JP2022505305A - 口腔筋トレーニング装置および方法 - Google Patents

Abstract

【課題】睡眠呼吸障害の治療のために口腔筋をトレーニングするための刺激計画のパラメータを決定し、刺激計画の進捗を測定するための装置およびシステムを提供する。
【解決手段】使用者の１つ以上の口腔筋に電気刺激を印加するための口腔筋刺激装置（１０３）であって、使用者の１つ以上の口腔筋に電気刺激を印加するための１つ以上の電極（１３２、１３３）と、使用者の舌筋緊張を判断するためのセンサ（１４０ａ、１４０ｂ、１４１ａ、１４１ｂ）とを備えていることを特徴とする口腔筋刺激装置（１０３）。刺激計画を決定するための方法およびシステムも開示している。
【選択図】図１

Description

本発明は、口腔筋トレーニングに関し、特に口腔筋トレーニング装置、トレーニング方法、トレーニングシステムおよびトレーニング制御ソフトウェアに関する。より具体的には、本発明は、睡眠呼吸障害の治療のために口腔筋をトレーニングするための刺激計画のパラメータを決定し、および／または刺激計画の進捗を測定するための装置およびシステムに関する。

鼾および睡眠時無呼吸は、しばしば、睡眠呼吸障害（ＳＤＢ）と言われている多様な疾患の一部と考えられており、睡眠中に不規則な呼吸パターン症状を示す。ＳＤＢは、厄介なだけでなく、例えば、睡眠中の頻繁な覚醒、浅い睡眠、心臓へのストレス、血中の低酸素濃度、頭痛および倦怠感等の健康上の問題を引き起こす恐れがある。さらにＳＤＢは、睡眠障害を引き起こすことで、睡眠症候患者のパートナーにも影響を与える恐れがある。

喉、鼻の背部と口の間のヒトの呼吸導管は、喉頭まで達しており、収縮可能なチューブである。呼吸導管の閉塞は、気道陽圧において発生し、鼾をかくことおよび／または睡眠時無呼吸症候群で苦しむことになり、他方、気道陰圧においては、そのようなことが発生しないことが観察されている。

この現象に対処するために、幾つかの治療法が開発されて来た。これらの治療法は、持続的気道陽圧装置を使用して、呼吸導管を開いたままにするか、または下顎前方固定装置を装着して、顎および舌を前方に保持し、喉の背部の空間を広げるものである。

これらの装置は、喉の渇きなどの不快感を与える恐れがあり、根本的な原因に対処するのではなく、むしろ一時的な症状のみに対処するものである。これらの装置は、睡眠中に継続的に使用しなければならない。その結果、使用者にとって、就寝すること、または眠りを持続することが難しいことが分かり、使用基準を遵守することが困難になってしまう。したがって、睡眠中にそのような装置を継続的に使用する必要がなく、症状の根本的な原因に対処する治療を提供することが望ましい。

最近の研究では、電気的神経刺激装置を舌と横隔膜に埋め込むことが、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の治療に有効であることを示している。これは、該当部位の神経にセンサおよび電極を埋め込む侵襲手術をするものである。この装置は、センサを使用することによる気道閉塞の症状を識別し、舌の神経を刺激して収縮を起こさせ、気道閉塞を緩和するものである。ペースメーカと同様に、これも、結果として、バッテリーの交換、電気分野に関連したリスク、および外部安全検知装置に関係した問題などの保守・管理および他のやっかいな問題をもたらす。更に、刺激は、睡眠中の気道閉塞の症状の間だけ発生し、状態の根本原因には対処していない。

我々の特許である特許文献１では、使用者が口腔筋をトレーニングして筋緊張を改善し、それによってＳＤＢの症状を解消または少なくとも抑制することができるＳＤＢの治療用装置を開示している。使用者は通常、筋緊張を改善するために、覚醒状態のときにこの装置を使用する。一実施形態では、装置は、上顎弓と下顎弓との間に配置するためのマウスピースと、舌の上面または背面に係合するための１対のフランジと、舌下面に係合するための１対のフランジとを有している。それぞれのフランジは、電極を含んでいる。一実施形態では、装置の電源を入れると、オトガイ舌筋を標的にして、舌下面と舌背面の間の舌に電流が流れ、それにより舌の筋緊張が改善される。

特許文献１で開示された装置は、ＳＤＢの症状を軽減させることが臨床的に証明されているが、新しい患者の刺激計画の開発のための、および／または現在の患者の進行中の刺激計画の進捗を測定するための治療セッションのパラメータ（たとえば、電流、頻度、および期間）を最初に決定する装置、方法、またはシステムは、まだ開示されていない。

米国特許第９８３３６１３号明細書

刺激計画は、いくつかの、例えば、設定された数の刺激セッション（例えば、複数の刺激セッション）を備えることができる。刺激セッション中に、装置を患者の口に挿入し、装置を一定時間通電することができる。刺激計画内のそれぞれの刺激セッションは、刺激セッション中または刺激セッションの間で固定することができる、または変更することができる１つ以上のパラメータを備えているか、またはそれらで構成されている。このようなパラメータとして、刺激時間、および／または装置の１つ以上の電極によって加えられる電流の強度 （振幅）、印加された電流の周波数、パルス幅、パルス持続時間、電流の種類、 電流印可時間、電流の連続または切断を含むことができる。装置が複数の電極または電極のセット、たとえば、舌背面に係合する第１セットと、舌下面に係合する第２セットを備えている場合、電極のそれぞれのセットが、たとえば、異なる電流、異なる強度の電流、異なる周波数の電流を加えることもできる。さらに、刺激の方向（垂直方向、例えば舌下から舌背、横方向、例えば舌下から舌下、または垂直斜め方向、例えば右舌背から左舌下）は、刺激セッション中または刺激計画内の連続する刺激セッションの間に１回以上変更することができる。

このようなデバイスの使用に関する治療要件は、患者によって異なる。したがって、刺激計画の開始時の使用者の状態に応じて、刺激計画内で１つ以上の個別に対応した刺激セッションの開発を可能にする装置、方法、またはシステムが存在すると有利である。また、１つ以上の将来の刺激セッションのパラメータが、刺激計画中の使用者の進捗に対して、および／または刺激計画内の以前の刺激セッションへの応答性に対して、個別に対応することができるように、刺激計画の進捗および／または有効性を測定することができると有利である。

したがって、本発明の最初の非排他的課題は、好ましくは、刺激計画における患者の初期状態および／または患者の進捗の前述の測定を行うことができる覚醒状態で使用する刺激システムを提供することである。

したがって、本発明の第１の態様は、口腔筋緊張をトレーニングするための本発明の装置、例えば電気刺激装置を提供することであり、この本発明の装置は、マウスピースに関連付けられた少なくとも１つの電極手段を有するマウスピースと、電極手段に作動可能に接続された電気回路とを備えており、本発明の装置は、たとえば、安静時の筋緊張および／または睡眠中の筋緊張を増加させるため、使用時に、少なくとも１つの電極手段を介して、１つ以上の口腔筋、例えば舌筋および必要に応じて、口蓋筋に、口の内膜、例えば口腔粘膜を通して、電気刺激を与えるようになっており、本発明の装置は、１つ以上の口腔筋の筋緊張を測定または判断するための測定手段をさらに備えている。

測定手段は、使用者、すなわち患者の１つ以上の口腔筋の筋緊張を測定、判断、または検出するために、本発明の装置、例えばマウスピースに関連付けられた、または取り付けられた、または取り付け可能な１つ以上のセンサを備えることができる。測定手段は、使用者による意識的なやりとりを必要としない受動的、または能動的とすることができ、使用者は、測定手段および／または口腔筋刺激装置との１つ以上の特定のやりとりを行う。

測定手段は、１つ以上の圧力センサを備えることができる。１つ以上の圧力センサは、使用者の１つ以上の口腔筋、例えば、使用者の舌筋によって加えられる圧力を検出するために使用または使用することができる。１つ以上の圧力センサは、使用者の１つ以上の口腔筋、例えば使用者の舌筋によって加えられる最大圧力を検出するために使用または使用することができる。さらに、使用者が１つ以上の口腔筋、例えば、使用者の舌筋で目標圧力を加えることができる最大時間を検出するために、１つ以上の圧力センサを使用または使用することができる。

測定手段が１つ以上の圧力センサを含む実施形態では、１つ以上の力センサによって１つ以上の圧力センサを提供することができる。様々なタイプの力センサが当業者にとって公知であり、力感知コンデンサ、および力感知抵抗器が含まれる。測定手段、例えば、本発明の装置に関連付けられた、または取り付けられた、または取り付け可能な１つ以上のセンサに加えられる、力の相対的変化、および／または力の変化率、および／または力閾値を測定するために、測定手段、例えば１つ以上のセンサを、使用または使用することができる。この測定手段、例えば、１つ以上のセンサは、特定の期間にわたって特定のおよび／または最大の力を測定するために使用または使用することができる。

マウスピースの電気回路も測定手段に作動可能に接続することができる。

驚くべきことに、使用者、すなわち患者の舌筋によって加えられた圧力から得られた測定値が、筋緊張の測定値に変換できることが見出された。これにより、使用者が自らの刺激計画の進捗を監視し、および／または測定手段の測定に沿って使用者の刺激計画を調整することができる。

実施形態では、測定手段は、１つ以上の筋肉の筋音図（ＭＭＧ）を記録する際に使用するのに適した１つ以上のセンサを含むことができる。この測定手段は、１つ以上のマイクロホンを備えることができる。実施形態では、測定手段は、１つ以上のＭＥＭＳ（マイクロエレクトロメカニカルシステム）マイクロホン、例えば、アナログシリコンＭＥＭＳマイクロホン、例えば、ボッシュグループ（ドイツ、ゲルリンゲン）のアクスティカ社によって製造されたＡＫＵ３４０（登録商標）を備えることができる。

１つ以上の舌筋の収縮中に、それらの筋肉によって生成される機械的振動に変化があることがわかっている。１つ以上のマイクロホン、例えば１つ以上のＭＥＭＳマイクロホンを含む１つ以上のセンサは、使用者の舌筋によって生成される機械的振動の変化を検出するようになっていてもよい。このデータは、筋繊維の変化を判断するために使用できる筋音図（ＭＭＧ）を記録するために使用することができる。これは、使用者の舌の筋緊張を示している。このようにして、本発明の装置は、１つ以上の口腔筋の筋緊張を測定することができる。

有利なことに、１つ以上の口腔筋の筋緊張を測定するためのセンサとして、１つ以上のマイクロホン、例えば、ＭＥＭＳマイクロホンを使用することは、受動的プロセスである。すなわち、口腔筋刺激装置が使用者の舌の筋緊張を判断するために、使用者はマウスピースと積極的にやりとりする必要はない。より有利なことに、ＭＥＭＳマイクロホンは、使用者の積極的なやりとりを必要とするセンサと比較して、消費電力が少ない。

実施形態では、測定手段は、光学的測定を行うようになっていてもよい。例えば、測定手段は、１つ以上の光反射率型センサ、例えば、１つ、２つ、またはそれ以上の光反射率型センサを備えることができる。

光反射率型センサは、使用者の舌の１つ以上の筋肉の末梢循環（ＳｐＯ_２）における酸素分圧を測定するために使用できることがわかっている。これらの測定値は、筋肉の血管分布の増加を判断するために使用することができ、次に、筋肉機能を判断するために、特に使用者の舌の筋緊張を判断するために使用することができる。

実施形態では、測定手段は、１つ以上の光透過型センサ、例えば、１つ、２つ、または複数の光透過型センサを備えることができる。このような光透過型センサは、エミッタとレシーバーまたは検出器を備えている。

光透過型センサは、使用者の１つ以上の舌筋の末梢循環（ＳｐＯ_２）における酸素分圧を記録するために使用できることがわかっている。実施形態では、１つ以上の光透過型センサは、近赤外波長（８００～２５００ｎｍ）、例えば、約８１０ｎｍの波長で作動する（例えば、放出および検出する）ようになっていてもよい。この波長は、例えば筋肉組織を通過するために、高い皮膚浸透を実現するのに特に適していることがわかっている。舌筋を通る光透過率の違いは、使用者の筋肉の筋緊張と血管分布の変化を判断するために使用できることがわかっている。

測定手段は、光反射率型センサ、発光センサなどを備えることができる。

有利なことに、口腔筋刺激装置である本発明の装置における測定手段、例えば光透過型センサの使用を、舌の筋緊張の変化、例えば改善に関するフィードバック情報を使用者に提供するようになっているシステムに統合することができる。

さらに、測定手段は、治療セッションまたは治療プランの前、中間、および／または後に、舌全体のインピーダンスを判断または監視するためのインピーダンス感知システムを含むことができる。測定手段は、インピーダンスの判断に使用するための電極を含むことができる。一実施形態では、マウスピースの電極を使用して、舌のインピーダンスを監視または判断することができる。他の実施形態では、インピーダンス測定は、他のまたは専用の電極を使用して実施することができる。

治療は、舌のインピーダンスに有意な変化を引き起こし、したがって、刺激の抵抗、リアクタンス、および位相シフト（例えば、刺激パルスの位相シフト）を判断することができることがわかっている。これらの測定値は、舌筋の状態を判断するために使用することができ、舌筋を「画像化」するために使用または使用することができ、したがって、進捗の動的な視覚化またはグラフィック表現を提供することができる。

この情報を、さらなる治療セッション、治療計画、および／または治療プランを推奨するために使用することができる。

研究によると、咽頭筋の活動または緊張を高めると、気道の伸張および伸縮が低下することが証明されている。そして、我々の特許ＵＳ９８３３６１３に開示された発明は、電気刺激、特に神経筋電気刺激という認識に基づいており、舌筋および／または口蓋筋および／または知覚神経を刺激して、筋力および筋緊張の回復を改善するために使用することができる。

ヒトが目覚めている時、呼吸導管の収縮可能なセグメントは、この部分を制御する筋肉が緊張しているので、開放状態にある。ヒトが眠っている時、この筋肉の緊張は著しく弛緩する。閉塞性睡眠時無呼吸症候群を患っている人の場合は、この筋肉の緊張の弛緩が著しく大きく、鼾をかく人たちにおいては、小さく、かつどちらも患っていない人の場合は、著しく小さいことが実証されている。

本発明は、本発明の装置、例えば、電気刺激装置に関連する測定手段を提供する。この測定手段は、使用者および／または別の人（たとえば医療専門家）が使用者の刺激計画の進捗を監視できるようするために、使用者の１つ以上の口腔筋の筋緊張を測定することができる。使用者の１つ以上の口腔筋の筋緊張に対して生成されたデータを使用することにより、測定データに応じて刺激計画を変更することができる。例えば、プロセッサは、予測値、または期待値と比較した筋緊張の進捗または変化を判断し、それに応じて刺激計画をすることができる。さらに、筋緊張の変化は、例えば視覚的、聴覚的、またはその他の方法で、使用者（または別の人）に伝達することができる。

一実施形態では、例えば、経時的な緊張データの変化を示す緊張データを表示するために、筋緊張に関連するデータを、コンピュータソフトウェアプログラム（例えば、コンピュータ装置に保持されたＡＰＰ）に提供することができる。

このコンピュータソフトウェアプログラムは、例えば刺激計画を変更するために、受信した緊張データを処理することができる。

たとえば、刺激計画を考慮して、使用者の筋緊張が期待どおりに進捗していない場合、筋肉の緊張を改善しようとして、このコンピュータソフトウェアプログラムは、例えば、電気刺激の特性（強度、電流、持続時間など）の１つ以上を増加することによって、刺激計画を調整することができる。逆に、刺激計画を考慮して、使用者の筋緊張が予想以上に改善している場合、このコンピュータソフトウェアプログラムは、例えば、電気刺激の特性（強度、電流、持続時間など）の１つ以上を減少させることによって、刺激計画を調整することができる。

さらに、使用者は、筋緊張データの変化に基づいて、新しい刺激計画を手動で選択することができる。

一実施形態では、使用者の要件および／または現在の刺激計画の進捗に応じて、コンピュータ装置（例えば、ポータブルコンピュータ装置に保持されたＡＰＰ）のコンピュータソフトウェアプログラムは、将来の刺激計画を、および／または既存の刺激計画内の刺激セッションの変更を推奨するように作動可能である。例えば、推奨は、口腔筋刺激装置の１つ以上の電極によって供給される電流の強度を増加または減少することを含むことができる。さらに、推奨は、刺激計画内の１つ以上の治療セッションの設定時間を増加または減少することを含むことができる。

本発明の装置は、例えば、測定手段を作動および／または制御するためにプログラムまたはプログラムすることができる制御手段、例えば、コントローラまたは制御ユニットをさらに備えることができる。この制御手段、例えば、コントローラまたは制御ユニットは、例えば、電極を活性化および／または制御するためにプログラムまたはプログラムすることができる。

コントローラまたは制御ユニットは、本発明の装置の出力を変化させるため、および／またはテストイベント、例えば筋緊張測定イベントを開始または停止するための１つ以上のダイヤルを備えることができる。制御ユニットは、例えば、コンピュータ装置に保持されたコンピュータソフトウェアプログラム、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォンまたはタブレットなどの携帯機器に保持されたＡＰＰとインターフェースすることができる。コンピュータソフトウェアプログラムは、パラメータ、例えば、１つ以上の口腔筋を使用して圧力センサに、例えば、所定の期間にわたって使用者によって加えられる圧力の測定を実施するようにプログラムすることができる。コンピュータソフトウェアプログラムは、パラメータ、例えば、インピーダンス、筋肉の音、末梢循環における酸素の分圧、または筋肉塊を通る光の伝達の測定を実施するようにプログラムすることができる。制御手段（コントローラまたは制御ユニット）は、制御システムおよび／またはコントローラを備えることができ、および／または電気回路を備えることができるか、または少なくとも部分的に備えることができる。

いくつかの実施形態では、制御手段は、測定手段によって行われる測定の１つ以上のパラメータ、例えば、使用者の１つ以上の口腔筋の筋緊張を測定するための測定時間を制御および／または調整することができる、または制御および／または調整することを作動可能とすることができる。

口腔筋刺激装置または制御手段は、筋緊張測定の１つ以上の特徴を制御するように構成またはプログラムされていてもよい。口腔筋刺激装置または制御手段は、例えば、使用者の１つ以上の口腔筋の筋緊張に関する測定手段によって収集されたデータに応答して、例えば、電気刺激装置が接続されている装置によって、所定の刺激計画を作成および／または変更するように作動可能またはプログラム可能であってもよい。

本発明の装置は、この装置を刺激モードから変換するように作動可能なスイッチ手段を備えることができる。これにより、刺激セッションは、本発明の装置によってテストモードに（およびその逆に）変換することができ、これにより、使用者の筋緊張を評価することができる。このスイッチ手段は、使用者が制御することができ、および／またはコントローラまたは制御手段が制御することができる。このスイッチ手段は、例えば、使用者が本発明の装置のスイッチを入れることによって、直接操作することができるか、または例えば、この装置にリンクされたコンピュータ装置に（たとえば、ＰＣ、スマートフォン、タブレットなどのパーソナルコンピュータ装置のＡＰＰを介して）アクセスすることによって、遠隔操作することができる。

実施形態では、１つ以上の口腔筋に接触するために、マウスピースは、１つ以上のアーム、および／または１つ以上のアームから延在することができる１つ以上の付属物またはフランジを備えることができる。少なくとも１つのアームおよび／または少なくとも１つの付属物またはフランジは、例えば、主要な面を有する、平坦面または平面とすることができる。必要に応じて、マウスピースは、それぞれが１つ以上の付属物またはフランジを備えることができる、１対のアームを備えることができる。いくつかの実施形態では、このマウスピースは、少なくとも部分的に互いに並んで、および／または互いに角度をなして、および／または互いに平行に延在することができる１対のアームを備えている。例えば、このマウスピースは、一端で互いに結合し、他端でほぼＶ字形またはＵ字形または馬蹄形で互いに分岐する１対のアームを備えることができる。

１つ以上の付属物またはフランジは、例えば一方のアームから他方のアームに向かって、１対のアームの内側に延在することができる。いくつかの実施形態では、それぞれのアームは、少なくとも１つの付属物またはフランジを備えており、例えば、互いに反対側および／または互いに向かって延在する。実施形態において、それぞれのアームは、２つ以上の付属物またはフランジ、例えば、それぞれのアームの自由端から延在する付属物またはフランジ、および／またはそれぞれのアームの中間部分から延在する付属物またはフランジを備えている。

少なくとも１つの付属物またはフランジは、湾曲した、例えば少し湾曲した形状または部材であってもよく、および／またはマウスピースまたはその少なくとも１つのアームの面から上向きまたは下向きにまたは外に延在していてもよい。少なくとも１つの付属物またはフランジは、舌面、例えば、舌背面または舌下面と協働するか、近接するか、または収容するように形作られていてもよい。実施形態では、マウスピースは、舌背面と協働するか、近接するか、または収容するように形作られる少なくとも１つの付属物またはフランジを備えており、舌下面と協働するか、近接するか、または収容するように形作られている少なくとも１つの付属物またはフランジを備えている。１対のアームを有する実施形態では、それぞれのアームは、舌背面と協働するか、近接するか、または収容するように形作られている付属物またはフランジと、舌下面と協働するか、近接するか、または収容するように形作られている付属物またはフランジとを備えることができる。

付属物またはフランジの少なくとも１つは、１つ以上の電極または一連の電極を備えることができる。少なくとも１つの電極または一連の電極は、少なくとも１つの付属物またはフランジの表面、例えば主要面に隣接する、および／または接続する、および／または露出することができる。実施形態では、付属物またはフランジの少なくとも１つは、その主要面のそれぞれに接続する電極を備えている。主要面の一方に接続している電極は、別のまたは他の主要面から切り離して分離および／または制御することができる。さらに、１つの付属物またはフランジの電極、または関連する電極は、少なくとも１つの他の付属物またはフランジから切り離して分離および／または制御することができる。

実施形態では、マウスピースは、一端で互いに結合し、互いに分岐して、少なくとも１つのアームから内側に延在する１つ以上のフランジを備えた実質的に馬蹄形の形状を有する１対のアームを備えることができ、そのフランジまたはそれぞれのフランジは電極手段を備えている。マウスピースは、それぞれのアームから内向きに延在する１対のフランジを備えることができ、そのフランジは、舌背面に適合するように形作られている。マウスピースは、それぞれのアームから内側に延在する１対のフランジを備えていてもよく、それぞれのフランジは舌下面に適合するように形作られている。１対のフランジのそれぞれは、アームの自由端で、またはそれに隣接して延在する舌背面に適合するように形作られていてもよく、および／または１対のフランジのそれぞれは、アームの中間部分から延在する舌下面に適合するように形作られてもよい。一実施形態では、前記第１および第２のアームのそれぞれは、長手方向軸を有しており、アームの自由端から長手方向軸の延長として延在するフランジを備えることができ、それぞれのフランジは、少なくとも１つの電極手段を保持していることが好ましい。

実施形態では、測定手段、例えば、１つ以上のセンサおよび／または１つ以上の圧力センサ、マイクロホン（例えば、ＭＥＭＳマイクロホン）、光反射率型センサ、インピーダンスセンサ、および／または光透過型センサは、マウスピースに配置するか、または配置することができる。実施形態では、測定手段、例えば、１つ以上のセンサおよび／または１つ以上の圧力センサ、マイクロホン（例えば、ＭＥＭＳマイクロホン）、光反射率型センサ、および／または光透過型センサは、１つ以上のフランジに配置するか、または配置することができる。例えば、第１センサ、例えば、圧力センサ、マイクロホン（例えば、ＭＥＭＳマイクロホン）、光反射率型センサ、インピーダンスセンサ、および／または光透過型センサは、舌背面を収容するように形作られた第１フランジに配置するか、または配置することができ、および／または第２センサ、例えば、圧力センサ、マイクロホン（例えば、ＭＥＭＳマイクロホン）、光反射率型センサ、インピーダンスセンサ、および／または光透過型センサは、舌背面を収容するように形作られた第２フランジに配置するか、または配置することができる。さらに、第１センサ、例えば、圧力センサ、マイクロホン（例えば、ＭＥＭＳマイクロホン）、光反射率型センサ、インピーダンスセンサ、および／または光透過型センサは、舌下面を収容するように形作られた第１フランジに配置するか、または配置することができ、および／または第２センサ、例えば、圧力センサ、マイクロホン（例えば、ＭＥＭＳマイクロホン）、光反射率型センサ、インピーダンスセンサ、および／または光透過型センサは、舌下面に対応するように形作られた第２フランジ上に配置するか、または配置することができる。実施形態では、１つ以上のセンサは、１つ以上の電極の近位または隣接して配置されている。

さらに、１つ以上のセンサを、マウスピースの１対のアームの一方または両方に配置するか、または配置することができる。

本発明の別の態様は、１つ以上の口腔筋をトレーニングするための電気刺激装置、例えば経粘膜神経筋電気刺激装置を提供することである。この装置は、マウスピース、このマウスピースと接続された電極手段、およびこの電極手段に作動可能に接続された電気回路とを備えており、このマウスピースは、一端で互いに結合し、互いに分岐して、少なくとも１つのアームから内側に延在する１つ以上のフランジを有する１対のアームを備えており、このフランジ、またはそれぞれのフランジは、１つ以上の口腔筋に電気刺激を与えるためにそれに関連する電極手段の少なくとも一部を含んでおり、この電気刺激装置は、１つ以上の口腔筋の筋緊張を測定するための測定手段をさらに備えている。

本発明のさらに別の態様は、１つ以上の口腔筋をトレーニングするための電気刺激マウスピース、例えば、経粘膜神経筋電気刺激マウスピースを提供することであり、このマウスピースは、一端で互いに結合し、互いに分岐して、少なくとも１つのアームから内側に延在する１つ以上のフランジを有する１対のアームを備えており、このフランジ、またはそれぞれのフランジは、１つ以上の口腔筋肉に電気刺激を与えるためにそれに関連する電極手段を含んでおり、電気刺激装置は、１つ以上の口腔筋の筋緊張を測定するための測定手段をさらに備えている。

誤解を避けるために、本明細書に記載した本発明の全ての特徴は、本発明の全ての態様に等しく適用されるものである。

本発明の装置は、ロシアン電流、干渉電流、事前変調電流、ＤＣ電流、二相電流またはインパルス電流のうちの１つ以上から選択することができる電流、例えばインパルス電流を供給するようになっていることが好ましい。他の電流形式を使用することもできる。

二相電流、特に二相電気インパルス電流を供給することにより、気道の伸張及び弛緩に寄与する舌筋および／または口蓋筋を知覚神経とともに刺激して、安静時の筋緊張および睡眠中の筋緊張を増加させることができる。

電流は、二相対称電流であることが好ましいが、平衡または非平衡のいずれかの二相非対称電流であってもよい。口腔筋刺激装置または電気回路は、使用時に、電極手段を介して、最大１５０Ｈｚ、例えば１、２、３、４、または５Ｈｚから１５０Ｈｚまでの周波数の電流を供給するようになっていてもよい。

この電流は、１０～１４０Ｈｚの、例えば、１５～１３０Ｈｚの、好ましくは２０～１２０Ｈｚの周波数を含むことができる。好ましくは、この電流は、１～５０Ｈｚのおよび／または２～１２０Ｈｚの周波数を含んでいる。

口腔筋刺激装置または電気回路は、２つ以上の電流、例えば、第１電流および／または第２電流を供給するようになっていてもよい。第２電流は、第１電流とは異なっていてもよく、および／または第１電流とは切り離して構成または設定してもよい。第１および／または第２の電流の少なくとも１つ、例えば両方は、二相電流（または他の電流）を含んでいてもよく、そのそれぞれは、対称であることが好ましいが、非対称であっても、平衡または非平衡のいずれであってもよい。第１および／または第２の電流の少なくとも１つは、１、２、３、４、５～１５０Ｈｚ、例えば、１～１４０Ｈｚ、例えば、１～１３０Ｈｚ、好ましくは２～１２０Ｈｚの周波数を含むことができる。いくつかの実施形態では、１つ以上の電流は、２～５０Ｈｚの周波数を含むことができ、および／または他の電流は、１～１２０Ｈｚの周波数を含むことができる。

本発明者らは、これら２つの周波数範囲の一方またはそれぞれにおける電流の印加が、気道の伸張及び弛緩に寄与する舌筋を標的とするのに特に適していると確信している。

口腔筋刺激装置または電気回路は、使用時に、これらの周波数範囲の少なくとも１つの電流、またはそれぞれの電流を、口の内膜、例えば口腔粘膜を通して、口蓋筋および／または舌筋などの１つ以上の口腔筋に供給し、安静時の筋緊張および／または睡眠中の筋緊張を増加させるようになっていてもよい。いくつかの実施形態では、口腔筋刺激装置は、使用時に、例えば第１電流などの電流を１つ以上の口蓋筋に供給するようになっている。さらに、口腔筋刺激装置は、使用時に、電流、例えば第２電流を、例えば舌背面を介して１つ以上の舌筋に供給するようになっていてもよい。さらに、口腔筋刺激装置は、使用時に、電流、例えば第１または第２電流を、舌の下側を介して、１つ以上の舌筋に供給するようになっていてもよい。

マウスピースは、把持ベースを備えており、この把持ベースは、拡大された端部、例えば拡大された自由端を備えることができ、この自由端は、例えばネック部によって、マウスピースまたは本体または１つ以上またはそれぞれのアームに接続または固定され、例えば一体的に形成することができる。

電極手段またはそれぞれの電極手段は、少なくとも１つのアノードおよび少なくとも１つのカソード、例えば２つ以上のアノードおよび／または２つ以上のカソード、例えば複数のアノードおよび複数のカソードを備えることが好ましい。電極手段の少なくとも一部、例えば、１つ以上の電極、またはそれぞれの電極またはすべての電極は、マウスピースに、またはマウスピース上に、またはマウスピース内に取り付けられてもよ、および／または少なくとも部分的にマウスピース内に収容され、または少なくとも部分的にマウスピース内に含まれてもよい。いくつかの実施形態では、マウスピースによって、またはマウスピースで、またはマウスピースの片側から、電気刺激または電流が印加または供給されることを抑制または防止するために、マウスピースは、例えば電極手段の片側に、遮蔽または遮蔽手段を備えている。遮蔽または遮蔽手段に適した材料は、当業者には明らかであろう。

実施形態では、例えば、第１電極セットまたは一連の電極手段または電極と、第２電極セットまたは一連の電極手段または電極との間に遮蔽手段または遮蔽を含めることによって、電極手段は、例えば選択的に、少なくとも片側、それぞれの側、または両側に電気刺激または電流を供給または印加するように構成または作動可能である。いくつかの実施形態では、第１電流は、マウスピースの第１側、例えば主側、および／または第１電極セットまたは一連の電極手段または電極によって供給されるか、または加えられる。さらに、第２電流は、マウスピースの第２側、例えば主側、および／または第２電極セットまたは一連の電極手段または電極によって、供給されるか、または加えられてもよい。他の実施形態では、第１および第２の電流が供給されるか、または少なくとも片側またはそれぞれの側または両側から刺激が加えられてもよい。

マウスピースは、口に挿入可能であり、例えば手動で適所に保持される。マウスピースは、少なくとも部分的に平坦および／または実質的に平坦および／またはパドル状であり、例えば、少なくとも１つの平坦面および／または主要面、好ましくは２つの平坦な主要面であってもよい。いくつかの実施形態では、口腔筋刺激装置は、マウスピースが例えば堅固におよび／または解放可能に接続または据え付けまたは取り付けられるハンドルを含んでいてもよい。例えば、使用時にマウスピースを口内の１つ以上の位置および／または向きに挿入および／または保持できるようにする。いくつかの実施形態では、マウスピースは、それを使用者の口に、または口の中または内部に取り付けるまたは固定するための取り付け手段を一切持っていない。

実施形態では、マウスピースは、取り付け手段を含んでいてもよい。この取り付け手段は、マウスピースを口の上部に取り付けるためのものである。これにより、マウスピースまたはその第１側面または第１表面が、１つ以上の口蓋筋および／または口蓋に接触および／または隣接する、または接触および／または隣接することができる。および／またはマウスピースまたはその第２側面または第２表面が、１つ以上の舌筋、例えば、舌背面に接触および／または隣接する、または接触および／または隣接することができる。さらに、この取り付け手段は、マウスピースを口の下部に取り付けるためのものである。これにより、マウスピースまたはその第１側面または第１表面が、１つ以上の舌筋、例えば、舌下面に接触および／または隣接する、または接触および／または隣接することができる。実施形態では、口腔筋刺激装置は、口の上部に取り付けるための取り付け手段を有する第１マウスピースと、口の下部に取り付けるための第２マウスピースとを備えている。

口腔筋刺激装置またはハンドルは、電気刺激または電流を有効化または活性化または初期化するために、または使用者の筋緊張の測定を有効化または活性化または初期化するために、入力手段またはアクチベータを備えることができ、これは、１つ以上の入力デバイス、ボタンおよび／または押しボタンおよび／またはスイッチおよび／またはダイヤルなどを含むことができる。口腔筋刺激装置またはハンドルは、電源および／または電源に接続可能なケーブルを備えることができる。いくつかの実施形態では、この装置は、ハンドルを含むか、または組み込むか、または提供する、および／または電源を含むか、または収容する本体を備えている。この装置は、再充電可能な電源または再充電可能な１つ以上のバッテリーを備えることができ、および／またはケーブルを含むことができるか、または作動可能、例えば誘導的に、充電ステーションに接続可能である。充電ステーションは、ケーブルを含むか、または組み込んでおり、例えば電源を再充電できるようにする。口腔筋刺激装置は、充電ステーションを含むことができる。

いくつかの実施形態では、口腔筋刺激装置は、調整手段又は調整器、例えば、電流又は第１および／または第２電流の周波数を調整するための周波数調整手段又は調整器、例えば、それぞれ、周波数を、前述した周波数範囲の１つの間に調整するための第１及び第２電流周波数調整手段、又は調整器を備えている。本発明の一態様においては、調整手段又は調整器は、段階的調整手段又は調整器および／または使用者が、２つ以上、例えば、３、４又は５の所定の周波数設定から選択できるような構成になっている。この口腔筋刺激装置は、第１及び第２の電流を（瞬間的時間において）同時に、および／または（時間的に継続性をもって）同時に、および／または（同時並行的に）同時に供給するように作動するようになっているか、又はそのような構造となっている。さらに、口腔筋刺激装置は、第１及び第２の電流を、直列に、および／または、順番に、および／または、連続して供給することができるようになっている。

有利なことに、調整手段を使用して、使用者の筋緊張の測定平均によって行われた測定に応答して、治療セッションのパラメータを調整することができる。

電流または第１および／または第２の電流の少なくとも一方、例えば両方は、インパルス電流を含むことができる。インパルス電流またはそれぞれのインパルス電流のパルス持続時間は、５０～１０００μｓ、例えば１００～９００μｓ、例えば１５０～８００μｓ、好ましくは２００～７００μｓとすることができる。好ましくは、口腔筋刺激装置の調節手段または調節器、または例えばパルス持続時間調節手段または調節器のさらなる調節手段または調節器は、例えば前述の範囲の１つの間でパルス持続時間を調節するために提供される。

電気刺激または電流、または第１および／または第２の電流は、強度または電流振幅を含むことができ、治療する筋肉の最大収縮を与えるように選択または選択可能であることが好ましい。一例として、強度または振幅は、約１０ｍＡ、例えば１～１００ｍＡ、例えば５～５０ｍＡ、例えば５～１５ｍＡまたは７～２５ｍＡ、例えば８～１２ｍＡを含むことができる。調整手段または調整器、またはさらなる調整手段または調整器、例えば、強度または振幅調整手段または調整器は、例えば、０～５００ｍＡまたは０～２５０ｍＡまたは０～２００ｍＡまたは０～１５０ｍＡまたは０～１００ｍＡまで、強度または振幅を調整するために提供することができる。

いくつかの実施形態では、口腔筋刺激装置は、電気刺激または電流、または第１および／または第２の電流を、１分～１時間、例えば５～３０分、好ましくは１０～２０分を含むことができる所定の期間にわたって供給するように構成またはプログラムされている。またはさらなる調整手段または調整器、例えば、刺激持続時間調整手段または調整器は、刺激持続時間を、例えば、０～１０時間、または０～５時間、または０～１時間、または０～３０分間、調整するために設けることができる。

本発明のさらなる態様は、使用者の１つ以上の口腔筋の筋緊張を測定するためのシステムを提供することであり、このシステムは、
ａ）使用者の歯の間に保持されるマウスピースと、
ｂ）マウスピース内またはマウスピース上またはマウスピースに関連する１つ以上の口腔筋の筋緊張を測定するための測定手段と、
ｃ）必要に応じて、測定手段から受信するデータを保持するためのメモリ手段と、
ｄ）測定手段から受信するデータを処理する処理手段と、
を備えている。

マウスピースは、口の１つ以上の筋肉を刺激するための電極手段を備えていることが好ましい。

処理手段は、測定手段から受信するデータに基づいて電極手段の出力を制御および／または調整するために作動可能である。

本発明のさらに別の態様は、使用者の１つ以上の口腔筋の筋緊張を測定するためのシステムを提供することであり、このシステムは、
ａ）口腔筋緊張をトレーニングするためのマウスピース、例えば電気刺激装置と、ここで、この装置は、マウスピースに関連する少なくとも１つの電極手段を有するマウスピースと、この電極手段に作動可能に接続された電気回路とを備えており、ここで、この装置は、使用中に、少なくとも１つの電極手段を介して、１つ以上の口腔筋、例えば舌筋および必要に応じて口蓋筋に、口の内膜、例えば口腔粘膜を通して、電気刺激を供給し、安静時の筋緊張および／または睡眠中の筋緊張を増加させるようになっており、
ｂ）測定手段からのデータを筋緊張データに変換するためのデータベースが格納されているメモリ手段と、
ｃ）この装置の測定手段、およびメモリ手段に作動可能に接続された処理手段、例えばプロセッサとを備えており、
ここで、このシステムは、筋緊張測定イベント中または後に、処理手段を使って、測定手段からのデータをメモリ手段のデータベース内のデータと比較することによって、使用者の１つ以上の口腔筋の筋緊張を決定するようになっている。

実施形態では、口腔筋刺激装置内またはその上またはそれに関連付けられた１つ以上の口腔筋の筋緊張を測定するための測定手段は、例えば、使用者の１つ以上の口腔筋によって加えられる圧力を測定するための１つ以上の圧力センサを備えている。メモリ手段は、測定手段、例えば１つ以上の圧力センサからの圧力データを、例えば使用者の１つ以上の口腔筋の筋緊張に関するユーザ読み取り可能なデータへ変換することに適したデータベースを備えることができる。処理手段は、例えば、１つ以上の圧力センサからの圧力データを、例えば、使用者の１つ以上の口腔筋の筋緊張に関するユーザ読み取り可能なデータに変換するようになっていてもよい。

実施形態では、口腔筋刺激装置内またはその上またはそれに関連付けられた１つ以上の口腔筋の筋緊張を測定するための測定手段は、例えば、使用者の１つ以上の口腔筋の筋音図（ＭＭＧ）を測定するための１つ以上のマイクロホン、例えば、ＭＥＭＳマイクロホンを備えている。実施形態では、メモリ手段は、測定手段、例えば１つ以上のＭＥＭＳマイクロホンからの筋音図（ＭＭＧ）データを使用者の１つ以上の口腔筋の筋緊張に関するユーザ読み取り可能なデータへの変換に適したデータベースを備えることができる。処理手段は、１つ以上のＭＥＭＳマイクロホンからの筋音図（ＭＭＧ）データを、使用者の１つ以上の口腔筋の筋緊張に関するユーザ読み取り可能なデータに変換するようになっていてもよい。

実施形態では、口腔筋刺激装置内またはその上またはそれに関連付けられた１つ以上の口腔筋の筋緊張を測定するための測定手段は、１つ以上の筋肉の血管分布を判断するために、例えば、末梢循環（ＳｐＯ_２）中の酸素分圧を測定するための１つ以上の光反射率型センサおよび／または１つ以上の光透過型センサを備えている。実施形態では、メモリ手段は、測定手段、例えば、１つ以上の光反射率型センサおよび／または１つ以上の光透過型センサからの末梢循環（ＳｐＯ２）データを使用者の１つ以上の口腔筋の筋緊張に関するユーザ読み取り可能なデータへの変換に適したデータベースを備えることができる。処理手段は、１つ以上の光反射率型センサおよび／または１つ以上の光透過型センサからの末梢循環（ＳｐＯ２）データを使用者の１つ以上の口腔筋の筋緊張に関するユーザ読み取り可能なデータに変換するようになっていてもよい。

実施形態では、測定手段は、筋肉構造の進行性の特徴的な変化を監視するように作動可能である。構造のこのような変化は、刺激に使用される電極および／または専用の１つ以上の電極を使用する電気インピーダンストモグラフィーなどの方法によって捕捉することができる。

有利なことに、本発明のシステムは、使用者が、測定手段、例えば、１つ以上の圧力センサ、または１つ以上のマイクロホン（例えば、ＭＥＭＳマイクロホン）、または１つ以上の光反射率型センサ、および／または１つ以上の光透過型センサ、１つ以上のインピーダンスセンサおよび／または１つ以上の発光センサまたは他のセンサを介して、１つ以上の口腔筋肉、例えば、使用者の舌筋の筋緊張を測定することを可能にする。

メモリ手段のデータベース（または少なくともこのメモリ手段によってアクセス可能なデータベース）は、睡眠時無呼吸症候群に苦しんでいない健康な患者の残りの母集団および／またはモデルに従って、「正常な」または「健康な」筋緊張データの値をさらに備えることができる。本発明のシステムは、使用者および／または医療専門家が、筋緊張データまたは使用者の測定値を、データベース内に格納された「正常な」または「健康な」筋緊張データと比較することを可能にしている。本発明のシステムにより、使用者および／または医療専門家は、使用者のデータと「正常な」または「健康な」筋緊張データとの比較に基づいて将来の刺激計画を設計することが可能である。

メモリ手段のデータベースは、データ、例えば、使用者が行った以前の筋緊張測定イベントからのデータを格納することができる。メモリ手段のデータベースは、使用者が行った以前の筋緊張測定イベントからの記憶されたデータをさらに含むことができる。本発明のシステムにより、使用者および／または医療専門家は、経時的な使用者の筋緊張データ間の比較を行うことが可能である。例えば、本発明のシステムにより、使用者および／または医療専門家は、第２の筋緊張測定イベントからの筋緊張データまたは使用者の測定値を、第１の筋緊張測定イベントからの筋緊張データまたは使用者の測定値と比較を行うことができる。本発明のシステムにより、使用者および／または医療専門家は、特定の筋緊張測定イベントでの使用者の筋緊張データを経時的に比較することで、確立された進捗に基づいて、刺激計画内で治療セッションを変更または個別に対応することができる。

メモリ手段のデータベース（またはメモリ手段によってアクセス可能なデータベース）は、パラメータ、例えば、刺激計画内の治療セッションの治療セッション時間、電流強度、１つ以上の特定の電極の電流強度などに基づく刺激計画における使用者が予測したまたは目標とした進捗のためのデータをさらに含むことができる。本発明のシステムは、データベースからデータを取得し、使用者が行った２つ以上の以前の筋緊張測定イベントからの使用者のデータをその刺激計画で予想される予測したまたは目標とした進捗と比較するようになっていてもよい。これにより、本発明のシステムは、将来の治療セッションのパラメータについて推奨を行うことができる。

有利なことに、本発明のシステムは、医療専門家が治療計画内の治療セッションを変更または個別に対応できるように、患者の刺激計画の進捗を追跡することができる。より有利なことに、本発明のシステムは、予測したまたは目標とした進捗を実際の進捗と比較することができる。これにより、本発明のシステムは、治療計画内の将来の治療セッションのパラメータについて推奨を行うことができる。

本発明のシステムは、例えば、口腔筋刺激装置が口の中に誤って配置されていること、および／またはシステムが測定手段を使用して測定を行うことができないことを使用者に警告するための警告手段をさらに備えことができる。警告手段は、可聴または視覚の警告手段または装置を備えことができる。警報手段は、例えば、可聴警報または表示または陳述または説明、例えば、口腔筋刺激装置がユーザの口の中に誤って配置されていること、および／または、例えば視覚的表現を提供するための表示手段またはディスプレイであることを知らせるための可聴手段を備えることができる。

本発明のシステムは、レビューまたは分析のために少なくとも１つのメモリ手段からデータを転送するため、データ転送手段または要素またはモジュールまたはコンポーネントまたは装置、例えば、ポート、例えば、ＵＳＢまたはシリアルポート、または無線送信機、例えば、ラジオまたはブルートゥースまたはＷｉｆｉ送信機をさらに備えることができる。さらに、本発明のシステムは、メモリ手段の少なくとも１つに、またはその上に記憶されたデータを表示するためのディスプレイを備えることができる。

本発明のシステムは、例えば、遠隔サーバと通信するための、例えば、医師の手術のため、および／またはデータ、例えば、使用者の１つ以上の口腔筋の筋緊張データを送信または転送するための通信手段をさらに備えることができる。この通信手段は、通信要素またはモジュールまたはコンポーネントまたは装置を備えることができ、および／または無線通信または遠隔通信手段またはシステムまたは送信機または無線送信機または受信機または無線受信機を含むことができる。好ましくは、通信手段は、処理手段に作動可能に接続されている。より好ましくは、本発明のシステムでは、通信手段が、例えば、筋緊張データの検出時または検出後に、データセットの少なくとも一部を、例えば、サーバまたはリモートサーバに送信するように構成またはプログラムされている。

本発明のシステムは、例えば、口腔筋刺激装置からデータを受信するため、および／または口腔筋刺激装置にデータを送信するためのサーバ通信手段を備えることができるサーバ、例えば、リモートサーバをさらに備えることができる。サーバ通信手段は、通信要素またはモジュールまたはコンポーネントまたは装置を備えることができ、および／または無線通信または遠隔通信手段またはシステムまたは送信機または無線送信機または受信機または無線受信機を含むことができる。

本発明の別の態様は、方法、例えば筋緊張を測定する方法を実施するための手順をプロセッサに実行させるためのコンピュータ可読プログラムコード手段を含んでいるコンピュータプログラム要素、または、例えば安静時の筋緊張および／または睡眠中の筋緊張を増加させるために、口の内膜、例えば口腔粘膜を通して、１つ以上の口腔筋、例えば口蓋筋および／または舌筋に電気刺激を与えることを含む治療計画を提供する。

本発明の別の態様は、刺激計画を動的に変更する方法を提供することであり、この方法は、
ａ）使用者の１つ以上の口腔筋を電気的に刺激するための刺激計画を定めるステップと、
ｂ）マウスピースを使用して、使用者の１つ以上の口腔筋を電気的に刺激するステップと、
ｃ）マウスピースを使用して、使用者の舌の筋緊張を測定または推定するステップと、
ｄ）使用者の測定または推定した舌の筋緊張に沿って刺激計画を調整するステップとを含んでいる。

刺激計画は、例えば、使用者が覚醒状態にある間に、使用者のマウスピースによって行われる少なくとも２つの刺激セッションを含んでいることが好ましい。

ステップｄ）は、使用者の測定した舌の筋緊張に基づいて、後続する刺激セッションを変更することが好ましい。

典型的な刺激セッションは、一定時間、例えば２０分未満の間、使用者の口の中でマウスピースを刺激することを含むことができる。刺激計画は、複数日、例えば１、２または３ヶ月間、１日当たり１つまたは２つまたはそれ以上の刺激セッションを提供することができる（例えば、刺激計画は、３１または６２、６２または１２４、９３または１８６、またはそれ以上の刺激セッションを含むことができる）。本発明の装置は、後続する刺激セッションを変更することができ、および／または方法は、舌の筋緊張データに基づいて、後続する刺激セッションを変更することを含むことができる。

さらに別の態様として、使用者の口の１つまたは複数の筋肉に電気刺激を適用するための装置を提供することであり、この装置は、使用者の１つ以上の口腔筋に電気刺激を印加するための１つ以上の電極と、使用者の舌の筋緊張を感知、判断または測定するためのセンサとを備えている。

本発明のさらに別の態様は、使用者の口に電気刺激を印加するための装置を提供することであり、この装置は、上記のような口腔筋刺激装置およびコントローラを備えており、このコントローラは、センサによって感知、判断、または測定された、使用者の舌の感知、判断、または測定された筋緊張に基づいて、１つ以上の舌筋に対する電気刺激を変更するように作動可能である。

本発明の装置は、１つ以上の筋肉に印加された電気刺激の一方または両方に関連するデータ、および／または測定または感知された使用者の舌筋緊張に関連するデータを保持するための記憶手段を備えることができる。本発明の装置は、１つ以上の筋肉に印加された電気刺激の一方または両方に関連するデータ、および／または測定、判断、または感知された使用者の舌筋緊張に関連するデータを処理するプロセッサを備えることができる。このプロセッサは、プロセッサによって処理されたデータに基づいてコントローラを制御するように作動可能である。

本発明の別の態様は、１つ以上の口腔筋の筋緊張を測定するための方法を提供することであり、この方法は、
ａ）口腔筋緊張をトレーニングするための本発明の装置、例えば電気刺激装置を提供するステップと、この装置は、マウスピースに関連する少なくとも１つの電極手段を有するマウスピースと、この電極手段に作動可能に接続された電気回路とを備えており、ここで、この装置は、使用中に、少なくとも１つの電極手段を介して、１つ以上の口腔筋、例えば舌筋および必要に応じて口蓋筋に、口の内膜、例えば口腔粘膜を通して、電気刺激を供給し、安静時の筋緊張および／または睡眠中の筋緊張を増加させるようになっており、この装置は、１つ以上の口腔筋の筋緊張を測定するための測定手段をさらに備えており、
ｂ）マウスピースを患者の口の中に配置するステップと、
ｃ）データを収集するために、１つ以上の口腔筋、例えば舌筋で測定手段を作動させるステップと、
ｄ）収集したデータを使用者の１つ以上の口腔筋について、ユーザ読み取り可能な筋緊張データに変換するステップとを含んでいる。

この測定手段は、１つ以上の能動的および／または受動的センサを備えることができる。例えば、測定手段は、１つ以上の圧力センサ、１つ以上の可聴センサ、１つ以上の光透過型および／または反射率型センサ、１つ以上のインピーダンスセンサおよび／または１つ以上の発光センサを備えることができる。１つ以上の圧力センサを作動させることは、使用者が、１つ以上の口腔筋、例えば、舌筋を介して測定手段に圧力を加えることを含むことができる。これは、使用者による特定のやりとりを必要とする能動的センサの例である。受動的センサは、使用者が特定のやりとりを必要とせずに、筋緊張を測定、感知、または判断することができる。

本発明のさらなる態様は、刺激計画を実行する方法を提供することであり、この方法は、使用者の口の中に１つ以上の電極を有するマウスピースを配置するステップと、使用者の舌筋緊張を判断するためにマウスピースのセンサを使用するステップと、判断された筋緊張に基づいて刺激計画を生成するステップとを含んでいる。

本発明のさらに別の態様は、刺激計画を変更する方法を提供することであり、この方法は、使用者の１つ以上の口腔筋を電気的に刺激するための刺激計画を提供するステップと、使用者の口の中にマウスピースを配置するステップと、使用者の口筋の筋緊張を判断するために、マウスピースのセンサを使用するステップと、使用者の判断された筋緊張に沿って刺激計画を調整するステップとを含んでいる。

この方法は、例えば、年齢、体重、身長、ＢＭＩのうちの１つ以上のユーザ関連データを提供することをさらに含むことができる。この方法は、判断された筋緊張を所望の、または予測した筋緊張と比較し、それに応じて刺激計画を調整することを含むこともできる。

刺激計画は、１つ以上の刺激セッションを含んでいることが好ましい。電極は、刺激セッション中に特定の制御パラダイムに沿って制御することができる。制御パラダイムは、電流、電流タイプ、電気強度、周波数、パルス長、パルス持続時間、刺激時間などに関連させることができる。

例えば、刺激セッションは、２０分の刺激期間を含むことができ、その間、二相電流が筋肉を刺激するために使用される。二相電流は、特定の周波数、振幅、パルス持続時間を有する。さらなるまたは後続の刺激セッションは、同じまたは異なる特性を有することができる。

本発明の別の態様は、１つ以上の口腔筋に電気刺激を印加して、睡眠呼吸障害を治療するために口腔筋をトレーニングするシステムであって、このシステムは、使用者の口の中に位置し、１つ以上の電極および１つ以上のセンサを有するマウスピースと、この１つ以上の電極および１つ以上のセンサを制御するためのコントローラと、このコントローラに信号を送信し、このコントローラから信号を受信するためのプロセッサとを備えており、このプロセッサは、このセンサから受信した信号に応じて、このコントローラにこの電極を制御させるように作動可能である。

センサは、圧力センサまたは電気センサとすることができる。一実施形態では、センサは、電極によって送信される電気刺激信号の攪乱または減衰を判断することができる。刺激信号は、垂直方向（例えば、舌背面と舌下面の間）または横方向（例えば、舌背面を横切って）、あるいはその両方に伝播することができる。センサは、上記のセンサのいずれかにすることができる。

本発明のさらなる態様は、プロセッサに前述の方法を実施するための手順を実行させるためのコンピュータ可読プログラムコード手段を含むコンピュータプログラム要素を提供することである。本発明のさらに別の態様は、コンピュータ可読媒体上に具現化されたコンピュータプログラム要素を提供することである。

本発明のさらに別の態様は、例えば上記の方法を制御するために、１つ以上の口腔筋の筋緊張を測定するための前述のコンピュータプログラム要素またはコンピュータ可読媒体を含む制御手段または制御システムまたはコントローラを提供することである。

明細書、図面、特許請求の範囲、要約書等に記載した本発明の種々の目的、実施態様、実施例および変形例は、それぞれ、独立して、又は組み合わせて理解されるべきである。すなわち、任意の実施形態のすべての実施形態および／または特徴は、そのような特徴に互換性がない場合を除いて、任意の方法および／または組み合わせで組み合わせることができる。誤解を避けるために、「できる」、「および／または」、「例えば」という用語、および本明細書で使用される任意の同様な用語は、そのように記述された特徴が存在する必要がないように、非限定的であると解釈されるべきである。実際、任意の特徴の任意の組み合わせは、これらが明示的に主張されているかどうかにかかわらず、本発明の範囲から逸脱することなく明示的に想定されている。出願人は、最初に提出された請求を変更する権利、またはそれに応じて新しい請求を提出する権利を留保している。これには、もともとそのように主張していない場合でも、他の請求の特徴に依存および／または組み込むために最初に提出された請求を修正する権利が含まれる。

本発明の一実施形態による装置の一部の平面図である。 図１の側面図である。 本発明の第２の実施形態による装置の一部の斜視図である。 本発明の第２の実施形態による装置の一部の平面図である。 本発明の第２の実施形態による装置の一部の側面図である。 図３Ａ～３Ｃの装置を使用する使用者の立面図である。 図３Ａ～３Ｃの装置を使用する使用者の底面図である。 将来の治療プランを通知するために、筋緊張データがどのように記録され、使用されるかを示すフローダイアグラムである。 さらなる実施形態による、将来の治療プランを通知するために、筋緊張データがどのように記録され、使用されるかを示すフローダイアグラムである。 舌口蓋筋および舌の表面を示すヒトの口の模式図である。 ヒトの外舌筋の模式図である。 ヒトの内舌筋の模式図である。 口蓋筋を示すヒトの口の別の模式図である。 口蓋の別の筋肉を示す模式図である。 本発明の第３の実施形態による装置で使用するマウスピースを示す図である。 図１０Ａのマウスピースの使用中を示す図である。 本発明の第４の実施形態による装置で使用するマウスピースを示す図である。 図１１Ａのマウスピースの使用中を示す図である。 本発明の第５の実施形態による装置で使用するマウスピースを示す図である。 図１２Ａのマウスピースの使用中を示す図である。

以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して、実施例によって説明する。

ここで図１および図２を参照すると、本発明の第１実施形態による装置の構成要素を示している。図１および図２は、把持ベース１３０と、馬蹄形を形成するために把持ベース１３０の一端と一体に形成された１対の湾曲アーム１３１とを含むマウスピース１０３を示している。それぞれのアームは、第１および第２の接触フランジ１３２、１３３を有しており、その中に電極（１３２ａ、１３２ｂ；１３３ａ、１３３ｂ）が設けられている。

第１接触フランジ１３２は、それぞれのア－ム１３１の１つの自由端から互いに向かって内側に延びており、かつ上方に延びて、湾曲した形を形成し、使用者（図示せず）の舌背面５７（図６）を受け容れるようになっている。第２接触フランジ１３３は、それぞれのア－ム１３１の中間部から互いに向かって内側に延びており、かつ下方に延びて、湾曲した形を形成し、舌下面を受け容れるようになっている。側面から見ると（図２）、第１接触フランジ１３２上の電極１３２ａは下向きであり、第２接触フランジ１３３上の電極１３３ａ、１３３ｂは上向きである。このように、使用者の舌が第１接触フランジ１３２と第２接触フランジ１３３との間に位置する場合、電極１３２ａ、１３２ｂ；１３３ａ、１３３ｂは、垂直方向に電界を印加しており、オトガイ舌筋を特に標的とする。

図１に示すように、マウスピース１０３は、１つ以上の口腔筋の筋緊張を測定するための測定手段をさらに備えている。この実施形態では、測定手段は、第１圧力センサセット１４０ａ、１４０ｂ、および第２圧力センサセット１４１ａ、１４１ｂを備えている。第１圧力センサセット１４０ａ、１４０ｂは、第１接触フランジ１３２のそれぞれが１対の圧力センサ１４０ａまたは１対の圧力センサ１４０ｂを備えるように、第１接触フランジ１３２に配置されている。第２圧力センサセット１４１ａ、１４１ｂは、第２接触フランジ１３３のそれぞれが１対の圧力センサ１４１ａまたは１対の圧力センサ１４１ｂを備えるように、第２接触フランジ１３３に配置されている。しかし、圧力センサ１４０ａ、１４０ｂまたは１４１ａ、１４１ｂの少なくともいくつかが存在しなくてもよいこと、例えば、第１接触フランジ１３２または第２接触フランジ１３３に、１つの圧力センサのみまたは１組の圧力センサのみが存在することがあることは理解されたい。

代替の実施形態では、圧力センサは、マウスピース１０３の異なる位置、例えばアームの１つの適切な位置に配置することができる。

把持ベース１３０は、ネック部１３５によってアーム１３１に結合されている拡大端部１３４を有している。拡大端部１３４の端面は、電気コネクタ１３６を備えていて、電源（図示せず）と接続するようになっている。電気コネクタ１３６は、ＵＳＢ、ｍｉｃｒｏＵＳＢ、ＵＳＢ－Ｃ、ＦｉｒｅＷｉｒｅ（ＲＴＭ）、Ｔｈｕｄｅｒｂｏｌｔ（ＲＴＭ）、またはその他の適切なタイプの有線コネクタを備えている。他の実施形態では、前記コネクタは、無線接続手段と置き換えられる。いくつかの実施形態では、マウスピースは、バッテリーのような電源を組み込んでいる。

マウスピース１０３は、それぞれのフランジ１３２、１３３の表面、即ち、それぞれのフランジ１３２、１３３の上方表面および下方表面のそれぞれに、一連の電極１３２ａ、１３２ｂ、１３３ａ、１３３ｂのそれぞれを接続する電気回路（図示せず）を含んでいる。電気回路（図示せず）は、圧力センサ１４０ａ、１４０ｂ、および１４１ａ、１４１ｂのそれぞれのセットを接続することもできる。

これらの電極１３２ａ、１３２ｂ、１３３ａ、１３３ｂのそれぞれの列は、遮蔽材によって互に電気的に隔離されており、周辺の全ての筋肉を、同時に、または必要な順番どおりに、刺激するようになっている。電極１３２ａ、１３３ａは、フランジ１３２、１３３の外表面と協動し、それらと結合して、実質的に接触面を形成している。この態様では、マウスピース１０３は、シリコン級または生体親和性級プラスチック材料、例えばシリコーンプラスチック材料で製造されている。この態様では、電極１３２ａ、１３２ｂ、１３３ａ、１３３ｂは、金属、例えば金、または銅、または複合材料、或いは露出面をもった合金で製造するのが好ましい。

使用時は、マウスピース１０３を、患者の口の中に置いて、患者の舌をマウスピース１０３の中に収容し、舌背面５７を第１接触フランジ１３２と接触させ、舌下面を第２接触フランジ１３３と接触させる。第１接触フランジ１３２は、舌背面５７の後方または後部と接触し、第２接触フランジ１３３は、舌下面の前方または前部と接触することは、当業者であれば理解しうると思う。患者が口を閉じると、フランジ１３２、１３３も、接触して、舌の他方の側の隣接する筋肉、例えば口蓋筋を刺激することができる。

刺激セッション中、マウスピース１０３は、例えば舌の両側の筋肉を同時に刺激することができる。この構造により、硬口蓋領域および軟口蓋領域にある筋肉を含めて、舌の筋肉および舌の周囲の筋肉を刺激するこができるということは理解しうると思う。

ここで図３Ａ、３Ｂ、および３Ｃを参照すると、本発明の第２の実施形態によるマウスピース１０３’が示されている。マウスピース１０３’は、図１および２に示したものと類似しており（同じ構成要素を示すために同じ数字を使用するが、プライム（’）によって区別されている）、図３Ａ、３Ｂ、および３Ｃに示されている。注目すべきことに、第１接触フランジ１３２’は、アーム１３１の長手方向軸の延長として各アーム１３１’の自由端から延在している。第２接触フランジ１３３’は、各アーム１３１’の中間点から下方に延在している。マウスピース１０３’は、使用者の下唇の上に延在する下垂部１３５’を有する把持ベース１３０’を有する（図３Ｄを参照）。

下垂部１３５’の端子部は、マウスピース１０３’の電極１３２ａ’、１３２ｂ’、１３３ａ’、１３３ｂ’、および必要に応じて、さらなる必要な電極に電力を供給するように配置された制御および／または電源ユニット（図３Ｄおよび図３Ｅを参照）と係合するためのインターフェース１３６’を有する。マウスピース１０３’の電極１３２ａ’、１３２ｂ’、１３３ａ’、１３３ｂ’は、複数のパッドまたは接触点とすることができるけれども、単一のパッドとして示されていることに留意されたい。使用者は、大きな表面積を提供する単一のパッドを好む。マウスピース１０３’の電極１３２ａ’、１３２ｂ’、１３３ａ’、１３３ｂ’は、関連するフランジ１３２’、１３３’の隣接部から目立つように突出して、使用者の舌の対向部との良好な接続を容易にする。

この実施形態では、測定手段は、４つの単一の圧力センサ１４０ａ’、１４０ｂ’、および１４１ａ’、１４１ｂ’を備えている。第１接触フランジ１３２’のそれぞれのフランジは、単一の圧力センサ１４０ａ’または１４０ｂ’を備えている。第２接触フランジ１３３’のそれぞれのフランジは、単一の圧力センサ１４１ａ’（図３Ａには示されていない）または１４１ｂ’を備えている。圧力センサ１４０ａ’、１４０ｂ’、および１４１ａ’、１４１ｂ’は、電極１３２ａ’、１３２ｂ’、１３３ａ’、１３３ｂ’の上または下に配置することができる。１つ以上の圧力センサ１４０ａ’、１４０ｂ’、および１４１ａ’、１４１ｂ’を省くことができる。

図３Ｄおよび図３Ｅに示すように、口腔筋刺激装置１０３’は、電気コネクタ１３６’を介してコントローラまたは制御ユニット１５０とインターフェースで接続する。コントローラまたは制御ユニット１５０は、使用者の口Ｆの底の外面に取り付けることによって、使用者の口底の筋肉を刺激するため、必要に応じてさらなる電極１５２ａ、１５２ｂにも接続することができる。

口腔筋をトレーニングするために、制御ユニット１５０がプログラムされ（または予めプログラムされたプログラムが選択され）、マウスピース１０３’および必要に応じて、電極１５２ａ、１５２ｂは、刺激計画に沿って様々な筋肉に電気刺激を送達するために制御ユニット１５０に接続される。プログラムが開始されると、制御ユニット１５０は、筋肉に電気刺激を印加するために、必要または所望の刺激計画またはプロファイルに沿って、電極１３２ａ’、１３２ｂ’、１３３ａ’、１３３ｂ’（および必要に応じて１５２ａ、１５２ｂ）に通電する。

制御ユニット１５０は、バッテリーと、様々な電極への電流の印加を制御するロジックおよび制御回路（図示せず）とを備えることができる。

刺激計画の配信中の特定の時間、または刺激計画の開始後または開始前の都合のよい時間に、テストモードを選択または起動することができる。テストモードの間、使用者は、マウスピース１０３、１０３’を使用して使用者の舌の筋緊張を判断する。

制御ユニット１５０は、使用者の１つ以上の口腔筋の緊張を測定するようにプログラムまたはプログラムすることができる。使用時には、１つ以上の口腔筋の緊張を測定する適切なプログラムを選択して、例えば１つ以上の口腔筋で圧力センサ１４０ａ’、１４０ｂ’、１４１ａ’、１４１ｂ’を含むマウスピース上の位置に圧力を加えることによって、または一定期間にわたって圧力を加え、または一定期間にわたって加えられた圧力がどのように変化するかを測定することによって、使用者の舌の筋緊張の測定に関する指示を使用者に提供することができる。

ここで図４Ａを参照すると、本発明の実施形態について、本発明の装置（例えば、図１～３に示すマウスピース１０３、１０３’を備える装置）およびシステムを使用して舌筋緊張データをどのように記録することができるか、および、将来の刺激計画を通知するために、このデータをどのように使用することができるかを示すフローダイアグラム４０が示されている。このフローダイアグラム４０は、次のステップで構成されている。

ステップ１：マウスピースを使用者の口に正しく配置するステップ
刺激セッションの前、後、中間、または代わりに、使用者は、刺激セッション中の使用について説明したものと同じやり方で、マウスピース、たとえばマウスピース１０３、１０３’を口の中に配置することができる。

ステップ２ａ：「指定時間の目標圧力」モードを選択するステップ
使用者は、例えば、制御ユニット１５０および／またはユーザインターフェース（例えば、コントローラ１５０に動作可能に接続されたコンピュータソフトウェアプログラム）を使用して、プログラム「指定時間の目標圧力」を選択することができる。「指定時間の目標圧力」プログラムでは、使用者はプログラムで指定された圧力を舌の筋肉を使って、圧力センサ、例えば、第１接触フランジ１３２、１３２’または第２接触フランジ１３３、１３３’のいずれか１つの圧力センサ１４０ａ’、１４０ｂ’、１４１ａ’、１４１ｂ’に加えることが必要である。プログラムが使用者またはユーザインターフェースによって開始されると、制御ユニット１５０またはユーザインターフェースは、必要な時間の長さ、および十分な圧力（または過剰な圧力）が加えられているかどうかについて患者に指示を出すことができる。制御ユニット１５０またはユーザインターフェースは、圧力センサから適切な測定値が得られたときに、いつ圧力を加えるのをやめるかについての指示を出すことができる。

ステップ２ｂ：「最大圧力」モードを選択するステップ
ステップ２ａの代わりに、使用者は、例えば、コントロールユニットまたはユーザインターフェースを使用して、プログラム「最大圧力」を選択することができる。「最大圧力」プログラムでは、使用者は舌の筋肉を使って、圧力センサ、例えば、第１接触フランジ１３２、１３２’または第２接触フランジ１３３、１３３’のいずれか１つの圧力センサ１４０ａ’、１４０ｂ’、１４１ａ’、１４１ｂ’に最大圧力を加える必要がある。プログラムが使用者またはユーザインターフェースによって開始されると、制御ユニット１５０またはユーザインターフェースは、圧力センサから適切な測定値が取得されたときに、いつ圧力をかけるのをやめるかについて患者に指示を出すことができる。

ステップ３：圧力データを筋緊張データに変換するステップ
本発明のシステムは、圧力センサからのデータを筋緊張データに変換するためのデータベースが格納されているメモリ手段と、マウスピース１０３、１０３’の圧力センサおよびメモリ手段に作動可能に接続されたプロセッサとを備えることができる。ステップ３において、本発明のシステムは、処理手段を使用して、圧力センサからのデータをメモリ手段のデータベース内のデータと比較することにより、使用者の舌の筋肉の筋緊張を判断するようになっている。このようにして、使用者には、舌の筋肉の筋緊張に対応する、ユーザ読み取り可能な、またはユーザ解釈可能な値または出力が提供される。

ステップ４ａ：筋緊張データを予めプログラムされた「予測した」データと比較するステップ
必要に応じて、本発明のシステムは、ステップ４ａ行うことができ、これにより、予めプログラムされた「予測した」データ、つまり刺激計画を受けた使用者からの予測した筋緊張データと、ステップ３ａまたはステップ３ｂからの使用者の筋緊張データとの比較を行うことができる。

ステップ４ｂ：筋緊張データを以前に保存した使用者の筋緊張データと比較するステップ
必要に応じて、本発明のシステムは、ステップ４ｂを行うことがでる。このステップでは、使用者から以前に、例えば、刺激計画のより早い日付または時点、またはより早い段階で収集された筋緊張データが、ステップ２ａまたはステップ２ｂで収集されたデータおよびステップ３で変換されたデータと比較される。

ステップ５：新しい刺激計画を推奨する、または既存の刺激計画への変更を推奨するステップ
必要に応じて、本発明のシステムは、例えば、新しい使用者、または刺激計画の最終段階に達した使用者のために、新しい刺激計画の推奨を行うことができるようにプログラムまたはプログラムすることができる。あるいは、本発明のシステムは、既存の刺激計画に対して変更の推奨を行うことができるようにプログラムまたはプログラムすることができる。

口腔筋刺激装置１０３、１０３’を、刺激セッションの前に使用する場合、刺激を開始することができる基点を判断または確立するために、この装置を使用することができる。例えば、使用者が装置１０３、１０３’を初めて使用する場合、「テストモード」が選択され（または自動的に選択され）、使用者は、圧力センサに最大の力を加えたり、および／または一定時間、力を加えたりすることによって、舌の筋緊張を測定するように指示される。口腔筋刺激装置１０３、１０３’は、舌の力パラメータを測定することができ、かつ、インターフェース（例えば、コントローラ１５０を介して、システムに接続されて作動可能なコンピュータ装置に保持されているコンピュータソフトウェアプログラムなど）を介して、これらの力パラメータをこのような力パラメータのデータベースと比較して、ＳＤＢのリスク、たとえば、鼾の可能性のあるリスクとＯＳＡの可能性のあるリスクとを判断することができる。他のデータ、例えば、年齢、性別、体重、身長、ＢＭＩ、またはその他の指標の１つ以上を入力して、リスクの判断を支援することもできる。リスクプロファイルが確立されると、入力に固有の刺激計画が作成される。

次に、使用者は、必要な刺激セッションで、刺激計画に沿って口腔筋刺激装置１０３、１０３’を使用する。例えば、刺激セッションは、好ましくは覚醒状態の間、刺激パラメータ（電流、パルス幅、パルス持続時間、周波数、振幅）に沿って電極に通電する、２週間にわたる２０分間のセッションの日課を含むことができる。

刺激計画の終わりに、本発明のシステムは、舌筋緊張を測定することによって刺激計画の有効性を判断するテストモードを自動的に作動させることができる（または使用者が作動させることができる）。次に、予測した、または期待した舌筋緊張に対する進捗（すなわち、舌筋緊張の変化）を評価するために、比較を完了することができる。その後、その比較に沿って、後続の刺激計画を作成することができる。その後の刺激計画は、比較の結果に応じて、最初の刺激計画と同じでも異なっていてもよい。

既存の刺激計画への変更には、装置の１つ以上の電極に供給される電流の強度、周波数、およびパルス持続時間、および／または刺激セッションの１つ以上の長さを含む、刺激計画の刺激セッションのパラメータへの変更が含まれる。このようにして、使用者は、本発明のシステムを使用して、将来の刺激計画、または既存の、または進行中の刺激計画に対して行われるべき変更を通知することができる。

ここで図４Ｂを参照すると、本発明の装置（例えば、図１０Ａ、図１１Ａ、図１２Ａに示すマウスピース２０３、３０３、４０３を備える装置）およびシステムを使用して舌筋緊張データをどのように記録することができるか、および、本発明のさらなる実施形態によれば、将来の刺激計画を通知するために、データをどのように使用することができるかを示すフローダイアグラム４１が示されている。このフローダイアグラム４１は、次のステップで構成されている。

ステップ１：マウスピースを使用者の口に正しく配置するステップ
刺激セッションの前、後、中間、または代わりに、使用者は、刺激セッション中の使用について説明したものと同じやり方で、マウスピース、たとえばマウスピース２０３、３０３、４０３を口の中に配置することができる。

ステップ２：筋緊張データに変換するためのデータを収集するためのパラメータを測定するステップ
マウスピース２０３を使用中の場合、使用者は、プログラム「筋音図（ＭＭＧ）の測定」を選択することができる。

あるいは、マウスピース３０３または４０３を使用中の場合、使用者は、プログラム「末梢毛細血管酸素飽和度（ＳｐＯ_２）の測定」を選択することができる。

このステップは、例えば、制御ユニット１５０および／またはユーザインターフェース（例えば、コントローラ１５０に作動可能に接続されたコンピュータソフトウェアプログラム）を使用して行うことができる。有利なことに、使用者は、この測定中に積極的に参加する必要がない。

制御ユニット１５０またはユーザインターフェースは、マウスピース、例えば２０３、３０３、または４０３のセンサから適切な測定値を取得するまで、使用者が舌を特定の位置に維持するように指示を出すことができる。

ステップ３：圧力データを筋緊張データに変換するステップ
本発明のシステムは、マウスピース２０３、３０３または４０３のセンサからのデータを筋緊張データに変換するためのデータベースが格納されているメモリ手段と、マウスピース２０３、３０３、４０３のセンサおよびメモリ手段に作動可能に接続されたプロセッサとを備えることができる。ステップ３において、本発明のシステムは、処理手段を使用して、センサからのデータをメモリ手段のデータベース内のデータと比較することにより、使用者の舌の筋肉の筋緊張を決定するようになっている。このようにして、使用者には、舌の筋肉の筋緊張に対応する、ユーザ読み取り可能な、またはユーザ解釈可能な値または出力が提供される。

ステップ４ａ、ステップ４ｂ、およびステップ５は、図４Ａについて説明したのと同じ方法でおこなうことができる。

上記の方法論において、インピーダンスセンサは、言及された測定技術に加えて、またはその代替として使用することができる。インピーダンス測定を使用して、舌の筋肉の状態を視覚化する画像を生成することができる。

ここで図５～図９は、さまざまな舌筋および口蓋筋を示している。図５～図７に示す口の特徴は、舌筋をより明確に示している。ここでは、咽頭口蓋弓５１、口蓋扁桃５２，舌口蓋筋５３、頬筋５４、有郭乳頭５５，茸状乳頭５６、舌背面５７、茎状舌筋５８、舌骨舌筋５９、下顎骨６０、オトガイ舌筋６１、長手方向、横方向、および垂直方向内在筋６２，６３、６４およびオトガイ舌骨筋６５を示している。

オトガイ舌筋６１は最大の外舌筋であって、舌を前方に伸張させ、喉の気道開口部を拡大させているので、オトガイ舌筋６１の緊張が舌の伸張および伸縮に最も影響を与えているということは確立している。長手方向および横方向内在筋６２、６３などの内面筋の緊張もまた、気道の伸張および伸縮の低下に関与している。

図８および図９に示した口の特徴は、口蓋筋をより明確に示している。ここでは、歯列弓６６、前顎骨６７、切歯孔６８、上顎骨口蓋突起６９、口蓋骨７０、後鼻棘７１、口蓋孔７２，ハムルス７３、口蓋張筋７４、口蓋帆挙筋７５，口蓋帆張筋７６、口蓋垂筋７７、および口蓋咽頭筋７８を示している。

程度の差はあっても、口蓋の収縮筋および拡張筋も、鼾および睡眠時無呼吸に関与している。治療の目的は、喉を拡張させることであり、電気刺激を、口蓋垂筋７７、口蓋帆挙筋７５、および口蓋咽頭筋７８などの正中線にある口蓋拡張筋に向けることである。

使用時、マウスピース１０３’は、舌背面５７および／または舌下面に適用され、電流、例えば二相電流が印加され、二相電流は、強度、周波数、およびパルス持続時間を含む第１パラメータセットで構成することができる。パラメータは、使用者のこれらの筋肉の最大収縮をもたらすように選択され、治療は２０分間行われる。

次に、強度、周波数、およびパルス持続時間を調整して、マウスピース１０３’が舌の下側および／または舌背面５７に適用される。第２パラメータセットを有している２つの電流、たとえば２つの二相電流を、オトガイ舌筋６１を刺激するために、経粘膜に適用し、伝達する。第２パラメータセットを、使用者のオトガイ舌筋６１の最大収縮をもたらすように選択し、治療は、最大３時間、例えば２０～３０分間行う。

電流、例えば前述のパラメータによる二相電流の適用によって、前述の骨格筋を刺激する。この二相電流を、前述した骨格筋に適用することによって、振動感覚のような感覚機能を引き起こすものと考えられる。何らかの理論に拘束されることを好むものでないが、神経を電気および振動刺激することによって、脳へフィードバックし、更に、筋肉緊張の改良度を強化するものと考えられる。特に、この治療の効果は、神経システム内部における多感覚統合によって高められるものと考えられる。

例として、治療計画は、前述の筋肉群のそれぞれを１日２回、１０～３０分間刺激する、例えば６週間の導入期間を含むことができる。筋肉の緊張を確立するために設計された治療計画に続いて、１日１回１０～２０分のセッションを含む継続的な保守・管理計画を行うことができる。

マウスピース１０３’を備える本発明の装置は、第１の電流、例えば第１の二相または単相電流の電流振幅を０～１００ｍＡに調整するように操作することができる。本発明の装置は、例えば、第２の二相電流の電流振幅を０～１００ｍＡに調整するように操作することができる。本発明の装置は、第１の電流、例えば二相電流を、例えば１～３０分の間供給するように供給時間を調整するように操作することができる。本発明の装置は、第２の電流、例えば二相電流または単相電流を、例えば１～３０分の間供給するように供給時間を調整するように操作することができる。

第１および第２の電流、例えば二相電流または単相電流の１つ以上の特性を、別々にプログラムするために、ＵＳＢポートまたは他のインターフェースが、装置１０３、１０３’をパーソナルコンピュータ（図示せず）に接続できるように備え付けられ、かつ構成されている。一実施形態では、第１の電流、例えば、二相電流の周波数は、例えば１～１５０Ｈｚの間、例えば２～５０Ｈｚの間の値に設定さており、第二電流、例えば第２の単相電流は、３～１２０Ｈｚの間の値に設定されており、それぞれの電流、例えば二相電流または単相電流のパルス持続時間は、２００～７００μｓの間の値に設定されている。パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン、またはその他の携帯用コンピュータ装置（図示せず）は、例えば、制御本体のダイヤル、ボタン、または他のユーザインターフェースをオーバーライドするように操作することができる制御ソフトウェアを組み込むこともできる。この制御ソフトウェアは、電流、例えば振幅、周波数、パルス持続時間、所定の期間など互いに別々の所定の特性を有する二相電流または単相電流を印加するようにプログラムすることができる。さらに、ソフトウェアは、使用者の１つ以上の口腔筋の筋緊張の測定を実行するようにプログラムすることができる。例えば、図４に示すプロトコルを使用して、および／またはインピーダンスセンサを使用してインピーダンス情報を生成する。口腔筋刺激装置１０３、１０３’は、このような所定の特性を記憶するメモリを組み込むことができることがさらに想定される。これは、パーソナルコンピュータなど（図示せず）をＵＳＢポートまたは他のインターフェースを介して口腔筋刺激装置１０３、１０３’に接続することによって変更することができる。そのような実施形態では、ダイヤルは省略されるか、または予めプログラムされた値から前述の特性を調整するように構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、手動のダイヤル、ボタンなどによって多かれ少なかれ機能が提供されることが想定される。

上記の説明は、使用者が口腔筋刺激装置１０３、１０３’に圧力を加える「テストモード」を開示している。口腔筋刺激装置１０３、１０３’に舌を刺激させ、刺激信号の結果としての応答を測定することも可能である。このようにして、口腔筋刺激装置１０３、１０３’は、使用者が意識的にセンサに圧力を加える必要のない定量的な「信号応答」パラメータを提供することができる。したがって、口腔筋刺激装置１０３、１０３’は、刺激計画を判断することができる。自動判断と「使用者起動」判断の両方を組み合わせて使用することができる。刺激により、舌が圧力センサに圧力を加える可能性がある。さらに、センサは、電気刺激信号が舌を横切ってどの程度効果的に伝達されるかを監視することができる。例えば、上部フランジ１３２、１３２’のセンサおよび／または１つ以上の電極は、下部フランジ１３３、１３３’から送信される信号を検出して、インピーダンスおよび／または舌筋緊張を判断することができる。さらに、例えば、上部フランジ１３２の一方のセンサが、上部フランジ１３２の他方のセンサから送信された信号を検出して、舌筋緊張を判断することができる。他の組み合わせは当業者には明らかであろう。一実施形態では、センサは、電極であってもよいし、または電極を含んでいてもよい。例えば、電気回路は、信号が１つの電極から別の電極にどの程度効果的に送信されるかを判断することができる。信号の送信および受信は、信号の減衰または他の攪乱を判断するために使用され、それによって、舌筋緊張の指標を提供するために、保存または記録されたデータのデータベースと比較できるパラメータを決定することができる。

ここで図１０Ａを参照すると、本発明の第３の実施形態によるマウスピース２０３を示している。マウスピース２０３は、図１、図２、および図３Ａから図３Ｃに示されたものと類似しており、前述のものと同様に機能する多くの同じ特徴を有している。マウスピース２０３は、把持ベース２３０、第１接触フランジセット２３２、第２接触フランジセット２３３、第１電極セット（図示せず）、および第２電極セット（図示せず）を備えている。第１電極セットは、第１接触フランジセット２３２に配置されている。第２電極セットは、図３Ａのマウスピース１０３’について説明したものと同様の方法で、第２接触フランジセット２３３に配置されている。

この実施形態では、測定手段は、１つ以上の筋肉の筋音図（ＭＭＧ）の検出または記録に使用するための２つのセンサ２４０、２４１を備えている。この圧力センサ２４０、２４１は、それぞれ、第２電極セット（図示せず）に隣接する第２接触フランジセット２３３に配置されている。

図１０Ｂも参照すると、使用者の舌に隣接して配置されている使用中のマウスピース２０３を示している。舌背面５７は、標識化されている。センサ２４０、２４１が舌の下側に接触していることを示している。

この実施形態における各センサ２４０、２４１は、アナログシリコンＭＥＭＳ（マイクロエレクトロメカニカルシステム）マイクロホン、例えば、ボッシュグループ（ドイツ、ゲルリンゲン）のアクスティカ社によって製造されたＡＫＵ３４０（登録商標）である。

マウスピース２０３は、使用者の筋緊張の変化を判断するようになっている制御ユニット（図示せず）に接続することができる。使用中、２つのセンサ２４０、２４１は、骨格筋によって生成される亜音速周波数を記録する。１つ以上の舌筋の収縮中に、これらの筋肉によって生成される機械的振動に変化があることが知られている。２つのセンサ２４０、２４１は、これらの変化を検出するようになっている。結果として得られる筋音図（ＭＭＧ）を、使用者の舌筋緊張を示す筋繊維の変化を判断するために使用することができる。

有利なことに、この方法は受動的であるため、装置が使用者の舌の筋緊張を判断するために、使用者はマウスピースと積極的にやりとりする必要がない。より有利なことには、センサ２４０、２４１は、使用者の積極的なやりとりを必要とするセンサと比較して、消費電力が少ない。

ここで図１１Ａを参照すると、本発明の第４の実施形態によるマウスピース３０３を示している。マウスピース３０３は、図１、図２、図３Ａから図３Ｃおよび１０Ａ示されたものと類似しており、前述のものと同様に機能する多くの同じ特徴を有している。マウスピース３０３は、把持ベース３３０、第１接触フランジセット３３２、第２接触フランジセット３３３、第１電極セット（図示せず）、および第２電極セット（図示せず）を備えている。第１電極セットは、第１接触フランジセット３３２に配置されている。第２電極セットは、図３Ａのマウスピース１０３’について説明したものと同様の方法で、第２接触フランジセット３３３に配置されている。

この実施形態では、測定手段は、末梢循環（ＳｐＯ_２）における酸素分圧の測定に使用するための２つの光反射率型センサ３４０、３４１を備えている。このセンサ３４０、３４１は、それぞれ、第２電極セット（図示せず）に隣接する第２接触フランジセット３３３に配置されている。

図１１Ｂも参照すると、使用者の舌に隣接して位置する使用中のマウスピース３０３を示している。舌背面５７は、標識化されている。センサ３４０、３４１が舌の下側に接触していることを示している。

マウスピース３０３は、使用者の筋緊張の変化を判断するようになっている制御ユニット（図示せず）に接続することができる。使用中、２つのセンサ３４０、３４１は、使用者の舌の１つ以上の筋肉の末梢循環（ＳｐＯ_２）における酸素分圧を記録する。これらの測定値は、筋肉の血管分布の増加を判断するために使用することができ、次に、筋肉機能を判断するために、特に使用者の舌の筋緊張を判断するために使用することができる。

ここで図１２Ａを参照すると、本発明の第５の実施形態によるマウスピース４０３を示している。マウスピース４０３は、図１、図２、図３Ａから図３Ｃ、図１０Ａおよび図１１Ａに示されたものと類似しており、前述のものと同様に機能する多くの同じ特徴を有している。マウスピース４０３は、把持ベース４３０、第１接触フランジセット４３２、第２接触フランジセット４３３、第１電極セット（図示せず）、および第２電極セット（図示せず）を備えている。第１電極セットは、第１接触フランジセット４３２に位置している。第２電極セットは、図３Ａのマウスピース１０３’について説明したものと同様の方法で、第２接触フランジセット４３３に配置されている。

この実施形態では、測定手段は、末梢循環における酸素分圧（ＳｐＯ_２）の測定に使用するための２つの光透過型センサ４４０、４４１を備えている。このセンサ４４０、４４１は、それぞれ、第２電極セット（図示せず）に隣接する第２接触フランジセット４３３に配置されている。

図１１Ｂも参照すると、使用者の舌に隣接して位置する使用中のマウスピース４０３を示している。舌背面５７は、標識化されている。センサ４４０、４４１が舌の下側に接触していることを示している。

マウスピース４０３は、使用者の筋緊張の変化を判断するようになっている制御ユニット（図示せず）に接続することができる。使用中、２つのセンサ４４０、４４１は、使用者の舌の１つ以上の筋肉の末梢循環（ＳｐＯ_２）における酸素分圧を記録する。約８１０ｎｍの波長を使用して、皮膚への高い浸透性を実現している。この波長は、舌の筋肉組織を簡単に通過することができる。舌の筋肉を介した光透過の違いは、使用者の筋肉の筋緊張と血管分布の変化を判断するために使用することができる。

有利なことに、この実施形態のセンサ４４０、４４１を、舌の筋緊張の改善に関して使用者にフィードバックを提供するためのシステムに統合することができる。

当業者は、前述した態様には、特許請求の範囲から逸脱しない限り、幾つかの変形が考えられることは理解しうると思う。例えば、マウスピース１０３、１０３’は、前述した適当な筋肉に電気刺激を適用することができるような構造であれば、どのような形状にしてもよい。制御本体の出力は、制御本体自体のダイヤルを変更することによって変更することができ、または、制御ユニット（図示せず）を、たとえばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットなどの携帯機器に保持されたＡＰＰなどのソフトウェアとインターフェースすることによって変更することができる。このソフトウェアは、互いに別々の所定の特性（電流、持続時間、周波数）を有する所望のまたは要求される電流、例えば二相電流を所定の時間印加するようにプログラムすることができる。この互いに別々の所定の特性は、振幅、周波数、およびパルス持続時間等である。本発明の装置は、このような所定の特性を記憶するメモリを組み込むことがさらに想定される。尚、このメモリは、ＵＳＢポートまたは他のインターフェース接続を介して、パーソナルコンピュータ（図示せず）を本発明の装置に接続することによって変調することができる。他のインターフェース接続には、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ（ＲＴＭ）、Ｗｉ－Ｆｉなどの有線および無線接続が含まれる。筋緊張の測定を可能にする他のセンサを配備してもよい。

口腔筋刺激装置１０３、１０３’は、刺激セッションのための装置を使用する前に、口腔筋刺激装置１０３、１０３’を使用することにより、ＳＤＢ（例えば、鼾またはＯＳＡ）の可能性を判断する診断ツールとして使用することは理解しうると思う。

また、当業者は、前述の特徴および／または添付図面に示される特徴の任意の数の組み合わせが、先行技術に対して明らかな利点を提供し、本明細書に記載の本発明の範囲内に存することは理解しうると思う。

５１ 咽頭口蓋弓
５２ 口蓋扁桃
５３ 舌口蓋筋
５４ 頬筋
５５ 有郭乳頭
５６ 茸状乳頭
５７ 舌背面
５８ 茎状舌筋
５９ 舌骨舌筋
６０ 下顎骨
６１ オトガイ舌筋
６２ 長手方向内在筋
６３ 横方向内在筋
６４ 垂直方向内在筋
６５ オトガイ舌骨筋
６６ 歯列弓
６７ 前顎骨
６８ 切歯孔
６９ 上顎骨口蓋突起
７０ 口蓋骨
７１ 後鼻棘
７２ 口蓋孔
７３ ハムルス
７４ 口蓋張筋
７５ 口蓋帆挙筋
７６ 口蓋帆張筋
７７ 口蓋垂筋
７８ 口蓋咽頭筋
１０３、１０３’ マウスピース
１３０、１３０’ 把持ベース
１３１、１３１’ 湾曲アーム
１３２、１３２’ 第１接触フランジ
１３２ａ、１３２ｂ 電極
１３２ａ’、１３２ｂ’ 電極
１３３、１３３’ 第２接触フランジ
１３３ａ、１３３ｂ 電極
１３３ａ’、１３３ｂ’ 電極
１３４ 拡大端部
１３５ ネック部
１３６、１３６’ 電気コネクタ
１４０ａ、１４０ｂ 第１圧力センサセット
１４０ａ’、１４０ｂ’ 圧力センサ
１４１ａ、１４１ｂ 第２圧力センサセット
１４１ａ’、１４１ｂ’ 圧力センサ
１５０ 制御ユニット
１５２ａ、１５２ｂ 電極
２０３、３０３、４０３ マウスピース
２３０ 把持ベース
２３２、３３２、４３２ 第１接触フランジセット
２３３、３３３、４３３ 第２接触フランジセット
２４０、２４１ センサ
３４０、３４１ 光反射率型センサ
４４０、４４１ 光透過型センサ

Claims (18)

1. 使用者の１つ以上の口腔筋に電気刺激を印加するための口腔筋刺激装置であって、使用者の１つ以上の口腔筋に電気刺激を印加するための１つ以上の電極と、使用者の舌筋緊張を判断するためのセンサとを備えていることを特徴とする口腔筋刺激装置。
2. 使用者の口の中に配置するためのマウスピースを備えていることを特徴とする請求項１に記載の口腔筋刺激装置。
3. 前記口腔筋刺激装置は、接続部で互いに接続し、互いに離れるように延在する１対のアームを備えていることを特徴とする請求項１または２に記載の口腔筋刺激装置。
4. 使用者の舌背面または舌下面の少なくとも一部を覆うためのフランジを備えていることを特徴とする請求項１から３のいずれか１項に記載の口腔筋刺激装置。
5. 前記センサは、前記アームまたは前記フランジに配置されていることを特徴とする請求項３または４に記載の口腔筋刺激装置。
6. 前記センサは、圧力センサ、マイクロホン、光透過型センサ、インピーダンスセンサ、および/または光反射率型センサの１つ以上が選択されることを特徴とする請求項１から５のいずれか１項に記載の口腔筋刺激装置。
7. 前記センサは、電気信号センサを備えていることを特徴とする請求項１から６のいずれか１項に記載の口腔筋刺激装置。
8. 使用者の口腔筋に電気刺激を印加する本発明の装置であって、請求項１から７のいずれか１項に記載の口腔筋刺激装置とコントローラとを備え、前記コントローラは、前記センサからの出力に基づいて、１つ以上の口腔筋への電気刺激を変更するように作動可能であることを特徴とする本発明の装置。
9. 前記１つ以上の口腔筋に印加された前記電気刺激の一方または両方に関するデータおよび／または前記センサの出力に関するデータを保持するメモリ手段をさらに備えていることを特徴とする請求項８に記載の本発明の装置。
10. 前記１つ以上の口腔筋に印加された前記電気刺激の一方または両方に関するデータおよび／または前記センサの出力に関するデータを処理するプロセッサをさらに備えていることを特徴とする請求項６から９のいずれか１項に記載の本発明の装置。
11. 前記プロセッサは、前記プロセッサによって処理されるデータに基づいて前記コントローラを制御するように作動可能であることを特徴とする請求項１０に記載の本発明の装置。
12. 前記口腔筋刺激装置を刺激モードからテストモードに、またはその逆に切り替えるように作動可能なスイッチ手段をさらに備えていることを特徴とする請求項８から１１のいずれか１項に記載の本発明の装置。
13. 前記センサは、前記テストモードではデータを提供するように作動可能であり、前記刺激モードではデータを提供するように作動することができないことを特徴とする請求項１２に記載の本発明の装置。
14. 刺激計画を提供する方法であって、前記方法は、
    ａ）１つ以上の電極を有するマウスピースを使用者の口の中に配置するステップと、
    ｂ）前記マウスピースのセンサを使用して、前記使用者の口の舌筋緊張を判断するステップと、
    ｃ）判断された筋緊張に基づいて刺激計画を生成するステップとを含んでいることを特徴とする方法。
15. 年齢、体重、身長、体格指数（ＢＭＩ）のうちの1つ以上のユーザ関連データを提供するステップｄ）を含んでいることを特徴とする請求項１４に記載の方法。
16. 刺激計画を変更する方法であって、前記方法は、
    ａ）使用者の1つ以上の口腔筋を電気的に刺激するための刺激計画を提供するするステップと、
    ｂ）使用者の口の中にマウスピースを配置するステップと、
    ｃ）前記使用者の口腔筋の筋緊張を判断するために、前記マウスピースのセンサを使用するステップと、
    ｄ）前記使用者の判断された筋緊張に沿って前記刺激計画を調整するステップとを含んでいることを特徴とする方法。
17. ステップｄ）は、前記判断された筋緊張を所望の、または予測した筋緊張と比較し、それに応じて刺激計画を調整することを特徴とする請求項１６に記載の方法。
18. １つ以上の口腔筋に電気刺激を印加して、睡眠呼吸障害を治療するために口腔筋をトレーニングするシステムであって、前記システムは、
    ａ．使用者の口の中に位置し、１つ以上の電極および１つ以上のセンサを有するマウスピースと、
    ｂ．前記１つ以上の電極および前記１つ以上のセンサを制御するためのコントローラと、
    ｃ．前記コントローラに信号を送信し、前記コントローラから信号を受信するためのプロセッサとを備えており、
    前記プロセッサは、前記センサから受信した信号に応じて、前記コントローラに前記電極を制御させるように作動可能であることを特徴とするシステム。

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