JP2022180381A - 状態診断方法、状態診断装置、およびプログラム - Google Patents

状態診断方法、状態診断装置、およびプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2022180381A
JP2022180381A JP2022135043A JP2022135043A JP2022180381A JP 2022180381 A JP2022180381 A JP 2022180381A JP 2022135043 A JP2022135043 A JP 2022135043A JP 2022135043 A JP2022135043 A JP 2022135043A JP 2022180381 A JP2022180381 A JP 2022180381A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lubricant
grease
dielectric constant
state
parameters
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022135043A
Other languages
English (en)
Inventor
駿介 岩瀬
Shunsuke Iwase
泰右 丸山
Taisuke Maruyama
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Publication of JP2022180381A publication Critical patent/JP2022180381A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/02Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating impedance
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/02Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating impedance
    • G01N27/026Dielectric impedance spectroscopy
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/02Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating impedance
    • G01N27/22Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating impedance by investigating capacitance
    • G01N27/221Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating impedance by investigating capacitance by investigating the dielectric properties
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/02Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating impedance
    • G01N27/22Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating impedance by investigating capacitance
    • G01N27/228Circuits therefor
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/26Oils; Viscous liquids; Paints; Inks
    • G01N33/28Oils, i.e. hydrocarbon liquids
    • G01N33/2888Lubricating oil characteristics, e.g. deterioration
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/26Oils; Viscous liquids; Paints; Inks
    • G01N33/28Oils, i.e. hydrocarbon liquids
    • G01N33/30Oils, i.e. hydrocarbon liquids for lubricating properties

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)
  • Testing Of Devices, Machine Parts, Or Other Structures Thereof (AREA)
  • Testing Relating To Insulation (AREA)

Abstract

【課題】診断対象を破壊することなく、潤滑剤の状態を容易に診断可能とする手法を提供する。【解決手段】状態診断方法であって、潤滑剤に対して交流電源により周波数を変化させながら電圧を印加することで前記潤滑剤の比誘電率を測定する測定工程と、前記測定工程にて測定された比誘電率を理論式に適用することで、前記潤滑剤の電気特性を示すパラメータを導出する導出工程と、前記パラメータを用いて、前記潤滑剤の状態を診断する診断工程とを有する。【選択図】図8

Description

本願発明は、状態診断方法、状態診断装置、およびプログラムに関する。
従来、材料の状態を診断する場合、見かけ粘度などの物性分析、劣化度合いなどの化学成分分析、顕微鏡を用いた構造分析などの手法が用いられる。このような手法は、一般的に煩雑な操作が必要となる。また、上記のような手法は、対象を非破壊的に行われることが困難であり、多くの場合は診断対象を破棄することとなる。
一方、交流電源によるインピーダンス解析を行う手法がある。インピーダンス解析を用いることで材料の電気特性を導出することができる。
例えば、特許文献1では、分析対象を血液として、周波数を変化させながら血液の誘電率を測定し、血球細胞のダメージを測定する方法が開示されている。また、特許文献2では、抽出溶媒の組成変化を比誘電率や比誘電損失率の周波数特性に基づいて評価する手法が開示されている。
日本国特開2008-215901号公報 日本国特開平7-239316号公報
実際の装置において用いられる材料として、例えば、潤滑剤が挙げられる。このような潤滑剤の状態を把握することは、潤滑剤を利用している装置の損傷などを防止する上でも非常に有用である。一方、潤滑剤などの対象を非破壊にて装置から取り出して観察することには、困難性が伴う。
上記課題を鑑み、本願発明は、診断対象を破壊することなく、潤滑剤の状態を容易に診断可能とする手法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本願発明は以下の構成を有する。すなわち、状態診断方法であって、
潤滑剤に対して交流電源により周波数を変化させながら電圧を印加することで前記潤滑剤の比誘電率を測定する測定工程と、
前記測定工程にて測定された比誘電率を理論式に適用することで、前記潤滑剤の電気特性を示すパラメータを導出する導出工程と、
前記パラメータを用いて、前記潤滑剤の状態を診断する診断工程と
を有する。
また、本願発明の別の形態は以下の構成を有する。すなわち、状態診断装置であって、
潤滑剤に対して交流電源により周波数を変化させながら電圧を印加することで前記潤滑剤の比誘電率を測定する測定手段と、
前記測定手段にて測定された比誘電率を理論式に適用することで、前記潤滑剤の電気特性を示すパラメータを導出する導出手段と、
前記パラメータを用いて、前記潤滑剤の状態を診断する診断手段と
を有する。
また、本願発明の別の形態は以下の構成を有する。すなわち、プログラムであって、
コンピュータに、
潤滑剤に対して交流電源により周波数を変化させながら電圧を印加することで前記潤滑剤の比誘電率を測定する測定工程と、
前記測定工程にて測定された比誘電率を理論式に適用することで、前記潤滑剤の電気特性を示すパラメータを導出する導出工程と、
前記パラメータを用いて、前記潤滑剤の状態を診断する診断工程と
を実行させる。
本願発明により、診断対象を破壊することなく、潤滑剤の状態を容易に診断することが可能となる。
本願発明に係る診断対象の潤滑剤と交流電源との構成を示す概念図。 本願発明に係る診断対象の潤滑剤と交流電源とから構成される等価回路を説明するための図。 本願発明に係る装置構成の例を示す概略構成図。 周波数と比誘電率および比誘電損率との関係を説明するための図。 理論式(Debye型)への当てはめによるパラメータの導出を説明するための図。 理論式(Cole-Cole型)への当てはめによるパラメータの導出を説明するための図。 理論式(Cole-Cole改良型)への当てはめによるパラメータの導出を説明するための図。 本願発明の一実施形態に係る状態診断処理のフローチャート。 潤滑剤の状態とパラメータの関係を説明するための図。 潤滑剤の状態とパラメータの関係を説明するための図。 増ちょう剤と緩和強度の関係を説明するための図。 増ちょう剤のロール状態を説明するための図。 増ちょう剤の繊維状態に応じた周波数とパラメータの関係を説明するための図。 増ちょう剤の繊維状態に応じた周波数とパラメータの関係を説明するための図。 基油の劣化と比誘電率の関係を説明するための図。 基油の劣化と比誘電損率の関係を説明するための図。 グリースの劣化とパラメータの関係を説明するための図。 グリース内の水分量とパラメータの関係を説明するための図。 グリース内の水分量と平均比誘電率の関係を説明するための図。 グリース内の鉄粉量と比誘電損率の関係を説明するための図。
以下、本願発明を実施するための形態について図面などを参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本願発明を説明するための一実施形態であり、本願発明を限定して解釈されることを意図するものではなく、また、各実施形態で説明されている全ての構成が本願発明の課題を解決するために必須の構成であるとは限らない。また、各図面において、同じ構成要素については、同じ参照番号を付すことにより対応関係を示す。
[診断対象]
本実施形態では、診断対象として、部品の潤滑に用いられる潤滑剤を例に挙げて説明する。ここでの潤滑剤は、誘電緩和が生じる特性を有するグリースとする。更に詳細には、12-OHステアリン酸Li系グリースなどを対象とすることができる。一般的にグリースは、基油、増ちょう剤、および添加剤を含んで構成される。詳細については後述するが、グリースの構成や状態に応じて、電気特性を示すパラメータの値は変動することとなる。
本実施形態では、グリースがバルク状態であるものとして、その内部状態に応じた電気特性を示すパラメータを導出し、そのパラメータを用いてグリースの状態の診断を行う。図1は、本実施形態に係る潤滑剤の電気特性を評価(測定)する際の、潤滑剤(ここでは、グリース)と交流電源との構成を示す概念図である。電極11間に充填されたグリース12に対して、交流電源10により電力が供給される。なお、ここでの電極11間の距離は、例えば、mmオーダーにて構成されてよい。
図2は、図1に示したグリース12周りの電気的に等価な電気回路を示す図である。電気回路Eは、グリース12から構成されるコンデンサCと、その周辺の要素に起因する抵抗Rが並列に接続された構成を有する。また、電気回路EのインピーダンスをZにて示す。ここで、電気回路Eに印加される交流電圧V、電気回路Eを流れる電流I、および、電気回路E全体の複素数インピーダンスZは以下の式(1)~(3)にて示される。
V=|V|exp(jωt) …(1)
I=|I|exp(jωt-jθ) …(2)
Z=V/I=|V/I|exp(jθ)=|Z|exp(jθ) …(3)
j:虚数
ω:電圧の角周波数
t:時間
θ:位相角(電圧と電流の位相のずれ)
[装置構成]
図3は、本実施形態に係る状態診断方法を適用可能なシステムの全体構成の一例を示す概略構成図である。図3では、本実施形態に係る状態診断方法を用いる状態診断装置30、測定装置31、および診断対象であるグリース12を含む材料含有物32を示している。なお、図1に示す構成は一例であり、診断対象などに応じて異なる構成が用いられてよい。
測定装置31は、図1にて示した交流電源10を含んで構成され、診断の際に、材料含有物32に含まれるグリース12に対して電力を印加する。
状態診断装置30は、交流電源10の角周波数ωの交流電圧Vを、グリース12に印加する電力の入力値として測定装置31に指示し、それに対する出力(測定値)として測定装置31からグリース12のインピーダンス|Z|(|Z|は、Zの絶対値を示す)、および位相角θを取得する。そして、状態診断装置30はこれらの値を用いてグリース12に関する電気特性を示すパラメータを導出した上で診断を行う。パラメータの種類および導出方法の詳細については後述する。
状態診断装置30は、例えば、不図示の制御装置、記憶装置、および出力装置を含んで構成される情報処理装置にて実現されてよい。制御装置は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Single Processor)、または専用回路などから構成されてよい。記憶装置は、HDD(Hard Disk Drive)、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の揮発性および不揮発性の記憶媒体により構成され、制御装置からの指示により各種情報の入出力が可能である。出力装置は、スピーカやライト、或いは液晶ディスプレイ等の表示デバイス等から構成され、制御装置からの指示により、作業者への報知を行う。出力装置による出力方法は特に限定するものではない。また、出力装置は、通信機能を備えたネットワークインターフェースであってもよく、ネットワーク(不図示)を介した外部装置(不図示)へのデータ送信により出力動作を行ってもよい。
なお、状態診断装置30と測定装置31の形態は特に限定するものではない。例えば、状態診断装置30と測定装置31が有線/無線のいずれで接続されていてもよい。また、状態診断装置30と測定装置31とが一体となった構成であってもよい。または、状態診断装置30と測定装置31間のデータの入出力をユーザが担ってもよい。
[比誘電率および比誘電損率]
図4は、周波数の変化に応じた比誘電率や比誘電損率の変化の傾向を説明するための図である。ここでは、上述したように、グリース12として12-OHステアリン酸Li系グリースを例に挙げて説明する。図3に示すような構成を用いて、周波数を掃引させてグリース12の比誘電率ε’および比誘電損率ε”を測定することで、誘電緩和現象を確認している。
図4(a)において、横軸は周波数[Hz]を示し、縦軸は比誘電率ε’を示す。図4(a)は、グリース12から得られた実験値を示す。図4(a)に示すように、周波数が増加することに伴って、比誘電率ε’は低下(単調減少)する傾向を有する。
図4(b)において、横軸は周波数[Hz]を示し、縦軸は比誘電損率ε”を示す。図4(b)は、グリース12から得られた実験値を示す。図4(b)に示すように、比誘電損率ε”は、周波数が増加するに伴って一旦低下した後、上昇に転じ、その後、また減少する傾向を有する。
本実施形態では、グリース12の電気特性を示すパラメータとして、以下の7つのパラメータを導出対象とする。
εr0:低周波極限での比誘電率
εr∞:高周波極限での比誘電率
εr0-εr∞:緩和強度
ε’ ̄:平均比誘電率
τ:緩和時間[s]
β:緩和時間の分布を示す定数
σ:直流導電率[S/m]
詳細については後述するが、上記のパラメータは、グリース12の内部状態に応じて変化する。したがって、パラメータを導出することで、グリースの内部状態を診断する際に利用可能である。
[理論式への当てはめ]
グリース12の誘電緩和現象に基づく電気特性は、図4にて示したような変化傾向を有する。この変化傾向を特定するために各種理論式へ当てはめ、各種パラメータを導出する。ここでは、3つの理論式を例に挙げて説明するが、これらに限定するものではない。例えば、上記の7つのパラメータそれぞれをより精度よく導出することが可能であれば、他の理論式を用いてもよい。なお、特に断りが無い限り、各理論式にて用いられている記号について同じ記号が示されている場合、同じものを示しているものとする。
(Debye型)
Debye型の理論式への当てはめ(フィッティング)について説明する。Debye型の理論式は以下により示される。
Figure 2022180381000002
Figure 2022180381000003
ω:電圧の角周波数
図5は、Debye型の理論式への当てはめにより得られる曲線と、実験により得られる値とを比較したものである。なお、図5(a)および図5(b)の実験値はそれぞれ、図4(a)および図4(b)と同じである。図5(b)に示すように、緩和時間τ(ピーク位置)は一致している。一方、それ以外のパラメータについては一致しない結果が示されている。
(Cole-Cole型)
Cole-Cole型の理論式への当てはめ(フィッティング)について説明する。Cole-Cole型の理論式は以下により示される。
Figure 2022180381000004
Figure 2022180381000005
Figure 2022180381000006
π:円周率
f:周波数
ln:対数関数
図6は、Cole-Cole型の理論式への当てはめにより得られる曲線と、実験により得られる値とを比較したものである。なお、図6(a)および図6(b)の実験値はそれぞれ、図4(a)および図4(b)と同じである。図6(a)に示すように、比誘電率については、当てはめにより理論式は実験値の傾向を表現できている。一方、図6(b)を参照すると、緩和時間τ(ピーク位置)は一致しているが、破線にて示すように低周波域での比誘電損率の傾向が理論値と実験値とで一致しない結果が示されている。
(Cole-Cole改良型)
Cole-Cole型をベースにしたCole-Cole改良型の理論式への当てはめ(フィッティング)について説明する。Cole-Cole改良型の理論式は以下により示される。なお、式(9)および式(11)はCole-Cole型にて示した式(6)および式(8)と同じであるものとする。
Figure 2022180381000007
Figure 2022180381000008
ε:真空の誘電率
Figure 2022180381000009
図7は、Cole-Cole改良型の理論式への当てはめにより得られる曲線と、実験により得られる値とを比較したものである。なお、図7(a)および図7(b)の実験値はそれぞれ、図4(a)および図4(b)と同じである。図7(a)に示すように、比誘電率については、Cole-Cole型と同様、当てはめにより理論式は実験値の傾向を表現できている。また、図7(b)を参照すると、緩和時間τ(ピーク位置)に加え、低周波域での比誘電損率の傾向についても、当てはめにより理論値は実験値の傾向を表現できている。
上記の理論式への当てはめを行うことで、グリース12に関する電気特性のパラメータとして、低周波極限および高周波極限での比誘電率、緩和強度、平均比誘電率、緩和時間、緩和時間の分布、および直流導電率を導出することが可能となる。
[処理フロー]
図8は、本実施形態に係る状態診断処理のフローチャートである。本処理は、状態診断装置30により実行され、例えば、状態診断装置30が備える制御装置(不図示)が本実施形態に係る処理を実現するためのプログラムを記憶装置(不図示)から読み出して実行することにより実現されてよい。
S801にて、状態診断装置30は、測定装置31に対し、測定装置31が備える交流電源10を用いて角周波数ωの交流電圧Vの電力をグリース12に与えるように制御する。これにより、グリース12には、角周波数ωの交流電圧Vが印加されることとなる。
S802にて、状態診断装置30は、S801にて指示した入力に対する出力として、測定装置31からインピーダンス|Z|および位相角θを取得する。つまり、測定装置31は、入力である角周波数ωの交流電圧Vに対するグリース12の測定結果として、インピーダンス|Z|および位相角θを状態診断装置30に出力する。
S803にて、状態診断装置30は、S802にて取得したインピーダンス|Z|および位相角θ、S801にて指示した角周波数ωの交流電圧Vの情報に基づいて、各周波数に対応する比誘電率および比誘電損率を導出する。ここでの導出方法は、公知の手法が用いられてよい。また、比誘電率および比誘電損率の導出は測定装置31が行い、インピーダンス|Z|および位相角θと併せて、比誘電率および比誘電損率を測定結果として状態診断装置30に出力するような構成であってもよい。
S804にて、状態診断装置30は、得られた測定結果を上述したような理論式へ当てはめを行う。例えば、状態診断装置30は、式(9)~式(11)にて示したCole-Cole改良型の理論式への当てはめ(フィッティング)を行う。
S805にて、状態診断装置30は、S804の当てはめの結果から各種パラメータを導出する。なお、上述した7つのパラメータを同時に全て導出する必要はなく、例えば、診断対象の項目に応じて必要なパラメータのみを導出してもよい。ここでの必要なパラメータは、診断を行うユーザが任意に設定可能であってよい。なお、各パラメータと診断項目との関係例は後述する。
S806にて、状態診断装置30は、S805にて導出した各パラメータに基づいて、グリース12の状態診断を行う。ここでの診断内容は特に限定するものでは無いが、例えば、各パラメータに対して閾値を設定しておき、その閾値との比較により正常または異常を診断するような構成であってもよい。また、異常の緊急度に応じた複数の閾値を設定しておき、それらの閾値との比較により、緊急度を診断するような構成であってもよい。
S807にて、状態診断装置30は、S806にて得られた診断結果をユーザに対して報知する。ここでの報知方法は特に限定するものでは無いが、例えば、異常と判断したパラメータや項目を画面上で表示したり、音声にて通知したりするような構成であってよい。そして、本処理フローを終了する。
[各種パラメータと潤滑剤の状態との関係]
以下、上述した方法により導出した各種パラメータと、潤滑剤(ここではグリース12)の状態との関係について説明する。
(増ちょう剤の量とパラメータとの関係)
図9および図10を用いて、グリース12における増ちょう剤の量とパラメータとの関係を説明する。ここでは、以下の組成におけるグリースの例を示す。また、3つの増ちょう剤の量(グリースにおける比率[%])を例に挙げて示す。
基油:エステル+鉱油
増ちょう剤:12OH(12-ヒドロキシステアリン酸リチウム:12-ОHStLi)(短繊維)
増ちょう剤の量:3%、7.5%、15%
図9(a)において、横軸は周波数[Hz]を示し、縦軸は比誘電率ε’を示す。図9(a)に示すように、増ちょう剤の量に関わらず周波数が増加するに伴って、比誘電率は低下(単調減少)する傾向を有する。この傾向は、図4(a)を用いて説明したものと同様である。一方、低周波極限での比誘電率εr0は、増ちょう剤の量に応じて異なっている。更には、増ちょう剤の量に応じて、周波数の変化に伴う比誘電率の変化の度合いが異なる。一方、高周波域では、増ちょう剤の量の変動による比誘電率への影響は少ない。
グリース12に増ちょう剤が含まれることで、低周波領域では、グリース12に印加される外部電界に対して逆向きの電界が生じる。その結果、低周波領域では、増ちょう剤の量に応じて、誘電率(低周波極限での比誘電率εr0)が増大する。一方、高周波領域では、グリース12に印加される外部電界に対して逆向きの電界は生じない。そのため、高周波領域では、増ちょう剤の量による誘電率(高周波極限での比誘電率εr∞)の変動は少ない。このような理由から、図9(a)に示すような、増ちょう剤の量の変化に応じた低周波極限での比誘電率εr0の差異が生じる。
図9(b)において、横軸は周波数[Hz]を示し、縦軸は比誘電損率ε”を示す。図9(b)に示すように、比誘電損率は、周波数が増加するに伴って一旦低下した後、上昇に転じ、その後、また減少する傾向を有する。この傾向は、図4(b)を用いて説明したものと同様である。
図10は、図9にて示す値から導出されるパラメータをまとめたものである。図10に示すように、増ちょう剤の量の変動に伴って、各種パラメータが変動することが見て取れる。つまり、増ちょう剤の量と電気特性を示すパラメータとは相関があることが把握できる。そのため、本実施形態にて導出されるパラメータ(特に、低周波極限での比誘電率εr0)を参照することで、増ちょう剤の量の変化を特定することができる。
図11は、基油の種類、増ちょう剤の量、および緩和強度の関係を説明するための図である。図11において、横軸は増ちょう剤の量(グリースにおける比率)[%]を示し、縦軸は緩和強度(εr0-εr∞)を示す。また、基油の種類として、2種類の鉱油系、エステル系、およびエステル・PAO系を例に挙げて示す。図11の直線にて示すように、基油の種類に関わらず、増ちょう剤の量が増加するに伴って緩和強度も増加する。したがって、基油の種類に関わらず、緩和強度を参照することで、増ちょう剤の量を特定することができる。
(増ちょう剤の繊維状態とパラメータとの関係)
図12~図14を用いて、グリース12における増ちょう剤の繊維状態とパラメータとの関係を説明する。
図12は、グリース12に含まれる増ちょう剤の繊維状態を説明するための図である。ここでは、以下の条件によりグリース12に対してロール処理を行うことで繊維構造を破壊した増ちょう剤を含むグリースを作製した。
基油:鉱油
増ちょう剤:12-OHStLi
ロール圧:1[MPa]
ロール回数:5回
図12(a)は、ロール処理前の状態であり繊維構造を保った状態の例を示す。図12(b)は、ロール処理後の状態であり繊維構造を破壊した状態の例を示す。また、図12において、目盛りの単位は、μmである。なお、ここでの繊維状態は一例であり、これに限定するものではない。
図13(a)において、横軸は周波数[Hz]を示し、縦軸は比誘電率ε’を示す。図13(a)に示すように、増ちょう剤の繊維状態に関わらず周波数が増加するに伴って、比誘電率は低下(単調減少)する傾向を有する。この傾向は、図4(a)を用いて説明したものと同様である。一方、低周波極限での比誘電率εr0は、増ちょう剤の繊維状態に応じて異なる。更には、増ちょう剤の繊維状態に応じて、周波数の変化に伴う比誘電率の変化の度合いが異なる。一方、高周波域では、増ちょう剤の量の変動による比誘電率への影響は少ない。
図13(b)において、横軸は周波数[Hz]を示し、縦軸は比誘電損率ε”を示す。図13(b)に示すように、比誘電損率は、周波数が増加するに伴って一旦増加した後、現象に転じる傾向を有する。この傾向は、図4(b)を用いて説明したものと同様である。低周波領域では、増ちょう剤の繊維状態による差分は小さいが、比誘電損率のビークや分布、そのビークの位置(緩和時間τ)には差異が生じる。例えば、緩和時間の分布を表す定数βは、繊維構造が破壊されると低下する傾向にある。
図14は、図13にて示す値から導出されるパラメータをまとめたものである。図14に示すように、増ちょう剤の繊維状態の変動に伴って、各種パラメータが変動することが見て取れる。つまり、増ちょう剤の繊維状態と電気特性を示すパラメータとは相関があることが把握できる。そのため、本実施形態にて導出されるパラメータ(特に、緩和時間や緩和時間の分布を示す定数)を参照することで、増ちょう剤の繊維状態の変化を特定することができる。
(グリースの劣化とパラメータとの関係)
図15~図17を用いて、グリース12の劣化(酸化劣化)とパラメータとの関係を説明する。図15および図16は、グリース12を構成する基油の劣化(酸化劣化、すなわち、酸素消費量の増加)の度合いと周波数との関係を説明するための図である。
図15(a)において、横軸は周波数[Hz]を示し、縦軸は比誘電率ε’を示す。図15(a)に示すように、周波数の変化に関わらず、比誘電率はほぼ一定である。また、酸素消費量が増加するほど比誘電率は高い値を示している。
図15(b)において、横軸は酸素消費量[%]を示し、縦軸は平均比誘電率ε’ ̄を示す。図15(b)に示すように、酸素消費量が増加するほど平均比誘電率は増加する。
平均比誘電率は、基油における分子の極性が高いほど上昇する。基油は、従来(例えば、新品状態)は無極性であるが、酸化劣化することで極性化が進むこととなる。そのため、基油が酸化劣化することで平均比誘電率が上昇することとなる。
図16(a)において、横軸は周波数[Hz]を示し、縦軸は比誘電損率ε”を示す。図16(a)に示すように、酸素消費量が増加するほど低周波域の比誘電損率が増加する。
図16(b)において、横軸は酸素消費量[%]を示し、縦軸は直流導電率σを示す。図16(b)に示すように、酸素消費量が増加するほど直流導電率が増加する。
上記のことから、グリース12を構成する基油の劣化状態と電気特性を示すパラメータとは相関があることが把握できる。そのため、本実施形態にて導出される各種パラメータ(特に、平均比誘電率や直流導電率)の変化を参照することで、基油の劣化具合を特定することができる。
図17は、グリースの劣化による、比誘電率および比誘電損率と周波数との関係を説明するための図である。ここでは、新品のグリースと、酸化安定度試験機により劣化させたグリースとを比較した結果を示す。図17(a)において、横軸は周波数[Hz]を示し、縦軸は比誘電率ε’を示す。新品のグリースと劣化したグリースはいずれも周波数を増加させることで比誘電率は低下する傾向がある。この傾向は、図4(a)を用いて説明したものと同様である。一方、平均比誘電率を比較した場合、劣化したグリースの方が高い値となった。ここでは、新品のグリースの平均比誘電率は3.6であり、劣化したグリースの平均比誘電率は3.8であった。
図17(b)において、横軸は周波数[Hz]を示し、縦軸は比誘電損率を示す。この場合に、直流導電率σを比較すると、劣化したグリースの方が高い値となった。ここでは、新品のグリースの直流導電率は1.4であり、劣化したグリースの直流導電率は42であった。
上記のことから、グリース12の劣化状態と電気特性を示すパラメータとは相関があることが把握できる。そのため、本実施形態にて導出される各種パラメータ(特に、平均比誘電率や直流導電率)の変化を参照することで、グリース12の劣化具合を特定することができる。
(水分量とパラメータの関係)
図18、図19を用いて、グリース12内の水分量とパラメータの関係を説明する。図18は、グリース12に含まれる水分量と、比誘電率ε’および比誘電損率ε”との関係を説明するための図である。ここでは、グリース12内に0~10%の水分が含まれ、電圧1.0V、周波数30Hz~1MHzの範囲にて測定を行った例に基づいて説明する。
図18(a)において、横軸は周波数[Hz]の対数を示し、縦軸は比誘電率ε’を示す。図18(a)に示すように、周波数の変化に関わらず、水分量に応じて比誘電率ε’はほぼ一定の値を示す傾向がある。また、グリース12内の水分量が多いほど、比誘電率ε’は高い値を示す傾向がある。
図18(b)において、横軸は周波数[Hz]の対数を示し、縦軸は比誘電損率ε”を示す。図18(b)に示すように、グリース12内の水分量が増加した場合でも、比誘電損率の変化傾向に顕著な差異は見られない。つまり、水分量に拘わらず、周波数が変動した際の比誘電損率ε”の変化傾向はほぼ同様となる。
図19は、グリース12に含まれる水分量と、平均比誘電率ε’ ̄との関係を説明するための図である。図19において、横軸はグリース12内の水分量[wt%]を示し、縦軸は平均比誘電率ε’ ̄を示す。なお、ここではグリース12内において、水分は完全混和状態とする。図19に示すように、水分量が増加するに従って、平均比誘電率ε’ ̄は増加(単調増加)する傾向がある。
上記のことを踏まえると、グリース12に含まれる水分量と電気特性を示すパラメータ、具体的には比誘電率ε’や平均比誘電率ε’ ̄とは相関があることが把握できる。したがって、これらのパラメータに着目することにより、グリース12への水分の混入を特定することができる。また、図15~図17を用いてグリース12の劣化を説明したが、この時のパラメータの変化傾向(例えば、図15(b)の平均比誘電率ε’ ̄や図16(b)の直流導電率σ)と、図18や図19で示したパラメータの変化傾向とは異なる。そのため、それらの変化の違いを捉えることで、グリースの劣化と、グリースへの水分混入とを分けて検出することが可能となる。
(鉄粉量とパラメータの関係)
図20を用いて、グリース12内の鉄粉量とパラメータの関係を説明する。図20は、グリース12に含まれる鉄粉量と、比誘電損率ε”との関係を説明するための図である。グリース12内に鉄粉が含まれることにより、直流導電率σが極端に増加する。他の要因による直流伝導率の変化が10~100倍ほどのスケールであるのに対して、鉄粉の混入(増加)による直流伝導率の上昇は、106以上の変化を示す。ここでは、その変化に着目して検出を行う。ここでは、グリース12内に0~20%の水分が含まれ、電圧1.0V、周波数30Hz~1MHzの範囲にて測定を行った例に基づいて説明する。
図20において、横軸は周波数[Hz]の対数を示し、縦軸は比誘電損率ε”を示す。ここでは、グリース12内に含まれる鉄粉量(グリースに対する重量比)を0%、10%、15%、20%の4つの例を示している。鉄粉量が0%、10%、15%、20%の場合、直流導電率σは、2.0×10-10S、5.4×10-3S、1.9×10-2S、2.0×10Sであった。つまり、グリース12内の鉄粉量に応じて、直流導電率σの値が極端に異なる。そのため、直流導電率σの値を評価することで、グリース12における鉄粉量、すなわち、鉄粉の混入を測定することが可能となる。
[まとめ]
本実施形態では、潤滑剤(本例では、グリース)の状態を特定するための電気特性として、誘電緩和に関するパラメータを導出した。各パラメータはそれぞれ、以下のような潤滑剤の状態を特定する際に利用可能である。
低周波極限での比誘電率(εr0):増ちょう剤の量
高周波極限での比誘電率(εr∞):基油の種類
緩和強度(εr0-εr∞):増ちょう剤の量
平均比誘電率(ε’ ̄):基油の劣化度合い、グリース内の水分量
緩和時間(τ):増ちょう剤の繊維状態、グリースの劣化度合い
緩和時間の分布を示す定数(β):増ちょう剤の繊維状態、グリースの劣化度合い
直流導電率(σ):増ちょう剤の量、基油の劣化度合い、グリースの劣化度合い、添加剤量、グリース内の鉄粉量
なお、各パラメータと潤滑剤の状態の相関関係は一例であり、上記に限定するものではない。例えば、複数のパラメータから1の状態の項目を診断してもよいし、1のパラメータから複数の状態の項目を診断してもよい。また、潤滑剤を構成する組成物に応じて、パラメータと状態との相関を特定した上で、状態を診断してもよい。
以上、本実施形態により、診断対象を破壊することなく、潤滑剤の電気特性を示すパラメータを特定することができる。そして、その電気特性を示すパラメータに基づいて、潤滑剤の状態を容易に診断することが可能となる。
<その他の実施形態>
また、本願発明において、上述した1以上の実施形態の機能を実現するためのプログラムやアプリケーションを、ネットワーク又は記憶媒体等を用いてシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。
また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array))によって実現してもよい。
このように、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) 潤滑剤に対して交流電源により周波数を変化させながら電圧を印加することで前記潤滑剤の比誘電率を測定する測定工程と、
前記測定工程にて測定された比誘電率を理論式に適用することで、前記潤滑剤の電気特性を示すパラメータを導出する導出工程と
前記パラメータを用いて、前記潤滑剤の状態を診断する診断工程と
を有することを特徴とする状態診断方法。
この構成によれば、診断対象を破壊することなく、潤滑剤の状態を容易に診断することが可能となる。
(2) 前記パラメータは、低周波極限での比誘電率、高周波極限での比誘電率、緩和強度、平均比誘電率、緩和時間、緩和時間の分布、および直流導電率の少なくともいずれかを含むことを特徴とする(1)に記載の状態診断方法。
この構成によれば、潤滑剤の状態を診断するための複数のパラメータを導出することができる。
(3) 前記理論式は、
Figure 2022180381000010
Figure 2022180381000011
Figure 2022180381000012
にて示されることを特徴とする(1)または(2)に記載の状態診断方法。
この構成によれば、より精度の高い比誘電率および比誘電損率の理論値を導出することができる。
(4) 前記潤滑剤は、バルク状態であることを特徴とする(1)~(3)のいずれかに記載の状態診断方法。
この構成によれば、バルク状態における潤滑剤の状態を診断することが可能となる。
(5) 前記潤滑剤は、潤滑油であることを特徴とする(1)~(4)のいずれかに記載の状態診断方法。
この構成によれば、潤滑油を診断対象として扱うことが可能となる。
(6) 前記潤滑剤は、グリースであることを特徴とする(1)~(4)のいずれかに記載の状態診断方法。
この構成によれば、グリースを診断対象として扱うことが可能となる。
(7) 前記診断工程において、前記グリースの状態として、増ちょう剤の量、増ちょう剤の繊維状態、グリースの劣化度合い、グリース内の水分量、およびグリース内の鉄粉量の少なくともいずれかを診断することを特徴とする(6)に記載の状態診断方法。
この構成によれば、グリースの複数の状態を診断することが可能である。
(8) 潤滑剤に対して交流電源により周波数を変化させながら電圧を印加することで前記潤滑剤の比誘電率を測定する測定手段と、
前記測定手段にて測定された比誘電率を理論式に適用することで、前記潤滑剤の電気特性を示すパラメータを導出する導出手段と
前記パラメータを用いて、前記潤滑剤の状態を診断する診断手段と
を有することを特徴とする状態診断装置。
この構成によれば、診断対象を破壊することなく、潤滑剤の状態を容易に診断することが可能となる。
(9) コンピュータに、
潤滑剤に対して交流電源により周波数を変化させながら電圧を印加することで前記潤滑剤の比誘電率を測定する測定工程と、
前記測定工程にて測定された比誘電率を理論式に適用することで、前記潤滑剤の電気特性を示すパラメータを導出する導出工程と
前記パラメータを用いて、前記潤滑剤の状態を診断する診断工程と
を実行させるためのプログラム。
この構成によれば、診断対象を破壊することなく、潤滑剤の状態を容易に診断することが可能となる。
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
なお、本出願は、2020年9月29日出願の日本特許出願(特願2020-163961)、および、2021年8月25日出願の日本特許出願(特願2021-137562)に基づくものであり、その内容は本出願の中に参照として援用される。
10…交流電源
11…電極
12…グリース
30…状態診断装置
31…測定装置
32…材料含有物

Claims (9)

  1. 潤滑剤に対して交流電源により周波数を変化させながら電圧を印加することで前記潤滑剤の比誘電率を測定する測定工程と、
    前記測定工程にて測定された比誘電率を理論式に適用することで、前記潤滑剤の電気特性を示すパラメータを導出する導出工程と、
    前記パラメータを用いて、前記潤滑剤の状態を診断する診断工程と
    を有することを特徴とする状態診断方法。
  2. 前記パラメータは、低周波極限での比誘電率、高周波極限での比誘電率、緩和強度、平均比誘電率、緩和時間、緩和時間の分布、および直流導電率の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項1に記載の状態診断方法。
  3. 前記理論式は、
    Figure 2022180381000013
    Figure 2022180381000014
    Figure 2022180381000015
    にて示されることを特徴とする請求項1または2に記載の状態診断方法。
  4. 前記潤滑剤は、バルク状態であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の状態診断方法。
  5. 前記潤滑剤は、潤滑油であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の状態診断方法。
  6. 前記潤滑剤は、グリースであることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の状態診断方法。
  7. 前記診断工程において、前記グリースの状態として、増ちょう剤の量、増ちょう剤の繊維状態、グリースの劣化度合い、グリース内の水分量、およびグリース内の鉄粉量の少なくともいずれかを診断することを特徴とする請求項6に記載の状態診断方法。
  8. 潤滑剤に対して交流電源により周波数を変化させながら電圧を印加することで前記潤滑剤の比誘電率を測定する測定手段と、
    前記測定手段にて測定された比誘電率を理論式に適用することで、前記潤滑剤の電気特性を示すパラメータを導出する導出手段と、
    前記パラメータを用いて、前記潤滑剤の状態を診断する診断手段と
    を有することを特徴とする状態診断装置。
  9. コンピュータに、
    潤滑剤に対して交流電源により周波数を変化させながら電圧を印加することで前記潤滑剤の比誘電率を測定する測定工程と、
    前記測定工程にて測定された比誘電率を理論式に適用することで、前記潤滑剤の電気特性を示すパラメータを導出する導出工程と、
    前記パラメータを用いて、前記潤滑剤の状態を診断する診断工程と
    を実行させるためのプログラム。
JP2022135043A 2020-09-29 2022-08-26 状態診断方法、状態診断装置、およびプログラム Pending JP2022180381A (ja)

Applications Claiming Priority (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020163961 2020-09-29
JP2020163961 2020-09-29
JP2021137562 2021-08-25
JP2021137562 2021-08-25
PCT/JP2021/035203 WO2022071162A1 (ja) 2020-09-29 2021-09-24 状態診断方法、状態診断装置、およびプログラム
JP2022502568A JP7136378B1 (ja) 2020-09-29 2021-09-24 状態診断方法、状態診断装置、およびプログラム

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022502568A Division JP7136378B1 (ja) 2020-09-29 2021-09-24 状態診断方法、状態診断装置、およびプログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022180381A true JP2022180381A (ja) 2022-12-06

Family

ID=80951621

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022502568A Active JP7136378B1 (ja) 2020-09-29 2021-09-24 状態診断方法、状態診断装置、およびプログラム
JP2022135043A Pending JP2022180381A (ja) 2020-09-29 2022-08-26 状態診断方法、状態診断装置、およびプログラム

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022502568A Active JP7136378B1 (ja) 2020-09-29 2021-09-24 状態診断方法、状態診断装置、およびプログラム

Country Status (7)

Country Link
US (1) US20230384252A1 (ja)
EP (1) EP4224160A4 (ja)
JP (2) JP7136378B1 (ja)
KR (1) KR20230078747A (ja)
BR (1) BR112023005658A2 (ja)
TW (1) TW202223379A (ja)
WO (1) WO2022071162A1 (ja)

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07239316A (ja) 1994-02-28 1995-09-12 Toshiba Corp 抽出溶媒の組成測定装置およびその方法
JP2000338101A (ja) * 1999-05-28 2000-12-08 Ngk Spark Plug Co Ltd オイル劣化検出方法及びオイル劣化検出装置
JP2007192769A (ja) * 2006-01-23 2007-08-02 Ntn Corp 潤滑剤劣化検出装置および検出装置付き軸受
JP4935425B2 (ja) 2007-03-01 2012-05-23 ソニー株式会社 血球の定性及び/又は定量分析方法、及び血液劣化検出方法
JP2008274987A (ja) * 2007-04-25 2008-11-13 Nsk Ltd 転動装置およびインバータ制御駆動モータ
JP5055035B2 (ja) * 2007-06-19 2012-10-24 三菱重工業株式会社 オイル劣化検出装置
JP4929204B2 (ja) * 2008-02-22 2012-05-09 三菱重工業株式会社 オイル性状管理方法及び該装置
EP2505999B1 (en) * 2009-11-25 2017-01-04 Idemitsu Kosan Co., Ltd. Measurement method of degradation/alteration degree of lubricant oil and measurement device thereof
WO2014094813A1 (en) * 2012-12-17 2014-06-26 Aktiebolaget Skf Matrix sensor for lubricating grease condition monitoring
JP6782098B2 (ja) * 2016-05-27 2020-11-11 Kyb株式会社 流体識別装置
JP7236308B2 (ja) 2019-03-29 2023-03-09 株式会社アドヴィックス 車両の制御装置
JP2021137562A (ja) 2020-03-05 2021-09-16 日本電気株式会社 電子機器および見守りシステム

Also Published As

Publication number Publication date
EP4224160A1 (en) 2023-08-09
TW202223379A (zh) 2022-06-16
EP4224160A4 (en) 2024-04-03
JP7136378B1 (ja) 2022-09-13
JPWO2022071162A1 (ja) 2022-04-07
KR20230078747A (ko) 2023-06-02
US20230384252A1 (en) 2023-11-30
WO2022071162A1 (ja) 2022-04-07
BR112023005658A2 (pt) 2023-04-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Harvey et al. Effect of oil quality on electrostatic charge generation and transport
Divoux et al. Stress overshoot in a simple yield stress fluid: An extensive study combining rheology and velocimetry
KR101730679B1 (ko) 윤활유의 열화·변질도 측정 방법 및 그의 측정 장치
Perini et al. Electrochemical impedance spectroscopy for in situ petroleum analysis and water-in-oil emulsion characterization
de Souza Mendes et al. The quasilinear large-amplitude viscoelastic regime and its significance in the rheological characterization of soft matter
Soleimani et al. Base oil oxidation detection using novel chemical sensors and impedance spectroscopy measurements
JP2005529333A (ja) インピーダンス分光法を使用する、作動流体の分析方法
JP7136378B1 (ja) 状態診断方法、状態診断装置、およびプログラム
Trojánek et al. Open circuit potential transients associated with single emulsion droplet collisions at an interface between two immiscible electrolyte solutions
Less et al. An electrorheological study on the behavior of water‐in‐crude oil emulsions under influence of a DC electric field and different flow conditions
Zakani et al. Yield stress analysis of a fumed silica lubricating grease
Alexe-Ionescu et al. Effect of composition on the dielectric properties of hydrogels for biomedical applications
Amalanathan et al. Streaming electrification of different insulating fluids in power transformers
RU2491562C1 (ru) Способ контроля изоляции кабельного изделия
CN116710764A (zh) 状态诊断方法、状态诊断装置以及程序
Tamus et al. Investigation of temperature dependence of dielectric processes in thermally aged PVC insulation
Li et al. Adequacy of dual-variable Weibull failure distribution for oil-impregnated paper under pulsating DC voltage
Hoffmann et al. Stability of oil-based dispersions containing poly (tetrafluoroethylene) micropowder
Gautam et al. Rheological analysis of thermally aged natural ester fluid using Non-linear least square technique
Medina-Bañuelos et al. Rheo-PIV study of slip effects on oscillatory shear measurements of a yield-stress fluid
Chirkov et al. The effect of changing interfacial tension on electrohydrodynamic processes in two-phase immiscible liquids
Parlia et al. Ion-pair conductivity theory: mixtures of non-polar media with non-ionic surfactant
JP7364135B1 (ja) 状態診断方法、状態診断装置、およびプログラム
Held et al. Local impedance spectroscopy: a potential tool to characterize the evolution of emulsions and foams
JPWO2022071162A5 (ja)