JP2022502492A - 骨髄増殖性疾患の治療法 - Google Patents

骨髄増殖性疾患の治療法 Download PDF

Info

Publication number
JP2022502492A
JP2022502492A JP2021540380A JP2021540380A JP2022502492A JP 2022502492 A JP2022502492 A JP 2022502492A JP 2021540380 A JP2021540380 A JP 2021540380A JP 2021540380 A JP2021540380 A JP 2021540380A JP 2022502492 A JP2022502492 A JP 2022502492A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thiamine
patient
compound
myelofibrosis
administered
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021540380A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2020068755A5 (ja
Inventor
ティマラ・ベリー
ジョン・フッド
カトリオナ・ジェイミーソン
カーティス・エル・スクリブナー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Impact Biomedicines Inc
Original Assignee
Impact Biomedicines Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=69950867&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2022502492(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Impact Biomedicines Inc filed Critical Impact Biomedicines Inc
Publication of JP2022502492A publication Critical patent/JP2022502492A/ja
Publication of JPWO2020068755A5 publication Critical patent/JPWO2020068755A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/63Compounds containing para-N-benzenesulfonyl-N-groups, e.g. sulfanilamide, p-nitrobenzenesulfonyl hydrazide
    • A61K31/635Compounds containing para-N-benzenesulfonyl-N-groups, e.g. sulfanilamide, p-nitrobenzenesulfonyl hydrazide having a heterocyclic ring, e.g. sulfadiazine
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/495Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with two or more nitrogen atoms as the only ring heteroatoms, e.g. piperazine or tetrazines
    • A61K31/505Pyrimidines; Hydrogenated pyrimidines, e.g. trimethoprim
    • A61K31/506Pyrimidines; Hydrogenated pyrimidines, e.g. trimethoprim not condensed and containing further heterocyclic rings
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/495Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with two or more nitrogen atoms as the only ring heteroatoms, e.g. piperazine or tetrazines
    • A61K31/505Pyrimidines; Hydrogenated pyrimidines, e.g. trimethoprim
    • A61K31/506Pyrimidines; Hydrogenated pyrimidines, e.g. trimethoprim not condensed and containing further heterocyclic rings
    • A61K31/51Thiamines, e.g. vitamin B1
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/66Phosphorus compounds
    • A61K31/675Phosphorus compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. pyridoxal phosphate
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K33/00Medicinal preparations containing inorganic active ingredients
    • A61K33/06Aluminium, calcium or magnesium; Compounds thereof, e.g. clay
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • A61P35/02Antineoplastic agents specific for leukemia
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K2300/00Mixtures or combinations of active ingredients, wherein at least one active ingredient is fully defined in groups A61K31/00 - A61K41/00

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)

Abstract

本開示は、チアミン欠乏の軽減法を提供する。【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2018年9月25日出願の米国仮出願番号第62/736,369号および2018年12月20日出願の米国仮出願番号第62/783,076号の優先権を主張し、それらの全体が本明細書により参照として援用される。
本発明は、骨髄増殖性疾患の重篤度または進行を治療、安定化、または低減する方法を提供する。
新規治療薬の探求は、疾患に関連する酵素及び他の生体分子の構造についての理解が深まることにより、近年大幅に促進された。大々的な研究対象であった酵素の重要なクラスの1つは、タンパク質キナーゼである。
タンパク質キナーゼは、細胞内の様々なシグナル伝達プロセスの制御を担う、構造的に関連した酵素の巨大ファミリーを構成する。タンパク質キナーゼは、それらの構造及び触媒機能が保存されているため、共通の祖先遺伝子から発展してきたと考えられている。ほぼ全てのキナーゼが、類似した250〜300アミノ酸触媒ドメインを有する。キナーゼは、それらがリン酸化する基質(例えば、タンパク質チロシン、タンパク質セリン/トレオニン、脂質など)により、いくつかのファミリーへと分類することができる。
一般に、タンパク質キナーゼは、ヌクレオシド三リン酸からシグナル伝達経路に関与するタンパク質アクセプターへのホスホリル転移をもたらすことにより、細胞内シグナル伝達に介在する。これらのリン酸化事象は、標的タンパク質生体機能を調節または制御することが可能な分子オン/オフスイッチとして作用する。これらのリン酸化事象は、様々な細胞外刺激及び他の刺激に反応して、最終的に引き起こされる。そのような刺激の例として、環境及び化学物質ストレスシグナル(例えば、浸透圧ショック、熱ショック、紫外線照射、細菌エンドトキシン、及びH)、サイトカイン(例えば、インターロイキン−1(IL−1)及び腫瘍壊死因子α(TNF−α))、ならびに成長因子(例えば、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)及び線維芽細胞増殖因子(FGF))が挙げられる。細胞外刺激は、細胞増殖、遊走、分化、ホルモン分泌、転写因子活性化、筋収縮、糖代謝、タンパク質合成の制御、及び細胞周期の調節に関連した1種または複数の細胞反応に影響する可能性がある。
多くの疾患が、上記のとおりのタンパク質キナーゼ介在性事象により引き起こされる異常細胞反応と関連している。そうした疾患として、自己免疫疾患、炎症性疾患、骨疾患、代謝疾患、神経疾患及び神経変性疾患、がん、循環器疾患、アレルギー及び喘息、アルツハイマー病、ならびにホルモン関連疾患が挙げられるが、これらに限定されない。したがって、治療薬として有用なタンパク質キナーゼ阻害剤を見つけることが、依然として必要とされている。
本開示は、1種または複数の骨髄増殖性疾患の重篤度または進行を治療、安定化、または低減する方法を提供する。ある特定の実施形態において、提供される方法は、骨髄増殖性疾患の治療に関連する1種または複数の有害事象を軽減することを含む。そのような実施形態の一部において、1種または複数の有害事象は、チアミン欠乏である。
態様によっては、本開示は、1種または複数の骨髄増殖性疾患の重篤度または進行を治療、安定化、または低減する方法を提供し、本方法は、患者に、式Iの化合物:
Figure 2022502492

あるいはその薬学上許容される塩または水和物を含む薬学上許容される組成物を投与することを含む。式Iの化合物は、本明細書中、「化合物I」とも称する。実施形態によっては、化合物Iは、二塩酸塩形をしている。化合物Iまたはその薬学上許容される塩は、水和物形でも存在可能である。そのような実施形態の一部において、化合物Iは、二塩酸塩一水和物形をしている。したがって、実施形態によっては、提供される方法は、化合物IIを必要としている患者に、化合物IIを投与することを含む:
Figure 2022502492
実施形態によっては、本開示は、骨髄増殖性疾患の治療法を提供し、本方法は、以下:
(i)治療を必要としている患者に、化合物Iあるいはその薬学上許容される塩または水和物(例えば、化合物II)を投与すること、および
(ii)患者のチアミンレベルをモニタリングすること、
チアミンレベルが基準値より低い場合には、患者のチアミンレベルを調整すること、
を含む。
実施形態によっては、患者のチアミンレベルは、チアミンレベルが基準値より約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%またはそれ以上に低ければ、調整される。実施形態によっては、基準値は、化合物Iの投与前の、ベースラインでの患者のチアミンレベルである。実施形態によっては、基準値は、全血の約74nM/L〜約222nM/Lというチアミンレベルである。
実施形態によっては、患者は、ウェルニッケ脳症を発症するリスクがある。
実施形態によっては、患者のチアミンレベルは、チアミン欠乏に関する1種または複数のバイオマーカーを分析することにより評価される。実施形態によっては、チアミン欠乏に関するバイオマーカーは、血清チアミンレベルである。
実施形態によっては、患者のチアミンレベルは、患者に、チアミンまたはチアミン同等物を投与することにより調整される。
実施形態によっては、本開示は、以下を含む患者の治療法を提供する:
(i)患者に、化合物Iあるいはその薬学上許容される塩または水和物(例えば、化合物II)を投与すること、
(ii)患者のチアミンレベルを分析すること、および
(iii)患者のチアミンレベルが全血の約74nM/L〜約222nM/Lより低いが、全血の約30nM/Lより高い場合、患者に、チアミンまたはチアミン同等物を投与すること。
実施形態によっては、患者は、チアミンを1日あたり100mg投与される。実施形態によっては、患者は、チアミンを1日あたり約100mg送達するのに十分なチアミン同等物を投与される。そのような実施形態の一部において、チアミンまたはチアミン同等物は、経口投与される。
実施形態によっては、本開示は、以下を含む患者の治療法を提供する:
(i)患者に、化合物Iあるいはその薬学上許容される塩または水和物(例えば、化合物II)を投与すること、
(ii)患者のチアミンレベルを分析すること、および
(iii)患者のチアミンレベルが全血の約30nM/L以下である場合、患者に、チアミンまたはチアミン同等物を投与すること。
実施形態によっては、チアミンまたはチアミン同等物は、静脈内投与される。実施形態によっては、チアミンは、患者に、約250mgの量で投与される。実施形態によっては、チアミンは、患者に、1日あたり約250mg(QD)の量で投与される。実施形態によっては、患者は、チアミンを1日あたり約250mg送達するのに十分なチアミン同等物を投与される。
実施形態によっては、チアミンは、患者に、約500mgの量で投与される。実施形態によっては、チアミンは、患者に、1日あたり約500mg(QD)の量で投与される。実施形態によっては、患者は、チアミンを約500mgQDで送達するのに十分なチアミン同等物を投与される。実施形態によっては、チアミンは、患者に、約500mgを1日3回(TID)の量で投与される。実施形態によっては、患者は、チアミンを約500mgTIDで送達するのに十分なチアミン同等物を投与される。
実施形態によっては、チアミンは、患者に、2または3日間、約500mgTIDの量で投与され、続いて3〜5日間、1日約250mg〜約500mg(QD)の量でチアミン投与を行い、続いて90日間、約100mgQDの量でチアミン投与を行う。
実施形態によっては、提供される方法は、さらに、患者のマグネシウムレベルを上昇させることを含む。
実施形態によっては、患者は、骨髄増殖性疾患を患っている。そのような実施形態の一部において、骨髄増殖性疾患は、骨髄線維症である。実施形態によっては、骨髄線維症は、原発性骨髄線維症である。実施形態によっては、原発性骨髄線維症は、ダイナミック国際予後予測スコアリングシステム(Dynamic International Prognostic Scoring System、DIPSS)で中リスクまたは高リスクの原発性骨髄線維症である。実施形態によっては、骨髄線維症は、続発性骨髄線維症である。実施形態によっては、骨髄線維症は、本態性血小板血症後骨髄線維症である。実施形態によっては、骨髄線維症は、真性赤血球増加症後骨髄線維症である。実施形態によっては、骨髄増殖性疾患は、真性赤血球増加症である。実施形態によっては、骨髄増殖性疾患は、本態性血小板血症である。実施形態によっては、骨髄増殖性疾患は、急性骨髄性白血病(AML)である。
実施形態によっては、本開示は、以下を含む患者の治療法を提供する:
(i)化合物Iあるいはその薬学上許容される塩または水和物(例えば、化合物II)を投与すること、および
(ii)認知機能評価を実施すること。
実施形態によっては、認知機能評価は、2回目の28日サイクル中に実施される。実施形態によっては、認知機能評価は、3回目の28日サイクル中に実施される。実施形態によっては、認知機能評価は、28日サイクルを少なくとも3回行うごとに3回目のサイクル中に実施される。実施形態によっては、認知機能評価は、ミニメンタルステート検査を含む。実施形態によっては、本方法は、さらに、患者のチアミンレベルを分析することを含む。
定義
「約」という用語は、本明細書中使用される場合、パラメーター、量、時間の長さなどの可測値を示す場合、指定された値を基準にしてその値からの+/−10%以下、好ましくは+/−5%以下、より好ましくは+/−1%以下、さらにより好ましくは+/−0.1%以下の変動を包含することを意味するが、ただし、本開示の発明においてそのような変動の発生が妥当である限りにおいてである。例として、「約」という用語がある特定の日数と合わせて使用される場合、それには、その特定の日数プラスマイナス1日が含まれ、例えば、「約6日間」は、5〜7の任意の日数を含む。当然のことながら、修飾語「約」が示す値は、それ自身も具体的であり、好ましくは開示されている。
「バイオマーカー」という用語は、本明細書中、その存在、レベル、度合い、種類、および/または形態が、関心対象である特定の生物学的事象または状態と相関しており、そのためその事象または状態の「マーカー」であると見なされるような実体、事象、または特性を示すために使用される。少しだけ例を挙げると、実施形態によっては、バイオマーカーは、特定疾患状態のマーカー、あるいは特定疾患、障害、もしくは症状が発症する、発生する、または再発する見込みのマーカーである、あるいはそのようなマーカーを含む場合がある。実施形態によっては、バイオマーカーは、特定疾患もしくは治療アウトカム、またはその見込みのマーカーである、あるいはそのようなマーカーを含む場合がある。したがって、実施形態によっては、バイオマーカーは、関心対象である関連生物学的事象または状態の、予測マーカーであり、実施形態によっては、予後マーカーであり、実施形態によっては、診断マーカーである。バイオマーカーは、任意の化学物質クラスの実体である、またはそのような実体を含む場合があり、また、実体の組み合わせであるまたはそのような組み合わせを含む場合がある。例えば、実施形態によっては、バイオマーカーは、核酸、ポリペプチド、脂質、炭水化物、小分子、無機作用剤(例えば、金属またはイオン)、またはそれらの組み合わせである、またはそれらを含む場合がある。実施形態によっては、バイオマーカーは、細胞表面マーカーである。実施形態によっては、バイオマーカーは、細胞内マーカーである。実施形態によっては、バイオマーカーは、細胞外側で検出される(例えば、そのマーカーは、分泌されるかそれ以外で生成するまたは細胞外側に存在する、例えば、血液、尿、涙、唾液、脳脊髄液などの体液中に存在する)。実施形態によっては、バイオマーカーは、遺伝子シグネチャまたはエピジェネティックシグネチャである、あるいはそれらを含む場合がある。実施形態によっては、バイオマーカーは、遺伝子発現シグネチャである、あるいはそれを含む場合がある。
本明細書中使用される場合、「併用療法」という用語は、対象が、同時に、2つ以上の治療レジメン(例えば、本明細書中記載されるとおりの化合物1種または複数を含む2種以上の治療薬)を施行される状況を示す。2つ以上のレジメンは、同時に施行される場合も順次施行される場合もある(例えば、第一レジメンの用量全てが投与されてから、第二レジメンのいずれかの用量が投与される)。他の実施形態において、当該化合物は、重複投薬レジメンで投与される。併用療法の「投与」は、その他の化合物(複数可)を併用で投与される対象に、1種または複数の化合物を投与することが関与する場合がある。明確にするため、併用療法は、実施形態によっては、2種以上の化合物が、合剤組成物に含まれて、さらには合併化合物(例えば、単一化学複合体または共役結合した実体の一部として)に含まれて一緒に投与される場合があるものの、個々の化合物が、単一組成物で一緒に投与されることを必要としない(さらには、同時にまたは同一投与経路によることの必要性さえもない)。
「チアミン同等物」という用語は、生物学的当量のチアミンを送達する、または送達することができる作用剤を示す。そのようなチアミン同等物として、チアミンのプロドラッグ、ならびにチアミン誘導体、例えばチアミン一リン酸エステル、チアミンピロリン酸エステル(別名チアミン二リン酸エステル)、およびチアミン三リン酸エステルが挙げられる。実施形態によっては、チアミン同等物は、食物形態のチアミン、例えば、野菜または他の食物源中に見られるものなどである。
「治療する(treat)」または「治療する(treating)」という用語は、本明細書中使用される場合、障害または症状を、あるいは障害または症状の1つまたは複数の症候を、部分的または完全に、軽減する、阻害する、発症を遅らせる、予防する、寛解させる、及び/または緩和することを示す。本明細書中使用される場合、「治療(treatment)」、「治療する(treat)」、及び「治療する(treating)」という用語は、本明細書中記載されるとおり、障害または症状を、あるいは障害または症状の1つまたは複数の症候を、部分的または完全に、軽減する、阻害する、発症を遅らせる、予防する、寛解させる、及び/または緩和することを示す。実施形態によっては、治療は、1つまたは複数の症候が発生した後に投与される場合がある。実施形態によっては、「治療する(treating)」という用語は、疾患または障害の進行を阻止または停止させることを含む。他の実施形態において、治療は、症候がない中で投与される場合がある。例えば、治療は、症候の発生前に疑いのある個体に投与される場合がある(例えば、症候歴に照らして、及び/または遺伝的もしくは他の因子に照らして)。治療は、症候が解消された後に、例えば、その再発を防ぐまたは遅らせるために、継続される場合もある。したがって、実施形態によっては、「治療する(treating)」という用語は、疾患または障害の再燃または再発を防ぐことを含む。
「単位剤形」という用語は、本明細書中使用される場合、治療される対象にとって適切な、本発明配合物の物理的に離散した単位を示す。しかし、当然のことながら、本発明の組成物の合計1日使用量は、担当医師により合理的な医学的判断の範囲内で決定されることになる。対象または生物がなんであれ特定の対象または生物についての具体的な有効用量レベルは、様々な要因に依存することになり、そのような要因として、治療されている障害及び障害の重篤度;使用される具体的な活性作用剤の活性;使用される具体的な組成物;対象の年齢、体重、全体的な健康状態、性別、及び食事;使用される具体的な活性作用剤の投与タイミング及び排出速度;治療期間;使用される具体的な化合物(複数可)と併用されるまたは同時使用になる薬物及び/または追加療法、及び医薬分野で周知の同様な要因が挙げられる。
特定の実施形態についての詳細な説明
骨髄線維症
骨髄増殖性腫瘍(MPN)関連骨髄線維症(MF)は、重篤かつ生命を脅かす疾患であり、これはde novoもしくは原発性骨髄線維症(PMF)として存在するまたは以前の真性赤血球増加症から発達(PV後MF)または本態性血小板血症から発達(ET後MF)する可能性がある(Swerdlow SH, Campo E, Harris NL, Jafie ES, Pileri SA, Stein H, et al. World Health Organization classification of tumors of haematopoietic and lymphoid tissues. Lyon: IARC Press 2008)。この疾患は、クローン骨髄増殖、無効な赤血球生成、骨髄間質変化、肝脾髄外造血、及び異所サイトカイン発現を特徴とする(Tefferi A, Pardanani A. JAK inhibitors in myeloproliferative neoplasms: rationale, current data and perspective. Blood Rev. 2011 Sep;25(5):229−37)。患者は、典型的には、脾腫、全身症状、中〜重度の貧血、血小板減少症、及び白血球増多症を呈する。
原発性骨髄線維症は、フィラデルフィア染色体(Ph1)陰性MPNのグループの一員であり、このグループには、PV及びETも含まれる(Tefferi A. The recent advances in classic BCR−ABL−negative myeloproliferative disorders. Clin. Adv. Hematol. Oncol. 2007a;5:113−5)。PV患者のほぼ全てならびにET及びPMF患者の約半分が、JAK2変異、典型的には、JAK2V617Fを有する。PMF患者の他の変異として、CALR及びMPLが挙げられる。PMF患者の約20%は、JAK2、CALR、及びMPLに検出可能な変異を有さず、三種陰性と呼ばれる(Levine RL, Wadleigh M, Cools J, Ebert BL, Wernig G, Huntly BJ, et al. Activating mutation in the tyrosine kinase JAK2 in polycythemia vera, essential thrombocythemia, and myeloid metaplasia with myelofibrosis. Cancer Cell. 2005;7:387−97;Werning G, Mercher T, Okabe R, Levine L, Lee BH, Gilliland GL. Expression of JAK2V617F causes a polycythemia vera−like disease with associated myelofibrosis in a murine bone marrow transplant model. Blood. 2006;107:4274−81)。JAK2、CALR、及びMPLにおける変異は、JAK/STATシグナル伝達経路の活性化をもたらし、その結果、細胞増殖をもたらし細胞死を阻害する。この結果生じるのは、クローン増殖である(Ilhe JN, Gilliland DG. JAK2: normal function and role in hematopoietic disorders. Curr. Opin. Genet. Dev. 2007;17:8−14)。すなわち、JAK/STAT経路を下方制御することができるJAK2阻害剤は、細胞増殖の減少に役立つことが予想される。
真性赤血球増加症(PV)及び本態性血小板血症(ET)は、赤血球細胞(RBC)及び血小板のレベル上昇を特徴とする。しかしながら、罹患した患者の約10%は、PMFとは形態学的に識別可能である骨髄線維症を発症する。これらの症状は、PV後MF及びET後MFと呼ばれ(Campbell PJ, Green AR. Management of polycythemia vera and essential thrombocythemia. Hematology Am. Soc. Hematol. Educ. Program. 2005;201−8)、臨床上の名称はMPN関連骨髄線維症である。MPN関連骨髄線維症の患者は、PMFの場合と同様な生存予後を有し、急性骨髄性白血病(AML)へとがん化する累積リスクが約10%ある。
PMFの患者の生存期間を予測する予後予測スコアリングシステムがいくつか存在する。国際予後予測スコアリングシステム(IPSS)は、診断時での生存期間を予測するのに使用され、ダイナミック国際予後予測スコアリングシステム(Dynamic International Prognositic Scoring System、DIPSS)は、疾患過程の任意の時点で使用される(Cervantes F, Dupriez B, Pereira A, et al. New prognostic scoring system for primary myelofibrosis based on a study of the International Working Group for Myelofibrosis Research and Treatment. Blood. 2009;Mar 26;113(13):2895−901;Passamonti F, Cervantes F, Vannucchi AM, Morra E, Rumi E, Pereira A, et al. A dynamic prognostic model to predict survival in primary myelofibrosis: a study by the IWG−MRT (International Working Group for Myeloproliferative Neoplasms Research and Treatment). Blood. 2010 Mar 4;115(9):1703−8)。IPSSに含まれる可変要素は、年齢65歳超、全身症状、ヘモグロビンレベル10g/dL未満、及び白血球細胞(WBC)数である。さらに最近の予後予測スコアリングシステムとして、ダイナミック国際予後予測スコアリングシステムプラス(Dynamic International Prognositic Scoring System Plus、DIPSS Plus)及び変異分析によるデータを組み込んだスコアリングシステムが挙げられる。MF患者の全生存期間とDIPSSリスク分類との間には強力な関連性が存在し、低リスク、中リスク1、中リスク2、または高リスクの患者について、生存期間中央値は、それぞれ15.4、6.5、2.9、及び1.3年である(Tefferi A. Primary myelofibrosis: 2017 update on diagnosis, risk−stratification, and management. Am. J. Hematol. 2016 Dec;91(12):1262−1271)。
MFである個体の約70%は、中リスク2または高リスク分類にあり(Gangat N, Caramazza D, Vaidya R, George G, Begna K, Schwager S, et al. DIPSS plus: a refined Dynamic International Prognostic Scoring System for primary myelofibrosis that incorporates prognostic information from karyotype, platelet count, and transfusion status. J. Clin. Oncol. 2011 Feb 1;29(4):392−7)、最大の未対応の医療需要となっている。脾臓及び肝臓の症候性拡大、RBC輸血の必要性、悪液質、及びその他のMF関連症候は、それらの患者の生活の質を大幅に損なう((Mesa RA, Camoriano JK, Geyer SM, Wu W, Kaufmann SH, Rivera CE, et al. A phase II trial of tipifarnib in myelofibrosis: primary, post−polycythemia vera and post−essential thrombocythemia. Leukemia. 2007 Sep;21(9):1964−70)。
化合物I
化合物Iの合成は、2009年5月5日交付の米国特許第7,528,143号の実施例90に開示され、これはそのまま全体が本明細書により参照として援用される。化合物I、別名フェドラチニブは、JAK2キナーゼ活性の強力かつ選択的阻害剤であり、これは、細胞アッセイにおいて、JAK2シグナル伝達、変異JAK2または変異MPLに駆動される細胞増殖を阻害し、恒常活性型JAK2を発現する細胞でアポトーシスを誘導する。化合物Iは、骨髄増殖性腫瘍(MPN)患者から単離された造血前駆細胞の赤芽球コロニー形成も阻害する。
骨髄線維症(MF)は、CD34+造血幹細胞における、異常な増殖及び骨髄分化を促進する変異に起因するクローン疾患である(Mead AJ, 2017)。JAK2V617Fに加えて、JAK2及び他の遺伝子における複数の他の変異が、MF患者で見られるが、これらは、予後、AML進行、及びJAK阻害剤ルキソリチニブに対する反応に関連するとされてきた(Vainchenker W, Kralovics R. Genetic basis and molecular pathophysiology of classical myeloproliferative neoplasms. Blood. 2017 Feb 9;129(6):667−679, Tefferi A, Guglielmelli P, Nicolosi M, Mannelli F, et al. GIPSS: genetically inspired prognostic scoring system for primary myelofibrosis. Leukemia. 2018 Mar 23;Spiegel JY, McNamara C, Kennedy JA, Panzarella T, et al. Impact of genomic alterations on outcomes in myelofibrosis patients undergoing JAK1/2 inhibitor therapy. Blood. 2017 Sep 8;1(20):1729−1738;Newberry KJ, Patel K, Masarova L, Luthra R, et al. Clonal evolution and outcomes in myelofibrosis after ruxolitinib discontinuation. Blood. 2017 Aug 31;130(9):1125−1131;Patel KP, Newberry KJ, Luthra R, Jabbour E, et al. Correlation of mutation profile and response in patients with myelofibrosis treated with ruxolitinib. Blood. 2015 Aug 6;126(6):790−7;Levine RL, Wadleigh M, Cools J, Ebert BL, Wernig G, Huntly BJ, et al. Activating mutation in the tyrosine kinase JAK2 in polycythemia vera, essential thrombocythemia, and myeloid metaplasia with myelofibrosis. Cancer Cell. 2005;7:387−97;Werning G, Mercher T, Okabe R, Levine L, Lee BH, Gilliland GL. Expression of JAK2V617F causes a polycythemia vera−like disease with associated myelofibrosis in a murine bone marrow transplant model. Blood. 2006;107:4274−81;Mercher T, Wernig G, Moore SA, Levine RL, Gu TL, Frohling S, Cullen D, Polakiewicz RD, Bernard OA, Boggon TJ, Lee BH, Gilliland DG. JAK2T875N is a novel activating mutation that results in myeloproliferative disease with features of megakaryoblastic leukemia in a murine bone marrow transplantation model. Blood. 2006 Oct 15;108(8):2770−9;Scott LM, Tong W, Levine RL, Scott MA, Beer PA, Stratton MR, et al. JAK2 exon 12 mutations in polycythemia vera and idiopathic erythrocytosis. N. Engl. J. Med. 2007 Feb 1;356(5):459−68;Pardanani A, Tefferi A, Jamieson C, Gabrail NY, et al. A phase 2 randomized dose−ranging study of the JAK2−selective inhibitor fedratinib (SAR302503) in patients with myelofibrosis. Blood Cancer J. 2015 Aug 7;5:e335)。
ホスホリル化STAT3(pSTAT3)は、活性化JAK2の下流エフェクターである。循環細胞中のpSTAT3レベルを追跡することにより、MF患者におけるフェドラチニブJAK2係合の有用な薬力学的(PD)バイオマーカーであることが証明されている(Pardanani A, Tefferi A, Jamieson C, Gabrail NY, et al. A phase 2 randomized dose−ranging study of the JAK2−selective inhibitor fedratinib (SAR302503) in patients with myelofibrosis. Blood Cancer J. 2015 Aug 7;5:e335)。前臨床データは、フェドラチニブがpSTAT5の阻害も可能であることを示しており、およびAML異種移植片モデルにおいて、AML細胞中のpSTAT5のベースレベルから、フェドラチニブに対する反応が予測されることが報告されている(Chen WC, Yuan JS, Xing Y, Mitchell A, Mbong N, et al. An Integrated Analysis of Heterogeneous Drug Responses in Acute Myeloid Leukemia That Enables the Discovery of Predictive Biomarkers. Cancer Res. 2016 Mar 1;76(5):1214−24)。異常なサイトカイン発現及び骨髄線維症は、MFの紛れもない特徴である(Vainchenker W, Kralovics R. Genetic basis and molecular pathophysiology of classical myeloproliferative neoplasms. Blood. 2017 Feb 9;129(6):667−679;Mondet J, Hussein K, Mossuz P. Circulating Cytokine Levels as Markers of Inflammation in Philadelphia Negative Myeloproliferative Neoplasms: Diagnostic and Prognostic Interest. Mediators Inflamm. 2015;2015:670580)。高レベルの炎症促進性サイトカイン及び繊維形成性サイトカインは、MFにおいて骨髄(BM)間質変化、無効な赤血球生成/髄外造血、及び全身症状の一因となることが報告されている(Mondet J, Hussein K, Mossuz P. Circulating Cytokine Levels as Markers of Inflammation in Philadelphia Negative Myeloproliferative Neoplasms: Diagnostic and Prognostic Interest. Mediators Inflamm. 2015;2015:670580;Tefferi A, Pardanani A. JAK inhibitors in myeloproliferative neoplasms: rationale, current data and perspective. Blood Rev. 2011 Sep;25(5):229−37)。フェドラチニブは、JAK阻害剤での治療を以前に受けたことがないMF患者において循環サイトカインを調節することが見出された(Pardanani A, Tefferi A, Jamieson C, Gabrail NY, et al. A phase 2 randomized dose−ranging study of the JAK2−selective inhibitor fedratinib (SAR302503) in patients with myelofibrosis. Blood Cancer J. 2015 Aug 7;5:e335)。サイトカイン調節は、そうした患者における持続性ウイルス反応(SVR)及び全身症状の改善と相関していた(Pardanani A, Tefferi A, Jamieson C, Gabrail NY, et al. A phase 2 randomized dose−ranging study of the JAK2−selective inhibitor fedratinib (SAR302503) in patients with myelofibrosis. Blood Cancer J. 2015 Aug 7;5:e335)。
最近の研究から、JAK2V617Fについて、ならびにルキソリチニブなどのJAK阻害剤についても免疫調節的役割が明らかになり始めている。例えば、JAK2V617Fは、プログラム細胞死リガンド1(PD−L1)の上方制御によるMPN骨髄細胞の免疫回避の一因であることが見つかり(Prestipino A, Emhardt AJ, Aumann K, O’Sullivan D, et. al. Oncogenic JAK2V617F causes PD−L1 expression, mediating immune escape in myeloproliferative neoplasms. Sci. Transl. Med. 2018 Feb 21;10(429))、そしてルキソリチニブは、これらの細胞でPD−L1発現を調節することが報告されている(Prestipino A, Emhardt AJ, Aumann K, O’Sullivan D, et. al. Oncogenic JAK2V617F causes PD−L1 expression, mediating immune escape in myeloproliferative neoplasms. Sci. Transl. Med. 2018 Feb 21;10(429))。しかしながら、前臨床データ及び臨床データは、ルキソリチニブが、強力な免疫抑制薬でもあり、MF患者において移植片対宿主病(GVHD)を抑制すること、T細胞及びNK細胞の出現頻度を低下させること、ならびにそれらの活性化を妨げることが可能であることを示す(Betts BC, Bastian D, Iamsawat S, Nguyen H, et al. Targeting JAK2 reduces GVHD and xenograft rejection through regulation of T cell differentiation. Proc Natl Acad Sci U S A. 2018 Feb 13;115(7):1582−1587. Epub 2018;Schonberg K, Rudolph J, Vonnahme M, Parampalli et al. Cancer JAK Inhibition Impairs NK Cell Function in Myeloproliferative Neoplasms. Res. 2015 Jun 1;75(11):2187−99;Parampalli Yajnanarayana S, Stubig T, Cornez I, Alchalby H, et al. JAK1/2 inhibition impairs T cell function in vitro and in patients with myeloproliferative neoplasms. Br. J. Haematol. 2015 Jun;169(6):824−33)。前臨床データは、フェドラチニブが、リンパ腫の腫瘍細胞においてPD−L1発現を調節することができることを示唆する(Hao Y, Chapuy B, Monti S, Sun HH, Rodig SJ, Shipp MA. Selective JAK2 inhibition specifically decreases Hodgkin lymphoma and mediastinal large B−cell lymphoma growth in vitro and in vivo. Clin. Cancer Res. 2014 May 15;20(10):2674−83)。しかしながら、フェドラチニブは、GVHDの強力な抑制因子ではないし、異種移植片マウスモデルにおいてヒトT細胞の発達を阻害することもできない(Betts BC, Veerapathran A, Pidala J, Yang H, et al. Targeting Aurora kinase A and JAK2 prevents GVHD while maintaining Treg and antitumor CTL function. Sci Transl Med. 2017 Jan 11;9(372))。JAK2に対するフェドラチニブの選択的活性は、フェドラチニブがMF患者においてT細胞またはNK細胞機能を損なうことなく免疫調節機能を発揮するという可能性を高める。
実施形態によっては、本開示は、化合物Iあるいはその薬学上許容される塩または水和物(例えば、化合物II)を投与された患者におけるチアミン欠乏を予防および/または軽減する方法を提供する。実施形態によっては、本開示は、患者の治療法を提供し、本方法は、化合物Iあるいはその薬学上許容される塩または水和物(例えば、化合物II)を投与すること、および患者のチアミンレベルをモニタリングすることを含む。
実施形態によっては、本開示は、骨髄増殖性疾患の治療法を提供し、本方法は、以下を含む
(i)治療を必要としている患者に、JAK1および/またはJAK2阻害剤を投与すること、および
(ii)患者のチアミンレベルをモニタリングすること。
そのような実施形態の一部において、本方法は、さらに、チアミンレベルが基準値(例えば、ベースラインレベル)より低い場合に患者のチアミンレベルを調整することを含む。実施形態によっては、JAK1および/またはJAK2阻害剤は、化合物Iまたはその薬学上許容される塩(例えば、化合物II)である。
したがって、実施形態によっては、本開示は、骨髄増殖性疾患の治療法を提供し、本方法は、以下
(i)治療を必要としている患者に、化合物Iあるいはその薬学上許容される塩または水和物(例えば、化合物II)を投与すること、および
(ii)患者のチアミンレベルをモニタリングすること
チアミンレベルが基準値より低い場合には、患者のチアミンレベルを調整すること
を含む。
実施形態によっては、患者のチアミンレベルは、チアミン欠乏に関するバイオマーカーを1種または複数分析することにより、評価される。実施形態によっては、チアミン欠乏に関するバイオマーカーは、血清チアミンレベルである。
実施形態によっては、バイオマーカーのレベルは、基準値と比較される。実施形態によっては、基準値は、バイオマーカーのベースラインレベルである(例えば、化合物Iまたは化合物IIの投与前のバイオマーカーレベル)。実施形態によっては、基準値は、健康な集団(例えば、標的疾患または障害に罹患していない集団)で典型的に観察される範囲内にあると見なされるバイオマーカーレベルである。実施形態によっては、基準値は、標的疾患または障害であると診断された集団で典型的に観察される範囲内にあると見なされるバイオマーカーレベルである。
実施形態によっては、化合物Iまたは化合物IIの投与後のバイオマーカーレベは、基準値より低い(例えば、バイオマーカーのベースラインレベルより低い)。
実施形態によっては、患者のチアミンレベルは、チアミンレベルが基準値より約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%またはそれ以上に低い場合、調整される。実施形態によっては、基準値は、化合物Iまたは化合物IIの投与前の、患者のチアミンレベルのベースラインである。実施形態によっては、基準値は、全血の約74nM/L〜約222nM/Lというチアミンレベルである。
実施形態によっては、患者は、ウェルニッケ脳症を発症するリスクがある。
実施形態によっては、患者のチアミンレベルは、患者にチアミンまたはチアミン同等物を投与することにより調整される。
実施形態によっては、本開示は、以下を含む患者の治療法を提供する:
(i)患者に、化合物Iあるいはその薬学上許容される塩または水和物(例えば、化合物II)を投与すること、
(ii)患者のチアミンレベルを分析すること、および
(iii)患者のチアミンレベルが全血の約30nM/L以下である場合、患者に、チアミンまたはチアミン同等物を投与すること。
実施形態によっては、本開示は、チアミン欠乏を軽減する方法を提供し、本方法は、チアミン欠乏を発症するリスクがある患者に、化合物Iあるいはその薬学上許容される塩または水和物(例えば、化合物II)を投与することを含み、この場合、患者はチアミンまたはチアミン同等物にも同時に曝露する。
そのような実施形態の一部において、患者は、チアミンを1日あたり約100mg投与される。実施形態によっては、患者は、チアミンを1日あたり約100mg送達するのに十分なチアミン同等物を投与される。実施形態によっては、チアミンまたはチアミン同等物は、経口投与される。
実施形態によっては、患者は、チアミンを1日あたり約100mg送達するチアミン同等物を投与される。
実施形態によっては、本開示は、(i)化合物Iあるいはその薬学上許容される塩または水和物(例えば、化合物II)、および(ii)チアミンまたはチアミン同等物を含む併用療法を提供する。
実施形態によっては、本開示は、骨髄線維症の治療法を提供し、本方法は、治療を必要としている患者に、化合物Iあるいはその薬学上許容される塩または水和物(例えば、化合物II)およびチアミンまたはチアミン同等物を含む併用療法を投与することを含む。そのような実施形態の一部において、チアミンは、1日あたり約100mg(QD)の量で投与される。実施形態によっては、患者は、チアミンを1日あたり約100mg送達するのに十分なチアミン同等物を投与される。実施形態によっては、チアミンまたはチアミン同等物は、経口投与される。
そのような実施形態の一部において、チアミンは、約500mgTIDというチアミン量で投与される。そのような実施形態の一部において、患者は、チアミンを約250または約500mgQDで投与される。実施形態によっては、患者は、チアミンを1日あたり約250mgまたは約500mg(QD)送達するのに十分なチアミン同等物を投与される。実施形態によっては、約250mgまたは約500mgのチアミンは、経口投与される。実施形態によっては、チアミン同等物は、経口投与される。
実施形態によっては、チアミン同等物は、チアミンピロリン酸エステルである。
実施形態によっては、提供される方法は、さらに、患者のマグネシウムレベルを上昇させることを含む。実施形態によっては、患者のマグネシウムレベルは、マグネシウム補給剤を投与することにより、上昇する。
実施形態によっては、患者は、骨髄増殖性疾患を患っている。
実施形態によっては、骨髄増殖性疾患は、骨髄線維症である。実施形態によっては、骨髄線維症は、原発性骨髄線維症である。実施形態によっては、骨髄線維症は、続発性骨髄線維症である。実施形態によっては、骨髄線維症は、本態性血小板血症後骨髄線維症である。実施形態によっては、骨髄線維症は、真性赤血球増加症後骨髄線維症である。
実施形態によっては、骨髄増殖性疾患は、真性赤血球増加症である。実施形態によっては、骨髄増殖性疾患は、本態性血小板血症である。実施形態によっては、骨髄増殖性疾患は、急性骨髄性白血病である。
実施形態によっては、化合物Iは、二塩酸塩一水和物形(例えば、化合物II)で投与される。
実施形態によっては、化合物Iあるいはその薬学上許容される塩または水和物(例えば、化合物II)は、単位剤形で患者に投与される。実施形態によっては、化合物Iまたは化合物IIの単位剤形は、化合物の遊離塩基重量に基づいている。例えば、遊離塩基形の化合物Iで100mgの用量は、化合物Iがその二塩酸塩一水和物形(すなわち、化合物II)である場合の約117.30mgに等しい。実施形態によっては、化合物Iまたは化合物IIの単位剤形は、化合物の遊離塩基重量に基づいて、約50mg、約100mg、約150mg、または約200mgである。実施形態によっては、化合物Iまたは化合物IIの単位剤形は、合物の遊離塩基重量に基づいて、100mgである。
実施形態によっては、化合物Iあるいはその薬学上許容される塩または水和物(例えば、化合物II)は、経口剤形で投与される。そのような実施形態の一部において、経口剤形は、カプセル剤である。実施形態によっては、経口剤形は、錠剤である。
実施形態によっては、化合物Iあるいはその薬学上許容される塩または水和物(例えば、化合物II)は、1日1回(QD)投与される。実施形態によっては、化合物Iあるいはその薬学上許容される塩または水和物(例えば、化合物II)は、約200mg、約300mg、または約400mgの1日量合計で投与される。実施形態によっては、化合物Iまたは化合物IIは、約400mgの1日量合計で患者に投与される。実施形態によっては、化合物Iまたは化合物IIは、約300mgの1日量合計で患者に投与される。実施形態によっては、化合物Iまたは化合物IIは、約200mgの1日量合計で患者に投与される。実施形態によっては、化合物Iまたは化合物IIの1日量合計は、有害事象を理由に調節される。実施形態によっては、化合物Iまたは化合物IIの1日量合計は、減らされる。実施形態によっては、化合物Iまたは化合物IIの1日量合計は、約400mgから約300mgへと減らされる。実施形態によっては、化合物Iまたは化合物IIの1日量合計は、約200mgへと減らされる。
実施形態によっては、化合物Iあるいはその薬学上許容される塩または水和物(例えば、化合物II)は、1回の28日サイクル中、1日1回投与される。実施形態によっては、化合物Iあるいはその薬学上許容される塩または水和物(例えば、化合物II)は、2回の28日サイクル中、1日1回投与される。実施形態によっては、化合物Iあるいはその薬学上許容される塩または水和物(例えば、化合物II)は、3回、4回、5回、またはそれより多い回数の28日サイクル中、1日1回投与される。実施形態によっては、化合物Iあるいはその薬学上許容される塩または水和物(例えば、化合物II)は、6回、7回、8回、9回、10回、11回、12回、またはそれより多い回数の28日サイクル中、1日1回投与される。実施形態によっては、化合物Iあるいはその薬学上許容される塩または水和物(例えば、化合物II)は、疾患の症候がもはや測定不能になるまで、1日1回投与される。実施形態によっては、化合物Iまたは化合物IIは、患者の生涯にわたり投与される。実施形態によっては、化合物Iまたは化合物IIは、1回または複数回の28日サイクル中、1日1回投与され、その後休薬日が入る。「休薬日」は、本明細書中使用される場合、化合物Iまたは化合物IIが患者に投与されない、ある長さの時間を示す。実施形態によっては、休薬日は、1日、1週間、または1回の28日サイクルである。実施形態によっては、化合物Iまたは化合物IIは、1回または複数回の28日サイクル中、1日1回投与され、その後休薬日が入り、次いで、休薬日前と同じ用量レベルで化合物Iまたは化合物IIの1日1回投与が再開される。実施形態によっては、化合物Iまたは化合物IIは、1回または複数回の28日サイクル中、1日1回投与され、その後休薬日が入り、次いで、休薬日前の化合物Iまたは化合物IIの用量レベルより100mg少ない用量レベルで化合物Iまたは化合物IIの1日1回投与が再開される。実施形態によっては、化合物Iまたは化合物IIの1日量合計は、先の用量減少後に、100mg増加して用量設定される。
実施形態によっては、提供される方法は、化合物Iあるいはその薬学上許容される塩または水和物(例えば、化合物II)を、2回以上の28日サイクルの間、1日1回投与することを含む。そのような実施形態の一部において、患者のチアミンレベルは、2回目の28日サイクルの最初に評価される。
実施形態によっては、提供される方法は、患者に、化合物Iあるいはその薬学上許容される塩または水和物(例えば、化合物II)を、2回以上の28日サイクルの間、1日1回投与することを含み、患者のチアミンレベルは、毎回28日サイクルの最初に評価される。実施形態によっては、提供される方法は、患者に、化合物Iあるいはその薬学上許容される塩または水和物(例えば、化合物II)を、2回以上の28日サイクルの間、1日1回投与することを含み、患者のチアミンレベルは、毎回28日サイクルの最後に評価される。実施形態によっては、提供される方法は、患者に、化合物Iあるいはその薬学上許容される塩または水和物(例えば、化合物II)を、2回以上の28日サイクルの間、1日1回投与することを含み、患者のチアミンレベルは、2回目の28日サイクルの最初および3回目の28日サイクルの最初に評価される。そのような実施形態の一部において、患者のチアミンレベルは、その後28日サイクルを3回行うごとにその3回目のサイクルの最初に評価される。例えば、患者が12回の28日サイクルの間治療される場合、チアミンレベルは、2回目のサイクル、3回目のサイクル、6回目のサイクル、9回目のサイクル、および12回目のサイクルそれぞれの1日目(±3日間)に評価される。実施形態によっては、提供される方法は、患者に、化合物Iあるいはその薬学上許容される塩または水和物(例えば、化合物II)を、6回以上の28日サイクルの間、1日1回投与することを含み、患者のチアミンレベルは、1回目のサイクル、2回目のサイクル、3回目のサイクル、4回目のサイクル、5回目のサイクル、および6回目のサイクルそれぞれの最初に評価される。
実施形態によっては、提供される方法は、患者のチアミンレベルが正常(例えば、全血の74〜222nM/L)より低いが、全血の30nM/L以上である場合に、患者にチアミンまたはチアミン同等物を投与することを含む。そのような実施形態の一部において、チアミンまたはチアミン同等物は、経口投与される。実施形態によっては、チアミンは、患者に、1日あたり約100mgの用量で投与される。実施形態によっては、患者は、チアミンを1日あたり約100mg送達するのに十分なチアミン同等物を投与される。
実施形態によっては、提供される方法は、患者のチアミンレベルが全血の30nM/L以下である場合にチアミンまたはチアミン同等物を投与することを含む。そのような実施形態の一部において、チアミンは、以下のスケジュールに従って患者に投与される:
(i)2または3日間、1日3回、約500mg(TID)、
(ii)3〜5日間、毎日、約250mg〜約500mg(QD)、および
(iii)少なくとも90日間、毎日、約100mg(QD)。
実施形態によっては、チアミンレベルが全血の30nM/L以下である患者は、以下のスケジュールに従って、一定量のチアミンを送達するのに十分なチアミン同等物を投与される:
(i)2または3日間、1日3回、約500mg(TID)、
(ii)3〜5日間、毎日、約250mg〜約500mg(QD)、および
(iii)少なくとも90日間、毎日、約100mg(QD)。
実施形態によっては、チアミンまたはチアミン同等物は、静脈内投与される。
実施形態によっては、提供される方法は、さらに、患者のマグネシウムレベルをモニタリングすることを含む。そのような実施形態の一部において、提供される方法は、患者のマグネシウムレベルを上昇させることを含む。
実施形態によっては、患者は、骨髄増殖性疾患または症状を有している。実施形態によっては、骨髄増殖性疾患または症状は、原発性骨髄線維症、続発性骨髄線維症、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、真性赤血球増加症後、及び本態性血小板血症後から選択される。実施形態によっては、骨髄増殖性疾患は、急性骨髄性白血病(AML)である。実施形態によっては、原発性骨髄線維症は、ダイナミック国際予後予測スコアリングシステム(DIPSS)で中リスクまたは高リスク原発性骨髄線維症である。実施形態によっては、当該方法は、治療を必要としている患者に、本発明による組成物を投与することを含む。
実施形態によっては、本開示は、以下を含む患者の治療法を提供する:
(i)化合物Iあるいはその薬学上許容される塩または水和物(例えば、化合物II)を投与すること、および
(ii)認知機能評価を実施すること。
実施形態によっては、認知機能評価は、2回目の28日サイクル中に実施される。実施形態によっては、認知機能評価は、3回目の28日サイクル中に実施される。実施形態によっては、認知機能評価は、28日サイクルを少なくとも3回行うごとに3回目のサイクル中に実施される。実施形態によっては、認知機能評価は、ミニメンタルステート検査を含む。実施形態によっては、本方法は、さらに、患者のチアミンレベルを分析することを含む。
試験実施計画書概要。以前にルキソリチニブで治療を受けたことがありDIPSS(ダイナミック国際予後予測スコアリングシステム)により中リスクまたは高リスクの原発性骨髄線維症(PMF)、真性赤血球増加症後骨髄線維症(PV後MF)、または本態性血小板血症後骨髄線維症(ET後MF)である対象における、フェドラチニブの、多施設、単一群、非盲検での、有効性および安全性試験。
目的。本試験の主要目的は、フェドラチニブを用いて脾体積減少が少なくとも35%である対象のパーセンテージを評価することである。副次目的は、以下のとおりである:
・フェドラチニブの安全性を評価すること
・触診により脾臓サイズ減少を評価すること
・骨髄線維症症状評価フォーム(MFSAF)により測定した場合の骨髄線維症(MF)関連症候を評価すること
・MRI(核磁気共鳴画像法)/CT(コンピュータ断層撮影法)により、及び触診により脾臓反応の期間を評価すること
・症候反応の期間を評価すること
・胃腸(GI)事象についてのリスク軽減戦略の有効性を評価すること
・ウェルニッケ脳症(WE)についてのリスク軽減戦略の有効性を評価すること
探索的検討は、以下のとおりである:
・全生存期間(OS)を評価すること
・選択された治療関連症候(下痢、悪心、嘔吐、めまい、頭痛)に対する試験治療の効果を対象の視点から評価すること、評価は、患者報告アウトカムバージョンの有害事象共通用語基準(PRO−CTCAE)による。
・ベースラインで、および有効性パラメーターとの関連で予後マーカー(例えば、遺伝子変異)を探索すること
・フェドラチニブの作用機序に関連するバイオマーカーを探索すること(例えば、循環サイトカイン)
試験集団。本試験は、中リスクまたは高リスクの原発性骨髄線維症(PMF)、真性赤血球増加症後骨髄線維症(PV後MF)、または本態性血小板血症後骨髄線維症(ET後MF)である対象約110人を登録する予定である。
何らかの理由により試験実施計画書に規定される治療を中止した対象は全員、生存期間、その後の治療、及び骨髄線維症から急性骨髄性白血病(AML)への悪化について、死亡するまで、または治療終了(EOT)後最長12ヶ月、追跡不能、さらなるデータ収集への同意の撤回、または臨床試験終了、これらのいずれかが最初に起こるまで、3ヶ月ごとに追跡調査を受ける予定である。
試験計画。本試験は、以下の3段階からなる予定である:
・28日間のスクリーニング期間
・フェドラチニブ治療期間、これには最後の投薬来診後30日の追跡調査を含む
・12ヶ月の生存追跡調査期間
試験の長さ。予想される試験期間は、約4年であり、これには、全登録までの約18ヶ月、ならびに治療及び追跡調査の24ヶ月が含まれる。
臨床試験終了は、試験実施計画書において予め指定されるとおり、最後の対象が最後に来診して生存追跡調査を完了した日付、あるいは主要、副次、及び/または探索的分析に必要な最後のデータ点を最後の対象から受領した日付いずれかで、新しい方の日付として定義される。
スクリーニング期間。登録された対象は全員、スクリーニング期間中にスクリーニング手順を受けることになり、この手順は、試験治療の開始前28日以内に完了しなければならない。これは、試験実施計画書で定義される全ての選択基準及び除外基準に基づいて対象の適格性を判断する働きをする。スクリーニング期間中にルキソリチニブが投与される対象またはスクリーニング中に検出された検査値異常(もしくは対象を登録から除外する他の基準)が反転する可能性のある対象については、スクリーニング期間を35日間まで(追加で7日)延長することが可能である。
治療期間。適格性が確認されると、対象は、登録されて、フェドラチニブを400mg用量で1日1回経口で継続使用する治療を受けることになる。フェドラチニブは、二塩酸塩一水和物形(すなわち、化合物II)として投与される。サイクルは、投与目的で4週間(28日)の期間として定義される。特に記載がない限り、来診の幅は、±3日間であるが、例外的にMRI/CTスキャン手続きは、来診の幅が±7日間である。最初の3回のサイクルの間、施設来診は、1日目および15日目に行われる予定であり、その後のサイクルの間は、1日目に行われる予定である。サイクル1の8日目、施設側は、対象と電話で連絡を取り、悪心、嘔吐、および下痢の発生を評価しそれらの管理について相談する予定である。対象は、許容できない毒性、治療効果の欠如、または同意が撤回されるまで、フェドラチニブで治療を続けることができる。対象は全員、試験中、有害事象についてモニタリングされる予定である。何らかの理由により試験実施計画書に規定される治療を中止した対象は全員、フェドラチニブの最後の投薬後30日の期間追跡調査される予定である。
フェドラチニブは、外来患者として継続的に、好ましくは夕食と一緒に、毎日同じ時間に1日1回経口で自己投与される。1回分摂取し忘れた場合、次の用量は、翌日、摂取し忘れる前にそれまで摂取していたのと同じ時間に、摂取しなくてはならない。
最初の3回のサイクルの間、施設来診は、1日目および15日目に行われる予定であり、その後のサイクルの間は、1日目に行われる予定である。サイクル1の8日目、施設側は、対象と電話で連絡を取り、悪心、嘔吐、および下痢の発生を評価しそれらの管理について相談する予定である。
対象は、許容できない毒性、治療効果の欠如、疾患の進行、または同意が撤回されるまで、フェドラチニブで治療を続けることができる。
対象は全員、試験中、有害事象についてモニタリングされる予定である。
何らかの理由により試験実施計画書に規定される治療を中止した対象は全員、フェドラチニブの最後の投薬後30日の期間追跡調査される予定である。
フェドラチニブに関連した最も一般的な有害事象は、血液学的及び胃腸の有害事象である。JAK阻害剤に関連した血液学的有害事象は、用量依存性で機構に基づくものであり、それらは、用量減少、投薬中断、及び輸血を通じて管理される。
この試験でのフェドラチニブ用量は、400mg/日である。対象に、用量変更スケジュール表(表1)に規定されるとおりの薬物毒性が出た場合は、投薬を中断すべきであり、用量変更が必要になる場合がある。
用量レベルを開始用量より2段階下げた後も対象がフェドラチニブ治療に対して不耐容であるならば、その対象は、試験治療への参加を中止しなければならない。用量変更スケジュール表(表1)に指定されるとおりの期間で毒性が解消されないならば、対象は、試験治療への参加を中止しなければならない。用量の再増加は、用量変更スケジュール表(表1)に定義されるとおりの特定の場合において可能である。フェドラチニブの一日量は、400mg/日を超えることはできない。
対象は、許容できない毒性、治療効果の欠如、または対象が治療に従わないもしくは同意を撤回するまで、フェドラチニブで治療を続けることができる。
用量変更スケジュール
個別の対象について薬物毒性を最小限に抑えるために柔軟な用量変更レジメンを用いることができ、可能な一日量は、200mg、300mg、または400mgである。
フェドラチニブに関連する最も一般的な有害事象は、血液学的及び胃腸の有害事象である。JAK阻害剤に関連する血液学的有害事象は、用量依存性で機構に基づくものであり、それらは、用量減少、投薬中断、及び輸血を通じて管理される。
対象に、以下の表1に指定されるとおりの薬物毒性が出たならば、投薬は中断しなければならない。場合によっては(すなわち、肝機能検査(LFT)異常ではない場合)、用量は、治験責任医師の判断に基づき、試験中に100mg/日の減少幅で用量設定し、最小用量の200mg/日まで下げることが可能である。腎機能の重篤な損傷がある対象及び強力なもしくは中度のCYP3A4阻害剤が同時投与される対象については、フェドラチニブ用量が調整される。
用量レベルを開始用量より2段階下げた後も対象がフェドラチニブに対して不耐容であるならば、その対象は、試験治療への参加を中止しなければならない。表1に指定されるとおりの期間で毒性が解消されないならば、対象は、試験治療への参加を中止しなければならない。用量の再増加は、特定の場合において可能である。フェドラチニブの一日量は、400mg/日を超えることはできない(遊離塩基重量に基づき)。
Figure 2022502492

Figure 2022502492
強力なもしくは中度のCYP3A4阻害剤を同時投与するための用量調整
フェドラチニブと強力なもしくは中度のCYP3A4阻害剤の同時投与は、フェドラチニブ曝露を増加させる可能性がある。フェドラチニブ曝露の増加は、曝露関連AEのリスクを高める可能性があり、慎重に検討する必要がある。
強力なCYP3A4阻害剤を同時投与される対象の場合、フェドラチニブの開始用量を、400mgから200mgに減少させることが推奨される。フェドラチニブ治療中に強力なCYP3A4阻害剤を導入することが要求される場合、用量レベルを2段階下げる(例えば、300mgから100mgへ)ことを検討する。強力なCYP3A4阻害剤として、ボセプレビル、コビシスタット、コニバプタン、ダノプレビル・リトナビル合剤、エルビテグラビル・リトナビル合剤、グレープフルーツ果汁、インジナビル・リトナビル合剤、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ロピナビル・リトナビル合剤、パリタプレビル・リトナビル・(オムビタスビル及び/またはダサブビル)合剤、ポサコナゾール、リトナビル、サキナビル・リトナビル合剤、テラプレビル、チプラナビル・リトナビル合剤、トロレアンドマイシン、及びボリコナゾールが挙げられるが、これらに限定されない。
中度のCYP3A4阻害剤を同時投与される対象の場合、フェドラチニブの開始用量を、400mgから300mgに減少させることが推奨される。フェドラチニブ治療中に中度のCYP3A4阻害剤を導入することが要求される場合、用量レベルを1段階下げる(例えば、300mgから200mgへ)ことを検討する。中度のCYP3A4阻害剤として、アプレピタント、シメチジン、シプロフロキサシン、クロトリマゾール、クリゾチニブ、シクロスポリン、ドロネダロン、エリスロマイシン、フルコナゾール、フルボキサミン、イマチニブ、トフィソパム、及びベラパミルが挙げられるが、これらに限定されない。
フェドラチニブの血漿中濃度の潜在的上昇による何らかのフェドラチニブ関連AEに基づきフェドラチニブ用量を1日あたり100mg未満に減少させることが必要である場合、例えば、フェドラチニブ100mgを1日おきに投与することにより、一日量平均をより下げることを検討する。フェドラチニブ100mgを1日おきに投与することは、50mgの一日量平均に等しい。
フェドラチニブ用量の減少後、AEが依然として解消されない場合、患者のための総合的な利益/リスクに基づきフェドラチニブまたは強力なCYP3A4阻害剤いずれかの投薬を中断することを検討する。
CYP3A4阻害剤との同時投与が中止される場合、フェドラチニブ用量は、状況に応じて再増加させるべきである。
腎機能低下の場合の用量調整。軽度および中度の腎機能低下の対象においては、用量調整は推奨されない。臨床試験中に重度の腎機能障害を発症した対象では、フェドラチニブ用量を、1段階用量レベルを下げることにより調整しなければならない(例えば、1日1回[QD]で400mgから300mgへ)。計画される用量が200mgQDの対象は、100mgへの減少が可能である。
潜在的ウェルニッケ脳症(WE)の管理
WEの潜在例は、医療的緊急事態である。フェドラチニブでの治療中のWEのスクリーニング及びWEの潜在例の管理は、以下の工程に従って行う予定である:
臨床評価及び認知機能評価。中間病歴:錯乱、記憶障害、視覚障害(例えば、複視)、ならびに栄養不良、吸収不良の兆候及び症候、及びアルコール飲用について対象の履歴を再検討することを含む
・身体検査:スクリーニング中、及び毎治療サイクルの1日目、治療終了(EOT)時、及び30日目の追跡調査来診時の、異常な眼球運動、小脳異常、及び体重(以前の検査または患者の履歴と比較して体重減少)の評価を含む
・ミニメンタルステート検査(MMSE):脳症の兆候/症候を客観的に評価するため、スクリーニング中、サイクル2及び3の1日目、その後は3回のサイクルごと、EOT時、及び臨床上必要であればさらに頻繁に行われる
潜在的WEの管理。WEを示す可能性がある兆候または症候がある場合:
・WEが除外されるまで、フェドラチニブを保留する
・チアミンレベル用の試料を得る
・チアミン補充を実験的に開始する
・事象をAESIとして試験依頼者に報告する
・神経学的助言を得る
・脳MRIを行う
・WEが確認された場合、フェドラチニブを永久的に中止する
チアミンのモニタリング及び補正。チアミンレベル(全血)をモニタリングする予定であり、チアミンレベルが正常範囲未満の対象全員に、チアミン補充を行う予定である。
・チアミンレベルは、スクリーニング時に評価され、フェドラチニブ治療を開始する前に補正及び再検査が必要である
・フェドラチニブでの治療中、チアミンレベルは、サイクル2、3、及びその後3回のサイクルごとにサイクルの開始時に、または臨床上必要である場合に、評価される:
−対象がチアミン補充を受ける場合、チアミンレベルは、チアミン補充に関して飢餓状態において評価されなければならず、チアミンは、採血後に投与される
−チアミンレベルの結果が正常より低い場合、実施医療機関は、可能な限り迅速に対象と連絡を取り、チアミン補充を開始する
−チアミンレベルが正常より低いが≧30nM/Lであり、WEの兆候または症候がない場合:
・チアミン100mgの経口補充を開始しなければならない
・結果が、地域の検査室で得られた場合、その事象を、特に注目すべき有害事象(AESI)として試験依頼者に報告する
−チアミンレベルが<30nM/Lである場合、WEの兆候または症候の有無を問わず:
・直ちに、チアミン(好ましくは静脈内(IV)で)を治療投薬量(例えば、1日3回30分間の500mgの点滴を2〜3日間)で、あるいは地域の標準治療に従って同等量を筋肉内(IM)で用いて治療する;
・事象を特に注目すべき有害事象(AESI)として試験依頼者に報告する
・続いて、3〜5日間、250mg〜500mgのIVチアミン点滴を1日1回行う、あるいは、地域の標準治療に従って同等量のIMを投与する、
・その後、経口で一日量100mgのチアミンを少なくとも90日間投与し続ける
・チアミンレベルが正常範囲に回復するまで、フェドラチニブは保留しなければならない。
−チアミン補充は、チアミン単独の配合物として投与されなければならない。
−チアミンレベルが低い場合、マグネシウムレベルが正常であることを確認し、もし低ければ、補正する
特に注目すべき有害事象(AESI)とは、治験薬の理解に特有の科学的かつ医薬的に関心が持たれるものの1つであり、綿密なモニタリング及び治験責任医師から試験依頼者への迅速な報告が必要とされる場合がある。
以下は、特に注目すべき有害事象(AESI)とみなされる:
・正常範囲未満のチアミンレベルを伴うウェルニッケ脳症(WE)またはWEが疑われる症例。
・WEの兆候または症候の有無を問わず、正常範囲未満のチアミンレベル
・試験治療開始後の新規悪性腫瘍
・骨髄線維症から急性骨髄性白血病(AML)への悪化
・心不全または心肥大
・CTCAE基準v5.0に従ってグレード3及び4の高リパーゼ血症またはグレード3及び4の高アミラーゼ血症または膵炎事象
・グレード3または4のアラニントランスアミナーゼ(ALT)、アスパラギン酸トランスアミナーゼ(AST)、または総ビリルビンの上昇、または肝毒性事象
悪心及び嘔吐の管理。フェドラチニブを用いた治療中の悪心及び嘔吐の管理は、以下の工程に従って行う予定である:
・治療開始前、対象に、管理指示書(いつ試験実施医療機関と連絡を取るかを含む)を提供する予定である
・悪心及び嘔吐事象を軽減する目的で、夕食時、食物とともにフェドラチニブを摂取することが推奨される。
・治療の最初の8週間は、現地の慣行に従って予防的に抗悪心/嘔吐治療薬(例えば、オンダンセトロン)を使用することが強く推奨される。ジメンヒドリナートまたは他のムスカリン受容体アンタゴニストを悪心及び嘔吐に対して使用する場合、眠気及び他の神経学的AEの可能性を最小限に抑えるために、これらの作用剤は夜投与する
・表1に従って、フェドラチニブ用量を保留/減少させる
・グレード3以上の悪心または嘔吐あるいは持続する事象に対しては、入院が必要とされる場合がある
・悪心及び嘔吐に対する予防的使用のため投与される医薬について、フェドラチニブ治療の最初の8週間の間に臨床上顕著な悪心及び嘔吐が生じていなければ、対象がこれらの医薬を断薬することを検討する
下痢の管理。フェドラチニブを用いた治療中の下痢の管理は、以下の工程に従って行う予定である:
・対象は、自宅で利用可能なロペラミドを有するべきであり、治療開始前に、下痢管理の指示書(いつ試験実施医療機関と連絡を取るかを含む)が提供されなければならない
・ロペラミドは、対象に下痢が発生していない場合、予防として投与されるべきではない
・下痢の発生時に、現地の慣行どおりにロペラミドで治療する。4mg初回量でロペラミドを開始し、その後は下痢性便通があるたびに2mgを検討するが、ただし16mg/24時間は超えない
・適切な水分補給、ラクトース含有食物及びアルコールの回避、コメ、バナナ、パンなどを用いた少量の食事を含む、食事の工夫
・表1に従って、フェドラチニブ用量を保留/減少させる
・グレード3以上の持続性下痢に対しては、入院が必要とされる場合がある
・悪心、嘔吐、及び下痢の管理は、その後毎回の28日サイクルの1日目の対象の来診中、最初の3回のサイクルの15日目、及び最初のサイクルの8日目の必須電話連絡により、評価する予定である
重要な有効性評価の概要。
特に記載がない限り、脾体積反応の解析は、有効性評価可能な集団で行う予定であり、骨髄線維症症状反応解析は、MFSAF集団で行う予定であり、脾臓サイズ反応の解析は、安全性集団で行う予定である。
MRI/CTによる脾体積反応率(RR)。
脾体積減少の反応率は、サイクル6回目の終了時に、ベースラインと比較して脾体積減少が≧35%であった対象の割合として定義される。反応率および95%信頼区間を提供する予定である。また、脾体積測定値及びベースラインからの変化パーセンテージの記述要約統計を提供する予定である。サイクル6回目の終了前に脾腫進行についての基準を満たした対象を含む、サイクル6回目終了時にMRI/CT脾体積データのない対象は、非応答者とみなす予定である。
感度分析は、サイクル6回目の終了時に、ベースラインと比較して脾体積減少が≧25%であった対象の反応率について行う予定である。
触診による脾臓反応率(RRP)。触診による脾臓反応率は、サイクル6回目の終了時に、ベースラインと比較して、IWG−MRT2013に従って脾臓反応がある対象の割合である。これは、ベースラインで脾腫大(LCMの下5cmまたは5cmを超える)を有する対象について計算する予定である。サイクル6回目の終了前に脾腫進行についての基準を満たした対象を含む、サイクル6回目終了時に脾臓サイズ評価のない対象は、応答者ではないとみなす予定である。反応率及び95%信頼区間を提供する予定である。
症候反応率(SRR)。症候反応率(SRR)は、MFSAFバージョン4.0により測定した総症状スコア(TSS)が、サイクル6回目の終了までにベースラインから≧50%減少した対象の割合として定義される。SRR及び95%信頼区間を提供する予定である。TSSは、7種の症候のスコアそれぞれを合計したものと定義する予定である(Gwaltney C, Paty J, Kwitkowski VE, Mesa RA, Dueck AC, Papadopoulos EJ, et al. Development of a harmonized patient−reported outcome questionnaire to assess myelofibrosis symptoms in clinical trials. Leuk Res. 2017 Aug;59:26−31)。以前のMF研究と間接的に比較できるようにするため、改変TSS(Mesa RA, Gotlib J, Gupta V, Catalano JV, Deininger MW, Shields AL, et al. Effect of ruxolitinib therapy on myelofibrosis−related symptoms and other patient−reported outcomes in COMFORT−I: a randomized, double−blind, placebo−controlled trial. J. Clin. Oncol. 2013 Apr 1;31(10):1285−92)も、検討される6種の症候(寝汗、掻痒、腹部不快感、早期満腹感、左側肋骨下の疼痛、骨または筋肉痛)から計算する予定であり、SRRの解析も行う予定である。
各時点で、TSS(7種の症候に基づく)及び改変TSSを計算する予定である。記述要約統計(寸法、平均、標準偏差、中央値、範囲)を、ベースラインスコア、ベースライン後スコア、ならびにTSS、改変TSS、及び症候スコアのベースラインからの変化について提供する予定である。
ベースラインTSS>0ではない対象は、SRR解析に関して評価不能(症候低減の余地がないため)とみなす予定である。サイクル6回目終了時にTSSのない対象またはサイクル6回目終了前に病勢進行してしまった対象は、非応答者とみなす予定である。
MRI/CTによる脾体積反応期間(DR)。MRI/CTによる脾体積反応期間(DR)は、脾臓反応(すなわち、脾体積の≧35%減少)が最初に報告された時点から脾体積の<35%減少が最初に報告された時点までとして定義される。事象が存在しない(すなわち解析を行う前から引き続き脾体積減少が<35%である)場合、DRは、解析実施日前に行われた最後の有効な評価の日付で打ち切る予定である。
MRI/CTスキャンによる脾体積反応期間は、カプラン・マイヤー法を用いて解析する予定である。25パーセンタイル、50パーセンタイル、及び75パーセンタイルのK−M推定値ならびに中央値の95%信頼区間を、提供する予定である。K−M曲線をプロットする予定である。
触診による脾臓反応期間(DRP)。触診による脾臓反応期間(DRP)は、IWG−MRT2013に従って触知可能な脾臓反応が最初に報告された時点からIWG−MRT2013に従って反応の減少が最初に報告された時点までと定義される。IWG−MRT2013基準に従う触診による脾臓反応期間は、ベースラインで脾腫大(LCMの下5cmまたは5cmを超える)を有する対象、及び触診により脾臓反応を有する対象について計算する予定である。解析を行う前に事象が存在しない(すなわち、触診による脾臓反応の減少がない)場合、DRPは、解析実施日前に行われた最後の有効な評価の日付で打ち切る予定である。
症候反応期間(DSR)。症候反応期間は、MFSAFバージョン4.0により測定されるTSSの反応(すなわち、TSSの≧50%減少)が最初に報告された時点からTSSの<50%減少が最初に報告された時点までとして定義される。解析を行う前にTSSの<50%減少が存在しない場合、DSRは、解析実施日前に行われた最後の有効な評価の日付で打ち切る予定である。DRSは、K−M法を用いて解析する予定である。25パーセンタイル、50パーセンタイル、及び75パーセンタイルのK−M推定値ならびに中央値の95%信頼区間を、提供する予定である。K−M曲線をプロットする予定である。
Figure 2022502492

Figure 2022502492

Figure 2022502492

AE=有害事象;C1D1=サイクル1回目の1日目;CTC=有害事象共通用語基準;ICF=説明同意書;MFSAF=骨髄線維症症状評価フォーム;MRI=核磁気共鳴画像法;NCI=国立がん研究所;PRO−CTCAE=有害事象共通用語基準の患者報告アウトカムバージョン;SVR=脾体積減少。
生存追跡期間。何らかの理由により試験実施計画書に規定される治療を中止した対象は全員、生存期間、その後の治療、新規悪性腫瘍、及び骨髄線維症から急性骨髄性白血病(AML)への悪化について、死亡するまで、または治療終了(EOT)後最長12ヶ月、追跡不能、さらなるデータ収集への同意の撤回、または臨床試験終了、これらのいずれかが最初に起こるまで、3ヶ月ごとに追跡調査を受ける予定である。

Claims (40)

  1. 骨髄増殖性疾患の治療法であって、以下
    (i)治療を必要としている患者に、化合物Iあるいはその薬学上許容される塩または水和物を投与すること、及び
    (ii)前記患者のチアミンレベルをモニタリングすること、ここで、前記チアミンレベルが基準値より低い場合は、前記患者のチアミンレベルを調整すること、
    を含む、前記方法。
  2. 前記患者のチアミンレベルは、チアミン欠乏に関するバイオマーカー1種または複数を分析することにより評価される、請求項1に記載の方法。
  3. チアミン欠乏に関する前記バイオマーカーは、血清チアミンレベルである、請求項2に記載の方法。
  4. 化合物Iの投与後の前記バイオマーカーのレベルは、前記基準値より低い、請求項2または請求項3に記載の方法。
  5. 前記患者のチアミンレベルは、前記患者に、チアミンまたはチアミン同等物を投与することにより調整される、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 骨髄線維症の治療法であって、治療を必要としている患者に、化合物Iあるいはその薬学上許容される塩または水和物、及びチアミンまたはチアミン同等物を含む併用療法を投与することを含む、前記方法。
  7. チアミン欠乏の軽減法であって、チアミン欠乏を発症するリスクがある患者に、化合物Iあるいはその薬学上許容される塩または水和物を投与することを含み、前記患者は、同時に、チアミンまたはチアミン同等物に曝露する、前記方法。
  8. 前記チアミン同等物は、チアミンピロリン酸エステルである、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 患者の治療法であって、以下:
    (i)前記患者に、化合物Iあるいはその薬学上許容される塩または水和物を投与すること、
    (ii)前記患者のチアミンレベルを分析すること、及び
    (iii)前記患者のチアミンレベルが約30nM/L以下である場合は、前記患者に、チアミンまたはチアミン同等物を投与すること
    を含む、前記方法。
  10. チアミンは、前記患者に、1日あたり約100mgの量で投与される、請求項9に記載の方法。
  11. チアミンは、経口投与される、請求項10に記載の方法。
  12. チアミンは、前記患者に、約250mg〜約500mgの量で投与される、請求項9に記載の方法。
  13. チアミンは、前記患者に、約250mgの量で投与される、請求項12に記載の方法。
  14. チアミンは、前記患者に、約500mgの量で投与される、請求項12に記載の方法。
  15. チアミンは、静脈内投与される、請求項12から14のいずれか1項に記載の方法。
  16. チアミンは、以下のスケジュール:
    2または3日間、約500mgをTID、
    3〜5日間、約250mg〜約500mgを毎日(QD)、及び
    90日間、約100mgをQD
    に従って投与される、請求項9に記載の方法。
  17. 前記患者は、1日あたり約100mgのチアミンを送達するのに十分なチアミン同等物を投与される、請求項9に記載の方法。
  18. 前記チアミン同等物は、経口投与される、請求項17に記載の方法。
  19. 前記患者は、約250mg〜約500mgのチアミンを送達するのに十分なチアミン同等物を投与される、請求項9に記載の方法。
  20. 前記チアミン同等物は、約250mgのチアミンを送達するのに十分である、請求項19に記載の方法。
  21. 前記チアミン同等物は、約500mgのチアミンを送達するのに十分である、請求項19に記載の方法。
  22. 前記チアミン同等物は、静脈内投与される、請求項19から21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 前記チアミン同等物は、以下のスケジュール:
    2または3日間、約500mgをTID、
    3〜5日間、約250mg〜約500mgを毎日(QD)、及び
    90日間、約100mgをQD
    に従う量のチアミンを送達するのに十分である、請求項17に記載の方法。
  24. さらに、前記患者のマグネシウムレベルを上昇させることを含む、請求項1から23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 前記患者は、骨髄増殖性疾患を患っている、請求項1から24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 前記骨髄増殖性疾患は、骨髄線維症である、請求項25に記載の方法。
  27. 前記骨髄線維症は、原発性骨髄線維症である、請求項26に記載の方法。
  28. 前記原発性骨髄線維症は、中リスク原発性骨髄線維症及び高リスク原発性骨髄線維症から選択される、請求項27に記載の方法。
  29. 前記骨髄線維症は、続発性骨髄線維症である、請求項26に記載の方法。
  30. 前記骨髄線維症は、本態性血小板血症後骨髄線維症である、請求項26に記載の方法。
  31. 前記骨髄線維症は、真性赤血球増加症後骨髄線維症である、請求項26に記載の方法。
  32. 前記骨髄増殖性疾患は、急性骨髄性白血病(AML)である、請求項25に記載の方法。
  33. 前記骨髄増殖性疾患は、真性赤血球増加症である、請求項25に記載の方法。
  34. 前記骨髄増殖性疾患は、本態性血小板血症である、請求項25に記載の方法。
  35. 患者の治療法であって、以下:
    (i)化合物Iあるいはその薬学上許容される塩または水和物を投与すること、及び
    (ii)認知機能評価を実施すること
    を含む、前記方法。
  36. 前記評価は、化合物I投与の2回目の28日サイクル中に実施される、請求項35に記載の方法。
  37. 前記評価は、化合物I投与の3回目の28日サイクル中に実施される、請求項35に記載の方法。
  38. 前記評価は、化合物I投与の28日サイクルを少なくとも3回行うごとに3回目のサイクル中に実施される、請求項35に記載の方法。
  39. 前記評価は、ミニメンタルステート検査を含む、請求項35に記載の方法。
  40. さらに、前記患者のチアミンレベルを分析することを含む、請求項35に記載の方法。
JP2021540380A 2018-09-25 2019-09-24 骨髄増殖性疾患の治療法 Pending JP2022502492A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201862736369P 2018-09-25 2018-09-25
US62/736,369 2018-09-25
US201862783076P 2018-12-20 2018-12-20
US62/783,076 2018-12-20
PCT/US2019/052608 WO2020068755A1 (en) 2018-09-25 2019-09-24 Methods of treating myeloproliferative disorders

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022502492A true JP2022502492A (ja) 2022-01-11
JPWO2020068755A5 JPWO2020068755A5 (ja) 2022-10-03

Family

ID=69950867

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021540380A Pending JP2022502492A (ja) 2018-09-25 2019-09-24 骨髄増殖性疾患の治療法

Country Status (13)

Country Link
US (2) US20220031699A1 (ja)
EP (1) EP3856169A4 (ja)
JP (1) JP2022502492A (ja)
KR (1) KR20210102192A (ja)
CN (1) CN113286584A (ja)
AU (1) AU2019346521A1 (ja)
BR (1) BR112021005518A2 (ja)
CL (1) CL2021000744A1 (ja)
IL (1) IL281736A (ja)
MA (1) MA53741A (ja)
MX (2) MX2021003450A (ja)
SG (1) SG11202103019WA (ja)
WO (1) WO2020068755A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2019349652A1 (en) * 2018-09-25 2021-05-13 Impact Biomedicines, Inc. Methods of treating myeloproliferative disorders
KR20210102192A (ko) 2018-09-25 2021-08-19 임팩트 바이오메디신스, 인코포레이티드 골수증식성 장애를 치료하는 방법
AU2021401681A1 (en) 2020-12-16 2023-06-22 Impact Biomedicines, Inc. Dosing of fedratinib
EP4297750A1 (en) 2021-02-25 2024-01-03 Impact Biomedicines, Inc. Use of a bet inhibitor alone or in combination with fedratinib or ruxolitinib for treating a hematological malignancy such as myelofibrosis
WO2023044297A1 (en) 2021-09-14 2023-03-23 Impact Biomedicines, Inc. Fedratinib for treating myeloproliferative disorders

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013541595A (ja) * 2010-11-07 2013-11-14 ターゲジェン インコーポレーティッド 骨髄線維症を処置するための組成物及び方法

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8133900B2 (en) 2005-11-01 2012-03-13 Targegen, Inc. Use of bi-aryl meta-pyrimidine inhibitors of kinases
BR122021011787B1 (pt) 2005-11-01 2022-01-25 Impact Biomedicines, Inc Inibidores de biaril meta pirimidina de cinases, composição farmacêutica e processo para preparar uma composição farmacêutica
US20090093009A1 (en) * 2007-10-09 2009-04-09 Sum Chan Mass spectrometry method for measuring thiamine in body fluid
US20130102624A1 (en) * 2011-05-19 2013-04-25 John V. Schloss Early detection of thiamine deficiency
US10155987B2 (en) 2012-06-12 2018-12-18 Dana-Farber Cancer Institute, Inc. Methods of predicting resistance to JAK inhibitor therapy
WO2015081127A2 (en) 2013-11-26 2015-06-04 Gilead Sciences, Inc. Therapies for treating myeloproliferative disorders
KR20160115953A (ko) * 2014-01-31 2016-10-06 다나-파버 캔서 인스티튜트 인크. 디아미노피리미딘 벤젠술폰 유도체 및 그의 용도
KR20180035884A (ko) * 2015-08-04 2018-04-06 악셀레론 파마 인코포레이티드 골수증식성 장애를 치료하기 위한 방법
AU2019349652A1 (en) 2018-09-25 2021-05-13 Impact Biomedicines, Inc. Methods of treating myeloproliferative disorders
KR20210102192A (ko) 2018-09-25 2021-08-19 임팩트 바이오메디신스, 인코포레이티드 골수증식성 장애를 치료하는 방법
FR3092581A1 (fr) 2019-02-12 2020-08-14 Impact Biomedicines, Inc Formes cristallines d'un inhibiteur de jak2
US20230250068A1 (en) 2019-02-12 2023-08-10 Inpact Biomedicines, Inc. Crystalline forms of a jak2 inhibitor

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013541595A (ja) * 2010-11-07 2013-11-14 ターゲジェン インコーポレーティッド 骨髄線維症を処置するための組成物及び方法

Non-Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
"Janus kinase-2 inhibitor fedratinib in patients with myelofibrosis p reviously treated with ruxoliti", LANCET HAEMATOL, vol. 4, JPN6023035661, 2017, pages 317 - 324, ISSN: 0005144967 *
"Safety and Efficacy of Fedratinib in Patients With Primary or Secondary Myelofibrosis A Randomized C", JAMA ONCOL, vol. 1(5), JPN6023035659, 2015, pages 643 - 651, ISSN: 0005144969 *
"The Janus Kinase 2 Inhibitor Fedratinib Inhibits Thiamine Uptake: A Putative Mechanism for the Onset", DRUG METAB DISPOS, vol. 42, JPN6023035660, 2014, pages 1656 - 1662, ISSN: 0005144968 *
"Thiamine deficiency appears uncommon in patients with Myeloproliferative Neoplasms", BRITISH JOURNAL OF HAEMATOLOGY, vol. 178, JPN6023035658, 2017, pages 327 - 340, ISSN: 0005144970 *

Also Published As

Publication number Publication date
MX2021003450A (es) 2021-07-16
EP3856169A4 (en) 2022-06-29
KR20210102192A (ko) 2021-08-19
BR112021005518A2 (pt) 2021-06-29
US20220031699A1 (en) 2022-02-03
SG11202103019WA (en) 2021-04-29
US20220133724A1 (en) 2022-05-05
CL2021000744A1 (es) 2021-10-08
EP3856169A1 (en) 2021-08-04
CN113286584A (zh) 2021-08-20
US11400092B2 (en) 2022-08-02
WO2020068755A1 (en) 2020-04-02
MX2023013844A (es) 2023-12-08
IL281736A (en) 2021-05-31
MA53741A (fr) 2021-08-04
AU2019346521A1 (en) 2021-05-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2022502492A (ja) 骨髄増殖性疾患の治療法
US11198731B2 (en) Combinations of cabozantinib and atezolizumab to treat cancer
EP2675451B1 (en) mTOR/JAK INHIBITOR COMBINATION THERAPY
US20140178366A1 (en) Preselection of subjects for therapeutic treatment based on hypoxic status
US20160287588A1 (en) Methods of treating a bruton's tyrosine kinase disease or disorder
US8709419B2 (en) Combination therapy
CN110494166A (zh) 组合疗法
Fenn et al. Phase 1 study of erlotinib and metformin in metastatic triple-negative breast cancer
CN103764144A (zh) Pi3k抑制剂与mek抑制剂的协同组合
Wang et al. First-in-human phase I dose-escalation and dose-expansion trial of the selective MEK inhibitor HL-085 in patients with advanced melanoma harboring NRAS mutations
JP2022514056A (ja) 癌の治療に使用するためのRaf阻害剤及びCDK4/6阻害剤による組み合わせ療法
CN115135324A (zh) 通过靶向冷肿瘤治疗癌症的方法
US20140142128A1 (en) Methods of treating a disease or disorder associated with bruton's tyrosine kinase
KR20160090814A (ko) Jak, cdk 및 pim의 억제제를 포함하는 조합 요법
US20220133751A1 (en) Methods of treating myeloproliferative disorders
CN115175677A (zh) 布鲁顿氏酪氨酸激酶抑制剂的给药
Teo Mary Booth, Fiona James, Andrew Viggars, Clare Shaw, and Mark Teo
CN113730572A (zh) 含有抗egfr抗体或其片段的联合用药物
Center et al. Dasatinib in patients with Waldenström Macroglobulinemia (WM) progressing on Ibrutinib

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220922

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220922

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230905

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20231204

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240229

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20240402

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240801

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20240809

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20240823