JP2022515559A - ハンドリングフラップを含むカフ電極又はオプトロード - Google Patents
ハンドリングフラップを含むカフ電極又はオプトロード Download PDFInfo
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Abstract
Description
本発明は、埋め込み型医療デバイス(IMD:Implantable Medical Device)と生物学的組織との間の電気パルス又は光パルスの伝送を伴う医学的治療において使用されるIMDの分野におけるものである。特に、本発明は、神経又は組織の周囲に巻き付けることにより、神経又はその他の実質的に円筒形の組織に結合するためのカフ電極又はオプトロードの新規な概念であって、これにより、外科医がカフ電極を実質的に円筒形の組織に結合する手術が容易になる概念に関する。本発明は、埋め込み手術中にカフ電極/オプトロードを取り扱う際に、カフ電極/オプトロードの敏感なコンポーネントを損傷する危険性もまた低減する。これらの利点は、現時点での最新技術のカフ電極と比較して、カフ電極の製造コストを増大させることなしに実現することができ、埋め込み手術時間を短縮する。
埋め込み型医療デバイス(IMD)は、数十年にわたって、多くの疾患、特に、神経疾患を治療するために使用されてきた。主要なタイプのIMDは、パーキンソン病、てんかん、慢性疼痛、運動障害などの、多数の疾患を診断又は治療するために、及び他の多くの用途で神経又は筋肉などの組織に電気パルスを送達する、神経刺激装置からなる。近年、光エネルギーを用いた組織の治療が、光遺伝学の分野をサポートするための、或いは、直接的な赤外線光を使用する、疾患の治療の有望な可能性を示している。図1(a)に図示されているように、その最も単純な形態では、電気パルスを送達するためのデバイスは、ハウジング(50)に収容されたエネルギーパルス生成器と、刺激電極接点(40a、40b)と、電極接点をエネルギーパルス生成器に結合して、エネルギーパルス生成器から電極(40)に電気エネルギーの形態でエネルギーを伝送するリード(30)と、を含む。エネルギーパルス生成器は、導電性のリードによって電極接点に伝送される電気パルスを生成することができる。或いは、そして、例えば、欧州特許第3113838B1号に記載されているように、エネルギーパルス生成器は、光エネルギーを電極接点に送給される電気エネルギーに変換する光起電力セルに光ファイバを通して伝送される光を生成することができる。「リード(lead)」という用語は、本明細書では、導電体(例えば、ワイヤ、テープ)及び光ファイバの両方を定義するために使用されている。
●自己サイズ調節式カフ(自己サイズ調節式螺旋状カフ又は自己巻き付き式カフと呼ばれる場合もある)(図1(b)及び図5~図7を参照)。このカフでは、電気絶縁支持シートが、自然に円筒形の組織の周囲に巻き付くように付勢された弾力性のある材料で作られている。自己サイズ調節式又は自己巻き付き式カフ電極は、内径(Dc)が、巻き付けられる組織の直径に応じて、又は、例えば、術後の炎症などに伴う円筒形の組織の直径の変動に応じて変えることが可能であるため、特に有利である。自己サイズ調節式カフ電極は、例えば、米国特許第4602624号に記載されている。
●分割型円筒カフ(図8を参照)。このカフでは、電気絶縁支持シートが、円筒形の組織上に挿入できるように、開いたスリットを有する円筒体を形成している。その後、スリットは閉じられる。分割型円筒カフ電極には、セルフロック手段が設けられているか、又は、結紮などのような、外部手段で閉じることができる。フラップが、スリットをカバーする場合もある。分割型円筒カフ電極の欠点の1つは、スリットが閉じた後には、内径(Dc)をもう変えることができない、という点である。分割型円筒カフ電極の例は、例えば、米国特許第8155757号に見出すことができる。いくつかの実施形態では、分割型円筒カフ電極/オプトロードの支持シートに付勢して、自然に円筒形の組織の周囲に巻き付くようにし、分割部の両リップを形成する支持シートの縁部を互いに近づけて、実質的に円筒形の組織に支持シートを巻き付けるのに必要な分割部を少なくとも部分的に閉じることができる。
●螺旋形カフ(図示せず)。このカフでは、電気絶縁支持シートは、円筒形の組織に巻き付けられた螺旋体を形成している。この形状は、非常に汎用性が高く、複数の短い螺旋カフを様々な距離で並べて位置決めすることが可能であり、カフの内径を組織の直径の変動に追従させることができる。螺旋形カフ電極の例は、例えば、米国特許第5964702号又は米国特許第8478428号に見出すことができる。
本発明は、添付の独立請求項において定義されている。好適な実施形態は、従属請求項において定義されている。特に、本発明は、実質的に円筒形の組織を取り囲むよう適合された、埋め込み型カフ電極及び/又はオプトロードに関する。カフ電極及び/又はオプトロードは、自己サイズ調節式カフ及び分割型円筒カフの中から選択され、支持シートと、少なくとも第1のエネルギー伝達ユニットと、を含む。
●内側表面、及び厚さの分だけ内側表面から離隔された外側表面と、
●長手方向軸(Z)に平行に測定した長さ(L)及び長手方向軸(Z)に垂直な短手方向軸(X)に平行に測定した幅(W)の内接矩形に内接した周縁であって、内接矩形の長さ(L)に沿って延在する内縁部及び外縁部と、内接矩形の幅(W)に沿って延在する第1の側縁部及び第2の側縁部と、によって画定されている周縁と、
を有する。
●内縁部に隣接する支持シートの外側表面の一部分に固定された結合部分に属する結合端部と、
●結合部分に隣接し、移行線によってそこから離隔された自由部分であって、支持シートの外側表面に固定されていない前記自由部分に属する結合端部の反対側にある自由端部と、
を含む。
●支持シートを平らな表面上に展開したときに、短手方向軸(X)に平行に延在し、少なくともカフの内部を形成する内側表面の一部分に沿った、平面(X,Z)上に投影されたときに、好ましくは、直線状の線であるか、又は蛇行を形成する連続したストライプの形態、又は、
●支持シートを平らな表面上に展開したときに、短手方向軸(X)に平行に分布し、少なくともカフの内部を形成する内側表面の一部分に沿った、離散的な電極接点素子の形態である。
●内縁部が、内側表面の少なくとも一部分とともにカフの内部を形成し、外縁部が、外側表面の少なくとも一部分とともにカフの外部を形成し、そして、
●少なくとも第1のエネルギー伝達ユニットは、外縁部よりも内縁部に近接しており、好ましくは、πDc以下の長さを有する。
●外縁部に隣接し、好ましくは、境界を接する支持シートの外側表面の一部分に固定された結合部分に属する結合端部と、
●結合端部の反対側にあり、支持シートの外縁部に隣接する自由端部であって、支持シートの外側表面に固定されていない自由部分に属する前記自由端部と、
を含む。
●第1の側部と第2の側部との間で角度を形成する点、又は、
●長手方向軸(Z)に平行に測定した幅が、長手方向長さ(L)の80%未満、好ましくは、Lの5~50%の間に含まれる、より好ましくは、Lの10~33%の間である直線状若しくは曲線状のセグメント、
のいずれかによって形成することが可能である。
(a)先行する請求項のいずれか一項に記載の埋め込み型カフ電極及び/又はオプトロードを設けるステップと、
(b)内側ハンドリングフラップの自由部分をピンセットで掴むステップと、
(c)内側ハンドリングフラップをピンセットで保持しながら、内縁部に境界を接する内側表面の一部分を組織と接触させるステップと、
(d)支持シートを組織に巻き付け、0.8~1.5個のループの後に、ピンセットによる内側ハンドリングフラップの掴みを解放するステップと、
を含む。
本発明の性質をより完全に理解するために、添付図面と併せて、以下の詳細な説明を参照する。
図1(a)に図示されているように、本発明による埋め込み型カフ電極及び/又はオプトロードは、例えば、一般には一次電池又は充電式電池の形での電力源と、電気パルス生成器又は発光源を含み得るエネルギーパルス生成器と、を含む埋め込み型医療デバイス(IMD)の機能を制御するための電子機器を収容するハウジング(50)を含むIMDとともに使用されるように設計されている。ハウジング(50)は、通常、治療対象である組織に隣接して埋め込むには、嵩張りすぎているため、概して、治療対象である組織から離れ、そして、カフ電極/オプトロードから離れた、アクセスが容易な領域に埋め込まれる。したがって、カフ電極/オプトロード(40)は、エネルギーパルス生成器によって生成されたエネルギーを、カフ電極/オプトロードの電極接点(40a~c)又はオプトロード(60)に輸送するのに適したリード(30)によって、ハウジングに結合されている。エネルギーは、電極接点及び、LED若しくはVCSELなどの発光源に電気エネルギーの形で送達されるか、又は、面取りされた光ファイバ若しくはレンズ、ミラー等々といったような微小光学デバイスに結合された光ファイバに光エネルギーの形で送達される。リードは、電気パルス生成器とともに使用される導電性リードから構成され、生成器から電極接点又は発光源に、エネルギーの変換を伴わずに電気パルスを直接伝導することができる。この種のIMDは、例えば、国際公開第2009046764号に記載されている。或いは、リードは、LEDなどの発光源とともに使用される光ファイバを含むことができる。光エネルギーは、光エネルギーを電気エネルギーに変換するために、カフ電極/オプトロードに隣接して配置された光起電力セルに輸送される。本発明のカフ電極との使用に適したこの種のIMDは、例えば、国際公開第2016131492号に記載されている。いずれのエネルギー伝達システムも、当技術分野では既知であり、当業者には、各システムのメリット及びデメリットがわかっており、所与の事例に最も適した最良の構成を選択することができる。本発明は、任意の特定のタイプのエネルギー伝達システムに限定されるものではない。しかしながら、光起電力セルに光ファイバを使用することは、電気ワイヤを使用する場合と比較して、例えば、磁気共鳴撮像(MRI:Magnetic Resonance Imaging)、又は、空港のセキュリティポータルなどで遭遇する磁場との相互作用がないなど、多くの利点があるため好適である。
カフ電極/オプトロード(40)は、埋め込み型電極/オプトロードを神経などの円筒形の組織に結合するための電気絶縁支持シート(43)を含む。支持シート(43)は、その少なくとも一部分が、自身が巻き付けられる実質的に円筒形の組織に接触する内側表面(43d)を含むとともに、支持シートの厚さの分だけ内側表面から離隔された外側表面(43u)をさらに含む。支持シートは、長手方向軸(Z)に平行に測定した長さ(L)、及び長手方向軸(Z)に垂直な短手方向軸(X)に平行に測定した幅(W)である内接矩形に内接した周縁を有する。周縁は、内接矩形の長さ(L)に沿って延在する内縁部(43i)及び外縁部(43o)と、内接矩形の幅(W)に沿って延在する第1の側縁部及び第2の側縁部と、によって画定されている。
図2を参照すると、先行技術のカフ電極(40)が、概して金属製であるピンセット(80)を使用することにより円筒形の組織(70)の周囲に埋め込まれている。2つの対向する内縁部及び外縁部(43i、43o)によって支持シート(43)を掴んで、支持シートの巻き付きを解いて伸張する以外に、組織を支持シート(43)で包むことを可能にする選択肢はほとんどない。そうすることにより、図2(a)に図示されている自己サイズ調節式カフ電極の場合にはピンセットが内縁部(43i)を掴み、図2(b)に図示されている分割型円筒カフ電極の両方のピンセットが内縁部及び外縁部(43i、43o)を掴んだ状態で、電極接点(40a、40b)に接触して、損傷する危険性が高い。カフ電極を台無しにし、埋め込み手術全体が無駄になりかねないので、電極接点を破損する危険性は許容し難い。
外側ハンドリングフラップ(46)を含むカフ電極の例が、図8(d)~図8(f)、図9(a)及び図9(c)に図示されている。外側ハンドリングフラップ(46)は、上述した内側ハンドリングフラップ(45)に構造及び寸法が類似している。外側ハンドリングフラップ(46)は、外縁部(43o)に隣接し、境界を接する外側表面(43u)の一部分に設けられている。内側ハンドリングフラップ(45)と同様に、外側ハンドリングフラップ(46)は、好ましくは、内接矩形の長さ(L)に対して中央に配置される。外側ハンドリングフラップ(46)は、支持シート(43)の外側表面(43u)の一部分に固定された結合部分に属する結合端部を含む。外側ハンドリングフラップは、結合端部の反対側にある自由端部であって、結合部分(46c)に隣接し、移行線(46t)によってそこから離隔された自由部分に属する自由端部もまた含む。移行線は、好ましくは、長手方向軸(Z)に沿って延在する。外側ハンドリングフラップ(46)の自由端部は、図8(d)~図8(f)及び図9(c)に図示されているように、外縁部(43o)に隣接することができる。或いは、結合端部は、図9(a)に示されているように、外縁部(43o)に隣接することができる。
図3(a)及び図3(c)、並びに図10(c)に示されているように、シート材料は単一層で作ることができる。或いは、図4(a)及び図4(c)、並びに図10(d)に示されているように、シート材料は、内側表面(43d)を含む内側シート(431)と、外側表面(43u)を含む外側シート(432)と、を含む積層体で構成することができ、互いに直接接着されることで2層の積層体を形成するか、1つ又は複数のコア層に接着されることで、3つ以上の層を有する多層の積層体を形成するか、のいずれかである。自己サイズ調節式カフ電極は、絶縁シート材料が自然に巻き付いて管状カフ構造を形成するように、付勢されなければならない。これは、少なくとも2つの層を含む積層体によって実現することができる。内側表面(43d)を含む内側層は、外側表面(43u)を含む伸張されていない外側層に接着する前及び接着中に、短手方向軸(X)に沿って予備伸張されている。積層体が形成されると、内側層を予備伸張している力が解放され、内側層は、短手方向軸(X)に沿ってその均衡寸法に収縮して戻ることで、シートは、長手方向軸Zを中心にして管状カフに巻き付く。
図4は、分割型円筒カフ電極を図示する。自己サイズ調節式カフ電極について説明したような多層積層体を使用して、自己巻き付き付勢を生み出すことができる。或いは、単一層の支持シートを使用することもできる。図4(f)のスリットは、ステッチ(43s)で結紮して、支持シートを組織の周囲にしっかりと固定することができる。或いは、シースは、開口部を円筒体のスリットに対してずらして支持シート上に配置することができる。一部のモデルでは、内縁部及び外縁部を一緒にしっかりと固定するために、一体化されたロック手段を使用することができる。最後に、支持シートが自然に巻き付くように付勢されていれば、この付勢は、組織上に支持シートを確実に維持するのに十分に強力なものとなり得る。分割型円筒カフ支持部は、直接その最終的な形状に成形することができる。この場合、剛性材料又は半剛性材料を使用することができる。或いは、図4に示されているように、折り畳んで分割型円筒体を形成する支持シートで作ることもまた可能である。カフをステッチで縫合することもできるし、或いは、例えば、熱可塑性材料を冷却するか、又は架橋熱硬化性物質若しくはエラストマを凝固させることによって、支持シート材料をこの形状にすることもできる。ループの数(N)は、上述した自己サイズ調節式カフ電極におけるよりも小さく、0.7~1.0の間、好ましくは、0.8~1.0の間に含まれ得る。N<1の場合には、カバーフラップ(図示せず)を設けて、埋め込みの後に残る開いたスリットをカバーすることができる。この場合にも、ループの数(N)は、支持シートを平らに広げたときの(或いは、管状支持部の中央円筒形投影上の)、円筒形の組織の直径、及び短手方向軸(X)に沿って測定した支持シートの幅(W)によって決まる。概して、上述した自己サイズ調節式カフ電極の場合よりも剛性の高い支持シートによって組織を傷つけないようにするために、分割型円筒カフ電極の内径(Dc)は、円筒形の組織の直径の少なくとも97%、好ましくは、100~110%の間でなければならない。
内縁部は、好ましくは、長手方向軸(Z)に平行な実質的に直線状の線を形成する。図7(b)の挿入図に示されているように、内縁部(43i)を面取りして、鋭利な内縁部によって組織に加えられる応力を低減することができる。すべての場合において、内縁部(43i)は、自己サイズ調節式カフ電極の場合には組織(70)とのみ接触し、分割型円筒カフ電極の場合には組織(70)及び外縁部と接触していなければならない。この理由から、内縁部(43i)をはっきりと区別できる色又はテクスチャで強調表示して、外科医が容易に、そして、明白に内縁部の位置を区別するのに役立てることは、特に自己サイズ調節式カフ電極にとって有利な場合がある。
本発明のカフ電極は、少なくとも第1の電極接点(40a)と、一般的には少なくとも第2の電極接点(40b)と、好適な一実施形態においては、少なくとも第3電極接点(40c)と、をさらに有し、それぞれの電極接点は、例えば、カフ電極が巻き付けられる組織と導電性接触状態であるように、支持シートの内側表面(43d)に露出している。電極接点もまた、カフの外部を形成する外側表面から離れている。少なくとも1つの接点電極は、所与の距離の分だけ支持シートの隣接する側縁部から離隔されている。支持シートが2つの電極接点(40a、40b)を持っている場合、これらは、所与の距離の分だけ相互に離隔されている。電極接点間、及び各縁部までの様々な距離は、第1の電極接点と第2の電極接点との間に含まれる組織の部位内に電流を閉じ込めるように、そして、カフ電極の境界を超えて漂遊する電流損失を最小限にするように、決定されなければならない。いくつかの要因が電流損失の原因となっている。第1には、支持シートと組織との間を浸透する導電性体液が、何らかの電流損失の原因となっている。
ハウジング(50)内に配置されたエネルギーパルス生成器によって生成されるエネルギーパルスは、リード(30)を通して伝えられ、電気エネルギーの形で電極接点(40a~40c)に送達されなければならない。電極接点(40a~40c)は、支持シートの内側表面(43d)に露出され、外側表面(43u)から電気的に絶縁されている。電極接点とリードとの間の接続部は、支持シートの外側表面に結合された接続パッド(20)によって、確保することができる。接続パッドは、1つ又は複数のリード(30)を受け入れ、それらを対応する電極接点と電気的に通信した状態にする。この趣旨で、支持シートの外側表面(43u)は、電極接点(40a~c)と、外側表面に結合された接続パッド(20)との間の電気通信の形成を可能にする接続窓(44w)を含むことができる(図3(a)及び図4(a)を参照)。
図11(c)~図11(e)に図示されているように、電極接点(40a~40c)の代わりに、又はこれら電極接点に加えて、支持シートは、オプトロード(60)とも呼ばれる1つ又は複数の光学接点を設けることができる。本明細書で定義されている光学接点又はオプトロードは、光エミッタ若しくは光センサのいずれか、又はこれらの両方とすることができる。いくつかの用途では、発光による組織の刺激は、主に組織の局所的な加熱によるものである。このような用途の場合、光学接点によって向けられる光は、赤外線範囲、好ましくは、750~3000nmの範囲、より好ましくは、1200~1800nmの範囲にあることが好ましい。しかしながら、本発明のカフオプトロードは、どの波長の光ビーム(60B)でも使用することができる。
図11は、本発明によるカフ電極/オプトロードの様々な構成を図示する。図11(a)は、上記で詳述した、本発明によるカフ電極を図示する。これは、エネルギーを接続パッド(20)まで輸送するリード(30)を含み、そこから、エネルギーは、第1の電極接点及び第2の電極接点(40a、40b)に伝えられる。エネルギーは、電気エネルギーの形で、ハウジング(50)(図示せず)に配置されたエネルギーパルス生成器から輸送することができる。この場合、接続パッド(20)は、リード(30)と導電性トラック(44)との間の単なる接触点である。或いは、図11(b)に示されているように、エネルギーは、光ファイバ(30)を通して光の形で輸送することができ、接続パッドは、光エネルギーを電気エネルギーに変換可能な光起電力セル(20P)を含み、この電気エネルギーが、第1の電極接点及び第2の電極接点に送給される。
本発明の埋め込み型カフ電極により、埋め込みが、先行技術のカフ電極を用いて行うことが可能な従来の埋め込みよりもはるかに容易、そして安全になる。本発明の埋め込み型カフ電極は、以下のステップ、すなわち、
●内側ハンドリングフラップ(45)がアクセス可能でない場合(例えば、N>2である自己サイズ調節式カフ電極などの場合)、外縁部(43o)、又は、利用可能な場合には、外側ハンドリングフラップ(46)を掴むことによって、内側ハンドリングフラップ(45)へのアクセスが得られるまでカフを開くステップと、
●本発明によるカフ電極の内側ハンドリングフラップ(45)の自由部分(45f)をピンセット(80)で掴むステップと、
●内側ハンドリングフラップ(45)をピンセット(80)で保持しながら、内縁部(43i)に境界を接する内側表面(43u)の一部分を組織と接触させるステップと、
●支持シート(43)を組織に巻き付け、0.8~1.5個のループの後に、ピンセットによる内側ハンドリングフラップの掴みを解放するステップと、
を含む方法によって、実質的に円筒形の形状の組織(70)の周囲に埋め込むことができる。
内縁部(43i)に隣接する外側表面(43u)の一部分に内側ハンドリングフラップ(45)を設けることにより、内縁部(43i)に隣接する中央部分でしっかりと掴んだ状態でカフ電極を埋め込むことが概して大幅に容易になるとともに加速され、電極接点(40a~40c)、導電性トラック(44)、及び/又はオプトロード(60)を含むカフ電極のあらゆるコンポーネントを損傷する危険性を実質的に低減する。カフ電極が外側ハンドリングフラップ(46)を含まない場合、内側ハンドリングフラップ(45)の位置は、内縁部(43i)の位置を外科医に明確に示すものであり、外科医が埋め込みを成功させるために、正しい向きで支持シートを位置決めするのを支援する。内側ハンドリングフラップ及び外側ハンドリングフラップ、又は、内縁部及び外縁部に異なるカラーコードを使用することもまた、電極接点又はオプトロード接点が治療対象である組織に面する状態で、カフ電極の適切な埋め込みを確実に行うのに有利である。
20A 電子増幅器
20P 光起電力セル
30 カフ電極及び/又はオプトロードと、ハウジング(50)との間のエネルギー伝達のためのリード
40 カフ電極及び/又はオプトロード
40a 電極接点
40b 電極接点
40c 電極接点
43 支持シート
43d 支持シートの内側表面
43i 支持シートの内縁部
43o 支持シートの外縁部
43s ステッチ
43u 支持シートの外側表面
43w 電極接点を露出させるための内側表面のコンタクト窓
44 電極接点を接続部(20)に結合するトラック
44w トラック(44)と接続部(20)との間の支持シートの窓
45 内側ハンドリングフラップ
45c 内側ハンドリングフラップの結合部分
45f 内側ハンドリングフラップの自由部分
45t 内側ハンドリングフラップの移行線
46 外側ハンドリングフラップ
46c 外側ハンドリングフラップの結合部分
46f 外側ハンドリングフラップの自由部分
46t 外側ハンドリングフラップの移行線
50 エネルギーパルス生成器を収容するハウジング
60 オプトロード
70 神経など、実質的に円筒形の組織
80 ピンセット
431 支持シート積層体を形成する内側シート
432 支持シート積層体を形成する外側シート
b 内側ハンドリングフラップのZに沿った幅
Dc カフ電極及び/又はオプトロードの内径
he 内側ハンドリングフラップの自由端部から内縁部までの距離
hf 内側ハンドリングフラップの自由部分のXに沿った長さ
hs 内側ハンドリングフラップの自由部分から内縁部までのXに沿った距離
L 支持シートが内接する内接矩形のZに沿った長さ
W 支持シートが内接する内接矩形のXに沿った幅
X 短手方向軸
Z 長手方向軸
Claims (16)
- 実質的に筒状形の身体組織(70)を取り囲むように適合され、自己サイズ調節式カフ、及び分割型円筒カフの中から選択される埋め込み型カフ電極及び/又はオプトロード(40)であって、
●非導電性の支持シート(43)であって、
〇内側表面(43d)と、厚さの分だけ前記内側表面から離隔された外側表面(43u)を有し、
〇長手方向軸(Z)に平行に測定した長さ(L)、及び前記長手方向軸(Z)に垂直な短手方向軸(X)に平行に測定した幅(W)の内接矩形に内接した周縁であって、前記内接矩形の前記長さ(L)に沿って延在する内縁部(43i)及び外縁部(43o)と、前記内接矩形の前記幅(W)に沿って延在する第1の側縁部及び第2の側縁部と、によって画定されている前記周縁と、を有するとともに、
〇前記支持シートが、前記長手方向軸(Z)を中心にして回転され、前記長手方向軸(Z)に沿って前記長さ(L)上に延在する実質的に円筒形状のカフを形成することで、前記内側表面(43d)の少なくとも一部分が、前記カフの内部を形成するとともに、前記外側表面(43u)の少なくとも一部分が、前記カフの外部を形成するようになっている、非導電性の支持シート(43)と、
●前記カフの前記内側表面に露出した電極接点(40a)又は光学接点(60)を含む少なくとも第1のエネルギー伝達ユニットと、
を含む埋め込み型カフ電極及び/又はオプトロードにおいて、
●前記内縁部(43i)に隣接する前記支持シート(43)の前記外側表面(43u)の一部分に固定された結合部分(45c)に属する結合端部と、
●前記結合部分(45c)に隣接し、移行線(45t)によってそこから離隔された自由部分(45f)であって、前記支持シート(43)の前記外側表面(43u)に固定されていない前記自由部分に属する前記結合端部の反対側にある自由端部と、
を含む内側ハンドリングフラップ(45)が設けられていることを特徴とする、前記埋め込み型カフ電極及び/又はオプトロード。 - 前記移行線(45t)が前記長手方向軸(Z)に平行であるとともに、
●前記内側ハンドリングフラップ(45)が、前記長手方向軸(Z)に平行に測定した、前記支持シートの長さ(L)の20~50%の間、好ましくは、Lの25~40%の間、より好ましくは、Lの30~35%の間に含まれ、好ましくは、3~10mmの間、より好ましくは、4~6mmの間に含まれる幅(b)を有し、及び/又は
●前記内側ハンドリングフラップ(45)の前記自由部分(45f)が、前記短手方向軸(X)に平行に測定した、3~10mmの間、好ましくは、4~6mmの間に含まれる長さ(hf)を有し、及び/又は
●前記移行線(45t)が、前記短手方向軸(X)に平行に測定した、6mm以下の距離、好ましくは、1~4mmの間の距離(hs)の分だけ前記内縁部(43i)から離隔されている、請求項1に記載の埋め込み型カフ電極及び/又はオプトロード。 - 前記内側ハンドリングフラップ(45)の前記結合端部が、前記内縁部(43i)に隣接し、前記自由端部が、前記支持シート(43)の前記外縁部(43o)の方に面しており、そして、前記移行線(45t)が、前記長手方向軸(Z)に沿って延在するとともに、前記短手方向軸(X)に平行に測定した、4mm以下の距離、好ましくは、1~3mmの間に含まれる距離(hs)の分だけ、前記内縁部(43i)から離隔されている、請求項1又は2に記載の、埋め込み型カフ電極及び/又はオプトロード。
- 前記埋め込み型カフ電極が、双極電極を形成するために第1の電極接点(40a)及び第2の電極接点(40b)を含み、好ましくは、三極電極を形成するために第3の電極接点(40c)をさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の埋め込み型カフ電極及び/又はオプトロード。
- 前記支持シートが、前記内側表面を含む内側シートに接着される前記外側表面を含む外側シートで形成され、前記内側シートが、弾力性のある材料で作られているとともに、内径(Dc)の実質的に円筒形のカフを弾性的に形成するために、前記長手方向軸(Z)を中心にして前記支持シートを自己巻き付きさせるのに適した付勢を生み出すように、前記短手方向軸(X)に沿って弾性的に予備伸張される、請求項1~4のいずれか一項に記載の埋め込み型カフ電極及び/又はオプトロード。
- 前記埋め込み型カフ電極及び/又はオプトロードが、自己サイズ調節式カフを形成し、前記支持シートが付勢と、内側幅及び外側幅(W)と、を有することで、前記支持シートが、Nが1.1~3.5の間、好ましくは、1.5~3.0の間、より好ましくは、2.3~2.8の間に含まれるN個のループを有する内径(Dc)の前記実質的に円筒形のカフに自己巻き付きするようになっているとともに、
●前記内縁部(43i)が、前記内側表面(43d)の前記少なくとも一部分とともに前記カフの前記内部を形成し、前記外縁部(43o)が、前記外側表面(43u)の前記少なくとも一部分とともに前記カフの前記外部を形成し、及び、
●前記少なくとも第1のエネルギー伝達ユニット(40、60)が、前記外縁部(43o)よりも前記内縁部(43i)に近接しており、好ましくは、πDc以下の長さを有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の埋め込み型カフ電極及び/又はオプトロード。 - 前記埋め込み型カフ電極及び/又はオプトロードが、分割型円筒カフを形成し、前記支持シートが付勢と、内側幅及び外側幅(W)と、を有することで、前記支持シートが、Nが0.8~1.0の間に含まれるN個のループを有する内径(Dc)の前記実質的に円筒形のカフに自己巻き付きするようになっているとともに、前記内縁部(43i)及び前記外縁部(43o)が向かい合っており、好ましくは、互いに接触し、そして、前記少なくとも第1のエネルギー伝達ユニット(40、60)が、最大Wまでの長さを有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の埋め込み型カフ電極及び/又はオプトロード。
- 第1の電極接点(40a)と、第2の電極接点(40b)と、好ましくは、第3の電極接点(40c)と、を含み、前記第1の電極接点及び前記第2の電極接点、並びに、好ましくは、前記第3の電極接点が、
●前記支持シートを平らな表面上に展開したときに、前記短手方向軸(X)に平行に延在し、少なくとも前記カフの前記内部を形成する前記内側表面の前記一部分に沿った、前記平面(X,Z)上に投影されたときに、好ましくは、直線状の線であるか、又は蛇行を形成する連続したストライプ(40a~40c)の形態、又は、
●前記支持シートを平らな表面上に展開したときに、前記短手方向軸(X)に平行に分布し、少なくとも前記カフの前記内部を形成する前記内側表面の前記一部分に沿った、離散的な電極接点素子の形態である、請求項1~7のいずれか一項に記載の埋め込み型カフ電極。 - 前記外縁部(43o)に境界を接する前記外側表面(43u)の一部分に、
●前記外縁部(43o)に隣接し、好ましくは、境界を接する前記支持シート(43)の前記外側表面(43u)の一部分に固定された結合部分に属する結合端部と、
●前記結合端部の反対側にあり、前記支持シートの前記外縁部(43o)に隣接する自由端部であって、前記支持シートの前記外側表面(43u)に固定されていない自由部分(45f)に属する前記自由端部と、
を含む外側ハンドリングフラップ(46)が設けられている、請求項1~8のいずれか一項に記載の埋め込み型カフ電極及び/又はオプトロード。 - 前記外縁部(43o)の中央部分が、前記内縁部(43i)に隣接する前記内接矩形の前記縁部から、前記短手方向軸(X)に平行に測定した前記幅(W)の分だけ離隔されているとともに、前記支持シート(43)の前記第1の側縁部及び前記第2の側縁部にそれぞれ前記中央部分をつなぐ第1の側部及び第2の側部が側面に位置し、第1の側面部分及び第2の側面部分が、前記幅(W)よりも短い距離の分だけ、前記内縁部(43i)から離隔されており、及び、前記中央部分が、
●前記第1の側部と前記第2の側部との間で角度を形成する点、又は、
●前記長手方向軸(Z)に平行に測定した幅が、前記長手方向長さ(L)の80%未満、好ましくは、Lの5~50%の間、より好ましくは、Lの10~33%の間に含まれる直線状若しくは曲線状のセグメント、
のいずれかによって形成されている、請求項1~9のいずれか1項に記載の埋め込み型カフ電極及び/又はオプトロード。 - 前記絶縁支持シートの前記内縁部(43i)及び/又は前記外縁部(43o)が、着色された部位、着色された線、矢印、又は、前記内縁部及び/又は外縁部において、或いはこれに隣接して適用されるその他のグラフィカルな、又は、英数字の表示のうちの1つ又は複数を含む強調表示がなされる、請求項1~10のいずれか1項に記載の埋め込み型カフ電極及び/又はオプトロード。
- 前記内側ハンドリングフラップがカラーコードを含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の埋め込み型カフ電極及び/又はオプトロード。
- 前記内側ハンドリングフラップ(45)の前記カラーコードとは異なるカラーコードを含む、請求項9に記載の外側ハンドリングフラップ(46)を含む、請求項12に記載の埋め込み型カフ電極及び/又はオプトロード。
- 実質的に円筒形状の組織(70)の周囲にカフ電極及び/又はオプトロードを埋め込むための方法であって、以下のステップ、すなわち、
(a)請求項1~13のいずれか一項に記載の埋め込み型カフ電極及び/又はオプトロードを設けるステップと、
(b)前記内側ハンドリングフラップ(45)の前記自由部分(45f)をピンセット(80)で掴むステップと、
(c)前記内側ハンドリングフラップ(45)を前記ピンセット(80)で保持しながら、前記内縁部(43i)に境界を接する前記内側表面(43u)の一部分を前記組織(70)と接触させるステップと、
(d)前記支持シート(43)を前記組織に巻き付け、0.8~1.5個のループの後に、前記ピンセットによる前記内側ハンドリングフラップの前記掴みを解放するステップと、
を含む方法。 - ステップ(b)での前記支持シートの巻き付けが、第2のピンセット(80)で前記支持シートの前記外縁部(43o)、又は外側ハンドリングフラップ(46)の自由端部(46f)のいずれかを掴んで実行され、前記外縁部が埋め込まれる位置になったら、前記ピンセットを解放して取り外す、請求項11に記載の方法。
- 前記カフ電極が、
●自己サイズ調節式カフ電極及び前記巻き付けステップ(d)が、N>1個のループ、好ましくは、1.5~3.0個の間のループを形成することを含むか、又は、
●分割型円筒カフ電極及び前記巻き付けステップ(d)が、N=0.8~1個のループを形成し、任意選択的に、前記内縁部(43i)と前記外縁部(43o)との間に形成されたスリットをステッチ(43s)で結紮することを含むか、
のいずれかである、請求項11又は12に記載の方法。
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