JP2023090308A - 鉱山機械及び自律走行システム - Google Patents
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Abstract
【課題】必要最小限の外界センサで安全走行を実現できる鉱山機械及び自律走行システムを提供する。【解決手段】鉱山内を自律走行する鉱山機械1には、前方外界センサ9、左側方外界センサ10、右側方外界センサ11及び後方外界センサ12が取り付けられている。予め設定された速度域と最大操舵角との関係に基づいて求められる最大制動時の鉱山機械1の最大到達域604,605と、鉱山機械1が最大操舵角で旋回した際に鉱山機械1が侵入できない定常旋回不可侵域606と、車体2の方向と平行するとともに最大到達域604の端点607と定常旋回不可侵域606とを結ぶ線分608とで鉱山機械1の停止可能範囲が設定されたとき、前方外界センサ9、左側方外界センサ10、右側方外界センサ11及び後方外界センサ12は、検出範囲が停止可能範囲を含むように配置されている。【選択図】図9
Description
本発明は、鉱山機械及び自律走行システムに関する。
オペレータが搭乗することなく鉱山を自律走行する鉱山機械として、例えばダンプトラックが知られている。このようなダンプトラックでは、オペレータの目の代わりにRadar、LiDAR、カメラなどの外界センサを用いて路面状態及び障害物を把握しながら走行する。そして、外界センサを介して悪路面又は障害物が検出されると、ダンプトラックは迂回、回避、停止などの動作を適宜実施することにより走行の安全性を図っている。
また、鉱山機械は、一般的な乗用車とは検出すべき対象や検出範囲が大きく異なっている。特に鉱山機械は、乗用車と比べて格段に大きな車体(具体的には、大きな車幅及び車高)を有するため、周囲の悪路面又は障害物を検出するためには外界センサで広範囲を検出する必要がある。
外界センサは取付点数が限られるため、検出範囲の大きさと解像度は相反する関係にある。従って、大きな車体を有する鉱山機械では、解像度を確保しつつ検出範囲を広げるために、例えば下記特許文献1に開示されるように、複数の外界センサを用いて車両の周囲を検出している。
しかしながら、多くの外界センサを用いることで、外界センサ自体の故障のみならず、砂埃や汚れなどが外界センサに付着することにより、外界センサの正常な機能に影響し、システムとしての故障率が上昇してしまう。これに対し、オペレータが搭乗して操縦する鉱山機械では大きな問題とならないが、無人で自律走行する鉱山機械では、外界センサが使えなくなると自律走行の停止を余儀なくされるため、生産性の低下を招いてしまう。このため、外界センサの数を必要最小限に絞ることが望ましい。しかし、外界センサの数を減らすと、未検出の障害物等と衝突する可能性があり、外界センサを単純に減らすことはできない。
本発明は、このような技術課題を解決するためになされたものであって、必要最小限の外界センサで安全走行を実現できる鉱山機械及び自律走行システムを提供することを目的とする。
本発明に係る鉱山機械は、車体の左右両側に配置されて操舵される一対の前輪と前記車体の左右両側に配置される一対の後輪とを備え、鉱山内を自律走行する鉱山機械において、前記鉱山機械には、前記鉱山機械の前方、側方及び後方の路面状態及び障害物を検出する外界センサが複数取り付けられ、予め設定された速度域と最大操舵角との関係に基づいて求められる最大制動時の前記鉱山機械の最大到達域と、前記鉱山機械が最大操舵角で旋回した際に前記鉱山機械が侵入できない定常旋回不可侵域と、前記車体の方向と平行するとともに前記最大到達域の端点と前記定常旋回不可侵域とを結ぶ線分とで前記鉱山機械の停止可能範囲が設定されたとき、複数の前記外界センサは、検出範囲が前記停止可能範囲を含むように配置されていることを特徴としている。
本発明に係る鉱山機械では、予め設定された速度域と最大操舵角との関係に基づいて求められる最大制動時の前記鉱山機械の最大到達域と、前記鉱山機械が最大操舵角で旋回した際に前記鉱山機械が侵入できない定常旋回不可侵域と、前記車体の方向と平行するとともに前記最大到達域の端点と前記定常旋回不可侵域とを結ぶ線分とで前記鉱山機械の停止可能範囲が設定されたとき、鉱山機械の前方、側方及び後方の路面状態及び障害物を検出する外界センサは検出範囲が停止可能範囲を含むように配置されている。このようにすれば、例えば安全走行に必要最小限の検出範囲をカバーするように、鉱山機械の前方、側方及び後方に外界センサを取り付けることで、必要最小限の外界センサで安全走行を実現することができる。
本発明によれば、必要最小限の外界センサで安全走行を実現することができる。
以下、図面を参照して本発明に係る鉱山機械及び自律走行システムの実施形態について説明する。図面の説明において同一の要素には同一符号を付し、その重複説明を省略する。また、以下の説明では、上下、左右、前後の方向及び位置は、鉱山機械を基準とする。更に、以下の説明において、鉱山機械としてオペレータが搭乗しないダンプトラックの例を挙げて説明するが、本発明はダンプトラックに限定されない。
[鉱山機械について]
図1は実施形態に係る鉱山機械の概略構成を示す側面図であり、図2は実施形態に係る鉱山機械を示すブロック構成図である。鉱山機械1は、鉱山を自律走行可能なダンプトラックであり、車体2と、車体2の前側に配置された左右一対の前輪3と、車体2の後側に配置された左右一対の後輪4と、車体2に起伏可能に支持された荷台5とを備えている。車体2は、例えば頑丈な金属フレーム部材により構成されており、ばね等によって車輪軸と連結されている。前輪3は操舵可能な従動輪であり、後輪4は操舵不可能な駆動輪である。荷台5は、昇降シリンダ6を介して車体2と連結されている。
図1は実施形態に係る鉱山機械の概略構成を示す側面図であり、図2は実施形態に係る鉱山機械を示すブロック構成図である。鉱山機械1は、鉱山を自律走行可能なダンプトラックであり、車体2と、車体2の前側に配置された左右一対の前輪3と、車体2の後側に配置された左右一対の後輪4と、車体2に起伏可能に支持された荷台5とを備えている。車体2は、例えば頑丈な金属フレーム部材により構成されており、ばね等によって車輪軸と連結されている。前輪3は操舵可能な従動輪であり、後輪4は操舵不可能な駆動輪である。荷台5は、昇降シリンダ6を介して車体2と連結されている。
また、鉱山機械1には、GPS(Global Positioning System)等の測位衛星からの電波を受信する複数のGNSS(Global Navigation Satellite System)アンテナ7と、GNSSアンテナ7で受信した電波を基にGNSSアンテナ7の地球上の位置(例えば緯度、経度、標高)を計測するGNSS受信機8とが配置されている。GNSS受信機8は、CAN(Controller Area Network)を介して制御装置20(後述する)と接続されており、計測した結果を制御装置20に出力する。
また、鉱山機械1には、鉱山機械1の前方、側方及び後方の路面状態及び障害物を検出する外界センサが複数(ここでは、4つ)取り付けられている。具体的には、鉱山機械1の前面には前方外界センサ9、鉱山機械1の左側には左側方外界センサ10、鉱山機械1の右側には右側方外界センサ11、鉱山機械1の後方には後方外界センサ12がそれぞれ取り付けられている。
図1及び後述の図9に示すように、前方外界センサ9は、鉱山機械1の前方の路面状態及び障害物を検出し、左側方外界センサ10は前輪3の前方から左側方にかけての路面状態及び障害物を検出し、右側方外界センサ11は前輪3の前方から右側方にかけての路面状態及び障害物を検出し、後方外界センサ12は後輪4より後方の路面状態及び障害物を検出する。これらの外界センサは、それぞれCANを介して制御装置20と接続されており、検出した結果を制御装置20に出力する。
更に、鉱山機械1には、鉱山機械1の加速度及び角速度を計測する慣性計測センサ(IMU:Inertial Measurement Unit)13と制御装置20とが配置されている。IMU13は、CANを介して制御装置20と接続されており、計測した結果を制御装置20に出力する。また、図示しないが、鉱山機械1には鉱山機械1の速度を検出する速度センサが更に配置されてもよい。
制御装置20は、鉱山機械1の車両全体制御を行うものである。制御装置20は、例えば演算を実行するCPU(Central Processing Unit)と、演算のためのプログラムを記録した二次記憶部としてのROM(Read Only Memory)と、演算経過の保存や一時的な制御変数を保存する一時記憶部としてのRAM(Random Access Memory)とを組み合わせてなるマイクロコンピュータにより構成されており、記憶されたプログラムの実行によって鉱山機械1の走行や操作等に関する各制御を行う。
図2に示すように、制御装置20は、位置姿勢推定部21と、経路設定部22と、経路追従制御部23と、路面凹凸障害物検出部24と、衝突判定部25と、記憶部26とを備えている。
位置姿勢推定部21は、GNSS受信機8の計測結果に基づいて鉱山機械1の位置を推定するとともに、IMU13の計測結果に基づいて鉱山機械1の姿勢を推定する。位置姿勢推定部21は、推定した結果を経路設定部22、経路追従制御部23、路面凹凸障害物検出部24、衝突判定部25、及び記憶部26にそれぞれ出力する。
経路設定部22は、地図データベース(地図DB)27に保存されている地図データに基づいて、鉱山機械1の走行経路を設定する。経路設定部22は、設定した走行経路を経路追従制御部23及び衝突判定部25にそれぞれ出力する。地図DB27には、地図情報のほかに、走行速度が規定された情報等も含まれている。
経路追従制御部23は、経路設定部22によって設定された走行経路を追従できるように鉱山機械1の操舵及び走行速度を制御する。具体的には、経路追従制御部23は、設定された走行経路を追従できるように、前輪3に操舵角指令と、後輪4に速度指令とをそれぞれ出力する。
路面凹凸障害物検出部24は、前方外界センサ9、左側方外界センサ10、右側方外界センサ11及び後方外界センサ12の検出結果に基づいて、鉱山機械1周囲の路面の凹凸及び路面上の障害物を検出する。路面凹凸及び障害物の検出には既に周知された技術を用いることができる。例えば、路面凹凸障害物検出部24は、外界センサから得られる点群の中から平面にフィッティングされる点が多い平面を選び出して走行中の路面とし、その路面からある閾値以上の高さがある点を障害物として検出する。検出された障害物の点はグルーピングされ、グルーピングされた点の中から路面との距離が最大となる点の距離をその障害物の高さ、グルーピングされた点群の位置の平均を計算し障害物の位置として算出する。また、障害物が広く分散した場合、障害物の広がりを表すため、障害物の位置を中心に全てのグルーピングされた点を含む円の半径を算出する。
衝突判定部25は、位置姿勢推定部21により推定された鉱山機械1の位置と、経路設定部22により設定された走行経路と、記憶部26に記憶された路面凹凸の位置及び障害物の位置とに基づいて、衝突判定を行う。また、衝突判定部25は、衝突判定の結果に基づいて、衝突判定フラグを設定し経路追従制御部23に出力する。
記憶部26は、制御装置20全体の各制御処理に関するデータや情報等を記憶する。例えば、記憶部26は、位置姿勢推定部21により推定された鉱山機械1の位置及び姿勢、路面凹凸障害物検出部24により検出された路面の凹凸及び障害物をそれぞれ記憶する。
ここで、鉱山機械1に取り付けられた外界センサの取付位置を説明する。
外界センサを介して検出したい対象は、鉱山機械1の周辺の障害物及び路面の凹凸である。外界センサはレーザー光の反射から対象までの距離を計測し大量の計測点を点群として扱うLiDAR(Light Detection and Ranging)、カメラ又はRadarなどが代表的であるが、ここではLiDARを例に挙げる。そして、外界センサで鉱山機械1の周辺の障害物及び路面凹凸が検出されると、停止や迂回などの回避行動をとる。特に安全を考えた場合、走行中に障害物に衝突せずに停止できることは最低限必要であり、障害物の検出には鉱山機械が停止可能な範囲をカバーしていることが前提となる。
鉱山機械の停止可能な範囲(以下、「停止可能範囲」という)は、オペレータの操縦と自律走行とでは異なり、自律走行する鉱山機械では経路追従制御部23によって操舵と走行速度とが制御される。そして、経路追従制御部23は、安全走行を実現するために、各走行の速度域において操舵角の最大値を制限している。なお、操舵角の最大値は鉱山機械1の種類によって予め決められている設計値である。
図3は鉱山機械の速度域と最大操舵角との関係を示すテーブルである。図3において、数値の大きさとしてV0<Vmであり、速度域は添え字が大きくなるほど大きな値であり、速度域が大きくなるほど最大操舵角は減少し、S1>Smの関係にある。いずれの数値も正の値とする。このようなテーブルは、鉱山機械の初期速度を鉱山機械のスペック上の最大速度(Vm)から経路追従制御部23が制御可能な最小速度(V0)まで一定間隔で分割されており、図3ではm分割した例である。このテーブルを用い、各速度域から鉱山機械がスペック上の最大減速度で減速した場合における鉱山機械1の到達範囲を計算することで、鉱山機械1の停止可能範囲を決定することができる。
次に、図4を用いて鉱山機械の停止可能範囲の決定処理を説明する。図4に示す決定処理は制御装置20によって行われる。
まず、ステップS101では、制御装置20は、図3に示す速度域と最大操舵角の関係を示すテーブルから一つの速度域を選択する。最終的には全ての速度域を選択するため、選択順序は速度の小さい順でも大きい順でもよい。ステップS101に続くステップS102では、制御装置20は、ステップS101で選択した速度域に対応する最大操舵角をm等分する。ステップS102に続くステップS103では、制御装置20は、m等分した操舵角から一つの操舵角を選択する。最終的には全ての操舵角を選択するため、選択順序は操舵角の小さい順でも大きい順でもよい。
ステップS103に続くステップS104では、制御装置20は、鉱山機械1停止時(すなわち、最大制動時)の重心位置と、鉱山機械1の方位を計算する。具体的には、図5に示すように、制御装置20は、ステップS101で選択した速度域の最大速度VとステップS103で選択した操舵角δを初期値としつつ、鉱山機械1が転舵しながら減速した場合において鉱山機械停止時の重心位置601と鉱山機械1の方位を計算する。なお、図5は鉱山機械1を上方から見た際の操舵角、重心位置及び方位を示すものである。ここでは、重心位置601は予め車体2の一つの点に定められており、また、減速中に操舵角δは変化しないこととする。
計算方法は鉱山機械の種類や求められる精度によって異なるが、ダンプトラックの場合、例えばアッカーマンステアリングジオメトリを基にした計算方法で、下記式(1)~式(4)で求めることができる。
式(1)~(4)において、Vはある時刻tにおける鉱山機械1の速度、θはある時刻tにおける鉱山機械1の方位、X及びYはある時刻tにおける重心位置601の座標を示す。また、αは鉱山機械1の減速度、δは操舵角、lはホイールベース、すなわち前輪軸中心から後輪軸中心までの距離である。lrは重心位置601からの後輪軸中心までの距離を示す。そして、式(1)~(4)による計算は、鉱山機械1の速度が0になるまで(すなわち、停止するまで)繰り返し実施される。
ステップS104に続くステップS105おいて、制御装置20は、ステップS104で計算した停止時の重心位置601及び鉱山機械1の方位に基づいて、鉱山機械1が停止するまでの到達点(以下では、「停止までの到達点」という)を計算し、記憶する。図6は鉱山機械が停止するまでの到達点を説明するための平面図である。図6では、鉱山機械1が前進又は後進しながら左に旋回した場合における停止までの到達点を示しており、602は前進した場合における鉱山機械1の前方端の位置を示し、603は後進した場合における鉱山機械1の後方端の位置を示す。なお、旋回方向が右である場合は同様であるので、重複説明を省略する。そして、鉱山機械1が前進した場合における重心位置601から前方端602へのベクトルdf(図5参照)と、後進した場合における重心位置601から後方端603へのベクトルdr(図5参照)は、下記式(5)及び式(6)により計算することができる。なお、式(5)及び式(6)中の「*」は前進の場合はf、後進の場合はrとなる。
式(5)及び(6)を用いて鉱山機械1の停止までの到達点の位置の座標(x,y)が計算されると、鉱山機械1の停止までの到達点の位置を得られる。そして、制御装置20は、得られた鉱山機械1の停止までの到達点の位置を記憶部26に記憶させる。
ステップS105に続くステップS106では、制御装置20は、m分割された全ての操舵角を選択したか否かを判定する。全ての操舵角を選択していない(言い換えれば、操舵角の選択が残っている)と判定された場合、決定処理はステップS103に戻り、上記ステップS103~S105の処理が繰り返し実行される。一方、全ての操舵角を選択したと判定された場合、決定処理はステップS107に進む。
ステップS107では、制御装置20は、全ての速度域を選択したか否かを判定する。全ての速度域を選択していない(言い換えれば、速度域の選択が残っている)と判定された場合、決定処理はステップS101に戻り、上記ステップS101~S106の処理が繰り返し実行される。一方、全ての速度域を選択したと判定された場合、決定処理はステップS108に進む。
ステップS108では、制御装置20は、ステップS105で記憶された鉱山機械1の停止までの到達点に基づいて、鉱山機械1の最大到達域を求める。図7は、鉱山機械の最大到達域を説明するための図である。図7において、604は鉱山機械1の前方最大到達域、605は鉱山機械1の後方最大到達域をそれぞれ示す。前方最大到達域604は記憶部26に記憶された各到達点のxが正となる全ての前方端を結んで得られた線分であり、後方最大到達域605は記憶部26に記憶された各到達点のxが負となる全ての後方端を結んで得られた線分である。本実施形態では、操舵角が正の値で限定されているため、車軸に対し左右対称の方法で鉱山機械1の最大到達域を求めることができる。
ステップS108に続くステップS109では、制御装置20は、定常旋回不可侵域を求める。図8は鉱山機械の定常旋回不可侵域を説明するための図である。図8において、604は上述したように左右対称の方法で求められた前方最大到達域であり、605は左右対称の方法で求められた後方最大到達域である。本実施形態において、定常旋回不可侵域とは、鉱山機械1が最大操舵角で旋回した際に鉱山機械1が侵入できない領域を意味し、次のように求められる。
まず、鉱山機械1の定常旋回時において、鉱山機械1の種類に応じたスペック上の最小旋回半径に基づき、最大操舵角で旋回した場合の鉱山機械1が通過する軌跡を計算することが可能である。図8において破線で示す606は、鉱山機械1の定常旋回不可侵域を示しており、鉱山機械1が通過する軌跡である円の内側の領域である。この領域は鉱山機械1が切り返しなどの特殊な動作を行わない限り、決して侵入できない領域である。すなわち、この領域内は鉱山機械1が静止物との衝突防止を目的としている場合には、外界センサ等を用いて検出する必要がない範囲である。従って、例えば左側方外界センサ10により検出された障害物が定常旋回不可侵域内に存在する場合、制御装置20は、検出された該障害物を鉱山機械1の停止処理に関する対象障害物から除外して鉱山機械1の走行を制御できる。このように侵入できない領域内の障害物を除外することで、制御処理速度を高めることができる。
そして、左側の定常旋回不可侵域606が求められると、左右対称の方法で右側の定常旋回不可侵域606も求めることができる。
ステップS109に続くステップS110では、制御装置20は、ステップS108で求めた前方最大到達域604と、ステップS109で求めた定常旋回不可侵域606を線分で結び、車軸に対し左右対称の方法を用いて鉱山機械1の停止可能範囲を設定する。
具体的には、図9に示すように、前方最大到達域604の端点607を起点とし、車体2の方向と平行するとともに端点607と定常旋回不可侵域606とを結ぶ線分608を引き、線分608が定常旋回不可侵域606と交わる点を609とする。そして、前方最大到達域604、線分608、定常旋回不可侵域606、及び後方最大到達域605により、鉱山機械1の停止可能範囲は設定される。
なお、図9において、610は後方最大到達域605の端点であり、後方最大到達域605と定常旋回不可侵域606との交点でもある。そして、端点609と端点610を結ぶ線分は定常旋回不可侵域606の内部にあるため、鉱山機械1の停止可能範囲は、端点609と端点610との間に存在せず、定常旋回不可侵域606によって前側と後側で分かれている。従って、端点609と端点610との間は外界センサ等を介して路面状態及び障害物の検出は不要となる。
従って、例えば鉱山機械1の側方に配置された左側方外界センサ10と右側方外界センサ11に検出不可範囲があり、該検出不可範囲が定常旋回不可侵域606内である場合、制御装置20は、それをエラーとせずに鉱山機械1の走行を継続させることができる。このようにすれば、無駄な鉱山機械1の停止を防止できるので、鉱山機械1の作業効率の低下を抑制することができる。
上述したように鉱山機械1の停止可能範囲が設定されると、鉱山機械1の停止可能範囲に基づいて外界センサを配置することが好ましい。例えば外界センサの検出範囲が該停止可能範囲を含むように外界センサの位置及び姿勢を調整することで、少なくとも静止する障害物を検知した場合に緊急停止により衝突を回避することができる。
具体的には、図9に示すように、前方最大到達域604は前方外界センサ9、左側方外界センサ10及び右側方外界センサ11でカバーし、後方最大到達域605は後方外界センサ12でカバーする。前方外界センサ9は、鉱山機械1の前面中央に取り付けられ、少なくとも前方最大到達域604までの最大距離L1と、前方最大到達域604の最大幅L2を含む鉱山機械が存在する平面(路面)をカバーするように、その配置高さと俯角が調整される。
また、左側方外界センサ10及び右側方外界センサ11は、前輪軸の直上もしくは前輪軸よりも前側の車体2の左右両側に取り付けられ、少なくとも線分608を含む検出範囲を持ち、前方外界センサ9の検出範囲と一部重なるようになっている。このように左側方外界センサ10及び右側方外界センサ11の検出範囲と前方外界センサ9の検出範囲とが一部重なるので、必要となる検出範囲の漏れを防止することができる。
後方外界センサ12は、後輪軸よりも後側の車体2の中央に取り付けられ、後方最大到達域605をカバーするように、その配置高さと俯角が調整される。
以下、図10を参照し、上述のように配置された外界センサを備えた鉱山機械1の走行処理を説明する。図10は鉱山機械の走行処理を示すフローチャートである。図10に示す走行処理は鉱山機械1の制御処理の周期に依存しており、例えば10ミリ秒に1回の周期で繰り返し実行される。
まずステップS201では、位置姿勢推定部21は、GNSS受信機8の計測結果とIMU13の計測結果に基づいて鉱山機械1の位置及び姿勢を推定する。ステップS201に続くステップS202では、経路設定部22は、鉱山機械1の走行経路を設定する。このとき、経路設定部22は、予め設定された目的地とステップS201で推定した鉱山機械の位置に基づき、地図DB27を用いて走行経路を設定する。
ステップS202に続くステップS203では、制御装置20は、鉱山機械1が設定された走行経路を走行開始しているかを判定する。走行経路を走行開始していると判定された場合、走行処理はステップS206に進む。一方、走行経路を走行開始していないと判定された場合、走行処理はステップS204に進む。
ステップS204では、鉱山機械1が走行未開始状態であるので、制御装置20は、鉱山機械1の現在位置がインスペクション完了エリア内であるか否かを判定する。インスペクション完了エリアは、路面状態が良好で且つ障害物がないエリアのことである。このインスペクション完了エリアは、地図DB27に設定されており、インスペクション完了エリア内に障害物及び路面凹凸の箇所がないこと、他の鉱山機械や人などの移動体もないことが確認されたエリアである。
そして、鉱山機械1の現在位置がインスペクション完了エリア内であると判定された場合、鉱山機械1は走行を開始し(ステップS205参照)。ステップS205が終わると、走行処理はステップS206に進む。一方、現在位置がインスペクション完了エリア外であると判定された場合、走行処理は終了する。
ステップS206では、路面凹凸障害物検出部24は、前方外界センサ9、左側方外界センサ10、右側方外界センサ11及び後方外界センサ12の検出結果に基づいて、鉱山機械1の周囲の路面凹凸及び障害物を検出する。
ステップS206に続くステップS207では、制御装置20は、ステップS206で検出した路面の凹凸及び障害物の情報を記憶部26に記憶させる。このとき、記憶部26は、ステップS206で検出した路面の凹凸及び障害物の位置と高さ、障害物の広がり等にIDをそれぞれ付与して記憶する。
ステップS207に続くステップS208では、衝突判定部25は、外界センサにより検出され且つ記憶部26に記憶された路面の凹凸及び障害物の情報を用いて衝突の判定を行う。以下では、図11を基に障害物の例を挙げて衝突判定を詳細に説明する。
図11は鉱山機械の衝突判定処理を示すフローチャートである。初めに、ステップS208-1では、衝突判定部25は、ステップS202で設定した鉱山機械1の走行経路と走行許可区間とを取得する。図12に示すように、走行経路700は、所定の間隔で配置された複数のノード(例えば、ノード701)とノード同士をつなぐリンク(例えば、リンク702)とで構成されている。これらのノードは、走行経路700上の座標を示すデータである。
走行許可区間705は、走行経路700を分割した領域であり、1個の走行許可区間705に1台の鉱山機械1のみを走行させ、鉱山機械1同士で干渉をしない自律走行を実現する。走行許可区間705は、始点ノード703と終点ノード704、及び、走行経路700の幅を決める左右両側の幅規制線分706によって形成されている。鉱山機械1はこの走行許可区間705から逸脱しないように自律走行する。
ステップS208-1に続くステップS208-2では、衝突判定部25は自機周辺に、外界センサにより検出され且つ記憶部26に記憶された障害物があるか否かを判定する。このとき、衝突判定部25は、上記ステップS201で推定した鉱山機械1の位置と、記憶部26に記憶された障害物の位置とに基づいて鉱山機械1から障害物までの距離を算出し、算出した距離が予め設定された閾値と比較する。算出した距離が閾値以下の場合、衝突判定部25は、自機周辺に障害物があると判定する。これによって、衝突判定処理はステップS208-3に進む。
一方、算出した距離が閾値よりも大きい場合、衝突判定部25は自機周辺に障害物がないと判定する。これによって、衝突判定処理はステップS208-7に進む。ステップS208-7では、衝突判定部25は、衝突判定フラグを「0」(すなわち、衝突可能性のある物体無しの意味)に設定する。
ステップS208-3では、衝突判定部25は、障害物の高さが予め設定された閾値以上であるか否かを判定する。このとき、衝突判定部25は、自機周辺にあると判定された障害物のIDに基づいて、その障害物の高さを記憶部26から取得し、取得した障害物の高さを閾値と比較する。障害物の高さが閾値以上でないと判定された場合、衝突判定処理はステップS208-7に進む。一方、障害物の高さが閾値以上であると判定された場合、衝突判定処理はステップS208-4に進む。
ステップS208-4では、衝突判定部25は、障害物の位置が定常旋回不可侵域内にあるか否かを判定する。このとき、衝突判定部25は、まず、高さが閾値以上である障害物のIDに基づいて、該障害物の位置及び広がりを記憶部26から取得する。次に、衝突判定部25は、取得した障害物の位置及び広がりが上述の定常旋回不可侵域606内にあるかを判定する。そして、定常旋回不可侵域606として表される円の内部に障害物の位置及び広がりの一部もしくは全部が収まる場合は、定常旋回不可侵域606内にあると判定される。これによって、衝突判定処理はステップS208-7に進む。
一方、定常旋回不可侵域606として表される円の内部に障害物の位置もしくはその広がりが収まらない場合は、障害物が定常旋回不可侵域606内にない(言い換えれば、定常旋回不可侵域606の外にある)と判定される。これによって、衝突判定処理はステップS208-5に進む。この処理により、外界センサに土などが付いた場合或いは土埃などで、一部が検出不可となった場合であっても、その検出不可範囲が定常旋回不可侵域606内であれば外界センサの故障と判定されずに鉱山機械1を走行し続けることが可能になる。従って、鉱山機械1の作業効率の低下を抑制することができる。
ステップS208-5では、衝突判定部25は、障害物の位置が走行経路及び走行許可区間内にあるか否かを判定する。このとき、衝突判定部25は、定常旋回不可侵域606の外に存在すると判定された障害物に対し、その障害物の位置及び広がりがステップS208-1で取得した走行経路700及び走行許可区間705内にあるか否かを判定する。走行許可区間705は矩形もしくは多角形で表されるので、その内側に障害物の位置及び広がりの一部もしくは全部が含まれている場合は、障害物の位置が走行経路及び走行許可区間内にあると判定される。これによって、衝突判定処理はステップS208-6に進む。
一方、走行許可区間705内に障害物の位置及び広がりの一部もしくは全部が含まれていない場合は、障害物の位置が走行経路及び走行許可区間内にないと判定される。これによって、衝突判定処理はステップS208-7に進む。
ステップS208-6では、衝突判定部25は、衝突判定フラグを「1」(すなわち、衝突可能性のある物体有りの意味)に設定する。これによって、ステップS208の衝突判定処理が終了する。
そして、図10に示すステップS208に続くステップS209では、経路追従制御部23は、衝突の有無を判定する。このとき、経路追従制御部23は、衝突判定部25から衝突判定フラグを受け取り、衝突判定フラグが「1」の場合に衝突ありと判定する。これによって、走行処理はステップS210に進む。一方、衝突判定フラグが「0」の場合、経路追従制御部23は衝突なしと判定する。これによって、走行処理はステップS211に進む。
ステップS210では、衝突判定フラグが「1」であることから、経路追従制御部23は鉱山機械1の停止処理を行う。このとき、経路追従制御部23は、路面凹凸又は障害物の位置と自機の位置とに基づいて距離を算出し、減速度を決定し、後輪4に停止するための減速指令を出力する。これによって鉱山機械1の減速が始まる。
ステップS210に続くステップS211では、制御装置20は、自機の位置が走行経路の終端に位置しているか否かを判定する。自機が走行経路の終端に位置していないと判定された場合、走行処理はステップS201に戻る。一方、自機が走行経路の終端に位置していると判定された場合、一連の走行処理が終了する。
このような一連の走行処理により、鉱山機械1は鉱山を自律走行する際に、前方外界センサ9、左側方外界センサ10、右側方外界センサ11及び後方外界センサ12を用いて障害物等との衝突を回避でき、安全走行を実現することが可能である。
以上のように構成された鉱山機械1では、予め設定された速度域と最大操舵角との関係に基づいて求められる最大制動時の鉱山機械1の最大到達域604,605と、鉱山機械1が最大操舵角で旋回した際に鉱山機械1が侵入できない定常旋回不可侵域606と、車体2の方向と平行するとともに前方最大到達域604の端点607と定常旋回不可侵域606とを結ぶ線分608とで鉱山機械1の停止可能範囲が設定されたとき、前方外界センサ9、左側方外界センサ10、右側方外界センサ11及び後方外界センサ12は検出範囲が停止可能範囲を含むように配置されている。このようにすれば、例えば安全走行に必要最小限の検出範囲をカバーするように、前方外界センサ9、左側方外界センサ10、右側方外界センサ11及び後方外界センサ12を鉱山機械1に取り付けることで、必要最小限の外界センサで安全走行を実現することができる。
[自律走行システムについて]
以下、図13~図15を参照して自律走行システムを説明する。
以下、図13~図15を参照して自律走行システムを説明する。
図13は実施形態に係る自律走行システムを示すブロック構成図である。本実施形態の自律走行システム100は、鉱山機械1Aを複数台と、各鉱山機械1Aと通信可能に構成されるとともにこれらの鉱山機械1Aを管理する管制局30とを備えている。
そして、鉱山機械1Aは、自ら走行経路を設定せず、管制局30から走行経路を取得する点において、上述の鉱山機械1と相違している。その他の構成について上述の鉱山機械1と同様であるので、重複説明を省略する。
このため、鉱山機械1Aは、経路設定部22及び地図DB27を備えておらず、速度センサ14及び通信装置15を更に備えている。速度センサ14は、鉱山機械1の走行速度を検出し、検出した結果を位置姿勢推定部21に出力する。通信装置15は、例えば無線機であり、制御装置20の記憶部26と接続されている。
鉱山機械1Aは、通信装置15を介して管制局30との間で情報の送受信を行う。鉱山機械1Aは、例えば自機の位置、姿勢及び速度を管制局30に送信し、管制局30から自機周辺に存在する他の鉱山機械(以下、「他機」という)の位置、姿勢及び速度を取得する。また、鉱山機械1Aは、自機の走行経路を管制局30に要求し、管制局30から自機の走行経路を取得する。
一方、管制局30は、例えば演算を実行するCPU(Central Processing Unit)と、演算のためのプログラムを記録した二次記憶部としてのROM(Read Only Memory)と、演算経過の保存や一時的な制御変数を保存する一時記憶部としてのRAM(Random Access Memory)とを組み合わせてなるマイクロコンピュータにより構成されており、記憶されたプログラムの実行によって全ての鉱山機械1Aの管理等に関する各制御を行う。例えば管制局30は、鉱山内の任意の鉱山機械1Aからの経路要求に応じて、経路要求のあった鉱山機械1Aの走行経路を送信するとともに、その周辺に存在する他械の位置、姿勢及び速度等も経路要求のあった鉱山機械1Aに送信する。
管制局30は、鉱山機械1Aと通信する通信装置31と、各鉱山機械1Aの走行経路を計画して作成する経路計画部32と、地図DB33とを備えている。
図14は自律走行システムにおける鉱山機械の走行処理を示すフローチャートである。図14に示す走行処理は鉱山機械1Aの制御処理の周期に依存しており、例えば10ミリ秒に1回の周期で繰り返し実行される。
まずステップS301では、鉱山機械1Aの位置姿勢推定部21は、GNSS受信機8の計測結果とIMU13の計測結果に基づいて鉱山機械1の位置及び姿勢を推定し、推定した自機の位置及び姿勢を通信装置15を介して管制局30に送信する。このとき、位置姿勢推定部21は、自機の速度も一緒に送信してもよい。管制局30では、各鉱山機械1Aから送信された位置及び姿勢をIDを付してブロードキャストする。
ステップS301に続くステップS302では、鉱山機械1Aは、管制局30に対して自機の走行経路を要求し、管制局30から自機の走行経路を取得する。管制局30に対して自機の走行経路を要求する際に、鉱山機械1Aは自機のIDも一緒に送信する。経路の要求を受信すると、管制局30は、経路要求のあった鉱山機械1Aの走行経路を作成し送信する。
具体的には、経路計画部32は、経路要求の鉱山機械1AのIDに基づいて、予め設定された目的地と、地図DB33に保存された地図情報と、周辺の他機の位置とを用いて最適となる走行経路を計画して作成する。経路計画部32は、作成した走行経路を通信装置31を介して、経路要求のあった鉱山機械1Aに送信する。走行経路が受信すると、鉱山機械1Aは、受信した走行経路を記憶部26に記憶させる。
ステップS303~ステップS307は、上述したステップS203~ステップS207(図10参照)と同様であるので、重複説明を省略する。
ステップS307に続くステップS308では、鉱山機械1Aは、他機情報を取得し停止可能距離を計算する。他機情報には、他機の位置、姿勢、速度、重量、制動力、停止可能距離計算係数等が含まれている。これらの他機情報は、管制局30がブロードキャストする情報から取得される。
停止可能距離は、例えば特許第6325655号明細書に記載されるように、下記式(7)に基づいて計算することができる。
式(7)において、nは他機の番号、SLnは他機の停止可能距離、vnは他機の速度、Mnは他機の重量、fnは他機の制動力、cnは他機の停止可能距離係数を示す。
ステップS308に続くステップS309では、衝突判定が行われる。このとき、衝突判定部25は、外界センサにより検出され且つ記憶部26に記憶された路面の凹凸及び障害物の情報に加えて、更に取得した他機情報を用いて、衝突の判定を行う。図15は自律走行システムにおける鉱山機械の衝突判定処理を示すフローチャートである。
図15に示すステップS309-1~S309-7は、上述したステップS208-1~S208-7(図11参照)と同様であるため、重複説明を省略する。
ステップS309-6及びS309-7に続くステップS309-8では、自機周辺に他機が存在するか否かが判定される。このとき、衝突判定部25は、自機の位置及び他機の位置に基づいて自機と他機との距離を計算し、計算した距離を予め設定された閾値と比較する。自機と他機との距離が閾値以下であれば、衝突判定部25は自機周辺に他機が存在すると判定する。これによって、衝突判定処理はステップS309-9に進む。
一方、自機と他機との距離が閾値よりも大きい場合、衝突判定部25は自機周辺に他機が存在しないと判定する。これによって、衝突判定処理はステップS309-11に進む。
ステップS309-9では、衝突判定部25は、自機周辺に存在すると判定された全ての他機に対して、自機の走行許可区間が他機の走行領域と接触するか否かを判定する。他機の走行領域は、ステップS308で計算した他機の停止可能距離SLnに予め定められた幅を与えた矩形で表される。そして、自機の走行許可区間である矩形と他機の走行領域の矩形とが重なる部分があった場合、衝突判定部25は、自機の走行許可区間が他機の走行領域と接触すると判定する。これによって、衝突判定処理はステップS309-10に進む。ステップS309-10では、衝突判定部25は、衝突判定フラグを「1」に設定する。
一方、自機の走行許可区間である矩形と他機の走行領域の矩形とが重なる部分がない場合、衝突判定部25は、自機の走行許可区間が他機の走行領域と接触しないと判定する。これによって、衝突判定処理はステップS309-11に進む。ステップS309-11では、衝突判定部25は、既に設定された衝突判定フラグを維持する。すなわち、例えばステップS309-6において衝突判定フラグが「1」に設定された場合、衝突判定部25は、衝突判定フラグを「1」のままとする。ステップS309-7において衝突判定フラグが「0」に設定された場合、衝突判定部25は、衝突判定フラグを「0」のままとする。
以上より、ステップS309の衝突判定処理が終了する。
そして、図14に示すステップS309に続くステップS310~S312は、上述したステップS209~ステップS211(図10参照)と同様であるので、重複説明を省略する。
本実施形態に係る自律走行システム100によれば、鉱山機械1Aは鉱山を自律走行する際に、前方外界センサ9、左側方外界センサ10、右側方外界センサ11及び後方外界センサ12といった必要最小限の外界センサを用いて、障害物及び鉱山内を移動する他機との衝突を回避でき、安全走行を実現することが可能である。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
1,1A:鉱山機械、2:車体、3:前輪、4:後輪、5:荷台、6:昇降シリンダ、7:GNSSアンテナ、8:GNSS受信機、9:前方外界センサ、10:左側方外界センサ、11:右側方外界センサ、12:後方外界センサ、13:IMU、14:速度センサ、15:通信装置、20:制御装置、21:位置姿勢推定部、22:経路設定部、23:経路追従制御部、24:路面凹凸障害物検出部、25:衝突判定部、26:記憶部、27:地図DB、30:管制局、31:通信装置、32:経路計画部、33:地図DB、100:自律走行システム、604:前方最大到達域、605:後方最大到達域、606:定常旋回不可侵域、607,609,610:端点、608:線分
Claims (7)
- 車体の左右両側に配置されて操舵される一対の前輪と前記車体の左右両側に配置される一対の後輪とを備え、鉱山内を自律走行する鉱山機械において、
前記鉱山機械には、前記鉱山機械の前方、側方及び後方の路面状態及び障害物を検出する外界センサが複数取り付けられ、
予め設定された速度域と最大操舵角との関係に基づいて求められる最大制動時の前記鉱山機械の最大到達域と、前記鉱山機械が最大操舵角で旋回した際に前記鉱山機械が侵入できない定常旋回不可侵域と、前記車体の方向と平行するとともに前記最大到達域の端点と前記定常旋回不可侵域とを結ぶ線分とで前記鉱山機械の停止可能範囲が設定されたとき、
複数の前記外界センサは、検出範囲が前記停止可能範囲を含むように配置されていることを特徴とする鉱山機械。 - 前記最大到達域は、予め設定された速度域と最大操舵角との関係と、前記鉱山機械の重心位置及び方位とに基づいて求められる請求項1に記載の鉱山機械。
- 前記鉱山機械の前方に配置された外界センサの検出範囲と、前記鉱山機械の側方に配置された外界センサの検出範囲とは、一部が重なっている請求項1又は2に記載の鉱山機械。
- 前記外界センサの検出結果に基づいて前記鉱山機械の走行制御を少なくとも行う制御装置を更に備え、
前記外界センサにより検出された障害物が前記定常旋回不可侵域内に存在する場合、
前記制御装置は、前記外界センサにより検出された障害物を前記鉱山機械の停止処理に関する対象障害物から除外して、前記鉱山機械の走行を制御する請求項1~3のいずれか一項に記載の鉱山機械。 - 前記鉱山機械の側方に配置された外界センサに検出不可範囲があり、該検出不可範囲が前記定常旋回不可侵域内である場合、
前記制御装置は、前記鉱山機械の走行を継続させる請求項4に記載の鉱山機械。 - 前記制御装置は、
前記鉱山機械の位置及び姿勢を推定する位置姿勢推定部と、
地図情報に基づいて経路を設定する経路設定部と、
設定された経路に追従するように前記鉱山機械の操舵及び速度を制御する経路追従制御部と、
を有する請求項4又は5に記載の鉱山機械。 - 請求項4~6のいずれか一項に記載される鉱山機械を複数台と、各鉱山機械と通信可能に構成されるとともに複数の前記鉱山機械を管理する管制局とを備える自律走行システムであって、
前記管制局は、任意の前記鉱山機械からの経路要求に応じて、経路要求のあった前記鉱山機械の走行経路及びその周辺に存在する他の鉱山機械の位置を経路要求のあった前記鉱山機械に送信し、
経路要求のあった前記鉱山機械の前記制御装置は、前記管制局から送信された走行経路及び他の鉱山機械の位置に基づいて、自機の走行制御を行うことを特徴とする自律走行システム。
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