JP2022185649A - 回転電機用のロータの製造方法及び製造装置 - Google Patents

回転電機用のロータの製造方法及び製造装置 Download PDF

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直弘 大畑
Naohiro Ohata
浩彰 杉田
Hiroaki Sugita
功記 三好
Koki Miyoshi
真梨子 齋藤
Mariko Saito
毅彦 安立
Takehiko Adachi
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Abstract

【課題】ロータシャフトの内圧を高めることでロータシャフトとロータコアとを一体化させる構成において、ロータシャフトの軸方向端部を適切にシールすることでロータシャフトの内圧を効率的に高める。【解決手段】ロータコアと、軸方向一方側の端面から軸方向他方側の端部に至るまで第1内径を有しかつ軸方向他方側の端部において第1内径よりも小さい第2内径を有する中空のロータシャフトとを準備する工程と、ロータコアとロータシャフトとを製造装置に配置する配置工程と、ロータシャフトの中空部を外部に対してシールするシール工程と、ロータシャフトの中空部の内圧を高めることで、ロータシャフトとロータコアとを締結する一体化工程とを含み、シール工程において、製造装置のシール型は、ロータシャフトの軸方向一方側の端部及び軸方向他方側の端部をシールするように、軸方向一方側からロータシャフトの中空部に挿入される、回転電機用のロータの製造方法が開示される。【選択図】図2

Description

本開示は、回転電機用のロータの製造方法及び製造装置に関する。
ロータシャフトとロータコアとを係合状態とした後に、ロータシャフトにおけるロータコアとの係合部分よりも軸方向外側に、凸部をハイドロフォーミングで形成することで、ロータシャフトに対するロータコアの軸方向の抜け止めを実現する技術が知られている。
特開2001-268858号公報
ところで、ハイドロフォーミングではロータシャフトの内圧を効率的に高めるために、成形型のような製造装置によりロータシャフトの軸方向端部を適切にシールすることが有用である。
そこで、1つの側面では、本開示は、ロータシャフトの内圧を高めることでロータシャフトとロータコアとを一体化させる構成において、ロータシャフトの軸方向端部を適切にシールすることでロータシャフトの内圧を効率的に高めることを目的とする。
1つの側面では、回転電機用のロータの製造方法であって、
ロータコアと、軸方向一方側の端面から軸方向他方側の端部に至るまで第1内径を有しかつ前記軸方向他方側の端部において前記第1内径よりも小さい第2内径を有する中空のロータシャフトとを準備する工程と、
前記ロータコアと前記ロータシャフトとを製造装置に配置し、前記製造装置において前記ロータコアの径方向内側に前記ロータシャフトが位置する状態を形成する配置工程と、
前記配置工程の後に、前記製造装置のシール型により前記ロータシャフトの軸方向端部の開口を閉じることで、前記ロータシャフトの中空部を外部に対してシールするシール工程と、
前記シール工程の後に、前記製造装置により前記ロータシャフト及び前記ロータコアを支持しつつ、前記ロータシャフトの中空部の内圧を高めることで、前記ロータシャフトと前記ロータコアとを締結する一体化工程とを含み、
前記シール工程において、前記シール型は、前記ロータシャフトの前記軸方向一方側の端部及び前記軸方向他方側の端部をシールするように、前記軸方向一方側から前記ロータシャフトの中空部に挿入される、製造方法が提供される。
1つの側面では、本開示によれば、ロータシャフトの内圧を高めることでロータシャフトとロータコアとを一体化させる構成において、ロータシャフトの軸方向端部を適切にシールすることでロータシャフトの内圧を効率的に高めることが可能となる。
一実施例によるモータの断面構造を概略的に示す断面図である。 ロータの製造方法の流れを示す概略フローチャートである。 図2に示す製造方法における準備工程を概略的に説明する断面図である。 図2に示す製造方法における配置工程を概略的に説明する断面図である。 図2に示す製造方法におけるシール型挿入工程を概略的に説明する断面図である。 図2に示す製造方法におけるシール工程を概略的に説明する断面図である。 図6のQ60部の拡大図である。 図6のQ61部の拡大図である。 図2に示す製造方法における注水及びエア抜き工程(締結工程)を概略的に説明する断面図である。 図2に示す製造方法における高水圧印加工程(締結工程)を概略的に説明する断面図である。 図2に示す製造方法における内圧抜き工程(締結工程)を概略的に説明する断面図である。 図2に示す製造方法におけるシール型戻し工程を概略的に説明する断面図である。 比較例による製造装置(及びそれを用いた製造方法)の説明図である。 変形例による製造装置の説明図(その1)である。 変形例による製造装置の説明図(その2)である。 他の変形例による製造装置の説明図である。
以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。なお、図面の寸法比率はあくまでも一例であり、これに限定されるものではなく、また、図面内の形状等は、説明の都合上、部分的に誇張している場合がある。
図1は、一実施例によるモータ1の断面構造を概略的に示す断面図である。図1には、X方向とともに、X方向X1側とX方向X2側とが定義されている。
図1には、モータ1の回転軸12が図示されている。以下の説明において、軸方向とは、モータ1の回転軸(回転中心)12が延在する方向を指し、X方向に平行である。また、径方向とは、回転軸12を中心とした径方向を指す。従って、径方向外側とは、回転軸12から離れる側を指し、径方向内側とは、回転軸12に向かう側を指す。また、周方向とは、回転軸12まわりの回転方向に対応する。
モータ1は、例えばハイブリッド車両や電気自動車で使用される車両駆動用のモータであってよい。ただし、モータ1は、他の任意の用途に使用されるものであってもよい。
モータ1は、インナーロータ型であり、ステータ21がロータ30の径方向外側を囲繞するように設けられる。ステータ21は、ステータコア22の径方向外側がステータ支持部10に固定される。
ケース2は、モータ1を収容する空間を形成する。ケース2は、ステータ支持部10を含む。ステータ支持部10は、ステータコア22の径方向外側の表面に結合される。ステータ支持部10は、冷却水が通る流路を有してもよいし、及び/又は、油路を有してもよい。ステータ支持部10は、2ピース以上の部材により形成されてもよい。
ステータ21は、ステータコア22と、ステータコイル29とを含む。
ステータコア22は、例えば円環状の磁性体の積層鋼板により形成されるが、変形例では、ステータコア22は、磁性粉末が圧縮して固められた圧粉体により形成されてもよい。なお、ステータコア22は、周方向で分割される分割コアにより形成されてもよいし、周方向で分割されない形態であってもよい。
ステータコア22には、径方向内側に突出する複数のティースが形成され、ステータコイル29が巻装される。
ステータコイル29は、例えば、U相コイル、V相コイル、及びW相コイルを含む。ステータコイル29は、ステータコア22のスロットに挿入されるスロット挿入部(図示せず)とともに、ステータコア22の軸方向両側から突出するコイルエンド29A、29Bを有する。
ステータコイル29は、セグメントコイルの形態のコイル片(図示せず)をステータコア22に組み付けることでステータコア22に巻装されてもよい。なお、セグメントコイルとは、各相のコイルを、組み付けやすい単位(例えば2つのスロットに挿入される単位)で分割した形態である。コイル片は、例えば、断面略矩形の線状導体(平角線)を、絶縁被膜(図示せず)で被覆してなる。線状導体は、銅により形成されるが、変形例では、線状導体は、鉄のような他の導体材料により形成されてもよい。
ロータ30は、ステータ21の径方向内側に配置される。ロータ30は、ロータコア32と、ロータシャフト34とを備える。ロータコア32は、ロータシャフト34の径方向外側に固定され、ロータシャフト34と一体となって回転する。ロータシャフト34は、ケース2にベアリング14a、14bを介して回転可能に支持される。具体的には、ロータシャフト34は、X1側では内周面がベアリング14aにより支持され、X2側では外周面がベアリング14bにより支持されている。なお、ロータシャフト34は、モータ1の回転軸12を画成する。
ロータコア32は、例えば円環状の磁性体の積層鋼板から形成される。ロータコア32の内部には、永久磁石321が挿入される。永久磁石321の数や配列等は任意である。変形例では、ロータコア32は、磁性粉末が圧縮して固められた圧粉体により形成されてもよい。
ロータコア32の軸方向の両側には、エンドプレート35A、35Bが取り付けられてよい。エンドプレート35A、35Bは、ロータコア32を支持する支持機能の他、ロータ30のアンバランスの調整機能(切削等されることでアンバランスを無くす機能)を有してよい。
ロータシャフト34は、図1に示すように、中空部34Aを有する。中空部34Aは、ロータシャフト34の軸方向の全長にわたり延在する。中空部34Aは、油路として機能してもよい。例えば、中空部34Aには、図1にて矢印R1で示すように、軸方向の一端側から油が供給され、ロータシャフト34の径方向内側の表面を伝って油が流れることで、ロータコア32を径方向内側から冷却できる。また、ロータシャフト34の径方向内側の表面を伝う油は、ロータシャフト34の両端部に形成される油穴348、349を通って径方向外側へと噴出され(矢印R5、R6)、コイルエンド29A、29Bの冷却に供されてもよい。
本実施例では、ロータシャフト34は、ロータコア32と結合する軸方向範囲を結合部としたとき、結合部の一方側が縮径する形態を有する。具体的には、ロータシャフト34は、図1に示すように、X2側の端部が縮径する一方、X1側の端部は縮径していない形態である。従って、中空部34Aは、X2側の端部で内径が小さくなる。具体的には、ロータシャフト34は、X1側の端面からX2側の端部に至るまで第1内径r1を有し、かつ、X2側の端部において第2内径r2を有する。第2内径r2は、第1内径r1よりも有意に小さい。有意に小さいとは、第1内径r1と第2内径r2との間の差が、製造誤差等に起因した差や、ベアリング14aのようなベアリングの支持に関連した段差(例えば後述の第1段差部346)に起因した差よりも十分大きいことを意味する。以下では、ロータシャフト34のうちの、第1内径r1を有する部分を拡径部341とも称し、第2内径r2を有する部分を縮径部342とも称する。
本実施例では、第1内径r1の値は、略一定であり、第1内径r1の値が変化する段差部として、ベアリング14aのスラスト荷重の受け用の第1段差部346等が形成されている。なお、第1段差部346は、第1内径r1から第2内径r2への変化に関連した径方向の第2段差部347よりも段差(径方向の差)が有意に小さい。
このようなロータシャフト34によれば、ロータコア32と結合する軸方向範囲での比較的大きい第1内径r1を有するので、ロータシャフト34の内周面を伝う油を介して永久磁石321等を効率的に冷却できる。
なお、図1では、特定の構造のモータ1が示されるが、モータ1の構造は、上述したロータシャフト34を有する限り、任意である。従って、例えば、ロータシャフト34は、中空部34Aを有さなくてもよいし、中空部34Aよりも有意に内径の小さい中空部を有してもよい。また、図1では、油による特定の冷却方法が開示されているが、油によるモータ1の冷却方法は任意である。従って、例えば、中空部34A内に挿入される油導入管が設けられてもよいし、ステータ支持部10内に形成されてもよい油路を介して径方向外側からコイルエンド29A、29Bに向けて油が滴下されてもよい。
次に、図2以降を参照して、上述した実施例のモータ1におけるロータ30の製造方法の例について説明する。図4等には、回転軸Iに平行なZ方向とともに、Z方向に沿ったZ1側とZ2側が定義されている。以下では、説明上、一例として、製造工程中において、Z方向が上下方向に対応し、Z2側が下側であるとする。また、図4等には、製造装置200における基準軸Iが示される。基準軸Iは、ワークの芯出しの際の中心軸を構成し、上述した回転軸Iに対応する。また、以下では、軸方向等の用語は、基準軸Iを基準とする。従って、例えば径方向とは、基準軸Iを中心とした回転体の径方向に対応する。
図2は、本製造方法の流れを示す概略フローチャートであり、図4~図6、及び図7~図10は、図2に示すいくつかの工程における製造装置200におけるロータシャフト34及びロータコア32の状態を概略的に示す断面図である。なお、図4~図6、及び図7~図10は、基準軸Iを含む平面で切断した際の断面図であり、基準軸Iに関して実質的に回転対称として一方側の構成のみを示している。図4~図6、及び図7~図10に断面視で示される各要素は、対応する各要素の断面形状を、基準軸Iまわりに回転させた形態であってよい。例えば、固定型204は、実質的には、図4等に示す断面形状を基準軸Iまわりに回転させた形態であってよい。図6A及び図6Bは、それぞれ、図6のQ60部、及びQ61部の拡大図である。
まず、本製造方法は、図3に示すように、ワークとして、ロータシャフト34及びロータコア32のそれぞれ(互いに結合されていない状態)を、準備する準備工程(ステップS500)を含む。
本実施例では、この段階で、ロータシャフト34は、上述した第1段差部346や第2段差部347を有する。また、この段階でのロータシャフト34は、製品状態で第1内径r1の内周面を形成する拡径部341に対応する部分は、内径r1’を有し、内径r1’は、製品状態の第1内径r1(図1参照)よりもわずかに小さくてよい。また、この段階でのロータシャフト34は、外径r20がロータコア32の内径r10と同じ又は内径r10よりもわずかに小さくてよい。
また、ロータシャフト34と同様に、この段階でのロータコア32は、外径が製品状態の外径よりもわずかに小さくてよい。これは、後述する締結工程においてロータコア32は、ロータシャフト34の拡径に伴って径方向外側にわずかに変形するためである。
ついで、本製造方法は、図4に示すように、ロータシャフト34及びロータコア32を、製造装置200に対してセットする工程(ステップS501)(配置工程の一例)を含む。製造装置200は、製造設備の形態であり、以下で説明する各種の治具や型を備える。図4に示す例では、製造装置200は、Z2側の固定型204を備え、固定型204によりロータシャフト34及びロータコア32のZ2側が支持される。このようにして、ロータシャフト34及びロータコア32が、製造装置200の固定型204に対してセットされた状態では、製造装置200の固定型204は、ロータシャフト34及びロータコア32を同時にZ2側から支持し、ロータシャフト34及びロータコア32のZ2側への移動(変位)を拘束する。
なお、ロータシャフト34及びロータコア32は、必ずしも同時に製造装置200の固定型204に対してセットされる必要はなく、順に製造装置200の固定型204に対してセットされてもよい。
ついで、本製造方法は、製造装置200のシール型202をロータシャフト34のZ1側の端部の開口から挿入し、Z2側に下降させるシール型挿入工程(ステップS502)を含む。図5には、下降途中のシール型202が模式的に示されている。このように、シール型202は、固定型204に対してZ方向に上下動可能に構成される。なお、変形例では、シール型202が上下動可能に構成されるのに代えて又は加えて、固定型204側が上下動可能に構成されてもよい。
シール型202は、図5に模式的に示すように、ロータシャフト34の中空部34Aに挿入される挿入部2021を有する。挿入部2021は、円柱状の形態であり、外径r3を有する。挿入部2021の外径r3は、軸方向に沿って略一定であってよい。外径r3は、第2内径r2よりも有意に大きく、ロータシャフト34における内径r1’よりもわずかに小さくてよい。従って、径方向で挿入部2021とロータシャフト34との間には隙間が形成され、当該隙間に起因した空間は、基準軸Iまわりの円環状の形態となる。
また、本実施例では、シール型202は、挿入部2021のZ1側の端部としてZ1側のシール部2023を有する。Z1側のシール部2023は、後述するように、ロータシャフト34のZ1側の開口をシールする。Z1側のシール部2023は、挿入部2021の他の部位に比べて径方向外側に突出する形態である。図5に示す例では、Z1側のシール部2023は、外径r3から外径r4へと徐々に増加する外径変化部の形態である。Z1側のシール部2023の機能の詳細は、次のシール工程(ステップS504)に関連して後述する。
また、本実施例では、シール型202は、挿入部2021のZ2側の端部としてZ2側のシール部2024を有する。Z2側のシール部2024は、後述するように、ロータシャフト34のZ2側の開口をシールする。Z2側のシール部2024は、挿入部2021のZ2側の端面からZ2側に突出する形態であり、図5に示す例では、切頭円錐状の形態である。Z2側のシール部2024の機能の詳細は、次のシール工程(ステップS504)に関連して後述する。
また、本実施例では、シール型202は、加圧流路2028と、排気流路2029とが形成される。加圧流路2028は、後述する締結工程(ステップS506)に流体(例えば水)を供給する流路である。加圧流路2028は、一端が加圧源(図示せず)に接続され、他端が挿入部2021におけるZ2側で開口する。図5に示す例では、加圧流路2028は、シール型202の挿入部2021のうちの、外径r3を有する部分のZ2側端部で開口する。
本実施例では、製造装置200は、上側の可動型205を備え、可動型205は、シール型202と一体的にZ2側に下降される。シール型202は、可動型205と一体であってもよいし、可動型205に対して軸方向に変位可能であってもよい。なお、変形例では、可動型205は、シール型202とは別に上下動するように構成されてもよい。
なお、このようにしてシール型202及び可動型205が下降する間、ロータシャフト34及びロータコア32は、基準軸Iに対して芯出しされてもよい。このような芯出しは、ロータコア32の外周面の複数位置で、基準軸Iに向かう径方向の力(径方向外側から径方向内側に向かう力)を付与することで実現されてもよい。なお、ロータシャフト34の芯出しは、シール型202により簡易的な態様(ラフな芯出しを実現する態様)で実現されてもよいし、シール型202及び可動型205の組み合わせにより実現されてもよい。
ついで、本製造方法は、シール型202によりロータコア32の中空部34Aをロータシャフト34の外部に対してシールするシール工程(ステップS504)を含む。
シール工程は、シール型挿入工程(ステップS502)の後半部分に実現される。すなわち、シール工程は、シール型202を下死点まで下降させたときに完了する。具体的には、シール型202は、下死点まで下降する際に、ロータコア32の中空部34Aをロータシャフト34の外部に対してシールするシール状態が実現される。なお、シール状態が実現されると、上側の可動型205の下降も停止されてもよい。なお、この際、上側の可動型205は、ロータコア32のZ1側端面に軸方向に当接してもよい。製造装置200は、シール型202が下死点よりも更にZ2側に下降しないようにストッパ(図示せず)を有してよい。
本実施例では、シール型202を下死点まで下降させた時点で、シール型202は、ロータシャフト34のZ1側(軸方向一方側の一例)の端部及びZ2側(軸方向他方側の一例)の端部をシールする。すなわち、ロータシャフト34のZ1側の端部及びZ2側の端部のそれぞれのシールは、シール型202を下死点まで下降させることで同時に実現される。これにより、ロータシャフト34のZ1側の端部及びZ2側の端部のそれぞれのシールが別々のシール型で実現されるような比較例(図11を参照して後述)に比べて、シール型の個数を減らした効率的なシール工程を実現できる。
本実施例では、シール型202は、ロータシャフト34のZ1側の端部及びZ2側の端部のそれぞれを塑性変形させることで、ロータシャフト34のZ1側の端部及びZ2側の端部のそれぞれのシール(いわゆるメタルシール)を実現する。これにより、ロータシャフト34のZ1側の端部及びZ2側の端部のそれぞれにおいて、ロータシャフト34とシール型202との間のシール性を効果的に高めることができる。
なお、シール型202は、基準軸I0まわりの全周にわたってロータシャフト34のZ1側の端部及びZ2側の端部のそれぞれを塑性変形させる。これにより、基準軸I0まわりの全周にわたってロータシャフト34のシール性を高めることができる。
図6には、シール型202が下死点にある状態が模式的に示されている。シール型202が下死点にある状態、すなわちシール状態では、シール型202は、Z1側のシール部2023がロータシャフト34のZ1側の端部(開口)をシールする。この場合、Z1側のシール部2023は、第1段差部346の径方向内側を塑性変形させることで、ロータシャフト34のZ1側の端部におけるシールを実現する。具体的には、例えば、図6Aには、下死点に位置するシール型202とロータシャフト34のZ1側の端部との間の干渉部がハッチング領域R60で示されている。この場合、ロータシャフト34のZ1側の端部におけるハッチング領域R60で示される部分が潰れることで、第1段差部346の径方向内側が塑性変形する。この結果、シール型202(Z1側のシール部2023)とロータシャフト34のZ1側の端部との間のメタルシールが実現される。なお、図6Aに示す例では、第1段差部346は、面取りによる傾斜面3461を含む態様で形成されており、傾斜面3461のZ2側(径方向内側)での干渉を起点として塑性変形が実現される。
同様に、シール型202が下死点にある状態、すなわちシール状態では、シール型202は、Z2側のシール部2024がロータシャフト34のZ2側の端部(開口)をシールする。この場合、Z2側のシール部2024は、第2段差部347の径方向内側を塑性変形させることで、Z2側の端部におけるシールを実現する。具体的には、例えば、図6Bには、下死点に位置するシール型202とロータシャフト34のZ2側の端部との間の干渉部がハッチング領域R61で示されている。この場合、ロータシャフト34のZ2側の端部におけるハッチング領域R61で示される部分が潰れることで、第2段差部347の径方向内側が塑性変形する。この結果、シール型202(Z2側のシール部2024)とロータシャフト34のZ2側の端部との間のメタルシールが実現される。なお、図6Bに示す例では、第2段差部347は、面取りによる傾斜面3471を含む態様で形成されており、傾斜面3471のZ2側(径方向内側)での干渉を起点として塑性変形が実現される。
ついで、本製造方法は、ハイドロフォーミングによりロータシャフト34にロータコア32を固定(締結)する締結工程(ステップS506)(一体化工程の一例)を含む。締結工程(ステップS506)は、シール型202が下死点にある状態(すなわちシール状態)において実行される。以下では、中空部34A内とは、中空部34A内のうちの、シール型202でシールされている内部であって、シール型202の挿入部2021が延在する内部を指す。シール工程が完了したシール状態では、中空部34A内の空間は、シール型202の挿入部2021の存在に起因して比較的小さい容積となる。以下、シール状態における中空部34A内の空間の容積(シール型202の挿入部2021を除く部分の容積)を、「キャビティ容積」とも称する。
締結工程(ステップS506)では、中空部34A内に流体(本実施例では、一例として水)が導入され、流体を加圧(例えば150~250Mpaの範囲内の圧力まで加圧)することで、ロータシャフト34の内周面340に対して内周面340に垂直な力(内圧)を付与する。このようなハイドロフォーミングによれば、圧入のような、ロータシャフト34とロータコア32の嵌合方法で生じうる不都合(例えば圧入の際のロータコア32の倒れ等)を防止できる。
本実施例では、締結工程(ステップS506)は、注水及びエア抜き工程(ステップS5061)と、高水圧印加工程(ステップS5062)と、内圧抜き工程(ステップS5063)とを含む。
注水及びエア抜き工程(ステップS5061)は、中空部34A内におけるシール型202まわりの隙間(すなわちキャビティ容積に係る空間)に水を注水することで、同隙間に存在しているエアを外部に排出する工程である。すなわち、中空部34A内におけるシール型202まわりの隙間に存在する空気を水で置換する工程である。このような注水及びエア抜き工程(ステップS5061)を、高水圧印加工程(ステップS5062)に先立って実行することで、中空部34A内に空気が残存した状態で高水圧印加工程(ステップS5062)が実行される場合に生じうる不都合(水とともに高圧圧縮される空気の発生)を防止できる。なお、高水圧印加工程(ステップS5062)において水とともに高圧圧縮される空気が発生すると、次の内圧抜き工程(ステップS5063)において急激な空気の膨張による衝撃波が生じうる。
図7に示す例では、水がシール型202の加圧流路2028を介して中空部34A内に導入される(矢印R700、R701)。中空部34A内に導入される水は、重力により下側から溜まっていき、空気を上方の排気流路2029から排出させる(矢印R702)。中空部34A内に水が満たされることで、中空部34A内の空気が実質的になくなると、注水及びエア抜き工程(ステップS5061)が完了となる。
高水圧印加工程(ステップS5062)は、注水及びエア抜き工程(ステップS5061)に後続して実行される。高水圧印加工程(ステップS5062)は、中空部34A内に満たした水を加圧することで、ロータシャフト34の内周面340に対して内周面340に垂直な力(内圧)を付与する。これにより、ロータシャフト34が拡径し、ロータシャフト34とロータコア32との間の径方向の締め代が確保される。すなわち、ロータシャフト34の内径r1’(図3参照)が第1内径r1(図1参照)へと拡大されるのに伴い、その分だけ外径r20(図3参照)が増加し、締め代が確保される。
なお、本実施例では、シール状態においては、上述したようにシール型202による高いシール性のシール(例えばメタルシール)が実現されているので、高水圧印加工程(ステップS5062)によりロータシャフト34の内圧を比較的高い圧力まで上昇させることも可能である。すなわち、高圧下においても中空部34A内の水が、シール型202によるシールによりロータシャフト34の外部へと漏れ出すことが適切に防止される。これにより、ロータコア32とロータシャフト34の間の径方向の締め代を比較的大きくすることも可能となる。
図8に示す例では、図8に模式的に示すように、バルブ800を介して排気流路2029と大気圧との間の連通が遮断されつつ、加圧流路2028を介して中空部34A内の水が加圧されている(矢印R800、R801)。これにより、ロータシャフト34の中空部34A内の内圧が高まる。すなわち、水を介してロータシャフト34の内周面340に対して内周面340に垂直な力(水圧)が付与される。
高水圧印加工程(ステップS5062)は、所定の終了条件が満たされた場合に終了されてよい。所定の終了条件は、任意であるが、ロータシャフト34とロータコア32との間の必要な径方向の締め代が確保された場合に満たされるように適合されてよい。
内圧抜き工程(ステップS5063)は、高水圧印加工程(ステップS5062)に後続して実行される。内圧抜き工程(ステップS5063)は、中空部34A内に満たした水を大気圧まで低下させる。
図9に示す例では、図9に模式的に示すようにバルブ800が開位置とされている。このようにして、内圧抜き工程(ステップS5063)では、バルブ800を介して排気流路2029が大気圧に連通することで、中空部34A内の内圧が大気圧へと低下される。
ついで、本製造方法は、シール型202の挿入部2021をロータシャフト34から抜く態様で、Z1側に上昇させるシール型戻し工程(ステップS507)を含む。シール型202が上昇すると、シール状態が解除される。これにより、ロータシャフト34の中空部34A内の水は、ロータシャフト34のZ2側の端部からZ2側へと重力の作用により排出される。図10に示す例では、排出されている水が模式的に矢印R1000で示されている。このようにして、シール型戻し工程(ステップS507)に伴い、締結工程(ステップS506)で利用された水が外部へと排出される。
ついで、本製造方法は、ロータシャフト34において油穴348、349に対応する孔を形成する噴出孔形成工程(ステップS508)を含む。なお、噴出孔形成工程は、ロータシャフト34を製造装置200から取り出してから機械加工等により実現されてよい。噴出孔形成工程(ステップS508)が終了すると、最終的なロータシャフト34が出来上がる。
ついで、本製造方法は、その他の仕上げ工程(ステップS510)を含む。その他の仕上げ工程は、永久磁石321を固定する工程や、着磁を行う工程や、エンドプレート35A、35Bにより回転バランスを調整する工程等を含んでよい。
このようにして、本製造方法によれば、シール型202によりロータシャフト34のZ1側及びZ2側のそれぞれをシールした状態でハイドロフォーミングによりロータコア32とロータシャフト34とを一体化できる。
ここで、図11を参照して、本実施例の効果を比較例と対比して説明する。
図11は、比較例による製造装置200’(及びそれを用いた製造方法)の説明図である。図11は、基準軸Iを含む平面で切断した際の断面図であり、基準軸Iに関して実質的に回転対称として一方側の構成のみを示している。なお、図11は、シール状態(シール工程の完了状態)における製造装置200’を示している。
比較例による製造装置200’は、本実施例による製造装置200に対して、シール型202に代えて、2つのシール型201’、202’が利用される点が異なる。具体的には、シール型201’は、ロータシャフト34のZ2側の端部からロータシャフト34の中空部34A内に挿入され、ロータシャフト34のZ2側の端部をシールする。なお、シール型201’は、ロータシャフト34のZ2側の端面3452を塑性変形させることでシールを実現してよい。また、シール型202’は、ロータシャフト34のZ1側の端部からロータシャフト34の中空部34A内に挿入され、ロータシャフト34のZ1側の端部をシールする。
このような比較例では、2つのシール型201’、202’を用いるので、本実施例に比べて、シール状態におけるロータシャフト34の中空部34A内の容積(キャビティ容積)が大きくなりやすい。このように、キャビティ容積が比較的大きい場合、上述したハイドロフォーミングによる締結工程の際において、注水及びエア抜き工程(ステップS5061)で排出すべき空気量が多くなってしまう。注水及びエア抜き工程(ステップS5061)で排出すべき空気量が多くなると、注水及びエア抜き工程に要する時間(マシンタイム)が長くなり、かつ、注水量も多くなり、非効率となる。
これに対して本実施例によれば、ロータシャフト34のZ1側の端部からロータシャフト34の中空部34A内に挿入されるシール型202のみを用いてロータシャフト34のシールを実現するので、上述した比較例において生じる不都合を低減できる。すなわち、挿入部2021の外径r3を第2内径r2よりも有意に大きい値(例えば内径r1’よりもわずかに小さい値)に設定できるので、シール状態におけるロータシャフト34の中空部34A内の容積(キャビティ容積)の最小化を図ることができる。その結果、注水及びエア抜き工程(ステップS5061)の効率化を図ることができる。挿入部2021の外径r3は、好ましくは、内径r1’に対して0.05から0.15mmの範囲内で小さくてもよく、より好ましくは、内径r1’に対して約0.1mm小さくてもよい。
また、本実施例では、単一のシール型202を用いるので、2つのシール型201’、202’を用いる場合に比べて、部品点数やコストの低減を図ることができる。特に2つのシール型201’、202’は、ともに可動部材であるので、単一のシール型202を用いることで、可動部材の数を減らし、Z方向の移動を実現する機構等を簡略化できる。例えば、Z2側の構造を簡素化し、省スペース化を図ることができる。このようにして、本実施例によれば、製造装置200の全体としての構造の簡略化を図ることができる。
次に、図12以降を参照して、本実施例に対する変形例について説明する。以下では、上述した実施例と実質的に同一であってよい構成要素については、同一の参照符号を付して説明を省略する場合がある。
図12及び図13は、変形例による製造装置200Aの説明図であり、基準軸Iを含む平面で切断した際の断面図であり、基準軸Iに関して実質的に回転対称として一方側の構成のみを示している。図12は、製造工程中におけるロータシャフト34のZ2側のシール状態が実現されたときの状態を示し、図13は、製造工程中におけるロータシャフト34のZ1側のシール状態がZ2側のシール状態に後続して実現されたときの状態を示す。
変形例による製造装置200Aは、本実施例による製造装置200に対して、シール型202に代えて、2つのシール型201A、202Aが利用される点が異なる。なお、本変形例は、2つのシール型201A、202Aを用いる点で図11を参照した比較例と同じであるが、本変形例によるシール型201A、202Aは、ともに、ロータシャフト34のZ1側の端部からロータシャフト34の中空部34A内に挿入される点で、上述した比較例による製造装置200’による2つのシール型201’、202’に対して異なる。
具体的には、シール型201Aは、上下に昇降可能であり、シール工程を実現するために、ロータシャフト34のZ1側の端部からロータシャフト34の中空部34A内に挿入される。シール型201Aは、その下死点まで到達したときに、ロータシャフト34のZ2側の端部をシールする(図12参照)。すなわち、挿入部2011AのZ2側の端部が第2段差部347を塑性変形させることでシール状態を実現する。なお、シール型201Aによるロータシャフト34のZ2側の端部のシール方法は、上述した実施例のシール型202によるロータシャフト34のZ2側の端部のシール方法と同様であってよい。
シール型201Aは、挿入部2011A(シール状態においてロータシャフト34の拡径部341にオーバラップする軸方向区間)におけるZ2側において、第2内径r2よりも有意に大きい外径r33を有する。シール型201Aは、ロータシャフト34のZ1側の端部からロータシャフト34の中空部34A内に挿入されるので、外径r33の値は、第2内径r2よりも有意に大きい値(例えば内径r1’よりもわずかに小さい値)に設定できる。例えば、外径r33は、好ましくは、内径r1’に対して0.05から0.15mmの範囲内で小さくてもよく、より好ましくは、内径r1’に対して約0.1mm小さくてもよい。これにより、ロータシャフト34の拡径部341の区間におけるZ2側において、シール状態におけるシール型201Aとロータシャフト34との間の径方向の隙間(及びそれに伴いキャビティ容積)を最小化できる。なお、シール型201Aは、ロータシャフト34の拡径部341の区間におけるZ1側において、外径r33よりも有意に小さい外径r33’を有する。すなわち、シール型201Aの挿入部2011Aは、外径r33を有する大径部20111Aと、外径r33’を有する小径部20112Aとを備える。
シール型202Aは、シール型201Aとは独立して、上下に昇降可能であり、シール工程を実現するために、ロータシャフト34のZ1側の端部からロータシャフト34の中空部34A内に挿入される。シール型202Aは、その下死点まで到達したときに、ロータシャフト34のZ1側の端部をシールする(図13参照)。すなわち、挿入部2021Aが第1段差部346を塑性変形させることシール状態を実現する。なお、シール型202Aによるロータシャフト34のZ1側の端部のシール方法は、上述した実施例のシール型202によるロータシャフト34のZ1側の端部のシール方法と同様であってよい。
シール型202Aは、シール型201Aに対して軸方向に移動可能な態様で、シール型201Aの径方向外側に配置される。シール型202Aは、基準軸Iまわりに円柱状の中空部2026Aを有し、当該円柱状の中空部2026Aにシール型201Aの小径部20112Aが挿通される。この場合、シール型202Aの中空部2026Aの内径は、シール型201Aの小径部20112Aの外径r33’よりもわずかに大きくてよい。シール型202Aの中空部2026Aとシール型201Aの小径部20112Aとの間には、シール部材2027Aが設定されてよい。シール部材2027Aは、基準軸Iまわりのリング状の形態であり、上述したハイドロフォーミングによる締結工程の際において、加圧された水がシール型202Aの中空部2026Aとシール型201Aの小径部20112Aとの間を通ってZ1側に抜けることを防止する。
シール型202Aは、挿入部2021A(シール状態においてロータシャフト34の拡径部341にオーバラップする軸方向区間)において、第2内径r2よりも有意に大きい外径r34を有する。シール型202Aは、ロータシャフト34のZ1側の端部からロータシャフト34の中空部34A内に挿入されるので、外径r34の値は、第2内径r2よりも有意に大きい値(例えば内径r1’よりもわずかに小さい値)に設定できる。例えば、外径r34は、好ましくは、内径r1’に対して0.05から0.15mmの範囲内で小さくてもよく、より好ましくは、内径r1’に対して約0.1mm小さくてもよい。これにより、ロータシャフト34の拡径部341の区間におけるZ1側において、シール状態におけるシール型201Aとロータシャフト34との間の径方向の隙間(及びそれに伴いキャビティ容積)を最小化できる。
図12及び図13に示す例では、加圧流路2028Aは、シール型201Aに形成され、排気流路2029Aは、シール型202Aに形成されている。これにより、シール状態において、図2を参照して上述した締結工程(ステップS506)及びそれ以降の各工程を、上述した実施例と同様の態様で実現できる。
本変形例においても、上述した実施例と同様の効果を得ることができる。すなわち、2つのシール型201A、202Aを利用するものの、2つのシール型201A、202Aは、ともに第2内径r2よりも有意に大きい外径の挿入部2011A、2021Aを有することができるので、シール状態における中空部34A内の容積(キャビティ容積)の最小化を図ることできる。
また、本変形例によれば、2つのシール型201A、202Aは、互いに対して独立して軸方向に移動可能であるので、ロータシャフト34のZ2側の端部とZ1側の端部とそれぞれ独立した所望の態様でシールできる。なお、ロータシャフト34は、製造公差等に起因して、Z2側のシール位置とZ1側のシール位置との間の軸方向の長さ(以下、「上下のシール位置間の長さ」とも称する)に個体差を有しうる。この点を考慮して、下死点にあるときのシール型202AのZ2側の端面と、下死点にあるときのシール型201AのZ1側の端面との間には、かかる上下のシール位置間の長さの個体差を吸収できるような隙間が設定されてもよい。この場合、下死点にあるときのシール型202AのZ2側の端面と、下死点にあるときのシール型201AのZ1側の端面との間の隙間が大きいほど、キャビティ容積が大きくなるので、当該隙間は、上下のシール位置間の長さの個体差を吸収できる範囲で最小化されてよい。
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。また、各実施例の効果のうちの、従属項に係る効果は、上位概念(独立項)とは区別した付加的効果である。
例えば、上述した実施例において、図6に示す例では、Z1側のシール部2023は、第1段差部346の径方向内側を塑性変形させることで、ロータシャフト34のZ1側の端部におけるシールを実現するが、これに限られない。例えば、図14で製造装置200Cを模式的に示すように、シール型202CのZ1側のシール部2023Cは、ロータシャフト34におけるZ1側の端面3451の径方向内側を塑性変形させることで、Z1側の端部におけるシールを実現してもよい。なお、ロータシャフト34におけるZ1側の端面3451の径方向内側を塑性変形させる構成は、ロータシャフト34における第1段差部346の径方向内側を塑性変形させる構成に比べて、面圧を高めやすい(それ故にシール性を高めやすい)傾向がある。他方、上述したようなロータシャフト34における第1段差部346の径方向内側を塑性変形させる構成は、ロータシャフト34の内周面におけるベアリング14aの支持面(ベアリング14aと径方向で当接する表面)における寸法精度が、シール工程に起因して低下し難い点で有利となりうる。
1・・・モータ(回転電機)、30・・・ロータ、32・・・ロータコア、34・・・ロータシャフト、34A・・・中空部、346・・・第1段差部、347・・・第2段差部、200、200A、200B・・・製造装置、202、201A、202A・・・シール型、2021、2011A、2011B・・・挿入部、r1・・・第1内径、r2・・・第2内径

Claims (10)

  1. 回転電機用のロータの製造方法であって、
    ロータコアと、軸方向一方側の端面から軸方向他方側の端部に至るまで第1内径を有しかつ前記軸方向他方側の端部において前記第1内径よりも小さい第2内径を有する中空のロータシャフトとを準備する工程と、
    前記ロータコアと前記ロータシャフトとを製造装置に配置し、前記製造装置において前記ロータコアの径方向内側に前記ロータシャフトが位置する状態を形成する配置工程と、
    前記配置工程の後に、前記製造装置のシール型により前記ロータシャフトの軸方向端部の開口を閉じることで、前記ロータシャフトの中空部を外部に対してシールするシール工程と、
    前記シール工程の後に、前記製造装置により前記ロータシャフト及び前記ロータコアを支持しつつ、前記ロータシャフトの中空部の内圧を高めることで、前記ロータシャフトと前記ロータコアとを締結する一体化工程とを含み、
    前記シール工程において、前記シール型は、前記ロータシャフトの前記軸方向一方側の端部及び前記軸方向他方側の端部をシールするように、前記軸方向一方側から前記ロータシャフトの中空部に挿入される、製造方法。
  2. 前記シール工程において、前記シール型は、前記ロータシャフトの前記軸方向一方側の端部及び前記軸方向他方側の端部を同時にシールする、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記シール工程において、前記シール型は、前記ロータシャフトにおける前記軸方向一方側の端面の径方向内側を塑性変形させることで、前記軸方向一方側の端部におけるシールを実現する、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記ロータシャフトは、前記軸方向一方側の端部における内周面において、前記第1内径の値が変化する第1段差部を有し、
    前記シール工程において、前記シール型は、前記第1段差部の径方向内側を塑性変形させることで、前記軸方向一方側の端部におけるシールを実現する、請求項1又は2に記載の製造方法。
  5. 前記ロータシャフトは、前記軸方向他方側の端部における内周面において、前記第1内径から前記第2内径への変化に関連した径方向の第2段差部を有し、
    前記シール工程において、前記シール型は、前記第2段差部の径方向内側を塑性変形させることで、前記軸方向他方側の端部におけるシールを実現する、請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 回転電機用のロータの製造装置であって、
    軸方向一方側の端面から軸方向他方側の端部に至るまで第1内径を有しかつ前記軸方向他方側の端部において前記第1内径よりも小さい第2内径を有する中空のロータシャフトに対して、軸方向に相対移動可能であるシール型を有し、
    前記シール型は、前記軸方向一方側から前記ロータシャフトの中空部に挿入されることで、前記ロータシャフトの中空部を外部に対してシールするシール状態を形成可能な挿入部を有し、
    前記シール状態において、前記シール型は、前記ロータシャフトの前記軸方向一方側の端部及び前記軸方向他方側の端部をシールする、製造装置。
  7. 前記シール型の前記挿入部は、前記第1内径よりも小さく前記第2内径よりも大きい外径を有する、請求項6に記載の製造装置。
  8. 前記シール状態において、前記挿入部は、前記ロータシャフトにおける前記軸方向一方側の端面の径方向内側を塑性変形させることで、前記軸方向一方側の端部におけるシールを実現する、請求項6又は7に記載の製造装置。
  9. 前記ロータシャフトは、前記軸方向一方側の端部における内周面において、前記第1内径の値が変化する第1段差部を有し、
    前記シール状態において、前記挿入部は、前記第1段差部の径方向内側を塑性変形させることで、前記軸方向一方側の端部におけるシールを実現する、請求項6又は7に記載の製造装置。
  10. 前記ロータシャフトは、前記軸方向他方側の端部における内周面において、前記第1内径から前記第2内径への変化に関連した径方向の第2段差部を有し、
    前記シール状態において、前記挿入部は、前記第2段差部の径方向内側を塑性変形させることで、前記軸方向他方側の端部におけるシールを実現する、請求項6から9のうちのいずれか1項に記載の製造装置。
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