JP2022505053A - Btk阻害剤、その薬学的に許容可能な塩と結晶多形体、及びその応用 - Google Patents

Btk阻害剤、その薬学的に許容可能な塩と結晶多形体、及びその応用 Download PDF

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Abstract

本発明は、BTK阻害剤及びその薬学的に許容可能な塩、その結晶多形体及びその応用を提供する。具体的には、本発明は、(R)-6-((1-アクリロイルピペリジン-3-イル)アミノ)-7-フルオロ-4-((2-フルオロ-4-モルホリノフェニル)アミノ)-1,2-ジヒドロ-3H-ピロロ[3、4-c]ピリジン-3-オン又はその薬学的に許容可能な塩の結晶多形体及びその応用を提供する。さらに、本発明は、当該阻害剤を含む医薬組成物及びその応用を開示する。
【選択図】なし

Description

本発明は、医療技術分野に属し、具体的には、本発明は、(R)-6-((1-アクリロイルピペリジン-3-イル)アミノ)-7-フルオロ-4-((2-フルオロ-4-モルホリノフェニル)アミノ)-1,2-ジヒドロ-3H-ピロロ[3、4-c]ピリジン-3-オンであるBTK阻害剤、その薬学的に許容可能な塩と結晶多形体、及びその応用に関する。
BTKキナーゼは、TECキナーゼファミリーの非受容体型チロシンキナーゼであり、BCRシグナル経路の重要な調節因子であり、B細胞の成熟、増殖、生存に重要な役割を果たす。BTKは、さまざまなB細胞リンパ腫で過剰発現し、現在、TECキナーゼファミリーにおいて唯一の臨床的に証明された効果的な薬剤開発の標的である。BTKを阻害することで、一連のB細胞リンパ腫の増殖を阻害することができる。
B細胞抗原受容体(BCR)シグナルチャネルの活性化は、B細胞悪性腫瘍および自己免疫疾患の誘発と維持に重要な役割を果たす。ブルトン型(Bruton’s)チロシンキナーゼ(BTK)は、造血細胞のBCRシグナル経路において重要な役割を果たし、リンパ腫の新しい治療法の研究において非常に優れた標的である。BTK阻害剤は、BCR経路に作用して、BTKの自己リン酸化、BTKの生理的基質PLCγのリン酸化および下流のキナーゼERKのリン酸化を阻害する。
BTK阻害剤は、慢性リンパ性白血病(CLL)細胞に作用して、細胞毒性を誘発し、CLL細胞の増殖を阻害する。BCRによって活性化された初代B細胞の増殖を阻害し、且つ、初代単球におけるTNFα、IL-1β、およびIL-6の分泌を阻害する。BTK阻害剤は、コラーゲン誘発関節炎モデルに作用し、B細胞活性を阻害することにより、足の腫れや関節の炎症などの臨床的関節炎の症状を大幅に軽減する。
現在、唯一のBTK阻害剤であるイブルチニブ(ibrutinib)の販売が承認されているため、より優れた活性を持ち、より安全且つ効果的なBTK阻害剤をさらに開発する必要がある。本発明は、前述の研究に基づいて、BTK阻害剤の様々な塩及び結晶形を開発し、さらなる薬物開発に役立つものである。
本発明の目的は、BTK阻害剤の薬学的に許容可能な塩、その結晶多形体、及びその応用を提供することである。
本発明の第1態様において、化学式X化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、又は化学式X化合物及びその薬学的に許容可能な塩の結晶多形体が提供される。
Figure 2022505053000001
一実施例において、前記薬学的に許容可能な塩は、塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、マレイン酸塩、L-酒石酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩からなる群から選択されるものである。
一実施例において、前記化学式X化合物の薬学的に許容可能な塩又は化学式X化合物及びその薬学的に許容可能な塩の結晶多形体は、無水形態、水和物形態又は溶媒和物の形態のものである。
一実施例において、前記薬学的に許容可能な塩は、塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、L-酒石酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩からなる群から選択されるものである。
一実施例において、前記薬学的に許容可能な塩は、塩酸塩であり、塩酸塩と化学式X化合物とのモル比は(0.8-2.1):1、例えば、(0.9-1.1):1である。
一実施例において、前記薬学的に許容可能な塩は、フマル酸塩であり、フマル酸塩と化学式X化合物とのモル比は(0.8-1.2):1である。他の一実施例において、前記薬学的に許容可能な塩は、フマル酸塩であり、フマル酸塩と化学式X化合物とのモル比は(0.9-1.1):1である。また他の一実施例において、前記薬学的に許容可能な塩は、フマル酸塩であり、フマル酸塩と化学式X化合物とのモル比は1:1である。
一実施例において、前記結晶多形体は、化学式X化合物の塩酸塩のA形の結晶、即ち結晶形Aであり、その粉末X線回折パターンは、下記のグループA-1の回折角2θ(°)の値:14.75±0.2、15.97±0.2、17.20±0.2、18.94±0.2、19.72±0.2、22.15±0.2、24.35±0.2、25.12±0.2、26.21±0.2、26.80±0.2でピークを有している。
一実施例において、前記結晶形Aの粉末X線回折パターンは、下記のグループA-2の回折角2θ(°)の値:6.57±0.2、8.71±0.2、12.24±0.2、14.07±0.2、14.47±0.2、15.48±0.2、16.66±0.2、17.70±0.2、18.61±0.2、20.24±0.2、20.62±0.2、22.72±0.2、27.46±0.2から選択される2つ又は2つ以上の値におけるピークを更に含む。
一実施例において、前記結晶形Aの粉末X線回折パターンは、グループA-1及びA-2から選択される6つ以上又は全て(例えば、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15等)の回折角2θ(°)の値でピークを有している。
一実施例において、前記結晶形Aの粉末X線回折パターンは、下記の回折角2θ(°)の値:8.71±0.2、12.24±0.2、14.07±0.2、14.47±0.
2、14.75±0.2、15.48±0.2、15.97±0.2、16.66±0.2、17.20±0.2、17.70±0.2、18.61±0.2、18.94±0.2、19.72±0.2、20.24±0.2、20.62±0.2、22.15±0.2、22.72±0.2、24.35±0.2、25.12±0.2、26.21±0.2、26.80±0.2、27.46±0.2でピークを有している。
一実施例において、前記結晶形Aの粉末X線回折パターンは、表A1で示される2θ(°)の値でピークを有し、各ピークの相対強度は、表A1に示される。
Figure 2022505053000002
一実施例において、前記結晶形Aの粉末X線回折パターンは、基本的に図1-1で表現される。
一実施例において、前記結晶形Aは、図1-3に示されるものと基本的に同じである示差走査熱量分析(DSC)スペクトルを有する。
一実施例において、前記結晶形Aは、図1-2に示されるものと基本的に同じである熱重量分析(TGA)スペクトルを有する。
一実施例において、前記結晶多形体は、化学式X化合物の硫酸塩のB-1形の結晶、即ち、結晶形B-1であり、その粉末X線回折パターンは、下記のグループB-1-1の回折角2θ(°)の値:10.27±0.2、14.06±0.2、14.41±0.2、17.59±0.2、19.39±0.2、21.84±0.2、26.38±0.2、26.68±0.2でピークを有している。
一実施例において、前記結晶形B-1の粉末X線回折パターンは、表B1で示される2θ(°)の値でピークを有し、各ピークの相対強度は、表B1に示される。
Figure 2022505053000003
一実施例において、前記結晶形B-1の粉末X線回折パターンは、基本的に図2-1で表現される。
一実施例において、前記結晶多形体は、化学式X化合物の硫酸塩のB-2形の結晶、即ち結晶形B-2であり、その粉末X線回折パターンは、下記のグループB-2-1の回折角2θ(°)の値:8.59±0.2、10.64±0.2、13.90±0.2、14.38±0.2、15.53±0.2、17.05±0.2、17.26±0.2、17.75±0.2、19.28±0.2、21.85±0.2、25.82±0.2、26.32±0.2、26.62±0.2でピークを有している。
一実施例において、前記結晶形B-2の粉末X線回折パターンは、下記のグループB-2-2の回折角2θ(°)の値:11.39±0.2、12.28±0.2、12.97±0.2、15.81±0.2、18.79±0.2、20.31±0.2から選択される2つ又は2つ以上の値におけるピークを更に含む。
一実施例において、前記結晶形B-2の粉末X線回折パターンは、グループB-2-1及びB-2-2から選択される6つ以上又は全て(例えば、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15等)の回折角2θ(°)の値でピークを有している。
一実施例において、前記結晶形B-2の粉末X線回折パターンは、表B2で示される2θ(°)の値でピークを有し、各ピークの相対強度は、表B2に示される。
Figure 2022505053000004
一実施例において、前記結晶形B-2の粉末X線回折パターンは、基本的に図2-2で表現される。
一実施例において、前記結晶多形体は、化学式X化合物の硫酸塩のB-3形の結晶、即ち結晶形B-3であり、その粉末X線回折パターンは、下記のグループB-3-1の回折角2θ(°)の値:8.59±0.2、10.21±0.2、10.60±0.2、11.39±0.2、13.03±0.2、13.93±0.2、14.38±0.2、15.49±0.2、15.82±0.2、17.03±0.2、17.71±0.2、19.30±0.2、20.23±0.2、21.59±0.2、21.97±0.2、23.95±0.2、24.62±0.2、26.23±0.2、26.65±0.2でピークを有している。
一実施例において、前記結晶形B-3の粉末X線回折パターンは、下記のグループB-3-2の回折角2θ(°)の値:18.78±0.2から選択される値におけるピークを更に含む。
一実施例において、前記結晶形B-3の粉末X線回折パターンは、表B3で示される2θ(°)の値でピークを有し、各ピークの相対強度は、表B3に示される。
Figure 2022505053000005
一実施例において、前記結晶形B-3の粉末X線回折パターンは、基本的に図2-3で表現される。
一実施例において、前記結晶多形体は、化学式X化合物の臭化水素酸塩のC形の結晶、即ち結晶形Cであり、その粉末X線回折パターンは、下記のグループC-1の回折角2θ(°)の値:15.26±0.2、15.91±0.2、17.09±0.2、18.43±0.2、18.76±0.2、19.49±0.2、20.47±0.2、21.91±0.2、24.10±0.2、24.88±0.2、25.87±0.2、26.48±0.2でピークを有している。
一実施例において、前記結晶形Cの粉末X線回折パターンは、下記のグループC-2の回折角2θ(°)の値:8.69±0.2、9.16±0.2、10.82±0.2、11.50±0.2、14.62±0.2、16.55±0.2、17.50±0.2、20.05±0.2、21.33±0.2、22.62±0.2から選択される2つ又は2つ以上の値におけるピークを更に含む。
一実施例において、前記結晶形Cの粉末X線回折パターンは、グループC-1及びC-2から選択される6つ以上又は全て(例えば、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15等)の回折角2θ(°)の値でピークを有している。
一実施例において、前記結晶形Cの粉末X線回折パターンは、下記の回折角2θ(°)の値:8.69±0.2、10.82±0.2、11.50±0.2、14.62±0.2、15.26±0.2、15.91±0.2、17.09±0.2、17.50±0.2、18.43±0.2、18.76±0.2、19.49±0.2、20.05±0.2、20.47±0.2、21.33±0.2、21.91±0.2、22.62±0.2、24.10±0.2、24.88±0.2、25.87±0.2和26.48±0.2でピークを有している。
一実施例において、前記結晶形Cの粉末X線回折パターンは、表C1で示される2θ(°)の値でピークを有し、各ピークの相対強度は、表C1に示される。
Figure 2022505053000006
一実施例において、前記結晶形Cの粉末X線回折パターンは、基本的に図3で表現される。
一実施例において、前記結晶多形体は、化学式X化合物のリン酸塩のD形の結晶、即ち、結晶形Dであり、その粉末X線回折パターンは、下記のグループD-1の回折角2θ(°)の値:12.24±0.2、13.93±0.2、17.24±0.2、18.18±0.2、23.93±0.2、26.38±0.2、26.68±0.2でピークを有している。
一実施例において、前記結晶形D1の粉末X線回折パターンは、表D1で示される2θ(°)の値でピークを有し、各ピークの相対強度は、表D1に示される。
Figure 2022505053000007
一実施例において、前記結晶形Dの粉末X線回折パターンは、基本的に図4で表現され
る。
一実施例において、前記結晶多形体は、化学式X化合物のメタンスルホン酸塩のE-1形の結晶、即ち結晶形E-1であり、その粉末X線回折パターンは、下記のグループE-1-1の回折角2θ(°)の値:8.56±0.2、11.39±0.2、17.47±0.2、17.80±0.2、26.32±0.2でピークを有している。
一実施例において、前記結晶形E-1の粉末X線回折パターンは、下記のグループE-1-2の回折角2θ(°)の値:6.61±0.2、12.79±0.2、14.91±0.2、16.81±0.2、19.42±0.2、20.23±0.2、21.16±0.2、21.40±0.2、23.14±0.2、25.96±0.2から選択される2つ又は2つ以上の値におけるピークを更に含む。
一実施例において、前記結晶形E-1の粉末X線回折パターンは、下記のグループE-1-3の回折角2θ(°)の値:14.48±0.2、15.79±0.2、18.61±0.2、19.96±0.2、22.27±0.2、24.07±0.2、24.46±0.2、25.75±0.2、27.67±0.2から選択される2つ又は2つ以上の値におけるピークを更に含む。
一実施例において、前記結晶形E-1の粉末X線回折パターンは、グループE-1-1、E-1-2及びE-1-3から選択される6つ以上又は全て(例えば、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15等)の回折角2θ(°)の値でピークを有している。
一実施例において、前記結晶形E-1の粉末X線回折パターンは、下記の回折角2θ(°)の値:6.61±0.2、8.56±0.2、11.39±0.2、12.79±0.2、14.91±0.2、16.81±0.2、17.47±0.2、17.80±0.2、19.42±0.2、20.23±0.2、21.16±0.2、21.40±0.2、23.14±0.2、25.96±0.2、26.32±0.2でピークを有している。
一実施例において、前記結晶形E-1の粉末X線回折パターンは、表E1で示される2θ(°)の値でピークを有し、各ピークの相対強度は、表E1に示される。
Figure 2022505053000008
一実施例において、前記結晶形E-1の粉末X線回折パターンは、基本的に図5-1で表現される。
一実施例において、前記結晶多形体は、化学式X化合物のメタンスルホン酸塩のE-2形の結晶、即ち結晶形E-2であり、その粉末X線回折パターンは、下記のグループE-2-1の回折角2θ(°)の値:15.79±0.2、16.76±0.2、17.41±0.2、17.80±0.2、20.26±0.2、21.05±0.2、24.10±0.2、25.63±0.2、26.53±0.2、26.92±0.2、27.50±0.2でピークを有している。
一実施例において、前記結晶形E-2の粉末X線回折パターンは、下記のグループE-2-2の回折角2θ(°)の値:8.45±0.2、11.33±0.2、14.30±0.2、14.89±0.2、18.60±0.2、19.36±0.2、19.87±0.2、22.16±0.2、23.09±0.2、29.08±0.2から選択される2つ又は2つ以上の値におけるピークを更に含む。
一実施例において、前記結晶形E-2の粉末X線回折パターンは、下記のグループE-2-3の回折角2θ(°)の値:12.30±0.2、12.75±0.2、13.09±0.2、13.29±0.2、13.73±0.2、16.03±0.2、16.24±0.2、22.77±0.2、28.49±0.2から選択される2つ又は2つ以上の値におけるピークを更に含む。
一実施例において、前記結晶形E-2の粉末X線回折パターンは、グループE-2-2、E-2-2及びE-2-3から選択される6つ以上又は全て(例えば、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15等)の回折角2θ(°)の値でピークを有している。
一実施例において、前記結晶形E-2の粉末X線回折パターンは、下記の回折角2θ(°)の値:8.45±0.2、11.33±0.2、14.30±0.2、14.89±0.2、15.79±0.2、16.76±0.2、17.41±0.2、17.80±
0.2、18.60±0.2、19.36±0.2、19.87±0.2、20.26±0.2、21.05±0.2、22.16±0.2、23.09±0.2、24.10±0.2、25.63±0.2、26.53±0.2、26.92±0.2、27.50±0.2、29.08±0.2でピークを有している。
一実施例において、前記結晶形E-2の粉末X線回折パターンは、表E2で示される2θ(°)の値でピークを有し、各ピークの相対強度は、表E2に示される。
Figure 2022505053000009
一実施例において、前記結晶形E-2の粉末X線回折パターンは、基本的に図5-2で表現される。
一実施例において、前記結晶多形体は、化学式X化合物の酒石酸塩のF形の結晶、即ち、結晶形Fであり、その粉末X線回折パターンは、下記のグループF-1の回折角2θ(°)の値:18.58±0.2、19.84±0.2、20.56±0.2、24.88±0.2、28.73±0.2、29.45±0.2、31.81±0.2、33.28±0.2でピークを有している。
一実施例において、前記結晶形Fの粉末X線回折パターンは、表F1で示される2θ(°)の値でピークを有し、各ピークの相対強度は、表F1に示される。
Figure 2022505053000010
一実施例において、前記結晶形Fの粉末X線回折パターンは、基本的に図6で表現される。
一実施例において、前記結晶多形体は、化学式X化合物のフマル酸塩のG形の結晶、即ち結晶形Gであり、その粉末X線回折パターンは、下記のグループG-1の回折角2θ(°)の値:16.06±0.2、18.76±0.2、20.32±0.2、21.49±0.2、22.52±0.2、22.84±0.2、24.32±0.2、24.50±0.2、26.06±0.2、28.48±0.2でピークを有している。
一実施例において、前記結晶形Gの粉末X線回折パターンは、下記のグループG-2の回折角2θ(°)の値:7.35±0.2、12.25±0.2、12.88±0.2、13.60±0.2、13.96±0.2、15.50±0.2、17.03±0.2、17.80±0.2、19.34±0.2、20.93±0.2から選択される2つ又は2つ以上の値におけるピークを更に含む。
一実施例において、前記結晶形Gの粉末X線回折パターンは、グループG-1及びG-2から選択される6つ以上又は全て(例えば、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15等)の回折角2θ(°)の値でピークを有している。
一実施例において、前記結晶形Gの粉末X線回折パターンは、表G1で示される2θ(°)の値でピークを有し、各ピークの相対強度は、表G1に示される。
Figure 2022505053000011
一実施例において、前記結晶形Gの粉末X線回折パターンは、基本的に図7で表現される。
一実施例において、前記結晶多形体は、化学式X化合物のコハク酸塩のH-1形の結晶、即ち結晶形H-1であり、その粉末X線回折パターンは、下記のグループH-1-1の回折角2θ(°)の値:21.70±0.2でピークを有している。
一実施例において、前記結晶多形体は、化学式X化合物のコハク酸塩のH-1形の結晶、即ち結晶形H-1であり、その粉末X線回折パターンは、基本的に図8-1で表現される。
一実施例において、前記結晶多形体は、化学式X化合物のコハク酸塩のH-2形の結晶、即ち結晶形H-2であり、その粉末X線回折パターンは、下記のグループH-2-1の回折角2θ(°)の値:19.78±0.2、21.63±0.2、25.96±0.2、31.23±0.2でピークを有している。
一実施例において、前記結晶多形体は、化学式X化合物のコハク酸塩のH-2形の結晶、即ち結晶形H-2であり、その粉末X線回折パターンは、基本的に図8-2で表現される。
一実施例において、前記結晶多形体は、化学式X化合物のコハク酸塩のH-3形の結晶、即ち結晶形H-3であり、その粉末X線回折パターンは、下記のグループH-3-1の回折角2θ(°)の値:12.20±0.2、19.72±0.2、19.84±0.2、25.82±0.2、31.21±0.2でピークを有している。
一実施例において、前記結晶多形体は、化学式X化合物のコハク酸塩のH-3形の結晶、即ち結晶形H-3であり、その粉末X線回折パターンは、基本的に図8-3で表現される。
一実施例において、前記結晶多形体は、化学式X化合物の結晶形Iであり、その粉末X線回折パターンは、下記のグループI-1の回折角2θ(°)の値:16.01±0.2、18.64±0.2、20.27±0.2、21.40±0.2、22.84±0.2、24.49±0.2でピークを有している。
一実施例において、前記結晶形Iの粉末X線回折パターンは、下記のグループI-2の回折角2θ(°)の値:7.28±0.2、12.23±0.2、12.88±0.2、13.55±0.2、17.05±0.2、17.83±0.2、19.36±0.2、26.06±0.2から選択される2つ又は2つ以上の値におけるピークを更に含む。
一実施例において、前記結晶形Iの粉末X線回折パターンは、下記のグループI-3の回折角2θ(°)の値:8.83±0.2、9.48±0.2、10.39±0.2、13.94±0.2、15.58±0.2、25.19±0.2、28.02±0.2から選択される2つ又は2つ以上の値におけるピークを更に含む。
一実施例において、前記結晶形Iの粉末X線回折パターンは、グループI-1、I-2及びI-3から選択される6つ以上又は全て(例えば、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15等)の回折角2θ(°)の値でピークを有している。
一実施例において、前記結晶形Iの粉末X線回折パターンは、下記の回折角2θ(°)の値:7.28±0.2、12.23±0.2、12.88±0.2、13.55±0.2、16.01±0.2、17.05±0.2、17.83±0.2、18.64±0.2、19.36±0.2、20.27±0.2、21.40±0.2、22.84±0.2、24.49±0.2、26.06±0.2でピークを有している。
一実施例において、前記結晶形Iの粉末X線回折パターンは、下記の回折角2θ(°)の値:7.28±0.2、9.48±0.2、12.23±0.2、12.88±0.2、13.55±0.2、13.94±0.2、15.58±0.2、16.01±0.2、17.05±0.2、17.83±0.2、18.64±0.2、19.36±0.2、20.27±0.2、21.40±0.2、22.84±0.2、24.49±0.2、26.06±0.2、28.02±0.2でピークを有している。
一実施例において、前記結晶形Iの粉末X線回折パターンは、表I1で示される2θ(°)の値でピークを有し、各ピークの相対強度は、表I1に示される。
Figure 2022505053000012
一実施例において、前記結晶形Iの粉末X線回折パターンは、基本的に図9-1で表現される。
一実施例において、前記結晶形Iは、図9-3に示されるものと基本的に同じである示差走査熱量分析(DSC)スペクトルを有する。
一実施例において、前記結晶形Iは、図9-2に示されるものと基本的に同じである熱重量分析(TGA)スペクトルを有する。
一実施例において、前記結晶多形体は、化学式X化合物の結晶形IIであり、その粉末X線回折パターンは、下記のグループII-1の回折角2θ(°)の値:7.32±0.2、9.84±0.2、13.56±0.2、17.47±0.2、22.73±0.2、24.37±0.2、25.09±0.2でピークを有している。
一実施例において、前記結晶形IIの粉末X線回折パターンは、下記のグループII-2の回折角2θ(°)の値:12.37±0.2、12.82±0.2、13.89±0.2、15.53±0.2、15.98±0.2、17.03±0.2、17.82±0.2、18.64±0.2、19.20±0.2、19.84±0.2、20.20±0.2、20.30±0.2、21.36±0.2、24.01±0.2、29.84±0.2から選択される2つ又は2つ以上の値におけるピークを更に含む。
一実施例において、前記結晶形IIの粉末X線回折パターンは、グループII-1及びII-2から選択される6つ以上又は全て(例えば、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15等)の回折角2θ(°)の値でピークを有している。
一実施例において、前記結晶形IIの粉末X線回折パターンは、下記の回折角2θ(°)の値:7.32±0.2、9.84±0.2、12.37±0.2、13.56±0.2、15.53±0.2、15.98±0.2、17.03±0.2、17.47±0.2、17.82±0.2、18.64±0.2、20.20±0.2、20.30±0.2、21.36±0.2、22.73±0.2、24.37±0.2、25.09±0.2、29.84±0.2でピークを有している。
一実施例において、前記結晶形IIの粉末X線回折パターンは、表II1で示される2θ(°)の値でピークを有し、各ピークの相対強度は、表II1に示される。
Figure 2022505053000013
一実施例において、前記結晶形IIの粉末X線回折パターンは、基本的に図10で表現される。
一実施例において、前記結晶多形体は、化学式X化合物の結晶形IIIであり、その粉末X線回折パターンは、下記のグループIII-1の回折角2θ(°)の値:9.52±0.2、11.77±0.2、12.43±0.2、12.78±0.2、15.31±0.2、16.33±0.2、16.84±0.2、17.83±0.2、18.49±0.2、19.57±0.2、20.15±0.2、21.71±0.2、23.26±0.2、23.84±0.2、24.52±0.2、25.30±0.2でピークを有している。
一実施例において、前記結晶形IIIの粉末X線回折パターンは、下記のグループIII-2の回折角2θ(°)の値:7.00±0.2、8.35±0.2、11.35±0.2、13.65±0.2、17.20±0.2、22.18±0.2、22.60±0.2、25.70±0.2、28.33±0.2、29.77±0.2から選択される2つ又は2つ以上の値におけるピークを更に含む。
一実施例において、前記結晶形IIIの粉末X線回折パターンは、グループIII-1及びIII-2から選択される6つ以上又は全て(例えば、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15等)の回折角2θ(°)の値でピークを有している。
一実施例において、前記結晶形IIIの粉末X線回折パターンは、下記の回折角2θ(°)の値:8.35±0.2、9.52±0.2、11.35±0.2、11.77±0.2、12.43±0.2、12.78±0.2、13.65±0.2、15.31±0.2、16.33±0.2、16.84±0.2、17.20±0.2、17.83±0.2、18.49±0.2、19.57±0.2、20.15±0.2、21.71±0.2、22.18±0.2、22.60±0.2、23.26±0.2、23.84±0.2、24.52±0.2、25.30±0.2、25.70±0.2、28.33±0.2、29.77±0.2でピークを有している。
一実施例において、前記結晶形IIIの粉末X線回折パターンは、表III1で示される2θ(°)の値でピークを有し、各ピークの相対強度は、表III1に示される。
Figure 2022505053000014
一実施例において、前記結晶形IIIの粉末X線回折パターンは、基本的に図11で表現される。
本発明の第2態様において、本発明の第1態様に係る化学式X化合物の薬学的に許容可能な塩、又は化学式X化合物又はその薬学的に許容可能な塩の結晶多形体を調製する方法が提供される。
化学式X化合物の薬学的に許容可能な塩又はその結晶多形体を調製する方法は、
(1)化学式X化合物と酸に塩を形成する反応を行わせて薬学的に許容可能な塩を形成するステップと、
(2)ステップ(1)で形成された化学式X化合物の薬学的に許容可能な塩に結晶処理を行って結晶多形体を得るステップと、を含む。
一実施例において、ステップ(1)にて、水、アセトニトリル、エタノール、イソプロパノール、アセトン、酢酸エチル、メチルtert-ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、n-ヘプタン、ジメチルスルホキシドからなる群から選択される溶媒の存在下、化学式X化合物と酸に塩を形成する反応を行わせる。一実施例において、ステップ(1)にて、イソプロパノール、アセトン、酢酸エチル、又はアセトニトリルである溶媒の存在下、化学式X化合物と酸に塩を形成する反応を行わせる。
一実施例において、ステップ(1)にて、前記酸は、塩酸、硫酸、臭化水素酸、リン酸、メタンスルホン酸、L-酒石酸、フマル酸およびコハク酸から選択されるものである。
一実施例において、ステップ(2)にて、結晶処理の形式は、懸濁と遠心分離、懸濁と撹拌、緩徐な揮発、および冷却結晶である。
一実施例において、結晶形Aを調製する方法は、
(A-1)化学式X化合物を溶媒に溶解または懸濁させるステップと、
(A-2)ステップ(A1)で得られた混合物に塩酸を加え、加熱、懸濁して撹拌する後、冷却、分離して結晶形Aを得るステップと、を含む。
一実施例において、ステップ(A-1)にて、前記溶媒は、酢酸エチル、アセトンおよびアセトニトリルから選択されるものである。
一実施例において、ステップ(A-2)にて、塩酸と化学式X化合物とのモル比は(0.2~2.5):1である。他の一実施例において、ステップ(A-2)にて、塩酸と化学式X化合物とのモル比は(1~2):1である。また他の一実施例において、ステップ(A-2)にて、塩酸と化学式X化合物とのモル比は1.2:1である。
一実施例において、ステップ(A-2)にて、塩酸の濃度は0.25M-1M、例えば、1Mである。
一実施例において、ステップ(A-2)にて、加熱、懸濁して撹拌する後、冷却して固体が析出する。
一実施例において、ステップ(A-2)にて、加熱温度は、25℃-60℃、例えば40℃-60℃である。
一実施例において、ステップ(A-2)にて、加熱時間は、0.5-12時間、例えば3-8時間である。
一実施例において、ステップ(A-2)にて、0℃-30℃、例えば、室温まで冷却する。
一実施例において、ステップ(A-2)にて、冷却時間は、0.5-30時間、例えば12-24時間である。
一実施例において、ステップ(A-2)にて、前記分離は、遠心分離やろ過によって行われる。
一実施例において、結晶形B-1を調製する方法は、
(B-1-1)化学式X化合物を溶媒に懸濁させるステップと、
(B-1-2)ステップ(B-1-1)で得られた混合物に硫酸を加え、加熱、懸濁して撹拌する後、冷却、分離して結晶形B-1を得るステップと、を含む。
一実施例において、ステップ(B-1-1)にて、前記溶媒は、イソプロパノールである。
一実施例において、ステップ(B-1-2)にて、硫酸と化学式X化合物とのモル比は(0.2~2.5):1である。他の一実施例において、ステップ(B-1-2)にて、硫酸と化学式X化合物とのモル比は(1~2):1である。また他の一実施例において、ステップ(B-1-2)にて、硫酸と化学式X化合物とのモル比は1.2:1である。
一実施例において、ステップ(B-1-2)にて、硫酸の濃度は0.25M-1M、例えば、0.5Mである。
一実施例において、ステップ(B-1-2)にて、加熱温度は、25℃-60℃、例えば40℃-60℃である。
一実施例において、ステップ(B-1-2)にて、加熱時間は、0.5-12時間、例えば3-8時間である。
一実施例において、ステップ(B-1-2)にて、0℃-30℃、例えば、室温まで冷却する。
一実施例において、ステップ(B-1-2)にて、冷却時間は、0.5-30時間、例えば12-24時間である。
一実施例において、ステップ(B-1-2)にて、前記分離は、遠心分離やろ過によって行われる。
一実施例において、結晶形B-2を調製する方法は、
(B-2-1)化学式X化合物を溶媒に懸濁させるステップと、
(B-2-2)ステップ(B-2-1)で得られた混合物に硫酸を加え、加熱、懸濁して撹拌する後、冷却、分離して結晶形B-2を得るステップと、を含む。
一実施例において、ステップ(B-2-1)にて、前記溶媒は、酢酸エチル又はアセトニトリルである。
一実施例において、ステップ(B-2-2)にて、硫酸と化学式X化合物とのモル比は(0.2~2.5):1である。他の一実施例において、ステップ(B-2-2)にて、硫酸と化学式X化合物とのモル比は(1~2):1である。また他の一実施例において、ステップ(B-2-2)にて、硫酸と化学式X化合物とのモル比は1.2:1である。
一実施例において、ステップ(B-2-2)にて、硫酸の濃度は0.25M-1M、例えば、0.5Mである。
一実施例において、ステップ(B-2-2)にて、加熱温度は、25℃-60℃、例えば40℃-60℃である。
一実施例において、ステップ(B-2-2)にて、加熱時間は、0.5-12時間、例えば3-8時間である。
一実施例において、ステップ(B-2-2)にて、0℃-30℃、例えば、室温まで冷却する。
一実施例において、ステップ(B-2-2)にて、冷却時間は、0.5-30時間、例えば12-24時間である。
一実施例において、ステップ(B-2-2)にて、前記分離は、遠心分離やろ過によって行われる。
一実施例において、結晶形B-3を調製する方法は、
(B-3-1)化学式X化合物を溶媒に懸濁させるステップと、
(B-3-2)ステップ(B-3-1)で得られた混合物に硫酸を加え、加熱、懸濁して撹拌する後、冷却、分離して結晶形B-3を得るステップと、を含む。
一実施例において、ステップ(B-3-1)にて、前記溶媒は、アセトンである。
一実施例において、ステップ(B-3-2)にて、硫酸と化学式X化合物とのモル比は(0.2~2.5):1である。他の一実施例において、ステップ(B-3-2)にて、硫酸と化学式X化合物とのモル比は(1~2):1である。また他の一実施例において、ステップ(B-3-2)にて、硫酸と化学式X化合物とのモル比は1.2:1である。
一実施例において、ステップ(B-3-2)にて、硫酸の濃度は0.25M-1M、例えば、0.5Mである。
一実施例において、ステップ(B-3-2)にて、加熱温度は、25℃-60℃、例えば40℃-60℃である。
一実施例において、ステップ(B-3-2)にて、加熱時間は、0.5-12時間、例えば3-8時間である。
一実施例において、ステップ(B-3-2)にて、0℃-30℃、例えば、室温まで冷却する。
一実施例において、ステップ(B-3-2)にて、冷却時間は、0.5-30時間、例えば12-24時間である。
一実施例において、ステップ(B-3-2)にて、前記分離は、遠心分離やろ過によって行われる。
一実施例において、結晶形Cを調製する方法は、
(C-1)化学式X化合物を溶媒に懸濁させるステップと、
(C-2)ステップ(C-1)で得られた混合物に臭化水素酸を加え、加熱、懸濁して撹拌する後、冷却、分離して結晶形Cを得るステップと、を含む。
一実施例において、ステップ(C-1)にて、前記溶媒は、酢酸エチル、アセトンまたはアセトニトリルである。
一実施例において、ステップ(C-2)にて、臭化水素酸と化学式X化合物とのモル比
は(0.2~2.5):1である。他の一実施例において、ステップ(C-2)にて、臭化水素酸と化学式X化合物とのモル比は(1~2):1である。また他の一実施例において、ステップ(C-2)にて、臭化水素酸と化学式X化合物とのモル比は1.2:1である。
一実施例において、ステップ(C-2)にて、臭化水素酸の濃度は0.25M-1M、例えば、1Mである。
一実施例において、ステップ(C-2)にて、加熱温度は、25℃-60℃、例えば40℃-60℃である。
一実施例において、ステップ(C-2)にて、加熱時間は、0.5-12時間、例えば3-8時間である。
一実施例において、ステップ(C-2)にて、0℃-30℃、例えば、室温まで冷却する。
一実施例において、ステップ(C-2)にて、冷却時間は、0.5-30時間、例えば12-24時間である。
一実施例において、ステップ(C-2)にて、前記分離は、遠心分離やろ過によって行われる。
一実施例において、結晶形Dを調製する方法は、
(D-1)化学式X化合物を溶媒に懸濁させるステップと、
(D-2)ステップ(D-1)で得られた混合物にリン酸を加え、加熱、懸濁して撹拌する後、冷却、分離して結晶形Dを得るステップと、を含む。
一実施例において、ステップ(D-1)にて、前記溶媒は、酢酸エチルである。
一実施例において、ステップ(D-2)にて、リン酸と化学式X化合物とのモル比は(0.2~2.5):1である。他の一実施例において、ステップ(D-2)にて、リン酸と化学式X化合物とのモル比は(1~2):1である。また他の一実施例において、ステップ(D-2)にて、リン酸と化学式X化合物とのモル比は1.2:1である。
一実施例において、ステップ(D-2)にて、リン酸の濃度は0.25M-1M、例えば、1Mである。
一実施例において、ステップ(D-2)にて、加熱温度は、25℃-60℃、例えば40℃-60℃である。
一実施例において、ステップ(D-2)にて、加熱時間は、0.5-12時間、例えば3-8時間である。
一実施例において、ステップ(D-2)にて、0℃-30℃、例えば、室温まで冷却する。
一実施例において、ステップ(D-2)にて、冷却時間は、0.5-30時間、例えば12-24時間である。
一実施例において、ステップ(D-2)にて、前記分離は、遠心分離やろ過によって行われる。
一実施例において、結晶形E-1を調製する方法は、
(E-1-1)化学式X化合物を溶媒に懸濁させるステップと、
(E-1-2)ステップ(E-1-1)で得られた混合物にメタンスルホン酸を加え、加熱、懸濁して撹拌する後、冷却、分離して結晶形E-1を得るステップと、を含む。
一実施例において、ステップ(E-1-1)にて、前記溶媒は、イソプロパノールである。
一実施例において、ステップ(E-1-2)にて、メタンスルホン酸と化学式X化合物とのモル比は(0.2~2.5):1である。他の一実施例において、ステップ(E-1-2)にて、メタンスルホン酸と化学式X化合物とのモル比は(1~2):1である。また他の一実施例において、ステップ(E-1-2)にて、メタンスルホン酸と化学式X化合物とのモル比は1.2:1である。
一実施例において、ステップ(E-1-2)にて、メタンスルホン酸の濃度は0.25M-1M、例えば、1Mである。
一実施例において、ステップ(E-1-2)にて、加熱温度は、25℃-60℃、例えば40℃-60℃である。
一実施例において、ステップ(E-1-2)にて、加熱時間は、0.5-12時間、例えば3-8時間である。
一実施例において、ステップ(E-1-2)にて、0℃-30℃、例えば、室温まで冷却する。
一実施例において、ステップ(E-1-2)にて、冷却時間は、0.5-30時間、例えば12-24時間である。
一実施例において、ステップ(E-1-2)にて、前記分離は、遠心分離やろ過によって行われる。
一実施例において、結晶形E-2を調製する方法は、
(E-2-1)化学式X化合物を溶媒に懸濁させるステップと、
(E-2-2)ステップ(E-2-1)で得られた混合物にメタンスルホン酸を加え、加熱、懸濁して撹拌する後、冷却、分離して結晶形E-2を得るステップと、を含む。
一実施例において、ステップ(E-2-1)にて、前記溶媒は、酢酸エチル又はアセトンである。
一実施例において、ステップ(E-2-2)にて、メタンスルホン酸と化学式X化合物とのモル比は(0.2~2.5):1である。他の一実施例において、ステップ(E-2-2)にて、メタンスルホン酸と化学式X化合物とのモル比は(1~2):1である。また他の一実施例において、ステップ(E-2-2)にて、メタンスルホン酸と化学式X化合物とのモル比は1.2:1である。
一実施例において、ステップ(E-2-2)にて、メタンスルホン酸の濃度は0.25M-1M、例えば、1Mである。
一実施例において、ステップ(E-2-2)にて、加熱温度は、25℃-60℃、例えば40℃-60℃である。
一実施例において、ステップ(E-2-2)にて、加熱時間は、0.5-12時間、例えば3-8時間である。
一実施例において、ステップ(E-2-2)にて、0℃-30℃、例えば、室温まで冷却する。
一実施例において、ステップ(E-2-2)にて、冷却時間は、0.5-30時間、例えば12-24時間である。
一実施例において、ステップ(E-2-2)にて、前記分離は、遠心分離やろ過によって行われる。
一実施例において、結晶形Fを調製する方法は、
(F-1)化学式X化合物を溶媒に懸濁させるステップと、
(F-2)ステップ(F-1)で得られた混合物に酒石酸を加え、加熱、懸濁して撹拌する後、冷却、分離して結晶形Fを得るステップと、を含む。
一実施例において、ステップ(F-1)にて、前記溶媒は、酢酸エチルである。
一実施例において、ステップ(F-2)にて、酒石酸と化学式X化合物とのモル比は(0.2~2.5):1である。他の一実施例において、ステップ(F-2)にて、酒石酸と化学式X化合物とのモル比は(1~2):1である。また他の一実施例において、ステップ(F-2)にて、酒石酸と化学式X化合物とのモル比は1.2:1である。
一実施例において、ステップ(F-2)にて、酒石酸の濃度は0.25M-1M、例えば、1Mである。
一実施例において、ステップ(F-2)にて、加熱温度は、25℃-60℃、例えば40℃-60℃である。
一実施例において、ステップ(F-2)にて、加熱時間は、0.5-12時間、例えば3-8時間である。
一実施例において、ステップ(F-2)にて、0℃-30℃、例えば、室温まで冷却する。
一実施例において、ステップ(F-2)にて、冷却時間は、0.5-30時間、例えば12-24時間である。
一実施例において、ステップ(F-2)にて、前記分離は、遠心分離やろ過によって行われる。
一実施例において、結晶形Gを調製する方法は、
(G-1)化学式X化合物を溶媒に溶解や懸濁させるステップと、
(G-2)ステップ(G-1)で得られた混合物にフマル酸を加え、加熱して撹拌する後、冷却、分離して結晶形Gを得るステップと、を含む。
一実施例において、ステップ(G-1)にて、前記溶媒は、イソプロパノール、アセトニトリル、酢酸エチル、テトラヒドロフランまたはアセトンである。
一実施例において、ステップ(G-1)にて、冷却後、貧溶媒または種結晶を添加する。
一実施例において、ステップ(G-2)にて、貧溶媒は、メチルtert-ブチルエーテである。
一実施例において、ステップ(G-2)にて、フマル酸と化学式X化合物とのモル比は(0.2~2.5):1である。他の一実施例において、ステップ(G-2)にて、フマル酸と化学式X化合物とのモル比は(1~2):1である。また他の一実施例において、ステップ(G-2)にて、フマル酸と化学式X化合物とのモル比は1.2:1である。
一実施例において、ステップ(G-2)にて、フマル酸の濃度は0.25M-1M、例えば、1Mである。
一実施例において、ステップ(G-2)にて、加熱温度は、25℃-60℃、例えば40℃-60℃である。
一実施例において、ステップ(G-2)にて、加熱時間は、0.5-12時間、例えば3-8時間である。
一実施例において、ステップ(G-2)にて、0℃-30℃、例えば、室温まで冷却する。
一実施例において、ステップ(G-2)にて、冷却時間は、0.5-30時間、例えば12-24時間である。
一実施例において、ステップ(G-2)にて、前記分離は、遠心分離やろ過によって行われる。
一実施例において、結晶形H-1を調製する方法は、
(H-1-1)化学式X化合物を溶媒に懸濁させるステップと、
(H-1-2)ステップ(H-1-1)で得られた混合物にコハク酸を加え、加熱、懸濁して撹拌する後、冷却、分離して結晶形H-1を得るステップと、を含む。
一実施例において、ステップ(H-1-1)にて、前記溶媒は、イソプロパノールまたはアセトニトリルである。
一実施例において、ステップ(H-1-2)にて、コハク酸と化学式X化合物とのモル比は(0.2~2.5):1である。他の一実施例において、ステップ(H-1-2)にて、コハク酸と化学式X化合物とのモル比は(1~2):1である。また他の一実施例において、ステップ(H-1-2)にて、コハク酸と化学式X化合物とのモル比は1.2:1である。
一実施例において、ステップ(H-1-2)にて、コハク酸の濃度は0.25M-1M、例えば、0.5Mである。
一実施例において、ステップ(H-1-2)にて、加熱温度は、25℃-60℃、例え
ば40℃-60℃である。
一実施例において、ステップ(H-1-2)にて、加熱時間は、0.5-12時間、例えば3-8時間である。
一実施例において、ステップ(H-1-2)にて、0℃-30℃、例えば、室温まで冷却する。
一実施例において、ステップ(H-1-2)にて、冷却時間は、0.5-30時間、例えば12-24時間である。
一実施例において、ステップ(H-1-2)にて、前記分離は、遠心分離やろ過によって行われる。
一実施例において、結晶形H-2を調製する方法は、
(H-2-1)化学式X化合物を溶媒に懸濁させるステップと、
(H-2-2)ステップ(H-2-1)で得られた混合物にコハク酸を加え、加熱、懸濁して撹拌する後、冷却、分離して結晶形H-2を得るステップと、を含む。
一実施例において、ステップ(H-2-1)にて、前記溶媒は、酢酸エチルである。
一実施例において、ステップ(H-2-2)にて、コハク酸と化学式X化合物とのモル比は(0.2~2.5):1である。他の一実施例において、ステップ(H-2-2)にて、コハク酸と化学式X化合物とのモル比は(1~2):1である。また他の一実施例において、ステップ(H-2-2)にて、コハク酸と化学式X化合物とのモル比は1.2:1である。
一実施例において、ステップ(H-2-2)にて、コハク酸の濃度は0.25M-1M、例えば、0.5Mである。
一実施例において、ステップ(H-2-2)にて、加熱温度は、25℃-60℃、例えば40℃-60℃である。
一実施例において、ステップ(H-2-2)にて、加熱時間は、0.5-12時間、例えば3-8時間である。
一実施例において、ステップ(H-2-2)にて、0℃-30℃、例えば、室温まで冷却する。
一実施例において、ステップ(H-2-2)にて、冷却時間は、0.5-30時間、例えば12-24時間である。
一実施例において、ステップ(H-2-2)にて、前記分離は、遠心分離やろ過によって行われる。
一実施例において、結晶形H-3を調製する方法は、
(H-3-1)化学式X化合物を溶媒に懸濁させるステップと、
(H-3-2)ステップ(H-3-1)で得られた混合物にコハク酸を加え、加熱、懸濁して撹拌する後、冷却、分離して結晶形H-3を得るステップと、を含む。
一実施例において、ステップ(H-3-1)にて、前記溶媒は、アセトンである。
一実施例において、ステップ(H-3-2)にて、コハク酸と化学式X化合物とのモル比は(0.2~2.5):1である。他の一実施例において、ステップ(H-3-2)にて、コハク酸と化学式X化合物とのモル比は(1~2):1である。また他の一実施例において、ステップ(H-3-2)にて、コハク酸と化学式X化合物とのモル比は1.2:1である。
一実施例において、ステップ(H-3-2)にて、コハク酸の濃度は0.25M-1M、例えば、0.5Mである。
一実施例において、ステップ(H-3-2)にて、加熱温度は、25℃-60℃、例えば40℃-60℃である。
一実施例において、ステップ(H-3-2)にて、加熱時間は、0.5-12時間、例えば3-8時間である。
一実施例において、ステップ(H-3-2)にて、0℃-30℃、例えば、室温まで冷
却する。
一実施例において、ステップ(H-3-2)にて、冷却時間は、0.5-30時間、例えば12-24時間である。
一実施例において、ステップ(H-3-2)にて、前記分離は、遠心分離やろ過によって行われる。
一実施例において、結晶形Iを調製する方法は、
(I-1-1)化学式X化合物を溶媒に懸濁させるステップと、
(I-1-2)ステップ(I-1-1)で得られた混合物を懸濁して遠心分離または懸濁して撹拌し、分離して結晶形Iを得る。
一実施例において、ステップ(I-1-1)にて、前記溶媒は、水、n-ヘプタン、又はメチルtert-ブチルエーテである。
一実施例において、ステップ(I-1-1)及びステップ(I-1-2)は、室温で行われる。
一実施例において、結晶形Iを調製する方法は、
(I-2-1)化学式X化合物を溶媒に懸濁させるステップと、
(I-2-2)ステップ(I-2-1)で得られた混合物を懸濁して振動し、分離して結晶形Iを得る。
一実施例において、ステップ(I-2-1)にて、前記溶媒は、水、アセトニトリル、イソプロパノール、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、n-ヘプタンまたはメチルtert-ブチルエーテルである。
一実施例において、ステップ(I-2-2)は、室温で行われる。
一実施例において、ステップ(I-2-2)にて、振動時間は、1-48時間、例えば24-48時間である。
一実施例において、結晶形Iを調製する方法は、
(I-3-1)化学式X化合物を溶媒に懸濁させるステップと、
(I-3-2)ステップ(I-3-1)で得られた混合物を懸濁して振動し、分離して結晶形Iを得る。
一実施例において、ステップ(I-3-1)にて、前記溶媒は、アセトニトリル、アセトン、酢酸エチルまたはテトラヒドロフランである。
一実施例において、ステップ(I-3-2)は、40℃-60℃、例えば50℃で行われる。
一実施例において、ステップ(I-3-2)にて、振動時間は、1-48時間、例えば24-48時間である。
一実施例において、結晶形Iを調製する方法は、
(I-4-1)化学式X化合物を溶媒に溶解させるステップと、
(I-4-2)ステップ(I-4-1)で得られた混合物を冷却結晶させ、分離して結晶形Iを得る。
一実施例において、ステップ(I-4-1)にて、前記溶媒は、イソプロパノール、アセトンまたはテトラヒドロフランである。
一実施例において、ステップ(I-4-1)は、30℃-60℃、例えば、40℃-60℃で行われる。
一実施例において、ステップ(I-4-2)は、0℃で行われる。
一実施例において、結晶形IIを調製する方法は、
(II-1-1)化学式X化合物を溶媒に溶解させるステップと、
(II-1-2)ステップ(II-1-1)で得られた溶液を緩徐に揮発させ、固体が析
出した後、分離して結晶形IIを得る。
一実施例において、ステップ(II-1-1)にて、前記溶媒は、イソプロパノールである。
一実施例において、ステップ(II-1-1)及びステップ(II-1-2)は、室温で行われる。
一実施例において、結晶形IIを調製する方法は、
(II-2-1)化学式X化合物を溶媒に懸濁させるステップと、
(II-2-2)ステップ(II-2-1)で得られた混合物を懸濁して振動し、分離して結晶形IIを得る。
一実施例において、ステップ(II-2-1)にて、前記溶媒は、イソプロパノールである。
一実施例において、ステップ(II-2-2)は、40℃-60℃、例えば50℃で行われる。
一実施例において、ステップ(II-2-2)にて、振動時間は、1-48時間、例えば24-48時間である。
一実施例において、結晶形IIIを調製する方法は、
(III-1-1)化学式X化合物を溶媒に懸濁させるステップと、
(III-1-2)ステップ(III-1-1)で得られた混合物を懸濁て振動し、分離して結晶形IIIを得る。
一実施例において、ステップ(III-1-1)にて、前記溶媒は、エタノールである。
一実施例において、ステップ((III-1-2)は、20℃-60℃、例えば50℃で行われる。
一実施例において、ステップ((III-1-2)にて、振動時間は、1-48時間、例えば24-48時間である。
一実施例において、結晶形IIIを調製する方法は、
(III-2-1)化学式X化合物を溶媒に溶解させるステップと、
(III-2-2)ステップ(III-2-1)で得られた混合物を冷却結晶させ、分離して結晶形IIIを得る。
一実施例において、ステップ(III-2-1)にて、前記溶媒は、エタノールである。
一実施例において、ステップ(III-2-2)は、40℃-60℃で行われる。
一実施例において、ステップ(III-2-2)は、0℃から室温で行われる。
本発明の第3態様は、
(a)本発明の第1態様のいずれか1つに記載の化学式X化合物の薬学的に許容可能な塩、又は化学式X化合物又はその薬学的に許容可能な塩の結晶多形体と、(b)薬学的に許容可能なキャリアと、を含む医薬組成物を提供する。
本発明の第4態様は、キナーゼ阻害剤の調製における本発明の第1態様に記載の化学式X化合物の薬学的に許容可能な塩、又は化学式X化合物又はその薬学的に許容可能な塩の結晶多形体、又は本発明の第3態様に記載の医薬組成物の応用を提供する。
一実施例において、前記キナーゼ阻害剤は、BTK阻害剤である。
本発明の第5態様は、B細胞によって媒介される疾患を治療および/または予防するための薬物の調製における本発明の第1態様に記載の化学式X化合物の薬学的に許容可能な塩、又は化学式X化合物又はその薬学的に許容可能な塩の結晶多形体、又は本発明の第3
態様に記載の医薬組成物の応用を提供する。
本発明の第6態様は、B細胞によって媒介される疾患を治療する方法であって、それを必要とする患者に対して、治療的有効量の本発明の第1態様に記載の化学式X化合物の薬学的に許容可能な塩、又は化学式X化合物又はその薬学的に許容可能な塩の結晶多形体、又は本発明の第3態様に記載の医薬組成物を投与することを含む方法を提供する。
一実施例において、B細胞によって媒介される疾患は、腫瘍疾患、増殖性疾患、アレルギー性疾患、自己免疫疾患または炎症性疾患から選択されるものである。
一実施例において、B細胞によって媒介される疾患は、固形腫瘍、急性リンパ球性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、関節リウマチ、乾癬性関節炎、骨関節炎、全身性エリテマトーデス、乾癬、リウマチ性脊椎炎および痛風性関節炎から選択されるものである。
一実施例において、B細胞によって媒介される疾患は、固形腫瘍である。
一実施例において、固形腫瘍は、リンパ腫、軟部組織肉腫、リンパ球性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、黒色腫、および多発性骨髄腫から選択される少なくとも1つである。
なお、本発明の範囲内で、本発明の上記の各技術的特徴及び以下(実施例など)に具体的に記載される各技術的特徴を互いに組み合わせて、新しい又は好ましい技術的解決策を形成することができる。スペースに限りがあるため、ここでは繰り返す説明を省略する。
図1-1は、結晶形Aの粉末X線回折パターンである。 図1-2は、結晶形Aの熱重量分析パターンである。 図1-3は、結晶形Aの示差走査熱量分析スペクトルである。 図1-4は、結晶形AのDVSスペクトルである。 図1-5は、結晶形Aの偏光顕微鏡画像である。 図2-1は、結晶形B-1の粉末X線回折パターンである。 図2-2は、結晶形B-2の粉末X線回折パターンである。 図2-3は、結晶形B-3の粉末X線回折パターンである。 図3は、結晶形Cの粉末X線回折パターンである。 図4は、結晶形Dの粉末X線回折パターンである。 図5-1は、結晶形E-1の粉末X線回折パターンである。 図5-2は、結晶形E-2の粉末X線回折パターンである。 図6は、結晶形Fの粉末X線回折パターンである。 図7は、結晶形Gの粉末X線回折パターンである。 図8-1は、結晶形H-1の粉末X線回折パターンである。 図8-2は、結晶形H-2の粉末X線回折パターンである。 図8-3は、結晶形H-3の粉末X線回折パターンである。 図9-1は、結晶形Iの粉末X線回折パターンである。 図9-2は、結晶形Iの熱重量分析パターンである。 図9-3は、結晶形Iの示差走査熱量分析スペクトルである。 図9-4は、結晶形IのDVSスペクトルである。 図9-5は、結晶形Iの偏光顕微鏡画像である。 図10は、結晶形IIの粉末X線回折パターンである。 図11は、結晶形IIIの粉末X線回折パターンである。 図12は、化学式X化合物の遊離塩基のアモルファスの粉末X線回折パターンである。
本発明者らは、広範囲にわたる詳細な研究の結果、化学式X化合物の一連の遊離塩基結晶多形体、塩、及び塩の結晶多形体は、BTKに対して高い阻害活性を有することを見出した。この研究により、化学式X化合物の一連の遊離塩基結晶多形体、その塩、及び塩の結晶多形体は、in vivo及びin vitroでの関連薬理活性が優れているだけでなく、物理的及び化学的安定性も優れていることが見出されたため、薬物としてのさらなる発展の可能性がある。
用語
本発明において使用されるように、「本発明の結晶」、「本発明の結晶形」、「本発明の結晶多形体」などは互換的に使用することができる。
化学式X化合物
本発明において、化学式X化合物は、(R)-6-((1-アクリロイルピペリジン-3-イル)アミノ)-7-フルオロ-4-((2-フルオロ-4-モルホリノフェニル)アミノ)-1,2-ジヒドロ-3H-ピロロ[3、4-c]ピリジン-3-オンであり、BTKWTキナーゼおよびβBTKY223細胞に対して高い阻害活性を示し、野生型EGFRキナーゼに対して低い阻害活性を示している。したがって、BTKWTキナーゼに対して選択的な阻害活性を有している。
本発明は、化学式X化合物の薬学的に許容可能な塩、又は化学式X化合物又はその薬学的に許容可能な塩の結晶多形体を更に含む。
本発明において、前記薬学的に許容可能な塩は、塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、マレイン酸塩、L-酒石酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、ギ酸塩からなる群から選択されるものである。
結晶多形体
固体は、アモルファス又は結晶のいずれかの形で存在している。結晶形の場合、分子は三次元格子のサイト内に位置している。化合物は、溶液又はスラリーから結晶する際に、異なる空間格子配列で結晶して(この特性は「多形性現象」と呼ばれる)、異なる結晶形の結晶を形成することができる。これらのさまざまな結晶形は「結晶多形体」と呼ばれる。特定の物質の異なる結晶多形体は、1つ又は複数の物理的特性(例えば、溶解度と溶解速度、真の比重、結晶形、スタッキング方式、流動性及び/又は固体安定性など)が互いに異なる場合がある。
結晶
溶液を操作することにより、対象の化合物の溶解度の限界を超えることができ、それによって生産規模の結晶を完了させる。例えば、化合物を比較的高温で溶解してから、溶液を飽和限界以下に冷却するようなさまざまな方法で完了させることができる。或いは、沸騰、大気圧蒸発、真空乾燥、又はその他の方法で液体の体積を減らすことができる。貧溶媒又は化合物の溶解度が小さい溶媒、又はそのような溶媒の混合物を添加することにより、対象の化合物の溶解度を低下させることができる。別の方法としては、溶解性を減らすためにpHを調整することである。結晶の詳細な説明については、Crystallization、第3版、JW Mullens、Butterworth-Hineman
Ltd.、1993、ISBN 0750611294を参照してください。
本発明に記載される「懸濁と攪拌」とは、化学式X化合物と対応する酸又は対応する酸の溶液とを適切な溶媒中で混合して濁った液体を形成すること、或いは化学式X化合物を適切な溶媒と混合して濁った液体を形成してから、攪拌して結晶を得る方法を指す。適切な溶媒は、水又は有機溶媒であってもよい。
本発明に記載される「緩徐な揮発」とは、化学式X化合物の溶液又は化学式X化合物及
び対応する酸を含む溶液を一定温度に置き、溶媒をゆっくりと揮発させて結晶を得る方法を指す。
本発明に記載される「貧溶媒の添加」又は「貧溶媒を添加すること」とは、化学式X化合物の溶液に他の適切な溶媒を添加して、析出により結晶を得る方法を指す。
塩の形成と結晶は同時に発生することが望まれる場合、反応媒質における塩の溶解度は原料よりも小さいと、適切な酸又は塩基の添加は、所望の塩の直接結晶をもたらすことができる。同様に、最終的な所望の形態の溶解度は反応物よりも小さい媒質では、合成反応の完了により、最終生成物を直接結晶させることができる。
結晶の最適化は、所望形態の結晶を種結晶として結晶媒質に添加することを含んでもよい。さらに、多くの結晶方法には、上記のストラテジーの組み合わせが使用される。一例として、対象の化合物を高温で溶媒に溶解したい後、適切な体積の貧溶媒を制御された方法で添加して、システムがちょうど飽和レベル以下であることにする。このとき、所望形態の種結晶を添加(且つ種結晶の完全性を維持)し、システムを冷却して結晶を完了させることができる。
本明細書で使用されるように、「室温」という用語は、一般に、4℃-30℃、特に20±5℃を指す。
本発明の結晶多形体
本明細書で使用されるように、「本発明の結晶多形体」という用語は、化学式X化合物又はその薬学的に許容可能な塩(例えば、塩酸塩、フマル酸塩)、又はその様々な溶媒和物の結晶多形体を含み、同じ塩又は溶媒和物の異なる結晶多形体を更に含む。
「化学式X化合物」及び「化学式X化合物の遊離塩基」は互換的に使用することができる。「化学式X化合物の結晶多形体」及び「化学式X化合物の遊離塩基の結晶多形体」は互換的に使用することができる。
本発明の結晶多形体は、
(i)結晶形A、B-1、B-2、B-3、C、D、E-1、E-2、F、G、H-1、H-2、H-3(化学式X化合物の塩の結晶多形体)と、
(ii)結晶形I、II、III(化学式X化合物の結晶多形体)と、を含むが、これらに限定されるものではない。
本発明では、いくつかの結晶形は互いに変換することができるので、一部の結晶形を互いに変換するための方法が更に提供される。
結晶多形体の識別と特性
本発明では、化学式X化合物の結晶多形体を調製した後、以下の様々の方法及び機器を使用して、その特性を研究した。
粉末X線回折
結晶形の粉末X線回折を測定する方法は、当技術分野で知られている。例えば、毎分2度の走査速度で、銅放射ターゲットを採用して粉末X線回折計によりパターンを取得する。
本発明の化学式X化合物又はその薬学的に許容可能な塩の結晶多形体は、特定の結晶形を有するため、粉末X線回折(XRPD)パターンにおいて特定の特徴的なピークを有する。
示差走査熱量分析
「示差走査熱量分析」(DSC)とも呼ばれ、加熱中において測定物質と参照物質とのエネルギー差と温度との関係を測定する手法である。DSCスペクトルにおけるピークの位置、形状、及びピークの数は、物質の特性に関連しているため、物質を定性的に識別するために用いられる。当技術分野では、通常、この方法によって、物質の相転移温度、ガラス転移温度、反応熱などの様々のパラメータを検出することになる。
化学式X化合物の医薬組成物及びその応用
通常、本発明の化学式X化合物又はその薬学的に許容可能な塩の結晶多形体は、1種又は多種の薬用キャリアと組み合わせて適切な剤形を形成することで投与することができる。これらの剤形は、経口投与、直腸投与、局所投与、口腔内投与、及び他の非経口投与(例えば、皮下、筋肉内、静脈内など)に適している。例えば、経口投与に適した剤形は、カプセル、タブレット、顆粒、及びシロップを含む。これらの製剤に含まれる本発明の化合物は、固体粉末又は顆粒、水性又は非水性液体の溶液又は懸濁液、油中水型又は水中油型乳剤等であってもよい。上記の剤形は、共通の薬学的方法により、活性化合物及び1種又は多種のキャリア又は補助材料から調製することができる。上記のキャリアは、活性化合物又は他の補助材料と適合性がある必要がある。固形製剤の場合、一般的に使用される非毒性キャリアには、マンニトール、ラクトース、スターチ、ステアリン酸マグネシウム、セルロース、グルコース、スクロースなどが含まれるが、これらに限定されない。液体製剤用のキャリアには、水、生理食塩水、グルコース水溶液、エチレングリコール、ポリエチレングリコールなどが含まれる。活性化合物は、前述のキャリアと共に溶液又は懸濁液を形成することができる。
本発明の組成物は、医療行為基準に適合する方法で調製・定量化・投与される。投与される化合物の「有効量」は、治療される特定の疾患、治療される個人、疾患の原因、薬物の標的、及び投与方法などの要因によって決定される。
本発明の第1態様に記載の化学式X化合物の薬学的に許容可能な塩、又は化学式X化合物又はその薬学的に許容可能な塩の結晶多形体は、BTK阻害剤またはBTKに関連する疾患を治療するための薬物の調製に用いられることができる。
例えば、前記BTKに関連する疾患は、がん、異常な細胞増殖性疾患、感染症、炎症性疾患、自己免疫性疾患、心血管疾患、神経変性疾患、放射線による造血毒性疾患、又はその組み合わせから選択されるものである。
例えば、前記がんは、乳がん、卵巣がん、前立腺がん、黒色腫、脳腫瘍、食道がん、胃がん、肝臓がん、膵臓がん、結腸直腸がん、肺がん、腎臓がん、皮膚がん、神経膠芽細胞腫、神経芽細胞腫、肉腫、脂肪肉腫、骨軟骨腫、骨腫、骨肉腫、セミノーマ、精巣腫瘍、子宮がん、頭頸部腫瘍、多発性骨髄腫、悪性リンパ腫、真性赤血球増加症、白血病、甲状腺腫瘍、尿管腫瘍、膀胱腫瘍、胆嚢がん、胆管がん、絨毛上皮癌、又は小児腫瘍、それらの任意の組み合わせから選択されるものである。
例えば、前記乳がんは、HR-陽性、HER2-陰性の進行性乳がんである。
本明細書で使用されるように、「治療的有効量」とは、ヒト及び/又は動物に対して機能又は活性を発揮し、且つ、ヒト及び/又は動物に許容される量を指す。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容可能なキャリア」とは、好ましくは哺乳動物、例えばヒトである患者に適合し、活性剤の活性を停止させることなく標的に活性剤を送達するのに適している無毒、不活性、固体、半固体の物質又は液体充填剤、希釈剤、封入材料又は補助調製物又は任意のタイプの補助材料を指す。
本明細書で使用されるように、「患者」は、動物、好ましくは哺乳動物、より好ましく
はヒトを指す。「哺乳動物」という用語は、例えば、猫、犬、ウサギ、クマ、キツネ、オオカミ、サル、シカ、ラット、ブタ、及びヒトを含む哺乳類の温血脊椎動物を指す。
本明細書で使用されるように、「治療」とは、既存の疾患又は症状(例えば、がん)を軽減、その進行を遅延、減衰、予防、又は維持することを指す。治療は、疾患又は症状の1つ又は複数の症状を治癒すること、ある程度に進行していくことを予防すること、又はある程度に緩和することを更に含む。
本発明の医薬組成物又は前記医薬組成物に含まれる化学式X化合物の薬学的に許容可能な塩、又は化学式X化合物又はその薬学的に許容可能な塩の結晶多形体の治療的有効量は、0.1mg-5g/kg(体重)であってもよい。
本発明の主な利点は次のとおりである。
本発明者らは、(R)-6-((1-アクリロイルピペリジン-3-イル)アミノ)-7-フルオロ-4-((2-フルオロ-4-モルホリノフェニル)アミノ)-1,2-ジヒドロ-3H-ピロロ[3、4-c]ピリジン-3-オンの遊離塩基および塩の結晶多形体も、良好な物理的及び化学的安定性及び優れた関連薬理活性を持っているため、理想的なBTK阻害剤であることを見出した。
詳細な説明
以下、具体例を参照しながら、本発明について説明する。なお、これらの実施例は、本発明を説明するためにのみ使用され、本発明の範囲を限定するものではない。下記の実施例において特定の条件を示さない実験方法は、通常、従来の条件又は製造業者によって提案された条件に従って実施される。特に明記しない限り、パーセンテージ及びパーツは重量で計算される。
試料及び機器
本発明において、化合物の構造及び純度は、核磁気共鳴(HNMR)及び/または液体クロマトグラフィー質量分析(LC-MS)によって測定される。HNMR:内部標準物質がテトラメチルシラン(TMS)であるBrukerAVANCE-400核磁気共鳴装置。LC-MS:Agilent 1200 HPLCシステム、6140 MS液体クロマトグラフ質量分析計(Agilentから購入)、カラムWatersX-Bridge、150×4.6mm、3.5μm。分取高速液体クロマトグラフィー(プレHPLC):Waters PHW007、カラムXBridge C18、4.6*150mm、3.5umが用いられる。
ISCO Combiflash-Rf75又はRf200の自動式カラム通過装置、及びAgela 4g、12g、20g、40g、80g、120gの使い捨てシリカゲルカラムが採用される。
薄層クロマトグラフィー用シリカゲルプレートには、Yantai Huanghai
HSGF254又はQingdao GF254のシリカゲルプレートが用いられ、薄層クロマトグラフィー(TLC)で反応を検出するために使用されるシリカゲルプレートのサイズは0.15mm-0.2mmであり、薄層クロマトグラフィーで精製された製品を分離するために使用されるるシリカゲルプレートのサイズは0.4mm-0.5mmである。シリカゲルについて、一般に、キャリアとしてYantai Huanghaiシリカゲル200-300メッシュのシリカゲルが使用される。塩基性アルミナカラムについて、一般に、キャリアとしてSinopharmクロマトグラフィー用FCP200-300メッシュの塩基性アルミナが使用される。
実施例には特別な説明はない限り、反応はすべて窒素又はアルゴン雰囲気下で行われる。実施例には特別な説明はない限り、溶液とは水溶液を指すものである。
本明細書で使用されるように、DCMはジクロロメタン、DMFはジメチルホルムアミド、DMSOはジメチルスルホキシド、THFはテトラヒドロフラン、DIPAはジイソプロピルアミン、DIPEA又はDIEAはN、N-ジイソプロピルエチルアミン、NMPはN-メチルピロリドン、n-BuLiはn-ブチルリチウム、NaBH(OAc)は水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム、Xantphosは4,5-ビス(ジフェニルホスフィン)-9,9-ジメチルキサンテン、Xphosは2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル、TFAはトリフルオロ酢酸、EAは酢酸エチル、PEはを石油エーテルを表すものである。BINAPは(2R、3S)-2,2’-ビスジフェニルホスフィノ-1,1’-ビナフチル、NBSはN-ブロモスクシンイミド、NCSはN-クロロスクシンイミド、Pd(dba)はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、Pd(dppf)Clは1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、EtSiHはトリエチルシランを表すものである。
アセトニトリルACN、メタノールMeOH、エタノールEtOH、イソプロパノールIPA、アセトンACE、酢酸エチルEA、メチルtert-ブチルエーテルMTBE、テトラヒドロフランTHF、水HO、50%アセトニトリル50%ACN。
本明細書で使用されるように、室温とは約20±5℃を指すものである。
共通方法
粉末X線回折:本発明において、上記の結晶形の粉末X線回折パターンは、D8 ADVACS粉末X線回折装置を使用して技術分野で知られている方法によって得られる。機器の試験条件は、以下の表に示される。
Figure 2022505053000015
粉末X線回折パターンでは、各ピークの位置は2θ(°)によって決まる。なお、機器や条件が異なると、データがわずかに異なる可能性があり、各ピークの位置及び相対強度も異なる。ピークの強度区分は、各位置でのピークのおおよその大きさを反映している。本発明において、各結晶形について、最も高いピーク高さを有する回折ピークをベースピークとし(結晶形Iには、2θ(°)の値が20.27のピークがベースピーク、結晶形IIには、2θ(°)の値が7.32のピークがベースピーク、結晶形IIIには、2θ(°)の値が17.83のピークがベースピーク、結晶形Aには、2θ(°)の値が26.21のピークがベースピーク、結晶形B-1には、2θ(°)の値が17.59のピークがベースピーク、結晶形B-2には、2θ(°)の値が26.32のピークがベースピ
ーク、結晶形B-3には、2θ(°)の値が17.03のピークがベースピーク、結晶形Cには、2θ(°)の値が25.87のピークがベースピーク、結晶形Dには、2θ(°)の値が26.38のピークがベースピーク、結晶形E-1には、2θ(°)の値が17.80のピークがベースピーク、結晶形E-2には、2θ(°)の値が17.80のピークがベースピーク、結晶形Fには、2θ(°)の値が18.58のピークがベースピーク、結晶形Gには、2θ(°)の値が28.48のピークがベースピーク、結晶形H-1には、2θ(°)の値が21.70のピークがベースピーク、結晶形H-2には、2θ(°)の値が19.78のピークがベースピーク、結晶形H-3には、2θ(°)の値が25.82のピークがベースピークである)、その相対強度を100%としてIとして定義し、ベースピークのピーク高さに対する他の各ピークのピーク高さの比をその相対強度I/Iとし、各ピークの相対強度の区分の定義は以下の表に示される。
Figure 2022505053000016
本発明の塩又はその結晶形は、酸-塩基のモル比がHPLC/IC又はH NMRによって測定される。
高速液体クロマトグラフィー:本発明においては、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、アジレント1260HPLC上で収集される。
TGA及びDSCスペクトル:TGA及びDSCスペクトルは、それぞれTA Q500/5000熱重量測定装置及びTA Q200/2000示差走査熱量計で収集される。機器の試験条件は、以下の表に示される。
Figure 2022505053000017
動的水分吸着(DVS)曲線:SMS(Surface Measurement Systems)のDVS Intrinsicで収集される。25℃での相対湿度は、LiCl、Mg(NO、及びKClの潮解点によって補正される。機器の試験条件は、以下の表に示される。
Figure 2022505053000018
なお、上記の機器と同じ機能を持つ他のタイプの機器を使用する場合、又は本発明とは異なる試験条件を使用する場合、他の値が得られる可能性があるため、引用された値は絶対値と見なされるべきではない。
機器の誤差又は操作者の違いにより、当業者は結晶の物理的性質を特徴付けるために使用される上記のパラメータはわずかに異なる場合があることを理解できるため、上記のパラメータは、本発明によって提供される結晶結晶多形体を補助的に特徴付けるためにのみ使用されるものであり、本発明の結晶多形体を制限するものと見なされるべきではない。
中間体1aの調製
Figure 2022505053000019
ステップ1:-78℃で、化合物1a-1(6.0g、30.0mmol)のTHF(80mL)溶液にn-BuLi(27mL、66mmol)およびDIPA(6.6g、66mmol)を加え、混合物を1時間撹拌した後、DMF(10mL)を加え、室温まで加熱して2時間の撹拌を続けた。LC-MSによって反応を完了するまで追跡した。システムにHCl(2N)を加えてpHを5-6に調整し、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより精製して6.8gの化合物1a-2を得た。MS m/z(ESI):238[M+H]
ステップ2:化合物1a-2(6.8g、30.0mmol)の1,4-ジオキサン(80mL)に化合物1a.1(15g、90.0mmol)、酢酸(2mL)およびNaBH(OAc)(18.9g、90.0mmol)を加え、混合物を50℃で撹拌した後一晩置く。LC-MSによって反応を完了するまで追跡した。反応液を減圧蒸発により乾燥させ、飽和食塩水で洗浄し、DCMで抽出し、有機層を乾燥させ、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより精製して4.8gの化合物1aを得た。MS m/z(ESI):371[M+H]
中間体1bの調製
Figure 2022505053000020
ステップ1:100mLの3つ口フラスコに化合物1b-1(1.5g、5.17mmol)、モルホリン(470mg、5.39mmol)、pd(dba)(210mg、0.23mmol)、Xphos(240mg、0.503mmol)、炭酸セシウム(3.38g、10.37mmol)の1,4-ジオキサン(20mL)溶液を加え、混合物を110℃で3時間反応させた。LC-MSによって反応を完了するまで追跡した。反応液を室温まで冷却し、濃縮した後、カラムクロマトグラフィー(0-20%EAを含むn-ヘキサン)により精製して、灰色の固体化合物1b-2(1.38g、90.1%収率)を得た。MS m/z(ESI):297.2[M+H]
ステップ2:化合物1b-2(1.38g、4.657mmol)、メタノール(20mL)およびHCl/1,4-ジオキサン(4M、10mL)を100mLのフラスコに加え、混合物を室温で撹拌した後一晩置く。反応液を減圧濃縮して溶媒を除去し、残留物を飽和重炭酸ナトリウムで洗浄し、ジクロロメタンで抽出し、有機層を乾燥した後、濃縮して900mgの黄色の固体化合物1bを得た。MS m/z(ESI):197.2[M+H]
実施例1 化学式X化合物の調製
Figure 2022505053000021
ステップ1:化合物1a(740mg、2mmol)のNMP(10mL)溶液に化合物2.1(600mg、3mmol)およびDIPEA(780mg、6mmol)を加え、混合物をアルゴン雰囲気下で180℃のマイクロ波で30分間反応させた。LC-MSによって反応を完了するまで追跡した。反応液を室温まで冷却し、DCMを加えて希釈し、水および飽和食塩水それぞれで洗浄し、有機層を乾燥、濃縮した後、カラムクロマトグラフィーにより精製して、1300mgの化合物X-1を得た。MS m/z(ESI):535[M+H]
ステップ2:化合物X-1(250mg、0.5mmol)、化合物1b(118mg、0.6mmol)、pd(dba)(45mg、0.05mmol)、Xantphos(54mg、0.1mmol)、炭酸セシウム(326mg、1mmol)の1,4-ジオキサン(15mL)溶液を、アルゴン雰囲気下、160℃のマイクロ波により50分間反応させた。LC-MSによって反応を完了するまで追跡した。反応液を室温まで冷却し、EAを加えて希釈し、水および飽和食塩水それぞれで洗浄し、有機層を乾燥、濃縮した後、カラムクロマトグラフィーにより精製して、185mgの化合物X-2を得た。MS m/z(ESI):695.3[M+H]
ステップ3:化合物X-2(185mg、0.27mmol)のDCM(12mL)溶液に、TFA(4.5mL)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌した。LC-MSによって反応を完了するまで追跡した。減圧下でTFAの大部分を除去し、飽和重炭酸ナトリウム溶液を加えてpHを7-8に調整し、DCMで抽出し、有機層を合わせた後、乾燥、濃縮して化合物X-3を得、次の反応に直接使用した。MS m/z(ESI):595.2[M+H]
ステップ4:アルゴン雰囲気下、化合物X-3(100mg)のDCM(10mL)溶液に塩化アクリロイル(15.4mg、0.17mmol)およびDIPEA(66mg、0.51mmol)を加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。LC-MSによって反応を完了するまで追跡した。反応液を飽和食塩水で洗浄し、DCMで抽出し、有機層を乾燥させ、濃縮して粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィーにより精製して86mgの化合物X-4を得た。MS m/z(ESI):649[M+H]
ステップ5:化合物X-4(86mg、0.13mmol)のTFA(3mL)溶液にEtSiH(0.2mL)を加え、混合物を80℃まで加熱して2時間撹拌した。LC
-MSによって反応を完了するまで追跡した。減圧下でTFAの大部分を除去し、飽和重炭酸ナトリウム溶液を加えてpHを7-8に調整し、酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、乾燥、濃縮した後、Prep-HPLC(溶離液DCM:MeOH=100:3)により精製して10mgの固体化合物Xを得た。MS m/z(ESI):499.3[M+H]HNMR(400MHz,DMSO-d)δ8.65(d,J=2.6Hz,1H),8.28-8.16(m,2H),7.08-6.99(m,1H),6.87(d,J=14.3Hz,1.5H),6.58(d,J=9.1Hz,1.5H),6.18-5.98(m,1H),5.72(d,J=10.4Hz,0.5H),5.42(d,J=10.6Hz,0.5H),4.55(d,J=12.4Hz,0.5H),4.37(s,2H),4.17(d,J=12.6Hz,0.5H),3.99(s,1H),3.89(s,1H),3.71(t,J=4.6Hz,4H),3.03-2.98(m,5H),2.66-2.85(m,1H),2.00(s,1H),1.79(d,J=13.5Hz,1H),1.65(d,J=12.5Hz,1H),1.43(s,1H)。得られた固体に対してXRD検出を行った結果、その粉末X線回折パターンには特徴がないピークが示され、粉末X線回折パターンは、図12に示すように(2θ角がマークされた)、アモルファスである。
実施例2 化学式X化合物の結晶形Iの調製
適量の化学式X化合物の遊離塩基(アモルファス)をそれぞれサンプルボトルに入れ、室温で撹拌しながら下の表の溶媒を適量ボトルに徐々に加えて、化学式X化合物の懸濁液を得、懸濁液を遠心分離して乾燥させて固体を得た。固体に対してXRD検出を行った。得られた固体の粉末X線回折パターンは、図9-1に示すように(2θ角がマークされた)、本願では、結晶形Iとして定義される。添加した化学式X化合物の遊離塩基、溶媒の種類と量、調製方法および得られた結晶形の種類は表1に示される。
Figure 2022505053000022
実施例3 化学式X化合物の結晶形Iの調製
20mgの化学式X化合物の遊離塩基(アモルファス)をそれぞれ遠沈管に入れ、適量
の溶媒を加えた後、50℃で加熱して溶解させた。冷却後、固体が析出し、分離して、固体を得た。固体に対してXRD検出を行った。得られた固体の粉末X線回折パターンは、図9-1に示すように(2θ角がマークされた)、本願では、結晶形Iとして定義される。使用した溶媒及び得られた結晶形は表2に示される。
Figure 2022505053000023
実施例4 化学式X化合物の結晶形Iの調製
20mgの化学式X化合物の遊離塩基(アモルファス)をそれぞれ遠沈管に入れ、適量の溶媒を加えて溶媒に懸濁させ、室温で1日間懸濁してシェークし、固体を分離した。固体に対してXRD検出を行った。得られた固体の粉末X線回折パターンは、図9-1に示すように(2θ角がマークされた)、本願では、結晶形Iとして定義される。さらに、20mgの化学式X化合物をそれぞれ遠沈管に入れ、適量の溶媒を加えて溶媒に懸濁させ、50℃で1日間懸濁してシェークし、固体を分離した。固体に対してXRD検出を行った。得られた固体の粉末X線回折パターンは、図9-1に示されるように(2θ角がマークされた)、結晶形Iである。結晶形IのTGAスペクトルは図9-2に示されている。TGAスペクトルによると、結晶形Iは、250℃以下ではほとんど重量損失がなく、安定性は非常に良好である。結晶形IのDSCスペクトル及びDVSスペクトルはそれぞれ図9-3及び図9-4に示されている。結晶形Iは、90%RHで0.22%の吸湿重量増加があり、わずかに吸湿性がある。結晶形Iの偏光顕微鏡画像は図9-5に示されている。結晶形Iは、粒状で、粒子サイズは約数ミクロンと非常に小さい。使用した溶媒及び得られた結晶形は表3及び表4に示される。
Figure 2022505053000024
Figure 2022505053000025
実施例5 化学式X化合物の遊離塩基の結晶形IIの調製
10.44mgの化学式X化合物の遊離塩基(アモルファス)をサンプルボトルに入れ、2.5mlのイソプロパノールを室温でボトルに徐々に加えて完全に溶解させ、溶液を
ヒュームフードに入れ、ゆっくりと揮発させて固体が析出した。固体に対してXRD検出を行った。得られた固体の粉末X線回折パターンは、図10に示されるように(2θ角がマークされた)、本願では、結晶形IIとして定義される。
研究により、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、エタノール、メタノール、テトラヒドロフラン及びジメチルスルホキシドをそれぞれ溶媒として使用し、同じ方法で作成した固体のXRDパターンは、それぞれ特徴のないピークを示し、アモルファスであることが見出された。
実施例6 化学式X化合物の遊離塩基の結晶形IIの調製
20mgの化学式X化合物の遊離塩基(アモルファス)を遠沈管に入れ、適量のイソプロパノールを加えて懸濁液を得た。懸濁液を50℃で1日間懸濁してシェークし、固体を分離し、固体に対してXRD検出を行った。得られた固体の粉末X線回折パターンは、図10に示されるように(2θ角がマークされた)、本願では、結晶形IIとして定義される。
実施例7 化学式X化合物の遊離塩基の結晶形IIIの調製
20mgの化学式X化合物の遊離塩基(アモルファス)をそれぞれ遠沈管に入れ、適量のエタノールを加えて溶媒に懸濁させた。1つのサンプルを室温で1日間懸濁してシェークし、もう1つのサンプルを50℃で1日間懸濁してシェークし、固体を分離し、固体に対してXRD検出を行った。得られた固体の粉末X線回折パターンは、図11に示されるように(2θ角がマークされた)、本願では、結晶形IIIとして定義される。結果は、表5に示される。
Figure 2022505053000026
実施例8 化学式X化合物の遊離塩基の結晶形IIIの調製
20mgの化学式X化合物の遊離塩基(アモルファス)を遠沈管に入れ、適量のエタノールを加えた後、50℃で加熱して溶解させた。冷却後、固体が析出し、分離して固体を得た。固体に対してXRD検出を行った。得られた固体の粉末X線回折パターンは、図11に示されるように(2θ角がマークされた)、本願では、結晶形IIIとして定義される。
実施例9 化学式X化合物の結晶形Aの調製
各サンプルボトルに20mgの化学式X化合物の遊離塩基(アモルファス)を入れ、対応する有機溶媒をそれぞれ適量加えた。化合物が溶解した後、1M塩酸50μLを加えて塩形成反応をさせた。磁気撹拌子をサンプルボトルに入れ、サンプルボトルを磁気攪拌機に置いて50℃の水浴下で加熱しながら攪拌するように4時間反応させた。反応が完了した後、室温まで冷却し、反応液が濁り、遠心乾燥させた後、XRD測定を行った。得られた結晶は、粉末X線回折パターンが図1-1に示され(2θ角がマークされた。)、酸と塩基とのモル比が1.2:1である。本願では、結晶形Aとして定義される。結晶形AのTGAスペクトルは図1-2に示されている。TGAスペクトルによると、結晶形Aは、50℃程度から100℃への温度上昇中、重量損失が5.9%となった。これは、有機溶
媒の揮発と塩酸の除去によるものと考えられる。結晶形Aは、100℃から160℃程度への温度上昇中、重量がさらに減少した。それは、化合物が分解し、塩酸塩が高温で不安定となるからであるはずだ。結晶形AのDSCスペクトル及びDVSスペクトルはそれぞれ図1-3及び図1-4に示されている。結晶形Aは、90%RHで7.509%の吸湿重量増加があり、吸湿性がある。結晶形Aの偏光顕微鏡画像は図1-5に示されている。結晶形Aは、粒状で、粒子サイズは約数ミクロンと非常に小さい。各溶媒により形成された結晶形は表6に示される。
Figure 2022505053000027
実施例10 化学式X化合物の結晶形Aの調製
下表に従って化学式X化合物の遊離塩基(アモルファス)を秤量し、酢酸エチルまたはアセトンに溶解または懸濁した。1.2:1である酸と塩基とのモル比に従って、対応する濃度の塩酸をゆっくりと加えて塩形成反応をさせた。水浴温度は50℃、反応時間は4-8時間である。反応後、加熱を停止し、サンプルを水浴でゆっくりと室温まで冷却すると、反応液が濁った。濁った液体サンプルを遠心分離機で遠心分離(8000rpm、10分)し、上澄みを廃棄した後乾燥させた。得られた結晶の粉末X線回折パターンは、図1-1に示され(2θ角がマークされた)、酸と塩基とのモル比は1.2:1である。本願では、結晶形Aとして定義される。反応条件は表7に示されている。
Figure 2022505053000028
実施例11 化学式X化合物の結晶形Gの調製
各サンプルボトルに20mgの化学式X化合物の遊離塩基(アモルファス)を入れ、対応する有機溶媒をそれぞれ適量加えた。化合物が溶解した後、0.25Mフマル酸200μLを加えて塩形成反応をさせた。磁気撹拌子をサンプルボトルに入れ、サンプルボトルを磁気攪拌機に置いて50℃の水浴下で加熱しながら攪拌するように4時間反応させた。反応が完了した後、室温まで冷却すると、反応液が濁り、遠心乾燥させた後、XRD測定を行った。得られた結晶は、粉末X線回折パターンが図7に示され(2θ角がマークされた。)、酸と塩基とのモル比が1.2:1である。本願では、結晶形Gとして定義される。各溶媒により形成された結晶形は表8に示される。
Figure 2022505053000029
実施例12 化学式X化合物の結晶形Gの調製
下表に従って化学式X化合物の遊離塩基(アモルファス)を秤量し、酢酸エチルまたはテトラヒドロフランに溶解または懸濁した。1.2:1である酸と塩基とのモル比に従っ
て、対応する濃度のフマル酸をゆっくりと加えて塩形成反応をさせた。水浴温度は50℃、反応時間は4-8時間である。反応後、加熱を停止し、サンプルを水浴でゆっくりと室温まで冷却すると、反応液が澄ました。反応液を乾燥させて得られた結晶の粉末X線回折パターンは、図7-1に示され(2θ角がマークされた)、酸と塩基とのモル比は1.2:1である。本願では、結晶形Gとして定義される。反応条件は表9に示されている。
Figure 2022505053000030
実施例13 化学式X化合物の結晶形B-1乃至結晶形Fおよび結晶形H-1、H-2、H-3の調製
各サンプルボトルに20mgの化学式X化合物の遊離塩基(アモルファス)を入れ、対応する有機溶媒をそれぞれ1-3ml加えた。化合物が溶解した後、1.2:1である酸と塩基とのモル比に従って、対応する酸を加えて(1M酸を、50μL、0.5M酸を、100μL、0.25M酸を、200μL加えて)、塩形成反応をさせた。磁気撹拌子を入れ、磁気攪拌機に置いて50℃の水浴下で加熱しながら攪拌するように4時間反応させた。反応が完了した後、室温まで冷却した。溶液の状態であるサンプルを乾燥させた後、XRD測定を行った。濁った液体である反応液を遠心乾燥させた後、XRD測定を行った。結晶形B-1、B-2、B-3、C、D、E-1、E-2、F、G、H-1、H-2、およびH-3の粉末X線回折パターンは、それぞれ図2-1、図2-2、図2-3、図3、図4、図5-1、図5-2、図6、図7、図8-1、図8-2および図8-3に示されている。その結果は、表10に示される。
Figure 2022505053000031
実施例14 安定性実験
化学式X化合物(アモルファス)及び結晶形Aをそれぞれ40℃/75%RHの加速安定オーブン及び60℃のオーブンに入れ、定期的にサンプリングした。実験条件と結果は、表11に示される。
Figure 2022505053000032
上記の表から分かるように、化学式X化合物(アモルファス)は、40℃/75%RHの加速条件下および60℃の高温条件下で8日間および14日間経過した後、関連物質の増加が検出されなく、含有量が明らかに変化せず、化合物が安定している。
結晶形Aは、40℃/75%RHの加速条件下および60℃の高温条件下で8日間および14日間経過した後、含有量が明らかに変化せず、化合物が安定している。XRDパターンの特徴的なピークは変化せず、化合物の結晶形は、安定しており、元の結晶形である。
実施例15 溶解度試験
約5mgの式X(アモルファス)の化合物、結晶形Iおよび結晶形Aをそれぞれ各遠沈管に量り取り、対応する媒質をそれぞれ0.5mlまたは1ml加え、できる限り過飽和溶液となるように超音波でシェークして溶解させた。その過飽和溶液を遠心分離して上澄み(溶解度が高い場合は希釈)を取り、液体クロマトグラフィーに入れて、溶解度を計算した。5.69mgの式X化合物(アモルファス)は、0.5mlの0.1M HCl媒質に完全に溶解でき、4.24mgの結晶形Iは、1mlの0.1M HCl媒質に完全に溶解できた。実験結果は、表12に示される。
Figure 2022505053000033
上記の表からわかるように、化学式X化合物(アモルファス)及び結晶形は、0.1MHCl媒体への溶解度が比較的大きく、水、pH4.5およびpH6.8の媒体への溶解度が非常に小さいものであり、結晶形Aは、0.1M HCl媒体および水への溶解度が比較的大きく、pH4.5およびpH6.8の媒体への溶解度が小さいものである。
実施例16 化学式X化合物の遊離塩基の結晶形の安定性実験
化学式X化合物(アモルファス)、結晶形I、結晶形II、および結晶形IIIをそれぞれ80mg量り取り、それらをサンプルボトルで混合させた。混合物20mgを各遠沈管に入れ、合計15つのサンプル(5つの試験溶媒、3つの実験条件)がある。実験溶媒は、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、イソプロパノールおよびエタノールである。実験条件は、室温で1日間および7日間、50℃で1日間である。実験条件及び結果は次のとおりである。
XRDパターンに示すように、アモルファス及び3つの結晶形は、アセトンにおいて50℃で1日間、室温で1日間及び7日間懸濁してシェークされた後、いずれも安定な結晶形である結晶形Iに変換された。
XRDパターンに示すように、アモルファス及び3つの結晶形は、アセトニトリルにおいて50℃で1日間、室温で1日間及び7日間懸濁してシェークされた後、いずれも安定な結晶形である結晶形Iに変換された。
XRDパターンに示すように、アモルファス及び3つの結晶形は、酢酸エチルにおいて50℃で1日間、室温で1日間及び7日間懸濁してシェークされた後、いずれも安定な結晶形である結晶形Iに変換された。
XRDパターンに示すように、アモルファス及び3つの結晶形は、イソプロパノールにおいて50℃で1日間、室温で1日間及び7日間懸濁してシェークされた後、いずれも安定な結晶形である結晶形Iに変換された。
XRDパターンに示すように、アモルファス及び3つの結晶形は、エタノールにおいて50℃で1日間、室温で1日間及び7日間懸濁してシェークされた後、いずれも結晶形IIIに変換された。なお、化学式X化合物のアモルファスは、エタノールにおいて懸濁してシェークされ、且つ、冷却によって結晶されることにより結晶形IIIに変換されるので、結晶形IIIは、エタノールにおいて安定な結晶形である。
実施例17 結晶形Iの安定性実験
サンプルを量り取り、60℃のオーブンに置き、定期的にサンプリングしてテストする。実験結果は表13に示される。
Figure 2022505053000034
上記の表から分かるように、60℃条件下で1週間と2週間後、結晶形Iは、含有量が変化せず、関連物質が検出されず、化学的性質が安定している。XRDパターンに示すように、結晶形は変化せず、物理的性質や結晶形は安定している。
実施例18 医薬組成物
以下の成分から結晶形Aの錠剤を調製する。
Figure 2022505053000035
従来の方法により、結晶形Aとスターチを混合・ふるい分けした後、上記の他の成分と均一に混合し、直接錠剤に圧縮する。
実施例19 医薬組成物
以下の成分から結晶形Iのカプセルを調製する。
Figure 2022505053000036
従来の方法により、結晶形Iとスターチを混合・ふるい分けした後、上記の他の成分と均一に混合し、通常のゼラチンカプセルに充填する。
生物学的試験
試験例1 Lantha screeningキナーゼ反応実験方法
化合物は100%DMSOに予め溶解された。10mMの薬物ストック溶液を室温で溶解し、最終濃度が10-0.005μMとなるように8vol%DMSO溶液で段階希釈した。384ウェルプレート(Corning3676)の各ウェルに、2.5μlの試験対象の溶液及び反応バッファーで希釈された2.5μlのキナーゼ(Invitrogen PV3363)を加え、次に反応バッファーで希釈されたFluososcei-PolyGT(Invitrogen PV3610)基質とATP(Invitrogen PV3227)との混合物5μlをさらに加えて反応を開始させた。空白ウェル(ブランク)については、キナーゼの代わりに反応バッファーを使用し、キナーゼウェル(酵素)には薬物を添加しない。暗所で25℃のシェーカーで60分間反応させた後、10μlの検出溶液(TR-FRET希釈バッファーで希釈したInvitrogen PV3528とEDTAとの混合物、EDTAの作業濃度は5mM、Lantha screening Tb PY20抗体の作業濃度は0.2nM)を加え、室温のシェーカーで30分間反応させた。プレートをVictorX5蛍光プレートリーダー(PerkinElmer)で読み取り、励起波長340nm、発光波長500nmおよび520nmでの光吸収を測定した。
阻害率の計算方法(Invitrogen、PV3363の仕様書を参照)は次のとおりである。
1.発光率(ER):クマリン発光(520nm)/フルオレセイン発光(500nm)2.阻害率(IR):(ERキナーゼ-ER試験化合物)/(ERキナーゼ-ERブランク)×100%。半数阻害濃度IC50は、XLFIT5.0ソフトウェア(IDBS、UK)でフィッティングすることによって計算された。結果は、表14に示される。
Figure 2022505053000037
化合物(S)-6-((1-アクリロイルピペリジン-3-イル)アミノ)-7-フルオロ-4-((2-フルオロ-4-モルホリノフェニル)アミノ)-1,2-ジヒドロ-3H-ピロロ[3、4-c]ピリジン-3-オンは、(S)-tert-ブチル3-アミノピペリジン-1-カルボキシレートを原料として、実施例1の方法を参照して調製された。
試験例2 細胞内βBTK Y223リン酸化によってHTRFを検出する実験方法
化合物は100%DMSOに予め溶解された。10mMの薬物ストック溶液を室温で溶解し、最終濃度が3-0.0014μMとなるように5vol%DMSO溶液で段階希釈した。Ramos細胞を4×10/ウェルの密度で96ウェルプレートに播種し、ウェルあたり10%(V/V)FBSを含む45μlの1640培地を添加し、5μlの希釈した試験対象の溶液を各ウェルに添加し、37℃、5%(V/V)COで1時間インキュベートした。10μlの過バナジン酸ナトリウム希釈液(血清なしで1640で希釈)を添加し、ネガティブコントロールウェルには10μlの血清なしの培地を添加し、25℃のシェーカーで30分間インキュベートした。各ウェルに20μlのライセートを加え(4xライセート:ブロックされた母液は25:1)、25℃のシェーカーで30分間インキュベートした。発振器により800rpmで1分間振り、16μlの細胞ライセートを384ウェルプレート(Greiner 784075)に加え、4μlの予め混合した抗体溶液(Phospho-BTK d2抗体およびPhospho-BTC Kryptate抗体を検出溶液で20倍希釈)を加え、25℃のシェーカーで一晩置くインキュベートした。プレートをVictorX5蛍光プレートリーダー(PerkinElmer)で読み取り、励起波長317nm、発光波長500nmおよび520nmでの光吸収を測定した(Cisbio、63ADK017PEHの仕様書を参照)。半数阻害濃度IC50は、XLFIT 5.0ソフトウェア(IDBS、UK)でフィッティングすることによって計算された。結果は、表15に示される。
Figure 2022505053000038
表14および表15から、化学式X化合物は、酵素および細胞に対してより高い阻害活性を有することが分かった。
試験例3 野生型EGFRキナーゼに対する活性阻害試験
以下のz-lyte試験方法で使用される試料はすべて、Invitrogenから購
入できる。
z-lyte法により野生型EGFRキナーゼ(Invitrogen、PV3872)に対する試験対象の阻害活性を測定した。
10uL野生型EGFRキナーゼ反応システムにおける各成分の作業濃度は、10μMATP、0.8ng/μL野生型EGFRキナーゼ(Invitrogen、PV3872)、2μMTyr04基質(Invitrogen、PV3193)である。試験対象添加後、DMSOの最終濃度は2%である。
10mMの薬物ストック溶液を室温で溶解し、最終濃度が10-0.005μMとなるように4%DMSOの水で段階希釈した。各ウェルに2.5μLの試験対象の溶液及び反応バッファーで希釈した野生型EGFRキナーゼとTyr04基質の混合物5μLを加え、次に2.5μLのATPを加えて反応を開始させた。C1ウェルには、ATPの代わりに反応バッファーを使用し、C2ウェルには薬物を添加せず、C3ウェルには、説明書に記載されているように、リン酸化基質を添加した。暗所で25℃のシェーカーで60分間反応させた後、5μlの検出溶液(TR-FRET希釈バッファーで希釈したInvitrogen)を加え、室温のシェーカーで60分間反応させた。プレートをVictorX5蛍光プレートリーダー(PerkinElmer)で読み取り、励起波長405nm、発光波長450nmおよび520nmでの光吸収を測定した(例えば、C3520nmは、520nmでの穴C3の読み取り値を意味する)。
阻害率の計算方法(Invitrogen、PV3193の仕様書を参照)は次のとおりである。
1.ER=クマリン発光(450nm)/フルオレセイン発光(520nm)
2.リン酸化率=(1-((ER×C3520nm-C3450nm)/((C1450nm-C3450nm)+ER×(C3520nm-C1520nm))))×100%3.阻害率(IR)=(1-(試験化合物のリン酸化率)/(C2のリン酸化率))×100%
半数阻害濃度IC50は、XLFIT5.0ソフトウェア(IDBS、UK)でフィッティングすることによって計算された。
Figure 2022505053000039
表16から、化学式X化合物は、野生型EGFRキナーゼに対してより低い阻害活性を有することが分かった。したがって、化学式X化合物は、BTK WTキナーゼに対して選択的な阻害活性を有している。
本発明で言及されるすべての文献は、各文献が参照として個別に引用されるように、本出願において参照として引用される。なお、当業者は、本発明の上記の教示内容を読んだ上で、本発明に様々な変更又は修正を行うことができ、これらの同等物も、本出願の添付の特許請求の範囲によって定義される範囲内に入る。

Claims (13)

  1. 以下の化学式で示された化学式X化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
    Figure 2022505053000040
  2. 前記薬学的に許容可能な塩は、塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、マレイン酸塩、L-酒石酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、又はコハク酸塩からなる群から選択されるものである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の化学式X化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
  3. 下の化学式で示された化学式X化合物及びその薬学的に許容可能な塩の結晶多形体であって、
    Figure 2022505053000041
    前記薬学的に許容可能な塩は、塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、マレイン酸塩、L-酒石酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、又はコハク酸塩からなる群から選択されるものである、
    ことを特徴とする結晶多形体。
  4. 前記結晶多形体は、
    下記のグループA-1の回折角2θ(°)の値:14.75±0.2、15.97±0.2、17.20±0.2、18.94±0.2、19.72±0.2、22.15±0.2、24.35±0.2、25.12±0.2、26.21±0.2、26.80±0.2でピークを有する粉末X線回折パターンを有する化学式X化合物の塩酸塩のA形の結晶である結晶形Aと、
    下記のグループB-1-1の回折角2θ(°)の値:10.27±0.2、14.06±0.2、14.41±0.2、17.59±0.2、19.39±0.2、21.84±0.2、26.38±0.2、26.68±0.2でピークを有する粉末X線回折パターンを有する化学式X化合物の硫酸塩のB-1形の結晶である結晶形B-1と、
    下記のグループB-2-1の回折角2θ(°)の値:8.59±0.2、10.64±0.2、13.90±0.2、14.38±0.2、15.53±0.2、17.05±0.2、17.26±0.2、17.75±0.2、19.28±0.2、21.85±0.2、25.82±0.2、26.32±0.2、26.62±0.2でピークを有する粉末X線回折パターンを有する化学式X化合物の硫酸塩のB-2形の結晶である結晶形B-2と、
    下記のグループB-3-1の回折角2θ(°)の値:8.59±0.2、10.21±0.2、10.60±0.2、11.39±0.2、13.03±0.2、13.93±0.2、14.38±0.2、15.49±0.2、15.82±0.2、17.03±0.2、17.71±0.2、19.30±0.2、20.23±0.2、21.59±0.2、21.97±0.2、23.95±0.2、24.62±0.2、26.23±0.2、26.65±0.2でピークを有する粉末X線回折パターンを有する化学式X化合物の硫酸塩のB-3形の結晶である結晶形B-3と、
    下記のグループC-1の回折角2θ(°)の値:15.26±0.2、15.91±0.2、17.09±0.2、18.43±0.2、18.76±0.2、19.49±0.2、20.47±0.2、21.91±0.2、24.10±0.2、24.88±0.2、25.87±0.2、26.48±0.2でピークを有する粉末X線回折パターンを有する化学式X化合物の臭化水素酸塩のC形の結晶である結晶形Cと、
    下記のグループD-1の回折角2θ(°)の値:12.24±0.2、13.93±0.2、17.24±0.2、18.18±0.2、23.93±0.2、26.38±0.2、26.68±0.2でピークを有する粉末X線回折パターンを有する化学式X化合物のリン酸塩のD形の結晶である結晶形Dと、
    下記のグループE-1-1の回折角2θ(°)の値:8.56±0.2、11.39±0.2、17.47±0.2、17.80±0.2、26.32±0.2でピークを有する粉末X線回折パターンを有する化学式X化合物のメタンスルホン酸塩のE-1形の結晶である結晶形E-1と、
    下記のグループE-2-1の回折角2θ(°)の値:15.79±0.2、16.76±0.2、17.41±0.2、17.80±0.2、20.26±0.2、21.05±0.2、24.10±0.2、25.63±0.2、26.53±0.2、26.92±0.2、27.50±0.2でピークを有する粉末X線回折パターンを有する化学式X化合物のメタンスルホン酸塩のE-2形の結晶である結晶形E-2と、
    下記のグループF-1の回折角2θ(°)の値:18.58±0.2、19.84±0.2、20.56±0.2、24.88±0.2、28.73±0.2、29.45±0.2、31.81±0.2、33.28±0.2でピークを有する粉末X線回折パターンを有する化学式X化合物の酒石酸塩のF形の結晶である結晶形Fと、
    下記のグループG-1の回折角2θ(°)の値:16.06±0.2、18.76±0.2、20.32±0.2、21.49±0.2、22.52±0.2、22.84±0.2、24.32±0.2、24.50±0.2、26.06±0.2、28.48±0.2でピークを有する粉末X線回折パターンを有する化学式X化合物のフマル酸塩のG形の結晶である結晶形Gと、
    下記のグループH-1-1の回折角2θ(°)の値:21.70±0.2でピークを有する粉末X線回折パターンを有する化学式X化合物のコハク酸塩のH-1形の結晶である結晶形H-1と、
    下記のグループH-2-1の回折角2θ(°)の値:19.78±0.2、21.63±0.2、25.96±0.2、31.23±0.2でピークを有する粉末X線回折パターンを有する化学式X化合物のコハク酸塩のH-2形の結晶である結晶形H-2と、
    下記のグループH-3-1の回折角2θ(°)の値:12.20±0.2、19.72±0.2、19.84±0.2、25.82±0.2、31.21±0.2でピークを有する粉末X線回折パターンを有する化学式X化合物のコハク酸塩のH-3形の結晶である結晶形H-3と、からなる群から選択されるものである、
    ことを特徴とする請求項3に記載の結晶多形体。
  5. 前記結晶多形体は、
    下記のグループI-1の回折角2θ(°)の値:16.01±0.2、18.64±0.2、20.27±0.2、21.40±0.2、22.84±0.2、24.49±0.2でピークを有する粉末X線回折パターンを有する化学式X化合物の結晶形Iと、
    下記のグループII-1の回折角2θ(°)の値:7.32±0.2、9.84±0.2、13.56±0.2、17.47±0.2、22.73±0.2、24.37±0.2、25.09±0.2でピークを有する粉末X線回折パターンを有する化学式X化合物の結晶形IIと、
    下記のグループIII-1の回折角2θ(°)の値:9.52±0.2、11.77±0.2、12.43±0.2、12.78±0.2、15.31±0.2、16.33±0.2、16.84±0.2、17.83±0.2、18.49±0.2、19.57±0.2、20.15±0.2、21.71±0.2、23.26±0.2、23.84±0.2、24.52±0.2、25.30±0.2でピークを有する粉末X線回折パターンを有する化学式X化合物の結晶形IIIと、からなる群から選択されるものである、
    ことを特徴とする請求項3に記載の結晶多形体。
  6. 前記結晶形Aの粉末X線回折パターンは、基本的に図1-1で表現され、
    前記結晶形B-1の粉末X線回折パターンは、基本的に図2-1で表現され、
    前記結晶形B-2の粉末X線回折パターンは、基本的に図2-2で表現され、
    前記結晶形B-3の粉末X線回折パターンは、基本的に図2-3で表現され、
    前記結晶形Cの粉末X線回折パターンは、基本的に図3で表現され、
    前記結晶形Dの粉末X線回折パターンは、基本的に図4で表現され、
    前記結晶形E-1の粉末X線回折パターンは、基本的に図5-1で表現され、
    前記結晶形E-2の粉末X線回折パターンは、基本的に図5-2で表現され、
    前記結晶形Fの粉末X線回折パターンは、基本的に図6で表現され、
    前記結晶形Gの粉末X線回折パターンは、基本的に図7で表現され、
    前記結晶形H-1の粉末X線回折パターンは、基本的に図8-1で表現され、
    前記結晶形H-2の粉末X線回折パターンは、基本的に図8-2で表現され、
    前記結晶形H-3の粉末X線回折パターンは、基本的に図8-3で表現される、
    ことを特徴とする請求項4に記載の結晶多形体。
  7. 前記結晶形Iの粉末X線回折パターンは、基本的に図9-1で表現され、
    前記結晶形IIの粉末X線回折パターンは、基本的に図10で表現され、
    前記結晶形IIIの粉末X線回折パターンは、基本的に図11で表現される、
    ことを特徴とする請求項5に記載の結晶多形体。
  8. 化学式X化合物の結晶形Iを調製する方法であって、前記式Xは以下の式:
    Figure 2022505053000042
    で表され、前記方法は、
    (a)10℃-60℃で化学式X化合物を、水、アセトニトリル、イソプロパノール、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、n-ヘプタンまたはメチルtert-ブチルエーテルである溶媒に懸濁させるステップと、
    (b)ステップ(a)で得られた混合物を懸濁して遠心分離、懸濁して撹拌又は懸濁してシェークし、分離して結晶形Iを得るステップと、を含む
    化学式X化合物の結晶形Iの調製方法。
  9. 化学式X化合物の結晶形Iを調製する方法であって、前記式Xは以下の式:
    Figure 2022505053000043
    で表され、前記方法は、
    (i)30℃-60℃で化学式X化合物を、イソプロパノール、アセトンまたはテトラヒドロフランである溶媒に溶解させるステップと、
    (ii)ステップ(i)で得られた混合物を冷却結晶させ、分離して結晶形Iを得るステップと、を含む
    化学式X化合物の結晶形Iの調製方法。
  10. 医薬組成物であって、
    (a)請求項1に記載の化学式X化合物又はその薬学的に許容可能な塩と、(b)薬学的に許容可能なキャリアとを含む、ことを特徴とする医薬組成物。
  11. 医薬組成物であって、
    (a)請求項3に記載の結晶多形体と、(b)薬学的に許容可能なキャリアとを含む、ことを特徴とする医薬組成物。
  12. 腫瘍、癌、増殖性疾患、アレルギー性疾患、自己免疫性疾患または炎症性疾患の治療および/または予防するための薬物の調製における請求項1に記載の化学式X化合物又はそ
    の薬学的に許容可能な塩、又は請求項10に記載の医薬組成物の使用。
  13. 腫瘍、癌、増殖性疾患、アレルギー性疾患、自己免疫性疾患または炎症性疾患の治療および/または予防するための薬物の調製における請求項3に記載の化学式X化合物及びその薬学的に許容可能な塩の結晶多形体、又は請求項11に記載の医薬組成物の使用。
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