JP2022191505A - G12d変異krasタンパクの分解を誘導するためのキナゾリン化合物 - Google Patents

G12d変異krasタンパクの分解を誘導するためのキナゾリン化合物 Download PDF

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Abstract

【課題】膵臓癌の治療用医薬組成物の有効成分として有用な化合物を提供する。【解決手段】本発明者らは、膵臓癌治療用医薬組成物の有効成分として有用な化合物について検討し、キナゾリン化合物が優れたG12D変異KRASタンパクの分解を誘導する作用、およびG12D変異KRAS阻害活性を有し、膵臓癌の治療剤として使用し得ることを知見して、本発明を完成した。本発明のキナゾリン化合物又はその塩は、膵臓癌の治療剤として使用しうる。【選択図】なし

Description

本発明は医薬組成物、G12D変異KRASタンパクの分解を誘導する作用に優れ、G12D変異KRAS阻害剤として有用であり、例えば膵臓癌治療用医薬組成物の有効成分として有用であると期待されるキナゾリン化合物に関する。
膵管腺癌が主である膵臓癌は、5年生存率が10%以下(CA Cancer J. Clin., 2016, 66, p.7-30)と非常に予後が悪い癌であり、世界中で年間46万人ほどが新たに症例として報告されている(CA Cancer J. Clin., 2018, 68, p.394-424)。膵臓癌の治療で最も有効な療法は外科的手術だが、早期発見が難しいために転移していることが多く、外科的手術による治療効果が期待できないことが多い。手術治療をしない場合は、化学療法や放射線療法となるが生存率は芳しくない。現在、FOLFRINOX療法(5-FU、イリノテカンおよびオキサリプラチンの3種類の化学療法剤にレボホリナートを加えた多剤併用治療)が膵臓癌の標準療法として用いられているが、毒性が強いため、処方される患者はECOG Performance Statusが1以下に限られるなど、患者選択は慎重に行う必要がある(J. Clin. Oncol., 2018, 36, p.2545-2556)。分子標的治療薬としてはepidermal growth factor receptor(EGFR)阻害剤のエルロチニブがゲムシタビンとの併用療法で承認されているものの、全生存期間延長はゲムシタビン単独と比較して2週間程度であり、満足のいく治療効果は得られておらず、依然として有効性の高い治療薬が求められている(J. Clin. Oncol., 2007, 25, p.1960-1966)。
RASタンパク質は188-189個のアミノ酸から成る約21kDaの低分子グアノシン三リン酸(GTP)結合タンパク質であり、KRAS遺伝子、NRAS遺伝子、HRAS遺伝子の3つの遺伝子より生じる4種類の主要なタンパク質(KRAS(KRAS4A及びKRAS4B)、NRAS、HRAS)が存在する。RASタンパク質には活性型であるGTP結合型と、不活性型であるGDP結合型が存在する。RASタンパク質は、EGFRなど細胞膜受容体へのリガンド刺激等により、グアノシン二リン酸(GDP)とGTPが交換されることにより、活性化する。活性型RASは、RAF、PI3K、RALGDSなど20種類に及ぶエフェクタータンパク質と結合し、下流のシグナルカスケードを活性化する。一方、活性型RASは内在性のGTP加水分解(GTPase)活性により、GTPをGDPへと変換することで不活性型となる。このGTPase活性はGTPase活性化タンパク質(GAP)によって増強される。このことから、RASは、EGFRなどの細胞内シグナル伝達経路における重要な「分子スイッチ」の機能を担っており、細胞の成長、増殖、血管生成などの過程において、重要な役割を果たしている(Nature Rev. Cancer, 2011, 11, p.761-774、Nature Rev. Drug Discov., 2014, 13, p.828-851、Nature Rev. Drug Discov., 2016, 15, p.771-785)。
RAS遺伝子の突然変異によりアミノ酸置換が生じると、RASのGTPaseとしての機能低下やGAPに対する反応低下により恒常的な活性化状態となり、下流にシグナルを送り続ける。この過剰なシグナルが、発がんやがんの増殖亢進をもたらす。膵管腺癌は膵上皮内腫瘍性病変/pancreatic intraepithelial neoplasia(PanIN)において異形の弱い段階から強い段階を経て発生するとされており、KRAS遺伝子変異は初期段階のPanINですでに認められている。その後腫瘍抑制遺伝子のINK4A、p53やSMAD4の異常が生じ、悪性化する(Nature Rev. Cancer, 2010, 10, p.683-695)。さらに、膵管腺癌の90%以上においてKRAS遺伝子に変異が認められており、中でもKRASエクソン2に位置するコドン12の点突然変異が大多数である(Cancer Cell 2017, 32, p.185-203)。このことから、KRASは膵臓癌の発がんや発展過程において、重要な役割を担っている。
KRAS遺伝子変異としては、KRAS G12C変異、KRAS G12D変異等が知られているが、G12C変異KRASは非小細胞肺癌では頻度が高い一方、膵臓癌では数%(Cancer Cell 2014, 25, p.272-281)であり、別のKRAS変異に対する治療薬が望まれている。G12D変異KRASは膵臓癌の約34%で認められており、KRAS変異の中でも割合が最も高いことが報告されている(Nat. Rev. Cancer, 2018, 18, p.767-777)。
特許文献1、2及び3にRAS阻害剤が開示されており、下記の式(A)及び式(B)で示される化合物が、それぞれ特許文献2及び3に開示されている。特許文献1、2及び3には、KRASのコドン12の変異が存在する癌に有用と記載され、その一つにG12D変異が含まれているが、G12D変異KRAS癌に対する作用については記載されていない。
Figure 2022191505000001
(A)
Figure 2022191505000002
(B)
(式中の記号の意味は当該公報参照)
また、特許文献9、10及び11にKRAS G12D阻害剤が開示されている。
近年、標的とするタンパクの分解を誘導する技術としてPROTAC(PROteolysis-TArgeting Chimera)やSNIPER(Specific and Nongenetic IAP-dependent Protein Eraser)などと総称されるような二官能性化合物が見出されており、新規創薬モダリティの一つとして期待されている(Drug. Discov. Today Technol., 2019, 31, p15-27)。二官能性化合物が細胞内で標的タンパク質とE3リガーゼの複合体形成を促し、ユビキチン-プロテアソーム系を利用することで標的タンパクの分解が誘導される。ユビキチン-プロテアソーム系は細胞内でのたんぱく質分解機構の一つである。E3リガーゼと呼ばれるタンパクが、分解されるべきタンパクを認識してユビキチン化を行うことで、プロテアソームでの分解が進行する。
E3リガーゼは生体内に600種類以上が存在し、HECT-domain E3s、U-box E3s、 monomeric RING E3s及びmulti-subunit E3sの4種類に大別される。現在、PROTACやSNIPERなどと呼ばれる二官能性の分解誘導剤に用いられているE3リガーゼは限られており、代表的なものとしてVon Hippel-Lindau(VHL)、celebron(CRBN)、inhibitor of apoptosis protein(IAP)、mouse double minute 2 homolog(MDM2)などが挙げられる。特にVHLは特許文献4に、CRBNは特許文献5にそれぞれ報告されている。
二官能性化合物は、標的タンパクのリガンドとE3リガーゼのリガンドをリンカーで連結させた化合物であり、これまでに、KRASタンパクを分解する二官能性化合物が報告されている(非特許文献1、非特許文献2、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献12)。しかし、現在のところG12D変異KRASを標的とした二官能性化合物の報告はない。
国際公開第2016/049565号 国際公開第2016/049568号 国際公開第2017/172979号 国際公開第2013/106643号 国際公開第2015/160845号 米国特許出願公開第2018/0015087号 国際公開第2019/195609号 国際公開第2020/018788号 国際公開第2021/041671号 国際公開第2021/106231号 国際公開第2021/107160号 国際公開第2021/051034号
Cell. Chem. Biol., 2020, 27, p19-31 ACS Cent. Sci., 2020, 6, p1367-1375
医薬組成物、例えばG12D変異KRASタンパクの分解を誘導する作用に優れ、G12D変異KRAS阻害剤として有用であり、膵臓癌、特に、G12D変異KRAS陽性膵臓癌の治療用医薬組成物の有効成分として有用であると期待されるキナゾリン化合物を提供する。
本発明者らは、膵臓癌治療用医薬組成物の有効成分として有用な化合物について鋭意検討した結果、式(I)のキナゾリン化合物、特に、キナゾリン8位の置換基とE3リガーゼのリガンドを連結すること、又はキナゾリン8位の置換基とE3リガーゼのリガンドをリンカーで連結することを特徴とする式(I)の二官能性化合物が優れたG12D変異KRASタンパクの分解を誘導する作用、およびG12D変異KRAS阻害活性を有することを知見して本発明を完成した。
即ち、本発明は、式(I)の化合物又はその塩、並びに、式(I)の化合物又はその塩、及び1以上の製薬学的に許容される賦形剤を含有する医薬組成物に関する。
Figure 2022191505000003
(式中、
R1は、OHで置換されていてもよいナフチル又は下記式(II)及び式(III)からなる群から選択される基であり、
Figure 2022191505000004
R1a、R1bは、同一又は互いに異なって、H、メチル、F、又はClであり、
R1cは、F、Cl、メチル又はエチルであり、
R2は、H、ハロゲン、置換されていてもよいC1-3アルキル、シクロプロピル、又はビニルであり、
R3は、窒素原子を1~2個含有する飽和又は不飽和の7員~8員架橋複素環基であり、
R4は、置換されていてもよいC1-6アルキル、酸素、硫黄及び窒素から選択されるヘテロ原子を1~2個含有する置換されていてもよい4員~6員飽和複素環基、酸素、硫黄及び窒素から選択されるヘテロ原子を1~4個含有する置換されていてもよい5員ヘテロアリール、又は窒素原子を1~3個含有する置換されていてもよい6員ヘテロアリールであり、
R5は、置換されていてもよいC1-6アルキル、置換されていてもよいC3-6シクロアルキル又は酸素、硫黄及び窒素から選択されるヘテロ原子を1個含有する置換されていてもよい4員~6員飽和複素環基であり、
R6a、R6bは、同一又は互いに異なって、H又は置換されていてもよいC1-6アルキルであり、若しくは、R6a、R6bは、それらが結合している炭素と一緒になって置換されていてもよいC3-6シクロアルキル、又は酸素、硫黄及び窒素から選択されるヘテロ原子を1個含有する置換されていてもよい4員~6員飽和複素環を形成し、
R7は、H、ハロゲン、C1-3アルキル、-SO2CH3、C3-6シクロアルキル、酸素、硫黄及び窒素から選択されるヘテロ原子を1~2個含有する置換されていてもよい4員~6員飽和複素環基、酸素、硫黄及び窒素から選択されるヘテロ原子を1~4個含有する置換されていてもよい5員ヘテロアリール、又は窒素原子を1~3個含有する6員ヘテロアリールであり、
Wは、置換されていてもよいフェニル又は窒素原子を1~3個含有する置換されていてもよい6員ヘテロアリールであり、
Xは、結合、CH2、O、S又はNR4xであり、
R4xは、H又はC1-3アルキルであり、
Yは、フェニレン又はピリジンジイルであり、当該フェニレンはFで置換されていてもよく、
Lは、-(L1-L2-L3-L4)-であり、
L1、L2、L3、L4は、同一又は互いに異なって、結合、O、NRL1、置換されていてもよいピロリジンジイル、置換されていてもよいピペリジンジイル、置換されていてもよいピペラジンジイル、置換されていてもよいC1-3アルキレン、及びC=Oからなる群から選択される基であり、
RL1は、H又はC1-3アルキルであり、
Zは、NH又は酸素、硫黄及び窒素から選択されるヘテロ原子を1~4個含有する5員ヘテロアレーンジイルであり、
若しくは、Y-L-Zは下記式(XIII)である。)
Figure 2022191505000005
更に、本発明は、式(Ib)の化合物又はその塩、並びに、式(Ib)の化合物又はその塩、及び1以上の製薬学的に許容される賦形剤を含有する医薬組成物に関する。式(Ib)の化合物は、式(I)の化合物に包含される。
Figure 2022191505000006
(式中、
R1は、下記式(IIa)又は式(IIIa)であり、
Figure 2022191505000007
R1a、R1bは、同一又は互いに異なって、H又はFであり、
R2は、ハロゲン、C1-3アルキル、シクロプロピル、又はビニルであり、
R3は、下記式(IV)であり、
Figure 2022191505000008
R4は、C1-3アルキル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、置換されていてもよいピラゾリル、置換されていてもよいピリジル、置換されていてもよいピリミジニル、置換されていてもよいピロリジニル、又は置換されていてもよいピペリジニルであり、
R5は、エチル、イソプロピル、tert-ブチル、又はC3-6シクロアルキルであり、
R6a、R6bは、同一又は互いに異なって、H又はF、OH及びN(CH3)2からなる群から選択される基で置換されていてもよいC1-3アルキルであり、若しくは、R6a、R6bは、それらが結合している炭素と一緒になってシクロプロピルを形成し、
R7は、H、ハロゲン、又は下記式(VI)、式(VII)、式(VIII)及び式(IX)からなる群から選択される基であり、
Figure 2022191505000009
R7aは、H又はOHで置換されていてもよいC1-3アルキルであり、
Xは、Oであり、
Yは、フェニレン又はピリジンジイルであり、
Lは、結合、C1-3アルキレン、又はC=Oであり、
Zは、NH又は下記式(X)、式(XI)及び式(XII)からなる群から選択される基であり、
Figure 2022191505000010
若しくは、Y-L-Zは下記式(XIII)である。)
Figure 2022191505000011
なお、特に記載がない限り、本明細書中のある化学式中の記号が他の化学式においても用いられる場合、同一の記号は同一の意味を示す。
また、本発明は、式(I)の化合物又はその塩、及び1以上の製薬学的に許容される賦形剤を含有する医薬組成物、特に、膵臓癌の治療用医薬組成物、特に、G12D変異KRAS陽性膵臓癌の治療用医薬組成物、特に転移性膵臓癌の治療用医薬組成物であり、特に局所進行性膵臓癌の治療用医薬組成物であり、特に再発又は難治性の膵臓癌の治療用医薬組成物であり、特に未治療及び/又は治療歴のある患者の膵臓癌の治療用医薬組成物であり、特に転移性のG12D変異KRAS陽性膵臓癌の治療用医薬組成物であり、特に局所進行性のG12D変異KRAS陽性膵臓癌の治療用医薬組成物であり、特に再発又は難治性のG12D変異KRAS陽性膵臓癌の治療用医薬組成物であり、特に未治療及び/又は治療歴のある患者のG12D変異KRAS陽性膵臓癌の治療用医薬組成物に関する。なお、当該医薬組成物は、式(I)の化合物又はその塩を含有する膵臓癌、特に、G12D変異KRAS陽性膵臓癌の治療剤を包含する。
また、本発明は、膵臓癌、特に、G12D変異KRAS陽性膵臓癌、特に、転移性膵臓癌、特に、局所進行性膵臓癌、特に、再発又は難治性の膵臓癌、特に、未治療及び/又は治療歴のある患者の膵臓癌、特に、転移性のG12D変異KRAS陽性膵臓癌、特に、局所進行性のG12D変異KRAS陽性膵臓癌、特に、再発又は難治性のG12D変異KRAS陽性膵臓癌、特に、未治療及び/又は治療歴のある患者のG12D変異KRAS陽性膵臓癌の治療用医薬組成物の製造のための式(I)の化合物又はその塩の使用、膵臓癌、特に、G12D変異KRAS陽性膵臓癌の治療のための式(I)の化合物又はその塩の使用、膵臓癌、特に、G12D変異KRAS陽性膵臓癌の治療に使用するための式(I)の化合物又はその塩、及び、式(I)の化合物又はその塩の有効量を対象に投与することからなる膵臓癌、特に、G12D変異KRAS陽性膵臓癌の治療方法に関する。
また、本発明は、G12D変異KRASタンパク分解誘導剤及び/又はG12D変異KRAS阻害剤である式(I)の化合物又はその塩、G12D変異KRASタンパク分解誘導剤及び/又はG12D変異KRAS阻害剤として使用するための式(I)の化合物又はその塩、式(I)の化合物又はその塩を含有するG12D変異KRASタンパク分解誘導剤及び/又はG12D変異KRAS阻害剤にも関する。
なお、「対象」とは、その治療を必要とするヒト又はその他の動物であり、ある態様としては、その予防又は治療を必要とするヒトである。
式(I)の化合物又はその塩は、G12D変異KRASタンパクの分解を誘導する作用、およびG12D変異KRAS阻害活性を有し、膵臓癌、特に、G12D変異KRAS陽性膵臓癌の治療剤として使用できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本明細書において、「置換されていてもよい」とは、無置換、若しくは置換基を1から5個有していることを意味する。ある態様としては無置換、若しくは置換基を1から3個有していることを意味する。なお、複数個の置換基を有する場合、それらの置換基は同一であっても、互いに異なっていてもよい。
「C1-12アルキル」とは、直鎖又は分枝状の炭素数が1から12のアルキル、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、ドデシル等である(以降、炭素数については同様に表記する)。ある態様としてはエチル又はドデシルであり、ある態様としてはC1-6アルキルであり、ある態様としてはメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル又はn-ヘキシルであり、ある態様としてはメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル又はsec-ブチルであり、ある態様としてはメチル、エチル、イソプロピル又はtert-ブチルであり、ある態様としてはメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチルであり、ある態様としてはC1-3アルキルであり、ある態様としてはメチル、エチル又はイソプロピルであり、ある態様としてはメチル又はエチルであり、ある態様としてはメチル又はイソプロピルであり、ある態様としてはエチル又はイソプロピルであり、ある態様としてはメチルであり、ある態様としてはエチルであり、ある態様としてはイソプロピルである。
「C3-6シクロアルキル」とは、炭素数が3から6のシクロアルキル、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルである。ある態様としてはシクロブチル、シクロペンチル、又はシクロヘキシルであり、ある態様としてはシクロブチル又はシクロペンチルであり、ある態様としてはシクロペンチル又はシクロヘキシルであり、ある態様としてはシクロプロピル又はシクロブチルであり、ある態様としてはシクロプロピルであり、ある態様としてはシクロブチルであり、ある態様としてはシクロペンチルであり、ある態様としてはシクロヘキシルである。
「C1-3アルキレン」とは、直鎖又は分枝状のC1-3アルキレン、例えばメチレン、エチレン、トリメチレン、メチルメチレン、1,1-ジメチルメチレン、等である。ある態様としては直鎖又は分枝状のC1-3アルキレンであり、ある態様としては、メチレン、エチレン又はトリメチレンであり、ある態様としてはメチレン又はエチレンであり、ある態様としてはメチレンであり、ある態様としてはエチレンである。
「飽和又は不飽和の7員~8員架橋複素環基」とは、環構成原子として窒素原子を1~2個含有する飽和の7員~8員単環式架橋複素環基又は窒素原子を1~2個含有する不飽和結合を有する7員~8員単環式架橋複素環基である。ある態様としては、窒素原子を2個含有する飽和の7員~8員単環式架橋複素環基であり、ある態様としては、窒素原子を2個含有し、2つのうち1つの窒素原子が1つの水素原子と結合する飽和の7員~8員単環式架橋複素環基である。例えばジアザビシクロ[2.2.2]オクタニル、ジアザビシクロ[3.2.1]オクタニル、ジアザビシクロ[3.2.1]オクテニル、ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプテニルである。ある態様としてはジアザビシクロ[2.2.2]オクタニル、ジアザビシクロ[3.2.1]オクタニル、ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ-6-エニル、ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ-2-エニル、ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エニルであり、ある態様としてはジアザビシクロ[2.2.2]オクタニル、ジアザビシクロ[3.2.1]オクタニル、ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル又はジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタニルであり、ある態様としては2,5-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタニル、3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタニル、3,6-ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル又は2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタニルであり、ある態様としてはジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタニルであり、ある態様としては2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタニルであり、ある態様としては2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルである。
「4員~6員飽和複素環基」とは、例えば、環構成原子として酸素、硫黄及び窒素からなる群から選択されるヘテロ原子を1~2個含有する4員~6員飽和複素環基であって、さらに、当該複素環に含まれる硫黄原子は酸化されていてもよい。「4員~6員飽和複素環基」のある態様としては、酸素、硫黄及び窒素からなる群から選択されるヘテロ原子を1個含有する4員~6員飽和複素環基であって、さらに、当該複素環に含まれる硫黄原子は酸化されていてもよい。ある態様としては、酸素、硫黄及び窒素からなる群から選択されるヘテロ原子を1~2個含有する5員~6員飽和複素環基であって、さらに、当該複素環に含まれる硫黄原子は酸化されていてもよく、ある態様としては、酸素、硫黄及び窒素からなる群から選択されるヘテロ原子を1~2個含有する5員飽和複素環基であって、さらに、当該複素環に含まれる硫黄原子は酸化されていてもよく、ある態様としてはオキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、又はジオキソチオモルホリニルであり、ある態様としてはオキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、又はジオキソチオモルホリニルであり、ある態様としてはオキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピロリジニル、ピペリジニル、又はモルホリニルであり、ある態様としてはオキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピロリジニル又はピペリジニルであり、ある態様としてはオキセタニル、テトラヒドロフラニル、又はテトラヒドロピラニルであり、ある態様としてはピロリジニル又はピペリジニルであり、ある態様としてはオキセタニルであり、ある態様としてはテトラヒドロフラニルであり、ある態様としてはテトラヒドロピラニルであり、ある態様としてはピロリジニルであり、ある態様としてはピペリジニルであり、ある態様としてはモルホリニルであり、ある態様としては、オキサゾリジニルである。
「5員ヘテロアリール」とは、例えば、環構成原子として酸素、硫黄及び窒素からなる群から選択されるヘテロ原子を1~4個含有する5員環のヘテロアリールである。「5員ヘテロアリール」のある態様としては、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル又はチアジアゾリルであり、ある態様としてはピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル又はチアゾリルであり、ある態様としてはピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル又はチアゾリルであり、ある態様としてはピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル又はイソキサゾリルであり、ある態様としてはピラゾリル、オキサゾリル又はチアゾリルであり、ある態様としてはピラゾリル、トリアゾリル又はイソキサゾリルであり、ある態様としてはピラゾリル又はチアゾリルであり、ある態様としてはピラゾリル又はトリアゾリルであり、ある態様としてはピラゾリルであり、ある態様としてはイミダゾリルであり、ある態様としてはオキサゾリルであり、ある態様としてはチアゾリルであり、ある態様としてはトリアゾリルである。尚、「5員ヘテロアレーンジイル」とは、「5員ヘテロアリール」から任意の1個の水素を除去した2価基である。
「6員ヘテロアリール」とは、例えば、環構成原子として窒素原子を1~3個含有する6員環のヘテロアリールである。「6員ヘテロアリール」のある態様としては、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル又はトリアジニルであり、ある態様としてはピリジル又はピリダジニルであり、ある態様としてはピリジル又はピリミジニルであり、ある態様としてはピリジルであり、ある態様としてはピリミジニルである。
「ハロゲン」とは、F、Cl、Br及びIを意味する。ある態様としてはF、Cl又はBrであり、ある態様としてはF又はClであり、ある態様としてはF又はBrであり、ある態様としてはFであり、ある態様としてはClであり、ある態様としてはBrである。
「置換されていてもよいC1-6アルキル」及び「置換されていてもよいC1-3アルキル」において許容される置換基のある態様としては、F、OH、OCH3、N(CH3)2、C1-3アルキル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、ジフルオロエチル、置換されていてもよいC3-6シクロアルキル、アザビシクロ[3.3.0]オクタニル、又は酸素、硫黄及び窒素から選択されるヘテロ原子を1~2個含有する置換されていてもよい4員~6員飽和複素環基である。ある態様としてはF、OH、OCH3、N(CH3)2、メチル、エチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、ジフルオロエチル、置換されていてもよいシクロプロピル、テトラヒドロフラニル、置換されていてもよいテトラヒドロピラニル、モルホリニル、置換されていてもよいピロリジニル、置換されていてもよいピペリジニル又はアザビシクロ[3.3.0]オクタニルであり、ある態様としてはF、OH、OCH3、N(CH3)2、メチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、置換されていてもよいシクロプロピル、テトラヒドロフラニル、置換されていてもよいテトラヒドロピラニル、モルホリニル、置換されていてもよいピロリジニル、ピペリジニル又はアザビシクロ[3.3.0]オクタニルであり、ある態様としてはF、OH、OCH3、N(CH3)2、メチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、シクロプロピル、(ヒドロキシメチル)シクロプロピル、(メトキシメチル)シクロプロピル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラニル、(メトキシメチル)テトラヒドロピラニル、モルホリニル、ピロリジニル、メチルピロリジニル、ピペリジニル又はアザビシクロ[3.3.0]オクタニルであり、ある態様としてはF、OH、OCH3、N(CH3)2、メチル、シクロプロピル、(ヒドロキシメチル)シクロプロピル、(メトキシメチル)シクロプロピル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラニル、(メトキシメチル)テトラヒドロピラニル、モルホリニル、ピロリジニル、メチルピロリジニル又はアザビシクロ[3.3.0]オクタニルであり、ある態様としてはOH、OCH3、N(CH3)2、(ヒドロキシメチル)シクロプロピル、テトラヒドロフラニル、(メトキシメチル)シクロプロピル、(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラニル、(メトキシメチル)テトラヒドロピラニル、モルホリニル、ピロリジニル、メチルピロリジニル又はアザビシクロ[3.3.0]オクタニルであり、ある態様としてはF、OH、OCH3、N(CH3)2、メチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、シクロプロピル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、ピロリジニル、メチルピロリジニル又はアザビシクロ[3.3.0]オクタニルであり、ある態様としてはF、OH又はOCH3であり、ある態様としてはF、OH、OCH3又はN(CH3)2であり、ある態様としてはF、OH又はN(CH3)2であり、ある態様としてはOH又はOCH3であり、ある態様としてはOHである。
「置換されていてもよい5員ヘテロアリール」、「置換されていてもよい6員ヘテロアリール」、「置換されていてもよいC3-6シクロアルキル」、「置換されていてもよいピラゾリル」、「置換されていてもよいピリジル」、「置換されていてもよいピリミジニル」、「置換されていてもよいフェニル」及び「置換されていてもよいシクロプロピル」において許容される置換基のある態様としては、OH及びOCH3からなる群から選択される基で置換されていてもよいC1-3アルキル、-SO2CH3、ハロゲン、OH、OCH3、又はC3-6シクロアルキルである。ある態様としてはOH及びOCH3からなる群から選択される基で置換されていてもよいC1-3アルキルであり、ある態様としてはOHで置換されていてもよいC1-3アルキルであり、ある態様としてはOCH3で置換されていてもよいC1-3アルキルであり、ある態様としてはC1-3アルキルであり、ある態様としては-SO2CH3、F、Cl、OH、メチル又はOCH3であり、ある態様としてはF、Cl、OH、メチル又はOCH3であり、ある態様としてはF、OH又はOCH3であり、ある態様としては-SO2CH3、F、Cl又はメチルであり、ある態様としては-SO2CH3であり、ある態様としてはF、Cl又はメチルであり、ある態様としてはメチル、エチル、ヒドロキシメチル又はメトキシメチルであり、ある態様としてはメチル、エチル又はヒドロキシメチルであり、ある態様としてはC1-3アルキル、OCH3、又はシクロプロピルであり、ある態様としてはメチル、エチル又はシクロプロピルであり、ある態様としてはメチル又はエチルであり、ある態様としてはメチル又はヒドロキシメチルであり、ある態様としてはエチル又はヒドロキシメチルであり、ある態様としてはヒドロキシメチル又はメトキシメチルであり、ある態様としてはメチルであり、ある態様としてはエチルであり、ある態様としてはヒドロキシメチルであり、ある態様としてはメトキシメチルである。式(I)が式(Ib)の場合、「置換されていてもよいピラゾリル」、「置換されていてもよいピリジル」、「置換されていてもよいピリミジニル」において許容される置換基のある態様としては、C1-3アルキルである。
「置換されていてもよい4員~6員飽和複素環基」、「置換されていてもよいピロリジニル」及び「置換されていてもよいピペリジニル」、「置換されていてもよいオキセタニル」置換されていてもよいテトラヒドロフラニル」置換されていてもよいテトラヒドロピラニル」において許容される置換基のある態様としては、F、OH及びOCH3からなる群から選択される基で置換されていてもよいC1-3アルキル、F、OH、OCH3、オキソ又はオキセタニルである。ある態様としてはF、OH又はOCH3であり、ある態様としては、F、OH及びOCH3からなる群から選択される基で置換されていてもよいC1-3アルキル、F、オキソ又はオキセタニルであり、ある態様としてはF、OH及びOCH3からなる群から選択される基で置換されていてもよいC1-3アルキル又はオキソであり、ある態様としてはF、OH及びOCH3からなる群から選択される基で置換されていてもよいC1-3アルキルであり、ある態様としてはFで置換されていてもよいC1-3アルキルであり、ある態様としてはOHで置換されていてもよいC1-3アルキルであり、ある態様としてはOCH3で置換されていてもよいC1-3アルキルであり、ある態様としてはOCH3、メチル、エチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、ジフルオロエチル、ヒドロキシエチル、メトキシエチル又はオキセタニルであり、ある態様としてはメチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、ジフルオロエチル、ヒドロキシエチル、メトキシエチル又はオキセタニルであり、ある態様としてはOCH3、メチル、ジフルオロエチル、ヒドロキシエチル、メトキシエチル又はオキセタニルであり、ある態様としてはメチル、ジフルオロエチル、ヒドロキシエチル、メトキシエチル又はオキセタニルであり、ある態様としてはジフルオロエチル、ヒドロキシエチル又はメトキシエチルであり、ある態様としてはメチル、エチル、ジフルオロエチル又はオキセタニルであり、ある態様としてはジフルオロエチル又はオキセタニルであり、ある態様としてはメチル、エチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル又はオキソであり、ある態様としてはメチル、又はオキソであり、ある態様としてはヒドロキシメチル又はメトキシメチルであり、ある態様としては2,2-ジフルオロエチルであり、ある態様としてはオキセタニルであり、ある態様としてはヒドロキシメチルであり、ある態様としてはメトキシメチルであり、ある態様としてはメチルであり、ある態様としては2-ヒドロキシエチルであり、ある態様としては2-メトキシエチルであり、ある態様としてはOCH3であり、ある態様としては、オキソである。式(I)が式(Ib)の場合、「置換されていてもよいピロリジニル」及び「置換されていてもよいピペリジニル」において許容される置換基のある態様としては、Fで置換されていてもよいC1-3アルキル又はオキセタニルである。
「置換されていてもよいピロリジンジイル」、「置換されていてもよいピペリジンジイル」、「置換されていてもよいピペラジンジイル」、「置換されていてもよいC1-3アルキレン」において許容される置換基のある態様としては、F、OH、OCH3又は置換されていてもよいC1-3アルキルである。ある態様としてはF、OH、OCH3、メチル、エチル、ヒドロキシメチル又はメトキシメチルであり、ある態様としてはF、OH、OCH3又はメチルである。
「Fで置換されていてもよいC1-3アルキル」のある態様としては、Fで置換されていてもよいメチル又はFで置換されていてもよいエチルである。例えばメチル、エチル、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、モノフルオロエチル、ジフルオロエチル、トリフルオロエチルである。ある態様としてはメチル、エチル、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル又はジフルオロエチルであり、ある態様としてはモノフルオロメチル又はジフルオロメチルであり、ある態様としてはモノフルオロメチル又はジフルオロエチルであり、ある態様としてはジフルオロメチル又はジフルオロエチルであり、ある態様としてはモノフルオロメチルであり、ある態様としてはジフルオロメチルであり、ある態様としてはジフルオロエチルであり、ある態様としては2,2-ジフルオロエチルである。
「OHで置換されていてもよいC1-3アルキル」のある態様としては、1個のOHで置換されていてもよいメチル又は1~2個のOHで置換されていてもよいエチルである。例えばメチル、エチル、ヒドロキシメチル、1-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシエチル、1,2-ジヒドロキシエチルである。ある態様としてはメチル、エチル又はヒドロキシメチルであり、ある態様としてはメチル又はヒドロキシメチルであり、ある態様としてはヒドロキシメチル又はヒドロキシエチルであり、ある態様としてはヒドロキシメチルであり、ある態様としてはヒドロキシエチルである。
「OCH3で置換されていてもよいC1-3アルキル」のある態様としては、1個のOCH3で置換されていてもよいメチル又は1~2個のOCH3で置換されていてもよいエチルである。例えばメチル、エチル、メトキシメチル、1-メトキシエチル、2-メトキシエチル、1,2-ジメトキシエチルである。ある態様としてはメトキシメチル又はメトキシエチルであり、ある態様としてはメトキシメチルであり、ある態様としてはメトキシエチルである。
「N(CH3)2で置換されていてもよいC1-3アルキル」のある態様としては、1個のN(CH3)2で置換されていてもよいメチル又は1個のN(CH3)2で置換されていてもよいエチルである。ある態様としてはメチル、エチル、ジメチルアミノメチル又はジメチルアミノエチルであり、ある態様としてはメチル又はジメチルアミノメチルであり、ある態様としてはジメチルアミノメチルであり、ある態様としてはジメチルアミノエチルである。
「Fで置換されていてもよいフェニレン」のある態様としては、1~2個のFで置換されていてもよいフェニレンである。ある態様としては1個のFで置換されていてもよいフェニレンであり、ある態様としてはフェニレン又はフルオロフェニレンであり、ある態様としてはフェニレンであり、ある態様としては2-フルオロ-1,4-フェニレンであり、ある態様としては3-フルオロ-1,4-フェニレンである。
「G12D変異」とは、野生型タンパク質において、コドン12番目に相当するアミノ酸残基がグリシンからアスパラギン酸に変換している変異を示す。
「G12D変異KRAS」とは、上記「G12D変異」を有するKRASを示す。
「膵臓癌」とは、膵臓にできる悪性の腫瘍である。例えば膵管癌及び膵管腺癌であり、ある態様としては膵管癌であり、ある態様としては膵管腺癌である。さらにある態様としては転移性膵臓癌であり、ある態様としては局所進行性膵臓癌であり、ある態様としては再発又は難治性の膵臓癌であり、ある態様としては未治療及び/又は治療歴のある患者の膵臓癌である。
「G12D変異KRAS陽性膵臓癌」とは、G12D変異KRAS陽性の膵臓癌である。例えばKRAS G12D変異が起こっている膵臓癌であり、G12D変異KRASの陽性率が高い膵臓癌である。ある態様としてはG12D変異KRAS陽性膵管癌であり、ある態様としてはG12D変異KRAS陽性膵管腺癌である。
本発明における式(I)の化合物又はその塩のある態様を以下に示す。
前記式(I)のある態様としては、以下の式(Ia)で規定される化合物又はその塩である。
Figure 2022191505000012
前記式(I)及び式(Ia)のある態様としては、以下の式(Ib)で規定される化合物又はその塩である。
Figure 2022191505000013
本発明の式(I)、式(Ia)、及び式(Ib)の化合物又はその塩のある態様を以下に示す。
(1-1)R1が、OHで置換されていてもよいナフチル又は下記式(II)及び式(III)からなる群から選択される基であり、
Figure 2022191505000014
R1a、R1bが、同一又は互いに異なって、H、メチル、F、又はClであり、
R1cが、F、Cl、メチル又はエチルである化合物又はその塩。
(1-2)R1が下記式(IIa)又は式(IIIa)であり、
Figure 2022191505000015
R1a、R1bが、同一又は互いに異なって、H、メチル、F、又はClである化合物又はその塩。
(1-3)R1が式(IIa)又は式(IIIa)であり、
R1a、R1bが、同一又は互いに異なって、H又はFである化合物又はその塩。
(1-4)R1が式(IIa)又は式(IIIa)であり、R1aが、Fであり、R1bがHである化合物又はその塩。
(1-5)R1が式(IIa)であり、R1aがFである化合物又はその塩。
Figure 2022191505000016
R1の別の態様としては、R1が式(II)であり、R1aがFであり、R1cがメチルである化合物又はその塩。ある態様として、R1が式(IIa)であり、R1aがH又はFである化合物又はその塩。ある態様として、R1が式(IIa)であり、R1aがHである化合物又はその塩。ある態様として、R1が式(IIIa)であり、R1a、R1bが、同一又は互いに異なって、H又はFである化合物又はその塩。ある態様として、R1が式(IIIa)であり、R1a、R1bが、共にHである化合物又はその塩。ある態様として、R1が式(IIIa)であり、R1aがHであり、R1bがFである化合物又はその塩。ある態様として、R1が式(IIIa)であり、R1a、R1bが、共にFである化合物又はその塩。ある態様として、R1が式(IIIa)であり、R1aがFであり、R1bがHである化合物又はその塩。
(2-1)R2がH、ハロゲン、置換されていてもよいC1-3アルキル、シクロプロピル、又はビニルである化合物又はその塩。
(2-2)R2がハロゲン、C1-3アルキル、シクロプロピル、又はビニルであって、当該C1-3アルキルはOH及びOCH3からなる群から選択される基で置換されていてもよい化合物又はその塩。
(2-3)R2がハロゲン、C1-3アルキル、シクロプロピル、又はビニルである化合物又はその塩。
(2-4)R2がシクロプロピルである化合物又はその塩。
R2の別の態様としては、R2がハロゲンである化合物又はその塩。ある態様として、R2がC1-3アルキルである化合物又はその塩。ある態様として、R2がビニルである化合物又はその塩。
(3-1)R3が窒素原子を1~2個含有する飽和又は不飽和の7員~8員架橋複素環基である化合物又はその塩。
(3-2)R3が2,5-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタニル、3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタニル、3,6-ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル又は2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタニルである化合物又はその塩。
(3-3)R3が下記式(IV)である化合物又はその塩。
Figure 2022191505000017
(4-1)R4が置換されていてもよいC1-6アルキル、酸素、硫黄及び窒素から選択されるヘテロ原子を1~2個含有する置換されていてもよい4員~6員飽和複素環基、酸素、硫黄及び窒素から選択されるヘテロ原子を1~4個含有する置換されていてもよい5員ヘテロアリール、又は窒素原子を1~3個含有する置換されていてもよい6員ヘテロアリールである化合物又はその塩。
(4-2)R4が置換されていてもよいC1-6アルキル、置換されていてもよいオキセタニル、置換されていてもよいテトラヒドロフラニル、置換されていてもよいテトラヒドロピラニル、置換されていてもよいピラゾリル、置換されていてもよいピリジル、置換されていてもよいピリミジニル、置換されていてもよいピロリジニル、又は置換されていてもよいピペリジニルである化合物又はその塩。
(4-3)R4がOH、OCH3、N(CH3)2、(ヒドロキシメチル)シクロプロピル、(メトキシメチル)シクロプロピル、テトラヒドロフラニル、(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラニル、(メトキシメチル)テトラヒドロピラニル、モルホリニル、ピロリジニル、メチルピロリジニル及びアザビシクロ[3.3.0]オクタニルからなる群から選択される基で置換されていてもよいC1-6アルキル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、置換されていてもよいピラゾリル、置換されていてもよいピリジル、置換されていてもよいピリミジニル、置換されていてもよいピロリジニル、又は置換されていてもよいピペリジニルである化合物又はその塩。
(4-4)R4がC1-3アルキル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、置換されていてもよいピラゾリル、置換されていてもよいピリジル、置換されていてもよいピリミジニル、置換されていてもよいピロリジニル、又は置換されていてもよいピペリジニルである化合物又はその塩。
(4-5)R4がOH、OCH3、N(CH3)2、(ヒドロキシメチル)シクロプロピル、(メトキシメチル)シクロプロピル、テトラヒドロフラニル、(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラニル、(メトキシメチル)テトラヒドロピラニル、モルホリニル、ピロリジニル、メチルピロリジニル及びアザビシクロ[3.3.0]オクタニルからなる群から選択される基で置換されていてもよいC1-6アルキル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、C1-3アルキルで置換されていてもよいピリジル、F、OH及びOCH3からなる群から選択される基で置換されていてもよいC1-3アルキルで置換されていてもよいピロリジニル、又はFで置換されていてもよいC1-3アルキル及びオキセタニルからなる群から選択される基で置換されていてもよいピペリジニルである化合物又はその塩。
(4-6)R4がOH、OCH3、N(CH3)2、(ヒドロキシメチル)シクロプロピル、(メトキシメチル)シクロプロピル、テトラヒドロフラニル、(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラニル、(メトキシメチル)テトラヒドロピラニル、モルホリニル、ピロリジニル、メチルピロリジニル及びアザビシクロ[3.3.0]オクタニルからなる群から選択される基で置換されていてもよいC1-6アルキル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、C1-3アルキルで置換されていてもよいピリジル、ジフルオロエチル、ヒドロキシエチル及びメトキシエチルからなる群から選択される基で置換されていてもよいピロリジニル、又はジフルオロエチル及びオキセタニルからなる群から選択される基で置換されていてもよいピペリジニルである化合物又はその塩。
(4-7)R4がOCH3で置換されていてもよいC1-6アルキル、テトラヒドロピラニル又はジフルオロエチルで置換されていてもよいピペリジニルである化合物又はその塩。
R4の別の態様としては、R4が置換されていてもよいC1-6アルキル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、置換されていてもよいピラゾリル、置換されていてもよいピリジル、置換されていてもよいピリミジニル、置換されていてもよいピロリジニル、又は置換されていてもよいピペリジニルである化合物又はその塩。ある態様として、R4がテトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、置換されていてもよいピロリジニル、又は置換されていてもよいピペリジニルである化合物又はその塩。ある態様として、R4がテトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、又は置換されていてもよいピペリジニルである化合物又はその塩。ある態様として、R4がテトラヒドロピラニル又は置換されていてもよいピペリジニルである化合物又はその塩。ある態様として、R4が置換されていてもよいC1-6アルキルである化合物又はその塩。ある態様として、R4がOCH3で置換されていてもよいC1-6アルキルである化合物又はその塩。ある態様として、R4がC1-3アルキルである化合物又はその塩。ある態様として、R4がオキセタニルである化合物又はその塩。ある態様として、R4がテトラヒドロフラニルである化合物又はその塩。ある態様として、R4がテトラヒドロピラニルである化合物又はその塩。ある態様として、R4が置換されていてもよいピラゾリルである化合物又はその塩。ある態様として、R4が置換されていてもよいピリジルである化合物又はその塩。ある態様として、R4が置換されていてもよいピリミジニルである化合物又はその塩。ある態様として、R4が置換されていてもよいピロリジニルである化合物又はその塩。ある態様として、R4が置換されていてもよいピペリジニルである化合物又はその塩。ある態様として、R4がFで置換されていてもよいC1-3アルキルで置換されていてもよいピペリジニルである化合物又はその塩。ある態様として、R4がジフルオロエチルで置換されていてもよいピペリジニルである化合物又はその塩。
(5-1)R5が置換されていてもよいC1-6アルキル、置換されていてもよいC3-6シクロアルキル又は酸素、硫黄及び窒素から選択されるヘテロ原子を1個含有する置換されていてもよい4員~6員飽和複素環基である化合物又はその塩。
(5-2)R5がメチル、エチル、イソプロピル、tert-ブチル、又はC3-6シクロアルキルである化合物又はその塩。
(5-3)R5がエチル、イソプロピル、tert-ブチル又はC3-6シクロアルキルである化合物又はその塩。
(5-4)R5がイソプロピル又はC3-6シクロアルキルである化合物又はその塩。
(5-5)R5がイソプロピルである化合物又はその塩。
R5の別の態様としては、R5がイソプロピル、tert-ブチル又はC3-6シクロアルキルである化合物又はその塩。ある態様として、R5がイソプロピル又はtert-ブチルである化合物又はその塩。ある態様として、R5がイソプロピル又はシクロプロピルである化合物又はその塩。ある態様として、R5がtert-ブチルである化合物又はその塩。ある態様として、R5がC3-6シクロアルキルである化合物又はその塩。
(6-1)R6a、R6bが同一又は互いに異なって、H又は置換されていてもよいC1-6アルキルであり、若しくは、R6a、R6bは、それらが結合している炭素と一緒になって置換されていてもよいC3-6シクロアルキル又は酸素、硫黄及び窒素から選択されるヘテロ原子を1個含有する置換されていてもよい4員~6員飽和複素環を形成する化合物又はその塩。
(6-2) R6a、R6bが同一又は互いに異なって、H又はC1-3アルキルであって、当該C1-3アルキルはF、OH、OCH3及びN(CH3)2からなる群から選択される基で置換されていてもよく、若しくは、R6a、R6bは、それらが結合している炭素と一緒になってC3-6シクロアルキルを形成する化合物又はその塩。
(6-3)R6a、R6bが同一又は互いに異なって、H又はC1-3アルキルであって、当該C1-3アルキルはF、OH及びN(CH3)2からなる群から選択される基で置換されていてもよく、若しくは、R6a、R6bが、それらが結合している炭素と一緒になってシクロプロピルを形成する化合物又はその塩。
(6-4)R6aがHであり、R6bがOHで置換されていてもよいC1-3アルキルである化合物又はその塩。
R6a、R6bの別の態様としては、R6a、R6bが同一又は互いに異なって、H又はF、OH及びN(CH3)2からなる群から選択される基で置換されていてもよいC1-3アルキルである化合物又はその塩。ある態様として、R6a、R6bが同一又は互いに異なって、F、OH及びN(CH3)2からなる群から選択される基で置換されていてもよいC1-3アルキルである化合物又はその塩。ある態様として、R6a、R6bが共にHである化合物又はその塩。ある態様として、R6aがHであり、R6bがF、OH及びN(CH3)2からなる群から選択される基で置換されていてもよいC1-3アルキルである化合物又はその塩。ある態様として、R6aがHであり、R6bがFで置換されていてもよいC1-3アルキルである化合物又はその塩。ある態様として、R6aがHであり、R6bがN(CH3)2で置換されていてもよいC1-3アルキルである化合物又はその塩。ある態様として、R6a、R6bが、それらが結合している炭素と一緒になってシクロプロピルを形成する化合物又はその塩。
(7-1)R7がH、ハロゲン、C1-3アルキル、-SO2CH3、C3-6シクロアルキル、酸素、硫黄及び窒素から選択されるヘテロ原子を1~2個含有する置換されていてもよい4員~6員飽和複素環基、酸素、硫黄及び窒素から選択されるヘテロ原子を1~4個含有する置換されていてもよい5員ヘテロアリール、又は窒素原子を1~3個含有する6員ヘテロアリールである化合物又はその塩。
(7-2)R7がH、ハロゲン、C1-3アルキル、-SO2CH3、C3-6シクロアルキル、又は下記式(VI)、式(VII)、式(VIII)、式(IX)、式(XX)、式(XXI)、式(XXII)、式(XXIII)及び式(XXIV)からなる群から選択される基であり、
Figure 2022191505000018
R7a、R7bが、同一又は互いに異なって、H、又はOHで置換されていてもよいC1-3アルキルである化合物又はその塩。
(7-3)R7がH、ハロゲン、又は下記式(VI)、式(VII)、式(VIII)及び式(IX)からなる群から選択される基であり、
Figure 2022191505000019
R7aがH又はOHで置換されていてもよいC1-3アルキルである化合物又はその塩。
(7-4)R7がH、ハロゲン、又は式(VI)、式(VII)、式(VIII)及び式(IX)からなる群から選択される基であり、R7aがOHで置換されていてもよいC1-3アルキルである化合物又はその塩。
(7-5)R7が式(VI)、式(VII)、式(VIII)及び式(IX)からなる群から選択される基であり、R7aがOHで置換されていてもよいC1-3アルキルである化合物又はその塩。
(7-6)R7がHである化合物又はその塩。
R7の別の態様としては、R7がH、ハロゲン、C1-3アルキル又は-SO2CH3である化合物又はその塩。ある態様として、R7がハロゲンである化合物又はその塩。ある態様として、R7が-SO2CH3である化合物又はその塩。ある態様として、R7が式(VI)、式(VII)、式(VIII)及び式(IX)からなる群から選択される基である化合物又はその塩。ある態様として、R7が式(VI)、(VIII)及び(IX)からなる群から選択される基である化合物又はその塩。ある態様として、R7が式(VI)又は(VIII)である化合物又はその塩。ある態様として、R7が式(VI)又は(IX)である化合物又はその塩。ある態様として、R7が式(VI)である化合物又はその塩。ある態様として、R7が式(VII)である化合物又はその塩。ある態様として、R7が式(VIII)である化合物又はその塩。ある態様として、R7が式(IX)である化合物又はその塩。
(7-8)R7aがH又はOHで置換されていてもよいC1-3アルキルである化合物又はその塩。ある態様として、R7aがHである化合物又はその塩。ある態様として、R7aがOHで置換されていてもよいC1-3アルキルである化合物又はその塩。ある態様として、R7aがC1-3アルキルである化合物又はその塩。
(8-1)Wが置換されていてもよいフェニル又は窒素原子を1~3個含有する置換されていてもよい6員ヘテロアリールである式(I)の化合物又はその塩。
(8-2)W1がCHであり、W2がC-SO2CH3である式(Ia)の化合物又はその塩。
(8-3)W1、W2が、同一又は互いに異なって、CH、CF、CCl、CCH3又はNである式(Ia)の化合物又はその塩。
(8-4)W1、W2が、同一又は互いに異なって、CH、CF、又はNである式(Ia)の化合物又はその塩。
(8-5)W1がCHであり、W2がCHである式(Ia)の化合物又はその塩。
(9)W1、W2及びR7が、
i. W1がCHであり、W2がC-SO2CH3であり、R7がHであり、若しくは、
ii. W1、W2が、同一又は互いに異なって、CH、CF、CCl、CCH3又はNであり、R7がH、ハロゲン、C1-3アルキル、-SO2CH3、C3-6シクロアルキル、又は下記式(VI)、式(VII)、式(VIII)、式(IX)、式(XX)、式(XXI)、式(XXII)、式(XXIII)及び式(XXIV)からなる群から選択される基であり、
Figure 2022191505000020
R7a、R7bが、同一又は互いに異なって、H、又はOHで置換されていてもよいC1-3アルキルである式(Ia)の化合物又はその塩。
(10-1)Xが結合、CH2、O、S又はNR4xであり、R4xがH又はC1-3アルキルである化合物又はその塩。
(10-2)XがO、S又はNR4xであり、R4xがH又はC1-3アルキルである化合物又はその塩。
(10-3)XがO、又はNHである化合物又はその塩。
(10-4)XがOである化合物又はその塩。
(11-1)Yがフェニレン又はピリジンジイルであり、当該フェニレンはFで置換されていてもよい化合物又はその塩。
(11-2)Yがフェニレン又はピリジンジイルである化合物又はその塩。
(11-3)YがFで置換されていてもよいフェニレンである化合物又はその塩。
Yの別の態様としては、Yが1,4-フェニレン又は2,5-ピリジンジイルである化合物又はその塩。ある態様として、Yがフェニレンである化合物又はその塩。ある態様として、Yが1,4-フェニレンである化合物又はその塩。ある態様として、Yがピリジンジイルである化合物又はその塩。ある態様として、Yが2,5-ピリジンジイルである化合物又はその塩。
(12-1)Lが-(L1-L2-L3-L4)-であり、
L1、L2、L3、L4が同一又は互いに異なって、結合、O、NRL1、置換されていてもよいピロリジンジイル、置換されていてもよいピペリジンジイル、置換されていてもよいピペラジンジイル、置換されていてもよいC1-3アルキレン、及びC=Oからなる群から選択される基であり、
RL1がH又はC1-3アルキルである化合物又はその塩。
(12-2)Lが結合、C1-3アルキレン、C=O又は下記式(XIV)、式(XV)、式(XVI)、式(XVII)、式(XVIII)及び式(XIX)からなる群から選択される基であり、
Figure 2022191505000021
RL1がH又はC1-3アルキルであり、
RL2、RL3が、同一又は互いに異なって、H、F、OH、OCH3又は置換されていてもよいC1-3アルキルであり、
RLがCH又はNであり、
nが1~2の整数である化合物又はその塩。
(12-3)Lが結合、C1-3アルキレン、C=O又は下記式(XIV)-1、式(XV)-1、式(XVI)-1、式(XVII)-1、式(XVIII)-1及び式(XIX)-1からなる群から選択される基であり、
Figure 2022191505000022
(式中Y*はYと結合することを示す。)
RL1がH又はC1-3アルキルであり、
RL2、RL3が、同一又は互いに異なって、H、F、OH、OCH3又は置換されていてもよいC1-3アルキルであり、
RLがCH又はNであり、
nが1~2の整数である化合物又はその塩。
(12-4) Lが結合、C1-3アルキレン、C=O又は下記式(XIV)及び式(XVI)からなる群から選択される基であり、
Figure 2022191505000023
RL1がC1-3アルキルであり、
RL2、RL3がHであり、
nが1である化合物又はその塩。
(12-5)Lが結合、C1-3アルキレン、C=O又は下記式(XIV)-1及び式(XVI)-1からなる群から選択される基であり、
Figure 2022191505000024
(式中Y*はYと結合することを示す。)
RL1がC1-3アルキルであり、
RL2、RL3がHであり、
nが1である化合物又はその塩。
(12-6) Lが結合、C=O又は式(XIV)及び式(XVI)からなる群から選択される基であり、RL1がC1-3アルキルであり、RL2、RL3がHであり、nが1である化合物又はその塩。
(12-7) Lが結合、C=O又は式(XIV)-1及び式(XVI)-1からなる群から選択される基であり、RL1がC1-3アルキルであり、RL2、RL3がHであり、nが1である化合物又はその塩。
(12-8) LがC=O又は式(XIV)及び式(XVI)からなる群から選択される基であり、RL1がC1-3アルキルであり、RL2、RL3がHであり、nが1である化合物又はその塩。
(12-9) LがC=O又は式(XIV)-1及び式(XVI)-1からなる群から選択される基であり、RL1がC1-3アルキルであり、RL2、RL3がHであり、nが1である化合物又はその塩。
(12-10)Lが結合、C1-3アルキレン、又はC=Oである化合物又はその塩。
(12-11)Lが結合である化合物又はその塩。
Lの別の態様としては、Lが結合又はC1-3アルキレンである化合物又はその塩。ある態様として、Lが結合又はC=Oである化合物又はその塩。ある態様として、LがC1-3アルキレンである化合物又はその塩。ある態様として、LがC=Oである化合物又はその塩。
(13-1)ZがNH又は酸素、硫黄及び窒素から選択されるヘテロ原子を1~4個含有する5員ヘテロアレーンジイルである化合物又はその塩。
(13-2)ZがNH又は下記式(V)、式(X)、式(XI)及び式(XII)からなる群から選択される基である化合物又はその塩。
Figure 2022191505000025
(13-3)ZがNH又は下記式(V)-1、式(X)-1、式(XI)-1及び式(XII)-1からなる群から選択される基である化合物又はその塩。
Figure 2022191505000026
(式中L*はLと結合することを示す。)
(13-4)ZがNH又は下記式(X)、式(XI)及び式(XII)からなる群から選択される基である化合物又はその塩。
Figure 2022191505000027
(13-5)ZがNH又は下記式(X)-1、式(XI)-1及び式(XII)-1からなる群から選択される基である化合物又はその塩。
Figure 2022191505000028
(式中L*はLと結合することを示す。)
(13-6)ZがNH又は下記式(X)及び式(XI)からなる群から選択される基である化合物又はその塩。
Figure 2022191505000029
(13-7)ZがNH又は下記式(X)-1及び式(XI)-1からなる群から選択される基である化合物又はその塩。
Figure 2022191505000030
(式中L*はLと結合することを示す。)
(13-8)Zが式(X)及び式(XI)からなる群から選択される基である化合物又はその塩。
(13-9)Zが式(X)-1及び式(XI)-1からなる群から選択される基である化合物又はその塩。
(13-10)ZがNHである化合物又はその塩。
(13-11)Zが式(XI)である化合物又はその塩。
Figure 2022191505000031
(13-12)Zが式(XI)-1である化合物又はその塩。
Figure 2022191505000032
(式中L*はLと結合することを示す。)
Zの別の態様としては、Zが式(X)、式(XI)及び式(XII)からなる群から選択される基である化合物又はその塩。ある態様として、Zが式(X)-1、式(XI)-1及び式(XII)-1からなる群から選択される基である化合物又はその塩。ある態様として、Zが式(XI)又は式(XII)である化合物又はその塩。ある態様として、Zが式(XI)-1又は式(XII)-1である化合物又はその塩。ある態様として、Zが式(X)である化合物又はその塩。ある態様として、Zが式(X)-1である化合物又はその塩。ある態様として、Zが式(XII)である化合物又はその塩。ある態様として、Zが式(XII)-1である化合物又はその塩。
(14-1)Y-L-Zが下記式(XIII)である化合物又はその塩。
Figure 2022191505000033
(14-2)Y-L-Zが下記式(XIII)-1である化合物又はその塩。
Figure 2022191505000034
(式中O-CH2 *はO-CH2の炭素と結合することを示す。)
(15)上記(1-1)~(14-2)に記載の態様のうち矛盾しない任意の二以上の組み合わせである化合物又はその塩。
前記(15)に記載の組み合わせとして、具体的には、例えば以下の態様が挙げられる。

(16-1)前記(1-1)、(2-1)、(3-1)、(4-1)、(5-1)、(6-1)、(7-1)、(8-1)、(10-1)、(11-1)、(12-1)及び(13-1)の態様の組み合わせ、若しくは(1-1)、(2-1)、(3-1)、(4-1)、(5-1)、(6-1)、(7-1)、(8-1)、(10-1)及び(14-1)の態様の組み合わせである式(I)の化合物又はその塩。
(16-2)前記(1-1)、(2-1)、(3-2)、(4-1)、(5-1)、(6-1)、(7-1)、(8-1)、(10-1)、(11-1)、(12-2)及び(13-2)の態様の組み合わせ、若しくは(1-1)、(2-1)、(3-2)、(4-1)、(5-1)、(6-1)、(7-1)、(8-1)、(10-1)及び(14-1)の態様の組み合わせである式(I)の化合物又はその塩。
(16-3)式(I)が式(Ia)であり、前記(1-2)、(2-1)、(3-3)、(4-2)、(5-2)、(6-2)、(9)、(10-2)、(11-1)、(12-2)及び(13-2)の態様の組み合わせ、若しくは(1-2)、(2-1)、(3-3)、(4-2)、(5-2)、(6-2)、(9)、(10-2)及び(14-1)の態様の組み合わせである化合物又はその塩。
(16-3-i)式(I)が式(Ia)であり、前記(1-2)、(2-1)、(3-3)、(4-2)、(5-2)、(6-2)、(7-5)、(8-2)、(10-2)、(11-1)、(12-2)及び(13-2)の態様の組み合わせ、若しくは(1-2)、(2-1)、(3-3)、(4-2)、(5-2)、(6-2)、(7-5)、(8-2)、(10-2)及び(14-1)の態様の組み合わせである化合物又はその塩。
(16-3-ii)式(I)が式(Ia)であり、前記(1-2)、(2-1)、(3-3)、(4-2)、(5-2)、(6-2)、(7-2)、(8-3)、(10-2)、(11-1)、(12-2)及び(13-2)の態様の組み合わせ、若しくは(1-2)、(2-1)、(3-3)、(4-2)、(5-2)、(6-2)、(7-2)、(8-3)、(10-2)及び(14-1)の態様の組み合わせである化合物又はその塩。
(16-4)式(I)が式(Ia)であり、前記(1-2)、(2-2)、(3-3)、(4-3)、(5-2)、(6-2)、(9)、(10-3)、(11-1)、(12-4)及び(13-2)の態様の組み合わせ、若しくは(1-2)、(2-2)、(3-3)、(4-3)、(5-2)、(6-2)、(9)、(10-3)及び(14-1)の態様の組み合わせである化合物又はその塩。
(16-4-i)式(I)が式(Ia)であり、前記(1-2)、(2-2)、(3-3)、(4-3)、(5-2)、(6-2)、(7-5)、(8-2)、(10-3)、(11-1)、(12-4)及び(13-2)の態様の組み合わせ、若しくは(1-2)、(2-2)、(3-3)、(4-3)、(5-2)、(6-2)、(7-5)、(8-2)、(10-3)及び(14-1)の態様の組み合わせである化合物又はその塩。
(16-4-ii)式(I)が式(Ia)であり、前記(1-2)、(2-2)、(3-3)、(4-3)、(5-2)、(6-2)、(7-2)、(8-3)、(10-3)、(11-1)、(12-4)及び(13-2)の態様の組み合わせ、若しくは(1-2)、(2-2)、(3-3)、(4-3)、(5-2)、(6-2)、(7-2)、(8-3)、(10-3)及び(14-1)の態様の組み合わせである化合物又はその塩。
(16-5)式(I)が式(Ia)であり、前記(1-2)、(2-2)、(3-3)、(4-3)、(5-2)、(6-2)、(7-2)、(8-3)、(10-3)、(11-1)、(12-4)及び(13-2)の態様の組み合わせである化合物又はその塩。
(16-6)式(I)が式(Ib)であり、前記(1-3)、(2-3)、(3-3)、(4-4)、(5-3)、(6-3)、(7-3)、(10-4)、(11-2)、(12-10)及び(13-4)の態様の組み合わせ、若しくは(1-3)、(2-3)、(3-3)、(4-4)、(5-3)、(6-3)、(7-3)、(10-4)及び(14-1)の態様の組み合わせである化合物又はその塩。
(16-7)式(I)が式(Ia)であり、前記(1-3)、(2-4)、(3-3)、(4-6)、(5-4)、(6-3)、(7-4)、(8-4)、(10-3)、(11-1)、(12-6)及び(13-6)の態様の組み合わせである化合物又はその塩。
(16-8)式(I)が式(Ia)であり、前記(1-3)、(2-4)、(3-3)、(4-6)、(5-4)、(6-3)、(7-4)、(8-4)、(10-3)、(11-1)、(12-7)及び(13-7)の態様の組み合わせである化合物又はその塩。
(16-9)式(I)が式(Ia)であり、前記(1-3)、(2-4)、(3-3)、(4-6)、(5-4)、(6-3)、(7-4)、(8-4)、(10-3)、(11-1)、(12-8)及び(13-10)の態様の組み合わせ、若しくは(1-3)、(2-4)、(3-3)、(4-6)、(5-4)、(6-3)、(7-4)、(8-4)、(10-3)、(11-1)、(12-11)及び(13-8)の態様の組み合わせである化合物又はその塩。
(16-10)式(I)が式(Ia)であり、R1が式(IIa)であり、R1aがFであり、R2がシクロプロピルであり、R3が式(IV)であり、R4がOCH3で置換されていてもよいC1-6アルキル、テトラヒドロピラニル又はFで置換されていてもよいC1-3アルキルで置換されていてもよいピペリジニルであり、R5がイソプロピルであり、R6aがHであり、R6bがOHで置換されていてもよいC1-3アルキルであり、R7が式(VI)、(VII)、(VIII)及び(IX)からなる群から選択される基であり、R7aがOHで置換されていてもよいC1-3アルキルであり、W1がCHであり、W2がCHであり、XがOであり、YがFで置換されていてもよいフェニレンであり、Lが結合であり、Zが式(XI)である化合物又はその塩。
(16-11)式(I)が式(Ia)であり、R1が式(IIa)であり、R1aがFであり、R2がシクロプロピルであり、R3が式(IV)であり、R4がOCH3で置換されていてもよいC1-6アルキル、テトラヒドロピラニル又はジフルオロエチルで置換されていてもよいピペリジニルであり、R5がイソプロピルであり、R6aがHであり、R6bがOHで置換されていてもよいC1-3アルキルであり、R7が式(VI)、(VII)、(VIII)及び(IX)からなる群から選択される基であり、R7aがOHで置換されていてもよいC1-3アルキルであり、W1がCHであり、W2がCHであり、XがOであり、YがFで置換されていてもよいフェニレンであり、Lが結合であり、Zが式(XI)である化合物又はその塩。
(16-12)式(I)が式(Ia)であり、R1が式(IIa)であり、R1aがFであり、R2がシクロプロピルであり、R3が式(IV)であり、R4がOCH3で置換されていてもよいC1-6アルキル、テトラヒドロピラニル又はジフルオロエチルで置換されていてもよいピペリジニルであり、R5がイソプロピルであり、R6aがHであり、R6bがOHで置換されていてもよいC1-3アルキルであり、R7が式(VI)、(VII)、(VIII)及び(IX)からなる群から選択される基であり、R7aがOHで置換されていてもよいC1-3アルキルであり、W1がCHであり、W2がCHであり、XがOであり、YがFで置換されていてもよいフェニレンであり、Lが結合であり、Zが式(XI)-1である化合物又はその塩。
(16-13)式(I)が式(Ib)であり、R1が式(IIa)であり、R1aがFであり、R2がシクロプロピルであり、R3が式(IV)であり、R4がテトラヒドロピラニル又は置換されていてもよいピペリジニルであり、R5がイソプロピルであり、R6aがHであり、R6bがOHで置換されていてもよいC1-3アルキルであり、R7が式(VI)、(VIII)又は(IX)であり、R7aがOHで置換されていてもよいC1-3アルキルであり、XがOであり、Yがフェニレンであり、Lが結合であり、Zが式(XI)である化合物又はその塩。
(16-14)式(I)が式(Ib)であり、R1が式(IIa)であり、R1aがFであり、R2がシクロプロピルであり、R3が式(IV)であり、R4がテトラヒドロピラニルであり、R5がイソプロピルであり、R6aがHであり、R6bがOHで置換されていてもよいC1-3アルキルであり、R7が式(VI)又は(VIII)であり、R7aがC1-3アルキルであり、XがOであり、Yが1,4-フェニレンであり、Lが結合であり、Zが式(XI)-1である化合物又はその塩。
本発明に包含される具体的化合物の例として、ある態様としては、以下の化合物が挙げられる。
(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド、
(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-[(1R)-2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(ヒドロキシメチル)-1,3-チアアゾール-5-イル]フェニル}エチル]-L-プロリンアミド、
(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(2-オキソ-1,3-オキサアゾリジン-3-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド、
(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-2-{[1-(2,2-ジフルオロエチル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド、
(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド、
(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-N-{(1R)-1-[4-(1-エチル-1H-ピラゾール-5-イル)フェニル]-2-ヒドロキシエチル}-4-ヒドロキシ-L-プロリンアミド、
(4R)-1-{(2S)-2-[4-(4-{[(6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-{[(2R,3R)-3-メトキシブタン-2-イル]オキシ}キナゾリン-8-イル)オキシ]メチル}フェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-3-メチルブタノイル}-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド、
(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(2S)-2-メトキシプロポキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド、
(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]-2-フルオロフェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド、
(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(2S)-2-メトキシプロポキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-N-{(1R)-1-[4-(1-エチル-1H-ピラゾール-5-イル)フェニル]-2-ヒドロキシエチル}-4-ヒドロキシ-L-プロリンアミド、及び、
(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(2S)-2-メトキシプロポキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-オキサアゾール-5-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド、
からなる群から選択される化合物又はその塩。
本発明に包含される具体的化合物の例として、ある態様としては、以下の化合物が挙げられる。
(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({(7M)-6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド、
(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({(7M)-6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-[(1R)-2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(ヒドロキシメチル)-1,3-チアアゾール-5-イル]フェニル}エチル]-L-プロリンアミド、
(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({(7M)-6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(2-オキソ-1,3-オキサアゾリジン-3-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド、
(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({(7M)-6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-2-{[1-(2,2-ジフルオロエチル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド、
(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({(7M)-6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド、
(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({(7M)-6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-N-{(1R)-1-[4-(1-エチル-1H-ピラゾール-5-イル)フェニル]-2-ヒドロキシエチル}-4-ヒドロキシ-L-プロリンアミド、
(4R)-1-[(2S)-2-{4-[4-({[(7M)-6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-{[(2R,3R)-3-メトキシブタン-2-イル]オキシ}キナゾリン-8-イル]オキシ}メチル)フェニル]-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル}-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド、
(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({(7M)-6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(2S)-2-メトキシプロポキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド、
(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({(7M)-6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]-2-フルオロフェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド、
(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({(7M)-6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(2S)-2-メトキシプロポキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-N-{(1R)-1-[4-(1-エチル-1H-ピラゾール-5-イル)フェニル]-2-ヒドロキシエチル}-4-ヒドロキシ-L-プロリンアミド、及び、
(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({(7M)-6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(2S)-2-メトキシプロポキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-オキサアゾール-5-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド、
からなる群から選択される化合物又はその塩。
本発明に包含される具体的化合物の例として、ある態様としては、以下の化合物が挙げられる。
(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({(7P)-6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド、
(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({(7P)-6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-[(1R)-2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(ヒドロキシメチル)-1,3-チアアゾール-5-イル]フェニル}エチル]-L-プロリンアミド、
(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({(7P)-6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(2-オキソ-1,3-オキサアゾリジン-3-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド、
(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({(7P)-6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-2-{[1-(2,2-ジフルオロエチル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド、
(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({(7P)-6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド、
(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({(7P)-6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-N-{(1R)-1-[4-(1-エチル-1H-ピラゾール-5-イル)フェニル]-2-ヒドロキシエチル}-4-ヒドロキシ-L-プロリンアミド、
(4R)-1-[(2S)-2-{4-[4-({[(7P)-6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-{[(2R,3R)-3-メトキシブタン-2-イル]オキシ}キナゾリン-8-イル]オキシ}メチル)フェニル]-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル}-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド、
(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({(7P)-6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(2S)-2-メトキシプロポキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド、
(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({(7P)-6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]-2-フルオロフェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド、
(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({(7P)-6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(2S)-2-メトキシプロポキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-N-{(1R)-1-[4-(1-エチル-1H-ピラゾール-5-イル)フェニル]-2-ヒドロキシエチル}-4-ヒドロキシ-L-プロリンアミド、及び、
(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({(7P)-6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(2S)-2-メトキシプロポキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-オキサアゾール-5-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド、
からなる群から選択される化合物又はその塩。
本発明に包含される具体的化合物の例として、ある態様としては、以下の化合物が挙げられる。
(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド、
(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-[(1R)-2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(ヒドロキシメチル)-1,3-チアアゾール-5-イル]フェニル}エチル]-L-プロリンアミド、
(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(2-オキソ-1,3-オキサアゾリジン-3-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド、
(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-2-{[1-(2,2-ジフルオロエチル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド、
(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド、及び、
(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-N-{(1R)-1-[4-(1-エチル-1H-ピラゾール-5-イル)フェニル]-2-ヒドロキシエチル}-4-ヒドロキシ-L-プロリンアミド、
からなる群から選択される化合物又はその塩。
式(I)の化合物には、置換基の種類によって、互変異性体や幾何異性体が存在しうる。本明細書中、式(I)の化合物が異性体の一形態のみで記載されることがあるが、本発明は、それ以外の異性体も包含し、異性体の分離されたもの、若しくはそれらの混合物も包含する。
また、式(I)の化合物には、不斉炭素原子や軸不斉を有する場合があり、これに基づくジアステレオマーが存在しうる。本発明は、式(I)の化合物のジアステレオマーの分離されたもの、若しくはそれらの混合物も包含する。
さらに、本発明は、式(I)で示される化合物の製薬学的に許容されるプロドラッグも包含する。製薬学的に許容されるプロドラッグとは、加溶媒分解により又は生理学的条件下で、アミノ基、水酸基、カルボキシル基等に変換されうる基を有する化合物である。プロドラッグを形成する基としては、例えば、Prog. Med., 1985, 5, p.2157-2161や、「医薬品の開発」、第7巻 分子設計、廣川書店、1990年、p.163-198に記載の基が挙げられる。
また、式(I)の化合物の塩とは、式(I)の化合物の製薬学的に許容される塩であり、置換基の種類によって、酸付加塩又は塩基との塩を形成する場合がある。例えば、P. Heinrich Stahl著、Handbook of Pharmaceutical Salts Properties, Selection, and Use、Wiley-VCH、2008年に記載の塩が挙げられる。具体的には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸や、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジトルオイル酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等の有機酸との酸付加塩、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム等の無機金属との塩、メチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン等の有機塩基との塩、アセチルロイシン、リシン、オルニチン等の各種アミノ酸及びアミノ酸誘導体との塩やアンモニウム塩等が挙げられる。
さらに、本発明は、式(I)の化合物及びその塩の各種の水和物や溶媒和物、及び結晶多形の物質も包含する。
また、本発明は、製薬学的に許容される、1以上の放射性又は非放射性の同位体でラベルされた式(I)の化合物又はその塩を全て包含する。本発明化合物の同位体ラベルに使用される好適な同位体の例としては、水素(2H及び3H等)、炭素(11C、13C及び14C等)、窒素(13N及び15N等)、酸素(15O, 17O 及び18O等)、フッ素(18F等)、塩素(36Cl等)、ヨウ素(123I及び125I等)、硫黄(35S等)の同位体が包まれる。
同位体でラベルされた本願発明の化合物、薬物及び/又は基質の組織分布研究等の研究等に使用しうる。例えば、トリチウム(3H)、炭素14(14C)等の放射性同位体は、ラベルの容易さ及び検出の簡便さから、本目的で使用しうる。
より重い同位体への置換、例えば、水素の重水素(2H)への置換は、代謝安定性が向上することにより治療上有利(例えば、in vivoでの半減期の増加、必要用量の減少、薬物相互作用の減少)な場合がある。
陽電子放出同位体(11C, 18F, 15O及び13N等)への置換は、基質受容体占有率を試験するためにポジトロン断層法(PET)試験で使用しうる。
本発明の同位体でラベルされた化合物は、一般的に、当業者に知られた従来の手法により、又は、ラベルされていない試薬の代わりに同位体ラベルされた適切な試薬を用いて、実施例又は製造例と同様の製法等により製造することができる。
(製造法)
式(I)の化合物及びその塩は、その基本構造若しくは置換基の種類に基づく特徴を利用し、種々の公知の合成法を適用して製造することができる。その際、官能基の種類によっては、当該官能基を原料から中間体へ至る段階で適当な保護基(容易に当該官能基に転化可能な基)に置き換えておくことが製造技術上効果的な場合がある。このような保護基としては、例えば、P. G. M. Wuts及びT. W. Greene著、「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis」、第5版、John Wiley & Sons Inc.、2014年に記載の保護基等を挙げることができ、これらの反応条件に応じて適宜選択して用いればよい。このような方法では、当該保護基を導入して反応を行なった後、必要に応じて保護基を除去することにより、所望の化合物を得ることができる。
また、式(I)の化合物のプロドラッグは、上記保護基と同様、原料から中間体へ至る段階で特定の基を導入、若しくは得られた式(I)の化合物を用いてさらに反応を行なうことで製造できる。反応は通常のエステル化、アミド化、脱水等、当業者に公知の方法を適用することにより行うことができる。
以下、式(I)の化合物の代表的な製造法を説明する。各製法は、当該説明に付した参考文献を参照して行うこともできる。なお、本発明の製造法は以下に示した例には限定されない。
本明細書において、以下の略号を用いることがある。
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド、DMAc:N,N-ジメチルアセトアミド、THF:テトラヒドロフラン、MeCN:アセトニトリル、MeOH:メタノール、EtOH:エタノール、tBuOH:tert-ブタノール、DOX:1,4-ジオキサン、DMSO:ジメチルスルホキシド、TEA:トリエチルアミン、DIPEA:N,N-ジイソプロピルエチルアミン、tBuOK:カリウムtert-ブトキシド、PdCl2(dppf)・CH2Cl2:[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド・ジクロロメタン付加物、Pd/C:パラジウム炭素。
(製造方法1)
Figure 2022191505000035
(式中PG1はR3に含まれるNHの保護基、PG2はR1に含まれるNH又はOHの保護基、若しくは水素原子を示す。以下同様)
式(I)の化合物は、化合物(1)を脱保護反応に付すことにより得ることができる。ここで酸性条件で脱保護可能な保護基の例には、tert-ブトキシカルボニル基、トリフェニルメチル基、、テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル基、メトキシメチル基、ジメチルメタンジイル基、tert-ブチルスルフィニル基等が挙げられる。
本反応は、冷却下から加熱還流下、通常0.1時間から5日間撹拌することによって行われる。ここで用いられる溶媒の例としては、特に限定はされないが、MeOH、EtOH等のアルコール類、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン若しくはクロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、THF、DOX、ジメトキシエタン等のエーテル類、DMF、DMSO、MeCN又は水、及びこれらの混合物が挙げられる。脱保護試薬の例としては、特に限定はされないが、塩化水素(DOX溶液) 、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸等の酸が挙げられる。
保護基を選択することで、接触水素化反応により脱保護を行うこともできる。保護基の例には、ベンジル基、p-メトキシベンジル基、ベンジルオキシカルボニル基等が挙げられる。また、フッ化テトラ-n-ブチルアンモニウム等のフッ化物イオン源により脱保護を行うこともできる。保護基の例には、tert-ブチル(ジメチル)シリル基、(トリメチルシリル)エトキシメチル基等が挙げられる。さらに、塩基性条件で脱保護可能な保護基の例には、アセチル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基等が挙げられる。また、PG1、PG2として、異なる脱保護条件で脱保護できる保護基をそれぞれ選択し、段階的に脱保護を行うこともできる。
本反応の参考文献としては、例えば以下を参照することができる。
P. G. M. Wuts及びT. W. Greene著、「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis」、第5版、John Wiley & Sons Inc.、2014年
なお、原料である化合物(1)が軸不斉を有する場合、化合物(1)を一旦分離して得られた立体異性体を用いて本反応を行っても良い。
式(I)の化合物に、造塩反応として、下記の操作を加えることで、式(I)の化合物の塩酸塩を得ることができる。
その化学構造の特徴から塩酸と塩を形成すると考えられる式(I)の化合物をCH2Cl2およびMeOHに溶解させ、氷冷下で塩化水素(4M DOX溶液、10当量)を加えて、氷冷下で30分間攪拌する。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた残渣にジエチルエーテルを加えて、生成した固体をろ取し減圧下で乾燥させて、当該式(I)の化合物の塩酸塩を得る。
式(I)の化合物の塩酸塩は、脱塩反応として、下記の操作を加えることで、式(I)の化合物を得ることができる。
式(I)の化合物の塩酸塩をODSカラムクロマトグラフィー(MeCN/0.1%ギ酸水溶液)で精製し、目的物を含むフラクションを集め、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で塩基性にした後、CHCl3/MeOH(5/1)で抽出する。併せた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶液を減圧下で濃縮して得られた固体をジエチルエーテルで洗浄、減圧下で乾燥させて、式(I)の化合物を得る。
(原料合成1)
Figure 2022191505000036
(式中Y1はCH、CF又はNを示す。以下同様)
本製法は原料化合物(1)に含まれる化合物(1)-1を製造する第一の方法である。
(第一工程)
本工程は化合物(2)と化合物(3)との環化付加反応により化合物(1)-1を製造する方法である。
本反応は化合物(2)と化合物(3)とを等量若しくは一方を過剰量用い、これらの混合物を、好ましくは銅塩の存在下、さらに好ましくは銅塩と還元剤の存在下、反応に不活性な溶媒中、又は無溶媒下、冷却下から加熱還流下、好ましくは0℃から100℃において、通常0.1時間~5日間撹拌する。ここで用いられる溶媒の例としては、特に限定はされないが、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、THF、DOX、1,2-ジメトキシエタン等のエーテル類、DMF、DMSO、酢酸エチル、MeCN、tBuOH、水及びこれらの混合物が挙げられる。銅塩としては、CuI、CuSO4、CuOTf等が挙げられる。還元剤としては、アスコルビン酸ナトリウム等が挙げられる。TEA、DIPEA、N-メチルモルホリン(NMM)、2,6-ルチジン、トリス[(1-ベンジル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メチル]アミン(TBTA)等の存在下で反応を行うことが、反応を円滑に進行させる上で有利な場合がある。
〔文献〕
Angew. Chem. Int. Ed. 2002, 41, p.2596-2599.
なお、化合物(2)のPG2を最初に脱保護反応に付して得られた化合物を用いて、本反応を行っても良い。
(原料合成2)
Figure 2022191505000037
(式中RはC1-3アルキル基を示す。以下同様)
本製法は原料化合物(1)に含まれる化合物(1)-1を製造する第二の方法である。
(第一工程)
本工程は化合物(2)と化合物(4)との環化付加反応により化合物(5)を製造する方法である。
反応条件は原料合成1の第一工程と同様である。
(第二工程)
本工程は化合物(5)を加水分解することにより化合物(6)を製造する方法である。
本反応は、化合物(5)を冷却下から加熱還流下、通常0.1時間から5日間撹拌することによって行われる。ここで用いられる溶媒の例としては、特に限定はされないが、アルコール類、アセトン、N,N-ジメチルホルムアミドやテトラヒドロフラン等が挙げられる。また、上記溶媒と水との混合溶媒にすることで反応に好適な場合がある。加水分解試薬の例としては、特に限定はされないが、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化トリメチルすず等が挙げられる。
本反応の参考文献としては、例えば以下を参照することができる。
日本化学会編「実験化学講座(第5版)」16巻(2005年)(丸善)
Angew. Chem. Int. Ed. 2005, 44, p.1378-1382.
(第三工程)
本工程は化合物(6)と化合物(7)とのアミド化反応により化合物(1)-1を製造する方法である。
本反応は、化合物(6)と化合物(7)とを等量若しくは一方を過剰量用い、これらの混合物を、縮合剤の存在下、反応に不活性な溶媒中、冷却下から加熱下、好ましくは-20℃から60℃において、通常0.1時間から5日間撹拌する。溶媒の例としては、特に限定されないが、トルエン等の芳香族炭化水素類、THF、DOX等のエーテル類、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類、アルコール類、N,N-ジメチルホルムアミド、DMSO、酢酸エチル、MeCN、及びこれらの混合物が挙げられる。縮合剤の例としては、ヘキサフルオロリン酸(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノホスホニウム(PyBOP)、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロりん酸塩(HATU)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド又はその塩酸塩、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド (DCC)、1,1’-カルボニルジイミダゾール (CDI)、ジフェニルリン酸アジド (DPPA) 等が挙げられる。添加剤(例えば1-ヒドロキシベンゾトリアゾール)を用いることが反応に好ましい場合がある。TEA、DIPEA若しくはNMM等の有機塩基、又は炭酸カリウム、炭酸ナトリウム若しくは水酸化カリウム等の無機塩基の存在下で反応を行うことが、反応を円滑に進行させる上で有利な場合がある。
また、化合物(6)を反応性誘導体へ変換した後にアシル化反応させる方法も用いることができる。カルボン酸の反応性誘導体の例としては、オキシ塩化リン、塩化チオニル等のハロゲン化剤と反応して得られる酸ハロゲン化物、クロロギ酸イソブチル等と反応して得られる混合酸無水物、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール等と縮合して得られる活性エステル等が挙げられる。これらの反応性誘導体と化合物(7)との反応は、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、エーテル類等の反応に不活性な溶媒中、冷却下~加熱下、好ましくは、-20℃~120℃で行うことができる。
[文献]
S. R. Sandler及びW. Karo著、「Organic Functional Group Preparations」、第2版、第1巻、Academic Press Inc.、1991年
日本化学会編「実験化学講座(第5版)」16巻(2005年)(丸善)
(原料合成3)
Figure 2022191505000038
(式中PG3はOHの保護基、LG1は脱離基、BLGはボロン酸基、ボロン酸ピナコールエステル基などのボロン酸の保護基により保護されたボロン酸基、又はトリフルオロホウ酸塩基(以下、ボロン酸基等と記載する場合がある)を示す。ここで示す脱離基の例には、Cl、Br、メタンスルホニル基、 p-トルエンスルホニル基等が挙げられる。)
本製法は原料化合物(2)を製造する第一の方法である。
(第一工程)
本工程は化合物(8)と化合物(9)とのイプソ置換反応により化合物(10)を製造する方法である。
本反応は、化合物(8)と化合物(9)とを等量若しくは一方を過剰量用い、これらの混合物を、反応に不活性な溶媒中、又は無溶媒下、冷却下から加熱還流下、好ましくは0℃から80℃において、通常0.1時間~5日間撹拌する。ここで用いられる溶媒の例としては、特に限定はされないが、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、THF、DOX、1,2-ジメトキシエタン等のエーテル類、DMF、DMAc、DMSO、酢酸エチル、MeCN及びこれらの混合物が挙げられる。TEA、DIPEA、N-メチルモルホリン(NMM)、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、tBuOK等の有機塩基、水素化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム等の無機塩基の存在下で反応を行うことが、反応を円滑に進行させる上で有利な場合がある。
また、化合物(8)と化合物(9)との溝呂木―ヘック反応により得られた化合物を、接触水素化反応することで化合物(10)を製造しうる。
(第二工程)
本工程は化合物(10)と化合物(11)とのイプソ置換反応により化合物(12)を製造する方法である。
反応条件は原料合成3の第一工程と同様である。
また、化合物(11)の水素原子をハロゲンに変換した化合物と化合物(10)との根岸カップリングにより化合物(12)を製造しうる。
(第三工程)
本工程は化合物(12)とPG3-OHとのイプソ置換反応により化合物(13)を製造する方法である。
ここで用いられるPG3-OHの例としては、ベンジルアルコール及びp-メトキシベンジルアルコールが挙げられる。
反応条件は原料合成3の第一工程と同様である。
(第四工程)
本工程は化合物(13)とR2-ボロン酸基等からなるボロン酸誘導体との鈴木-宮浦カップリング反応により化合物(14)を製造する方法である。ここで用いられるボロン酸酸基等の例としては、特に限定はされないが、ボロン酸基、ボロン酸エステル基、ボロン酸ピナコールエステル基、トリオールボレート塩基、及びトリフルオロホウ酸塩基が挙げられる。
本反応は、化合物(13)とR2-ボロン酸基等からなるボロン酸誘導体とを等量若しくは一方を過剰量用い、これらの混合物を、反応に不活性な溶媒中、塩基及びパラジウム触媒の存在下、室温から加熱還流下、好ましくは、20℃から140℃で、通常0.1時間~5日間撹拌する。ここで用いられる溶媒の例としては、特に限定はされないが、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、THF、DOX、1,2-ジメトキシエタン等のエーテル類、MeOH、EtOH、イソプロピルアルコール、ブタノール、アミルアルコール等のアルコール類、DMF、DMSO、MeCN、1,3-ジメチルイミダゾリジン-2-オン、水及びこれらの混合物が挙げられる。塩基としては、リン酸三カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム等の無機塩基が挙げられる。パラジウム触媒としては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド・ジクロロメタン付加物、(1E,4E)-1,5-ジフェニルペンタ-1,4-ジエン-3-オン/パラジウム(3:2)、(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',6'-ジイソプロポキシ-1,1'-ビフェニル)[2-(2'-アミノ-1,1'-ビフェニル)]パラジウム(II) メタンスルホン酸塩、酢酸パラジウム(II)等が挙げられる。ジシクロヘキシル(2',6'-ジメトキシビフェニル-2-イル)ホスフィン、ジシクロヘキシル(2',6'-ジイソプロポキシ-[1,1'-ビフェニル]-2-イル)ホスフィン、1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン等の配位子の存在下で反応を行うことが、反応を円滑に進行させる上で有利な場合がある。また、混合物をマイクロ波照射により加熱することが、反応を円滑に進行させる上で有利な場合がある。
〔文献〕
J. Am. Chem. Soc., 2005, 127, p.4685-4696
Org. Lett. 2011, 13, p.3948-3951
Org. Lett. 2012, 14, p.1278-1281
R2が水素原子の場合、化合物(13)の接触水素化反応により化合物(14)を製造しうる。
(第五工程)
本工程は化合物(14)と化合物(15)との鈴木-宮浦カップリング反応により化合物(16)を製造する方法である。
反応条件は原料合成3の第四工程と同様である。
なお、化合物(16)が軸不斉を有する場合、ジアステレオマーの混合物として得られるが、通常の分割操作、例えばODSカラムクロマトグラフィーやシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いた分割を行うことによりそれぞれのジアステレオマーを単離することができる。
(第六工程)
本工程は化合物(16)の接触水素化反応による脱保護を行うことにより化合物(17)を製造する方法である。
本反応は、化合物(16)を水素雰囲気下、常圧から加圧下で、MeOH、EtOH、酢酸エチル等の反応に不活性な溶媒中、金属触媒存在下で、冷却下から加熱下、好ましくは室温で、1時間~5日間撹拌することにより行うことができる。金属触媒としては、Pd/C、パラジウム黒等のパラジウム触媒、白金板、酸化白金等の白金触媒、還元ニッケル、ラネーニッケル等のニッケル触媒等が用いられる。
(第七工程)
本工程は化合物(17)と化合物(18)との反応により化合物(2)を製造する方法である。
本反応は、化合物(17)と化合物(18)とを等量若しくは一方を過剰量用い、これらの混合物を、塩基の存在下、反応に不活性な溶媒中、冷却下から加熱還流下、好ましくは0℃から80℃において、通常0.1時間から5日間反応させることにより行われる。ここで用いられる溶媒としては、特に限定はされないが、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、MeOH、EtOH等のアルコール類、ジエチルエーテル、THF、DOX、1,2-ジメトキシエタン等のエーテル類、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、DMF、DMSO、酢酸エチル、MeCN及びこれらの混合物が挙げられる。塩基の例としては、特に限定されないが、例えばTEA、DIPEA、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン、n-ブチルリチウム、tBuOK等の有機塩基、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム等の無機塩基が挙げられる。塩化テトラ-n-ブチルアンモニウム等の相間移動触媒の存在下で反応を行うことが有利な場合がある。
本反応の参考文献としては、例えば以下を参照することができる。
日本化学会編、「実験化学講座」、第5版、第14巻、丸善、2005年
なお、化合物(2)は軸不斉を有する場合があり、ジアステレオマーの混合物として得られるが、PG2が保護基である化合物(2)又は化合物(2)を脱保護反応に付すことにより得られる化合物を、通常の分割操作、例えばODSカラムクロマトグラフィーやシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いた分割を行うことによりそれぞれのジアステレオマーを単離することができる。
ここで用いられる脱保護反応の反応条件は、製造方法1に記載の工程と同様である。
また、化合物(18)は、LG1に相当する部分がヒドロキシ基である化合物をハロゲン化することによりLG1がハロゲンである化合物を製造することができる。ここで用いられるハロゲン化剤の例としては、特に限定されないが、例えば塩化チオニル、オキシ塩化リン、臭化水素酸、三臭化リン等が挙げられる。
本反応の参考文献としては、例えば以下を参照することができる。
日本化学会編、「実験化学講座」、第5版、第13巻、丸善、2004年
さらに化合物(18)は、LG1に相当する部分がヒドロキシ基である化合物を塩基の存在下、スルホニル化することによりLG1がスルホニル基である化合物を製造することができる。ここで用いられるスルホニル化試薬の例としては、特に限定されないが、例えばメタンスルホニルクロリド、p-トルエンスルホニルクロリド、メタンスルホン酸無水物等が挙げられる。塩基の例としては、特に限定されないが、例えばTEA、DIPEA、ピリジン、テトラメチルエチレンジアミン等が挙げられる。
本反応の参考文献としては、例えば以下を参照することができる。
Synthesis 1999, 9, p.1633-1636
(原料合成4)
Figure 2022191505000039
(式中RLGはC1-12アルキル基、nは1又は2を示す。)
本製法は原料化合物(16)を製造する第二の方法である。
(第一工程)
本工程は化合物(10)とRLG-SHとのイプソ置換反応により化合物(19)を製造する方法である。ここで用いられるRLG-SHの例としては、C1-12アルキルチオール、例えばエタンチオール、ドデカンチオールが挙げられる。
反応条件は原料合成3の第一工程と同様である。
(第二工程)
本工程は化合物(19)とPG3-OHとのイプソ置換反応により化合物(20)を製造する方法である。ここで用いられるPG3-OHの例としては、ベンジルアルコール及びp-メトキシベンジルアルコールが挙げられる。
反応条件は原料合成3の第一工程と同様である。
(第三工程)
本工程は化合物(20)とR2-ボロン酸基等からなるボロン酸誘導体との鈴木-宮浦カップリング反応により化合物(21)を製造する方法である。
反応条件は原料合成3の第四工程と同様である。
R2が水素原子の場合、化合物(20)の接触水素化反応により化合物(21)を製造しうる。
(第四工程)
本工程は化合物(21)と化合物(15)との鈴木-宮浦カップリング反応により化合物(22)を製造する方法である。
反応条件は原料合成3の第四工程と同様である。
(第五工程)
本工程は化合物(22)の酸化反応により化合物(23)を製造する方法である。
本反応は、化合物(22)を反応に不活性な溶媒中、冷却下から加熱下、好ましくは、-20℃から80℃で、通常0.1時間から3日間、等量若しくは過剰量の酸化剤で処理する。本反応においては、m-クロロ過安息香酸、過安息香酸、過酢酸、次亜塩素酸ナトリウム、又は過酸化水素を用いた酸化が好適に用いられる。溶媒の例としては、芳香族炭化水素類、エーテル類、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類、DMF、DMSO、酢酸エチル、MeCN、及びこれらの混合物が挙げられる。他の酸化剤の例としては、クメンヒドロペルオキシド、オキソン、活性二酸化マンガン、クロム酸、過マンガン酸カリウム、過ヨウ素酸ナトリウム等が挙げられる。
[文献]
日本化学会編、「実験化学講座」、第5版、第17巻、丸善、2004年
(第六工程)
本工程は化合物(23)と化合物(24)とのイプソ置換反応により化合物(16)を製造する方法である。
反応条件は原料合成3の第一工程と同様である。
なお、化合物(16)が軸不斉を有する場合、ジアステレオマーの混合物として得られるが、通常の分割操作、例えばODSカラムクロマトグラフィーやシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いた分割を行うことによりそれぞれのジアステレオマーを単離することができる。
(原料合成5)
Figure 2022191505000040
本製法は原料化合物(2)を製造する第二の方法である。
(第一工程)
本工程は化合物(23)の接触水素化反応による脱保護を行うことにより化合物(25)を製造する方法である。
反応条件は原料合成3の第六工程と同様である。
(第二工程)
本工程は化合物(25)と化合物(18)との反応により化合物(26)を製造する方法である。
反応条件は原料合成3の第七工程と同様である。
(第三工程)
本工程は化合物(26)と化合物(24)とのイプソ置換反応により化合物(2)を製造する方法である。
反応条件は原料合成3の第一工程と同様である。
なお、化合物(2)は軸不斉を有する場合があり、ジアステレオマーの混合物として得られるが、PG2が保護基である化合物(2)又は化合物(2)を脱保護反応に付すことにより得られる化合物を、通常の分割操作、例えばODSカラムクロマトグラフィーやシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いた分割を行うことによりそれぞれのジアステレオマーを単離することができる。
ここで用いられる脱保護反応の反応条件は、製造方法1に記載の工程と同様である。
(原料合成6)
Figure 2022191505000041
(式中PG4、PG5は保護基を示す。)
本製法は原料化合物(3)を製造する方法である。
(第一工程)
本工程は化合物(7)と化合物(27)とのアミド化反応により化合物(28)を製造する方法である。
反応条件は原料合成2の第三工程と同様である。
(第二工程)
本工程は化合物(28)を脱保護反応に付すことにより化合物(29)を製造する方法である。
反応条件は製造方法1に記載の工程と同様である。
(第三工程)
本工程は化合物(29)と化合物(30)とのアミド化反応により化合物(31)を製造する方法である。
反応条件は原料合成2の第三工程と同様である。
(第四工程)
本工程は化合物(31)を脱保護反応に付すことにより化合物(32)を製造する方法である。
反応条件は製造方法1に記載の工程と同様である。
(第五工程)
本工程は化合物(32)とジアゾ転移試薬との反応により化合物(3)を製造する方法である。
本反応は、化合物(32)を反応に不活性な溶媒中、冷却下から加熱下、好ましくは、0℃から50℃で、通常0.1時間から3日間、等量若しくは過剰量のジアゾ転移試薬で処理する。ジアゾ転移試薬の例としては、特に限定されないが、例えばトリフルオロメタンスルホニルアジド、イミダゾール-1-スルホニルアジドまたはその塩、2-アジド-1,3-ジメチルイミダゾリニウム ヘキサフルオロリン酸塩(ADMP)等が挙げられる。TEA、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)、2,6-ルチジン等の有機塩基、触媒量のCuSO4等の銅塩の存在下で反応を行うことが有利な場合がある。溶媒の例としては、THF、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類、MeCN、アルコール類、水及びこれらの混合物が挙げられる。
[文献]
J. Org. Chem. 2012, 77, p.1760-1764
Nature 2019, 574, p.86-89
Org. Biomol. Chem. 2014, 12, p.4397-4406
(原料合成7)
Figure 2022191505000042
(式中LG2は脱離基、PG6はNHの保護基を示す。)
本製法は原料化合物(1)に含まれる原料化合物(1)-2又は原料化合物(1)-3を製造する方法である。ここで、当該原料化合物(1)-3は、L2がNRL1、ピロリジンジイル、ピペリジンジイル、又はピペラジンジイルである場合の製造方法を示す。
(第一工程)
本工程は化合物(17)と化合物(33)との反応により化合物(2)-1を製造する方法である。
反応条件は原料合成3の第七工程と同様である。
(第二工程)
本工程は化合物(2)-1を加水分解することにより化合物(2)-2を製造する方法である。
反応条件は原料合成2の第二工程と同様である。
(第三工程)
本工程は化合物(32)と化合物(2)-2とのアミド化反応により化合物(1)-2を製造する方法である。
反応条件は原料合成2の第三工程と同様である。
(第四工程)
本工程は化合物(32)と化合物(34)とのアミド化反応により化合物(35)を製造する方法である。
反応条件は原料合成2の第三工程と同様である。
(第五工程、第六工程)
本工程は化合物(35)の脱保護反応を行うことにより得られる化合物と化合物(2)-2とのアミド化反応により化合物(1)-3を製造する方法である。
脱保護反応の反応条件は製造方法1に記載の工程と同様である。
アミド化反応の反応条件は原料合成2の第三工程と同様である。
(原料合成8)
Figure 2022191505000043
(式中ZがNHの場合、A1は水素原子、A2はハロゲンを示し、Zが酸素、硫黄及び窒素から選択されるヘテロ原子を1~4個含有する5員ヘテロアレーンジイルの場合、A1がCl、Br及びIからなる群から選択される基である時、A2はボロン酸基等を示し、A1がボロン酸基等である時、A2はCl、Br及びIからなる群から選択される基を示す。)
本製法は原料化合物(1)-4を製造する方法である。
(第一工程)
本工程はZがNHの場合、化合物(36)と化合物(37)とのイプソ反応若しくはバックワルド・ハートウィッグアミノ化反応により化合物(38)を製造する方法である。
イプソ反応の反応条件は原料合成3の第一工程と同様である。
バックワルド・ハートウィッグアミノ化反応の参考文献としては、例えば以下を参照することができる。
J. Am. Chem. Soc., 2020, 142, p.15027-15037
また、本工程はZが酸素、硫黄及び窒素から選択されるヘテロ原子を1~4個含有する5員ヘテロアリールの場合、化合物(36)と化合物(37)との鈴木-宮浦カップリング反応により化合物(38)を製造する方法である。
反応条件は原料合成3の第四工程と同様である。
ここでZが式(V)の場合の反応の参考文献としては、例えば以下を参照することができる。
J. Org. Chem., 2000, 65, p.1516-1524
Chemical Communications 2014, 50, p.1867-1870
Bioorg. Med. Chem. Lett., 2001, 11, p.2061-2065
(第二工程)
本工程は化合物(38)と化合物(17)との反応により化合物(39)を製造する方法である。
反応条件は原料合成3の第七工程と同様である。
また、本工程は化合物(38)と化合物(17)との光延反応により化合物(39)を製造することもできる。
ここで光延反応の参考文献としては、例えば以下を参照することができる。
Chem. Asian J. 2007, 2, p.1340 - 1355
(第三工程)
本工程は化合物(39)を加水分解することにより化合物(40)を製造する方法である。
反応条件は原料合成2の第二工程と同様である。
(第四工程)
本工程は化合物(40)と化合物(29)とのアミド化反応により化合物(1)-4を製造する方法である。
反応条件は原料合成2の第三工程と同様である。
(原料合成9)
Figure 2022191505000044
(式中PG7は保護基、PG8、PG9、PG10は同一又は異なって水素原子又は保護基、A3は水素原子、カルボキシル基又はボロン酸基等、A4は水素原子、又はCl、Br及びIからなる群から選択される基、BLG1はボロン酸基等を示す。)
本製法はR7が式(VI)、式(VII)、式(VIII)、式(IX)、式(XX)、式(XXI)、式(XXII)、式(XXIII)及び式(XXIV)からなる群から選択される基である場合の原料化合物(7)を製造する方法である。
(第一工程)
本工程はA3が水素原子である場合、例えばR7が式(VI)である化合物(42)と化合物(41)との溝呂木―ヘック反応により化合物(45)を製造する方法である。
本反応は、化合物(42)と化合物(41)とを等量若しくは一方を過剰量用い、これらの混合物を、反応に不活性な溶媒中、塩基及びパラジウム触媒の存在下、室温から加熱還流下、好ましくは、20℃から140℃で、通常0.1時間~5日間撹拌する。ここで用いられる溶媒の例としては、特に限定はされないが、ジエチルエーテル、THF、DOX、1,2-ジメトキシエタン等のエーテル類、DMF、DMAc、DMSO、MeCN、1,3-ジメチルイミダゾリジン-2-オン、酢酸エチル、水及びこれらの混合物が挙げられる。塩基としては、リン酸三カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸カリウム等の塩基が挙げられる。パラジウム触媒としては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド・ジクロロメタン付加物、(1E,4E)-1,5-ジフェニルペンタ-1,4-ジエン-3-オン/パラジウム(3:2)、(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',6'-ジイソプロポキシ-1,1'-ビフェニル)[2-(2'-アミノ-1,1'-ビフェニル)]パラジウム(II) メタンスルホン酸塩、酢酸パラジウム(II)等が挙げられる。また、混合物をマイクロ波照射により加熱することが、反応を円滑に進行させる上で有利な場合がある。
反応の参考文献としては、例えば以下を参照することができる。
Synthesis 2020, 52, p.2521-2527
PNAS 2016, 113, p.7124-7129
又は、例えば式(IX)、式(XX)、式(XXI)、式(XXII)、及び式(XXIV)からなる群から選択される基である化合物(42)と化合物(41)とのウルマン反応により化合物(45)を製造する方法である。
反応の参考文献としては、例えば以下を参照することができる。
Angew. Chem. Int. Ed., 2003, 42, p.5400-5449
また、本工程はA3がカルボキシル基の場合、例えばR7が式(VII)である化合物(42)と化合物(41)との脱炭酸カップリング反応により化合物(45)を製造する方法である。
反応の参考文献としては、例えば以下を参照することができる。
Science, 2006, 313, p.662-664
さらに、本工程はA3がボロン酸基等の場合、例えばR7が式(VI)、式(VIII)及び式(XXIII)からなる群から選択される基である化合物(42)と化合物(41)との鈴木-宮浦カップリング反応により化合物(45)を製造する方法である。
反応条件は原料合成3の第四工程と同様である。
(第二工程)
本工程は化合物(41)のブロモ基をボロン酸基等に置換する反応により化合物(43)を製造する方法である。
反応の参考文献としては、例えば以下を参照することができる。
Eur. J. Med. Chem., 2019, 162, p.407-422
J. Org. Chem. 2020, 85, 16, p.10966-10972
J. Am. Chem. Soc., 2010, 132, p.17701-17703
(第三工程)
本工程はA4がCl、Br及びIからなる群から選択される基である場合、化合物(44)と化合物(43)との鈴木-宮浦カップリング反応により化合物(45)を製造する方法である。
反応条件は原料合成3の第四工程と同様である。
また、本工程はA4が水素原子である場合、例えば式(IX)、式(XX)、式(XXI)、式(XXII)、及び式(XXIV)からなる群から選択される基である化合物(44)と化合物(43)とのチャン・ラム・エヴァンス カップリング反応により化合物(45)を製造する方法である。
反応の参考文献としては、例えば以下を参照することができる。
Adv. Synth. Catal. 2020, 362, p.3311-3331.
(第四工程)
本工程は化合物(45)を脱保護反応に付すことにより化合物(7)を製造する方法である。
反応条件は製造方法1に記載の工程と同様である。
式(I)の化合物は、遊離化合物、その塩、水和物、溶媒和物、若しくは結晶多形、又は非晶質の固体形態の物質として単離され、精製される。式(I)の化合物の塩は、常法の造塩反応に付すことにより製造することもできる。
単離、精製は、抽出、分別結晶化、各種分画クロマトグラフィー等、通常の化学操作を適用して行なわれる。
各種の異性体は、適当な原料化合物を選択することにより製造でき、若しくは異性体間の物理化学的性質の差を利用して分離することができる。例えば、光学異性体は、ラセミ体の一般的な光学分割法(例えば、光学活性な塩基又は酸とのジアステレオマー塩に導く分別結晶化や、キラルカラム等を用いたクロマトグラフィー等)により得られ、また、適当な光学活性な原料化合物から製造することもできる。
また、式(I)の化合物又はその中間体は軸不斉を有する場合があり、ジアステレオマーの混合物として得られるが、通常の分割操作、例えばオクタデシルシリル(ODS)カラムクロマトグラフィーやシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いた分割を行うことによりそれぞれのジアステレオマーを単離することができる。
式(I)の化合物の薬理活性は、以下の試験により確認した。
試験例1-1 ヒトG12D変異KRAS陽性膵臓癌株AsPC-1に対するKRAS分解作用の評価
KRAS G12D発現量をsandwich ELISA法により測定することで、被験化合物によるKRAS分解作用を評価した。
AsPC-1細胞(ATCC, CRL-1682)を1ウェルあたり1.8x104細胞となるように、90μLずつ96ウェルプレート(IWAKI社)に播種した。細胞培養条件は、10% 牛胎児血清(Cytiva社)を含むRPMI1640培地(Merck社)を用いて、5% CO2存在下37℃で行った。
翌日、被験化合物(終濃度10μMから0.3 nMの範囲で10点)を新鮮な培地で100倍希釈し、10μLずつ各ウェルに添加した。同一の処理を4ウェルずつ行った。また、sandwich ELISA プレート作成にあたりPhosphate Buffered Saline[PBS;富士フィルム和光純薬社]へ1,000倍希釈で混合したキャプチャー抗体(抗KRAS 抗体、LS Bio社)をMaxiSorp 384ウェルプレート(Thermo Scientific社)の各ウェルに20μLずつ添加し、シール添付後4℃で1晩静置した。
被験化合物処理24時間後に培養上清を廃棄し、速やかに各ウェルに細胞溶解液(RIPA buffer [Thermo Scientific社]にHalt Protease Phosphatese Inhibitor Cocktail [Thermo Scientific社]と Benzonase Nuclease [Merck社]をそれぞれ1/100、1/500量加えて作製)を50μL添加し細胞を溶解した。その後同一処理した4ウェルを1つにまとめ、トータル200μLの細胞ライセートサンプルとして調製した。KRAS検出は、前日からキャプチャー抗体で処理していたMaxiSorp 384ウェルプレートを0.05% Tween-20含有PBS(Thermo Scientific社;20x PBS Tween-20をイオン交換水で20倍希釈して使用)で洗浄(25μLずつ2回)およびブロッキング溶液(Intercept Blocking Buffer;LI-COR Biosciences社)で60分処理した後に20μLずつ細胞ライセートサンプルを各ウェルに添加した。β-actin検出は、細胞ライセートサンプルをそのままMaxiSorp 384ウェルプレートに20μLずつ各ウェルに添加し、シール貼付後4℃にて一晩静置した。
翌日、KRAS検出用プレートを0.05% Tween-20含有PBSで洗浄後、検出抗体としてブロッキング溶液で1,000倍希釈した抗Ras (G12D Mutant Specific)抗体(Cell Signaling Technology社)を20μLずつ各ウェルに添加して5時間室温で静置した。その後、プレートを遠心することにより上清を除き(遠心型脱水装置を用いる。以下同様の方法で上清を除去した)、0.05% Tween-20含有PBSで洗浄後、2次抗体としてブロッキング溶液で1,000倍希釈した抗Rabbit IgG HRP-linked抗体(Cell Signaling Technology社)を20μLずつ各ウェルに添加し、1時間室温で静置した。プレートを遠心することにより上清を除き、0.05% Tween-20含有PBSで洗浄後、BM化学発光ELISA基質(Merck社)を20μLずつ各ウェルに添加し2103 EnVision(PerkinElmer社)にて発光量を測定した。また、β-actin検出用プレートは0.05% Tween-20含有PBSで洗浄およびブロッキング溶液で60分処理した後、検出抗体としてブロッキング溶液で1,000倍希釈した抗β-actin抗体(Abcam社)を20μLずつ各ウェルに添加して5時間室温で静置した。その後、プレートを遠心することにより上清を除き、0.05% Tween-20含有PBSで洗浄後、2次抗体としてブロッキング溶液で1,000倍希釈した抗Mouse IgG HRP-linked抗体(Cell Signaling Technology社)を20μLずつ各ウェルに添加して、1時間室温で静置した。その後プレートを遠心することにより上清を除き、0.05% Tween-20含有PBSで洗浄後、BM化学発光ELISA基質を20μLずつ各ウェルに添加しEnVisionにて発光量を測定した。
β-actin量で補正したDMSO添加時のシグナル値を100%、10μMの実施例番号7の化合物添加時のシグナル値を0%とし、KRAS量の50%分解値(DC50)をSigmoid-Emaxモデル非線形回帰分析にて算出した。被験化合物の分子量は、実施例番号22:二塩酸塩、実施例番号2~7、9~12、及び14~18:三塩酸塩、実施例番号19:四塩酸塩、実施例番号21:五塩酸塩、前記以外の実施例番号:塩を形成していないフリー体の分子量として計算した。
いくつかの式(I)の被験化合物の結果を表1に示す。
Figure 2022191505000045
試験例1-2 ヒトG12D変異KRAS陽性膵臓癌株AsPC-1に対するKRAS分解作用の評価
KRAS G12D発現量をCell ELISA により測定することで、被験化合物によるKRAS分解作用を評価した。
AsPC-1細胞を1ウェルあたり2.0x104細胞となるように、20μLずつ384ウェルプレート(Greiner bio-one社)に播種した。細胞培養条件は、10% 牛胎児血清を含むRPMI1640培地を用いて、5% CO2存在下37℃で行った。
翌日、被験化合物(終濃度10μMから0.3 nMの範囲で10点)、陽性対照として終濃度10μMの実施例番号26(実施例番号74及び75については実施例番号8)の化合物、及び陰性対照として被験化合物の溶媒であるDMSOを新鮮な培地で500倍希釈し、20μLずつ各ウェルに添加後、一晩培養した。
翌日、培養上清を除き、各ウェルに4%パラホルムアルデヒドりん酸緩衝液(富士フイルム和光純薬社)を20μL添加し、30分間室温で静置することで細胞を固定した。その後、上清を除き、0.1% Triton X-100(Amersham Biosciences社)含有PBSを20μLずつ各ウェルに添加した。10分間室温静置後、上清を除き、PBSを25μLずつ各ウェルに添加し、上清を除去することで各ウェルを洗浄した。洗浄は計2回行った。次に、上清を除き、0.5% sodium dodecyl sulfate (SDS;Invitrogen社)含有PBSを20μLずつ各ウェルに添加した。室温で10分間静置後、遠心することにより上清を除き(遠心型脱水装置を用いる。以下同様の方法で上清を除去した)、PBSを25μLずつ各ウェルに添加し、上清を除去することで各ウェルを洗浄した。洗浄は計2回行った。遠心により上清を除き、ブロッキング溶液(Intercept Blocking Buffer)を20μLずつ各ウェルに添加した。30分間室温で静置後、遠心により上清を除き、1次抗体としてブロッキング溶液で抗Ras(G12D Mutant Specific)抗体と抗β-Actin抗体を1,000倍希釈した溶液を20μLずつ各ウェルに添加して、一晩4℃で静置した。
翌日、プレートを遠心して上清を除き、PBSを25μLずつ各ウェルに添加し、上清を除去することで各ウェルを洗浄した。洗浄は計2回行った。遠心により上清を除き、2次抗体としてブロッキング溶液でDonkey anti-Mouse IgG H&L (IRDye 680RD)(Li-COR Biosciences社)とGoat anti-Rabbit IgG H&L (IRDye 800CW)(Li-COR Biosciences社) を1,000倍希釈した溶液を20μLずつ各ウェルに添加した。1時間室温静置後、上清を除き、PBSを25μLずつ各ウェルに添加し、上清を除去することで各ウェルを洗浄した。洗浄は計2回行った。プレートを遠心することにより上清を除いた後に、そのままプレートを室温で2時間以上風乾させ、Aerius(LI-COR Biosciences社)にて700nmと800nmの蛍光シグナルを測定した。
β-actinのシグナル値で補正したDMSO添加時のシグナル値を100%、10μMの実施例番号26の化合物添加時のシグナル値を0%とし、KRAS量の50%分解値(DC50)をSigmoid-Emaxモデル非線形回帰分析にて算出した。被験化合物の分子量は、実施例番号30:三塩酸塩、実施例番号46:四塩酸塩、前記以外の実施例番号:塩を形成していないフリー体の分子量として計算した。いくつかの式(I)の被験化合物の結果を表2に示す。
Figure 2022191505000046
試験例2 ヒトG12D変異KRAS陽性膵臓癌株AsPC-1に対するERKリン酸化阻害作用の評価
KRASシグナルの下流にあるERKの202番目のスレオニン(Thr202)および204番目のチロシン(Tyr204)のリン酸化をCell ELISAにより測定することで、被験化合物によるERKリン酸化阻害作用を評価した。
AsPC-1細胞を1ウェルあたり2.0x104細胞となるように、36μL/ウェルずつ384ウェルプレート(Greiner bio-one社)に播種した。細胞培養条件は、10% 牛胎児血清を含むRPMI1640培地を用いて、5%CO2存在下37℃で行った。
翌日、被験化合物(終濃度10μMから3.0 nMの範囲で6点)、陽性対照として終濃度1μMのトラメチニブ(MEK阻害剤)、及び陰性対照として被験化合物の溶媒であるDMSOを新鮮な培地で100倍希釈し、4μLずつ各ウェルに添加後、24時間培養した。培養後速やかに、各ウェルに30%グリオキサール液(40%グリオキサール [ナカライテスク社]をPBSで希釈)を30μL添加し、90分室温で静置することで細胞を固定した。その後、プレートを遠心することで上清を除き(遠心型脱水装置を用いる。以下同様の方法で上清を除去した)、0.1% Triton X-100含有PBSを20μLずつ各ウェルに添加した。10分間室温静置後、遠心により上清を除き、さらに同じ操作を繰り返した。次に、0.5% SDS含有PBSを20μLずつ各ウェルに添加し、室温で30分間静置後、遠心することで上清を除去した。続いて、ブロッキング溶液(Intercept Blocking Buffer)を20μLずつ各ウェルに添加して1時間室温で静置した。遠心により上清を除き、1次抗体としてブロッキング溶液で2,500倍希釈したERK(Thr202/Tyr204)のリン酸化抗体(Phospho-p44/42 MAPK (Erk1/2) (Thr202/Tyr204)(D13.14.4E) XP Rabbit mAb;Cell Signaling Technology社)を10または15μLずつ各ウェルに添加して、4℃にて一晩静置した。
翌日、プレートを遠心して上清を除き、0.05% Tween-20含有PBSを50μLずつ各ウェルに添加し、遠心により上清を除去することで各ウェルを洗浄した。洗浄は計3回行った。洗浄後、2次抗体としてブロッキング溶液で1,000倍希釈したGoat anti-Rabbit IgG H&L(IRDye 800CW)を15μLずつ各ウェルに添加して、1時間室温で静置した。プレートを遠心することにより上清を除き、0.05% Tween-20含有PBSで1次抗体反応後と同様にして、各ウェルを3回洗浄した。プレートを遠心することにより上清を除いた後に、そのままプレートを室温で3時間以上風乾させ、Aeriusにて800nmの蛍光シグナルを測定した。
DMSO添加時のシグナル値を100%、1μMのトラメチニブ添加時のシグナル値を0%とし、50%阻害値(IC50)をSigmoid-Emaxモデル非線形回帰分析にて算出した。被験化合物の分子量は、実施例番号22:二塩酸塩、実施例番号2~7、9~12、14~18、及び30:三塩酸塩、実施例番号19及び46:四塩酸塩、実施例番号21:五塩酸塩、前記以外の実施例番号:塩を形成していないフリー体の分子量として計算した。いくつかの式(I)の被験化合物の結果を表3に示す。
Figure 2022191505000047
試験例3 ヒトG12D変異KRAS陽性膵臓癌株AsPC-1に対する足場非依存的細胞増殖阻害作用の評価
スフェロイド3次元培養により、被験化合物による足場非依存的な細胞増殖阻害作用を評価した。
AsPC-1細胞を1ウェルあたり5x102細胞となるように、36μL/ウェルずつ細胞低吸着U底384ウェルプレート(PrimeSurface:住友ベークライト社)に播種した。細胞培養は、試験例2と同じ条件で行った。
翌日、被験化合物(終濃度10μMから3.0 nMの範囲で6点)、及び陰性対照として被験化合物の溶媒であるDMSOを新鮮な培地で100倍希釈し、4μLずつ各ウェルに添加した。6日間、5%CO2存在下37℃で培養した後、CellTiter-Glo 2.0(Promega社)を20μLずつ各ウェルに添加した。常温にて1時間プレートミキサー(FINEPCR社)を用いて撹拌した後、ARVO X3(PerkinElmer社)にて発光シグナルを測定した。
DMSO処理におけるシグナル値を100%、細胞非存在下培地のみにおけるシグナル値を0%とし、50%阻害値(IC50)をSigmoid-Emaxモデル非線形回帰分析にて算出した。被験化合物の分子量は、実施例番号22:二塩酸塩、実施例番号2~7、9~12、14~18、及び30:三塩酸塩、実施例番号19及び46:四塩酸塩、実施例番号21:五塩酸塩、前記以外の実施例番号:塩を形成していないフリー体の分子量として計算した。いくつかの式(I)の被験化合物の結果を表4に示す。
Figure 2022191505000048
試験例4 ヒトG12D変異KRAS陽性膵臓癌株PK-59担癌マウスにおける抗腫瘍作用の評価
PK-59細胞(RIKEN BRC, RCB1901)を、10% 牛胎児血清を含むRPMI1640培地を用いて、5%CO2存在下37℃で培養した。PK-59細胞を回収してPBSで懸濁し、等量のマトリゲル(ベクトン・ディッキンソン社)を加えて1.0x107~2.0x107個/mLに調製した細胞懸濁液を4-6週齡の雄性ヌードマウス(CAnN.Cg-Foxn1nu/CrlCrlj (nu/nu), 日本チャールス・リバー社)皮下に100μLの容量で植え付けた。植え付け約2週間後、各群間の腫瘍体積および体重がほぼ同等となるよう群分けを行い、翌日より被験化合物の投与を開始した。試験は溶媒群および被験化合物投与群各5匹で行った。実施例8、実施例48及び実施例70の化合物はエタノール (富士フイルム和光純薬)、5%ブドウ糖液 (大塚製薬)、1M 塩酸 (関東化学)、50% (2-ヒドロキシプロピル)-β-シクロデキストリン(HP-βCD)水溶液 (ROQUETTE)、HCO-40 (日光ケミカルズ)、1M 水酸化ナトリウム水溶液 (関東化学) を液量比4:84.4:1.1:1:9:0.5の溶媒に溶解した。実施例22及び実施例26の化合物はプロピレングリコール(富士フィルム和光純薬)とTween80(ナカライテスク社)、大塚生食注(大塚製薬)を液量比6.7:3.3:90の溶媒に溶解した。実施例39の化合物はプロピレングリコール、エタノール、50%HP-βCD水溶液、HCO-40、5%ブドウ糖液を液量比10:8:10:10:62の溶媒に溶解した。各溶媒により溶解した被験化合物または溶媒を尾静脈内に投与した。投与は1週間に1回の間隔で、2回投与した。腫瘍径および体重の測定は1週間に2回行った。腫瘍体積の算出には以下の式を用いた。
[腫瘍体積(mm3)] = [腫瘍の長径(mm)] x [腫瘍の短径(mm)]2 x 0.5
被験化合物による腫瘍増殖阻害率(%)は、投与開始前日の被験化合物投与群の腫瘍体積を100%阻害、初回投与から2週間後の溶媒群の腫瘍体積を0%阻害として算出した。また、被験化合物投与群の腫瘍体積が投与開始前日の腫瘍体積を下回った場合、投与開始前日の腫瘍体積を0%退縮、腫瘍体積0を100%退縮として、被験化合物の腫瘍退縮率(%)を算出した。被験化合物の分子量は、実施例番号22:二塩酸塩、前記以外の実施例番号:塩を形成していないフリー体の分子量として計算した。いくつかの式(I)の被験化合物の結果を表5に示す。
Figure 2022191505000049
試験例5 KRAS G12D/SOS/c-Raf複合体形成阻害作用の評価
ヒトリコンビナントKRAS G12D、SOSおよびc-Rafタンパク質を用いてこれらタンパク質の複合体形成に対する被験化合物の阻害作用を時間分解蛍光-蛍光共鳴エネルギー転移(TR-FRET)法にて検討した。
384ウェルプレート(Corning社)へ、assay buffer(50mM HEPES, 150mM NaCl, 5mM MgCl2, 0.05% Tween 20, pH7.0)に溶解したビオチン化AviTag -KRAS G12D(アミノ酸領域1-185, GDP)(2.5μL; 400nM)と被験化合物を40,000nMから40nMまで2.5μLの液量で添加した。これにSon of Sevenless(SOS)(アミノ酸領域564-1049, 2.5μL; 1.3μM)、GTP(Sigma-Aldrich社; 2μM)を含むc-Raf(アミノ酸領域51-131)GST(2.5μL; 130nM)を加え1時間室温にて静置した。その後LANCE Ulight-anti-GST(PerkinElmer社; 120nM)およびLANCE Eu-W1024 labeled Streptoavidin(PerkinElmer社; 100ng/mL)の混合液(10μL)を加え、EnVision 2104(PerkinElmer社)を用いて励起波長337nmの条件で、620nm及び665nmにおける蛍光強度を測定した。参照波長620nmによる蛍光強度で値を標準化した後、溶媒処理でのシグナル値を0%阻害、GTP無添加でのシグナル値を100%阻害とし、50%阻害濃度(IC50)をSigmoid-Emaxモデル非線形回帰分析にて算出した。
上記試験の結果、いくつかの式(I)の化合物においてG12D変異KRAS分解作用が確認された(試験例1-1及び試験例1-2)。また、G12D変異KRAS阻害作用が確認された(試験例5)。さらに、いくつかの式(I)の化合物においてKRASシグナルの下流にあるERKのリン酸化阻害作用が確認された(試験例2)。また、いくつかの式(I)の化合物においてヒトG12D変異KRAS陽性膵臓癌株に対する細胞増殖阻害作用が確認され(試験例3)、ヒトG12D変異KRAS陽性膵臓癌株を担癌したマウスにおける抗腫瘍作用が確認された(試験例4)。したがって、式(I)の化合物は、膵臓癌、特に、G12D変異KRAS陽性膵臓癌の治療等に使用できる。
式(I)の化合物又はその塩の1種又は2種以上を有効成分として含有する医薬組成物は、当分野において通常用いられている賦形剤、即ち、薬剤用賦形剤や薬剤用担体等を用いて、通常使用されている方法によって調製することができる。
投与は錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤等による経口投与、又は、関節内、静脈内、筋肉内等の注射剤、経粘膜剤、吸入剤等による非経口投与のいずれの形態であってもよい。
経口投与のための固体組成物としては、錠剤、散剤、顆粒剤等が用いられる。このような固体組成物においては、1種又は2種以上の有効成分を、少なくとも1種の不活性な賦形剤と混合される。組成物は、常法に従って、不活性な添加剤、例えば滑沢剤や崩壊剤、安定化剤、溶解補助剤を含有していてもよい。錠剤又は丸剤は必要により糖衣又は胃溶性若しくは腸溶性物質のフィルムで被膜してもよい。
経口投与のための液体組成物は、薬剤的に許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤又はエリキシル剤等を含み、一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば精製水又はEtOHエタノールを含む。当該液体組成物は不活性な希釈剤以外に可溶化剤、湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。
非経口投与のための注射剤は、無菌の水性又は非水性の溶液剤、懸濁剤又は乳濁剤を含有する。水性の溶剤としては、例えば注射用蒸留水又は生理食塩液が含まれる。非水性の溶剤としては、例えばEtOHのようなアルコール類がある。このような組成物は、さらに等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、又は溶解補助剤を含んでもよい。これらは例えばバクテリア保留フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合又は照射によって無菌化される。また、これらは無菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解又は懸濁して使用することもできる。
吸入剤や経鼻剤等の経粘膜剤は固体、液体又は半固体状のものが用いられ、従来公知の方法に従って製造することができる。例えば公知の賦形剤や、更に、pH調整剤、防腐剤、界面活性剤、滑沢剤、安定剤や増粘剤等が適宜添加されていてもよい。投与は、適当な吸入又は吹送のためのデバイスを使用することができる。例えば、計量投与吸入デバイス等の公知のデバイスや噴霧器を使用して、化合物を単独で又は処方された混合物の粉末として、若しくは医薬的に許容し得る担体と組み合わせて溶液又は懸濁液として投与することができる。乾燥粉末吸入器等は、単回又は多数回の投与用のものであってもよく、乾燥粉末又は粉末含有カプセルを利用することができる。若しくは、適当な駆出剤、例えば、クロロフルオロアルカン又は二酸化炭素等の好適な気体を使用した加圧エアゾールスプレー等の形態であってもよい。
通常経口投与の場合、1日の投与量は、体重当たり約0.001~100 mg/kg、好ましくは0.1~30 mg/kg、更に好ましくは0.1~10 mg/kgが適当であり、これを1回で若しくは2回~4回に分けて投与する。静脈内投与される場合は、1日の投与量は、体重当たり約0.0001~10 mg/kgが適当で、1日1回~複数回に分けて投与する。また、経粘膜剤としては、体重当たり約0.001~100 mg/kgを1日1回~複数回に分けて投与する。投与量は症状、年令、性別等を考慮して個々の場合に応じて適宜決定される。
投与経路、剤形、投与部位、賦形剤や添加剤の種類によって異なるが、本発明の医薬組成物は0.01~100重量%、ある態様としては0.01~50重量%の有効成分である1種又はそれ以上の式(I)の化合物又はその塩を含有する。
式(I)の化合物は、前述の式(I)の化合物が有効性を示すと考えられる疾患の種々の治療剤又は予防剤と併用することができる。当該併用は、同時投与、或いは別個に連続して、若しくは所望の時間間隔をおいて投与してもよい。同時投与製剤は、配合剤であっても別個に製剤化されていてもよい。
以下、実施例に基づき、式(I)の化合物の製造法をさらに詳細に説明する。なお、本発明は、下記実施例に記載の化合物に限定されるものではない。また、原料化合物の製法を製造例にそれぞれ示す。また、式(I)の化合物の製造法は、以下に示される具体的実施例の製造法のみに限定されるものではなく、式(I)の化合物はこれらの製造法の組み合わせ、若しくは当業者に自明である方法によっても製造されうる。
なお、本明細書において、化合物の命名にACD/Name(登録商標、Advanced Chemistry Development, Inc.)等の命名ソフトを使用している場合がある。
また、便宜上、濃度mol/LをMとして表す。例えば、1M水酸化ナトリウム水溶液は1 mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液であることを意味する。
本明細書に記載される「非晶質の固体形態」とは、粉末X線回折(XRD)パターンでピークを示さない形態、及び低い結晶化度を有する形態の双方を包含する。
XRDは、Empyreanを用い、管球:Cu、管電流:40 mA、管電圧:45 kV、ステップ幅:0.013°、波長:1.5418Å、測定回折角範囲(2θ):2.5~40°の条件で測定した。
製造例1
7-ブロモ-2,4-ジクロロ-8-フルオロ-6-ヨードキナゾリン(100 g)、DOX(1000 mL)、THF(500 mL)の混合物を氷冷した後、DIPEA(240 mL)、(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(48 g)を加え、室温にて終夜撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥させた後、減圧下で溶液の総量が約400 mLになるまで濃縮した。得られた溶液に混合溶媒(ヘキサン/酢酸エチル=4/1、1000 mL)を加え、室温で撹拌した。析出した固体を濾取し、(1S,4S)-5-(7-ブロモ-2-クロロ-8-フルオロ-6-ヨードキナゾリン-4-イル)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(123 g)を固体として得た。
製造例2
(1S,4S)-5-(7-ブロモ-2-クロロ-8-フルオロ-6-ヨードキナゾリン-4-イル)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(30 g)、テトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール(15.0 mL)、DMF(150 mL)、THF(100 mL)、DABCO(1.15 g)の混合物に、室温で攪拌しながら炭酸セシウム(50.3 g)を加え、アルゴン雰囲気下、室温にて終夜撹拌した。反応混合物に約1 kgの氷水を加え、室温で6時間攪拌した。析出した固体を水で洗浄しながらろ取し、減圧下で終夜乾燥させて、(1S,4S)-5-{7-ブロモ-8-フルオロ-6-ヨード-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(32.8 g)を固体として得た。
製造例5
アルゴン気流下、(1S,4S)-5-{7-ブロモ-8-フルオロ-6-ヨード-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(11.9 g)、ベンジルアルコール(2.37 g)、THF(40 mL)の混合物に、氷冷下でtBuOK(2.54 g)を加え、同温で1.5時間撹拌した。反応混合物に氷水と飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下、溶液を濃縮し、得られた残渣にヘキサン/酢酸エチル(6/1)の混合溶媒を加えてしばらく攪拌し、析出した固体をろ取、乾燥させて、(1S,4S)-5-{8-(ベンジルオキシ)-7-ブロモ-6-ヨード-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(11.8 g)を固体として得た。
製造例8
アルゴン雰囲気下、(1S,4S)-5-{8-(ベンジルオキシ)-7-ブロモ-6-ヨード-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(5.47 g)、MeCN(88 mL)、DOX(10 mL)、水(22 mL)、シクロプロピルホウ酸(1.27 g)、リン酸三カリウム(5.67 g)、PdCl2(dppf)・CH2Cl2(600 mg)の混合物を、100℃で3時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷した後、減圧下で溶液を濃縮した。得られた残渣に飽和塩化ナトリウム水溶液を加え、CHCl3で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で溶液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、(1S,4S)-5-{8-(ベンジルオキシ)-7-ブロモ-6-シクロプロピル-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(3.8 g)を泡状固体として得た。
製造例11
(1S,4S)-5-{8-(ベンジルオキシ)-7-ブロモ-6-シクロプロピル-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(3.15 g)、6-フルオロ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インダゾール(1.92 g)、リン酸三カリウム(4.1 g)、ジシクロヘキシル(2',6'-ジイソプロポキシ-[1,1'-ビフェニル]-2-イル)ホスフィン(0.12 g)、(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',6'-ジイソプロポキシ-1,1'-ビフェニル)[2-(2'-アミノ-1,1'-ビフェニル)]パラジウム(II) メタンスルホン酸塩(0.2 g)、DOX(40 mL)、水(8 mL)の混合物を室温攪拌しながら脱気およびアルゴン置換した後、アルゴン雰囲気下、100℃で2.5時間撹拌した。室温に冷却した反応混合物に水(約150 mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、不溶物を濾去し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩基性シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、(1)低極性のジアステレオマー混合物(peak-1及び2。peak-1, 2は同一の軸不斉)と(2)高極性のジアステレオマー混合物(peak-3及び4。peak-3, 4は同一の軸不斉)を含むフラクション得た。このうち低極性のジアステレオマー混合物(peak-1,2、同一の軸不斉)を含むフラクションを集めて、(1S,4S)-5-{8-(ベンジルオキシ)-6-シクロプロピル-7-[6-フルオロ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(1.42 g)を泡状固体として得た。また、高極性のジアステレオマー混合物(peak-3,4、同一の軸不斉)を含むフラクションを集めて、(1S,4S)-5-{8-(ベンジルオキシ)-6-シクロプロピル-7-[6-フルオロ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(1.37 g)を泡状固体として得た。低極性のジアステレオマー混合物を次の反応に用いた。
製造例14
製造例11で得られた低極性のジアステレオマー混合物である (1S,4S)-5-{8-(ベンジルオキシ)-6-シクロプロピル-7-[6-フルオロ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(10 g)のMeOH(200 mL)溶液に、10% Pd/C(50%含水、2 g)を加えて、反応混合物を水素雰囲気下、室温で2時間撹拌した。得られた反応混合物をセライトろ過し、MeOHで洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、(1S,4S)-5-{6-シクロプロピル-7-[6-フルオロ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]-8-ヒドロキシ-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(8.11 g)を泡状固体として得た。
製造例22
(1S,4S)-5-{6-シクロプロピル-7-[6-フルオロ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]-8-ヒドロキシ-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(7.48 g)、DMF(70 mL)、1-(クロロメチル)-4-エチニルベンゼン(1.9 g)の混合物に、室温で攪拌しながら炭酸セシウム(6.2 g)を加え、アルゴン雰囲気下60℃で2時間撹拌した。室温まで放冷した反応混合物に氷水と飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、不溶物を濾去し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩基性シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、得られた固体を濾取し、(1S,4S)-5-{6-シクロプロピル-8-[(4-エチニルフェニル)メトキシ]-7-[6-フルオロ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(8.12 g)を泡状固体として得た。
製造例32
(1S,4S)-5-{8-(ベンジルオキシ)-6-シクロプロピル-2-(ドデシルスルファニル)-7-[6-フルオロ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(1.3 g)のCH2Cl2(13 mL)溶液に、氷冷下でm-クロロ過安息香酸(約30%含水、358 mg)を加え、同温で2時間撹拌した。反応混合物に氷冷下で、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。水層と有機層を分液し、得られた水層を酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を混合し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。得られた溶液を減圧下で濃縮し、(1S,4S)-5-{8-(ベンジルオキシ)-6-シクロプロピル-2-(ドデカン-1-スルフィニル)-7-[6-フルオロ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(1.32 g)を油状物として得た。
製造例34
(1S,4S)-5-{8-(ベンジルオキシ)-6-シクロプロピル-2-(ドデカン-1-スルフィニル)-7-[6-フルオロ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(1.32 g)、DMAc(15 mL)、4-エチル-3-ヒドロキシピリジン(525 mg)の混合物に、室温で炭酸セシウム(1.9 g)とDABCO(160 mg)を加え、窒素雰囲気下、80℃で2時間、100℃で2時間撹拌した。室温まで放冷した後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水と飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で溶液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、(1S,4S)-5-{8-(ベンジルオキシ)-6-シクロプロピル-2-[(4-エチルピリジン-3-イル)オキシ]-7-[6-フルオロ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(774 mg)を油状物として得た。
製造例36
(1S,4S)-5-{8-(ベンジルオキシ)-6-シクロプロピル-2-(エチルスルファニル)-7-[6-フルオロ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(10 g)とCH2Cl2(150 mL)の混合物に、氷冷下でm-クロロ過安息香酸(約30%含水、3.3 g)を加え、同温で3時間撹拌した。反応混合物に氷冷下で、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えてしばらく攪拌した。水層と有機層を分離し、得られた水層をCH2Cl2で抽出した。得られた有機層を混合し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を濾去して得られた溶液を減圧下で濃縮し、酸化体を泡状固体として得た。得られた泡状固体をTHF(100 mL)に溶解させ、アルゴン雰囲気下、氷/MeOH浴で冷却下、4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボン酸 2-(トリメチルシリル)エチル(4.17 g)、tBuOK(2.2 g)を加えて、室温で30分間攪拌した。氷冷下、飽和塩化アンモニウム水溶液、水及び酢酸エチルを加え、水層を分離した。水層を酢酸エチルで抽出し、併せた有機層を水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別後、減圧のもと濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩基性シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、(1)低極性のジアステレオマー混合物(peak-1及び2。peak-1, 2は同一の軸不斉)と(2)高極性のジアステレオマー混合物(peak-3及び4。peak-3, 4は同一の軸不斉)を含むフラクション得た。このうち低極性のジアステレオマー混合物(peak-1,2、同一の軸不斉)を含むフラクションを集めて、(1S,4S)-5-{8-(ベンジルオキシ)-6-シクロプロピル-7-[6-フルオロ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]-2-[(1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}ピペリジン-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(3.77 g)を油状物質として得た。また、高極性のジアステレオマー混合物(peak-3,4、同一の軸不斉)を含むフラクションを集めて、(1S,4S)-5-{8-(ベンジルオキシ)-6-シクロプロピル-7-[6-フルオロ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]-2-[(1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}ピペリジン-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(1.75 g)を固体として得た。低極性のジアステレオマー混合物を次の反応に用いた。
製造例37
アルゴン雰囲気下、(1S,4S)-5-{8-(ベンジルオキシ)-6-シクロプロピル-2-(エタンスルフィニル)-7-[6-フルオロ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(935 mg)、(3S)-オキソラン-3-オール(163 μL)及びTHF(10 mL)の混合物に、氷/MeOH浴で冷却下でtBuOK(269 mg)を加えて、室温で3時間攪拌した。氷冷下、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで2回抽出した。併せた有機層を水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を濾去し、濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、(1)低極性のジアステレオマー混合物(peak-1及び2。peak-1, 2は同一の軸不斉)と(2)高極性のジアステレオマー混合物(peak-3及び4。peak-3, 4は同一の軸不斉)を含むフラクション得た。このうち低極性のジアステレオマー混合物(peak-1,2、同一の軸不斉)を含むフラクションを集めて、(1S,4S)-5-[8-(ベンジルオキシ)-6-シクロプロピル-7-[6-フルオロ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]-2-{[(3S)-オキソラン-3-イル]オキシ}キナゾリン-4-イル]-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(346 mg)を固体として得た。また、高極性のジアステレオマー混合物(peak-3,4、同一の軸不斉)を含むフラクションを集めて、(1S,4S)-5-[8-(ベンジルオキシ)-6-シクロプロピル-7-[6-フルオロ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]-2-{[(3S)-オキソラン-3-イル]オキシ}キナゾリン-4-イル]-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(329 mg)を固体として得た。低極性のジアステレオマー混合物を次の反応に用いた。
製造例40
(1S,4S)-5-{6-シクロプロピル-8-[(4-エチニルフェニル)メトキシ]-7-[6-フルオロ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(4.24 g)、(4R)-1-[(2S)-2-アジド-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド(2.30 g)、アスコルビン酸ナトリウム(1.45 g)、tert-ブチルアルコール(35 mL)、THF(35 mL)、および水(35 mL)の混合物に、室温で無水硫酸銅(II)(389 mg)を加え、室温にて2.5時間撹拌した。酢酸エチル及び水を加え、水層を分離した。水層を酢酸エチルで抽出し、併せた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。不溶物を濾去し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3/MeOH)にて精製し、(1S,4S)-5-{6-シクロプロピル-7-[6-フルオロ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]-8-{[4-(1-{(2S)-1-[(2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-({(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}カルバモイル)ピロリジン-1-イル]-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル}-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)フェニル]メトキシ}-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(5.62 g)を固体として得た。
製造例51
アルゴン雰囲気下、(1S,4S)-5-{6-シクロプロピル-7-[6-フルオロ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]-8-{[4-(1-{(2S)-1-[(2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-({(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}カルバモイル)ピロリジン-1-イル]-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル}-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)フェニル]メトキシ}-2-[(1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}ピペリジン-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(1.1 g)、THF(22 mL)、フッ化テトラ-n-ブチルアンモニウム(1M THF溶液、2.57 mL)の混合物に、室温で酢酸(90 μL)を加えて、60℃で15時間撹拌した。室温まで放冷後、酢酸エチル及び飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて分液した。水層を酢酸エチル/メタノール(10/1)で抽出、併せた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥させた。不溶物を濾去し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩基性シリカゲル、CHCl3/MeOH)で精製し、(1S,4S)-5-{6-シクロプロピル-7-[6-フルオロ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]-8-{[4-(1-{(2S)-1-[(2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-({(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}カルバモイル)ピロリジン-1-イル]-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル}-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)フェニル]メトキシ}-2-[(ピペリジン-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(951 mg)を固体として得た。
製造例52
(1S,4S)-5-{6-シクロプロピル-7-[6-フルオロ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]-8-{[4-(1-{(2S)-1-[(2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-({(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}カルバモイル)ピロリジン-1-イル]-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル}-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)フェニル]メトキシ}-2-[(ピペリジン-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(250 mg)、オキセタン-3-オン(43 mg)、CH2Cl2(3 mL)の混合物に、室温でトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(122 mg)を加えて、室温で16時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、室温にて10分間撹拌した。CHCl3/MeOH(5/1)で抽出し、併せた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。不溶物を濾別し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3/MeOH)で精製し、(1S,4S)-5-(6-シクロプロピル-7-[6-フルオロ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]-8-{[4-(1-{(2S)-1-[(2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-({(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}カルバモイル)ピロリジン-1-イル]-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル}-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)フェニル]メトキシ}-2-{[1-(オキセタン-3-イル)ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン-4-イル)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(220 mg)を固体として得た。
製造例53
(1S,4S)-5-{6-シクロプロピル-7-[6-フルオロ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]-8-{[4-(1-{(2S)-1-[(2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-({(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}カルバモイル)ピロリジン-1-イル]-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル}-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)フェニル]メトキシ}-2-[(ピペリジン-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(250 mg)、トリフルオロメタンスルホン酸2,2-ジフルオロエチル(124 mg)、MeCN(3 mL)の混合物に、室温でDIPEA(99 μL)を加えて、室温で16時間攪拌した。減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3/MeOH)で精製して(1S,4S)-5-(6-シクロプロピル-2-{[1-(2,2-ジフルオロエチル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-[6-フルオロ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]-8-{[4-(1-{(2S)-1-[(2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-({(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}カルバモイル)ピロリジン-1-イル]-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル}-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)フェニル]メトキシ}キナゾリン-4-イル)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(196 mg)を固体として得た。
製造例54
(2S)-2-[5-(ヒドロキシメチル)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル]-3-メチルブタン酸メチル(190 mg)のCH2Cl2(12 mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、氷冷下で塩化チオニル(500 μL)を加え、同温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して得られた残渣に、氷冷下で、DMF(7 mL)、(1S,4S)-5-{6-シクロプロピル-7-[6-フルオロ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]-8-ヒドロキシ-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(450 mg)、炭酸セシウム(260 mg)を加え、アルゴン雰囲気下60℃で終夜撹拌した。反応液をセライト濾過し、セライト上の残渣を酢酸エチルで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩基性シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、(1S,4S)-5-{6-シクロプロピル-7-[6-フルオロ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]-8-({2-[(2S)-1-メトキシ-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-5-イル}メトキシ)-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(670 mg)を泡状固体として得た。
製造例56
(1S,4S)-5-{6-シクロプロピル-7-[6-フルオロ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]-8-({2-[(2S)-1-メトキシ-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-5-イル}メトキシ)-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(670 mg)のMeOH(7 mL)溶液に、氷冷下で水酸化ナトリウム水溶液(1M、2.5 mL)を加え、室温で3日間撹拌した。氷冷下、塩酸(1M、2.5 mL)を加えて中和した後、CHCl3及び水を加えて分液し、水層をCHCl3で抽出した。併せた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、不溶物を濾去し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3/MeOH)で精製した後、再度シリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩基性シリカゲル、CHCl3/MeOH)で精製し、(2S)-2-{5-[({4-[(1S,4S)-5-(tert-ブトキシカルボニル)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-6-シクロプロピル-7-[6-フルオロ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル}-3-メチルブタン酸(372 mg)を泡状固体として得た。
製造例61
(1S,4S)-5-{6-シクロプロピル-7-[6-フルオロ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]-8-{[4-(1-{(2S)-1-[(2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(メトキシカルボニル)ピロリジン-1-イル]-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル}-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)フェニル]メトキシ}-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(3.97 g)の1, 2-ジクロロエタン(60 mL)溶液に、室温で水酸化トリメチルすず(IV)(3.35 g)を加えて、80℃で18時間撹拌した。室温まで放冷した後、塩酸(1M、60 mL)を加えて、CHCl3/MeOH(9/1)で抽出した。有機層を1M 塩酸で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。不溶物を濾去し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3/MeOH)で精製し、(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({4-[(1S,4S)-5-(tert-ブトキシカルボニル)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-6-シクロプロピル-7-[6-フルオロ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-L-プロリン(3.26 g)を固体として得た。
製造例63
(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({4-[(1S,4S)-5-(tert-ブトキシカルボニル)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-6-シクロプロピル-7-[6-フルオロ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-L-プロリン(150 mg)、3-{4-[(1R)-1-アミノ-2-ヒドロキシエチル]フェニル}-1,3-オキサアゾリジン-2-オンn塩酸塩(60 mg)、DIPEA(70μL)、DMF(3 mL)の混合物に、氷冷下でHATU(70 mg)を加え、氷冷下で1時間撹拌した。水、飽和塩化ナトリウム水溶液および酢酸エチルを加え、水層を分離した。水層を酢酸エチルで抽出し、併せた有機層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。不溶物を濾去し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3/MeOH)にて精製し、(1S,4S)-5-{6-シクロプロピル-7-[6-フルオロ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]-8-{[4-(1-{(2S)-1-[(2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-({(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(2-オキソ-1,3-オキサアゾリジン-3-イル)フェニル]エチル}カルバモイル)ピロリジン-1-イル]-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル}-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)フェニル]メトキシ}-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(173 mg)を固体として得た。
製造例66
(1S,4S)-5-{8-(ベンジルオキシ)-7-ブロモ-6-シクロプロピル-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(6.5 g)、4,4,4',4',5,5,5',5'-オクタメチル-2,2'-ビ-1,3,2-ジオキサボロラン(7.6 g)、トリフェニルホスフィン(0.53 g)、酢酸カリウム(4.9 g)、DOX(120 mL)および酢酸パラジウム(0.23 g)の混合物を、脱気してアルゴンガスに置換し、115℃で終夜撹拌した。室温まで放冷した反応溶液を少量のジオキサンで洗浄しながらセライトろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、(1S,4S)-5-[8-(ベンジルオキシ)-6-シクロプロピル-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]-7-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)キナゾリン-4-イル]-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(5.47 g)を泡状固体として得た。
製造例67
(1S,4S)-5-[8-(ベンジルオキシ)-6-シクロプロピル-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]-7-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)キナゾリン-4-イル]-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(1.52 g)、(3-ブロモ-5-フルオロ-4-メチルフェノキシ)(tert-ブチル)ジ(メチル)シラン(0.84 g)、リン酸三カリウム(1.85 g)、ジシクロヘキシル(2',6'-ジイソプロポキシ-[1,1'-ビフェニル]-2-イル)ホスフィン(0.15 g)、(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',6'-ジイソプロポキシ-1,1'-ビフェニル)[2-(2'-アミノ-1,1'-ビフェニル)]パラジウム(II) メタンスルホン酸塩(0.27 g)、およびDOX(20 mL)、水(4 mL)を順次添加し、室温撹拌しながら脱ガス/アルゴンガス置換操作を行った後、アルゴン雰囲気下、90℃で5時間撹拌した。さらに100℃で7時間撹拌した。室温まで放冷した反応液を水で希釈し酢酸エチルで抽出、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩基性シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、(1)低極性のジアステレオマー(peak-1)と(2)高極性のジアステレオマー(peak-2)を含むフラクション得た。このうち低極性のジアステレオマー(peak-1)を含むフラクションを集めて、 (1S,4S)-5-{8-(ベンジルオキシ)-6-シクロプロピル-7-(3-フルオロ-5-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(580 mg)を泡状固体として得た。また、高極性のジアステレオマー(peak-2)を含むフラクションを集めて、 (1S,4S)-5-{8-(ベンジルオキシ)-6-シクロプロピル-7-(3-フルオロ-5-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(360 mg)を泡状固体として得た。低極性のジアステレオマーを次の反応に用いた。
製造例68
窒素雰囲気下、(1S,4S)-5-{8-(ベンジルオキシ)-6-シクロプロピル-7-(3-フルオロ-5-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(250 mg)のDMF(5 mL)溶液に、氷冷下で炭酸セシウム(180 mg)とクロロ(メトキシ)メタン(35 μL)を加えて、室温で15時間攪拌した。
氷冷下で炭酸セシウム(260 mg)とクロロ(メトキシ)メタン(50 μL)を加えて、室温でさらに2時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水と飽和塩化ナトリウム水溶液を加えて洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、不溶物を濾去し、減圧下で濃縮。
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、(1S,4S)-5-{8-(ベンジルオキシ)-6-シクロプロピル-7-[3-フルオロ-5-(メトキシメトキシ)-2-メチルフェニル]-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(186 mg)を油状物として得た。
製造例69
アルゴン雰囲気下、N-[(1R)-1-(4-ブロモフェニル)-2-ヒドロキシエチル]カルバミン酸tert-ブチル(4.43 g)、1-エチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(4.67 g)、炭酸カリウム(3.87 g)、DOX(80 mL)及び水(8 mL)の混合物に、PdCl2(dppf)・CH2Cl2(1.14 g)を加え、100℃で16時間撹拌した。室温まで放冷後、酢酸エチルを加え、セライトろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩基性シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、{(1R)-1-[4-(1-エチル-1H-ピラゾール-5-イル)フェニル]-2-ヒドロキシエチル}カルバミン酸tert-ブチル(3.74 g)を固体として得た。
製造例71
{(1R)-1-[4-(1-エチル-1H-ピラゾール-5-イル)フェニル]-2-ヒドロキシエチル}カルバミン酸tert-ブチル(3.34 g)のCH2Cl2(25 mL)、MeOH(25 mL)の溶液に、-20 ~ -10℃に冷却下で塩化水素(4M DOX溶液、25.6 mL)を加えて、室温で5時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、(2R)-2-アミノ-2-[4-(1-エチル-1H-ピラゾール-5-イル)フェニル]エタン-1-オールn塩酸塩(3.06 g)を固体として得た。
製造例73
(2R)-2-アミノ-2-[4-(1-エチル-1H-ピラゾール-5-イル)フェニル]エタン-1-オールn塩酸塩(3.43 g)、(4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-ヒドロキシ-L-プロリン(2.81 g)およびDMF(40 mL)の混合物に、氷冷下でDIPEA(7.8 mL)を加えた後、氷冷下でHATU(4.5 g)を少しずつ加え、氷冷下で1時間、室温にて1時間撹拌した。氷冷下で、水、飽和塩化ナトリウム水溶液および酢酸エチルを加え、水層を分離した。水層を酢酸エチルにて抽出した後、酢酸エチル/イソプロピルアルコール(9/1)で抽出し、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。不溶物を濾去し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3/MeOH)にて精製し、(2S,4R)-2-({(1R)-1-[4-(1-エチル-1H-ピラゾール-5-イル)フェニル]-2-ヒドロキシエチル}カルバモイル)-4-ヒドロキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(5.01 g)を油状物として得た。
製造例76
(2S,4R)-2-({(1R)-1-[4-(1-エチル-1H-ピラゾール-5-イル)フェニル]-2-ヒドロキシエチル}カルバモイル)-4-ヒドロキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(5.01 g)のCH2Cl2(35 mL)、MeOH(30 mL)の溶液に、-20~ -10℃に冷却下で塩化水素(4M DOX溶液、28 mL)を加えて、室温で5時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、(4R)-N-{(1R)-1-[4-(1-エチル-1H-ピラゾール-5-イル)フェニル]-2-ヒドロキシエチル}-4-ヒドロキシ-L-プロリンアミドn塩酸塩(4.71 g)を固体として得た。
製造例79
(4R)-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミドn塩酸塩(3.81 g)、N-(tert-ブトキシカルボニル)-L-バリン(2.16 g)とDMF(45 mL)の混合物に、DIPEA(6.2 mL)を加えた後、氷冷下でHATU(3.61 g)を少しずつ加え、氷冷下で1時間、室温にて1時間撹拌した。氷冷下で、水、飽和塩化ナトリウム水溶液および酢酸エチルを加え、水層を分離した。水層を酢酸エチルで抽出した後、酢酸エチル/イソプロピルアルコール(9/1)で抽出し、併せた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。不溶物を濾去し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3/MeOH)で精製し、N-(tert-ブトキシカルボニル)-L-バリル-(4R)-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド(4.43 g)を固体として得た。
製造例83
N-(tert-ブトキシカルボニル)-L-バリル-(4R)-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド(4.43 g)のCH2Cl2(35 mL)、MeOH(35 mL)の溶液に、-20~ -15℃に冷却下で 塩化水素(4M DOX溶液、20 mL)を加えて、室温で6時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、L-バリル-(4R)-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミドn塩酸塩(4.21 g)を固体として得た。
製造例88
L-バリル-(4R)-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミドn塩酸塩(1.71 g)、TEA(3.2 mL)、THF(20 mL)、MeCN(20 mL)の混合物に、氷冷下で2-アジド-1,3-ジメチルイミダゾリニウム ヘキサフルオロリン酸塩(1.06 g)のMeCN(5 mL)溶液を10分以上かけて少しずつ滴下し、氷冷下で5時間撹拌した。水、飽和塩化ナトリウム水溶液及び酢酸エチルを加え、水層を分離した。水層を酢酸エチルにて抽出し、併せた有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。不溶物を濾去し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3/MeOH)で精製し、(4R)-1-[(2S)-2-アジド-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド(1.07 g)を固体として得た。
製造例93
L-バリンメチルエステル塩酸塩(1.96 g)、MeCN(45 mL)、DIPEA(5 mL)の混合物に、水冷下で4-ブロモ-2-(ブロモメチル)安息香酸メチル(3.00 g)を加えて、ゆっくりと80℃まで昇温し、80℃で2日間攪拌した。室温まで放冷後に、酢酸エチルと水を加え、酢酸エチルで抽出した。併せた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。不溶物を濾去し、減圧下で濃縮。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3/酢酸エチル)で精製し、(2S)-2-(5-ブロモ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル)-3-メチルブタン酸メチル(2.86 g)を固体として得た。
製造例94
アルゴン雰囲気下、(2S)-2-(5-ブロモ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル)-3-メチルブタン酸メチル(600 mg)、(2-トリメチルシリル)-エトキシメチルトリフルオロホウ酸カリウム(876 mg)、ジシクロヘキシル(2',6'-ジメトキシビフェニル-2-イル)ホスフィン(151 mg)、炭酸ナトリウム(390 mg)、DOX(9 mL)および水(1.8 mL)の混合物に、室温で酢酸パラジウム(41 mg)を加え、マイクロ波照射下、130℃で4時間撹拌した。室温まで放冷し、酢酸エチルを加えた後、セライトろ過し、酢酸エチルで洗浄した。得られたろ液に水を加えて分液し、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、不溶物を濾別し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩基性シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、カップリング反応生成物(600 mg)を得た。得られたカップリング反応生成物のCH2Cl2(4.2 mL)溶液に、氷冷下でトリフルオロ酢酸(2.1 mL)を加えて室温で2時間攪拌。減圧下で濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩基性シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、(2S)-2-[5-(ヒドロキシメチル)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル]-3-メチルブタン酸メチル(190 mg)を固体として得た。
製造例95
アルゴン雰囲気下、3-メチル-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]ブタン酸エチルエステル(190 mg)、4-ブロモベンジルアルコール(100 mg)、PdCl2(dppf)・CH2Cl2(45 mg)、リン酸三カリウム(227 mg)の混合物に、DOX(2 mL)、水(0.4 mL)を加えて、100℃で12時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、セライトろ過し、酢酸エチルでセライトを洗浄した。ろ液を酢酸エチルで希釈し、水と飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。不溶物を濾去し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、2-{4-[4-(ヒドロキシメチル)フェニル]-1H-ピラゾール-1-イル}-3-メチルブタン酸エチル(157 mg)を油状物として得た。
製造例96
アルゴン雰囲気下、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン(4.4 mL)のTHF(80 mL)溶液を、ドライアイス-MeOH冷媒(-78℃)にて冷却下、n-ブチルリチウム(1.57 M ヘキサン溶液、15.2 mL)を滴下し、氷冷下で1時間撹拌した。反応混合物をドライアイス-MeOH冷媒にて冷却下、(3-ブロモ-5-フルオロフェノキシ)(tert-ブチル)ジ(メチル)シラン(5.21 g)のTHF(20 mL)溶液を加え、同温度で1時間撹拌した。反応混合物にヨウ化メチル(2.2 mL)を滴下し、同温度で1時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、室温まで昇温させながら撹拌した。反応混合物に酢酸エチルを加えて抽出し、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。不溶物を濾去し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、(3-ブロモ-5-フルオロ-4-メチルフェノキシ)(tert-ブチル)ジ(メチル)シラン(5.13 g)を油状物として得た。
製造例97
N-[(1R)-1-(4-ブロモフェニル)-2-ヒドロキシエチル]カルバミン酸tert-ブチル(500 mg)、N-メチル-2-ニトロベンゼンスルホンアミド(376 mg)、トリ-n-ブチルホスフィン(0.51 mL)及びTHF(7 mL)の混合物に、氷冷下で1,1'-アゾビス(N,N-ジメチルホルムアミド) (353 mg)を少しずつ加え、室温で8時間撹拌した。酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水及び飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄した後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥させた。不溶物を濾別し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、{(1R)-1-(4-ブロモフェニル)-2-[メチル(2-ニトロベンゼン-1-スルホニル)アミノ]エチル}カルバミン酸tert-ブチル(667 mg)を固体として得た。
製造例98
アルゴン雰囲気下、{(1R)-1-(4-ブロモフェニル)-2-[メチル(2-ニトロベンゼン-1-スルホニル)アミノ]エチル}カルバミン酸tert-ブチル(665 mg)、4-メチル-1,3-チアアゾール(235 μL)、酢酸カリウム(253 mg)及びDMAc(13 mL)の混合物に、酢酸パラジウム(29 mg)を加え、100℃で16時間撹拌した。室温まで放冷後、酢酸エチル及び水を加え、不溶物をセライト濾過した。ろ液を分液し、水層を酢酸エチルで抽出し、併せた有機層を水及び飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。不溶物を濾別後、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、{(1R)-2-[メチル(2-ニトロベンゼン-1-スルホニル)アミノ]-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}カルバミン酸tert-ブチル(268 mg)を固体として得た。
製造例99
アルゴン雰囲気下、{(1R)-2-[メチル(2-ニトロベンゼン-1-スルホニル)アミノ]-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}カルバミン酸tert-ブチル(130 mg)、炭酸カリウム(84 mg)及びDMF(1.3 mL)の混合物に、室温で4-tert-ブチルベンゼンチオール(82 μL)を加え、室温で3時間撹拌した。酢酸エチル及び水を加え、水層を分離した。水層を酢酸エチルにて抽出し、併せた有機層を水及び飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥させた。不溶物を濾別し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3/MeOH)で精製し、{(1R)-2-(メチルアミノ)-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}カルバミン酸tert-ブチル(60 mg)を油状物として得た。
製造例100
{(1R)-2-(メチルアミノ)-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}カルバミン酸tert-ブチル(55 mg)、THF(1 mL)の混合物に、氷冷下でホルムアルデヒド(37%水溶液、26 μL)を加え、同条件下で10分間撹拌した。そこにトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(67 mg)を加え、室温にて1時間撹拌した。CHCl3を加えて希釈した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えてしばらく撹拌し、水層を分離した。水層をCHCl3/MeOH(5/1)で抽出し、併せた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。不溶物を濾別し、減圧下で濃縮して{(1R)-2-(ジメチルアミノ)-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}カルバミン酸tert-ブチル(75 mg)を油状物として得た。
製造例102
N-[(1R)-1-(4-ブロモフェニル)-2-ヒドロキシエチル]カルバミン酸tert-ブチル(2.04 g)、4,4,4',4',5,5,5',5'-オクタメチル-2,2'-ビ-1,3,2-ジオキサボロラン(2.05 g)、酢酸カリウム(1.91 g)、DOX(40 mL)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(460 mg)の混合物を、アルゴン雰囲気下100℃で終夜撹拌した。室温まで放冷した反応溶液に酢酸エチルを加えて希釈し、セライト濾過した。濾液を水と飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。不溶物を濾去し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]エチル}カルバミン酸tert-ブチル(3.21 g)を油状物として得た。
製造例103
アルゴン雰囲気下、 {(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]エチル}カルバミン酸tert-ブチル(3.21 g)、5-ブロモ-1,3-チアアゾール-4-カルボン酸メチルエステル(2.6 g)、リン酸三カリウム(3.8 g)、ジシクロヘキシル(2',6'-ジメトキシビフェニル-2-イル)ホスフィン(730 mg)、DOX(30 mL)および水(6 mL)の混合物に、室温で酢酸パラジウム(200 mg)を加えて100℃で3時間撹拌した。室温まで放冷した後、酢酸エチルを加え、水と飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、不溶物を濾別し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、5-(4-{(1R)-1-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-2-ヒドロキシエチル}フェニル)-1,3-チアアゾール-4-カルボン酸メチル(1.48 g)を固体として得た。
製造例104
窒素雰囲気下、5-(4-{(1R)-1-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-2-ヒドロキシエチル}フェニル)-1,3-チアアゾール-4-カルボン酸メチル(1.01 g)のCH2Cl2(20 mL)溶液に、氷冷下で水素化ジイソブチルアルミニウム(1Mトルエン溶液、11 mL)を滴下し、氷冷下で1時間攪拌した。氷冷下でMeOHを加えて反応を停止させ、10% 酒石酸ナトリウムカリウム水溶液(60 mL)とCHCl3を加えて終夜攪拌した。分液し、水層をCHCl3で抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。不溶物を濾去し、減圧下で濃縮した。残渣をMeOH(10 mL)に溶解させて、氷冷下で水素化ホウ素ナトリウム(350 mg)を加え、氷冷下で1時間攪拌した。水を加えてCHCl3で抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。不溶物を濾去し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3/MeOH)で精製し、[(1R)-2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(ヒドロキシメチル)-1,3-チアアゾール-5-イル]フェニル}エチル]カルバミン酸tert-ブチル(588 mg)を固体として得た。
製造例106
N-[(1R)-1-(4-ブロモフェニル)-2-ヒドロキシエチル]カルバミン酸tert-ブチル(1 g)、2,2-ジメトキシプロパン(3.3 mL)及びアセトン(15 mL)の混合物に、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体(26 μL)を加え、室温で1時間撹拌した。TEA (66 μL)を加え、室温で10分撹拌した。減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、(4R)-4-(4-ブロモフェニル)-2,2-ジメチル-1,3-オキサアゾリジン-3-カルボン酸tert-ブチル(1.09 g)を固体として得た。
製造例107
(4R)-4-(4-ブロモフェニル)-2,2-ジメチル-1,3-オキサアゾリジン-3-カルボン酸tert-ブチル(300 mg)、1,3-オキサアゾリジン-2-オン(183 mg)のDOX(1.69 mL)溶液に、室温でヨウ化銅(I)(32 mg)、racemic-(1R,2R)-シクロヘキサン-1,2-ジアミン(20 μL)、炭酸カリウム(290 mg)を加えた。マイクロ波照射下、140℃で 2時間, 150℃で1時間撹拌した。酢酸エチルと水を加え、セライト濾過した。減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、(4R)-2,2-ジメチル-4-[4-(2-オキソ-1,3-オキサアゾリジン-3-イル)フェニル]-1,3-オキサアゾリジン-3-カルボン酸tert-ブチル(120 mg)を固体として得た。
製造例109
1-(4-ブロモフェニル)-2-フルオロエタノン(2.7 g)、(S)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(3.03 g)のTHF(27 mL)溶液に、オルトチタン酸テトライソプロピル(11.1g)を加えて、40°Cで12時間攪拌した。氷冷下(0-5°C)でBH3・THF錯体(1 M THF溶液, 18.4 mL)を加えて、2時間攪拌した。水を加えて反応を停止した後、セライト濾過し、ろ液を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、不溶物を濾別し、溶液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル)で精製し、(S)-N-[(1R)-1-(4-ブロモフェニル)-2-フルオロエチル]-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(3.2 g)を油状物として得た。
製造例156
窒素雰囲気下、氷冷下の(4-エチニル-3-フルオロフェニル)メタノール(110 mg)のCH2Cl2(2 mL)溶液に、DIPEA(200μL)を加えた後で塩化メタンスルホニル(80μL)を加えた。反応混合物を室温で終夜攪拌した後、水を加えてCHCl3で抽出した。有機層を水と飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。不溶物を濾去して減圧下で濃縮して4-(クロロメチル)-1-エチニル-2-フルオロベンゼン(122 mg)を油状物として得た。
製造例189
(1S,4S)-5-{6-シクロプロピル-8-[(4-エチニルフェニル)メトキシ]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(49 mg)、tBuOH(0.5 mL)、THF(0.5 mL)及び水(0.5 mL)の混合物に、室温で(4R)-1-[(2S)-2-アジド-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド(33 mg)、ヨウ化銅(I)(7 mg)、及びアスコルビン酸ナトリウム(21 mg)を加えて、50℃で3時間攪拌した。反応容器に氷、2%エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩水溶液、及び飽和塩化ナトリウム水溶液を注ぎCH2Cl2で3回抽出し、併せた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。不溶物を濾去し、減圧下で濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩基性シリカゲル、CHCl3/MeOH)で精製し、(1S,4S)-5-[6-シクロプロピル-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-8-{[4-(1-{(2S)-1-[(2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-({(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}カルバモイル)ピロリジン-1-イル]-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル}-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)フェニル]メトキシ}キナゾリン-4-イル]-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(62 mg)を固体として得た。
製造例238
アルゴン雰囲気下、ビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(0)(18 mg)を4-メチル-1,3-オキサアゾール-5-カルボン酸 (178 mg)、塩化テトラ-n-ブチルアンモニウム(195 mg)、(4R)-4-(4-ブロモフェニル)-2,2-ジメチル-1,3-オキサアゾリジン-3-カルボン酸tert-ブチル(250 mg)、炭酸セシウム(344 mg)および DMF(2.5 mL)の混合物に加え、マイクロ波照射下、170℃で30分撹拌した。室温まで冷ました後、酢酸エチルで希釈し、不溶物をセライト濾過で除去、濾液を水および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。不溶物を濾去し、濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3/MeOH)で精製し、(4R)-2,2-ジメチル-4-[4-(4-メチル-1,3-オキサアゾール-5-イル)フェニル]-1,3-オキサアゾリジン-3-カルボン酸tert-ブチル(215 mg)を固体として得た。
製造例239
(4R)-4-(4-ブロモフェニル)-2,2-ジメチル-1,3-オキサアゾリジン-3-カルボン酸tert-ブチル(858 mg)、2-メチル-1H-イミダゾール(500 mg)、ヨウ化銅(I)(95 mg)、キノリン-8-オール(138 mg)、炭酸カリウム(670 mg)をDMSO(10 mL)に懸濁させ、アルゴン雰囲気下マイクロウェーブ照射下で150℃、3時間反応させた。室温まで冷ました後、酢酸エチルと水を加えて酢酸エチルで2回抽出し、併せた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。不溶物を濾去し、濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩基性シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、(4R)-2,2-ジメチル-4-[4-(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)フェニル]-1,3-オキサアゾリジン-3-カルボン酸tert-ブチル(500 mg)を油状物として得た。
製造例245
4-ブロモ-6-フルオロ-1H-インダゾール(235 g)、TEA(183 mL)、CH2Cl2(1880 mL)の混合物に、室温で1,1',1''-(クロロメタントリイル)トリベンゼン(335 g)を加えて、25°Cで16時間撹拌した。反応混合物を氷水(1.5 L)に注ぎ込み、有機層と水層を分離し、水層をCH2Cl2(400 mL)で3回抽出した。併せた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、不溶物を濾去し、濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣に石油エーテル(550 mL)を加えて粉末化(0℃、2時間)した後、濾取、減圧下で乾燥して4-ブロモ-6-フルオロ-2-(トリフェニルメチル)-2H-インダゾール(508.98 g)を固体として得た。
製造例246
4-ブロモ-6-フルオロ-2-(トリフェニルメチル)-2H-インダゾール(100 g)の2-メチルテトラヒドロフラン(1000 mL)の混合物に、-78°C、窒素雰囲気下でリチウムジイソプロピルアミド(2 M THF溶液, 214.28 mL)を加え、混合物を-78°Cで2.5時間攪拌した。-78°Cでヨウ化メチル(26.68 mL)を加えて、25°Cで2.5時間攪拌した。水(2000 mL)を加えて反応を停止し、酢酸エチル(800 mL)で2回抽出した。併せた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、不溶物を濾去し、濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣に酢酸エチル(50 mL)/石油エーテル(50 mL)を加えて粉末化した後、濾取、減圧下で乾燥して4-ブロモ-6-フルオロ-5-メチル-2-(トリフェニルメチル)-2H-インダゾール(81 g)を固体として得た。
製造例247
4-ブロモ-6-フルオロ-5-メチル-2-(トリフェニルメチル)-2H-インダゾール(100 g)、4,4,4',4',5,5,5',5'-オクタメチル-2,2'-ビ-1,3,2-ジオキサボロラン(61.42 g)、トリフェニルホスフィン(10.57 g)、酢酸カリウム(59.34 g)、DOX(1000 mL)の混合物に、窒素雰囲気下、室温で酢酸パラジウム(4.52 g)を加えた。反応混合物の脱気と窒素ガス充填を3回ずつ行った後、窒素雰囲気下100℃で12時間攪拌した。冷却後に水(1500 mL)を加えて、酢酸エチル(900 mL)で3回抽出した。併せた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、不溶物を濾去した。得られた溶液に活性炭(50 g)を加えて20℃で1時間攪拌し、酢酸エチル(50ml)で3回洗いこみながら濾過した。濾液を濃縮し、得られた残渣にメタノール(200 mL)を加えて粉末化し、濾取、減圧下で乾燥して6-フルオロ-5-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2-(トリフェニルメチル)-2H-インダゾール(110 g)を固体として得た。
製造例248
(1S,4S)-5-{8-(ベンジルオキシ)-6-シクロプロピル-2-(エタンスルホニル)-7-[6-フルオロ-5-メチル-2-(トリフェニルメチル)-2H-インダゾール-4-イル]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(350 mg)、2-アミノエタノール(1 mL)、N-メチル-2-ピロリドン(2 mL)を混合し、マイクロ波照射下、130℃で30分間反応させた。反応溶液を氷水、飽和塩化アンモニウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで2回抽出した。併せた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。不溶物を濾去し、濾液を減圧下で濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩基性シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、(1S,4S)-5-{8-(ベンジルオキシ)-6-シクロプロピル-7-[6-フルオロ-5-メチル-2-(トリフェニルメチル)-2H-インダゾール-4-イル]-2-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(198 mg)を固体として得た。
製造例249
(1S,4S)-5-(6-シクロプロピル-8-[(4-エチニルフェニル)メトキシ]-7-[6-フルオロ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]-2-{[(2R,3R)-3-ヒドロキシブタン-2-イル]オキシ}キナゾリン-4-イル)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(75 mg)に脱水THF(2 mL)を加え、アルゴンガス雰囲気下、氷-メタノール浴中で冷却撹拌しながら水素化ナトリウム(55%鉱油分散体、20 mg)を添加した後、1時間室温で撹拌した。再度、反応容器を氷-メタノール浴に浸して冷却撹拌しながらヨウ化メチル(20μL)を添加した後、アルゴンガス充填の風船で密封下、終夜室温で撹拌した。反応容器に氷、飽和塩化アンモニウム水溶液を注ぎ、酢酸エチルで2回抽出した。集めた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧下留去して生じた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、(1S,4S)-5-(6-シクロプロピル-8-[(4-エチニルフェニル)メトキシ]-7-[6-フルオロ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]-2-{[(2R,3R)-3-メトキシブタン-2-イル]オキシ}キナゾリン-4-イル)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(74 mg)を泡状固体として得た。
製造例252
(1S,4S)-5-{6-シクロプロピル-8-[(4-エチニルフェニル)メトキシ]-7-[6-フルオロ-5-メチル-2-(トリフェニルメチル)-2H-インダゾール-4-イル]-2-[(2S)-2-メトキシプロポキシ]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(211 mg)にMeOH(3 mL)を加え、室温で撹拌しながら4-メチルベンゼン-1-スルホン酸一水和物(48 mg)を加えた後、アルゴン雰囲気下、室温で1時間撹拌した。反応容器に氷および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで2回抽出した。併せた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。不溶物を濾去し、濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩基性シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、低極性のジアステレオマーである(1S,4S)-5-{6-シクロプロピル-8-[(4-エチニルフェニル)メトキシ]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(2S)-2-メトキシプロポキシ]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(87 mg)を固体として、高極性のジアステレオマーである(1S,4S)-5-{6-シクロプロピル-8-[(4-エチニルフェニル)メトキシ]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(2S)-2-メトキシプロポキシ]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(59 mg)を固体として得た。低極性のジアステレオマーを次の反応に用いた。
製造例281
(3R)-ピロリジン-3-オール(1.7 g)に、DMF(25 mL)、トリエチルアミン(3 mL)を加えて、アルゴン雰囲気下、氷/メタノール浴で冷却攪拌しながら、1-({[2-(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}オキシ)ピロリジン-2,5-ジオン(4.5 g)を少しづつ添加した後、同温度で冷却下、アルゴン雰囲気下で2時間攪拌した。反応混合物に氷水を加えて希釈し、酢酸エチルで2回抽出した。併せた有機層を1 M 塩酸/氷水(1/1)、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。不溶物を濾去し、ろ液を減圧下で濃縮し、(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-カルボン酸2-(トリメチルシリル)エチル(3.6 g)を油状物として得た。
上記に示した製造例の製造方法と同様にして、後記表6~表101に示す化合物を製造した。また、各製造例化合物の製造法、構造及び物理化学的データを表6~表101に示す。
実施例8
(1S,4S)-5-{6-シクロプロピル-7-[6-フルオロ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]-8-{[4-(1-{(2S)-1-[(2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-({(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}カルバモイル)ピロリジン-1-イル]-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル}-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)フェニル]メトキシ}-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(5.61 g)、CH2Cl2(60 mL)の混合物にトリフルオロ酢酸(27 mL)を冷却下(内温:-5℃以下)で加え、その後室温で2時間撹拌した。得られた反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、CHCl3/MeOH(5/1)で3回抽出した後、併せた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶液を減圧下で濃縮して得られた粗生成物をODSカラムクロマトグラフィー(MeCN/0.1%ギ酸水溶液)で分離精製した。目的物を含むフラクションに飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、CHCl3/MeOH(5/1)で3回抽出した。併せた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩基性シリカゲル、CHCl3/MeOH)で精製し、生成物を得た。得られた生成物に酢酸イソプロピル(70 mL)を加え、バス温80℃で10分撹拌した後、室温で終夜撹拌した。ヘキサン(70 mL)を加え、室温で1時間撹拌した後、生じた固体をろ取、酢酸イソプロピル/ヘキサン(1/1)で洗浄後、減圧下、40℃で終夜乾燥させて(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド(3.01 g)を固体として得た。
実施例7
(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド(1.04 g)をCH2Cl2(9 mL)、MeOH(9 mL)に溶解させた後、氷冷下で塩化水素(4M DOX溶液、3 mL)を加えて、氷冷下で30分間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた残渣にジエチルエーテルを加えて析出した固体をろ取し、減圧下で乾燥させて、(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミドn塩酸塩(1.04 g)を固体として得た。
実施例20
(1S,4S)-5-{6-シクロプロピル-7-[6-フルオロ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]-8-{[4-(1-{(2S)-1-[(2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-({(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(2-オキソ-1,3-オキサアゾリジン-3-イル)フェニル]エチル}カルバモイル)ピロリジン-1-イル]-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル}-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)フェニル]メトキシ}-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(170 mg)、 CH2Cl2(2 mL)及びMeOH(2 mL)の混合物に、氷冷下で塩化水素(4M DOX溶液、0.988 mL)を加え、室温で3時間撹拌した。減圧下で濃縮し、CHCl3及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えてしばらく撹拌した後、水層を分離した。水層をCHCl3/MeOH(5/1)で抽出、併せた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。不溶物を濾別後、減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩基性シリカゲル、CHCl3/MeOH)で精製した後、ODSカラムクロマトグラフィー(MeCN/0.1%ギ酸水溶液)で精製した。目的物を含むフラクションを集め、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で塩基性にした後、CHCl3/MeOH(5/1)で2回抽出した。併せた有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥させた。不溶物を濾別後、減圧下で濃縮して得られた固体をジエチルエーテルで洗浄、減圧下で乾燥させて、(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(2-オキソ-1,3-オキサアゾリジン-3-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド(74 mg)を固体として得た。
実施例18
窒素雰囲気下、(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({4-[(1S,4S)-5-(tert-ブトキシカルボニル)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-6-シクロプロピル-7-[6-フルオロ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-L-プロリン(65 mg)、(2R)-2-アミノ-2-{4-[4-(ヒドロキシメチル)-1,3-チアアゾール-5-イル]フェニル}エタン-1-オールn塩酸塩(25 mg)、DMF(1 mL)の混合物に、氷冷下でDIPEA(50 μL)とHATU(35 mg)を順次加えて、室温で1時間攪拌した。水を加えて酢酸エチルで抽出し、有機層を水と飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。不溶物を濾別し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3/MeOH)で精製し、(1S,4S)-5-{6-シクロプロピル-7-[6-フルオロ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]-8-{[4-(1-{(2S)-1-[(2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-{[(1R)-2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(ヒドロキシメチル)-1,3-チアアゾール-5-イル]フェニル}エチル]カルバモイル}ピロリジン-1-イル]-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル}-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)フェニル]メトキシ}-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(59 mg)を得た。続いて、得られた化合物をCH2Cl2(0.5 mL)、MeOH(0.5 mL)に溶解させて、氷冷下で塩化水素(4M DOX溶液、0.5 mL)を加えた。室温で2時間攪拌した後、減圧下で濃縮した。得られた残渣にジエチルエーテルを加えて析出した固体をろ取、ジエチルエーテルで洗浄した後、減圧下で乾燥させて、(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-[(1R)-2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(ヒドロキシメチル)-1,3-チアアゾール-5-イル]フェニル}エチル]-L-プロリンアミドn塩酸塩(43 mg)を固体として得た。
実施例49
窒素雰囲気下、(1S,4S)-5-(6-シクロプロピル-8-{[3-フルオロ-4-(1-{(2S)-1-[(2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-({(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}カルバモイル)ピロリジン-1-イル]-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル}-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)フェニル]メトキシ}-7-[6-フルオロ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸tert-ブチル(158 mg)のEtOH(2 mL)溶液に、メタンスルホン酸(100μL)を室温で加えた。混合物を、50℃で16時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。残渣をODSカラムクロマトグラフィー(MeCN/0.1%ギ酸水溶液)で分離精製した。目的物を含むフラクションに5%炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、CHCl3/MeOH(9/1)で2回抽出した。併せた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶液を減圧下で濃縮した。残渣にEtOHを加えて溶解させて減圧下で濃縮する操作を2回行った。ジエチルエーテルを加え、生じた固体を濾取、ジエチルエーテルで洗浄した後減圧下で乾燥させて、(4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]-2-フルオロフェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド(50 mg)を固体として得た。
上記に示した実施例の製造方法と同様にして、後記表102~表126に示す実施例化合物を製造した。また、各実施例化合物の製造法及び物理化学的データを後記表127~表131に示す。
また、後記表中において、以下の略号を用いることがある。
PEx:製造例番号、Ex:実施例番号、PSyn:同様の方法で製造した製造例番号、Syn:同様の方法で製造した実施例番号(例えば、Syn: 8は実施例8と同様の方法で製造したことを示し、Syn: 18#は実施例18と同様の方法で製造して得られた塩酸塩を、製造方法1に記載の脱塩反応したことを示す。)、Str:化学構造式(化学構造式中に「*」が付された化合物は、その化合物の軸不斉または中心不斉が単一であることを示す)。n HCl:n 塩酸塩(製造例番号が付された化合物は一塩酸塩から三塩酸塩であり、実施例番号が付された化合物は一塩酸塩から五塩酸塩であることを示す。)、DAT:物理化学的データ、ESI+:質量分析におけるm/z値(イオン化法ESI、断りのない場合[M+H]+)、ESI-:質量分析におけるm/z値(イオン化法ESI、断りのない場合[M-H]-)、NMR:DMSO-d6中の1H-NMR(500 MHz)におけるピークのδ値(ppm)、NMR(100℃):DMSO-d6中100℃の1H-NMR(500 MHz)におけるピークのδ値(ppm)、s:一重線(スペクトル)、d:二重線(スペクトル)、dd:二重の二重線(スペクトル)、t:三重線(スペクトル)、q:四重線(スペクトル)、m:多重線(スペクトル)、br:幅広線(スペクトル)(例:br s)。
Figure 2022191505000050


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Figure 2022191505000163



Figure 2022191505000164



Figure 2022191505000165



Figure 2022191505000166



Figure 2022191505000167



Figure 2022191505000168



Figure 2022191505000169



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Figure 2022191505000171


Figure 2022191505000172

Figure 2022191505000173


Figure 2022191505000174
Figure 2022191505000175


また、本発明に包含される式(I)の具体的化合物の例として、下記構造のいずれかを有する化合物を示す。これらの化合物は、上記に示した代表的な製造方法、製造例及び実施例の製造法、又はこれらの製造法の組み合わせ、若しくは当業者に自明である方法によっても製造されうる。
さらに、これらの化合物は、G12D変異KRASタンパクの分解を誘導する作用に優れ、G12D変異KRAS阻害剤として有用であることが期待され、医薬組成物、例えば膵臓癌の治療用医薬組成物の有効成分として使用しうる。
Figure 2022191505000176
Figure 2022191505000177
Figure 2022191505000178
Figure 2022191505000179
Figure 2022191505000180

Figure 2022191505000181
Figure 2022191505000182
本発明化合物又はその塩は、G12D変異KRASタンパクの分解を誘導する作用に優れ、G12D変異KRAS阻害剤として有用であり、医薬組成物、例えば膵臓癌の治療用医薬組成物の有効成分として使用しうる。

Claims (13)

  1. 式(I)の化合物又はその塩。
    Figure 2022191505000183
    (式中、
    R1は、OHで置換されていてもよいナフチル又は下記式(II)及び式(III)からなる群から選択される基であり、
    Figure 2022191505000184
    R1a、R1bは、同一又は互いに異なって、H、メチル、F、又はClであり、
    R1cは、F、Cl、メチル又はエチルであり、
    R2は、H、ハロゲン、置換されていてもよいC1-3アルキル、シクロプロピル、又はビニルであり、
    R3は、窒素原子を1~2個含有する飽和又は不飽和の7員~8員架橋複素環基であり、
    R4は、置換されていてもよいC1-6アルキル、酸素、硫黄及び窒素から選択されるヘテロ原子を1~2個含有する置換されていてもよい4員~6員飽和複素環基、酸素、硫黄及び窒素から選択されるヘテロ原子を1~4個含有する置換されていてもよい5員ヘテロアリール、又は窒素原子を1~3個含有する置換されていてもよい6員ヘテロアリールであり、
    R5は、置換されていてもよいC1-6アルキル、置換されていてもよいC3-6シクロアルキル又は酸素、硫黄及び窒素から選択されるヘテロ原子を1個含有する置換されていてもよい4員~6員飽和複素環基であり、
    R6a、R6bは、同一又は互いに異なって、H又は置換されていてもよいC1-6アルキルであり、若しくは、R6a、R6bは、それらが結合している炭素と一緒になって置換されていてもよいC3-6シクロアルキル、又は酸素、硫黄及び窒素から選択されるヘテロ原子を1個含有する置換されていてもよい4員~6員飽和複素環を形成し、
    R7は、H、ハロゲン、C1-3アルキル、-SO2CH3、C3-6シクロアルキル、酸素、硫黄及び窒素から選択されるヘテロ原子を1~2個含有する置換されていてもよい4員~6員飽和複素環基、酸素、硫黄及び窒素から選択されるヘテロ原子を1~4個含有する置換されていてもよい5員ヘテロアリール、又は窒素原子を1~3個含有する6員ヘテロアリールであり、
    Wは、置換されていてもよいフェニル又は窒素原子を1~3個含有する置換されていてもよい6員ヘテロアリールであり、
    Xは、結合、CH2、O、S又はNR4xであり、
    R4xは、H又はC1-3アルキルであり、
    Yは、フェニレン又はピリジンジイルであり、当該フェニレンはFで置換されていてもよく、
    Lは、-(L1-L2-L3-L4)-であり、
    L1、L2、L3、L4は、同一又は互いに異なって、結合、O、NRL1、置換されていてもよいピロリジンジイル、置換されていてもよいピペリジンジイル、置換されていてもよいピペラジンジイル、置換されていてもよいC1-3アルキレン、及びC=Oからなる群から選択される基であり、
    RL1は、H又はC1-3アルキルであり、
    Zは、NH又は酸素、硫黄及び窒素から選択されるヘテロ原子を1~4個含有する5員ヘテロアレーンジイルであり、
    若しくは、Y-L-Zは下記式(XIII)である。)
    Figure 2022191505000185
  2. R3が2,5-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタニル、3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタニル、3,6-ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル又は2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタニルであり、
    Lが、結合、C1-3アルキレン、C=O又は下記式(XIV)、式(XV)、式(XVI)、式(XVII)、式(XVIII)及び式(XIX)からなる群から選択される基であり、
    Figure 2022191505000186
    RL1が、H又はC1-3アルキルであり、
    RL2、RL3が、同一又は互いに異なって、H、F、OH、OCH3又は置換されていてもよいC1-3アルキルであり、
    RLが、CH又はNであり、
    nが、1~2の整数であり、
    Zが、NH又は下記式(V)、式(X)、式(XI)及び式(XII)からなる群から選択される基である、請求項1に記載の化合物又はその塩。
    Figure 2022191505000187
  3. 式(I)が、下記式(Ia)であり、
    Figure 2022191505000188
    R1が、下記式(IIa)又は式(IIIa)であり、
    Figure 2022191505000189
    R1a、R1bが、同一又は互いに異なって、H、メチル、F、又はClであり、
    R2がH、ハロゲン、置換されていてもよいC1-3アルキル、シクロプロピル、又はビニルであり、
    R3が下記式(IV)であり、
    Figure 2022191505000190
    R4が、置換されていてもよいC1-6アルキル、置換されていてもよいオキセタニル、置換されていてもよいテトラヒドロフラニル、置換されていてもよいテトラヒドロピラニル、置換されていてもよいピラゾリル、置換されていてもよいピリジル、置換されていてもよいピリミジニル、置換されていてもよいピロリジニル、又は置換されていてもよいピペリジニルであり、
    R5が、メチル、エチル、イソプロピル、tert-ブチル、又はC3-6シクロアルキルであり、
    R6a、R6bが、同一又は互いに異なって、H又はC1-3アルキルであって、当該C1-3アルキルはF、OH、OCH3及びN(CH3)2からなる群から選択される基で置換されていてもよく、若しくは、R6a、R6bは、それらが結合している炭素と一緒になってC3-6シクロアルキルを形成し、
    W1、W2及びR7が、
    i. W1がCHであり、W2がC-SO2CH3であり、R7がHであり、若しくは、
    ii. W1、W2が、同一又は互いに異なって、CH、CF、CCl、CCH3又はNであり、R7がH、ハロゲン、C1-3アルキル、-SO2CH3、C3-6シクロアルキル、又は下記式(VI)、式(VII)、式(VIII)、式(IX)、式(XX)、式(XXI)、式(XXII)、式(XXIII)及び式(XXIV)からなる群から選択される基であり、
    Figure 2022191505000191
    R7a、R7bが、同一又は互いに異なって、H、又はOHで置換されていてもよいC1-3アルキルであり、
    Xが、O、S又はNR4xであり、
    R4xが、H又はC1-3アルキルであり、
    Yがフェニレン又はピリジンジイルであり、当該フェニレンはFで置換されていてもよく、
    Lが結合、C1-3アルキレン、C=O又は下記式(XIV)、式(XV)、式(XVI)、式(XVII)、式(XVIII)及び式(XIX)からなる群から選択される基であり、
    Figure 2022191505000192
    RL1がH又はC1-3アルキルであり、
    RL2、RL3が、同一又は互いに異なって、H、F、OH、OCH3又は置換されていてもよいC1-3アルキルであり、
    RLがCH又はNであり、
    nが1~2の整数であり、
    ZがNH又は下記式(V)、式(X)、式(XI)及び式(XII)からなる群から選択される基であり、
    Figure 2022191505000193
    若しくは、Y-L-Zが下記式(XIII)である、請求項2に記載の化合物又はその塩。
    Figure 2022191505000194
  4. R2が、ハロゲン、C1-3アルキル、シクロプロピル、又はビニルであって、当該C1-3アルキルはOH及びOCH3からなる群から選択される基で置換されていてもよく、
    R4が、OH、OCH3、N(CH3)2、(ヒドロキシメチル)シクロプロピル、(メトキシメチル)シクロプロピル、テトラヒドロフラニル、(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラニル、(メトキシメチル)テトラヒドロピラニル、モルホリニル、ピロリジニル、メチルピロリジニル及びアザビシクロ[3.3.0]オクタニルからなる群から選択される基で置換されていてもよいC1-6アルキル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、置換されていてもよいピラゾリル、置換されていてもよいピリジル、置換されていてもよいピリミジニル、置換されていてもよいピロリジニル、又は置換されていてもよいピペリジニルであり、
    Xが、O、又はNHであり、
    Lが、結合、C1-3アルキレン、C=O又は下記式(XIV)及び式(XVI)からなる群から選択される基であり、
    Figure 2022191505000195
    RL1が、C1-3アルキルであり、
    RL2、RL3が、Hであり、
    nが、1である、請求項3に記載の化合物又はその塩。
  5. R1が下記式(IIa)であり、
    Figure 2022191505000196
    R1aがFであり、
    R2がシクロプロピルであり、
    R4がOCH3で置換されていてもよいC1-6アルキル、テトラヒドロピラニル又はジフルオロエチルで置換されていてもよいピペリジニルであり、
    R5がイソプロピルであり、
    R6aがHであり、
    R6bがOHで置換されていてもよいC1-3アルキルであり、
    R7が下記式(VI)、(VII)、(VIII)及び式(IX)からなる群から選択される基であり、
    Figure 2022191505000197
    R7aがOHで置換されていてもよいC1-3アルキルであり、
    W1がCHであり、W2がCHであり、
    XがOであり、
    YがFで置換されていてもよいフェニレンであり、
    Lが結合であり、
    Zが下記式(XI)である、請求項4に記載の化合物又はその塩。
    Figure 2022191505000198
  6. 式(I)が、下記式(Ib)であり、
    Figure 2022191505000199
    R1が、下記式(IIa)又は式(IIIa)であり、
    Figure 2022191505000200
    R1a、R1bが、同一又は互いに異なって、H又はFであり、
    R2が、ハロゲン、C1-3アルキル、シクロプロピル、又はビニルであり、
    R3が、下記式(IV)であり、
    Figure 2022191505000201
    R4が、C1-3アルキル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、置換されていてもよいピラゾリル、置換されていてもよいピリジル、置換されていてもよいピリミジニル、置換されていてもよいピロリジニル、又は置換されていてもよいピペリジニルであり、
    R5が、エチル、イソプロピル、tert-ブチル、又はC3-6シクロアルキルであり、
    R6a、R6bが、同一又は互いに異なって、H又はF、OH及びN(CH3)2からなる群から選択される基で置換されていてもよいC1-3アルキルであり、若しくは、R6a、R6bは、それらが結合している炭素と一緒になってシクロプロピルを形成し、
    R7が、H、ハロゲン、又は下記式(VI)、式(VII)、式(VIII)及び式(IX)からなる群から選択される基であり、
    Figure 2022191505000202
    R7aが、H又はOHで置換されていてもよいC1-3アルキルであり、
    Xが、Oであり、
    Yが、フェニレン又はピリジンジイルであり、
    Lが、結合、C1-3アルキレン、又はC=Oであり、
    Zが、NH又は下記式(X)、式(XI)及び式(XII)からなる群から選択される基であり、
    Figure 2022191505000203
    若しくは、Y-L-Zが下記式(XIII)である、請求項1に記載の化合物又はその塩。
    Figure 2022191505000204
  7. 式(I)の化合物が、
    (4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド、
    (4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-[(1R)-2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(ヒドロキシメチル)-1,3-チアアゾール-5-イル]フェニル}エチル]-L-プロリンアミド、
    (4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(2-オキソ-1,3-オキサアゾリジン-3-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド、
    (4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-2-{[1-(2,2-ジフルオロエチル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド、
    (4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド、
    (4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-N-{(1R)-1-[4-(1-エチル-1H-ピラゾール-5-イル)フェニル]-2-ヒドロキシエチル}-4-ヒドロキシ-L-プロリンアミド、
    (4R)-1-{(2S)-2-[4-(4-{[(6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-{[(2R,3R)-3-メトキシブタン-2-イル]オキシ}キナゾリン-8-イル)オキシ]メチル}フェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-3-メチルブタノイル}-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド、
    (4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(2S)-2-メトキシプロポキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド、
    (4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(オキサン-4-イル)オキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]-2-フルオロフェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-チアアゾール-5-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド、
    (4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(2S)-2-メトキシプロポキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-N-{(1R)-1-[4-(1-エチル-1H-ピラゾール-5-イル)フェニル]-2-ヒドロキシエチル}-4-ヒドロキシ-L-プロリンアミド、及び、
    (4R)-1-[(2S)-2-(4-{4-[({6-シクロプロピル-4-[(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]-7-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(2S)-2-メトキシプロポキシ]キナゾリン-8-イル}オキシ)メチル]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチルブタノイル]-4-ヒドロキシ-N-{(1R)-2-ヒドロキシ-1-[4-(4-メチル-1,3-オキサアゾール-5-イル)フェニル]エチル}-L-プロリンアミド
    からなる群から選択される請求項1に記載の化合物又はその塩。
  8. 請求項1に記載の化合物又はその塩、及び1以上の製薬学的に許容される賦形剤を含有する医薬組成物。
  9. 膵臓癌治療用医薬組成物である請求項8に記載の医薬組成物。
  10. 膵臓癌治療用医薬組成物の製造のための請求項1に記載の化合物又はその塩の使用。
  11. 膵臓癌治療に使用するための請求項1に記載の化合物又はその塩。
  12. 膵臓癌治療のための請求項1に記載の化合物又はその塩の使用。
  13. 請求項1に記載の化合物又はその塩の有効量を対象に投与することからなる膵臓癌治療方法。
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