JP2022506649A - Peg化タンパク質の精製方法 - Google Patents

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    • C07K14/475Growth factors; Growth regulators
    • C07K14/50Fibroblast growth factors [FGF]

Abstract

本明細書は、高濃度(例えば、少なくとも6g/リットル)のPEG化タンパク質をロードする工程、およびPEG化タンパク質を回収する工程を含む、イオン交換クロマトグラフィーを用いてPEG化タンパク質を精製するための新規方法を提供する。

Description

(関連出願の相互参照)
本願は、2018年11月5日出願の米国仮特許出願第62/756,020号についての優先権の利益を主張するものであり、その全体の内容が参照により本明細書に組み入れられる。
背景分野
ポリエチレングリコール分子(PEG)の共有結合によるタンパク質またはバイオ医薬品の化学修飾は、未修飾タンパク質またはバイオ医薬品に比べて、いくつかの重要な利点、例えば、半減期の長期化、水溶解性の増強、毒性の低下、腎クリアランス率の低下、修飾タンパク質またはバイオ医薬品の免疫原性および抗原性の低下を提供することができる。これらの利点は、主に、中性で化学的に不活性な親水性のPEGポリマーにより、分子サイズ(流体力学的半径)が顕著に増大すること、ならびに表面の変化および保護(「マスキング」)に起因すると考えられる。
PEG化タンパク質の製造に関連する課題の1つは、PEG化処理により不均質な生成物が生じることであって、例えば、未反応の天然タンパク質、未反応のPEGおよび様々なPEG化部位および様々な結合度を持つPEG化された物質が挙げられる。PEG化生成物を、治療薬として使用する場合、PEG化治療分子を望ましくない残留不純物から精製することが必要である。
現在、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、疎水性相互作用クロマトグラフィー、最も一般的な静電気的相互作用クロマトグラフィー(イオン交換クロマトグラフィー、IEC)などのPEG化タンパク質を精製するためのいくつかの方法が使用されている。しかし、PEGポリマーの性質に関連するいくつかの要因のために、PEG化タンパク質の精製は複雑である。PEGポリマーは、中性かつ親水性であり、水溶液への溶解度は温度に反比例して低下する。PEGおよびPEG化タンパク質を含むPEG化反応生成物の混合物には、起泡性、粘性、およびタンパク質またはポリマーの沈殿が認められることがある。PEG化生成物は、高分子量ポリマーであるため、表面に非特異的に吸着し、水溶液の粘度を増加させる傾向がある。この特徴のため、クロマトグラフィーによる精製を目的とした場合、クロマトグラフィー媒体の容量に合わせてローディング液の濃度を、約1グラム/リットルに下げねばならず、そのことで収率が低下し、高コストの精製方法となる。
そのため、純粋なPEG化生成物をより高い収率で得ることができる、迅速かつ経済的なPEG化生成物の精製方法の開発が求められている。
(本発明の要旨)
本明細書は、イオン交換クロマトグラフィーを用いたPEG化生成物の効率的な精製方法を提供するものである。驚くべきことに、実践されているクロマトグラフィーの原理に反して、分離マトリックスにロードされるPEG化タンパク質濃度を増加させると、イオン交換マトリックスの結合容量が予想外に増加すること、および/またはPEG化生成物の精製収率が向上することが判った。本発明の方法により、時間およびコスト双方の節約となる:(1)ロードされるタンパク質濃度を増加することにより、精製サイクルの回数が減少し、そして(2)実測されるマトリックスの高い結合容量により、クロマトグラフィーマトリックスの洗浄頻度および交換の必要性が低減する。
それ故に、いくつかの実施態様において、本明細書は、イオン交換クロマトグラフィーマトリックス上に少なくとも6g/リットルの高濃度にてPEG化タンパク質をロードする工程、およびPEG化タンパク質を回収する工程を含む、PEG化タンパク質を精製するための方法を提供する。
いくつかの実施態様において、本明細書は、1g/Lの濃度でロードして回収されるPEG化タンパク質の収量と比較して、高濃度のPEG化タンパク質をロードすることにより、回収されるPEG化タンパク質の収量が増加する、PEG化タンパク質を精製するための方法を提供する。
いくつかの実施態様において、本明細書は、回収されるPEG化タンパク質の収量が、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約6倍、約7倍、約8倍、約9倍、約10倍、約20倍、約30倍または約40倍増加する、PEG化タンパク質を精製するための方法を提供する。
いくつかの実施態様において、本明細書は、高濃度のPEG化タンパク質をロードすることにより、PEG化タンパク質を1g/Lの濃度でロードした場合のイオン交換マトリックスのローディング容量と比較して、イオン交換マトリックスのローディング容量が増加する、PEG化タンパク質を精製するための方法を提供する。
いくつかの実施態様において、本明細書は、イオン交換マトリックスのローディング容量が、6gから、約7g、約8g、約9g、約10g、約11g、約12g、約13g、約14g、約15g、約16g、約17g、約18g、約19gまたは約20gのPEG化タンパク質/マトリックス1Lのローディング容量まで増加する、PEG化タンパク質を精製するための方法を提供する。
いくつかの実施態様において、本明細書は、高濃度のPEG化タンパク質をロードすることにより、PEG化タンパク質を1g/Lの濃度でロードした場合のイオン交換マトリックスの結合容量と比較して、イオン交換マトリックスの結合容量の増加をもたらす、PEG化タンパク質を精製するための方法を提供する。
いくつかの実施態様において、本明細書は、イオン交換マトリックスの結合容量が、PEG化タンパク質を1g/Lの濃度でロードした場合のイオン交換マトリックスの結合容量と比較して、約1.1倍、約1.2倍、約1.3倍、約1.5倍、約1.6倍、約1.7倍、約1.8倍、約1.9倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約6倍、約7倍、約8倍、約9倍、約10倍、約15倍、約20倍または約30倍となる、PEG化タンパク質を精製するための方法を提供する。
いくつかの実施態様において、本明細書は、イオン交換クロマトグラフィーマトリックスの結合容量が、少なくとも7g、少なくとも7.5g、少なくとも8g、少なくとも8.5g、少なくとも9g、少なくとも9.5g、少なくとも10g、少なくとも10.5g、少なくとも11g、少なくとも11.5g、少なくとも12g、少なくとも12.5g、少なくとも13g、少なくとも13.5g、少なくとも14g、少なくとも14.5g、少なくとも15g、少なくとも15.5g、少なくとも16g、少なくとも16.5gまたは少なくとも17gのPEG化タンパク質/マトリックス1Lである、PEG化タンパク質を精製するための方法を提供する。
いくつかの実施態様において、本明細書は、回収されたPEG化タンパク質が、少なくとも約20%の純度、少なくとも約25%の純度、少なくとも約30%の純度、少なくとも約35%の純度、少なくとも約40%の純度、少なくとも約45%の純度、少なくとも約50%の純度、少なくとも約55%の純度、少なくとも約60%の純度、少なくとも約65%の純度、少なくとも約70%の純度、少なくとも約75%の純度、少なくとも約80%の純度、少なくとも約85%の純度、少なくとも約90%の純度、少なくとも約95%の純度または少なくとも約98%の純度である、PEG化タンパク質を精製するための方法を提供する。
いくつかの実施態様において、本明細書は、イオン交換クロマトグラフィー中のUV干渉が、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または少なくとも98%低下される、PEG化タンパク質を精製するための方法を提供する。
いくつかの実施態様において、本明細書は、ロードされるPEG化タンパク質が、ロードする前に触媒を使用せずに濃縮されている、PEG化タンパク質を精製するための方法を提供する。
いくつかの実施態様において、本明細書は、ロードされるPEG化タンパク質が、ロードする前にタンジェンシャルフロー濾過によって濃縮されている、PEG化タンパク質を精製するための方法を提供する。
いくつかの実施態様において、本明細書は、高濃度でロードされるPEG化タンパク質が、少なくとも約7g/L、少なくとも約8g/L、少なくとも約9g/L、少なくとも約10g/L、少なくとも約11g/L、少なくとも約12g/L、少なくとも約13g/L、少なくとも約14g/L、少なくとも約15g/L、少なくとも約20g/L、少なくとも約25g/L、少なくとも約30g/L、少なくとも約35g/L、少なくとも約40g/L、少なくとも約45g/L、少なくとも約50g/L、少なくとも約55g/Lまたは少なくとも約60g/Lの濃度を有する、PEG化タンパク質を精製するための方法を提供する。
いくつかの実施態様において、本明細書は、高濃度でロードされるPEG化タンパク質が、約10g/L、約15g/L、約20g/L、約25g/L、約30g/L、約35g/L、約40g/L、約45g/L、約50g/L、約55g/Lまたは約60g/Lの濃度を有する、PEG化タンパク質を精製するための方法を提供する。
いくつかの実施態様において、本明細書は、高濃度でロードされるPEG化タンパク質が、約30g/Lの濃度を有する、PEG化タンパク質を精製するための方法を提供する。
いくつかの実施態様において、本明細書は、PEG化タンパク質の収率が、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%または少なくとも99%である、PEG化タンパク質を精製するための方法を提供する。
いくつかの実施態様において、本明細書は、洗浄緩衝液を用いてマトリックスを洗浄する工程を更に含む、PEG化タンパク質を精製するための方法を提供する。
いくつかの実施態様において、本明細書は、溶出緩衝液を用いてPEG化タンパク質を溶出する工程を更に含む、PEG化タンパク質を精製するための方法を提供する。
いくつかの実施態様において、本明細書は、イオン交換クロマトグラフィーが、カチオン交換クロマトグラフィーである、PEG化タンパク質を精製するための方法を提供する。
いくつかの実施態様において、本明細書は、イオン交換クロマトグラフィーが、Poros HS、Poros XS、カルボキシメチルセルロース、BAKERBOND ABX(登録商標)、アガロースに固定されたスルホプロピルおよびアガロースに固定されたスルホニル、MonoS、MiniS、Source 15S、30S、SP SEPHAROSE(登録商標)、CM SEPHAROSE(登録商標)、BAKERBONDカルボキシ-スルホン、WP CBX、WP Sulfonic、Hydrocell CM、Hydrocel SP、UNOsphere S、Macro-Prep High S、Macro-Prep CM、CeramicHyperD S、Ceramic HyperD CM、Ceramic HyperD Z、Trisacryl M CM、Trisacryl LS CM、Trisacryl M SP、Trisacryl LS SP、Spherodex LS SP、DOWEX Fine Mesh強酸カチオン樹脂、DOWEX MAC-3、Matrex Cellufine C500、Matrex Cellufine C200、Fractogel EMD SO3-、Fractogel EMD SE、Fractogel EMD COO、Amberlite弱/強カチオン交換体、Diaion弱/強カチオン交換体、TSK Gel SP-5PW-HR、TSK Gel SP-5PW、Toyopearl CM(650S、650M、650C)、Toyopearl SP(650S、650M、650C)、CM(23、32、52)、SE(52、53)、P11、Express-Ion CおよびExpress-Ion Sおよびそれらのあらゆる組合せからなる群から選択されるCEX樹脂を含む、PEG化タンパク質を精製するための方法を提供する。
いくつかの実施態様において、本明細書は、イオン交換クロマトグラフィーが、アニオン交換クロマトグラフィーである、PEG化タンパク質を精製するための方法を提供する。
いくつかの実施態様において、本明細書は、イオン交換クロマトグラフィーが、POROS HQ、POROS XQ、Q SEPHAROSE(登録商標)Fast Flow、DEAE SEPHAROSE(登録商標)Fast Flow、SARTOBIND(登録商標)Q、ANX SEPHAROSE(登録商標)4 Fast Flow(high sub)、Q SEPHAROSE(登録商標)XL、Q SEPHAROSE(登録商標)ビッグビーズ、DEAE Sephadex A-25、DEAE Sephadex A-50、QAE Sephadex A-25、QAE Sephadex A-50、Q SEPHAROSE(登録商標) high performance、Q SEPHAROSE(登録商標) XL、Sourse 15Q、Sourse 30Q、Resourse Q、Capto Q、Capto DEAE、Mono Q、Toyopearl SuperQ、Toyopearl DEAE、Toyopearl QAE、Toyopearl Q、Toyopearl GigaCap Q、TS gel SuperQ、TS gel DEAE、Fractogel EMD TMAE、FractogelEMD TMAE HiCap、Fractogel EMD DEAE、Macroprep High Q、Macro-prep-DEAE、Unosphere Q、Nuvia Q、PORGS PI、DEAE Ceramic HyperD、Q Ceramic HyperDおよびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるAEX樹脂を含む、PEG化タンパク質を精製するための方法を提供する。
いくつかの実施態様において、本明細書は、PEG化タンパク質が、少なくとも約5kDa、少なくとも約10kDa、少なくとも約15kDa、少なくとも約20kDa、少なくとも約25kDa、少なくとも約30kDa、少なくとも約35kDa、少なくとも約40kDa、少なくとも約45kDa、少なくとも約50kDa、少なくとも約55kDa、少なくとも約60kDa、少なくとも約75kDa、少なくとも約80kDa、少なくとも約85kDa、少なくとも約90kDa、少なくとも約95kDa、少なくとも約100kDa、少なくとも約105kDa、少なくとも約110kDa、少なくとも約115kDa、少なくとも約120kDa、少なくとも約130kDa、少なくとも約135kDa、少なくとも約140kDa、少なくとも約145kDa、少なくとも約150kDa、少なくとも約155kDa、少なくとも約160kDa、少なくとも約165kDa、少なくとも約170kDa、少なくとも約175kDa。少なくとも約180kDa、少なくとも約185kDa、少なくとも約190kDa、少なくとも約195kDa、少なくとも約200kDa、少なくとも約300kDa、少なくとも約350kDa、少なくとも約400kDa、少なくとも約450kDa、少なくとも約500kDa、少なくとも約550kDaまたは少なくとも約600kDaの分子量を有する、PEG化タンパク質を精製するための方法を提供する。
いくつかの実施態様において、本明細書は、PEG化タンパク質が、PEG化された野生型タンパク質、突然変異体、誘導体、バリアントまたは断片である、PEG化タンパク質を精製するための方法を提供する。
いくつかの実施態様において、本明細書は、PEG化タンパク質が、PEG化された天然由来または組換えタンパク質である、PEG化タンパク質を精製するための方法を提供する。
いくつかの実施態様において、本明細書は、PEG化タンパク質が、抗体または融合タンパク質である、PEG化タンパク質を精製するための方法を提供する。
いくつかの実施態様において、本明細書は、PEG化タンパク質が、サイトカイン、凝固因子、ホルモン、細胞表面受容体、成長因子またはそれらのあらゆる組み合わせである、PEG化タンパク質を精製するための方法を提供する。
いくつかの実施態様において、本明細書は、PEG化タンパク質が、線維芽細胞成長因子21(FGF21)、インターロイキン2、第VIII因子、組換えフェニルアラニンアンモニア-リアーゼ、ペグバリアーゼ、アディノベイト、インターフェロン(例えば、プレグリディなどのインターフェロンβ-1a)、ナロキソール(例えば、ナロキセゴール)、ペギネサチド、セルトリズマブペゴル、エリスロポエチン(例えば、メトキシポリエチレングリコール-エポエチンβ)、ペガプタニブ、組換えメチオニルヒト顆粒球コロニー刺激因子、ペグフィルグラスチム、ヒト成長ホルモン拮抗剤(例えば、ペグビソマント)、インターフェロンα(例えば、PEGインターフェロンα-2aまたはPEGインターフェロンα-2b)、L-アスパラギナーゼ(例えば、ペグアスパラガーゼ)、アデノシンデアミナーゼ(例えば、ウシペグアデマーゼ)またはドキソルビシンなどが挙げられる。
いくつかの実施態様において、本明細書は、PEG化タンパク質がFGF21である、PEG化タンパク質を精製するための方法を提供する。
いくつかの実施態様において、本明細書は、PEG化タンパク質がPEG化部位を含む、PEG化タンパク質を精製するための方法を提供する。
いくつかの実施態様において、本明細書は、PEG化部位が、直鎖状、分岐状、モノPEG化物、ランダムPEG化物および複数PEG化物(PEGmer)である、PEG化タンパク質を精製するための方法を提供する。
いくつかの実施態様において、本明細書は、PEG化部分が、少なくとも約1kDa、少なくとも約2kDa、少なくとも約3kDa、少なくとも約4kDa、少なくとも約5kDa、少なくとも約6kDa、少なくとも約7kDa、少なくとも約8kDa、少なくとも約9kDa、少なくとも約10kDa、少なくとも約11kDa、少なくとも約12kDa、少なくとも約13kDa、少なくとも約14kDa、少なくとも約15kDa、少なくとも約16kDa、少なくとも約17kDa、少なくとも約18kDa、少なくとも約19kDa、少なくとも約20kDa、少なくとも約21kDa、少なくとも約22kDa、少なくとも約23kDa、少なくとも約24kDa、少なくとも約25kDa、少なくとも約30kDa、少なくとも約40kDa、少なくとも約50kDa、少なくとも約55kDa、少なくとも約60kDa、少なくとも約65kDa、少なくとも約70kDa、少なくとも約75kDa、少なくとも約80kDa、少なくとも約90kDa、少なくとも約95kDaまたは少なくとも約100kDaである、PEG化タンパク質を精製するための方法を提供する。
いくつかの実施態様において、本明細書は、PEG化部分が、約30kDaであるPEG化タンパク質を精製するための方法を提供する。
いくつかの実施態様において、本明細書は、本明細書の方法を用いて精製されたPEG化タンパク質を提供する。
図1:PEGタンパク質のサイズ(Rh:ナノメートル単位の流体力学的半径;DLS:動的光散乱法)および結合容量に対するタンパク質濃度の影響。PEG化タンパク質の濃度が1g/Lから30g/Lに上昇すると、PEG化タンパク質のRhは6.1nmから2.7nmに減少し、結合容量は5.1g/L樹脂から12.8g/L樹脂に増加した。AEX:アニオン交換クロマトグラフィー。 現行のプロトコル(PEG化反応生成物の31倍希釈;左側)および本願新規方法(中央および右側)の下での、PEG化タンパク質のローディング濃度およびIECマトリックスの結合容量の比較:例えば、希釈なし、TFF(タンジェンシャルフロー濾過;10kDaおよび30kDaの孔サイズを示す)による濃縮およびIECマトリックスへのローディング。4-ABH:4-アミノ安息香酸ヒドラジド(PEG化反応の触媒)。
(発明の詳細な説明)
本明細書は、望ましくない不純物から所望のPEG化標的物を精製するための効果的な方法を提供する。当技術分野の教示に反して、本明細書の方法は、6g/Lよりも低く希釈された溶液、例えば1g/Lの希釈された溶液の代わりに、少なくとも6g/Lである高濃度のPEG化タンパク質を、イオン交換マトリックスにロードすることを特徴とする。驚くべきことに、高濃度でPEG化タンパク質溶液をロードすることにより、クロマトグラフィーマトリックスの結合容量およびローディング容量が増加して、高収率にて精製タンパク質が得られることが判った。本明細書の方法は、所望のPEG化タンパク質を得るために必要な精製サイクルの回数を減らし、結果としてコストのかかるクロマトグラフィーマトリックスの洗浄および交換の必要性を減らすことで、時間、労力および費用を節約することができる。
PEG化タンパク質は、様々な異なる化学試薬を用いて、ネイティブタンパク質にPEG鎖を化学的に結合させることにより形成される。特定の実施態様において、本明細書は、目的のPEG化タンパク質と1または複数の夾雑物質とを含む混合物から、目的のPEG化タンパク質を精製するための方法を提供する。存在する可能性がある夾雑物質としては、未反応のPEG、未反応のネイティブタンパク質、反応触媒、宿主細胞タンパク質(HCP)、高分子種(HMW)、低分子種(LMW)およびDNAなどが挙げられる。本明細書はまた、クロマトグラフィーマトリックスまたはイオン交換マトリックスに、1リットルあたり少なくとも6グラムの高濃度のPEG化タンパク質を含む溶液をロードして、目的のPEG化生成物を回収することにより、溶液中の不純物から所望のPEG化標的物を精製するための方法を提供するものである。
I.定義
本明細書がより容易に理解されるように、まず特定の用語を定義する。
明細書で使用されている「および/または」という用語は、2つの指定された特徴または構成要素各々について、他方を伴うか、または他方を伴わずに具体的に開示していると解釈されるものである。したがって、本明細書において「Aおよび/またはB」などの語句に使用される「および/または」という用語は、「AおよびB」、「AまたはB」、「A」(単独)および「B」(単独)を含むことを意図している。同様に、「A、B、および/またはC」などのフレーズで使用される「および/または」という用語は、以下の各態様を包含することを意図する:A、BおよびC;A、BまたはC;AまたはC;AまたはB;BまたはC;AおよびC;AおよびB;BおよびC;A(単独);B(単独);およびC(単独)。
本明細書における態様が「を含む」という言葉で記述されている場合、「からなる」および/または「本質的にからなる」という別の言葉で記述された類似の態様も提供されることが理解される。
別段の記載が無ければ、本明細書で使用されているすべての技術的および科学的用語は、本明細書に関連する技術分野の通常の当業者によって一般的に理解されているのと同じ意味を持つ。例えば、the Concise Dictionary of Biomedicine and Molecular Biology, Juo, Pei-Show, 2nd ed., 2002, CRC Press; The Dictionary of Cell and Molecular Biology, 3rd ed., 1999, Academic Press; and the Oxford Dictionary Of Biochemistry And Molecular Biology, Revised, 2000, Oxford University Pressは、本明細書において使用される多くの用語の一般的辞書として当業者に提供するものである。
単位、接頭辞および記号は、SI(Systeme International de Unites)で認められている形式で示されている。数値範囲は、その範囲を規定する数値を含む。本明細書の見出しは、本明細書の様々な側面を限定するものではなく、本明細書を全体的に参照することにより得ることができる。したがって、以下に定義される用語は、本明細書全体を参照することにより完全に定義される。
代替手段(例えば、「または」)の使用は、代替手段のいずれか一方、両方またはその組み合わせを意味すると理解すべきである。本明細書では、不定冠詞「a」または「an」は、記載または列挙された構成要素の「1つ以上」を意味すると理解すべきである。
用語「約」または「本質的に~含む」という用語は、当業者が決定した特定の値または組成物の許容誤差範囲内にある値または組成物を意味し、これは値または組成物をどのように測定または決定するか、すなわち、測定システムの限界に一部依存する。例えば、「約」または「本質的に~を含む」とは、当業者による標準偏差が、1以内または1以上であることを意味することができる。あるいは、「約」または「本質的に~を含む」とは、10%までの範囲を意味することができる。さらに、特に生物学的システムまたはプロセスに関しては、この用語は、1桁までの値または5倍までの値を意味することができる。特定の値または組成物が本願明細書および特許請求の範囲に記載されている場合、別段の記載がない限り、「約」または「本質的に~を含む」の意味は、その特定の値または組成物について許容可能な誤差範囲内であると考えるべきである。
本明細書に記載されているように、任意の濃度範囲、パーセンテージ範囲、比率範囲または整数範囲は、別段の指示がない限り、記載された範囲内の任意の整数の値、および適切な場合にはその端数(整数の10分の1および100分の1など)を含むと理解されるべきである。
本明細書において、「タンパク質」または「目的のタンパク質」という用語は、最も広い意味で使用され、混合物中に存在し、精製が望まれるあらゆるタンパク質(天然または組換え体)を含む。このような目的のタンパク質には、酵素、ホルモン、成長因子、サイトカイン、免疫グロブリン(例えば、抗体)および/または任意の融合タンパク質ならびにそれらの誘導体および部分が含まれるが、これらに限定するものではない。
本明細書において互換的に使用される「精製」、「分離」または「単離」という用語は、目的のタンパク質と1以上の不純物を含む組成物またはサンプルから、目的のタンパク質の純度を高くすることを意味する。通常、組成物から少なくとも1つの不純物を(完全に、または部分的に)除去することによって、目的のタンパク質の純度を上げる。
本明細書において使用される「緩衝液」という用語は、溶液中に存在することで、加えなければならない酸またはアルカリの量を増加させて、pHの単位変化をもたらす物質をいう。緩衝液は、酸と塩基の共役成分の作用により、pH変化に対する影響を受けにくい。生物学的物質と共に使用するための緩衝液は、一般的に、溶液のpHが生理的範囲内となるように、水素イオンの濃度を一定に保つことができる。従来の緩衝液成分には、有機および無機の塩、酸および塩基が含まれるが、これらに限定されるものではない。
用語「クロマトグラフィー」とは、目的のタンパク質(例えば、PEG化タンパク質)を、混合物中に存在する他の分子(例えば、夾雑物質)と分離するあらゆる種類の技術をいう。通常、目的のタンパク質は、混合物の個々の分子が、移動相に依って固相媒体を移動する速度の違い、ならびに結合および溶出プロセスの結果として、他の分子(例えば、夾雑物質)から分離される。「マトリックス」または「クロマトグラフィーマトリックス」という用語は、本明細書において互換的に使用され、分離プロセスにおいて目的のタンパク質(例えば、免疫グロブリンなどのFc領域含有タンパク質)を、混合物中に存在する他の分子と分離するあらゆる種類の吸着剤、樹脂または固相を指す。非限定的な例としては、粒子状、モノリス状(monolithic)、繊維状の樹脂ならびにカラムまたはカートリッジに入れることができる膜などがある。マトリックスを形成するための材料の例としては、多糖類(アガロースおよびセルロースなど);ならびにその他の物理的に安定なマトリックス、例えば、シリカ(例えば、多孔性ガラス粉体:controlled pore glass)、ポリ(スチレンジビニル)ベンゼン、ポリアクリルアミド、セラミック粒子および上記のいずれかの誘導体などが挙げられる。本明細書の方法に適した典型的なマトリックスタイプの例は、カチオン交換樹脂、アフィニティー樹脂、アニオン交換樹脂または混合型樹脂である。「リガンド」とは、クロマトグラフィーマトリックスと結合され、マトリックスの結合特性を決定する官能基である。「リガンド」の例としては、イオン交換基、疎水性相互作用基、親水性相互作用基、親硫黄性相互作用基、金属親和性基、アフィニティー基、バイオアフィニティー基および混合型基(前記の組み合わせ)が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書において使用できるいくつかの好ましいリガンドには、強カチオン交換基、例えばスルホプロピル、スルホン酸;強アニオン交換基、例えばトリメチルアンモニウムクロリド;弱カチオン交換基、例えばカルボン酸;弱アニオン交換基、例えば、N5NジエチルアミノまたはDEAE;疎水性相互作用基、例えば、フェニル、ブチル、プロピルまたはヘキシル;ならびに親和性基、例えば、プロテインA、プロテインGおよびプロテインLが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書において使用されるクロマトグラフィーに関連する「クロマトグラフィーカラム」または「カラム」という用語は、多くは、クロマトグラフィーマトリックスまたは樹脂が充填されたシリンダーまたは中空の柱の形状をしている容器を意味する。クロマトグラフィーマトリックスまたは樹脂とは、精製のために用いる物理的および/または化学的特性を提供する材料である。
「イオン交換」および「イオン交換クロマトグラフィー」という用語は、イオン化が可能な目的の溶質(例えば、混合物中の目的のタンパク質)が、pHおよび導電性が適切な条件下で、固相イオン交換材に(例えば、共有結合により)結合された反対の電荷を有するリガンドと相互作用し、目的の溶質が、混合物中の溶質不純物または夾雑物よりも強くまたは弱く帯電した化合物と、非特異的に相互作用するようなクロマトグラフィープロセスを意味する。混合物中の夾雑溶質は、イオン交換材料のカラムから洗浄されるか、目的の溶質よりも速くまたは遅く、樹脂に結合させるか、または樹脂から排除され得る。「イオン交換クロマトグラフィー」には、具体的には、カチオン交換型(CEX)、アニオン交換型(AEX)および混合型クロマトグラフィーが含まれる。イオン交換クロマトグラフィーは、本明細書では、互換的にIECおよびIEXと呼ばれる。
「カチオン交換樹脂」または「カチオン交換膜」とは、負の電荷を帯びた固相であって、固相上または固相を通過した水溶液中のカチオンと交換するための遊離カチオンを有する固相をいう。カチオン交換樹脂を形成するのに適した固相に結合した負電荷のリガンドであればどのようなものでも使用することが可能であり、例えば、後記のカルボン酸塩、スルホン酸塩などが挙げられる。市販のカチオン交換樹脂としては、下記に限定しないが、例えば、スルホン酸塩系の基を有するもの(例えば、GEヘルスケア社のMonoS、MiniS、Source 15Sおよび30S、SP SEPHAROSE(登録商標) Fast Flow、SP SEPHAROSE(登録商標) High Performance、Capto S、Capto SP ImpRes、東ソー社のTOYOPEARL(登録商標) SP-650SおよびSP-650M、BioRad社のMACRO-PREP(登録商標) High S、Pall Technologies社のCeramic HyperD S、TRISACRYL(登録商標) MおよびLS SP、Spherodex LS SP);スルホエチル系の基を有するもの(例えば、EMD社のFRACTOGEL(登録商標) SE、Applied Biosystems社のPOROS(登録商標) S-10およびS-20);スルホプロピル系の基を有するもの(例えば、東ソー社のTSKゲルSP 5PWおよびSP-5PW-HR、Life Technologies社のPOROS(登録商標) HS-20、HS 50およびPOROS(登録商標) XS);スルホイソブチル系の基を有するもの(例えば、EMD社のFRACTOGEL(登録商標) EMD SO3-);スルホキシエチル系の基を有するもの(例えば、Whatman社のSE52、SE53、Express-Ion S);カルボキシメチル系の基を有するもの(例えば、GE Healthcare社のCM SEPHAROSE(登録商標) Fast Flow、Biochrom Labs社のHydrocell CM、BioRad社のMACRO-PREP(登録商標) CM、Pall Technologies社のCeramic HyperD CM、TRISACRYL(登録商標) M CMおよびTRISACRYL(登録商標) LS CM、Millipore社のMatrx CELLUFINE(登録商標) C500およびC200、Whatman社のCM52、CM32、CM23およびExpress-Ion C、東ソー社のTOYOPEARL(登録商標) CM-650S、CM-650MおよびCM-650C);スルホン酸およびカルボン酸系の基を有するもの(例えば、J.T.Baker社のBAKERBOND(登録商標) Carboxy-Sulfon);カルボン酸系の基を有するもの(例えば、J.T.Baker社のWP CBX、Dow Liquid Separations社のDOWEX(登録商標) MAC-3、Sigma-Aldrich社のAMBERLITE(登録商標) Weak Cation Exchanger、DOWEX(登録商標) Weak Cation ExchangerおよびDIAION(登録商標) Weak Cation ExchangerならびにEMD社のFRACTOGEL(登録商標) EMD COO--);スルホン酸系の基を有するもの(例えば、Biochrom Labs社のHydrocell SP、Dow Liquid Separations社のDOWEX(登録商標) Fine Mesh Strong Acid Cation Resin、J.T.Baker社のUNOsphere S, WP Sulfonic、Sartorius社のSARTOBIND(登録商標) S メンブレン、Sigma-Aldrich社のAMBERLITE(登録商標) Strong Cation Exchangers、DOWEX(登録商標) Strong CationおよびDIAION(登録商標) Strong Cation Exchanger);またはオルトリン酸系の基を有するもの(例えば、Whatman社のP11など)が挙げられる。他のカチオンイオン交換樹脂としては、カルボキシメチルセルロース、BAKERBOND ABXTM、Ceramic HyperD Z、Matrex Cellufine C500、Matrex Cellufine C200などが挙げられる。
「アニオン交換樹脂」または「アニオン交換膜」とは、正の電荷を帯びた固相であって、固相に1以上の正の電荷を帯びたリガンドが結合している。アニオン交換樹脂を形成するのに適した固相に結合した正電荷のリガンドであればどのようなものでも使用することが可能であり、例えば、第四級アミノ基などがある。市販のアニオン交換樹脂としては、Applied Biosystems社のDEAEセルロース、POROS(登録商標)PI20、PI50、HQ10、HQ20、HQ50、D50;Sartorius社のSARTOBIND(登録商標)Q;GE Healthcare社のMonoQ、MiniQ、Source 15Qおよび30Q、Q DEAEおよびANX SEPHAROSE(登録商標)Fast Flow、Q SEPHAROSE(登録商標)High Performance、QAE SEPHADEX(登録商標)およびFAST Q SEPHAROSE(登録商標);J.T.Baker社のWP PEI、WP DEAM、WP QUAT、Biochrom Labs社のHydrocell DEAEおよびHydrocell QA;Biorad社のUNOsphere Q、MACRO-PREP(登録商標)、DEAEおよびMACRO-PREP(登録商標)High Q;Pall Technologies社のCeramic HyperD Q、ceramic HyperD DEAE、TRISACRYL(登録商標)MおよびLS DEAE、Spherodex LS DEAE、QMA SPHEROSIL(登録商標)LS、QMA SPHEROSIL(登録商標). MおよびMUSTANG(登録商標)Q;DOW Liquid Separations社のDOWEX(登録商標)Fine Mesh Strong Base Type IおよびType II Anion ResinsおよびDOWEX(登録商標)MONOSPHER E 77弱塩基性アニオン;Millipore社のINTERCEPT(登録商標)Qメンブレン、Matrex CELLUFINE(登録商標)A200、A500、Q500およびQ800;EMD社のFRACTOGEL(登録商標)EMD TMAE、FRACTOGEL(登録商標)EMD DEAEおよびFRACTOGEL(登録商標)EMD DMAE;Sigma-Aldrich社のAMBERLITE(登録商標)弱/強アニオン交換体タイプIおよびII、DOWEX(登録商標)弱/強アニオン交換体タイプIおよびII、DIAION(登録商標)弱/強アニオン交換体タイプI・IIおよびDUOLITE(登録商標);東ソー社のTSKゲルQおよびDEAE 5PWおよび5PW-HR、TOYOPEARL(登録商標)SuperQ-650S、650Mおよび650C、QAE-550Cおよび650S、DEAE-650Mおよび650C;Whatman社のQA52、DE23、DE32、DE51、DE52、DE53、Express-Ion DまたはExpress-Ion Q;およびSARTOBIND(登録商標)Q(Sartorius Corporation、New York、USA)が挙げられる。その他のアニオン交換樹脂としては、POROS XQ、SARTOBIND(登録商標)Q、Q SEPHAROSE(登録商標) XL、Q SEPHAROSE(登録商標)ビッグビーズ、DEAE Sephadex A-25、DEAE Sephadex A-50、QAE Sephadex A-25、QAE Sephadex A-50、Q SEPHAROSE(登録商標) high performance、Q SEPHAROSE(登録商標) XL、Resource Q、Capto Q、Capto DEAE、Toyopearl GigaCap Q、Fractogel EMD TMAE HiCap、Nuvia QまたはPORGS PIなどが挙げられる。
本明細書において使用される「夾雑物質」という用語は、混合物内の任意の望ましくない成分または化合物をカバーするために、最も広い意味で使用されている。細胞培養物、細胞溶解物または清澄化されたバルク(例えば、清澄化された細胞培養上清)中において、夾雑物質には、例えば、細胞培養培地中に存在する宿主細胞核酸(例えば、DNA)および宿主細胞タンパク質が含まれる。宿主細胞の夾雑タンパク質には、宿主細胞によって自然にまたは組換え的に産生されたタンパク質ならびに目的のタンパク質に関連するタンパク質またはそれから得られるタンパク質(例えば、タンパク質分解断片)およびその他のプロセスに関連する夾雑物質が含まれる。特定の実施態様において、夾雑物質の沈殿物は、遠心分離、滅菌濾過、深層濾過およびタンジェンシャルフロー濾過などの別の手段を用いて、細胞培養物から分離される。
用語「抗体」とは、いくつかの実施態様において、ジスルフィド結合によって相互に結合された少なくとも2つの重鎖(H)および2つの軽鎖(L)を含むタンパク質をいう。各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書ではVHと略す)および重鎖定常領域(本明細書ではCHと略す)から構成される。一部の抗体、例えば、天然に存在するIgG抗体においては、重鎖定常領域は、ヒンジならびにCH1、CH2およびCH3の3つのドメインから構成される。一部の抗体、例えば、天然に存在するIgG抗体においては、各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書ではVLと略す)および軽鎖定常領域から構成される。軽鎖定常領域は、1つのドメイン(本明細書ではCLと略す)で構成されている。VH領域およびVL領域は、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる超可変領域に細分され、フレームワーク領域(FR)と呼ばれる高度に保存された領域が散在している。3つのCDRおよび4つのFRを含んでおり、アミノ末端からカルボキシ末端に向かって、以下の順:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4に配置されている。重鎖および軽鎖の可変領域には、抗原と相互作用する結合ドメインが存在する。重鎖は、C末端のリジンを有していても、有していなくてもよい。「抗体」という用語には、二重特異性抗体または多重特異性抗体を含み得る。
本明細書において使用される「IgG抗体」、例えば、ヒトIgG1、IgG2、IgG3およびIgG4抗体は、いくつかの実施態様において、天然に存在するIgG抗体の構造を有しており、即ち、同じサブクラスの天然に存在するIgG抗体と同じ数の重鎖および軽鎖ならびにジスルフィド結合を有している。例えば、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4抗体は、2本の重鎖(HC)と2本の軽鎖(LC)から構成されていてよく、2本のHCおよびLCは、天然に存在するIgG1、IgG2、IgG3およびIgG4抗体に各々存在するジスルフィド結合と同じ数と位置に連結されている(抗体が、突然変異してジスルフィド結合が変更されていない限り)。
イムノグロブリンは、一般的に知られているいずれのアイソタイプでもよく、例えば、IgA、分泌型IgA、IgGおよびIgMを含み得るが、これらに限定するものではない。IgGアイソタイプは、ある種の生物ではサブクラスに分かれている:ヒトにおいては、IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4ならびにマウスにおいてはIgG1、IgG2a、IgG2bおよびIgG3に分かれている。イムノグロブリン、例えばIgG1は、いくつかのアロタイプが存在し、これらは、多くて数個のアミノ酸が互いに相違している。「抗体」には、天然の抗体および非天然の抗体の両方;モノクローナル抗体とポリクローナル抗体;キメラ抗体とヒト化抗体;ヒト抗体と非ヒト抗体;および全合成抗体などが挙げられる。
本明細書において使用される抗体の「抗原結合部分」とは、抗原に特異的に結合する能力を保持する抗体の1つ以上の断片をいう。それは、抗体の抗原結合機能が、完全長抗体の断片により発揮できることが示されている。抗体の「抗原結合部分」という用語に包含される結合断片の例としては、(i)VL、VH、LCおよびCH1ドメインを含むFab断片(パパイン切断による断片)または同様の一価の断片;(ii)ヒンジ領域でジスルフィド架橋により連結された2つのFab断片を含むF(ab')断片(ペプシン切断による断片)または同様の二価の断片;(iii)VHドメインおよびCH1ドメインを含むFd断片;(iv)抗体のシングルアームのVLドメインおよびVHドメインを含むFv断片;(v) VHドメインを含むdAb断片(Ward et al., (1989) Nature 341:544-546);(vi)単離された相補性決定領域(CDR);および(vii)所望により合成リンカーで結合されていてもよい2以上の単離されたCDRの組み合わせがある。さらに、Fv断片の2つのドメインであるVLおよびVHは、別々の遺伝子によりコードされているが、組み換え方法を用いて、VL領域およびVH領域が対合して一価の分子を形成する単一のタンパク質鎖として形成できる合成リンカーにより、それらを結合させることができる(単鎖Fv(scFv)として知られている;例えば、Bird et al. (1988)Science 242:423-426;およびHuston et al. (1988)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879-5883)を参照されたい)。このような一本鎖抗体もまた、抗体の「抗原結合部分」という用語に包含されることが意図される。これらの抗体断片は、当業者には既知の従来技術を用いて得られ、その断片は、インタクトな抗体と同様の方法で有用性をスクリーニングされる。抗原結合部分は、組換えDNA技術またはインタクトなイムノグロブリンを酵素的または化学的に切断することにより生成することができる。
本明細書において使用される「組換えヒト抗体」という用語には、組換え手段によって調製、発現、作成または単離された全てのヒト抗体が含まれ、例えば、(a)ヒトイムノグロブリン遺伝子についてトランスジェニックまたはトランスクロモソーム動物(例えば、マウス)またはそれらから調製されたハイブリドーマから単離された抗体、(b)抗体を発現するように形質転換された宿主細胞(例えば、トランスフェクトーマ)から単離された抗体、(c)組換えコンビナトリアルヒト抗体ライブラリーから単離された抗体、ならびに(d)ヒトイムノグロブリン遺伝子配列を他のDNA配列にスプライシングすることを含む別の手段により調製、発現、作成または単離された抗体である。
本明細書において、「アイソタイプ」とは、重鎖定常領域遺伝子によってコードされる抗体クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、IgDおよびIgE抗体)をいう。
アミノ酸は、本明細書においては、一般的に知られている3文字の記号またはIUPAC-IUB生化学命名法委員会が推奨する1文字の記号のいずれかにより示される。ヌクレオチドも同様に、一般的に認められている1文字のコードにより示される。
本明細書においては、「ポリペプチド」という用語は、アミド結合(ペプチド結合とも呼ばれる)によって直線的に連結されたモノマー(アミノ酸)からなる分子を意味する。また、「ポリペプチド」という用語は、2以上のアミノ酸のあらゆる鎖をいい、特定の長さを指すものではない。本明細書において使用される「タンパク質」という用語は、1以上のポリペプチドで構成される分子を包含することを意図しており、これらのポリペプチドは、場合によっては、アミド結合以外の結合により結合することができる。一方で、タンパク質は、単一のポリペプチド鎖であってもよい。この後者の例においては、単一のポリペプチド鎖は、いくつかの例では、一緒に融合してタンパク質を形成する2以上のポリペプチドサブユニットを含むことができる。「ポリペプチド」および「タンパク質」という用語は、発現後の修飾生成物(例えば、グリコシル化、アセチル化、リン酸化、アミド化、既知の保護/ブロッキング基による誘導体化、タンパク質分解による切断または天然に存在しないアミノ酸による修飾なども含むが、これに限定するものではない)を指す。ポリペプチドまたはタンパク質は、天然の生物学的ソースから得られるか、または組換え技術によって産生されるが、必ずしも指定された核酸配列から翻訳されるとは限らない。また、化学合成を含めたあらゆる方法で、生成することができる。
本明細書において使用される「ポリヌクレオチド」または「ヌクレオチド」という用語は、1つの核酸だけでなく、複数の核酸も包含することを意図しており、単離された核酸分子または構築体、例えば、メッセンジャーRNA(mRNA)、相補的DNA(cDNA)またはプラスミドDNA(pDNA)を指す。特定の態様において、ポリヌクレオチドは、従来のホスホジエステル結合または非従来的な結合(例えば、ペプチド核酸(PNA)に見られるようなアミド結合)を含む。
用語「核酸」は、ポリヌクレオチド中に存在するいずれか1つ以上の核酸セグメント、例えば、DNA、cDNAまたはRNA断片をいう。核酸またはポリヌクレオチドに適用される場合、「単離された」という用語は、本来の環境から取り出された核酸分子、DNAまたはRNAを指し、例えば、ベクターに含まれる抗原結合タンパク質をコードする組換えポリヌクレオチドは、本明細書の目的のために単離されていると考えられる。単離されたポリヌクレオチドのさらなる例としては、異種の宿主細胞中に維持された組換えポリヌクレオチドまたは溶液中の他のポリヌクレオチドから(部分的または実質的に)精製されたポリヌクレオチドが挙げられる。単離されたRNA分子には、本明細書のポリヌクレオチドのインビボまたはインビトロのRNA転写物が含まれる。本明細書による単離されたポリヌクレオチドまたは核酸は、さらに、合成的に生成されたそのような分子も含む。さらに、ポリヌクレオチドまたは核酸は、プロモーター、エンハンサー、リボソーム結合部位または転写終結シグナルなどの調節エレメントを含むことができる。
タンパク質の「等電点」または「pI」とは、タンパク質が正味の電荷を持たない状態の溶液のpHを示す指標である。pIに相当するpHにあるタンパク質は、全体的に中性の電荷を帯びている。pIが溶液のpHよりも低いタンパク質は、正味の負の電荷を帯びている。同様に、溶液のpHよりも高いpIを持つタンパク質は、正味の正電荷を持つことになる。
「ロードディング緩衝液」とは、混合物またはサンプルを調製して、クロマトグラフィー装置にロードするために使用される緩衝液のことである。
「チェイス緩衝液」とは、ロードディング緩衝液の後に、混合物またはサンプルをクロマトグラフィー処理に付すために使用される緩衝液のことをいう。
「HMW種」とは、混合物中に存在する1以上のあらゆる不要なタンパク質のことである。高分子種には、二量体、三量体、四量体またはその他の多量体が含まれる。これらの種は、殆どが製品に付随する不純物とみなされ、共有結合または非共有結合のいずれかで結合されている可能性があり、例えば、疎水性アミノ酸残基が極性溶媒に暴露されてミスフォールドしたモノマーを含み、凝集を引き起こす可能性がある。
「LMW種」とは、混合物中に存在する1以上のあらゆる不要な物質を指す。低分子種は、殆どが製品に付随する不純物とみなされ、切断された種または二量体を意図した化合物(モノクローナル抗体など)の半分子などが含まれる。
「宿主細胞タンパク質」(HCP)とは、目的とする所定タンパク質の生成とは無関係に宿主細胞から生成される望ましくないタンパク質を指す。望ましくない宿主細胞タンパク質は、初期段階(upstream)の細胞培養液上清に分泌され得る。また、望ましくない宿主細胞タンパク質も、細胞の溶解中に放出され得る。初期段階の細胞培養に使用される細胞は、成長、転写およびタンパク質合成のためにタンパク質を必要とするが、これらの無関係なタンパク質は、最終的な薬物製品においては望ましくない。
本明細書において使用される用語「ローディング/ロードすること」およびその文法上等価物は、精製されるべき目的の物質を含む溶液を固相と接触させる精製方法の工程を示す。これは、a)溶液を固相が配置されたクロマトグラフィー装置に加える、またはb)溶液に固相を加えることを意味する。a)の場合、精製したい物質を含む溶液が固相を通過することで、固相と溶液中の物質との間に相互作用を生じさせる。条件(例えば、pH、導電率、塩濃度、温度および/または流速など)に応じて、溶液中の一部の物質は固相に結合することで、結果としてその溶液から除かれる。他の物質は溶液中に残留する。溶液中に残った物質は、フロースルー中に存在し得る。「フロースルー」とは、クロマトグラフィー装置を通過した後に得られる溶液のことで、目的の物質を含むローディング後の溶液である場合もあれば、カラムを洗浄するため、または固相に結合した1以上の物質を溶出させるために使用される緩衝液の場合もあり得る。一実施態様において、クロマトグラフィー装置は、カラムまたはカセットである。目的の物質は、例えば、沈殿、塩析、限外濾過、透析、凍結乾燥、アフィニティークロマトグラフィー、溶媒の減容化など、当業者には既知の方法により、精製工程後の溶液から回収または「収集」して、目的の物質を実質的に均質な形態で得ることができる。b)の場合、固相は、例えば固体として、精製したい目的の物質を含む溶液に添加され、固相と溶液中の物質との間に相互作用を生じさせる。相互作用の後、固相は、例えば濾過により取り出され、目的の物質は固相に結合して、溶液から除去されるか、または固相に結合せずに溶液中に残留するかのいずれかである。
本明細書において使用される「結合に適した条件下で」という用語およびその文法上等価物は、目的の物質、例えばPEG化タンパク質を、イオン交換材などの固相に接触させたときに結合することを示す。これは、必ずしも100%の目的の物質が固相に結合することを意味するものではなく、実質的に100%の目的の物質が結合すること、即ち、少なくとも50%の目的の物質が結合し、より好ましくは少なくとも75%の目的の物質が結合し、さらに好ましくは少なくとも85%の目的の物質が結合し、特に好ましくは95%以上の目的の物質が、固相に結合することを意味する。
本明細書において使用される「緩衝液」という用語は、酸性物質や塩基性物質の添加または放出によるpHの変化が、緩衝物質によって平衡化される溶液を意味する。このような効果をもたらすあらゆる緩衝物質を使用することができる。いくつかの実施態様において、医薬的に許容される緩衝物質が使用され、例えば、リン酸またはその塩、酢酸またはその塩、クエン酸またはその塩、モルホリン、2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸またはその塩、ヒスチジンまたはその塩、グリシンまたはその塩あるいはトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)またはその塩などが挙げられる。一実施態様において、リン酸またはその塩、酢酸またはその塩、クエン酸またはその塩またはヒスチジンまたはその塩が緩衝物質として使用される。所望により、緩衝液は、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウムなどの付加塩を含み得る。
一般的なクロマトグラフィー法およびその使用は、当業者に知られている。例えば、Chromatography, 5th edition, Part A: Fundamentals and Techniques, Heftmann, E. (ed), Elsevier Science Publishing Company, New York, (1992); Advanced Chromatographic and Electromigration Methods in Biosciences, Deyl, Z. (ed.), Elsevier Science BV, Amsterdam, The Netherlands, (1998); Chromatography Today, Poole, C. F, and Poole, S. K., Elsevier Science Publishing Company, New York, (1991); Scopes, Protein Purification Principles and Practice (1982); Sambrook, J., et al. (ed), Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., 1989;あるいは、Current Protocols in Molecular Biology, Ausubel, F. M., et al (eds), John Wiley & Sons, Inc.である。
本明細書による「PEG」または「PEG基」とは、ポリ(エチレングリコール)を必須部分として含む残基を意味する。そのようなPEGは、分子の化学合成から生じる結合反応(即ち、コンジュゲーション反応)に必要な化学基あるいは分子の一部分の至適距離のためのスペーサーである化学基をさらに含むことができる。さらに、このようなPEGは、1以上のPEG側鎖が一緒に連結されたものであってもよい。1以上のPEG鎖を有するPEGは、多枝PEGまたは分岐PEGと呼ばれる。分岐PEGは、様々なポリオール(例えば、グリセロール、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど)にポリエチレンオキシドを添加することにより製造できる。
「PEG化」という用語は、ポリペプチドのN末端および/または内部アミノ酸(例えば、リジン残基)でのポリ(エチレングリコール)残基の共有結合を意味する。タンパク質のPEG化は広く知られており、例えば、Bonora G., Diroli S. Reactive PEGs for protein conjugation. In:Veronese FM, ed. PEGylated Protein Drugs: basic Science and Clinical Applications. Basel: Birkhauser; 2009:33-45に説明されており、またVeronese, F. M., Biomaterials 22 (2001) 405-417も参照されたい。PEGは、様々な官能基を用いて結合することができ、異なる分子量を持つポリエチレングリコール、直鎖状PEGおよび分岐状PEGならびに様々な連結基を持つポリエチレングリコールが当技術分野では知られている(Francis, G. E., et al.、Int. J. Hematol. 68 (1998) 1-18; Delgado, C., et al., Crit. Rev. Ther. Drug Carrier Systems 9 (1992) 249-304)。PEG化は、NHSで活性化された直鎖状または分岐状のPEG分子を用いて、記載のようなPEG化試薬と共に水溶液中で行うことができる。PEG化は、Lu, Y., et al., Reactive Polymers 22 (1994) 221-229に従って固相で行うこともできる。
適切なPEG誘導体は、約2kDa~約40kDaの平均分子量、一実施態様において約20kDa~約40kDa、好ましくは約30kDa~約35kDaの平均分子量を有する活性化PEG分子である。PEG誘導体は、一実施態様において、直鎖状または分枝状のPEGである。PEG-タンパク質結合体およびPEG-ペプチド結合体の調製に使用するのに適した様々なPEG誘導体は、Shearwater Polymers(Huntsville, Ala., U.S.A.; www.nektar.com)から入手できる。
活性化されたPEG誘導体は、当技術分野では知られており、例えばPEG-ビニルスルホンについては、Morpurgo, M., et al., J. Bioconjug. Chem. 7(1996) 363-368に記載されている。直鎖状および分岐状のPEGは、PEG化断片の調製に適している。反応性PEG試薬の例としては、ヨード-アセチル-メトキシ-PEGまたはメトキシ-PEG-ビニルスルホン(mは好ましくは約450~約900の整数であり、Rは、メチル、エチル、イソプロピルなどの1~6個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のC~Cアルキルである)が挙げられる。これらのヨウ素活性化物質の使用は、当技術分野では知られており、例えばHermanson, G.T., in Bioconjugate Techniques, Academic Press, San Diego (1996) p.147-148に記載されている。
II.精製方法
タンパク質のPEG化により、通常、様々な化合物の混合物(例えば、ポリPEG化タンパク質、モノPEG化タンパク質、非PEG化タンパク質、活性化PEGエステルの加水分解物(例えば、遊離のPEG化された酸)、タンパク質自体の加水分解物、PEG化反応触媒など)となる。所望のPEG化生成物を得るためには、これらの物質を分離して、目的のPEG化タンパク質を精製しなければならない。
従って、一態様において、本明細書は、高濃度のPEG化タンパク質の溶液を、イオン交換材にロードして、精製されたPEG化タンパク質を回収または収集することを特徴とする、実質的に精製された形態のPEG化タンパク質を得るための方法を提供する。いくつかの実施態様において、本方法は、少なくとも約6グラム/リットル(g/L)、例えば、少なくとも約10g/L、少なくとも約15g/Lまたは少なくとも約30g/Lの高濃度のPEG化タンパク質をイオン交換クロマトグラフィーマトリックス上にロードして、PEG化タンパク質を回収することを特徴とする、PEG化タンパク質を精製するための方法に関する。
本明細書の精製を構成するクロマトグラフィーステップの一例として、モノPEG化タンパク質またはポリPEG化タンパク質の混合物は、水性緩衝液中でイオン交換クロマトグラフィーカラムに、少なくとも約6g/Lのタンパク質濃度で適用される。一態様において、混合物を、タンジェンシャルフロー濾過を用いて濃縮し、UV干渉およびタンパク質濃度の測定値を下げるために触媒を除去する。さらなる実施態様においては、適用の前および後に、最初のカラムを同じ緩衝液で洗浄する。イオン交換材に結合したポリペプチドの回収工程においては、イオン交換カラムを通過する緩衝液/溶液のイオン強度、すなわち導電率を上げる。これは、緩衝液の塩分濃度を上げるか、あるいは別の塩(溶出用塩と呼ばれる)を緩衝液に加えることにより達成される。溶出方法に応じて、濃縮された緩衝液または溶出用塩溶液を分割して添加することにより、緩衝液/塩濃度を、一度に(段階的溶出法)または連続的に(連続溶出法)増加させる。好ましい溶出用の塩は、クエン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、リン酸カリウムまたはクエン酸やリン酸の他の塩あるいはこれらの成分の任意の混合物である。一実施態様において、溶出用の塩は、クエン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウムまたはこれらの混合物である。
いくつかの実施態様において、本発明の方法の後に回収したPEG化タンパク質の収量は、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約20倍、少なくとも約30倍または少なくとも約40倍に増加する。
いくつかの実施態様において、高濃度で、例えば、少なくとも約6g/L、少なくとも約10g/L、少なくとも約15g/Lまたは少なくとも約30g/LのPEG化タンパク質をロードすることにより、PEG化タンパク質を6g/Lよりも低い濃度で、例えば、約5g/L、約4g/L、約3g/L、約2g/Lまたは約1g/Lでロードした時のイオン交換マトリックスのローディング容量と比較して、イオン交換マトリックスのローディング容量が増加する。
いくつかの実施態様において、イオン交換マトリックスのローディング容量は、1Lのマトリックスあたり、約6gから、約7g、約8g、約9g、約10g、約11g、約12g、約13g、約14g、約15g、約16g、約17g、約18g、約19gまたは約20gまでPEG化タンパク質が増加する。いくつかの実施態様において、イオン交換マトリックスのローディング容量は、マトリックス1Lあたり、約6.5gから約10gまでPEG化タンパク質が増加する。いくつかの実施態様において、イオン交換マトリックスのローディング容量は、マトリックス1Lあたり約6.5gから11mgまでPEG化タンパク質が増加する。いくつかの実施態様において、イオン交換マトリックスのローディング容量は、マトリックス1Lあたり、約6.5gから12gまでPEG化タンパク質が増加する。いくつかの実施態様において、イオン交換マトリックスのローディング容量は、マトリックス1Lあたり、約6.5gから13gまでPEG化タンパク質が増加する。いくつかの実施態様において、イオン交換マトリックスのローディング容量は、マトリックス1Lあたり、約6.5gから14gまでPEG化タンパク質が増加する。いくつかの実施態様において、イオン交換マトリックスのローディング容量は、マトリックス1Lあたり、約6.5gから15gまでPEG化タンパク質が増加する。
いくつかの実施態様において、高濃度で、例えば、少なくとも6g/L、少なくとも約10g/L、少なくとも約15g/Lまたは少なくとも約30g/LのPEG化タンパク質をロードすることにより、PEG化タンパク質を6g/Lよりも低い濃度で、例えば、約1g/Lでロードした場合のイオン交換マトリックスの結合容量と比較して、イオン交換マトリックスの結合容量が増加する。
いくつかの実施態様において、高濃度のPEG化タンパク質をロードした時のイオン交換マトリックスの結合容量は、PEG化タンパク質を6g/Lよりも低い濃度、例えば約1g/Lでロードした場合のイオン交換マトリックスの結合容量と比較して、約1.1倍、約1.2倍、約1.3倍、約1.5倍、約1.6倍、約1.7倍、約1.8倍、約1.9倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約6倍、約7倍、約8倍、約9倍、約10倍、約15倍、約20倍または約30倍となる。
いくつかの実施態様において、高濃度のPEG化タンパク質をロードした時のイオン交換クロマトグラフィーマトリックスの結合容量は、少なくとも7g、少なくとも7.5g、少なくとも8g、少なくとも8.5g、少なくとも9g、少なくとも9.5g、少なくとも10g、少なくとも10.5g、少なくとも11g、少なくとも11.5g、少なくとも12g、少なくとも12.5g、少なくとも13g、少なくとも13.5g、少なくとも14g、少なくとも14.5g、少なくとも15g、少なくとも15.5g、少なくとも16g、少なくとも16.5gまたは少なくとも17gのPEG化タンパク質/Lのマトリックスである。いくつかの実施態様において、高濃度のPEG化タンパク質をロードした時のイオン交換クロマトグラフィーマトリックスの結合容量は、少なくとも8gのPEG化タンパク質/Lマトリックスである。いくつかの実施態様において、イオン交換クロマトグラフィーマトリックスの結合容量は、少なくとも9gのPEG化タンパク質/Lマトリックスである。いくつかの実施態様において、イオン交換クロマトグラフィーマトリックスの結合容量は、少なくとも10gのPEG化タンパク質/Lマトリックスである。いくつかの実施態様において、イオン交換クロマトグラフィーマトリックスの結合容量は、少なくとも11gのPEG化タンパク質/Lマトリックスである。いくつかの実施態様において、イオン交換クロマトグラフィーマトリックスの結合容量は、少なくとも12gのPEG化タンパク質/Lマトリックスである。いくつかの実施態様において、イオン交換クロマトグラフィーマトリックスの結合容量は、少なくとも13gのPEG化タンパク質/Lマトリックスである。いくつかの実施態様において、イオン交換クロマトグラフィーマトリックスの結合容量は、少なくとも14gのPEG化タンパク質/Lマトリックスである。いくつかの実施態様において、イオン交換クロマトグラフィーマトリックスの結合容量は、少なくとも15gのPEG化タンパク質/Lマトリックスである。いくつかの実施態様において、イオン交換クロマトグラフィーマトリックスの結合容量は、少なくとも16gのPEG化タンパク質/Lマトリックスである。いくつかの実施態様において、イオン交換クロマトグラフィーマトリックスの結合容量は、少なくとも17gのPEG化タンパク質/Lマトリックスである。
いくつかの実施態様において、高濃度のPEG化タンパク質をロードした場合のイオン交換クロマトグラフィー後に回収されたPEG化タンパク質は、少なくとも約20%の純度、少なくとも約25%の純度、少なくとも約30%の純度、少なくとも約35%の純度、少なくとも約40%の純度、少なくとも約45%の純度、少なくとも約50%の純度、少なくとも約55%の純度、少なくとも約60%の純度、少なくとも約65%の純度、少なくとも約70%の純度、少なくとも約75%の純度、少なくとも約80%の純度、少なくとも約85%の純度、少なくとも約90%の純度、少なくとも約95%の純度または少なくとも約98%の純度である。
いくつかの実施態様において、イオン交換クロマトグラフィー中のUV干渉は、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または少なくとも98%低下される。いくつかの実施態様において、UV干渉は、約5~約25%低下する。いくつかの実施態様において、UV干渉は、約10~約30%低下する。いくつかの実施態様において、UV干渉は、約20~約50%低下する。いくつかの実施態様において、UV干渉は、約30~約60%低下する。いくつかの実施態様において、UV干渉は、約40~約75%低下する。いくつかの実施態様において、UV干渉は、約50~約80%低下する。いくつかの実施態様において、UV干渉は、約60~約85%低下する。いくつかの実施態様において、UV干渉は、約70~約90%低下する。いくつかの実施態様において、UV干渉は、約85~約95%低下する。いくつかの実施態様において、UV干渉は、約85~約99%低下する。
いくつかの実施態様において、ロードされるPEG化タンパク質は、ローディング前に触媒を使用せずに濃縮される。いくつかの実施態様において、触媒は、4-アミノベンゾヒドラジド、4ABHまたはその誘導体もしくはその低級形態である。濃縮とは、溶質分子を保持したまま、溶液から液体を除去するという単純な工程である。溶質の濃度は、溶液の体積が減少するに比例して増加する(即ち、体積を半分にすると、濃度が実質2倍になる)。
いくつかの実施態様においては、ロードされるPEG化タンパク質は、ローディング前にタンジェンシャルフロー濾過によって濃縮される。タンジェンシャルフロー濾過は、流体圧力を利用して限外濾過膜を通して低分子の移動を促し、同時に大きい分子を保持する限外濾過の手法である。一般的には、保持すべきタンパク質の分子量よりも3~6倍小さい分子量のカットオフ(MWCO)の膜が選択される。適切なMWCOの選択には、当業者には既知のその他の要因、例えば流速、処理時間、膜間圧力、分子形状や構造、溶質濃度、その他の溶質の存在およびイオン条件なども影響する。TFFの主な用途は、濃縮、透析濾過(脱塩および緩衝液交換)および大きな生体分子と小さな生体分子との分画である。
透析濾過とは、最終的に濃度を変えずに、小さい分子は膜を通過させて洗い流し、大きい分子を元の液中に残す分画処理である。これを利用して、塩類を除去するか、または緩衝液を交換できる。エタノールまたはその他の小分子の溶質または添加物を除去することもできる。
透析濾過は、連続的または非連続的に行い得る。連続的な透析濾過では、濾液が生じる速度と同じ速度で、透析濾過用の溶液(水または緩衝液)がサンプル供給リザーバーに加えられる。このようにして、サンプルリザーバ内の体積は一定に保たれるが、膜を自由に透過できる小分子(例えば、塩)は洗い流される。塩分除去を例とすれば、透析濾過量(DV)の添加ごとに塩分濃度がさらに低下する(1回の透析濾過量は、システム内の生成物量と等量の水または緩衝液を供給リザーバーに加えて等しくした後、開始時の容量に戻す。例えば、開始時に200mLのサンプルであれば、1DV=200mLである)。2DVを使用すると、連続的な透析濾過ではイオン強度が約99%低下する。
非連続的な透析濾過では、最初に溶液を希釈して、次に開始容量にまで濃縮する。その後、リザーバー内に残っている低分子(例えば、塩)が必要な濃度に達するまで、この処理を繰り返す。DVを添加する度に、塩分濃度はさらに低下する。連続的な透析濾過では、非連続的な透析濾過と同程度の塩分減少を達成するのに、より少ない濾液容量により行われる。最初にサンプルを濃縮することで、所定のイオン強度を達成するために必要な透析濾過溶液の量を大幅に減らすことができる。
いくつかの実施態様において、イオン交換クロマトグラフィーの前のタンジェンシャルフロー濾過後のPEG化タンパク質の濃度は、少なくとも約20g/L、少なくとも約25g/L、少なくとも約26g/L、少なくとも約27g/L、少なくとも約28g/L、少なくとも約29g/L、少なくとも約30g/L、少なくとも約31g/L、少なくとも約32g/L、少なくとも約33g/L、少なくとも約34g/L、少なくとも約35g/L、少なくとも約36g/L、少なくとも約37g/L、少なくとも約38g/L、少なくとも約39g/L、少なくとも約40g/L、少なくとも約41g/L、少なくとも約42g/L、少なくとも約43g/L、少なくとも約44g/L、少なくとも約45g/Lまたは少なくとも約50g/Lである。いくつかの実施態様において、イオン交換クロマトグラフィーの前のタンジェンシャルフロー濾過後のPEG化タンパク質の濃度は、少なくとも約35g/Lである。
いくつかの実施態様において、本明細書の高濃度でロードされるPEG化タンパク質は、少なくとも約7g/L、少なくとも約8g/L、少なくとも約9g/L、少なくとも約10g/L、少なくとも約11g/L、少なくとも約12g/L、少なくとも約13g/L、少なくとも約14g/L、少なくとも約15g/L、少なくとも約20g/L、少なくとも約25g/L、少なくとも約30g/L、少なくとも約35g/L、少なくとも約40g/L、少なくとも約45g/L、少なくとも約50g/L、少なくとも約55g/Lまたは少なくとも約60g/Lの濃度である。いくつかの実施態様において、本明細書の高濃度でロードされるPEG化タンパク質は、約6g/L~約60g/L、約10g/L~約60g/L、約15g/L~約50g/L、約15g/L~約40g/L、約15g/L~約35g/L、約15g/L~約40g/L、約20g/L~約60g/L、約20g/L~約50g/L、約20g/L~約40g/L、約20g/L~約35g/L、約20g/L~約30g/L、約25g/L~約60g/L、約25g/L~約50g/L、約25g/L~約40g/L、約25g/L~約35g/L、約25g/L~約30g/Lまたは約30g/L~約35g/Lの濃度を有する。
いくつかの実施態様において、イオン交換クロマトグラフィーにロードされる高濃度のPEG化タンパク質は、約10g/L、約15g/L、約20g/L、約25g/L、約30g/L、約35g/L、約40g/L、約45g/L、約50g/L、約55g/Lまたは約60g/Lである。
いくつかの実施態様において、高濃度でロードされるPEG化タンパク質は、約15g/Lの濃度を有する。いくつかの実施態様において、高濃度でロードされるPEG化タンパク質は、約20g/Lの濃度を有する。いくつかの実施態様において、高濃度でロードされるPEG化タンパク質は、約25g/Lの濃度を有する。いくつかの実施態様において、高濃度でロードされるPEG化タンパク質は、約30g/Lの濃度を有する。いくつかの実施態様において、高濃度でロードされるPEG化タンパク質は、約35g/Lの濃度を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書のイオン交換クロマトグラフィーを行った後のPEG化タンパク質のタンパク質収率は、PEG化タンパク質を6g/Lより低い濃度、例えば約1g/Lでロードした場合のイオン交換マトリックスの結合容量と比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%または少なくとも約99%増加する。いくつかの実施態様において、本明細書のイオン交換クロマトグラフィーを行った後のPEG化タンパク質のタンパク質収率は、約10%~約20%増加する。いくつかの実施態様において、本明細書のイオン交換クロマトグラフィーを行った後のPEG化タンパク質のタンパク質収率は、PEG化タンパク質が6g/Lより低い濃度、例えば約1g/Lでロードした場合のイオン交換マトリックスの結合容量と比較して、約15%~約30%増加する。いくつかの実施態様において、本明細書のイオン交換クロマトグラフィーを行った後のPEG化タンパク質のタンパク質収率は、PEG化タンパク質が6g/Lより低い濃度、例えば約1g/Lでロードした場合のイオン交換マトリックスの結合容量と比較して、約20%~約35%に増加する。いくつかの実施態様において、本明細書のイオン交換クロマトグラフィーを行った後のPEG化タンパク質のタンパク質収率は、PEG化タンパク質が6g/Lより低い濃度、例えば約1g/Lでロードした場合のイオン交換マトリックスの結合容量と比較して、約25%~約40%増加する。いくつかの実施態様において、本明細書のイオン交換クロマトグラフィーを行った後のPEG化タンパク質のタンパク質収率は、PEG化タンパク質を6g/Lより低い濃度、例えば約1g/Lでロードした場合のイオン交換マトリックスの結合容量と比較して、約45%~約60%増加する。いくつかの実施態様において、本明細書のイオン交換クロマトグラフィーを行った後のPEG化タンパク質のタンパク質収率は、PEG化タンパク質を6g/Lより低い濃度、例えば約1g/Lでロードした場合のイオン交換マトリックスの結合容量と比較して、約65%~約80%増加する。いくつかの実施態様において、本明細書のイオン交換クロマトグラフィーを行った後のPEG化タンパク質のタンパク質収率は、PEG化タンパク質を6g/Lより低い濃度、例えば約1g/Lでロードした場合のイオン交換マトリックスの結合容量と比較して、約85%~約90%増加する。いくつかの実施態様において、本明細書のイオン交換クロマトグラフィーを行った後のPEG化タンパク質のタンパク質収率は、PEG化タンパク質を6g/Lより低い濃度、例えば約1g/Lでロードした場合のイオン交換マトリックスの結合容量と比較して、約90%~約99%増加する。いくつかの実施態様において、本方法は、洗浄用緩衝液を用いてマトリックスを洗浄することをさらに含む。緩衝液のpHとイオン強度は、すべての形態のイオン交換クロマトグラフィーにとって極めて重要である。緩衝液の対イオンは、樹脂と同じ電荷を持つべきであり、トリス緩衝液は一般に正電荷を帯びたアニオン交換樹脂に使用され、リン酸緩衝液は一般に負電荷を帯びたカチオン交換樹脂に使用される。
いくつかの実施態様において、本方法は、PEG化タンパク質を、溶出緩衝液を用いて溶出することをさらに含む。溶出緩衝液は、イオン交換材に結合したポリペプチドを、回収または収集するように調製される。一般的に、イオン交換カラムを通過する緩衝液/溶液のイオン強度、即ち導電性を高める。これは、緩衝液の塩の濃度を上げるか、あるいは他の塩(溶出用塩と呼ばれる)を緩衝液に加えることで達成される。溶出方法に応じて、濃縮された緩衝液または溶出用塩溶液を、分割して添加することにより、緩衝液/塩濃度を、一度に(段階的溶出法)または連続的に(連続溶出法)増加させる。好ましい溶出用の塩は、クエン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、リン酸カリウムまたはクエン酸やリン酸の他の塩またはこれらの成分の任意の混合物である。一実施態様では、溶出用の塩は、クエン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウムまたはこれらの混合物である。
いくつかの実施態様において、イオン交換クロマトグラフィーは、カチオン交換クロマトグラフィーである。カチオン交換クロマトグラフィーは、正味の正の表面電荷を有する分子に親和性のある負電荷を帯びたイオン交換樹脂を使用する。カチオン交換クロマトグラフィーは、分取および分析の両方の目的で使用され、アミノ酸やヌクレオチドから大きなタンパク質まで、広範囲の分子を分離することができる。
いくつかの実施態様において、イオン交換クロマトグラフィーは、Poros HS、Poros XS、カルボキシメチルセルロース、BAKERBOND ABX(登録商標)、アガロースに固定化されたスルホプロピルおよびアガロースに固定化されたスルホニル、MonoS、MiniS、Source 15S、30S、SP SEPHAROSE(登録商標)、CM SEPHAROSE(登録商標)、BAKERBOND Carboxy-Sulfon、WP CBX、WP Sulfonic、Hydrocell CM、Hydrocel SP、UNOsphere S、Macro-Prep High S、Macro-Prep CM、Ceramic HyperD S、Ceramic HyperD CM、Ceramic HyperD Z、Trisacryl M CM、Trisacryl LS CM、Trisacryl M SP、Trisacryl LS SP、Spherodex LS SP、DOWEX Fine Mesh強酸性カチオン樹脂、DOWEX MAC-3、Matrex Cellufine C500、Matrex Cellufine C200、Fractogel EMD SO3-、Fractogel EMD SE、Fractogel EMD COO-、Amberlite Weak and Strong Cation Exchangers、Diaion Weak and Strong Cation Exchangers、TSK Gel SP-5PW-HR、TSK Gel SP-5PW、Toyopearl CM(650S、650M、650C)、Toyopearl SP(650S、650M、650C)、CM(23、32、52)、SE(52、53)、P11、Express-Ion CおよびExpress-Ion Sならびにこれらの任意の組み合わせ、からなる群から選択されるCEX樹脂を含む。
いくつかの実施態様において、イオン交換クロマトグラフィーは、アニオン交換クロマトグラフィーである。アニオン交換クロマトグラフィーは、正味の負の表面電荷を有する分子に親和性を有する正電荷を帯びたイオン交換樹脂を使用する。アニオン交換クロマトグラフィーは、分取および分析の両方の目的で使用され、アミノ酸やヌクレオチドから大きなタンパク質まで、広範囲の分子を分離することができる。
いくつかの実施態様において、アニオン交換クロマトグラフィーは、POROS HQ、POROS XQ、Q SEPHAROSE(登録商標)Fast Flow、DEAE SEPHAROSE(登録商標)Fast Flow、SARTOBIND(登録商標)Q、ANX SEPHAROSE(登録商標)4 Fast Flow (high sub)、Q SEPHAROSE(登録商標)XL、Q SEPHAROSE(登録商標)big beads、DEAE Sephadex A-25、DEAE Sephadex A-50、QAE Sephadex A-25、QAE Sephadex A-50、Q SEPHAROSE(登録商標)high Performance、Q SEPHAROSE(登録商標)XL、Sourse 15Q、Sourse 30Q、Resourse Q、Capto Q、Capto DEAE、MonoQ、Toyopearl Super Q、Toyopearl DEAE、Toyopearl QAE、Toyopearl Q、Toyopearl GigaCap Q、TS gel SuperQ、TS gel DEAE、Fractogel EMD TMAE、Fractogel EMD TMAE HiCap、Fractogel EMD DEAE、Fractogel EMD DMAE、Macroprep High Q、Macro-prep-DEAE、Unosphere Q、Nuvia Q、PORGS PI、DEAE Ceramic HyperD、Q Ceramic HyperDおよびこれらの任意の組み合わせ、からなる群から選択されるAEX樹脂を含む。
いくつかの実施態様において、本発明のために有用なPEG化タンパク質は、分子量が、少なくとも約5kDa、少なくとも約10kDa、少なくとも約15kDa、少なくとも約20kDa、少なくとも約25kDa、少なくとも約30kDa、少なくとも約35kDa、少なくとも約40kDa、少なくとも約45kDa、少なくとも約50kDa、少なくとも約55kDa、少なくとも約60kDa、少なくとも約75kDa、少なくとも約80kDa、少なくとも約85kDa、少なくとも約90kDa、少なくとも約95kDa、少なくとも約100kDa、少なくとも約105kDa、少なくとも約110kDa、少なくとも約115kDa、少なくとも約120kDa、少なくとも約125kDa、少なくとも約130kDa、少なくとも約135kDa、少なくとも約140kDa、少なくとも約145kDa、少なくとも約150kDa、少なくとも約155kDa、少なくとも約160kDa、少なくとも約165kDa、少なくとも約170kDa、少なくとも約175kDa、少なくとも約180kDa、少なくとも約185kDa、少なくとも約190kDa、少なくとも約195kDa、少なくとも約200kDa、少なくとも約300kDa、少なくとも約350kDa、少なくとも約400kDa、少なくとも約450kDa、少なくとも約500kDa、少なくとも約550kDaまたは少なくとも約600kDaである。いくつかの実施態様において、本発明のために有用なPEG化タンパク質は、約2kDa~約15kDaの分子量を有する。いくつかの実施態様において、本発明のために有用なPEG化タンパク質は、約15kDa~約35kDaの分子量を有する。いくつかの実施態様において、本発明のために有用なPEG化タンパク質は、約35kDa~約55kDaの分子量を有する。いくつかの実施態様において、本発明のために有用なPEG化タンパク質は、約50kDa~約75kDaの分子量を有する。いくつかの実施態様において、本発明のために有用なPEG化タンパク質は、約70kDa~約95kDaの分子量を有する。いくつかの実施態様において、本発明のために有用なPEG化タンパク質は、約80kDa~約115kDaの分子量を有する。いくつかの実施態様において、本発明のために有用なPEG化タンパク質は、約95kDa~約140kDaの分子量を有する。いくつかの実施態様において、本発明のために有用なPEG化タンパク質は、約135kDa~約170kDaの分子量を有する。いくつかの実施態様において、本発明のために有用なPEG化タンパク質は、約160kDa~約200kDaの分子量を有する。いくつかの実施態様において、本発明のために有用なPEG化タンパク質は、約180kDa~約235kDaの分子量を有する。いくつかの実施態様において、本発明のために有用なPEG化タンパク質は、約205kDa~約250kDaの分子量を有する。いくつかの実施態様において、本発明のために有用なPEG化タンパク質は、約225kDa~約280kDaの分子量を有する。いくつかの実施態様において、本発明のために有用なPEG化タンパク質は、約270kDa~約330kDaの分子量を有する。いくつかの実施態様において、本発明のために有用なPEG化タンパク質は、約325kDa~約360kDaの分子量を有する。いくつかの実施態様において、本発明のために有用なPEG化タンパク質は、約350kDa~約425kDaの分子量を有する。いくつかの実施態様において、本発明のために有用なPEG化タンパク質は、約415kDa~約465kDaの分子量を有する。いくつかの実施態様において、本発明のために有用なPEG化タンパク質は、約450kDa~約500kDaの分子量を有する。いくつかの実施態様において、本発明のために有用なPEG化タンパク質は、約485kDa~約525kDaの分子量を有する。いくつかの実施態様において、本発明のために有用なPEG化タンパク質は、約500kDa~約550kDaの分子量を有する。いくつかの実施態様において、本発明のために有用なPEG化タンパク質は、約530kDa~約575kDaの分子量を有する。いくつかの実施態様において、本発明のために有用なPEG化タンパク質は、約560kDa~約605kDaの分子量を有する。
いくつかの実施態様において、本発明のために有用なPEG化タンパク質は、PEG化されている野生型タンパク質、突然変異体、誘導体、バリアントまたは断片であり、そのタンパク質は、哺乳類、真核生物または原核生物起から得ることが可能であり、これらには、例えば、成長因子(例えば、FGF21、ヒト顆粒球コロニー刺激因子);インターロイキン(例えば、インターロイキン2);血液凝固因子(例えば、第VIII因子または第IX因子);インターフェロン(例えば、インターフェロンα-1a、インターフェロンα-1b、インターフェロンα-2b、インターフェロンβ1);オピオイドアンタゴニスト;ホルモン(例えば、エリスロポエチン);ホルモンアンタゴニスト(例えば、ヒト成長ホルモンアンタゴニスト);酵素(例えば、L-アスパラギナーゼ、アデノシンデアミナーゼ、ウリカーゼ、ヒアルロニダーゼ);抗体(例えば、抗体のFab1またはFab2断片、例えば、ヒト腫瘍壊死因子α(TNFα)に対するモノクローナル抗体のFab断片);サイトカイン(例えば、IL10);PEG化リポソーム封入タンパク質(例えば、ドキソルビシン);および抗生物質が挙げられる。
いくつかの実施態様において、本発明のために有用なPEG化タンパク質は、PEG化された天然に存在するタンパク質もしくは組換え的に産生されたタンパク質または融合タンパク質である。
いくつかの実施態様において、本発明のために有用なPEG化タンパク質は、タンパク質の由来が哺乳類、真核生物または原核生物であり得る抗体であって、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、二重特異性抗体、多重特異性抗体、IgA、IgGまたはIgM抗体、抗体の抗原結合部分、例えば、抗体のFab1またはFab2断片、例えばヒト腫瘍壊死因子α(TNFα)に対するモノクローナル抗体のFab断片、VHドメインおよびCH1ドメインを含むFd断片、抗体のシングルアームのVLドメインおよびVHドメインを含むFv断片、VHドメインを含むdAb断片、単離された相補性決定領域(CDR)および任意に合成リンカーによって結合することができる2以上の単離されたCDRの組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定するものではない。
いくつかの実施態様において、本発明のために有用なPEG化タンパク質は、サイトカイン、凝固因子、ホルモン、細胞表面受容体、成長因子またはそれらの任意の組み合わせである。
いくつかの実施態様において、PEG化タンパク質は、線維芽細胞増殖因子21である、FGF21の野生型または修飾FGF-21ポリペプチドである。本明細書で使用する場合、「修飾FGF-21ポリペプチド」とは、野生型FGF-21と異なっており、通常、線維芽細胞増殖因子21の少なくとも1つの生物学的活性を有するポリペプチドおよびタンパク質を含んでおり、これらには、FGF-21アナログ、FGF-21アイソフォーム、FGF-21模倣体、FGF-21断片、ハイブリッドFGF-21タンパク質、融合タンパク質、オリゴマーおよびマルチマー、ホモログ、グリコシル化パターンバリアント、バリアント、スプライスバリアントおよびそれらの突然変異タンパク質(mutein)などが挙げられるが、その生物学的活性に関わらず様々なものが含まれる。ある種のFGF-21ポリペプチドおよびその使用は、米国特許公開第20010012628号、米国特許公開第6,716,626号、米国特許公開第2004/0259780号、WO03/011213号、Kharitonenkov, et. al., J Clin Invest. 2005 June;115(6):1627-35,WO03/059270、米国特許公開第2005/0176631、WO2005/091944、WO2007/0293430、米国特許公開第2007/0293430、WO/2008/121563、米国特許第4,904,584号、WO99/67291号、WO99/03887号、WO00/26354号および米国特許第5,218,092号の各々を出典明示により、その全体を本明細書に組み込む。
いくつかの実施態様において、PEG化タンパク質は、PEG化部分を含む。
いくつかの実施態様において、PEG化部分は、直線状、分枝状、単一のPEG化、ランダムPEG化および多重PEG化(PEGmers)である。
いくつかの実施態様において、PEG化部分は、少なくとも約1、少なくとも約2、少なくとも約3、少なくとも約4、少なくとも約5、少なくとも約6、少なくとも約7、少なくとも約8、少なくとも約9、少なくとも約10、少なくとも約11、少なくとも約12、少なくとも約13、少なくとも約14、少なくとも約15、少なくとも約16、少なくとも約17、少なくとも約18、少なくとも約19、少なくとも約20、少なくとも約21、少なくとも約22、少なくとも約23、少なくとも約24、少なくとも約25、少なくとも約30、少なくとも約40、少なくとも約50、少なくとも約55、少なくとも約60、少なくとも約65、少なくとも約70、少なくとも約75、少なくとも約80、少なくとも約90、少なくとも約95、少なくとも約100kDaである。いくつかの実施態様において、PEG化部分は、約1~約100kDaである。いくつかの実施態様において、PEG化部分は、約2~約5kDaである。いくつかの実施態様において、PEG化部分は、約10~約20kDaである。いくつかの実施態様において、PEG化部分は、約25~約50kDaである。いくつかの実施態様において、PEG化部分は、約2~約50kDaである。いくつかの実施態様において、PEG化部分は、約20~約100kDaである。いくつかの実施態様において、PEG化部分は、約5~約30kDaである。いくつかの実施態様において、PEG化部分は、約5~約40kDaである。いくつかの実施態様において、PEG化部分は、約10~約80kDaである。
いくつかの実施態様において、PEG化部分は、約30kDaである。
いくつかの実施態様において、本明細書の方法を用いて精製されたPEG化タンパク質は、例えば、繊維芽細胞増殖因子21(FGF21)、インターロイキン2、第VIII因子、第IX因子、組換えフェニルアラニンアンモニアリアーゼ、インターフェロン(例えば、インターフェロンβ-1a)、ナロキソールなどのオピオイドアンタゴニスト、セルトリズマブペゴル、エリスロポエチン(例えば、メトキシポリエチレングリコール-エポエチンβ)、ペガプタニブ、組換えメチオニルヒト顆粒球コロニー刺激因子、ペグフィルグラスチム、ヒト成長ホルモンアンタゴニスト(例えば、ペグビソマント)、インターフェロンα(例えば、PEGインターフェロンα-2aまたはPEGインターフェロンα-2b)、L-アスパラギナーゼ(例えば、ペグアスパラガーゼ)、アデノシンデアミナーゼ(例えば、ウシペグアデマーゼ, Adagen)、PEG-ウリカーゼ、ペグロチナーゼ、尿酸代謝酵素(Krystexxa)、組換えヒトヒアルロニダーゼ、アスパラギナーゼ、ヒト化抗体(例えば、アラシズマブ)、モノクローナル抗体のFab断片(例えば、セルトリズマブ)、可溶性腫瘍壊死因子(ペグスネルセプト)、インターロイキン(例えば、組換えマウスIL-10)、ドキソルビシンなどが挙げられる。
PEG化タンパク質の例には、以下のものが挙げられるが、これらに限定するものではない:
・PALYNZIQ(登録商標)-フェニルケトン尿症の治療のためのPEG化された組換えフェニルアラニンアンモニアリアーゼ(Biomarin)、2018年5月に米国FDAから承認済
・ADYNOVATE(登録商標)-血友病A患者の治療のためのPEG化組換え抗血友病因子第VIII因子(Baxalta, 2015)
・PLEGRIDY(登録商標)-再発型多発性硬化症患者の治療のためのPEG化インターフェロンβ-1a(Biogen, 2014)
・MOVANTIK(登録商標)(Naloxegol)-成人の慢性非癌性疼痛患者におけるオピオイド誘発性便秘の治療に使用されるPEG化されたナロキソール(ペグ化されていないメタドンは、有害な胃腸反応を引き起こす可能性がある)(AstraZeneca, 2014)
・OMONTYA(登録商標)(Peginesatide)-透析を受けている成人患者の慢性腎臓病の随伴性貧血を治療するための薬剤(月1回投与用)(Affymax/Takeda Pharmaceuticals, 2012)
・KRYSTEXXA(登録商標)(Pegloticase)-PEG化された痛風治療用ウリカーゼ(Savient, 2010)
・CYMZIA(登録商標)(Certolizumab pegol)-中等度から重度の関節リウマチおよび炎症性胃腸障害であるクローン病の治療用モノクローナル抗体(Nektar/UCB Pharma, 2008)
・MIRCERA(登録商標)(メトキシポリエチレングリコール-エポエチンβ)-PEG化されたエリスロポエチン製剤の慢性腎臓病随伴性貧血の治療薬(Roche, 2007)
・MACUGEN(登録商標)(Pegaptanib)-血管新生加齢黄斑変性症の治療薬(Pfizer, 2004)
・NEULASTA(登録商標)(Pegfilgrastim:ペグフィルグラスチム)-重度の癌化学療法誘発性好中球減少症に対するPEG化した組み換えメチオニルヒト顆粒球コロニー刺激因子(Amgen, 2002)
・SOMAVERT(登録商標)(Pegvisomant:ペグビソマント)-先端巨大症を治療するためのPEG-ヒト成長ホルモンムテイン拮抗薬(Pfizer, 2002)
・PEGASYS(登録商標)(ペグインターフェロンα2a)-慢性のC型肝炎およびB型肝炎の治療に使用されるPEG化されたインターフェロンα(Hoffmann-La Roche, 2002)
・PEGINTRON(登録商標)(ペグインターフェロンα2b)-慢性のC型肝炎およびB型肝炎の治療に使用されるPEG化インターフェロンα(Schering-Plough/Enzon, 2000)
・DOXIL(登録商標)/CAELYX(登録商標)(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)-がん治療のためのドキソルビシンを含むPEG化リポソーム(Alza 1995)
・MYOCET(登録商標)(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)-がん治療用のドキソルビシンを含むPEG化リポソーム(Teva UK)
・ONCASPA(登録商標)(Pegaspargase)-未修飾L-アスパラギナーゼに過敏な患者の急性リンパ性白血病を治療するために使用されるPEG化L-アスパラギナーゼ(Enzon, 1994)。本剤はフロントラインでの使用も承認されている。
・ADAGEN(登録商標)(Pegademase bovine)-重症複合免疫不全症(SCID)治療用PEG-アデノシンデアミナーゼ(Enzon, 1990)。
III.組成物および治療方法
本明細書は、本願方法に従って精製されたタンパク質を包含する。いくつかの実施態様において、精製されたタンパク質は、哺乳類、例えば、ヒトに投与するために適切に製剤化され得る。別の実施態様において、本明細書は、本願方法により精製されたタンパク質を投与することを特徴とする、疾患または症状を治療または予防するための方法を包含する。
特許請求の範囲を解釈するために使用されるのは、「発明の詳細な説明」のセクションであって、「概要」および「要旨」のセクションではないことを理解されたい。「概要」および「要旨」の部分は、本発明者が考えている本明細書の1以上の実施態様の例示を記載するものであるが、全ての例ではないため、本明細書および添付した特許請求の範囲をいかなる方法によっても限定することは意図していない。
本明細書は、指定された機能およびその関連についての実施を例示する機能構成単位を用いて説明されている。これらの機能構成単位の区別は、説明の便宜上、本明細書において任意に定義されている。特定の機能およびその関係が適切に実施される限り、別の境界を定義することもできる。
本明細書の特定の実施態様の説明により、本明細書の一般的な性質は、十分明らかにされているため、当業者の範囲内の知識を適用することにより、過度の実験を行うことなく、本明細書の一般的な概念から逸脱することなく、特定の実施態様を様々な用途のために容易に変更および/または適用することができる。従って、かかる適用および修正は、本明細書に提示された教示およびガイダンスに基づいて、開示された実施態様の意味および等価物の範囲内にあることが意図される。本明細書の表現または用語は、説明を目的としており、限定するためのものではなく、本明細書の用語または表現は、教示およびガイダンスに照らして当業者により解釈されるべきであることを理解されたい。
本明細書の領域および範囲は、本明細書に記載された実施態様の例示のいずれかによって制限されるべきではなく、以下の請求項およびその等価物に基づいてのみ規定されるべきである。
実施例1
イオン交換クロマトグラフィーにおけるPEG化タンパク質のサイズおよびその吸着に対するタンパク質濃度の影響
全てのサイズのタンパク質を、治療目的で薬物動態プロファイルを改善するためにPEG化することができる。PEG化タンパク質は、下流の処理工程においていくつかの課題がある。PEG化タンパク質の精製には、イオン交換クロマトグラフィーが使用される。しかし、PEG化タンパク質の動的結合能力は、ネイティブなタンパク質に比べて著しく低い。その原因として、結合したPEGポリマー鎖によるタンパク質の電荷の遮断およびPEG化タンパク質のサイズが大きいことによる樹脂ビーズ内での拡散性の低下などが考えられる。
本研究では、PEG化タンパク質の濃度が、PEG化タンパク質のサイズおよび構造、ひいてはイオン交換クロマトグラフィーでのその結合挙動に影響を与えることを明らかにした(図1を参照されたい)。PEG化反応に随伴するもう1つの課題は、PEG化反応触媒のUV吸光度が、その後のクロマトグラムおよびタンパク質濃度の測定に干渉することである。
タンジェンシャルフロー濾過を用いて、PEG化したタンパク質を濃縮し、触媒およびその他の夾雑物を除去した。タンジェンシャルフロー濾過は、PEG化混合物の最初の希釈、AEXローディング緩衝液による透析濾過、AEXローディングのための最終濃縮により行った。AEXを、カラムの平衡化、タンパク質のローディング、カラムの洗浄、リニアグラジエントを用いた溶出、その後の後処理および洗浄により行った。ダイアフィルトレーションにより濃縮したPEG化タンパク質を用いることで、より高い結合およびローディング容量が得られ、イオン交換クロマトグラフィー中のUV干渉も除かれた(図1を参照されたい)。
濃縮されたPEG化FGF21に対するAEX樹脂の結合容量およびPEG化FGF21の流体力学的半径を、AEX樹脂にロードされたPEG化FGF21濃度の関数として決定した(図1を参照されたい)。FGF21は、当該技術分野において既知の方法に従ってPEG化された。
流体力学的半径は、当該技術分野において一般的に使用されている方法である動的光散乱法を用いて決定した。動的結合容量は、AEXカラムにタンパク質をロードし、当分野で一般的に使用される方法であるUV280による解析前に、結合したタンパク質をモニターすることにより決定した。
図2に示すように、PEG化反応物を31倍に希釈した後、1gのPEG化FGF21/Lのローティング濃度でアニオン交換クロマトグラフィーを行った今回の工程では、AEX樹脂の結合容量が6.5gのPEG化FGF21/Lとなった。一方、PEG化FGF21を、30gのPEG化FGF21/Lのローディング濃度となるようにタンジェンシャルフロー濾過(孔サイズが10kDaまたは30kDaのいずれかを示す)により濃縮した場合、得られた結合容量は、1LのAEX樹脂あたり、10gPEG化FGF21であった。
略語の説明:Rh、流体力学的半径;DLS、動的光散乱;DBC、動的結合容量;AEX、アニオン交換クロマトグラフィー;TFF、タンジェンシャルフロー濾過;DV、ダイアフィルトレーション容量;QFF、Q Sepharose Fast Flow;4ABH、4-アミノ安息香酸ヒドラジド;PABA、p-アミノ安息香酸。

Claims (34)

  1. イオン交換クロマトグラフィーマトリックスに少なくとも6g/リットルの高濃度のPEG化タンパク質をロードする工程、およびPEG化タンパク質を回収する工程を含む、PEG化タンパク質を精製するための方法。
  2. 1g/Lの濃度でロードして回収されたPEG化タンパク質の収量と比較して、高濃度のPEG化タンパク質をロードすることにより、回収されたPEG化タンパク質の収量が増加する、請求項1記載の方法。
  3. 回収されたPEG化タンパク質の収量が、少なくとも約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約6倍、約7倍、約8倍、約9倍、約10倍、約20倍、約30倍または約40倍増加する、請求項2記載の方法。
  4. PEG化タンパク質を1g/L濃度でロードした場合のイオン交換マトリックスのローディング容量と比較して、高濃度のPEG化タンパク質をロードすることにより、イオン交換クロマトグラフィーマトリックスのローディング容量が増加する、請求項1~3いずれか一項に記載の方法。
  5. イオン交換マトリックスのローディング容量が、マトリックス1Lあたり、6gから、7g、8g、9g、10g、11g、12g、13g、14g、15g、16g、17g、18g、19gおよび20gのPEG化タンパク質に増加する、請求項4記載の方法。
  6. PEG化タンパク質を1g/L濃度でロードした場合のイオン交換クロマトグラフィーマトリックスの結合容量と比較して、高濃度のPEG化タンパク質をロードすることにより、イオン交換クロマトグラフィーマトリックスの結合容量が増加する、請求項1~5いずれか一項に記載の方法。
  7. イオン交換マトリックスの結合容量が、約1.1倍、約1.2倍、約1.3倍、約1.5倍、約1.6倍、約1.7倍、約1.8倍、約1.9倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約6倍、約7倍、約8倍、約9倍、約10倍、約15倍、約20倍または約30倍増加する、請求項6記載の方法。
  8. イオン交換クロマトグラフィーマトリックスの結合容量が、少なくとも7g、少なくとも7.5g、少なくとも8g、少なくとも8.5g、少なくとも9g、少なくとも9.5g、少なくとも10g、少なくとも10.5g、少なくとも11g、少なくとも11.5g、少なくとも12g、少なくとも12.5g、少なくとも13g、少なくとも13.5g、少なくとも14g、少なくとも14.5g、少なくとも15g、少なくとも15.5g、少なくとも16g、少なくとも16.5gまたは少なくとも17gのPEG化タンパク質/Lマトリックスである、請求項6または7記載の方法。
  9. 回収されたPEG化タンパク質が、少なくとも約20%の純度、少なくとも約25%の純度、少なくとも約30%の純度、少なくとも約35%の純度、少なくとも約40%の純度、少なくとも約45%の純度、少なくとも約50%の純度、少なくとも約55%の純度、少なくとも約60%の純度、少なくとも約65%の純度、少なくとも約70%の純度、少なくとも約75%の純度、少なくとも約80%の純度、少なくとも約85%の純度、少なくとも約90%の純度、少なくとも約95%の純度、少なくとも約98%の純度である、請求項1~8いずれか一項に記載の方法。
  10. イオン交換クロマトグラフィー中のUV干渉が、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも98%低下する、請求項1~9いずれか一項に記載の方法。
  11. ロードされるPEG化タンパク質が、ロードする前に触媒を使用せずに濃縮されている、請求項1~10項いずれか一項に記載の方法。
  12. ロードされるPEG化タンパク質が、ロードする前にタンジェンシャルフロー濾過によって濃縮されている、請求項1~11いずれか一項に記載の方法。
  13. 高濃度でロードされるPEG化タンパク質が、少なくとも約10、少なくとも約15、少なくとも約20、少なくとも約25、少なくとも約30、少なくとも約35、少なくとも約40、少なくとも約45、少なくとも約50、少なくとも約55、少なくとも約60g/Lの濃度である、請求項2~12いずれか一項に記載の方法。
  14. 高濃度でロードされるPEG化タンパク質が、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約55、約60g/Lの濃度である、請求項13記載の方法。
  15. 高濃度でロードされるPEG化タンパク質が、約30g/Lの濃度である、請求項14記載の方法。
  16. 回収されたPEG化タンパク質の収率が、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%または少なくとも約99%である、請求項13記載の方法。
  17. 洗浄緩衝液を用いてマトリックスを洗浄する工程を更に含む、請求項1~16いずれか一項に記載の方法。
  18. 溶出緩衝液を用いてPEG化タンパク質を溶出する工程を更に含む、請求項1~17いずれか一項に記載の方法。
  19. イオン交換クロマトグラフィーが、カチオン交換クロマトグラフィーである、請求項1~18いずれか一項に記載の方法。
  20. イオン交換クロマトグラフィーが、Poros HS、Poros XS、カルボキシ-メチル-セルロース、BAKERBOND ABX(登録商標)、アガロースに固定されたスルホプロピルおよびアガロースに固定されたスルホニル、MonoS、MiniS、Source 15S、30S、SP SEPHAROSE(登録商標)、CM SEPHAROSE(登録商標)、BAKERBONDカルボキシ-スルホン、WP CBX、WP Sulfonic、Hydrocell CM、Hydrocel SP、UNOsphere S、Macro-Prep High S、Macro-Prep CM、Ceramic HyperD S、Ceramic HyperD CM、Ceramic HyperD Z、Trisacryl M CM、Trisacryl LS CM、Trisacryl M SP、Trisacryl LS SP、Spherodex LS SP、DOWEX Fine Mesh強酸カチオン樹脂、DOWEX MAC-3、Matrex Cellufine C500、Matrex Cellufine C200、Fractogel EMD SO3-、Fractogel EMD SE、Fractogel EMD COO、Amberlite弱/強カチオン交換体、Diaion 弱/強カチオン交換体、TSK Gel SP-5PW-HR、TSK Gel SP-5PW、Toyopearl CM(650S、650M、650C)、Toyopearl SP(650S、650M、650C)、CM(23、32、52)、SE(52、53)、P11、Express-Ion CおよびExpress-Ion Sならびにそれらのあらゆる組合せからなる群から選択されるCEX樹脂を含む、請求項19記載の方法。
  21. イオン交換クロマトグラフィーが、アニオン交換クロマトグラフィーである、請求項1~18いずれか一項に記載の方法。
  22. アニオン交換クロマトグラフィーが、POROS HQ、POROS XQ、Q SEPHAROSE(登録商標) Fast Flow、DEAE SEPHAROSE(登録商標) Fast Flow、SARTOBIND(登録商標) Q、ANX SEPHAROSE(登録商標)4 Fast Flow(登録商標)(high sub)、Q SEPHAROSE(登録商標)XL、Q SEPHAROSE(登録商標)ビッグビーズ、DEAE Sephadex A-25、DEAE Sephadex A-50、QAE Sephadex A-25、QAE Sephadex A-50、Q SEPHAROSE(登録商標) high Performance、Q SEPHAROSE(登録商標) XL、Sourse 15Q、Sourse 30Q、Resourse Q、Capto Q、Capto DEAE、Mono Q、Toyopearl Super Q、Toyopearl DEAE、Toyopearl QAE、Toyopearl Q、Toyopearl GigaCap Q、TS gel SuperQ、TS gel DEAE、Fractogel EMD TMAE、Fractogel EMD TMAE HiCap、Fractogel EMD DEAE、Fractogel EMD DMAE、Macroprep High Q、Macro-prep-DEAE、Unosphere Q、Nuvia Q、PORGS PI、DEAE Ceramic HyperDおよびQ Ceramic HyperDならびにそれらのあらゆる組合せからなる群から選択されるAEX樹脂を含む、請求項21記載の方法。
  23. PEG化タンパク質が、少なくとも約5、少なくとも約10、少なくとも約15、少なくとも約20、少なくとも約25、少なくとも約30、少なくとも約35、少なくとも約40、少なくとも約45、少なくとも約50、少なくとも約55、少なくとも約60、少なくとも約75、少なくとも約80、少なくとも約85、少なくとも約90、少なくとも約95、少なくとも約100、少なくとも約105、少なくとも約110、少なくとも約115、少なくとも約120、少なくとも約125、少なくとも約130、少なくとも約135、少なくとも約140、少なくとも約145、少なくとも約150、少なくとも約155、少なくとも約160、少なくとも約165、少なくとも約170、少なくとも約175、少なくとも約180、少なくとも約185、少なくとも約190、少なくとも約195、少なくとも約200、少なくとも約300、少なくとも約350、少なくとも約400、少なくとも約450、少なくとも約500、少なくとも約550または少なくとも約600kDaの分子量を有する、請求項1~22いずれか一項に記載の方法。
  24. PEG化タンパク質が、野生型タンパク質、突然変異体、誘導体、バリアントまたはそれらの断片である、請求項1~23いずれか一項に記載の方法。
  25. PEG化タンパク質が、天然または組み換え産生されたタンパク質である、請求項1~24いずれか一項に記載の方法。
  26. PEG化タンパク質が、抗体または融合タンパク質である、請求項1~25いずれか一項に記載の方法。
  27. PEG化タンパク質が、サイトカイン、凝固因子、ホルモン、細胞表面受容体、成長因子またはそのいずれかの組合せである、請求項1~26いずれか一項に記載の方法。
  28. PEG化タンパク質が、繊維芽細胞増殖因子21(FGF21)、インターロイキン2、第VIII因子、組換えフェニルアラニンアンモニアリアーゼ、ペグバリアーゼ、アディノベイト、インターフェロン(例えば、プレグリディなどのインターフェロンβ-1a)、ナロキソール(例えば、ナロキセゴール)、ペギネサチド、セルトリズマブペゴル、エリスロポエチン(例えば、メトキシポリエチレングリコール-エポエチンβ)、ペガプタニブ、組換えメチオニルヒト顆粒球コロニー刺激因子、ペグフィルグラスチム、ヒト成長ホルモンアンタゴニスト(例えば、ペグビソマント)、インターフェロンα(例えば、ペグインターフェロンα-2aまたはペグインターフェロンα-2b)、L-アスパラギナーゼ(例えば、ペグアスパラガーゼ)、アデノシンデアミナーゼ(例えば、ウシペグアデマーゼ)またはドキソルビシンである、請求項1~27いずれか一項に記載の方法。
  29. PEG化タンパク質が、FGF21である、請求項1~28いずれか一項に記載の方法。
  30. PEG化タンパク質が、PEG化部分を含む、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
  31. PEG化部分が、直線状、分枝状、モノPEG化物、ランダムPEG化物および複数PEG化物(PEGmer)である、請求項30記載の方法。
  32. PEG化部分が、少なくとも約1kDa、少なくとも約2kDa、少なくとも約3kDa、少なくとも約4kDa、少なくとも約5kDa、少なくとも約6kDa、少なくとも約7kDa、少なくとも約8kDa、少なくとも約9kDa、少なくとも約10kDa、少なくとも約11kDa、少なくとも約12kDa、少なくとも約13kDa、少なくとも約14kDa、少なくとも約15kDa、少なくとも約16kDa、少なくとも約17kDa、少なくとも約18kDa、少なくとも約19kDa、少なくとも約20kDa、少なくとも約21kDa、少なくとも約22kDa、少なくとも約23kDa、少なくとも約24kDa、少なくとも約25kDa、少なくとも約30kDa、少なくとも約40kDa、少なくとも約50kDa、少なくとも約55kDa、少なくとも約60kDa、少なくとも約65kDa、少なくとも約70kDa、少なくとも約75kDa、少なくとも約80kDa、少なくとも約90kDa、少なくとも約95kDaまたは少なくとも約100kDaである、請求項31記載の方法。
  33. PEG化部分が約30kDaである、請求項32記載の方法。
  34. 請求項1~33いずれか一項に記載の方法により精製されたタンパク質。
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