JP2022183921A - 発電装置および発電方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、発電装置および発電方法に関する。
従来から発電方法として、水の流れる力を利用して水車を回し、この水車に連結された発電機を作動させて発電する水力発電、燃料を燃やす際に発生する蒸気でタービンを回し、このタービンに連結された発電機を作動させて発電する火力発電、核分裂の際に放出される熱を利用して水を蒸気に変え、この蒸気によってタービンを回し、このタービンに連結された発電機を作動させて発電する原子力発電、風のエネルギーで風車を回し、この風車に連結された発電機を作動させて発電する風力発電、太陽光を受けて電気エネルギーを発生させる太陽電池を用いて発電する太陽光発電等が知られている。
しかしながら、これら水力発電、火力発電、原子力発電、風力発電、太陽光発電は、例えば、大気汚染、地球温暖化、放射能漏れの危険等といった問題や、発電効率が高くないといった問題を抱えている。
本発明は、このような従来の発電システムとは全く異なるシステムを用い、優れた発電効率を有する発電装置および発電方法を提供することを目的とする。
前記目的は、以下(1)~(8)の本発明により達成される。
(1) 熱媒体を圧縮してガス状とする圧縮機と、
前記圧縮機で圧縮された前記熱媒体を放熱して湿ったガス状とする熱交換器と、
前記熱交換器で湿ったガス状となった前記熱冷媒が導入される発電ユニットと、
前記発電ユニットを通過した前記熱冷媒が導入され、前記熱媒体の分子を振動回転させてエネルギーを放射することにより気化させる螺旋形状管と、を有することを特徴とする発電装置。
前記圧縮機で圧縮された前記熱媒体を放熱して湿ったガス状とする熱交換器と、
前記熱交換器で湿ったガス状となった前記熱冷媒が導入される発電ユニットと、
前記発電ユニットを通過した前記熱冷媒が導入され、前記熱媒体の分子を振動回転させてエネルギーを放射することにより気化させる螺旋形状管と、を有することを特徴とする発電装置。
(2) 前記螺旋形状管を経由して前記発電ユニットと前記圧縮機とを接続する第1配管と、
前記螺旋形状管の上流側の第1上流地点で前記第1配管から分岐し、前記螺旋形状管の下流側の第1下流地点で前記第1配管と合流する第2配管と、を有する上記(1)に記載の発電装置。
前記螺旋形状管の上流側の第1上流地点で前記第1配管から分岐し、前記螺旋形状管の下流側の第1下流地点で前記第1配管と合流する第2配管と、を有する上記(1)に記載の発電装置。
(3) 前記第2配管の全長は、前記第1配管の前記第1上流地点から前記第1下流地点までの全長よりも短い上記(2)に記載の発電装置。
(4) 前記螺旋形状管の上流側の第2上流地点で前記第1配管から分岐し、前記螺旋形状管の下流側の第2下流地点で前記第1配管と合流する第3配管を有し、
前記第3配管の途中には、前記第3配管内を流れる前記熱媒体を冷却する蒸発器が配置されている上記(2)または(3)に記載の発電装置。
前記第3配管の途中には、前記第3配管内を流れる前記熱媒体を冷却する蒸発器が配置されている上記(2)または(3)に記載の発電装置。
(5) 前記第1配管の途中であって、前記第1上流地点および前記第2上流地点よりも上流側に配置され、前記発電ユニットを通過した前記熱媒体に含まれる水分を除去する水分除去部を有する上記(2)ないし(4)のいずれかに記載の発電装置。
(6) 前記発電ユニットにおいて発電の用に供されることにより減圧した前記熱媒体が前記第1配管を流れ、
前記発電ユニットにおいて発電の用に供されず、発電の用に供された前記熱媒体よりも高圧の前記熱媒体を前記発電ユニット外に逃がす第4配管を有する上記(2)ないし(5)のいずれかに記載の発電装置。
前記発電ユニットにおいて発電の用に供されず、発電の用に供された前記熱媒体よりも高圧の前記熱媒体を前記発電ユニット外に逃がす第4配管を有する上記(2)ないし(5)のいずれかに記載の発電装置。
(7) 前記第4配管は、前記螺旋形状管よりも下流側において前記第1配管と合流し、
前記第4配管の途中には、前記第4配管を流れる前記熱冷媒が導入され、前記熱媒体の分子を振動回転させてエネルギーを放射することにより気化させる螺旋状管が配置されている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の発電装置。
前記第4配管の途中には、前記第4配管を流れる前記熱冷媒が導入され、前記熱媒体の分子を振動回転させてエネルギーを放射することにより気化させる螺旋状管が配置されている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の発電装置。
(8) 熱媒体を圧縮してガス状とする圧縮機と、
前記圧縮機で圧縮された前記熱媒体を放熱して湿ったガス状とする熱交換器と、
前記熱交換器で湿ったガス状となった前記熱冷媒が導入される発電ユニットと、
前記発電ユニットを通過した前記熱冷媒が導入され、前記熱媒体の分子を振動回転させてエネルギーを放射することにより気化させる螺旋形状管と、を用い、
前記発電ユニットの上流側と下流側との前記熱媒体の圧力差を利用して前記発電ユニットを駆動させることを特徴とする発電方法。
前記圧縮機で圧縮された前記熱媒体を放熱して湿ったガス状とする熱交換器と、
前記熱交換器で湿ったガス状となった前記熱冷媒が導入される発電ユニットと、
前記発電ユニットを通過した前記熱冷媒が導入され、前記熱媒体の分子を振動回転させてエネルギーを放射することにより気化させる螺旋形状管と、を用い、
前記発電ユニットの上流側と下流側との前記熱媒体の圧力差を利用して前記発電ユニットを駆動させることを特徴とする発電方法。
本発明に係る発電装置によれば、螺旋形状管で熱媒体の分子に振動回転がかかり、運動エネルギーの放射が連続して生じるため、発電時に高効率でエネルギー消費の低減を図ることができる。そして、理論的には、発電装置の駆動により消費される電力よりも多く(数百倍)の電力を発電ユニットで発電することができる。
図1に、好適な実施形態に係る発電装置の構成を示す。同図に示す発電装置1は、コンプレッサ2(圧縮機)と、コンデンサ3(熱交換器)と、レシーバタンク4と、発電ユニット5と、螺旋形状管6と、蒸発器7と、螺旋状管8と、液冷媒貯留タンク9(水分除去部)と、これら各部を接続する配管10と、を有する。
配管10は、コンプレッサ2とコンデンサ3を接続する配管101と、レシーバタンク4を経由してコンデンサ3と発電ユニット5を接続する配管102と、発電ユニット5と液冷媒貯留タンク9を接続する配管103と、螺旋形状管6を経由して液冷媒貯留タンク9とコンプレッサ2を接続する配管104と、配管104から分岐し、蒸発器7を経由して再び配管104に合流する配管105と、配管104から分岐し、再び配管104に合流する(バイパスする)配管106と、螺旋状管8を経由して発電ユニット5と配管104とを接続する配管107と、を有する。
このような配管10では、配管103、104が第1配管10Aを構成し、配管106が第2配管10Bを構成し、配管105が第3配管10Cを構成し、配管107が第4配管10Dを構成する。
発電装置1では、熱媒体Q(冷媒)が配管10内を矢印Aの方向に循環する。発電装置1は、コンプレッサ2で熱媒体Qを圧縮して高温高圧のガス状とし、コンプレッサ2から吐出された高温高圧のガス状の熱媒体Qをコンデンサ3で放熱して常温高圧の湿ったガス状(半液半ガス状)とし、コンデンサ3で常温高圧の湿ったガス状となった熱媒体Qを発電ユニット5に導入して発電ユニット5を駆動し、発電ユニット5を通過した熱媒体Qを螺旋形状管6、蒸発器7および螺旋状管8を用いて低温低圧の湿ったガス状とした後、コンプレッサ2に導入し、コンプレッサ2で再び圧縮して高温高圧のガス状とする熱交換サイクルで作動する。なお、高温/常温/低温、高圧/低圧は、本サイクルの相対的な高低を表している。
発電装置1で用いる熱媒体Qとしては、特に限定されないが、例えば、吐出圧力が高く、吐出圧力と吸入圧力との圧力差が大きい程好ましい。
コンプレッサ2は、熱媒体Qを圧縮して高温高圧のガス状とする。コンデンサ3は、コンプレッサ2で圧縮されて高温高圧のガス状となった熱媒体Qの放熱を行い、熱媒体Qを常温高圧の湿ったガス状とする。つまり、コンデンサ3は、ガス状の熱媒体Qを完全に液化させるのではなく、その一部だけ(例えば10%~50%程度)を液化させ、液体と気体とが混在した湿ったガス状とする。コンデンサ3により常温高圧の湿ったガス状となった熱媒体Qは、レシーバタンク4を経由して発電ユニット5に導入される。レシーバタンク4を経由することにより、熱媒体Qの流量が安定する。
図2および図3に示すように、発電ユニット5は、発電機54と、発電機54を駆動する動力を発生する動力発生部50と、を有する。また、動力発生部50は、配管10の途中に配置され、内部を熱媒体Qが通過する気密な筐体51と、筐体51内に配置され、筐体51内を流れる熱媒体Qの作用によって回転する羽根車52(被回転体)と、羽根車52の回転を出力する出力軸53と、を有し、出力軸53が発電機54に接続されている。
なお、動力発生部50の構成としては、上述の構成に限定されず、発電機54を駆動させる動力を発生させることができれば、如何なる構成であってもよい。例えば、羽根車52は、軸流ファン、遠心ファン(シロッコファン、ターボファン等)、斜流ファン、横流ファン等を用いることができる。また、動力発生部50として、カーエアコン用の圧縮機(コンプレッサ)を用いることもできる。カーエアコンでは、圧縮機に設けられたプーリーをエンジンの動力によって回転させ、このプーリーの回転によって圧縮機内のピストンを駆動させて熱媒体Qを圧縮するが、これとは逆に、圧力差を利用してピストンを駆動させ、このピストンの駆動によってプーリーを回転させ、プーリーの回転によって発電機54を駆動させる構成であってもよい。
また、図示の構成では、出力軸53と発電機54とが直接接続されているが、これに限定されず、これらの間に加速器、減速機等の変速機や、動力を伝達するギア、チェーン等が介在していてもよい。
また、発電機54の構成としては、その機能を発揮することができれば、特に限定されない。例えば、一対のコイルと、これら一対のコイルの間に配置され、出力軸53に繋がった磁石と、を有し、出力軸53の回転によって磁石を一対のコイルの間で回転させる交流発電機であってもよいし、これとは逆に、一対の磁石と、これら一対の磁石の間に配置され、出力軸53に繋がったコイルと、を有し、出力軸53の回転によってコイルを一対の磁石の間で回転させる直流発電機であってもよい。また、これらとは別の如何なる構造の発電機であってもよい。
筐体51には、熱媒体Qの出口が2つ設けられている。一方の出口は、羽根車52に衝突した熱媒体Q(羽根車52を回転させる用に供された熱媒体Q)が排出される出口511であり、配管103に繋がっている。他方の出口は、羽根車52に衝突せず、羽根車52と筐体51との間に流入した熱媒体Q(羽根車52を回転させる用に供されなかった熱媒体Q)が排出される出口512であり、配管107に繋がっている。
図1に示すように、配管103は、その基端部分103aが鉛直方向下方に延び、そのまま液冷媒貯留タンク9に繋がっている。そのため、出口511から排出された湿ったガス状の熱媒体Qが基端部分103aを通過する際、熱媒体Q中の液体が落下し、液冷媒貯留タンク9に貯留される。これにより、湿り気が低下したガス状の熱媒体Qが液冷媒貯留タンク9から配管104に排出される。
液冷媒貯留タンク9に貯留された液体は、液冷媒貯留タンク9内で蒸発、ガス化し、湿り気が低下したガス状の熱媒体Qと共に配管104に排出される。このように、液冷媒貯留タンク9によって熱媒体Qの湿り気を低下させることにより、湿り気の高い熱媒体Qがコンプレッサ2に導入され、コンプレッサ2が故障するのを効果的に防止している。ただし、熱媒体Qの湿り気によっては、液冷媒貯留タンク9を省略してもよい。
液冷媒貯留タンク9から排出された湿ったガス状の熱媒体Qは、3つのルートR1、R2、R3を通ってコンプレッサ2に導入される。
1つのルートR1は、配管104だけを通ってコンプレッサ2に導入されるルートである。このルートでは、湿ったガス状の熱媒体Qは、配管104の途中に設置されている螺旋形状管6を通ってコンプレッサ2に導入される。螺旋形状管6は、並列に2本配置され、2本の螺旋形状管6の上流端側にはこれらを結合する集合管61が接続されており、下流端側にはこれらを結合する集合管62が接続されている。集合管61は、熱媒体Qを螺旋形状管6に淀みなく導入するためのバッファとして機能する。
螺旋形状管6は、配管104内の熱媒体Qを強い引き圧で引っ張ることにより、熱媒体Qを加速させる。これにより、出口511からコンプレッサ2までの熱媒体Qの流速が高まり、配管103内の熱媒体Qの圧力が下がり、発電ユニット5の上流側(配管102内)と下流側(配管103内)とで熱媒体Qの圧力差が生じる。
また、熱媒体Qが螺旋形状管6に導入されると、螺旋形状管6内で熱媒体Qの分子が振動回転し、エネルギーを放射する。この熱媒体分子の振動回転によるエネルギー放射によって熱媒体Qが減圧膨張し、その下流側に位置する集合管62内で熱媒体Qが気化し、低温低圧のガス状となる。そして、螺旋形状管6でガス状となった熱媒体Qは、後述するように、途中で配管105、106、107を通った熱媒体Qと合流した後、コンプレッサ2へ導入される。
前述のエネルギー放射の現象について、一部推測を交えて簡単に説明すると、熱媒体Qが螺旋形状管6内に導入されると、熱媒体Qの分子同士に摩擦が生じ、分子同士がぶつかったり離れたりを繰り返して分子が振動および回転する。そして、振動および回転した分子に遠心力が加わり、この遠心力が一定以上の大きさになった時点で分子からエネルギーが放射される。この現象は、螺旋状管8においても同様である。
螺旋形状管6の螺旋径は、熱媒容量等によって適宜設定することができ、例えば、15~20mm程度とすることができる。また、螺旋形状管6の全長は、熱媒容量等によって適宜設定することができ、例えば、500~1000mm程度とすることができる。ただし、螺旋形状管6のサイズは、特に限定されない。
このような螺旋形状管6は、例えば、以下のような方法により形成される。まず、銅管を準備し、この銅管にピアノ線を入れ込んで、銅管をピアノ線の外径(太さ)まで絞って直管を形成する。さらに、この直管を螺旋状に巻いて螺旋状管とすることにより、螺旋形状管6が形成される。
銅管を捩じることにより、図4に示すように、螺旋形状管6の内壁に傾斜した溝6aが形成される。このような溝6aによって熱媒体Qが振動回転し、螺旋形状管6における熱変換に特別の好適な影響を与えるものである。ただし、これは一例であり、螺旋形状管6の構成や形成方法としては、それぞれ、上述した機能を発揮することができれば特に限定されない。以上の事項は、螺旋状管8についても同様である。
図1に示すように、ルートR2は、配管104、105を通るルートである。このルートR2では、液冷媒貯留タンク9から排出された湿ったガス状の熱媒体Qは、螺旋形状管6の上流側に位置する第2上流地点P21において配管104から配管105に分岐し、配管105の途中に配置された蒸発器7を通って螺旋形状管6の下流側に位置する第2下流地点P22おいて再び配管104に合流した後、コンプレッサ2に導入される。蒸発器7では、熱媒体Qが冷却されて低温低圧の湿ったガス状となる。蒸発器7は、螺旋形状管6での熱媒体Qの冷却を補う機能を有しており、例えば、螺旋形状管6によって十分な量の熱媒体Qを冷却することができれば、蒸発器7を配管105ごと省略してもよい。
ルートR3は、配管104、106を通るルートである。このルートR3では、液冷媒貯留タンク9から排出された湿ったガス状の熱媒体Qは、螺旋形状管6の上流側に位置する第1上流地点P11において配管104から配管106に分岐し、螺旋形状管6の下流側に位置する第1下流地点P12において再び配管104に合流した後、コンプレッサ2に導入される。このルートR3は、他のルートR1、R2よりも全長(液冷媒貯留タンク9からコンプレッサ2までの道のり)が短く、液冷媒貯留タンク9から排出された熱媒体Qをより早く、コンプレッサ2に戻すことができる。
以上、3つのルートR1、R2、R3について説明したが、これらが分岐後、再合流することによって、ルートR1を通った低温低圧のガス状の熱媒体Qと、ルートR2を通った低温低圧の湿ったガス状の熱媒体Qと、ルートR3を通った常温低圧の熱媒体Qと、が混じり合う。これにより、ルートR1からの低温低圧のガス状の熱媒体Qによって、ルートR2、R3を通った湿ったガス状の熱媒体Qが冷却され、低温低圧の湿ったガス状の熱媒体Qとなる。そして、この低温低圧の湿ったガス状の熱媒体Qがコンプレッサ2に導入される。なお、ルートR1では、熱媒体Qがガス化するため、混じり合った熱媒体Qの湿り気は、ルートR2、R3に分岐する前の熱媒体Qの湿り気よりも低下する(例えば、5%以下)。つまり、本実施形態では、わずかに湿ったガス状の熱媒体Qが導入されても問題なく圧縮することのできるコンプレッサ2を用いている。
ここで、一旦、発電装置1の動作について説明する。発電方法は、コンプレッサ2を駆動させ、熱媒体Qを図1中の矢印Aで示すサイクルで循環させるだけである。つまり、コンプレッサ2で熱媒体Qを圧縮して高温高圧のガス状とする。コンプレッサ2から吐出された高温高圧のガス状の熱媒体Qは、コンデンサ3に導入され、コンデンサ3で放熱して常温高圧の湿ったガス状となる。コンデンサ3で常温高圧の湿ったガス状となった熱媒体Qは、発電ユニット5の筐体51を通過する。筐体51を通過する際、湿ったガス状の熱媒体Qが羽根車52にぶつかることで羽根車52が回転し発電機54が駆動する。これにより、発電が開始される。特に、発電装置1では、前述したように、螺旋形状管6で筐体51の下流側の熱媒体Qを強く引っ張り、筐体51の上流側に対して下流側の熱媒体Qの圧力を大きく低下させているため、上流側と下流側の圧力差によって羽根車52が超高速に回転する。これにより、優れた発電効率が得られる。
ここで、湿ったガス状の熱媒体Qを用いて羽根車52を回転させることにより、100%気化したガス状の熱媒体Qを用いて羽根車52を回転させる場合と比べて、羽根車52のトルクを増大させることができる。そのため、より大きなトルクで発電機54を駆動させることができ、発電機54をより確実に、かつ、より効率的に駆動させることができる。また、100%液化した液状の熱媒体Qを用いて羽根車52を回転させる場合と比べて、配管10内を流れる熱媒体Qの速度(流速)を高めることができるため、羽根車52をより高速に回転させることができる。そのため、発電機54をより効率的に駆動させることができる。したがって、高い発電能力が得られる。
なお、筐体51を通過する熱媒体Qの湿り度合いとしては、特に限定されないが、例えば、熱媒体Qの質量の10%~50%程度が液化していることが好ましく、20%~40%程度が液化していることがより好ましく、熱媒体Qの25%~35%程度が液化していることさらに好ましい。これにより、上述した効果がより顕著なものとなる。
また、前述したように、熱媒体Qが螺旋形状管6を通過することにより、熱媒体Qの分子が振動回転するが、この振動回転は、コンプレッサ2およびコンデンサ3を経て筐体51に到達するまで維持される。そして、分子が振動回転した状態の熱媒体Qが羽根車52にぶつかると、熱媒体Qの圧力が瞬時に熱媒体Qが元々持っている圧力まで低下する。つまり、コンプレッサ2による圧縮から解放される。そのため、筐体51内が低圧となり、羽根車52が回転し易くなる。
筐体51を通過した熱媒体Qは、液冷媒貯留タンク9で湿り気の少ないガス状となったのち、一部はルートR1を通って螺旋形状管6での速度膨張および振動回転によって低温低圧のガス状となり、一部はルートR2を通って蒸発器7での冷却によって低温低圧の湿ったガス状となり、残りの一部はルートR3を通る。そして、その後、これらルートR1、R2、R3を通った熱媒体Qが合流して混合され、低温低圧の僅かに湿ったガス状となってコンプレッサ2に戻る。そして、この僅かに湿ったガス状の熱媒体Qがコンプレッサ2で圧縮されて高温高圧のガス状となって再び吐出される。
ここで、発電ユニット5について詳細に説明すると、図3に示すように、羽根車52の両側と筐体51の間には羽根車52と筐体51の接触を防止するクリアランスC1、C2が形成されている。前述したように、筐体51に導入され、羽根車52にぶつかった熱媒体Qについては、瞬時に圧力が大きく低下するが、熱媒体Qが羽根車52にぶつかることなくクリアランスC1、C2内に侵入してしまうと、筐体51が陽圧となって羽根車52にその両側から圧力(回転を阻害する力)が加わり、羽根車52の回転が阻害される。そこで、クリアランスC1、C2に流入した熱媒体Qを筐体51の外に逃がし、筐体51内の昇圧を防止するために前述した出口512が形成されている。出口512には、配管107が繋がっており、配管107は、螺旋状管8を経由して螺旋形状管6の下流側において配管104と合流する。
螺旋状管8は、出口512から排出される常温高圧のガス状の熱媒体Qを減圧膨張させて低温低圧のガス状とする。図1に示すように、螺旋状管8は、並列に2本配置され、2本の螺旋状管8の上流端側にはこれらを結合する集合管81が接続されており、下流端側にはこれらを結合する集合管82が接続されている。集合管81は、熱媒体Qを螺旋状管8に淀みなく導入するためのバッファとして機能する。
螺旋形状管6と同様に、熱媒体Qが螺旋状管8に導入されると、螺旋状管8内で熱媒体Qの分子が振動回転し、エネルギーを放射する。この熱媒体分子の振動回転によるエネルギー放射によって熱媒体Qが減圧膨張し、その下流側に位置する集合管82内で熱媒体Qが気化し、低温低圧のガス状となる。そして、螺旋状管8で低温低圧のガス状となった熱媒体Qは、配管104内を流れる低温低圧の湿ったガス状の熱媒体Qと合流した後、コンプレッサ2に導入される。このように、筐体51から吐出された常温高圧で湿ったガス状のままの熱媒体Qを螺旋状管8で低温低圧のガス状とした後にコンプレッサ2に戻すことにより、コンプレッサ2の故障を防止することができる。なお、螺旋状管8は、熱媒体Qを完全にガス化してもよいが、配管104の配管107との合流地点を流れる熱媒体Qと同程度に湿ったガス状の熱媒体Qとすることができればよい。
螺旋状管8の内径としては、熱媒容量等によって適宜設定することができ、例えば、2~10mm程度とすることができる。また、螺旋状管8の螺旋径は、熱媒容量等によって適宜設定することができ、例えば、35~40mm程度とすることができる。また、螺旋状管8の全長は、特に限定されず、熱媒容量等によって適宜設定することができ、例えば、1500~2000mm程度とすることができる。ただし、螺旋状管8のサイズは、これに限定されない。
なお、例えば、クリアランスC1、C2が形成されない構成の発電ユニット5の場合には、配管107および螺旋状管8を省略してもよい。
本発明に係る発電装置1によれば、螺旋形状管6で熱媒体Qの分子に振動回転がかかり、運動エネルギーの放射が連続して生じるため、発電時に高効率でエネルギー消費の低減を図ることができる。理論的には、コンプレッサ圧を20~40%低減させることが可能であり、電力使用量を60~80%減とすることが可能である。このような発電装置1によれば、理論的には、発電装置1の駆動により消費される電力よりも多くの電力を発電機54で発電することができる。
以上のように、本発明に係る発電装置1は、熱媒体Qを圧縮してガス状とするコンプレッサ2と、コンプレッサ2で圧縮された熱媒体Qを放熱して湿ったガス状とするコンデンサ3と、コンデンサ3で湿ったガス状となった熱媒体Qが導入される発電ユニット5と、発電ユニット5を通過した熱媒体Qが導入され、熱媒体Qの分子を振動回転させてエネルギーを放射することにより気化させる螺旋形状管6と、を有する。そのため、発電装置1の電力使用量を大幅に削減することができる。したがって、その産業上の利用可能性は大きい。
1…発電装置、10…配管、10A…第1配管、10B…第2配管、10C…第3配管、10D…第4配管、101…配管、102…配管、103…配管、103a…基端部分、104…配管、105…配管、106…配管、107…配管、2…コンプレッサ、3…コンデンサ、4…レシーバタンク、5…発電ユニット、50…動力発生部、51…筐体、511…出口、512…出口、52…羽根車、53…出力軸、54…発電機、6…螺旋形状管、6a…溝、61…集合管、62…集合管、7…蒸発器、8…螺旋状管、81…集合管、82…集合管、9…液冷媒貯留タンク、A…矢印、C1…クリアランス、C2…クリアランス、P11…第1上流地点、P12…第1下流地点、P21…第2上流地点、P22…第2下流地点、Q…熱媒体、R1…ルート、R2…ルート、R3…ルート
Claims (8)
- 熱媒体を圧縮してガス状とする圧縮機と、
前記圧縮機で圧縮された前記熱媒体を放熱して湿ったガス状とする熱交換器と、
前記熱交換器で湿ったガス状となった前記熱冷媒が導入される発電ユニットと、
前記発電ユニットを通過した前記熱冷媒が導入され、前記熱媒体の分子を振動回転させてエネルギーを放射することにより気化させる螺旋形状管と、を有することを特徴とする発電装置。 - 前記螺旋形状管を経由して前記発電ユニットと前記圧縮機とを接続する第1配管と、
前記螺旋形状管の上流側の第1上流地点で前記第1配管から分岐し、前記螺旋形状管の下流側の第1下流地点で前記第1配管と合流する第2配管と、を有する請求項1に記載の発電装置。 - 前記第2配管の全長は、前記第1配管の前記第1上流地点から前記第1下流地点までの全長よりも短い請求項2に記載の発電装置。
- 前記螺旋形状管の上流側の第2上流地点で前記第1配管から分岐し、前記螺旋形状管の下流側の第2下流地点で前記第1配管と合流する第3配管と、
前記第3配管の途中に配置され、前記第3配管内を流れる前記熱媒体を冷却する蒸発器と、を有する請求項2または3に記載の発電装置。 - 前記第1配管の途中であって、前記第1上流地点および前記第2上流地点よりも上流側に配置され、前記発電ユニットを通過した前記熱媒体に含まれる水分を除去する水分除去部を有する請求項2ないし4のいずれか1項に記載の発電装置。
- 前記発電ユニットにおいて発電の用に供されることにより減圧した前記熱媒体が前記第1配管を流れ、
前記発電ユニットにおいて発電の用に供されず、発電の用に供された前記熱媒体よりも高圧の前記熱媒体を前記発電ユニット外に逃がす第4配管を有する請求項2ないし5のいずれか1項に記載の発電装置。 - 前記第4配管は、前記螺旋形状管よりも下流側において前記第1配管と合流し、
前記第4配管の途中には、前記第4配管を流れる前記熱冷媒が導入され、前記熱媒体の分子を振動回転させてエネルギーを放射することにより気化させる螺旋状管が配置されている請求項1ないし6のいずれか1項に記載の発電装置。 - 熱媒体を圧縮してガス状とする圧縮機と、
前記圧縮機で圧縮された前記熱媒体を放熱して湿ったガス状とする熱交換器と、
前記熱交換器で湿ったガス状となった前記熱冷媒が導入される発電ユニットと、
前記発電ユニットを通過した前記熱冷媒が導入され、前記熱媒体の分子を振動回転させてエネルギーを放射することにより気化させる螺旋形状管と、を用い、
前記発電ユニットの上流側と下流側との前記熱媒体の圧力差を利用して前記発電ユニットを駆動させることを特徴とする発電方法。
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