JP2022179057A - レーザー加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】集光レンズの汚れを検知することができるレーザー加工装置を提供すること。【解決手段】レーザー加工装置は、保持された板状物100に加工用レーザービーム4を照射する発振器41と、加工用レーザービーム4を集光する集光器42と、集光器42集光器42を通して板状物100に検出用レーザービーム5を照射する光源61と、板状物100の上面101で反射された検出用レーザービーム5の反射光6に非点収差を付加する非点収差付加ユニット66と、非点収差が付加された反射光6の集光状態に応じた検出値を出力する検出素子69と、集光器42集光器42のZ軸方向の各々の位置と検出値との相対関係情報を記憶する記憶部と、所定のタイミングで新たに取得した相対関係情報と既に記憶部に記憶されている相対関係情報とを比較する比較部と、比較した相対関係情報について所定以上の差異を有しているか否かを判定する判定部と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、レーザー加工装置に関する。
半導体ウェーハをデバイスチップに分割する方法として、ウェーハに対して透過性を有する波長のレーザービームをウェーハの内部に集光点を位置付けて照射し、分割起点となる改質層を形成する方法が知られている(特許文献1参照)。
特許第3408805号公報
ところで、特許文献1のような方法でレーザー加工を行う際には、集光点をウェーハの上面近傍に位置付けるため、ウェーハの上面でアブレーションが起こってデブリが発生する場合がある。デブリが飛散して集光レンズに付着すると、集光レンズを透過するレーザービームがデブリによって遮られ、集光点に集光するレーザービームのエネルギー量が不十分となる。これにより、改質層の形成に悪影響を及ぼし、改質層に沿ってウェーハを分割することが困難になる可能性がある。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、集光レンズの汚れを検知することができるレーザー加工装置を提供することである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のレーザー加工装置は、板状物を保持する保持面を有するチャックテーブルと、該保持面に保持された板状物に対して透過性を有する波長の加工用レーザービームを照射する発振器と該加工用レーザービームを集光する集光器とを備えたレーザービーム照射ユニットと、該集光器を該保持面と直交する方向であるZ軸方向に移動させるZ軸方向移動ユニットと、該保持面に保持された板状物の上面の高さを検出する高さ位置検出ユニットと、各構成要素を制御する制御ユニットと、を含み、該高さ位置検出ユニットは、該保持面に保持された板状物に対して該集光器を通して検出用レーザービームを照射する光源と、該光源から該板状物に照射され、該板状物の上面で反射された検出用レーザービームの反射光に非点収差を付加する非点収差付加ユニットと、非点収差が付加された該反射光を受光して受光した該反射光の集光状態に応じた検出値を出力する検出素子と、を備え、該制御ユニットは、該集光器をZ軸方向に移動させながら該板状物に対して該検出用レーザービームを照射した際の該検出素子による検出値を取得する検出部と、該集光器のZ軸方向の各々の位置と該検出値との相対関係情報を記憶する記憶部と、所定のタイミングで新たに取得した該相対関係情報と既に該記憶部に記憶されている該相対関係情報とを比較する比較部と、該該比較部で比較した該相対関係情報について所定以上の差異を有しているか否かを判定して判定結果を出力する判定部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明のレーザー加工装置において、該検出用レーザービームの集光点が該板状物の上面に位置付けられた状態で得られる検出値を基準値とし、該比較部は、該検出値が基準値となる該集光器のZ軸方向の位置について、既に該記憶部に記憶されている該相対関係情報における位置と、所定のタイミングで新たに取得した該相対関係情報における位置とを比較し、該判定部は、該比較部で比較した該位置について所定以上の差異を有しているか否かを判定して判定結果を出力してもよい。
また、本発明のレーザー加工装置において、該検出用レーザービームの集光点は、該集光器の焦点と該集光器との間に位置づけられてもよい。
本発明は、集光レンズの汚れを検知することができる。
図1は、実施形態に係るレーザー加工装置の構成例を示す斜視図である。 図2は、図1に示すレーザービーム照射ユニットを含む加工点周辺の概略構成を示す模式図である。 図3は、図2に示す高さ位置検出ユニットが有する非点収差の説明図である。 図4は、図2に示す高さ位置検出ユニットの検出素子における反射光の平面形状が縦長楕円形の場合を示す説明図である。 図5は、図2に示す高さ位置検出ユニットの検出素子における反射光の平面形状が円形の場合を示す説明図である。 図6は、図2に示す高さ位置検出ユニットの検出素子における反射光の平面形状が横長楕円形の場合を示す説明図である。 図7は、集光器のZ軸方向の位置と検出素子による検出値との関係を示す説明図である。 図8は、図2に示す集光器における集光位置の別の一例を示す模式図である。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。更に、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換または変更を行うことができる。
〔実施形態〕
まず、本発明の実施形態に係るレーザー加工装置1の構成について図面に基づいて説明する。図1は、実施形態に係るレーザー加工装置1の構成例を示す斜視図である。図2は、図1に示されたレーザービーム照射ユニット40を含む加工点周辺の概略構成を示す模式図である。図3は、図2に示す高さ位置検出ユニット60が有する非点収差の説明図である。図4は、図2に示す高さ位置検出ユニット60の検出素子69における反射光6の平面形状が縦長楕円形の場合を示す説明図である。図5は、図2に示す高さ位置検出ユニット60の検出素子69における反射光6の平面形状が円形の場合を示す説明図である。図6は、図2に示す高さ位置検出ユニット60の検出素子69における反射光6の平面形状が横長楕円形の場合を示す説明図である。図7は、集光器42のZ軸方向の位置と検出素子69による検出値との関係を示す説明図である。
以下の説明において、X軸方向は、水平面における一方向である。Y軸方向は、水平面において、X軸方向に直交する方向である。Z軸方向は、X軸方向およびY軸方向に直交する方向である。実施形態のレーザー加工装置1は、加工送り方向がX軸方向であり、割り出し送り方向がY軸方向である。
レーザー加工装置1は、チャックテーブル10と、加工送りユニット20と、割り出し送りユニット30と、レーザービーム照射ユニット40と、Z軸方向移動ユニット50と、高さ位置検出ユニット60と、撮像ユニット70と、表示ユニット80と、制御ユニット90と、を備える。実施形態に係るレーザー加工装置1は、チャックテーブル10に保持された板状物100に対して、レーザービーム照射ユニット40によって加工用レーザービーム4を照射することにより、板状物100を加工する装置である。レーザー加工装置1による板状物100の加工は、例えば、板状物100に対して透過性を有する波長の加工用レーザービーム4によって板状物100の内部に改質層を形成する改質層形成加工等である。
板状物100は、例えば、シリコン(Si)、サファイア(Al)、ガリウムヒ素(GaAs)、炭化ケイ素(SiC)、またはリチウムタンタレート(LiTa)等を基板とする円板状の半導体デバイスウェーハ、光デバイスウェーハ等のウェーハである。なお、板状物100は、実施形態では円板状であるが、本発明では円板状でなくともよい。板状物100は、例えば、環状のフレーム110が貼着されかつ板状物100の外径よりも大径なテープ111が板状物100の裏面に貼着されて、フレーム110の開口内に支持された状態で搬送および加工される。
チャックテーブル10は、板状物100を保持面11で保持する。保持面11は、ポーラスセラミック等から形成された円板形状である。保持面11は、実施形態において、水平方向と平行な平面である。保持面11は、例えば、真空吸引経路を介して真空吸引源と接続している。チャックテーブル10は、保持面11上に載置された板状物100を吸引保持する。チャックテーブル10の周囲には、板状物100を支持する環状のフレーム110を挟持するクランプ部12が複数配置されている。
チャックテーブル10は、回転ユニット13によりZ軸方向と平行な軸心回りに回転される。回転ユニット13は、X軸方向移動プレート14に支持される。回転ユニット13およびチャックテーブル10は、X軸方向移動プレート14を介して、加工送りユニット20によりX軸方向に移動される。回転ユニット13およびチャックテーブル10は、X軸方向移動プレート14、加工送りユニット20およびY軸方向移動プレート15を介して、割り出し送りユニット30によりY軸方向に移動される。
加工送りユニット20は、チャックテーブル10と、レーザービーム照射ユニット40とを加工送り方向であるX軸方向に相対的に移動させるユニットである。加工送りユニット20は、実施形態において、チャックテーブル10をX軸方向に移動させる。加工送りユニット20は、実施形態において、レーザー加工装置1の装置本体2上に設置されている。
加工送りユニット20は、X軸方向移動プレート14をX軸方向に移動自在に支持する。加工送りユニット20は、実施形態において、周知のボールねじ21と、周知のパルスモータ22と、周知のガイドレール23と、を含む。ボールねじ21は、軸心回りに回転自在に設けられる。パルスモータ22は、ボールねじ21を軸心回りに回転させる。ガイドレール23は、X軸方向移動プレート14をX軸方向に移動自在に支持する。ガイドレール23は、Y軸方向移動プレート15に固定して設けられる。
割り出し送りユニット30は、チャックテーブル10と、レーザービーム照射ユニット40とを割り出し送り方向であるY軸方向に相対的に移動させるユニットである。割り出し送りユニット30は、実施形態において、チャックテーブル10をY軸方向に移動させる。割り出し送りユニット30は、実施形態において、レーザー加工装置1の装置本体2上に設置されている。
割り出し送りユニット30は、Y軸方向移動プレート15をY軸方向に移動自在に支持する。割り出し送りユニット30は、実施形態において、周知のボールねじ31と、周知のパルスモータ32と、周知のガイドレール33と、を含む。ボールねじ31は、軸心回りに回転自在に設けられる。パルスモータ32は、ボールねじ31を軸心回りに回転させる。ガイドレール33は、Y軸方向移動プレート15をY軸方向に移動自在に支持する。ガイドレール33は、装置本体2に固定して設けられる。
レーザービーム照射ユニット40は、チャックテーブル10の保持面11に保持された板状物100に対して透過性を有する波長の加工用レーザービーム4を照射するユニットである。図2に示すように、レーザービーム照射ユニット40は、発振器41と、集光器42と、を含む。
発振器41は、板状物100を加工するための所定の波長を有する加工用レーザービーム4を出射する。レーザービーム照射ユニット40が照射する加工用レーザービーム4は、板状物100に対して透過性または吸収性を有する波長である。発振器41が出射する加工用レーザービーム4は、例えば、YAGレーザービームまたはYVOレーザービームである。加工用レーザービーム4の波長は、実施形態では例えば1064nmであるが、本発明ではこれに限定されない。
集光器42は、発振器41から出射された加工用レーザービーム4を、チャックテーブル10の保持面11に保持された板状物100に集光して、板状物100に照射させる集光レンズである。集光器42は、実施形態において、ダイクロイックミラー43を透過した加工用レーザービーム4を、板状物100に集光する。
ダイクロイックミラー43は、発振器41と集光器42との間における加工用レーザービーム4の光路上に配置されている。ダイクロイックミラー43は、発振器41から出射された加工用レーザービーム4を、チャックテーブル10の保持面11側へ透過させる。また、ダイクロイックミラー43は、後述の高さ位置検出ユニット60の光源61から出射された検出用レーザービーム5を、チャックテーブル10の保持面11側へ反射させる。
図1に示すZ軸方向移動ユニット50は、図2に示す集光器42によって集光された加工用レーザービーム4の集光点を、光軸方向に移動させるユニットである。光軸方向は、チャックテーブル10の保持面11と直交する方向であるZ軸方向である。Z軸方向移動ユニット50は、チャックテーブル10と、レーザービーム照射ユニット40の少なくとも集光器42とを、Z軸方向に相対的に移動させる。Z軸方向移動ユニット50は、実施形態において、レーザー加工装置1の装置本体2から立設した立壁部3に設置されている。
Z軸方向移動ユニット50は、レーザービーム照射ユニット40のうち、少なくとも集光器42をZ軸方向に移動自在に支持する。Z軸方向移動ユニット50は、実施形態において、周知のボールねじ51と、周知のパルスモータ52と、周知のガイドレール53と、を含む。ボールねじ51は、軸心回りに回転自在に設けられる。パルスモータ52は、ボールねじ51を軸心回りに回転させる。ガイドレール53は、レーザービーム照射ユニット40をZ軸方向に移動自在に支持する。ガイドレール53は、立壁部3に固定して設けられる。
図2に示す高さ位置検出ユニット60は、板状物100の上面101のZ軸位置(高さ)を検出するユニットである。なお、Z軸位置は、実施形態において、保持面11に載置された被加工物100の所定の水平面内位置(X-Y位置)における上面の高さ(Z座標)が基準面(0μm)である。実施形態のレーザー加工装置1は、高さ位置検出ユニット60を利用して、集光器42のレンズ汚れを検出する(後述にて説明する)。高さ位置検出ユニット60は、光源61と、ビームエキスパンダ62と、ミラー63と、ビームスプリッタ64と、非点収差付加ユニット66と、検出素子69と、を含む。
光源61は、チャックテーブル10の保持面11に保持された板状物100の上面101のZ軸位置(高さ)を検出するための検出用レーザービーム5を出射する。光源61は、例えば、SLD(Super Luminescent Diode)光源を含む。光源61は、チャックテーブル10の保持面11に保持された板状物100に対して集光器42を通して検出用レーザービーム5を照射する。
検出用レーザービーム5の集光点は、実施形態において、加工用レーザービーム4の集光点と同一の位置に位置付けられる。実施形態において、光源61は、ビームエキスパンダ62と、ミラー63と、ビームスプリッタ64と、を順に通して、ダイクロイックミラー43に照射する。ダイクロイックミラー43は、検出用レーザービーム5を、集光器42側へ反射する。
ビームエキスパンダ62は、光源61から照射された検出用レーザービーム5を所定倍率の平行光に変換させる。ミラー63は、ビームエキスパンダ62で平行光に変換された検出用レーザービーム5を、ビームスプリッタ64側へ反射させる。
ビームスプリッタ64は、ミラー63で反射された検出用レーザービーム5を、ダイクロイックミラー43側へ反射させる。また、ビームスプリッタ64は、後述のとおり板状物100の上面101で反射された検出用レーザービーム5の反射光6を、非点収差付加ユニット66側へ透過させる。ビームスプリッタ64は、例えば、反射:透過の比率が1:1であり、検出用レーザービーム5をダイクロイックミラー43側に反射させて導くとともに、ダイクロイックミラー43側から入射する反射光6を透過させて非点収差付加ユニット66側へ導く。
非点収差付加ユニット66は、ビームスプリッタ64を透過した反射光6に非点収差を付加する。非点収差付加ユニット66は、凸レンズ67と、シリンドリカルレンズ68と、を含む。凸レンズ67は、ビームスプリッタ64を透過した反射光6を集光する。凸レンズ67によって集光された反射光6は、シリンドリカルレンズ68に入射する。
図3に示すように、シリンドリカルレンズ68は、円柱を軸方向に沿って半分にした略半円柱状である。シリンドリカルレンズ68は、例えば、α方向のみにレンズ効果を有し、β方向においてはレンズ効果を有しない。すなわち、板状物100の上面101で反射された検出用レーザービーム5の反射光6は、シリンドリカルレンズ68を通過する際、α方向の焦点位置とβ方向の焦点位置がずれて非点収差が発生した状態で検出素子69に入射する(図4、図5および図6参照)。
シリンドリカルレンズ68を透過した反射光6は図3、図4、図5および図6に示すように、反射光6-1、6-2、6-3の平面形状が光軸上の位置によって縦長楕円形、円形、横長楕円形の順に変化する。このため、4分割フォトダイオードからなる検出素子69で反射光6-1、6-2、6-3を受光すると、反射光6-1、6-2、6-3の平面形状に応じて、各分割領域69-1、69-2、69-3、69-4に入射する光量のバランスが変化する。
図4に示すように、反射光6-1が縦長楕円形である場合は、検出素子69における分割領域69-1および分割領域69-3の入射光量が分割領域69-2および分割領域69-4の入射光量よりも大きい。この場合、分割領域69-1および分割領域69-3の入射光量の和と、分割領域69-2および分割領域69-4の入射光量の和との差分値は、正値(0よりも大きい値)となる。差分値が正値である場合、検出用レーザービーム5の集光点は、板状物100の上面101より下方に位置する。
図5に示すように、反射光6-2が円形である場合は、検出素子69における分割領域69-1、69-2、69-3、69-4の入射光量が等しい。この場合、分割領域69-1および分割領域69-3の入射光量の和と、分割領域69-2および分割領域69-4の入射光量の和との差分値は、0となる。差分値が0である場合、検出用レーザービーム5の集光点は、板状物100の上面101に位置する。
図6に示すように、反射光6-1が横長楕円形である場合、検出素子69における分割領域69-2および分割領域69-4の入射光量が分割領域69-1および分割領域69-3の入射光量よりも大きい。この場合、分割領域69-1および分割領域69-3の入射光量の和と、分割領域69-2および分割領域69-4の入射光量の和との差分値は、負値(0よりも小さい値)となる。差分値が負値である場合、検出用レーザービーム5の集光点は、板状物100の上面101より上方に位置する。
検出素子69は、非点収差付加ユニット66によって非点収差を付加された反射光6を受光する。検出素子69は、受光した反射光6の集光状態(集光像)に応じた検出値[V]を、後述の制御ユニット90に出力する。検出値をHとし、分割領域69-1が検出した入射光量をAとし、分割領域69-2が検出した入射光量をBとし、分割領域69-3が検出した入射光量をCとし、分割領域69-4が検出した入射光量をDとした場合、検出値は、H={(A+C)-(B+D)}/(A+B+C+D)に示す式から算出される。
図1に示す撮像ユニット70は、チャックテーブル10の保持面11に保持された板状物100を撮像する。撮像ユニット70は、保持面11に保持された板状物100を撮像するCCD(Charge Coupled Device)カメラまたは赤外線カメラを含む。撮像ユニット70は、例えば、レーザービーム照射ユニット40の集光器42(図2参照)に隣接するように固定されている。撮像ユニット70は、板状物100を撮像して、板状物100とレーザービーム照射ユニット40との位置合わせを行うアライメントを遂行するための画像を得て、得た画像を制御ユニット90に出力する。
表示ユニット80は、液晶表示装置等により構成される表示部である。表示ユニット80は、例えば、加工条件の設定画面、撮像ユニット70が撮像した板状物100の状態、加工動作の状態、高さ位置検出ユニット60による検出情報等を、表示面に表示させる。表示ユニット80の表示面がタッチパネルを含む場合、表示ユニット80は、入力部を含んでもよい。入力部は、オペレータが加工内容情報を登録する等の各種操作を受付可能である。入力部は、キーボード等の外部入力装置であってもよい。表示ユニット80は、表示面に表示される情報や画像が入力部等からの操作により切り換えられる。表示ユニット80は、報知装置を含んでもよい。報知装置は、音および光の少なくとも一方を発してレーザー加工装置1のオペレータに予め定められた報知情報を報知する。報知装置は、スピーカーまたは発光装置等の外部報知装置であってもよい。
制御ユニット90は、レーザー加工装置1の上述した各構成要素をそれぞれ制御して、板状物100に対する加工動作等をレーザー加工装置1に実行させる。制御ユニット90は、加工送りユニット20、割り出し送りユニット30、レーザービーム照射ユニット40、Z軸方向移動ユニット50、高さ位置検出ユニット60、撮像ユニット70、および表示ユニット80を制御する。制御ユニット90は、演算手段としての演算処理装置と、記憶手段としての記憶装置と、通信手段としての入出力インターフェース装置と、を含むコンピュータである。演算処理装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のマイクロプロセッサを含む。記憶装置は、ROM(Read Only Memory)またはRAM(Random Access Memory)等のメモリを有する。演算処理装置は、記憶装置に格納された所定のプログラムに基づいて各種の演算を行う。演算処理装置は、演算結果に従って、入出力インターフェース装置を介して各種制御信号を上述した各構成要素に出力し、レーザー加工装置1の制御を行う。
制御ユニット90は、例えば、撮像ユニット70に板状物100を撮像させる。制御ユニット90は、例えば、撮像ユニット70によって撮像した画像の画像処理を行う。制御ユニット90は、例えば、画像処理によって板状物100の加工ラインを検出する。制御ユニット90は、例えば、加工用レーザービーム4の集光点である加工点が加工ラインに沿って移動するように加工送りユニット20を駆動させると共に、レーザービーム照射ユニット40に加工用レーザービーム4を照射させる。制御ユニット90は、高さ位置検出ユニット60による検出結果を取得する。図1に示すように、制御ユニット90は、検出部91と、記憶部92と、比較部93と、判定部94と、報知部95と、を有する。
検出部91は、検出素子69による検出値を取得する。検出部91は、例えば、Z軸方向移動ユニット50によって集光器42をZ軸方向に移動させながら、チャックテーブル10の保持面11に保持された板状物100に対して検出用レーザービーム5を照射した際の検出値を取得する。
記憶部92は、集光器42のZ軸方向の各々の位置と、集光器42が各々の位置にある場合に板状物100に対して検出用レーザービーム5を照射した際の検出値と、の相対関係情報200を記憶する(図7参照)。図7において、相対関係情報201は、集光器42にデブリ等が付着しておらず集光器42が正常に集光している状態において取得され、予め記憶されているデータである。また、図7において、相対関係情報202は、レーザー加工装置1の校正時等、所定のタイミングで新たに取得されたデータである。所定のタイミングとは、例えば、板状物100を所定の枚数加工する毎であり、要するに集光器42の清掃や交換等の後、少なくとも1枚以上の板状物100を加工した後をいう。
比較部93は、所定のタイミングで新たに取得した相対関係情報(例えば、図7の相対関係情報202)と、既に記憶部92に記憶されている相対関係情報(例えば、図7の相対関係情報201)とを比較する。集光器42にデブリ等が付着している場合、集光器42を通過する検出用レーザービーム5がデブリ等に遮られることによって、検出素子69に入射する入射光量が減少する。また、集光器42を通過する検出用レーザービーム5がデブリ等に遮られることによって、検出用レーザービーム5の集光点のZ軸方向の位置が変化する。
比較部93は、例えば、検出値が基準値210となるZ軸方向の位置[μm]について、既に記憶部92に記憶されている相対関係情報201における位置211と、所定のタイミングで新たに取得した相対関係情報202における位置212とを比較する。基準値210は、実施形態において、検出用レーザービーム5の集光点がチャックテーブル10の保持面11に保持された板状物100の上面101に位置付けられた状態で得られる検出値、すなわち、0である。
判定部94は、比較部93による比較結果を取得する。判定部94は、比較部93が比較した相対関係92-1、92-2について、所定以上の差異を有しているか否かを判定して、判定結果を出力する。判定部94は、例えば、比較部93で比較したZ軸方向の位置211、212について、所定値以上の差異を有しているか否かを判定する。すなわち、判定部94は、既に記憶部92に記憶されている相対関係情報201における位置211と、所定のタイミングで新たに取得した相対関係情報202における位置212との差異が、所定の閾値220以上であるか否かを判定する。判定部94は、Z軸方向の位置211、212の差異が所定の閾値220以上である場合、集光器42が汚れていると判断する。
報知部95は、判定部94が比較部93で比較した相対関係情報201、202について、所定値以上の差異を有していると判定した場合に警告を報知する。報知部95は、例えば、音および光の少なくともいずれかを発して、レーザー加工装置1のオペレータに予め設定された警告を報知する。報知部95は、表示ユニット80に含まれる報知装置または外部報知装置に警告を報知させてもよい。また、報知部95は、判定部94が比較部93で比較した相対関係情報201、202が所定値以上の差異を有していないと判定した場合に警告を報知することがない。
以上説明したように、実施形態に係るレーザー加工装置1は、集光器42(集光レンズ)がデブリ等によって汚染されると集光点のZ軸方向の位置が変化する現象を利用してレンズ汚れを検出する。具体的には、板状物100に対して照射した検出用レーザービーム5の反射光6に非点収差を付加し、集光状態(集光像)に応じた検出値に基づいて、集光器42が板状物100の上面101に集光点を位置付けた際のZ軸方向の位置(集光位置)を検出する。
この集光位置が、集光器42の汚染前における位置211から汚染後における位置212まで移動して、移動距離が所定の閾値220を超えた場合、集光器42が汚染されており、清掃や交換が必要であると判定することができる。これにより、集光器42の汚れを初期段階で検知することができるため、分割不良が発生する前に、集光器42の清掃や交換を実施することができ、歩留まりの向上に貢献する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。すなわち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、非点収差付加ユニット66は、シリンドリカルレンズ68の代わりにトーリックレンズ等を含んでもよい。
また、例えば、検出用レーザービーム5の集光点は、実施形態では加工用レーザービーム4の集光点と同一の位置に位置付けられるが、本発明では加工用レーザービーム4の集光点と集光器42との間に位置付けられてもよい。図8は、図2に示す集光器42における集光位置の別の一例を示す模式図である。
図8に示すように、加工用レーザービーム4は、集光器42に対して平行光で入射する。すなわち、集光器42の焦点位置は、加工用レーザービーム4の集光点4-1の位置に等しい。図8に示す一例において、検出用レーザービーム5の集光点5-1は、加工用レーザービーム4の集光点4-1の位置、すなわち集光器42の焦点と集光器42との間に位置付けられる。
このように集光点4-1、5-1の位置が異なる場合は、例えば、図2に示すビームスプリッタ64とダイクロイックミラー43との間の光路に、検出用レーザービーム5を拡径するためのレンズ等を設ければよい。検出用レーザービーム5は、レンズ等によって拡径し、集光器42に向かって徐々にスポット径が小さくなるように集光した状態で集光器42に入射する。これにより、検出用レーザービーム5の焦点位置が浅くなって、検出素子69で検出される反射光6のスポット径が小さくなるため、わずかな汚れでも焦点位置が変わりやすくなり、汚れの検知の精度を更に向上させることができる。
1 レーザー加工装置
4 加工用レーザービーム
5 検出用レーザービーム
6、6-1、6-2、6-3 反射光
10 チャックテーブル
11 保持面
40 レーザービーム照射ユニット
41 発振器
42 集光器
50 Z軸方向移動ユニット
60 高さ位置検出ユニット
61 光源
66 非点収差付加ユニット
69 検出素子
90 制御ユニット
91 検出部
92 記憶部
93 比較部
94 判定部
95 報知部
100 板状物
101 上面
200、201、202 相対関係情報
210 基準値
211、212 位置
220 閾値

Claims (3)

  1. レーザー加工装置であって、
    板状物を保持する保持面を有するチャックテーブルと、
    該保持面に保持された板状物に対して透過性を有する波長の加工用レーザービームを照射する発振器と該加工用レーザービームを集光する集光器とを備えたレーザービーム照射ユニットと、
    該集光器を該保持面と直交する方向であるZ軸方向に移動させるZ軸方向移動ユニットと、
    該保持面に保持された板状物の上面の高さを検出する高さ位置検出ユニットと、
    各構成要素を制御する制御ユニットと、
    を含み、
    該高さ位置検出ユニットは、
    該保持面に保持された板状物に対して該集光器を通して検出用レーザービームを照射する光源と、
    該光源から該板状物に照射され、該板状物の上面で反射された検出用レーザービームの反射光に非点収差を付加する非点収差付加ユニットと、
    非点収差が付加された該反射光を受光して受光した該反射光の集光状態に応じた検出値を出力する検出素子と、
    を備え、
    該制御ユニットは、
    該集光器をZ軸方向に移動させながら該板状物に対して該検出用レーザービームを照射した際の該検出素子による検出値を取得する検出部と、
    該集光器のZ軸方向の各々の位置と該検出値との相対関係情報を記憶する記憶部と、
    所定のタイミングで新たに取得した該相対関係情報と既に該記憶部に記憶されている該相対関係情報とを比較する比較部と、
    該比較部で比較した該相対関係情報について所定以上の差異を有しているか否かを判定して判定結果を出力する判定部と、
    を備えることを特徴とする、
    レーザー加工装置。
  2. 該検出用レーザービームの集光点が該板状物の上面に位置付けられた状態で得られる検出値を基準値とし、
    該比較部は、該検出値が基準値となる該集光器のZ軸方向の位置について、既に該記憶部に記憶されている該相対関係情報における位置と、所定のタイミングで新たに取得した該相対関係情報における位置とを比較し、
    該判定部は、該比較部で比較した該位置について所定以上の差異を有しているか否かを判定して判定結果を出力することを特徴とする、
    請求項1に記載のレーザー加工装置。
  3. 該検出用レーザービームの集光点は、該集光器の焦点と該集光器との間に位置づけられることを特徴とする、
    請求項1または2に記載のレーザー加工装置。
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