JP2022515139A - 農薬油分散体製剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、水非混和性溶媒を含む連続油相、連続油相に懸濁された粒子の形態の農薬有効活性成分、及び連続油相に乳化された水滴を含み、増粘剤を実質的に含まない、農薬製剤に関する。本発明はまた、農薬製剤を調製する方法、農薬製剤を使用する方法、並びに連続油相の粘度を増加させる方法であって、a)連続油相を準備するステップ、及びb)連続油相に水滴を乳化させるステップを含み、連続油相が増粘剤を実質的に含まない、方法に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、農薬製剤、農薬製剤を生産する方法、農薬製剤を調製する方法、植物病原菌類及び/又は望ましくない植物成長及び/又は昆虫若しくはダニによる望ましくない攻撃を防除する、並びに/或いは植物の成長を調節する方法、油分散体(oil dispersion)を安定化させる方法、並びに連続油相の粘度を増加させる方法に関する。好ましい実施形態は従属項に記載されている。実施形態と他の実施形態の組合せは、本開示の範囲内である。
多くの農薬有効活性成分は、液体濃縮物として製剤化される。農薬有効活性成分が液体に可溶性でない場合、連続液相中での農薬有効活性成分の安定かつ均質な懸濁液を形成することが多くの場合必要である。連続液相が水性相である場合、これらの製剤は、当技術分野で懸濁濃縮物(SC)として公知である。連続液相が油相である場合、これらの製剤は油分散剤(OD)として公知である。散布者が使用前に液体濃縮物を均質化する必要がないことが望ましく、なぜなら、この均質化は、農薬製剤中に存在し得る毒性成分への曝露を含む、さらなる時間及び取扱いを要するためである。粒子の懸濁に関する主な問題は、粒子の成長及び/又は粒子の沈降により、粒子が経時的に堆積物を形成しやすいことである。この傾向は、堆積物の固化、すなわち散布者が容易に再懸濁することができない固体堆積物の形成を伴う場合がある。
堆積物(及び上澄み中の粒子不含セラム)の形成を防止するために、一般的に懸濁濃縮物及び油分散剤に増粘剤が添加される。増粘剤は、連続液相の粘度を増加させ、それにより重力による堆積及び懸濁液中の粒子間の相互作用の影響を低減させる。
OD製剤は、微生物及び菌類による汚染から製剤を保護するために、その多くが規制機関の監視下にある高価な殺生物剤(例えば、BIT、MIT、CIT)を必要としないという点で、SC製剤に比べ有利である。不運にも、増粘剤の大部分は、OD製剤の連続油相と相溶性ではない。増粘剤は、可溶性でないか又は活性になることができないかのどちらかである、言い換えると、連続油相の親油性環境でそれらの増粘特性及び/又は懸濁特性を展開できない。特に親油性溶媒のために設計された他の増粘剤は、多くの場合高価であり、かつ製剤中の他の添加剤又は有効成分と不利に相互作用する場合がある。油分散剤は、典型的に農業従事者によって水性タンクミックス組成物に希釈されて散布されるため、増粘剤は、OD製剤の油相に可溶性であるだけでなく、水による希釈の際に問題を生じない(例えば、沈殿によって)ことが要求される。
したがって、上記で概説したような一般的な増粘剤による貯蔵寿命の安定化が直面する問題を克服する、OD製剤を安定化させる方法を見出すことが望ましい。驚くべきことに、OD製剤の連続油相中の乳化された水滴が、製剤を安定化できることが今般見出された。製剤に他の増粘剤を添加する必要がない、又は少なくともその程度が低減することにより、増粘化剤に伴う一般的な問題が回避される。
したがって、本発明は、
a)水非混和性溶媒を含む連続油相、
b)粒子が連続油相に懸濁された粒子の形態の農薬有効活性成分、及び
c)連続油相に乳化された水滴
を含み、増粘剤を実質的に含まない、農薬製剤に関する。
農薬製剤は、連続油相を含有する。「連続油相」という用語は、分散剤の技術分野で公知であり、粒子又は液体が分配される分散媒体を指す。本発明の場合では、連続油相は、水滴と農薬有効活性成分の両方が分散される液体に関する。
連続油相は、水非混和性溶媒を含む。水非混和性溶媒は、典型的に20℃で最大50g/l、好ましくは最大20g/l、より好ましくは最大10g/l、最も好ましくは最大1g/l、特に好ましくは最大0.5g/lの水溶解度を有する。
水非混和性溶媒の好適な例は、
炭化水素溶媒、例えば脂肪族、環式及び芳香族炭化水素(例えばトルエン、キシレン、パラフィン、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレン又はそれらの誘導体、中沸点から高沸点の鉱物油画分(例えば灯油、ディーゼル油、コールタール油))、
植物油、例えばトウモロコシ油、ナタネ油、
脂肪酸エステル、例えばC10~C22脂肪酸のC1~C10アルキルエステル、又は
植物油のメチル若しくはエチルエステル、例えばナタネ油メチルエステル若しくはトウモロコシ油メチルエステルである。前述の溶媒の混合物も可能である。一実施形態では、水非混和性溶媒は植物油である。別の実施形態では、溶媒は炭化水素である。別の実施形態では、水非混和性溶媒は脂肪酸エステルである。特に好ましい水非混和性溶媒は、ダイズ油、メチル化ダイズ油、脂肪族及び環式炭化水素から選択される炭化水素溶媒又はこれらの混合物である。連続油相、特にその中に含有される水不溶性溶媒は、農薬有効活性成分の生物学的補助剤としても機能する場合がある、すなわち、農薬有効活性成分の生物学的効力が連続油相により増加する場合がある。
農薬製剤は、典型的に農薬製剤の全重量に対して少なくとも20wt%、好ましくは少なくとも30wt%、より好ましくは少なくとも40wt%、最も好ましくは少なくとも50wt%の水非混和性溶媒を含有する。農薬製剤は、最大95wt%、好ましくは最大90wt%、より好ましくは最大85wt%、最も好ましくは最大70wt%、特に好ましくは最大60wt%の水非混和性溶媒を含有してもよい。典型的に、農薬製剤は、農薬製剤の全重量に対して10~95wt%、好ましくは20~80wt%、より好ましくは30~60wt%の濃度で水非混和性溶媒を含有する。
連続油相は、さらなる水溶性溶媒を含んでもよい。「水溶性溶媒」という用語は、水そのものを含まず、水への特定の溶解度を有する有機溶媒を指す。これらのさらなる溶媒の水溶解度は、20℃で少なくとも50g/l、好ましくは少なくとも100g/l、より好ましくは少なくとも150g/l、最も好ましくは少なくとも200g/lであってもよい。典型的な水溶性溶媒は、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチレンカーボネート、アセトン、ガンマ-ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、N-メチル-2-ピロリドン、アセトニトリル、ニトロメタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン並びにアルコール、例えばメタノール、エタノール及びイソプロパノールである。典型的に、農薬製剤は、さらなる水溶性溶媒を含有しない。一実施形態では、農薬製剤は、農薬製剤の全重量に対して10wt%未満、好ましくは1wt%未満、より好ましくは0.1wt%未満のさらなる水溶性溶媒を含有する。
農薬製剤は、農薬有効活性成分を含有する。「農薬有効活性成分」という用語は、農薬製剤に望ましい生物学的活性を付与する物質を指す。典型的に、農薬有効活性成分は殺有害生物剤である。農薬有効活性成分は、殺菌剤、殺虫剤、殺線虫剤、除草剤、毒性緩和剤、微量栄養素、生物農薬(biopesticide)及び/又は成長調節剤から選択されてもよい。一実施形態では、農薬有効活性成分は殺虫剤である。別の実施形態では、農薬有効活性成分は殺菌剤、好ましくはメチルテトラプロールである。また別の実施形態では、農薬有効活性成分は除草剤、好ましくはサフルフェナシルである。また別の実施形態では、農薬有効活性成分はトリフルジモキサジンである。当業者はそのような殺有害生物剤を熟知しており、これらは例えば、Pesticide Manual, 16th Ed. (2013), The British Crop Protection Council, Londonに見出すことができる。好適な殺虫剤は、カルバメート、有機リン酸、有機塩素殺虫剤、フェニルピラゾール、ピレスロイド、ネオニコチノイド、スピノシン、アベルメクチン、ミルベマイシン、若年ホルモン類似体、ハロゲン化アルキル、有機スズ化合物、ネライストキシン類似体、ベンゾイル尿素、ジアシルヒドラジン、METI殺ダニ剤(acarizide)のクラスの殺虫剤、及び殺虫剤、例えばクロロピクリン、ピメトロジン、フロニカミド、クロフェンテジン、ヘキシチアゾクス、エトキサゾール、ジアフェンチウロン、プロパルギット、テトラジホン、クロルフェナピル、DNOC、ブプロフェジン、シロマジン、アミトラズ、ヒドラメチルノン、アセキノシル、フルアクリピリム、ロテノン又はその誘導体である。好適な殺菌剤は、ジニトロアニリン、アリルアミン、アニリノピリミジン、抗生物質、芳香族炭化水素、ベンゼンスルホンアミド、ベンズイミダゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾフェノン、ベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアジン、ベンジルカルバメート、カルバメート、カルボキサミド、カルボン酸ジアミド、クロロニトリル、シアノアセトアミドオキシム、シアノイミダゾール、シクロプロパンカルボキサミド、ジカルボキシミド、ジヒドロジオキサジン、クロトン酸ジニトロフェニル、ジチオカルバメート、ジチオラン、エチルホスホネート、エチルアミノチアゾールカルボキサミド、グアニジン、ヒドロキシ-(2-アミノ)ピリミジン、ヒドロキシアニリド、イミダゾール、イミダゾリノン、無機物、イソベンゾフラノン、メトキシアクリレート、メトキシカルバメート、モルホリン、N-フェニルカルバメート、オキサゾリジンジオン、オキシミノアセテート、オキシミノアセトアミド、ペプチジルピリミジンヌクレオシド、フェニルアセトアミド、フェニルアミド、フェニルピロール、フェニル尿素、ホスホネート、ホスホロチオレート、フタルアミド酸、フタルイミド、ピペラジン、ピペリジン、プロピオンアミド、ピリダジノン、ピリジン、ピリジニルメチルベンズアミド、ピリミジンアミン、ピリミジン、ピリミジノンヒドラゾン、ピロロキノリノン、キナゾリノン、キノリン、キノン、スルファミド、スルファモイルトリアゾール、チアゾールカルボキサミド、チオカルバメート、チオファネート、チオフェンカルボキサミド、トルアミド、トリフェニルスズ化合物、トリアジン、トリアゾールのクラスの殺菌剤である。好適な除草剤は、アセトアミド、アミド、アリールオキシフェノキシプロピオネート、ベンズアミド、ベンゾフラン、安息香酸、ベンゾチアジアジノン、ビピリジリウム、カルバメート、クロロアセトアミド、クロロカルボン酸、シクロヘキサンジオン、ジニトロアニリン、ジニトロフェノール、ジフェニルエーテル、グリシン、イミダゾリノン、イソオキサゾール、イソオキサゾリジノン、ニトリル、N-フェニルフタルイミド、オキサジアゾール、オキサゾリジンジオン、オキシアセトアミド、フェノキシカルボン酸、フェニルカルバメート、フェニルピラゾール、フェニルピラゾリン、フェニルピリダジン、ホスフィン酸、ホスホロアミデート、ホスホロジチオエート、フタラメート、ピラゾール、ピリダジノン、ピリジン、ピリジンカルボン酸、ピリジンカルボキサミド、ピリミジンジオン、(チオ)安息香酸ピリミジニル、キノリンカルボン酸、セミカルバゾン、スルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン、スルホニル尿素、テトラゾリノン、チアジアゾール、チオカルバメート、トリアジン、トリアジノン、トリアゾール、トリアゾリノン、トリアゾロカルボキサミド、トリアゾロピリミジン、トリケトン、ウラシル、尿素のクラスの除草剤である。好適な植物成長調節剤は、抗オーキシン、オーキシン、サイトカイニン、落葉剤、エチレンモジュレーター、エチレン放出剤、ジベレリン、成長阻害剤、モルファクチン、成長遅延剤、成長刺激剤及びさらに未分類の植物成長調節剤である。好適な微量栄養素は、ホウ素、亜鉛、鉄、銅、マンガン、塩素及びモリブデンを含む化合物である。好適な硝化阻害剤は、リノール酸、アルファ-リノレン酸、メチルp-クマレート、メチルフェルレート、メチル3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート(MHPP)、カランジン、ブラキアラクトン、p-ベンゾキノンソルゴレオン、2-クロロ-6-(トリクロロメチル)-ピリジン(ニトラピリン又はN-サーブ)、ジシアンジアミド(DCD、DIDIN)、3,4-ジメチルピラゾールリン酸塩(DMPP、ENTEC)、4-アミノ-1,2,4-トリアゾール塩酸塩(ATC)、1-アミド-2-チオ尿素(ASU)、2-アミノ-4-クロロ-6-メチルピリミジン(AM)、2-メルカプト-ベンゾチアゾール(MBT)、5-エトキシ-3-トリクロロメチル-1,2,4-チオジアゾール(テラゾール、エトリジアゾール)、2-スルファニルアミドチアゾール(ST)、チオ硫酸アンモニウム(ATU)、3-メチルピラゾール(3-MP)、3,5-ジメチルピラゾール(DMP)、1,2,4-トリアゾールチオ尿素(TU)、N-(1H-ピラゾリル-メチル)アセトアミド、例えばN-((3(5)-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)アセトアミド、及びN-(1H-ピラゾリル-メチル)ホルムアミド、例えばN-((3(5)-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチルホルムアミド、N-(4-クロロ-3(5)-メチル-ピラゾール-1-イルメチル)-ホルムアミド、N-(3(5),4-ジメチル-ピラゾール-1-イルメチル)-ホルムアミド、ニーム、ニームの成分をベースとする生成物、シアナミド、メラミン、ゼオライト粉末、カテコール、ベンゾキノン、四ホウ酸ナトリウム(sodium terta board)、硫酸亜鉛、2-(3,4-ジメチル-1H-ピラゾール-1-イル)コハク酸(以下「DMPSA1」と称する)及び/又は2-(4,5-ジメチル-1H-ピラゾール-1-イル)コハク酸(以下「DMPSA2」と称する)及び/又はそれらの誘導体及び/又はそれらの塩、3,4-ジメチルピラゾールのグリコール酸付加塩(3,4-ジメチルピラゾリウムグリコレート、以下「DMPG」と称する)及び/又はこれらの異性体及び/又はこれらの誘導体、3,4-ジメチルピラゾールのクエン酸付加塩(3,4-ジメチルピラゾリウムシトレート、以下「DMPC」と称する)及び/又はこれらの異性体及び/又はこれらの誘導体、3,4-ジメチルピラゾールの乳酸付加塩(3,4-ジメチルピラゾリウムラクテート、以下「DMPL」と称する)及び/又はこれらの異性体及び/又はこれらの誘導体、3,4-ジメチルピラゾールのマンデル酸付加塩(3,4-ジメチルピラゾリウムマンデレート、以下「DMPM」と称する)及び/又はこれらの異性体及び/又はこれらの誘導体、1,2,4-トリアゾール(以下「TZ」と称する)及び/又はこれらの誘導体及び/又はこれらの塩、4-クロロ-3-メチルピラゾール(以下「ClMP」と称する)及び/又はこれらの異性体及び/又はこれらの誘導体及び/又はこれらの塩、ジシアンジアミド、尿素及びホルムアルデヒドの反応付加物、又はトリアゾニル-ホルムアルデヒド-ジシアンジアミド付加物、2-シアノ-1-((4-オキソ-1,3,5-トリアジナン-1-イル)メチル)グアニジン、1-((2-シアノグアニジノ)メチル)尿素、2-シアノ-1-((2-シアノグアニジノ)メチル)-グアニジン、3,4-ジメチルピラゾールホスフェート、アリルチオ尿素及び塩素酸塩である。想定されるウレアーゼ阻害剤の例として、N-(n-ブチル)チオリン酸トリアミド(NBPT、Agrotain)、N-(n-プロピル)チオリン酸トリアミド(NPPT)、2-ニトロフェニルリン酸トリアミド(2-NPT)、さらに当業者に公知のNXPT、フェニルホスホロジアミデート(PPD/PPDA)、ヒドロキノン、チオ硫酸アンモニウム及びNBPTとNPPTの混合物(例えば米国特許第8,075,659号を参照されたい)が挙げられる。NBPTとNPPTのそのような混合物は、活性物質の全量に対して40~95%wt%、好ましくは60~80%wt%の量のNBPTを含んでもよい。そのような混合物はLIMUSとして市販されており、これは、NBPT約16.9wt%及びNPPT約5.6wt%、並びに溶媒及び補助剤を含む他の成分約77.5wt%を含む組成物である。
農薬製剤は、農薬製剤の全重量に対して少なくとも1wt%、好ましくは少なくとも5wt%、より好ましくは少なくとも10wt%、最も好ましくは少なくとも25wt%、特に少なくとも40wt%の濃度で農薬有効活性成分を含んでもよい。農薬製剤は、農薬製剤の全重量に対して最大70wt%、好ましくは最大60wt%、より好ましくは最大50wt%の濃度で農薬有効活性成分を含んでもよい。農薬製剤は、組成物の全重量に対して1~70wt%、好ましくは1~60wt%、より好ましくは5~50wt%の濃度で農薬有効活性成分を含んでもよい。
農薬有効活性成分は、非常に低い連続油相への溶解度を有する。連続油相は極めて親油性であるため、農薬有効活性成分の溶解度は、親油性炭化水素、例えばn-オクタン中で最良に測定される。農薬有効活性成分は、典型的に20℃で最大1g/l、好ましくは最大10mg/l、最も好ましくは最大100μg/lのn-オクタンへの溶解度を有する。農薬有効活性成分はまた、典型的に20℃で最大10g/l、好ましくは最大5g/lの非常に低い水溶解度を有する。
農薬有効活性成分は、連続油相に懸濁された粒子の形態で存在する。粒子は、動的光散乱方法により決定されてもよいそれらのサイズ分布により特徴づけられてもよい。D50値は、すべての粒子の50体積%を特徴づける最大粒径を示す統計的数字である。言い換えると、すべての粒子の50%(v/v)は、D50値以下の直径を有する。本発明の場合の粒子のD50値は、典型的に最大30μm、好ましくは最大25μm、より好ましくは最大20μm、最も好ましくは最大10μm、特に好ましくは最大7μmである。粒子のD50値は、典型的に少なくとも0.1μm、好ましくは少なくとも0.8μm、より好ましくは少なくとも1μmである。粒子のD50値は、典型的に0.5~10μm、好ましくは1~8μm、より好ましくは1.5~5μmである。
農薬製剤は、乳化された水滴中にさらなる農薬有効活性成分を含んでもよい。さらなる農薬有効活性成分は、殺菌剤、殺虫剤、殺線虫剤、除草剤、毒性緩和剤、微量栄養素、生物農薬及び/又は成長調節剤から選択されてもよい。一実施形態では、さらなる農薬有効活性成分は殺虫剤である。別の実施形態では、さらなる農薬有効活性成分は殺菌剤である。また別の実施形態では、さらなる農薬有効活性成分は除草剤、好ましくはジカンバ、より好ましくはジカンバの塩である。
さらなる農薬有効活性成分は、典型的に水溶性である。さらなる農薬有効活性成分は、20℃で少なくとも10g/l、好ましくは少なくとも50g/l、より好ましくは少なくとも100g/lの水溶解度を有してもよい。通常、さらなる農薬有効活性成分は、乳化された水滴に溶解された形態で存在する。
農薬製剤は、農薬製剤の全重量に対して1~30wt%、好ましくは1~20wt%、最も好ましくは1~15wt%の濃度でさらなる農薬有効活性成分を含んでもよい。農薬製剤は、農薬製剤の全重量に対して少なくとも2wt%、好ましくは少なくとも5wt%の濃度でさらなる農薬有効活性成分を含んでもよい。農薬製剤は、農薬製剤の全重量に対して最大25wt%、好ましくは最大10wt%の濃度でさらなる農薬有効活性成分を含んでもよい。
農薬製剤は、連続油相に乳化された水滴を含有する。農薬製剤は、典型的に少なくとも1wt%の水滴の形態の水、好ましくは少なくとも3wt%の液滴の形態の水、より好ましくは少なくとも5wt%の液滴の形態の水、最も好ましくは少なくとも10wt%の液滴の形態の水、特に好ましくは少なくとも15wt%の液滴の形態の水、特に少なくとも20wt%の液滴の形態の水、例えば少なくとも23wt%の水滴の形態の水を含有する。農薬製剤は、典型的に最大50wt%の水滴の形態の水、好ましくは最大40wt%の液滴の形態の水、より好ましくは最大30wt%の液滴の形態の水を含有する。農薬製剤は、典型的に1~60wt%の水滴の形態の水、好ましくは1~50wt%の液滴の形態の水、より好ましくは3~30wt%、最も好ましくは10~30wt%、極めて好ましくは15~30wt%、特に20~30wt%、特に22~28wt%の液滴の形態の水を含有する。一実施形態では、農薬製剤は、15~40wt%の液滴の形態の水を含有する。別の実施形態では、農薬製剤は、20~35wt%の液滴の形態の水を含有する。別の実施形態では、農薬製剤は、22~30wt%の液滴の形態の水を含有する。
水滴は、農薬有効活性成分を含む粒子と同様に、それらのサイズ分布により特徴づけられてもよい。水滴のD50値は、典型的に最大50μm、好ましくは最大40μm、より好ましくは最大30μm、最も好ましくは最大20μm、特に好ましくは最大10μm、例えば最大5μmである。水滴のD50値は、典型的に少なくとも0.1μm、好ましくは少なくとも0.8μm、より好ましくは少なくとも1μmである。水滴のD50値は、典型的に0.5~50μm、好ましくは1~30μm、より好ましくは1.5~20μmである。
水滴は、連続油相中に乳化される。この目的のために、農薬製剤は、典型的に油中水型乳化剤(W/O乳化剤)を含有する。そのような乳化剤は、当業者に一般に公知である。乳化剤は、Michael E. Aulton, Pharmaceutics - The Science of Dosage Form Design, Second Edition, Churchill Livingston, 2001, p.95-99に記載されるそれらの「親水親油バランス」値(「HLB値」)により特徴づけられてもよい。W/O乳化剤のHLB値は、典型的に1~12、より好ましくは1~11、最も好ましくは1~10である。W/O乳化剤のHLB値は、最大9、好ましくは最大7であってもよい。典型的に、W/O乳化剤は、好ましくはポリエチレンオキシド部分を含有する非イオン性の両性乳化剤である。
好適なW/O乳化剤は、脂肪アルコールアルコキシレート、好ましくはエトキシル化C12~C18アルコール、例えば2つのエチレンオキシド部分でエトキシル化されたイソトリデシルアルコール(例えば、BASFのLutensol TOシリーズ)、ポリアルコキシレート、好ましくはエチレンオキシドとプロピレンオキシドのコポリマー(例えば、Step Flow LF又はGenapol PF10)、グリセロールとヒドロキシル化飽和及び不飽和脂肪酸のコポリマー及びブロックコポリマー、例えばポリグリセリル-2ジポリヒドロキシステアレート(例えば、DehymulsPGPH)、ヒドロキシ脂肪酸のエトキシル化グリセロールエステル及びそれらの誘導体、例えばエトキシル化ヒマシ油、エトキシル化硬化ヒマシ油又はエトキシル化オレイン酸ヒマシ油(例えば、Toxium 8248、Toximul 8243、Alkamuls VO2003又はEmulsogen EL0200)、ポリエーテルシロキサン(例えば、Break Thru OE440)、非イオン性変性ポリエステル(例えば、Tersperse2520)又はポリグリセロール脂肪酸部分エステル(例えば、TegoXP11041)から選択されてもよい。
農薬製剤は、典型的に農薬製剤の全重量に対して少なくとも1wt%、好ましくは少なくとも2wt%、より好ましくは少なくとも3wt%の濃度でW/O乳化剤を含む。農薬製剤は、農薬製剤の全重量に対して最大20wt%、好ましくは最大15wt%、より好ましくは最大10wt%、最も好ましくは最大8wt%の濃度でW/O乳化剤を含んでもよい。農薬製剤は、農薬製剤の全重量に対して1~12wt%、好ましくは1~10wt%、より好ましくは2~7wt%の濃度でW/O乳化剤を含んでもよい。
W/O乳化剤と乳化された水滴の形態である水との重量比は、典型的に1:10~1:1、好ましくは1:10~1:2、より好ましくは1:6~1:2である。
ほとんどの散布者は、農薬製剤を水性タンクミックス組成物に希釈するため、水中油型乳化剤(O/W乳化剤)を農薬製剤に添加することが有利である。そのような乳化剤はまた、当業者に一般に公知である。O/W乳化剤のHLB値は、典型的に7~17、より好ましくは8~16、最も好ましくは10~16である。O/W乳化剤のHLB値は、最大19、好ましくは最大18であってもよい。O/W乳化剤のHLB値は、少なくとも9、好ましくは少なくとも10、より好ましくは少なくとも11であってもよい。
好適なO/W乳化剤の例は、エトキシル化ソルビタン部分エステル及び過酸エステル、好ましくはエトキシル化ソルビタンオレエート(例えば、Tween85又はArlatone TV)、アルコキシル化脂肪アルコール及びアルキル-アリール-スルホネート又はそれらの混合物(例えば、Atlox3467)、ヒドロキシ脂肪酸のエトキシル化グリセロールエステル及びそれらの誘導体、例えばエトキシル化ヒマシ油、エトキシル化硬化ヒマシ油又はエトキシル化オレイン酸ヒマシ油(例えば、Alkamuls VO2003)、飽和及び不飽和脂肪酸のN-ヒドロキシアルキルアミド、好ましくは飽和及び不飽和脂肪酸のN,N-ビスジヒドロキシエチルアミド(例えば、Surfom OD 8104)である。
農薬製剤は、典型的に農薬製剤の全重量に対して少なくとも1wt%、好ましくは少なくとも2wt%、より好ましくは少なくとも3wt%の濃度でO/W乳化剤を含む。農薬製剤は、農薬製剤の全重量に対して最大20wt%、好ましくは最大15wt%、より好ましくは最大10wt%、最も好ましくは最大8wt%の濃度でO/W乳化剤を含んでもよい。農薬製剤は、農薬製剤の全重量に対して1~12wt%、好ましくは1~10wt%、より好ましくは2~7wt%の濃度でO/W乳化剤を含んでもよい。
O/W乳化剤と農薬製剤中の水非混和性溶媒との重量比は、典型的に1:1~1:20、好ましくは1:5~1:15、より好ましくは1:7~1:12である。
農薬製剤はまた、典型的に分散剤を含む。好適な分散剤は、連続油相に農薬有効活性成分を溶解することなく、農薬有効活性成分に高い親和性を有する化合物である。分散剤は典型的に非イオン性であり、連続油相に容易に溶解可能である。
好適な分散剤の例は、飽和及び不飽和脂肪酸のN-ヒドロキシアルキルアミド、好ましくは飽和及び不飽和脂肪酸のN,N-ビスジヒドロキシエチルアミド(例えば、Surfom OD 8104)、エトキシル化ソルビタン部分エステル及び過酸エステル、好ましくはエトキシル化ソルビタンオレエート(例えば、Atlas G 1096、Atlas G 1086又はArlatone TV)、ヒドロキシ脂肪酸のエトキシル化グリセロールエステル及びそれらの誘導体、例えばエトキシル化ヒマシ油、エトキシル化硬化ヒマシ油又はエトキシル化オレイン酸ヒマシ油(例えば、Alkamuls VO2003)、並びにアルコキシル化脂肪アルコール及びアルキル-アリール-スルホネート又はそれらの混合物(例えば、Atlox3467)、脂肪アルコールアルコキシレート、好ましくはエトキシル化C8~C18アルコール、例えばエトキシル化イソデシル及びイソドデシルアルコール(例えば、Foryl 5999、Lutensol ON50、Tensiofix NTM又はTensiofix 96DB10)並びにアルコキシル化ポリオレフィン、例えばポリイソブチレン無水コハク酸-ポリエチレングリコール(例えば、Atlox 4914)である。
農薬製剤は、典型的に農薬製剤の全重量に対して少なくとも1wt%、好ましくは少なくとも3wt%、より好ましくは少なくとも5wt%、最も好ましくは少なくとも10wt%の濃度で分散剤を含有する。農薬製剤は、農薬製剤の全重量に対して最大20wt%、好ましくは最大15wt%、より好ましくは最大12wt%の濃度で分散剤を含有してもよい。農薬製剤は、農薬製剤の全重量に対して1~20wt%、好ましくは5~15wt%の濃度で分散剤を含有してもよい。
上述のO/W乳化剤、W/O乳化剤及び分散剤は、すべて界面活性剤の包括的なクラスの一部であり、このクラスの範囲内で明確に区別可能な機能群を形成しない。代わりに、当業者は、これらの群の界面活性剤は重複してもよく、特定の化合物が1つより多くの機能のために含まれるのに好適であり得る、例えば、一部の分散剤は、O/W乳化剤としても作用し得ることを熟知している。
界面活性剤の全濃度、すなわち分散剤、O/W乳化剤及びW/O乳化剤の合計は、典型的に農薬組成物の全重量に対して少なくとも5wt%、好ましくは少なくとも10wt%、より好ましくは少なくとも15wt%、最も好ましくは少なくとも20wt%である。界面活性剤の全濃度は、農薬製剤の全重量に対して最大40wt%、好ましくは最大30wt%、より好ましくは最大25wt%であってもよい。界面活性剤の全濃度は、農薬製剤の全重量に対して10~35wt%、好ましくは15~30wt%であってもよい。
農薬製剤は、
a)水非混和性溶媒を含む連続油相
b)粒子の形態の農薬有効活性成分であり、粒子が連続油相に懸濁された農薬有効活性成分
c)連続油相に乳化された水滴、及び
d)油中水型乳化剤
を含んでもよい。
一実施形態では、農薬製剤は、
a)水非混和性溶媒を含む連続油相
b)粒子の形態の農薬有効活性成分であり、粒子が連続油相に懸濁された農薬有効活性成分
c)連続油相に乳化された水滴、並びに
d)油中水型乳化剤、及び
e)分散剤
を含む。
別の実施形態では、農薬製剤は、
a)水非混和性溶媒を含む連続油相
b)粒子の形態の農薬有効活性成分であり、粒子が連続油相に懸濁された農薬有効活性成分
c)連続油相に乳化された水滴、並びに
d)油中水型乳化剤
e)分散剤、及び
f)水中油型乳化剤
を含む。
農薬製剤は、
a)20~90wt%の水非混和性溶媒
b)1~70wt%の、粒子の形態の農薬有効活性成分であり、粒子が連続油相に懸濁された農薬有効活性成分
c)1~50wt%の、連続油相に乳化された水滴
を含んでもよく、各濃度は農薬製剤の全重量に基づく。
一実施形態では、農薬製剤は、
a)20~80wt%の、水非混和性溶媒を含む連続油相
b)1~60wt%の、粒子の形態の農薬有効活性成分であり、粒子が連続油相に懸濁された農薬有効活性成分
c)3~30wt%の、連続油相に乳化された水滴
を含み、各濃度は農薬製剤の全重量に基づく。
農薬製剤は、公知の方法、例えばMollet and Grubemann, Formulation technology, Wiley VCH, Weinheim, 2001、又はKnowles, New developments in crop protection product formulation, Agrow Reports DS243, T&F Informa, London, 2005により記載される方法で調製される。典型的に、第1のステップa)で水非混和性溶媒及び農薬有効活性成分を接触させてプレミックスを形成させる。接触は、農薬有効活性成分を水非混和性溶媒に混合、振盪又は単に添加することにより達成されてもよい。
後続のステップb)では、プレミックスを摩砕して農薬有効活性成分の原料懸濁液を形成する。摩砕は、典型的な摩砕デバイス、例えばボールミル、ビーズミル、ロッドミル、半自生及び自生ミル、ペブルミル、粉砕ロールミル、ブーアストンミル、タワーミル、ハンマーミル、遊星ミル、縦軸インパクタミル、コロイドミル、コーンミル、ディスクミル、エッジミル、ジェットミル、ペレットミル、撹拌ミル、3ロールミル、振動ミル、ウィリーミル又は当業者に公知の同様の摩砕及び粉砕デバイスで行われてもよい。
次にステップc)で、ステップb)の原料懸濁液に水を乳化させる。ステップc)は典型的に、c1)原料懸濁液に水を添加するサブステップ、続いてc2)乳化により連続油相中に水滴を形成するサブステップを含む。乳化は、激しい混合、振盪又は分散デバイスでの摩砕により達成されてもよい。連続油相への水の乳化を容易にするために、農薬製剤を調製する方法の任意のステップでW/O乳化剤が添加されてもよい。好ましくは、W/O乳化剤は、ステップc2)の前に添加される。W/O乳化剤は、ステップa)、ステップb)又はステップc)で添加されてもよい。W/O乳化剤がステップc)で添加される場合、水とともに添加されてもよい。
分散剤及び/又はO/W乳化剤は、ステップa)、b)又はc)で添加されてもよい。典型的に、分散剤はステップb)の摩砕の前又はその間に添加される。O/W乳化剤は、好ましくはステップa)又はステップb)で添加されてもよい。
本発明はまた、油分散体を安定化させる方法であって、a)その中に分散された固体粒子を含有する連続油相を準備するステップ、及びb)連続油相に水滴を乳化させるステップを含み、油分散体が増粘剤を実質的に含まない方法に関する。
「安定性を増加させる」という用語は、通常分散体の物理的安定性、例えば分散された粒子の沈降挙動の改善を指す。
本発明はまた、連続油相(好ましくは油分散体)の粘度(好ましくは動的粘度)を増加させる方法であって、a)連続油相を準備するステップ、及びb)連続油相に水滴を乳化させるステップを含み、連続油相が増粘剤を実質的に含まない方法に関する。
連続油相に水滴を乳化させる好適な手段及び方法は、上記で概説された通りである。典型的に、方法は、W/O乳化剤を添加することを含む。
油分散体を安定化させる方法及び連続油相の粘度を増加させる方法は、増粘剤の油分散体又は連続油相への添加も含有せず、油分散体も連続油相も、初めから増粘剤を含有しない。
本発明はまた、特に油分散体が増粘剤を実質的に含まない場合、油分散体の粘度(好ましくは動的粘度)を増加させるための乳化された水滴の使用に関する。
農薬製剤は、さらなる助剤を含んでもよい。好適な助剤は、固体担体又は充填剤、界面活性剤、湿潤剤、補助剤、可溶化剤、浸透増強剤、保護コロイド、接着剤、増粘剤、保水剤、忌避剤、誘引剤、摂食刺激剤、相溶化剤、殺細菌剤、凍結防止剤、発泡防止剤、着色剤、UVフィルター、粘着付与剤及びバインダーを含む。
好適な固体担体又は充填剤は、鉱物土類、例えばシリケート、シリカゲル、タルク、カオリン、石灰岩、石灰、白亜、粘土、ドロマイト、珪藻土、ベントナイト、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、多糖類、例えばセルロース、デンブン、肥料、例えば硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素、植物起源の生成物、例えば穀類粉、樹皮粉、木材粉、堅果殻粉及びこれらの混合物である。
好適な界面活性剤は、界面活性化合物、例えばアニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性界面活性剤、ブロックポリマー、高分子電解質及びこれらの混合物である。そのような界面活性剤は、乳化剤、分散剤、可溶化剤、湿潤剤、浸透増強剤、保護コロイド又は補助剤として使用することができる。界面活性剤の例は、McCutcheon's, Vol.1: Emulsifiers & Detergents、McCutcheon's Directories、Glen Rock、USA、2008(国際版又は北アメリカ版)に列挙されている。
好適なアニオン性界面活性剤は、スルホネート、スルフェート、ホスフェート、カルボキシレート及びそれらの混合物のアルカリ塩、アルカリ土類塩又はアンモニウム塩である。スルホネートの例は、アルキルアリールスルホネート、ジフェニルスルホネート、アルファ-オレフィンスルホネート、リグニンスルホネート、脂肪酸及び油のスルホネート、エトキシル化アルキルフェノールのスルホネート、アルコキシル化アリールフェノールのスルホネート、縮合ナフタレンのスルホネート、ドデシル及びトリデシルベンゼンのスルホネート、ナフタレン及びアルキルナフタレンのスルホネート、スルホスクシネート又はスルホスクシナメートである。スルフェートの例は、脂肪酸及び油、エトキシル化アルキルフェノール、アルコール、エトキシル化アルコール又は脂肪酸エステルのスルフェートである。ホスフェートの例は、ホスフェートエステルである。カルボキシレートの例は、アルキルカルボキシレート及びカルボキシル化アルコール又はアルキルフェノールエトキシレートである。
好適な非イオン性界面活性剤は、アルコキシレート、N-置換脂肪酸アミド、アミンオキシド、エステル、糖ベースの界面活性剤、ポリマー性界面活性剤及びそれらの混合物である。アルコキシレートの例は、化合物、例えば1~50当量でアルコキシル化されたアルコール、アルキルフェノール、アミン、アミド、アリールフェノール、脂肪酸又は脂肪酸エステルである。エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドをアルコキシル化のために用いてもよく、好ましくはエチレンオキシドである。N-置換脂肪酸アミドの例は、脂肪酸グルカミド又は脂肪酸アルカノールアミドである。エステルの例は、脂肪酸エステル、グリセロールエステル又はモノグリセリドである。糖ベースの界面活性剤の例は、ソルビタン、エトキシル化ソルビタン、ショ糖及びグルコースエステル又はアルキルポリグルコシドである。ポリマー性界面活性剤の例は、ビニルピロリドン、ビニルアルコール又は酢酸ビニルのホモ又はコポリマーである。
好適なカチオン性界面活性剤は、第四級界面活性剤、例えば1個若しくは2個の疎水性基を有する第四級アンモニウム化合物、又は長鎖第一級アミンの塩である。好適な両性界面活性剤は、アルキルベタイン及びイミダゾリンである。好適なブロックポリマーは、ポリエチレンオキシド及びポリプロピレンオキシドのブロックを含むA-B若しくはA-B-A型のブロックポリマー、又はアルカノール、ポリエチレンオキシド及びポリプロピレンオキシドを含むA-B-C型のブロックポリマーである。好適な高分子電解質は、ポリ酸又はポリ塩基である。ポリ酸の例は、ポリアクリル酸又はポリ酸櫛型ポリマーのアルカリ塩である。ポリ塩基の例は、ポリビニルアミン又はポリエチレンアミンである。
好適な補助剤は、それ自体無視できるほどの殺有害生物活性を有するか又はさらには殺有害生物活性を有さず、標的上の化合物Iの生物学的特性を改善させる化合物である。例は、界面活性剤、鉱物又は植物油及び他の助剤である。さらなる例は、Knowles, Adjuvants and additives, Agrow Reports DS256, T&F Informa UK, 2006, chapter 5により列挙されている。
典型的に、農薬製剤は増粘剤を実質的に含まない。本明細書で使用される「実質的に含まない」という用語は、典型的に、各場合に農薬組成物の全重量に基づいて1wt%以下、より好ましくは0.1wt%以下、最も好ましくは0.01wt%以下の濃度まで増粘剤を含む農薬製剤に関する。一実施形態では、農薬製剤は増粘剤を含有しない。
「増粘剤」という用語は、通常無機粘土(有機的に変性の又は非変性の)、例えばベントナイト、ヘクトライト及びスメクタイト粘土、並びにシリケート(例えばコロイド状含水ケイ酸マグネシウム、コロイド状含水ケイ酸アルミニウム、コロイド状含水ケイ酸アルミニウムマグネシウム、含水非晶質二酸化ケイ素)、並びに有機粘土、例えばポリカルボキシレート(例えばポリ(メタ)アクリレート及び変性ポリ(メタ)アクリレート)、多糖類(例えばキサンタンガム、アガロース、ラムザンガム、プルラン、トラガカントガム、ローカストビーンガム、グアーガム、タラガム、ウェランガム(whelan cum)、カゼイン、デキストリン、デュータンガム、セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース)、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリプロピレンオキシド縮合物、ポリエチレンオキシド縮合物、ポリ酢酸ビニル、無水マレイン酸、ポリプロピレングリコール、ポリアクリロニトリルブロックコポリマー、タンパク質及び炭水化物を指す。
当業者は、増粘剤の増粘効果が、増粘剤の分子構造と比較した所与の液体組成物の物理化学的性質に依存することを認識している。増粘剤が主に極性官能基、例えばOH、COOH又はSO3Hを含有する場合、当業者は、そのような増粘剤が主に極性、好ましくはプロトン性溶媒に適用可能であることを理解している。最も顕著には、キサンタンガム及び他の非変性多糖類は、水又は他のプロトン性溶媒が組成物に添加される場合のみ液体組成物の完全な増粘作用を展開することができる。一方、増粘剤が実質的に疎水性の部分を含有する場合、例えばジブチルラウロイルグルタミドの場合において、非極性溶媒の粘度を増加させることが好適であり得る。当業者は、増粘剤の分子構造と液体組成物の物理化学的特性とを比較することにより、任意の所与の液体組成物の粘度を増加させる増粘剤を特定することができる。
機能レベルでは、本明細書で使用される「増粘剤」という用語は、化合物を有さない同じ液体組成物と比較して、添加された場合に液体組成物の動的粘度を増加させる化合物を指す。
増粘剤は、増粘剤が1wt%の濃度で水に添加された場合、25℃及び100/秒のせん断速度で、水の動的粘度を少なくとも0.1mPas増加させる化合物として定義されてもよく、水はCIPACによる342ppmの標準的な水の硬度及び6.0~7.0のpHを有する。一実施形態では、増粘剤は、増粘剤が1wt%の濃度で水に添加された場合、25℃及び100/秒のせん断速度で、水の動的粘度を少なくとも0.5mPas増加させ、水はCIPACによる342ppmの標準的な水の硬度及び6.0~7.0のpHを有する。一実施形態では、増粘剤は、増粘剤が1wt%の濃度で水に添加された場合、25℃及び100/秒のせん断速度で、水の動的粘度を少なくとも1mPas増加させ、水はCIPACによる342ppmの標準的な水の硬度及び6.0~7.0のpHを有する。一実施形態では、増粘剤は、増粘剤が1wt%の濃度で水に添加された場合、25℃及び100/秒のせん断速度で、水の動的粘度を少なくとも5mPas増加させ、水はCIPACによる342ppmの標準的な水の硬度及び6.0~7.0のpHを有する。一実施形態では、増粘剤は、増粘剤が1wt%の濃度で水に添加された場合、25℃及び100/秒のせん断速度で、水の動的粘度を少なくとも10mPas増加させ、水はCIPACによる342ppmの標準的な水の硬度及び6.0~7.0のpHを有する。一実施形態では、増粘剤は、増粘剤が1wt%の濃度で水に添加された場合、25℃及び100/秒のせん断速度で少なくとも25mPasの水の動的粘度を増加させ、水はCIPACによる342ppmの標準的な水の硬度及び6.0~7.0のpHを有する。
一実施形態では、増粘剤は、増粘剤が1wt%の濃度で水に添加された場合、25℃及び100/秒のせん断速度で、水の動的粘度を少なくとも50mPas増加させ、水はCIPACによる342ppmの標準的な水の硬度及び6.0~7.0のpHを有する。一実施形態では、増粘剤は、増粘剤が1wt%の濃度で水に添加された場合、25℃及び100/秒のせん断速度で、水の動的粘度を少なくとも100mPas増加させ、水はCIPACによる342ppmの標準的な水の硬度及び6.0~7.0のpHを有する。一実施形態では、増粘剤は、増粘剤が1wt%の濃度で水に添加された場合、25℃及び100/秒のせん断速度で、水の動的粘度を少なくとも250mPas増加させ、水はCIPACによる342ppmの標準的な水の硬度及び6.0~7.0のpHを有する。
増粘剤はまた、増粘剤が1wt%の濃度でダイズ油メチルエステルに添加された場合、25℃及び100/秒のせん断速度で、ダイズ油メチルエステルの動的粘度を少なくとも0.1mPas増加させる化合物として定義されてもよい。一実施形態では、増粘剤は、増粘剤が1wt%の濃度でダイズ油メチルエステルに添加された場合、25℃及び100/秒のせん断速度で、ダイズ油メチルエステルの動的粘度を少なくとも0.5mPas増加させる。一実施形態では、増粘剤は、増粘剤が1wt%の濃度でダイズ油メチルエステルに添加された場合、25℃及び100/秒のせん断速度で、ダイズ油メチルエステルの動的粘度を少なくとも1mPas増加させる。一実施形態では、増粘剤は、増粘剤が1wt%の濃度でダイズ油メチルエステルに添加された場合、25℃及び100/秒のせん断速度で、ダイズ油メチルエステルの動的粘度を少なくとも5mPas増加させる。一実施形態では、増粘剤は、増粘剤が1wt%の濃度でダイズ油メチルエステルに添加された場合、25℃及び100/秒のせん断速度で、ダイズ油メチルエステルの動的粘度を少なくとも10mPas増加させる。一実施形態では、増粘剤は、増粘剤が1wt%の濃度でダイズ油メチルエステルに添加された場合、25℃及び100/秒のせん断速度で、ダイズ油メチルエステルの動的粘度を少なくとも25mPas増加させる。一実施形態では、増粘剤は、増粘剤が1wt%の濃度でダイズ油メチルエステルに添加された場合、25℃及び100/秒のせん断速度で、ダイズ油メチルエステルの動的粘度を少なくとも50mPas増加させる。一実施形態では、増粘剤は、増粘剤が1wt%の濃度でダイズ油メチルエステルに添加された場合、25℃及び100/秒のせん断速度で、ダイズ油メチルエステルの動的粘度を少なくとも100mPas増加させる。一実施形態では、増粘剤は、増粘剤が1wt%の濃度でダイズ油メチルエステルに添加された場合、25℃及び100/秒のせん断速度で、ダイズ油メチルエステルの動的粘度を少なくとも250mPas増加させる。
増粘剤は、増粘剤が1wt%の濃度で水又はダイズ油メチルエステルに添加された場合、25℃及び100/秒のせん断速度で、水又はダイズ油メチルエステルの動的粘度を少なくとも0.1mPas増加させる化合物と定義されてもよく、水はCIPACによる342ppmの標準的な水の硬度及び6.0~7.0のpHを有する。一実施形態では、増粘剤は、増粘剤が1wt%の濃度で水又はダイズ油メチルエステルに添加された場合、25℃及び100/秒のせん断速度で、水又はダイズ油メチルエステルの動的粘度を少なくとも0.5mPas増加させ、水はCIPACによる342ppmの標準的な水の硬度及び6.0~7.0のpHを有する。一実施形態では、増粘剤は、増粘剤が1wt%の濃度で水又はダイズ油メチルエステルに添加された場合、25℃及び100/秒のせん断速度で、水又はダイズ油メチルエステルの動的粘度を少なくとも1mPas増加させ、水はCIPACによる342ppmの標準的な水の硬度及び6.0~7.0のpHを有する。一実施形態では、増粘剤は、増粘剤が1wt%の濃度で水又はダイズ油メチルエステルに添加された場合、25℃及び100/秒のせん断速度で、水又はダイズ油メチルエステルの動的粘度を少なくとも5mPas増加させ、水はCIPACによる342ppmの標準的な水の硬度及び6.0~7.0のpHを有する。一実施形態では、増粘剤は、増粘剤が1wt%の濃度で水又はダイズ油メチルエステルに添加された場合、25℃及び100/秒のせん断速度で、水又はダイズ油メチルエステルの動的粘度を少なくとも10mPas増加させ、水はCIPACによる342ppmの標準的な水の硬度及び6.0~7.0のpHを有する。一実施形態では、増粘剤は、増粘剤が1wt%の濃度で水又はダイズ油メチルエステルに添加された場合、25℃及び100/秒のせん断速度で、水又はダイズ油メチルエステルの動的粘度を少なくとも25mPas増加させ、水はCIPACによる342ppmの標準的な水の硬度及び6.0~7.0のpHを有する。一実施形態では、増粘剤は、増粘剤が1wt%の濃度で水又はダイズ油メチルエステルに添加された場合、25℃及び100/秒のせん断速度で、水又はダイズ油メチルエステルの動的粘度を少なくとも50mPas増加させ、水はCIPACによる342ppmの標準的な水の硬度及び6.0~7.0のpHを有する。一実施形態では、増粘剤は、増粘剤が1wt%の濃度で水又はダイズ油メチルエステルに添加された場合、25℃及び100/秒のせん断速度で、水又はダイズ油メチルエステルの動的粘度を少なくとも100mPas増加させ、水はCIPACによる342ppmの標準的な水の硬度及び6.0~7.0のpHを有する。一実施形態では、増粘剤は、増粘剤が1wt%の濃度で水又はダイズ油メチルエステルに添加された場合、25℃及び100/秒のせん断速度で、水又はダイズ油メチルエステルの動的粘度を少なくとも250mPas増加させ、水はCIPACによる342ppmの標準的な水の硬度及び6.0~7.0のpHを有する。
誤解を避けるために、「増粘剤」という用語は、連続油相に乳化された水滴に関するものではない。
本発明による動的粘度は、通常ブルックフィールド粘度計、すなわちコーンプレート形状を有する回転式粘度計を用いて測定される。動的粘度は、工業規格EN ISO 2555:2018により決定されてもよい。通常、動的粘度は25℃で測定される。この方法では、回転粘度計のせん断速度を継続的に増加させ、せん断応力を測定する。ニュートン流体の場合、測定は、せん断応力とせん断速度との間の正比例関係に従う線形データセットをもたらす。非ニュートン流体の場合、測定は、せん断応力とせん断速度との間の非線形の依存関係をもたらす。見掛け粘度とも呼ばれる動的粘度は、典型的に座標系の原点及び100/秒のせん断速度で決定されるせん断応力を通る直線の勾配を測定することにより決定される。非ニュートン流体の真の粘度は、見掛け粘度と異なる場合があり、測定された実験曲線の100/秒のせん断速度での接線の勾配を計算することにより決定される。
農薬製剤は、通常60mPas~1000mPas、好ましくは60mPas~900mPas、より好ましくは80~800mPasの真の粘度を有する。農薬製剤は、通常80mPas~2000mPas、好ましくは100mPas~1500mPas、より好ましくは150mPas~1000mPas、最も好ましくは200mPas~800mPasの見掛け粘度を有する。
好適な殺細菌剤は、ブロノポール並びにイソチアゾリノン誘導体、例えばアルキルイソチアゾリノン及びベンズイソチアゾリノンである。
好適な凍結防止剤は、エチレングリコール、プロピレングリコール、尿素及びグリセリンである。好適な発泡防止剤は、シリコーン、長鎖アルコール及び脂肪酸の塩である。
好適な着色剤(例えば、赤、青又は緑)は、水溶解度が低い顔料及び水溶性染料である。例は、無機着色剤(例えば、酸化鉄、酸化チタン、ヘキサシアノ鉄酸鉄)及び有機着色剤(例えば、アリザリン、アゾ及びフタロシアニン着色剤)である。
「UVフィルター」という用語は、紫外線を吸収し、吸収したエネルギーをより長い波長の放射線、例えば熱の形態で再び発することができる無機又は有機物を意味すると理解される。「UVフィルター」という用語は、前記化合物の1種又は異なる種類の混合物に関する。UVフィルターの好適な例は、a)ベンゾトリアゾール、例えば2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール(Tinuvin(登録商標)900、CIBA AG)、[3-[3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]-1-オキソプロピル]-w-[3-[3-(2Hベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]-1-オキソプロポキシ]ポリ(オキシ-1,2-エタンジイル)(Tinuvin(登録商標)1130、CIBA AG)、6-tert.-ブチル-2-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチルフェノール、2,4-ジ-tert-ブチル-6-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-フェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ジ-tert.-ペンチルフェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-フェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチルフェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール、b)シアノアクリレート誘導体、例えばエチル2-シアノ-3-フェニルシンナメート(Uvinul(登録商標)3035、BASF SE)、2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリル酸-2'-エチルヘキシルエステル又は2-エチルヘキシル2-シアノ-3-フェニルシンナメート(オクトクリレン、Uvinul(登録商標)539 T、Uvinul 3039、BASF SE)、c)パラ-アミノ安息香酸(PABA)誘導体、特にエステル、例えばエチル-PABA、エトキシル化PABA、エチル-ジヒドロキシプロピル-PABA、グリセロール-PABA、2-エチルヘキシル4-(ジメチルアミノ)ベンゾエート(Uvinul(登録商標)MC80)、2-オクチル-4-(ジメチルアミノ)ベンゾエート、アミル4-(ジメチルアミノ)ベンゾエート、4-ビス(ポリエトキシ)-4-アミノ安息香酸ポリエトキシエチルエステル(Uvinul(登録商標)P 25、BASF SE)、d)サリチル酸のエステル、例えば2-エチルヘキシルサリチレート、4-イソプロピルベンジルサリチレート、ホモメンチルサリチレート、TEAサリチレート(Neo Heliopan(登録商標)TS、Haarmann and Reimer)、ジプロピレングリコールサリチレート、e)ケイ皮酸のエステル、例えば2-エチルヘキシル4-メトキシシンナメート(Uvinul(登録商標)MC 80)、オクチル-p-メトキシシンナメート、プロピル4-メトキシシンナメート、イソアミル-4-メトキシシンナメート、コノキセート、ジイソプロピルメチルシンナメート、エトクリレン(Uvinul(登録商標)N 35、BASF SE)、f)ベンゾフェノンの誘導体、例えば2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(Uvinul(登録商標)M 40、BASF SE)、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4'-メチルベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)-安息香酸ヘキシルエステル(Uvinul(登録商標)A Plus、BASF SE)、4-n-オクチルオキシ-2-ヒドロキシ-ベンゾフェノン(Uvinul(登録商標)3008、BASF SE)、2-ヒドロキシベンゾフェノン(hydroxybenophenone)誘導体、例えば4-ヒドロキシ-、4-メトキシ-、4-オクチルオキシ-、4-デシルオキシ-、4-ドデシルオキシ-、4-ベンジルオキシ-、4,2',4'-トリヒドロキシ-、2'-ヒドロキシ-4,4'-ジメトキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、g)ベンゾフェノンのスルホン酸誘導体、例えば2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾ-フェノン-5-スルホン酸(Uvinul(登録商標)MS 40、BASF SE)及びその塩、2,2'-ジヒドロキシ-4,4'-ジメトキシベンゾフェノン-5,5'-スルホン酸及びその塩(二ナトリウム塩:Uvinul(登録商標)DS 49、BASF SE)、h)3-ベンジリデンショウノウ及びその誘導体、例えば3-(4'-メチルベンジリデン)d-1-ショウノウ、ベンジリジエンショウノウスルホン酸(Mexoryl(登録商標)SO、Chimex)、j)3-ベンジリデンショウノウのスルホン酸誘導体、例えば4-(2-オキソ-3-ボルニリデンメチル)ベンゼンスルホン酸及び2-メチル-5-(2-オキソ-3-ボルニリデン)スルホン酸及びその塩、k)ベンザルマロン酸のエステル、例えば2-エチルヘキシル4-メトキシベンズマロネート、m)トリアジン誘導体、例えばジオクチルブタミドトリアゾン(Uvasorb(登録商標)HEB、Sigma)、2,4,6-トリアニリノ-p-(カルボ-2'-エチル-ヘキシル-1'-オキシ)-1,3,5-トリアジン(Uvinul(登録商標)T 150、BASF SE)、2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-(2'-エチル)ヘキシル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン(Tinuvin(登録商標)405、CIBA AG)、アニソトリアジン(Tinosorb(登録商標)S、CIBA AG)、2,4,6-トリス(ジイソブチル-4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、n)プロパン-1,3-ジオン、例えば1-(4-tert-ブチルフェニル)-3-(4'-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン、o)2-フェニルベンゾイミダゾール-5-スルホン酸又は2-フェニルベンゾイミダゾール-4-スルホン酸並びにそのアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウム及びグルコアンモニウム塩、p)ベンゾイルメタンの誘導体、例えば1-(4'-tert-ブチルフェニル)-3-(4'-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン、4-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン又は1-フェニル-3-(4'-イソプロピルフェニル)プロパン-1,3-ジオン、q)ベンゾフェノンのアミノヒドロキシ置換誘導体、例えばN,N-ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル-n-ヘキシルベンゾエート、r)無機吸収剤、例えばZnO(例えば、Z-Cote(登録商標)製品、BASF SE)、TiO2(例えば、T-Lite(商標)製品、BASF SE)又はCeO2ベースの無機吸収剤、及びs)a)~r)の群のUVフィルターの混合物、例えばp-メトキシケイ皮酸エチルヘキシルエステル(65%)と2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸ヘキシルエステル(35%)との混合物(Uvinul(登録商標)A Plus B、BASF SE)である。
好適な粘着付与剤又はバインダーは、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、生物学的又は合成ワックス及びセルロースエーテルである。
本発明はまた、植物病原菌類及び/又は望ましくない植物成長及び/又は昆虫若しくはダニによる望ましくない攻撃を防除する、並びに/或いは植物の成長を調節する方法であって、農薬製剤を、特定の有害生物、それらの生息地、又は特定の有害生物から保護されるべき植物、土壌、並びに/又は望ましくない植物及び/若しくは有用な植物及び/若しくはそれらの生息地に作用させる方法に関する。一実施形態では、方法は、植物病原菌類を防除するためのものである。別の実施形態では、方法は、望ましくない植生を防除するためのものである。別の実施形態では、方法は、昆虫又はダニによる望ましくない攻撃を防除するためのものである。
これらの方法は、典型的に、保護されるべき植物、それらの成長部位、植物病原菌類、及び/又は望ましくない植物成長、及び/又は昆虫若しくはダニによる望ましくない攻撃を農薬製剤により処置することを含む。
処置の好適な方法は、とりわけ、土壌の処置、種子の処置、畦間散布及び葉面散布を含む。土壌の処置方法は、土壌の灌注、点滴灌漑(土壌への点滴散布)、根、塊茎若しくは球根の浸漬又は土壌への注入を含む。種子の処置技術は、種子粉衣、種子コーティング、種子散粉、種子浸水及び種子ペレット化を含む。畦間散布は、典型的に耕地に畦を作るステップ、畦に種子を播種するステップ、殺有害生物活性のある化合物を畦に散布するステップ、及び畦を閉じるステップを含む。
散布方法の一実施形態では、植物が農業植物であり及び/又は繁殖材料がそのような農業植物の繁殖材料に関し、農業植物は、それぞれその天然又は遺伝子改変形態にあるコムギ、オオムギ、エンバク、ライムギ、ダイズ、トウモロコシ、ジャガイモ、アブラナ、キャノーラ、ヒマワリ、ワタ、サトウキビ、テンサイ、コメ、又は野菜、例えばホウレンソウ、レタス、アスパラガス若しくはキャベツ、又はソルガム、林業植物、観賞用植物及び園芸植物から選択される。
一実施形態では、本発明の方法によって処置される植物は、農業植物である。「農業植物」は、その部分(例えば、種子)若しくはすべてが商業規模で収穫若しくは栽培される、又は飼料、食物、繊維(例えば綿、リネン)、可燃物(例えば木材、バイオエタノール、バイオディーゼル、バイオマス)又は他の化学化合物の重要な供給源となる植物である。好ましい農業植物は、例えば穀類、例えばコムギ、ライムギ、オオムギ、ライコムギ、エンバク、トウモロコシ、ソルガム又はコメ、ビート、例えばテンサイ若しくは飼料ビート、果実、例えば仁果類、核果類又は軟果類、例えばリンゴ、セイヨウナシ、プラム、モモ、アーモンド、サクランボ、イチゴ、ラズベリー、ブラックベリー又はグーズベリー、マメ科植物、例えばレンズマメ、エンドウマメ、アルファルファ又はダイズ、油脂植物、例えばセイヨウアブラナ、アブラナ、キャノーラ、亜麻仁、カラシ、オリーブ、ヒマワリ、ココナツ、カカオ豆、トウゴマ、アブラヤシ、ラッカセイ又はダイズ、ウリ科植物、例えばカボチャ、キュウリ又はメロン、繊維植物、例えばワタ、亜麻、麻又はジュート、柑橘類果実、例えばオレンジ、レモン、グレープフルーツ又はマンダリン、野菜、例えばホウレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツ、ニンジン、タマネギ、トマト、ジャガイモ、ウリ科植物又はパプリカ、クスノキ科植物、例えばアボカド、シナモン又はショウノウ、エネルギー植物及び原料植物、例えばトウモロコシ、ダイズ、セイヨウアブラナ、キャノーラ、サトウキビ又はアブラヤシ、タバコ、堅果、コーヒー、茶、バナナ、ブドウの木(テーブルブドウ及びグレープジュース用のブドウの木)、ホップ、芝生、天然ゴム植物である。
さらなる実施形態では、本発明の方法によって処置される植物は、園芸植物である。「園芸植物」という用語は、一般的に園芸、例えば観賞植物、野菜及び/又は果実の栽培に使用される植物と理解されるべきである。観賞植物の例は、芝生、ゼラニウム、ペラルゴニウム、ペチュニア、ベゴニア、及びフクシアである。野菜の例は、ジャガイモ、トマト、コショウ、ウリ科植物、キュウリ、メロン、スイカ、ニンニク、タマネギ、ニンジン、キャベツ、インゲン、エンドウマメ及びレタス、より好ましくは、トマト、タマネギ、エンドウマメ及びレタスである。果実の例は、リンゴ、セイヨウナシ、サクランボ、イチゴ、柑橘類、モモ、アンズ及びブルーベリーである。
さらなる実施形態では、本発明の方法によって処置される植物は、観賞用植物である。「観賞用植物」は、例えば公園、庭、及びバルコニーにおけるガーデニングに一般的に使用される植物である。例は、芝生、ゼラニウム、ペラルゴニウム、ペチュニア、ベゴニア及びフクシアである。
本発明の別の実施形態では、本発明の方法によって処置される植物は、林業植物である。「林業植物」という用語は、樹木、より詳細には森林再生又は産業プランテーションに使用される樹木と理解されるべきである。産業プランテーションは、一般的に林産物、例えば木材、パルプ、紙、ゴムノキ、クリスマスツリー又はガーデニング目的の幼木の商業生産に役立つ。林業植物の例は、針葉樹、例えばマツ、特にマツ属(Pinus)の種、モミ及びスプルース、ユーカリ、熱帯樹木、例えばチーク、ゴムノキ、アブラヤシ、ヤナギ(ヤナギ属(Salix))、特にヤナギ属の種、ポプラ(ハコヤナギ)、特にハコヤナギ属(Populus)の種、ブナ、特にブナ属(Fagus)の種、カバ、アブラヤシ及びオークである。
植物保護に利用される場合、散布される農薬有効活性成分の量は、所望される効果の種類に応じて1ヘクタール当たり0.001~2kg、好ましくは1ヘクタール当たり0.005~2kg、より好ましくは1ヘクタール当たり0.05~0.9kg、特に1ヘクタール当たり0.1~0.75kgである。
材料又は保存製品の保護に使用される場合、散布される活性物質の量は、散布領域の種類及び所望される効果に依存する。材料の保護において慣例的に散布される量は、処置される材料1立方メートル当たり0.001g~2kg、好ましくは0.005g~1kgの活性物質である。
種々の種類の油、湿潤剤、補助剤、肥料又は微量栄養素、及びさらに殺有害生物剤(例えば、除草剤、殺虫剤、殺菌剤、成長調節剤、毒性緩和剤)が、活性物質若しくはそれらをプレミックスとして含む組成物に添加されてもよく、又は適切な場合、使用直前まで添加されなくてもよい(タンクミックス)。これらの薬剤は、1:100~100:1、好ましくは1:10~10:1の重量比で本発明による組成物と混和されてもよい。
使用者は、通常投薬量を事前に決定する(predosage)デバイス、背負い式噴霧器、噴霧タンク、噴霧飛行機又は灌漑システムから、本発明による組成物を散布する。通常、農薬組成物は、水、緩衝液及び/又はさらなる助剤で所望の散布濃度に構成され、それにより即時使用可能な噴霧液又は本発明による農薬組成物が得られる。通常、農業上有用な領域1ヘクタール当たり20~2000リットル、好ましくは50~400リットルの即時使用可能な噴霧液が散布される。
本発明の利点は、増粘剤が必要ないこと、殺生物剤が必要ないこと、及び水の存在下で経時的に分解する農薬有効活性成分が、連続水性相を有する製剤に比べ安定化し得ることである。
以下の実施例により、本発明を例示する。
成分:
殺有害生物剤A:サフルフェナシル
殺有害生物剤B:メチルテトラプロール
分散剤A:ポリオキシエチレンソルビトールヘキサオレエート、分子当たり50個のエチレンオキシド部分
分散剤B:アルコキシル化アルコール、融点26~31℃、50℃で動的粘度100mPas
O/W乳化剤A:アルキルアリールスルホン酸カルシウムと脂肪アルコールエトキシレートとのブレンド
O/W乳化剤B:N,N-ビスヒドロキシエチルアミドC8~C18アルキル(alykl)カルボン酸及び/又は不飽和C18カルボン酸
W/O乳化剤A:非イオン性変性ポリエステル、液体、融点10℃、酸価最大8(mg KOH/g)
W/O乳化剤B:10wt%のエチレングリコールを含有するエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマー、HLB値2。
W/O乳化剤C:ヒマシ油エトキシレート、HLB7
W/O乳化剤D:ヒマシ油エトキシレート、HLB10
W/O乳化剤E:エトキシル化オレイン酸ヒマシ油、25℃で動的粘度310mPas、酸価10~14mg KOH/g
W/O乳化剤F:エトキシル化オレイン酸ヒマシ油、20℃で動的粘度340mPas
W/O乳化剤G:オレイン酸ヒマシ油エトキシレート、20℃で動的粘度470mPas、酸価10mg KOH/g未満。
W/O乳化剤H:12-ヒドロキシステアリン酸ポリエチレングリコールコポリマー、最低数平均分子量5,000amu
W/O乳化剤J:ポリグリセロール脂肪酸部分エステル、液体、20℃で密度0.98g/ml。
W/O乳化剤K:トリデシルアルコールエトキシレート、分子当たり3個のエチレンオキシド部分、HLB値8
W/O乳化剤L:エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマー、融点-27℃、ヒドロキシル価55.6mg KOH/g
W/O乳化剤M:グリセリルカプリレートカプレート
W/O乳化剤N:ヒドロキシステアリン酸ポリグリセロールエステル
W/O乳化剤O:ポリエーテルシロキサン、非イオン性、25℃で粘度600~900mPas
W/O乳化剤P:エトキシル化ヒマシ油、HLB4
溶媒A:ダイズ油メチルエステル
溶媒B:ダイズ油
溶媒C:C11~C14アルカン、イソアルカン及びシクロアルカンを含有する、芳香族を含まない炭化水素溶媒(aromatics depleted hydrocarbon solvent)
[実施例1]
殺有害生物剤Aを含有する農薬製剤AF-1~AF-7を、表1及び2に示される成分を用いて以下のように調製した。溶媒を殺有害生物剤、分散剤及びO/W乳化剤と混合しプレミックスとした。混合は、Ultra-Turrax IKA T18デバイスを用いて16,000rpmで1.5分間行った。次に、250mlの体積のプレミックスを、Getzmannのバスケットミルを用いて3000rpmで20分間、最高温度35℃で、28mlの直径1.0~1.2mmの酸化ジルコニウムビーズを添加しながら摩砕し、原料懸濁液とした。次に、W/O乳化剤を原料懸濁液に添加して、得られた組成物をUltra-Turraxデバイスを用いて5,000rpmで、水を添加しながら再び混合した。水の全量を添加後、農薬製剤をUltra-Turraxデバイスを用いて5,000rpmでさらに2分間混合した。
Figure 2022515139000001
Figure 2022515139000002
Figure 2022515139000003
[実施例2]
殺有害生物剤Bを含有する農薬製剤AF-8~AF-26を、表3~7に示される成分を用いて実施例1と同様に調製した。
Figure 2022515139000004
Figure 2022515139000005
Figure 2022515139000006
Figure 2022515139000007
Figure 2022515139000008
[実施例3]
農薬製剤AF-1~AF-26を20~25℃で2カ月間保存し、それらの保存安定性を目視で分析した。いずれの製剤も、堆積物の形成又は相分離を示さなかった。
[実施例4]
農薬製剤AF-27~AF-34を、表8~10に示される成分を用いて実施例1と同様に調製した。
Figure 2022515139000009
Figure 2022515139000010
Figure 2022515139000011
Figure 2022515139000012
[実施例5]
粘度測定
実施例1及び2の農薬製剤AF-1~AF-26の動的粘度を決定した。測定は、TA instruments製レオメーターAR 2000 exを用いて20℃で行った。レオメーターは、コーンの表面とプレートとの間の角度が1°であるコーンプレート形状であった。測定される農薬製剤の体積2~3mlをプレートに置き、その後コーンをプレート上まで持っていった。せん断応力のデータを、20℃でせん断速度を200/秒まで増加して記録した。
真の粘度は、得られた実験曲線の100/秒のせん断速度での接線の勾配として計算した。見掛け粘度は、100/秒のせん断速度でのせん断応力をせん断速度で除すことにより計算した。見掛け粘度と真の粘度は、ニュートン流体で同等である。表11~14に測定データを要約した。
Figure 2022515139000013
Figure 2022515139000014
Figure 2022515139000015
Figure 2022515139000016
Figure 2022515139000017
[実施例6]
粒度分布
試料AF-27~AF-34の粒度分布を、調製直後及び0℃又は54℃で2週間のインキュベーション後に分析した。Malvern Instruments GmbH製Malvern Mastersizer 2000を用いて測定を行った。それぞれの測定される農薬製剤の試料を過剰の水で希釈し、レーザー回折により0.1~2000μmの範囲で分析した。表15にまとめた結果は、水への希釈時に形成された油滴のサイズ及び農薬製剤中の殺有害生物剤粒子のサイズを反映した。
Figure 2022515139000018
試料AF-28~AF-34の目視では、上記に概説された条件下で相分離は示されなかった。すべての試料のD50値が許容される範囲にあった。
比較例1
殺有害生物剤Bを含有するが水滴は含有しない油分散体OD-1を、表16に示される成分を用いて以下のように調製した。溶媒を殺有害生物剤、分散剤及びO/W乳化剤と混合しプレミックスとした。混合は、Ultra-Turrax IKA T18デバイスを用いて16,000rpmで1.5分間行った。次に、250mlの体積のプレミックスを、Getzmannのバスケットミルを用いて3000rpmで20分間、最高温度35℃で、28mlの直径1.0~1.2mmの酸化ジルコニウムビーズを添加しながら摩砕し、最終製剤OD-1とした。
Figure 2022515139000019
比較例2
OD-1の動的粘度を実施例5と同様に測定した。真の粘度は39.8mPasと決定され、見掛け粘度は44.5mPasと測定された。これらの結果により、水滴が添加されない油分散体の粘度は、顕著に低下することが示された。
[実施例7]
農薬製剤AF-35~AF-45を、表17~19に示される成分を用いて実施例1と同様に調製した。
Figure 2022515139000020
Figure 2022515139000021
Figure 2022515139000022
Figure 2022515139000023
[実施例8]
農薬製剤AF-46~AF-56を、表20~22に示される成分を用いて実施例1と同様に調製した。
Figure 2022515139000024
Figure 2022515139000025
Figure 2022515139000026
Figure 2022515139000027
Figure 2022515139000028
[実施例9]
粘度測定
実施例7及び8の農薬製剤AF-35~AF-56の動的粘度を、製剤の生産直後に決定した。測定は、TA instruments製レオメーターAR 2000 exを用いて20℃で行った。レオメーターは、コーンの表面とプレートとの間の角度が1°であるコーンプレート形状であった。測定される農薬製剤の体積2~3mlをプレートに置き、その後コーンをプレート上まで持っていった。せん断応力のデータを、20℃でせん断速度を200/秒まで増加して記録した。
真の粘度は、得られた実験曲線の100/秒のせん断速度での接線の勾配として計算した。見掛け粘度は、100/秒のせん断速度でのせん断応力をせん断速度で除すことにより計算した。見掛け粘度と真の粘度は、ニュートン流体で同等である。表23~26に測定データを要約した。
Figure 2022515139000029
Figure 2022515139000030
Figure 2022515139000031
Figure 2022515139000032
Figure 2022515139000033
[実施例10]
粘度測定
実施例7及び8の農薬製剤AF-35~AF-56の動的粘度を、製剤の生産後、54℃で14日間の保存後に決定した。測定は、TA instruments製レオメーターAR 2000 exを用いて20℃で行った。レオメーターは、コーンの表面とプレートとの間の角度が1°であるコーンプレート形状であった。測定される農薬製剤の体積2~3mlをプレートに置き、その後コーンをプレート上まで持っていった。せん断応力のデータを、20℃でせん断速度を200/秒まで増加して記録した。
真の粘度は、得られた実験曲線の100/秒のせん断速度での接線の勾配として計算した。見掛け粘度は、100/秒のせん断速度でのせん断応力をせん断速度で除すことにより計算した。見掛け粘度と真の粘度は、ニュートン流体で同等である。表27~30に測定データを要約した。
Figure 2022515139000034
Figure 2022515139000035
Figure 2022515139000036
Figure 2022515139000037
[実施例11]
粒度分布
実施例7及び8の試料AF-35~AF-56の粒度分布を、調製直後及び54℃で2週間のインキュベーション後に分析した。Malvern Instruments GmbH製Malvern Mastersizer 2000を用いて測定を行った。それぞれの測定される農薬製剤の試料を過剰の水で希釈し、レーザー回折により0.1~2000μmの範囲で分析した。表31~34にまとめた結果は、水への希釈時に形成された油滴のサイズ及び農薬製剤中の殺有害生物剤粒子のサイズを反映した。
Figure 2022515139000038
Figure 2022515139000039
Figure 2022515139000040
Figure 2022515139000041
[実施例12]
相分離
試料AF-35~AF-56を、振盪又は撹拌することなく透明なボトル中に54℃で14日間保存した。次に、試料の相分離を分析した。この目的のために、上澄みの高さを測定し、全充填高さと比較した。全充填高さに対する上澄み相の高さを除算することにより、相対的な相分離を計算した。結果を表35~38に要約する。
Figure 2022515139000042
Figure 2022515139000043
Figure 2022515139000044
Figure 2022515139000045
試料AF-35~AF-56の目視では、54℃で2週間のインキュベーション後に堆積物は示されなかった。
驚くべきことに、相分離を示した試料は、それらを含有するボトルの反転により容易に均質化することができた。

Claims (15)

  1. a)水非混和性溶媒を含む連続油相、
    b)連続油相に懸濁された粒子の形態の農薬有効活性成分、及び
    c)連続油相に乳化された水滴
    を含み、増粘剤を実質的に含まない、農薬製剤。
  2. 農薬製剤の全重量に対して少なくとも1wt%の水を含有する、請求項1に記載の農薬製剤。
  3. 粒子が0.5~10μmの平均直径を有する、請求項1又は2に記載の農薬製剤。
  4. 分散剤を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の農薬製剤。
  5. 油中水型乳化剤を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の農薬製剤。
  6. 水中油型乳化剤を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の農薬製剤。
  7. 農薬有効活性成分が、除草剤、殺菌剤、殺虫剤、殺線虫剤、植物成長調節剤、肥料、硝化阻害剤及びウレアーゼ阻害剤から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の農薬製剤。
  8. 連続油相が、炭化水素溶媒、植物油、脂肪酸エステル、植物油のメチルエステル又はエチルエステル、及びこれらの混合物から選択される水非混和性溶媒を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の農薬製剤。
  9. 水非混和性溶媒が、20℃で最大10g/lの水溶解度を有する、請求項8に記載の農薬製剤。
  10. 水滴が最大25μmの平均直径を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の農薬製剤。
  11. 農薬製剤の全重量に対して20~80wt%の濃度で水非混和性溶媒を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の農薬製剤。
  12. 農薬製剤の全重量に対して1~60wt%の濃度で農薬有効活性成分を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の農薬製剤。
  13. 増粘剤が農薬製剤の全重量に対して1wt%の濃度で存在する場合、増粘剤が、農薬製剤の動的粘度を25℃で少なくとも10mPas増加させる、請求項1~12のいずれか一項に記載の農薬製剤。
  14. 請求項1~13のいずれか一項に定義される農薬製剤を調製する方法であって、
    a)農薬有効活性成分と水非混和性溶媒とを接触させることによりプレミックスを準備するステップ、
    b)プレミックスを摩砕して原料懸濁液を形成するステップ、及び
    c)原料懸濁液中に水を乳化させるステップ
    を含む、方法。
  15. 植物病原菌類及び/又は望ましくない植物成長及び/又は昆虫若しくはダニによる望ましくない攻撃を防除する、並びに/或いは植物の成長を調節する方法であって、請求項1~13に定義される農薬製剤を、特定の有害生物、それらの生息地、又は特定の有害生物から保護されるべき植物、土壌、並びに/又は望ましくない植物及び/若しくは有用な植物及び/若しくはそれらの生息地に作用させる、方法。
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