFSS又はFEESと比較したとき、誤嚥を検出するためのWSTの感度は、ほとんど全てのレビューされた研究において80%を著しく下回ることが示唆されている。この観察は、特異度にも適用され、負及び正の予測値も同様である。
[0012]ほとんどの嚥下スクリーニングアプローチは、音声品質、自発咳機能、発語明瞭化、舌機能、及び水又は他の刺激の嚥下の観察を伴う。試験を行う臨床医は、嚥下後の咳又は濡れた声(wet voice)を含むこれらのパラメータにおける異常を特定することが期待される。臨床医がこれらのパラメータを判断するように求められた標準化された嚥下スクリーニングプロトコルと同時VFSSとの結果の盲検比較により、意思決定、咽頭嚥下困難の検出、又は喉頭侵入と誤嚥の検出に適切なスクリーニングパラメータはないことが明らかになった。
[0013]Toronto Bedside Swallowing Screening Test(TOR-BSST)は、感度91%(95%CI、71.9~98.7)及び特異度67%(95%CI、49.0~81.4)を報告している。この試験の制限には、疑わしい実行可能性、限られた運用定義、検証に寄与する被験者のわずか20%(n=68)の小さな検証サンプル、及びスクリーニングと参照試験間の延長時間が含まれる。この最後の制限は、特に急性期における嚥下困難の急速な進展のため、脳卒中集団において特に重要である。Gugging Swallow Screen(GUSS)は、急性脳卒中患者(19人の患者にSLPにより、30人の患者に看護師により与えられた)における小さな試験において検証され、SLP検証では100%の感度及び50%の特異度、並びに看護師による検証では100%の感度及び69%の特異度を示した。この制限には、看護師の信頼性情報の欠如、未知の実現可能性が与えられる複雑性(試験は2つの部分からなり、半固体食品で始め、次いで液体、及び最終的に固体の食感の3つの連続的に実行されるサブ試験を含む)、及び妥当性試験における小さなサンプルサイズを含む。
[0014]特に、ほとんどのスクリーニング方法が、脳卒中患者に対して策定され、試験される。嚥下困難のリスクのある他の母集団におけるこれらの方法の臨床的有用性及び精度は、疑問視される可能性がある。例えば、836人の認定SLPによる全米50州の自記式調査の結果は、報告した回答者が嚥下評価と人工呼吸の経験者向けの看護とに定期的に関与している場合でも、SLP診断評価の過半数(60%;95%CI=59~62%)は、精度が不確実な臨床技術を使用して実施されたことを示した。
[0015]臨床嚥下検査の制限を考慮すると、CSEは、新しいスクリーニングツールの検証のための参照方法として使用できず、VFSS及びFEESが唯一の有効な参照標準として選択されるままである。
[0016]完全自動化された正確な嚥下スクリーニングツールの策定は、捉えどころのない挑戦のままである。
[0017]一般的な一実施形態において、本開示は、嚥下安全性及び嚥下効率をスクリーニングする統合デバイスを提供する。デバイスは、
[0018](i)第1の個人によって連続的に実行された第1の複数の嚥下事象についての(例えば、水を4口飲む試験、又は蜂蜜を3口飲む試験などの単一試験)第1の振動データ(例えば、音声データ及び/又は加速度計データ)を受信するステップと、
[0019](ii)第1の振動データの少なくとも一部分、第1の振動データから導出された第2の振動データの少なくとも一部分、及びそれらの組み合わせからなるグループから選択された嚥下データを、嚥下安全性及び嚥下効率のそれぞれについて定義された設定分類基準に照らして比較するステップと、
[0020](iii)第1の複数の嚥下事象のそれぞれに嚥下安全性確率及び嚥下効率確率を割り当てるステップであって、第1の複数の嚥下事象のそれぞれは、対応する嚥下安全性確率及び対応する嚥下効率確率を、他の嚥下事象とは独立に割り当てられて、第1の複数の嚥下事象について独立したポイント測定値を提供する、割り当てるステップと、
[0021](iv)第1の複数の嚥下事象のそれぞれの嚥下安全性確率に少なくとも部分的に基づいて嚥下安全性分類を判定するステップであって、嚥下安全性分類は、少なくとも1つの所定の嚥下安全性分類から特定され、好ましくはこの嚥下安全性分類は、第1の複数の嚥下事象についての単一の嚥下安全性分類である、判定するステップと、
[0022](v)第1の複数の嚥下事象のそれぞれの嚥下効率確率に少なくとも部分的に基づいて嚥下効率分類を判定するステップであって、嚥下効率分類は、少なくとも1つの所定の嚥下効率分類から特定され、好ましくはこの嚥下効率分類は、第1の複数の嚥下事象についての単一の嚥下効率分類である、判定するステップと、を行うように構成されたプロセッサを備える。
[0023]デバイスは、第1の複数の嚥下事象についての嚥下安全性分類及び嚥下効率分類を特定する、オーディオ及び/又はグラフィックスのうちの少なくとも1つを含む1つ以上の第1の出力を提供するように構成されたユーザインターフェースを更に備える。
[0024]本開示によって提供される1つ以上の実施形態の利点は、非先天性かつ非外科的かつ非癌起源の中咽頭嚥下困難のリスクを有する患者において、嚥下障害を検出する客観的で非侵襲的な方法である。
[0025]本開示によって提供される1つ以上の実施形態の別の利点は、高い感度と高い陰性適中度とを有するスクリーニング試験である。
[0026]本開示によって提供される1つ以上の実施形態の更に別の利点は、検証済みで正確かつ信頼性のある嚥下困難評価方法として、臨床参照基準に照らして動作特性が確立されたスクリーニング方法である。
[0027]本開示によって提供される1つ以上の実施形態の更に別の利点は、許容可能な特異度レベルで可能な最高感度を有する嚥下スクリーニングデバイスである。
[0028]本開示によって提供される1つ以上の実施形態の別の利点は、無症状の誤嚥を検出するためのスクリーニング試験である。
[0029]
前後方向及び上下方向における加速度の軸を示す図である。 動作中の嚥下障害をスクリーニングするためのデバイスの一実施形態の概略図である。 嚥下障害をスクリーニングするデバイスの第1の実施形態における、水と増粘飲料のどちらかを選択するインターフェース画面の一例である。 嚥下障害をスクリーニングするデバイスの第1の実施形態における、患者情報を入力し、指示を表示するインターフェース画面の一例である。 嚥下障害をスクリーニングするデバイスの第1の実施形態における、ユーザ入力、すなわち、第1のボーラスの投与を確認するユーザ入力を受領するインターフェース画面の一例である。 嚥下障害をスクリーニングするデバイスの第1の実施形態における、ユーザ入力、すなわち、第1のボーラスの嚥下の完了を確認するユーザ入力を受領するインターフェース画面の一例である。 嚥下障害をスクリーニングするデバイスの第1の実施形態における、第1のボーラスの嚥下安全性分類及び嚥下効率分類を表示し、ユーザ入力、すなわち、第2のボーラスの投与を確認するユーザ入力を受領するインターフェース画面の一例である。 嚥下障害をスクリーニングするデバイスの第1の実施形態における、ユーザ入力、すなわち、第2のボーラスの嚥下の完了を確認するユーザ入力を受領するインターフェース画面の一例である。 嚥下障害をスクリーニングするデバイスの第1の実施形態における、第2のボーラスの嚥下安全性分類及び嚥下効率分類を表示するインターフェース画面の一例である。 嚥下障害をスクリーニングするデバイスの第1の実施形態における、第1及び第2のボーラスの嚥下安全性分類及び嚥下効率分類を示し、ユーザ入力、すなわち、第3のボーラスの投与を確認するユーザ入力を受領するインターフェース画面の一例である。 嚥下障害をスクリーニングするデバイスの第1の実施形態における、ユーザ入力、すなわち、第3のボーラスの嚥下の完了を確認するユーザ入力を受領するインターフェース画面の一例である。 嚥下障害をスクリーニングするデバイスの第1の実施形態における、第1、第2、及び第3のボーラスの嚥下安全性分類及び嚥下効率分類を示し、ユーザ入力、すなわち第4のボーラスの投与を確認するユーザ入力を受領するインターフェース画面の一例である。 嚥下障害をスクリーニングするデバイスの第1の実施形態における、ユーザ入力、すなわち、第4のボーラスの嚥下の完了を確認するユーザ入力を受領するインターフェース画面の一例である。 嚥下障害をスクリーニングするデバイスの第1の実施形態における、第1、第2、第3、及び第4のボーラスの嚥下安全性分類及び嚥下効率分類を示すインターフェース画面の一例である。 嚥下障害をスクリーニングするデバイスの第1の実施形態における、まとめ画面の一例である。 嚥下障害をスクリーニングするデバイスの第1の実施形態における、特定タイプの増粘飲料を選択するインターフェース画面の一例である。 嚥下障害をスクリーニングするデバイスの第1の実施形態における、患者情報を入力し、指示を表示するインターフェース画面の一例である。 嚥下障害をスクリーニングするデバイスの第1の実施形態における、ユーザ入力、すなわち、第1のボーラスの投与を確認するユーザ入力を受領するインターフェース画面の一例である。 嚥下障害をスクリーニングするデバイスの第1の実施形態における、患者情報を入力し、指示を表示するインターフェース画面の一例である。 嚥下障害をスクリーニングするデバイスの第1の実施形態における、ユーザ入力、すなわち、第1のボーラスの投与を確認するユーザ入力を受領するインターフェース画面の一例である。 嚥下障害をスクリーニングするデバイスの第2の実施形態における、水と増粘飲料との間で選択するためのインターフェース画面の一例である。 嚥下障害をスクリーニングするデバイスの第2の実施形態における、患者情報を入力し、指示を表示するインターフェース画面の一例である。 嚥下障害をスクリーニングするデバイスの第1の実施形態における、ユーザ入力、すなわち、第1のボーラスの投与を確認するユーザ入力を受領するインターフェース画面の一例である。 嚥下障害をスクリーニングするデバイスの第2の実施形態における、ユーザ入力、すなわち、第1のボーラスの嚥下の完了を確認するユーザ入力を受領するインターフェース画面の一例である。 嚥下障害をスクリーニングするデバイスの第2の実施形態における、ユーザ入力、すなわち、第2のボーラスの投与を確認するユーザ入力を受領するインターフェース画面の一例である。 嚥下障害をスクリーニングするデバイスの第2の実施形態における、ユーザ入力、すなわち、第2のボーラスの嚥下の完了を確認するユーザ入力を受領するインターフェース画面の一例である。 嚥下障害をスクリーニングするデバイスの第2の実施形態における、ユーザ入力、すなわち、第3のボーラスの投与を確認するユーザ入力を受領するインターフェース画面の一例である。 嚥下障害をスクリーニングするデバイスの第2の実施形態における、ユーザ入力、すなわち、第3のボーラスの嚥下の完了を確認するユーザ入力を受領するインターフェース画面の一例である。 嚥下障害をスクリーニングするデバイスの第2の実施形態における、第3のボーラスの分析エラーを示すインターフェース画面の一例である。 嚥下障害をスクリーニングするデバイスの第2の実施形態における、ユーザ入力、すなわち、第4のボーラスの投与を確認するユーザ入力を受領するインターフェース画面の一例である。 嚥下障害をスクリーニングするデバイスの第2の実施形態における、ユーザ入力、すなわち、第4のボーラスの嚥下の完了を確認するユーザ入力を受領するインターフェース画面の一例である。 嚥下障害をスクリーニングするデバイスの第2の実施形態における、第1、第2、第3、及び第4のボーラスの嚥下の完了を表示するインターフェース画面の一例である。 嚥下障害をスクリーニングするデバイスの第2の実施形態における、単一の嚥下安全性分類及び単一の嚥下効率分類を表示するインターフェース画面の一例である。 嚥下障害をスクリーニングするデバイスの第2の実施形態における、まとめ画面の一例である。 嚥下障害をスクリーニングするデバイスの第2の実施形態における、特定タイプの増粘飲料を選択するインターフェース画面の一例である。 嚥下障害をスクリーニングする方法の一実施形態の概略図である。 嚥下障害をスクリーニングする方法の一実施形態における、最初の4つのマッチするペア(すなわち、VFSSと加速度計の両方によって測定可能な最初の4つの嚥下事象)を特定する方法の概略図である。 嚥下障害をスクリーニングする方法の一実施形態における、最初の4つのマッチするペア(すなわち、VFSSと加速度計の両方によって測定可能な最初の4つの嚥下事象)を特定する方法の概略図である。 嚥下障害をスクリーニングするデバイスの一実施形態の写真である。 嚥下障害をスクリーニングするデバイスの一実施形態における、測定信号の処理及び送信の基本アーキテクチャの概略図である。 本明細書に開示される臨床試験を通した参加者の流れを示すフローチャートである。
[0070]定義
[0071]以下、いくつかの定義を示す。しかしながら定義が以下の「実施形態」の項にある場合もあり、上記の見出し「定義」は、「実施形態」の項におけるそのような開示が定義ではないことを意味するものではない。
[0072]本開示及び添付の特許請求の範囲において使用されるとき、単数形「1つの」、すなわち「a」、「an」及び「the」には、別段の指示がない限り、複数の参照物も含まれる。複数の参照物が含まれないことが文脈から明らかである例は、「単一」という用語であり、本明細書では「ただ1つ」を意味し、例えば、あるデータのセットに対する「単一の嚥下安全性分類」及び「単一の嚥下効率分類」は、それぞれ、そのデータセットに対する「ただ1つの嚥下安全性分類」及び「ただ1つの嚥下効率分類」を意味し、そのデータセットに対する更なる嚥下安全性分類及び更なる嚥下効率分類の存在を除外する。
[0073]本明細書において使用するとき、「約」とは、ある数値範囲、例えば、参照する数の-10%~+10%、好ましくは参照する数の-5%~+5%、より好ましくは参照する数の-1%~+1%、最も好ましくは参照する数の-0.1%~+0.1%の範囲内の数を指すものと理解される。更に、本明細書における全ての数値範囲は、その範囲内の全ての整数又は分数を含むと理解されるべきである。
[0074]用語「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、及び「含んでいる(comprising)」は、排他的にではなく包含的に解釈されるべきである。同様にして、用語「含む(include)」、「含む(including)」及び「又は(or)」は全て、このような解釈が文脈から明確に妨げられない限りは他を包含し得るものであると解釈される。いくつかの構成要素を「含む」デバイスの開示は、全ての実施形態において、構成要素が物理的に互いに取り付けられることを必要としない。
[0075]それにもかかわらず本明細書に開示されるデバイスには、具体的に開示されない任意の要素が存在しない場合がある。したがって、用語「含む(comprising)」を用いる実施形態の開示は、識別された構成要素「から本質的になる(consisting essentially of)」及び「からなる(consisting of)」実施形態の開示も含む。同様にして、本明細書で開示される方法には、本明細書において具体的に開示されない任意の工程が存在しない場合がある。したがって、用語「含む(comprising)」を用いる実施形態の開示は、識別されたステップ「から本質的になる(consisting essentially of)」及び「からなる(consisting of)」実施形態の開示も含む。
[0076]「X及び/又はY」の文脈で使用される用語「及び/又は」は、「X」、又は「Y」、又は「X及びY」と解釈されるべきである。本明細書において使用する場合、用語「例(example)」及び「などの(such as)」は、特に後に用語の掲載が続く場合は、単に例示的なものであり、かつ説明のためのものであり、排他的又は包括的なものであると判断すべきではない。別途記載のない限り、本明細書で開示される任意の実施形態を、本明細書で開示される任意の別の実施形態と組み合わせることができる。
[0077]「第1」及び「第2」などの数量形容詞は、単に各要素を区別するために使用される。これらの数量形容詞は、その他の要素の存在、相対的な位置づけ、又は何らかの時系列での遂行を暗示するものではない。この点において、「第2の加速度計データ」の存在は、「第1の加速度計データ」が必然的に存在することを意味するものではない。更にこの点において、「第2の加速度計データ」は、任意の「第1の加速度計データ」の前、後、又は同時に取得及び/又は使用することができる。
[0078]用語「その後」、「次いで」、及び「後続」は単に、その事象が、基準となる事象より後の時間に発生することを意味する。これらの用語は、その事象が、基準となる事象の直後に発生することを意味するものではなく、事象が起こるまでに経過する時間量はどのようなものであってもよく、基準となる事象の「後」である。更に、用語「その後」、「次いで」、及び「後続」には、間に介在する事象がないという状況(例えば、「直後」又は「直後」)も含まれるが、これらの用語は、その状況を示唆するものではない。
[0079]本明細書で使用される場合、「ボーラス」は、単一の1口(sip)若しくは1口(mouthful)、又は食品若しくは飲料である。本明細書で使用される場合、「誤嚥」は、食品又は飲料が気管(trachea)(windpipe)及び肺に入ることであり、嚥下中及び/又は嚥下後(嚥下後誤嚥)に生じ得る。嚥下後誤嚥は一般に、嚥下後に咽頭内に残存する咽頭残留物の結果として生じる。
[0080]本明細書で使用される場合、「嚥下安全性」は、もしあれば、肺に到達する飲料の投与量に対する胃に到達する嚥下事象の飲料の投与量を意味する。「嚥下効率」は、飲料の総投与量に対して、嚥下事象後に、もしあれば、どれだけの飲料残渣が咽喉内及び/又は肺によって残されているかを意味する。「嚥下の非効率性」は、嚥下の最後に咽頭内に可視残留物が存在し、喉頭蓋谷及び/又は梨状窩瘻のいずれかの少なくとも50%を満たすこととして定義される。
[0081]本明細書で使用するとき、「リアルタイム」とは、嚥下事象から10秒以内、好ましくは5秒以内、より好ましくは2秒以内、最も好ましくは1秒以内に、出力が提供されることを意味する。
[0082]実施形態
[0083]本開示の一態様は、嚥下安全性及び嚥下効率をスクリーニングする統合デバイスである。本開示の別の態様は、嚥下安全性及び嚥下効率をスクリーニングする方法である。
[0084]いくつかの実施形態では、この方法及びデバイスは、それぞれその全体が本明細書に参考として組み込まれる、米国特許第7,749,177号(Chauら)に開示されている誤嚥を検出する装置及び/若しくは方法、米国特許第8,267,875号(Chauら)に開示されている、二軸嚥下加速度計信号の分割及び持続時間分析の方法及び/若しくはシステム、米国特許第9,138,171号(Chauら)に開示されている嚥下活動を検出するシステム及び/若しくは方法、又は、米国特許第9,687,191号(Chauら)に開示されている嚥下障害検出の方法及び/若しくはデバイスの1つ以上に採用することが可能である。
[0085]以下で詳細に説明するように、このデバイスは、嚥下活動を示す信号を生成するように構成されたセンサ(例えば、二軸加速度計又は音声センサ)を含んでもよい。センサは、ヒトの頸部の外側、好ましくは頸部の輪状軟骨の前に配置することができる。センサを配置し、センサをそのような位置に保持するための様々な手段、例えば両面テープ、を適用することができる。好ましくは、センサの配置は、加速度の軸が、図1に示すように、前後方向及び上下方向に位置合わせされるようなものである。
[0086]図2は、概して、嚥下安全性及び嚥下効率をスクリーニングするためのデバイス100の非限定的な例を示す。デバイス100は、例えば二軸加速度計データ及び/又は信号などの嚥下中の振動データを取得するために候補者の咽喉領域に取り付けられる、センサ102(例えば、二軸加速度計又は音声センサ)を備えることができる。加速度計データは、前後軸(A-P軸)及び/又は上下軸(S-I軸)に沿って取得された喉振動信号を含み得るが、これらに限定されない。センサ102は、例えば、EMT25-C単軸加速度計などの単軸加速度計(患者上で回転させて、二軸振動データを取得できる)、又はADXL322若しくはADXL327二軸加速度計などの二軸加速度計などの、当業者に知られたどのような加速度計であることもできる。本開示は、センサ102の特定の一実施形態に限定されない。更に、これに関して、加速度計データに関する本明細書の開示が音声データなどの他の振動データにも適用可能であり、音声データなどの他の振動データを使用して行われ得ることは、当業者には理解される。
[0087]センサ102は、1つ以上のプロセッサ106(プロセッサの数はいくつでもよいと企図されるが、以下では「プロセッサ106」と称する)に動作可能に結合され得る。プロセッサ106は、取得したデータを処理して嚥下効率及び嚥下安全性を判断するように構成される。プロセッサ106は、例えば、ワイヤ、ケーブル、光ファイバなどの1つ以上のデータ通信媒体によって、及び/又は1つ以上の無線データ転送プロトコルによって、データの通信のためにセンサ102に動作可能に連結された明確に実装されたデバイスであることができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ106は、センサ102と一体的に実装されてもよい。
[0088]一般に、振動データ(例えば、二軸加速度計信号)の処理は、(i)A-P信号の少なくとも一部分とS-I信号の少なくとも一部分とが、他方のチャネルとは別にそれぞれの信号のメタ特徴を計算することによって個別に分析される処理と、(ii)A-P軸の軸固有振動データの少なくとも一部分を、S-I軸の軸固有振動データの少なくとも一部分と組み合わせ、次いで、組み合わせたデータからメタ特徴を抽出する処理と、のうちの少なくとも1つを含む。
[0089]デバイス100のプロセッサ106は、好ましくは、第1の個人によって連続的に実行された第1の複数の嚥下事象について、第1の振動データ(例えば、加速度計データ又は音声データ)を受信するように構成される。デバイス100のセンサ102は、第1の複数の嚥下事象についての第1の振動データを提供するためにプロセッサ102に通信可能に接続された加速度計であることができる。
[0090]一実施形態では、プロセッサ106は、1つ以上のタイミング閾値を使用する。例えば、デバイス100が第1の振動データを受信する準備ができているときに、第1のタイミング閾値を適用することができる。これに関して、デバイス100は、第1の複数の嚥下事象のうちの1つから第1の振動データを受信する準備ができていることを示すことができ、次いで、プロセッサ106は、対応するボーラスが投与されたことを示すユーザ入力(例えば、「開始」ボタンの選択)の受信について、第1のタイミング閾値を使用することができる。非限定的な例として、デバイス100は、第1の振動データを受信する準備ができていることを示すことができ、次いで、対応するボーラスが投与されたことを示す入力をユーザがデバイス100に入力するために、15分間、好ましくは10分間、より好ましくは5分間を与えることができる。特定の一実施形態では、デバイス100は、対応するボーラスが投与されたことを示すユーザ入力を受信する前に第1のタイミング閾値を超過した場合には、エラーメッセージを提供することができ、かつ/又はスクリーニングを停止することができる。
[0091]追加で、又は代替的に、対応するボーラスが投与されたことを示すユーザ入力の後に、第2のタイミング閾値を適用することができる。これに関して、デバイス100は、対応するボーラスが投与されたことを示すユーザ入力(例えば、「開始」ボタンの選択)を受領することができ、次いで、プロセッサ106は、対応する嚥下事象が完了したことを示すユーザ入力の受信について、第2のタイミング閾値を使用することができる。非限定的な例として、デバイス100は、対応するボーラスが投与されたことを示すユーザ入力を受信することができ、次いで、対応する嚥下事象が完了したことを示す入力をユーザがデバイス100に入力するために、5分間、好ましくは1分間、より好ましくは30秒間(又は、それ未満)を与えることができる。特定の一実施形態では、デバイス100は、対応する嚥下事象が完了したことを示すユーザ入力の前に第2のタイミング閾値時間を超過した場合は、エラーメッセージを提供することができ、かつ/又はスクリーニングを停止することができる。
[0092]デバイス100は、ハウジングを更に備えることができる。プロセッサ106は、ハウジング内に配置することができ、かつ/又はハウジングに機械的に接続することができる。好ましくは、デバイス100は、ハウジング内に配置することができ、かつ/又はハウジングに機械的に接続することができるユーザインターフェース104を更に備え、ユーザインターフェース104は、入力要素105(例えば、キーボード又はタッチパッド)を備えることができる。入力要素105は、加速度計データを提供するセンサのタイプ、及び/又はスクリーニング中に患者に投与される飲料タイプなどの、スクリーニングパラメータを特定するユーザ入力を受領するように構成され得る。好ましくは、デバイス100は、ハウジング内に配置することができ、かつ/又はハウジングに機械的に接続することができるメモリ素子107を更に備える。
[0093]ボーラスレベルの分析
[0094]デバイス100によって行われ得る嚥下スクリーニングの第1の実施形態では、プロセッサ106は、連続的に実行された第1の複数の嚥下事象の各嚥下事象を分類することができる。本明細書においては、各嚥下事象の分類を「ボーラスレベル」の分析とする。
[0095]この実施形態では、各嚥下事象を、対応する嚥下事象の抽出されたメタ特徴に基づいて分類することができる。このアプローチを適用する際、嚥下事象は、正常な嚥下事象又は潜在的に障害のある嚥下事象(例えば、安全でない及び/又は効率が低い)として有効に分類することができる。二軸加速度計信号がデバイス100によって処理され、嚥下事象の分類に使用されるためにユーザ入力の必要がないように、この分類は自動的であることが好ましい。嚥下事象のそれぞれは、他の嚥下事象とは独立に分類されて、第1の複数の嚥下事象について独立したポイント測定値を提供する。したがって、それぞれの事象を任意の順序で行うことができ、したがって、監視に使用することができる。好ましくは、プロセッサ106による複数の嚥下事象の分類は、対応する嚥下事象に対してリアルタイムである。
[0096]第1の実施形態では、プロセッサ106は、嚥下データ(例えば、第1の加速度計データの少なくとも一部、及び/又は第1の加速度計データから導出された第2の加速度計データの少なくとも一部)を、嚥下安全性及び嚥下効率のそれぞれについて定義された設定分類基準と比較することができる。プロセッサ106は、第1の複数の嚥下事象のそれぞれを、設定分類基準に照らして嚥下データを比較することに少なくとも部分的に基づいて、嚥下安全性分類及び嚥下効率分類により分類することができる。嚥下安全性分類は、少なくとも1つの所定の嚥下安全性分類から特定され、嚥下効率分類は、少なくとも1つの所定の嚥下効率分類から特定される。プロセッサ106は、好ましくはデバイス100のユーザインターフェース104に、それらの分類を出力することができる。
[0097]第1の実施形態では、第1の複数の嚥下事象のそれぞれは、他の嚥下事象とは独立に分類されて、第1の複数の嚥下事象について独立したポイント測定値を提供する。好ましくは、第1の複数の嚥下事象のそれぞれのプロセッサ106による分類は、対応する嚥下事象に対してリアルタイムである。
[0098]第1の実施形態では、好ましくは、デバイス100のユーザインターフェース104は、第1の複数の嚥下事象のそれぞれについての嚥下安全性分類及び嚥下効率分類を特定する、オーディオ及び/又はグラフィックスのうちの少なくとも1つを含む1つ以上の第1の出力を提供するように構成される。好ましくは、ユーザインターフェース104による1つ以上の第1の出力は、対応する嚥下事象に対して各々リアルタイムである。
[0099]第1の実施形態では、プロセッサ106は、ユーザインターフェース104を使用して、第1の嚥下事象についての嚥下安全性分類と嚥下効率分類とを互いに同時に特定するように構成され得る。一実施形態では、プロセッサ106は、ユーザインターフェース104を使用して、複数の飲料ドースの投与を指示する、オーディオ及び/又はグラフィックのうちの少なくとも1つを含む1つ以上の第2のユーザ出力を提供するように構成され、第1の複数の嚥下事象のそれぞれは、複数の飲料ドースのうち1つに対応する。
[0100]例えば、プロセッサ106は、ユーザインターフェース104を使用して第1の飲料ドースの投与を指示するように(また、任意選択として、それに続いて、第1のドースの嚥下が完了したことを示すユーザ入力を受領するように)構成され得る。次いで、ユーザインターフェース104は、第1の飲料ドースに対応する第1の嚥下事象について、嚥下安全性分類及び嚥下効率分類を特定することができる。次いで、ユーザインターフェース104は、第2の飲料ドースの投与を指示することができる(また、任意選択として、それに続いて、第2のドースの嚥下が完了したことを示すユーザ入力を受領することができる)。次いで、ユーザインターフェース104は、第2の飲料ドースに対応する第2の嚥下事象について、嚥下安全性分類及び嚥下効率分類を特定することができる。
[0101]第1の実施形態では、プロセッサ106は、第2の嚥下事象についての嚥下安全性分類及び嚥下効率分類を特定した後に、ユーザインターフェース104を使用して第3の飲料ドースの投与を指示するように(また、任意選択として、それに続いて、第3の飲料ドースの嚥下が完了したことを示すユーザ入力を受領するように)構成され得る。次いで、ユーザインターフェース104は、第3の飲料ドースに対応する第3の嚥下事象について、嚥下安全性分類及び嚥下効率分類を特定することができる。プロセッサ106は、第3の嚥下事象についての嚥下安全分類及び嚥下効率分類を特定した後に、ユーザインターフェース104を使用して第4の飲料ドースの投与を指示するように(また、任意選択として、それに続いて、第4のドースの嚥下が完了したことを示すユーザ入力を受領するように)構成され得る。次いで、ユーザインターフェース104は、第4の飲料ドースに対応する第4の嚥下事象について、嚥下安全性分類及び嚥下効率分類を特定することができる。いくつかの実施形態では、このボーラスレベルの分析を、6ボーラスまで、又は更に多くのボーラスまでに対して行うことができる。
[0102]第1の実施形態では、少なくとも1つの所定の嚥下安全性分類は、安全な事象を示す第1の嚥下安全分類と、安全でない事象を示す第2の嚥下安全性分類とを含むことができる。少なくとも1つの所定の嚥下効率分類は、効率的な事象を示す第1の嚥下効率分類と、非効率的な事象を示す第2の嚥下効率分類とを含むことができる。1つ以上の第1の出力は、第1の複数の嚥下事象のそれぞれについて、ユーザインターフェース104上に表示される少なくとも1つのアイコンを含むことができる。少なくとも1つのアイコンの少なくとも一部分は、第1の嚥下安全性分類用の第1の色(例えば、緑色)、又は、第1の色とは異なる、第2の嚥下安全性分類用の第2の色(例えば、赤色)であることができる。少なくとも1つのアイコンの少なくとも一部分は、第1の嚥下効率分類用の第3の色(例えば、緑色)、又は、第3の色とは異なる、第2の嚥下効率分類用の第4の色(例えば、赤色)であることができる。
[0103]第1の実施形態では、メモリ素子107は、第1の複数の嚥下事象のそれぞれについての嚥下安全性分類及び嚥下効率分類を、第1の個人に関連付けられた第1のプロファイル内に記憶することができる、及び/又はアップロードすることができる。デバイス100は、第1の個人を定期的にスクリーニングし、メモリ素子107内の定期スクリーニングの結果を保存することによって、第1の個人をモニタするのに使用することができる。
[0104]例えば、プロセッサ106は、第1の複数の嚥下事象に続いて、例えば、少なくとも1日後、少なくとも1週間後、少なくとも1ヶ月後、又は少なくとも1年後に、第1の個人によって実行された第2の複数の嚥下事象をスクリーニングするように構成され得る。プロセッサ106は、第1の複数の嚥下事象についての嚥下安全性及び効率分類を、第2の複数の嚥下事象についての嚥下安全性及び効率分類と比較するように構成され得る。いくつかの実施形態では、このような定期的な比較を使用して、患者の相対的な改善又は悪化を監視することができる。
[0105]第1の実施形態では、デバイス100は、水(50mPa.s以下、例えば、1mPa.s)、ネクター(51~350mPa.s)、蜂蜜(351~1750mPa.s)、プディング(1750mPa.s超)のうち1つ以上などの複数の飲料のそれぞれに対する嚥下安全性及び嚥下効率について個人をスクリーニングすることができ、最も好ましくは、各タイプの飲料を別々にスクリーニングすることができる(すなわち、最初に第1の飲料の1つ以上のボーラスをスクリーニングし、次いで、第2の飲料の1つ以上のボーラスをスクリーニングする)。複数の飲料は、どのような順序でもスクリーニングすることができる。デバイス100は、最初に1つ以上の飲料タイプについて第1の個人をスクリーニングし、次いで、その後、その1つ以上の飲料タイプについてその個人を再び定期的にスクリーニングすることができ、例えば、スクリーニングの間隔は、少なくとも1日、少なくとも1週間、少なくとも1ヶ月、又は少なくとも1年である。
[0106]例えば、第1の複数の嚥下事象は、第1の粘度を有する第1の飲料で実行され得る。プロセッサ106は、第1の複数の嚥下事象に続いて、第1の個人によって実行された第2の複数の嚥下事象をスクリーニングするように構成され得、第2の複数の嚥下事象は、第1の粘度とは異なる第2の粘度を有する第2の飲料で実行され得る。プロセッサ106は、第1の複数の嚥下事象のそれぞれについての嚥下安全性分類及び嚥下効率分類を、第1の飲料の識別と関連させて、第1の個人に関連付けられた第1のプロファイル内(例えば、メモリ素子107内)に記憶するように構成され得る。プロセッサ106は、第2の複数の嚥下事象のそれぞれについての嚥下安全性分類及び嚥下効率分類を、第2の飲料の識別と関連させて、第1の個人に関連付けられた第1のプロファイル内(例えば、メモリ素子107内)に記憶するように構成され得る。
[0107]デバイス100を使用して、例えば、第1の個人、第2の個人、及び任意選択として更なる複数の個人などの複数の個人をスクリーニング及び/又は監視することができる。好ましくは、個人は独立にスクリーニングされる(すなわち、スクリーニング結果は、各個人について、他の個人のスクリーニング結果に対して分離される)。複数の個人のそれぞれは、自身のプロファイルを有することができ、好ましくは、所望であれば他の個人と同じ日にスクリーニングすることができる。デバイス100は、クラウドにリンクすることができ、よって、複数の個人からのデータを使用してメタ分析を構築して、アルゴリズムを改善することができる。
[0108]例えば、プロセッサ106は、第1の複数の嚥下事象に続いて、第1の個人とは異なる第2の個人によって実行された第2の複数の嚥下事象をスクリーニングするように構成され得る。デバイス100は、第2の複数の嚥下事象のそれぞれについての嚥下安全性分類及び嚥下効率分類を、第2の個人に関連付けられた第2のプロファイル内(例えば、メモリ素子107内)に記憶し得る。プロセッサ106は、好ましくは年齢、性別、身長、体重、及び医学的状態のうちの1つ以上などの個人の特性の類似性又は相違を記録しながら、第1の個人の嚥下安全性及び効率分類を、第2の個人の嚥下安全性及び効率分類と比較するように構成され得る。
[0109]図3A~図3Nは概して、第1の実施形態で表示される画面の非限定的な例を示す。画面はデバイス100によって、例えばユーザインターフェース104に表示され、各ボーラスは、他のボーラスとは別個の事象として分類される。図3Aは概して、デバイス100が複数の飲料タイプを表示し得ることと、その後のスクリーニングに使用する飲料タイプをユーザが指定できるようにし得ることを例示する。これはポイント測定システムである。すなわち、それぞれの嚥下は、他の嚥下に影響を与えない。デバイス100では、最初に濃厚な液体を使い、次いで希薄な液体と水を使うこともできるし、その逆でもよい。また、連続的な監視が可能である(例えば、朝にネクター、昼食時にネクター、夕方にプディングを摂る必要がある人の場合)。図3Bは概して、飲料タイプとして水が選択されたことに応答して、デバイス100が、患者識別番号及び/又は患者名などの患者情報の入力を可能にし、その後のスクリーニングのための指示を提供するインターフェース画面を表示できることを例示する。
[0110]デバイス100にスクリーニングを開始するように指示する入力をユーザが入力した後、デバイス100は、図3Cに示すように、第1のボーラスを投与するためのインターフェース画面を表示することができる。ユーザは、患者が第1のボーラスを口に入れたことを示す入力(例えば、「開始」)を提供することができ、次いで、デバイス100は、図3Dに示すように、患者が第1のボーラスの嚥下をいつ完了したかユーザが特定できるようにするインターフェース画面(例えば、「完了」)を表示することができる。一実施形態では、ユーザは「開始」を選択するまでに10分又は5分などの時間閾値を与えられ、それまでに選択しなかった場合は、処理は「タイムアウト」し、例えば、休止又は停止する。一実施形態では、ユーザは、患者が嚥下を完了したことを特定するまでに30秒などの時間閾値を与えられ、時間閾値を超過した場合は、自動的に分析が開始する。
[0111]図3Eに示すように、第1のボーラスの分類を表示することができる。この非限定的な例では、第1のボーラスの加速度計データの分析は、患者が第1のボーラスに対して嚥下安全性の問題も嚥下効率の問題も有していないことを示し、デバイス100は、それに応じてそれらの分類を表示する。ユーザは、患者が第2のボーラスを口に入れたことを示す入力(例えば、「開始」)を提供することができる。次いで、デバイス100は、図3Fに示すように、患者が第2のボーラスの嚥下をいつ完了したかユーザが特定できるようにするインターフェース画面(例えば、「完了」)を表示することができる。この非限定的な例では、第2のボーラスの加速度計データの分析は、患者が第2のボーラスに対して嚥下安全性の問題を有しているが、嚥下効率の問題は有していないことを示し、デバイス100は、図3Gに示すように、それらの分類を表示する。
[0112]図3Hに示すように、第1のボーラスの分類と第2のボーラスの分類は別々に表示することができ、ユーザは、患者が第3のボーラスを口に入れたことを示す入力(例えば、「開始」)を提供することができる。ユーザは、例えば、図3G及び図3Hに示す画面へのユーザ入力によって、いつでも試験を停止又はキャンセルすることができる。
[0113]次いで、デバイス100は、図3Iに示すように、患者が第3のボーラスの嚥下をいつ完了したかユーザが特定できるようにするインターフェース画面(例えば、「完了」)を表示することができる。図3Jに示すように、第1のボーラス、第2のボーラス、及び第3のボーラスの分類を別々に表示することができ、ユーザは、患者が第4のボーラスを口に入れたことを示す入力(例えば、「開始」)を提供することができる。次に、デバイス100は、図3Kに示すように、患者が第4のボーラスの嚥下をいつ完了したかユーザが特定できるようにするインターフェース画面(例えば、「完了」)を表示することができる。
[0114]図3Lに示すように、第1のボーラス、第2のボーラス、第3のボーラス、及び第4のボーラスの分類を別々に表示することができる。図3Mに示すように、スクリーニングのまとめを提供することができる。
[0115]1つの飲料タイプについてスクリーニングが完了した後に、飲料選択画面(例えば、図3A)を再度表示することができる。増粘飲料が選択された場合は、図3Nに示すように、特定タイプの増粘飲料を選択することができる。次いで、例えば、図3B~図3Mに示す画面のうち1つ以上を辿ることによって、前回のスクリーニングの飲料とは異なる、この飲料タイプについてスクリーニングを繰り返すことができる。当然のことながら、図3Oに示すネクターのための画面(続いて図3Pに示す画面が表示され得る)、及び図3Qに示す蜂蜜のための画面(続いて図3Rに示す画面が表示され得る)に概して例示されているように、表示される指示は、好ましくは、特定の飲料タイプ固有のものである。例えば、図3Bに概して例示される指示は水を対象としているが、そうではなく、増粘飲料の投与のために、例えば、増粘飲料を形成する粉末を希釈する方法などの、増粘飲料の調製を指示することもできる(図3O及び図3Q)。
[0116]例えば、水でのスクリーニングで赤色の結果が得られた場合、次いで増粘飲料を試験することができる。別の例として、水でのスクリーニングで緑色の結果が得られた場合、スクリーニングを続行せずに停止することもできるし、任意選択として、増粘飲料か別の水試験でスクリーニングを続行して、測定値を個人向けに利用することもできる。
[0117]図3A~図3Nに示す画面及びそのコンテンツは、単に例示を目的とする。ボーラスはいくつ使用してもよく、4つのボーラスを使用する実施形態例は制限を課すものではない。いくつかの実施形態では、ボーラスのうちの1つが分析不可能な場合、対応する加速度計信号の品質が低い(例えば、クリップされているか、雑音が多い)場合、又は嚥下が得られない場合には、追加のボーラスを使用できる。例えば、4つのボーラスが投与され、ボーラスのうちの1つが分析不可能な場合、対応する加速度計信号の品質が低い(例えば、クリップされているか、雑音が多い)場合、又は嚥下が得られない場合には、第5のボーラスを使用できる。更に、選択された飲料タイプに応じて、異なる数のボーラスを使用することができる。例えば、水の分析に4つのボーラスを使うことができ、増粘飲料の分析に、3つのボーラス又は4つのボーラスを使うことができる。
[0118]デバイス100によって行われ得るスクリーニングの第1の実施形態は、以下の非限定的な例示的方法で実施することができる。この方法は、プロセッサ106を備えるデバイス100上で、第1の個人によって連続的に実行された第1の複数の嚥下事象についての第1の加速度計データを受信するステップを含み得る。この方法は、第1の加速度計データをセンサ102(例えば、デバイス100に通信可能に接続された加速度計)からデバイス100に送信するステップを含むことができる。
[0119]第1の実施形態では、この方法は、デバイス100(例えば、プロセッサ106)上で、嚥下データ(例えば、第1の加速度計データの少なくとも一部及び/又は第1の加速度計データから導出された第2の加速度計データの少なくとも一部)を、嚥下安全性及び嚥下効率のそれぞれについて定義された設定分類基準と比較するステップを含み得る。この方法は、第1の複数の嚥下事象のそれぞれを、設定分類基準に照らして嚥下データを比較することに少なくとも部分的に基づいて、嚥下安全性分類及び嚥下効率分類により分類するステップを含むことができ、嚥下安全性分類は、少なくとも1つの所定の嚥下安全性分類から特定され、嚥下効率分類は、少なくとも1つの所定の嚥下効率分類から特定される。
[0120]第1の実施形態では、プロセッサ106は、第1の複数の嚥下事象のそれぞれを他の嚥下事象とは独立に分類して、第1の複数の嚥下事象について独立したポイント測定値を提供することができ、例えば、各嚥下の分析は、他の嚥下の分析に影響を与えない。第1の複数の嚥下事象のそれぞれのプロセッサ106による分類は、対応する嚥下事象に対してリアルタイムであることができる。
[0121]第1の実施形態では、この方法は、第1の複数の嚥下事象のそれぞれについての嚥下安全性分類及び嚥下効率分類を特定する、オーディオ及び/又はグラフィックのうちの少なくとも1つを含む1つ以上の第1の出力を、デバイス100から(例えば、ユーザインターフェース104から)生成するステップを含み得る。第1の複数の嚥下事象のそれぞれについての嚥下安全性分類及び嚥下効率分類を識別する1つ以上の第1の出力は、対応する嚥下事象に対してリアルタイムであることができる。
[0122]デバイス100は、ハウジングを備えることができ、プロセッサ106及びユーザインターフェース104のそれぞれは、ハウジング内に配置することができ、かつ/又はハウジングに機械的に接続することができる。
[0123]第1の実施形態では、この方法は、第1の加速度計データを提供するセンサのタイプ及び第1の複数の嚥下事象の間に消費される飲料のタイプからなるグループから選択される、少なくとも1つのパラメータを特定するユーザ入力をデバイス100上(例えば、ユーザインターフェース104上)で受領するステップを含み得る。
[0124]第1の実施形態では、この方法は、複数の飲料ドースの投与を指示する、オーディオ及び/又はグラフィックのうちの少なくとも1つを含む1つ以上の第2の出力を、デバイス100から生成するステップを含み得、第1の複数の嚥下事象はそれぞれ、複数の飲料ドースのうちの1つに対応する。例えば、この方法は、第1の飲料ドースの投与を指示するステップと、次いで、第1の飲料ドースに対応する第1の嚥下事象についての嚥下安全性分類及び嚥下効率分類を特定するステップと、次いで、第2の飲料ドースの投与を指示するステップと、次いで、第2の飲料ドースに対応する第2の嚥下事象についての嚥下安全性分類及び嚥下効率分類を特定するステップと、を含み得る。デバイス100(例えば、ユーザインターフェース104)は、第1の嚥下事象についての嚥下安全性分類及び嚥下効率分類を互いに同時に識別することができる。この方法は、第2の嚥下事象についての嚥下安全性分類及び嚥下効率分類を特定した後に、第3の飲料ドースの投与を指示するステップと、次いで、第3の飲料ドースに対応する第3の嚥下事象についての嚥下安全性分類及び嚥下効率分類を特定するステップと、を含み得る。この方法は、第3の嚥下事象についての嚥下安全性分類及び嚥下効率分類を特定した後に、第4の飲料ドースの投与を指示するステップと、次いで、第3の飲料ドースに対応する第4の嚥下事象についての嚥下安全性分類及び嚥下効率分類を特定するステップと、を含み得る。
[0125]第1の実施形態では、所定の嚥下安全性分類は、安全事象を示す第1の嚥下安全性分類と、安全でない事象を示す第2の嚥下安全性分類とを含むことができ、また、所定の嚥下効率分類は、効率的な事象を示す第1の嚥下効率分類と、非効率的な事象を示す第2の嚥下効率分類とを含み得る。1つ以上の第1の出力は、第1の複数の嚥下事象のそれぞれに対して少なくとも1つのアイコンを含むことができ、少なくとも1つのアイコンは、デバイス100のユーザインタ-フェース104上に表示され、少なくとも1つのアイコンの少なくとも一部分は、第1の嚥下安全性分類の第1の色、又は第2の嚥下安全性分類の第1の色とは異なる第2の色であることができ、少なくとも1つのアイコンの少なくとも一部分は、第1の嚥下効率分類の第3の色、又は第2の嚥下効率分類の第3の色とは異なる第4の色であることができる。
[0126]第1の実施形態では、この方法は、デバイス100において、第1の個人に関連付けられた第1のプロファイル内(例えば、メモリ素子107内)に、第1の複数の嚥下事象のそれぞれについての嚥下安全性分類及び嚥下効率分類を記憶するステップを含み得る。この方法は、デバイス100によって、第1の複数の嚥下事象に続いて、第1の個人によって実行された第2の複数の嚥下事象をスクリーニングするステップを更に含んでもよく、第1の複数の嚥下事象は、第1の粘度を有する第1の飲料で実行され、第2の複数の嚥下事象は、第1の粘度とは異なる第2の粘度を有する第2の飲料で実行される。好ましくは、この方法は、デバイス100上で、第1の複数の嚥下事象のそれぞれについての嚥下安全性分類及び嚥下効率分類を、第1の個人に関連付けられた第1のプロファイル内(例えば、メモリ素子107内)に第1の飲料の識別と関連付けて記憶するステップと、デバイス100上で、第2の複数の嚥下事象のそれぞれについての嚥下安全性分類及び嚥下効率分類を、第1の個人に関連付けられた第1のプロファイル内(例えば、メモリ素子107内)に第2の飲料の識別と関連付けて記憶するステップと、を含む。
[0127]第1の実施形態では、この方法は、プロセッサ106において、第1の複数の嚥下事象についての嚥下安全性及び効率分類を、第2の複数の嚥下事象についての嚥下安全性及び効率分類と比較するステップを含み得る。この方法は、デバイス100上で、第1の複数の嚥下事象に続いて、第2の個人によって実行された第2の複数の嚥下事象をスクリーニングするステップと、デバイス100において、第2の個人に関連付けられた第2のプロファイル内(例えば、メモリ素子107内)に、第2の複数の嚥下事象のそれぞれについての嚥下安全性分類及び嚥下効率分類を記憶するステップと、を含むことができる。
[0128]第1の実施形態では、この方法は、デバイス100上で、第1の複数の嚥下事象に続いて、第1の個人によって実行された第2の複数の嚥下事象をスクリーニングするステップと、プロセッサ106において、第1の複数の嚥下事象についての嚥下安全性及び効率分類を、第2の複数の嚥下事象についての嚥下安全性及び効率分類と比較するステップと、を含むことができる。
[0129]上記の方法は非限定的な例であり、嚥下スクリーニングの第1の実施形態は、任意選択として、上記のステップをうちの1つ以上を使用すること、上記のステップのうちの1つ以上を欠くこと、及び/又は上記に開示されていない1つ以上の追加のステップを使用することができる。
[0130]患者レベルの分析
[0131]第1の実施形態の代替となる、第2の、特に好ましい実施形態では、ボーラスレベルのデータに外挿法を施して、患者レベルのデータが推定される(「丸め」られる)。本明細書においては、ボーラスレベルのデータに外挿法を施して患者の嚥下安全性の単一の結果と、患者の嚥下効率の単一の結果とを推定することを、「患者レベル」の分析と称する。
[0132]いくつかの実施形態では、各ボーラスには二値の分類が与えられ、丸めた結果は、ボーラスレベルの分類結果の数(例えば、安全な嚥下事象の数、安全な嚥下事象の数、効率的な嚥下事象の数、又は非効率的な嚥下事象の数)に基づいて判定される。ただし、好ましい一実施形態では、各嚥下事象に、対応する抽出されたメタ特徴に基づいて確率又はパーセンタイルを割り当てることができる。任意選択として、個々の嚥下事象を、安全/安全でない、又は効率的/非効率的であると分類することはできるが、こうした任意選択の分類は、好ましくは、この好ましい実施形態ではデバイスによって表示されない。
[0133]そうではなく、各嚥下事象の安全性に関する確率又はパーセンタイルを他の嚥下事象の安全性に関する確率又はパーセンタイルと組み合わせて、例えば、嚥下安全性確率の幾何平均を所定の閾値と比較することなどによって、その患者の安全性の単一の結果を判定することができる。各嚥下事象の効率に関する確率又はパーセンタイルを他の嚥下事象の効率に関する確率又はパーセンタイルと組み合わせて、例えば、嚥下効率確率の幾何平均を所定の閾値と比較することなどによって、その患者の効率の単一の結果を判定することができる。したがって、第2の実施形態の好ましい形では、スクリーニングは、ボーラスレベルでの結果の確率集合という形から、患者レベルでのバイナリ結果という形になる。
[0134]換言すれば、デバイス100の第2の実施形態は、好ましくは、第1の複数の嚥下事象からの加速度計データを分析して、各嚥下事象の安全性に関する確率又はパーセンタイルと、各嚥下事象の効率に関する確率又はパーセンタイルとを判定する。第1の複数の事象が完了した後、デバイス100は、これらの確率又はパーセンタイルを使用して、その患者の嚥下安全性に関する単一の結果と、その患者の嚥下効率に関する単一の結果とを判定する。好ましくは、各嚥下事象の確率又はパーセンタイルは、例えば、デバイス100、又はデバイス100と通信状態にあるどのような装置にも、ユーザに対して表示されない。上述したように、任意選択として、個々の嚥下事象を、安全/安全でない、又は効率的/非効率的な事象に分類することができるが、好ましくは、こうした任意選択の分類は、デバイス100によって表示されない。
[0135]デバイス100の第2の実施形態は、第1の複数の嚥下事象のそれぞれが有用な信号を提供したか否かを示すことができる。例えば、加速度計信号が、1)嚥下の欠落、2)先頭の嚥下からクリップされた、3)末尾の嚥下からクリップされた、又は4)ノイズの多い信号のいずれかであるか否かを示すことができる。これらの4つの有用でない信号のそれぞれは、本明細書において「灰色の」信号として記載される。
[0136]二軸加速度計信号を処理し、それを使用して各嚥下事象の安全性に関する確率又はパーセンタイルと、各嚥下事象の効率に関する確率又はパーセンタイルとを判定し、次いで、その患者の嚥下安全性の単一の結果及びその患者の嚥下効率の単一の結果を判定するためには、どれだけの最低限のユーザ入力(あれば)が必要かについての判断が、好ましくは自動で行われる。例えば、いくつかの実施形態では、必要なユーザ入力は、各ボーラスがいつ投与されたかの特定、及び各ボーラスの嚥下がいつ完了したかの特定だけである。
[0137]デバイス100の第2の実施形態では、第1の複数の嚥下事象のそれぞれは、嚥下安全性に関する確率又はパーセンタイルを、他の嚥下事象とは独立に割り当てられて、第1の複数の嚥下事象の安全性について独立したポイント測定値を提供することができる。第1の複数の嚥下事象のそれぞれは、嚥下効率に関する確率又はパーセンタイルを他の嚥下事象とは独立に割り当てられて、第1の複数の嚥下事象の効率について独立したポイント測定値を提供することができる。好ましくは、プロセッサに106による、第1の複数の嚥下事象のそれぞれに対する嚥下安全性に関する確率又はパーセンタイル及び嚥下効率に関する確率又はパーセンタイルの判定は、対応する嚥下事象に対してリアルタイムである。安全性の確率又はパーセンタイル及び、効率の確率又はパーセンタイルは、デバイス100によって記憶されることができ、かつ/又はクラウドにアップロードされることができる。
[0138]第2の実施形態では、デバイス100のユーザインターフェース104は、好ましくは、第1の複数の嚥下事象のそれぞれが有用な信号を提供したか否かを特定する、オーディオ及び/又はグラフィックのうちの少なくとも1つを含む、1つ以上の第1の出力を提供するように構成される。好ましくは、ユーザインターフェース104による1つ以上の第1の出力は、対応する嚥下事象に対して各々リアルタイムである。デバイス100は、任意選択として、信号を記憶することができる。
[0139]デバイス100の第2の実施形態では、プロセッサ106は、ユーザインターフェース104を使用して、複数の飲料ドースの投与を指示する、オーディオ及び/又はグラフィックのうちの少なくとも1つを含む1つ以上の第2のユーザ出力を提供するように構成され得、第1の複数の嚥下事象のそれぞれは、複数の飲料ドースのうち1つに対応する。
[0140]例えば、プロセッサ106は、ユーザインターフェース104を使用して第1の飲料ドースの投与を指示するように(また、任意選択として、それに続いて、第1のドースの嚥下が完了したことを示すユーザ入力を受領するように)構成され得る。次いで、ユーザインターフェース104は、第1の飲料ドースに対応する第1の嚥下事象が有用な信号を提供したか否かを特定することができる。次いで、ユーザインターフェース104は、第2の飲料ドースの投与を指示することができる(また、任意選択として、それに続いて、第2のドースの嚥下が完了したことを示すユーザ入力を受領することができる)。次いで、ユーザインターフェース104は、第2の飲料ドースに対応する第2の嚥下事象が有用な信号を提供したか否かを特定することができる。
[0141]第2の実施形態では、プロセッサ106は、第2の嚥下事象が有用な信号を提供したか否かを特定した後に、ユーザインターフェース104を使用して第3の飲料ドースの投与を指示するように(また、任意選択として、それに続いて、第3のドースの嚥下が完了したことを示すユーザ入力を受領するように)構成され得る。次いで、ユーザインターフェース104は、第3の飲料ドースに対応する第3の嚥下事象が有用な信号を提供したか否かを特定することができる。プロセッサ106は、第3の嚥下事象が有用な信号を提供したか否かを特定した後に、ユーザインターフェース104を使用して第4の飲料ドースの投与を指示するように(また、任意選択として、それに続いて、第4のドースの嚥下が完了したことを示すユーザ入力を受領するように)構成され得る。次いで、ユーザインターフェース104は、第4の飲料ドースに対応する第4の嚥下事象が有用な信号を提供したか否かを特定することができる。
[0142]第2の実施形態では、デバイス100による1つ以上の第1の出力は、第1の複数の嚥下事象のそれぞれについて、ユーザインターフェース104に表示された少なくとも1つのアイコンを含み得る。その少なくとも1つのアイコンの少なくとも一部分は、有用な信号を示す第1の色(例えば、青色)又は、信号がないこと若しくは有用でない信号を示す、第1の色とは異なる第2の色(例えば、灰色)であってもよい。
[0143]上述したように、第2の実施形態は特に好ましく、例えば各嚥下事象についてのパーセンタイル又は確率などのボーラスレベルのデータに外挿法を施して、例えば第1の複数の嚥下事象についての安全性の単一の結果及び効率の単一の結果などの、患者レベルのデータを推定する。したがって、プロセッサ106は、第1の複数の嚥下事象を、各嚥下事象について判定されたパーセンタイル又は確率に少なくとも部分的に基づいて、単一の嚥下安全性分類及び単一の嚥下効率分類により分類することができる。
[0144]例えば、デバイス100の第2の実施形態では、プロセッサ106は、嚥下安全性確率の幾何平均を所定の閾値と比較してもよい。この比較を使用して、少なくとも1つの所定の嚥下安全性分類から、単一の嚥下安全性分類を特定することができる。デバイス100の第2の実施形態では、プロセッサ106は、嚥下効率確率の幾何平均を所定の閾値と比較してもよい。この比較を使用して、少なくとも1つの所定の嚥下効率分類から、単一の嚥下効率分類を特定することができる。プロセッサ106は、その分類を特定する1つ以上の第3の出力を、好ましくはデバイス100のユーザインターフェース104に提供することができる。使用するデータポイントがただ1つである場合は、ボーラスレベルの結果は、患者レベルの結果でもある。
[0145]デバイス100の第2の実施形態では、所定の嚥下安全性分類は、安全な事象を示す第1の嚥下安全性分類と、安全でない事象を示す第2の嚥下安全性分類とを含む。所定の嚥下効率分類は、効率的な事象を示す第1の嚥下効率分類と、非効率的事象を示す第2の嚥下効率分類とを含むことができる。1つ以上の第3の出力は、第1の複数の嚥下事象の完了後にユーザインターフェース104に表示される少なくとも1つのアイコンを含むことができる。少なくとも1つのアイコンの少なくとも一部分は、第1の嚥下安全性分類用の第1の色(例えば、緑色)、又は、第1の色とは異なる、第2の嚥下安全性分類用の第2の色(例えば、赤色)であることができる。少なくとも1つのアイコンの少なくとも一部分は、第1の嚥下効率分類用の第3の色(例えば、緑色)、又は、第3の色とは異なる、第2の嚥下効率分類用の第4の色(例えば、赤色)であることができる。
[0146]第2の実施形態では、メモリ素子107は、第1の複数の嚥下事象についての単一の嚥下安全性分類及び単一の嚥下効率分類を、第1の個人に関連付けられた第1のプロファイル内に記憶することができる。デバイス100は、第1の個人を定期的にスクリーニングし、メモリ素子107内の定期スクリーニングの結果を保存することによって、第1の個人をモニタするのに使用することができる。定期的なスクリーニングから得られた結果を使用して、食事を調節することもできる。例えば、患者の嚥下が時と共に悪化する場合は、より粘度の高い製品が必要になることがあり、逆の場合もある。
[0147]例えば、プロセッサ106は、第1の複数の嚥下事象に続いて、例えば、少なくとも1日後、少なくとも1週間後、少なくとも1ヶ月後、又は少なくとも1年後に、第1の個人によって実行された第2の複数の嚥下事象をスクリーニングするように構成され得る。プロセッサ106は、第1の複数の嚥下事象についての単一の嚥下安全性分類及び単一の効率分類を、それぞれ、第2の複数の嚥下事象についての単一の嚥下安全性分類及び単一の効率分類と比較するように構成され得る。このような定期的な比較を使用して、患者の相対的な改善又は悪化を監視することができる。
[0148]第2の実施形態では、デバイス100は、水(50mPa.s以下、例えば、1mPa.s)、ネクター(51~350mPa.s)、蜂蜜(351~1750mPa.s)、プディング(1750mPa.s超)のうち1つ以上などの複数の飲料のそれぞれに対する嚥下安全性及び嚥下効率について個人をスクリーニングすることができ、最も好ましくは、各タイプの飲料を別々にスクリーニングすることができる(すなわち、最初に第1の飲料の1つ以上のボーラスをスクリーニングし、次いで、第2の飲料の1つ以上のボーラスをスクリーニングする)。デバイス100は、最初に1つ以上の飲料タイプについて第1の個人をスクリーニングし、次いで、その後、その1つ以上の飲料タイプについてその個人を再び定期的にスクリーニングすることができ、例えば、スクリーニングの間隔は、少なくとも1日、少なくとも1週間、少なくとも1ヶ月、又は少なくとも1年である。
[0149]例えば、第1の複数の嚥下事象は、第1の粘度を有する第1の飲料で実行され得る。プロセッサ106は、第1の複数の嚥下事象に続いて、第1の個人によって実行された第2の複数の嚥下事象をスクリーニングするように構成され得、第2の複数の嚥下事象は、第1の粘度とは異なる第2の粘度を有する第2の飲料で実行され得る。プロセッサ106は、第1の複数の嚥下事象についての単一の嚥下安全性分類及び単一の嚥下効率分類を、第1の飲料の識別と関連させて、第1の個人に関連付けられた第1のプロファイル内(例えば、メモリ素子107内)に記憶するように構成され得る。プロセッサ106は、第2の複数の嚥下事象についての単一の嚥下安全性分類及び単一の嚥下効率分類を、第2の飲料の識別と関連させて、第1の個人に関連付けられた第1のプロファイル内(例えば、メモリ素子107内)に記憶するように構成され得る。第1の個人についての第1及び第2の飲料の、定期的な、すなわち、スクリーニングの間隔が少なくとも1日、少なくとも1週間、少なくとも1ヶ月、又は少なくとも1年であるスクリーニングを行うことができ、そうした複数飲料のスクリーニングの結果もまた、第1の個人に関連付けられた第1のプロファイル内に記憶し得る。
[0150]デバイス100を使用して、例えば、第1の個人、第2の個人、及び任意選択として更なる複数の個人などの複数の個人をスクリーニング及び/又は監視することができる。好ましくは、個人は独立にスクリーニングされる(すなわち、スクリーニング結果は、各個人について、他の個人のスクリーニング結果に対して分離される)。複数の個人のそれぞれは、自身のプロファイルを有することができ、所望であれば他の個人と同じ日にスクリーニングすることができる。
[0151]例えば、プロセッサ106は、第1の複数の嚥下事象に続いて、第1の個人とは異なる第2の個人によって実行された、第2の複数の嚥下事象をスクリーニングするように構成され得る。デバイス100は、第2の複数の嚥下事象についての単一の嚥下安全性分類及び単一の嚥下効率分類を、第2の個人に関連付けられた第2のプロファイル内(例えば、メモリ素子107内)に記憶し得る。プロセッサ106は、好ましくは年齢、性別、身長、体重、及び医学的状態のうちの1つ以上などの個人の特性の類似性又は相違を記録しながら、第1の個人の嚥下安全性及び効率分類を、第2の個人の嚥下安全性及び効率分類と比較するように構成され得る。
[0152]図4A~図4Oは、概して、第2の実施形態で表示される画面の非限定的な例を示す。画面は、デバイス100によって、例えばユーザインターフェース104に表示され、それぞれのボーラスについて、嚥下安全の確率又はパーセンタイル、及び嚥下効率の確率又はパーセンタイルが、他のボーラスとは別個に判定される。図4Aは概して、デバイス100が複数の飲料タイプを表示できることと、その後のスクリーニングに使用する飲料タイプをユーザが指定できるようにできることを例示する。図4Bは概して、飲料タイプとして水が選択されたことに応答して、デバイス100が、患者識別番号、患者名、及び/又は患者の生年月日などの患者情報の入力を可能にし、その後のスクリーニングのための指示を提供するインターフェース画面を表示できることを例示する。
[0153]デバイス100にスクリーニングを開始するように指示する入力をユーザが入力した後、デバイス100は、図4Cに示すように、第1のボーラスを投与するためのインターフェース画面を表示することができる。ユーザは、患者が第1のボーラスを口に入れたことを示す入力(例えば、「開始」)を提供することができ、次いで、デバイス100は、図4Dに示すように、患者が第1のボーラスの嚥下をいつ完了したかユーザが特定できるようにするインターフェース画面(例えば、「完了」)を表示することができる。一実施形態では、ユーザは、患者が嚥下を完了したことを特定するまでに30秒などの時間閾値を与えられ、時間閾値を超過した場合は、対応するボーラスに関連する加速度計データは分析されない。
[0154]図4Eに示すように、第1のボーラスが有用な信号を提供したか否かが表示され得る。この非限定的な例では、第1のボーラスは有用な信号を提供しており、よって、対応する出力が、ユーザインターフェース104によって提供される(例えば、青色のアイコン)。第1のボーラスが有用な信号を提供した場合、第1のボーラスの加速度計データを分析して、嚥下安全性の確率又はパーセンタイル、及び嚥下効率の確率又はパーセンタイルを判定することができるが、デバイス100はこれらの判定を表示しない。表示される示度は、赤色又は緑色であることができる。ユーザは、患者が第2のボーラスを口に入れたことを示す入力(例えば、「開始」)を提供することができる。次いで、デバイス100は、図4Fに示すように、患者が第2のボーラスの嚥下をいつ完了したかユーザが特定できるようにするインターフェース画面(例えば、「完了」)を表示することができる。
[0155]図4Gに示すように、第2のボーラスが有用な信号を提供したか否かが表示され得る。この非限定的な例では、第2のボーラスは有用な信号を提供しており、よって、対応する出力が、ユーザインターフェース104によって提供される(例えば、青色のアイコン)。第2のボーラスが有用な信号を提供した場合、第2のボーラスの加速度計データを分析して、嚥下安全性の確率又はパーセンタイル、及び嚥下効率の確率又はパーセンタイルを判定することができるが、デバイス100はこれらの判定を表示しない。ユーザは、患者が第3のボーラスを口に入れたことを示す入力(例えば、「開始」)を提供することができる。次いで、デバイス100は、図4Hに示すように、患者が第3のボーラスの嚥下をいつ完了したかユーザが特定できるようにするインターフェース画面(例えば、「完了」)を表示することができる。
[0156]図4Iに示すように、第3のボーラスが有用な信号を提供したか否かが表示され得る。この非限定的な例では、第3のボーラスが有用な信号を提供しなかったため、対応する出力が、ユーザインターフェース104(例えば、「X」シンボルを有する灰色のアイコン)によって提供され、エラーが特定され得る(例えば、飲料を口に含んだことが検出されなかった、嚥下が開始又は終了されていない、信号ノイズが多すぎるなど)。第3のボーラスが有用な信号を提供した場合、第3のボーラスの加速度計データを分析して、嚥下安全性の確率又はパーセンタイル、及び嚥下効率の確率又はパーセンタイルを判定することができるが、デバイス100はこれらの判定を表示しない。
[0157]次に、デバイス100は、図4Jに示すように、患者が第4のボーラスを口に入れたことを示す入力(例えば、「開始」)をユーザが提供できるようにするインターフェース画面を表示し得る。次いで、デバイス100は、図4Kに示すように、患者が第4のボーラスの嚥下をいつ完了したかユーザが特定できるようにするインターフェース画面(例えば、「完了」)を表示することができる。図4Lに示すように、第4のボーラスが有用な信号を提供したか否かが表示され得る。この非限定的な例では、第4のボーラスは、有用な信号を提供しており、よって、対応する出力が、ユーザインターフェース104によって提供される(例えば、青色のアイコン)。第4のボーラスが有用な信号を提供した場合、第2のボーラスの加速度計データを分析して、嚥下安全性の確率又はパーセンタイル、及び嚥下効率の確率又はパーセンタイルを判定することができるが、デバイス100はこれらの判定を表示しない。4つのボーラスのうちの1つが有用な信号を提供しなかった場合、好ましくは、そのボーラスは繰り返されず、他の3つのボーラスに基づいて分類が行われる。
[0158]有用でない信号は、本明細書で「灰色の」信号として記載され、結果に影響を与えない。灰色の信号は、結果が緑色又は赤色となることを意味するのではなく、単に、有用でない測定値が存在することを意味する。3つの灰色の信号と1つの有用な信号が受信された場合、ボーラスレベルの分析は患者レベルの分析と等しくなる。例えば水の場合、4回の嚥下が使用され、そのうちの1回以上(例えば、第3の嚥下)が灰色の信号を提供したならば、その、灰色の信号を提供した1回以上の嚥下は除外される(図4L)。残りの回は、赤色又は緑色となる個別の確率をボーラスレベルで有し、患者レベルで丸めるとき、デバイス100は、アルゴリズムに組み込まれた丸め規則に従って赤色又は緑色の二値の結果を返す。
[0159]好ましくは、灰色の信号が受信されたとき、デバイス100は測定を繰り返さず、そのまま次の測定に進む。例えば、第3のボーラスが灰色の信号を提供した場合、デバイス100は、好ましくは第3のボーラスを繰り返さずに、そのまま第4のボーラスに進む。
[0160]図4Mに示すように、単一の嚥下安全性分類及び単一の嚥下効率分類を表示することができる。上述したように、デバイスは、嚥下事象のそれぞれの確率又はパーセンタイルに少なくとも部分的に基づいて、これらの単一の分類を計算する。エラーがあれば、それらもまた特定され得る。図4Nに示すように、スクリーニングのまとめが提供され得る。
[0161]1つの飲料タイプについてスクリーニングが完了した後に、飲料選択画面(例えば、図4A)を再度表示することができる。増粘飲料が選択された場合は、図4Oに示すように、特定タイプの増粘飲料を選択することができる。次いで、例えば、図4B~図4Nに示す画面のうち1つ以上を経ることによって、前回のスクリーニングの飲料とは異なる、この飲料タイプについてスクリーニングを繰り返すことができる。当然のことながら、好ましくは、表示される指示は、特定の飲料タイプ固有のものである。例えば、図4Bに概して例示される指示は、水を対象としているが、そうではなく、増粘飲料の投与のために、例えば、増粘飲料を形成する粉末を希釈する方法などの、増粘飲料の調製を指示することもできる。
[0162]図4A~図4Oに示す画面及びそのコンテンツは、単に例示を目的とする。ボーラスはいくつ使用してもよく、4つのボーラスを使用する実施形態例は制限を課すものではない。更に、選択された飲料タイプに応じて、異なる数のボーラスを使用することができる。例えば、水の分析には4つのボーラスを使うことができ、増粘飲料の分析には、3つのボーラスを使うことができる。
[0163]図5は、上記に開示されている嚥下スクリーニングデバイス100の第2の実施形態の方法500の非限定的な例を示す。ステップ502で、1つ以上の嚥下事象についての、S-I軸及びA-P軸の両方に対する二軸加速度計データ、例えば、センサ102からの二軸加速度計データが、取得又は提供される。加速度計測定を使用して、信号を積分して速度を導出することができ、同様に、速度を積分して変位を導出することができる。そうでありながら、他のタイプのセンサを、追加で、又は代替的に実装することもできる。
[0164]嚥下スクリーニングデバイス100の第2の実施形態は、ステップ504で、任意選択として、二軸加速度計データを処理して、その加速度計データを調整し、よって、そのデータの更なる処理を円滑化することができる。例えば、二軸加速度計データは、信号アーチファクト除去のためにフィルタリング、ノイズ除去、及び/又は処理されてもよい(「前処理されたデータ」)。一実施形態では、二軸加速度計データは、様々なローパスフィルタ、バンドパスフィルタ及び/又はハイパスフィルタを含み得る逆フィルタ、それに続く信号増幅を受ける。次に、ノイズ除去サブルーチンを逆フィルタ処理済みデータに適用することができ、好ましくは信号ウェーブレットを処理し、最小平均二乗誤差を見出すために反復する。
[0165]前処理は、例えば患者による頭部の動きに関連する、運動アーチファクトをデータから除去するためのサブルーチンを含んでもよい。追加で、又は代替的に、発声及び血流などの他の信号アーチファクトは、二軸加速度計データから除去されてもよい。それにもかかわらず、方法500は、加速度計データを前処理する特定の実施形態に限定されず、前処理は、信号アーチファクトをフィルタリング、ノイズ除去及び/又は除去するための任意の既知の方法を含むことができる。
[0166]嚥下スクリーニングデバイス100の第2の実施形態は、ステップ506で、加速度計データ(未処理又は前処理済みのいずれか)を、自動的に、又は手動で、個別の嚥下事象にセグメント化することができる。好ましくは、加速度計データは自動的にセグメント化される。追加で、又は代替的に、例えばデータの目視検査によって、手動セグメント化を適用することができる。方法500は、特定のセグメント化プロセスに限定されず、セグメント化プロセスは、当業者に公知の任意のセグメント化プロセスであってもよい。
[0167]嚥下スクリーニングデバイス100の第2の実施形態は、ステップ508で、メタ特徴に基づく加速度計データの表現を行うことができる。例えば、1つ以上の時間周波数ドメイン特徴は、各軸固有データセットに対して計算することができる。抽出された特徴の組み合わせは、本開示の一般的な範囲及び性質から逸脱することなく、本明細書で考慮されてよい。好ましくは、各軸固有データセットに対して、異なる特徴が抽出されるが、いくつかの実施形態では、各々の場合において同じ特徴が抽出されてもよい。更に、特徴抽出に対して、例えば、1つ以上の時間、周波数、及び/又は時間周波数ドメイン特徴(例えば、平均、分散、中心周波数、など)を含む他の特徴が考慮されてもよい。
[0168]嚥下スクリーニングデバイス100の第2の実施形態は、ステップ510(任意選択)で、メタ特徴のサブセットを、好ましくは分類器の訓練及び/又は較正中に導出された類似の抽出済み特徴セットの以前の分析に基づいて、選択してもよい。例えば、新しい試験データに適用されたときに分類可能な結果を提供する可能性が最も高いものとして、分類器の訓練データセットから抽出された最も顕著な特徴又は特徴構成要素/レベルが保持され、よって、分類器を訓練して最終的に分類を可能にするための削減された特徴セットを定義するためにそれが選択されてもよい。例えばウェーブレット分解又は他のそのような信号分解において、所与の分解レベルから入手可能な情報の量及び/又は質を認定するように有効に実施された線形判別分析、主成分分析、又はそのような技術を訓練データセットに使用して、新たに取得された信号を分類する際に最も高いレベルの有用な情報を提供する可能性の最も高い特徴構成要素又はレベルを事前選択してもよい。次いで、そのような事前選択された特徴構成要素/レベルを使用して、後の分類のために分類器を訓練することができる。最終的に、これらの事前選択された特徴は、後の分類の分類基準を特徴付けるために使用することができる。
[0169]したがって、デバイスが、上述のような削減された特徴セットから動作するように構成されている場合、この削減された特徴セットは、分類器訓練データセット上の特徴削減技術の以前の実施から得られた、事前に定義された特徴サブセット又は特徴削減基準によって特徴付けることができる。したがって、新たに取得されたデータは、上述した様々な前処理及びセグメント化のステップ(ステップ504、506)を経る。次に、ステップ508で、嚥下事象であると特定された様々な嚥下事象が処理されて特徴が抽出され(例えば、フル特徴セット)、ステップ510で、事前に選択されたサブセットに対応する特徴が保持され、ステップ512で分類される。
[0170]上記の例示的なアプローチは、最も顕著な特徴の別個の選択を企図しているが、他の技術も容易に適用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、特徴削減方法の結果は、分類方法中に抽出された特徴構成要素又はレベルのそれぞれに特定の重み又は有意性レベルを割り当てる際に、抽出された特徴セットと関連付ける重み付き級数又はベクトルに現れ得る。具体的には、分類に使用される最も顕著な特徴構成要素の選択は、分類器の訓練データセットに対する線形判別分析(LDA)(及び/又は別の分析)によって実施することができる。その結果、特徴抽出及び削減は、安全な嚥下を潜在的に安全でない嚥下から、及び効率的な嚥下を潜在的に非効率的な嚥下から、区別するために効果的に使用することができる。これに関して、新しい試験データからの選択された特徴の抽出を、妥当な訓練データセットから事前に抽出されて削減されたものと同じ選択済みの特徴の関数として確立された設定分類基準と比較して、新しい試験データを、安全な嚥下か安全でない嚥下か、及び/又は、効率的な嚥下か非効率的な嚥下かを表すものとして分類することができる。当業者には理解されるように、周波数、時間及び/又は時間周波数ドメイン特徴などの他の特徴セットが使用されてもよい。
[0171]スクリーニングデバイスの第2の実施形態は、ステップ512で、取得された嚥下固有データの抽出された特徴(又はその削減された/重み付けされたサブセット)を、設定分類基準と比較して、各嚥下事象に嚥下安全性の確率又はパーセンタイル、及び嚥下効率の確率又はパーセンタイルを割り当てるが、これらの判定は表示されない。
[0172]任意選択として、方法500は、トレーニング/検証サブルーチンステップ516を含むことができ、このステップでは、複数の嚥下を表すデータセットが処理されて、各嚥下固有データセットが最終的には本明細書に開示される前処理、特徴抽出、及び特徴削減を経る。このステップは、デバイス100を構成するためにのみ使用されて、デバイス100がデバイス100の商用ユーザによって実施されるときには行われないことが好ましい。
[0173]この任意選択ステップでは、判別分析に基づく分類器に、交差検証試験を使用して検証ループを適用することができる。全ての事象が分類され、検証された後、分類基準に更なる検証を必ずしも適用することなく、将来の分類のために出力基準を生成することができる。あるいは、ルーチン検証は、分類基準の統計的有意性を洗練するためか、又は特定の装置及び/又はプロトコルの変更(例えば、加速度計を同じ又は異なる加速度計タイプ/モデルと交換する際の特定装置の再較正、動作条件の変更、更なる前処理サブルーチン、アーチファクトの除去、追加の特徴の抽出/削減などの新しい処理モジュール、など)に対応するための手段として再び、のいずれかで、実施することができる。
[0174]ステップ514で、各嚥下事象についての嚥下安全性の確率/パーセンタイルを合わせて処理して、単一の嚥下安全性の判定を計算し、出力することができる。各嚥下事象の嚥下効率の確率/パーセンタイルを合わせて処理して、単一の嚥下効率の判定を計算し、出力する。
[0175]例えば、デバイス100のユーザインターフェース104はディスプレイを含むことができ、そのディスプレイは、総計の嚥下事象を、安全な嚥下と安全でない嚥下のどちらかを示すものとして識別し、また、総計の嚥下事象を、効率的な嚥下と効率的でない嚥下のどちらかを示すものとして識別することができる。ディスプレイは、テキスト、アイコン、色、ライトのオン/オフなどの画像を使用することができる。あるいは、又は加えて、ユーザインターフェース104は、聴覚信号を使用するスピーカを含むことができる。本開示は、出力の特定の実施形態に限定されるものではなく、出力は、臨床医又は患者などのデバイス100のユーザに対してユーザインターフェース104が単一の嚥下安全性分類及び単一の嚥下効率分類を特定する、どのような手段であることもできる。
[0176]次いで、出力は臨床医に提供されてもよく、臨床医は、例えば、適切な治療、更なる試験、及び/又は、食事の提案などの関連する制限を決定することもできる。例えば、臨床医は、患者に提供される1口の、食物の稠度又はタイプ、及び/又はサイズ及び/又は頻度を変更することによって、食事を調整することができる。この点に関して、臨床医は、特定の飲料タイプが、他の飲料タイプに対してより良好な嚥下安全性及び/又はより良好な嚥下効率をもたらした場合に、個人の許容可能な飲料タイプを判定することができる(例えば、許容可能な飲料タイプは、水、ネクター、蜂蜜、又はプディングのうちの1つ以上であることができる)。
[0177]加速度計以外の他のタイプの振動センサを、センサ102となるように適切に変更して使用することができる。例えば、センサが変位を測定し(例えば、マイクロフォン)、プロセッサ106が経時的に変位信号を記録することもできる。別の例として、センサは、速度を測定することができるが、プロセッサ106は、経時的に速度信号を記録する。次いで、そのような信号は、加速度信号に変換され、本明細書に開示されているように、及び/又は受信信号のタイプに適した特徴抽出及び分類の他の技法によって処理され得る。
[0178]デバイス100の第2の実施形態では、方法500は、プロセッサ106を備えるデバイス100上で、第1の個人によって連続的に実行された第1の複数の嚥下事象についての第1の加速度計データを受信するステップを含み得る。この方法は、第1の加速度計データをセンサ102(例えば、デバイス100に通信可能に接続された加速度計)からデバイス100に送信するステップを含むことができる。
[0179]デバイス100の第2の実施形態では、方法500は、デバイス100上で、嚥下データ(例えば、第1の加速度計データの少なくとも一部、及び/又は第1の加速度計データから導出された第2の加速度計データの少なくとも一部)を、嚥下安全性及び嚥下効率のそれぞれについて定義された設定分類基準と比較するステップを含み得る。方法500は、設定分類基準に照らして嚥下データを比較することに少なくとも部分的に基づいて、第1の複数の嚥下事象のそれぞれに、嚥下安全性の確率又はパーセンタイルを割り当てるステップを含み得る。方法500は、設定分類基準に照らして嚥下データを比較することに少なくとも部分的に基づいて、第1の複数の嚥下事象のそれぞれに、嚥下効率の確率又はパーセンタイルを割り当てるステップを含み得る。
[0180]デバイス100の第2の実施形態は、好ましくは、第1の複数の嚥下事象のそれぞれを他の嚥下事象とは独立に分類して、第1の複数の嚥下事象について独立したポイント測定値を提供する。第1の複数の嚥下事象のそれぞれのデバイス100による分類は、対応する嚥下事象に対してリアルタイムであることができる。
[0181]方法500は、第1の複数の嚥下事象のそれぞれを、設定分類基準に照らして嚥下データを比較することに少なくとも部分的に基づいて、嚥下安全性分類及び嚥下効率分類により分類するステップを含むことができ、嚥下安全性分類は、少なくとも1つの所定の嚥下安全性分類から特定され、嚥下効率分類は、少なくとも1つの設定嚥下効率分類から特定される。
[0182]好ましい実施形態では、方法500は、第1の複数の嚥下事象のそれぞれについての嚥下安全性分類及び嚥下効率分類を特定する、オーディオ及び/又はグラフィックのうちの少なくとも1つを含む1つ以上の第1の出力を、デバイス100から(例えば、ユーザインターフェース104から)生成するステップを含む。第1の複数の嚥下事象のそれぞれについての嚥下安全性分類及び嚥下効率分類を識別する1つ以上の第1の出力は、対応する嚥下事象に対してリアルタイムであることができる。
[0183]一実施形態では、デバイスはハウジングを備え、プロセッサ106及びユーザインターフェース104のそれぞれは、ハウジング内に配置され、及び/又はハウジングに機械的に接続される。
[0184]方法500は、第1の加速度計データを提供するセンサのタイプ及び第1の複数の嚥下事象中に消費される飲料のタイプからなる群から選択される少なくとも1つのパラメータを識別するユーザ入力をデバイス100上(例えば、ユーザインタ-フェース104上)で受領するステップを含むことができる。
[0185]一実施形態では、方法500は、複数の飲料ドースの投与を指示する、オーディオ及び/又はグラフィックのうちの少なくとも1つを含む1つ以上の第2の出力を、デバイス100から生成するステップを含み、第1の複数の嚥下事象はそれぞれ、複数の飲料ドースのうちの1つに対応する。例えば、方法500は、第1の飲料ドースの投与を指示するステップと、次いで、第1の飲料ドースに対応する第1の嚥下事象についての嚥下安全性分類及び嚥下効率分類を特定するステップと、次いで、第2の飲料ドースの投与を指示するステップと、次いで、第2の飲料ドースに対応する第2の嚥下事象についての嚥下安全性分類及び嚥下効率分類を特定するステップと、を含み得る。デバイス100(例えば、ユーザインターフェース104)は、第1の嚥下事象についての嚥下安全性分類及び嚥下効率分類を互いに同時に識別することができる。方法500は、第2の嚥下事象についての嚥下安全性分類及び嚥下効率分類を識別するステップの後、第3の飲料ドースの投与を指示するステップと、次いで、第3の飲料ドースに対応する第3の嚥下事象についての嚥下安全性分類及び嚥下効率分類を識別するステップと、を含むことができる。方法500は、第3の嚥下事象についての嚥下安全性分類の識別及び嚥下効率分類を識別するステップの後、第4の飲料ドースの投与を指示するステップと、次いで、第3の飲料ドースに対応する第4の嚥下事象についての嚥下安全性分類及び嚥下効率分類を識別するステップと、を含むことができる。
[0186]一実施形態では、所定の嚥下安全性分類は、安全事象を示す第1の嚥下安全性分類と、安全でない事象を示す第2の嚥下安全性分類とを含み、また、所定の嚥下効率分類は、効率的な事象を示す第1の嚥下効率分類と、非効率的な事象を示す第2の嚥下効率分類とを含む。1つ以上の第1の出力は、第1の複数の嚥下事象のそれぞれに対して少なくとも1つのアイコンを含むことができ、少なくとも1つのアイコンは、デバイス100のユーザインタ-フェース104上に表示され、少なくとも1つのアイコンの少なくとも一部分は、第1の嚥下安全性分類の第1の色、又は第2の嚥下安全性分類の第1の色とは異なる第2の色であることができ、少なくとも1つのアイコンの少なくとも一部分は、第1の嚥下効率分類の第3の色、又は第2の嚥下効率分類の第3の色とは異なる第4の色であることができる。
[0187]一実施形態では、方法500は、デバイス100上で、第1の複数の嚥下事象のそれぞれについての嚥下安全性分類及び嚥下効率分類を、第1の個人に関連付けられた第1のプロファイル内(例えば、記憶素子107内)に記憶するステップを含む。方法500は、デバイス100によって、第1の複数の嚥下事象に続いて、第1の個人によって実行された第2の複数の嚥下事象、第1の粘度を有する第1の飲料で実行された第1の複数の嚥下事象、及び第1の粘度とは異なる第2の粘度を有する第2の飲料で実行された第2の複数の嚥下事象、をスクリーニングするステップを、更に含むことができる。好ましくは、方法500は、第1の個人に関連付けられた第1のプロファイルにおける第1の飲料の識別に関連して、第1の複数の嚥下事象のそれぞれについての嚥下安全性分類及び嚥下効率分類をデバイス100(例えば、記憶素子107)上に記憶するステップと、第1の個人に関連付けられた第1のプロファイルにおける第2の飲料の識別に関連して、第2の複数の嚥下事象のそれぞれについての嚥下安全性分類及び嚥下効率分類をデバイス100(例えば、記憶素子107)上に記憶するステップと、を含む。
[0188]方法500は、デバイス100上で、第1の複数の嚥下事象についての嚥下安全性及び効率分類を、第2の複数の嚥下事象についての嚥下安全性及び効率分類と比較するステップを含むことができる。方法500は、デバイス100上で、第1の複数の嚥下事象に続いて、第2の個人によって実行された第2の複数の嚥下事象をスクリーニングするステップと、デバイス100において、第2の個人に関連付けられた第2のプロファイル内(例えば、記憶素子107内)に、第2の複数の嚥下事象のそれぞれについての嚥下安全性分類及び嚥下効率分類を記憶するステップと、を含むことができる。
[0189]一実施形態では、方法500は、デバイス100上で、第1の複数の嚥下事象に続いて、第1の個人によって実行された第2の複数の嚥下事象をスクリーニングするステップと、デバイス100上で、第1の複数の嚥下事象についての嚥下安全性及び効率分類を、第2の複数の嚥下事象についての嚥下安全性及び効率分類と比較するステップと、を含む。
[0190]上述したように、本明細書に開示されるスクリーニングの第2の、特に好ましい実施形態は、各嚥下事象に確率又はパーセンタイルを割り当て、次いで、これらの確率/パーセンタイルを使用して単一の嚥下安全性分類及び単一の嚥下効率分類を判定する。各嚥下事象に確率又はパーセンタイルを割り当てる過程は、アルゴリズムを作成するための、デバイス100からの読み取り値とVFSSからの読み取り値との比較に基づくことができる。
[0191]好ましくは、デバイス100からの読み取り値とVFSSからの読み取り値との比較は、ボーラスを連続的に投与し、それぞれのボーラスについて、同時に記録されるVFSSの読み取り値と加速度計(「嚥下困難検知システム(Dysphagia Detection System)」、つまり「DDS」)の読み取り値とを測定し、ボーラスの各シーケンスの中で最初の4つのマッチするペア(すなわち、VFSSとDDSの両方によって測定可能な最初の4つの嚥下事象)を特定し、次いで投与を終了することによって行われる。最初の4つのマッチするペアは、患者レベルとボーラスレベルの両方で使用される。好ましくは、読み取り値は、VFSSとDDSとの間で実質的に同時に取得される。測定可能な時間差(例えば、数百ms)を計算し、それを、その後の計算で考慮して、VFSSとDDSの間の完全な同期性を達成することができる。
[0192]図6A及び図6Bは、概して、最初の4つのマッチするペアを特定する方法の実施形態を例示する。左パネルは、各嚥下事象に確率又はパーセンタイルを割り当てるアルゴリズムを決定するための、臨床試験での最初の4つのマッチするペアの比較を示し、右パネルは、そのアルゴリズムを、臨床研究と同じ嚥下結果を使用して、デバイスの商用実施形態にどのように実装するかを示す。「マッチするペア」とは、ある嚥下事象について、VFSSとDDSの結果が同じであることを意味するのではない。そうではなく、「マッチするペア」とは、その嚥下事象がVFSSとDDSの両方によって測定可能であることを意味する。
[0193]図6Aを参照すると、黒色事象、つまり有用でないデータがある実施例5の場合は、デバイスは、マッチするペアがあれば第5の嚥下データを使用する。2つ以上の黒色事象がある場合は(例えば、図6Bの実施例12など)、マッチするペアは3つしかないことになる。図6Bの実施例13では、使用可能なマッチするペアは2つだけである、という具合である。
[0194]図6A及び図6Bで、緑色は、安全な、かつ/又は効率的な嚥下を特定し、赤色は、安全でない、かつ/又は非効率的な嚥下を特定する。灰色は、例えば不完全な嚥下事象及び/又は嚥下事象の不完全な測定などの、DDSが判定を行えなかった嚥下事象を特定する。その非限定的な例には、嚥下の欠落、先頭でクリップされた信号、末尾でクリップされた信号、低いSNR(信号対雑音比)、及びピークノイズなどがある。黒色(臨床試験中にのみ使用される)は、ヒューマンエラーを特定し、よって、その嚥下事象の有用でないデータを特定する。
[0195]好ましくは、デバイス100によって提供される単一の嚥下安全性分類は、嚥下事象のほとんどが安全であると分類されたこと、又は、嚥下事象のほとんどが安全でないと分類されたことに基づくのではない。同様に、デバイス100によって提供される単一の嚥下効率分類は、嚥下事象のほとんどが効率的であると分類されたこと、又は、嚥下事象のほとんどが非効率的であると分類されたことに基づくのではない。逆に、ほとんどの嚥下事象が安全であると分類され、まして全てが安全であると分類されたとしても、デバイス100によって提供される単一の嚥下安全性分類は、安全でない嚥下となることもある。同様に、ほとんどの嚥下事象が非効率的であると分類され、まして全てが安全であると分類されたとしても、デバイス100によって提供される単一の嚥下安全性分類は、安全ではない嚥下となることもある。これに関して、加速度計データが、安全でない、かつ/又は非効率的であることに非常に近いために、「丸められた」計算が単一の安全でない嚥下安全性分類及び/又は単一の非効率的な嚥下効率分類になり得るときにもかかわらず、嚥下事象のうちの1つ以上が安全である、かつ/又は効率的であると分類されることもある。
[0196]各嚥下事象に確率又はパーセンタイルを割り当てるために、試験用及び訓練用の加速度計データの計算された特徴を使用して、線形判別分析(LDA)モデルを構築することができる。例えば、信号の頭部運動成分及び嚥下運動成分、音の方向、加速度計の速度及び配置の推定値、並びに、信号のエントロピーに関するものなどの特徴を、各嚥下事象の加速度計信号から抽出することができる。それぞれの特徴は、他の特徴とは独立に検証することができる。LDAモデルは、分類に使用される統計モデルである。このモデルは、入力特徴空間内に線形の判別境界を構築して、所与の観測値のセットをラベル付きのクラスに分離する。このモデルは、「異なるクラスにわたる特徴値の間の共分散は等しいと仮定され、クラス条件分布は本質的に多変数のガウス分布であると仮定される」という仮定を行うことができる。モデルは、ボーラスタイプと、安全性及び効率の問題との組み合わせのそれぞれについて、異なる特徴のセットを使って構築することができる。
[0197]本発明の好ましい実施形態
[0198]図7に示すように、嚥下安全性及び嚥下効率をスクリーニングするデバイス100の好ましい実施形態は、臨床で使用するように設計された携帯型非侵襲性デバイス700である。携帯型非侵襲性デバイス700は、上記で開示される本方法の実施形態のいずれかを実行し得る。携帯型非侵襲性デバイス700は、センサユニット702(センサ102と同様に機能できる「センサヘッド」)と、好ましくは使い捨て、かつ/又は廃棄可能な、固定ユニット704(「センサ固定具」)と、モバイルタブレット及び/又はハンドヘルドユニット707と、の少なくとも3つの基本構成要素を含むことができる。
[0199]センサユニット702は、好ましくは、甲状軟骨の直下で患者の頸部前側に取り付け可能なハウジングに収納された、二軸加速度計を備える。一実施形態では、センサユニット702は、成形プラスチックハウジングと、三軸アナログ加速度計を含むプリント回路基板(PCB)センサユニットとを備える。
[0200]固定ユニット704は、センサユニット702を患者の頸部に粘着させることができる。一実施形態では、固定ユニット704は、成形プラスチック片などの固定部品に結合された粘着パッチを備える。
[0201]センサユニット702は、第1のケーブル706によってA/D変換器708に接続でき、A/D変換器708は、次いで、第2のケーブル710によってモバイルタブレット及び/又はハンドヘルドユニット707に接続できる。モバイルタブレット及び/又はハンドヘルドユニット707は、ユーザインターフェース104、入力要素105、プロセッサ106、又はメモリ素子107のうちの1つ以上、好ましくはこれらの要素の全てを提供できる。
[0202]モバイルタブレット及び/又はハンドヘルドユニット707上の専用ソフトウェアアプリケーションが、事前調整された加速度データを処理して、1つ以上のスクリーニング結果を表示できる。携帯型非侵襲性デバイス700を、臨床医による特定の時点又は日々の評価に使用して、患者の嚥下コンディションの変化を評価できる。どのような適切なユーザインターフェースでも、デバイス700に使用するために適し得る。
[0203]センサユニット702を患者の頸部に取り付けて、喉からの振動を監視できる。モバイルタブレット及び/又はハンドヘルドユニット707上のソフトウェアアプリケーションは、これらの振動を、健常な患者及び嚥下安全性の障害を有する患者の典型的な振動と比較できる。更なる測定として、アプリケーションソフトウェアは、振動を、健常な患者及び嚥下効率の障害を有する患者の典型的な振動と比較できる。嚥下安全性(気道保護障害を表す、咽頭侵入-誤嚥のリスク)の指示子と、嚥下効率(2回以下の嚥下で、咽頭内に残留物を残さずに、咽頭を通してボーラスを取り除く能力を表す)の指示子とを、ハンドヘルドユニット上で処理して表示できる。
[0204]このデバイスを使用して行われる評価の好ましい実施形態は、タブレット上のインターフェースソフトウェアに誘導される臨床医の指示に従って患者が飲み物を連続して口に含むステップを含む。患者が飲み物を口に含むたびに、それが処理されて、アプリケーションソフトウェアは、モバイルタブレットに内蔵されていてもよいアプリケーションソフトウェアに転送されることができる。好ましくは、データが分析され、嚥下安全性及び効率の評価をシステムが出力する。測定信号の取得過程を図8に示す。
[0205]一実施形態では、A/D変換器708をリード線を介して接続することができ、評価中にテーブル上に配置されるように意図される。別の実施形態では、A/D変換器708アセンブリを「ネックレス」に組み込むことができ、その中で、A/D変換器708が患者の前側に懸架される。A/D変換器708は、再利用可能な構成要素であってもよい。
[0206]別の実施形態では、無線構成によって、モバイルタブレット及び/又はハンドヘルドユニット707をセンサユニット702及びA/D変換器708に接続する第2のケーブル710を省くことができる。この構成では、好ましくはソフトウェア、データ転送、及び電気安全/EMCの全ての規格に準拠して、例えばBluetooth無線接続によって、センサ信号データをモバイルタブレット及び/又はハンドヘルドユニット707に無線転送することが可能となる。
[0207]タブレットの好ましい実施形態では、モバイルタブレット及び/又はハンドヘルドユニット707は、アプリケーションソフトウェアを実行できる市販のタブレットを含む。モバイルタブレット及び/又はハンドヘルドユニット707の組み込みは、モバイルアプリケーション、ソフトウェア、データ転送、及び電気安全/EMCの全ての規格に準拠して開発され得る。
[0208]好ましい実施形態では、デバイス700(例えば、モバイルタブレット及び/又はハンドヘルドユニット707)は、データの転送及び記憶、システム監視、ソフトウェア更新、デバイス管理、並びに、電子的健康記録システムとの接続を可能とするアーキテクチャを備え得る。
[0209](実施例)
[0210]以下の臨床研究は、本明細書に開示される、嚥下安全性及び嚥下効率をスクリーニングするデバイス(「嚥下困難検出システム」つまり「DDS」)の1つ以上の実施形態を開発及び支持するための科学的データを提示する。具体的には、試験対象のDDSの実施形態は、臨床使用のために設計された携帯型非侵襲性デバイスである。甲状軟骨の触知可能な下部境界の真下で使い捨ての廃棄可能な固定ユニットによって患者の頸部の前側に取り付けられる二軸加速度計が、センサのプラスチックハウジング内に収容されている。上下軸及び前後軸で、振動が記録される。この研究では、センサユニットはケーブルを介してA/D変換器に接続され、この変換器は次いでラップトップコンピュータに接続された。
[0211]この研究は、嚥下造影検査(VFSS)と時間同期された、嚥下中のDDSにより収集された二軸加速度計信号の予測的収集及び調査であった。参加する被験者の真の嚥下状態を判定するための臨床参照標準として、VFSSを使用した。
[0212]試験の主目的は、二軸加速度計を使用して捕捉された嚥下信号を、中咽頭嚥下困難のリスクのある被験者における嚥下安全性障害及び嚥下効率障害に関して分類するための、分類器のアルゴリズムの開発に必要なデータを提供することであった。
[0213]主目的は、以下の副目的から構成された。
[0214]1.信号の処理及びフィルタリング。
[0215]2.関心領域を分離するためのセグメント化。特定のボーラスについての嚥下事象は、更に複数の副嚥下から構成される場合がある。セグメント化の目的は、それぞれの副嚥下の全てに対応する、加速度計信号中の領域を分離することであった。
[0216]3.分類アルゴリズムで予測因子として使用される特徴を、加速度計信号から抽出すること。
[0217]4.特徴の選択及び予測モデルの構築。
[0218]5.最終アルゴリズムの堅牢性のチェック。
[0219]6.訓練用と試験用へのランダムな分割(以下、「訓練/試験ランダムデータ分割」又は単に「ランダムデータ分割」、「ランダム分割」と称する)を用いて、分類器の精度を分類器の受信者動作特性(ROC)曲線の曲線下面積(AUC)を使用して推定すること。
[0220]7.水の嚥下と希薄バリウムの嚥下との、加速度計信号間の等価性に関するエビデンスを提供すること。このエビデンスが必要な理由は、VFSS(臨床参考法)による同時評価を可能にするために、試験はバリウムを使用して行わなければならないが、DDSの意図された用途は水であるからである。
[0221]この二次的な目的は、加速度計に基づく分類器に対する、1口分の体積とボーラス流動学との影響を評価することであった。
[0222]分類器のアルゴリズムを開発するための、主目的の評価項目は、次の通りであった。
[0223]1.ボーラスレベルでの受信者動作特性(ROC)曲線の曲線下面積(AUC)による、分類の精度。
[0224]2.ボーラスレベルでの予測確率の最適な閾値と、対応する感度及び特異度の判定。
[0225]研究手順に関して、適格な被験者に、水を1口ずつに分けて最大6回嚥下するように求め、その間、加速度計信号を記録した。水を飲んだ直後に、被験者は、最大6口の希薄バリウム造影剤と、キサンタンガム含有の粉末増粘剤であるResource(登録商標) Thicken Up Clear (TUC)(Nestle Health Science)を用いてそれぞれ3つの異なる稠度:つまり低粘度(1.2g TUC/100mL)、中粘度(2.4g TUC/100mL)、及び高粘度(3.6g TUC/100mL)に増粘されたバリウムの最大3つのボーラスと、を使用してVSFFを受けた。VFSSで行われた嚥下の間、同時に加速度計信号を記録した。
[0226]水、希薄液体バリウム、及び低粘度バリウムは、単一の7オンスカップ(約4オンスの流体を含む)から1口ずつに分けて、又は、一連の別々の7オンスカップ(それぞれが約4オンスの流体を含む)からそれぞれ1口摂取された。水、希薄液体バリウム、及び低粘度バリウムについては、登録された被験者を、単一のカップで投与する方法と、一連のカップで投与する方法のいずれかに無作為に分けた。それにしたがって、摂取量を測定した。中粘度及び高粘度のバリウムは、スプーンで摂取した。全ての場合で、1口又はスプーン1杯を摂取した後に毎回、カップ重量によって、1口分の体積を測定した。
[0227]ビデオ蛍光透視検査プロトコルには、患者の安全を維持する目的で、停止基準を設けた。特定の稠度で気道への進入が2回観察されると、その後の、その稠度のボーラスは中止した。更に、(稠度にかかわらず)気道への材料の進入が5回観察されると、その後のビデオ蛍光透視検査を停止した。
[0228]100人の被験者が試験を完了した後、単一カップの投与方法と複数カップの投与方法との間に、1口分の体積に関して体系的な差が見られるか調べるために、分析を行った。この分析では、95人の被験者の931ボーラスからのデータが考慮された。2つの方法の間での1口分の体積の差は、線形混合モデルを使用し、試験前の1口分の体積、性別、及びボーラス数について調整した結果、統計的に有意ではないことが判明した。調整された差は、1.03mLと推定された(SE=1.12、P値=0.789)。その後、試験は単一カップ法のみを使用して継続した。
[0229]VFSSデータの収集及び分析に関して、VFSS検査を、連続透視法又は1秒当たり30パルスのパルス透視法のいずれかを使用して、標準プロトコルに従って側面撮影で行い、1秒当たり30フレームのフレームレートでラップトップコンピュータに記録した。ビデオ蛍光透視検査の記録を、Swallowing Rehabilitation Research Laboratory(Toronto Rehabilitation Institute-University Health Network)に電子的に転送し、処理及び分析を行った。分析プロセスには、初期画像品質審査と、各ボーラスについての事象の開始と終了に対応するタイムコード特定とが伴った。次いで、記録をMatlabでスプライスして、ボーラスレベルのクリップにした。各ボーラスクリップに、評点の目的で乱数を割り当てた。合計4229個のボーラスクリップを、評点者のペアによって、重複して分析した。評点者は、標準の操作手順に従って各評価タスクを行えるように訓練された言語病理学者(speech-language pathologists、SLP)であった。
[0230]各ボーラスの全ての副嚥下について、8点の咽頭侵入-誤嚥スケール(PAS)を使用して、嚥下安全性を分類した。このスケールの評点1及び2は、安全性の懸念を反映しない。評点3~5は「咽頭侵入」と分類され、その場合、材料は声門上の空間に入るが、真声帯の下には移動しない。評点6~8は「誤嚥」と分類され、その場合、材料は真声帯の下に移動する。評点8は「無症状の咽頭侵入」を示し、その場合、患者から咳又は咳払いの反応がないことを示す。続いて、評点1及び2を「安全」、評点3以上を「安全でない」と分類して、PAS評点を二値の安全性評点に還元する。
[0231]嚥下効率とは、人が、ボーラスを嚥下して、2回以内の嚥下の間に残留物を残さずに咽頭を通して取り除く能力の程度を表す。この研究では、ボーラスの嚥下を非効率的であるとラベル付けするために、3つの基準を使用した。
[0232]a)1つのボーラスについて3回以上の副嚥下が見られた場合は、非効率的であると分類した。
[0233]b)主観的評価1を上回る喉頭蓋谷残留物の蓄積(喉頭蓋谷の利用可能な空間の50%超を満たすと主観的に判断された残留物に対応する)は、非効率的であると見なした。
[0234]c)主観的評価1を上回る、梨状窩瘻残留物の蓄積(梨状窩瘻内の利用可能な空間の50%超を満たすと主観的に判断された残留物に対応する)は、非効率的であると見なした。
[0235]残留物の評価(0=なし、1=全体の50%まで、2=全体の50%超)に加えて、画素ベースでの残留物の特定を行って、それぞれの空間がどの程度満たされているか(全体に占める%)の更に正確な計算値を得て、正規化残留比スケール(Normalized Residue Ratio Scale)に従う残留の重症度を計算できるようにし、これには、残留物及び収容空間の測定値の、解剖学的スカラー基準(C2~C4頚椎の長さ)への正規化が組み込まれる。
[0236]VFSS分類をボーラスレベルで実施した。すなわち、中央研究所のVFSS評点者によって、各ボーラスが独立に評価された。被験者IDについての情報は、評点者には与えられなかった。次いで、ボーラスレベルの結果を患者レベルに丸めた。特定の稠度について、複数のボーラスにわたって1回でも気道侵入があれば、参加者レベルの結果は、その稠度について「安全でない」とした。同様に、特定の稠度について、複数のボーラスにわたって1回でも非効率的な嚥下があれば、参加者レベルの結果は、その稠度について「非効率的」とした。
[0237]分類アルゴリズムの開発は、
1.DDS信号の前処理、2.嚥下活動の領域を分離するためのセグメント化、3.特徴抽出、及び、4.分類実験を実行して分類器の予測精度を推定すること、の4つの構成要素に関して説明できる。
[0238]1.信号の前処理
[0239]加速度計信号を、10kHzのサンプリング周波数で収集した。二軸嚥下加速度計観測の信号電力の過半数は、100Hz未満に集中することが明らかになっている。この研究では、加速度計信号を、Daubechies-8 マザーウェーブレットを使用する10レベルのウェーブレット分解を介してノイズ除去し、ソフトスレショルディングを使用して再構成した。
[0240]また、近似及び詳細ウェーブレット係数を使用して、頭部運動に対応する信号成分を抽出し、捕捉された嚥下信号内の発声区分を特定した。
[0241]具体的には、レベル10の近似ウェーブレット係数を使用して、頭部運動を特徴付ける周波数成分であると報告されている5Hz未満の周波数を含む信号成分を再構築した。発声を特徴付ける周波数成分を含む信号成分を分離するために、40~650Hzの周波数範囲に対応する詳細ウェーブレット係数(レベル5~8の詳細係数)以外は全て抑制した。
[0242]抽出された信号の発声成分(40~650Hz成分)内で、ピークサーチによって有効区分を特定し、0.4~1秒の持続時間を有するそれらの区分を発声区分として特定した。
[0243]2.セグメント化
[0244]参加者によって消費された各ボーラスは、1回以上の副嚥下によって摂取されることがあった。セグメント化は、各ボーラスについて、1つ又は複数の嚥下活動領域の位置を特定することを伴う。セグメント化は、3つのチームのそれぞれによって独立に行われ、その後、3つの分割アルゴリズムによって認識されたセグメントの和集合を使用して1つにまとめられた。
[0245]教師なしアルゴリズムで、ボーラス信号をより小さいセグメントに分割し、非常に大きな信号スパイクを有するセグメントがあれば除去し、嚥下に関連しない信号源からのアーチファクトを排除した。標準偏差の高いセグメントを標準偏差の低いセグメントから分離するfuzzy c-meansクラスタリング法によって、残りのセグメントから候補嚥下を特定した。S-I軸とA-P軸(センサの2つの直交軸)からの信号は別々にセグメント化されて、各軸からの候補嚥下セグメントの共通部分が、セグメント化の最終出力を構成した。
[0246]教師ありアルゴリズムは、ボーラス信号を、連続したセグメント間に0.3秒の重なりがある可能性のある、1.3秒の等しい長さのセグメントに分割し、次いで、テンプレートマッチングを使用することを伴った。あるランダム分割では、結果として訓練セット及び試験セットが小さくなった。セグメントを、VFSSの開始時間と終了時間の間に、また、非嚥下領域から抽出した。これらのセグメントを、それぞれ、嚥下テンプレート及び非嚥下テンプレートと呼んだ。次いで、試験ボーラスについて、嚥下/非嚥下テンプレートとの類似性の尺度を使用して嚥下セグメントを特定した。最後に、適応スレショルディング及びセグメントマージ(非常に近接した隣接セグメントについて)を行ってから、各ボーラスについて嚥下セグメントを最終決定した。
[0247]別の教師なしアプローチは、S-I軸及びA-P軸信号の極性変換と、Hzのローパスフィルタ及び0.5Hzのハイパスフィルタと、隠れマルコフモデル(HMM)を使用して初期嚥下セグメントを見つけることと、EMアルゴリズムを使用して、2つの軸及び信号振幅との間の相関に基づいて、複数の異なるセグメントを嚥下領域又は非嚥下領域に分類することと、を伴った。
[0248]3.特徴の抽出及び選択
[0249]特徴抽出アルゴリズムを、2つの独立した信号分析グループによって、Matlabで実施した。セグメント化に続いて、各ボーラスについて合計で100個以上の異なる特徴を計算した。健康な嚥下と嚥下障害とを区別する能力を有する特徴を、経験に基づいて選択した。特徴には、S-I軸及びA-P軸に別々に基づくものと、両方の軸からの情報を組み合わせたものとが含まれる。時間、周波数、及び時間周波数ドメインの特徴を考慮に入れた。
[0250]100個以上の異なる特徴を、Elastic Netペナルティを用いた正規化二項回帰を使用して、顕著な特徴の最小セットにまで削減し、また、重要度の順序を取得した。
[0251]この削減に続いて、線形判別分析(LDA)モデル及びサポートベクトルマシン(SVM)モデルを訓練セットに適合させ、試験セットでの予測に使用した。この過程を1,000回実施した。各訓練/試験分割で、過学習の傾向を観察するために、訓練セットと試験セットの両方について、特徴数を増加させながら、ROC曲線のAUCを追跡した。過学習を回避するために、各分類モデルに含める特徴の数を控えめに決定した。
[0252]4.分類精度の推定
[0253]特徴選択に続いて、LDA及び他のモデルの分類精度を、交差検証を10,000回繰り返して使用して計算した。交差検証の各回の実行時、参加者の20%からのボーラス信号を試験セットとして除外し、参加者の残りの80%からのボーラスを使用して分類器を訓練した。このランダム分割を、VFS結果から得られた患者状態によって階層化した。分類器を、線形判別分析法を使用して訓練した。同じ特徴セットを使用して、SVMなどの他の分類モデルもまた、精度を試験した。
[0254]結果として得られた分類器に閾値調整を施して、90%/60%の目標感度/特異度に最も近いボーラスレベルの精度を訓練セットにもたらす確率閾値を特定した。続いて、調整済みの閾値レベルを適用して分類器に試験セットを通し、結果のボーラスレベル感度及び特異度を計算した。10,000回の実行の全てにわたる、試験セットのボーラスレベルの精度を平均して、分類器の最終的な感度及び特異度レベルを得た。
[0255]結果
[0256]患者の特性
[0257]344人の被験者を参加への適格性について評価し、うち12人が選択/除外の基準を満たさなかった。最初に登録された344人の被験者のうち305人が、完全なデータ(すなわち、同時に記録されたVFSS信号及びDDS信号)を有するボーラスを少なくとも2つ有した。図9は、この研究を通した参加者のフローの報告である。
[0258]人口統計学的特性を、以下の表1に概説する。研究参加者の平均年齢は70歳であり、50%は女性であった。合計107人(32.2%)の患者が脳卒中を有し、18人(5.4%)が脳卒中以外の急性脳損傷を有した。207人(62.3%)の参加者は「その他」とグループ分けされ、「その他」は、急性脳損傷/脳卒中以外の異なる医学的状態を示す、50歳を超える全ての登録患者を表す。
Figure 2022521172000002

[0259]除外者を取り除いた後、合計で305人の参加者について、VFSSの結果が利用可能であった。ビデオ蛍光透視検査プロトコルには患者の安全の維持を意図した停止基準が含まれるので、希薄液体の6ボーラス、低粘度の3ボーラス、中粘度の3ボーラス、及び高粘度の3ボーラスのプロトコル全体を、全ての参加者が完了したわけではない。更に、ビデオ品質の問題(例えば、視野を遮る肩の影、蛍光透視をオンにするのが遅すぎるかオフにするのが早すぎるなど)は、いくつかのクリップが評点不可能であったことを意味する。
[0260]嚥下の安全性及び効率
[0261]1,730の希薄嚥下(ボーラス)、872の低粘度ボーラス、833の中粘度ボーラス、及び794の高粘度ボーラスを嚥下の安全性及び効率について分析した。参加者レベルでの嚥下安全性障害又は嚥下効率障害の有病率を、以下の通りに、VFSSボーラス分析から判定した。
[0262]1~6回の一連の嚥下における少なくとも1つの障害のあるボーラスが、安全性又は効率の障害を有する場合、参加者はそれぞれ、希薄な刺激について嚥下障害又は効率障害を有すると見なされた。
[0263]1~3回の一連の嚥下における少なくとも1つの障害のあるボーラスが、それぞれの稠度について安全性又は効率の障害を有する場合、参加者はそれぞれ、低粘度、中粘度、又は高粘度の刺激について嚥下障害又は効率障害を有すると見なされた。
[0264]
[0265]以下の表2は、ボーラスレベル及び参加者レベルでの安全でない嚥下及び効率の問題の有病率を、刺激のタイプごとに示す。このデータは、刺激の粘度が増加するにつれて嚥下安全性の問題が大幅に減少し、その結果、中粘度及び高粘度の稠度について、分類器開発に利用可能なデータが少なくなったことを示した。
Figure 2022521172000003

[0266]嚥下効率は、通常、誤嚥の安全性及びリスクに注目した嚥下困難スクリーニングによって対処することはできない。嚥下効率の障害を有する個人は、食事を完了するために必要な時間が長くなることがあり、栄養不良のリスクがあると考えられる。このデータは、嚥下効率が、広く認められる重要な問題であり、更なる研究が必要であることを示唆する。
[0267]VFSSによって判定される、ボーラスレベルと参加者レベルとの間の安全性障害の有病率の差は、患者の中での嚥下の変動性によって説明される。つまり、嚥下困難を有する患者でも、全ての嚥下に障害があるわけではない。患者の中でのこのような(一連の嚥下におけるボーラス間での)嚥下の変動性は、DDS検証試験の設計を検討するうえで非常に重要である。つまり、信頼性のある検証を確実にするためには、ボーラスレベルの精度を重視することと、DDSとVFSSの同時記録を使用することの両方が重要である。
[0268]嚥下安全性を検出するために最適なボーラス数
[0269]嚥下評価のための最適なボーラス数がいくつであるかについて、専門家の間に合意は存在しない。
[0270]希薄な刺激に対する患者レベルでの嚥下安全性を検出するために最適なボーラス数を判定するために、検出された嚥下安全性障害の参加者レベルでの累積パーセンテージを分析した(以下の表3)。4回のボーラスの後の累積パーセンテージは22.16%で、6回のボーラスの後には累積パーセンテージの利得の曲線は平坦化して、25.6%まで増大した。
Figure 2022521172000004

[0271]この知見を考慮して、希薄な稠度では最大4ボーラス、他の稠度では最大3ボーラスを使用して、障害の平均予測確率を被験者レベルで集計した。これらの平均予測確率を、VFSSの二値データに「少なくとも1つの正方向の」丸め規則を適用して取得した被験者レベルの分類ラベルと比較することによって、被験者レベルの受信者動作特性曲線を取得した。よって、VFSSが所与の稠度の少なくとも1つのボーラスにおける問題を提示する場合には、その患者は、その稠度で嚥下機能障害を有すると見なされた。以下に記載するように、より稠度の高い刺激では、嚥下安全性障害の有病率は大幅に減少した。こうした稠度では利用可能な嚥下安全性データは限られるので、中粘度と高粘度を合わせた刺激(以下、中/高粘度と称する)のために1つの分類器を開発することを決定した。
[0272]VFSS中の放射線曝露と、嚥下障害の検出の漸増利得、及び、嚥下障害を検出するために簡単に使えて実用的な臨床ツールとしてデバイスを開発するという目的を考慮して、分類器を構築するために4つのボーラスを使用した。DDSでは、希薄刺激の試験では、最大4つのボーラスが見越される。
[0273]様々な実施形態において、本明細書に開示される分類器アルゴリズムは、どのような適切な嚥下困難デバイスのスクリーニング向上のためにも最適な個数である、4つのボーラスを使用して構築することができる。上述したように、中咽頭嚥下困難は多数の異なる方法によって監視及び検出され、これには、特定の試験的研究で採用され、図8に示される、DDSを使用した好ましい方法が含まれるが、それに限定されない。分類器を構築した後は、VFSS、FEES、ソナー、又は他のどのような技法を嚥下困難デバイスが使用しているかにかかわらず、分類器を使用して、患者が嚥下困難を有するか否かを正確かつ安全に評価することができる。
[0274]他の刺激(低粘度、中粘度、及び高粘度)については、分類器は、研究プロトコルに従って利用可能な、3つのボーラスによる手法を使用して構築される。希薄な刺激について得られた知見を考慮して、検証試験の計画には、それぞれの刺激について4つのボーラスのデータ収集が含まれる。
[0275]DDS分類精度
[0276]VFSクラスラベルを使用して決定された患者の疾患状態によって層別化された、10,000の訓練/試験ランダムデータ分割の結果を以下に示す。主分類器はLDAモデルに基づく。また、堅牢性を確認するために、SVMを含む他の分類器も、精度について適合及び試験されている。ここに、LDAモデルについての結果を稠度別に示す。訓練/試験ランダム分割のそれぞれについて感度及び特異度が計算され、その計算は、最適化された閾値、すなわち、感度90%及び特異度60%に対応する目標点(感度=0.9、1-特異度=0.4)から最短距離にあるROC曲線上の点に基づく。ボーラスレベルでのROC曲線のAUCが、どのような閾値からも独立した主要評価項目である。以下の表4a及び表4bは、10,000の訓練/試験ランダムデータ分割を使用したLDA分類器の推定精度のまとめを示す(表4aは嚥下安全性、表4bは嚥下効率を示す)。3つの濃厚な稠度について、特徴の数及び、使用された特定の特徴は異なる。ただし、重複する特徴も存在し、重複しない特徴は、他の分類器で使用される少なくとも1つの特徴と強く相関する。
Figure 2022521172000005

Figure 2022521172000006
[0277]高い雑音レベルを有する信号:収集された全ての加速度計信号は、表4a及び表4bに示すように「安全」又は「安全でない」と分類された。ところが、これらの信号の一部は、高い雑音レベルを呈し、セグメント化を実施することが困難であった。
[0278]したがって、検証試験のために、スペクトルエントロピーのレベル(信号の乱れ)によって定義される「灰色」信号の概念を導入した。この概念では、信号の最大5%が「灰色」と分類されると予想され、その場合、その患者に対して更なる評価を実施すべきである。
[0279]感度及び特異度の推定に対するスレショルディング及び変動性:感度及び特異度の推定における比較的高い変動性には、2つの因子が寄与する。
[0280]1.試験セットが小さい:305人の参加者のうち70人が、希薄な稠度のボーラスでは、少なくとも1回のボーラスで嚥下安全性の問題を示した。80対20の訓練/試験ランダム分割では、問題を有する被験者の数は少なくなった。
[0281]2.各ROC曲線と目標性能点(0.4、0.9)との間の距離を最小化する最適化されたスレショルディングを、それぞれのランダム分割について別々に行った。ここでも、試験セットが小さいために、閾値に大きな変動性が見られ、そのことは更に、感度及び特異度の推定に見られる変動性に寄与した。
[0282]水と希薄液の同等性:この試験の主な目的は、希薄バリウムの嚥下において同時に収集された加速度計信号とVFSSとを使用して、加速度計信号のみに基づいて嚥下障害(安全性及び/又は効率)を予測できる分類器アルゴリズムを開発することであった。ところが、このデバイスの将来の主な用途として意図されているのは、水嚥下を使用して嚥下障害を検出することである。この理由から、水嚥下について加速度計信号を収集したが、同時にVFSSは行わなかった。
[0283]水と希薄バリウムの両方について少なくとも2つの利用可能な嚥下を有する第1の80人の参加者からのデータに基づいて、同等性試験を実施した。一般的な方法に従って、10%の同等性マージンを一致の限界として使用した。隠れマルコフモデルに基づくセグメント化アルゴリズムを使用して、各被験者の各嚥下について主要な嚥下プロファイルを抽出した。一変量の事例に対する二軸問題を低減するために、関数(x,y)→x2+y2を使用した。ピークアライメントに続き、ピークを中心とする1秒の固定時間長を抽出した。次いで、Scheipl、Staicu、及びGrevenによって提案された関数混合加法モデルを、被験者についてのランダム効果平滑項を用いてデータに適合させた。水と希薄バリウムの平均嚥下プロファイルの間の差について、95%の点別の(point-wise)信頼区間を計算した。その結果、この差についての95%の点別の信頼区間が±10%以内であることが示された。
[0284]結論及び、検証試験設計への影響
[0285]希薄刺激を使用した嚥下安全性:
[0286]a.嚥下安全性問題の検出について、ボーラスレベルでのROC曲線で0.82のAUCが得られた。
[0287]b.検出された嚥下安全性障害の累積パーセンテージについてのデータは、嚥下安全性の問題を検出するために最適なボーラスの数が4つであることを示唆する。
[0288]c.90%及び60%の目標値に近い感度及び特異度(それぞれ86.7%及び60.4%)が、希薄な刺激について達成された。
[0289]d.水ではVFSSによる検証は不可能であったため、同等性の試験を行った。この試験によって、所与の参加者について水と希薄バリウムの平均嚥下加速度測定プロファイルが同等であると見なし得ることが示された。
[0290]より濃厚な刺激を使用した嚥下安全性:
[0291]a.低粘度の刺激について、嚥下安全性の問題の検出について、ROC曲線で0.83のAUCが得られた。中粘度及び高粘度の稠度についてのAUCは、利用可能なデータが限られているにもかかわらず、0.76及び0.87に達した。
[0292]b.低粘度の刺激については87.5%及び60.4%の感度及び特異度が得られ、中粘度については3.3%及び61.1%であった。高粘度の刺激についての結果は、非常に低い有病率に起因して、信頼できないものであった。
[0293]これらの結果により、嚥下困難を有する参加者が、一連の嚥下において、必ずしも全てのボーラスで嚥下障害を示すわけではないことが明らかになった。したがって、DDSと臨床参照法(VFSS)とによる同時測定は、試験中に行われたのと同様に将来の検証トライアルにとっても重要である。
[0294]このデータは、希薄な刺激について嚥下安全性障害を検出するために4つのボーラスが必要であることを示し、4つ未満のボーラスを使用するどのような方法も、障害を取りこぼす可能性があることを示唆する。これは、非放射線的な方法と、ビデオ蛍光透視検査プロトコルとの両方に当てはまる。このデータはまた、5つ以上の希薄ボーラスの収集では、安全性障害の検出に限界的増分便益が加わることも示唆している。ビデオ蛍光透視検査で5つ以上のボーラスを収集すると、放射線曝露が増大し、疲労を誘発し得るため、これは有益な情報である。
[0295]現行の嚥下スクリーニングプロトコルの過半数では、安全性障害の兆候及び誤飲のリスクが重視されているが、嚥下効率については考慮されていない。本研究のデータは、嚥下の非効率は頻繁に見られ、また重要であることを示す。更に、このデータは、希薄な液体において残留がよく見られることを示唆する。
[0296]このデバイス又は嚥下プロトコルに関連して、重大な有害事象は観察されなかった。
[0297]このプロジェクトで使用した規則は、特定のボーラスの複数の副嚥下にわたって割り当てられた最悪の評点に基づいて嚥下の安全性及び効率を分類するものであった。しかしながら、安全性及び効率の複数のパラメータを丸め上げて、所与のボーラスについて全体的な評点を得ることができる。希薄な液体での嚥下安全性障害の検出の主要な結果について、ボーラスレベルで、ROC上で80.9%の平均AUCが得られた。被験者レベルに丸めたとき、平均AUCは81.5%で、それぞれ、感度(すなわち真陽性率)が90.4%、特異度(すなわち、真陰性率)が60.0%であった。より高粘度の稠度における嚥下安全性の検出についても、分類器の性能は同様に強力であった。効率の分類器は、試験した複数の稠度にわたって、約80%の感度及び60%の特異度を達成した。
[0298]この研究で開発された加速度計信号分類器アルゴリズムは、嚥下障害を高精度で検出することができる。重要なこととして、これにより、臨床での嚥下評価のための自動化された非侵襲的手段が提供される。
[0299]本明細書に記載される現在好ましい実施形態に対する様々な変更及び修正が、当業者には明らかである。かかる変更及び改変は、本発明の主題の趣旨及び範囲から逸脱することなく、かつ意図される利点を損なわずに、行うことができる。それゆえ、そのような変更及び修正は、添付の特許請求の範囲に包含されることが意図されている。

Claims (39)

  1. 嚥下安全性及び嚥下効率をスクリーニングする統合デバイスであって、
    (i)第1の個人によって連続的に実行された第1の複数の嚥下事象について第1の振動データを受信するステップと、(ii)前記第1の振動データの少なくとも一部分、前記第1の振動データから導出された第2の振動データの少なくとも一部分、及びそれらの組み合わせからなるグループから選択された嚥下データを、嚥下安全性及び嚥下効率のそれぞれについて定義された設定分類基準と比較するステップと、(iii)前記第1の複数の嚥下事象のそれぞれに嚥下安全性確率及び嚥下効率確率を割り当てるステップであって、前記第1の複数の嚥下事象のそれぞれは、対応する前記嚥下安全性確率及び対応する前記嚥下効率確率を、他の前記嚥下事象とは独立に割り当てられて、前記第1の複数の嚥下事象について独立したポイント測定を提供する、割り当てるステップと、(iv)前記第1の複数の嚥下事象のそれぞれの前記嚥下安全性確率に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の複数の嚥下事象についての嚥下安全性分類を判定するステップであって、前記嚥下安全性分類は、少なくとも1つの所定の嚥下安全性分類から特定される、判定するステップと、(v)前記第1の複数の嚥下事象のそれぞれの前記嚥下効率確率に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の複数の嚥下事象についての嚥下効率分類を判定するステップであって、前記嚥下効率分類は、少なくとも1つの所定の嚥下効率分類から特定される、判定するステップと、
    を行うように構成されたプロセッサと、
    前記第1の複数の嚥下事象についての前記嚥下安全性分類及び前記嚥下効率分類を特定する、オーディオ及び/又はグラフィックのうちの少なくとも1つを含む1つ以上の第1の出力を提供するように構成されたユーザインターフェースと、
    を備える、デバイス。
  2. 前記嚥下安全性確率及び前記嚥下効率確率が、前記対応する嚥下事象に対してリアルタイムに、前記対応する嚥下事象に割り当てられる、請求項1に記載の統合スクリーニングデバイス。
  3. 前記ユーザインターフェースによる前記1つ以上の第1の出力が、それぞれ、前記第1の複数の嚥下事象の完了に対してリアルタイムである、請求項1に記載の統合スクリーニングデバイス。
  4. 前記プロセッサに通信可能に接続され、前記第1の振動データを提供する加速度計を更に備える、請求項1に記載の統合スクリーニングデバイス。
  5. ハウジングを更に備え、前記プロセッサ及び前記ユーザインターフェースが、前記ハウジング内、前記ハウジングに機械的に接続された位置、及びそれらの組み合わせからなるグループから個別に選択された位置をそれぞれ有する、請求項1に記載の統合スクリーニングデバイス。
  6. 前記嚥下安全性分類が、前記第1の複数の嚥下事象についての前記単一の嚥下安全性分類であり、前記嚥下効率分類が、前記第1の複数の嚥下事象についての前記単一の嚥下効率分類である、請求項1に記載の統合スクリーニングデバイス。
  7. 前記プロセッサが、前記ユーザインターフェースを使用して、複数の飲料ドースの投与を指示する、オーディオ及び/又はグラフィックのうちの少なくとも1つを含む1つ以上の第2のユーザ出力を提供するように構成され、前記第1の複数の嚥下事象のそれぞれは、前記複数の飲料ドースのうち1つに対応する、請求項1に記載の統合スクリーニングデバイス。
  8. 前記プロセッサが、前記ユーザインターフェースを使用して第1の飲料ドースの投与を指示し、次いで、前記第1の飲料ドースの嚥下の完了を特定するユーザ入力を受領し、次いで、前記ユーザインターフェースを使用して第2の飲料ドースの投与を指示し、次いで、前記第2の飲料ドースの嚥下の完了を特定するユーザ入力を受領するように構成されている、請求項7に記載の統合スクリーニングデバイス。
  9. 前記プロセッサが、前記第1の飲料ドースに対応する第1の嚥下事象に第1の嚥下安全性確率及び第1の嚥下効率確率を割り当て、前記第2の飲料ドースに対応する第2の嚥下事象に第2の嚥下安全性確率及び第2の嚥下効率確率を割り当てるように構成されている、請求項8に記載の統合スクリーニングデバイス。
  10. 前記プロセッサが、前記ユーザ入力が前記第2の飲料ドースの嚥下の完了を特定した後に、前記ユーザインターフェースを使用して第3の飲料ドースの投与を指示し、次いで、前記第3の飲料ドースの嚥下の完了を特定するユーザ入力を受領するように構成され、
    前記プロセッサが、前記第3の飲料ドースに対応する第3の嚥下事象に、第3の嚥下安全性確率及び第3の嚥下効率確率を割り当てるように構成されている、
    請求項9に記載の統合スクリーニングデバイス。
  11. 前記プロセッサが、前記ユーザ入力が前記第3の飲料ドースの嚥下の完了を特定した後に、前記ユーザインターフェースを使用して第4の飲料ドースの投与を指示し、次いで、前記第4の飲料ドースの嚥下の完了を特定するユーザ入力を受領するように構成され、
    前記プロセッサが、前記第4の飲料ドースに対応する第4の嚥下事象に、第4の嚥下安全性確率及び第4の嚥下効率確率を割り当てるように構成されている、
    請求項10に記載の統合スクリーニングデバイス。
  12. 前記嚥下安全性分類が、前記第1、前記第2、前記第3、及び前記第4の嚥下安全性確率の幾何平均に基づき、前記嚥下効率分類が、前記第1、前記第2、前記第3、及び前記第4の嚥下効率確率の幾何平均に基づく、請求項11に記載の統合スクリーニングデバイス。
  13. 前記少なくとも1つの所定の嚥下安全性分類が、安全な嚥下を示す第1の嚥下安全性分類と、安全でない嚥下を示す第2の嚥下安全性分類と、を含み、
    前記少なくとも1つの所定の嚥下効率分類が、効率的な嚥下を示す第1の嚥下効率分類と、非効率的な嚥下を示す第2の嚥下効率分類と、を含み、
    前記1つ以上の第1の出力が、前記第1の複数の嚥下事象について前記ユーザインターフェース上に表示される少なくとも1つのアイコンを含み、前記少なくとも1つのアイコンの少なくとも一部分が、前記第1の嚥下安全性分類用の第1の色又は前記第1の色とは異なる前記第2の嚥下安全性分類用の第2の色であり、かつ、前記少なくとも1つのアイコンの少なくとも一部分は、前記第1の嚥下効率分類用の第3の色又は前記第3の色とは異なる前記第2の嚥下効率分類用の第4の色である、
    請求項1に記載の統合スクリーニングデバイス。
  14. 前記第1の複数の嚥下事象についての前記嚥下安全性分類及び前記嚥下効率分類を、前記第1の個人に関連付けられた第1のプロファイル内に記憶するように構成されたメモリ素子を備える、請求項1に記載の統合スクリーニングデバイス。
  15. 前記プロセッサが、前記第1の複数の嚥下事象に続いて、前記第1の個人によって実行された第2の複数の嚥下事象をスクリーニングするように構成され、前記第1の複数の嚥下事象は第1の粘度を有する第1の飲料で実行され、前記第2の複数の嚥下事象は前記第1の粘度とは異なる第2の粘度を有する第2の飲料で実行され、前記プロセッサが、前記第1の複数の嚥下事象についての前記嚥下安全性分類及び前記嚥下効率分類を、前記第1の飲料の識別と関連させて、前記第1の個人に関連付けられた前記第1のプロファイル内に記憶するように構成され、かつ、前記プロセッサが、前記第2の複数の嚥下事象についての嚥下安全性分類及び嚥下効率分類を、前記第2の飲料の識別と関連させて、前記第1の個人に関連付けられた前記第1のプロファイル内に記憶するように構成されている、
    請求項14に記載の統合スクリーニングデバイス。
  16. 前記プロセッサが、前記第1の複数の嚥下事象についての前記嚥下安全性分類を前記第2の複数の嚥下事象についての前記嚥下安全性分類と比較し、
    前記第1の複数の嚥下事象についての前記嚥下効率分類を前記第2の複数の嚥下事象についての前記嚥下効率分類と比較するように構成されている、請求項15に記載の統合スクリーニングデバイス。
  17. 前記プロセッサが、前記第1の複数の嚥下事象に続いて、前記第1の個人とは異なる第2の個人によって実行された第2の複数の嚥下事象をスクリーニングし、前記第2の複数の嚥下事象についての嚥下安全性分類及び嚥下効率分類を、前記第2の個人に関連付けられた第2のプロファイル内に記憶するように構成されている、請求項14に記載の統合スクリーニングデバイス。
  18. 前記プロセッサが、前記第1の複数の嚥下事象の少なくとも1日後に前記第1の個人によって実行された第2の複数の嚥下事象をスクリーニングするように構成され、前記プロセッサが、前記第1の複数の嚥下事象についての前記嚥下安全性分類を前記第2の複数の嚥下事象についての嚥下安全性分類と比較し、前記第1の複数の嚥下事象についての前記嚥下効率分類を前記第2の複数の嚥下事象についての嚥下効率分類と比較するように構成されている、請求項1に記載の統合スクリーニングデバイス。
  19. 前記第1の複数の嚥下事象のそれぞれが、前記第1の複数の嚥下事象のうちの直前の事象の後の10分間以内にあり、前記第1の複数の嚥下事象のうちの直後の事象より前の10分間以内にある、請求項1に記載の統合スクリーニングデバイス。
  20. 嚥下安全性及び嚥下効率をスクリーニングする方法であって、
    プロセッサを備えるデバイス上で、第1の個人によって連続的に実行された第1の複数の嚥下事象についての第1の振動データを受信するステップと、
    前記デバイス上で、前記第1の振動データの少なくとも一部分、前記第1の振動データから導出された第2の振動データの少なくとも一部分、及びそれらの組み合わせからなるグループから選択された嚥下データを、嚥下安全性及び嚥下効率のそれぞれについて定義された設定分類基準に照らして比較するステップと、
    前記嚥下データを前記設定分類基準に照らして比較する前記ステップに少なくとも部分的に基づいて、前記第1の複数の嚥下事象のそれぞれについての嚥下安全確率及び嚥下効率確率を判定するステップであって、前記第1の複数の嚥下事象のそれぞれが、他の前記嚥下事象とは独立に、対応する前記嚥下安全確率及び対応する前記嚥下効率確率を割り当てられて、前記第1の複数の嚥下事象について独立したポイント測定値を提供する、判定するステップと、
    前記第1の複数の嚥下事象のそれぞれの前記嚥下安全性確率に少なくとも部分的に基づいて前記第1の複数の嚥下事象についての嚥下安全性分類を判定するステップであって、前記嚥下安全性分類は、少なくとも1つの設定嚥下安全性分類から特定される、判定するステップと、
    前記第1の複数の嚥下事象のそれぞれの前記嚥下効率確率に少なくとも部分的に基づいて前記第1の複数の嚥下事象についての嚥下効率分類を判定するステップであって、前記嚥下効率分類は、少なくとも1つの設定嚥下効率分類から特定される、判定するステップと、
    前記第1の複数の嚥下事象についての前記嚥下安全性分類及び前記嚥下効率分類を特定する、オーディオ及び/又はグラフィックのうちの少なくとも1つを含む1つ以上の第1の出力を、前記デバイスから生成するステップと、を含む、方法。
  21. 前記デバイスにより前記嚥下安全性確率及び嚥下効率確率を判定する前記ステップが、前記対応する嚥下事象に対してリアルタイムである、請求項20に記載の方法。
  22. 前記第1の複数の嚥下事象についての前記嚥下安全性分類及び前記嚥下効率分類を特定する前記1つ以上の第1の出力が、前記第1の複数の嚥下事象の完了に対してリアルタイムである、請求項20に記載の方法。
  23. 前記第1の振動データを、前記デバイスに通信可能に接続された加速度計から前記デバイスに送信するステップを含む、請求項20に記載の方法。
  24. 前記デバイスがハウジングを備え、前記1つ以上の第1の出力を提供するユーザインターフェースを備えており、前記プロセッサ及び前記ユーザインターフェースが、前記ハウジング内、前記ハウジングに機械的に接続された位置、及びそれらの組み合わせからなるグループから個別に選択された位置をそれぞれ有する、請求項20に記載の方法。
  25. 前記嚥下安全性分類が、前記第1の複数の嚥下事象についての前記単一の嚥下安全性分類であり、前記嚥下効率分類が、前記第1の複数の嚥下事象についての前記単一の嚥下効率分類である、請求項20に記載の方法。
  26. 複数の飲料ドースの投与を指示する、オーディオ及び/又はグラフィックのうちの少なくとも1つを含む1つ以上の第2の出力を前記デバイスから生成するステップを含み、前記第1の複数の嚥下事象はそれぞれ、前記複数の飲料ドースのうちの1つに対応する、請求項20に記載の方法。
  27. 第1の飲料ドースの投与を指示し、次いで、前記第1の飲料ドースの嚥下の完了を特定するユーザ入力を受領し、次いで、第2の飲料ドースの投与を指示し、次いで、前記第2の飲料ドースの嚥下の完了を特定するユーザ入力を受領するステップを含む、請求項26に記載の方法。
  28. 前記第1の飲料ドースに対応する第1の嚥下事象について第1の嚥下安全性確率及び第1の嚥下効率確率を判定するステップと、
    前記第2の飲料ドースに対応する第2の嚥下事象について第2の嚥下安全性確率及び第2の嚥下効率確率を判定するステップと、を含む、
    請求項27に記載の方法。
  29. 前記ユーザ入力が前記第2の飲料ドースの嚥下の完了を特定した後に、第3の飲料ドースの投与を指示し、次いで、前記第3の飲料ドースの嚥下の完了を特定するユーザ入力を受領するステップと、
    前記第3の飲料ドースに対応する第3の嚥下事象について第3の嚥下安全性確率及び第3の嚥下効率確率を特定するステップと、を含む、
    請求項28に記載の方法。
  30. 前記ユーザ入力が前記第3の飲料ドースの嚥下の完了を特定した後に、第4の飲料ドースの投与を指示し、次いで、前記第4の飲料ドースの嚥下の完了を特定するユーザ入力を受領するステップと、
    前記第4の飲料ドースに対応する第4の嚥下事象について第4の嚥下安全性確率及び第4の嚥下効率確率を特定するステップと、を含む、
    請求項29に記載の方法。
  31. 前記少なくとも1つの所定の嚥下安全性分類が、安全な事象を示す第1の嚥下安全性分類と、安全でない事象を示す第2の嚥下安全性分類と、を含み、
    前記少なくとも1つの所定の嚥下効率分類が、効率的な事象を示す第1の嚥下効率分類と、非効率的な事象を示す第2の嚥下効率分類と、を含み、
    前記1つ以上の第1の出力が、前記第1の複数の嚥下事象のそれぞれに対して少なくとも1つのアイコンを含み、前記少なくとも1つのアイコンが前記デバイスのユーザインターフェース上に表示され、前記少なくとも1つのアイコンの少なくとも一部分が、前記第1の嚥下安全性分類用の第1の色又は前記第1の色とは異なる前記第2の嚥下安全性分類用の第2の色であり、かつ、前記少なくとも1つのアイコンの少なくとも一部分が、前記第1の嚥下効率分類用の第3の色又は前記第3の色とは異なる前記第2の嚥下効率分類用の第4の色である、
    請求項20に記載の方法。
  32. 前記デバイスにおいて、前記第1の個人に関連付けられた第1のプロファイル内に、前記第1の複数の嚥下事象についての前記嚥下安全性分類及び前記嚥下効率分類を記憶するステップを含む、請求項20に記載の方法。
  33. 前記デバイスによって、前記第1の複数の嚥下事象に続いて、前記第1の個人によって実行された第2の複数の嚥下事象をスクリーニングするステップであって、前記第1の複数の嚥下事象は、第1の粘度を有する第1の飲料で実行され、前記第2の複数の嚥下事象は、前記第1の粘度とは異なる第2の粘度を有する第2の飲料で実行される、スクリーニングするステップと、
    前記デバイス上で、前記第1の複数の嚥下事象についての前記嚥下安全性分類及び前記嚥下効率分類を、前記第1の飲料の識別と関連させて、前記第1の個人に関連付けられた前記第1のプロファイル内に記憶するステップと、
    前記デバイス上で、前記第2の複数の嚥下事象についての前記嚥下安全性分類及び前記嚥下効率分類を、前記第2の飲料の識別と関連させて、前記第1の個人に関連付けられた前記第1のプロファイル内に記憶するステップと、を更に含む、
    請求項32に記載の方法。
  34. 前記デバイス上で、前記第1の複数の嚥下事象についての前記嚥下安全性分類を、前記第2の複数の嚥下事象についての前記嚥下安全性分類と比較するステップと、
    前記デバイス上で、前記第1の複数の嚥下事象についての前記嚥下効率分類を、前記第2の複数の嚥下事象についての前記嚥下効率分類と比較するステップと、を含む、
    請求項33に記載の方法。
  35. 前記デバイス上で、前記第1の複数の嚥下事象に続いて、第2の個人によって実行された第2の複数の嚥下事象をスクリーニングするステップと、
    前記デバイスにおいて、前記第2の複数の嚥下事象についての嚥下安全性分類及び嚥下効率分類を、前記第2の個人に関連付けられた第2のプロファイル内に記憶するステップと、を更に含む、
    請求項32に記載の方法。
  36. 前記デバイス上で、前記第1の複数の嚥下事象の少なくとも1日後に、前記第1の個人によって実行された第2の複数の嚥下事象をスクリーニングするステップと、
    前記デバイス上で、前記第1の複数の嚥下事象についての前記嚥下安全性分類を、前記第2の複数の嚥下事象についての前記嚥下安全性分類と比較するステップと、
    前記デバイス上で、前記第1の複数の嚥下事象についての前記嚥下効率分類を、前記第2の複数の嚥下事象についての前記嚥下効率分類と比較するステップと、を含む、
    請求項20に記載の方法。
  37. 前記第1の複数の嚥下事象のそれぞれが、前記第1の複数の嚥下事象のうちの直前の事象の後の10分間以内にあり、前記第1の複数の嚥下事象のうちの直後の事象より前の10分間以内にある、請求項20に記載の方法。
  38. 前記第1の個人が、ある期間にわたって、前記期間の間に前記デバイスが前記第1の個人から取り外されないように継続的に監視され、前記第1の複数の嚥下事象が、前記期間の第1の部分の間に前記第1の個人によって消費される、第1の粘度を有する第1の飲料で実行され、前記第2の複数の嚥下事象が、前記第1の期間の前又は後の前記期間の第2の部分の間に前記第1の個人によって消費される、前記第1の粘度とは異なる第2の粘度を有する第2の飲料で実行される、請求項20に記載の方法。
  39. 前記第1の振動データが、加速度計データ、音声データ、及びそれらの組み合わせからなるグループから選択される、請求項20に記載の方法。
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