JP2022184618A - 処理システム及び処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザ光の照射により形成された改質層を基点として剥離が行われた基板において、当該基板の剥離面に残存する改質層を適切に除去する。
【解決手段】処理対象体を処理する処理システムであって、処理対象体の内部に形成された改質層を基点に分離された分離体の分離面に残存する前記改質層の位置を取得する改質層位置取得装置と、前記分離面にレーザ光を照射して当該分離面に残存する前記改質層を除去する改質層除去装置と、制御装置と、を有し、前記制御装置は、前記改質層位置取得装置において、前記分離面に残存する前記改質層の位置を検知する制御を行うことと、前記改質層除去装置において、前記分離面に残存する前記改質層に対して第1のレーザ光を照射して当該改質層を除去する第1の除去処理を実行する制御を行うことと、を実行する。
【選択図】図11
【解決手段】処理対象体を処理する処理システムであって、処理対象体の内部に形成された改質層を基点に分離された分離体の分離面に残存する前記改質層の位置を取得する改質層位置取得装置と、前記分離面にレーザ光を照射して当該分離面に残存する前記改質層を除去する改質層除去装置と、制御装置と、を有し、前記制御装置は、前記改質層位置取得装置において、前記分離面に残存する前記改質層の位置を検知する制御を行うことと、前記改質層除去装置において、前記分離面に残存する前記改質層に対して第1のレーザ光を照射して当該改質層を除去する第1の除去処理を実行する制御を行うことと、を実行する。
【選択図】図11
Description
本開示は、処理システム及び処理方法に関する。
特許文献1には、複数のデバイスが表面側に形成されたウェハの処理方法が開示されている。この処理方法では、レーザ光の照射によりウェハの内部に形成された改質層を基点として当該ウェハを分離して薄化した後、当該ウェハの分離面を研削して、当該分離面に残る改質層を除去する。
本開示にかかる技術は、レーザ光の照射により形成された改質層を基点として剥離が行われた基板において、当該基板の剥離面に残存する改質層を適切に除去する。
本開示の一態様は、処理対象体を処理する処理システムであって、処理対象体の内部に形成された改質層を基点に分離された分離体の分離面に残存する前記改質層の位置を取得する改質層位置取得装置と、前記分離面にレーザ光を照射して当該分離面に残存する前記改質層を除去する改質層除去装置と、制御装置と、を有し、前記制御装置は、前記改質層位置取得装置において、前記分離面に残存する前記改質層の位置を検知する制御を行うことと、前記改質層除去装置において、前記分離面に残存する前記改質層に対して第1のレーザ光を照射して当該改質層を除去する第1の除去処理を実行する制御を行うことと、を実行する。
本開示によれば、レーザ光の照射により形成された改質層を基点として剥離が行われた基板において、当該基板の剥離面に残存する改質層を適切に除去することができる。
半導体デバイスの製造工程においては、表面に複数のデバイスが形成された半導体ウェハ(以下、ウェハという)に対し、当該ウェハを薄化することが行われている。ウェハの薄化方法は種々あるが、例えばウェハの裏面に研削砥石を当接させて研削する方法や、特許文献1に開示したようにウェハの内部にレーザ光を照射することで形成した改質層(アモルファス層)を基点として分離する方法などがある。
ここで、ウェハの薄化が改質層を基点とした分離により行われた場合、当該ウェハの分離面には改質層が残存する場合がある。このように分離面に残存した改質層は、製造工程の後工程において不具合発生の原因となるおそれがあるため、後工程における処理に先立って除去しておくことが重要になる。分離面に残存する改質層の除去手法としては、例えば特許文献1にも開示されるように、改質層が残存する分離面に研削処理を施することが挙げられる。
しかしながら、このように分離面の研削により改質層の除去を行う場合、例えば結晶構造の違い等の種々の要因に起因して当該改質層が研削処理における研削抵抗増加の原因となり、これにより研削処理によっては適切に改質層が除去できないおそれがある。そして、このように改質層が研削抵抗増加の原因となることについては特許文献1に何ら開示も示唆もなく、したがって、従来の改質層の除去手法には改善の余地がある。
本開示にかかる技術は上記事情に鑑みてなされたものであり、レーザ光の照射により形成された改質層を基点として剥離が行われた基板において、当該基板の剥離面に残存する改質層を適切に除去する。以下、本実施形態にかかる処理システムとしてのウェハ処理システム、及び処理方法としてのウェハ処理方法について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
本実施形態にかかる後述のウェハ処理システム1では、図1に示すように第1の基板としての第1のウェハWと、第2の基板としての第2のウェハSとが接合された重合基板としての重合ウェハTに対して処理を行う。以下、第1のウェハWにおいて、第2のウェハSと接合される側の面を表面Waといい、表面Waと反対側の面を裏面Wbという。同様に、第2のウェハSにおいて、第1のウェハWと接合される側の面を表面Saといい、表面Saと反対側の面を裏面Sbという。
第1のウェハWは、例えばシリコン基板等の半導体ウェハであって、表面Wa側に複数のデバイスを含むデバイス層Dvが形成されている。また、第1のウェハWの表面Wa側には、さらに表面膜Fwが形成され、当該表面膜Fwが第2のウェハSの表面膜Fsと接合されている。表面膜Fwとしては、例えば酸化膜(THOX膜、SiO2膜、TEOS膜)、SiC膜、SiCN膜又は接着剤などが挙げられる。また、第1のウェハWの周縁部は面取り加工がされており、周縁部の断面はその先端に向かって厚みが小さくなっている。
第2のウェハSは、例えば第1のウェハWを支持するウェハである。第2のウェハSの表面Saには表面膜Fsが形成されている。表面膜Fsとしては、例えば酸化膜(THOX膜、SiO2膜、TEOS膜)、SiC膜、SiCN膜又は接着剤などが挙げられる。また、第2のウェハSは、第1のウェハWのデバイス層Dvを保護する保護材(サポートウェハ)として機能する。なお、第2のウェハSはサポートウェハである必要はなく、第1のウェハWと同様に図示しないデバイス層が形成されたデバイスウェハであってもよい。
なお、以降の説明に用いる図面においては、図示の煩雑さを回避するため、デバイス層Dvと表面膜Fw、Fsの図示を省略する場合がある。
また、本実施形態の後述のウェハ処理システム1では、図2に示すように重合ウェハTにおける第1のウェハWを分離して薄化する。以下の説明においては、分離された表面Wa側の第1のウェハWを第1の分離ウェハW1といい、分離された裏面Wb側の第1のウェハWを第2の分離ウェハW2という。なお、第1の分離ウェハW1は第2のウェハSに支持された状態の第1のウェハWを指し、第2のウェハSを含めて第1の分離ウェハW1という場合がある。また、第1の分離ウェハW1及び第2の分離ウェハW2における分離された側の面を、それぞれ分離面W1a、W2aという場合がある。
なお、以下の実施形態においては、重合基板が本開示の技術に係る「処理対象体」、分離ウェハW1、W2が本開示の技術に係る「分離体」にそれぞれ相当する。
図3に示すようにウェハ処理システム1は、搬入出ステーション2と処理ステーション3を一体に接続した構成を有している。搬入出ステーション2と処理ステーション3は、X軸正方向側から負方向側に向けて並べて配置されている。搬入出ステーション2は、例えば外部との間で複数の重合ウェハT、複数の第1の分離ウェハW1、複数の第2の分離ウェハW2をそれぞれ収容可能なカセットCt、Cw1、Cw2がそれぞれ搬入出される。処理ステーション3は、重合ウェハT、分離ウェハW1、W2に対して所望の処理を施す各種処理装置を備えている。
搬入出ステーション2には、カセット載置台10が設けられている。図示の例では、カセット載置台10には、複数、例えば3つのカセットCt、Cw1、Cw2をY軸方向に一列に載置自在になっている。なお、カセット載置台10に載置されるカセットCt、Cw1、Cw2の個数は、本実施形態に限定されず、任意に決定することができる。
搬入出ステーション2には、カセット載置台10のX軸負方向側において、当該カセット載置台10に隣接してウェハ搬送領域20が設けられている。ウェハ搬送領域20には、Y軸方向に延伸する搬送路21上を移動自在なウェハ搬送装置22が設けられている。ウェハ搬送装置22は、重合ウェハT、分離ウェハW1、W2を保持して搬送する、2つの搬送アーム23、23を有している。各搬送アーム23は、水平方向(X軸方向及びY軸方向)、鉛直方向、水平軸回り及び鉛直軸回りに移動自在に構成されている。なお、搬送アーム23の構成は本実施形態に限定されず、任意の構成を取り得る。
処理ステーション3には、例えば3つの処理ブロックG1~G3とウェハ搬送領域30が設けられている。第1の処理ブロックG1、第2の処理ブロックG2、及び第3の処理ブロックG3は、X軸正方向側(搬入出ステーション2側)から負方向側にこの順で並べて配置されている。第1の処理ブロックG1はウェハ搬送領域30のX軸正方向側に配置され、第2の処理ブロックG2と第3の処理ブロックG3はそれぞれウェハ搬送領域30のY軸正方向側に配置されている。
ウェハ搬送領域30には、X軸方向に延伸する搬送路31上を移動自在な、ウェハ搬送装置32が設けられている。ウェハ搬送装置32は、処理ブロックG1~G3の各処理装置に対して、重合ウェハT、分離ウェハW1、W2を搬送可能に構成されている。また、ウェハ搬送装置32は、重合ウェハT、分離ウェハW1、W2を保持して搬送する、2つの搬送アーム33、33を有している。各搬送アーム33は、多関節のアーム部材34に支持され、水平方向、鉛直方向、水平軸回り及び鉛直軸回りに移動自在に構成されている。なお、搬送アーム33の構成は本実施形態に限定されず、任意の構成を取り得る。
第1の処理ブロックG1には、2つのウェットエッチング装置40、40、2つの洗浄装置50、50、バッファ装置60、及び改質分離装置70が設けられている。ウェットエッチング装置40、洗浄装置50及びバッファ装置60は、Y軸正方向側から負方向側にこの順で並べて配置されている。2つのウェットエッチング装置40、40は積層して配置されている。2つの洗浄装置50、50は積層して配置されている。また、バッファ装置60及び改質分離装置70は積層して配置されている。
第2の処理ブロックG2には、反転装置80と改質層除去装置90が、上方からこの順で積層して設けられている。
第3の処理ブロックG3には、加工装置100が設けられている。
2つのウェットエッチング装置40はそれぞれ、加工装置100で研削された分離ウェハW1、W2のそれぞれの分離面W1a、W2aをエッチング処理する。例えば、分離ウェハW1、W2のそれぞれの分離面W1a、W2aに対して薬液(エッチング液)を供給する。なお、薬液には、例えばHF、HNO3、H3PO4、TMAH、Choline、KOHなどが用いられる。
2つの洗浄装置50はそれぞれ、加工装置100で研削された分離ウェハW1、W2のそれぞれの分離面W1a、W2aを洗浄する。例えば分離面W1a、W2aにブラシを当接させて、当該分離面W1a、W2aをスクラブ洗浄する。なお、分離面W1a、W2aの洗浄には、加圧された洗浄液を用いてもよい。
バッファ装置60は、ウェハ搬送領域20からウェハ搬送領域30に受け渡される処理前の重合ウェハTを一時的に保持する。またバッファ装置60は、例えばチャック(図示せず)に保持された重合ウェハTを回転させながら、検出部(図示せず)で第1のウェハWのノッチ部の位置を検出することで、当該ノッチ部の位置を調節して重合ウェハTの水平方向の向きを調節可能に構成されてもよい。また更にバッファ装置60は、後述するように改質分離装置70で分離された分離ウェハW1、W2の分離面W1a、W2aを撮像して表面状態を検出可能に構成されていてもよい。かかる場合、バッファ装置60は本開示の技術に係る改質層位置取得装置として機能する。
分離装置としての改質分離装置70は、第1のウェハWの内部にレーザ光を照射して後述する内部面改質層を形成し、さらに当該内部面改質層を基点に、第1のウェハWを第1の分離ウェハW1と第2の分離ウェハW2に分離する。
改質分離装置70は、図4に示すように第1のウェハWが上側であって第2のウェハSが下側に配置された状態で、重合ウェハTを保持するチャック71を有している。チャック71は、移動部72によってX軸方向及び/又はY軸方向に移動可能に構成されている。移動部72は、一例として精密XYステージで構成されている。また、チャック71は、回転部73によって鉛直軸回りに回転可能に構成されている。
チャック71の上方には、第1のウェハWの内部にレーザ光を照射する、レーザヘッド74が設けられている。レーザヘッド74は、レーザ光発振器(図示せず)から発振された高周波のパルス状のレーザ光であって、第1のウェハWに対して透過性を有する波長のレーザ光(例えばYAGレーザ)を、第1のウェハWの内部の所望位置に照射する。これによって、第1のウェハWの内部においてレーザ光が集光した部分が改質して、内部面改質層が形成される。レーザヘッド74は、移動部75によってX軸方向及び/又はY軸方向に移動可能に構成されている。移動部75は、一例として精密XYステージで構成されている。またレーザヘッド74は、昇降部76によってZ軸方向に移動可能に構成されている。
また、チャック71の上方には、第1のウェハWの裏面Wbを吸着保持する吸着パッド77が設けられている。吸着パッド77は、回転部78によって鉛直軸回りに回転可能に構成されている。また吸着パッド77は、昇降部79によってZ軸方向に移動可能に構成されている。
また改質分離装置70は、例えばチャック71に保持された重合ウェハTを例えばCCDカメラ等の撮像機構(図示せず)で撮像することで、第1のウェハWの内部に形成された内部面改質層の位置、又は分離ウェハW1、W2の分離面に残存する内部面改質層の位置を取得可能に構成されてもよい。
反転装置80は、改質分離装置70で分離された第2の分離ウェハW2の表裏面を反転させる。なお、反転装置80の構成は任意である。
2つの改質層除去装置90はそれぞれ、改質分離装置70で分離された分離ウェハW1、W2の分離面W1a、W2aにレーザ光を照射し、当該分離面W1a、W2aに残存する後述の内部面改質層を、加工装置100における研削処理に先立って除去する。
改質層除去装置90は、図5に示すように分離面W1aが上側であって第2のウェハSの裏面Sbが下側に配置された状態で、第1の分離ウェハW1を保持するチャック91を有している。チャック91は、移動部92によってX軸方向及び/又はY軸方向に移動可能に構成されている。移動部92は、一例として精密XYステージで構成されている。また、チャック91は、回転部93によって鉛直軸回りに回転可能に構成されている。なお、改質層除去装置90において第2の分離ウェハW2の分離面W2aに残存する改質層の除去を行う場合においては、チャック91は、分離面W2aが上側であって第1のウェハWの裏面Wbが下側に配置された状態で、第2の分離ウェハW2を保持する。
チャック91の上方には、分離ウェハW1、W2の分離面W1a、W2aにレーザ光を照射する、レーザヘッド94が設けられている。レーザヘッド94は、レーザ光発振器(図示せず)から発振された高周波のパルス状のレーザ光(例えばピコ秒レーザやフェムト秒レーザ等の超短パルスレーザ)を、分離ウェハW1、W2の分離面W1a、W2aの所望位置(改質層の残存位置)に照射する。これによって、分離ウェハW1、W2の分離面W1a、W2aにおいてレーザ光が集光した部分に残存する改質層をアブレーション加工により除去する。レーザヘッド94は、移動部95によってX軸方向及び/又はY軸方向に移動可能に構成されるとともに、例えばガルバノスキャナ等により分離面W1a、W2aに対するレーザ光の照射位置を任意に調整可能に構成されている。移動部95は、一例として精密XYステージで構成されている。またレーザヘッド94は、昇降部96によってZ軸方向に移動可能に構成されている。
またレーザヘッド94は、図示しない空間光変調器を更に有していてもよい。空間光変調器は、レーザ光を変調して出力する。具体的に空間光変調器は、レーザ光の焦点位置や位相を制御することができ、照射されるレーザ光の形状や数(分岐数)を調整することができる。この時、分岐して照射されたレーザ光は、それぞれの分岐毎に出力等を調整可能に構成される。なお、空間光変調器としては、例えばLCOS(Liquid Crystal Silicon)が選択できる。
また、改質層除去装置90は、分離された第1のウェハW(分離ウェハW1、W2)の分離面W1a、W2aを撮像して表面状態を検知する撮像機構97を有する。撮像機構97としては、例えばCCDカメラ等を採用できる。そして、撮像機構97による撮像結果から得られる分離面W1a、W2aの表面状態により、例えば当該分離面W1a、W2aに残存する内部面改質層の位置や、後述する当該分離面W1a、W2aの変位量等を取得できる。
図3に示すように加工装置100は、第1の分離ウェハW1の分離面W1aと第2の分離ウェハW2の分離面W2aをそれぞれ研削する。加工装置100は、回転テーブル110、第1の研削ユニット120、及び第2の研削ユニット130を有している。
回転テーブル110は、回転機構(図示せず)によって、鉛直な回転中心線111を中心に回転自在に構成されている。回転テーブル110上には、分離ウェハW1、W2を吸着保持する、チャック112が4つ設けられている。チャック112は、回転テーブル110と同一円周上に均等、すなわち90度毎に配置されている。4つのチャック112は、回転テーブル110が回転することにより、受渡位置A1、A2及び加工位置B1、B2に移動可能になっている。なお、それぞれのチャック112はチャックベース(図示せず)に保持され、回転機構(図示せず)によって回転可能に構成されている。
本実施形態では、第1の受渡位置A1は回転テーブル110のX軸負方向側且つY軸負方向側の位置であり、第1の分離ウェハW1の受け渡しが行われる。第2の受渡位置A2は回転テーブル110のX軸正方向側且つY軸負方向側の位置であり、第2の分離ウェハW2の受け渡しが行われる。第1の加工位置B1は回転テーブル110のX軸正方向側且つY軸正方向側の位置であり、第1の研削ユニット120が配置される。第2の加工位置B2は回転テーブル110のX軸負方向側且つY軸正方向側の位置であり、第2の研削ユニット130が配置される。
第1の研削ユニット120では、第1の分離ウェハW1の分離面W1aを研削する。第1の研削ユニット120は、環状形状で回転自在な研削砥石(図示せず)を備えた第1の研削部121を有している。また、第1の研削部121は、支柱122に沿って鉛直方向に移動可能に構成されている。そして、チャック112に保持された第1の分離ウェハW1の分離面W1aを研削砥石に当接させた状態で、チャック112と研削砥石をそれぞれ回転させ、さらに研削砥石を下降させることによって、第1の分離ウェハW1の分離面W1aを研削する。これにより、当該第1の分離ウェハW1の厚みを予め設定された厚みまで減少させるとともに、当該第1の分離ウェハW1の分離面W1aを平坦化する。
第2の研削ユニット130では、第2の分離ウェハW2の分離面W2aを研削する。第2の研削ユニット130は、環状形状で回転自在な研削砥石(図示せず)を備えた第2の研削部131を有している。また、第2の研削部131は、支柱132に沿って鉛直方向に移動可能に構成されている。そして、チャック112に保持された第2の分離ウェハW2の分離面W2aを研削砥石に当接させた状態で、チャック112と研削砥石をそれぞれ回転させ、さらに研削砥石を下降させることによって、第2の分離ウェハW2の分離面W2aを研削する。これにより、当該第2の分離ウェハW2の厚みを予め設定された厚みまで減少させるとともに、当該第2の分離ウェハW2の分離面W2aを平坦化する。
以上のウェハ処理システム1には、制御装置140が設けられている。制御装置140は、例えばコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、ウェハ処理システム1における重合ウェハTの処理を制御するプログラムが格納されている。また、プログラム格納部には、上述の各種処理装置や搬送装置などの駆動系の動作を制御して、ウェハ処理システム1における後述のウェハ処理を実現させるためのプログラムも格納されている。なお、上記プログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、当該記憶媒体から制御装置140にインストールされたものであってもよい。また、上記記憶媒体は、一時的なものであっても非一時的なものであってもよい。
次に、以上のように構成されたウェハ処理システム1を用いて行われるウェハ処理について説明する。なお、本実施形態では、第1のウェハWと第2のウェハSが接合され、予め重合ウェハTが形成されている。
先ず、複数の重合ウェハTを収納したカセットCtが、搬入出ステーション2のカセット載置台10に載置される。次に、ウェハ搬送装置22によりカセットCt内の重合ウェハTが取り出され、バッファ装置60に搬送される。バッファ装置60では、重合ウェハT(第1のウェハW)の水平方向の向きが調節されてもよい。
次に、重合ウェハTはウェハ搬送装置32により改質分離装置70に搬送される。改質分離装置70では、図7(a)に示すように第1のウェハWの内部に内部面改質層M1が形成される(図6のステップP1)。内部面改質層M1は、第1のウェハWを第1の分離ウェハW1と第2の分離ウェハW2に分離する際の基点となるものである。
具体的には、図8に示すように回転部73によりチャック71(重合ウェハT)を回転させると共に、重合ウェハTとレーザヘッド74と相対的に水平方向に移動させて、複数の内部面改質層M1を断面視において例えば螺旋状に第1のウェハWの内部に形成する。これら複数の内部面改質層M1は第1のウェハWの内部において同じ高さに形成する。そうすると、第1のウェハWの内部面全面に内部面改質層M1が形成される。ここで、内部面改質層M1は、周方向間隔P(パルスピッチ)、径方向間隔Q(インデックスピッチ)で形成される。かかる周方向間隔P(パルスピッチ)及び径方向間隔Q(インデックスピッチ)は途中で変更してもよく、すなわち第1のウェハWの外周と内周において周方向間隔P(パルスピッチ)及び/又は径方向間隔Q(インデックスピッチ)が異なっていてもよい。
なお、図8中において破線矢印は第1のウェハWに対するレーザヘッド74の位置(レーザ光Lの照射位置)の移動の軌跡、第1のウェハWの面内における白抜き丸は形成された内部面改質層M1、をそれぞれ示している。
内部面改質層M1は、図9に示すようにレーザヘッド74から第1のウェハWの内部にレーザ光Lを照射して形成する。内部面改質層M1の下端は、加工装置100における研削後の第1のウェハWの目標表面(図9中の点線)より上方に位置している。また、内部面改質層M1からは面方向にクラックC1が進展する。
内部面改質層M1を第1のウェハWの内部に形成すると、続いて、図7(b)に示すように内部面改質層M1を基点に、第1のウェハWを第1の分離ウェハW1と第2の分離ウェハW2に分離する(図6のステップP2)。具体的には、改質分離装置70において第1のウェハWの裏面Wbを、吸着パッド77で吸着保持する。その後、吸着パッド77を上昇させて、第1の分離ウェハW1から第2の分離ウェハW2を分離する。この際、吸着パッド77を回転させて、内部面改質層M1を境界に第1の分離ウェハW1と第2の分離ウェハW2が縁切りしても良い。
なお、第1の分離ウェハW1の分離面W1aと第2の分離ウェハW2の分離面W2aにはそれぞれ、図7(b)及び図10に示すように内部面改質層M1が残存している。
ここで、加工装置100においては分離面W1a、W2aの研削処理が行われるが、このように分離面W1a、W2aに内部面改質層M1が残存している場合、当該内部面改質層M1が研削処理における研削抵抗上昇の原因となり、適切に研削処理を実行できないおそれがある。
また、図8及び図9に示したように、レーザ光Lが照射された後の第1のウェハWの面内には、レーザ光Lが直接的に照射された改質(アモルファス)部分と、レーザ光が照射されていない非改質(単結晶)部分とが混在している。そうすると、当該改質部分と非改質部分とでは結晶構造の違いから研削抵抗値に差が生じ、かかる観点からも研削処理を適切に実行できないおそれがある。
また、図8及び図9に示したように、レーザ光Lが照射された後の第1のウェハWの面内には、レーザ光Lが直接的に照射された改質(アモルファス)部分と、レーザ光が照射されていない非改質(単結晶)部分とが混在している。そうすると、当該改質部分と非改質部分とでは結晶構造の違いから研削抵抗値に差が生じ、かかる観点からも研削処理を適切に実行できないおそれがある。
そこで本実施形態にかかるウェハ処理システム1においては、加工装置100における研削処理に先立ち、このように分離面W1a、W2aに残存する内部面改質層M1を除去する。具体的には、除去対象の内部面改質層M1に対して超短パルスレーザ(例えばピコ秒レーザやフェムト秒レーザ)を照射することで、アブレーション加工により内部面改質層M1を除去する。
第1のウェハWが第1の分離ウェハW1及び第2の分離ウェハW2に分離されると、次に、第1の分離ウェハW1がウェハ搬送装置32により改質層除去装置90に搬送される。改質層除去装置90では、まず、第1の分離ウェハW1の分離面W1aを撮像し、分離面W1aにおける内部面改質層M1の残存位置を検出する(図6のステップP3)。この時、チャック91を回転させて第1の分離ウェハW1の水平方向の向きが調節されてもよい。
ステップP3と並行して、第2の分離ウェハW2はウェハ搬送装置32により反転装置80に搬送される。反転装置80では、第2の分離ウェハW2の表裏面が反転される(図6のステップP4)。
表裏面が反転された第2の分離ウェハW2は、ウェハ搬送装置32により改質層除去装置90に搬送される。改質層除去装置90では、まず、第2の分離ウェハW2の分離面W2aを撮像し、分離面W2aにおける内部面改質層M1の残存位置を検出する(図6のステップP5)。この時、チャック91を回転させて第2の分離ウェハW2の水平方向の向きが調節されてもよい。
なお、本実施形態においては、ステップP3、P5に示したように撮像機構97による分離面W1a、W2aの撮像結果に基づいて、内部面改質層M1の残存位置を検出したが、内部面改質層M1の残存位置は任意の方法により取得することができる。具体的には、例えば分離ウェハW1、W2の分離面W1a、W2aを撮像することに代え、分離前の第1のウェハWの裏面Wbを撮像することにより、内部面改質層M1の形成位置を検出してもよい。また例えば、撮像機構97による撮像に代え、改質分離装置70における処理レシピ(内部面改質層M1の形成条件)に基づいて、内部面改質層M1の形成位置を予測により取得してもよい。
また、内部面改質層M1の残存位置の検出位置も改質層除去装置90には限定されず、改質分離装置70や反転装置80、又はバッファ装置60で残存位置の検出を行ってもよいし、独立した改質層位置取得装置(図示せず)をウェハ処理システム1に配置してもよい。
また、内部面改質層M1の残存位置の検出位置も改質層除去装置90には限定されず、改質分離装置70や反転装置80、又はバッファ装置60で残存位置の検出を行ってもよいし、独立した改質層位置取得装置(図示せず)をウェハ処理システム1に配置してもよい。
分離ウェハW1、W2の分離面W1a、W2aの撮像が行われると、次に、図7(c)及び図7(d)に示すように分離ウェハW1、W2の分離面W1a、W2aに残存する内部面改質層M1を除去する(図6のステップP6)。具体的には、図11に示すように分離面W1a、W2aに残存する内部面改質層M1に向けてレーザ光Lを照射することで、当該内部面改質層M1をアブレーション加工により除去する。
ここで、分離面W1a、W2aに残存する内部面改質層M1の除去をレーザ光の照射により行った場合、当該レーザ光の照射により新たに改質層(ダメージ層)が形成され、当該新たに形成された改質層により、加工装置100における研削処理を適切に実行できなくなるおそれがある。このため、本実施形態においてはこのように内部面改質層M1を除去するために照射するレーザ光により新たな改質層が形成されることを抑制するため、当該レーザ光の照射条件を、新たな改質層が形成されないように、又は形成されたとしても研削処理により適切に除去できるように、熱影響の小さな加工条件でレーザ光の照射を行う。
また、分離面W1a、W2aに新たな改質層を形成することなく、残存する内部面改質層M1を適切に除去するため、改質層除去装置90においては、上述の熱影響の小さな加工条件によるレーザ光Lの照射を、所望の内部面改質層M1の除去量が得られるまで繰り返し実行してもよい。
なお、分離面W1a、W2aに残存する内部面改質層M1(アモルファス層)においては、ステップP1における内部面改質層M1の形成時におけるレーザ光の照射条件(例えばレーザ光の周波数や出力等)の変更等に伴い、当該内部面改質層M1における結晶構造が変化することが考えられる。そして、このように内部面改質層M1における結晶構造が変化した場合、これにより当該内部面改質層M1の除去に要するレーザ光の照射条件が変化するおそれがある。
そこでステップP6の内部面改質層M1の除去においては、ステップP1の内部面改質層M1の形成時におけるレーザ光の照射条件に追従して、レーザヘッド74からのレーザ光の照射条件を変更してもよい。換言すれば、内部面改質層M1の形成時におけるレーザ光の照射条件を、内部面改質層M1の除去時におけるレーザ光の照射条件にフィードフォワードし、当該内部面改質層M1の除去処理におけるレーザ光の照射条件を変更してもよい。
実施の形態にかかる改質層除去処理は、以上のようにして行われる。次に、改質層の除去処理が施された第1の分離ウェハW1はウェハ搬送装置32により加工装置100に搬送され、第1の受渡位置A1のチャック112に受け渡される。また同時に、第2の分離ウェハW2は反転装置80において反転された後、ウェハ搬送装置32により加工装置100に搬送され、第2の受渡位置A2のチャック112に受け渡される。
次に、回転テーブル110を鉛直軸回りに180°回転させて、第1の分離ウェハW1を第1の加工位置B1に移動させ、第2の分離ウェハW2を第2の加工位置B2に移動させる。
次に、第1の加工位置B1において第1の分離ウェハW1の分離面W1aを研削し、図7(e)及び図11(c)に示すように、当該分離面W1aを平坦化するとともに、第1の分離ウェハW1の厚みを目標厚みまで減少させる(図6のステップP7)。同時に、第2の加工位置B2において第2の分離ウェハW2の分離面W2aを研削し、当該分離面W2aを平坦化する。
本実施形態によれば、ステップP6の改質層除去処理により、分離ウェハW1、W2の分離面W1a、W2aに残存していた内部面改質層M1が除去されている。これにより、残存する内部面改質層M1に起因する研削抵抗の増加が抑制され、研削ユニット120、130による分離面W1a、W2aの研削を適切に実行できる。
本実施形態によれば、ステップP6の改質層除去処理により、分離ウェハW1、W2の分離面W1a、W2aに残存していた内部面改質層M1が除去されている。これにより、残存する内部面改質層M1に起因する研削抵抗の増加が抑制され、研削ユニット120、130による分離面W1a、W2aの研削を適切に実行できる。
次に、回転テーブル110を鉛直軸回りに180°回転させて、第1の分離ウェハW1を第1の受渡位置A1に移動させ、第2の分離ウェハW2を第2の受渡位置A2に移動させる。なお、第1の受渡位置A1では、洗浄液ノズル(図示せず)を用いて、第1の分離ウェハW1の分離面W1aが洗浄液によって洗浄されてもよい。また、第2の受渡位置A2でも、洗浄液ノズル(図示せず)を用いて、第2の分離ウェハW2の分離面W2aが洗浄液によって洗浄されてもよい。
次に、第1の分離ウェハW1はウェハ搬送装置32により一の洗浄装置50に搬送され、第2の分離ウェハW2はウェハ搬送装置32により他の洗浄装置50に搬送される。洗浄装置50では分離ウェハW1、W2の分離面W1a、W2aがそれぞれスクラブ洗浄される(図6のステップP8)。
次に、第1の分離ウェハW1はウェハ搬送装置22により一のウェットエッチング装置40に搬送され、第2の分離ウェハW2はウェハ搬送装置22により他のウェットエッチング装置40に搬送される。ウェットエッチング装置40では分離ウェハW1、W2の分離面W1a、W2aが薬液によりウェットエッチングされる(図6のステップP9)。上述した加工装置100で研削された分離面W1a、W2aにはそれぞれ、研削痕が形成される場合がある。本ステップP9では、ウェットエッチングによって研削痕を除去でき、分離面W1a、W2aを平滑化することができる。
その後、すべての処理が施された第1の分離ウェハW1と第2の分離ウェハW2はそれぞれ、ウェハ搬送装置22によりカセット載置台10のカセットCw1、Cw2に搬送される。こうして、ウェハ処理システム1における一連のウェハ処理が終了する。なお、デバイス層Dvを有する第1の分離ウェハW1は製品化される。また、第2の分離ウェハW2は例えば再利用される。
以上の実施形態によれば、分離ウェハW1、W2の分離面W1a、W2aの研削処理に先立って、当該分離面W1a、W2aに残存する内部面改質層M1をレーザ光の照射により除去する。これにより、当該内部面改質層M1に起因する研削抵抗の上昇が抑制され、適切に分離面W1a、W2aの研削を実行できる。
またこの時、内部面改質層M1の除去を行うことで、研削対象の分離面W1a、W2aにおいて結晶構造が単結晶部分とアモルファス部分とで混在することが抑制され、更に適切に分離面W1a、W2aの研削を実行できる。
なお、上記実施形態に示したようにレーザ光の照射により内部面改質層M1の除去を行った場合、図11(b)に示したように、内部面改質層M1の除去後の分離面W1a、W2aに凹凸が形成され、面精度が低下するおそれがある。そして、このように分離面W1a、W2aの面精度が低下している場合、これにより研削抵抗が上昇するおそれがあり、内部面改質層M1を適切に除去できている場合であっても加工装置100における研削処理を適切に実行できないおそれがある。そこで本実施形態にかかるウェハ処理システム1においては、上述の内部面改質層M1の除去に加え、レーザ光の照射により面精度が低下した分離面W1a、W2aの平坦化処理を行ってもよい。なお、以下の説明において「平坦化」とは、改質分離装置70における分離後の第1のウェハW(分離ウェハW1、W2)の分離面W1a、W2aの面精度(表面粗さ)を改善することで、後述の加工装置100における研削処理に際しての研削抵抗を低下させる処理を言うものとする。
以下、内部面改質層M1の除去に加え、分離面W1a、W2aを平坦化する場合におけるウェハ処理方法について説明する。なお、以下の説明において、上記実施形態と実質的に同様の処理が行われる工程については、詳細な説明を省略する。
先ず、上述した図6のステップP1、P2と同様の方法により、第1のウェハWの内部への内部面改質層M1の形成、及び当該内部面改質層M1を基点とする第1のウェハWの分離が行われる(図12のステップQ1、Q2)。
第1のウェハWが第1の分離ウェハW1及び第2の分離ウェハW2に分離されると、次に、第1の分離ウェハW1がウェハ搬送装置32により改質層除去装置90に搬送される。改質層除去装置90では、まず、第1の分離ウェハW1の分離面W1aを撮像し、分離面W1aにおける内部面改質層M1の残存位置を検出する(図12のステップQ3)。この時、チャック91を回転させて第1の分離ウェハW1の水平方向の向きが調節されてもよい。
また、ステップQ3においては、内部面改質層M1の残存位置の検出に加え、レーザ光の照射により分離面W1aに形成された凹凸部の変位量Hを算出する。当該凹凸部における凸部は、ステップQ1においてレーザ光が照射されていない前述の非改質部分に対応する。また、当該凹凸部における凹部は、ステップQ1においてレーザ光が照射された前述の改質部分に対応する。凸部における変位量Hは、例えば分離ウェハW1、W2の分離面W1a、W2aの撮像により得られた隣接する凹部と凹部の間隔(図8に示した内部面改質層M1の径方向間隔Q)に基づいて算出できる。
また、これと並行して、第2の分離ウェハW2はウェハ搬送装置32により反転装置80に搬送される。反転装置80では、第2の分離ウェハW2の表裏面が反転される(図12のステップQ4)。
表裏面が反転された第2の分離ウェハW2は、ウェハ搬送装置32により改質層除去装置90に搬送される。改質層除去装置90では、まず、第2の分離ウェハW2の分離面W2aを撮像し、分離面W2aにおける内部面改質層M1の残存位置を検出するまた改質層除去装置90においては、分離面W2aの凹凸部の変位量Hをさらに取得する(図12のステップQ5)。この時、チャック91を回転させて第2の分離ウェハW2の水平方向の向きが調節されてもよい。
次に、同じ改質層除去装置90において、分離ウェハW1、W2の分離面W1a、W2aに残存する内部面改質層M1を除去するとともに、レーザ光の照射により面精度が低下した分離面W1a、W2aを平坦化する。
具体的には、まず、図13(a)に示すように分離面W1a、W2aに残存する内部面改質層M1に向けて第1のレーザ光Lを照射し、図13(b)に示すように当該内部面改質層M1をアブレーション加工により除去する(図12のステップQ6:第1の除去処理)。この時、第1のレーザ光Lの照射条件を、新たな改質層が形成されないように、又は形成されたとしても研削処理により適切に除去できるように、熱影響の小さな加工条件に設定する。
次に、内部面改質層M1の除去後に分離面W1a、W2aに形成された凹凸部のうち、変位量Hが大きな凸部D(ステップQ1におけるレーザ光の非照射位置である単結晶部分に対応)に第2のレーザ光Lを照射する(図12のステップQ7)。これにより、凸部Dにおける変位量H1を、図13(c)に示すように内部面改質層M1が除去された部分における分離面W1a、W2aの変位量H2と略一致させ、すなわち分離面W1a、W2aの面精度を改善する(第2の除去処理)。なお、変位量H1が変位量H2と略一致してるとは、面精度を向上(平坦化)させることにより、加工装置100において凹凸部の形成に起因する研削抵抗の増加を少なくとも抑制できる状態をいう。
なお、第1の除去処理と同様に、第2のレーザ光Lの照射条件は、新たな改質層が形成されないように熱影響の小さな加工条件に設定することが望ましい。しかしながら、特に凸部Dの除去量が大きい場合、すなわち変位量H1と変位量H2の差分が大きい場合、当該凸部に対して高出力のレーザ光の照射が必要となり、図13(c)にも示したように凸部Dの除去後の分離面W1a、W2aに新たな改質層が形成される場合がある。
そこで次に、第1の分離ウェハW1と第2の分離ウェハW2をそれぞれウェハ搬送装置32により加工装置100に搬送する。加工装置100では、第1の分離ウェハW1の分離面W1aを研削し、図13(d)に示すように当該分離面W1a、W2aを目標表面まで減少させるとともに、分離面W1a、W2aの面精度を更に向上する(図12のステップQ8)。また、図13(c)に示したように分離面W1a、W2aにおける内部面改質層M1が完全に除去されていなかった場合においては、当該内部面改質層M1を研削により完全に除去する。
ここで、本実施形態によれば、加工装置100における当該研削処理に先立って、ステップQ6において分離面W1a、W2aに残存する内部面改質層M1が除去されているとともに、ステップQ7において当該分離面W1a、W2aが平坦化されている。すなわち、研削処理に先立って、当該研削処理における研削抵抗の増加の原因となる要素が除外されているため、分離面W1a、W2aに対する研削処理を適切に実行できる。
その後の処理は、上記実施形態(図6のステップP8、P9)と同様である。すなわち、研削処理が施された分離ウェハW1、W2には、洗浄装置50における洗浄、ウェットエッチング装置40におけるエッチングが順次施される(図12のステップQ9、Q10)。
本実施形態でも、上記実施形態と同様の効果を享受できる。しかも本実施形態によれば、研削処理に先立って分離面W1a、W2aの平坦化を行うため、加工装置100における分離面W1a、W2aの研削処理を更に適切に実施できる。
なお、図12及び図13に示した例においては、第1の除去処理としての内部面改質層M1の除去(ステップQ6)を行った後に第2の除去処理としての凸部Dの除去(ステップQ7)を行ったが、第2の除去処理(ステップQ7)は第1の除去処理(ステップQ6)に先立って行われてもよい。
なお、以上の説明においては分離面W1a、W2aに残存する内部面改質層M1の除去後、加工装置100における研削処理により分離面W1a、W2aの変位量Hを目標表面まで減少させる場合を例に説明を行った。しかしながら、分離面W1a、W2aの変位量Hは、研削処理に代えて、レーザ光の照射(アブレーション加工)により目標表面まで減少させるようにしてもよい。
具体的には、例えば図13(c)に示した内部面改質層M1及び凹凸部の除去後の分離面W1a、W2aに対して超短パルスレーザ(例えばピコ秒レーザやフェムト秒レーザ)を照射することにより、当該分離面W1a、W2aをアブレーション加工により目標表面まで除去する。
この時、分離面W1a、W2aに対する研削処理を省略するため、分離面W1a、W2aに照射されるレーザ光Lの出力は、かかるレーザ光Lの照射により新たなダメージ層が形成されないような熱影響の小さな加工条件でレーザ光の照射を行うことが望ましい。
この時、分離面W1a、W2aに対する研削処理を省略するため、分離面W1a、W2aに照射されるレーザ光Lの出力は、かかるレーザ光Lの照射により新たなダメージ層が形成されないような熱影響の小さな加工条件でレーザ光の照射を行うことが望ましい。
なお、このように研削処理に代えてレーザ光の照射により変位量Hを目標表面まで減少させる場合であっても、内部面改質層M1の除去(ステップQ6)に先立って、凸部Dの除去(ステップQ7)を行うことができる。
具体的には、まず、例えば図14(a)に示すように分離面W1a、W2aに形成された凸部Dに対してレーザ光Lを照射し、図14(b)に示すように、当該凸部Dにおける変位量H1を、凹部(隣接する凸部Dと凸部Dとの間)における変位量H3と略一致させる。続いて、分離面W1a、W2aに残存する内部面改質層M1に対して第1のレーザ光Lを照射し、図14(c)に示すように分離面W1a、W2aの全面における変位量Hを目標表面まで減少させるとともに、残存していた内部面改質層M1を除去する。
なお、図13又は図14に示した例においては、分離面W1a、W2aの変位量Hを、内部面改質層M1の除去後の変位量H2(図13を参照)、又は凹部における変位量H3(図14を参照)に略一致させた後に、更にレーザ光を照射して変位量Hを目標表面まで減少させた。換言すれば、図13又は図14に示した例においては、分離面W1a、W2aの変位量Hを一致させるための除去処理と、変位量Hを目標表面まで減少させるための除去処理とを順次行った。しかしながら、分離面W1a、W2aに対する除去処理の方法はこれに限られず、任意の方法で行うことができる。
具体的には、例えば、図15(a)に示すように分離面W1a、W2aの凸部Dに対してレーザ光Lを照射して、図15(b)に示すように当該凸部Dにおける変位量H1を目標表面まで減少させた後、続けて、凹部(内部面改質層M1)に対してレーザ光Lを照射して、図15(c)に示すように当該凹部における変位量H3を目標表面まで減少させるようにしてもよい。
また当然に、凹部における変位量H3を目標表面まで減少させた後、続けて、凸部Dにおける変位量H1を目標表面まで減少させるようにしてもよい。
また当然に、凹部における変位量H3を目標表面まで減少させた後、続けて、凸部Dにおける変位量H1を目標表面まで減少させるようにしてもよい。
また、このようにレーザ光の照射により変位量Hを目標表面まで減少させる場合、分離面W1a、W2aに新たな改質層の形成することなく、変位量Hを目標表面に到達させるため、上述の熱影響の小さな照射条件によるレーザ光Lの照射を、変位量Hが目標表面に到達するまで繰り返し実行してもよい。
なお、分離面W1a、W2aに残存する内部面改質層M1の除去、及び分離面W1a、W2aの平坦化(凹凸部の除去)を適切に行うためには、当該分離面W1a、W2aの結晶構造やプロファイルに応じて、照射するレーザ光のエネルギー量を調整する必要がある。すなわち、結晶構造が単結晶である部分や変位量Hの大きな部分(凸部)においては高出力で、結晶構造がアモルファスである部分や変位量Hの小さな部分(凹部)においては低出力で、レーザ光を照射する必要がある。しかしながら、レーザヘッド94から照射されるレーザ光の出力変更には時間(おそよ0.5秒~1.0秒程度)を必要とするため、分離面W1a、W2aのプロファイルに応じて逐次出力を変更すると、分離面W1a、W2aの全面を平坦化するのに多大な時間を要する。
そこで本実施形態においては、レーザ光の出力変更の回数を減少させて分離面W1a、W2aの内部面改質層M1の除去及び平坦化に要する時間を短縮するため、レーザヘッド94が前述の空間光変調器(例えばLCOS)を有している場合には、レーザ光を複数に分岐させてもよい。
具体的には、図16に示すように空間光変調器によりレーザ光Lを複数(図示の例では2つ)に分岐させ、分離面W1a、W2a上の複数点に対して同時にレーザ光Lを照射する。より具体的には、複数の凸部Dに対して第1のレーザ光を同時に照射して前述の第1の除去処理を行った後、更に複数の分離面W1a、W2aの複数点に対して第2のレーザ光を同時に照射して前述の第2の除去処理を行う。これにより、一度に内部面改質層M1を除去できる面積、又は平坦化できる面積を拡げることができ、これら処理に要する時間を短縮できる。
なお、図16においては、空間光変調器により分岐させた複数の第1のレーザ光Lを複数の凸部Dに対して同時に照射し、更に複数の第2のレーザ光を分離面W1a、W2aに同時に照射する場合を例に図示を行ったが、図17に示すように、凸部Dと隣接する凹部(内部面改質層M1)とに対して同時にレーザ光Lを照射することで、前述の凸部の除去(第1の除去処理)と残存する内部面改質層M1の除去(第2の除去処理)とを同時に行うようにしてもよい。
より具体的には、図17に示したようにレーザヘッド94を移動させながら凸部Dに対して第1のレーザ光を照射するとともに、当該凸部Dに対する第1のレーザ光の照射に対して後追いさせるように、分離面W1a、W2aに第2のレーザ光を照射する。すなわち、図16に示した例においては第1のレーザ光Lを凸部Dに照射した後、レーザ光の出力を変更し、続けて第2のレーザ光を分離面W1a、W2a(内部面改質層M1)に照射したが、図17に示した例においては、凸部Dへの第1のレーザ光の照射が行われた直後の分離面W1a、W2aに対する第2のレーザ光の照射を行う。これにより、レーザ光Lの出力変更を伴うことなく、第1の除去処理と第2の除去処理とを略同時に実行する。
かかる場合、凸部Dに対する第1のレーザ光Lの出力と、内部面改質層M1に対する第2のレーザ光Lの出力は、それぞれ独立して制御することが望ましい。これにより、上述のように第1の除去処理と第2の除去処理の除去とを同時に行うことができるため、レーザ光の出力変更を伴うことなく、分離面W1a、W2aの全面に処理を実行することができ、すなわちこれら処理に要する時間を更に適切に短縮できる。
ここで、通常、第1のウェハWの周縁部は面取り加工がされているが、例えば図7に示したように内部面改質層M1を第1のウェハWの全面に形成して分離を行った場合、第1のウェハWの周縁部が鋭く尖った形状(いわゆるナイフエッジ形状)になる。そうすると、第1のウェハWの周縁部でチッピングが発生し、第1のウェハWが損傷を被るおそれがある。そこで、研削処理前に予め第1のウェハWの周縁部を除去する、いわゆるエッジトリムを行ってもよい。
そこで、以上の実施形態のウェハ処理システム1において、エッジトリムを行ってもよい。以下、ウェハ処理システム1を用いて行われる、他の実施形態にかかるウェハ処理について説明する。なお、本実施形態において、上記実施形態と同様の処理については詳細な説明を省略する。
重合ウェハTはウェハ搬送装置32により改質分離装置70に搬送される。改質分離装置70では、図18(b)及び図18(c)に示すように、第1のウェハWの内部に周縁改質層M2及び内部面改質層M1が順次形成される。
周縁改質層は、エッジトリムにおいて周縁部Weを除去の際の基点となるものであり、第1のウェハWにおける除去対象の周縁部Weと中央部Wcとの境界に沿って、環状に形成される。。また、第1のウェハWの内部には、周縁改質層M2からクラックC2が進展し、表面Waに到達している。但し、クラックC2は裏面Wbには到達していない。
内部面改質層M1は、面方向に中心部から周縁改質層M2まで、すなわち中央部Wcに形成される。なお、内部面改質層M1の形成方法は上記実施形態(図6のステップP1)と同様である。
次に、同じ改質分離装置70において、図18(d)に示すように内部面改質層M1及び周縁改質層M2を基点に、第1のウェハWを第1の分離ウェハW1と第2の分離ウェハW2に分離する。この際、第2の分離ウェハW2は周縁部Weと一体になって分離される。なお、第1のウェハWの分離方法は、上記実施形態(図6のステップP2)と同様である。
次に、第1の分離ウェハW1がウェハ搬送装置32により改質層除去装置90に搬送される。改質層除去装置90では、まず、第1の分離ウェハW1の分離面W1aを撮像し、内部面改質層M1の残存位置が取得される。この時、第1の分離ウェハW1の水平方向の向きが調節されてもよい。
また、これと並行して、第2の分離ウェハW2はウェハ搬送装置32により反転装置80に搬送される。反転装置80では、第2の分離ウェハW2の表裏面が反転される。
表裏面が反転された第2の分離ウェハW2は、ウェハ搬送装置32により改質層除去装置90に搬送される。改質層除去装置90では、まず、第2の分離ウェハW2の分離面W2aを撮像し、内部面改質層M1の残存位置が取得される。この時、第2の分離ウェハW2の水平方向の向きが調節されてもよい。
続いて改質層除去装置90では、図18(e)及び図18(f)に示すように分離ウェハW1、W2の分離面W1a、W2aに残存する内部面改質層M1及び周縁改質層M2をそれぞれ除去する。具体的には、分離面W1a、W2aに残存する内部面改質層M1及び周縁改質層M2に向けてレーザ光を照射することで、当該内部面改質層M1をアブレーション加工により除去する。なお、内部面改質層M1の除去方法は、上記実施形態(図6のステップP6)と同様である。
次に、第1の分離ウェハW1と第2の分離ウェハW2はそれぞれウェハ搬送装置32により加工装置100に搬送される。加工装置100では、図18(g)に示すように第1の分離ウェハW1の分離面W1aを研削し、当該分離面W1aを平坦化するとともに、当該分離面W1aの変位量Hを目標表面まで減少させる。また、周縁改質層M2が完全に除去されていなかった場合には、当該周縁改質層M2を研削により完全に除去する。同時に、図18(h)に示すように第2の分離ウェハW2の分離面W2aを研削し、当該分離面W2aを平坦化するとともに、周縁改質層M2を完全に除去する。なお、分離面W1a、W2aの研削方法は、上記実施形態(図6のステップP7)と同様である。
その後の処理は、上記実施形態(図6のステップP8、P9)と同様である。すなわち、研削処理が施された分離ウェハW1、W2には、洗浄装置50における洗浄、ウェットエッチング装置40におけるエッチングが順次施される。
本実施形態でも、上記実施形態と同様の効果を享受できる。しかも、本実施形態によれば第1のウェハWの周縁部Weがエッジトリムにより除去されるため、当該周縁部Weにいわゆるナイフエッジ形状が形成されることが抑制される。
また、以上の実施形態においては、改質層除去処理をウェハ処理システム1の内部に独立して配置された改質層除去装置90において実行したが、当該改質層除去処理は、例えば改質分離装置70において行われてもよい。かかる場合、内部面改質層M1を形成するためのレーザ光(例えばYAGレーザ)と改質層除去処理を行うためのレーザ光(例えばピコ秒レーザ)とは異なるため、それぞれのレーザ光を照射するためのレーザヘッドは独立して配置されることが好ましい。
なお、以上の実施形態においては、第1のウェハWの分離の基点となる内部面改質層M1、及び周縁部Weの除去の基点となる周縁改質層M2を改質分離装置70において形成したが、これら改質層の形成位置はこれに限定されない。具体的には、例えばウェハ処理システム1の内部に第1のウェハWを分離する分離装置(図示せず)と、内部面改質層M1及び周縁改質層M2を形成する改質装置(図示せず)とを独立して配置し、かかる改質装置の内部においてこれら改質層を形成してもよい。
なお、以上の実施の形態においては、処理対象体がシリコンウェハである場合を例に説明を行ったが、処理対象体の種類はこれに限定されるものではない。例えば処理対象体としては、シリコン基板に代えて、ガラス基板、単結晶基板、多結晶基板または非晶質基板などが選択されてもよい。また例えば、円形基板に代えて、インゴット、基台または薄板などが選択されてもよい。
また、以上の実施形態では、重合ウェハTにおける第1のウェハWを薄化する場合について説明したが、1枚のウェハを薄化する場合にも上記実施形態は適用できる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
1 ウェハ処理システム
70 改質層除去装置
140 制御装置
L レーザ光
M1 内部面改質層
S 第2のウェハ
T 重合ウェハ
W 第1のウェハ
W1 第1の分離ウェハ
W1a 分離面
W2 第2の分離ウェハ
W2a 分離面
70 改質層除去装置
140 制御装置
L レーザ光
M1 内部面改質層
S 第2のウェハ
T 重合ウェハ
W 第1のウェハ
W1 第1の分離ウェハ
W1a 分離面
W2 第2の分離ウェハ
W2a 分離面
Claims (20)
- 処理対象体を処理する処理システムであって、
処理対象体の内部に形成された改質層を基点に分離された分離体の分離面に残存する前記改質層の位置を取得する改質層位置取得装置と、
前記分離面にレーザ光を照射して当該分離面に残存する前記改質層を除去する改質層除去装置と、
制御装置と、を有し、
前記制御装置は、
前記改質層位置取得装置において、前記分離面に残存する前記改質層の位置を取得する制御を行うことと、
前記改質層除去装置において、前記分離面に残存する前記改質層に対して第1のレーザ光を照射して当該改質層を除去する第1の除去処理を実行する制御を行うことと、を実行する、処理システム。 - 前記制御装置は、
前記改質層除去装置において、前記第1のレーザ光を、当該第1のレーザ光の照射により前記分離面に新たな改質層を形成しない出力で前記分離面に照射する制御を行う、請求項1に記載の処理システム。 - 前記改質層を基点に前記処理対象体を複数の分離体に分離する分離装置を有する、請求項1又は2に記載の処理システム。
- 前記制御装置は、
前記改質層除去装置において、前記分離面における前記改質層の非残存位置である凸部に対して第2のレーザ光を照射する第2の除去処理を実行する制御を行うことと、を実行し、
前記第1のレーザ光の照射後の前記分離面の変位量と、前記第2のレーザ光の照射後の前記分離面の変位量と、を一致させる、請求項1~3のいずれか一項に記載の処理システム。 - 前記改質層除去装置は、前記分離面の異なる位置に対して複数の前記レーザ光を同時に照射可能に構成され、
前記制御装置は、
前記第1の除去処理において、前記分離面に残存する異なる前記改質層に対して複数の前記第1のレーザ光を同時に照射する制御と、
前記第2の除去処理において、異なる前記凸部に対して複数の前記第2のレーザ光を同時に照射する制御を、を実行する、請求項4に記載の処理システム。 - 前記改質層除去装置は、前記分離面の異なる位置に対して複数の前記レーザ光を同時に照射可能に構成され、
前記制御装置は、
前記改質層に対する前記第1のレーザ光の照射と、前記凸部に対する前記第2のレーザ光の照射と、を同時に行うことで、前記第1の除去処理と前記第2の除去処理とを同時に実行する制御を行う、請求項4に記載の処理システム。 - 前記制御装置は、同時に照射される前記第1のレーザ光と前記第2のレーザ光の出力を、それぞれ独立して調整する制御を行う、請求項6に記載の処理システム。
- 前記制御装置は、
前記改質層除去装置において、前記改質層に対して前記第1のレーザ光を照射し、当該改質層除去装置において照射されるレーザ光の出力変更を伴うことなく、前記第1のレーザ光に追従させて前記凸部に対する前記第2のレーザ光の照射を行う制御を行う、請求項4に記載の処理システム。 - 前記処理対象体は第1の基板の表面側と第2の基板の表面側とが接合された重合基板であり、
前記処理対象体は、前記第1の基板の内部に形成された前記改質層を基点として、当該第1の基板を表面側の第1の分離基板と裏面側の第2の分離基板とに分離され、
前記改質層除去装置においては、少なくとも前記第1の分離基板の分離面に残存する前記改質層を除去する、請求項1~8のいずれか一項に記載の処理システム。 - 前記改質層の除去後の前記分離面を研削する加工装置を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の処理システム。
- 処理対象体を処理する処理方法であって、
前記処理対象体の内部に形成された改質層を基点として分離された分離体の分離面に残存する前記改質層の位置を取得することと、
前記分離面に残存する前記改質層に対して第1のレーザ光を照射して、当該改質層を除去する第1の除去処理を行うことと、を含む、処理方法。 - 前記第1のレーザ光を、当該第1のレーザ光の照射により前記分離面に新たな改質層を形成しない出力で前記分離面に照射する、請求項11に記載の処理方法。
- 前記改質層を基点に前記処理対象体を複数の分離体に分離することを含む、請求項11又は12に記載の処理方法。
- 前記分離面における前記改質層の非残存位置である凸部に対して第2のレーザ光を照射する第2の除去処理を行うことを含み、
前記第1のレーザ光の照射後の前記分離面の変位量と、前記第2のレーザ光の照射後の前記分離面の変位量と、を一致させる、請求項11~13のいずれか一項に記載の処理方法。 - 前記第1の除去処理において、前記分離面に残存する異なる前記改質層に対して複数の前記第1のレーザ光を同時に照射することと、
前記第2の除去処理において、異なる前記凸部に対して複数の前記第2のレーザ光を同時に照射することを、を含む、請求項14に記載の処理方法。 - 前記改質層に対する前記第1のレーザ光の照射と、前記凸部に対する前記第2のレーザ光の照射と、を同時に行うことで、前記第1の除去処理と前記第2の除去処理とを同時に行う、請求項14に記載の処理方法。
- 同時に照射される前記第1のレーザ光と前記第2のレーザ光の出力を、それぞれ独立して調整する、請求項16に記載の処理方法。
- 前記改質層に対して前記第1のレーザ光を照射し、その後、照射されるレーザ光の出力変更を伴うことなく、前記第1のレーザ光に追従させて前記凸部に対する前記第2のレーザ光の照射を行う、請求項14に記載の処理方法。
- 前記処理対象体は第1の基板の表面側と第2の基板の表面側とが接合された重合基板であり、
前記処理対象体は、前記第1の基板の内部に形成された前記改質層を基点として、当該第1の基板を表面側の第1の分離基板と裏面側の第2の分離基板とに分離され、
少なくとも前記第1の分離基板の分離面に残存する前記改質層を除去する、請求項11~18のいずれか一項に記載の処理方法。 - 前記改質層の除去後の前記分離面を研削することを含む、請求項11~19のいずれか一項に記載の処理方法。
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JP2021092566A JP2022184618A (ja) | 2021-06-01 | 2021-06-01 | 処理システム及び処理方法 |
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