JP2022185260A - 透光部材 - Google Patents

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慶義 大庭
Yasuyoshi Oba
健史 井原
Takeshi Ihara
正人 山本
Masato Yamamoto
和秀 屋敷
Kazuhide Yashiki
圭一 山田
Keiichi Yamada
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Yamada Shohten Co Ltd
Takenaka Komuten Co Ltd
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Yamada Shohten Co Ltd
Takenaka Komuten Co Ltd
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Abstract

【課題】縁部間が閉塞された透光板の間に形成された中空層に設けたエアロゲルの沈降を防止又は抑制する。【解決手段】透光部材10は、縁部53間が閉塞された二枚のガラス板52の間に中空層54が形成された複層ガラス50と、中空層54に設けられ中空部106にエアロゲルMが充填された中空ポリカーボネート板100と、中空ポリカーボネート板100の外縁部110をガラス板52と間隔をあけて保持する保持部材150と、中空ポリカーボネート板100の端部112と保持部材150との間に設けられた緩衝部材160と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、透光部材に関する。
特許文献1には、複層ガラスに関する技術が開示されている。この先行技術では、対向する二枚のガラス板の外周間にスペーサー部材が介設され、対向するガラス板の間には気密状態で透光性断熱材が充填されている。透光性断熱材は、シリカ微粒子からなるエアロゲルである。
特許文献2には、エアロゲルを利用した透光部材に関する技術が開示されている。この先行技術では、透光部材は、第1透光板及び第2透光板と、これら第1透光板及び第2透光板の間に画成される半透明領域とを具備する。半透明領域は、第1透光板及び第2透光板の間の区間内に少なくともエアロゲルの半透明粒子を充填している。そして半透明粒子の平均粒径を0.05~0.5mmの範囲としている。
特開平11-71141号公報 特開2018-178372号公報
ガラス等の透光板と透光板との間にエアロゲルを充填して縁部を閉塞した透光部材は、温度上昇等によってエアロゲルが充填された空間体積が増加することでエアロゲルの顆粒又は粒子が最密充填化される。そして、その後体積が元に戻るとエアロゲルが沈降した状態となり、美観を損ねたりグレアを生じたりする虞がある。
本発明は、上記事実を鑑み、縁部間が閉塞された透光板の間に形成された中空層に設けたエアロゲルの沈降を防止又は抑制した透光部材を提供することが目的である。
第一態様は、縁部間が閉塞された複数枚の透光板の間に中空層が形成された複層透光体と、前記中空層に設けられ、中空部にエアロゲルが充填された透光性樹脂板と、前記透光性樹脂板の外縁部を前記透光板と間隔をあけて保持する保持部材と、前記透光性樹脂板の端部と前記保持部材との間及び前記保持部材中の少なくとも一方に設けられた緩衝部と、を備えた透光部材である。
第一態様の透光部材では、複層透光体の中空層にエアロゲルが充填された透光性樹脂板を設けることで、透光部材の断熱性が向上する。また、透光材と透光性樹脂板との間には間隔が形成されており、熱橋が生じないので、両者が接触している場合と比較し、断熱効果が向上する。
エアロゲルが充填された透光性樹脂板が熱伸長しても緩衝部が変形することによって透光性樹脂板の面外方向の変形が防止又は抑制される。また、複層透光体の中空層の気圧と外気圧との圧力差によって透光板が面外変形しても、透光性樹脂板との間には間隔が形成されているので、面外変形した透光板が透光性樹脂板を押すことによる透光性樹脂板の面外変形が防止又は抑制される。
ここで、仮に透光性樹脂板が面外変形すると中空部の体積が変化する。そして、この中空部の体積変化に応じてエアロゲルが最密充填しようと挙動することでエアロゲルに沈降が生じる虞がある。
しかし、前述のように本態様の透光部材では、透光性樹脂板の面外変形が防止又は抑制されているので、透光性樹脂板の中空部に充填されているエアロゲルの沈降が防止又は抑制される。
更に、透光性樹脂板を中空層に配置することで、透光性樹脂板の表面に作用する圧力は常に一定となるので、中空部の体積が変化することはなく、この点においてもエアロゲルの沈降が防止又は抑制される。
第二態様は、縁部間が閉塞された複数枚の透光板の間に中空層が形成された複層透光体と、前記中空層に間隔をあけて配置された一対の透光性樹脂板と、一対の前記透光性樹脂板の外縁部を前記透光板と間隔をあけて保持する保持部材と、一対の前記透光性樹脂板の端部と前記保持部材との間及び前記保持部材中の少なくとも一方に設けられた緩衝部と、一対の前記透光性樹脂板の間にエアロゲルが充填されて形成されたエアロゲル層と、を備えた透光部材である。
第二態様の透光部材では、複層透光体の中空層に設けた一対の透光性樹脂板の間にエアロゲルを充填してエアロゲル層を形成することで、透光部材の断熱性が向上する。また、透光体と透明樹脂板材との間には間隔が形成されており、熱橋が生じないので、両者が接触している場合と比較し、断熱効果が向上する。
透光性樹脂板が熱伸長しても緩衝部が変形することによって透光性樹脂板の面外方向の変形が防止又は抑制される。また、複層透光体の中空層の気圧と外気圧との圧力差によって透光板が面外変形しても、透光性樹脂板との間には間隔が形成されているので、面外変形した透光板が透光性樹脂板を押すことによる透光性樹脂板の面外変形が防止又は抑制される。更に、透光板が面外変形しても、透光性樹脂板における透光板側表面とエアロゲル層側表面に生じる圧力は同じであるので、圧力差による透光性樹脂板の面外変形が防止又は抑制される。
ここで、仮に透光性樹脂板が面外変形すると一対の透光性樹脂板の間のエアロゲル層の体積が変化する。そして、このエアロゲル層の体積変化に応じてエアロゲルが最密充填しようと挙動することでエアロゲルに沈降が生じる虞がある。
また、仮に透光性樹脂板が面外変形すると中空部の体積が変化する。そして、この中空部の体積変化に応じてエアロゲルが最密充填しようと挙動することでエアロゲルに沈降が生じる虞がある。
しかし、前述のように本態様の透光部材では、透光性樹脂板の面外変形が防止又は抑制されているので、一対の透光性樹脂板の間のエアロゲル層のエアロゲル及び透光性樹脂板の中空部に充填されたエアロゲルの沈降が防止又は抑制される。
第三態様は、前記透光性樹脂板は、中空部を有し、前記中空部にエアロゲルが充填されている、第二態様に記載の透光部材である。
第三態様の透光部材では、透光性樹脂板の中空部にエアロゲルが充填されているので、断熱効果が向上する。また、エアロゲル層のエアロゲルに、例えば、仮に複数回の充填作業による打ち継ぎ等によってムラが生じたとしても、透光性樹脂板の中空部にエアロゲルが充填されているので、エアロゲル層のムラが認識されにくい。
また、透光性樹脂板の面外変形が防止又は抑制されているので、透光性樹脂板の中空部に充填されているエアロゲルの沈降が防止又は抑制される。
本発明によれば、透光部材における縁部間が閉塞された複数枚の透光板の間に形成された中空層に設けたエアロゲルの沈降を抑制することができる。
第一実施形態の透光部材の断面図である。 第二実施形態の透光部材の断面図である。 (A)は第一試験体の断面図であり、(B)は第二試験体の断面図であり、(C)は第三試験体の断面図である。 中空ポリカーボネート板の斜視図である。 第二実施形態の変形例の透光部材の要部を拡大した拡大断面図である。
<第一実施形態>
本発明の第一実施形態の透光部材について説明する。
(構造)
先ず、第一実施形態の透光部材の構造について説明する。
図1に示す透光部材10は、複層透光体の一例としての複層ガラス50と、透光性樹脂板の一例としての中空ポリカーボネート板100と、保持部材150と、緩衝部の一例としての緩衝部材160と、を有している構成されている。なお、本実施形態では、透光部材10は、窓枠15に取り付けられているが、これに限定されるものではない。
複層ガラス50は、透光板の一例としての二枚のガラス板52の間に中空層54が形成された構造となっている。二枚のガラス板52の縁部53の間には、スペーサー20が挟まれている。本実施形態では、ガラス板52の縁部53とスペーサー20とは、ブチル系テープ材22で接着されているが、これに限定されるものではない。また、二枚のガラス板52の縁部53の間のスペーサー20の外側は、閉塞材の一例としてのシリコーン系シーリング材30によって閉塞されている。
なお、本実施形態のスペーサー20は、内部が空洞であり、空洞部分に図示されていない乾燥剤が充填されているが、このような構造に限定されるものではない。
複層ガラス50の中空層54には、中空ポリカーボネート板100が設けられている。図4に示すように、本実施形態の中空ポリカーボネート板100は、二枚のポリカーボネート板102の間に設けられた複数のリブ104によって、複数の筒状の中空部106が並んで形成された部材である。
図1に示すように、中空ポリカーボネート板100の中空部106(図4も参照)には、エアロゲルMが充填されている。
ここで、エアロゲルとは、ゲル中に含まれる溶媒を超臨界乾燥法等によって気体に置換して得られた顆粒状又は粉状等で多孔性の低密度構造体である。
保持部材150は、断面U字形状とされ、中空ポリカーボネート板100の外縁部110をガラス板52と間隔Lがあくように保持している。本実施形態の保持部材150は、樹脂系の材料で構成され、中空ポリカーボネート板100の中空部106(図4も参照)に充填したエアロゲルMの流出を防止する機能を有しているが、これに限定されるものではない。保持部材150は、少なくとも中空ポリカーボネート板100を中空層54にガラス板52と間隔をあけて保持する機能を有していればよい。なお、スペーサー20と保持部材150は離れていてもよい。
緩衝部材160は、中空ポリカーボネート板100の端部112と保持部材150との間に設けられている。本実施形態では、緩衝部材160は、樹脂製チューブで構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、ゴム系材料又は発泡フォーム材等で構成されていてもよい。
(製造方法)
次に、本実施形態の透光部材10の製造方法の一例について説明する。
まず、中空ポリカーボネート板100を、リブ104(図4参照)に沿った方向、つまり筒状の中空部106の軸方向(図4参照)を鉛直方向として設置し、上方側の端部112を除いて緩衝部材160及び保持部材150を接合し、中空部106の下方の開口端を塞ぐ。
中空ポリカーボネート板100の中空部106にエアロゲルMを上方の開口端から充填する。
全ての中空部106にエアロゲルMの充填が完了した後に、中空ポリカーボネート板100の上方の端部112に緩衝部材160及び保持部材150を接合して中空部106の上方の開口端を塞ぐ。
次に、エアロゲルMを充填した中空ポリカーボネート板100を、水平に設置した複層ガラス50を構成する一方のガラス板52の上に重なるように設置する。中空ポリカーボネート板100の四周に沿ってスペーサー20を配置し、一方のガラス板52とスペーサー20とをブチル系テープ材22で固定する。
中空ポリカーボネート板100の上に他方のガラス板52を重ねて、他方のガラス板52とスペーサー20とをブチル系テープ材22で固定する。
最後に二枚のガラス板52の縁部53の間のスペーサー20の外側の全周にシリコーン系シーリング材30を充填し閉塞する。
(作用及び効果)
次に、本実施形態の透光部材10の作用及び効果について説明する。
透光部材10は、複層ガラス50の中空層54にエアロゲルMが充填された中空ポリカーボネート板100を設けることで、透光部材10の断熱性が向上する。また、ガラス52と中空ポリカーボネート板100との間には、間隔Lが形成されており、熱橋が生じないので、両者が接触している場合と比較し、断熱効果が向上する。
エアロゲルMが充填された中空ポリカーボネート板100が熱伸長しても緩衝部材160が変形することによって、中空ポリカーボネート板100の面外方向の変形が防止又は抑制される。また、複層ガラス50の中空層54の気圧と外気圧との圧力差によってガラス板52が面外変形しても、中空ポリカーボネート板100との間には間隔Lが形成されているので、面外変形したガラス板52が中空ポリカーボネート板100を押すことによる中空ポリカーボネート板100の面外変形が防止又は抑制される。
ここで、仮に中空ポリカーボネート板100が面外変形すると中空部106の体積が変化する。そして、この中空部106の体積変化に応じてエアロゲルMが最密充填しようと挙動することでエアロゲルMに沈降が生じる虞がある。
しかし、前述のように本実施形態の透光部材10では、中空ポリカーボネート板100の面外変形が防止又は抑制されているので、中空ポリカーボネート板100の中空部106に充填されているエアロゲルMの沈降が防止又は抑制される。
<第二実施形態>
次に本発明の第二実施形態の透光部材について説明する。なお、第一実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化する。
(構造)
先ず、第二実施形態の透光部材の構造について説明する。
図2に示す透光部材12は、複層透光体の一例としての複層ガラス51と、透光性樹脂板の一例としての二枚の中空ポリカーボネート板100と、保持部材151、152と、緩衝部の一例としての第一緩衝部材161及び第二緩衝部材162と、エアロゲル層130と、を有して構成されている。なお、本実施形態では、透光部材12は、窓枠16に取り付けられているが、これに限定されるものではない。
複層ガラス51は、透光板の一例としての二枚のガラス板52の間に中空層55が形成された構造となっている。二枚のガラス板52の縁部53の間には、スペーサー21が挟まれている。本実施形態では、ガラス板52の縁部53とスペーサー21とは、ブチル系テープ材22で接着されているが、これに限定されるものではない。また、二枚のガラス板52の縁部53の間のスペーサー21の外側は、閉塞材の一例としてのシリコーン系シーリング材31によって閉塞されている。
なお、本実施形態のスペーサー21は、内部が空洞であり、空洞部分に図示されていない乾燥剤が充填されているが、このような構造に限定されるものではない。
中空ポリカーボネート板100の中空部106には、エアロゲルMが充填されている。複層ガラス51の中空層55には、二枚の中空ポリカーボネート板100が間隔をあけて設けられている。
保持部材151は、二つの断面U字状の保持部151Aと、二つの保持部151Aを繋ぐ連結部151Bとで構成されている。
保持部材152は、二つの断面U字状の保持部151Aと、二つの保持部151Aを繋ぐ連結部151Bと、第二緩衝部材162と、で構成されている。本実施形態では、第二緩衝部材162は、二つの保持部151Aと連結部151Bとの間に挟まれ且つ接合されている。なお、第二緩衝部材162と連結部151Bとは、接合されていなくてもよい。つまり、両者は接触しているだけでもよい。
そして、保持部材151,152のそれぞれの保持部151Aが二枚の中空ポリカーボネート板100の外縁部110を保持することで、中空ポリカーボネート板100を中空層55にガラス板52と間隔Lがあくように設けられている。
なお、本実施形態の保持部材151、152は、樹脂系の材料で構成され、中空ポリカーボネート板100の中空部106に充填したエアロゲルMの流出を防止する機能を有しているが、これに限定されるものではない。保持部材151、152は、少なくとも二枚の中空ポリカーボネート板100を中空層55にガラス板52と間隔Lをあけて保持する機能を有していればよい。
第一緩衝部材161は、中空ポリカーボネート板100の端部112と保持部材151、152の保持部151Aとの間に設けられている。なお、第一緩衝部材161は、第一実施形態の緩衝部材160(図1参照)と同じ部材である。
第二緩衝部材162は、保持部材152内に設けられている、具体的には前述したように保持部151Aと連結部151Bとの間に両端部がガラス板52に接触するように設けられている。
本実施形態では、第一緩衝部材161及び第二緩衝部材162は、いずれも樹脂製チューブで構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、ゴム系材料又は発泡フォーム材等で構成されていてもよい。なお、スペーサー21と保持部材151は離れていてもよい。
エアロゲル層130は、二枚の中空ポリカーボネート板100の間にエアロゲルNが充填されることで形成されている。
二枚の中空ポリカーボネート板100の間のエアロゲル層130に充填するエアロゲルNは、平均粒径が1mm~5mm程度のエアロゲルを収めてもよいし、平均粒径が1mm以下のエアロゲルを収めてもよい。また、不透明シリカ粒子を混合したエアロゲルを収めてもよい。
また、エアロゲル層130に充填するエアロゲルNと中空ポリカーボネート板100の中空部106に充填するエアロゲルMは、同じものであってもよいし、粒径や不透明シリカの混合比等が異なるものであってもよい。
なお、図2の構造は、一例であって、これに限定されるものではない。例えば、図5に示す変形例のように、保持部材151の連結部151Bとスペーサー21との間に保持部材159が設けられた構造であってもよい。連結部151Bと保持部159との間に第二緩衝部材162を設けてもよい。
(製造方法)
次に、本実施形態の透光部材12の製造方法の一例について説明する。
第一実施形態と同様の方法で、エアロゲルMを充填した中空ポリカーボネート板100を二枚製作する。具体的には、二枚の中空ポリカーボネート板100をリブ104に沿った方向を鉛直方向として設置し、上方側の端部112を除いて緩衝部材161、162及び保持部材151、152を接合し、中空部106及びエアロゲル層130の下方の開口端を塞ぐ。
中空ポリカーボネート板100の中空部106にエアロゲルMを上方の開口端から充填する。更に、エアロゲルNを二枚の中空ポリカーボネート板100の間に充填する。
エアロゲルM及びエアロゲルNの充填が完了した後に中空ポリカーボネート板100の上方の端部112に緩衝部材161及び保持部材151を接合して中空部106及びエアロゲル層130の上方の開口端を塞ぐ。
次に、エアロゲルM及びエアロゲルNを充填した二枚の中空ポリカーボネート板100を水平に設置した複層ガラス51を構成する一方のガラス板52の上に重なるように設置する。中空ポリカーボネート板100の四周にスペーサー21を配置し、一方のガラス板52とスペーサー21とをブチル系テープ材22で固定する。
中空ポリカーボネート板100の上に他方のガラス板52を重ねて、他方のガラス板52とスペーサー21とをブチル系テープ材22で固定する。
最後に二枚のガラス板52の縁部53の間のスペーサー21の外側の全周にシリコーン系シーリング材31を充填し閉塞する。
(作用及び効果)
次に、本実施形態の透光部材12の作用及び効果について説明する。
透光部材12では、複層ガラス51の中空層55に設けた二枚のエアロゲルMを充填した中空ポリカーボネート板100の間にエアロゲルNを充填してエアロゲル層130を形成することで、透光部材12の断熱性が向上する。また、ガラス板52と中空ポリカーボネート板100との間には間隔Lが形成されており、熱橋が生じないので、両者が接触している場合と比較し、断熱効果が向上する。
中空ポリカーボネート板100が熱伸長しても第一緩衝部材161及び第二緩衝部材162が変形することによって、中空ポリカーボネート板100の面外方向の変形が防止又は抑制される。また、複層ガラス51の中空層55の気圧と外気圧との圧力差によってガラス板52が面外変形しても、中空ポリカーボネート板100との間には間隔Lが形成されているので、面外変形したガラス板52が中空ポリカーボネート板100を押すことによる中空ポリカーボネート板100の面外変形が防止又は抑制される。更に、ガラス板52が面外変形しても、中空ポリカーボネート板100におけるガラス板52側表面とエアロゲル層130側表面に生じる圧力は同じであるので、圧力差による中空ポリカーボネート板100の面外変形が防止又は抑制される。
ここで、仮に中空ポリカーボネート板100が面外変形すると、二枚の中空ポリカーボネート板100の間のエアロゲル層130の体積が変化する。そして、このエアロゲル層130の体積変化に応じてエアロゲルNが最密充填しようと挙動することでエアロゲルNに沈降が生じる虞がある。
また、仮に中空ポリカーボネート板100が面外変形すると中空部106の体積が変化する。そして、この中空部106の体積変化に応じてエアロゲルMが最密充填しようと挙動することでエアロゲルMに沈降が生じる虞がある。
しかし、前述のように本実施形態の透光部材12では、中空ポリカーボネート板100の面外変形が防止又は抑制されているので、二枚の中空ポリカーボネート板100の間のエアロゲル層130に充填されているエアロゲルN及び中空ポリカーボネート板100の中空部106に充填されているエアロゲルMの沈降が防止又は抑制される。
また、エアロゲル層130のエアロゲルNに、例えば、仮に複数回の充填作業による打ち継ぎ等によってムラが生じたとしても、中空ポリカーボネート板100の中空部106にエアロゲルMが充填されているので、エアロゲル層130のムラが認識されにくい。
<試験体による実験>
次に、試験体によるエアロゲルの沈降の有無等について実験について説明する。
まず図3に示す第一試験体510、第二試験体520及び第三試験体530の構造について説明する。
(第一試験体)
図3(A)に示す第一試験体510は、複層ガラス550の中空層552にエアロゲルNが充填されてエアロゲル層132を形成した構成である。複層ガラス550は、300mm角で6mm厚の二枚のガラス板52間に中空層55が形成された構造となっている。二枚のガラス板52の縁部53の間には、スペーサー24が挟まれている。スペーサー24は木製とした。また、二枚のガラス板52の縁部53の間のスペーサー24の外側は、シリコーン系シーリング材34によって閉塞されている。
(第二試験体)
図3(B)に示す第二試験体520は、複層ガラス550の中空層552に、中空部106にエアロゲルMが充填された二枚の中空ポリカーボネート板100を、間隔をあけて設けると共に二枚の中空ポリカーボネート板100の間にエアロゲルNを充填してエアロゲル層130を形成した構成である。なお、二枚の中空ポリカーボネート板100は保持部材151で保持されているが、端部112と保持部材151との間には第一緩衝部材161(図2及び図3(C)を参照)等は設けられていない。
(第三試験体)
図3(C)に示す第三試験体530は、第二試験体520(図3(B)参照)の二枚の中空ポリカーボネート板100の端部112と保持部材151との間に第一緩衝部材161が設けられた構成である。
なお、第一試験体510、第二試験体520及び第三試験体530のいずれもエアロゲルNは、平均粒径が約0.4mmのシリカエアロゲルと平均粒径が約1.5mmのシリカエアロゲルとを混合したものを用いた。また、第二試験体520及び第三試験体530は、図5の第二実施形態の変形例のように、保持部材151の連結部151Bとスペーサー24との間に保持部材159が設けられていてもよい。
(試験方法)
第一試験体510、第二試験体520及び第三試験体530を恒温槽に鉛直方向(面外方向を水平方向)に設置し、
2時間かけて20℃から80℃に温度を上げる
80℃で1時間保持
2時間かけて80℃から20℃に温度を下げる
のサイクルの後に、外観観察を実施した。
(試験結果)
・第一試験体510
エアロゲルNを構成する平均粒径が約1.5mmのシリカエアロゲルが沈降し、中空層552の上部に約5cmの空気層が発生した。
・第二試験体520
エアロゲルNを構成する平均粒径が約0.4mmのシリカエアロゲル及び平均粒径が約1.5mmのシリカエアロゲル共に沈降は生じなかった。しかし、中空ポリカーボネート板100に熱伸長に起因すると考えられる残留変形が生じていた。
・第三試験体530
目立った変化は無かった。
<その他>
尚、本発明は上記実施形態に限定されない。
例えば、上記第一実施形態の透光部材10において、緩衝部材160は、中空ポリカーボネート板100の両方の端部112に設けられていたが、これに限定されない。一方の端部112にのみ設けられていてもよい。また、第二実施形態の第二緩衝部材162のように保持部材150内に緩衝部材が設けられていてもよい。また、保持部材150内に緩衝部材が設けられている場合は、緩衝部材160が設けられていなくてもよい。
また、例えば、上記第二実施形態の透光部材12において、第一緩衝部材161は、中空ポリカーボネート板100の両方の端部112に設けられていたが、これに限定されない。一方の端部112にのみ設けられていてもよい。また、第二緩衝部材162は、保持部材151内に設けられていてもよいし、全く設けられていなくてもよい。また、第二緩衝部材162が設けられている場合は、第一緩衝部材161が設けられていなくてもよい。
また、保持部材152内には樹脂製チューブ等で構成された第二緩衝部材162を設けたが、これに限定されない。保持部材内に空気層を設け、この空気層を緩衝部として機能させてもよい。
要は、中空ポリカーボネート板100の熱伸長を変形して吸収することで中空ポリカーボネート板100の面外変形を抑制又は防止する機能を有する緩衝部が、中空ポリカーボネート板100の端部112と保持部材との間及び保持部材中の少なくとも一方に設けられていればよい。
また、例えば、上記実施形態では、透光性樹脂板として中空ポリカーボネート板100を用いたが、これに限定されない。エアロゲルが充填可能な中空部を有する透光性樹脂板であればよい。また、第二実施形態においては、中空部を有していない透光性樹脂板であってもよい。
また、例えば、上記実施形態では、複層ガラス50、51は二枚のガラス板52を用いていたが、これに限定されない、三枚以上のガラス板52を用いて構成されていてもよい。三枚以上のガラスで構成されている場合は複数の中空層を有するが、複数の中空層の少なくとも一つに本発明が適用された透光性樹脂板を設ければよい。
また、例えば、上記実施形態では、透光体としてガラス板52を用いたが、これに限定されない。ガラス以外の透光体、例えば、アクリル板又はポリカーネート板等の樹脂製の透光体であってもよい。なお、樹脂性の透光体の場合、ガラスに比べ耐火性や耐久性は低下するが、ガラスよりも軽量である。
また、透光部材、透光板及び透光性樹脂板は、光が透過すればよく、透明であってもよいし、半透明であってもよいし、不透明であってもよい。
更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。複数の実施形態及び変形例等は、適宜、組み合わされて実施可能である。
10 透光部材
12 透光部材
50 複層ガラス(複層透光体の一例)
51 複層ガラス(複層透光体の一例)
52 ガラス板(透光板の一例)
54 中空層
55 中空層
100 中空ポリカーボネート板(透光性樹脂板の一例)
106 中空部
110 外縁部
112 端部
130 エアロゲル層
150 保持部材
151 保持部材
152 保持部材
160 緩衝部材(緩衝部の一例)
161 第一緩衝部(緩衝部の一例)
162 第二緩衝部材
L 間隔
M エアロゲル
N エアロゲル

Claims (3)

  1. 縁部間が閉塞された複数枚の透光板の間に中空層が形成された複層透光体と、
    前記中空層に設けられ、中空部にエアロゲルが充填された透光性樹脂板と、
    前記透光性樹脂板の外縁部を前記透光板と間隔をあけて保持する保持部材と、
    前記透光性樹脂板の端部と前記保持部材との間及び前記保持部材中の少なくとも一方に設けられた緩衝部と、
    を備えた透光部材。
  2. 縁部間が閉塞された複数枚の透光板の間に中空層が形成された複層透光体と、
    前記中空層に間隔をあけて配置された一対の透光性樹脂板と、
    一対の前記透光性樹脂板の外縁部を前記透光板と間隔をあけて保持する保持部材と、
    一対の前記透光性樹脂板の端部と前記保持部材との間及び前記保持部材中の少なくとも一方に設けられた緩衝部と、
    一対の前記透光性樹脂板の間にエアロゲルが充填されて形成されたエアロゲル層と、
    を備えた透光部材。
  3. 前記透光性樹脂板は、中空部を有し、前記中空部にエアロゲルが充填されている、
    請求項2に記載の透光部材。
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