以下、本開示の実施形態について説明する。なお、以下の説明では、本開示の実施形態について例を挙げて説明するが、本開示は以下で説明する例に限定されない。以下の説明において特定の数値や特定の材料を例示する場合があるが、本開示はそれらの例示に限定されない。
本実施形態のコネクタセットは、同軸コネクタ及びこの同軸コネクタに接続可能なプローブから構成される。
同軸コネクタは、第1固定端子と、第1可動端子と、第2固定端子と、第2可動端子と、本体と、を備える。第1可動端子は、第1板ばね部を含む。第1板ばね部は、第1固定端子に向かって延びて第1固定端子に下方から接触する。第2固定端子は、第1固定端子と横並びに配置される。第2可動端子は、第1可動端子と横並びに配置される。第2可動端子は、第2板ばね部を含む。第2板ばね部は、第2固定端子に向かって延びて第2固定端子に下方から接触する。本体は、第1固定端子、第1可動端子、第2固定端子及び第2可動端子を収容する。本体は、穴を有する。穴は、第1板ばね部、第2板ばね部、第1固定端子及び第2固定端子の上方に開口するとともに、第1固定端子と第2固定端子との間の領域の上方に開口する。
プローブは、プランジャと、第1信号ピンと、第2信号ピンと、グランド導体と、を備える。プランジャは、先端面を有する。第1信号ピンは、プランジャの先端面から突出する。第1信号ピンは、第1板ばね部に対応する位置に設けられる。第2信号ピンは、プランジャの先端面から突出する。第2信号ピンは、第2板ばね部に対応する位置に設けられる。グランド導体は、プランジャの先端面から突出する。グランド導体は、第1固定端子から第2固定端子までの領域に対応する位置に設けられる(第1の構成)。
第1の構成のコネクタセットにおいて、同軸コネクタは、二組の固定端子及び可動端子を備えたスイッチ付き同軸コネクタである。回路基板において、同軸コネクタは、隣接する2つのアンテナ線路内に配置される。同軸コネクタにおいて、第1固定端子は一方のアンテナに接続されており、第1可動端子は一方の送受信回路に接続されている。第2固定端子は他方のアンテナに接続されており、第2可動端子は他方の送受信回路に接続されている。プローブにおいて、第1信号ピン及び第2信号ピンは、測定器に電気的に接続される。グランド導体は、グランド電位となるように接地される。
送受信回路の電気的特性を検査する際、プローブが同軸コネクタに接続される。このとき、第1信号ピン、第2信号ピン及びグランド導体を本体の穴に挿通させる。これにより、第1信号ピンは、第1可動端子の第1板ばね部を押圧し、第1板ばね部が第1固定端子から離間する。この場合、第1可動端子に接続された送受信回路は、第1可動端子及び第1信号ピンを介して測定器に接続される。また、第2信号ピンは、第2可動端子の第2板ばね部を押圧し、第2板ばね部が第2固定端子から離間する。この場合、第2可動端子に接続された送受信回路は、第2可動端子及び第2信号ピンを介して測定器に接続される。要するに、第1可動端子及び第2可動端子がそれぞれ検査信号の電気経路となる。また、グランド導体は、第1固定端子及び第2固定端子に接触する。この場合、第1固定端子及び第2固定端子がグランド導体と導通してグランド電位となる。
このように送受信回路の検査の際、プローブが同軸コネクタに接続されることにより、第1可動端子及び第2可動端子がそれぞれ検査信号の電気経路となる。このため、2つの送受信回路の電気的特性を同時に測定することができる。また、第1固定端子及び第2固定端子はそれぞれアンテナと接続されているところ、第1固定端子及び第2固定端子のいずれもグランド導体を通じてグランド電位となる。このため、第1及び第2可動端子と第1及び第2固定端子との間の電磁気的な干渉を抑制することができる。
したがって、第1の構成のコネクタセットによれば、第1可動端子及び第2可動端子に伝送される検査信号にノイズが生じにくい。よって、検査の信頼性を向上することができる。
第1の構成において、好ましくは、同軸コネクタは、第1固定端子と第2固定端子との間の領域にグランド端子を備える(第2の構成)。
第2の構成では、同軸コネクタにおいて、グランド端子は、グランド電位となるように回路基板に接地される。送受信回路の検査の際、プローブが同軸コネクタに接続されることにより、グランド導体は、第1固定端子及び第2固定端子に接触するとともに、グランド端子に接触する。この場合、第1固定端子及び第2固定端子がグランド導体と導通するとともにグランド端子と導通する。これにより、第1固定端子及び第2固定端子がより十分にグランド電位となる。このため、第1及び第2可動端子と第1及び第2固定端子との間の電磁気的な干渉をより抑制することができる。
したがって、第2の構成のコネクタセットによれば、第1可動端子及び第2可動端子に伝送される検査信号にノイズがより生じにくい。よって、検査の信頼性をより向上することができる。
もっとも、第2の構成のコネクタセットの場合、プローブが同軸コネクタに接続されていない状態、すなわち通信機器の通常の使用状態では、第1可動端子及び第1固定端子が通信信号の電気経路となり、第2可動端子及び第2固定端子も通信信号の電気経路となる。この場合、グランド端子が電磁気的なシールドの機能を担う。したがって、グランド端子によって、第1固定端子と第2固定端子との間の電磁気的な干渉を抑制することができる。
第2の構成において、好ましくは、グランド端子が、第1板ばね部と第2板ばね部との間の領域に延びている(第3の構成)。第3の構成において、より好ましくは、グランド端子は、第1板ばね部と第2板ばね部との間の領域のうち、第1信号ピンが第1板ばね部と接触する位置、及び第2信号ピンが第2板ばね部と接触する位置まで延びている(第4の構成)。
第3及び第4の構成では、第1板ばね部と第2板ばね部との間に、グランド端子が存在する。グランド端子はグランド電位であるため、送受信回路の検査時には、さらに、第1可動端子と第2可動端子との間の電磁気的な干渉を抑制することができる。つまり、第1可動端子と第2可動端子との間のアイソレーションを確保することができる。
ここで、送受信回路の検査時、第1信号ピンによる第1板ばね部の押圧部は、ノイズの発生源になりやすく、また、第2信号ピンによる第2板ばね部の押圧部も、ノイズの発生源になりやすい。第4の構成のコネクタセットでは、それらの押圧部の間に、グランド端子が存在する。このため、第1可動端子と第2可動端子との間の電磁気的な干渉をより抑制することができる。
したがって、第3及び第4の構成のコネクタセットによれば、第1可動端子及び第2可動端子に伝送される検査信号にノイズがより一層生じにくい。よって、検査の信頼性をより一層向上することができる。
もっとも、第3及び第4の構成のコネクタセットの場合、通信機器の通常の使用状態では、グランド端子によって、さらに、第1固定端子と第2固定端子との間の電磁気的な干渉を抑制することができる。
第1~第4の構成のいずれか1つにおいて、例えば、グランド導体は、プランジャ側にある基部と、基部の先端から分岐した第1竿部及び第2竿部と、を含む(第5の構成)。
第5の構成では、送受信回路の検査の際、プローブが同軸コネクタに接続されることにより、第1竿部の先端部が第1固定端子に接触し、第2竿部の先端部が第2固定端子に接触する。同軸コネクタがグランド端子を備える場合、基部の先端部がグランド端子に接触する。このような構成は実用性に優れる。
本実施形態の同軸コネクタは、第1固定端子と、第1可動端子と、第2固定端子と、第2可動端子と、本体と、を備える。第1可動端子は、第1板ばね部を含む。第1板ばね部は、第1固定端子に向かって延びて第1固定端子に下方から接触する。第2固定端子は、第1固定端子と横並びに配置される。第2可動端子は、第1可動端子と横並びに配置される。第2可動端子は、第2板ばね部を含む。第2板ばね部は、第2固定端子に向かって延びて第2固定端子に下方から接触する。本体は、第1固定端子、第1可動端子、第2固定端子及び第2可動端子を収容する。本体は、穴を有する。穴は、第1板ばね部、第2板ばね部、第1固定端子及び第2固定端子の上方に開口するとともに、第1固定端子と第2固定端子との間の領域の上方に開口する(第6の構成)。
第6の構成の同軸コネクタは、プローブと共に、送受信回路の検査に使用される。第6の構成の同軸コネクタは、上記した第1の構成のコネクタセットにおける同軸コネクタに相当する。送受信回路の検査に使用されるプローブは、例えば、上記した第1の構成のコネクタセットにおけるプローブである。
したがって、第6の構成の同軸コネクタによれば、上記した第1の構成のコネクタセットと同様のことが言える。要するに、第1可動端子及び第2可動端子に伝送される検査信号にノイズが生じにくい。よって、検査の信頼性を向上することができる。
第6の構成において、好ましくは、第1固定端子と第2固定端子との間の領域にグランド端子を備える(第7の構成)。
第7の構成の同軸コネクタは、上記した第2の構成のコネクタセットにおける同軸コネクタに相当する。
したがって、第7の構成の同軸コネクタによれば、上記した第2の構成のコネクタセットと同様のことが言える。要するに、第1可動端子及び第2可動端子に伝送される検査信号にノイズがより生じにくい。よって、検査の信頼性をより向上することができる。
しかも、第7の構成の同軸コネクタの場合、通信機器の通常の使用状態では、上記した第2の構成のコネクタセットと同様のことが言える。要するに、グランド端子によって、第1固定端子と第2固定端子との間の電磁気的な干渉を抑制することができる。つまり、第1固定端子と第2固定端子との間のアイソレーションを確保することができる。
第7の構成において、好ましくは、グランド端子が、第1板ばね部と第2板ばね部との間の領域に延びている(第8の構成)。第8の構成において、より好ましくは、グランド端子は、第1板ばね部と第2板ばね部との間の領域のうち、第1板ばね部が第1固定端子と接触する位置、及び第2板ばね部が第2固定端子と接触する位置まで延びている(第9の構成)。
第8の構成の同軸コネクタは、上記した第3の構成のコネクタセットにおける同軸コネクタに相当する。第9の構成の同軸コネクタは、上記した第4の構成のコネクタセットにおける同軸コネクタに概ね相当する。
したがって、第8及び第9の同軸コネクタによれば、上記した第3及び第4の構成のコネクタセットと同様のことが言える。要するに、第1可動端子及び第2可動端子に伝送される検査信号にノイズがより一層生じにくい。よって、検査の信頼性をより一層向上することができる。
しかも、第8及び第9の構成の同軸コネクタの場合、通信機器の通常の使用状態では、上記した第3及び第4の構成のコネクタセットと同様のことが言える。要するに、グランド端子によって、さらに、第1固定端子と第2固定端子との間の電磁気的な干渉を抑制することができる。つまり、第1固定端子と第2固定端子との間のアイソレーションを確保することができる。
ここで、通信機器の通常の使用状態では、第1板ばね部と第1固定端子との接触部は、ノイズの発生源になりやすく、また、第2板ばね部と第2固定端子との接触部も、ノイズの発生源になりやすい。第8の構成の同軸コネクタでは、それらの接触部の間に、グランド端子が存在する。グランド端子はグランド電位であるため、第1可動端子と第2可動端子との間の電磁気的な干渉をより抑制することができる。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。各図において同一又は相当の構成については同一符号を付し、同じ説明を繰り返さない。
<第1実施形態>
[コネクタセットの構成]
図1は、第1実施形態に係るコネクタセット1の斜視図である。コネクタセット1は、同軸コネクタ2及びプローブ3から構成される。
同軸コネクタ2は、通信機器の回路基板に実装されている。回路基板において、同軸コネクタ2は、隣接する2つのアンテナ線路内に配置される。一方のアンテナ線路は、あるアンテナとこのアンテナに対応する送受信回路とを結ぶ。他方のアンテナ線路は、別のアンテナとこのアンテナに対応する送受信回路とを結ぶ。同軸コネクタ2は、プローブ3を使用して電気経路の切換えを行うことができる。通信機器は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又はウェアラブル端末等のモバイル端末である。
通信機器の製造時やメンテナンス時等のように、送受信回路の電気的特性を検査するとき、プローブ3が使用される。プローブ3は、検査用の測定器に接続されて、同軸コネクタ2に接続可能である。
[同軸コネクタの構成]
図2は、図1に示す同軸コネクタ2の分解斜視図である。図2に示すように、同軸コネクタ2は、本体10と、第1固定端子20と、第1可動端子30と、第2固定端子40と、第2可動端子50と、を備える。同軸コネクタ2は、さらにグランド端子60を備える。
本体10は、外部端子11と、ケース12と、ケース13と、を含む。外部端子11、ケース12、及びケース13は、この順で重ねられている。以下、説明の便宜上、外部端子11、ケース12、及びケース13が重ねられている方向を上下方向又はz軸方向といい、外部端子11側を上又はz軸方向において正、ケース13側を下又はz軸方向において負と定義する。この定義に基づき、ケース12を上ケース12、ケース13を下ケース13と称する。
外部端子11は、金属製であり、導電性を有する。外部端子11は、例えば、SUS301等のステンレスで構成されている。外部端子11は、例えば、金属板に打ち抜き、曲げ、及び絞り等の加工を施すことによって形成される。外部端子11は、その表面に、Ni(ニッケル)めっき、Au(金)めっき等のめっきを有していてもよい。外部端子11は、回路基板のグランドに接地される。外部端子11は、板部111と、脚部112a,112bと、筒部113とを含んでいる。
板部111は、平面視で実質的に矩形状を有する。脚部112a,112bは、板部111を挟むように配置されている。一方の脚部112aは、板部111の一辺に連続して設けられている。他方の脚部112bは、脚部112aの反対側で板部111の一辺に連続して設けられている。以下、説明の便宜上、脚部112a,112bが並ぶ方向をy軸方向と称し、y軸方向及びz軸方向に直交する方向をx軸方向と称する。また、x軸方向及びy軸方向に関し、図2の紙面において奥側を正、手前側を負とする。脚部112aは、脚部112bに対し、y軸方向において正側に配置されている。
脚部112a,112bの各々は、板部111から下方に突出している。各脚部112a,112bの下端部は、外部端子11、上ケース12、及び下ケース13が組み立てられたとき、下ケース13の下方に位置するように内側に折り曲げられる。
筒部113は、上下方向に延びる。上下方向(z軸方向)に沿って見て、筒部113は、例えば、y軸方向に広がるトラック形状である。筒部113は、板部111の上面の中央部に配置されている。板部111のうち筒部113に対応する部分には、板部111を上下方向に貫通する開口(図示略)が形成されている。筒部113は、この開口の周縁から上方に延びている。
上ケース12は、外部端子11の下方に配置される。上ケース12は、電気的絶縁性を有する。上ケース12は、例えば、樹脂で構成されている。上ケース12は、板部121と、筒部122とを含んでいる。
板部121は、平面視で実質的に矩形状を有する。板部121の下面には、第1固定端子20、第1可動端子30、第2固定端子40、第2可動端子50、及びグランド端子60を上ケース12と下ケース13との間に配置するため、凹部(図示略)が形成されている。
筒部122は、上下方向に延びる。筒部122は、板部121の上面の中央部に配置されている。筒部122の外周形状は、外部端子11の筒部113の内周形状とほぼ一致する。上下方向(z軸方向)に沿って見て、上ケース12の筒部122の外周は、例えば、y軸方向に広がるトラック形状である。板部121のうち、筒部122に対応する部分には、板部121を上下方向に貫通する開口(図示略)が形成されている。
筒部122は、筒部122を上下方向に貫通する穴123を有する。筒部122を上下方向(z軸方向)に沿って見て、穴123は、例えば、y軸方向に広がる実質的にトラック形状を有する。特に、穴123は、x軸方向の正側に広がっている。
下ケース13は、上ケース12の下方に配置される。下ケース13は、本体10の底部を構成する。下ケース13は、電気的絶縁性を有する。下ケース13は、例えば、樹脂で構成されている。下ケース13は、板部131と、支持部135a,135b,136a,136b,137aとを含んでいる。
板部131は、平面視で概略矩形状を有する。板部131の四辺のうちy軸方向に延びる二辺には、それぞれ第1切欠き部132a,132bが形成されている。さらに、それらの二辺には、それぞれ第2切欠き部133a,133bが形成されており、さらに、それぞれ第3切欠き部134a,134bが成されている。第1切欠き部132aは、第1切欠き部132bに対し、x軸方向において正側に配置されている。第2切欠き部133aは、第2切欠き部133bに対し、x軸方向において正側に配置されている。第3切欠き部134aは、第3切欠き部134bに対し、x軸方向において正側に配置されている。第3切欠き部134a,134bは、y軸方向の各辺の中心に配置されている。第1切欠き部132a,132bは、第3切欠き部134a,134bに対し、y軸方向において正側に配置されている。第2切欠き部133a,133bは、第3切欠き部134a,134bに対し、y軸方向において負側に配置されている。これらの切欠き部132a,132b,133a,133b,134a,134bの各々は、例えば、平面視で概略矩形状を有する。
支持部135a,135bは、上ケース12の下面に設けられた支持部(図示略)とともに第1固定端子20及び第1可動端子30を支持する部分である。以下、これらの支持部135a,135bを第1支持部135a,135bと称する場合がある。第1支持部135a,135bは、板部131上に設けられている。第1支持部135a,135bの各々は、板部131から上方に突出する。第1支持部135aは、x軸方向において正側の第1切欠き部132aに隣接して配置されている。第1支持部135bは、x軸方向において負側の第1切欠き部132bに隣接して配置されている。
支持部136a,136bは、上ケース12の下面に設けられた支持部(図示略)とともに第2固定端子40及び第2可動端子50を支持する部分である。以下、これらの支持部136a,136bを第2支持部136a,136bと称する場合がある。第2支持部136a,136bは、板部131上に設けられている。第2支持部136a,136bの各々は、板部131から上方に突出する。第2支持部136aは、x軸方向において正側の第2切欠き部133aに隣接して配置されている。第2支持部136bは、x軸方向において負側の第2切欠き部133bに隣接して配置されている。
支持部137aは、上ケース12の下面に設けられた支持部(図示略)とともにグランド端子60を支持する部分である。以下、この支持部137aを第3支持部137aと称する場合がある。第3支持部137aは、板部131上に設けられている。第3支持部137aは、板部131から上方に突出する。第3支持部137aは、x軸方向において正側の第3切欠き部134aに隣接して配置されている。
第1固定端子20は、金属製であり、導電性を有する。第1固定端子20は、例えば、SUS301等のステンレスで構成されている。第1固定端子20は、典型的には板状の部材である。第1固定端子20は、例えば、金属板に対して打ち抜き、曲げ等の加工を施すことによって形成される。第1固定端子20は、リード部21と、被支持部22と、羽根部23a,23bとを含む。
図3は、図1に示す同軸コネクタ2の縦断面図である。図3には、第1固定端子20及び第1可動端子30を含むxz平面での断面図が示される。
図2及び図3を参照して、第1固定端子20は、リード部21が本体10の外部に延出するように本体10内に収容される。リード部21は、第1固定端子20において、x軸方向で正側の端部に設けられている。リード部21は、y軸方向に沿って見て、例えば概略L字形状を有する。リード部21は、同軸コネクタ2が組み立てられたとき、下ケース13の第1切欠き部132a内に位置付けられる。リード部21は、この第1切欠き部132aから本体10の外部に延出する。リード部21は、例えば、通信機器のアンテナ回路に接続される。
被支持部22は、リード部21に対し、x軸方向において負側に配置されている。被支持部22は、リード部21に連続して設けられている。被支持部22は、第1固定端子20のうち本体10に支持される部分である。より詳細には、被支持部22の一部は、上ケース12の支持部及び下ケース13の第1支持部135aによって上下から挟まれる。これにより、第1固定端子20が本体10に固定される。
図2を参照して、羽根部23a,23bは、本体10内に配置され、第1可動端子30と接触する部分である。羽根部23aは、x軸方向に延びる被支持部22の両側縁のうち、一方の側縁に連続して設けられている。羽根部23bは、x軸方向に延びる被支持部22の両側縁のうち、他方の側縁に連続して設けられている。羽根部23aは、羽根部23bに対し、y軸方向において正側に配置されている。羽根部23a,23bは、下方に向かうにつれて互いにy軸方向に離間するように、それぞれ上下方向に対して傾斜している。
図2及び図3を参照して、第1可動端子30は、金属製であり、導電性を有する。第1可動端子30は、例えば、SUS301等のステンレスで構成されている。第1可動端子30は、典型的には、弾性(ばね性)を有する板状の部材である。第1可動端子30は、例えば、金属板に対して打ち抜き、曲げ等の加工を施すことによって形成される。第1可動端子30は、リード部31と、板ばね部32とを含む。以下、この板ばね部32を第1板ばね部32と称する場合がある。
第1可動端子30は、リード部31が本体10の外部に延出するように本体10内に収容される。リード部31は、x軸方向における第1可動端子30の両端部のうち、負側の端部に設けられている。リード部31は、y軸方向に沿って見て、例えば、第1固定端子20のリード部21とは逆向きの概略L字形状を有する。リード部31は、同軸コネクタ2が組み立てられたとき、下ケース13の第1切欠き部132b内に位置付けられる。リード部31は、この第1切欠き部132bから本体10の外部に延出する。リード部31は、例えば、通信機器の送受信回路に接続される。
第1板ばね部32は、第1可動端子30側の回路を第1固定端子20側の回路に接続するため、第1固定端子20に下方から接触する。ただし、第1板ばね部32は、第1固定端子20から離間することができる。第1板ばね部32は、プローブ3の第1信号ピン71によって表面を押圧されることで第1固定端子20との接触が解除されるように変形可能に構成されている。プローブ3の第1信号ピン71は、上ケース12の筒部122の穴123を介して本体10内に挿入され、第1板ばね部32を下方に押圧する。
第1板ばね部32は、リード部31から第1固定端子20に向かって延びている。第1板ばね部32は、実質的にx軸方向に沿って延びている。第1板ばね部32のうちリード部31側の端部(基端部)は、本体10によって支持される。より詳細には、第1板ばね部32の基端部は、上ケース12の支持部及び下ケース13の第1支持部135bによって上下から挟まれる。これにより、第1可動端子30が本体10に固定される。
図2を参照して、第1板ばね部32は、幹部321と、複数の枝部322a,322bとを含んでいる。幹部321は、枝部322a,322bに対し、リード部31側に配置されている。枝部322a,322bは、それぞれ、幹部321から第1固定端子20に向かって延びている。枝部322a,322bは、並列に配置されている。枝部322aは、枝部322bに対し、y軸方向において正側に配置されている。第1固定端子20の被支持部22は、これらの枝部322a,322bの間に位置付けられる。枝部322aは、第1固定端子20の羽根部23aに接触する。枝部322bは、第1固定端子20の羽根部23bに接触する。枝部322a,322bは、それぞれ、羽根部23a,23bに下方から接触する。
図3を参照して、第1板ばね部32と第1固定端子20との接触部P1Aは、x軸方向において正側に配置されている。検査のときに、第1板ばね部32は、第1信号ピン71で上方から押圧される。第1板ばね部32のうち第1信号ピン71に押圧される部分(押圧部)P2A(後述する図5も参照)は、接触部P1Aよりもリード部31側に配置されている。
図2を参照して、第2固定端子40は、第1固定端子20と同様の構成を有する。第2可動端子50は、第1可動端子30と同様の構成を有する。
第2固定端子40は、金属製であり、導電性を有する。第2固定端子40は、例えば、SUS301等のステンレスで構成されている。第2固定端子40は、典型的には板状の部材である。第2固定端子40は、例えば、金属板に対して打ち抜き、曲げ等の加工を施すことによって形成される。第2固定端子40は、リード部41と、被支持部42と、羽根部43a,43bとを含む。
第2固定端子40は、リード部41が本体10の外部に延出するように本体10内に収容される。リード部41は、第2固定端子40において、x軸方向で正側の端部に設けられている。リード部41は、y軸方向に沿って見て、例えば概略L字形状を有する。リード部41は、同軸コネクタ2が組み立てられたとき、下ケース13の第2切欠き部133a内に位置付けられる。リード部41は、この第2切欠き部133aから本体10の外部に延出する。リード部41は、例えば、通信機器のアンテナ回路に接続される。このアンテナ回路は、第1固定端子20のリード部21が接続された回路とは別のアンテナ回路である。
被支持部42は、リード部41に対し、x軸方向において負側に配置されている。被支持部42は、リード部41に連続して設けられている。被支持部42は、第2固定端子40のうち本体10に支持される部分である。より詳細には、被支持部42の一部は、上ケース12の支持部及び下ケース13の第2支持部136aによって上下から挟まれる。これにより、第2固定端子40が本体10に固定される。
羽根部43a,43bは、本体10内に配置され、第2可動端子50と接触する部分である。羽根部43aは、x軸方向に延びる被支持部42の両側縁のうち、一方の側縁に連続して設けられている。羽根部43bは、x軸方向に延びる被支持部42の両側縁のうち、他方の側縁に連続して設けられている。羽根部43aは、羽根部43bに対し、y軸方向において正側に配置されている。羽根部43a,43bは、下方に向かうにつれて互いにy軸方向に離間するように、それぞれ上下方向に対して傾斜している。
第2可動端子50は、金属製であり、導電性を有する。第2可動端子50は、例えば、SUS301等のステンレスで構成されている。第2可動端子50は、典型的には、弾性(ばね性)を有する板状の部材である。第2可動端子50は、例えば、金属板に対して打ち抜き、曲げ等の加工を施すことによって形成される。第2可動端子50は、リード部51と、板ばね部52とを含む。以下、この板ばね部52を第2板ばね部52と称する場合がある。
第2可動端子50は、リード部51が本体10の外部に延出するように本体10内に収容される。リード部51は、x軸方向における第2可動端子50の両端部のうち、負側の端部に設けられている。リード部51は、y軸方向に沿って見て、例えば、第2固定端子40のリード部41とは逆向きの概略L字形状を有する。リード部51は、同軸コネクタ2が組み立てられたとき、下ケース13の第2切欠き部133b内に位置付けられる。リード部51は、この第2切欠き部133bから本体10の外部に延出する。リード部51は、例えば、通信機器の送受信回路に接続される。この送受信回路は、第1可動端子30のリード部31が接続された回路とは別の送受信回路である。
第2板ばね部52は、第2可動端子50側の回路を第2固定端子40側の回路に接続するため、第2固定端子40に下方から接触する。ただし、第2板ばね部52は、第2固定端子40から離間することができる。第2板ばね部52は、プローブ3の第2信号ピン72によって表面を押圧されることで第2固定端子40との接触が解除されるように変形可能に構成されている。プローブ3の第2信号ピン72は、上ケース12の筒部122の穴123を介して本体10内に挿入され、第2板ばね部52を下方に押圧する。
第2板ばね部52は、リード部51から第2固定端子40に向かって延びている。第2板ばね部52は、実質的にx軸方向に沿って延びている。第2板ばね部52のうちリード部51側の端部(基端部)は、本体10によって支持される。より詳細には、第2板ばね部52の基端部は、上ケース12の支持部及び下ケース13の第2支持部136bによって上下から挟まれる。これにより、第2可動端子50が本体10に固定される。
第2板ばね部52は、幹部521と、複数の枝部522a,522bとを含んでいる。幹部521は、枝部522a,522bに対し、リード部51側に配置されている。枝部522a,522bは、それぞれ、幹部521から第2固定端子40に向かって延びている。枝部522a,522bは、並列に配置されている。枝部522aは、枝部522bに対し、y軸方向において正側に配置されている。第2固定端子40の被支持部42は、これらの枝部522a,522bの間に位置付けられる。枝部522aは、第2固定端子40の羽根部43aに接触する。枝部522bは、第2固定端子40の羽根部43bに接触する。枝部522a,522bは、それぞれ、羽根部43a,43bに下方から接触する。
第2板ばね部52と第2固定端子40との接触部P1B(図示略)は、x軸方向において正側に配置されている。検査のときに、第2板ばね部52は、第2信号ピン72で上方から押圧される。第2板ばね部52のうち第2信号ピン72に押圧される部分(押圧部)P2B(後述する図5参照)は、接触部P1Bよりもリード部51側に配置されている。
このように同軸コネクタ2では、第1固定端子20と第2固定端子40は、互いに横並びに配置される。第1可動端子30と第2可動端子50は、互いに横並びに配置される。
図4は、図1に示す同軸コネクタ2の縦断面図である。図4には、第1固定端子20と第2固定端子40との間の領域を含むxz平面での断面図が示される。
図2及び図4を参照して、グランド端子60は、金属製であり、導電性を有する。グランド端子60は、例えば、SUS301等のステンレスで構成されている。グランド端子60は、典型的には、弾性(ばね性)を有する板状の部材である。グランド端子60は、例えば、金属板に対して打ち抜き、曲げ等の加工を施すことによって形成される。グランド端子60は、リード部61と、板ばね部62とを含む。以下、この板ばね部62をグランド板ばね部62と称する場合がある。
グランド端子60は、リード部61が本体10の外部に延出するように本体10内に収容される。リード部61は、グランド端子60において、x軸方向で正側の端部に設けられている。リード部61は、y軸方向に沿って見て、例えば概略L字形状を有する。リード部61は、同軸コネクタ2が組み立てられたとき、下ケース13の第3切欠き部134a内に位置付けられる。リード部61は、この第3切欠き部134aから下ケース13の下方に位置するように内側に折り曲げられている。リード部61は、例えば、回路基板のグランドに接地される。
グランド板ばね部62は、第1固定端子20の被支持部22及び第2固定端子40の被支持部42と平行にリード部61から延びている。グランド板ばね部62は、実質的にx軸方向に沿って延びている。グランド板ばね部62のうちリード部61側の端部(基端部)は、本体10によって支持される。より詳細には、グランド板ばね部62の基端部は、上ケース12の支持部及び下ケース13の第3支持部137aによって上下から挟まれる。これにより、グランド端子60が本体10に固定される。
グランド板ばね部62のうち基端部側と反対側の先端部62aは、開放されている。この先端部62aは、下ケース13に上方から接触している。先端部62aは、第1可動端子30と第2可動端子50との間の領域に達している。先端部62aは、y軸方向に沿って見て、第1板ばね部32のうちの押圧部P2Aに対応する位置に配置されている。また、先端部62aは、y軸方向に沿って見て、第2板ばね部52のうちの押圧部P2Bに対応する位置に配置されている。
このようにグランド端子60は、第1固定端子20と第2固定端子40との間の領域に配置される。さらに、グランド端子60は、第1可動端子30と第2可動端子50との間に領域に延びている。
図5は、図1に示す同軸コネクタ2の上面図である。図5を参照して、本体10は上方に開口する穴123を有する。この穴123は、上ケース12の筒部122に形成されている。上下方向に沿って見て、穴123は大きく広がっている。穴123は、第1板ばね部32、第2板ばね部52、第1固定端子20及び第2固定端子40の上方に開口するとともに、第1固定端子20と第2固定端子40との間の領域の上方に開口する。このため、穴123を通して、第1板ばね部32、第2板ばね部52、第1固定端子20、第2固定端子40、及びグランド端子60が外部に露出している。
[プローブの構成]
図6及び図7は、図1に示すプローブ3の外観を示す図である。図6には、側面図が示され、図7には、プローブ3を下(z軸方向)から見たときの平面図が示される。図1、図6及び図7を参照して、プローブ3は、プランジャ70と、第1信号ピン71と、第2信号ピン72と、グランド導体73と、を備える。
プランジャ70は、第1信号ピン71、第2信号ピン72、及びグランド導体73を保持する部材である。プランジャ70は、金属製であり、導電性を有する。プランジャ70は、例えば、SUS301等のステンレスで構成されている。プランジャ70は、例えば、鋳造物に対して機械加工を施すことによって形成される。
プランジャ70は、先端面70aを有する。先端面70aは、プランジャ70の下側の端に位置する。上下方向(z軸方向)に沿って見て、先端面70aは、例えば、y軸方向に広がるトラック形状である。
第1信号ピン71、第2信号ピン72、及びグランド導体73は、プランジャ70の先端面70aから突出する。第1信号ピン71は、同軸コネクタ2の第1板ばね部32に対応する位置に設けられる。第2信号ピン72は、同軸コネクタ2の第2板ばね部52に対応する位置に設けられる。つまり、第1信号ピン71は、第2信号ピン72とy軸方向に離間して配置される。
第1信号ピン71及び第2信号ピン72は、それぞれ、金属製であり、導電性を有する。第1信号ピン71及び第2信号ピン72は、例えば、ベリリウム銅で構成されている。第1信号ピン71及び第2信号ピン72は、それぞれ同軸ケーブルを介して検査用の測定器に接続される。ただし、第1信号ピン71及び第2信号ピン72は、プランジャ70に対して電気的に絶縁されている。
グランド導体73は、第1固定端子20から第2固定端子40までの領域に対応する位置に設けられる。グランド導体73は、金属製であり、導電性を有する。グランド導体73は、例えば、SUS301等のステンレスで構成されている。グランド導体73は、典型的には板状の部材である。グランド導体73は、例えば、金属板に対して打ち抜き、曲げ等の加工を施すことによって形成される。グランド導体73は、プランジャ70に電気的に接続されており、グランドに接地されている。グランド導体73は、基部731と、第1竿部732と、第2竿部733と、を含む。
基部731は、プランジャ70側にある部分である。第1竿部732及び第2竿部733は、基部731の先端から分岐した部分である。第1竿部732は、基部731に対し、y軸方向において正側に向かいつつx軸方向において正側に向かうように、湾曲しながら延びている。第2竿部733は、基部731に対し、y軸方向において負側に向かいつつx軸方向において正側に向かうように、湾曲しながら延びている。この場合、第1竿部732及び第2竿部733は、上下方向(z軸方向)に沿って見て、U字形状である。
[コネクタセットの動作]
以下、コネクタセット1による動作について、図3、図8及び図9を参照しつつ説明する。より具体的には、プローブ3が同軸コネクタ2に接続されていない状態と、プローブ3が同軸コネクタ2に接続される状態と、を説明する。プローブ3が同軸コネクタ2に接続されていない状態とは、通信機器の通常の使用状態を意味する。プローブ3が同軸コネクタ2に接続される状態とは、送受信回路の電気的特性を検査するときの状態を意味する。
[通常時の状態]
図3を参照して、通常の使用状態では、第1固定端子20と第1可動端子30とが電気的に接続している。つまり、第1可動端子30の第1板ばね部32が第1固定端子20に接触し、第1固定端子20側のアンテナ回路と第1可動端子30側の送受信回路とが接続されている。第1板ばね部32は、枝部322aにおいて第1固定端子20の羽根部23aに接触している。図3には示されていないが、第1板ばね部32は、枝部322bにおいて第1固定端子20の羽根部23bに接触している。第1板ばね部32の弾性力により、枝部322a,322bが羽根部23a,23bに押し付けられる。
第2固定端子40及び第2可動端子50の状況は、第1固定端子20及び第1可動端子30の状況と同じである。図3には示されていないが、通常の使用状態では、第2固定端子40と第2可動端子50とが電気的に接続している。つまり、第2可動端子50の第2板ばね部52が第2固定端子40に接触し、第2固定端子40側のアンテナ回路と第2可動端子50側の送受信回路とが接続されている。第2板ばね部52は、枝部522aにおいて第2固定端子40の羽根部43aに接触している。第2板ばね部52は、枝部522bにおいて第2固定端子40の羽根部43bに接触している。第2板ばね部52の弾性力により、枝部522a,522bが羽根部43a,43bに押し付けられる。
通常の使用状態では、第1可動端子30及び第1固定端子20が通信信号の電気経路となる。第2可動端子50及び第2固定端子40も通信信号の電気経路となる。
[検査時の状態]
図8及び図9は、検査時におけるコネクタセット1の縦断面図である。図8には、第1固定端子20及び第1可動端子30を含むxz平面での断面図が示される。図9には、第1固定端子20、第2固定端子40及びグランド端子60を含むyz平面での断面図が示される。
図8を参照して、送受信回路の電気的特性の検査を行うとき、プローブ3が同軸コネクタ2に接続される。具体的には、同軸コネクタ2の本体10の穴123に向けて、プローブ3のプランジャ70を下降させる。このため、第1信号ピン71、第2信号ピン72及びグランド導体73が、穴123から本体10内に進入する。
第1信号ピン71は、その先端部によって第1板ばね部32の押圧部P2Aを下方に押圧する。これにより、第1板ばね部32が変形して枝部322a,322bが第1固定端子20の羽根部23a,23bから離れる。その結果、第1固定端子20と第1可動端子30との電気的接続が断たれる。これにより、第1可動端子30に接続された送受信回路は、第1可動端子30及び第1信号ピン71を介して測定器に接続される。
第2固定端子40及び第2可動端子50の状況は、第1固定端子20及び第1可動端子30の状況と同じである。図8には示されていないが、第2信号ピン72は、その先端部によって第2板ばね部52の押圧部P2Bを下方に押圧する。これにより、第2板ばね部52が変形して枝部522a,522bが第2固定端子40の羽根部43a,43bから離れる。その結果、第2固定端子40と第2可動端子50との電気的接続が断たれる。これにより、第2可動端子50に接続された送受信回路は、第2可動端子50及び第2信号ピン72を介して測定器に接続される。
図9を参照して、グランド導体73は、グランド端子60に接触し、さらに、第1固定端子20及び第2固定端子40に接触する。具体的には、まず、グランド導体73の基部731の先端部731aが、グランド板ばね部62の上面に接触する。これにより、グランド板ばね部62が下方に向けてわずかに弾性変形する。続いて、第1竿部732の先端部が、第1固定端子20の被支持部22の上面に接触する。これと同時に、第2竿部733の先端部が、第2固定端子40の被支持部42の上面に接触する。この場合、第1固定端子20及び第2固定端子40がグランド導体73と導通する。さらに、第1固定端子20及び第2固定端子40がグランド端子60と導通する。
[効果]
本実施形態のコネクタセット1において、送受信回路の電気的特性を検査する際、第1可動端子30に接続された送受信回路は、第1可動端子30及び第1信号ピン71を介して測定器に接続される。第2可動端子50に接続された送受信回路は、第2可動端子50及び第2信号ピン72を介して測定器に接続される。要するに、第1可動端子30及び第2可動端子50がそれぞれ検査信号の電気経路となる。このため、2つの送受信回路の電気的特性を同時に測定することができる。
また、送受信回路の電気的特性を検査する際、グランド導体73は、第1固定端子20及び第2固定端子40に接触する。この場合、第1固定端子20及び第2固定端子40はそれぞれアンテナ回路と接続されているところ、第1固定端子20及び第2固定端子40がグランド導体73と導通してグランド電位となる。このため、第1及び第2可動端子30,50と第1及び第2固定端子20,40との間の電磁気的な干渉を抑制することができる。つまり、第1及び第2可動端子30,50と第1及び第2固定端子20,40との間のアイソレーションを確保することができる。したがって、第1可動端子30及び第2可動端子50に伝送される検査信号にノイズが生じにくい。よって、検査の信頼性を向上することができる。
本実施形態において、同軸コネクタ2は、グランド端子60を備える。グランド導体73は、グランド端子60にも接触する。この場合、第1固定端子20及び第2固定端子40がグランド導体73と導通するとともにグランド端子60と導通する。これにより、第1固定端子20及び第2固定端子40がより十分にグランド電位となる。このため、第1及び第2可動端子30,50と第1及び第2固定端子20,40との間の電磁気的な干渉をより抑制することができる。したがって、第1可動端子30及び第2可動端子50に伝送される検査信号にノイズがより生じにくい。よって、検査の信頼性をより向上することができる。
もっとも、通信機器の通常の使用状態では、第1可動端子30及び第1固定端子20が通信信号の電気経路となり、第2可動端子50及び第2固定端子40も通信信号の電気経路となる。この場合、グランド端子60が電磁気的なシールドの機能を担う。したがって、グランド端子60によって、第1固定端子20と第2固定端子40との間の電磁気的な干渉を抑制することができる。つまり、第1固定端子20と第2固定端子40との間のアイソレーションを確保することができる。
本実施形態において、グランド板ばね部62の先端部62aは、第1可動端子30と第2可動端子50との間の領域に達している。つまり、グランド端子60が、第1板ばね部32と第2板ばね部52との間の領域に延びている。特に、グランド板ばね部62の先端部62aは、第1板ばね部32のうちの押圧部P2Aに対応する位置に配置され、さらに、第2板ばね部52のうちの押圧部P2Bに対応する位置に配置されている。つまり、グランド端子60は、第1板ばね部32と第2板ばね部52との間の領域のうち、第1信号ピン71が第1板ばね部32と接触する位置、及び第2信号ピン72が第2板ばね部52と接触する位置まで延びている。
この場合、グランド端子60はグランド電位であるため、送受信回路の検査時には、さらに、第1可動端子30と第2可動端子50との間の電磁気的な干渉を抑制することができる。つまり、第1可動端子30と第2可動端子50との間のアイソレーションを確保することができる。
ここで、送受信回路の検査時、第1信号ピン71による第1板ばね部32の押圧部P2Aは、ノイズの発生源になりやすく、また、第2信号ピン72による第2板ばね部52の押圧部P2Bも、ノイズの発生源になりやすい。それらの押圧部の間に、グランド端子60が存在するため、第1可動端子30と第2可動端子50との間の電磁気的な干渉をより抑制することができる。したがって、第1可動端子30及び第2可動端子50に伝送される検査信号にノイズがより一層生じにくい。よって、検査の信頼性をより一層向上することができる。
もっとも、通信機器の通常の使用状態では、グランド端子60によって、さらに、第1固定端子20と第2固定端子40との間の電磁気的な干渉を抑制することができる。つまり、第1固定端子20と第2固定端子40との間のアイソレーションを確保することができる。
なお、通信機器の通常の使用状態では、第1板ばね部32と第1固定端子20との接触部P1Aは、ノイズの発生源になりやすく、また、第2板ばね部52と第2固定端子40との接触部P1Bも、ノイズの発生源になりやすい。それらの接触部の間に、グランド電位のグランド端子60が存在するため、第1可動端子30と第2可動端子50との間の電磁気的な干渉をより抑制することができる。
<第2実施形態>
図10は、第2実施形態に係るコネクタセット1における同軸コネクタ2の分解斜視図である。本実施形態の同軸コネクタ2は、第1固定端子20及び第1可動端子30の形状において、第1実施形態の同軸コネクタ2と異なる。また、本実施形態の同軸コネクタ2は、第2固定端子40及び第2可動端子50の形状において、第1実施形態の同軸コネクタ2と異なる。
図10に示すように、本実施形態の第1固定端子20は、第1実施形態における第1固定端子20と同様に、リード部21と、被支持部22とを含んでいる。ただし、本実施形態の第1固定端子20は、第1実施形態における第1固定端子20とは異なり、羽根部23a,23b(図2)を含んでいない。
本実施形態の第1可動端子30は、第1実施形態における第1可動端子30と同様に、リード部31を含んでいる。第1可動端子30は、第1板ばね部32をさらに含む。本実施形態の第1板ばね部32は、第1実施形態における第1板ばね部32と異なる形状を有する。本実施形態の第1板ばね部32は、第1実施形態と異なり、第1固定端子20側で分岐していない。つまり、本実施形態の第1板ばね部32は、枝部322a,322b(図2)を含んでいない。
本実施形態において、第1板ばね部32は、リード部31から第1固定端子20に向かって延び、第1固定端子20の被支持部22に下方から接触する。第1板ばね部32は、被支持部22の下面に接触する。
本実施形態において、第2固定端子40は、第1固定端子20と同様の構成を有する。第2可動端子50は、第1可動端子30と同様の構成を有する。
本実施形態の第2固定端子40は、第1実施形態における第2固定端子40と同様に、リード部41と、被支持部42とを含んでいる。ただし、本実施形態の第2固定端子40は、第1実施形態における第2固定端子40とは異なり、羽根部43a,43b(図2)を含んでいない。
本実施形態の第2可動端子50は、第1実施形態における第2可動端子50と同様に、リード部51を含んでいる。第2可動端子50は、第2板ばね部52をさらに含む。本実施形態の第2板ばね部52は、第1実施形態における第2板ばね部52と異なる形状を有する。本実施形態の第2板ばね部52は、第1実施形態と異なり、第2固定端子40側で分岐していない。つまり、本実施形態の第2板ばね部52は、枝部522a,522b(図2)を含んでいない。
本実施形態において、第2板ばね部52は、リード部51から第2固定端子40に向かって延び、第2固定端子40の被支持部42に下方から接触する。第2板ばね部52は、被支持部42の下面に接触する。
本実施形態でも、第1可動端子30の第1板ばね部32は、第1固定端子20に下方から接触し、第2可動端子50の第2板ばね部52は、第2固定端子40に下方から接触する。したがって、本実施形態のコネクタセット1も、第1実施形態のコネクタセット1と同様の効果を奏することができる。特に、本実施形態では、第1板ばね部32を第1固定端子20側で分岐させていない。第2板ばね部52を第2固定端子40側で分岐させていない。そのため、同軸コネクタ2を小型化することができる。
<変形例>
以下、上記の実施形態に係るコネクタセット1の変形例を説明する。図11~図14は、上記の実施形態に係るコネクタセット1におけるプローブ3の変形例を示す図である。図11~図14には、プローブ3を下(z軸方向)から見たときの平面図が示される。
図11を参照して、変形例1のプローブ3では、グランド導体73は、基部731と、第1竿部732と、第2竿部733と、を含む。第1竿部732は、基部731に対し、y軸方向において正側に向かうように、真直ぐに延びている。第2竿部733は、基部731に対し、y軸方向において負側に向かうように、真直ぐに延びている。この場合、第1竿部732及び第2竿部733は、上下方向(z軸方向)に沿って見て、I字形状である。
図12を参照して、変形例2のプローブ3では、グランド導体73は、基部731と、第1竿部732と、第2竿部733と、を含む。第1竿部732は、基部731に対し、y軸方向において正側に向かいつつx軸方向において正側に向かうように、真直ぐに延びている。第2竿部733は、基部731に対し、y軸方向において負側に向かいつつx軸方向において正側に向かうように、真直ぐに延びている。この場合、第1竿部732及び第2竿部733は、上下方向(z軸方向)に沿って見て、V字形状である。
図13を参照して、変形例3のプローブ3では、グランド導体73は、基部731と、第1竿部732と、第2竿部733と、第3竿部734と、を含む。第1竿部732は、基部731に対し、y軸方向において正側に向かいつつx軸方向において正側に向かうように、真直ぐに延びている。第2竿部733は、基部731に対し、y軸方向において負側に向かいつつx軸方向において正側に向かうように、真直ぐに延びている。第3竿部734は、基部731に対し、x軸方向において負側に向かうように、真直ぐに延びている。この場合、第1竿部732、第2竿部733及び第3竿部734は、上下方向(z軸方向)に沿って見て、Y字形状である。
図14を参照して、変形例4のプローブ3では、グランド導体73は、基部731と、延出部735と、第1竿部732と、第2竿部733と、を含む。延出部735は、x軸方向において正側に向かうように、基部731の先端から真直ぐに延びている。第1竿部732及び第2竿部733は、延出部735の先端から分岐した部分である。第1竿部732は、延出部735に対し、y軸方向において正側に向かいつつx軸方向において正側に向かうように、真直ぐに延びている。第2竿部733は、延出部735に対し、y軸方向において負側に向かいつつx軸方向において正側に向かうように、真直ぐに延びている。この場合、延出部735、第1竿部732及び第2竿部733は、上下方向(z軸方向)に沿って見て、Y字形状である。
<好ましい形態>
同軸コネクタ2がグランド端子60を備える場合、グランド板ばね部62の長さは、好ましくは、第1固定端子20に接続されるアンテナの周波数、及び第2固定端子40に接続されるアンテナの周波数のうちの最大周波数によって設定される。図4を参照して、グランド板ばね部62の長さLは、グランド板ばね部62のうちプローブ3のグランド導体73が接触する部分から、先端部62aまでの距離を意味する。グランド板ばね部62の長さLがあまりに大きければ、グランド板ばね部62が、意図しないアンテナとして機能するからである。グランド板ばね部62がアンテナとして機能した場合、かえってグランド板ばね部62がノイズの発生源になりやすい。したがって、グランド板ばね部62の長さLは、アンテナの最大周波数の1/4以下であることが好ましい。
その他、本開示は上記の実施形態に限定されず、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。例えば、同軸コネクタ2において、グランド端子60は、グランド板ばね部62の基端部が、上ケース12及び下ケース13によって上下から挟まれることにより、片持ち支持されている。しかしながら、グランド端子60は、さらに、グランド板ばね部62の先端部62aも、上ケース12及び下ケース13によって上下から挟まれることにより、両持ち支持されてもよい。