JP2022501798A - 熱電材料及びその調製方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、半導体ポリマーとカーボンナノチューブ構造体との物理的混合物を含む熱電複合材料を提供する。本発明は、無機塩でドーピングすることにより、複合体の熱電力率を改善する方法をさらに提供する。

Description

本発明は、式I:
Figure 2022501798
[式中、R1=-C7H15
R2は同一であり、且つ、
Figure 2022501798
または-ORから選択され、
R=-C8H17
R2
Figure 2022501798
である場合には、X= HまたはF;
R2が-ORである場合にはX=H である]
の縮合チオフェン系の半導体ポリマー及びカーボンナノチューブ構造体を含み、任意にドーパントとして酸化塩を含む、熱電複合材料に関する。
特に、本発明は、式Iの縮合チオフェン系半導体ポリマーと、カーボンナノチューブ構造体と、任意にドーパントとしての酸化塩との熱電複合材料を含む熱電デバイスに関する。
とりわけ、本発明は、熱電複合材料の調製方法に関する。
最も基本的な熱電現象はゼーベック効果であり、ここでは材料の温度差によって電圧差が生じ、電荷が材料の高温端から低温端に移動する。関連する別の効果はペルチェ効果であり、ここでは電流の方向に応じて熱の吸収または拒絶が起こる。熱電材料を特徴づける因子は、無次元性能指数(ZT)であり、これは、下記の関係に示されるように、導電率(σ、n型材料については電子の電荷キャリア、p型材料については正孔)、ゼーベック係数(α、p型材料については正、n型材料については負)、及び熱伝導度(κ)に依存している。
ZT = α2σT/κ
優れた熱電材料は、ジュール加熱を最小限に抑えるために高い導電率を有し、熱ショートを回避するために低い熱伝導率を有し、熱から電力または電力から冷却への変換を最大にするために高いゼーベック係数を有する必要がある。ZT値は、熱と電力との間の変換性能を示す。
Hicks及びDresselhausによって行われた理論的予測は、電子電荷キャリアの量子閉じ込めによって熱電効率が大幅に向上することを示唆している[Hicks, L. D. et al. Phys. Rev. B, 1993, 47, 12727を参照のこと]。
格子熱伝導度は、ナノ加工によれば、導電率を変化させることなく低下させることができる[Harman, T. C. et al., Science, 2002, 297, 2229を参照のこと]。
しかしながら、有機ポリマーは、等価な構造単位間の分離を最小限に抑えた同等のフォノン平均自由行程により、非常に低い熱伝導率を有するという本質的な利点を有する[Bubnova, O. et al., Nature Mater., 2011, 10, 429を参照のこと]。
これまでに、様々な有機ポリマーベースの熱電材料が実現されている。有機ポリマー熱電材料の多くは、導電性ポリマー、例えば、PEDOT、PANI、ポリチオフェン、ポリピロール、及びそれらの誘導体である[Hu, X. et al., J. Mater. Chem. A, 2015, 3, 20896を参照のこと]。
新規な有機系システム、例えば、エチレンテトラチオレート、2,7-ジアルキル[1]ベンゾチエノ[3,2-b][1]ベンゾチオフェン誘導体、及びいくつかの他のチオフェン:ポリスチレンスルホネート系材料は、良好な将来性を示している[Sheng, P. et al, Synthetic Metals, 2014, 193, 1; Shi, W. et al, Chem. Mater., 2014, 26, 2669; Lee, S. H. et al., J. Mater. Chem. A, 2014, 2, 7288; Wang, Y. Y. et al., J. Phys. Chem. C, 2013, 117, 24716; Kim, G. H. et al., Nature Mater., 2013, 12, 719; Kim, D. et al., ACS Nano, 2014, 4, 2445; Jiang, Q. et al., J. Electron. Mater., 2015, 44, 1585を参照のこと]。
Hicks, L. D. et al. Phys. Rev. B, 1993, 47, 12727 Harman, T. C. et al., Science, 2002, 297, 2229 Bubnova, O. et al., Nature Mater., 2011, 10, 429 Hu, X. et al., J. Mater. Chem. A, 2015, 3, 20896 Sheng, P. et al, Synthetic Metals, 2014, 193, 1 Shi, W. et al, Chem. Mater., 2014, 26, 2669 Lee, S. H. et al., J. Mater. Chem. A, 2014, 2, 7288 Wang, Y. Y. et al., J. Phys. Chem. C, 2013, 117, 24716 Kim, G. H. et al., Nature Mater., 2013, 12, 719 Kim, D. et al., ACS Nano, 2014, 4, 2445 Jiang, Q. et al., J. Electron. Mater., 2015, 44, 1585
上述の有機ポリマー系熱電材料は、安定性を欠くために、実用向けには依然として十分ではない。したがって、熱電変換効率の高い熱電複合材料及びこれを用いたデバイスが求められている。
使用される略語
SEM:走査型電子顕微鏡
TEM:透過型電子顕微鏡
PEDOT:ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)
PANI:ポリアニリン
PBDTTT-C-T:ポリ[(4,8-ビス[5-(2-エチルヘキシル)-2-チエニル]ベンゾ[1,2-b:4,5-b’]ジチオフェン-2,6-ジイル][2-(2-エチル-1-オキソヘキシル)チエノ[3,4-b]チオフェンジイル)] PBDTTT-C:ポリ[(4,8-bビス-(2-エチルヘキシル)-ベンゾ(1,2-b:4,5-b’)ジチオフェン)-2,6-ジイル-アルト-(4-(2-エチルヘキサノイル)-チエノ[3,4-b]チオフェン-)-2-6-ジイル)]
PBDTT-FTTE:ポリ[4,8-ビス(5-(2-エチルヘキシル)チオフェン-2-イル)ベンゾ[1,2-b;4,5-b’]ジチオフェン-2,6-ジイル-アルト-(4-(2-エチルヘキシル)-3-フルオロチエノ[3,4-b]チオフェン-)-2-カルボキシレート-2-6-ジイル)]
DMF:ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
NMP:N-メチル-2-ピロリドン
THF:テトラヒドロフラン
Cl2:塩素
Br2:臭素
I2:ヨウ素
ICl:一塩化ヨウ素
ICl3:三塩化ヨウ素
IBr:一臭化ヨウ素
PF5:五フッ化リン
SbF5:五フッ化アンチモン
SO3:三酸化硫黄
BCl3:三塩化ホウ素
BF3:三フッ化ホウ素
FeCl3:塩化第二鉄
FeOCl:オキシ塩化鉄
TiCl4:四塩化チタン
CuCl2:塩化銅(II)
ZnCl2:塩化亜鉛(II)
LiCl:塩化リチウム
TaCl5:五塩化タンタル
MoCl5:五塩化モリブデン(V)
WCl6:六塩化タングステン(VI)
WF6:六フッ化タングステン
NbF5:五フッ化ニオブ(V)
NbCl5:塩化ニオブ(V)
ZrCl4:四塩化ジルコニウム
NiCl2:塩化ニッケル(II)
TCNQ:テトラシアノキヨードジメタン
ITO:インジウムドープ酸化スズ
FTO:フッ素ドープ酸化スズ
PET:ポリエチレンテレフタレート
MWCNT:多層ナノカーボンチューブ
RF:無線周波数
本発明の主な目的は、縮合チオフェン系半導体ポリマー及びカーボンナノチューブ構造体を含む熱電複合材料を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、縮合チオフェン系半導体ポリマー、カーボンナノチューブ構造体、及びドーパントとしての酸化性塩を含む熱電複合材料を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、上記複合材料からなる熱電変換デバイスを提供することである。
しかるに、本発明は、15から75質量%の式I:
Figure 2022501798
[式中、R1= -C7H15
R2は同一であり、且つ、
Figure 2022501798
または-ORから選択され、
R= -C8H17
R2
Figure 2022501798
である場合には、X= HまたはF;
R2が-ORである場合にはX=H である]
の半導体ポリマー、25から85質量%のカーボンナノチューブ構造体を含む、熱電複合材料を提供する。
本発明の実施態様では、式Iの半導体ポリマーを15から75質量%及びカーボンナノチューブ構造体を25から85質量%を含み、任意にドーパントのモル濃度が0.005から0.3モルである、熱電複合材料が提供される。
本発明の別の実施態様では、式Iは、下記:
Figure 2022501798
からなる群より選択される。
本発明のさらに別の実施態様では、カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ、及び/または多層カーボンナノチューブから選択される。
本発明のさらに別の実施態様では、使用されるドーパントは、オニウム塩化合物、酸化剤、酸性化合物、及び電子受容体化合物からなる群から選択される。
本発明のさらに別の実施態様では、ドーパントは、その塩化合物を用いる遷移金属である。
本発明のさらに別の実施態様では、複合材料は、350℃まで安定であり、温度勾配に応答して電位差を生じさせることができる。
本発明のさらに別の実施態様では、本発明は、400S/mから2000S/mの範囲のデバイスの導電性を提供する。
さらに別の実施態様では、本発明は:
i. 15から75質量%の式Iの縮合チオフェン系半導体ポリマーに、25から85質量%のカーボンナノチューブを、溶媒の存在下で組み込む工程と、その後45から65分間に亘り超音波を印加して熱電複合材料を得る工程
とを含む、熱電複合材料の調製方法を提供する。
さらに別の実施態様では、本発明は、請求項1または2に記載の熱電複合材料から作られ、基板上にキャスティングされているか、または独立した脚として形成されて周囲からの絶縁のために第2の基板に支持されている、直列に接続された単一または複数の平面状の脚を含む熱電変換デバイスを提供する。
本発明のさらに別の実施態様では、縮合チオフェンポリマーは、全固形分中、好ましくは15から75質量%の範囲であり、好ましくは25から65質量%の範囲であり、特に好ましくは45から55質量%の範囲である。
本発明のさらに別の実施態様では、本発明で使用されるカーボンナノチューブの平均長さは特に限定されず、好ましくは0.1μm以上100μm以下、より好ましくは1μm以上10μm以下である。
本発明のさらに別の実施態様において、使用されるカーボンナノチューブの直径は特に限定されず、好ましくは0.4nm以上500nm以下、より好ましくは300nm以下、さらに好ましくは200nm以下である。
本発明のさらに別の実施態様において、カーボンナノチューブの含有量は、全固形分中、好ましくは25から85質量%、より好ましくは35から65質量%、特に好ましくは45から55質量%である。
本発明のさらに別の実施態様では、本発明の熱電複合材料は、好ましくは溶媒を含む。
本発明のさらに別の実施態様では、溶媒は、成分を十分に溶解または分散させることができる任意の溶媒であってよい。
本発明のさらに別の実施態様では、溶媒は、有機極性溶媒及びその混合溶媒である。
本発明のさらに別の実施態様において、溶媒は、好ましくは有機溶媒、水であり、好ましい例には、ハロゲン系溶媒、例えばクロロホルム、非プロトン極性溶媒、例えばDMF、DMSO、及びNMP;アルコール類、芳香族系溶媒、例えばクロロベンゼン、キシレン、ベンゼン、トルエン、ジクロロベンゼン、メシチレン、テトラリン、テトラメチルベンゼン、及びピリジン;ケトン系溶媒、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、及びアセトン;及びエーテル系溶媒、例えばジエチルエーテル、t-ブチルメチルエーテル、ジグリム、THF、及びジメトキシエタンが含まれ、より好ましい例には、ハロゲン系溶媒、例えばクロロホルム、非プロトン極性溶媒、例えばNMP及びDMF;芳香族系溶媒、例えばジクロロベンゼン、キシレン、テトラリン、及びテトラメチルベンゼン;及びエーテル系溶媒、例えばTHFが含まれる。
本発明のさらに別の実施態様では、熱電複合材料中の溶媒の量は、熱電性複合材料の全量に対して好ましくは80から99.99質量%、より好ましくは90から99.98質量%、さらに好ましくは95から99.95質量%である。
本発明のさらに別の実施態様では、ドーパントは、半導体ポリマーにドープされる化合物であり、ポリマーをプロトン化するかまたはポリマーのπ共役系から電子を除去することによってポリマーをドーピングして正電荷をもたせること(p型ドーピング)のできる任意の化合物であってよい。
本発明のさらに別の実施態様では、ドーパントは、オニウム塩化合物、酸化剤、酸性化合物、電子受容体化合物からなる群から選択される。
本発明のさらに別の実施態様では、オニウム塩化合物は、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、アンモニウム塩、カルボニウム塩、及びホスホニウム塩を含む。
本発明のさらに別の実施態様では、酸化剤には、ハロゲン(Cl2、Br2、I2、ICl、ICl3、IBr)、ルイス酸(PF5、SbF5、SO3、BCl3、BF3)、金属ハロゲン化物塩(FeCl3、FeOCl、TiCl4、CuCl2、ZnCl2、LiCl、TaCl5、MoCl5、WCl6、WF6、NbF5、NbCl5、ZrCl4、NiCl2)が含まれる。
本発明のさらに別の実施態様では、酸性化合物には、ヒドロキシル化合物、ポリリン酸、カルボキシ化合物、及びスルホン化合物、様々な有機酸、アミノ酸などが含まれる。
本発明のさらに別の実施態様では、電子受容体化合物には、TCNQ、ヘテロ環式チアジアゾール、フタロシアニン、カルボラン系化合物、ハロゲン化テトラシアノキノジメタン、ピラジン、テトラジン、ピリジン、ピリドピラジン、及び別のホウ素原子含有化合物が含まれる。具体的には、金属塩化物塩、FeCl3、ZnCl2、CuCl2である。
本発明のさらに別の実施態様では、ドーパントの濃度は、好ましくは0.001Mから0.1M、より好ましくは0.01から0.05Mである。
本発明のさらに別の実施態様では、ドーピング処理の時間は、好ましくは1分から60分、より好ましくは10分から40分、特に好ましくは20分から30分である。
図1は、ドーピングなしの熱電複合材料の概略構造図を表す。 図2は、式IIのポリマーとカーボンナノチューブとの熱電複合材料のSEM画像を示す。 図3は、式IIのポリマーとカーボンナノチューブとの熱電複合材料のTEM画像を示す。 図4は、式IIIのポリマーとカーボンナノチューブとの熱電複合材料のSEM画像を示す。 図5は、式IIIのポリマーとカーボンナノチューブとの熱電複合材料のTEM画像を示す。 図6は、式IVのポリマーとカーボンナノチューブとの熱電複合材料のSEM画像を示す。 図7は、式IVのポリマーとカーボンナノチューブとの熱電複合材料のTEM画像を示す。 図8は、式II、式III、及び式IVのポリマー及びカーボンナノチューブについて、ドーピングなしの熱電変換層の導電率の分布を示す。 図9は、式II、式III、及び式IVのポリマー及びカーボンナノチューブについて、ドーピングなしの熱電変換層のゼーベック係数の分布を示す。 図10は、式II、式III、及び式IVのポリマー及びカーボンナノチューブについて、ドーピングなしの熱電変換層の力率の分布を示す。 図11は、ドーピングを施した熱電複合材料の概略構造図を示す。 図12は、式II、式III、及び式IVのポリマー及びカーボンナノチューブについて、ドーピングを施した熱電変換層の導電率の分布を示す。 図13は、式II、式III、及び式IVのポリマー及びカーボンナノチューブについて、ドーピングを施した熱電変換層のゼーベック係数の分布を示す。 図14は、式II、式III、及び式IVのポリマー及びカーボンナノチューブについて、ドーピングを施した熱電変換層の力率の分布を示す。 図15は、前記熱電複合材料を使用する熱電変換デバイスを示す。
本発明は、半導体ポリマーとカーボンナノチューブをベースとする熱電複合材料及びこれを用いた熱電変換デバイスを提供する。
本発明は、縮合チオフェン系半導体ポリマー及びカーボンナノチューブ構造体を含み、工業的に実施可能且つコスト効率に優れた調製方法による、新規な熱電複合材料を提供する。この複合体の熱電力率は、酸化性塩のドーピングによりさらに向上させることができる。
本発明の熱電複合材料における半導体ポリマーは、2個以上のチオフェン単位が互いに縮合しているかまたはベンゼン単位と縮合している(式I)縮合チオフェンポリマーである。縮合チオフェン単位は、フッ素原子を含んでいても含んでいなくてもよい。縮合チオフェン構造体にはまた、長鎖アルキル鎖または分岐アルキル鎖なども組み込まれる。Rは、1から20個の炭素原子を有する長鎖アルキル鎖または分岐アルキル鎖を表す。
式II(PBDTTT-C-T)は、4位、8位で2個のチオフェンに、さらにチエノチオフェン単位に隣接されたベンゾジチオフェンである。
式III(PBDTTT-C)は、ベンゾジチオフェンのエチルヘキシルオキシアルキル部分及びアルキル部分としてエチルヘキサノイルを有するチエノチオフェン単位を含む。
式IV(PBDTT-FTTE)は、フッ素が結合したチエノチオフェン単位を含み、ベンゾジチオフェン単位は、2つのチオフェン単位が結合したベンゼン環を含む。
熱電複合材料中の縮合チオフェンコポリマーの含有量は、全固形分中、好ましくは15から75質量%の範囲であり、好ましくは25から65質量%の範囲であり、特に好ましくは45から55質量%の範囲である。
本発明のカーボンナノチューブ構造体におけるカーボンナノチューブには、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ、及び/又は多層カーボンナノチューブが含まれる。前記カーボンナノチューブ構造体には、1枚のグラフェンシートが円柱状に巻かれた単層カーボンナノチューブ、2枚のグラフェンシートが同心円状に巻かれた二層カーボンナノチューブ、及びグラフェンシートの束が同心円状に巻かれた多層カーボンナノチューブが含まれる。束ねられたカーボンナノチューブ膜の各層は、1層の電気的半導体ポリマー層で被覆されている。
本発明の熱電複合材料は、上述した成分を、溶媒中に溶解または分散させ、振とう、攪拌、または混練することで混合することによって調製される。前記溶解または分散は、超音波処理によって促進してもよい。
本発明の熱電複合材料は、ドーパントとして酸化剤を含有する。このドーパントは、本発明における熱電複合材料の成膜前または成膜後に組み込まれる。
本発明の熱電変換デバイスは、上述の熱電複合材料からなる。前記熱電変換デバイスは、基板、熱電変換層、及びこれらを電気的に接続する電極を含むエレメントである。
熱電変換デバイスは、熱電変換層の両端の温度差を保つ条件下で動作し、熱電複合材料の熱電変換層で、一定の厚みを有する形状を形成する必要がある。このため、熱電複合材料は、優れた被覆特性または成膜特性を有することが要求される。
本発明の熱電複合材料は、熱電複合材料として使用するために十分な高い熱電変換性能を有し、さらに、カーボンナノチューブの良好な分散性及び優れた被覆特性または成膜特性を有して、当該熱電複合材料は、熱電変換層のために好適である。
図1は、カーボンナノチューブ構造体(75)及び縮合チオフェンポリマー(73)層を含む熱電複合材料(71)を示す。カーボンナノチューブ構造体は、フレーム構造として機能する。縮合チオフェン系半導体んきポリマー層(73)は、カーボンナノチューブ構造体(75)の表面に被覆されている。すなわち、ポリマー層は、カーボンナノチューブ構造体によって支持されている。図11は、カーボンナノチューブ構造体(705)及び縮合チオフェン系ポリマー(703)層と共にドーパント(707)を含む熱電複合材料(701)を示す。
本発明で用いられるカーボンナノチューブの平均長さは特に限定されないが、導電性、成膜特性などの適切性の観点から、前記カーボンナノチューブの平均長さは、好ましくは0.1μm以上100μm以下、より好ましくは1μm以上10μm以下である。
本発明に用いられるカーボンナノチューブの直径は特に限定されないが、耐久性、成膜特性、導電性などの観点から、前記直径は、好ましくは0.4nm以上500nm以下、より好ましくは300nm以下、さらに好ましくは200nm以下である。
前記熱電複合材料において、カーボンナノチューブの含有量は、好ましくは、全固形分中、25から85質量%、より好ましくは35から65質量%、特に好ましくは45から55質量%である。
本発明の熱電複合材料は、好ましくは溶媒を含有する。本発明の熱電複合材料は、より好ましくは、カーボンナノチューブが溶媒中に分散されたカーボンナノチューブ分散液である。
溶媒は、成分を十分に溶解または分散させることができる任意の溶媒であってよい。有機溶媒及びその混合溶媒が使用される。溶媒は、好ましくは有機溶媒、水であり、好ましい例には、ハロゲン系溶媒、例えばクロロホルム、非プロトン極性溶媒、例えばDMF、DMSO、及びNMP;アルコール類、芳香族系溶媒、例えばクロロベンゼン、キシレン、ベンゼン、トルエン、ジクロロベンゼン、メシチレン、テトラリン、テトラメチルベンゼン、及びピリジン;ケトン系溶媒、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、及びアセトン;及びエーテル系溶媒、例えばジエチルエーテル、t-ブチルメチルエーテル、ジグリム、THF、及びジメトキシエタンが含まれ、より好ましい例には、ハロゲン系溶媒、例えばクロロホルム、非プロトン極性溶媒、例えばNMP及びDMF;芳香族系溶媒、例えばジクロロベンゼン、キシレン、テトラリン、及びテトラメチルベンゼン;及びエーテル系溶媒、例えばTHFが含まれる。
前記熱電複合材料中の溶媒の量は、熱電複合材料の全量に対して、好ましくは80から99.99質量%、より好ましくは90から99.98質量%、さらに好ましくは95から99.95質量%である。
本発明の熱電複合材料中には、ドーパントが存在する。ドーパントは、混合、浸液、浸漬、電気泳動、または注入技術などによって組み込まれ、より好ましくは浸漬などが用いられる。ドーパントは、半導体ポリマーにドーピングされる化合物であり、ポリマーをプロトン化するかまたはポリマーのπ共役系から電子を除去することによってポリマーをドーピングして正電荷をもたせること(p型ドーピング)のできる任意の化合物であってよい。具体的には、オニウム塩化合物、酸化剤、酸性化合物、電子受容体化合物等が用いられる。
オニウム塩化合物の具体例には、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、アンモニウム塩、カルボニウム塩、及びホスホニウム塩が含まれる。ドーパントとして使用される酸化剤の具体例には、ハロゲン(Cl2、Br2、I2、ICl、ICl3、IBr)、ルイス酸(PF5、SbF5、SO3、BCl3、BF3)、金属ハロゲン化物塩(FeCl3、FeOCl、TiCl4、CuCl2、ZnCl2、LiCl、TaCl5、MoCl5、WCl6、WF6、NbF5、NbCl5、ZrCl4、NiCl2)が含まれる。酸性化合物には、ヒドロキシル化合物、ポリリン酸、カルボキシ化合物、及びスルホン化合物、様々な有機酸、アミノ酸などが含まれる。電子受容体化合物には、TCNQ、ヘテロ環式チアジアゾール、フタロシアニン、カルボラン系化合物、ハロゲン化テトラシアノキノジメタン、ピラジン、テトラジン、ピリジン、ピリドピラジン、及び別のホウ素原子含有化合物が含まれる。具体的には、金属塩化物塩、FeCl3、ZnCl2、CuCl2などが使用される。
本発明の熱電複合材料は、上述の各種成分を混合することにより調製される。熱電複合材料の調製方法には特段の制限はなく、当該材料の調製は、常温常圧で、通常の混合装置等を用いて実施される。例えば、前記材料は、様々な成分を、溶媒中に、振とう、撹拌、または混練によって分散または溶解させることにより調製される。この溶解または分散は、超音波処理により促進してもよい。
本発明の熱電複合材料を、熱電交換層に変形する。熱電変換層は、基板上で熱電複合材料を成形することにより得られる任意の層であり、その形状、調製方法などには特段の制限がない。この熱電変換層は、本発明の熱電複合材料を基板上に被覆し、成膜することによって形成される。
成膜方法は特に限定されず、例えば既知の方法、ブレードコーティング、スプレーコーティング、押出ダイコーティング、ロールコーティング、バーコーティング、スクリーン印刷、カーテンコーティング、ステンシル印刷、ディップコーティングを使用することができる。必要に応じて、塗布後に乾燥処理が行われる。基板としては、基材、例えばガラス、金属、セラミックス、及びプラスチックフィルムが使用される。特に、熱電変換層を有する各種電極材料がその上に配置された基板が好ましく用いられる。電極材料としては、透明電極、例えばITO及びFTO、金属電極、例えば銀、銅、金、及びアルミニウム、半導体微粒子、例えば銀及び炭素をその中に分散させた半導体ペースト、並びに、銀、銅、及びアルミニウムの金属ナノワイヤを含む半導体ペーストが使用される。
本発明の熱電変換デバイスは、本発明の熱電複合材料を用いた熱電変換脚を有するエレメントであり、その構成は特に限定されない。好ましくは、前記熱電変換デバイスは、基板と、基板上に設けられた熱電変換脚とを含むエレメントであり、熱電変換脚を電気的に接続する電極をさらに有する。さらに好ましくは、熱電変換デバイスは、基板上に設けられた一対の電極と、電極間に設置または配置された熱電変換脚とを有するエレメントである。
以下の実施例は、詳説のために記載されており、しかるに本発明の範囲を制限するものとみなされるべきでない。
(実施例1:式IIのポリマー及びMWCNTを使用するポリマー複合体の調製)
45質量%のカーボンナノチューブを、1,2-ジクロロベンゼンの存在下で超音波を印加することにより、55質量%の縮合チオフェンポリマーマトリックスに組み込む。この複合体を、周波数80kHzの超音波での低出力超音波処理(192W)により1時間に亘って30℃で処理する。図2及び図3は、式IIポリマーとカーボンナノチューブ熱電複合材料の顕微鏡写真に相当する。
(実施例2:式IIIのポリマー及びMWCNTを使用するポリマー複合体の調製)
45質量%のカーボンナノチューブを、1,2-ジクロロベンゼンの存在下で超音波を印加することにより、55質量%の縮合チオフェンポリマーマトリックスに組み込む。この複合体を、周波数80kHzの超音波での低出力超音波処理(192W)により1時間に亘って30℃で処理する。図4及び図5は、式IIIポリマーとカーボンナノチューブ熱電複合材料の顕微鏡写真に相当する。
(実施例3:式IVのポリマー及びMWCNTを使用するポリマー複合体の調製)
45質量%のカーボンナノチューブを、1,2-ジクロロベンゼンの存在下で超音波を印加することにより、55質量%の縮合チオフェンポリマーマトリックスに組み込む。この複合体を、周波数80kHzの超音波での低出力超音波処理(192W)により1時間に亘って30℃で処理する。図6及び図7は、式IVポリマーとカーボンナノチューブ熱電複合材料の顕微鏡写真に相当する。
(実施例4:式IIのポリマー及びMWCNTを使用するポリマー複合体の調製)
25質量%のカーボンナノチューブを、1,2-ジクロロベンゼンの存在下で超音波を印加することにより、75質量%の縮合チオフェンポリマーマトリックスに組み込む。この複合体を、周波数80kHzの超音波での低出力超音波処理(192W)により1時間に亘って30℃で処理する。
(実施例5:式IIIのポリマー及びMWCNTを使用するポリマー複合体の調製)
25質量%のカーボンナノチューブを、1,2-ジクロロベンゼンの存在下で超音波を印加することにより、75質量%の縮合チオフェンポリマーマトリックスに組み込む。この複合体を、周波数80kHzの超音波での低出力超音波処理(192W)により1時間に亘って30℃で処理する。
(実施例6:式IVのポリマー及びMWCNTを使用するポリマー複合体の調製)
25質量%のカーボンナノチューブを、1,2-ジクロロベンゼンの存在下で超音波を印加することにより、75質量%の縮合チオフェンポリマーマトリックスに組み込む。この複合体を、周波数80kHzの超音波での低出力超音波処理(192W)により1時間に亘って30℃で処理する。
(実施例7:式IIのポリマー及びMWCNTを使用するポリマー複合体の調製)
85質量%のカーボンナノチューブを、1,2-ジクロロベンゼンの存在下で超音波を印加することにより、15質量%の縮合チオフェンポリマーマトリックスに組み込む。この複合体を、周波数80kHzの超音波での低出力超音波処理(192W)により1時間に亘って30℃で処理する。
(実施例8:式IIIのポリマー及びMWCNTを使用するポリマー複合体の調製)
85質量%のカーボンナノチューブを、1,2-ジクロロベンゼンの存在下で超音波を印加することにより、15質量%の縮合チオフェンポリマーマトリックスに組み込む。この複合体を、周波数80kHzの超音波での低出力超音波処理(192W)により1時間に亘って30℃で処理する。
(実施例9:式IVのポリマー及びMWCNTを使用するポリマー複合体の調製)
85質量%のカーボンナノチューブを、1,2-ジクロロベンゼンの存在下で超音波を印加することにより、15質量%の縮合チオフェンポリマーマトリックスに組み込む。この複合体を、周波数80kHzの超音波での低出力超音波処理(192W)により1時間に亘って30℃で処理する。
(実施例10:式IIのポリマー及びMWCNTをドーピングなしで使用する熱電変換層の調製)
本発明の熱電複合材料を、熱電変換層に変形する。熱電変換層は、ガラス基板(寸法12mm×4mm)上に20μLの熱電複合材料をドロップキャストし、120℃で1時間乾燥させることにより形成される。熱電変換層の厚さは15μmである。図8から図10は、式IIポリマー及びカーボンナノチューブでドーピングせずに構成した熱電変換層の熱電特性を示す。
(実施例11:式IIIのポリマー及びMWCNTをドーピングなしで使用する熱電変換層の調製)
本発明の熱電複合材料を、熱電変換層に変形する。熱電変換層は、ガラス基板(寸法12mm×4mm)上に20μLの熱電複合材料をドロップキャストし、120℃で1時間乾燥させることにより形成される。熱電変換層の厚さは15μmである。図8から図10は、式IIIポリマー及びカーボンナノチューブでドーピングせずに構成した熱電変換層の熱電特性を示す。
(実施例12:式IVのポリマー及びMWCNTをドーピングなしで使用する熱電変換層の調製)
本発明の熱電複合材料を、熱電変換層に変形する。熱電変換層は、ガラス基板(寸法12mm×4mm)上に20μLの熱電複合材料をドロップキャストし、120℃で1時間乾燥させることにより形成される。熱電変換層の厚さは15μmである。図8から図10は、式IVポリマー及びカーボンナノチューブでドーピングせずに構成した熱電変換層の熱電特性を示す。
(実施例13:式IIのポリマー及びとMWCNTをドーピングして使用する熱電変換層の調製)
本発明の熱電複合材料は、ドーパントとして酸化剤を含有する。前記熱電複合材料を、ガラス基板(寸法12mm×4mm)上に20μLの熱電複合材料をドロップキャストし、120℃で1時間乾燥させることによって熱電変換層に変形する。前記熱電変換層をニトロメタン中0.05モルの塩化第二鉄の溶液に30℃にて30分間浸液させ、その後100℃で15分間乾燥させる。図12から図14は、式IIのポリマー及びカーボンナノチューブをドーピングして構成した熱電変換層の熱電特性を示す。
(実施例14:式IIIのポリマー及びとMWCNTをドーピングして使用する熱電変換層の調製)
本発明の熱電複合材料は、ドーパントとして酸化剤を含有する。前記熱電複合材料を、ガラス基板(寸法12mm×4mm)上に20μLの熱電複合材料をドロップキャストし、120℃で1時間乾燥させることによって熱電変換層に変形する。前記熱電変換層をニトロメタン中0.05モルの塩化第二鉄の溶液に30℃にて30分間浸液させ、その後100℃で15分間乾燥させる。図12から図14は、式IIIのポリマー及びカーボンナノチューブをドーピングして構成した熱電変換層の熱電特性を示す。
(実施例15:式IVのポリマー及びとMWCNTをドーピングして使用する熱電変換層の調製)
本発明の熱電複合材料は、ドーパントとして酸化剤を含有する。前記熱電複合材料を、ガラス基板(寸法12mm×4mm)上に20μLの熱電複合材料をドロップキャストし、120℃で1時間乾燥させることによって熱電変換層に変形する。前記熱電変換層をニトロメタン中0.05モルの塩化第二鉄の溶液に30℃にて30分間浸液させ、その後100℃で15分間乾燥させる。図12から図14は、式IVのポリマー及びカーボンナノチューブをドーピングして構成した熱電変換層の熱電特性を示す。
(実施例16:式IVのポリマー及びMWCNTを使用する熱電変換層に対するドーピング濃度の効果試験)
45質量%のカーボンナノチューブを、1,2-ジクロロベンゼンの存在下で超音波を印加することにより、55質量%の縮合チオフェンポリマーマトリックスに組み込む。この複合体を、周波数80kHzの超音波での低出力超音波処理(192W)により1時間に亘って30℃で処理する。前記熱電複合材料を、ガラス基板(寸法12mm×4mm)上に20μLの熱電複合材料をドロップキャストし、120℃で1時間乾燥させることによって熱電変換層に変形する。前記熱電変換層をニトロメタン中異なるモル濃度の塩化第二鉄溶液に30℃にて30分間浸液させ、その後100℃で15分間乾燥させる。表1は、ドーパントの様々な濃度について熱電変換層の熱電特性を示す。
Figure 2022501798
(実施例17:熱電変換デバイスの調製)
本発明において、熱電変換デバイスは、ガラス基板(寸法25mm×25mm)からなる。熱電変換脚は、ガラス基板上で、所定領域(寸法25mm×4mm)に、本発明の熱電複合材料20μLをドロップキャストすることによって配置され、120℃で1時間乾燥される。一対の銀電極を、熱電変換脚の両端に50Wの高周波電力で15分間に亘ってスパッタリングすることにより設置する。本発明の熱電変換エレメントにおいて、熱電変換脚の厚さは15μmである。
図15を参照すると、熱電デバイス(7001)は、好ましくはガラスの基板である第1エレメント(7003)、第1エレメント(7003)上に配置された本発明の熱電複合材料の熱電変換脚(7005)、及び、その上に配置された、好ましくは銀電極である第1電極(7007)及び第2電極(7009)を含む一対の電極を含む。この上には、好ましくはPETの基板である第2エレメントが配置されて、熱電変換脚を周囲から保護する。
本発明の熱電変換デバイスは、1、2、または複数の熱電変換脚を有してよい。本発明の熱電変換デバイスでは、熱電変換脚の数は、好ましくは1から10であり、用途に応じて不確定に増加させる。
前記熱電変換デバイスにおいて、本発明の熱電複合材料は、好ましくは、基板上にフィルム状に配置され、この基板は、好ましくは前記第1エレメント(7003)として機能する。より具体的には、本発明の熱電複合材料は、基板表面に配置され、前記電極材料がその上に配置されていることが好ましい。本発明の熱電変換デバイスにおける電極材料は、ブレードコーティング、スプレーコーティング、押出ダイコーティング、ロールコーティング、バーコーティング、スクリーン印刷、カーテンコーティング、ステンシル印刷、ディップコーティング、塗装、蒸着技術等により成膜させてもよい。
このようにして形成された熱電変換脚は、一表面に基板を有する。脚の別の表面もまた、フィルムの保護のために、粘着テープを用いて、基板、第2エレメント(7011)で覆われていることが好ましい。
(実施例18:発電モードでの熱電変換デバイスの試験)
本発明の熱電変換デバイスは、発電装置として好適に用いられる。熱電変換脚(7005)の両端間に印加される温度の差は少なくとも50℃であり、2つの電極(7007、7009)に亘って電位がタップされている。一端の温度は、抵抗加熱器により80℃からの範囲に維持される。他端の温度は、ペルチェ冷却器により30℃からの範囲に維持される。温度差(ΔT)は、第1及び第2の電極(7007、7009)に取り付けられた2つの熱電対を用いて測定される。ナノ電圧計を、接続リードと共に用いて電圧差(ΔV)が測定される。温度差と電圧差を同時に測定する。
一実施態様の正規化された熱電変換デバイス性能を表3に示す。表4は、熱電複合材料がドーピングされているかまたはされていない場合における、一実施態様の正規化された熱電変換デバイス性能を示す。
Figure 2022501798
Figure 2022501798
本発明の利点
ポリマーナノ複合体ベースの熱電材料は、従来の材料に比べて低コスト、軽量、曲げ・柔軟性に優れた新種のの機能性材料である。これらの理由から、これらは商業的使用のための計り知れない可能性を有する。本発明は、所定の縮合チオフェンポリマー及びカーボンナノチューブに基づく新たなタイプの複合体を使用する、高効率で安定な熱電層の調製について説明する。この複合体は、〜350℃まで安定であり、プロセスプラントにより放出される熱水、自動車の排気ガス、及びヒト/哺乳類の体温のような熱源からのその場での持続可能な発電に使用することができる。

Claims (10)

  1. i. 15から75質量%の式I:
    Figure 2022501798
    [式中、R1= -C7H15
    R2は同一であり、且つ、
    Figure 2022501798
    または-ORから選択され、
    R= -C8H17
    R2
    Figure 2022501798
    である場合には、X= HまたはF;
    R2が-ORである場合にはX=H である]
    の半導体ポリマー:
    ii. 25から85質量%のカーボンナノチューブ構造体を含む、熱電複合材料。
  2. 15から75質量%の式Iの半導体ポリマー及び25から85質量%のカーボンナノチューブ構を含み、任意にドーパントのモル濃度が0.005から0.3である、請求項1に記載の熱電複合材料。
  3. 式Iが、下記:
    Figure 2022501798
    から成る群より選択される、請求項1または2に記載の熱電複合材料。
  4. カーボンナノチューブが、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ、及び/または多層カーボンナノチューブから選択される、請求項1に記載の熱電複合材料。
  5. 使用されるドーパントが、オニウム塩化合物、酸化剤、酸性化合物、及び電子受容体化合物からなる群から選択される、請求項2に記載の熱電複合材料。
  6. ドーパントがその塩化合物を用いる遷移金属である、請求項2に記載の熱電複合材料。
  7. 複合材料が、350℃まで安定であり、温度勾配に応答して電位差を生じさせうる、請求項1または2の熱電複合材料。
  8. i. 15から75質量%の式Iの縮合チオフェン系半導体ポリマーに、25から85質量%のカーボンナノチューブを、溶媒の存在下で組み込む工程と、その後45から65分間に亘り超音波を印加して熱電複合材料を得る工程とを含む、請求項1に規定の熱電複合材料の調製方法。
  9. 請求項1または請求項2に規定の熱電複合材料から構成され、基板上にキャスティングされているか、または独立した脚として形成されて周囲からの絶縁のために第2の基板によって支持されている、直列に接続された単一または複数の平面状の脚を含む熱電変換デバイス。
  10. 導電率が400S/mから2000S/mの範囲内にある、請求項1に記載のデバイス。
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