JP2022510303A - 痛風または高尿酸血症を処置または予防するための方法 - Google Patents

痛風または高尿酸血症を処置または予防するための方法 Download PDF

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Abstract

【解決手段】(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d4)メタノンおよびその溶媒和物の投与を含む、痛風または高尿酸血症を処置または予防するための方法が本明細書に記載される。【選択図】図9

Description

相互参照
本出願は、2018年12月6日に出願された米国仮特許出願第62/776,251号の利益を主張するものであり、当該文献は参照により全体として本明細書に組み込まれる。
高尿酸血症は、尿酸の過剰生成または過剰分泌によって引き起こされ、生活の質を著しく損なう複数の疾患の原因因子と考えられている。例えば、炎症性関節炎の代表格である痛風は、高尿酸血症が原因と考えられており、尿酸塩結晶の蓄積による関節の激しい痛みや圧迫感を特徴としている。血清尿酸(sUA)を低下させる効果があり、かつ毒性が低い痛風/高尿酸血症の治療薬の特定は、患者に有益な影響を与えることになる未だ解決されていないニーズを表している。
1つの態様では、個体における高尿酸血症または痛風を処置または予防するための方法が本明細書に記載され、上記方法は、本明細書に記載される、治療上有効な量の(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンまたはその溶媒和物を個体に投与する工程を含み、ここで、治療上有効な量は約3mg~約1500mgである。いくつかの実施形態では、個体における高尿酸血症を処置または予防するための方法がある。いくつかの実施形態では、個体における高尿酸血症を処置するための方法がある。いくつかの実施形態では、個体における高尿酸血症を予防するための方法がある。いくつかの実施形態では、個体における痛風を処置または予防するための方法がある。いくつかの実施形態では、個体における痛風を処置するための方法がある。いくつかの実施形態では、個体における痛風を予防するための方法がある。いくつかの実施形態では、治療上有効な量の(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンまたはその溶媒和物は、約3mg~約600mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量の(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンまたはその溶媒和物は、約5mg~約300mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量の(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンまたはその溶媒和物は、約10mg~約200mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量の(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンまたはその溶媒和物は、経口投与される。いくつかの実施形態では、治療上有効な量の(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンまたはその溶媒和物は、食物とともに摂取される。いくつかの実施形態では、治療上有効な量の(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンまたはその溶媒和物は、食物なしで摂取される。いくつかの実施形態では、治療上有効な量の(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンまたはその溶媒和物は、一日1回経口投与される。いくつかの実施形態では、治療上有効な量の(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンまたはその溶媒和物は、一日2回経口投与される。いくつかの実施形態では、治療上有効な量の(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンまたはその溶媒和物は、少なくとも1つの追加の治療薬とともに投与される。いくつかの実施形態では、治療上有効な量の(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンまたはその溶媒和物は、キサンチンオキシダーゼ阻害剤とともに投与される。いくつかの実施形態では、治療上有効な量の(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンまたはその溶媒和物は、アロプリノール、オキシプリノール、フェブキソスタット、トピロキソスタット、およびイノシトールから選択されたキサンチンオキシダーゼ阻害剤とともに投与される。いくつかの実施形態では、治療上有効な量の(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンまたはその溶媒和物は、ナトリウムグルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤とともに投与される。いくつかの実施形態では、治療上有効な量の(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンまたはその溶媒和物は、カナグリフロジン、ダパグリフロジン、エンパグリフロジン、エンパグリフロジン/リナグリプチン、エンパグリフロジン/メトホルミン、およびダパグリフロジン/メトホルミンから選択されたSGLT2阻害剤とともに投与される。いくつかの実施形態では、治療上有効な量の(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンまたはその溶媒和物は、キサンチンオキシダーゼ阻害剤およびSGLT2阻害剤とともに投与される。いくつかの実施形態では、治療上有効な量の(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンまたはその溶媒和物は、キサンチンオキシダーゼ阻害剤およびSGLT2阻害剤とともに投与され、ここで、キサンチンオキシダーゼ阻害剤はアロプリノール、オキシプリノール、フェブキソスタット、トピロキソスタット、およびイノシトールから選択され、ならびに、SGLT2阻害剤は、カナグリフロジン、ダパグリフロジン、エンパグリフロジン、エンパグリフロジン/リナグリプチン、エンパグリフロジン/メトホルミン、およびダパグリフロジン/メトホルミンから選択される。
他の態様では、高尿酸血症または痛風の処置または予防のための医薬組成物があり、ここで、医薬組成物は、治療上有効な量の(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンの結晶またはその溶媒和物と、薬学的に許容可能な担体、希釈剤、および賦形剤から選択された少なくとも1つの不活性成分とを含み、ここで、治療上有効な量は約3mg~約1500mgである。いくつかの実施形態では、個体における高尿酸血症の処置または予防のための医薬組成物がある。いくつかの実施形態では、個体における高尿酸血症の処置のための医薬組成物がある。いくつかの実施形態では、個体における高尿酸血症の予防のための医薬組成物がある。いくつかの実施形態では、個体における痛風の処置または予防のための医薬組成物がある。いくつかの実施形態では、個体における痛風の処置のための医薬組成物がある。いくつかの実施形態では、個体における痛風の予防のための医薬組成物がある。いくつかの実施形態では、治療上有効な量の(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンまたはその溶媒和物は、約3mg~約600mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量の(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンまたはその溶媒和物は、約5mg~約300mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量の(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンまたはその溶媒和物は、約10mg~約200mgである。いくつかの実施形態では、(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンまたはその溶媒和物の医薬組成物は、経口投与される。いくつかの実施形態では、(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンまたはその溶媒和物の医薬組成物は、食物ともに摂取される。いくつかの実施形態では、(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンまたはその溶媒和物の医薬組成物は、食物なしで摂取される。いくつかの実施形態では、(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンまたはその溶媒和物の医薬組成物は、一日1回経口投与される。いくつかの実施形態では、(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンまたはその溶媒和物の医薬組成物は、一日2回経口投与される。いくつかの実施形態では、(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンまたはその溶媒和物の医薬組成物は、少なくとも1つの追加の治療薬とともに投与される。いくつかの実施形態では、(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンまたはその溶媒和物の医薬組成物は、キサンチンオキシダーゼ阻害剤とともに投与される。いくつかの実施形態では、(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンまたはその溶媒和物の医薬組成物は、アロプリノール、オキシプリノール、フェブキソスタット、トピロキソスタット、およびイノシトールから選択されたキサンチンオキシダーゼ阻害剤とともに投与される。いくつかの実施形態では、(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンまたはその溶媒和物の医薬組成物は、SGLT2阻害剤とともに投与される。いくつかの実施形態では、(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンまたはその溶媒和物の医薬組成物は、カナグリフロジン、ダパグリフロジン、エンパグリフロジン、エンパグリフロジン/リナグリプチン、エンパグリフロジン/メトホルミン、およびダパグリフロジン/メトホルミンから選択されたSGLT2阻害剤とともに投与される。いくつかの実施形態では、(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンまたはその溶媒和物の医薬組成物は、キサンチンオキシダーゼ阻害剤とSGLT2阻害剤とともに投与される。いくつかの実施形態では、(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンまたはその溶媒和物の医薬組成物は、キサンチンオキシダーゼ阻害剤とSGLT2阻害剤とともに投与され、ここで、キサンチンオキシダーゼ阻害剤はアロプリノール、オキシプリノール、フェブキソスタット、トピロキソスタット、およびイノシトールから選択され、ならびに、SGLT2阻害剤は、カナグリフロジン、ダパグリフロジン、エンパグリフロジン、エンパグリフロジン/リナグリプチン、エンパグリフロジン/メトホルミン、およびダパグリフロジン/メトホルミンから選択される。
引用による組み込み
本明細書で言及されるすべての公開物、特許、および特許出願は、適用可能かつ関連する範囲で、ならびに、あたかも個々の公開物、特許、または特許出願がそれぞれ参照により本明細書に具体的かつ個別に組み込まれるのと同じ程度にまで、参照により本明細書に組み込まれている。
絶食状態での化合物1(15mg、50mg、100mg、および150mg)の単回経口投与後の化合物1の平均血漿濃度プロファイルを例証する。 絶食状態対摂食状態での50mgでの化合物1の単回経口投与後の化合物1の平均血漿濃度プロファイルを例証する。 絶食状態での化合物1(15mg、50mg、100mg、および150mg)の単回経口投与後の化合物1AUCの用量比例性を例証する。 絶食状態での化合物1(15mg、50mg、100mg、および150mg)の単回経口投与後の化合物1Cmaxの用量比例性を例証する。 絶食条件下での様々な投与量での化合物1の単回経口投与の平均血清尿酸値(mg/dL)を例証する。 絶食条件下での様々な投与量での化合物1の単回経口投与後のベースラインからの時間一致した(1日目)血清尿酸濃度のパーセント変化の平均を例証する。 絶食状態対摂食状態での50mgの化合物1の単回経口投与後のベースラインからの時間一致した(1日目)血清尿酸濃度の平均パーセントの変化を例証する。 絶食条件下において様々な投与量で10日間、化合物1を1日一回経口投与した後の化合物1の平均血漿濃度プロファイルを例証する。 絶食条件下において様々な投与量で10日間、化合物1を1日一回経口投与した後の平均血清尿酸値(mg/dL)を例証する。 絶食条件下において様々な投与量で10日間、化合物1を1日一回経口投与した後のベースラインからの時間一致した(1日目)血清尿酸濃度のパーセント変化の平均を例証する。
ベンズブロマロンは、血清尿酸値sUAを低下させ、痛風を処置するのに有効な尿酸排泄薬である。ベンズブロマロンを使用する治療では、単回の投与でもsUAが低下し、複数回の投与でも低下し続けること、および、慢性的に治療することでsUAを目標値である6mg/dL未満にすることができることがわかっている。しかしながら、特定の患者では、ベンズブロマロンは肝毒性に関連付けられている。これらの患者の大部分は急性肝不全を発症し、死亡または緊急肝移植に至っている。その結果、ベンズブロマロンは米国での使用が承認されなかった。加えて、欧州では、ベンズブロマロンの肝毒性のため、2003年に販売中止となった。ベンズブロマロンは、CYP2C9により反応性代謝物に変換される。ベンズブロマロンは、CYP2C9により6-OHベンズブロマロンを介して、5,6-ジヒドロキシベンズブロマロンに代謝され、その後、5,6-ジヒドロキシベンズブロマロンが酸化されて反応性のオルトキノン中間体が得られる。ベンズブロマロンの肝毒性のメカニズムは、CYP2C9による肝代謝と、ミトコンドリア機能に対する6-OHベンズブロマロンおよびそのさらなる代謝物の影響の可能性の結果であると考えられている(Iwamura et al., Drug Metabolism and Disposition, 2011, 39, 838-846; Uchida et al., Drug Metab. Pharmacokinet., 2010, 25, 605-610)。
Figure 2022510303000002
(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノン(化合物1)、ベンズブロマロンの4,5,6,7-テトラ重水素(tertradeutero)アナログが本明細書に記載される。化合物1はベンズブロマロンよりも優れたインビトロURAT1効力を示した。化合物1はさらにベンズブロマロンと比較して、改善された代謝プロファイルを実証した。化合物1は、ヒトミクロソーム中のベンズブロマロンよりも安定している。化合物のCYP2C9代謝経路は著しく減少し、6-OHベンズブロマロン5、6-ジ-OHベンズブロマロン代謝物は形成されない。したがって、化合物1は、改善された肝毒性プロファイルを有する、高尿酸血症および痛風の処置のための有望な治療剤を表す。
化合物1
1つの実施形態では、(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンがある。「化合物1」または「(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノン」は、以下の構造を有する化合物を指す:
Figure 2022510303000003
いくつかの実施形態では、化合物1は溶媒付加形態(溶媒和物)を含む。溶媒和物は、化学量論または非化学量論のいずれかの量の溶媒和物を含み、薬学的に許容可能な溶媒、例えば、水、エタノール、メタノール、tert-ブチルメチルエーテル(MTBE)、ジイソプロピルエーテル(DIPE)、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、イソプロピルアルコール、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ニトロメタン、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン(DCM)、ジオキサン、ヘプタン、トルエン、アニソール、アセトニトリルなどを用いる、生成物の形成または単離のプロセス中に形成される。いくつかの実施形態では、溶媒和物は、限定されないが、クラス3の溶媒和物を用いて形成される。いくつかの実施形態では、溶媒和物は、限定されないが、クラス2の溶媒和物を用いて形成される。溶媒のカテゴリーは、例えば、International Conference on Harmonization of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Use (ICH),”Impurities: Guidelines for Residual Solvents,Q3C(R3),(R6)”(October 2016)で定義されている。水和物は溶媒が水である場合に形成され、アルコラートは溶媒がアルコールの際に形成される。
他の実施形態では、化合物1は、限定されないが、非晶相、結晶形態、粉砕された形態、およびナノ微粒子形態を含む様々な形態で調製される。
任意の特定の理論に縛られることなく、特定の固体形態は、医薬品剤形および治療用剤形に適切な物理的特性、例えば、安定性、溶解性、および溶解速度を特徴とする。さらに、任意の特定の理論に縛られることなく、特定の固体形態は、特定の固体形態を固形剤形の製造に適したものとする特定のプロセス(例えば、収率、濾過、洗浄、乾燥、粉砕、混合、錠剤化、流動性、溶解、製剤、および凍結乾燥)に影響を与える物理的特性(例えば、密度、圧縮性、硬度、形態、切断、粘着性、溶解性、水の取り込み、電気的特性、熱的挙動、固体状態反応性、物理的安定性、および化学的安定性)を特徴とする。こうした特性は、本明細書に記載されるように、固体状態の分析技術(例えば、X線回折、顕微鏡検査法、分光法、および熱分析)を含む特定の分析的な化学的技術を使用して決定することができる。
特定の用語
他に定義されていない限り、本明細書で使用されているすべての技術的および科学的用語は、主張された主題が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されているものと同じ意味を有する。前述の一般的な記載および以下の詳細な記載は例示的かつ説明的なものに過ぎず、任意の主題に限定されるものではないことが理解されよう。本出願では、単数の使用は、特別に別記しない限り複数を含む。明細書および添付の請求項内で用いられる場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、その文脈が明確に他のことを定めていない限り、複数の指示対象を含む。本出願において、「または」の使用は特に明記しない限り、「および/または」を意味する。さらに、用語「含む(including)」の使用は、「含む(include)」、「含む(includes)」、および「含まれる(included)」といった他の形態と同じく、限定的なものではない。用語「含んでいる(comprising)」(および、「含む(comprise)」または「含む(comprises)」、または「有している(having)」または「含んでいる(including)」などの関連語)は、他の実施形態において、例えば、本明細書に記載される任意の合成物、組成物、方法、またはプロセスなどの実施形態が、記載された特徴「~からなる」または「~から本質的になる」場合があることを除外することを意図したものではない。数または数の範囲について言及するときの用語「約」は、言及される数または数の範囲が、実験的な可変性の範囲内の(または統計的実験誤差内の)概算であることを意味し、ゆえに、数または数の範囲は明示された数または数の範囲の1%-15%の間で変動することがある。
本明細書で使用されている節の見出しは、整理を目的としたものであり、記載されている主題を限定するものとして解釈されるものではない。限定されないが、特許、特許出願、記事、書籍、説明書、および論文を含む、出願で引用されるすべての文献または文献の一部は、全体として引用されることによって明確に組み込まれる。
本明細書に使用されるように、製剤、組成物、または成分に関して、「許容可能な」または「薬学的に許容可能な」との用語は、処置される被験体の全般的な健康に対して持続的で有害な効果を及ぼさないこと、または、化合物の生物活性または特性を抑止せず、比較的無毒である、ということを意味する。
本明細書で使用されるように、特定の化合物または医薬組成物を投与することによる、特定の疾患、障害、または疾病の症状の「寛解」は、永久的であるか一時的であるか、持続性であるか一過性であるかにかかわらず、化合物または組成物の投与に起因または関連し得る、重篤度を減らし、発症を遅らせ、進行を遅らせ、または期間を短くすることを指す。
「バイオアベイラビリティ」とは、研究される動物またはヒトの全身循環に送達される、投与される化合物1のパーセンテージを指す。静脈内投与されたときの薬物の総曝露(AUC(0-∞))は一般に、100%生物学的利用能(F%)であるとして定義される。「経口バイオアベイラビリティ」とは、静脈注射と比較して、医薬組成物が経口で摂取されるときに化合物1が全身循環に吸収される程度を指す。
「血漿濃度」とは、被験体の血液の血漿成分中の化合物1の濃度を指す。化合物1の血漿濃度は、代謝に関連する可変性および/または他の治療薬との可能性のある相互作用により、被験体によって著しく変わる場合があることを理解されたい。本明細書で開示される1つの実施形態に合わせて、化合物1の血漿濃度は被験体ごとに変わる場合がある。同様に、最大血漿中濃度(Cmax)あるいは最大血漿中濃度に達するまでの時間(Tmax)、または血漿中濃度時間曲線下の総面積(AUC(0-∞))などの値は、被験体ごとに変わる場合がある。この可変性により、化合物1の「治療上有効な量」を構成するのに必要な量は、被験体ごとに変わる場合がある。
「同時投与」などの用語は、本明細書で使用されるように、選択された治療薬の1人の患者への投与を包含するように意図され、同じまたは異なる投与経路あるいは同じまたは異なる時間で治療薬が投与される処置レジメンを含むように意図されている。
「有効な量」または「治療上有効な量」は、本明細書で使用されるように、処置されている疾患または疾病の症状の1つ以上をある程度まで軽減する十分な量の投与されている薬剤または化合物を指す。その結果、疾患の兆候、症状、もしくは原因を減少および/または軽減するか、あるいは生物系に他の望ましい変化をもたらすことができる。例えば、治療用途での「有効な量」とは、過度の有害な副作用を生じさせずに疾患症状を臨床的に有意に減少させるために必要とされる、本明細書で開示される化合物を含む組成物の量である。任意の個々の症例での適切な「有効な量」は、用量漸増研究などの技術を使用して決定することができる。「治療上有効な量」との用語は、例えば、予防上有効な量を含む。本明細書で開示される化合物の「有効な量」とは、過度の有害な副作用を生じさせることなく、所望の薬理学的効果または治療の向上を達成するのに有効な量である。「有効な量」または「治療上有効な量」は、化合物1の代謝の変動、被験体の年齢、体重、全身状態、処置されている疾病、処置されている疾病の重症度、および処方医師の判断により、被験体ごとに異なる場合があることに留意されたい。ほんの一例として、治療上有効な量は、用量漸増臨床試験によって決定され得る。
「増強する(enhannce)」または「増強すること(enhancing)」との用語は、効力または持続時間のいずれかにおいて、所望の効果を増大または延長することを意味する。例として、治療薬の効果を「増強すること」は、疾患、障害、あるいは疾病の処置中に、効力または持続期間のいずれかにおいて治療薬の効果を増大または延長する能力を指す。「増強に有効な量」とは、本明細書で使用されるように、疾患、障害、または疾病の処置において治療薬の効果を増強するのに適切な量を指す。患者に使用する場合、この用途に有効な量は、疾患、障害、または疾病の重篤度および経過、以前の治療、患者の健康状態、ならびに薬物に対する反応、ならびに処置を行う医師の判断に依存する。
「予防上有効な量」との用語は、本明細書で使用されるように、処置される疾患、疾病、または障害の症状の1つ以上をある程度緩和する、患者に適用される組成物の量を指す。そのような予防的用途では、そのような量は、患者の健康状態、体重などに依存し得る。一例として、用量漸増臨床試験によって、そのような予防上有効な量を決定することができる。
本明細書で使用されるように、「被験体」との用語は、治療、観察、または実験の対象である動物を指す。ほんの一例として、被験体は、限定されないが、ヒトを含む哺乳動物であってもよいが、これに限定されない。
本明細書で使用されるように、「標的活性」との用語は、選択的モジュレーターによって調節することができる生物活性を指す。ある典型的な標的活性としては、限定されないが、結合親和性、シグナル伝達、酵素活性、腫瘍増殖、炎症または炎症に関連するプロセス、および、疾患あるいは疾病に関連する1つ以上の症状の改善が挙げられる。
「処置する(treat)」、「処置すること(treating)」、および「処置(treatment)」との用語は、本明細書で使用されるように、疾患または疾病の症状を軽減するか、減少するか、または寛解すること、さらなる症状を予防すること、症状の根底にある代謝の原因を寛解または予防すること、疾患または疾病を阻害すること、例えば、疾患または疾病の進行を阻止すること、疾患または疾病を緩和すること、疾患または疾病を退行させること、疾患または疾病により生じる状態を緩和すること、もしくは疾患または疾病の症状を止めることを含む。「処置する」、「処置すること」、あるいは「処置」との用語は、限定されないが、予防的および/または治療的な処置を含む。
本明細書で使用されるように、IC50とは、特定の試験化合物によって誘導されるか、引き起こされるか、または、強められる特定の反応の最大発現の50%で用量依存性の反応を誘発する、特定の試験化合物の1回分の用量、濃度、または量を指す。
医薬組成物/製剤
医薬組成物は、薬学的に使用され得る製剤への活性化合物の処理を促進する賦形剤および助剤を含む、1つ以上の生理学的に許容可能な担体を使用する従来の方法で製剤化され得る。適切な製剤は、選択される投与経路に依存する。本明細書に記載される医薬組成物の要約は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Nineteenth Ed(Easton,Pa.:Mack Publishing Company,1995)、Hoover,John E.,Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,Pennsylvania 1975、Liberman,H.A.and Lachman,L.,Eds.,Pharmaceutical Dosage Forms,Marcel Decker,New York,N.Y.,1980、およびPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Seventh Ed.(Lippincott Williams & Wilkins1999)で見られるものを含み、これらの文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
医薬組成物とは、明細書で使用されるように、(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノン(化合物1)と、担体、安定化剤、希釈剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤、および/または賦形剤などの他の化学成分との混合物を指す。医薬組成物は、哺乳動物への化合物の投与を促進する。本明細書で提供される処置方法または使用方法を行う際に、治療上有効な量の化合物1は、処置される疾患、障害、または疾病を抱える哺乳動物に医薬組成物として投与される。好ましくは、哺乳動物はヒトである。治療上有効な量は、疾患の重症度、被験体の年齢および相対的な健康状態、使用される化合物の効力、ならびに他の要因に応じて、大きく異なる場合がある。本明細書に記載される化合物は、単独で、または、混合物の成分として1以上の治療薬と組み合わせて使用される。
いくつかの実施形態では、(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノン(化合物1)と、薬学的に許容可能な担体、希釈剤、および賦形剤から選択された少なくとも1つの不活性成分とを含む医薬組成物がある。
いくつかの実施形態では、高尿酸血症または痛風の処置または予防のための(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノン(化合物1)と、薬学的に許容可能な担体、希釈剤、および賦形剤から選択された少なくとも1つの不活性成分とを含む医薬組成物があり、ここで、治療上有効な量は約3mg~約1500mgである。いくつかの実施形態では、高尿酸血症の処置または予防のための(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノン(化合物1)と、薬学的に許容可能な担体、希釈剤、および賦形剤から選択された少なくとも1つの不活性成分とを含む医薬組成物があり、ここで、治療上有効な量は約3mg~約1500mgである。いくつかの実施形態では、高尿酸血症の処置のための(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノン(化合物1)と、薬学的に許容可能な担体、希釈剤、および賦形剤から選択された少なくとも1つの不活性成分とを含む医薬組成物があり、ここで、治療上有効な量は約3mg~約1500mgである。いくつかの実施形態では、高尿酸血症の予防のための(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノン(化合物1)と、薬学的に許容可能な担体、希釈剤、および賦形剤から選択された少なくとも1つの不活性成分とを含む医薬組成物があり、ここで、治療上有効な量は約3mg~約1500mgである。いくつかの実施形態では、痛風の処置または予防のための(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノン(化合物1)と、薬学的に許容可能な担体、希釈剤、および賦形剤から選択された少なくとも1つの不活性成分とを含む医薬組成物があり、ここで、治療上有効な量は約3mg~約1500mgである。いくつかの実施形態では、痛風の処置のための(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノン(化合物1)と、薬学的に許容可能な担体、希釈剤、および賦形剤から選択された少なくとも1つの不活性成分とを含む医薬組成物があり、ここで、治療上有効な量は約3mg~約1500mgである。いくつかの実施形態では、痛風の予防のための(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノン(化合物1)と、薬学的に許容可能な担体、希釈剤、および賦形剤から選択された少なくとも1つの不活性成分とを含む医薬組成物があり、ここで、治療上有効な量は約3mg~約1500mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約3mg~約1250mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約3mg~約1000mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約3mg~約750mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約3mg~約600mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約3mg~約500mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約3mg~約400mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約3mg~約300mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約3mg~約250mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約3mg~約200mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約3mg~約150mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約3mg~約100mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約3mg~約75mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約3mg~約50mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約3mg~約45mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約3mg~約40mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約3mg~約35mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約3mg~約30mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約3mg~約25mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約5mg~約300mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約5mg~約250mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約5mg~約200mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約5mg~約150mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約5mg~約100mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約5mg~約75mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約5mg~約50mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約5mg~約45mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約5mg~約40mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約5mg~約35mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約5mg~約30mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約5mg~約25mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約10mg~約200mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約10mg~約150mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約10mg~約100mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約10mg~約75mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約10mg~約50mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約10mg~約45mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約10mg~約40mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約10mg~約35mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約10mg~約30mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約10mg~約25mgである。
本明細書で使用されるように、「薬学的な組み合わせ(pharmaceutical combination)」との用語は、1つを超える有効成分の混合または組み合わせから生じる生成物を意味し、有効成分の固定されたおよび固定されていない組み合わせの両方を含む。「固定された組み合わせ」との用語は、有効成分、例えば、化合物1と、助剤(co-agent)の両方が単一の実体または投与量の形態で患者に同時に投与されることを意味する。「固定されていない組み合わせ」との用語は、有効成分、例えば、化合物1と、助剤が別個の実体として、特定の介在時間の制限を設けずに、同時に、同時的に、または順次に患者に投与されることを意味し、そのような投与は、患者の体内で有効なレベルの2つの化合物を提供する。後者はさらにカクテル療法、例えば、3つ以上の有効成分の投与にも適用される。
いくつかの実施形態において、化合物1は、固形経口剤形を提供するために医薬組成物に組み込まれる。他の実施形態において、化合物1は、経口固形以外の医薬組成物を調製するために使用される。本明細書に記載される医薬製剤は、限定されないが、経口、非経口(例えば、静脈内、皮下、筋肉内)、鼻腔内、頬側、局所、直腸、または、経皮の投与経路を含む、多くの投与経路によって被検体に投与可能である。本明細書に記載される医薬製剤は、限定されないが、水性液分散、自己乳化分散液、固溶体、リポソーム分散剤、エアゾール剤、固体の剤形、粉末、即時放出製剤、解離術製剤、高速溶解製剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、遅延放出製剤、持続放出製剤、パルス状放出製剤、多重微粒子製剤、および即時かつ制御性の混合型放出製剤を含む。
本明細書に記載される化合物を含む医薬組成物は、ほんの一例として、従来の混合、溶解、粒状化、糖衣剤製造(dragee-making)、ゲル状化、乳化、カプセル化、封入化、または圧縮のプロセスといった従来の手法で製造されることがある。
剤形
本明細書に記載される医薬組成物は、限定されないが、経口、非経口(例えば、静脈内、皮下、または筋肉内)、頬側、鼻腔内、直腸、または経皮の投与経路を含む、任意の従来の手段を介する哺乳動物への投与のために製剤化され得る。本明細書で使用されるように、「被験体」または「個体」との用語は、動物、好ましくは、ヒトまたは非ヒトを含む哺乳動物を意味するために使用される。個体、患者、および被験体との用語は、互換的に使用され得る。
さらに、化合物1を含む本明細書に記載される医薬組成物は、適切な剤形、限定されないが、固形経口剤形、制御放出製剤、即時溶解製剤、発泡性製剤、錠剤、粉末、丸剤、カプセル剤、遅延放出製剤、持続放出製剤、パルス放出製剤、多粒子製剤(multiparticulate formulations)、および即時放出と制御放出の混合製剤を含む剤形へと製剤化され得る。
経口使用のための医薬製剤は、1つ以上の固体の賦形剤を本明細書に記載される化合物の1つ以上と混合し、随意に結果として生じる混合物を粉砕し、および、必要に応じて適切な助剤を加えた後に、顆粒剤の混合物を処理することで、錠剤または糖衣剤コアを得ることによって得ることができる。適切な賦形剤としては、例えば、ラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールを含む糖などの充填材;例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース調製物;または、ポリビニルピロリドン(PVPあるいはポビドン)もしくはリン酸カルシウムなどその他のものが挙げられる。必要に応じて、架橋したクロスカルメロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、寒天、または、アルギン酸あるいはその塩、例えば、アルギン酸ナトリウムといった崩壊剤が加えられてもよい。
経口で使用され得る医薬調製物は、ゼラチンで作られた押し込み型カプセル剤、ならびに、グリセロールまたはソルビトールなどの、ゼラチンおよび可塑剤で作られた柔らかい、密閉されたカプセル剤も含む。押し込み型カプセルは、ラクトースなどの充填剤、デンプンなどの結合剤、および/またはタルクあるいはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、ならびに場合によっては安定化剤と混合した状態で有効成分を含むことができる。ソフトカプセルでは、活性化合物は、脂肪油、流動パラフィン、または液体ポリエチレングリコールなどの適切な液体中に溶解または懸濁されてもよい。さらに、安定剤が添加されてもよい。経口投与用の製剤はすべて、このような投与に適した用量でなければならない。
いくつかの実施形態では、本明細書で開示される固形剤形は、錠剤(懸濁液錠剤、速溶性錠剤、咬傷崩壊錠剤、急崩壊錠剤、発泡錠、またはカプレットを含む)、丸剤、粉剤(無菌のパッケージ化された粉剤、分注可能な粉剤、または発泡性の粉剤を含む)、カプセル剤(ソフトカプセルまたはハードカプセルの両方、例えば、動物由来のゼラチンまたは植物由来のHPMCから作られたカプセル剤、あるいは、「スプリンクルカプセル(sprinkle capsules)」、固形の分散剤、固溶体、生体内分解性剤形、制御放出製剤、パルス状放出剤形、多粒子剤形、ペレット剤、顆粒剤、またはエアロゾルの形態であってもよい。他の実施形態では、医薬製剤は粉末剤の形態である。さらに他の実施形態では、医薬製剤は、限定されないが、速溶錠剤を含む錠剤の形態である。加えて、本明細書に記載される医薬製剤は、単一のカプセル剤として、または複数のカプセル剤の剤形として投与されてもよい。いくつかの実施形態では、医薬製剤は、2、3、あるいは4つのカプセル剤または錠剤で投与される。
いくつかの実施形態では、固体剤形、例えば、錠剤、発泡錠剤、およびカプセル剤は、化合物1の粒子を、1つ以上の医薬賦形剤と混合して、バルク混合組成物を形成することによって調製される。均質なものとしてこれらのバルク混合組成物について言及する場合、組成物が錠剤、丸剤、およびカプセル剤などの等しく有効な単位剤形へと容易に細分され得るように、化合物1の粒子が、組成物の全体にわたって均一に分散されることが意図される。個々の単位投与量は、経口摂取後あるいは希釈剤との接触後に崩壊する、フィルムコーティングをさらに含み得る。こうした製剤は、従来の薬理学的技術によって製造され得る。
従来の薬理学的技術は、例えば、以下の方法の1つまたは組み合わせを含む:(1)乾燥混合、(2)直接圧縮、(3)ミリング、(4)乾燥あるいは非水性の造粒、(5)湿式造粒法、または(6)融合。例えば、Lachman et al.,The Theory and Practice of Industrial Pharmacy(1986)を参照。他の方法としては、例えば、噴霧乾燥、パンコーティング、溶解造粒(melt granulation)、造粒、流動床噴霧乾燥あるいはコーティング(例えば、ウースターコーティング)、接点コーティング(tangential coating)、頂部噴霧(top spraying)、錠剤化、押し出しなどが挙げられる。
本明細書に記載される薬学的に固形の剤形は、化合物1、および1つ以上の薬学的に許容可能な添加剤、例えば、互換性をもつ担体、結合剤、充填剤、懸濁化剤、香味剤、甘味剤、崩壊剤、分散剤、界面活性剤、潤滑剤、着色剤、希釈剤、溶解剤、加湿剤、可塑剤、安定剤、経皮吸収促進剤、湿潤剤、抗起泡剤、酸化防止剤、防腐剤、またはそれらの1つ以上の組み合わせなどを含み得る。さらに別の態様では、Remington’s Pharmaceutical Sciences,20th Edition(2000)に記載される手順などの標準コーティング手順を使用して、化合物1の製剤のまわりにフィルムコーティングが施される。一実施形態では、化合物1の粒子の一部またはすべてがコーティングされる。別の実施形態では、化合物1の粒子の一部またはすべてがマイクロカプセル化される。さらに別の実施形態では、化合物1の粒子はマイクロカプセル化もコーティングもされない。
本明細書に記載される固体剤形に使用される適切な担体としては、限定されないが、アラビアゴム、ゼラチン、コロイド状二酸化ケイ素、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、マルトデキストリン、グリセリン、ケイ酸マグネシウム、カゼイン酸ナトリウム、大豆レシチン、塩化ナトリウム、リン酸三カルシウム、リン酸二カリウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、カラギーナン、モノグリセリド、ジグリセリド、α化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート(hydroxypropylmethylcellulose acetate stearate)、スクロース、微結晶性セルロース、ラクトース、マンニトールなどが挙げられる。
本明細書に記載される固体剤形に使用される適切な充填剤としては、限定されないが、ラクトース、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、硫酸カルシウム、微結晶性セルロース、セルロース粉末、デキストロース、デキストレート、デキストラン、デンプン、α化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート(HPMCAS)、スクロース、キシリトール、ラクチトール、マンニトール、ソルビトール、塩化ナトリウム、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。
固体剤形マトリックスからできるだけ効率的に化合物1を放出するために、特に剤形が結合剤で圧縮される場合には、崩壊剤がしばしば製剤に使用される。崩壊剤は、水分が剤形に吸収される際に、膨張または毛細管作用によって剤形マトリクスを破裂させるのを助ける。本明細書に記載される固体剤形に使用される適切な崩壊剤としては、トウモロコシデンプンまたはジャガイモデンプンなどの天然デンプン、National1551またはAmijel(登録商標)などのα化デンプン、あるいはPromogel(登録商標)またはExplotab(登録商標)などのデンプングリコール酸ナトリウム、木材生成物などのセルロース、メチル結晶性セルロース、例えば、Avicel(登録商標)、Avicel(登録商標)PH101、Avicel(登録商標)PH102、Avicel(登録商標)PH105、Elcema(登録商標)P100、Emcocel(登録商標)、Vivacel(登録商標)、Ming Tia(登録商標)、および、Solka-Floc(登録商標)、メチルセルロース、クロスカルメロース、または架橋セルロース、例えば、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(Ac-Di-Sol(登録商標)、架橋カルボキシメチルセルロース、または架橋クロスカルメロース、架橋デンプン、例えば、デンプングリコール酸ナトリウム、架橋ポリマー、例えば、クロスポビドン、架橋ポリビニルピロリドン、アルギン酸塩、例えば、アルギン酸またはアルギン酸の塩、例えば、アルギン酸ナトリウム、粘土、例えば、Veegum(登録商標)HV(ケイ酸アルミニウムマグネシウム)、ゴム、例えば、寒天、グアー、ローカストビーン、カラヤ、ペクチン、あるいはトラガント、デンプングリコール酸ナトリウム、ベントナイト、天然スポンジ、界面活性剤、樹脂、例えば、陽イオン交換樹脂、柑橘類の果肉、ラウリル硫酸ナトリウム、デンプンと組み合わせたラウリル硫酸ナトリウムなどが挙げられる。本明細書で提供されるいくつかの実施形態では、崩壊剤は、天然のデンプン、α化デンプン、ナトリウムデンプン、メチル結晶(methylcrystalline)セルロース、メチルセルロース、クロスカルメロース、クロスカルメロースナトリウム、架橋したナトリウムカルボキシメチルセルロース、架橋したカルボキシメチルセルロース、架橋したクロスカルメロース、架橋したデンプン、例えば、ナトリウムデンプングリコレート、架橋したポリマー、例えば、クロスポビドン、架橋したポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム、粘土、またはゴムからなる群から選択される。本明細書で提供されるいくつかの実施形態では、崩壊剤はクロスカルメロースナトリウムである。
結合剤は、固体経口剤形の製剤に接着性を与える:粉末を充填したカプセル製剤の場合、結合剤は、ソフトシェルまたはハードシェルのカプセルに充填可能な栓の形成を補助するものであり、錠剤製剤の場合、結合剤は、圧縮後に錠剤が確実に無傷で残るようにし、圧縮または充填の工程前の混合均一性を保証するのを助ける。本明細書に記載される固体剤形の結合剤としての使用に適した材料としては、限定されないが、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース(例えば、Methocel(登録商標))、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、Hypromellose USP Pharmacoat-603)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート(Aqoate HS-LFおよびHS)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、Klucel(登録商標))、エチルセルロース(例えば、Ethocel(登録商標))、および微結晶性セルロース(例えば、Avicel(登録商標))、微結晶性デキストロース、アミロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、多糖酸(polysaccharide acids)、ベントナイト、ゼラチン、ポリビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー、クロスポビドン、ポビドン、デンプン、α化デンプン、トラガント、デキストリン、糖、例えば、スクロース(例えば、Dipac(登録商標))、グルコース、デキストロース、糖蜜、マンニトール、ソルビトール、キシリトール(例えば、Xylitab(登録商標))、ラクトース、天然ゴムまたは合成ゴム、例えば、アラビアゴム、トラガント、ガティガム(ghatti gum)、イサポール皮(isapol husks)の粘液、デンプン、ポリビニルピロリドン(例えば、Povidone(登録商標)CL、Kollidon(登録商標)CL、Polyplasdone(登録商標)XL-10、およびPovidone(登録商標)K-12)、カラマツアラボカラクタン(arabogalactan)、Veegum(登録商標)、ポリエチレングリコール、ワックス、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。
一般に、粉末が充填されたゼラチンカプセル製剤では、20~70%の結合剤レベルが使用される。錠剤製剤における結合剤の使用レベルは、直接圧縮、湿式造粒法、ローラー圧縮であるか、または、それ自体が中程度の結合剤として作用し得る充填剤などの他の賦形剤を使用するかどうかで変動する。当該技術分野における処方者は、製剤の結合剤レベルを決定することができるが、錠剤製剤では70%までの結合剤の使用レベルが一般的である。
本明細書に記載される固体剤形に使用される適切な滑沢剤または流動促進剤としては、限定されないが、ステアリン酸、水酸化カルシウム、タルク、トウモロコシデンプン、フマル酸ステアリルナトリウム、アルカリ金属およびアルカリ土類金属塩、例えば、カルシウム、マグネシウム、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ワックス、Stearowet(登録商標)、ホウ酸、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ポリエチレングリコール、あるいはメトキシポリエチレングリコール、例えば、Carbowax(商標)、PEG4000、PEG5000、PEG6000、プロピレングリコール、オレイン酸ナトリウム、ベヘン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリン(glyceryl palmitostearate)、安息香酸グリセリル、マグネシウム、またはラウリル硫酸ナトリウムなどが挙げられる。本明細書で提供されるいくつかの実施形態では、滑沢剤は、ステアリン酸、水酸化カルシウム、タルク、トウモロコシデンプン、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、およびワックスからなる群から選択される。本明細書で提供されるいくつかの実施形態では、滑沢剤はステアリン酸マグネシウムである。
本明細書に記載される固体剤形に使用される適切な希釈剤としては、限定されないが、糖(ラクトース、スクロース、およびデキストロースを含む)、ポリサッカリド(デキストレートおよびマルトデキストリンを含む)、ポリオール(マンニトール、キシリトール、およびソルビトールを含む)、シクロデキストリンなどを含む。本明細書で提供されるいくつかの実施形態では、希釈剤は、ラクトース、スクロース、デキストロース、デキストラート、マルトデキストリン、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、シクロデキストリン、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、デンプン、加工デンプン、微結晶性セルロース、微細セルロース、およびタルクからなる群から選択される。本明細書で提供されるいくつかの実施形態では、希釈剤は微結晶性セルロースである。
「非水溶性希釈剤」との用語は、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、デンプン、加工デンプン、微結晶性セルロース、微細セルロース(例えば、約0.45g/cmの密度を有する、例えば、Avicel、粉末セルロース)、およびタルクなどの、医薬品の製剤に典型的に使用される化合物を表す。
本明細書に記載される固体剤形に使用される適切な湿潤剤としては、例えば、オレイン酸、モノステアリン酸グリセリン、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミンオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、四級アンモニウム化合物(例えば、Polyquat 10(登録商標))、オレイン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ドキュセートナトリウム(sodium docusate)、トリアセチン、ビタミンE TPGSなどが挙げられる。
本明細書に記載される固体剤形に使用される適切な界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリソルベート、ポロクサマー(polaxomers)、胆汁酸塩、モノステアリン酸グリセリン、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのコポリマー、例えば、Pluronic(登録商標)(BASF)などが挙げられる。本明細書で提供されるいくつかの実施形態では、界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリソルベート、ポロクサマー、胆汁酸塩、モノステアリン酸グリセリン、エチレンオキシドと酸化プロピレンのコポリマーからなる群から選択される。本明細書で提供されるいくつかの実施形態では、界面活性剤はラウリル硫酸ナトリウムである。
本明細書に記載される固体剤形に使用される適切な懸濁剤としては、限定されないが、ポリビニルピロリドン、例えば、ポリビニルピロリドンK12、ポリビニルピロリドンK17、ポリビニルピロリドンK25、またはポリビニルピロリドンK30、ポリエチレングリコール(例えば、ポリエチレングリコールは、約300~約6000、あるいは約3350~約4000、あるいは約7000~約5400の分子量を有し得る)、ビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー(S630)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシ-プロピルメチルセルロース、ポリソルベート-80、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ゴム、例えば、トラガカントゴムおよびアカシアゴム、グアーゴム、キサンタンゴムを含むキサンタンなど、糖、セルロース由来のもの、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなど、ポリソルベート-80、アルギン酸ナトリウム、ポリエトキシル化ソルビタンモノラウレート(polyethoxylated sorbitan monolaurate)、ポリエトキシル化ソルビタンモノラウレート、ポビドンなどが挙げられる。
本明細書に記載される固体剤形に使用される適切な抗酸化剤としては、例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、アスコルビン酸ナトリウム、およびトコフェロールが挙げられる。
本明細書に記載される固体剤形に使用される添加剤の間に相当な重複があることが認識されるべきである。ゆえに、上に列挙された添加剤は、単に例示的なものとして、および、限定されないが、本明細書に記載される固体剤形に含まれ得る添加剤のタイプのものとして考えられなければならない。そのような添加剤の量は、所望される特定の特性に従って、当業者によって容易に決定することができる。
他の実施形態では、医薬製剤の1つ以上の層が可塑化される。例示的に、可塑剤は一般に、高沸点の固体または液体である。適切な可塑剤は、コーティング組成物の約0.01重量%から約50重量%(w/w)まで添加することができる。可塑剤としては、限定されないが、フタル酸ジエチル、クエン酸エステル、ポリエチレングリコール、グリセロール、アセチル化グリセリド、トリアセチン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、セバシン酸ジブチル、ステアリン酸、ステアロール、ステアレート、およびヒマシ油が挙げられる。
圧縮錠剤は、上記製剤のバルク混合物を圧縮することによって調製される固体剤形である。様々な実施形態では、口の中で溶解するように設計される圧縮錠剤は、1以上の香味剤を含む。他の実施形態では、圧縮錠剤は、圧縮錠剤完成品を囲むフィルムを含む。いくつかの実施形態では、フィルムコーティングは、製剤からの化合物1の遅延放出を提供することができる。他の実施形態では、フィルムコーティングは、患者のコンプライアンスを支援する(例えば、Opadry(登録商標)コーティングまたは糖衣)。Opadry(登録商標)を含むフィルムコーティングは典型的に、錠剤の約1重量%~約3重量%におよぶ。他の実施形態では、圧縮錠剤は1以上の賦形剤を含む。
カプセルは、例えば、化合物1の製剤のバルク混合物をカプセル内に入れることにより調製され得る。いくつかの実施形態では、製剤(非水性の懸濁液および溶液)は、ソフトゼラチンカプセルに入れられる。いくつかの実施形態では、製剤(非水性の懸濁液および溶液)は、ハードシェルゼラチンカプセルに入れられる。他の実施形態では、製剤は、HPMCを含むカプセルなどの、標準のゼラチンカプセルまたは非ゼラチンカプセルに入れられる。他の実施形態では、製剤はスプリンクルカプセルに入れられ、ここで、カプセル全体が飲み込まれてもよいし、カプセルを開けてその内容物が食事前に食物に振りかけられてもよい。いくつかの実施形態では、治療用量は、複数の(例えば、2、3、または4つの)カプセルに分けられる。いくつかの実施形態では、製剤の全用量がカプセル形態で送達される。
様々な実施形態では、化合物1および1つ以上の賦形剤の粒子は、乾燥混合されて錠剤などの塊に圧縮され、この塊は、経口投与後、約30分未満、約35分未満、約40分未満、約45分未満、約50分未満、約55分未満、または約60分未満以内で実質的に崩壊し、それにより製剤を胃腸液に放出する医薬組成物を提供するのに十分な硬さを有している。
別の態様では、剤形は、マイクロカプセル化された製剤を含み得る。いくつかの実施形態では、他の1つ以上の適合性材料がマイクロカプセル化材料に存在する。典型的な材料としては、限定されないが、pH調整剤、侵食促進剤、消泡剤、抗酸化剤、香味剤、ならびに担体材料、例えば、結合剤、懸濁化剤、崩壊剤、充填剤、界面活性剤、可溶化剤、安定剤、潤滑剤、湿潤剤、および希釈剤などが挙げられる。
本明細書に記載されるマイクロカプセル化に有用な材料は、他の非適合性賦形剤から化合物1を十分に分離する、化合物1と適合性のある材料を含む。化合物1と適合性のある材料は、インビボでの化合物1の化合物の放出を遅らせるものである。
本明細書に記載される化合物を含む製剤の放出を遅らせるのに有用な典型的なマイクロカプセル化材料としては、限定されないが、ヒドロキシプロピルセルロースエーテル(HPC)、例えば、Klucel(登録商標)またはNisso HPC、低置換ヒドロキシプロピルセルロースエーテル(L-HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースエーテル(HPMC)、例えば、SeppifilmLC、Pharmacoat(登録商標)、Metolose SR、Methocel(登録商標)-E、Opadry YS、PrimaFlo、Benecel MP824、およびBenecel MP843、メチルセルロースポリマー、例えば、Methocel(登録商標)-A、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート(HF-LS、HF-LG、HF-MS)およびMetolose(登録商標)、エチルセルロース(EC)およびその混合物、例えば、E461、Ethocel(登録商標)、Aqualon(登録商標)-EC、Surelease(登録商標)、ポリビニルアルコール(PVA)、例えば、Opadry AMB、ヒドロキシエチルセルロース、例えば、Natrosol(登録商標)、カルボキシメチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース(CMC)の塩、例えば、Aqualon(登録商標)-CMC、ポリビニルアルコール、およびポリエチレングリコールコポリマー、例えば、Kollicoat IR(登録商標)、モノグリセリド(Myverol)、トリグリセリド(KLX)、ポリエチレングリコール、修飾された食物デンプン、アクリルポリマー、およびセルロースエーテルとアクリルポリマーの混合物、例えば、Eudragit(登録商標)EPO、Eudragit(登録商標)L30D-55、Eudragit(登録商標)FS 30D Eudragit(登録商標)L100-55、Eudragit(登録商標)L100、Eudragit(登録商標)S100、Eudragit(登録商標)RD100、Eudragit(登録商標)E100、Eudragit(登録商標)L12.5、Eudragit(登録商標)S12.5、Eudragit(登録商標)NE30D、およびEudragit(登録商標)NE 40D、酢酸フタル酸セルロース、セプフィルム(sepifilms)、例えば、HPMCとステアリン酸の混合物、シクロデキストリン、およびこれらの材料の混合物が挙げられる。
さらに他の実施形態では、ポリエチレングリコール、例えば、PEG300、PEG400、PEG600、PEG1450、PEG3350、ならびにPEG800、ステアリン酸、プロピレングリコール、オレイン酸、およびトリアセチンなどの可塑剤は、マイクロカプセル化材料に組み込まれる。他の実施形態では、医薬組成物の放出を遅らせるのに有用なマイクロカプセル化材料は、USPまたは国民医薬品集(NF)由来のものである。さらに他の実施形態では、マイクロカプセル化材料はKlucelである。さらに他の実施形態では、マイクロカプセル化材料はmethocelである。
マイクロカプセル化された化合物1は様々な方法によって製剤化することができ、その方法の例示的な例としては、例えば、噴霧乾燥プロセス、回転ディスク溶剤プロセス、熱融解プロセス、噴霧低温化方法、流動床、静電沈着、遠心押出(centrifugal extrusion)、回転懸濁液分離、液体-ガスまたは固体-ガスの界面での重合、圧力押出、または噴霧溶剤抽出浴(spraying solvent extraction bath)が挙げられる。これらに加え、様々な化学技術、例えば、複合コアセルベーション、溶解蒸発、ポリマー-ポリマー不適合性(polymer-polymer incompatibility)、液体媒体中の界面重合、インサイチュ重合、液中乾燥、および液体媒体中の脱溶媒和も使用することができる。さらに、ローラー圧縮、押出/球形化、コアセルベーション、またはナノ粒子コーティングなどの他の方法も使用してもよい。
一実施形態では、化合物1の粒子は、上記形態の1つへと製剤化される前にマイクロカプセル化される。さらに別の実施形態では、粒子の一部または大半は、さらに製剤される前に、標準のコーティング手順(Remington’s Pharmaceutical Sciences,20th Edition(2000)に記載されるものなど)を使用してコーティングされる。
他の実施形態では、化合物1の固体投薬製剤は、1つ以上の層で可塑化される(コーティングされる)。例示的に、可塑剤は一般に、高沸点の固体または液体である。適切な可塑剤は、コーティング組成物の約0.01重量%から約50重量%(w/w)まで添加することができる。可塑剤としては、限定されないが、フタル酸ジエチル、クエン酸エステル、ポリエチレングリコール、グリセロール、アセチル化グリセリド、トリアセチン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、セバシン酸ジブチル、ステアリン酸、ステアロール、ステアレート、およびヒマシ油が挙げられる。
他の実施形態では、化合物1を有する製剤を含む粉末剤は、1つ以上の医薬賦形剤および香料を含むように製剤化され得る。そのような粉末剤は、例えば、製剤と随意の医薬賦形剤を混合してバルク混合組成物を形成することによって調製され得る。追加の実施形態は、懸濁化剤および/または湿潤剤も含む。このバルク混合物は、単位用量パッケージまたは複数回用量パッケージの単位(multi-dosage packaging units)へと均一に細分化される。
さらに他の実施形態では、発泡粉末も、本開示に従って調製される。発泡塩は、経口投与のために水中で薬を分散させるために使用されている。発泡塩は、一般に、重炭酸ナトリウム、クエン酸、および/または酒石酸で構成される、乾燥混合物中に薬剤を含む顆粒剤または粗粉である。本明細書に記載される組成物の塩が水に加えられると、酸と塩基が反応して炭酸ガスを遊離させ、それにより「発泡」を引き起こす。発泡塩の例としては、例えば、以下の成分:重炭酸ナトリウム、または重炭酸ナトリウムと炭酸ナトリウムの混合物、クエン酸、および/または酒石酸が挙げられる。成分が医薬的用途に適しており、かつ結果として約6.0以上のpHをもたらす限り、二酸化炭素の遊離をもたらす任意の酸-塩基の組み合わせを、重炭酸ナトリウムとクエン酸と酒石酸との組み合わせの代わりに使用することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される固体剤形は、腸溶コーティングされた遅延放出性経口剤形として、すなわち、胃腸管の小腸での放出に影響を与えるために腸溶コーティングを利用した、本明細書に記載される医薬組成物の経口剤形として製剤化することができる。腸溶コーティングを施した剤形は、それ自体がコーティングを施されるかあるいは施されない有効成分および/あるいは他の組成成分の顆粒、粉末、ペレット、ビーズ、または微粒子を含有する、圧縮した、成型した、または押し出し加工した錠剤/モールド(コーティングを施したかあるいは施していない)であってもよい。腸溶コーティングを施した経口剤形はまた、それ自体がコーティングを施されるかあるいは施されない固体担体もしくは組成物のペレット、ビーズ、または顆粒を含有するカプセル(コーティングを施したかあるいは施していない)であってもよい。
本明細書で使用されるように、「遅延放出」との用語は、遅延放出の変更がなかった場合に達成されていたであろう位置よりも遠位にある、腸管における一般に予測可能な位置での放出を達成することができるような送達を指す。いくつかの実施形態では、放出を遅らせるための方法は、コーティングである。コーティングは、コーティング全体が約5より下のpHでは胃腸液に溶けないが、5より上のpHでは溶けるように十分な厚みで適用されねばならない。下部胃腸管への送達を達成するための本明細書に記載される方法および組成物において、pH依存性の可溶性特性を示す任意のアニオン性ポリマーが腸溶コーティングとして使用され得ることが予測される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマーは、アニオン性カルボン酸ポリマーである。他の実施形態では、ポリマーおよびその互換性がある混合物、ならびにそれらの特性のいくつかとしては、限定されないが、以下のものが挙げられる:
精製ラック(purified lac)とも呼ばれる、昆虫の樹脂分泌から得られた精製品であるシェラック。このコーティングはpH>7の媒体に溶解する;
アクリルポリマー。アクリルポリマーの性能(主に、生体液への可溶性)は、置換の程度および種類によって異なり得る。適切なアクリルポリマーの例としては、メタクリル酸コポリマーおよびメタクリル酸アンモニウムコポリマーを含む。EudragitシリーズE、L、S、RL、RS、およびNE(Rohm Pharma)は、有機溶剤、水分散液、または乾燥粉末に可溶化されたものとして利用可能である。EudragitシリーズRL、NEおよびRSは胃腸管において不溶性であるが、透過性であり、主に結腸の標的化に使用される。EudragitシリーズEは胃で溶解する。EudragitシリーズL、L-30D、およびSは、胃では不溶性であり、腸で溶解する。
セルロース誘導体。適切なセルロース誘導体の例は、エチルセルロース;および、セルロースの部分的な酢酸塩エステルと無水フタル酸との反応混合物である。その性能は、置換の程度および種類によって異なり得る。酢酸フタル酸セルロース(CAP)はpH>6で溶解する。Aquateric(FMC)は水性ベースの系であり、粒子が<1μmの噴霧乾燥されたCAP プスエドラテックス(psuedolatex)である。Aquateric中の他の成分には、プルロニック(登録商標)、Tween、およびアセチル化モノグリセリドが含まれ得る。他の適切なセルロース誘導体としては、酢酸トリメリト酸セルロース(Eastman);メチルセルロース(Pharmacoat、Methocel);ヒドロキシプロピルメチルセルロースフラタート(HPMCP);ヒドロキシプロピルメチルセルローススクシナート(HPMCS);および、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(例えば、AQOAT(Shin Etsu))が挙げられる。その性能は、置換の程度および種類によって異なり得る。例えば、HP-50、HP-55、HP-55S、またはHP-55FのグレードなどのHPMCPが適切である。その性能は、置換の程度および種類によって異なり得る。例えば、適切なグレードのヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートとしては、限定されないが、pH5で溶解するAS-LG(LF)、pH5.5で溶解するAS-MG(MF)、およびより高いpHで溶解するAS-HG(HF)が挙げられる。これらのポリマーは、水性の分散液のために顆粒、または細粉として提示される;ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)。PVAPはpH>5で溶解し、水蒸気および胃液に対してそれほど透過性がない。
いくつかの実施形態では、コーティングは、可塑剤、ならびに場合によっては、他のコーティング賦形剤、例えば、着色剤、タルク、および/またはステアリン酸マグネシウムなどを含むことができ、通常はそれらを含んでいる。適切な可塑剤としては、クエン酸トリエチル(Citroflex 2)、トリアセチン(グリセリルトリアセテート)、クエン酸アセチルトリエチル(Citroflec A2)、カーボワックス400(ポリエチレングリコール400)、フタル酸ジエチル、クエン酸トリブチル、アセチル化モノグリセリド、グリセロール、脂肪酸エステル、プロピレングリコール、およびフタル酸ジブチルが挙げられる。特に、アニオン性カルボン酸アクリルポリマーは通常、可塑剤、特にフタル酸ジブチル、ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、およびトリアセチンの10~25重量%を包含する。スプレーコーティングまたはパンコーティングなどの従来のコーティング技法が、コーティングを施すために使用される。コーティングの厚みは、腸管における局所送達の所望部位に到達するまで、経口剤形が元の状態のままであるように十分な厚みでなければならない。
コーティング材を可溶化するかまたは分散させるために、およびコーティング性能およびコーティングされた製品を改善するために、可塑剤以外に、着色剤、粘着防止剤(detackifiers)、界面活性剤、消泡剤、滑沢剤(例えば、カルナウバロウまたはPEG)がコーティングに加えられてもよい。
他の実施形態では、化合物1を含む本明細書に記載される製剤は、パルス剤形を使用して送達される。パルス剤形は、制御された遅延時間後の所定の時点で、または特定の部位において、1つ以上の即時放出パルスを提供することができる。他のタイプの制御放出系が使用されてもよい。こうした送達システムの例としては、例えば、ポリ乳酸とポリグリコール酸、ポリ酸無水物、およびポリカプロラクトンなどのポリマーベースの系;多孔性マトリクス、ステロール、例えば、コレステロール、コレステロールエステル、および脂肪酸、または中性脂肪、例えば、モノグリセリド、ジグリセリド、およびトリグリセリドなどの脂質である非ポリマーベースの系;ハイドロゲル放出系;サイラスティック系(silastic systems);ペプチドベースの系;ワックスコーティング、生体内分解性剤形、従来の結合剤を使用する圧縮錠剤などが挙げられる。例えば、Liberman et al.,Pharmaceutical Dosage Forms,2 Ed.,Vol.1,pp.209-214(1990);Singh et al.,Encyclopedia of Pharmaceutical Technology,2nd Ed.,pp.751-753(2002);米国特許第4,327,725号、第4,624,848号、第4,968,509号、第5,461,140号、第5,456,923号、第5,516,527号、第5,622,721号、第5,686,105号、第5,700,410号、第5,977,175号、第6,465,014号、および第6,932,983号を参照(これらの文献の各々は参照により具体的に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、被験体への経口投与のための、化合物1および少なくとも1つの分散剤または懸濁化剤を含む医薬製剤が提供される。この製剤は懸濁用の粉末および/または顆粒であってもよく、水と混合すると、実質的に均一な懸濁液が得られる。
所与の添加剤が、しばしば本分野の様々な医師によって異なるように分類されるか、または一般にいくつかの異なる作用のいずれかのために使用されるため、本明細書に記載される水性の分散液または懸濁液で使用される、上に列挙される添加剤の間に重複があることが認識されるべきである。ゆえに、上に列挙される添加剤は、本明細書に記載の製剤に含まれ得る添加剤の種類の単なる例示にすぎず、限定的なものではないと解釈する必要がある。そのような添加剤の量は、所望される特定の特性に従って、当業者によって容易に決定することができる。
方法
いくつかの実施形態では、治療上有効な量の本明細書に記載される化合物1を個体に投与する工程を含む、高尿酸血症または痛風を処置するための方法がある。いくつかの実施形態では、個体の血清尿酸(sUA)を低下させることから利益を得る疾患または疾病を処置するための方法があり、上記方法は、治療上有効な量の(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンを上記個体に投与する工程を含み、ここで、治療上有効な量は約3mg~約1500mgである。いくつかの実施形態では、個体の高尿酸血症または痛風を処置あるいは予防するための方法があり、上記方法は、治療上有効な量の(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンを上記個体に投与する工程を含み、ここで、治療上有効な量は約3mg~約1500mgである。いくつかの実施形態では、個体の高尿酸血症または痛風を処置するための方法があり、上記方法は、治療上有効な量の(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンを上記個体に投与する工程を含み、ここで、治療上有効な量は約3mg~約1500mgである。いくつかの実施形態では、個体の高尿酸血症または痛風を予防するための方法があり、上記方法は、治療上有効な量の(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンを上記個体に投与する工程を含み、ここで、治療上有効な量は約3mg~約1500mgである。いくつかの実施形態では、個体の高尿酸血症を処置または予防するための方法があり、上記方法は、治療上有効な量の(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンを上記個体に投与する工程を含み、ここで、治療上有効な量は約3mg~約1500mgである。いくつかの実施形態では、個体の高尿酸血症を処置するための方法があり、上記方法は、治療上有効な量の(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンを上記個体に投与する工程を含み、ここで、治療上有効な量は約3mg~約1500mgである。いくつかの実施形態では、個体の高尿酸血症を予防するための方法があり、上記方法は、治療上有効な量の(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンを上記個体に投与する工程を含み、ここで、治療上有効な量は約3mg~約1500mgである。いくつかの実施形態では、個体の痛風を処置または予防するための方法があり、上記方法は、治療上有効な量の(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンを上記個体に投与する工程を含み、ここで、治療上有効な量は約3mg~約1500mgである。いくつかの実施形態では、個体の痛風を処置するための方法があり、上記方法は、治療上有効な量の(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンを上記個体に投与する工程を含み、ここで、治療上有効な量は約3mg~約1500mgである。いくつかの実施形態では、個体の痛風を予防するための方法があり、上記方法は、治療上有効な量の(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンを上記個体に投与する工程を含み、ここで、治療上有効な量は約3mg~約1500mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約3mg~約1250mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約3mg~約1000mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約3mg~約750mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約3mg~約600mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約3mg~約500mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約3mg約400mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約3mg~約300mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約3mg~約250mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約3mg~約200mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約3mg~約150mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約3mg~約100mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約3mg~約75mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約3mg~約50mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約3mg~約45mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約3mg~約40mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約3mg~約35mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約3mg~約30mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約3mg~約25mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約5mg~約300mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約5mg~約250mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約5mg~約200mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約5mg~約150mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約5mg~約100mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約5mg~約75mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約5mg~約50mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約5mg~約45mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約5mg~約40mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約5mg~約35mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約5mg~約30mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約5mg~約25mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約10mg~約200mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約10mg~約150mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約10mg~約100mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約10mg~約75mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約10mg~約50mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約10mg~約45mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約10mg~約40mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約10mg~約35mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約10mg~約30mgである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量は約10mg~約25mgである。
投薬方法および処置レジメン
いくつかの実施形態では、化合物1は、血清尿酸(sUA)を低下させることから利益を得る疾患または疾病を処置するための薬剤の調製において使用される。加えて、処置を必要とする個体における本明細書に記載される疾患または疾病のいずれかを処置するための方法は、化合物1、またはその薬学的に許容可能な溶媒和物を含む医薬組成物を治療上有効な量で上記個体に投与することを含む。
いくつかの実施形態では、化合物1を含有する組成物は、予防的処置、治療的処置、または維持処置のために投与される。いくつかの実施形態では、化合物1を含有する組成物は、治療用途のために投与される。いくつかの実施形態では、化合物1を含有する組成物は、予防用途のために投与される。
治療用途では、組成物は、疾患あるいは疾病の症状を治癒するか、または少なくとも部分的に抑止するのに十分な量で、疾患あるいは疾病に既に苦しんでいる患者に投与される。この使用に有効な量は、疾患または疾病の重症度と経過、以前の治療、患者の健康状態、体重、および薬物に対する応答、ならびに主治医の判断に左右されることになる。
予防用途では、本明細書に記載される化合物を含有する組成物は、特定の疾患、障害、または疾病の影響を受けやすいか、またはそうでなければ、そのリスクがある患者に投与される。このような量は、「予防上有効な量または投与量」であると定義される。この用途では、正確な量は患者の健康状態、体重などによっても変わる。患者に使用されるとき、この用途に有効な量は、疾患、障害、または疾病の重症度と経過、以前の治療、患者の健康状態、および薬物への応答、ならびに処置を行う医師の判断に左右されることになる。
いくつかの実施形態では、化合物1は毎日投与される。いくつかの実施形態では、化合物1は一日おきに投与される。
いくつかの実施形態では、化合物1は1日1回投与される。いくつかの実施形態では、化合物1は1日2回投与される。いくつかの実施形態では、化合物1は1日3回投与される。いくつかの実施形態では、化合物1は1日4回投与される。
患者の状態が改善しない場合、医者の判断で、化合物の投与は、患者の疾患または疾病の症状を改善するか、そうでなければ制御または制限するために、慢性的に、すなわち、患者の生涯を含む長期間にわたって投与され得る。
患者の状態が改善すると、必要に応じて維持量が投与される。その後、投与量、投与頻度、またはその両方は、症状に応じて、疾患、障害、または疾病の改善が保持されるレベルにまで減らすことができる。しかし、患者は、症状が再発すると、長期間にわたって断続的な処置を必要とする場合もある。
このような量に相当する所定の薬剤の量は、特定の化合物、疾患または疾病およびその重症度、処置を必要としている被験体または宿主の性質(例えば、体重)などの要因に依存して変動するが、それにもかかわらず、例えば、投与されている特定の薬剤、投与経路、処置されている疾病、および処置されている被験体または宿主を含む、症例を取り巻く特定の環境に従って、当該技術分野で認識される方法で決定され得る。しかし、一般的に、成人男性の治療に用いられる投与量は、典型的には、一日当たり約0.002~約5000mgであり、いくつかの実施形態では、一日当たり約1~約1500mgである。所望の投与量は、単回投与量で都合よく提供されるか、または、同時に(または、短時間にわたって)、あるいは適切な間隔で投与される分割投与量、例えば、1日当たり2、3、4回以上の下位投与量として都合よく提供されてもよい。
本明細書に記載される医薬組成物は、正確な用量の単回投与に適した単位剤形であり得る。単位剤形では、製剤は、適量の1以上の化合物を含む単位投与量に分割される。単位投与量は、離散量の製剤を含有する包装の形態であってもよい。非限定的な例は、包装された錠剤またはカプセル、およびバイアルまたはアンプル中の粉末剤である。水性懸濁液組成物は再密閉できない単回投与の容器で包装することができる。代替的に、複数回投与用の再密閉可能な容器を使用することができ、この場合、組成物に防腐剤を含めることが一般的である。ほんの一例として、非経口注射用の製剤は、限定されないが、アンプルを含む単位剤形で提供されるか、または、追加の保存剤を含む複数回投与用容器で提供される。
本明細書に記載される化合物に適切な毎日の投与量は、約0.01mg/kg~約20mg/kgである。一実施形態では、毎日の投与量は、約0.01mg/kg~約10mg/kgである。限定されないが、ヒトを含む大型の哺乳類における指定された毎日の投与量は、約3mg~約1500mgの範囲であり、単回投与量で、あるいは限定されないが1日に最大で4回を含む分割投与量で、または持続放出形態で都合よく投与される。経口投与に適切な単位剤形は、約1~約500mgの有効成分を含んでいる。一実施形態では、単位投与量は、約1mg、約5mg、約10mg、約20mg、約50mg、約100mg、約200mg、約250mg、約400mg、または約500mgである。他の実施形態では、単位投与量は、約1mg、約5mg、約10mg、約20mg、約25mg50mg、約75mg、約100mg、約150mg、約200mg、約250mg、約400mg、または約500mgである。個々の処置レジメンに関する変数の数が大きいため、前述の範囲は単なる示唆的なものにすぎず、これらの推奨値からかなり逸脱することは珍しいことではない。こうした用量は、多くの変数、限定されないが、使用される化合物の活性、処置される疾患あるいは疾病、投与の様式、個々の被験体の要件、処置されている疾患あるいは疾病の重症度、および医師の判断に依存して変更されてもよい。
そのような治療レジメンの毒性および治療効率は、限定されないが、LD50(集団の50%に致死的な用量)、およびED50(集団の50%に治療上有効な用量)の決定を含む、細胞培養物または実験動物における標準的な薬学的処置によって判定され得る。毒性効果と治療効果との用量比は治療指数であり、LD50とED50との比として表すことができる。細胞培養アッセイおよび動物研究から得たデータは、ヒトに使用される一連の投与量を製剤化する際に使用することができる。そのような化合物の投与量は、毒性が最小のED50を含む血中濃度の範囲内にあるのが好ましい。この投与量は、利用される剤形および利用される投与経路に依存して、この範囲内で変動してもよい。
併用処置
本明細書に記載される化合物1、およびその組成物はまた、処置される疾病の治療値に対して選択された他の治療薬と組み合わせて使用されてもよい。一般に、本明細書に記載される組成物、および併用療法が用いられる実施形態では、他の薬剤は、同じ医薬組成物中で投与される必要はなく、様々な物理的および化学的な特性のために様々な経路によって投与する必要がある。投与の形態および投与の妥当性の判定は、可能な場合、同じ医薬組成物において、臨床医の知識の範囲内で行われる。最初の投与は、当該技術分野で認識される確立されたプロトコルに従って行うことができ、その後、観察された効果、投与量、投与形態、および投与の回数に基づいて臨床医が修正することができる。
ある例では、別の治療薬剤と組み合わせて、本明細書に記載される化合物1を投与することが適切である。ほんの一例ではあるが、化合物1などの本明細書の化合物の1つを投与した後に患者が経験する副作用の1つが、吐き気である場合、最初の治療薬と組み合わせて制吐剤を投与することが適切であり得る。または、ほんの一例として、本明細書に記載される化合物の1つの治療効果は、アジュバントの投与により増強される場合がある(つまり、アジュバント単独では治療利益が最小であるが、別の治療薬と組み合わせると患者への全体的な治療利益が増強される)。あるいは、ほんの一例として、患者が受ける利益は、本明細書に記載される化合物の1つを、同様に治療的利点を有する別の治療薬(治療レジメンも含む)と共に投与することにより、増大する場合もある。いずれの場合にも、処置されている疾患、障害、あるいは疾病にかかわらず、患者が経験する全体的な利点は、単に2つの治療薬の相加的なものであり得るか、または、患者は相乗的な利点を経験し得る。
いくつかの実施形態では、化合物1は、キサンチンオキシダーゼ阻害剤と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、化合物1は、キサンチンオキシダーゼ阻害剤と組み合わせて投与され、ここで、キサンチンオキシダーゼ阻害剤は、アロプリノール、オキシプリノール、フェブキソスタット、トピロキソスタット、またはイノシトールである。いくつかの実施形態では、化合物1は、キサンチンオキシダーゼ阻害剤と組み合わせて投与され、ここで、キサンチンオキシダーゼ阻害剤はアロプリノールである。いくつかの実施形態では、化合物1は、キサンチンオキシダーゼ阻害剤と組み合わせて投与され、ここで、キサンチンオキシダーゼ阻害剤はオキシプリノールである。いくつかの実施形態では、化合物1は、キサンチンオキシダーゼ阻害剤と組み合わせて投与され、ここで、キサンチンオキシダーゼ阻害剤はフェブキソスタットである。いくつかの実施形態では、化合物1は、キサンチンオキシダーゼ阻害剤と組み合わせて投与され、ここで、キサンチンオキシダーゼ阻害剤はトピロキソスタットである。いくつかの実施形態では、化合物1は、キサンチンオキシダーゼ阻害剤と組み合わせて投与され、ここで、キサンチンオキシダーゼ阻害剤はオシトール(ositol)である。
いくつかの実施形態では、化合物1およびキサンチンオキシダーゼ阻害剤は、単一の剤形で組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、化合物1およびキサンチンオキシダーゼ阻害剤は、別個の剤形で組み合わせて投与される。
いくつかの実施形態では、化合物1は、SGLT2阻害剤と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、化合物1はSGLT2阻害剤と組み合わせて投与され、ここで、SGLT2阻害剤は、カナグリフロジン、ダパグリフロジン、エンパグリフロジン、エンパグリフロジン/リナグリプチン、エンパグリフロジン/メトホルミン、またはダパグリフロジン/メトホルミンである。いくつかの実施形態では、化合物1はSGLT2阻害剤と組み合わせて投与され、ここで、SGLT2阻害剤はカナグリフロジンである。いくつかの実施形態では、化合物1はSGLT2阻害剤と組み合わせて投与され、ここで、SGLT2阻害剤はダパグリフロジンである。いくつかの実施形態では、化合物1はSGLT2阻害剤と組み合わせて投与され、ここで、SGLT2阻害剤はエンパグリフロジンである。いくつかの実施形態では、化合物1はSGLT2阻害剤と組み合わせて投与され、ここで、SGLT2阻害剤はエンパグリフロジン/リナグリプチンである。いくつかの実施形態では、化合物1はSGLT2阻害剤と組み合わせて投与され、ここで、SGLT2阻害剤はエンパグリフロジン/メトホルミンである。いくつかの実施形態では、化合物1はSGLT2阻害剤と組み合わせて投与され、ここで、SGLT2阻害剤はダパグリフロジン/メトホルミンである。
いくつかの実施形態では、化合物1およびSGLT2阻害剤は、単一の剤形で組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、化合物1およびSGLT2阻害剤は、別個の剤形で組み合わせて投与される。
いくつかの実施形態では、化合物1は、キサンチンオキシダーゼ阻害剤およびSGLT2阻害剤と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、化合物1は、キサンチンオキシダーゼ阻害剤およびSGLT2阻害剤と組み合わせて投与され、キサンチンオキシダーゼ阻害剤は、アロプリノール、オキシプリノール、フェブキソスタット、トピロキソスタット、またはイノシトールであり、ならびに、SGLT2阻害剤は、カナグリフロジン、ダパグリフロジン、エンパグリフロジン、エンパグリフロジン/リナグリプチン、エンパグリフロジン/メトホルミン、またはダパグリフロジン/メトホルミンである。
いくつかの実施形態では、化合物1、キサンチンオキシダーゼ阻害剤、およびSGLT2阻害剤は、単一の剤形で組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、化合物1、キサンチンオキシダーゼ阻害剤、およびSGLT2阻害剤は、別個の剤形で組み合わせて投与される。
使用される化合物の特定の選択は、主治医の診断、および患者の状態の判断、適切な処置プロトコルの判断に依存する。化合物は、疾患、障害、あるいは疾病の性質、患者の状態、および使用される化合物の実際の選択に応じて、同時的に(例えば、同時に、ほぼ同時に、もしくは同じ処置プロトコル内で)、または順次に投与され得る。処置プロトコル中の各治療薬の投与の順序および投与の反復回数の決定は、処置されている疾患ならびに患者の状態を評価した後に、医師の知識の範囲内で行われる。
薬物が併用治療で用いられている場合、治療に効果的な投与量は変わることがある。併用処置レジメンに使用するための薬物および他の薬剤の治療上有効な投与量を実験により決定する方法は、先行技術文献に記載される。例えば、メトロノミック投与(metronomic dosing)の使用、すなわち、毒性の副作用を最小限に抑えるために高頻度かつ低投与量を提供することは、先行技術文献に広く記載されている。併用処置はさらに、患者の臨床管理を補助するために、様々な時点で開始および停止される周期的な処置を含む。
本明細書に記載される併用療法に関して、同時投与される化合物の投与量は、当然のことながら、用いられるコドラッグ(co-drug)の種類、用いられる特定の薬物、処置されている疾患または疾病などによって変わる。加えて、1つ以上の生物活性薬剤と共に投与される場合、本明細書に提供される化合物は、生物活性薬剤と同時に、または順次に投与されてもよい。順次投与される場合、主治医は、生物活性薬剤と組み合わせてタンパク質を投与する適切な順序を決定する。
いかなる場合でも、複数の治療薬(そのうちの1つは本明細書に記載される化合物1である)は、任意の順序で、または同時に投与され得る。同時の場合、複数の治療薬は単回用の均一な形態で、または複数回用の形態(ほんの一例として、単一の錠剤として、または2つの別々の錠剤として)で提供されてもよい。治療薬の1つが複数回投与量で投与されるか、または、両方が複数回投与量として投与されてもよい。同時ではない場合、複数回投与間のタイミングは、0週以上から4週未満で変動することがある。さらに、併用の方法、組成物、および製剤は、2つの薬剤のみの使用に限定されず、複数の治療的な組み合わせを用いることも想定される。
緩和が求められる疾病を処置、予防、または改善するための投与レジメンは、様々な要因に従って修正され得る。これらの要因には、被験体が患っている障害または疾病、ならびに、被験体の年齢、体重、性別、食事、および病状が含まれる。ゆえに、実際に利用される投薬レジメンは大きく変動する場合があり、したがって、本明細書に記載される投薬レジメンから逸脱することもある。
本明細書に開示される併用療法を構築する医薬品は、剤形の組み合わせ、または、ほぼ同時の投与を目的とした別個の剤形でもよい。併用療法を構築する医薬品はさらに連続投与されてもよく、いずれかの治療化合物は二段階投与を必要とするレジメンにより投与される。この二段階投与レジメンは、有効成分の連続投与、または別個の有効成分の間隔を空けての投与を必要とする場合がある。複数投与段階間の期間は、医薬品の効力、可溶性、バイオアベイラビリティ、血漿半減期、動態プロファイルなど、各医薬品の特性に応じて数分~数時間であってもよい。標的分子濃度の概日変動も、最適な投与間隔を判定する場合がある。
加えて、本明細書に記載の化合物はまた、患者に相加的または相乗的な効果をもたらすかもしれない処置と併用されてもよい。ほんの一例ではあるが、患者は、本明細書に記載の方法において治療利益および/または予防利益を得ると予測される。この場合、本明細書に開示される化合物の医薬組成物、および/または他の治療薬との併用物は、個体が特定の疾患または疾病と相関する突然変異遺伝子の保因者であるかどうかを判定する遺伝子検査と併用される。
本明細書に記載の化合物と併用療法薬は、疾患あるいは疾病の発症前、その最中、またはその後に投与可能であり、化合物を含有する組成物の投与のタイミングは変動する場合がある。ゆえに、例えば前記化合物は予防薬として使用可能であるとともに、疾患または疾病の発症を防ぐために疾病または疾患を進行させる傾向のある被験体に連続投与可能である。最初の投与は、例えば静脈注射、ボーラス注射、約5分~約5時間にわたる注入、丸剤、カプセル剤、経皮パッチ、頬側送達、またはこれらの組み合わせなどの実用的な経路を介して行うことができる。化合物は、疾患または疾病の発症が検出または疑われた後で可能な限り速やかに、かつ疾患または疾病の処置に必要な期間にわたり投与するのが好ましい。処置期間は各被験体ごとに異なってもよく、その長さは特定の基準を使用して決定可能である。
キット/製品
本明細書に記載の治療方法で使用するためのキットと製品も本明細書に記載される。このようなキットは、バイアルやチューブなど1つ以上の容器を収容するために仕切られた運搬装置、パッケージ、または容器を含んでおり、この容器の各々は、本明細書に記載の方法に使用される別個の要素のうち1つを含んでいる。適切な容器として、例えばボトル、バイアル、シリンジ、試験管が挙げられる。他の実施形態では、前記容器は、ガラスまたはプラスチックなどの様々な材料で形成される。
本明細書で提供される製品は包装材料を包含する。医薬品の包装に使用するための包装材料として、例えば米国特許第5,323,907号が挙げられる。医薬品用の包装材料の例として、ブリスターパック、ボトル、チューブ、バッグ、容器、ボトル、ならびに、選択された製剤および意図した投与と処置の形態に適切な任意の包装材料が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物または組成物は、有効成分を含有する1つ以上の単位剤形を含有する場合があるパッケージまたはディスペンサーデバイスの中で投与される。本明細書に記載される化合物または組成物は、単独で包装されるか、または別の化合物、別の成分、あるいは添加剤とともに包装される。いくつかの実施形態では、前記パッケージは、医薬組成物の成分のうち1つ以上を充填した1つ以上の容器を包含する。いくつかの実施形態では、前記パッケージは、ブリスターパックなどの金属箔またはプラスチック箔を含む。いくつかの実施形態では、前記パッケージまたはディスペンサーデバイスには、腫瘍疾患を処置するための化合物または組成物の投与に関する指示書など、投与に関する指示書が付随する。いくつかの実施形態では、前記パッケージまたはディスペンサーデバイスには、医薬品の製造、使用、または販売を規制する政府機関が規定する形式で容器に関連する通知が付随し、この通知は、ヒトまたは動物を対象とする薬物の形態についての政府機関の承認を反映している。いくつかの実施形態では、このような通知は、例えば、処方薬または承認された製品の挿入物に関する、米国食品医薬品局承認のラベルである。いくつかの実施形態では、組成物は、適合可能な医薬担体中に製剤化される本明細書に記載の化合物を含み、適切な容器に入れられ、かつ適応疾病の処置に関するラベルを付けられる。
例えば容器は、場合により組成物中に、または本明細書に開示されるような別の薬剤と併用して化合物1を含む。このようなキットは随意に、識別用の記載文あるいはラベル、または本明細書に記載の方法での使用に関する指示書を含む。
キットは通常、内容物を列記するラベルおよび/または使用説明書、ならびに使用説明書を備えた添付文書を含んでいる。通常は一組の指示書も含まれる。
一実施形態では、ラベルは容器の上にあるか、または容器に付随している。一実施形態では、ラベルを形成する文字、数字、または他の字が容器自体に貼り付け、成形、または刻まれる場合、ラベルは容器の上に取り付けられる。容器も保持するレセプタクルまたは運搬体内に存在するとき、ラベルは例えば添付文書として容器に付随する。一実施形態では、ラベルは、内容物が特定の治療用途での使用を対象とすることを示すために用いられる。ラベルはさらに、例えば本明細書に記載の方法などにおける内容物の使用に関する指示を示す。
ある実施形態では、前記医薬組成物は、本明細書に提供される化合物を含有する1つ以上の単位剤形を包含しているパックまたはディスペンサーデバイスの中で提供される。このパックは例えば、ブリスターパックなどの金属箔またはプラスチック箔を含有する。一実施形態では、前記パックまたはディスペンサーデバイスには、投与の指示書が付随する。別の実施形態では、前記パックまたはディスペンサーには、医薬品の製造、使用、または販売を統制する政府機関が規定する形式で容器に付属される通知も付随され、この通知は、ヒトまたは動物を対象とする薬物の形態についての政府機関の承認を反映するものである。このような通知は例えば、処方薬または承認済み製品の挿入物に関する、米国食品医薬品局承認のラベルである。一実施形態では、適合可能な医薬担体中で製剤化される本明細書提供の化合物を含有する組成物も調製され、適切な容器に入れられ、かつ適応疾病の処置に関するラベルを付けられる。
略語のリスト
本発明の記述全体では、以下の略語は、他に明記されない限り以下の意味を持つものと理解される。
ACNまたはMeCN アセトニトリル
Bn ベンジル
BOCまたはBoc tert-ブチルカルバメート
t-Bu tert-ブチル
Cy シクロヘキシル
DCE ジクロロエタン(ClCHCHCl)
DCM ジクロロメタン(CHCl
DIPEAまたはDIEA ジイソプロピルエチルアミン
DMAP 4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン
DMF ジメチルホルムアミド
DMA N,N-ジメチルアセトアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
eqまたはequiv 当量
Et エチル
EtO ジエチルエーテル
EtOH エタノール
EtOAc 酢酸エチル
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
Me メチル
MeOH メタノール
MS 質量分析
GC ガスクロマトグラフィー
h 時間
KF カールフィッシャー
min 分
MsOH メタンスルホン酸
NMR 核磁気共鳴
RP-HPLC 逆相高速液体クロマトグラフィー
r.t. 室温
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
V 容積
I.化学合成
別段の定めがない限り、販売供給業者から入手されるような試薬と溶媒を使用した。無水溶媒と炉乾燥したガラス製品を、湿気および/または酸素に敏感な合成変換に使用した。収率は最適化しなかった。反応時間はおおよそのものであり、最適化したものではない。別段の定めがない限り、カラムクロマトグラフイーと薄層クロマトグラフィー(TLC)をシリカゲル上で実施した。
(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノン(化合物1)の調製
Figure 2022510303000004
工程1:2-ヒドロキシベンズアルデヒド-3,4,5,6-d(Int-1)
Figure 2022510303000005
フェナ(phen)-d6-オール(1.0eq)、塩化マグネシウム(1.5eq)、およびトリエチルアミン(3.7eq)をACN(10V)に溶かした溶液を、20℃で0.5時間撹拌した。ホルムアルデヒド(8.0eq)を添加し、反応混合物を3時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷まし、10%HCl溶液(10V)を添加した。混合物をEtOAc(3×6V)で抽出した。組み合わせた有機質層をブライン(6V)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮することで、2-ヒドロキシベンズアルデヒド-3,4,5,6-d(Int-1)を黄色の油として得た。
工程2:1-(ベンゾフラン-2-イル-4,5,6,7-d)エタン-1-オン(Int-2)
Figure 2022510303000006
2-ヒドロキシベンズアルデヒド-3,4,5,6-d(Int-1)(1.0eq)、ブロモプロパノン(1.0eq)、および炭酸カリウム(3.0eq)をアセトン(14V)に溶かした溶液を、6時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷まして濾過した。濾液を濃縮し、粗製生成物を再結晶化することで(石油エーテル/EtOAc 10:1)、1-(ベンゾフラン-2-イル-4,5,6,7-d)エタン-1-オン(Int-2)を黄色固形物として得た。
工程3:2-エチルベンゾフラン-4,5,6,7-d(Int-3)
Figure 2022510303000007
1-(ベンゾフラン-2-イル-4,5,6,7-d)エタン-1-オン(Int-2)(1.0eq)をジエチレングリコール(16V)に溶かした溶液を120℃で加熱した。N.HO(2.0eq)と水(1V)を添加した。反応混合物を180℃で10分間加熱し、次いで120℃に冷ました。KOH(2.0eq)を添加し、反応混合物を120℃で6時間加熱した。反応混合物を冷却し、水へと注ぎ、EtOAc(20V×3)で抽出した。組み合わせた有機質層をブライン(20V)で洗浄して濃縮することで、無色の油として2-エチルベンゾフラン-4,5,6,7-d(Int-3)を得た。
工程4:(2-エチルベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)(4-メトキシフェニル)メタノン(Int-4)
Figure 2022510303000008
2-エチルベンゾフラン-4,5,6,7-d(Int-3)(1.0eq)と4-メトキシベンゾイルクロリド(1.15eq)をDCM(30V)に溶かした溶液を0℃に冷却し、AlCl3(1.1eq)を充填した。反応混合物を0℃で2時間撹拌した。DO(2V)を混合物に液滴により5℃で添加し、この混合物を0.5時間撹拌した。水(8V)を添加した。有機質層を分離し、ブライン(10V)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空下において40℃で濃縮することで、(2-エチルベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)(4-メトキシフェニル)メタノン(Int-4)を黄色固形物として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ7.81-7.77(dd,2H),7.12-7.08(dd,2H),3.88(s,3H),2.86-2.78(q,2H),1.28-1.23(t,3H);LCMS:285[M+H]
工程5:(2-エチルベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)(4-ヒドロキシフェニル)メタノン(Int-5)
Figure 2022510303000009
(2-エチルベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)(4-メトキシフェニル)メタノン(Int-4)(1.0eq)を0℃でDCM(10V)に溶かした溶液に、BBr(2.2eq)を液滴により0~5℃で添加した。反応混合物を室温に暖め、14時間撹拌した。氷水(10V)を添加し、混合物を0.5時間撹拌した。有機質層を分離し、ブライン(10V)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空下において40℃で濃縮することで、(2-エチルベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)(4-ヒドロキシフェニル)メタノン(Int-5)を茶色固形物として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ10.47(s,1H),7.71-7.68(dd,2H),6.92-6.88(dd,2H),2.84-2.78(q,2H),1.28-1.24(t,3H);LCMS:271[M+H]
工程6:(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-エチルベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノン(Int-6)
Figure 2022510303000010
(2-エチルベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)(4-ヒドロキシフェニル)メタノン(Int-5)(1.0eq)を10℃でDCM(10V)に溶かした溶液に、NBS(1.7eq)を液滴により0~5℃で添加した。反応混合物を18℃に暖め、16時間撹拌した。反応混合物に10℃で追加のNBS(0.14eq)を充填し、18℃で16時間撹拌した。反応混合物に10℃で追加のNBS(0.05eq)を充填し、18℃で3時間撹拌した。水(15V)を添加し、混合物を0.5時間撹拌した。有機質層を分離し、ブライン(15V)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空下において40℃で濃縮することで、黄色固形物を得た。黄色固形物を60℃で2時間、EtOAc/n-ヘプタン(1V/10V)の中でスラリー状にした。混合物を10℃に冷却して濾過することで、(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-エチルベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノン(Int-6)を黄色固形物として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ11.05(s,1H),7.92(s,2H),2.84-2.75(q,2H),1.27-1.20(t,3H);LCMS:429[M+H]
工程7:2,6-ジブロモ-4-(2-エチルベンゾフラン-3-カルボニル-4,5,6,7-d)フェニルアセテート(Int-7)
Figure 2022510303000011
(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-エチルベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノン(Int-6)(1.0eq)とトリエチルアミン(2.5eq)をDCM(10V)に溶かした溶液に、塩化アセチル(2.0eq)を液滴により0~5℃で添加した。反応混合物を15℃に暖め、2時間撹拌した。水(10V)を添加した。有機質層を分離し、ブライン(10V)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空下において40℃で濃縮することで、粗製固形物を得た。粗製固形物を50℃で1時間、EtOAc(10V)の中で活性炭(0.5w/w)により脱色した。混合物を30℃に冷まし、珪藻土補助物質(kieselguhr aid)により濾過することで活性炭を取り除いた。濾液を真空下において40℃で濃縮した。残留物をi-PrOH(2V)の中で溶解し、60℃で1時間加熱した。溶液を45℃に冷まし、種結晶(0.5%w/w)を充填し、1時間撹拌した。混合物を25℃に冷まし、16時間撹拌した。混合物を濾過し、固形物を乾燥させることで、2,6-ジブロモ-4-(2-エチルベンゾフラン-3-カルボニル-4,5,6,7-d)フェニアセテート(Int-7)を黄色固形物として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ8.08(s,2H),2.81-2.74(q,2H),2.44(s,3H),1.27-1.22(t,3H);LCMS:471[M+H]
工程8:2,6-ジブロモ-4-(2-(1-ブロモエチル)ベンゾフラン-3-カルボニル-4,5,6,8-d)フェニルアセテート(Int-7)
Figure 2022510303000012
2,6-ジブロモ-4―(2-エチルベンゾフラン-3-カルボニル-4,5,6,7-d)フェニルアセテート(Int-7)(1.0eq)、NBS(1.1eq)、およびAIBN(0.1eq)をクロロベンゼン(10V)に溶かした混合物を、55℃で6時間撹拌しながら加熱した。反応混合物を25℃に冷却し、水(10V)を添加し、混合物を1時間撹拌した。有機質層を分離し、NaSOで乾燥させ、真空下で1.5~2Vに濃縮した。この溶液にヘプタン(5V)を充填し、真空下で1.5~2Vに濃縮した。これを3回繰り返した。溶液にヘプタン(3V)を充填し、5℃に冷却し、4時間撹拌した。混合物を濾過し、固形物をヘプタン(1V×2)で洗浄し、乾燥することで、2,6-ジブロモ-4-(2-(1-ブロモエチル)ベンゾフラン-3-カルボニル-4,5,6,7-d)フェニルアセテート(Int-8)を黄色固形物として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ8.11(s,2H),5.47-5,40(q,1H),2.46(s,3H),2.05-2.03(d,3H);LCMS:469[M+H-HBr]+。
工程9:1-(3-(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾフラン-2-イル-4,5,6,7-d)エチルアセテート(Int-9)
Figure 2022510303000013
2,6-ジブロモ-4-(2-(1-ブロモエチル)ベンゾフラン-3-カルボニル-4,5,6,7-d)フェニルアセテート(Int-8)(1.0eq)とCsOAc(5.0eq)をN-メチルピロリジン(8V)に溶かした混合物を、25℃で12時間撹拌した。反応混合物を濾過した。この濾液に水(15V)とEtOAc(10V)を添加した。結果として生じる混合物のpHを12N HClにより2~3に調整した。混合物を1時間撹拌し、次いで0.5時間静置させた。有機溶液を集め、水溶液をEtOAc(10V)で抽出した。組み合わせた有機溶液を水(10V×3)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製することで、1-(3-(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾフラン-2-イル-4,5,6,7-d)エチルアセテート(Int-9)をオフホワイト固形物として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ7.93(s,2H),5.88-5.87(q,1H),1.99(s,3H),1.63-1.61(d,3H);LCMS:427[M+H-CHCOH]
工程10:(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノン(化合物1)
Figure 2022510303000014
1-(3-(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾフラン-2-イル-4,5,6,7-d)エチルアセテート(Int-9)(1.0eq)をメタノール(10V)に溶かした混合物に、CsCO(3.0eq)を添加した。反応混合物を28℃で12時間撹拌した。水(20V)を添加し、結果として生じる混合物のpHを12N HClにより2~3に調整した。混合物を1時間撹拌した。混合物を濾過し、濾過ケークを水(2V×2)で洗浄した。濾過ケーク、EtOAc(15V)、および1N HCl(5V)の溶液を、25℃で1時間撹拌した。有機溶液を集め、NaSOで乾燥させ、真空下で2~3Vに濃縮した。溶液を50℃で1時間加熱し、種結晶(1%w/w)を充填し、50℃で2時間加熱した。n-ヘプタン(10V)を液滴により添加し、混合物を50℃で2時間加熱した。混合物を25℃に冷まし、12時間撹拌した。固形物を濾過により集めて乾燥することで、(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノン(化合物1)をオフホワイト固形物として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ11.11(bs,1H),7.95(s,1H),5.60(bs,1H),4.88-4.83(q,1H),1.49-1.48(d,3H);LCMS:427[M+H-HO]
II.生物学的データ
化合物1、ベンズブロマロン、および1’-OHベンズブロマロンと、ヒトURAT1取り込み輸送体とのインビトロ相互作用の試験
取り込み実験は、安定してヒトURAT1取り込み輸送体を発現するMDCKII細胞を使用して行った。95:5の空気:COの大気中、37±1℃で細胞を培養し、表1に記載される細胞数で標準の96ウェル組織培養プレートに蒔いた。
Figure 2022510303000015
実験前に培地を取り除き、Clを含まない100μLのHBSSで細胞を2回洗浄した。Clを含まず、pH7.4であり、プローブ基質(尿酸20μM)と被験物質(TA)または溶剤を含有する、50μLのHBSSの中、37±1℃で、取り込み実験を行った。有機溶媒濃度は全ウェルにおいて等しく、1%(v/v)を超えなかった。
処置群を表2に提示する。
Figure 2022510303000016
実験後、Clを含まない100μLの氷冷HBSSで細胞を2回洗浄し、50μLの0.1M NaOHで溶解した。各ウェルからアリコート(35μL)を測定して液体シンチレーション計数を行うことで、放射標識プローブ基質輸送を判定した。
結果:被験物質(化合物1、ベンズブロマロン、および1’-OHベンズブロマロン)は、すべての試験濃度でHBSS緩衝液に溶けた。最高試験濃度は10μMである。化合物1は、10μMの濃度でURAT1媒介性尿酸蓄積を100%阻害し、IC50=0.067μMであった。ベンズブロマロンは、10μMの濃度でURAT1媒介性尿酸蓄積を98%阻害し、IC50=0.196μMであった。1’-OHベンズブロマロンは、1.67μMの濃度でURAT1媒介性尿酸蓄積を94%阻害し、IC50=0.050μMであった。
ヒト肝臓ミクロソーム中での化合物1とベンズブロマロンのインビトロ代謝
インキュベーション混合物をヒト肝臓ミクロソーム(0.5mg/mLタンパク質)、リン酸カリウム緩衝液(100mM、pH7.4)、10mMのMgCl、および被験物質(2μMの化合物1)で構成し、総体積を0.5mLとした。混合物を予め37℃で5分間温めた後、1mMのNADPHを添加して反応を開始し、振盪水浴の中37℃で60分間インキュベートした。氷冷アセトニトリル0.5mLの添加により反応を止めた。アセトニトリルを添加してから、ミクロソームを各種の基準試料としてインキュベーション混合物に添加することで、0時間インキュベーションも行った。室温で3分間、15,000gでボルテックス処理と遠心分離を行った後、約0.5mLの試料が残るまで、結果として生じる上清を窒素流の下33℃で濃縮した。次いで抽出物を1.5mL遠心分離機バイアルに移し、15,000gで3分間遠心分離を行った。最後に上清のアリコートをHPLCバイアルに移し、HPLC-MS解析を行った。
HPLC解析:逆相C18カラムを使用して化合物1の代謝プロファイリングを行った。条件は以下に要約する。
Figure 2022510303000017
MS解析:質量スペクトル解析は、Agilent 1100 HPLCシステムを搭載したAgilentシングル四重極質量分析計上で行った。この質量分析計をエレクトロスプレーイオン化(ESI)ソースと適合させ、400~500amuのネガティブスキャンモードで作動させた。
Figure 2022510303000018
結果:化合物1は60分間のインキュベーション後もヒトミクロソームの中で安定しており、親の82.5%が残った。NADPHの存在下でのヒト肝臓ミクロソームの中、化合物1をカルボニル代謝物(M1)と単酸化代謝物(mono oxidative metabolite)(M3)に変換した。
Figure 2022510303000019
ベンズブロマロンに対する代謝プロファイリングは、上述と同様の方法を使用して行った。インキュベーション後、ベンズブロマロンの大半は、6-OHベンズブロマロン、1’-OHベンズブロマロン、およびベンズブロマロンの2つのジヒドロキシ代謝物に代謝され、最終混合物の13.1%を占めていた。
Figure 2022510303000020
スプラーグドーリーラットに対する化合物1の4週間毒性試験
試験デザイン:試験群を表3に示す。
Figure 2022510303000021
動物に対して化合物1と溶媒(注射用蒸留水に溶かした0.5%(w/v)メチルセルロース(MC))、または表3に概説するように溶媒に溶かした化合物1を28日間連続して、10mL/kgの投与量で経口胃管栄養投与した。29日目、生存するTS動物(試験中の全動物)を屠殺して全肉眼検死を行った。この検死の対象は、身体の外部表面、全身の開口部、頭蓋腔、脳、胸、腹腔、骨盤腔、内臓、頚部領域、死骸、および生殖器の肉眼検査であった。予定した検死時に主要な試験動物すべての器官を可能な限り早急に計量した。最終屠殺時の群1と5の動物の組織、死亡を確認または瀕死により屠殺した動物の組織、および全動物の肉眼的病変をパラフィンに埋め込み、切開し、ヘマトキシリン-エオジンで染色し、委員会認定の獣医学士による微視的検査を行った。
結果:化合物1の投与28日後に、どの投与群(2、5、15、50mg/kg/日)にも死亡を認めなかった。異常な臨床的兆候も認めなかった。さらに、本試験ではどの動物にも食物消費に対する体重の効果はなかった。肝重量はオスでは50mg/kg/日で、メスでは15mg/kg/日より上で増加し、腎重量はメスでは50mg/kg/日で増加する。4週間の回復期間後、高度または中等度~高度の用量における所見は消散した(resolved)。NOAEL値を50mg/kg(ヒトでは500mg相当)で特定した。
カニクイザルに対する化合物1の4週間毒性試験
試験デザイン:試験群を表4に示す。
Figure 2022510303000022
動物に対して化合物1と溶媒(注射用蒸留水に溶かした0.5%(w/v)メチルセルロース(MC))、または表4に概説するような溶媒に溶かした化合物1を28日間連続して、5mL/kgの投与量で経口挿管投与し、約5mLの飲料水ですすいだ。29日目、生存するTS動物(試験中の全動物)を屠殺して全肉眼検死を行った。この検死の対象は、身体の外部表面、全身の開口部、頭蓋腔、脳、胸、腹腔、骨盤腔、内臓、頚部領域、死骸、および生殖器の肉眼検査であった。予定した検死時に主要な試験動物すべての器官を可能な限り早急に計量した。最終屠殺時の動物の組織、死亡を確認または瀕死により屠殺した動物の組織、および全動物の肉眼的病変をパラフィンに埋め込み、切開し、ヘマトキシリン-エオジンで染色し、委員会認定の獣医学士による微視的検査を行った。
結果:化合物1の投与28日後に、どの投与群(10、30、150mg/kg/日)にも死亡を認めなかった。異常な臨床的兆候も認めなかった。さらに、本試験ではどの動物にも食物消費に対する体重の効果はなかった。肝重量は150mg/kg/日でオスの方に高くなる傾向が見られたが、統計的な差はなかった。4数週間の回復期間後に初見は認められなかった。NOAEL値を30mg/kg(ヒトでは600mg相当)で特定した。
化合物1(一回量)を用いる第1相臨床試験
化合物1に対する試験は、第1相ファースト・イン・ヒューマン無作為化二重盲検プラセボ比較試験で行い、健康な成人男性に化合物1を単回投与したときの安全性、忍容性、薬物動態(PK)、薬動力学(PD)、および予備的な食効を評価した。投与群は、コホート1(15mgまたはプラセボ、絶食、経口懸濁液)、コホート2(50mgまたはプラセボ、絶食、懸濁液)、コホート3(100mgまたはプラセボ、絶食、経口懸濁液)、集団4(150mgまたはプラセボ、絶食、経口懸濁液)、コホート6(50mgまたはプラセボ、摂食、経口懸濁液)、および集団7(50mgまたはプラセボ、絶食、経口カプセル)であった。摂食状態または絶食状態にある計35名の被験者に化合物1(15~150mg)を投与した。さらに8名の被験者にプラセボを投与した。
薬物動態
健康な成人男子を対象に化合物1を用いた第1相試験を行い、化合物1またはプラセボの単回投与後の血漿PKを評価した。化合物1は、1:1の比で2つのエナンチオマーを含有するラセミ化合物として投与した。ラセミ化合物1の単回経口投与後、化合物1のRエナンチオマーとSエナンチオマーをモニタリングした。絶食条件下での化合物1の吸収速度は中等度であり、Tmax中央値は投与後3~5時間であった(図1と表5)。化合物1を摂食状態で投与したときの吸収は遅かった(8時間のTmax中央値)(図2と表5)。化合物1の血漿中濃度は低下し、末端半減期の平均値は約10~13時間であった(表5)。化合物1の完全な血漿クリアランスは約1.0L/hr、分布容積は14~18Lであった。循環時、化合物1のSエナンチオマーの曝露は、化合物1のRエナンチオマーよりも高いと認めた。S/Rの比は、AUCinfでは1.7~1.8、Cmaxでは1.1~1.3である(表6)。この結果は動物試験での所見と一致しており、Sエナンチオマーの曝露が高くなることで、インビボでのRエナンチオマーの変換に起因した。
Figure 2022510303000023
Figure 2022510303000024
用量比例性の統計的評価より、化合物1の血漿曝露AUC(AUCinf)は絶食条件下で用量範囲15~150mgを投与したときに用量比例的増加(冪指数モデル(power model exponent)=1.0、0.8~1.25の限界内でCI95%)を示し、一方でCmaxの用量比例的増加はわずかに低かった(冪指数モデル=0.88、CI95%は0.8~1.25の限界外である)ことを認めた(表7)。図3と図4は、AUC(図3)とCmax(図4)の増加を、用量およびその用量比例線からの一致または偏差とともに示す。
Figure 2022510303000025
投与量50mgの食効を評価した。摂食状態(高脂肪、高カロリーの食事)で化合物1を投与した群では、化合物1を絶食条件下で投与したときよりも吸収が遅く(Tmaxは絶食状態で3~5時間から投与後8時間まで遅れた)、曝露が少ないことを認めた(表5と8)。摂食条件下での投与の影響として、AUCよりCmaxに対して有意な効果があったことに留意されたい(表8と図2)。摂食状態でのCmaxは約33%であったが、AUCは食物により約13%低下した。
Figure 2022510303000026
薬動力学
化合物1を絶食条件下で15、50、100、および150mgの単回経口投与した後、平均sUA値からプラセボ群と比較して用量依存的減少(表9と図5)を50mg以上で認めた。sUAの減少は100mg以下で横ばいになったと思われる。用量50mg以上では、sUA低下効果の開始を投与後6時間で認め、投与後24~36時間で底に達した。sUAは投与後最大72時間、ベースライン値よりも低いままであった。これにより、持続的なsUA低下効果と、化合物1のPK半減期よりも大幅に長いPD効果を認めた。絶食条件下では、化合物1を15、50、100、および150mgで投与することで、プールされたプラセボ群での約0.2%の増加と比較して、投与後24時間でのsUA値が平均でそれぞれ約-6%、-42%、-59%、および-59%減少した(表10と図6)。投与後24時間でのsUA値の低下は部分的に、化合物1の代謝物である6-OH化合物1の形成に起因する。
Figure 2022510303000027
Figure 2022510303000028
摂食状態の結果としてCmaxが低下したにもかかわらず、食物の有無に関係なく化合物1を投与した時に投与後120時間全体においてsUAの低下に差異を認めなかった(図7)。
化合物1(複数回漸増用量)を用いる第1相臨床試験
化合物1に対する試験は、第1相ファースト・イン・ヒューマン無作為化二重盲検プラセボ比較試験で行い、健康な成人男性に化合物1を複数回投与したときの安全性、忍容性、薬物動態(PK)、および薬動力学(PD)を評価した。絶食状態の計24名の被験者に化合物1(25~75mg)を複数回投与した。さらに6名の被験者にプラセボを投与した。
薬物動態
化合物1を10日間一日一回25、50、または75mg投与した後、軽度~中等度のから中程度の蓄積を認めた。蓄積は、Cmaxでは約1.3~1.4倍、AUC0-24では1.4~1.5倍であった(表11と図8)。
Figure 2022510303000029
薬動力学
化合物1を絶食条件下で10日間、一日一回25、50、または75mgの経口カプセルで投与した後、平均sUA値からプラセボ群と比較して用量依存的な減少を認めた(図9)。10日目、化合物1によりsUA濃度は10日間で有意に減少し、用量25mgでは最大44%(トラフで41%)、用量50mgでは最大67%(トラフで58%)、用量75mgでは最大69%(トラフで65%)減少した(図10)。対照的に、プラセボ群では前投与10日目に7.2%の減少しか認められなかった。定常sUA低下の効果を約5日後に達成した。

Claims (43)

  1. 個体における高尿酸血症または痛風を処置または予防するための方法であって、前記方法は、治療上有効な量の(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンを個体に投与する工程を含み、ここで、治療上有効な量は約3mg~約1500mgである、
    方法。
  2. 個体における高尿酸血症を処置または予防するための、請求項1に記載の方法。
  3. 個体における高尿酸血症を処置するための、請求項2に記載の方法。
  4. 個体における高尿酸血症を予防するための、請求項2に記載の方法。
  5. 個体における痛風を処置または予防するための、請求項1に記載の方法。
  6. 個体における痛風を処置するための、請求項5に記載の方法。
  7. 個体における痛風を予防するための、請求項5に記載の方法。
  8. 治療上有効な量は約3mg~約600mgである、請求項1-7のいずれか1つに記載の方法。
  9. 治療上有効な量は約5mg~約300mgである、請求項1-8のいずれか1つに記載の方法。
  10. 治療上有効な量は約10mg~約200mgである、請求項1-9のいずれか1つに記載の方法。
  11. 治療上有効な量は約10mg~約100mgである、請求項1-9のいずれか1つに記載の方法。
  12. (3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンは経口投与される、請求項1-11のいずれか1つに記載の方法。
  13. 治療上有効な量は食物と一緒に摂取される、請求項12に記載の方法。
  14. 治療上有効な量は食物なしで摂取される、請求項12に記載の方法。
  15. 治療上有効な量は、一日1回個体に投与される、請求項1-14のいずれか1つに記載の方法。
  16. 治療上有効な量は一日2回個体に投与される、請求項1-14のいずれか1つに記載の方法。
  17. 少なくとも1つの追加の治療薬を投与する工程をさらに含む、請求項1-16のいずれか1つに記載の方法。
  18. キサンチンオキシダーゼ阻害剤を投与する工程をさらに含む、請求項1-17のいずれか1つに記載の方法。
  19. キサンチンオキシダーゼ阻害剤は、アロプリノール、オキシプリノール、フェブキソスタット、トピロキソスタット、またはイノシトールである、請求項18に記載の方法。
  20. SGLT2阻害剤を投与する工程をさらに含む、請求項1-19のいずれか1つに記載の方法。
  21. SGLT2阻害剤は、カナグリフロジン、ダパグリフロジン、エンパグリフロジン、エンパグリフロジン/リナグリプチン、エンパグリフロジン/メトホルミン、またはダパグリフロジン/メトホルミンである、請求項20に記載の方法。
  22. 高尿酸血症または痛風の処置または予防のための医薬組成物であって、医薬組成物は、治療上有効な量の(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(2-(1-ヒドロキシエチル)ベンゾフラン-3-イル-4,5,6,7-d)メタノンと、薬学的に許容可能な担体、希釈剤、および賦形剤から選択された少なくとも1つの不活性成分とを含み、ここで、治療上有効な量は約3mg~約1500mgである、医薬組成物。
  23. 個体における高尿酸血症の処置または予防のための、請求項22に記載の医薬組成物。
  24. 個体における高尿酸血症の処置のための、請求項23に記載の医薬組成物。
  25. 個体における高尿酸血症の予防のための、請求項23に記載の医薬組成物。
  26. 個体における痛風の処置または予防のための、請求項22に記載の医薬組成物。
  27. 個体における痛風の処置のための、請求項26に記載の医薬組成物。
  28. 個体における痛風の予防のための、請求項26に記載の医薬組成物。
  29. 治療上有効な量は約3mg~約600mgである、請求項22-28のいずれか1つに記載の医薬組成物。
  30. 治療上有効な量は約5mg~約300mgである、請求項22-29のいずれか1つに記載の医薬組成物。
  31. 治療上有効な量は約10mg~約200mgである、請求項22-30のいずれか1つに記載の医薬組成物。
  32. 治療上有効な量は約10mg~約100mgである、請求項22-31のいずれか1つに記載の医薬組成物。
  33. 経口、静脈内、筋肉内、または皮下の投与のために製剤化された、請求項22-32のいずれか1つに記載の医薬組成物。
  34. 経口投与のために製剤化された、請求項22-33のいずれか1つに記載の医薬組成物。
  35. 治療上有効な量は食物と一緒に摂取される、請求項34に記載の医薬組成物。
  36. 治療上有効な量は食物なしで摂取される、請求項34に記載の医薬組成物。
  37. 治療上有効な量は1日当たり1回投与される、請求項22-36のいずれか1つに記載の医薬組成物。
  38. 治療上有効な量は1日当たり2回投与される、請求項22-36のいずれか1つに記載の医薬組成物。
  39. 少なくとも1つの追加の治療薬をさらに含む、請求項22-38のいずれか1つに記載の医薬組成物。
  40. キサンチンオキシダーゼ阻害剤をさらに含む、請求項22-39のいずれか1つに記載の医薬組成物。
  41. キサンチンオキシダーゼ阻害剤は、アロプリノール、オキシプリノール、フェブキソスタット、トピロキソスタット、またはイノシトールである、請求項40に記載の医薬組成物。
  42. SGLT2阻害剤を投与する工程をさらに含む、請求項22-41のいずれか1つに記載の方法。
  43. SGLT2阻害剤は、カナグリフロジン、ダパグリフロジン、エンパグリフロジン、エンパグリフロジン/リナグリプチン、エンパグリフロジン/メトホルミン、またはダパグリフロジン/メトホルミンである、請求項42に記載の方法。
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