JP2022184484A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アバランシェ耐量を確保することができるトレンチゲート構造の半導体素子を備えた半導体装置を提供する。【解決手段】繋ぎ領域Raに、第1ディープ層4とJFET部3を含む飽和電流抑制層、n型層6、p型ベース領域7、層間絶縁膜13を備え、層間絶縁膜13にセル領域Rcを囲むコンタクト開口部13bを形成する。また、少なくともn型層6の表面から第1ディープ層4に至るように形成され、第2ディープ層5と同じ不純物濃度で形成された外周ディープ層5aと、層間絶縁膜13の上に形成され、セル領域Rcを囲むように配置されると共にトレンチゲート構造の長手方向に沿う直線状部分を有し、コンタクト開口部13bを通じて外周ディープ層5aに接続される外周ソース配線20を備える。そして、外周ディープ層5aが外周ソース配線20の直下に配置され、かつ、外周ソース配線20のうち直線状部分に沿って延設されるようにする。【選択図】図5

Description

本発明は、セル領域の外周を囲む外周領域として繋ぎ領域と耐圧保持領域とが備えられた半導体装置に関するものであり、特に半導体材料として炭化珪素(以下、SiCという)が用いられるSiC半導体装置に適用すると好適である。
従来、SiCを用いたパワーデバイスとして、トレンチゲート構造のMOSFETが知られている。トレンチゲート構造のMOSFETでは、トレンチゲート構造を構成するためのトレンチの底部に電界集中が起こり、ゲート絶縁膜が容易に破壊されてしまうという問題がある。このため、特許文献1に示されるように、トレンチの底部での電界集中を緩和するために、トレンチの長手方向と交差する方向に沿って、トレンチ下部にストライプ状の第1ディープ層を形成している。また、第1ディープ層とベース領域とが第2ディープ層によって連結されており、ベース領域の表層部に形成されるコンタクト領域がソース電極に電気的に接続されることで、ベース領域および第2ディープ層を通じて第1ディープ層をソース電位に固定している。このような第1ディープ層を備えることで、高電界がゲート絶縁膜側に入り難くなるようにでき、ゲート絶縁膜の絶縁破壊を抑制することが可能となる。
特開2019-46908号公報
半導体装置においてアバランシェ耐量を低下させないためには、ベース領域などの比較的低濃度で高抵抗の領域にアバランシェ電流を流さないことが重要である。そのため、セル領域の外周に位置する外周領域において、アバランシェ時の電流が第1ディープ層から第2ディープ層を経由してセル領域の外周に備えられる外周ソース配線から抜けるようにすることが望ましい。しかしながら、外周領域における第2ディープ層のレイアウトによっては、ベース領域を長い距離通ってアバランシェ時の電流が流れ、アバランシェ耐量が低下するという課題がある。
本発明は上記点に鑑みて、アバランシェ耐量を確保することができるトレンチゲート構造の半導体素子を備えた半導体装置を提供することを目的とする。
本開示の1つの観点にかかる半導体装置は、第1または第2導電型の半導体層(1)と、半導体層の上に形成され、半導体層よりも低不純物濃度とされた第1導電型の第1層(2)とを備え、セル領域(Rc)と、セル領域の外周を囲む外周耐圧構造が備えられた耐圧保持領域(Rb)および該耐圧保持領域とセル領域との間に位置する繋ぎ領域(Ra)を含む外周領域(Ro)を有している。
セル領域には、第1層の上に形成され、一方向を長手方向として複数本がストライプ状に並べられた第2導電型の第1ディープ層(4)、および、一方向を長手方向として第1ディープ層と交互に複数本がストライプ状に並べられた部分を有する第1導電型のJFET部(3)を含む飽和電流抑制層(3、4)と、飽和電流抑制層の上に形成された第1導電型の第2層(6)と、少なくとも第2層の表面から第1ディープ層に至るように形成された第2導電型の第2ディープ層(5)と、第2層の上に形成された第2導電型のベース領域(7)と、ベース領域の上に形成され、第1層よりも第1導電型不純物濃度が高くされた第1導電型のソース領域(8)と、ベース領域の上においてソース領域と異なる位置に形成され、ベース領域よりも第2導電型不純物濃度が高くされたコンタクト領域(9)と、ソース領域およびベース領域を貫通するゲートトレンチ(10)内に、該ゲートトレンチの内壁面を覆うゲート絶縁膜(11)と該ゲート絶縁膜の上に配置されたゲート電極(12)とを備えて構成され、一方向と交差する方向を長手方向として複数本がストライプ状に並べられたトレンチゲート構造と、ゲート電極を覆うと共にソース領域およびコンタクト領域を露出させる第1コンタクト開口部(13a)が形成された層間絶縁膜(13)と、第1コンタクト開口部を通じて、ソース領域に電気的に接続されたソース電極(14)と、半導体層の裏面側に形成されたドレイン電極(15)とが備えられる。
繋ぎ領域には、第1ディープ層とJFET部を含む飽和電流抑制層と、第2層と、ベース領域と、層間絶縁膜が備えられ、層間絶縁膜にセル領域を囲む第2コンタクト開口部(13b)が形成されており、少なくとも第2層の表面から第1ディープ層に至るように形成され、第2ディープ層と同じ第2導電型不純物濃度で形成された外周ディープ層(5a)と、層間絶縁膜の上に形成され、セル領域を囲むように配置されると共にトレンチゲート構造の長手方向に沿う直線状部分を有し、第2コンタクト開口部を通じて外周ディープ層に接続される外周ソース配線(20)と、を有している。そして、外周ディープ層は、外周ソース配線の直下に配置され、かつ、外周ソース配線のうち直線状部分に沿って延設されている。
このように、繋ぎ領域において、外周ソース配線の直下に外周ディープ層を備えるようにしている。このため、繋ぎ領域のうちの外周側で発生したキャリアが外周ディープ層を通って外周ソース配線に抜けるようにできる。つまり、ほぼベース領域を通ることなく外周ソース配線に直接流れ込むようにできる。したがって、アバランシェ耐量の低下を抑制することが可能な半導体装置にできる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態にかかるSiC半導体装置の断面構成を示す図である。 図1に示すSiC半導体装置の一部を示した斜視断面図である。 図1に示すSiC半導体装置を備えた半導体チップの上面レイアウトを示した図である。 図3中の領域Rの拡大図である。 外周領域における繋ぎ領域およびセル領域のうちの繋ぎ領域側の断面でのホールの流れを示した図である。 比較例として示した繋ぎ領域近傍を示す図3の領域Rに相当する拡大図である。 比較例として示す外周領域における繋ぎ領域でのホールの流れを示した断面図である。 図2に示すSiC半導体装置の製造工程を示す斜視断面図である。 図8Aに続くSiC半導体装置の製造工程を示す斜視断面図である。 図8Bに続くSiC半導体装置の製造工程を示す斜視断面図である。 図8Cに続くSiC半導体装置の製造工程を示す斜視断面図である。 図8Dに続くSiC半導体装置の製造工程を示す斜視断面図である。 図8Eに続くSiC半導体装置の製造工程を示す斜視断面図である。 図8Fに続くSiC半導体装置の製造工程を示す斜視断面図である。 図5に示す断面でのSiC半導体装置の製造工程を示す図である。 図9Aに続くSiC半導体装置の製造工程を示す図である。 図9Bに続くSiC半導体装置の製造工程を示す図である。 図9Cに続くSiC半導体装置の製造工程を示す図である。 図9Dに続くSiC半導体装置の製造工程を示す図である。 図9Eに続くSiC半導体装置の製造工程を示す図である。 図9Fに続くSiC半導体装置の製造工程を示す図である。 第2実施形態にかかるSiC半導体装置の繋ぎ領域近傍を示す図3の領域Rに相当する拡大図である。 第2実施形態の変形例で説明するSiC半導体装置の繋ぎ領域近傍を示す図3の領域Rに相当する拡大図である。 他の実施形態で説明するSiC半導体装置を備えた半導体チップの上面レイアウトを示した図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
第1実施形態について、図1~図9を参照して説明する。本実施形態では、半導体材料としてSiCを用いたSiC半導体装置を例に挙げて説明するが、シリコン(Si)などの他の半導体材料で構成される半導体装置としても良い。
本実施形態にかかるSiC半導体装置は、半導体素子として、図1および図2に示すトレンチゲート構造の反転型の縦型MOSFETが形成されたものである。SiC半導体装置は、図3および図4に示すように、セル領域Rcとセル領域Rcを囲む外周領域Roとを有した構成とされるが、図1および図2に示す縦型MOSFETは、そのうちのセル領域Rcに備えられる。なお、以下では、図1~図4に示すように、互いに直交する一方向をそれぞれX方向、Y方向、Z方向として説明する。具体的には、縦型MOSFETの奥行方向をX方向、X方向に対して交差する縦型MOSFETの幅方向をY方向、縦型MOSFETの厚み方向もしくは深さ方向、つまりXY平面に対する法線方向をZ方向とする。
なお、図1は、図4中のI-I断面、図5は、図4中のV-V断面を示している。また、図2は、セル領域Rcの一部を切り出して示した斜視断面図であるが、各部のレイアウトを見やすくするために、SiC半導体装置の構成の一部を省略して示してある。
図1および図2に示されるように、SiC半導体装置には、SiCからなるn型基板1が半導体基板として用いられている。セル領域Rcおよび外周領域Roでは、共に、n型基板1の主表面上に、n型基板1より低濃度とされたドリフト層の一部を構成するn型層2が形成されている。n型基板1は半導体層に相当し、n型層2は、第1導電型の第1層に相当する。
〔セル領域Rcの構成〕
セル領域Rcでは、n型層2の上に、SiCからなるドリフト層の一部を構成するn型のJFET部3とp型の第1ディープ層4が形成されている。n型層2は、n型基板1と反対側においてJFET部3と連結されている。
JFET部3と第1ディープ層4は、飽和電流抑制層を構成するものであり、共に、Y方向を長手方向として延設され、X方向において交互に繰り返し並べられて配置されている。つまり、n型基板1の主表面に対する法線方向から見て、JFET部3の少なくとも一部と第1ディープ層4は、それぞれ複数のライン状、換言すればストライプ状とされ、それぞれが交互に並べられたレイアウトとされている。
なお、本実施形態の場合、JFET部3が第1ディープ層4よりも下方まで形成されたものとされている。このため、JFET部3のうちストライプ状とされている部分は第1ディープ層4の下方において連結した状態になっているが、ストライプ状とされている各部はそれぞれ複数の第1ディープ層4の間に配置された状態となっている。
第1ディープ層4は、p型不純物層によって構成されている。上記したように、第1ディープ層4は、ストライプ状とされており、ストライプ状とされた第1ディープ層4の各ライン状の部分は一定幅とされ、等間隔に配置されていて、深さ方向においてp型不純物濃度が一定とされている。
さらに、JFET部3および第1ディープ層4の上には、SiCからなるドリフト層の一部を構成し、第1導電型の第2層に相当するn型層6が形成されている。n型層6は、n型不純物濃度がn型層2と同じにされていても良いが、高くすることで縦型MOSFETのチャネルを通じて流れる電流がY方向に拡散できるようにすることができる。
なお、本実施形態では、n型層2とJFET部3およびn型層6によってドリフト層が構成されているが、ドリフト層の構成については任意であり、例えば、n型層2とn型基板1との間にバッファ層を備えた構造とすることもできる。
n型層6の上にはSiCからなるp型ベース領域7が形成されており、p型ベース領域7の上には、SiCからなるn型ソース領域8が形成されている。また、p型ベース領域7およびn型層6の一部にp型不純物が注入されることで、p型ベース領域7の表面から第1ディープ層4に至るように、SiCからなる第2ディープ層5が形成されている。第2ディープ層5は、p型ベース領域7よりもp型不純物濃度が高くされており、p型ベース領域7は、第1ディープ層4よりもp型不純物濃度が低くされている。また、n型ソース領域8は、n型不純物濃度がn型層6よりも高濃度とされている。
また、n型ソース領域8の表面から第2ディープ層5もしくはp型ベース領域7に達するように、p型ベース領域7よりもp型不純物濃度が高くされたコンタクト領域に相当するコンタクトp型層9が形成されている。コンタクトp型層9は、図2に示すように、後述するトレンチゲート構造に対して交差するY方向に延設されているが、ここではトレンチゲート構造の複数本に1つもしくは複数の割合でトレンチゲート構造の間においてX方向にも延設している。上記した第2ディープ層5は、このコンタクトp型層9のうちX方向に延設された部分の下方に形成されている。なお、ここでは第2ディープ層5を隣り合うゲートトレンチ10の両側壁間の全域に形成しているが、必ずしも全域に形成する必要はない。
コンタクトp型層9は、p型ベース領域7に加えて第1ディープ層4をソース電位に固定するために、p型ベース領域7と後述するソース電極14とを連結させる役割を果たす。コンタクトp型層9がソース電極14と接続されることにより、コンタクトp型層9を通じてp型ベース領域7をソース電位に固定し、第2ディープ層5もしくはp型ベース領域7を介して第1ディープ層4もソース電位に固定する。なお、図示していないが、n型ソース領域8やコンタクトp型層9の表面はソース電極14に含まれる電極材料と反応してシリサイド層とされており、n型ソース領域8やコンタクトp型層9とソース電極14とがオーミック接触させられている。
さらに、p型ベース領域7およびn型ソース領域8を貫通してn型層6に達するように、所定幅かつ所定深さで形成されたゲートトレンチ10が形成されている。このゲートトレンチ10の側面と接するように上述したp型ベース領域7やn型ソース領域8さらにはコンタクトp型層9のうちのX方向に延設された部分が配置されている。ゲートトレンチ10は、図2のY方向を幅方向、JFET部3や第1ディープ層4の長手方向と交差する方向、ここではX方向を長手方向、Z方向を深さ方向とするライン状のレイアウトで形成されている。そして、図1、図2、図4に示したように、ゲートトレンチ10は、複数本がY方向に等間隔に配置されたストライプ状とされており、それぞれの間にp型ベース領域7およびn型ソース領域8が配置されている。
なお、ここでは図4に示すように、n型基板1の主表面に対する法線方向から見て、ゲートトレンチ10がストライプ状となるようにしているが、ゲートトレンチ10が少なくともストライプ状の部分を有した構造とされていれば良い。例えば、隣り合うライン状のゲートトレンチ10の2本を1組として、その両端同士が半円状に繋がるようにゲートトレンチ10をレイアウトしても良い。
p型ベース領域7のうちゲートトレンチ10の側面に位置する部分を、縦型MOSFETの作動時にn型ソース領域8とn型層6との間を繋ぐチャネル領域として、チャネル領域を含むゲートトレンチ10の内壁面がゲート絶縁膜11で覆われている。ゲート絶縁膜11の表面にはドープドPoly-Siにて構成されたゲート電極12が形成されており、これらゲート絶縁膜11およびゲート電極12がゲートトレンチ10内に配置されることでトレンチゲート構造が構成されている。さらに、ゲート電極12を覆うように層間絶縁膜13が形成されている。層間絶縁膜13は、ゲートトレンチ10の外側に張り出していても良いが、ここではゲートトレンチ10内に配置され、ゲートトレンチ10がゲート絶縁膜11とゲート電極12および層間絶縁膜13によって埋め尽くされている。
また、図1に示すように、n型ソース領域8の表面やゲート電極12の表面には、層間絶縁膜13を介してソース電極14や図示しないゲート配線などが形成されている。ソース電極14やゲート配線は、複数の金属、例えばNi/Al等で構成されている。そして、複数の金属のうち少なくともn型SiC、具体的にはn型ソース領域8やn型ドープの場合のゲート電極12と接触する部分はn型SiCとオーミック接触可能な金属で構成されている。また、複数の金属のうち少なくともp型SiC、具体的にはコンタクトp型層9と接触する部分はp型SiCとオーミック接触可能な金属で構成されている。なお、ソース電極14は、層間絶縁膜13上に形成されることでSiC部分と電気的に絶縁され、図4および図5に示すように層間絶縁膜13に形成されたコンタクト開口部13aを通じて、n型ソース領域8およびコンタクトp型層9と接触させられている。コンタクト開口部13aは、第1コンタクト開口部に相当し、層間絶縁膜13のうちセル領域Rcと対応する位置に形成されており、セル領域Rcの広範囲においてソース電極14がn型ソース領域8およびコンタクトp型層9と接触させられている。また、ゲート配線も、層間絶縁膜13に形成された図示しないコンタクト開口部を通じてゲート電極12の先端から引き出されたゲートライナーと接触させられている。
一方、n型基板1の裏面側にはn型基板1と電気的に接続されたドレイン電極15が形成されている。このような構造により、nチャネルタイプの反転型のトレンチゲート構造の縦型MOSFETが構成されている。このような縦型MOSFETが複数セル配置されることでセル領域Rcが構成されている。
〔外周領域Roの構成〕
外周領域Roは、図3および図4に示すようにセル領域Rcを囲むように構成されており、繋ぎ領域Raと耐圧保持領域Rbとを有している。繋ぎ領域Raは、セル領域Rcから耐圧保持領域Rbに至る迄の間の領域である。
図5に示すように、繋ぎ領域Raも、n型基板1の主表面上n型層2、JFET部3および第1ディープ層4を備える飽和電流抑制層、n型層6、p型ベース領域7が形成されており、部分的に第2ディープ層5およびコンタクトp型層9が形成されている。第2ディープ層5は、セル領域Rcを囲むように、角部が丸められた長方形状とされており、図5に示すように、第2ディープ層5が形成された位置と重なるようにコンタクトp型層9も形成されている。
また、繋ぎ領域Raにおいても、p型ベース領域7などの上に層間絶縁膜13が形成されており、さらに層間絶縁膜13の上にソース電位とされる外周ソース配線20が形成されている。例えば、外周ソース配線20は、チップ面内の所定の位置でソース電極14と接続されることでソース電位とされる。以下、第2ディープ層5のうち繋ぎ領域Raに形成された部分を外周ディープ層5aという。外周ディープ層5aは、セル領域Rcに形成される第2ディープ層5と同時に形成されるものであり、同じ不純物濃度とされている。また、コンタクトp型層9のうち繋ぎ領域Raに形成された部分を外周コンタクト部9aという。外周コンタクト部9aも、セル領域Rcに形成されるコンタクトp型層9と同時に形成されるものであり、同じ不純物濃度とされている。
層間絶縁膜13には、セル領域Rcと対応する位置に形成されたコンタクト開口部13aの外側において、コンタクト開口部13aを囲むようにコンタクト開口部13bが形成されている。換言すれば、繋ぎ領域Raのうちのセル領域Rcと耐圧保持領域Rbとの中間位置にコンタクト開口部13bが形成されている。コンタクト開口部13bは、第2コンタクト開口部に相当し、角部が丸められた長方形状とされている。このコンタクト開口部13bを通じて、繋ぎ領域Raにおいて外周コンタクト部9aと外周ソース配線20とが電気的に接続されている。なお、図5などでは示していないが、ソース電極14と外周ソース配線20との間にゲートランナーが配置されていても良い。また、層間絶縁膜13の下にゲート絶縁膜11や図示しないフィールド酸化膜が配置されていても良く、その場合、例えば、ゲートランナーをゲート絶縁膜11およびフィールド酸化膜の上で、かつ層間絶縁膜13の下に配置される構造とすることができる。
ここで、外周ディープ層5aと外周コンタクト部9aおよび外周ソース配線20は、繋ぎ領域Raに発生したホールを抜けやすくするために備えられている。上記したように、外周ディープ層5aおよび外周ソース配線20は、角部が丸められた長方形状とされている。セル領域Rcが互いに直交する辺H1、H2にて構成される長方形状であるとすると、外周ディープ層5aおよび外周ソース配線20が構成する長方形状の直交する各辺L1、L2は、辺H1、H2と対向するレイアウトとされている。辺H1と辺L1は、X方向、つまりトレンチゲート構造の長手方向に沿う辺とされ、辺H2と辺L2は、Y方向、つまりトレンチゲート構造の長手方向に直交する辺とされている。なお、ここでいう辺L1と辺L2がそれぞれ第1辺、第2辺に相当する。
そして、図5に示すように、外周ディープ層5aと外周コンタクト部9aおよび外周ソース配線20は重なるようにレイアウトされている。つまり、外周ソース配線20の直下に外周ディープ層5aおよび外周コンタクト部9aを配置している。本実施形態では、外周ソース配線20の直下、より詳しくは外周ソース配線20のうちコンタクト開口部13b内に配置されるSiCとの接触面の直下にのみ外周ディープ層5aを形成している。ただし、これは一例を示したのであり、外周ソース配線20のうちSiCとの接触面の直下に加えて、それより内周となるセル領域Rc側や外周となる耐圧保持領域Rb側に外周ディープ層5aがはみ出して形成されていても良い。また、外周コンタクト部9aについても、外周ソース配線20の直下にのみ形成されていても良い。
各外周ディープ層5aの寸法については任意であるが、ここでは幅、つまり短手方向の寸法については、第2ディープ層5のうちセル領域Rc内に配置される部分と同じ幅にしており、例えば1~2μmとしている。また、外周コンタクト部9aを外周ソース配線20の直下にのみ形成する形態とする場合、外周コンタクト部9aの幅、つまり短手方向の寸法について、コンタクトp型層9のうちセル領域Rc内に配置される部分と同じ幅とし、例えば1~2μmとしている。
外周ディープ層5aを含め第2ディープ層5は、例えばn型層6に対してp型不純物をイオン注入することによって形成される。また、外周コンタクト部9aを含めコンタクトp型層9は、例えばp型ベース領域7もしくはn型ソース領域8に対してp型不純物をイオン注入することによって形成される。このとき、イオン注入用のマスクとして使う酸化膜の開口部が大面積の領域は、小面積の領域に比べて、エッチングガスが多く供給される。このため、マスクのパターニング時に下地層となるSiCがエッチングされ過ぎることがある。しかしながら、外周ディープ層5aや外周コンタクト部9aをライン状に形成すれば、個々の外周ディープ層5aや外周コンタクト部9aが大面積にならないようにできるため、下地層がエッチングされ過ぎないようにできる。
このようなエッチング抑制効果については、少なくとも外周ディープ層5aや外周コンタクト部9aの幅が10μm以下であれば得ることができ、幅が狭いほど効果が高く、特に2μm以下になると高い効果を得ることができる。ただし、外周ディープ層5aや外周コンタクト部9aについては、繋ぎ領域Raのうちの外周側で発生したホールを抜けやすくするためのものであるため、内部抵抗が小さいことが望まれる。これを考慮して、外周ディープ層5aの幅を1μm以上としているが、この幅については外周ディープ層5aの不純物濃度などにも依存するため、1μm未満とされていても構わない。
さらに、外周領域Roのうちの繋ぎ領域Raよりも外側には、耐圧保持領域Rbが形成されている。耐圧保持領域Rbには、図示しないp型ガードリングやEQR(Equivalent Potential Ring)等の外周耐圧構造が構成されており、電界集中を抑制してSiC半導体装置の耐圧を保持することが可能となる。
なお、本実施形態では、図3に示すように、SiC半導体装置を構成する半導体チップ100中における繋ぎ領域Raの一部に、信号端子となるパッド30を配置した構造としている。このパッド30は、繋ぎ領域Raにおいて、層間絶縁膜13の上に形成され、縦型MOSFETの所望の電極などと接続されている。このような構造において、外周ディープ層5aや外周ソース配線20をセル領域Rcに加えてパッド30を囲むように形成してある。
以上のようにして、本実施形態にかかる縦型MOSFETを備えたSiC半導体装置が構成されている。
このように構成される縦型MOSFETを有するSiC半導体装置は、例えば、ソース電圧Vsを0V、ドレイン電圧Vdを1~1.5Vとした状態で、ゲート電極12に対して20Vのゲート電圧Vgを印加することで動作させられる。すなわち、ゲート電圧Vgが印加されることにより、縦型MOSFETは、ゲートトレンチ10に接する部分のp型ベース領域7にチャネル領域が形成され、ドレイン-ソース間に電流が流れるという動作を行う。
このとき、JFET部3および第1ディープ層4が飽和電流抑制層として機能し、飽和電流抑制効果を発揮することで低オン抵抗を図りつつ、低飽和電流を維持することが可能となっている。具体的には、JFET部3のうちストライプ状とされた部分と第1ディープ層4とが交互に繰り返し形成された構造とされていることから、次に示すような作動を行う。
まず、ドレイン電圧Vdが例えば1~1.5Vのように通常作動時に印加される電圧である場合には、第1ディープ層4側からJFET部3へ伸びる空乏層は、JFET部3のうちストライプ状とされた部分の幅よりも小さい幅しか伸びない。このため、JFET部3内へ空乏層が伸びても電流経路が確保される。また、JFET部3のn型不純物濃度をn型層2よりも高くすれば、電流経路を低抵抗に構成できるため、低オン抵抗を図ることも可能となる。
また、負荷短絡などによってドレイン電圧Vdが通常作動時の電圧よりも高くなると、第1ディープ層4側からJFET部3へ伸びる空乏層がJFET部3のうちストライプ状とされた部分の幅よりも伸びる。そして、n型層6よりも先にJFET部3が即座にピンチオフされる。これにより、低飽和電流を維持することができ、負荷短絡等によるSiC半導体装置の耐量を向上することが可能となる。
このように、JFET部3および第1ディープ層4が飽和電流抑制層として機能し、飽和電流抑制効果を発揮することで、低オン抵抗と低飽和電流を両立することができるSiC半導体装置とすることが可能となる。
さらに、JFET部3を挟み込むように第1ディープ層4を備えることで、JFET部3のうちストライプ状とされた部分と第1ディープ層4とが交互に繰り返し形成された構造とされている。このため、ドレイン電圧Vdが高電圧になったとしても、下方からn型層2に伸びてくる空乏層の伸びが第1ディープ層4によって抑えられ、トレンチゲート構造に延伸することを防ぐことができる。したがって、ゲート絶縁膜11に掛かる電界を低下させる電界抑制効果を発揮させられ、ゲート絶縁膜11が破壊されることを抑制できるため、高耐圧で信頼性の高い素子とすることが可能となる。そして、このようにトレンチゲート構造への空乏層の延伸を防げるため、n型層2やJFET部3のn型不純物濃度を比較的濃くすることができ、低オン抵抗化を図ることが可能となる。
よって、低オン抵抗かつ高信頼性の縦型MOSFETを有するSiC半導体装置とすることが可能となる。
一方、本実施形態のSiC半導体装置は、ゲート電圧Vgを印加していないときには、チャネル領域が形成されていないため、ドレイン-ソース間に電流が流れないノーマリオフ型の半導体素子となる。また、JFET部3については、ゲート電圧Vgを印加していないときでもドレイン電圧Vdが通常作動時の電圧よりも高くならないとピンチオフしないため、ノーマリオン型となる。
このように、本実施形態では、負荷短絡等によるSiC半導体装置の耐量の向上を図ることも可能となっているが、ドレイン電極15側が高電圧になったときにPN接合部でアバランシェブレークダウンが発生することを想定し、アバランシェテストを行っている。つまり、SiC半導体装置のアバランシェ耐量について調べる試験を行っている。
まず、本発明者らは、図6に示すように、本実施形態のような外周ディープ層5aをセル領域Rcに備えられる第2ディープ層5と同じレイアウトのまま、直線状に等間隔に複数本並べて配置する構造について、アバランシェテストを行った。しかしながら、このような構造では、所望のアバランシェ耐量を得ることができないことが確認された。
図6および図7に示すように、外周ソース配線20から外周ディープ層5aが離れた位置に形成されている。このため、アバランシェ時に発生したホールが外周ディープ層5aからp型ベース領域7を通ったのちに外周ソース配線20に抜けることになるが、p型ベース領域7を長い距離通ってホールが抜けることになる。このため、所望のアバランシェ耐量が得られなくなるのである。つまり、比較的低不純物濃度とされたp型ベース領域7を長い距離通ってホールが抜けることは、高抵抗な領域を長い距離通ってホールが抜けることを意味している。このため、アバランシェ耐量を低下させてしまう。アバランシェ耐量を低下させないためには、p型ベース領域7などの比較的低濃度で高抵抗の領域にアバランシェ電流を流さないことが重要である。そのためには、セル領域Rcの外周に位置する外周領域Roにおいて、アバランシェ時の電流があまりp型ベース領域7を長い距離通ることなく外周ソース配線20から抜けるようにすることが望ましい。
これに対して、図3~図5に示すように、本実施形態では、外周ソース配線20の直下に外周ディープ層5aを形成している。より詳しくは、略長方形状とされた外周ソース配線20に合わせて、外周ソース配線20に重なるように略長方形状に外周ディープ層5aをレイアウトしている。このため、図5中に矢印で示すように、繋ぎ領域Raのうちの外周側で発生したホールが外周ソース配線20の直下の外周ディープ層5aを通って外周ソース配線20に抜けるようにできる。つまり、ほぼp型ベース領域7を通ることなく外周ソース配線20に直接流れ込むようにできる。したがって、アバランシェ耐量の低下を抑制することが可能となる。さらに、本実施形態では、外周ソース配線20の直下に外周コンタクト部9aも形成している。このため、更にp型ベース領域7を通ることなく外周ソース配線20に電流が流れ込むようにでき、よりアバランシェ耐量の低下を抑制できる。
続いて、本実施形態に係るSiC半導体装置の製造方法について図8A~図8Gおよび図9A~図9Gを参照して説明する。
〔図8A、図9Aに示す工程〕
まず、半導体基板として、例えばSiCで構成されるn型基板1を用意する。そして、図示しないCVD(chemical vapor deposition)装置を用いたエピタキシャル成長により、n型基板1の主表面上にSiCからなるn型層2を形成する。このとき、n型基板1の主表面上に予めn型層2を成長させてある所謂エピ基板を用いても良い。さらに、n型層2の上にSiCからなるJFET部3をエピタキシャル成長させる。
〔図8B、図9Bに示す工程〕
JFET部3の所定領域に第1ディープ層4を形成する。例えば、JFET部3の表面に、酸化膜などで構成されるマスク17を配置したのち、マスク17をパターニングして第1ディープ層4の形成予定領域を開口させる。そして、p型不純物をイオン注入することで、第1ディープ層4を形成する。その後、マスク17を除去する。
なお、ここでは、第1ディープ層4をイオン注入によって形成しているが、イオン注入以外の方法によって第1ディープ層4を形成しても良い。例えば、JFET部3を選択的に異方性エッチングして第1ディープ層4と対応する位置に凹部を形成し、この上にp型不純物層をエピタキシャル成長させたのち、JFET部3の上に位置する部分においてp型不純物層を平坦化して第1ディープ層4を形成する。このように、第1ディープ層4をエピタキシャル成長によって形成することもできる。
〔図8C、図9Cに示す工程〕
引き続き、図示しないCVD装置を用いて、JFET部3および第1ディープ層4の上にn型SiCをエピタキシャル成長させることで、n型層6を形成する。
〔図8D、図9Dに示す工程〕
n型層6の上にp型ベース領域7をエピタキシャル成長させる。そして、p型ベース領域7の上に、第2ディープ層5と対応する位置を開口させた酸化膜などで構成されるマスク18を形成する。そして、そのマスク18を用いてp型不純物をイオン注入することで、第2ディープ層5を形成する。このとき、外周領域Roにおける繋ぎ領域Raに、外周ディープ層5aも同時に形成している。このため、外周ディープ層5aはセル領域Rc内の第2ディープ層5とp型不純物濃度が同じになる。この後、マスク18を除去する。
〔図8E、図9Eに示す工程〕
p型ベース領域7の上にn型ソース領域8を形成する。n型ソース領域8については、エピタキシャル成長によって形成しても良いし、イオン注入によって形成しても良い。
〔図8F、図9Fに示す工程〕
p型ベース領域7やn型ソース領域8の上にコンタクトp型層9と対応する位置を開口させた図示しないマスクを形成する。そして、そのマスクを用いてp型不純物をイオン注入することで外周コンタクト部9aを含むコンタクトp型層9を形成する。この後、マスクを除去する。
〔図8G、図9Gに示す工程〕
型ソース領域8などの上に図示しないマスクを形成したのち、マスクのうちのゲートトレンチ10の形成予定領域を開口させる。そして、マスクを用いてRIE等の異方性エッチングを行うことで、ゲートトレンチ10を形成する。
その後、マスクを除去してから例えば酸化膜をデポジションすること、もしくは熱酸化を行うことによってゲート絶縁膜11を形成し、ゲート絶縁膜11によってゲートトレンチ10の内壁面上およびn型ソース領域8の表面上を覆う。そして、p型不純物もしくはn型不純物がドープされたPoly-Siをデポジションした後、これをエッチバックし、ゲートトレンチ10内にPoly-Siを残すことでゲート電極12を形成する。これにより、トレンチゲート構造が完成する。
さらに、ゲート電極12およびゲート絶縁膜11の表面を覆うように、例えば酸化膜などによって構成される層間絶縁膜13を形成する。そして、図示しないマスクを用いてn型ソース領域8およびコンタクトp型層9が露出するまで層間絶縁膜13をエッチングし、コンタクト開口部13aを形成すると共にゲートトレンチ10内に層間絶縁膜13を残す。また、このときに、図示しないマスクを用いて層間絶縁膜13のうち外周コンタクト部9aと対応する位置もエッチングすることで、角部が丸められた長方形枠状にコンタクト開口部13bを形成する。
この後の工程については図示しないが、以下のような工程を行う。すなわち、層間絶縁膜13の表面上に例えば複数の金属の積層構造により構成される電極材料を形成したのち、電極材料をパターニングすることでソース電極14に加えて外周ソース配線20や図示しないゲート配線を形成する。さらに、n型基板1の裏面側にドレイン電極15を形成する。このようにして、本実施形態にかかるSiC半導体装置が完成する。
以上説明したように、本実施形態のSiC半導体装置では、繋ぎ領域Raにおいて、外周ソース配線20の直下に外周ディープ層5aおよび外周コンタクト部9aを備えるようにしている。このため、繋ぎ領域Raのうちの外周側で発生したホールが外周ディープ層5aおよび外周コンタクト部9aを通って外周ソース配線20に抜けるようにできる。つまり、ほぼp型ベース領域7を通ることなく外周ソース配線20に直接流れ込むようにできる。したがって、アバランシェ耐量の低下を抑制することが可能なSiC半導体装置にできる。
また、本実施形態のSiC半導体装置では、次のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、外周ディープ層5aおよび外周コンタクト部9aを外周ソース配線20に合わせて略長方形状とし、セル領域Rcを囲むように配置している。このため、繋ぎ領域Raの外周側で発生したホールが抜ける経路をより広範囲に構成することが可能となる。したがって、よりホールが外周ソース配線20に抜けやすくなるようにでき、さらにアバランシェ耐量の低下を抑制することが可能となる。
(2)また、本実施形態では、外周ディープ層5aや外周コンタクト部9aをライン状のもので構成している。このため、外周ディープ層5aや外周コンタクト部9aが大面積とならないようにできる。このため、外周ディープ層5aを含む第2ディープ層5をイオン注入で形成する際に、イオン注入用のマスク18に開口部を形成する際のエッチングによって、外周ディープ層5aの形成予定領域の下地層となるSiCがエッチングされ過ぎないようにできる。また、外周コンタクト部9aを含むコンタクトp型層9をイオン注入によって形成する際にも、同様の効果が得られる。
(3)各外周ディープ層5aの幅を第2ディープ層5のうちセル領域Rc内に配置される部分と同じ幅としている。このため、外周ディープ層5aを含む第2ディープ層5をイオン注入で形成する際に、イオン注入用のマスク18の開口部の幅をセル領域Rcと外周領域Roとで合わせることが可能となる。これにより、マスク18に開口部を形成する際のエッチングレートをセル領域Rcと外周領域Roとで合わせることができ、下地層となるSiCがエッチングされ過ぎる箇所が発生しないようにできる。また、外周コンタクト部9aの幅もコンタクトp型層9のうちセル領域Rc内に配置される部分と同じ幅にしているため、同様の効果が得られる。
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して外周ディープ層5aのレイアウトを変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図10に示すように、本実施形態では、繋ぎ領域Raのうちの半導体チップ100の上下、つまりセル領域Rcを挟んだY方向の両側の位置では、外周ソース配線20と重なるように、外周ディープ層5aをX方向に沿う直線状で構成している。また、繋ぎ領域Raのうち半導体チップ100の左右部分、つまりセル領域Rcを挟んでX方向の両側では、セル領域Rc内に形成された第2ディープ層5から延長されるようにして外周ディープ層5aを構成している。そして、外周ディープ層5aが外周ソース配線20と交差するようにしている。つまり、外周ディープ層5aをストライプ状に配置しつつ、外周ソース配線20と外周ディープ層5aとが半導体チップ100の上下部分では線状に重なり、半導体チップ100の左右部分では点状に重なるようにしている。
このように、外周ディープ層5aのレイアウトを変更しても、外周ソース配線20の直下に外周ディープ層5aを備えることで、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第2実施形態の変形例)
上記第2実施形態では、半導体チップ100の左右両側では、セル領域Rc内に形成された第2ディープ層5から延長されるようにして外周ディープ層5aを構成した。これに対して、図11に示すように、外周ディープ層5aを第2ディープ層5の延長線と外周ソース配線20とが交差する場所にのみ点在して配置するようにしても良い。また、外周ディープ層5aを必ずしも第2ディープ層5の延長線上に配置していなくても、単に外周ソース配線20と重なるように点在させていても良い。勿論、外周ディープ層5aを第2ディープ層5の長手方向に延ばして、外周ソース配線20の外側にはみ出すように延設しても良い。
(他の実施形態)
本開示は、上記した実施形態に準拠して記述されたが、当該実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
(1)例えば、上記各実施形態では、外周ディープ層5aのレイアウトを示したが、これらは一例を示したに過ぎない。例えば、第1、第2実施形態およびその変形例では、外周ソース配線20のうちX方向に沿う直線状部分の直下に直線状に外周ディープ層5aを備えたが、直線状とせずに破線状としても良い。
また、外周ディープ層5aを第1、第2実施形態およびその変形例で示したレイアウトや上記したような破線状のレイアウトとしつつ、繋ぎ領域Raの他の部位にも備えるようにしても良い。例えば、半導体チップ100の上下両側において、外周ソース配線20に重なる直線状部分に加えて、外周ソース配線20に対して交差するように外周ディープ層5aをレイアウトしても良い。その場合、繋ぎ領域Raで発生していたホールが外周ディープ層5aのうち外周ソース配線20に対して交差する部分を通ったのち直線状部分に至り、外周ソース配線20に抜けるようになるため、よりホールが抜けやすくなる。これにより、さらにアバランシェ耐量の低下を抑制することが可能となる。
なお、上記各実施形態は、外周ディープ層5aに加えて外周コンタクト部9aを形成したが、外周ディープ層5aを半導体表面まで形成する場合、外周コンタクト部9aを備えずに、外周ディープ層5aが外周ソース配線20に直接接触する構造であっても良い。つまり、外周ディープ層5aについては、外周コンタクト部9aを通じて外周ソース配線20と接続する構成とされていても良いし、外周コンタクト部9aを備えることなく外周ソース配線20に直接接続する構成とされていても良い。
また、外周ディープ層5aを含めて、第2ディープ層5をp型ベース領域7の表面からn型層6より深く第1ディープ層4に至るように形成しているが、少なくとも第2層に相当するn型層6の表面から形成されていれば良い。外周ディープ層5aをn型層6の表面から形成する場合についても、外周コンタクト部9aを備える構成、備えない構成、いずれでも構わないが、備えない構造とされる場合、p型ベース領域7が外周ソース配線20と直接接触する構造とすれば良い。また、外周コンタクト部9aを備える構造の場合、外周コンタクト部9aがp型ベース領域7の厚み分形成されていて、外周コンタクト部9aと外周ディープ層5aとが接触する構造であると好ましい。勿論、p型ベース領域7を挟んで外周ディープ層5aと外周コンタクト部9aとが離れていても良い。ホールが外周ソース配線20に抜けるまでに、p型ベース領域7を通る構造になる場合もあるが、短い距離であるため、アバランシェ耐量の低下は限定的にできる。
なお、第2実施形態やその変形例についても、外周コンタクト部9aを備える構造としても備えない構造としても良いが、備える構造とする場合には、外周ディープ層5aと同じレイアウトにすると好ましい。それにより、上記したように、外周コンタクト部9aをイオン注入する際のマスクのパターニング時に下地層となるSiCがエッチングされ過ぎることを抑制するという効果も得られる。
(2)セル領域Rcが構成する外形形状が長方形となる場合を例に挙げたが、他の形状であっても良い。その場合でも、セル領域Rcが構成する外形形状の各辺に沿うように外周ソース配線20を形成することになる。
このため、第1実施形態のような形態とする場合、外周ソース配線20のレイアウトに沿って、ライン状に外周ディープ層5aを形成すれば良い。この場合も、外周コンタクト部9aも外周ソース配線20に沿ってライン状にすることもできる。
また、第2実施形態やその変型例のような形態とする場合、外周ソース配線20のうちセル領域Rc内の第2ディープ層5およびコンタクトp型層9に沿う辺については、外周ディープ層5aおよび外周コンタクト部9aを直線状に重ねて配置する。そして、外周ソース配線20のうちセル領域Rc内の第2ディープ層5およびコンタクトp型層9の延長線と交差する部分については、外周ディープ層5aおよび外周コンタクト部9aが点在して配置されるようにする。つまり、第2実施形態のように、外周ディープ層5aおよび外周コンタクト部9aをライン状とし、外周ソース配線20と交差する部分において点在する状態とされていても良い。また、第2実施形態の変形例のように、外周ディープ層5aおよび外周コンタクト部9aを外周ソース配線20の直下にのみ点在して配置させるようにしても良い。
(3)また、上記実施形態では、図3に示すように、半導体チップ100における繋ぎ領域Raに備えたパッド30とセル領域Rcを囲むように外周ディープ層5aおよび外周ソース配線20を備えるようにしたが、他のレイアウトとされても良い。例えば、図12に示すようにセル領域Rcとパッド30との間を通るように外周ディープ層5aおよび外周ソース配線20が配置される構造であっても良い。
(4)また、上記各実施形態では、半導体材料としてSiCを用いる場合を例に挙げて説明したが、Siや他の化合物半導体を半導体材料として用いる半導体装置に対しても本発明を適用できる。
(5)さらに、上記実施形態では、半導体層としてn型基板1を用意し、このn型基板1の上に第1導電型の第1層に相当するn型層2をエピタキシャル成長させる構造を例に挙げた。しかしながら、これも一例を示したのであり、n型層2を構成する半導体基板を用いて、その裏面側にイオン注入を行うことでn型層2よりも高不純物濃度とされる半導体層を形成するようにしても良い。
(6)上記各実施形態では、縦型のパワー素子としてnチャネルタイプの反転型のトレンチゲート構造のMOSFETを例に挙げて説明した。しかしながら、上記各実施形態は縦型の半導体素子の一例を示したに過ぎない。例えば、上記第1実施形態等では、第1導電型をn型、第2導電型をp型としたnチャネルタイプのMOSFETを例に挙げて説明したが、各構成要素の導電型を反転させたpチャネルタイプのMOSFETとしても良い。また、上記説明では、半導体素子としてMOSFETを例に挙げて説明したが、同様の構造のIGBTに対しても本発明を適用することができる。IGBTは、上記各実施形態に対してn型基板1の導電型をn型からp型に変更するだけであり、その他の構造や製造方法に関しては上記各実施形態と同様である。
1…n型基板、3…JFET部、4…第1ディープ層、5…第2ディープ層、
5a…外周ディープ層、7…p型ベース領域、8…n型ソース領域、
9…コンタクトp型層、9a…外周コンタクト部、10…ゲートトレンチ、
11…ゲート絶縁膜、12…ゲート電極、13…層間絶縁膜、
13a、13b…コンタクト開口部、14…ソース電極、15…ドレイン電極、
Rc…セル領域、Ro…外周領域、Ra…繋ぎ領域、Rb…耐圧保持領域

Claims (6)

  1. 半導体装置であって、
    第1または第2導電型の半導体層(1)と、
    前記半導体層の上に形成され、前記半導体層よりも低不純物濃度とされた第1導電型の第1層(2)とを備え、
    セル領域(Rc)と、前記セル領域の外周を囲む外周耐圧構造が備えられた耐圧保持領域(Rb)および該耐圧保持領域と前記セル領域との間に位置する繋ぎ領域(Ra)を含む外周領域(Ro)を有しており、
    前記セル領域には、
    前記第1層の上に形成され、一方向を長手方向として複数本がストライプ状に並べられた第2導電型の第1ディープ層(4)、および、前記一方向を長手方向として前記第1ディープ層と交互に複数本がストライプ状に並べられた部分を有する第1導電型のJFET部(3)を含む飽和電流抑制層(3、4)と、
    前記飽和電流抑制層の上に形成された第1導電型の第2層(6)と、
    少なくとも前記第2層の表面から前記第1ディープ層に至るように形成された第2導電型の第2ディープ層(5)と、
    前記第2層の上に形成された第2導電型のベース領域(7)と、
    前記ベース領域の上に形成され、前記第1層よりも第1導電型不純物濃度が高くされた第1導電型のソース領域(8)と、
    前記ベース領域の上において前記ソース領域と異なる位置に形成され、前記ベース領域よりも第2導電型不純物濃度が高くされたコンタクト領域(9)と、
    前記ソース領域および前記ベース領域を貫通するゲートトレンチ(10)内に、該ゲートトレンチの内壁面を覆うゲート絶縁膜(11)と該ゲート絶縁膜の上に配置されたゲート電極(12)とを備えて構成され、前記一方向と交差する方向を長手方向として複数本がストライプ状に並べられたトレンチゲート構造と、
    前記ゲート電極を覆うと共に前記ソース領域および前記コンタクト領域を露出させる第1コンタクト開口部(13a)が形成された層間絶縁膜(13)と、
    前記第1コンタクト開口部を通じて、前記ソース領域に電気的に接続されたソース電極(14)と、
    前記半導体層の裏面側に形成されたドレイン電極(15)と、を含み、
    前記繋ぎ領域には、
    前記第1ディープ層と前記JFET部を含む前記飽和電流抑制層と、前記第2層と、前記ベース領域と、前記層間絶縁膜が備えられ、
    前記層間絶縁膜に前記セル領域を囲む第2コンタクト開口部(13b)が形成されており、
    少なくとも前記第2層の表面から前記第1ディープ層に至るように形成され、前記第2ディープ層と同じ第2導電型不純物濃度で形成された外周ディープ層(5a)と、
    前記層間絶縁膜の上に形成され、前記セル領域を囲むように配置されると共に前記トレンチゲート構造の長手方向に沿う直線状部分を有し、前記第2コンタクト開口部を通じて前記外周ディープ層に接続される外周ソース配線(20)と、を含み、
    前記外周ディープ層は、前記外周ソース配線の直下に配置され、かつ、前記外周ソース配線のうち前記直線状部分に沿って延設されている、半導体装置。
  2. 前記半導体層の表面に対する法線方向において前記外周ソース配線および前記外周ディープ層と重なる位置であって、少なくとも前記ベース領域の上に前記コンタクト領域と同じ第2導電型不純物濃度で形成された外周コンタクト部(9a)が形成されている、請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記外周ディープ層と外周コンタクト部とが繋がって形成されている、請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記外周ディープ層のうち前記外周ソース配線の前記直線状部分に沿って延設された部分は直線状とされている、請求項1または2に記載の半導体装置。
  5. 前記セル領域が構成する外形形状は長方形であり、
    前記外周ソース配線は、前記セル領域が構成する前記長方形のうち前記トレンチゲート構造の長手方向に沿う辺(H1)と該辺に直交する辺(H2)のそれぞれに対向する第1辺(L1)と第2辺(L2)を有し、
    前記第1辺の直下においては、該第1辺に沿って前記外周ディープ層が直線状に形成されており、
    前記第2辺の直下においては、前記外周ディープ層が点在して形成されている、請求項1または2に記載の半導体装置。
  6. 前記セル領域を挟んで前記トレンチゲート構造の長手方向の両側では、
    前記セル領域内に形成された前記トレンチゲート構造の長手方向に沿う直線状に前記外周ディープ層が形成されることで、該外周ディープ層が前記外周ソース配線と交差して配置されている、請求項5に記載の半導体装置。
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