JP2022182408A - 電力変換器の制御方法及び電力変換器 - Google Patents

電力変換器の制御方法及び電力変換器 Download PDF

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Abstract

【課題】デューティ比の調整を実施する制御周期に対して、調整したデューティ比でスイッチング部を動作させる制御周期が1周期分以上遅れることがない電力変換器の制御方法及び電力変換器を提供する。【解決手段】本発明の電力変換器は、スイッチング部Q1と、スイッチング部Q1に接続され、共振インダクタL2と共振キャパシタC2とが接続された直列共振回路12と、スイッチング部Q1をオン・オフ制御する制御部14と、スイッチング部Q1の端子間電圧の電圧微分値を検出する微分検出部13とを有する。微分検出部13で検出された電圧微分値が閾値生成部15で生成された所定の閾値以上になったとき、スイッチング部Q1をオフからオンに切り替える。【選択図】図1

Description

本発明は、電力変換器の制御方法及び電力変換器に関する。
特許文献1に記載された電源装置は、スイッチング部の電圧の微分値に基づいてスイッチング部のデューティをスイッチング損失が減る方向に変化させるという方法が提案されている。
この方法は、スイッチング部の端子間電圧を検出し、スイッチング部がオフからオンに切り替えるタイミングにおいて検出したスイッチング部の端子間電圧の微分値を算出する。この方法は、算出した微分値に基づいてスイッチング部のスイッチング周期に対するオン時間の比率であるオンデューティを調整し、調整されたオンデューティに基づいてZVS(ゼロ電圧スイッチング)を実現する。
特開2018-74881号公報
この方法では、少なくとも次のスイッチング周期以降のスイッチング部がオフからオンに切り替わる際のスイッチング損失を低減させることができるが、そのスイッチング周期の損失は低減することができない。
また、スイッチング部の端子間電圧の微分値算出及びデューティ比の調整を実施する制御周期に対して、調整したデューティ比でスイッチング部を動作させる制御周期が少なくとも1周期分は遅れるという課題を有していた。
本発明は、デューティ比の調整を実施する制御周期に対して、調整したデューティ比でスイッチング部を動作させる制御周期が1周期分以上遅れることがない電力変換器の制御方法及び電力変換器を提供することを目的とする。
本発明に係る電力変換器の制御方法は、インダクタとキャパシタとの直列共振回路が接続されたスイッチング部をオン・オフ制御する。制御方法は、スイッチング部の端子間電圧の電圧微分値を検出し、検出した電圧微分値を所定の閾値と比較し、比較結果に基づいてスイッチング部をオフからオンに切り替える。
図1は本発明の第1の実施形態に係る電力変換器の構成図である。 図2Aは本発明の第1の実施形態に係る電力変換器のスイッチング部電圧がゼロに到達するときの第1の波形図である。 図2Bは本発明の第1の実施形態に係る電力変換器のスイッチング部電圧がゼロに到達するときの第2の波形図である。 図3は本発明の第1の実施形態に係る電力変換器のスイッチング部電圧がゼロに到達しないときの波形図である。 図4は本発明の第1の実施形態に係る電力変換器のスイッチング部電圧が下降中にオフからオンに切り替わるときの波形図である。 図5は図2Bに示したスイッチング部電圧微分値がゼロに到達する時刻t3にスイッチング部をオフからオンに切り替えるときの波形図である。 図6は図3に示したスイッチング部電圧がゼロに到達しないとき、スイッチング部電圧微分値がゼロに到達した時刻t5にスイッチング部をオフからオンに切り替えるときの波形図である。 図7は本発明の第1の実施形態に係る電力変換器のオン時間制御部の動作を示す波形図である。 図8は本発明の第1の実施形態に係る電力変換器の負荷が定電圧のときにオン時間を変化させたときの出力電力の変化を示す図である。 図9は本発明の第2の実施形態に係る電力変換器の構成図である。 図10は本発明の第2の実施形態に係る電力変換器のスイッチング部の電圧の微分値の閾値がゼロより小さい値の動作を示す図である。 図11は本発明の第3の実施形態に係る電力変換器の構成図である。 図12は本発明の第4の実施形態に係る電力変換器の構成図である。
以下、本発明のいくつかの実施形態に係る電力変換器の制御方法及び電力変換器を、図面を参照しながら詳細に説明する。各実施形態に係る電力変換器の図中の同一または相当部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る電力変換器の構成図である。第1の実施に係る電力変換器1は、入力側に接続された入力電源2から供給された電力をスイッチング部Q1をオン・オフ動作させることにより所定の電力に変換し、変換された電力を出力側に接続された負荷3に電力を供給する。
電力変換器1は、E級回路11と、共振インダクタL2と共振キャパシタC2からなる直列共振回路12、E級回路11のスイッチング部Q1の端子間の電圧の電圧微分値を検出する微分検出部13と、制御部14とを有する。
E級回路11は、入力チョークインダクタL1、スイッチング部Q1、スイッチング部Q1に逆並列に接続されたダイオードD1、スイッチング部Q1に並列に接続されたスイッチング部シャントキャパシタC1、整流ダイオードD2を有する。E級回路11は、整流ダイオードシャントキャパシタC4、出力チョークインダクタL3、出力キャパシタC5を有している。
スイッチング部Q1は、例えばMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)などのユニポーラトランジスタで構成される。スイッチング部Q1の逆並列ダイオードD1は、例えばMOSFETの内蔵ボディダイオードで構成してもよく、個別のダイオードを配置してもよい。
スイッチング部シャントキャパシタC1の両端には、キャパシタC3と抵抗R1との直列回路で構成される微分回路からなる微分検出部13が接続される。微分検出部13は、スイッチング部Q1のドレインとソース間の電圧の微分値を検出する。
制御部14は、閾値生成部15、コンパレータ16、Dフリップフロップ17、オン時間制御部18を備える。制御部14は、オン・オフ制御信号によりスイッチング部Q1のオン動作とオフ動作とを切り替える。
閾値生成部15は、正極がコンパレータ16の反転入力端子に接続され、負極が抵抗R1の一端に接続される直流電源であり、閾値を生成する。コンパレータ16の非反転入力端子には、キャパシタC3の一端と抵抗R1の一端とが接続され、出力端子がDフリップフロップ17の入力端子に接続される。
コンパレータ16は、微分検出部13で検出されたスイッチング部Q1の電圧の微分値と閾値生成部15で生成された所定の閾値とを比較する。
コンパレータ16は、微分検出部13で検出された電圧の微分値が所定の閾値以上になったとき、LowからHighに切り替え、HighをDフリップフロップ17に出力する。Dフリップフロップ17は、コンパレータ16からHighを入力すると、出力端子Qからオン・オフ制御信号のHighをスイッチング部Q1のゲートに出力して、スイッチング部Q1をオンさせる。これにより、スイッチング部Q1のオフ時間が決定される。
オン時間制御部18は、Dフリップフロップ17からのオン・オフ制御信号のHighの立ち上がりから所定のオン時間後にオン時間制御信号を生成し、Dフリップフロップ17のクリア端子CLRに出力する。これにより、スイッチング部Q1のオン時間が決定される。
直列共振回路12は、スイッチング部Q1がオフ動作時に共振インダクタL2と共振キャパシタC2との共振によりスイッチング部Q1の電圧を正弦波状に上昇させ、スイッチング部Q1がオフからオンに切り替わる時に正弦波状にゼロ付近又はゼロまで下降させる。
E級回路11を高周波でかつ高効率に動作させるためには、スイッチング部Q1がオフからオンに切り替える時に発生するターンオン損失を低減する必要がある。スイッチング部Q1がオフからオンに切り替わるとき、スイッチング部シャントキャパシタC1がスイッチング部Q1によって短絡され、スイッチング部シャントキャパシタC1に蓄えられている静電エネルギーがスイッチング部Q1でジュール熱に変換させる。これにより、E級回路11のターンオン損失は、生じる。
このとき、スイッチング損失Pswは、スイッチング部シャントキャパシタC1のキャパシタンスCsと、スイッチング部Q1がオフからオンに切り替わるときの電圧Vtonを用いてPsw=Cs * Vton2/ 2 で表すことができる。つまり、スイッチング部Q1がオフからオンに切り替わる時の電圧が低いほど、ターンオン損失が小さくなる。
E級回路11のスイッチング部Q1の電圧の挙動は、入力電圧・入力電流、出力電圧、出力電流などの状態によって変化し、以下の2種類にいずれかになる。
一つ目の挙動は、図2Aおよび図2Bに示すように、オン・オフ制御信号のオフ期間中にスイッチング部Q1の電圧がゼロに到達する。各スイッチング周期においてスイッチング部Q1の電圧がゼロまで到達する場合の挙動において、図2Aに示すように、スイッチング部Q1の電圧がゼロの時刻t2でスイッチング部Q1をオフからオンに切り替えることでターンオン損失がゼロになる。しかし、動作条件の変化により図2Bに示すように、オフからオンに切り替える時刻t2で電圧がゼロでない場合、ターンオン損失が発生する。
もう一つの挙動は、図3に示すように、スイッチング部Q1のオン・オフ時間の比率によらずオフ期間中にスイッチング部電圧がゼロに到達しない。即ち、時刻t5において、スイッチング部Q1の電圧は極小値となり、時刻t6において、スイッチング部Q1の電圧は極小値よりも大きくなる。
各スイッチング周期内でスイッチング電圧がゼロまで到達しない場合の挙動においては、どのタイミングでスイッチング部をオフからオンに切り替えてもターンオン損失がゼロにならない。このため、スイッチング部Q1の電圧が最も低いときが、ターンオン損失が最小となるタイミングt5である。
例えば図3の波形では、スイッチング部Q1がオフからオンに切り替わるタイミングt6でスイッチング部電圧が最も低い状態ではない。このため、ターンオン損失が最小になるときよりも大きなターンオン損失が発生する。
なお、図4ではスイッチング部電圧が下降している途中のタイミングt7でスイッチング部Q1がオフからオンに切り替わっている。オフ期間が長くなると、スイッチング部Q1の挙動としては上記2種類のいずれかに分類することができる。
次にこのように構成された第1の実施形態の電力変換器1の動作、即ち、電力変換器の制御方法を説明する。以下の説明では、閾値がゼロの場合の電力変換器1の動作について説明する。
一つ目はスイッチング部Q1の電圧がゼロに到達する挙動のときの波形を図5に示す。ここでは、図2Bに示すオン・オフ制御信号に対して、第1の実施形態の電力変換器1の制御方法により、図5に示すオン・オフ制御信号に変化する様子を説明する。
まず、制御部14は、共振インダクタL2と共振キャパシタC2との直列共振回路12が接続されたスイッチング部Q1をオン・オフ制御信号によりオン・オフ制御する。スイッチング部Q1がオンすると、入力電源2→入力チョークインダクタL1→スイッチング部Q1→入力電源2の経路で電流が流れて、入力チョークインダクタL1に励磁エネルギーが蓄えられる。また、入力電源2の電力は直列共振回路12と出力チョークインダクタL3を介して負荷3に送られる。このとき、スイッチング部電圧はゼロである。
次に、図5に示すように、時刻t0でスイッチング部Q1がオフすると、入力チョークインダクタL1の励磁エネルギーと出力チョークインダクタL3が負荷3に送られて、昇圧される。また、スイッチング部Q1がオフ動作しているとき、共振インダクタL2と共振キャパシタC2との共振によりスイッチング部電圧は、正弦波状に上昇し、時刻t1で最大となる。その後、スイッチング部電圧は、オフからオンに切り替えるときに正弦波状に下降する。時刻t3でゼロに到達すると、スイッチング部Q1の逆並列ダイオードD1がオンし、スイッチング部Q1の電圧がゼロ又はゼロに近い小さな値にクランプされ、スイッチング電圧が変化しなくなる。
微分検出部13は、スイッチング部Q1の端子間電圧の電圧微分値を検出する。時刻t1から時刻t3前においては、電圧微分値は、負の値となる。時刻t3において、スイッチング部Q1の電圧微分値はゼロとなる。微分検出部13で検出された電圧微分値が閾値生成部15の所定の閾値以上になったとき、コンパレータ16の出力がLowからHighに切り替わる。
Dフリップフロップ17は、コンパレータ出力のLowからHighへの立ち上がりエッジを検出し、オン・オフ制御信号をLowからHighに切り替える。これにより、スイッチング部Q1をオフからオンに切り替えることができる。以上の動作により、スイッチング部Q1の電圧がゼロのタイミングでスイッチング部Q1をオフからオンに切り替えることで、ターンオン損失をゼロにすることができる。
もう一つの、スイッチング部Q1の電圧がゼロに到達しない挙動のときの波形を図6に示す。ここでは、図3に示すオン・オフ制御信号に対して、第1の実施形態の電力変換器1の制御方法により、図6に示すオン・オフ制御信号に変化する様子を説明する。
図3、図6において、スイッチング部電圧が下降して再度上昇を始める直前の時刻t5に、スイッチング部電圧は最小値となり、微分検出部13によって検出された電圧微分値がゼロとなる。微分検出部13で検出された電圧微分値が所定の閾値以上になったとき、コンパレータ16の出力がLowからHighに切り替わる。切り替わるエッジによって、Dフリップフロップ17の出力であるオン・オフ制御信号がLowからHighに切り替わり、スイッチング部Q1がオフからオンに切り替わる。
以上の動作により、スイッチング部Q1の電圧が最小つまりターンオン損失が最小となるタイミングでスイッチング部Q1をオフからオンに切り替えることができる。
いずれの挙動においても、本発明の電力変換器1によりスイッチング部電圧の微分値が閾値以上になるタイミングでスイッチング部Q1をオフからオンに切り替える。これにより、毎回のスイッチング周期でターンオン損失を最小にすることができる。
また、制御部14は、微分検出部13の電圧微分値が所定の閾値になったとき、スイッチング部Q1をオフからオンに切り替える。即ち、微分検出部13の電圧微分値が所定の閾値になったとき、ゼロ電圧スイッチングを実現するための最適なデューティ比の調整を行わずに、スイッチング部Q1をオフからオンに切り替える。従って、デューティ比の調整を実施する制御周期に対して、調整したデューティ比でスイッチング部を動作させる制御周期が1周期分以上遅れることがない。
また、電力変換器1が入力電源2と負荷3に接続されているとき、出力電圧と出力電流と入力電圧と入力電流との少なくとも1つを制御することがある。例えば負荷3に一定の電圧を供給することが必要とされる用途では、電力変換器1の出力電圧を制御する必要がある。例えば負荷3に一定の電流を供給することが必要とされる用途では電力変換器1の出力電流を制御する必要がある。例えば入力電源2から一定の電流を引き出すことが必要とされる用途では電力変換器1の入力電流を制御する必要がある。
以上、説明したように、図1に示した電力変換器1では、スイッチング部Q1のオンとオフを切り替えるオン・オフ制御信号は、Dフリップフロップ17の出力である。スイッチング部Q1をオフからオンに切り替えは、スイッチング部電圧の変化に伴って、微分検出部13の出力が閾値を超えたタイミングで行われる。つまり、スイッチング部Q1のオフ状態を維持するオフ期間は、ターンオン損失が最小になるように微分検出部13と制御部14によって決定される。
第1の実施形態の電力変換器のオン時間制御部18は、スイッチング部Q1のオン状態を維持するオン時間(オン期間)を変化させることで、入力電圧又は出力電圧又は入力電流又は出力電流を変化させる。図1の電力変換器1ではDフリップフロップ17のCLR(クリア:HighのときにDフリップフロップ17の出力をLowに固定する)端子に接続されたオン時間制御部18の動作を図7に示す。
オン時間制御部18が時刻t11でオン・オフ制御信号のLowからHighへの切り替わりを検出した時刻t11から、所定のオン時間Tonの経過後の時刻t12に、オン時間制御部18の出力はLowからHighに切り替わる。
これにより、Dフリップフロップ17はクリアされ、出力であるオン・オフ制御信号はHighからLowに遷移し、スイッチング部Q1がオンからオフに切り替わる。その後、オン時間制御部18は、所定のパルス幅の間に出力をHighからLowに切り替える。このとき、オン時間制御部18に与えるオン時間の指令値を変化させることで、入力電圧と出力電圧と入力電流と出力電流との少なくとも1つを変化させることができる。
図8は、本発明の電力変換器1の出力に負荷3として定電圧源を接続したときに、オン時間を変化させたときの電力変換器1の出力電圧と出力電流の組み合わせである出力電力の変化を示す。260Vから420Vの複数の出力電圧条件において、オン時間を変化させることで出力電力を変化させることができる。
また、上述したように、スイッチング部Q1のオフ時間はスイッチング部のターンオン損失を最小にするため、微分検出部13と制御部14によって制御される。毎回のスイッチング周期で常にターンオン損失が最小になるタイミングでスイッチング部Q1をオフからオンに切り替えることができる。以上のことから、第1の実施形態により、毎回のスイッチング周期で最小のターンオン損失を実現しつつ、電力変換器1の電力を制御することができる。
(第2の実施形態)
さらに、電力変換器が入力電圧と出力電圧と入力電流と出力電流との少なくとも1つを検出する検出部を有し、そのいずれかの検出値もしくはいずれかの検出値の組み合わせに基づき、その検出値が所望の値になるよう、オン時間を変化させることもできる。
図9は本発明の第2の実施形態に係る電力変換器の構成図である。図9の電力変換器1aは、図1の電力変換器1に対して、出力チョークインダクタL3と定電圧源の負荷3との間に出力電流検出部19を接続し、負荷3の両端に出力電圧検出部20を接続している。出力電流検出部19は、負荷3に流れる出力電流を検出する。出力電圧検出部20は、負荷3の両端間の電圧を検出する。
オン時間決定部21は、出力電流検出部19で検出された出力電流と出力電圧検出部20で検出された負荷3の両端間電圧とに基づく電力が所定値になるようにオン時間を決定する。
オン時間制御部18aは、オン時間決定部21で決定されたオン時間となるようにスイッチング部Q1のオン・オフ制御信号のオン時間を制御する。オン時間制御部18aは、内部で保持する又は外部のコントローラから与えられた電力の指示値を持ち、検出した出力電圧と出力電流から算出された出力電力が所定値になるようにオン時間を変化させる。
例えば、負荷3がバッテリーであると想定した場合、バッテリーは充電状態によって電圧は変化するものの、大容量のバッテリーの場合、バッテリー電圧の変化は非常に緩慢で、電力変換器としては定電圧の負荷とみなすことができる。
このとき、バッテリーの電圧とバッテリーに流れる電流からバッテリーに供給される電力を検出し、その電力が所定値になるようにオン時間を変化させることで、バッテリーへの充電電力を所定値に制御することができる。
また、毎回のスイッチング周期で常にターンオン損失が最小になるタイミングでスイッチング部Q1をオフからオンに切り替え、毎回のスイッチング周期で最小のターンオン損失を実現できる。
また、制御部14がスイッチング部電圧の微分値と比較する閾値について、特にゼロより小さい負の値と設定することにより、微分検出部13と制御部14の信号伝達遅延、オン・オフ制御信号がLowからHighに切り替わる。
この切り替えからスイッチング部Q1が実際にオフからオンに切り替わるまでに遅延があってもスイッチング部Q1がオフからオンに切り替えるときのスイッチング部電圧を低く抑え、ターンオン損失を低減できる。
図2A、図2B、図3の波形を見ると、いずれの場合もターンオン損失が最小となるスイッチング部電圧微分値がゼロになるタイミングより以前は、スイッチング部電圧微分値は負の値でゼロに近づいていく波形となっている。
これに対し、図10に示すようにスイッチング部Q1の電圧微分値の閾値をゼロより小さい負の値とすることで、スイッチング部Q1の電圧微分値がゼロに到達するよりも前にコンパレータ16の出力がLowからHighに切り替わる。これにより、上記の遅延要素があってもスイッチング部Q1がオフからオンに切り替わるときのスイッチング部電圧を抑制し、ターンオン損失を低減することができる。
(第3の実施形態)
図2A、図2B、図3の波形を比較してわかるように、スイッチング部電圧微分値がゼロになる前の微分値の変化の傾きは異なることがある。つまり、スイッチング電圧微分値をゼロより小さい任意の閾値で判定した場合、実際に閾値を超えてから微分値がゼロに到達するまでの期間が異なることがある。
図11は本発明の第3の実施形態に係る電力変換器の構成図である。図11では、出力電圧と出力電流に基づいて閾値を変化させることで、スイッチング部Q1がオフからオンに切り替わるときのスイッチング部電圧を抑制する。
出力電圧検出部20は、負荷3の両端間の出力電圧を検出する。出力電圧検出部20は、負荷3に流れる出力電流を検出する。閾値決定部22は、出力電圧検出部20で検出された出力電圧と出力電圧検出部20で検出された出力電流とスイッチング部Q1の電圧の微分値が閾値を超えてから実際に微分値がゼロに到達するまでの期間とに基づいて閾値を決定する。
閾値生成部15aは、可変電源からなり、閾値生成部15aで決定された閾値になるように閾値を変化させる。これにより、スイッチング部Q1がオフからオンに切り替わるときのスイッチング部電圧を抑制し、ターンオン損失を低減することができる。
特に、スイッチング部Q1の電圧の微分値が閾値を超えてから実際に微分値がゼロに到達するまでの期間について、予め取得しておいた、電力変換器1の入力電圧、入力電流、出力電圧、出力電流の動作条件と、この期間の関係に基づいて閾値を変化させる。このことで、入力電圧、入力電流、出力電圧、出力電流の条件が変化したときに、スイッチング部Q1がオフからオンに切り替わるときのスイッチング部電圧を条件の変化に合わせて適切に抑制し、ターンオン損失を低減することができる。
(第4の実施形態)
また、スイッチング部Q1の電圧の挙動は、直列共振回路12を構成する共振インダクタL2のインダクタンスや共振キャパシタC2のキャパシタンス値に影響を受ける。これらのインダクタンスやキャパシタンスは、温度によって変化することがある。
よって、共振インダクタL2や共振キャパシタC2の温度が変化すると、スイッチング部Q1の電圧の挙動が変化し、スイッチング部Q1がオフからオンに切り替わる際のスイッチング部電圧が増加し、ターンオン損失が増加することがある。
図12は本発明の第4の実施形態に係る電力変換器の構成図である。図12において、インダクタ温度検出部23は、例えばサーミスタからなり、共振インダクタL2の温度を検出する。キャパシタ温度検出部24は、例えばサーミスタからなり、共振キャパシタC2の温度を検出する。
閾値決定部25は、インダクタ温度検出部23で検出された共振インダクタL2の温度とキャパシタ温度検出部24で検出された共振キャパシタC2の温度とスイッチング電圧微分値が閾値を超えてから微分値がゼロに到達するまでの期間に基づき閾値を決定する。
閾値生成部15bは、可変電源からなり、閾値決定部25で決定された閾値になるように閾値を変化させる。これにより、共振インダクタL2や共振キャパシタC2の温度が変化しても、スイッチング部Q1がオフからオンに切り替わるときのスイッチング部電圧を適切に抑制し、ターンオン損失を低減することができる。
このように本発明によれば、電力変換器のスイッチング部Q1の電圧の微分値が所定の閾値以上になったときスイッチングをオフからオンに切り替える。これにより、毎回のスイッチング周期において、スイッチング部Q1がオフからオンに切り替わるときに発生する損失を抑制できる。また、制御部14は、微分検出部13の電圧微分値が所定の閾値になったとき、デューティ比の調整を行わずに、スイッチング部Q1をオフからオンに切り替える。デューティ比の調整を行わないので、制御周期が1周期分以上遅れることはなくなる。
また、スイッチング部Q1のオン状態の維持期間を変化させることで、毎回のスイッチング周期で低損失スイッチングを達成しつつ、電力変換器の動作条件である出力電圧と出力電流と入力電圧と入力電流との少なくとも1つを変化させることができる。毎回のスイッチング周期において低損失スイッチングになるようにオフ期間が変化し、オン時間を変化させることで、スイッチング周期が一定の状態でデューティを変化させる場合に比べて、スイッチング損失の低減と出力制御を両立できる。
また、電力変換器の出力電圧と出力電流と入力電圧と入力電流との少なくとも1つを検知し、検知された値が、所定の指示値になるように、スイッチング部Q1のオン期間を変化させる。これにより、毎回のスイッチング周期で低損失スイッチングを達成しつつ、電力変換器の出力電圧と出力電流と入力電圧と入力電圧との少なくとも1つを所望の値に制御することができる。
また、スイッチング部Q1の電圧の微分値が所定の閾値になり、スイッチング部Q1をオフからオンに切り替えるときに、所定の閾値がゼロより小さい負の値である。このことで、スイッチング部の電圧の微分値がゼロになる(=スイッチング部の電圧が最小になる)タイミングよりも早い、ゼロより小さい状態(スイッチング部の電圧が減少している状態)で制御部14を動作開始させる。これにより、微分検出部13や制御部14を経てスイッチング部Q1がオフからオンに切り替わるまでの遅延があっても、低損失スイッチングを実現できる。
さらに、スイッチング部Q1の電圧の微分値の閾値が、入力電圧と入力電流と出力電圧と出力電流との少なくとも1つに基づいて変化する。このことで、入出力の電圧電流など電力変換器の動作条件によって、スイッチング部Q1の電圧の微分値がゼロに到達する前の負の状態のときの微分値の上昇の度合いが変化しても、低損失スイッチングを実現できる。
さらに、スイッチング部Q1の電圧の微分値の閾値が、予め取得された、入力電圧と入力電流と出力電圧と出力電流との少なくとも1つと、スイッチング部Q1の電圧の微分値の関係(数式やマップ)に基づいて変化する。このことで入力電圧と入力電流と出力電圧と出力電流が変化してスイッチング部Q1の電圧の微分値がゼロに到達する前の負の状態のときの微分値の上昇の度合いが変化してもスイッチング損失が小さくなるタイミングでスイッチング部をオフからオンに切り替える。これにより、低スイッチング損失を実現できる。
また、共振インダクタL2と共振キャパシタC2との少なくとも一方の温度を検出し、その温度と、予め取得していたインダクタとキャパシタとの少なくとも一方の温度と、閾値の関係に基づいて閾値が変化する。温度変化によってインダクタのインダクタンスやキャパシタのキャパシタンスが変化して、スイッチング部の電圧の微分値がゼロに到達する前の負の状態のときの微分値の上昇の度合いが変化する。この場合でも、スイッチング損失が小さくなるタイミングでスイッチング部をオフからオンに切り替えて低スイッチング損失を実現できる。
1 電力変換器
2 入力電源
3 負荷
11 E級回路
12 直列共振回路
13 微分検出部
14 制御部
15,15a,15b 閾値生成部
16 コンパレータ
17 Dフリップフロップ
18 オン時間制御部
19 出力電流検出部
20 出力電圧検出部
21 オン時間決定部
22,25 閾値決定部
23 インダクタ温度検出部
24 キャパシタ温度検出部
L1 入力チョークインダクタ
L2 共振インダクタ
L3 出力チョークインダクタ
Q1 スイッチング部
C1 スイッチング部シャントキャパシタ
C2 共振キャパシタ
C3 キャパシタ
C4 整流ダイオードシャントキャパシタ
C5 出力キャパシタ

Claims (14)

  1. インダクタとキャパシタとの直列共振回路が接続されたスイッチング部をオン・オフ制御し、
    前記スイッチング部の端子間電圧の電圧微分値を検出し、
    検出した前記電圧微分値を所定の閾値と比較し、
    比較結果に基づいて前記スイッチング部をオフからオンに切り替える、電力変換器の制御方法。
  2. 前記スイッチング部がオン動作するオン時間を変化させて、出力電圧と出力電流と入力電圧と入力電流との少なくとも1つを制御する、請求項1に記載の電力変換器の制御方法。
  3. 前記出力電圧と前記出力電流と前記入力電圧と前記入力電流との少なくとも1つを検出し、
    検出した出力が所定値になるように、前記スイッチング部のオン時間を変化させる、請求項2に記載の電力変換器の制御方法。
  4. 前記所定の閾値をゼロより小さい負の値に設定する、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電力変換器の制御方法。
  5. 前記所定の閾値を、入力電圧と入力電流と出力電圧と出力電流との少なくとも1つに基づいて変化させる、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の電力変換器の制御方法。
  6. 前記所定の閾値を、入力電圧と入力電流と出力電圧と出力電流との少なくとも1つと、前記電圧微分値が前記閾値を超えてから前記電圧微分値がゼロに到達するまでの期間との関係とに基づいて変化させる、請求項5に記載の電力変換器の制御方法。
  7. 前記インダクタと前記キャパシタとの少なくとも一方の温度を検出し、
    前記所定の閾値を、検出された前記インダクタと前記キャパシタとの少なくとも一方の温度と、前記電圧微分値が前記閾値を超えてから前記電圧微分値がゼロに到達するまでの期間との関係に基づいて変化させる、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の電力変換器の制御方法。
  8. スイッチング部と、
    前記スイッチング部に接続され、インダクタとキャパシタとが接続された直列共振回路と、
    前記スイッチング部をオン・オフ制御する制御部と、
    前記スイッチング部の端子間電圧の電圧微分値を検出する微分回路とを有し、
    前記制御部は、
    前記微分回路で検出した前記電圧微分値を所定の閾値と比較し、比較結果に基づいて前記スイッチング部をオフからオンに切り替える、電力変換器。
  9. 前記制御部は、前記スイッチング部がオン動作するオン時間を変化させて、出力電圧と出力電流と入力電圧と入力電流との少なくとも1つを制御するオン時間制御部を備える、請求項8に記載の電力変換器。
  10. 前記出力電圧と前記出力電流と前記入力電圧と前記入力電流との少なくとも1つを検出する検出部を備え、
    前記オン時間制御部は、前記検出部で検出した出力が所定値になるように、前記スイッチング部のオン時間を変化させる、請求項9に記載の電力変換器。
  11. 前記制御部は、前記所定の閾値をゼロより小さい負の値に設定する、請求項8乃至請求項10のいずれか1項に記載の電力変換器。
  12. 前記制御部は、前記所定の閾値を、入力電圧と入力電流と出力電圧と出力電流との少なくとも1つに基づいて変化させる、請求項8乃至請求項11のいずれか1項に記載の電力変換器。
  13. 前記制御部は、前記所定の閾値を、入力電圧と入力電流と出力電圧と出力電流との少なくとも1つと、前記電圧微分値が前記閾値を超えてから前記電圧微分値がゼロに到達するまでの期間との関係とに基づいて変化させる、請求項12に記載の電力変換器。
  14. 前記インダクタと前記キャパシタとの少なくとも一方の温度を検出する温度検出部を備え、
    前記制御部は、前記所定の閾値を、前記温度検出部で検出された前記インダクタと前記キャパシタとの少なくとも一方の温度と、前記電圧微分値が前記閾値を超えてから前記電圧微分値がゼロに到達するまでの期間との関係に基づいて変化させる、請求項8乃至請求項13のいずれか1項に記載の電力変換器。
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