JP2022180613A - 顆粒の製造方法 - Google Patents

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Nobuaki Hirai
研司 藤田
Kenji Fujita
和典 上田
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Abstract

【課題】天然物由来の物質は吸湿性が高く、ケイ酸カルシウムに吸着させる際に団粒化や塊状の固体となることが多く、従って、工業的に利用可能な製造方法は非常に限られていたこと等から、工業的に利用可能な製造方法でより均質な顆粒を得る方法が求められていた。【解決手段】生薬又は天然物由来の物質を含有し、0.45g/cc以上のゆるめ嵩密度を有する顆粒の製造方法であって、多孔性ケイ酸カルシウムに該生薬又は天然物の浸出液又はその濃縮液を添加し、撹拌混合した後に乾燥させる第1の吸着工程;該第1の吸着工程で得られた一次吸着物に該生薬又は天然物の浸出液又はその濃縮液を更に添加し、撹拌混合して乾燥させる第2の吸着工程;及び該第2の吸着工程で得られた二次吸着物に水及びエタノールの混液を添加して練合し、押出造粒を行う造粒工程、を含む上記方法を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、生薬又は天然物由来の物質を含有する顆粒及びその製造方法に関する。より具体的には、多孔性ケイ酸カルシウムに生薬又は天然物の浸出液又はその濃縮液を添加し、造粒して得られる顆粒及びその製造方法に関する。
漢方薬を筆頭に、薬用植物由来の成分を含有する製剤は、使用の簡便さにより、生薬の浸出液を濃縮して製したエキス製剤とされたものが主流であり、様々な剤形で流通している。この場合、顆粒剤や錠剤等の固形製剤とすることができれば、液剤と比較して、容器も含めた製剤の重量及び体積を小さくすることができるため、服用性を改善することができると共に、製品の流通や販売におけるコストを削減することもできる。
エキス製剤は、水又は30%以下の含水エタノールにより抽出して製造されることが多いが、含水エタノールにより抽出されたエキスは、水により抽出されたエキスと比較し、デンプンなどの高分子類の抽出が抑制されるため、固形分量が少なくなり、従って1回あたりの服用量を減ずることができる。そのため、固形製剤とする上では有利であるが、固形状にする際に核となるデンプン量が少なくなるため、固体状態を維持することが困難となる場合が多い。そのため、エキス製剤は、固形製剤よりも、液剤として使用されるものが多い。
一方、固形製剤として製剤化した場合、最終製剤の1回あたりの服用量が1g以上となることがあるため、顆粒剤として提供することが好ましい。この場合、口中の唾液で顆粒が吸湿し、半固体の塊状となる可能性を考慮する必要があるため、これを抑制するような製剤設計とすることが望まれる。また、粒子径が大きくかつ揃った粒度分布である顆粒とすることで服用性が改善され、また有効成分の溶出速度も均一化し得る。
一般的に、顆粒を調製する方法としては、乾式による造粒方法又は湿式による造粒方法に大別される。その中でも湿式による造粒方法である流動層造粒法と撹拌造粒法が効率よく顆粒を製造できる方法として製薬業界で多用されている。種々の医薬品の製造に関わる漢方エキス粉末を用いて顆粒を製造する技術として、ケイ酸カルシウムに水を加え、均一に混合・分散させた後に、漢方エキス粉末を加えて攪拌造粒する方法が報告されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。また、特許文献3には、漢方エキス等を含有する顆粒物の製造方法が開示されている。特許文献1の段落番号[0011]、特許文献2の段落番号[0012]、及び特許文献3の段落番号[0011]に記載された通り、これらの方法はいずれも、日本薬局方解説書の製剤総則に記載された造粒法の中で、転動造粒法及び湿式破砕法に相当する製造方法である。
また、特許文献4には、薬学的活性成分をメタケイ酸アルミン酸マグネシウム又はカルシウムケイ酸塩(ケイ酸カルシウム)及び担体と混合した後に湿式顆粒化する工程を含む、経口用薬学組成物の製造方法が開示され、その実施例にはシルデナフィルクエン酸塩等を活性成分とする錠剤の製造方法が記載されている。特許文献4において、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム又はケイ酸カルシウムの含有量は、組成物全重量に対して3~20重量%とされている。
特開2001-294533号 特開2002-326925号 国際公開WO2009/038145号 国際公開WO2013/058496号
天然物由来の物質は吸湿性が高く、ケイ酸カルシウムに吸着させる際に団粒化や塊状の固体となることが多く、従って、工業的に利用可能な製造方法は非常に限られている。上記特許文献で転動造粒法・湿式破砕法・湿式顆粒化法等の攪拌造粒が開示されているが、乾式による粉砕造粒法が一般的であり、造粒に必要な水の添加量のコントロールが困難なために湿式による押出造粒は採用されることはなかった。しかしながら、撹拌造粒法により得られた顆粒では、顆粒の径のばらつきが大きく、整粒工程において収率の低下や作業負担が生じると共に、最終製品の顆粒剤においても、溶出速度の変動をもたらすことにつながり得る。
従って、工業的に利用可能な製造方法でより均質な顆粒を得る方法が求められていた。
本発明者等は、ケイ酸カルシウムに生薬又は天然物の浸出液又はその濃縮液を添加して吸着させる工程、並びに造粒工程のあらゆる条件を変えて種々検討した結果、驚くべきことに、生薬又は天然物の浸出液又はその濃縮液を複数回に分けて添加する複数の吸着工程を経ると共に、吸着物に水及びエタノールの混液を添加して練合することで、押出造粒が可能であり、顆粒剤に適した顆粒が得られることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は以下を提供するものである。
1. 生薬又は天然物由来の物質を含有し、0.45g/cc以上のゆるめ嵩密度を有する顆粒の製造方法であって、
多孔性ケイ酸カルシウムに生薬若しくは天然物の浸出液又はその濃縮液を添加し、撹拌混合した後に乾燥させる第1の吸着工程、
該第1の吸着工程で得られた一次吸着物に該生薬若しくは天然物の浸出液又はその濃縮液を更に添加し、撹拌混合して乾燥させる第2の吸着工程、及び
該第2の吸着工程で得られた造粒前吸着物に水及びエタノールの混液を添加して練合し、押出造粒を行う造粒工程、
を含む、上記方法。
2. 多孔性ケイ酸カルシウムがジャイロライト型ケイ酸カルシウムである、上記1に記載の方法。
3. 上記第1の吸着工程において、上記生薬若しくは天然物の浸出液又はその濃縮液を2回以上に分けて添加する、上記1又は2に記載の方法。
4. 上記第2の吸着工程が、上記一次吸着物に上記生薬若しくは天然物の浸出液又はその濃縮液の一部を添加し、撹拌混合して乾燥させる工程と、該生薬若しくは天然物の浸出液又はその濃縮液の残部を添加し、撹拌混合して乾燥させる1以上の更なる工程とを含む、上記1~3のいずれかに記載の方法。
5. 上記造粒工程において、水及びエタノールの混液と共に、あるいは水に代えて生薬若しくは天然物の浸出液又はその濃縮液を更に添加する、上記1~4のいずれかに記載の方法。
6. 混液中のエタノールの割合が20~85容量%である、上記1~5のいずれかに記載の方法。
7. 上記生薬又は天然物が、ジオウ、タクシャ、ボタンピ、ブクリョウ、サンシュユ、サンヤク、ケイヒ、バクモンドウ、コウベイ、ハンゲ、タイソウ、カンゾウ、ニンジン、ブシからなる群より選ばれる1種以上を含む、上記1~6のいずれかに記載の方法。
8. 上記生薬若しくは天然物の浸出液又はその濃縮液が、生薬エキスH、麦門冬湯、又は八味地黄丸を含む、上記1~6のいずれかに記載の方法。
9. 多孔性ケイ酸カルシウム、及び生薬又は天然物由来の物質を含む顆粒剤であって、顆粒が0.45g/cc以上のゆるめ嵩密度を有し、粒径が0.5~2.0mmの範囲である、上記顆粒剤。
10. 多孔性ケイ酸カルシウムがジャイロライト型ケイ酸カルシウムである、上記9に記載の顆粒剤。
11. 上記生薬又は天然物由来の物質を固形分で60~90重量%の範囲で含有する、上記9又は10に記載の顆粒剤。
12. 上記生薬又は天然物が、ジオウ、タクシャ、ボタンピ、ブクリョウ、サンシュユ、サンヤク、ケイヒ、バクモンドウ、コウベイ、ハンゲ、タイソウ、カンゾウ、ニンジン、ブシからなる群より選ばれる1種以上を含む、上記9~11のいずれかに記載の顆粒剤。
13. 生薬エキスH、麦門冬湯、又は八味地黄丸由来の物質を含む、上記9~11のいずれかに記載の顆粒剤。
14. 押出造粒法により製造された、上記9~13のいずれかに記載の顆粒剤。
15. 上記1~8のいずれかに記載の方法により製造される、多孔性ケイ酸カルシウム、及び生薬又は天然物由来の物質を含む顆粒剤。
本発明によれば、工業的に利用可能な製造方法により天然物由来の物質の浸出液又はその濃縮液をケイ酸カルシウムに吸着でき、高いゆるめ嵩比重の顆粒を得ることができる。 さらに、本発明の方法により、押出造粒を用いることが可能であり、均質かつ高い収率で顆粒を製造することができる。
顆粒の製造方法
本発明は、生薬又は天然物由来の物質を含有し、0.45g/cc以上のゆるめ嵩密度を有する顆粒の製造方法であって、
多孔性ケイ酸カルシウムに該生薬若しくは天然物の浸出液又はその濃縮液を添加し、撹拌混合した後に乾燥させる第1の吸着工程、
該第1の吸着工程で得られた一次吸着物に該生薬若しくは天然物の浸出液又はその濃縮液を更に添加し、撹拌混合して乾燥させる第2の吸着工程、及び
該第2の吸着工程で得られた造粒前吸着物に水及びエタノールの混液を添加して練合し、押出造粒を行う造粒工程、
を含む、上記方法を提供する。
生薬又は天然物
本発明によって得られる顆粒に含まれる生薬又は天然物由来の物質は、特に限定するものではなく、生薬、天然物、漢方処方、又はそれらの混合物等から当分野において通常用いられる浸出によって得られる任意の物質であり、エキスと表現することもできる。
生薬又は天然物としては、具体的には、例えばジオウ、タクシャ、ボタンピ、ブクリョウ、サンシュユ、サンヤク、ケイヒ、バクモンドウ、コウベイ、ハンゲ、タイソウ、カンゾウ、ニンジン、ブシ、アガリクス、アマチャヅル、イチョウ葉、ウイキョウ、ウコン、エゾウコギ、オリーブ、ナタネニンジン、カミツレ、カリン、ガラナ、キキョウ、アロエ、クコ、クマザサ、クワ、シソ、ショウガ、セイヨウオトギリソウ、セイヨウニンジン、ダイダイ、トウガラシ、トウチュウカソウ、トチュウ、ドクダミ、ナツメ、ニンニク、ハトムギ、ベニバナ、ホップ、マカ、マムシ、ヤマブシタケ、レイシ、ローヤルゼリー、アカメガシワ、イカリソウ、インヨウカク、ウヤク、エンゴサク、エンメイソウ、オウギ、オウゴン、オウセイ、オウレン、オンジ、カッコン、ガジュツ、クコシ、ゲンチアナ、コウジン、ゴオウ、ゴミシ、ゴシュユ、サイコ、サイシン、サンザシ、サンシシ、サンソウニン、シャゼンシ、シュクシャ、ショウキョウ、ショウズク、ジョウヒ、ジョテイシ、ジリュウ、セキショウ、セネガ、センキュウ、センブリ、ソウジュツ、ソヨウ、チクセツニンジン、チョウジ、チンピ、トウキ、トコン、トシシ、ナンテンジツ、ニクジュヨウ、ハンピ、ホコツシ、マオウ、マタタビ、ムイアプラマ、モッコウ、ヨクイニン、リュウガンニク、リュウタン、ロクジョウ等が挙げられる。
漢方処方としては、例えば、「一般用漢方処方の手引き」(厚生省薬務局監修、薬事時報社、1975年)に記載されるものがあげられる。具体的には、漢方薬の小柴胡湯、柴苓湯、補中益気湯、柴朴湯、牛車腎気丸、加味逍遥散、麦門冬湯、八味地黄丸、大建中湯、小青竜湯、六君子湯、当帰芍薬散、十全大補湯、葛根湯、柴胡桂枝湯、桂枝茯苓丸、釣藤散、大柴胡湯、柴胡加竜骨牡蛎湯、猪苓湯、温経湯、黄連解毒湯、防已黄耆湯、五苓散、白虎加人参湯、芍薬甘草湯、半夏白朮天麻湯、人参養栄湯、防風通聖散、半夏瀉心湯、小柴胡湯加桔梗石膏、桂枝加朮附湯、荊芥連翹湯、半夏厚朴湯、加味帰脾湯、温清飲、清肺湯、大黄甘草湯、十味敗毒湯、当帰飲子、辛夷清肺湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、麻黄附子細辛湯、乙字湯、葛根湯加川キュウ辛夷、安中散料、消風散、桂枝加竜骨牡蠣湯、麻黄湯、人参湯、苓桂朮甘湯、桂枝湯、麻杏甘石湯、清上防風湯、桃核承気湯、小建中湯、桂枝加芍薬湯、桔梗湯、四逆散、酸棗仁湯、桂枝茯苓丸料加ヨクイニン、治頭瘡一方、七物降下湯、竹茹湯胆湯、神秘湯、五虎湯等が挙げられる。好ましくは、漢方処方は、麦門冬湯、及び八味地黄丸である。
本発明で使用される生薬又は天然物は、好ましくはジオウ、タクシャ、ボタンピ、ブクリョウ、サンシュユ、サンヤク、ケイヒ、バクモンドウ、コウベイ、ハンゲ、タイソウ、カンゾウ、ニンジン、ブシからなる群より選ばれる1種以上を含み得る。
上記の生薬又は天然物は、当分野で通常用いられる方法により、有効成分を浸出(抽出とも表現し得る)した浸出液(抽出液)として製剤化に利用することができる。浸出は、必ずしも熱水煎出である必要はなく、冷浸等の他の方法でもよい。また、浸出に用いる溶媒は、浸出する漢方・生薬に応じて好適な溶媒を採用することができる。
本発明の浸出液又はその濃縮液としては、乾燥工程を経ないで通常公知の浸出・濃縮方法で調整したものであれば特に制限されず、浸出液としては浸剤、煎剤、チンキなど、濃縮液としては軟エキス、流エキスなどが使用できる。
また、有効成分を含有する浸出液をそのまま、又は場合によって濃縮して本発明に使用することができる。浸出液の濃縮は、減圧濃縮など通常公知の濃縮方法を採用することができる。
本発明に使用される浸出液又はその濃縮液は、液体分と固形分から構成されるが、固形分の割合は適宜設定することができ、工程全体の効率を考慮し、固形分の割合は全体の20~40%の範囲とすることが好ましい。
本発明において好適に使用可能な生薬若しくは天然物の浸出液又はその濃縮液としては、上記の生薬、天然物、漢方処方、又はそれらの混合物から通常用いられる方法によって得られる浸出液又はその濃縮液であって良く、特に限定するものではないが、好ましくは生薬エキスH、麦門冬湯、又は八味地黄丸を含むものであり得る。
生薬エキスHは、8種類の生薬(ジオウ、タクシャ、ボタンピ、ブクリョウ、サンシュユ、サンヤク、ケイヒ、ブシ)を、熱湯にて抽出・濾過し、さらにエタノールを加え、澱粉等を分離除去した後、エタノールを蒸発除去して製造したエキスであり、医薬品原料として厚生省から承認を得ているものであり、「別紙規格 生薬エキスH」である。生薬エキスHは、例えば特許第3615023号公報記載の方法により製造することができる。
多孔性ケイ酸カルシウム
本発明で使用できる多孔性ケイ酸カルシウムは、一般式:
2CaO・3SiO・mSiO・nH
[式中、1<m<2、2<n<3である。]
として表される化学式を有する。
多孔性ケイ酸カルシウムとしては、市販されている様々なケイ酸カルシウムを使用できるが、好ましくは花弁状結晶構造を有する特殊ケイ酸カルシウムである。当該特殊ケイ酸カルシウムは、医薬品添加物規格や化粧品原料基準外成分規格に記載されている化学名「ケイ酸カルシウム」の規格に適合するものの中で、大きな細孔径と細孔容積を有する花弁状結晶構造を持つジャイロライト型ケイ酸カルシウムである。具体的には、富田製薬株式会社の商品名「フローライトRE」として流通している特殊なケイ酸カルシウムを使用することができる。
第1の吸着工程
本発明の方法は、まず、多孔性ケイ酸カルシウムに生薬若しくは天然物の浸出液又はその濃縮液を添加し、撹拌混合した後に乾燥させる第1の吸着工程を含む。この第1の吸着工程において得られる吸着物を、本明細書中で一次吸着物と記載する。
第1の吸着工程において使用する浸出液又はその濃縮液は、ケイ酸カルシウム90質量部に対して675質量部以下で使用され、好ましくは360~675質量部であり、より好ましくは450~675質量部である。この工程で使用する浸出液又はその濃縮液の量が多すぎると、混合物が団粒化し、次の工程に移行するのに適した一次吸着物を得ることが困難となり、第2の吸着工程以降の工程ができなくなり得る。
第1の吸着工程において、生薬若しくは天然物の浸出液又はその濃縮液は、1回で、又は2回以上の複数回に分けて添加することができる。浸出液又はその濃縮液は、好ましくは2回~6回、より好ましくは2~4回に分けて、多孔性ケイ酸カルシウムに添加される。
第1の吸着工程において、多孔性ケイ酸カルシウムと生薬若しくは天然物の浸出液又はその濃縮液との撹拌混合を実施するための機器は、密閉型の撹拌装置であれば良く、特に限定されるものではないが、高速撹拌造粒装置とすることが好ましい。
撹拌混合の後、混合物を通常行われる方法により乾燥し、解砕して一次吸着物を取得する。乾燥を実施するための機器は、当分野で使用されているものを適宜使用することができ、特に限定されるものではないが、熱に不安定な成分が含まれる場合には、流動乾燥とすることが好ましい。
本発明において、一次吸着物は、0.35g/cc未満のゆるめ嵩密度を有するものであることが好ましい。本発明者等の知見によれば、0.35g/cc以上では後の第2の吸着工程及び造粒工程において、団粒化が起こり、適切な顆粒を製造することができない。それに対して、0.35g/cc未満の一次吸着物を用いた場合に、最終的に0.45g/cc以上の高いゆるめ嵩密度を有する顆粒を得ることができる。また、一次吸着物の平均粒子径は100μm程度とすることが好ましい。
第2の吸着工程
本発明の方法は、第1の吸着工程で得られた一次吸着物に、次いで、該生薬若しくは天然物の浸出液又はその濃縮液を更に添加し、撹拌混合して乾燥させる第2の吸着工程を含む。
第2の吸着工程は、上記の第1の吸着工程とほぼ同様の手順により、一次吸着物に更に浸出液又はその濃縮液を吸着させて吸着物を得るものである。第2の吸着工程は、第1の吸着工程で得られた一次吸着物に、生薬又は天然物の浸出液又はその濃縮液の残部を1回で添加する工程とすることができる。あるいはまた、第2の吸着工程は、一次吸着物に、生薬又は天然物の浸出液又はその濃縮液の一部を添加し、撹拌混合して乾燥させる工程と、該生薬又は天然物由来のエキスの残部を添加し、撹拌混合して乾燥させる1以上の更なる工程とを含むものとすることができる。すなわち、第2の吸着工程において、生薬若しくは天然物の浸出液又はその濃縮液を更に添加し、撹拌混合して乾燥させる工程を1回以上繰り返すことができ、好ましくは1~3回であり、より好ましくは1回である。
一次吸着物に浸出液又はその濃縮液を吸着させ、乾燥を経て得られた吸着物は、上記の撹拌混合及び乾燥の回数に応じて二次吸着物、三次吸着物、四次吸着物等と記載することができる。そして、以下の造粒工程に用いる吸着物を造粒前吸着物と記載することもできる。
第2の吸着工程で使用される浸出液又はその濃縮液は、ケイ酸カルシウム90質量部に対して50~500質量部であり、好ましくは100~410質量部である。
第2の吸着工程において、一次吸着物と生薬若しくは天然物の浸出液又はその濃縮液との撹拌混合を実施するための機器は、密閉型の撹拌装置であれば良く、特に制限定されるものではないが、高速撹拌造粒装置とすることが好ましい。
撹拌混合の後、混合物を通常行われる方法により乾燥し、解砕して二次(又は三次、四次)吸着物を取得する。乾燥を実施するための機器は、当分野で使用されているものを適宜使用することができ、特に限定されるものではないが、熱に不安定な成分が含まれる場合には、流動乾燥とすることが好ましい。
造粒前吸着物は、0.40g/cc以上のゆるめ嵩密度を有しており、これを造粒工程に付すことができる。造粒前吸着物の平均粒子径は150μm程度とすることが好ましい。
造粒工程
本発明の方法は、第2の吸着工程等で得られた造粒前吸着物に水及びエタノールの混液を添加して練合し、押出造粒を行う造粒工程を含む。
添加される水及びエタノールの混液中のエタノールの割合は、全体の20~85容量%であればよく、好ましくは40~85容量%である。20容量%未満もしくは90容量%以上では押出造粒の際に造粒前吸着物が塊状となり、スクリーンを通して押出造粒することができない。
また、添加される水及びエタノールの混液の総量は、多孔性ケイ酸カルシウム90質量部に対して50質量部以上であれば造粒が可能であり、好ましくは50~500質量部であり、より好ましくは100~400質量部である。また、混液の総量は、造粒前吸着物に対して50~100重量部の範囲であれば良く、例えば約60重量部とすることができる。
造粒工程において、水及びエタノールの混液と共に、あるいは水に代えて生薬又は天然物の浸出液又はその濃縮液を更に添加しても良い。当該浸出液又はその濃縮液は、ケイ酸カルシウム90質量部に対して10~300質量部であり、好ましくは50~200質量部である。
従って、生薬又は天然物の浸出液又はその濃縮液は、第1の吸着工程、第2の吸着工程、造粒工程のいずれにおいても添加することができ、その総添加量は、ケイ酸カルシウム90質量部に対して、90~2700質量部、好ましくは450~1800質量部であり、より好ましくは900~1350質量部の範囲とすることができる。
押出造粒を行うための機器に特に制限はなく、当分野において使用されるものを適宜使用可能であるが、二軸のスクリューで粉体を送り、スクリーンを通過させて顆粒とすることができる造粒機の使用が好ましい。スクリーンの径は0.5~2.0 mmの範囲とすることができる。
スクリーンを通過させた顆粒は、次いで通常使用される方法で乾燥するが、顆粒の変形又は微粉化を回避するためには棚式乾燥を使用することが好ましい。また、スクリーンを通過させた後、又は乾燥後にふるいなどを用いて顆粒を整粒することができる。
本発明の方法によって得られる顆粒は、0.45g/cc以上の高いゆるめ嵩比重を有しており、内服液と同等と判断される溶出性を有している。また、顆粒は直径が0.5~2.0 mmであり、小さすぎて製造工程や服用時に空気中に飛散することはなく、大きすぎて服用時に患者に過度の負担を強いることはない。更に、当該顆粒はその60重量%以上、好ましくは60~90重量%、より好ましくは65~85重量%を生薬又は天然物由来の物質とすることができる。
顆粒剤
本発明は、多孔性ケイ酸カルシウム、及び生薬又は天然物由来の物質を含む顆粒剤であって、顆粒が0.45g/cc以上のゆるめ嵩密度を有し、粒径が0.5~2.0mmの範囲である、上記顆粒剤を提供する。
本発明の顆粒剤において、多孔性ケイ酸カルシウムは、上記したものを適宜使用することができるが、ジャイロライト型ケイ酸カルシウムを好適に使用することができる。
生薬又は天然物由来の物質は、上記したものを適宜使用することができるが、好適なものとしては、ジオウ、タクシャ、ボタンピ、ブクリョウ、サンシュユ、サンヤク、ケイヒ、バクモンドウ、コウベイ、ハンゲ、タイソウ、カンゾウ、ニンジン、ブシからなる群より選ばれる1種以上を含むものが挙げられる。また、本発明の顆粒剤は、生薬エキスH、麦門冬湯、又は八味地黄丸由来の物質を含むものとすることができる。
本発明の顆粒剤は、上記生薬又は天然物由来の物質を固形分で60~90重量%の範囲で含有する。
本発明の顆粒剤は、特に限定するものではないが、押出造粒法により好適に製造することができる。従って、本発明の顆粒剤は、上記の本発明の方法によって製造される、多孔性ケイ酸カルシウム、及び生薬又は天然物由来の物質を含む顆粒剤であり得る。
撹拌造粒法によって造粒した場合には、大きさが不均一となるため、別途解砕工程が必要となり、また転動造粒法によって造粒した場合、押出造粒法で造粒した場合と比較して体積がより大きくなるため、経口での服用感が劣るものとなる。従って、押出造粒法で製造される本発明の顆粒剤は、粒径がより均一なものとなり、好適なゆるめ嵩密度を有するため、外観も良く、また服用性も優れたものとなる。
本発明の顆粒剤は、多孔性ケイ酸カルシウム、及び有効成分としての生薬又は天然物由来の物質を必須に含有する以外は、特に追加の成分を有することを必要とするものではないが、例えば結合剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味料、嬌味剤、香料等を適宜含むことができる。
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、ゆるめ嵩密度は第17改正日本薬局方、一般試験法、粉体物性測定法の中、かさ密度及びタップ密度測定法のかさ密度の第3法(容器を用いる方法)に準じて実施し、多孔性ケイ酸カルシウムとして、フローライトRE(富田製薬株式会社)を使用した。
[実施例1]
ケイ酸カルシウムの90質量部をアーステクニカ製のマイクロウェーブグラニュレータドライヤの容器に投入した。続いて、固形分31.0%の生薬エキスHの150質量部(固形分として47質量部相当)を投入し、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散した。次いで、分散物に生薬エキスHの150質量部を更に投入して同様に撹拌して分散する操作を3回繰り返し、生薬エキスHを合わせて600質量部投入した。排出した吸着物を流動層乾燥機で乾燥し、得られた粉末を一次吸着物とした。得られた一次吸着物のゆるめ嵩密度は0.28g/ccであった。
一次吸着物に生薬エキスHの361質量部(固形分として112質量部相当)を加えて、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散した。排出した吸着物をパウレック製の流動層乾燥機で乾燥し、得られた粉末を二次吸着物(造粒前吸着物)とした。
二次吸着物に練合液としてエタノール164質量部と精製水70質量部の混液(約70v/v%エタノールに相当)を投入し、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散し、練合物とした。得られた練合物を1.0mmのスクリーンを設置したコーミルで押出造粒を行った結果、76.9%の生薬エキスHを含有する顆粒を得ることができた。得られた顆粒は東京理化器械製の乾燥器で棚式乾燥後、目開き1mmのふるいで整粒を行った。得られた顆粒のゆるめ嵩密度は0.50g/ccであった。
[実施例2]
ケイ酸カルシウムの90質量部をアーステクニカ製のマイクロウェーブグラニュレータドライヤの容器に投入した。続いて、固形分31.0%の生薬エキスHの150質量部(固形分として47質量部相当)を投入し、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散した。次いで、分散物に生薬エキスHの150質量部を更に投入して同様に撹拌して分散する操作を3回繰り返し、生薬エキスHを合わせて600質量部投入した。排出した吸着物をパウレック製の流動層乾燥機で乾燥し、得られた粉末を一次吸着物とした。得られた一次吸着物のゆるめ嵩密度は0.28g/ccであった。
一次吸着物に生薬エキスHの361質量部(固形分として112質量部相当)を加えて、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散した。排出した吸着物を流動層乾燥機で乾燥し、得られた粉末を二次吸着物(造粒前吸着物)とした。
二次吸着物に練合液としてエタノールの98質量部と精製水の98質量部の混液(約53v/v%エタノールに相当)を投入し、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散し、練合物とした。得られた練合物を1.0mmのスクリーンを設置したパウレック製のクアドロ・コーミルで押出造粒を行った結果、76.9%の生薬エキスHを含有する顆粒を得ることができた。得られた顆粒は東京理化器械の乾燥器で棚式乾燥後、目開き1mmのふるいで整粒を行った。得られた顆粒のゆるめ嵩密度は0.53g/ccであった。
[実施例3]
ケイ酸カルシウムの90質量部をアーステクニカ製のマイクロウェーブグラニュレータドライヤの容器に投入した。続いて、固形分31.0%の生薬エキスHの150質量部(固形分として47質量部相当)を投入し、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散した。次いで、分散物に生薬エキスHの150質量部を更に投入して同様に撹拌して分散する操作を3回繰り返し、生薬エキスHを合わせて600質量部投入した。排出した吸着物をパウレック製の流動層乾燥機で乾燥し、得られた粉末を一次吸着物とした。得られた一次吸着物のゆるめ嵩密度は0.28g/ccであった。
一次吸着物に生薬エキスHの361質量部(固形分として112質量部相当)を加えて、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散した。排出した吸着物を流動層乾燥機で乾燥し、得られた粉末を二次吸着物(造粒前吸着物)とした。
二次吸着物に練合液としてエタノールの250質量部と精製水の62質量部の混液(約80v/v%エタノールに相当)を投入し、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散し、練合物とした。得られた練合物を1.0mmのスクリーンを設置したパウレック製のクアドロ・コーミルで押出造粒を行った結果、76.9%の生薬エキスHを含有する顆粒を得ることができた。得られた顆粒は東京理化器械製の乾燥器で棚式乾燥後、目開き1mmのふるいで整粒を行った。得られた顆粒のゆるめ嵩密度は0.51g/ccであった。
[実施例4]
ケイ酸カルシウムの90質量部を奈良機械製の高速撹拌造粒装置の容器に投入した。続いて、固形分31.0%の生薬エキスHの150質量部(固形分として47質量部相当)を投入し、主撹拌軸100rpm、造粒軸2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散した。次いで、分散物に生薬エキスHの150質量部を更に投入して同様に撹拌して分散する操作を3回繰り返し、生薬エキスHを合わせて600質量部投入した。排出した吸着物をパウレック製の流動層乾燥機で乾燥し、得られた粉末を一次吸着物とした。得られた一次吸着物のゆるめ嵩密度は0.27g/ccであった。
一次吸着物に再度生薬エキスHの361質量部(固形分として112質量部相当)を加えて、主撹拌軸100rpm、造粒軸2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散した。排出した吸着物を流動層乾燥機で乾燥し、得られた粉末を二次吸着物(造粒前吸着物)とした。
二次吸着物に練合液としてエタノールの164質量部と精製水の70質量部混液(約70v/v%エタノールに相当)を投入し、主撹拌軸100rpm、造粒軸2000rpmの速度で20秒間撹拌した。得られた練合物を0.8mmのスクリーンを設置した不二パウダル製のペレッターダブルで押出造粒を行った結果、顆粒を得ることができた。得られた顆粒はヤマト科学製の乾燥器で棚式乾燥後、目開き1mmのふるいで整粒を行った。得られた顆粒のゆるめ嵩密度は0.50g/ccであった。
[実施例5]
ケイ酸カルシウムの90質量部をアーステクニカ製のマイクロウェーブグラニュレータドライヤの容器に投入した。続いて、固形分28.0%の生薬エキスHの166質量部(固形分として47質量部相当)を投入し、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散した。次いで、分散物に生薬エキスHの150質量部を更に投入して同様に撹拌して分散する操作を3回繰り返し、生薬エキスHを合わせて616質量部投入した。排出した吸着物をパウレック製の流動層乾燥機で乾燥し、得られた粉末を一次吸着物とした。得られた一次吸着物のゆるめ嵩密度は0.30g/ccであった。
一次吸着物に生薬エキスHの400質量部(固形分として112質量部相当)を加えて、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散した。排出した吸着物を流動層乾燥機で乾燥し、得られた粉末を二次吸着物(造粒前吸着物)とした。
二次吸着物にエタノールの164質量部と精製水の70質量部の混液(約70v/v%エタノールに相当)を投入し、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散し、練合物とした。得られた練合物を1.0mmのスクリーンを設置したコーミルで押出造粒を行った結果、76.9%の生薬エキスHを含有する顆粒を得ることができた。得られた顆粒は東京理化器械製の乾燥器で棚式乾燥後、目開き1mmのふるいで整粒を行った。得られた顆粒のゆるめ嵩密度は0.54g/ccであった。
[実施例6]
ケイ酸カルシウム90質量部を奈良器械製の高速撹拌造粒装置の容器に投入した。続いて、固形分26.0%の生薬エキスHの165質量部(固形分として43質量部相当)を投入し、撹拌軸100rpm、造粒軸2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散した。更に、分散物に固形分26.0%の生薬エキスHの165質量部を更に投入して同様に撹拌して分散する操作を2回繰り返し、得られた吸着物をパウレック製の流動層乾燥機で30分間予備乾燥した。予備乾燥した吸着粉末に高速撹拌造粒装置の容器中で生薬エキスHの165質量部を投入し、撹拌軸100rpm、造粒軸2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散した。排出した吸着物を流動層乾燥機で乾燥し、得られた粉末を一次吸着物とした。投入した生薬エキスHの量は合計660質量部であり、得られた一次吸着物のゆるめ嵩密度は0.28g/ccであった。
一次吸着物に生薬エキスHの373質量部(固形分として97質量部相当)を加えて、撹拌軸100rpm、造粒軸2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散した。排出した吸着物を流動層乾燥機で乾燥し、得られた粉末を二次吸着物(造粒前吸着物)とした。
二次吸着物に生薬エキスHの119質量部(固形分として31質量部、液体分として88質量部相当)、エタノールの140質量部の混液(生薬エキスH中の水分と合算すると63v/v%エタノール相当)を投入し、撹拌軸100rpm、造粒軸2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散し、練合物とした。得られた練合物を0.8mmのスクリーンを設置した不二パウダル製のペレッターダブルで押出造粒を行った結果、76.9%の生薬エキスHを含有する顆粒を得ることができた。得られた顆粒はヤマト科学製の乾燥器で棚式乾燥後、目開き1mmのふるいで整粒を行った。得られた顆粒のゆるめ嵩密度は0.52g/ccであった。
[実施例7]
ケイ酸カルシウム90質量部をアーステクニカ製のマイクロウェーブグラニュレータードライヤの容器に投入した。続いて、固形分26.5%の生薬エキスHの162質量部(固形分として43質量部相当)を投入し、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散した。次いで、分散物に生薬エキスHの162質量部を更に投入して同様に撹拌して分散する操作を3回繰り返し、生薬エキスHを合わせて648質量部投入した。排出した吸着物をパウレック製の流動層乾燥機で乾燥し、得られた粉末を一次吸着物とした。得られた一次吸着物のゆるめ嵩密度は0.27g/ccであった。
一次吸着物に生薬エキスHの385質量部(固形分として102質量部相当)を加えて、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散した。排出した吸着物を流動層乾燥機で乾燥し、得られた粉末を二次吸着物(造粒前吸着物)とした。
二次吸着物に固形分26.5%の生薬エキスHの98質量部(固形分として26質量部、液体分として72質量部相当)とエタノールの162質量部の混液(生薬エキスH中の水分と合算すると70v/v%エタノール相当)を投入し、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散し、練合物とした。得られた練合物を1.0mmのスクリーンを設置したパウレック製のクアドロ・コーミルで押出造粒を行った結果、76.9%の生薬エキスHを含有する顆粒を得ることができた。得られた顆粒は東京理化器械製の乾燥器で棚式乾燥後、目開き1mmのふるいで整粒を行った。得られた顆粒のゆるめ嵩密度は0.53g/ccであった。
[実施例8]
ケイ酸カルシウム90質量部を奈良機械製の高速撹拌造粒装置の容器に投入した。続いて、固形分26.5%の生薬エキスHの162質量部(固形分として43質量部相当)を投入し、主撹拌軸100rpm、造粒軸2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散した。次いで、分散物に生薬エキスHの162質量部を更に投入して同様に撹拌して分散する操作を3回繰り返し、生薬エキスHを合わせて648質量部投入した。排出した吸着物をパウレック製の流動層乾燥機で乾燥し、得られた粉末を一次吸着物とした。得られた一次吸着物のゆるめ嵩密度は0.30g/ccであった。
一次吸着物に生薬エキスHの385質量部(固形分として102質量部相当)を加えて、主撹拌軸100rpm、造粒軸2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散した。排出した吸着物を流動層乾燥機で乾燥し、得られた粉末を二次吸着物(造粒前吸着物)とした。
二次吸着物に固形分26.5%の生薬エキスHの98質量部(固形分として26質量部、液体分として72質量部相当)とエタノールの162質量部の混液(生薬エキスH中の水分と合算すると70v/v%エタノール相当)を投入し、主撹拌軸100rpm、造粒軸2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散し、練合物とした。得られた練合物を0.8mmのスクリーンを設置した不二パウダル製のペレッターダブルで押出造粒を行った結果、76.9%の生薬エキスHを含有する顆粒を得ることができた。得られた顆粒はヤマト科学製の乾燥器で棚式乾燥後、目開き1mmのふるいで整粒を行った。得られた顆粒のゆるめ嵩密度は0.54g/ccであった。
[実施例9]
ケイ酸カルシウム90質量部をアーステクニカ製のマイクロウェーブグラニュレータードライヤの容器に投入した。続いて、固形分26.0%の生薬エキスHの165質量部(固形分として43質量部相当)を投入し、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で10秒間撹拌し、均一に分散した。次いで、分散物に生薬エキスHの165質量部を更に投入して同様に撹拌して分散する操作を3回繰り返し、生薬エキスHを合わせて660質量部投入した。排出した吸着物をパウレック製の流動層乾燥機で乾燥し、得られた粉末を一次吸着物とした。得られた一次吸着物のゆるめ嵩密度は0.30g/ccであった。
一次吸着物に生薬エキスHの373質量部(固形分として97質量部相当)を加えて、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散した。排出した吸着物を流動層乾燥機で乾燥し、得られた粉末を二次吸着物(造粒前吸着物)とした。
二次吸着物に生薬エキスHの119質量部(固形分として31質量部、液体分として88質量部相当)とエタノールの140質量部の混液(生薬エキスH中の水分と合算すると63v/v%エタノールに相当)を投入し、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散し、練合物とした。得られた練合物を1.0mmのスクリーンを設置したパウレック製のクアドロ・コーミルで押出造粒を行った結果、76.9%の生薬エキスHを含有する顆粒を得ることができた。得られた顆粒は東京理化器械製の乾燥器で棚式乾燥後、目開き1mmのふるいで整粒を行った。得られた顆粒のゆるめ嵩密度は0.50g/ccであった。
[実施例10]
ケイ酸カルシウム90質量部を奈良器械製の高速撹拌造粒装置の容器に投入した。続いて、固形分26.0%の生薬エキスHの165質量部(固形分として43質量部相当)を投入し、主撹拌軸120rpm、造粒軸2000rpmの速度で10秒間撹拌し、均一に分散した。次いで、分散物に生薬エキスHの165質量部を更に投入して同様に撹拌して分散する操作を3回繰り返し、生薬エキスHを合わせて660質量部投入した。排出した吸着物をパウレック製の流動層乾燥機で乾燥し、得られた粉末を一次吸着物とした。得られた一次吸着物のゆるめ嵩密度は0.30g/ccであった。
一次吸着物に生薬エキスHの373質量部(固形分として97質量部相当)を加えて、主撹拌軸120rpm、造粒軸2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散した。排出した吸着物を流動層乾燥機で乾燥し、得られた粉末を二次吸着物(造粒前吸着物)とした。
二次吸着物に生薬エキスHの119質量部(固形分として31質量部、液体分として88質量部相当)とエタノールの140質量部の混液(生薬エキスH中の水分と合算すると63v/v%エタノールに相当)を投入し、主撹拌軸120rpm、造粒軸2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散し、練合物とした。得られた練合物を0.8mmのスクリーンを設置した不二パウダル製のペレッターダブルで押出造粒を行った結果、76.9%の生薬エキスHを含有する顆粒を得ることができた。得られた顆粒は東京理化器械製の乾燥器で棚式乾燥後、目開き1mmのふるいで整粒を行った。得られた顆粒のゆるめ嵩密度は0.50g/ccであった。
[実施例11]
ケイ酸カルシウム90質量部をアーステクニカ製のマイクロウェーブグラニュレータードライヤの容器に投入した。続いて、固形分26.0%の生薬エキスHの165質量部(固形分として43質量部相当)を投入し、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で10秒間撹拌し、均一に分散した。次いで、分散物に生薬エキスHの165質量部を更に投入して同様に撹拌して分散する操作を3回繰り返し、生薬エキスHを合わせて660質量部投入した。排出した吸着物を流動層乾燥機で乾燥し、得られた粉末を一次吸着物とした。得られた一次吸着物のゆるめ嵩密度は0.30g/ccであった。
一次吸着物に生薬エキスHの385質量部(固形分として102質量部相当)を加えて、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散した。排出した吸着物を流動層乾燥機で乾燥し、得られた粉末を二次吸着物とした。
得られた二次吸着物に生薬エキスHの135質量部(固形分として35質量部相当)を加えて、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で10秒間撹拌し、均一に分散した。排出した吸着物を流動層乾燥機で乾燥し、得られた粉末を三次吸着物(造粒前吸着物)とした。
三次吸着物に生薬エキスHの135質量部(固形分として35質量部、液体分として100質量部相当)とエタノールの150質量部の混液(生薬エキスH中の水分と合算すると60v/v%エタノールに相当)を投入し、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散し、練合物とした。得られた練合物を1.0mmのスクリーンを設置したパウレック製のクアドロ・コーミルで押出造粒を行った結果、79.0%の生薬エキスHを含有する顆粒を得ることができた。得られた顆粒は東京理化器械製の乾燥器で棚式乾燥後、目開き1mmのふるいで整粒を行った。得られた顆粒のゆるめ嵩密度は0.61g/ccであった。
[実施例12]
ケイ酸カルシウム90質量部をアーステクニカ製のマイクロウェーブグラニュレータードライヤの容器に投入した。続いて、固形分26.0%の生薬エキスHの165質量部(固形分として43質量部相当)を投入し、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で10秒間撹拌し、均一に分散した。次いで、分散物に生薬エキスHの165質量部を更に投入して同様に撹拌して分散する操作を3回繰り返し、生薬エキスHを合わせて660質量部投入した。排出した吸着物を流動層乾燥機で乾燥し、得られた粉末を一次吸着物とした。得られた一次吸着物のゆるめ嵩密度は0.30g/ccであった。
一次吸着物に生薬エキスHの185質量部(固形分として48質量部相当)を加えて、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散した。排出した吸着物を流動層乾燥機で乾燥し、得られた粉末を二次吸着物(造粒前吸着物)とした。
二次吸着物にエタノールの164質量部と精製水の105質量部の混液(63v/v%エタノールに相当)を投入し、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散し、練合物とした。得られた練合物を1.0mmのスクリーンを設置したパウレック製のクアドロ・コーミルで押出造粒を行った結果、71.0%の生薬エキスHを含有する顆粒を得ることができた。得られた顆粒はヤマト科学製の乾燥器で棚式乾燥後、目開き1mmのふるいで整粒を行った。得られた顆粒のゆるめ嵩密度は0.45g/ccであった。
[実施例13]
ケイ酸カルシウム90質量部をアーステクニカ製のマイクロウェーブグラニュレータードライヤの容器に投入した。続いて、固形分26.0%の麦門冬湯エキスの165質量部(固形分として43質量部相当)を投入し、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で10秒間撹拌し、均一に分散した。次いで、分散物に麦門冬湯エキスの165質量部を更に投入して同様に撹拌して分散する操作を3回繰り返し、麦門冬湯エキスを合わせて660質量部投入した。排出した吸着物をパウレック製の流動層乾燥機で乾燥し、得られた粉末を一次吸着物とした。得られた一次吸着物のゆるめ嵩密度は0.33g/ccであった。
一次吸着物に麦門冬湯エキスの373質量部(固形分として97質量部相当)を加えて、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散した。排出した吸着物を流動層乾燥機で乾燥し、得られた粉末を二次吸着物(造粒前吸着物)とした。
二次吸着物に麦門冬湯エキスの119質量部(固形分として31質量部、液体分として88質量部相当)、精製水22質量部及びエタノールの110質量部の混液(麦門冬湯エキス中の水分と合算すると50v/v%エタノールに相当)を投入し、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散し、練合物とした。得られた練合物を1.0mmのスクリーンを設置したパウレック製のクアドロ・コーミルで押出造粒を行った結果、76.9%の麦門冬湯エキスを含有する顆粒を得ることができた。得られた顆粒は東京理化器械製の乾燥器で棚式乾燥後、目開き1mmのふるいで整粒を行った。得られた顆粒のゆるめ嵩密度は0.49g/ccであった。
[実施例14]
ケイ酸カルシウム90質量部をアーステクニカ製のマイクロウェーブグラニュレータードライヤの容器に投入した。続いて、固形分26.0%の八味地黄丸エキスの165質量部(固形分として43質量部相当)を投入し、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で10秒間撹拌し、均一に分散した。次いで、分散物に八味地黄丸エキスの165質量部を更に投入して同様に撹拌して分散する操作を3回繰り返し、八味地黄丸エキスを合わせて660質量部投入した。排出した吸着物をパウレック製の流動層乾燥機で乾燥し、得られた粉末を一次吸着物とした。得られた一次吸着物のゆるめ嵩密度は0.33g/ccであった。
一次吸着物に八味地黄丸エキスの373質量部(固形分として97質量部相当)を加えて、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散した。排出した吸着物を流動層乾燥機で乾燥し、得られた粉末を二次吸着物(造粒前吸着物)とした。
二次吸着物に八味地黄丸エキスの119質量部(固形分として31質量部、液体分として88質量部相当)、精製水22質量部及びエタノールの110質量部の混液(八味地黄丸エキス中の水分と合算すると50v/v%エタノールに相当)を投入し、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散し、練合物とした。得られた練合物を1.0mmのスクリーンを設置したパウレック製のクアドロ・コーミルで押出造粒を行った結果、76.9%の八味地黄丸エキスを含有する顆粒を得ることができた。得られた顆粒は東京理化器械製の乾燥器で棚式乾燥後、目開き1mmのふるいで整粒を行った。得られた顆粒のゆるめ嵩密度は0.45g/ccであった。
[比較例1]
ケイ酸カルシウムの90質量部をアーステクニカ製のマイクロウェーブグラニュレータドライヤの容器に投入した。続いて、固形分31.0%の生薬エキスHの150質量部(固形分として47質量部相当)を投入し、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散した。次いで、分散物に生薬エキスHの150質量部を更に投入して同様に撹拌して分散する操作を3回繰り返し、生薬エキスHを合わせて600質量部投入した。排出した吸着物をパウレック製の流動層乾燥機で乾燥し、得られた粉末を一次吸着物とした。得られた一次吸着物のゆるめ嵩密度は0.28g/ccであった。
一次吸着物に生薬エキスHの361質量部(固形分として112質量部相当)を加えて、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散した。排出した吸着物を流動層乾燥機で乾燥し、得られた粉末を二次吸着物(造粒前吸着物)とした。
二次吸着物に練合液として精製水の195質量部を投入し、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で20秒間撹拌した。得られた練合物を1.0mmのスクリーンを設置したコーミルで押出造粒を行った結果、スクリーン内で塊状となり、顆粒とすることができなかった。
[比較例2]
ケイ酸カルシウムの90質量部をアーステクニカ製のマイクロウェーブグラニュレータドライヤの容器に投入した。続いて、固形分31.0%の生薬エキスHの150質量部(固形分として47質量部相当)を投入し、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散した。次いで、分散物に生薬エキスHの150質量部を更に投入して同様に撹拌して分散する操作を3回繰り返し、生薬エキスHを合わせて600質量部投入した。排出した吸着物をパウレック製の流動層乾燥機で乾燥し、得られた粉末を一次吸着物とした。得られた一次吸着物のゆるめ嵩密度は0.28g/ccであった。
一次吸着物に生薬エキスHの361質量部(固形分として112質量部相当)を加えて、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散した。排出した吸着物を流動層乾燥機で乾燥し、得られた粉末を二次吸着物(造粒前吸着物)とした。
二次吸着物に練合液として精製水の39質量部を投入し、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で20秒間撹拌した。得られた練合物を1.0mmのスクリーンを設置したパウレック製のクアドロ・コーミルで押出造粒を行った結果、スクリーンを素通りし顆粒とすることができなかった。
[比較例3]
ケイ酸カルシウムの90質量部をアーステクニカ製のマイクロウェーブグラニュレータドライヤの容器に投入した。続いて、固形分31.0%の生薬エキスHの150質量部(固形分として47質量部相当)を投入し、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散した。次いで、分散物に生薬エキスHの150質量部を更に投入して同様に撹拌して分散する操作を3回繰り返し、生薬エキスHを合わせて600質量部投入した。排出した吸着物をパウレック製の流動層乾燥機で乾燥し、得られた粉末を一次吸着物とした。得られた一次吸着物のゆるめ嵩密度は0.28g/ccであった。
一次吸着物に生薬エキスHの361質量部(固形分として112質量部相当)を加えて、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散した。排出した吸着物を流動層乾燥機で乾燥し、得られた粉末を二次吸着物(造粒前吸着物)とした。
二次吸着物に練合液として精製水の117質量部を投入し、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で20秒間撹拌した。得られた練合物を1.0mmのスクリーンを設置したパウレック製のクアドロ・コーミルで押出造粒を行った結果、スクリーン内で塊状となり、顆粒とすることができなかった。
[比較例4]
ケイ酸カルシウム90質量部をマイクロウェーブグラニュレータドライヤの容器に投入した。続いて、固形分27.0%の生薬エキスHの172質量部(固形分として47質量部相当)を投入し、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散した。次いで、分散物に生薬エキスHの172質量部を更に投入して同様に撹拌して分散する操作を3回繰り返し、生薬エキスHを合わせて688質量部投入した。排出した吸着物をパウレック製の流動層乾燥機で乾燥し、得られた粉末を一次吸着物とした。得られた一次吸着物のゆるめ嵩密度は0.37g/ccであった。
一次吸着物に生薬エキスHの415質量部(固形分として112質量部相当)を加えて、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で20秒間撹拌したが、分散中に内容物が団粒化し、排出することができなかった。これは、一次吸着物におけるゆるめ嵩密度が高すぎるためであると考えられた。
[比較例5]
ケイ酸カルシウムの90質量部をマイクロウェーブグラニュレータドライヤの容器に投入した。続いて、固形分26.0%の生薬エキスの181質量部(固形分として47質量部相当)を投入し、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散した。次いで、分散物に生薬エキスHの181質量部を更に投入して同様に撹拌して分散する操作を3回繰り返し、生薬エキスHを合わせて724質量部投入した。しかしながら、4回目の投入後、分散中に内容物が団粒化し、排出することができなかった。
[比較例6]
ケイ酸カルシウムの90質量部をアーステクニカ製のマイクロウェーブグラニュレータドライヤの容器に投入した。続いて、固形分31.0%の生薬エキスHの150質量部(固形分として47質量部相当)を投入し、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散した。次いで、分散物に生薬エキスHの150質量部を更に投入して同様に撹拌して分散する操作を3回繰り返し、生薬エキスHを合わせて600質量部投入した。排出した吸着物をパウレック製の流動層乾燥機で乾燥し、得られた粉末を一次吸着物とした。得られた一次吸着物のゆるめ嵩密度は0.28g/ccであった。
一次吸着物に生薬エキスHの361質量部(固形分として112質量部相当)を加えて、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散した。排出した吸着物をパウレック製の流動層乾燥機で乾燥し、得られた粉末を二次吸着物(造粒前吸着物)とした。
二次吸着物に練合液としてエタノール20質量部と精製水214質量部の混液(約10v/v%エタノールに相当)を投入し、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散し、練合物とした。得られた練合物を1.0mmのスクリーンを設置したコーミルで押出造粒を行った結果、スクリーン内で塊状となり、顆粒とすることができなかった。
[比較例7]
ケイ酸カルシウムの90質量部をアーステクニカ製のマイクロウェーブグラニュレータドライヤの容器に投入した。続いて、固形分31.0%の生薬エキスHの150質量部(固形分として47質量部相当)を投入し、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散した。次いで、分散物に生薬エキスHの150質量部を更に投入して同様に撹拌して分散する操作を3回繰り返し、生薬エキスHを合わせて600質量部投入した。排出した吸着物をパウレック製の流動層乾燥機で乾燥し、得られた粉末を一次吸着物とした。得られた一次吸着物のゆるめ嵩密度は0.28g/ccであった。
一次吸着物に生薬エキスHの361質量部(固形分として112質量部相当)を加えて、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散した。排出した吸着物をパウレック製の流動層乾燥機で乾燥し、得られた粉末を二次吸着物(造粒前吸着物)とした。
二次吸着物に練合液としてエタノール220質量部と精製水14質量部の混液(約90v/v%エタノールに相当)を投入し、アジテータ120rpm、チョッパー2000rpmの速度で20秒間撹拌し、均一に分散し、練合物とした。得られた練合物を1.0mmのスクリーンを設置したコーミルで押出造粒を行った結果、スクリーンを素通りし、顆粒とすることができなかった。
上記実施例1~14及び比較例1~7で用いたケイ酸カルシウム、各吸着工程及び造粒工程で用いた各成分の量等を以下の表1に示す。
Figure 2022180613000001
実施例1、5~7、10、13、又は14と比較例4とを比較すると、表2の通り、一次吸着物のゆるめ嵩密度が0.35g/cc未満であれば、天然物由来物質に関わらず、二次吸着物を得る工程を問題なく実施することができた。しかし、0.35g/cc以上では、二次吸着物を得る工程において一次吸着物が団粒化してしまい、二次吸着物を得ることができなかった。
また、実施例1、5~7、10、13、又は14と比較例4もしくは5と比較すると、一次吸着物を得る工程において、天然物由来物質の浸出液又はその濃縮液の添加量が、ケイ酸カルシウム90質量部に対して675質量部未満であれば、二次吸着物を得る工程を問題なく実施することができた。しかし、675質量部以上では、二次吸着物を得る工程において一次吸着物が団粒化してしまい、700質量部以上になると、一次吸着物を得る工程において、ケイ酸カルシウムが団粒化してしまい、二次吸着物を得ることができなかった。
Figure 2022180613000002
実施例1~3と比較例1~3とを比較すると、表3の通り、押出造粒において使用したエタノールの割合が少ないと造粒前吸着物が塊状になってしまい、押出造粒を実施することができなかった。
また、実施例1~3と比較例2とを比較すると、押出造粒において使用した水及びエタノール混液の総量が少ないと押出造粒のスクリーンを素通りしてしまい、顆粒を得ることができなかった。
加えて、実施例1~3と比較例6とを比較すると、押出造粒において使用した溶液におけるエタノールの割合が小さいと押出造粒のスクリーン内で塊状となり、顆粒を得ることができなかった。
さらに、実施例1~3と比較例7とを比較すると、押出造粒において使用した溶液におけるエタノールの割合が大きいと押出造粒の際にスクリーンを素通りし、顆粒を得ることができなかった。
Figure 2022180613000003
本発明により、生薬又は天然物由来の物質を含有する顆粒剤を、従来報告されていなかった押出造粒法によって好適に製造することができ、工業的に利用可能な製造方法でより均質な顆粒を得る方法が提供される。

Claims (1)

  1. 明細書に記載の方法及び顆粒剤。
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