JP2022513767A - ワークピースを機械加工するための切削インサート及び工具 - Google Patents

ワークピースを機械加工するための切削インサート及び工具 Download PDF

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Abstract

切削インサート(12)は、クランプ部(30)と、切削ヘッド(32)と、第1の端部に前記切削ヘッド(32)が配置され、該第1の端部と反対側の第2の端部に、前記クランプ部(30)が配置された片持ちレバーアーム(34)とを有する。片持ちレバーアーム(34)は、クランプ部(30)よりも小さな断面を有し、切削ヘッド(32)は、少なくとも1つの切り刃(56、58)と、前記少なくとも1つの切り刃(56、58)に隣接するすくい面(60)とを備える。すくい面(60)は、切り屑の撓み及び切り屑の破壊を引き起こす切り屑破断用の幾何学的形状(62)を有するレリーフ状表面を含む。【選択図】図5

Description

本発明は、クランプ部と、切削ヘッドと、第1の端部に切削ヘッドが配置され、該第1の端部と反対側の第2の端部に、前記クランプ部が配置された片持ちレバーとを有する切削インサートであって、前記片持ちレバーのアームは、前記クランプ部よりも小さな断面を有し、前記切削ヘッドは、少なくとも1つの切り刃と、前記少なくとも1つの切り刃に隣接するすくい面とを備える、切削インサートに関する。
さらに、本発明は、本発明に係る切削インサートを有する工具に関し、該工具は工具ホルダと締結要素を有し、該工具ホルダは先端部にカップ状の凹部として構成され、前記クランプ部を受け入れる役割を果たす切削インサート受け部を有し、前記締結要素は前記切削インサート受け部内に前記切削インサートを締結する。
このタイプの切削インサート及び関連する工具は、出願人によって「Horn Supermini(登録商標)」という名称で数年間既に市販されている。このタイプの例示的な切削インサート及び工具は、ドイツ特許公開公報101 45 667号、ドイツ特許公開公報10 2015 104 057号及びドイツ特許公開公報10 2016 105 354号から公知である。この工具システムは、用途に応じて、異なる形状の切削ヘッドを有する切削インサートを工具ホルダ内に固定する可能性を提供する。工具システムは、軸方向の溝加工やねじ切り加工だけでなく、孔の溝加工や中空旋削にも適している。工具ホルダと同様に、切削インサートの形状及びサイズにより、上記の工具システムは、直径0.2mmから開始して、小孔の機械加工に特に適している。
本発明に係る切削インサートまたは本発明に係る工具は、夫々切削インサートが、工具ホルダ内の切削インサー受け部に挿入可能なクランプ部を備え、クランプねじによって工具ホルダに固定可能であることが特徴である。「従来の」旋削工具とは対照的に、工具ホルダに設けられた切削インサート受け部は、本発明による工具における止まり穴又はカップ状の凹部の一種として構成される。従って、工具の組立て状態では、切削インサートのクランプ部は、工具ホルダによって取り囲まれた全周に沿って、好ましくは全体がその長手方向に対して直交している。
本発明による切削インサートの別の特徴は、その比較的特殊な形状である。切削インサートは、クランプ部から前方に突出するか又は飛び出す片持ちレバーアームを備える。切削ヘッドは、片持ちレバーアームの前端面部の領域に配置されている。切削ヘッド、片持ちレバーアーム、及びクランプ部は、互いに一体的に接続されている。ブームアームとも呼ばれる片持ちレバーアームは、一般的には、最小の直径を有する部分を形成する。クランプ部は、典型的には、最大の直径を有する切削インサートの部分を形成する。
このタイプの切削インサートは、典型的には棒状の材料から作られる。片持ちレバーアームとその上に配置された切削ヘッドは、固体材料から研削されている。この研削プロセスは、切り刃とすくい面を含む切削ヘッドの幾何学的形状も作り出す。この研削プロセス及び典型的には切削ヘッドの寸法が非常に小さいため、少なくとも1つの切り刃に隣接するすくい面の構成の自由度は、生産上の理由から、比較的限定される。
特に、切り屑形成特性及び切り屑除去特性に関して、改善の可能性が依然として存在する。特に、短い切り屑の発生と、切り屑をできるだけ早く機械加工点から離すように導く切り屑除去特性が望ましい。過度に長い切り屑の発生は、切り屑が切削ヘッドと機械加工されるべきワークピース表面との間に引っ掛かり、ひいてはワークピース表面を傷つける可能性があるという欠点を有する。さらに、切り屑は、切削インサートの片持ちレバーアームの周りを包むことがあり、これは、最悪の場合、切削インサート又はその片持ちレバーアームの破損につながる可能性がある。
従って、本発明は、特に切り屑形成特性及び切り屑除去流動特性に関して、上述のタイプの切削インサート及び工具を改善する目的に基づく。
この目的は、すくい面が、切り屑の撓み、ひいては切り屑の破損を引き起こす切り屑破断用の幾何学的形状を有するレリーフ状表面を備えるという点で、上述したタイプの切削インサートに基づいて解決される。
従って、本発明による切削インサートのすくい面は滑らかな面として構成されておらず、起伏のある又はレリーフ状の面として構成されている。レリーフ状の面は、すくい面に導入される1以上の凹部及び/又は1以上の隆起を備える。このレリーフ状の面は切り屑の撓みを促進し、切り屑の破壊を促進する切り屑破断用の幾何学的形状を形成する。
これは、できるだけ短いチップの生成に関して特に有利な効果を有する。更に、すくい面の切り屑破断用の幾何学的形状により、機械加工点(少なくとも1つの切り刃)から離す、最も好ましい切り屑除去流れが可能になる。
このタイプの切削インサートに関して、すくい面上又はすくい面内にこのような切り屑破断用の幾何学的形状を生成することは以前には不可能であった。この種の切削インサートでは、切削ヘッドまたは切削領域が比較的小さい。さらに、すでに述べたように、切削インサートは、中実の棒状材料から研削される。従って、切り屑を破断する幾何学的形状を持たない平坦なすくい面を製造することしかできなかった。
しかしながら、今や、本発明によるタイプの切削インサートのすくい面に、切り屑を破断する幾何学的形状を導入することもできることが分かっている。切り屑破断用の幾何学的形状は、好ましくはプレス又はレーザ切削によってすくい面に導入することができる。
プレス加工は、隆起構造と凹状構造の両方を作製できるという利点を有する。これは、設計の比較的大きな自由度を可能にする。さらに、切削ヘッドを中実材料から研削することによって、複雑な製造法に比べて製造コストを低減することができる。
好ましくは、切削ヘッドはプレス加工され、ここで、切り屑破断用の幾何学的形状は、プレス工程中にすくい面に直接導入される。続いて、切削ヘッドの一部(例えば少なくとも1つの切り刃)のみを再研磨する必要がある。
レーザ切削を使用して、切削インサートのすくい面に切り屑破断用の幾何学的形状を導入することもできる。しかしながら、プレスとは異なり、レーザ切削によって凹状構造のみが作製され得る。
本発明の改良例によれば、切り屑破断用の幾何学的形状は隆起構造を含む。本文脈では、隆起構造は、すくい面の残りの部分に対して上方に突出する成形要素を意味すると理解される。従って、隆起構造は、隆起として理解することもできる。
代替の改良例によれば、切り屑破断用の幾何学的形状は、凹状構造を含む。この場合、凹部がすくい面に導入されることが好ましい。この凹部は、すくい面の残りの部分に対して凹んだ局所的な凹部として配置される。
更なる改良例によれば、切り屑破断用の幾何学的形状の第1の部分は、隆起構造を含み、切り屑破断用の幾何学的形状の第2の部分は、凹状構造を含む。従って、この実施形態では、切り屑破断用の幾何学的形状は、隆起構造及び凹状構造の両方を含む。隆起構造及び凹状構造は、切削面に対するそれらの配置を指すのが好ましい。
好ましい改良例によれば、少なくとも1つの切り刃は、共通の切削面内に位置する第1及び第2の切り刃を含み、切り屑破断用の幾何学的形状は、前記切削面に対して隆起及び/又は凹んでいる。
切り屑破断用の幾何学的形状は、好ましくは、少なくとも1つの切り刃の全長に沿って延びる。上述の2つの切り刃の場合、切り屑破断用の幾何学的形状は、両切り刃の全長に沿って延びるのが好ましい。切り屑破断用の幾何学的形状は、すくい面上の少なくとも1つの切り刃にオフセットして配置されることが好ましい。即ち、少なくとも1つの切り刃に直接隣接していないことが好ましい。
更なる改良例によれば、切り屑破断用の幾何学的形状を含むすくい面は鏡面対称である。鏡面対称性は、切削ヘッドをほぼ等しいサイズの2つの半体に分割する対称面に関して存在するのが好ましい。
更なる改良例によれば、少なくとも1つの切り刃は、共通の切削面内に位置し、互いに対して90°以下の角度で配向された第1及び第2の切り刃を備える。2つの切り刃は、直線状の切り刃であることが好ましい。2つの切り刃は、切削ヘッドを上から見たときに形状がほぼ三角形であるように、互いに対して鋭角を成す。
好ましくは、第1及び第2の切り刃は、切削面内に存在する弓形の刃を介して互いに接続される。従って、前記三角形の先端は、丸みを帯びていることが好ましい。2つの主たる直線状の切り刃(第1及び第2の切り刃)を結ぶ弓形の刃は、ワークピースを機械加工するための切り刃として使用することもできる。しかしながら、それは、必ずしも切り刃として使用される必要はなく、そのため、それは、本明細書では、刃(切り刃ではない)と呼ばれる。弓形の刃は、好ましくは、半径として構成され、この半径は、用途に応じて異なるサイズとすることができる。原則として、半径は非常に小さくてもよく、その結果、三角形の前述の先端は実質的に尖っている。
更なる改良例によれば、クランプ部の上面は凸状に湾曲しており、クランプ部の下面は、少なくとも3つの部分面、すなわち、上面に対向して凸状に湾曲した第1の部分面と、互いに対向した第2及び第3の部分面とを備え、第2及び第3の部分面は平面として構成されて、互いに鋭角を成し、第2及び第3の部分面は、第1の部分面を介して互いに接続されている。
本文脈において、「凸状」は、「平面から突出する」又は「外側に膨らむ」ことを意味すると理解される。従って、切削インサートの凸状上側の断面形状は、必ずしも丸く、楕円又は半円である必要はなく、また、角度を成してもよく、又は一定でない方向を有することもできる。
切削インサートのクランプ部の断面は、上記の改良例によれば、ほぼティアドロップ形状である。工具ホルダとの切削インサートの接触は、各々が平面として構成された第2の部分面及び第3の部分面を介して行われる。これにより、ホルダ内で機械的に安定したインサート嵌めが可能になる。
代替の改良例において、クランプ部は、実質的に円筒形の断面を有する。以上のようなティアドロップ形状の断面は、インサート座の安定性に関して機械的な観点から有利であることは事実である。しかしながら、円筒形の断面を有するクランプ部の断面は、特に、上述のように切削インサートが棒状の材料から作られるので、製造がはるかに容易である。
上述の特徴及び以下に説明される特徴は、各場合に示される組み合わせにおいてのみならず、他の組み合わせにおいても、またはそれら自体においても、本発明の範囲から逸脱することなく、使用され得ることが理解されるべきである。
本発明の実施形態は、図面に示され、以下の説明においてより詳細に説明される。
本発明による工具の一実施形態の斜視図を示す。 図1に示す本発明による実施形態の工具の分解図を示す。 図1に示す本発明による実施形態の工具の縦断面図を示す。 図1に示す本発明による実施形態の工具の断面図を示す。 本発明による第1の実施形態の切削インサートの斜視図を示す。 図5に示す切削インサートの詳細図を示す。 本発明による第2の実施形態の切削インサートの斜視図を示す。 図7に示す切削インサートの詳細図を示す。 本発明による第3の実施形態の切削インサートの斜視図を示す。 図9に示す切削インサートの詳細図を示す。
図1乃至図4は、本発明による工具の一実施形態を斜視図、分解図、縦断面図及び断面図で示す。本発明による工具は、その全体が符号10で示されている。図5乃至図10は、本発明による工具に使用することができる本発明による切削インサートの3つの異なる実施形態を示す。夫々の場合において、切削インサートは、その全体が符号12で示されている。
工具10は、切削インサート12と、工具ホルダ14とを備える。切削インサート12は、締結要素16によって工具ホルダ14に、または工具ホルダ14の中に締結されることができる。
工具ホルダ14は、ホルダ長手軸線18に実質的に沿って延び、前端面部20に切削インサート受け部22を備えている。切削インサート受け部22は、カップ状の凹部の形態で工具ホルダ14に導入される。このカップ状の凹部は、工具ホルダ14に一種の止まり穴を形成している。
ここで使用される「カップ状の凹部」とは、切削インサート受け部22を形成する凹部が閉じた周壁を有する工具ホルダ14内のキャビティであり、該閉じた周壁がホルダ長手軸線18に対して周方向であり、工具ホルダ14の前端面部20に向かって開口していることを明らかにしている。換言すれば、カップ状の凹部は、工具ホルダ14内に形成され、ホルダ長手軸線18の周囲の全てが工具ホルダ14に取り囲まれているが、「カップ状の凹部」という用語は、任意の特定の断面形状に限定されるものではない。この凹部の断面は、複雑な形状を有していてもよい。切削インサート受け部22となるカップ状の凹部は、工具ホルダ14の内部に基部又は内側ストッパを有する。しかしながら、この基部又は内側ストッパは、閉鎖壁である必要はない。以下にさらに説明するように、例えば、工具ホルダ14の内部の1つまたは複数の孔は、カップ状の凹部または切削インサート受け部22に隣接することができる。
図3及び図4に示す縦断面図及び断面図から特に分かるように、切削インサート12は、少なくとも一部が切削インサート受け部22に挿入された工具の組み立て状態にあり、締結要素16によって工具ホルダ14に固定されている。締結要素16は、この場合においてねじとして構成される。ねじ16は、工具ホルダ14に配置された雌ねじ26に係合する雄ねじを含む。雌ねじ26は、好ましくはホルダ長手軸線18に直交して延びるねじ軸28に沿って延びている。
組み立てられた状態では、ねじ16が工具10を上方から切削インサート12に押し付けるのが好ましく、それによって切削インサート12がその下側を切削インサート受け部22内に押し付けられる。組み立てられた状態では、切削インサート12は、工具ホルダ14にその下側のみ接触し、ねじ16がその上側に接触する。
しかしながら、原則として、切削インサート12を、ドイツ公開公報10 2015 104 057号から知られているような固定要素を用いて工具ホルダ14内に固定することも可能である。
切削インサート12は、クランプ部30と、切削ヘッド32と、片持ちレバーアーム34とを備える。片持ちレバーアーム34は、切削ヘッド32をクランプ部30に接続する。切削ヘッド32は、片持ちレバーアーム34の第1の端部または前端部に配置される。クランプ部30は、片持ちレバーアーム34の反対側の第2の端部又は後端部に配置されている。クランプ部30、片持ちレバーアーム34及び切削ヘッド32は、互いに一体的に接続されていることが好ましい。
現在示されている実施形態では、クランプ部30は、実質的にティアドロップ形状の断面(図4参照)を有する。クランプ部30の上面36は凸状に湾曲している。上面36に対向するクランプ部30の下面38は、3つの部分面40、42、44に分割されている。第1の部分面40は、上面36に対向しており、凸状に湾曲している。第2及び第3の部分面42、44は互いに対向し、第1の部分面40によって互いに接続されている。第2及び第3の部分面42、44は、夫々平担面として構成される。工具10の組み立て状態では、切削インサート12のクランプ部30は、その下面38全体と共に工具ホルダ14に当接しないことが好ましい。
工具ホルダ14との当接は、2つの平坦な部分面42、44を介して行われるが、クランプ部30の第1の部分面40は、工具ホルダ14と直接接触しない。平担面として構成された2つの部分面42、44は、切削インサート受け部22の内部に配置された対応する当接面46、48に対して置かれている。2つの部分面42、44及び2つの当接面46、48の両方は、夫々互いに対して鋭角をなして延びている。当接面46、48は、好ましくは、平坦面としても構成される。原則として、部分面42、44は、工具ホルダ14又はカップ状の切削インサート受け部22の内壁に、全面に亘って、または直線的に、即ち線又は直線に沿ってのみ、当接することができる。
図4に更に示されるように、切削インサート冷却剤通路50は、切削インサート12の内部を貫通して延在する。また、切削インサート冷却剤通路50は、本実施形態では中心から外れて配置されている。冷却剤は、工具ホルダ14の内部を通って延びる冷却剤主通路52を通って切削インサート冷却剤通路50に入る。冷却剤は、クランプ部30の前側に配置された冷却剤出口開口部54から切削インサート冷却剤通路50を出る。これにより、切削インサート冷却剤通路50並びに冷却剤出口開口部54は、得られた冷却剤の噴流が好ましくは切削ヘッド32の方向に向けられるように配列される。
図5乃至図10に示す切削インサート12の3つの実施形態では、夫々の切削ヘッド32の形状が本質的に異なる。より具体的には、3つの実施形態は、すくい面の形状及び形態が異なる。
図5乃至図10に示す全ての3つの実施形態は共通して、切削ヘッド32が少なくとも1つの切り刃56を含む。ここに示される3つの実施形態の各々において、切削ヘッド32はまた、第2の切り刃58を備える。しかしながら、原則として、切削ヘッド32は、本発明の範囲から逸脱することなく、1つの切り刃のみを備えてもよい。
切削ヘッドの少なくとも1つの切り刃56、58に、すくい面60が隣接している。ここに示された3つの実施形態は全て、すくい面60が切り屑の撓みを生じさせ、ひいては切り屑の破断を引き起こす切り屑破断用の幾何学的形状62を有するレリーフ状表面を含むことも共通して有する。しかしながら、レリーフ状表面の形状または切り屑破断用の幾何学的形状62の形状は、夫々、一実施形態と他の実施形態との間で異なる。
図5及び図6に示す第1の実施形態では、切り屑破断用の幾何学的形状62は、すくい面60内に導入される凹状構造64として構成される。ここで、切り屑破断用の幾何学的形状62を形成する凹部64は、2つの切り刃56、58が存在する切削面に対して、凹み又は下方にオフセットされている。
図7及び図8に示される第2の実施形態では、切り屑破断用の幾何学的形状62は、すくい面60から上方に突出する隆起構造66として構成される。従って、切り屑破断用の幾何学的形状62は、ここでは隆起構造66によって形成される。この場合、隆起構造66は、切り刃56、58に直接隣接していない。しかしながら、図5及び図6に示される第1の実施形態のように、この場合も切り屑破断用の幾何学的形状62は、2つの切り刃56、58の夫々の全長に沿って延びているのが好ましい。
図9及び図10に示す実施形態は、第1の実施形態と第2の実施形態の一種の組み合わせである。ここで、切り屑破断用の幾何学的形状62は、切削面に対して下方にオフセットされる凹部64と、切削面に対して上方に突出する隆起構造66との両方を備える。凹部64は、2つの切り刃58に直接隣接している。凹部64は、切り刃56、58と隆起構造66との間に配置されている。
3つの実施形態全ての切り屑破断用の幾何学的形状62は、好ましくは、プレス加工によって製造される。好ましくは、切削ヘッド32全体が単一のプレス操作で製造され、2つの切り刃56、58のようなより小さな部分のみが、その後、研削によって機械加工される。
或いは、切削ヘッド32のレーザ加工によって、切り屑破断用の幾何学的形状62を製造することが可能である。しかしながら、このようなレーザ加工は、図5及び図6に示されているような、凹状構造64として切り屑破断用の幾何学的形状62を作製することのみを可能にする。
3つの全ての実施形態に従って、すくい面60は、好ましくは、第1及び第2の切り刃56、58の夫々から同じ距離にある対称面に関して鏡面対称である。第1及び第2の切り刃56、58は既に述べたように、共通の切削面内にあるのが好ましい。第1及び第2の切り刃56、58は、好ましくは、互いに対して90°以下の角度で延びる。第1及び第2の切り刃56、58は、弓形の刃68を介して互いに接続されるのが好ましい。この弓形の刃は、切削ヘッド32の先端を形成する。弓形の刃68はまた、第1及び第2の切り刃56、58が存在する切削面内に配置されることが好ましい。
しかしながら、ここに示されていない他の実施形態では、すくい面60は、原則として非対称に構成することもできることに留意されたい。これは、特に工具がプレス又はドローカットの何れに使用されるかに応じて、異なる切り屑の厚さが生じ、異なる幾何学的形状を必要とするためであることが理解される。
最後に切り刃56、58は、必ずしも真っ直ぐな切り刃として構成される必要はないことに留意されたい。原理的には、切り刃56、58も弓形の切り刃として構成することができる。ここに示される切削ヘッドの形状は、単に、切削ヘッド32の様々な可能な形状の例として役立つ。切り刃56、58と同様に、すくい面60の形状も必要に応じて変えることができる。自由形状表面として構成される切り屑破断用の幾何学的形状62もまた、形状を変えることができるのが好ましい。しかしながら、それは、基本的に、すくい面60がレリーフ状の表面を有するように、凹み及び/又は隆起部として設計される。同様に、クランプ部30の形状は、必ずしもここに示される形状に対応する必要はない。クランプ部30は、原理的には、円筒形断面を含むこともできる。

Claims (15)

  1. クランプ部(30)と、切削ヘッド(32)と、第1の端部に前記切削ヘッド(32)が配置され、該第1の端部と反対側の第2の端部に、前記クランプ部(30)が配置された片持ちレバーアーム(34)とを有し、
    前記片持ちレバーアーム(34)は、前記クランプ部(30)よりも小さな断面を有し、前記切削ヘッド(32)は、少なくとも1つの切り刃(56、58)と、前記少なくとも1つの切り刃(56、58)に隣接するすくい面(60)とを備える、切削インサート(12)において、
    前記すくい面(60)は、切り屑の撓み、従って切り屑の破壊を引き起こす切り屑破断用の幾何学的形状(62)を有するレリーフ状表面を含む、切削インサート。
  2. 前記切り屑破断用の幾何学的形状(62)は、プレス加工によって製造される、請求項1に記載の切削インサート。
  3. 前記切り屑破断用の幾何学的形状(62)は、レーザ切削によって前記すくい面(60)に導入される、請求項1に記載の切削インサート。
  4. 前記切り屑破断用の幾何学的形状(62)は、隆起構造(66)を備える、請求項1又は2に記載の切削インサート。
  5. 前記切り屑破断用の幾何学的形状(62)は、凹状構造(64)を備える、請求項1乃至3の何れかに記載の切削インサート。
  6. 前記切り屑破断用の幾何学的形状(62)の第1の部分は、隆起構造(66)を備え、前記切り屑破断用の幾何学的形状(62)の第2の部分は、凹状構造(64)を備える、請求項1又は2に記載の切削インサート。
  7. 前記少なくとも1つの切り刃(56、58)は、共通の切削面内に位置する第1及び第2の切り刃(56、58)を含み、前記切り屑破断用の幾何学的形状(62)は、前記切削面に対して隆起及び/又は凹んでいる、請求項1乃至6の何れかに記載の切削インサート。
  8. 前記切り屑破断用の幾何学的形状(62)は、前記少なくとも1つの切り刃(56、58)の全長に沿って延びる、請求項1乃至7の何れかに記載の切削インサート。
  9. 前記切り屑破断用の幾何学的形状(62)を含む前記すくい面(60)は、鏡面対称である、請求項1乃至8の何れかに記載の切削インサート。
  10. 前記少なくとも1つの切り刃(56、58)は、共通の切削面内に位置し、互いに対して90°以下の角度で配向された第1及び第2の切り刃(56、58)を含む、請求項1乃至9の何れかに記載の切削インサート。
  11. 前記少なくとも1つの切り刃(56、58)は、前記切削面内に存在する弓形の刃(68)を介して互いに接続される、請求項10に記載の切削インサート。
  12. 前記クランプ部(30)の上面(36)が凸状に湾曲しており、クランプ部(30)の下面(38)が、少なくとも3つの部分面(40、42、44)、即ち、上面(36)に対向して凸状に湾曲した第1の部分面(40)と、互いに対向する第2及び第3の部分面(42、44)とを備え、該第2及び第3の部分面(42、44)は互いに対して鋭角に延びる面として構成され、第2及び第3の部分面(42、44)が、第1の部分面(40)を介して互いに接続されている、請求項1乃至11の何れかに記載の切削インサート。
  13. 前記クランプ部(30)は、実質的にティアドロップ形状の断面を有する、請求項1乃至12の何れかに記載の切削インサート。
  14. 前記クランプ部(30)は、実質的に円筒形の断面を有する、請求項1乃至13の何れかに記載の切削インサート。
  15. 請求項1乃至14の何れかに記載の切削インサート(12)と、
    工具ホルダ(14)内にカップ状の凹部として構成され、クランプ部(30)を受け入れるように機能する切削インサート受け部(22)を前端部(20)に備える工具ホルダ(14)と、
    切削インサート(12)を切削インサート受け部(22)に固定するための締結要素(16)を備える、ワークピースを機械加工するための工具。
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