JP2022182724A - 有価物の選別方法 - Google Patents

有価物の選別方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2022182724A
JP2022182724A JP2021090432A JP2021090432A JP2022182724A JP 2022182724 A JP2022182724 A JP 2022182724A JP 2021090432 A JP2021090432 A JP 2021090432A JP 2021090432 A JP2021090432 A JP 2021090432A JP 2022182724 A JP2022182724 A JP 2022182724A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
classification
product
ion secondary
valuables
secondary battery
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021090432A
Other languages
English (en)
Inventor
正峻 山下
Masataka Yamashita
善弘 本間
Yoshihiro Honma
千尋 西川
Chihiro Nishikawa
佳浩 劉
jia hao Liu
奨太 田畑
Shota Tabata
暢之 劉
nobuyuki Liu
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dowa Eco Systems Co Ltd
Original Assignee
Dowa Eco Systems Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dowa Eco Systems Co Ltd filed Critical Dowa Eco Systems Co Ltd
Priority to JP2021090432A priority Critical patent/JP2022182724A/ja
Priority to CN202280036506.0A priority patent/CN117355979A/zh
Priority to EP22810896.5A priority patent/EP4350841A1/en
Priority to KR1020237040297A priority patent/KR20240014468A/ko
Priority to PCT/JP2022/008686 priority patent/WO2022249615A1/ja
Priority to TW111108205A priority patent/TW202247521A/zh
Publication of JP2022182724A publication Critical patent/JP2022182724A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/54Reclaiming serviceable parts of waste accumulators
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22BPRODUCTION AND REFINING OF METALS; PRETREATMENT OF RAW MATERIALS
    • C22B1/00Preliminary treatment of ores or scrap
    • C22B1/02Roasting processes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22BPRODUCTION AND REFINING OF METALS; PRETREATMENT OF RAW MATERIALS
    • C22B21/00Obtaining aluminium
    • C22B21/0038Obtaining aluminium by other processes
    • C22B21/0069Obtaining aluminium by other processes from scrap, skimmings or any secondary source aluminium, e.g. recovery of alloy constituents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22BPRODUCTION AND REFINING OF METALS; PRETREATMENT OF RAW MATERIALS
    • C22B23/00Obtaining nickel or cobalt
    • C22B23/04Obtaining nickel or cobalt by wet processes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22BPRODUCTION AND REFINING OF METALS; PRETREATMENT OF RAW MATERIALS
    • C22B7/00Working up raw materials other than ores, e.g. scrap, to produce non-ferrous metals and compounds thereof; Methods of a general interest or applied to the winning of more than two metals
    • C22B7/001Dry processes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22BPRODUCTION AND REFINING OF METALS; PRETREATMENT OF RAW MATERIALS
    • C22B7/00Working up raw materials other than ores, e.g. scrap, to produce non-ferrous metals and compounds thereof; Methods of a general interest or applied to the winning of more than two metals
    • C22B7/005Separation by a physical processing technique only, e.g. by mechanical breaking
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/05Accumulators with non-aqueous electrolyte
    • H01M10/052Li-accumulators
    • H01M10/0525Rocking-chair batteries, i.e. batteries with lithium insertion or intercalation in both electrodes; Lithium-ion batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/84Recycling of batteries or fuel cells

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • Geology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)

Abstract

Figure 2022182724000001
【課題】リチウムイオン二次電池から、コバルト及びニッケルと、鉄及び銅とを容易に分離でき、コバルト及びニッケルの濃度を高めた高品位の有価物を高い回収率で得ることができる有価物の選別方法を提供すること。
【解決手段】有価物を含むリチウムイオン二次電池を熱処理する熱処理工程と、前記熱処理工程で得られた熱処理物を破砕する破砕工程と、前記破砕工程で得られた破砕物を0.6mm以上2.4mm以下の分級点で粗粒産物と中間産物とに分級する第一分級工程、及び前記中間産物を40μm以上300μm以下の分級点で中粒産物と細粒産物とに分級する第二分級工程を含む分級工程と、を含む有価物の選別方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、有価物の選別方法に関する。
リチウムイオン二次電池は、従来の鉛蓄電池、ニッカド二次電池などに比較して軽量、高容量、高起電力の二次電池であり、パソコン、電気自動車、携帯機器などに使用されている。
リチウムイオン二次電池は、今後も使用の拡大が予想されていることから、製造過程で発生した不良品や使用機器及び電池の寿命などに伴い廃棄されるリチウムイオン二次電池から有価物を回収することが、資源リサイクルの観点から望まれている。リチウムイオン二次電池からコバルト、ニッケル、マンガン、アルミニウム、鉄、銅などの有価物を回収する際には、リチウムイオン二次電池に使用されている種々の金属や不純物を分離し選別して回収することが、回収物の価値を高める点から重要である。
リチウムイオン二次電池から有価物を回収する技術としては、リチウムイオン二次電池に対して、加熱、破砕、及び分級を行い、細粒産物に対して湿式磁力選別を行うことにより、コバルト、ニッケルなどを濃縮させて回収する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、加熱及び粉砕を行い、得られた粉砕物に対して磁力選別を行うことで、磁着物であるコバルト、ニッケルなどと、非磁着物である銅とを分けて回収する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、リチウムイオン二次電池に対して加熱、破砕、及び2段の分級を行い、分級で得られた中間粒度の産物を乾式磁選し、コバルト、ニッケルなどを濃縮させて回収する技術が提案されている(特許文献3参照)。
しかしながら、上述したような従来の技術においては、例えば、コバルト、ニッケル、鉄などは磁性体であり、コバルト及びニッケルを磁力で回収する場合、鉄も合わせて回収され、混在してしまうことがある。そのため、得られるリチウムイオン二次電池からコバルト及びニッケルを濃縮させた有価物中に鉄の含有量が多いという問題があった。また、非磁着物である銅やアルミニウムも、その量が多いと磁選により磁着物とともに巻き込まれて回収されるという問題もあった。また、中間粒度へのコバルト及びニッケルの回収量が低くなる問題もあった。
特許第6748274号 特許第6268130号 特許第6676124号
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、リチウムイオン二次電池から、コバルト及びニッケルと、鉄及び銅とを容易に分離でき、コバルト及びニッケルの濃度を高めた高品位の有価物を高い回収率で得ることができる有価物の選別方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 有価物を含むリチウムイオン二次電池を熱処理する熱処理工程と、
前記熱処理工程で得られた熱処理物を破砕する破砕工程と、
前記破砕工程で得られた破砕物を0.6mm以上2.4mm以下の分級点で粗粒産物と中間産物とに分級する第一分級工程、及び前記中間産物を40μm以上300μm以下の分級点で中粒産物と細粒産物とに分級する第二分級工程を含む分級工程と、
を含むことを特徴とする有価物の選別方法である。
<2> 前記第一分級工程において、前記破砕工程で得られた破砕物を1.2mmの分級点で粗粒産物と中間産物とに分級する前記<1>に記載の有価物の選別方法である。
<3> 前記熱処理工程において、前記リチウムイオン二次電池を660℃以上1,085℃以下で熱処理する前記<1>から<2>のいずれかに記載の有価物の選別方法である。
<4> 前記第二分級工程において、前記中間産物を40μm以上75μm以下の分級点で、湿式で分級する前記<1>から<3>のいずれかに記載の有価物の選別方法である。
<5> 前記リチウムイオン二次電池が、車載用、電力貯蔵システム用、及び無停電電源装置用から選択されるいずれかのリチウムイオン二次電池パックである前記<1>から<4>のいずれかに記載の有価物の選別方法である。
本発明によると、従来における諸問題を解決することができ、リチウムイオン二次電池から、コバルト及びニッケルと、鉄及び銅とを容易に分離でき、コバルト及びニッケルの濃度を高めた高品位の有価物を高い回収率で得ることができる有価物の選別方法を提供することができる。
本発明の有価物の選別方法の一例を示す図である。
(有価物の選別方法)
本発明の有価物の選別方法は、熱処理工程と、破砕工程と、分級工程とを含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
本発明の有価物の選別方法は、リチウムイオン二次電池(Lithium ion battery;LIB)から有価物を回収するための方法である。
ここで、前記有価物とは、廃棄せずに取引対象たりうるものを意味し、例えば、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)等の各種金属などが挙げられる。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、従来技術では、リチウムイオン二次電池等の対象物から、コバルト及びニッケルの濃度を高めて(濃縮して)回収する際において、各有価物の品位や回収率が十分でない場合があることを知見した。
より具体的には、例えば、近年普及が進んでいる車載用や電力貯蔵システム(ESS:Energy Storage System)/無停電電源装置(UPS:Uninterruptible Power Supply)用等の大型のLIBパックを処理する際には、特許文献1(特許第6748274号)で開示されている技術においては、LIBパック重量に占めるパックの外装部材(「パック筐体」と称することがある。主に鉄で構成される。)の占める割合が高く、これを破砕及び分級すると細粒産物にも破砕された鉄の細粒が一部回収される問題を発明者らは知見した。この鉄を含む細粒産物に対して湿式磁選を行うと、破砕物中の鉄が殆ど磁着物として回収され、このときに選別したいコバルト及びニッケルも磁性を有し、磁着物として回収されることから、コバルト及びニッケルと、鉄とを分離することができないという問題を、本発明者らは知見した。また、本発明者らは、湿式磁選の非磁着物には径の大きいシート状の銅が多く認められることも知見した。
更に、特許文献2(特許第6268130号)で開示されている技術においては、磁選工程の前に、篩別工程を設け、1.0mmの篩で銅を分離することが提案されている。しかし、前述したコバルト及びニッケルとともに磁着してしまい、磁選工程で取り除くことのできない鉄を除去する方法については全く言及されていない。
更に、特許文献3(特許第6676124号)で開示されている技術においては、車載用やESS/UPS用等の大型のLIBパックを処理する際には、LIBパックの容積が大きく熱処理(LIBの失活や電解液の燃焼除去を目的とする)の際にパック表面とパック内部のセルに含まれる正極活物質(コバルト及びニッケルを含む)の温度に差が生じ(正極活物質がパック表面よりも低温で処理される)、セル単体を熱処理する場合と比べ正極活物質中のコバルト及びニッケル酸化物の金属粒子への還元及び粒成長が十分に進行せず、特許文献3に示されるコバルト及びニッケル粒子を0.3mm以上の中間産物に回収することが困難であることを本発明者は知見した(つまり、この微細なコバルト及びニッケル粒子を回収するためには、分級点を300μm以下とした細粒産物に回収する必要がある)。
このように、従来技術においては、リチウムイオン二次電池等の対象物から、コバルト及びニッケルを濃縮して回収する際に、鉄や銅等の不純物を十分に取り除けていないという問題や、コバルト及びニッケルの回収率が低いという問題があることを、発明者らは知見した。
そこで、本発明者らは、複数種類の有価物を含むリチウムイオン二次電池から、コバルト及びニッケルと、鉄及び銅とを容易に分離でき、コバルト及びニッケルの濃度を高めた高品位の有価物を高い回収率で得ることができる有価物の選別方法について鋭意検討を重ね、本発明を見出した。
即ち、本発明者らは、有価物を含むリチウムイオン二次電池を熱処理する熱処理工程と、前記熱処理工程で得られた熱処理物を破砕する破砕工程と、前記破砕工程で得られた破砕物を0.6mm以上2.4mm以下の分級点で粗粒産物と中間産物とに分級する第一分級工程、及び前記中間産物を40μm以上300μm以下の分級点で中粒産物と細粒産物とに分級する第二分級工程を含む分級工程と、を含む有価物の選別方法が、複数種類の有価物を含むリチウムイオン二次電池から、鉄、銅などを簡易に分離し、コバルト及びニッケルを濃縮した有価物を高い回収率で得ることができることを見出した。
<熱処理工程>
前記熱処理工程は、前記有価物を含むリチウムイオン二次電池を熱処理する工程である。
前記熱処理工程では、例えば、リチウムイオン二次電池のパック筐体由来、モジュールの構成部材(「モジュール筐体」と称することがある)由来、セルのケース(「セル筐体」と称することがある)由来のアルミニウムは溶融物として分離され、電解質由来の有機分は分解される。
より具体的には、前記熱処理工程は、前記有価物を含むリチウムイオン二次電池を熱処理してアルミニウムを溶融させて溶融物を分離し、溶融物を分離した後に残った熱処理物(焙焼物)を得る工程である。ここで、前記熱処理物とは、リチウムイオン二次電池を熱処理して得られたものを意味する。
前記熱処理工程において熱処理を行う方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の焙焼炉によりリチウムイオン二次電池を加熱する方法などが挙げられる。
前記焙焼炉としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ロータリーキルン、流動床炉、トンネル炉、マッフル等のバッチ式炉、固定床炉、キュポラ、ストーカー炉などが挙げられる。
熱処理に用いる雰囲気としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、大気雰囲気、不活性雰囲気、還元性雰囲気、低酸素雰囲気などが挙げられる。
大気雰囲気(空気雰囲気)とは、酸素が約21体積%、窒素が約78体積%の大気(空気)を用いた雰囲気を意味する。
不活性雰囲気とは、窒素又は及びアルゴンからなる雰囲気を例示できる。
還元性雰囲気とは、例えば、窒素又はアルゴン等の不活性雰囲気中にCO、H、HS、SOなどを含む雰囲気を意味する。
低酸素雰囲気とは、酸素が11体積%以下である雰囲気を意味する。
リチウムイオン二次電池を熱処理(加熱)する条件(熱処理条件)としては、リチウムイオン二次電池の各構成部品を分離し、後述する破砕工程において破砕可能な状態とすることができる条件であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
ここで、前記熱処理条件としては、例えば、熱処理温度、熱処理時間などが挙げられる。
前記熱処理温度とは、熱処理時のリチウムイオン二次電池の温度のことを意味する。
前記熱処理温度としては、特に制限はなく、前記リチウムイオン二次電池の形態などに応じて、適宜選択することができるが、リチウムイオン二次電池の筐体の融点以上の温度、又はリチウムイオン二次電池の正極集電体の融点以上、負極集電体の融点以下の温度であることが好ましい。
前記熱処理温度を前記リチウムイオン二次電池の筐体の融点以上の温度にすると、リチウムイオン二次電池の筐体が金属で形成される場合、前記熱処理工程において、当該筐体を溶融させることでき、例えば、リチウムイオン二次電池の下に当該筐体の溶融金属を回収する受け皿を配置することで、筐体由来の金属とリチウムイオン二次電池の電極等を、容易に分離して回収することができる。
より具体的には、例えば、リチウムイオン二次電池の筐体がアルミニウムを含むときは、前記熱処理温度をアルミニウムの融点である660℃以上とすることが好ましい。こうすることにより、前記熱処理工程において、当該筐体に含まれるアルミニウムと、リチウムイオン二次電池における他の部分(例えば、電極など)とを、容易に選別(分離)して、筐体由来のアルミニウムを簡便に回収することができる。また、この温度では正極活物質中に酸化物として存在するコバルト及びニッケルを、負極活物質として含まれるカーボンの作用によりコバルト及びニッケルの金属粒子に還元できる。
前記熱処理温度を前記正極集電体の融点以上、負極集電体の融点以下の温度にする場合、例えば、代表的な構成である、正極集電体がアルミニウム(融点:660℃)であり、負極集電体が銅(融点:1,085℃)である場合を考慮して、660℃以上1,085℃以下であることが好ましく、660℃以上850℃以下であることがより好ましい。こうすることにより、アルミニウム箔で形成される正極集電体が溶融して脆性化し、後述する破砕工程において細粒化しやすくなり、筐体由来のアルミニウムを分離して回収できるとともに、負極集電体に含まれる銅を溶融させずに箔に近い形状のままにすることができる。また、アルミニウム以外の金属の脆化を防ぎつつ、アルミニウムを溶融して分離することができる。
前記熱処理温度を測定する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、当該熱処理温度中のリチウムイオン二次電池に、サーミスタ等の温度計を差し込むことにより測定する方法などが挙げられる。
前記熱処理時間とは、前記リチウムイオン二次電池に熱処理を行う時間のことを意味する。
前記熱処理時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1分間以上5時間以下が好ましく、1分間以上2時間以下がより好ましく、1分間以上1時間以下が特に好ましい。前記熱処理時間は、例えば、前記リチウムイオン二次電池が前記熱処理温度に到達するまでの時間であってもよく、保持時間は短くてもよい。前記熱処理時間が、1分間以上5時間以下であることにより、熱処理にかかるコストを抑制できるとともに、熱処理の効率を向上させることができる点で有利である。
<<リチウムイオン二次電池>>
前記リチウムイオン二次電池としては、少なくとも熱処理後に破砕が可能になるものであれば、特に制限はなく、公知の物の中から適宜選択することができる。
前記リチウムイオン二次電池の具体例としては、リチウムイオン二次電池の製造過程で発生した不良品のリチウムイオン二次電池、使用機器の不良や使用機器の寿命などにより廃棄されるリチウムイオン二次電池、寿命により廃棄される使用済みのリチウムイオン二次電池などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
リチウムイオン二次電池の形状、構造、大きさ、材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
リチウムイオン二次電池セルの形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラミネート型、円筒型、ボタン型、コイン型、角型、平型などが挙げられる。
また、リチウムイオン二次電池の形態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、バッテリーセル、バッテリーモジュール、バッテリーパックなどが挙げられる。
前記バッテリーセルは、単位電池である。
前記バッテリーモジュールは、前記バッテリーセルを複数個接続して一つの筐体(モジュール筐体)にまとめたものを意味する。
前記バッテリーパックは、複数のバッテリーモジュールを一つの筐体(パック筐体)にまとめたものを意味する。また、前記バッテリーパックは、制御コントローラーや冷却装置を備えたものであってもよい。
前記リチウムイオン二次電池の構造としては、例えば、正極と、負極と、セパレーターと、電解液と、外装容器と、を備えたものなどが挙げられるが、正極や負極などが脱落した状態であってもよい。
-正極-
前記正極としては、コバルト及びニッケルのいずれか一方又は双方を含む正極活物質を有していれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記正極の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、平板状、シート状などが挙げられる。
--正極集電体--
正極集電体の形状、構造、大きさ、及び材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記正極集電体の形状としては、例えば、箔状などが挙げられる。
前記正極集電体の材質としては、例えば、ステンレススチール、ニッケル、アルミニウム、銅、チタン、タンタルなどが挙げられる。これらの中でも、アルミニウムが好ましい。
正極材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、希少有価物を含有する正極活物質を少なくとも含み、必要により導電剤と、結着樹脂とを含む正極材などが挙げられる。
前記正極活物質としては、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、コバルトニッケル酸リチウム(LiCo1/2Ni1/2)、NCM系正極材(LiNiCoMn(x+y+z=1))、NCA系正極材(ニッケル、コバルト、アルミ系)、マンガン酸リチウムやこれらの正極材の混合材などが挙げられる。
前記導電剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、グラファイト、カーボンファイバー、金属炭化物などが挙げられる。
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フッ化ビニリデン、四フッ化エチレン、アクリロニトリル、エチレンオキシド等の単独重合体又は共重合体、スチレン-ブタジエンゴムなどが挙げられる。
-負極-
前記負極としては、カーボンを含む負極活物質を有していれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記負極の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、平板状、シート状などが挙げられる。
--負極集電体--
負極集電体の形状、構造、大きさ、及び材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記負極集電体の形状としては、例えば、箔状などが挙げられる。
前記負極集電体の材質としては、例えば、ステンレススチール、ニッケル、アルミニウム、銅、チタン、タンタルなどが挙げられる。これらの中でも、銅が好ましい。
負極材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グラファイト、ハードカーボン等の炭素材料、チタネイトなどが挙げられる。
-電解液-
前記電解液としては、特に制限はなく、公知の電解液の中から適宜選択することができ、例えば、電解質、有機溶剤を含有し、必要に応じて更にその他の成分を含有する。
-セル筐体-
前記セル筐体(「筐体」と称することがある)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記正極、前記負極、前記セパレーター、前記電解液などを収容し得るものであることが好ましく、例えば、電池ケースなどが挙げられる。
前記セル筐体の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウム、樹脂(プラスチック)などが挙げられる。
-モジュール筐体-
前記モジュール筐体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、複数の電池セルを収容したものが挙げられる。
前記セル筐体の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウム、樹脂(プラスチック)などが挙げられる。
-パック筐体-
前記パック筐体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、複数の電池モジュールを収容したものが挙げられる。
前記セル筐体の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、鉄、ステンレス、アルミニウム、樹脂(プラスチック)などが挙げられる。
<破砕工程>
前記破砕工程は、前記熱処理工程で得られた熱処理物を破砕する工程である。
前記破砕工程としては、前記熱処理物を破砕して、破砕物を得ることができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。ここで、前記破砕物とは、前記熱処理物を破砕したものを意味する。
前記破砕工程において、前記熱処理物を破砕する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記熱処理物を衝撃により破砕して破砕物を得る方法が好ましい。例えば、リチウムイオン二次電池の筐体を前記熱処理工程において溶融させないときは、前記熱処理物に衝撃を与える前に、切断機により熱処理物を切断する予備破砕しておくことがより好ましい。
前記熱処理物を衝撃により破砕する方法としては、例えば、回転する打撃板により熱処理物を投げつけ、衝突板に叩きつけて衝撃を与える方法や、回転する打撃子(ビーター)により熱処理物を叩く方法などが挙げられ、例えば、ハンマークラッシャーなどにより行うことができる。また、前記熱処理物を衝撃により破砕する方法としては、例えば、セラミックなどのボールにより熱処理物を叩く方法でもよく、この方法は、ボールミルなどにより行うことができる。また、前記熱処理物の衝撃による破砕は、例えば、圧縮による破砕を行う刃幅、刃渡りの短い二軸破砕機等を用いて行うこともできる。
更に、前記熱処理物を衝撃により破砕する方法としては、例えば、回転させた2本のチェーンにより、熱処理物を叩いて衝撃を与える方法も挙げられ、例えば、チェーンミルなどにより行うことができる。
前記破砕工程における破砕時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、リチウムイオン二次電池1kgあたりの破砕時間は、1秒間以上30分間以下が好ましく、2秒間以上10分間以下がより好ましく、3秒間以上5分間以下が特に好ましい。
また、前記破砕工程における破砕条件としては、例えば、チェーミルやハンマーミル等の衝撃式・打撃式破砕機で破砕する場合、チェーンやハンマーの先端速度を10m/秒間以上300m/秒間以下とし、破砕機中のリチウムイオン二次電池の滞留時間を1秒間以上10分間以下とすることが好ましい。こうすることにより、前記有価物の選別方法では、前記正極材(例えば、銅やアルミニウムなど)、前記筐体に由来する鉄などの部材を過剰に粉砕させずに破砕することができる。
<分級工程>
前記分級工程は、前記破砕工程で得られた破砕物を0.6mm以上2.4mm以下の分級点で粗粒産物と中間産物とに分級する第一分級工程、及び前記中間産物を40μm以上300μm以下の分級点で中粒産物と細粒産物とに分級する第二分級工程を含む。
前記分級工程は、前記第一分級工程及び前記第二分級工程以外に、第三分級工程などの更なる分級工程を含んでいてもよく、この場合、各産物(有価物の各元素)の不純物品位を更に低減できる場合がある。更なる分級工程を実施する態様としては、例えば、第二分級工程の後に、第二分級点未満の分級点で追加の分級を行う態様(第三分級工程)などが挙げられる。
<<第一分級工程>>
前記第一分級工程は、前記破砕工程で得られた破砕物を0.6mm以上2.4mm以下の分級点で粗粒産物と中間産物とに分級する工程である。
前記第一工程を含むことにより、前記破砕物から銅及び鉄の少なくともいずれかの長尺物が予め除去された破砕物(中間産物)が前記第二分級工程で処理されるため、コバルト及びニッケルがより濃縮された細粒産物(有価物)を得ることができる。
前記第一分級工程は、当該第一分級工程の分級点の範囲内で、分級を複数回繰り返してもよい。こうすることで、各産物(有価物の各元素)の不純物品位を更に低減することができる。
前記第一分級工程における分級点は、0.6mm以上2.4mm以下であるが、銅の選別精度をより向上させる観点から、1.2mmがより好ましい。
<<第二分級工程>>
前記第二分級工程は、前記第一分級工程で得られた中間産物を40μm以上300μm以下の分級点で中粒産物と細粒産物とに分級する工程である。
ここで、中粒産物は、前記第二分級工程で中間産物を分級した際の粗粒物であり、前記細粒産物は、前記第二分級工程で分級した際の細粒物である。
前記第二分級工程は、当該第二分級工程の分級点の範囲内で、分級を複数回繰り返してもよい。こうすることで、各産物(有価物の各元素)の不純物品位を更に低減することができる。
また、前記第二分級工程は、湿式の分級を1回以上含むことがより好ましい。湿式の分級により乾式の分級と比べ粒子の凝集を抑制しながら分級ができ、各産物の不純物品位を更に低減することができる。
前記分級工程としては、前記破砕物を前記分級点の範囲内で分級可能な処理方法であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、多段式振動篩、サイクロン、サイクロサイザー、JIS Z8801の標準篩などを用いることができる。
ここで、「分級点」とは、篩分けであれば篩の目開きを意味し、流分級であれば50%分離径を意味する。本明細書において、「50%分離径」とは、ある分級粒度に対するサイクロンアンダーフローへの分配率が50%となる粒径を意味する。例えば、分級点10μmのサイクロンとは、10μmの粒子の50%をアンダーフローに回収できるサイクロン及びその運転条件を指す。
<その他の工程>
前記有価物の選別方法は、前記熱処理工程、前記破砕工程、及び前記分級工程以外にその他の工程を含んでいてもよい。
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<実施形態の一例>
ここで、図面を参照して、本発明のリチウムイオン二次電池の選別方法における実施形態の一例について説明する。図1は、本発明の有価物の選別方法の一実施形態における処理の流れの一例を示す図である。
図1に示すように、本実施形態では、まず、リチウムイオン二次電池を熱処理して、リチウムイオン二次電池の熱処理物を得る。また、このとき、リチウムイオン二次電池に対してアルミニウムの融点以上銅の融点未満(660℃以上1,085℃以下)で熱処理を行い、リチウムイオン二次電池に含まれるアルミニウムを溶融させて選別し回収する(溶融アルミニウムを得る)。
次に、リチウムイオン二次電池の熱処理物を破砕して破砕物を得た後、破砕物を目開きが0.6mm以上2.4mm以下の篩で粗粒産物(篩上物。大部分の銅及び鉄が除去される)と中間産物(篩下物。コバルトとニッケルが回収される)とに分級(第一分級工程)する。
次に、中間産物を40μm以上300μm以下の分級点で分級し、中粒産物(粗粒物)と細粒産物(細粒物)とに分級する(第二分級工程)。ここで、第一分級工程で中間産物に回収された一部の銅(Cu)鉄(Fe)を中粒産物に分離でき、銅品位及び鉄品位が低く、コバルト及びニッケル品位が高い細粒産物が回収できる。
このようにして、本実施形態においては、リチウムイオン二次電池に含まれるコバルト、ニッケル、及びマンガンと、鉄及び銅とを、高い精度で効率よく選別することができ、コバルト及びニッケルの濃度を高めた高品位の有価物を高い回収率で得ることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<熱処理工程>
パック筐体に鉄部材を含み、セル筐体にアルミニウムを含むリチウムイオン二次電池のバッテリーパック(約75kg)を、熱処理装置としてエコシステム秋田株式会社のバッチ式バーナー炉を用いて、熱処理温度800℃(1時間かけて昇温した後、2時間保持)で、熱処理を行うことにより熱処理物を得た。熱処理を行う際には、リチウムイオン二次電池を容器の上に載置して熱処理装置に入れ、アルミニウムを溶融させて分離し、前記容器の下部に回収した(アルミニウムの溶融回収を行った)。
<破砕工程>
次いで、破砕装置として、ハンマークラッシャー(マキノ式スイングハンマークラッシャーHC-20-3.7、槇野産業株式会社製)を用い、50Hz(ハンマー周速38m/秒間)、出口部分のスクリーンはロストル型開口穴30mm×200mmの条件で、前記熱処理工程で得られた熱処理物(熱処理を行ったリチウムイオン二次電池)を破砕し、リチウムイオン二次電池の破砕物を得た。
<第一分級工程>
続いて、篩目の目開きが1.2mmの篩(直径200mm、東京スクリーン株式会社製)を用いて、リチウムイオン二次電池の破砕物を篩分け(第一分級工程)して、篩上物(粗粒産物)と篩下物(中間産物)とに選別処理し、篩下産物(中間産物)1kgを次工程に用いる破砕物とした。
-品位分析-
第一分級工程で得られた篩下産物(中間産物)の一部を採取し、これを王水で溶解し、ICP発光分析装置(ICP-AES、iCAP6300、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製)を用いて分析することで、篩下産物(中間産物)に含まれる各元素の品位(質量%)を求め、表1に示した。
Figure 2022182724000002
<第二分級工程>
前記<第一分級工程>で得られた篩下産物(中間産物)を第二分級工程の対象物として処理した。
300μmの電磁篩を用い、篩上産物(中粒産物)と篩下産物(細粒産物)とに分級した。電磁篩は、電磁式ふるい振とう機(AS200コントロール、レッチェ社製)を用い、振幅1.45mmで20分間運転した。
-品位分析-
前記第一分級工程における中間産物の品位分析と同様の方法で、第二分級工程で得られた篩下産物(細粒産物)の各元素の含有量を求め、第一分級工程で得られた前記中間産物中の各元素の量を100%としたときの、第二分級工程で得られた篩下産物(細粒産物)中の各元素の回収率(%)を求め、表2に示した。
(実施例2)
実施例1において、第二分級工程の分級点を150μmに変更した以外は、実施例1と同様にして、<熱処理工程>、<破砕工程>、<第一分級工程>、及び<第二分級工程>を行い、細粒産物を回収した。また、実施例1と同様にしてこの細粒産物中の各元素の回収率を求め、表2に示した。
(実施例3)
実施例1において、第二分級工程の分級点を75μmに変更した以外は、実施例1と同様にして、<熱処理工程>、<破砕工程>、<第一分級工程>、及び<第二分級工程>を行い、細粒産物を回収した。また、実施例1と同様にしてこの細粒産物中の各元素の回収率を求め、表2に示した。
(実施例4)
実施例1において、第二分級工程の分級点を40μmに変更した以外は、実施例1と同様にして、<熱処理工程>、<破砕工程>、<第一分級工程>、及び<第二分級工程>を行い、細粒産物を回収した。また、実施例1と同様にしてこの細粒産物中の各元素の回収率を求め、表2に示した。
(実施例5)
実施例1において、<第二分級工程>を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、<熱処理工程>、<破砕工程>、及び<第一分級工程>を行い、細粒産物を回収した。また、実施例1と同様にしてこの細粒産物中の各元素の回収率を求め、表2に示した。
<第二分級工程>
前記<第一分級工程>で得られた中間産物0.1kgを1Lガラスビーカー内の水0.5Lに加えた後、マグネチックスタラーで300rpmにて1時間攪拌し、中間産物のスラリーを作製した。このスラリーを40μmの電磁篩(電磁式ふるい振とう機、AS200コントロール、レッチェ社製)を用い、振幅1.45mmで20分間運転し、篩上産物(中粒産物)と篩下産物(細粒産物を含むスラリー)とに分級し、細粒物を含むスラリーを回収した。得られた細粒産物を含むスラリーは、5Cろ紙で固液分離後、ケークを105℃で2時間乾燥し、細粒産物を得た。
(比較例1)
実施例1において、第二分級工程の分級点を600μmに変更した以外は、実施例1と同様にして、<熱処理工程>、<破砕工程>、<第一分級工程>、及び<第二分級工程>を行い、細粒産物を回収した。また、実施例1と同様にしてこの細粒産物中の各元素の回収率を求め、表2に示した。
Figure 2022182724000003
表2の結果から、実施例1~5では、細粒産物として、コバルト及びニッケルの濃縮を達成できた。つまり、細粒産物へのコバルト及びニッケルを70%以上の回収率で得られ、かつ中間産物に含まれていた鉄の70%以上、銅の50%以上を細粒産物から除去できた。
比較例1では、鉄の60%以上及び銅の80%以上が細粒産物に回収され、コバルト及びニッケルから十分に分離できなかった。

Claims (5)

  1. 有価物を含むリチウムイオン二次電池を熱処理する熱処理工程と、
    前記熱処理工程で得られた熱処理物を破砕する破砕工程と、
    前記破砕工程で得られた破砕物を0.6mm以上2.4mm以下の分級点で粗粒産物と中間産物とに分級する第一分級工程、及び前記中間産物を40μm以上300μm以下の分級点で中粒産物と細粒産物とに分級する第二分級工程を含む分級工程と、
    を含むことを特徴とする有価物の選別方法。
  2. 前記第一分級工程において、前記破砕工程で得られた破砕物を1.2mmの分級点で粗粒産物と中間産物とに分級する請求項1に記載の有価物の選別方法。
  3. 前記熱処理工程において、前記リチウムイオン二次電池を660℃以上1,085℃以下で熱処理する請求項1から2のいずれかに記載の有価物の選別方法。
  4. 前記第二分級工程において、前記中間産物を40μm以上75μm以下の分級点で、湿式で分級する請求項1から3のいずれかに記載の有価物の選別方法。
  5. 前記リチウムイオン二次電池が、車載用、電力貯蔵システム用、及び無停電電源装置用から選択されるいずれかのリチウムイオン二次電池パックである請求項1から4のいずれかに記載の有価物の選別方法。

JP2021090432A 2021-05-28 2021-05-28 有価物の選別方法 Pending JP2022182724A (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021090432A JP2022182724A (ja) 2021-05-28 2021-05-28 有価物の選別方法
CN202280036506.0A CN117355979A (zh) 2021-05-28 2022-03-01 有价值物的筛选方法
EP22810896.5A EP4350841A1 (en) 2021-05-28 2022-03-01 Sorting method for valuable materials
KR1020237040297A KR20240014468A (ko) 2021-05-28 2022-03-01 유가물의 선별 방법
PCT/JP2022/008686 WO2022249615A1 (ja) 2021-05-28 2022-03-01 有価物の選別方法
TW111108205A TW202247521A (zh) 2021-05-28 2022-03-07 有價物的選別方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021090432A JP2022182724A (ja) 2021-05-28 2021-05-28 有価物の選別方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022182724A true JP2022182724A (ja) 2022-12-08

Family

ID=84228569

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021090432A Pending JP2022182724A (ja) 2021-05-28 2021-05-28 有価物の選別方法

Country Status (6)

Country Link
EP (1) EP4350841A1 (ja)
JP (1) JP2022182724A (ja)
KR (1) KR20240014468A (ja)
CN (1) CN117355979A (ja)
TW (1) TW202247521A (ja)
WO (1) WO2022249615A1 (ja)

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6268130U (ja) 1985-10-18 1987-04-28
JPH0376124U (ja) 1989-11-29 1991-07-30
JPH10189063A (ja) * 1996-12-27 1998-07-21 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 二次電池の正、負極材の分離回収方法
JP6238070B2 (ja) * 2014-03-31 2017-11-29 三菱マテリアル株式会社 使用済みリチウムイオン電池の処理方法
JP6268130B2 (ja) 2015-06-11 2018-01-24 日本リサイクルセンター株式会社 リチウムイオン電池からの有価物の回収方法
JP6676124B1 (ja) 2018-10-11 2020-04-08 Dowaエコシステム株式会社 リチウムイオン二次電池からの有価物の回収方法
JP6748274B2 (ja) 2018-10-11 2020-08-26 Dowaエコシステム株式会社 リチウムイオン二次電池からの有価物の回収方法
WO2021090571A1 (ja) * 2019-11-08 2021-05-14 Dowaエコシステム株式会社 リチウムの分離方法
CN115244758A (zh) * 2020-03-06 2022-10-25 同和环保再生事业有限公司 锂离子二次电池中所含的有价金属的浓缩方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2022249615A1 (ja) 2022-12-01
TW202247521A (zh) 2022-12-01
CN117355979A (zh) 2024-01-05
KR20240014468A (ko) 2024-02-01
EP4350841A1 (en) 2024-04-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6748274B2 (ja) リチウムイオン二次電池からの有価物の回収方法
KR102473000B1 (ko) 사용이 끝난 리튬 이온 전지로부터의 유가물 회수 방법
JP6840512B2 (ja) リチウムイオン二次電池からの有価物の回収方法
JP5651462B2 (ja) リチウムイオン二次電池からの有価物の回収方法、及び有価物を含有する回収物
JP6692196B2 (ja) リチウムイオン二次電池からの有価物の回収方法
JP6888130B1 (ja) 有価物の選別方法
US11482737B2 (en) Method for recovering valuable material from lithium ion secondary battery
US20230119544A1 (en) Method for concentrating valuable metal contained in lithium ion secondary battery
JP6676124B1 (ja) リチウムイオン二次電池からの有価物の回収方法
JP6984055B2 (ja) リチウムイオン二次電池に含まれる有価金属の濃縮方法
EP3836288B1 (en) Method for recovering valuable material from lithium ion secondary battery
WO2022249615A1 (ja) 有価物の選別方法
US20210210807A1 (en) Method for recovering valuable material from lithium ion secondary battery
EP3832781A1 (en) Method for recovering valuable material from lithium ion secondary battery
CN116056811A (zh) 从锂离子二次电池回收有价物的回收方法
US20240243381A1 (en) Method of separating valuable materials
WO2024014144A1 (ja) リチウムイオン二次電池からの有価物の回収方法
WO2024090313A1 (ja) リチウムイオン二次電池からの有価物の回収方法
WO2023204230A1 (ja) リチウムイオン二次電池からの有価物の回収方法
WO2022059563A1 (ja) 有価物の回収方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20220523

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240327