JP2022187412A - 車載用燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の走行時において流れ込む空気により燃料電池スタックの温度が低下するのを抑制する。【解決手段】車載用燃料電池システムは、燃料電池スタックと、燃料電池スタックとの間でガスを授受し、前記燃料電池スタックからの排気ガスを燃焼させる燃焼器を有するガス処理部とを備え、車両のモータルーム内に搭載される。ガス処理部は、モータルーム内において、車両の走行時において外気による対流の影響を受ける場所に配置され、燃料電池スタックは、ガス処理部の対流の影響を受ける場所の反対側の面に取り付けられる。【選択図】図2
Description
この発明は、車載用燃料電池システムに関する。
モータを駆動源とする電動車両として、発電源として燃料電池スタックを備える燃料電池車両が検討されている。特許文献1には、車室に対して前方に位置するモータルームに燃料電池スタックが配置された燃料電池車両が開示されている。
特許文献1に開示された燃料電池車両においては、車両の走行時において前方からモータルームに流れ込む空気(走行風)が、燃料電池スタックに直接吹き当たってしまう。その結果、燃料電池スタックの温度が低下してしまい、発電性能が低下するおおそれがある。特に、燃料電池スタックが固体酸化物型の燃料電池(SOFC)である場合には、比較的高温で作動するため走行風により冷却されてしまうと発電性能が低下するおそれが大きい。
本発明のある態様によれば、車載用燃料電池システムは、燃料電池スタックと、燃料電池スタックとの間でガスを授受し、前記燃料電池スタックからの排気ガスを燃焼させる燃焼器を有するガス処理部とを備え、車両のモータルーム内に搭載される。ガス処理部は、モータルーム内において、車両の走行時において外気による対流の影響を受ける場所に配置され、燃料電池スタックは、ガス処理部の対流の影響を受ける場所の反対側の面に固定される。
本発明の車載用燃料電池システムによれば、車両の走行時において流れ込む空気により燃料電池スタックの温度が低下するのを抑制することができる。
以下、図を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の車載用燃料電池システムを搭載するモータルームの斜視図である。図左下方が車両前方を示し、図右上方が車両後方を示す。
図1は、第1実施形態の車載用燃料電池システムを搭載するモータルームの斜視図である。図左下方が車両前方を示し、図右上方が車両後方を示す。
この図には、車両の前方に設けられ駆動源を収容するモータルーム100が示されている。モータルーム100には、燃料電池スタック1(第1燃料電池スタック1A、第2燃料電池スタック1B)、ガス処理部2、高圧コンバータ3、及び、駆動モータ4が配置されている。燃料電池スタック1、ガス処理部2、及び、高圧コンバータ3は、ケース5内に収容されている。これらの構成の動作については、図2を用いて後に説明する。
モータルーム100の側方には、車両の前後方向に延在するサイドメンバー6が設けられている。モータルーム100内に配置されるケース5は、懸架装置7を用いてサイドメンバー6に取り付けられる。また、モータルーム100の前方には、車幅方向に延在するフロントメンバー(不図示)が設けられる。モータルーム100は、サイドメンバー6及びフロントメンバーにより形成される。
サイドメンバー6には、駆動モータ4及びケース5に加えて、トランスアクスル装置や操舵装置等の操舵系部品(図1において不図示)が懸架されている。さらに、モータルーム内の車両後方の車室側と接する領域に、補機や空調を制御する弱電制御部(図1において不図示)が配置されている。
駆動モータ4の回転軸は、変速機(不図示)を介して車軸8と機械的に接続される。これにより、駆動モータ4の回転軸が回転すると、車軸8に取り付けられた前輪(不図示)が回転して車両が走行する。なお、駆動モータ4と車軸8とは変速機を介さずに接続されてもよい。
図2は、図1に示されたモータルーム100の側面図である。図左方が車両前方を示し、図右方が車両後方を示す。
燃料電池スタック1は、固体酸化物型の燃料電池(SOFC)セルを積層した積層電池である。燃料電池スタック1は、第1燃料電池スタック1A、及び、第2燃料電池スタック1Bにより構成される。なお、説明において両者を区別しない場合には、単に燃料電池スタック1と記載する。
第1燃料電池スタック1A、及び、第2燃料電池スタック1Bにおいては、車両前後方向に複数の燃料電池セルが積層されている。第1燃料電池スタック1Aの燃料電池セルの積層数は、第2燃料電池スタック1Bの燃料電池セルの積層数よりも多い。そのため、第1燃料電池スタック1Aは、第2燃料電池スタック1Bよりも前後方向に長く構成される。
このように、第1燃料電池スタック1A、及び、第2燃料電池スタック1Bについては、上方に、積層方向長(車両前後方向長)が長いものが配置される。燃料電池スタック1は、3以上の燃料電池スタック1により構成されてもよく、その場合には、より長いものが上方に配置され、より短いものが下方に配置される。
このように、積層方向が車両前後方向と一致する方向となるとともに、積層方向長が長い第1燃料電池スタック1Aが上部に配置され、積層方向長が短い第2燃料電池スタック1Bが下部に配置される。これにより、モータルーム100内において比較的下部に広いスペースが生じるので、駆動モータ4等の配置領域を設けることができる。
燃料電池スタック1により発電された電力は、高圧コンバータ3において強電圧系統の電圧に変換された後に、駆動モータ4やバッテリ(不図示)に供給される。バッテリは、モータルーム100の外(例えば、搭乗者が収容される車室の下部)に設けられる。なお、モータルーム100には、さらに弱電コンバータが設けられており、強電圧系統と弱電圧系統との間の相互の電圧変換を行う。これにより、弱電圧系統に電力が供給される。
燃料電池スタック1は、ガス処理部2を介して供給されるアノードガス及びカソードガスを用いて、以下のように発電される。
燃料電池スタック1のアノード極には、燃料を改質する触媒が塗布等により設けられている。燃料電池スタック1に改質前の燃料ガスが供給されると、アノード極において改質により生成されたアノードガスの反応が進行する。さらに、燃料電池スタック1のカソード極にはカソードガス(空気、酸素)が供給される。これにより、燃料電池スタック1において、アノードガスとカソードガスを用いて発電が行われる。
ガス処理部2は、燃料ガスの供給系統に加熱器及び蒸発器を備える。加熱器によって燃料タンク(不図示)から供給された液体燃料が加熱され、蒸発器により加熱された液体燃料が蒸発されることで燃料ガスが生成される。生成された燃料ガスは燃料電池スタック1のアノード極に供給される。同時に、ガス処理部2はコンプレッサ(不図示)を備える。外部からブロワを介して取り込まれた空気(カソードガス)は、コンプレッサによって、燃料電池スタック1のカソード極に供給される。なお、ガス処理部2と接続される燃料タンクやコンプレッサ等は、ケース5の側方に配置される。
燃料電池スタック1の発電中には、オフガス(燃料オフガス、空気オフガス)がガス処理部2に排出される。ガス処理部2は、さらに、排気系統に燃料電池スタック1から排出されるオフガス(燃料オフガス、空気オフガス)を燃焼する燃焼器を備える。これにより、オフガスに含まれる未燃の燃料ガスの外部への排出が抑制される。さらに、ガス処理部2は熱交換器を備え、燃焼器の発熱を用いた熱交換により、燃料電池スタック1に供給されるカソードガスを加熱できる。
このように、ガス処理部2は、燃料供給系統に設けられる加熱器及び蒸発器、並びに、排気系統に設けられる燃焼器及び熱交換器を備える。燃料電池スタック1の動作中においては、加熱器及び蒸発器は燃焼器の発熱により加熱される。そのため、ガス処理部2は、オフガスの処理過程において発熱する燃焼器により加熱され、温度が上昇する。
ガス処理部2においては、燃料タンクからの燃料経路に設けられ燃料供給弁、及び、コンプレッサが制御される。これにより、燃料電池スタック1へのアノードガス及びカソードガスの供給量が制御される。燃料供給弁及びコンプレッサの制御は、燃料電池システムの全体を制御するコントローラ(不図示)により行われる。
コントローラは、ガス処理部2を用いて、燃料電池スタック1に供給されるアノードガス及びカソードガスの流量を制御することにより、燃料電池スタック1の発電を制御する。コントローラは、バッテリの充電量(SOC:State Of Charge)が下限値を下回ると、ガス処理部2を用いて燃料電池スタック1にアノードガス及びカソードガスを供給して燃料電池スタック1による発電を開始させる。一方、バッテリのSOCが上限値を上回ると、ガス処理部2のアノードガス及びカソードガスの供給を停止して、燃料電池スタック1の駆動を停止する。このようにして、コントローラは、ガス処理部2を制御することで、燃料電池スタック1の駆動状態を制御する。
また、この図に示されるように、1つのガス処理部2に対して、2つの燃料電池スタック1(第1燃料電池スタック1A、及び、第2燃料電池スタック1B)が接続されている。そのため、ガス処理部2を増設することなく複数の燃料電池スタック1を動作させることができるので、モータルーム100内の構成を簡略化できる。
図示されるように、ガス処理部2は燃焼器や熱交換器などの高圧ガスが通過する各種補機等を一体型ユニットとして構成した矩形状構造体である。ガス処理部2は、比較的面積の大きな面が車両前方に向かうように配置されている。そして、燃料電池スタック1は、ガス処理部2の後方面、すなわち、モータルーム100の内部に向かう面に固定される。そして、車両前方から見た場合には、燃料電池スタック1は、ガス処理部2の内側、すなわち、ガス処理部2の輪郭からはみ出ないように配置されている。
ケース5は、前側ケース5Fと後側ケース5Rとを、互いの開口部を合わせた状態で接続して構成されており、内部に燃料電池スタック1、ガス処理部2、及び、高圧コンバータ3を収容する。詳細には、前側ケース5Fの前方の底部には、ガス処理部2、及び、高圧コンバータ3が取り付けられる。ガス処理部2に取り付けられた燃料電池スタック1、及び、高圧コンバータ3の一部は、前側ケース5Fの開口から突出する。これらの前側ケース5Fから突出する構成は、後側ケース5Rにより覆われる。
このようにして、燃料電池スタック1、ガス処理部2、及び、高圧コンバータ3を収容するケース5が構成される。ケース5にはケーブルや配管が通る穴(不図示)が設けられている。なお、以下では、ケース5は、密閉されて構成されているものとして説明するが、外気を取り込み可能に構成されてもよい。
ケース5の上面は、モータルーム100覆うボンネット(不図示)より下方に配置されており、衝撃緩和用の隙間が構成されている。ケース5の下面は、モータルーム100の下面よりも上方に位置するので、縁石や轍等の路上障害物の衝突を回避できる。
上述のように、積層方向(前後方向)に長い第1燃料電池スタック1Aが上方に配置され、短い第2燃料電池スタック1Bが下方に配置されている。ケース5(5R)の車両後方の端面は、第1燃料電池スタック1Aと対向する上部5Aよりも、第2燃料電池スタック1Bと対向する下部5Bが車両前方に位置する。そのため、ケース5は下部5Bの後方領域が大きく構成されており、この領域に駆動モータ4が設けられる。すなわち、駆動モータ4は、ケース5の下部よりも後方、かつ、第1燃料電池スタック1Aよりも下方に配置される。
さらに、駆動モータ4よりも車両前下方に、操舵装置9が設けられている。操舵装置9は、車室内のハンドルにより操作されて車軸8に取り付けられる車輪の方向を変化させる。これにより、運転者は車両の進行方向を制御することができる。
ケース5(5R)の車両後方の端面のうち、第2燃料電池スタック1Bよりも下方に位置する最下部5Cは、第2燃料電池スタック1Bと対向する下部5Bよりもさらに車両前方に位置する。そのため、ケース5の最下部5Cの後方には、さらに広い領域が構成されるので、この領域に操舵装置9を配置できる。
さらに、モータルーム100においては、車両後方側に弱電制御部10が設けられている。弱電制御部10は、ワイパーや油圧ポンプ等の弱電機器を制御するコントロールユニットである。そして、弱電制御部10の後方には、モータルーム100と車室とを隔てる上部ダッシュボード11、及び、下部ダッシュボード12が設けられている。上部ダッシュボード11、及び、下部ダッシュボード12は、硬質プラスチック等により構成されており、車室の内面を構成する。
また、弱電制御部10と、上部ダッシュボード11及び下部ダッシュボード12との間には、インシュレータ13が設けられている。インシュレータ13は発泡材等により構成されており、断熱性及び遮音性を備える。これにより、モータルーム100内で発生する騒音や発熱が車室内に伝わりにくくなる。
ここで、車両が走行してモータルーム100に走行風が吹き込む場合には、ケース5のガス処理部2が取り付けられる面に走行風が吹きつけられる。そのため、ガス処理部2は、対流による影響を受けやすい箇所に設けられていることになる。そして、ケース5において走行風が吹き付けられる面は比較的温度が下がりやすいが、ガス処理部2は燃焼器等を備えているので温度を一定に保つように加熱制御できる。
また、燃料電池スタック1はガス処理部2の後方面、すなわち、ケース5の走行風が吹きあたる面の反対側の面に固定される。このように、走行風が当たるガス処理部2の後方に燃料電池スタック1が設けられるので、燃料電池スタック1の温度は低下しにくい。なお、ケース5は密閉されているが、車両の走行時にはケース5の前面(前側ケース5Fの底部)が冷却されやすいので、ケース5の前面に取り付けられるガス処理部2の温度が下がりやすい。そして、燃料電池スタック1は、走行風が吹きあたるケース5の前面からガス処理部2を介して配置されるので、温度が維持されやすい。
このように、燃料電池スタック1はガス処理部2の後方に向かう載置面に固定されている。すなわち、ガス処理部2において、燃料電池スタック1の載置面は車両後方に向かい、載置面の反対側の面が車両前方に向かっている。換言すれば、ガス処理部2における載置面の反対側の面が走行風の影響を受けるため、載置面に設けられた燃料電池スタック1への走行風の影響を抑制できる。
なお、ガス処理部2は、内部にアノードガス及びカソードガスの燃料供給経路を分岐させるマニホールドを備え、燃料電池スタック1の固定面において、分岐された供給流路のそれぞれが第1燃料電池スタック1A及び第2燃料電池スタック1Bと接続される。さらに、ガス処理部2は、内部に第1燃料電池スタック1A及び第2燃料電池スタック1Bから排出されるオフガスの流路が合流するマニホールドを備える。
このように、第1燃料電池スタック1A及び第2燃料電池スタック1Bの燃料供給経路及び排気経路を分岐及び合流させるマニホールドを、ガス処理部2内に設けることにより、複数の燃料電池スタック1に対してガス処理部2を共通化できる。ガス処理部2から直接ガスが供給されるように燃料電池スタック1をガス処理部2に固定することで、接続部品の点数の削減を図ることができる。さらに、燃料電池スタック1をガス処理部2に対して直接接続することで、放熱面となりうる表面積を削減できるため、燃料電池スタック1の温度維持及び昇温時間の短縮を図ることができる。
第1実施形態の燃料電池システムによれば、ガス処理部2は、車両の走行時において外気による対流の影響を受ける場所、すなわち、モータルーム100の前方に配置され、燃料電池スタック1は、ガス処理部2の後方面、すなわち、モータルーム100に向かう側の面に固定される。
このような構成においては、燃料電池スタック1は、ガス処理部2の後方面、すなわち、走行風が吹きあたる面の反対側の面に固定される。そのため、燃料電池スタック1は、走行風が直接吹きあたるケース5に取り付けられるガス処理部2の後方に配置されるので、走行風の影響を受けにくい。その結果、燃料電池スタック1の温度が維持されやすくなり、発電性能の低下を抑制できる。特に、燃料電池スタック1がSOFCである場合には、比較的高温で作動するため走行風により冷却されてしまうと発電性能に影響があるおそれが大きい。しかしながら、本実施形態のように走行風の影響を抑制することにより、燃料電池スタック1の発電性能を維持しやすくなる。
一方で、モータルーム100内において、ガス処理部2は、走行風の対流の影響を受けやすいため比較的温度が下がりやすい。しかしながら、ガス処理部2は、燃焼器や熱交換器等の発熱処理を行う構成を備えているため、温度が低下しても燃焼器を動作させることで、所定の温度まで加熱することができる。
本実施形態においては、燃料電池スタック1及びガス処理部2は、密閉されたケース5内に収容されているが、ケース5においては走行風が吹き付けられる前面が冷却されやすいので、ガス処理部2の温度が低下しやすくなるものの、ガス処理部2の後方に配置される燃料電池スタック1の温度は維持されやすい。なお、ケース5が密閉されていない場合においては、走行風が直接当たるガス処理部2の前面がより冷却されやすくなるが、そのような場合でも、燃料電池スタック1は走行風が吹きあたらないため温度が低下しにくい。その結果、燃料電池スタック1の温度が維持されやすくなり、発電性能の低下を抑制できる。
第1実施形態の燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1は、モータルーム100において車室の反対側に配置される。燃料電池スタック1は、駆動時において比較的高温となる。そこで、燃料電池スタック1をモータルーム100において車室から離れた前方に配置し、さらに燃料電池スタック1と車室との間にインシュレータ13を設けることで、車室の温度上昇を抑制することができる。なお、車室の近傍に弱電制御部10が設けられる場合には、弱電制御部10の温度上昇が抑制されるので熱害を低減できる。
第1実施形態の燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1及びガス処理部2が設けられるモータルーム100は、車両の前方に配置され、車両の走行時にモータルーム100には車両前方から走行風が流入する。このような構成において、ガス処理部2を前方の走行風が吹きあたる場所に設けることにより、走行風があたりやすくなりガス処理部2の温度が低下しやすい。一方で、燃料電池スタック1はガス処理部2の後方面に固定されるので、走行風の影響を受けにくく、燃料電池スタック1の温度低下を抑制できる。
第1実施形態の燃料電池システムによれば、車両の前方から見た場合には、燃料電池スタック1は、ガス処理部2の内側に、ガス処理部2の輪郭からはみ出さないように配置される。このような構成となることにより、燃料電池スタック1は、ガス処理部2により走行風が遮られる位置に配置される。例えばケース5が存在しない場合には、ガス処理部2により走行風が遮断されるので、燃料電池スタック1には直接走行風が吹きあたらない。そのため、燃料電池スタック1の温度低下を抑制できる。
第1実施形態の燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1は、積層方向である車両の前後方向の長さの異なる2つの第1燃料電池スタック1Aと第2燃料電池スタック1Bとにより構成される。そして、比較的長い第1燃料電池スタック1Aが上部に配置され、比較的短い第2燃料電池スタック1Bが下部に配置される。
このように構成されることで、モータルーム100においては下部に大きな収容領域が設けられる。具体的には、ケース5(5R)の車両後方の端面のうち、第2燃料電池スタック1Bと対向する下部5Bは、第1燃料電池スタック1Aと対向する上部5Aよりも車両前方に位置するため、ケース5の後方領域は下部であるほど広くなる。そのため、下部5Bの後方領域に駆動モータ4を配置することができる。
さらに、ケース5(5R)の車両後方の端面のうち、第2燃料電池スタック1Bよりも下方に位置する最下部5Cは、第2燃料電池スタック1Bと対向する下部5Bよりもさらに車両前方に位置する。そのため、ケース5の最下部5Cの後方には、さらに広い領域が構成されるので、この最下部5Cの後方領域に操舵装置9を配置できる。
このように、長さの異なる第1燃料電池スタック1A、及び、第2燃料電池スタック1Bを、より長いものを上方に、より短いものを下方に配置させる。これにより、モータルーム100内の燃料電池スタック1の後方においては、下部になるほど大きな領域を設けることができるので、レイアウト性を高めることができる。特に、このような領域には、駆動モータ4や操舵装置9等の比較的大きな部品を配置しやすくなる。
第1実施形態の燃料電池システムによれば、第1燃料電池スタック1Aと第2燃料電池スタック1Bとにより構成される燃料電池スタック1は、さらに、モータルーム100の下面から離間して設けられる。そして、この離間された燃料電池スタック1の下方に、高圧コンバータ3のような他の構成を収容することができる。さらに、燃料電池スタック1が上方に配置されることにより、燃料電池スタック1の後方下部の領域がより広くなり、モータルーム100のレイアウト効率の向上を図ることができる。
(第2実施形態)
第1実施形態においては、燃料電池スタック1等が配置されるモータルーム100が、車両前方に設けられる例について説明したが、これに限らない。本実施形態においては、モータルーム100が車両後方に設けられる例について説明する。
第1実施形態においては、燃料電池スタック1等が配置されるモータルーム100が、車両前方に設けられる例について説明したが、これに限らない。本実施形態においては、モータルーム100が車両後方に設けられる例について説明する。
図3は、第2実施形態のモータルーム100を示す図である。この図に示されるように、モータルーム100は、車両の後方において、リアダッシュボード21の下に設けられている。リアダッシュボード21は、車室の後部の床下に取り付けられるとともに、リアトランクルームの底部を構成する。リアダッシュボード21は、後方に向かうほど後部座席の背面に沿って立ち上がり、その後トランクルームの底部に沿って車両後方へと延設される。
ガス処理部2は、モータルーム100内の後方において、矩形状構造体の比較的面積の大きな面が車両後方に向かうように配置されている。そして、燃料電池スタック1は、ガス処理部2の前方面、すなわち、モータルーム100の内部に向かう側の面に固定されている。なお、本実施形態においては、ケース5が示されていないが、ケース5内に燃料電池スタック1及びガス処理部2が設けられていてもよい。
ここで、車両が走行する際に発生する走行風は、車両の側面においてはボディー外面に沿って流れ、後方面において対流が発生する。そのため、ガス処理部2の後方面は対流が吹きあたるので、ガス処理部2は対流の影響を受ける場所に設けられることになり、ガス処理部2の温度が低下しやすい。
このように、燃料電池スタック1はガス処理部2の前方に向かう載置面に固定されている。すなわち、ガス処理部2において、燃料電池スタック1の載置面は車両前方に向かい、載置面の反対側の面が車両後方に向かっている。換言すれば、ガス処理部2における載置面の反対側の面が走行風の影響を受けるため、載置面に設けられた燃料電池スタック1への走行風の影響を抑制できる。
また、燃料電池スタック1については、積層方向(前後方向)に長い第1燃料電池スタック1Aが下方に配置され、短い第2燃料電池スタック1Bが上方に配置されている。その結果、第2燃料電池スタック1Bの前方端部と、第1燃料電池スタック1Aの前方端部とをつなぐ稜線は、車室内の後部シートの傾斜と略等しくなるため、モータルーム100の配置を効率よく行うことができる。
第2実施形態の燃料電池システムによれば、ガス処理部2は、モータルーム100において車両後方の走行風の影響を受ける場所に配置され、燃料電池スタック1は、ガス処理部2の前方面、すなわち、走行風の影響を受ける側とは反対側の面に固定される。
このような構成においては、燃料電池スタック1がガス処理部2の前方面、すなわち、走行風の影響を受ける側とは反対側の面に固定されることになり、燃料電池スタック1の温度低下を防ぎ発電性能の低下を抑制できる。また、モータルーム100内において、ガス処理部2は、走行風の対流の影響を受けやすいため比較的温度が下がりやすいが、燃焼器を備えるため所定の温度まで容易に加熱することができる。
さらに、燃料電池スタック1と、ガス処理部2との高さレベルが略等しくなる。これにより、モータルーム100の上面がより低くなり、上部のラゲッジスペースを大きくすることができる。車両の後方に物体が衝突する場合には、比較的強度の高いガス処理部2が外側に面しているため、燃料電池スタック1へ加わる衝撃を低減できる。
第2実施形態の燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1については、積層方向(前後方向)に長い第1燃料電池スタック1Aが下方に配置され、短い第2燃料電池スタック1Bが上方に配置されている。その結果、第2燃料電池スタック1Bの前方端部と、第1燃料電池スタック1Aの前方端部とをつなぐ稜線は、車室内の後部座席の背面の傾斜と略等しくなるため、モータルーム100のレイアウト性を向上させることができる。また、下方に位置する第1燃料電池スタック1Aは、比較的大型であり発熱量が大きく、上方に位置する第2燃料電池スタック1Bは、比較的小型であり発熱量が小さい。そのため、車室やラゲッジルームに近い場所の発熱を抑制きるので、車室内の快適性の向上を図ることができる。
(第3実施形態)
第3実施形態においては、モータルーム100が車両後方に設けられる他の例について説明する。
第3実施形態においては、モータルーム100が車両後方に設けられる他の例について説明する。
図4は、第3実施形態のモータルーム100を示す図である。この図に示されるように、モータルーム100は、車両の後方において、リアダッシュボード21の下に設けられている。
ガス処理部2は、モータルーム100内の下方において、矩形状構造体の比較的面積の大きな面が車両下方に向かうように配置されている。そして、燃料電池スタック1は、ガス処理部2の上方面、すなわち、モータルーム100に向かう側の面に固定されている。
ここで、車両が走行する際の走行風は、車両の側面においてはボディー外面に沿って流れる。モータルーム100の下部は、ボディーとは異なり表面が滑らかではないため、ガス処理部2の下方面において走行風が対流を発生させる。そのため、ガス処理部2は対流の影響を受ける場所に設けられることになる。
また、燃料電池スタック1については、積層方向(前後方向)の長さが長い第1燃料電池スタック1Aが後方に配置され、短い第2燃料電池スタック1Bが前方に配置されている。その結果、第2燃料電池スタック1Bの上方端部と、第1燃料電池スタック1Aの上方端部とをつなぐ稜線は、車室内の後部シートの傾斜と略等しくなるため、モータルーム100の配置を効率よく行うことができる。
このように、燃料電池スタック1はガス処理部2の上方に向かう載置面に固定されている。すなわち、ガス処理部2において、燃料電池スタック1の載置面は車両上方に向かい、載置面の反対側の面が車両下方に向かっている。換言すれば、ガス処理部2における載置面の反対側の面が走行風の影響を受けるため、載置面に設けられた燃料電池スタック1への走行風の影響を抑制できる。
第3実施形態の燃料電池システムによれば、ガス処理部2は、モータルーム100において車両下方の走行風の影響を受ける場所に配置され、燃料電池スタック1は、ガス処理部2の上方面、すなわち、走行風の影響を受ける側とは反対側の面に固定される。
このような構成においては、燃料電池スタック1がガス処理部2の上方面、すなわち、走行風の影響を受ける側とは反対側の面に設けられることになり、燃料電池スタック1の温度低下を防ぎ発電性能の低下を抑制できる。モータルーム100内において、ガス処理部2は、走行風の対流の影響を受けやすいため比較的温度が下がりやすいが、燃焼器を備えているとため所定の温度まで加熱することができる。さらに、車両の下方から物体が衝突する場合には、比較的強度の高いガス処理部2が外側に面しているため、燃料電池スタック1へ加わる衝撃を低減できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
1 燃料電池スタック、2 ガス処理部、3 高圧コンバータ、4 駆動モータ、5 ケース、6 サイドメンバー、7 懸架装置、8 車軸、9 操舵装置、10 弱電制御部、11 上部ダッシュボード、12 下部ダッシュボード、13 インシュレータ、21 リアダッシュボード、100 モータルーム
Claims (10)
- 燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックとの間でガスを授受し、前記燃料電池スタックからの排気ガスを燃焼させる燃焼器を有するガス処理部とを備え、車両のモータルーム内に搭載される車載用燃料電池システムであって、
前記ガス処理部は、前記モータルーム内において、前記車両の走行時において外気による対流の影響を受ける場所に配置され、
前記燃料電池スタックは、前記ガス処理部の前記対流の影響を受ける場所の反対側の面に固定される、車載用燃料電池システム。 - 請求項1に記載の車載用燃料電池システムにおいて、
前記モータルームは、前記車両の搭乗者が収容される車室よりも前方に配置され、
前記ガス処理部は、前記モータルームにおいて前記車両の前方からの走行風が吹きあたる位置に配置され、
前記燃料電池スタックは、前記ガス処理部の後方面に固定される、車載用燃料電池システム。 - 請求項2に記載の車載用燃料電池システムにおいて、
前記ガス処理部及び前記燃料電池スタックは、前記モータルームにおいて前記車室とは離れた前方に配置される、車載用燃料電池システム。 - 請求項3に記載の車載用燃料電池システムにおいて、
前記燃料電池スタックは、車両前方から見た場合に前記ガス処理部の内側に配置される、車載用燃料電池システム。 - 請求項3または4に記載の車載用燃料電池システムにおいて、
前記燃料電池スタックは、前記車両の前後方向に長さが異なる複数の燃料電池スタックを含み、
前記燃料電池スタックは、前後方向に長いものほど、より上部に配置される、車載用燃料電池システム。 - 請求項5に記載の車載用燃料電池システムにおいて、
前記モータルーム内に設けられる前記車両の駆動源となるモータは、前記燃料電池スタックよりも後方、かつ、前記前後方向に長く上部に配置される前記燃料電池スタックよりも下方に配置される、車載用燃料電池システム。 - 請求項5または6に記載の車載用燃料電池システムにおいて、
前記燃料電池スタックの下方には、前記燃料電池スタックから出力される電力を制御する電力制御ユニットが設けられる車載用燃料電池システム。 - 請求項1に記載の車載用燃料電池システムにおいて、
前記モータルームは、前記車両の搭乗者が収容される車室よりも後方に配置され、
前記ガス処理部は、前記モータルームの後部に配置され、
前記燃料電池スタックは、前記ガス処理部の前方面に固定される、車載用燃料電池システム。 - 請求項8に記載の車載用燃料電池システムにおいて、
前記燃料電池スタックは、前記車両の前後方向に長さが異なる複数の燃料電池スタックを含み、
前記複数の燃料電池スタックのそれぞれは、前後方向に長いものほど、より下部に配置される、車載用燃料電池システム。 - 請求項1に記載の車載用燃料電池システムにおいて、
前記モータルームは、前記車両の搭乗者が収容される車室よりも後方に配置され、
前記ガス処理部は、前記モータルームの下部に配置され、
前記燃料電池スタックは、前記ガス処理部の上面に固定される、車載用燃料電池システム。
Priority Applications (1)
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JP2021095440A JP2022187412A (ja) | 2021-06-07 | 2021-06-07 | 車載用燃料電池システム |
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JP2021095440A JP2022187412A (ja) | 2021-06-07 | 2021-06-07 | 車載用燃料電池システム |
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JP2021095440A Pending JP2022187412A (ja) | 2021-06-07 | 2021-06-07 | 車載用燃料電池システム |
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-
2021
- 2021-06-07 JP JP2021095440A patent/JP2022187412A/ja active Pending
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