JP2022502335A - ガラス作製プロセスにおける貴金属製部品の電気化学的侵食を緩和するための装置及び方法 - Google Patents

ガラス作製プロセスにおける貴金属製部品の電気化学的侵食を緩和するための装置及び方法 Download PDF

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Abstract

ガラス物品を成形するための装置及び方法が開示され、上記装置及び方法では、第1の電流経路に沿って、対向する給電電極間の溶融ガラス中に電流を確立することによって、上記溶融ガラスが耐火性容器内で加熱される。上記溶融用容器は、上記溶融ガラスと接触する貴金属製部品と、上記貴金属製部品の付近の少なくとも1つの非給電電極とを含む。上記少なくとも1つの非給電電極、及び上記貴金属製部品は、それぞれ第2及び第3の電流経路を形成し、これらは上記第1の電流経路と並列であり、従って上記第2の電流経路中の電流は減少し、これにより、上記貴金属製部品における電気化学的反応が低減される。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2018年9月28日出願の米国仮特許出願第62/738,129号の優先権の利益を主張するものであり、上記仮特許出願の内容は依拠され、その全体が、以下に完全に記載されているかのように、参照により本出願に援用される。
本開示は、ガラス物品を成形するための装置及び方法に関し、より詳細には、ガラス物品を製造するための耐火性容器内の貴金属製部品の電気化学的侵食を緩和するための装置及び方法に関する。
商業的なガラス溶融において、エネルギを溶融プロセスに入力する方法は主に2つ存在し、それは、化石燃料の燃焼からのエネルギの伝導及び/若しくは放射、並びに/又はガラス中に浸漬した電極間に電流を確立することによるガラスのジュール加熱である。効率の高さ、環境に対する影響の小ささ、及びプロセスの柔軟性を理由として、電気エネルギが好まれる。しかしながら、バッチ(前駆)材料は一般に非導電性であるため、初期加熱方法又は熱増強方法として非電気的方法が使用される場合がある。例えばいくつかの方法では、化石燃料と電気との組み合わせをエネルギ源として使用でき、まずバッチ材料を燃焼バーナで加熱して導電性溶融材料を形成した後、溶融材料(これ以降「溶融ガラス」)を更に電流で加熱する。
溶融ガラスの加熱に電流を利用するほとんどのガラスに関して、溶融用容器の耐火性壁付近、又は耐火性壁内において、溶融用容器の長さの少なくとも一部分に沿って、電極を溶融ガラス中に浸漬させる。典型的には、これらの電極は、溶融用容器の一方の側部に沿った電極が、溶融用容器の他の側部に沿った対応する電極を有するように配設され、この溶融用容器に対して、これらの電極は、溶融ガラスを通るように電気的に「点火(fire)」する(即ち電流を通す)。所与の溶融用容器に関して、溶融用容器の幅にわたって交番電流を供給する、複数の独立制御型の電気回路が存在してよい。かつて、電気回路内の電流は、溶融用容器内の他の部品とほとんどないし全く相互作用せずに、一方の電流から、溶融ガラスを通って、溶融用容器の反対側の対応する電極において溶融用容器を出るように進むと考えられていた。最近の実験的研究により、溶融用容器にわたって広がる電流は、溶融用容器内の、接続導管、熱電対シース、バブラーチューブ、タップ、又は他の金属製部品といった金属製部品を通って伝導し、またこれらとも相互作用し得ることが示された。これらの金属製部品の多くは、溶融ガラスの高温及び腐食性環境に耐えるために、例えば白金族金属又はその合金である貴金属から形成される場合がある。これらの貴金属は、溶融ガラスよりも桁違いに低い抵抗率を有するため、電極間の電圧場内又はその付近の貴金属製部品は電流経路となる恐れがある。従って、電流は、回路内の電極のうちの1つに対面する貴金属製部品の側部において、この貴金属製部品に入り、電気回路内の反対側の電極に対面する反対側の側部において、この貴金属製部品から出る。この電流の大きさは、所与の電極回路に印加される電流に正比例する。貴金属を通る電流点火は、この貴金属を侵食して、溶融ガラス中に包有物(シード)形成するガスを生成する可能性がある。この貴金属の侵食は、貴金属製部品が溶融ガラス中で腐食することによる固体包有物、並びに貴金属製部品の欠損及び/又は破壊も生成する可能性がある。ガラス産業は、電子ディスプレイ又は他の用途のための低抵抗率及び超低抵抗率ガラスへと移行しているため、溶融ガラス中への同等の電力を得るために必要な電流の値が大きくなることにより、貴金属の侵食はますます問題となっている。このようなガラスを製造する溶融用容器からの導管の分解検査により、上述の機序による貴金属の測定可能な侵食が示されている。
ジュール加熱を利用して、溶融用容器内の溶融ガラスに曝露され得る貴金属製部品を通る電流を低減することにより、ガス及び/又は微粒子包有物を減少させる方法が必要とされている。
本開示によると、ガラス物品を成形するための装置が開示され、上記装置は、:耐火性容器であって、上記耐火性容器の内部に空間を画定する、耐火性容器;上記内部空間に露出した複数の給電電極;上記内部空間に露出した貴金属製部品;及び上記内部空間内において上記貴金属製部品の付近に位置決めされ、上記貴金属製部品から電流を分流するよう構成された、少なくとも1つの非給電電極を備える。例えば上記装置は、導電体を通して上記複数の給電電極に接続された電源を備えることができ、上記複数の給電電極、及び上記電源は第1の電流経路を構成し、上記貴金属製部品、上記電源、及び上記複数の給電電極は第2の電流経路を構成し、上記第2の電流経路の少なくとも一部分は上記第1の電流経路の少なくとも一部分に対して並列であり、上記少なくとも1つの非給電電極、上記電源、及び上記複数の給電電極は第3の電流経路を構成し、上記第3の電流経路の少なくとも一部分は上記第2の電流経路の上記少なくとも一部分に対して並列である。
上記少なくとも1つの非給電電極は例えば、上記耐火性容器の底部壁を通って上記内部空間内へと延在する、複数の非給電電極、例えば非給電電極のペアを含むことができる。いくつかの実施形態では、上記耐火性容器の上記底部壁を通って延在する上記複数の非給電電極は、上記内部空間の外側に位置決めされた導電体によって接続できる。
いくつかの実施形態では、上記少なくとも1つの非給電電極は、上記耐火性容器の壁を通って上記内部空間内へと延在する、複数の非給電電極、例えば非給電電極のペアを含むことができる。上記耐火性容器の上記壁を通って延在する上記複数の非給電電極は、例えば、上記内部空間の外側に位置決めされた導電体によって接続できる。
いくつかの実施形態では、上記少なくとも1つの非給電電極は、上記耐火性容器の天井を通って上記内部空間内へと延在する、複数の非給電電極、例えば非給電電極のペアを含むことができる。上記耐火性容器の上記天井を通って延在する上記複数の非給電電極は、例えば、上記内部空間内の雰囲気と接触しない導電体によって接続できる。
様々な実施形態では、上記複数の給電電極は、上記耐火性容器の長さの少なくとも一部分に沿った列として配設できる。
上記複数の給電電極は、上記耐火性容器の上記底部壁を通って上記内部空間内へと延在できるが、更なる実施形態では、上記複数の給電電極は上記耐火性容器の上記壁を通って上記内部空間に露出できる。
実施形態では、上記複数の給電電極はスズ又はモリブデンで構成できる。例えば上記給電電極は、モリブデン(Mo)、MoZrO、又は酸化スズ(例えばSnO)で構成できる。
実施形態では、上記少なくとも1つの非給電電極はスズ又はモリブデンで構成できる。例えば上記非給電電極は、モリブデン(Mo)、MoZrO、又は酸化スズ(例えばSnO)で構成できる。
様々な実施形態では、上記貴金属製部品は、バブラーチューブ、熱電対、及び溶融ガラスのための流路として構成された導管のうちの少なくとも1つを含むことができる。
他の実施形態では、ガラス物品を成形するための装置が開示され、上記装置は:溶融用容器であって、上記溶融用容器の内部に溶融用空間を画定する、溶融用容器;第1の給電電極及び第2の給電電極であって、上記第1の給電電極及び上記第2の給電電極は、上記溶融用空間に露出し、上記第1の給電電極と上記第2の給電電極との間に第1の電流経路を構成する、第1の給電電極及び第2の給電電極;上記第1の給電電極及び上記第2の給電電極に接続された、電源;上記溶融用空間に露出した貴金属製部品であって、上記貴金属製部品は、上記第1の給電電極と上記第2の給電電極との間に第2の電流経路を構成し、上記第2の電流経路の少なくとも一部分は、上記第1の電流経路の少なくとも一部分に対して並列である、貴金属製部品;並びに上記溶融用空間内において上記貴金属製部品の付近に位置決めされ、上記第1の給電電極と上記第2の給電電極との間に第3の電流経路を構成し、上記第3の電流経路の少なくとも一部分は、上記第2の電流経路の少なくとも一部分に対して並列である、少なくとも1つの非給電電極を備える。
上記少なくとも1つの非給電電極は、上記溶融用容器の底部壁を通って上記溶融用空間内へと延在できる。他の実施形態では、上記少なくとも1つの非給電電極は、上記溶融用容器の壁を通って延在でき、また更に他の実施形態では、上記少なくとも1つの非給電電極は、上記溶融用容器の天井を通って延在できる。いくつかの実施形態では、上記少なくとも1つの非給電電極は、上記溶融用容器の上記底部壁、上記溶融用容器の上記壁、及び上記溶融用容器の上記天井のうちのいずれの1つ以上を通って延在できる。
上記少なくとも1つの非給電電極が上記溶融用容器の上記天井を通り、かつ上記溶融ガラスの上方(例えば上記溶融用空間の上方)の雰囲気を通って延在する実施形態では、上記少なくとも1つの非給電電極は、クラッド層を備えることができる。上記クラッド層は例えば、貴金属クラッド層を含むことができる。
いくつかの実施形態では、上記少なくとも1つの非給電電極は、上記溶融用空間の外側の導電体によって接続された複数の非給電電極を含むことができる。
様々な実施形態では、上記第1の給電電極及び上記第2の給電電極は、スズ又はモリブデンで構成できる。例えば上記第1の給電電極及び上記第2の給電電極は、Mo、MoZrO、又はSnOで構成できる。
様々な実施形態では、上記少なくとも1つの非給電電極は、スズ又はモリブデンで構成できる。例えば上記少なくとも1つの非給電電極は、Mo、MoZrO、又はSnOで構成できる。
実施形態では、上記貴金属製部品は、バブラーチューブ、熱電対、及び溶融ガラスのための流路として構成された導管のうちの少なくとも1つを含むことができる。
更に他の実施形態では、ガラス物品を成形するための方法が説明され、上記方法は:溶融用容器の溶融用空間内の複数の給電電極の間の第1の電流経路に沿って、第1の電流を確立するステップであって、上記溶融用空間は、溶融ガラス、及び上記溶融ガラスと接触した貴金属製部品を内包し、上記第1の電流経路は、上記溶融ガラスを通るが上記貴金属製部品を通らずに延在する、ステップ;上記複数の給電電極の間の上記溶融ガラス中の第2の電流経路に沿って、第2の電流を確立するステップであって、上記第2の電流経路の少なくとも一部分は上記貴金属製部品を含み、かつ上記第1の電流経路の少なくとも一部分と並列である、ステップ;並びに上記複数の給電電極の間の上記溶融ガラス中の第3の電流経路に沿って、第3の電流を確立するステップであって、上記第3の電流経路の少なくとも一部分は、上記第3の電流経路の少なくとも一部分が上記第2の電流経路と並列となるように、上記貴金属製部品の付近の少なくとも1つの非給電電極を含む、ステップを含む。
実施形態では、上記第3の電流経路の電気抵抗は、上記第2の電流経路の電気抵抗未満とすることができる。
上記貴金属製部品は、白金、例えば白金‐ロジウム合金等の白金合金を含むことができる。
いくつかの実施形態では、上記貴金属製部品は、熱電対、バブラーチューブ、及び上記溶融ガラスの流路として構成された導管のうちの少なくとも1つを含むことができる。
様々な実施形態では、上記少なくとも1つの非給電電極は、スズ又はモリブデンで構成できる。例えば上記少なくとも1つの非給電電極は、Mo、MoZrO、又はSnOで構成できる。
様々な実施形態では、上記複数の給電電極は、スズ又はモリブデンで構成できる。例えば上記第1の給電電極及び上記第2の給電電極は、Mo、MoZrO、又はSnOで構成できる。
いくつかの実施形態では、上記少なくとも1つの非給電電極は、上記溶融ガラスと接触しない導電体によって接続された少なくとも2つの非給電電極を含むことができる。
上記方法は更に、上記溶融ガラスを成形用本体からドロー加工して、上記ガラス物品を形成するステップを含んでよい。
いくつかの実施形態では、上記ガラス物品はガラスリボンであるが、他の実施形態では、上記ガラス物品は、ロッド、シート、チューブ、コンテナ、エンベロープ、又は目的とする最終用途のための他のいずれの形態とすることができる。
いくつかの実施形態では、上記方法は、上記ガラスリボンを切断して、分割されたガラスリボン(例えばガラスシート)を形成するステップを更に含んでよい。
更に他の実施形態では、ガラス物品を成形するための装置が説明され、上記装置は:耐火性容器であって、上記耐火性容器の内部の溶融用空間を画定する、耐火性容器;上記溶融用空間内に位置決めされた複数の給電電極であって、上記複数の給電電極は電源に電気的に接続される、複数の給電電極;上記溶融用空間内に少なくとも部分的に位置決めされた貴金属製部品であって、上記貴金属製部品は上記電源に電気的に接続されない、貴金属製部品;及び上記内部空間内において上記貴金属製部品の付近に位置決めされた、少なくとも1つの非給電電極であって、上記少なくとも1つの非給電電極は上記電源に電気的に接続されない、少なくとも1つの非給電電極を備える。
上記少なくとも1つの非給電電極は、モリブデン又はスズで構成できる。
実施形態では、上記貴金属製部品は、バブラーチューブ、熱電対、及び溶融ガラスのための流路として構成された導管のうちの少なくとも1つを含むことができる。
いくつかの実施形態では、上記装置は更に、上記溶融用空間内に内包されて、上記複数の給電電極、上記貴金属製部品、及び上記少なくとも1つの非給電電極と接触する、ある量の溶融ガラスを含んでよい。
いくつかの実施形態では、上記複数の給電電極は、上記溶融ガラスを通る第1の電流経路を確立でき、上記複数の給電電極、及び上記貴金属製部品は、上記溶融ガラスを通り上記第1の電流経路と並列の第2の電流経路を確立でき、上記複数の給電電極、及び上記少なくとも1つの非給電電極は、上記溶融ガラスを通り上記第2の電流経路と並列の第3の電流経路を確立できる。
本明細書で開示される実施形態の更なる特徴及び利点を、以下の「発明を実施するための形態」に記載するが、その一部は、「発明を実施するための形態」から当業者には容易に明らかになるか、又は以下の「発明を実施するための形態」、特許請求の範囲、及び添付の図面を含む本出願に記載の実施形態を実践することによって、当業者に認識されるだろう。
上述の「発明の概要」及び以下の「発明を実施するための形態」の両方は、本明細書で開示される実施形態の性質及び特徴を理解するための概観又は枠組みを提供することを意図した実施形態を提供するものであることを理解されたい。添付の図面は、更なる理解を提供するために含まれており、また本明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成する。これらの図面は、本開示の様々な実施形態を図示し、本記載と併せて、これらの実施形態の原理及び動作を説明する。
本開示の実施形態による例示的なガラス製造装置の概略図 本開示のある実施形態による、図1の装置で使用できる例示的な溶融用容器の平面図であり、溶融用容器の接続導管に対する給電電極の配置を示す 本開示のある実施形態による、図2Aの例示的な溶融用容器の平面図であり、溶融用容器の接続導管に対する給電及び非給電電極の配置を示す 様々な並列の電流経路を示す、図2Bの一部分の拡大図 給電及び非給電電極の配置を更に示す、図2Bの横方向断面図 本開示の別の実施形態による、図1の装置で使用できる別の例示的な溶融用容器の平面図であり、溶融用容器の接続導管に対する給電及び非給電電極の配置を示す 図1の装置で使用できるまた別の例示的な溶融用容器の横方向断面図であり、円弧状の非給電電極を示す 図1の装置で使用できる更に別の例示的な溶融用容器の横方向断面図であり、円形の非給電電極を示す 図1の装置で使用できる別の例示的な溶融用容器の横方向断面図であり、直線部分と湾曲部分と備える別の非給電電極を示す 図1の装置で使用できるまた別の例示的な溶融用容器の横方向断面図であり、溶融用容器の天井から、その中に内包された溶融ガラス内へと延在する、非給電電極を示す 溶融用容器の下流に前炉を備える例示的な溶融炉の長手方向断面図であり、上記前炉は、本開示の実施形態による給電及び非給電電極を備える
これより、本開示の実施形態について詳細に言及する。その例は添付の図面に図示されている。可能な限り、図面全体を通して、同一又は同様の部分を指すために同一の参照番号を使用する。
本明細書中で使用される場合、用語「約(about)」は、量、サイズ、処方、パラメータ、並びに他の量及び特性が正確でなく、また正確である必要がなく、許容誤差、変換係数、丸め、測定誤差等、及び当業者に公知の他の因子を反映して、必要に応じて概数であってよく、及び/又は大きく若しくは小さくなってよいことを意味する。
本明細書において、範囲が、「約(about)」1つの特定の値から、及び/又は「約」別の特定の値までとして表現される場合がある。範囲がこのように表現される場合、別の実施形態は、上記1つの特定の値から、及び/又は上記別の特定の値までを含む。同様に、先行語句「約」の使用によって、値が近似値として表現されている場合、上記特定の値は別の実施形態を形成することが理解されるだろう。更に、各範囲の端点は、他方の端点との関係においても、他方の端点とは独立しても、重要であることが理解されるだろう。
本明細書中で使用される場合、方向に関する用語、例えば「上(up)」、「下(down)」、「右(right)」、「左(left)」、「前(front)」、「後(back)」、「上部(top)」、「下部(bottom)」は、図示されている状態の図面を参照して使用されているだけのものであり、絶対的な配向を含意することを意図したものではない。
特段の記載がない限り、本明細書に記載のいずれの方法が、その複数のステップをある具体的な順序で実施することを必要とするものとして解釈されること、又はいずれの装置によって具体的な配向が要求されることは、全く意図されていない。従って、ある方法クレームが、その複数のステップが従うべき順序を実際に示していない場合、又はいずれの装置クレームが、個々の構成部品に対してある順序若しくは配向を実際に記載していない場合、又は上記複数のステップがある具体的な順序に限定されることが請求項又は本説明において具体的に言明されていない場合、又はある装置の構成部品に対する具体的な順序若しくは配向が記載されていない場合、ある順序を暗示することは、いかなる点においても一切意図されていない。これは、以下を含む、解釈に関するいずれの可能な非明示的基礎に関しても当てはまる:ステップ、操作フロー、構成部品の順序、又は構成部品の配向の構成に関する論理問題;文法的な編成又は句読法に由来する平易な意味;及び本明細書に記載された実施形態の数又はタイプ。
本明細書において使用される場合、単数形「ある(a、an)」及び「上記(the)」は、そうでないことが文脈によって明示されていない限り、複数の指示物を含む。従って例えば、「ある」コンポーネントに関する言及は、そうでないことが文脈によって明示されていない限り、2つ以上のこのようなコンポーネントを有する態様を含む。
単語「例示的な(exemplary)」、「例(example)」又はこれらの様々な形態は、本明細書では、例、実例(instance)、又は例示(illustration)として機能することを意味するために使用される。本明細書中で「例示的な」として、又は「例」として記載されているいずれの態様又は設計は、他の態様又は設計に比べて好ましい、又は有利なものであると解釈してはならない。更に、例は明確さ及び理解のためにのみ提供されており、本開示の開示される主題又は関連する部分をいかなる様式でも限定又は制限することを意図したものではない。様々な範囲の無数の追加の又は代替的な例を提示することができるが、簡潔さのために省略されていることを理解されたい。
本明細書中で使用される場合、用語「…を備える(comprising)」及び「…を含む(including)」、並びにこれらの変化形は、特段の記載がない限り、同義かつ非制限的なものと解釈されるものとする。「…を備える」又は「…を含む」という移行句に続く要素のリストは非包括的なリストであり、従ってリストに具体的に列挙されたものに追加される要素も存在し得る。
用語「実質的な(substantial)」、「実質的に、略(substantially)」、及びこれらの変化形は、本明細書中で使用される場合、記述されている特徴が、ある値又は記述に等しいか又は概ね等しいことを指すことを意図したものである。例えば「略平坦な(substantially planar)」表面は、平坦であるか又は概ね平坦である表面を指すことを意図している。更に「実質的に、略」は、2つの値が等しいか又は概ね等しいことを指すことを意図したものである。いくつかの実施形態では、「実質的に、略」は、互いの約10%以内、例えば互いの約5%以内、又は互いの約2%以内の値を指すことができる。
本明細書中で使用される場合、用語「電気的に接続される(electrically connected)」、「電気的に接続する(electrically connecting)、又はこれらの変化形は、溶融材料(例えば溶融ガラス)を含まない導電体を介して接続されることを意味する。第2の要素に電気的に接続された第1の要素は、第1の要素と第2の要素との間に追加の要素を含むことができ、従って上記追加の要素もまた、第1の要素及び第2の要素に電気的に接続される。即ち、第2の要素に電気的に接続された第1の要素は、接続の中の追加の要素の存在を排除するものと解釈してはならない。典型的には、このような導電体は、金属配線又はケーブル、バスバー等を含むが、これらに限定されない。電気的な接続は更に、部品、電流及び/又は電圧コントローラ等の電気的制御デバイス、電流及び/又は電圧測定デバイス等の間の接続を容易にする電気コネクタ(例えばプラグ、タブ、ラグ、ボルト等)を含むがこれらに限定されない、他の部品を含んでよい。
本明細書中で使用される場合、「耐火性(refractory)」は、538℃を超える環境に曝露される構造体のために、又はそのような系の構成要素として、それ自体を適用可能にする化学的及び物理的特性を有する非金属材料を指す。
図1に示されているのは、例示的なガラス製造装置10である。いくつかの実施形態では、ガラス製造装置10は、溶融用容器14を含むガラス溶融炉12を備えることができる。溶融用容器14に加えて、ガラス溶融炉12は任意に、原材料を加熱して上記原材料を溶融ガラスに変換するよう構成された加熱素子(例えば燃焼バーナ及び/又は電極)等の、1つ以上の追加の部品を含むことができる。例えば、溶融用容器14は、電気ブースト式の溶融用容器であってよく、ここでは燃焼バーナ及び直接的な加熱の両方によって原材料にエネルギが付加され、従って電流は原材料のジュール加熱によってエネルギを付加する。いくつかの実施形態では、溶融炉12は前炉(図9を参照)を含んでよく、これは、溶融用容器14を出てこの前炉を通過する溶融ガラスに対する熱調質を提供するように配設される。
更なる実施形態では、ガラス溶融炉12は、溶融用容器からの熱損失を低減する他の熱管理デバイス(例えば断熱部品)を含むことができる。また更なる実施形態では、ガラス溶融炉12は、原材料のガラス溶融物への溶融を促進する、電子及び/又は電気機械的デバイスを含むことができる。例えば、ガラス溶融炉12、より具体的にはガラス溶融用容器14は、温度信号を温度制御装置に中継する1つ以上の熱電対15を含んでよい。典型的には、溶融用容器の1つ以上の壁、及び/又は溶融用容器の底部壁を貫通して溶融ガラスに入るこのような熱電対は、熱電対を溶融ガラスの腐食作用から保護するために、白金又は白金合金シース等の白金又は白金合金を備える。また更に、ガラス溶融炉12は、支持構造体(例えば支持シャーシ、支持部材等)又は他の部品を含むことができる。いくつかの実施形態では、溶融用容器14は更に、例えば窒素若しくは1つ以上の希ガスといった不活性ガス、又は酸素、又はこれらのガスのうちのいずれの組み合わせ、又は他のいずれの好適なガスであるガスの源と流体連通した、1つ以上のバブラーチューブ17を含んでよい。典型的には、このようなバブラーチューブは、白金、又は限定するものではないが白金‐ロジウム合金等の白金合金を含み、溶融用容器の底部壁を通って延在する。ガスを溶融ガラス中に吹き込んで気泡を発生させることにより、溶融ガラスの混合、溶融ガラスの酸化還元状態の調整を支援でき、又は溶融ガラス中の他のガスを拡散させることができる気泡を形成することによって、溶融ガラスの清澄を支援することさえできる。
ガラス溶融用容器14は、耐火性セラミック材料、例えばアルミナ又はジルコニアを含む耐火性セラミック材料等の耐火性材料から形成できるが、上記耐火性セラミック材料は、イットリウム(例えばイットリア、イットリア安定化ジルコニア、リン酸イットリウム)、ジルコン(ZrSiO)若しくはアルミナ‐ジルコニア‐シリカ、又は酸化クロムといった他の耐火性材料を含むことができ、これらは択一的に、又はいずれの組み合わせで、使用される。いくつかの例では、ガラス溶融用容器14は、耐火性セラミックレンガから構成してよい。
いくつかの実施形態では、溶融炉12は、ガラス物品、例えば長さが不定のガラスリボンを製作するために構成されたガラス製造装置の部品として組み込むことができるが、更なる実施形態では、ガラス製造装置は、ガラスロッド、ガラスチューブ、ガラスエンベロープ(例えば照明デバイス、例えば電球用のガラスエンベロープ)、及びガラスレンズといった他のガラス物品を制限なく成形するために構成でき、他の多数のガラス物品も考えられる。いくつかの例では、溶融炉は、スロットドロー装置、フロートバス装置、ダウンドロー装置(例えばフュージョンダウンドロー装置)、アップドロー装置、プレス装置、圧延装置、チューブドロー装置、又は本開示から恩恵を受けることになる他のいずれのガラス製造装置を含む、ガラス製造装置内に含めることができる。例えば図1は、ガラスリボンをフュージョンドロー加工するためのフュージョンダウンドローガラス製造装置10の部品として、ガラス溶融炉12を概略図で示し、上記ガラスリボンは、後で個別のガラスシートに加工するため、又はスプールに巻き取るためのものである。
ガラス製造装置10は任意に、ガラス溶融用容器14の上流に位置決めされた、上流ガラス製造装置16を含むことができる。いくつかの例では、上流ガラス製造装置16の一部分又は全体を、ガラス溶融炉12の一部として組み込むことができる。
図1に示されている実施形態に示されているように、上流ガラス製造装置16は、原材料貯蔵用蓋付き容器18、原材料送達デバイス20、及び原材料送達デバイス20に接続されたモータ22を含むことができる。原材料貯蔵用蓋付き容器18は、ある量の原材料24を貯蔵するよう構成でき、この原材料24は、矢印26によって示されているように、1つ以上の供給ポートを通してガラス溶融炉12の溶融用容器14に供給できる。原材料24は典型的には、1つ以上のガラス形成用金属酸化物、及び1つ以上の改質剤を含む。いくつかの例では、原材料送達デバイス20は、モータ22によって動力供給されて、所定量の原材料24を貯蔵用蓋付き容器18から溶融用容器14に送達できる。更なる例では、モータ22は、原材料送達デバイス20に動力供給して、原材料24を、溶融ガラスの流れ方向に関して溶融用容器14の下流で感知される溶融ガラスのレベルに基づく制御された速度で、導入できる。その後、溶融用容器14内の原材料24を加熱して、溶融ガラス28を形成できる。典型的には、最初の溶融ステップにおいて、原材料を溶融用容器に、微粒子、例えば様々な「砂(sand)」として追加する。原材料24は、以前の溶融及び/又は形成作業からのスクラップガラス(即ちカレット)を含むこともできる。典型的には燃焼バーナを用いて溶融プロセスを開始する。電気ブースト式溶融プロセスでは、原材料の電気抵抗が十分に低減されると、原材料に接触して位置決めされた電極間に電位を発生させることによって電気ブーストを開始でき、これにより原材料を通る電流が確立され、原材料は典型的には溶融状態になるか、又は溶融状態である。
ガラス製造装置10は任意に、溶融ガラス28の流れ方向に関してガラス溶融炉12の下流に位置決めされた、下流ガラス製造装置30を含むことができる。いくつかの例では、下流ガラス製造装置30の一部分を、ガラス溶融炉12の一部として組み込むことができる。しかしながらいくつかの例では、以下で説明される第1の接続導管32、又は下流ガラス製造装置30の他の部分を、ガラス溶融炉12の一部として組み込むことができる。
下流ガラス製造装置30は、溶融用容器14の下流に配置されて上述の第1の接続導管32を介して溶融用容器14に連結された、清澄用容器34等の第1の調質(即ち加工)用チャンバを含むことができる。いくつかの例では、溶融ガラス28は、第1の接続導管32を介して溶融用容器14から清澄用容器34に重力によって供給できる。例えば、重力は、溶融ガラス28を、溶融用容器14から清澄用容器34への第1の接続導管32の内部経路を通して推進できる。従って第1の接続導管32は、溶融用容器14から清澄用容器34への溶融ガラス28の流路を提供する。しかしながら、他の調質用チャンバを、溶融用容器14の下流、例えば溶融用容器14と清澄用容器34との間に位置決めしてもよいことを理解されたい。いくつかの実施形態では、調質用チャンバを、溶融用容器と清澄用容器との間に使用できる。例えば、一次溶融用容器からの溶融ガラスを、清澄用チャンバに入る前に、二次溶融(調質)用容器内で更に加熱でき、又は二次溶融用容器内で一次溶融用容器内の溶融ガラスの温度未満の温度まで冷却できる。
上述のように、様々な技法によって気泡を溶融ガラス28から除去してよい。例えば、原材料24は、酸化スズ等の多価化合物(即ち清澄剤)を含んでよく、これは加熱されると化学的還元反応を起こし、酸素を放出する。他の好適な清澄剤としては、限定するものではないが、ヒ素、アンチモン、鉄、及びセリウムが挙げられる。ただしヒ素及びアンチモンの使用は、環境に関する理由から、いくつかの用途では推奨されない場合がある。清澄用容器34を、例えば溶融用容器の温度を超える温度まで加熱することにより、清澄剤を加熱する。溶融ガラス中に含まれる1つ以上の清澄剤の、温度によって誘発される化学的還元によって生成された、酸素の気泡は、清澄用容器内の溶融ガラスを通って上昇し、溶融炉内で生成される溶融ガラス中のガスは、清澄剤によって生成された酸素気泡と合体できるか、又は上記酸素気泡内へと拡散できる。次に、大きくなって浮力が増大したガスの気泡は、清澄用容器内の溶融ガラスの自由表面へと上昇でき、その後、清澄用容器から排出され得る。酸素気泡は更に、溶融ガラスを通って上昇する際に、清澄用容器内の溶融ガラスの物理的混合を誘発できる。
下流ガラス製造装置30は更に、清澄用容器34の下流を流れる溶融ガラスを混合するための混合装置36、例えば撹拌チャンバ等の、別の調質チャンバを含むことができる。混合装置36を用いて、均質なガラス溶融組成物を提供でき、これにより、清澄用チャンバを出る溶融ガラス内に存在し得る化学的又は熱的な不均質性を低減できる。図示されているように、清澄用容器34は、第2の接続導管38を介して混合装置36に連結されていてよい。いくつかの実施形態では、溶融ガラス28は、第2の接続導管38を介して清澄用容器34から混合装置36に重力によって供給できる。例えば、重力は、溶融ガラス28を、清澄用容器34から混合装置36への第2の接続導管38の内部経路を通して推進できる。典型的には、混合装置36内の溶融ガラスは自由表面を含み、この自由表面と混合装置の上部との間に自由容積が広がる。なお、混合装置36は溶融ガラスの流れ方向に関して清澄用容器34の下流に図示されているが、他の実施形態では、混合装置36を清澄用容器34の上流に位置決めしてよい。いくつかの実施形態では、下流ガラス製造装置30は、複数の混合装置、例えば清澄用容器34の上流の混合装置、及び清澄用容器34の下流の混合装置を含んでよい。これらの複数の混合装置は、同一の設計のものであってよく、又は互いに異なる設計のものであってもよい。いくつかの実施形態では、これらの容器及び/又は導管のうちの1つ以上は、溶融材料の混合及びそれに続く均質化を促進するために、その中に位置決めされた静的混合用羽根を含むことができる。
下流ガラス製造装置30は更に、混合装置36の下流に配置された送達用容器40等の、別の調質用チャンバを含むことができる。送達用チャンバ40は、下流の成形デバイスに供給するために溶融ガラス28を調質できる。例えば送達用チャンバ40は、流出導管44を介した溶融ガラス28の成形用本体42への連続的な流れを調整及び提供するための、アキュムレータ及び/又は流れコントローラとして作用できる。送達用チャンバ40内の溶融ガラスは、いくつかの実施形態では自由表面を含んでよく、この自由表面から送達用チャンバの上部まで、自由容積が上向きに広がる。図示されているように、混合装置36は、第3の接続導管46を介して送達用チャンバ40に連結できる。いくつかの例では、溶融ガラス28は、第3の接続導管46を介して混合装置36から送達用容器40に重力によって供給できる。例えば、重力は、溶融ガラス28を、混合装置36から送達用チャンバ40への第3の接続導管46の内部経路を通して推進できる。
下流ガラス製造装置30は更に、流入導管50を含む上述の成形用本体42を備える、成形装置48を含むことができる。流出導管44は、溶融ガラス28を送達用容器40から成形装置48の流入導管50へと送達するように位置決めできる。フュージョンダウンドローガラス作製装置内の成形用本体42は、成形用本体の上面に位置決めされたトラフ52と、成形用本体の底面縁部(基部)56に沿ったドロー方向に集束する集束成形表面54(1つの表面のみが図示されている)とを備えることができる。送達用容器40、流出導管44、及び流入導管50を介して、成形用本体のトラフ52へと送達された溶融ガラスは、トラフ52の壁を越えて溢れ、集束成形表面54に沿って、溶融ガラスの別個の流れとして流れ落ちる。これらの溶融ガラスの別個の流れは、下方で基部56に沿って一体化して、溶融ガラスの単一のリボン58を形成し、このリボン58を、重力及び/又は牽引ロールアセンブリ(図示せず)等によって上記ガラスリボンに下向きの張力を印加することによって、基部56からドロー平面に沿ってドロー方向60に引っ張り、溶融ガラスが冷却されて材料の粘度が上昇する際にガラスリボンの寸法を制御する。従ってガラスリボン58は、粘弾性遷移を経て弾性状態となり、ガラスリボン58に安定した寸法特性を与える機械的特性を得る。いくつかの実施形態では、ガラスリボン58を、ガラス分割装置(図示せず)によって個々のガラスシート62に分割できるが、更なる実施形態では、ガラスリボンをスプールに巻き取って、更なる加工のために保管してよい。
接続導管32、38、46、清澄用容器34、混合装置36、送達用容器40、流出導管44、及び流入導管50のうちのいずれの1つ以上を含む、下流ガラス製造装置30の部品は、貴金属から形成されていてよい。好適な貴金属としては、白金、イリジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、及びパラジウムからなる群から選択される白金族金属、又はこれらの合金が挙げられる。ガラス製造装置の下流部品は、約70重量%〜約90重量%の白金、及び約10重量%〜約30重量%のロジウムを含む、白金‐ロジウム合金から形成されていてよい。しかしながら、ガラス製造装置の下流部品を形成するための他の好適な金属として、モリブデン、レニウム、タンタル、チタン、タングステン、及びこれらの合金を挙げることができる。
ガラス作製装置10の要素を、フュージョンダウンドローガラス作製要素として図示及び説明しているが、本開示の原理は、幅広いガラス作製プロセスに適用できる。例えば、本開示の実施形態による溶融用容器は、フュージョンプロセス、スロットドロープロセス、圧延プロセス、プレスプロセス、フロートプロセス、チューブドロープロセス等といった多様なガラス作製プロセスで使用できる。
図2Aに移ると、少なくとも1つの側壁及び底部壁を備える、例示的な耐火性溶融用容器14の平面図が示されている(縮尺は正確ではない)。溶融用容器14は天井(例えばクラウン)を更に備えてよい。いくつかの実施形態では、上記少なくとも1つの壁は複数の側壁を含むことができ、これらは例えば、例えば図2Aに示されているような長方形である多角形のフットプリントを有する多角柱の形状で配設されるが、更なる実施形態では、上記少なくとも1つの側壁は片面壁であってよく、円形、楕円形、又は他の湾曲したフットプリントを形成してよい。限定ではなく議論を目的として、長方形のフットプリントを有する図1の例示的な溶融用容器14について更に詳細に説明するが、以下の記述は他の溶融用容器の形状にも同等に適用できることを理解されたい。
図2Aに示されているように、例示的な溶融用容器14は:後壁100;前壁102;第1の側壁104及び第2の側壁106;底面壁(例えば床)108;並びに後壁、前壁、及び側壁の間、かつ底部壁の上方に延在する天井(これ以降、クラウン109)を備える。後壁、前壁、側壁、及び底部壁は、例えばバッチ材料24を溶融材料28(これ以降、溶融ガラス)に加工するための溶融用空間である内部空間110を画定する。溶融用容器14は更に、前壁102を通って延在する第1の接続導管32を備えてよく、溶融ガラス28はこれを通って、溶融用空間110から下流プロセスに流れることができる。溶融用容器14はまた更に、底部壁108を通って溶融用空間110内へと延在する複数の電極112を備えてよいが、更なる実施形態では、複数の電極112は、第1の側壁104及び第2の側壁106、又はクラウン109を通って、溶融用空間110に露出でき、いくつかの実施形態では溶融用空間110内に延在できる。複数の電極112は例えばモリブデン(例えばMo若しくはMoZrO)又はスズ(例えば酸化スズ)を含むことができ、配置及び動作に応じて、ロッド、ブロック、プレート、又は他の好適な形状として形成できる。
様々な実施形態では、複数の電極112を、電極の移動を提供する電極ホルダ(図示せず)内に位置決めできる。例えば、時間の経過と共に、高温の溶融ガラス中での侵食、腐食、及び分解によって、電極の長さが減少する場合がある。従って、時々電極を「押し込む(push)」ことによって、溶融ガラスに曝露されている電極の長さを所定の値まで延長する必要があり得る。電極ホルダは更に、電極の冷却を提供できる。電極の冷却は例えば、電極の寿命を増大させることができる。更にいくつかの実施形態では、電極ホルダと電極との間の空隙に溶融ガラスが充填される場合がある。冷却は、空隙内の溶融ガラスの粘度を上昇させることによって、ガラスシールを形成し、これは、上記空隙を通して溶融用容器から溶融ガラスが漏れるのを防止でき、また更に、電極と、電極が通される耐火性壁との間の効果的な電気的絶縁を形成できる。電極は、冷却を低減して、空隙内のガラスを再び溶融状態とする(粘度を低下させる)ことによって移動させる(例えば「押し込む」)ことができ、電極を移動させた後、冷却を強めて、空隙にガラスシールを再形成する。
複数の電極112は、溶融ガラス28を通る電流を確立するための1つ以上の電気回路を形成するために、1つ以上の電源、例えばAC電源に電気的に接続できる。例えば複数の電極112は、所定の電気回路内に電極のペアとして配設でき、この電気回路内の上記電極のペアのうちの1つの電極は、溶融用容器14の片側(中心線CLの片側)に位置決めされ、この電気回路内の上記電極のペアのうちのもう一方の電極は、溶融用容器14の反対側(中心線CLの反対側)に位置決めされ、上記電極のペアは、これらに電気的に接続された電源によって給電される。しかしながら、複数の電極は他の配置で構成することもでき、この場合、所定の電気回路は、3つ以上の電極、例えば3つの電極、4つの電極、又は更に多数の電極を備えることができる。所定の電気回路内の電極、例えば電極のペアに電気的に接続された電源は、電極間の溶融ガラス中に電流を確立する。所定の電気回路は、部品、電流及び/又は電圧コントローラ等の電気的制御デバイス、電流及び/又は電圧測定デバイス等の間の電気的接続を容易にする電気コネクタ(例えばプラグ、タブ、ラグ、ボルト等)を含むがこれらに限定されない、追加の要素を備えることができる。複数の電極112はこれ以降、「給電電極(powered electrode)」と呼ばれるが、これは、これら複数の電極が、例えば好適な導電体(ケーブル、バスバー等)を通して、1つ以上の電源に電気的に接続されることを意味する。電源によって給電されると、電流はいわば、電極のペアの間の溶融ガラスにわたって「点火を行う(fire)」(即ち電流が対向する電極間に確立される)。それぞれ2つ以上の給電電極を含む複数のこのような回路を、溶融用容器内に確立できる。1つのこのような電気回路が図2に示されており、ここでは、接続導管32に最も近接した給電電極112a及び112bのペアが、導電体114によって電源116に電気的に接続されている。上述のように、給電電極と電源との間の接続は更に、部品、電流及び/又は電圧コントローラ等の電気的制御デバイス、電流及び/又は電圧測定デバイス等の間の接続を容易にする電気コネクタ(例えばプラグ、タブ、ラグ、ボルト等)を含むがこれらに限定されない、他の部品を備えてよい。従って、給電電極112aと給電電極112bとの間の溶融ガラス28を通して電流が確立され、溶融ガラスの電気抵抗によって、溶融ガラス28内で熱が生成される。
限定ではなく議論を目的として、給電電極112aと給電電極112bとの間の溶融ガラス28全体を通って延在する電流経路を、給電電極112aと給電電極112bとの間の直線電流経路118(第1の電流経路118)によって表すが、溶融ガラスのみを通過して他の導体と交差しない、給電電極112aと給電電極112bとの間の追加の電流経路も存在することを理解されたい。同様に、溶融ガラス中の他の導電体と交差してこれを通って延在する、給電電極112aと給電電極112bとの間に延在する他の電流経路も存在する。本明細書に記載されているように、これらの他の導電体は、金属製導体、具体的には導管、バブラーチューブ、熱電対部品等の貴金属製部品となり得る。貴金属製部品と交差するこのような電流経路は、電流経路120(第2の電流経路120)によって表される。
図2Aに示されているように、第1の給電電極112aと第2の給電電極112bとの間に延在する第2の電流経路120は、接続導管32と交差し、これを通って延在する。従って、第1の電極112a及び第2の電極112b内の電流は、電流経路の個々の抵抗に応じて、第1の電流経路118と第2の電流経路120との間で分割される。というのは、第1の電流経路118及び第2の電流経路120は並列の電流経路を表すためである。即ち、第1の電流経路の抵抗をR1とし、並列の第2の電流経路の抵抗をR2とし、iが総電流(例えば給電電極112a及び112bのうちの一方の総電流)を表し、i1が第1の電流経路118内の電流を表し、i2が第2の電流経路120内の電流を表す場合、i1=(R2/(R1+R2))・iであり、i2=(R1/(R1+R2))・iである。
上述のように、様々な実施形態では、第1の接続導管32は、貴金属、例えば白金、又は白金‐ロジウム合金等の白金合金で構成できる。溶溶融用空間110を占有する溶融ガラス28は、溶融ガラスの融点において一般に導電性でありながら、第1の接続導管32に比べて相当な電気抵抗を示すことができる。従って、接続導管32を通って広がる電流は相当なものとなる場合があり、接続導管32中の電流が十分な大きさを有する(例えばかなりの大きさの電流密度を有する)場合、接続導管32に対する電気化学的な侵食が発生する可能性があり、これによりガスを溶融ガラス中に放出する可能性があるか、又は導管の金属の比較的大きな材料破壊を引き起こす可能性がある。いくつかのガラス及び溶融物の条件に関しては、貴金属を通る点火を発生させる、表面積1平方インチあたりわずか1アンペア(1平方cmあたり0.16アンペア)の電流密度であっても、貴金属を侵食して、溶融ガラス中に包有物(シード)を形成するガスを生成する可能性がある。他のガラス及び溶融物の条件は、組成及び温度に応じて更に低い電流密度で欠陥を形成する可能性がある。
給電電極‐給電電極間の電流経路(第1の電流経路118)と、電極‐金属製部品‐電極間の電流経路(例えば第2の電流経路120)との間の、このような分割を緩和するために、1つ以上の非給電電極122を第1の接続導管の付近に位置決めでき、ここで1つ以上の非給電電極は、第1及び第2の電流経路に対して並列の第3の電流経路を提供する。本明細書中で使用される場合、用語「非給電電極(non‐powered electrode)」は、それ自体が意図的には、清澄用容器内の溶融ガラスの加熱に使用される電気回路の一部になっておらず、金属製導電体等によって電源に接続されていない、電極を指す。即ち、非給電電極は電源に電気的に接続されていない。
図2Bは、接続導管32の片側の付近に位置決めされた第1の非給電電極122aと、接続導管32の反対側の付近に位置決めされた第2の非給電電極122bとを備える、溶融用容器14の別の実施形態を示す。第1の非給電電極122a及び第2の非給電電極122bは、(図2Bにおいて破線で示された)導電体126によって電気的に接続され、これは、第1の給電電極112aから、第1の非給電電極122a及び第2の非給電電極122b並びに金属製導電体126を通って、第2の給電電極112bまで延在する、第3の電流経路128を構成する。図2Cは、様々な電流経路を示す、図2Bの一部分の拡大図である。図2Cにより、第2の電流経路120が、第1の非給電電極122aと接続導管32との間にも、第2の非給電電極122bと接続導管32との間にも延在しないことが明らかとなっているが、これは非給電電極122a、122b、及び導電体126の抵抗が、非給電電極122a、122bと接続導管32との間に介在する溶融ガラスよりも大幅に小さいためである。図2Cは更に、本明細書で開示される他の実施形態にも適用可能である。
導電体126は例えば、ケーブル、バスバー、又は他の好適な(溶融ガラスの電気抵抗より小さな電気抵抗を有する)低抵抗導電体とすることができる。例えば、第1の非給電電極122a及び第2の非給電電極122bは、これらの非給電電極の端部が内部空間110の外側に延在するように、底部壁108を通って延在できる。次に導電体126を、溶融用空間の外側(例えば底部壁108の下方)の、溶融ガラス28に接触しない非給電電極の端部に、電気的に接続でき、これにより、(溶融ガラスの電気抵抗に対する)低電気抵抗リンクを、非給電電極間に形成できる。更なる実施形態では、非給電電極122a、122bは、溶融用容器の壁を通って、例えば前壁102を通って、延在でき(図4を参照)、導電体126はここでも、内部空間110(例えば溶融ガラス28)に対して露出していない非給電電極の端部に電気的に接続できる。
給電電極112aから溶融ガラス28を通って非給電電極122aへ、そして導電体126を通って非給電電極122bへ、また再び溶融ガラス28を通って第2の給電電極112bへと延在する、第3の電流経路128は、第2の電流経路120の第2の電気抵抗未満の第3の電気抵抗を有するように選択できるため、第2の電流経路120内に確立され得るはずの電流の少なくとも一部分が、並列の第3の電流経路128を通過し、これにより接続導管32内の電流が低減される。即ち、第1の電流経路118、第2の電流経路120、及び第3の電流経路128は、並列抵抗を表し、給電電極112a及び112bを通る電流は、並列抵抗に関する公知の原理に従って、それぞれの抵抗に応じて並列の電流経路間で分割される。
第3の電流経路128が第1の電流経路118内の電流を低減できることは、当業者であれば認識するだろう。しかしながら、第2の電流経路120内の電流も低減できる。非給電電極122a及び122bの位置は、接続導管32内の電流を、接続導管内の望ましくない電気化学的反応を最小限に抑えながら、第1の電流経路118から引き出される電流の量も最小限に抑えられる値まで低減するように、選択できる。というのは、電流経路の電気抵抗は、少なくとも部分的には、電流経路の長さに起因するためである。非給電電極の配置は更に、少なくとも部分的には、溶融用容器のジオメトリ、給電電極の位置(及び例えば接続導管である貴金属製部品に対する給電電極の近接度)、貴金属製部品のジオメトリ、非給電電極のジオメトリ及び材料、溶融ガラスの導電率、並びに給電電極間の電位の大きさ(例えば給電電極112aと給電電極112bとの間の電圧)に左右され得る。典型的には、1つ以上の非給電電極は、例えば接続導管32である貴金属製部品に対して、この貴金属製部品に最も近接した給電電極よりも近接させて位置決めされる。図4は、前壁102を通って接続導管32の付近の溶融ガラス28中へと延在する非給電電極122a、122bのペアを示す、平面図である。
図2〜4の実施形態は、接続導管32の付近に配設された2つの非給電電極を備えるが、適切な形状の単一の非給電電極によって同一の効果を達成できることは明らかであろう。即ち、非給電電極122a、122b、及び導電体126は単一の低抵抗電気経路を表し、これは単一の導電体(例えば非給電電極)で置換でき、この単一の導電体は、接続導管の片側からこの導管の反対側まで溶融ガラス中に延在し、これにより、接続導管中の電流を低減できる(例えばこれにより、接続導管を通過するはずだった電流の少なくとも一部分が、代わりに非給電電極を通過する)。例えば図5は、溶融用容器14の別の実施形態を示し、ここでは、非給電電極122は、接続導管32の片側から接続導管32の反対側まで延在している。図5は、溶融用容器14の前壁102に係留された非給電電極122を示しているが、他の実施形態では、非給電電極122を底部壁108に係留することもできる(図7を参照)。
いくつかの実施形態では、1つ以上の非給電電極122は、図5に示されているように円弧を形成でき、又は図6に示されているように円形とすることができる。1つ以上の非給電電極122は、非給電電極が、貴金属製部品を含む電流経路に対して並列な電流経路を提供し、これによって貴金属製部品、例えば接続導管32から電流を分流させる限り、多様な形状を想定できる。例えば図7は、湾曲部分130及び直線部分132の両方を備える非給電電極を示す。
1つ以上の非給電電極122は、給電電極112と同一の材料から形成できる。例えば、1つ以上の非給電電極は、モリブデン(例えばMo若しくはMoZrO)又はスズ(例えば酸化スズ)で構成できる。複数の給電電極112に使用される材料と同様、非給電電極の材料は、溶融ガラス組成物に対して適合性を有している必要がある。これは典型的には、電極(給電又は非給電)が溶融ガラス中で分解される際に、分解された電極材料が、ガラスの特性に対して良性であるか、又はガラス組成物の望ましい部分を形成する必要があることを意味している。例えば酸化スズは典型的には、他の可能な清澄剤(例えばヒ素又はアンチモン)に比べて毒性が相対的に低いため、ディスプレイタイプのガラス(ガラスディスプレイパネルの製造における使用を目的としたガラス)のための清澄剤として、バッチ材料に添加される。よって、酸化スズ電極の分解によって溶融ガラスに添加される少量の酸化スズは、清澄剤として有益となり得る。しかしながら、電極材料としての酸化スズは、モリブデンに比べて高価である。溶融ガラスに対して適合性を有している限り、他の材料で置き換えることもできる。
更に、上述の原理を用いて、溶融用容器中で溶融ガラスに対して露出する場合がある他の貴金属製部品との電気化学的反応を防止できることも、明らかであろう。例えば、溶融ガラス中へと延在する、気泡形成プロセスにおいて溶融ガラス中に酸素又は他のガスを意図的に放出するよう構成された、バブラーチューブと同様に、白金を含有する熱電対が溶融ガラス中に延在できる。酸素気泡形成は、例えば溶融ガラスの酸化状態を変化させるために使用できる。貴金属含有バブラーチューブ、例えば白金含有バブラーチューブは、溶融用容器の底部壁から延在でき、また接続導管32と同様、給電電極の電流経路付近に位置決めされている場合には、代替的な又は追加の電流経路を提供でき、この場合、この貴金属製部品によって提供される電流経路中の電流は、貴金属の電気化学的破壊を引き起こす。従って、1つ以上の非給電電極を、熱電対の付近若しくはバブラーチューブの付近、又は溶融用空間110内に内包された溶融ガラス中に位置決めされた他のいずれの貴金属製部品の付近に、位置決めでき、これは、貴金属製部品を含む電流経路に対して並列の電流経路を提供する。
図8は、1つ以上の非給電電極122(例えば非給電電極122a、122b)がクラウン109を通って溶融ガラス28中へと延在する、他の実施形態を示す。クラウン109を通って延在する非給電電極122a、122bは、ワイヤ(ケーブル)又はバスバーの形態の導電体126によって接続されるものとして示されているが、他の実施形態では、導電体126は非給電電極122a、122bと同一の材料で形成されていてもよい。溶融ガラス28の自由表面142の上の溶融用容器雰囲気140中の酸素の存在下で、一部の電極材料(例えばモリブデン)が迅速に分解される可能性があることから、いくつかの実施形態では、非給電電極122はクラッド層144を備えてよく、これは電極の外側表面上に位置決めされ、非給電電極の、少なくとも溶融用容器雰囲気140に曝露される部分にわたって延在する。クラッド層144は、白金族金属(例えば白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、オスミウム、又はこれらの合金)等の貴金属で構成されていてよい。クラッド層144のうちのわずかな部分が、自由表面142を通して溶融ガラス28と接触して、溶融ガラス14の液位の変化の原因となり、結果として非給電電極の材料が溶融用容器雰囲気に曝露されないことを保証できるが、溶融用容器雰囲気に曝露されるクラッド層144の表面積は小さく、対向する給電電極112aと給電電極112bとの間の直線上にも、給電電極112a、112bと接続導管32との間の直線上にもない。従って、クラッド層144中の電流の大きさはわずかなものである(関連する電気化学的反応を発生させない)と予想される。
以上の議論では、耐火性溶融用容器を含むフュージョンダウンドローガラス作製装置及びプロセスを使用して、本開示の態様を説明したが、更なる実施形態では、ガラス作製装置は、給電電極及び非給電電極の両方を備えた、他の耐火性容器を含んでよい。例えば図9に示されているように、溶融炉12は、溶融用容器14の下流に位置する耐火性前炉146を備えてよく、この場合、溶融用容器14からの溶融ガラスは、熱調質のために前炉へと配向される。前炉146は給電電極112を含んでよく、これは例えば、前炉の底部壁及び/若しくは側壁から、並びに/又はこれを通って、溶融用容器14から溶融ガラスの流れを受け入れるよう構成された内部空間148内へと延在し、また前炉146は更に1つ以上の非給電電極122を含んでよく、これは溶融ガラス28中へと延在し、前炉内の溶融ガラスに接触し得る貴金属製部品、例えば接続導管32を含む電流経路に対して、並列の電流経路を確立するよう配設される。よって、1つ以上の非給電電極によって提供される並列の電流経路は、貴金属製部品を含む電流経路から電流を引き出す。例えば前炉146は、貴金属製のパーツを含む熱電対を含んでよい。1つ以上の非給電電極122は、上述したもののうちのいずれの構成で配設されていてよく、これは例えば、図9に示されているように、前炉146の天井150を通って延在するものを含む。有利には、前炉(又は溶融用容器)の天井を通って延在する非給電電極を設けることにより、底部壁を通して非給電電極を除去すること、及び非給電電極を除去する通路を通る溶融ガラスの流れと競合することに比べて、容易な交換が促進される。前炉が液体で満たされた前炉として動作しない(溶融ガラスが前炉を完全に満たさない)いくつかの実施形態では、少なくとも1つの非給電電極は、例えば貴金属クラッド層であるクラッド層を備えてよく、この場合、クラッド層は、非給電電極の、溶融ガラスの上方の前炉内の雰囲気に接触する部分にわたって配置される。
更に他の実施形態では、耐火性容器は、溶融用容器及び/又は前炉と同様に構成された耐火性清澄用容器を含んでよく、これは、耐火性清澄用容器内の溶融ガラスを加熱するための給電電極と、給電電極によって生成される電流を貴金属製部品から分流することによって、貴金属製部品中の電流を低減するよう配設された、非給電電極とを有する。
本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、本開示の実施形態に対して様々な修正及び変更を実施できることは、当業者には明らかであろう。従って本開示は、このような修正及び変更が、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内にある限りにおいて、これらを包含することを意図している。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
ガラス物品を成形するための方法であって、
上記方法は:
溶融用容器の溶融用空間内の複数の給電電極の間の第1の電流経路に沿って、第1の電流を確立するステップであって、上記溶融用空間は、溶融ガラス、及び上記溶融ガラスと接触した貴金属製部品を内包し、上記第1の電流経路は、上記溶融ガラスを通るが上記貴金属製部品を通らずに延在する、ステップ;
上記複数の給電電極の間の上記溶融ガラス中の第2の電流経路に沿って、第2の電流を確立するステップであって、上記第2の電流経路の少なくとも一部分は、上記第1の電流経路の少なくとも一部分と並列であり、かつ上記貴金属製部品を含む、ステップ;並びに
上記複数の給電電極の間の上記溶融ガラス中の第3の電流経路に沿って、第3の電流を確立するステップであって、上記第3の電流経路の少なくとも一部分は、上記第3の電流経路の少なくとも一部分が上記第2の電流経路と並列となるように、上記貴金属製部品の付近の少なくとも1つの非給電電極を含む、ステップ
を含む、方法。
実施形態2
上記貴金属製部品は白金で構成される、実施形態1に記載の方法。
実施形態3
上記貴金属製部品は、熱電対、バブラーチューブ、及び上記溶融ガラスの流路として構成された導管のうちの少なくとも1つを含む、実施形態1又は2に記載の方法。
実施形態4
上記少なくとも1つの非給電電極はモリブデン又はスズで構成される、実施形態1〜3のいずれか1つに記載の方法。
実施形態5
上記少なくとも1つの非給電電極は、少なくとも2つの非給電電極を含み、上記少なくとも2つの非給電電極は、上記溶融ガラスと接触していない導電体によって接続される、実施形態1〜4のいずれか1つに記載の方法。
実施形態6
上記溶融ガラスを成形用本体からドロー加工して、上記ガラス物品を形成するステップを更に含む、実施形態1〜5のいずれか1つに記載の方法。
実施形態7
上記ガラス物品はガラスリボンを含む、実施形態6に記載の方法。
実施形態8
上記第3の電流経路に沿って上記第3の電流を確立する上記ステップは、上記第2の電流を低減する、実施形態1に記載の方法。
実施形態9
ガラス物品を成形するための装置であって、
上記装置は:
耐火性容器であって、上記耐火性容器の内部の溶融用空間を画定する、耐火性容器;
上記溶融用空間内に位置決めされた複数の給電電極であって、上記複数の給電電極は電源に電気的に接続される、複数の給電電極;
上記溶融用空間内に少なくとも部分的に位置決めされた貴金属製部品であって、上記貴金属製部品は上記電源に電気的に接続されていない、貴金属製部品;及び
上記内部空間内の上記貴金属製部品の付近に位置決めされた、少なくとも1つの非給電電極であって、上記少なくとも1つの非給電電極は上記電源に電気的に接続されていない、少なくとも1つの非給電電極
を備える、装置。
実施形態10
上記少なくとも1つの非給電電極はモリブデン又はスズで構成される、実施形態9に記載の装置。
実施形態11
上記貴金属製部品は、バブラーチューブ、熱電対、及び溶融ガラスのための流路として構成された導管のうちの少なくとも1つを含む、実施形態9又は10に記載の装置。
実施形態12
上記溶融用空間内に内包されて、上記複数の給電電極、上記貴金属製部品、及び上記少なくとも1つの非給電電極に接触する、ある量の溶融ガラスを更に備える、実施形態9〜11のいずれか1つに記載の装置。
実施形態13
上記複数の給電電極は、上記溶融ガラスを通る第1の電流経路を画定し、
上記複数の給電電極、及び上記貴金属製部品は、上記第1の電流経路と並列の、上記溶融ガラスを通る第2の電流経路を画定し、
上記複数の給電電極、及び上記少なくとも1つの非給電電極は、上記第2の電流経路と並列の、上記溶融ガラスを通る第3の電流経路を画定する、実施形態12に記載の装置。
実施形態14
ガラス物品を成形するための装置であって、
上記装置は:
耐火性容器であって、上記耐火性容器の内部に空間を画定する、耐火性容器;
上記内部空間に露出した複数の給電電極;
上記給電電極に電気的に接続された電源であって、上記複数の給電電極、及び上記電源は第1の電流経路を構成する、電源;
上記内部空間に露出した貴金属製部品であって、上記貴金属製部品、上記電源、及び上記複数の給電電極は第2の電流経路を構成し、上記第2の電流経路の少なくとも一部分は上記第1の電流経路の少なくとも一部分に対して並列である、貴金属製部品;並びに
前記内部空間内において前記貴金属製部品の付近に位置決めされた、少なくとも1つの非給電電極であって、上記少なくとも1つの非給電電極、上記電源、及び上記複数の給電電極は第3の電流経路を構成し、上記第3の電流経路の少なくとも一部分は上記第2の電流経路の上記少なくとも一部分に対して並列である、少なくとも1つの非給電電極
を備える、装置。
実施形態15
上記少なくとも1つの非給電電極は、上記耐火性容器の底部壁を通って上記内部空間内へと延在する、複数の非給電電極を含む、実施形態14に記載の装置。
実施形態16
上記複数の非給電電極は、上記内部空間の外側に位置決めされた導電体によって接続される、実施形態15に記載の装置。
実施形態17
上記少なくとも1つの非給電電極は、上記耐火性容器の壁を通って上記内部空間内へと延在する、複数の非給電電極を含む、実施形態14に記載の装置。
実施形態18
上記複数の非給電電極は、上記内部空間の外側に位置決めされた導電体によって接続される、実施形態17に記載の装置。
実施形態19
上記少なくとも1つの非給電電極は、上記耐火性容器の天井を通って上記内部空間内へと延在する、実施形態14に記載の装置。
実施形態20
上記少なくとも1つの非給電電極はクラッド層を備える、実施形態19に記載の装置。
実施形態21
上記クラッド層は貴金属で構成される、実施形態20に記載の装置。
実施形態22
上記少なくとも1つの非給電電極は、上記内部空間内の雰囲気と接触しない導電体によって接続された、複数の非給電電極を含む、実施形態19に記載の装置。
実施形態23
上記複数の給電電極は、上記耐火性容器の長さの少なくとも一部分に沿った列として配設される、実施形態14〜9のいずれか1つに記載の装置。
実施形態24
上記複数の給電電極は、上記耐火性容器の上記底部壁を通って上記内部空間内へと延在する、実施形態14〜9のいずれか1つに記載の装置。
実施形態25
上記複数の給電電極は、上記耐火性容器の上記壁を通って上記内部空間に露出する、実施形態14〜9のいずれか1つに記載の装置。
実施形態26
上記複数の給電電極は、スズ又はモリブデンで構成される、実施形態14〜25のいずれか1つに記載の装置。
実施形態27
上記少なくとも1つの非給電電極は、スズ又はモリブデンで構成される、実施形態14に記載の装置。
実施形態28
上記貴金属製部品は、バブラーチューブ、熱電対、及び溶融ガラスのための流路として構成された導管のうちの少なくとも1つを含む、実施形態14〜27のいずれか1つに記載の装置。
実施形態29
ガラス物品を成形するための装置であって、
上記装置は:
溶融用容器であって、上記溶融用容器の内部に溶融用空間を画定する、溶融用容器;
第1の給電電極及び第2の給電電極であって、上記第1の給電電極及び上記第2の給電電極は、上記溶融用空間に露出し、上記第1の給電電極と上記第2の給電電極との間に第1の電流経路を構成する、第1の給電電極及び第2の給電電極;
上記第1の給電電極及び上記第2の給電電極に接続された、電源;
上記溶融用空間に露出した貴金属製部品であって、上記貴金属製部品は、上記第1の給電電極と上記第2の給電電極との間に第2の電流経路を構成し、上記第2の電流経路の少なくとも一部分は、上記第1の電流経路の少なくとも一部分に対して並列である、貴金属製部品;並びに
上記溶融用空間内において上記貴金属製部品の付近に位置決めされ、上記第1の給電電極と上記第2の給電電極との間に第3の電流経路を構成し、上記第3の電流経路の少なくとも一部分は、上記第2の電流経路の少なくとも一部分に対して並列である、少なくとも1つの非給電電極
を備える、装置。
実施形態30
上記少なくとも1つの非給電電極は、上記溶融用容器の底部壁を通って上記溶融用空間内へと延在する、実施形態29に記載の装置。
実施形態31
上記少なくとも1つの非給電電極は、上記溶融用空間の外側の導電体によって接続された複数の非給電電極を含む、実施形態29に記載の装置。
実施形態32
上記少なくとも1つの非給電電極は、上記溶融用容器の壁を通って上記溶融用空間内へと延在する、実施形態29に記載の装置。
実施形態33
上記少なくとも1つの非給電電極は、上記溶融用空間の外側の導電体によって接続された複数の非給電電極を含む、実施形態32に記載の装置。
実施形態34
上記少なくとも1つの非給電電極は、上記溶融用容器の天井を通って上記溶融用空間内へと延在する、実施形態29に記載の装置。
実施形態35
上記少なくとも1つの非給電電極は、上記溶融用空間の外側の導電体によって接続された複数の非給電電極を含む、実施形態33に記載の装置。
実施形態36
上記第1の給電電極及び第2の給電電極は、スズ又はモリブデンで構成される、実施形態29〜35のいずれか1つに記載の装置。
実施形態37
上記少なくとも1つの非給電電極は、スズ又はモリブデンで構成される、実施形態29〜36のいずれか1つに記載の装置。
実施形態38
上記貴金属製部品は、バブラーチューブ、熱電対、及び溶融ガラスのための流路として構成された導管のうちの少なくとも1つを含む、実施形態29〜37のいずれか1つに記載の装置。
10 ガラス製造装置、ガラス作製装置
12 ガラス溶融炉
14 溶融用容器
15 熱電対
16 上流ガラス製造装置
17 バブラーチューブ
18 貯蔵用蓋付き容器
20 原材料送達デバイス
22 モータ
24 原材料、バッチ材料
26 矢印
28 溶融ガラス
30 下流ガラス製造装置
32 第1の接続導管
34 清澄用容器
36 混合装置
38 第2の接続導管
40 送達用容器、送達用チャンバ
42 成形用本体
44 流出導管
46 第3の接続導管
48 成形装置
50 流入導管
52 トラフ
54 集束成形表面
56 基部
58 ガラスリボン
60 ドロー方向
62 ガラスシート
100 後壁
102 前壁
104 第1の側壁
106 第2の側壁
108 底面壁
109 クラウン
110 内部空間、溶融用空間
112 電極、給電電極
112a 第1の給電電極
112b 給電電極、第2の給電電極
114 導電体
116 電源
118 直線電流経路、第1の電流経路
120 第2の電流経路
122 非給電電極
122a 第1の非給電電極
122b 第2の非給電電極
126 導電体
128 第3の電流経路
130 湾曲部分
132 直線部分
140 溶融用容器雰囲気
142 自由表面
144 クラッド層
146 前炉
150 天井
様々な実施形態では、複数の電極112を、電極の移動を提供する電極ホルダ(図示せず)内に位置決めできる。例えば、時間の経過と共に、高温の溶融ガラス中での侵食、腐食、及び分解によって、電極の長さが減少する場合がある。従って、時々電極を「押し込む(push)」ことによって、溶融ガラスに曝露されている電極の長さを所定の値まで延長する必要があり得る。電極ホルダは更に、電極の冷却を提供できる。電極の冷却は例えば、電極の寿命を増大させることができる。更にいくつかの実施形態では、電極ホルダと電極との間の空隙溶融ガラスで満たされる場合がある。冷却は、空隙内の溶融ガラスの粘度を上昇させることによって、ガラスシールを形成し、これは、上記空隙を通して溶融用容器から溶融ガラスが漏れるのを防止でき、また更に、電極と、電極が通される耐火性壁との間の効果的な電気的絶縁を形成できる。電極は、冷却を低減して、空隙内のガラスを再び溶融状態とする(粘度を低下させる)ことによって移動させる(例えば「押し込む」)ことができ、電極を移動させた後、冷却を強めて、空隙にガラスシールを再形成する。

実施形態23
上記複数の給電電極は、上記耐火性容器の長さの少なくとも一部分に沿った列として配設される、実施形態14〜19のいずれか1つに記載の装置。
実施形態24
上記複数の給電電極は、上記耐火性容器の上記底部壁を通って上記内部空間内へと延在する、実施形態14〜19のいずれか1つに記載の装置。
実施形態25
上記複数の給電電極は、上記耐火性容器の上記壁を通って上記内部空間に露出する、実施形態14〜19のいずれか1つに記載の装置。
実施形態35
上記少なくとも1つの非給電電極は、上記溶融用空間の外側の導電体によって接続された複数の非給電電極を含む、実施形態34に記載の装置。

Claims (10)

  1. ガラス物品を成形するための方法であって、
    前記方法は:
    溶融用容器の溶融用空間内の複数の給電電極の間の第1の電流経路に沿って、第1の電流を確立するステップであって、前記溶融用空間は、溶融ガラス、及び前記溶融ガラスと接触した貴金属製部品を内包し、前記第1の電流経路は、前記溶融ガラスを通るが前記貴金属製部品を通らずに延在する、ステップ;
    前記複数の給電電極の間の前記溶融ガラス中の第2の電流経路に沿って、第2の電流を確立するステップであって、前記第2の電流経路の少なくとも一部分は、前記第1の電流経路の少なくとも一部分と並列であり、かつ前記貴金属製部品を含む、ステップ;並びに
    前記複数の給電電極の間の前記溶融ガラス中の第3の電流経路に沿って、第3の電流を確立するステップであって、前記第3の電流経路の少なくとも一部分は、前記第3の電流経路の少なくとも一部分が前記第2の電流経路と並列となるように、前記貴金属製部品の付近の少なくとも1つの非給電電極を含む、ステップ
    を含む、方法。
  2. 前記貴金属製部品は白金で構成される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記貴金属製部品は、熱電対、バブラーチューブ、及び前記溶融ガラスの流路として構成された導管のうちの少なくとも1つを含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記少なくとも1つの非給電電極はモリブデン又はスズで構成される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記少なくとも1つの非給電電極は、少なくとも2つの非給電電極を含み、前記少なくとも2つの非給電電極は、前記溶融ガラスと接触していない導電体によって接続される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記第3の電流経路に沿って前記第3の電流を確立する前記ステップは、前記第2の電流を低減する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. ガラス物品を成形するための装置であって、
    前記装置は:
    耐火性容器であって、前記耐火性容器の内部の溶融用空間を画定する、耐火性容器;
    前記溶融用空間内に位置決めされた複数の給電電極であって、前記複数の給電電極は電源に電気的に接続される、複数の給電電極;
    前記溶融用空間内に少なくとも部分的に位置決めされた貴金属製部品であって、前記貴金属製部品は前記電源に電気的に接続されていない、貴金属製部品;及び
    前記内部空間内の前記貴金属製部品の付近に位置決めされた、少なくとも1つの非給電電極であって、前記少なくとも1つの非給電電極は前記電源に電気的に接続されていない、少なくとも1つの非給電電極
    を備える、装置。
  8. 前記貴金属製部品は、バブラーチューブ、熱電対、及び溶融ガラスのための流路として構成された導管のうちの少なくとも1つを含む、請求項7に記載の装置。
  9. 前記溶融用空間内に内包されて、前記複数の給電電極、前記貴金属製部品、及び前記少なくとも1つの非給電電極に接触する、ある量の溶融ガラスを更に備える、請求項7に記載の装置。
  10. 前記複数の給電電極は、前記溶融ガラスを通る第1の電流経路を画定し、
    前記複数の給電電極、及び前記貴金属製部品は、前記第1の電流経路と並列の、前記溶融ガラスを通る第2の電流経路を画定し、
    前記複数の給電電極、及び前記少なくとも1つの非給電電極は、前記第2の電流経路と並列の、前記溶融ガラスを通る第3の電流経路を画定する、請求項9に記載の装置。
JP2021517289A 2018-09-28 2019-09-20 ガラス作製プロセスにおける貴金属製部品の電気化学的侵食を緩和するための装置及び方法 Ceased JP2022502335A (ja)

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