JP2022185731A - 塗工装置及び塗工方法 - Google Patents

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Yoshiki Shimada
基 畑中
Motoi Hatanaka
一人 福田
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正明 田邉
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Abstract

【課題】基材の特定部位の幅方向端部における塗膜状態のバラツキを低減する塗工装置、及び塗工方法を提供する。【解決手段】塗工装置20は、基材2の両面に対して塗液Cを塗布し、基材の厚み方向に対向する第1及び第2ブロック21,22と、第1及び第2ブロック同士の隙間に塗液が溜まるとともに基材が通る液溜り部23と、を備える。液溜り部は、基材が導入される導入口と、基材が排出される排出口25と、幅方向両側に位置する側面部26と、を含む。側面部には、基材導入口から基材排出口に亘って開口する露出口29が設けられる。露出口からは、基材の幅方向における一部が液溜り部の外部に突出可能である。幅方向における露出口近傍には、基材に塗布される塗液の幅方向外方への広がりを抑制する塗液抑制部50が設けられる。塗液抑制部は、搬送方向において導入口から排出口に亘って設けられる。【選択図】図4

Description

本開示は、塗工装置及び塗工方法に関する。
例えばロールtoロール法によって搬送されるシート状の基材の両面に塗膜を形成するための塗工装置に関して、種々の技術が開示されている。
例えば、特許文献1に開示の塗布装置(塗工装置)では、先ず、連続搬送される長尺のシート状基材を塗液が溜められた浸漬槽に浸けることによって、基材の両面に対して塗液を塗布する。その後、基材を垂直方向に上昇させながら、一対の掻き落としロールによって、基材の両面における余分な塗液を掻き落とす。これにより、基材の両面に、一定の厚みの塗膜が形成される。
特開昭64-7965号公報
ところで、基材の幅方向における特定部位の両面に塗膜を選択的に形成したい場合がある。この場合、基材の幅方向において、特定部位の両面に対して塗液を塗布する一方、特定部位以外の部位に対して塗液を塗布しないようにする必要がある。
しかし、上記特許文献1に係る塗工装置を用いて、基材の幅方向における特定部位の両面に選択的に塗膜を形成しようとした場合、基材の特定部位のみが浸漬槽に浸かるように、基材自体の向きや基材の搬送方向等を調整する必要があり、塗工工程の複雑化や塗工装置の大型化を招くという問題があった。
本開示は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、搬送される基材の幅方向における特定部位の両面に選択的に塗膜を形成するとともに、特定部位の幅方向端部における塗膜状態のバラツキを低減することにある。
本開示に係る塗工装置は、搬送されるシート状の基材の両面に対して塗液を塗布する塗工装置であって、上記基材の厚み方向に互いに対向する一対のブロックと、上記一対のブロック同士の隙間に上記塗液が溜まるように形成されるとともに、上記基材が通る液溜り部と、を備え、上記液溜り部は、上記基材の搬送方向における上流側に開口し、上記基材が導入される基材導入口と、上記搬送方向における下流側に開口し、上記基材が排出される基材排出口と、上記搬送方向に交差する幅方向の両側にそれぞれ位置する側面部と、を含み、上記幅方向における少なくとも片側の上記側面部には、上記基材導入口から上記基材排出口に亘って開口する露出口が設けられており、上記露出口からは、上記基材の上記幅方向における一部が上記液溜り部の外部に突出可能であり、上記幅方向における上記露出口近傍には、上記基材に塗布される上記塗液の上記幅方向外方への広がりを抑制する塗液抑制部が設けられており、上記塗液抑制部は、上記搬送方向において上記基材導入口側から上記基材排出口側に亘って設けられている。
本開示に係る塗工方法は、上記塗工装置を用いて、上記基材の上記幅方向における一部を上記露出口から上記液溜り部の外部に突出させながら、上記基材を上記液溜り部に通すことによって、上記基材の上記幅方向における特定部位の両面に対して上記塗液を塗布するとともに、上記塗液抑制部によって、上記幅方向における上記露出口近傍において、上記基材に塗布される上記塗液の上記幅方向外方への広がりを抑制する。
本開示によれば、搬送される基材の幅方向における特定部位の両面に選択的に塗膜を形成することができるとともに、特定部位の幅方向端部における塗膜状態のバラツキを低減することができる。
図1は、本開示の第1の実施形態に係る塗工装置を含む塗工システムを模式的に示す図である。 図2は、第1の実施形態に係る塗工装置の正面図である。 図3は、第1の実施形態に係る塗工装置の平面図である。 図4は、第1の実施形態に係る塗工装置の側面図である。 図5は、第1の実施形態に係る塗工装置の基材排出口近傍を拡大して示す拡大正面図である。 図6は、第2の実施形態に係る塗工装置の側面図である。 図7は、第3の実施形態に係る塗工装置の側面図である。 図8は、第4の実施形態に係る塗工装置の側面図である。 図9は、第5の実施形態に係る塗工装置の側面図である。 図10は、第6の実施形態に係る塗工装置の側面図である。 図11は、第7の実施形態に係る塗工装置の側面図である。 図12は、第7の実施形態に係る塗工装置の平面図である。 図13は、第8の実施形態に係る塗工装置の側面図である。 図14は、第8の実施形態に係る塗工装置の平面図である。 図15は、第9の実施形態に係る塗工装置の側面図である。
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物あるいはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
<第1の実施形態>
(基本構成)
図1は、本開示の第1の実施形態に係る塗工システム1を模式的に示す。なお、図1において、後述する表面処理部51(塗液抑制部50)の図示を省略している。塗工システム1は、基材2の両面に塗膜Fを連続的に形成するためのものである。塗工システム1は、基材供給装置10、塗工装置20及び塗液供給装置40から構成されてなる。
基材2は、長尺のシート状に形成されている。基材2としては、例えば、金属箔、樹脂フィルム、織布、不織布、紙等がある。基材2の塗膜Fを含まない厚み寸法t(図5参照)は、例えば1mm以下である。
基材供給装置10は、ロールtoロール法によって、基材2を、その長手方向を搬送方向(Xで示す)として連続搬送する。具体的には、基材供給装置10は、基材2を巻出機11で巻き出して巻取機12で巻き取ることによって、基材2を連続搬送する。搬送される基材2は、途中、第1ロール13及び第2ロール14を通る。
基材2の搬送方向において、第1ロール13と第2ロール14との間には、塗工装置20が配置されている。塗工装置20は、詳細は後述するが、連続搬送されるシート状の基材2の両面に対して塗液Cを塗布して、基材2の両面に塗膜Fを形成する。塗工装置20によって両面に塗膜Fが形成された基材2は、乾燥炉(図示せず)で乾燥されて塗膜F内に含まれる揮発成分が除去された後、巻取機12に巻き取られる。
塗工装置20の構成について、詳細に説明する。図2~5は本実施形態に係る塗工装置20を示し、図2は正面図(II矢視図)、図3は平面図(III矢視図)、図4は側面図(IV矢視図)、図5は後述する基材排出口25近傍の拡大正面図である。なお、図5において、後述する表面処理部51(塗液抑制部50)の図示を省略している。
なお、本実施形態において、基材2の搬送方向(長手方向)及び幅方向(Yで示す)は、水平方向である。基材2の幅方向は、基材2の搬送方向に交差、具体的には直交している。基材2の厚み方向(Zで示す)は、鉛直方向である。
塗工装置20は、図2に示すように、一対のブロック、具体的には第1ブロック21及び第2ブロック22を備える。第1ブロック21と第2ブロック22とは、基材2の厚み方向に互いに所定の間隔を空けて配置されており、基材2の厚み方向に互いに対向している。各ブロック21,22は、略直方体状に形成されており、その長手方向が基材2の搬送方向に沿うように配置されている。
図3,4において、L1は、各ブロック21,22の長さ寸法である。L2は、各ブロック21,22の幅寸法である。L3は、各ブロック21,22の厚み寸法である。各ブロック21,22の長さ寸法L1は、基材2の厚み寸法t(図5参照)に対して、十分大きい(例えば100倍以上)ことが好ましい。本実施形態では、図4に示すように、各ブロック21,22の幅寸法L2は、基材2の幅寸法Bよりも小さい。
図2に示すように、一対のブロック同士の隙間23、すなわち第1ブロック21と第2ブロック22との隙間23には、塗液Cが溜まるように、液溜り部が形成されている(以下、「液溜り部23」という)。基材2が液溜り部23を通ることによって、基材2の両面に対して塗液Cが塗布されて、基材2の両面に塗膜Fが形成される。
塗液Cは、ペースト状又はスラリー状であることが好ましい。塗液Cの粘度ηは、1mPa・s以上であることが好ましく、1Pa・s~1000Pa・sであることがより好ましい。塗液Cは、例えば、シリカ、低融点ガラス、アルミナ・酸化チタン等の金属酸化物粒子を含んだ絶縁体材料や、はんだ、銅、銀、金属被覆した粒子等の金属粒子や、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、コバルト酸リチウム、カーボン等を含んだ導電性材料や、染料、等を用いることができる。
Hは、第1ブロック21と第2ブロック22との隙間寸法を示す。隙間寸法Hは、基材2が通過可能なように、基材2の厚み寸法t(例えば0.1mm以下)よりも大きい。隙間寸法Hは、極力小さい方がよく、0.1mm以上1mm以下であることが好ましい。
液溜り部23は、基材2の搬送方向における上流側(図2における左側)に開口する基材導入口24と、基材2の搬送方向における下流側(図2における右側)に開口する基材排出口25と、を含む。基材導入口24と基材排出口25とは、搬送方向において、互いに対向している。基材2は、基材導入口24から導入されて、液溜り部23を通って、基材排出口25から排出される。
図3,4に示すように、液溜り部23は、基材2の幅方向における両側にそれぞれ位置する側面部26を含む。側面部26とは、液溜り部23の幅方向端部を構成する搬送方向及び厚み方向に延びる面をいう。側面部26は、幅方向一方側(図4における左側)の第1側面部26a及び幅方向他方側(図4における右側)の第2側面部26bから構成されている。第1側面部26aと第2側面部26bとは、幅方向において、互いに対向している。
図4に示すように、幅方向における両側の側面部26、すなわち第1側面部26a及び第2側面部26bには、露出口29がそれぞれ設けられている。各露出口29は、第1側面部26a及び第2側面部26b各々において、基材導入口24側(上流側)から基材排出口25側(下流側)に亘って、開口している(図2参照)。すなわち、第1側面部26a及び第2側面部26bは、開放されている。
図4に示すように、露出口29からは、基材2の幅方向における一部が、液溜り部23の外部に突出可能である。
図2,4に示すように、第1ブロック21における液溜り部23に臨む内面35には、塗液供給口30が設けられている。塗液供給口30は、液溜り部23に臨むとともに、液溜り部23に塗液Cを供給する。
図2~4に示すように、塗液供給口30は、第1ブロック21の幅方向中央部において、搬送方向に並んで複数個(例えば3個)配置されている。なお、塗液供給口30は、1個でもよい。塗液供給口30の断面形状は、例えば円形や楕円形等である。塗液供給口30の直径は、1mm以上であることが好ましい。なお、塗液供給口30の断面形状は、例えば搬送方向に延びる長穴でもよい。
塗液供給装置40(図1参照)は、塗液Cを塗工装置20に供給するための装置であり、塗液供給ポンプ41及び塗液供給管42で構成されている。
ここで、図2,4に示すように、第1ブロック21の内部には、塗液供給路32が設けられている。塗液供給路32は、その上流側で塗液供給管42を介して塗液供給ポンプ41に連通しているとともに、その下流側で塗液供給口30に連通している。
塗液供給ポンプ41は、例えば、スクリューポンプ、ダイヤフラムポンプ、シリンジポンプ、モーノポンプ又はチューブポンプ等の定量供給可能なものを採用することが好ましい。塗液供給ポンプ41の代わりに、供給タンクに圧縮空気を導入して圧力送液してもよい。
図示しないが、塗工装置20は、塗液排出部を備えてもよい。塗液排出部は、塗工停止時において、液溜り部23に溜められた塗液Cを取り除く。
塗液供給口30を介して液溜り部23に供給される塗液Cの量は、基材排出口25を介して液溜り部23から基材2と伴に排出される塗液C(塗膜F)の量と、略一致することが好ましい。液溜り部23における余剰の塗液Cは、塗液排出部によって液溜り部23から排出されてもよい。
塗液排出部は、塗液圧力調整機能を有してもよい。この場合、塗液排出部(塗液圧力調整機能)は、液溜り部23における塗液Cの圧力の揺らぎを低減する。塗液排出部は、各ブロック21,22の液溜り部23に臨む内面35に設けられた塗液排出口を、バッファタンクやリーク弁等に連通することにより構成されてもよい。
塗液Cの排出については、塗液排出口を圧力損失が小さくなるような形状にして、液溜り部23における塗液Cが自然に排出されるようにしてもよく、また、吸引装置によって積極的に吸引してもよい。
第1ブロック21側の塗液供給口30から供給される塗液Cが、基材2を厚み方向に貫通して、第2ブロック22側に回り込むようにするために、基材2は、その厚み方向に塗液Cを連通させる連通部を、含むことが好ましい。具体的には、基材2を、例えば、パンチングメタルで構成したり、櫛歯形状や梯子形状に形成したり、メッシュ状に形成したりすること等が考えられる。また、基材2を、多孔質材で構成してもよい。なお、基材2は、連通部を含まないフラット状でもよい。
図4に示すように、幅方向における露出口29近傍には、塗液抑制部50が設けられている。具体的には、塗液抑制部50は、幅方向における両側(第1側面部26a側及び第2側面部26b側)の露出口29近傍に、それぞれ設けられている。図2,3に示すように、塗液抑制部50は、搬送方向において、基材導入口24側(上流側)から基材排出口25側(下流側)に亘って設けられている。塗液抑制部50は、基材2に塗布される塗液Cの幅方向外方への広がりを抑制する。
ここで、「幅方向における露出口29近傍」とは、幅方向において、露出口29よりもやや内側から露出口29よりもやや外側の領域Rをいう。「露出口29よりもやや内側」とは、例えば、幅方向において、露出口29(液溜り部23の幅方向端部)よりも幅寸法L2の20%内側の部分である。「露出口29よりもやや外側」とは、例えば、幅方向において、露出口29(液溜り部23の幅方向端部)よりも幅寸法L2の20%外側の部分である。
本実施形態では、塗液抑制部50は、接触角変化部としての表面処理部51で構成されている。図4に示すように、表面処理部51は、第1ブロック21及び第2ブロック22(一対のブロック)における厚み方向内側のエッジ(角部)36を含む部分に施されている。図2,3に示すように、表面処理部51は、搬送方向において、基材導入口24側(上流側)から基材排出口25側(下流側)に亘って設けられている。
図4に示すように、表面処理部51は、内面部51aと、側面部51bと、を含む。表面処理部51の内面部51aは、各ブロック21,22の液溜り部23に臨む内面35におけるエッジ36を含む幅方向両端部35aに、施されている。表面処理部51の側面部51bは、各ブロック21,22の幅方向外側の側面37におけるエッジ36を含む厚み方向内側端部37aに、施されている。
表面処理部51は、塗液Cに対する接触角が、第1ブロック21及び第2ブロック22(一対のブロック)の液溜り部23に臨む内面35における表面処理部51よりも幅方向内側部分35bとは異なるように、構成されている。なお、接触角とは、静止液体の自由表面が固体壁面に接触しているときに、液面と固体壁面とのなす角をいう。
表面処理部51は、親水処理が施された親水部で構成されてもよい。親水部は、例えば、塗液Cの溶媒がN-メチル-2-ピロリドン等の非水系の場合に、好適である。親水部の具体例として、ガラスコーティング等がある。親水処理を施した面と塗液Cとの接触角は、0°以上50°以下であることが好ましく、0°以上30°以下であることがより好ましい。
表面処理部51は、撥水処理を施した撥水部で構成されてもよい。撥水部は、例えば、塗液Cの溶媒が水やイソプロピルアルコール等の水系の場合に、好適である。撥水部の具体例として、フッ素コーティングやセラミックコーティング等がある。撥水処理を施した面と塗液Cとの接触角は、100°以上であることが好ましく、120°以上であることがより好ましい。
(塗工態様)
塗液供給ポンプ41を駆動することによって、塗液Cは、塗液供給管42及び塗液供給路32を通って、塗液供給口30から液溜り部23に供給されて、液溜り部23に溜められる。塗液Cが液溜り部23に溜められた状態で、基材2を液溜り部23に通す。これにより、基材2の両面に対して塗液Cが塗布されて、基材2の両面に塗膜Fが形成される。
図3,4に示すように、基材2の幅方向中間部2bを、塗液Cを塗布する特定部位Pとする。一方、基材2の幅方向両端部2a各々を、塗液Cを塗布しない非特定部位Qとする。基材2を液溜り部23に通す際、基材2の各非特定部位Q(幅方向両端部2a各々)を、各露出口29から液溜り部23の外部に突出させる。これにより、基材2の特定部位Pの両面に対して塗液Cが塗布されて、基材2の特定部位Pの両面に塗膜Fが形成される。一方、基材2の各非特定部位Qの両面には、塗液Cが塗布されないので、塗膜Fが形成されない。
基材2が基材排出口25を介して液溜り部23から排出される際、基材排出口25の近傍において、基材2の両面に塗布された塗液Cに対して、強いせん断力が加わる。このため、図5に示すように、基材2の塗膜Fを含めた厚み寸法Tは、基材排出口25(液溜り部23)の隙間寸法Hに対して、やや小さくなる。
基材2に塗布される塗液Cは、幅方向外方へ拡がろうとするが、搬送方向における基材導入口24側(上流側)から基材排出口25側(下流側)に亘って露出口29近傍に設けられた塗液抑制部50によって、幅方向外方への広がりを抑制される。
具体的には、塗液抑制部50は、表面処理部51で構成されている。表面処理部51は、各ブロック21,22の厚み方向内側のエッジ36を含む部分、すなわち露出口29近傍に施されており、塗液Cに対する接触角が各ブロック21,22の内面35における表面処理部51よりも幅方向内側部分35bとは異なる。基材2に塗布される塗液Cは、露出口29近傍に施された表面処理部51において接触角(表面張力)が調整されることよって、幅方向外方への広がりを抑制される。
(作用効果)
本実施形態によれば、幅方向における少なくとも片側の側面部26に露出口29が設けられているので、基材2の幅方向における一部を、露出口29から液溜り部23の外部に突出させることができる。これにより、搬送される基材2の幅方向における特定部位Pの両面に選択的に塗膜Fを形成することができる。
特に、本実施形態では、露出口29が幅方向両側の第1側面部26a及び第2側面部26bにそれぞれ設けられているので、基材2の幅寸法Bが各ブロック21,22の幅寸法(液溜り部23の幅寸法)L2よりも大きい場合に、基材2の幅方向両端部2aの両方を、各露出口29から液溜り部23の外部に突出させることができる。
基材2に塗布される塗液Cは、幅方向外方へ拡がろうとするが、搬送方向における基材導入口24側(上流側)から基材排出口25側(下流側)に亘って露出口29近傍に設けられた塗液抑制部50によって、搬送方向全域において幅方向外方への広がりを抑制される。具体的には、基材2に塗布される塗液Cは、各ブロック21,22の厚み方向内側のエッジ36を含む部分に施された表面処理部51において接触角(表面張力)が調整されることによって、搬送方向全域において幅方向外方への広がりを抑制される。
これにより、基材2の特定部位Pの幅方向端部(特定部位Pと非特定部位Qとの境界部、図3参照)における塗膜状態のバラツキを低減することができる。
具体的には、基材2に塗布される塗液Cが、特定部位Pの幅方向端部(特定部位Pと非特定部位Qとの境界部、図3参照)において、特定部位P側から非特定部位Q側にはみ出ることを、抑制することができる。これにより、最終的に基材2に形成される塗膜Fの塗膜幅バラツキを、低減することができる。また、基材2の特定部位Pの幅方向端部(特定部位Pと非特定部位Qとの境界部、図3参照)において、最終的に基材2に形成される塗膜Fの搬送方向における塗膜位置バラツキ(波打ち)を、低減することができる。
塗液Cの幅方向外方への広がりを抑制するために、表面処理部51によって接触角(表面張力)を調整するだけでよいので、構成が簡単である。
表面処理部51の内面部51aが、各ブロック21,22の液溜り部23に臨む内面35における幅方向両端部35aに施されているので、液溜り部23における塗液Cが露出口29に向かって幅方向外方へ広がることを、抑制することができる。また、表面処理部51の側面部51bが、各ブロック21,22の幅方向外側の側面37における厚み方向内側端部37aに施されているので、露出口29を介して液溜り部23から漏出しようとする(特定部位P側から非特定部位Q側にはみ出ようとする)塗液Cを、露出口29に留めることができる。
表面処理部51(塗液抑制部50)が幅方向における両側(第1側面部26a側及び第2側面部26b側)の露出口29近傍にそれぞれ設けられている。これにより、基材2の幅方向両端部2aの両方を各露出口29から液溜り部23の外部に突出させた場合に、基材2の特定部位Pの幅方向両端部の両方(特定部位Pと2つの非特定部位Qとの境界部各々、図3参照)において、塗膜状態のバラツキを低減することができる。
<第2の実施形態>
第2の実施形態に係る塗工装置20について、図6を参照しながら説明する。以下の説明において、上記実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する場合がある。
本実施形態では、基材2の幅方向一方側2cを特定部位Pとする。一方、基材2の幅方向他方側2dを非特定部位Qとする。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。
<第3の実施形態>
第3の実施形態に係る塗工装置20について、図7を参照しながら説明する。以下の説明において、上記実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する場合がある。
本実施形態では、基材2の幅寸法Bは、各ブロック21,22の幅寸法(液溜り部23の幅寸法)L2よりも小さい。また、基材2の幅方向全体を特定部位Pとし、非特定部位Qを設けない。すなわち、基材2の幅方向全体の両面に塗液Cが塗布されて、塗膜Fが形成される(全面塗り)。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。
<第4の実施形態>
第4の実施形態に係る塗工装置20について、図8を参照しながら説明する。以下の説明において、上記実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する場合がある。
本実施形態では、塗液抑制部50は、絞り部52で構成されている。絞り部52は、液溜り部23の幅方向における露出口29近傍、すなわち幅方向両端部23aに設けられている。絞り部52は、搬送方向において、基材導入口24側(上流側)から基材排出口25側(下流側)に亘って設けられている。
絞り部52は、第1ブロック21と第2ブロック22との(一対のブロック同士の)隙間寸法Hが、液溜り部23における絞り部52よりも幅方向内側部分23bに比較して狭くなるように構成されている。具体的には、絞り部52(幅方向両端部23a)における隙間寸法H2は、絞り部52よりも幅方向内側部分23bにおける隙間寸法H1よりも、狭い。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。
本実施形態によれば、基材2に塗布される塗液Cは、液溜り部23における露出口29近傍に設けられた絞り部52での圧力損失によって、幅方向外方への広がりを抑制される。
<第5の実施形態>
第5の実施形態に係る塗工装置20について、図9を参照しながら説明する。以下の説明において、上記実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する場合がある。
本実施形態では、絞り部52は、第1ブロック21と第2ブロック22との(一対のブロック同士の)隙間寸法H2が、幅方向において内側から露出口29側に(幅方向内側から幅方向外側に)向かうに従って狭くなるように、テーパ状に構成されている。
絞り部52と、各ブロック21,22の液溜り部23に臨む内面35とのなす角度αは、0°よりも大きく90°よりも小さい。なす角度αは、塗液Cの幅方向外方への広がり抑制の観点から、大きい方が好ましく、例えば、45°以上85°以下であることがより好ましい。その他の構成は、第4の実施形態と同様である。
本実施形態によれば、絞り部52のなす角度αを微調整することによって、塗液Cの幅方向外方への拡がり抑制の程度(度合)を、微調整することができる。
<第6の実施形態>
第6の実施形態に係る塗工装置20について、図10を参照しながら説明する。以下の説明において、上記実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する場合がある。
本実施形態では、塗液抑制部50は、溝部53で構成されている。溝部53は、第1ブロック21及び第2ブロック22(一対のブロック)の液溜り部23に臨む内面35の露出口29近傍、すなわち幅方向両端部35aに設けられている。溝部53は、搬送方向において、基材導入口24側(上流側)から基材排出口25側(下流側)に亘って延びている。溝部53は、塗液Cを毛細管現象によって液溜り部23から吸い出すように構成されている。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。
本実施形態によれば、基材2に塗布される塗液Cは、露出口29近傍に設けられた溝部53の毛細管現象によって、液溜り部23から吸い出される。これにより、基材2に塗布される塗液Cは、幅方向外方への広がりを抑制される。
<第7の実施形態>
第7の実施形態に係る塗工装置20について、図11,12を参照しながら説明する。以下の説明において、上記実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する場合がある。
本実施形態では、塗液抑制部50は、塗液吸引部54で構成されている。塗液吸引部54は、液溜り部23における塗液Cを吸引するものである。塗液吸引部54は、塗液吸引口54aと、塗液吸引路54bと、塗液吸引管54cと、塗液吸引装置としての塗液吸引ポンプ54dと、を含む。塗液吸引口54aは、第1ブロック21及び第2ブロック22(一対のブロック)の液溜り部23に臨む内面35における露出口29近傍、すなわち幅方向両端部35aに設けられている。塗液吸引口54aは、液溜り部23に臨む。
塗液吸引路54bは、各ブロック21,22の内部を、厚み方向に延びている。塗液吸引路54bは、その上流側で塗液吸引口54aに連通している。塗液吸引路54bの下流側には、塗液吸引管54cが接続している。塗液吸引管54cの下流側には、塗液吸引ポンプ54dが接続している。
塗液吸引ポンプ54dは、液溜り部23(各ブロック21,22)の外部に設けられている。塗液吸引ポンプ54dは、塗液吸引口54a、塗液吸引路54b及び塗液吸引管54cを介して、液溜り部23から塗液Cを吸引する。塗液吸引ポンプ54dとして、例えば、ダイヤフラムポンプ、シリンダポンプ又はモーノポンプ等が適用され得る。塗液吸引ポンプ54dを塗液供給ポンプ41(図1参照)に接続又は統合して、塗液Cを循環させてもよい。
詳細には、塗液吸引部54は、複数の塗液吸引口54a(塗液吸引路54b)を含む。複数の塗液吸引口54aは、搬送方向に沿って、基材導入口24側(上流側)から基材排出口25側(下流側)に亘って配列されている。塗液吸引口54aの断面形状は、例えば円形や楕円形等である。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。
本実施形態によれば、基材2に塗布される塗液Cは、露出口29近傍に設けられた塗液吸引口54aを介して塗液吸引ポンプ54dによって、液溜り部23から吸引される。これにより、基材2に塗布される塗液Cは、幅方向外方への広がりを抑制される。
複数の塗液吸引口54aを搬送方向に沿って配列することによって、塗液吸引部54(塗液抑制部50)を、簡単に、搬送方向における基材導入口24側(上流側)から基材排出口25側(下流側)に亘るように設けることができる。
<第8の実施形態>
第8の実施形態に係る塗工装置20について、図13,14を参照しながら説明する。以下の説明において、上記実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する場合がある。
本実施形態では、塗液抑制部50は、ガス吹付部としてのエアバンパー55で構成されている。エアバンパー55は、露出口29(各ブロック21,22)よりもやや幅方向外側に設けられている。エアバンパー55は、搬送方向において、基材導入口24側(上流側)から基材排出口25側(下流側)に亘って設けられている。具体的には、エアバンパー55のガス通路55aは、搬送方向において、基材導入口24側(上流側)から基材排出口25側(下流側)に亘って延びている。
エアバンパー55は、幅方向外側から露出口29に対してガスを吹き付けるように構成されている。具体的には、エアバンパー55は、露出口29から液溜り部23の外部に突出した基材2に対して、ガスを吹き付ける。エアバンパー55で吹き付けるガスは、例えば空気、窒素又はアルゴン等である。
エアバンパー55によるガスの吹付方向と側面部26(厚み方向)とのなす角度βは、0°以上45°以下であることが好ましく、0°以上30°以下であることがより好ましい。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。
本実施形態によれば、エアバンパー55によって、幅方向外側から露出口29に対して、ガスを吹き付ける。具体的には、エアバンパー55によって、露出口29から液溜り部23の外部に突出した基材2に対して、ガスを吹き付ける。これにより、露出口29よりも幅方向外側(液溜り部23の外部)における塗液Cの圧力が、露出口29よりも幅方向内側(液溜り部23の内部)における塗液Cの圧力に比較して、大きくなる。
基材2に塗布される塗液Cは、幅方向外方へ拡がろうとするが、露出口29よりも幅方向外側に設けられたエアバンパー55による露出口29に対するガスの吹き付けによって、幅方向外方への広がりを抑制される。
<第9の実施形態>
第9の実施形態に係る塗工装置20について、図15を参照しながら説明する。以下の説明において、上記実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する場合がある。
本実施形態では、露出口29は、幅方向における片側の側面部26にのみ設けられている。具体的には、露出口29は、幅方向他方側の第2側面部26b(幅方向における片側の側面部)にのみ設けられている。すなわち、幅方向一方側の第1側面部26a(上記片側とは反対側の側面部)は、閉塞している。第1側面部26aは、液溜り部23の幅方向一方側を覆うサイドブロック27における液溜り部23に臨む側面で構成されている。
塗液抑制部50としての表面処理部51は、幅方向他方側(第2側面部26b側、幅方向における片側)の露出口29近傍に設けられている。その他の構成は、第2の実施形態と同様である。
本実施形態によれば、露出口29の個数が1つだけなので、上記実施形態に比べて、塗液Cが露出口29を介して液溜り部23から漏出することを抑制する上で有利になる。
<その他の実施形態>
以上、本開示を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。
第1の実施形態(特に図4参照)について、表面処理部51は、内面部51a及び側面部51bのうちのいずれか一方を含めばよい。換言すると、表面処理部51は、第1ブロック21及び第2ブロック22(一対のブロック)における厚み方向内側のエッジ36を、少なくとも含めばよい。
第1の実施形態(特に図4参照)について、塗液抑制部50は、接触角変化部として、例えば、その表面性状(表面粗さ)が、各ブロック21,22の液溜り部23に臨む内面35における幅方向内側部分35bの表面性状(表面粗さ)とは異なるように、構成されてもよい。
第2の実施形態(図6参照)では、表面処理部51(塗液抑制部50)は、幅方向における両側(第1側面部26a側及び第2側面部26b側)の露出口29近傍にそれぞれ設けられているが、これに限定されない。表面処理部51(塗液抑制部50)は、幅方向における第2側面部26b側(基材2が突出している側)の露出口29近傍にのみ設けられてもよい。すなわち、表面処理部51(塗液抑制部50)は、第1側面部26a側(基材2が突出していない側)の露出口29近傍には、設けられなくてもよい。
第7の実施形態(特に図12参照)では、複数の塗液吸引口54aが搬送方向に沿って配列されるが、これに限定されない。塗液吸引口54aは、搬送方向における基材導入口24側(上流側)から基材排出口25側(下流側)に亘って延びる長穴(スリット)で構成されてもよい。
第8の実施形態(特に図14参照)について、ガス吹付部55は、複数のノズルが、露出口29よりも幅方向外側において搬送方向に沿って基材導入口24側(上流側)から基材排出口25側(下流側)に亘って配列されるように、構成されてもよい。
第9の実施形態について(図15参照)、第1側面部26aが鉛直方向下側に臨むとともに、第2側面部26b(露出口29)が鉛直方向上側に臨んでもよい。これにより、液溜り部23における塗液Cは、重力によって、鉛直方向上側の露出口29(第2側面部26b)側へ広がりにくくなる。
上記実施形態では、基材2の搬送方向は、水平方向であったが、これに限定されない。基材2は、例えば鉛直方向上方から下方へ、また鉛直方向下方から上方へ搬送されてもよい。
基材2の両面のうちの片面においてのみ、上記効果を得たい場合、第1~3の実施形態(図1~7参照)、第6の実施形態(図10参照)、第7の実施形態(図11,12参照)、第8の実施形態(図13,14参照)及び第9の実施形態(図15参照)について、塗液抑制部50(表面処理部51、溝部53、塗液吸引部54、ガス吹付部55)は、基材2の厚み方向における片側にのみ、設けられればよい。
上記実施形態では、塗工装置20は、ロールtoロール法によって連続搬送される基材2の両面に対して塗液Cを塗布するために用いられるが、これに限定されない。塗工装置20は、例えば、ベルトコンベヤによって搬送されるガラス基板の両面に対して塗液Cを塗布するために用いられてもよい。
本開示に係る塗工方法は、塗工装置20を用いて、基材2の幅方向における一部を露出口29から液溜り部23の外部に突出させながら、基材2を液溜り部23に通すことによって、基材2の幅方向における特定部位Pの両面に対して塗液Cを塗布するとともに、塗液抑制部50によって、露出口29近傍において、基材2に塗布される塗液Cの幅方向外方への広がりを抑制する。
<設定条件>
(実施例)
基材2として、厚み0.1mmのSUS304材を用いた。
塗液Cとして、粘度ηが約100Pa・sの導電性ペーストを用いた。塗液Cの粘度ηは、回転式粘度計(Thermo Scientific Mars40、HAAKE製)を用いて測定した。なお、粘度ηの測定条件は、ステージの直径20mm、測定子の直径20mm、角度1°、測定ギャップ0.05mm、せん断速度1/秒、測定温度25℃とした。
任意の塗液抑制部50を有する上記実施形態に係る塗工装置20を用いた(ただし、第1ブロック21だけでなく、第2ブロック22にも塗液供給口30を設けた)。具体的には、塗工装置20は、卓上型塗工装置(ミニラボ、康井精機製)を用いた。第1ブロック21及び第2ブロック22は、SUS304材で形成した。各ブロック21,22の長さ寸法L1を40mm、幅寸法L2を50mm、厚み寸法L3を10mmとした。幅方向における露出口29近傍、具体的には各ブロック21,22の幅方向端から5mm内側又は外側の位置に、任意の塗液抑制部50を設けた。
基材2の幅方向端から5mm内側に至る部分のみを、液溜り部23に通した。
塗液供給ポンプ41として、モーノポンプ(3HMC010F、兵神装備製)を用いた。基材供給装置10の巻出側トルク及び巻取側トルクは、いずれも60N・mとした。塗工速度(搬送速度)を毎分0.3mとし、基材厚み方向が鉛直方向を向くように水平に搬送した。
第1ブロック21と第2ブロック22との隙間寸法Hは、SUS304製のシムを用いて、任意に設定した。
塗膜Fの形成後、熱風乾燥炉(DKM-400、ヤマト科学製)を用いて、設定温度200℃、ファン回転数500rpmにて、30分間乾燥し、乾燥膜を得た。
(比較例)
塗液抑制部50を有さない塗工装置20を用いた。その他の条件は、実施例と同様である。
<測定条件>
基材2に形成された塗膜Fの塗膜幅(5mm+α)を、光学顕微鏡(VHX-7000、キーエンス製)を用いて測定した。
平均塗膜幅は、塗膜幅を塗工方向(搬送方向)に5mm間隔で5点測定して、その測定値より算出した。塗膜幅バラツキは、5点の測定値より標準偏差3σを計算し、これを平均塗膜幅で割った値(パーセント表示)とした。
<測定結果>
(実施例1)
第1の実施形態に係る塗工装置(図1~4参照)を用いた。各ブロック21,22の厚み方向内側のエッジ36を含む部分に、表面処理部(フッ素コーティング)51を施した。詳細には、表面処理部51の内面部51aを、各ブロック21,22の液溜り部23に臨む内面35におけるエッジ36から幅方向内側5mmに至る部分に施した。表面処理部51の側面部51bを、各ブロック21,22の幅方向外側の側面37におけるエッジ36から厚み方向外側5mmに至る部分に施した。隙間寸法Hを0.2mmとした。平均塗膜幅は5.5mm、塗膜幅バラツキは10%であり、良好な結果が得られた。
(実施例2)
第4の実施形態に係る塗工装置(図8参照)を用いた。液溜り部23における露出口29から幅方向内側5mmに至る部分に、絞り部52を設けた。詳細には、絞り部52における隙間寸法H2を、0.1mmとした。液溜り部23における絞り部52よりも幅方向内側部分23bの隙間寸法H1を、0.2mmとした。平均塗膜幅は5.4mm、塗膜幅バラツキは8%であり、良好な結果が得られた。
(実施例3)
第6の実施形態に係る塗工装置(図10参照)を用いた。各ブロック21,22の液溜り部23に臨む内面35における露出口29から幅方向内側5mmの位置に、溝幅1mmの溝部53を設けた。隙間寸法Hを0.2mmとした。平均塗膜幅は5.5mm、塗膜幅バラツキは10%であり良好な結果が得られた。
(実施例4)
第7の実施形態に係る塗工装置(図11,12参照)を用いた。各ブロック21,22の液溜り部23に臨む内面35における露出口29から幅方向内側5mmの位置に、直径1mmの塗液吸引口54aを設けた。塗液吸引ポンプ54dとして、モーノポンプ(3HMC010F、兵神装備製)を用いた。隙間寸法Hを0.2mmとした。平均塗膜幅は5.6mm、塗膜幅バラツキは11%であり、良好な結果が得られた。
(実施例5)
第8の実施形態に係る塗工装置(図13,14参照)を用いた。露出口29(各ブロック21,22)よりも幅方向外側5mmの位置に、エアバンパー55を設けた。1L/minの流量の空気を、幅方向外側から露出口29に対して吹き付けた。隙間寸法Hを0.2mmとした。平均塗膜幅は5.4mm、塗膜幅バラツキは8%であり、良好な結果が得られた。
(比較例)
塗液抑制部50を有さない塗工装置を用いた。その他の構成は実施例1と同様である。隙間寸法Hを0.2mmとした。平均塗膜幅は6.2mm、塗膜幅バラツキは26%であった。
本開示は、塗工装置及び塗工方法に適用できるので、極めて有用であり、産業上の利用可能性が高い。
X 搬送方向
Y 幅方向
Z 厚み方向
P 特定部位
Q 非特定部位
R 領域
H 隙間寸法
H1 隙間寸法
H2 隙間寸法
C 塗液
F 塗膜
1 塗工システム
2 基材
20 塗工装置
21 第1ブロック(一対のブロック)
22 第2ブロック(一対のブロック)
23 液溜り部(隙間)
23b 幅方向内側部分
24 基材導入口
25 基材排出口
26 側面部
26a 第1側面部
26b 第2側面部
29 露出口
35 内面
35b 幅方向内側部分
36 エッジ
37 側面
50 塗液抑制部
51 表面処理部(接触角変化部)
52 絞り部
53 溝部
54 塗液吸引部
54a 塗液吸引口
54d 塗液吸引ポンプ(塗液吸引装置)
55 エアバンパー(ガス吹付部)

Claims (11)

  1. 搬送されるシート状の基材の両面に対して塗液を塗布する塗工装置であって、
    前記基材の厚み方向に互いに対向する一対のブロックと、
    前記一対のブロック同士の隙間に前記塗液が溜まるように形成されるとともに、前記基材が通る液溜り部と、を備え、
    前記液溜り部は、
    前記基材の搬送方向における上流側に開口し、前記基材が導入される基材導入口と、
    前記搬送方向における下流側に開口し、前記基材が排出される基材排出口と、
    前記搬送方向に交差する幅方向の両側にそれぞれ位置する側面部と、を含み、
    前記幅方向における少なくとも片側の前記側面部には、前記基材導入口から前記基材排出口に亘って開口する露出口が設けられており、
    前記露出口からは、前記基材の前記幅方向における一部が前記液溜り部の外部に突出可能であり、
    前記幅方向における前記露出口近傍には、前記基材に塗布される前記塗液の前記幅方向外方への広がりを抑制する塗液抑制部が設けられており、
    前記塗液抑制部は、前記搬送方向において前記基材導入口側から前記基材排出口側に亘って設けられている、塗工装置。
  2. 請求項1に記載の塗工装置において、
    前記塗液抑制部は、前記一対のブロックにおける前記厚み方向内側のエッジを少なくとも含む部分に設けられた接触角変化部で構成されており、
    前記接触角変化部は、前記塗液に対する接触角が、前記一対のブロックの前記液溜り部に臨む内面における前記接触角変化部よりも前記幅方向内側の部分とは異なるように、構成されている、塗工装置。
  3. 請求項1に記載の塗工装置において、
    前記塗液抑制部は、前記液溜り部における前記露出口近傍に設けられた絞り部で構成されており、
    前記絞り部は、前記一対のブロック同士の隙間寸法が、前記液溜り部における前記絞り部よりも前記幅方向内側の部分に比較して狭くなるように、構成されている、塗工装置。
  4. 請求項3に記載の塗工装置において、
    前記絞り部は、前記一対のブロック同士の隙間寸法が、前記幅方向において内側から前記露出口側に向かうに従って狭くなるように、テーパ状に構成されている、塗工装置。
  5. 請求項1に記載の塗工装置において、
    前記塗液抑制部は、前記一対のブロックの前記液溜り部に臨む内面における前記露出口近傍に設けられた溝部で構成されており、
    前記溝部は、前記搬送方向に延びるとともに、前記塗液を毛細管現象によって前記液溜り部から吸い出すように構成されている、塗工装置。
  6. 請求項1に記載の塗工装置において、
    前記塗液抑制部は、前記液溜り部における前記塗液を吸引する塗液吸引部で構成されており、
    前記塗液吸引部は、
    前記一対のブロックの前記液溜り部に臨む内面における前記露出口近傍に設けられた塗液吸引口と、
    前記液溜り部の外部に設けられ、前記塗液吸引口を介して前記液溜り部から前記塗液を吸引する塗液吸引装置と、を含む、塗工装置。
  7. 請求項6に記載の塗工装置において、
    複数の前記塗液吸引口が、前記搬送方向に沿って配列されている、塗工装置。
  8. 請求項1に記載の塗工装置において、
    前記塗液抑制部は、前記露出口よりも前記幅方向外側に設けられたガス吹付部で構成されており、
    前記ガス吹付部は、前記幅方向外側から前記露出口に対してガスを吹き付けるように構成されている、塗工装置。
  9. 請求項1から8のいずれか1つに記載の塗工装置において、
    前記露出口は、前記幅方向における両側の前記側面部にそれぞれ設けられており、
    前記塗液抑制部は、前記幅方向における両側の前記露出口近傍にそれぞれ設けられている、塗工装置。
  10. 請求項1から8のいずれか1つに記載の塗工装置において、
    前記露出口は、前記幅方向における片側の前記側面部にのみ設けられており、
    前記片側とは反対側の前記側面部は、閉塞しており、
    前記塗液抑制部は、前記幅方向における前記片側の前記露出口近傍に設けられている、塗工装置。
  11. 請求項1から10のいずれか1つに記載の塗工装置を用いて、前記基材の前記幅方向における一部を前記露出口から前記液溜り部の外部に突出させながら、前記基材を前記液溜り部に通すことによって、前記基材の前記幅方向における特定部位の両面に対して前記塗液を塗布するとともに、前記塗液抑制部によって、前記幅方向における前記露出口近傍において、前記基材に塗布される前記塗液の前記幅方向外方への広がりを抑制する、塗工方法。
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