JP2022187121A - 障害物検知方法および障害物検知システム - Google Patents

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Abstract

【課題】移動体の姿勢が変化した場合でも障害物の有無を検知する精度を向上できる障害物検知方法および障害物検知システムを提供する。【解決手段】障害物がない場合に電磁波が反射される反射地点Pnの周辺領域に予め少なくとも一つの検知領域Sを設定して、移動体2に設置される発信部9から照射角度を変化させながら検知領域Sに向かって電磁波を照射して、この電磁波の反射波を受信部10で受信して、検知領域Sの内側で反射する反射波に応じて判定機構13が障害物の有無を判定する障害物検知方法において、移動体2が走行する走行面8に対する移動体2の姿勢に応じて検知領域Sの位置を補正する。【選択図】図7

Description

本発明は、走行面上を走行する車両等の移動体に設置されていて移動体の周囲の障害物の有無を検知する障害物検知方法および障害物検知システムに関し、詳しくは障害物の有無を判定する際の精度を向上できる障害物検知システムおよび障害物検知方法に関するものである。
門型クレーンに設置されていて周囲の障害物を検知する障害物検知システムが種々提案されている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に記載の障害物検知システムは、予め設定される検知領域の内側からの反射光に基づき障害物の有無を判定する構成により、障害物がレーザ光を反射し難い物質であっても障害物があることを検知できていた。また検知領域の形状の工夫により、門型クレーン等の移動体が起伏した場合であっても障害物の有無を障害物検知システムは精度良く検知できていた。
特許文献1に記載の障害物検知システムは、水平面方向と上下方向の範囲を有する検知領域において、上下方向の範囲を広く設定するほど移動体の起伏へ対応しやすくなる一方で、検知領域が上下方向に広く設定されると上下方向に比較的小さな障害物を検知しにくくなる課題があった。
日本国特開2018-105822号公報
本発明は上記の問題を鑑みてなされたものであり、その目的は移動体の姿勢が変化した場合でも障害物の有無を検知する精度を向上できる障害物検知方法および障害物検知システムを提供することである。
上記の目的を達成するための本発明の障害物検知方法は、障害物がない場合に電磁波が反射される反射地点の周辺領域に予め少なくとも一つの検知領域を設定して、移動体に設置される発信部から照射角度を変化させながら前記検知領域に向かって電磁波を照射して、この電磁波の反射波を受信部で受信して、前記検知領域の内側で反射する前記反射波に応じて判定機構が障害物の有無を判定する障害物検知方法において、前記移動体が走行する走行面に対する前記移動体の姿勢に応じて前記検知領域の位置を補正することを特徴とする。
本発明の障害物検知システムは、移動体に設置されていて照射角度を変化させながら電磁波を照射する発信部と、前記電磁波の反射波を受信する受信部と、障害物がない場合に前記電磁波が反射される反射地点の周辺領域に少なくとも一つの検知領域を予め設定する検知領域設定機構と、前記検知領域の内側で反射する前記反射波に応じて障害物の有無を判定する判定機構とを備える障害物検知システムにおいて、前記移動体が走行する走行面に対する前記移動体の姿勢を取得する姿勢取得機構と、この姿勢取得機構から得られる値に基づき前記検知領域の位置を補正する補正機構とを備えることを特徴とする。
本発明の障害物検知方法および障害物検知システムによれば、走行面に対する移動体の姿勢に応じて検知領域の位置を補正することができる。走行面に沿って比較的狭い範囲に検知領域を設定することができるので、障害物の有無を検知する精度を向上するには有利である。
本発明の障害物検知システムが設置される門型クレーンを斜視で例示する説明図である。 門型クレーンを平面視で例示する説明図である。 本発明の障害物検知システムの構成を示す説明図である。 障害物がないときの走行面における反射地点を平面視で例示する説明図である。 図3の障害物検知システムが障害物を検知したときの状態を例示する説明図である。 障害物があるときの走行面における反射地点を平面視で例示する説明図である。 門型クレーンが横行方向を中心軸として傾いた状態を例示する説明図である。 門型クレーンが移動方向を中心軸として傾いた状態を例示する説明図である。 走行面が横行方向を中心軸として傾いた状態を例示する説明図である。 複数の検知領域が設定されている状態を例示する説明図である。 走行面が移動方向を中心軸として傾いた状態を例示する説明図である。
以下、本発明の障害物検知方法および障害物検知システムを図に示した実施形態に基づいて説明する。なお、図中では移動体の移動方向を矢印y、この移動方向yを直角に横断する横行方向を矢印x、上下方向を矢印zで示している。
図1に例示するように本発明の障害物検知システム1が設置される移動体2である門型クレーンは、移動方向yに走行する走行装置3と、走行装置3の上方に配置され上下方向zに延在する四本の脚部材4と、横行方向xに延在していて横行方向xに対向する脚部材4どうしの上端を連結する二本の梁部材5と、梁部材5に沿って横行方向xに移動可能に構成されるトロリ6と、トロリ6にワイヤロープで懸吊される吊具7とを備えている。移動体2を構成する門型クレーンは、走行面8を移動方向yに走行しつつコンテナの荷役を行なうことができる。
障害物検知システム1は、走行面8に向かって例えばレーザ光などの電磁波を照射する発信部9と、走行面8で反射される反射波を受光する受信部10とを有している。受信部10は発信部9の近傍に配置されている。この実施形態では四本の脚部材4の下方であって走行装置3の近傍となる位置に、それぞれ発信部9および受信部10(以下、発信部9等と総称することがある)が設置されている。発信部9等を設置する位置は上記に限らず、走行装置3や梁部材5など他の場所に適宜設置することができる。
移動体2である門型クレーンが走行する移動方向yに沿って、門型クレーンの移動方向の前方の手前から奥に至る範囲に発信部9はレーザ光を走査する構成を備えている。図1では説明のためレーザ光の照射方向を破線で示している。また図2に例示するように移動方向yを直角に横断する横行方向xに広がる状態で、発信部9はレーザ光を照射する構成を有していてもよい。
門型クレーンの移動方向yの後方側に設置されている発信部9からはレーザ光が照射されない構成にしてもよい。また例えば梁部材5に設置される一つの発信部9が、門型クレーンの移動方向yの前方側および後方側にレーザ光を照射する構成を有していてもよい。
障害物検知システム1が設置される移動体2は門型クレーンに限定されない。障害物検知システム1は平面または空間を移動する移動体2に設置することができ、例えばコンテナシャシなどの車両や岸壁クレーンに設置することができる。また障害物検知システム1は門型クレーンや岸壁クレーンの吊具7またはトロリ6に設置してもよい。
図3に例示するように障害物検知システム1は、発信部9と受信部10とを備えている。発信部9はレーザ光を照射する構成に限定されない。発信部9は光を含む電磁波を照射する構成を有していればよい。本明細書では紫外線や可視光線や赤外線を含む光、およびマイクロ波やミリ波や長波などを含む電波を総称して電磁波ということがある。発信部9は赤外線などの光やミリ波などの電波を照射する構成でもよい。発信部9が音波を発信する構成を有していてもよい。また発信部9が複数種の電磁波や、電磁波と音波とを組み合わせたものを発信する構成を有していてもよい。受信部10は発信部9から照射される電磁波や音波の反射波を受信できる構成を有していればよい。
障害物検知システム1は、受信部10からデータを取得する比較機構11と、この比較機構11にデータを送る検知領域設定機構12と、比較機構11からデータを取得して障害物の有無を判定する判定機構13と、判定機構13で利用する閾値を調整するための閾値設定機構14と、判定機構13における判定結果に基づき移動体2を制御する制御機構15とを備えている。また障害物検知システム1は、移動体2の姿勢を取得する姿勢取得機構16と、この姿勢取得機構16からデータを取得する補正機構17とを備えている。なお比較機構11と閾値設定機構14と制御機構15とは本発明の必須要件ではない。
障害物検知システム1は、まず走行面8に向かって発信部9からレーザ光を照射する。発信部9はミラーの回転等により放射状(扇形状)にレーザ光を順番に複数回照射していく。受信部10は発信部9からレーザ光を照射する際の角度θnごとに、レーザ光の照射から反射波が受信部10で受信されるまでの時間tnを取得していく。ここで角度θnは上下方向zに対するレーザ光の進行方向の傾きを表している。
発信部9と受信部10とは、発信部9等から走行面8までの距離を測定することになる。発信部9と受信部10とは例えば三次元レーザスキャナで構成することができる。例えば横行方向xに24層に重なる状態でレーザ光が照射される構成を有していて、各レーザ光が独立して横行方向xを中心軸として旋回する構成を有する三次元レーザスキャナを利用することができる。この三次元レーザスキャナは、角度θnの分解能を例えば0.125度~1.000度、レーザ光を旋回させるためのミラーの回転速度を例えば1~10Hzに設定される。発信部9と受信部10とは、三次元ライダーや三次元ミリ波レーダで構成されてもよい。発信部9と受信部10とが例えば単層のレーザが独立して回転する二次元レーザスキャナなど、測定範囲が二次元となるセンサで構成されてもよい。発信部9等の構成は上記に限定されず、所定の範囲に複数の電磁波を照射して反射波を受信する構成を有していればよい。例えば回転するミラー等を有さないセンサで構成されてもよい。
受信部10は、角度θnが0度以上90度以下で90度を含まない範囲のデータを利用することができる。受信部10は角度θnが0度以上60度以下の範囲のデータを利用することが望ましい。この角度θnの範囲を大きくするほど移動体2から離れた位置の障害物を検知できるため、移動体2の速度が大きい場合には角度θnの範囲の上限を90度に近づけることが望ましい。
例えば角度θnの範囲が0度~60度、分解能が0.125度、回転速度が5Hzで設定されている三次元レーザスキャナの場合に、受信部10は一層あたり1秒間に2400点の測定データを得る。つまり角度θnと時間tnとを組み合わせたデータを受信部10は1秒間に2400点得る。24層の三次元レーザスキャナの場合、受信部10は1秒間に57600点のデータを得ることになる。
次に一層あたりのレーザ光が照射されて、これに伴い取得されるデータの処理について説明する。図3に例示するように一層あたりのレーザ光が走行面8で反射される反射地点Pnは、レーザ光の走査方向に沿って直線状に並ぶ。以下この直線を基準線18ということがある。この基準線18は走行面8の上に形成される仮想の直線である。基準線18は走行面8でレーザ光が反射されることで形成される複数の反射地点Pnの集合体であるともいえる。この基準線18はレーザ光が走行面8で反射される範囲に形成されるので、発信部9との相対位置は固定される。そのため基準線18は門型クレーン等の移動体2の移動にともない移動方向yに移動する。
検知領域設定機構12では、検知領域Sが予め設定されている。検知領域Sは障害物がない場合に電磁波が反射される反射地点Pnの周辺領域に予め設定される。検知領域Sは移動方向yと上下方向zとから成る平面に形成される四角形の領域であり、発信部9等に対する相対的な位置として設定されている。この実施形態では検知領域Sは、移動体2の移動方向yに沿った方向であり反射地点Pn、即ち基準線18の上方と下方とに設定される一対の長辺19a、19bと、この一対の長辺19a、19bの対向する端部どうしを結び上下方向zに延在する一対の短辺20a、20bとで囲まれる長方形の領域である。検知領域Sの形状は上記に限らず適宜設定することが可能である。例えば多角形や曲線を含む形状に設定することもできる。
この実施形態では検知領域Sの短辺20a、20bの長さは、例えば基準線18を中心に上下方向zに±100mmの範囲に設定することができる。ゴムタイヤを有する門型クレーンの場合は、コンテナの荷重によりゴムタイヤが上下方向zに伸縮することがある。ゴムタイヤの伸縮にともない発信部9等が上下方向zに移動してこれにともない検知領域Sも上下方向zに移動する。検知領域Sが上下方向zに移動した場合であっても、基準線18が検知領域Sの内側に収まる範囲で短辺20a、20bの長さが設定されている。
長辺19a、19bの長さは水平方向に数mから数十mの範囲に設定することができる。長辺19a、19bの長さは基準線18より長くなる状態または同じ長さとなる状態に設定される。つまり基準線18が常に検知領域Sの内側となる状態に、検知領域Sの範囲は設定される。
検知領域Sは発信部9との相対位置が固定される。そのため検知領域Sは基準線18と同様に門型クレーン等の移動体2の移動にともない移動方向yに移動する。この実施形態では基準線18が移動方向yに平行であるため、検知領域Sは移動方向yに平行な平面となる。
比較機構11では、発信部9から照射するレーザ光の反射地点Pnと検知領域Sとを比較して、反射地点Pnが検知領域Sの内側か外側かを判定する構成を有している。例えばレーザ光が角度θ1で照射されるとき、このレーザ光の照射方向と検知領域Sの境界線との二つの交点p1、p1’を予め決めることができる。つまり角度θnごとに検知領域Sとの二つの交点pn、pn’の範囲が決まる。
具体的には交点pn、pn’は、発信部9からレーザ光が照射されてから受信部10で反射波を受信するまでの時間Tn、Tn’とレーザ光の照射角度θnとの組み合わせで設定されている。
受信部10から反射地点P1までの距離が、受信部10から交点p1までの距離と交点p1’までの距離との間であれば、比較機構11は反射地点P1が検知領域Sの内側にあると判定する。複数の反射地点Pnがそれぞれ検知領域Sの内側であるか外側であるかの判定を、検知領域設定機構12からの検知領域Sのデータに基づき比較機構11が行う。
具体的にはレーザ光の照射から反射波が得られるまでの時間tnが、交点pnに対応する時間Tnと交点pn’に対応する時間Tn’との間であれば検知領域Sの内側からの反射波であると比較機構11が判定する。
比較機構11は、反射地点Pnが検知領域Sの内側に位置する場合にはオン(ON)の信号を判定機構13に送り、反射地点Pnが検知領域Sの外側に位置する場合にはオフ(OFF)の信号を判定機構13に送る。
判定機構13では、比較機構11から送られてくるオンとオフの信号の割合に応じて、障害物の有無を判定する。例えば受信部10が1秒間で2400点の測定データを得る場合には、1秒間に2400点のオンとオフの信号が比較機構11から判定機構13に送られる。
判定機構13は、単位時間あたりに比較機構11から送られてくるオンの信号の数とオフの信号の数との総数に対するオンの信号の数の割合を充足率として算出する。また充足率の予め定められた閾値を判定機構13は格納している。充足率の閾値は例えば90%に設定することができる。
障害物がない場合に反射地点Pnは基準線18に沿った位置となり検知領域Sの内側に位置するため、1秒間に2400点のオンの信号が判定機構13に送られる。このとき充足率は100%となり、閾値の90%以上の値となる。
発信部9から照射されるレーザ光の全てが走行面8で反射されているので、レーザ光を遮蔽する障害物が発信部9と走行面8との間に存在しないことがわかる。判定機構13は充足率が閾値以上である場合には障害物がなく安全であると判定する。判定機構13は1秒ごとに判定を行なう構成に限定されず、例えば0.2秒ごとに判定を行うなど、判定を行なう頻度は適宜設定することができる。
このとき障害物検知システム1は、基準線18の全体を確認できた状態となる。障害物検知システム1は走行面8を見ることができる状態ともいえる。
図4に例示するように発信部9と受信部10とが例えば九層でレーザ光を照射する三次元レーザスキャナで構成される場合、反射地点Pnは移動方向yのみならず横行方向xにも広がって分布する。この実施形態では発信部9から九本のレーザ光が走行面8に対して照射される状態となる。各層のレーザ光はそれぞれ基準線18を形成して、複数の基準線18は移動体2の進行方向前方に向かって広がる状態となる。横行方向xおよび移動方向yに広がる平面である走行面8に分布する複数の反射地点Pnは、この実施形態では略扇型形状を形成する。図4では説明のため検知領域Sの範囲を一点鎖線で示している。
このとき検知領域Sは移動方向yと上下方向zに加えて横行方向xに広がりを有する空間として設定される。例えば直方体形状に検知領域Sが設定される。この実施形態では例えば第一層のレーザ光は、反射地点P1-1からP1-5は検知領域Sの内側として処理される。検知領域Sの外側となる反射地点P1-6は比較機構11で処理するデータから予め除外される。第二層のレーザ光は、反射地点P2-1からP2-6が検知領域Sの内側として比較機構11で処理される。仮に一層あたり六つの反射地点Pnが得られる場合、図4の実施形態では九層で54点の反射地点Pnが得られる。障害物がない場合に検知領域Sの内側でレーザ光が反射される反射地点Pnは52点となる。測定時に障害物がない場合は52点のオンの信号が判定機構13に送られる。このとき充足率は100%となる。図4では説明のため検知領域Sの外側に位置する反射地点Pnを破線で示している。
図5および図6に例示するように移動体2の前方に作業員21がいる場合には、発信部9から照射されるレーザ光の一部は作業員21に遮られ走行面8まで到達しない。レーザ光が作業員21に吸収されると反射波が得られない。レーザ光が作業員21に反射したとしても検知領域Sの外側からの反射波となる。いずれの場合においても、作業員21がいると検知領域Sの内側から得られる反射波の数が少なくなる。反射波の反射地点Pnが検知領域Sの外側となる場合には、比較機構11から判定機構13にオフの信号が出力される。図5および図6では説明のため検知領域Sの範囲を一点鎖線で示している。また説明のため検知領域Sの内側であり且つ走行面8の下方となる範囲には斜線を付している。
図6に例示するように作業員21の影となる部分においては検知領域Sの内側からの反射波を受信部10は得ることができない。そのため障害物検知システム1は、作業員21の後方となる位置において基準線18を確認できない。検知領域Sの内側から得られる反射地点Pnの数は例えば38点となり、充足率は約73%となる。予め設定されている閾値90%よりも充足率は小さい値となる。このような場合に障害物検知システム1は、基準線18の上に障害物があると判定する。図6では説明のため、障害物に遮られることでレーザ光が到達できていない反射地点Pnを破線で示している。
障害物検知システム1が制御機構15を備えている場合には、判定機構13による障害物があるとの判定に基づき、門型クレーン等の移動体2の走行速度を減速させたり、停止させたりする制御を制御機構15が行う構成にしてもよい。
障害物検知システム1は、障害物を直接的に検知する構成ではないため、障害物がレーザ光を吸収したりして反射波が得られない場合であっても、障害物があることを判定できる。障害物の有無を判定する際の精度を向上するには有利である。
従来の障害物検知システムでは障害物からの反射波により障害物があることを検知していたため、障害物検知システムの精度を向上するためにはレーザ光の出力を増加させて反射波を得やすくしたり、受信部10の感度を向上させて微量の反射波であっても検出できるようにしたりする必要があった。存在が不確かな障害物を直接的に探すために、多大な労力を割いていた。またシステムの感度を向上させるほど、障害物とはならない雨や昆虫を障害物として検出してしまう不具合が大きくなっていた。さらに何らかの故障によりレーザ光が照射されなくなったり、反射波を検知できなくなると、障害物があっても検出できず、安全であると判定してしまう不具合があった。
本発明の障害物検知システム1は、障害物がないことを検知する構成である。具体的には走行面8の上に形成される仮想の直線、すなわち基準線18をどの程度の割合で検知できるかを確認する構成である。基準線18を検知できればいいので、障害物検知システム1の精度を向上するためにレーザ光の出力を上げたり、受信部10の感度を向上させたりする必要がない。障害物検知システム1は、障害物がない可能性を判定する構成であり、充足率に応じて障害物がない可能性が高く安全性が高そうである場合と、障害物があるらしく安全性が低そうである場合とを判定することができる。
障害物検知システム1は、検知領域Sの内側で反射する反射波に応じて障害物の有無を判定する構成である。そのため発信部9や受信部10の故障等により反射波を受信できない場合に、障害物がないと誤った判定を行なうことがない。そのため障害物検知システム1は安全側に機能するシステムとなる。移動体2の移動にともなう安全性を向上するには有利である。
従来の障害物検知システムでは、存在が不確かな障害物を直接的に探すため、少しの反応であっても障害物ありとして移動体を停止させていた。これに対して本発明では雨や昆虫により例えば一つのレーザ光が検知領域Sの外側で反射した場合であっても、判定機構13に送られる57600点のデータのうち57599点がオンとなり充足率は90%以上となるので門型クレーン等の移動体2が緊急停止したりする不具合を回避できる。
障害物検知システム1が閾値設定機構14を備えている場合には、クレーンオペレータ等が閾値を天候等に応じて適宜調整することが可能となる。晴天の際には閾値を例えば90%に設定することができる。大雨の際には、閾値を例えば80%に設定することができる。雨により多数のレーザ光が検知領域Sの外側で反射される場合であっても、門型クレーン等の移動体2を走行させることができる。この場合でも作業員が基準線18の上にいるときは充足率がさらに低下して例えば70%などの低い値になるため、作業員の存在を検知することが可能である。
比較機構11を設置する構成により、判定機構13にはオンまたはオフの1ビットのデータが送られる。判定機構13に送られるデータ量が極めて小さいため、判定機構13が判定の際に必要とするメモリ量を節約するには有利である。移動体2が例えば門型クレーンで構成される場合、判定機構13は門型クレーンの動作を制御するシーケンサ(PLC)に組み込むことができる。シーケンサは門型クレーンの走行や荷役などの制御も処理しなければならないので、判定機構13により占有されるメモリ量が小さいほど望ましい。
判定機構13により占有されるメモリ量を抑制できるので、発信部9が照射するレーザ光の単位時間当たりの数を増加させたり、判定機構13による判定の頻度を増加させたりすることができる。また発信部9から照射されるレーザ光の層の数を増加させることができる。24層に重なる状態でレーザ光が照射されて、各層におけるミラーの回転速度が10Hzの三次元レーザスキャナで発信部9を構成したとしても、シーケンサのメモリの占有量をそれほど増加させることなく判定機構13により判定を行なうことができる。
比較機構11を備えていない場合に、判定機構13が1秒間に例えば57600点のデータを処理できると仮定する。比較機構11を備えている場合には、判定機構13は1秒間に例えば10倍の576000点のデータを処理することが可能となる。
また比較機構11の設置により判定機構13で処理するデータ量が小さくなるので、判定機構13で判定を行なう際に必要となる時間を短縮することができる。発信部9を構成する三次元レーザスキャナの分解能が比較的高く回転速度が比較的速い場合であっても、遅れがほとんど生じない状態で判定機構13による判定を行なうことができる。
移動体2が例えば自動車など移動速度の速いものであっても、遅れなく安全性を適切に判定することができる。移動体2の緊急停止が間に合わないなどの不具合の発生を抑制するには有利である。移動体2の移動速度に比べて判定機構13で判定を行なう速度を比較的速くすることができる。そのため充足率の閾値を必要以上に高く設定して、移動体2の障害物等への衝突を回避するなどの対策が不要となる。
本発明の障害物検知システム1において比較機構11は必須要件ではない。比較機構11を備えていない場合は、受信部10で得られるデータをそのまま判定機構13に送信する構成にすることができる。この場合、検知領域設定機構12で予め設定される検知領域Sに関するデータは判定機構13に送られる。判定機構13は、受信部10から得られるデータを検知領域Sに関するデータと比較して、反射波が検知領域Sの内側からの反射波であるか否かを判断する。
判定機構13は障害物がない場合に得られる検知領域Sの内側から反射波の総数に対して、測定時に検知領域Sの内側からの反射波の数を充足率として算出する。判定機構13は、この充足率が所定の閾値以上の場合に障害物がなく安全であると判定して、充足率が閾値よりも小さいときに障害物があると判定する。
本発明の障害物検知システム1において、判定機構13において充足率を算出する構成は必須要件ではない。この場合は判定機構13が、検知領域Sの内側からの反射波の数が単位時間あたりに例えば50000点など所定の閾値以上となる場合に障害物がないと判定して、この閾値よりも小さいときに障害物があると判定する構成にしてもよい。
本発明の障害物検知システム1において制御機構15は必須要件ではない。移動体2が門型クレーンの場合は、判定機構13による判定結果をディスプレイ等に表示してクレーンオペレータに通知する構成にすることができる。また障害物があると判定されたときに、警報音等によりクレーンオペレータに注意を促す構成にしてもよい。
制御機構15を備えている場合には、クレーンオペレータへの連絡の他に、門型クレーンを自動的に減速させたり、停止させたりする制御を行なうことができる。門型クレーンが自動走行の場合に、制御機構15による減速や停止等を自動で制御する構成にしてもよい。
また制御機構15が、充足率の値に応じて移動体2の減速量を制御する構成にしてもよい。例えば充足率が小さくなる程、減速量を増加させる制御を制御機構15により行なうことができる。充足率が高いほど安全性が高い状態となり、充足率が低いほど安全性が低い状態となるため、安全性が低いときには移動体2の移動速度が小さくなる。大雨など視界の悪いときには、移動体2の移動速度は小さくなるものの移動体2を走行させることができる。
図6に例示するように発信部9から照射されるレーザ光は、移動体2の前方側に離れるほど広がる構成を有している。そのため例えば作業員21が検知領域Sの内側にいる場合、作業員21が移動体2に近づくほど検知領域Sの内側からの反射波の数が減少する。作業員21に移動体2が近づくほど、移動体2の減速量を大きくすることが可能となる。また作業員21が移動体2から比較的遠い位置にいるときは移動体2が減速して、比較的近い位置にいるときは移動体2が停止する構成としてもよい。検知領域Sの内側からの反射波の数に応じて減速量を調整するとともに、反射波の数が所定の数を下回るときは移動体2を停止させる制御を制御機構15が実行する構成としてもよい。
図3に例示するように障害物検知システム1は、走行面8に対する門型クレーン等の移動体2の姿勢を取得する姿勢取得機構16と、この姿勢取得機構16から得られる値に基づき検知領域Sの位置を補正する補正機構17とを備えている。移動体2の姿勢とは、走行面8に対する移動体2の相対的な傾きを本願明細書では意味する。
図7に例示する実施形態では姿勢取得機構16が、移動体2に設置されていて走行面8に対する移動体2の傾きを取得する傾斜センサ16aで構成される。以下、傾斜センサ16aを利用して検知領域Sの位置を補正する方法を第一補正ということがある。
この実施形態では移動方向yに間隔をあけて対置される一対の脚部材4にそれぞれ傾斜センサ16aが設置されている。また一方の脚部材4に補正機構17が設置されている。姿勢取得機構16および補正機構17が設置される位置は上記に限定されない。
図7に例示するように門型クレーン等の移動体2は、減速の際に横行方向xを中心軸として傾くことがある。以下、横行方向xを中心とする傾きをピッチングということがある。走行装置3が空気入りゴムタイヤで構成される場合は、ゴムタイヤが潰れることでピッチングが発生する。移動体2がサスペンションを有する自動車等で構成される場合も、加減速の際にピッチングが発生する。
移動体2が減速すると進行方向の前方側が沈み込む。このとき移動体2に固定されている発信部9等も傾くため、検知領域Sが走行面8よりも下方にずれることがある。従来はこのような問題を避けるために、横行方向xに見通す側面視で台形状の検知領域Sを形成させていた。検知領域Sが広めに設定されることになるため、検知領域Sの内側に入るような比較的小さな障害物を検知し難かった。
姿勢取得機構16は移動体2のピッチングの角度を取得できる。補正機構17はこのピッチングの角度に応じて検知領域Sの位置を補正する。具体的には姿勢取得機構16は、移動方向yにおいて例えば走行面8に対するトロリ6の傾きである角度-φ1を取得する。この角度-φ1を取得する補正機構17は、例えば横行方向xを中心軸として検知領域Sを角度+φ1だけ回転させる。横行方向xに見通したとき、四角形の検知領域Sの角のうち発信部9等に最も近い位置となる角を中心F1として、検知領域Sは回転させられる。また検知領域Sは上方に移動させられる。図7では説明のため検知領域Sの補正される方向を矢印で示している。実際には発信部9からレーザ光が照射されて受信部10で反射波を受信するまでの時間Tn、Tn‘の値が補正機構17により補正される。
見かけ上、検知領域Sは中心F1を中心に移動体2のピッチングの角度-φ1を相殺する方向に回転させられるとともに上方に移動させられる。検知領域Sは、移動体2にピッチングが発生していない場合に走行面8に形成される位置とほぼ同じ位置に補正される。移動方向yに間隔をあけて対置される一対の脚部材4の間隔の距離や、移動方向yにおける移動体2から検知領域Sまでの距離に応じて、検知領域Sを上方に移動させる距離は適宜決定される。
補正機構17が検知領域Sを上方に移動させる構成は必須要件ではない。検知領域Sを回転させる際の中心を、例えば移動方向yおよび上下方向zにおける移動体2の中心F2としてもよい。走行面8上であって移動方向yにおける移動体2の中心F3を中心として検知領域Sを回転させてもよい。検知領域Sの外側に回転の中心が設定される場合は、検知領域Sを上方に移動させる構成を有さないとしても、走行面8に沿った位置に検知領域Sの位置を補正することができる。
移動体2が加速する際には、移動体2の前方が浮き上がる方向にピッチングが発生する。姿勢取得機構16は例えば走行面8に対するトロリ6の傾きの角度+φ1を取得する。補正機構17は横行方向xを中心軸として検知領域Sを角度-φ1だけ回転させるとともに下方に移動させる。
複数の検知領域Sが予め設定されている場合は、複数の検知領域Sを一括で補正する。一括で補正するとは、複数の検知領域Sの相対位置を固定した状態で見かけ上一つの検知領域Sとして同一のデータに基づき補正することをいう。
移動体2の姿勢が走行面8に対して傾いた場合であっても、検知領域Sの位置を走行面8に沿った位置に補正できる。上下方向zにおいて検知領域Sが比較的小さく設定されている場合であっても、検知領域Sが走行面8より下方に位置したり上方に位置する不具合が発生しない。必要以上に大きな検知領域Sを設定する必要がなくなる。検知領域Sを比較的小さく設定できるので、比較的小さい障害物も検知できる。障害物検知システム1おいて障害物の有無を検知する精度を向上するには有利である。
図8に例示するように移動方向yを中心軸とする移動体2の傾きを傾斜センサ16aで取得して、検知領域Sの位置を補正する構成としてもよい。この実施形態では梁部材5に一つの姿勢取得機構16および補正機構17が設置されている。姿勢取得機構16および補正機構17が設置される位置や数は上記に限定されない。
移動体2が例えば門型クレーンで構成される場合は、横行方向xにおけるトロリ6の位置や吊具7で吊り下げるコンテナ等の吊り荷の重量により、移動方向yを中心軸として移動体2が傾くことがある。
姿勢取得機構16は、例えば走行面8に対する梁部材5の傾きである角度-φ2を取得する。この角度-φ2を取得する補正機構17は、例えば走行面8上であって横行方向xにおける移動体2の中心F4を中心として検知領域Sを角度+φ2だけ回転させる。このとき横行方向xに間隔をあけて形成される一対の検知領域Sは一括で補正される。
補正機構17が、図7に例示する横行方向xを中心軸として検知領域Sを回転させる第一補正と、図8に例示する移動方向yを中心軸として検知領域Sを回転させる第一補正との両方を行う構成とすることが望ましい。この場合は例えば平面視において移動体2の対角に位置する二点にそれぞれ設置される二つの傾斜センサ16aと、この傾斜センサ16aに接続される一つの補正機構17により、横行方向xおよび移動方向yを中心軸とする第一補正を障害物検知システム1が行う構成としてもよい。
障害物検知システム1が、横行方向xを中心軸とする第一補正または移動方向yを中心軸とする第一補正のいずれか一方のみを行う構成としてもよい。移動体2が例えば自動車など移動方向yを中心軸として傾く可能性が低い場合は、横行方向xを中心軸とする第一補正のみを行う構成としてもよい。
傾斜センサ16aが走行装置3など走行面8に比較的近い位置と、梁部材5など走行面8から比較的離れた位置とに設置されていて、この二つの傾斜センサ16aで取得される角度の差分から走行面8に対する移動体2の傾きを取得する構成にしてもよい。走行面8に近い位置に配置される傾斜センサ16aが、移動体2に牽引されて走行面8に接地する状態で走行する台車に設置されてもよい。台車に設置される傾斜センサ16aは、移動体2のピッチング等の影響を受けずに走行面8の傾きを比較的精度良く取得できる。走行面8から離れた位置に配置される傾斜センサ16aが発信部9等の近傍に設置されてもよい。
姿勢取得機構16を構成する傾斜センサ16aが、移動体2の傾きの変化量を測定する構成を有していてもよい。走行面8が傾斜していてこの傾斜に伴い移動体2の姿勢が傾いている場合は、傾斜センサ16aは水平に対する一定の傾きを検出し続ける。移動体2の傾きの変化量はゼロとなるため、走行面8に対する移動体2の傾きはゼロ度であると検出センサは出力する。移動体2の加減速等により傾斜センサ16aで検出される傾きが変化したとき、この変化量を走行面8に対する移動体2の傾きとして傾斜センサ16aが出力される。
図9に例示するように姿勢取得機構16が、走行面8の傾斜情報と位置座標とを組み合わせたマップ情報が予め格納される記憶部16bと、移動体2の位置を取得する位置情報取得部16cとで構成されてもよい。以下、マップ情報を利用して検知領域Sの位置を補正する方法を第二補正ということがある。
この実施形態では記憶部16bは門型クレーンの脚部材4に設置されている。記憶部16bが設置される位置はこれに限らない。コンテナターミナルの管理棟に設置されていて門型クレーン等の運行の管理を行う管理システムに記憶部16bが組み込まれる構成であってもよい。つまり記憶部16bが移動体2から離れた位置に配置される構成としてもよい。このとき移動体2と記憶部16bとは、相互にデータの授受を行える無線通信器等を備えている。
位置情報取得部16cは、例えば全球測位衛星システム(GNSS)のアンテナで構成される。GNSSのアンテナを利用して位置座標を測位する方法としては、単独測位、相対測位、DGPS(ディファレンシャルGPS)測位、RTK(リアルタイムキネマティックGPS)測位などがある。位置情報取得部16cはGNSSに限らず、移動体2は自身の位置を取得できる構成を有していればよい。移動体2が門型クレーンで構成される場合は、コンテナターミナルに設置される複数のトランスポンダとの相対位置を利用して移動体2の位置を取得する構成を位置情報取得部16cが有していてもよい。
姿勢取得機構16は、まず位置情報取得部16cにより移動体2の位置座標を取得する。例えばコンテナターミナルの各地点の位置座標とともに、その位置座標における移動体2の移動方向yの前方側の走行面8の傾きが、マップ情報として予め準備されて記憶部16bに格納されている。図9に例示するように具体的には移動体2の前方に向かって、例えば0-3mの範囲では走行面8の傾きは0°であり、3-15mの範囲では走行面8の傾きは+3°である等のマップ情報が記憶部16bに格納されている。
補正機構17は移動体2の位置座標に対応するマップ情報を姿勢取得機構16から取得する。補正機構17はまず移動方向yにおいて、走行面8の傾きが変化する境界で検知領域Sを分割する。この実施形態では移動体2の前方3mとなる位置で検知領域Sを第一検知領域S1と第二検知領域S2とに分割する。補正機構17は分割される検知領域Sごとに異なる値で検知領域Sの位置の補正を行う。第一検知領域S1における走行面8の傾きが±0°の場合、補正機構17は傾き±0°に基づき補正する。この場合は第一検知領域S1の位置は補正なしと同じ状態であり変化しない。第二検知領域S2における走行面の傾きが+3°の場合、補正機構17は傾き+3°に基づき補正する。この場合は予め設定される補正の中心F5を中心に+3°回転する位置に第二検知領域S2は補正される。補正の中心F5は、例えば横行方向xに見通したとき、四角形の第二検知領域S2の角のうち発信部9等に最も近い位置となる角に設定される。補正の中心F5は、検知領域Sの外側または内側など適宜設定することができる。
障害物検知システム1は、走行面8に対する移動体2の姿勢に応じて検知領域Sの位置を補正することが可能となる。ここで移動体2の姿勢とは、移動体2の現在位置の真下に位置する走行面8や、移動体2の進行方向前方に位置する走行面8に対する移動体2の相対的な傾きをいう。
移動体2の走行に合わせて、第一検知領域S1と第二検知領域S2との境界の位置は変化する。第一検知領域S1と第二検知領域S2と境界の位置は、移動体2の移動に合わせて例えば五秒など所定の時間間隔で逐次更新される構成にしてもよい。
走行面8の傾きの変化に追従する状態で検知領域Sを設定することが可能となる。障害物検知システム1において障害物の有無を検知する精度を向上するには有利である。
補正機構17がマップ情報に基づき検知領域Sを分割する構成は、補正機構17の必須要件ではない。図10に例示するように複数の検知領域Sが予め設定される構成としてもよい。このときそれぞれの検知領域Sがマップ情報に合わせてそれぞれ位置を調整される。複数の検知領域Sがそれぞれ補正されるとは、それぞれの検知領域Sが異なるデータに基づき独立して補正されることをいう。
この実施形態では検知領域Sごとの境界はその位置が変化することなく固定される状態となる。検知領域Sは横行方向xや移動方向yを中心軸とする回転に加えて、上下方向z、横行方向xおよび移動方向yの三次元的な位置を調整される構成を有していてもよい。
移動方向yを中心軸とする走行面8の傾きをマップ情報が有していてもよい。図11に例示するように移動体2を構成する門型クレーンの一方(図11左方)の走行装置3は傾きが±0°であり、他方(図11右方)の走行装置3は傾きが+1°の走行面8を走行することがある。障害物検知システム1は、このような場合に検知領域Sの位置を補正することが可能となる。検知領域S1-3の位置が走行面8に沿う位置に補正機構17により補正される。
障害物がない場合に発信部9から照射されるレーザ光等は、走行面8の表面で反射する。この反射波に基づき走行面8の傾斜情報を更新する構成を障害物検知システム1が有していてもよい。例えば門型クレーンは所定の範囲の走行面8を一日に複数回往復しながら荷役作業を行う。反射地点Pnまでの距離の情報に基づき、走行面8の表面を障害物検知システム1は検出できる。門型クレーンの位置座標ごとに走行面8の表面の位置が検出される。複数回得られる走行面8の表面の位置を平均して、所定の座標における走行面8の傾斜情報として、マップ情報を更新する構成にしてもよい。移動体2の移動に伴いマップ情報の微調整を繰り返すことになる。経年劣化により走行面8の傾きが変化する場合であってもこの変化に追従する状態で検知領域Sの位置を補正することが可能となる。障害物検知システム1は、障害物ありと判定した際のデータはマップ情報の更新に使用するデータから除外される。別途走行面8の測量を行い、この結果に基づきマップ情報を更新する構成としてもよい。
傾斜センサ16aを利用する第一補正と、マップ情報を利用する第二補正とを組み合わせて実行する構成を障害物検知システム1が備えていてもよい。障害物検知システム1はまずマップ情報に基づき検知領域Sを補正する第二補正を行う。その上で移動体2の加減速やトロリ6の移動により移動体2が走行面8に対して相対的に傾いた場合、第一補正を行う。
第一補正を行う際に、傾斜センサ16aの値とマップ情報から得られる傾き情報から、走行面8に対する移動体2の相対的な傾きを取得する構成としてもよい。例えば傾斜センサ16aの値が+6°でありマップ情報から得られる傾きが+2°の場合、走行面8に対する移動体2の相対的な傾きは+4°となる。マップ情報から得られる傾きは移動体2の直下の走行面8の傾きである。この相対的な傾きに基づき障害物検知システム1は第一補正を行う構成としてもよい。
障害物検知システム1は、第一補正または第二補正の少なくとも一方を実行する構成であってもよい。走行面8の傾斜がほとんどないような倉庫内などで使用されるスタッカークレーンで移動体2が構成される場合は、障害物検知システム1は第一補正のみを行う構成としてもよい。この場合、姿勢取得機構16は傾斜センサ16aのみで構成される。また前後及び左右に傾きがほとんど変化しない車両等で移動体2が構成される場合は、障害物検知システム1は第二補正のみを行う構成としてもよい。この場合、姿勢取得機構16は記憶部16bと位置情報取得部16cとで構成される。
判定機構13で障害物があると判定された後に、検知領域Sの外側で反射する反射波に応じて再度障害物の有無を判定する第二判定を判定機構13が行う構成を有していてもよい。具体的には例えば反射波の強度に応じて、判定機構13は第二判定を行うことができる。第二判定を行う際に判定機構13は、受信部10または比較機構11から検知領域Sの外側で反射している反射波のデータを取得する。
障害物が例えばコンテナやシャシの場合は、検知領域Sの外側でレーザ光が反射する。検知領域Sの内側からの反射波を受信部10は得られないため、判定機構13は障害物があると判定する。その後、判定機構13は第二判定を行う。コンテナ等はレーザ光を反射しやすいので、反射波の強度は比較的大きくなる。この複数の反射波の反射地点Pnから障害物の大きさや位置を判定機構13は判定することができる。判定機構13は、第二判定においても障害物があると判定する。
障害物が例えば走行面8に形成されている水たまりの場合は、乱反射や吸収により反射波の強度が小さかったり反射波が得られなかったりする。検知領域Sの内側からの反射波を受信部10は所定数得られないため、判定機構13は障害物があると判定する。その後、判定機構13は第二判定を行う。判定機構13は、第二判定において検知領域Sの外側で反射している反射波のデータを参照しようとする。
レーザ光が水たまりに吸収される場合は、受信部10は反射波を得られない。検知領域Sの外側からの反射波のデータはなしとなる。レーザ光を吸収して反射光が得られないような障害物が想定されない場合、判定機構13が第二判定において障害物なしと判断する構成にしてもよい。第二判定において障害物なしとされる場合は、移動体2の移動は継続される。
レーザ光が水たまりで乱反射されて、複数のレーザ光のうちいくつかは弱い強度で受信部10で受信される場合がある。部分的に検知領域Sの内側からの反射波を得られる場合がある。このような場合は水たまりであるとして、判定機構13が第二判定において障害物なしと判断する構成にしてもよい。第二判定において障害物なしとされる場合は、移動体2の移動は継続される。
1 障害物検知システム
2 移動体
3 走行装置
4 脚部材
5 梁部材
6 トロリ
7 吊具
8 走行面
9 発信部
10 受信部
11 比較機構
12 検知領域設定機構
13 判定機構
14 閾値設定機構
15 制御機構
16 姿勢取得機構
16a 傾斜センサ
16b 記憶部
16c 位置情報取得部
17 補正機構
18 基準線
19a 長辺(上側)
19b 長辺(下側)
20a 短辺(手前)
20b 短辺(奥)
21 作業員
θn (レーザ光の)角度
Pn 反射地点
S 検知領域
φ (移動体の)傾き
Fn (補正の)中心
S1 第一検知領域
S2 第二検知領域
x 横行方向
y 移動方向
z 上下方向

Claims (11)

  1. 障害物がない場合に電磁波が反射される反射地点の周辺領域に予め少なくとも一つの検知領域を設定して、移動体に設置される発信部から照射角度を変化させながら前記検知領域に向かって電磁波を照射して、この電磁波の反射波を受信部で受信して、前記検知領域の内側で反射する前記反射波に応じて判定機構が障害物の有無を判定する障害物検知方法において、
    前記移動体が走行する走行面に対する前記移動体の姿勢に応じて前記検知領域の位置を補正することを特徴とする障害物検知方法。
  2. 前記移動体が走行する走行面に対する前記移動体の傾きを取得して、この傾きに基づき前記検知領域の位置を補正する第一補正を行う請求項1に記載の障害物検知方法。
  3. 前記第一補正が、前記移動体の傾きに基づき複数の前記検知領域の位置を一括で補正する構成を有する請求項2に記載の障害物検知方法。
  4. 前記走行面の傾斜情報と位置座標とを組み合わせたマップ情報が予め準備されていて、前記移動体の位置座標に対応する前記傾斜情報に基づき前記検知領域の位置を補正する第二補正を行う請求項1~3のいずれかに記載の障害物検知方法。
  5. 前記第二補正が、前記マップ情報から得られる値に基づき前記検知領域を複数に分割する構成を有する請求項4に記載の障害物検知方法。
  6. 前記第二補正が、前記マップ情報から得られる値に基づき複数の前記検知領域をそれぞれ補正する構成を有する請求項4または5に記載の障害物検知方法。
  7. 前記判定機構で障害物があると判定された後に、
    前記判定機構が前記検知領域の外側で反射する前記反射波に応じて再度障害物の有無を判定する第二判定を行う構成を有する請求項1~6のいずれかに記載の障害物検知方法。
  8. 前記判定機構で障害物があると判定された後に、
    前記判定機構が前記反射波の強度に応じて再度障害物の有無を判定する第二判定を行う構成を有する請求項1~7のいずれかに記載の障害物検知方法。
  9. 移動体に設置されていて照射角度を変化させながら電磁波を照射する発信部と、前記電磁波の反射波を受信する受信部と、障害物がない場合に前記電磁波が反射される反射地点の周辺領域に少なくとも一つの検知領域を予め設定する検知領域設定機構と、前記検知領域の内側で反射する前記反射波に応じて障害物の有無を判定する判定機構とを備える障害物検知システムにおいて、
    前記移動体が走行する走行面に対する前記移動体の姿勢を取得する姿勢取得機構と、この姿勢取得機構から得られる値に基づき前記検知領域の位置を補正する補正機構とを備えることを特徴とする障害物検知システム。
  10. 前記姿勢取得機構が、前記移動体に設置されていて前記移動体が走行する走行面に対する前記移動体の傾きを取得する傾斜センサを有していて、
    前記補正機構が、前記傾斜センサから得られる値に基づき前記検知領域の位置を補正する構成を有する請求項9に記載の障害物検知システム。
  11. 前記姿勢取得機構が、前記走行面の傾斜情報と位置座標とを組み合わせたマップ情報が予め格納される記憶部と、前記移動体の位置を取得する位置情報取得部とを有していて、
    前記補正機構が、前記マップ情報から得られる値に基づき前記検知領域の位置を補正する構成を有する請求項9または10に記載の障害物検知システム。
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